(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-30
(54)【発明の名称】BIER転送項目構築方法、装置、およびシステム
(51)【国際特許分類】
H04L 65/611 20220101AFI20221122BHJP
H04L 49/201 20220101ALI20221122BHJP
【FI】
H04L65/611
H04L49/201
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022519766
(86)(22)【出願日】2020-09-23
(85)【翻訳文提出日】2022-05-10
(86)【国際出願番号】 CN2020117253
(87)【国際公開番号】W WO2021063232
(87)【国際公開日】2021-04-08
(31)【優先権主張番号】201910943510.5
(32)【優先日】2019-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian, Longgang District, Shenzhen, Guangdong 518129, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133569
【氏名又は名称】野村 進
(72)【発明者】
【氏名】▲謝▼ ▲經▼▲榮▼
(72)【発明者】
【氏名】▲韋▼ 乃文
(72)【発明者】
【氏名】▲ヤン▼ ▲剛▼
(72)【発明者】
【氏名】董 甲甲
【テーマコード(参考)】
5K030
【Fターム(参考)】
5K030HB02
5K030LB05
5K030LD06
(57)【要約】
ビット・インデックス・エクスプリシット・レプリケーションBIER転送項目構築方法が提供される。該方法は、第2のネットワークデバイスによって、第1のネットワークデバイスによって送信される第1のメッセージを受信するステップであって、第1のメッセージが、第1のネットワークデバイスのホストルーティングプレフィックスと、第1のBIER情報と、第2のBIER情報とを含み、第1のBIER情報が第1のネットワークデバイスのBIFT IDを含み、第2のBIER情報が第1のエリア内の少なくとも1つのBFRのBFR IDを含み、少なくとも1つのBFRが第1のネットワークデバイスを含まず、第1のネットワークデバイスが第1のエリアと第2のエリアとに属し、第2のネットワークデバイスが第2のエリアに属し、第1のエリアと第2のエリアが異なる、ステップと、第2のネットワークデバイスによって、第1のBIER情報と、第2のBIER情報と、ホストルーティングプレフィックスとに基づいてBIER転送項目を構築するステップとを含む。本出願で提供される技術的なソリューションを使用することにより、複数エリアにわたってBIER転送項目を構築でき、これにより、複数エリアにわたってBIERパケット転送が実施される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビット・インデックス・エクスプリシット・レプリケーションBIER転送項目構築方法であって、前記方法は、
第2のネットワークデバイスによって、第1のネットワークデバイスによって送信される第1のメッセージを受信するステップであって、前記第1のメッセージが、前記第1のネットワークデバイスの第1のホストルーティングプレフィックスと、第1のBIER情報と、第2のBIER情報とを含み、前記第1のBIER情報が前記第1のネットワークデバイスのビットインデックス転送テーブル識別子BIFT IDを含み、前記第2のBIER情報が第1のエリア内の少なくとも1つのビット転送ルータBFRの識別子BFR IDを含み、前記少なくとも1つのBFRが前記第1のネットワークデバイスを含まず、前記第1のネットワークデバイスが前記第1のエリアと第2のエリアとに属し、前記第2のネットワークデバイスが前記第2のエリアに属し、前記第1のエリアと前記第2のエリアが異なる、ステップと、
前記第2のネットワークデバイスによって、前記第1のBIER情報と、前記第2のBIER情報と、前記ホストルーティングプレフィックスとに基づいてBIER転送項目を構築するステップであって、前記BIER転送項目において、前記第1のネットワークデバイスが前記第2のネットワークデバイスの次ホップBFRネイバーである、ステップとを含む、方法。
【請求項2】
前記ホストルーティングプレフィックスは第1のインターネットプロトコルIPアドレスを含み、前記第1のIPアドレスは前記第1のネットワークデバイスのIPアドレスであり、
前記第2のネットワークデバイスによって、前記第1のBIER情報と、前記第2のBIER情報と、前記ホストルーティングプレフィックスとに基づいてBIER転送項目を構築する前記ステップは、
前記第2のネットワークデバイスによって、前記少なくとも1つのBFRの前記BFR IDと、前記第1のIPアドレスと、前記第1のネットワークデバイスの前記BIFT IDとに基づいてBIFT項目を構築するステップであって、前記BIFT項目が、前記少なくとも1つのBFR IDと、前記少なくとも1つのBFR IDに対応する次ホップBFRネイバーに関する情報と、前記BFRネイバーのカプセル化情報とを含み、前記次ホップBFRネイバーに関する前記情報が前記第1のIPアドレスを含み、前記カプセル化情報が前記第1のネットワークデバイスの前記BIFT IDを含む、ステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1のメッセージはインテリアゲートウェイプロトコルIGPメッセージである、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記IGPメッセージは、中間システム間IS-ISプロトコルメッセージ、または開放最短経路転送OSPFプロトコルメッセージである、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第1のエリアと前記第2のエリアが異なることは、
前記第1のエリアが第1のIS-ISレベルを実行するエリアであり、前記第2のエリアが第2のIS-ISレベルを実行するエリアであり、前記第1のIS-ISレベルと前記第2のIS-ISレベルが異なること、または
前記第1のエリアが第1のOSPFエリアであり、前記第2のエリアが第2のOSPFエリアであり、前記第1のOSPFエリアと前記第2のOSPFエリアが異なること、または
前記第1のエリアがOSPFまたはBGPを実行するエリアであり、前記第2のエリアがIS-ISを実行するエリアであること、または
前記第1のエリアがIS-ISまたはBGPを実行するエリアであり、前記第2のエリアがOSPFを実行するエリアであること、または
前記第1のエリアが、第1のIS-ISレベルを実行し、前記第1のネットワークデバイス上で第1のIS-ISプロセスが実行されるエリアであり、前記第2のエリアが、前記第1のIS-ISレベルを実行し、前記第1のネットワークデバイス上で第2のIS-ISプロセスが実行されるエリアであり、前記第1のIS-ISプロセスと前記第2のIS-ISプロセスが異なること、または
前記第1のエリアが前記第1のネットワークデバイス上で第1のOSPFプロセスが実行される第1のOSPFエリアであり、前記第2のエリアが前記第1のネットワークデバイス上で第2のOSPFプロセスが実行される前記第1のOSPFエリアであり、前記第1のOSPFプロセスと前記第2のOSPFプロセスが異なることを含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記第1のネットワークデバイスは前記第2のネットワークデバイスの非直接的に接続されたBFRネイバーであり、前記方法は、
前記第2のネットワークデバイスによって、前記第1のIPアドレスに対応するユニキャストトンネルを決定するステップであって、前記BIFT項目が前記ユニキャストトンネルに対応するカプセル化情報を含む、ステップをさらに含む、請求項2から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記ユニキャストトンネルはマルチプロトコルラベルスイッチングMPLSトンネルであり、前記BIFT項目は前記MPLSトンネルに対応するカプセル化情報を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記ユニキャストトンネルはIPトンネルであり、前記カプセル化情報は前記第1のIPアドレスを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記第2のBIER情報は第1の指示をさらに含み、前記第1の指示は、前記第2のBIER情報が、前記少なくとも1つのBFRのものであって、且つ前記第1のエリアから前記第2のエリアにインポートされる、BIER情報であることを指示するために使用される、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
ビット・インデックス・エクスプリシット・レプリケーションBIER転送項目構築方法であって、前記方法は、
第1のネットワークデバイスによって、第2のネットワークデバイスへ第1のメッセージを送信するステップであって、前記第1のメッセージがBIER転送項目を構築することを前記第2のネットワークデバイスに指示するために使用され、前記第1のメッセージが前記第1のネットワークデバイスの第1のホストルーティングプレフィックスと、第1のBIER情報と、第2のBIER情報とを含み、前記第1のBIER情報が前記第1のネットワークデバイスのビットインデックス転送テーブル識別子BIFT IDを含み、前記第2のBIER情報が第1のエリア内の少なくとも1つのビット転送ルータBFRの識別子BFR IDを含み、前記少なくとも1つのBFRが前記第1のネットワークデバイスを含まず、前記第1のネットワークデバイスが前記第1のエリアと第2のエリアとに属し、前記第2のネットワークデバイスが前記第2のエリアに属し、前記第1のエリアと前記第2のエリアが異なる、ステップを含む、方法。
【請求項11】
前記ホストルーティングプレフィックスは第1のインターネットプロトコルIPアドレスを含み、前記第1のIPアドレスは前記第1のネットワークデバイスのIPアドレスであり、前記BIER転送項目は、前記少なくとも1つのBFR IDと、前記少なくとも1つのBFR IDに対応する次ホップBFRネイバーに関する情報と、前記BFRネイバーのカプセル化情報とを含み、前記次ホップBFRネイバーに関する前記情報は前記第1のIPアドレスを含み、前記カプセル化情報は前記第1のネットワークデバイスの前記BIFT IDを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記第1のメッセージはインテリアゲートウェイプロトコルIGPメッセージである、請求項10または11に記載の方法。
【請求項13】
前記IGPメッセージは、中間システム間IS-ISプロトコルメッセージ、または開放最短経路転送OSPFプロトコルメッセージである、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記第1のエリアと前記第2のエリアが異なることは、
前記第1のエリアが第1のIS-ISレベルを実行するエリアであり、前記第2のエリアが第2のIS-ISレベルを実行するエリアであり、前記第1のIS-ISレベルと前記第2のIS-ISレベルが異なること、または
前記第1のエリアが第1のOSPFエリアであり、前記第2のエリアが第2のOSPFエリアであり、前記第1のOSPFエリアと前記第2のOSPFエリアが異なること、または
前記第1のエリアがOSPFまたはBGPを実行するエリアであり、前記第2のエリアがIS-ISを実行するエリアであること、または
前記第1のエリアがIS-ISまたはBGPを実行するエリアであり、前記第2のエリアがOSPFを実行するエリアであること、または
前記第1のエリアが、第1のIS-ISレベルを実行し、前記第1のネットワークデバイス上で第1のIS-ISプロセスが実行されるエリアであり、前記第2のエリアが、前記第1のIS-ISレベルを実行し、前記第1のネットワークデバイス上で第2のIS-ISプロセスが実行されるエリアであり、前記第1のIS-ISプロセスと前記第2のIS-ISプロセスが異なること、または
前記第1のエリアが前記第1のネットワークデバイス上で第1のOSPFプロセスが実行される第1のOSPFエリアであり、前記第2のエリアが前記第1のネットワークデバイス上で第2のOSPFプロセスが実行される前記第1のOSPFエリアであり、前記第1のOSPFプロセスと前記第2のOSPFプロセスが異なることを含む、請求項10から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記第1のホストルーティングプレフィックスを有するIPアドレスは、前記第1のネットワークデバイスの別のルーティングプレフィックスを有するIPアドレスと重複しない、請求項10から14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記第1のネットワークデバイスは前記第2のネットワークデバイスの非直接的に接続されたBFRネイバーであり、前記BIER転送項目はユニキャストトンネルに対応するカプセル化情報をさらに含み、前記ユニキャストトンネルは前記第1のIPアドレスに対応するユニキャストトンネルである、請求項11から15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記ユニキャストトンネルはマルチプロトコルラベルスイッチングMPLSトンネルであり、前記BIER転送項目は前記MPLSトンネルに対応するカプセル化情報を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記ユニキャストトンネルはインターネットプロトコルIPトンネルであり、前記BIER転送項目は前記第1のIPアドレスを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記第2のBIER情報は第1の指示をさらに含み、前記第1の指示は、前記第2のBIER情報が、前記少なくとも1つのBFRのものであって、且つ前記第1のエリアから前記第2のエリアにインポートされる、BIER情報であることを指示するために使用される、請求項10から18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
ビット・インデックス・エクスプリシット・レプリケーションBIER転送項目構築装置であって、前記装置は、
第1のネットワークデバイスによって送信される第1のメッセージを受信するように構成された受信モジュールであって、前記第1のメッセージが、前記第1のネットワークデバイスの第1のホストルーティングプレフィックスと、第1のBIER情報と、第2のBIER情報とを含み、前記第1のBIER情報が前記第1のネットワークデバイスのビットインデックス転送テーブル識別子BIFT IDを含み、前記第2のBIER情報が第1のエリア内の少なくとも1つのビット転送ルータBFRの識別子BFR IDを含み、前記少なくとも1つのBFRが前記第1のネットワークデバイスを含まず、前記第1のネットワークデバイスが前記第1のエリアと第2のエリアとに属し、第2のネットワークデバイスが前記第2のエリアに属し、前記第1のエリアと前記第2のエリアが異なる、受信モジュールと、
前記第1のBIER情報と、前記第2のBIER情報と、前記ホストルーティングプレフィックスとに基づいてBIER転送項目を構築するように構成された構築モジュールであって、前記BIER転送項目において、前記第1のネットワークデバイスが前記第2のネットワークデバイスの次ホップBFRネイバーである、構築モジュールとを含む、装置。
【請求項21】
前記ホストルーティングプレフィックスは第1のインターネットプロトコルIPアドレスを含み、前記第1のIPアドレスは前記第1のネットワークデバイスのIPアドレスであり、
前記構築モジュールは、具体的には、前記第1のエリア内の前記少なくとも1つのBFRの前記BFR IDと、前記第1のIPアドレスと、前記第1のネットワークデバイスの前記BIFT IDとに基づいてBIFT項目を構築し、前記BIFT項目が、前記少なくとも1つのBFR IDと、前記少なくとも1つのBFR IDに対応する次ホップBFRネイバーに関する情報と、前記BFRネイバーのカプセル化情報とを含み、前記次ホップBFRネイバーに関する前記情報が前記第1のIPアドレスを含み、前記カプセル化情報が前記第1のネットワークデバイスの前記BIFT IDを含む、ように構成される、請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記第1のメッセージはインテリアゲートウェイプロトコルIGPメッセージである、請求項20または21に記載の装置。
【請求項23】
前記IGPメッセージは、中間システム間IS-ISプロトコルメッセージ、または開放最短経路転送OSPFプロトコルメッセージである、請求項22に記載の装置。
【請求項24】
前記第1のエリアと前記第2のエリアが異なることは、
前記第1のエリアが第1のIS-ISレベルを実行するエリアであり、前記第2のエリアが第2のIS-ISレベルを実行するエリアであり、前記第1のIS-ISレベルと前記第2のIS-ISレベルが異なること、または
前記第1のエリアが第1のOSPFエリアであり、前記第2のエリアが第2のOSPFエリアであり、前記第1のOSPFエリアと前記第2のOSPFエリアが異なること、または
前記第1のエリアがOSPFまたはBGPを実行するエリアであり、前記第2のエリアがIS-ISを実行するエリアであること、または
前記第1のエリアがIS-ISまたはBGPを実行するエリアであり、前記第2のエリアがOSPFを実行するエリアであること、または
前記第1のエリアが、第1のIS-ISレベルを実行し、前記第1のネットワークデバイス上で第1のIS-ISプロセスが実行されるエリアであり、前記第2のエリアが、前記第1のIS-ISレベルを実行し、前記第1のネットワークデバイス上で第2のIS-ISプロセスが実行されるエリアであり、前記第1のIS-ISプロセスと前記第2のIS-ISプロセスが異なること、または
前記第1のエリアが前記第1のネットワークデバイス上で第1のOSPFプロセスが実行される第1のOSPFエリアであり、前記第2のエリアが前記第1のネットワークデバイス上で第2のOSPFプロセスが実行される前記第1のOSPFエリアであり、前記第1のOSPFプロセスと前記第2のOSPFプロセスが異なることを含む、請求項20から23のいずれか一項に記載の装置。
【請求項25】
前記第1のネットワークデバイスは前記第2のネットワークデバイスの非直接的に接続されたBFRネイバーであり、前記装置は、
前記第1のIPアドレスに対応するユニキャストトンネルを決定するように構成された決定モジュールであって、前記BIFT項目が前記ユニキャストトンネルに対応するカプセル化情報を含む、決定モジュールをさらに含む、請求項21から24のいずれか一項に記載の装置。
【請求項26】
前記ユニキャストトンネルはマルチプロトコルラベルスイッチングMPLSトンネルであり、前記BIFT項目は前記MPLSトンネルに対応するカプセル化情報を含む、請求項25に記載の装置。
【請求項27】
前記ユニキャストトンネルはインターネットプロトコルIPトンネルであり、前記カプセル化情報は前記第1のIPアドレスを含む、請求項25に記載の装置。
【請求項28】
前記第2のBIER情報は第1の指示をさらに含み、前記第1の指示は、前記第2のBIER情報が、前記少なくとも1つのBFRのものであって、且つ前記第1のエリアから前記第2のエリアにインポートされる、BIER情報であることを指示するために使用される、請求項20から27のいずれか一項に記載の装置。
【請求項29】
ビット・インデックス・エクスプリシット・レプリケーションBIER転送項目構築装置であって、前記装置は、
第2のネットワークデバイスへ第1のメッセージを送信するように構成された送信モジュールであって、前記第1のメッセージがBIER転送項目を構築することを前記第2のネットワークデバイスに指示するために使用され、前記第1のメッセージが第1のネットワークデバイスの第1のホストルーティングプレフィックスと、第1のBIER情報と、第2のBIER情報とを含み、前記第1のBIER情報が前記第1のネットワークデバイスのビットインデックス転送テーブル識別子BIFT IDを含み、前記第2のBIER情報が第1のエリア内の少なくとも1つのビット転送ルータBFRの識別子BFR IDを含み、前記少なくとも1つのBFRが前記第1のネットワークデバイスを含まず、前記第1のネットワークデバイスが前記第1のエリアと第2のエリアとに属し、前記第2のネットワークデバイスが前記第2のエリアに属し、前記第1のエリアと前記第2のエリアが異なる、送信モジュールを含む、装置。
【請求項30】
前記ホストルーティングプレフィックスは第1のインターネットプロトコルIPアドレスを含み、前記第1のIPアドレスは前記第1のネットワークデバイスのIPアドレスであり、前記BIER転送項目は、前記少なくとも1つのBFR IDと、前記少なくとも1つのBFR IDに対応する次ホップBFRネイバーに関する情報と、前記BFRネイバーのカプセル化情報とを含み、前記次ホップBFRネイバーに関する前記情報は前記第1のIPアドレスを含み、前記カプセル化情報は前記第1のネットワークデバイスの前記BIFT IDを含む、請求項29に記載の装置。
【請求項31】
前記第1のメッセージはインテリアゲートウェイプロトコルIGPメッセージである、請求項29または30に記載の装置。
【請求項32】
前記IGPメッセージは、中間システム間IS-ISプロトコルメッセージ、または開放最短経路転送OSPFプロトコルメッセージである、請求項31に記載の装置。
【請求項33】
前記第1のエリアと前記第2のエリアが異なることは、
前記第1のエリアが第1のIS-ISレベルを実行するエリアであり、前記第2のエリアが第2のIS-ISレベルを実行するエリアであり、前記第1のIS-ISレベルと前記第2のIS-ISレベルが異なること、または
前記第1のエリアが第1のOSPFエリアであり、前記第2のエリアが第2のOSPFエリアであり、前記第1のOSPFエリアと前記第2のOSPFエリアが異なること、または
前記第1のエリアがOSPFまたはBGPを実行するエリアであり、前記第2のエリアがIS-ISを実行するエリアであること、または
前記第1のエリアがIS-ISまたはBGPを実行するエリアであり、前記第2のエリアがOSPFを実行するエリアであること、または
前記第1のエリアが、第1のIS-ISレベルを実行し、前記第1のネットワークデバイス上で第1のIS-ISプロセスが実行されるエリアであり、前記第2のエリアが、前記第1のIS-ISレベルを実行し、前記第1のネットワークデバイス上で第2のIS-ISプロセスが実行されるエリアであり、前記第1のIS-ISプロセスと前記第2のIS-ISプロセスが異なること、または
前記第1のエリアが前記第1のネットワークデバイス上で第1のOSPFプロセスが実行される第1のOSPFエリアであり、前記第2のエリアが前記第1のネットワークデバイス上で第2のOSPFプロセスが実行される前記第1のOSPFエリアであり、前記第1のOSPFプロセスと前記第2のOSPFプロセスが異なることを含む、請求項29から32のいずれか一項に記載の装置。
【請求項34】
前記第1のホストルーティングプレフィックスを有するIPアドレスは、前記第1のネットワークデバイスの別のルーティングプレフィックスを有するIPアドレスと重複しない、請求項29から33のいずれか一項に記載の装置。
【請求項35】
前記第1のネットワークデバイスは前記第2のネットワークデバイスの非直接的に接続されたBFRネイバーであり、前記BIER転送項目はユニキャストトンネルに対応するカプセル化情報をさらに含み、前記ユニキャストトンネルは前記第1のIPアドレスに対応するユニキャストトンネルである、請求項30から34のいずれか一項に記載の装置。
【請求項36】
前記ユニキャストトンネルはマルチプロトコルラベルスイッチングMPLSトンネルであり、前記BIER転送項目は前記MPLSトンネルに対応するカプセル化情報を含む、請求項35に記載の装置。
【請求項37】
前記ユニキャストトンネルはIPトンネルであり、前記BIER転送項目は前記第1のIPアドレスを含む、請求項35に記載の装置。
【請求項38】
前記第2のBIER情報は第1の指示をさらに含み、前記第1の指示は、前記第2のBIER情報が、前記少なくとも1つのBFRのものであって、且つ前記第1のエリアから前記第2のエリアにインポートされる、BIER情報であることを指示するために使用される、請求項29から37のいずれか一項に記載の装置。
【請求項39】
プロセッサとメモリとを含む、第2のネットワークデバイスであって、前記メモリは、プログラムを保管するように構成され、前記プロセッサは、請求項10から19のいずれか一項に記載の方法を遂行するために、前記メモリから前記プログラムを呼び出し、且つ前記プログラムを実行するように構成される、第2のネットワークデバイス。
【請求項40】
プロセッサとメモリとを含む、第1のネットワークデバイスであって、前記メモリは、プログラムを保管するように構成され、前記プロセッサは、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法を遂行するために、前記メモリから前記プログラムを呼び出し、且つ前記プログラムを実行するように構成される、第1のネットワークデバイス。
【請求項41】
コンピュータプログラムを含むコンピュータ可読記憶媒体であって、前記コンピュータプログラムがコンピュータ上で実行されると、前記コンピュータは請求項1から9のいずれか一項に記載の方法を遂行することが可能になる、コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項42】
コンピュータプログラムを含むコンピュータ可読記憶媒体であって、前記コンピュータプログラムがコンピュータ上で実行されると、前記コンピュータは請求項10から19のいずれか一項に記載の方法を遂行することが可能になる、コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項43】
ビット・インデックス・エクスプリシット・レプリケーションBIER転送項目構築システムであって、前記システムは第1のネットワークデバイスと第2のネットワークデバイスとを含み、前記第1のネットワークデバイスは、請求項20から28のいずれか一項に記載の装置、または請求項40に記載の第1のネットワークデバイスであり、前記第2のネットワークデバイスは、請求項29から38のいずれか一項に記載の装置、または請求項39に記載の第2のネットワークデバイスである、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2019年9月30日に中国国家知識産権局に提出された「BIER転送項目構築方法、装置、およびシステム」と題する中国特許出願第201910943510.5号の優先権を主張するものであり、同中国特許出願は参照によりその全体が本書に組み入れられる。
【0002】
本出願はネットワーク通信分野に関し、より具体的には、BIER転送項目構築方法、装置、およびシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
インターネットプロトコル(internet protocol、IP)マルチキャスト技術は、IPネットワーク上で非常に高効率なポイント・ツー・マルチポイント・データ伝送を実現し、それによりネットワーク帯域幅を効果的に節約し、ネットワーク負荷を軽減する。このため、マルチキャストデータ転送経路を構築するための新しい技術が業界で提案されており、ビット・インデックス・エクスプリシット・レプリケーション(bit indexed explicit replication、BIER)技術と呼ばれている。この技術は、マルチキャスト・ディストリビューション・ツリーを構築する必要のない新しいマルチキャスト技術アーキテクチャを提案する。BIER技術をサポートするビット転送ルータ(Bit-forwarding router、BFR)はBIER情報をフラッディングし、BIER転送テーブルを構築することができる。BIER転送テーブルは、BIERドメインでBIERパケットを転送するにあたってBIERドメイン内のBFRを案内するために使用される。BIER技術の幅広い応用にともない、異なるエリア間でBIERパケットをどのように転送するかが、緊急に解決する必要のある問題となっている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本出願は、複数エリアにわたってBIER転送項目構築を実施し、これにより、複数エリアにわたってBIERパケット転送を実施するために、BIER転送項目構築方法および装置を提供する。
【0005】
第1の態様によると、ビット・インデックス・エクスプリシット・レプリケーションBIER転送項目構築方法が提供される。該方法は、第2のネットワークデバイスが第1のネットワークデバイスによって送信される第1のメッセージを受信するステップを含む。第1のメッセージは、第1のネットワークデバイスの第1のホストルーティングプレフィックスと、第1のBIER情報と、第2のBIER情報とを含む。第2のネットワークデバイスは、第1のBIER情報と、第2のBIER情報と、ホストルーティングプレフィックスとに基づいてBIER転送項目を構築できる。BIER転送項目において、第1のネットワークデバイスは第2のネットワークデバイスの次ホップBFRネイバーである。
【0006】
本出願において、第1のBIER情報が第1のネットワークデバイスのビットインデックス転送テーブル識別子BIFT IDを含み、第2のBIER情報が第1のエリア内の少なくとも1つのビット転送ルータBFRの識別子BFR IDを含むことを理解されたい。少なくとも1つのBFRは第1のネットワークデバイスを含まない。第1のネットワークデバイスは第1のエリアと第2のエリアとに属し、第2のネットワークデバイスは第2のエリアに属し、第1のエリアと第2のエリアは異なる。
【0007】
前述の技術的なソリューションでは、第1のエリア内の第1のネットワークデバイスのホストルーティングプレフィックスと、第1のBIER情報と、第2のBIER情報とに基づいて、第2のエリア内のネットワークデバイスから第1のエリアへのビットインデックス転送テーブル(bit index forwarding table、BIFT)を構築でき、これにより、第2のエリア内のBIERパケットが第1のエリアへ送信され、BIERパケットのクロスエリア転送が実現する。
【0008】
可能な一実装において、ホストルーティングプレフィックスは第1のインターネットプロトコルIPアドレスを含み、第1のIPアドレスは第1のネットワークデバイスのIPアドレスである。第2のネットワークデバイスは、第1のエリア内の少なくとも1つのBFRのBFR IDと、第1のIPアドレスと、第1のネットワークデバイスのBIFT IDとに基づいてBIFT項目を構築する。BIFT項目は、少なくとも1つのBFR IDと、少なくとも1つのBFR IDに対応する次ホップBFRネイバーに関する情報と、BFRネイバーのカプセル化情報とを含む。次ホップBFRネイバーに関する情報は第1のIPアドレスを含み、カプセル化情報は第1のネットワークデバイスのBIFT IDを含む。
【0009】
別の可能な一実装において、第1のメッセージはインテリアゲートウェイプロトコルIGPメッセージである。
【0010】
別の可能な一実装において、IGPメッセージは、中間システム間IS-ISプロトコルメッセージ、または開放最短経路転送OSPFプロトコルメッセージである。
【0011】
別の可能な一実装において、第1のエリアと第2のエリアが異なることは、
第1のエリアが第1のIS-ISレベルを実行するエリアであり、第2のエリアが第2のIS-ISレベルを実行するエリアであり、第1のIS-ISレベルと第2のIS-ISレベルが異なること、または
第1のエリアが第1のOSPFエリアであり、第2のエリアが第2のOSPFエリアであり、第1のOSPFエリアと第2のOSPFエリアが異なること、または
第1のエリアがOSPFまたはBGPを実行するエリアであり、第2のエリアがIS-ISを実行するエリアであること、または
第1のエリアがIS-ISまたはBGPを実行するエリアであり、第2のエリアがOSPFを実行するエリアであること、または
第1のエリアが第1のIS-ISレベルを実行するエリアであり、第1のIS-ISプロセスが第1のネットワークデバイス上で実行され、第2のエリアが第1のIS-ISレベルを実行するエリアであり、第2のIS-ISプロセスが第1のネットワークデバイス上で実行され、第1のIS-ISプロセスと第2のIS-ISプロセスが異なること、または
第1のエリアが第1のOSPFエリアであり第1のネットワークデバイス上で第1のOSPFプロセスが実行され、第2のエリアが第1のOSPFエリアであり第1のネットワークデバイス上で第2のOSPFプロセスが実行され、第1のOSPFプロセスと第2のOSPFプロセスが異なることを含む。
【0012】
別の可能な一実装において、第1のネットワークデバイスは第2のネットワークデバイスの非直接的に接続されたBFRネイバーである。該方法は、第2のネットワークデバイスが第1のIPアドレスに対応するユニキャストトンネルを決定するステップであって、BIFT項目がユニキャストトンネルに対応するカプセル化情報を含む、ステップをさらに含む。
【0013】
別の可能な一実装において、ユニキャストトンネルはマルチプロトコルラベルスイッチングMPLSトンネルであり、BIFT項目はMPLSトンネルに対応するカプセル化情報を含む。
【0014】
別の可能な一実装において、ユニキャストトンネルはインターネットプロトコルIPトンネルであり、カプセル化情報は第1のIPアドレスを含む。
【0015】
別の可能な一実装において、第2のBIER情報は第1の指示をさらに含み、第1の指示は、第2のBIER情報が、少なくとも1つのBFRのものであって、且つ第1のエリアから第2のエリアにインポートされる、BIER情報であることを指示するために使用される。
【0016】
第2の態様によると、BIER転送項目構築方法が提供される。該方法は、第1のネットワークデバイスが第2のネットワークデバイスへ第1のメッセージを送信するステップを含む。第1のメッセージは、ビット・インデックス・エクスプリシット・レプリケーションBIER転送項目を構築することを第2のネットワークデバイスに指示するために使用される。第1のネットワークデバイスはさらに、第2のネットワークデバイスによって送信されるBIERパケットを受信できる。
【0017】
本出願において、第1のメッセージが、第1のネットワークデバイスの第1のホストルーティングプレフィックスと、第1のBIER情報と、第2のBIER情報とを含むことを理解されたい。第1のBIER情報は、第1のネットワークデバイスのビットインデックス転送テーブル識別子BIFT IDを含む。第2のBIER情報は、第1のエリア内の少なくとも1つのビット転送ルータBFRの識別子BFR IDを含む。少なくとも1つのBFRは第1のネットワークデバイスを含まない。第1のネットワークデバイスは第1のエリアと第2のエリアとに属し、第2のネットワークデバイスは第2のエリアに属し、第1のエリアと第2のエリアは異なる。
【0018】
別の可能な一実装において、ホストルーティングプレフィックスは第1のインターネットプロトコルIPアドレスを含み、第1のIPアドレスは第1のネットワークデバイスのIPアドレスである。BIER転送項目は、少なくとも1つのBFR IDと、少なくとも1つのBFR IDに対応する次ホップBFRネイバーに関する情報と、BFRネイバーのカプセル化情報とを含む。次ホップBFRネイバーに関する情報は第1のIPアドレスを含み、カプセル化情報は第1のネットワークデバイスのBIFT IDを含む。
【0019】
別の可能な一実装において、第1のメッセージはインテリアゲートウェイプロトコルIGPメッセージである。
【0020】
別の可能な一実装において、IGPメッセージは、中間システム間IS-ISプロトコルメッセージ、または開放最短経路転送OSPFプロトコルメッセージである。
【0021】
別の可能な一実装において、第1のエリアと第2のエリアが異なることは、
第1のエリアが第1のIS-ISレベルを実行するエリアであり、第2のエリアが第2のIS-ISレベルを実行するエリアであり、第1のIS-ISレベルと第2のIS-ISレベルが異なること、または
第1のエリアが第1のOSPFエリアであり、第2のエリアが第2のOSPFエリアであり、第1のOSPFエリアと第2のOSPFエリアが異なること、または
第1のエリアがOSPFまたはBGPを実行するエリアであり、第2のエリアがIS-ISを実行するエリアであること、または
第1のエリアがIS-ISまたはBGPを実行するエリアであり、第2のエリアがOSPFを実行するエリアであること、または
第1のエリアが、第1のIS-ISレベルを実行し、第1のネットワークデバイス上で第1のIS-ISプロセスが実行されるエリアであり、第2のエリアが、第1のIS-ISレベルを実行し、第1のネットワークデバイス上で第2のIS-ISプロセスが実行されるエリアであり、第1のIS-ISプロセスと第2のIS-ISプロセスが異なること、または
第1のエリアが第1のネットワークデバイス上で第1のOSPFプロセスが実行される第1のOSPFエリアであり、第2のエリアが第1のネットワークデバイス上で第2のOSPFプロセスが実行される第1のOSPFエリアであり、第1のOSPFプロセスと第2のOSPFプロセスが異なることを含む。
【0022】
別の可能な一実装において、第1のホストルーティングプレフィックスを有するIPアドレスは、第1のネットワークデバイスの別のルーティングプレフィックスを有するIPアドレスと重複しない。
【0023】
別の可能な一実装において、第1のネットワークデバイスは第2のネットワークデバイスの非直接的に接続されたBFRネイバーである。BIER転送項目はユニキャストトンネルに対応するカプセル化情報をさらに含み、ユニキャストトンネルは第1のIPアドレスに対応するユニキャストトンネルである。
【0024】
別の可能な一実装において、ユニキャストトンネルはマルチプロトコルラベルスイッチングMPLSトンネルであり、BIER転送項目はMPLSトンネルに対応するカプセル化情報を含む。
【0025】
別の可能な一実装において、ユニキャストトンネルはインターネットプロトコルIPトンネルであり、BIER転送項目は第1のIPアドレスを含む。
【0026】
別の可能な一実装において、第2のBIER情報は第1の指示をさらに含み、第1の指示は、第2のBIER情報が、少なくとも1つのBFRのものであって、且つ第1のエリアから第2のエリアにインポートされる、BIER情報であることを指示するために使用される。
【0027】
第3の態様によると、BIER転送項目装置が提供され、該装置は受信モジュールと構築モジュールとを含む。
【0028】
受信モジュールは、第1のネットワークデバイスによって送信される第1のメッセージを受信するように構成される。第1のメッセージは、第1のネットワークデバイスの第1のホストルーティングプレフィックスと、第1のBIER情報と、第2のBIER情報とを含む。
【0029】
構築モジュールは、第1のBIER情報と、第2のBIER情報と、ホストルーティングプレフィックスとに基づいてBIER転送項目を構築するように構成される。BIER転送項目において、第1のネットワークデバイスは第2のネットワークデバイスの次ホップBFRネイバーである。
【0030】
本出願において、第1のBIER情報が第1のネットワークデバイスのビットインデックス転送テーブル識別子BIFT IDを含み、第2のBIER情報が第1のエリア内の少なくとも1つのビット転送ルータBFRの識別子BFR IDを含むことを理解されたい。少なくとも1つのBFRは第1のネットワークデバイスを含まない。第1のネットワークデバイスは第1のエリアと第2のエリアとに属し、第2のネットワークデバイスは第2のエリアに属し、第1のエリアと第2のエリアは異なる。
【0031】
可能な一実装において、ホストルーティングプレフィックスは第1のインターネットプロトコルIPアドレスを含み、第1のIPアドレスは第1のネットワークデバイスのIPアドレスである。
【0032】
構築モジュールは、具体的には、第1のエリア内の少なくとも1つのBFRのBFR IDと、第1のIPアドレスと、第1のネットワークデバイスのBIFT IDとに基づいてBIFT項目を構築するように構成される。BIFT項目は、少なくとも1つのBFR IDと、少なくとも1つのBFR IDに対応する次ホップBFRネイバーに関する情報と、BFRネイバーのカプセル化情報とを含む。次ホップBFRネイバーに関する情報は第1のIPアドレスを含み、カプセル化情報は第1のネットワークデバイスのBIFT IDを含む。
【0033】
別の可能な一実装において、第1のメッセージはインテリアゲートウェイプロトコルIGPメッセージである。
【0034】
別の可能な一実装において、IGPメッセージは、中間システム間IS-ISプロトコルメッセージ、または開放最短経路転送OSPFプロトコルメッセージである。
【0035】
別の可能な一実装において、第1のエリアと第2のエリアが異なることは、
第1のエリアが第1のIS-ISレベルを実行するエリアであり、第2のエリアが第2のIS-ISレベルを実行するエリアであり、第1のIS-ISレベルと第2のIS-ISレベルが異なること、または
第1のエリアが第1のOSPFエリアであり、第2のエリアが第2のOSPFエリアであり、第1のOSPFエリアと第2のOSPFエリアが異なること、または
第1のエリアがOSPFまたはBGPを実行するエリアであり、第2のエリアがIS-ISを実行するエリアであること、または
第1のエリアがIS-ISまたはBGPを実行するエリアであり、第2のエリアがOSPFを実行するエリアであること、または
第1のエリアが、第1のIS-ISレベルを実行し、第1のネットワークデバイス上で第1のIS-ISプロセスが実行されるエリアであり、第2のエリアが、第1のIS-ISレベルを実行し、第1のネットワークデバイス上で第2のIS-ISプロセスが実行されるエリアであり、第1のIS-ISプロセスと第2のIS-ISプロセスが異なること、または
第1のエリアが第1のネットワークデバイス上で第1のOSPFプロセスが実行される第1のOSPFエリアであり、第2のエリアが第1のネットワークデバイス上で第2のOSPFプロセスが実行される第1のOSPFエリアであり、第1のOSPFプロセスと第2のOSPFプロセスが異なることを含む。
【0036】
別の可能な一実装において、第1のネットワークデバイスは第2のネットワークデバイスの非直接的に接続されたBFRネイバーである。該装置は、
第1のIPアドレスに対応するユニキャストトンネルを決定するように構成された決定モジュールであって、BIFT項目がユニキャストトンネルに対応するカプセル化情報を含む、決定モジュールをさらに含む。
【0037】
別の可能な一実装において、ユニキャストトンネルはマルチプロトコルラベルスイッチングMPLSトンネルであり、BIFT項目はMPLSトンネルに対応するカプセル化情報を含む。
【0038】
別の可能な一実装において、ユニキャストトンネルはインターネットプロトコルIPトンネルであり、カプセル化情報は第1のIPアドレスを含む。
【0039】
別の可能な一実装において、第2のBIER情報は第1の指示をさらに含み、第1の指示は、第2のBIER情報が、少なくとも1つのBFRのものであって、且つ第1のエリアから第2のエリアにインポートされる、BIER情報であることを指示するために使用される。
【0040】
第4の態様によると、ビット・インデックス・エクスプリシット・レプリケーションBIER転送項目構築装置が提供される。該装置は送信モジュールと受信モジュールとを含む。
【0041】
送信モジュールは、第2のネットワークデバイスへ第1のメッセージを送信するように構成される。第1のメッセージは、ビット・インデックス・エクスプリシット・レプリケーションBIER転送項目を構築することを第2のネットワークデバイスに指示するために使用される。
【0042】
受信モジュールは、第2のネットワークデバイスによって送信されるBIERパケットを受信するように構成される。
【0043】
本出願において、第1のBIER情報が第1のネットワークデバイスのビットインデックス転送テーブル識別子BIFT IDを含み、第2のBIER情報が第1のエリア内の少なくとも1つのビット転送ルータBFRの識別子BFR IDを含むことを理解されたい。少なくとも1つのBFRは第1のネットワークデバイスを含まない。第1のネットワークデバイスは第1のエリアと第2のエリアとに属し、第2のネットワークデバイスは第2のエリアに属し、第1のエリアと第2のエリアは異なる。
【0044】
可能な一実装において、ホストルーティングプレフィックスは第1のインターネットプロトコルIPアドレスを含み、第1のIPアドレスは第1のネットワークデバイスのIPアドレスである。BIER転送項目は、少なくとも1つのBFR IDと、少なくとも1つのBFR IDに対応する次ホップBFRネイバーに関する情報と、BFRネイバーのカプセル化情報とを含む。次ホップBFRネイバーに関する情報は第1のIPアドレスを含み、カプセル化情報は第1のネットワークデバイスのBIFT IDを含む。
【0045】
別の可能な一実装において、第1のメッセージはインテリアゲートウェイプロトコルIGPメッセージである。
【0046】
別の可能な一実装において、IGPメッセージは、中間システム間IS-ISプロトコルメッセージ、または開放最短経路転送OSPFプロトコルメッセージである。
【0047】
別の可能な一実装において、第1のエリアと第2のエリアが異なることは、
第1のエリアが第1のIS-ISレベルを実行するエリアであり、第2のエリアが第2のIS-ISレベルを実行するエリアであり、第1のIS-ISレベルと第2のIS-ISレベルが異なること、または
第1のエリアが第1のOSPFエリアであり、第2のエリアが第2のOSPFエリアであり、第1のOSPFエリアと第2のOSPFエリアが異なること、または
第1のエリアがOSPFまたはBGPを実行するエリアであり、第2のエリアがIS-ISを実行するエリアであること、または
第1のエリアがIS-ISまたはBGPを実行するエリアであり、第2のエリアがOSPFを実行するエリアであること、または
第1のエリアが、第1のIS-ISレベルを実行し、第1のネットワークデバイス上で第1のIS-ISプロセスが実行されるエリアであり、第2のエリアが、第1のIS-ISレベルを実行し、第1のネットワークデバイス上で第2のIS-ISプロセスが実行されるエリアであり、第1のIS-ISプロセスと第2のIS-ISプロセスが異なること、または
第1のエリアが第1のネットワークデバイス上で第1のOSPFプロセスが実行される第1のOSPFエリアであり、第2のエリアが第1のネットワークデバイス上で第2のOSPFプロセスが実行される第1のOSPFエリアであり、第1のOSPFプロセスと第2のOSPFプロセスが異なることを含む。
【0048】
別の可能な一実装において、第1のホストルーティングプレフィックスを有するIPアドレスは、第1のネットワークデバイスの別のルーティングプレフィックスを有するIPアドレスと重複しない。
【0049】
別の可能な一実装において、第1のネットワークデバイスは第2のネットワークデバイスの非直接的に接続されたBFRネイバーである。BIER転送項目はユニキャストトンネルに対応するカプセル化情報をさらに含み、ユニキャストトンネルは第1のIPアドレスに対応するユニキャストトンネルである。
【0050】
別の可能な一実装において、ユニキャストトンネルはマルチプロトコルラベルスイッチングMPLSトンネルであり、BIER転送項目はMPLSトンネルに対応するカプセル化情報を含む。
【0051】
別の可能な一実装において、ユニキャストトンネルはインターネットプロトコルIPトンネルであり、BIER転送項目は第1のIPアドレスを含む。
【0052】
別の可能な一実装において、第2のBIER情報は第1の指示をさらに含み、第1の指示は、第2のBIER情報が、少なくとも1つのBFRのものであって、且つ第1のエリアから第2のエリアにインポートされる、BIER情報であることを指示するために使用される。
【0053】
第5の態様によると、プロセッサとメモリとを含む、第2のネットワークデバイスが提供される。メモリは、コンピュータプログラムを保管するように構成され、プロセッサは、第2のネットワークデバイスが第1の態様または第1の態様の可能な実装のいずれか1つに記載の方法を遂行することを可能にするために、メモリからコンピュータプログラムを呼び出し、且つコンピュータプログラムを実行するように構成される。
【0054】
任意に選べることとして、プロセッサは汎用プロセッサであってよく、ハードウェアまたはソフトウェアを使用して実装されてよい。プロセッサがハードウェアを使用して実装される場合、プロセッサは論理回路、集積回路などであってよい。プロセッサがソフトウェアを使用して実装される場合、プロセッサは汎用プロセッサであってよく、メモリに保管されたソフトウェアコードを読み取ることによって実行される。メモリはプロセッサに統合されてよく、またはプロセッサの外部に配置されて独立して存在してもよい。
【0055】
第6の態様によると、プロセッサとメモリとを含む、第1のネットワークデバイスが提供される。メモリは、コンピュータプログラムを保管するように構成され、プロセッサは、第1のネットワークデバイスが第2の態様または第2の態様の可能な実装のいずれか1つに記載の方法を遂行することを可能にするために、メモリからコンピュータプログラムを呼び出し、且つコンピュータプログラムを実行するように構成される。
【0056】
任意に選べることとして、プロセッサは汎用プロセッサであってよく、ハードウェアまたはソフトウェアを使用して実装されてよい。プロセッサがハードウェアを使用して実装される場合、プロセッサは論理回路、集積回路などであってよい。プロセッサがソフトウェアを使用して実装される場合、プロセッサは汎用プロセッサであってよく、メモリに保管されたソフトウェアコードを読み取ることによって実行される。メモリはプロセッサに統合されてよく、またはプロセッサの外部に配置されて独立して存在してもよい。
【0057】
第7の態様によると、コンピュータプログラム製品が提供される。該コンピュータプログラム製品はコンピュータプログラムおよび/またはコードを含む。コンピュータプログラムおよび/またはコードがコンピュータ上で実行されると、コンピュータは、第1の態様または第1の態様の可能な実装のいずれか1つに記載の方法を遂行することが可能になる。
【0058】
第8の態様によると、コンピュータ可読媒体が提供される。該コンピュータ可読媒体はプログラムおよび/またはコードを保管する。プログラムおよび/またはコードがコンピュータ上で実行されると、コンピュータは、第2の態様または第2の態様の可能な実装のいずれか1つに記載の方法を遂行することが可能になる。
【0059】
第9の態様によると、BIER転送項目構築システムが提供される。該システムは、第3の態様または第3の態様の可能な実装のいずれか1つに記載の装置と、第4の態様または第4の態様の可能な実装のいずれか1つに記載の装置とを含む。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【
図1】本出願の一実施形態によるBIER技術の概略ネットワーク図である。
【
図2】本出願の一実施形態によるBIERヘッダ形式の概略図である。
【
図3】本出願の一実施形態によるBIFT項目構築の概略図である。
【
図4】本出願の一実施形態により、BIERドメインでBIERヘッダに基づいてBIERパケットを送信する概略ブロック図である。
【
図5】本出願の一実施形態に適用可能なマルチエリアシナリオの概略図である。
【
図6】本出願の一実施形態によるBIER転送項目構築方法の概略フローチャートである。
【
図7】本出願の一実施形態によるBIER転送項目構築のためのネットワークアーキテクチャである。
【
図8】本出願の一実施形態によるクロスエリアBIERパケット転送方法の概略フローチャートである。
【
図9】本出願の一実施形態によるTLV形式の概略ブロック図である。
【
図10】本出願の一実施形態によるsub-TLVの概略ブロック図である。
【
図11】本出願の一実施形態によるsub-sub-TLVの概略ブロック図である。
【
図12】本出願の一実施形態による別のsub-sub-TLVの概略ブロック図である。
【
図13】本出願の一実施形態による別のクロスエリアBIERパケット転送方法の概略フローチャートである。
【
図14】本出願の一実施形態による別のクロスエリアBIERパケット転送方法の概略フローチャートである。
【
図15】本出願の一実施形態による別のクロスエリアBIERパケット転送方法の概略フローチャートである。
【
図16】本出願の一実施形態による第2のネットワークデバイス1600の構造の概略図である。
【
図17】本出願の一実施形態による第1のネットワークデバイス1700の構造の概略図である。
【
図18】本出願の一実施形態による第2のネットワークデバイス1800のハードウェア構造の概略図である。
【
図19】本出願の一実施形態による別の第2のネットワークデバイス1900のハードウェア構造の概略図である。
【
図20】本出願の一実施形態による第1のネットワークデバイス2000のハードウェア構造の概略図である。
【
図21】本出願の一実施形態による別の第1のネットワークデバイス2100のハードウェア構造の概略図である。
【
図22】本出願の一実施形態によるBIER転送項目構築システム2200の構造の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0061】
これ以降は、添付の図面を参照しながら本出願の技術的なソリューションを説明する。
【0062】
インターネットプロトコル(internet protocol、IP)マルチキャスト技術は、IPネットワーク上で非常に高効率なポイント・ツー・マルチポイント・データ伝送を実現し、それによりネットワーク帯域幅を効果的に節約し、ネットワーク負荷を軽減する。このため、インターネットプロトコルマルチキャスト技術は、リアルタイムデータ伝送、マルチメディア会議、データコピー、インターネットプロトコルテレビ(internet protocol television、IPTV)、ゲーム、シミュレーションなどに広く利用されている。マルチキャスト技術はマルチキャストプロトコルを使用してコントロール・プレーン・マルチキャスト・ツリーを構築し、次いでこのマルチキャストツリーを使用してネットワークプレーンを論理ツリー状の構造にして、マルチキャスト・ポイント・ツー・マルチポイント・データ転送を実施する。ディストリビューションツリーを構築するコアを有する各中間ノードは、複雑なマルチキャスト転送情報状態を維持する必要がある。ネットワークの規模が拡大し、マルチキャストデータトラフィックが増大するにつれ、このマルチキャスト技術は、ますます高いコストと運用・保守課題に直面している。
【0063】
このため、マルチキャストデータ転送経路を構築するための新しい技術が業界で提案されており、ビット・インデックス・エクスプリシット・レプリケーション(bit indexed explicit replication、BIER)技術と呼ばれている。この技術は、マルチキャスト・ディストリビューション・ツリーを構築する必要のないマルチキャスト技術アーキテクチャを提案する。
図1に示されているように、BIER技術をサポートするルータはビット転送ルータ(Bit-forwarding router、BFR)と呼ばれることがあり、BFRはBIERパケットを受信し、転送することができる。1つ以上のBFRを含むマルチキャスト転送ドメインは、BIERドメイン(BIER domain)と呼ばれる。BIERドメインの入口において、元のマルチキャストデータパケットに対してBIERカプセル化を行うBFRは、ビット転送入口ルータ(BIER forwarding ingress router、BFIR)と呼ばれる。BIERドメインの出口において、BIERパケットから元のマルチキャストデータパケットを得るためにデカプセル化を行うBFRは、ビット転送出口ルータ(BIER forwarding egress router、BFER)と呼ばれる。BIERドメイン内のBFIRとBFERがBIERドメイン内のエッジBFRと呼ばれることがあることを理解されたい。
【0064】
BIERドメインでは、グローバルに一意なビット位置(bit position)識別子が、BIERサブドメイン全体(sub domain、SD)のエッジBFRに対して構成され得る。一例として、BFR識別子(BFR identifier、BFR ID)としてエッジBFRごとに値が設定される。例えば、BFR IDは1~256の範囲の値であってよい。BIERドメインでは、全てのBFR IDがビット列(bit string)を形成する。元のマルチキャストデータパケット(BIERパケットと呼ばれることもある)がBIERドメインで送信されるときには、特定の余分なBIERヘッダがカプセル化される必要があり、元のマルチキャストデータパケットの全ての送信先ノードは、BIERヘッダ内でbit stringの形でマークされる。例えば、カプセル化された元のマルチキャストデータパケットの形式は、BIERヘッダ+元のマルチキャストデータパケットである。元のマルチキャストデータパケットが全ての送信先アドレスへ送信され得ることを保証するため、BIERドメイン内のBFRは、ビットインデックス転送テーブル(bit index forwarding table、BIFT)とBIERヘッダに携えられたbit stringとに基づいて転送を行うことができる。
【0065】
本出願における元のマルチキャストデータパケットの送信先ノードが、1つのBFER、または複数のBFERからなるセットであり得ることに注意されたい。説明を簡単にするため、以下では、元のマルチキャストデータパケットが送信される必要のあるBFERまたは複数のBFERからなるセットを送信先ノードと呼ぶ。
【0066】
BIERヘッダの後の元のマルチキャストデータパケットが、インターネットプロトコルバージョン6(internet protocol version 6、IPv6)マルチキャストパケットであってよく、またはインターネットプロトコルバージョン4(internet protocol version 4、IPv4)マルチキャストパケットであってよいことを理解されたい。
【0067】
可能なBIERヘッダ形式の概略ブロック図については、
図2を参照されたい。
図2に示されているように、BIERヘッダは、長さが20bitであるビットインデックス転送テーブル識別子(bit index forwarding table identifier、BIFT ID)、ビット列長(bit string length、BSL)、および64bit(8バイト)のその他フィールド、例えば、BIERヘッダの後の元のマルチキャストデータパケットのトラフィッククラス(traffic class、TC)、スタック(stack、S)、生存時間(time to live、TTL)、バージョン番号(version、Ver)、protoフィールドなどを含み得、ただしこれらに限定されない。
【0068】
理解を容易にするため、以下では、BIERヘッダ内の各フィールドについて詳しく説明する。
【0069】
(1)BIFT ID
【0070】
BIFT IDフィールドの長さは20bitである。BIERマルチプロトコルラベルスイッチング(multi protocol label switching、MPLS)カプセル化では、BIFT IDフィールドはラベル(label、L)である。BIFT IDはBIFT-idとする場合があり、サブドメイン(sub-domain、SD)/ビット列長(bit string length、BSL)/セット識別子(set identifier、SI)の組み合わせを含み得る。異なるBIFT IDが異なるSD/BSL/SIの組み合わせに対応し得る。
【0071】
1.サブドメイン(SD)
【0072】
BIERドメインは、実際のサービスシナリオの要件に基づいて別々のサブドメインSDとして構成されることがある。それぞれのサブドメインSDはサブドメイン識別子(sub-domain identifier、SD-ID)を用いて表される。例えば、SD-IDの値は[0~255]の範囲であり、長さは8bitである。例えば、BIERドメインは、別々のサービスのための、例えば仮想プライベートネットワーク(virtual private network、VPN)のための、別々のSDとして構成されてよく、別々のVPNは別々のSDを使用するように構成される。例えば、VPN 1はSD 0を使用し、VPN 2はSD 1を使用する。
【0073】
あるいは、複数のVPNが同じSDを使用してもよく、BIERドメイン内の別々のSDは同じインテリアゲートウェイプロトコル(interior gateway protocol、IGP)プロセスまたはトポロジ内にあってよく、同じIGPプロセスまたはトポロジ内になくてもよいことに注意されたい。これは本出願の本実施形態で具体的に限定されない。
【0074】
2.ビット列長(bit string length、BSL)
【0075】
BSLは、BIERヘッダに含まれるbit stringの長さである。複数のBSLタイプが存在し得る。これは本出願の本実施形態で具体的に限定されない。BSLの最小長は64ビットである。BSLの長さは、連続的に128ビット、256ビット、512ビット、1024ビット、または2048ビットであってよい。BSLの最大長は4096ビットである。具体的に述べると、パケット内の識別に4bitが使用される。例えば、BSLの長さが64ビットであるなら、パケット内の識別に0001が使用され、BSLの長さが128ビットであるなら、パケット内の識別に0010が使用され、BSLの長さが512ビットであるなら、パケット内の識別に0100が使用され、BSLの長さが1024ビットであるなら、パケット内の識別に0101が使用され、これ以降も同様である。
【0076】
3.セット識別子(set index、SI)
【0077】
SIは、ネットワーク内の複数のエッジBFRまたは構成されたBFR IDを含むセットとして理解され得る。一例として、BSLの長さが256 bitであるが、ネットワークに256個を超えるエッジBFRがある場合、または256個の構成されたBFR IDがある場合、これらのエッジBFRまたはBFR IDは別々のセットに分ける必要がある。例えば、BFR IDが1乃至256である256個のエッジBFRはセット0(set index0、またはSI=0)であり、BFR IDが257乃至512である256個のエッジBFRはセット1(set index 1、またはSI=1)である。
【0078】
BIERドメイン内のBFRは、BIERパケットを受信した後に、BIERヘッダ内のBIFT IDに基づいて、BIERパケットが属するSD、使用されるBSL、およびパケットが属するBSLのSIを含む組み合わせを決定できる。
【0079】
以下に、BIFT IDによって表されるいくつかの可能なSD/BSL/SI組み合わせを列挙する。
BIFT ID=1:corresponding to SD 0,BSL 256,SI 0//SD 0/BSL 256/SI 0に相当.
BIFT ID=2:corresponding to SD 0,BSL 256,SI 1//SD 0/BSL 256/SI 1に相当.
BIFT ID=3:corresponding to SD 0,BSL 256,SI 2//SD 0/BSL 256/SI 2に相当.
BIFT ID=4:corresponding to SD 0,BSL 256,SI 3//SD 0/BSL 256/SI 3に相当.
BIFT ID=5:corresponding to SD 0,BSL 512,SI 0//SD 0/BSL 512/SI 0に相当.
BIFT ID=6:corresponding to SD 0,BSL 512,SI 1//SD 0/BSL 512/SI 1に相当.
BIFT ID=7:corresponding to SD 1,BSL 256,SI 0//SD 1/BSL 256/SI 0に相当.
BIFT ID=8:corresponding to SD 1,BSL 256,SI 1//SD 1/BSL 256/SI 1に相当.
BIFT ID=9:corresponding to SD 1,BSL 256,SI 2//SD 1/BSL 256/SI 2に相当.
BIFT ID=10:corresponding to SD 1,BSL 256,SI 3//SD 1/BSL 256/SI 3に相当.
BIFT ID=11:corresponding to SD 1,BSL 512,SI 0//SD 1/BSL 512/SI 0に相当.
BIFT ID=12:corresponding to SD 1,BSL 512,SI 1//SD 1/BSL 512/SI 1に相当.
【0080】
(2)ビット列(bit string)
【0081】
bit string内の各bitは、エッジBFRを識別するために使用される。例えば、bit stringの最下位ビット(右端のビット)は、BFR-ID=1であるBFERを識別するために使用される。bit stringで右から左に2番目のBitは、BFR-ID=2であるBFERを識別するために使用される。転送プレーンが転送を行う転送項目では、パケット内のbit stringに基づいて、パケットの送信先にあたるBFERが決定される。BIERドメイン内のBFRは、BIERパケットヘッダを受信すると、BFRは、BIERヘッダに携えられたbit stringとBIFT IDとに基づいてBIERパケットを転送する。
【0082】
BIFT ID=2を一例として使用する。BFRは、BIERパケットを受信した後に、BIERヘッダ内のBIFT IDに基づいて、BIERパケットがSD 0に属することを得ることができる。BIERヘッダで使用されるBSLの長さは256 bitであり、BIFT IDはセット1(BFR IDが257乃至512である256個のエッジBFRからなるセットを含む)に属する。
【0083】
(3)protoフィールド
【0084】
4に等しいprotoフィールドは、BIERヘッダの後の元のマルチキャストデータパケットがIPv4パケットであることを表し、6に等しいprotoフィールドは、BIERヘッダの後の元のマルチキャストデータパケットがIPv6パケットであることを表す。
【0085】
以下では、
図3および
図4を参照して、BIER技術に基づいてBIER転送テーブルを構築し、BIERパケットを転送するプロセスを詳しく説明する。
【0086】
図3に示されているBIERドメインはノードA~ノードFを含み得る。ノードA、ノードD、ノードE、およびノードFはBIERドメインのエッジBFRであり、ノードBおよびノードCはBIER中間転送ノードである。具体的に述べると、ノードAはBIERドメインの入口に位置し、元のマルチキャストデータパケットに対してBIERカプセル化を行う役割を担う。ノードAは
図1のBFIRに相当する。ノードD、ノードE、およびノードFはBIERドメインの出口に位置し、BIERパケットから元のマルチキャストデータパケットを得るためにデカプセル化を行う役割を担う。ノードD、ノードE、およびノードFは
図1のBFIRに相当する。本出願の本実施形態において、それぞれのBIERドメイン内のエッジBFRには一意なBFR-IDが割り当てられ得る。例えば、
図3で、ノードA、ノードD、ノードE、およびノードFに設定されているBFR-IDは、それぞれ4、1、2、および3である。中間転送BFRには、例えばノードBおよびノードCには、BFR-IDが割り当てられていない。したがって、ノードBおよびノードCに対応するBFR-IDは0である。
【0087】
データトラフィックのBIERヘッダでカプセル化されたbit stringは、トラフィックの全ての送信先ノードをマークする。例えば、BFR-IDが1であるノードDに対応するbit stringは0001であり、BFR-IDが2であるノードFに対応するbit stringは0010であり、BFR-IDが3であるノードEに対応するbit stringは0100であり、BFR-IDが4であるノードAに対応するbit stringは1000である。
【0088】
それぞれのBIERドメイン内でエッジBFRに割り当てられるBFR-IDの値が、ルーティングプロトコルに従ってBIERドメイン内の別のBFRにフラッディングされてよく、フラッディングされたBIER情報が、エッジBFRのIPアドレスとカプセル化情報とをさらに含むことを理解されたい。例えば、ノードAのフラッディングされたBIER情報は、ノードAのIPアドレスとBIFT-idとを携える。BIERドメイン内のBFR(例えば、
図3のノードF)は、フラッディングされたBIER情報に基づいてBIFT項目を構築でき、その結果、
図3のノードFがBIERパケットを受信した後に、BIERパケットは、構築されたBIFT項目に基づいて送信先ノードへ転送される。
【0089】
ノードAの場合、BFR-IDがそれぞれ1、2、および3であるBFERへBIERパケットが送信される必要がある場合、BIERパケットはまず、ノードAのネイバー(ノードB)へ送信される必要があり、BFR-IDが4であるエッジBFRはノードAそのものである。したがって、ノードAによって構築されるBIFT項目は、以下のように示される。
転送項目1:ネイバー(neighbor、Nbr)=B、および転送ビットマスク(forwarding bit mask、FBM)=0111;および
転送項目2:Nbr*=A、およびFBM=1000。
【0090】
転送項目1は、BIERパケットのbit stringで右から左に1番目のbit、2番目のbit、および3番目のbitのいずれか1つが1である場合に、BIERパケットがノードAのネイバー(ノードB)へ送信されることを表すために使用される。転送項目2は、BIERパケットのbit stringで右から左に4番目のbitが1である場合に、BIERパケットがノードAそのものへ送信されることを表すために使用される。したがって、ノードAはBIERヘッダを除去し、元のマルチキャストデータパケット内の情報に基づいて転送を行う。
【0091】
転送項目において、Nbrがノード自体であることを示すために*が使用されることに注意されたい。同様に、
図3の別のノードも、該別のノード自体の隣接ノードに基づいてBIFT項目を構築できる。該別のノードによって構築されるBIFT項目については、
図3を参照されたい。ここでは詳細を再度説明しない。
【0092】
BIERドメインの入口にてBFIRであるノードAは、元のマルチキャストデータパケットを受信した後に、元のマルチキャストデータパケットの前のBIERヘッダをカプセル化する。説明を簡単にするため、以下では、BIERドメインの入口にてBFIRであるノードAが略して入口ノードAと呼ばれることを理解されたい。一例として、入口ノードAは、元のマルチキャストデータパケットを受信した後に、ボーダーゲートウェイプロトコルBGPメッセージを使用してフラッディングされたBFR-IDに基づいて、元のマルチキャストデータパケットの送信先ノードを知ることができる。例えば、元のマルチキャストデータパケットの受信側は、BFR-IDが3である送信先ノードE、BFR-IDが2である送信先ノードF、およびBFR-IDが1である送信先ノードDである。ノードAは、bit stringが0111であるBIERヘッダによりBIERパケットをカプセル化し、転送項目1に基づいて、カプセル化されたBIERパケットを隣接ノードBへ転送する。ノードBは、BIERパケットを受信した後に、bit string 0111とBIFT項目とに基づいて、BIERパケットがノードCとノードEとへ別々へ送信される必要があると判断する。ノードBは、BIERパケットをノードCへ送信するときに、BIERヘッダ内のbit string(0111)とBIFT項目内のNbr=Cに対応するFBMフィールドに対してAND演算を行うことができる。本出願の本実施形態において、このAND演算の結果は0011である。したがって、ノードBはBIERヘッダ内のbit stringを0011に修正し、BIERパケットをノードCへ送信することができる。同様に、ノードBは、BIERパケットをノードEへ送信するときに、BIERヘッダ内のbit stringを0100に修正できる。ノードEは、BIERパケットを受信した後に、bit string 0100に基づいて、BIERパケットが隣接ノードEへ送信されるべきであると判断する。ノードEは、転送テーブル内の識別子*に基づいて隣接ノードEがノードEそのものであると判断するので、BIERドメイン内の出口BFERであるノードEは、BIERパケットから元のマルチキャストデータパケットを得るためにデカプセル化を行い、元のマルチキャストデータパケット内の内部情報に基づいて転送を行うことができる。
【0093】
BIER-MPLSカプセル化では、BIERヘッダの最初の32bitはMPLSラベルコードであり、最初の32bitの最初の20bitはMPLSラベル値である。MPLSラベル値は転送の過程で変化する。例えば、入口ノードAがノードBへパケットを送信するときに、ノードBのMPLSラベル値はカプセル化される必要がある。ノードBがノードCへパケットを送信するときに、ノードCのMPLSラベル値はカプセル化される必要がある。本出願の本実施形態において、ノードA/ノードB/ノードC/ノードD/ノードE/ノードFによって割り当てられるMPLSラベル値は、それぞれ100/200/300/400/500/600であり、ノードAがノードBのMPLSラベル値を知ることができるようにするため、これらのMPLSラベル値はBIERカプセル化情報に携えられ、ルーティングプロトコルに従ってBIERドメイン内の別のBFRにフラッディングされる必要がある。BIER情報を識別するMPLSラベルはBIERラベルとも呼ばれる。
【0094】
例えば、
図4を参照すると、入口ノードAがノードBへBIERパケットを送信する。BIERパケットのカプセル化形式は、イーサネット(ethernet、ETH)ヘッダ+BIERヘッダ+IPマルチキャストデータパケットである。ノードBのMPLSラベルおよびラベル値(L1<200>)は、BIERヘッダ内のMPLSラベル値フィールドでカプセル化され、protoフィールドは4に等しく、入口ノードAに割り当てられるBFR-ID=4はBFR-IDフィールドでカプセル化され、0111はビット列(bit string、BS)フィールドでカプセル化される。Ethヘッダでカプセル化される値がカプセル化形式によって異なることを理解されたい。
【0095】
本出願の本実施形態において、エッジBFRによって構成されるビット位置は、インテリアゲートウェイプロトコル(interior gateway protocol、IGP)またはボーダーゲートウェイプロトコル(border gateway protocol、BGP)を使用してBIERドメインで事前にフラッディングされ、その結果、BIERドメイン内の各BFRは、BIERドメイン内での元のマルチキャストデータパケットの転送を案内するビットインデックス転送テーブル(bit index forwarding table、BIFT)を構築する。IGPまたはBGPを使用してBIERドメインでフラッディングされる情報は、BIER情報と呼ばれる。BFRは、BIERヘッダでカプセル化されたBIERパケットを受信すると、BIFT項目に基づいてBIERパケットを送信先ノードへ転送する。
【0096】
本出願の本実施形態において、インテリアゲートウェイプロトコルIGPは、開放最短経路優先(open shortest path first、OSPF)プロトコル、中間システム間(intermediate system to intermediate system、ISIS)プロトコルなどを含み得、ただしこれらに限定されない。
【0097】
BIERドメイン(BIER domain)が、IGPまたはBGPを使用してBIER情報をフラッディングでき、BIFT項目を構築できる、ネットワークエリアを指すことを理解されたい。BIERドメインはBFIRとBFERとを含む。BIER情報は各エッジBFRのBFR IDを含み得、ただしこれに限定されない。一例として、自律システム(autonomous system、AS)ドメインでIGPが配備され、BIER情報がフラッディングされる。ASドメインはBIERドメイン(BIER domain)である。
【0098】
一般的に、大規模なネットワークは複数のドメインに分割される。例えば、ネットワークは別々の管理ドメインに基づいて別々のASに分割されてよい。ASの境界は自律システムボーダールータ(autonomous system border router、ASBR)であってよい。別々のASドメインでIGPが配備されてよく、BIER情報がフラッディングされる。複数のASドメイン間にBGPが配備されるが、BIER情報がフラッディングされない場合は、複数のASドメインが別々のBIERドメイン(BIER domain)であってよい。
【0099】
IGPが同じASドメインに配備され、BIER情報がフラッディングされる場合は、比較的多くのBFRがあるため、ASドメインは別々のIGPエリアにさらに分割されてよい。例えば、ASドメインでOSPFプロトコルが配備される場合、このASドメインは、別々のOSPFエリアに、例えばバックボーンエリア(area 0)と非バックボーンエリア(area X)とに、さらに分割されてよい。2つのエリアは、エリアボーダールータ(area border router、ABR)を使用して互いに接続される。ABRが属するエリアはABR上で構成されてよい。例えば、ABRがバックボーンエリアに属するか非バックボーンエリアに属するかが構成されてよい。別の一例において、ISISプロトコルがASドメインに配備される場合、このASドメインは、別々のISISレベルに、例えばレベル(level)1とlevel 2とに、さらに分割されてよい。level 1およびlevel 2は、OSPFにおける非バックボーンエリアおよびバックボーンエリアと同様であってよい。2つのエリアlevel 1およびlevel 2はABRを使用して互いに接続される。ABRが属するエリアはABR上で構成されてよい。例えば、ABRがlevel 1とlevel 2の両方に属するように構成されてよい。
【0100】
BIER情報をフラッディングする前述のプロセスと、BIFT項目を構築する前述のプロセスと、BIERパケットを転送する前述のプロセスは、全て1つのエリア内で遂行される。エリアは、本出願の実施形態で具体的に限定されない。エリアは、ASドメインであってよく、ASドメイン内のOSPFエリアであってよく、ASドメイン内のISISエリアであってよく、OSPFプロセスであってよく、またはISISプロセスであってよい。
【0101】
図5は、本出願の一実施形態に適用可能なマルチエリアシナリオの概略図である。
図5を参照すると、例えば、ネットワークは、2つのエリアを、例えば第1のエリアと第2のエリアとを、含む。第1のネットワークデバイスはABRとして機能し、第1のエリアと第2のエリアを接続する。
【0102】
第1のエリアと第2のエリアが本出願の本実施形態で具体的に限定されないことに注意されたい。例えば、第1のエリアは第1のIS-ISレベルを実行するエリアであり、第2のエリアは第2のIS-ISレベルを実行するエリアであり、第1のIS-ISレベルと第2のIS-ISレベルは異なる。別の一例において、第1のエリアは第1のOSPFエリアであり、第2のエリアは第2のOSPFエリアであり、第1のOSPFエリアと第2のOSPFエリアは異なる。別の一例において、第1のエリアはOSPFまたはBGPを実行するエリアであり、第2のエリアはIS-ISを実行するエリアである。別の一例において、第1のエリアはIS-ISまたはBGPを実行するエリアであり、第2のエリアはOSPFを実行するエリアである。別の一例において、第1のエリアは第1のIS-ISレベルを実行するエリアであり、第1のIS-ISプロセスはこのエリアに対応する第1のネットワークデバイス上で実行され、第2のエリアは第1のIS-ISレベルを実行するエリアであり、第2のIS-ISプロセスはこのエリアに対応する第1のネットワークデバイス上で実行され、第1のIS-ISプロセスと第2のIS-ISプロセスは異なる。別の一例において、第1のエリアは第1のOSPFエリアであり、このエリアに対応する第1のネットワークデバイス上で第1のOSPFプロセスが実行され、第2のエリアは第1のOSPFエリアであり、このエリアに対応する第1のネットワークデバイス上で第2のOSPFプロセスが実行され、第1のOSPFプロセスと第2のOSPFプロセスは異なる。
【0103】
図5を参照すると、第1のエリアは、1つの第1のネットワークデバイスと少なくとも1つの第3のネットワークデバイスとを含む。第1のネットワークデバイスはエリアボーダールータとして機能し、第1のエリアと第2のエリアを接続する。第1のエリアでは、第1のエリアのエッジ上の少なくとも1つの第3のネットワークデバイスの各々についてBFR IDが設定される。BFR IDは、例えば1~256の値である。第1のエリアのエッジ上の少なくとも1つの第3のネットワークデバイスのBFR IDは、IGPまたはBGPを使用して第1のエリアで事前にフラッディングされ、その結果、第1のエリア内のネットワークデバイスは、第1のエリア内での元のマルチキャストデータパケットの転送を案内するビットインデックス転送テーブル(bit index forwarding table、BIFT)を構築する。BIERヘッダでカプセル化されたBIERパケットを受信すると、第1のエリア内のネットワークデバイスは、BIERドメイン内で、BIFT項目に基づいて、送信先ノードへBIERパケットを転送する。
【0104】
第1のネットワークデバイスと少なくとも1つの第3のネットワークデバイスが
図1のエッジBFRに相当することを理解されたい。第1のエリア内のネットワークデバイスは、エッジBFRと、第1のエリア内でBIERパケットの中間転送を行うBFRとを含む。
【0105】
第2のエリアは、第1のネットワークデバイスと少なくとも1つの第2のネットワークデバイスとを含む。第2のエリアは、第1のネットワークデバイスを使用して第1のエリアに接続される。任意に選べることとして、本出願の本実施形態において、第2のエリア内のネットワークデバイスのために対応するBFR IDがさらに設定されてよい。BFR IDは、例えば1~256の値である。任意に選べることとして、第2のエリア内の少なくとも1つの第2のネットワークデバイスのためにBFR IDが設定される場合は、このBFR IDがIGPまたはBGPを使用して第2のエリア内で事前にフラッディングされてよく、その結果、第2のエリア内のネットワークデバイスは、第2のエリア内での元のマルチキャストデータパケットの転送を案内するビットインデックス転送テーブル(bit index forwarding table、BIFT)を構築する。BIERヘッダでカプセル化されたBIERパケットを受信すると、第2のエリア内のネットワークデバイスは、BIERドメイン内で、BIFT項目に基づいて、送信先ノードへBIERパケットを転送する。
【0106】
少なくとも1つの第2のネットワークデバイスが
図1のBFRに相当し得ることを理解されたい。任意に選べることとして、少なくとも1つの第2のネットワークデバイスはさらに、
図1のエッジBFRに相当し得る。第2のエリア内のネットワークデバイスはエッジBFRを含む。任意に選べることとして、第2のエリア内のネットワークデバイスは、BIERパケットの中間転送を行うBFRをさらに含み得る。
【0107】
本出願の一実施形態は、ビット・インデックス・エクスプリシット・レプリケーションBIER転送項目構築方法を提供する。この方法を使用することにより、ルーティングメッセージを使用して外部エリアのBIER情報が現在のエリアにインポートされ得、現在のエリア内のBFRにフラッディングされ得、外部エリアに対するBIFT項目が現在のエリア内で構築され、その結果、現在のエリア内のBFRはBIFT項目に基づいて複数エリアにまたがってBIERパケットを転送できる。以下、
図6を参照して本出願の本実施形態で提供される方法を詳しく説明する。
【0108】
図6は、本出願の本実施形態によるビット・インデックス・エクスプリシット・レプリケーションBIER転送項目構築方法の概略フローチャートである。該方法はステップ610および620を含む。以下では、ステップ610および620を別々に詳しく説明する。
【0109】
ステップ610:第2のネットワークデバイスが第1のネットワークデバイスによって送信される第1のメッセージを受信し、第1のメッセージは、第1のネットワークデバイスのホストルーティングプレフィックスと、第1のBIER情報と、第2のBIER情報とを含む。
【0110】
第1のネットワークデバイスは第1のエリアと第2のエリアとに属し、第2のネットワークデバイスは第2のエリアに属し、第1のエリアと第2のエリアは異なる。第1のネットワークデバイスが第1のエリアと第2のエリアの両方に属することは、第1のネットワークデバイス上の少なくとも1つのインターフェイスが第1のエリアのプロトコルを実行し、第1のネットワークデバイス上の少なくとも1つのインターフェイスが第2のエリアのプロトコルを実行することとして理解され得る。
【0111】
第1のメッセージは、第1のネットワークデバイスのホストルーティングプレフィックスと、第1のBIER情報と、第2のBIER情報とを含み得る。第1のBIER情報は第1のネットワークデバイスのBIFT IDを含み得、第2のBIER情報は第1のエリア内の少なくとも1つのBFRのBFR IDであってよい。
【0112】
BIFT IDがBIFT-idと呼ばれる場合もあることを理解されたい。第2のBIER情報内の少なくとも1つのBFRのBFR IDは、第1のネットワークデバイスのBFR IDを含まない。
【0113】
具体的に述べると、第1のネットワークデバイスのBIFT IDはSD/BSL/SIの組み合わせに対応する。BIER-MPLSカプセル化ではBIFT IDがラベル(label、L)である。このようにして、第2のネットワークデバイスが第1のネットワークデバイスへBIERパケットを送信するときには、第1のネットワークデバイスのBIFT IDがBIERパケットのヘッダ内のBIFT IDフィールドでカプセル化される。BIFT IDの具体的な説明については、前述の説明を参照されたい。ここでは詳細を再度説明しない。
【0114】
本出願の本実施形態において、第1のネットワークデバイスによって送信される第1のメッセージ内のホストルーティングプレフィックスは、第1のネットワークデバイスによって送信される別のルーティングプレフィックスのアドレス範囲と重複しない場合があり、または重複する場合がある。例えば、第1のメッセージ内のホストルーティングプレフィックスが第1のネットワークデバイスによって送信される別のルーティングプレフィックスのアドレス範囲と重複しないことは、該別のルーティングプレフィックス以外のホストルーティングプレフィックスが選択される必要があることを意味する。例えば、第1のネットワークデバイスによって送信されるホストルーティングプレフィックスは1.1.1.1/32であり、第1のネットワークデバイスはプレフィックス192.168.1.0/24および192.168.2.0/24をさらに送信する。これらのルーティングプレフィックスのアドレス範囲は重複しない。別の一例において、第1のメッセージ内のホストルーティングプレフィックスは、第1のネットワークデバイスによって送信される別のルーティングプレフィックスのアドレス範囲と重複する。例えば、第1のネットワークデバイスによって送信されるホストルーティングプレフィックスは1.1.1.1/32であり、第1のネットワークデバイスは0.0.0.0/0などのデフォルトルーティングプレフィックスをさらに送信する。これらのルーティングプレフィックスのアドレス範囲は重複する。
【0115】
ステップ620:第2のネットワークデバイスは、第1のBIER情報と、第2のBIER情報と、ホストルーティングプレフィックスとに基づいてBIER転送項目を構築する。
【0116】
第2のネットワークデバイスは、第1のBIER情報と、第2のBIER情報と、ホストルーティングプレフィックスとに基づいてBIER転送項目を構築でき、その結果、第2のネットワークデバイスは、BIER転送項目に基づいて第2のネットワークデバイスから第1のネットワークデバイスへBIERパケットを送信する。
【0117】
例えば、ホストルーティングプレフィックスは第1のインターネットプロトコル(internet protocol、IP)アドレスを含み得る。第1のIPアドレスは第1のネットワークデバイスのIPアドレスである。第2のネットワークデバイスは、第1のエリア内の少なくとも1つのBFRのBFR IDと、第1のネットワークデバイスのBIFT IDと、第1のIPアドレスとに基づいて、BIFT項目を構築できる。このBIFT項目は、少なくとも1つのBFR IDと、少なくとも1つのBFR IDに対応する次ホップBFRネイバーに関する情報と、BFRネイバーのカプセル化情報とを含み得る。次ホップBFRネイバーに関する情報は第1のIPアドレスを含み、カプセル化情報は第1のネットワークデバイスのBIFT IDを含む。
【0118】
本出願の本実施形態において、BIER転送項目において、第1のネットワークデバイスが第2のネットワークデバイスの次ホップBFRネイバーであることを理解されたい。
【0119】
例えば、第2のネットワークデバイスによって構築される可能なBIFT項目を表1に示す。
【0120】
表1(BFR-Nbr、FBM)
【0121】
この表で、FBMは、第1のエリア内の少なくとも1つのエッジBFRのものであって、且つ第1のメッセージに携えられる、BFR IDを含み、且つ第1のネットワークデバイスのBFR IDをも含み得る。BFRネイバー(BFR-neighbor、BFR-Nbr)は、FBMに含まれる第1のエリア内の少なくとも1つのエッジBFRの次ホップBFRネイバーを表す。BFR-NbrはBIER転送をサポートするBFRである。本出願の本実施形態において、例えば、
図5に対応して、FBMは、少なくとも1つの第3のネットワークデバイスのBFR IDを含み、且つ第1のネットワークデバイスのBFR IDをも含み得る。第1のネットワークデバイスは第2のネットワークデバイスの次ホップBFRネイバー(BFR-Nbr)である。BFR-Nbrは第1のネットワークデバイスであり、BFR-NbrのIPアドレスは第1のネットワークデバイスの第1のIPアドレスである。
【0122】
本出願の本実施形態において、第1のネットワークデバイスは第2のネットワークデバイスに直接的に接続された次ホップBFRネイバー(BFR-Nbr)であってよく、または第2のネットワークデバイスに非直接的に接続された次ホップBFRネイバー(BFR-Nbr)であってもよい。これは本出願の本実施形態で具体的に限定されない。
【0123】
第1のネットワークデバイスが第2のネットワークデバイスに直接的に接続された次ホップBFRネイバーであることが、第1のネットワークデバイスと第2のネットワークデバイスとが互いに接続されていることとして理解され得ることを理解されたい。第1のネットワークデバイスが第2のネットワークデバイスに非直接的に接続された次ホップBFRネイバーであることは、第1のネットワークデバイスと第2のネットワークデバイスとの間にBIER転送をサポートしないネットワークデバイス(non-BIER)がさらに含まれることとして理解され得る。
【0124】
例えば、第2のネットワークデバイスによって構築される別の可能なBIFT項目を表2に示す。
【0125】
表2(BFR-Nbr、BIFT-id)
【0126】
この表で、BIFT-idはBFR-Nbrのカプセル化情報を表す。本出願の本実施形態において、第1のネットワークデバイスは第2のネットワークデバイスの次ホップBFRネイバー(BFR-Nbr)であり、BIFT-idは第1のネットワークデバイスのカプセル化情報である。BIER-MPLSカプセル化ではBIFT-idがラベル(label)である。
【0127】
表1および表2が2つの別々の表として機能してよく、あるいは、表1および表2が、例えば表3(BFR-Nbr、FBM、BIFT-id)を得るために、組み合わされてよいことに注意されたい。表3のFBMが、第1のエリア内の少なくとも1つのエッジBFRのものであって、且つ第1のメッセージに携えられる、BFR IDを含み、且つ第1のネットワークデバイスのBFR IDも含み得ることは理解され得る。BFR-Nbrは、FBMに含まれる第1のエリア内の少なくとも1つのエッジBFRの次ホップBFRネイバーを表す。BIFT-idはBFR-Nbrのカプセル化情報を表す。例えば、
図5に対応して、FBMは、少なくとも1つの第3のネットワークデバイスのBFR IDを含み、且つ第1のネットワークデバイスのBFR IDをも含み得る。第1のネットワークデバイスは第2のネットワークデバイスの次ホップBFRネイバー(BFR-Nbr)である。BFR-Nbrは第1のネットワークデバイスであり、BFR-NbrのIPアドレスは第1のネットワークデバイスの第1のIPアドレスである。BIFT-idは第1のネットワークデバイスのカプセル化情報である。
【0128】
可能な一実装において、第1のIPアドレスが第1のネットワークデバイスのホストルーティングプレフィックスに含まれてよいことを理解されたい。第1のネットワークデバイスのホストルーティングプレフィックスは第1のIPアドレスを含む。具体的に述べると、第1のIPアドレスがIPv4アドレスであるなら、ホストルーティングプレフィックスの長さは32ビットである。第1のIPアドレスがIPv6アドレスであるなら、ホストルーティングプレフィックスの長さは128ビットである。別の可能な一実装において、第2のネットワークデバイスのBIFT項目は、外部エリア内の少なくとも1つのBFRのBFR IDと、該少なくとも1つのBFRに対応するBFR-Nbr情報とを含む。BFR-Nbrが第1のネットワークデバイスである場合は、BFR-Nbrは第1のIPアドレスである。第2のネットワークデバイスの別の可能な一実装において、第2のネットワークデバイスのビットインデックスルーティングテーブル(bit index routing table、BIRT)は、外部エリア内の少なくとも1つのBFRのBFR IDと、該少なくとも1つのBFRに対応するBFR-prefix情報とを含み、BFR-prefixは第1のIPアドレスである。
【0129】
任意に選べることとして、本出願の本実施形態において、第2のネットワークデバイスは、表1に基づいて、BIERパケットが送信される必要があるBFR-Nbrが第1のネットワークデバイスであると判断し、第1のネットワークデバイスであるBFR-Nbrに対応する表2のBIERカプセル化情報に基づいて、BIERパケットのBIERヘッダをカプセル化し、且つカプセル化されたBIERパケットを第1のネットワークデバイスへ送信することができる。あるいは、第2のネットワークデバイスは、表3に基づいて、BIERパケットが送信される必要があるBFR-Nbrが第1のネットワークデバイスであると判断し、表3の第1のネットワークデバイスに対応するBIERカプセル化情報に基づいてBIERパケットのBIERヘッダをカプセル化し、且つカプセル化されたBIERパケットを第1のネットワークデバイスへ送信することができる。
【0130】
BFR-Nbrが第1のネットワークデバイスである場合に、第1のネットワークデバイスが第2のネットワークデバイスに直接的に接続された次ホップBFRネイバーであり、カプセル化されたBIERパケットが第1のネットワークデバイスへ直接送信され得ることに注意されたい。第1のネットワークデバイスが第2のネットワークデバイスに非直接的に接続された次ホップBFRネイバーである場合は、カプセル化されたBIERパケットは、第1のネットワークデバイスと第2のネットワークデバイスとの間のトンネルを使用して第2のネットワークデバイスから第1のネットワークデバイスへ送信され得る。
【0131】
本出願の本実施形態で提供されるBIER転送項目構築方法の説明を簡単にするため、以下では、
図7に示されているネットワークアーキテクチャを参照して説明を提供する。
図7に示されているネットワークアーキテクチャが、本出願の実施形態を例に示されている特定の値や特定のシナリオに限定する代わりに、当業者が本出願の実施形態を理解するのを助けることを意図しているにすぎないことを理解されたい。当業者が提供されているネットワークアーキテクチャに基づいて様々な同等の修正や変更を行えることは明らかであり、そのような修正と変更も本出願の実施形態の範囲内に入る。
【0132】
図7は、本出願の一実施形態によるBIER転送項目構築のためのネットワークアーキテクチャである。
図7を参照すると、第1のエリアと第2のエリアとが含まれ得る。第1のエリアは、ABR1と少なくとも1つのプロバイダエッジ(provider edge、PE)とを含む。
図7では、説明のための一例として、第1のエリアがPE1~PE119を含む。第2のエリアは、ABR1と、R2と、P1と、PE121とを含む。
【0133】
第1のエリアにおいて、ABR1は前述の第1のネットワークデバイスに相当し、BFR-IDが設定されるエッジBFRとしても機能し得る。例えば、BFR-ID=120に設定される。PE1~PE119は、第1のエリアにおいてエッジBFRとして機能し、上記の少なくとも1つの第3のネットワークデバイスに相当する。
【0134】
第2のエリアにおいて、例えば、PE121は第2のエリア内のBFRであり、第2のネットワークデバイスに相当し、BFR-IDが設定されるエッジBFRとしても機能し得る。例えば、BFR-ID=121に設定される。別の一例において、R2は第2のエリアでBFRとして機能し、上記の第2のネットワークデバイスに相当する。R2は第2のエリアでエッジBFRとして機能してよく、または第2のエリアでBIERパケットの中間転送を行うBFRとして機能してもよい。R2がBIERパケットの中間転送を行うBFRである場合は、R2に対応するBFR-IDは0である。P1は、第2のエリアでBIER転送をサポートしないネットワークデバイス(non-BIER)として機能する。
【0135】
第1のエリアでは、エッジBFRごとにBFR IDが設定される。例えば、IGPを使用して複数のBFRのBFR ID 1乃至120が第1のエリアでフラッディングされてよく、その結果、第1のエリア内のBFRは、第1のエリアで元のマルチキャストデータパケットの転送を案内するBIFT項目を構築する。BIERヘッダでカプセル化されたBIERパケットを受信すると、第1のエリア内のBFRは、BIFT項目に基づいて、第1のエリア内で、BIERパケットを送信先ノードへ転送できる。
【0136】
第2のエリアでは、エッジBFRごとにBFR IDが設定される。例えば、第2のエリア内のエッジBFRに設定されるBFR IDは120と121である。BFR IDはIGPを使用して第2のエリアでフラッディングされてよく、その結果、第2のエリア内のBFRは、第2のエリア内で元のマルチキャストデータパケットの転送を案内するBIFT項目を構築する。BIERヘッダでカプセル化されたBIERパケットを受信すると、第2のエリア内のBFRは、BIFT項目に基づいて、第2のエリア内で、BIERパケットを送信先ノードへ転送できる。
【0137】
本出願の実施形態で提供されるBIER転送項目構築方法によると、BIER転送項目は複数エリアにわたって構築され、これにより、複数エリアにわたってBIERパケット転送を実施する。具体的に述べると、第1のエリア内のBFR-ID(それぞれ1乃至120)が第2のエリアにフラッディングされてよく、その結果、第2のエリア内のBFRは、第1のエリア内のBFR-ID(それぞれ1乃至120)に基づいてBIFT項目を構築し、このBIFT項目に基づいて第2のエリアから第1のエリア内の各BFRへBIERパケットを送信する。あるいは、第2のエリア内のBFR-ID(それぞれ120および121)が第1のエリアにフラッディングされてよく、その結果、第1のエリア内のBFRは、第1のエリア内のBFR-ID(それぞれ120および121)に基づいてBIFT項目を構築し、このBIFT項目に基づいて第1のエリアから第2のエリア内の各BFRへBIERパケットを送信する。
【0138】
以下では、
図8を参照して、第1のエリアがIS-ISプロトコルのlevel 1であり、第2のエリアがIS-ISプロトコルのlevel2である一例を使用して、クロスエリアBIERパケット転送の具体的なプロセスを詳しく説明する。
図8の例が、本出願の実施形態を例に示されている特定の値や特定のシナリオに限定する代わりに、当業者が本出願の実施形態を理解するのを助けることを意図しているにすぎないことに注意されたい。当業者が
図8で提供されている例に基づいて様々な同等の修正や変更を行えることは明らかであり、そのような修正と変更も本出願の実施形態の範囲内に入る。
【0139】
図8は、本出願の一実施形態による別のクロスエリアBIERパケット転送方法の概略フローチャートである。
図8を参照すると、該方法はステップ810~830を含み得る。以下では、ステップ810~830を別々に詳しく説明する。
【0140】
ステップ810:ABR1は、外部エリアのインポートされるBIER情報と、該外部エリアの該BIER情報を携えるIPアドレスとを構成する。
【0141】
例えば、ABR1は、第1のメッセージを使用して外部エリアのBIER情報を携え、且つインポートするように構成される。第1のメッセージはABR1のホストルーティングプレフィックスを含む。具体的な構成は以下の通りである。
interface loopback0
ip addr 1.1.1.1 32 ##ABR1のホストルーティングプレフィックス
BIER
sub-domain 0
BFR-ID 120 ##ABR1のBFR-ID=120
protocol isis 1 bfr-prefix loopback0
encapsulation mpls bsl 256 max-si 2 ##ABR1のカプセル化情報を、すなわちBIFT-idを、構成する
import bfr-id 1 to 119 into isis level-2 ##外部エリア(level 1)のBIER情報をlevel 2にインポートする
import bfr-id 121 into isis level-1 ##外部エリア(level 2)のBIER情報をlevel 1にインポートする
【0142】
この構成で、「interface loopback0 Ip addr 1.1.1.1 32」は、ABR1のloopback 0アドレス(1.1.1.1)のIPアドレスを使用してルーティングプレフィックス情報が構築されることを表すために使用される。IPアドレス1.1.1.1は32ビットマスクであり、ホストルーティングプレフィックスとして機能できる。「protocol isis 1 bfr-prefix loopback0」は、loopback 0のIPアドレスを使用してルーティングプレフィックス情報が構築され、IS-ISプロトコルを使用してBIER情報がフラッディングされることを表す。「encapsulation mpls bsl 256 max-si 2」は、ABR1のカプセル化情報を表す。例えば、ABR1は、この構成に基づいて、SD/BSL/SIに対応するBIFT-id値またはMPLSラベルを生成する。BIFT-idは、BIERパケットが属するSD、使用されるBSL、および該パケットが属する該BSLのSIを含む組み合わせを決定する。「import bfr-id 1 to 119 into isis level-2」は、外部エリア(level 1)内のBFRのBFR ID 1乃至119が、現在のエリア(level 2)にフラッディングされることを表す。「import bfr-id 121 into isis level-1」は、外部エリア(level 2)内のBFR-ID 121が、現在のエリア(level 1)にフラッディングされることを表す。
【0143】
ABR1のBIFT-idの場合、BSL=256であるカプセル化情報がsub-domain=0に存在し得ることを理解されたい。BIFT ID(MPLSカプセル化におけるlabel)は、同じBSLの最小SI(SI=0)から最大SI(SI=Max SI)までのラベルブロックの開始ラベルである。例えば、BSL=256である場合は、SI=0/1/2である3つのSetに関する情報が存在する。そして、BIFT-idはラベル<SD=X、BSL=256、SI=0>を表す。ラベルの値に1を加算することにより、ラベル<SD=X、BSL=256、SI=1>が得られ、ラベルの値に2を加算することにより、ラベル<SD=X、BSL=256、SI=2>が得られる。
【0144】
BIER情報を携えるホストルートをパブリッシュすることに加えて、ABR1はセグメントルートをさらにパブリッシュでき、例えば、ホストルート1.1.1.1、セグメントルート192.168.1.0/24、およびセグメントルート192.168.2.0/24をもパブリッシュできる。ホストルートはBIER情報を携えるが、セグメントルートはBIER情報を携えず、これらのプレフィックスは互いに重複しない。
【0145】
BIER情報を携えるホストルートをパブリッシュすることに加えて、ABR1はデフォルトルートをさらにパブリッシュでき、例えば、ホストルート1.1.1.1およびデフォルトルート0.0.0.0/0をもパブリッシュできる。ホストルートはBIER情報を携えるが、デフォルトルートはBIER情報を携えず、これらのルートは互いに重複する。
【0146】
以下では、ABR1の現在のエリアがlevel 2であり、level 1が外部エリアである一例を使用する。ABR1は、上記の構成に基づいて、第1のメッセージを使用して、外部エリア(level 1)のBIER情報を現在のエリア(level 2)にフラッディングできる。第1のメッセージは、ABR1のホストルーティングプレフィックスをさらに含む。
図9は、第1のメッセージの可能なパケット形式である。
【0147】
図9を参照すると、パケット形式は可能なタイプ長値(type length value、TLV)形式である。TLV内の様々なtype値は、様々なタイプのIPアドレスのホストルーティングプレフィックスを示し、prefixフィールドは対応するIPアドレスを示す。例えば、
図9のtype=236はIPv6ホストルーティングプレフィックスを表し得、prefixフィールドは16バイトのIPv6アドレスであり得る。typeは、代わりに、別の値であってもよいことに注意されたい。例えば、type=237もIPv6ホストルーティングプレフィックスを表し得、prefixフィールドは16バイトのIPv6アドレスであり得る。別の一例において、type=135/235はIPv4ホストルーティングプレフィックスを表し、prefixフィールドは4バイトのIPv4アドレスであり得る。
【0148】
ホストルーティングプレフィックスは1つ以上のBIER sub-domainを含み得る。したがって、
図9のTLVは1つ以上の任意のサブTLV(sub-TLV)を含み得る。sub-TLVはABR1のBIER情報を示し得る。具体的なsub-TLV関連パケット形式については、
図10を参照されたい。
図10において、type=32はABR1のBIER情報を表す。このBIER情報は、sub-domainの1つ以上の属性を、例えば、sub-domain内のABR1のBFR-ID、sub-domainによって使用されるインテリアゲートウェイプロトコル(interior gateway protocol、IGP)アルゴリズム、およびBIERパスアルゴリズムを、含み得る。
図10に示されているABR1のBIER情報は、各sub-domainの、例えば
図10のサブサブTLV(sub-sub-TLV)の、カプセル化情報をさらに含む。sub-sub-TLVは、同じsub-domain内のABR1のカプセル化情報を含み得、外部エリア(level 1)内のPE1~PE119のカプセル化情報をさらに含み得る。以下では、
図11および
図12を参照して、sub-sub-TLVの形式について詳しく説明する。
【0149】
図11を参照すると、TLVのtype=1は、ABR1のBSL関連カプセル化情報を表し得る。例えば、BSL=256であるカプセル化情報がsub-domain=0に存在し得る。BIFT ID(MPLSカプセル化におけるlabel)は、同じBSLの最小SI(SI=0)から最大SI(SI=Max SI)までのラベルブロックの開始ラベルである。例えば、BSL=256である場合は、SI=0/1/2である3つのSetに関する情報が存在する。そして、BIFT-idはラベル<SD=X、BSL=256、SI=0>を表す。ラベルの値に1を加算することにより、ラベル<SD=X、BSL=256、SI=1>が得られ、ラベルの値に2を加算することにより、ラベル<SD=X、BSL=256、SI=2>が得られる。
【0150】
sub-sub-TLV内のtype値がBIERカプセル化形式に関係することに注意されたい。カプセル化形式が異なればsub-sub-TLV内のtype値も異なり得る。BIERカプセル化形式は本出願の本実施形態で具体的に限定されず、BIERv6カプセル化であってよく、またはBIER-イーサネット(ethernet、ETH)カプセル化であってよい。
【0151】
図12を参照すると、TLVのtype=Xは外部エリア(level 1)のインポートされたBIER情報を表す。この情報はまた、TLV形式を使用して表され、sub-domain内に位置するサブsub-sub-TLVでもある。BIER情報は、外部エリア(level 1)内のBFRのインポートされたBFR-ID情報を含む。例えば、2つのフィールドBFR-ID-beginおよびBFR-ID-endは、外部エリア(level 1)内のBFRのインポートされたBFR-IDの範囲を表すために使用される。例えば、ABR1から現在のエリア(level 2)にパブリッシュされる外部エリア(level 1)のBIER情報に携えられるsub-sub-TLVのBFR-ID-beginおよびBFR-ID-endは、それぞれ1および119である。
【0152】
任意に選べることとして、
図12に示されているTLV形式は、BIER情報が外部エリア(level 1)のインポートされたBIER情報であることをさらに示し得る。具体的な表現形式は複数ある。可能な一実装において、TLV形式は指示記号「I」を含む。指示記号「I」は「インポート(import)」を表す、すなわち、BIER情報が外部エリア(level 1)内のBFRのインポートされたBIER情報であることを示す。別の可能な一実装において、TLV形式のtype値を使用して、BIER情報が外部エリア(level 1)内のBFRのインポートされたBIER情報であることを暗黙的に示すこともできる。
【0153】
ステップ820:インポートされたBIER情報を含むメッセージを受信すると、現在のエリア(level 2)内のBFRは、インポートされたBIER情報に含まれる外部エリアのBFR-IDに基づいてBIFT項目を構築する。
【0154】
現在のエリア(level 2)内のR2またはPE121は、ABR1によってフラッディングされる第1のメッセージを受信する。ABR1によってフラッディングされる第1のメッセージは、ホストルーティングプレフィックスとABR1のBFR-ID=120を含み、且つ119個のBFRのインポートされたBFR-ID 1~119をも含む。R2またはPE121は、ABR1のBIFT-IDやインポートされたBFR-ID 1~119などの情報に基づいてBIFT項目を構築できる。
【0155】
例えば、外部エリア(level 1)内のBFR-IDがそれぞれ1~120であるBFRに対するR2の次ホップBFRネイバーは、ABR1である。前述の方法に従ってR2によって構築されるBIFT項目は、以下のように示される。
(BFR-Nbr=ABR1、FBM=BFR-ID<1 to 120>、BIFT-id≦SD=X、BSL=256、SI=0>)
【0156】
例えば、外部エリア(level 1)内のBFR-IDがそれぞれ1~120であるBFRに対するPE121の次ホップBFRネイバーは、ABR1である。前述の方法に従ってPE121によって構築されるBIFT項目は、以下のように示される。
(BFR-Nbr=ABR1、FBM=BFR-ID<1 to 120>、BIFT-id≦SD=X、BSL=256、SI=0>)
【0157】
ステップ830:現在のエリア(level 2)内のBFRは、構築されたBIFT項目に基づいて、外部エリア(level 1)内のBFR-IDがそれぞれ1~120であるBFRのうちのいずれか1つ以上へBIERパケットを転送する。
【0158】
例えば、BFR-IDがそれぞれ1~120であるBFRに対するPE121の次ホップBFRネイバーは、ABR1である。PE121によって構築されるBIFT項目を表1に示す。
表1:(BFR-Nbr=ABR1、FBM=BFR-ID<1 to 120>、BIFT-id≦SD=X、BSL=256、SI=0>)
【0159】
このBIFT項目は、BIERパケットのbit stringで右から左に1番目のbitから120番目のbitのいずれか1つが1である場合に、BIERパケットがPE121からBFRネイバーABR1へ送信されることを表すために使用される。
【0160】
任意に選べることとして、構築されたBIFT項目は、ABR1のBIERカプセル化情報を、すなわちBIFT-idを、さらに含み得る。BIER-MPLSカプセル化では、BIFT-idはMPLSラベル値であり、SD/BSL/SIの組み合わせに対応する。
【0161】
PE121からBFR-IDがそれぞれ1~120であるBFRのうちのいずれか1つ以上へBIERパケットが送信される場合は、表1に基づいて、BIERパケットが送信される必要があるBFR-NbrがABR1であると判断する必要がある。ABR1は、PE121に直接的に接続された次ホップBFRネイバーである。したがって、PE121は、BIFT-idに対応する<SD=X、BSL=256、SI=0>に基づいて、ABR1のBIERカプセル化情報<SD=X、BSL=256、SI=0>をBIERヘッダのBIFT IDフィールドにカプセル化し、BIERパケットをABR1へ送信することができる。ABR1は、BIERパケットを受信した後に、ABR1によって構築されたBIFT項目に基づいて、BFR-IDがそれぞれ1~120であるBFRのうちのいずれか1つ以上へBIERパケットを送信できる。ABR1がBIFT項目を構築する具体的なプロセスは、前述の方法と同様である。詳細については、前述の説明を参照されたい。ここでは詳細を再度説明しない。
【0162】
例えば、BFR-IDがそれぞれ1~120であるBFRに対するR2の次ホップBFRネイバーは、ABR1である。R2によって構築されるBIFT項目を表2に示す。
(BFR-Nbr=ABR1、FBM=BFR-ID<1 to 120>、BIFT-id≦SD=X、BSL=256、SI=0>)
【0163】
このBIFT項目は、BIERパケットのbit stringで右から左に1番目のbitから120番目のbitのいずれか1つが1である場合に、BIERパケットがR2からBFRネイバーABR1へ送信されることを表すために使用される。
【0164】
任意に選べることとして、構築されたBIFT項目は、ABR1のBIERカプセル化情報を、すなわちBIFT-idを、さらに含み得る。BIER-MPLSカプセル化では、BIFT-idはMPLSラベル値であり、SD/BSL/SIの組み合わせに対応する。
【0165】
R2からBFR-IDがそれぞれ1~120であるBFRのうちのいずれか1つ以上へBIERパケットが送信される場合は、表1に基づいて、BIERパケットが送信される必要があるBFR-NbrがABR1であると判断する必要がある。そして、R2は、BIFT-idに対応する<SD=X、BSL=256、SI=0>に基づいて、ABR1のBIERカプセル化情報<SD=X、BSL=256、SI=0>をBIERヘッダのBIFT IDフィールドにカプセル化する。ABR1はR2に非直接的に接続された次ホップBFRネイバーであり、換言すると、R2とABR1との間にはBIER転送をサポートしないP1が存在する。したがって、R2はカプセル化されたBIERパケットをABRへ直接的に送信できず、ABR1によってフラッディングされたホストルーティングプレフィックスに基づいて、非直接的に接続されたネイバーABR1のユニキャストトンネル情報を得、このユニキャストトンネル情報に基づいて、R2のBIERパケットをABR1へ送信する必要がさらにある。したがって、上記のBIFT項目はユニキャストトンネル情報をさらに含み得る。
【0166】
ユニキャストトンネル情報はカプセル化タイプに関係する。ユニキャストトンネル情報は本出願の本実施形態で具体的に限定されない。以下では、BIER-MPLSカプセル化とBIERv6カプセル化を例として使用して、ユニキャストトンネル情報を別々に詳しく説明する。
【0167】
BIER-MPLSに基づいてカプセル化されるパケットは、ユニキャストトンネルとしてMPLSトンネルを使用できる。BIFT項目は、MPLSトンネルに対応するカプセル化情報を含む。例えば、BIER-MPLSはSR-MPLSネットワークに配備される。ユニキャストトンネルカプセル化情報は、ABR1のホストルーティングプレフィックスに対応するセグメントルーティンググローバルブロック(segment routing global block、SRGB)ラベルであってよい。
【0168】
具体的に述べると、ABR1のホストルーティングプレフィックスに対応するSRGBラベルは、ABR1上で構成されてよい。可能な構成を以下に示す。
interface loopback0
ip addr 1.1.1.1 32 ##ABR1のホストルーティングプレフィックス
ISIS enable
ISIS prefix-sid absolute 12345
BIER
sub-domain 0
BFR-ID 120 ##ABR1のBFR-ID=120
protocol isis 1 bfr-prefix loopback0
encapsulation mpls bsl 256 max-si 2 ##ABR1のカプセル化情報を、すなわちBIFT-idを、構成する
import bfr-id 1 to 119 into isis level-2 ##外部エリア(level 1)のBIER情報をlevel 2にインポートする
import bfr-id 121 into isis level-1 ##外部エリア(level 2)のBIER情報をlevel 1にインポートする
【0169】
この構成で、「ISIS prefix-sid absolute 12345」は、ABR1のホストルーティングプレフィックス1.1.1.1に対応するSRGBラベルが12345に設定されることを表すために使用される。
【0170】
本出願の本実施形態において、ユニキャストトンネル情報はSRGBラベル12345である。R2は、BIFT項目に含まれる、SRGBラベル12345である、ユニキャストトンネル情報に基づいて、ABR1に至るユニキャストトンネルを見つける(finding)ことができる。R2は、R2によって構築された上記のBIFT項目に基づいて、ユニキャストトンネルを通じてBIERパケットをABR1へ送信する。ABR1は、BIERパケットを受信した後に、ABR1によって構築されたBIFT項目に基づいて、BFR-IDがそれぞれ1~120であるBFRのうちのいずれか1つ以上へBIERパケットを送信できる。
【0171】
例えば、BIERv6はSRv6ネットワークに配備される。ユニキャストトンネル情報は、ABR1のホストルーティングプレフィックスに対応するIPv6トンネルであってよい。IPv6トンネルはABR1上のIPv6アドレスであってよく、例えば、End.BIERの識別子を有するIPv6アドレスであってよい。R2がカプセル化されたIPv6パケットをABR1へ送信するときには、識別子がEnd.BIERであって、且つABR1によって送信されるルーティングプレフィックス内にある、IPv6アドレスが、IPv6送信先アドレスでカプセル化されてよい。BIERパケットは、このIPv6アドレスに基づいてABR1へ送信されてよい。このように、送信先アドレスがABR1であって、且つ識別子がEnd.BIERであるIPv6アドレスを含む、パケットがR2から送信される場合は、P2は、識別子がEnd.BIERであって、且つBIERパケットでカプセル化された、IPv6アドレスに基づいて、R2からABR1へBIERパケットを送信でき、BIERv6パケット転送をサポートする必要はない。
【0172】
具体的に述べると、識別子がEnd.BIERであるIPv6アドレスはABR1上で構成されてよい。例えば、ABR1は、第1のメッセージを使用して外部エリアのBIER情報を携え、且つインポートするように構成される。第1のメッセージは、ABR1のものであって、且つ識別子がEnd.BIERである、IPv6アドレスを含む。可能な構成は以下の通りである。
interface loopback0
ipv6 addr 2001:DB1:1::AB37 128 End.BIER ##128ビットマスクを有するIPv6アドレスを構成する
ISIS ipv6 enable
BIER
sub-domain 0
BFR-ID 120 ##ABR1のBFR-ID
protocol isis 1 bfr-prefix loopback0
encapsulation mpls bsl 256 max-si 2 ##ABR1のカプセル化情報を、すなわちBIFT-idを、構成する
import bfr-id 1 to 119 into isis level-2 ##外部エリア(level 1)のBIER情報をlevel 2にインポートする
import bfr-id 121 into isis level-1 ##外部エリア(level 2)のBIER情報をパブリッシングのためlevel 1にインポートする
【0173】
この構成で、「ipv6 addr 2001:DB1:1::AB37 128 End.BIER」は、ABR1のloopback0アドレスが、128ビットマスクとEnd.BIERの識別子とを有するIPv6アドレス2001:DB1:1::AB37に設定されることを表す。
【0174】
本出願の本実施形態において、ユニキャストトンネル情報は、End.BIERの識別子を有するIPv6アドレス2001:DB1:1::AB37である。R2は、BIFT項目に含まれる、IPv6アドレス2001:DB1:1::AB37である、ユニキャストトンネル情報に基づいて、ABR1に至るユニキャストトンネルを見つける(finding)ことができる。R2は、BIFT項目に基づいてユニキャストトンネルを使用することによって、BFR-ID=1 to 120であるBFRのうちのいずれか1つ以上へ送信されるべきBIERパケットをABR1へ送信する。
【0175】
任意に選べることとして、代わりに、ABR1の現在のエリアはlevel 1であってよく、外部エリアはlevel 2であってよい。ABR1は、ステップ810の構成に基づいて、ABR1によって送信される第1のメッセージを使用して、ABR1のホストルーティングプレフィックスと外部エリア(level 2)のBIER情報とを、現在のエリア(level 1)にフラッディングし、且つ携えることができる。第1のメッセージはABR1のBIER情報をさらに含む。具体的に述べると、第1のメッセージはBFR-ID=121とBFR-ID=120とを含み、現在のエリア(level 1)にフラッディングされる。現在のエリア(level 1)内のBFRは、IDがそれぞれ120および121であるBFRに対してBIFT項目を構築し、その結果、現在のエリア(level 1)内のBFR-IDがそれぞれ1~120であるBFRは、このBIFT項目に基づいて、外部エリア(level 2)内のIDがそれぞれ120および121であるBFRのいずれか一方または両方へBIERパケットを転送できる。BIFT項目を構築し、転送を行う具体的なプロセスは、level 2のBIERパケットを、level 1内のBFR-IDがそれぞれ1~120であるBFRのうちのいずれか1つ以上へ転送する
図8のプロセスと同様である。詳細については
図8の説明を参照されたい。ここでは詳細を再度説明しない。
【0176】
前述の技術的なソリューションを使用することにより、プロトコルが同じである別々のエリアにわたってBIERパケットを転送できる。
【0177】
以下では、
図13を参照し、第1のエリアがOSPFプロトコルを実行し、第2のエリアがIS-ISプロトコルを実行する一例を使用して、クロスエリアBIERパケット転送の具体的なプロセスを詳しく説明する。
図13の例が、本出願の実施形態を例に示されている特定の値や特定のシナリオに限定する代わりに、当業者が本出願の実施形態を理解するのを助けることを意図しているにすぎないことに注意されたい。当業者が
図13で提供されている例に基づいて様々な同等の修正や変更を行えることは明らかであり、そのような修正と変更も本出願の実施形態の範囲内に入る。
【0178】
図13は、本出願の一実施形態による別のクロスエリアBIERパケット転送方法の概略フローチャートである。
図13を参照すると、該方法はステップ1310~1330を含み得る。以下では、ステップ1310~1330を別々に詳しく説明する。
【0179】
図13に示されている実施形態において、
図7のPE1~PE119とABR1との間ではOSPFプロトコルが使用され、ABR1とR2とP1との間ではIS-ISプロトコルが使用されることを理解されたい。本実施形態において、ルータ上のインターフェイスはISISとOSPFの両方を実行できる。換言すると、ABR1上のloopback0ではISISとOSPFの両方を有効にできる。
【0180】
ステップ1310:ABR1は、外部エリアのインポートされるBIER情報と、該外部エリアの該BIER情報を携えるIPアドレスとを構成する。
【0181】
例えば、ABR1は、第1のメッセージを使用して外部エリアのBIER情報を携え、且つインポートするように構成される。第1のメッセージはABR1のホストルーティングプレフィックスを含む。具体的な構成は以下の通りである。
interface loopback0
ip addr 1.1.1.1 32 ##ABR1のホストルーティングプレフィックス
OSPF enable
ISIS enable
BIER
sub-domain 0
bfr-id 120 ##ABR1のBFR-ID=120
protocol isis bfr-prefix loopback0
protocol ospf bfr-prefix loopback0
encapsulation mpls bsl 256 max-si 2 ##ABR1のカプセル化情報を、すなわちBIFT-idを、構成する
import bfr-id 1 to 119 into isis ##外部エリア(ospf)のBIER情報をパブリッシングのためisisエリアにインポートする
import bfr-id 121 into ospf ##外部エリア(isis)のBIER情報をパブリッシングのためOSPFエリアにインポートする
【0182】
この構成で、「protocol isis bfr-prefix loopback0」は、loopback 0のIPアドレスを使用してルーティングプレフィックス情報が構築され、IS-ISプロトコルを使用してBIER情報がフラッディングされることを表す。「protocol ospf bfr-prefix loopback0」は、loopback 0のIPアドレスを使用してルーティングプレフィックス情報が構築され、OSPFプロトコルを使用してBIER情報がフラッディングされることを表す。「import bfr-id 1 to 119 into isis」は、外部エリア(OSPFプロトコルを実行)内のBFR IDがそれぞれ1乃至119であるBFRについてはloopback 0のIPアドレスを使用してルーティングプレフィックス情報が構築され、現在のエリア(IS-ISプロトコルを実行)にルーティングプレフィックス情報がフラッディングされることを表す。「import bfr-id 121 into ospf」は、外部エリア(IS-ISプロトコルを実行)内のBFR-ID=121であるBFRについてはABR1のloopback 0のIPアドレスを使用してルーティングプレフィックス情報が構築され、現在のエリア(OSPFプロトコルを実行)にルーティングプレフィックス情報がフラッディングされることを表す。
【0183】
ステップ1320:インポートされたBIER情報を含むメッセージを受信すると、現在のエリア(IS-ISプロトコルを実行)内のBFRは、インポートされたBIER情報に含まれる外部エリアのBFR-IDに基づいてBIFT項目を構築する。
【0184】
プロセスはステップ820と同様である。詳細についてはステップ820の説明を参照されたい。ここでは詳細を再度説明しない。
【0185】
ステップ1330:現在のエリア(IS-ISプロトコルを実行)内のBFRは、構築されたBIFT項目に基づいて、外部エリア(OSPFプロトコルを実行)内のBFR-IDがそれぞれ1~120であるBFRのうちのいずれか1つ以上へBIERパケットを転送する。
【0186】
プロセスはステップ830と同様である。詳細についてはステップ830の説明を参照されたい。ここでは詳細を再度説明しない。
【0187】
任意に選べることとして、代わりに、ABR1の現在のエリアはOSPFプロトコルを実行してよく、外部エリアはIS-ISプロトコルを実行してよい。ABR1は、ステップ1310の構成に基づいて、ABR1によって送信される第1のメッセージを使用して、ABR1のホストルーティングプレフィックスと外部エリア(IS-ISプロトコルを実行)のBIER情報とを、現在のエリア(OSPFプロトコルを実行)にフラッディングし、且つ携えることができる。第1のメッセージはABR1のBIER情報をさらに含む。具体的に述べると、第1のメッセージはBFR-ID=121とBFR-ID=120とを含み、現在のエリア(OSPFプロトコルを実行)にフラッディングされる。現在のエリア(OSPFプロトコルを実行)内のBFRは、IDがそれぞれ120および121であるBFRに対してBIFT項目を構築し、その結果、現在のエリア(OSPFプロトコルを実行)内のBFR-IDがそれぞれ1~119であるBFRは、このBIFT項目に基づいて、外部エリア(IS-ISプロトコルを実行)内のIDがそれぞれ120および121であるBFRのいずれか一方または両方へBIERパケットを転送できる。BIFT項目を構築し、転送を行う具体的なプロセスは、
図13と同様である。詳細については
図13の説明を参照されたい。ここでは詳細を再度説明しない。
【0188】
前述の技術的なソリューションを使用することにより、複数プロトコルにわたってBIERパケットを転送できる。
【0189】
以下では、
図14を参照し、第1のエリアがISISプロセス2を実行し、第2のエリアがISISプロセス1を実行する一例を使用して、クロスエリアBIERパケット転送の具体的なプロセスを詳しく説明する。
図14の例が、本出願の実施形態を例に示されている特定の値や特定のシナリオに限定する代わりに、当業者が本出願の実施形態を理解するのを助けることを意図しているにすぎないことに注意されたい。当業者が
図14で提供されている例に基づいて様々な同等の修正や変更を行えることは明らかであり、そのような修正と変更も本出願の実施形態の範囲内に入る。
【0190】
図14は、本出願の一実施形態による別のクロスエリアBIERパケット転送方法の概略フローチャートである。
図14を参照すると、該方法はステップ1410~1430を含み得る。以下では、ステップ1410~1430を別々に詳しく説明する。
【0191】
図14に示されている実施形態において、ABR1がISISプロセス2を使用して、
図7のPE1~PE119にルーティング情報をフラッディングすることを理解されたい。加えて、ABR1は、ISISプロセス1を使用して、
図7のR2およびPE121にルーティング情報をフラッディングする。本実施形態において、ABR1の1つのインターフェイスは通常、ただ1つのISISプロセスを実行でき、2つのISISプロセスのためには2つのインターフェイスを構成する必要がある。したがって、ABR1のために2つのインターフェイスアドレスを構成する必要があり、それらはそれぞれloopback0およびloopback1である。
【0192】
ステップ1410:ABR1は、外部エリアのインポートされるBIER情報と、該外部エリアの該BIER情報を携えるIPアドレスとを構成する。
【0193】
例えば、ABR1は、第1のメッセージを使用して外部エリアのBIER情報をインポートするように構成される。第1のメッセージはABR1のホストルーティングプレフィックスを含む。具体的な構成は以下の通りである。
interface loopback0
ip addr 1.1.1.1 32 ##インターフェイスアドレスのプレフィックスを構成する(32ビットマスクはホストルーティングプレフィックスを意味する)
ISIS enable 1
interface loopback1
ip addr 1.1.1.2 32 ##インターフェイスアドレスのプレフィックスを構成する(32ビットマスクはホストルーティングプレフィックスを意味する)
ISIS enable 2
BIER
sub-domain 0
bfr-id 120 ##ABR1のBFR-ID=120
protocol isis 1 bfr-prefix loopback0 ##ISISのloopback0を使用してプロセス1でBIER情報がフラッディングされる
protocol isis 2 bfr-prefix loopback1 ##ISISのloopback1を使用してプロセス2でBIER情報がフラッディングされる
encapsulation mpls bsl 256 max-si 2 ##ABR1のカプセル化情報を、すなわちBIFT-idを、構成する
import bfr-id 1 to 119 into isis 1
import bfr-id 121 to 800 into isis 2
【0194】
この構成で、「interface loopback0 Ip addr 1.1.1.1 32」は、ABR1上で構成されるloopback0のアドレスが1.1.1.1であることを表す。「interface loopback1 Ip addr 1.1.1.2 32」は、ABR1上で構成されるloopback1のアドレスが1.1.1.2であることを表す。「protocol isis 1 bfr-prefix loopback0」は、loopback 0のIPアドレスを使用してルーティングプレフィックス情報が構築され、ISISプロセス1でBIER情報がフラッディングされることを表す。「protocol isis 2 bfr-prefix loopback1」は、loopback 1のIPアドレスを使用してルーティングプレフィックス情報が構築され、ISISプロセス2でBIER情報がフラッディングされることを表す。「import bfr-id 1 to 119 into isis 1」は、ISISプロセス2でBFR IDがそれぞれ1乃至119であるBFRについてホストルーティングプレフィックス内のloopback 1のIPアドレスを使用してルーティングプレフィックス情報が構築され、ルーティングプレフィックス情報がISISプロセス1にフラッディングされることを表す。「import bfr-id 121 into isis 2」は、ISISプロセス1でBFR IDがそれぞれ1乃至119であるBFRについてホストルーティングプレフィックス内のloopback 1のIPアドレスを使用してルーティングプレフィックス情報が構築され、ルーティングプレフィックス情報がISISプロセス2にフラッディングされることを表す。
【0195】
ステップ1420:インポートされたBIER情報を含むメッセージを受信すると、現在のエリア(ISISプロセス1を実行)内のBFRは、インポートされたBIER情報に含まれる外部エリアのBFR-IDに基づいてBIFT項目を構築する。
【0196】
プロセスはステップ820と同様である。詳細についてはステップ820の説明を参照されたい。ここでは詳細を再度説明しない。
【0197】
ステップ1430:現在のエリア(ISISプロセス1を実行)内のBFRは、構築されたBIFT項目に基づいて、外部エリア(ISISプロセス2を実行)内のBFR-IDがそれぞれ1~120であるBFRのうちのいずれか1つ以上へBIERパケットを転送する。
【0198】
プロセスはステップ830と同様である。詳細についてはステップ830の説明を参照されたい。ここでは詳細を再度説明しない。
【0199】
任意に選べることとして、代わりに、ABR1の現在のエリアはISISプロセス2を実行してよく、外部エリアはISISプロセス1を実行してよい。ABR1は、ステップ1410の構成に基づいて、ABR1によって送信される第1のメッセージを使用して、ABR1のホストルーティングプレフィックスと外部エリア(SISプロセス1を実行)のBIER情報とを、現在のエリア(ISISプロセス2を実行)にフラッディングし、且つ携えることができる。第1のメッセージはABR1のBIER情報をさらに含む。具体的に述べると、第1のメッセージはBFR-ID=121とBFR-ID=120とを含み、現在のエリア(ISISプロセス2を実行)にフラッディングされる。現在のエリア(ISISプロセス2を実行)内のBFRは、IDがそれぞれ120および121であるBFRに対してBIFT項目を構築し、その結果、現在のエリア(ISISプロセス2を実行)内のBFR-IDがそれぞれ1~119であるBFRは、このBIFT項目に基づいて、外部エリア(ISISプロセス1を実行)内のIDがそれぞれ120および121であるBFRのいずれか一方または両方へBIERパケットを転送できる。BIFT項目を構築し、転送を行う具体的なプロセスは、
図13と同様である。詳細については
図14の説明を参照されたい。ここでは詳細を再度説明しない。
【0200】
前述の技術的なソリューションを使用することにより、複数プロセスにわたってBIERパケットを転送できる。
【0201】
以下では、
図15を参照し、第1のエリアがBGPエリアであり、第2のエリアがISISプロセス1を実行する一例を使用して、クロスエリアBIERパケット転送の具体的なプロセスを詳しく説明する。
図15の例が、本出願の実施形態を例に示されている特定の値や特定のシナリオに限定する代わりに、当業者が本出願の実施形態を理解するのを助けることを意図しているにすぎないことに注意されたい。当業者が
図15で提供されている例に基づいて様々な同等の修正や変更を行えることは明らかであり、そのような修正と変更も本出願の実施形態の範囲内に入る。
【0202】
図15は、本出願の一実施形態による別のクロスエリアBIERパケット転送方法の概略フローチャートである。
図15を参照すると、該方法はステップ1510~1530を含み得る。以下では、ステップ1510~1530を別々に詳しく説明する。
【0203】
図15に示されている実施形態において、ABR1がBGPプロトコルを実行して、
図7のPE1~PE119にルーティング情報をフラッディングすることを理解されたい。加えて、ABR1は、ISISプロセス1を使用して、
図7のR2、PE121、およびP1にルーティング情報をフラッディングする。本実施形態では、ABR1のために2つのインターフェイスアドレスが構成され、それらはそれぞれloopback0とloopback1である。ABR1は、BGPを使用してBIER情報をパブリッシュするためにloopback1を使用し、ABR1は、ISISを使用してBIER情報をパブリッシュするためにloopback0を使用する。
【0204】
ステップ1510:ABR1は、外部エリアのインポートされるBIER情報と、該外部エリアの該BIER情報を携えるIPアドレスとを構成する。
【0205】
例えば、ABR1は、第1のメッセージを使用して外部エリアのBIER情報を携え、且つインポートするように構成される。第1のメッセージはABR1のホストルーティングプレフィックスを含む。具体的な構成は以下の通りである。
interface loopback0
ip addr 1.1.1.1 32 ##インターフェイスアドレスのプレフィックスを構成する(32ビットマスクはホストルーティングプレフィックスを意味する)
isis enable 1
interface loopback1
ip addr 1.1.1.2 32 ##インターフェイスアドレスのプレフィックスを構成する(32ビットマスクはホストルーティングプレフィックスを意味する)
Isis enable 2
BIER
sub-domain 0
bfr-id 120 ##ABR1のBFR-ID=120
protocol isis 1 bfr-prefix loopback0 ##ISISのloopback0を使用してプロセス1でBIER情報がフラッディングされる
protocol bgp bfr-prefix loopback1 ## BGPのloopback1を使用してBIER情報がパブリッシュされる
encapsulation mpls bsl 256 max-si 2 ##ABR1のカプセル化情報を、すなわちBIFT-idを、構成する
import bfr-id 1 to 119 into isis 1
【0206】
この構成で、「interface loopback0 Ip addr 1.1.1.1 32」は、ABR1上で構成されるloopback0のアドレスが1.1.1.1であることを表す。「interface loopback1 Ip addr 1.1.1.2 32」は、ABR1上で構成されるloopback1のアドレスが1.1.1.2であることを示す。「protocol isis 1 bfr-prefix loopback0」は、loopback 0のIPアドレスを使用してルーティングプレフィックス情報が構築され、ISISプロセス1でBIER情報がフラッディングされることを表す。「protocol bgp bfr-prefix loopback1」は、loopback 1のIPアドレスを使用してルーティングプレフィックス情報が構築され、BGPエリアでBIER情報がフラッディングされることを表す。「import bfr-id 1 to 119 into isis 1」は、外部エリア(BGPエリア)内のBFR IDがそれぞれ1乃至119であるBFRについてホストルーティングプレフィックス内のloopback 1のIPアドレスを使用してルーティングプレフィックス情報が構築され、ルーティングプレフィックス情報が現在のエリア(ISISプロセス1を実行)にフラッディングされることを表す。
【0207】
ステップ1520:インポートされたBIER情報を含むメッセージを受信すると、現在のエリア(ISISプロセス1を実行)内のBFRは、インポートされたBIER情報に含まれる外部エリアのBFR-IDに基づいてBIFT項目を構築する。
【0208】
プロセスはステップ820と同様である。詳細についてはステップ820の説明を参照されたい。ここでは詳細を再度説明しない。
【0209】
ステップ1530:現在のエリア(ISISプロセス1を実行)内のBFRは、構築されたBIFT項目に基づいて、外部エリア(BGPエリア)内のBFR-IDがそれぞれ1~120であるBFRのうちのいずれか1つ以上へBIERパケットを転送する。
【0210】
プロセスはステップ830と同様である。詳細についてはステップ830の説明を参照されたい。ここでは詳細を再度説明しない。
【0211】
前述の技術的なソリューションを使用することにより、複数ASドメインにわたってBIERパケットを転送できる。
【0212】
以上、
図1~
図15を参照して、本出願の実施形態で提供される方法を詳しく説明した。以下、
図16~
図21を参照して、本出願の装置の実施形態を詳しく説明する。方法の実施形態の説明が装置の実施形態の説明に対応することを理解されたい。したがって、詳しく説明されていない部分については、前述の方法の実施形態を参照されたい。
【0213】
図16は、本出願の一実施形態による第2のネットワークデバイス1600の構造の概略図である。第2のネットワークデバイス1600は、
第1のネットワークデバイスによって送信される第1のメッセージを受信するように構成された受信モジュール1610であって、第1のメッセージが、第1のネットワークデバイスの第1のホストルーティングプレフィックスと、第1のBIER情報と、第2のBIER情報とを含み、第1のBIER情報が第1のネットワークデバイスのビットインデックス転送テーブル識別子BIFT IDを含み、第2のBIER情報が第1のエリア内の少なくとも1つのビット転送ルータBFRのビット転送ルータ識別子BFR IDを含み、少なくとも1つのBFRが第1のネットワークデバイスを含まず、第1のネットワークデバイスが第1のエリアと第2のエリアとに属し、第2のネットワークデバイスが第2のエリアに属し、第1のエリアと第2のエリアが異なる、受信モジュールと、
第1のBIER情報と、第2のBIER情報と、ホストルーティングプレフィックスとに基づいてBIER転送項目を構築するように構成された構築モジュール1620であって、該BIER転送項目において、第1のネットワークデバイスが第2のネットワークデバイスの次ホップBFRネイバーである、構築モジュールとを含む。
【0214】
任意に選べることとして、ホストルーティングプレフィックスは第1のインターネットプロトコルIPアドレスを含み、第1のIPアドレスは第1のネットワークデバイスのIPアドレスである。
【0215】
構築モジュール1620は、具体的には、第1のエリア内の少なくとも1つのBFRのBFR IDと、第1のIPアドレスと、第1のネットワークデバイスのBIFT IDとに基づいてBIFT項目を構築するように構成されてよく、BIFT項目は、少なくとも1つのBFR IDと、次ホップBFRネイバーに関する、少なくとも1つのBFR IDに対応する、情報と、BFRネイバーのカプセル化情報とを含み、次ホップBFRネイバーに関する情報は第1のIPアドレスを含み、カプセル化情報は第1のネットワークデバイスのBIFT IDを含む。
【0216】
任意に選べることとして、第1のメッセージはインテリアゲートウェイプロトコルIGPメッセージである。
【0217】
任意に選べることとして、IGPメッセージは、中間システム間IS-ISプロトコルメッセージ、または開放最短経路転送OSPFプロトコルメッセージである。
【0218】
任意に選べることとして、第1のエリアと第2のエリアが異なることは、
第1のエリアが第1のIS-ISレベルを実行するエリアであり、第2のエリアが第2のIS-ISレベルを実行するエリアであり、第1のIS-ISレベルと第2のIS-ISレベルが異なること、または
第1のエリアが第1のOSPFエリアであり、第2のエリアが第2のOSPFエリアであり、第1のOSPFエリアと第2のOSPFエリアが異なること、または
第1のエリアがOSPFまたはBGPを実行するエリアであり、第2のエリアがIS-ISを実行するエリアであること、または
第1のエリアがIS-ISまたはBGPを実行するエリアであり、第2のエリアがOSPFを実行するエリアであること、または
第1のエリアが、第1のIS-ISレベルを実行し、第1のネットワークデバイス上で第1のIS-ISプロセスが実行されるエリアであり、第2のエリアが、第1のIS-ISレベルを実行し、第1のネットワークデバイス上で第2のIS-ISプロセスが実行されるエリアであり、第1のIS-ISプロセスと第2のIS-ISプロセスが異なること、または
第1のエリアが第1のネットワークデバイス上で第1のOSPFプロセスが実行される第1のOSPFエリアであり、第2のエリアが第1のネットワークデバイス上で第2のOSPFプロセスが実行される第1のOSPFエリアであり、第1のOSPFプロセスと第2のOSPFプロセスが異なることを含む。
【0219】
任意に選べることとして、第1のネットワークデバイスは第2のネットワークデバイスの非直接的に接続されたBFRネイバーであり、該装置は、第1のIPアドレスに対応するユニキャストトンネルを決定するように構成された決定モジュール1630をさらに含み、BIFT項目はユニキャストトンネルに対応するカプセル化情報を含む。
【0220】
任意に選べることとして、ユニキャストトンネルはマルチプロトコルラベルスイッチングMPLSトンネルであり、BIFT項目はMPLSトンネルに対応するカプセル化情報を含む。
【0221】
任意に選べることとして、ユニキャストトンネルはインターネットプロトコルIPトンネルであり、カプセル化情報は第1のIPアドレスを含む。
【0222】
任意に選べることとして、第2のBIER情報は第1の指示をさらに含み、第1の指示は、第2のBIER情報が、少なくとも1つのBFRのものであって、且つ第1のエリアから第2のエリアにインポートされる、BIER情報であることを指示するために使用される。
【0223】
図17は、本出願の一実施形態による第1のネットワークデバイス1700の構造の概略図である。第1のネットワークデバイス1700は、
第2のネットワークデバイスへ第1のメッセージを送信するように構成された送信モジュール1710であって、第1のメッセージがビット・インデックス・エクスプリシット・レプリケーションBIER転送項目を構築することを第2のネットワークデバイスに指示するために使用され、第1のメッセージが第1のネットワークデバイスの第1のホストルーティングプレフィックスと、第1のBIER情報と、第2のBIER情報とを含み、第1のBIER情報が第1のネットワークデバイスのビットインデックス転送テーブル識別子BIFT IDを含み、第2のBIER情報が第1のエリア内の少なくとも1つのビット転送ルータBFRのビット転送ルータ識別子BFR IDを含み、少なくとも1つのBFRが第1のネットワークデバイスを含まず、第1のネットワークデバイスが第1のエリアと第2のエリアとに属し、第2のネットワークデバイスが第2のエリアに属し、第1のエリアと第2のエリアが異なる、送信モジュールと、
第2のネットワークデバイスによって送信されるBIERパケットを受信するように構成された受信モジュール1720とを含む。
【0224】
任意に選べることとして、ホストルーティングプレフィックスは第1のインターネットプロトコルIPアドレスを含み、第1のIPアドレスは第1のネットワークデバイスのIPアドレスであり、BIER転送項目は、少なくとも1つのBFR IDと、次ホップBFRネイバーに関する、少なくとも1つのBFR IDに対応する、情報と、BFRネイバーのカプセル化情報とを含み、次ホップBFRネイバーに関する情報は第1のIPアドレスを含み、カプセル化情報は第1のネットワークデバイスのBIFT IDを含む。
【0225】
任意に選べることとして、第1のメッセージはインテリアゲートウェイプロトコルIGPメッセージである。
【0226】
任意に選べることとして、IGPメッセージは、中間システム間IS-ISプロトコルメッセージ、または開放最短経路転送OSPFプロトコルメッセージである。
【0227】
任意に選べることとして、第1のエリアと第2のエリアが異なることは、
第1のエリアが第1のIS-ISレベルを実行するエリアであり、第2のエリアが第2のIS-ISレベルを実行するエリアであり、第1のIS-ISレベルと第2のIS-ISレベルが異なること、または
第1のエリアが第1のOSPFエリアであり、第2のエリアが第2のOSPFエリアであり、第1のOSPFエリアと第2のOSPFエリアが異なること、または
第1のエリアがOSPFまたはBGPを実行するエリアであり、第2のエリアがIS-ISを実行するエリアであること、または
第1のエリアがIS-ISまたはBGPを実行するエリアであり、第2のエリアがOSPFを実行するエリアであること、または
第1のエリアが、第1のIS-ISレベルを実行し、第1のネットワークデバイス上で第1のIS-ISプロセスが実行されるエリアであり、第2のエリアが、第1のIS-ISレベルを実行し、第1のネットワークデバイス上で第2のIS-ISプロセスが実行されるエリアであり、第1のIS-ISプロセスと第2のIS-ISプロセスが異なること、または
第1のエリアが第1のネットワークデバイス上で第1のOSPFプロセスが実行される第1のOSPFエリアであり、第2のエリアが第1のネットワークデバイス上で第2のOSPFプロセスが実行される第1のOSPFエリアであり、第1のOSPFプロセスと第2のOSPFプロセスが異なることを含む。
【0228】
任意に選べることとして、第1のホストルーティングプレフィックスを有するIPアドレスは、第1のネットワークデバイスの別のルーティングプレフィックスを有するIPアドレスと重複しない。
【0229】
任意に選べることとして、第1のネットワークデバイスは第2のネットワークデバイスの非直接的に接続されたBFRネイバーである。BIER転送項目はユニキャストトンネルに対応するカプセル化情報をさらに含み、ユニキャストトンネルは第1のIPアドレスに対応するユニキャストトンネルである。
【0230】
任意に選べることとして、ユニキャストトンネルはマルチプロトコルラベルスイッチングMPLSトンネルであり、BIER転送項目はMPLSトンネルに対応するカプセル化情報を含む。
【0231】
任意に選べることとして、ユニキャストトンネルはインターネットプロトコルIPトンネルであり、BIER転送項目は第1のIPアドレスを含む。
【0232】
任意に選べることとして、第2のBIER情報は第1の指示をさらに含み、第1の指示は、第2のBIER情報が、少なくとも1つのBFRのものであって、且つ第1のエリアから第2のエリアにインポートされる、BIER情報であることを指示するために使用される。
【0233】
図18は、本出願の一実施形態による第2のネットワークデバイス1800のハードウェア構造の概略図である。
図18に示されている第2のネットワークデバイス1800は、前述の実施形態の方法で第2のネットワークデバイスによって遂行される対応するステップを遂行でき、第2のネットワークデバイスの機能を有することができる。
【0234】
図18に示されているように、第2のネットワークデバイス1800は、プロセッサ1801と、メモリ1802と、インターフェイス1803と、バス1804とを含む。インターフェイス1803は無線または有線方式で実装されてよく、具体的にはネットワークインターフェイスカードであってよい。プロセッサ1801、メモリ1802、およびインターフェイス1803は、バス1804を使用して接続される。
【0235】
インターフェイス1803は、具体的には、送信器と受信器とを含み得、これらは、前述の実施形態において、第1のネットワークデバイスとメッセージを交換し、且つBIERパケットを転送するために第2のネットワークデバイスによって使用される。例えば、インターフェイス1803は、第1のエリア内で第1のネットワークデバイスによって送信される第1のメッセージを受信するにあたって第2のネットワークデバイスを支援するように構成され、またはさらに、BIFT項目に基づいて第2のネットワークデバイスから第1のネットワークデバイスへBIERパケットを送信するにあたって第2のネットワークデバイスを支援するように構成される。例えば、インターフェイス1803は、
図6のステップ610およびステップ630を支援するように構成される。プロセッサ1801は、前述の実施形態で第2のネットワークデバイスによって行われる処理を行うように構成される。例えば、プロセッサ1801は、第1のBIER情報と、第2のBIER情報と、ホストルーティングプレフィックスとに基づいてBIFT項目を構築するように構成され、および/または本明細書で説明されている技術で別のプロセスを遂行するように構成される。メモリ1802はオペレーティングシステムとアプリケーションプログラムとをさらに含み得、プログラム、コード、または命令を保管するように構成される。プロセッサがプログラム、コード、または命令を実行すると、方法の実施形態の第1のネットワークデバイスに関係する処理プロセスを完遂できる。任意に選べることとして、メモリ1802は、読み取り専用メモリ(read-only memory、ROM)とランダムアクセスメモリ(random access memory、RAM)とを含み得る。ROMは、基本入出力システム(basic input/output system、BIOS)または組み込みシステムを含み、RAMは、アプリケーションプログラムとオペレーティングシステムとを含む。第2のネットワークデバイス1800が動作する必要があるときには、システムを起動するようにブートし、且つ第2のネットワークデバイス1800を通常の動作状態に入るようにブートするために、ROMに組み込まれたBIOSまたは組み込みシステムのbootloaderが使用される。第2のネットワークデバイス1800は、通常の動作状態に入った後に、RAM内のアプリケーションプログラムとオペレーティングシステムを実行して、方法の実施形態の第2のネットワークデバイス1800に関係する処理プロセスを完遂する。
【0236】
図18が第2のネットワークデバイス1800の簡略化された設計を示しているにすぎないことは理解され得る。実際の応用では、第1のネットワークデバイスがいくつものインターフェイス、プロセッサ、またはメモリを含み得る。
【0237】
図19は、本出願の一実施形態による別の第2のネットワークデバイス1900のハードウェア構造の概略図である。
図19に示されている第2のネットワークデバイス1900は、前述の実施形態の方法で第2のネットワークデバイスによって遂行される対応するステップを遂行できる。
【0238】
図19に示されているように、第2のネットワークデバイス1900は、主制御基板1910と、インターフェイス基板1930と、交換基板1920と、インターフェイス基板1940とを有する。主制御基板1910、インターフェイス基板1930および1940、ならびに交換基板1920は、バスを使用してバックプレーンに接続することによって互いに接続される。主制御基板1910は、システム管理、デバイスメンテナンス、プロトコル処理などの機能を完遂するように構成される。交換基板1920は、インターフェイス基板(インターフェイス基板はラインカードまたはサービス基板とも呼ばれる)間でデータを交換するように構成される。インターフェイス基板1930および1940は、様々なサービスインターフェイス(例えば、POSインターフェイス、GEインターフェイス、およびATMインターフェイス)を提供し、且つデータパケットを転送するように構成される。
【0239】
インターフェイス基板1930は、中央処理装置1931と、転送項目メモリ1934と、物理インターフェイスカード1933と、ネットワークプロセッサ1932とを含み得る。中央処理装置1931は、インターフェイス基板を制御し、且つ管理するように構成される。転送項目メモリ1934は、項目を、例えば前述のBIFT項目を、保管するように構成される。物理インターフェイスカード1933は、メッセージまたはBIERパケットを送受信するように構成される。ネットワークメモリ1932は、項目に基づいて、メッセージまたはBIERパケットを送受信するように物理インターフェイスカード1933を制御するように構成される。
【0240】
具体的に述べると、物理インターフェイスカード1933は、第1のエリア内の第1のネットワークデバイスによって送信される第1のメッセージを受信するように構成される。物理インターフェイスカード1933は、第1のメッセージを受信した後に、中央処理装置1931を通じて中央処理装置1911へ第1のメッセージを送信し、中央処理装置1911が第1のメッセージを処理する。
【0241】
中央処理装置1911はさらに、第1のBIER情報と、第2のBIER情報と、ホストルーティングプレフィックスとに基づいてBIFT項目を構築し、且つBIFT項目を転送項目メモリ1934に保管するように構成される。
【0242】
中央処理装置1911はさらに、転送項目メモリ1934内のBIFT項目を得るようにネットワークメモリ1932を制御するように構成される。加えて、中央処理装置1931はさらに、物理インターフェイスカード1933を通じて第1のネットワークデバイスへBIFT項目を送信するようにネットワークメモリ1932を制御するように構成される。中央処理装置1931はさらに、物理インターフェイスカード1933を通じて第2のネットワークデバイスへBIERパケットを送信するようにネットワークメモリ1932を制御するように構成される。
【0243】
インターフェイス基板1940上での作業が本出願の本実施形態におけるインターフェイス基板1930上での作業と一致することを理解されたい。簡潔にするため、詳細は説明しない。本実施形態における第2のネットワークデバイス1900が、前述の方法の実施形態における機能および/または様々な実施ステップに対応し得ることを理解されたい。ここでは詳細を再度説明しない。
【0244】
加えて、1つ以上の主制御基板が存在してよいことに注意されたい。複数の主制御基板が存在する場合は、アクティブ主制御基板とスタンバイ主制御基板とが含まれ得る。1つ以上のインターフェイス基板があってよく、より強いデータ処理能力を有する第1のネットワークデバイスがより多くのインターフェイス基板を提供する。インターフェイス基板上には1つ以上の物理インターフェイスカードがあってよい。交換基板はなくてもよく、または1つ以上の交換基板があってもよい。複数の交換基板が存在する場合は、負荷分担と冗長バックアップが複数の交換基板によって共同で実施されてよい。集中転送アーキテクチャでは、第1のネットワークデバイスが交換基板を必要としない場合があり、インターフェイス基板がシステム全体のサービスデータを処理する機能を提供する。分散転送アーキテクチャでは、第1のネットワークデバイスが少なくとも1つの交換基板を有してよく、大容量データ交換および処理能力を提供するために、複数のインターフェイス基板間のデータ交換は交換基板を使用して実施される。したがって、分散アーキテクチャにおける第1のネットワークデバイスのデータアクセスおよび処理能力は、集中アーキテクチャにおけるデバイスのデータアクセスおよび処理能力より優れている。使用するべき具体的なアーキテクチャは、具体的なネットワーキング展開シナリオ次第で決まる。これはここで限定されない。
【0245】
図20は、本出願の一実施形態による第1のネットワークデバイス2000のハードウェア構造の概略図である。
図20に示されている第1のネットワークデバイス2000は、前述の実施形態の方法で第1のネットワークデバイスによって遂行される対応するステップを遂行でき、第1のネットワークデバイスの機能を有することができる。
【0246】
図20に示されているように、第1のネットワークデバイス2000は、プロセッサ2001と、メモリ2002と、インターフェイス2003と、バス2004とを含む。インターフェイス2003は無線または有線方式で実装されてよく、具体的にはネットワークインターフェイスカードであってよい。プロセッサ2001、メモリ2002、およびインターフェイス2003は、バス2004を使用して接続される。
【0247】
インターフェイス2003は、具体的には、送信器と受信器とを含み得、これらは、前述の実施形態において、第2のネットワークデバイスとメッセージを交換し、且つBIERパケットを転送するために第1のネットワークデバイスによって使用される。例えば、インターフェイス2003は、第2のネットワークデバイスによって送信されるBIERパケットの受信を支援するように構成される。プロセッサ2001は、前述の実施形態で第1のネットワークデバイスによって行われる処理を行うように構成される。例えば、プロセッサ2001は、BIFT項目に基づいて受信したBIERパケットをBFERへ送信するように構成され、および/または本明細書で説明されている技術で別のプロセスを遂行するように構成される。メモリ2002はオペレーティングシステムとアプリケーションプログラムとをさらに含み得、プログラム、コード、または命令を保管するように構成される。プロセッサがプログラム、コード、または命令を実行すると、前述の方法の実施形態における第1のネットワークデバイスの処理プロセスを完遂できる。任意に選べることとして、メモリ2002は、読み取り専用メモリ(read-only memory、ROM)とランダムアクセスメモリ(random access memory、RAM)とを含み得る。ROMは、基本入出力システム(basic input/output system、BIOS)または組み込みシステムを含み、RAMは、アプリケーションプログラムとオペレーティングシステムとを含む。第1のネットワークデバイス2000が動作する必要があるときには、システムを起動するようにブートし、且つ第1のネットワークデバイス2000を通常の動作状態に入るようにブートするために、ROMに組み込まれたBIOSまたは組み込みシステムのbootloaderが使用される。第1のネットワークデバイス2000は、通常の動作状態に入った後に、RAM内のアプリケーションプログラムとオペレーティングシステムを実行して、方法の実施形態の第1のネットワークデバイス2000に関係する処理プロセスを完遂する。
【0248】
図20が第1のネットワークデバイス2000の簡略化された設計を示しているにすぎないことは理解され得る。実際の応用では、第1のネットワークデバイスがいくつものインターフェイス、プロセッサ、またはメモリを含み得る。
【0249】
図21は、本出願の一実施形態による別の第1のネットワークデバイス2100のハードウェア構造の概略図である。
図21に示されている第1のネットワークデバイス2100は、前述の実施形態の方法で第1のネットワークデバイスによって遂行される対応するステップを遂行できる。
【0250】
図21に示されているように、第1のネットワークデバイス2100は、主制御基板2110と、インターフェイス基板2130と、交換基板2120と、インターフェイス基板2140とを含む。主制御基板2110、インターフェイス基板2130および2140、ならびに交換基板2120は、バスを使用してバックプレーンに接続することによって互いに接続される。主制御基板2110は、システム管理、デバイスメンテナンス、プロトコル処理などの機能を完遂するように構成される。交換基板2120は、インターフェイス基板(インターフェイス基板はラインカードまたはサービス基板とも呼ばれる)間でデータを交換するように構成される。インターフェイス基板2130および2140は、様々なサービスインターフェイス(例えば、POSインターフェイス、GEインターフェイス、およびATMインターフェイス)を提供し、且つデータパケットを転送するように構成される。
【0251】
インターフェイス基板2130は、中央処理装置2131と、転送項目メモリ2134と、物理インターフェイスカード2133と、ネットワークプロセッサ2132とを含み得る。中央処理装置2131は、インターフェイス基板を制御し、且つ管理するように構成される。転送項目メモリ2134は、項目を、例えばBIFT項目を、保管するように構成される。物理インターフェイスカード2133は、メッセージまたはBIERパケットを送受信するように構成される。ネットワークメモリ2132は、項目に基づいて、メッセージまたはBIERパケットを送受信するように物理インターフェイスカード2133を制御するように構成される。
【0252】
具体的に述べると、物理インターフェイスカード2133は、第2のネットワークデバイスによって送信されるBIERパケットを受信するように構成される。物理インターフェイスカード2133は、BIERパケットを受信した後に、中央処理装置2131を通じて中央処理装置2111へBIERパケットを送信し、中央処理装置2111がBIERパケットを処理する。
【0253】
中央処理装置2111はさらに、転送項目メモリ2134内のBIFT項目を得るようにネットワークメモリ2132を制御するように構成される。加えて、中央処理装置2131はさらに、物理インターフェイスカード2133を通じてBFERへBIERパケットを送信するようにネットワークメモリ2132を制御するように構成される。
【0254】
インターフェイス基板2140上での作業が本出願の本実施形態におけるインターフェイス基板2130上での作業と一致することを理解されたい。簡潔にするため、詳細は説明しない。本実施形態における第1のネットワークデバイス2100が、前述の方法の実施形態における機能および/または様々な実施ステップに対応し得ることを理解されたい。ここでは詳細を説明しない。
【0255】
加えて、1つ以上の主制御基板が存在してよいことに注意されたい。複数の主制御基板が存在する場合は、アクティブ主制御基板とスタンバイ主制御基板とが含まれ得る。1つ以上のインターフェイス基板があってよく、より強いデータ処理能力を有する第1のネットワークデバイスがより多くのインターフェイス基板を提供する。インターフェイス基板上には1つ以上の物理インターフェイスカードがあってよい。交換基板はなくてもよく、または1つ以上の交換基板があってもよい。複数の交換基板が存在する場合は、負荷分担と冗長バックアップが複数の交換基板によって共同で実施されてよい。集中転送アーキテクチャでは、第1のネットワークデバイスが交換基板を必要としない場合があり、インターフェイス基板がシステム全体のサービスデータを処理する機能を提供する。分散転送アーキテクチャでは、第1のネットワークデバイスが少なくとも1つの交換基板を有してよく、大容量データ交換および処理能力を提供するために、複数のインターフェイス基板間のデータ交換は交換基板を使用して実施される。したがって、分散アーキテクチャにおける第1のネットワークデバイスのデータアクセスおよび処理能力は、集中アーキテクチャにおけるデバイスのデータアクセスおよび処理能力より優れている。使用するべき具体的なアーキテクチャは、具体的なネットワーキング展開シナリオ次第で決まる。これはここで限定されない。
【0256】
図22は、本出願の一実施形態によるBIER転送項目構築システム2200の構造の概略図である。
図22に示されているように、BIER転送項目構築システム2200は、第1のネットワークデバイス2201と第2のネットワークデバイス2202とを含み得る。
【0257】
第2のネットワークデバイス2202は、第1のネットワークデバイス2201によって送信される第1のメッセージを受信する作業を遂行でき、第1のメッセージは、第1のネットワークデバイス2201の第1のホストルーティングプレフィックスと、第1のBIER情報と、第2のBIER情報とを含む。第2のネットワークデバイス2202は、第1のBIER情報と、第2のBIER情報と、ホストルーティングプレフィックスとに基づいてBIER転送項目を構築できる。BIER転送項目において、第1のネットワークデバイス2201は第2のネットワークデバイス2202の次ホップBFRネイバーである。
【0258】
本出願で、第1のBIER情報が第1のネットワークデバイス2201のビットインデックス転送テーブル識別子BIFT IDを含み、第2のBIER情報が第1のエリア内の少なくとも1つのビット転送ルータBFRの識別子BFR IDを含むことを理解されたい。少なくとも1つのBFRは第1のネットワークデバイス2201を含まない。第1のネットワークデバイス2201は第1のエリアと第2のエリアとに属し、第2のネットワークデバイス2201は第2のエリアに属する。第1のエリアと第2のエリアは異なる。
【0259】
第2のネットワークデバイス2202は、前述の実施形態の方法で第2のネットワークデバイスによって遂行される対応するステップを遂行でき、第2のネットワークデバイスの機能を有することができる。例えば、第2のネットワークデバイス2202は、
図6のステップ610およびステップ620で説明されている方法のステップを遂行でき、または
図8、
図13、
図14、および
図15で第2のネットワークデバイスによって遂行される対応するステップを遂行できる。
【0260】
第1のネットワークデバイス2201は、第2のネットワークデバイス2202へ第1のメッセージを送信する作業を遂行でき、第1のメッセージは、ビット・インデックス・エクスプリシット・レプリケーションBIER転送項目を構築することを第2のネットワークデバイス2202に指示するために使用される。第1のネットワークデバイス2201はさらに、第2のネットワークデバイス2202によって送信されるBIERパケットを受信できる。
【0261】
第1のネットワークデバイス2201は、前述の実施形態の方法で第1のネットワークデバイスによって遂行される対応するステップを遂行でき、第1のネットワークデバイスの機能を有することができる。例えば、第1のネットワークデバイス2201は、
図8、
図13、
図14、および
図15で第1のネットワークデバイスによって遂行される対応するステップを遂行できる。
【0262】
本出願の一実施形態は、コンピュータプログラムを保管するように構成されたコンピュータ可読媒体をさらに提供する。コンピュータプログラムは、前述の態様のいずれか1つのいずれかの可能な実装の方法を遂行するために使用される命令を含む。可読媒体は、読み取り専用メモリ(read-only memory、ROM)またはランダムアクセスメモリ(random access memory、RAM)であってよい。これは本出願の本実施形態で限定されない。
【0263】
本出願の一実施形態は、第1のネットワークデバイスまたは第2のネットワークデバイスで使用されるコンピュータプログラム製品をさらに提供する。コンピュータプログラム製品はコンピュータプログラムコードを含む。コンピュータプログラムコードがコンピュータによって実行されると、コンピュータは、前述の態様のいずれか1つのいずれかの可能な実装の方法を遂行することが可能になる。
【0264】
本出願の一実施形態は、チップシステムをさらに提供する。チップシステムは、第1のネットワークデバイスまたは第2のネットワークデバイスで使用される。チップシステムは、少なくとも1つのプロセッサと、少なくとも1つのメモリと、インターフェイス回路とを含む。インターフェイス回路は、チップシステムと外部との間で情報を交換する役割を担う。少なくとも1つのメモリ、インターフェイス回路、および少なくとも1つのプロセッサは、線路を使用して相互に接続され、少なくとも1つのメモリは命令を保管する。前述の態様による方法で第1のネットワークデバイスまたは第2のネットワークデバイスの作業を遂行するため、命令は少なくとも1つのプロセッサによって実行される。
【0265】
前述のプロセスの順序番号が本出願の実施形態における実行順序を意味しないことを理解されたい。プロセスの実行順序はプロセスの機能と内部ロジックとに基づいて決定されるべきであり、本出願の実施形態の実施プロセスを制限するものとして解釈されるべきではない。
【0266】
当業者であれば、本明細書で開示されている実施形態で説明されている例と組み合わせて、ユニットとアルゴリズムのステップが、電子ハードウェアによって、またはコンピュータソフトウェアと電子ハードウェアとの組み合わせによって、実装され得ることに気づくことができる。機能がハードウェアとソフトウェアのどちらによって実装されるかは、技術的なソリューションの具体的な用途と設計上の制約次第で決まる。当業者であれば、具体的な用途ごとに異なる方法を用いて説明されている機能を実装できるが、その実装は、本出願の範囲を超えるものと考えられるべきではない。
【0267】
説明を簡便にする目的で、前述のシステム、装置、およびユニットの詳しい作業プロセスについては、前述の方法の実施形態における対応するプロセスを参照するべきことは、当業者によって明確に理解されよう。ここでは詳細を再度説明しない。
【0268】
本出願で提供されるいくつかの実施形態において、開示されているシステム、装置、および方法が別の方式で実現されてよいことを理解されたい。例えば、前述の装置の実施形態は単なる例である。例えば、ユニットへの分割は単なる論理的な機能分割であり、実際の実装時には他の分割であってもよい。例えば、複数のユニットまたはコンポーネントが組み合わされるか、もしくは別のシステムに統合されてもよく、またはいくつかの機能は無視されてよく、もしくは実施されなくてもよい。加えて、表示または論述されている相互結合または直接結合または通信接続は、いくつかのインターフェイスを通じて実装されてよい。装置間またはユニット間の間接結合または通信接続は、電気的形態、機械的形態、または別の形態で実装されてよい。
【0269】
別々の部分として説明されているユニットは物理的に分離していてもしていなくてもよく、ユニットとして表示されている部分は物理的なユニットであってもなくてもよく、一箇所に配置されてよく、または複数のネットワークユニットに分散されてもよい。実施形態のソリューションの目的を達成するため、実際の要件に基づいてユニットの一部または全部が選択されてよい。
【0270】
加えて、本出願の実施形態の機能ユニットは1つの処理ユニットに統合されてよく、ユニットの各々が物理的に単独で存在してもよく、または2つ以上のユニットが1つのユニットに統合されてもよい。
【0271】
機能がソフトウェア機能ユニットの形で実装され、独立した製品として販売または使用される場合は、機能がコンピュータ可読記憶媒体に保管されてよい。そうした理解に基づき、本出願の技術的なソリューションは本質的に、または従来の技術に寄与する部分は、または技術的なソリューションのいくつかは、ソフトウェア製品の形で実装されてよい。コンピュータソフトウェア製品は記憶媒体に保管され、本出願の実施形態における方法のステップの全部または一部を遂行することをコンピュータデバイス(パーソナルコンピュータ、サーバー、ネットワークデバイスなどであってよい)に命令するいくつかの命令を含む。前述の記憶媒体は、USBフラッシュドライブ、リムーバブルハードディスク、読み取り専用メモリ(read-only memory、ROM)、ランダムアクセスメモリ(random access memory、RAM)、磁気ディスク、またはコンパクトディスクなど、プログラムコードを保管できるいずれかの媒体を含む。
【0272】
前述の説明は本出願の特定の実装にすぎず、本出願の保護範囲を限定することを意図するものではない。本出願で開示されている技術的な範囲内で当業者によって容易く考え出されるバリエーションや代替は、本出願の保護範囲内に入るものとする。したがって、本出願の保護範囲は請求項の保護範囲に従うものとする。
【符号の説明】
【0273】
1600 第2のネットワークデバイス
1610 受信モジュール
1620 構築モジュール
1630 決定モジュール
1700 第1のネットワークデバイス
1710 送信モジュール
1720 受信モジュール
1800 第2のネットワークデバイス
1801 プロセッサ
1802 メモリ
1803 インターフェイス
1804 バス
1900 第2のネットワークデバイス
1910 主制御基板
1911 中央処理装置
1920 交換基板
1930 インターフェイス基板
1931 中央処理装置
1932 ネットワークプロセッサ
1933 物理インターフェイスカード
1934 転送項目メモリ
1940 インターフェイス基板
2000 第1のネットワークデバイス
2001 プロセッサ
2002 メモリ
2003 インターフェイス
2004 バス
2100 第1のネットワークデバイス
2110 主制御基板
2111 中央処理装置
2120 交換基板
2130 インターフェイス基板
2131 中央処理装置
2132 ネットワークプロセッサ
2133 物理インターフェイスカード
2134 転送項目メモリ
2140 インターフェイス基板
2200 BIER転送項目構築システム
2201 第1のネットワークデバイス
2202 第2のネットワークデバイス
【手続補正書】
【提出日】2022-05-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビット・インデックス・エクスプリシット・レプリケーション
(BIER
)転送項目構築方法であって、前記方法は、
第2のネットワークデバイスによって、第1のネットワークデバイスによって送信される第1のメッセージを受信するステップであって、前記第1のメッセージが、前記第1のネットワークデバイス
のホストルーティングプレフィックスと、第1のBIER情報と、第2のBIER情報とを含み、前記第1のBIER情報が前記第1のネットワークデバイスのビットインデックス転送テーブル識別子BIFT IDを含み、前記第2のBIER情報が第1のエリア内の少なくとも1つのビット転送ルータBFRの識別子BFR IDを含み、前記少なくとも1つのBFRが前記第1のネットワークデバイスを含まず、前記第1のネットワークデバイスが前記第1のエリアと第2のエリアとに属し、前記第2のネットワークデバイスが前記第2のエリアに属し、前記第1のエリアと前記第2のエリアが異なる、ステップと、
前記第2のネットワークデバイスによって、前記第1のBIER情報と、前記第2のBIER情報と、前記ホストルーティングプレフィックスとに基づいてBIER転送項目を構築するステップであって、前記BIER転送項目において、前記第1のネットワークデバイスが前記第2のネットワークデバイスの次ホップBFRネイバーである、ステップとを含む、方法。
【請求項2】
前記ホストルーティングプレフィックスは第1のインターネットプロトコルIPアドレスを含み、前記第1のIPアドレスは前記第1のネットワークデバイスのIPアドレスであり、
前記第2のネットワークデバイスによって、前記第1のBIER情報と、前記第2のBIER情報と、前記ホストルーティングプレフィックスとに基づいてBIER転送項目を構築する前記ステップは、
前記第2のネットワークデバイスによって、前記少なくとも1つのBFRの前記BFR IDと、前記第1のIPアドレスと、前記第1のネットワークデバイスの前記BIFT IDとに基づいてBIFT項目を構築するステップであって、前記BIFT項目が、前記少なくとも1つのBFR IDと、前記少なくとも1つのBFR IDに対応する次ホップBFRネイバーに関する情報と、前記BFRネイバーのカプセル化情報とを含み、前記次ホップBFRネイバーに関する前記情報が前記第1のIPアドレスを含み、前記カプセル化情報が前記第1のネットワークデバイスの前記BIFT IDを含む、ステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1のメッセージはインテリアゲートウェイプロトコル
(IGP
)メッセージである、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記IGPメッセージは、中間システム間
(IS-IS
)プロトコルメッセージ、または開放最短経路
優先(OSPF
)プロトコルメッセージである、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第1のエリアと前記第2のエリアが異なることは、
前記第1のエリアが第1のIS-ISレベルを実行するエリアであり、前記第2のエリアが第2のIS-ISレベルを実行するエリアであり、前記第1のIS-ISレベルと前記第2のIS-ISレベルが異なること、または
前記第1のエリアが第1のOSPFエリアであり、前記第2のエリアが第2のOSPFエリアであり、前記第1のOSPFエリアと前記第2のOSPFエリアが異なること、または
前記第1のエリアがOSPFまたはBGPを実行するエリアであり、前記第2のエリアがIS-ISを実行するエリアであること、または
前記第1のエリアがIS-ISまたはBGPを実行するエリアであり、前記第2のエリアがOSPFを実行するエリアであること、または
前記第1のエリアが、第1のIS-ISレベルを実行し、前記第1のネットワークデバイス上で第1のIS-ISプロセスが実行されるエリアであり、前記第2のエリアが、前記第1のIS-ISレベルを実行し、前記第1のネットワークデバイス上で第2のIS-ISプロセスが実行されるエリアであり、前記第1のIS-ISプロセスと前記第2のIS-ISプロセスが異なること、または
前記第1のエリアが前記第1のネットワークデバイス上で第1のOSPFプロセスが実行される第1のOSPFエリアであり、前記第2のエリアが前記第1のネットワークデバイス上で第2のOSPFプロセスが実行される前記第1のOSPFエリアであり、前記第1のOSPFプロセスと前記第2のOSPFプロセスが異なることを含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記第1のネットワークデバイスは前記第2のネットワークデバイスの非直接的に接続されたBFRネイバーであり、前記方法は、
前記第2のネットワークデバイスによって、前記第1のIPアドレスに対応するユニキャストトンネルを決定するステップであって、前記BIFT項目が前記ユニキャストトンネルに対応するカプセル化情報を含む、ステップをさらに含む、請求項2から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
ビット・インデックス・エクスプリシット・レプリケーション
(BIER
)転送項目構築方法であって、前記方法は、
第1のネットワークデバイスによって、第2のネットワークデバイスへ第1のメッセージを送信するステップであって、前記第1のメッセージがBIER転送項目を構築することを前記第2のネットワークデバイスに指示するために使用され、前記第1のメッセージが前記第1のネットワークデバイス
のホストルーティングプレフィックスと、第1のBIER情報と、第2のBIER情報とを含み、前記第1のBIER情報が前記第1のネットワークデバイスのビットインデックス転送テーブル識別子BIFT IDを含み、前記第2のBIER情報が第1のエリア内の少なくとも1つのビット転送ルータBFRの識別子BFR IDを含み、前記少なくとも1つのBFRが前記第1のネットワークデバイスを含まず、前記第1のネットワークデバイスが前記第1のエリアと第2のエリアとに属し、前記第2のネットワークデバイスが前記第2のエリアに属し、前記第1のエリアと前記第2のエリアが異なる、ステップを含む、方法。
【請求項8】
前記ホストルーティングプレフィックスは第1のインターネットプロトコルIPアドレスを含み、前記第1のIPアドレスは前記第1のネットワークデバイスのIPアドレスであり、前記BIER転送項目は、前記少なくとも1つのBFR IDと、前記少なくとも1つのBFR IDに対応する次ホップBFRネイバーに関する情報と、前記BFRネイバーのカプセル化情報とを含み、前記次ホップBFRネイバーに関する前記情報は前記第1のIPアドレスを含み、前記カプセル化情報は前記第1のネットワークデバイスの前記BIFT IDを含む、請求項
7に記載の方法。
【請求項9】
前記第1のメッセージはインテリアゲートウェイプロトコル
(IGP
)メッセージである、請求項
7または
8に記載の方法。
【請求項10】
前記IGPメッセージは、中間システム間
(IS-IS
)プロトコルメッセージ、または開放最短経路
優先(OSPF
)プロトコルメッセージである、請求項
9に記載の方法。
【請求項11】
前記第1のエリアと前記第2のエリアが異なることは、
前記第1のエリアが第1のIS-ISレベルを実行するエリアであり、前記第2のエリアが第2のIS-ISレベルを実行するエリアであり、前記第1のIS-ISレベルと前記第2のIS-ISレベルが異なること、または
前記第1のエリアが第1のOSPFエリアであり、前記第2のエリアが第2のOSPFエリアであり、前記第1のOSPFエリアと前記第2のOSPFエリアが異なること、または
前記第1のエリアがOSPFまたはBGPを実行するエリアであり、前記第2のエリアがIS-ISを実行するエリアであること、または
前記第1のエリアがIS-ISまたはBGPを実行するエリアであり、前記第2のエリアがOSPFを実行するエリアであること、または
前記第1のエリアが、第1のIS-ISレベルを実行し、前記第1のネットワークデバイス上で第1のIS-ISプロセスが実行されるエリアであり、前記第2のエリアが、前記第1のIS-ISレベルを実行し、前記第1のネットワークデバイス上で第2のIS-ISプロセスが実行されるエリアであり、前記第1のIS-ISプロセスと前記第2のIS-ISプロセスが異なること、または
前記第1のエリアが前記第1のネットワークデバイス上で第1のOSPFプロセスが実行される第1のOSPFエリアであり、前記第2のエリアが前記第1のネットワークデバイス上で第2のOSPFプロセスが実行される前記第1のOSPFエリアであり、前記第1のOSPFプロセスと前記第2のOSPFプロセスが異なることを含む、請求項
7から
10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
ビット・インデックス・エクスプリシット・レプリケーション
(BIER
)転送項目構築装置であって、前記装置は、
第1のネットワークデバイスによって送信される第1のメッセージを受信するように構成された受信モジュールであって、前記第1のメッセージが、前記第1のネットワークデバイス
のホストルーティングプレフィックスと、第1のBIER情報と、第2のBIER情報とを含み、前記第1のBIER情報が前記第1のネットワークデバイスのビットインデックス転送テーブル識別子BIFT IDを含み、前記第2のBIER情報が第1のエリア内の少なくとも1つのビット転送ルータBFRの識別子BFR IDを含み、前記少なくとも1つのBFRが前記第1のネットワークデバイスを含まず、前記第1のネットワークデバイスが前記第1のエリアと第2のエリアとに属し、第2のネットワークデバイスが前記第2のエリアに属し、前記第1のエリアと前記第2のエリアが異なる、受信モジュールと、
前記第1のBIER情報と、前記第2のBIER情報と、前記ホストルーティングプレフィックスとに基づいてBIER転送項目を構築するように構成された構築モジュールであって、前記BIER転送項目において、前記第1のネットワークデバイスが前記第2のネットワークデバイスの次ホップBFRネイバーである、構築モジュールとを含む、装置。
【請求項13】
前記ホストルーティングプレフィックスは第1のインターネットプロトコルIPアドレスを含み、前記第1のIPアドレスは前記第1のネットワークデバイスのIPアドレスであり、
前記構築モジュールは、具体的には、前記第1のエリア内の前記少なくとも1つのBFRの前記BFR IDと、前記第1のIPアドレスと、前記第1のネットワークデバイスの前記BIFT IDとに基づいてBIFT項目を構築し、前記BIFT項目が、前記少なくとも1つのBFR IDと、前記少なくとも1つのBFR IDに対応する次ホップBFRネイバーに関する情報と、前記BFRネイバーのカプセル化情報とを含み、前記次ホップBFRネイバーに関する前記情報が前記第1のIPアドレスを含み、前記カプセル化情報が前記第1のネットワークデバイスの前記BIFT IDを含む、ように構成される、請求項
12に記載の装置。
【請求項14】
前記第1のメッセージはインテリアゲートウェイプロトコル
(IGP
)メッセージである、請求項
12または
13に記載の装置。
【請求項15】
前記IGPメッセージは、中間システム間
(IS-IS
)プロトコルメッセージ、または開放最短経路
優先(OSPF
)プロトコルメッセージである、請求項
14に記載の装置。
【請求項16】
前記第1のエリアと前記第2のエリアが異なることは、
前記第1のエリアが第1のIS-ISレベルを実行するエリアであり、前記第2のエリアが第2のIS-ISレベルを実行するエリアであり、前記第1のIS-ISレベルと前記第2のIS-ISレベルが異なること、または
前記第1のエリアが第1のOSPFエリアであり、前記第2のエリアが第2のOSPFエリアであり、前記第1のOSPFエリアと前記第2のOSPFエリアが異なること、または
前記第1のエリアがOSPFまたはBGPを実行するエリアであり、前記第2のエリアがIS-ISを実行するエリアであること、または
前記第1のエリアがIS-ISまたはBGPを実行するエリアであり、前記第2のエリアがOSPFを実行するエリアであること、または
前記第1のエリアが、第1のIS-ISレベルを実行し、前記第1のネットワークデバイス上で第1のIS-ISプロセスが実行されるエリアであり、前記第2のエリアが、前記第1のIS-ISレベルを実行し、前記第1のネットワークデバイス上で第2のIS-ISプロセスが実行されるエリアであり、前記第1のIS-ISプロセスと前記第2のIS-ISプロセスが異なること、または
前記第1のエリアが前記第1のネットワークデバイス上で第1のOSPFプロセスが実行される第1のOSPFエリアであり、前記第2のエリアが前記第1のネットワークデバイス上で第2のOSPFプロセスが実行される前記第1のOSPFエリアであり、前記第1のOSPFプロセスと前記第2のOSPFプロセスが異なることを含む、請求項
12から
15のいずれか一項に記載の装置。
【請求項17】
ビット・インデックス・エクスプリシット・レプリケーション
(BIER
)転送項目構築装置であって、前記装置は、
第2のネットワークデバイスへ第1のメッセージを送信するように構成された送信モジュールであって、前記第1のメッセージがBIER転送項目を構築することを前記第2のネットワークデバイスに指示するために使用され、前記第1のメッセージが第1のネットワークデバイス
のホストルーティングプレフィックスと、第1のBIER情報と、第2のBIER情報とを含み、前記第1のBIER情報が前記第1のネットワークデバイスのビットインデックス転送テーブル識別子BIFT IDを含み、前記第2のBIER情報が第1のエリア内の少なくとも1つのビット転送ルータBFRの識別子BFR IDを含み、前記少なくとも1つのBFRが前記第1のネットワークデバイスを含まず、前記第1のネットワークデバイスが前記第1のエリアと第2のエリアとに属し、前記第2のネットワークデバイスが前記第2のエリアに属し、前記第1のエリアと前記第2のエリアが異なる、送信モジュールを含む、装置。
【請求項18】
前記ホストルーティングプレフィックスは第1のインターネットプロトコルIPアドレスを含み、前記第1のIPアドレスは前記第1のネットワークデバイスのIPアドレスであり、前記BIER転送項目は、前記少なくとも1つのBFR IDと、前記少なくとも1つのBFR IDに対応する次ホップBFRネイバーに関する情報と、前記BFRネイバーのカプセル化情報とを含み、前記次ホップBFRネイバーに関する前記情報は前記第1のIPアドレスを含み、前記カプセル化情報は前記第1のネットワークデバイスの前記BIFT IDを含む、請求項
17に記載の装置。
【請求項19】
前記第1のメッセージはインテリアゲートウェイプロトコル
(IGP
)メッセージである、請求項
17または
18に記載の装置。
【請求項20】
前記IGPメッセージは、中間システム間IS-ISプロトコルメッセージ、または開放最短経路
優先(OSPF
)プロトコルメッセージである、請求項
19に記載の装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0005】
第1の態様によると、ビット・インデックス・エクスプリシット・レプリケーションBIER転送項目構築方法が提供される。該方法は、第2のネットワークデバイスが第1のネットワークデバイスによって送信される第1のメッセージを受信するステップを含む。第1のメッセージは、第1のネットワークデバイスのホストルーティングプレフィックスと、第1のBIER情報と、第2のBIER情報とを含む。第2のネットワークデバイスは、第1のBIER情報と、第2のBIER情報と、ホストルーティングプレフィックスとに基づいてBIER転送項目を構築できる。BIER転送項目において、第1のネットワークデバイスは第2のネットワークデバイスの次ホップBFRネイバーである。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
別の可能な一実装において、IGPメッセージは、中間システム間IS-ISプロトコルメッセージ、または開放最短経路優先OSPFプロトコルメッセージである。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
別の可能な一実装において、第1のエリアと第2のエリアが異なることは、
第1のエリアが第1のIS-ISレベルを実行するエリアであり、第2のエリアが第2のIS-ISレベルを実行するエリアであり、第1のIS-ISレベルと第2のIS-ISレベルが異なること、または
第1のエリアが第1のOSPFエリアであり、第2のエリアが第2のOSPFエリアであり、第1のOSPFエリアと第2のOSPFエリアが異なること、または
第1のエリアがOSPFまたはBGPを実行するエリアであり、第2のエリアがIS-ISを実行するエリアであること、または
第1のエリアがIS-ISまたはBGPを実行するエリアであり、第2のエリアがOSPFを実行するエリアであること、または
第1のエリアが、第1のIS-ISレベルを実行し、第1のIS-ISプロセスが第1のネットワークデバイス上で実行されるエリアであり、第2のエリアが、第1のIS-ISレベルを実行し、第2のIS-ISプロセスが第1のネットワークデバイス上で実行されるエリアであり、第1のIS-ISプロセスと第2のIS-ISプロセスが異なること、または
第1のエリアが第1のネットワークデバイス上で第1のOSPFプロセスが実行される第1のOSPFエリアであり、第2のエリアが第1のネットワークデバイス上で第2のOSPFプロセスが実行される第1のOSPFエリアであり、第1のOSPFプロセスと第2のOSPFプロセスが異なることを含む。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0017】
本出願において、第1のメッセージが、第1のネットワークデバイスのホストルーティングプレフィックスと、第1のBIER情報と、第2のBIER情報とを含むことを理解されたい。第1のBIER情報は、第1のネットワークデバイスのビットインデックス転送テーブル識別子BIFT IDを含む。第2のBIER情報は、第1のエリア内の少なくとも1つのビット転送ルータBFRの識別子BFR IDを含む。少なくとも1つのBFRは第1のネットワークデバイスを含まない。第1のネットワークデバイスは第1のエリアと第2のエリアとに属し、第2のネットワークデバイスは第2のエリアに属し、第1のエリアと第2のエリアは異なる。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0020】
別の可能な一実装において、IGPメッセージは、中間システム間IS-ISプロトコルメッセージ、または開放最短経路優先OSPFプロトコルメッセージである。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0022】
別の可能な一実装において、ホストルーティングプレフィックスを有するIPアドレスは、第1のネットワークデバイスの別のルーティングプレフィックスを有するIPアドレスと重複しない。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0027】
第3の態様によると、BIER転送項目構築装置が提供され、該装置は受信モジュールと構築モジュールとを含む。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0028
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0028】
受信モジュールは、第1のネットワークデバイスによって送信される第1のメッセージを受信するように構成される。第1のメッセージは、第1のネットワークデバイスのホストルーティングプレフィックスと、第1のBIER情報と、第2のBIER情報とを含む。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0034
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0034】
別の可能な一実装において、IGPメッセージは、中間システム間IS-ISプロトコルメッセージ、または開放最短経路優先OSPFプロトコルメッセージである。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0046
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0046】
別の可能な一実装において、IGPメッセージは、中間システム間IS-ISプロトコルメッセージ、または開放最短経路優先OSPFプロトコルメッセージである。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0048
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0048】
別の可能な一実装において、ホストルーティングプレフィックスを有するIPアドレスは、第1のネットワークデバイスの別のルーティングプレフィックスを有するIPアドレスと重複しない。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0077
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0077】
3.セット識別子(set identifier、SI)
SIは、ネットワーク内の複数のエッジBFRまたは構成されたBFR IDを含むセットとして理解され得る。一例として、BSLの長さが256 bitであるが、ネットワークに256個を超えるエッジBFRがある場合、または256個の構成されたBFR IDがある場合、これらのエッジBFRまたはBFR IDは別々のセットに分ける必要がある。例えば、BFR IDが1乃至256である256個のエッジBFRはセット0(set index0、またはSI=0)であり、BFR IDが257乃至512である256個のエッジBFRはセット1(set index 1、またはSI=1)である。
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0128
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0128】
可能な一実装において、第1のIPアドレスが第1のネットワークデバイスのホストルーティングプレフィックスに含まれてよいことを理解されたい。第1のネットワークデバイスのホストルーティングプレフィックスは第1のIPアドレスを含む。具体的に述べると、第1のIPアドレスがIPv4アドレスであるなら、ホストルーティングプレフィックスの長さは32ビットである。第1のIPアドレスがIPv6アドレスであるなら、ホストルーティングプレフィックスの長さは128ビットである。別の可能な一実装において、第2のネットワークデバイスのBIFT項目は、外部エリア内の少なくとも1つのBFRのBFR IDと、該少なくとも1つのBFRに対応するBFR-Nbr情報とを含む。BFR-Nbrが第1のネットワークデバイスである場合は、BFR-Nbr情報は第1のIPアドレスである。第2のネットワークデバイスの別の可能な一実装において、第2のネットワークデバイスのビットインデックスルーティングテーブル(bit index routing table、BIRT)は、外部エリア内の少なくとも1つのBFRのBFR IDと、該少なくとも1つのBFRに対応するBFR-prefix情報とを含み、BFR-prefix情報は第1のIPアドレスである。
【手続補正15】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0199
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0199】
任意に選べることとして、代わりに、ABR1の現在のエリアはISISプロセス2を実行してよく、外部エリアはISISプロセス1を実行してよい。ABR1は、ステップ1410の構成に基づいて、ABR1によって送信される第1のメッセージを使用して、ABR1のホストルーティングプレフィックスと外部エリア(SISプロセス1を実行)のBIER情報とを、現在のエリア(ISISプロセス2を実行)にフラッディングし、且つ携えることができる。第1のメッセージはABR1のBIER情報をさらに含む。具体的に述べると、第1のメッセージはBFR-ID=121とBFR-ID=120とを含み、現在のエリア(ISISプロセス2を実行)にフラッディングされる。現在のエリア(ISISプロセス2を実行)内のBFRは、IDがそれぞれ120および121であるBFRに対してBIFT項目を構築し、その結果、現在のエリア(ISISプロセス2を実行)内のBFR-IDがそれぞれ1~119であるBFRは、このBIFT項目に基づいて、外部エリア(ISISプロセス1を実行)内のIDがそれぞれ120および121であるBFRのいずれか一方または両方へBIERパケットを転送できる。BIFT項目を構築し、転送を行う具体的なプロセスは、
図13と同様である。詳細については図
13の説明を参照されたい。ここでは詳細を再度説明しない。
【手続補正16】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0213
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0213】
図16は、本出願の一実施形態による第2のネットワークデバイス1600の構造の概略図である。第2のネットワークデバイス1600は、
第1のネットワークデバイスによって送信される第1のメッセージを受信するように構成された受信モジュール1610であって、第1のメッセージが、第1のネットワークデバイス
のホストルーティングプレフィックスと、第1のBIER情報と、第2のBIER情報とを含み、第1のBIER情報が第1のネットワークデバイスのビットインデックス転送テーブル識別子BIFT IDを含み、第2のBIER情報が第1のエリア内の少なくとも1つのビット転送ルータBFRのビット転送ルータ識別子BFR IDを含み、少なくとも1つのBFRが第1のネットワークデバイスを含まず、第1のネットワークデバイスが第1のエリアと第2のエリアとに属し、第2のネットワークデバイスが第2のエリアに属し、第1のエリアと第2のエリアが異なる、受信モジュールと、
第1のBIER情報と、第2のBIER情報と、ホストルーティングプレフィックスとに基づいてBIER転送項目を構築するように構成された構築モジュール1620であって、該BIER転送項目において、第1のネットワークデバイスが第2のネットワークデバイスの次ホップBFRネイバーである、構築モジュールとを含む。
【手続補正17】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0217
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0217】
任意に選べることとして、IGPメッセージは、中間システム間IS-ISプロトコルメッセージ、または開放最短経路優先OSPFプロトコルメッセージである。
【手続補正18】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0223
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0223】
図17は、本出願の一実施形態による第1のネットワークデバイス1700の構造の概略図である。第1のネットワークデバイス1700は、
第2のネットワークデバイスへ第1のメッセージを送信するように構成された送信モジュール1710であって、第1のメッセージがビット・インデックス・エクスプリシット・レプリケーションBIER転送項目を構築することを第2のネットワークデバイスに指示するために使用され、第1のメッセージが第1のネットワークデバイス
のホストルーティングプレフィックスと、第1のBIER情報と、第2のBIER情報とを含み、第1のBIER情報が第1のネットワークデバイスのビットインデックス転送テーブル識別子BIFT IDを含み、第2のBIER情報が第1のエリア内の少なくとも1つのビット転送ルータBFRのビット転送ルータ識別子BFR IDを含み、少なくとも1つのBFRが第1のネットワークデバイスを含まず、第1のネットワークデバイスが第1のエリアと第2のエリアとに属し、第2のネットワークデバイスが第2のエリアに属し、第1のエリアと第2のエリアが異なる、送信モジュールと、
第2のネットワークデバイスによって送信されるBIERパケットを受信するように構成された受信モジュール1720とを含む。
【手続補正19】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0226
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0226】
任意に選べることとして、IGPメッセージは、中間システム間IS-ISプロトコルメッセージ、または開放最短経路優先OSPFプロトコルメッセージである。
【手続補正20】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0228
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0228】
任意に選べることとして、ホストルーティングプレフィックスを有するIPアドレスは、第1のネットワークデバイスの別のルーティングプレフィックスを有するIPアドレスと重複しない。
【手続補正21】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0235
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0235】
インターフェイス1803は、具体的には、送信器と受信器とを含み得、これらは、前述の実施形態において、第1のネットワークデバイスとメッセージを交換し、且つBIERパケットを転送するために第2のネットワークデバイスによって使用される。例えば、インターフェイス1803は、第1のエリア内で第1のネットワークデバイスによって送信される第1のメッセージを受信するにあたって第2のネットワークデバイスを支援するように構成され、またはさらに、BIFT項目に基づいて第2のネットワークデバイスから第1のネットワークデバイスへBIERパケットを送信するにあたって第2のネットワークデバイスを支援するように構成される。例えば、インターフェイス1803は、
図6のステップ610およびステップ630を支援するように構成される。プロセッサ1801は、前述の実施形態で第2のネットワークデバイスによって行われる処理を行うように構成される。例えば、プロセッサ1801は、第1のBIER情報と、第2のBIER情報と、ホストルーティングプレフィックスとに基づいてBIFT項目を構築するように構成され、および/または本明細書で説明されている技術で別のプロセスを遂行するように構成される。メモリ1802はオペレーティングシステムとアプリケーションプログラムとをさらに含み得、プログラム、コード、または命令を保管するように構成される。プロセッサがプログラム、コード、または命令を実行すると、方法の実施形態の第
2のネットワークデバイスに関係する処理プロセスを完遂できる。任意に選べることとして、メモリ1802は、読み取り専用メモリ(read-only memory、ROM)とランダムアクセスメモリ(random access memory、RAM)とを含み得る。ROMは、基本入出力システム(basic input/output system、BIOS)または組み込みシステムを含み、RAMは、アプリケーションプログラムとオペレーティングシステムとを含む。第2のネットワークデバイス1800が動作する必要があるときには、システムを起動するようにブートし、且つ第2のネットワークデバイス1800を通常の動作状態に入るようにブートするために、ROMに組み込まれたBIOSまたは組み込みシステムのbootloaderが使用される。第2のネットワークデバイス1800は、通常の動作状態に入った後に、RAM内のアプリケーションプログラムとオペレーティングシステムを実行して、方法の実施形態の第2のネットワークデバイス1800に関係する処理プロセスを完遂する。
【手続補正22】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0239
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0239】
インターフェイス基板1930は、中央処理装置1931と、転送項目メモリ1934と、物理インターフェイスカード1933と、ネットワークプロセッサ1932とを含み得る。中央処理装置1931は、インターフェイス基板を制御し、且つ管理するように構成される。転送項目メモリ1934は、項目を、例えば前述のBIFT項目を、保管するように構成される。物理インターフェイスカード1933は、メッセージまたはBIERパケットを送受信するように構成される。ネットワークプロセッサ1932は、項目に基づいて、メッセージまたはBIERパケットを送受信するように物理インターフェイスカード1933を制御するように構成される。
【手続補正23】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0242
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0242】
中央処理装置1911はさらに、転送項目メモリ1934内のBIFT項目を得るようにネットワークプロセッサ1932を制御するように構成される。加えて、中央処理装置1931はさらに、物理インターフェイスカード1933を通じて第1のネットワークデバイスへBIFT項目を送信するようにネットワークプロセッサ1932を制御するように構成される。中央処理装置1931はさらに、物理インターフェイスカード1933を通じて第1のネットワークデバイスへBIERパケットを送信するようにネットワークプロセッサ1932を制御するように構成される。
【手続補正24】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0251
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0251】
インターフェイス基板2130は、中央処理装置2131と、転送項目メモリ2134と、物理インターフェイスカード2133と、ネットワークプロセッサ2132とを含み得る。中央処理装置2131は、インターフェイス基板を制御し、且つ管理するように構成される。転送項目メモリ2134は、項目を、例えばBIFT項目を、保管するように構成される。物理インターフェイスカード2133は、メッセージまたはBIERパケットを送受信するように構成される。ネットワークプロセッサ2132は、項目に基づいて、メッセージまたはBIERパケットを送受信するように物理インターフェイスカード2133を制御するように構成される。
【手続補正25】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0253
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0253】
中央処理装置2111はさらに、転送項目メモリ2134内のBIFT項目を得るようにネットワークプロセッサ2132を制御するように構成される。加えて、中央処理装置2131はさらに、物理インターフェイスカード2133を通じてBFERへBIERパケットを送信するようにネットワークプロセッサ2132を制御するように構成される。
【手続補正26】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0257
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0257】
第2のネットワークデバイス2202は、第1のネットワークデバイス2201によって送信される第1のメッセージを受信する作業を遂行でき、第1のメッセージは、第1のネットワークデバイス2201のホストルーティングプレフィックスと、第1のBIER情報と、第2のBIER情報とを含む。第2のネットワークデバイス2202は、第1のBIER情報と、第2のBIER情報と、ホストルーティングプレフィックスとに基づいてBIER転送項目を構築できる。BIER転送項目において、第1のネットワークデバイス2201は第2のネットワークデバイス2202の次ホップBFRネイバーである。
【手続補正27】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0258
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0258】
本出願で、第1のBIER情報が第1のネットワークデバイス2201のビットインデックス転送テーブル識別子BIFT IDを含み、第2のBIER情報が第1のエリア内の少なくとも1つのビット転送ルータBFRの識別子BFR IDを含むことを理解されたい。少なくとも1つのBFRは第1のネットワークデバイス2201を含まない。第1のネットワークデバイス2201は第1のエリアと第2のエリアとに属し、第2のネットワークデバイス2202は第2のエリアに属する。第1のエリアと第2のエリアは異なる。
【国際調査報告】