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特表2022-550200ライダーイメージングセンサにおけるクロストーク干渉探知技術
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-30
(54)【発明の名称】ライダーイメージングセンサにおけるクロストーク干渉探知技術
(51)【国際特許分類】
   G01S 7/497 20060101AFI20221122BHJP
【FI】
G01S7/497
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022520149
(86)(22)【出願日】2020-09-28
(85)【翻訳文提出日】2022-05-30
(86)【国際出願番号】 US2020053021
(87)【国際公開番号】W WO2021067165
(87)【国際公開日】2021-04-08
(31)【優先権主張番号】62/909,633
(32)【優先日】2019-10-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/032,526
(32)【優先日】2020-09-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518379544
【氏名又は名称】セプトン テクノロジーズ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100137969
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 憲昭
(74)【代理人】
【識別番号】100104824
【弁理士】
【氏名又は名称】穐場 仁
(74)【代理人】
【識別番号】100121463
【弁理士】
【氏名又は名称】矢口 哲也
(72)【発明者】
【氏名】アレン,ジョン,デイ
(72)【発明者】
【氏名】リャオ,トンイ
(72)【発明者】
【氏名】マッコード,マーク,エー.
【テーマコード(参考)】
5J084
【Fターム(参考)】
5J084AA05
5J084AA10
5J084AB01
5J084AC02
5J084AD01
5J084BA03
5J084BA07
5J084BA19
5J084BA36
5J084BA40
5J084BA50
5J084BB02
5J084BB04
5J084CA03
5J084CA12
5J084DA01
5J084DA08
5J084EA01
5J084EA20
(57)【要約】

ライダーシステムは、隣接する光パルス間のランダム化された時間間隔を有する時間シーケンスにおいて一連の光パルスを放射するように構成された1つまたは複数の光源と、一連の戻り光パルスを受信するように構成された1つまたは複数の検出器と、一連の戻り光パルスのそれぞれの戻り光パルスの飛行時間を決定し、一連の戻り光パルスの飛行時間に基づき点群を取得するよう構成されたプロセッサを含む。それぞれの点はそれぞれの戻り光パルスに対応する。プロセッサは、点群内の点集合のそれぞれの点について、点集合内のそれぞれの点と、隣接する点集合との間の空間的および時間的関係を分析し、空間的および時間的関係に基づき、それぞれの点の品質係数を評価するようさらに構成される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ライダーシステムの視野内のシーンに向けられる一連の光パルスを放射するように構成された1つまたは複数の光源であって、前記一連の光パルスは、隣接する光パルス間のランダム化された時間間隔を有する時間シーケンスで放射される、1つまたは複数の光源と、
一連の戻り光パルスを受信するよう構成された1つまたは複数の検出器であって、少なくとも一部の前記一連の戻り光パルスが、前記シーン内の1つまたは複数の物体で反射された前記一連の光パルスに対応する、1つまたは複数の検出器と、
前記1つまたは複数の光源と前記1つまたは複数の検出器に結合されたプロセッサであって、前記プロセッサは、
前記一連の戻り光パルスのそれぞれの戻り光パルスの飛行時間を決定し、
前記一連の戻り光パルスの前記飛行時間に基づき点群を取得し、前記点群は前記1つまたは複数の物体の1つまたは複数の表面を表す点集合を含み、それぞれの点は前記一連の戻り光パルスのそれぞれの戻り光パルスに対応し、
前記点群内の前記点集合のそれぞれの点について、
前記点集合内の前記それぞれの点と隣接する点集合との間の空間的および時間的関係を分析し、
前記空間的および時間的関係に基づき、前記それぞれの点の品質係数を評価するように構成される、プロセッサと、
を備える、ライダーシステム。
【請求項2】
前記それぞれの点と前記隣接する点集合との間の前記空間的および時間的関係を分析することは、
前記隣接する点集合のそれぞれの隣接点について、前記それぞれの点と前記それぞれの隣接点との間の空間的および時間的分離に反比例する一部の品質係数を評価すること、
を含む、請求項1に記載のライダーシステム。
【請求項3】
前記それぞれの点の前記品質係数を評価することは、
前記隣接する点集合の品質係数値の一部の和を評価すること、
を含む、請求項2に記載のライダーシステム。
【請求項4】
前記それぞれの点と前記それぞれの隣接点との間の前記空間的および時間的分離は、角度分離、範囲分離、および時間分離に関連する、請求項2に記載のライダーシステム。
【請求項5】
前記角度分離が、水平角度分離および垂直角度分離のベクトルの和を含む、請求項4に記載のライダーシステム。
【請求項6】
前記それぞれの点と前記それぞれの隣接点との間の前記空間的および時間的分離が、前記角度分離のべき関数、前記範囲分離のべき関数、および前記時間分離のべき関数の重み付けされた組み合わせを含む、請求項4に記載のライダーシステム。
【請求項7】
前記プロセッサに結合された知覚モジュールであって、
前記点群内の前記点集合のそれぞれの点について、前記それぞれの点の前記品質係数の値に基づき、前記それぞれの点が干渉による偽点であるかどうかを判断するように構成された、知覚モジュールをさらに備える、請求項1に記載のライダーシステム。
【請求項8】
前記それぞれの点が干渉による偽点であるかどうかを判断することは、
前記それぞれの点の前記品質係数の前記値を閾値と比較することと、
前記それぞれの点の前記品質係数の前記値が前記閾値よりも小さいと判断したときに、前記それぞれの点が干渉による偽点であると判断することと、
を含む、請求項7に記載のライダーシステム。
【請求項9】
前記それぞれの点が干渉による偽点であるかどうかを判断することは、前記点群が前記ライダーシステムによって取得されるときの気象条件にさらに基づく、請求項7に記載のライダーシステム。
【請求項10】
前記それぞれの点が干渉による偽点であるかどうかを決定することは、カメラデータまたはレーダデータにさらに基づく、請求項7に記載のライダーシステム。
【請求項11】
ライダーシステムの操作方法であって、前記方法は、
1つまたは複数の光源を使用して、隣接する光パルス間のランダム化された時間間隔を有する時間シーケンス内の一連の光パルスを放射することであって、前記一連の光パルスは、前記ライダーシステムの視野内のシーンに向けられる、放射することと、
1つまたは複数の検出器を使用して、一連の戻り光パルスを検出することであって、少なくとも一部の前記一連の戻り光パルスが、前記シーン内の1つまたは複数の物体から反射された前記一連の光パルスに対応する、検出することと、
前記一連の戻り光パルスのそれぞれの戻り光パルスの飛行時間を決定することと、
前記一連の戻り光パルスの前記飛行時間に基づき、点群を取得することであって、前記点群は、前記1つまたは複数の物体の1つまたは複数の表面を表す点集合を含み、それぞれの点は、前記一連の戻り光パルスのそれぞれの戻り光パルスに対応する、取得することと、
前記点群内の前記点集合のそれぞれの点について、
前記点集合内の、前記それぞれの点と隣接する点集合との間の空間的および時間的関係を分析し、
前記空間的および時間的関係に基づき、前記それぞれの点の品質係数を評価することと、
を含む前記方法。
【請求項12】
前記それぞれの点と前記隣接する点集合との間の前記空間的および時間的関係を分析することは、
前記隣接する点集合のそれぞれの隣接点について、前記それぞれの点と前記それぞれの隣接点との間の空間的および時間的分離に反比例する一部の品質係数を評価することを含む、
請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記それぞれの点の前記品質係数を評価することは、
前記隣接する点集合の一部の品質係数値の和を評価することを含む、
請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記それぞれの点と前記それぞれの隣接点との間の前記空間的および時間的分離は、角度分離、範囲分離、および時間分離に関係する、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記角度分離が、水平角度分離および垂直角度分離のベクトルの和を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記それぞれの点と前記それぞれの隣接点との間の前記空間的および時間的分離が、前記角度分離のべき関数、前記範囲分離のべき関数、および前記時間分離のべき関数の重み付けされた組み合わせを含む、請求項14に記載のライダーシステム。
【請求項17】
前記点群内の前記点集合のそれぞれの点ついて、前記それぞれの点の前記品質係数の値に基づき、前記それぞれの点が干渉による偽点であるかどうかを判断すること、
をさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項18】
前記それぞれの点が干渉による偽点であるかどうかを判断することは、
前記それぞれの点の前記品質係数の前記値を閾値と比較することと、
前記それぞれの点の前記品質係数の前記値が前記閾値よりも小さいと判断したときに、前記それぞれの点が干渉による偽点であると判断することと、
をさらに含む、請求項17に記載のライダーシステム。
【請求項19】
前記それぞれの点が干渉による偽点であるかどうかを判断することは、前記点群が前記ライダーシステムによって取得されるときの気象条件にさらに基づく、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記それぞれの点が干渉による偽点であるかどうかを判断することは、カメラデータまたはレーダデータにさらに基づく、請求項17に記載の方法。
【請求項21】
アレイとして配置され、前記ライダーシステムの視野内のシーンに向けられる複数の一連の光パルスを放射するように構成された複数の光源であって、
それぞれの一連の光パルスは、時間シーケンス内で複数の光パルスを含み、それぞれの光パルスは、前記複数の光源のそれぞれの光源によって放射され、
前記複数の一連の光パルスは、ランダム化された時間遅延によって互いに時間的に分離される、複数の光源と、
アレイとして配置された複数の検出器であって、それぞれの検出器がそれぞれの光源に対応し、前記複数の検出器は複数の戻り光パルスを検出するように構成され、少なくとも一部の前記複数の戻り光パルスが前記シーン内の1つまたは複数の物体で反射された前記複数の一連の光パルスに対応する、複数の検出器と、
前記複数の光源と、前記複数の検出器に結合されたプロセッサであって、前記プロセッサは、
前記複数の戻り光パルスのそれぞれの戻り光パルスの飛行時間を決定し、
前記複数の戻り光パルスの前記飛行時間に基づき、点群を取得し、
前記点群は前記1つまたは複数の物体の1つまたは複数の表面を表す複数の点を含み、それぞれの点が、それぞれの戻り光パルスに対応し、
前記点群内のそれぞれの点について、
前記点群内の前記それぞれの点と隣接点との間の空間的および時間的関係を分析し、
前記空間的および時間的関係に基づき、前記それぞれの点の品質係数を評価するよう構成されたプロセッサと、
を備える、ライダーシステム。
【請求項22】
それぞれの一連の光パルス内の前記複数の光パルスが、隣接する光パルス間の等しい時間間隔によって互いに分離されている、請求項21に記載のライダーシステム。
【請求項23】
それぞれの一連の光パルス内の前記複数の光パルスが、隣接する光パルス間のランダム化された時間間隔によって互いに分離されている、請求項21に記載のライダーシステム。
【請求項24】
前記複数の一連の光パルスのそれぞれの一連の光パルスが、同じ順序で前記複数の光源によって放射される、請求項21に記載のライダーシステム。
【請求項25】
前記複数の一連の光パルスの第1の一連の光パルスは、前記複数の光源によって第1の連続した順序で放射され、
前記複数の一連の光パルスの第2の一連の光パルスは、前記第1の連続した順序とは異なる第2の連続した順序で前記複数の光源によって放射される、請求項21に記載のライダーシステム。
【請求項26】
前記それぞれの点と前記隣接点との間の前記空間的および時間的関係を分析することは、
それぞれの隣接点について、前記それぞれの点と前記それぞれの隣接点との間の空間的および時間的分離に反比例する一部の品質係数を評価することと、
前記隣接点の品質係数値の一部の和を評価することと、
を含む、請求項21に記載のライダーシステム。
【請求項27】
前記それぞれの点と前記それぞれの隣接点との間の前記空間的および時間的分離が、角度分離、範囲分離、および時間分離に関連する、請求項26に記載のライダーシステム。
【請求項28】
ライダーシステムの操作方法であって、前記方法は、
アレイとして配置された複数の光源を使用して放射することであって、複数の一連の光パルスが、前記ライダーシステムの視野内のシーンに向けられ、
それぞれの一連の光パルスが、時間シーケンス内の複数の光パルスを含み、それぞれの光パルスは前記複数の光源のそれぞれの光源により放射され、
前記複数の一連の光パルスがランダム化された時間遅延により互いに時間的に分離する、放射することと
アレイとして配置された複数の検出器を使用して、複数の戻り光パルスを検出することであって、それぞれの検出器はそれぞれの光源に対応し、少なくとも一部の前記複数の戻り光パルスが、前記シーン内の1つまたは複数の物体から反射された前記複数の一連の光パルスに対応する、検出することと、
前記複数の戻り光パルスのそれぞれの戻り光パルスの飛行時間を決定することと、
前記複数の戻り光パルスの前記飛行時間に基づき点群を取得することであって、前記点群は、前記1つまたは複数の物体の1つまたは複数の表面を表す複数の点を含み、それぞれの点は、それぞれの戻り光パルスに対応する、取得することと、
前記点群内のそれぞれの点について、
前記点群内の、前記それぞれの点と隣接点との間の空間的および時間的関係を分析し、
前記空間的および時間的関係に基づき、前記それぞれの点の品質係数を評価し、取得することと、
を含む前記方法。
【請求項29】
それぞれの一連の光パルス内の前記複数の光パルスが、隣接する光パルス間の等しい時間間隔によって互いに分離されている、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
それぞれの一連の光パルス内の前記複数の光パルスが、隣接する光パルス間のランダム化された時間的間隔によって互いに分離される、請求項28に記載の方法。
【請求項31】
前記複数の一連の光パルスのそれぞれの一連の光パルスが、同じ順序で前記複数の光源によって放射される、請求項28に記載の方法。
【請求項32】
前記複数の一連の光パルスの第1の一連の光パルスは、前記複数の光源によって第1の連続した順序で放射され、
前記複数の一連の光パルスの第2の一連の光パルスは、前記第1の連続した順序とは異なる第2の連続した順序で前記複数の光源によって放射される、
請求項28に記載の方法。
【請求項33】
前記それぞれの点と前記隣接点との間の前記空間的および時間的関係を分析することは、
それぞれの隣接点について、前記それぞれの点と前記それぞれの隣接点との間の空間的および時間的分離に反比例する一部の品質係数を評価することと、
前記隣接点の品質係数値の一部の和を評価することと、
含む、請求項28に記載の方法。
【請求項34】
前記それぞれの点と前記それぞれの隣接点との間の前記空間的および時間的分離が、角度分離、範囲分離、および時間分離に関係する、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
アレイとして配置され、前記ライダーシステムの視野内のシーンに向けられる複数の一連の光パルスを放射するように構成された複数の光源であって、
それぞれの一連の光パルスは、時間シーケンス内で複数の光パルスを含み、それぞれの光パルスは、前記複数の光源のそれぞれの光源によって放射され、前記複数の光パルスは、ランダム化された順番で、前記複数の光源によって放射される、複数の光源と、
アレイとして配置された複数の検出器であって、それぞれの検出器がそれぞれの光源に対応し、前記複数の検出器が複数の戻り光パルスを検出するよう構成され、少なくとも一部の前記複数の戻り光パルスは、前記シーン内の1つまたは複数の物体で反射された前記複数の一連の光パルスに対応する、複数の検出器と、
前記複数の光源および前記複数の検出器に結合されたプロセッサであって、前記プロセッサは、
前記複数の戻り光パルスのそれぞれの戻り光パルスの飛行時間を決定し、
前記複数の戻り光パルスの前記飛行時間に基づき点群を取得し、前記点群は、前記1つまたは複数の物体の1つまたは複数の表面を表す複数の点を含み、それぞれの点はそれぞれの戻り光パルスに対応し、
前記点群内のそれぞれの点について、
前記点群内の前記それぞれの点と隣接点との間の空間的および時間的関係を分析し、
前記空間的および時間的関係に基づき、前記それぞれの点の品質係数を評価するよう構成されたプロセッサと、
を備える、ライダーシステム。
【請求項36】
前記複数の一連の光パルスは、ランダム化された時間遅延によって互いに時間的に分離される、請求項35に記載のライダーシステム。
【請求項37】
それぞれの一連の光パルス内の前記複数の光パルスは、隣接する光パルス間の等しい時間間隔によって互いに分離されている、請求項35に記載のライダーシステム。
【請求項38】
それぞれの一連の光パルス内の前記複数の光パルスは、隣接する光パルス間のランダム化された時間的間隔によって互いに分離される、請求項35に記載のライダーシステム。
【請求項39】
前記それぞれの点と前記隣接点との間の前記空間的および時間的関係を分析することであって、
それぞれの隣接点について、前記それぞれの点と前記それぞれの隣接点との間の空間的および時間的分離に反比例する一部の品質係数を評価し、
前記隣接する点集合の品質係数値の一部の和を評価する、
請求項35に記載のライダーシステム。
【請求項40】
前記それぞれの点と前記それぞれの隣接点との間の前記空間的および時間的分離が、角度分離、範囲分離、および時間分離に関連する、請求項39に記載のライダーシステム。
【請求項41】
ライダーシステムの操作方法であり、前記方法は、
アレイとして配置された複数の光源を使用して、前記ライダーシステムの視野内のシーンに向けられる複数の一連の光パルスを放射することであって、それぞれの一連の光パルスが、時間シーケンス内の複数の光パルスを含み、それぞれの光パルスは前記複数の光源のそれぞれの光源により放射され、前記複数の光パルスが前記複数の光源によりランダムに放射される、放射することと、
アレイとして配置された複数の検出器を使用して、複数の戻り光パルスを検出することであって、それぞれの検出器はそれぞれの光源に対応し、少なくとも一部の前記複数の戻り光パルスが、前記シーン内の1つまたは複数の物体から反射された前記複数の一連の光パルスに対応する、検出することと、
前記複数の戻り光パルスのそれぞれの戻り光パルスの飛行時間を決定することと、
前記複数の戻り光パルスの前記飛行時間に基づいて点群を取得することであって、前記点群は、前記1つまたは複数の物体の1つまたは複数の表面を表す複数の点を含み、それぞれの点は、それぞれの戻り光パルスに対応し、
前記点群内のそれぞれの点について、
前記点群内の、前記それぞれの点と隣接点との間の空間的および時間的関係を分析し、
前記空間的および時間的関係に基づき、前記それぞれの点について品質係数を評価することと、
を含む前記方法。
【請求項42】
前記複数の一連の光パルスが、ランダム化された時間遅延によって互いに時間的に分離される、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
それぞれの一連の光パルス内の前記複数の光パルスが、隣接する光パルス間の等しい時間間隔によって互いに分離される、請求項41に記載の方法。
【請求項44】
それぞれの一連の光パルス内の前記複数の光パルスが、隣接する光パルス間のランダム化された時間的間隔によって互いに分離される、請求項41に記載の方法。
【請求項45】
前記それぞれの点と前記隣接点との間の前記空間的および時間的関係を分析することは、
それぞれの隣接点について、前記それぞれの点と前記それぞれの隣接点との間の空間的および時間的分離に反比例する一部の品質係数を評価することと、
前記隣接する点集合の品質係数値の一部の和を評価することと、
を含む、請求項41に記載の方法。
【請求項46】
前記それぞれの点と前記それぞれの隣接点との間の前記空間的および時間的分離が、角度分離、範囲分離、および時間分離に関連する、請求項45に記載の方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001] 本出願は、2019年10月2日に出願された米国仮特許出願第62/909,633,号および2020年9月25日に出願された米国非仮特許出願第17/032,526,号の利益を主張する。その全内容は、参照によりここに組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
[0002] 三次元センサは、自律車両、ドローン、ロボット工学、セキュリティアプリケーションなどに応用できる。ライダーセンサは、このようなアプリケーションに適した高い角度分解能を実現できる三次元センサの一種である。ライダーセンサには、レーザパルスを放射するための1つまたは複数のレーザ光源と、反射したレーザパルスを検出するための1つまたは複数の検出器を含むことができる。ライダーセンサは、それぞれのレーザパルスがライダーセンサから、センサの視野内の物体に移動し、物体から跳ね返ってライダーセンサに戻るまでにかかる時間を測定する。ライダーセンサは、レーザパルスの飛行時間に基づいて、物体がライダーセンサからどれだけ離れているかを判断する。
【0003】
[0003] 2つ以上のライダーセンサが互いに近接して動作している場合、1つのライダーセンサの動作が別のライダーセンサの動作に干渉し得る。例えば、第2のライダーセンサが第2のレーザパルスを放射する前に、第1のライダーセンサが第1のレーザパルスを短時間(例えば、数ナノ秒)放射すると仮定する。第1のレーザパルスは物体に当たって跳ね返り、第2のライダーセンサによって検出される。 第2のライダーセンサは、第2のレーザパルスの実際の値よりも短い、検出されたレーザパルスの飛行時間を決定し得る。 したがって、第2のライダーセンサは、物体が実際よりも近くにあると誤って報告されてもよい。したがって、クロストーク干渉によって引き起こされる誤ったデータポイントを検出できるライダーシステムおよび方法が必要である。
【発明の概要】
【0004】
[0004] いくつかの実施形態では、ライダーシステムは、ライダーシステムの視野内のシーンに向けられる一連の光パルスを放射するよう構成された1つまたは複数の光源を含む。一連の光パルスは、隣接する光パルス間のランダム化された時間間隔の時間シーケンスで放射される。ライダーシステムは、一連の戻り光パルスを受信するように構成された1つまたは複数の検出器をさらに含む。少なくとも一部の一連の戻り光パルスは、シーン内の1つまたは複数の物体で反射された一連の光パルスに対応する。ライダーシステムは、1つまたは複数の光源および1つまたは複数の検出器に結合されたプロセッサをさらに含む。プロセッサは、一連の戻り光パルスのそれぞれの光パルスの飛行時間を決定し、一連の戻り光パルスの飛行時間に基づき点群を取得するよう構成される。点群は、1つまたは複数の物体の1つまたは複数の表面を表す点集合を含む。それぞれの点は、一連の戻り光パルスのそれぞれの戻り光パルスに対応する。プロセッサは、点群内の点集合のそれぞれの点について、点集合内のそれぞれの点と、隣接する点集合との間の空間的および時間的関係を分析し、空間的および時間的関係に基づき、それぞれの点の品質係数を評価するようにさらに構成される。
【0005】
[0005] いくつかの実施形態では、ライダーシステムを操作する方法は、1つまたは複数の光源を使用して、隣接する光パルス間のランダム化された時間間隔を有する時間シーケンスおいて、一連の光パルスを放射することを含む。一連の光パルスは、ライダーシステムの視野内のシーンに向けられる。本方法は、1つまたは複数の検出器を使用して、一連の戻り光パルスを検出することをさらに含む。少なくとも一部の一連の戻り光パルスは、シーン内の1つまたは複数の物体で反射された一連の光パルスに対応する。本方法は、一連の戻り光パルスのそれぞれの戻り光パルスの飛行時間を決定することと、一連の戻り光パルスの飛行時間に基づき点群を取得することをさらに含む。点群は、1つまたは複数の物体の1つまたは複数の表面を表す点集合を含む。それぞれの点は、一連の戻り光パルスのそれぞれの戻り光パルスに対応する。本方法は、点群内の点集合のそれぞれの点について、点集合内のそれぞれの点と、隣接する点集合との間の空間的および時間的関係を分析し、空間的および時間的関係に基づき、それぞれの点の品質係数を評価することをさらに含む。
【0006】
[0006] いくつかの実施形態では、ライダーシステムは、アレイとして配置された複数の光源を含み、ライダーシステムの視野内のシーンに向けられた複数の一連の光パルスを放射するよう構成される。それぞれの一連の光パルスは、時間シーケンスにおいて複数の光パルスを含む。それぞれの光パルスは、複数の光源のそれぞれの光源によって放射される。複数の一連の光パルスは、ランダム化された時間遅延によって互いに時間的に分離される。ライダーシステムは、アレイとして配置された複数の検出器をさらに含む。それぞれの検出器は、それぞれの光源に対応する。複数の検出器は、複数の戻り光パルスを検出するように構成される。少なくとも一部の複数の戻り光パルスは、シーン内の1つまたは複数の物体から反射された複数の一連の光パルスに対応する。ライダーシステムは、複数の光源および複数の検出器に結合されたプロセッサをさらに含む。プロセッサは、複数の戻り光パルスのそれぞれの戻り光パルスについて飛行時間を決定し、複数の戻り光パルスの飛行時間に基づき点群を取得するよう構成される。点群は、1つまたは複数の物体の1つまたは複数の表面を表す複数の点を含む。それぞれの点は、それぞれの戻り光パルスに対応する。プロセッサは、点群内のそれぞれの点について、点群内のそれぞれの点と、隣接点との間の空間的および時間的関係を分析し、空間的および時間的関係に基づき、それぞれの点の品質係数を評価するようにさらに構成される。
【0007】
[0007] いくつかの実施形態では、ライダーシステムを操作させる方法は、アレイとして配置された複数の光源を使用して、ライダーシステムの視野内のシーンに向けられる複数の一連の光パルスを放射することを含む。それぞれの一連の光パルスは、時間シーケンスにおいて複数の光パルスを含む。それぞれの光パルスは、複数の光源のそれぞれの光源によって放射される。複数の一連の光パルスは、ランダム化された時間遅延によって互いに時間的に分離される。本方法は、アレイとして配置された複数の検出器を使用して、複数の戻り光パルスを検出することをさらに含む。それぞれの検出器は、それぞれの光源に対応する。少なくとも一部の複数の戻り光パルスは、シーン内の1つまたは複数の物体から反射された複数の一連の光パルスに対応する。本方法は、複数の戻り光パルスのそれぞれの戻り光パルスについて、飛行時間を決定し、複数の戻り光パルスの飛行時間に基づき、点群を取得することをさらに含む。点群は、1つまたは複数の物体の1つまたは複数の表面を表す複数の点を含む。それぞれの点は、それぞれの戻り光パルスに対応する。本方法は、点群内のそれぞれの点について、点群内のそれぞれの点と、隣接点との間の空間的および時間的関係を分析し、空間的および時間的関係に基づき、それぞれの点の品質係数を評価するようさらに構成される。
【0008】
[0008] いくつかの実施形態では、ライダーシステムは、アレイとして配置された複数の光源を含み、ライダーシステムの視野内のシーンに向けられた複数の一連の光パルスを放射するよう構成される。それぞれの一連の光パルスは、時間シーケンスにおいて複数の光パルスを含む。それぞれの光パルスは、複数の光源のそれぞれの光源によって放射される。複数の光パルスは、複数の光源によってランダム化された順序で放射される。ライダーシステムは、アレイとして配置された複数の検出器をさらに含む。それぞれの検出器は、それぞれの光源に対応する。複数の検出器は、複数の戻り光パルスを検出するように構成される。少なくとも一部の複数の戻り光パルスは、シーン内の1つまたは複数の物体から反射された複数の一連の光パルスに対応する。ライダーシステムは、複数の光源および複数の検出器に結合されたプロセッサをさらに含む。プロセッサは、複数の戻り光パルスのそれぞれの戻り光パルスについて、飛行時間を決定し、複数の戻り光パルスの飛行時間に基づき、点群を取得するよう構成される。点群は、1つまたは複数の物体の1つまたは複数の表面を表す複数の点を含む。それぞれの点は、それぞれの戻り光パルスに対応する。プロセッサは、点群内のそれぞれの点について、点群内のそれぞれの点と、隣接点との間の空間的および時間的関係を分析し、空間的および時間的関係に基づき、それぞれの点の品質係数を評価するようにさらに構成される。
【0009】
[0009] いくつかの実施形態では、ライダーシステムを操作させる方法は、アレイとして配置された複数の光源を使用して、ライダーシステムの視野内のシーンに向けられる複数の一連の光パルスを放射することを含む。それぞれの一連の光パルスは、時間シーケンスにおいて複数の光パルスを含む。それぞれの光パルスは、複数の光源のそれぞれの光源によって放射される。複数の光パルスは、複数の光源によってランダム化された順序で放射される。本方法は、アレイとして配置された複数の検出器を使用して、複数の戻り光パルスを検出することをさらに含む。それぞれの検出器は、それぞれの光源に対応する。少なくとも一部の複数の戻り光パルスは、シーン内の1つまたは複数の物体から反射された複数の一連の光パルスに対応する。本方法は、複数の戻り光パルスのそれぞれの戻り光パルスについて、飛行時間を決定し、複数の戻り光パルスの飛行時間に基づき、点群を取得することをさらに含む。点群は、1つまたは複数の物体の1つまたは複数の表面を表す複数の点を含む。それぞれの点は、それぞれの戻り光パルスに対応する。本方法は、点群内のそれぞれの点について、点群内のそれぞれの点と、隣接点との間の空間的および時間的関係を分析し、空間的および時間的関係に基づき、それぞれの点の品質係数を評価することをさらに含む。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】三次元イメージングのためのライダーセンサを例示的に示す。
図2】一連の放射光パルスと一連の戻り光パルスのタイミング図を例示的に示す。
図3A】2つのライダーセンサが互いに干渉し得る2つの単純化された事例を例示的に示す。
図3B】2つのライダーセンサが互いに干渉し得る2つの単純化された事例を例示的に示す。
図4】光パルス妨害の可能性がある、一連の放射光パルスと一連の戻り光パルスのタイミング図を例示的に示す。
図5】いくつかの実施形態による、一時的なディザリングが適用されている間の一連の放射光パルスと、一連の戻り光パルスのタイミング図と、光パルス妨害の可能性を例示的に示す。
図6A】レーザ発射シーケンスに一時的なディザリングを適用せずに、ライダーセンサによって取得された点群を例示的に示す。
図6B図6Aに示されるシーン同様、ライダーセンサにより取得された点群を例示的に示すが、いくつかの実施形態による、光源放射シーケンスに一時的なディザリングを適用する図である。
図7】ライダーセンサによって取得された点群内の点に対する三次元座標空間を示す。
図8】光源のアレイおよび検出器のアレイを含むライダーセンサを概略的に示す。
図9】光源のアレイによるサブ視野のアレイを含む、ライダーセンサの視野を例示的に示す。
図10】いくつかの実施形態による、光源のアレイの放射シーケンスを例示的に示す。
図11】いくつかの他の実施形態による、光源のアレイの放射シーケンスを例示的に示す。
図12】いくつかの実施形態による、ライダーシステムを操作する方法を示す簡略化されたフローチャートを示す。
図13】いくつかの実施形態による、ライダーシステムを操作する方法を示す簡略化されたフローチャートを示す。
図14】いくつかの実施形態による、ライダーシステムを操作する方法を示す簡略化されたフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[0025] 本発明の実施形態は、ライダーセンサ間のクロストーク干渉によって引き起こされ得る誤ったデータポイントを検出するためのライダーシステムおよび方法を提供する。単なる例として、本発明の実施形態は、ライダーシステムにおける光源について、ランダム化された放射シーケンスの技術を提供し、ライダーシステムによって生成された点群内の任意の所与の点の品質係数を、点群内の所与の点とその隣接点との間の空間的および時間的関係を分析することによって評価する。 知覚ソフトウェアは、少なくとも一部の品質係数値に基づき、特定の点を無視するかどうかを判断することができる。いくつかの実施形態では、知覚ソフトウェアは、品質要因値に加えて、他の要因(例えば、気象条件)、ならびに他のセンサデータ(例えば、カメラデータおよびレーダデータ)を考慮に入れることができる。
【0012】
[0026] 図1は、いくつかの実施形態による三次元イメージングのためのライダーセンサ100を例示的に示す。ライダーセンサ100は、放射レンズ130及び受信レンズ140を含む。ライダーセンサ100は、実質的に放射レンズ130の後焦点面に配置された、光源110aを含む。光源110aは、放射レンズ130の後焦点面のそれぞれの放射位置から、光パルス120を放射するように動作する。放射レンズ130は、ライダーセンサ100の前方に配置された物体150に向けて、光パルス120をコリメートして導くように構成されている。光源110aの所与の放射位置について、コリメートされた光パルス120’は、対応する角度で物体150に向けて導かれる。
【0013】
[0027] コリメートされた光パルス120’の一部122は、物体150から受信レンズ140に向かって反射される。受信レンズ140は、物体150で反射されたレーザパルスの一部122’を、受信レンズ140の焦点面の対応する検出位置に集束させるように構成されている。ライダーセンサ100は、実質的に受信レンズ140の焦点面に配置された、検出器160aをさらに含む。検出器160aは、物体から反射された光パルス120の一部122’を、対応する検出位置で受信及び検出するように構成されている。検出器160aの対応する検出位置は、光源110aのそれぞれの放射位置と光学的に共役である。
【0014】
[0028] 光パルス120は、短い持続時間、例えば10nsパルス幅であってもよい。ライダーセンサ100は、光源110a及び検出器160aに結合された、プロセッサ190をさらに含む。プロセッサ190は、放射から検出までの光パルス120の飛行時間(time of flight:TOF)を求めるように構成されている。光パルス120は光速で伝わるため、ライダーセンサ100と物体150との間の距離が、求められた飛行時間に基づいて求められてもよい。
【0015】
[0029] FOV全体にわたってレーザビーム120’をスキャンする1つの方法は、光源110aを、放射レンズ130の後焦点面内で放射レンズ130に対して横方向に移動させることである。例えば、光源110aは、図1に示されるように、放射レンズ130の後焦点面における複数の放射位置へとラスタスキャンされてもよい。光源110aは、複数の放射位置で複数のレーザパルスを放射してもよい。それぞれの放射位置で放射されたそれぞれの光パルスは、放射レンズ130によってコリメートされ、それぞれの角度で物体150に向けて導かれて、物体150の表面上の対応する点に当たる。したがって、光源110aが、放射レンズ130の後焦平面のある一定の領域内でラスタスキャンされるにつれて、物体150上の対応する物体領域が、スキャンされる。検出器160aは、図1に示されるように、受信レンズ140の焦点面における、複数の対応する検出位置に位置付けられるように、ラスタスキャンされてもよい。検出器160aをスキャンすることは、典型的には光源110aをスキャンすることと同期して実行され、そのため、検出器160aと光源110aは、任意の所与の時間において、常に互いと光学的に共役である。
【0016】
[0030] それぞれの放射位置で放射されるそれぞれの光パルスについて飛行時間を求めることによって、ライダーセンサ100から物体150の表面上の対応するそれぞれの点までの距離が求められてもよい。いくつかの実施形態では、プロセッサ190は、それぞれの放射位置における光源110aの位置を検出する、位置エンコーダと結合されている。放射位置に基づいて、コリメートされた光パルス120’の角度が求められてもよい。物体150の表面上の対応する点のX-Y座標は、ライダーセンサ100に対する角度、およびライダーセンサ100までの距離に基づいて求められてもよい。したがって、物体150の三次元イメージは、ライダーセンサ100から物体150の表面上の様々な点までの測定された距離に基づいて構築されてもよい。いくつかの実施形態では、三次元イメージは、点群、すなわち物体150の表面上の点のX、Y及びZ座標の集合として、表現されてもよい。
【0017】
[0031] いくつかの実施形態では、戻り光パルス122’の強度が、測定されて、同じ放射点からの後続の光パルスの出力を調整するために使用される。検出器の飽和を防止し、眼の安全を改善し、又は総消費電力を低減するためである。光パルスの出力は、光パルスの持続時間、レーザに印加される電圧若しくは電流、又はレーザに電力供給するために使用されるコンデンサに蓄積される電荷を多様にすることによって、多様にされてもよい。後者の場合では、コンデンサに蓄積される電荷は、コンデンサへの充電時間、充電電圧、又は充電電流を多様にすることによって、多様にされてもよい。いくつかの実施形態では、反射率は、検出されたパルスの強度によって決定されるように、画像に別の次元を追加するためにも使用され得る。例えば、イメージには、X、Y及びZ座標、さらには反射率(又は明るさ)が含まれていてもよい。
【0018】
[0032] ライダーセンサ100の画角(angular field of view:AFOV)は、光源110aのスキャン範囲、及び放射レンズ130の焦点距離に基づいて、次のように推定されてもよい。
【数1】

式中、hは、光源110aのある一定の方向に沿ったスキャン範囲であり、fは、放射レンズ130の焦点距離である。所与のスキャン範囲hに対して、より短い焦点距離は、より広いAFOVをもたらすであろう。所与の焦点距離fに対して、より大きいスキャン範囲は、より広いAFOVをもたらすであろう。いくつかの実施形態では、ライダーセンサ100は、放射レンズ130の後焦平面にアレイとして配置された複数の光源を含んでいてもよく、そのため、それぞれの個々の光源のスキャン範囲を比較的小さく保ちながら、全部合わせたより大きなAFOVが実現され得る。したがって、ライダーセンサ100は、受信レンズ140の焦点面にアレイとして配置された複数の検出器を含んでいてもよく、それぞれの検出器は、それぞれの光源と共役であり得る。例えば、ライダーセンサ100は、図1に示されるように、第2の光源110b及び第2の検出器160bを含んでいてもよい。他の実施形態では、ライダーセンサ100は、4つの光源及び4つの検出器、又は8つの光源及び8つの検出器を含んでいてもよい。一実施形態では、ライダーセンサ100は、4×2アレイとして配置された8つの光源、及び4×2アレイとして配置された8つの検出器を含んでいてもよく、そのため、ライダーセンサ100は、垂直方向におけるそのAFOVよりも、水平方向においてより広いAFOVを有し得る。様々な実施形態によれば、ライダーセンサ100の全部合わせたAFOVは、放射レンズの焦点距離、それぞれのレーザ源のスキャン範囲、及びレーザ源の数に応じて、約5度~約15度、又は約15度~約45度、又は約45度~約120度の範囲であってもよい。
【0019】
[0033] 光源110aは、紫外、可視、又は近赤外の波長範囲のレーザパルスを放射するように構成されていてもよい。それぞれの光パルスのエネルギーは、マイクロジュール程度であってもよく、これは、通常、KHz範囲の繰返し率において眼に安全であると考えられる。約1500nmを超える波長で動作する光源については、眼は、それらの波長では焦点が合わないため、エネルギーレベルは、より高いものであることができる。検出器160aは、シリコン・アバランシェ・フォトダイオード、光電子増倍管、PINダイオード、又は他の半導体センサを含んでいてもよい。
【0020】
[0034] ライダーセンサは、特定の繰り返し速度で光源を放射し得る。 図2の下部は、ライダーセンサによって放射される一連の光パルス210のタイミング図を例示的に示す。光パルス210は、隣接するパルス間の遅延時間tにより、互いに実質的に等間隔であってもよい。 遅延時間tの逆数は、光源の放射の繰り返し速度である。 遅延時間tは、数百ナノ秒から数十マイクロ秒の範囲であり得る。それぞれの光パルス210について、ライダーセンサの視野内の物体によって反射された場合、戻り光パルス220は、検出器によって検出され得る。図2の上部は、ライダーセンサによって検出され得る戻り光パルスのタイミング図を示す。光パルス220の放射から検出までに経過した時間Δtは、ライダーセンサからの物体の距離Dを推定するために使用される。時間Δt は「飛行時間」と呼ばれ得る。距離Dは、次の式を使用して、飛行時間Δtに基づき推定できる。
【数2】

cは光の速度を示す。
【0021】
[0035] 検出器は、それぞれの光パルス210が放射された後、有効な検出時間窓230を有し得る。 検出時間窓230の間、検出器が起動される。 検出器は、次の光パルス210が放射されるまで、検出時間窓230に続く時間窓240において非活性化され得る。検出時間窓230の外側に到着する戻り光パルスは、ライダーセンサの有効な動作距離に対応しないため、登録されない。
【0022】
[0036] 2つまたは複数のライダーセンサが互いに近接して動作している特定の状況では、ライダーセンサ間の干渉が発生し得る。図3Aおよび図3Bは、2つのライダーセンサ310および320が互いに干渉する可能性がある2つの簡略化された例を示す。 図3Aは、2つのライダーセンサ間における直接干渉の例を示す。第1のライダーセンサ310は、光パルス330を放射してもよく、これは、第2のライダーセンサ320へ向けられることある。第2のライダーセンサ320は、第1のライダーセンサ310によって放射される光パルス330を検出してもよく、光パルス330をそれ自体が放射する戻り光パルスとして誤って考えてもよい。 第2のライダーセンサ320による干渉光パルス330の検出は、第2のライダーセンサ320によって生み出された三次元点群内に偽点をもたらす可能性がある。この状況は、例えば、2つのライダーセンサが取り付けられている2台の車が反対方向から互いに接近している場合に起こり得る。
【0023】
[0037] 図3Bは間接干渉の例を示す。第1のライダーセンサ310と第2のライダーセンサ320が同時に同じシーンをスキャンしていると仮定する。第1のライダーセンサ310によって放射された第1の光パルス340は、物体390(例えば、人)に当たって跳ね返ってもよく、第1のライダーセンサ310に戻ってもよい。第1のライダーセンサ310は、第1の光パルス340の飛行時間を測定することによって、第1のライダーセンサ310からの物体390の距離を推定し得る。同時に、第2のライダーセンサ320は、第2の光パルス350を放射してもよく、これもまた、物体390で跳ね返ってもよい。反射された第2の光パルス350は、第1のライダーセンサ310によって検出され得る。第1のライダーセンサ310による干渉光パルス350の検出は、第1のライダーセンサ310によって生み出された三次元点群内に偽点をもたらす可能性がある。この状況は、例えば、ライダーセンサ310と320が取り付けられている2台の車が隣接する車線を同じ方向に並んで走行している場合に発生し得る。
【0024】
[0038] 図4の下部は、図2に示されるタイミング図と同様に、第1のライダーセンサ310から放射され得る一連の光パルス210のタイミング図を示す。図4の上部では、第1のライダーセンサ310自体から放射される戻り光パルス220に加えて、第2のライダーセンサ320からの干渉光パルス410(点線)もまた、第1のライダーセンサ310によって検出され得る。
【0025】
[0039] 第2のライダーセンサ320が第1のライダーセンサ310と同じ繰り返し率でその光源を放射すると仮定すると、図4に示されるように、第1のライダーセンサ310によって検出される干渉光パルス410は、実際の戻り光パルス220とほぼ時間同期することができる。例えば、それぞれの干渉光パルス410は、それぞれの戻り光パルス220のわずかに前に検出され得る。したがって、 第1のライダーセンサ310によって作成された三次元点群内の偽点は、実際の物体390よりも第1のライダーセンサ310に近いように見え得る。このような偽点は、点群内のグループとして空間的に近接して表示され、ゴースト物体を形成する傾向があり得る。連続した検出窓230において、干渉光パルス410が同じ飛行時間Δt2で検出されるので、ゴースト物体は静止しているように見えてもよい。
【0026】
[0040] 例えば、第1のライダーセンサ310がその光源を発射する10ナノ秒前に、第2のライダーセンサ320がその光源を放射すると仮定する。干渉光パルス410は、戻り光パルス220が検出される10ナノ秒前に検出される(例えば、Δt - Δt2 = 10ns)。したがって、ゴースト画像は、実際の物体390よりも、第1のライダーセンサ310に約150cm近いように見え得る(光はナノ秒あたり約30cm移動する)。
【0027】
[0041] 第2のライダーセンサの放射率が、第1のライダーセンサの放射率と類似しているが、完全に同じではない場合、ゴースト物体が第1のライダーセンサに近づいたり遠ざかったりしているように見えてもよい。ゴースト物体が移動する速度は、2つのライダーセンサ間の放射率関数の差である。2つの放射率が離れているほど、ゴースト物体の動きが速く見え得る。
【0028】
[0042] 例えば、第2のライダーセンサ320が放射する光源が、第1のライダーセンサ310が放射する光源よりも1秒あたり1ナノ秒速いと仮定する。1秒後、第1のライダーセンサ310の放射と第2のライダーセンサ320の放射との間の遅延を9ナノ秒に短縮し得る(例えば、Δt- Δt1 = 9ns)。したがって、ゴースト物体は、第1のライダーセンサ310からわずか135cmのところにあるように見え得る。このプロセスが続くと、ゴースト物体は毎秒15cmの速度で第1のライダーセンサ310に向かって移動しているように見えてもよい。一方、第2のライダーセンサ320の放射速度が、第1のライダーセンサ310放射速度よりも遅い速度でその光源を放射する場合、ゴースト物体は、第1のライダーセンサ310から遠ざかるように見えてもよい。
【0029】
[0043] いくつかの実施形態では、それぞれのライダーセンサに、固有の放射速度を割り当てることができる。 任意の2つのライダーセンサが同じ放射速度を持つ可能性は低いため、十分な固有の放射速度が利用でき得る。例えば、公称放射速度が 1.000 MHz の場合、テーブルからそれぞれのライダー センサに放射速度が割り当てられ得る{0.990、0.991、0.992...1.010}。
【0030】
[0044] ここで、センサ1 が 1.000MHzで放射し、センサ2 が 1.001MHzで放射する場合を考察する。毎秒、センサ1 はセンサ2 より 1 ミリ秒遅れて落下する。 これにより、ゴースト 物体が 毎秒150 kmで移動しているように見え得る。 実際には、ゴースト物体は連続した孤立点に分割される。孤立したゴースト点に、後で詳しく説明する実点とゴースト点とを区別するための品質係数が割り当てられる。
【0031】
[0045] いくつかの実施形態では、ライダーシステムは、干渉から生じる点群内の偽点を検出可能にするため、その光源の放射シーケンスに時間的ディザリングを適用し得る。それぞれの光パルス、もしくは等間隔の一連の光パルスに、ランダム化された時間シフトが適用され得るが、これは隣接する光パルス間の時間シフトをランダムにするためである。本明細書における用語「ランダム」または「ランダム化」は、ランダム、ならびに擬似ランダムまたは任意の不規則なパターンを示す。
【0032】
[0046] 図5は、いくつかの実施形態による、ライダーセンサの光源放射のタイミング図を例示的に示す。図5の下部において、破線は、等間隔の一連の光パルス510の公称時間位置を表し、実線は、時間的にディザリングされた一連の光パルス520を表す。図示されるように、それぞれの光パルス520は、対応する公称時間位置に対して、量δtだけ時間的にシフトされる。時間シフトδtの大きさとその方向(プラスまたはマイナス記号)はランダム化される。 いくつかの実施形態では、δtは約-200ナノ秒から約+200ナノ秒の範囲であり得る。したがって、隣接する光パルス間の時間間隔もまたランダムである。例えば、光パルス520aと光パルス520bとの間の時間間隔t1 は、光パルス520bと光パルス520c等との間の時間間隔t2と異なり得る。
【0033】
[0047] 図5の上部において、実線は、ライダーセンサ自体によって放射される実際の戻り光パルス530を表す。点線は、別のライダーセンサからの干渉光パルス540を表す。干渉光パルス540が一定の時間間隔で検出器に到着すると仮定する。ライダーセンサ自体によって放射される光パルス520がランダムにシフトする結果として、一連の干渉光パルスの見かけ上の飛行時間は、ランダムに互いに異なっていてもよい。例えば、干渉光パルス540aの飛行時間Δt1は、次の干渉光パルス540b等の飛行時間Δt2と異なっていてもよい。
【0034】
[0048] このように、光源放射シーケンスにランダムな時間的ディザリングを適用することにより、点群内のゴースト物体の偽点は、空間的に散乱した孤立点に分割され得る。「散乱」の空間的広がりは、時間的ディザリングの範囲に依存し得る。例えば、時間的ディザリングδtの範囲が-200ナノ秒から+200ナノ秒の場合、ゴースト物体の偽点は、ゴースト物体が時間的ディザリングなしで見える場所から最大30メートル近くまたは遠くに散在し得る。
【0035】
[0049] 図6Aは、レーザ放射シーケンスに時間的ディザリングを適用することなく、ライダーセンサ610によって取得された点群を例示的に示す。 点群は、実際の物体(例えば、人)を表す点620、ならびに、近くにある別のライダーセンサ(図示せず)からの干渉によって引き起こされる偽点630を含み得る。図示されるように、偽点630は、互いに近接して配置されてもよく、ゴースト物体として現れてもよい。
【0036】
[0050] 図6Bは、図6Aに示されるのと同じシーンについて、ライダーセンサ640により取得された点群を例示的に示し、いくつかの実施形態による光源放射シーケンスに時間的ディザリングを適用する。点群はまた、実際の物体を表す点650、ならびに偽点660を含み得る。 図6Aと比較して、偽点660は、より大きな空間領域を占める孤立点に散在している。偽点660は散在し、孤立しているので、それらの点が干渉による偽点であると識別することがより容易になり得る。
【0037】
[0051] いくつかの実施形態では、時間的ディザリングを適用しながらライダーセンサによって取得された点群内の点間の空間的および時間的関係を解析することができる。任意の点が干渉によって引き起こされた偽点である可能性は、そのような分析に基づいて評価することができる。 図7に示されるように、点群中のそれぞれの点は、三次元座標によって特徴付けられてもよい。 三次元には、点からライダーセンサまでの角度A、点からライダーセンサまでの範囲D、および点が取得されたときの時間Tを含めることができる。角度Aは、水平角度と垂直角度のベクトルの和である。
【0038】
[0052] いくつかの実施形態では、点とその隣接点との間の角度、範囲、および時間の非線形加重の組み合わせを使用して、点群内のそれぞれの点について品質係数を評価することができる。インデックスiを有する点群内のそれぞれの点について、隣接点j に対する一部の品質係数QFi,jは次のように評価され得る。
【数3】

ここで、ΔAは点iと点j間の角度分離、ΔD は点iと点j間の範囲分離、ΔTはiと点j間の時間分離(例えば、2点の検出間の経過時間、または2点の検出間のフレーム数の差)であり、a、b、およびcは重さであり、dは定数であり、n1、n2、n3、およびn4は正の力率定数である。
【0039】
[0053] いくつかの実施形態では、n1=n2=n3=2およびn4 =1/2 である。 したがって、部分品質係数QFi,jは次のように評価され得る。
【数4】

式(2)で表される部分品質係数QFi,jは、図7に示されるように、点iと点j間の三次元分離であると考えられ得る。一般に、部分品質係数QFi,jの値は、点iと点j間の空間的および時間的分離に反比例する。すなわち、空間的、時間的分離が大きければ大きいほど、QFi,jの値はより小さくなる。
【0040】
[0054] 点iについて、全体的な品質係数QFiは次のように評価され得る。
【数5】

ここで、合計は、閾値を超える部分品質係数QFi,jの値を生じさせる点iのすべての他の隣接点を上回る (例えば、点iからあまりにも離れている隣接点は、品質係数 QFiを評価するために無視されてもよい)。品質係数 QFiの値は、干渉のために点iが偽点である可能性を示すことができる。例えば、実際の物体を表す点は、空間的にも時間的にも互いに密接に配置される傾向があり得る。したがって、実点は、より高い品質係数値であり得る。一方、干渉による偽点は、上記で論じたように、光源放射の時間的ディザリングの結果として、互いに散乱および孤立し得る。したがって、偽点はより低い品質係数値であり得る。
【0041】
[0055] いくつかの実施形態では、知覚ソフトウェアは、ライダーセンサによって取得された点群内で、任意の所与の点にどの程度の重みを加えるか決定するために品質係数値を使用することができる。例えば、ライダーセンサが自動運転車の障害物検出に使用される場合、知覚ソフトウェアは、特定の閾値を下回る品質係数値を有する点を無視してもよい。いくつかの実施形態では、閾値は事前に決定されるか、または動的に調整することができる。
【0042】
[0056] いくつかの実施形態では、知覚ソフトウェアは、障害物を検出するために、ライダーセンサデータ(例えば、関連する品質係数値を有する点群データ)を他のセンサデータと組み合わせてもよい。他のセンサデータは、例えば、カメラデータおよびレーダデータを含み得る。例えば、ライダーセンサからの点は、品質係数値が比較的低いことがあるが、その点はレーダまたはカメラからの弱い信号と一致する。知覚ソフトウェアは、すべてのセンサからのデータを考慮することができ、個々のセンサからのデータがそのような判断を行うのに不十分な場合でも、問題になっている点が障害物を表すと判断してもよい。
【0043】
[0057] いくつかの実施形態では、品質係数は、隣接する点との空間的および時間的関係に加えて、検出器のノイズレベルおよびノイズシグネチャなどの他の要因も考慮に入れてもよい。例えば、日光、雨、霧、雪は、検出された信号にノイズをもたらす可能性があり、結果、点群内に偽点が生じる可能性がある。いくつかの実施形態では、ライダーシステムは、ノイズ値を抽出し、それを式(1)および(3)で表される品質係数に追加することができる。いくつかの実施形態では、信号強度およびパルス幅も品質係数に追加することができる。また、検出時間窓内に複数の戻りパルスが検出された場合、干渉パルスの存在を示し得、品質係数値を調整するために使用される。
【0044】
[0058] いくつかの実施形態では、知覚ソフトウェアは、環境条件に基づき「偽」点の処理を調整し得る。例えば、霧、雨、雪も、比較的低い品質係数値を有する偽点になり得る。知覚ソフトウェアは、点の性質または他のソース(例えば、、ワイパー操作)からの入力に基づき、それらの点が他のライダーセンサからの干渉ではなく、気象条件に依るものであると決定し得る。したがって、知覚ソフトウェアは状況に応じて、応答を調整してもよい。
【0045】
[0059] いくつかの実施形態では、全体として、低い品質係数値を有する点の数は、近くに干渉するライダーセンサの存在と、干渉するライダーセンサの一般的な方向とを示すことができる。例えば、その方向で別の車両が検出された場合、干渉するライダーセンサと検出された車両とを関連付けてもよい。
【0046】
[0060] ライダーセンサは複数の光源を含んでいてもよく、それぞれの光源はサブ視野をカバーしてもよい。 ライダーセンサは、複数の光源を順番に放射することができる。いくつかの実施形態では、ランダムな時間遅延が、隣接する放射ラウンド間に適用され得る。追加的または代替的に、複数の光源の放射順序は、あるラウンドから次のラウンドへとランダムに変化させることができる。
【0047】
[0061] 図8は、光源806のアレイ(例えば、4×2の光源のアレイ)および検出器808のアレイ(例えば、4×2の光源のアレイ)を含み得るライダーセンサ800を概略的に示す。光源806のアレイおよび検出器808のアレイは、同じ剛性プラットフォーム830に取り付けることができる。光源806の位置および検出器808の位置は、それぞれの光源806が対応する検出器808と空間的に共役であるように配置される。プラットフォーム830は、2つの曲げ要素820aおよび820bを含む第1のフレクシャによって第1のベースプレート810に結合することができる。曲げ要素820aおよび820bは、図8に示されるようなボイスコイル850および永久磁石860などの単一のアクチュエータや、ピエゾアクチュエータなどを使用することによって、左または右に偏向させることができる。一実施形態では、第1のベースプレート810は、2つの曲げ要素870aおよび870bを含む第2のフレクシャによって第2のベースプレート812に結合することができる。曲げ要素870aおよび870bは、図8に示されるようなボイスコイル852および永久磁石862などの単一のアクチュエータや、ピエゾアクチュエータなどを使用することによって、前方または後方に偏向させることができる。
【0048】
[0062] したがって、光源806および検出器160a~160dは、曲げ要素820aおよび820bの左右の動き、曲げ要素870aおよび870bの前後の動きによって、放射レンズ802および受信レンズ804のそれぞれの焦点面において二次元で走査される。光源806および検出器808は同じ剛性プラットフォーム830に取り付けられているので、放射レンズ804と受信レンズ802のレンズ処方が本質的に同一であるという条件でそれらが走査されるとき、それぞれのレーザと検出器のペア間の共役空間関係が維持される。図8は例として8つの光源806および8つの検出器808が示されているが、より少ないまたはより多くの光源および、より少ないまたはより多くの検出器を単一のプラットフォーム830に取り付けられ得ることを理解するべきである。
【0049】
[0063] いくつかの実施形態では、第1の位置エンコーダ840は、左右方向の光源806の座標(すなわち、x座標)を検出するために、プラットフォーム830に隣接して配置され得、第2の位置エンコーダ842は、前後方向の光源806の座標(すなわち、y座標)を検出するために、第1のベースプレート810に隣接して配置され得る。第1の位置エンコーダ840および第2の位置エンコーダ842は、光源806のx-y座標をシーンの三次元画像を構築するために使用されるプロセッサに入力してもよい。
【0050】
[0064] 図9は、いくつかの実施形態による、ライダーセンサ902の視野900を例示的に示す。ライダーセンサ902は、4×2のアレイとして配置された8つの光源を含み得る(例えば、図8に示されるライダーセンサ)。それぞれの光源は、それぞれのサブ視野910をカバーするために走査される。8つの光源(数字1~8でラベル付けされている)のサブ視野910を一緒に並べて、ライダーセンサ902の視野900全体を形成することができる。
【0051】
[0065] いくつかの実施形態では、8つの光源は連続して放射され得る。図10は、放射シーケンスを例示的に示す。例えば、それぞれのラウンドで、1番目のレーザが放射され、次に遅延時間t1の後に2番目のレーザが放射され、次に、遅延時間t2の後に3番目のレーザが放射され、8番目のレーザが放射されるまで、以下同様に続く。第1ラウンドが完了した後、遅延時間tg1の後に第2ラウンドが開始されてもよい。同様に、第2のラウンドが完了した後、第3のラウンドは遅延時間tg2の後に開始されてもよく、以下同様に続く。いくつかの実施形態では、連続するラウンド間の遅延時間tg1、 tg2、…はランダムであり得る。ラウンド内の連続する放射間の遅延時間t1、t2、t7は同じにすることも、ランダムにすることもできる。どちらの場合も、干渉による偽点は、前述のように、低い品質係数値による検出を可能にするために分散される可能性がある。
【0052】
[0066] 図11は、いくつかの他の実施形態による放射シーケンスを示している。ここでは、それぞれのラウンドで1番から8番のレーザを順番に放射する代わりに、放射の順序を1つのラウンドから次のラウンドまでランダムにすることができる。例えば、図11に示すように、最初のラウンドの放射順序は、3番、2番、1番、7番、6番、8番、4番、5番である一方、第2ラウンドの放射順序は1番、8番、6番、4番、5番、3番、2番、7番、という具合であり得る。このようにして、検出を偽点とするために、干渉による偽点を分散させることも可能である。いくつかの実施形態では、ラウンド内の連続する放射間の遅延時間t1、t2、…t7は同じであり、連続するラウンド間の遅延時間tg1、tg2、…もまた同じである。いくつかの他の実施形態では、遅延時間t1、t2、…t7や遅延時間tg1、tg2、…もまたランダムであり得る。
【0053】
[0067] 図12は、一実施形態による、ライダーシステムを操作する方法1200を示す簡略化されたフローチャートを示す。
【0054】
[0068] 方法1200は、1202において、1つまたは複数の光源を使用して、隣接する光パルス間のランダム化された時間間隔を有する時間シーケンスにおける一連の光パルスを放出することを含む。 一連の光パルスは、ライダーシステムの視野内のシーンに向けられる。
【0055】
[0069] 方法1200は、1204において、1つまたは複数の検出器を使用して、一連の戻り光パルスを検出することをさらに含む。少なくとも一部の一連の戻り光パルスは、シーン内の1つまたは複数の物体で反射された一連の光パルスに対応する。
【0056】
[0070] 方法1200は、1206において、一連の戻り光パルスのそれぞれの戻り光パルスの飛行時間を決定し、1208において、一連の戻り光パルスの飛行時間に基づき、点群を取得することをさらに含む。 点群は、1つまたは複数の物体の1つまたは複数の表面を表す点集合を含む。それぞれの点は、一連の戻り光パルスのそれぞれの戻り光パルスに対応する。
【0057】
[0071] 方法1200は、1210において、点群内の点集合のそれぞれの点について、点集合内のそれぞれの点と隣接する点集合との間の、空間的および時間的関係を分析し、空間的および時間的関係に基づき、それぞれの点の品質係数を評価することをさらに含む。
【0058】
[0072] 図12に示される特定のステップは、いくつかの実施形態による、ライダーシステムを操作する特定の方法を提供することを理解するべきである。代替の実施形態によれば、他の一連のステップも実行され得る。 例えば、本発明の代替の実施形態は、上記で概説したステップを異なる順序で実行され得る。さらに、図12に示される個々のステップは、個々のステップに応じて様々な順序で実行され得る複数のサブステップを含み得る。さらに、特定のアプリケーションに応じて、追加のステップが追加されてもよく、一部のステップが削除されてもよい。当業者は、多くの変形、修正、および代替を認識するであろう。
【0059】
[0073] 図13は、一実施形態による、ライダーシステムを操作する方法1300を示す簡略化されたフローチャートを示す。
【0060】
[0074] 方法1300は、1302において、アレイとして配置された複数の光源を使用して、ライダーシステムの視野内のシーンに向けられる複数の一連の光パルスを放射することを含む。それぞれの一連の光パルスは、時間シーケンスにおける複数の光パルスを含む。それぞれの光パルスは、複数の光源のそれぞれの光源によって放射される。複数の一連の光パルスは、ランダム化された時間遅延によって互いに時間的に分離される。
【0061】
[0075] 方法1300は、1304において、アレイとして配置された複数の検出器を使用して、複数の戻り光パルスを検出することをさらに含む。それぞれの検出器は、それぞれの光源に対応する。少なくとも一部の複数の戻り光パルスは、シーン内の1つまたは複数の物体から反射された複数の一連の光パルスに対応する。
【0062】
[0076] 方法1300は、1306において、複数の戻り光パルスのそれぞれの戻り光パルスの飛行時間を決定し、1308において、複数の戻り光パルスの飛行時間に基づき点群を取得することをさらに含む。点群は、1つまたは複数の物体の1つまたは複数の表面を表す複数の点を含む。それぞれの点は、それぞれの戻り光パルスに対応する。
【0063】
[0077] 方法1300は、1310において、点群内のそれぞれの点について、点群内のそれぞれの点と隣接点との間の空間的および時間的関係を分析し、空間的および時間的関係に基づいて、それぞれの点の品質係数を評価することをさらに含む。
【0064】
[0078] 図13に示される特定のステップは、いくつかの実施形態によるライダーシステムを操作する特定の方法を提供することを理解するべきである。代替の実施形態によれば、他の一連のステップも実行され得る。例えば、本発明の代替の実施形態は、上記で概説したステップを異なる順序で実行してもよい。さらに、図13に示される個々のステップは、個々のステップに応じて様々な順序で実行され得る複数のサブステップを含み得る。さらに、特定のアプリケーションに応じて、追加のステップが追加されてもよく、一部のステップが削除されてもよい。当業者は、多くの変形、修正、および代替を認識するであろう。
【0065】
[0079] 図14は、一実施形態による、ライダーシステムを操作する方法1400を示す簡略化されたフローチャートを示す。
【0066】
[0080] 方法1400は、1402において、アレイとして配置された複数の光源を使用して、ライダーシステムの視野内のシーンに向けられる複数の一連の光パルスを放射することを含む。それぞれの一連の光パルスは、時間シーケンスにおける複数の光パルスを含む。それぞれの光パルスは、複数の光源のそれぞれの光源によって放射される。複数の光パルスは、複数の光源によりランダムに放射される。
【0067】
[0081] 方法1400は、1404において、アレイとして配置された複数の検出器を使用して、複数の戻り光パルスを検出することをさらに含む。それぞれの検出器は、それぞれの光源に対応する。少なくとも一部の複数の戻り光パルスは、シーン内の1つまたは複数の物体から反射された複数の一連の光パルスに対応する。
【0068】
[0082] 方法1400は、1406において、複数の戻り光パルスのそれぞれの戻り光パルスの飛行時間を決定し、1408において、複数の戻り光パルスの飛行時間に基づき点群を取得することをさらに含む。点群は、1つまたは複数の物体の1つまたは複数の表面を表す複数の点を含む。それぞれの点は、それぞれの戻り光パルスに対応する。
【0069】
[0083] 方法1400は、1410において、点群内のそれぞれの点について、点群内のそれぞれの点と隣接点との間の空間的および時間的関係を分析し、空間的および時間的関係に基づいて、それぞれの点の品質係数を評価することをさらに含む。
【0070】
[0084] 図14に示される特定のステップは、いくつかの実施形態によるライダーシステムを操作する特定の方法を提供することを理解するべきである。代替の実施形態によれば、他の一連のステップも実行され得る。例えば、本発明の代替の実施形態は、上記で概説したステップを異なる順序で実行してもよい。さらに、図14に示される個々のステップは、個々のステップに応じて様々な順序で実行され得る複数のサブステップを含み得る。さらに、特定のアプリケーションに応じて、追加のステップが追加されてもよく、一部のステップが削除されてもよい。当業者は、多くの変形、修正、および代替を認識するであろう。
【0071】
[0085] 本明細書に記載されている例および実施形態は、例示の目的だけのためであることと、そのことに照らした様々な修正または変更が、当事者に示唆されるであろうし、本出願の趣旨及び範囲並びに添付の特許請求の範囲に含まれることとなることも、理解される。




















図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6A
図6B
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
【国際調査報告】