(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-01
(54)【発明の名称】状態決定方法および装置、ロボット、記憶媒体並びにコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
G05D 1/02 20200101AFI20221124BHJP
【FI】
G05D1/02 H
G05D1/02 W
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021566210
(86)(22)【出願日】2021-04-19
(85)【翻訳文提出日】2021-11-08
(86)【国際出願番号】 CN2021088224
(87)【国際公開番号】W WO2022041797
(87)【国際公開日】2022-03-03
(31)【優先権主張番号】202010872662.3
(32)【優先日】2020-08-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】321006888
【氏名又は名称】ベイジン・センスタイム・テクノロジー・デベロップメント・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】姚▲達▼▲ちぇん▼
(72)【発明者】
【氏名】何悦
(72)【発明者】
【氏名】李▲誠▼
【テーマコード(参考)】
5H301
【Fターム(参考)】
5H301AA01
5H301BB14
5H301CC03
5H301CC06
5H301CC10
5H301DD01
5H301DD06
5H301DD07
5H301DD15
5H301GG14
(57)【要約】
本願実施例は、ロボットの状態決定方法および装置、ロボット並びに記憶媒体を開示し、ここで、ロボットの状態決定方法は、ロボットの参照情報を取得することであって、ここで、参照情報は、いくつかの時刻に対応するロボットの測定状態情報、現在時刻に対応するロボットの実際走行情報のうちの少なくとも1つを含むことと、参照情報に基づいて、ロボットの状態ノイズを決定することと、状態ノイズを利用して、現在時刻に対応するロボットの実際状態情報を取得することと、を含む。上記の技術案は、ロボットの状態を決定する精度を向上されることができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロボットの状態決定方法であって、
前記ロボットの参照情報を取得することであって、前記参照情報は、いくつかの時刻に対応する前記ロボットの測定状態情報、現在時刻に対応する前記ロボットの実際走行情報のうちの少なくとも1つを含むことと、
前記参照情報に基づいて、前記ロボットの状態ノイズを決定することと、
前記状態ノイズを利用して、前記現在時刻に対応する前記ロボットの実際状態情報を取得することと、を含む、ロボットの状態決定方法。
【請求項2】
前記参照情報に基づいて、前記ロボットの状態ノイズを決定することは、
前記現在時刻および前のいくつかの時刻に対応する測定状態情報を利用して、前記ロボットの測定干渉ノイズを決定すること、
および/または、前記現在時刻の実際走行情報を利用して、前記ロボットの状態遷移ノイズを決定することを含む、
請求項1に記載の状態決定方法。
【請求項3】
前記現在時刻および前のいくつかの時刻に対応する測定状態情報を利用して、前記ロボットの測定干渉ノイズを決定することは、
前記現在時刻と前のいくつかの時刻の測定状態情報との離散度を取得することと、
前記離散度を利用して、前記測定干渉ノイズを決定することと、を含む、
請求項2に記載の状態決定方法。
【請求項4】
前記現在時刻と前のいくつかの時刻の測定状態情報との離散度は、前記現在時刻と前のいくつかの時刻の測定状態情報との標準差であり、対応的に、
前記離散度を利用して、前記測定干渉ノイズを決定することは、
前記離散度とプリセットのゲインパラメータとの積を前記測定干渉ノイズとして使用することを含む、
請求項3に記載の状態決定方法。
【請求項5】
前記実際走行情報は、前記ロボットの走行角度情報、モーター駆動情報および走行速度情報を含み、
前記現在時刻の実際走行情報を利用して、前記ロボットの状態遷移ノイズを決定することは、
第1状態ノイズ、第2状態ノイズのうちの少なくとも1つを利用して、前記ロボットの前記状態遷移ノイズを取得することを含み、
前記第1状態ノイズは、前記走行角度情報および前記走行速度情報を利用して決定されたものであり、前記第2状態ノイズは、前記モーター駆動情報および前記走行速度情報を利用して決定されたものである、
請求項2ないし4のいずれか一項に記載の状態決定方法。
【請求項6】
前記ロボットは、駆動輪および方向転換輪を備え、前記駆動輪は、前記ロボットを走行するように駆動するために使用され、前記方向転換輪は、前記ロボットの走行方向を変換するために使用され、前記走行速度情報は、前記ロボットの駆動輪間の実際の速度差を含み、前記走行角度情報は、前記ロボットの方向転換輪の実際の方向転換角度を含み、
対応的に、前記第1状態ノイズ、第2状態ノイズのうちの少なくとも1つを利用して、前記ロボットの前記状態遷移ノイズを取得する前に、前記状態決定方法は、
速度差と方向転換角度との第1マッピング関係を利用して、前記実際の方向転換角度に対してマッピング処理を実行して、前記実際の方向転換角度に対応する理論速度差を取得することと、
前記実際速度差と前記理論速度差との差異を利用して、前記第1状態ノイズを決定することと、をさらに含み、および/または、
前記ロボットは、駆動輪を備え、前記駆動輪は、前記ロボットを走行するように駆動するために使用され、前記走行速度情報は、前記ロボットの駆動輪の実際平均速度を含み、前記モーター駆動情報は、前記ロボットのモーターの実際平均駆動信号値を含み、
対応的に、前記第1状態ノイズ、第2状態ノイズのうちの少なくとも1つを利用して、前記ロボットの前記状態遷移ノイズを取得する前に、前記状態決定方法は、
平均速度と平均駆動信号値との第2マッピング関係を利用して、前記実際平均駆動信号値に対してマッピング処理を実行して、前記実際平均駆動信号値に対応する理論平均速度を取得することと、
前記実際平均速度と前記理論平均速度との差異を利用して、前記第2状態ノイズを決定することと、をさらに含む、
請求項5に記載の状態決定方法。
【請求項7】
前記実際速度差と前記理論速度差との差異を利用して、前記第1状態ノイズを決定することは、
前記実際速度差と前記理論速度差との差の平方を前記第1状態ノイズとして使用することを含み、
前記実際平均速度と前記理論平均速度との差異を利用して、前記第2状態ノイズを決定することは、
前記実際平均速度と前記理論平均速度との差の平方を前記第2状態ノイズとして使用することを含む、
請求項6に記載の状態決定方法。
【請求項8】
前記状態ノイズを利用して、前記現在時刻に対応する前記ロボットの実際状態情報を取得することは、
前記状態ノイズを利用して、前記ロボットの、前の時刻に対応する実際状態情報および前記現在時刻に対応する測定状態情報を処理して、前記現在時刻に対応する前記ロボットの実際状態情報を取得することを含む、
請求項1ないし7のいずれか一項に記載の状態決定方法。
【請求項9】
前記状態ノイズを利用して、前記ロボットの、前の時刻に対応する実際状態情報および前記現在時刻に対応する測定状態情報を処理して、前記現在時刻に対応する前記ロボットの実際状態情報を取得することは、
前記状態ノイズに基づいて、フィルターゲインを決定することと、
前記ロボットの、直前時刻に対応する実際状態情報および前記直前時刻に対応する実際走行情報を予測して、現在時刻に対応する予測状態情報を取得することと、
前記フィルターゲインのカルマンフィルターを利用して、前記現在時刻の予測状態情報を前記現在時刻の測定状態情報と融合して、前記現在時刻に対応する前記ロボットの実際状態情報を取得することと、を含む、
請求項8に記載の状態決定方法。
【請求項10】
前記状態ノイズに基づいて、フィルターゲインを決定することは、
前記ロボットの状態遷移パラメータおよび状態遷移ノイズを利用して、前の時刻に対応する事後確率推定共分散を処理して、現在時刻に対応する事前確率推定共分散を取得し、実際状態情報から測定状態情報への変換パラメータおよび測定干渉ノイズを利用して、前記現在時刻に対応する事前確率推定共分散を処理して、現在時刻に対応するフィルターゲインを取得することを含み、
前記ロボットの、直前時刻に対応する実際状態情報および前記直前時刻に対応する実際走行情報を予測して、現在時刻に対応する予測状態情報を取得することは、前記ロボットの状態遷移パラメータおよび入力状態遷移パラメータを使用して、ロボットの、直前時刻に対応する実際状態情報および直前時刻に対応する実際走行情報をそれぞれ処理して、現在時刻に対応する予測状態情報を取得することを含む、
請求項9に記載の状態決定方法。
【請求項11】
前記参照情報に基づいて、前記ロボットの状態ノイズを決定した後、前記状態決定方法は、
前記状態ノイズがプリセットのノイズ条件を満たしない場合、プリセットの通知を実行することをさらに含む、
請求項1ないし10のいずれか一項に記載の状態決定方法。
【請求項12】
前記状態ノイズは、前記現在時刻および前のいくつかの時刻の測定状態情報を利用して得られた測定干渉ノイズを含み、対応的に、前記プリセットのノイズ条件は、前記測定干渉ノイズが、第1ノイズ閾値より小さいことを含み、前記状態ノイズが、プリセットのノイズ条件を満たしない場合、プリセットの通知を実行することは、
前記測定干渉ノイズが前記プリセットのノイズ条件を満たしない場合、第1警告メッセージを出力することを含み、前記第1警告メッセージは、状態測定が干渉されたことを知らせるために使用され、
および/または、前記状態ノイズは、前記現在時刻の実際走行情報を利用して得られた状態遷移ノイズを含み、対応的に、前記プリセットのノイズ条件は、前記状態遷移ノイズが第2ノイズ閾値より小さいことを含み、前記状態ノイズが、プリセットのノイズ条件を満たしない場合、プリセットの通知を実行することは、
前記状態遷移ノイズが前記プリセットのノイズ条件を満たしない場合、第2警告メッセージを出力することを含み、前記第2警告メッセージは、前記ロボットに車体が滑るリスクがあることを知らせるために使用される、
請求項11に記載の状態決定方法。
【請求項13】
前記ロボットの参照情報を取得することは、
前記ロボットの周囲環境に対して画像収集を実行して、現在時刻に対応する環境画像データを取得することと、
前記現在時刻の環境画像データに基づいて、現在時刻に対応する前記ロボットの測定状態情報を決定することと、を含み、
前記測定状態情報および実際状態情報のいずれも、前記ロボットの位置、前記ロボットの姿勢、前記ロボットの速度のうちの少なくとも1つを含む、
請求項1ないし12のいずれか一項に記載の状態決定方法。
【請求項14】
ロボットの状態決定装置であって、
前記ロボットの参照情報を取得するように構成される測定状態取得モジュールであって、前記参照情報は、いくつかの時刻に対応する前記ロボットの測定状態情報、現在時刻に対応する前記ロボットの実際走行情報のうちの少なくとも1つを含む、測定状態取得モジュールと、
前記参照情報に基づいて、前記ロボットの状態ノイズを決定するように構成される、状態ノイズ決定モジュールと、
前記状態ノイズを利用して、前記現在時刻に対応する前記ロボットの実際状態情報を取得するように構成される、実際状態取得モジュールと、を備える、ロボットの状態決定装置。
【請求項15】
前記状態ノイズ決定モジュールは、
前記現在時刻および前のいくつかの時刻に対応する測定状態情報を利用して、前記ロボットの測定干渉ノイズを決定するように構成される、測定干渉決定サブモジュールと、
前記現在時刻の実際走行情報を利用して、前記ロボットの状態遷移ノイズを決定するように構成される、状態遷移決定サブモジュールと、を備える、
請求項14に記載の状態決定装置。
【請求項16】
測定干渉決定サブモジュールは、
前記現在時刻と前のいくつかの時刻の測定状態情報との離散度を取得するように構成される、離散取得ユニットと、
前記離散度を利用して、前記測定干渉ノイズを決定するように構成される、ノイズ決定ユニットと、を備える、
請求項15に記載の状態決定装置。
【請求項17】
前記現在時刻と前のいくつかの時刻の測定状態情報との離散度は、前記現在時刻と前のいくつかの時刻の測定状態情報との標準差であり、対応的に、
前記ノイズ決定ユニットは、前記離散度とプリセットのゲインパラメータとの積を前記測定干渉ノイズとして使用するように構成される、
請求項16に記載の状態決定装置。
【請求項18】
前記実際走行情報は、前記ロボットの走行角度情報、モーター駆動情報および走行速度情報を含み、
前記状態遷移決定サブモジュールは、第1状態ノイズ、第2状態ノイズのうちの少なくとも1つを利用して、前記ロボットの前記状態遷移ノイズを取得するように構成され、
前記第1状態ノイズは、前記走行角度情報および前記走行速度情報を利用して決定されたものであり、前記第2状態ノイズは、前記モーター駆動情報および前記走行速度情報を利用して決定されたものである、
請求項15ないし17のいずれか一項に記載の状態決定装置。
【請求項19】
前記ロボットは、駆動輪および方向転換輪を備え、前記駆動輪は、前記ロボットを走行するように駆動するために使用され、前記方向転換輪は、前記ロボットの走行方向を変換するために使用され、前記走行速度情報は、前記ロボットの駆動輪間の実際の速度差を含み、前記走行角度情報は、前記ロボットの方向転換輪の実際の方向転換角度を含み、
対応的に、前記状態決定装置は、さらに、第1状態ノイズ決定ユニットを備え、前記第1状態ノイズ決定ユニットは、
速度差と方向転換角度との第1マッピング関係を利用して、実際の方向転換角度に対してマッピング処理を実行して、実際の方向転換角度に対応する理論速度差を取得するように構成される、第1マッピングサブユニットと、
実際速度差と理論速度差との差異を利用して、第1状態ノイズを決定するように構成される、第1状態ノイズ決定サブユニットと、を備え、
および/または、前記ロボットは、駆動輪を備え、前記駆動輪は、前記ロボットを走行するように駆動するために使用され、前記走行速度情報は、前記ロボットの駆動輪の実際平均速度を含み、前記モーター駆動情報は、ロボットのモーターの実際平均駆動信号値を含み、
対応的に、前記状態決定装置は、さらに、第2状態ノイズ決定ユニットを備え、前記第2状態ノイズ決定ユニットは、
平均速度と平均駆動信号値との第2マッピング関係を利用して、実際平均駆動信号値に対してマッピング処理を実行して、実際平均駆動信号値に対応する理論平均速度を取得するように構成される、第2マッピングサブユニットと、
実際平均速度と理論平均速度との差異を利用して、第2状態ノイズを決定するように構成される、第2状態ノイズ決定サブユニットと、を備える、
請求項18に記載の状態決定装置。
【請求項20】
前記第1状態ノイズ決定サブユニットは、実際速度差と理論速度差との差の平方を第1状態ノイズとして使用するように構成され、
前記第2状態ノイズ決定サブユニットは、実際平均速度と理論平均速度との差の平方を第2状態ノイズとして使用するように構成される、
請求項19に記載の状態決定装置。
【請求項21】
前記実際状態取得モジュールは、記状態ノイズを利用して、ロボットの、前の時刻に対応する実際状態情報および現在時刻に対応する測定状態情報を処理して、現在時刻に対応するロボットの実際状態情報を取得するように構成される、
請求項14ないし20のいずれか一項に記載の状態決定装置。
【請求項22】
前記実際状態取得モジュールは、状態ノイズに基づいて、フィルターゲインを決定し、ロボットの、直前時刻に対応する実際状態情報および直前時刻に対応する実際走行情報を予測して、現在時刻に対応する予測状態情報を取得し、フィルターゲインのカルマンフィルターを利用して、現在時刻の予測状態情報を現在時刻の測定状態情報と融合して、現在時刻に対応するロボットの実際状態情報を取得するように構成される、
請求項21に記載の状態決定装置。
【請求項23】
前記状態決定装置は、さらに、
前記状態ノイズが、プリセットのノイズ条件を満たしない場合、プリセットの通知を実行するように構成される、通知モジュールを備える、
請求項14ないし22のいずれか一項に記載の状態決定装置。
【請求項24】
前記状態ノイズは、いくつかの測定状態情報を利用して得られた測定干渉ノイズを含み、対応的に、前記プリセットのノイズ条件は、測定干渉ノイズが、第1ノイズ閾値より小さいことを含み、前記通知モジュールは、測定干渉ノイズが、プリセットのノイズ条件を満たしない場合、第1警告メッセージを出力するように構成される、第1早期警告サブモジュールを備え、前記第1警告メッセージは、状態測定が干渉されたことを知らせるために使用され、
および/または、前記状態ノイズは、現在時刻の実際走行情報を利用して得られた状態遷移ノイズを含み、対応的に、前記プリセットのノイズ条件は、状態遷移ノイズが第2ノイズ閾値より小さいことを含み、前記通知モジュールは、状態遷移ノイズが、プリセットのノイズ条件を満たしない場合、第2警告メッセージを出力するように構成される、第2早期警告サブモジュールを備え、前記第2警告メッセージは、ロボットに車体が滑るリスクがあることを知らせるために使用される、
請求項23に記載の状態決定装置。
【請求項25】
前記測定状態取得モジュールは、
ロボットの周囲環境に対して画像収集を実行して、現在時刻に対応する環境画像データを取得するように構成される、データ収集サブモジュールと、
現在時刻の環境画像データに基づいて、現在時刻に対応するロボットの測定状態情報を決定するように構成される、測定状態決定サブモジュールと、を備え、
前記測定状態情報および実際状態情報のいずれも、前記ロボットの位置、前記ロボットの姿勢、前記ロボットの速度のうちの少なくとも1つを含む、
請求項14ないし24のいずれか一項に記載の状態決定装置。
【請求項26】
ロボット本体および前記ロボット本体に設置されるメモリとプロセッサを備え、前記プロセッサとメモリは、互いに接続され、前記プロセッサは、前記メモリに記憶されるプログラム命令を実行して、請求項1ないし13のいずれか一項に記載の状態決定方法を実現するように構成される、ロボット。
【請求項27】
プログラム命令を記憶する、コンピュータ可読記憶媒体であって、前記プログラム命令は、プロセッサによって実行されるとき、前記プロセッサに、請求項1ないし13のいずれか一項に記載の状態決定方法を実行させる、コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項28】
コンピュータ可読コードを含む、コンピュータプログラムであって、前記コンピュータ可読コードが、ロボットで実行されるとき、前記ロボット内のプロセッサに、請求項1ないし13のいずれか一項に記載の状態決定方法を実行させる、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2020年08月26日に中国特許局に提出された、出願番号が202010872662.3である中国特許出願に基づいて提出されるものであり、当該中国特許出願の優先権を主張し、当該中国特許出願の全ての内容は、全文が参照によって本願に組み込まれる。
【0002】
本願は、ロボット技術分野に関し、特に、状態決定方法および装置、ロボット、記憶媒体並びにコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0003】
電子技術およびコンピュータ技術の発展に伴い、ロボットを速達、サービス案内、出前配達などに適用することは、徐々に幅広く注目され、ロボットの適用分野は、ますます広まっている。
【0004】
例えば、近年、人工知能(AI:Artificial Intelligence)教育は徐々にはやっており、ほとんどのAI教育コースは、オンラインコースプラットフォームを基に展開され、スマートカー、スマートロボットなどのような対応するハードウェア機器は、補助として利用され、授業用以外に、学校は、電子設計コンテスト、自律走行コンテストなどの、ロボットのコンテストを開催する。これらのコンテストでは、参加者は、回路とアルゴリズムを自分で設計して、コンテストで他の参加者のロボットと対抗する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願実施例は、状態決定方法および装置、ロボット、記憶媒体並びにコンピュータプログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願実施例は、ロボットの状態決定方法を提供し、前記方法は、ロボットの参照情報を取得することであって、ここで、参照情報は、いくつかの時刻に対応するロボットの測定状態情報、現在時刻に対応するロボットの実際走行情報のうちの少なくとも1つを含むことと、参照情報に基づいて、ロボットの状態ノイズを決定することと、状態ノイズを利用して、現在時刻に対応するロボットの実際状態情報を取得することと、を含む。
【0007】
したがって、ロボットの参照情報を取得し、参照情報は、いくつかの時刻に対応するロボットの測定状態情報、現在時刻に対応するロボットの実際走行情報を含み、参照情報に基づいて、ロボットの状態ノイズを決定して、状態ノイズを利用して、現在時刻に対応するロボットの実際状態情報を取得することにより、状態を決定するプロセスにおいて、大量の粒子でシミュレートする必要がなく、状態決定の速度を向上させるのに役立つことができる。さらに、当該状態ノイズは、いくつかの時刻の測定状態情報および/または現在時刻の実際走行情報に基づいて決定されるものであるため、ロボットの外部測定視点および/またはロボットの自体状態視点からノイズを測定し、それにより、状態ノイズを実際の場合に近づけ、さらに、後続で決定される実際状態情報の精度を向上させることができる。
【0008】
いくつかの開示された実施例において、参照情報に基づいて、ロボットの状態ノイズを決定することは、前記現在時刻および前のいくつかの時刻に対応する測定状態情報を利用して、前記ロボットの測定干渉ノイズを決定すること、および/または、現在時刻の実際走行情報を利用して、ロボットの状態遷移ノイズを決定することを含む。
【0009】
したがって、現在時刻および前のいくつかの時刻に対応する測定状態情報を利用して、ロボットの測定干渉ノイズを決定して、外部測定の視点からロボットのノイズを決定することができ、それにより、走行プロセスにおけるロボットの外部の干渉を測定することができ、現在時刻の実際走行情報を利用して、ロボットの状態遷移ノイズを決定して、ロボットの自体状態の視点からロボットのノイズを決定することができ、それにより、走行プロセスにおけるロボットの内部の干渉を測定することができる。
【0010】
いくつかの開示された実施例において、現在時刻および前のいくつかの時刻に対応する測定状態情報を利用して、ロボットの測定干渉ノイズを決定することは、現在時刻と前のいくつかの時刻の測定状態情報との離散度を取得することと、前記離散度を利用して、測定干渉ノイズを決定することと、を含む。
【0011】
したがって、現在時刻と前のいくつかの時刻の測定状態情報との離散度を使用し、離散度を使用して測定干渉ノイズを決定して、走行プロセスにおけるロボットの外部の干渉を正確に測定することができる。
【0012】
いくつかの開示された実施例において、現在時刻と前のいくつかの時刻の測定状態情報との離散度は、現在時刻と前のいくつかの時刻の測定状態情報との標準差であり、対応的に、離散度を利用して、測定干渉ノイズを決定することは、離散度とプリセットのゲインパラメータとの積を測定干渉ノイズとして使用することを含む。
【0013】
したがって、現在時刻と前のいくつかの時刻の測定状態情報との離散度を、現在時刻と前のいくつかの時刻の測定状態情報との標準差に設定することにより、離散度を決定する複雑さと計算量を減らすことに役立ち、状態を決定する速度を向上させることに役立ち、離散度とプリセットのゲインパラメータとの積を測定干渉ノイズとして使用することは、測定干渉ノイズの精度を向上させることに役立ち、状態決定の精度を向上させることに役立つ。
【0014】
いくつかの開示された実施例において、実際走行情報は、ロボットの走行角度情報、モーター駆動情報および走行速度情報を含み、現在時刻の実際走行情報を利用して、ロボットの状態遷移ノイズを決定することは、第1状態ノイズおよび第2状態ノイズのうちの少なくとも1つを利用して、ロボットの状態遷移ノイズを取得することを含み、ここで、前記第1状態ノイズは、走行角度情報および走行速度情報を利用して決定されたものであり、前記第2状態ノイズは、モーター駆動情報および走行速度情報を利用して決定されたものである。
【0015】
したがって、実際走行情報をロボットの走行角度情報、モーター駆動情報および走行速度情報を含むように設定して、第1状態ノイズおよび第2状態ノイズのうちの少なくとも1つを利用して、ロボットの状態遷移ノイズを取得し、且つ、第1状態ノイズは、走行角度情報および走行速度情報を利用して決定されたものであり、第2状態ノイズは、モーター駆動情報および走行速度情報を利用して決定されたものであり、状態遷移ノイズの精度を向上させることに役立つことができる。
【0016】
いくつかの開示された実施例において、ロボットは、駆動輪および方向転換輪を備え、駆動輪は、ロボットを走行するように駆動するために使用され、方向転換輪は、ロボットの走行方向を変換するために使用され、走行速度情報は、ロボットの駆動輪間の実際速度差を含み、走行角度情報は、ロボットの方向転換輪の実際の方向転換角度を含み、対応的に、第1状態ノイズおよび第2状態ノイズのうちの少なくとも1つを利用して、ロボットの状態遷移ノイズを取得する前に、速度差と方向転換角度との第1マッピング関係を利用して、実際方向転換角度に対してマッピング処理を実行して、実際の方向転換角度に対応する理論速度差を取得することと、実際速度差と理論速度差との差異を利用して、第1状態ノイズを決定することと、をさらに含み、および/または、ロボットは、駆動輪を備え、駆動輪は、ロボットを走行するように駆動するために使用され、走行速度情報は、ロボットの駆動輪の実際平均速度を含み、モーター駆動情報は、ロボットのモーターの実際平均駆動信号値を含み、対応的に、第1状態ノイズおよび第2状態ノイズのうちの少なくとも1つを利用して、ロボットの状態遷移ノイズを取得する前に、平均速度と平均駆動信号値との第2マッピング関係を利用して、実際平均駆動信号値に対してマッピング処理を実行して、実際平均駆動信号値に対応する理論平均速度を取得することと、実際平均速度と理論平均速度との差異を利用して、第2状態ノイズを決定することと、をさらに含む。
【0017】
したがって、ロボットは、駆動輪および方向転換輪を備え、駆動輪は、ロボットを走行するように駆動するために使用され、方向転換輪は、ロボットの走行方向を変換するために使用され、走行速度情報を、ロボットの駆動輪間の実際速度差を含むように設定し、走行角度情報を、ロボットの方向転換輪の実際方向転換角度を含むように設定して、速度差と方向転換角度との第1マッピング関係を利用して、実際方向転換角度に対してマッピング処理を実行して、実際方向転換角度に対応する理論速度差を取得し、実際速度差と理論速度差との差異を利用して、第1状態ノイズを決定することにより、ロボットの方向転換輪の視点から、ロボットの第1状態ノイズを決定することができる。ロボットは、駆動輪を備え、駆動輪は、ロボットを走行するように駆動するために使用され、走行速度情報を、ロボットの駆動輪の実際平均速度を含むように設定し、モーター駆動情報を、ロボットのモーターの実際平均駆動信号値を含むように設定して、平均速度と平均駆動信号値との第2マッピング関係を利用して、実際平均駆動信号値に対してマッピング処理を実行して、実際平均駆動信号値に対応する理論平均速度を取得し、実際平均速度と理論平均速度との差異を利用して、第2状態ノイズを決定することにより、ロボットの駆動輪の視点から、ロボットの第2状態ノイズを決定することができる。
【0018】
いくつかの開示された実施例において、実際速度差と理論速度差との差異を利用して、第1状態ノイズを決定することは、実際速度差と理論速度差との差の平方を第1状態ノイズとして使用することを含み、実際平均速度と理論平均速度との差異を利用して、第2状態ノイズを決定することは、実際平均速度と理論平均速度との差の平方を第2状態ノイズとして使用することを含む。
【0019】
したがって、実際速度差と理論速度差との差の平方を第1状態ノイズとして使用し、実際平均速度と理論平均速度との差の平方を第2状態ノイズとして使用して、第1状態ノイズおよび第2状態ノイズの計算の複雑さと計算量を減らし、状態決定の速度を向上させることに役立つことができる。
【0020】
いくつかの開示された実施例において、状態ノイズを利用して、現在時刻に対応するロボットの実際状態情報を取得することは、状態ノイズを利用して、ロボットの、前の時刻に対応する実際状態情報および現在時刻に対応する測定状態情報を処理して、現在時刻に対応するロボットの実際状態情報を取得することを含む。
【0021】
したがって、状態ノイズを利用して、ロボットの、現在時刻に対応する測定状態情報および前の時刻に対応する実際状態情報を処理することにより、ロボットを、現在時刻の測定状態情報と前の時刻の実際状態情報との間でバランスを取れるようにすることに役立ち、決定された実際状態情報を、測定状態情報に対して修正することができるようにし、それによって、ロボットの状態決定の精度を向上させることに役立つことができる。
【0022】
いくつかの開示された実施例において、状態ノイズを利用して、ロボットの、前の時刻に対応する実際状態情報および現在時刻に対応する測定状態情報を処理して、現在時刻に対応するロボットの実際状態情報を取得することは、状態ノイズに基づいて、フィルターゲインを決定し、ロボットの、直前時刻に対応する実際状態情報および直前時刻に対応する実際走行情報を予測して、現在時刻に対応する予測状態情報を取得し、フィルターゲインのカルマンフィルターを利用して、現在時刻の予測状態情報を現在時刻の測定状態情報と融合して、現在時刻に対応するロボットの実際状態情報を取得することを含む。
【0023】
したがって、状態ノイズに基づいて、フィルターゲインを決定し、ロボットの、直前時刻に対応する実際状態情報および直前時刻に対応する実際走行情報を予測して、現在時刻に対応する予測状態情報を取得し、フィルターゲインのカルマンフィルターを利用して、現在時刻の予測状態情報を現在時刻の測定状態情報と融合して、外部信号に対する頑健性を増強し、それにより、現在時刻に対応する実際状態情報を正確に決定することができる。
【0024】
いくつかの開示された実施例において、参照情報に基づいて、ロボットの状態ノイズを決定した後、前記方法は、状態ノイズが、プリセットのノイズ条件を満たしない場合、プリセットの通知を実行することをさらに含む。
【0025】
したがって、状態ノイズが、プリセットのノイズ条件を満たしない場合、プリセットの通知を実行して、ユーザを、異常の状態ノイズを感知させ、ユーザ体験を向上させることができる。
【0026】
いくつかの開示された実施例において、状態ノイズは、現在時刻および前のいくつかの時刻の測定状態情報を利用して得られた測定干渉ノイズを含み、対応的に、プリセットのノイズ条件は、測定干渉ノイズが、第1ノイズ閾値より小さいことを含み、状態ノイズが、プリセットのノイズ条件を満たしない場合、プリセットの通知を実行することは、測定干渉ノイズが、プリセットのノイズ条件を満たしない場合、第1警告メッセージを出力することを含み、前記第1警告メッセージは、状態測定が干渉されたことを知らせるために使用され、および/または、状態ノイズは、現在時刻の実際走行情報を利用して得られた状態遷移ノイズを含み、対応的に、プリセットのノイズ条件は、状態遷移ノイズが第2ノイズ閾値より小さいことを含み、状態ノイズが、プリセットのノイズ条件を満たしない場合、プリセットの通知を実行することは、状態遷移ノイズが、プリセットのノイズ条件を満たしない場合、第2警告メッセージを出力することを含み、前記第2警告メッセージは、ロボットに車体が滑るリスクがあることを知らせるために使用される。
【0027】
したがって、測定干渉ノイズが、プリセットの条件を満たしない場合、第1警告メッセージを出力して、状態測定が干渉されたことを通知し、それにより、状態測定が干渉された場合、ユーザを早速に感知させ、ユーザの体験を向上させることができる。状態遷移ノイズが、プリセットの条件を満たしない場合、第2警告メッセージを出力して、ロボットに車体が滑るリスクがあることを通知し、それにより、ロボットに車体が滑るリスクが発生した場合、ユーザを早速に感知させ、ユーザ体験を向上させることができる。
【0028】
いくつかの開示された実施例において、ロボットの参照情報を取得することは、ロボットの周囲環境に対して画像収集を実行して、現在時刻に対応する環境画像データを取得することと、現在時刻の環境画像データに基づいて、現在時刻に対応するロボットの測定状態情報を決定することと、を含み、測定状態情報および実際状態情報のいずれも、ロボットの位置、ロボットの姿勢、ロボットの速度のうちの少なくとも1つを含む。
【0029】
したがって、ロボット周囲環境に対して画像収集を実行することにより、現在時刻に対応する環境画像世帯数を取得し、現在時刻の環境画像データに基づいて、現在時刻に対応するロボットの測定状態情報を決定し、且つ、測定状態情報および実際状態情報を、両方とも、ロボットの位置、ロボットの姿勢およびロボットの速度のうちの少なくとも1つを含むように設定し、それにより、現在時刻に対応するロボットの測定状態情報を迅速に取得することができ、さらに、ロボットの状態決定の速度を向上させることに役立つことができる。
【0030】
本願実施例は、ロボットの状態決定装置を提供し、前記装置は、測定状態取得モジュール、状態ノイズ決定モジュールおよび実際状態取得モジュールを備え、測定状態取得モジュールは、ロボットの参照情報を取得するように構成され、ここで、参照情報は、いくつかの時刻に対応するロボットの測定状態情報、現在時刻に対応するロボットの実際走行情報のうちの少なくとも1つを含む、状態ノイズ決定モジュールは、参照情報に基づいて、ロボットの状態ノイズを決定するように構成され、実際状態取得モジュールは、前記状態ノイズを利用して、現在時刻に対応するロボットの実際状態情報を取得するように構成される。
【0031】
本願実施例は、ロボット本体およびロボット本体に設置されるメモリおよびプロセッサを備える、ロボットを提供し、メモリとプロセッサは、互いに接続され、プロセッサは、メモリに記憶されるプログラム命令を実行して、上記の状態決定方法を実現するように構成される。
【0032】
本願実施例は、プログラム命令を記憶する、コンピュータ可読記憶媒体を提供し、プログラム命令は、プロセッサによって実行されるとき、上記の状態決定方法を実現する。
【0033】
本願実施例は、コンピュータ可読コードを含む、コンピュータプログラムを提供し、前記コンピュータ可読コードが、ロボットで実行されるとき、前記ロボット内のプロセッサは、上記の状態決定方法を実現するために実行される。
【発明の効果】
【0034】
本願実施例は、状態決定方法および装置、ロボット、記憶媒体並びにコンピュータプログラムを提供し、ロボットの参照情報を取得し、且つ、参照情報は、いくつかの時刻に対応するロボットの測定状態情報、現在時刻に対応するロボットの実際走行情報を含み、参照情報に基づいて、ロボットの状態ノイズを決定して、状態ノイズを利用して、現在時刻に対応するロボットの実際状態情報を取得することにより、状態を決定するプロセスにおいて、大量の粒子でシミュレートする必要がなく、状態決定の速度を向上させるのに役立つことができる。さらに、当該状態ノイズは、取得された幾つかの測定状態情報および/または現在の実際走行情報に従って決定されるため、ロボットの外部測定視点および/またはロボットの自体状態視点からノイズを測定し、それにより、状態ノイズを実際の場合に近づけ、さらに、後続で決定される実際状態情報の精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1】本願実施例のロボットの状態決定方法の一実施例の例示的なフローチャートである。
【
図2】本願実施例のカルマンフィルターを利用して、ロボットの実際状態情報を決定する例示的なフローチャートである。
【
図3】本願実施例のロボットの状態決定装置の一実施例のフレームワークの概略図である。
【
図4】本願実施例のロボットの一実施例のフレームワークの概略図である。
【
図5】本願実施例のコンピュータ可読記憶媒体の一実施例のフレームワークの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下は、図面を参照して、本願実施例の技術案を詳細に説明する。
【0037】
以下の説明において、限定するためにではなく説明するためであり、本願を完全に理解するために、特定のシステム構造、インターフェース、技術などの具体的な詳細を提案する。
【0038】
本明細書における「システム」および「ネットワーク」という用語は、本明細書で常に互換的に使用される。本明細書における「および/または」という用語は、関連付けられるオブジェクトを説明する単なる関連付け関係であり、3つの関係が存在できることを示し、例えば、Aおよび/またはBは、Aが独立で存在する場合、AとBが同時に存在する場合、Bが独立で存在する場合という3つの場合を表す。さらに、本明細書における記号「/」は、一般的に、前後の関連付けられるオブジェクトが、「または」という関係であることを示す。なお、本明細書における「複数」は、2つまたは2つ以上を表す。
【0039】
近年、AI教育は徐々にはやっており、ほとんどのAI教育コースは、オンラインコースプラットフォームを基に展開され、スマートカー、スマートロボットなどの対応するハードウェア機器を補助として使用され、授業用以外に、学校は、常に、電子設計コンテスト、自律走行コンテストなどの、ロボットのコンテストを開催する。これらのコンテストでは、参加者は、回路とアルゴリズムを自分で設計して、コンテストで他の参加者のロボットと対抗する。
【0040】
このようなコンテストでは、ロボットは、通常、上位機器からコンテストの全局情報を受信する必要があり、その中には、ロボット自体の位置、速度および姿勢などのロボットの意思決定に非常に重要な情報が含まれる。ロボットと上位機器との通信は、基本的にシリアル通信を使用し、通信ルールは、すべての参加者にとって既知情報であり、したがって、一部の参加者がロボットに妨害装置を配置して、他の参加者に誤った通信信号を送信して、相手を誤解させる場合がある。ここで、よく見られるのは、誤った位置、速度および姿勢情報を送信して、相手の判断に干渉することである。干渉されたロボットのアルゴリズムが十分に頑健でない場合、制御不能になる。
【0041】
コンテスト以外に、いくつかの人工知能展示場でも、通信で情報收集して稼働するロボットがあり、干渉信号を送信して通信に干渉する人がいると、展示場に問題が発生し、計り知れない損失が発生する。例えば、車両に滑るなどの現象が発生する時に、車両の融合測位システムに測位偏差などが発生する可能性があり、これも、典型的な位置偽装の問題である。現在既存の技術案では、粒子フィルターの方法を使用して偽装を防止し、このような方法は、各エージェントに対して、数十万の粒子シミュレートを実行する必要があり、且つ、エリアの拡大に伴い、計算量もさらに増加され、複数のロボットがある場合には、リアルタイムで計算する要求を満たすことができない。
【0042】
同時に、他の適用シナリオでは、ロボットは、走行プロセスで干渉を受けることを避けられない。例えば、自由空間のどこにもあるホワイトノイズ、または干渉信号によって、ロボットの正常な走行に影響を与え、酷い場合、ロボットには、制御不能、滑るなどの現象が生じる。
【0043】
よって、本願実施例は、ロボットの状態決定の精度を向上させることができる、ロボットの状態決定方法を提供する。
図1を参照すると、
図1は、本願実施例のロボットの状態決定方法の一実施例の例示的なフローチャートである。本願実施例による方法ステップは、ロボットなどのハードウェア機器によって実行され、または、プロセッサが、コンピュータ実行可能なコードを実行する方式によって実行されることができる。前記状態決定方法は、以下のステップを含み得る。
【0044】
ステップS11において、ロボットの参照情報を取得する。
【0045】
本願実施例において、ロボットの参照情報は、いくつかの時刻に対応するロボットの測定状態情報、現在時刻に対応するロボットの実際走行情報のうちの少なくとも1つを含み得る。
【0046】
ロボットの状態は、異なる時刻で変化する可能性があり、例えば、ロボットが、現在時刻で、直前時刻に対して移動し、もちろん、他の適用シナリオでは、ロボットの状態は、変化しない可能性もあり、当業者は、ロボットの実際の状況に応じて決定することができることに留意されたい。これに対して、ロボットは、異なる時刻における実際状態を決定して、それによって後続の動作を実行する必要がある。
【0047】
本願実施例において、現在時刻に対応するロボットの実際状態情報を決定するために、まず、現在時刻に対応する測定状態情報を取得して、本願実施例におけるステップに基づいて、現在時刻に対応する測定状態情報を利用して、現在時刻に対応する実際状態情報を取得することができる。本明細書に記載のある時刻に対応する情報は、必ずしも当該時刻で取得されるものではなく、当該時刻の近くで取得される可能性があることを理解されたい。例えば、現在時刻に対応する測定状態情報は、現在時刻で取得されたものであり得、通信遅延を考慮すると、現在時刻に対応する測定状態情報は、現在時刻の前のいくつかの時刻(例えば、0.5秒前、1秒前など)で取得されたものであり得、ここでは限定しない。
【0048】
いくつかの開示された実施例において、測定状態情報は、ロボットに対して状態測定を実行して得られたものであり、開示された実施シナリオにおいて、ロボットの周囲環境を収集して、現在時刻に対応する環境画像データを取得し、現在時刻の環境画像データに基づいて、現在時刻に対応するロボットの測定状態情報を決定することができる。例えば、ロボット走行環境に装着された撮影デバイスによって、ロボットの周囲環境に対して画像収集を実行することができ、または、ロボットに装着された撮影デバイスによって、周囲環境に対して画像収集を実行することもでき、ここでは限定しない。いくつかの開示された実施例において、ロボットの状態を正確に説明するために、ロボットの測定状態情報および実際状態情報は、ロボットの位置、ロボットの状態、ロボットの速度のうちの少なくとも1つを含み得る。例えば、ロボットの位置は、ロボットの位置座標(例えば、緯度と経度)を含み得、ロボットの状態は、ロボットの走行状態(例えば、加速度)を含み得る。測定状態情報がロボットの位置とロボットの速度を含むことを例として、説明の便宜上、現在時刻に対応する測定状態情報を式(1)で表すことができる。
【0049】
【0050】
上記の式において、
【0051】
【0052】
は、現在時刻kに対応する測定状態情報を表し、pは、測定状態情報内のロボットの位置を表し、vは、測定状態情報内のロボットの速度を表す。
【0053】
同様に、実際状態情報が、ロボットの位置とロボットの速度を含むことを例として、説明の便宜上、現在時刻に対応する実際状態情報を式(2)で表すことができる。
【0054】
【0055】
上記の式において、
【0056】
【0057】
は、現在時刻kに対応する実際状態情報を表し、p′は、実際状態情報内のロボットの位置を表し、v′は、実際状態情報内のロボットの速度を表す。
【0058】
なお、いくつかの時刻に対応するロボットの測定状態情報は、現在時刻および前のいくつかの時刻に対応するロボットの測定状態情報を含み得る。現在時刻が、k時刻であることを例として、現在時刻前のいくつかの時刻を、k時刻前のn個時刻と表すことができ、nの値は、実際の適用ニーズに応じて設定することができる。例えば、nは、5、10、15などであり得、ここでは限定しない。
【0059】
別の開示された実施シナリオにおいて、実際走行情報は、ロボットの走行角度情報、モーター駆動情報および走行速度情報を含み得る。ここで、走行角度情報は、ロボットのステアリングギア制御記録から取得されることができ、ロボットは、方向転換輪を備えることができ、ロボットのステアリングギアは、ロボットの方向転換輪が特定の角度方向に転換するように駆動するために使用される。モーター駆動情報は、ロボットのモーター制御記録から取得されることができ、ロボットは、さらに、駆動輪を備えることができ、ロボットのモーターは、ロボットの駆動輪が特定の速度で移動するように駆動するために使用される。走行速度情報は、ロボットのエンコーダから取得されることができる。
【0060】
ステップS12において、参照情報に基づいて、ロボットの状態ノイズを決定する。
【0061】
ロボットの状態ノイズは、走行プロセスにおけるロボットが、その状態に影響を与えるノイズを表し、例えば、ロボットが、ある状態から別の状態に遷移するときに生成された状態遷移ノイズ、または、ロボットが、測定状態情報を受信するプロセスで生成された測定干渉ノイズを表し、ここでは限定しない。
【0062】
開示された実施シナリオにおいて、現在時刻および前のいくつかの時刻に対応する測定状態情報を利用して、ロボットの測定干渉ノイズを決定することができる。ここで、現在時刻前のいくつかの時刻は、上記の説明を参照できる。したがって、外部測定の視点からロボットのノイズを決定することができ、それにより、走行プロセスにおけるロボットの外部の干渉を測定することができる。
【0063】
開示された実施シナリオにおいて、現在時刻と前のいくつかの時刻の測定状態情報との離散度を取得し、離散度を利用して、測定干渉ノイズを決定することができる。例えば、現在時刻と前のいくつかの時刻の測定状態情報との離散度は、現在時刻と前のいくつかの時刻の測定状態情報との標準差であってもよい。例えば、現在時刻と前のいくつかの時刻の測定状態情報との離散度は、現在時刻と前のいくつかの時刻の測定状態情報の方差であってもよいし、ここでは限定しない。したがって、離散度を決定する複雑さと計算量を減らすことに役立ち、状態決定の速度を向上させることに役立つことができる。
【0064】
別の開示された実施シナリオにおいて、さらに、離散度とプリセットのゲインパラメータとの積を測定干渉ノイズとして使用することができる。プリセットのゲインパラメータは、実際の状況に応じて設定することができ、ここでは限定しない。いくつかの開示された実施例において、測定干渉ノイズを、式(3)で表すことができる。
【0065】
【0066】
上記の式において、Rは、測定干渉ノイズを表し、
【0067】
【0068】
は、現在時刻kおよびその前のn個の時刻に対応する測定状態情報を表し、
【0069】
【0070】
は、現在時刻kとその前のn個の時刻に対応する測定状態情報の標準差を表し、
【0071】
【0072】
は、プリセットのゲインパラメータを表し、ここで、プリセットのゲインパラメータは、0.5、1、1.5などの、0より大きい数値であり得、ここでは限定しない。
【0073】
別の開示された実施シナリオにおいて、現在時刻の実際走行情報を利用して、ロボットの状態遷移ノイズを決定することができる。現在時刻が、k時刻であることを例として、k時刻の実際走行情報を利用して、ロボットの状態遷移ノイズを決定することができ、したがって、ロボットの自体状態の視点からロボットのノイズを決定することができ、それにより、走行プロセスにおけるロボットの内部の干渉を測定することができる。いくつかの開示された実施例において、第1状態ノイズ、第2状態ノイズのうちの少なくとも1つに従って、ロボットの状態遷移ノイズを取得することができ、且つ、第1状態ノイズは、走行角度情報および加速度情報を利用して得られたものであり、第2状態ノイズは、モーター駆動情報および走行速度情報を利用して決定されたものである。
【0074】
一実施シナリオにおいて、ステアリングギアを視点として考慮することができ、走行角度情報および走行速度情報を利用して、ロボットの第1状態ノイズを決定し、それにより、第1状態ノイズを利用して、ロボットの状態遷移ノイズを決定することができる。例えば、走行角度情報および走行速度情報を利用して、ロボットの第1状態ノイズを決定し、第1状態ノイズをロボットの状態遷移ノイズとして使用することができる。
【0075】
別の一実施シナリオにおいて、さらに、モーターを視点として考慮して、モーター駆動情報および走行速度情報を利用して、ロボットの第2状態ノイズを決定し、それにより、第2状態ノイズを利用して、ロボットの状態遷移ノイズを決定することができる。例えば、モーター駆動情報および走行速度情報を利用して、ロボットの第2状態ノイズを決定し、第2状態ノイズをロボットの状態遷移ノイズとして使用することもできる。
【0076】
また別の実施シナリオにおいて、さらに、走行角度情報および走行速度情報を利用して、ロボットの第1状態ノイズを決定し、モーター駆動情報および走行速度情報を利用して、ロボットの第2状態ノイズを決定することもでき、それにより、第1状態ノイズおよび第2状態ノイズを利用して、ロボットの状態遷移ノイズを取得することができ、さらに、ステアリングギアの視点およびモーターの視点を同時に考慮することができ、状態遷移ノイズの精度を向上させることに役立つ。
【0077】
いくつかの開示された実施例において、第1状態ノイズおよび第2状態ノイズを利用して、状態遷移ノイズを取得する場合に、第1状態ノイズおよび第2状態ノイズに対して重み付け処理を実行して、状態遷移ノイズを取得することができる。なお、第1状態ノイズおよび第2状態ノイズに対応する重み値は、実際の状況に応じて設定することができる。例えば、第1状態ノイズが、第2状態ノイズにより重要である場合、第1状態ノイズに対応する重み値を第2状態ノイズの重み値より大きく設定することができ、また、第2状態ノイズが、第1状態ノイズにより重要である場合、第2状態ノイズに対応する重み値を第1状態ノイズの重み値より大きく設定することができる。なお、第1状態ノイズに対応する重み値を、第2状態ノイズに対応する重み値と等しく設定することもでき、例えば、第1状態ノイズに対応する重み値を0.5に設定し、第2状態ノイズに対応する重み値も0.5に設定する。
【0078】
いくつかの開示された実施例において、ロボットは、駆動輪および方向転換輪を備えることができ、駆動輪は、ロボットが走行するように駆動するために使用され、方向転換輪は、ロボットの走行方向を変換するために使用され、その場合、走行速度情報は、ロボットの駆動輪間の実際速度差を含み得る。例えば、ロボットが、2つの駆動輪を備える場合、2つの駆動輪の速度差が、実際速度差である。説明の便宜上、実際速度差を
【0079】
【0080】
と表すことができ、走行角度情報は、ロボットの方向転換輪の実際の方向転換角度を含み得、説明の便宜上、実際方向転換角度をαと表すことができ、そうすると、速度差と方向転換角度との第1マッピング関係(説明の便宜上、第1マッピング関係を
【0081】
【0082】
と表すことができる)を使用して、実際方向転換角度αに対してマッピング処理を実行して、実際方向転換角度αに対応する理論速度差(説明の便宜上、理論速度差を
【0083】
【0084】
と表すことができる)を取得することができ、それにより、実際速度差
【0085】
【0086】
と理論速度差
【0087】
【0088】
との差異を利用して、第1状態ノイズを決定することができ、例えば、実際速度差
【0089】
【0090】
と理論速度差
【0091】
【0092】
との差の平方を第1状態ノイズとして使用することができる。第1マッピング関係は、事前に収集された複数対の速度差と方向転換角度を統計し分析して得られることができ、例えば、ロボットが正常に走行する中で、M対の速度差と方向転換角度を収集し、収集されたM対の速度差と方向転換角度をフィッティングして、速度差と方向転換角度との第1マッピング関係を取得し、Mの数値は、実際の状況に応じて設定することができ、ここでは限定しない。
【0093】
いくつかの開示された実施例において、走行速度情報は、さらに、駆動輪の実際平均速度、即ち、ロボットの各駆動輪の速度平均値を含み得る。例えば、ロボットが、2つの駆動輪を備える場合、2つの駆動輪の速度平均値が、実際平均速度であり、説明の便宜上、実際平均速度を
【0094】
【0095】
と表すことができ、モーター駆動情報は、ロボットのモーターの実際平均駆動信号値、即ち、ロボットの各駆動輪に対応するモーターの信号平均値を含み得る。例えば、ロボットが、2つの駆動輪を備え、駆動信号が、パルス幅変調信号である場合、実際平均駆動信号値は、2つの駆動輪に対応するモーターのパルス幅変調信号平均値であり得、説明の便宜上、平均駆動信号値を
【0096】
【0097】
と表すことができ、そうすると、平均速度と平均駆動信号値との第2マッピング関係(説明の便宜上、第2マッピング関係を
【0098】
【0099】
と表すことができる)を利用して、実際平均駆動信号値に対してマッピング処理を実行して、実際平均駆動信号値に対応する理論平均速度(説明の便宜上、理論平均速度を
【0100】
【0101】
と表すことができる)を取得することができ、それにより、実際平均速度と理論平均速度との差異を利用して、第2状態ノイズを決定することができる。例えば、実際平均速度
【0102】
【0103】
と理論平均速度
【0104】
【0105】
との差の平方を第2状態ノイズとして使用することができる。第2マッピング関係は、事前に収集された複数対の平均速度と平均駆動信号値を統計し分析して得られることができる。例えば、ロボットが正常に走行する中で、N対の平均速度と平均駆動信号値を収集し、N対の平均速度と平均駆動信号値をフィッティングして、平均速度と平均駆動信号値との第2マッピング関係を取得し、Nの数値は、実際の状況に応じて設定することができ、ここでは限定しない。
【0106】
上記のステップによって、ロボットの状態遷移ノイズを取得することができ、ここで、前記状態遷移ノイズは、式(4)で表すことができる。
【0107】
【0108】
上記の式において、Qは、ロボットの状態遷移ノイズを表し、
【0109】
【0110】
は、第1状態ノイズに対応する重み値を表し、
【0111】
【0112】
は、第2状態ノイズに対応する重み値を表し、
【0113】
【0114】
は、第1状態ノイズを表し、
【0115】
【0116】
は、第2状態ノイズを表し、
【0117】
【0118】
は、実際速度差を表し、
【0119】
【0120】
は、第1マッピング関係を表し、αは、実際方向転換角度を表し、
【0121】
【0122】
は、実際平均速度を表し、
【0123】
【0124】
は、第2マッピング関係を表し、
【0125】
【0126】
は、平均駆動信号値を表す。
【0127】
開示された実施シナリオにおいて、上記のステップによって、状態遷移ノイズおよび測定干渉ノイズを取得することができる。もちろん、実際に適用するとき、実際の状況に応じて、上記のステップによって、状態遷移ノイズを取得し、測定干渉ノイズを固定値に設定することができ、理想的な状況である場合、測定干渉ノイズを0に設定することができ、即ち、状態遷移ノイズをロボットの状態ノイズとして直接に使用することができる。例えば、測定干渉ノイズを1、2、3などの非0値に設定することができ、さらに、測定干渉ノイズをホワイトノイズに設定することができ、ここでは限定しない。もちろん、実際の状況に応じて、上記のステップによって、測定干渉ノイズを取得し、状態遷移ノイズを固定値に設定することもでき、理想的な状況である場合、状態遷移ノイズを0に設定し、即ち、測定干渉ノイズをロボットの状態ノイズとして直接に使用することができ、さらに、状態遷移ノイズを1、2、3などの非0値に設定することもでき、さらに、状態遷移ノイズをホワイトノイズに設定することもでき、ここでは限定しない。
【0128】
ステップS13において、状態ノイズを利用して、現在時刻に対応するロボットの実際状態情報を取得する。
【0129】
いくつかの開示された実施例において、状態ノイズを利用して、ロボットの、前の時刻に対応する実際状態情報および現在時刻に対応する測定状態情報を処理して、現在時刻に対応するロボットの実際状態情報を取得することができる。例えば、カルマンフィルターを利用して状態ノイズと組み合わせて、ロボットの、前の時刻に対応する実際状態情報および現在時刻に対応する測定状態情報を処理して、現在時刻に対応するロボットの実際状態情報を取得することができる。
【0130】
開示された実施シナリオにおいて、状態ノイズに基づいて、フィルターゲインを決定し、ロボットの、直前時刻に対応する実際状態情報および直前時刻に対応する実際走行情報を予測して、現在時刻に対応する予測状態情報を取得し、フィルターゲインのカルマンフィルターを利用して、現在時刻の予測状態情報を現在時刻の測定状態情報と融合して、現在時刻に対応するロボットの実際状態情報を取得することができる。
【0131】
開示された実施シナリオにおいて、
図2を参照すると、
図2は、本願実施例のカルマンフィルターを利用して、ロボットの実際状態情報を決定する例示的なフローチャートであり、本願実施例による方法ステップは、ロボットなどのハードウェア機器によって実行され、または、プロセッサが、コンピュータ実行可能なコードを実行する方式によって実行されることができる。ここで、以下のステップによって、カルマンフィルターを利用してロボットの実際状態情報を決定することができる。
【0132】
ステップS21において、ロボットの状態遷移パラメータおよび状態遷移ノイズを利用して、前の時刻に対応する事後確率推定共分散を処理して、現在時刻に対応する事前確率推定共分散を取得する。
【0133】
いくつかの開示された実施例において、現在時刻が、k時刻であり、現在時刻の直前時刻が、k-1時刻であることを例として、前記現在時刻に対応する事前確率推定共分散は、式(5)で表すことができる。
【0134】
【0135】
上記の式において、
【0136】
【0137】
は、現在時刻に対応する事前確率推定共分散を表し、
【0138】
【0139】
は、直前時刻に対応する事後確率推定共分散を表し、事後確率推定共分散は、直前時刻の実際状態情報
【0140】
【0141】
の共分散を表し、即ち、直前時刻の実際状態情報
【0142】
【0143】
の不確実度合いを表す。本願の実施シナリオに記載されているのは、現在時刻に対応する実際状態情報
【0144】
【0145】
を取得することであるため、直前時刻の実際状態情報
【0146】
【0147】
は、開示された実施シナリオで開示されるステップを参照して得られることができることに留意されたい。事後確率推定共分散の取得方式は、本願実施例における後文を参照することができる。さらに、Aは、行列の形式のロボットの状態遷移パラメータを表し、状態遷移パラメータAは、ロボットの運動モデルを表すために使用される。例えば、状態遷移パラメータAを使用して、ロボットが、特定の加速度で加速運動をすること、またはロボットが、特定の速度で等速運動をすることを表すことができ、ユーザによって設定することができ、
【0148】
【0149】
は、状態遷移パラメータの転置を表し、Qは、状態遷移ノイズを表し、計算方式は、上記の関連する説明を参照できる。
【0150】
ステップS22において、実際状態情報から測定状態情報への変換パラメータおよび測定干渉ノイズを利用して、現在時刻に対応する事前確率推定共分散を処理して、現在時刻に対応するフィルターゲインを取得する。
【0151】
いくつかの開示された実施例において、依然として、現在時刻が、k時刻であり、現在時刻の直前時刻が、k-1時刻であることを例として、前記現在時刻に対応するフィルターゲインは、式(6)で表すことができる。
【0152】
【0153】
上記の式において、
【0154】
【0155】
は、現在時刻に対応するフィルターゲインを表し、Hは、行列の形式の変換パラメータを表し、変換パラメータHは、実際状態情報と測定状態情報との変換関係を説明するために使用され、例えば、実際状態情報と測定状態情報は、線性関係であることを説明するために使用され、例えば、変換パラメータHは、ユーザによって設定されることができ、例えば、変換パラメータHを単位行列に設定することができ、ここでは限定しない。
【0156】
【0157】
は、変換パラメータの転置を表し、Rは、測定干渉ノイズを表し、計算方式は、上記の関連する説明を参照できる。
【0158】
【0159】
は、現在時刻に対応する事前確率推定共分散を表し、事前確率推定共分散
【0160】
【0161】
は、現在時刻に対応する予測状態情報
【0162】
【0163】
の共分散を表し、即ち、現在時刻に対応する予測状態情報
【0164】
【0165】
の不確実度合いを表し、計算方式は、上記の関連する説明を参照できる。
【0166】
したがって、測定干渉ノイズおよび状態遷移ノイズによって、現在時刻に対応するフィルターゲインを決定することができる。いくつかの開示された実施例において、測定干渉ノイズおよび状態遷移ノイズのうちの少なくとも1つは、上記のステップによって計算されたものであり、例えば、測定干渉ノイズは、上記のステップによって計算されたものであり、または、状態遷移ノイズは、上記のステップによって計算されたものであり、または、測定干渉ノイズおよび状態遷移ノイズは、両方とも上記のステップによって計算されたものであり、ここでは限定しない。
【0167】
ステップS23において、ロボットの状態遷移パラメータおよび入力状態遷移パラメータを使用して、ロボットの、直前時刻に対応する実際状態情報および直前時刻に対応する実際走行情報をそれぞれ処理して、現在時刻に対応する予測状態情報を取得する。
【0168】
いくつかの開示された実施例において、依然として、現在時刻が、k時刻であり、現在時刻の直前時刻が、k-1時刻であることを例として、前記現在時刻に対応する予測状態情報は、式(7)で表すことができる。
【0169】
【0170】
上記の式において、
【0171】
【0172】
は、現在時刻に対応する予測状態情報を表し、
【0173】
【0174】
は、直前時刻に対応する実際状態情報を表し、上記のように、本願の実施シナリオに記載されているのは、現在時刻に対応する実際状態情報
【0175】
【0176】
を取得することあるため、直前時刻の実際状態情報
【0177】
【0178】
は、本願の実施シナリオで開示されたステップを参照して得られることができる。特に、kが0である場合、実際状態情報
【0179】
【0180】
は、0に初期化でき、
【0181】
【0182】
は、直前時刻に対応する実際走行情報を表し、実際走行情報は、ロボットの走行角度情報、モーター駆動情報および走行速度情報を含み得、取得方式は、開示された実施例における関連する説明を参照できる。Aは、ロボットの状態遷移パラメータを表し、上記の説明を参照でき、Bは、入力状態遷移パラメータを表し、入力状態遷移パラメータBは、入力された実際走行情報と状態情報との変換関係を説明するために使用され、それにより、入力状態遷移パラメータBによって、入力された実際走行情報を状態情報に変換し、さらに、直前時刻に対応するロボットの実際状態情報と組み合わせて、現在時刻に対応するロボットの予測状態情報、即ち、理論上、現在時刻に対応するロボットの状態情報を取得することができる。
【0183】
ステップS24において、現在時刻の予測状態情報を現在時刻の測定状態情報と融合して、現在時刻に対応するロボットの実際状態情報を取得する。
【0184】
いくつかの開示された実施例において、依然として、現在時刻が、k時刻であり、現在時刻の直前時刻が、k-1時刻であることを例として、前記現在時刻に対応する実際状態情報は、式(8)で表すことができる。
【0185】
【0186】
上記の式において、
【0187】
【0188】
は、現在時刻に対応する実際状態情報を表し、
【0189】
【0190】
は、現在時刻に対応する予測状態情報を表し、
【0191】
【0192】
は、現在時刻に対応するフィルターゲインを表し、
【0193】
【0194】
は、現在時刻の測定状態情報に対応し、Hは、実際状態情報から測定状態情報への変換パラメータを表し、上記の関連する説明を参照できる。即ち、
【0195】
【0196】
は、測定状態情報と予測状態情報との残差を表し、フィルターゲイン
【0197】
【0198】
および予測状態情報を利用して、当該残差を修正することによって、現在時刻に対応するロボットの実際状態情報
【0199】
【0200】
を取得する。
【0201】
ステップS25において、フィルターゲインおよび変換パラメータを利用して、現在時刻に対応する事前確率推定共分散を更新して、現在時刻に対応する事後確率推定共分散を取得する。
【0202】
いくつかの開示された実施例において、依然として、現在時刻がk時刻であり、現在時刻の直前時刻がk-1時刻であることを例として、前記現在時刻に対応する事後確率推定共分散は、式(9)で表すことができる。
【0203】
【0204】
上記の式において、
【0205】
【0206】
は、現在時刻に対応する事後確率推定共分散を表し、Iは、単位行列を表し、
【0207】
【0208】
は、行列の形式のフィルターゲインを表し、Hは、行列の形式の変換パラメータを表し、
【0209】
【0210】
は、行列の形式の現在時刻に対応する事前確率推定共分散を表す。特に、kが0である時に、事後確率推定共分散
【0211】
【0212】
は、すべて0である行列に初期化できる。
【0213】
現在時刻に対応する事前確率推定共分散を更新して、現在時刻に対応する事後確率推定共分散を取得することができ、そのため、本願実施例におけるステップを再度実行して、次の時刻(即ち、k+1時刻)の実際状態情報を決定することができ、このように繰り返して、ロボットの走行プロセスで、各時刻に対応するロボットの実際状態情報を決定することができる。
【0214】
上記の技術案は、ロボットの参照情報を取得し、参照情報は、いくつかの時刻に対応するロボットの測定状態情報、現在時刻に対応するロボットの実際走行情報を含み、参照情報に基づいて、ロボットの状態ノイズを決定して、状態ノイズを利用して、現在時刻に対応するロボットの実際状態情報を取得する。さらに、状態決定中では、大量の粒子を使用してシミュレートする必要なく、状態決定の速度を向上させることに役立つことができる。さらに、当該状態ノイズは、いくつかの時刻の測定状態情報および/または現在時刻の実際走行情報に基づいて決定されるものであるため、ロボットの外部測定視点および/またはロボットの自体状態視点からノイズを測定し、それにより、状態ノイズを実際の場合に近づけ、さらに、後続で決定される実際状態情報の精度を向上させることができる。
【0215】
ここで、いくつかの開示された実施例において、ユーザを、異常の状態ノイズを早速に感知させ、ユーザ体験を向上させるために、状態ノイズが、プリセットのノイズ条件を満たしない場合、プリセットの通知を実行することもできる。プリセットの通知は、声、光、テキストのうちの少なくとも1つの形で実現できる。例えば、通知音声を放送し、または、リマインダを点滅し、または通知テキストを出力するなど、ここでは限定しない。
【0216】
開示された実施シナリオにおいて、状態ノイズは、いくつかの測定状態情報を利用して得られた測定干渉ノイズを含み得、取得方式は、上記で開示された実施例における関連するステップを参照できる。さらに、プリセットのノイズ条件は、測定干渉ノイズが、第1ノイズ閾値より小さいことを含み得、第1ノイズ閾値の数値は、実際の状況に応じて設定することができる。測定干渉ノイズが、プリセットのノイズ条件を満たしない場合、第1警告メッセージを出力して、状態測定が干渉されたことを知らせることができ、それにより、状態測定が干渉された場合、ユーザを早速に感知させ、ユーザ体験を向上させることができる。
【0217】
別の開示された実施シナリオにおいて、状態ノイズは、現在時刻の実際走行情報を利用して得られた状態遷移ノイズを含み得、取得方式は、上記で開示された実施例における関連するステップを参照できる。さらに、プリセットのノイズ条件は、状態遷移ノイズが第2ノイズ閾値より小さいことを含み得、第2ノイズ閾値の数値実際の状況に応じて設定でき、ここでは限定しない。状態遷移ノイズが、プリセットのノイズ条件を満たしない場合、第2警告メッセージを出力して、ロボットに車体が滑るリスクがあることを通知し、それにより、ロボットに車体が滑るリスクが発生した場合、ユーザを早速に感知させ、ユーザ体験を向上させることができる。
【0218】
上記の第1警告メッセージ、第2警告メッセージは、声、光、テキストのうちの少なくとも1つの形で実現できる。例えば、通知音声を放送し、または、リマインダを点滅し、または通知テキストを出力するなど、ここでは限定しない。
【0219】
本願実施例において、カルマンフィルターシステムを使用して、内蔵エンコーダと外部入力の融合測位を実現し、左右の輪の速度状態に従って状態遷移ノイズ推定を行い、さらに、前記ノイズ推定を使用して、外部入力変化が合理的であるか否かを判断し、最後に、判断結果に従って融合的に意思決定を実行し、測位の偽装を回避し、障害信号を送信して、以下の効果を得られることができる。(1)信号偽装の頑健性を向上させ、受信する干渉を減らす。(2)信号偽装が発生した場合、アラートを送信する。(3)先行技術で常に使用される大量の粒子モデルによる粒子フィルターを実施する方法と比較して、本方法の計算量は少なく、収束速度が速く、精度と速度に対するロボットの測位システムの要求を満たすことができる。
【0220】
図3を参照すると、
図3は、本願実施例のロボットの状態決定装置30の一実施例のフレームワークの概略図である。ロボットの状態決定装置30は、測定状態取得モジュール31、状態ノイズ決定モジュール32および実際状態取得モジュール33を備える。測定状態取得モジュール31は、ロボットの参照情報を取得するように構成され、ここで、参照情報は、いくつかの時刻に対応するロボットの測定状態情報、現在時刻に対応するロボットの実際走行情報のうちの少なくとも1つを含み、状態ノイズ決定モジュール32は、参照情報に基づいて、ロボットの状態ノイズを決定するように構成され、実際状態取得モジュール33は、前記状態ノイズを利用して、現在時刻に対応するロボットの実際状態情報を取得するように構成される。
【0221】
上記の技術案は、ロボットの参照情報を取得し、且つ、参照情報は、いくつかの時刻に対応するロボットの測定状態情報、現在時刻に対応するロボットの実際走行情報を含み、参照情報に基づいて、ロボットの状態ノイズを決定して、状態ノイズを利用して、現在時刻に対応するロボットの実際状態情報を取得することにより、状態を決定するプロセスにおいて、大量の粒子でシミュレートする必要がなく、状態決定の速度を向上させるのに役立つことができる。さらに、当該状態ノイズは、いくつかの時刻の測定状態情報および/または現在時刻の実際走行情報に基づいて決定されるものであるため、ロボットの外部測定視点および/またはロボットの自体状態視点からノイズを測定し、それにより、状態ノイズを実際の場合に近づけ、さらに、後続で決定される実際状態情報の精度を向上させることができる。
【0222】
いくつかの開示された実施例において、状態ノイズ決定モジュール32は、現在時刻および前のいくつかの時刻に対応する測定状態情報を利用して、ロボットの測定干渉ノイズを決定するように構成される、測定干渉決定サブモジュールを備え、状態ノイズ決定モジュール32は、現在時刻の実際走行情報を利用して、ロボットの状態遷移ノイズを決定するように構成される、状態遷移決定サブモジュールを備える。
【0223】
上記の開示された実施例と異なり、現在時刻および前のいくつかの時刻に対応する測定状態情報を利用して、ロボットの測定干渉ノイズを決定して、外部測定の視点からロボットのノイズを決定することができ、それにより、走行プロセスにおけるロボットの外部の干渉を測定することができ、現在時刻の実際走行情報を利用して、ロボットの状態遷移ノイズを決定して、ロボットの自体状態の視点からロボットのノイズを決定することができ、それにより、走行プロセスにおけるロボットの内部の干渉を測定することができる。
【0224】
いくつかの開示された実施例において、測定干渉決定サブモジュールは、現在時刻と前のいくつかの時刻の測定状態情報との離散度を取得するように構成される、離散取得ユニットを備え、測定干渉決定サブモジュールは、離散度を利用して、測定干渉ノイズを決定するように構成される、ノイズ決定ユニットを備える。
【0225】
上記の開示された実施例と異なり、現在時刻と前のいくつかの時刻の測定状態情報との離散度を使用し、離散度を使用して測定干渉ノイズを決定して、走行プロセスにおけるロボットの外部の干渉を正確に測定することができる。
【0226】
いくつかの開示された実施例において、現在時刻と前のいくつかの時刻の測定状態情報との離散度は、現在時刻と前のいくつかの時刻の測定状態情報との標準差である。
【0227】
上記の開示された実施例と異なり、現在時刻と前のいくつかの時刻の測定状態情報との離散度を、現在時刻と前のいくつかの時刻の測定状態情報との標準差に設定することにより、離散度を決定する複雑さと計算量を減らすことに役立ち、状態を決定する速度を向上させることに役立つ。
【0228】
いくつかの開示された実施例において、ノイズ決定ユニットは、離散度とプリセットのゲインパラメータとの積を測定干渉ノイズとして使用するように構成される。
【0229】
上記の開示された実施例と異なり、離散度とプリセットのゲインパラメータとの積を測定干渉ノイズとして使用して、測定干渉ノイズの精度を向上させることに役立ち、状態決定の精度を向上させることに役立つことができる。
【0230】
いくつかの開示された実施例において、実際走行情報は、ロボットの走行角度情報、モーター駆動情報および走行速度情報を含み、状態遷移決定サブモジュールは、第1状態ノイズおよび第2状態ノイズのうちの少なくとも1つを利用して、ロボットの状態遷移ノイズを取得するように構成され、ここで、第1状態ノイズは、走行角度情報および走行速度情報を利用して決定されたものであり、第2状態ノイズは、モーター駆動情報および走行速度情報を利用して決定されたものである。
【0231】
上記の開示された実施例と異なり、実際走行情報をロボットの走行角度情報、モーター駆動情報および走行速度情報を含むように設定して、第1状態ノイズおよび第2状態ノイズのうちの少なくとも1つを利用して、ロボットの状態遷移ノイズを取得し、且つ、第1状態ノイズは、走行角度情報および走行速度情報を利用して決定されたものであり、第2状態ノイズは、モーター駆動情報および走行速度情報を利用して決定されたものであり、状態遷移ノイズの精度を向上させることに役立つことができる。
【0232】
いくつかの開示された実施例において、ロボットは、駆動輪および方向転換輪を備え、駆動輪は、ロボットを走行するように駆動するために使用され、方向転換輪は、ロボットの走行方向を変換するために使用され、走行速度情報は、ロボットの駆動輪間の実際速度差を含み、走行角度情報は、ロボットの方向転換輪の実際の方向転換角度を含み、第1状態ノイズ決定ユニットは、速度差と方向転換角度との第1マッピング関係を利用して、実際方向転換角度に対してマッピング処理を実行して、実際方向転換角度に対応する理論速度差を取得するように構成され、第1マッピングサブユニットを備え、第1状態ノイズ決定ユニットは、実際速度差と理論速度差との差異を利用して、第1状態ノイズを決定するように構成される、第1状態ノイズ決定サブユニットを備える。
【0233】
上記の開示された実施例と異なり、走行速度情報を、ロボットの駆動輪間の実際速度差を含むように設定し、走行角度情報を、ロボットの方向転換輪の実際方向転換角度を含むように設定して、速度差と方向転換角度との第1マッピング関係を利用して、実際方向転換角度に対してマッピング処理を実行して、実際方向転換角度に対応する理論速度差を取得し、実際速度差と理論速度差との差異を利用して、第1状態ノイズを決定することにより、ロボットの方向転換輪の視点から、ロボットの第1状態ノイズを決定することができる。
【0234】
いくつかの開示された実施例において、ロボットは、駆動輪を備え、駆動輪は、ロボットが走行するように駆動するために使用され、走行速度情報は、ロボットの駆動輪の実際平均速度を含み、モーター駆動情報は、ロボットのモーターの実際平均駆動信号値を含み、第2状態ノイズ決定ユニットは、平均速度と平均駆動信号値との第2マッピング関係を利用して、実際平均駆動信号値に対してマッピング処理を実行して、実際平均駆動信号値に対応する理論平均速度を取得するように構成される、第2マッピングサブユニットを備え、第2状態ノイズ決定ユニットは、実際平均速度と理論平均速度との差異を利用して、第2状態ノイズを決定するように構成される、第2状態ノイズ決定サブユニットを備える。
【0235】
上記の開示された実施例と異なり、走行速度情報を、ロボットの駆動輪の実際平均速度を含むように設定し、モーター駆動情報を、ロボットのモーターの実際平均駆動信号値を含むように設定して、平均速度と平均駆動信号値との第2マッピング関係を利用して、実際平均駆動信号値に対してマッピング処理を実行して、実際平均駆動信号値に対応する理論平均速度を取得し、実際平均速度と理論平均速度との差異を利用して、第2状態ノイズを決定することにより、ロボットの駆動輪の視点から、ロボットの第2状態ノイズを決定することができる。
【0236】
いくつかの開示された実施例において、第1状態ノイズ決定サブユニットは、実際速度差と理論速度差との差の平方を第1状態ノイズとして使用するように構成され、第2状態ノイズ決定サブユニットは、実際平均速度と理論平均速度との差の平方を第2状態ノイズとして使用するように構成される。
【0237】
上記の開示された実施例と異なり、実際速度差と理論速度差との差の平方を第1状態ノイズとして使用し、実際平均速度と理論平均速度との差の平方を第2状態ノイズとして使用して、第1状態ノイズおよび第2状態ノイズの計算の複雑さと計算量を減らし、状態決定の速度を向上させることに役立つことができる。
【0238】
いくつかの開示された実施例において、実際状態取得モジュール33は、状態ノイズを利用して、ロボットの、前の時刻に対応する実際状態情報および現在時刻に対応する測定状態情報を処理して、現在時刻に対応するロボットの実際状態情報を取得するように構成される。
【0239】
上記の実施例と異なり、状態ノイズを利用して、ロボットの、現在時刻に対応する測定状態情報および前の時刻に対応する実際状態情報を処理することにより、ロボットを、現在時刻の測定状態情報と前の時刻の実際状態情報との間でバランスを取れるようにすることに役立ち、決定された実際状態情報を、測定状態情報に対して修正することができるようにし、それによって、ロボットの状態決定の精度を向上させることに役立つことができる。
【0240】
いくつかの開示された実施例において、実際状態取得モジュール33は、状態ノイズに基づいて、フィルターゲインを決定し、ロボットの、直前時刻に対応する実際状態情報および直前時刻に対応する実際走行情報を予測して、現在時刻に対応する予測状態情報を取得し、フィルターゲインのカルマンフィルターを利用して、現在時刻の予測状態情報を現在時刻の測定状態情報と融合して、現在時刻に対応するロボットの実際状態情報を取得するように構成される。
【0241】
上記の開示された実施例と異なり、状態ノイズに基づいて、フィルターゲインを決定し、ロボットの、直前時刻に対応する実際状態情報および直前時刻に対応する実際走行情報を予測して、現在時刻に対応する予測状態情報を取得し、フィルターゲインのカルマンフィルターを利用して、現在時刻の予測状態情報を現在時刻の測定状態情報と融合して、外部信号に対する頑健性を増強し、それにより、現在時刻に対応する実際状態情報を正確に決定することができる。
【0242】
いくつかの開示された実施例において、ロボットの状態決定装置30は、さらに、前記状態ノイズが、プリセットのノイズ条件を満たしない場合、プリセットの通知を実行するように構成される、通知モジュールを備える。
【0243】
上記の開示された実施例と異なり、状態ノイズが、プリセットのノイズ条件を満たしない場合、プリセットの通知を実行して、ユーザを、異常の状態ノイズを感知させ、ユーザ体験を向上させることができる。
【0244】
いくつかの開示された実施例において、状態ノイズは、いくつかの測定状態情報を利用して得られた測定干渉ノイズを含み、対応的に、プリセットのノイズ条件は、測定干渉ノイズが、第1ノイズ閾値より小さいことを含み、通知モジュールは、測定干渉ノイズが、プリセットのノイズ条件を満たしない場合、第1警告メッセージを出力して、状態測定が干渉されたことを知らせるように構成される、第1早期警告サブモジュールを備え、および/または、状態ノイズは、現在時刻の実際走行情報を利用して得られた状態遷移ノイズを含み、対応的に、プリセットのノイズ条件は、状態遷移ノイズが第2ノイズ閾値より小さいことを含み、通知モジュールは、状態遷移ノイズが、プリセットのノイズ条件を満たしない場合、第2警告メッセージを出力して、ロボットに車体が滑るリスクがあることを知らせるように構成される、第2早期警告サブモジュールを備える。
【0245】
上記の開示された実施例と異なり、測定干渉ノイズが、プリセットの条件を満たしない場合、第1警告メッセージを出力して、状態測定が干渉されたことを通知し、それにより、状態測定が干渉された場合、ユーザを早速に感知させ、ユーザの体験を向上させることができる。状態遷移ノイズが、プリセットの条件を満たしない場合、第2警告メッセージを出力して、ロボットに車体が滑るリスクがあることを通知し、それにより、ロボットに車体が滑るリスクが発生した場合、ユーザを早速に感知させ、ユーザ体験を向上させることができる。
【0246】
いくつかの開示された実施例において、測定状態取得モジュール31は、ロボットの周囲環境に対して画像収集を実行して、現在時刻に対応する環境画像データを取得するように構成される、データ収集サブモジュールを備え、測定状態取得モジュール31は、現在時刻の環境画像データに基づいて、現在時刻に対応するロボットの測定状態情報を決定するように構成される、測定状態決定サブモジュールを備え、ここで、測定状態情報および実際状態情報のいずれも、ロボットの位置、ロボットの姿勢、ロボットの速度のうちの少なくとも1つを含む。
【0247】
上記の開示された実施例と異なり、ロボット周囲環境に対して画像収集を実行することにより、現在時刻に対応する環境画像世帯数を取得し、現在時刻の環境画像データに基づいて、現在時刻に対応するロボットの測定状態情報を決定し、且つ、測定状態情報および実際状態情報を、両方とも、ロボットの位置、ロボットの姿勢およびロボットの速度のうちの少なくとも1つを含むように設定し、それにより、現在時刻に対応するロボットの測定状態情報を迅速に取得することができ、さらに、ロボットの状態決定の速度を向上させることに役立つことができる。
【0248】
図4を参照すると、
図4は、本願実施例のロボット40の実施例のフレームワークの概略図である。ロボット40は、ロボット本体41およびロボット本体41に設置されたメモリ42とプロセッサ43を備え、メモリ42とプロセッサ43は、互いに接続され、プロセッサ43は、メモリ42に記憶されたプログラム命令を実行して、上記の任意の1つの状態決定方法実施例のステップを実現するように構成される。
【0249】
いくつかの開示された実施例において、プロセッサ43は、その自体およびメモリ42を制御して、上記の任意の1つの状態決定方法実施例のステップを実現するように構成される。プロセッサ43は、中央処理ユニット(CPU:Central Processing Unit)とも称し得る。プロセッサ43は、信号の処理能力を有する集積回路チップであり得る。プロセッサ43は、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、特定用途向け集積回路(ASIC:Application Specific Integrated Circuit)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA:Field-Programmable Gate Array)または他のプログラマブルロジックデバイス、ディスクリートゲート、またはトランジスタロジックデバイス、ディスクリートハードウェアコンポーネントなどであってもよい。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサであり得、または当該プロセッサは、任意の従来のプロセッサなどであり得る。さらに、プロセッサ43は、集積回路チップによって一緒に実現されることができる。
【0250】
上記の技術案において、状態ノイズは、取得されたいくつかの測定状態情報および/または現在の実際走行情報に従って決定され、ロボットの外部測定視点および/またはロボットの自体状態視点からノイズを測定することができ、それにより、状態ノイズを実際の場合に近づけ、さらに、後続で決定される実際状態情報の精度を向上させることができる。
【0251】
いくつかの開示された実施例において、当該ロボット40は、さらに、ロボット本体41に設置されたいくつかの輪および輪を行走するように駆動するためのモーターと、輪子を方向転換するように駆動するためのステアリングギアを備える。例えば、当該ロボットは、第1輪グループおよび第2輪グループを備え、第1輪グループは、モーターと接続して、駆動輪として使用され、第2輪グループは、ステアリングギアと接続され、方向転換輪として使用される。さらに、ロボットの走行情報を取得するために、ロボット40は、さらに、速度測定アセンブリを備えることができ、当該速度測定アセンブリは、駆動輪の速度を取得するために、駆動輪に設置されることができる。一適用シナリオにおいて、ロボット40は、4つの輪を備え、ここで、2つの前輪は、方向転換輪として使用され、2つの後輪は、駆動輪として使用され、且つ、後輪に対応する速度を取得するために、各後輪には、エンコーダが設置される。したがって、ロボットは、エンコーダを読み取ることにより、走行速度を取得することができ、ステアリングギア制御記録を読み取ることにより、走行角度を取得することができる。さらに、異なる実際の適用ニーズによって、ロボット本体41を異なる形状に設定することができる。例えば、速達用途について、ロボット本体41を、自動車、ミニバスなどの形状に設定することができ、または、サービス案内用途について、ロボット本体41を、一般的な人間の形状、漫画動物などの形状に設定することができ、実際の適用ニーズによって設定することができ、ここではいちいち列挙をしない。
【0252】
いくつかの開示された実施例において、測定状態情報を取得するために、ロボット40に、さらに、撮影デバイスを設置することもでき、それにより、撮影デバイスによって撮影された環境画像によって、ロボット40の測定状態情報を決定する。
【0253】
図5を参照すると、
図5は、本願実施例のコンピュータ可読記憶媒体50の一実施例のフレームワークの概略図である。コンピュータ可読記憶媒体50は、プロセッサによって実行されることができるプログラム命令501を記憶し、プログラム命令501は、上記の任意の1つの状態決定方法実施例のステップを実現するために使用される。
【0254】
上記の技術案において、状態ノイズは、取得されたいくつかの測定状態情報および/または現在の実際走行情報に従って決定され、ロボットの外部測定視点および/またはロボットの自体状態視点からノイズを測定することができ、それにより、状態ノイズを実際の場合に近づけ、さらに、後続で決定される実際状態情報の精度を向上させることができる。
【0255】
いくつかの開示された実施例において、本願実施例は、コンピュータ可読コードを含む、コンピュータプログラムを提供し、前記コンピュータ可読コードがロボットで実行されるとき、前記ロボット内のプロセッサは、上記の方法を実現するために実行される。
【0256】
本願によるいくつかの実施例では、開示された方法および装置は、他の方法で実現されることができることを理解されたい。例えば、上記で説明された装置の実施形態は、例示的なものに過ぎず、例えば、モジュールまたはユニットの分割は、論理機能の分割に過ぎず、実際に実現することには、別の分割方式があり、例えば、ユニットまたはコンポーネントを別のシステムに統合または集積してもよいし、特徴の一部を無視するか実行しなくてもよい。さらに、表示または議論される相互結合、または直接結合、または通信接続は、いくつかのインターフェースを使用して実現することができ、装置またはユニット間の間接結合または通信接続は、電気的または機械的な形であってもよく、他の形であってもよい。
【0257】
分離部品として説明されるユニットは、物理的に分離されなくてもよく、ユニットとして表示される部品は、物理的ユニットであってもなくてもよい。つまり、1箇所に配置されてもよく、ネットワークユニットに分散されてもよい。実際のニーズに応じて、その中の一部またはすべてのユニットを選択して、本実施形態の技術案の目的を実現することができる。
【0258】
さらに、本願の各実施例における各機能ユニットは、1つの処理ユニットに統合されてもよく、または各ユニットが、物理的に別々に存在してもよく、または2つまたは2つ以上のユニットが1つのユニットに統合されてもよい。前記統合されたユニットは、ハードウェアの形で実装されてもよく、ソフトウェア機能ユニットの形で実装されてもよい。
【0259】
統合されたユニットが、ソフトウェア機能ユニットの形で実現され、かつ独立した製品として販売または使用される場合、コンピュータ可読記憶媒体に記憶されることができる。このような理解に基づいて、本願実施例の技術的解決策は、本質的にまたは先行技術に対して寄与する部分または前記技術的解決策のすべてまたは一部は、ソフトウェア製品の形で具現されることができ、当該コンピュータソフトウェア製品は、1つの記憶媒体に記憶され、1台のコンピュータ機器(パーソナルコンピュータ、サーバ、またはネットワーク機器等であり得る)またはプロセッサ(Processor)に本願実施例の各実施形態の方法の全部または一部のステップを実行させるためのいくつかの命令を含む。前述した記憶媒体は、Uディスク、モバイルハードディスク、読み取り専用メモリ(ROM:Read-Only Memory)、ランダムアクセスメモリ(RAM:Random Access Memory)、磁気ディスクまたは光ディスク等のプログラムコードを記憶することができる様々な媒体を含む。
【産業上の利用可能性】
【0260】
本願実施例は、状態決定方法および装置、ロボット、記憶媒体並びにコンピュータプログラムを提供し、前記方法は、前記ロボットの参照情報を取得することであって、ここで、前記参照情報は、いくつかの時刻に対応する前記ロボットの測定状態情報、現在時刻に対応する前記ロボットの実際走行情報のうちの少なくとも1つを含むことと、前記参照情報に基づいて、前記ロボットの状態ノイズを決定することと、前記状態ノイズを利用して、前記現在時刻に対応する前記ロボットの実際状態情報を取得することと、を含む。本願実施例によるロボットの状態決定方法によれば、状態を決定するプロセスでは、大量の粒子を使用してシミュレートする必要なく、状態決定の速度を向上させることに役立つことができる。さらに、当該状態ノイズは、取得されたいくつかの測定状態情報および/または現在の実際走行情報に従って決定されたものであるため、ロボットの外部測定視点および/またはロボットの自体状態視点からノイズを測定し、それにより、状態ノイズを実際の場合に近づけ、さらに、後続で決定される実際状態情報の精度を向上させることができる。
【手続補正書】
【提出日】2021-11-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロボットの状態決定方法であって、
前記ロボットの参照情報を取得することであって、前記参照情報は、いくつかの時刻に対応する前記ロボットの測定状態情報、現在時刻に対応する前記ロボットの実際走行情報のうちの少なくとも1つを含むことと、
前記参照情報に基づいて、前記ロボットの状態ノイズを決定することと、
前記状態ノイズを利用して、前記現在時刻に対応する前記ロボットの実際状態情報を取得することと、を含む、ロボットの状態決定方法。
【請求項2】
前記参照情報に基づいて、前記ロボットの状態ノイズを決定することは、
前記現在時刻および前のいくつかの時刻に対応する測定状態情報を利用して、前記ロボットの測定干渉ノイズを決定すること、
および/または、前記現在時刻の実際走行情報を利用して、前記ロボットの状態遷移ノイズを決定することを含む、
請求項1に記載の状態決定方法。
【請求項3】
前記現在時刻および前のいくつかの時刻に対応する測定状態情報を利用して、前記ロボットの測定干渉ノイズを決定することは、
前記現在時刻と前のいくつかの時刻の測定状態情報との離散度を取得することと、
前記離散度を利用して、前記測定干渉ノイズを決定することと、を含む、
請求項2に記載の状態決定方法。
【請求項4】
前記現在時刻と前のいくつかの時刻の測定状態情報との離散度は、前記現在時刻と前のいくつかの時刻の測定状態情報との標準差であり、対応的に、
前記離散度を利用して、前記測定干渉ノイズを決定することは、
前記離散度とプリセットのゲインパラメータとの積を前記測定干渉ノイズとして使用することを含む、
請求項3に記載の状態決定方法。
【請求項5】
前記実際走行情報は、前記ロボットの走行角度情報、モーター駆動情報および走行速度情報を含み、
前記現在時刻の実際走行情報を利用して、前記ロボットの状態遷移ノイズを決定することは、
第1状態ノイズ、第2状態ノイズのうちの少なくとも1つを利用して、前記ロボットの前記状態遷移ノイズを取得することを含み、
前記第1状態ノイズは、前記走行角度情報および前記走行速度情報を利用して決定されたものであり、前記第2状態ノイズは、前記モーター駆動情報および前記走行速度情報を利用して決定されたものである、
請求項2ないし4のいずれか一項に記載の状態決定方法。
【請求項6】
前記ロボットは、駆動輪および方向転換輪を備え、前記駆動輪は、前記ロボットを走行するように駆動するために使用され、前記方向転換輪は、前記ロボットの走行方向を変換するために使用され、前記走行速度情報は、前記ロボットの駆動輪間の実際の速度差を含み、前記走行角度情報は、前記ロボットの方向転換輪の実際の方向転換角度を含み、
対応的に、前記第1状態ノイズ、第2状態ノイズのうちの少なくとも1つを利用して、前記ロボットの前記状態遷移ノイズを取得する前に、前記状態決定方法は、
速度差と方向転換角度との第1マッピング関係を利用して、前記実際の方向転換角度に対してマッピング処理を実行して、前記実際の方向転換角度に対応する理論速度差を取得することと、
前記実際速度差と前記理論速度差との差異を利用して、前記第1状態ノイズを決定することと、をさらに含み、および/または、
前記ロボットは、駆動輪を備え、前記駆動輪は、前記ロボットを走行するように駆動するために使用され、前記走行速度情報は、前記ロボットの駆動輪の実際平均速度を含み、前記モーター駆動情報は、前記ロボットのモーターの実際平均駆動信号値を含み、
対応的に、前記第1状態ノイズ、第2状態ノイズのうちの少なくとも1つを利用して、前記ロボットの前記状態遷移ノイズを取得する前に、前記状態決定方法は、
平均速度と平均駆動信号値との第2マッピング関係を利用して、前記実際平均駆動信号値に対してマッピング処理を実行して、前記実際平均駆動信号値に対応する理論平均速度を取得することと、
前記実際平均速度と前記理論平均速度との差異を利用して、前記第2状態ノイズを決定することと、をさらに含む、
請求項5に記載の状態決定方法。
【請求項7】
前記実際速度差と前記理論速度差との差異を利用して、前記第1状態ノイズを決定することは、
前記実際速度差と前記理論速度差との差の平方を前記第1状態ノイズとして使用することを含み、
前記実際平均速度と前記理論平均速度との差異を利用して、前記第2状態ノイズを決定することは、
前記実際平均速度と前記理論平均速度との差の平方を前記第2状態ノイズとして使用することを含む、
請求項6に記載の状態決定方法。
【請求項8】
前記状態ノイズを利用して、前記現在時刻に対応する前記ロボットの実際状態情報を取得することは、
前記状態ノイズを利用して、前記ロボットの、前の時刻に対応する実際状態情報および前記現在時刻に対応する測定状態情報を処理して、前記現在時刻に対応する前記ロボットの実際状態情報を取得することを含む、
請求項1ないし7のいずれか一項に記載の状態決定方法。
【請求項9】
前記状態ノイズを利用して、前記ロボットの、前の時刻に対応する実際状態情報および前記現在時刻に対応する測定状態情報を処理して、前記現在時刻に対応する前記ロボットの実際状態情報を取得することは、
前記状態ノイズに基づいて、フィルターゲインを決定することと、
前記ロボットの、直前時刻に対応する実際状態情報および前記直前時刻に対応する実際走行情報を予測して、現在時刻に対応する予測状態情報を取得することと、
前記フィルターゲインのカルマンフィルターを利用して、前記現在時刻の予測状態情報を前記現在時刻の測定状態情報と融合して、前記現在時刻に対応する前記ロボットの実際状態情報を取得することと、を含む、
請求項8に記載の状態決定方法。
【請求項10】
前記状態ノイズに基づいて、フィルターゲインを決定することは、
前記ロボットの状態遷移パラメータおよび状態遷移ノイズを利用して、前の時刻に対応する事後確率推定共分散を処理して、現在時刻に対応する事前確率推定共分散を取得し、実際状態情報から測定状態情報への変換パラメータおよび測定干渉ノイズを利用して、前記現在時刻に対応する事前確率推定共分散を処理して、現在時刻に対応するフィルターゲインを取得することを含み、
前記ロボットの、直前時刻に対応する実際状態情報および前記直前時刻に対応する実際走行情報を予測して、現在時刻に対応する予測状態情報を取得することは、前記ロボットの状態遷移パラメータおよび入力状態遷移パラメータを使用して、ロボットの、直前時刻に対応する実際状態情報および直前時刻に対応する実際走行情報をそれぞれ処理して、現在時刻に対応する予測状態情報を取得することを含む、
請求項9に記載の状態決定方法。
【請求項11】
前記参照情報に基づいて、前記ロボットの状態ノイズを決定した後、前記状態決定方法は、
前記状態ノイズがプリセットのノイズ条件を満たしない場合、プリセットの通知を実行することをさらに含む、
請求項1ないし10のいずれか一項に記載の状態決定方法。
【請求項12】
前記状態ノイズは、前記現在時刻および前のいくつかの時刻の測定状態情報を利用して得られた測定干渉ノイズを含み、対応的に、前記プリセットのノイズ条件は、前記測定干渉ノイズが、第1ノイズ閾値より小さいことを含み、前記状態ノイズが、プリセットのノイズ条件を満たしない場合、プリセットの通知を実行することは、
前記測定干渉ノイズが前記プリセットのノイズ条件を満たしない場合、第1警告メッセージを出力することを含み、前記第1警告メッセージは、状態測定が干渉されたことを知らせるために使用され、
および/または、前記状態ノイズは、前記現在時刻の実際走行情報を利用して得られた状態遷移ノイズを含み、対応的に、前記プリセットのノイズ条件は、前記状態遷移ノイズが第2ノイズ閾値より小さいことを含み、前記状態ノイズが、プリセットのノイズ条件を満たしない場合、プリセットの通知を実行することは、
前記状態遷移ノイズが前記プリセットのノイズ条件を満たしない場合、第2警告メッセージを出力することを含み、前記第2警告メッセージは、前記ロボットに車体が滑るリスクがあることを知らせるために使用される、
請求項11に記載の状態決定方法。
【請求項13】
前記ロボットの参照情報を取得することは、
前記ロボットの周囲環境に対して画像収集を実行して、現在時刻に対応する環境画像データを取得することと、
前記現在時刻の環境画像データに基づいて、現在時刻に対応する前記ロボットの測定状態情報を決定することと、を含み、
前記測定状態情報および実際状態情報のいずれも、前記ロボットの位置、前記ロボットの姿勢、前記ロボットの速度のうちの少なくとも1つを含む、
請求項1ないし12のいずれか一項に記載の状態決定方法。
【請求項14】
ロボットの状態決定装置であって、
前記ロボットの参照情報を取得するように構成される測定状態取得モジュールであって、前記参照情報は、いくつかの時刻に対応する前記ロボットの測定状態情報、現在時刻に対応する前記ロボットの実際走行情報のうちの少なくとも1つを含む、測定状態取得モジュールと、
前記参照情報に基づいて、前記ロボットの状態ノイズを決定するように構成される、状態ノイズ決定モジュールと、
前記状態ノイズを利用して、前記現在時刻に対応する前記ロボットの実際状態情報を取得するように構成される、実際状態取得モジュールと、を備える、ロボットの状態決定装置。
【請求項15】
ロボット本体および前記ロボット本体に設置されるメモリとプロセッサを備え、前記プロセッサとメモリは、互いに接続され、前記プロセッサは、前記メモリに記憶されるプログラム命令を実行して、請求項1ないし13のいずれか一項に記載の状態決定方法を実現するように構成される、ロボット。
【請求項16】
プログラム命令を記憶する、コンピュータ可読記憶媒体であって、前記プログラム命令は、プロセッサによって実行されるとき、前記プロセッサに、請求項1ないし13のいずれか一項に記載の状態決定方法を実行させる、コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項17】
コンピュータ可読コードを含む、コンピュータプログラムであって、前記コンピュータ可読コードが、ロボットで実行されるとき、前記ロボット内のプロセッサに、請求項1ないし13のいずれか一項に記載の状態決定方法を実行させる、コンピュータプログラム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0033
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0033】
本願実施例は、コンピュータ可読コードを含む、コンピュータプログラムを提供し、前記コンピュータ可読コードが、ロボットで実行されるとき、前記ロボット内のプロセッサは、上記の状態決定方法を実現するために実行される。
例えば、本願は以下の項目を提供する。
(項目1)
ロボットの状態決定方法であって、
前記ロボットの参照情報を取得することであって、前記参照情報は、いくつかの時刻に対応する前記ロボットの測定状態情報、現在時刻に対応する前記ロボットの実際走行情報のうちの少なくとも1つを含むことと、
前記参照情報に基づいて、前記ロボットの状態ノイズを決定することと、
前記状態ノイズを利用して、前記現在時刻に対応する前記ロボットの実際状態情報を取得することと、を含む、ロボットの状態決定方法。
(項目2)
前記参照情報に基づいて、前記ロボットの状態ノイズを決定することは、
前記現在時刻および前のいくつかの時刻に対応する測定状態情報を利用して、前記ロボットの測定干渉ノイズを決定すること、
および/または、前記現在時刻の実際走行情報を利用して、前記ロボットの状態遷移ノイズを決定することを含む、
項目1に記載の状態決定方法。
(項目3)
前記現在時刻および前のいくつかの時刻に対応する測定状態情報を利用して、前記ロボットの測定干渉ノイズを決定することは、
前記現在時刻と前のいくつかの時刻の測定状態情報との離散度を取得することと、
前記離散度を利用して、前記測定干渉ノイズを決定することと、を含む、
項目2に記載の状態決定方法。
(項目4)
前記現在時刻と前のいくつかの時刻の測定状態情報との離散度は、前記現在時刻と前のいくつかの時刻の測定状態情報との標準差であり、対応的に、
前記離散度を利用して、前記測定干渉ノイズを決定することは、
前記離散度とプリセットのゲインパラメータとの積を前記測定干渉ノイズとして使用することを含む、
項目3に記載の状態決定方法。
(項目5)
前記実際走行情報は、前記ロボットの走行角度情報、モーター駆動情報および走行速度情報を含み、
前記現在時刻の実際走行情報を利用して、前記ロボットの状態遷移ノイズを決定することは、
第1状態ノイズ、第2状態ノイズのうちの少なくとも1つを利用して、前記ロボットの前記状態遷移ノイズを取得することを含み、
前記第1状態ノイズは、前記走行角度情報および前記走行速度情報を利用して決定されたものであり、前記第2状態ノイズは、前記モーター駆動情報および前記走行速度情報を利用して決定されたものである、
項目2ないし4のいずれか一項に記載の状態決定方法。
(項目6)
前記ロボットは、駆動輪および方向転換輪を備え、前記駆動輪は、前記ロボットを走行するように駆動するために使用され、前記方向転換輪は、前記ロボットの走行方向を変換するために使用され、前記走行速度情報は、前記ロボットの駆動輪間の実際の速度差を含み、前記走行角度情報は、前記ロボットの方向転換輪の実際の方向転換角度を含み、
対応的に、前記第1状態ノイズ、第2状態ノイズのうちの少なくとも1つを利用して、前記ロボットの前記状態遷移ノイズを取得する前に、前記状態決定方法は、
速度差と方向転換角度との第1マッピング関係を利用して、前記実際の方向転換角度に対してマッピング処理を実行して、前記実際の方向転換角度に対応する理論速度差を取得することと、
前記実際速度差と前記理論速度差との差異を利用して、前記第1状態ノイズを決定することと、をさらに含み、および/または、
前記ロボットは、駆動輪を備え、前記駆動輪は、前記ロボットを走行するように駆動するために使用され、前記走行速度情報は、前記ロボットの駆動輪の実際平均速度を含み、前記モーター駆動情報は、前記ロボットのモーターの実際平均駆動信号値を含み、
対応的に、前記第1状態ノイズ、第2状態ノイズのうちの少なくとも1つを利用して、前記ロボットの前記状態遷移ノイズを取得する前に、前記状態決定方法は、
平均速度と平均駆動信号値との第2マッピング関係を利用して、前記実際平均駆動信号値に対してマッピング処理を実行して、前記実際平均駆動信号値に対応する理論平均速度を取得することと、
前記実際平均速度と前記理論平均速度との差異を利用して、前記第2状態ノイズを決定することと、をさらに含む、
項目5に記載の状態決定方法。
(項目7)
前記実際速度差と前記理論速度差との差異を利用して、前記第1状態ノイズを決定することは、
前記実際速度差と前記理論速度差との差の平方を前記第1状態ノイズとして使用することを含み、
前記実際平均速度と前記理論平均速度との差異を利用して、前記第2状態ノイズを決定することは、
前記実際平均速度と前記理論平均速度との差の平方を前記第2状態ノイズとして使用することを含む、
項目6に記載の状態決定方法。
(項目8)
前記状態ノイズを利用して、前記現在時刻に対応する前記ロボットの実際状態情報を取得することは、
前記状態ノイズを利用して、前記ロボットの、前の時刻に対応する実際状態情報および前記現在時刻に対応する測定状態情報を処理して、前記現在時刻に対応する前記ロボットの実際状態情報を取得することを含む、
項目1ないし7のいずれか一項に記載の状態決定方法。
(項目9)
前記状態ノイズを利用して、前記ロボットの、前の時刻に対応する実際状態情報および前記現在時刻に対応する測定状態情報を処理して、前記現在時刻に対応する前記ロボットの実際状態情報を取得することは、
前記状態ノイズに基づいて、フィルターゲインを決定することと、
前記ロボットの、直前時刻に対応する実際状態情報および前記直前時刻に対応する実際走行情報を予測して、現在時刻に対応する予測状態情報を取得することと、
前記フィルターゲインのカルマンフィルターを利用して、前記現在時刻の予測状態情報を前記現在時刻の測定状態情報と融合して、前記現在時刻に対応する前記ロボットの実際状態情報を取得することと、を含む、
項目8に記載の状態決定方法。
(項目10)
前記状態ノイズに基づいて、フィルターゲインを決定することは、
前記ロボットの状態遷移パラメータおよび状態遷移ノイズを利用して、前の時刻に対応する事後確率推定共分散を処理して、現在時刻に対応する事前確率推定共分散を取得し、実際状態情報から測定状態情報への変換パラメータおよび測定干渉ノイズを利用して、前記現在時刻に対応する事前確率推定共分散を処理して、現在時刻に対応するフィルターゲインを取得することを含み、
前記ロボットの、直前時刻に対応する実際状態情報および前記直前時刻に対応する実際走行情報を予測して、現在時刻に対応する予測状態情報を取得することは、前記ロボットの状態遷移パラメータおよび入力状態遷移パラメータを使用して、ロボットの、直前時刻に対応する実際状態情報および直前時刻に対応する実際走行情報をそれぞれ処理して、現在時刻に対応する予測状態情報を取得することを含む、
項目9に記載の状態決定方法。
(項目11)
前記参照情報に基づいて、前記ロボットの状態ノイズを決定した後、前記状態決定方法は、
前記状態ノイズがプリセットのノイズ条件を満たしない場合、プリセットの通知を実行することをさらに含む、
項目1ないし10のいずれか一項に記載の状態決定方法。
(項目12)
前記状態ノイズは、前記現在時刻および前のいくつかの時刻の測定状態情報を利用して得られた測定干渉ノイズを含み、対応的に、前記プリセットのノイズ条件は、前記測定干渉ノイズが、第1ノイズ閾値より小さいことを含み、前記状態ノイズが、プリセットのノイズ条件を満たしない場合、プリセットの通知を実行することは、
前記測定干渉ノイズが前記プリセットのノイズ条件を満たしない場合、第1警告メッセージを出力することを含み、前記第1警告メッセージは、状態測定が干渉されたことを知らせるために使用され、
および/または、前記状態ノイズは、前記現在時刻の実際走行情報を利用して得られた状態遷移ノイズを含み、対応的に、前記プリセットのノイズ条件は、前記状態遷移ノイズが第2ノイズ閾値より小さいことを含み、前記状態ノイズが、プリセットのノイズ条件を満たしない場合、プリセットの通知を実行することは、
前記状態遷移ノイズが前記プリセットのノイズ条件を満たしない場合、第2警告メッセージを出力することを含み、前記第2警告メッセージは、前記ロボットに車体が滑るリスクがあることを知らせるために使用される、
項目11に記載の状態決定方法。
(項目13)
前記ロボットの参照情報を取得することは、
前記ロボットの周囲環境に対して画像収集を実行して、現在時刻に対応する環境画像データを取得することと、
前記現在時刻の環境画像データに基づいて、現在時刻に対応する前記ロボットの測定状態情報を決定することと、を含み、
前記測定状態情報および実際状態情報のいずれも、前記ロボットの位置、前記ロボットの姿勢、前記ロボットの速度のうちの少なくとも1つを含む、
項目1ないし12のいずれか一項に記載の状態決定方法。
(項目14)
ロボットの状態決定装置であって、
前記ロボットの参照情報を取得するように構成される測定状態取得モジュールであって、前記参照情報は、いくつかの時刻に対応する前記ロボットの測定状態情報、現在時刻に対応する前記ロボットの実際走行情報のうちの少なくとも1つを含む、測定状態取得モジュールと、
前記参照情報に基づいて、前記ロボットの状態ノイズを決定するように構成される、状態ノイズ決定モジュールと、
前記状態ノイズを利用して、前記現在時刻に対応する前記ロボットの実際状態情報を取得するように構成される、実際状態取得モジュールと、を備える、ロボットの状態決定装置。
(項目15)
前記状態ノイズ決定モジュールは、
前記現在時刻および前のいくつかの時刻に対応する測定状態情報を利用して、前記ロボットの測定干渉ノイズを決定するように構成される、測定干渉決定サブモジュールと、
前記現在時刻の実際走行情報を利用して、前記ロボットの状態遷移ノイズを決定するように構成される、状態遷移決定サブモジュールと、を備える、
項目14に記載の状態決定装置。
(項目16)
測定干渉決定サブモジュールは、
前記現在時刻と前のいくつかの時刻の測定状態情報との離散度を取得するように構成される、離散取得ユニットと、
前記離散度を利用して、前記測定干渉ノイズを決定するように構成される、ノイズ決定ユニットと、を備える、
項目15に記載の状態決定装置。
(項目17)
前記現在時刻と前のいくつかの時刻の測定状態情報との離散度は、前記現在時刻と前のいくつかの時刻の測定状態情報との標準差であり、対応的に、
前記ノイズ決定ユニットは、前記離散度とプリセットのゲインパラメータとの積を前記測定干渉ノイズとして使用するように構成される、
項目16に記載の状態決定装置。
(項目18)
前記実際走行情報は、前記ロボットの走行角度情報、モーター駆動情報および走行速度情報を含み、
前記状態遷移決定サブモジュールは、第1状態ノイズ、第2状態ノイズのうちの少なくとも1つを利用して、前記ロボットの前記状態遷移ノイズを取得するように構成され、
前記第1状態ノイズは、前記走行角度情報および前記走行速度情報を利用して決定されたものであり、前記第2状態ノイズは、前記モーター駆動情報および前記走行速度情報を利用して決定されたものである、
項目15ないし17のいずれか一項に記載の状態決定装置。
(項目19)
前記ロボットは、駆動輪および方向転換輪を備え、前記駆動輪は、前記ロボットを走行するように駆動するために使用され、前記方向転換輪は、前記ロボットの走行方向を変換するために使用され、前記走行速度情報は、前記ロボットの駆動輪間の実際の速度差を含み、前記走行角度情報は、前記ロボットの方向転換輪の実際の方向転換角度を含み、
対応的に、前記状態決定装置は、さらに、第1状態ノイズ決定ユニットを備え、前記第1状態ノイズ決定ユニットは、
速度差と方向転換角度との第1マッピング関係を利用して、実際の方向転換角度に対してマッピング処理を実行して、実際の方向転換角度に対応する理論速度差を取得するように構成される、第1マッピングサブユニットと、
実際速度差と理論速度差との差異を利用して、第1状態ノイズを決定するように構成される、第1状態ノイズ決定サブユニットと、を備え、
および/または、前記ロボットは、駆動輪を備え、前記駆動輪は、前記ロボットを走行するように駆動するために使用され、前記走行速度情報は、前記ロボットの駆動輪の実際平均速度を含み、前記モーター駆動情報は、ロボットのモーターの実際平均駆動信号値を含み、
対応的に、前記状態決定装置は、さらに、第2状態ノイズ決定ユニットを備え、前記第2状態ノイズ決定ユニットは、
平均速度と平均駆動信号値との第2マッピング関係を利用して、実際平均駆動信号値に対してマッピング処理を実行して、実際平均駆動信号値に対応する理論平均速度を取得するように構成される、第2マッピングサブユニットと、
実際平均速度と理論平均速度との差異を利用して、第2状態ノイズを決定するように構成される、第2状態ノイズ決定サブユニットと、を備える、
項目18に記載の状態決定装置。
(項目20)
前記第1状態ノイズ決定サブユニットは、実際速度差と理論速度差との差の平方を第1状態ノイズとして使用するように構成され、
前記第2状態ノイズ決定サブユニットは、実際平均速度と理論平均速度との差の平方を第2状態ノイズとして使用するように構成される、
項目19に記載の状態決定装置。
(項目21)
前記実際状態取得モジュールは、記状態ノイズを利用して、ロボットの、前の時刻に対応する実際状態情報および現在時刻に対応する測定状態情報を処理して、現在時刻に対応するロボットの実際状態情報を取得するように構成される、
項目14ないし20のいずれか一項に記載の状態決定装置。
(項目22)
前記実際状態取得モジュールは、状態ノイズに基づいて、フィルターゲインを決定し、ロボットの、直前時刻に対応する実際状態情報および直前時刻に対応する実際走行情報を予測して、現在時刻に対応する予測状態情報を取得し、フィルターゲインのカルマンフィルターを利用して、現在時刻の予測状態情報を現在時刻の測定状態情報と融合して、現在時刻に対応するロボットの実際状態情報を取得するように構成される、
項目21に記載の状態決定装置。
(項目23)
前記状態決定装置は、さらに、
前記状態ノイズが、プリセットのノイズ条件を満たしない場合、プリセットの通知を実行するように構成される、通知モジュールを備える、
項目14ないし22のいずれか一項に記載の状態決定装置。
(項目24)
前記状態ノイズは、いくつかの測定状態情報を利用して得られた測定干渉ノイズを含み、対応的に、前記プリセットのノイズ条件は、測定干渉ノイズが、第1ノイズ閾値より小さいことを含み、前記通知モジュールは、測定干渉ノイズが、プリセットのノイズ条件を満たしない場合、第1警告メッセージを出力するように構成される、第1早期警告サブモジュールを備え、前記第1警告メッセージは、状態測定が干渉されたことを知らせるために使用され、
および/または、前記状態ノイズは、現在時刻の実際走行情報を利用して得られた状態遷移ノイズを含み、対応的に、前記プリセットのノイズ条件は、状態遷移ノイズが第2ノイズ閾値より小さいことを含み、前記通知モジュールは、状態遷移ノイズが、プリセットのノイズ条件を満たしない場合、第2警告メッセージを出力するように構成される、第2早期警告サブモジュールを備え、前記第2警告メッセージは、ロボットに車体が滑るリスクがあることを知らせるために使用される、
項目23に記載の状態決定装置。
(項目25)
前記測定状態取得モジュールは、
ロボットの周囲環境に対して画像収集を実行して、現在時刻に対応する環境画像データを取得するように構成される、データ収集サブモジュールと、
現在時刻の環境画像データに基づいて、現在時刻に対応するロボットの測定状態情報を決定するように構成される、測定状態決定サブモジュールと、を備え、
前記測定状態情報および実際状態情報のいずれも、前記ロボットの位置、前記ロボットの姿勢、前記ロボットの速度のうちの少なくとも1つを含む、
項目14ないし24のいずれか一項に記載の状態決定装置。
(項目26)
ロボット本体および前記ロボット本体に設置されるメモリとプロセッサを備え、前記プロセッサとメモリは、互いに接続され、前記プロセッサは、前記メモリに記憶されるプログラム命令を実行して、項目1ないし13のいずれか一項に記載の状態決定方法を実現するように構成される、ロボット。
(項目27)
プログラム命令を記憶する、コンピュータ可読記憶媒体であって、前記プログラム命令は、プロセッサによって実行されるとき、前記プロセッサに、項目1ないし13のいずれか一項に記載の状態決定方法を実行させる、コンピュータ可読記憶媒体。
(項目28)
コンピュータ可読コードを含む、コンピュータプログラムであって、前記コンピュータ可読コードが、ロボットで実行されるとき、前記ロボット内のプロセッサに、項目1ないし13のいずれか一項に記載の状態決定方法を実行させる、コンピュータプログラム。
【国際調査報告】