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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-01
(54)【発明の名称】膨張可能なヘッドサポート
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/055 20060101AFI20221124BHJP
【FI】
A61B5/055 390
A61B5/055 355
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022503795
(86)(22)【出願日】2020-10-02
(85)【翻訳文提出日】2022-01-18
(86)【国際出願番号】 NZ2020050117
(87)【国際公開番号】W WO2021066662
(87)【国際公開日】2021-04-08
(31)【優先権主張番号】2019903719
(32)【優先日】2019-10-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522023831
【氏名又は名称】ビクトリア リンク リミテッド
【氏名又は名称原語表記】VICTORIA LINK LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100121728
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 勝守
(74)【代理人】
【識別番号】100165803
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 修平
(74)【代理人】
【識別番号】100170900
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 渉
(72)【発明者】
【氏名】レムケ,マイリーン
(72)【発明者】
【氏名】マーシュ,ジェイコブ
(72)【発明者】
【氏名】パーキンソン,ベンジャミン,ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ラミレス,エドガー,ロドリケス
【テーマコード(参考)】
4C096
【Fターム(参考)】
4C096AB12
4C096AC01
4C096AD10
4C096AD18
4C096CA16
4C096CC40
4C096EB07
(57)【要約】
本発明は、MRIスキャン中に患者が使用するための安定化用ヘッドサポートに関するものである。ヘッドサポートは、シェルと、少なくとも部分的にシェル内に配置された膨張可能なブラダーとを含む。使用中、シェルは、MRIマグネットの中に配置され、ブラダーは、画像化中に患者の頭部を静置状態に保持することに役立つように頭部の周りにおいて膨張させる。
【選択図】図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
MRIスキャン中に患者が使用する安定化用ヘッドサポートであって、当該ヘッドサポートは、シェルと、ガス流入部及びガス流出部を備え少なくとも部分的に前記シェル内に配置された膨張可能なブラダーとを備え、
前記ブラダーは、患者の頭部の前部、側部及び後部とそれぞれ接触するように、前部分と、対向する側部分と、後部分とを備える概ね環状の構造体を形成し、
前記ブラダーの一部分は、患者の上背部と接触するように前記シェルの後部分の下に延びている安定化用ヘッドサポート。
【請求項2】
前記剛性のあるシェルは、前部分と、対向する側部分と、後部分とを備え、前記後部分は、前記後部分の底の縁から最上部の縁まで延びる開口部により2つの部分に分かれるように形成されている請求項1に記載の安定化用ヘッドサポート。
【請求項3】
前記剛性のあるシェル及びブラダーはそれぞれ、患者の頭部の頂部の少なくとも一部分を受け入れるための開口部を有する最上部分を備える請求項1又は2に記載の安定化用ヘッドサポート。
【請求項4】
前記ガス流入部は、前記ブラダーの後部分に配置されている請求項1~3のいずれか一項に記載の安定化用ヘッドサポート。
【請求項5】
前記ガス流入部は、前記ブラダーの前部分に配置されている請求項1~4のいずれか一項に記載の安定化用ヘッドサポート。
【請求項6】
前記ブラダーの前記後部分の長さは、約200~400mmの間である請求項1~5のいずれか一項に記載の安定化用ヘッドサポート。
【請求項7】
前記ブラダーの前記後部分の長さは約200mmである請求項1~6のいずれか一項に記載の安定化用ヘッドサポート。
【請求項8】
前記ブラダーは、熱可塑性ポリウレタンをコーティングしたナイロンを備える請求項1~7のいずれか一項に記載の安定化用ヘッドサポート。
【請求項9】
前記膨張可能なブラダーは、相互に連結され独立して膨張させ得る2つ以上の部材を備える請求項1~8のいずれか一項に記載の安定化用ヘッドサポート。
【請求項10】
前記ブラダーは、前記ブラダーの残りの部分に対して個別に膨張させ得る前部分を備える請求項1~9のいずれか一項に記載の安定化用ヘッドサポート。
【請求項11】
前記前部分は、前記ブラダーの残りの部分より前に膨張するように適合されている請求項10に記載の安定化用ヘッドサポート。
【請求項12】
前記シェルはRFコイルを備える請求項1~11のいずれか一項に記載の安定化用ヘッドサポート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概ね、磁気共鳴断層撮影(MRI)中に患者が使用する膨張可能なヘッドサポートに関するものである。
【背景技術】
【0002】
MRIは、身体内の各種組織の詳細な画像を取り込んで多くの身体疾患を診断又は検査するために用いられる技術である。現在のところ、撮影における基本的設備、携行性、コスト及び移動不可能性が、この技術の利用を制限するすべての要素である。小型化、軽量化し、関連のコストを削減した頭部専用のMRI装置の開発によって、本技術を可搬型とすることができ、その結果、世界人口の割合を増やすことができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ヒトの脳の磁気共鳴断層撮影には、アーチファクト及び画質の低下を回避するために患者が長時間動かずにいる必要がある。とはいえ、頭部の動きは、この種類の技術を臨床及び実験で応用する際の共通する課題である。通常、患者は、仰臥位で膝を延ばして横たわって、MRI装置のマグネットボアの中に長時間動かずにいる必要がある。患者の視点からすると、ボア内の空間に入れられて、長時間動かずにいることが患者に求められることによって、MRIによるスキャン前と最中に多大な不安が生じる場合がある。仰臥位でいるときの自由が奪われた感覚及び身体的不快感や心許なさもまた、患者の体験における負の要素と認識されてきた。
【0004】
本出願人は、MRIスキャン用に最も一般的な応用の一つである脳の画像化専用の着座型頭部専用の画像装置の開発によって、制限が少ないスキャン処置を提供することになると考えている。患者が、身体を起こした状態になり小窓からマグネットの外に目を向けることができることから、自由さが増すことを感じられることにも貢献できることになる。着座型MRIスキャナーはまた、空間に占める割合が水平方向に少なくなるので、MRIスキャナーを収容する病院やクリニックに空間を有効活用できるという利点を提供する。しかしながら、画像取得中に患者が頭を1mm未満は動かしても差し支えないようにすることが好ましい。着座位置では、頭部は、患者が伏臥位で横たわっているときよりも安定させづらい。したがって、患者の頭部の動きを許容可能なレベルに減少させるためには、着座型MRI装置において頭部にサポートを追加する必要がある。
【0005】
従来のMRI装置の一部として使用されてきた市販のいくつかの装置は、スキャン処理中頭部の位置を安定させることを目的としている。このような装置には、ポリウレタンフォームパッド、患者の顔面に密着させられる熱可塑性ネット、サポート用枕、患者の頭部を所定の位置に留める医療用テープがある。これらのサポート装置の受容率は、患者間で変動し得るものであり、ヘッドサポートの設計のいくつかは、多チャンネルカウント高周波(RF)受信コイルには適合しない。さらに、MRI用の既知の頭部安定化装置は、患者の寝台を支持することなくそのようにすることを求められるように、すべての軸線周りというよりは、長手方向周りの動きを制限するように設計されている。最後に、既知の頭部安定化装置は、患者が使用前に仰臥位になって使用するように設計されており、したがって、着座型MRIスキャンには適切ではない場合がある。
【0006】
膨張可能なヘッドサポートは着座型MRIスキャンのために使用可能であるが、既知のヘッドサポートは、頭部専用のマルチチャンネル受信コイルを患者の頭部に配置する前に、膨張させなければならない。これによって、臨床医がかさばるヘッドサポートにコイルを適切に位置づけることが難しい場合がある。また、患者にとっても、ヘッドサポートとコイルとが相互に作用し押し付け合うため不快感を抱く場合がある。
【0007】
先行技術の欠点を克服することに少なくともいくらか助けになるか又は既知のヘッドサポートの有用な代替物を人々に少なくとも提供する、患者が着座型MRIによるスキャン中に使用するための膨張可能なヘッドサポートを提供することが有用となる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の態様では、本開示は、患者がMRIスキャン中に使用する安定化用ヘッドサポートに関し、ヘッドサポートは、シェルと、ガス流入部及びガス流出部を含み少なくとも部分的にシェル内に配置された膨張可能なブラダーとを備える。ブラダーは、患者の頭部の前部、側部及び後部とそれぞれ接触するように、前部分と、対向する側部分と、後部分とを含む概ね環状の構造体を形成する。ブラダーの一部分が、患者の上背部と接触するようにシェルの後部分の下に延びる。
【0009】
一部の形態では、剛性のあるシェルは、前部分と、対向する側部分と、後部分とを備え、後部分は、後部分の底の縁から最上部の縁まで延びる開口部により2つの部分に分かれるように形成する。
【0010】
任意選択的に、剛性のあるシェル及びブラダーはそれぞれ、患者の頭部の頂部の少なくとも一部分を受け入れるための開口部を有する最上部分を備える。
【0011】
一部の形態では、ガス流入部をブラダーの後部分に配置する。任意選択的に、ガス流入部をブラダーの前部分に配置する。
【0012】
一部の形態では、ブラダーの後部分の長さは、約200~400mmの間である。好ましくは、ブラダーの後部分の長さは、約200mmである。
【0013】
一部の形態では、ブラダーは、熱可塑性ポリウレタンをコーティングしたナイロンを備える。
【0014】
任意選択的に、膨張可能なブラダーは、相互に連結され独立して膨張させ得る2つ以上の部材を備える。
【0015】
一部の形態では、ブラダーは、ブラダーの残りの部分に対して個別に膨張させ得る前部分を備える。
【0016】
任意選択的に、前部分は、ブラダーの残りの部分より前に膨張するように適合させる。
【0017】
一部の形態では、シェルはRFコイルを備える。
【0018】
特許明細書、他の外部の文書、又は他の情報源に言及してきた本明細書では、これは、一般に、本発明の特徴を説明する背景を提供する。特にことわりのない限り、このような外部の文書や情報源への言及は、このような文書や情報源が、任意の法域で、当該技術において先行技術であるか又は技術常識の一部を形成することを認めるものと解釈すべきではない。
【0019】
以下の説明において使用する方向を示す用語は、説明や参照をしやすくするためのものに過ぎず、限定する意図はない。例えば、用語「前」、「後」、「上」、「下」、「最上部」、「底」及び他の関連する用語は、物品を使用しているときの記載の物品の一部又は一部分の場所を指す。
【0020】
文脈において明確にそうでないことを必要としない限り、詳細な説明及び特許請求の範囲全体にわたって、「備える」、「備えている」などの文言は、排他的又は網羅的な意味とは逆の包含的意味、すなわち「含むが、限定はされない」という意味として解釈される。
【0021】
ここで、本発明の実施形態を、添付の図面を参照して、例としてのみ説明する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1図1は、本発明の安定化用ヘッドサポートとともに使用される1つの形態のシェルを上から見た等角正面図である。
図2a図2aは、図1のシェルを上から見た等角後面図であって、図では、シェルを圧縮性インナー/ブラダーに取り付けられるようにファスナーが取り得る位置を見えるようにしている。
図2b図2bは、シェルを圧縮性のインナー/ブラダーに取り付けるために粘着性の内側の面を用いる別の形態のシェルを上から見た等角後面図である。
図3a図3aは、収縮状態の1つの形態の圧縮性インナー/ブラダーの等角後面図である。
図3b図3bは、膨張状態であり、ガス流入部及びガス流出部をブラダーの後部分の下の領域に有する図3aの圧縮性インナー/ブラダーの等角後面図である。
図4図4は、前頭部の領域のブラダーの前部分にガス流入部及びガス流出部を有する別の形態の圧縮性インナー/ブラダーの正面図である。
図5図5は、第1の部分及び第2の部分の2つの部分に形成され、第1の部分及び第2の部分のそれぞれが、各ブラダーの後部分の下の領域に配置されたガス流入部及びガス流出部を有する、さらに別の形態の圧縮性インナー/ブラダーの等角後面図である。
図6図6は、少なくとも部分的に患者の顔の側部を包むように適合させた支持用の側部を有する、さらに別の形態の圧縮性インナー/ブラダーである。
図7図7は、患者が図6のブラダーを身に着けた正面図である。
図8図8は、1つの形態のシェル内に配置された1つの形態の収縮したブラダーを含む本発明に係る1つの形態のヘッドサポートの等角後面図である。
図9図9は、図8のヘッドサポートの正面図である。
図10図10は、患者が図8のヘッドサポートを身に着けた正面図である。
図11図11は、患者が身に着けて患者の頭の後部分がヘッドサポート上側後部の開口部から露出した様子を示す、図8のヘッドサポートの側面図である。
図12図12は、患者が身に着けてブラダーの一部分がシェルの下を延びる様子を示す、図8のヘッドサポートの後面図である。
図13図13は、本発明の形態にかかるRFコイル、シェル及び圧縮性インナー/ブラダーの分解図であって、圧縮性ブラダーは、シェル内に入れ子式に収容されるように構成され、RFコイルは、シェルとブラダーとを組合せて形成されたヘッドサポート上にはまるように構成している。
図14図14は、RFコイル内に配置した本発明の1つの形態のシェルを示す下からの等角図である。
図15図15は、RFコイル内に配置した本発明に係る1つの形態のヘッドサポートを示す上からの等角図であって、この図では、ヘッドサポートのブラダーの後部分がRFコイルの下を延びている。
図16図16は、着座型MRIスキャン用の1つの形態のMRI装置の等角図である。
図17図17は、患者の頭部に関連したx軸、y軸及びz軸を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の種々の実施形態及び製造方法を、図1図17を参照して説明する。これらの図において、同様の参照番号は、同様の特徴を示すのに使用している。
【0024】
まず、図1図15に示した実施形態を参照すると、本発明は、画像化中に、好ましくは着座型MRIスキャン/画像化中に患者の頭部に取り付けられるように適合させた安定化用ヘッドサポート1000を提供するものである。ヘッドサポート1000は、患者の頭部の位置をx方向、y方向及びz方向に10分又は20分を超える間など長時間安定化させることに役立つように、正面、側部及び後部から支持するように適合させている。
【0025】
ヘッドサポート1000は、MRIなど画像スキャンの際に使用する磁場を生成する環状の高周波(RF)コイル2000内に配置されるように適合させている。高周波コイルは、MRIにおいて使用される設備において、RF信号の受信機であり送信機である場合もある。使用時に、環状のRFコイル2000は、ヘッドサポート1000がコイル2000の環状部分又はボア内に配置されるように、ヘッドサポートを囲む。患者がヘッドサポート1000及びコイル2000の下に座ると、コイル及びヘッドサポートはともに、患者の頭部がヘッドサポート1000及びRFコイル2000内に受け入れられるまで、コイル及びヘッドサポートを患者の頭部に下降させるか又は患者が座っている着座用プラットフォームを上昇させることにより、実質的に患者の頭部を囲むように位置づけられる。一旦、所定の位置になると、患者の頭部は、コイル2000のボア内に位置づけられる。
【0026】
ヘッドサポート1000は、硬質で、剛性又は半剛性のある外側シェル100と、圧縮性インナー部分/ブラダー200を備える。
【0027】
ブラダーは、ブラダーのガス流入部からガスを受け入れて膨張し、その点で、ブラダーの圧縮性は、ブラダーが、ヘッドサポート内における患者の頭部の位置を支持し頭部を画像化中に固定化させるのに十分に固いものとなるように低下させている。膨張させると、ブラダーの内側の面が、患者の頭部に、安定化用の圧力を頭部に、好ましくはすべての側(前側、後側、左側及び右側)からかけるように押し付けられ、ブラダーの外側の面は、外側シェルの内側の面に押し付けられる。この構成では、ブラダーは、シェル内において頭部を安定化させ実質的に固定する。
【0028】
ブラダーはまた、患者がRFコイルから離れると又はヘッドサポートを使用しなくなると、収縮するように適合させる。ヘッドサポートを患者の頭部から取り外すと、ブラダーは、まず、ブラダーのガス流出部からガスを解放することにより収縮する。収縮すると、ブラダーは、たわんで、全体の寸法が小さくなって、ブラダーの内側の面が安定化用の圧力を患者の頭部にかけなくなる。そのあと、患者は、ヘッドサポート及びRFコイルから離れることができる。
【0029】
いくつかの形態では、ブラダーは、専用のガス流入部と専用のガス流出部を備え得る。しかしながら、好ましい形態では、ブラダーは、ガス流入部及びガス流出部の両方を含む単一の開口部を備える。
【0030】
図1図6に示すように、ヘッドサポート1000は、図1図2a及び図2bに示すように硬質、非磁性、非導電性で、病院グレードの材料からなる外側シェル100を備える。シェル100は、圧縮可能な内側部分/ブラダー200用のキャリアとして機能し、患者の頭部をヘッドサポートに出し入れするときにブラダーを所定位置に保持する。一部の実施形態において、シェルは、完全なヘッドサポート組立体(シェル及びブラダー)をクリーニングやメンテナンスのためRFコイル内から取り外すことができるようにある程度可撓性を持たせることができる。
【0031】
いくつかの形態では、シェルは、ポリプロピレン又はポリカーボネートなど射出成形に適するプラスチック材料を含む。他の形態では、シェルは、ステレオリソグラフィプロセスによる使用に適切なアクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)又は感光性樹脂など、3Dプリントに適するプラスチックを備える。他の形態では、シェルは、ガラスファイバなどの合成材料を備える。
【0032】
外側シェル100は、患者の頭部の周りを、頭部の前部(前頭部)、側部及び後部のそれぞれの少なくとも一部分を含めて、実質的に囲むように適合させる。この点において、シェル100は、使用中に人の頭部の前部(前頭部)、側部及び後部にそれぞれ隣接して配置されるように適合させた前部分110、対向する側部分120及び後部分130を備える。好ましい形態では、前部分110は、患者の前頭部領域を延び、一般に、患者の顔の残りの部分を露出させておくものである。側部分120は、患者の頭部のそれぞれの側に沿って一部分又は全体に延ばすことができる。後部分130は、頭部の後ろの一部分又は全体に延ばすことができる。後部分を頭部の後ろの一部分にのみ延ばした場合、後部分は、患者の頭部の後ろの上部分又は下部分又は中央部分に延ばし得る。
【0033】
いくつかの形態では、図2bに示すように、外側シェル100の後部分130は、図2a及び図2bに示すように、後部分130の下縁160から後部分130の上縁170へ延びる開口部又は間隙140により分かれた2つの部品/部分130a、130bを備える。間隙140によって、後部分の2つの部分130a、130bが、RFコイルからシェルを取り外すことを助けるように若干曲がるようにできる。実際に、間隙140によって、後部分の2つの部分130a、130bを、シェルの内部から離れて外側に曲げ、シェルの内部に向かって内側に曲げることができる。2つの後部分130a、130bを内側に曲げるか、又は2つの後部分130a、130bが相互に近づくようにシェルを曲げることによって、シェルは、コイル2000から容易に分離され、コイルから取り外すことができる。一部の形態では、間隙140はまた、RFコイル又はMRIマグネットに関連してシェル100の位置を案内するようにガイドとして機能させることができる。
【0034】
一部の形態では、患者の頭部の頂部を受け入れるための開口部150を、シェル100の最上部に設ける。一部の形態では、最上部分の開口部150は、患者の頭部の頂部/最上部の一部分と患者の頭部の後ろの一部分とが図4に示すように露出されるように、シェル100の後部に開口部150bを含むように後方に延ばし得る。最上部分の開口部150によって、患者の頭部がコイル内に配置されると、頭部の最上部がRFコイルの最上部の基準面に触れるようにできる。
【0035】
シェル100は、前部分に顔面用開口部180を備える。顔面用開口部180は、患者の顔面の少なくとも一部分が開口部により露出されるように配置する。好ましくは、開口部は、少なくとも患者の目、鼻及び口を露出させるような大きさ及び形状とする。一部の形態では、顔面用開口部180は、概ねアーチ状の顔面用開口部180を画定するようにシェル100の下縁160からシェル100の最上部へ延びる切取領域を備える。この形態では、シェル100の前部分110は、概ね患者の前頭部に対応し患者の顔面の領域をその下に露出させたままとするようにアーチ状の顔面用開口部180の最上部を延びる。この形態では、シェル及びヘッドサポートは、その全体形状をオープンフェイスヘルメットに似たものとすることができる。他の形態では、シェルは、患者の顔面の下顎領域をシェルの一方の側から他方の側に延びる下顎部分を含み得る。この構成では、顔面用開口部は、シェルの前頭部の部分と下顎部分との間に配置され、ヘッドサポートは、全体形状をフルフェイスヘルメットに似たものとすることができる。
【0036】
一部の形態では、シェル100を、RFコイル2000に取り外し可能に取り付けられるように適合させることができる。任意の適切な取付機構を用いてシェルをRFコイルに取り付けてもよい。例えば、1つ以上のファスナーを用いてもよく、又はシェルの外側の面とコイルの内側の面とを相互に取り付けられるように構成してもよい。一部の形態では、クリップ105の形態のファスナーをシェル100の下縁近くのシェルの外側の面に設けて、RFコイル2000に留められるようにする。別の形態では、シェル及びコイルは、シェルがコイル内に入れ子状に重ねられるようにシェルとコイルとを合わせて配置することを可能にする構造的特徴を含む。例えば、上向きの装着面を有するフランジ又は棚状突起をシェルの外側の面から、好ましくはシェルの下縁の近くにおいて、RFコイルが接触面に載置され得るように、突出させてもよい。別の形態では、コイルの内側の面に凹部又はチャネルを備えることができ、又はシェルの外側の面に、凹部又はチャネル内に受け入れられてシェル及びコイルと相互に嵌合/係合するように構成された突起を備えることができる。好ましくは、シェル及びコイルを容易に取り外しできるように、連結部は、可動とするか又は可撓性を持たせる。その代わりに、当業者には理解されるように、RFコイルをヘッドサポート1000に関連して所定の位置に支持するように、他の取付機構を用いることができる。任意の取付機構によって、ヘッドサポート1000をRFコイル2000内の安定した位置にとどめ、必要な場合コイルから取り外すことができることが重要である。
【0037】
図3a及び図3b~図7に、本発明のヘッドサポート1000とともに使用可能な種々の形態の圧縮性インナー部分/ブラダー200を示す。ブラダー200を、図3aに示すように収縮し図3bに示すように膨張するように適合させる。ブラダー200は、前部分210、対向する側部分220及び後部分230を備える概ね環状の構造体を形成する。膨張可能なブラダー200は、ブラダー200の前部分210、側部分220及び後部分230が、それぞれシェル100の前部分110、側部分120及び後部分130の内側の面に隣接して配置されるように、剛性又は半剛性のシェル内に配置可能である。ブラダーの前部分、側部分及び後部分は、それぞれ、使用時に患者の頭部の前部分、側部分及び後部分と接触するように構成される。
【0038】
一部の形態では、図6及び図7に示すように、ブラダー200の側部分220を、患者の頬又は顎の領域に沿って鼻に向かって延ばし、少なくとも部分的に患者の顔面に巻き付けることができる。一部の形態では、ブラダー200は、顎のラインに沿って延ばして、患者の顎の底を少なくとも部分的に支持するように構成することができる。
【0039】
ブラダー200は、ヘッドサポートを患者が身に着けたとき、患者の目、鼻及び口を含む患者の顔面の少なくとも一部分を露出させる顔面用開口部240を備える。一部の形態では、顔面用開口部240は、ブラダー200の下縁から上方へ延びて、概ねアーチ状の開口部を形成する。一部の形態では、ブラダーの前部分は、ヘッドサポート1000を身に着けた患者の前頭部と接触するように適合させ、顔面の下部分は、露出させ空気が通るようにシェルの内側の面から間隔を置いて配置されるようにしておく。別の形態では、ブラダーは、使用中に患者の下顎の上を延びる下顎部分を備えているので、顔面用開口部は、ブラダーの前頭部分と下顎部分との間に配置される。
【0040】
シェル100及びブラダー200の前部分はともに、使用時に患者の頭部の前部に隣接して配置され当該前部を支持するヘッドサポート1000の前部分を形成する。シェル及びブラダーの側部分はともに、使用時に患者の頭部の側部に隣接して配置され当該側部を支持するヘッドサポートの対向する側部分を形成する。同様に、シェル及びブラダーの後部分はともに、使用時に患者の頭部の後部に隣接して配置され当該後部を支持するヘッドサポート1000の後部分を形成する。
【0041】
一部の形態では、ブラダー200の後部分230は、剛性シェル100の後部分の下を延びる延長部分230aを備える。好ましくは、後ろの延長部分230aは、ブラダー後部から空気が注入され放出され得るガス流入部及びガス流出部を備える。ガス流入部及びガス流出部は、それぞれ、相互に独立させることができ、好ましくは、ブラダー内部への単一の導管を形成する。
【0042】
後部分の延長部分230aはまた、患者の首に支持を、よって安定性も追加することができる。ブラダーの後部分の延長部分230aは、患者の首及び背中上部に載置され、着座型画像スキャン中に患者の頭部の安定化を助けることに有用であることが分かった。
【0043】
膨張可能なブラダー200は、患者が身に着けると患者の頭部の周りを囲む概ね環状の構造体を形成する。ブラダーの最上部分は、好ましくは、患者の頭部の最上部/頂部の少なくとも一部分を露出させるように、最上部/頂部の少なくとも一部分を受け入れるための開口部を備える。一部の形態では、最上部分の開口部は、図4に示すように、ブラダー200の後ろに向かって延び、患者の頭部の最上部/頂部の一部分と、患者の頭部の後ろの一部分とが露出される。
【0044】
一部の形態では、シェル100は、ブラダーを容易にシェルに取り付け及び取り外し得るように、適切な任意の取付機構により取り外し可能にブラダー200に取り付けることができる。一部の形態では、取付機構は、1つ以上のファスナー190を備える。例えば、シェル100の1つ以上の内側の面に、シェルのブラダー200に取り外し可能に取り付けるように適合させたファスナー190を備えることができる。一部の形態では、相補的なフック・ループファスナー190、290を、図1図2a、図3a及び図3bに示すように、シェル100及びブラダー200を取り外し可能に相互に取り付けられるようにシェル100及びブラダー200に配置可能である。別の形態では、図2bに示すように、シェル100の1つ以上の内側の面には、ブラダー200に軽く接着するように粘着性の物質でコーティングするか又は粘着性の物質を備えることができ、かつ/又はブラダーの1つ以上の外側の面には、シェル100を軽く接着するように粘着性の物質でコーティングするか又は粘着性の物質を備えることができる。他の形態では、シェル100及びブラダー200は、シェル100とブラダー200とを取り外し可能に取り付けることができるように、相補的なドーム状、クリップ状又は他の任意の適切なファスナー又は取付機構を備え得る。ブラダーに取り外し可能な特質をもたせることによって、ブラダー200をシェル100から取り外すことができ、その結果、ブラダー及びシェルを、洗浄、メンテナンス又は交換することができる。
【0045】
ブラダー200は、ブラダーを膨張、収縮させ得るように、可撓性があり、非磁性で、非導電性の病院グレードの適切な任意の材料を備え得る。ブラダー200にガスが充填されるので、ブラダーは、ガスを通さない材料からなるかそのような材料でコーティングする必要がある。好ましい形態では、ブラダーは、空気が充填されるように適合させる。一部の形態では、ブラダーは、熱可塑性ポリウレタンをコーティングしたナイロンを備える。
【0046】
好ましくは、ブラダーの材料はまた、ブラダーの縁を、密閉される配置にして相互に結合させて、ヒートシールすることができる。一部の形態では、ブラダー200は、ブラダー内にガスを保持するように、熱溶着された継ぎ目、超音波溶着された継ぎ目又は任意の他の形態のシールされた継ぎ目を備え得る。
【0047】
好ましくは、ブラダーは、膨張させると、少なくとも部分的に患者の頭部に密着するような形状である。
【0048】
一部の形態では、ブラダーは、熱可塑性ポリウレタン(TPU)がコーティングされたナイロン、ポリ塩化ビニル(PVC)がコーティングされたナイロン、ビニール又はおよそ170g/mのオックスフォード地を備える。
【0049】
膨張可能なブラダー200は、ガスがブラダーに入ってブラダーを膨張させることができる少なくとも1つのガス流路/流入部240を備える。ブラダー200はまた、ガスがブラダーから出てブラダーを収縮させることができる少なくとも1つのガス流路/流出部250を備える。一部の形態では、流入部はまた、流出部としても機能し得る。他の形態では、ブラダー200は、1つ以上のガス流入部から分離した/それとは別個の1つ以上のガス流入部を備え得る。
【0050】
流入部240及び流出部250は、ブラダー200の任意の適切な位置に配置可能である。好ましい実施形態において、ブラダー200は、図3a、図3b及び図5に示すように、ブラダーの後部分の延長部分230aの上など、ブラダーの後部分230に、好ましくは延長部分230aの下の領域に配置された流入部240及び/又は流出部250を備える。この構成では、流入部240及び/又は流出部250は、患者がヘッドサポート1000を身に着けても、容易に手が届く。図3aに示す流入部240/流出部250は、流入部及び流出部の両方として機能する。一形態では、図4に示すように、ブラダー200は、ブラダーの前部分に流入部240及び/又は流出部250を備える。別の形態では、ブラダーは、ブラダーの側部分の一方に流入部/流出部を備える。
【0051】
一部の形態では、ブラダーの後部分は、長さが約200mmであり、好ましくは、約200~400mmである。
【0052】
一部の形態では、ブラダー200は、図3aに示すように、単一の膨張可能な部分からなるようにできる。他の形態では、図4及び図5に示すように、ブラダー200は、相互に連結され独立して膨張可能な少なくとも2つの部材を備え得る。膨張可能な部分のそれぞれは、図5に示すようにガス流入部及び/又はガス流出部を備える。膨張可能な部材は、患者の頭部の周りを囲むもの又は巻き付けられるものを形成するように合わせて取り付けることができる。例えば、図5に示すように、ブラダーの2つの膨張可能な部材は、好ましくは膨張可能な部材の側縁に沿って合わせて取り付けられる第1の部材200aと第2の部材200bとを備え得る。第1の部材200aは、使用時に患者の前頭部を延びるブラダー200の前部分210aを備え得る。第1の部材200aは、概ね環状の構成を形成するように、前部分210aと、後部分230aと、前部分210aと後部分230aとの間にまたがる一対の側部分220aとを備える。前部分210aは、一般に、患者の頭部の側部に巻き付き、使用中に患者の頭部の後ろに配置された後部分230aに連結される側部分220aに連結されている。第1の部材200aは、第1のガス流入路/流出路を備えることができ、当該流出入路は、図4に示すように、患者の前頭部の前のブラダーの前部分210aなど任意の適切な場所に、又は図5に示すように、第1の部材の後ろの延長部分などブラダーの後部分230aに配置できる。一部の形態では、流入部240を前部分210aに配置し、流出部250を後部分230に配置してよく、又はその逆もまた同様である。
【0053】
第2の部材200bは、例えば、溶着、ヒートシール、1つ以上のファスナー、フック・ループファスナー、又はクリップなど、任意の適切な取付機構により第1の部材200aに取り付けることができる。その代わりに、第1の部材200a及び第2の部材200bを、単一の部分として一体に形成し、それから、第1の部材と第2の部材との間に接合部を画定するガスを通さないシールにより2つの部材に分離させてもよい。第2の部材200bは、好ましくは、少なくとも一対の概ね対向する側部分220bと、側部分220bの間を延びる後部分230bとを備える。一部の形態では、第2の部材200bはまた、患者の前頭部の一部分を延びるとともに、後部分230bに概ね対向して側部分220bの間を延びる前部分210bを提供する。
【0054】
ブラダーが2つの膨張可能な部材を備える場合、第1の部材200aは、第2の部材200bより前に膨張させることが好ましく、第2の部材200bの後に収縮させることが好ましい。最初に第1の部材200aを膨張させることによって、ブラダーの前部分210は、ブラダーの側部分220及び後部分230の大部分が膨張する前に膨張する。後部分230又は後部分の大部分より前に前部分210を膨張させることによって、膨張した前部分210を用いてRFコイルの内側の面に押し付けて、ブラダー200の残りの部分が膨張する前に患者の顔面をRFコイルから引き離すことができる。このことは、患者の顔面及び鼻が、特に、ブラダーが膨張するにつれてRFコイルに押し付けられることを妨げることに役立つ。
【0055】
別の形態では、ヘッドサポートは、一対の側部分及び概ね対向する後部分に連結されるが、後部分及び側部分とは別々に膨張及び収縮させることができる前部分を含むブラダーを備え得る。この構成では、前部分は、ガス流入部及びガス流出部を含み、後部分及び側部分はともに、前部分のものとは別のガス流入部及びガス流出部を備える。ガスを通さないシールを前部分と側部分との間に設ける。この形態では、ブラダーの前部分210は、ブラダーの残りの部分とは別に膨張させることができ、前部分を最初に膨張させ任意に最後に収縮させて、使用中に患者の顔面がRFコイルの内側の面から離れるようにできる。
【0056】
一部の形態では、シェル200は、RFコイルを形成するので、ブラダーが直接コイル内に入れ子状に入れられて、ブラダーの外側の面がコイルの内側の面に接触する。
【0057】
膨張可能なブラダー200は、少なくとも3つの側から(ブラダーの前及び側部などから)、好ましくはすべての側から患者の頭部に安定化用の圧力がかけられている間にある程度の快適さを患者に提供するように、患者の頭部の周りに圧縮可能な表面を提供する。これは、患者の頭部をシェル及び/又はRFコイル内のブラダー内に配置することにより達成される。ブラダーは、ブラダーの外側の面をシェル又はコイルの内側の面に押し付け、ブラダーの内側の面を患者の頭部に押し付けるように膨張させる。したがって、ブラダーは、圧縮した状態に保持され、圧力を患者の頭部にかけて、患者の頭部をシェル又はコイル内の一定の位置に保持して、患者の頭部が、図17に特定したようにx、y及びz軸に沿って動くことを概ね妨げる。ブラダー200は、患者の頭部を、画像化が行われている間長時間にわたって、シェル100内の、よってRFコイル/マグネットボア内の正確で一貫した位置に配置する/位置づけることに役立つ。
【0058】
一部の形態では、ブラダー200の大きさは、収縮させたときに、長さ約800mm、幅約400mmである。
【0059】
図8図12は、本発明に係る一形態のシェル100の内側に位置づけた一形態のブラダー200を示す。ブラダー200及びシェル100はともに、図13に示すように、MRI装置のRFコイル2000内に位置するヘッドサポート1000を形成する。
【0060】
着座型MRIスキャン用のヘッドサポート1000を使用するため、シェル100を、MRI装置のRFコイル2000内に配置し、任意の適切な取付機構又は装着機構により所定の位置に保持する。例えば、装着機構、クリップ105又は他のファスナーを、図14に示すように、シェル及びRFコイルと係合させて、シェル100をRFコイルに対して所定の位置に保持することができる。ブラダー200は、図15に示すように、シェル100の内側に挿入し、RFコイル2000内においてヘッドサポート1000を形成するようにシェル100に取り付ける。ブラダー200は、ブラダー内へのガスの流れを制御するように弁とともに、圧縮ガス供給部などのガス供給部に流入部240を取り付けることにより膨張に備える。
【0061】
患者に、図16に示すように、MRI装置2000の椅子に座ってもらう。椅子を、膨張可能なブラダー200が患者の頭部を囲むように患者の頭部がヘッドサポート1000内に位置づけられるように上昇させる。一部の形態では、椅子は、患者の頭部がRFコイル2000の最上部のスイッチを作動させて椅子の動きが停止されるまで上昇させる。好ましい形態では、スイッチはボタンである。他の形態では、患者又は臨床医が、MRI装置のユーザインターフェースを介して椅子がそれ以上上昇することを停止させることができる。さらに他の形態では、RFコイル及びヘッドサポートを患者の頭部に下降させてもよい。
【0062】
一旦、患者の頭部がヘッドサポート1000及びコイル2000内に正確に位置づけられるように、患者が所定の位置になると、ブラダー200を患者又は臨床医などが膨張させる。一部の形態では、ブラダー200の前/前頭部分を最初に膨張させ、それからブラダーの残りの部分を膨張させる。ブラダー200は、患者が、その膨張程度で快適でいられる程度膨張させ、患者の頭部は、患者の頭部が実質的にx、y及びz軸に動くことが概ね妨げられるようにすべての側からヘッドサポート1000及びコイル2000内の安定した位置に保持される。
【0063】
よって、ヘッドサポート1000がスキャン中に患者の頭部を静置状態に保つことことで患者の役に立つことから、患者の頭部のスキャンが実施され得る。一旦、スキャンが完了すると、ブラダー200は、通常、患者又は臨床医が収縮させ、椅子を下降させるか又はコイル2000を上昇させるなどしてRFコイル2000から患者を引き出して、患者にRFコイルから離れてもらう。
【0064】
膨張可能なヘッドサポート1000は、MRIスキャン中患者の頭部と磁気RFコイル2000との間に半圧縮可能な支持を提供するように使用できる。膨張可能なヘッドサポート1000は、患者の頭部を、約10~20分間を含む、約0~20分間など長時間にわたってRFコイル2000内の所定の位置に快適に保持するように構成する。
【0065】
ヘッドサポート1000は、MRI装置2000内において患者の頭部を安定化させ位置を定めることに役立つことを示してきた。試験によれば、ヘッドサポート1000が、最長20分間、x、y及びzの方向それぞれへの頭部の動きを最小限にすることが示されており、x、y、及びz方向は図17に示している。
【0066】
試験は、ヘッドサポート1000の有効性を評価するために行った。下の表に詳細に記載した試験データは、ヘッドサポートが、患者の頭部がx、y、及びz軸のそれぞれに動くことを制限することに有用であったことを示す。
【0067】
【表1】
【0068】
【表2】
【0069】
本発明は、個別に又はまとめて、前記部品、部材又は特徴の2つ以上の任意の組合せ又はすべての組合せにおいて、本願明細書において言及し又は示した部品、部材及び特徴にあると広く言うことができる。
【0070】
前出の説明では、既知の等価物を有する完全体又は構成要素に言及してきたのに対して、その完全体は、個別に説明したかのように、個別に本明細書に組み込まれる。
【0071】
本発明の好ましい実施形態は、一例としてのみ記載してきたが、本発明の範囲から逸脱することなく変更してよい。
図1
図2a
図2b
図3a
図3b
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
【国際調査報告】