(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-01
(54)【発明の名称】一体化された微小レンズアレイを有するディスプレイパネル用のシステム及び製造方法
(51)【国際特許分類】
G09F 9/30 20060101AFI20221124BHJP
G02B 3/00 20060101ALI20221124BHJP
H01L 27/32 20060101ALI20221124BHJP
H01L 51/50 20060101ALI20221124BHJP
H05B 33/02 20060101ALI20221124BHJP
H05B 33/10 20060101ALI20221124BHJP
G09F 9/33 20060101ALI20221124BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20221124BHJP
【FI】
G09F9/30 349Z
G02B3/00 A
H01L27/32
H05B33/14 A
H05B33/02
H05B33/10
G09F9/33
G09F9/00 338
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022504549
(86)(22)【出願日】2020-09-30
(85)【翻訳文提出日】2022-03-31
(86)【国際出願番号】 US2020053404
(87)【国際公開番号】W WO2021067357
(87)【国際公開日】2021-04-08
(32)【優先日】2019-10-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520510771
【氏名又は名称】ジェイド バード ディスプレイ(シャンハイ) リミテッド
(71)【出願人】
【識別番号】521542306
【氏名又は名称】リ,キミン
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】リ,キミン
(72)【発明者】
【氏名】ズゥー,ユアンクン
(72)【発明者】
【氏名】ジャオ,シュアン
【テーマコード(参考)】
3K107
5C094
5G435
【Fターム(参考)】
3K107AA01
3K107BB01
3K107BB02
3K107BB08
3K107CC05
3K107CC32
3K107CC33
3K107EE29
3K107FF15
3K107GG28
5C094AA02
5C094BA23
5C094ED01
5C094JA08
5G435AA01
5G435BB04
5G435KK05
(57)【要約】
種々の実施形態が、一体化された微小レンズアレイを有するディスプレイパネルを含む。ディスプレイパネルは通常、対応するピクセルドライバ回路(例えば、FET)に電気的に結合されたピクセル光源(例えば、LED)のアレイを含むメサのアレイを含む。微小レンズのアレイはピクセル光源を含むメサに位置合わせされ、ピクセル光源によって生成された光の発散を低減させるように位置決めされる。いくつかの実施形態では、微小レンズ材料層から形成された微小レンズのアレイは、メサの上に直接形成される。ディスプレイパネルはまた、微小レンズとピクセルドライバ回路との間の位置決めを維持するために、同じ微小レンズ材料層から形成された一体化された光学スペーサを含み得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に形成された少なくとも1つのメサと、
前記少なくとも1つのメサの少なくとも上部を覆う微小レンズ層から形成された微小レンズであって、
前記微小レンズ層の材料が、前記少なくとも1つのメサの材料とは異なり、
前記微小レンズ層は、前記少なくとも1つのメサに直接物理的に接触している、微小レンズと、
を含む、発光ピクセルユニット。
【請求項2】
前記微小レンズが、前記少なくとも1つのメサの前記上部の周りに個々に形成されている、請求項1に記載の発光ピクセルユニット。
【請求項3】
前記少なくとも1つのメサと前記微小レンズとの間に、同じ前記微小レンズ層からスペーサが形成されている、請求項1又は2に記載の発光ピクセルユニット。
【請求項4】
前記スペーサの厚さが1マイクロメートル以下である、請求項3に記載の発光ピクセルユニット。
【請求項5】
前記スペーサの材料が、前記微小レンズの材料と同じである、請求項3又は4に記載の発光ピクセルユニット。
【請求項6】
前記微小レンズが誘電材料で構成される、請求項1~5のいずれか一項に記載の発光ピクセルユニット。
【請求項7】
前記誘電材料が酸化ケイ素を含む、請求項6に記載の発光ピクセルユニット。
【請求項8】
前記微小レンズの材料がフォトレジストである、請求項1~7のいずれか一項に記載の発光ピクセルユニット。
【請求項9】
前記微小レンズの高さが2マイクロメートル以下である、請求項1~8のいずれか一項に記載の発光ピクセルユニット。
【請求項10】
前記微小レンズの幅が4マイクロメートル以下である、請求項1~9のいずれか一項に記載の発光ピクセルユニット。
【請求項11】
前記基板上で、前記少なくとも1つのメサが、メサアレイのマトリックス内にあり、前記微小レンズが、前記メサアレイの配置に従って配置された微小レンズアレイのマトリックス内にある、請求項1~10のいずれか一項に記載の発光ピクセルユニット。
【請求項12】
前記少なくとも1つのメサの前記上部が平坦であり、前記微小レンズの形状が半球である、請求項1~11のいずれか一項に記載の発光ピクセルユニット。
【請求項13】
前記少なくとも1つのメサが少なくとも発光デバイスを含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の発光ピクセルユニット。
【請求項14】
前記発光デバイスがPN接合を含む、請求項13に記載の発光ピクセルユニット。
【請求項15】
基板を設けることと、
前記基板上に少なくとも1つのメサを形成することと、
前記少なくとも1つのメサの少なくとも上部に微小レンズ材料層を直接堆積させることであって、前記微小レンズ材料層は、前記少なくとも1つのメサの形状に適合し、前記少なくとも1つのメサ上に半球の形状を有することと、
を含む、発光ピクセルユニットを製造する方法。
【請求項16】
前記微小レンズ材料層が化学蒸着技術により堆積される、請求項15に記載の発光ピクセルユニットを製造する方法。
【請求項17】
前記微小レンズ材料層を堆積するために使用される前記化学蒸着技術のパラメータが、電力が0Wから1000W、圧力が100ミリトールから2000ミリトール、温度が23℃から500℃、ガス流量が0sccmから3000sccm、時間が1時間から3時間、を含む、請求項16に記載の発光ピクセルユニットを製造する方法。
【請求項18】
前記微小レンズ材料層が誘電材料で構成される、請求項15~17のいずれか一項に記載の発光ピクセルユニットを製造する方法。
【請求項19】
前記基板の電極領域を露出させるために前記微小レンズ材料層をパターニングすることを更に含む、請求項15~18のいずれか一項に記載の発光ピクセルユニットを製造する方法。
【請求項20】
前記パターニングすることが、
微小レンズ材料の表面上にマスクを形成することと、
フォトリソグラフィプロセスによって前記マスクをパターニングして前記マスクに開口部を形成し、前記少なくとも1つのメサの前記電極領域の上の前記微小レンズ材料層を露出させることと、
所定位置にマスク保護がなされた状態で、前記開口部により露出された前記微小レンズ材料層の一部分をエッチングすることと、
を更に含む、請求項19に記載の発光ピクセルユニットを製造する方法。
【請求項21】
エッチングすることが、ウェットエッチング法である、請求項20に記載の発光ピクセルユニットを製造する方法。
【請求項22】
基板を提供することと、
前記基板上に少なくとも1つのメサを形成することと、
前記少なくとも1つのメサの少なくとも上部に微小レンズ材料層を直接堆積させることであって、前記微小レンズ材料層は前記少なくとも1つのメサの前記上部を覆い、微小レンズ材料の上部表面は平坦である、ことと、
前記微小レンズ材料層を上から下にパターニングし、それにより、前記微小レンズ材料層を貫通することなく前記微小レンズ材料層に少なくとも半球を形成することであって、前記半球は前記少なくとも1つのメサの上に配置されていることと、
を含む、発光ピクセルユニットを製造する方法。
【請求項23】
前記微小レンズ材料層の前記表面上にマスク層を堆積することと、
前記マスク層をパターニングして、前記マスク層に半球パターンを形成することと、
前記半球パターンをマスクとして使用して、前記微小レンズ材料層をエッチングして、前記微小レンズ材料層内に半球を形成することと、
を更に含む、請求項22に記載の発光ピクセルユニットを製造する方法。
【請求項24】
前記微小レンズ材料層がエッチングされた後、前記微小レンズ材料層に、前記少なくとも1つのメサの上部表面を露出させる貫通するエッチングがなされておらず、それにより、前記少なくとも1つのメサの前記上部にスペーサが形成される、請求項23に記載の発光ピクセルユニットを製造する方法。
【請求項25】
前記微小レンズ材料層がスピンコーティングにより堆積される、請求項22~24のいずれか一項に記載の発光ピクセルユニットを製造する方法。
【請求項26】
前記マスク層が、最初にフォトリソグラフィプロセスにより、次いでリフロープロセスによりパターニングされる、請求項23~25のいずれか一項に記載の発光ピクセルユニットを製造する方法。
【請求項27】
前記微小レンズ材料層をエッチングすることが、フォトリソグラフィプロセスによる、請求項23~26のいずれか一項に記載の発光ピクセルユニットを製造する方法。
【請求項28】
前記少なくとも1つのメサを形成した後、前記微小レンズ材料層を堆積する前に、パターニングプロセスにおいて前記微小レンズ材料層に位置合わせするためのマークを有するマーク層を形成することを更に含む、請求項22~27のいずれか一項に記載の発光ピクセルユニットを製造する方法。
【請求項29】
前記微小レンズ材料層をパターニングした後、前記基板の電極領域を露出させるために前記微小レンズ材料層をパターニングすることを更に含む、請求項22~28のいずれか一項に記載の発光ピクセルユニットを製造する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001] 本出願は、2019年10月1日に出願され、参照により本明細書に組み込まれる、「Systems and Fabrication Methods for Display Panels with Integrated Micro-Lens Array」と題する米国仮特許出願第62/909,205号に対する優先権を主張する。
【0002】
技術分野
[0002] 本開示は、一般的にはディスプレイデバイスに関し、より具体的には、微小レンズアレイと一体化されたディスプレイパネル用のシステム及び製造方法に関する。
【背景技術】
【0003】
背景
[0003] ディスプレイ技術は、今日の商用電子デバイスにおいてますます人気になりつつある。これらのディスプレイパネルは、液晶ディスプレイテレビジョン(LCD TV)及び有機発光ダイオードテレビジョン(OLED TV)等の静止大型画面並びにラップトップパーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット、及びウェアラブル電子デバイス等のポータブル電子デバイスに広く使用されている。静止大型画面の開発の大半は、種々の角度から画面を見る多くの観客に適応し、多くの観客が種々の角度から画面を見られるようにするために、高視野角の達成に向けられている。例えば、ディスプレイパネルのありとあらゆるピクセル光源に大きな視野角を達成するために、スーパーツイストネマチック(STN)及び補償フィルムスーパーツイストネマチック(FSTN)等の種々の液晶材料が開発されてきた。
【0004】
[0004] しかしながら、ポータブル電子デバイスの大半は、主に1人のユーザに向けて設計されており、これらのポータブルデバイスの画面の向きは、複数の観客に適応するような大きな視野角ではなく、対応するユーザに最良の視野角に調整されるべきである。例えば、1人のユーザに適した視野角は、画面表面に垂直であり得る。この場合、静止大型画面と比較して、大きな視野角で発せられた光は大方、無駄になる。さらに、大きな視野角は公のエリアで使用されるポータブル電子デバイスのプライバシーに関する懸念を生じさせる。
【0005】
[0005] 加えて、液晶ディスプレイ(LCD)、デジタルモニタデバイス(DMD)、及び液晶オンシリコン(LCOS)等のパッシブイメージャデバイスに基づく従来のプロジェクションシステムでは、パッシブイメージャデバイス自体は光を発しない。具体的には、従来のプロジェクションシステムは、光源から発せられたコリメート光を光学的に変調することにより、すなわち、ピクセルレベルで光の部分を例えばLCDパネルによって透過するか、又は例えばDMDパネルによって反射するかの何れかにより、画像を投射する。しかしながら、透過又は反射されない光の部分は失われ、プロジェクションシステムの効率を下げる。さらに、コリメート光を提供するために、複雑な照明光学系が使用されて、光源から発せられた発散光を収集する。照明光学系は、システムを嵩張らせるのみならず、追加の光学損失をシステムに導入もし、システムの性能に更に影響する。従来のプロジェクションシステムでは、通常、光源によって生成される照明光の10%未満が、投射画像の形成に使用される。
【0006】
[0006] 半導体材料で作られた発光ダイオード(LED)は、単色又はフルカラーディスプレイで使用することができる。LEDを利用する現行のディスプレイでは、LEDは普通、例えば、LCD又はDMDパネルによって光学的に変調される光を提供する光源として使用される。すなわち、LEDによって発せられる光は、それ自体では画像を形成しない。イメージャデバイスとして複数のLEDダイを含むLEDパネルを使用するLEDディスプレイも研究されてきている。そのようなLEDディスプレイでは、LEDパネルは自己発光イメージャデバイスであり、各ピクセルは、1つのLEDダイ(単色ディスプレイ)又は各々が原色の1つを表す複数のLEDダイ(フルカラーディスプレイ)を含むことができる。しかしながら、LEDダイによって発せられる光は自然放射から生成され、したがって指向性がなく、発散角が大きくなる。大きな発散角は、LEDディスプレイに種々の問題を生じさせ得る。例えば、LEDダイにより発せられた光は、大きな発散角に起因して、LEDディスプレイにおいてより容易に散乱及び/又は反射され得る。散乱/反射光は他のピクセルを照射して、ピクセル間の光クロストーク、鮮鋭度の損失、及びコントラストの損失を生じさせ得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
概要
[0007] 前述したような従来のディスプレイシステムの欠点を改善し対処することに役立つ、改善されたディスプレイ設計が必要とされる。具体的には、ユーザのプライバシーをよりよく保護するために視野角が狭く、又は/及び消費電力を低くするために光の無駄を低減させ、よりよい画像と同時にピクセル間の光干渉を低減させたディスプレイパネルが必要とされる。
【0008】
[0008] 種々の実施形態は、微小レンズアレイが集積したディスプレイパネルを含む。ディスプレイパネルは通常、対応するピクセル駆動回路(例えばFET)に電気的に結合されたピクセル光源(例えば、LED、OLED)のアレイを含む。微小レンズのアレイがピクセル光源に位置合わせされ、ピクセル光源によって生成された光の発散を低減するように位置決めされる。ディスプレイパネルは、微小レンズとピクセル駆動回路との間の位置決めを維持する集積光学スペーサを含むこともできる。
【0009】
[0009] 微小レンズアレイは、ピクセル光源によって生成された光の発散角及びディスプレイパネルの使用可能な視野角を低減する。そしてこれは、電力の無駄を低減し、輝度を増大させ、及び/又は公のエリアでのユーザプライバシーをよりよく保護する。
【0010】
[0010] 微小レンズアレイが集積されたディスプレイパネルは多種多様な製造法を使用して作製することができ、多種多様なデバイス設計が生まれる。一態様では、微小レンズアレイは、ピクセル光源を有する基板のメサ又は突起として直接作製される。幾つかの態様では、自己組立、高温リフロー、グレースケールマスクフォトリソグラフィ、成形/インプリント/打ち抜き、及びドライエッチングパターン転写は、微小レンズアレイの作製に使用することができる技法である。
【0011】
[0011] 他の態様は、上記の何れかに関連する製造方法、用途、及び他の技術を含む構成要素、デバイス、システム、改良、方法、及びプロセスを含む。
【0012】
[0012] 一態様では、発光ピクセルユニットは、基板上に形成された少なくとも1つのメサを含む。発光ピクセルユニットはまた、少なくとも1つのメサの少なくとも上部を覆う微小レンズ層から形成された微小レンズを含む。いくつかの実施形態では、微小レンズ層の材料は、少なくとも1つのメサの材料とは異なり、微小レンズ層は、少なくとも1つのメサに直接物理的に接触している。
【0013】
[0013] 発光ピクセルユニットのいくつかの実施形態では、微小レンズは、少なくとも1つのメサの上部の周りに個々に形成される。
【0014】
[0014] 発光ピクセルユニットのいくつかの実施形態では、少なくとも1つのメサと微小レンズとの間に、同じ微小レンズ層からスペーサが形成される。
【0015】
[0015] 発光ピクセルユニットのいくつかの実施形態では、スペーサの厚さは1マイクロメートル以下である。
【0016】
[0016] 発光ピクセルユニットのいくつかの実施形態では、スペーサの材料は、微小レンズの材料と同じである。
【0017】
[0017] 発光ピクセルユニットのいくつかの実施形態では、微小レンズは誘電材料で構成される。
【0018】
[0018] 発光ピクセルユニットのいくつかの実施形態では、誘電材料は酸化ケイ素を含む。
【0019】
[0019] 発光ピクセルユニットのいくつかの実施形態では、微小レンズの材料はフォトレジストである。
【0020】
[0020] 発光ピクセルユニットのいくつかの実施形態では、微小レンズの高さは2マイクロメートル以下である。
【0021】
[0021] 発光ピクセルユニットのいくつかの実施形態では、微小レンズの幅は4マイクロメートル以下である。
【0022】
[0022] 発光ピクセルユニットのいくつかの実施形態では、基板上で、少なくとも1つのメサは、メサアレイのマトリックス内にあり、微小レンズは、メサアレイの配置に従って配置された微小レンズアレイのマトリックス内にある。
【0023】
[0023] 発光ピクセルユニットのいくつかの実施形態では、少なくとも1つのメサの上部は平坦であり、微小レンズの形状は半球である。
【0024】
[0024] 発光ピクセルユニットのいくつかの実施形態では、少なくとも1つのメサは少なくとも発光デバイスを含む。
【0025】
[0025] 発光ピクセルユニットのいくつかの実施形態では、発光デバイスはPN接合を含む。
【0026】
[0026] 別の態様では、発光ピクセルユニットを製造する方法は、基板を提供することと、基板上に少なくとも1つのメサを形成することと、少なくとも1つのメサの少なくとも上部に微小レンズ材料層を直接堆積させることと、を含む。いくつかの実施形態では、微小レンズ材料層は、少なくとも1つのメサの形状に適合し、少なくとも1つのメサ上に半球の形状を有する。
【0027】
[0027] 発光ピクセルユニットを製造する方法のいくつかの実施形態では、微小レンズ材料層は、化学蒸着技術により堆積される。
【0028】
[0028] 発光ピクセルユニットを製造する方法のいくつかの実施形態では、微小レンズ材料層を堆積するために使用される化学蒸着技術のいくつかのパラメータが、電力が0W~1000W、圧力が100ミリトール~2000ミリトール、温度が23℃~500℃、ガス流量が0sccm~3000sccm、時間が1時間~3時間、を含む。
【0029】
[0029] 発光ピクセルユニットを製造する方法のいくつかの実施形態では、微小レンズ材料層は誘電材料で構成される。
【0030】
[0030] いくつかの実施形態では、発光ピクセルユニットを製造する方法は、基板の電極領域を露出させるために微小レンズ材料層をパターニングすることを更に含む。
【0031】
[0031] 発光ピクセルユニットを製造する方法のいくつかの実施形態では、パターニングは、微小レンズ材料の表面上にマスクを形成することと、フォトリソグラフィプロセスによりマスクをパターニングし、それによりマスクに開口部を形成し、少なくとも1つのメサの電極領域の上の微小レンズ材料層を露出させることと、所定位置にマスク保護がなされた状態で、開口部により露出された微小レンズ材料層の一部分をエッチングすることと、を更に含む。
【0032】
[0032] 発光ピクセルユニットを製造する方法のいくつかの実施形態では、エッチングはウェットエッチング法である。
【0033】
[0033] 更に別の態様では、発光ピクセルユニットを製造する方法は、基板を提供することと、基板上に少なくとも1つのメサを形成することと、少なくとも1つのメサの少なくとも上部に微小レンズ材料層を直接堆積させることと、を含む。いくつかの実施形態では、微小レンズ材料層は少なくとも1つのメサの上部を覆い、微小レンズ材料の上面は平坦である。いくつかの実施形態では、発光ピクセルユニットを製造する方法は、微小レンズ材料層を上から下にパターニングし、それにより、微小レンズ材料層を貫通することなく微小レンズ材料層に少なくとも半球を形成することを更に含む。いくつかの実施形態では、半球は少なくとも1つのメサの上に配置される。
【0034】
[0034] いくつかの実施形態では、発光ピクセルユニットを製造する方法は、微小レンズ材料層の表面にマスク層を堆積することと、マスク層をパターニングして、マスク層に半球パターンを形成することと、半球パターンをマスクとして使用して、微小レンズ材料層をエッチングして、微小レンズ材料層に半球を形成することと、を更に含む。
【0035】
[0035] 発光ピクセルユニットを製造する方法のいくつかの実施形態では、微小レンズ材料層がエッチングされた後、微小レンズ材料層には、少なくとも1つのメサの上部表面を露出させる貫通するエッチングがなされておらず、それにより、少なくとも1つのメサの上部にスペーサが形成される。
【0036】
[0036] 発光ピクセルユニットを製造する方法のいくつかの実施形態では、微小レンズ材料層は、スピンコーティングにより堆積される。
【0037】
[0037] 発光ピクセルユニットを製造する方法のいくつかの実施形態では、マスク層は、最初にフォトリソグラフィプロセスにより、次いでリフロープロセスによりパターニングされる。
【0038】
[0038] 発光ピクセルユニットを製造する方法のいくつかの実施形態では、微小レンズ材料層のエッチングはフォトリソグラフィプロセスによる。
【0039】
[0039] いくつかの実施形態では、発光ピクセルユニットを製造する方法は、少なくとも1つのメサを形成した後、及び微小レンズ材料層を堆積する前に、パターニングプロセスにおいて微小レンズ材料層に位置合わせするためのマークを有するマーク層を形成することを更に含む。
【0040】
[0040] いくつかの実施形態では、発光ピクセルユニットを製造する方法は、微小レンズ材料層をパターニングした後、基板の電極領域を露出させるために微小レンズ材料層をパターニングすることを更に含む。
【0041】
[0041] 本明細書に開示されるディスプレイデバイス及びシステムの設計は、メサの形状への微小レンズ材料の形状の適合性を利用することにより、基板上のメサの上部への微小レンズの直接形成を利用し、それにより、微小レンズ製造ステップを大幅に減らし、ディスプレイパネル構造形成の効率を改善する。更に、ディスプレイシステムのこの製造により、追加の基板を使用又は保持することなく、微小レンズ構造パターンを確実に効率的に形成することができる。視野角の低減及び光干渉の低減は、ディスプレイシステムの発光効率、解像度、及び全体性能を改善する。したがって、微小レンズアレイを有するディスプレイシステムを実装することにより、従来のディスプレイの使用と比較して、拡張現実(AR)と仮想現実(VR)、ヘッドアップディスプレイ(HUD)、モバイルデバイスディスプレイ、ウェアラブルデバイスディスプレイ、高解像度プロジェクタ、及び自動車用ディスプレイのディスプレイ要件を、より良好に満たすことができる。
【0042】
[0042] なお、上述した種々の実施形態は、本明細書に記載の任意の他の実施形態と組み合わせることができる。本明細書に記載の特徴及び利点は全てを包含するものではなく、特に、多くの追加の特徴及び利点が、図面、明細書、及び特許請求の範囲に鑑みて当業者に明らかになろう。さらに、本明細書で使用される用語が主に、読みやすさ及び教示目的で選択されており、本発明の趣旨の線引き又は制限のために選択されていないことがあることに留意されたい。
【0043】
図面の簡単な説明
[0043] 本開示を更に詳細に理解することができるように、幾つかを添付図面に示す種々の実施形態の特徴を参照することにより、より具体的な説明を行い得る。しかしながら、添付図面は単に本開示の関連する特徴を示すだけであり、したがって、限定ではなく説明と見なされるべきであり、他の有効な特徴を認め得る。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【
図1】[0044]いくつかの実施形態による、微小レンズアレイと一体化された例示的なディスプレイパネルの断面図である。
【
図2A】[0045]いくつかの実施形態による、ピクセルの正方形アレイ配置を有する例示的な単色ディスプレイパネルの上面図である。
【
図2B】[0046]一実施形態による、ピクセルの三角形及び六角形アレイ配置を示す例示的な単色ディスプレイパネルの上面図である。
【
図3A】[0047]いくつかの実施形態による、ピクセルの正方形アレイ配置を有する例示的なマルチカラーディスプレイパネルの上面図である。
【
図3B】[0048]いくつかの実施形態による、ピクセルの三角形アレイ配置を有する例示的なマルチカラーディスプレイパネルの上面図である。
【
図4】[0049]いくつかの実施形態による、微小レンズアレイと一体化されたディスプレイパネル上に発光ピクセルユニットを形成するための製造方法のフロー図を示す。
【
図5】[0050]いくつかの実施形態による、微小レンズアレイと一体化されたディスプレイパネル上に発光ピクセルユニットを形成するための製造方法のフロー図を示す。
【
図6A】[0051]いくつかの実施形態による、トップダウンパターン転写を使用して微小レンズアレイと一体化されたディスプレイパネルを形成する製造方法を示す。
【
図6B】[0052]いくつかの実施形態による、トップダウンパターン転写を使用して微小レンズアレイと一体化されたディスプレイパネルを形成する製造方法を示す。
【
図7】[0053]いくつかの実施形態による、微小LEDディスプレイパネルの上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
[0054] 一般的な実施によれば、図面に示す種々の特徴は一定の比率で描かれているわけではない。したがって、種々の特徴の寸法は、明確にするために任意に拡大又は縮小されていることがある。加えて、図面によっては、所与のシステム、方法、又はデバイスの構成要素を全ては示していないものがある。最後に、同様の参照番号は、本明細書及び図全体を通して同様の特徴を示すのに使用し得る。
【0046】
詳細な説明
[0055] 添付図面に示す実施形態例を完全に理解するために、多くの詳細が本明細書に記載される。しかしながら、幾つかの実施形態は、具体的な多くの詳細なしで実施し得、特許請求の範囲は、特許請求の範囲に特に記載される特徴及び態様によってのみ限定される。さらに、本明細書に記載の実施形態の関連する態様を不必要に曖昧にしないように、周知のプロセス、構成要素、及び材料については精緻に詳述していない。
【0047】
[0056] 上で論じたように、いくつかの例では、LEDダイは大きな発散角を有し、これが、背景技術のセクションで説明したような様々な問題を引き起こす可能性がある。また、自己発光イメージャデバイスとして複数のLEDダイを有するLEDアレイを用いる投影システムでは、LEDアレイにより生成された画像を投影するために投影レンズ又は投影レンズセットが必要であり、投影レンズは、限られた開口数を有する場合がある。したがって、LEDダイの大きな発散角に起因して、LEDダイによって発せられた光の一部分のみが投影レンズにより収集され得る。これにより、LEDベースの投影システムの輝度が低下し、及び/又は消費電力が増加する。
【0048】
[0057] 本開示と整合する実施形態は、ピクセルドライバ回路のアレイを有する基板と、基板上に形成された、例えばLEDダイを含み得るメサのアレイと、メサのアレイ上に形成された微小レンズのアレイと、を含む自己発光イメージャデバイスとしての一体化ディスプレイパネル、及びディスプレイパネルの作製方法を含む。ディスプレイパネルとディスプレイパネルに基づく投影システムは、光源、画像形成機能、及び光ビームコリメーション機能を単一のモノリシックデバイスに組み合わせ、従来の投影システムの欠点を克服できる。
【0049】
[0058]
図1は、いくつかの実施形態による、微小レンズアレイ120と一体化された例示的なディスプレイパネル100の断面図である。
図1では、完成したディスプレイパネル100は、レンズなし(すなわち、微小レンズアレイのない)ディスプレイパネル110、及び微小レンズアレイ120を含む。ディスプレイパネル100は、ピクセル112Pで示されるような各個々のピクセル内に個々のメサ102のアレイを含む。いくつかの実施形態では、メサアレイ102は、基板130上に形成される。いくつかの実施形態では、基板は半導体基板である。いくつかの実施形態では、ピクセル112Pの各々は、個々のメサ102M内にピクセルドライバ回路(
図1には示されず)及び対応するピクセル光源112Sを更に含む。微小レンズアレイ120内の微小レンズ122Mは、少なくともメサ102Mの上部を覆っている。いくつかの実施形態では、微小レンズ122Mは、直接、メサ102Mを覆い接触している。いくつかの実施形態では、微小レンズ122Mはメサ102Mの形状に適合し、メサ102M上に半球を形成する。例えば、微小レンズはメサ102Mの上部及び外側に形成される。いくつかの実施形態では、微小レンズアレイ120の組成は、メサ102Mの組成とは異なる。いくつかの実施形態では、メサ102Mの上部は概して平坦であり、微小レンズ122Mの形状は概して半球である。いくつかの実施形態では、メサ102Mは円形のプラットフォームである。いくつかの実施形態では、微小レンズ122Mは、それらがメサ102Mの上に形成された後は接触していない。
【0050】
[0059] いくつかの実施形態では、微小レンズアレイ120は、酸化ケイ素などの誘電材料で作製されている。いくつかの実施形態では、誘電材料は、窒化ケイ素、炭化ケイ素、酸化アルミニウムなどの透明な酸化物である。いくつかの実施形態では、微小レンズアレイ120はフォトレジストで作製されている。いくつかの実施形態では、微小レンズ122Mの高さは2マイクロメートル以下である。いくつかの実施形態では、微小レンズ122Mの高さは1マイクロメートル以下である。いくつかの実施形態では、微小レンズ122Mの高さは、0.5マイクロメートル以下である。いくつかの実施形態では、微小レンズ122Mの幅は4マイクロメートル以下である。いくつかの実施形態では、微小レンズ122Mの幅は3マイクロメートル以下である。いくつかの実施形態では、微小レンズ122Mの幅は2マイクロメートル以下である。いくつかの実施形態では、微小レンズ122Mの幅は1マイクロメートル以下である。いくつかの実施形態では、微小レンズ122Mの幅と高さの比率は2より大きい。
【0051】
[0060] 各ピクセル光源112Sは、ピクセルドライバ回路に電気的に結合され、ピクセルドライバ回路により駆動される。ピクセル光源112Sは、個々に制御可能である。微小レンズアレイ120は、レンズなしディスプレイパネル110の上に形成され、微小レンズ122Mは、(
図1では別個には示されていない)ピクセル光源112Sを含む対応するメサ102に位置合わせされる。本開示では、「上方」及び「上」などの用語は、ピクセル光源112Aから離れて観察者に向かって伝搬する光の方向を意味する。ピクセル光源112Sを含むメサ102のアレイ、ピクセルドライバ回路のアレイ(図示せず)、及び微小レンズのアレイは全て共通の基板130上に一体化されている。いくつかの実施形態では、ピクセル光源112Sの各々がPN接合を含む。
【0052】
[0061] 明確にするために、
図1は、ディスプレイパネル100内に3つの個々のピクセル112Pのみを示し、その各々が、1つの単一の微小レンズ122Mに対応する1つのピクセル光源112Sを含む。フルディスプレイパネル100が、多数の個々のピクセル112P及び多数の微小レンズ122Mのアレイを含むことになることを理解すべきである。加えて、微小レンズ122Mと、ピクセル光源112Sを含むメサ102Mとの間の1対1の対応は必要ではなく、又、ピクセルドライバ回路(図示せず)とピクセル光源との間の1対1の対応も必要ない。ピクセル光源は、複数の個々の光要素、例えば並列接続されたLED、で作製することもできる。いくつかの実施形態では、1つの微小レンズ122Mは、いくつかのメサ102Mを覆い得る。
【0053】
[0062] ピクセル光源112Sは、ディスプレイパネル100のための光を生成する。様々なタイプのピクセル光源112S、例えば、個々の微小LEDのアレイを含む微小LEDアレイ、個々のマイクロOLEDのアレイを含むマイクロOLEDアレイ、又は個々のマイクロLCDのアレイを含むマイクロLCDアレイ、を使用することができる。LCDアレイでは、「ピクセル光源」は実際には、電気から光を生成するのではなく、バックライト又は他の場所から生成された光を変調するが、特に明記しない限り、本明細書では依然としてピクセル光源と称されることに留意されたい。一実施形態では、各個々のピクセル光源112Sは、単一の光要素を含む。別の実施形態では、各個々のピクセル光源112Sは、複数の光要素、例えば並列に結合されたLEDを含む。
【0054】
[0063]
図1では、微小レンズアレイ120は、個々の微小レンズ122Mのアレイを含み、各微小レンズは、対応するピクセル光源112Sに位置合わせされる。個々の微小レンズ122Mは、
図1の光線116~118で示すように、正の屈折力を有し、対応するピクセル光源112Sから発せられる光の発散又は視野角を低減するように位置決めされる。光線116は、元々の発散角126がかなり広い、ピクセル光源112Sから発せられる光ビームのエッジを表す。一実施形態では、元の角度126は60度よりも大きい。光は微小レンズ122Mによって曲げられ、その結果、新しいエッジ光線118は低減された発散角128を有する。一実施形態では、低減された角度128は30度未満である。微小レンズアレイ120内の微小レンズ122Mは通常、同じである。微小レンズの例は、球面微小レンズ、非球面微小レンズ、フレネル微小レンズ、及び円柱微小レンズを含む。
【0055】
[0064] 微小レンズアレイ120は通常、平坦面及び湾曲面を有する。
図1では、微小レンズ122Mの底部は平坦面であり、微小レンズ122Mの上部は湾曲面である。各微小レンズ122Mのベースの典型的な形状は、円形、正方形、矩形、及び六角形を含む。個々の微小レンズ122Mは、形状、曲率、屈折力、サイズ、ベース、間隔などが同じであってもよく、又は異なってもよい。
図1の例では、微小レンズ122Mの円形のベースは、個々のピクセル112Pと同じ幅を有するが、微小レンズベースが円形であり、個々のピクセル112Pが正方形であるため、より小さな面積を有する。いくつかの実施形態では、微小レンズのベース面積は、ピクセル光源112Sの面積よりも大きい。
【0056】
[0065] いくつかの実施形態では、光学スペーサ140は、レンズなしディスプレイパネル110と微小レンズアレイ120との間に形成される。いくつかの実施形態では、光学スペーサ140は、メサ102のアレイと微小レンズアレイ120との間に形成される。
【0057】
[0066] 光学スペーサ140は、ピクセル光源アレイ112Sに対して微小レンズアレイ120の位置を維持するように形成された光学的に透明な層である。光学スペーサ140は、ピクセル光源112から発せられる波長を透過する多種多様な材料から作製できる。光学スペーサ140用の例示的な透明材料は、ポリマー、誘電体、及び半導体を含む。光学スペーサ140を作製する材料は、微小レンズアレイ120を作製する材料と同じであり得る、又は異なり得る。いくつかの実施形態では、微小レンズ122Mがメサ102Mの形状に適合して形成される場合、光学スペーサ層140は、同じ材料を用いて同じプロセスで微小レンズ122Mにより形成できる。いくつかの実施形態では、光学スペーサ層140は、同じ材料を用いて同じプロセスで、微小レンズ122Mの下に形成することができる。いくつかの実施形態では、メサ102Mの高さは、基板130の下部から測定した光学スペーサ140の厚さよりも大きいか、同じであるか、又は小さい。
【0058】
[0067] 光学スペーサ140の厚さは、微小レンズアレイ120とピクセル光源アレイ112Sとの間に適切な間隔を維持するように設計される。一例として、ピクセル光源と微小レンズとの間に、微小レンズの焦点距離よりも大きな光学間隔を維持する光学スペーサでは、単一ピクセルの画像が特定の距離に形成される。別の例として、ピクセル光源と微小レンズとの間に、微小レンズの焦点距離未満の光学間隔を維持する光学スペーサでは、発散角/視野角の低減が達成される。発散角/視野角の低減量もまた、メサ102Mの上面から測定した光学スペーサ140の厚さに部分的に依存する。いくつかの実施形態では、メサ102Mの上面から測定したスペーサ140の厚さは1マイクロメートル以下である。いくつかの実施形態では、メサ102Mの上面から測定した光学スペーサ140の厚さは0.5マイクロメートル以下である。いくつかの実施形態では、メサ102Mの上面から測定した光学スペーサ140の厚さは0.2マイクロメートル以下である。いくつかの実施形態では、メサ102Mの上面から測定した光学スペーサ140の厚さは約1マイクロメートルである。いくつかの実施形態では、光学スペーサ140の材料は、微小レンズアレイ120の材料と同じである。
【0059】
[0068] 幾つかの実施形態では、微小レンズアレイをディスプレイパネルに統合することを介して輝度強化効果が達成される。幾つかの例では、微小レンズアレイを用いた場合の輝度は、微小レンズの集光効果に起因して、ディスプレイ表面に垂直な方向において微小レンズアレイを有さない場合の輝度の4倍である。代替の実施形態では、輝度強化係数は微小レンズアレイ及び光学スペーサの異なる設計に従って様々であることができる。例えば、8を超える係数を達成することができる。
【0060】
[0069]
図2A~
図2Bは、いくつかの実施形態による、球面微小レンズアレイと一体化された例示的な単色ディスプレイパネルの上面図である。より具体的には、
図2Aは、ピクセルの正方形アレイ配置を有する例示的な単色ディスプレイパネル200の上面図であり、
図2Bは、ピクセルの三角形及び六角形のアレイ配置を表す例示的な単色ディスプレイパネル250の上面図である。一例として、三角形アレイ配置230の実施形態及び六角形アレイ配置235の実施形態を
図2Bに示す。両方のディスプレイパネル200、250が、微小レンズ210、260のアレイと、微小レンズ210の下にピクセル光源220、270を含むメサのアレイと、微小レンズアレイとメサアレイとの間に形成された任意選択の光学スペーサ240、290とを含む。各個々の微小レンズは、個々のピクセル光源を含むメサに位置合わせされる。より詳細には、正方形マトリックス配置を有するディスプレイパネル200は、個々の微小レンズ210のアレイと、ピクセル光源220を含む、対応するメサのアレイと、任意選択の、それらの間にある光学スペーサ240とを含み、三角形マトリックス又は六角形配置を有するディスプレイパネル250は、個々の微小レンズ260のアレイと、ピクセル光源270を含む、対応するメサのアレイと、それらの間にある任意選択の光学スペーサ290とを含む。両方のディスプレイパネル200、250において、ピクセル光源は全てが同じ色の光を生成する単色ピクセル光源であり、例えば単色ディスプレイパネルを形成する単色のLEDである。
【0061】
[0070]
図2A~
図2Bでは、対応するディスプレイパネル200、250の個々の微小レンズ210、260は、正方形、三角形、又は六角形のマトリックスで配置された球形の微小レンズである。代替の実施形態では、微小レンズは非球形を有し得る。微小レンズはまた、他のマトリックス配置、例えば、矩形マトリックス配置、八角形マトリックス配置、又は幾何学的マトリックス配置の組み合わせで配置できる。
【0062】
[0071]
図3A~
図3Bは、いくつかの実施形態による、球面微小レンズアレイと一体化された例示的なマルチカラーディスプレイパネルの上面図である。より具体的には、
図3Aは、ピクセルの正方形アレイ配置を有する例示的なマルチカラーディスプレイパネル300の上面図であり、
図3Bは、ピクセルの三角形アレイ配置を有する例示的なマルチカラーディスプレイパネル350の上面図である。両方のディスプレイパネル300、350が、微小レンズ310、360のアレイと、ピクセル光源320、370を含むメサのアレイと、微小レンズアレイとピクセル光源アレイとの間に形成された任意選択の光学スペーサ340、390とを含み、各微小レンズは、個々のピクセル光源を含む対応するメサに位置合わせされている。
【0063】
[0072] より詳細には、正方形マトリックス配置を有するディスプレイパネル300は、個々の微小レンズ310のアレイと、ピクセル光源320を含む、対応するメサのアレイと、それらの間にある任意選択の光学スペーサ340とを含む。
図2A~
図2Bに示す単色ディスプレイパネル200、250とは異なり、ディスプレイパネル300におけるピクセル光源アレイは、異なる発光波長に関連するピクセル光源を含み、その結果、マルチカラーディスプレイパネルが得られる。例えば、ピクセル光源320Rは赤色光を生成し、対応する微小レンズ310Rは赤色ピクセル光源に位置合わせされ、ピクセル光源320Gは緑色光を生成し、対応する微小レンズ310Gは緑色ピクセル光源に位置合わせされ、ピクセル光源320Bは青色光を生成し、対応する微小レンズ310Bは青色ピクセル光源に位置合わせされている。一実施形態では、異なる色を有するいくつかのピクセル光源320が一定の比率で一緒にグループ化されて、RGBフルカラーピクセルを形成する。例えば、異なる色を有するいくつかのピクセル光源320が、三角形、矩形、又は六角形のマトリックス配置で一緒にグループ化される。例えば、共通の設計では、赤色ピクセル光源320R、緑色ピクセル光源320G、及び青色ピクセル光源320Bが1:2:1の比率でグループ化されて、2×2の正方形配置の光源を有する単一フルカラーピクセル330を形成する。
【0064】
[0073]
図3A~
図3Bでは、対応するディスプレイパネル300、350の個々の微小レンズ310、360は、球形の微小レンズである。代替の実施形態では、微小レンズは非球形を有し得る。微小レンズはまた、矩形マトリックス配置又は六角形マトリックス配置などの他のマトリックス配置で配置できる。
【0065】
[0074] 三角形のマトリックス配置を有するディスプレイパネル350はまた、個々の微小レンズ360のアレイと、ピクセル光源370を含む、対応するメサのアレイと、それらの間の光学スペーサ390とを含み、ピクセル光源370はまた、異なる発光波長に関連付けられて異なる光の色を提供する。例えば、ピクセル光源370Rは赤色光を発し、対応する微小レンズ360Rは赤色ピクセル光源に位置合わせされ、ピクセル光源370Gは緑色光を発し、対応する微小レンズ360Gは緑色ピクセル光源に位置合わせされ、ピクセル光源370Bは青色光を発し、対応する微小レンズ360Bは青色ピクセル光源に位置合わせされている。この例では、赤色ピクセル光源320R、緑色ピクセル光源320G、及び青色ピクセル光源320Bが1:1:1の比率でグループ化されて、三角形配置の光源を有する単一フルカラーピクセル380を形成する。いくつかの実施形態では、円柱微小レンズアレイをメサの上に形成することができる。
【0066】
[0075]
図4~
図5は、様々な実施形態による、微小レンズアレイと一体化されたディスプレイパネルを形成するための異なる製造方法の例を示す。
【0067】
[0076]
図4は、いくつかの実施形態による、微小レンズアレイと一体化されたディスプレイパネル上に発光ピクセルユニットを形成するための製造方法のフロー図を示す。方法400の作業(例えば、ステップ)は、
図1に記載されている実施形態に対応して実施され得る。
【0068】
[0077] 方法400は、基板を提供するステップ402を含む。例えば、
図1は基板130の断面図を示す。いくつかの実施形態では、基板130は、シリコンなどの半導体基板である。いくつかの実施形態では、基板130の材料は、グループII~III族の化合物、サファイア、酸化アルミニウム、窒化ガリウムなどからなる。
【0069】
[0078] 方法400はまた、基板上に少なくとも1つのメサを形成するステップ404を含む。いくつかの実施形態では、メサは、堆積、フォトリソグラフィ、及びエッチングなどの既存の半導体製造方法により形成される、急勾配の側面を有する、上部が平坦な、基板からの突起である。いくつかの実施形態では、メサは、矩形、正方形、三角形、台形、多角形などの形状であり得る。いくつかの実施形態では、メサは少なくともPN接合を含む。例えば、
図1はメサ102Mの断面図を示す。基板130は、一体化された個々のピクセル112Pのアレイを既に含み、各ピクセルはメサ102M内に、対応するピクセル光源112Sを有する。一実施形態では、対応するピクセル光源アレイを制御するピクセルドライバ回路のアレイ(図示せず)もまた、基板130上に一体化されている。
図4の実施形態は、
図1に示すようなレンズなしディスプレイパネル110と称されるこの構造から開始する。
【0070】
[0079] 方法400は、微小レンズ材料層を、少なくとも、1つのメサの上部に、メサに直接物理的に接触させて、直接堆積させるステップ406を更に含む。いくつかの実施形態では、
図1に示すように、微小レンズ材料層の形状はメサ102Mの形状に適合し、メサ上に半球を形成する。いくつかの実施形態では、メサ102Mの上部は概して平坦であり、形成された微小レンズ122Mの形状は概して半球である。いくつかの実施形態では、微小レンズ材料層は、化学蒸着(CVD)技術により基板上に直接堆積される。いくつかの実施形態では、CVDプロセスの堆積パラメータは、電力が約0W~約1000W、圧力が約100ミリトール~約2000ミリトール、温度が23℃前後~500℃前後、ガスフローが約0sccm(毎分標準立方センチメートル)~約3000sccm、時間は約1時間~約3時間、である。いくつかの実施形態では、微小レンズ材料層の材料は二酸化シリコンなどの誘電材料である。
【0071】
[0080] 方法400は、基板の電極領域(
図1には図示せず)を露出させるために微小レンズ材料層をパターニングするステップ408を更に含む。いくつかの実施形態では、微小レンズ材料層をパターニングするステップ408はエッチングステップを含む。いくつかの実施形態では、エッチングステップは、微小レンズ材料の表面上にマスクを形成するステップを含む。エッチングステップはまた、フォトリソグラフィプロセスを介してマスクをパターニングし、それにより、マスクに開口部を形成し、メサの電極領域の上の微小レンズ材料層を露出させることにより、マスクをパターニングするステップを含む。エッチングステップは、所定位置にマスク保護がなされた状態で、開口部によって露出された微小レンズ材料層の一部分をエッチングするステップを更に含む。いくつかの実施形態では、露出した微小レンズ材料層はウェットエッチング法によりエッチングされる。
【0072】
[0081]
図5は、いくつかの実施形態による、微小レンズアレイと一体化されたディスプレイパネル上に発光ピクセルユニットを形成するための製造方法のフロー図を示す。方法500の作業(例えば、ステップ)は、
図1に記載されている実施形態に対応して実施され得る。
【0073】
[0082] 方法500は、基板を提供するステップ502を含む。例えば、
図1は基板130の断面図を示す。いくつかの実施形態では、基板130は、シリコンなどの半導体基板である。
【0074】
[0083] 方法500はまた、基板上に少なくともメサを形成するステップ504を含む。いくつかの実施形態では、メサは、堆積、フォトリソグラフィ、及びエッチングなどの既存の半導体製造方法により形成される、急勾配の側面を有する、上部が平坦な、基板からの突起である。いくつかの実施形態では、メサは、矩形、正方形、三角形、台形、多角形などの形状であり得る。いくつかの実施形態では、メサは少なくともPN接合を含む。例えば、
図1はメサ102Mの断面図を示す。基板130は、一体化された個々のピクセル112Pのアレイを既に含み、各ピクセルはメサ102M内に、対応するピクセル光源112Sを有する。一実施形態では、対応するピクセル光源アレイを制御するピクセルドライバ回路のアレイ(図示せず)もまた、基板130上に一体化されている。
図5の実施形態は、
図1に示すようなレンズなしディスプレイパネル110と称されるこの構造から開始する。
【0075】
[0084] いくつかの実施形態では、方法500はまた、後のステップで堆積される微小レンズ材料層に位置合わせするためのマークを有するマーク層を形成する任意選択のステップ506を含む。例えば、マーク層は、発光ピクセルの中心に微小レンズを形成するために、微小レンズ材料層に発光ピクセルのユニットを位置合わせするように形成される。いくつかの実施形態では、マーク層は、メサの上部に微小レンズを形成するために、メサを、メサの上の層に、特に微小レンズ材料層に位置合わせするように形成される。
【0076】
[0085] 方法500は、少なくとも、1つのメサの上部に、微小レンズ材料層を直接堆積させるステップ508を更に含む。
図6A~
図6Bは、いくつかの実施形態による、トップダウンパターン転写を使用して微小レンズアレイと一体化されたディスプレイパネルを形成する製造方法を示す。いくつかの実施形態では、微小レンズ材料層645は、
図6Aに示すようにメサ602Mの上部を覆い、微小レンズ材料層645の上面は平坦である。いくつかの実施形態では、微小レンズ材料層645は、スピンコーティングによりメサアレイ602の上部に堆積される。いくつかの実施形態では、微小レンズ材料層645の材料はフォトレジストである。いくつかの実施形態では、微小レンズ材料層645の材料は酸化ケイ素などの誘電材料である。
【0077】
[0086] 方法500は、微小レンズ材料層を上から下にパターニングするステップであって、それにより、
図6A~
図6Bに示すように、微小レンズ材料層に少なくとも1つの半球を形成する、パターニングするステップ510を更に含む。幾つかの実施形態では、パターニングは、微小レンズ材料層645を貫通せずに又は微小レンズ材料層645の下部までエッチングせずに実行される。幾つかの実施形態では、微小レンズ620の半球は、少なくとも1つのメサ602Mの上に配置される。
【0078】
[0087] 幾つかの実施形態では、ステップ510は、
図6Aに示すように、微小レンズ材料層645の表面上にマスク層630を堆積させる第1のステップを更に含む。
【0079】
[0088] ステップ510は、マスク層630をパターニングして、マスク層630に半球パターンを形成する第2のステップも含む。幾つかの例では、マスク層630は、まずフォトリソグラフィプロセスによってパターニングされ、次いでリフロープロセスによってパターニングされる。幾つかの実施形態では、
図6Aに点線矩形セルで示すように、感光性ポリマーマスク層630が分離されたセル640内にパターニングされて、半球パターンの形成に向けて準備する。一例として、分離されたセル640はフォトリソグラフィプロセスを介してパターニングされ形成される。次いで、分離されたセル640を有するパターニングされた感光性ポリマーマスク層650は、高温リフロープロセスを使用して半球パターン660に形成される。一手法では、分離されたセル640は、高温リフローを介して、分離された半球パターン660内に形成される。幾つかの実施形態では、1ピクセルの分離された半球パターン660は、隣接ピクセルの半球パターンと物理的に直接接触しない。幾つかの実施形態では、1ピクセルの半球パターン660は、半球パターン660の下部でのみ隣接ピクセルの半球パターンと接触する。パターニングされた感光性ポリマーマスク層650は、特定の時間にわたりポリマー材料の融点を超える温度まで加熱される。ポリマー材料が液化状態まで溶融した後、液化材料の表面張力により、滑らかな曲率の表面を有する形状になる。半径Rの丸いベースを有するセルでは、セルの高さが2R/3である場合、リフロープロセス後に半球形/パターンが形成される。
図6Aは、高温リフロープロセスが終わった後の半球パターン660のアレイが統合されたディスプレイパネルを示す。幾つかの実施形態では、マスク層における半球パターンは、方法400で説明した微小レンズの作製方法を含む他の作製方法により形成することもできる。幾つかの他の実施形態では、マスク層における半球パターンは、グレースケールマスクフォトリソグラフィ露出を使用して形成することができる。幾つかの他の実施形態では、マスク層における半球パターンは成形/インプリントプロセスを介して形成することができる。
【0080】
[0089] ステップ510は、半球パターン660をマスクとして使用し、微小レンズ材料層645をエッチングして、微小レンズ材料層645に半球を形成する第3のステップを更に含む。幾つかの例では、微小レンズ材料層645をエッチングすることは、フォトリソグラフィプロセスによる。幾つかの例では、微小レンズ材料層645をエッチングすることは、
図6Aに示すように、プラズマエッチングプロセス635等のドライエッチングによる。幾つかの実施形態では、微小レンズ材料層645がエッチングされた後、微小レンズ材料層645は、
図6A~
図6Bに示すように、メサ602Mの上面を露出するまでエッチングされず、それにより、スペーサ670がメサ602Mの上部に形成され、又は
図6Bに示すように、スペーサ670がメサ602Mの上部を覆う。
【0081】
[0090] 方法500は、微小レンズ材料層をパターニングするステップであって、それにより、基板の電極エリア(
図6Bに示さず)を露出させる、パターニングするステップ512を更に含む。幾つかの実施形態では、ステップ512はエッチングステップを含む。幾つかの実施形態では、エッチングステップは、微小レンズ材料の表面にマスクを形成するステップを含む。エッチングするステップは、フォトリソグラフィプロセスを介してマスクをパターニングするステップであって、それにより、マスクに開口部を形成し、メサの電極エリアの上の微小レンズ材料層を露出させる、マスクをパターニングするステップも含む。エッチングするステップは、マスク保護がなされた状態で、露出した微小レンズ材料層をエッチングするステップを更に含む。幾つかの実施形態では、露出した微小レンズ材料層はウェットエッチング法によってエッチングされる。幾つかの実施形態では、電極の開口部はディスプレイアレイエリア外に位置決めされる。
【0082】
[0091] 上述したように、
図1、4、5、6A及び6Bは、微小レンズアレイが統合されたディスプレイパネルを形成する種々の作製方法を示す。これらは例にすぎず、他の作製技法を使用することも可能なことを理解されたい。
【0083】
[0092] 詳細な説明は多くの細部を含むが、これらは本発明の範囲の限定として解釈されるべきではなく、単に本発明の異なる例及び態様を示すものとして解釈されるべきである。本発明の範囲が詳細に上述していない他の実施形態を含むことを理解されたい。例えば、正方形のベース又は他の多角形のベース等の異なる形状のベースを有する微小レンズを使用することも可能である。添付の特許請求の範囲に規定される本発明の趣旨及び範囲から逸脱せずに、当業者に明らかになる種々の他の修正、変更、及び変形を本明細書に開示する本発明の方法及び装置の配置、動作、及び細部に行い得る。したがって、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲及びその法的均等物によって決められるべきである。
【0084】
[0093] 更なる実施形態は、種々の他の実施形態と結合又は他の方法で再構成される
図1、2A、2B、3A、3B、4、5、6A及び6Bに示す実施形態を含む上記実施形態の種々のサブセットも含む。
【0085】
[0094]
図7は、幾つかの実施形態による微小LEDディスプレイパネル700の上面図である。ディスプレイパネル700は、データインターフェース710、制御モジュール720、及びピクセル領域750を含む。データインターフェース710は、表示する画像を定義するデータを受信する。このデータのソース及びフォーマットは用途に応じて様々である。制御モジュール720は、入力データを受信し、ディスプレイパネルのピクセルを駆動するのに適した形態に変換する。制御モジュール720は、受信したフォーマットをピクセル領域750に適切なフォーマットに変換するデジタル論理及び/又は状態機械、シフトレジスタ又はデータを記憶、転送する他のタイプのバッファ及びメモリ、デジタル/アナログ変換器及びレベルシフタ、及びクロック回路を含む走査コントローラを含み得る。
【0086】
[0095] ピクセル領域750は、ピクセルを含むメサのアレイ(
図7のLED734とは別個には示されていない)を含む。ピクセルは、例えば上述したようにピクセルドライバと一体化された単色又はマルチカラーLED734などの微小LEDを含む。微小レンズのアレイ(
図7のLED734とは別個には示されていない)が、メサのアレイの上部を覆っている。この例では、ディスプレイパネル700はカラーRGBディスプレイパネルである。ディスプレイパネルは赤、緑、青のピクセルを含む。各ピクセル内で、LED734はピクセルドライバにより制御される。ピクセルは、先に示した実施形態によれば、供給電圧(図示せず)に、そして接地パッド736を介して接地に接触し、また制御信号にも接触している。
図7には示していないが、LED734のp電極と駆動トランジスタの出力とは電気的に接続されている。LED電流駆動信号接続(LEDのp電極とピクセルドライバの出力との間)、接地接続(n電極とシステム接地との間)、供給電圧Vdd接続(ピクセルドライバのソースとシステムVddとの間)、及びピクセルドライバのゲートへの制御信号接続は、種々の実施形態によりなされる。本明細書に開示される微小レンズアレイのいずれも、微小LEDディスプレイパネル700と共に実装できる。
【0087】
[0096]
図7は代表的な図にすぎない。他の設計も明らかであろう。例えば、色は赤、緑、及び青である必要はない。列又は縞に配置される必要もない。一例として、
図7に示すピクセルの正方形行列の配置から離れて、ピクセルの六角形行列の配置を使用して、ディスプレイパネル700を形成することもできる。
【0088】
[0097] 幾つかの用途では、ピクセルの完全にプログラマブルな矩形アレイは必要ない。本明細書に記載のデバイス構造を使用して、多種多様な形状及びディスプレイを有する他の設計のディスプレイパネルを形成することもできる。一クラスの例は、看板及び自動車を含む特殊用途である。例えば、複数のピクセルを星又は螺旋の形状に配置して、ディスプレイパネルを形成し得、LEDをオンオフすることによりディスプレイパネル上に異なるパターンを生成することができる。別の特殊な例は、自動車のヘッドライト及びスマート照明であり、これらでは特定のピクセルが一緒にグループ化されて、種々の照明形状を形成し、LEDの各グループは、個々のピクセル駆動回路によってオンオフ又は他の方法で調節することができる。
【0089】
[0098] 各ピクセル内のデバイスの横方向配置さえも変更することができる。
図6A及び6Bでは、LED及びピクセル駆動回路は垂直に配置され、すなわち、各LEDは対応するピクセル駆動回路の上部に配置される。他の配置も可能である。例えば、ピクセル駆動回路はLEDの「後方」、「前方」、又は「横」に配置することもできる。
【0090】
[0099] 異なるタイプのディスプレイパネルを作製することができる。例えば、ディスプレイパネルの解像度は通常、8×8から3840×2160の範囲であることができる。一般的なディスプレイ解像度には、解像度320×240及びアスペクト比4:3を有するQVGA、解像度1024×768及びアスペクト比4:3を有するXGA、解像度1280×720及びアスペクト比16:9を有するD、解像度1920×1080及びアスペクト比16:9を有するFHD、解像度3840×2160及びアスペクト比16:9を有するUHD、並びに解像度4096×2160を有する4Kがある。サブミクロン以下から100mm超の範囲の広く様々なピクセルサイズが存在することもできる。全体表示領域のサイズも広く様々であることができ、数十μm以下という小さな対角線から数百インチ超と様々である。
【0091】
[00100] 異なる用途は、光学輝度及び視野角について異なる要件も有する。用途例には、直視型表示画面、ホーム/オフィスプロジェクタ及びスマートフォン、ラップトップ、ウェアラブル電子機器、AR及びVR眼鏡等のポータブル電子機器、並びに網膜投影のライトエンジンがある。消費電力は、網膜プロジェクタの数ミリワットから大型画面屋外ディスプレイ、プロジェクタ、及びスマート自動車ヘッドライトでの数キロワットまで、様々であることができる。フレームレートに関しては、無機LEDの高速応答(ナノ秒)に起因して、フレームレートはKHz、更には低解像度でMHzであることができる。
【0092】
【0093】
[00102] 詳述した説明は多くの詳細を含むが、これらは本発明の範囲の限定として解釈されるべきではなく、単に本発明の異なる例及び態様の例示的なとして解釈されるべきである。本発明の範囲が詳細に上述していない他の実施形態を含むことを理解されたい。例えば、上述した手法は、LED及びOLED以外の機能デバイスのピクセル駆動回路以外の制御回路との統合に適用することもできる。非LEDデバイスの例には、垂直キャビティ面発光レーザ(VCSEL)、光検出器、微小電子機械システム(MEMS)、シリコンフォトニックデバイス、パワー電子デバイス、及び分布フィードバックレーザ(DFB)がある。他の制御回路の例には、電流駆動回路、電圧駆動回路、トランスインピーダンス増幅器、及び論理回路がある。
【0094】
[00103] 開示する実施形態の上記説明は、当業者が本明細書に記載の実施形態及びその変形を作成又は使用できるようにするために提供される。これらの実施形態への種々の修正が当業者には容易に明らかになり、本明細書に定義される一般原理は、本明細書に開示される趣旨の精神又は範囲から逸脱せずに他の実施形態に適用し得る。したがって、本開示は、本明細書に示される実施形態に限定されることは意図されず、以下の特許請求の範囲並びに本明細書に開示される原理及び新規特徴と一貫する最も広い範囲に従うべきである。
【0095】
[00104] 本発明の特徴は、本明細書に提示した任意の特徴を事項するように処理システムをプログラムするのに使用することができる命令が表面/内部に記憶された記憶媒体(メディア)又はコンピュータ可読記憶媒体(メディア)等のコンピュータプログラム製品で、コンピュータプログラム製品を使用して、又はコンピュータプログラム製品の助けを用いて実施することができる。記憶媒体は、限定ではなく、DRAM、SRAM、DDR RAM、又は他のランダムアクセス固体状態メモリデバイス等の高速ランダムアクセスメモリを含むことができ、1つ又は複数の磁気ディスク記憶装置、光ディスク記憶装置、フラッシュメモリデバイス、又は他の不揮発性固体状態記憶装置等の不揮発性メモリを含み得る。メモリは任意選択的に、CPUからリモートに配置された1つ又は複数の記憶装置を含む。メモリ又は代替的にはメモリ内の不揮発性メモリ装置は、非一時的コンピュータ可読記憶媒体を含む。
【0096】
[00105] 任意の機械可読媒体(メディア)に記憶される場合、本発明の特徴は、処理システムのハードウェアを制御し、処理システムが本発明の結果を利用して他のメカニズムと対話できるようにするために、ソフトウェア及び/又はファームウェアに組み込むことができる。そのようなソフトウェア又はファームウェアは、限定ではなく、アプリケーションコード、デバイスドライバ、オペレーティングシステム、及び実行環境/コンテナを含み得る。
【0097】
[00106] 用語「第1の」、「第2の」等が、種々の要素の記述に本明細書で使用されていることがあるが、これらの要素又はステップがこれらの用語によって限定されるべきではないことが理解されよう。これらの用語は、ある要素又はステップを別の要素又はステップから区別するためだけに使用される。
【0098】
[00107] 本明細書で使用される用語は特定の実施形態を説明することのみを目的とし、特許請求の範囲を限定することを意図しない。実施形態の説明及び添付の特許請求の範囲で使用されるとき、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈により明らかに別段のことが示される場合を除き、複数形も同様に含むことが意図される。用語「及び/又は」が本明細書で使用されるとき、関連する列記された項目の1つ又は複数のありとあらゆる可能な組合せを指し、包含することも理解されよう。用語「含む」及び/又は「含み」が本明細書で使用されるとき、述べられた特徴、完全体、ステップ、動作、要素、及び/又は構成要素の存在を指定するが、1つ又は複数の他の特徴、完全体、ステップ、動作、要素、構成要素、及び/又はそれらの群の存在又は追加を除外しないことが更に理解されよう。
【0099】
[00108] 本明細書で使用されるとき、用語「場合」は、文脈に応じて、述べられた前提条件が真である「とき」又は真「であると」又は真であるとの「判断に応答して」又は真であるとの「判断に従って」又は真であることの「検出に応答して」を意味するものと解釈し得る。同様に、句「[述べられた前提条件が真であると]判断される場合」又は「[述べられた前提条件が真である]場合」又は「[述べられた前提条件が真である]とき」は、文脈に応じて、述べられた前提条件が真である「と判断されると」又は真であるとの「判断に応答して」又は真であるとの「判断に従って」又は真であると「検出されると」又は真であるとの「検出に応答して」を意味するものと解釈し得る。
【0100】
[00109] 説明を目的とした上記説明は、特定の実施形態を参照して説明されている。しかしながら、上記の例示的な論考は、網羅的である、又は開示される厳密な形態に特許請求の範囲を限定する意図はない。上記教示に鑑みて多くの修正及び変形が可能である。実施形態は、動作の原理及び実際用途を最良に説明し、それにより当業者ができるようにするために選ばれ説明された。
【国際調査報告】