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特表2022-550275動力ツールのための使い捨て滅菌カバーシステム、部品、及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-01
(54)【発明の名称】動力ツールのための使い捨て滅菌カバーシステム、部品、及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 50/10 20160101AFI20221124BHJP
   A61B 17/16 20060101ALI20221124BHJP
   A61B 17/14 20060101ALI20221124BHJP
【FI】
A61B50/10
A61B17/16
A61B17/14
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022516724
(86)(22)【出願日】2020-10-02
(85)【翻訳文提出日】2022-03-14
(86)【国際出願番号】 CA2020051318
(87)【国際公開番号】W WO2021062548
(87)【国際公開日】2021-04-08
(31)【優先権主張番号】62/909,441
(32)【優先日】2019-10-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522102619
【氏名又は名称】アービュタス、メディカル、インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】ARBUTUS MEDICAL INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100130719
【弁理士】
【氏名又は名称】村越 卓
(72)【発明者】
【氏名】マイケル、カンシッラ
(72)【発明者】
【氏名】フェディヤ、ムラブディック
(72)【発明者】
【氏名】クリス、ブハトラ
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160LL01
4C160LL09
(57)【要約】
ここで開示される例示実施形態は、動力ツール用の使い捨てカバーシステム、並びにカバー、部品、及び方法を包含する。使い捨てカバーシステムは、動力ツールを受け入れる内部空洞を定めるカバーと、動力ツールからの動きをカバーの外側への伝えるパススルーが貫通して拡張可能なアパーチャ開口部と、を含みうる。アパーチャ開口部を囲むカバーの一部を、例えば第1及び第2の圧縮性部材の間に捕らえることは、アパーチャ開口部の周りにシールを形成しうる。パススルーを含む伝達部品、カバーを伝達部品に適合させるアダプター、アパーチャ開口部を作る複数部分デバイス、及び関連の方法も開示される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
動力ツールのための使い捨てカバーシステムであって、
滅菌外面を有するカバーであって、前記カバーは、内部空洞と、オープニング開口部であって当該オープニング開口部を介して前記動力ツールが前記内部空洞に挿入可能であるオープニング開口部と、アパーチャ開口部であって前記動力ツールによって生み出される動きを前記内部空洞の内側から前記カバーの外側に伝えるためのパススルーが当該アパーチャ開口部を介して延在可能であるアパーチャ開口部と、を定める、カバーと、
前記オープニング開口部を閉じるための閉鎖機構と、
前記アパーチャ開口部を囲む圧縮性ガスケットと、
を備える使い捨てカバーシステム。
【請求項2】
前記圧縮性ガスケットは、前記カバーに取り付けられる請求項1に記載の使い捨てカバーシステム。
【請求項3】
前記カバーは、前記圧縮性ガスケットを含む請求項1に記載の使い捨てカバーシステム。
【請求項4】
前記圧縮性ガスケットは、前記カバーの前記滅菌外面に配置される滅菌圧縮性ガスケットを含む請求項1~3のいずれか一項に記載の使い捨てカバーシステム。
【請求項5】
前記アパーチャ開口部を囲み、前記内部空洞の内側の前記カバーの内面に配置される、更なる圧縮性ガスケットを更に備える請求項4に記載の使い捨てカバーシステム。
【請求項6】
前記圧縮性ガスケットは、前記アパーチャ開口部において軸方向に延びる請求項1~3のいずれか一項に記載の使い捨てカバーシステム。
【請求項7】
前記圧縮性ガスケットは、前記アパーチャ開口部から前記カバーの前記滅菌外面に沿って半径方向に更に延びる請求項6に記載の使い捨てカバーシステム。
【請求項8】
前記圧縮性ガスケットは、前記アパーチャ開口部から前記内部空洞の内側の前記カバーの内面に沿って半径方向に更に延びる請求項6又は7に記載の使い捨てカバーシステム。
【請求項9】
前記閉鎖機構は前記カバーに取り付けられる請求項1に記載の使い捨てカバーシステム。
【請求項10】
前記カバーは前記閉鎖機構を含む請求項1に記載の使い捨てカバーシステム。
【請求項11】
前記閉鎖機構は、前記オープニング開口部を恒久的に閉鎖するように配置されている請求項1~10のいずれか一項に記載の使い捨てカバーシステム。
【請求項12】
前記閉鎖機構は、封止フラップ及び接着バンドを含む請求項1~11のいずれか一項に記載の使い捨てカバーシステム。
【請求項13】
前記封止フラップは、前記接着バンドに向けての前記封止フラップの折り曲げを容易にするためのタブを備える請求項12に記載の使い捨てカバーシステム。
【請求項14】
前記カバーの一部を前記動力ツールの形状に適合させるように動作可能なカバー適合機構を更に備える請求項1~13のいずれか一項に記載の使い捨てカバーシステム。
【請求項15】
前記カバー適合機構は前記カバーに取り付けられる請求項14に記載の使い捨てカバーシステム。
【請求項16】
前記カバーは前記カバー適合機構を含む請求項14に記載の使い捨てカバーシステム。
【請求項17】
前記カバー適合機構はストラップを含む請求項14~16のいずれか一項に記載の使い捨てカバーシステム。
【請求項18】
前記ストラップは取り外し可能端部を含み、当該取り外し可能端部は、前記カバーから取り外されるように、前記カバーの部分に巻き付けられるように、及び前記カバーの部分を前記動力ツールの形状に適合させるように前記カバーに再び取り付けられるように動作可能である請求項17に記載の使い捨てカバーシステム。
【請求項19】
前記ストラップの前記取り外し可能端部は、接着層を含み、非接着性のバッキング層によって前記カバーに取り付けられる請求項18に記載の使い捨てカバーシステム。
【請求項20】
前記カバーは、2mm以下の幅を有する継ぎ目を含む請求項1~19のいずれか一項に記載の使い捨てカバーシステム。
【請求項21】
前記カバーの2つ以上の異なる部分が異なる数の層を含む請求項1~20のいずれか一項に記載の使い捨てカバーシステム。
【請求項22】
前記動力ツールのトリガーエリアに隣り合って配置される前記カバーのトリガー部分は、前記カバーの他の部分よりも触知可能性が高い請求項1~21のいずれか一項に記載の使い捨てカバーシステム。
【請求項23】
前記カバーの前記滅菌外面及び前記カバーの内面の一方又は両方は、抗菌性コーティングを含む請求項1に記載の使い捨てカバーシステム。
【請求項24】
前記カバーは、前記動力ツールを操作する方法を表す1つ以上のマークを含む請求項1~23のいずれか一項に記載の使い捨てカバーシステム。
【請求項25】
空気が前記内部空洞から前記カバーの外側へ通るのを許容する逆止弁を更に備える請求項1~24のいずれか一項に記載の使い捨てカバーシステム。
【請求項26】
前記逆止弁はフィルタを含む請求項25に記載の使い捨てカバーシステム。
【請求項27】
前記カバーは前記逆止弁を含む請求項25又は請求項26に記載の使い捨てカバーシステム。
【請求項28】
動力ツールからの動きを滅菌バリアを介して伝えるための伝達部品であって、
前記滅菌バリアの第1の側に配置される第1の部分と、
前記第1の側と反対側の前記滅菌バリアの第2の側に配置される第2の部分であって、前記第1の部分と前記第2の部分との間に前記滅菌バリアの一部を捕らえて前記滅菌バリアにおいてアパーチャ開口部の周りにシールを形成するように、前記第2の部分が前記第1の部分と結合可能である、第2の部分と、
前記第1の部分、前記第2の部分、又は前記第1の部分及び前記第2の部分の両方に結合される可動部品であって、前記アパーチャ開口部を通って延び、前記動力ツールに結合されて前記動力ツールによって生み出される動きを前記滅菌バリアを介して伝える可動部品と、
を備える伝達部品。
【請求項29】
前記第1の側及び前記第2の側でそれぞれ前記滅菌バリアの部分に係合して前記滅菌バリアの部分を圧縮するように前記第1の部分は第1圧縮面を含み且つ前記第2の部分は第2圧縮面を含み、前記シールは、前記第1圧縮面と前記第2圧縮面との間の圧縮シールを含む請求項28に記載の伝達部品。
【請求項30】
前記第1圧縮面における圧縮性ガスケットと、
前記第2圧縮面における圧縮性ガスケットと、
のうちの一方又は両方を更に含む、請求項29に記載の伝達部品。
【請求項31】
前記滅菌バリアの部分は、前記第1圧縮面と前記第2圧縮面との間での圧縮のための圧縮性ガスケットを備える請求項29に記載の伝達部品。
【請求項32】
前記第1の部分及び前記第2の部分は、前記第2の部分を前記第1の部分に結合するためのネジ式結合、圧入結合、マグネット結合、バヨネット結合、クリップ保持結合、バネ荷重ボール結合、バネ荷重バー結合、バネ荷重ピン結合、又はバネ保持結合のそれぞれの協働部品を含む請求項28~31のいずれか一項に記載の伝達部品。
【請求項33】
前記動きは、前記動力ツールによって生み出される回転運動を含み、前記可動部品は、1つ以上のベアリング又はブッシングを介して、前記第1の部分、前記第2の部分、又は前記第1の部分及び前記第2の部分の両方に結合される請求項28~32のいずれか一項に記載の伝達部品。
【請求項34】
前記動きは、前記動力ツールによって生み出される直線運動を含み、前記可動部品は、1つ以上のベアリング、ブッシング、又はダイヤフラムを介して、前記第1の部分、前記第2の部分、又は前記第1の部分及び前記第2の部分の両方に結合される請求項28~32のいずれか一項に記載の伝達部品。
【請求項35】
前記動きは、回転振動運動及び直線振動運動のうちの1つ以上を含む請求項28~32のいずれか一項に記載の伝達部品。
【請求項36】
前記動きは、前記動力ツールによって生み出される1つのタイプの動きを含み、
前記伝達部品は、前記1つのタイプの動きを別のタイプの動きに変換する機構を含む、請求項28~32のいずれか一項に記載の伝達部品。
【請求項37】
滅菌バリアを、動力ツールからの動きを前記滅菌バリアを介して伝えるように構成される伝達部品に適合させるアダプターであって、
前記滅菌バリアの第1の側に配置される第1の部分と、
前記第1の側と反対側の前記滅菌バリアの第2の側に配置される第2の部分であって、前記第1の部分と前記第2の部分との間に前記滅菌バリアの一部を捕らえて圧縮し、前記滅菌バリアにおけるアパーチャ開口部の周りに圧縮シールを形成するように、前記第2の部分が前記第1の部分と結合可能である、第2の部分と、
を備えるアダプター。
【請求項38】
前記第1の部分及び前記第2の部分の一方又は両方は、前記アパーチャ開口部を通って延び且つ前記第2の部分を前記第1の部分に結合するための管状シャフトを含む請求項37に記載のアダプター。
【請求項39】
前記第1の側及び前記第2の側でそれぞれ前記滅菌バリアの部分に係合して前記滅菌バリアの部分を圧縮するように、前記第1の部分は第1の表面を含み且つ前記第2の部分は第2の表面を含む請求項37又は請求項38に記載のアダプター。
【請求項40】
前記第1の表面における圧縮性ガスケットと、
前記第2の表面における圧縮性ガスケットと、
のうちの一方又は両方を更に含む請求項39に記載のアダプター。
【請求項41】
前記滅菌バリアの部分は、前記第1の部分と前記第2の部分との間での圧縮のための圧縮性ガスケットを含む請求項37~39のいずれか一項に記載のアダプター。
【請求項42】
前記第1の部分及び前記第2の部分は、前記第2の部分を前記第1の部分に結合するためのネジ式結合、圧入結合、マグネット結合、バヨネット結合、クリップ保持結合、バネ荷重ボール結合、バネ荷重バー結合、バネ荷重ピン結合、又はバネ保持結合のそれぞれの協働部品を含む請求項37~41のいずれか一項に記載のアダプター。
【請求項43】
前記第2の部分を前記第1の部分に結合するための1つ以上の留め具を更に備える請求項37~41のいずれか一項に記載のアダプター。
【請求項44】
前記第1の部分及び前記第2の部分の一方又は両方は、前記第2の部分を前記第1の部分と結合するのを補助するための隆起部を有する外側リムを含む請求項37~43のいずれか一項に記載のアダプター。
【請求項45】
前記第1の部分及び前記第2の部分の一方又は両方は、前記伝達部品と結合するための結合構造体を含む請求項37~44のいずれか一項に記載のアダプター。
【請求項46】
前記伝達部品と結合するための結合構造体を更に備える請求項37~44のいずれか一項に記載のアダプター。
【請求項47】
滅菌バリアの第1の側に配置される第1の部分と、
前記第1の側と反対側の前記滅菌バリアの第2の側に配置される第2の部分であって、前記滅菌バリアにアパーチャ開口部を作るように、且つ、前記第1の部分と前記第2の部分との間で前記滅菌バリアの一部を捕らえて前記アパーチャ開口部の周りにシールを形成するように、前記第2の部分が前記第1の部分と結合可能である、第2の部分と、
を備える複数部分デバイス。
【請求項48】
前記第1の部分及び前記第2の部分の一方又は両方は、前記アパーチャ開口部を作るためのカッターを含む請求項47に記載の複数部分デバイス。
【請求項49】
前記カッターは、前記第1の部分及び前記第2の部分が一緒に結合される場合に、前記アパーチャ開口部を作るように構成される請求項48に記載の複数部分デバイス。
【請求項50】
前記第1の部分及び前記第2の部分は、ネジ式結合のそれぞれの協働部品を含み、前記カッターは、前記第1の部分及び前記第2の部分を一緒に結合するための前記第1の部分と前記第2の部分との間の相対的な回転中に前記アパーチャ開口部を作るように構成される請求項49に記載の複数部分デバイス。
【請求項51】
前記第1の側及び前記第2の側でそれぞれ前記滅菌バリアの部分と係合するように前記第1の部分は第1の表面を含み且つ前記第2の部分は第2の表面を含み、前記第1の表面及び前記第2の表面の一方又は両方は、前記滅菌バリアを貫通し且つ前記アパーチャ開口部を作るための突出要素を含む、請求項47に記載の複数部分デバイス。
【請求項52】
前記突出要素は突出リングを含む請求項51に記載の複数部分デバイス。
【請求項53】
前記第1の側及び前記第2の側でそれぞれ前記滅菌バリアの部分と係合し且つ前記滅菌バリアの部分を圧縮するように、前記第1の部分は第1の表面を含み且つ前記第2の部分は第2の表面を含み、前記シールは前記第1の表面と前記第2の表面との間の圧縮シールを含む請求項47~50のいずれか一項に記載の複数部分デバイス。
【請求項54】
第1の表面における圧縮性ガスケットと、
第2の表面における圧縮性ガスケットと、
のうちの一方又は両方を更に含む請求項53に記載の複数部分デバイス。
【請求項55】
前記滅菌バリアの部分は、前記第1の表面と前記第2の表面との間での圧縮のための圧縮性ガスケットを備える請求項53に記載の複数部分デバイス。
【請求項56】
前記第1の部分及び前記第2の部分は、前記第1の部分を前記第2の部分に結合するためのネジ式結合、圧入結合、マグネット結合、バヨネット結合、クリップ保持結合、バネ荷重ボール結合、バネ荷重バー結合、バネ荷重ピン結合、又はバネ保持結合のそれぞれの協働部品を含む請求項47~49、51及び52のいずれか一項に記載の複数部分デバイス。
【請求項57】
前記第1の部分を前記第2の部分に結合するための1つ以上の留め具を更に備える請求項47~49、51及び52のいずれか一項に記載の複数部分デバイス。
【請求項58】
前記第1の部分及び前記第2の部分は、動力ツールからの動きを、前記滅菌バリアを介して伝えるための伝達部品の部分を含む請求項47~57のいずれか一項に記載の複数部分デバイス。
【請求項59】
前記第1の部分及び前記第2の部分は、前記滅菌バリアを伝達部品に適合させるためのアダプターの部分を含み、当該伝達部品は、動力ツールからの動きを、前記滅菌バリアを介して伝えるように構成される請求項47~57のいずれか一項に記載の複数部分デバイス。
【請求項60】
前記第1の部分は、動力ツールに結合されるツールアダプターを含み、前記第2の部分は、前記ツールアダプターに結合されて前記動力ツールからの動きを前記滅菌バリアを介して伝えるための伝達部品を含む請求項47~57のいずれか一項に記載の複数部分デバイス。
【請求項61】
使い捨てカバーのオープニング開口部を、前記使い捨てカバーによって定められる内部空洞に動力ツールを受け入れるように方向付けることであって、前記使い捨てカバーは滅菌外面を含み且つアパーチャ開口部を更に定めることと、
前記動力ツールの駆動部分が前記アパーチャ開口部に隣り合って、前記動力ツールが前記内部空洞の内側にある状態で、前記オープニング開口部を閉じるように閉鎖機構を動作させることと、
前記内部空洞の内側の前記動力ツールをシールするように、前記アパーチャ開口部の周りに圧縮シールを形成することと、
を含む方法。
【請求項62】
前記形成することは、前記アパーチャ開口部を囲む1つ又は複数の圧縮性ガスケットを圧縮することを含む請求項61に記載の方法。
【請求項63】
1つ又は複数の圧縮性ガスケットを前記アパーチャ開口部に隣り合って配置することを更に含む請求項62に記載の方法。
【請求項64】
前記形成することは、前記動力ツールの前記駆動部分に、前記動力ツールからの動きを前記使い捨てカバーを介して伝えるための伝達部品を結合することを含む請求項61~63のいずれか一項に記載の方法。
【請求項65】
前記形成することは、複数部分デバイスの複数部分を一緒に結合して、前記複数部分デバイスの前記部分間に前記使い捨てカバーの一部を捕らえることを含む請求項61~63のいずれか一項に記載の方法。
【請求項66】
前記使い捨てカバーに圧力をかけて、前記内部空洞から前記使い捨てカバーの外側に逆止弁を介して空気を強制的に送り出すことを更に含む請求項61~65のいずれか一項に記載の方法。
【請求項67】
前記動力ツールの前記駆動部分を前記アパーチャ開口部に隣り合わせた状態で、前記動力ツールを前記内部空洞の内側に配置することを更に含む請求項61~66のいずれか一項に記載の方法。
【請求項68】
前記アパーチャ開口部を作ることを更に含む請求項61~67のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年10月2日に出願された「DISPOSABLE STERILE COVER SYSTEM FOR POWER TOOLS」と題された米国仮出願番号62/909,441の優先権を主張するものであり、当該米国仮出願番号62/909,441の内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
分野
ここで記述される技術は、概して、動力ツールのためのカバーに関する。動力ツールは、外科手術における実例応用を有する。本技術の実施形態は、非滅菌動力ツールと滅菌フィールドとの間にバリアを提供することに関係する新規の使い捨て滅菌カバー、カバーシステム、部品、及び方法を含む。
【背景技術】
【0003】
背景
ドリルやノコギリなどの動力ツールは、骨の安定化のため、骨折を修復すること、関節置換術において、関節再建術において、骨除去(骨切り)のためなどの、様々な外科手術に使用される。またドリルは、例えば、ネジやワイヤーを受け入れる穴を骨に開けるために整形外科医によって使われる。手術は滅菌された器具によって行われなければならないため、手術用ドリルなどの手術器具は、滅菌処理に耐えられるように設計される。そのような手術器具は非常に高価でありうる。特殊な手術器具は非常に高価なため、それらは価格が手頃でないかもしれず、外科治療の機会が減るかもしれない。手術が簡単に利用可能な世界の地域では、高価な手術器具が医療費の高騰の原因になりうる。
【0004】
商工業者や一般家庭で使用されるための電池式のポータブルツールは一般的に入手可能であり、専用の手術器具に比べてはるかに安価である。研究は、これらの一般的に利用可能なツールは、手術に必要な性能要件を満たしうるものであり、速度、トルク、重量、人間工学、電気的安全性などの要件を満たしうることを示している。しかしながら、従来の動力ツールは効果的に滅菌することができないため、それらだけでは滅菌手術での使用には適していない。
【0005】
一部の地域は、それらの機器を持って訪問する医療専門家チームによって行われる外科手術に頼っている。また、例えば軍医は、紛争地域の近くや紛争地域において手術チームを派遣する際に、可搬性を求める。これらの2つの例示状況では、専用の手術器具ではなく、携帯用動力ツールを使うことができることは有利である。
【0006】
米国特許第10,405,937号は、複数回の滅菌サイクルに耐えうる動力ツールカバーを記述する。そのようなカバーは再利用可能であり、非常に有用であることが分かっている。
【発明の概要】
【0007】
概要
複数回の滅菌が可能であり且つ再利用可能な動力ツールカバーは有用かもしれないが、代替として、1回の使用に最適化されたカバーシステムを提供することは有益かもしれない。
【0008】
場合によっては、例えば滅菌の手順、滅菌機器の速度、或いは滅菌機器への利便的な利用可能性の欠如は、滅菌を必要とする外科手術や他の処置へのアクセスなどの、ケアへのアクセスを遅らせうる。滅菌性を必要とする施術のための滅菌ツールへのより迅速なアクセスは、有利に働きうる。例えば、滅菌手術器具へのより迅速なアクセスは、自然災害や集団自動車事故などの大規模な因果関係出来事や高度因果関係出来事の最中に、とりわけ有利でありうる。
【0009】
滅菌が必要な手術や他の環境での使用のためのツールへの改善されたアクセスを提供するために、よりコスト効率の高い方法に関する一般的な必要性がある。
【0010】
本開示は、複数の態様又は実施形態を包含する。これらは、以下を含むが、以下に限定されない:
・ 滅菌されたフィールドと滅菌されていない動力ツールとの間に滅菌されたバリアを提供するための実施形態;
・ 動力ツールからの動きをドリルビット、ブレード、又はカバーの外側の他の器具に伝えつつ、カバー内に動力ツールをシールするための実施形態;
・ カバーをシールするための実施形態;
・ カバーをパッケージングするための実施形態;
・ 滅菌されていない動力ツールを滅菌されたカバーの内側に挿入するための実施形態。
【0011】
ここで開示されているそのような実施形態は、カバー、カバーシステム、部品、及び方法を含む。
【0012】
本開示の一態様は、動力ツールのための使い捨てカバーシステムに関する。カバーシステムは、滅菌外面を持ち且つ内部空洞を定めるカバーと、オープニング開口部であって、動力ツールが当該オープニング開口部を通って内部空洞に挿入可能なオープニング開口部と、アパーチャ開口部であって、動力ツールによって生み出される動きを内部空洞の内側からカバーの外側に伝えるパススルー(pass-through)がアパーチャ開口部を通って延びることができるアパーチャ開口部と、を含む。また、カバーシステムは、オープニング開口部を閉じる閉鎖機構と、アパーチャ開口部を囲む圧縮性ガスケットと、を含む。
【0013】
本開示の別の態様は、動力ツールからの動きを、滅菌バリアを介して伝える伝達部品に関する。伝達部品は、滅菌バリアの第1の側に配置される第1の部分と、第1の側とは反対側の滅菌バリアの第2の側に配置される第2の部分と、可動部品と、を含む。第1の部分と第2の部分との間に滅菌バリアの一部を捕らえて、滅菌バリアにおけるアパーチャ開口部の周りにシールを形成するように、第2の部分は第1の部分と結合可能である。可動部品は、第1の部分、第2の部分、又は第1の部分及び第2の部分の両方に結合されて、アパーチャ開口部を通って延び、動力ツールに結合されて、動力ツールによって発生される動きを、滅菌バリアを介して伝える。
【0014】
また、本開示は、一部において、滅菌バリアを伝達部品に適合させるアダプターに関し、当該伝達部品は、動力ツールからの動きを、滅菌バリアを介して伝えるように構成される。アダプターは、滅菌バリアの第1の側に配置される第1の部分と、第1の側とは反対側の滅菌バリアの第2の側に配置される第2の部分と、を含む。第1の部分と第2の部分との間で滅菌バリアの一部を捕らえて圧縮し、滅菌バリアにおけるアパーチャ開口部の周りに圧縮シールを形成するように、第2の部分は第1の部分と結合可能である。
【0015】
本開示の更なる態様による複数部分デバイスは、滅菌バリアの第1の側に配置される第1の部分と、第1の側とは反対側の滅菌バリアの第2の側に配置される第2の部分と、を含む。滅菌バリアにアパーチャ開口部を作り出すように、及び、第1の部分と第2の部分との間に滅菌バリアの一部を捕らえてアパーチャ開口部の周りにシールを形成するように、第2の部分は第1の部分と結合可能である。
【0016】
本開示の更に別の態様は、使い捨てカバーのオープニング開口部を、使い捨てカバーによって定められる内部空洞内に動力ツールを受け入れるように方向付けることであって、使い捨てカバーは、滅菌外面を有し且つさらにアパーチャ開口部を定めることと;動力ツールの駆動部がアパーチャ開口部に隣り合っている状態で、内部空洞内の動力ツールでオープニング開口部を閉じるように閉鎖機構を運転することと;アパーチャ開口部の周りに圧縮シールを形成して内部空洞内の動力ツールをシールすることと、を含む方法に関する。
【0017】
更なる態様及び例示実施形態は、添付の図面に示され及び/又は以下の説明に記載されている。
【図面の簡単な説明】
【0018】
添付の図面は、発明の非限定的な例示実施形態を示す。
図1A図1Aは、例示実施形態による動力ツールシステムの側面図である。
図1B図1Bは、図1Aの動力ツールシステムの分解図である。
図1C図1Cは、図1Aの動力ツールシステムの個々の部品の例の概略図である。
図2A図2Aは、例示実施形態による使い捨てカバーシステムの概略図である。
図2B図2B及び図2Cは、それぞれ、図2Aの使い捨てカバーシステムの左側及び右側から見た図である。
図2C図2B及び図2Cは、それぞれ、図2Aの使い捨てカバーシステムの左側及び右側から見た図である。
図2D図2D~2Fは、更なる例示実施形態による使い捨てカバーの図である。
図2E図2D~2Fは、更なる例示実施形態による使い捨てカバーの図である。
図2F図2D~2Fは、更なる例示実施形態による使い捨てカバーの図である。
図3A図3A~3Eは、カバーの一部が動力ツールシステムの部分間に捕らえられて、カバーにおけるアパーチャ開口部の周りにシールを形成する例示実施形態を概略的に示す。
図3B図3A~3Eは、カバーの一部が動力ツールシステムの部分間に捕らえられて、カバーにおけるアパーチャ開口部の周りにシールを形成する例示実施形態を概略的に示す。
図3C図3A~3Eは、カバーの一部が動力ツールシステムの部分間に捕らえられて、カバーにおけるアパーチャ開口部の周りにシールを形成する例示実施形態を概略的に示す。
図3D図3A~3Eは、カバーの一部が動力ツールシステムの部分間に捕らえられて、カバーにおけるアパーチャ開口部の周りにシールを形成する例示実施形態を概略的に示す。
図3E図3A~3Eは、カバーの一部が動力ツールシステムの部分間に捕らえられて、カバーにおけるアパーチャ開口部の周りにシールを形成する例示実施形態を概略的に示す。
図4A図4Aは、カバーの一部が動力ツールと、動力ツールに結合された例示パススルーとの間に捕らえられた動力ツールシステムを概略的に示す。
図4B図4Bは、図4Aの動力ツールシステムと同様の動力ツールシステムの部分切断図であり、カバーの一部が、動力ツールと、その動力ツールに結合された別の例示パススルーとの間に捕らえられている。
図4C図4Cは、図4Aに示す例示パススルーの斜視図であり、当該例示パススルーはカバーの内部空洞内の動力ツールに結合されうる。
図4D図4Dは、動力ツールに結合されうる例示アダプターの斜視図である。
図5A図5Aは、図4Bに示した例示パススルーの斜視図であり、当該例示パススルーは、カバーの内部空洞内の動力ツールに直接的に結合されうる。
図5B図5Bは、図5Aの例示パススルーの分解図である。
図5C図5Cは、互いに結合されるパススルーの例示の第1の部分と例示の第2の部分との間にカバーの一部が捕らえられる実施形態を概略的に示す。
図6A図6A及び図6Bは、それぞれ、カバーの一部が例示アダプターの部分間に捕らわれている実施形態の斜視図及び側面図である。
図6B図6A及び図6Bは、それぞれ、カバーの一部が例示アダプターの部分間に捕らわれている実施形態の斜視図及び側面図である。
図6C図6Cは、図6A及び図6Bに示されるアダプターの例示ノーズメイト(nose mate)の斜視図である。
図6D図6D及び図6Eは、それぞれ、図6A及び図6Bに示すアダプターの例示ノーズの斜視図及び上面図である。
図6E図6D及び図6Eは、それぞれ、図6A及び図6Bに示すアダプターの例示ノーズの斜視図及び上面図である。
図6F図6Fは、図6A及び図6Bに示したアダプターの分解図である。
図7A図7Aは、別の実施形態による複数部分デバイスの部分の上面図である。
図7B図7B及び図7Cは、それぞれ複数部分デバイスの別の部分の上面図と側面平面図である。
図7C図7B及び図7Cは、それぞれ複数部分デバイスの別の部分の上面図と側面平面図である。
図8A図8Aは、別の実施形態による使い捨てカバーシステムの一部の概略図である。
図8B図8Bは、ユーザの手と、図8Aの使い捨てカバーシステムの一部との間の例示相互作用を示す概略図である。
図9A図9A~9Dは、一実施形態によるカバーシステムの使用を示す図である。
図9B図9A~9Dは、一実施形態によるカバーシステムの使用を示す図である。
図9C図9A~9Dは、一実施形態によるカバーシステムの使用を示す図である。
図9D図9A~9Dは、一実施形態によるカバーシステムの使用を示す図である。
図10A図10A及び図10Bは、例示実施形態によるカバーへのストラップの取り付けを概略的に示す。
図10B図10A及び図10Bは、例示実施形態によるカバーへのストラップの取り付けを概略的に示す。
図11A図11A図11Fは、カバーを折り畳むための例示折り畳み手順を示す。
図11B図11A図11Fは、カバーを折り畳むための例示折り畳み手順を示す。
図11C図11A図11Fは、カバーを折り畳むための例示折り畳み手順を示す。
図11D図11A図11Fは、カバーを折り畳むための例示折り畳み手順を示す。
図11E図11A図11Fは、カバーを折り畳むための例示折り畳み手順を示す。
図11F図11A図11Fは、カバーを折り畳むための例示折り畳み手順を示す。
図12図12は、他の例の動力ツールシステムの概略斜視図である。
図13図13は、図12に示した例示アセンブリの拡大斜視図である。
図14A図14Aは、例示アダプターの斜視図である。
図14B図14Bは、図14Aのアダプターの底面図である。
図14C図14Cは、動力ツールの受け端部部に受け入れ可能なアダプターの端部からの図14Aのアダプターの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
詳細な説明
以下の説明を通して、発明の例示実施形態のより詳細な理解を提供するために、具体的な詳細が例示的に示されて提供されている。しかしながら、発明の実施形態は、これらの詳細がなくても実施されうる。他の例では、発明の実施形態を不必要に不明瞭にすることを避けるために、周知の要素を詳細に示したり説明したりしていない。したがって、明細書及び図面は、制限的な意味ではなく、例示的なものと捉えられるべきである。
【0020】
外科処置は、典型的には、滅菌された環境すなわち「フィールド」内での患者に対する手術を要する。そうしないと、患者が手術部位の感染や骨髄炎などの術後の副作用を経験する可能性が増大する。
【0021】
場合によっては、例えば外科医、手術室看護師及び麻酔科医を含む医療専門家のチームが、地域に出向いて、1日、1週間、数週間、或いは他の期間にわたって一連の必要な外科手術を行うこともある。例えば上記米国特許第10,405,937号の元になっている国際PCT出願第PCT/CA2015/050290号に記載されているように、非滅菌動力ツールは、多数の滅菌サイクルに耐えうる滅菌カバー内にその非滅菌ツールを挿入することによって、外科処置のために使用されうる。そのようなカバーは、様々な外科手術の間に滅菌されうる。或いは、チームは各処置のために別の滅菌済みカバーを運んでもよい。再利用可能なカバーによって、使用済みのカバーは、典型的には、滅菌及び再利用のためにチームによって返却される。
【0022】
本開示の一態様は、非滅菌動力ツールを囲むために使用されうる使い捨ての滅菌カバーに関する。そのカバーは比較的安価に製造されうる。またそのカバーは、使い捨てパッケージにコンパクトにパッケージ化されうる。そのパッケージはカバーの滅菌性を維持する。滅菌されていないツールは、素早くカバー内に挿入されうる。外科手術の後、そのツールはカバーから出されてもよく、そのカバーは廃棄されてもよい。
【0023】
図1Aは、一実施形態による例示動力ツールシステム10を示す。動力ツールシステム10は、手術に使用されてもよい。
【0024】
動力ツールシステム10は、市販の動力ドリル、動力ドライバー、ドライバー、往復式のこぎり、又は振動のこぎり(oscillating saw)などの非滅菌動力ツール12を備える。動力ツール12は、性能や安全性などの1つ以上のパラメータに関する目標や要求に関連する特性を持ち、外科手術や他の医療処置に使用するのに適したモデルであるように、選択されうる。
【0025】
また、その例示動力ツールシステム10は、使い捨ての滅菌カバー14を含む。動力ツール12は、使い捨て滅菌カバー14の内部空洞15の内側に配置されうる。カバー14は、滅菌フィールドと動力ツール12との間にバリアを提供する。
【0026】
パススルー16は、カバー14の内側で動力ツール12に結合されていてもよく、またカバー14によって定められる内部空洞15から、カバーの外側へと延びる。パススルー16は、動力ツール12によって生み出された動力又は運動を、カバー14の内部空洞15からカバー14の外側に伝える。その動力又は動きは、例えば、ドリルビット、ノコギリ、他の切断器具、あるいは牽引ピンなどの他のデバイスを操作しうる。
【0027】
図1Bは、例示動力ツールシステム10の分解図である。図1Bは、図1Aの例示動力ツールシステム10を形成するために、図1Bの分解図によって概して示されるやり方で、一緒に組み立てられうる個々の例示部品を概略的に示す。補足すると、図1Aに示された二次カバー18は、図1Bには示されていないことに留意される。ここの他の箇所に開示されているように、二次カバー18の取り付けは、図1Bに示される複数の部品をカバーするためにカバーの複数方向への移動を含みうるものであり、したがって二次カバー18は、図1Bの分解図には示されていない。
【0028】
図1Bの分解図は、例示動力ツールシステム10の様々な部品を、部品を組み立てる準備ができている状態で示しており、一方、図1Cは、そのような部品を、パッケージ化された状態又は保管状態で表す。例えば、パッケージ化された状態又は保管状態で図1Cに示すような個々の部品を参照すると、動力ツールシステムの組み立てに先立って又は組み立て中に、カバー14がパッケージ50から取り外され、カバー及び他の部品が互いに相対的に配向され、図1Bの分解図に示すように一緒に結合されて、例示動力ツールシステム10を使用のために組み立てることになる。
【0029】
動力ツール12は、職人や住宅所有者によって使用されうるタイプの標準的な既製の動力ツールであってもよい。そのようなツールは、例えばDewaltTM、MilwaukeeTM、BoschTM、MakitaTM、RigidTM、Black+TMDecker、及びPanasonicTMなどのブランド名で一般的に入手可能であり及び販売されている。そのような標準的な動力ツールは、特別の目的に作られた手術器具に比べて非常に安価であるが、それでも信頼できるものである。通常の滅菌手順を使ってはそれらは効果的な滅菌ができないという事実とは別に、多くの標準的な動力ツールが、ここに開示されているようなカバーシステムを使用して、例えば電磁干渉の要件を有する手術室などの医療環境での使用に適合させられうる。動力ツール12は、例えば、ドリルやドライバーなどのバッテリー駆動の回転ツールであってもよい。
【0030】
動力ツール12が回転ツールである場合、以下の特性のうち1つ以上が望ましいものとされうる:
・ リーミング(reaming)や穴開けなどの用途に関し、従来の外科用ドリルに匹敵する例えば300~1600rpmの動作速度;
・ 従来の外科用ドリルに匹敵する例えば6~20Nmの動作トルク;
・ 例えば1kg未満の軽量化;
・ 1つ又は複数の目標物理的寸法内の、コンパクトなデザイン;
・ バッテリー駆動;
・ 例えば、定期的な複雑なメンテナンスを必要とする傾向がないこと、特別なメンテナンスをしなくても長期間にわたって確実に動作可能であること、旅行に耐えられること、或いは乱暴な扱いに耐えられることの観点での、堅牢性;
・ 例えば、過度の電磁障害を生み出さないこと、所定の閾値動作温度を超える温度で動作しないこと、電気ショックの過度なリスクに対して患者をさらさないこと、1つ以上の特定の材料で作られること、或いは1つ以上の特定の材料を含まないことなどの、1つ以上の所定の基準を満たすことが求められる医療環境での使用可能性。
【0031】
カバー14は、手術中に動力ツール12を囲うように設計されている。カバー14は、カバーの内部空洞の内側にあるかもしれない非滅菌物質が、滅菌フィールドに入るのを防ぐために使用されうる。カバー14は、更に又は代わりに、カバー14の外側にあるかもしれないバイオ流体などの潜在的にダメージを与えたりや危険性のある液体などの物質が、内部空洞15内に入るのを防ぐために、使用されてもよい。
【0032】
また、カバー14は、少なくとも最初は、動力ツール12の内部空洞への挿入及びパススルー16の動力ツール12への結合を許容するために、内部空洞15へのアクセスを提供する。例示実施形態による使い捨てカバーシステムの概略図である例えば図2Aは、カバー14がオープニング開口部20を含んでいてもよく、当該オープニング開口部20を通じて、動力ツール12が内部空洞15内に挿入されうることを示す。このことは、おそらく、図2Bの図からより明らかである。パススルー16は、図2Cに示す図からより容易に明らかかもしれないように、カバー14のアパーチャ開口部21を通って延びていてもよい。図2Aにおいて、カバー14が、カバーが平らに折り畳まれた場合に明らかなような、横から示される。図2B及び図2Cに示す図は、カバー14が、内部空洞内への動力ツールの挿入のために開かれた場合に、どのように明らかになるかをより接近して表したものである。
【0033】
いくつかの実施形態で提供されうる様々な他の特徴は、図1A~2Cにも示されており、ここでの他の箇所で詳細に説明されている。
【0034】
これらの図面が例示実施形態を示すものであることを認識すべきである。他の実施形態は、示された特徴のすべてを含んでもよいが、必ずしもそうする必要はない。例えば、図2D~2Fは、更なる例示実施形態による使い捨てカバーの図である。図2D~2Fの 図は、他の実施形態で使用されうる又は提供されうる様々な形状及び特徴を説明するための側面プロファイル図である。図2Dは、図2Aに示したカバー14と同様であるが、丸められたコーナーを有するカバー14Aを示す。図2Eに示す例示カバー14Bは、実質的に長方形又は細長い形状を有しており、例えばパワードライバーに適しうる。図2Fでは、例示カバー14Cの全体的な形状が、図2Dにおける例示カバーシステム14のそれと類似しているが、往復式のこぎりなどの異なる形状の動力ツールに対してより適しうる。
【0035】
まず図2Aの21で例示したようなアパーチャ開口部に関連するいくつかの例示特徴を考えると、いくつかの実施形態では、図3Aに概略的に示すように、アパーチャ開口部を囲むカバーの一部を、動力ツールシステムの対向する部分間、対向する表面間、又は対向する圧縮部材間に捕らえることによって、そのようなアパーチャ開口部の周りにシールが形成されうる。例えば、カバー314の一部は、カバーによって定められた内部空洞の内側の第1圧縮部材317Aと、カバー314の外側にある第2圧縮部材317Bと、の間に捕らえられうる。第1圧縮部材317A及び第2圧縮部材317B、ならびにここに開示される他の圧縮部材は、カバーの内側及び外側に配置され又は提供されうる圧縮部材の例である。
【0036】
カバーは、図3A及び他のいくつかの図面には、図1A~2Cにおけるのとは異なる参照番号で示されており、実施形態が必ずしもカバーの特定の特徴に依存しないことを説明する。カバーの様々な実施形態は、同じ、類似した、又は異なる特徴を含みうる。例えば、図1A
2Fに示すカバー14は、アパーチャ開口部21を含み、図3Aのカバー314もアパーチャ開口部321を含むが、これらのカバー14、214は、他の特徴の様々なサブセットを含みうる。より全般的には、1つの実施形態を参照してここに開示されている特徴は、他の実施形態でも提供されうるが、必ずしもそうである必要はない。これは、カバーだけではなく、ここで開示されている他の部分、部品、システム、及び方法にも適用される。
【0037】
圧縮部材317A及び317Bは、いくつかの実施形態では、アパーチャ開口部321の周りに完全に延びるシール領域において、カバー314の一部を圧縮するように構成される。示される例におけるようにカバー314を圧縮部材317A、317B間に捕らえることは、圧縮部材間でカバー314を圧縮し、それによってアパーチャ開口部321の周りに所望のシールを形成する。
【0038】
使用時に、カバー314は、アパーチャ開口部321がシール領域の内側に整列された状態で圧縮部材317A及び317B間に配置され、圧縮部材317A及び317Bは、少なくとも第2圧縮部材317Bとカバー314との間で圧縮シールをもたらすために、互いに向かって移動される。
【0039】
図1Aの例示動力ツールシステム10の動力ツール12のような動力ツールシステムは、好ましくは、例えば、穴開きや破れなどのカバーの滅菌的な侵害があった場合に、操作中に又は異なる操作間でカバーの迅速且つ容易な交換を容易にするように設計されている。図3Aの圧縮部材317A及び317Bのような1つ以上の部品の部分を互いに向けて前進させることでシールをもたらすように、及び、例えばカバーが使用された後に圧縮部材317A及び317Bのような部分を分離することによってカバーを解放するように、様々な機構のいずれかが使用されうる。
【0040】
いくつかのデザインでは、パススルーを動力ツールに結合することで生じる動作によって、圧縮部材317Bは圧縮部材317Aに向けて前進させられてシールを行う。そのような動きは、おそらく、例示動力ツールシステム10の組み立て中にパススルー16が動力ツール12に向かって移動されて結合されるであろう図1Bの分解図から最も明らかになりうる。そのようなデザインでは、例えば図2A及び図2Cに示される、アパーチャ開口部21の周りのカバー14のシールは、パススルー16の動力ツール12に対する結合と同時的且つ自動的に生じる。
【0041】
図3Aを参照すると、いくつかのデザインでは、アパーチャ開口部321の周りのカバー314のシールが、パススルーを動力ツールに結合する前、間又は後に行われうるように、圧縮部材317A及び317Bの一方又は両方がパススルーに対して相対的に移動するように取り付けられている。
【0042】
いくつかのデザインでは、圧縮部材317A及び317Bの一方又は両方は、パススルーが動力ツールに結合される前に、アパーチャ開口部321の周りのカバー314にシールを効かせるために、互いに結合されるように設計されている。そのようなデザインでは、パススルーは、圧縮部材317A及び317Bがアパーチャ開口部321の周りをシールするために互いに結合された後に、圧縮部材317B及び317Aの一方又は両方に分離可能に結合されるように構成されうる。
【0043】
カバー314と係合する圧縮部材317A、317Bの表面などの係合面は、好ましくは滑らかである。さらに、圧縮部材317A、317Bの係合面は平面であってもよい。滑らかな表面、平面、又は滑らかさと平面の両方を備えた表面を持つことは、有利には、圧縮部材317A、317B間でカバー314を圧縮することによって、アパーチャ開口部321の周りに連続的なシールが形成されうる信頼性を高めうる。いくつかの実施形態では、圧縮部材317A及び317Bの一方又は両方の係合面は、アパーチャ開口部321の周りに形成されるシールを改善するために、カバー314をくぼませ、貫通させ、囲み、又はその他の方法で変形させ、係合させ、隣接させ、又は協働するように構成された、突出したリングなどの突出要素を含む。カバーを貫通するように構成された要素は、ここでの他の箇所にさらに詳細に説明されているように、適切又は便利である任意の場所でカバーにアパーチャ開口部を作り出してもよい又は形成してもよい。
【0044】
いくつかの実施形態では、図2A及び2Cにおいて例としてアパーチャ開口部21を取り囲むガスケット22として示されるように、1つ以上のガスケットがカバーにおけるアパーチャ開口部を取り囲む。ガスケットは、圧縮可能な材料で作られていてもよい。ガスケット22などの1つ又は複数のガスケットを捕らえることは、当該1又は複数のガスケットを圧縮することを含みうるものであり、アパーチャ開口部の周りに連続的なシールを形成する可能性を高めうる。例として、図3B~3E が参照される。
【0045】
図3B~3Eに例として示されるように、ガスケットはカバーの両側でアパーチャ開口部を囲みうる。例えば、図3Bを参照すると、ガスケット322Aはカバー314の内側でアパーチャ開口部321を囲んでもよく、別のガスケット322Bはカバー314の外側でアパーチャ開口部321を囲んでもよい。いくつかの実施形態では、カバーシステムは、カバーの内側又は外側で単一のガスケット含む。単一使用のカバーに1つ以上のガスケット を設けることは、常に未使用のガスケットが使用されてカバーにおけるアパーチャ開口部の周りのシールを助けることを保証する。追加として又はその代替として、圧縮部材317A及び317Bの一方又は両方にガスケットが設けられてもよい。より一般的には、ガスケットは、カバーに又はカバーシステム又は動力ツールシステムの1以上の他の部品に取り付けられてもよいし、カバーと又はカバーシステム又は動力ツールシステムの1以上の他の部品と一体化されてもよいし、カバーとは及びカバーシステム又は動力ツールシステムの1以上の他の部品とは別に設けられていてもよい。
【0046】
ガスケットは、又は複数のガスケットが提供される場合には各ガスケットは、いくつかの実施形態において、以下の特性又は特徴のいずれか1つ以上を有してもよい:
・ 独立気泡ポリエチレンフォームによって作られ又は独立気泡ポリエチレンフォームを含む;
・ 例えば、圧縮部材317A、317Bなどの圧縮部材間で、圧縮された場合にシールを形成するのに十分な圧縮抵抗を提供する;
・ 生体適合性がある;
・ 疎水性である;
・ 例えば押し抜き機を使ってシート状の材料から複数のガスケットを打ち抜くことによって、又は成形加工を使うことによって、安価に製造される。
【0047】
いくつかの実施形態では、ガスケットは35mm未満の内径を有する。いくつかの実施形態では、ガスケットは、内径は、20mm~30mmの内径、例えば29.5mmの内径、を有する。いくつかの実施形態では、ガスケットは60mm未満の外径を有する。いくつかの実施形態では、ガスケットは、40mm~55mmの外径、例えば49.5mmの外径を有する。いくつかの実施形態では、ガスケットは10mm未満の厚さである。いくつかの実施形態では、ガスケットは、それが圧縮される前に、5mm~10mmの厚さ、例えば6.4mmの厚さ、である。
【0048】
ガスケットは、図2Cに例示されているように、円形であってもよいが、いくつかの実施形態では非円形のガスケットが使用されうる。ガスケットの形状はアパーチャ開口部の形状に一致してもよい。ガスケットサイズは、更に又はその代わりに、アパーチャ開口部の直径又は寸法に一致するガスケットの内径又は寸法を有する、アパーチャ開口部サイズと関連してもよい。他の実施形態では、ガスケットの内径又は寸法は、アパーチャ開口部の直径又は寸法よりも大きい又は小さい。
【0049】
カバーにおけるアパーチャ開口部は、図2Cに例示されているように、円形であってもよいが、これは必須ではない。いくつかの実施形態では、アパーチャ開口部は35mm未満の直径を有する。いくつかの実施形態では、アパーチャ開口部は15mm~30mmの直径、例えば29.5mmの直径、を有する。いくつかの実施形態では、アパーチャ開口部は押し抜き機でカバーから打ち抜かれる。他の実施形態では、カバーが動力ツールと一緒に使用される場合に、カバーにアパーチャ開口部が作られ又は形成される。
【0050】
複数のガスケットを含む実施形態では、各ガスケット22は同じであってもよいし、或いは異なっていてもよい。
【0051】
ガスケットは、カバーに接着されうる又は別の方法で取り付けられうる。例えば、ガスケットは、両面テープ、適切な接着剤、熱溶着などを使って、カバーに接着されうる。
【0052】
1つ以上のガスケットを含む実施形態において、圧縮部材317A又は317Bを支持する部分、部品又は機構は、圧縮部材が互いに向かって十分に進められる場合に、圧縮部材が距離dだけ互いに離れるように設計されうる。距離dは、アパーチャ開口部を定めるカバーの一部が圧縮部材間で十分に圧縮されてシールするが、過度に圧縮されないのに十分な程度に、小さい。いくつかの実施形態では、距離dは10mm以下である。いくつかの実施形態では、距離dは5mm以下である。いくつかの実施形態では、距離dは1mm以下である。
【0053】
圧縮部材317A、317Bは、動力ツールシステムの様々な部分又は部品のいずれかの1つ又は複数の表面を含みうる。例えば図1Bの分解図を参照すると、圧縮部材は、カバー14の内部空洞の内側に配置されるべき動力ツール12の本体又はパススルー16の1つ又は複数の表面であってもよいし、或いは当該1つ又は複数の表面を含んでもよい。圧縮部材は、パススルーを受けるように構成されたアダプターなどの、ここに開示されている別の動力ツールシステム部品の1つ又は複数の表面であってもよく、或いは当該1つ又は複数の表面を含んでいてもよい。
【0054】
図3B~3Eは、ガスケットを含むいくつかの実施形態を示す。
【0055】
図3Bでは、ガスケット322A、322Bがカバー314の両側に設けられており、圧縮部材317A、317Bによって圧縮されてアパーチャ開口部321の周りに圧縮シールを形成する。この例では、カバー314とガスケット322A、322Bとの両方が、圧縮部材317A、317B間の距離dの範囲内で、圧縮される。
【0056】
図3Cは、ガスケット322C、322Dがカバー314の両側に設けられるが、そのガスケットは図3Bに示す例のようにカバーの表面に沿ってそれほど長くは延びていない実施形態を示す。ガスケット322C、322Dは、圧縮部材317A、317Bによって圧縮されてアパーチャ開口部321の周りに圧縮シールを形成し、図3Bにおけるように、カバー314とガスケットとの両方が圧縮部材317A、317B間の距離dの範囲内で圧縮される。図3Bでは、ガスケット322A、322Bは、少なくとも圧縮される場合、圧縮部材317A、317Bを超えて延びるが、図3Cの322C、322Dのガスケットは、圧縮部材を超えて延びない。
【0057】
更なる例が図3Dに示される。図3Dの例は、図3Dのガスケット322E、322Fのみが圧縮部材317A、317Bによって圧縮されてアパーチャ開口部321の周りに圧縮シールを形成することを除いては、図3Cの例と同様である。この例では、カバー314は圧縮されていない。
【0058】
図3Eに示す例は、ガスケット、又は別個のガスケットが、アパーチャ開口部321において軸方向に延びる実施形態の例である。図3Eでは、そのような軸方向の延びが322G、322Hで示されている。円形のアパーチャ開口部の場合、ガスケットの軸方向の延びは、例えば、管状又は円筒状の構造の形であってもよい。軸方向のガスケットを322A、322Bなどの半径方向に延びるガスケットと組み合わせて使用してもよいし、或いはガスケットが、322G、322Hでの軸方向に延びる部分と322A、322Bでの1つ又は複数の半径方向に延びる部分とを含んでいてもよい。言い換えると、軸方向に延びる部分322G、322Hは、1つ以上の別個のガスケット又は単一ガスケットの異なる部分であってもよいし、当該1つ以上の別個のガスケット又は単一ガスケットの異なる部分を含んでいてもよい。
【0059】
図3Eに示す例では、その1又は複数のガスケット322A、322B、322G、322H及びカバー314は、圧縮部材317A、317Bによって距離dの範囲内に圧縮される。他の実施形態では、圧縮部材317A、317Bは、その1又は複数のガスケット322A、322B、322G、322Hのみを圧縮し、カバー314は圧縮しない。
【0060】
圧縮されていない場合には実質的に平らである圧縮性ガスケットは、圧縮された場合にはカバーのアパーチャ開口部内に軸方向へ延びうる。再び図3Eを参照すると、アパーチャ開口部314がその1又は複数のガスケットのオープニング開口部又はアパーチャ開口部よりも小さい実施形態において、部分322G、322Hは、ガスケットが圧縮された場合に形成されてもよく、或いは複数の圧縮されたガスケットの部分を含んでもよい。そのような実施形態では、その1又は複数のガスケットの圧縮は、その1又は複数のガスケットが少なくとも部分的にアパーチャ開口部314内に延びるような程度にその1又は複数のガスケットを変形させうるものであり、改善されたシールを潜在的に提供する。
【0061】
カバーシステムの様々な実施形態は、図1A図3Eを参照して上述されている。これらの実施形態は、動力ツールのための使い捨てカバーシステムの例示である。そのような使い捨てカバーシステムは、14、314などのカバー又は包囲体を含みうるものであり、当該カバー又は包囲体は、滅菌の外側又は外面を含みうるものであり、動力ツールを受け入れる寸法を有する、15で例示的に示される、カバーの内側の内部空洞を定めうる。またカバーは20などのオープニング開口部を定め、当該オープニング開口部を通じて動力ツールは内部空洞内に挿入可能である。オープニング開口部は、動力ツールの内部空洞内への挿入を許容する寸法を有する。また、カバーは、21、321などのアパーチャ開口部又は第2オープニング開口部を定め、当該アパーチャ開口部又は第2オープニング開口部を通じて、動力ツールにより発生された動きを内部空洞の内側からカバーの外側に伝えるパススルーが、延在可能である。アパーチャ開口部又は第2オープニング開口部は、パススルーが内部空洞内に挿入されること及びパススルーが動力ツールに結合されることを許容する寸法を有する。いくつかの実施形態において、パススルーは、カバー又は包囲体の外側の外側端部を含み、外側端部に対してツール又は器具を結合するように動作可能な結合機構を有する。パススルー16は、パススルーの一例であり、他の例がここで提供される。
【0062】
また、カバーシステムは、オープニング開口部を閉鎖するように配置された閉鎖機構又は閉鎖体と、アパーチャ開口部を囲む圧縮性ガスケットと、を含んでいてもよい。圧縮性ガスケットは、全般的にガスケット22として示されており、追加の例が図3A~3Eに示されている。
【0063】
圧縮性ガスケットは、カバーに取り付けられてもよいし、カバー自体が圧縮性ガスケットを含んでいてもよい。圧縮性ガスケットは、例えばカバーの層間にガスケットを設けることで、カバーと一体化させられてもよい。
【0064】
いくつかの実施形態において、カバーシステムは、図2Aの22で例示したように、カバーの滅菌外面に配置された滅菌の圧縮性ガスケットを含む。さらなる圧縮性ガスケットが、アパーチャ開口部を取り囲むようにして、内部空洞内のカバーの内面に配置されうる。図3B図3Eに示す例は、いずれも、カバー314の反対側面に配置された圧縮性ガスケットを含む。これらの面のうちの1つは内側面であり、他は滅菌外面である。ここでの他の箇所で説明されるように、そのようなガスケットを、例えば第1圧縮部材及び第2圧縮部材間で圧縮することは、アパーチャ開口部の周りにシールを形成する。
【0065】
図3Eに例として示すように、圧縮性ガスケットはアパーチャ開口部の軸方向に延びていてもよい。圧縮性ガスケットは、カバーの滅菌外面に沿ってアパーチャ開口部から半径方向にさらに延びていてもよく、更に又はその代わりに、内部空洞内のカバーの内面に沿ってアパーチャ開口部から半径方向にさらに延びていてもよい。図3Eに一致する実施形態では、単一のガスケットが、アパーチャ開口部321において軸方向に、及び、カバー314の反対側の内面及び外面に沿って半径方向に延びていてもよい。
【0066】
いくつかの実施形態において、パススルーが動力ツールに直接的に結合される。そのような実施形態では、図4A及び図4Bに例として示すように、カバー414の一部、及び図4Bの例に示すように含まれる場合にはガスケット422A、422Bが、カバーによって定められた内部空洞415の内側の動力ツール412の表面413と、カバー414の外側にあるパススルー416A又は416Bの表面419と、の間に捕らえられうる。そのような実施形態において、第1圧縮部材が表面413によって提供されてもよく、第2圧縮部材が表面419によって提供されてもよい。これは、図3B図3Eに示す第1圧縮部材及び第2圧縮部材317A、317Bの1つの可能な実施形態を示す。
【0067】
いくつかの実施形態において、パススルーは、図4A及び4Cにおいてパススルー416Aとして例示されているようであり、当該パススルー416Aは動力ツール412の結合機構に直接的に結合されうる。動力ツール412の動作の軸に対する外側部分432の図示されたオフセットは任意である。オフセットのないパススルーの別の例が、図4Bにおいて416Bで示されている。これらのパススルー416A、416Bの両方が、図1A~1Cにおいてより一般的に示されたパススルー16の例示的且つ非限定的な実施形態を示す。
【0068】
例示「オフセット」パススルー416Aは、動力ツール412の結合機構に結合されうる内側部分430Aを含む。内側部分430Aは、カバー414のアパーチャ開口部を介して内部空洞415内に挿入されうるものであり、動力ツール412の結合機構に結合されうる。内側部分430Aは、動力ツール412に対してパススルー416Aを固定する及び/又は方向付けるように構成されたアンカー部分と、動力ツール412によって発生される動きを内部空洞からアパーチャ開口部を介してカバーの外側に伝えるように構成された回転部分と、を含みうる。いくつかの実施形態において、パススルー416Aのシャフト430’は、図4Dに示す結合機構42などの動力ツール412の結合機構に対して直接的に結合されうる。一旦動力ツール412に結合されると、内側部分430Aは、内部空洞415の内部で動力ツール412によって発生された動力又は運動を、パススルー416Aの外側部分432Aに伝達しうる。
【0069】
さらに、パススルー416Aを動力ツール412に結合することは、カバー414のアパーチャ開口部の周りにシールを形成するように、パススルーの表面419を、動力ツール412の表面413から十分な距離離して、例えば図3A~3Eに示す距離dだけ離して、自動的に配置しうる。内側部分430Aは、ガスケット又はOリング430”を含んでいてもよく、当該ガスケット又はOリング430”は、1つ以上のガスケット422A、422Bと係合可能であり、更に又はその代わりに、カバー414と係合可能であり。ガスケット422A、422B又はOリング430”は、カバー414のアパーチャ開口部の周りに完全なシールが形成されることを保証するのに役立ちうる。
【0070】
内側部分430Aは、動力ツール412との「プッシュ及びクリック」結合機構を形成するように構成されていてもよい。内側部分430Aは、例えば、動力ツール412の結合機構の受け端部内に押し込まれてもよい。動力ツール412の受け端部及び内側部分430Aのいずれか又は両方は、受け端部に対して内側部分430Aを方向付けるように構成されるファセット(facets)、スプライン、隆起部、又は溝などの特徴部を含んでいてもよい。追加的に又は代替的に、動力ツール412の受け端部及び/又は内側部分430Aのいずれか又は両方は、一旦内側部分430Aが受け端部内に所望量だけ挿入されると、受け端部に対してパススルー416Aをロックするように構成される1つ又は複数の特徴部を含んでいてもよい。
【0071】
パススルー416Aを動力ツール412の受け端部内に挿入することは、例えば、受け端部の図4Dに示すピン464などのロックピンを、図4Cに示す斜面431に沿ってスライドさせうる。内側部分430Aが十分に挿入されると、ロックピンが内側部分430Aの凹部434に落ち込むか、強制的に押し込まれうるものであり、それによって動力ツール412の受け端部に対してパススルー416Aを相対的にロックする。いくつかの実施形態において、斜面431は、内側部分430Aが動力ツール412の受け端部に対してロックされる前に、内側部分430Aが受け端部内に押し込まれてねじられる必要があるように構成される。そのようなねじりは、時計回りでも反時計回りであってもよく、あるいは時計回りと反時計回りの両方のねじりを含んでいてもよい。
【0072】
いくつかの実施形態において、内側部分430Aは、図4Dに示す結合機構42として例示されているように、電動スクリュードライバーの形作られた凹部又はチャックなどの動力ツール412の標準的な結合機構に挿入されてもよい。
【0073】
いくつかの実施形態において、パススルー416Aの直接挿入を可能にするように、動力ツール412の結合機構を変更してもよい。
【0074】
いくつかの実施形態において、動力ツール412の結合機構は、目的に応じて作られる手術動力ツールの結合機構と調和するように変更され、手術グレードのツールの動力ツール412に対する直接的な結合を可能にする。いくつかの実施形態において、動力ツール412又はパススルー416Aの結合機構は、HudsonTM、ZimmerTM、StrykerTM、Hall-JacobsTM、AOTM、又はSynthes TMなどの企業から入手可能な市販のツールの直接的な結合を可能にする。
【0075】
いくつかの実施形態において、動力ツール412の結合機構は「オス」タイプのシャフトを含み、内側部分430Aは「メス」タイプの受け端部を含む。いくつかの実施形態において、動力ツール412の結合機構は、パススルー416Aの対応のn-ポイントシャフト(n-point shaft)を受けるように構成されるn-ポイント結合を含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、そのシャフトは六角形の断面を有する。いくつかの実施形態において、そのシャフトは12角形の断面を有する。いくつかの実施形態において、動力ツール412の結合機構は、n-ポイントシャフトを含み、パススルー416は、n-ポイントシャフトを受けるように構成されるn-ポイント凹部を含む。
【0076】
いくつかの実施形態において、アダプターを動力ツール412に結合することによって、動力ツール412の結合機構が変更される。アダプターは、動力ツール412の結合機構に対してパススルー416Aを位置決めするように及び/又は固定するように構成される1つ又は複数の特徴部を含んでいてもよい。
【0077】
図4Dは、動力ツール412に結合された例示アダプター460を示す。図示の実施形態では、動力ツール412は、市販のドライバーである。例示アダプター460は、動力ツール412の上部にわたって位置づけられうる。アダプター460は、好ましくは、動力ツール412に対してしっかりと結合され、例えば非可動式に結合される。例えば、アダプター460は動力ツール412に接着されていてもよい。別の例として、アダプター460は、少なくとも半伸縮性の材料で作られていてもよい。そのような実施形態では、アダプター460の反対側の端部が動力ツール412の一部にわたって引き伸ばされうるものであり、それによってアダプター460が動力ツール412にしっかりと取り付けられる。別の例として、アダプター460は曲げられなくてもよい。いくつかの実施形態において、アダプター460は、動力ツール412に固定されていてもよい。いくつかの実施形態において、アダプター460は、一緒に結合されうる2つの部分を含む。その 2つの部分を一緒に結合することは、例えば、その2つの部分を一緒に接着することによって又はその2つの部分を一緒に留めることによって、アダプター460を動力ツール412に固定しうる。
【0078】
アダプター460は、パススルー416Aの案内突出部461を受けるように構成される1つ以上の凹部462を含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、パススルー416Aは、単一の案内突出部461を含む。いくつかの実施形態において、パススルー416Aは、複数の案内突出部461を含む。アダプター460の対応する凹部462内への突出部461の挿入は、動力ツール412に対してパススルー416Aを所望の方向に位置づけうる。凹部462は、フィレットコーナー(filleted corners)を含んでもよい。そのフィレットは、例えば、突出部461の凹部462内へのより簡単な挿入を促進しうる。いくつかの実施形態において、凹部462は、突出部461の表面と摩擦的に係合するような寸法になっている。突出部461の摩擦係合面は、パススルー416Aの動力ツール412との結合の強度を高めうる。いくつかの実施形態において、凹部462は、アダプター460の表面と、結合機構42などの動力ツール412の既存の結合機構の対向する表面との間に形成される。
【0079】
例示アダプター460は凹部462を含むが、これは必須ではない。いくつかの実施形態では、アダプター460は、パススルー416Aの凹部内に挿入されうる案内突出部を含む。いくつかの実施形態において、アダプター460は、少なくとも1つの凹部と、少なくとも1つの突出部とを含む。
【0080】
パススルーが動力ツール412に結合されている場合のピン464の例えばパススルー416Aの斜面31との係合は、穴434がピン464に近接するまで、ピン464を押圧する。穴434がピン464の上方に位置づけられると、ピン464は穴434内に延在しうるものであり、それによって動力ツール412に対してパススルーを固定する。いくつかの実施形態において、ピン464は、半径方向内側にバネ荷重がかけられ又はその他の方法でバイアスがかけられる。
【0081】
パススルー416は、ピン464の穴434との結合を解除してパススルー416Aを動力ツール412及びアダプターに対して外側に引っ張ることによって、動力ツール412から結合が解除されうる。アダプター460は、例えば、ピン464の穴434との結合を解除するように構成されるリリース機構465を含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、リリース機構465を押圧することはピン464が後退させ、それによってパススルー416Aが動力ツール412から切り離されることを可能にする。いくつかの実施形態において、リリース機構465は、パススルーの偶発的な切り離しを防止するように、アダプター460の周囲部分に対して凹んでいる。
【0082】
アダプター460の表面413は、アダプター460の外縁に対して凹んでいてもよい。窪んだ表面413を設けることで、ガスケット422A、ここでの他の箇所に記載されているノーズメイト、又は他の部分又は部品をアダプター460と位置合わせすることが補助されうるものであり、カバー414のアパーチャ開口部の周りに完全なシールを形成することができる信頼性が潜在的に向上する。
【0083】
パススルー416Aの外側部分432Aには、例えば、ドリルビット、のこぎり、ワイヤー、リーマー(reamer)、又は牽引ピンなどのツールが結合されていてもよい。ツールの一例が図1Aにおいて35で示される。好ましくは、外科手術中に様々なツールを簡単に外側部分に対して結合したり結合解除したりしうる。
【0084】
パススルー416Aの外側部分432Aは、パススルーを、動力ツール412によって駆動されるツールに対して解放可能に結合するためのチャック又は同様の機構を含みうる。例えば、図1Aを参照すると、チャックが33で示されている。チャック33を締めることで、パススルー16の外側部分32にツール35を結合しうる。チャック33を緩めることで、ツール35が、パススルー16の外側部分32から結合解除されてもよい。別の例として、パススルー16の外側部分32は、特定の断面を有する凹部又はガイド機能を有していてもよい。ツール35のオスはめ合わせ端部(male mating end)は、一致する断面を有していてもよい。そのオスはめ合わせ端部を凹部に挿入することで、ツール35をパススルー16の外側部分32に結合させうる。いくつかの実施形態において、ツール35はメスはめ合わせ端部を有し、当該メスはめ合わせ端部は、外側部分32のオス受けシャフト上に押し込まれうる。
【0085】
パススルー16の外側部分32に結合される様々なツール35は、作動させられ様々なタイプの動きを必要としうる。例えば、ドリルビットは、外側部分32を回転させる必要がありうる。対照的に、往復式のこぎりブレードは、外側部分32の往復直線運動又は往復環状運動を必要としうる。パススルー16の様々な実施形態は、パススルー16の外側部分32に結合されるツール35のタイプと、カバー14の内側に設けられる動力ツールのタイプと、に基づいて使用されうる。パススルー16のいくつかの実施形態は、回転運動を外側部分32に伝える。
【0086】
パススルー16のいくつかの実施形態は、動力ツール12によって発生される回転運動を直線運動に変換する。往復直線運動を実現するには、多種多様な機構のうちのいずれが設けられてもよい。例えば、パススルー16は、スライダークランク機構、カム・アンド・フォロワー(cam and follower)機構、ウォブルプレート(wobble plate)機構、反転ネジ機構、或いは回転運動を往復直線運動に変換するための他の任意の既知の機構を含んでいてもよい。
【0087】
パススルー16のいくつかの実施形態は、内側部分から外側部分32に直線的な動きを伝える。例えば、パススルー16は、自由に往復運動するシャフトを含みうる。そのシャフトは、パススルー16のリニアベアリング又はブッシュにおいてスライド移動してもよいし、更に又は代わりに所望の又は必要な程度の直線運動を許容するダイヤフラムに接続されてもよい。
【0088】
いくつかの実施形態において、パススルー16は、例えば、往復式のこぎりのための振動直線運動を伝える。いくつかの実施形態において、パススルー16は、例えば振動のこぎり/矢状のこぎり(oscillating/sagittal saw)のために又は、TPLO(Tibial Plateau Leveling Osteotomy)のこぎりのために、振動円運動を伝える。
【0089】
いくつかの実施形態において、パススルー16は、ユニバーサルな動力伝達部品又は運動伝達部品である。「ユニバーサル」とは、2つ以上の異なる種類の動きをパススルー16の外側部分に伝えるように、単一のパススルー16が外科手術中に使われうることを意味する。いくつかのそのような実施形態において、パススルー16は、内側部分の回転運動が外側部分に伝えられる第1モードと、内側部分の回転運動が直線運動又は横方向運動に変換される第2モードとの間で切り替えられてもよい。例えば、そのようなパススルー16のモードは、例えばパススルー16におけるダイヤルを回したり、スイッチを操作したりすることで、変更されうる。
【0090】
いくつかのケースでは、パススルー16は、動力ツール12によって発生した動きを、カバー14の外側にある外側部分32のフィッティング(fitting)に伝える。外科手術を通して、例えば、回転運動を直線運動に変換するアダプターや、回転運動を振動する円運動に変換するアダプターなどの様々なアダプターが、パススルー16の外側部分32に結合されうる。有利には、これは、ドリルビット、のこぎりブレード、又は牽引ピンなどの様々なツール35が、滅菌バリアを壊すことなく動力ツール12と共に使用されることを、促進しうる。例えば、複数のアダプターがパススルー16の外側部分32に対して結合されたり結合解除されたりできるようにすることは、カバー14のアパーチャ開口部の周りのシールを壊すことを回避しうるものであり、パススルー16の様々な実施形態の結合解除及び結合を行って、様々な種類のツールが動力ツール12によって駆動されることを可能にする。
【0091】
パススルー16は、随意的に使い捨て可能である。そのような実施形態では、使い捨て可能なパススルーがカバー14とともに与えられてもよい。いくつかの実施形態において、カバー14は、カバー14に予め取り付けられた使い捨て可能なパススルーとともに、届けられてもよい。
【0092】
パススルー16に関連するこれらの特徴及びその他の特徴は、様々なタイプのパススルーのいずれかと組み合わされて実施されうる。いくつかの実施形態において、例えば、パススルー16の外側部分の動作の軸は、動力ツール12の動作の軸に対してオフセットしうる。再び図4Cを参照すると、例示パススルー416Aの内側部分及び外側部分430A、432Aは、互いに軸方向にオフセットされている。オフセット機構442は、内側部分430Aから外側部分432Aへ動きを伝達しつつ、外側部分432Aを内側部分430Aから軸方向にオフセットするように構成されていてもよい。しかしながら、すべての実施形態でこれが必要なわけではない。いくつかの実施形態において、パススルーの内側部分及び外側部分は、以下でさらに詳しく説明される図5Aに例として示されているように、互いに軸方向に整列している。
【0093】
オフセット機構442は、内側部分430Aから外側部分432Aへ動きを伝えるように、ギア付きシステム、ベルトシステム、等を与えてもよい。外側部分432Aは、コレットを含んでいてもよい。動力ツール412の動作軸から外側部分432Aをオフセットすることで、外側部分432Aが動力ツール412の動作軸からオフセットされていない場合にコレットによって保持されうるよりも長いワイヤ(又はKワイヤ)をコレットが保持することを許容しうる。オフセット機構442は、内側部分430A及び外側部分432Aの一方又は両方に対して静止したままであってもよい。
【0094】
図5Aに概略的に示すパススルー416Bは、パススルーの他の実施形態である。パススルー416Bは、パススルー416Bの内側部分及び外側部分530B、532Bが、オフセットパススルー416Aの場合に互いにオフセットされてオフセット機構を介して一緒に結合されるのではなく、軸方向に整列して直接一緒に結合されうること、又は、それらが互いに対して直接的に結合され及び結合解除されることを許容するように構成されうること、を除いて、ここでの他の箇所に記載されているパススルー416Aと実質的に同一であってもよい。図5Aの要素519、530”、531、534及び561は、パススルー416Aの同様にラベル付けされた要素と実質的に同じであってもよい。パススルー416Bは、更に又はその代わりに、例えば、図1Aのパススルー16を参照して、ここに記載されている他のパススルー特徴部を含みうる。
【0095】
図5Bは、パススルー416Bの分解図を示し、内側部分530Aが図面の右側にあり、外側部分532Aが図面の左側にある。図5Bは、解放可能に一緒に結合されうる複数の部分又は部品をパススルーが有する実施形態の例を提供する。パススルー416Bは、いくつかの実施形態において、互いに対して一緒に結合されうる及び結合解除されうる複数の部分を含むが、他の実施形態において、416Bで示される形態のパススルーは、必ずしも分離可能又は結合解除可能であることを意図された複数の部分を含む必要はない。
【0096】
図5Bにおいて、590及び592は、内側部分532A及び外側部分530Aのそれぞれの表面を示し、当該内側部分532A及び外側部分530Aは、パススルー416Bが内側部分及び外側部分をカバーの反対側にして組み立てられる場合に、カバーの一部を捕らえるように互いに対向する。いくつかの実施形態において、圧縮シールが形成され、それに応じて、表面590、592は、圧縮表面又は圧縮部材のさらなる例である。
【0097】
ベアリング572、574は、動力ツールによるシャフト576の回転から内側部分530A及び外側部分532Aを隔離しうる部品の一例として示されている。シャフト576は、例えば、カバーの内側の動力ツールからカバーの外側に動きを伝えるように、内側部分や外側部分の動きを引き起こすこともなく、回転又は往復されうる。
【0098】
内側部分530Aは、パススルー416Bを動力ツールに対して固定する及び/又は方向付けるように、示された例では斜面531及び穴534を有するアンカー部分を含んでもよい。ベアリング572、574及びシャフト572は、アパーチャ開口部を介して内部空洞からカバーの外側に動力又は運動を伝えるように構成される伝達部を例示する。図5Bには特に示されていないが、シャフト576は、六角形の断面、十二角形の断面、又はn-ポイント断面などの非円形の形状を有していてもよい。
【0099】
パススルー416Bなどの複数部分パススルーは、例えば、パススルー自体を用いて、カバーにおけるアパーチャ開口部の周りにシールを形成するのに有用でありうる。そのような実施形態では、図5Cに例示したように、カバー514の一部が、パススルー416Bの内側部分530Aと外側部分532Aとの間に捕らわれうる。例えば、パススルー416Bの内側部分530Aをパススルー16Bの外側部分532Aに結合することで、内側部分及び外側部分530A、532Aの間にカバー514の一部を捕らえうる。図5Bにおいて590、592で例として示されている内側部分及び外側部分530A、532Aの対向する表面は、カバーにおいてアパーチャ開口部521の周りにシールを形成するように、十分な距離、例えば上で参照したような距離d、離されていてもよい。内側部分及び外側部分530A、532Aは、例えば、ネジ式結合、マグネット結合、バヨネット結合、クリップ保持結合、バネ荷重ボール結合、バネ荷重バー結合、バネ荷重ピン結合、バネ保持結合のうちの1つ以上を用いて、互いに結合されうる。図5Bを再び参照すると、部品582、584は、内側部分及び外側部分530A、532Aをネジ付き結合部を介して一緒に結合するためのネジ付きの柱、シャフト、又はチューブを表している。柱584の外面は、示されている例では、柱582のネジ切りされた内面と接続するようにネジ切りされている。また、他のタイプのネジ式結合や、非ネジ式結合を含む他のタイプの結合も可能である。結合の他の例は、ここでの他の箇所で提供される。
【0100】
図5A図5Cは複数部分の線状パススルー416Bを示しているが、オフセットパススルーは、更に又はその代わりに、互いに対して結合可能な及び結合解除可能な複数の部分を用いて実装されうる。図4Cを参照すると、例えば、内側部分430Aは、オフセット機構442と解放可能に結合可能であってもよく、それらの間にカバーの一部を捕捉する。別の実施形態では、オフセット機構442は、更に又は代わりに、外側部分432Aに対して解放可能に結合可能である。
【0101】
複数部分パススルーは、ここで開示される他のパススルー特徴部を含んでいてもよい。
【0102】
複数部分パススルーは、直線的なものであれオフセットされたものであれ、動力ツールからの動きを滅菌バリアを介して伝えるための伝達部品の例である。複数部分伝達部品は、滅菌バリアの第1の側に配置される430A、530Aなどの内側部分、又はより一般的には第1の部分と;第1の側とは反対側の滅菌バリアの第2の側に配置される432A、532Aなどの外側部分、又はより一般的には第2の部分と;シャフト430’、576などの可動又は駆動可能な部品と、を含みうる。
【0103】
第1の部分と第2の部分との間に滅菌バリアの一部を捕らえて滅菌バリアにおいてアパーチャ開口部の周りにシールを形成するように、第2の部分は第1の部分と結合可能である。これは、たぶん、図5Cの例によって最も明確に示される。
【0104】
可動部品は、第1の部分、第2の部分、又は第1の部分と第2の部分の両方に結合され、アパーチャ開口部を通って延び、動力ツールに結合されて、動力ツールによって発生された動きを滅菌バリアを介して伝える。図5B及び図5Cを参照すると、シャフト576は、少なくともパススルー416Bが組み立てられる場合にベアリング572、574によって内側部分530A及び外側部分532Aに結合されるであろうそのような可動部分の一例であり、図5Cに例として示されているように組み立てられた状態では、シャフトは、カバー514及びガスケット522A、522Bを含む滅菌バリアを通って延びるであろう。
【0105】
いくつかの実施形態において、複数部分伝達部品の一部のみに可動部品を結合するように、単一のベアリング又は他の部品が使用されうる。例えば、1つのベアリング572、574は、シャフト576を支持するのに潜在的に十分でありうる。
【0106】
組み立てられていない状態で、シャフト576などの可動部品は、複数部分伝達部品のいずれかの部分に結合されてもよい。一例として図5Bを参照すると、ベアリング572、574は、それぞれ、外側部分532A及び内側部分530Aに取り付けられうる又は外側部分532A及び内側部分530Aの一部であってもよく、シャフト576は、パススルー416Bの組み立てに先立って、ベアリングのうちの1つに結合されて保持されてもよい。そして、組み立ての間、そのシャフトは他のベアリングに挿入されるであろう。
【0107】
複数部分伝達部品の第1の部分は、第1圧縮面を含んでもよく又は提供してもよく、第2の部分は、第1の側及び第2の側でそれぞれ滅菌バリアの部分を係合して圧縮するために第2圧縮面を含んでもよく又は提供してもよい。そのような実施形態では、シールは、第1圧縮面と第2圧縮面との間の圧縮シールであるか又は当該圧縮シールを含む。図5Bの表面590、592は、そのような圧縮面の例を表す。
【0108】
いくつかの実施形態において、伝達部品は、第1圧縮面上の圧縮性ガスケット及び第2圧縮面上の圧縮性ガスケットのうちの一方又は両方を含む。1つ以上の圧縮性ガスケットが別々に提供されてもよく、また、例えば、滅菌バリアの部分は、第1圧縮面と第2圧縮面との間で圧縮のための圧縮性ガスケットを含んでいてもよい。
【0109】
第1の部分と第2の部分は、様々なタイプの結合のいずれかを介して一緒に結合可能であってもよい。例えば、第1の部分と第2の部分は、第2の部分を第1の部分に結合するために、ネジ式結合、圧入結合、磁石結合、バヨネット結合、クリップ保持結合、ばね荷重ボール結合、ばね荷重バー結合、ばね荷重ピン結合、及びばね保持結合のうちの1つ以上のそれぞれの協働部品を含みうる。
【0110】
伝達部品によって伝えられる動きは、動力ツールによって発生される回転運動であってもよいし、当該回転運動を含んでいてもよく、その場合、可動部品は、1つ以上のベアリング又はブッシュを介して、第1の部分、第2の部分、又は第1の部分及び第2の部分の両方に結合されてもよい。ベアリングは、図5Bにおいて572、574で例として示されている。
【0111】
その動きは、更に又はその代わりに、動力ツールによって発生される直線的な動きを含んでいてもよく、その場合、可動部品は、1つ以上のベアリング、ブッシング、又はダイヤフラムを介して、第1の部分、第2の部分、又は第1の部分及び第2の部分の両方に結合されてもよい。
【0112】
他のタイプや形態の動きは、例えば、回転振動運動及び直線振動運動を含み、これらのいずれか又は両方が動力ツールによって発生されうる。
【0113】
いくつかの実施形態において、動力ツールによって発生される動きは、1つのタイプの動きであるか又は1つのタイプの動きを含み、伝達部品は、その1つのタイプの動きを別のタイプの動きに変換する機構を含む。
【0114】
いくつかの実施形態において、16、416A、416Bなどのパススルーは、アダプターによって支持され、又は他の方法でアダプターと協力して使用される。カバーが単独で提供しうる場合に比べてアダプターがパススルーに対してより物理的な支持を提供しうるという意味で、アダプターはパススルーを支持するものと考えられうる。カバーは、例えば、柔軟性のある1又は複数の材料から作られてもよいし、柔軟性のある1又は複数の材料を含んでいてもよいし、アダプターは、パススルーを支持するように、柔軟性のより低い材料又はより高い剛性の材料から作られてもよいし、柔軟性のより低い材料又はより高い剛性の材料を含んでいてもよい。より一般的には、そのようなアダプターは、滅菌バリアやカバーを、パススルーなどの伝達部品に適合させうる。
【0115】
図6A及び図6Bに示すように、一実施形態では、アダプター636は、ノーズ638とノーズメイト637とを備える。ノーズ638及びノーズメイト637は、図6A及び図6Bに示す図では一緒に結合されている。カバー614は、ノーズメイト637とノーズ638との間に捕らわれうるものであり、それによってカバーにおけるアパーチャ開口部の周りにシールを形成する。例えば内部空洞内に動力ツールを挿入する前に、ノーズメイト637はカバー614の内部空洞の内側に位置づけられうるものであり、ノーズ638はカバー614の外側にあってもよい。
【0116】
ノーズメイト637は、図6Cに例示されているように、ネジ付き孔637Aを含んでもよい。ノーズ638は、図6D及び6Eに例として示すように、対応するネジ付き管状シャフト638Aを含んでもよい。シャフト638Aをネジ付き孔637Aに挿入すること及びノーズ638をノーズメイト637に対して相対的に回転させることで、ノーズメイト637をノーズ638に結合させうる。孔637A及びシャフト638Aは、カバー614のアパーチャ開口部の周りにシールを形成するように、ノーズメイト637及びノーズ638の対向する面637B、638Bをそれぞれ、ここでの他の箇所で言及されている距離dなどの十分な距離を隔てて配置するように装着されうる。ノーズメイト637とノーズ638のいずれか又は両方は、ノーズメイト637をノーズ638に結合するのを助けるように、ノーズメイト637とノーズ638の外側リム637C、638Cの周りにそれぞれ隆起部を含みうる。アダプターのアセンブリのためのカバーに対するアダプターの部分の配置が、図6Fに示される分解図において例示される。
【0117】
ノーズメイト637とノーズ638はネジ式結合を有するように示されているが、これは必須ではない。ノーズメイト637とノーズ638は、圧入、磁気結合、留め具、バヨネット結合、クリップ保持結合、バネ荷重ボール結合、バネ荷重バー結合、バネ荷重ピン結合、バネ保持結合などのうちの1つ以上を用いて、一緒に結合されてもよい。
【0118】
16、416A、416Bなどのパススルーが、ノーズメイト637とノーズ638を貫通するように延在しうる。パススルーを結合することで、ノーズメイト637とノーズ638は、カバー614におけるアパーチャ開口部のシールを完成させる。ノーズ638は、ネジ付きカラー639を含んでもよい。カバー614の内側で動力ツールに結合されるパススルーのシャフトを支持するように構成されるネジ付きベアリングアセンブリなどのパススルーの対応するネジ部分は、ネジ付きカラー639と結合されてもよい。この例においてパススルーのネジをネジ付きカラー639の対応するネジと十分に係合させることで、パススルーがアダプター636内に十分に挿入されたことをユーザに知らせうる。
【0119】
いくつかの実施形態において、ノーズメイト637及びノーズ638のそれぞれの対向面637B及び638Bの一方又は両方に、ガスケットが接着されてもよいし、又はその他の方法で設けられてもよい。有利には、これは、ガスケットが再利用可能であることを許容しうるものであり、それにより、カバー614の製造コストを潜在的に削減する。そのような実施形態では、カバー614は、ガスケットを含まなくてもよい。いくつかの実施形態において、ノーズメイト637及びノーズ638の滅菌が必要とされ又は望ましいとされる用途のために、対向面637B及び638Bの一方又は両方に接着された又はその他の方法で設けられた1又は複数のガスケットは、使用と使用との間に滅菌可能である。
【0120】
パススルー16は、好ましくは滅菌されている。いくつかの実施形態において、パススルーは複数回再利用されてもよいし滅菌されてもよい。しかしながら、他の実施形態では、パススルーは、動力ツールシステムの1回限りの使い捨て部品である。
【0121】
図6A図6Eは、アダプターの一実施形態を示す。アダプター636は、滅菌バリアを介して動力ツールからの動きを伝えるように構成されるパススルー16、416A、416Bなどの伝達部品に対して滅菌バリアを適合させるアダプターの代表的なものである。ノーズ638とノーズメイト637は、滅菌バリアの第1の側に配置されるアダプターの第1の部分と、第1の側とは反対側の滅菌バリアの第2の側に配置されるアダプターの第2の部分とを例示する。
【0122】
図6A及び図6Bにおいておそらく最も明確に示されているように、第1の部分と第2の部分との間で滅菌バリアの一部を捕らえて圧縮し、滅菌バリアのアパーチャ開口部の周りに圧縮シールを形成するように、アダプターの第2の部分は、第1の部分と結合可能である。
【0123】
アダプターの第1の部分と第2の部分の一方又は両方は、アパーチャ開口部を通って延び且つ第2の部分を第1の部分に結合する管状のシャフトを含んでもよい。そのような管状のシャフトは、例えば、図6Cにおける637A及び図6Eにおける638Aで見える。
【0124】
第1の側及び第2の側のそれぞれで滅菌バリアの部分を係合して圧縮するように、アダプターの第1の部分は第1の表面を含みうる又は与えうるものであり、第2の部分は同様に第2の表面を含みうる又は与えうるものである。図6D、6Eにおける面637B、638Bは、そのような表面の例示である。
【0125】
アダプターは、第1の表面における圧縮性ガスケット及び第2の表面における圧縮性ガスケットのうちの一方又は両方を含んでもよい。そのような1又は複数のガスケットは、アダプターとは別に与えられてもよい。例えば、アダプターの第1の部分と第2の部分との間に捕らえられる滅菌バリアの部分は、1つ以上の圧縮性ガスケットを含んでもよいし、又はそれに取り付けられる1つ以上の圧縮性ガスケットを有してもよい。
【0126】
アダプターの第1の部分と第2の部分は、様々なタイプの結合のいずれかを介して一緒に結合可能であってもよい。例えば、アダプターの第1の部分と第2の部分は、1つ以上のタイプの結合のそれぞれの協働部品を含んでいてもよく、その例はここでの他の箇所で与えられる。
【0127】
アダプターは、第2の部分を第1の部分に結合する1つ以上の留め具を含んでいてもよい。また、1つ又は複数の留め具は、更に又はその代わりに、他の複数部分部品の部分をお互いに結合するように、使用されうる。
【0128】
図6C及び図6Dにおいて637C、638Cで例示されているように、アダプターの第1の部分及び第2の部分の一方又は両方は、第2の部分を第1の部分に結合するのを助ける隆起部を有する外側リムを含みうる。再利用可能なアダプターに関し、隆起部やその他の構造物は、更に又はその代わりに、第2の部分及び第1の部分を互いに対して結合解除するのにも役立ちうる。
【0129】
アダプターは、伝達部品と結合するための結合構造体を含んでいてもよい。例えば、アダプターの第1の部分及び第2の部分のいずれか又は両方が、伝達部品と結合するための結合構造体を含んでいてもよい。図6Dのネジ付きカラー639は、そのような結合構造体の例示である。
【0130】
ここに記載されている実施形態の多くは、滅菌バリア又はカバーにおけるアパーチャ開口部に言及しており、それを介して動力ツールによって発生された動力又は動きが伝達されることができる。そのような開口部は、カバー又は滅菌バリアにおいて形成されてもよいし又はその他の方法でカバー又は滅菌バリアによって定められてもよいが、他の実施形態では、複数部分デバイスがカバー又は滅菌バリアにおいてアパーチャ開口部を作ってもよい。これは、カバーや滅菌バリアの任意の便利な位置や場所にアパーチャ開口部が作られうるという点で、カバーや滅菌バリアのより大きな柔軟性や適用性を与えうる。アパーチャ開口部を作ることができれば、滅菌バリアはカバーとしての使用が意図されていなくても構わない。これは、医療スタッフが、手元にあるあらゆる滅菌材料、例えば滅菌グローブやガウンなど、を動力ツールのための滅菌バリアとして使用することを可能にしうる。
【0131】
例えば、図7A~7Cを検討する。図7Aは、別の実施形態による複数部分デバイスの一部の上面図であり、図7B及び7Cは、それぞれ複数部分デバイスの別の部分の上面図及び側面平面図である。
【0132】
図7Aは、複数部分デバイスの第1の部分737の一例を示す。第1の部分737は、滅菌バリアの第1の側に配置されることになっている。図7B及び図7Cは、複数部分デバイスの第2の部分738を示す。第2の部分738は、第1の側とは反対側の滅菌バリアの第2の側に配置される。滅菌バリアにアパーチャ開口部を作り、第1の部分と第2の部分との間に滅菌バリアの一部を捕らえてアパーチャ開口部の周りにシールを形成するように、第2の部分738は第1の部分737と結合可能である。一例として、第2の部分738の表面738Bから軸方向に延びる柱738Aの外側面と、第1の部分737の表面737Bから軸方向に延びる柱737Aの内側面とが、第1の部分及び第2の部分を一緒に結合するように装着されうる。
【0133】
第1の部分と第2の部分の一方又は両方が、アパーチャ開口部を作るためのカッターを含んでいてもよい。一例として、第1の部分737と第2の部分738とが一緒に結合される際に、アパーチャ開口部を作るように、カッター752が表面738Bに取り付けられてもよいし又はその他の方法で設けられてもよい。一実施形態において、カッター752は、第1の部分と第2の部分とが一緒に結合されているときに滅菌バリアを切断することによってアパーチャ開口部を作り、第1の部分と第2の部分738とが十分に組み立てられているときにカッター75の少なくとも一部を受け入れるように、第1の部分773の柱737Aの上面には溝750が設けられる。これは、例えば、第1の部分737と第2の部分738との間に滅菌された部分が捕らわれる前に、アパーチャ開口部の切断が完了されるのを可能として、滅菌バリアの切断部分が除去されるのを可能とするのに有用でありうる。
【0134】
複数部分デバイスの第1の部分と第2の部分が、上述したネジ面などのネジ式結合のそれぞれの協働部品を含む実施形態では、カッター752は、第1の部分と第2の部分を一緒に結合するための第1の部分と第2の部分との間の相対的な回転中にアパーチャ開口部を作るように構成されてもよい。これはほんの一例であり、他も可能である。
【0135】
例えば、上述したカッター及び溝を逆にして、750にカッターを設け、752に溝を設けてもよい。
【0136】
別の例として、複数部分デバイスの第1の部分は、表面737Bなどの第1の表面を含んでもよく、第2の部分は、表面738Bなどの第2の表面を含んでもよく、それぞれ第1の側及び第2の側で滅菌バリアの部分と係合し、第1の表面及び第2の表面の一方又は両方は、滅菌バリアを貫通してアパーチャ開口部を作る突出要素を含む。その突出要素は、例えば、突出リングであってもよいし、突出リングを含んでいてもよく、750及び/又は752に設けられてもよい。
【0137】
いくつかの実施形態において、複数部分デバイスの第1の部分は、第1の表面を含み又は提供し、第2の部分は、第2の表面を含み又は提供し、それぞれ第1の側及び第2の側で滅菌バリアの部分に対して係合及び圧縮する。そのような実施形態では、シールは、第1の表面と第2の表面との間の圧縮シールである。表面737B、738Bは、いくつかの実施形態において圧縮面でありうる表面の例である。
【0138】
1つ以上の圧縮性ガスケットが、例えば第1の面及び/又は第2の面に設けられていてもよい。そのような1又は複数の圧縮性ガスケットは、更に又はその代わりに、別個に設けてもよいし、滅菌バリアに取り付けてもよいし、滅菌バリアの一部であってもよい。
【0139】
第1の部分737と第2の部分738との間のネジ式結合は、一例として上述した。より全般的には、複数部分デバイスの第1の部分と第2の部分は、第1の部分を第2の部分に結合するために、ネジ式結合、圧入結合、マグネット結合、バヨネット結合、クリップ保持結合、バネ荷重ボール結合、バネ荷重バー結合、バネ荷重ピン結合、又はバネ保持結合などの様々なタイプの結合のいずれかのそれぞれの協働部品を含みうる。1つ又は複数の留め具は、更に又はその代わりに、複数部分デバイスの第1の部分を第2の部分に結合するために使用されうる。
【0140】
ここで開示されているいくつかの部品は、複数部分デバイスとして、又は複数部分デバイスの一部として実装されうる。例えば、複数部分デバイスの第1の部分及び第2の部分は、動力ツールからの動きを滅菌バリアを介して伝えるための伝達部品の部分であってもよいし、当該伝達部品の部分を含んでいてもよい。複数部分伝達部品の例は、ここでの他の箇所で与えられ、そのような部品の部分は、無菌バリアにアパーチャ開口部が形成されることを可能にするための特徴を含んでもよい。
【0141】
複数部分デバイスの第1の部分と第2の部分は、滅菌バリアを伝達部品に適合させるためのアダプターの部分であってもよいし、当該アダプターの部分を含んでいてもよい。複数部分アダプターの例は、ここでの他の場所で与えられ、そのようなアダプターの部分は、滅菌バリアにアパーチャ開口部が作られることを可能にする特徴を含みうる。
【0142】
複数部分デバイスの第1の部分は、動力ツールに結合されるツールアダプターであってもよく或いは当該ツールアダプターを含んでいてもよく、複数部分デバイスの第2の部分は、ツールアダプターに結合されて動力ツールからの動きを滅菌バリアを通して伝えるための伝達部品であってもよく或いは当該伝達部品を含んでいてもよい。繰り返しになるが、ツールアダプター及び伝達部品の例は、ここでの他の場所で与えられ、そのようなアダプター及び伝達部品の部分は、滅菌バリアにアパーチャ開口部が作られることを可能にする特徴を含んでもよい。一例として図4Bを参照すると、パススルー416Bが動力ツール412に結合される場合、カバー414にアパーチャ開口部が形成されてもよい。
【0143】
複数部分デバイスは、ここで開示されている他の特徴を含んでいてもよい。例えば、複数部分デバイスの第1の部分737及び第2の部分738の一方又は両方は、第1の部分及び第2の部分を一緒に結合すること及び/又は第2の部分及び第1の部分をお互いに対して結合解除することを支援する隆起部を有する外側リム737C、738Cを含んでもよい。
【0144】
いくつかの実施形態において、複数部分デバイスは、部分的に又は全体的に組み立てられてアパーチャ開口部を作り、そして一時的に分解されて滅菌バリアのカット部分を取り除いてカット部分が動力ツールの操作の妨げにならないようにしてもよい。他の実施形態では、カット部分の除去は必要なく、カット部分は、動力ツールの操作を妨げず或いは他の方法で動力ツールの操作を妨害しない。
【0145】
上記の説明は、主に動力ツールシステムの構造及び部品に集中している。他の実施形態は、そのような動力ツールシステムの使用に関するものであり、図8A、8B、及び9A~9Dを参照して例示的に説明される。
【0146】
図8Aに例として示すように、カバーによって定められる内部空洞815内に、動力ツールがオープニング開口部820を介して、挿入可能であり、オープニング開口部820を囲むカバー814の一部は、カバー814に動力ツールを挿入する前に、カフ又はカラー823を形成するように折り返される。カフ823は高さHを有していてもよく、当該高さHは、カフ823の内面とカバー814の対向する外面との間で、カフ823の後ろに人の指及び/又は手を置くことによって、カバー814を確実に保持しうるのに十分な大きさである。これは、図8Bに例として示されている。図8Bに示される手は模式図に過ぎず、必ずしも解剖学的に正しいカバー814の保持の仕方を示しているわけではない。いくつかの実施形態において、カフ823は少なくとも約1インチ又は約2.5cmの高さを有する。いくつかの実施形態において、カフ823は、少なくとも約1.5インチ又は約3.8cmの高さがある。いくつかの実施形態において、カフ823は1.5インチ又は3.8cmよりも大きい高さである。
【0147】
典型的には、医療従事者は、手術室などの滅菌フィールドに入る前に、スクラブイン(scrub-in)を行う。「スクラブイン」は、滅菌フィールドに入る前に人の手及び/又は腕の殺菌洗浄を行うことを意味する。ユーザは、一旦スクラブインしたら、典型的には滅菌手袋を着用し、ここでの他の箇所に記載されているように、カバー814の外面とカフ823の内面との間のカフ823の下にユーザがそれらの指及び/又は手を配置することによって、カバー814が保持されうる。そのようにしても、カバー814 の外面の滅菌性にも、ユーザの指及び/又は手の滅菌性にも影響はない。また、カフ823は、非滅菌の動力ツールがカバー814の滅菌外面に接触する可能性を減らしうる。
【0148】
動力ツールがカバー814の内側に挿入されて内部空洞815内に挿入されると、オープニング開口部820を塞ぐように閉鎖機構が適用されてもよいし、又は他の方法で操作されてもよい。好ましくは、閉鎖機構は、外科手術の間中ずっと動力ツールシステムの通常の動作及び/又は使用の最中には、オープニング開口部820をシールされた状態に維持するように動作可能である。さらに、閉鎖機構は、好ましくは、閉鎖機構が液体にさらされた際にオープニング開口部820をシールされた状態に維持し、それによって例えば液体にさらされても閉鎖機構が故障しない。
【0149】
図9A図9Dは、実施形態によるカバーシステムの使用をさらに説明する図である。
【0150】
図9Aにおいて、動力ツール12が滅菌カバー14に挿入される。カバー14はエッジ部分で折り畳まれてカフ23を形成し、カフ23を用いたユーザとカバー14との間の相互作用は、おそらく図8Bにおいてよりも図9Aにおいての方がより明確である。示されているように、ユーザは、カバー14の滅菌外面を含むことなく、動力ツール12がカバー14内に挿入されている間、カフ23によってカバー14を保持する。カフ23は、動力ツール12がカバーに挿入される際に、滅菌されていないかもしれない動力ツール12がカバー14の滅菌外面に接触する可能性を低減する。カバー14は、例えば、滅菌された手によって保持されうるものであり、言い換えればカバー14を保持する人が「スクラブイン」した一方で、動力ツール12が滅菌状態の手を持っていない人によって挿入されうる。
【0151】
動力ツール12がカバー14に挿入されたら、図9Bに例示したように、動力ツールが内部空洞15の内側にある状態で、カフ23が展開され又は広げられてもよく、図9Cに例示したように、動力ツールが挿入された際に通ったオープニング開口部は閉じられてもよい。
【0152】
パススルー16は、アパーチャ開口部21を通って、図9Dにおいて動力ツール12に結合される。いくつかのケースでは、パススルー16は、パススルーが動力ツール12に結合される直前に滅菌パッケージから取り出される。パススルー16が一方の手で保持される一方で、示された例においてパススルーを動力ツール12に向けて移動させることにより、パススルーがアパーチャ開口部を介して動力ツールに結合されることができるように、他方の手は、アパーチャ開口部21に関して動力ツール12を方向付けて保持するために使用されてもよい。
【0153】
図9A図9Dに示した例は、専ら説明の目的のために意図されている。方法は、動力ツール12のタイプ、パススルー16のタイプ、又はカバー12がアダプターと一緒に使用されるか又はアダプターなしで使用されるかなどの1つ又は複数の要因に応じて、同様の又は異なる順序で実行される追加の、より少ない、及び/又は異なる操作を含みうる。
【0154】
全般的に、本開示に合致する方法は、滅菌の外面を有し且つさらにアパーチャ開口部を定める使い捨てカバーによって定められる内部空洞内に動力ツールを受け入れるように、使い捨てカバーのオープニング開口部を方向付けることを含みうる。一例を図9Aに示すが、そこでは、動力ツール12を受けるように、滅菌状態のユーザが、上部でオープニング開口部を開いた状態でカバー14を保持する。
【0155】
また、そのような方法は、動力ツールの駆動部分がアパーチャ開口部に隣接した状態で、動力ツールが内部空洞の内部にある状態で、オープニング開口部を閉じるように閉鎖機構を操作することを含んでいてもよい。これは、図9Cに例として示されている。
【0156】
いくつかの実施形態において、方法は、動力ツールを内部空洞内に密封するように、アパーチャ開口部の周りに圧縮シールを形成することを含む。図9Dに示す例では、パススルー16がアパーチャ開口部21を介して動力ツールに結合される際に、圧縮シールが形成されてもよい。これは、動力ツールの駆動部分に、動力ツールからの動きを使い捨てカバーを介して伝えるための伝達部品を結合することによって圧縮シールを形成する例である。動力ツールの駆動部分は、動力ツールによって駆動される部分を指し、それは伝達部品を駆動してカバーを介して動きを伝える。
【0157】
圧縮シールを形成することは、アパーチャ開口部を囲む1つ以上の圧縮性ガスケットを圧縮することを含みうるものであり、圧縮性ガスケット配置の様々な例は、ここでの他の箇所で与えられる。1つ又は複数の圧縮性ガスケットは、カバーに取り付けられてもよいし、カバーの一部であってもよいし、別個に設けられてアパーチャ開口部に隣り合って配置されてもよい。
【0158】
圧縮シールを形成する別の実施形態は、使い捨てカバーの一部を複数部分デバイスの部分間に捕らえるように、複数部分デバイスの複数の部分を一緒に結合することを含む。複数部分デバイスの例と、そのようなデバイスがどのようにして一緒に結合されうるのかとは、ここでの他の箇所で与えられる。
【0159】
いくつかの実施形態は、内部空洞から使い捨てカバーの外側に逆止弁を介して空気を強制的に送り出すように、使い捨てカバーに圧力をかけることを含みうる。
【0160】
アパーチャ開口部を介して、動力や運動がカバーを介して伝えられ、当該アパーチャ開口部は、カバーや滅菌バリアを使用する際に、すでに形成されていても形成されていなくてもよいし、或いはその他の方法で提供されていても提供されていなくてもよい。このように、いくつかの実施形態は、アパーチャ開口部を作ることも含む。アパーチャ開口部を形成することは、複数部分デバイスの部分を、それらの部分がカバーや滅菌バリアの反対側に配置された後に、一緒に結合するなどの、他の操作に固有のものであってもよい。例えば、動力ツールが内部空洞に挿入される前又は後にアパーチャ開口部を作るように、複数部分デバイスはカバーに設置されてもよい。
【0161】
上記の例示方法で説明されている動作又は操作は、主に、図9A図9Dの説明で言及されている滅菌されたユーザによって実行されうる動作又は操作に関する。これらの操作の少なくとも一部、及び/又は動力ツールの駆動部分をアパーチャ開口部に隣り合わせた状態で動力ツールを内部空洞内に配置するなどの他の操作は、別のユーザ及び潜在的に非滅菌状態のユーザによって行われてもよい。
【0162】
これらの操作及び/又はその他の操作に関連しうる又は他の実施形態に関連しうる特徴は、以下で更に説明される。
【0163】
ここで一例として図2Aを参照すると、閉鎖機構は、カバー14の第1の部分を横切って延びる接着バンド24と、カバー14の第2の部分を横切って延びる封止フラップ25と、を含む。示される例では、封止フラップ25は長手方向に延びる封止フラップであり、接着バンド24は長手方向に延びる接着バンドであるが、他の方向性又は配置も可能である。
【0164】
封止フラップ25を接着バンド24に係合させると、封止フラップ25がカバー14に接着され、それによってオープニング開口部20をシールして閉じる。封止フラップ25は、例えば、封止フラップ25が接着バンド24に係合するように、長さ方向にわたって折り返されてもよい。好ましくは、接着バンド24は、オープニング開口部20が閉じられるまで、取り外し可能な非接着層24Aによって覆われる。例えば、取り外し可能な非接着層24Aは、動力ツールがカバー14に挿入された後に、取り除かれてもよい。
【0165】
接着バンド24は、例えば、適切な接着剤、両面テープなどのうちの1つ以上を含みうる。好ましい実施形態では、接着バンド24及び封止フラップ25を液体にさらすことは、封止フラップ25を接着バンド24から接着解除するものではない。
【0166】
封止フラップ25とカバー14との間の接着の強度は、接着バンド24と封止フラップ25との間に複数の接着部を有することによって、高められてもよい。例えば、接着バンド24は、封止フラップ25の幅よりも大きい幅を有していてもよい。そのような実施形態では、封止フラップ25は、それが接着バンド24に何度も係合するように、例えば接着バンド24の全てが係合するまで、長さ方向にわたって何度も折り返されてもよい。いくつかの実施形態において、接着バンド24は、封止フラップ25の幅の少なくとも2倍の幅を有する。また、封止フラップ25を何度も折り返すことで、開口部が閉じられた後に、液体がオープニング開口部20を介して侵入できる可能性を低くしうる。
【0167】
図2Aには封止フラップ25と接着バンド24が均一な幅を持つように示されているが、これは必須ではない。いくつかの実施形態において、接着バンド24及び/又は封止フラップ25の特定の部分の幅は、接着バンド24及び/又は封止フラップ25の他の部分に対して増加してもよい。例えば、例えば互いに分離することによって、失敗のより高い可能性を有しうる接着バンド24及び/又は封止フラップ25の部分は、接着バンド24及び/又は封止フラップ25の残りの部分に対して増加した幅を有しうる。
【0168】
ここでの他の箇所に記載されているように、カバー14などのカバーは、1つの外科手術及び/又は1人の患者に使用されることを意図した使い捨て滅菌カバーであってもよい。様々な患者を有する複数の外科的処置のためのカバー14の再使用を阻止又は防止するために、封止フラップ25と接着バンド24との間の接着は、カバー14からの動力ツールの取り外しがカバー14の少なくとも部分的な破壊を必要とするように十分な強度を有するように設計されてもよい。カバー14の少なくとも一部が破壊されると、カバー14はもはや使用されることができず、新しいカバー14を入手しなければならない。この意味で、閉鎖機構は、オープニング開口部20を恒久的に閉鎖するように配置され、設計され、又はその他の方法で構成されてもよい。例えば、カバー14からの動力ツールの取り外しが、例えばハサミで、カバー14を切断して開けたり、カバー14を裂いて開けたり、或いはそれが再利用できないような他の方法でカバー14にダメージを与えたりするなどを必要とするように、封止フラップ25と接着バンド24との間の接着は十分に強くてもよい。ただし、これは必須ではない。いくつかの実施形態において、封止フラップ25は、例えば、接着バンド24に対する封止フラップ25の位置を修正するために、接着バンド24から剥離されてもよい。
【0169】
任意のタブ26は、ユーザが1つの指又は複数の指を封止フラップ25と接着バンド24との間に捕らえられる可能性を低減しつつ、ユーザが封止フラップ25を折り返すのを補助してもよい。1つ又は複数のタブが設けられてもよく、示されるように封止フラップのエッジに沿って配置されてもよい。そのようなタブは、封止フラップ25を接着バンド24に向けて折り曲げるのを容易にするように使用可能である。
【0170】
例示カバー14は、封止フラップ25の長手方向の反対の各端部においてタブ26を含む。ユーザは、各タブ26を異なる手で保持しうる。各タブ26を接着バンド24に向けて引っ張ることは、封止フラップ25を、接着バンド24に向けて折り返す。しかしながら、カバー14は、封止フラップ25に沿って任意の位置に配置された任意の数のタブ26を備えてもよい。いくつかの実施形態において、カバー14は、図2Aに示す図において、封止フラップ25の上縁に沿って単一の大きなタブ26を備える。そのような実施形態では、タブ26をカバー14の反対の端部に向けて引っ張ることにより、封止フラップ25は折り返されることができる。
【0171】
いくつかの実施形態において、封止フラップ25及び接着バンド24のいずれか又は両方が、例えば以下のような代替的な閉鎖機構でにより置き換えられ又は拡張される:
・ ZIP-LOCTMタイプ閉鎖体と同様の舌部及び溝部閉鎖体;
・ VELCROTMタイプ閉鎖体などのフック及びループ閉鎖体;
・ プルストラップ;
・ 1つ又は複数のスナップ;
・ 磁気シール;
・ ベルトとバックルのデザイン;及び
・ ジッパーシール。
【0172】
これらは、閉鎖機構の例示であり、当該例示のうちのいずれか1つは、いくつかの実施形態においてカバーに取り付けられてもよい。1つ又は複数の閉鎖機構は、カバーと一体化していてもよいし或いはカバーの一部であってもよく、その他の方法でカバーが1つ又は複数の閉鎖機構を含んでいてもよい。
【0173】
カバー14は、動力ツールの形状に概ね適合するように形成されていてもよい。例えば、動力ツールがドリル、動力ドライバー、インパクトドライバー、又は本体に対して概ね直角に延びるハンドルを有する他のツールである場合、カバー14は、図2Aに示すように概ねL字形状の構成を有していてもよい。このタイプの動力ツールとカバー構成では、動力ツールの本体がL字形状カバーの一方のアームに収まり、ツールのハンドルがL字形状カバーのもう一方のアームに収まる。いくつかの実施形態において、動力ツールの本体を受けるカバー14のアームが、オープニング開口部20に対して概ね垂直に延びており、それによって、カバー14がオープニング開口部20を上にして開いた状態で保持される場合に、動力ツールの本体を受けるカバー14のアームが概ね垂直に延びるようになっている。
【0174】
カバー14は、動力ツールを受け入れるサイズであってもよい。様々な動力ツールと一緒に使用するために、様々なサイズのカバー14が提供されてもよい。いくつかの実施形態において、カバー14は、図2Aに示すように、フラットに寝かせた場合に約30cm×25cmである。
【0175】
好ましくは、カバー14は動力ツールの形状に合わせられる。カバー14と動力ツール との間の過剰な空間は、触知可能性を低下させるうるものであり、それにより、動力ツールを制御するユーザの能力を低下させる。例えば、カバー14の余分な材料は、動力ツールのトリガーを正確に制御するユーザの能力を妨げうる。カバー14は、ユーザが、カバー14を、カバー14の内部空洞に内に置かれる特定の動力ツールの形状に適合させることを可能にするように構成される1つ以上のストラップを含んでもよい。
【0176】
例えば1以上のストラップ27が設けられてもよい。そのような1又は複数のストラップは、カバー14の余分な部分を回収するのに及び/又はカバー14を所望の形状に形作るのに使用されうる。図2Aに示すように、例えば、カバー14は、2つのストラップ27を備えてもよい。ストラップ27Aは、動力ツールのハンドルを受けることを意図されたカバー14の部分に近接していてもよく、ストラップ27Bは、動力ツールの本体を受けることを意図されたカバー14の部分に近接していてもよい。
【0177】
ストラップ27は、示される例では、カバー14に取り付けられている。しかしながら、各ストラップ27は、カバー14から取り外されうる取り外し可能端部を含む。各ストラップ27の取り外し可能端部は、最初はカバー14に取り付けられてもよい。ストラップ27の取り外し可能端部を取り外し、ストラップを動力ツールの一部の周りに概ね密着させて又はきつく巻き付け及び/又は再配置し、その後取り外された端部をカバー14に再び取り付けることは、カバー14の一部を動力ツールの一部にフィットさせうる。このことは、おそらく図1Aに最もよく示されており、図1Aにおいて、カバーのそれぞれの部分を動力ツールの形状に適合させるように、ストラップ27が動力ツール12の一部の周りに巻き付けられている。このようにして、ストラップ27は、カバーの少なくとも一部を動力ツールの形状に合わせて形作るように使用可能である。
【0178】
ストラップ27は、カバー14に接着されていてもよい。例えば、図10A及び10Bを参照すると、接着層28がストラップ27をカバー14に接着してもよい。接着層28は、適切な接着剤、両面テープなどのうちの1つ以上を含みうる。いくつかの実施形態において、接着層28は熱溶着などで置き換えられる。図10Aでは、ストラップ27は互いに対して接着されるが、これは、パッケージや出荷時、或いはカバーが使用されていないそれ以外の場合、ストラップをどのように配置するかを説明するためである。ストラップ27は、カバーの1つ又は複数の部分をツールの1つ又は複数の部分により良くフィットさせるように、少なくとも互いに分離されてもよく、潜在的にはカバーから完全に分離されてもよく、必要又は要望に応じて再配置されてもよい。
【0179】
また、ストラップ27の取り外し可能端部27’は、接着層28を含んでもよい。そのような実施形態では、取り外し可能端部27’は、図10Bに例として示されているように、最初は非接着性のバッキング層(backing layer)28Aに取り付けられてもよく、その後に取り外されて、カバーの1つ以上の部分をツールの1つ以上の部分により良く適合させるように再配置されてもよい。図10Aに示すように、各ストラップ27の取り外し可能端部27’が非接着性のバッキング層28Aに又はお互いに取り付けられた状態でカバー14を出荷することは、ストラップ27の取り外し可能端部27’がカバー14に接着する可能性を低減しうるものであり、更に又はその代わりに、取り外し可能端部27’がカバー14から直接的に取り外されなければならない結果としてもたらされうる穴開き又は引き裂きの可能性を低減させうる。
【0180】
ストラップ27は、カバーの一部を動力ツールの形状に適合させるように動作可能なカバー適合機構の一例を示す。そのようなカバー適合機構は、カバーに取り付けられてもよい。カバー適合機構は、カバーと一体化していてもよいし、カバーの一部であってもよいし、その他の方法でカバーはカバー適合機構を含んでいてもよい。ストラップは、カバー適合機構の一例であり、カバーの一部を動力ツールの形状に適合させるために、カバーから取り外されるように、カバーの一部に巻き付けられるように、及びカバーに対して再取り付けされるように動作可能な取り外し可能端部を含みうる。ストラップの取り外し可能端部は、接着層を含んでもよいし、又は非接着性のバッキング層によってカバーに取り付けられてもよい。
【0181】
破れや穴開きを避けるために、カバー14は穴開き及び破れに強い材料で作られていてもよい。例えば、その材料は、ガイダンスとしてEN 388:2016やAAMI PB70などの1つ又は複数の規格を使用してもよい。カバー14に穴や裂け目があると、カバー14によって提供されることが意図されている滅菌バリアが破られる。耐穴開き性と耐引裂性のどちらか一方又は両方は、ASTM F1342 Standard Test Method for Protective Clothing Material Resistance to Punctureなどの業界標準を用いて、定量化されてもよい。理想的には、カバー14は、耐穴開き性、耐引き裂き性、又はその両方として分類可能であるか又は資格がある。いくつかの実施形態において、カバー14は、医療従事者によって着用される滅菌手袋と同じ又はそれ以上の耐穴開き性及び/又は耐引裂性を有する。
【0182】
好ましくは、カバー14が衝撃を受けたときに、少なくともある程度までカバー14の伸長を可能にするように、カバー14は十分に伸縮可能である。カバー14は、必ずしも弾力性がある必要はない。例えば、カバー14は、衝撃を受けた後、あるいは動力ツールがカバーから取り外された際に、必ずしもその元の状態に戻る必要はない。
【0183】
カバー14は、例えば、以下の材料のうちのいずれか1つ以上で作られていてもよいし、或いは以下の材料のうちのいずれか1つ以上を含んでいてもよい:
・ (好ましくは)ポリエチレン(PE)フィルム;
・ ポリウレタン(PU)フィルム;
・ スパンレース(spunlaced)、スパンレイドヒートボンド(spunlaid heat bonded)、メルトブローン(meltblown)、スパンボンド(spunbond)、エアレイド(airlaid)などの不織布、又はスパンボンド・メルトブローン・スパンボンド(SMS)などのそれらの組み合わせ;
・ シリコーン;及び
・ 硬質プラスチック。
【0184】
いくつかの実施形態において、PEフィルムなどのカバー14を形成する材料は薄く、約0.3mm未満の厚さを有する。いくつかの実施形態において、カバー14の厚さは、0.1mm~0.2mmの範囲内、例えば0.15mm、である。
【0185】
カバー14の強度を高めることで、カバー14の耐穴開き性及び/又は耐引裂性を向上させうる。強度は、例えば、カバー14をより厚い材料、より剛性の高い材料などの剛性材料、又は、より強い材料から作ることによって、高められうる。しかしながら、これは、カバー14のコストを増大させうる。さらに、カバー14の強度を高めると、カバー14の柔軟性及び/又は触知可能性など、カバーの1つ又は複数の特性を低下させうるか、他の方法で影響を与えうる。
【0186】
カバー14の柔軟性及び/又は触知可能性は重要である。図1Aを参照すると、ユーザがカバー14を介して動力ツール12を把持することができ、カバー14を介して動力ツール12を正確に位置決めして動力ツール12のトリガーを操作することができる必要があるため、カバー柔軟性及び/又は触知可能性は重要でありうる。カバー14の柔軟性及び/又は触知可能性は、例えば、カバー14をより薄くすることによって、より柔軟にすることによって、及び/又はより柔らかい材料から作ることによって、増加させられうる。カバー14の増大された柔軟性及び/又は触知可能性は、動力ツール12を握って操作するユーザの能力を向上させうる。
【0187】
カバー14の耐穴開き性及び/又は耐引裂性を向上させることは、概して、カバー14の柔軟性及び/又は触知可能性を向上させたいという願望と相反する。好ましい実施形態では、望ましい穴開け及び/又は引き裂き抵抗は、カバー14の望ましい柔軟性及び/又は触知可能性に対してバランスがとられている。
【0188】
いくつかの実施形態において、カバー14の様々な部分が異なる材料で作られる。例えば、動力ツール12のグリップ及び/又はトリガーを囲むように意図されているカバー14の部分は、柔軟且つ触覚感知できる材料で作られていてもよい。一実施形態では、動力ツールのトリガーエリアを囲むカバー14のトリガー部分、又は動力ツールのトリガーエリアに隣り合って配置されるカバー14のトリガー部分は、カバーの別の部分よりも触覚感知できる。残りの部分は、柔軟性や触知可能性は劣るものの、耐穴開き性及び/又は耐引裂性に優れたより頑丈な素材で作られてもよい。
【0189】
追加的に又は代替的に、カバー14の厚さは、穴開き及び/又は引き裂きのより高いリスクを持つことが予想されるカバー14の部分で、増加されてもよい。いくつかの実施形態において、そのような部分は2つ以上の材料層を含む。各層の材料は、他の層と同じであってもよいし、異なっていてもよい。いくつかの実施形態において、増加した厚さは、動力ツールシステム10と接触する物体の衝撃を緩和及び/又は吸収する。いくつかの実施形態において、厚さが増した部分がバンパーとして働く。
【0190】
いくつかの実施形態において、カバー14又はカバー14の選択された部分は、多層構造を含んでもよい。いくつかの実施形態において、多層構造がカバー14のその全体に及び、カバーは複数の層を含む。いくつかの実施形態において、カバー14の内面は第1の層で作られ、カバー14の外面は第2の層で作られる。第1層と第2層は一緒に接着されてもよい。第1及び第2の層は、同じであっても異なっていてもよく、それに応じて、カバー14の内側は、カバーの外側と異なる層であってもよいし、或いは当該異なる層を含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、第1及び第2の層は、異なる色及び/又は異なる不透明度など、1つ又は複数の様々な特性を有する。いくつかの実施形態において、第1の層と第2の層は、同じ色、不透明度、及び/又は、同じである1つ以上の他の共通の特性を有する。いくつかの実施形態において、カバーの2つ以上の異なる部分は、異なる数の層を含んでいてもよい。
【0191】
再び図2Aを参照すると、いくつかの実施形態において、カバー14の多層構造は、オープニング開口部20及び/又はアパーチャ開口部21に曲がりくねった経路を作り、滅菌バリアが破られる可能性が低減される。例えば、封止フラップ25は複数の層を含んでいてもよく、複数の層は、折り返されて接着バンド24と係合されてもよい。いくつかの実施形態において、カバー14の複数の層が、図3A図3Eに示す圧縮部材317A、317Bなどの圧縮部材間に捕らわれていてもよい。例えば、液体は、そのような実施形態におけるカバーの内部空洞に入ったり出たりする前に、各層を通過又は貫通する必要があるであろう。
【0192】
追加的に又は代替的に、メスや他のツールと接触する可能性が高いなど、穴開き及び/又は破れのより高いリスクを有することが予想されるカバーの部分に、より頑丈な二次カバーが配置されてもよい。例えば、滅菌した二次カバー18は、図1Aに例示的に示されており、カバー14の上部を覆って配置されてもよい。
【0193】
二次カバー18は、アパーチャ開口部18aを含む。パススルー16は、アパーチャ開口部18aを通って延びていてもよい。二次カバー18の反対側端部18bは、図1Aに示すように、動力ツール12の本体上に伸ばされて、動力ツール12の反対側端部と係合しうる。
【0194】
二次カバー18は、シリコーン、ゴム、及びビニールなどの1つ又は複数の材料で作られていてもよいし、又は当該1つ又は複数の材料を含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、二次カバー18は、動力ツールシステム10の一部に適合するように構成されるハードシェルを含む。二次カバー18は、使い捨て可能であってもよいし、滅菌可能且つ再利用可能であってもよい。
【0195】
任意で、カバー14は、図2Aにおいて29で例として示される1つ以上の造形されたコーナーを含んでいてもよい。そのような造形されたコーナー29は、頂点で収束するエッジを含むコーナーよりも、カバー14の内部空洞内によりたくさんのスペースを提供しうる。これは、例えば、動力ツールがカバー14に挿入される際にカバー14の継ぎ目の緊張を軽減しうるものであり、及び/又は、動力ツール12のトリガーが移動するためのより大きなスペースを提供しうるものである。造形されたコーナー29は、点や頂点以外の任意の形状であってもよい。造形されたコーナー29は、例えば、円形、楕円形、又は線形であってもよい。いくつかの実施形態において、カバー14は、動力ツールのトリガーに隣り合って位置づけられるトリガーエリアに近接した少なくとも1つの造形されたコーナー29を含む。
【0196】
カバー14の内面及び/又は外面は、様々な特定の仕上げのいずれを有してもよい。内面と外面の仕上げは同じでもよいし、異なっていてもよい。
【0197】
カバー14の内面は、例えば、糸くずの出ないもの及び静電気を帯びないもののうちの1つ以上であってもよい。好ましくは、その内面が、動力ツールの容易な挿入を可能にするように仕上げられ、それによってその内面が例えば動力ツールの挿入を妨げない。
【0198】
また、カバー14の外面は、例えば、糸くずの出ないもの及び静電気を帯びないもののうちの1つ以上であってもよい。追加的に又は代替的に、外面は、それ自体への外面の付着を低減するように設計されてもよい。追加的に又は代替的に、外面、又は例えば外面の把持部分は、カバー14が血液や生理食塩水などの液体で覆われた場合に保持するのに滑りやすくならないように設計されてもよい。いくつかの実施形態において、外面、又は例えば外面のグリップ部分は、液体の存在下でカバー14を保持するのに滑りにくくするなど、グリップを高めるように液体を吸収するように設計されてもよい。いくつかの実施形態において、生体適合性のある水分を毛管作用で逃がすコーティング(moisture wicking coating)が外面に施されている。
【0199】
帯電防止性であるカバー14の内面及び/又は外面は、有利には、汚染物質などの微粒子がカバー14に静電的で引き寄せられる可能性を低減しうる。
【0200】
いくつかの実施形態において、カバー14の内面及び/又は外面に抗菌性のコーティングが施され、又はそれらの表面の一方又は両方が他の方法で抗菌性コーティングを含む。
【0201】
いくつかの実施形態において、カバー14は、二次元パターンなどのパターンを用いて構成される。そのパターンは、例えば、押し抜き機を用いて素材片から切り出されてもよい。そのパターンは、カバー14の所望の形状に折り畳まれうる。互いに接触するエッジは、一緒に、溶接されてもよいし、接着されてもよいし、縫製されてもよいし、その他の方法で接合されてもよい。いくつかの実施形態において、アパーチャ開口部21及び1又は複数のガスケット22を含むカバー14の部分が、折り畳まれたカバー14において平らになるように、そのパターンは折り畳まれる。これにより、アパーチャ開口部21のエリアにおいてカバー14にしわが発生することを回避しうる。
【0202】
いくつかの実施形態において、カバー14は、成形プロセスを用いて製造される。例えば、カバー14は、ディップ成形(dip-molding)、射出成形などで製造されてもよい。成形工程は、エラストマー化合物を使用してもよい。
【0203】
好ましくは、カバー14の継ぎ目は狭いように設計される。いくつかの実施形態において、カバー14の継ぎ目は、2mm以下の、例えば1.5mmの、幅を有する。いくつかの実施形態において、継ぎ目が動力ツールのトリガーエリアを横切っている。幅が広い継ぎ目を有すると、トリガーエリアの触知可能性を妨げうる。
【0204】
動力ツールは、好ましくは、図2Aに示すように例えばオープニング開口部20を介して、カバーの背面からカバー12内に挿入されるか、他の方法でカバー12に入る。しかしながら、動力ツールは、いくつかの実施形態において、代わりに、カバーの底部又は上部から、カバー内に挿入されてもよいし、他の方法でカバーに入りうる。
【0205】
カバー14は、様々な温度に耐えるように設計されてもよい。例えば、カバー14は、手術室で想定される周囲温度範囲で使用可能なように設計されていてもよい。いくつかの実施形態において、カバー14は、0℃~40℃の温度で使用できるように設計されている。
【0206】
いくつかの実施形態において、カバー14を動力ツールにより良く適合させるように、カバー14の内側から空気が除去されてもよい。例えば、真空のものなどの機構は、カバー14のアパーチャ開口部21及び/又はオープニング開口部20をシールする前に空気を除去してもよい。いくつかの実施形態において、カバー14は逆止弁40を含み、当該逆止弁40はカバー14の内部から空気を締め出すことを可能にする。いくつかの実施形態において、逆止弁40はフィルタを含み、当該フィルタは、粒子、胞子、細菌、又はカビなどの物質がカバー14の内部空洞から漏れるのを防ぐ。逆止弁40は、好ましくは、カバー14の内側の動力ツールの操作の妨げになることが想定されない位置に配置される。カバー14には逆止弁が取り付けられていてもよい。逆止弁は、カバー14と一体化されていてもよいし、又はカバー14の一部であってもよいし、或いは、その他の方法でカバーはそのような弁を含んでいてもよい。
【0207】
いくつかの実施形態において、カバー14はマークを含む。例えば、接着バンド24を覆う取り外し可能な非接着層24Aは、カバー14がどのように閉じられるかを示すマークを含んでいてもよい。別の例として、カバー14はブランドを含んでいてもよい。別の例として、カバー14はマークを含んでいてもよく、当該マークは、動力ツールの操作方法をユーザに指示し又は説明する。マークは、例えば、カバー14上に直接印刷されてもよい。
【0208】
いくつかの実施形態において、カバー14は、剛性又は硬質の部分を含む。そのような実施形態において、動力ツールのトリガーエリアを取り囲む又は動力ツールのトリガーエリアに隣り合って配置されるカバー14の部分は、動力ツールトリガーのより正確な操作を潜在的に可能にするように、より柔軟な材料で作られてもよい。
【0209】
好ましくは、カバー14はコンパクトに及び/又は平らにパッケージされてもよい。これにより、例えば、カバー14の空間的な設置面積、カバー14を保管するために必要なスペース、及び/又は輸送コストを削減しうる。
【0210】
カバー14は、図11Fに示すように、平たく折り畳まれてコンパクトなパッケージ50にしうる。図11A~11Eは例示折り畳みパターンを示し、当該例示折り畳みパターンは、例えば、カバー14をコンパクトでフラットなパッケージ50に折り畳むのに用いられうる。
【0211】
図11Aでは、オープニング開口部20を囲むカバー14の部分が、示された図の上部にあり、任意に折り返されてカフ23を形成する。そのような場合、カバー14は、あらかじめ形成されたカフ23とともにパッケージされる。これは、有利には、カフ23を形成するために追加の時間を費やす必要がないという点で、外科手術の前に動力ツールシステムを準備するのに必要な時間を短縮しうる。
【0212】
図11Bでは、アパーチャ開口部及びガスケット22A及び22Bに近接するカバー14の部分の側壁が、例えば少なくとも部分的に内側に、折り畳まれて、蛇腹状折り曲げ(accordion folds)を形成する。蛇腹状折り曲げは、図11Aにおいて1102、1104で示されているように、カバー14の一部が、カバー14の残りの部分に対して、フラットに折り曲げられることを可能にしうる。その部分を平らに折り畳むことで、例えば、カバー14が保管及び/又は輸送されている間に、ガスケット22A、22Bを損傷する可能性を低減しうる。蛇腹状折り曲げは、全般的に、図11Bにおいて1106で示されている。
【0213】
追加的に又は代替的に、蛇腹状折り曲げが持続させられてもよい。「持続」は、カバー14の内側に動力ツールを挿入することが、蛇腹状折り曲げを完全には破壊しないことを意味する。持続的な蛇腹状折り曲げは、例えば、動力ツールがカバー14の内側に挿入された場合に、カバー14のいかなる弛みもとりうる。
【0214】
追加的に又は代替的に、蛇腹状折り曲げは、カバー14を動力ツールの形状に適合させるのに役立ちうる。蛇腹状折り曲げは、例えば、カバー14のうち動力ツールの本体を受ける部分の長さを短くしうる。蛇腹状折り曲げは、例えば、動力ツールの本体に適合させるのに必要な長さだけ延在させられてもよい。動力ツールがより長い本体を有することは、より短い本体を有するツールよりも、より多くの蛇腹状折り曲げを延在させうる。
【0215】
いくつかの実施形態において、側壁は1つのポイントに沿って内側に折り畳まれ、各側面に1つの蛇腹状折り曲げを形成する。いくつかの実施形態において、側壁は2つ以上のポイントに沿って内側に折り畳まれ、各側面に2つ以上の蛇腹状折り曲げを形成してもよい。
【0216】
図11C及び図11Dは、折り畳まれたカバーの空間的設置面積を減らすための手順の例を示す。図11Cでは、カバー14が長さ方向に複数回折り畳まれて、折り畳まれたカバーの全体の幅を低減する。図11Dでは、カバー14は、矢印1108、1110で示されるように、横方向に複数回折り畳まれ、折り畳まれたカバーの全長を低減する。
【0217】
図11Eはカバー14を示し、当該カバー14は、図11Dの矢印1108、1110で示される折り畳みパターンに従って平らに折り畳まれている。折り畳まれたカバーは、折り畳まれていないカバー14と比較して、低減された空間的な設置面積を有する。
【0218】
図11Dにおける破線矢印1111は、いくつかの実施形態で実行されうる折り畳みステップの別の例を示す。1111で示される例示的な折り畳みステップによれば、アパーチャ開口部及びガスケット22A、22Bを含むカバー14の部分が、図11Dにおいて1110で示される方向とは反対の方向に折り畳まれ、カバーが1108で示されるようにさらに折り畳まれる場合に、カバーのその部分がカバーの他の部分間に配置される。
【0219】
折り畳まれたカバーは、例えば図11Dにおいて1110又は1111で示されているように折り畳まれているかどうかにかかわらず、図11Fに示すようにシールされた保護パッケージ50に入れられてもよい。
【0220】
パッケージ50の上面52及び底面54などのパッケージ50の外面は、カバー14を露出させるように、互いに剥離されてもよい。これは、ユーザが、パッケージ50の1つ以上の非滅菌外面と滅菌カバー14が接触することなく、滅菌カバー14をパッケージ50から取り外すことを可能にしうる。典型的には、非滅菌のユーザはパッケージ50の外面を剥がし、その一方で、スクラブインしたユーザなどの滅菌したユーザが、滅菌カバー14を取り去る。
【0221】
カバー14及び/又はここに記載された他の使い捨て部品は、カバー14又は他の部品の1又は複数の材料と適合するやり方で、滅菌されてもよい。例えば、カバー14は、ETO(エチレンオキシド滅菌)、放射線、及び/又は他の滅菌プロセスを用いて滅菌されてもよい。いくつかの実施形態において、カバー14は、パッケージ50などの保護パッケージによって包まれた後に滅菌されてもよい。いくつかの実施形態におけるパススルー16、416A、416Bなどのここに記載される再利用可能な部品は、蒸気を用いて滅菌されてもよい。
【0222】
カバー14は、複数年の保存可能期間を持ちうる。いくつかの実施形態において、カバー14は、5年の保存可能期間を有する。いくつかの実施形態において、カバー14は10年の保存可能期間を有する。
【0223】
ここの他の箇所で説明したように、カバー14の一部は、カバー14の他の部分よりも厚くてもよい。いくつかの実施形態において、図2Aにおいて22で例示した1つ又は複数のガスケットが、アパーチャ開口部21の周りのカバー14の厚さを増加させることによって、アパーチャ開口部21の周りに複数の層を有することによって、及び/又は同様のことによって、提供される。これは、例えば、カバー14の製造を容易にする及び/又はコストを削減するなどの利点を有しうる。
【0224】
動力ツールシステム、カバー、カバーシステム、部分、部品、及び方法の実施形態は、主に人間の患者のための外科的アプリケーションとの関連で上述してきた。しかしながら、ここに記載されている実施形態は、更に又はその代わりに、獣医学的用途、組織採取用途、食品加工用途、又は動力ツールをその外部環境から保護する必要がある用途においてなど、バリアで動力ツールを囲むことが望ましい他の用途に対し、適用されうる。
【0225】
また、他のバリエーションも考えられる。例えば、図12は、別の動力ツールシステム1210の概略的な斜視図であり、パススルーの更なる例を示す。動力ツールシステム1210は、アパーチャ開口部1213Aを定めるカバー1213と、カバー1213の内部にある動力ツール12と、アパーチャ開口部を介して動力ツールに対して取り外し可能に結合可能なアセンブリ1211と、を含む。
【0226】
図13は例示アセンブリ1211の拡大斜視図であり、当該例示アセンブリ1211は、牽引ピン1215、アダプター1216、及びオプションのキャップ1218を含む。アダプター1216は、牽引ピン1215を動力ツール1212に対して軸方向に保持するように、動力ツール12の対応の受け端部に結合されてもよい。またアダプター1216を動力ツール1212の受け端部に結合することは、動力ツールシステム1210が組み立てられる場合に牽引ピン1215が通過するアパーチャ開口部1213A(図12)をシールしうる。オプションのキャップ1218は、牽引ピン1215の鋭い先端を覆って、牽引ピン1215が患者の組織に挿入される前の組織への不注意な穿刺やその他の傷や損傷を防ぐか或いは少なくともその可能性を低減する。
【0227】
牽引ピンアセンブリ1211の部品は、典型的には、滅菌されている。牽引ピンアセンブリ1211の少なくともいくつかの部品は、1回だけ使われて捨てられる使い捨て可能部品であって一人の患者に対する使用後に廃棄されてもよく、牽引ピンアセンブリは、更に又はその代わりに、異なる患者への使用間に滅菌されうる1つ又は複数の多数回使用部品を含んでいてもよい。
【0228】
いくつかの実施形態において、牽引ピンアセンブリ1211は、アダプター1216及びキャップ1218が含まれている場合に牽引ピン1215に既に結合された状態で、あらかじめ組み立てられた状態でパッケージされる。いくつかの実施形態において、牽引ピンアセンブリ1211は、滅菌パッケージ内にパックされる。
【0229】
牽引ピンアセンブリ1211のオプションのキャップ1218及び/又はアダプター1216は、例えば、適切なプラスチックで作られていてもよい。いくつかの実施形態において、牽引ピンアセンブリ1211のそのような部品は、射出成形、3D印刷、及び/又は同様のものなどの技術やプロセスを使用して、製造される。
【0230】
アダプター1216は、動力ツール1212の受け端部の対応する特徴部に係合して、アダプターを動力ツールに結合させる特徴部を含む。アダプター1216は、牽引ピンが患者の組織に挿入されている間、牽引ピン1215の端部1215Aを動力ツール1212の結合機構内に維持するのに役立ちうる。アダプター1216が動力ツール1212の受け端部に結合されると、アダプターは、軸方向に固定されてもよく、したがってアダプターが動力ツールから切り離されるまで動力ツールに対して軸方向に移動しないかもしれない。さらに、アダプター1216は、牽引ピン1215が通過する滅菌カバー1213のアパーチャ開口部1213Aをシールしてもよい。そのようなシールを潜在的に向上させるように、アパーチャ開口部1213Aの周りに1つ以上の圧縮性ガスケット1213Bが設けられてもよい。更に又はその代わりに、図6A~6Eを参照して上記で例として開示されるようなカバーアダプターが、1213Bに設けられてもよい。
【0231】
図14Aは例示アダプター1416の斜視図であり、当該例示アダプター1416は、図12における例示動力ツールシステム1210などの動力ツールシステムに実装されうる。
【0232】
アダプター1416における穴1430は、牽引ピンがアダプターを通ることを許容する。穴1430の内面は、いくつかの実施形態において、牽引ピンと摩擦的に係合する。ただし、穴1430の内面と牽引ピンとの間の摩擦は小さく、それによって穴内での牽引ピンの回転を妨げたり、実質的に阻害したりすることはない。いくつかの実施形態において、穴1430の内面と牽引ピンとの間の摩擦は、穴1430のすべてに沿って均一であるというわけではない。いくつかの実施形態において、穴1430の内面と牽引ピンとの間の摩擦は、穴の端部1430Aで最も高い。
【0233】
穴1430の直径は、典型的には、牽引ピンの直径未満又は幅未満であり、アダプター1416は、当該牽引ピンとともに使用されることが意図されている。さらに、アダプター1416の内面は、典型的には、アダプター1416が動力ツールに結合される場合に、図12及び図13において1215Aで示されるピン端部の反対側の端面に接する。これらの特徴部は、有利には、牽引ピンを動力ツールに対して相対的に軸方向に保持するのに役立つ。
【0234】
穴1430は、例えば、アダプター1416に対する牽引ピンの横方向の移動を防止することによって牽引ピンを支持するように設計された構造体1431内に形成されてもよい。構造体1431は、好ましくは、穴1430を通して設置される牽引ピンの一部に沿って長手方向に延びる。構造体1431は、例えば、0.1cm~1.5cm延びていてもよい。穴1430は、構造体1431を貫通して長手方向へ完全に延びていてもよい。いくつかの実施形態において、穴1430は、図14Aに示すような円錐形構造体の場合のように、不均一な直径を有するが、これは必須ではなく、構造体1431は、例えば、円筒形、六角形、又は他の形状であってもよい。
【0235】
アダプター1416を動力ツールの受け端部に挿入することは、例えば、動力ツールの受け端部のロックピンを、図14Bに例示した斜面1432に沿ってスライドさせうる。アダプター1416が十分に挿入されると、ロックピンが凹部1433内に落ちうるものであり、それによってアダプター1416が動力ツールの受け端部に対して相対的にロックされる。いくつかの実施形態において、斜面1432は、アダプター1416が動力ツールの受け端部に対してロックされる前に、アダプター1416が受け端部内に押し込まれてねじられることを必要とするように構成される。また同様の配置は、例えばパススルー16、416A、416Bについて、ここに開示されている。
【0236】
さらに、アダプター1416を動力ツールに結合することは、図14Cに例示されているアダプターの表面1434を、動力ツールから、又は動力ツールシステムの別の部品から、十分な距離離れて、カバーのアパーチャ開口部の周りにシールを形成するように、自動的に配置しうる。
【0237】
ここに開示されているパススルーの他の実施形態と同様に、牽引ピンアセンブリにおけるアダプター1416は、1つ又は複数の案内突出部1435を含んでいてもよい。動力ツールの受け端部の対応する凹部への突出部1435の挿入は、アダプター1416を、動力ツールに対して所望の方向に配置しうる。
【0238】
牽引ピンアセンブリ1211は、アダプター1216、1416とともに、カバー内の動力ツールからカバー外へ動きを伝えるパススルーの他の例である。他の実施形態との関連でここに開示された特徴は、牽引ピンアセンブリ又はその部品に実装されてもよく、同様にここに開示された牽引ピンアセンブリの特徴は、他の実施形態に実装されてもよい。例えば、アダプター1216、1416は、滅菌バリア又はカバーの一部を捕らえてアパーチャ開口部の周りに圧縮シールを形成するように、又はアパーチャ開口部を作ってアパーチャ開口部の周りにシールを形成するように、一緒に結合可能な第1の部分及び第2の部分を含む複数部分デバイスであってもよい。牽引ピン1215の端部1215Aは、別の実施形態との関連で図4Dに示される動力ツール結合機構42と結合するように形作られてもよいし、他の方法で構成されてもよい。牽引ピン1215などのパススルー自体の可動部品が、動力ツールによって駆動されるツールである又は動力ツールによって駆動されるツールを含む構成は、ここに開示される他の実施形態で実装されてもよい。
【0239】
カバーシステム及びその部品における他の特徴及びバリエーションも考えられる。更なる例として、様々なシール部品又はシール要素のいずれかが提供されうるが、更なる混雑を避けるために図面に明示的に示されていない。Oリング、ガスケット、或いは他のタイプのシール部品は、パススルーの外径部の周りに取り付けられ又は配置され、剛性カバーや滅菌バリアアダプターの円錐形内面又は円筒形内面に対して外径部をシールしてもよい。シール部品は、更に又はその代わりに、カバーアダプターの孔において、内部Oリング、ガスケット、又は他のタイプのシール部品として提供されうるものであり、圧縮されうるものであり、又は少なくとも円筒形パススルー又は円錐形パススルーの周りをシールしうる。1つ以上のシール部品が、更に又は代わりに、例えば図5Bにおける1以上のベアリング572、574及びシャフト576の周りをシールするように、パススルーの内部に設けられてもよい。
【0240】
その他の変形は、本開示に基づいて、当業者には明らかでありうる又は明らかになりうる。
【0241】
用語の解釈
文脈が明らかに別のやり方を必要としない限り、明細書及び特許請求の範囲全体において:
・ 「含む」、「含んでいる」などは、排他的又は網羅的な意味ではなく、包括的な意味で解釈されるべきであり;つまり、「含むが、限定されない」という意味で解釈される;
・ 「接続され」、「結合され」、又はそれらの変形は、2つ以上の要素間の直接的又は間接的なあらゆる接続又は結合を意味し;要素間の結合又は接続は、物理的、論理的、又はそれらの組み合わせでありうる;
・ この明細書を説明するために使用される「ここで」、「上」、「下」、及び同様の意味の言葉は、この明細書のいかなる特定の部分ではなく、全体としてこの明細書に言及する;
・ 「又は」は、2つ以上の項目のリストに関して、以下のような単語の解釈のすべてをカバーする:リストにおける項目のいずれか、リストにおける項目のすべて、及びリストにおける項目の任意の組み合わせ;
・ また単数形の「a」、「an」、「the」は、任意の適切な複数形の意味を含む。
【0242】
この明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される「縦」、「横」、「水平」、「上向き」、「下向き」、「前方」、「後方」、「内側」、「外側」、「左」、「右」、「前」、「後」、「上」、「下」、「上方」、「下方」などの方向を示す言葉は、説明された及び示された装置の具体的な向きに依存する。ここに記載されている主題は、様々な代替的な方向性を想定しうる。したがって、これらの方向性を示す用語は、厳密には定義されておらず、狭義に解釈されるべきではない。
【0243】
例えば、方法に関わる操作や折り畳み手順の工程などのプロセス又はブロックが所定の順序で提示される一方で、代替例は、異なる順序のステップを有するルーチンを実行してもよいし或いは異なる順序のブロックを有するシステムを採用してもよく、いくつかのプロセスやブロックは、削除されてもよいし、移動されてもよいし、追加されてもよいし、細分化されてもよいし、結合されてもよいし、及び/又は代替又はサブコンビネーションを提供するように変更されてもよい。これらのプロセスやブロックの各々は、様々な異なる方法で実施されうる。また、プロセスやブロックが直列に実行されるように示される時間におけるものである一方で、これらのプロセスやブロックは、代わりに並列に実行されてもよく、或いは異なる時間に実行されてもよい。
【0244】
さらに、要素が順次実行されるように示される時間におけるものである一方で、それらが代わりに同時に又は異なる順序で実行されてもよい。したがって、以下の特許請求の範囲は、それらの意図される範囲内におけるようなすべてのそのような変形を含むように解釈されることが意図されている。
【0245】
アセンブリ、装置、又は部分などの部品が上記で言及されている場合、特に示されていない限り、「手段」への言及を含むその部品への言及は、説明された部品の機能を実行する任意の部品であって、その意味で発明の示された例示実施形態において機能を実行する開示された構造体と構造的に等価ではない部品を含む機能的等価物である任意の部品を、その部品の等価物として含むものと解釈されるべきである。
【0246】
ここでは、説明のために、システム、方法、及び装置の具体的な例が記載されている。これらは例に過ぎない。ここで提供される技術は、上述の例示システム以外のシステムに対して適用可能である。この発明の実施においては、多くの変更、修正、追加、省略、及び並び替えが可能である。この発明は、説明された実施形態における様々な変形を含み、当該変形は、熟練の受取人にとって明らかであり、以下によって得られる変形を含む:特徴、要素及び/又は行為を同等の特徴、要素及び/又は行為で置き換えること;様々な実施形態からの特徴、要素及び/又は行為を混合して調和すること;ここに記載されているような実施形態からの特徴、要素及び/又は行為を、他の技術の特徴、要素及び/又は行為と組み合わせること;及び/又は、説明された実施形態からの特徴、要素及び/又は行為を組み合わせることを省略すること。
【0247】
様々な特徴が、「いくつかの実施形態」において存在するものとして、ここでは記載されている。そのような特徴は必須ではなく、すべての実施形態で存在するとは限らない。発明の実施形態は、そのような特徴のうちのゼロ、任意の1つ、又は2つ以上のそのような特徴の任意の組み合わせを含みうる。これは、そのような特徴のうちのあるものが、そのような特徴のうちの他のものと相容れないという範囲にのみ限定され、その意味で、そのような相容れない特徴を組み合わせる実用的な実施形態を当業者が構築することは不可能であろう。したがって、「いくつかの実施形態」が特徴Aを有し、「いくつかの実施形態」が特徴Bを有するという記述は、明細書に特徴AとBが根本的に相容れないことの別段の記載がない限り、発明者が特徴AとBを組み合わせる実施形態も想定していることを明示的に示すものと解釈されるべきである。
【0248】
したがって、以下の添付の請求項及び今後導入される請求項は、合理的に推測されるようなすべての変更、再配列、追加、省略、及びサブコンビネーションを含むように解釈されることが意図されている。請求項の範囲は、例で述べた好ましい実施形態によって限定されるべきではなく、明細書全体と矛盾しない最も広い解釈が与えられるべきである。
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図4A
図4B
図4C
図4D
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図6F
図7A
図7B
図7C
図8A
図8B
図9A
図9B
図9C
図9D
図10A
図10B
図11A
図11B
図11C
図11D
図11E
図11F
図12
図13
図14A
図14B
図14C
【国際調査報告】