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特表2022-550309管状導管装置の製造のための方法、および、管状導管装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-01
(54)【発明の名称】管状導管装置の製造のための方法、および、管状導管装置
(51)【国際特許分類】
   F16L 23/036 20060101AFI20221124BHJP
   F16L 23/024 20060101ALI20221124BHJP
   F16L 23/18 20060101ALI20221124BHJP
【FI】
F16L23/036
F16L23/024
F16L23/18
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022518907
(86)(22)【出願日】2020-07-17
(85)【翻訳文提出日】2022-03-30
(86)【国際出願番号】 EP2020070272
(87)【国際公開番号】W WO2021058164
(87)【国際公開日】2021-04-01
(31)【優先権主張番号】102019214700.3
(32)【優先日】2019-09-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390009438
【氏名又は名称】グラット ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Glatt GmbH
【住所又は居所原語表記】Werner-Glatt-Str. 1, D-79589 Binzen, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 大成
(72)【発明者】
【氏名】ノーヴァク・イェスコ・ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】ノーヴァク・ラインハルト
【テーマコード(参考)】
3H016
【Fターム(参考)】
3H016AA03
3H016AB07
3H016AC04
3H016AD04
3H016AD06
3H016AD08
3H016CA01
(57)【要約】
【解決手段】本発明は、1つの管状導管中心軸線3を有する2つの管状導管ユニット16を備える、管状導管装置21の製造のための方法に関し、
その際、前記管状導管ユニット16が、管状導管外側表面4と管状導管端面5と管状導管外径6とを備える管状導管1と、管継ぎ手内径7を有する管継ぎ手2とを備えており、この管継ぎ手2が、フランジ部分端面8を有するフランジ部分9と、管体部分内側表面10を有する管体部分11とを備えており、および、
前記管状導管装置が、
軸線方向に、前記管継ぎ手2の前記フランジ部分端面(8)の間に配置された密閉材13と、
2つの前記管状導管ユニット16の前記管継ぎ手2の前記フランジ部分9を軸線方向に互いに締め付ける締付け装置24とを備え、
その際、前記管継ぎ手2が、少なくとも、前記フランジ部分端面8と前記管状導管端面5との同一平面状態に至るまで、前記管状導管1の上に差し込まれ、
前記管状導管1が、前記管継ぎ手2内における、この管状導管1の半径方向の拡径によって生じさせられた締り嵌め部17において固定され、および、
生成された前記管状導管ユニット16が、軸線方向に、前記管継ぎ手2の前記フランジ部分9の締め付けによって、前記管状導管装置21へと締め付けられ、および、本発明が、上記方法が実施可能な、管状導管装置21に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つの管状導管中心軸線(3)を有する2つの管状導管ユニット(16)を備える、管状導管装置(21)の製造のための方法であって、
前記管状導管ユニット(16)が、管状導管外側表面(4)と管状導管端面(5)と管状導管外径(6)とを備える管状導管(1)と、管継ぎ手内径(7)を有する管継ぎ手(2)とを備えており、この管継ぎ手(2)が、フランジ部分端面(8)を有するフランジ部分(9)と、管体部分内側表面(10)を有する管体部分(11)とを備えており、および、
前記管状導管装置が、
軸線方向に、前記管継ぎ手(2)の前記フランジ部分端面(8)の間に配置された密閉材(13)と、
2つの前記管状導管ユニット(16)の前記管継ぎ手(2)の前記フランジ部分(9)を軸線方向に互いに締め付ける締付け装置(24)とを備える、
上記方法において、
前記管継ぎ手(2)が、少なくとも、前記フランジ部分端面(8)と前記管状導管端面(5)との同一平面状態に至るまで、前記管状導管(1)の上に差し込まれ、
前記管状導管(1)が、前記管継ぎ手(2)内における、この管状導管(1)の半径方向の拡径によって生じさせられた締り嵌め部(17)において固定され、および、
生成された前記管状導管ユニット(16)が、軸線方向に、前記管継ぎ手(2)の前記フランジ部分(9)の締め付けによって、前記管状導管装置(21)へと締め付けられる、
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記管状導管(1)と前記管継ぎ手(2)とが準備され、
その際、前記管状導管外径(6)が、前記管継ぎ手内径(7)よりも大きく、
従って、直接的に、前記管状導管(1)の上への前記管継ぎ手(2)の差し込みの際に、締り嵌めが生じさせられることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記管継ぎ手(2)の前記管状導管(1)の上への、前記管継ぎ手(2)の差し込みの以前に、前記管継ぎ手(2)は加熱され、及び/または、前記管状導管(1)が冷却される、または、
前記管継ぎ手(2)が冷却され、及び/または、前記管状導管(1)が加熱される、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記管状導管(1)の半径方向の拡径の以前に、前記管体部分内側表面(10)及び/または前記管状導管外側表面(4)は、少なくとも部分的に立体構造を与えられており、従って、前記管状導管(1)が、直接的に、前記管継ぎ手(2)内における、前記管状導管(1)の半径方向の拡径によって生じさせられた締り嵌め部(17)により、摩擦による係合によっても固定される、
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の方法。
【請求項5】
前記密閉材(13)は、前記管状導管装置(21)への前記管状導管ユニット(16)の締め付けにより、規定された移行部(22)を互いに締め付けられた2つの前記管状導管ユニット(16)の間で形成し、
従って、前記管状導管ユニット(16)を通って流動する媒体の残留物の集積が生じない、
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載の方法。
【請求項6】
前記密閉材(13)が、密閉材インサート(20)を有しており、この密閉材インサートは、2つの前記管状導管ユニット(16)の間の軸線方向の最小の間隔(23)を、前記管状導管装置(21)への前記管状導管ユニット(16)の締め付けの間じゅう規定するために構成されている、
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか一つに記載の方法。
【請求項7】
1つの管状導管中心軸線(3)を有する2つの管状導管ユニット(16)を備える、管状導管装置(21)であって、
前記管状導管ユニット(16)が、管状導管外側表面(4)と管状導管端面(5)と管状導管外径(6)とを備える管状導管(1)と、管継ぎ手内径(7)を有する管継ぎ手(2)とを備えており、この管継ぎ手(2)が、フランジ部分端面(8)を有するフランジ部分(9)と、管体部分内側表面(10)を有する管体部分(11)とを備えており、および、
前記管状導管装置が、
軸線方向に、前記管継ぎ手(2)の前記フランジ部分端面(8)の間に配置された密閉材(13)と、
2つの前記管状導管ユニット(16)の前記管継ぎ手(2)の前記フランジ部分(9)を軸線方向に互いに締め付ける締付け装置(24)とを備える、
上記管状導管装置(21)において、
前記管継ぎ手(2)が、少なくとも、前記フランジ部分端面(8)と前記管状導管端面(5)との同一平面状態に至るまで、前記管状導管(1)の上に差し込まれており、および、
前記管状導管(1)が、前記管継ぎ手(2)内における、この管状導管(1)の半径方向の拡径によって生じさせられた締り嵌め部(17)において固定されている、
ことを特徴とする装置。
【請求項8】
前記管状導管外径(6)と前記管継ぎ手内径(7)とは、
前記管状導管(1)の上への前記管継ぎ手(2)の差し込みの際に締り嵌めを形成するように形成されている、
ことを特徴とする請求項7に記載の管状導管装置(21)。
【請求項9】
前記管体部分内側表面(10)及び/または前記管状導管外側表面(4)は、少なくとも部分的に立体構造を与えられており、
従って、前記管状導管(1)が、前記管継ぎ手(2)内における、前記管状導管(1)の半径方向の拡径によって生じさせられた締り嵌め部(17)において、形状による係合によっても固定されている、
ことを特徴とする請求項7または8に記載の管状導管装置(21)。
【請求項10】
前記締付け装置(24)は、継手クランプ(25)として形成されていることを特徴とする請求項7から9のいずれか一つに記載の管状導管装置(21)。
【請求項11】
前記密閉材(13)は、規定された移行部(22)を互いに締め付けられた2つの前記管状導管ユニット(16)の間で形成するために、構成されており、
従って、前記管状導管ユニット(16)を通って流動する媒体または前記管状導管装置(21)を通って流動する諸媒体の残留物の集積が生じない、
ことを特徴とする請求項7から10のいずれか一つに記載の管状導管装置(21)。
【請求項12】
前記密閉材(13)が、密閉材インサート(20)を有しており、この密閉材インサートは、2つの前記管状導管ユニット(16)の間の軸線方向の最小の間隔(23)を規定するために構成されている、
ことを特徴とする請求項7から11のいずれか一つに記載の管状導管装置(21)。
【請求項13】
前記密閉材インサート(20)は、当接部(26)として形成された密閉材インサート端面(27)を有していることを特徴とする請求項12に記載の管状導管装置(21)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、1つの管状導管中心軸線を有する2つの管状導管ユニットを備える、管状導管装置の製造のための方法に関し、
その際、前記管状導管ユニットが、管状導管外側表面と管状導管端面と管状導管外径とを備える管状導管と、管継ぎ手内径を有する管継ぎ手とを備えており、この管継ぎ手が、フランジ部分端面を有するフランジ部分と、管体部分内側表面を有する管体部分とを備えており、および、
前記管状導管装置が、
軸線方向に、前記管継ぎ手の前記フランジ部分端面の間に配置された密閉材と、
2つの前記管状導管ユニットの前記管継ぎ手の前記フランジ部分を軸線方向に互いに締め付ける締付け装置とを備える。
【0002】
更に、本発明は、1つの管状導管中心軸線を有する2つの管状導管ユニットを備える、管状導管装置に関し、
その際、前記管状導管ユニットが、管状導管外側表面と管状導管端面と管状導管外径とを備える管状導管と、管継ぎ手内径を有する管継ぎ手とを備えており、この管継ぎ手が、フランジ部分端面を有するフランジ部分と、管体部分内側表面を有する管体部分とを備えており、および、
前記管状導管装置が、
軸線方向に、前記管継ぎ手の前記フランジ部分端面の間に配置された密閉材と、
2つの前記管状導管ユニットの前記管継ぎ手の前記フランジ部分を軸線方向に互いに締め付ける締付け装置とを備える。
【背景技術】
【0003】
従来、独国工業規格(DIN)11864-3による、圧力負荷される管状導管装置は、溝付きクランプ継ぎ手およびつば付きクランプ継ぎ手(Nut- und Bundklemmstutzen)を用いて実現されており、その際、これら管状導管装置が、それぞれに、管状導管端部において溶接される。圧力負荷される管状導管装置の溶接継ぎ目は、引き続いて、手間暇をかけて後加工および検査される必要がある。
密閉材、特にOリングは、溝付きクランプ継ぎ手の中に挿入される。締付け装置は、溝付きクランプ継ぎ手とつば付きクランプ継ぎ手とを結合し、その際、溝付きクランプ継ぎ手において配置された機械的な当接部が、Oリングが規定された状態で押付けられることのための働きをする。
この押付け力によって、Oリングは、部分的に溝部から押し出され、従って、溝付きクランプ継ぎ手とつば付きクランプ継ぎ手との間の規定された移行部が、管状導管装置の内部において与えられる。
【0004】
更に別の独国工業規格(DIN)32676により製造された管状導管装置に相応して、この管状導管装置は、密閉材を収容する2つの溶接継ぎ手によって実現されている。この管状導管装置の欠点は、圧力負荷される管状導管装置溶接継ぎ目が、引き続いて、手間暇をかけて後加工および検査される必要があることである。
【0005】
それに加えて、密閉材が、如何なる規定された押付け力も有してなく、むしろ、この押付け力が、締付け装置によって決定されることは欠点である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、管状導管装置の製造のための方法、および、管状導管装置それ自体を提供することであり、その際、圧力負荷される管状導管装置の溶接継ぎ目の後加工および検査が必要ではない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題は、冒頭に記載された様式の方法において、
前記管継ぎ手が、少なくとも、前記フランジ部分端面と前記管状導管端面との同一平面状態に至るまで、前記管状導管の上に差し込まれ、
前記管状導管が、前記管継ぎ手内における、この管状導管の半径方向の拡径によって生じさせられた締り嵌め部において固定され、および、
生成された前記管状導管ユニットが、軸線方向に、前記管継ぎ手の前記フランジ部分の締め付けによって、前記管状導管装置へと締め付けられる、
ことによって解決される。
有利なこの方法の利点は、製造された管状導管装置が、2つの管状導管ユニットの簡単な結合を具現することにある。このことによって、この管状導管装置の製造の際のコストおよび作業ステップは節約される。
それに加えて、従来の方法で、管状導管装置の結合技術の際に生じる、例えば溶接歪みに基づいての、後加工は、管状導管装置の製造のための新しい方法の際に、必要ではない。場所に拘束されていない製造工具に基づいて、この製造が、同様に場所に依存しないことも可能であり、このことによって、溶接の際に中心的な意義のある、例えば周囲空気および湿度の依存関係は考慮されない。
【発明の効果】
【0008】
この方法の、上記のことに関連して有利な更なる構成により、
前記管状導管と前記管継ぎ手とが準備され、
その際、前記管状導管外径が、前記管継ぎ手内径よりも大きく、
従って、直接的に、前記管状導管の上への前記管継ぎ手の差し込みの際に、締り嵌めが生じさせられる。この締り嵌めによって、改善された、摩擦による係合状態の結合が、管状導管と管継ぎ手との間で形成される。
有利には、前記管継ぎ手の前記管状導管の上への、前記管継ぎ手の差し込みの以前に、前記管継ぎ手は加熱され、及び/または、前記管状導管が冷却される、または、
前記管継ぎ手が冷却され、及び/または、前記管状導管が加熱される。このことによって、管状導管と管継ぎ手との、より簡単な押圧接合が可能にされる。
【0009】
更に有利には、
前記管状導管の半径方向の拡径の以前に、前記管体部分内側表面及び/または前記管状導管外側表面は、少なくとも部分的に立体構造を与えられており、従って、前記管状導管が、直接的に、前記管継ぎ手内における、前記管状導管の半径方向の拡径によって生じさせられた締り嵌め部により、形状による係合によっても固定される。
例えば極めて異なるパターンにおける刻み目および隆起部による、少なくとも部分的な、管体部分内側表面及び/または管状導管外側表面の立体構造付与により、管状導管の拡径により達成された形状による係合と並んで、付加的に、更に摩擦による係合が生じさせられ、且つ、これに伴って、管状導管と管継ぎ手との間の、比較的に高い価値の結合が達成される。
【0010】
更に、この方法の付加的で有利な実施形態において、
前記密閉材は、前記管状導管装置への前記管状導管ユニットの締め付けにより、規定された移行部を互いに締め付けられた2つの前記管状導管ユニットの間で形成し、
従って、前記管状導管ユニットを通って流動する媒体の残留物の集積が生じない。
密閉材は、有利には、扁平密閉材として形成されている。密閉材材料として、例えば、エラストマー、プレス繊維(Pressfaser)、アラミド繊維、炭素繊維、鉱物繊維、金属、銅のような材料が使用される。
【0011】
同様に、被覆された密閉材、特に被覆された扁平密閉材も有利であり、その際、これら被覆された扁平密閉材が、PTFE被覆体または金属被覆体、有利には鋼または高温ガスに対して耐食性を有するニッケル合金、によって被覆された、(適宜の扁平密閉材材料、例えば繊維結合体、PTFE、等の)コアを備えている。この被覆体は、密閉されるべき媒体からの化学的な作用に対してこのコアを保護する。
【0012】
この方法の、有利な更なる構成に相応して、
前記密閉材が、密閉材インサートを有しており、この密閉材インサートは、
2つの前記管状導管ユニットの間の軸線方向の最小の間隔を、前記管状導管装置への前記管状導管ユニットの締め付けの間じゅう規定するために構成されている。
2つの管状導管ユニットの間の、密閉材インサートを備える密閉材を用いての、軸線方向の最小の間隔の調節は、密閉面の最大の押付け力が予め設定可能であることの利点を有している。それに加えて、密閉材インサートに基づいての、2つの管状導管ユニットの間の下回り可能でない最小の間隔により、管状導管ユニット、特に上記のことに関連する管体における後加工は行われなくて良い。
【0013】
更に冒頭に記載された様式の課題は、
前記管継ぎ手が、少なくとも、前記フランジ部分端面と前記管状導管端面との同一平面状態に至るまで、前記管状導管の上に差し込まれており、および、
前記管状導管が、前記管継ぎ手内における、この管状導管の半径方向の拡径によって生じさせられた締り嵌め部において固定されている、
ことによって解決される。
有利な管状導管装置は、製造されたこの管状導管装置が、2つの管状導管ユニットの簡単な結合を具現すること、このことによって、この管状導管装置の製造の際のコストおよび作業ステップが節約される、ことの利点を有している。
従来の、管状導管装置の結合技術において、管状導管装置の後加工が、例えば場合によっては生じる溶接歪みにより生じるが、これら後加工は、有利な管状導管装置において行われなくて良い。それに加えて、管状導管装置の製造のための方法は、従来公知の製造方法との比較において、場所に拘束されていなく、且つ、従って、どこででも実施され得る。
【0014】
有利には、管継ぎ手2は、管状導管1が、0.5mmから2mmまで、特に有利には0.5mmから1mmまでの長さでもって、管継ぎ手2から突き出すように管状導管1の上に差し込まれる。これに伴って、フランジ部分端面と管状導管端面とは、互いに同一平面上にではなく、むしろ、互いに位置ずれされて配置されている。
そのような配置は、管状導管端面が、締付け装置を用いての管状導管ユニットの締め付けの際に、フランジ部分端面8と管状導管端面との同一平面上の配置との比較において、より大きな面押付け力に曝されることの利点を有している。このことによって、より高い密閉性が達成される。
【0015】
管状導管装置の有利な構成において、
前記管状導管外径と前記管継ぎ手内径とは、
前記管状導管の上への前記管継ぎ手の差し込みの際に締り嵌めを形成するように形成されている。この締り嵌めによって、改善された、摩擦による係合状態の結合が、管状導管と管継ぎ手との間で形成される。
有利には、前記管継ぎ手の前記管状導管の上への、前記管継ぎ手の差し込みの以前に、前記管継ぎ手は加熱され、及び/または、前記管状導管が冷却される、または、
前記管継ぎ手が冷却され、及び/または、前記管状導管が加熱される。このことによって、管状導管と管継ぎ手との、より簡単な押圧接合が可能にされる。
【0016】
更に有利には、
前記管体部分内側表面及び/または前記管状導管外側表面は、少なくとも部分的に立体構造を与えられており、
従って、前記管状導管が、前記管継ぎ手内における、前記管状導管の半径方向の拡径によって生じさせられた締り嵌め部において、形状による係合によっても固定されている。
例えば極めて異なるパターンにおける刻み目および隆起部による、少なくとも部分的な、管体部分内側表面及び/または管状導管外側表面の立体構造付与により、管状導管の拡径により達成された形状による係合と並んで、付加的に、更に摩擦による係合が生じさせられ、且つ、これに伴って、管状導管と管継ぎ手との間の、比較的に高い価値の結合が達成される。
【0017】
有利には、前記締付け装置は、継手クランプとして形成されている。このことによって、2つの管状導管ユニットに対して作用する押付け力は、可変に調節可能である。
それに加えて、そのような締付け装置は、コストが安い。締付け装置が、同様にフランジ付きボルト結合(Flansch-Schrauben-Verbindung)として形成されていることも可能である。
【0018】
管状導管装置の付加的で有利な更なる構成に従い、
前記密閉材は、規定された移行部を互いに締め付けられた2つの前記管状導管ユニットの間で形成するために、構成されており、
従って、前記管状導管ユニットを通って流動する媒体または前記管状導管装置を通って流動する諸媒体の残留物の集積が生じない。
【0019】
管状導管装置の更に有利な構成に相応して、
前記密閉材が、密閉材インサートを有しており、この密閉材インサートは、
2つの前記管状導管ユニットの間の軸線方向の最小の間隔を規定するために構成されている。
2つの管状導管ユニットの間の、密閉材インサートを備える密閉材を用いての、軸線方向の最小の間隔の調節は有利である。何故ならば、密閉面の最大の押付け力が予め設定可能であるからである。それに加えて、密閉材インサートに基づいての、2つの管状導管ユニットの間の下回り可能でない最小の間隔により、管状導管ユニット、特に上記のことに関連する管体における後加工は行われなくて良い。
【0020】
有利には、前記密閉材インサートは、当接部として形成された密閉材インサート端面を有している。
当接部として形成された密閉材インサート端面は、締め付けるべき2つの管状導管ユニットの間の、最小の間隔の制限のための簡単な実現を可能にする。
【0021】
以下で、本発明を、添付された図に基づいて詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】管状導管と管継ぎ手との断面図である。
図2】管状導管と管継ぎ手との断面図であり、その際、管継ぎ手が軸線方向に管状導管の上に差し込まれている。
図3】管状導管ユニットの断面図である。
図4】2つの管状導管ユニットの断面図であり、その際、これら管状導管ユニットの間に、密閉材が配置されている。
図5】互いに締め付けられた2つの管状導管ユニットの領域内における部分Aを有する、管状導管ユニットの1つの実施例の断面図である。
図6図5内において図示された、互いに締め付けられた2つの管状導管ユニット16の領域内における部分Aの詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1内において、管状導管1と管継ぎ手2との断面図が示されており、その際、管状導管1と管継ぎ手2とは、1つの管状導管中心軸線3を有しており、且つ、この管状導管中心軸線に軸合わせされている。
【0024】
管状導管1は、管状導管外側表面4と管状導管端面5と管状導管外径6とを有している。それに加えて、この管状導管1は、管体長さと管体湾曲とに関する準則に相応して形成されており、その際、図1の図示内において、直線状の管状導管1が使用される。
【0025】
管継ぎ手2は、管継ぎ手内径7を有しており、且つ、フランジ部分端面8を備えるフランジ部分9と、管体部分内側表面10を有する管体部分11とを備えている。フランジ部分9のフランジ部分端面8内において、ここで図示されていない密閉材13の部分的な収容のための溝部12が形成されている。
【0026】
密閉材13は、有利には、扁平密閉材として形成されており、その際、密閉材材料として、例えば、エラストマー、プレス繊維、アラミド繊維、炭素繊維、鉱物繊維、金属、銅のような材料が使用される。
同様に、被覆された密閉材13、特に被覆された扁平密閉材も有利であり、その際、これら被覆された扁平密閉材が、PTFE被覆体または金属被覆体、有利には鋼または高温ガスに対して耐食性を有するニッケル合金、によって被覆された、(適宜の扁平密閉材材料、例えば繊維結合体、PTFE、等の)コアを備えている。この被覆体は、密閉されるべき媒体からの化学的な作用に対してこのコアを保護する。
【0027】
それに加えて、管体部分内側表面10は、隆起部15の形態での立体構造部14を有している。
【0028】
図2内において、管状導管1と管継ぎ手2との断面図が図示されており、その際、この管継ぎ手2が、管状導管中心軸線3の軸線方向において、この管状導管1の上に軸線方向に差し込まれている。フランジ部分端面8と管状導管端面5とは、その際、互いに同一平面上に揃えられている。この実施例において、管状導管外径6と管継ぎ手内径7とは、同じ大きさである。
【0029】
他の、示されていない実施例において、管状導管1の管状導管外径6は、管継ぎ手2の管継ぎ手内径7よりも大きい。これに伴って、直接的に、管状導管1の上への管継ぎ手2の軸線方向の差し込みの際に、締り嵌め(Presspassung)が生じさせられる。そのような締り嵌めは、管状導管1と管継ぎ手2との、摩擦による係合状態の結合を形成する。
【0030】
図3内において、管状導管ユニット16の断面図が示されている。管状導管ユニット16は、管状導管1の上に軸線方向に差し込まれた管継ぎ手2を備えている。
図2内において図示された配置との相違において、管状導管ユニット16内において、管状導管1が、管継ぎ手2内における、特に管状導管壁の、半径方向の拡径によって、締り嵌め部(Presssitz)17を用いて固定されている。管継ぎ手2は、これに伴って、摩擦による係合状態で管状導管1と結合されている。
【0031】
半径方向の拡径は、工具、特に圧延工具を用いて達成され、且つ、同様に管状導管1の固着拡径(Haftaufweitung)とも称される。
半径方向の拡径の後、この拡径の領域内における管状導管1の横断面積は、管状導管1の当初の横断面積よりも大きい。これに伴って、管状導管1の半径方向の拡径によって、管継ぎ手2と管状導管1とのオーバラップ部の領域内における、拡径された管状導管内径18は、当初の管状導管内径19よりも大きい。
【0032】
管体部分内側表面10の上に配置された、隆起部15の形態での立体構造部14によって、管状導管1の拡径によっての摩擦による係合状態の結合と並んで、同様に形状による係合状態の結合も、管状導管1と管継ぎ手2との間で形成される。立体構造部14は、同様に他の形態で、例えば、溝部、またはその種の他のものとして形成されていることも可能である。
【0033】
他の、図示されていない実施形態において、管状導管1の半径方向の拡径の以前に、管体部分内側表面10及び/または管状導管外側表面4は、少なくとも部分的に立体構造を与えられている。
【0034】
図4は、2つの管状導管ユニット16の断面図が図示されており、その際、軸線方向に、これら管状導管ユニット16の間に、密閉材インサート20を有する密閉材13が配置されている。
【0035】
図5は、管状導管装置21の1つの実施例の、互いに締め付けられた2つの管状導管ユニット16の領域内における部分Aを有する断面図を示している。
【0036】
管状導管装置21は、管継ぎ手2の、フランジ部分9において形成されたフランジ部分端面8の間で軸線方向に配置された密閉材13を有している。
密閉材13は、規定された移行部22を互いに締め付けられた2つの管状導管ユニット16の間で形成するために、構成されている。この規定された移行部22は、締め付けの際に密閉材13に対して作用する押付け力によって形成される。
【0037】
互いに締め付けられた2つの管状導管ユニット16の領域内における、図5の部分A内における、以下で説明される詳細図は、規定された移行部22を拡大して示している。規定された移行部22によって、管状導管装置21を通って流動する媒体または管状導管装置21を通って流動する諸媒体の、残留物の集積、もしくは、固形物質の堆積は低減される、もしくは、生じない。
【0038】
それに加えて、密閉材13は密閉材インサート20を有している。
この密閉材インサート20によって、2つの管状導管ユニット16の間の軸線方向の最小の間隔23は規定され、従って、これら2つの管状導管ユニット16が、管状導管装置21の締め付けの際に押付け力に曝されており、これら押付け力が、この密閉材インサート20に基づいて定められた軸線方向の最小の間隔23によって、定められている。
【0039】
管状導管装置21は、締付け装置24を用いて軸線方向に締め付けられる。この目的のために、2つの管状導管ユニット16の管継ぎ手2のフランジ部分9は、1つの締付け装置24を用いて、互いに軸線方向に締め付けられる。
この実施例において、締付け装置24は、有利には、継手クランプ25として形成されている。継手クランプ25として形成された締付け装置24によって、密閉材13に対して作用する、面に関しての押付け力に相応する押付け力は、付加的に、例えば継手クランプ25を閉鎖する蝶ナット、またはその種の他のものによって調節され得る。締付け装置24が、同様にフランジ付きボルト結合として形成されていることも可能である。
【0040】
選択的に、同様に、例えば、測定器具、弁、および、跳ね上げ蓋、またはその種の他のもののような規格部材も、管状導管ユニット16として利用されることは可能であり、および、他の第2の管状導管ユニット16と共に、1つの管状導管装置21を形成可能である。
【0041】
図5内において図示された、互いに締め付けられた2つの管状導管ユニット16の領域内における部分Aの詳細図は、図6内において図示されている。
【0042】
密閉材13の密閉材インサート20は、当接部26として形成された密閉材インサート端面27を備えている。密閉材インサート20によって、これに伴って、2つの管状導管ユニット16の間で、軸線方向の最小の間隔23が規定可能になるか、または、規定される。
管状導管端面5及び/またはフランジ部分端面8は、管状導管装置21の締め付け状態において、密閉材13の密閉材インサート20の密閉材インサート端面27と隣接する。このことによって、管状導管装置21の2つの管状導管ユニット16の間の最小の間隔23が、および、これに伴って、同様に密閉材13に対して作用する押付け力も、精確に調節される。
【0043】
密閉材インサート20を用いて定められた押付け力によって規定された移行部22は、有利には、湾曲部28が管状導管内径18に対して鈍角αを形成するように形成されている。特に有利には、鈍角αは、100°と170°との間、極めて特に有利には120°と150°との間の角度αを有している。
このことによって、管状導管装置21を貫通流動する媒体、または、管状導管装置21を貫通流動する諸媒体の集積が低減もしくは防止されることは達成される。
【0044】
1つの管状導管中心軸線3を有する2つの管状導管ユニット16を備える、管状導管装置21の製造のための方法において、
その際、前記管状導管ユニット16が、管状導管外側表面4と管状導管端面5と管状導管外径6とを備える管状導管1と、管継ぎ手内径7を有する管継ぎ手2とを備えており、この管継ぎ手2が、フランジ部分端面8を有するフランジ部分9と、管体部分内側表面10を有する管体部分11とを備えており、および、
前記管状導管装置が、
軸線方向に、前記管継ぎ手2の前記フランジ部分端面8の間に配置された密閉材13と、
2つの前記管状導管ユニット16の前記管継ぎ手2の前記フランジ部分9を軸線方向に互いに締め付ける締付け装置24とを備え、その際、
(a)前記管継ぎ手2が、少なくとも、前記フランジ部分端面8と前記管状導管端面5との同一平面状態に至るまで、前記管状導管1の上に差し込まれ、
(b)前記管状導管1が、前記管継ぎ手2内における、この管状導管1の半径方向の拡径によって生じさせられた締り嵌め部17において固定され、および、
(c)生成された前記管状導管ユニット16が、軸線方向に、前記管継ぎ手2の前記フランジ部分9の締め付けによって、前記管状導管装置21へと締め付けられる。
【0045】
有利には、しかしながら図示されていないが、管継ぎ手2は、管状導管1が、0.5mmから2mmまで、特に有利には0.5mmから1mmまでの長さでもって、管継ぎ手2から突き出すように管状導管1の上に差し込まれる。これに伴って、フランジ部分端面8と管状導管端面5とは、互いに同一平面上に揃えられているのではなく、むしろ、互いに位置ずれされて配置されている。
このことによって、管状導管端面5は、締付け装置24を用いての管状導管ユニット16の締め付けの際に、フランジ部分端面8と管状導管端面5との同一平面上の配置との比較において、より大きな面押付け力に曝され、従って、より高い密閉性が達成される。
【0046】
有利には、管継ぎ手2の管状導管1の上への、管継ぎ手2の差し込みの以前に、この管継ぎ手2は加熱され、及び/または、この管状導管1が冷却される。同様に、管継ぎ手2の冷却、及び/または、管状導管1の加熱も実施可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】