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特表2022-550332エネルギー変換装置の協調制御方法、記憶媒体及び車両
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-01
(54)【発明の名称】エネルギー変換装置の協調制御方法、記憶媒体及び車両
(51)【国際特許分類】
   H02P 21/22 20160101AFI20221124BHJP
   H02P 27/08 20060101ALI20221124BHJP
   B60L 50/60 20190101ALI20221124BHJP
   B60L 53/14 20190101ALI20221124BHJP
   B60L 53/24 20190101ALI20221124BHJP
   B60L 58/25 20190101ALI20221124BHJP
   B60L 58/27 20190101ALI20221124BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20221124BHJP
   H02J 7/04 20060101ALI20221124BHJP
   H02J 7/10 20060101ALI20221124BHJP
【FI】
H02P21/22
H02P27/08
B60L50/60
B60L53/14
B60L53/24
B60L58/25
B60L58/27
H02J7/00 P
H02J7/04 L
H02J7/10 L
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022519102
(86)(22)【出願日】2020-08-18
(85)【翻訳文提出日】2022-05-20
(86)【国際出願番号】 CN2020109886
(87)【国際公開番号】W WO2021057340
(87)【国際公開日】2021-04-01
(31)【優先権主張番号】201910912731.6
(32)【優先日】2019-09-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510177809
【氏名又は名称】ビーワイディー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100169904
【弁理士】
【氏名又は名称】村井 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100132698
【弁理士】
【氏名又は名称】川分 康博
(72)【発明者】
【氏名】廉玉波
(72)【発明者】
【氏名】凌和平
(72)【発明者】
【氏名】李吉成
(72)【発明者】
【氏名】潘▲華▼
(72)【発明者】
【氏名】牟利
【テーマコード(参考)】
5G503
5H125
5H505
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503BB02
5G503CA01
5G503CB11
5G503DA07
5G503FA06
5G503GB06
5G503GD03
5G503GD06
5H125AA01
5H125AC12
5H125AC24
5H125BA01
5H125BA02
5H125BB02
5H125BB03
5H125BC02
5H125BC04
5H125BC19
5H125BC24
5H125CD09
5H125DD02
5H125EE02
5H125EE03
5H125EE07
5H125EE25
5H505AA16
5H505CC04
5H505CC09
5H505DD03
5H505DD05
5H505DD08
5H505EE41
5H505EE48
5H505EE52
5H505GG04
5H505GG05
5H505HA06
5H505HA09
5H505HA10
5H505HB01
5H505HB05
5H505JJ03
5H505JJ17
5H505JJ23
5H505JJ24
5H505LL07
5H505LL22
5H505LL24
5H505LL28
5H505LL41
(57)【要約】
エネルギー変換装置の協調制御方法は、目標加熱パワー、目標駆動パワー及び目標充放電パワーを取得するステップと、目標充放電パワーに基づいてモータコイルの第1加熱パワーを取得するステップと、目標駆動パワーに基づいてモータコイルの第2加熱パワーを取得するステップと、第1加熱パワーと第2加熱パワーとの和と、目標加熱パワーとの間の偏差が予め設定された範囲内にない場合、第1横軸電流及び第1直軸電流を目標横軸電流及び目標直軸電流に調整することにより、第1加熱パワーと第2加熱パワーとの和と、目標加熱パワーとの間の偏差を予め設定された範囲内にするステップと、各相コイルのサンプリング電流値及びモータロータ位置を取得し、かつ可逆PWM整流器の各相ブリッジアームのデューティ比を計算するステップとを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エネルギー変換装置の協調制御方法であって、
前記エネルギー変換装置は、可逆PWM整流器及びモータコイルを含み、前記可逆PWM整流器は、前記モータコイルに接続され、外部の電池の正極端と負極端は、それぞれ前記可逆PWM整流器の第1合流端と第2合流端に接続され、外部の充放電ポートの第1端と第2端は、それぞれ、前記モータコイルから引き出された少なくとも1本の中性線と前記可逆PWM整流器の第2合流端に接続され、
前記協調制御方法は、
目標加熱パワー、目標駆動パワー及び目標充放電パワーを取得するステップと、
前記目標充放電パワーに基づいて、前記外部の充放電ポートから前記中性線に出力された目標充放電電流を取得し、かつ、前記目標充放電電流に基づいて前記モータコイルの第1加熱パワーを取得するステップと、
前記目標駆動パワーに基づいて、モータロータの磁場配向に基づく同期回転座標系における第1横軸電流及び第1直軸電流を取得し、かつ前記第1横軸電流及び前記第1直軸電流に基づいて前記モータコイルの第2加熱パワーを取得するステップと、
前記第1加熱パワーと前記第2加熱パワーとの和と、前記目標加熱パワーとの間の偏差が予め設定された範囲内にない場合、前記目標駆動パワーに基づいて前記第1横軸電流及び前記第1直軸電流を目標横軸電流及び目標直軸電流に調整することにより、前記第1加熱パワーと前記第2加熱パワーとの和と、前記目標加熱パワーとの間の偏差を予め設定された範囲内にするステップと、
各相コイルのサンプリング電流値及びモータロータ位置を取得し、かつ、前記目標横軸電流、前記目標直軸電流、前記目標充放電電流、前記各相コイルのサンプリング電流値及び前記モータロータ位置に基づいて、前記可逆PWM整流器の各相ブリッジアームのデューティ比を計算するステップとを含む、エネルギー変換装置の協調制御方法。
【請求項2】
前記第1横軸電流及び前記第1直軸電流に基づいて前記モータコイルの第2加熱パワーを取得する前記ステップの後に、
前記第1加熱パワーと前記第2加熱パワーとの和と、前記目標加熱パワーとの間の偏差が予め設定された範囲内にある場合、前記第1横軸電流及び前記第1直軸電流を目標横軸電流及び目標直軸電流として設定するステップをさらに含む、請求項1に記載のエネルギー変換装置の協調制御方法。
【請求項3】
前記目標充放電パワーがゼロである場合、前記目標充放電電流及び前記第1加熱パワーは、ゼロであり、前記協調制御方法は、
目標加熱パワー及び目標駆動パワーを取得するステップと、
前記目標駆動パワーに基づいて、モータロータの磁場配向に基づく同期回転座標系における第1横軸電流及び第1直軸電流を取得し、かつ、前記第1横軸電流及び前記第1直軸電流に基づいて前記モータコイルの第2加熱パワーを取得するステップと、
前記第2加熱パワーと前記目標加熱パワーとの間の偏差が予め設定された範囲内にない場合、前記目標駆動パワーに基づいて前記第1横軸電流及び前記第1直軸電流を目標横軸電流及び目標直軸電流に調整することにより、前記第2加熱パワーと前記目標加熱パワーとの間の偏差を予め設定された範囲内にするステップと、
前記第2加熱パワーと前記目標加熱パワーとの間の偏差が予め設定された範囲内にある場合、前記第1横軸電流及び前記第1直軸電流を目標横軸電流及び目標直軸電流として設定するステップと、
各相コイルのサンプリング電流値及びモータロータ位置を取得し、かつ、前記目標横軸電流、前記目標直軸電流、前記各相コイルのサンプリング電流値及び前記モータロータ位置に基づいて、前記可逆PWM整流器の各相ブリッジアームのデューティ比を計算するステップと、を含み、
あるいは、前記目標加熱パワーがゼロである場合、前記協調制御方法は、
目標充放電パワー及び目標駆動パワーを取得するステップと、
目標充放電パワーに基づいて、前記外部の充放電ポートから前記中性線に出力される目標充放電電流を取得するステップと、
前記目標駆動パワーに基づいて第1横軸電流及び第1直軸電流を取得し、前記第1横軸電流及び前記第1直軸電流を目標横軸電流及び目標直軸電流として設定するステップと、
各相コイルのサンプリング電流値及びモータロータ位置を取得し、かつ目標横軸電流、目標直軸電流、目標充放電電流、各相コイルのサンプリング電流値及びモータロータ位置に基づいて、前記可逆PWM整流器の各相ブリッジアームのデューティ比を計算するステップと、を含み、
あるいは、前記目標駆動パワーがゼロである場合、前記協調制御方法は、
目標加熱パワー及び目標充放電パワーを取得するステップと、
前記目標充放電パワーに基づいて、前記外部の充放電ポートから前記中性線に出力された目標充放電電流を取得し、かつ、前記目標充放電電流に基づいて前記モータコイルの第1加熱パワーを取得するステップと、
前記目標加熱パワー及び前記第1加熱パワーに基づいて目標横軸電流及び目標直軸電流を取得するステップと、
各相コイルのサンプリング電流値及びモータロータ位置を取得し、かつ、目標横軸電流、目標直軸電流、目標充放電電流、各相コイルのサンプリング電流値及びモータロータ位置に基づいて、前記可逆PWM整流器の各相ブリッジアームのデューティ比を計算するステップとを含む、請求項1又は2に記載のエネルギー変換装置の協調制御方法。
【請求項4】
目標充放電パワーに基づいて、前記外部の充放電ポートから前記中性線に出力された目標充放電電流を取得するステップは、
前記外部の充放電ポートに接続された前記外部の電源の充電モードが定電流充放電モードである場合、前記目標充放電パワーに基づいて前記外部の電源の目標電圧を取得するステップと、
充放電ポートの実際の電圧を取得し、前記目標電圧と前記充放電ポートの実際の電圧に基づいて電圧差を取得するステップと、
前記電圧差に対して閉ループ制御を行って、前記中性線に出力される目標充放電電流を取得するステップとを含むか、
あるいは、前記外部の充放電ポートに接続された前記外部の電源が定電圧充放電モードである場合、前記目標充放電パワーに基づいて、前記外部の充放電ポートの電流を、前記外部の充放電ポートから前記中性線に出力された目標充放電電流として取得するステップを含む、請求項1~3のいずれか1項に記載のエネルギー変換装置の協調制御方法。
【請求項5】
目標駆動パワーに基づいて、モータロータの磁場配向に基づく同期回転座標系における第1横軸電流及び第1直軸電流を取得するステップは、
前記目標駆動パワーに基づいて所定のトルク曲線図においてテーブルルックアップを行って第1横軸電流及び第1直軸電流を取得するステップを含む、請求項1~4のいずれか1項に記載のエネルギー変換装置の協調制御方法。
【請求項6】
前記目標駆動パワーに基づいて前記第1横軸電流及び前記第1直軸電流を目標横軸電流及び目標直軸電流に調整することにより、前記第1加熱パワーと前記第2加熱パワーとの和と、前記目標加熱パワーとの間の偏差を予め設定された範囲内にするステップは、
前記第1加熱パワーと前記第2加熱パワーとの和と、前記目標加熱パワーとの間の偏差を予め設定された範囲内にするまで、所定のトルク曲線図においてテーブルルックアップを行って、もう1組の横軸電流及び直軸電流を取得するステップを含む、請求項1~5のいずれか1項に記載のエネルギー変換装置の協調制御方法。
【請求項7】
各相コイルのサンプリング電流値及びモータロータ位置を取得し、かつ、目標横軸電流、目標直軸電流、目標充放電電流、各相コイルのサンプリング電流値及びモータロータ位置に基づいて、前記可逆PWM整流器の各相ブリッジアームのデューティ比を計算するステップは、
前記各相コイルのサンプリング電流値に基づいて、モータコイルの同期回転座標系に基づく実際の零軸電流を取得し、かつ前記各相コイルのサンプリング電流値及び前記モータロータ位置に基づいて、各セットの巻線の実際の横軸電流及び実際の直軸電流を取得するステップと、
前記目標横軸電流と前記実際の横軸電流、及び前記目標直軸電流と前記実際の直軸電流に基づいて、それぞれ閉ループ制御を行って直軸基準電圧と横軸基準電圧を取得し、前記直軸基準電圧、横軸基準電圧及び前記モータロータ位置に基づいて、各相ブリッジアームの第1デューティ比を取得するステップと、
前記目標充放電電流及び前記実際の零軸電流に基づいて各相ブリッジアームの電圧調整値を取得し、各相ブリッジアームの電圧調整値に基づいて第2デューティ比を取得するステップと、
各相ブリッジアームの第1デューティ比及び前記各相ブリッジアームの第2デューティ比に基づいて、各相ブリッジアームのデューティ比を計算するステップとを含む、請求項4に記載のエネルギー変換装置の協調制御方法。
【請求項8】
前記各相コイルのサンプリング電流値に基づいて、同期回転座標系に基づく実際の零軸電流を取得するステップは、
【数1】
という計算式に基づいて同期回転座標系における実際の零軸電流を取得するステップを含み、
式中、ioは、実際の零軸電流であり、ia、ib……imは、各相コイルのサンプリング電流値であり、mは、モータの相数である、請求項7に記載のエネルギー変換装置の協調制御方法。
【請求項9】
前記各相コイルのサンプリング電流値及び前記モータロータ位置に基づいて実際の横軸電流及び実際の直軸電流を取得するステップは、
前記各相コイルのサンプリング電流値に対してclark座標変換を行って静止座標系における電流値を得るステップと、
前記静止座標系における電流値及び前記モータロータ位置に基づいてpark座標変換を行って実際の横軸電流及び実際の直軸電流を得るステップとを含む、請求項7又は8に記載のエネルギー変換装置の協調制御方法。
【請求項10】
前記目標横軸電流と前記実際の横軸電流、及び前記目標直軸電流と前記実際の直軸電流に基づいて、それぞれ閉ループ制御を行って直軸基準電圧と横軸基準電圧を取得するステップは、
前記目標横軸電流と前記実際の横軸電流に対して演算を行って横軸電流差を得て、かつ、前記目標直軸電流と前記実際の直軸電流に対して演算を行って直軸電流差を得るステップと、
前記横軸電流差と前記直軸電流差に対してそれぞれ閉ループ制御を行って横軸基準電圧及び直軸基準電圧を得るステップと、を含み、
前記直軸基準電圧、横軸基準電圧及び前記モータロータ位置に基づいて、各相ブリッジアームの第1デューティ比を取得するステップは、
前記横軸基準電圧、直軸基準電圧及び前記モータロータ位置に対して逆park座標変換を行って静止座標系における電圧を得るステップと、
前記静止座標系における電圧に対して空間ベクトル変調変換を行って各相ブリッジアームの第1デューティ比を得るステップとを含む、請求項7~9のいずれか1項に記載のエネルギー変換装置の協調制御方法。
【請求項11】
前記目標充放電電流及び前記モータコイルの実際の零軸電流に基づいて各相ブリッジアームの電圧調整値を取得するステップは、
前記目標充放電電流及びモータの相数に基づいてモータコイルの目標零軸電流を計算するステップと、
前記モータコイルの実際の零軸電流と前記モータコイルの目標零軸電流に対して演算を行い、さらにPID制御を行って、各相ブリッジアームの電圧調整値を得るステップと、を含み、
各相ブリッジアームの電圧調整値に基づいて第2デューティ比を取得するステップは、
前記電圧調整値及びバス電圧を変調して第2デューティ比を得るステップを含む、請求項7~10のいずれか1項に記載のエネルギー変換装置の協調制御方法。
【請求項12】
目標横軸電流、前記目標直軸電流、前記目標充放電電流、前記各相コイルのサンプリング電流値及び前記モータロータ位置に基づいて、前記可逆PWM整流器の各相ブリッジアームのデューティ比を計算するステップは、
前記目標横軸電流、前記目標直軸電流、前記モータロータ位置及び前記目標充放電電流に基づいて各相コイルの目標電流値を取得するステップと、
前記各相コイルのサンプリング電流値及び前記各相コイルの目標電流値に基づいて各相ブリッジアームの基準電圧を取得するステップと、
各相ブリッジアームの基準電圧に基づいて各相ブリッジアームのデューティ比を取得するステップとを含む、請求項4に記載のエネルギー変換装置の協調制御方法。
【請求項13】
前記目標横軸電流、前記目標直軸電流、前記モータロータ位置及び前記目標充放電電流に基づいて各相コイルの目標電流値を取得するステップは、
前記目標充放電電流を線形に変化させて各セットの巻線の目標零軸電流を取得し、前記目標横軸電流、前記目標直軸電流、前記ロータ位置及び前記目標零軸電流に基づいて逆park及び逆clark座標変換を行って各相コイルの目標電流値を取得するステップを含む、請求項12に記載のエネルギー変換装置の協調制御方法。
【請求項14】
前記目標横軸電流、前記目標直軸電流、前記目標充放電電流、前記各相コイルのサンプリング電流値及び前記ロータ位置に基づいて、前記可逆PWM整流器の各相ブリッジアームのデューティ比を計算するステップは、
前記目標横軸電流、前記目標直軸電流及び前記ロータ位置に基づいてモータの静止座標系における目標α軸電流及び目標β軸電流を取得するステップと、
前記各相コイルのサンプリング電流値に基づいて各セットの巻線の実際の零軸電流を取得し、かつ前記各相コイルのサンプリング電流値に基づいてモータの静止座標系における実際のα軸電流及び実際のβ軸電流を取得するステップと、
目標α軸電流、目標β軸電流、実際のα軸電流及び実際のβ軸電流に基づいてモータコイルの静止座標系における基準電圧を取得するステップと、
前記静止座標系における基準電圧に対して空間ベクトル変調変換を行って各相ブリッジアームの第1デューティ比を得るステップと、
前記目標充放電電流及び前記実際の零軸電流に基づいて各相ブリッジアームの電圧調整値を取得し、前記電圧調整値及びバス電圧を変調して第2デューティ比を得るステップと、
各相ブリッジアームの第1デューティ比及び前記各相ブリッジアームの第2デューティ比に基づいて、各相ブリッジアームのデューティ比を計算して取得するステップとを含む、請求項4に記載のエネルギー変換装置の協調制御方法。
【請求項15】
前記目標駆動パワーが第1目標駆動パワーから第2目標駆動パワーに変換される場合、前記第1目標駆動パワーに対応する目標横軸電流及び目標直軸電流に基づいて合成電流ベクトル振幅値を取得するステップと、
所定のトルク曲線図における原点を円心とし、かつ前記合成電流ベクトル振幅値を半径とする円と、前記第2目標駆動パワーに対応するトルク曲線とで形成された第1交点座標及び第2交点座標を取得するステップと、
前記第1交点座標と前記目標横軸電流及び前記目標直軸電流で形成された座標点との間の第1距離、並びに前記第2交点座標と前記目標横軸電流及び前記目標直軸電流で形成された座標点との間の第2距離をそれぞれ取得するステップと、
前記第1距離と第2距離のうちの小さい値に対応する交点座標を前記第2目標駆動パワーの目標直軸電流及び目標横軸電流として決定するステップと、をさらに含む、請求項1~14のいずれか1項に記載のエネルギー変換装置の協調制御方法。
【請求項16】
コンピュータプログラムが記憶されているコンピュータ可読記憶媒体であって、前記コンピュータプログラムが、プロセッサにより実行されると、請求項1~15のいずれか1項に記載の方法のステップを実現する、コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項17】
エネルギー変換装置の協調制御装置を含み、
前記エネルギー変換装置は、可逆PWM整流器及びモータコイルを含み、前記可逆PWM整流器は、前記モータコイルに接続され、外部の電池の正極端と負極端は、それぞれ前記可逆PWM整流器の第1合流端と第2合流端に接続され、外部の充放電ポートの第1端と第2端は、それぞれ、前記モータコイルから引き出された少なくとも1本の中性線と前記可逆PWM整流器の第2合流端に接続され、
前記協調制御装置は、
目標加熱パワー、目標駆動パワー及び目標充放電パワーを取得するパワー取得モジュールと、
前記目標充放電パワーに基づいて、前記外部の充放電ポートから出力された目標充放電電流を取得し、かつ、前記目標充放電電流に基づいて前記モータコイルの第1加熱パワーを取得する第1加熱パワー計算モジュールと、
前記目標駆動パワーに基づいて、モータロータの磁場配向に基づく同期回転座標系における第1横軸電流及び第1直軸電流を取得し、かつ、前記第1横軸電流及び前記第1直軸電流に基づいて前記モータコイルの第2加熱パワーを取得する第2加熱パワー計算モジュールと、
前記第1加熱パワーと前記第2加熱パワーとの和と、前記目標加熱パワーとの間の偏差が予め設定された範囲内にない場合、前記目標駆動パワーに基づいて前記第1横軸電流及び前記第1直軸電流を目標横軸電流及び目標直軸電流に調整することにより、前記第1加熱パワーと前記第2加熱パワーとの和と、前記目標加熱パワーとの間の偏差を予め設定された範囲内にし、かつ、前記第1加熱パワーと前記第2加熱パワーとの和と、前記目標加熱パワーとの間の偏差が予め設定された範囲内にある場合、前記第1横軸電流及び前記第1直軸電流を目標横軸電流及び目標直軸電流として設定する目標電流取得モジュールと、
各相コイルのサンプリング電流値及びモータロータ位置を取得し、かつ、前記目標横軸電流、前記目標直軸電流、前記目標充放電電流、前記各相コイルのサンプリング電流値及び前記モータロータ位置に基づいて、前記可逆PWM整流器の各相ブリッジアームのデューティ比を計算するデューティ比取得モジュールとを含む、車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、ビーワイディー カンパニー リミテッドが2019年9月25日に提出した、名称「エネルギー変換装置の協調制御方法、装置、記憶媒体及び車両」の中国特許出願第「201910912731.6」号の優先権を主張するものである。
本願は、車両の技術分野に関し、特にエネルギー変換装置の協調制御方法、装置、記憶媒体及び車両に関する。
【背景技術】
【0002】
電動車両の普及が進むにつれて、ますます多くの電動車両は、社会及び家庭に入り、人々の外出に非常に大きな利便性をもたらす。電動車両の動力電池としては一般的にリチウムイオン電池を用い、リチウムイオン電池の一般的な動作温度は、-20℃~55℃である。リチウムイオン電池は、低温で充電することを許可されていない。従来技術においては、低温の電池を加熱する手段は、PTCヒータ又は電熱線ヒータ又はエンジン又はモータを用いて低温時に電池冷却回路の冷却液を加熱し、冷却液により電池セルを所定の温度に加熱している。電池が低温及び低残量の状態にある場合、例えば、-19℃及びSOC=0の極端な条件では、電池が放電することは許されず、小電流で、かつ、ハイパワーで加熱しながら、ローパワーで充電することのみが許される。電池パワーが0では、加熱されても、充電はパワーが0で開始することが求められる。しかしながら、PTCヒータは、充電しながら加熱することができないため、電池の充電時間が長くなる。
【0003】
以上より、従来技術において、低温の状態で加熱装置を用いて動力電池を加熱する場合に、コストが増加し、かつ充放電過程、加熱過程及びトルク出力過程のうちの二者又は三者が協調して動作することができないという課題が存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願は、低温の状態で加熱装置を用いて動力電池を加熱する場合に、コストが増加し、かつ充放電過程、加熱過程及びトルク出力過程のうちの二者又は三者が協調して動作することができないという課題を解決することができるエネルギー変換装置の協調制御方法、装置、記憶媒体及び車両を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願は、以下のように実現される。本願の第1態様に係るエネルギー変換装置の協調制御方法は、エネルギー変換装置を含み、前記エネルギー変換装置は、可逆PWM整流器及びモータコイルを含み、前記可逆PWM整流器は、前記モータコイルに接続され、外部の電池の正極端と負極端は、それぞれ前記可逆PWM整流器の第1合流端と第2合流端に接続され、外部の充放電ポートの第1端と第2端は、それぞれ、前記モータコイルから引き出された少なくとも1本の中性線と前記可逆PWM整流器の第2合流端に接続され、
前記協調制御方法は、
目標加熱パワー、目標駆動パワー及び目標充放電パワーを取得するステップと、
前記目標充放電パワーに基づいて、前記外部の充放電ポートから前記中性線に出力された目標充放電電流を取得し、かつ前記目標充放電電流に基づいて前記モータコイルの第1加熱パワーを取得するステップと、
前記目標駆動パワーに基づいて、モータロータの磁場配向に基づく同期回転座標系における第1横軸電流及び第1直軸電流を取得し、かつ前記第1横軸電流及び前記第1直軸電流に基づいて前記モータコイルの第2加熱パワーを取得するステップと、
前記第1加熱パワーと前記第2加熱パワーとの和と、前記目標加熱パワーとの間の偏差が予め設定された範囲内にない場合、前記目標駆動パワーに基づいて前記第1横軸電流及び前記第1直軸電流を目標横軸電流及び目標直軸電流に調整することにより、前記第1加熱パワーと前記第2加熱パワーとの和と、前記目標加熱パワーとの間の偏差を予め設定された範囲内にするステップと、
各相コイルのサンプリング電流値及びモータロータ位置を取得し、かつ前記目標横軸電流、前記目標直軸電流、前記目標充放電電流、前記各相コイルのサンプリング電流値及び前記モータロータ位置に基づいて、前記可逆PWM整流器の各相ブリッジアームのデューティ比を計算するステップと、を含む。
【0006】
本願の第2態様に係るコンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータプログラムが記憶され、前記コンピュータプログラムが、プロセッサにより実行されると、第1態様に記載の方法のステップを実現することを特徴とする。
【0007】
本願の第3態様に係るエネルギー変換装置の協調制御装置であって、前記エネルギー変換装置は、可逆PWM整流器及びモータコイルを含み、前記可逆PWM整流器は、前記モータコイルに接続され、外部の電池の正極端と負極端は、それぞれ前記可逆PWM整流器の第1合流端と第2合流端に接続され、外部の充放電ポートの第1端と第2端は、それぞれ、前記モータコイルから引き出された少なくとも1本の中性線と前記可逆PWM整流器の第2合流端に接続され、
前記協調制御装置は、
目標加熱パワー、目標駆動パワー及び目標充放電パワーを取得するパワー取得モジュールと、
前記目標充放電パワーに基づいて、前記外部の充放電ポートから出力された目標充放電電流を取得し、かつ前記目標充放電電流に基づいて前記モータコイルの第1加熱パワーを取得する第1加熱パワー計算モジュールと、
前記目標駆動パワーに基づいて、モータロータの磁場配向に基づく同期回転座標系における第1横軸電流及び第1直軸電流を取得し、かつ前記第1横軸電流及び前記第1直軸電流に基づいて前記モータコイルの第2加熱パワーを取得する第2加熱パワー計算モジュールと、
前記第1加熱パワーと前記第2加熱パワーとの和と、前記目標加熱パワーとの間の偏差が予め設定された範囲内にない場合、前記目標駆動パワーに基づいて前記第1横軸電流及び前記第1直軸電流を目標横軸電流及び目標直軸電流に調整することにより、前記第1加熱パワーと前記第2加熱パワーとの和と、前記目標加熱パワーとの間の偏差を予め設定された範囲内にし、かつ前記第1加熱パワーと前記第2加熱パワーとの和と、前記目標加熱パワーとの間の偏差が予め設定された範囲内にある場合、前記第1横軸電流及び前記第1直軸電流を目標横軸電流及び目標直軸電流として設定する目標電流取得モジュールと、
各相コイルのサンプリング電流値及びモータロータ位置を取得し、かつ前記目標横軸電流、前記目標直軸電流、前記目標充放電電流、前記各相コイルのサンプリング電流値及び前記モータロータ位置に基づいて、前記可逆PWM整流器の各相ブリッジアームのデューティ比を計算するデューティ比取得モジュールと、を含む。
【0008】
本願の第4態様に係る車両は、第3態様に記載のエネルギー変換装置の協調制御装置を含む。
【発明の効果】
【0009】
本願に係るエネルギー変換装置の協調制御方法、装置、記憶媒体及び車両の技術的効果は以下のとおりである。可逆PWM整流器及びモータコイルを含むエネルギー変換装置を用いることにより、該エネルギー変換装置が、外部の電池に接続され、かつ充放電ポートを介して電源又は電気設備に接続される場合、目標加熱パワー、目標駆動パワー及び目標充放電パワーを取得し、目標充放電パワーに基づいて第1加熱パワーを取得し、目標駆動パワーに基づいて第1横軸電流及び第1直軸電流を取得し、上記第1横軸電流及び上記第1直軸電流に基づいて上記モータコイルの第2加熱パワーを取得し、さらに、第1加熱パワーと上記第2加熱パワーとの和と、上記目標加熱パワーとの間の関係に基づいて、第1横軸電流及び第1直軸電流を調整して目標横軸電流及び目標直軸電流を得て、その後、目標横軸電流、目標直軸電流、目標充放電電流、各相コイルのサンプリング電流値及びモータロータ位置に基づいて、上記PWM整流器の各相ブリッジアームのデューティ比を計算し、デューティ比に基づいてPWM整流器の各相ブリッジアーム上のスイッチ素子のオン及びオフを制御して、外部の電池又は電源から出力された電流がモータコイルを流れて熱量を発生させることを実現することにより、モータコイルの冷却管を流れる冷却液を加熱し、該冷却液は、動力電池を流れるときに動力電池を加熱し、追加の動力電池加熱装置を省略し、装置全体のコストを削減し、電池の低温の状態での充放電を保証するとともに、充放電過程、加熱過程及びトルク出力過程のうちの二者又は三者が協調して動作することを実現することができる。
【0010】
本願の追加の態様及び利点は、一部が以下の説明において示され、一部が以下の説明において明らかになるか又は本願の実施により把握される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本願の上記及び/又は追加の様態及び利点は、以下の図面を参照して実施例を説明することにより、明らかになり、容易に理解される。
【0012】
図1】本願の実施例1に係るエネルギー変換装置の概略構成図である。
図2】本願の実施例1に係るエネルギー変換装置の協調制御方法のフローチャートである。
図3】本願の実施例1に係るエネルギー変換装置の協調制御方法におけるステップS20のフローチャートである。
図4】本願の実施例1に係るエネルギー変換装置の協調制御方法における3次元空間変換図である。
図5】本願の実施例1に係るエネルギー変換装置の協調制御方法における座標変換図である。
図6】本願の実施例1に係るエネルギー変換装置の協調制御方法におけるトルク曲線図である。
図7】本願の実施例1に係るエネルギー変換装置の協調制御方法におけるステップS60のフローチャートである。
図8】本願の実施例1に係るエネルギー変換装置の協調制御方法におけるステップS601のフローチャートである。
図9】本願の実施例1に係るエネルギー変換装置の協調制御方法におけるステップS602のフローチャートである。
図10】本願の実施例1に係るエネルギー変換装置の協調制御方法におけるステップS602の別のフローチャートである。
図11】本願の実施例1に係るエネルギー変換装置の協調制御方法におけるステップS603のフローチャートである。
図12】本願の実施例1に係るエネルギー変換装置の協調制御方法におけるステップS60のフローチャートである。
図13】本願の実施例1に係るエネルギー変換装置の協調制御方法におけるステップS60のフローチャートである。
図14】本願の実施例2に係るエネルギー変換装置の協調制御方法のフローチャートである。
図15】本願の実施例3に係るエネルギー変換装置の協調制御方法のフローチャートである。
図16】本願の実施例4に係るエネルギー変換装置の協調制御方法のフローチャートである。
図17】本願の実施例1に係るエネルギー変換装置の協調制御方法のベクトル制御図である。
図18】本願の実施例1に係るエネルギー変換装置の協調制御方法の別のベクトル制御図である。
図19】本願の実施例1に係るエネルギー変換装置の協調制御方法の別のベクトル制御図である。
図20】本願の実施例1に係るエネルギー変換装置の協調制御方法の別のベクトル制御図である。
図21】本願の実施例1に係るエネルギー変換装置の回路図である。
図22】本願の実施例1に係るエネルギー変換装置の別の回路図である。
図23】本願の実施例1に係るエネルギー変換装置の別の電流流れ方向図である。
図24】本願の実施例1に係るエネルギー変換装置の別の電流流れ方向図である。
図25】本願の実施例1に係るエネルギー変換装置の別の電流流れ方向図である。
図26】本願の実施例1に係るエネルギー変換装置の別の電流流れ方向図である。
図27】本願の実施例1に係るエネルギー変換装置の別の電流流れ方向図である。
図28】本願の実施例1に係るエネルギー変換装置の別の電流流れ方向図である。
図29】本願の実施例1に係るエネルギー変換装置のモータコイルの概略構成図である。
図30】本願の実施例1に係るエネルギー変換装置の別の回路図である。
図31】本願の実施例1に係るエネルギー変換装置の別の回路図である。
図32】本願の実施例1に係るエネルギー変換装置の別の回路図である。
図33】本願の実施例7に係る車両の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本願の実施例を詳細に説明し、上記実施例の例は図面に示され、全体を通して同一又は類似の符号は、同一又は類似の部品、或いは、同一又は類似の機能を有する部品を示す。以下、図面を参照しながら説明される実施例は、例示的なものに過ぎず、本願を解釈するためのものであり、本願を限定するためのものであると理解すべきではない。
【0014】
本願の技術手段を説明するために、以下、具体的な実施例により説明する。
【0015】
本願の実施例1は、エネルギー変換装置の協調制御方法を提供し、図1に示すように、エネルギー変換装置は、可逆PWM整流器102及びモータコイル103を含み、可逆PWM整流器102は、モータコイル103に接続され、外部の電池101の正極端と負極端は、それぞれ可逆PWM整流器102の第1合流端と第2合流端に接続され、外部の充放電ポート104の第1端と第2端は、それぞれ、モータコイル103から引き出された少なくとも1本の中性線と可逆PWM整流器102の第2合流端に接続される。
【0016】
モータは、同期モータ(ブラシレス同期機を含む)であっても非同期モータであってもよく、モータコイル103の相数は、2以上であり、モータ巻線のセット数は、1以上(例えば、2重3相モータ、3相モータ、6相モータ、9相モータ、15相など)であり、かつモータコイル103の接続点により形成された中性点から中性線を引き出し、モータコイル103の中性線は、1本又は複数本引き出されてよく、具体的なモータコイル103の接続点の数は、モータ内部の巻線の並列接続構造に依存し、モータコイル103のモータ内部での並列接続点の数と、接続点により形成された中性点から引き出された中性線の数とは、実際の解決手段の使用状況に応じて決定され、可逆PWM整流器102におけるPWMは、パルス幅変調(Pulse width modulation)であり、可逆PWM整流器102は、多相ブリッジアームを含み、多相ブリッジアームは、共通接続されて第1合流端及び第2合流端を形成し、ブリッジアームの数は、モータコイル103の相数に応じて設定され、各相インバータブリッジアームは、2つのパワースイッチユニットを含み、パワースイッチユニットは、トランジスタ、IGBT、MOSFETトランジスタ、SiCトランジスタなどのタイプの素子であってよく、ブリッジアームにおける2つのパワースイッチユニットの接続点は、モータにおける1相コイルに接続され、可逆PWM整流器102におけるパワースイッチユニットは、外部の制御信号に基づいてオン及びオフを実現することができ、外部の充放電ポート104は、直流充放電ポートであり、直流充放電ポートは、直流電源又は直流電気設備に接続され、直流電源から出力された電流を受信したり直流電気設備に電流を出力したりすることができ、外部の電池101は、車両内の電池、例えば動力電池などであってよい。
【0017】
エネルギー変換装置は、コントローラをさらに含み、コントローラは、可逆PWM整流器102に接続され、かつ可逆PWM整流器102に制御信号を送信し、コントローラは、車両コントローラ、可逆PWM整流器102の制御回路及びBMS電池マネージャ回路を含んでよく、三者は、CAN線を介して接続され、コントローラにおける異なるモジュールは、取得された情報に基づいて可逆PWM整流器102におけるパワースイッチユニットのオン及びオフを制御することにより異なる電流回路のオンを実現し、コントローラは、エネルギー変換装置の可逆PWM整流器102に制御信号を送信することにより、外部の電池101、又は充放電ポート104に接続された電源から出力された電流は、モータコイル103を流れて熱量を発生させて、モータコイル103の冷却管を流れる冷却液を加熱し、該冷却液は、動力電池を流れるときに動力電池を加熱する。
【0018】
図2に示すように、エネルギー変換装置の協調制御方法は、ステップS10~ステップS60を含む。
【0019】
ステップS10において、目標加熱パワー、目標駆動パワー及び目標充放電パワーを取得する。
【0020】
本ステップにおいて、目標加熱パワーとは、エネルギー変換装置が、外部の電池101、又は外部の充放電ポート104に接続された電源から電気を取り出し、モータコイル103を通って発熱する場合に、発生する必要がある熱量を指し、目標駆動パワーとは、エネルギー変換装置が、外部の電池101、又は外部の充放電ポート104に接続された電源から電気を取り出し、モータコイル103を通る場合、モータにトルクを出力させるときに発生するパワーを指し、目標充放電パワーとは、外部の充放電ポート104が電気設備に接続された場合に外部の電池101がエネルギー変換装置により電気設備に対して放電を行うことにより発生するパワー、又は外部の充放電ポート104が電源に接続された場合に電源がエネルギー変換装置により外部の電池101を充電することにより発生するパワーを指す。
【0021】
目標加熱パワー、目標駆動パワー及び目標充放電パワーの三者のうち、一者がゼロであり、かつ二者がゼロではないようにしてもよく、一者がゼロではなく、かつ両者がゼロであるようにしてもよく、三者がいずれもゼロではないようにしてもよい。
【0022】
ステップS20において、目標充放電パワーに基づいて、外部の充放電ポートから中性線に出力された目標充放電電流を取得し、かつ目標充放電電流に基づいてモータコイルの第1加熱パワーを取得する。
【0023】
本ステップにおいて、外部の充放電ポート104が外部の電源(例えば、直流電源)に接続される場合、外部の電源の充放電方式に基づいて目標充放電電流を計算する。
【0024】
本ステップにおいて、目標充放電電流は、外部の電池101からモータコイル103に出力された電流であってもよい。
【0025】
1つの実施形態として、図3に示すように、ステップS20における、目標充放電パワーに基づいて、外部の充放電ポートから中性線に出力された目標充放電電流を取得するステップは、ステップS201~ステップS203を含む。
【0026】
ステップS201において、外部の充放電ポートに接続された外部の電源の充電モードが定電流充放電モードである場合、目標充放電パワーに基づいて外部の電源の目標電圧を取得する。
【0027】
本ステップにおいて、外部の電池101に要求される目標充放電パワーに基づいて、式P=U×Iに従って外部の電源の目標電圧Uを取得し、Iは、外部の電源の充電電流である。
【0028】
ステップS202において、充放電ポートの実際の電圧を取得し、目標電圧と充放電ポートの実際の電圧に基づいて電圧差を取得する。
【0029】
ステップS203において、電圧差に対して閉ループ制御を行って、中性線に出力された目標充放電電流を取得する。
【0030】
ステップS202及びステップS203において、電圧センサにより充放電ポート104の実際の電圧を収集し、目標電圧と充放電ポート104の実際の電圧との差の演算を行って電圧差を取得し、さらにPID(proportion、integral、differential、比例‐積分‐微分)制御を行って、目標充放電電流を得る。
【0031】
本実施形態では、外部の電源の充電モードが定電流充放電モードであることを検出した場合、目標充放電パワーに基づいて外部の電源の目標電圧を取得し、目標電圧と充放電ポート104の実際の電圧に基づいて目標充放電電流を計算して取得することにより、定電流充放電モードでの目標充放電電流の取得を実現する。
【0032】
別の実施形態として、ステップS20における、目標充放電パワーに基づいて、外部の充放電ポートから中性線に出力された目標充放電電流を取得するステップは、外部の充放電ポート104に接続された外部の電源が定電圧充放電モードである場合、目標充放電パワーに基づいて、外部の充放電ポート104の電流を、外部の充放電ポート104から中性線に出力された目標充放電電流として取得するステップを含む。
【0033】
本ステップにおいて、充電設備は、一定の電圧Uを出力し、電池に要求される目標充放電パワーに基づいて、式P=U×inに従って目標充放電電流in(すなわち、中性線上の電流)を計算して取得する。
【0034】
1つの実施形態として、ステップS20における、目標充放電電流に基づいてモータコイルの第1加熱パワーを取得するステップは、以下の式に従ってモータコイルの第1加熱パワーを計算するステップである。
【数1】
式中、mは、モータコイル103の相数であり、Rsnは、中性線に接続された各相巻線分岐回路の相抵抗であり、inは、目標充放電電流であり、本実施形態では、中性線に接続された各相巻線分岐回路の相抵抗は、いずれも等しい。
【0035】
ステップS30において、目標駆動パワーに基づいて、モータロータの磁場配向に基づく同期回転座標系における第1横軸電流及び第1直軸電流を取得し、かつ第1横軸電流及び第1直軸電流に基づいてモータコイルの第2加熱パワーを取得する。
【0036】
本願の技術手段は、3つの座標系を含み、それぞれモータのN相軸座標系、静止座標系及びモータロータの磁場配向に基づく同期回転座標系であり、図4及び図5に示すように、モータが3相モータである場合、N相軸座標系は、A相軸、B相軸及びC相軸を含み、A相軸、B相軸及びC相軸が立体状態である場合に任意の2つの間が90度異なり、静止座標系にマッピングされた後に120度異なり、静止座標系は、α軸及びβ軸を含み、モータロータの磁場配向に基づく同期回転座標系は、d-q座標系(直軸-横軸座標系)であり、この座標系は、ロータと同期して回転し、ロータの磁場方向をd軸とし、ロータの磁場方向に垂直な方向をq軸(q軸がd軸よりも90度進む)とし、A相軸、B相軸及びC相軸の3相交流量の制御を容易にするために、一般的にA相軸、B相軸及びC相軸の3相交流量を静止座標系のα軸及びβ軸の交流量に変換し、さらにα軸及びβ軸の交流量を同期回転座標系のd軸及びq軸の直流量に変換し、d軸及びq軸の直流量を制御することによりA相軸、B相軸及びC相軸の3相交流量を制御することを実現し、座標変換により、異なる座標系の間の変換を実現することができ、Clark変換によりN相軸系から2相静止座標系への変換を実現し、一般的に零軸ベクトルを含まず、逆Clark変換により2相静止座標系からN相軸系への変換を実現し、拡張したClark変換によりN相軸系から2相静止座標系への変換を実現し、零軸ベクトルを含み、PARK変換により2相静止座標系から同期回転座標系への変換を実現し、一般的に零軸ベクトルを含まず、逆PARK変換により同期回転座標系から2相静止座標系への変換を実現し、拡張したPARK変換により2相静止座標系から同期回転座標系への変換を実現し、零軸ベクトルを含む。
【0037】
1つの実施形態として、ステップS30における、目標駆動パワーに基づいて、モータロータの磁場配向に基づく同期回転座標系における第1横軸電流及び第1直軸電流を取得するステップは、目標駆動パワーに基づいてトルク出力指令を取得し、トルク出力指令に基づいて所定のトルク曲線図においてテーブルルックアップを行って第1横軸電流及び第1直軸電流を取得するステップを含む。
【0038】
図6は、トルク曲線図であり、横方向軸と縦方向軸は、それぞれ直軸と横軸である。Te1、Te2、Te3は、それぞれ定トルク曲線である。電圧楕円の破線は、1つの回転速度ωで、ある電圧値に達するときのid及びiqの値範囲を指す。原点を円心とし、かつidとiqの合成電流ベクトルを半径として描かれた円は、それぞれH、F、D、Aで定トルク曲線と接し、O-H-F-D-Aを結ぶことによりMTPA曲線である単位電流当たりの最大トルクの曲線を得て、H、F、D、Aは、定トルク曲線上のid及びiqの最小値の点に対応する。点Cを円心とすることにより、電圧楕円は、それぞれ、B、E、G、Iで定トルク曲線と接し、かつ、A、Bで合成電流ベクトル及び電圧楕円と交差する。B-E-G-I-Cを結ぶ曲線と、AとBとの間の最大電流円の円弧曲線とを共通接続することによりMTPV曲線である単位電圧当たりの最大トルクの曲線を得る。MTPA&MTPV曲線と定トルク曲線を予め計算し、かつベンチを校正する。一般的にテーブルルックアップ、又はテーブルルックアップと補間との組み合わせ、又は区分的線形フィッティングの方法を用いて、トルクTeを回転速度ωと組み合わせることにより、MTPA&MTPV曲線又は定トルク曲線上の異なる制御横軸電流及び直軸電流を取得する。
【0039】
MTPA曲線について、モータの動作過程において発生する電磁トルクTeは、d、q軸電流id及びiqによって制御され、かつ以下の方程式を満たす。
【数2】
式中、Teは、モータの軸端の出力トルクであり、mは、モータコイルの相数であり、Pnは、モータの極対数であり、ψfは、モータの永久磁石鎖交磁束数を表し、Ldは、直軸インダクタンスであり、Lqは、横軸インダクタンスであり、idは、直軸電流であり、iqは、横軸電流である。
【0040】
モータにおいて、ステータ電流の方程式は、以下を満たす。
【数3】
【0041】
このため、MTPA制御電流を解くことは、式3の極値を解くことと等価である。
【0042】
【数4】
【0043】
式3と式4を連立して、MTPA曲線、すなわち図6のトルク曲線図におけるO-H-F-D-Aを解く。
【0044】
MTPV曲線について、
【数5】
式中、ωeは、電気角速度であり、rsは、ステータ巻線抵抗であり、LdとLqは、それぞれd-q軸座標系における巻線インダクタンスであり、udとuqは、それぞれd-q軸座標系における電圧である。
【0045】
【数6】
【0046】
図6は、トルク曲線図であり、電流平面において、上記式は、それぞれ、点O(0,0)を円心とする電流制限円と点C(-ψf/Ld,0)を円心とする電圧制限楕円として表してよく、モータは、電流制限円と電圧制限楕円との交差領域において動作し、式4と式5を連立すると、MTPV曲線は、図6のトルク曲線図におけるA-B-E-G-I-C曲線である。
【0047】
本ステップにおいて、モータコイル103で発生する必要があるトルクに基づいて、トルク曲線図におけるMTPA&MTPV曲線のテーブルルックアップを行い、モータロータの磁場配向に基づく同期回転座標系における第1直軸電流id1及び第1横軸電流iq1を取得し、第1直軸電流id1及び第1横軸電流iq1は、MTPA&MTPV曲線における最小値であってよい。
【0048】
1つの実施形態として、ステップS30における、第1横軸電流及び第1直軸電流に基づいてモータコイルの第2加熱パワーを取得するステップは、以下の式に従ってモータコイルの第2加熱パワーを計算するステップを含む。
【数7】
式中、mは、モータコイルの相数であり、Rは、モータコイルの相抵抗であり、id1は、第1直軸電流であり、iq1は、第1横軸電流である。
【0049】
ステップS40において、第1加熱パワーと第2加熱パワーとの和と、目標加熱パワーとの間の偏差が予め設定された範囲内にない場合、目標駆動パワーに基づいて第1横軸電流及び第1直軸電流を目標横軸電流及び目標直軸電流に調整することにより、第1加熱パワーと第2加熱パワーとの和と、目標加熱パワーとの間の偏差を予め設定された範囲内にする。
【0050】
本ステップにおいて、第1加熱パワーと第2加熱パワーとの和と、目標加熱パワーとの間の偏差が予め設定された範囲内にないこととは、第1加熱パワーと第2加熱パワーとの和が予め設定された範囲内の値の最大値よりも大きいか又は予め設定された範囲内の値の最小値よりも小さいことを指し、すなわち第1加熱パワーと第2加熱パワーとの和が大きすぎるか又は小さすぎる場合、第1横軸電流及び第1直軸電流を調整してさらに第2加熱パワーを調整することにより、第1加熱パワーと第2加熱パワーとの和と、目標加熱パワーとの間の偏差を予め設定された範囲内にし、目標加熱パワー、第1加熱パワー及び第2加熱パワーは、以下の式を満たす。
【数8】
【0051】
第1加熱パワーと第2加熱パワーとの和と、目標加熱パワーとの差の演算を行って差を取得し、該差が予め設定された範囲内にない場合、目標駆動パワーに基づいて出力トルクを取得し、トルク曲線図において該出力トルクに対応する定トルク曲線をルックアップし、図6のトルク曲線図における定トルク曲線Te1、Te2、Te3を参照すると、Te1>Te2>Te3であり、トルク曲線図における定トルク曲線を予め計算し、かつベンチを校正してよく、一般的にテーブルルックアップ又は線形フィッティングの方法を用いてトルクにより制御電流指令を取得し、予め設定された範囲は、予め設定された上限範囲と予め設定された下限範囲を含み、予め設定された上限範囲は、ゼロよりも大きい値であり、予め設定された下限範囲は、ゼロよりも小さい値である。まず、MTPA&MTPV曲線によりトルク指令を満たす目標直軸電流id及び目標横軸電流iqを探し出し、目標直軸電流id及び目標横軸電流iqを式8に代入して、要求される加熱パワーを満たすか否かをチェックする。第1加熱パワーと第2加熱パワーとの和と、目標加熱パワーとの差が予め設定された下限範囲よりも小さい場合、定トルク曲線に沿ってスライドし、((id+(iq)が増大する方向に向かって移動し、idが正半軸に向かって増大する方向に移動してもよく、idが負半軸に向かって減少する方向に移動してもよく、好ましくは、idが正半軸に向かって増大する方向に移動することを選択し、第1加熱パワーと第2加熱パワーとの和と、目標加熱パワーとの差が予め設定された上限範囲よりも大きい場合、定トルク曲線に沿ってスライドし、第1加熱パワーと第2加熱パワーとの和と、目標加熱パワーとの差が予め設定された上限範囲よりも小さくなるまで、((id+(iq)が減少する方向に向かって移動し、現在トルク及び電圧での((id+(iq)の最小点、すなわちMTPA&MTPV曲線上のトルク指令を満たす目標直軸電流及び目標横軸電流までスライドするとき、差が依然として予め設定された上限範囲よりも大きければ、現在の電流点を目標直軸電流及び目標横軸電流として保持する。
【0052】
式8を満たすか又は式8により規定された誤差範囲内にあるまで上記反復を行わればよく、加熱パワーを予め計算し、かつベンチを校正してよく、テーブルルックアップ又は線形フィッティングの方法を用いて、加熱パワーにより、条件を満たす目標直軸電流id及び目標横軸電流iqを取得する。
【0053】
本実施形態の技術的効果は、目標駆動パワーに基づいて出力トルクを取得し、出力トルクに基づいてトルク曲線図において定トルク曲線をルックアップし、定トルク曲線に基づいて直軸電流及び横軸電流を取得し、選択された直軸電流及び横軸電流に基づいて第2加熱パワーを取得し、さらに目標加熱パワーと第1加熱パワー及び第2加熱パワーとの間の関係に基づいて直軸電流及び横軸電流を調整することにより、第1加熱パワー及び第2加熱パワーを目標加熱パワーにマッチングさせて、トルク出力過程と加熱過程及び充電過程との間の協調動作を実現することである。
【0054】
さらに、該協調制御方法は、目標駆動パワーが第1目標駆動パワーから第2目標駆動パワーに変換される場合、第1目標駆動パワーに対応する目標横軸電流及び目標直軸電流に基づいて合成電流ベクトル振幅値を取得するステップと、所定のトルク曲線図における原点を円心とし、かつ合成電流ベクトル振幅値を半径とする円と、第2目標駆動パワーに対応するトルク曲線とで形成された第1交点座標及び第2交点座標を取得するステップと、第1交点座標と目標横軸電流及び目標直軸電流で形成された座標点との間の第1距離、並びに第2交点座標と上記目標横軸電流及び上記目標直軸電流で形成された座標点との間の第2距離をそれぞれ取得するステップと、第1距離と第2距離のうちの小さい値に対応する交点座標を上記第2目標駆動パワーの目標直軸電流及び目標横軸電流として決定するステップと、をさらに含む。
【0055】
特に、加熱パワーにより、条件を満たす目標直軸電流id及び目標横軸電流iqを取得した後、例えば、第1目標駆動パワーが第2目標駆動パワーに変化した場合、第2目標駆動パワーに基づいて現在トルク出力指令を取得し、現在トルク値の定トルク曲線において、半径((id+(iq)の目標電流円と交差する点であって、id及びiqに最も近い電流点を、現在トルク値の目標直軸電流id及び目標横軸電流iqとして探し出し、出力トルクが変化した後のトルク出力過程と加熱過程及び充電過程との間の協調動作を実現する。
【0056】
ステップS50において、第1加熱パワーと第2加熱パワーとの和と、目標加熱パワーとの間の偏差が予め設定された範囲内にある場合、第1横軸電流及び第1直軸電流を目標横軸電流及び目標直軸電流として設定する。
【0057】
本ステップにおいて、トルク曲線図におけるMTPA&MTPV曲線により、トルク指令を満たす第1直軸電流id1及び第1横軸電流iq1を取得し、第1直軸電流id1及び第1横軸電流iq1を式8に代入して、要求される加熱パワーを満たすか否かをチェックし、第1加熱パワー及び第2加熱パワーが目標加熱パワーの誤差の予め設定された範囲内にある場合、第1横軸電流及び第1直軸電流を目標横軸電流及び目標直軸電流として直接的に設定する。
【0058】
ステップS60において、各相コイルのサンプリング電流値及びモータロータ位置を取得し、かつ目標横軸電流、目標直軸電流、目標充放電電流、各相コイルのサンプリング電流値及びモータロータ位置に基づいて、可逆PWM整流器の各相ブリッジアームのデューティ比を計算する。
【0059】
本ステップにおいて、第1の実施形態として、図7に示すように、ステップS60は、ステップS601~ステップS604を含む。
【0060】
ステップS601において、各相コイルのサンプリング電流値に基づいて、モータコイル103の同期回転座標系に基づく実際の零軸電流i0を取得し、かつ各相コイルのサンプリング電流値及びモータロータ位置に基づいて、各セットの巻線の実際の横軸電流iq及び実際の直軸電流idを取得する。
【0061】
ステップS601において、モータコイル103の同期回転座標系に基づく零軸とは、同期回転座標系のd-q座標系に垂直な軸を指し、実際の零軸電流とは、各相コイルのサンプリング電流値を零軸に換算した電流値を指す。
【0062】
1つの実施形態として、ステップS601における、各相コイルのサンプリング電流値に基づいて、同期回転座標系に基づく実際の零軸電流i0を取得するステップは、
【数9】
という計算式に基づいて同期回転座標系における実際の零軸電流i0を取得するステップを含み、
式中、ia、ib……imは、各相コイルのサンプリング電流値であり、mは、モータの相数である。
【0063】
零軸電流は、各相コイルがいずれも有する電流と見なされてよく、その数値は、全てのコイルのサンプリング電流値の平均値であってよく、それと中性線上の電流との間に線形関係がある。
【0064】
1つの実施形態として、図8に示すように、ステップS601における、各相コイルのサンプリング電流値及びモータロータ位置に基づいて実際の横軸電流iq及び実際の直軸電流idを取得するステップは、ステップS6011及びステップS6012を含む。
【0065】
ステップS6011において、各相コイルのサンプリング電流値に対してclark座標変換を行って静止座標系における電流値iα、iβを得る。
【0066】
本ステップにおいて、モータコイル103上の3相又は多相電流を静止座標系における2相電流iα、iβに変換し、一般的にはclark座標変換を用いてN相軸座標系を2相静止座標系に変換する。
【0067】
多相モータの拡張したClark(2/mは、定振幅値Clarkであり、定パワー変換は類似する)変換式は以下のとおりである。
【数10】
【0068】
多相モータの拡張した逆Clark(定振幅値Clark)変換式は以下のとおりである。
【数11】
【0069】
式中、モータの相数は、mであり、α=2π/mであり、各セットの巻線のうちの隣接する2相巻線が異なる電気角度であり、例えば、3相4線式モータを実施例として説明すると、m=3、α=120、
【数12】
であり、3相コイルにおける3相電流ia、ib及びicを測定し、
【数13】
に基づいてi0を計算し、電流(ia、ib、ic)をクラーク(定振幅値Clark)変換により2相静止座標系における電流値iα、iβに変換し、
【数14】
であり、Clark座標変換式は以下のとおりである。
【数15】
【0070】
ステップS6012において、静止座標系における電流値iα、iβ及びモータロータ位置に基づいて、park座標変換を行って実際の横軸電流iq及び実際の直軸電流idを得る。
【0071】
本ステップにおいて、静止座標系における2相電流値iα、iβを、モータロータの磁場配向に基づく同期回転座標系における横軸電流及び直軸電流に変換し、モータロータ位置は、モータロータ直軸とモータコイル103のA相巻線との間の電気角度θであってよく、非同期モータであれば、θ=(ロータの回転速度Wr+スリップWs)*tであり、ロータリーエンコーダー又は他の位置センサ又はポジションレスセンサによりロータ位置を読み取り、θを得る。
【0072】
以下のpark座標変換により実際の横軸電流iq及び実際の直軸電流idを取得することができる。
【数16】
【0073】
拡張したpark座標変換は以下のとおりである。
【数17】
【0074】
拡張した逆park座標変換は以下のとおりである。
【数18】
【0075】
θは、モータロータ位置である。
【0076】
S602において、目標横軸電流iqと実際の横軸電流iq、及び目標直軸電流idと実際の直軸電流idに基づいて、それぞれ閉ループ制御を行って直軸基準電圧と横軸基準電圧を取得し、直軸基準電圧、横軸基準電圧及びモータロータ位置に基づいて、各相ブリッジアームの第1デューティ比D1、D2…Dmを取得し、mは、相数であり、Dmは、第m相モータコイル103のデューティ比を表す。
【0077】
1つの実施形態として、図9に示すように、ステップS602における、目標横軸電流iqと実際の横軸電流iq、及び目標直軸電流idと実際の直軸電流idに基づいて、それぞれ閉ループ制御を行って直軸基準電圧と横軸基準電圧を取得するステップは、目標横軸電流iqと実際の横軸電流iqに対して演算を行って横軸電流差を得て、かつ目標直軸電流idと実際の直軸電流idに対して演算を行って直軸電流差を得るステップS6021と、横軸電流差と直軸電流差に対してそれぞれ制御(例えば、PID制御)を行って、横軸基準電圧Uq及び直軸基準電圧Udを得るステップS6022と、を含む。
【0078】
上記2つのステップにおいて、目標横軸電流iqから実際の横軸電流iqを減算し、さらに制御(例えば、PID制御)を行って、横軸基準電圧Uqを取得し、同様に、目標直軸電流idから実際の直軸電流idを減算し、さらに制御(例えば、PID制御)を行って、直軸基準電圧Udを得る。
【0079】
1つの実施形態として、図10に示すように、ステップS602における、直軸基準電圧、横軸基準電圧及びモータロータ位置に基づいて、各相ブリッジアームの第1デューティ比D1、D2…Dmを取得するステップは、ステップS6023及びステップS6024を含む。
【0080】
ステップS6023において、横軸基準電圧Uq、直軸基準電圧Ud及びモータロータ位置に対して逆park座標変換を行って静止座標系における電圧Uα、Uβを得る。
【0081】
本ステップにおいて、以下の逆park座標変換式により静止座標系における電圧Uα、Uβを取得することができる。
【数19】
【0082】
ステップS6024において、静止座標系における電圧Uα、Uβに対して空間ベクトルパルス幅変調変換を行って各相ブリッジアームの第1デューティ比を得る。
【0083】
本ステップにおいて、静止座標系における電圧Uα、Uβに対してSVPWM(Space Vector Pulse Width Modulation、空間ベクトルパルス幅変調変換)アルゴリズムを行って可逆PWM整流器102のブリッジアームのデューティ比D1、D2…Dmを得る。
【0084】
ステップS603において、目標充放電電流in及び実際の零軸電流i0に基づいて各相ブリッジアームの電圧調整値U0を取得し、各相ブリッジアームの電圧調整値U0に基づいて第2デューティ比D0を取得する。
【0085】
1つの実施形態として、図11に示すように、ステップS603における、目標充放電電流in及びモータコイル103上の実際の零軸電流i0に基づいて各相ブリッジアームの電圧調整値U0を取得するステップは、ステップS6031及びステップS6032を含む。
【0086】
ステップS6031において、目標充放電電流in及びモータの相数に基づいて、モータコイル103の目標零軸電流i0を計算する。
【0087】
ステップS6032において、モータコイル103上の実際の零軸電流i0とモータコイル103の目標零軸電流i0に対して演算を行い、さらに制御(例えば、PID制御)を行って、各相ブリッジアームの電圧調整値U0を得る。
【0088】
上記ステップにおいて、目標充放電電流inと目標零軸電流i0との間に比例関係があり、比例係数は、モータの相数であり、モータコイル103上の実際の零軸電流i0とモータコイル103の目標零軸電流i0に対して減算演算を行って電流差を取得し、さらに制御(例えば、PID制御)を行うと、各相ブリッジアームの電圧調整値U0を得ることができる。
【0089】
1つの実施形態として、ステップS603における、各相ブリッジアームの電圧調整値U0に基づいて第2デューティ比D0を取得するステップは、電圧調整値U0及びバス電圧を変調して第2デューティ比D0を得るステップを含む。
【0090】
ステップS603において、各相ブリッジアームの第1デューティ比D1、D2…Dm及び各相ブリッジアームの第2デューティ比D0に基づいて、各相ブリッジアームのデューティ比を計算して取得する。
【0091】
本ステップにおいて、第1デューティ比と第2デューティ比とを加算又は減算する方式により各相ブリッジアームのデューティ比を得ることができる。
【0092】
充放電ポートから中性点に流入する充電電流を正方向とし、多相の相電流の方向は、電流のモータ相端子への流入を正方向とし、電流のモータ相端子からの流出を負方向とし、直流電源が充放電ポートを介して外部の電池を充電する場合、各相ブリッジアームの第1デューティ比からそれぞれデューティ比D0を減算して各相ブリッジアームのデューティ比を計算して取得する。
【0093】
ステップS60の第1実施形態は、ステップS601、ステップS602及びステップS603を含み、本実施形態では、多相モータのパラメータ値を同期回転座標系に計算して閉ループ制御を行うことにより、加熱過程、充放電過程及びトルク出力過程の協調動作を実現する。
【0094】
ステップS60について、第2実施形態として、図12に示すように、各相コイルのサンプリング電流値及びロータ位置を取得し、かつ目標横軸電流、目標直軸電流、目標充放電電流、各相コイルのサンプリング電流値及びモータロータ位置に基づいて、可逆PWM整流器102の各相ブリッジアームのデューティ比を計算するステップは、ステップS611~ステップS613を含む。
【0095】
ステップS611において、目標横軸電流、目標直軸電流、モータロータ位置及び目標充放電電流に基づいて、各相コイルの目標電流値を取得し、1つの実施形態として、ステップS611は、目標充放電電流inを線形に変化させて各セットの巻線の目標零軸電流i0を取得し、目標横軸電流iq、目標直軸電流id、ロータ位置及び目標零軸電流i0に基づいて、拡張した逆park及び拡張した逆clark座標変換を行って各相コイルの目標電流値を取得するステップを含む。
【0096】
ステップS612において、各相コイルのサンプリング電流値及び各相コイルの目標電流値に基づいて、各相ブリッジアームの基準電圧を取得する。
【0097】
ステップS613において、各相ブリッジアームの基準電圧に基づいて、各相ブリッジアームのデューティ比を取得する。
【0098】
上記2つのステップにおいて、各相コイルのサンプリング電流値及び各相コイルの目標電流値に対して閉ループ調整を行い、閉ループ調整の方式は、PID制御又はPR制御又はスライディングモード制御などであってよい。
【0099】
本実施形態は、多相モータのパラメータ値を相軸座標系に計算して閉ループ制御を行うことにより、加熱過程、充放電過程及びトルク出力過程の協調動作を実現するという点で上記実施形態と相違する。
【0100】
ステップS60について、第3実施形態として、図13に示すように、ステップS60は、目標横軸電流iq、目標直軸電流id及びロータ位置に基づいて、モータの静止座標系における目標α軸電流及び目標β軸電流を取得するステップS621と、各相コイルのサンプリング電流値に基づいて、各セットの巻線の実際の零軸電流i0を取得し、かつ各相コイルのサンプリング電流値に基づいて、モータの静止座標系における実際のα軸電流及び実際のβ軸電流を取得するステップS622と、目標α軸電流、目標β軸電流、実際のα軸電流及び実際のβ軸電流に基づいて、制御(例えば、PID制御)を行ってモータコイル103の静止座標系における基準電圧Uα、Uβを取得するステップS623と、静止座標系における基準電圧Uα、Uβに対して空間ベクトル変調変換を行って各相ブリッジアームの第1デューティ比を得るステップS624と、目標充放電電流in及び実際の零軸電流i0に基づいて、制御(例えば、PID制御)を行って各相ブリッジアームの電圧調整値U0を取得し、電圧調整値U0及びバス電圧を変調して第2デューティ比を得るステップS625と、各相ブリッジアームの第1デューティ比及び各相ブリッジアームの第2デューティ比に基づいて、各相ブリッジアームのデューティ比を計算して取得するステップS626と、を含む。
【0101】
本実施形態は、多相モータのパラメータ値を静止座標系に計算して閉ループ制御を行うことにより、加熱過程、充放電過程及びトルク出力過程の協調動作を実現するという点で上記実施形態と相違する。
【0102】
本願の実施例1は、エネルギー変換装置の協調制御方法を提供し、可逆PWM整流器102及びモータコイル103を含むエネルギー変換装置を用いることにより、該エネルギー変換装置が、外部の電池101に接続され、かつ充放電ポート104を介して電源又は電気設備に接続される場合、目標加熱パワー、目標駆動パワー及び目標充放電パワーを取得し、目標充放電パワーに基づいて第1加熱パワーを取得し、目標駆動パワーに基づいて第1横軸電流及び第1直軸電流を取得し、第1横軸電流及び第1直軸電流に基づいてモータコイル103の第2加熱パワーを取得し、さらに、第1加熱パワーと第2加熱パワーとの和と、目標加熱パワーとの間の関係に基づいて、第1横軸電流及び第1直軸電流を調整して目標横軸電流及び目標直軸電流を得て、その後、目標横軸電流、目標直軸電流、目標充放電電流、各相コイルのサンプリング電流値及びモータロータ位置に基づいて、可逆PWM整流器の各相ブリッジアームのデューティ比を計算し、デューティ比に基づいてPWM整流器の各相ブリッジアーム上のスイッチ素子のオン及びオフを制御して、外部の電池101又は電源から出力された電流がモータコイル103を流れて熱量を発生させることを実現することにより、モータコイル103の冷却管を流れる冷却液を加熱し、該冷却液は、動力電池を流れるときに動力電池を加熱し、かつ電池自体の充電又は放電による発熱と組み合わせて動力電池を加熱し、追加の動力電池加熱装置を省略し、装置全体のコストを削減し、電池の低温の状態での充放電を保証するとともに、充放電過程、加熱過程及びトルク出力過程の三者の協調動作、すなわち外部の電源(例えば、充電パイル)の放電による電池の充電過程、モータの加熱過程及びモータトルク出力過程の三者の協調動作、又は電池の放電による外部の電気設備(例えば、車両)への給電、モータの加熱過程及びモータトルク出力過程の三者の協調動作を実現することができる。
【0103】
本願の実施例2は、エネルギー変換装置の協調制御方法を提供し、図14に示すように、目標充放電パワーがゼロである場合、目標充放電電流及び第1加熱パワーは、ゼロであり、協調制御方法は、目標加熱パワー及び目標駆動パワーを取得するステップS11と、目標駆動パワーに基づいて、モータロータの磁場配向に基づく同期回転座標系における第1横軸電流及び第1直軸電流を取得し、かつ第1横軸電流及び第1直軸電流に基づいて、モータコイルの第2加熱パワーを取得するステップS21と、第2加熱パワーと目標加熱パワーとの間の偏差が予め設定された範囲内にない場合、目標駆動パワーに基づいて第1横軸電流及び第1直軸電流を目標横軸電流及び目標直軸電流に調整することにより、第2加熱パワーと目標加熱パワーとの間の偏差を予め設定された範囲内にするステップS31と、第2加熱パワーと目標加熱パワーとの間の偏差が予め設定された範囲内にある場合、第1横軸電流及び第1直軸電流を目標横軸電流及び目標直軸電流として設定するステップS41と、各相コイルのサンプリング電流値及びモータロータ位置を取得し、かつ目標横軸電流、目標直軸電流、各相コイルのサンプリング電流値及びモータロータ位置に基づいて、可逆PWM整流器の各相ブリッジアームのデューティ比を計算するステップS51と、を含む。
【0104】
本願の実施例2は、エネルギー変換装置の協調制御方法を提供し、目標充放電パワーがゼロであり、モータコイルを加熱するように制御することとモータがトルクを出力するように制御することとを同時に行うという点で実施例1と相違し、可逆PWM整流器及びモータコイルを含むエネルギー変換装置を用いることにより、該エネルギー変換装置が、外部の電池に接続され、かつ充放電ポートを介して電源又は電気設備に接続される場合、目標加熱パワー及び目標駆動パワーを取得し、目標駆動パワーに基づいて第1横軸電流及び第1直軸電流を取得し、第1横軸電流及び第1直軸電流に基づいてモータコイルの第2加熱パワーを取得し、さらに、第2加熱パワーと目標加熱パワーとの間の関係に基づいて第1横軸電流及び第1直軸電流を調整して目標横軸電流及び目標直軸電流を得て、その後、目標横軸電流、目標直軸電流、目標充放電電流、各相コイルのサンプリング電流値及びモータロータ位置に基づいて、可逆PWM整流器の各相ブリッジアームのデューティ比を計算し、デューティ比に基づいてPWM整流器の各相ブリッジアーム上のスイッチ素子のオン及びオフを制御して、外部の電池又は電源から出力された電流がモータコイルを流れて熱量を発生させることを実現することにより、モータコイルの冷却管を流れる冷却液を加熱し、該冷却液は、動力電池を流れるときに動力電池を加熱し、追加の動力電池加熱装置を省略し、装置全体のコストを削減し、電池の低温の状態での充放電を保証するとともに、加熱過程とトルク出力過程の二者の協調動作を実現することができる。
【0105】
本願の実施例3は、エネルギー変換装置の協調制御方法を提供し、図15に示すように、目標加熱パワーがゼロである場合、協調制御方法は、目標充放電パワー及び目標駆動パワーを取得するステップS12と、目標充放電パワーに基づいて、外部の充放電ポートから中性線に出力された目標充放電電流を取得するステップS22と、目標駆動パワーに基づいて、第1横軸電流及び第1直軸電流を取得し、第1横軸電流及び第1直軸電流を目標横軸電流及び目標直軸電流として設定するステップS32と、各相コイルのサンプリング電流値及びモータロータ位置を取得し、かつ目標横軸電流、目標直軸電流、目標充放電電流、各相コイルのサンプリング電流値及びモータロータ位置に基づいて、可逆PWM整流器の各相ブリッジアームのデューティ比を計算するステップS42と、を含む。
【0106】
本願の実施例3は、エネルギー変換装置の協調制御方法を提供し、目標加熱パワーがゼロであり、モータコイルが充放電するように制御することとモータがトルクを出力するように制御することとを同時に行うという点で実施例1と相違し、目標充放電パワーに基づいて目標充放電電流を取得し、目標駆動パワーに基づいて第1横軸電流及び第1直軸電流を取得し、第1横軸電流及び第1直軸電流を目標横軸電流及び目標直軸電流として設定し、目標横軸電流、目標直軸電流、目標充放電電流、各相コイルのサンプリング電流値及びモータロータ位置に基づいて、可逆PWM整流器の各相ブリッジアームのデューティ比を計算することにより、充放電過程とトルク出力過程の二者の協調動作を実現する。
【0107】
本願の実施例4は、エネルギー変換装置の協調制御方法を提供し、図16に示すように、目標駆動パワーがゼロである場合、協調制御方法は、目標加熱パワー及び目標充放電パワーを取得するステップS13と、目標充放電パワーに基づいて、外部の充放電ポートから中性線に出力された目標充放電電流を取得し、かつ目標充放電電流に基づいて、モータコイルの第1加熱パワーを取得するステップS23と、目標加熱パワー及び第1加熱パワーに基づいて、目標横軸電流及び目標直軸電流を取得するステップS33と、各相コイルのサンプリング電流値及びモータロータ位置を取得し、かつ目標横軸電流、目標直軸電流、目標充放電電流、各相コイルのサンプリング電流値及びモータロータ位置に基づいて、可逆PWM整流器の各相ブリッジアームのデューティ比を計算するステップS43と、を含む。
【0108】
本願の実施例4は、エネルギー変換装置の協調制御方法を提供し、目標駆動パワーがゼロであり、モータコイルが電池を充放電するように制御することとモータコイルを加熱するように制御することとを同時に行うという点で実施例1と相違し、目標充放電パワーに基づいて目標充放電電流を取得し、目標充放電電流に基づいてモータコイルの第1加熱パワーを取得し、目標加熱パワーと第1加熱パワーとの間の関係に基づいて目標横軸電流及び目標直軸電流を取得し、このとき、目標横軸電流がゼロであり、さらに目標直軸電流、目標充放電電流、各相コイルのサンプリング電流値及びモータロータ位置に基づいて、可逆PWM整流器の各相ブリッジアームのデューティ比を計算することにより、加熱過程と充放電過程の二者の協調動作を実現するとともに、ゼロトルク出力を実現する。
【0109】
以下、具体的なベクトル制御図により本願を具体的に説明する。
【0110】
図17は、本願のn相モータのベクトル制御ブロック図であり、多相モータのベクトル制御に関するものであり、多相モータのベクトルを同期回転座標系に計算して閉ループ制御を行い、図18は、図17に対応して3相モータを例として3相モータのベクトル制御システムのブロック図を例示する。制御過程において、コントローラは、充放電指令、トルク出力指令及び加熱パワー指令を受信し、充放電指令は、所定の電圧値又は所定の電流値であり、充放電指令に基づいて電圧目標を取得し、充電ポートの電圧を取得し、かつそれと電圧目標に対して閉ループ制御(例えば、PID制御)を行って、目標充放電電流inを得て、出力トルクと加熱パワー及び目標充放電電流inに基づいて指令計算過程を行って目標横軸電流iq及び目標直軸電流idを得て、3相電流値ia、ib、icをサンプリングし、座標変換により同期回転座標系に換算して実際の直軸電流idと実際の横軸電流iqを得て、それぞれ目標直軸電流idと目標横軸電流iqから減算した後、制御(例えば、PID制御)によりUd目標値及びUq目標値を出力し、Ud及びUqの逆Park変換によりUα及びUβを得て、Uα及びUβを空間ベクトルパルス幅変調アルゴリズム(SVPWM)に伝送してインバータの3相ブリッジアームのデューティ比Da、Db、Dcを得る。要求される電流値inにより、要求されるi0と実際のi0(電流ia、ib、icをサンプリングすることにより、拡張したClark座標変換によりi0を抽出する)の電流値を計算し、閉ループ制御を行って、要求されるデューティ比D0を得て、Da、Db、DcとD0との減算をそれぞれ行って3相ブリッジアームの実際のデューティ比を得て、閉ループ電流制御を行う。
【0111】
図19は、本願のn相モータの別の制御ブロック図であり、多相モータのベクトル制御に関するものであり、多相モータのベクトルをN相軸座標系に計算して閉ループ制御を行う。図20は、図19に対応して3相モータを例として3相モータのベクトル制御システムのブロック図を例示する。制御過程において、コントローラは、充放電指令、トルク出力指令及び加熱パワー指令を受信し、充放電指令は、所定の電圧値又は所定の電流値であり、充放電指令に基づいて電圧目標を取得し、充電ポートの電圧を取得し、かつそれと電圧目標に対して閉ループ制御(例えば、PID制御)を行って、目標充放電電流inを得て、出力トルクと加熱パワー及び目標充放電電流inに基づいて指令計算過程を行って目標横軸電流iq及び目標直軸電流idを得て、目標横軸電流iq及び目標直軸電流idに対して拡張した逆Park-Clark座標変換を行い、目標値をステータ巻線軸系ABCに計算してIa、Ib、Icを得て、ステータ巻線軸系における目標値Ia、Ib、Icとサンプリングにより得られた実際の値Ia、Ib、Icに対して閉ループ調整を行い、ブリッジアームのデューティ比Da、Db、Dcを出力して制御電流を調整することにより目標値に追従させ、調整方式は、PID又はPR又はスライディングモードなどであってよい。
【0112】
3相4線式モータを実施例とすると、m=3であり、3相電流(ia、ib、ic)を測定し、測定された電流(ia、ib、ic)を、拡張したクラーク(clark)変換により2相静止座標系におけるiα、iβ、i0に変換し、零軸電流ベクトルは、i0であり、N線の電流は、零軸電流成分の負の3倍(in=-3i0)であり、iα及びiβをパーク変換(park)により磁場配向の電流ベクトルid、iqに変換し、idは、直軸電流であり、iqは、横軸電流であり、θは、モータロータ直軸とモータ巻線のA相巻線との間の電気角度であり(非同期モータであれば、θ=(ロータの回転速度Wr+スリップWs)*tであり)、ロータリーエンコーダー又は他の位置センサ又はポジションレスセンサによりロータ位置を読み取り、θを得る。
【0113】
零軸電流ベクトルi0は、以下のとおりである。
【数20】
【0114】
電流指令*について、N線の電流in=-3i0であり、0軸上のベクトル電流i0を与え、充放電パワーを制御する。
【0115】
以下、エネルギー変換装置の異なるモードに基づいて本願を具体的に説明し、モータが3相モータであることを例とする。
【0116】
第1ステップにおいて、指令計算を行う。
【0117】
充放電指令、トルク出力指令及び加熱パワー指令の3つの指令のうち、多くとも1つがゼロではない場合、以下の方式に従って指令計算及び割り当てを行う。
【0118】
第1の動作モードにおいて、充放電指令、トルク出力指令及び加熱パワー指令(指令は、要求パワーである)が全てゼロである場合、全てのスイッチがオフ状態にある。
【0119】
第2の動作モードにおいて、トルク出力指令のみがあり、充放電指令は、0であり、すなわち充放電電流in=0であり、加熱パワー指令は、0であり、指令計算過程においては、図6のトルク曲線図におけるMTPA&MTPV曲線に基づいて、トルク出力指令及びモータの現在の回転速度ωeにより、同期回転座標系のdq座標軸上の対応する目標横軸電流iq及び目標直軸電流idの2つの要求値をルックアップするか又は計算し、要求されるトルク指令を保証し、このときに目標充放電電流inの電流回路において制御演算を行わず、トルク指令に必要なエネルギーは、外部の電池101又は外部の電源に由来する。
【0120】
第3の動作モードにおいて、加熱パワー指令のみがあり、充放電指令は、0であり、すなわち充放電電流in=0であり、トルク出力指令は、0又は小さい値であり、すなわち目標横軸電流iq=0であるか、又はiqは、小さい値であり(歯車隙間と噛み合うことにより、モータロータの振れを防止し)、目標直軸電流idの方向におけるベクトルを与え、所定の加熱パワーに基づいて式4に従ってidを解き、idは、正であっても負であってもよく、好ましくは、idは、正の値であり、すなわち増強磁場方向であり、あるいは得られたidに正弦高周波信号を重畳し、電池インピーダンスが大きいほど発熱が大きくなることを利用して、電池の発熱を増大させ、加熱パワーを予め計算し、かつベンチを校正してよく、テーブルルックアップ又は線形フィッティングの方法を用いて加熱パワーにより制御電流指令id、iqを取得する。

【数21】
【0121】
現在の指令に基づいて判断モードを与え、計算過程の後に、id、iq、inを得て、このときに目標inの電流回路において制御演算を行わず、加熱指令に必要なエネルギーは、電池又は外部の電源に由来する。
【0122】
第4の動作モードにおいて、充放電指令のみがあり、トルク出力指令は、0であり、加熱パワー指令は、0であり、iq=0、id=0、in≠0である。
【0123】
外部の充放電ポート104に接続された外部の電源が定電流充放電モードである場合、モータコントローラは、電圧及び電流の二重閉ループ制御を用い、電流指令inは、充放電電圧指令Uと電圧のサンプリング及び閉ループ制御を行った後の出力量である。
【0124】
外部の充放電ポート104に接続された外部の電源が定電流充放電モードである場合、モータコントローラはまた、単一電圧の二重閉ループ制御を用いてよく、電圧閉ループのプロセスのみがあり、電圧指令Uと電圧のサンプリング及び閉ループ制御を行った後の出力量は、直接的にブリッジアームのデューティ比に変換され、inのサンプリングにより(in=-ia-ib-ic)を得る。
【0125】
外部の充放電ポート104に接続された外部の電源が定電圧充放電モードである場合、モータコントローラは、単一電流の二重閉ループ制御を用い、電流指令inは、直接的に電池マネージャから送信されて与えられ、電圧閉ループのプロセスがない。
【0126】
ベクトル制御計算過程により目標id、iq、inを得る。
【0127】
充電時にin>0であり、放電時にin<0である。
【0128】
充放電指令、トルク出力指令及び加熱パワー指令の3つの指令のうち、少なくとも2つがゼロではない場合、以下の方式に従って指令計算及び割り当てを行う。
【0129】
第5の動作モードにおいて、充放電指令及び加熱パワー指令のみがあり、トルク出力指令*は、0である。
【0130】
充放電指令:
外部の充放電ポート104に接続された外部の電源が定電流充放電モードである場合、モータコントローラは、電圧及び電流の二重閉ループ制御を用いてよく、電流指令inは、充放電電圧指令Uと電圧のサンプリング及び閉ループ制御を行った後の出力量であり、N線の電流inをサンプリングし、電流の閉ループ制御を行う。
【0131】
外部の充放電ポート104に接続された外部の電源が定電圧充放電モードである場合、モータコントローラはまた、単一電流の二重閉ループ制御を用いてよく、電流指令inは、直接的に電池マネージャから送信されて与えられ、電圧閉ループのプロセスがなく、N線の電流inをサンプリングし、電流の閉ループ制御を行う。
【0132】
外部の充放電ポート104に接続された外部の電源が定電流充放電モードである場合、モータコントローラはさらに、単一電圧の二重閉ループ制御を用いてよく、電圧閉ループのプロセスのみがあり、電圧指令Uと電圧のサンプリング及び閉ループ制御を行った後の出力量は、直接的にブリッジアームのデューティ比に変換され、N線の電流inをサンプリングする。
【0133】
加熱パワー指令:サンプリングによりinを得て、かつ加熱パワーを与え、以下の式5に従ってidを解き、idは、正であっても負であってもよく、好ましくは、idは、正の値であり、すなわち増強磁場方向であり、加熱パワーを予め計算し、かつベンチを校正してよく、テーブルルックアップ又は線形フィッティングの方法を用いて加熱パワーにより目標電流id、iqを取得する。
【数22】
【0134】
充放電指令に基づいて、加熱パワー指令の計算過程の後、目標id、iq、inを得る。充電時にin>0であり、放電時にin<0である。
【0135】
式5について、複数の巻線ポールから引き出された複数本の中性線が存在する場合、各中性線を全体として式5を用いて計算を行い、複数本の中性線に対して計算及び重畳を行う必要がある。
【0136】
第6の動作モードにおいて、充放電指令及びトルク出力指令のみがあり、加熱パワー指令は、0である。
【0137】
充放電指令:
外部の充放電ポート104に接続された外部の電源が定電流充放電モードである場合、モータコントローラは、電圧及び電流の二重閉ループ制御を用いてよく、電流指令inは、充放電電圧指令Uと電圧のサンプリング及び閉ループ制御を行った後の出力量であり、N線の電流inをサンプリングし、電流の閉ループ制御を行う。
【0138】
外部の充放電ポート104に接続された外部の電源が定電圧充放電モードである場合、モータコントローラはまた、単一電流の二重閉ループ制御を用いてよく、電流指令inは、直接的に電池マネージャから送信されて与えられ、電圧閉ループのプロセスがなく、N線の電流inをサンプリングし、電流の閉ループ制御を行う。
【0139】
外部の充放電ポート104に接続された外部の電源が定電流充放電モードである場合、モータコントローラはさらに、単一電圧の二重閉ループ制御を用いてよく、電圧閉ループのプロセスのみがあり、電圧指令Uと電圧のサンプリング及び閉ループ制御を行った後の出力量は、直接的にブリッジアームのデューティ比に変換され、N線の電流inをサンプリングする。
【0140】
トルク出力指令:指令計算過程においては、図6のトルク曲線図におけるMTPA&MTPV曲線に基づいて、トルク出力指令により、同期回転座標系のdq座標軸上の対応するid、iqの2つの要求値を探し出して与え、要求されるトルク指令を保証し、計算過程の後に、目標id、iq、inを得て、充電時にin>0であり、放電時にin<0である。
【0141】
第7の動作モードにおいて、加熱パワー指令及びトルク出力指令のみがあり、充放電指令は、0である。
【0142】
加熱パワー指令:
【数23】
【0143】
トルク出力指令:定トルク曲線を計算し、図6のトルク曲線図における定トルク曲線Te1、Te2、Te3を参照し、Te1>Te2>Te3であり、トルク曲線図における定トルク曲線を予め計算し、かつベンチを校正してよく、一般的にテーブルルックアップ又は線形フィッティングの方法を用いてトルクにより制御電流指令を取得する。まず、MTPA&MTPV曲線により、トルク指令を満たすid及びiqを探し出し、id及びiqを式7に代入して、要求される加熱パワーを満たすか否かをチェックし、満たさない場合、id及びiqは、定トルク曲線に沿ってスライドし、第1加熱パワーと第2加熱パワーとの和と、目標加熱パワーとの差が予め設定された下限範囲よりも小さい場合、idが正半軸に向かって増大する方向に移動してもよく、idが負半軸に向かって減少する方向に移動してもよく、好ましくは、idが正半軸に向かって増大する方向に移動することを選択し、式7を満たすか又は式7により規定された誤差範囲内にあるまで反復を行い、加熱パワーを予め計算し、かつベンチを校正してよく、テーブルルックアップ又は線形フィッティングの方法を用いて加熱パワーにより制御電流指令id、iqを取得する。
【0144】
このとき、目標inの電流回路において制御演算を行わず、計算過程の後に、目標id、iq、inを得る。
【0145】
第8の動作モードにおいて、充放電指令、加熱パワー指令及びトルク出力指令は、いずれもゼロではない。
【0146】
充放電指令:外部の充放電ポート104に接続された外部の電源が定電流充放電モードである場合、モータコントローラは、電圧及び電流の二重閉ループ制御を用いてよく、電流指令inは、充放電電圧指令Uと電圧のサンプリング及び閉ループ制御を行った後の出力量であり、N線の電流inをサンプリングし、電流の閉ループ制御を行う。
【0147】
外部の充放電ポート104に接続された外部の電源が定電圧充放電モードである場合、モータコントローラは、単一電流の二重閉ループ制御を用いてよく、電流指令inは、直接的に電池マネージャから送信されて与えられ、電圧閉ループのプロセスがなく、N線の電流inをサンプリングし、電流の閉ループ制御を行う。
【0148】
外部の充放電ポート104に接続された外部の電源が定電流充放電モードである場合、モータコントローラは、単一電圧の二重閉ループ制御を用いてよく、電圧閉ループのプロセスのみがあり、電圧指令Uと電圧のサンプリング及び閉ループ制御を行った後の出力量は、直接的にブリッジアームのデューティ比に変換され、N線の電流inをサンプリングする。
【0149】
加熱パワー指令:
【数24】
【0150】
トルク出力指令:定トルク曲線を計算し、トルク曲線図における定トルク曲線を予め計算し、かつベンチを校正してよく、一般的にテーブルルックアップ又は線形フィッティングの方法を用いてトルクにより制御電流指令を取得する。まず、MTPA&MTPV曲線により、トルク指令を満たすid及びiqを探し出し、id及びiqを式8に代入して、要求される加熱パワーを満たすか否かをチェックし、満たさない場合、定トルク曲線に沿ってスライドし、((id+(iq)が増大する方向に向かって移動し、idが正半軸に向かって増大する方向に移動してもよく、idが負半軸に向かって減少する方向に移動してもよく、好ましくは、idが正半軸に向かって増大する方向に移動することを選択し、式8を満たすか又は式8により規定された誤差範囲内にあるまで反復を行う。加熱パワーを予め計算し、かつベンチを校正してよく、テーブルルックアップ又は線形フィッティングの方法を用いて加熱パワーにより制御電流指令id、iqを取得する。
【0151】
計算過程の後に、目標id、iq、inを得る。
【0152】
充放電指令、加熱パワー指令、トルク出力指令がいずれも存在する使用シナリオは、太陽エネルギー高圧線上の除氷車又は月面車である。
【0153】
第2ステップにおいて、閉ループ方式の判断を行う。
【0154】
モード判断の第1ステップにおいて、全ての指令が0である場合に制御を行わないことに加えて、充放電指令in=0の場合に処理及び判断を行う必要があり、in=0の場合、充放電電流又は電圧を制御せず、電池から電気を取り出してモータ駆動、加熱又は駆動加熱の制御を行う。in≠0の場合、充放電指令は、閉ループ制御に関与する。
【0155】
第3ステップにおいて、制御過程を行う。
【0156】
充放電指令、加熱パワー指令、トルク出力指令に対して計算過程を行った後、目標パラメータ値id、iq、inを得る。
【0157】
エネルギー変換装置の回路構造として、以下の回路構造を用いてよい。
【0158】
図21は、本実施形態に係るエネルギー変換装置の回路図であり、エネルギー変換装置は、可逆PWM整流器102及びモータコイル103を含み、スイッチK1、スイッチK2、抵抗R、スイッチK3及びキャパシタC1をさらに含み、外部の電池の正極は、スイッチK1の第1端及びスイッチK2の第1端に接続され、スイッチK1の第2端は、キャパシタC1の第1端に接続され、スイッチK2の第2端は、抵抗Rの第1端に接続され、抵抗Rの第2端は、キャパシタC1の第1端に接続され、電池の負極は、スイッチK3の第1端に接続され、スイッチK3の第2端は、キャパシタC1の第2端に接続され、可逆PWM整流器は、3相ブリッジアームを含み、第1相ブリッジアームは、直列接続された第1パワースイッチユニット及び第2パワースイッチユニットを含み、第2相ブリッジアームは、直列接続された第3パワースイッチユニット及び第4パワースイッチユニットを含み、第3相ブリッジアームは、直列接続された第5パワースイッチユニット及び第6パワースイッチユニットを含み、第1パワースイッチユニットの入力端、第3パワースイッチユニットの入力端及び第5パワースイッチユニットの入力端は、共通接続されて第1合流端を形成し、かつキャパシタC1の第1端に接続され、第2パワースイッチユニットの出力端、第4パワースイッチユニットの出力端及び第6パワースイッチユニットの出力端は、共通接続されて第2合流端を形成し、かつキャパシタC1の第2端に接続され、第1パワースイッチユニットは、第1上ブリッジアームVT1及び第1上ブリッジダイオードVD1を含み、第2パワースイッチユニットは、第2下ブリッジアームVT2及び第2下ブリッジダイオードVD2を含み、第3パワースイッチユニットは、第3上ブリッジアームVT3及び第3上ブリッジダイオードVD3を含み、第4パワースイッチユニットは、第4下ブリッジアームVT4及び第4下ブリッジダイオードVD4を含み、第5パワースイッチユニットは、第5上ブリッジアームVT5及び第5上ブリッジダイオードVD5を含み、第6パワースイッチユニットは、第6下ブリッジアームVT6及び第6下ブリッジダイオードVD6を含み、モータコイルは、1セットの3相巻線を含み、第1相コイルは、第1相ブリッジアームの中点に接続され、第2相コイルは、第2相ブリッジアームの中点に接続され、第3相コイルは、第3相ブリッジアームの中点に接続され、第1相コイル、第2相コイル及び第3相コイルは、共通接続されて中性点を形成し、中性点から中性線を引き出し、エネルギー変換モジュールは、スイッチK4、スイッチK5、インダクタL及びキャパシタC2をさらに含み、充放電ポートの第1端は、インダクタLの第2端及びキャパシタC2の第1端に接続され、インダクタLの第1端は、スイッチK4の第2端に接続され、スイッチK4の第1端は、中性線に接続され、充放電ポート104の第2端は、スイッチK5の第2端に接続され、スイッチK5の第1端及びキャパシタC2の第2端は、第2合流端に共通接続される。
【0159】
図22に示すように、図22は、充放電ポート104の第1端がスイッチK7の第2端及びスイッチK5の第2端に接続され、スイッチK7の第1端がインダクタLの第2端及びキャパシタC2の第1端に接続され、インダクタLの第1端がスイッチK6の第2端に接続され、スイッチK6の第1端が中性線に接続され、充放電ポート104の第2端がキャパシタC2の第2端及び第2合流端に接続され、スイッチK4の第1端が電池の正極に接続され、スイッチK5の第1端がキャパシタC1の第1端に接続されるという点で図21と相違する。
【0160】
図23及び図24に示すように、エネルギー変換装置が外部の車両に接続される場合、エネルギー貯蔵過程及び貯蔵エネルギー放出過程を行う。
【0161】
以下、図25を例として、目標駆動パワー及び目標充放電パワーを取得した場合に目標駆動パワー及び目標充放電パワーを計算した後の電流の流れ方向の実現方式を説明する。
【0162】
図25に示すように、可逆PWM整流器102は、第1パワースイッチユニット、第2パワースイッチユニット、第3パワースイッチユニット、第4パワースイッチユニット、第5パワースイッチユニット及び第6パワースイッチユニットを含み、各パワースイッチユニットの制御端は、コントローラに接続され、可逆PWM整流器102の第1パワースイッチユニット及び第2パワースイッチユニットは、第1相ブリッジアームを構成し、第3パワースイッチユニット及び第4パワースイッチユニットは、第2相ブリッジアームを構成し、第5パワースイッチユニット及び第6パワースイッチユニットは、第3相ブリッジアームを構成し、第1パワースイッチユニットは、第1上ブリッジアームVT1及び第1上ブリッジダイオードVD1を含み、第2パワースイッチユニットは、第2下ブリッジアームVT2及び第2下ブリッジダイオードVD2を含み、第3パワースイッチユニットは、第3上ブリッジアームVT3及び第3上ブリッジダイオードVD3を含み、第4パワースイッチユニットは、第4下ブリッジアームVT4及び第4下ブリッジダイオードVD4を含み、第5パワースイッチユニットは、第5上ブリッジアームVT5及び第5上ブリッジダイオードVD5を含み、第6パワースイッチユニットは、第6下ブリッジアームVT6及び第6下ブリッジダイオードVD6を含み、第1パワースイッチユニット、第3パワースイッチユニット及び第5パワースイッチユニットは、共通接続されて第1合流端を形成し、第2パワースイッチユニット、第4パワースイッチユニット及び第6パワースイッチユニットは、共通接続されて第2合流端を形成し、第1合流端と第2合流端との間にバスキャパシタC1が接続され、バスキャパシタC1の第1端は、スイッチK1の第1端及びスイッチK2の第1端に接続され、バスキャパシタC1の第2端は、スイッチK3の第1端に接続され、スイッチK2の第2端は、抵抗Rの第1端に接続され、スイッチK1の第2端は、抵抗Rの第2端及び電池101の正極端に接続され、スイッチK3の第2端は、電池101の負極端に接続され、モータは、第1相コイルL1、第2相コイルL2及び第3相コイルL3を含み、各相コイルの一端は、共通接続されて中性点を形成し、かつ直流電源に接続され、各相コイルの他端は、それぞれ1相ブリッジアームの中点に接続され、直流電源、第1相コイルL1及び第2パワースイッチユニットは、直流エネルギー貯蔵回路を形成し、直流エネルギー貯蔵回路は、充電及びエネルギー貯蔵だけでなく、駆動にも用いられ、一実施形態として、電流の流れ方向は、直流電源の正極から、第1相コイルL1及び第2下ブリッジアームVT2を流れて直流電源の負極に戻るものであり、直流電源、第1相コイルL1、第1パワースイッチユニット、バスキャパシタC1及び外部の電池は、電池充電回路を形成し、電池充電回路は、エネルギー貯蔵だけでなく、駆動にも用いられ、電流の流れ方向は、直流電源の正極から、第1相コイルL1、第1上ブリッジアームVT1、電池101及びバスキャパシタC1を流れて直流電源の負極に戻るものであり、バスキャパシタC1、第5パワースイッチユニット、第3パワースイッチユニット、第3相コイルL3、第2相コイルL2、第1相コイルL1及び第2パワースイッチユニットは、モータの第1駆動回路を形成し、電流は、バスキャパシタC1の一端から、第5上ブリッジアームVT5、第3相コイルL3、第1相コイルL1及び第2下ブリッジアームVT2を流れてバスキャパシタC1の他端に戻ると同時に、バスキャパシタC1の一端から、第3上ブリッジアームVT3、第2相コイルL2、第1相コイルL1及び第2下ブリッジアームVT2を流れてバスキャパシタC1の他端に戻り、第2相コイルL2、第3相コイルL3、第1相コイルL1、第1パワースイッチユニット、第3パワースイッチユニット及び第5パワースイッチユニットは、モータの第2駆動回路を形成し、電流の流れ方向は、第2相コイルL2と、第1相コイルL1と、第1上ブリッジダイオードVD1と、第3上ブリッジアームVT3との間、及び、第3相コイルL3と、第1相コイルL1と、第1上ブリッジダイオードVD1と、第5上ブリッジアームVT5との間にそれぞれループ電流を形成し、直流電源、第1相コイルL1、第2相コイルL2、第2パワースイッチユニット及び第4パワースイッチユニットは、直流エネルギー貯蔵回路を形成し、直流エネルギー貯蔵回路は、エネルギー貯蔵だけでなく、駆動にも用いられ、一実施形態として、電流の流れ方向は、直流電源の正極から、第1相コイルL1及び第2下ブリッジアームVT2を流れて直流電源の負極に戻ると同時に、直流電源の正極から、第2相コイルL2及び第4下ブリッジアームVT4を流れて直流電源の負極に戻るものであり、直流電源、第1相コイルL1、第2相コイルL2、第1パワースイッチユニット、第3パワースイッチユニット、バスキャパシタC1及び外部の電池は、電池充電回路を形成し、電池充電回路は、エネルギー貯蔵だけでなく、駆動にも用いられ、電流の流れ方向は、直流電源の正極から、第1相コイルL1、第1上ブリッジダイオードVD1、電池101及びバスキャパシタC1を流れて直流電源の負極に戻ると同時に、直流電源の正極から、第2相コイルL2、第2上ブリッジダイオードVD3、電池101及びバスキャパシタC1を流れて直流電源の負極に戻るものであり、バスキャパシタC1、第5パワースイッチユニット、第3相コイルL3、第1相コイルL1、第2相コイルL2、第2パワースイッチユニット及び第4パワースイッチユニットは、モータの第1駆動回路を形成し、電流の流れ方向は、バスキャパシタC1の一端から、第5上ブリッジアームVT5、第3相コイルL3、第1相コイルL1及び第2下ブリッジアームVT2を流れてバスキャパシタC1の他端に戻ると同時に、バスキャパシタC1の一端から、第5上ブリッジアームVT5、第3相コイルL3、第2相コイルL2及び第4下ブリッジアームVT4を流れてバスキャパシタC1の他端に戻るものであり、第3相コイルL3、第1相コイルL1、第2相コイルL2、第1パワースイッチユニット、第3パワースイッチユニット及び第5パワースイッチユニットは、モータの第2駆動回路を形成し、電流の流れ方向は、第3相コイルL3と、第1相コイルL1と、第1上ブリッジダイオードVD1と、第5上ブリッジアームVT5との間、及び、第3相コイルL3と、第2相コイルL2と、第3上ブリッジダイオードVD3と、第3上ブリッジアームVT5との間にそれぞれループ電流を形成する。
【0163】
直流給電について、第1コイルが第1相コイルL1であり、第2コイルが第2相コイルL2及び第3相コイルL3である場合、図25に示すように、第1動作段階において、コントローラは、モータの駆動パワー及び電池の充電パワーに基づいて、第1ブリッジアームと第2ブリッジアームのオン時刻及び持続時間を制御することにより、直流エネルギー貯蔵回路における直流電源から出力された電流は、第1相コイルL1及び第2パワースイッチユニットを順に流れて直流電源に戻ると同時に、モータの第1駆動回路におけるバスキャパシタC1から出力された電流は、第5パワースイッチユニット、第3パワースイッチユニット、第3相コイルL3、第2相コイルL2、第1相コイルL1及び第2パワースイッチユニットを順に流れてバスキャパシタC1に戻り、これにより、直流エネルギー貯蔵回路及びモータの第1駆動回路は、同時に動作する。
【0164】
図26に示すように、第2動作段階において、コントローラは、第1ブリッジアームと第2ブリッジアームのオン時刻及び持続時間を制御することにより、電池充電回路における直流充電設備から出力された電流は、第1相コイルL1、第1パワースイッチユニット、バスキャパシタC1及び電池を流れて直流充電設備に戻り、モータの第2駆動回路における第2相コイルL2及び第3相コイルL3から出力された電流は、第1相コイルL1、第1パワースイッチユニット、第3パワースイッチユニット及び第5パワースイッチユニットを流れて第2相コイルL2及び第3相コイルL3に戻り、これにより、電池充電回路及びモータの第2駆動回路は、同時に動作する。
【0165】
直流給電について、第1コイルが第1相コイルL1及び第2相コイルL2であり、第2コイルが第3相コイルL3である場合、図27に示すように、第1動作段階において、コントローラは、モータの駆動パワー及び電池の充電パワーに基づいて、第1ブリッジアームと第2ブリッジアームのオン時刻及び持続時間を制御することにより、直流エネルギー貯蔵回路における直流電源から出力された電流は、第1相コイルL1、第2相コイルL2、第2パワースイッチユニット及び第4パワースイッチユニットを順に流れて直流電源に戻ると同時に、モータの第1駆動回路におけるバスキャパシタC1から出力された電流は、第5パワースイッチユニット、第3相コイルL3、第2相コイルL2、第1相コイルL1、第2パワースイッチユニット及び第4パワースイッチユニットを順に流れてバスキャパシタC1に戻り、これにより、直流エネルギー貯蔵回路及びモータの第1駆動回路は、同時に動作する。
【0166】
図28に示すように、第2動作段階において、コントローラ104は、第1ブリッジアーム及び第2ブリッジアームのオン時刻及び持続時間を制御することにより、電池充電回路における直流充電設備から出力された電流は、第1相コイルL1、第2相コイルL2、第1パワースイッチユニット、第3パワースイッチユニット、バスキャパシタC1及び電池を流れて直流充電設備に戻り、モータの第2駆動回路における第3相コイルL3から出力された電流は、第1相コイルL1、第2相コイルL2、第1パワースイッチユニット、第3パワースイッチユニット及び第5パワースイッチユニットを流れて第3相コイルL3に戻り、これにより、電池充電回路及びモータの第2駆動回路は、同時に動作する。
【0167】
上記実施形態は、充電過程と駆動過程が協調して動作する例のみに関するものであり、加熱過程は、駆動過程と類似し、上記モータの第1駆動回路及びモータの第2駆動回路は、同時に第1加熱回路及び第2加熱回路であってもよく、目標加熱パワー、目標駆動パワー及び目標充放電パワーを同時に受信した場合、電池充電回路、モータの第1駆動回路及び第1加熱回路を同時に動作するように制御し、かつ電池充電回路、モータの第2駆動回路及び第2加熱回路を同時に動作するように制御することができる。
【0168】
図29に示すように、モータは、複数セットの巻線ユニットを有してよく、各セットの巻線ユニットの全ての相巻線を1つの基本ユニットとし、各基本ユニットに対してモータベクトル制御を用いると、いずれもモータの動作を独立して制御することができる。可逆PWM整流器102は、1組のM個のブリッジアームを含み、M個のブリッジアームは、第1合流端及び第2合流端を形成し、動力電池101の正極端と負極端は、それぞれ第1合流端と第2合流端に接続され、モータコイル103は、第1巻線ユニット及び第2巻線ユニットを含み、第1巻線ユニットは、1セットのm相巻線を含み、m相巻線のうちの各相巻線は、n個のコイル分岐回路を含み、各相巻線のn個のコイル分岐回路は、共通接続されて1つの相端点を形成し、m相巻線の相端点は、M個のブリッジアームのうちのm個のブリッジアームの各ブリッジアームの中点に一対一に対応して接続され、m相巻線のうちの各相巻線のn個のコイル分岐回路のうちの1つのコイル分岐回路は、さらに、それぞれ他の相巻線のn個のコイル分岐回路のうちの1つのコイル分岐回路に接続されて、n個の接続点を形成し、n個の接続点は、T個の中性点を形成し、T個の中性点からJ本の中性線を引き出し、n≧T≧1、T≧J≧1、m≧2であり、かつn、m、T及びJは、いずれも正整数であり、第2巻線ユニットは、1セットのm相巻線を含み、m相巻線のうちの各相巻線は、n個のコイル分岐回路を含み、各相巻線のn個のコイル分岐回路は、共通接続されて1つの相端点を形成し、m相巻線の相端点は、M個のブリッジアームのうちのm個のブリッジアームの各ブリッジアームの中点に一対一に対応して接続され、m相巻線のうちの各相巻線のn個のコイル分岐回路のうちの1つのコイル分岐回路は、さらに、それぞれ他の相巻線のn個のコイル分岐回路のうちの1つのコイル分岐回路に接続されて、n個の接続点を形成し、n個の接続点は、T個の中性点を形成し、T個の中性点からJ本の中性線を引き出し、n≧T≧1、T≧J≧1、m≧2、M≧m+mであり、かつn、m、T及びJは、いずれも正整数である。
【0169】
図30は、本実施形態に係るエネルギー変換装置の回路図である。m=m=3、M=6及びn=n=2を例とすると、エネルギー変換装置は、可逆PWM整流器102及びモータコイル103を含み、第1スイッチモジュール106をさらに含む。第1スイッチモジュール106は、スイッチK3、スイッチK4、抵抗R、スイッチK5及びキャパシタC1を含み、外部の電池の正極は、スイッチK3の第1端及びスイッチK4の第1端に接続され、スイッチK4の第2端は、抵抗Rの第1端に接続され、スイッチK3の第2端及び抵抗Rの第2端は、キャパシタC1の第1端に接続され、電池の負極は、スイッチK5の第1端に接続され、スイッチK5の第2端は、キャパシタC1の第2端に接続される。可逆PWM整流器102は、6相ブリッジアームを含む。第1相ブリッジアームは、直列接続された第1パワースイッチユニット及び第2パワースイッチユニットを含み、第2相ブリッジアームは、直列接続された第3パワースイッチユニット及び第4パワースイッチユニットを含み、第3相ブリッジアームは、直列接続された第5パワースイッチユニット及び第6パワースイッチユニットを含み、第4相ブリッジアームは、直列接続された第7パワースイッチユニット及び第8パワースイッチユニットを含み、第5相ブリッジアームは、直列接続された第9パワースイッチユニット及び第10パワースイッチユニットを含み、第6相ブリッジアームは、直列接続された第11パワースイッチユニット及び第12パワースイッチユニットを含む。第1パワースイッチユニットの入力端、第3パワースイッチユニットの入力端、第5パワースイッチユニットの入力端、第7パワースイッチユニットの入力端、第9パワースイッチユニットの入力端及び第11パワースイッチユニットの入力端は、共通接続されて第1合流端を形成し、かつキャパシタC1の第1端に接続される。第2パワースイッチユニットの出力端、第4パワースイッチユニットの出力端、第6パワースイッチユニットの出力端、第8パワースイッチユニットの出力端、第10パワースイッチユニット及び第12パワースイッチユニットの出力端は、共通接続されて第2合流端を形成し、かつキャパシタC1の第2端に接続される。第1パワースイッチユニットは、第1上ブリッジアームVT1及び第1上ブリッジダイオードVD1を含み、第2パワースイッチユニットは、第2下ブリッジアームVT2及び第2下ブリッジダイオードVD2を含み、第3パワースイッチユニットは、第3上ブリッジアームVT3及び第3上ブリッジダイオードVD3を含み、第4パワースイッチユニットは、第4下ブリッジアームVT4及び第4下ブリッジダイオードVD4を含み、第5パワースイッチユニットは、第5上ブリッジアームVT5及び第5上ブリッジダイオードVD5を含み、第6パワースイッチユニットは、第6下ブリッジアームVT6及び第6下ブリッジダイオードVD6を含み、第7パワースイッチユニットは、第7上ブリッジアームVT7及び第7上ブリッジダイオードVD7を含み、第8パワースイッチユニットは、第8下ブリッジアームVT8及び第8下ブリッジダイオードVD8を含み、第9パワースイッチユニットは、第9上ブリッジアームVT9及び第9上ブリッジダイオードVD9を含み、第10パワースイッチユニットは、第10下ブリッジアームVT10及び第10下ブリッジダイオードVD10を含み、第11パワースイッチユニットは、第11上ブリッジアームVT11及び第11上ブリッジダイオードVD11を含み、第12パワースイッチユニットは、第12下ブリッジアームVT12及び第12下ブリッジダイオードVD12を含む。第1巻線ユニットは、1セットの3相巻線を含み、各相巻線は、2つのコイル分岐回路を含む。第1相コイルにおけるコイルU1及びコイルU2は、第4相ブリッジアームの中点Uに共通接続され、第2相コイルにおけるコイルV1及びコイルV2は、第5相ブリッジアームの中点Vに共通接続され、第3相コイルにおけるコイルW1及びコイルW2は、第6相ブリッジアームの中点Wに共通接続される。コイルU2、コイルV2及びコイルW2は、共通接続されて第1接続点n1を形成し、第1接続点n1は、第1独立中性点を形成し、第1独立中性点から第1中性線を引き出す。コイルU1、コイルV1及びコイルW1は、共通接続されて第2接続点n2を形成し、第2接続点n2は、第2独立中性点を形成する。第2巻線ユニットは、1セットの3相巻線を含み、各相巻線は、2つのコイル分岐回路を含み、第1相コイルにおけるコイルA1及びコイルA2は、第1相ブリッジアームの中点Aに共通接続され、第2相コイルにおけるコイルB1及びコイルB2は、第2相ブリッジアームの中点Bに共通接続され、第3相コイルにおけるコイルC1及びコイルC2は、第3相ブリッジアームの中点Cに共通接続され、コイルA1、コイルB1及びコイルC1は、共通接続されて第4接続点n4を形成し、コイルA2、コイルB2及びコイルC2は、共通接続されて第3接続点n3を形成し、第3接続点n3は、第3独立中性点を形成し、第3独立中性点から第2中性線を引き出す。エネルギー変換モジュールは、スイッチK1、スイッチK2、第2スイッチモジュール107及び第3スイッチモジュール108をさらに含み、第2スイッチモジュール107は、スイッチK6、スイッチK7及びキャパシタC2を含み、第3スイッチモジュール108は、スイッチK10、スイッチK11及びキャパシタC3を含み、外部の第1直流充放電ポート109の第1端と第2端は、それぞれスイッチK6の第2端とスイッチK7の第2端に接続され、スイッチK6の第1端は、スイッチK1の第2端及びキャパシタC2の第1端に接続され、スイッチK1の第1端は、第1中性線に接続され、スイッチK7の第1端は、キャパシタC2の第2端及び可逆PWM整流器102の第2合流端に接続され、第2中性線は、スイッチK2の第1端に接続され、スイッチK2の第2端は、キャパシタC3の第1端及びスイッチK10の第1端に接続され、スイッチK10の第2端は、第2直流充放電ポート105の第1端に接続され、キャパシタC3の第2端は、スイッチK11の第1端及び第2合流端に接続され、スイッチK11の第2端は、第2直流充放電ポート105の第2端に接続される。
【0170】
本実施形態では、第1直流充放電ポート109と第2直流充放電ポート105をそれぞれ第1中性線と第2中性線に接続するように設置することにより、第1直流充放電ポート、第1巻線ユニット及び可逆PWM整流器102は、加熱回路を形成し、第2直流充放電ポート、第2巻線ユニット及び可逆PWM整流器102は、加熱回路を形成し、第1直流充放電ポート109及び第2直流充放電ポート105がエネルギー変換装置により動力電池101と共に充放電回路を形成することをさらに実現することができる。
【0171】
図31に示すように、図30との相違点は以下のとおりである。第1巻線ユニットから引き出された第1中性線は、スイッチK5を介してキャパシタC3の第1端及びスイッチK8の第1端に接続され、キャパシタC2の第2端、キャパシタC3の第2端、スイッチK3の第1端、第1電池の負極、第2電池の負極及びスイッチK7の第1端は、共通接続され、第2巻線ユニットから引き出された第2中性線は、スイッチK4の第1端に接続され、スイッチK4の第2端は、キャパシタC2の第1端、スイッチK1の第1端、スイッチK2の第1端及びスイッチK6の第1端に接続され、スイッチK2の第2端は、抵抗Rの第1端に接続され、抵抗Rの第2端は、スイッチK1の第2端及び第1電池の正極に接続され、スイッチK8の第2端は、第2電池の正極に接続される。
【0172】
図32に示すように、図30との相違点は以下のとおりである。第2直流充放電ポート105は、スイッチK9及びスイッチK10を介してキャパシタC3の第1端及び第2端に接続され、第3直流充放電ポート110は、スイッチK13及びスイッチK14を介してキャパシタC1の第1端及び第2端に接続される。
【0173】
本願の実施例5に係るコンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータプログラムが記憶され、前記コンピュータプログラムが、プロセッサにより実行されると、実施例1~実施例4に記載の方法のステップを実現する。
【0174】
当業者であれば理解できるように、上記実施例の方法におけるフローの全部又は一部の実現は、コンピュータプログラムによって、関連するハードウェアを命令することにより完了することができ、コンピュータプログラムは、不揮発性コンピュータ可読記憶媒体に記憶することができ、該コンピュータプログラムが実行されるときには、上記各方法の実施例のフローを含んでもよい。本願に係る各実施例において使用される、メモリ、記憶、データベース又は他の媒体に対する任意の引用は、いずれも不揮発性及び/又は揮発性メモリを含んでよい。不揮発性メモリは、読み出し専用メモリ(ROM)、プログラマブルROM(PROM)、電気的プログラマブルROM(EPROM)、電気的消去可能プログラマブルROM(EEPROM)又はフラッシュメモリを含んでよい。揮発性メモリは、ランダムアクセスメモリ(RAM)又は外部キャッシュメモリを含んでよい。限定ではなく例示として、RAMは、スタティックRAM(SRAM)、ダイナミックRAM(DRAM)、シンクロナスDRAM(SDRAM)、ダブルデータレートSDRAM(DDRSDRAM)、エンハンスドSDRAM(ESDRAM)、シンクロナスリンク(Synchlink)DRAM(SLDRAM)、ラムバス(Rambus)ダイレクトRAM(RDRAM)、ダイレクトラムバスダイナミックRAM(DRDRAM)及びラムバスダイナミックRAM(RDRAM)などの様々な形態で入手可能である。
【0175】
当業者であれば明確に分かるように、容易かつ簡潔的に説明するために、上記各機能ユニット及びモジュールの区分で例を挙げて説明したが、実際の応用において、必要に応じて上記機能を割り当てて異なる機能ユニット、モジュールにより完成させ、すなわち装置の内部構造を異なる機能ユニット又はモジュールに区分して、以上で説明した全て又は一部の機能を完成させることができる。
【0176】
本願の実施例6は、エネルギー変換装置の協調制御装置を提供し、上記エネルギー変換装置は、可逆PWM整流器及びモータコイルを含み、上記可逆PWM整流器は、上記モータコイルに接続され、外部の電池の正極端と負極端は、それぞれ上記可逆PWM整流器の第1合流端と第2合流端に接続され、外部の充放電ポートの第1端と第2端は、それぞれ、上記モータコイルから引き出された少なくとも1本の中性線と上記可逆PWM整流器の第2合流端に接続され、上記協調制御装置は、目標加熱パワー、目標駆動パワー及び目標充放電パワーを取得するパワー取得モジュールと、上記目標充放電パワーに基づいて、上記外部の充放電ポートから出力された目標充放電電流を取得し、かつ上記目標充放電電流に基づいて上記モータコイルの第1加熱パワーを取得する第1加熱パワー計算モジュールと、上記目標駆動パワーに基づいて、モータロータの磁場配向に基づく同期回転座標系における第1横軸電流及び第1直軸電流を取得し、かつ上記第1横軸電流及び上記第1直軸電流に基づいて上記モータコイルの第2加熱パワーを取得する第2加熱パワー計算モジュールと、上記第1加熱パワーと上記第2加熱パワーとの和と、上記目標加熱パワーとの間の偏差が予め設定された範囲内にない場合、上記目標駆動パワーに基づいて上記第1横軸電流及び上記第1直軸電流を目標横軸電流及び目標直軸電流に調整することにより、上記第1加熱パワーと上記第2加熱パワーとの和と、上記目標加熱パワーとの間の偏差を予め設定された範囲内にし、かつ上記第1加熱パワーと上記第2加熱パワーとの和と、上記目標加熱パワーとの間の偏差が予め設定された範囲内にある場合、上記第1横軸電流及び上記第1直軸電流を目標横軸電流及び目標直軸電流として設定する目標電流取得モジュールと、各相コイルのサンプリング電流値及びモータロータ位置を取得し、かつ上記目標横軸電流、上記目標直軸電流、上記目標充放電電流、上記各相コイルのサンプリング電流値及びモータロータ位置に基づいて、上記可逆PWM整流器の各相ブリッジアームのデューティ比を計算するデューティ比取得モジュールと、を含む。
【0177】
本願の実施例7に係る車両は、上記実施例6に係るエネルギー変換装置を含む。
【0178】
図33に示すように、電池パックの加熱及び冷却回路は、モータ駆動システムの冷却回路、電池冷却システム回路及びエアコンシステムの冷却回路を含む。電池冷却システム回路は、熱交換板によりエアコン冷却システムと組み合わせられ、電池冷却システム回路は、四方弁によりモータ駆動システムの冷却回路に連通する。モータ駆動システムの冷却回路は、三方弁の切り替えによりラジエータのオン及びオフを行う。モータ駆動システムの冷却回路と電池冷却システム回路は、弁体により切り替えられ、管路内の冷却液の流れ方向を変更することにより、モータ駆動システムによって加熱された冷却液が電池冷却システムに流れ、熱量のモータ駆動システムから電池冷却システムへの伝達を完了する。モータ駆動システムは、非加熱モードである場合、三方弁及び四方弁により切り替えられ、モータ駆動システムの冷却液は、A回路を流れ、電池冷却システムの冷却液は、C回路を流れ、モータは、加熱モードである場合、三方弁及び四方弁により切り替えられ、モータ駆動システムの冷却液は、B回路を流れ、モータ駆動システムによって加熱された冷却液が電池パック冷却回路に流れて電池を加熱することを実現する。
【0179】
なお、本願の説明において、用語「中心」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」、「時計回り」、「反時計回り」、「軸方向」、「半径方向」、「周方向」などで示す方位又は位置関係は、図面に示す方位又は位置関係に基づくものであり、本願を容易に説明し説明を簡略化するためのものに過ぎず、示された装置又は部品が特定の方位を有し、かつ特定の方位で構成されて操作されなければならないことを示すか又は示唆するものではないため、本願を限定するものとして理解してはならない。
【0180】
また、用語「第1」、「第2」は、説明のためのものに過ぎず、相対的な重要性を示すか又は示唆し、或いは示された技術的特徴の数を示唆するものとして理解してはならない。これにより、「第1」、「第2」で限定された特徴は、1つ以上の該特徴を明示的又は暗示的に含んでよい。本願の説明において、「複数」とは、明確で具体的な限定がない限り、2つ以上を意味する。
【0181】
本願において、別に明確な規定及び限定がない限り、用語「取り付け」、「連結」、「接続」、「固定」などは、広義に理解されるべきであり、例えば、固定接続であっても、着脱可能な接続又は一体的な接続であってもよく、機械的な接続であっても、電気的な接続であってもよく、直接的な連結であっても、中間媒体を介した間接的な連結であってもよく、2つの部品の内部の連通又は2つの部品の相互作用の関係であってもよい。当業者であれば、具体的な状況に応じて本願における上記用語の具体的な意味を理解することができる。
【0182】
本願において、別に明確な規定及び限定がない限り、第1特徴が第2特徴の「上」又は「下」にあることは、第1特徴と第2特徴とが直接的に接触することであってもよく、第1特徴と第2特徴とが中間媒体を介して間接的に接触することであってもよい。また、第1特徴が第2特徴の「上」、「上方」及び「上面」にあることは、第1特徴が第2特徴の真上又は斜め上にあることであってもよく、第1特徴の水平方向における高さが第2特徴のものよりも高いことを単に示すことであってもよい。第1特徴が第2特徴の「下」、「下方」及び「下面」にあることは、第1特徴が第2特徴の真下又は斜め下にあることであってもよく、第1特徴の水平方向における高さが第2特徴のものよりも低いことを単に示すことであってもよい。
【0183】
本明細書の説明において、用語「一実施例」、「いくつかの実施例」、「例」、「具体的な例」又は「いくつかの例」などを参照する説明は、該実施例又は例を組み合わせて説明された具体的な特徴、構造、材料又は特性が本願の少なくとも1つの実施例又は例に含まれることを意味する。本明細書において、上記用語に対する例示的な説明は、必ずしも同じ実施例又は例を示すものではない。そして、説明された具体的な特徴、構造、材料又は特性は、いずれか1つ以上の実施例又は例において適切な方式で組み合わせることができる。また、互いに矛盾しない限り、当業者であれば、本明細書で説明された異なる実施例又は例、及び異なる実施例又は例の特徴を結合し、組み合わせることができる。
【0184】
以上、本願の実施例を示し、説明したが、理解できるように、上記実施例は、例示的なものであり、本願を限定するものと理解すべきではなく、当業者であれば、本願の範囲において上記実施例に対して変更、修正、置換及び変形を行うことができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
【手続補正書】
【提出日】2022-05-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エネルギー変換装置の協調制御方法であって、
前記エネルギー変換装置は、可逆PWM整流器及びモータコイルを含み、前記可逆PWM整流器は、前記モータコイルに接続され、外部の電池の正極端と負極端は、それぞれ前記可逆PWM整流器の第1合流端と第2合流端に接続され、外部の充放電ポートの第1端と第2端は、それぞれ、前記モータコイルから引き出された少なくとも1本の中性線と前記可逆PWM整流器の第2合流端に接続され、
前記協調制御方法は、
目標加熱パワー、目標駆動パワー及び目標充放電パワーを取得するステップと、
前記目標充放電パワーに基づいて、前記外部の充放電ポートから前記中性線に出力された目標充放電電流を取得し、かつ、前記目標充放電電流に基づいて前記モータコイルの第1加熱パワーを取得するステップと、
前記目標駆動パワーに基づいて、モータロータの磁場配向に基づく同期回転座標系における第1横軸電流及び第1直軸電流を取得し、かつ前記第1横軸電流及び前記第1直軸電流に基づいて前記モータコイルの第2加熱パワーを取得するステップと、
前記第1加熱パワーと前記第2加熱パワーとの和と、前記目標加熱パワーとの間の偏差が予め設定された範囲内にない場合、前記目標駆動パワーに基づいて前記第1横軸電流及び前記第1直軸電流を目標横軸電流及び目標直軸電流に調整することにより、前記第1加熱パワーと前記第2加熱パワーとの和と、前記目標加熱パワーとの間の偏差を予め設定された範囲内にするステップと、
各相コイルのサンプリング電流値及びモータロータ位置を取得し、かつ、前記目標横軸電流、前記目標直軸電流、前記目標充放電電流、前記各相コイルのサンプリング電流値及び前記モータロータ位置に基づいて、前記可逆PWM整流器の各相ブリッジアームのデューティ比を計算するステップとを含む、エネルギー変換装置の協調制御方法。
【請求項2】
前記第1横軸電流及び前記第1直軸電流に基づいて前記モータコイルの第2加熱パワーを取得する前記ステップの後に、
前記第1加熱パワーと前記第2加熱パワーとの和と、前記目標加熱パワーとの間の偏差が予め設定された範囲内にある場合、前記第1横軸電流及び前記第1直軸電流を目標横軸電流及び目標直軸電流として設定するステップをさらに含む、請求項1に記載のエネルギー変換装置の協調制御方法。
【請求項3】
前記目標充放電パワーがゼロである場合、前記目標充放電電流及び前記第1加熱パワーは、ゼロであり、前記協調制御方法は、
目標加熱パワー及び目標駆動パワーを取得するステップと、
前記目標駆動パワーに基づいて、モータロータの磁場配向に基づく同期回転座標系における第1横軸電流及び第1直軸電流を取得し、かつ、前記第1横軸電流及び前記第1直軸電流に基づいて前記モータコイルの第2加熱パワーを取得するステップと、
前記第2加熱パワーと前記目標加熱パワーとの間の偏差が予め設定された範囲内にない場合、前記目標駆動パワーに基づいて前記第1横軸電流及び前記第1直軸電流を目標横軸電流及び目標直軸電流に調整することにより、前記第2加熱パワーと前記目標加熱パワーとの間の偏差を予め設定された範囲内にするステップと、
前記第2加熱パワーと前記目標加熱パワーとの間の偏差が予め設定された範囲内にある場合、前記第1横軸電流及び前記第1直軸電流を目標横軸電流及び目標直軸電流として設定するステップと、
各相コイルのサンプリング電流値及びモータロータ位置を取得し、かつ、前記目標横軸電流、前記目標直軸電流、前記各相コイルのサンプリング電流値及び前記モータロータ位置に基づいて、前記可逆PWM整流器の各相ブリッジアームのデューティ比を計算するステップと、を含み、
あるいは、前記目標加熱パワーがゼロである場合、前記協調制御方法は、
目標充放電パワー及び目標駆動パワーを取得するステップと、
目標充放電パワーに基づいて、前記外部の充放電ポートから前記中性線に出力される目標充放電電流を取得するステップと、
前記目標駆動パワーに基づいて第1横軸電流及び第1直軸電流を取得し、前記第1横軸電流及び前記第1直軸電流を目標横軸電流及び目標直軸電流として設定するステップと、
各相コイルのサンプリング電流値及びモータロータ位置を取得し、かつ目標横軸電流、目標直軸電流、目標充放電電流、各相コイルのサンプリング電流値及びモータロータ位置に基づいて、前記可逆PWM整流器の各相ブリッジアームのデューティ比を計算するステップと、を含み、
あるいは、前記目標駆動パワーがゼロである場合、前記協調制御方法は、
目標加熱パワー及び目標充放電パワーを取得するステップと、
前記目標充放電パワーに基づいて、前記外部の充放電ポートから前記中性線に出力された目標充放電電流を取得し、かつ、前記目標充放電電流に基づいて前記モータコイルの第1加熱パワーを取得するステップと、
前記目標加熱パワー及び前記第1加熱パワーに基づいて目標横軸電流及び目標直軸電流を取得するステップと、
各相コイルのサンプリング電流値及びモータロータ位置を取得し、かつ、目標横軸電流、目標直軸電流、目標充放電電流、各相コイルのサンプリング電流値及びモータロータ位置に基づいて、前記可逆PWM整流器の各相ブリッジアームのデューティ比を計算するステップとを含む、請求項1又は2に記載のエネルギー変換装置の協調制御方法。
【請求項4】
目標充放電パワーに基づいて、前記外部の充放電ポートから前記中性線に出力された目標充放電電流を取得するステップは、
前記外部の充放電ポートに接続された前記外部の電源が定電流充放電モードである場合、前記目標充放電パワーに基づいて前記外部の電源の目標電圧を取得するステップと、
充放電ポートの実際の電圧を取得し、前記目標電圧と前記充放電ポートの実際の電圧に基づいて電圧差を取得するステップと、
前記電圧差に対して閉ループ制御を行って、前記中性線に出力される目標充放電電流を取得するステップとを含むか、
あるいは、前記外部の充放電ポートに接続された前記外部の電源が定電圧充放電モードである場合、前記目標充放電パワーに基づいて、前記外部の充放電ポートの電流を、前記外部の充放電ポートから前記中性線に出力された目標充放電電流として取得するステップを含む、請求項1~3のいずれか1項に記載のエネルギー変換装置の協調制御方法。
【請求項5】
目標駆動パワーに基づいて、モータロータの磁場配向に基づく同期回転座標系における第1横軸電流及び第1直軸電流を取得するステップは、
前記目標駆動パワーに基づいて所定のトルク曲線図においてテーブルルックアップを行って第1横軸電流及び第1直軸電流を取得するステップを含む、請求項1~4のいずれか1項に記載のエネルギー変換装置の協調制御方法。
【請求項6】
前記目標駆動パワーに基づいて前記第1横軸電流及び前記第1直軸電流を目標横軸電流及び目標直軸電流に調整することにより、前記第1加熱パワーと前記第2加熱パワーとの和と、前記目標加熱パワーとの間の偏差を予め設定された範囲内にするステップは、
前記第1加熱パワーと前記第2加熱パワーとの和と、前記目標加熱パワーとの間の偏差を予め設定された範囲内にするまで、所定のトルク曲線図においてテーブルルックアップを行って、もう1組の横軸電流及び直軸電流を取得するステップを含む、請求項1~5のいずれか1項に記載のエネルギー変換装置の協調制御方法。
【請求項7】
各相コイルのサンプリング電流値及びモータロータ位置を取得し、かつ、目標横軸電流、目標直軸電流、目標充放電電流、各相コイルのサンプリング電流値及びモータロータ位置に基づいて、前記可逆PWM整流器の各相ブリッジアームのデューティ比を計算するステップは、
前記各相コイルのサンプリング電流値に基づいて、モータコイルの同期回転座標系に基づく実際の零軸電流を取得し、かつ前記各相コイルのサンプリング電流値及び前記モータロータ位置に基づいて、各セットの巻線の実際の横軸電流及び実際の直軸電流を取得するステップと、
前記目標横軸電流と前記実際の横軸電流、及び前記目標直軸電流と前記実際の直軸電流に基づいて、それぞれ閉ループ制御を行って直軸基準電圧と横軸基準電圧を取得し、前記直軸基準電圧、横軸基準電圧及び前記モータロータ位置に基づいて、各相ブリッジアームの第1デューティ比を取得するステップと、
前記目標充放電電流及び前記実際の零軸電流に基づいて各相ブリッジアームの電圧調整値を取得し、各相ブリッジアームの電圧調整値に基づいて第2デューティ比を取得するステップと、
各相ブリッジアームの第1デューティ比及び前記各相ブリッジアームの第2デューティ比に基づいて、各相ブリッジアームのデューティ比を計算するステップとを含む、請求項に記載のエネルギー変換装置の協調制御方法。
【請求項8】
前記各相コイルのサンプリング電流値に基づいて、同期回転座標系に基づくモータコイルの実際の零軸電流を取得するステップは、
【数1】
という計算式に基づいて同期回転座標系における実際の零軸電流を取得するステップを含み、
式中、ioは、実際の零軸電流であり、ia、ib……imは、各相コイルのサンプリング電流値であり、mは、モータの相数である、請求項7に記載のエネルギー変換装置の協調制御方法。
【請求項9】
前記各相コイルのサンプリング電流値及び前記モータロータ位置に基づいて実際の横軸電流及び実際の直軸電流を取得するステップは、
前記各相コイルのサンプリング電流値に対してclark座標変換を行って静止座標系における電流値を得るステップと、
前記静止座標系における電流値及び前記モータロータ位置に基づいてpark座標変換を行って実際の横軸電流及び実際の直軸電流を得るステップとを含む、請求項7又は8に記載のエネルギー変換装置の協調制御方法。
【請求項10】
前記目標横軸電流と前記実際の横軸電流、及び前記目標直軸電流と前記実際の直軸電流に基づいて、それぞれ閉ループ制御を行って直軸基準電圧と横軸基準電圧を取得するステップは、
前記目標横軸電流と前記実際の横軸電流に対して演算を行って横軸電流差を得て、かつ、前記目標直軸電流と前記実際の直軸電流に対して演算を行って直軸電流差を得るステップと、
前記横軸電流差と前記直軸電流差に対してそれぞれ閉ループ制御を行って横軸基準電圧及び直軸基準電圧を得るステップと、を含み、
前記直軸基準電圧、横軸基準電圧及び前記モータロータ位置に基づいて、各相ブリッジアームの第1デューティ比を取得するステップは、
前記横軸基準電圧、直軸基準電圧及び前記モータロータ位置に対して逆park座標変換を行って静止座標系における電圧を得るステップと、
前記静止座標系における電圧に対して空間ベクトルパルス幅変調変換を行って各相ブリッジアームの第1デューティ比を得るステップとを含む、請求項7~9のいずれか1項に記載のエネルギー変換装置の協調制御方法。
【請求項11】
前記目標充放電電流及び前記モータコイルの実際の零軸電流に基づいて各相ブリッジアームの電圧調整値を取得するステップは、
前記目標充放電電流及びモータの相数に基づいてモータコイルの目標零軸電流を計算するステップと、
前記モータコイルの実際の零軸電流と前記モータコイルの目標零軸電流に対して演算を行い、さらにPID制御を行って、各相ブリッジアームの電圧調整値を得るステップと、を含み、
各相ブリッジアームの電圧調整値に基づいて第2デューティ比を取得するステップは、
前記電圧調整値及びバス電圧を変調して第2デューティ比を得るステップを含む、請求項7~10のいずれか1項に記載のエネルギー変換装置の協調制御方法。
【請求項12】
目標横軸電流、前記目標直軸電流、前記目標充放電電流、前記各相コイルのサンプリング電流値及び前記モータロータ位置に基づいて、前記可逆PWM整流器の各相ブリッジアームのデューティ比を計算するステップは、
前記目標横軸電流、前記目標直軸電流、前記モータロータ位置及び前記目標充放電電流に基づいて各相コイルの目標電流値を取得するステップと、
前記各相コイルのサンプリング電流値及び前記各相コイルの目標電流値に基づいて各相ブリッジアームの基準電圧を取得するステップと、
各相ブリッジアームの基準電圧に基づいて各相ブリッジアームのデューティ比を取得するステップとを含む、請求項に記載のエネルギー変換装置の協調制御方法。
【請求項13】
前記目標横軸電流、前記目標直軸電流、前記モータロータ位置及び前記目標充放電電流に基づいて各相コイルの目標電流値を取得するステップは、
前記目標充放電電流を線形に変化させて各セットの巻線の目標零軸電流を取得し、前記目標横軸電流、前記目標直軸電流、前記モータロータ位置及び前記目標零軸電流に基づいて逆park及び逆clark座標変換を行って各相コイルの目標電流値を取得するステップを含む、請求項12に記載のエネルギー変換装置の協調制御方法。
【請求項14】
前記目標横軸電流、前記目標直軸電流、前記目標充放電電流、前記各相コイルのサンプリング電流値及び前記モータロータ位置に基づいて、前記可逆PWM整流器の各相ブリッジアームのデューティ比を計算するステップは、
前記目標横軸電流、前記目標直軸電流及び前記ロータ位置に基づいて静止座標系における目標α軸電流及び目標β軸電流を取得するステップと、
前記各相コイルのサンプリング電流値に基づいて各セットの巻線の実際の零軸電流を取得し、かつ前記各相コイルのサンプリング電流値に基づいてモータの静止座標系における実際のα軸電流及び実際のβ軸電流を取得するステップと、
目標α軸電流、目標β軸電流、実際のα軸電流及び実際のβ軸電流に基づいてモータコイルの静止座標系における基準電圧を取得するステップと、
前記静止座標系における基準電圧に対して空間パルス幅ベクトル変調変換を行って各相ブリッジアームの第1デューティ比を得るステップと、
前記目標充放電電流及び前記実際の零軸電流に基づいて各相ブリッジアームの電圧調整値を取得し、前記電圧調整値及びバス電圧を変調して第2デューティ比を得るステップと、
各相ブリッジアームの第1デューティ比及び前記各相ブリッジアームの第2デューティ比に基づいて、各相ブリッジアームのデューティ比を計算して取得するステップとを含む、請求項に記載のエネルギー変換装置の協調制御方法。
【請求項15】
前記目標駆動パワーが第1目標駆動パワーから第2目標駆動パワーに変換される場合、前記第1目標駆動パワーに対応する目標横軸電流及び目標直軸電流に基づいて合成電流ベクトル振幅値を取得するステップと、
所定のトルク曲線図における原点を円心とし、かつ前記合成電流ベクトル振幅値を半径とする円と、前記第2目標駆動パワーに対応するトルク曲線とで形成された第1交点座標及び第2交点座標を取得するステップと、
前記第1交点座標と前記目標横軸電流及び前記目標直軸電流で形成された座標点との間の第1距離、並びに前記第2交点座標と前記目標横軸電流及び前記目標直軸電流で形成された座標点との間の第2距離をそれぞれ取得するステップと、
前記第1距離と第2距離のうちの小さい値に対応する交点座標を前記第2目標駆動パワーの目標直軸電流及び目標横軸電流として決定するステップと、をさらに含む、請求項1~14のいずれか1項に記載のエネルギー変換装置の協調制御方法。
【請求項16】
コンピュータプログラムが記憶されているコンピュータ可読記憶媒体であって、前記コンピュータプログラムが、プロセッサにより実行されると、請求項1~15のいずれか1項に記載の方法のステップを実現する、コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項17】
エネルギー変換装置の協調制御装置を含み、
前記エネルギー変換装置は、可逆PWM整流器及びモータコイルを含み、前記可逆PWM整流器は、前記モータコイルに接続され、外部の電池の正極端と負極端は、それぞれ前記可逆PWM整流器の第1合流端と第2合流端に接続され、外部の充放電ポートの第1端と第2端は、それぞれ、前記モータコイルから引き出された少なくとも1本の中性線と前記可逆PWM整流器の第2合流端に接続され、
前記協調制御装置は、
目標加熱パワー、目標駆動パワー及び目標充放電パワーを取得するパワー取得モジュールと、
前記目標充放電パワーに基づいて、前記外部の充放電ポートから出力された目標充放電電流を取得し、かつ、前記目標充放電電流に基づいて前記モータコイルの第1加熱パワーを取得する第1加熱パワー計算モジュールと、
前記目標駆動パワーに基づいて、モータロータの磁場配向に基づく同期回転座標系における第1横軸電流及び第1直軸電流を取得し、かつ、前記第1横軸電流及び前記第1直軸電流に基づいて前記モータコイルの第2加熱パワーを取得する第2加熱パワー計算モジュールと、
前記第1加熱パワーと前記第2加熱パワーとの和と、前記目標加熱パワーとの間の偏差が予め設定された範囲内にない場合、前記目標駆動パワーに基づいて前記第1横軸電流及び前記第1直軸電流を目標横軸電流及び目標直軸電流に調整することにより、前記第1加熱パワーと前記第2加熱パワーとの和と、前記目標加熱パワーとの間の偏差を予め設定された範囲内にし、かつ、前記第1加熱パワーと前記第2加熱パワーとの和と、前記目標加熱パワーとの間の偏差が予め設定された範囲内にある場合、前記第1横軸電流及び前記第1直軸電流を目標横軸電流及び目標直軸電流として設定する目標電流取得モジュールと、
各相コイルのサンプリング電流値及びモータロータ位置を取得し、かつ、前記目標横軸電流、前記目標直軸電流、前記目標充放電電流、前記各相コイルのサンプリング電流値及び前記モータロータ位置に基づいて、前記可逆PWM整流器の各相ブリッジアームのデューティ比を計算するデューティ比取得モジュールとを含む、車両。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
本願に係るエネルギー変換装置の協調制御方法、装置、記憶媒体及び車両の技術的効果は以下のとおりである。可逆PWM整流器及びモータコイルを含むエネルギー変換装置を用いることにより、該エネルギー変換装置が、外部の電池に接続され、かつ充放電ポートを介して電源又は電気設備に接続される場合、目標加熱パワー、目標駆動パワー及び目標充放電パワーを取得し、目標充放電パワーに基づいて第1加熱パワーを取得し、目標駆動パワーに基づいて第1横軸電流及び第1直軸電流を取得し、上記第1横軸電流及び上記第1直軸電流に基づいて上記モータコイルの第2加熱パワーを取得し、さらに、第1加熱パワーと上記第2加熱パワーとの和と、上記目標加熱パワーとの間の偏差に基づいて、第1横軸電流及び第1直軸電流を調整して目標横軸電流及び目標直軸電流を得て、その後、目標横軸電流、目標直軸電流、目標充放電電流、各相コイルのサンプリング電流値及びモータロータ位置に基づいて、上記可逆PWM整流器の各相ブリッジアームのデューティ比を計算し、デューティ比に基づいて可逆PWM整流器の各相ブリッジアーム上のスイッチ素子のオン及びオフを制御して、外部の電池又は電源から出力された電流がモータコイルを流れて熱量を発生させることを実現することにより、モータコイルの冷却管を流れる冷却液を加熱し、該冷却液は、動力電池を流れるときに動力電池を加熱し、追加の動力電池加熱装置を省略し、装置全体のコストを削減し、電池の低温の状態での充放電を保証するとともに、充放電過程、加熱過程及びトルク出力過程のうちの二者又は三者が協調して動作することを実現することができる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0016】
モータは、同期モータ(ブラシレス同期機を含む)であっても非同期モータであってもよく、モータコイル103の相数は、2以上であり、モータ巻線のセット数は、1以上(例えば、2重3相モータ、3相モータ、6相モータ、9相モータ、15相モータなど)であり、かつモータコイル103の接続点により形成された中性点から中性線を引き出し、モータコイル103の中性線は、1本又は複数本引き出されてよく、具体的なモータコイル103の接続点の数は、モータ内部の巻線の並列接続構造に依存し、モータコイル103のモータ内部での並列接続点の数と、接続点により形成された中性点から引き出された中性線の数とは、実際の解決手段の使用状況に応じて決定され、可逆PWM整流器102におけるPWMは、パルス幅変調(Pulse width modulation)であり、可逆PWM整流器102は、多相ブリッジアームを含み、多相ブリッジアームは、共通接続されて第1合流端及び第2合流端を形成し、ブリッジアームの数は、モータコイル103の相数に応じて設定され、各相インバータブリッジアームは、2つのパワースイッチユニットを含み、パワースイッチユニットは、トランジスタ、IGBT、MOSFETトランジスタ、SiCトランジスタなどのタイプの素子であってよく、ブリッジアームにおける2つのパワースイッチユニットの接続点は、モータにおける1相コイルに接続され、可逆PWM整流器102におけるパワースイッチユニットは、外部の制御信号に基づいてオン及びオフを実現することができ、外部の充放電ポート104は、直流充放電ポートであり、直流充放電ポートは、直流電源又は直流電気設備に接続され、直流電源から出力された電流を受信したり直流電気設備に電流を出力したりすることができ、外部の電池101は、車両内の電池、例えば動力電池などであってよい。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0026】
ステップS201において、外部の充放電ポートに接続された外部の電源の充電モードが定電流充放電モードである場合、目標充放電パワーに基づいて外部の電源の目標電圧を取得する。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0031
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0031】
本実施形態では、外部の電源の充電モードが定電流充放電モードであることを検出した場合、目標充放電パワーに基づいて外部の電源の目標電圧を取得し、目標電圧と充放電ポート104の実際の電圧に基づいて目標充放電電流を計算して取得することにより、定電流充放電モードでの目標充放電電流の取得を実現する。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0053
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0053】
本実施形態の技術的効果は、目標駆動パワーに基づいて出力トルクを取得し、出力トルクに基づいてトルク曲線図において定トルク曲線をルックアップし、定トルク曲線に基づいて直軸電流及び横軸電流を取得し、選択された直軸電流及び横軸電流に基づいて第2加熱パワーを取得し、さらに目標加熱パワーと第1加熱パワー及び第2加熱パワーとの間の偏差に基づいて直軸電流及び横軸電流を調整することにより、第1加熱パワー及び第2加熱パワーを目標加熱パワーにマッチングさせて、トルク出力過程と加熱過程及び充電過程との間の協調動作を実現することである。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0090
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0090】
ステップS604において、各相ブリッジアームの第1デューティ比D1、D2…Dm及び各相ブリッジアームの第2デューティ比D0に基づいて、各相ブリッジアームのデューティ比を計算して取得する。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0094
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0094】
ステップS60について、第2実施形態として、図12に示すように、各相コイルのサンプリング電流値及びモータロータ位置を取得し、かつ目標横軸電流、目標直軸電流、目標充放電電流、各相コイルのサンプリング電流値及びモータロータ位置に基づいて、可逆PWM整流器102の各相ブリッジアームのデューティ比を計算するステップは、ステップS611~ステップS613を含む。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0095
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0095】
ステップS611において、目標横軸電流、目標直軸電流、モータロータ位置及び目標充放電電流に基づいて、各相コイルの目標電流値を取得し、1つの実施形態として、ステップS611は、目標充放電電流inを線形に変化させて各セットの巻線の目標零軸電流i0を取得し、目標横軸電流iq、目標直軸電流idモータロータ位置及び目標零軸電流i0に基づいて、拡張した逆park及び拡張した逆clark座標変換を行って各相コイルの目標電流値を取得するステップを含む。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0100
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0100】
ステップS60について、第3実施形態として、図13に示すように、ステップS60は、目標横軸電流iq、目標直軸電流id及びモータロータ位置に基づいて、モータの静止座標系における目標α軸電流及び目標β軸電流を取得するステップS621と、各相コイルのサンプリング電流値に基づいて、各セットの巻線の実際の零軸電流i0を取得し、かつ各相コイルのサンプリング電流値に基づいて、静止座標系における実際のα軸電流及び実際のβ軸電流を取得するステップS622と、目標α軸電流、目標β軸電流、実際のα軸電流及び実際のβ軸電流に基づいて、制御(例えば、PID制御)を行ってモータコイル103の静止座標系における基準電圧Uα、Uβを取得するステップS623と、静止座標系における基準電圧Uα、Uβに対して空間ベクトルパルス幅変調変換を行って各相ブリッジアームの第1デューティ比を得るステップS624と、目標充放電電流in及び実際の零軸電流i0に基づいて、制御(例えば、PID制御)を行って各相ブリッジアームの電圧調整値U0を取得し、電圧調整値U0及びバス電圧を変調して第2デューティ比を得るステップS625と、各相ブリッジアームの第1デューティ比及び各相ブリッジアームの第2デューティ比に基づいて、各相ブリッジアームのデューティ比を計算して取得するステップS626と、を含む。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0119
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0119】
第2の動作モードにおいて、トルク出力指令のみがあり、充放電指令は、0であり、すなわち充放電電流in=0であり、加熱パワー指令は、0であり、指令計算過程においては、図6のトルク曲線図におけるMTPA&MTPV曲線に基づいて、トルク出力指令及びモータの現在の回転速度ωeにより、同期回転座標系のdq座標軸上の対応する目標横軸電流iq及び目標直軸電流idの2つの要求値をルックアップするか又は計算し、要求されるトルク出力指令を保証し、このときに目標充放電電流inの電流回路において制御演算を行わず、トルク出力指令に必要なエネルギーは、外部の電池101又は外部の電源に由来する。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0162
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0162】
図25に示すように、可逆PWM整流器102は、第1パワースイッチユニット、第2パワースイッチユニット、第3パワースイッチユニット、第4パワースイッチユニット、第5パワースイッチユニット及び第6パワースイッチユニットを含み、各パワースイッチユニットの制御端は、コントローラに接続され、可逆PWM整流器102の第1パワースイッチユニット及び第2パワースイッチユニットは、第1相ブリッジアームを構成し、第3パワースイッチユニット及び第4パワースイッチユニットは、第2相ブリッジアームを構成し、第5パワースイッチユニット及び第6パワースイッチユニットは、第3相ブリッジアームを構成し、第1パワースイッチユニットは、第1上ブリッジアームVT1及び第1上ブリッジダイオードVD1を含み、第2パワースイッチユニットは、第2下ブリッジアームVT2及び第2下ブリッジダイオードVD2を含み、第3パワースイッチユニットは、第3上ブリッジアームVT3及び第3上ブリッジダイオードVD3を含み、第4パワースイッチユニットは、第4下ブリッジアームVT4及び第4下ブリッジダイオードVD4を含み、第5パワースイッチユニットは、第5上ブリッジアームVT5及び第5上ブリッジダイオードVD5を含み、第6パワースイッチユニットは、第6下ブリッジアームVT6及び第6下ブリッジダイオードVD6を含み、第1パワースイッチユニット、第3パワースイッチユニット及び第5パワースイッチユニットは、共通接続されて第1合流端を形成し、第2パワースイッチユニット、第4パワースイッチユニット及び第6パワースイッチユニットは、共通接続されて第2合流端を形成し、第1合流端と第2合流端との間にバスキャパシタC1が接続され、バスキャパシタC1の第1端は、スイッチK1の第1端及びスイッチK2の第1端に接続され、バスキャパシタC1の第2端は、スイッチK3の第1端に接続され、スイッチK2の第2端は、抵抗Rの第1端に接続され、スイッチK1の第2端は、抵抗Rの第2端及び電池101の正極端に接続され、スイッチK3の第2端は、電池101の負極端に接続され、モータは、第1相コイルL1、第2相コイルL2及び第3相コイルL3を含み、各相コイルの一端は、共通接続されて中性点を形成し、かつ直流電源に接続され、各相コイルの他端は、それぞれ1相ブリッジアームの中点に接続され、直流電源、第1相コイルL1及び第2パワースイッチユニットは、直流エネルギー貯蔵回路を形成し、直流エネルギー貯蔵回路は、充電及びエネルギー貯蔵だけでなく、駆動にも用いられ、一実施形態として、電流の流れ方向は、直流電源の正極から、第1相コイルL1及び第2下ブリッジアームVT2を流れて直流電源の負極に戻るものであり、直流電源、第1相コイルL1、第1パワースイッチユニット、バスキャパシタC1及び外部の電池は、電池充電回路を形成し、電池充電回路は、エネルギー貯蔵だけでなく、駆動にも用いられ、電流の流れ方向は、直流電源の正極から、第1相コイルL1、第1上ブリッジアームVT1、電池101及びバスキャパシタC1を流れて直流電源の負極に戻るものであり、バスキャパシタC1、第5パワースイッチユニット、第3パワースイッチユニット、第3相コイルL3、第2相コイルL2、第1相コイルL1及び第2パワースイッチユニットは、モータの第1駆動回路を形成し、電流は、バスキャパシタC1の一端から、第5上ブリッジアームVT5、第3相コイルL3、第1相コイルL1及び第2下ブリッジアームVT2を流れてバスキャパシタC1の他端に戻ると同時に、バスキャパシタC1の一端から、第3上ブリッジアームVT3、第2相コイルL2、第1相コイルL1及び第2下ブリッジアームVT2を流れてバスキャパシタC1の他端に戻り、第2相コイルL2、第3相コイルL3、第1相コイルL1、第1パワースイッチユニット、第3パワースイッチユニット及び第5パワースイッチユニットは、モータの第2駆動回路を形成し、電流の流れ方向は、第2相コイルL2と、第1相コイルL1と、第1上ブリッジダイオードVD1と、第3上ブリッジアームVT3との間、及び、第3相コイルL3と、第1相コイルL1と、第1上ブリッジダイオードVD1と、第5上ブリッジアームVT5との間にそれぞれループ電流を形成し、直流電源、第1相コイルL1、第2相コイルL2、第2パワースイッチユニット及び第4パワースイッチユニットは、直流エネルギー貯蔵回路を形成し、直流エネルギー貯蔵回路は、エネルギー貯蔵だけでなく、駆動にも用いられ、一実施形態として、電流の流れ方向は、直流電源の正極から、第1相コイルL1及び第2下ブリッジアームVT2を流れて直流電源の負極に戻ると同時に、直流電源の正極から、第2相コイルL2及び第4下ブリッジアームVT4を流れて直流電源の負極に戻るものであり、直流電源、第1相コイルL1、第2相コイルL2、第1パワースイッチユニット、第3パワースイッチユニット、バスキャパシタC1及び外部の電池は、電池充電回路を形成し、電池充電回路は、エネルギー貯蔵だけでなく、駆動にも用いられ、電流の流れ方向は、直流電源の正極から、第1相コイルL1、第1上ブリッジダイオードVD1、電池101及びバスキャパシタC1を流れて直流電源の負極に戻ると同時に、直流電源の正極から、第2相コイルL2、第上ブリッジダイオードVD3、電池101及びバスキャパシタC1を流れて直流電源の負極に戻るものであり、バスキャパシタC1、第5パワースイッチユニット、第3相コイルL3、第1相コイルL1、第2相コイルL2、第2パワースイッチユニット及び第4パワースイッチユニットは、モータの第1駆動回路を形成し、電流の流れ方向は、バスキャパシタC1の一端から、第5上ブリッジアームVT5、第3相コイルL3、第1相コイルL1及び第2下ブリッジアームVT2を流れてバスキャパシタC1の他端に戻ると同時に、バスキャパシタC1の一端から、第5上ブリッジアームVT5、第3相コイルL3、第2相コイルL2及び第4下ブリッジアームVT4を流れてバスキャパシタC1の他端に戻るものであり、第3相コイルL3、第1相コイルL1、第2相コイルL2、第1パワースイッチユニット、第3パワースイッチユニット及び第5パワースイッチユニットは、モータの第2駆動回路を形成し、電流の流れ方向は、第3相コイルL3と、第1相コイルL1と、第1上ブリッジダイオードVD1と、第5上ブリッジアームVT5との間、及び、第3相コイルL3と、第2相コイルL2と、第3上ブリッジダイオードVD3と、第3上ブリッジアームVT3との間にそれぞれループ電流を形成する。
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0164
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0164】
図26に示すように、第2動作段階において、コントローラは、第1ブリッジアームと第2ブリッジアームのオン時刻及び持続時間を制御することにより、電池充電回路における直流電源から出力された電流は、第1相コイルL1、第1パワースイッチユニット、バスキャパシタC1及び電池を流れて直流電源に戻り、モータの第2駆動回路における第2相コイルL2及び第3相コイルL3から出力された電流は、第1相コイルL1、第1パワースイッチユニット、第3パワースイッチユニット及び第5パワースイッチユニットを流れて第2相コイルL2及び第3相コイルL3に戻り、これにより、電池充電回路及びモータの第2駆動回路は、同時に動作する。
【手続補正15】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0166
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0166】
図28に示すように、第2動作段階において、コントローラ104は、第1ブリッジアーム及び第2ブリッジアームのオン時刻及び持続時間を制御することにより、電池充電回路における直流電源から出力された電流は、第1相コイルL1、第2相コイルL2、第1パワースイッチユニット、第3パワースイッチユニット、バスキャパシタC1及び電池を流れて直流電源に戻り、モータの第2駆動回路における第3相コイルL3から出力された電流は、第1相コイルL1、第2相コイルL2、第1パワースイッチユニット、第3パワースイッチユニット及び第5パワースイッチユニットを流れて第3相コイルL3に戻り、これにより、電池充電回路及びモータの第2駆動回路は、同時に動作する。
【国際調査報告】