(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-01
(54)【発明の名称】エネルギー変換装置及び車両
(51)【国際特許分類】
H02P 25/22 20060101AFI20221124BHJP
H02P 27/10 20060101ALI20221124BHJP
H02P 21/22 20160101ALI20221124BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20221124BHJP
B60L 9/18 20060101ALN20221124BHJP
B60L 15/00 20060101ALN20221124BHJP
B60L 50/60 20190101ALN20221124BHJP
B60L 53/14 20190101ALN20221124BHJP
B60L 53/22 20190101ALN20221124BHJP
B60L 58/25 20190101ALN20221124BHJP
【FI】
H02P25/22
H02P27/10
H02P21/22
H02J7/00 P
H02J7/00 A
B60L9/18 J
B60L15/00 Z
B60L50/60
B60L53/14
B60L53/22
B60L58/25
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022519103
(86)(22)【出願日】2020-08-18
(85)【翻訳文提出日】2022-05-24
(86)【国際出願番号】 CN2020109885
(87)【国際公開番号】W WO2021057339
(87)【国際公開日】2021-04-01
(31)【優先権主張番号】201910913787.3
(32)【優先日】2019-09-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510177809
【氏名又は名称】ビーワイディー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100169904
【氏名又は名称】村井 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100132698
【氏名又は名称】川分 康博
(72)【発明者】
【氏名】凌和平
(72)【発明者】
【氏名】李吉成
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼▲長▼久
(72)【発明者】
【氏名】▲謝▼▲飛▼▲躍▼
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼▲宇▼▲しん▼
【テーマコード(参考)】
5G503
5H125
5H505
【Fターム(参考)】
5G503BA01
5G503BB02
5G503FA06
5G503GB03
5H125AA01
5H125AC12
5H125AC24
5H125BB02
5H125BB03
5H125BC19
5H125BC21
5H125BC24
5H125CD09
5H125DD02
5H125EE02
5H125EE12
5H125FF01
5H505AA16
5H505BB03
5H505CC04
5H505CC09
5H505DD03
5H505DD05
5H505DD08
5H505EE41
5H505EE48
5H505EE52
5H505GG04
5H505HA05
5H505HA06
5H505HA09
5H505HA10
5H505HB01
5H505HB05
5H505JJ23
5H505JJ24
5H505LL22
5H505LL41
(57)【要約】
エネルギー変換装置は、可逆PWM整流器(102)及びモータコイル(103)を含み、モータコイル(103)は、Lセットの巻線ユニット(131、132)を含み、各セットの巻線ユニット(131、132)は、可逆PWM整流器(102)に接続され、ここで、L≧2で、正整数であり、外部電源(100)、可逆PWM整流器(102)及びモータコイル(103)における巻線ユニット(131、132)は、少なくとも2セットの加熱対象設備用の加熱回路を形成し、エネルギー変換装置は、制御信号に基づいて可逆PWM整流器(102)を制御することにより、外部電源(100)から出力された電流がモータコイル(103)における少なくとも2セットの巻線ユニット(131、132)を流れて熱を発生し、少なくとも2セットの巻線ユニット(131、132)の、モータロータの磁場配向に基づく同期回転座標系における合成電流ベクトルの横軸上のベクトル和が、ゼロとなり、該エネルギー変換装置は、追加の動力電池加熱装置を省略でき、装置全体のコストを削減する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
可逆PWM整流器及びモータコイルを含むエネルギー変換装置であって、
前記モータコイルは、Lセットの巻線ユニットを含み、各セットの巻線ユニットは、前記可逆PWM整流器に接続され、ここで、L≧2で、正整数であり、
少なくとも2セットの加熱対象設備用の加熱回路は、外部電源、前記可逆PWM整流器及び前記モータコイルにおける前記巻線ユニットによって形成され、
エネルギー変換装置が、制御信号に基づいて前記可逆PWM整流器を制御することにより、前記外部電源から出力された電流は、前記モータコイルにおける少なくとも2セットの巻線ユニットを流れて熱を発生し、前記少なくとも2セットの巻線ユニットの、モータロータの磁場配向に基づく同期回転座標系における合成電流ベクトルの横軸上のベクトル和は、ゼロとなる、ことを特徴とするエネルギー変換装置。
【請求項2】
前記Lセットの巻線ユニットのうちのL1セットの巻線ユニットが前記加熱回路において動作する場合、前記L1セットの巻線ユニットは、L1個の合成電流ベクトルに対応し、
【数1】
対の合成電流ベクトルが形成され、各対の合成電流ベクトルにおける2つの合成電流ベクトルの振幅は等しく、前記各対の合成電流ベクトルは、前記同期回転座標系の直軸に対して対称であり、ここで、L≧L1≧2であり、L1は、偶数である、ことを特徴とする請求項1に記載のエネルギー変換装置。
【請求項3】
前記Lセットの巻線ユニットのうちのL1セットの巻線ユニットが前記加熱回路において動作する場合、前記L1セットの巻線ユニットは、L1個の合成電流ベクトルに対応し、
【数2】
対の合成電流ベクトルを形成され、各対の合成電流ベクトルにおける2つの合成電流ベクトルの振幅は等しく、少なくとも1対の合成電流ベクトルは、前記同期回転座標系の直軸に対して対称であり、少なくとも1対の合成電流ベクトルにおける2つの合成電流ベクトルの間の電気角度差は、180°であり、ここで、L≧L1≧2であり、L1は、偶数である、ことを特徴とする請求項1に記載のエネルギー変換装置。
【請求項4】
前記Lセットの巻線ユニットのうちのL2セットの巻線ユニットが前記加熱回路において動作する場合、前記L2セットの巻線ユニットは、L2個の合成電流ベクトルに対応し、
【数3】
対の合成電流ベクトル及び第1合成電流ベクトルが形成され、各対の合成電流ベクトルにおける2つの合成電流ベクトルの振幅は等しく、前記各対の合成電流ベクトルは、前記同期回転座標系の直軸に対して対称であり、前記第1合成電流ベクトルは、前記同期回転座標系の直軸に位置し、ここで、L≧L2≧3であり、L2は奇数である、ことを特徴とする請求項1に記載のエネルギー変換装置。
【請求項5】
前記Lセットの巻線ユニットのうちのL3セットの巻線ユニットが前記加熱回路において動作する場合、前記L3セットの巻線ユニットは、L3個の合成電流ベクトルに対応し、
【数4】
対の合成電流ベクトル及び第2合成電流ベクトルが形成され、各対の合成電流ベクトルにおける2つの合成電流ベクトルの振幅は等しく、前記各対の合成電流ベクトルにおける2つの合成電流ベクトルの間の角度差は、180°であり、前記第2合成電流ベクトルは、前記同期回転座標系の直軸に位置し、ここで、L≧L3≧3であり、L3は奇数である、ことを特徴とする請求項1に記載のエネルギー変換装置。
【請求項6】
前記Lセットの巻線ユニットにおける各セットの巻線ユニットの合成電流ベクトルの前記同期回転座標系の直軸に対する角度は、一定値である、ことを特徴とする請求項2~5のいずれか1項に記載のエネルギー変換装置。
【請求項7】
前記Lセットの巻線ユニットのうちの少なくとも1対の巻線ユニットの合成電流ベクトルの前記同期回転座標系の直軸に対する角度は、変化値であり、1対の合成電流ベクトルのうちの一方の合成電流ベクトルの前記同期回転座標系の直軸に対する角度は、θ
L/2-1=2πf
1t+θ
L/2-0であり、他方の合成電流ベクトルの前記同期回転座標系の直軸に対する角度は、θ
L/2-2=-θ
L/2-1であり、ここで、f
1は、前記合成電流ベクトルの前記同期回転座標系の直軸に対する前記角度の変化周波数であり、θ
L/2-0は、該1対の合成電流ベクトルのうちの一方の前記同期回転座標系の直軸に対する前記角度の初期角度であり、tは、時間である、ことを特徴とする請求項2~4のいずれか1項に記載のエネルギー変換装置。
【請求項8】
前記Lセットの巻線ユニットのうちの少なくとも1対の巻線ユニットの合成電流ベクトルの前記同期回転座標系の直軸に対する角度は、変化値であり、1対の合成電流ベクトルのうちの一方の合成電流ベクトルの前記同期回転座標系の直軸に対する角度は、θ
L/2-1=2πf
1t+θ
L/2-0であり、他方の合成電流ベクトルの前記同期回転座標系の直軸に対する角度は、θ
L/2-2=2πf
1t+180+θ
L/2-0であり、ここで、f
1は、前記合成電流ベクトルの前記同期回転座標系の直軸に対する前記角度の変化周波数であり、θ
L/2-0は、該1対の合成電流ベクトルのうちの一方の前記同期回転座標系の直軸に対する前記角度の初期角度であり、tは、時間である、ことを特徴とする請求項5に記載のエネルギー変換装置。
【請求項9】
少なくとも1対の合成電流ベクトルの振幅は、等しく、変化値であり、該1対の合成電流ベクトルの前記同期回転座標系の直軸に対する角度は、一定値であり、
前記少なくとも1対の合成電流ベクトルの振幅の大きさは、
【数5】
であり、ここで、f
2は、前記合成電流ベクトルの振幅の変化周波数であり、
【数6】
は、前記合成電流ベクトルの振幅である、ことを特徴とする請求項2~5のいずれか1項に記載のエネルギー変換装置。
【請求項10】
前記可逆PWM整流器に接続されたコントローラを含み、前記コントローラは、
外部制御信号に基づいて、前記モータコイルにより発生する必要がある目標加熱パワーを取得し、
前記目標加熱パワーに基づいて、前記各セットの巻線ユニットの目標合成電流ベクトルを取得し、
前記目標合成電流ベクトルに基づいて、前記各セットの巻線ユニットの、前記同期回転座標系の直軸と横軸のそれぞれにおける目標直軸電流と目標横軸電流を取得し、
前記各セットの巻線ユニットのサンプリング電流値に基づいて、前記各セットの巻線ユニットの、前記同期回転座標系の直軸と横軸のそれぞれにおける実際の直軸電流と実際の横軸電流を取得し、前記目標横軸電流、前記目標直軸電流、前記実際の横軸電流及び前記実際の直軸電流に基づいて、前記各セットの巻線ユニットに接続された前記可逆PWM整流器の各相ブリッジアームのデューティ比を取得する、ことを特徴とする請求項1~9のいずれか1項に記載のエネルギー変換装置。
【請求項11】
前記外部電源は、動力電池であり、少なくとも2セットの加熱回路は、前記動力電池、前記可逆PWM整流器及び前記モータコイルにおける前記巻線ユニットによって形成され、
前記可逆PWM整流器は、1組のM
1個のブリッジアームを含み、前記M
1個のブリッジアームは、第1合流端及び第2合流端は、M
1個のブリッジアームによって形成され、前記動力電池の正極端子と負極端子は、それぞれ前記第1合流端と前記第2合流端に接続され、前記モータコイルは、第1巻線ユニット及び第2巻線ユニットを含み、
前記第1巻線ユニットは、1セットのm
1相巻線を含み、前記m
1相巻線における各相巻線は、n
1個のコイル分岐回路を含み、各相巻線のn
1個のコイル分岐回路が共通接続されて1つの相端点を形成し、前記m
1相巻線の相端点は、前記M
1個のブリッジアームのうちのm
1個のブリッジアームの各ブリッジアームの中間点に一対一に対応して接続され、前記m
1相巻線における各相巻線のn
1個のコイル分岐回路のうちの1つのコイル分岐回路は、さらに、n
1個の接続点を形成するように、それぞれ他の相の巻線のn
1個のコイル分岐回路のうちの1つのコイル分岐回路に接続され、ここで、m
1≧2で、n
1≧1であり、n
1及びm
1は、いずれも整数であり、
前記第2巻線ユニットは、1セットのm
2相巻線を含み、前記m
2相巻線における各相巻線は、n
2個のコイル分岐回路を含み、各相巻線のn
2個のコイル分岐回路が共通接続されて1つの相端点を形成し、前記m
2相巻線の相端点は、前記M
1個のブリッジアームのうちのm
2個のブリッジアームの各ブリッジアームの中間点に一対一に対応して接続され、前記m
2相巻線における各相巻線のn
2個のコイル分岐回路のうちの1つのコイル分岐回路は、さらに、n
2個の接続点を形成するように、それぞれ他の相の巻線のn
2個のコイル分岐回路のうちの1つのコイル分岐回路に接続され、ここで、m
2≧2で、M
1≧m
1+m
2で
、n
2≧1であり、n
2、m
1及びM
1は、いずれも整数であり、
第1加熱回路は、前記動力電池、前記可逆PWM整流器及び前記第1巻線ユニットによって形成され、第2加熱回路は、前記動力電池、前記可逆PWM整流器及び前記第2巻線ユニットによって形成される、ことを特徴とする請求項10に記載のエネルギー変換装置。
【請求項12】
少なくとも2セットの加熱回路が、外部直流充放電ポート、前記モータコイルにおける巻線ユニット及び前記可逆PWM整流器によって形成され、前記外部直流充放電ポートは、前記モータコイルから引き出された少なくとも1本の中性線に接続され、
前記外部電源は、直流給電デバイスであり、前記直流給電デバイスは、前記外部直流充放電ポートに接続され、
前記可逆PWM整流器は、1組のM
1個のブリッジアームを含み、前記モータコイルは、第1巻線ユニット及び第2巻線ユニットを含み、
前記第1巻線ユニットは、1セットのm
1相巻線を含み、前記m
1相巻線における各相巻線は、n
1個のコイル分岐回路を含み、各相巻線のn
1個のコイル分岐回路が共通接続されて1つの相端点を形成し、前記m
1相巻線の相端点は、前記M
1個のブリッジアームのうちのm
1個のブリッジアームの各ブリッジアームの中間点に一対一に対応して接続され、前記m
1相巻線における各相巻線のn
1個のコイル分岐回路のうちの1つのコイル分岐回路は、さらに、n
1個の接続点を形成するように、それぞれ他の相の巻線のn
1個のコイル分岐回路のうちの1つのコイル分岐回路に接続され、前記n
1個の接続点は、T
1個の中性点を形成し、前記T
1個の中性点からJ
1本の中性線が引き出され、ここで、n
1≧T
1≧1で、T
1≧J
1≧1で、m
1≧2であり、n
1、m
1、T
1及びJ
1は、いずれも正整数であり、
前記第2巻線ユニットは、1セットのm
2相巻線を含み、前記m
2相巻線における各相巻線は、n
2個のコイル分岐回路を含み、各相巻線のn
2個のコイル分岐回路が共通接続されて1つの相端点を形成し、前記m
2相巻線の相端点は、前記M
1個のブリッジアームのうちのm
2個のブリッジアームの各相ブリッジアームの中間点に一対一に対応して接続され、前記m
2相巻線における各相巻線のn
2個のコイル分岐回路のうちの1つのコイル分岐回路は、さらに、n
2個の接続点を形成するように、それぞれ他の相の巻線のn
2個のコイル分岐回路のうちの1つのコイル分岐回路に接続され、前記n
2個の接続点は、T
2個の中性点を形成し、前記T
2個の中性点からJ
2本の中性線が引き出され、ここで、n
2≧T
2≧1で、T
2≧J
2≧1で、m
2≧2で、M≧m
1+m
2であり、n
2、m
2、T
2及びJ
2は、いずれも正整数であり、
第3加熱回路が、前記直流給電デバイス、前記第1巻線ユニット及び前記可逆PWM整流器によって形成され、第4加熱回路が、前記直流給電デバイス、前記第2巻線ユニット及び前記可逆PWM整流器によって形成される、ことを特徴とする請求項10に記載のエネルギー変換装置。
【請求項13】
前記外部電源は、動力電池及び直流給電デバイスであり、前記動力電池は、前記可逆PWM整流器に接続され、外部直流充放電ポートは、前記モータコイルから引き出された少なくとも1本の中性線に接続され、前記直流給電デバイスは、前記外部直流充放電ポートに接続され、
少なくとも2セットの加熱回路が、前記動力電池、前記可逆PWM整流器及び前記モータコイルにおける巻線ユニットによって形成され、充電回路が、前記直流給電デバイス、前記モータコイル、前記可逆PWM整流器及び前記動力電池によって形成されるか又は、
前記外部電源は、動力電池であり、前記動力電池は、前記可逆PWM整流器に接続され、外部直流充放電ポートは、前記モータコイルから引き出された少なくとも1本の中性線に接続され、前記外部直流充放電ポートは、直流電気デバイスに接続され、
少なくとも2セットの加熱回路が、前記動力電池、前記可逆PWM整流器及び前記モータコイルにおける巻線ユニットによって形成され、放電回路が、前記動力電池、前記可逆PWM整流器、前記モータコイル及び前記直流電気デバイスによって形成され、
前記コントローラは、さらに、
前記モータコイルにより発生する必要がある目標加熱パワーと前記動力電池の目標充電パワー又は目標放電パワーとを取得し、
前記目標充電パワー又は前記目標放電パワーに基づいて、前記各セットの巻線ユニットの目標充電電流又は目標放電電流を取得し、前記目標充電電流又は前記目標放電電流に基づいて、前記各セットの巻線ユニットにより発生する第1加熱パワーを取得し、
前記目標加熱パワーと前記各セットの巻線ユニットにより発生する前記第1加熱パワーとに基づいて、前記各セットの巻線ユニットにより発生する第2加熱パワーを取得し、
前記第2加熱パワーに基づいて、前記各セットの巻線ユニットの目標合成電流ベクトルを取得し、前記目標合成電流ベクトルに基づいて、前記各セットの巻線ユニットの、前記同期回転座標系の直軸と横軸のそれぞれにおける目標直軸電流と目標横軸電流を取得し、
前記各セットの巻線ユニットのサンプリング電流値に基づいて、前記各セットの巻線ユニットの、前記同期回転座標系の直軸と横軸のそれぞれにおける実際の直軸電流と実際の横軸電流、ならびに零軸電流を取得し、前記目標横軸電流、前記目標直軸電流、前記実際の横軸電流及び前記実際の直軸電流に基づいて、閉ループ制御を行って、前記各セットの巻線ユニットに接続された前記可逆PWM整流器の各相ブリッジアームの第1デューティ比を取得し、
前記目標充電電流又は前記目標放電電流と前記零軸電流に基づいて、閉ループ制御を行って、前記各セットの巻線ユニットに接続された前記可逆PWM整流器のブリッジアームのデューティ比調整値を取得し、
前記第1デューティ比及び前記デューティ比調整値に基づいて、前記各セットの巻線ユニットに接続された前記可逆PWM整流器の各相ブリッジアームのデューティ比を取得する、ことを特徴とする請求項10に記載のエネルギー変換装置。
【請求項14】
バスキャパシタをさらに含み、第5加熱回路は、前記バスキャパシタ、前記可逆PWM整流器及び前記第1巻線ユニットによって形成され、第6加熱回路が、前記バスキャパシタ、前記可逆PWM整流器及び前記第2巻線ユニットによって形成され、充電回路又は放電回路が、前記エネルギー変換装置を用いて、前記外部直流充放電ポートと、前記動力電池とによって形成される、ことを特徴とする請求項13に記載のエネルギー変換装置。
【請求項15】
第1充電回路又は第1放電回路は、前記エネルギー変換装置を用いて、外部の第1直流充放電ポートと、前記動力電池とによって形成され、第2充電回路又は第2放電回路は、前記エネルギー変換装置を用いて、外部の第2直流充放電ポートと、前記動力電池とによって形成され、前記可逆PWM整流器は、第1合流端及び第2合流端をさらに含み、前記外部の第1直流充放電ポートの第1端は、前記モータコイルの第1巻線ユニットの第1中性線に接続され、前記外部の第2直流充放電ポートの第1端は、前記モータコイルの第2巻線ユニットの第2中性線に接続され、前記外部の第1直流充放電ポートの第2端及び前記外部の第2直流充放電ポートの第2端は、前記第2合流端に接続され、前記動力電池の正極端子は、前記第1合流端に接続され、前記動力電池の負極端子は、前記第2合流端に接続される、ことを特徴とする請求項13に記載のエネルギー変換装置。
【請求項16】
外部の第3直流充放電ポートをさらに含み、少なくとも2セットの加熱回路は、前記外部の第3直流充放電ポート、前記可逆PWM整流器及び前記モータコイルにおける前記巻線ユニットは、を形成し、前記外部の第3直流充放電ポートは、前記可逆PWM整流器の両端に接続される、ことを特徴とする請求項12に記載のエネルギー変換装置。
【請求項17】
請求項1~16のいずれか1項に記載のエネルギー変換装置を含む、ことを特徴とする車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、ビーワイディー カンパニー リミテッドが2019年9月25日に提出した、名称「エネルギー変換装置及び車両」の中国特許出願第「201910913787.3」号の優先権を主張するものである。
本願は、車両の技術分野に属し、特に、エネルギー変換装置及び車両に関する。
【背景技術】
【0002】
電動車両の普及が進むにつれて、ますます多くの電動車両は、社会及び家庭に入り、人々の外出に非常に大きな利便性をもたらしている。電動車両の動力電池としては一般的にリチウムイオン電池が用いられている。リチウムイオン電池の一般的な動作温度は、-20℃~55℃であり、リチウムイオン電池を低温以下で充電することは許容されない。従来の技術における、低温の電池を加熱する解決手段は、PTCヒータ又は電熱線ヒータ又はエンジン又はモータを用いて低温時に電池冷却回路の冷却液を加熱し、冷却液により電池セルを所定の温度に加熱することである。電池が低温及び低残量の状態にある場合、例えば、-19℃及びSOC=0の極限条件では、電池が放電することを許されず、小電流充電とハイパワー加熱及びローパワー充電のみが許される。しかしながら、充電中に、PTCヒータにより加熱することは不可能であり、電池の充電時間が長くなる。
【0003】
以上より、従来の技術において、低温の状態で加熱設備により動力電池を加熱する場合に、充電過程と加熱過程が密接に協働できないため、コストが増加し、低温での充電時間が長すぎるという課題が存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願は、関連技術における技術的課題の1つを少なくともある程度解決することを目的とする。
【0005】
このために、本願は、低温の状態で加熱設備により動力電池を加熱する場合に、コストが増加するという課題、及び、充電過程と加熱過程が密接に協働できないため、低温での充電時間が長すぎるという課題を解決することができる、エネルギー変換装置及び車両を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願は、以下のように実現される。本願の第1態様に係るエネルギー変換装置は、可逆PWM整流器及びモータコイルを含み、前記モータコイルは、Lセットの巻線ユニットを含み、各セットの巻線ユニットは、前記可逆PWM整流器に接続され、ここで、L≧2で、正整数であり、
外部電源、前記可逆PWM整流器及び前記モータコイルにおける巻線ユニットは、少なくとも2セットの加熱対象設備用の加熱回路を形成し、
前記エネルギー変換装置は、制御信号に基づいて前記可逆PWM整流器を制御することにより、前記外部電源から出力された電流が、前記モータコイルにおける少なくとも2セットの巻線ユニットを流れて熱を発生し、前記少なくとも2セットの巻線ユニットの、モータロータの磁場配向に基づく同期回転座標系における横軸電流の合成電流ベクトルのベクトル和が、ゼロとなる。
【0007】
本願の第2の態様に係る車両は、第1の態様に係るエネルギー変換装置を含む。
【発明の効果】
【0008】
本願に係るエネルギー変換装置の技術的効果は、以下のとおりである。可逆PWM整流器及びモータコイルを含むエネルギー変換装置を用いることにより、該エネルギー変換装置が外部電源に接続される場合、外部電源、可逆PWM整流器及びモータコイルにおける巻線ユニットは、少なくとも2セットの加熱回路を形成し、可逆PWM整流器を制御することにより、外部電源から出力された電流は、前記モータコイルにおける少なくとも2セットの巻線ユニットを流れて熱を発生し、少なくとも2セットの巻線ユニットの、モータロータの磁場配向に基づく同期回転座標系における横軸電流の合成電流ベクトルのベクトル和は、ゼロとなり、エネルギー変換装置におけるモータは、トルクを出力せず、これにより、モータコイルの冷却管を流れる冷却液を加熱し、該冷却液は、動力電池を流れるときに動力電池を加熱し、追加の動力電池加熱装置を省略でき、装置全体のコストを削減する。
【0009】
本願の追加の態様及び利点は、一部が以下の説明において示され、一部が以下の説明において明らかになるか又は本願の実施により把握される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本願の上記及び/又は追加の様態及び利点は、以下の図面を参照して実施例を説明することにより、明らかになり、容易に理解される。
【0011】
【
図1】本願の実施例1に係るエネルギー変換装置の概略構成図である。
【
図2】本願の実施例1に係るエネルギー変換装置の別の概略構成図である。
【
図3】本願の実施例1に係るエネルギー変換装置の別の概略構成図である。
【
図4】本願の実施例1に係るエネルギー変換装置の別の概略構成図である。
【
図5】本願の実施例1に係るエネルギー変換装置の別の概略構成図である。
【
図6】本願の実施例1に係るエネルギー変換装置のモータコイルの概略構成図である。
【
図7】本願の実施例1に係るエネルギー変換装置の回路図である。
【
図8】本願の実施例1に係るエネルギー変換装置の別の回路図である。
【
図9】本願の実施例1に係るエネルギー変換装置の別の回路図である。
【
図10】本願の実施例1に係るエネルギー変換装置の別の回路図である。
【
図11】本願の実施例1に係るエネルギー変換装置における合成電流ベクトルがモータロータの磁場配向に基づく同期回転座標系に位置する概略図である。
【
図12】本願の実施例1に係るエネルギー変換装置における別の合成電流ベクトルがモータロータの磁場配向に基づく同期回転座標系に位置する概略図である。
【
図13】本願の実施例1に係るエネルギー変換装置の電流の流れ方向図である。
【
図14】本願の実施例1に係るエネルギー変換装置の別の電流の流れ方向図である。
【
図15】本願の実施例1に係るエネルギー変換装置の別の電流の流れ方向図である。
【
図16】本願の実施例1に係るエネルギー変換装置の別の電流の流れ方向図である。
【
図17】本願の実施例1に係るエネルギー変換装置の別の電流の流れ方向図である。
【
図18】本願の実施例1に係るエネルギー変換装置の別の電流の流れ方向図である。
【
図19】本願の実施例1に係るエネルギー変換装置の別の電流の流れ方向図である。
【
図20】本願の実施例1に係るエネルギー変換装置の別の電流の流れ方向図である。
【
図21】本願の実施例1に係るエネルギー変換装置の別の電流の流れ方向図である。
【
図22】本願の実施例1に係るエネルギー変換装置の別の電流の流れ方向図である。
【
図23】本願の実施例2に係る車両の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本願の実施例を詳細に説明し、上記実施例の例は図面に示され、全体を通して同一又は類似の符号は、同一又は類似の部品、若しくは同一又は類似の機能を有する部品を示す。以下、図面を参照しながら説明される実施例は、例示的なものに過ぎず、本願を解釈するためのものであり、本願を限定するためのものであると理解すべきではない。
【0013】
本願の技術手段を説明するために、以下、具体的な実施例により説明する。
【0014】
本願の実施例1に係るエネルギー変換装置は、
図1及び
図2に示すように、可逆PWM整流器102及びモータコイル103を含み、モータコイル103は、Lセットの巻線ユニットを含み、各セットの巻線ユニットは、可逆PWM整流器102に接続され、ここで、L≧2で、正整数であり、
外部電源100、可逆PWM整流器102及びモータコイル103における巻線ユニットは、少なくとも2セットの加熱対象設備用の加熱回路を形成し、
エネルギー変換装置は、外部信号に基づいて可逆PWM整流器102を制御することにより、外部電源100から出力された電流が、モータコイル103における少なくとも2セットの巻線ユニットを流れて熱を発生し、少なくとも2セットの巻線ユニットの、モータロータの磁場配向に基づく同期回転座標系における合成電流ベクトルの横軸上のベクトル和が、ゼロとなる。第xセットの巻線ユニットにより発生する加熱パワーは、
【数1】
であり、ここで、m
xは、第xセットの巻線ユニットの巻線相数を表し、Rs
xは、第xセットの巻線ユニットの各相巻線の相抵抗を表し、i*
sxは、第xセットの巻線ユニットの同期回転座標系における直軸電流と横軸電流との合成電流ベクトルを表し、L≧x≧1で、正整数である。
【0015】
モータは、同期モータ(ブラシレス同期モータを含む)であっても非同期モータであってもよく、モータコイル103の相数は、2以上であり、モータ巻線のセット数は、2以上であり(例えば、2相モータ、3相モータ、6相モータ、9相モータ、15相モータなど)、かつモータコイル103の接続点が中性点を形成し、そこから中性線を引き出し、モータコイル103の中性線は、複数本引き出されてよく、モータコイル103の接続点の具体的な数は、モータ内部の巻線の並列接続構造に依存し、モータコイル103のモータ内部での並列接続点の数と、接続点により形成された中性点から引き出された中性線の数とは、実際の解決手段の使用状況に応じて決定され、モータコイル103は、Lセットの巻線ユニットを含み、各セットの巻線ユニットは、可逆PWM整流器102に接続され、ここで、L≧2で、正整数であり、すなわち、モータコイル103の一部のコイル分岐回路又は全てのコイル分岐回路は、少なくとも第1巻線ユニット131及び第2巻線ユニット132を構成し、第1巻線ユニット131は、第1セットの巻線であり、第2巻線ユニット132は、第2セットの巻線であり、第L巻線ユニットは、第Lセットの巻線であり、第1巻線ユニット131は、少なくとも2つの相端点及び少なくとも1つの中性点を含み、第2巻線ユニット132は、少なくとも2つの相端点及び少なくとも1つの中性点を含み、第1巻線ユニット131と第2巻線ユニット132は、異なる相端点を有し、いずれも相端点を介して可逆PWM整流器102に接続され、第1巻線ユニット131の中性点は、中性線を引き出してもよく、宙吊り状態にあってもよく、第2巻線ユニット132の中性点は、中性線を引き出してもよく、宙吊り状態にあってもよく、それとともに、各セットの巻線ユニットの全ての相巻線を1つの基本ユニットとし、各基本ユニットに対してモータベクトル制御を用いることにより、モータの動作を独立して制御することができ、可逆PWM整流器102におけるPWMは、パルス幅変調(Pulse width modulation)であり、可逆PWM整流器102は、多相ブリッジアームを含み、ブリッジアームの数は、モータコイル103の相数に応じて配置され、各相インバータブリッジアームは、2つのパワースイッチユニットを含み、パワースイッチユニットは、トランジスタ、IGBT、MOSFETトランジスタ、SiCトランジスタなどのタイプの素子であってよく、ブリッジアームにおける2つのパワースイッチユニットの接続点は、モータにおける1相コイルに接続され、可逆PWM整流器102におけるパワースイッチユニットは、外部制御信号に基づいてオン及びオフを実現することができる。
【0016】
外部電源100、可逆PWM整流器102及びモータコイル103における巻線ユニットは、少なくとも2セットの加熱回路を形成し、外部電源100、可逆PWM整流器102及びモータコイル103により形成された加熱回路とは、外部電源100から出力された電流が可逆PWM整流器102を通ってモータコイル103を流れるときに熱を発生することにより形成される加熱回路を指し、モータコイル103における巻線ユニットは、第1巻線ユニット131及び第2巻線ユニット132を少なくとも含み、外部電源100、可逆PWM整流器102及び第1巻線ユニット131は、第1加熱回路を形成し、外部電源100から出力された電流が可逆PWM整流器102を通って第1巻線ユニット131を流れるときに熱を発生することにより第1加熱回路を形成し、外部電源100、可逆PWM整流器102及び第2巻線ユニット132は、第2加熱回路を形成し、外部電源100から出力された電流が可逆PWM整流器102を通って第2巻線ユニット132を流れるときに熱を発生することにより第2加熱回路を形成し、外部電源100は、車両内の電源、例えば、動力電池などであってよく、外部電源100は、充放電ポートを介して、外部給電デバイス、例えば充電スタンドに接続されてもよく、第1加熱回路及び第2加熱回路は、様々な方式で実現されてよく、例えば、
図3に示すように、外部電源100が動力電池101である場合、動力電池101、可逆PWM整流器102及び第1巻線ユニット131は、第1加熱回路を形成し、動力電池101、可逆PWM整流器102及び第2巻線ユニット132は、第2加熱回路を形成し、
図2に示すように、外部電源100は、直流充放電ポートを介して外部給電デバイスに接続されて第1加熱回路及び第2加熱回路を形成してもよく、例えば、
図4に示すように、直流充放電ポート140は、可逆PWM整流器102に接続されてよく、直流充放電ポート140、可逆PWM整流器102及び第1巻線ユニット131は、第1加熱回路を形成し、直流充放電ポート140、可逆PWM整流器102及び第2巻線ユニット132は、第2加熱回路を形成し、
図5に示すように、直流充放電ポート140は、第1巻線ユニット131及び第2巻線ユニット132の中性線に接続されてもよく、直流充放電ポート140、第1巻線ユニット131及び可逆PWM整流器102は、第1加熱回路を形成し、直流充放電ポート140、第2巻線ユニット132及び可逆PWM整流器102は、第2加熱回路を形成する。
【0017】
エネルギー変換装置は、コントローラを含み、コントローラは、可逆PWM整流器102に接続され、かつ可逆PWM整流器102に制御信号を送信し、コントローラは、車両全体のコントローラ、可逆PWM整流器102の制御回路及びBMS電池マネージャ回路を含んでよく、三者は、CAN線を介して接続され、コントローラにおける異なるモジュールは、取得された情報に基づいて可逆PWM整流器102におけるパワースイッチユニットのオン及びオフを制御することにより、異なる電流回路のオンを実現し、コントローラは、エネルギー変換装置の可逆PWM整流器102に制御信号を送信することにより、外部電源100から出力された電流は、モータコイル103における少なくとも2セットの巻線ユニットを流れて熱を発生して、モータコイル103の冷却管を流れる冷却液を加熱し、該冷却液は、動力電池101を流れるときに動力電池101を加熱する。
【0018】
エネルギー変換装置が、外部制御信号に基づいて、少なくとも2セットの巻線ユニットの、モータロータの磁場配向に基づく同期回転座標系における合成電流ベクトルの横軸上のベクトル和をゼロにすることは、各セットの巻線ユニットの同期回転座標系における横軸電流と直軸電流が1つの合成電流ベクトルを形成し、横軸上のベクトル和が全ての合成電流ベクトルの横軸上のベクトル和であり、エネルギー変換装置が外部制御信号に基づいて各セットの巻線ユニットの同期回転座標系における合成電流ベクトルの大きさ及び方向を制御することにより、横軸上の全ての合成電流ベクトルの和がゼロとなることを指し、このとき、エネルギー変換装置におけるモータは、トルクを出力しない。
【0019】
本願の実施例に係るエネルギー変換装置の技術的効果は、以下のとおりである。可逆PWM整流器102及びモータコイル103を含むエネルギー変換装置を用いることにより、該エネルギー変換装置が外部電源100に接続される場合、外部電源100、可逆PWM整流器102及びモータコイル103における巻線ユニットは、少なくとも2セットの加熱回路を形成し、可逆PWM整流器102を制御することにより、外部電源100から出力された電流は、モータコイル103における少なくとも2セットの巻線ユニットを流れて熱を発生し、少なくとも2セットの巻線ユニットの同期回転座標系における合成電流ベクトルの横軸上のベクトル和は、ゼロとなり、エネルギー変換装置におけるモータは、トルクを出力せず、外部電源100から出力された電流は、モータコイル103における少なくとも2セットの巻線ユニットを流れて熱を発生し、これにより、モータコイル103の冷却管を流れる冷却液を加熱し、該冷却液は、動力電池101を流れるときに動力電池101を加熱し、追加の動力電池加熱装置を省略でき、装置全体のコストを削減し、少なくとも2セットの巻線ユニットは、少なくとも2セットの加熱回路を形成し、加熱パワーが大きく、加熱速度が速いとともに、2セットの巻線ユニットを加熱に用いることにより、大きな加熱パワーを実現できるとともに、各セットの巻線ユニットの発熱パワーは、1セットの巻線ユニットのみを用いて加熱するときのパワーよりも小さく、耐用年数を延長することができる。
【0020】
第1の実施形態として、Lセットの巻線ユニットのうちのL1セットの巻線ユニットが加熱回路において動作する場合、L1セットの巻線ユニットは、L1個の合成電流ベクトルに対応し、
【数2】
対の合成電流ベクトルを形成し、各対の合成電流ベクトルにおける2つの合成電流ベクトルの振幅は等しく、各対の合成電流ベクトルは、同期回転座標系の直軸に対して対称であり、ここで、L≧L1≧2であり、L1は、偶数である。
【0021】
Lセットの巻線ユニットのうちのL1セットの巻線ユニットが加熱回路において動作することは、エネルギー変換装置の可逆PWM整流器102が制御信号に基づいてパワースイッチユニットを動作させる場合、外部電源100から出力された電流が可逆PWM整流器102を通ってL1セットの巻線ユニットを流れるようにすることを指し、L1セットの巻線ユニットは、モータロータの磁場配向に基づく1つの同期回転座標系に対応し、L1セットの巻線ユニットは、同時にL1個の合成電流ベクトルに対応し、L1が偶数であ
る場合、
【数3】
対の合成電流ベクトルを形成でき、各対の合成電流ベクトルが同期回転座標系の直軸に対して対称であり、かつ各対の合成電流ベクトルにおける2つの合成電流ベクトルの振幅が等しいように制御するため、各対の合成電流ベクトルの、モータロータの磁場配向に基づく同期回転座標系の横軸上の成分を互いに相殺することができ、少なくとも2セットの巻線ユニットの同期回転座標系における合成電流ベクトルの横軸上のベクトル和がゼロであることを実現し、エネルギー変換装置におけるモータがトルクを出力しないことをさらに実現する。
【0022】
なお、本実施例において、モータロータの磁場配向に基づく同期回転座標系における電流と直軸との角度は、いずれも電気角度である。
【0023】
第2の実施形態として、Lセットの巻線ユニットのうちのL1セットの巻線ユニットが加熱回路において動作する場合、L1セットの巻線ユニットは、L1個の合成電流ベクトルに対応し、
【数4】
対の合成電流ベクトルを形成し、各対の合成電流ベクトルにおける2つの合成電流ベクトルの振幅は等しく、少なくとも1対の合成電流ベクトルは、同期回転座標系の直軸に対して対称であり、少なくとも1対の合成電流ベクトルにおける2つの合成電流ベクトルの間の電気角度差は、180°であり、ここで、L≧L1≧2であり、L1は、偶数である。
【0024】
本実施形態は、少なくとも1対の合成電流ベクトルが同期回転座標系の直軸に対して対称である以外に、少なくとも1対の合成電流ベクトルにおける2つの合成電流ベクトルの間の電気角度差が180°であるように設定するという点で第1の実施形態と相違し、各対の合成電流ベクトルにおける2つの合成電流ベクトルの振幅が等しいため、合成電流ベクトルは、振幅の大きさが等しいが、方向が反対であり、すなわち中心対称な各対の合成電流ベクトルの和が0であり、さらに、
【数5】
対の合成電流ベクトルの、モータロータの磁場配向に基づく同期回転座標系の横軸上の成分を互いに相殺することができ、少なくとも2セットの巻線ユニットの同期回転座標系における合成電流ベクトルの横軸上のベクトル和がゼロであることを実現し、エネルギー変換装置におけるモータがトルクを出力しないことをさらに実現する。また、1対の合成電流ベクトルが同期回転座標系の直軸に対して対称である場合、一方の合成電流ベクトルの同期回転座標系の直軸に対する角度がαとして取得されると、該1対の合成電流ベクトルのうちの他方の合成電流ベクトルの同期回転座標系の直軸に対する角度が360-αであることがわかり、2つの合成電流ベクトルと直軸との間の角度が180度相違する場合、各対の合成電流ベクトルの一方の合成電流ベクトルと直軸との間の角度が取得されると、他方の合成電流ベクトルと直軸との間の角度を知ることができ、該角度及び合成電流ベクトルの振幅により、該合成電流ベクトルの直軸と横軸上の成分値を知ることができる。
【0025】
第3の実施形態として、Lセットの巻線ユニットのうちのL2セットの巻線ユニットが加熱回路において動作する場合、L2セットの巻線ユニットは、L2個の合成電流ベクトルに対応し、
【数6】
対の合成電流ベクトル及び第1合成電流ベクトルを形成し、各対の合成電流ベクトルにおける2つの合成電流ベクトルの振幅は等しく、各対の合成電流ベクトルは、同期回転座標系の直軸に対して対称であり、第1合成電流ベクトルは、同期回転座標系の直軸に位置し、ここで、L≧L2≧3であり、L2は、奇数である。
【0026】
Lセットの巻線ユニットのうちのL2セットの巻線ユニットが加熱回路において動作することは、エネルギー変換装置の可逆PWM整流器102が制御信号に基づいてパワースイッチユニットを動作させる場合、外部電源100から出力された電流が可逆PWM整流器102を通ってL2セットの巻線ユニットを流れるようにすることを指し、L2セットの巻線ユニットは、モータロータの磁場配向に基づく1つの同期回転座標系に対応し、L2セットの巻線ユニットは、同時にL2個の合成電流ベクトルに対応し、L2が奇数であり、L2は、第1合成電流ベクトル及びL2-1個の合成電流ベクトルを含み、L2-1が偶数であり、
【数7】
対の合成電流ベクトルを形成してよく、各対の合成電流ベクトルが同期回転座標系の直軸に対して対称であり、かつ各対の合成電流ベクトルにおける2つの合成電流ベクトルの振幅が等しいように制御するため、各対の合成電流ベクトルの、モータロータの磁場配向に基づく同期回転座標系の横軸上の成分を互いに相殺することができるとともに、第1合成電流ベクトルは、同期回転座標系の直軸に位置し、少なくとも2セットの巻線ユニットの、モータロータの磁場配向に基づく同期回転座標系における合成電流ベクトルの横軸上のベクトル和がゼロであることを実現し、エネルギー変換装置におけるモータがトルクを出力しないことをさらに実現する。
【0027】
第4の実施形態として、Lセットの巻線ユニットのうちのL2セットの巻線ユニットが加熱回路において動作する場合、L2セットの巻線ユニットは、L2個の合成電流ベクトルに対応し、
【数8】
対の合成電流ベクトル及び第1合成電流ベクトルを形成し、少なくとも1対の合成電流ベクトルは、同期回転座標系の直軸に対して対称であり、各対の合成電流ベクトルにおける2つの合成電流ベクトルの振幅は等しく、少なくとも1対の合成電流ベクトルにおける2つの合成電流ベクトルの間の角度差は、180°であり、第1合成電流ベクトルは、同期回転座標系の直軸に位置し、ここで、L≧L2≧3であり、L2は、奇数である。
【0028】
本実施形態は、少なくとも1対の合成電流ベクトルが同期回転座標系の直軸に対して対称である以外に、少なくとも1対の合成電流ベクトルにおける2つの合成電流ベクトルの間の角度差が180°であるように設定するという点で第3の実施形態と相違し、合成電流ベクトルは、振幅の大きさが等しいが、方向が反対であり、すなわち角度差が180°である2つの合成電流ベクトルの和が0であり、さらに、
【数9】
対の合成電流ベクトルの、モータロータの磁場配向に基づく同期回転座標系の横軸上の成分を互いに相殺することができ、第1合成電流ベクトルは、同期回転座標系の直軸に位置し、少なくとも2セットの巻線ユニットの、モータロータの磁場配向に基づく同期回転座標系における合成電流ベクトルの横軸上のベクトル和がゼロであることを実現し、エネルギー変換装置におけるモータがトルクを出力しないことをさらに実現する。また、1対の合成電流ベクトルが同期回転座標系の直軸に対して対称である場合、一方の合成電流ベクトルの同期回転座標系の直軸に対する角度がαとして取得されると、該1対の合成電流ベクトルのうちの他方の合成電流ベクトルの同期回転座標系の直軸に対する角度が-αであることがわかり、合成電流ベクトルが中心対称である場合、2つの合成電流ベクトルと直軸との間の角度が180度相違することがわかり、各対の合成電流ベクトルの一方の合成電流ベクトルと直軸との間の角度が取得されると、他方の合成電流ベクトルと直軸との間の角度を知ることができ、該角度及び合成電流ベクトルの振幅により、該合成電流ベクトルの直軸と横軸上の成分値を知ることができる。
【0029】
第5の実施形態として、Lセットの巻線ユニットのうちのL3セットの巻線ユニットが加熱回路において動作する場合、L3セットの巻線ユニットは、L3個の合成電流ベクトルに対応し、
【数10】
対の合成電流ベクトル及び第2合成電流ベクトルを形成し、各対の合成電流ベクトルにおける2つの合成電流ベクトルの振幅は等しく、各対の合成電流ベクトルにおける2つの合成電流ベクトルの間の角度差は、180°であり、第2合成電流ベクトルは、同期回転座標系の直軸に位置し、ここで、L≧L3≧3であり、L3は、奇数である。
【0030】
Lセットの巻線ユニットのうちのL3セットの巻線ユニットが加熱回路において動作することは、エネルギー変換装置の可逆PWM整流器102が制御信号に基づいてパワースイッチユニットを動作させる場合、外部電源100から出力された電流が可逆PWM整流器102を通ってL3セットの巻線ユニットを流れるようにすることを指し、L3セットの巻線ユニットは、モータロータの磁場配向に基づく1つの同期回転座標系に対応し、L3セットの巻線ユニットは、同時にL3個の合成電流ベクトルに対応し、L3が奇数であり、L3は、第2合成電流ベクトル及びL3-1個の合成電流ベクトルを含み、L3-1が偶数であり、
【数11】
対の合成電流ベクトルを形成でき、各対の合成電流ベクトルにおける2つの合成電流ベクトルの間の角度差が180°であり、かつ各対の合成電流ベクトルにおける2つの合成電流ベクトルの振幅が等しいため、合成電流ベクトルは、振幅の大きさが等しいが、方向が反対であり、すなわち角度差が180°である合成電流ベクトルの和は、0であり、さらに、
【数12】
対の合成電流ベクトルの、モータロータの磁場配向に基づく同期回転座標系の横軸上の成分を互いに相殺することができ、第2合成電流ベクトルは、同期回転座標系の直軸に位置し、少なくとも2セットの巻線ユニットの、モータロータの磁場配向に基づく同期回転座標系における合成電流ベクトルの横軸上のベクトル和がゼロであることを実現し、エネルギー変換装置におけるモータがトルクを出力しないことをさらに実現する。
【0031】
各合成電流ベクトルと同期回転座標系の直軸との角度について、1つの実施形態として、Lセットの巻線ユニットにおける各セットの巻線ユニットの合成電流ベクトルの同期回転座標系の直軸に対する角度は、一定値である。
【0032】
各セットの巻線ユニットの合成電流ベクトルの同期回転座標系の直軸に対する角度は、一定値であり、Lセットの巻線ユニットにおける各セットの巻線ユニットの合成電流ベクトルは、複数対の合成電流ベクトルに分割することができ、各対の合成電流ベクトルは、同期回転座標系の直軸又は原点に対して対称であるため、1対の合成電流ベクトルのうちの一方の合成電流ベクトルの同期回転座標系の直軸に対する角度が取得されると、他方の合成電流ベクトルの同期回転座標系の直軸に対する角度を取得し、各合成電流ベクトルの直軸と横軸のそれぞれにおける成分をさらに取得することができ、各対の合成電流ベクトルの、モータロータの磁場配向に基づく同期回転座標系の直軸及び横軸上の成分を互いに相殺することができるため、少なくとも2セットの巻線ユニットの、モータロータの磁場配向に基づく同期回転座標系における合成電流ベクトルの横軸上のベクトル和がゼロであることを実現する。
【0033】
各合成電流ベクトルと同期回転座標系の直軸との角度について、別の実施形態として、Lセットの巻線ユニットにおける各セットの巻線ユニットの合成電流ベクトルの同期回転座標系の直軸に対する角度は、変化値である。
【0034】
Lセットの巻線ユニットにおける各セットの巻線ユニットの合成電流ベクトルの同期回転座標系の直軸に対する角度は、予め設定された規則に従って変化してよく、角度変化式を設定することにより、角度を一定の範囲内で変化させ、例えば、0度~360度内で変化させることができる。
【0035】
本実施形態は、上記実施形態と比較すると、各セットの巻線ユニットの合成電流ベクトルの同期回転座標系の直軸に対する角度が変化値であるように制御することにより、各セットの巻線ユニットにおける各相コイル上の電流を変化値として調整することを実現でき、各相コイルから放散される熱を調整するとともに、可逆PWM整流器102の各相ブリッジアームにおける上下ブリッジアームのパワースイッチユニットを流れる電流のバランスをとり、各相ブリッジアームにおけるパワースイッチユニットの耐用年数を延長する。
【0036】
1つの実施形態として、各対の合成電流ベクトルが同期回転座標系の直軸に対して対称である場合、Lセットの巻線ユニットのうちの少なくとも1対の巻線ユニットの合成電流ベクトルの同期回転座標系の直軸に対する角度は、変化値であり、1対の合成電流ベクトルのうちの一方の合成電流ベクトルの同期回転座標系の直軸に対する角度は、θL/2-1=2πf1t+θL/2-0であり、他方の合成電流ベクトルの同期回転座標系の直軸に対する角度は、θL/2-2=-θL/2-1であり、ここで、f1は、合成電流ベクトルの同期回転座標系の直軸に対する角度の変化周波数であり、θL/2-0は、該1対の合成電流ベクトルのうちの一方の同期回転座標系の直軸に対する角度の初期角度であり、tは、時間である。
【0037】
1つの実施形態として、各対の合成電流ベクトルにおける2つの合成電流ベクトルの間の角度差が180°である場合、Lセットの巻線ユニットのうちの少なくとも1対の巻線ユニットの合成電流ベクトルの同期回転座標系の直軸に対する角度は、変化値であり、1対の合成電流ベクトルのうちの一方の合成電流ベクトルの同期回転座標系の直軸に対する角度は、θL/2-1=2πf1t+θL/2-0であり、他方の合成電流ベクトルの同期回転座標系の直軸に対する角度は、θL/2-2=2πf1t+180+θL/2-0であり、f1は、合成電流ベクトルの同期回転座標系の直軸に対する角度の変化周波数であり、θL/2-0は、該1対の合成電流ベクトルのうちの一方の同期回転座標系の直軸に対する角度の初期角度であり、tは、時間である。
【0038】
上記2つの実施形態において、1対の巻線ユニットにおける2つの巻線ユニットの間の角度が一定値であるため、一方の巻線ユニットの合成電流ベクトルと同期回転座標系の直軸正方向との角度が変化値である場合、他方の巻線ユニットの合成電流ベクトルと同期回転座標系の直軸正方向との角度も変化値であることにより、各巻線ユニットの合成電流ベクトルは、予め設定された方向に応じて回転し、各巻線ユニットにおける各相コイルの電流は、正弦波状に変化し、振幅が一致し、各巻線ユニットにおける各相コイルの発熱が一致することにより、各セットの巻線ユニットの発熱が完全に均一であり、モータ巻線及び各永久磁石の温度が均一であり、一部の低性能磁性材料のモータのモータ巻線及び各永久磁石の加熱温度が不均一であることを回避し、モータの永久磁石が減磁しやすいという課題をさらに回避することができる。
【0039】
また、変化周波数を調整し、電池の異なる周波数でのインピーダンスが異なり、インピーダンスが大きいほど発熱が大きくなることを利用することにより、外部電源が電池である場合、電池自体の発熱を増大させることができる。電池の異なる温度での加熱パワー要件に応じて、適切な振幅及び電気角度の変化周波数を選択し、システムの調整及び応答を容易にする。
【0040】
合成電流ベクトルの振幅について、1つの実施形態として、L1個の合成電流ベクトルの同期回転座標系の直軸に対する角度は、一定値であり、L1個の合成電流ベクトルの振幅が等しい。
【0041】
各合成電流ベクトルの振幅を一定値として設定することにより、L1個の合成電流ベクトルの振幅の直軸及び横軸上の成分を互いに相殺することを実現することができる。
【0042】
合成電流ベクトルの振幅について、別の実施形態として、各セットの合成電流ベクトルの同期回転座標系の直軸に対する角度は、一定値であり、少なくとも1対の合成電流ベクトルの振幅は、等しく、変化値であり、少なくとも1対の合成電流ベクトルの振幅は、
【数13】
であり、ここで、f
2は、電流ベクトルの振幅の変化周波数であり、
【数14】
は、合成電流ベクトルの最大振幅である。
【0043】
本実施形態は、前の実施形態と比較すると、合成電流ベクトルの振幅を、正弦波状に変化するように調整することにより、PWM整流器における上下ブリッジアームのパワー素子(ダイオードを含む)を流れる電流のバランスをとり、パワー素子の耐用年数を均一にすることができ、各相巻線の電流の合成電流ベクトルの振幅が完全に同じではないが、各相電流の正弦波状に変化する信号により、各セットの巻線の各相巻線は、より均一に熱を受けることができ、合成電流ベクトルの振幅の変化周波数f2を調整することにより、変化周波数f2を、システムのキャリア周波数よりも小さく、すなわちPWM整流器のスイッチング周波数よりも小さいように制限し、電池の異なる周波数でのインピーダンスが異なり、インピーダンスが大きいほど発熱が大きくなることを利用することにより、電池の発熱を増大させることができる。
【0044】
1つの実施形態として、エネルギー変換装置は、可逆PWM整流器102に接続されたコントローラを含み、コントローラは、
外部制御信号に基づいて、モータコイル103により発生する必要がある目標加熱パワーを取得し、
目標加熱パワーに基づいて、各セットの巻線ユニットの目標合成電流ベクトルを取得し、
目標合成電流ベクトルに基づいて、各セットの巻線ユニットの、同期回転座標系の直軸と横軸のそれぞれにおける目標直軸電流と目標横軸電流を取得し、
各セットの巻線ユニットの、同期回転座標系の直軸と横軸のそれぞれにおける実際の直軸電流と実際の横軸電流を取得し、かつ目標横軸電流、目標直軸電流、実際の横軸電流及び実際の直軸電流に基づいて、各セットの巻線ユニットに接続された可逆PWM整流器102のブリッジアームのデューティ比を取得する。
【0045】
目標加熱パワーに基づいて、各セットの巻線ユニットの目標合成電流ベクトルを取得することは、
以下の式に基づいて各セットの巻線ユニットの目標合成電流ベクトルを取得することを含み、
【数15】
ここで、Pは、目標加熱パワーであり、R
sは、加熱回路において動作する第nセットの巻線ユニットの各相巻線の相抵抗であり、i*
snは、第nセットの巻線ユニットの直軸と横軸上の電流の合成電流ベクトルであり、mは、可逆PWM整流器102のブリッジアームの相数である。
【0046】
目標加熱パワー及び上記式に基づいて、各セットの巻線ユニットの目標合成電流ベクトルの振幅を取得し、各セットの巻線ユニットの目標合成電流ベクトルの振幅及び電気角度に基づいて、各セットの巻線ユニットの、同期回転座標系の直軸と横軸のそれぞれにおける目標直軸電流と目標横軸電流を取得し、次に、各セットの巻線ユニットのサンプリング電流値及びロータの電気角度に基づいて、各セットの巻線ユニットの実際の横軸電流及び実際の直軸電流を取得し、次に、各セットの巻線ユニットの実際の横軸電流及び目標横軸電流に対して閉ループ制御を行って第1目標電圧差を得て、各セットの巻線ユニットの実際の直軸電流及び目標直軸電流に対して閉ループ制御を行って第2目標電圧差を得て、さらに、第1目標電圧差及び第2目標電圧差に対して逆Park変換を行い、空間ベクトルパルス幅変調アルゴリズム(SVPWM)に伝送して、可逆PWM整流器102のm相ブリッジアームのデューティ比を得る。
【0047】
本実施形態では、コントローラにより可逆PWM整流器102にm相ブリッジアームのデューティ比を出力することにより、外部電源からモータコイル103の巻線ユニットへ出力される電流がモータコイル103における少なくとも2セットの巻線ユニットを流れるように制御して、目標加熱パワーを出力することを実現することができる。
【0048】
1つの実施形態として、本実施形態では、外部電源が動力電池101である場合、動力電池101は、エネルギー変換装置に電流を出力して、モータコイル103に目標加熱パワーを出力させる。
【0049】
動力電池101、可逆PWM整流器102及びモータコイル103における巻線ユニットは、少なくとも2セットの加熱回路を形成する。
【0050】
図6に示すように、可逆PWM整流器102は、1組のM
1個のブリッジアームを含み、M
1個のブリッジアームは、第1合流端及び第2合流端を形成し、動力電池101の正極端子と負極端子は、それぞれ第1合流端と第2合流端に接続され、モータコイル103は、第1巻線ユニット131及び第2巻線ユニット132を含み、
第1巻線ユニット131は、1セットのm
1相巻線を含み、m
1相巻線における各相巻線は、n
1個のコイル分岐回路を含み、各相巻線のn
1個のコイル分岐回路が共通接続されて1つの相端点を形成し、m
1相巻線の相端点は、M
1個のブリッジアームのうちのm
1個のブリッジアームの各ブリッジアームの中間点に一対一に対応して接続され、m
1相巻線における各相巻線のn
1個のコイル分岐回路のうちの1つのコイル分岐回路は、さらに、n
1個の接続点を形成するように、それぞれ他の相の巻線のn
1個のコイル分岐回路のうちの1つのコイル分岐回路に接続され、ここで、m
1≧2で、n
1≧1であり、n
1及びm
1は、いずれも整数であり、
第2巻線ユニット132は、1セットのm
2相巻線を含み、m
2相巻線における各相巻線は、n
2個のコイル分岐回路を含み、各相巻線のn
2個のコイル分岐回路が共通接続されて1つの相端点を形成し、m
2相巻線の相端点は、M
1個のブリッジアームのうちのm
2個のブリッジアームの各ブリッジアームの中間点に一対一に対応して接続され、m
2相巻線における各相巻線のn
2個のコイル分岐回路のうちの1つのコイル分岐回路は、さらに、n
2個の接続点を形成するように、さらにそれぞれ他の相の巻線のn
2個のコイル分岐回路のうちの1つのコイル分岐回路に接続され、ここで、m
2≧2で、M
1≧m
1+m
2で
、n
2≧1であり、n
2、m
2及びM
1は、いずれも整数であり、
動力電池101、可逆PWM整流器102及び第1巻線ユニット131は、第1加熱回路を形成し、動力電池101、可逆PWM整流器102及び第2巻線ユニット132は、第2加熱回路を形成する。
【0051】
本実施形態では、外部制御信号に基づいて可逆PWM整流器102を制御することにより、動力電池101から出力された電流は、第1巻線ユニット131及び第2巻線ユニット132を流れて熱を発生し、第1巻線ユニット131と第2巻線ユニット132の、モータロータの磁場配向に基づく同期回転座標系における合成電流ベクトルの横軸上のベクトル和は、ゼロとなり、これにより、エネルギー変換装置は、熱を発生するが、トルクを出力せず、2セットの巻線ユニットを加熱に用いることにより、大きな加熱パワーを実現できるとともに、各セットの巻線の発熱パワーは、1セットの巻線ユニットのみを用いて加熱するときのパワーよりも小さく、耐用年数を延長することができる。
【0052】
別の実施形態として、外部直流充放電ポート、モータコイル103における巻線ユニット及び可逆PWM整流器102は、少なくとも2セットの加熱回路を形成し、外部直流充放電ポートは、モータコイル103から引き出された少なくとも1本の中性線に接続され、
外部電源100は、直流給電デバイスであり、直流給電デバイスは、外部直流充放電ポートに接続され、
可逆PWM整流器102は、1組のM
1個のブリッジアームを含み、モータコイル103は、第1巻線ユニット131及び第2巻線ユニット132を含み、
図6に示すように、第1巻線ユニット131は、1セットのm
1相巻線を含み、m
1相巻線における各相巻線は、n
1個のコイル分岐回路を含み、各相巻線のn
1個のコイル分岐回路が共通接続されて1つの相端点を形成し、m
1相巻線の相端点は、M
1個のブリッジアームのうちのm
1個のブリッジアームの各ブリッジアームの中間点に一対一に対応して接続され、m
1相巻線における各相巻線のn
1個のコイル分岐回路のうちの1つのコイル分岐回路は、さらに、n
1個の接続点を形成するように、それぞれ他の相の巻線のn
1個のコイル分岐回路のうちの1つのコイル分岐回路に接続され、n
1個の接続点は、T
1個の中性点を形成し、T
1個の中性点から第1中性線が引き出され、T
1個の中性点からJ
1本の中性線が引き出され、ここで、n
1≧T
1≧1で、T
1≧J
1≧1で、m
1≧2であり、n
1、m
1、T
1及びJ
1は、いずれも正整数であり、
第2巻線ユニット132は、1セットのm
2相巻線を含み、m
2相巻線における各相巻線は、n
2個のコイル分岐回路を含み、各相巻線のn
2個のコイル分岐回路が共通接続されて1つの相端点を形成し、m
2相巻線の相端点は、M
1個のブリッジアームのうちのm
2個のブリッジアームの各ブリッジアームの中間点に一対一に対応して接続され、m
2相巻線における各相巻線のn
2個のコイル分岐回路のうちの1つのコイル分岐回路は、さらに、n
2個の接続点を形成するように、それぞれ他の相の巻線のn
2個のコイル分岐回路のうちの1つのコイル分岐回路に接続され、n
2個の接続点は、T
2個の中性点を形成し、T
2個の中性点から第2中性線が引き出され、T
2個の中性点からJ
2本の中性線が引き出され、ここで、n
2≧T
2≧1で、T
2≧J
2≧1で、m
2≧2で、M≧m
1+m
2であり、n
2、m
2、T
2及びJ
2は、いずれも正整数であり、
直流給電デバイス、第1巻線ユニット131及び可逆PWM整流器102は、第3加熱回路を形成し、直流給電デバイス、第2巻線ユニット132及び可逆PWM整流器102は、第4加熱回路を形成する。
【0053】
本実施形態では、外部制御信号に基づいて可逆PWM整流器102を制御することにより、直流給電デバイスから出力された電流は、第1巻線ユニット131及び第2巻線ユニット132を流れて熱を発生し、第1巻線ユニット131と第2巻線ユニット132の、モータロータの磁場配向に基づく同期回転座標系における合成電流ベクトルの横軸上のベクトル和は、ゼロとなり、これにより、エネルギー変換装置は、熱を発生するが、トルクを出力せず、加熱対象電池の残量が不足する場合、外部直流充放電ポートに接続された直流給電デバイスにより電力を供給することができる。
【0054】
別の実施形態として、本実施形態は、動力電池101がエネルギー変換装置に電流を出力することにより、モータコイル103が熱を発生するとともに、直流給電デバイスがエネルギー変換装置により動力電池101を充電することを実現する。
【0055】
外部電源100は、動力電池101及び直流給電デバイスであり、動力電池101は、可逆PWM整流器102に接続され、外部直流充放電ポートは、モータコイル103から引き出された少なくとも1本の中性線に接続され、直流給電デバイスは、外部直流充放電ポートに接続され、
動力電池101、可逆PWM整流器102及びモータコイル103における巻線ユニットは、少なくとも2セットの加熱回路を形成し、直流給電デバイス、モータコイル103、可逆PWM整流器102及び動力電池101は、充電回路を形成し、
あるいは、外部電源100は、動力電池101であり、動力電池101は、可逆PWM整流器102に接続され、外部直流充放電ポート140は、モータコイル103から引き出された少なくとも1本の中性線に接続され、外部直流充放電ポート140は、直流電気デバイスに接続され、
動力電池101、可逆PWM整流器102及びモータコイル103における巻線ユニットは、少なくとも2セットの加熱回路を形成し、動力電池101、可逆PWM整流器102、モータコイル103及び直流電気デバイスは、放電回路を形成し、
コントローラは、さらに、
モータコイル103により発生する必要がある目標加熱パワーと動力電池101の目標充電パワー又は目標放電パワーとを取得し、
目標充電パワー又は目標放電パワーに基づいて、各セットの巻線ユニットの目標充電電流又は目標放電電流を取得し、目標充電電流又は目標放電電流に基づいて、各セットの巻線ユニットにより発生する第1加熱パワーを取得し、
目標加熱パワーと各セットの巻線ユニットにより発生する第1加熱パワーとに基づいて、各セットの巻線ユニットにより発生する第2加熱パワーを取得し、
第2加熱パワーに基づいて、各セットの巻線ユニットの目標合成電流ベクトルを取得し、目標合成電流ベクトルに基づいて、各セットの巻線ユニットの、同期回転座標系の直軸と横軸のそれぞれにおける目標直軸電流と目標横軸電流を取得し、
各セットの巻線ユニットのサンプリング電流値に基づいて、各セットの巻線ユニットの、同期回転座標系の直軸と横軸のそれぞれにおける実際の直軸電流と実際の横軸電流、ならびに零軸電流を取得し、目標横軸電流、目標直軸電流、実際の横軸電流及び実際の直軸電流に基づいて、各セットの巻線ユニットに接続された可逆PWM整流器102のブリッジアームの第1デューティ比(D11、D12…D1m)を取得し、
目標充電電流又は目標放電電流と零軸電流に基づいて、各セットの巻線ユニットに接続された可逆PWM整流器102のブリッジアームのデューティ比調整値(D0)を取得し、
第1デューティ比及びデューティ比調整値に基づいて、各セットの巻線ユニットに接続された可逆PWM整流器102の各相ブリッジアームのデューティ比(D1、D2…Dm)を取得する。
【0056】
第xセットの巻線ユニットにより発生する第1加熱パワーは、
【数16】
であり、第xセットの上記巻線ユニットにより発生する第2加熱パワーは、
【数17】
であり、ここで、m
xは、第xセットの上記巻線ユニットの巻線相数を表し、i*
0xは、第xセットの上記巻線ユニットにおける各相巻線を流れる電流により上記零軸に形成された目標電流ベクトルを表し、Rs
0xは、上記第xセットの巻線ユニットにおける、中性線に接続された各相コイル分岐回路の相抵抗を表し、i*
sxは、第xセットの巻線ユニットの直軸と横軸上の電流の合成電流ベクトルを表し、Rs
xは、上記第xセットの巻線ユニットにおける各相巻線分岐回路の相抵抗を表す。
【0057】
目標充電パワーに基づいて、各セットの巻線ユニットの目標充電電流を取得することにより、各セットの巻線ユニットを流れる電流を同じにすることができ、目標充電電流に基づいて、各セットの巻線ユニットにより発生する第1加熱パワーを取得し、第1加熱パワーと第2加熱パワーとの和が目標加熱パワーであるため、各セットの巻線ユニットにより発生する第1加熱パワーを目標加熱パワーから減算することにより、各セットの巻線ユニットにより発生する第2加熱パワーを取得し、
第2加熱パワーに基づいて、各セットの巻線ユニットの目標合成電流ベクトルを取得することは、
以下の式に基づいて各セットの巻線ユニットの目標合成電流ベクトルを取得することを含み、
【数18】
ここで、Pは、目標加熱パワーであり、R
sは、加熱回路において動作する第nセットの巻線ユニットの各相巻線の相抵抗であり、i
snは、第nセットの巻線ユニットの直軸と横軸上の電流の合成電流ベクトルであり、mは、可逆PWM整流器102のブリッジアームの相数である。
【0058】
第2加熱パワー及び上記式に基づいて、各セットの巻線ユニットの目標合成電流ベクトルの振幅を取得し、各セットの巻線ユニットの目標合成電流ベクトルの振幅及び電気角度に基づいて、各セットの巻線ユニットの、同期回転座標系の直軸と横軸のそれぞれにおける目標直軸電流と目標横軸電流を取得し、次に各セットの巻線ユニットのサンプリング電流値及びロータの電気角度に基づいて、各セットの巻線ユニットの実際の横軸電流及び実際の直軸電流を取得し、次に、各セットの巻線ユニットの実際の横軸電流と目標横軸電流との差の演算を行ってから、PID(比例積分微分)演算を行って第1目標電圧差を得て、各セットの巻線ユニットの実際の直軸電流と目標直軸電流との差の演算を行ってから、PID(比例積分微分)演算を行って第2目標電圧差を得て、さらに、第1目標電圧差及び第2目標電圧差に対して逆Park変換を行い、空間ベクトルパルス幅変調アルゴリズム(SVPWM)に伝送して、可逆PWM整流器102のm相ブリッジアームの第1デューティ比を得て、目標合成電流ベクトル及びモータの相数に基づいて、各セットの巻線ユニットの目標電流値を計算し、
各セットの巻線ユニットの目標充電電流又は目標放電電流と
【数19】
に対して乗算演算を行ってから、零軸電流とのベクトル演算を行い、その後PID(比例積分微分)演算を行って、各セットの巻線ユニットに接続された可逆PWM整流器のブリッジアームのデューティ比調整値を得て、第1デューティ比及びデューティ比調整値に基づいて、各セットの巻線ユニットに接続された上記可逆PWM整流器の各相ブリッジアームのデューティ比を取得し、具体的には、D1=D
11+D0、D2=D
12+D0…Dm=D
1m+D0という式に基づいて各相ブリッジアームのデューティ比を取得する。
【0059】
本実施形態では、コントローラにより可逆PWM整流器102に総デューティ比を出力することにより、動力電池101からモータコイル103の巻線ユニットへ出力される電流がモータコイル103における少なくとも2セットの巻線ユニットを流れるように制御して目標加熱パワーを出力することを実現するとともに、直流給電デバイスがエネルギー変換装置により動力電池101を充電することを実現することができる。
【0060】
本実施形態の技術的効果は以下のとおりである。エネルギー変換装置にモータコイル103及び可逆PWM整流器102を設置し、動力電池101及び直流給電デバイスと共に充電回路を形成することにより、可逆PWM整流器102の動作状態を制御し、さらに直流給電デバイス及び動力電池101から充電回路に流れる電流を調整するだけで、動力電池101を充電するとともにモータコイル103を加熱することを実現し、同じシステムを用いて電池を充電し、かつモータコイル103に電力を消費させて熱を発生させることをさらに実現することができ、部品の多重化の程度が高く、システムの集積度が高く、構造が簡単であることにより、システムのコストを削減し、システムの体積を低減する。
【0061】
1つの実施形態として、エネルギー変換装置は、バスキャパシタC1をさらに含み、モータコイル103は、第1巻線ユニット131及び第2巻線ユニット132を含み、バスキャパシタ、可逆PWM整流器102及び第1巻線ユニット131は、第5加熱回路を形成し、バスキャパシタ、可逆PWM整流器102及び第2巻線ユニット132は、第6加熱回路を形成し、外部直流充放電ポートは、エネルギー変換装置により動力電池101と共に充電回路又は放電回路を形成し、外部電源100が動力電池101及び直流給電デバイスである場合、可逆PWM整流器102は、第1合流端及び第2合流端をさらに含み、外部直流充放電ポートの第1端は、モータコイル103から引き出された少なくとも2本の中性線に接続され、外部直流充放電ポートの第2端は、第2合流端に接続され、動力電池101の正極端子は、第1合流端に接続され、動力電池101の負極端子は、第2合流端に接続され、外部直流充放電ポートは、直流給電デバイスに接続され、外部電源100が動力電池101及び直流電気デバイスである場合については、説明を省略する。
【0062】
本実施形態では、バスキャパシタC1及び可逆PWM整流器102を多重化することにより、それぞれ第1巻線ユニット131と第2巻線ユニット132と共に第5加熱回路と第6加熱回路を形成してよく、バスキャパシタにより電気を取り出して第5加熱回路及び第6加熱回路を加熱する。
【0063】
本実施形態では、直流給電デバイス、第1巻線ユニット131、可逆PWM整流器102及び動力電池101は、第1充電回路を形成し、直流給電デバイス、第2巻線ユニット132、可逆PWM整流器102及び動力電池101は、第2充電回路を形成し、エネルギー変換装置は、外部制御信号に基づいて、第1充電回路、第1加熱回路及び第2加熱回路を同時に動作させるか又は第2充電回路、第1加熱回路及び第2加熱回路を同時に動作させる。
【0064】
1つの接続方式として、外部の第1直流充放電ポート104は、エネルギー変換装置により動力電池101と共に第1充電回路又は第1放電回路を形成し、外部の第2直流充放電ポート105は、エネルギー変換装置により動力電池101と共に第2充電回路又は第2放電回路を形成し、可逆PWM整流器102は、第1合流端及び第2合流端をさらに含み、外部の第1直流充放電ポート104の第1端は、モータコイル103の第1巻線ユニット131の第1中性線に接続され、外部の第2直流充放電ポート105の第1端は、モータコイル103の第2巻線ユニット132の第2中性線に接続され、外部の第1直流充放電ポート104の第2端及び外部の第2直流充放電ポート105の第2端は、第2合流端に接続され、動力電池101の正極端子は、第1合流端に接続され、動力電池101の負極端子は、第2合流端に接続される。本実施形態では、2つの外部直流充放電ポートを設置することにより、2セットの巻線ユニットをそれぞれ2つの直流充放電ポートに接続して、充電回路又は放電回路を形成することができ、また、2つの外部直流充放電ポートから出力された電流は、対応して接続された巻線ユニットを同時に流れて、より大きな加熱パワーを実現する。
【0065】
別の実施形態として、外部の第3直流充放電ポート110をさらに含み、外部の第3直流充放電ポート110、可逆PWM整流器102及びモータコイル103における巻線ユニットは、少なくとも2セットの加熱回路を形成し、外部の第3直流充放電ポート110は、可逆PWM整流器102の両端に接続される。
【0066】
外部の第3直流充放電ポート110は、上記可逆PWM整流器102の第1合流端及び第2合流端に接続され、外部の第3直流充放電ポート110、可逆PWM整流器102及び第1巻線ユニット131は、第1加熱回路を形成し、外部の第3直流充放電ポート110、可逆PWM整流器102及び第2巻線ユニット132は、第2加熱回路を形成する。
【0067】
本実施形態では、外部制御信号に基づいて可逆PWM整流器102を制御することにより、外部の第3直流充放電ポート110から出力された電流は、第1巻線ユニット131及び第2巻線ユニット132を流れて熱を発生し、第1巻線ユニット131と第2巻線ユニット132の同期回転座標系の横軸上の合成電流ベクトル和は、ゼロとなり、これにより、エネルギー変換装置は、熱を発生するが、トルクを出力しない。
【0068】
図7は、本実施形態に係るエネルギー変換装置の回路図であり、m
1=m
2=3、M
1=6及びn
1=n
2=2を例として、エネルギー変換装置は、可逆PWM整流器102及びモータコイル103を含み、第1スイッチモジュール106及びキャパシタC1をさらに含み、第1スイッチモジュール106は、スイッチK3、スイッチK4、抵抗R及びスイッチK5を含み、動力電池101の正極は、スイッチK3の第1端及びスイッチK4の第1端に接続され、スイッチK4の第2端は、抵抗Rの第1端に接続され、スイッチK3の第2端及び抵抗Rの第2端は、キャパシタC1の第1端に接続され、電池の負極は、スイッチK5の第1端に接続され、スイッチK5の第2端は、キャパシタC1の第2端に接続され、可逆PWM整流器102は、6相ブリッジアームを含み、第1相ブリッジアームは、直列接続された第1パワースイッチユニット及び第2パワースイッチユニットを含み、第2相ブリッジアームは、直列接続された第3パワースイッチユニット及び第4パワースイッチユニットを含み、第3相ブリッジアームは、直列接続された第5パワースイッチユニット及び第6パワースイッチユニットを含み、第4相ブリッジアームは、直列接続された第7パワースイッチユニット及び第8パワースイッチユニットを含み、第5相ブリッジアームは、直列接続された第9パワースイッチユニット及び第10パワースイッチユニットを含み、第6相ブリッジアームは、直列接続された第11パワースイッチユニット及び第12パワースイッチユニットを含み、第1パワースイッチユニットの入力端、第3パワースイッチユニットの入力端、第5パワースイッチユニットの入力端、第7パワースイッチユニットの入力端、第9パワースイッチユニットの入力端及び第11パワースイッチユニットの入力端は、キャパシタC1の第1端に共通接続されて、第1合流端を形成し、第2パワースイッチユニットの出力端、第4パワースイッチユニットの出力端、第6パワースイッチユニットの出力端、第8パワースイッチユニットの出力端、第10パワースイッチユニット及び第12パワースイッチユニットの出力端は、キャパシタC1の第2端に共通接続されて、第2合流端を形成し、第1パワースイッチユニットは、第1上ブリッジアームVT1及び第1上ブリッジダイオードVD1を含み、第2パワースイッチユニットは、第2下ブリッジアームVT2及び第2下ブリッジダイオードVD2を含み、第3パワースイッチユニットは、第3上ブリッジアームVT3及び第3上ブリッジダイオードVD3を含み、第4パワースイッチユニットは、第4下ブリッジアームVT4及び第4下ブリッジダイオードVD4を含み、第5パワースイッチユニットは、第5上ブリッジアームVT5及び第5上ブリッジダイオードVD5を含み、第6パワースイッチユニットは、第6下ブリッジアームVT6及び第6下ブリッジダイオードVD6を含み、第7パワースイッチユニットは、第7上ブリッジアームVT7及び第7上ブリッジダイオードVD7を含み、第8パワースイッチユニットは、第8下ブリッジアームVT8及び第8下ブリッジダイオードVD8を含み、第9パワースイッチユニットは、第9上ブリッジアームVT9及び第9上ブリッジダイオードVD9を含み、第10パワースイッチユニットは、第10下ブリッジアームVT10及び第10下ブリッジダイオードVD10を含み、第11パワースイッチユニットは、第11上ブリッジアームVT11及び第11上ブリッジダイオードVD11を含み、第12パワースイッチユニットは、第12下ブリッジアームVT12及び第12下ブリッジダイオードVD12を含み、第1巻線ユニット131は、1セットの3相巻線を含み、各相巻線は、2つのコイルを含み、第1相コイルにおけるコイルU1及びコイルU2は、第4相ブリッジアームの中間点Uに共通接続され、第2相コイルにおけるコイルV1及びコイルV2は、第5相ブリッジアームの中間点Vに共通接続され、第3相コイルにおけるコイルW1及びコイルW2は、第6相ブリッジアームの中間点Wに共通接続され、コイルU2、コイルV2及びコイルW2が共通接続されて第1接続点n1を形成し、第1接続点n1は、第1独立中性点を形成し、第1独立中性点から第1中性線が引き出され、コイルU1、コイルV1及びコイルW1が共通接続されて第2接続点n2を形成し、第2接続点n2は、第2独立中性点を形成し、第2巻線ユニット132は、1セットの3相巻線を含み、各相巻線は、2つのコイル分岐回路を含み、第1相コイルにおけるコイルA1及びコイルA2は、第1相ブリッジアームの中間点Aに共通接続され、第2相コイルにおけるコイルB1及びコイルB2は、第2相ブリッジアームの中間点Bに共通接続され、第3相コイルにおけるコイルC1及びコイルC2は、第3相ブリッジアームの中間点Cに共通接続され、コイルA1、コイルB1及びコイルC1が共通接続されて第4接続点n4を形成し、コイルA2、コイルB2及びコイルC2が共通接続されて第3接続点n3を形成し、第3接続点n3は、第3独立中性点を形成し、第3独立中性点から第2中性線が引き出され、エネルギー変換モジュールは、スイッチK1、スイッチK2、第2スイッチモジュール107及び第3スイッチモジュール108をさらに含み、第2スイッチモジュール107は、スイッチK6、スイッチK7及びキャパシタC2を含み、第3スイッチモジュール108は、スイッチK10、スイッチK11及びキャパシタC3を含み、外部の第1直流充放電ポート104の第1端と第2端は、それぞれスイッチK6の第2端とスイッチK7の第2端に接続され、スイッチK6の第1端は、スイッチK1の第2端及びキャパシタC2の第1端に接続され、スイッチK1の第1端は、第1中性線に接続され、スイッチK7の第1端は、キャパシタC2の第2端及び可逆PWM整流器102の第2合流端に接続され、第2中性線は、スイッチK2の第1端に接続され、スイッチK2の第2端は、キャパシタC3の第1端及びスイッチK10の第1端に接続され、スイッチK10の第2端は、第2直流充放電ポート105の第1端に接続され、キャパシタC3の第2端は、スイッチK11の第1端及び第2合流端に接続され、スイッチK11の第2端は、第2直流充放電ポート105の第2端に接続される。
【0069】
本実施形態では、第1直流充放電ポート104と第2直流充放電ポート105をそれぞれ第1中性線と第2中性線に接続するように設置することにより、第1直流充放電ポート104、第1巻線ユニット131及び可逆PWM整流器102は、加熱回路を形成し、第2直流充放電ポート105、第2巻線ユニット132及び可逆PWM整流器102は、加熱回路を形成することができ、第1直流充放電ポート104及び第2直流充放電ポート105がエネルギー変換装置により動力電池101と共に充放電回路を形成することをさらに実現できる。
【0070】
図8に示すように、スイッチK8及びスイッチK9をさらに含む点で相違し、第3接続点n3は、中性点を形成し、そこから第1中性線が引き出され、第1中性線は、スイッチK1の第1端に接続され、外部の第1直流充放電ポート104の第1端と第2端は、それぞれスイッチK6の第2端とスイッチK7の第2端に接続され、スイッチK6の第1端は、スイッチK1の第2端及びキャパシタC2の第1端に接続され、スイッチK1の第1端は、第1中性線に接続され、スイッチK7の第2端は、キャパシタC2の第2端及び可逆PWM整流器102の第2合流端に接続され、外部の第3直流充放電ポート110の第1端は、スイッチK8の第1端に接続され、スイッチK8の第2端は、スイッチK3の第2端に接続され、外部の第3直流充放電ポートの第2端は、スイッチK9の第1端に接続され、スイッチK9の第2端は、スイッチK5の第2端に接続され、また、
図8は、
図8に第3スイッチモジュールが設置されていないという点でも
図7と相違する。
【0071】
本実施形態では、第3直流充放電ポート110を可逆PWM整流器102に接続するように設置することにより、動力電池101、可逆PWM整流器102及びモータコイル103における巻線ユニットが2セットの加熱回路を形成することを実現できるだけでなく、第3直流充放電ポート110、可逆PWM整流器102及びモータコイル103における巻線ユニットが2セットの加熱回路を形成することを実現できる。
【0072】
図9に示すように、第1巻線ユニット131及び第2巻線ユニット132におけるコイル分岐回路について、n1=n2=1である点で
図8と相違し、第1巻線ユニット131は、第1接続点n1を形成し、第2巻線ユニット132は、第2接続点n2を形成し、第1接続点n1と第2接続点n2が共通接続されて第1中性点を形成し、第1中性点から第1中性線が引き出され、第1中性線は、スイッチK1の第1端に接続され、外部の第1直流充放電ポート104の第1端と第2端は、それぞれスイッチK6の第2端とスイッチK7の第2端に接続され、スイッチK6の第1端は、スイッチK1の第2端及びキャパシタC2の第1端に接続され、スイッチK1の第1端は、第1中性線に接続され、スイッチK7の第1端は、キャパシタC2の第2端及び可逆PWM整流器102の第2合流端に接続される。
【0073】
本実施形態では、1つの第1直流充放電ポート104を第1中性線に接続するように設置することにより、1つの第1直流充放電ポート104を設置するだけで、第1直流充放電ポート104、モータコイル103における巻線ユニット及び可逆PWM整流器102が2セットの加熱回路を形成することを実現でき、該第1直流充放電ポート104は、エネルギー変換装置により動力電池101と共に充放電回路を形成する。
【0074】
図10に示すように、スイッチK8及びスイッチK9をさらに含むという点で
図7と相違し、外部の第3直流充放電ポート110の第1端は、スイッチK8の第1端に接続され、スイッチK8の第2端は、スイッチK3の第2端に接続され、外部の第3直流充放電ポート110の第2端は、スイッチK9の第1端に接続され、スイッチK9の第2端は、スイッチK5の第2端に接続される。
【0075】
本実施形態では、第1直流充放電ポート104、第2直流充放電ポート105及び第3直流充放電ポート110を設置することにより、第1直流充放電ポート104、第1巻線ユニット131及び可逆PWM整流器102が1セットの加熱回路を形成し、第2直流充放電ポート105、第2巻線ユニット132及び可逆PWM整流器102が1セットの加熱回路を形成し、第3直流充放電ポート110、可逆PWM整流器102及び第1巻線ユニット131が1セットの加熱回路を形成し、第3直流充放電ポート110、可逆PWM整流器102及び第2巻線ユニット132が1セットの加熱回路を形成することを実現でき、第1直流充放電ポート104と第2直流充放電ポート105がそれぞれエネルギー変換装置により動力電池101と共に充放電回路を形成することをさらに実現できる。
【0076】
以下、具体的な回路構造に対して本願の具体的な動作原理を説明する。
エネルギー変換装置が加熱のみに用いられる場合、充電電流が0に等しく、トルクが0に等しく、目標加熱パワーPを取得し、以下の式に基づいて各セットの巻線ユニットの目標合成電流ベクトルを計算する。
【数20】
ここで、Pは、目標加熱パワーであり、R
sは、加熱回路において動作する第nセットの巻線ユニットの各相巻線の相抵抗であり、i
snは、第nセットの巻線ユニットの直軸と横軸上の電流の合成電流ベクトルであり、mは、可逆PWM整流器102のブリッジアームの相数である。
【0077】
第nセットの巻線のベクトルi
*
snの振幅を|i
*
s|に制御し、i
*
snを、常に直軸にあるように設定し、すなわち
【数21】
であり、i
dは、常に0であるわけではなく、
【数22】
であるか又は値0付近の小さい値に等しいように設定し、i
*
dnの大きさを制御することにより加熱パワーを制御し、zは、モータ巻線のセット数であり、1≦n≦zである。
【0078】
【数23】
を設定し、すなわち各セットの巻線の加熱パワーを等分し、該設定方式の効果は、以下のとおりである。各セットの巻線の加熱パワーの大きさが等しく、異なる巻線の間のパワーバランスをとり、各セットの巻線がモータに均一に分布し、熱の分布が均一であり、あるセットの巻線が過熱する状況が発生せず、モータの各セットの巻線の耐用年数が均一であるが、各セットの巻線の各相巻線の電流の大きさが一致せず、各相巻線の発熱が完全に均一ではなく、各相の上下ブリッジアームのパワー素子のIGBT(又はMOSFEET又はSiC又は他の半導体スイッチ素子)と並列ダイオードの使用のバランスをとらない。モータが毎回異なる位置で停止するため、毎回の加熱において各相巻線の電流の大きさが一致せず、巻線も基本的にバランスよく使用され、巻線の耐用年数が均一である。この方法プログラムにおける加熱アルゴリズムフレームワークと駆動アルゴリズムフレームワークとが一致し、アルゴリズムの構造が簡単である。
【0079】
【数24】
を設定し、i
*
dnが常に直軸に、正半軸から負半軸まで、また負半軸から正半軸まで、正と負の間に均一に変化するか若しくは台形波の等しい振幅で正と負の間に交互に変化するように制御するか、又は
【数25】
を制御し、1≦n≦zであり、i
*
dnの実効値がi
*
dn/nであることを保証することにより、加熱パワーを一定に保つとともに、i
*
dnを一定の周波数で正弦法則に従って変化させ、異なるi
*
dnの間は、同じ位相角度で正弦波状に変化するか又は異なる位相角度で正弦波状に変化することができる。本実施形態の技術的効果は以下のとおりである。各セットの巻線の加熱パワーの大きさが等しく、異なる巻線の間のパワーバランスをとり、各セットの巻線がモータに均一に分布し、熱の分布が均一であり、あるセットの巻線が過熱する状況が発生せず、電気角度wtの変化が均一であるため、電流の各周期が均一に現れ、各相巻線の電流が完全に同じではないが、各相電流の正弦波状に変化する信号により、各セットの巻線の各相巻線は、より均一に熱を受けることができ、各相の上下ブリッジアームのパワー素子のIGBT(又はmosfeet又は他の半導体スイッチ素子)と並列ダイオードの使用のバランスをとり、各セットの巻線とパワー素子をバランスよく利用するという利点を有する。
【0080】
別の実施形態では、i
*
Snは、常に直軸にあるものではなく
【数26】
で、
【数27】
で、(i
dは、常に0であるわけではなく)、常にi
*
qn=0である。
【0081】
方法Aについて、モータの巻線ユニットtは、偶数セットであり、式1に基づいて、加熱パワーPからi
*
Sを計算し、
【数28】
であり、nセットの巻線のベクトルi
*
Snの振幅を|i
*
S|に制御し、nセットの巻線ユニットのうちの任意のn/2対の巻線ユニットの一方の合成電流ベクトルi
*
Smの角度をangleに制御し、他方の合成電流ベクトルi
*
Skの角度を-angleに制御し、i
*
Smとi
*
Sk は、大きさが等しいが、方向が反対であり、i
*
Smとi
*
Sk は、直軸に関して対称であり(m≠kであり、
図11に示すとおりであり、例えば、1≦m≦n/2、n/2+1≦k≦tであり)、全ての合成電流ベクトルの横軸上の合成電流ベクトル和が0であることを保証する。
【0082】
別の実施形態では、
図12に示すように、n/2対の巻線ユニットの一方の合成電流ベクトルi
*
Smの角度は、変化値であり、i
*
Smと直軸との角度angleを0度から180度まで均一に大きくした後に180度から0度まで均一に小さくするか又は0度から360度まで均一に大きくするように制御し、0度から360度まで均一に大きくする間、連続的で均一に変化するangle=wt=2πf
2tであり、f
2は、合成電流ベクトルの振幅の変化周波数である。
【0083】
本実施形態の技術的効果は以下のとおりである。(1)各セットの巻線における各相巻線の電流は、正弦波状に変化し、振幅が一致し、周波数がf2であり、各セットの巻線の発熱が一致し、各相巻線の発熱が一致し、各相巻線の発熱が完全に均一であり、モータ巻線及び各永久磁石の温度が均一である。上下ブリッジアームのパワー素子(ダイオードを含む)を流れる電流のバランスをとり、パワー素子の耐用年数を均一にすることができる。
【0084】
本特許技術は、モータの各相巻線を均一に発熱させ、モータ巻線及び各永久磁石の温度を均一にすることができることにより、一部の低性能磁性材料のモータのモータ巻線及び各永久磁石の加熱温度が不均一であるため、モータの永久磁石が減磁しやすいという課題を回避することができる。例えば、圧縮機のモータは、低温環境でモータの耐減磁能力が低下しやすく、特に圧縮機が低温環境で起動に失敗する場合、モータの永久磁石に非常に大きな減磁リスクが存在する。(2)周波数f2を調整し、電池の異なる周波数でのインピーダンスが異なり、インピーダンスが大きいほど発熱が大きくなることを利用して、電池の発熱を増大させ、電池の異なる温度に応じて、適切な周波数f2を選択するとともに、システムの調整と応答を容易にすることを両立する必要がある。
【0085】
方法Bについて、モータ巻線のセット数zは、奇数である。
第zセットの巻線のベクトルi*
Szの振幅をゼロに制御し、残りのn-1セットの巻線を偶数セットの巻線として制御し、i*
Snと直軸との夾角angleを任意に選択し、i*
dn 及びi*
qnを計算する。
【0086】
あるいは、第zセットの巻線のベクトルi*
Sz が直軸にあるように制御し、残りのn-1セットの巻線を偶数セットの巻線として制御し、i*
Snと直軸との夾角angleを任意に選択し、i*
dn及びi*
qnを計算する。
【0087】
本実施形態の技術的効果は以下のとおりである。第zセットの巻線i*
Szが加熱するように制御せず、実現方式が簡単であり、第zセットの巻線のベクトルi*
Sz の振幅をi*
dz =±|i*
S|に制御するか、又はベクトルi*
Sz の振幅を、直流バイアスが重畳された正弦波信号又は正弦波信号として制御し、i*
qn =0であり、残りを偶数セットの巻線として制御することにより、最大パワーで加熱することを実現し、各セットの巻線を均一に分布させ、総発熱も均一であることを実現することができる。
【0088】
以下、具体的な回路構造により本願の実施例の技術手段を具体的に説明する。
図13及び
図14に示すように、第1直流充放電ポート104が第1直流給電デバイスに接続され、第2直流充放電ポート105が第2直流給電デバイスに接続されることが検出された場合、第1直流給電デバイス及び第2直流給電デバイスは、同時にエネルギー変換装置に対して直流充電を行い、可逆PWM整流器102が動作するように同位相制御を行い、その実現過程は、以下のとおりである。
スイッチK4及びスイッチK5をオンにするように制御してキャパシタC1に対して予備充電を行い、スイッチK1、スイッチK2、スイッチK3、スイッチK6、スイッチK7、スイッチK10及びスイッチK11をオフに保持し、予備充電が完了した後にスイッチK3をオンにするように制御し、その後スイッチK4をオフにするように制御し、電池101のマネージャから送信された目標電圧範囲値を受信した後、スイッチK1及びK2をオンにするように制御し、キャパシタC2及びキャパシタC3に対して電圧制御を行い、設定電圧に達すると、スイッチK6、K7、K10及びK11をオンにするように制御し、キャパシタC2及びキャパシタC3上のサンプリング電圧Uが送信された目標値範囲内にあると判断した場合、第1直流給電デバイス及び第2直流給電デバイスが充電を正式に開始するように制御し、そうでない場合、全てのスイッチをオフにし、充電を停止させる。
【0089】
図13に示すように、第2下ブリッジアームVT2、第4下ブリッジアームVT4及び第6下ブリッジアームVT6をオンにし、第1上ブリッジアームVT1、第3上ブリッジアームVT3及び第5上ブリッジアームVT5をオフにするように制御するとともに、第7上ブリッジアームVT7、第9上ブリッジアームVT9及び第11上ブリッジアームVT11をオンにし、第8下ブリッジアームVT8、第10下ブリッジアームVT10及び第12下ブリッジアームVT12をオフにするように制御し、第1直流給電デバイス、スイッチK6、スイッチK1、第1巻線ユニット131、可逆PWM整流器102(第7上ブリッジダイオードVD7、第9上ブリッジダイオードVD9、第11上ブリッジダイオードVD11)、スイッチK3、動力電池101、スイッチK5及びスイッチK7は、第1直流充電/貯蔵エネルギー放出回路を構成し、それとともに、第2直流給電デバイス、スイッチK10、スイッチK2、第2巻線ユニット132、可逆PWM整流器102(第2下ブリッジアームVT2、第4下ブリッジアームVT4、第6下ブリッジアームVT6)及びスイッチK11は、第2直流充電/エネルギー貯蔵回路を構成し、エネルギー変換装置は、外部制御信号に基づいて、第1直流充電/貯蔵エネルギー放出回路と第2直流充電/エネルギー貯蔵回路を同時に動作させる。
【0090】
図14に示すように、第2下ブリッジアームVT2、第4下ブリッジアームVT4及び第6下ブリッジアームVT6をオフにし、第1上ブリッジアームVT1、第3上ブリッジアームVT3及び第5上ブリッジアームVT5をオンにするように制御するとともに、第7上ブリッジアームVT7、第9上ブリッジアームVT9及び第11上ブリッジアームVT11をオフにし、第8下ブリッジアームVT8、第10下ブリッジアームVT10及び第12下ブリッジアームVT12をオンにするように制御し、第1直流給電デバイス、スイッチK6、スイッチK1、第1巻線ユニット131、可逆PWM整流器102(第8下ブリッジアームVT8、第10下ブリッジアームVT10、第12下ブリッジアームVT12)及びスイッチK7は、第1直流充電/エネルギー貯蔵回路を構成するとともに、第2直流給電デバイス、スイッチK10、スイッチK2、第2巻線ユニット132、可逆PWM整流器102(第1上ブリッジダイオードVD1、第3上ブリッジダイオードVD3、第5上ブリッジダイオードVD5)、スイッチK3、電池101、スイッチK5及びスイッチK11は、第2直流充電/貯蔵エネルギー放出回路を構成し、エネルギー変換装置は、外部制御信号に基づいて、第2直流充電/貯蔵エネルギー放出回路と第1直流充電/エネルギー貯蔵回路を同時に動作させる。
【0091】
エネルギー変換装置は、外部制御信号に基づいて、第1直流充電/エネルギー貯蔵回路と第1直流充電/貯蔵エネルギー放出回路が交互に動作するように制御して、第1直流給電デバイスがエネルギー変換装置により電池を充電することを実現し、外部制御信号に基づいて、第2直流充電/エネルギー貯蔵回路と第2直流充電/貯蔵エネルギー放出回路が交互に動作するように制御して、第2給電デバイスがエネルギー変換装置により電池を充電することを実現し、位相ずれ制御により、第1直流充電/貯蔵エネルギー放出回路と第2直流充電/エネルギー貯蔵回路を同時に動作させ、第2直流充電/貯蔵エネルギー放出回路と第1直流充電/エネルギー貯蔵回路を同時に動作させて、さらに第1直流給電デバイスと第2直流給電デバイスが同時にエネルギー変換装置により動力電池101を充電することを実現する。
【0092】
図15及び
図16に示すように、第1直流充放電ポート104は、直流電気デバイスに接続され、第2直流充放電ポート105は、直流充電設備に接続され、動力電池101は、エネルギー変換装置により直流電気デバイスへ放電するとともに、直流充電設備は、エネルギー変換装置により動力電池101を充電し、その実現過程は、以下のとおりである。
図15に示すように、第2下ブリッジアームVT2、第4下ブリッジアームVT4及び第6下ブリッジアームVT6をオンにし、第1上ブリッジアームVT1、第3上ブリッジアームVT3及び第5上ブリッジアームVT5をオフにするように制御するとともに、第7上ブリッジアームVT7、第9上ブリッジアームVT9及び第11上ブリッジアームVT11をオフにし、第8下ブリッジアームVT8、第10下ブリッジアームVT10及び第12下ブリッジアームVT12をオンにするように制御し、第1巻線ユニット131、スイッチK1、スイッチK6、直流電気デバイス、スイッチK7及び可逆PWM整流器102(第8下ブリッジダイオードVD8、第10下ブリッジダイオードVD10、第12下ブリッジダイオードVD12)は、直流放電/貯蔵エネルギー放出回路を形成するとともに、直流充電設備、スイッチK10、スイッチK2、第2巻線ユニット132、可逆PWM整流器102(第2下ブリッジアームVT2、第4下ブリッジアームVT4、第6下ブリッジアームVT6)及びスイッチK11は、直流充電/エネルギー貯蔵回路を形成し、エネルギー変換装置は、外部制御信号に基づいて直流放電/貯蔵エネルギー放出回路と直流充電/エネルギー貯蔵回路を同時に動作させる。
【0093】
図16に示すように、第2下ブリッジアームVT2、第4下ブリッジアームVT4及び第6下ブリッジアームVT6をオフにし、第1上ブリッジアームVT1、第3上ブリッジアームVT3及び第5上ブリッジアームVT5をオンにするように制御するとともに、第7上ブリッジアームVT7、第9上ブリッジアームVT9及び第11上ブリッジアームVT11をオンにし、第8下ブリッジアームVT8、第10下ブリッジアームVT10及び第12下ブリッジアームVT12をオフにするように制御し、キャパシタC1、可逆PWM整流器102(第7上ブリッジアームVT7、第9上ブリッジアームVT9、第11上ブリッジアームVT11)、第1巻線ユニット131、スイッチK1、スイッチK6、直流電気デバイス及びスイッチK7は、直流放電/エネルギー貯蔵回路を形成するとともに、直流充電設備、スイッチK10、スイッチK2、第2巻線ユニット132、可逆PWM整流器102(第1上ブリッジダイオードVD1、第3上ブリッジダイオードVD3、第5上ブリッジダイオードVD5)、スイッチK3、動力電池101、スイッチK5及びスイッチK11は、直流充電/貯蔵エネルギー放出回路を形成し、エネルギー変換装置は、外部制御信号に基づいて直流放電/エネルギー貯蔵回路及び直流充電/貯蔵エネルギー放出回路を動作させる。
【0094】
エネルギー変換装置は、外部制御信号に基づいて、直流充電/エネルギー貯蔵回路と直流充電/貯蔵エネルギー放出回路が交互に動作するように制御して、直流給電デバイスがエネルギー変換装置により電池を充電することを実現し、外部制御信号に基づいて、直流放電/エネルギー貯蔵回路と直流放電/貯蔵エネルギー放出回路が交互に動作するように制御して、動力電池101がエネルギー変換装置により直流電気デバイスに放電することを実現し、位相ずれ制御により、直流充電/エネルギー貯蔵回路と直流放電/貯蔵エネルギー放出回路を同時に動作させ、直流充電/貯蔵エネルギー放出回路と直流放電/エネルギー貯蔵回路を同時に動作させて、直流給電デバイスがエネルギー変換装置により動力電池101を充電することと、動力電池101がエネルギー変換装置により直流電気デバイスに放電することとを同時に行うことをさらに実現する。
【0095】
図17及び
図18に示すように、動力電池101は、エネルギー変換装置により第1巻線ユニット131及び第2巻線ユニット132に放電し、その実現過程は、以下のとおりである。
図17に示すように、第1上ブリッジアームVT1、第4下ブリッジアームVT4、第6下ブリッジアームVT6、第7上ブリッジアームVT7、第10下ブリッジアームVT10及び第12下ブリッジアームVT12をオンにするように制御し、第2下ブリッジアームVT2、第3上ブリッジアームVT3、第5上ブリッジアームVT5、第8下ブリッジアームVT8、第9上ブリッジアームVT9及び第11上ブリッジアームVT11をオフにするように制御し、動力電池101、第1上ブリッジアームVT1、第2巻線ユニット132(コイルA1及びコイルA2)、第2巻線ユニット132(コイルB1、コイルC1、コイルB2及びコイルC2)、第4下ブリッジアームVT4及び第6下ブリッジアームVT6は、第1加熱/エネルギー貯蔵回路を形成し、動力電池101、第7上ブリッジアームVT7、第1巻線ユニット131(コイルU1及びコイルU2)、第1巻線ユニット131(コイルV1、コイルW1、コイルV2及びコイルW2)、第10下ブリッジアームVT10及び第12下ブリッジアームVT12は、第2加熱/エネルギー貯蔵回路を形成する。
【0096】
図18に示すように、可逆PWM整流器102のブリッジアームをオフにするように制御し、第2巻線ユニット131(コイルA1及びコイルA2)、第2巻線ユニット131(コイルB1、コイルC1、コイルB2及びコイルC2)、第3上ブリッジダイオードVD3、第5上ブリッジダイオードVD5、動力電池101及び第2下ブリッジダイオードVD2は、第1加熱/エネルギー貯蔵/還流回路を形成し、第1巻線ユニット131(コイルV1、コイルW1、コイルV2及びコイルW2)、第1巻線ユニット131(コイルU1、コイルU2)、第9上ブリッジダイオードVD9、第11上ブリッジダイオードVD11、動力電池101及び第8下ブリッジダイオードVD8は、第2加熱/エネルギー貯蔵/還流回路を形成し、エネルギー変換装置は、外部制御信号に基づいて第1加熱/エネルギー貯蔵/還流回路と第2加熱/エネルギー貯蔵/還流回路を同時に動作させる。
【0097】
コントローラは、目標加熱パワーを取得し、以下の式に基づいて各セットの巻線ユニットの目標合成電流ベクトルを取得する。
【数29】
ここで、Pは、目標加熱パワーであり、R
sは、加熱回路において動作する巻線ユニットの各相巻線の相抵抗であり、i
*
S1は、第1セットの巻線ユニットの同期回転座標系における直軸電流と横軸電流との合成電流ベクトルであり、i
*
S2は、第2セットの巻線ユニットの同期回転座標系における直軸電流と横軸電流との合成電流ベクトルである。
【0098】
目標加熱パワー及び上記式に基づいて、各セットの巻線ユニットの目標合成電流ベクトルの振幅を取得し、各セットの巻線ユニットの目標合成電流ベクトルの振幅及び電気角度に基づいて、各セットの巻線ユニットの、同期回転座標系の直軸と横軸のそれぞれにおける目標直軸電流と目標横軸電流を取得し、次に、各セットの巻線ユニットのサンプリング電流値及びロータの電気角度に基づいて、各セットの巻線ユニットの実際の横軸電流及び実際の直軸電流を取得し、次に、各セットの巻線ユニットの実際の横軸電流と目標横軸電流との差の演算を行ってから、PID(比例積分微分)演算を行って第1目標電圧差を得て、各セットの巻線ユニットの実際の直軸電流と目標直軸電流との差の演算を行ってから、PID(比例積分微分)演算を行って第2目標電圧差を得て、さらに、第1目標電圧差及び第2目標電圧差に対して逆Park変換を行い、空間ベクトルパルス幅変調アルゴリズム(SVPWM)に伝送して、第1セットの巻線ユニットに接続された可逆PWM整流器102における第1組の3相ブリッジアームのデューティ比を得て、第2セットの巻線ユニットに接続された可逆PWM整流器102における第2組の3相ブリッジアームのデューティ比を得る。
【0099】
コントローラは、第1組の3相ブリッジアームのデューティ比及び第2組の3相ブリッジアームのデューティ比に基づいて、第1加熱/エネルギー貯蔵回路と第1加熱/エネルギー貯蔵/還流回路が交互に動作するように制御して、動力電池101がエネルギー変換装置により第1巻線ユニット131に電流を出力することを実現し、第1組の3相ブリッジアームのデューティ比及び第2組の3相ブリッジアームのデューティ比に基づいて、第2加熱/エネルギー貯蔵回路と第2加熱/エネルギー貯蔵/還流回路が交互に動作するように制御して、動力電池101がエネルギー変換装置により第2巻線ユニット132に電流を出力することを実現する。
【0100】
図19及び
図20に示すように、動力電池101は、エネルギー変換装置により第1巻線ユニット131及び第2巻線ユニット132に放電し、その実現過程は、以下のとおりである。
図19に示すように、第1上ブリッジアームVT1、第4下ブリッジアームVT4、第6下ブリッジアームVT6、第8下ブリッジアームVT8、第9上ブリッジアームVT9及び第11上ブリッジアームVT11をオンにするように制御し、第2下ブリッジアームVT2、第3上ブリッジアームVT3、第5上ブリッジアームVT5、第7上ブリッジアームVT7、第10下ブリッジアームVT10及び第12下ブリッジアームVT12をオフにするように制御し、動力電池101、第1上ブリッジアームVT1、第2巻線ユニット132(コイルA1及びコイルA2)、第2巻線ユニット132(コイルB1、コイルC1、コイルB2及びコイルC2)、第4下ブリッジアームVT4及び第6下ブリッジアームVT6は、第1加熱/エネルギー貯蔵回路を形成し、動力電池101、第9上ブリッジアームVT9、第11上ブリッジアームVT11、第1巻線ユニット131(コイルV1、コイルW1、コイルV2及びコイルW2)、第1巻線ユニット131(コイルU1及びコイルU2)及び第8下ブリッジアームVT8は、第2加熱/エネルギー貯蔵回路を形成する。
【0101】
図20に示すように、可逆PWM整流器102のブリッジアームをオフにするように制御し、第2巻線ユニット131(コイルA1及びコイルA2)、第2巻線ユニット131(コイルB1、コイルC1、コイルB2及びコイルC2)、第3上ブリッジダイオードVD3、第5上ブリッジダイオードVD5、動力電池101及び第2下ブリッジダイオードVD2は、第1加熱/エネルギー貯蔵/還流回路を形成し、第1巻線ユニット131(コイルV1、コイルW1、コイルV2及びコイルW2)、第1巻線ユニット131(コイルU1、コイルU2)、第7上ブリッジダイオードVD7、動力電池101、第10下ブリッジダイオードVD10及び第12下ブリッジダイオードVD12は、第2加熱/エネルギー貯蔵/還流回路を形成し、エネルギー変換装置は、外部制御信号に基づいて第1加熱/エネルギー貯蔵/還流回路と第2加熱/エネルギー貯蔵/還流回路を同時に動作させる。
【0102】
エネルギー変換装置は、外部制御信号に基づいて、第1加熱/エネルギー貯蔵回路と第1加熱/エネルギー貯蔵/還流回路が交互に動作するように制御して、動力電池101がエネルギー変換装置により第1巻線ユニット131に電流を出力することを実現し、外部制御信号に基づいて、第2加熱/エネルギー貯蔵回路と第2加熱/エネルギー貯蔵/還流回路が交互に動作するように制御して、動力電池101がエネルギー変換装置により第2巻線ユニット132に電流を出力することを実現する。
【0103】
図21及び
図22に示すように、動力電池101は、エネルギー変換装置により第1巻線ユニット131及び第2巻線ユニット132に放電し、その実現過程は、以下のとおりである。
図21に示すように、第1上ブリッジアームVT1、第4下ブリッジアームVT4、第6下ブリッジアームVT6、第8下ブリッジアームVT8、第9上ブリッジアームVT9及び第11上ブリッジアームVT11をオンにするように制御し、第2下ブリッジアームVT2、第3上ブリッジアームVT3、第5上ブリッジアームVT5、第7上ブリッジアームVT7、第10下ブリッジアームVT10及び第12下ブリッジアームVT12をオフにするように制御し、動力電池101、第1上ブリッジアームVT1、第2巻線ユニット132(コイルA1及びコイルA2)、第2巻線ユニット132(コイルB1、コイルC1、コイルB2及びコイルC2)、第4下ブリッジアームVT4及び第6下ブリッジアームVT6は、第1加熱/エネルギー貯蔵回路を形成し、動力電池101、第9上ブリッジアームVT9、第11上ブリッジアームVT11、第1巻線ユニット131(コイルV1、コイルW1、コイルV2及びコイルW2)、第1巻線ユニット131(コイルU1、コイルU2)及び第8下ブリッジアームVT8は、第2加熱/エネルギー貯蔵回路を形成し、エネルギー変換装置は、外部制御信号に基づいて第1加熱/エネルギー貯蔵回路と第2加熱/エネルギー貯蔵回路を同時に動作させ、第2直流充放電ポート105、第2巻線ユニット132(コイルB1、コイルC1、コイルB2及びコイルC2)、第4下ブリッジアームVT4及び第6下ブリッジアームVT6は、第1直流充電/エネルギー貯蔵回路を形成する。
【0104】
図22に示すように、可逆PWM整流器102のブリッジアームをオフにするように制御し、第2巻線ユニット132(コイルA1及びコイルA2)、第2巻線ユニット132(コイルB1、コイルC1、コイルB2及びコイルC2)、第3上ブリッジダイオードVD3、第5上ブリッジダイオードVD5、動力電池101及び第2下ブリッジダイオードVD2は、第1加熱/エネルギー貯蔵/還流回路を形成し、第1巻線ユニット131(コイルV1、コイルW1、コイルV2及びコイルW2)、第1巻線ユニット131(コイルU1、コイルU2)、第7上ブリッジダイオードVD7、動力電池101、第10下ブリッジダイオードVD10及び第12下ブリッジダイオードVD12は、第2加熱/エネルギー貯蔵/還流回路を形成し、第2直流充放電ポート105、第2巻線ユニット132(コイルB1、コイルC1、コイルB2及びコイルC2)、第3上ブリッジダイオードVD3、第5上ブリッジダイオードVD5及び動力電池101は、第1直流充電/エネルギー貯蔵/還流回路を形成する。
【0105】
エネルギー変換装置は、外部制御信号に基づいて、第1加熱/エネルギー貯蔵回路と第1加熱/エネルギー貯蔵/還流回路が交互に動作するように制御して、動力電池がエネルギー変換装置により第1巻線ユニット131に電流を出力することを実現し、外部制御信号に基づいて、第2加熱/エネルギー貯蔵回路と第2加熱/エネルギー貯蔵/還流回路が交互に動作するように制御して、動力電池がエネルギー変換装置により第2巻線ユニット132に電流を出力することを実現し、外部制御信号に基づいて、第1直流充電/エネルギー貯蔵回路と第2直流充電/エネルギー貯蔵/還流回路が交互に動作するように制御して、直流給電デバイスがエネルギー変換装置により動力電池を充電することを実現する。
【0106】
本願の実施例2は、車両を提供し、電気自動車は、上記実施例1に係るエネルギー変換装置を含む。
【0107】
図23に示すように、電池パックの加熱及び冷却回路は、モータ駆動システム冷却回路、電池冷却システム回路、及びエアコンシステムの冷却回路を含む。電池冷却システム回路は、熱交換板によりエアコン冷却システムと組み合わせられ、電池冷却システム回路は、四方弁によりモータ駆動システム冷却回路に連通する。モータ駆動システム冷却回路は、三方弁の切り替えによりラジエーターをオン/オフにする。モータ駆動システム冷却回路と電池冷却システム回路は、弁体により切り替えられ、管路内の冷却液の流れ方向を変更することにより、モータ駆動システムによって加熱された冷却液が電池冷却システムに流れ、熱のモータ駆動システムから電池冷却システムへの伝達を完了する。モータ駆動システムが非加熱モードにある場合、三方弁及び四方弁の切り替えにより、モータ駆動システムの冷却液は、A回路を流れ、電池冷却システムの冷却液は、C回路を流れ、モータが加熱モードにある場合、三方弁及び四方弁の切り替えにより、モータ駆動システムの冷却液は、B回路を流れ、モータ駆動システムによって加熱された冷却液が電池パック冷却回路に流れて電池を加熱することを実現する。
【0108】
なお、本願の説明において、用語「中心」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」、「時計回り」、「反時計回り」、「軸方向」、「半径方向」、「周方向」などで示す方位又は位置関係は、図面に示す方位又は位置関係に基づくものであり、本願を容易に説明し説明を簡略化するためのものに過ぎず、示された装置又は部品が特定の方位を有し、特定の方位で構成されて操作されなければならないことを示すか又は示唆するものではないため、本願を限定するものとして理解してはならない。
【0109】
また、用語「第1」、「第2」は、説明のためのものに過ぎず、相対的な重要性を示すか又は示唆し、或いは示された技術的特徴の数を示唆するものとして理解してはならない。これにより、「第1」、「第2」で限定された特徴は、1つ以上の該特徴を明示的又は暗示的に含んでよい。本願の説明において、「複数」とは、明確で具体的な限定がない限り、2つ以上を意味する。
【0110】
本願において、別に明確な規定及び限定がない限り、用語「取り付け」、「連結」、「接続」、「固定」などは、広義に理解されるべきであり、例えば、固定接続、着脱可能な接続、一体的な接続であってもよく、機械的な接続であっても、電気的な接続であってもよく、直接的な連結であっても、中間媒体を介した間接的な連結であってもよく、2つの部品の内部の連通、又は2つの部品の相互作用の関係であってもよい。当業者であれば、具体的な状況に応じて上記用語の本願における具体的な意味を理解することができる。
【0111】
本願において、別に明確な規定及び限定がない限り、第1特徴が第2特徴の「上」又は「下」にあることは、第1特徴と第2特徴とが直接的に接触することであってもよく、第1特徴と第2特徴とが中間媒体を介して間接的に接触することであってもよい。また、第1特徴が第2特徴の「上」、「上方」及び「上面」にあることは、第1特徴が第2特徴の真上又は斜め上にあることであってもよく、第1特徴の水平方向における高さが第2特徴のものよりも高いことを単に示すことであってもよい。第1特徴が第2特徴の「下」、「下方」及び「下面」にあることは、第1特徴が第2特徴の真下又は斜め下にあることであってもよく、第1特徴の水平方向における高さが第2特徴のものよりも低いことを単に示すことであってもよい。
【0112】
本明細書の説明において、用語「一実施例」、「いくつかの実施例」、「例」、「具体的な例」又は「いくつかの例」などを参照する説明は、該実施例又は例を組み合わせて説明された具体的な特徴、構造、材料又は特性が本願の少なくとも1つの実施例又は例に含まれることを意味する。本明細書において、上記用語に対する例示的な説明は、必ずしも同じ実施例又は例を示すものではない。そして、説明された具体的な特徴、構造、材料又は特性は、いずれか1つ以上の実施例又は例において適切な方式で組み合わせることができる。また、互いに矛盾しない限り、当業者であれば、本明細書で説明された異なる実施例又は例、及び異なる実施例又は例の特徴を結合し、組み合わせることができる。
【0113】
以上、本願の実施例を示し、説明したが、理解できるように、上記実施例は、例示的なものであり、本願を限定するものと理解すべきではなく、当業者であれば、本願の範囲において上記実施例に対して変更、修正、置換及び変形を行うことができる。
【手続補正書】
【提出日】2022-05-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
可逆PWM整流器及びモータコイルを含むエネルギー変換装置であって、
前記モータコイルは、Lセットの巻線ユニットを含み、各セットの巻線ユニットは、前記可逆PWM整流器に接続され、ここで、L≧2で、正整数であり、
少なくとも2セットの加熱対象設備用の加熱回路は、外部電源、前記可逆PWM整流器及び前記モータコイルにおける前記巻線ユニットによって形成され、
エネルギー変換装置が、制御信号に基づいて前記可逆PWM整流器を制御することにより、前記外部電源から出力された電流は、前記モータコイルにおける少なくとも2セットの巻線ユニットを流れて熱を発生し、前記少なくとも2セットの巻線ユニットの、モータロータの磁場配向に基づく同期回転座標系における合成電流ベクトルの横軸上のベクトル和は、ゼロとなる、ことを特徴とするエネルギー変換装置。
【請求項2】
前記Lセットの巻線ユニットのうちのL1セットの巻線ユニットが前記加熱回路において動作する場合、前記L1セットの巻線ユニットは、L1個の合成電流ベクトルに対応し、
【数1】
対の合成電流ベクトルが形成され、各対の合成電流ベクトルにおける2つの合成電流ベクトルの振幅は等しく、前記各対の合成電流ベクトルは、前記同期回転座標系の直軸に対して対称であり、ここで、L≧L1≧2であり、L1は、偶数である、ことを特徴とする請求項1に記載のエネルギー変換装置。
【請求項3】
前記Lセットの巻線ユニットのうちのL1セットの巻線ユニットが前記加熱回路において動作する場合、前記L1セットの巻線ユニットは、L1個の合成電流ベクトルに対応し、
【数2】
対の合成電流ベクトルを形成され、各対の合成電流ベクトルにおける2つの合成電流ベクトルの振幅は等しく、少なくとも1対の合成電流ベクトルは、前記同期回転座標系の直軸に対して対称であり、少なくとも1対の合成電流ベクトルにおける2つの合成電流ベクトルの間の電気角度差は、180°であり、ここで、L≧L1≧2であり、L1は、偶数である、ことを特徴とする請求項1に記載のエネルギー変換装置。
【請求項4】
前記Lセットの巻線ユニットのうちのL2セットの巻線ユニットが前記加熱回路において動作する場合、前記L2セットの巻線ユニットは、L2個の合成電流ベクトルに対応し、
【数3】
対の合成電流ベクトル及び第1合成電流ベクトルが形成され、各対の合成電流ベクトルにおける2つの合成電流ベクトルの振幅は等しく、前記各対の合成電流ベクトルは、前記同期回転座標系の直軸に対して対称であり、前記第1合成電流ベクトルは、前記同期回転座標系の直軸に位置し、ここで、L≧L2≧3であり、L2は奇数である、ことを特徴とする請求項1に記載のエネルギー変換装置。
【請求項5】
前記Lセットの巻線ユニットのうちのL3セットの巻線ユニットが前記加熱回路において動作する場合、前記L3セットの巻線ユニットは、L3個の合成電流ベクトルに対応し、
【数4】
対の合成電流ベクトル及び第2合成電流ベクトルが形成され、各対の合成電流ベクトルにおける2つの合成電流ベクトルの振幅は等しく、前記各対の合成電流ベクトルにおける2つの合成電流ベクトルの間の角度差は、180°であり、前記第2合成電流ベクトルは、前記同期回転座標系の直軸に位置し、ここで、L≧L3≧3であり、L3は奇数である、ことを特徴とする請求項1に記載のエネルギー変換装置。
【請求項6】
前記Lセットの巻線ユニットにおける各セットの巻線ユニットの合成電流ベクトルの前記同期回転座標系の直軸に対する角度は、一定値である、ことを特徴とする請求項2~5のいずれか1項に記載のエネルギー変換装置。
【請求項7】
前記Lセットの巻線ユニットのうちの少なくとも1対の巻線ユニットの合成電流ベクトルの前記同期回転座標系の直軸に対する角度は、変化値であり、1対の合成電流ベクトルのうちの一方の合成電流ベクトルの前記同期回転座標系の直軸に対する角度は、θ
L/2-1=2πf
1t+θ
L/2-0であり、他方の合成電流ベクトルの前記同期回転座標系の直軸に対する角度は、θ
L/2-2=-θ
L/2-1であり、ここで、f
1は、前記合成電流ベクトルの前記同期回転座標系の直軸に対する前記角度の変化周波数であり、θ
L/2-0は、該1対の合成電流ベクトルのうちの一方の前記同期回転座標系の直軸に対する前記角度の初期角度であり、tは、時間である、ことを特徴とする請求項2~4のいずれか1項に記載のエネルギー変換装置。
【請求項8】
前記Lセットの巻線ユニットのうちの少なくとも1対の巻線ユニットの合成電流ベクトルの前記同期回転座標系の直軸に対する角度は、変化値であり、1対の合成電流ベクトルのうちの一方の合成電流ベクトルの前記同期回転座標系の直軸に対する角度は、θ
L/2-1=2πf
1t+θ
L/2-0であり、他方の合成電流ベクトルの前記同期回転座標系の直軸に対する角度は、θ
L/2-2=2πf
1t+180+θ
L/2-0であり、ここで、f
1は、前記合成電流ベクトルの前記同期回転座標系の直軸に対する前記角度の変化周波数であり、θ
L/2-0は、該1対の合成電流ベクトルのうちの一方の前記同期回転座標系の直軸に対する前記角度の初期角度であり、tは、時間である、ことを特徴とする請求項5に記載のエネルギー変換装置。
【請求項9】
少なくとも1対の合成電流ベクトルの振幅は、等しく、変化値であり、該1対の合成電流ベクトルの前記同期回転座標系の直軸に対する角度は、一定値であり、
前記少なくとも1対の合成電流ベクトルの振幅の大きさは、
【数5】
であり、ここで、f
2は、前記合成電流ベクトルの振幅の変化周波数であり、
【数6】
は、前記合成電流ベクトルの
最大振幅である、ことを特徴とする請求項2~5のいずれか1項に記載のエネルギー変換装置。
【請求項10】
前記可逆PWM整流器に接続されたコントローラを含み、前記コントローラは、
外部制御信号に基づいて、前記モータコイルにより発生する必要がある目標加熱パワーを取得し、
前記目標加熱パワーに基づいて、前記各セットの巻線ユニットの目標合成電流ベクトルを取得し、
前記目標合成電流ベクトルに基づいて、前記各セットの巻線ユニットの、前記同期回転座標系の直軸と横軸のそれぞれにおける目標直軸電流と目標横軸電流を取得し、
前記各セットの巻線ユニットのサンプリング電流値に基づいて、前記各セットの巻線ユニットの、前記同期回転座標系の直軸と横軸のそれぞれにおける実際の直軸電流と実際の横軸電流を取得し、前記目標横軸電流、前記目標直軸電流、前記実際の横軸電流及び前記実際の直軸電流に基づいて、前記各セットの巻線ユニットに接続された前記可逆PWM整流器の各相ブリッジアームのデューティ比を取得する、ことを特徴とする請求項1~9のいずれか1項に記載のエネルギー変換装置。
【請求項11】
前記外部電源は、動力電池であり、少なくとも2セットの加熱回路は、前記動力電池、前記可逆PWM整流器及び前記モータコイルにおける前記巻線ユニットによって形成され、
前記可逆PWM整流器は、1組のM
1個のブリッジアームを含み、前記M
1個のブリッジアームは、第1合流端及び第2合流端は、M
1個のブリッジアームによって形成され、前記動力電池の正極端子と負極端子は、それぞれ前記第1合流端と前記第2合流端に接続され、前記モータコイルは、第1巻線ユニット及び第2巻線ユニットを含み、
前記第1巻線ユニットは、1セットのm
1相巻線を含み、前記m
1相巻線における各相巻線は、n
1個のコイル分岐回路を含み、各相巻線のn
1個のコイル分岐回路が共通接続されて1つの相端点を形成し、前記m
1相巻線の相端点は、前記M
1個のブリッジアームのうちのm
1個のブリッジアームの各ブリッジアームの中間点に一対一に対応して接続され、前記m
1相巻線における各相巻線のn
1個のコイル分岐回路のうちの1つのコイル分岐回路は、さらに、n
1個の接続点を形成するように、それぞれ他の相の巻線のn
1個のコイル分岐回路のうちの1つのコイル分岐回路に接続され、ここで、m
1≧2で、n
1≧1であり、n
1及びm
1は、いずれも整数であり、
前記第2巻線ユニットは、1セットのm
2相巻線を含み、前記m
2相巻線における各相巻線は、n
2個のコイル分岐回路を含み、各相巻線のn
2個のコイル分岐回路が共通接続されて1つの相端点を形成し、前記m
2相巻線の相端点は、前記M
1個のブリッジアームのうちのm
2個のブリッジアームの各ブリッジアームの中間点に一対一に対応して接続され、前記m
2相巻線における各相巻線のn
2個のコイル分岐回路のうちの1つのコイル分岐回路は、さらに、n
2個の接続点を形成するように、それぞれ他の相の巻線のn
2個のコイル分岐回路のうちの1つのコイル分岐回路に接続され、ここで、m
2≧2で、M
1≧m
1+m
2で
、n
2≧1であり、n
2、m
1及びM
1は、いずれも整数であり、
第1加熱回路は、前記動力電池、前記可逆PWM整流器及び前記第1巻線ユニットによって形成され、第2加熱回路は、前記動力電池、前記可逆PWM整流器及び前記第2巻線ユニットによって形成される、ことを特徴とする請求項10に記載のエネルギー変換装置。
【請求項12】
少なくとも2セットの加熱回路が、外部直流充放電ポート、前記モータコイルにおける巻線ユニット及び前記可逆PWM整流器によって形成され、前記外部直流充放電ポートは、前記モータコイルから引き出された少なくとも1本の中性線に接続され、
前記外部電源は、直流給電デバイスであり、前記直流給電デバイスは、前記外部直流充放電ポートに接続され、
前記可逆PWM整流器は、1組のM
1個のブリッジアームを含み、前記モータコイルは、第1巻線ユニット及び第2巻線ユニットを含み、
前記第1巻線ユニットは、1セットのm
1相巻線を含み、前記m
1相巻線における各相巻線は、n
1個のコイル分岐回路を含み、各相巻線のn
1個のコイル分岐回路が共通接続されて1つの相端点を形成し、前記m
1相巻線の相端点は、前記M
1個のブリッジアームのうちのm
1個のブリッジアームの各ブリッジアームの中間点に一対一に対応して接続され、前記m
1相巻線における各相巻線のn
1個のコイル分岐回路のうちの1つのコイル分岐回路は、さらに、n
1個の接続点を形成するように、それぞれ他の相の巻線のn
1個のコイル分岐回路のうちの1つのコイル分岐回路に接続され、前記n
1個の接続点は、T
1個の中性点を形成し、前記T
1個の中性点からJ
1本の中性線が引き出され、ここで、n
1≧T
1≧1で、T
1≧J
1≧1で、m
1≧2であり、n
1、m
1、T
1及びJ
1は、いずれも正整数であり、
前記第2巻線ユニットは、1セットのm
2相巻線を含み、前記m
2相巻線における各相巻線は、n
2個のコイル分岐回路を含み、各相巻線のn
2個のコイル分岐回路が共通接続されて1つの相端点を形成し、前記m
2相巻線の相端点は、前記M
1個のブリッジアームのうちのm
2個のブリッジアームの各相ブリッジアームの中間点に一対一に対応して接続され、前記m
2相巻線における各相巻線のn
2個のコイル分岐回路のうちの1つのコイル分岐回路は、さらに、n
2個の接続点を形成するように、それぞれ他の相の巻線のn
2個のコイル分岐回路のうちの1つのコイル分岐回路に接続され、前記n
2個の接続点は、T
2個の中性点を形成し、前記T
2個の中性点からJ
2本の中性線が引き出され、ここで、n
2≧T
2≧1で、T
2≧J
2≧1で、m
2≧2で、
M
1
≧m
1+m
2であり、n
2、m
2、T
2及びJ
2は、いずれも正整数であり、
第3加熱回路が、前記直流給電デバイス、前記第1巻線ユニット及び前記可逆PWM整流器によって形成され、第4加熱回路が、前記直流給電デバイス、前記第2巻線ユニット及び前記可逆PWM整流器によって形成される、ことを特徴とする請求項10に記載のエネルギー変換装置。
【請求項13】
前記外部電源は、動力電池及び直流給電デバイスであり、前記動力電池は、前記可逆PWM整流器に接続され、外部直流充放電ポートは、前記モータコイルから引き出された少なくとも1本の中性線に接続され、前記直流給電デバイスは、前記外部直流充放電ポートに接続され、
少なくとも2セットの加熱回路が、前記動力電池、前記可逆PWM整流器及び前記モータコイルにおける巻線ユニットによって形成され、充電回路が、前記直流給電デバイス、前記モータコイル、前記可逆PWM整流器及び前記動力電池によって形成されるか又は、
前記外部電源は、動力電池であり、前記動力電池は、前記可逆PWM整流器に接続され、外部直流充放電ポートは、前記モータコイルから引き出された少なくとも1本の中性線に接続され、前記外部直流充放電ポートは、直流電気デバイスに接続され、
少なくとも2セットの加熱回路が、前記動力電池、前記可逆PWM整流器及び前記モータコイルにおける巻線ユニットによって形成され、放電回路が、前記動力電池、前記可逆PWM整流器、前記モータコイル及び前記直流電気デバイスによって形成され、
前記コントローラは、さらに、
前記モータコイルにより発生する必要がある目標加熱パワーと前記動力電池の目標充電パワー又は目標放電パワーとを取得し、
前記目標充電パワー又は前記目標放電パワーに基づいて、前記各セットの巻線ユニットの目標充電電流又は目標放電電流を取得し、前記目標充電電流又は前記目標放電電流に基づいて、前記各セットの巻線ユニットにより発生する第1加熱パワーを取得し、
前記目標加熱パワーと前記各セットの巻線ユニットにより発生する前記第1加熱パワーとに基づいて、前記各セットの巻線ユニットにより発生する第2加熱パワーを取得し、
前記第2加熱パワーに基づいて、前記各セットの巻線ユニットの目標合成電流ベクトルを取得し、前記目標合成電流ベクトルに基づいて、前記各セットの巻線ユニットの、前記同期回転座標系の直軸と横軸のそれぞれにおける目標直軸電流と目標横軸電流を取得し、
前記各セットの巻線ユニットのサンプリング電流値に基づいて、前記各セットの巻線ユニットの、前記同期回転座標系の直軸と横軸のそれぞれにおける実際の直軸電流と実際の横軸電流、ならびに零軸電流を取得し、前記目標横軸電流、前記目標直軸電流、前記実際の横軸電流及び前記実際の直軸電流に基づいて、閉ループ制御を行って、前記各セットの巻線ユニットに接続された前記可逆PWM整流器の各相ブリッジアームの第1デューティ比を取得し、
前記目標充電電流又は前記目標放電電流と前記零軸電流に基づいて、閉ループ制御を行って、前記各セットの巻線ユニットに接続された前記可逆PWM整流器のブリッジアームのデューティ比調整値を取得し、
前記第1デューティ比及び前記デューティ比調整値に基づいて、前記各セットの巻線ユニットに接続された前記可逆PWM整流器の各相ブリッジアームのデューティ比を取得する、ことを特徴とする請求項10に記載のエネルギー変換装置。
【請求項14】
バスキャパシタをさらに含み、第5加熱回路は、前記バスキャパシタ、前記可逆PWM整流器及び前記第1巻線ユニットによって形成され、第6加熱回路が、前記バスキャパシタ、前記可逆PWM整流器及び前記第2巻線ユニットによって形成され、充電回路又は放電回路が、前記エネルギー変換装置を用いて、前記外部直流充放電ポートと、前記動力電池とによって形成される、ことを特徴とする請求項13に記載のエネルギー変換装置。
【請求項15】
第1充電回路又は第1放電回路は、前記エネルギー変換装置を用いて、外部の第1直流充放電ポートと、前記動力電池とによって形成され、第2充電回路又は第2放電回路は、前記エネルギー変換装置を用いて、外部の第2直流充放電ポートと、前記動力電池とによって形成され、前記可逆PWM整流器は、第1合流端及び第2合流端をさらに含み、前記外部の第1直流充放電ポートの第1端は、前記モータコイルの第1巻線ユニットの第1中性線に接続され、前記外部の第2直流充放電ポートの第1端は、前記モータコイルの第2巻線ユニットの第2中性線に接続され、前記外部の第1直流充放電ポートの第2端及び前記外部の第2直流充放電ポートの第2端は、前記第2合流端に接続され、前記動力電池の正極端子は、前記第1合流端に接続され、前記動力電池の負極端子は、前記第2合流端に接続される、ことを特徴とする請求項13に記載のエネルギー変換装置。
【請求項16】
外部の第3直流充放電ポートをさらに含み、少なくとも2セットの加熱回路は、前記外部の第3直流充放電ポート、前記可逆PWM整流器及び前記モータコイルにおける前記巻線ユニットは、を形成し、前記外部の第3直流充放電ポートは、前記可逆PWM整流器の両端に接続される、ことを特徴とする請求項12に記載のエネルギー変換装置。
【請求項17】
請求項1~16のいずれか1項に記載のエネルギー変換装置を含む、ことを特徴とする車両。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0052
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0052】
別の実施形態として、外部直流充放電ポート、モータコイル103における巻線ユニット及び可逆PWM整流器102は、少なくとも2セットの加熱回路を形成し、外部直流充放電ポートは、モータコイル103から引き出された少なくとも1本の中性線に接続され、
外部電源100は、直流給電デバイスであり、直流給電デバイスは、外部直流充放電ポートに接続され、
可逆PWM整流器102は、1組のM
1個のブリッジアームを含み、モータコイル103は、第1巻線ユニット131及び第2巻線ユニット132を含み、
図6に示すように、第1巻線ユニット131は、1セットのm
1相巻線を含み、m
1相巻線における各相巻線は、n
1個のコイル分岐回路を含み、各相巻線のn
1個のコイル分岐回路が共通接続されて1つの相端点を形成し、m
1相巻線の相端点は、M
1個のブリッジアームのうちのm
1個のブリッジアームの各ブリッジアームの中間点に一対一に対応して接続され、m
1相巻線における各相巻線のn
1個のコイル分岐回路のうちの1つのコイル分岐回路は、さらに、n
1個の接続点を形成するように、それぞれ他の相の巻線のn
1個のコイル分岐回路のうちの1つのコイル分岐回路に接続され、n
1個の接続点は、T
1個の中性点を形成し、T
1個の中性点から第1中性線が引き出され、T
1個の中性点からJ
1本の中性線が引き出され、ここで、n
1≧T
1≧1で、T
1≧J
1≧1で、m
1≧2であり、n
1、m
1、T
1及びJ
1は、いずれも正整数であり、
第2巻線ユニット132は、1セットのm
2相巻線を含み、m
2相巻線における各相巻線は、n
2個のコイル分岐回路を含み、各相巻線のn
2個のコイル分岐回路が共通接続されて1つの相端点を形成し、m
2相巻線の相端点は、M
1個のブリッジアームのうちのm
2個のブリッジアームの各ブリッジアームの中間点に一対一に対応して接続され、m
2相巻線における各相巻線のn
2個のコイル分岐回路のうちの1つのコイル分岐回路は、さらに、n
2個の接続点を形成するように、それぞれ他の相の巻線のn
2個のコイル分岐回路のうちの1つのコイル分岐回路に接続され、n
2個の接続点は、T
2個の中性点を形成し、T
2個の中性点から第2中性線が引き出され、T
2個の中性点からJ
2本の中性線が引き出され、ここで、n
2≧T
2≧1で、T
2≧J
2≧1で、m
2≧2で、
M
1
≧m
1+m
2であり、n
2、m
2、T
2及びJ
2は、いずれも正整数であり、
直流給電デバイス、第1巻線ユニット131及び可逆PWM整流器102は、第3加熱回路を形成し、直流給電デバイス、第2巻線ユニット132及び可逆PWM整流器102は、第4加熱回路を形成する。
【国際調査報告】