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▶ ビーワイディー カンパニー リミテッドの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-01
(54)【発明の名称】エネルギー変換装置及び車両
(51)【国際特許分類】
   H02P 25/22 20060101AFI20221124BHJP
   H02P 27/08 20060101ALI20221124BHJP
   H02P 21/22 20160101ALI20221124BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20221124BHJP
   H02M 3/155 20060101ALI20221124BHJP
   B60L 9/18 20060101ALN20221124BHJP
   B60L 15/00 20060101ALN20221124BHJP
   B60L 50/60 20190101ALN20221124BHJP
   B60L 53/14 20190101ALN20221124BHJP
   B60L 58/25 20190101ALN20221124BHJP
【FI】
H02P25/22
H02P27/08
H02P21/22
H02J7/00 P
H02J7/00 A
H02M3/155 W
B60L9/18 J
B60L15/00 Z
B60L50/60
B60L53/14
B60L58/25
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022519108
(86)(22)【出願日】2020-08-18
(85)【翻訳文提出日】2022-05-24
(86)【国際出願番号】 CN2020109884
(87)【国際公開番号】W WO2021057338
(87)【国際公開日】2021-04-01
(31)【優先権主張番号】201910912681.1
(32)【優先日】2019-09-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510177809
【氏名又は名称】ビーワイディー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100169904
【弁理士】
【氏名又は名称】村井 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100132698
【弁理士】
【氏名又は名称】川分 康博
(72)【発明者】
【氏名】潘▲華▼
(72)【発明者】
【氏名】李吉成
(72)【発明者】
【氏名】▲謝▼▲飛▼▲躍▼
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼宇▲しん▼
(72)【発明者】
【氏名】▲楊▼▲寧▼
【テーマコード(参考)】
5G503
5H125
5H505
5H730
【Fターム(参考)】
5G503BA01
5G503BB02
5G503FA06
5G503GB03
5H125AA01
5H125AC12
5H125AC24
5H125BA00
5H125BB02
5H125BB03
5H125BC19
5H125BC21
5H125BC24
5H125CD09
5H125DD02
5H125EE02
5H125EE25
5H125EE42
5H125FF01
5H125FF27
5H505AA16
5H505CC04
5H505CC09
5H505DD03
5H505DD08
5H505EE41
5H505EE49
5H505HA05
5H505HA06
5H505HA09
5H505HA10
5H505HB01
5H505HB05
5H505LL22
5H505LL43
5H730AS08
5H730AS17
5H730BB11
5H730BB82
5H730BB88
5H730DD03
(57)【要約】
エネルギー変換装置は、可逆PWM整流器(11)及びモータコイル(12)を含み、モータコイル(12)は、少なくとも第1巻線ユニット及び第2巻線ユニットを含み、第1巻線ユニット、第2巻線ユニットは、いずれも可逆PWM整流器(11)に接続され、第1巻線ユニットは、第2巻線ユニットの中性線のうちの少なくとも1本に接続され、少なくとも1つの巻線ユニットの少なくとも1本の中性線は、第1直流充放電ポート(3)の第1端に接続され、可逆PWM整流器(11)は、それぞれ電池(2)の第1端、電池(2)の第2端に接続され、第1直流充放電ポート(3)の第2端は、電池(2)の第2端に接続される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
可逆PWM整流器及びモータコイルを含み、
前記モータコイルは、少なくとも第1巻線ユニット及び第2巻線ユニットを含み、前記第1巻線ユニット及び第2巻線ユニットは、いずれも前記可逆PWM整流器に接続され、
外部の電池、前記可逆PWM整流器、前記モータコイル及び外部の第1直流充放電ポートは、直流充電回路又は直流放電回路を形成し、前記第1巻線ユニットから少なくとも1本の中性線が引き出され、前記第2巻線ユニットから少なくとも1本の中性線が引き出され、前記第1巻線ユニットは、前記第2巻線ユニットの中性線のうちの少なくとも1本に接続され、少なくとも1つの巻線ユニットの少なくとも1本の中性線は、前記第1直流充放電ポートの第1端に接続され、前記可逆PWM整流器は、前記電池の第1端、及び前記電池の第2端に接続され、前記第1直流充放電ポートの第2端は、前記電池の第2端に接続されることを特徴とする、エネルギー変換装置。
【請求項2】
前記可逆PWM整流器は、1組のM相ブリッジアームを含み、各相ブリッジアームは、第1端が共通接続されて第1合流端を形成し、第2端が共通接続されて第2合流端を形成し、前記第1合流端は、前記電池の第1端に接続され、前記第2合流端は、前記電池の第2端及び前記第1直流充放電ポートの第2端に接続され、
前記モータコイルは、少なくとも第1巻線ユニット及び第2巻線ユニットを含み、前記第1巻線ユニットは、1セットのm相巻線を含み、m相巻線における各相巻線は、n個のコイル分岐回路を含み、各相巻線のn個のコイル分岐回路は、共通接続されて1つの相端点を形成し、m相巻線の相端点は、M個のブリッジアームのうちのm個のブリッジアームの各ブリッジアームの中間点に一対一に対応して接続され、m相巻線における各相巻線のn個のコイル分岐回路のうちの1つのコイル分岐回路は、それぞれ他の相巻線におけるn個のコイル分岐回路のうちの1つのコイル分岐回路に接続されて、n個の接続点を形成し、T個の中性点が前記n個の接続点から形成され、前記T個の中性点からJ本の中性線が引き出され、n≧T≧1で、T≧J≧1で、m≧2であり、かつn、m、T、Jは、いずれも正の整数であり、
前記第2巻線ユニットは、1セットのm相巻線を含み、m相巻線における各相巻線は、n個のコイル分岐回路を含み、各相巻線のn個のコイル分岐回路は、共通接続されて1つの相端点を形成し、m相巻線の相端点は、M個のブリッジアームのうちのm個のブリッジアームの各ブリッジアームの中間点に一対一に対応して接続され、m相巻線における各相巻線のn個のコイル分岐回路のうちの1つのコイル分岐回路は、それぞれ他の相巻線におけるn個のコイル分岐回路のうちの1つのコイル分岐回路に接続されて、n個の接続点を形成し、T個の中性点が前記n個の接続点がから形成され、前記T個の中性点からJ本の中性線が引き出され、n≧T≧1で、T≧J≧1で、m≧2で、M≧m+mであり、かつn、m、T、Jは、いずれも正の整数であり、
前記J本の中性線のうちの少なくとも1本の中性線は、前記J本の中性線のうちの少なくとも1本の中性線に接続され、前記J本の中性線及び/又は前記J本の中性線のうちの少なくとも1本の中性線は、前記第1直流充放電ポートの第1端に接続されることを特徴とする、請求項1に記載のエネルギー変換装置。
【請求項3】
≧T≧2で、T≧J≧2である場合、前記J本の中性線のうちの少なくとも1本の中性線は、前記J本の中性線のうちの少なくとも1本の中性線に接続され、前記J本の中性線のうちの少なくとも他の1本の中性線は、前記第1直流充放電ポートの第1端に接続されることを特徴とする、請求項2に記載のエネルギー変換装置。
【請求項4】
≧T≧2で、T≧J≧2である場合、前記J本の中性線のうちの少なくとも他の1本の中性線は、外部の第2直流充放電ポートの第1端に接続され、前記第2直流充放電ポート、前記モータコイル、前記可逆PWM整流器及び前記電池は、直流充電回路又は直流放電回路を形成することを特徴とする、請求項3に記載のエネルギー変換装置。
【請求項5】
前記第1直流充放電ポートが直流電源に接続される場合、前記直流電源、前記第1直流充放電ポート、前記第1巻線ユニット、前記第2巻線ユニット、前記可逆PWM整流器及び前記電池は、直流充電回路を形成し、前記直流電源、前記第1直流充放電ポート、前記第1巻線ユニット、前記第2巻線ユニット及び前記可逆PWM整流器は、直流充電エネルギー貯蔵回路を形成し、前記直流電源、前記第1直流充放電ポート、前記第1巻線ユニット、前記第2巻線ユニット、前記可逆PWM整流器及び前記電池は、直流充電エネルギー放出回路を形成することを特徴とする、請求項1~4のいずれか1項に記載のエネルギー変換装置。
【請求項6】
前記第1直流充放電ポートが直流電力消費装置に接続される場合、前記電池、前記可逆PWM整流器、前記第2巻線ユニット、前記第1巻線ユニット、前記第1直流充放電ポート及び前記直流電力消費装置は、直流放電回路を形成し、前記電池、前記可逆PWM整流器、前記第2巻線ユニット、前記第1巻線ユニット、前記第1直流充放電ポート及び前記直流電力消費装置は、直流放電エネルギー貯蔵回路を形成し、前記可逆PWM整流器、前記第2巻線ユニット、前記第1巻線ユニット、前記第1直流充放電ポート及び前記直流電力消費装置は、直流放電エネルギー放出回路を形成することを特徴とする、請求項1~4のいずれか1項に記載のエネルギー変換装置。
【請求項7】
前記可逆PWM整流器に並列接続されるバスキャパシタをさらに含み、
前記第1直流充放電ポート、前記モータコイルにおける1セットの巻線ユニット、前記可逆PWM整流器及び前記電池は、直流充電回路又は直流放電回路を形成し、かつ前記バスキャパシタ、前記可逆PWM整流器、前記第1巻線ユニット及び前記第2巻線ユニットは、加熱回路を形成することを特徴とする、請求項1~6のいずれか1項に記載のエネルギー変換装置。
【請求項8】
コントローラをさらに含み、
前記第1直流充放電ポートは、直流電源に接続され、前記コントローラは、前記直流電源、前記第1直流充放電ポート、前記モータコイルにおける1セットの巻線ユニット及び可逆PWM整流器が充電エネルギー貯蔵回路を形成するように制御するとともに、前記直流電源、前記第1直流充放電ポート、前記モータコイルにおける1セットの巻線ユニット、前記可逆PWM整流器及び前記電池が充電エネルギー放出回路を形成するように制御し、また、前記バスキャパシタ、前記可逆PWM整流器、前記モータコイルにおける1セットの巻線ユニット及び前記モータコイルにおける他の1セットの巻線ユニットが加熱エネルギー貯蔵回路を形成するように制御するとともに、前記モータコイルにおける1セットの巻線ユニット、前記モータコイルにおける他の1セットの巻線ユニット及び前記可逆PWM整流器が加熱エネルギー放出回路を形成するように制御することを特徴とする、請求項7に記載のエネルギー変換装置。
【請求項9】
前記コントローラは、前記第1直流充放電ポート及び前記バスキャパシタにより出力された電流、又は前記電池及び前記バスキャパシタにより出力された電流が、前記モータコイルにおける巻線ユニットを流れてトルクが発生するように、外部信号に基づいて前記可逆PWM整流器を制御し、各セットの巻線ユニットの電流によってモータロータの磁場で配向された同期回転座標系の直軸、横軸に形成された電流ベクトルを制御することによりトルクの大きさ及び方向を制御するとともに、各セットの前記巻線ユニットの全ての相巻線から他の1セットの巻線ユニットの全ての相巻線に流入する電流によって前記モータロータの磁場で配向された同期回転座標系のゼロ軸に形成された電流ベクトルの大きさを制御することを特徴とする、請求項8に記載のエネルギー変換装置。
【請求項10】
前記第1巻線ユニットを流れる電流によって前記ゼロ軸に形成された電流ベクトルの大きさがゼロに等しくないように制御することにより、前記第1直流充放電ポート、前記モータコイルにおける1セットの巻線ユニット、前記可逆PWM整流器及び前記電池は、直流充電回路又は直流放電回路を形成し、かつ前記バスキャパシタ、前記可逆PWM整流器、前記第1巻線ユニット及び前記第2巻線ユニットは、加熱回路を形成し、第xセットの前記巻線ユニットに発生する加熱電力は、mRs(iであり、ここで、mは、第xセットの前記巻線ユニットの巻線相数を表し、iは、第xセットの前記巻線ユニットを流れる電流によって前記ゼロ軸に形成された電流ベクトルの振幅値を表し、Rsは、前記第xセットの巻線ユニットにおける中性線に接続された各相巻線分岐回路の相抵抗を表すことを特徴とする、請求項9に記載のエネルギー変換装置。
【請求項11】
前記第1巻線ユニットを流れる電流によって前記ゼロ軸に形成された電流ベクトルの大きさがゼロに等しくなく、前記第1巻線ユニット及び前記第2巻線ユニットに発生するトルクの大きさが等しく、かつゼロではなくいように制御することにより、前記第1直流充放電ポート、前記モータコイルにおける1セットの巻線ユニット、前記可逆PWM整流器及び前記電池は、直流充電回路又は直流放電回路を形成し、かつ前記バスキャパシタ、前記可逆PWM整流器及び前記モータコイルは、駆動回路を形成することを特徴とする、請求項9に記載のエネルギー変換装置。
【請求項12】
前記第1巻線ユニットを流れる電流によって前記ゼロ軸に形成された電流ベクトルの大きさがゼロに等しくなく、前記第1巻線ユニット及び前記第2巻線ユニットに発生するトルクの大きさが等しく、かつゼロではないように制御することにより、前記第1直流充放電ポート、前記モータコイルにおける1セットの巻線ユニット、前記可逆PWM整流器及び前記電池は、直流充電回路又は直流放電回路を形成し、かつ前記バスキャパシタ、前記可逆PWM整流器、前記第1巻線ユニット及び前記第2巻線ユニットは、加熱回路及び駆動回路を形成し、第xセットの前記巻線ユニットに発生する加熱電力は、
【数1】
であり、ここで、mは、第xセットの前記巻線ユニットの巻線相数を表し、i0xは、第xセットの前記巻線ユニットを流れる電流によって前記ゼロ軸に形成された電流ベクトルの振幅値を表し、Rsは、第xセットの前記巻線ユニットの各相巻線の相抵抗を表し、Rsは、前記第xセットの巻線ユニットにおける中性線に接続された各相のコイル分岐回路の相抵抗を表し、
【数2】
は、第xセットの巻線ユニットの電流によって前記直軸、横軸に形成された電流ベクトルの和を表すことを特徴とする、請求項9に記載のエネルギー変換装置。
【請求項13】
前記可逆PWM整流器は、コントローラに接続され、前記コントローラは、各セットの前記巻線ユニットにおける各相巻線の実際の電流を取得し、また前記モータコイルに発生する必要がある目標加熱電力を取得し、前記モータコイルに発生する必要がある目標加熱電力に基づいて、各セットの巻線ユニットの前記直軸、前記横軸、前記ゼロ軸で必要とされる目標ゼロ軸電流、目標直軸電流、目標横軸電流を取得し、前記目標ゼロ軸電流、目標直軸電流、目標横軸電流及び前記各相巻線ユニットを流れる実際の電流に基づいて、各セットの前記巻線ユニットに接続された前記可逆PWM整流器のブリッジアームのデューティ比を取得し、各セットの前記巻線ユニットのゼロ軸電流に対して閉ループ制御を行って取得されたデューティ比を、それぞれ直軸電流、横軸電流に対してベクトル制御を行って取得された各相のブリッジアームのデューティ比と加算して、各相のブリッジアームの総デューティ比を取得することを特徴とする、請求項1~12のいずれか1項に記載のエネルギー変換装置。
【請求項14】
前記モータコイルに発生する必要がある目標加熱電力を取得し、前記モータコイルに発生する必要がある目標加熱電力に基づいて、各セットの巻線ユニットの前記直軸、前記横軸、前記ゼロ軸で必要とされる目標ゼロ軸電流、目標直軸電流、目標横軸電流を取得するステップは、
前記電池が位置する環境の温度に基づいて、前記モータコイルに発生する必要がある目標加熱電力を取得するステップと、
各前記巻線ユニットに発生する必要があるトルクに基づいて、各セットの前記巻線ユニットの前記直軸、前記横軸で必要とされる目標直軸電流及び目標横軸電流を取得し、前記目標直軸電流及び前記目標横軸電流に基づいて、各セットの巻線ユニットに発生する第1加熱電力を取得するステップと、
各セットの前記巻線ユニットに必要な充放電電流に基づいて、各セットの前記巻線ユニットの前記ゼロ軸上の実際のゼロ軸電流を取得し、前記各セットの前記巻線ユニットに発生する実際のゼロ軸電流に基づいて、各セットの前記巻線ユニットに発生する第2加熱電力を取得し、かつ各セットの前記巻線ユニットに発生する第1加熱電力及び第2加熱電力を加算して前記モータコイルに発生する実際の加熱電力を取得するステップと、
前記モータコイルに発生する必要がある目標加熱電力が前記モータコイルに発生する実際の加熱電力より大きい場合、前記モータコイルに発生する実際の加熱電力と前記モータコイルに発生する必要がある目標加熱電力に基づいて、各セットの前記巻線ユニットの前記ゼロ軸に発生する必要がある目標加熱電力を計算して取得し、かつ各セットの前記巻線ユニットの前記ゼロ軸に発生する必要がある目標加熱電力に基づいて、各セットの前記巻線ユニットの前記ゼロ軸上の目標ゼロ軸電流を計算して取得するステップとを含むことを特徴とする、請求項13に記載のエネルギー変換装置。
【請求項15】
少なくとも第1巻線ユニット及び第2巻線ユニットを含むモータコイルであって、前記第1巻線ユニットから少なくとも1本の中性線が引き出され、前記第2巻線ユニットから少なくとも1本の中性線が引き出され、前記第1巻線ユニットが前記第2巻線ユニットの中性線のうちの少なくとも1本に接続されるモータコイルと、
前記第1巻線ユニット、前記第2巻線ユニットに接続される可逆PWM整流器と、
前記モータコイルにおける少なくとも1つの巻線ユニットの少なくとも1本の中性線に接続される第1充放電接続端及び前記可逆PWM整流器の第2合流端に接続される第2充放電接続端を含む充放電接続端子群と、
前記可逆PWM整流器の第1合流端に接続される第1エネルギー貯蔵接続端及び前記可逆PWM整流器の第2合流端に接続される第2エネルギー貯蔵接続端を含むエネルギー貯蔵接続端子群とを含むことを特徴とする、エネルギー変換装置。
【請求項16】
請求項1~15に記載のエネルギー変換装置をさらに含むことを特徴とする、車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、ビーワイディー カンパニー リミテッドが2019年9月25日に提出した、名称「エネルギー変換装置及び車両」の中国特許出願第「201910912681.1」号の優先権を主張するものである。
【0002】
本願は、電子技術の分野に属し、特に、エネルギー変換装置及び車両に関する。
【背景技術】
【0003】
電気自動車の普及に伴い、ますます多くの電気自動車は、社会及び家庭に使用されている。純粋な電気自動車の航続距離の制限のため、車両の使用者は、車両が動力電源を使い果たして走行できなくなるという問題に強い関心を持っている。多くの車両製造企業が、車両運転者に、車両用計器又は他の方式で、電池残量情報及び電池残量が低すぎるという警報情報を提供する。それでも、車両の電池残量が、車両が充電施設位置まで走行することができないか、又は運転者が車両の電力量を無意識に使い切る状況は不可避的に発生する。
【0004】
車両の使用者が電気自動車を使用する体験に影響を与え、さらに電気自動車の使用及び普及に影響を与えることを回避するために、車両の電力量が使い切られるか又は電力量が車両のエネルギー貯蔵装置が電力量を出力しない程低くならないように、車両に電気エネルギーを補充するべく、移動式充電装置を用いて車両を充電する技術を開発する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願は、関連技術における技術的課題の1つを少なくともある程度解決することを目的とする。
【0006】
本願の実施例は、電力消費装置に放電し、電源から充電を受けることを実現できるエネルギー変換装置及びその車両を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願の第1実施例に係るエネルギー変換装置は、
可逆PWM整流器及びモータコイルを含み、モータコイルは、少なくとも第1巻線ユニット及び第2巻線ユニットを含み、第1巻線ユニット及び第2巻線ユニットは、いずれも可逆PWM整流器に接続され、
外部の電池、可逆PWM整流器、モータコイル及び外部の第1直流充放電ポートは、直流充電回路又は直流放電回路を形成し、第1巻線ユニットから少なくとも1本の中性線が引き出され、第2巻線ユニットから少なくとも1本の中性線が引き出され、第1巻線ユニットは、第2巻線ユニットの中性線のうちの少なくとも1本に接続され、少なくとも1つの巻線ユニットの少なくとも1本の中性線は、第1直流充放電ポートの第1端に接続され、可逆PWM整流器は、それぞれ電池の第1端、電池の第2端に接続され、第1直流充放電ポートの第2端は、電池の第2端に接続される。
【0008】
本願の第2実施例に係るエネルギー変換装置は、
少なくとも第1巻線ユニット及び第2巻線ユニットを含むモータコイルであって、第1巻線ユニットから少なくとも1本の中性線が引き出され、第2巻線ユニットから少なくとも1本の中性線が引き出され、第1巻線ユニットが第2巻線ユニットの中性線のうちの少なくとも1本に接続されるモータコイルと、
それぞれ第1巻線ユニット、第2巻線ユニットに接続される可逆PWM整流器と、
前記モータコイルにおける少なくとも1つの巻線ユニットの少なくとも1本の中性線に接続される第1充放電接続端及び可逆PWM整流器の第2合流端に接続される第2充放電接続端を含む充放電接続端子群と、
可逆PWM整流器の第1合流端に接続される第1エネルギー貯蔵接続端及び可逆PWM整流器の第2合流端に接続される第2エネルギー貯蔵接続端を含むエネルギー貯蔵接続端子群と、を含む。
【0009】
本願の第3実施例に係る車両は、本願の第1実施例に係るエネルギー変換装置又は本願の第2実施例に係るエネルギー変換装置を含む。
【発明の効果】
【0010】
本願は、エネルギー変換装置及び車両を提供し、可逆PWM整流器及びモータコイルを含むエネルギー変換装置を用い、かつ該エネルギー変換装置を外部の電池及び第1直流充放電ポートに接続することにより、該エネルギー変換装置は、直流充電モード、直流放電モード、駆動モードで動作することができ、該エネルギー変換装置が駆動モードで動作する場合、外部の電池、可逆PWM整流器及びモータコイルは、駆動回路を形成し、該エネルギー変換装置が直流充電モードで動作する場合、外部の第1直流充放電ポートは、エネルギー変換装置により外部の電池と直流充電回路を形成し、該エネルギー変換装置が直流放電モードで動作する場合、外部の電池は、エネルギー変換装置により外部の第1直流充放電ポートと直流放電回路を形成し、駆動回路によりモータを駆動して動力を出力し、直流放電回路又は直流充電回路により外部に放電するか又は充電を受けて、外部の電池の電力量が十分でない場合に直流電源の充電を受け、外部の電池の電力量が十分である場合に直流電力消費装置に放電することを実現し、かつ駆動回路、加熱回路、直流充電回路及び直流放電回路がいずれも可逆PWM整流器及びモータコイルを用いることにより、回路構造を簡略化し、集積度を向上させ、さらに体積を減少させ、コストを低減するという目的を達成し、電池の充電回路及びモータ駆動回路を含む従来の制御回路全体の構造が複雑で、集積度が低く、体積が大きく、コストが高いという問題を解決する。
【0011】
本願の付加的な態様及び利点は、一部が以下の説明において示され、一部が以下の説明において明らかになるか、又は、本願の実践により把握される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
本願の上記及び/又は追加の様態及び利点は、以下の図面を参照して実施例を説明することにより、明らかになり、容易に理解される。
【0013】
図1】本願の第1実施例のエネルギー変換装置のモジュール構成を示す概略図である。
図2】本願の第1実施例のエネルギー変換装置の回路構成の一例を示す図である。
図3】本願の第1実施例のエネルギー変換装置の別の回路構成の一例を示す図である。
図4】本願の第1実施例のエネルギー変換装置の別の回路構成の一例を示す図である。
図5】本願の第1実施例のエネルギー変換装置の別の回路構成の一例を示す図である。
図6】本願の第1実施例のエネルギー変換装置の別の回路構成の一例を示す図である。
図7】本願の第1実施例のエネルギー変換装置の別の回路構成の一例を示す図である。
図8】本願の第1実施例のエネルギー変換装置の別の回路構成の一例を示す図である。
図9】本願の第1実施例のエネルギー変換装置の別の回路構成の一例を示す図である。
図10】本願の第1実施例のエネルギー変換装置の別の回路構成の一例を示す図である。
図11】本願の第1実施例のエネルギー変換装置の別の回路構成の一例を示す図である。
図12】本願の第1実施例のエネルギー変換装置の電流の流れ方向を示す概略図である。
図13】本願の第1実施例のエネルギー変換装置の別の電流の流れ方向を示す概略図である。
図14】本願の第1実施例のエネルギー変換装置の別の電流の流れ方向を示す概略図である。
図15】本願の第1実施例のエネルギー変換装置の別の電流の流れ方向を示す概略図である。
図16】本願の第1実施例のエネルギー変換装置の別の電流の流れ方向を示す概略図である。
図17】本願の第1実施例のエネルギー変換装置の別の電流の流れ方向を示す概略図である。
図18】本願の第1実施例のエネルギー変換装置の別の電流の流れ方向を示す概略図である。
図19】本願の第1実施例のエネルギー変換装置の別の電流の流れ方向を示す概略図である。
図20】本願の第1実施例のエネルギー変換装置の別の電流の流れ方向を示す概略図である。
図21】本願の第1実施例のエネルギー変換装置の別の電流の流れ方向を示す概略図である。
図22】本願の第2実施例のエネルギー変換装置のモジュール構成を示す概略図である。
図23】本願の第3実施例の車両のモジュール構成を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本願の実施例を詳細に説明し、上記実施例の例は図面に示され、全体を通して同一又は類似の符号は、同一又は類似の部品、若しくは同一又は類似の機能を有する部品を示す。以下、図面を参照しながら説明される実施例は、例示的なものに過ぎず、本願を解釈するためのものであり、本願を限定するためのものであると理解すべきではない。
【0015】
本願の技術手段を説明するために、以下、具体的な実施例により説明する。
【0016】
本願の第1実施例は、エネルギー変換装置を提供し、図1に示すように、該エネルギー変換装置は、可逆PWM整流器11及びモータコイル12を含む。
【0017】
具体的には、モータコイル12は、少なくとも第1巻線ユニットN1及び第2巻線ユニットN2を含み、第1巻線ユニットN1及び第2巻線ユニットN2は、いずれも可逆PWM整流器11に接続され、第1巻線ユニットN1から少なくとも1本の中性線が引き出され、第2巻線ユニットN2から少なくとも1本の中性線が引き出され、第1巻線ユニットN1は、第2巻線ユニットN2の中性線のうちの少なくとも1本に接続され、少なくとも1つの巻線ユニットの少なくとも1本の中性線は、第1直流充放電ポート3の第1端に接続され、可逆PWM整流器11は、それぞれ電池2の第1端、電池2の第2端に接続され、第1直流充放電ポート3の第2端は、電池2の第2端に接続される。
【0018】
本実施例において、第1直流充放電ポート3の第1端は、第1巻線ユニットN1に接続されてもよく、第2巻線ユニットN2に接続されてもよい。
【0019】
なお、本実施例において説明される「充放電」が「充電」又は「放電」を指すため、「充放電ポート」は、「充電ポート」であってもよく、「放電ポート」であってもよく、「充放電回路」は、「充電回路」であってもよく、「放電回路」であってもよい。
【0020】
また、本実施例において説明される「外部の電源」は、エネルギー変換装置が設けられた車両の「外部」でなく、エネルギー変換装置に対して「外部」に位置するものである。
【0021】
本実施例において、第1直流充放電ポート3が直流電流を出力する場合、第1直流充放電ポート3が直流電源に接続されていることを前提とすべきであり、直流電流が第1直流充放電ポート3に入力される場合、第1直流充放電ポート3が直流電力消費装置に接続されていることを前提とすべきである。したがって、後の説明において、第1直流充放電ポート3は、直流電流を出力する場合、直流電源に接続されており、直流電流が第1直流充放電ポート3に入力される場合、第1直流充放電ポート3は、直流電力消費装置に接続されている。
【0022】
可逆PWM整流器11は、制御信号に基づいて、電池2から入力された電流を逆変換するか又は電池2に入力された電流を整流することができ、可逆PWM整流器11は、多相ブリッジアームを含み、ブリッジアームの数は、モータコイル12の相数に応じて配置され、各相のインバータブリッジアームは、2つのパワースイッチユニットを含み、パワースイッチユニットは、トランジスタ、IGBT、MOSトランジスタ、SiCなどのタイプの素子であってもよく、ブリッジアームにおける2つのパワースイッチユニットの接続点は、モータにおける1相巻線に接続され、可逆PWM整流器11におけるパワースイッチユニットは、外部制御信号に基づいてオンオフを実現して、電池2から入力された直流電流を交流電流に変換することができる。
【0023】
モータコイル12は、少なくとも2つの巻線ユニットを含み、各巻線ユニットは、多相巻線を含み、各相巻線は、N個のコイル分岐回路を含み、各相巻線におけるN個のコイル分岐回路は、第1端が共通接続されて相端点を形成し、第2端が他の相巻線におけるN個のコイル分岐回路の第2端に一対一に対応して接続されて、N個の接続点を形成し、Nは、1以上の整数である。
【0024】
第1巻線ユニットN1は、2つ以上の接続点で形成された中性点を有するコイルであってもよく、第2巻線ユニットN2は、2つ以上の接続点で形成された中性点を有するコイルであってもよく、第1巻線ユニットN1を形成する接続点と第2巻線ユニットN2を形成する接続点は、異なる接続点であり、すなわち、第1巻線ユニットN1と第2巻線ユニットN2は、異なる中性点を有する。
【0025】
第1巻線ユニットN1は、少なくとも2つの相端点及び少なくとも1つの中性点を含み、そのうちの少なくとも1つの中性点からそれぞれ少なくとも1本の中性線が引き出され、第2巻線ユニットN2は、少なくとも2つの相端点及び少なくとも1つの中性点を含み、そのうちの少なくとも1つの中性点からそれぞれ少なくとも1本の中性線が引き出され、第2巻線ユニットN2は、該少なくとも1本の中性線により第1巻線ユニットN1に接続され、第1巻線ユニットN1及び第2巻線ユニットN2は、いずれも相端点により可逆PWM整流器11に接続される。
【0026】
本実施例において、1つの中性点から少なくとも1本の中性線が引き出されてもよく、複数の中性点から中性線がそれぞれ引き出されてもよく、また、第1巻線ユニットN1と第2巻線ユニットN2は、モータの外部で中性線により接続されてもよく、モータの内部で中性線により接続されてもよく、ここでは具体的に限定されない。
【0027】
なお、第1巻線ユニットN1と第2巻線ユニットN2は、それぞれ異なるモータのモータコイル12に位置してもよく、同じモータのモータコイル12に位置してもよく、すなわち、第1巻線ユニットN1が1つのモータのモータコイル12に位置する場合、第2巻線ユニットN2が別のモータのモータコイル12に位置してもよく、或いは、第1巻線ユニットN1と第2巻線ユニットN2が同じモータのモータコイル12に位置する。また、各巻線ユニットの全ての相巻線を1つの基本ユニットとし、各基本ユニットに対してモータベクトル制御を用いると、いずれもモータの動作を独立して制御することができる。
【0028】
また、エネルギー変換装置は、制御モジュールをさらに含み、制御モジュールは、可逆PWM整流器11に接続され、かつ可逆PWM整流器11に制御信号を送信し、制御モジュールは、車両コントローラ、可逆PWM整流器11の制御回路及びBMS電池マネージャ回路を含んでよく、三者は、CAN線により接続され、制御モジュールにおける異なるモジュールは、取得された情報に基づいて可逆PWM整流器11におけるパワースイッチのオンオフを制御することにより異なる電流回路のオンを実現する。
【0029】
該エネルギー変換装置は、直流充電モード、直流放電モード、駆動モードで動作することができる。
【0030】
該エネルギー変換装置が直流充電モードで動作する場合、第1直流充放電ポート3は、直流電流を出力し、直流電流が第1巻線ユニットN1、第2巻線ユニットN2及び可逆PWM整流器11を流れた後に、電池2を充電し、或いは、第1直流充放電ポート2は、直流電流を出力し、直流電流が第1巻線ユニットN1、可逆PWM整流器11を流れた後に、電池2を充電し、或いは、第1直流充放電ポート2は、直流電流を出力し、直流電流が第2巻線ユニットN2、可逆PWM整流器11を流れた後に、電池2を充電する。
【0031】
該エネルギー変換装置が直流放電モードで動作する場合、電池2は、直流電流を出力し、直流電流が可逆PWM整流器11、第2巻線ユニットN2及び第1巻線ユニットN1を流れた後に、第1直流充放電ポート3に給電し、或いは、電池2は、直流電流を出力し、直流電流が可逆PWM整流器11、第1巻線ユニットN1を流れた後に、第1直流充放電ポート3に給電し、或いは、電池2は、直流電流を出力し、直流電流が可逆PWM整流器11、第2巻線ユニットN2を流れた後に、第1直流充放電ポート3に給電する。
【0032】
該エネルギー変換装置が駆動モードで動作する場合、電池2は、可逆PWM整流器11に直流電流を供給し、可逆PWM整流器11は、直流電流を多相交流電流に逆変換し、かつ多相交流電流をモータコイル12に入力して、モータを動かす。
【0033】
本実施例において、可逆PWM整流器11及びモータコイル12を含むエネルギー変換装置を用い、かつ該エネルギー変換装置を外部の電池2及び第1直流充放電ポート3に接続することにより、該エネルギー変換装置は、直流充電モード、直流放電モード、駆動モードで動作することができ、該エネルギー変換装置が駆動モードで動作する場合、外部の電池2、可逆PWM整流器11及びモータコイル12は、駆動回路を形成し、該エネルギー変換装置が直流充電モードで動作する場合、外部の第1直流充放電ポート3は、エネルギー変換装置により外部の電池2と直流充電回路を形成し、該エネルギー変換装置が直流放電モードで動作する場合、外部の電池2は、エネルギー変換装置により外部の第1直流充放電ポート3と直流放電回路を形成し、駆動回路によりモータを駆動して動力を出力し、直流放電回路又は直流充電回路により外部に放電するか又は充電を受けて、外部の電池2の電力量が十分でない場合に直流電源の充電を受け、外部の電池2の電力量が十分である場合に直流電力消費装置に放電することを実現し、かつ駆動回路、加熱回路、直流充電回路及び直流放電回路がいずれも可逆PWM整流器11及びモータコイル12を用いることにより、回路構造を簡略化し、集積度を向上させ、さらに体積を減少させ、コストを低減するという目的を達成し、電池2の充電回路及びモータ駆動回路を含む従来の制御回路全体の構造が複雑で、集積度が低く、体積が大きく、コストが高いという問題を解決する。
【0034】
さらに、実施例の1つの実施形態として、第1直流充放電ポート3は、直流電源に接続されてもよく、直流電力消費装置に接続されてもよい。
【0035】
第1直流充放電ポート3が直流電源に接続される場合、直流電源は、エネルギー変換装置に電気エネルギーを提供し、この場合、直流電源、第1直流充放電ポート3、第1巻線ユニットN1、第2巻線ユニットN2、可逆PWM整流器11及び電池2は、直流充電回路を形成し、直流電源、第1直流充放電ポート3、第1巻線ユニットN1、第2巻線ユニットN2及び可逆PWM整流器11は、直流充電エネルギー貯蔵回路を形成し、直流電源、第1直流充放電ポート3、第1巻線ユニットN1、第2巻線ユニットN2、可逆PWM整流器11及び電池2は、直流充電エネルギー放出回路を形成する。
【0036】
上記直流充電エネルギー貯蔵回路において、第1巻線ユニットN1及び第2巻線ユニットN2は、エネルギーの貯蔵を完了し、上記直流充電エネルギー放出回路において、第1巻線ユニットN1及び第2巻線ユニットN2は、貯蔵されたエネルギーの放出を完了し、可逆PWM整流器11は、昇圧された直流電流を出力して、電池2を充電する。
【0037】
また、直流電源、第1直流充放電ポート3、第1巻線ユニットN1、可逆PWM整流器11及び電池2は、直流充電回路を形成し、直流電源、第1直流充放電ポート3、第1巻線ユニットN1及び可逆PWM整流器11は、直流充電エネルギー貯蔵回路を形成し、直流電源、第1直流充放電ポート3、第1巻線ユニットN1、可逆PWM整流器11及び電池2は、直流充電エネルギー放出回路を形成する。
【0038】
上記直流充電エネルギー貯蔵回路において、第1巻線ユニットN1は、エネルギーの貯蔵を完了し、上記直流充電エネルギー放出回路において、第1巻線ユニットN1は、貯蔵されたエネルギーの放出を完了し、可逆PWM整流器11は、昇圧された直流電流を出力して、電池2を充電する。
【0039】
また、直流電源、第1直流充放電ポート3、第2巻線ユニットN2、可逆PWM整流器11及び電池2は、直流充電回路を形成し、直流電源、第1直流充放電ポート3、第2巻線ユニットN2及び可逆PWM整流器11は、直流充電エネルギー貯蔵回路を形成し、直流電源、第1直流充放電ポート3、第2巻線ユニットN2、可逆PWM整流器11及び電池2は、直流充電エネルギー放出回路を形成する。
【0040】
上記直流充電エネルギー貯蔵回路において、第2巻線ユニットN2は、エネルギーの貯蔵を完了し、上記直流充電エネルギー放出回路において、第2巻線ユニットN2は、貯蔵されたエネルギーの放出を完了し、可逆PWM整流器11は、昇圧された直流電流を出力して、電池2を充電する。
【0041】
第1直流充放電ポート3が直流電力消費装置に接続される場合、エネルギー変換装置は、直流電力消費装置に電気エネルギーを提供し、この場合、電池2、可逆PWM整流器11、第2巻線ユニットN2、第1巻線ユニットN1、第1直流充放電ポート3及び直流電力消費装置は、直流放電回路を形成し、電池2、可逆PWM整流器11、第2巻線ユニットN2、第1巻線ユニットN1、第1直流充放電ポート3及び直流電力消費装置は、直流放電エネルギー貯蔵回路を形成し、可逆PWM整流器11、第2巻線ユニットN2、第1巻線ユニットN1、第1直流充放電ポート3及び直流電力消費装置は、直流放電エネルギー放出回路を形成する。
【0042】
上記直流放電エネルギー貯蔵回路において、第1巻線ユニットN1及び第2巻線ユニットN2は、エネルギーの貯蔵を完了し、上記直流放電エネルギー放出回路において、第1巻線ユニットN1及び第2巻線ユニットN2は、貯蔵されたエネルギーの放出を完了し、第1巻線ユニットN1及び第2巻線ユニットN2は、降圧された直流電流を出力して、直流電力消費装置に給電する。
【0043】
また、電池2、可逆PWM整流器11、第1巻線ユニットN1、第1直流充放電ポート3及び直流電力消費装置は、直流放電回路を形成し、電池2、可逆PWM整流器11、第1巻線ユニットN1、第1直流充放電ポート3及び直流電力消費装置は、直流放電エネルギー貯蔵回路を形成し、可逆PWM整流器11、第1巻線ユニットN1、第1直流充放電ポート3及び直流電力消費装置は、直流放電エネルギー放出回路を形成する。
【0044】
上記直流放電エネルギー貯蔵回路において、第1巻線ユニットN1は、エネルギーの貯蔵を完了し、上記直流放電エネルギー放出回路において、第1巻線ユニットN1は、貯蔵されたエネルギーの放出を完了し、第1巻線ユニットN1は、降圧された直流電流を出力して、直流電力消費装置に給電する。
【0045】
また、電池2、可逆PWM整流器11、第2巻線ユニットN2、第1直流充放電ポート3及び直流電力消費装置は、直流放電回路を形成し、電池2、可逆PWM整流器11、第2巻線ユニットN2、第1直流充放電ポート3及び直流電力消費装置は、直流放電エネルギー貯蔵回路を形成し、可逆PWM整流器11、第2巻線ユニットN2、第1直流充放電ポート3及び直流電力消費装置は、直流放電エネルギー放出回路を形成する。
【0046】
上記直流放電エネルギー貯蔵回路において、第2巻線ユニットN2は、エネルギーの貯蔵を完了し、上記直流放電エネルギー放出回路において、第2巻線ユニットN2は、貯蔵されたエネルギーの放出を完了し、第2巻線ユニットN2は、降圧された直流電流を出力して、直流電力消費装置に給電する。
【0047】
本実施形態において、可逆PWM整流器11における各パワースイッチのオンオフ状態を制御することにより、モータコイル12がエネルギーの貯蔵又は放出のプロセスを完了し、該エネルギー変換装置の直流充電又は直流放電を実現し、かつ直流充電回路又は直流放電回路にモータコイル12を再使用することにより、直流充電又は直流放電を実現する。
【0048】
さらに、本実施例の1つの実施形態として、可逆PWM整流器11は、1組のM相ブリッジアームを含み、各相ブリッジアームは、第1端が共通接続されて第1合流端を形成し、第2端が共通接続されて第2合流端を形成し、第1合流端は、電池2の第1端に接続され、第2合流端は、電池2の第2端、第1直流充放電ポート3の第2端に接続され、
モータコイル12は、少なくとも第1巻線ユニットN1及び第2巻線ユニットN2を含み、第1巻線ユニットN1は、1セットのm相巻線を含み、m相巻線における各相巻線は、n個のコイル分岐回路を含み、各相巻線のn個のコイル分岐回路は、共通接続されて1つの相端点を形成し、m相巻線の相端点は、M個のブリッジアームのうちのm個のブリッジアームの各ブリッジアームの中間点に一対一に対応して接続され、m相巻線における各相巻線のn個のコイル分岐回路のうちの1つのコイル分岐回路は、それぞれ他の相巻線におけるn個のコイル分岐回路のうちの1つのコイル分岐回路に接続されて、n個の接続点を形成し、n個の接続点がT個の中性点を形成し、T個の中性点からJ本の中性線が引き出され、n≧T≧1で、T≧J≧1で、m≧2であり、かつn、m、T、Jは、いずれも正の整数である。
【0049】
第2巻線ユニットN2は、1セットのm相巻線を含み、m相巻線における各相巻線は、n個のコイル分岐回路を含み、各相巻線のn個のコイル分岐回路は、共通接続されて1つの相端点を形成し、m相巻線の相端点は、M個のブリッジアームのうちのm個のブリッジアームの各ブリッジアームの中間点に一対一に対応して接続され、m相巻線における各相巻線のn個のコイル分岐回路のうちの1つのコイル分岐回路は、それぞれ他の相巻線におけるn個のコイル分岐回路のうちの1つのコイル分岐回路に接続されて、n個の接続点を形成し、n個の接続点がT個の中性点を形成し、T個の中性点からJ本の中性線が引き出され、n≧T≧1で、T≧J≧1で、m≧2で、M≧m+mであり、かつn、m、T、Jは、いずれも正の整数である。
【0050】
本の中性線のうちの少なくとも1本の中性線は、J本の中性線のうちの少なくとも1本の中性線に接続され、J本の中性線及び/又はJ本の中性線のうちの少なくとも1本の中性線は、第1直流充放電ポート3の第1端に接続される。
【0051】
なお、各巻線ユニットの全ての相巻線を1つの基本ユニットとし、各基本ユニットに対してモータベクトル制御を用いると、いずれもモータの動作を独立して制御することができる。
【0052】
具体的には、図2に示される回路構成例を例とし、該1組の6個のブリッジアームは、具体的には、第1パワースイッチユニット、第2パワースイッチユニット、第3パワースイッチユニット、第4パワースイッチユニット、第5パワースイッチユニット、第6パワースイッチユニット、第7パワースイッチユニット、第8パワースイッチユニット、第9パワースイッチユニット、第10パワースイッチユニット、第11パワースイッチユニット及び第12パワースイッチユニットを含み、第1パワースイッチユニットは、第1上ブリッジアームVT1及び第1上ブリッジダイオードVD1を含み、第2パワースイッチユニットは、第2下ブリッジアームVT2及び第2下ブリッジダイオードVD2を含み、第3パワースイッチユニットは、第3上ブリッジアームVT3及び第3上ブリッジダイオードVD3を含み、第4パワースイッチユニットは、第4下ブリッジアームVT4及び第4下ブリッジダイオードVD4を含み、第5パワースイッチユニットは、第5上ブリッジアームVT5及び第5上ブリッジダイオードVD5を含み、第6パワースイッチユニットは、第6下ブリッジアームVT6及び第6下ブリッジダイオードVD6を含み、第7パワースイッチユニットは、第7上ブリッジアームVT7及び第7上ブリッジダイオードVD7を含み、第8パワースイッチユニットは、第8下ブリッジアームVT8及び第8下ブリッジダイオードVD8を含み、第9パワースイッチユニットは、第9上ブリッジアームVT9及び第9上ブリッジダイオードVD9を含み、第10パワースイッチユニットは、第10下ブリッジアームVT10及び第10下ブリッジダイオードVD10を含み、第11パワースイッチユニットは、第11上ブリッジアームVT11及び第11上ブリッジダイオードVD11を含み、第12パワースイッチユニットは、第12下ブリッジアームVT12及び第12下ブリッジダイオードVD12を含む。
【0053】
第1パワースイッチユニットの第1端、第3パワースイッチユニットの第1端、第5パワースイッチユニットの第1端、第7パワースイッチユニットの第1端、第9パワースイッチユニットの第1端、第11パワースイッチユニットの第1端は、共通接続されて第1合流端を形成し、第2パワースイッチユニットの第2端、第4パワースイッチユニットの第2端、第6パワースイッチユニットの第2端、第8パワースイッチユニットの第2端、第10パワースイッチユニットの第2端、第12パワースイッチユニットの第2端は、共通接続されて第2合流端を形成し、電池2の第1端は、スイッチK1により第1合流端に接続され、電池2の第2端は、スイッチK3により第2合流端に接続され、第1合流端と第2合流端との間にキャパシタC1が設けられ、直列接続されたスイッチK2及び抵抗Rは、スイッチK1に並列接続される。
【0054】
第1パワースイッチユニットと第2パワースイッチユニットの中間点、第3パワースイッチユニットと第4パワースイッチユニットの中間点、第5パワースイッチユニットと第6パワースイッチユニットの中間点は、それぞれ第1巻線ユニットN1の3つの相端点(A、B、C)に一対一に対応して接続され、第7パワースイッチユニットと第8パワースイッチユニットの中間点、第9パワースイッチユニットと第10パワースイッチユニットの中間点、第11パワースイッチユニットと第12パワースイッチユニットの中間点は、それぞれ第2巻線ユニットN2の3つの相端点(U、V、W)に一対一に対応して接続され、第1巻線ユニットN1及び第2巻線ユニットN2からそれぞれ2本の中性線が引き出され、第1巻線ユニットN1の1本の中性線(接続点n2から引き出される)は、第2巻線ユニットN2の1本の中性線(接続点n3から引き出される)に接続され、第1巻線ユニットN1の他の中性線(接続点n1から引き出される)は、スイッチK4、スイッチK6により第1直流充放電ポート3の第1端に接続され、第2巻線ユニットN2の他の中性線(接続点n4から引き出される)は、スイッチK5、スイッチK6により第1直流充放電ポート3の第1端に接続され、第1直流充放電ポート3の第2端は、電池2の第2端に接続され、第1直流充放電ポート3の第1端と第1直流充放電ポート3の第2端との間にキャパシタC2が設けられる。
【0055】
図2に示される回路構成例において、第1直流充放電ポート3の第1端は、第1巻線ユニットN1に接続されてもよく、第2巻線ユニットN2に接続されてもよく、すなわち、図2に示される回路構成例において、第1直流充放電ポート3、第1巻線ユニットN1、第2巻線ユニットN2、可逆PWM整流器11及び電池2は、直流充放電回路を形成し、或いは、第1直流充放電ポート3、第1巻線ユニットN1、可逆PWM整流器11及び電池2は、直流充放電回路を形成し、或いは、第1直流充放電ポート3、第2巻線ユニットN2、可逆PWM整流器11及び電池2は、直流充放電回路を形成する。
【0056】
図3は、本実施形態の回路構成例を示し、第1巻線ユニットN1と第2巻線ユニットN2からそれぞれ1本の中性線が引き出される場合、第1巻線ユニットN1と第2巻線ユニットN2は、中性線により接続され、かつ第1直流充放電ポート3の第1端に接続され、この場合、第1直流充放電ポート3、第1巻線ユニットN1、第2巻線ユニットN2、可逆PWM整流器11及び電池2は、直流充電回路又は直流放電回路を形成する。
【0057】
図4は、本実施形態の別の回路構成例を示し、この場合、第1巻線ユニットN1と第2巻線ユニットN2からそれぞれ2本の中性線が引き出され、第1巻線ユニットN1の2本の中性線は、共通接続された後に第1直流充放電ポート3の第1端に接続され、第2巻線ユニットN2の2本の中性線は、共通接続された後に第1直流充放電ポート3の第1端に接続され、この場合、第1直流充放電ポート3、第1巻線ユニットN1、第2巻線ユニットN2、可逆PWM整流器11及び電池2は、直流充電回路又は直流放電回路を形成し、或いは、第1直流充放電ポート3、第2巻線ユニットN2、可逆PWM整流器11及び電池2は、直流充電回路又は直流放電回路を形成する。
【0058】
図5は、本実施例の別の回路構成例を示し、第1巻線ユニットN1と第2巻線ユニットN2からそれぞれ1本の中性線が引き出される場合、第1巻線ユニットN1と第2巻線ユニットN2は、中性線により接続され、かつ第1直流充放電ポート3の第1端に接続され、この場合、第1直流充放電ポート3、第1巻線ユニットN1、第2巻線ユニットN2、可逆PWM整流器11及び電池2は、直流充電回路又は直流放電回路を形成し、或いは、第1直流充放電ポート3、第1巻線ユニットN1、可逆PWM整流器11及び電池2は、直流充電回路又は直流放電回路を形成し、或いは、第1直流充放電ポート3、第2巻線ユニットN2、可逆PWM整流器11及び電池2は、直流充電回路又は直流放電回路を形成する。
【0059】
図6は、本実施形態の別の回路構成例を示し、第1巻線ユニットN1と第2巻線ユニットN2からそれぞれ2本の中性線が引き出され、第1巻線ユニットN1と第2巻線ユニットN2の中性線は、共通接続された後に第1直流充放電ポート3の第1端に接続され、この場合、第1直流充放電ポート3、第1巻線ユニットN1、第2巻線ユニットN2、可逆PWM整流器11及び電池2は、直流充電回路又は直流放電回路を形成する。
【0060】
本実施形態において、モータコイル12における各相巻線のコイル分岐回路の数を設定することにより、モータコイル12に発生するインダクタンスを調整し、かつ異なる状況で充電電力又は放電電力に対する需要を満たし、該エネルギー変換装置の柔軟性を大幅に向上させるように、異なる第1巻線ユニットN1及び/又は第2巻線ユニットN2の中性線と第1直流充放電ポート3との接続方式を選択することができる。
【0061】
さらに、本実施例の1つの実施形態として、n≧T≧2で、T≧J≧2である場合、J本の中性線のうちの少なくとも1本の中性線は、J本の中性線のうちの少なくとも1本の中性線に接続され、J本の中性線のうちの少なくとも他の1本の中性線は、第1直流充放電ポート3の第1端に接続される。
【0062】
本実施形態において、第1直流充放電ポート3の第1端は、第1巻線ユニットN1に接続され、第1直流充放電ポート3、第1巻線ユニットN1、第2巻線ユニットN2、可逆PWM整流器11及び電池2は、直流充放電回路を形成し、或いは、第1直流充放電ポート3、第1巻線ユニットN1、可逆PWM整流器11及び電池2は、直流充放電回路を形成する。
【0063】
具体的には、図7は、本実施形態の回路構成例を示し、図2に示される回路構成例との違いは、第2巻線ユニットN2から引き出された中性線が1本であり、第1直流充放電ポート3の第1端が第2巻線ユニットN2に接続されないことである。
【0064】
図8は、本実施形態の別の回路構成例を示し、図7に示される回路構成例との違いは、第1巻線ユニットN1の中性線(接続点n2から引き出される)がスイッチK7により第2巻線ユニットN2の中性線(接続点n3から引き出される)に接続されることである。スイッチK7のオンオフ状態を制御することにより、異なる直流充放電回路を選択して動作することができる。
【0065】
本実施形態において、第1直流充放電ポート3、第1巻線ユニットN1、第2巻線ユニットN2、可逆PWM整流器11及び電池2で形成された直流充放電回路を選択するか又は第1直流充放電ポート3、第1巻線ユニットN1、可逆PWM整流器11及び電池2で形成された直流充放電回路を選択して動作することができ、異なる直流充放電の需要に応じて、異なる直流充放電回路を選択する。
【0066】
さらに、本実施例の1つの実施形態として、n≧T≧2で、T≧J≧2である場合、J本の中性線のうちの少なくとも他の1本の中性線は、外部の第2直流充放電ポート4の第1端に接続され、第2直流充放電ポート4、モータコイル12、可逆PWM整流器11及び電池2は、直流充電回路又は直流放電回路を形成する。
【0067】
本実施形態において、第1直流充放電ポート3、第1巻線ユニットN1、第2巻線ユニットN2、可逆PWM整流器11及び電池2は、直流充放電回路を形成し、或いは、第1直流充放電ポート3、第1巻線ユニットN1、可逆PWM整流器11及び電池2は、直流充放電回路を形成し、或いは、第2直流充放電ポート4、第2巻線ユニットN2、第1巻線ユニットN1、可逆PWM整流器11及び電池2は、直流充放電回路を形成し、或いは、第2直流充放電ポート4、第2巻線ユニットN2、可逆PWM整流器11及び電池2は、直流充放電回路を形成する。
【0068】
なお、本実施形態において、第1直流充放電ポート3、第1巻線ユニットN1、可逆PWM整流器11及び電池2が直流充放電回路を形成することと、第1直流充放電ポート3、第2巻線ユニットN2、可逆PWM整流器11及び電池2が直流充放電回路を形成することは、同時に行うことができ、すなわち、本実施形態において、該エネルギー変換装置により2つの直流充放電ポートを用いて充電又は放電を行うことができ、また、そのうちの1つの直流充放電ポートにより直流充電を行い、もう1つの直流充放電ポートにより直流放電を行うことができる。
【0069】
具体的には、図9に示される回路構成例を例とし、第2直流充放電ポート4の第1端は、第2巻線ユニットN2の1本の中性線(接続点n4から引き出される)に接続され、第2直流充放電ポート4の第2端は、可逆PWM整流器11の第2合流端に接続される。
【0070】
本実施形態において、該エネルギー変換装置が外部の第2直流充放電ポート4に接続されることにより、該エネルギー変換装置により2つの直流充放電ポートを同時に用いて充電又は放電を行うことができ、また、そのうちの1つの直流充放電ポートにより直流充電を行い、もう1つの直流充放電ポートにより直流放電を行うことができ、充放電の効率を向上させ、かつ該エネルギー変換装置の使用範囲を拡大する。
【0071】
本実施例において、モータコイル12は、少なくとも2セットの巻線ユニットを含むべきであり、すなわち、モータコイル12は、さらに3セットの巻線ユニットを含んでもよく、4セットの巻線ユニットなどを含んでもよい。
【0072】
図10に示される回路構成例において、モータコイル12は、3セットの巻線ユニットを含み、それぞれ第1巻線ユニットN1、第2巻線ユニットN2、第3巻線ユニットN3であり、第1巻線ユニットN1と第2巻線ユニットN2は、中性線により接続され、第2巻線ユニットN2と第3巻線ユニットN3も中性線により接続され、第1直流充放電ポート3の第1端は、それぞれ第1巻線ユニットN1、第3巻線ユニットN3に接続され、第1直流充放電ポート3、第1巻線ユニットN1、第2巻線ユニットN2、第3巻線ユニットN3、可逆PWM整流器11及び電池2は、直流充放電回路を形成し、第1直流充放電ポート3、第1巻線ユニットN1、第2巻線ユニットN2、可逆PWM整流器11及び電池2は、直流充放電回路を形成し、第1直流充放電ポート3、第1巻線ユニットN1又は第3巻線ユニットN3、可逆PWM整流器11及び電池2は、直流充放電回路を形成する。
【0073】
図11に示される回路構成例において、この場合、モータコイル12は、3セットの巻線ユニットを含み、それぞれ第1巻線ユニットN1、第2巻線ユニットN2及び第3巻線ユニットN3であり、第1直流充放電ポート3の第1端は、第1巻線ユニットN1に接続され、第2直流充放電ポート4の第1端は、第3巻線ユニットN3に接続され、可逆PWM整流器11の第2合流端は、それぞれ第1直流充放電ポート3の第2端、第2直流充放電ポート4の第2端に接続され、第1巻線ユニットN1と第2巻線ユニットN2は、中性線により接続され、第2巻線ユニットN2と第3巻線ユニットN3も中性線により接続され、第1直流充放電ポート3、第1巻線ユニットN1、第2巻線ユニットN2、第3巻線ユニットN3、可逆PWM整流器11及び電池2は、直流充放電回路を形成し、第2直流充放電ポート4、第3巻線ユニットN3、第2巻線ユニットN2、第1巻線ユニットN1、可逆PWM整流器11及び電池2は、直流充放電回路を形成し、第1直流充放電ポート3、第1巻線ユニットN1、第2巻線ユニットN2、可逆PWM整流器11及び電池2は、直流充放電回路を形成し、第2直流充放電ポート4、第2巻線ユニットN2、第3巻線ユニットN3、可逆PWM整流器11及び電池2は、直流充放電回路を形成し、第1直流充放電ポート3、第1巻線ユニットN1、可逆PWM整流器11及び電池2は、直流充放電回路を形成し、第2直流充放電ポート4、第3巻線ユニットN3、可逆PWM整流器11及び電池2は、直流充放電回路を形成する。
【0074】
図11に示される回路構成例において、該エネルギー変換装置は、2つの直流充放電ポートを同時に用いて充電又は放電を行うことができ、また、そのうちの1つの直流充放電ポートにより直流充電を行い、もう1つの直流充放電ポートにより直流放電を行うことができる。
【0075】
本実施例において、直流充電回路の動作中の電流の流れ方向をより明確に理解するために、以下、図2に示される回路構成例において、第1直流充放電ポート3、第1巻線ユニットN1、第2巻線ユニットN2、可逆PWM整流器11及び電池2が直流充電回路を形成することを例として電流の流れを説明する。
【0076】
図12に示すように、コントローラは、スイッチK1、スイッチK5、スイッチK4、スイッチK6及びスイッチK7をオフにし、スイッチK2及びスイッチK3をオンにするように制御し、抵抗RによりキャパシタC1の予備充電プロセスを完了し、スイッチK2をオフにし、スイッチK1、スイッチK4、スイッチK6及びスイッチK7をオンにするように制御し、第8下ブリッジアームVT8、第10下ブリッジアームVT10及び第12下ブリッジアームVT12をオンにし、第1パワースイッチユニット、第2パワースイッチユニット、第3パワースイッチユニット、第4パワースイッチユニット、第5パワースイッチユニット、第6パワースイッチユニット、第7パワースイッチユニット、第9パワースイッチユニット及び第11パワースイッチユニットをオフにするように制御し、第1直流充放電ポート3は、直流電流を出力し、直流電流が第1巻線ユニットN1、第2巻線ユニットN2、第8下ブリッジアームVT8、第10下ブリッジアームVT10及び第12下ブリッジアームVT12を流れて、直流充電エネルギー貯蔵回路を形成し、この場合、第1巻線ユニットN1及び第2巻線ユニットN2の充放電回路に接続された一部のコイル分岐回路は、エネルギーの貯蔵を完了する。
【0077】
図13に示すように、第7上ブリッジダイオードVD7、第9上ブリッジダイオードVD9及び第11上ブリッジダイオードVD11をオンにし、第1パワースイッチユニット、第2パワースイッチユニット、第3パワースイッチユニット、第4パワースイッチユニット、第5パワースイッチユニット、第6パワースイッチユニット、第8パワースイッチユニット、第10パワースイッチユニット及び第12パワースイッチユニットをオフにするように制御し、第1直流充放電ポート3は、直流電流を出力し、直流電流が第1巻線ユニットN1、第2巻線ユニットN2、第7上ブリッジダイオードVD7、第9上ブリッジダイオードVD9及び第11上ブリッジダイオードVD11を流れて、直流充電エネルギー放出回路を形成し、この場合、第1巻線ユニットN1及び第2巻線ユニットN2は、貯蔵されたエネルギーの放出を完了し、第7上ブリッジダイオードVD7、第9上ブリッジダイオードVD9及び第11上ブリッジダイオードVD11は、昇圧された直流電流を出力して、電池2を充電する。
【0078】
他の直流充電回路の動作プロセスは、上記説明と類似するため、ここでは説明を省略する。
【0079】
直流放電回路の動作プロセスは、直流充電回路の電流の流れ方向と逆であり、制御方法が類似するため、ここでは説明を省略する。
【0080】
さらに、本実施例の1つの実施形態として、該エネルギー変換装置は、バスキャパシタをさらに含み、バスキャパシタは、可逆PWM整流器11に並列接続される。
【0081】
具体的には、バスキャパシタは、第1端が可逆PWM整流器11の第1合流端に接続され、第2端が可逆PWM整流器11の第2合流端に接続される。該バスキャパシタは、図2に示される回路構成例に適用される場合、図2に示される回路構成例におけるキャパシタC1である。
【0082】
第1直流充放電ポート3、モータコイル12における1セットの巻線ユニット、可逆PWM整流器11及び電池2が直流充放電回路を形成する場合、バスキャパシタ、可逆PWM整流器11、第1巻線ユニットN1及び第2巻線ユニットN2は、同時に加熱回路を形成することができる。
【0083】
図2に示される回路構成例を例とし、第1直流充放電ポート3、第1巻線ユニットN1、可逆PWM整流器11及び電池2が直流充放電回路を形成する場合、或いは、第1直流充放電ポート3、第2巻線ユニットN2、可逆PWM整流器11及び電池2が直流充放電回路を形成する場合、キャパシタC1、可逆PWM整流器11、第1巻線ユニットN1及び第2巻線ユニットN2は、加熱回路を形成する。
【0084】
本実施形態において、電池2又は第1直流充放電ポート3から入力された電流がモータコイル12を流れて熱を発して電池2を加熱するか又は外部装置を用いて熱を発して電池を加熱し、モータコイル12を用いて電池を加熱することにより、従来技術における電気自動車の電池を含む加熱制御回路の構造が複雑で、集積度が低く、体積が大きく、かつコストが高いという問題を解決し、従来技術における電池加熱専用の装置(例えば、PTCヒータ、電熱線ヒータ)を省略することができる。
【0085】
さらに、本実施例の1つの実施形態として、該エネルギー変換装置は、コントローラをさらに含み、第1直流充放電ポート3は、直流電源に接続され、コントローラは、直流電源、第1直流充放電ポート3、モータコイル12における1セットの巻線ユニット及び可逆PWM整流器11が充電エネルギー貯蔵回路を形成するように制御するとともに、直流電源、第1直流充放電ポート3、モータコイル12における1セットの巻線ユニット、可逆PWM整流器11及び電池2が充電エネルギー放出回路を形成するように制御し、また、バスキャパシタ、可逆PWM整流器11、モータコイル12における1セットの巻線ユニット及びモータコイル12における他の1セットの巻線ユニットが加熱エネルギー貯蔵回路を形成するように制御するとともに、モータコイル12における1セットの巻線ユニット、モータコイル12における他の1セットの巻線ユニット及び可逆PWM整流器11が加熱エネルギー放出回路を形成するように制御する。
【0086】
バスキャパシタの電気エネルギー源は、電池2が出力した電気エネルギーであってもよく、外部装置が供給した電気エネルギーであってもよく、具体的には、電気エネルギーを供給する外部装置は、直流電源であってもよく、他の電源であってもよい。
【0087】
図2に示される回路構成例を例とし、この場合、第1直流充放電ポート3、第2巻線ユニットN2、可逆PWM整流器11及び電池2は、直流充放電回路を形成し、かつキャパシタC1、可逆PWM整流器11、第1巻線ユニットN1、第2巻線ユニットN2は、加熱回路を形成する。
【0088】
第1直流充放電ポート3、第2巻線ユニットN2、可逆PWM整流器11及び電池2で形成された直流充放電回路において、第1直流充放電ポート3、第2巻線ユニットN2及び可逆PWM整流器11は、直流充電エネルギー貯蔵回路を形成し、第1直流充放電ポート3、第2巻線ユニットN2、可逆PWM整流器11及び電池2は、直流充電エネルギー放出回路を形成する。上記直流充電エネルギー貯蔵回路は、第2巻線ユニットN2によるエネルギー貯蔵プロセスを完了し、上記直流充電エネルギー放出回路は、第2巻線ユニットN2による貯蔵されたエネルギーの放出プロセスを完了し、かつ可逆PWM整流器11により、昇圧された直流電流を出力して、電池2を充電する。
【0089】
キャパシタC1、可逆PWM整流器11、第1巻線ユニットN1及び第2巻線ユニットN2で形成された加熱回路において、キャパシタC1、可逆PWM整流器11、第1巻線ユニットN1及び第2巻線ユニットN2は、加熱エネルギー貯蔵回路を形成し、第1巻線ユニットN1、第2巻線ユニットN2及び可逆PWM整流器11は、加熱エネルギー放出回路を形成する。
【0090】
上記エネルギー貯蔵及びエネルギー放出のプロセスをより明確に理解するために、以下、図2に示される回路構成例を例として、上記エネルギー貯蔵及びエネルギー放出のプロセスにおける電流の流れ方向を説明する。
【0091】
図14に示すように、スイッチK1、スイッチK5、スイッチK4、スイッチK6及びスイッチK7をオフにし、スイッチK2及びスイッチK3をオンにし、抵抗RによりキャパシタC1の予備充電プロセスを完了し、スイッチK2をオフにし、スイッチK1、スイッチK5、スイッチK4、スイッチK6及びスイッチK7をオンにし、第8下ブリッジアームVT8、第10下ブリッジアームVT10、第12下ブリッジアームVT12、第1上ブリッジアームVT1、第3上ブリッジアームVT3及び第5上ブリッジアームVT5をオンにし、第2パワースイッチユニット、第4パワースイッチユニット、第6パワースイッチユニット、第7パワースイッチユニット、第9パワースイッチユニット及び第11パワースイッチユニットをオフにするように制御し、直流充電エネルギー貯蔵回路の電流の流れ方向は、第1直流充放電ポート3が直流電流を出力し、直流電流が順にスイッチK6、スイッチK5、第2巻線ユニットN2の1本の中性線(接続点n4から引き出される)、第2巻線ユニットN2、第8下ブリッジアームVT8、第10下ブリッジアームVT10、第12下ブリッジアームVT12及びスイッチK7を流れて、第1直流充放電ポート3に戻る。加熱エネルギー貯蔵回路の電流の流れ方向は、キャパシタC1が直流電流を出力し、直流電流が順に第1上ブリッジアームVT1、第3上ブリッジアームVT3、第5上ブリッジアームVT5、第1巻線ユニットN1、第1巻線ユニットN1の1本の中性線(接続点n1から引き出される)、スイッチK4、スイッチK5、第2巻線ユニットN2の1本の中性線(接続点n4から引き出される)、第2巻線ユニットN2、第8下ブリッジアームVT8、第10下ブリッジアームVT10及び第12下ブリッジアームVT12を流れて、キャパシタC1に戻り、キャパシタC1が直流電流を出力し、直流電流が順に第1上ブリッジアームVT1、第3上ブリッジアームVT3、第5上ブリッジアームVT5、第1巻線ユニットN1、第1巻線ユニットN1の他の中性線(接続点n2から引き出される)、第2巻線ユニットN2の他の中性線(接続点n3から引き出される)、第2巻線ユニットN2、第8下ブリッジアームVT8、第10下ブリッジアームVT10及び第12下ブリッジアームVT12を流れて、キャパシタC1に戻る。
【0092】
図15に示すように、第7上ブリッジダイオードVD7、第9上ブリッジダイオードVD9、第11上ブリッジダイオードVD11、第1上ブリッジアームVT1、第3上ブリッジアームVT3及び第5上ブリッジアームVT5をオンにし、第2パワースイッチユニット、第4パワースイッチユニット、第6パワースイッチユニット、第8パワースイッチユニット、第10パワースイッチユニット及び第12パワースイッチユニットをオフにするように制御し、直流充電エネルギー放出回路の電流の流れ方向は、第1直流充放電ポート3が直流電流を出力し、直流電流が順にスイッチK6、スイッチK5、第2巻線ユニットN2の1本の中性線(接続点n4から引き出される)、第2巻線ユニットN2、第7上ブリッジダイオードVD7、第9上ブリッジダイオードVD9、第11上ブリッジダイオードVD11、スイッチK1、電池2の正極、電池2の負極、スイッチK3及びスイッチK7を流れて、第1直流充放電ポート3に戻る。加熱エネルギー放出回路の電流の流れ方向、すなわち、第1巻線ユニットN1及び第2巻線ユニットN2に貯蔵されたエネルギーが放出される場合の電流の流れ方向は、第1巻線ユニットN1、第1巻線ユニットN1の1本の中性線(接続点n1から引き出される)、スイッチK4、スイッチK5、第2巻線ユニットN2の1本の中性線(接続点n4から引き出される)、第2巻線ユニットN2、第7上ブリッジダイオードVD7、第9上ブリッジダイオードVD9、第11上ブリッジダイオードVD11、第1上ブリッジアームVT1、第3上ブリッジアームVT3及び第5上ブリッジアームVT5を流れて、第1巻線ユニットN1に戻り、第1巻線ユニットN1、第1巻線ユニットN1の他の中性線(接続点n2から引き出される)、第2巻線ユニットN2の他の中性線(接続点n3から引き出される)、第2巻線ユニットN2、第7上ブリッジダイオードVD7、第9上ブリッジダイオードVD9、第11上ブリッジダイオードVD11、第1上ブリッジアームVT1、第3上ブリッジアームVT3及び第5上ブリッジアームVT5を流れて、第1巻線ユニットN1に戻る。
【0093】
図16に示すように、第8下ブリッジアームVT8、第10下ブリッジアームVT10、第12下ブリッジアームVT12、第1上ブリッジアームVT1、第3上ブリッジアームVT3及び第5上ブリッジアームVT5をオンにし、第2パワースイッチユニット、第4パワースイッチユニット、第6パワースイッチユニット、第7パワースイッチユニット、第9パワースイッチユニット及び第11パワースイッチユニットをオフにするように制御し、直流充電エネルギー貯蔵回路の電流の流れ方向は、第1直流充放電ポート3が直流電流を出力し、直流電流が順にスイッチK6、スイッチK5、第2巻線ユニットN2の1本の中性線(接続点n4から引き出される)、第2巻線ユニットN2、第8下ブリッジアームVT8、第10下ブリッジアームVT10、第12下ブリッジアームVT12及びスイッチK7を流れて、第1直流充放電ポート3に戻る。加熱エネルギー貯蔵回路の電流の流れ方向は、キャパシタC1が直流電流を出力し、直流電流が順に第1上ブリッジアームVT1、第3上ブリッジアームVT3、第5上ブリッジアームVT5、第1巻線ユニットN1、第1巻線ユニットN1の1本の中性線(接続点n1から引き出される)、スイッチK4、スイッチK5、第2巻線ユニットN2の1本の中性線(接続点n4から引き出される)、第2巻線ユニットN2、第8下ブリッジアームVT8、第10下ブリッジアームVT10及び第12下ブリッジアームVT12を流れて、キャパシタC1に戻り、キャパシタC1が直流電流を出力し、直流電流が順に第1上ブリッジアームVT1、第3上ブリッジアームVT3、第5上ブリッジアームVT5、第1巻線ユニットN1、第1巻線ユニットN1の他の中性線(接続点n2から引き出される)、第2巻線ユニットN2の他の中性線(接続点n3から引き出される)、第2巻線ユニットN2、第8下ブリッジアームVT8、第10下ブリッジアームVT10及び第12下ブリッジアームVT12を流れて、キャパシタC1に戻る。
【0094】
図17に示すように、第8下ブリッジアームVT8、第10下ブリッジアームVT10、第12下ブリッジアームVT12、第2下ブリッジダイオードVD2、第4下ブリッジダイオードVD4及び第6下ブリッジダイオードVD6をオンにし、第7パワースイッチユニット、第9パワースイッチユニット、第11パワースイッチユニット、第1パワースイッチユニット、第3パワースイッチユニット及び第5パワースイッチユニットをオフにするように制御し、直流充電エネルギー貯蔵回路の電流の流れ方向は、第1直流充放電ポート3が直流電流を出力し、直流電流が順にスイッチK6、スイッチK5、第2巻線ユニットN2の1本の中性線(接続点n4から引き出される)、第2巻線ユニットN2、第8下ブリッジアームVT8、第10下ブリッジアームVT10、第12下ブリッジアームVT12及びスイッチK7を流れて、第1直流充放電ポート3に戻る。加熱エネルギー放出回路の電流の流れ方向、すなわち、第1巻線ユニットN1及び第2巻線ユニットN2に貯蔵されたエネルギーが放出される場合の電流の流れ方向は、第1巻線ユニットN1、第1巻線ユニットN1の1本の中性線(接続点n1から引き出される)、スイッチK4、スイッチK5、第2巻線ユニットN2の1本の中性線(接続点n4から引き出される)、第2巻線ユニットN2、第8下ブリッジアームVT8、第10下ブリッジアームVT10、第12下ブリッジアームVT12、第2下ブリッジダイオードVD2、第4下ブリッジダイオードVD4及び第6下ブリッジダイオードVD6を流れて、第1巻線ユニットN1に戻り、第1巻線ユニットN1、第1巻線ユニットN1の他の中性線(接続点n2から引き出される)、第2巻線ユニットN2の他の中性線(接続点n3から引き出される)、第2巻線ユニットN2、第8下ブリッジアームVT8、第10下ブリッジアームVT10、第12下ブリッジアームVT12、第2下ブリッジダイオードVD2、第4下ブリッジダイオードVD4及び第6下ブリッジダイオードVD6を流れて、第1巻線ユニットN1に戻る。
【0095】
上記直流充電及び加熱回路において、回路における直流充電エネルギー貯蔵回路と加熱エネルギー貯蔵回路は、同時に動作することができ、該エネルギー変換装置における各スイッチは、互いに干渉せず、同様に、直流充電エネルギー放出回路と加熱エネルギー放出回路は、同時に動作することができ、かつ可逆PWM整流器11における各パワースイッチのオン時間を制御することにより、上記直流充電及び加熱回路において、同時に充電し加熱する需要を満たすために、第2巻線ユニットN2は、充電に用いられてもよく、第1巻線ユニットN1及び第2巻線ユニットN2は、加熱に用いられてもよい。
【0096】
上記図14図17に示される電流の流れ概略図において、図14は、直流充電エネルギー貯蔵回路と加熱エネルギー貯蔵回路の電流の流れを説明し、図15は、直流充電エネルギー放出回路と加熱エネルギー放出回路の電流の流れを説明し、図16は、直流充電エネルギー貯蔵回路と加熱エネルギー貯蔵回路の電流の流れを説明し、図17は、直流充電エネルギー貯蔵回路と加熱エネルギー放出回路の電流の流れを説明する。該エネルギー変換装置が直流充電エネルギー貯蔵プロセスで動作する場合、加熱回路は、加熱エネルギー貯蔵プロセス又は加熱エネルギー放出プロセスで動作することができ、該エネルギー変換装置が直流充電エネルギー放出プロセスで動作する場合、加熱回路は、加熱エネルギー放出プロセスで動作することができる。したがって、直流充電回路と加熱回路のプロセスは、独立して制御することができ、すなわち、同じ回路構造で行われる加熱及び直流充電の方法も1種類に限定されるべきではない。
【0097】
図7に示される回路構成例を例とし、この場合、第1直流充放電ポート3、第1巻線ユニットN1、可逆PWM整流器11及び電池2は、直流充放電回路を形成し、かつキャパシタC1、可逆PWM整流器11、第1巻線ユニットN1及び第2巻線ユニットN2は、加熱回路を形成する。
【0098】
第1直流充放電ポート3、第1巻線ユニットN1、可逆PWM整流器11及び電池2で形成された直流充放電回路において、第1直流充放電ポート3、第1巻線ユニットN1及び可逆PWM整流器11は、直流充電エネルギー貯蔵回路を形成し、第1直流充放電ポート3、第1巻線ユニットN1、可逆PWM整流器11及び電池2は、直流充電エネルギー放出回路を形成する。上記直流充電エネルギー貯蔵回路は、第1巻線ユニットN1によるエネルギー貯蔵プロセスを完了し、上記直流充電エネルギー放出回路は、第1巻線ユニットN1による貯蔵されたエネルギーの放出プロセスを完了し、かつ可逆PWM整流器11により、昇圧された直流電流を出力して、電池2を充電する。
【0099】
キャパシタC1、可逆PWM整流器11、第1巻線ユニットN1及び第2巻線ユニットN2で形成された加熱回路において、キャパシタC1、可逆PWM整流器11、第1巻線ユニットN1及び第2巻線ユニットN2は、加熱エネルギー貯蔵回路を形成し、第1巻線ユニットN1、第2巻線ユニットN2及び可逆PWM整流器11は、加熱エネルギー放出回路を形成する。
【0100】
上記エネルギー貯蔵及びエネルギー放出のプロセスをより明確に理解するために、以下、図7に示される回路構成例を例として、上記エネルギー貯蔵及びエネルギー放出のプロセスにおける電流の流れ方向を説明する。
【0101】
図18に示すように、スイッチK1、スイッチK5、スイッチK4及びスイッチK6をオフにし、スイッチK2及びスイッチK3をオンにするように制御し、抵抗RによりキャパシタC1の予備充電プロセスを完了し、スイッチK2をオフにし、スイッチK1、スイッチK5、スイッチK4及びスイッチK6をオンにし、第7上ブリッジアームVT7、第9上ブリッジアームVT9、第11上ブリッジアームVT11、第2下ブリッジアームVT2、第4下ブリッジアームVT4及び第6下ブリッジアームVT6をオンにし、第1パワースイッチユニット、第3パワースイッチユニット、第5パワースイッチユニット、第8パワースイッチユニット、第10パワースイッチユニット及び第12パワースイッチユニットをオフにするように制御し、第1直流充放電ポート3が直流電流を出力し、直流電流が順にスイッチK5、スイッチK4、第1巻線ユニットN1の1本の中性線(n1から引き出される)、第1巻線ユニットN1、第2下ブリッジアームVT2、第4下ブリッジアームVT4、第6下ブリッジアームVT6及びスイッチK6を流れて、第1直流充放電ポート3に戻る。キャパシタC1が直流電流を出力し、直流電流が順に第7上ブリッジアームVT7、第9上ブリッジアームVT9、第11上ブリッジアームVT11、第2巻線ユニットN2、第2巻線ユニットN2の1本の中性線(n3から引き出される)、第1巻線ユニットN1の他の中性線(n2から引き出される)、第1巻線ユニットN1、第2下ブリッジアームVT2、第4下ブリッジアームVT4及び第6下ブリッジアームVT6を流れて、キャパシタC1に戻る。
【0102】
図19に示すように、第7上ブリッジアームVT7、第9上ブリッジアームVT9、第11上ブリッジアームVT11、第1上ブリッジダイオードVD1、第3上ブリッジダイオードVD3及び第5上ブリッジダイオードVD5をオンにし、第2パワースイッチユニット、第4パワースイッチユニット、第6パワースイッチユニット、第8パワースイッチユニット、第10パワースイッチユニット及び第12パワースイッチユニットをオフにするように制御し、第1直流充放電ポート3が直流電流を出力し、直流電流が順にスイッチK5、スイッチK4、第1巻線ユニットN1の1本の中性線(n1から引き出される)、第1巻線ユニットN1、第1上ブリッジダイオードVD1、第3上ブリッジダイオードVD3、第5上ブリッジダイオードVD5、スイッチK1、電池2、スイッチK3及びスイッチK6を流れて、第1直流充放電ポート3に戻る。加熱エネルギー放出回路の電流の流れ方向、すなわち、第1巻線ユニットN1及び第2巻線ユニットN2に貯蔵されたエネルギーが放出される場合の電流の流れ方向は、第2巻線ユニットN2、第2巻線ユニットN2の1本の中性線(n3から引き出される)、第1巻線ユニットN1の他の中性線(n2から引き出される)、第1巻線ユニットN1、第1上ブリッジダイオードVD1、第3上ブリッジダイオードVD3、第5上ブリッジダイオードVD5、第7上ブリッジアームVT7、第9上ブリッジアームVT9及び第11上ブリッジアームVT11を流れて、第2巻線ユニットN2に戻る。
【0103】
図20に示すように、第7上ブリッジアームVT7、第9上ブリッジアームVT9、第11上ブリッジアームVT11、第2下ブリッジアームVT2、第4下ブリッジアームVT4及び第6下ブリッジアームVT6をオンにし、第1パワースイッチユニット、第3パワースイッチユニット、第5パワースイッチユニット、第8パワースイッチユニット、第10パワースイッチユニット及び第12パワースイッチユニットをオフにするように制御し、第1直流充放電ポート3が直流電流を出力し、直流電流が順にスイッチK5、スイッチK4、第1巻線ユニットN1の1本の中性線(n1から引き出される)、第1巻線ユニットN1、第2下ブリッジアームVT2、第4下ブリッジアームVT4、第6下ブリッジアームVT6及びスイッチK6を流れて、第1直流充放電ポート3に戻る。キャパシタC1が直流電流を出力し、直流電流が順に第7上ブリッジアームVT7、第9上ブリッジアームVT9、第11上ブリッジアームVT11、第2巻線ユニットN2、第2巻線ユニットN2の1本の中性線(n3から引き出される)、第1巻線ユニットN1の他の中性線(n2から引き出される)、第1巻線ユニットN1、第2下ブリッジアームVT2、第4下ブリッジアームVT4及び第6下ブリッジアームVT6を流れて、キャパシタC1に戻る。
【0104】
図21に示すように、第8下ブリッジダイオードVD8、第10下ブリッジダイオードVD10、第12下ブリッジダイオードVD12、第2下ブリッジアームVT2、第4下ブリッジアームVT4及び第6下ブリッジアームVT6をオンにし、第7パワースイッチユニット、第9パワースイッチユニット、第11パワースイッチユニット、第1パワースイッチユニット、第3パワースイッチユニット及び第5パワースイッチユニットをオフにするように制御し、第1直流充放電ポート3が直流電流を出力し、直流電流が順にスイッチK5、スイッチK4、第1巻線ユニットN1の1本の中性線(n1から引き出される)、第1巻線ユニットN1、第2下ブリッジアームVT2、第4下ブリッジアームVT4、第6下ブリッジアームVT6及びスイッチK6を流れて、第1直流充放電ポート3に戻る。加熱エネルギー放出回路の電流の流れ方向、すなわち、第1巻線ユニットN1及び第2巻線ユニットN2に貯蔵されたエネルギーが放出される場合の電流の流れ方向は、順に、第2巻線ユニットN2、第2巻線ユニットN2の1本の中性線(n3から引き出される)、第1巻線ユニットN1の他の中性線(n2から引き出される)、第1巻線ユニットN1、第2下ブリッジアームVT2、第4下ブリッジアームVT4、第6下ブリッジアームVT6、第8下ブリッジダイオードVD8、第10下ブリッジダイオードVD10及び第12下ブリッジダイオードVD12を流れて、第2巻線ユニットN2に戻る。
【0105】
上記図18図21に示される電流の流れ方向の概略図は、図7に示される回路構成例が同時に直流充電及び加熱を行う電流の流れを説明する。なお、本実施形態に係る他の回路構成例は、同時に直流充電及び加熱を行うことができ、その電流の流れは、上記図14図17図18図21に示される電流の流れと類似し、ここでは説明を省略する。
【0106】
さらに、本実施例の1つの実施形態として、コントローラは、第1直流充放電ポート3及びバスキャパシタにより出力された電流又は電池2及びバスキャパシタにより出力された電流がモータコイル12における巻線ユニットを流れてトルクが発生するように、外部信号に基づいて可逆PWM整流器11を制御し、各セットの巻線ユニットの電流によってモータロータの磁場で配向された同期回転座標系の直軸、横軸に形成された電流ベクトルを制御することによりトルクの大きさ及び方向を制御するとともに、各セットの巻線ユニットの全ての相巻線から他のセットの巻線ユニットの全ての相巻線に流入する電流によってモータロータの磁場で配向された同期回転座標系のゼロ軸に形成された電流ベクトルの大きさを制御する。
【0107】
1つの巻線ユニットの各相巻線に電流が流れると、電流を電流ベクトルとし、かつ該電流ベクトルをモータロータの磁場で配向された同期回転座標系で分解し、該電流ベクトルの直軸、横軸、ゼロ軸上の対応するベクトルを取得し、ベクトルの方向が該電流の方向を表すことにより、モータロータの磁場で配向された同期回転座標系の直軸、横軸、ゼロ軸上の各相巻線の電流に対応するベクトルを取得する。さらに、1つの巻線ユニットにおける各相巻線の電流をモータロータの磁場で配向された同期回転座標系の直軸、横軸、ゼロ軸で解くことにより、直軸、横軸、ゼロ軸上の巻線ユニットの電流に対応するベクトルの大きさを取得する。
【0108】
同様に、1つの巻線ユニットにおける各相巻線にいずれもインダクタンス、抵抗が存在し、電流が流れると、各相巻線の両端に電圧があり、インダクタンス、抵抗、電圧をモータロータの磁場で配向された同期回転座標系で解いて、直軸、横軸、ゼロ軸上の対応するインダクタンス、抵抗、電圧の値を取得することができる。
【0109】
各セットの巻線ユニットに発生するトルクの大きさ及び方向は、以下の式(1)に従って計算することができる。
【数1】
【0110】
ここで、Texは、第xセットの巻線ユニットに発生するトルクを表し、mは、第xセットの巻線ユニットの巻線の相数を表し、Pは、モータの極対の数を表し、
【数2】
は、モータの永久磁石の鎖交磁束を表し、iqxは、第xセットの巻線ユニットの横軸に形成された電流ベクトルを表し、idxは、第xセットの巻線ユニットの直軸に形成された電流ベクトルを表し、Ldxは、第xセットの巻線ユニットの直軸に形成されたインダクタンスを表し、Lqxは、第xセットの巻線ユニットの横軸に形成されたインダクタンスを表す。
【0111】
モータコイルに発生するトルクの大きさ及び方向は、以下の式(2)に従って計算することができる。
【数3】
【0112】
ここで、Tは、各セットの巻線に発生するトルクの和を表し、xは、モータコイル12における巻線ユニットの数を表し、Tekは、モータコイル12における第kセットの巻線ユニットに発生するトルクを表し、k≧1であり、かつkは、正の整数である。
【0113】
なお、各相巻線に電流が流れ、かつ各相巻線に抵抗が存在する場合、各相巻線は、熱を発し、この場合、加熱電力は、IRであり、Iは、ある相巻線を流れる電流を表し、Rは、ある相巻線の抵抗を表す。
【0114】
モータコイル12がxセットの巻線ユニットを含む場合、各セットの巻線ユニットを1つの基本ユニットとし、次に各セットの巻線ユニットに対して類似のベクトル制御方法を用いることにより、各セットの巻線ユニットを制御することを実現する。
【0115】
本実施形態において、各相巻線ユニットの電流、抵抗、電圧、インダクタンスをモータロータの磁場で配向された同期回転座標系で具体的に換算して、各相巻線ユニットの電流、抵抗、電圧、インダクタンスの直軸、横軸、ゼロ軸上の対応する成分を取得し、各相巻線ユニットの電流の直軸、横軸、ゼロ軸上の対応する成分を制御することにより、各巻線ユニットに発生するトルク及びモータコイルに発生する加熱電力を制御することを実現する。
【0116】
本実施形態において、図2図9図10図11に示される回路構成例を例とし、この場合、第1巻線ユニットN1と第2巻線ユニットN2からそれぞれ2本の中性線が引き出され、第1巻線ユニットN1は、中性線により第2巻線ユニットN2に接続され、第1直流充放電ポート3、第1巻線ユニットN1、第2巻線ユニットN2、可逆PWM整流器11及び電池2は、直流充放電回路を形成する。
【0117】
上記直流充放電回路において、回路における電流の間の関係は、以下の式(3)で表すことができる。
【数4】
【0118】
ここで、iは、モータコイル12に流入する電流を表し、in1は、第1巻線ユニットN1の中性線(n1から引き出される)の電流を表し、in2は、第2巻線ユニットN2の中性線(n4から引き出される)の電流を表し、iaは、第1巻線ユニットN1におけるA相巻線を流れる電流を表し、ibは、第1巻線ユニットN1におけるB相巻線を流れる電流を表し、icは、第1巻線ユニットN1におけるC相巻線を流れる電流を表し、iuは、第2巻線ユニットN2におけるU相巻線を流れる電流を表し、ivは、第2巻線ユニットN2におけるV相巻線を流れる電流を表し、iwは、第2巻線ユニットN2におけるW相巻線を流れる電流を表し、相数m1=m2=3であり、i01は、第1巻線ユニットN1における各相巻線を流れる電流を表し、i02は、第2巻線ユニットN2における各相巻線を流れる電流を表し、iは、第1巻線ユニットN1から第2巻線ユニットN2に流れる電流を表す。
【0119】
該エネルギー変換装置が直流充電モードで動作する場合、iがゼロに等しくなく、かつin1及びin2がいずれもゼロより大きく、該エネルギー変換装置が直流放電モードで動作する場合、iがゼロに等しくなく、かつin1及びin2がいずれもゼロより小さい。本実施例において、電池2の正極に流入する電流を正方向の電流とし、この場合、電流がゼロより大きく、電池2の正極から流出する電流を負方向の電流とし、この場合、電流がゼロより小さい。
【0120】
具体的には、in1*=i*/2、in2*=i*/2、i=0であるように制御する場合、計算せず、かつi*及びi*の大きさを制御せず、ここで、i*は、モータコイル12に流入する目標電流を表し、in1*は、第1巻線ユニットN1の中性線(n1から引き出される)の目標電流を表し、in2*は、第2巻線ユニットN2の中性線(n4から引き出される)の目標電流を表す。
【0121】
この場合、第1巻線ユニットN1及び第2巻線ユニットN2により出力された電流の振幅値が等しいため、2セットの巻線の出力電力が一致することを保証することができる。
【0122】
具体的には、in1*=i*/2+i、in2*=i*/2-i、i=i*/2であるように制御し、すなわち、in1*=i*、in2*=0、i*=id1*=id2*=0、i*=iq1*=iq2*=0又はin1*=0、in2*=i*であるように制御する場合、i*及びi*は、解かされず、制御されず、ここで、id1*は、第1巻線ユニットN1における各相巻線を流れる電流によって直軸に形成された目標電流ベクトルを表し、iq1*は、第1巻線ユニットN1における各相巻線を流れる電流によって横軸に形成された目標電流ベクトルを表し、id2*は、第2巻線ユニットN2における各相巻線を流れる電流によって直軸に形成された目標電流ベクトルを表し、iq2*は、第2巻線ユニットN2における各相巻線を流れる電流によって横軸に形成された目標電流ベクトルを表し、i*は、モータの全ての巻線ユニットを流れる電流によって直軸に形成された目標電流ベクトルを表し、i*は、モータの全ての巻線ユニットを流れる電流によって横軸に形成された目標電流ベクトルを表す。
【0123】
この場合、直流充放電回路において、モータコイル12における1セットの巻線ユニットのみを用い、毎回充放電に2セットの巻線を交互に用いることにより、巻線の耐用年数を均衡させることができ、また、毎回、1セットの巻線のみを用いることにより、電子部品のスイッチング損失を低減することができる。
【0124】
本実施形態において、図7図8に示される回路構成例を例とし、この場合、第1巻線ユニットN1から2本の中性線が引き出され、第2巻線ユニットN2から1本の中性線が引き出され、第1巻線ユニットN1は、中性線により第2巻線ユニットN2に接続され、第1直流充放電ポート3、第1巻線ユニットN1、第2巻線ユニットN2、可逆PWM整流器11及び電池2は、直流充放電回路を形成する。
【0125】
上記直流充放電回路において、回路における電流の間の関係は、以下の式(4)で表すことができる。
【数5】
【0126】
ここで、iは、モータコイル12に流入する電流を表し、in1は、第1巻線ユニットN1の中性線(n1から引き出される)から流入する電流を表し、iaは、第1巻線ユニットN1におけるA相巻線を流れる電流を表し、ibは、第1巻線ユニットN1におけるB相巻線を流れる電流を表し、icは、第1巻線ユニットN1におけるC相巻線を流れる電流を表し、iuは、第2巻線ユニットN2におけるU相巻線を流れる電流を表し、ivは、第2巻線ユニットN2におけるV相巻線を流れる電流を表し、iwは、第2巻線ユニットN2におけるW相巻線を流れる電流を表し、相数m1=m2=3であり、i01は、第1巻線ユニットN1における各相巻線を流れるゼロ軸電流を表し、i02は、第2巻線ユニットN2における各相巻線を流れるゼロ軸電流を表し、iは、第1巻線ユニットN1から第2巻線ユニットN2に流れる電流を表す。
【0127】
さらに、本実施例の1つの実施形態として、第1巻線ユニットN1を流れる電流によってゼロ軸に形成された電流ベクトルの大きさがゼロに等しくないように制御することにより、第1直流充放電ポート3、モータコイル12における1セットの巻線ユニット、可逆PWM整流器11及び電池2は、直流充電回路又は直流放電回路を形成し、かつバスキャパシタ、可逆PWM整流器11、第1巻線ユニットN1及び第2巻線ユニットN2は、加熱回路を形成する。
【0128】
なお、本実施形態における各相巻線は、モータロータの磁場で配向された同期回転座標系の直軸、横軸平面に、各相巻線に対応する各垂直投影を形成し、隣接する各垂直投影の間の差は、360/mである。第xセットの巻線ユニットにおける各相巻線ユニットの電流の大きさが等しい場合、各相巻線を流れる電流は、直軸に電流ベクトルを形成し、同様に横軸に電流ベクトルを形成し、直軸に形成された電流ベクトルと横軸に同様に形成された電流ベクトルを加算して、各相巻線を流れる電流によって直軸-横軸に形成された電流ベクトルの和を取得し、この場合、各相巻線を流れる電流によって直軸-横軸に形成された電流ベクトルの和の大きさは等しく、かつ隣接する各巻線を流れる電流によって直軸-横軸に形成された電流ベクトルの和の方向の差は360/mであるため、第xセットの巻線ユニットにおける各相巻線によって形成された電流ベクトルを加算して、該第xセットの巻線ユニットの直軸-横軸に形成された電流ベクトルがゼロであることを知り、すなわち、第xセットの巻線ユニットに発生するトルクは、ゼロである。
【0129】
また、第xセットの巻線ユニットにおける各相巻線ユニットがゼロ軸に電流ベクトルを形成し、かつ各相巻線ユニットのゼロ軸に発生する電流の方向が一致するため、第xセットの巻線ユニットのゼロ軸に発生する各電流ベクトルが互いに相殺されないため、第xセットの巻線ユニットのゼロ軸に発生する電流ベクトルがゼロではない。
【0130】
したがって、第xセットの巻線ユニットにおける各相巻線を流れる電流の大きさが等しいように制御する場合、第xセットの巻線ユニットに発生するトルクは、ゼロであり、上記式(2)の計算方法に従って、この場合、Tは、ゼロであり、トルクは、発生せず、車両は、駐車状態にあるべきであり、モータコイルの電流が電池を充電し、電池を電気加熱するように制御し、モータは、回転しない。
【0131】
本実施形態において、各セットの巻線ユニットの直軸、横軸に形成された電流ベクトルの和がゼロであるように制御することにより、各セットの巻線ユニットに発生する総トルクは、ゼロであり、モータコイル12には、トルクが発生せず、かつ各セットの巻線ユニットのゼロ軸に形成された電流ベクトルを用いて加熱することにより、モータコイル12は、熱を発して、電池2を加熱する。
【0132】
さらに、本実施例の1つの実施形態として、第xセットの巻線ユニットに発生する加熱電力は、mRs(iであり、ここで、mは、第xセットの巻線ユニットの巻線相数を表し、iは、第xセットの巻線ユニットを流れる電流によってゼロ軸に形成された電流ベクトルの振幅値を表し、Rsは、第xセットの巻線ユニットにおける中性線に接続された各相巻線分岐回路の相抵抗を表す。
【0133】
具体的には、図2に示される回路構成例を例とし、該モータコイル12に発生するトルクをゼロにするために、第1巻線ユニットN1及び第2巻線ユニットN2を流れる電流の直軸、横軸上の電流ベクトルがゼロであるように制御することができるか、又は第1巻線ユニットN1及び第2巻線ユニットN2における各相巻線を流れる電流の大きさが等しいように制御することができる。この場合、i*=id1*=id2*=0、i*=iq1*=iq2*=0であり、或いは、i*及びi*は、解かされず、制御されない。
【0134】
本実施形態において、図2に示される回路構成例を例とし、第1巻線ユニットN1の加熱電力、第2巻線ユニットN2の加熱電力、モータコイル12の加熱電力は、以下の式(5)に従って計算することができる。
【数6】
【0135】
ここで、モータ相数m1=m2=3であり、Pは、モータコイルの目標加熱電力を表し、Pは、第1巻線ユニットN1のゼロ軸に発生する目標加熱電力を表し、Pは、第2巻線ユニットN2のゼロ軸に発生する目標加熱電力を表し、Rsnは、中性線に接続された各相巻線分岐回路の相抵抗(本実施形態において、中性線に接続された各相巻線分岐回路の相抵抗がいずれも等しい)を表し、なお、iは、第1巻線ユニットN1と第2巻線ユニットN2との間に流入する不平衡電流を表す。
【0136】
該エネルギー変換装置が直流充放電モード及び加熱モードで動作する場合、i*=in1*+in2*≠0であるように制御して、充電電力の需要を満たし、かつin1*=i*/2+i、in2*=i*/2-i、i≠0であるか又はin1*=2*i*/3+i、in2*=i*/3-i、i≠0であるように制御し、すなわち、i*=in1*+in2*≠0が満たされればよい。同時に、in1*=i*/2+i、in2*=i*/2-i、i≠0であるように制御する。
【0137】
本実施形態において、電池2が位置する環境の温度に基づいて、モータコイル12に発生する必要がある目標加熱電力を取得し、式(5)における各セットの上記巻線ユニットの全ての相巻線から他の1セットの巻線ユニットの全ての相巻線に流入する電流iの大きさを調整することにより、電池2を加熱する要件を満たし、かつ第1巻線ユニットN1及び第2巻線ユニットN2に必要な充放電電流に基づいて、第1巻線ユニットN1及び第2巻線ユニットN2のゼロ軸に発生する実際のゼロ軸電流を取得し、上記式(3)に従って、第1巻線ユニットN1及び第2巻線ユニットN2における各相巻線のゼロ軸に発生するゼロ軸電流と第1巻線ユニットN1の中性線(n1から引き出される)の電流in1、第2巻線ユニットN2の中性線(n4から引き出される)の電流in2との間の関係を取得し、かつ上記(5)に従って、第1巻線ユニットN1及び第2巻線ユニットN2に発生する実際の加熱電力を計算して取得し、第1巻線ユニットN1及び第2巻線ユニットN2に発生する実際の加熱電力の和が目標加熱電力以上である場合、第1巻線ユニットN1及び第2巻線ユニットN2に必要な充放電電流を調整せず、第1巻線ユニットN1及び第2巻線ユニットN2に発生する実際の加熱電力の和が目標加熱電力より小さい場合、式(5)における各セットの上記巻線ユニットの全ての相巻線から他の1セットの巻線ユニットの全ての相巻線に流入する電流iの大きさを調整することにより、式(5)に従ってin1、in2及びiを計算して取得し、かつ第1巻線ユニットN1及び第2巻線ユニットN2を流れるゼロ軸上の電流がin1、in2及びiの条件を満たすように制御する。
【0138】
本実施形態において、モータコイル12における各巻線ユニットを流れる電流によって直軸、横軸、ゼロ軸に形成された電流ベクトルの大きさを制御することにより、該エネルギー変換装置は、充放電を行うと同時に、電池2を加熱することができ、電池2の充放電効率を向上させ、かつ電池2におけるリチウムイオンの電気的活性を向上させることにより、電池2の安全性を向上させる。
【0139】
さらに、本実施例の1つの実施形態とし、第1巻線ユニットN1を流れる電流によってゼロ軸に形成された電流ベクトルの大きさがゼロに等しくなく、第1巻線ユニットN1及び第2巻線ユニットN2に発生するトルクの大きさが等しく、かつゼロではないように制御することにより、第1直流充放電ポート3、モータコイル12における1セットの巻線ユニット、可逆PWM整流器11及び電池2は、直流充電回路又は直流放電回路を形成し、かつバスキャパシタ、可逆PWM整流器11及びモータコイル12は、駆動回路を形成する。
【0140】
図2に示される回路構成例を例とし、この場合、モータコイル12は、第1巻線ユニットN1及び第2巻線ユニットN2を含み、第1巻線ユニットN1及び第2巻線ユニットN2には、いずれもトルクが発生することができ、上記式(1)に従って第1巻線ユニットN1及び第2巻線ユニットN2に発生するトルクを取得することができ、具体的には、以下の式(6)に従って計算して取得することができる。
【数7】
【0141】
ここで、モータ相数m1=m2=3であり、Te1は、第1巻線ユニットN1に発生するトルクを表し、Te2は、第2巻線ユニットN2に発生するトルクを表し、iは、第1巻線ユニットN1及び第2巻線ユニットN2の横軸上の電流ベクトルの和を表し、iは、第1巻線ユニットN1及び第2巻線ユニットN2の直軸上の電流ベクトルの和を表し、Pは、モータの極対の数を表し、
【数8】
は、モータの永久磁石の鎖交磁束を表し、iq1は、第1巻線ユニットN1の横軸に形成された電流ベクトルを表し、id1は、第1巻線ユニットN1の直軸に形成された電流ベクトルを表し、id2は、第2巻線ユニットN2の直軸に形成された電流ベクトルを表し、iq2は、第2巻線ユニットN2の横軸に形成された電流ベクトルを表し、Ld1は、第1巻線ユニットN1の直軸に形成されたインダクタンスを表し、Lq1は、第1巻線ユニットN1の横軸に形成されたインダクタンスを表し、Ld2は、第2巻線ユニットN2の直軸に形成されたインダクタンスを表し、Lq2は、第2巻線ユニットN2の横軸に形成されたインダクタンスを表し、Lは、第1巻線ユニットN1及び第2巻線ユニットN2の直軸に形成されたインダクタンスの和を表し、Lは、第1巻線ユニットN1及び第2巻線ユニットN2の横軸に形成されたインダクタンスの和を表す。
【0142】
第1直流充放電ポート3、モータコイル12における1セットの巻線ユニット、可逆PWM整流器11及び電池2が直流充電回路又は直流放電回路を形成し、かつバスキャパシタ、可逆PWM整流器11及びモータコイル12が駆動回路を形成する場合、T=Te1+Te2であるように制御すれば、T/2=Te1=Te2であるか、又は、Te1=T/2+T、Te2=T/2-T、T≠0であるか、又は、Te1=2*T/3+T、Te2=1*T/3-T、T≠0であり、すなわち、T=Te1+Te2が満たされればよい。
【0143】
好ましくは、T/2=Te1=Te2、i*=id1=id2、i*=iq1=iq2であるように制御し、この場合、モータコイル12における2セットの巻線ユニットの出力電流は、正弦で、振幅値が等しいため、2セットの巻線の出力電力が一致することを保証することができ、かつ可逆PWM整流器11における各ブリッジアームが均衡に用いられ、可逆PWM整流器11の耐用年数を延長する。
【0144】
具体的には、モータコイル12に発生する目標トルク及びT=Te1+Te2に基づいて、第1巻線ユニットN1及び第2巻線ユニットN2の目標トルクを取得し、かつ第1巻線ユニットN1の目標トルクに基づいてテーブルルックアップを行って、最も小さいid1*、iq1*を取得し、第2巻線ユニットN2の目標トルクに基づいてテーブルルックアップを行って、最も小さいid2*、iq2*を取得して、id1*、iq1*、id2*、iq2*を取得する。テーブルルックアップは、トルクの大きさを満たすと同時に、最も小さいid1*、iq1*、id2*、iq2*を取得するように、内蔵式の永久磁石同期モータの動作中の電流、電圧追跡テーブルをクエリすることであってもよい。
【0145】
また、第1巻線ユニットN1及び第2巻線ユニットN2に必要な充放電電流を取得し、かつ必要な充放電電流に基づいて、上記式(3)に従って、第1巻線ユニットN1の中性線(n1から引き出される)の電流in1及び第2巻線ユニットN2の中性線(n4から引き出される)の電流in2を取得する。
【0146】
本実施形態において、充放電を行うと同時に駆動することを実現することができ、該エネルギー変換装置の使用の柔軟性を拡大する。
【0147】
さらに、本実施例の1つの実施形態とし、第1巻線ユニットN1を流れる電流によってゼロ軸に形成された電流ベクトルの大きさがゼロに等しくなく、第1巻線ユニットN1及び第2巻線ユニットN2に発生するトルクの大きさが等しく、かつゼロではないように制御することにより、第1直流充放電ポート3、モータコイル12における1セットの巻線ユニット、可逆PWM整流器11及び電池2は、直流充電回路又は直流放電回路を形成し、かつバスキャパシタ、可逆PWM整流器11、第1巻線ユニットN1及び第2巻線ユニットN2は、加熱回路及び駆動回路を形成する。
【0148】
第1直流充放電ポート3、モータコイル12における1セットの巻線ユニット、可逆PWM整流器11及び電池2が直流充電回路又は直流放電回路を形成し、かつバスキャパシタ、可逆PWM整流器11、第1巻線ユニットN1及び第2巻線ユニットN2が加熱回路及び駆動回路を形成する場合、該エネルギー変換装置は、充放電、加熱及び駆動プロセスを同時に行い、該プロセスにおいて、第xセットの巻線ユニットに発生する加熱電力は
【数9】
であり、ここで、mは、第xセットの巻線ユニットの巻線相数を示し、i0xは、第xセットの巻線ユニットを流れる電流によってゼロ軸に形成された電流ベクトルの振幅値を表し、Rsは、第xセットの巻線ユニットの各相巻線の相抵抗を表し、Rsは、第xセットの巻線ユニットにおける中性線に接続された各相のコイル分岐回路の相抵抗を表し、
【数10】
は、第xセットの巻線ユニットの電流によって上記直軸、横軸に形成された電流ベクトルの和を表す。図2に示される回路構成例を例とし、この場合、Rsは、第1巻線ユニットN1における第1相巻線Aのコイル分岐回路A1及びコイル分岐回路A2で形成された相抵抗、又は第1巻線ユニットN1における第2相巻線Bのコイル分岐回路B1及びコイル分岐回路B2で形成された相抵抗、又は第1巻線ユニットN1における第3相巻線Cのコイル分岐回路C1及びコイル分岐回路C2で形成された相抵抗を表し、Rsは、第1巻線ユニットN1における第1相巻線Aのコイル分岐回路A1の相抵抗、第1巻線ユニットN1における第1相巻線Aのコイル分岐回路A2の相抵抗、又は第1巻線ユニットN1における第2相巻線Bのコイル分岐回路B1の相抵抗、第1巻線ユニットN1における第2相巻線Bのコイル分岐回路B2の相抵抗、又は第1巻線ユニットN1における第3相巻線Cのコイル分岐回路C1の相抵抗、第1巻線ユニットN1における第3相巻線Cのコイル分岐回路C2の相抵抗を表す。
【0149】
この場合、モータコイル12における各巻線ユニットの直軸、横軸、ゼロ軸上の電流は、いずれも熱を発することができる。図2に示される回路構成例を例とし、第1巻線ユニットN1及び第2巻線ユニットN2に発生する加熱電力は、以下の式(7)に従って計算して取得することができる。
【数11】
【0150】
ここで、Pは、第1巻線ユニットN1のゼロ軸に発生する目標加熱電力を表し、Pは、第2巻線ユニットN2のゼロ軸に発生する目標加熱電力を表し、Pは、第1巻線ユニットN1の直軸及び横軸に発生する目標加熱電力を表し、Pは、第2巻線ユニットN2の直軸及び横軸に発生する目標加熱電力を表し、is1*は、第1巻線ユニットN1を流れる電流によって直軸、横軸に形成された電流ベクトルの和を表し、is2*は、第2セットの巻線ユニットN2を流れる電流によって直軸、横軸に形成された電流ベクトルの和を表し、i*は、第1巻線ユニットN1及び第2巻線ユニットN2を流れる電流によって直軸、横軸に形成された電流ベクトルの和を表し、Rは、第1巻線ユニットN1及び第2巻線ユニットの各相巻線の相抵抗を表し、Rsnは、中性線に接続された各相巻線分岐回路の相抵抗(本実施形態において、中性線に接続された各相巻線分岐回路の相抵抗がいずれも等しい)を表す。
【0151】
具体的には、i*=in1*+in2*≠0であり、かつin1*=i*/2+i、in2*=i*/2-i、i≠0であるか、又は、in1*=2*i*/3+i、in2*=i*/3-i、i≠0であるように制御し、すなわち、i*=in1*+in2*≠0が満たされればよい。また、in1*=i*/2+i、in2*=i*/2-i、i≠0であるように制御し、かつT=Te1+Te2であるように制御すれば、T/2=Te1=Te2であるか、又は、Te1=T/2+T、Te2=T/2-T、T≠0であるか、又は、Te1=2*T/3+T、Te2=1*T/3-T、T≠0であり、すなわち、T=Te1+Te2が満たされればよい。
【0152】
好ましくは、T/2=Te1=Te2、i*=id1=id2、i*=iq1=iq2であるように制御し、この場合、モータコイル12における2セットの巻線ユニットの出力電流は、正弦で、振幅値が等しいため、2セットの巻線の出力電力が一致することを保証することができ、かつ可逆PWM整流器11における各ブリッジアームが均衡に用いられ、可逆PWM整流器11の耐用年数を延長する。
【0153】
本実施例において、各巻線ユニットのゼロ軸、横軸、直軸上の電流は、いずれも加熱電力を発生することができ、かつ加熱電力をより柔軟に制御することができる。
【0154】
さらに、本実施例の1つの実施形態とし、可逆PWM整流器11は、コントローラに接続され、コントローラは、各セットの巻線ユニットにおける各相巻線の実際の電流を取得し、またモータコイル12に発生する必要がある目標加熱電力を取得し、モータコイル12に発生する必要がある目標加熱電力に基づいて、各セットの巻線ユニットの直軸、横軸、ゼロ軸で必要とされる目標ゼロ軸電流、目標直軸電流、目標横軸電流を取得し、目標ゼロ軸電流、目標直軸電流、目標横軸電流及び各相巻線ユニットを流れる実際の電流に基づいて、各セットの巻線ユニットに接続された可逆PWM整流器11のブリッジアームのデューティ比を取得し、各セットの巻線ユニットのゼロ軸電流に対して閉ループ制御を行って取得されたデューティ比をそれぞれ直軸電流、横軸電流に対してベクトル制御を行って取得された各相のデューティ比と加算して、各相の総デューティ比を取得する。
【0155】
本実施形態において、収集及び計算により各セットの巻線ユニットにおける各相巻線を流れる実際の電流を取得し、また電池2が位置する環境の環境の温度及び電池2から出力された直流電流、直流電圧に基づいて、モータコイル12に発生する必要がある熱量を計算し、かつ該熱量に基づいて、モータコイル12に発生する必要がある目標加熱電力を取得し、モータコイル12に発生する必要がある目標加熱電力に基づいて、各セットの巻線ユニットの直軸、横軸、ゼロ軸で必要とされる目標ゼロ軸電流、目標直軸電流、目標横軸電流を取得し、目標ゼロ軸電流、目標直軸電流、目標横軸電流及び各セットの巻線の直軸、横軸、ゼロ軸に形成された実際の電流ベクトルに基づいて、各セットの巻線ユニットに接続された可逆PWM整流器11のブリッジアームのデューティ比を取得し、各セットの巻線ユニットのゼロ軸電流に対して閉ループ制御を行って取得されたデューティ比をそれぞれ直軸電流、横軸電流に対してベクトル制御を行って取得された各相ブリッジアームのデューティ比と加算して、各相ブリッジアームの総デューティ比を取得する。
【0156】
本実施形態において、可逆PWM整流器11のブリッジアームのデューティ比を調整することにより、モータコイル12の加熱電力を調整するという目的を達成する。
【0157】
さらに、本実施例の1つの実施形態として、モータコイル12に発生する必要がある目標加熱電力を取得し、モータコイル12に発生する必要がある目標加熱電力に基づいて、各セットの巻線ユニットの直軸、横軸、ゼロ軸で必要とされる目標ゼロ軸電流、目標直軸電流、目標横軸電流を取得するステップは、
電池が位置する環境の温度に基づいて、モータコイル12に発生する必要がある目標加熱電力を取得するステップと、
各セットの巻線ユニットに発生する必要があるトルクに基づいて、各セットの巻線ユニットの直軸、横軸で必要とされる目標直軸電流及び目標横軸電流を取得し、目標直軸電流及び目標横軸電流に基づいて、各セットの巻線ユニットに発生する第1加熱電力を取得するステップと、
各セットの巻線ユニットに必要な充放電電流に基づいて、各セットの巻線ユニットのゼロ軸上の実際のゼロ軸電流を取得し、各セットの巻線ユニットに発生する実際のゼロ軸電流に基づいて、各セットの巻線ユニットに発生する第2加熱電力を取得し、かつ各セットの巻線ユニットに発生する第1加熱電力及び第2加熱電力を加算してモータコイル12に発生する実際の加熱電力を取得するステップと、
モータコイル12に発生する必要がある目標加熱電力がモータコイル12に発生する実際の加熱電力より大きい場合、モータコイル12に発生する実際の加熱電力とモータコイル12に発生する必要がある目標加熱電力に基づいて、各セットの巻線ユニットのゼロ軸に発生する必要がある目標加熱電力を計算して取得し、かつ各セットの巻線ユニットのゼロ軸に発生する必要がある目標加熱電力に基づいて、各セットの巻線ユニットのゼロ軸上の目標ゼロ軸電流を計算して取得するステップとを含む。
【0158】
いくつかの例において、図2に示される回路構成例を例とし、具体的には、各セットの巻線ユニットに発生する必要があるトルクに基づいて、トルクMTPA&MTPVテーブルルックアップを行って、最も小さいid1*、iq1*、id2*、iq2*を取得し、式(7)に従ってP及びPを算出し、PとPを加算して、モータコイル12の直軸、横軸に発生する第1加熱電力を取得し、第1加熱電力が目標加熱電力以上である場合、各巻線ユニットのゼロ軸上の電流を調整しない。
【0159】
第1加熱電力が目標加熱電力より小さい場合、各セットの巻線ユニットに必要な充放電電流に基づいて、各セットの巻線ユニットのゼロ軸上の実際のゼロ軸電流を取得し、各セットの巻線ユニットに発生する実際のゼロ軸電流に基づいて、各セットの巻線ユニットに発生する第2加熱電力、すなわちPとPの和を取得し、かつ各セットの巻線ユニットに発生する第1加熱電力及び第2加熱電力を加算して、モータコイル12に発生する実際の加熱電力を取得する。具体的には、式(3)に従って、第1巻線ユニットN1及び第2巻線ユニットN2のゼロ軸上の電流を取得し、第1巻線ユニットN1及び第2巻線ユニットN2のゼロ軸上の電流に基づいて、式(5)に従って、第1巻線ユニットN1及び第2巻線ユニットN2のゼロ軸に発生する第2加熱電力を取得し、かつモータコイル12の直軸、横軸に発生する第1加熱電力と第1巻線ユニットN1、第2巻線ユニットN2のゼロ軸に発生する第2加熱電力を加算して、モータコイル12の実際の加熱電力を取得する。
【0160】
さらに、モータコイル12の実際の加熱電力とモータコイル12の実際の加熱電力を比較し、モータコイル12に発生する必要がある目標加熱電力がモータコイル12に発生する実際の加熱電力より大きい場合、モータコイル12に発生する実際の加熱電力とモータコイル12に発生する必要がある目標加熱電力に基づいて、各セットの巻線ユニットのゼロ軸に発生する必要がある目標加熱電力、すなわち、PとPの和を計算して取得し、また、各セットの巻線ユニットのゼロ軸に発生する必要がある目標加熱電力に基づいて、式(7)の計算方法に従って、第1巻線ユニットN1の中性線(n1から引き出される)の電流in1、第2巻線ユニットN2の中性線(n4から引き出される)の電流in2及び第1巻線ユニットN1と第2巻線ユニットN2との間に流入する電流iを取得することにより、各セットの巻線ユニットのゼロ軸上の目標ゼロ軸電流を取得し、各巻線ユニットの直軸、横軸、ゼロ軸上の電流を調整することにより目標直軸電流、目標横軸電流、目標ゼロ軸電流を達成する。
【0161】
モータコイル12に発生する必要がある目標加熱電力がモータコイル12に発生する実際の加熱電力以下である場合、各巻線ユニットのゼロ軸上の電流の大きさを調整し、モータコイル12に発生する熱を減少させることにより、モータコイル12に発生する熱が目標加熱電力を満たすことを保証する。
【0162】
本実施形態において、該エネルギー変換装置は、直流充放電及び加熱モードで動作するか、又は、直流充放電、加熱、駆動モードで動作する場合、いずれも各巻線ユニットの直軸、横軸、ゼロ軸上の電流を計算して取得し、直流充放電及び加熱、又は直流充放電、加熱、駆動の要件を達成できることにより、該エネルギー変換装置は、同時に直流充放電及び加熱状態に動作することができ、同時に直流充放電、加熱、駆動状態に動作することもでき、異なる使用シーンにおいてエネルギー変換装置に対する需要を満たす。
【0163】
なお、該エネルギー変換装置は、単独で駆動モードで動作してもよく、この場合、電池2は、電気エネルギーを提供し、各巻線ユニットのゼロ軸上の電流がゼロであるように制御し、可逆PWM整流器11は、直流電流を交流電流に変換して、モータを駆動する。
【0164】
また、該エネルギー変換装置は、さらに加熱及び駆動モードで動作してもよく、この場合、電池2は、電気エネルギーを供給し、各巻線ユニットのゼロ軸上の電流がゼロであるように制御し、可逆PWM整流器11は、直流電流を交流電流に変換して、モータを駆動し、かつ各巻線ユニットにおける各相巻線の直軸、横軸上の電流により加熱電力を発生することにより、モータコイル12は、熱を発し、或いは、各巻線ユニットのゼロ軸上の電流がゼロではないように制御し、可逆PWM整流器11は、直流電流を交流電流に変換して、モータを駆動し、かつ各巻線ユニットにおける各相巻線のゼロ軸上の電流により加熱電力を発生することにより、モータコイル12は、熱を発し、各巻線ユニットのゼロ軸上の電流がゼロではないように制御し、可逆PWM整流器11は、直流電流を交流電流に変換して、モータを駆動し、かつ各巻線ユニットにおける各相巻線のゼロ軸上の電流により加熱電力を発生し、各巻線ユニットにおける各相巻線の直軸、横軸上の電流により加熱電力を発生することにより、モータコイル12は、熱を発する。
【0165】
本実施例において、可逆PWM整流器11、モータコイル12を含むエネルギー変換装置を用いることにより、該エネルギー変換装置は、外部の電池2、第1直流充放電ポート3及び第2充放電ポート4に接続された後、2つの充放電ポートにより同時に充放電を行うことができ、また、そのうちの1つの充放電ポートにより充電し、もう1つの充放電ポートにより放電することができ、かつ該エネルギー変換装置は、加熱モード、加熱/駆動モード、加熱/駆動/充放電モード、充放電/駆動モード、充放電/加熱モード及び充放電モードのうちの1つを選択して動作することができ、各セットの巻線ユニットを流れる電流がモータロータの磁場で配向された同期回転座標系に、対応する電流ベクトルを形成し、かつ直軸、横軸、ゼロ軸上の電流ベクトル及び方向を制御することによりモータコイル12のトルク及び加熱電力を制御して、モータコイル12には、加熱電力及び/又はトルクが発生して、電池21を加熱することができるか、或いは、外部装置を用いて熱を発して電池を加熱することができ、さらにモータ駆動を実現することができ、従来技術における電気自動車の電池を含む加熱制御回路の構造が複雑で、集積度が低く、体積が大きく、かつコストが高いという問題を解決する。
【0166】
図22に示すように、本願の第2実施例に係るエネルギー変換装置は、
少なくとも第1巻線ユニットN1及び第2巻線ユニットN2を含むモータコイル12であって、第1巻線ユニットN1から少なくとも1本の中性線が引き出され、第2巻線ユニットN2から少なくとも1本の中性線が引き出され、第1巻線ユニットN1が第2巻線ユニットN2の中性線のうちの少なくとも1本に接続されるモータコイル12と、
それぞれ第1巻線ユニットN1、第2巻線ユニットN2に接続される可逆PWM整流器11と、
上記モータコイル12における少なくとも1つの巻線ユニットの少なくとも1本の中性線に接続される第1充放電接続端51及び可逆PWM整流器11の第2合流端に接続される第2充放電接続端52を含む充放電接続端子群5と、
可逆PWM整流器11の第1合流端に接続される第1エネルギー貯蔵接続端61及び可逆PWM整流器11の第2合流端に接続される第2エネルギー貯蔵接続端62を含むエネルギー貯蔵接続端子群6とを含む。
【0167】
外部の第1直流充放電ポート3は、第1端が第1充放電接続端51に接続され、第2端が第2充放電接続端52に接続され、外部の電池2は、第1端が第1エネルギー貯蔵接続端61に接続され、第2端が第2エネルギー貯蔵接続端62に接続され、本実施例の具体的な動作方式について、本願の第1実施例を参照することができ、ここでは説明を省略する。
【0168】
さらに、本願の第3実施例に係る車両は、本願の第1実施例に記載のエネルギー変換装置又は本願の第2実施例に記載のエネルギー変換装置を含む。
【0169】
本実施例の車両におけるエネルギー変換装置の具体的な動作原理について、前述の第1実施例におけるエネルギー変換装置の詳細な説明を参照することができ、ここでは説明を省略する。
【0170】
図23に示すように、モータドライブの冷却システムと電池パックの冷却システムとは、連通状態にあり、具体的には、電池パックの加熱及び冷却回路は、モータ駆動システム冷却回路、電池冷却システム回路、及びエアコンシステム冷却回路を含む。電池冷却システム回路は、熱交換板によりエアコン冷却システムと組み合わせられ、電池冷却システム回路は、四方弁によりモータ駆動システム冷却回路と貫通する。モータ駆動システム冷却回路は、三方弁の切り替えによりラジエータとの接続・遮断を行う。モータ駆動システム冷却回路と電池冷却システム回路は、弁体により切り替えられて、管路内の冷却液の流れ方向を変更することにより、モータ駆動システムにより加熱された後の冷却液が電池冷却システムに流れ、熱量がモータ駆動システムから電池冷却システムへの伝達を完了し、モータが非加熱モードにある場合、三方弁及び四方弁により切り替えられ、モータ駆動システムの冷却液がA回路を流れ、電池冷却システムの冷却液がC回路を流れ、モータが加熱モードにある場合、三方弁及び四方弁により切り替えられ、モータ駆動システムの冷却液がB回路を流れ、モータ駆動システムにより加熱された後の冷却液が電池パック冷却回路に流れて電池を加熱することを実現する。
【0171】
本実施例において、可逆PWM整流器11、モータコイル12を含むエネルギー変換装置を用いることにより、該エネルギー変換装置は、外部の電池2、第1直流充放電ポート3に接続された後、加熱モード、加熱/駆動モード、加熱/駆動/充放電モード、充放電/駆動モード、充放電/加熱モード及び充放電モードのうちの1つを選択して動作することができ、各セットの巻線ユニットを流れる電流がモータロータの磁場で配向された同期回転座標系に、対応する電流ベクトルを形成し、かつ直軸、横軸、ゼロ軸上の電流ベクトル及び方向を制御することによりモータコイル12のトルク及び加熱電力を制御して、モータコイル12には、加熱電力及び/又はトルクが発生して、電池2を加熱することができ、従来技術における電池加熱専用の装置を省略することができ、さらにモータ駆動を実現することができ、従来技術における電気自動車の電池を含む加熱制御回路の構造が複雑で、集積度が低く、体積が大きく、かつコストが高いという問題を解決する。
【0172】
なお、本願の説明において、用語「中心」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」、「時計回り」、「反時計回り」、「軸方向」、「半径方向」、「周方向」などで示す方位又は位置関係は、図面に示す方位又は位置関係に基づくものであり、本願を容易に説明し説明を簡略化するためのものに過ぎず、示された装置又は素子が特定の方位を有するとともに、特定の方位で構成されて動作しなければならないことを指示するか又は示唆するものではないため、本願を限定するものであると理解すべきではない。
【0173】
また、用語「第1」、「第2」は、説明のためのものに過ぎず、相対的な重要性を指示するか又は示唆し、或いは指示された技術的特徴の数を暗示的に指示すると理解してはならない。これにより、「第1」、「第2」で限定された特徴は、1つ以上の該特徴を明示的又は暗示的に含んでよい。本願の説明において、「複数」とは、明確かつ具体的な限定がない限り、2つ以上を意味する。
【0174】
本願において、明確な規定及び限定がない限り、用語「取り付け」、「連結」、「接続」、「固定」などは、広義に理解されるべきであり、例えば、固定接続、着脱可能な接続、一体的な接続であってもよく、機械的な接続であってもよく、電気的な接続であってもよく、直接的な連結であってもよく、中間媒体を介した間接的な連結であってもよく、2つの素子の内部の連通又は2つの素子の相互作用の関係であってもよい。当業者であれば、具体的な状況に応じて本願における上記用語の具体的な意味を理解することができる。
【0175】
本願において、明確な規定及び限定がない限り、第1特徴が第2特徴の「上」又は「下」にあることは、第1特徴と第2特徴とが直接的に接触することであってもよく、第1特徴と第2特徴とが中間媒体を介して間接的に接触することであってもよい。また、第1特徴が第2特徴の「上」、「上方」及び「上面」にあることは、第1特徴が第2特徴の真上又は斜め上にあることであってもよく、第1特徴の水平方向における高さが第2特徴より高いことを単に示すことであってもよい。第1特徴が第2特徴の「下」、「下方」及び「下面」にあることは、第1特徴が第2特徴の真下又は斜め下にあることであってもよく、第1特徴の水平方向における高さが第2特徴より低いことを単に示すことであってもよい。
【0176】
本明細書の説明において、用語「一実施例」、「いくつかの実施例」、「例」、「具体的な例」又は「いくつかの例」などを参照する説明は、該実施例又は例を組み合わせて説明された具体的な特徴、構造、材料又は特性が本願の少なくとも1つの実施例又は例に含まれることを意味する。本明細書において、上記用語に対する例示的な説明は、必ずしも同じ実施例又は例を示すものではない。また、説明された具体的な特徴、構造、材料又は特性は、任意の1つ以上の実施例又は例において適切な形態で結合することができる。また、互いに矛盾しない限り、当業者であれば、本明細書で説明された異なる実施例又は例、及び異なる実施例や例の特徴を結合し、組み合わせることができる。
【0177】
以上、本願の実施例を示し、説明したが、上記実施例は、例示的なものであり、本願を限定するものと理解すべきではなく、当業者であれば、本願の範囲で上記実施例に対して変更、修正、交換及び変形を行うことができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
【手続補正書】
【提出日】2022-05-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0030】
該エネルギー変換装置が直流充電モードで動作する場合、第1直流充放電ポート3は、直流電流を出力し、直流電流が第1巻線ユニットN1、第2巻線ユニットN2及び可逆PWM整流器11を流れた後に、電池2を充電し、或いは、第1直流充放電ポートは、直流電流を出力し、直流電流が第1巻線ユニットN1、可逆PWM整流器11を流れた後に、電池2を充電し、或いは、第1直流充放電ポートは、直流電流を出力し、直流電流が第2巻線ユニットN2、可逆PWM整流器11を流れた後に、電池2を充電する。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0160
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0160】
さらに、モータコイル12の実際の加熱電力とモータコイル12の目標加熱電力を比較し、モータコイル12に発生する必要がある目標加熱電力がモータコイル12に発生する実際の加熱電力より大きい場合、モータコイル12に発生する実際の加熱電力とモータコイル12に発生する必要がある目標加熱電力に基づいて、各セットの巻線ユニットのゼロ軸に発生する必要がある目標加熱電力、すなわち、PとPの和を計算して取得し、また、各セットの巻線ユニットのゼロ軸に発生する必要がある目標加熱電力に基づいて、式(7)の計算方法に従って、第1巻線ユニットN1の中性線(n1から引き出される)の電流in1、第2巻線ユニットN2の中性線(n4から引き出される)の電流in2及び第1巻線ユニットN1と第2巻線ユニットN2との間に流入する電流iを取得することにより、各セットの巻線ユニットのゼロ軸上の目標ゼロ軸電流を取得し、各巻線ユニットの直軸、横軸、ゼロ軸上の電流を調整することにより目標直軸電流、目標横軸電流、目標ゼロ軸電流を達成する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0165
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0165】
本実施例において、可逆PWM整流器11、モータコイル12を含むエネルギー変換装置を用いることにより、該エネルギー変換装置は、外部の電池2、第1直流充放電ポート3及び第2充放電ポート4に接続された後、2つの充放電ポートにより同時に充放電を行うことができ、また、そのうちの1つの充放電ポートにより充電し、もう1つの充放電ポートにより放電することができ、かつ該エネルギー変換装置は、加熱モード、加熱/駆動モード、加熱/駆動/充放電モード、充放電/駆動モード、充放電/加熱モード及び充放電モードのうちの1つを選択して動作することができ、各セットの巻線ユニットを流れる電流がモータロータの磁場で配向された同期回転座標系に、対応する電流ベクトルを形成し、かつ直軸、横軸、ゼロ軸上の電流ベクトル及び方向を制御することによりモータコイル12のトルク及び加熱電力を制御して、モータコイル12には、加熱電力及び/又はトルクが発生して、電池を加熱することができるか、或いは、外部装置を用いて熱を発して電池を加熱することができ、さらにモータ駆動を実現することができ、従来技術における電気自動車の電池を含む加熱制御回路の構造が複雑で、集積度が低く、体積が大きく、かつコストが高いという問題を解決する。
【国際調査報告】