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▶ ビー グリーン パッケージング カンパニー リミテッドの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-01
(54)【発明の名称】カバー及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   B65D 51/24 20060101AFI20221124BHJP
   A47G 23/02 20060101ALI20221124BHJP
【FI】
B65D51/24
A47G23/02 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022519190
(86)(22)【出願日】2020-09-25
(85)【翻訳文提出日】2022-05-12
(86)【国際出願番号】 CN2020117808
(87)【国際公開番号】W WO2021057912
(87)【国際公開日】2021-04-01
(31)【優先権主張番号】201910908920.6
(32)【優先日】2019-09-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201921601004.X
(32)【優先日】2019-09-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520263800
【氏名又は名称】ビー グリーン パッケージング カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100224672
【弁理士】
【氏名又は名称】深田 孝徳
(72)【発明者】
【氏名】トン ジー
(72)【発明者】
【氏名】リー ジンメン
(72)【発明者】
【氏名】リュー ジージア
【テーマコード(参考)】
3B115
3E084
【Fターム(参考)】
3B115AA14
3B115BC01
3B115DA13
3B115DA15
3B115EA01
3E084AA02
3E084AA12
3E084AA34
3E084AB01
3E084BA01
3E084CA01
3E084CC07
3E084DA01
3E084DC07
3E084EA02
3E084FA09
3E084FC01
3E084GB12
3E084HA01
3E084HC04
3E084HD01
3E084KB01
3E084LA17
3E084LB01
3E084LC02
(57)【要約】
【課題】取り外し可能なプラグ及びプラグ保持部を備えた分解可能、再生利用可能、及び生分解可能な飲料カップカバー等のカバー及びその製造方法を提供する。
【解決手段】カバーは、分配口(212)と、カバーの周縁部(230)に位置し、カバーと一体的に形成される取り外し可能なプラグ(250)と、凹部(222)とを備える。カバーとカップ(100)との間にシール構造が形成される場合、分配口は、カップ内の内容物のための分配口を提供するために使用される。取り外し可能なプラグは、突出部(255)を含み、突出部は、突出部と分配口との間に別のシール構造を形成するように、分配口と相互作用するために使用される。凹部は、取り外し可能なプラグをカバーの近傍に維持するように、突出部と取り外し可能に結合されるように使用される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カバーであって、
前記カバーとカップとの間にシール構造が形成される場合に、前記カップ内に存在する内容物の出口を提供するために使用される分配口と、
前記カバーの周縁部に位置し、前記カバーと一体的に形成される取り外し可能なプラグであって、前記取り外し可能なプラグは、突出部を含み、前記突出部は、前記突出部と前記分配口との間に別のシール構造を形成するように前記分配口と相互作用するために使用される、取り外し可能なプラグと、
前記取り外し可能なプラグを前記カバーの近傍に維持するように前記突出部と取り外し可能に結合されるように使用される凹部と、
を備えるカバー。
【請求項2】
前記取り外し可能なプラグは、引裂き線を介して前記カバーと一体的に形成される、請求項1に記載のカバー。
【請求項3】
引裂き線は、引裂き接続点及び凹面を含み、前記引裂き接続点は、前記取り外し可能なプラグの前記カバーに近い端部の両側に接続され、前記凹面は、前記2つの引裂き接続点の間に位置し、前記取り外し可能なプラグの前記カバーから離れた側に向かって凹み、前記凹面の中央から前記カバーの前記周縁部までの距離は、前記凹面の両端から前記カバーの前記周縁部までの距離より大きい、請求項1に記載のカバー。
【請求項4】
前記カバーの前記周縁部は、外周凸部を備え、前記外周凸部の前記カバーの前記周縁部から離れた側は、円弧状凸面を備え、前記凹面の中央から前記円弧状凸面の中央までの距離は、前記凹面の両端から前記円弧状凸面の端部までの距離より大きい、請求項3に記載のカバー。
【請求項5】
前記凹面は、V字凹面及びU字凹面の何れかである、請求項4に記載のカバー。
【請求項6】
前記引裂き線は、間隔をおいて配置され、前記取り外し可能なプラグの前記カバーに近い端部と前記カバーの前記周縁部との間に接続された3つの引裂き接続点を含み、帯状の引裂き孔が、隣接する2つの引裂き接続点と、前記カバーの前記周縁部と、前記取り外し可能なプラグの前記カバーに近い端部の間に形成され、前記帯状の引裂き孔は、上から下に向かって徐々に小さくなる、請求項1に記載のカバー。
【請求項7】
前記突出部は、前記取り外し可能なプラグの片面の方に突出し、前記突出部から遠い前記取り外し可能なプラグの他面には、前記突出部に対応する凹溝が配置される、請求項1に記載のカバー。
【請求項8】
前記カバーは、植物繊維で作られている、請求項1に記載のカバー。
【請求項9】
カバーであって、
前記カバーを貫通する開口を提供するための分配口と、
前記カバーの表面に形成された凹部と、
前記カバーの周縁部に位置し、前記カバーと一体的に形成される取り外し可能なプラグであって、前記取り外し可能なプラグは、突出部を備え、前記突出部は、前記分配口及び前記凹部に摩擦嵌合するために使用される取り外し可能なプラグと、
を備えるカバー。
【請求項10】
カバーの製造するための方法であって、前記カバーは、
前記カバーとカップの間にシール構造が形成される場合に、前記カップ内に存在する内容物の出口を提供するために使用される分配口と、
前記カバーの周縁部に位置し、前記カバーと一体的に形成される取り外し可能なプラグであって、前記取り外し可能なプラグは、突出部を含み、前記突出部は、前記突出部と前記分配口との間に別のシール構造を形成するように前記分配口と相互作用するために使用される、取り外し可能なプラグと、
前記取り外し可能なプラグを前記カバーの近傍に維持するように前記突出部と取り外し可能に結合されるように使用される凹部と、
を備え、
前記方法は、
S1:スラリータンク内のスラリーにスラリー成形型を浸漬し、次に、スラリー繊維中の繊維を真空吸引により前記スラリー成形型の表面に吸引するステップであって、前記成形型は、カバー成形室と、前記カバー成形室の開口周縁部に位置する取り外し可能なプラグ成形室を含み、前記カバー成形室は、前記取り外し可能なプラグ成形室と連通する、ステップと、
S2:前記スラリー成形型を前記スラリータンクから持ち上げる際に、追加の真空吸引を加えて前記スラリー繊維の含水量を低下させ、これによって未加工湿潤カップカバー体を形成するステップと、
S3:前記スラリー成形型を押出型を用いてプレスし、前記未加工湿潤カップカバー体に初期形状を持たせ、成形湿潤カップカバー体を形成するステップと、
S4:前記成形湿潤カップカバーを搬送型により上側加熱型及び下側加熱型で構成される高温プレス型に搬送し、前記高温プレス型は、前記成形湿潤カップカバーを圧縮及び乾燥させて半完成カップカバー体を形成するために使用され、前記高温プレス型による乾燥プロセスで真空吸引を行い、前記成形湿潤カップカバー体が含有する水分によって生じる蒸気を除去して、層間剥離を低減するステップと、
S5:前記半完成カップカバー体を上側切断型及び下側切断型で構成される切断型に搬送し、完成カップカバー体を形成するステップと、
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料カップカバーに関し、具体的には、取り外し可能なプラグ及びプラグ保持部を備えた分解可能、再生利用可能、及び生分解可能な飲料カップカバー等のカバーに関する。
【背景技術】
【0002】
飲料カップカバー及び他の「使い捨てプラスチック製品」は、通常、プラスチック#6又はプラスチック#7で作られている。プラスチック#6は、ポリスチレンから成る。プラスチック#6は、特に加熱すると既知の発がん性物質及び毒素を放出する。従って、プラスチック#6で作られたコーヒーカップのカバーには、使用中にホットコーヒーの高温にさらされことになるので深刻な問題がある。プラスチック#7は、様々なプラスチック(プラスチック樹脂又は他のプラスチックの組み合わせなど)から成り、化学毒素であるビスフェノールA(又はBPA)及び/又はビスフェノールS(又はBPS)を含むことが分かっている。BPA及びBPSは、内分泌かく乱物質であり、発育への悪影響、生殖への影響、神経への影響、免疫への影響などをもたらす可能性がある。従って、プラスチック#7で作られている飲料カバーにも問題がある。このような毒性に関する問題に加え、プラスチック#6又はプラスチック#7で作られている飲料カップカバー及び他の食品包装製品は、これらの使い捨てプラスチックが生分解されず、埋立地に積み重ねられるので、環境に対して長期的に大きな影響を与える。これらの製品は分解されるとしても、これには数百年、数千年かかることになる。同時に、これらの廃棄物から毒性のある化学物質が漏れ出し、土壌及び地下水を汚染することで周辺の生態系に影響を及ぼす。従って、分解可能、再生利用可能、及び生分解可能な使い捨ての飲料カップカバーが必要とされている。
【0003】
環境を保護することに加えて、温かい又は冷たい飲料カップのための好都合な飲料カップカバーも必要とされている。すなわち、プラグを用いてユーザーによって選択的に栓をすることができる(例えば、流体が溢れる可能性を抑える又は低減する、高温流体の存在下では、熱損失の可能性を抑える又は低減する)ストロー穴、分配口、又は「ノズル」を有するカバーが必要であり、プラグは、ユーザーが飲料を飲む全過程においてユーザーによって容易に保持することができる。このような飲料カップカバーのための「緩い」プラグは存在するが、そのようなプラグは、特に、カバーが取り付けられたカップで飲料を飲む通常の過程の間に、ユーザーがプラグを繰り返して取り外し及び元に戻す場合、容易に置き忘れる又は紛失する可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、プラグが使用されていないときにプラグを保持するための効果的で簡単な方法を提供する飲料カップカバーが依然として必要である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、以下のカバーを提供することにより、先行技術に関する上記及び他の問題を解決する。カバーは、分配口と、カバーの周縁部に位置し、カバーと一体的に形成される取り外し可能なプラグと、カバーの上面と一体的に形成される凹部と、を備える。プラグは、引裂き線に沿ってカバーから切り離すことができる。プラグ上の突出部の大きさは、カバー上の分配口の中に摩擦嵌合するように設計され、分配口を塞ぐようになっている。また、プラグの突出部の大きさは、カバーの上の凹部に摩擦嵌合するように設計され、その後の使用のためにプラグを保持又は収容し、プラグの紛失を防止する。カバーは、温かい又は冷たい飲料(コーヒー、お茶、又は果汁を含む)を収容するためのカップのシール構造を形成するために使用することができる。いくつかの実施形態において、カバーは、分解可能、再生利用可能、及び生分解可能な使い捨て飲料カップカバーである。
【0006】
本明細書に含まれ、本明細書の一部を構成する図面は、本発明の様々な実施形態を示し、上述の本発明の概要及び以下の実施形態の詳細な説明と共に本発明の実施形態を例示するために使用される。同様の参照数字は、複数の図面を通して同様の部品を表す。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の実施形態によるカップ及びカバーの断面図である。
図2】本発明の実施形態による、カバーの周縁部に位置し、カバーと一体的に形成される取り外し可能なプラグを有するカバーの斜視図である。
図3図2のカバーの上面図である。
図4図2のカバーの側面図である。
図5図2のカバーの正面図である。
図6図3の線A-Aに沿って切り取った図2のカバーの断面図である
図7】本発明の実施形態による、カバーの周縁部に位置し、カバーと一体的に形成される取り外し可能なプラグを有する他のカバーの斜視図である。
図8図7のカバーの上面図である。
図9図7のカバーの側面図である。
図10図7のカバーの正面図である。
図11図8の線A-Aに沿って切り取った図7のカバーの断面図である。
図12】カバーの周縁部に位置し、カバーと一体的に形成される取り外し可能なプラグを有する、初期状態、栓をした状態、及び保持状態でのカバーの一実施形態である。
図13】栓をした状態での図2のカバーの斜視図である。
図14】栓をした状態での図2のカバーの平面図である。
図15】栓をした状態での図2のカバーの側面図である。
図16】栓をした状態での図2のカバーの正面図である。
図17】栓をした状態での図3の線A-Aに沿って切り取った図2のカバーの断面図である。
図18】保持状態での図7のカバーの斜視図である。
図19】保持状態での図7のカバーの上面図である。
図20】保持状態での図7のカバーの側面図である。
図21】保持状態での図7のカバーの正面図である。
図22】保持状態での図8の線A-Aに沿って切り取った図7のカバーの断面図である。
図23】カバーの周縁部に位置し、カバーと一体的に形成された取り外し可能なプラグを有するカバーを形成するためのプロセスの一実施形態を示す。
図24】本発明の一実施形態による、カバーの周縁部に位置し、カバーと一体的に形成された取り外し可能なプラグを有する他のカバーの透視図である。
図25】本発明の一実施形態による第1の引裂き線の構造図である。
図26】本発明の一実施形態による第2の引裂き線の構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
簡略化及び例示を目的として、本発明の原理は、様々な例示的な実施形態を参照して説明され、これらの実施形態は、図1から図24を参照して説明することができる。本発明は、本明細書に記載された特定の実施例、実施形態、及び方法、又は図面に説明される他の内容に限定されず、これらは様々とすることができる。さらに、本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明するためのものであり、本発明を限定することを意図するものではない。本明細書には特定の方法及び材料が記載されているが、本明細書に記載されたものと同様の他の方法及び材料は本発明の実施に用いることができる。さらに、特定の方法は、ある順序で本明細書に示される特定のステップを参照して説明することができるが、多くの場合、これらのステップは、当業者であれば理解できるような何らかの順序で実行することができ、従って、本方法は、本明細書に開示されるステップの特定の配列に限定されない。
【0009】
図1は、概して本発明によるカップ100及びカバー110の一実施形態を説明する。図1において、カップ100及びカバー110は、それぞれの特徴を説明するために分解図又は分離図で示される。カップ100は、カップ底部の上面106と、内面102及び外面104を有するカップ壁とによって形成される中空容器である。カップ100の開口は、カップ底部の上面106とは反対側の端部で、カップ壁上のリッジに沿って画定される。リッジ108は、カバー110の内面114に形成された溝112と相互作用して、カップ100内に空洞130を形成するようになっている。リッジ108と溝112との間の相互作用は、シール構造を形成し、このシール構造によって提供されるシールが維持される限り、空洞130内に供給される内容物(液体など)は、唯一、分配口116を通って空洞130から出ることができる。
【0010】
図2から図6は、カバーの周縁部230に位置し、カバー250と一体的に形成された取り外し可能なプラグ250を有するカバー200の一実施形態を示す。カバー200は、上面241の中央部220を囲む隆起部210を含む。隆起部210は、カバー200とカップとの間にシール構造が形成された場合に、カップ(例えば、図1のカップ100)の内容物の出口を提供するための分配口212を備える。カバー200は、上面241に形成され、中央部220に位置する凹部222をさらに備える。凹部222は、取り外し可能なプラグ250がカバー200から切り離される場合に、突出部255に取り外し可能に結合し、取り外し可能なプラグ250をカバー200の近傍に保持する(すなわち、ここでは凹部222は取り外し可能なプラグ250の保持部としての機能を果たす)。1つの実施形態では、凹部222の大きさは、取り外し可能なプラグ250がカバー200から切り離された場合に、突出部255が凹部222の中に摩擦嵌合するように設計される。
【0011】
取り外し可能なプラグ250は、付着点縁線260でカバー200から切り離すことができる。1つの実施形態では、付着点縁線26は、具体的には、引裂き線(例えば、図12の引裂き線1206)である。取り外し可能なプラグ250上の突出部255は、取り外し可能なプラグ250がカバー200から切り離された場合に分配口212と相互作用するように用いられ、突出部255と分配口212との間に別のシール構造を形成するようになっている。1つの実施形態では、突出部255のサイズは、分配口212に摩擦嵌合するように設計されており、分配口212に栓をするようになっている。上記の別のシール構造を形成した後、別のシール構造によって提供されるシールが維持される限り、カップ内容物が放出されることなない。
【0012】
突出部255は、取り外し可能なプラグの片面の方に突出し、突出部から遠い取り外し可能なプラグの他面には、突出部に対応する凹溝が配置される。
【0013】
図7から図11のカバー700とカバー200との比較から、本発明の実施形態において、取り外し可能なプラグは、様々な構造で実施できることが分かる。例えば、カバー200の取り外し可能なプラグ250は、付着点縁線260の近位端に位置する突出部255を含む。さらに、カバー700の取り外し可能なプラグ750は、付着点縁線260とは反対側の遠位端752に位置する突出部755を含む。
【0014】
図24は、別の例示的な構造を示し、複数の取り外し可能なプラグ(すなわち、取り外し可能なプラグ2450及び取り外し可能なプラグ2460)が、カバー2400と一体的に形成されている。1つの実施形態では、複数の取り外し可能なプラグは、異なる端部に位置する突出部を有することができる。例えば、取り外し可能なプラグ2450は、突出部を近位端に有することができ、取り外し可能なプラグ2460は、突出部を遠位端に有することができる。当業者であれば、本発明の実施形態による他の構造も可能であることを理解するであろう。
【0015】
図12は、本発明の実施形態によるカバー1200が様々な状態になり得ることを示す。例えば、図12は、カバー1200が、引裂き線1206で取り外し可能なプラグ1210がカバー1220と一体的に形成されたままの初期状態1225になり得ることを示す。取り外し可能なプラグ1210がカバー1200から切り離されると、カバー1200は、取り外し可能なプラグ1210の突出部1215がカバー1200の分配口1202に挿入された栓をした状態1235になり得る。図13から図17は、栓をした状態での図2のカバー200を示す。取り外し可能なプラグ1210がカバー1200から切り離されると、カバー1200は、突出部1215がカバー1200の上面に形成された凹部1204に挿入される保持状態1245にもなり得る。図18から図22は、保持状態での図2のカバー200を示す。
【0016】
図25は、第1の引裂き線の構造を示す。引裂き線は、引裂き接続点1206a及び凹面1206bを含む。引裂き接続点1206aは、取り外し可能なプラグのカバーに近い端部の両側に接続されている。凹面1206bは、2つの引裂き接続点の間に位置し、取り外し可能なプラグのカバーから離れた側に向かって凹んでいる。凹面の中央部からカバーの周縁部までの距離は、凹面の両端部からカバーの周縁部までの距離よりも大きい。カバーの周縁部は外周凸部を備え、外周凸部のカバーの周縁部から離れた側は、円弧状凸面1206cを備える。凹面の中央部から円弧状凸面の中央部までの距離は、凹面の両端部から円弧状凸面の両端までの距離よりも大きい。凹面は、V字凹面及びU字凹面の何れかである。
【0017】
図26は、第2の引裂き線の構造を示す。引裂き線は、間隔をおいて配置され、取り外し可能なプラグのカバーに近い端部とカバーの周縁部との間に接続された3つの引裂き接続点1206aを含む。帯状の引裂き孔1206dは、隣接する2つの引裂き接続点、カバーの周縁部、及び取り外し可能なプラグのカバーに近い端部の間に形成され、帯状の引裂き孔の直径は、上から下に向かって徐々に小さくなっている。
【0018】
図23は、カバーの周縁部に位置し、カバーと一体的に形成された取り外し可能なプラグを有するカバーの形成プロセスの一実施形態を示す。図23において、準備プロセスは、スラリータンク2310内のスラリーにスラリー成形型2330を浸漬するステップを含む(S1)。1つの実施形態では、スラリーは、分解可能又は生分解可能な植物繊維材料で構成される。例示的な植物繊維材料としては、木材パルプ、サトウキビパルプ、ヨシパルプ、竹パルプ、ヤシパルプ等が挙げられる。次に、スラリーの繊維(以下、「パルプ繊維」)2320を、真空吸引によりスラリー成形型2330の表面に吸引する(S2)。成形型は、カバー成形室と、カバー成形室の開口周縁部に位置する取り外し可能なプラグ成形室とを備え、カバー成形室は、取り外し可能なプラグ成形室と連通する。
【0019】
次に、スラリータンク2310からスラリー成形型2330を持ち上げる際に(取り出す際に)、さらに真空吸引を加えてスラリー繊維2320の含水量を減少させ、これによって未加工湿潤カップカバー体2322を形成する(S3)。次に、スラリー成形型2330を押出型2340を用いて(例えば、真空吸引を用いて)プレスし、未加工湿潤カップカバー体2322に初期形状を持たせ、成形湿潤カップカバー体2324を形成する(S4)。1つの実施形態では、スラリー形成型2330は、成形湿潤カップカバー体2324の含水量がさらに減少させるために、押出型2340によってプレスされる。押出型2340を用いてスラリー形成型2330をプレスした後、成形湿潤カップカバー2324は、搬送型2350によって上側加熱型2362及び下側加熱型2364で構成される高温プレス型に搬送される。
【0020】
高温プレス型は、成形湿潤カップカバー2324を圧縮及び乾燥させて半完成カップカバー本体2326を形成するために使用される。高温プレス型によって圧縮及び乾燥されると、半完成カップカバー体2326の表面は、平滑度が向上する(圧縮及び乾燥前に成形された湿潤カップカバー2324の表面の平滑度に比べて)。また、改善された寸法精度は、高温プレス型による圧縮及び乾燥によって達成することができる。1つの実施形態では、高温プレス型による乾燥プロセスで真空吸引を行い、成形湿潤カップカバー本体2324が含有する水分によって生じる蒸気を除去して、層間剥離の可能性を低減することができる。次に、半完成カップカバー体2326を、上側切断型2372及び下側切断型2374で構成される切断型に搬送し、完成カップカバー体を形成する(S5)。1つの実施形態では、切断型は、半完成カップカバー体2326の端部における余分な材料を切り取ることによって、完成カップカバー体を形成する。
【0021】
特定の実施形態及びその詳細な構造及び動作が本明細書に記載されている。本明細書に記載された実施形態は、例示のためにのみ記載され、限定するものではない。本明細書の教示に照らして、本明細書に記載された例示的な実施形態に対する均等の範囲が存在することを認識されたい。最も注目すべきは、他の実施形態が可能であり、本明細書に記載された実施形態に対して変形が可能であり、記載された実施形態を構成する構成要素、部品、又はステップに対して均等物が存在できる点である。明瞭化及び簡潔さのために、特定の実施形態の構成要素又はステップの特定の態様は、そのような詳細が本明細書の教示に照らして当業者に明らかである場合及び/又はそのような詳細が実施形態のより適切な態様の理解を難しくする場合、必要以上に詳細にならないように提示される。
【0022】
また、特に「できる(can)」、「できる(could)」、「場合がある(might)」、又は「場合がある(may)」などの条件付き言語は、特に明記されていない限り、又は使用される文脈内で理解されない限り、一般に、特定の実施形態が特定の特徴、要素及び/又はステップを含み、他の実施形態が含まないことを伝えることを意図することに留意されたい。従って、そのような条件付き言語は、特徴、要素、及び/又はステップが、1又は2以上の実施形態に何らかの形で必要であること、又は1又は2以上の実施形態が、これらの特徴、要素、及び/又はステップが任意の特定の実施形態に含まれるか又は実施されるべきかをユーザー入力又はプロンプトの有無で決定する論理を必ず含むことを示唆することは一般に意図されない。用語、「含む(including)」、「備える(comprising)」、「有する(have)」等は、同意語であり、非限定的方式で包括的に使用され、他の要素、特徴、行為、動作等を排除しない。加えて、用語「又は」は、その包括的意味において使用され(及びその排他的意味において使用されず)、従って、例えば、要素のリストを接続するために使用されると、用語「又は」は、リストの1つの要素、いくつか要素、又は全て要素を意味する。
【0023】
本明細書で使用される用語及び説明は、例示のためにのみ記載され、制限することを意図していない。当業者であれば、本発明の基本原理から逸脱することなく、それらの変更、付加及び修正、並びに他の多くの変更、付加及び修正を本明細書に記載された概念に対して行うことができることを認識するであろう。従って、本発明の範囲は、特許請求の範囲及びその均等物によってのみ定義される。
【符号の説明】
【0024】
100 カップ
200 カバー
212 分配口
222 凹部
230 周縁部
250 取り外し可能なプラグ
255 突出部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
【国際調査報告】