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特表2022-550360第1端末装置のための方法、及び第1端末装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-01
(54)【発明の名称】第1端末装置のための方法、及び第1端末装置
(51)【国際特許分類】
   H04B 17/309 20150101AFI20221124BHJP
   H04W 4/46 20180101ALI20221124BHJP
   H04W 52/06 20090101ALI20221124BHJP
   H04W 24/10 20090101ALI20221124BHJP
   H04B 1/04 20060101ALI20221124BHJP
【FI】
H04B17/309
H04W4/46
H04W52/06
H04W24/10
H04B1/04 E
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022519367
(86)(22)【出願日】2019-09-27
(85)【翻訳文提出日】2022-05-23
(86)【国際出願番号】 CN2019108635
(87)【国際公開番号】W WO2021056443
(87)【国際公開日】2021-04-01
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】ミャオ ジャオバン
(72)【発明者】
【氏名】ジャン シーチャン
(72)【発明者】
【氏名】ワン ガン
【テーマコード(参考)】
5K060
5K067
【Fターム(参考)】
5K060CC04
5K060DD04
5K060EE05
5K060FF06
5K060LL01
5K060PP05
5K067AA23
5K067DD30
5K067DD44
5K067EE02
5K067EE10
5K067EE25
5K067GG08
(57)【要約】
本開示の実施例は、通信用の方法、装置及びコンピュータ読み取り可能な媒体に関する。方法は、第1端末装置において、第2端末装置が第1端末装置から受信されたサイドリンク伝送のサイドリンク基準信号受信電力(SL-RSRP)をフィルタリングする時間窓を決定することと、前記時間窓中に、フィルタリングされたSL-RSRPを前記第2端末装置から受信することと、前記フィルタリングされたSL-RSRPに基づいてサイドリンク経路損失を推定することと、第1端末装置から第2端末装置への少なくとも1つの後続のサイドリンク伝送の電力制御に、前記サイドリンク経路損失を適用することと、を含む。このように、SL経路損失をより正確かつ合理的に推定することができ、SL経路損失に基づく電力制御をより効率的に行うことができる。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信の方法であって、
第1端末装置において、第2端末装置が前記第1端末装置から受信されたサイドリンク伝送のサイドリンク基準受信電力(SL-RSRP)をフィルタリングする時間窓を決定することと、
前記時間窓中にフィルタリングされたSL-RSRPを前記第2端末装置から受信することと、
前記フィルタリングされたSL-RSRPに基づいてサイドリンク経路損失を推定することと、
前記第1端末装置から前記第2端末装置への少なくとも1つの後続のサイドリンク伝送の電力制御に、前記サイドリンク経路損失を適用することと、を含む方法。
【請求項2】
前記時間窓を決定することは、
前記第1端末装置から前記第2端末装置への第1サイドリンク伝送の第1送信電力を決定することと、
前記第1サイドリンク伝送の前に発生する、前記第1端末装置から前記第2端末装置への第2サイドリンク伝送の第2送信電力を決定することと、
前記第1送信電力と前記第2送信電力との差が閾値を超えたことに応答して、前記第1サイドリンク伝送が発生する時刻に基づいて、次の時間窓の開始時に終了する前記時間窓の開始を決定することと、
を含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記時間窓を決定することは、
前記第1端末装置から前記第2端末装置への第1サイドリンク伝送の電力制御に適用される第1サイドリンク経路損失を決定することと、
前記第1サイドリンク伝送の前に発生する、前記第1端末装置から前記第2端末装置への第2サイドリンク伝送の電力制御に適用される第2サイドリンク経路損失を決定することと、
前記第1サイドリンク経路損失が前記第2サイドリンク経路損失と異なることに応答して、前記第1サイドリンク伝送が発生する時刻に基づいて、次の時間窓の開始時に終了する前記時間窓の開始を決定することと、
を含む請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第1サイドリンク伝送を介して、前記第1端末装置から前記第2端末装置へ、前記時間窓の前記開始の指示を送信することをさらに含む
請求項2又は3に記載の方法。
【請求項5】
前記時間窓を決定することは、
前記第1端末装置が前記時間窓に関する情報で構成されていることに応答して、前記情報に基づいて前記時間窓を決定することを含む
請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記時間窓に関する情報は、前記時間窓の開始および/または終了を示し、そして、前記情報に基づいて前記時間窓を決定することは、
前記情報に基づいて、前記時間窓の開始および/または終了を決定することを含む
請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記時間窓に関する前記情報は、前記時間窓中に前記フィルタリングされたSL-RSRPを受信する時刻、および前記時刻と前記時間窓の開始との間の時間オフセットを示し、そして、前記情報に基づいて前記時間窓を決定することは、
前記時刻および前記時間オフセットに基づいて、次の時間窓の開始時に終了する前記時間窓の前記開始を決定することを含む
請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記第1端末装置から前記第2端末装置へ、前記時間窓に関する前記情報を送信することをさらに含む請求項5に記載の方法。
【請求項9】
前記フィルタリングされたSL-RSRPを受信することは、
前記時間窓中に前記フィルタリングされたSL-RSRPを受信する時刻を決定することと、
前記時刻に前記フィルタリングされたSL-RSRPを受信することと、
を含む請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記時刻を決定することは、
第1端末装置が、前記フィルタリングされたSL-RSRPを前記第2端末装置から受信する期間で構成されていることに応答して、前記期間に基づいて前記時刻を決定し、前記決定された時刻と前回のフィルタリングされたSL-RSRPを受信した時刻との間の間隔が前記期間を超えて、前記第2端末装置が前記決定された時刻にサイドリンク権限を有するようにすることを含む
請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記時刻を決定することは、
前記第1端末装置が、前記フィルタリングされたSL-RSRPを前記第2端末装置から受信する期間および時間オフセットで構成されていることに応答して、前記期間および前記時間オフセットに基づいて前記時刻を決定することを含む
請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記時刻を決定することは、
前記第2端末装置から前記時刻の指示を受信することと、
前記指示に基づいて前記時刻を決定することと、
を含む請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記サイドリンク経路損失を推定することは、
前記サイドリンク経路損失を推定するために使用される送信電力を決定することと、
前記送信電力および前記フィルタリングされたSL-RSRPに基づいて前記サイドリンク経路損失を推定することと、
を含む請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記サイドリンク経路損失を推定するために使用される前記送信電力は、
前記時間窓の開始と前記フィルタリングされたSL-RSRPの前記受信との間のサイドリンク伝送の実際送信電力の平均値、
前記時間窓の前記開始後の初期サイドリンク伝送の実際送信電力、または、
前記フィルタリングされたSL-RSRPの前記受信前の最後のサイドリンク伝送の実際送信電力、のうちの一つに基づいて決定される請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記サイドリンク経路損失を推定するために使用される前記送信電力を決定することは、
前記時間窓の開始と前記フィルタリングされたSL-RSRPの前記受信との間のサイドリンク伝送の実際送信電力をフィルタリングすることと、
前記フィルタリングの結果に基づいて、前記サイドリンク経路損失を推定するために使用される前記送信電力を決定することと、
を含む請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記サイドリンク経路損失を推定するために使用される前記送信電力を決定することは、
前記時間窓の開始と前記フィルタリングされたSL-RSRPの前記受信との間のサイドリンク伝送毎に、前記サイドリンク伝送の実際送信電力と基準送信電力との差を決定することと、
前記時間窓の前記開始と前記フィルタリングされたSL-RSRPの前記受信との間の前記サイドリンク伝送について決定されたそれぞれの差をフィルタリングすることと、
前記基準送信電力と前記フィルタリングの結果とに基づいて、前記サイドリンク経路損失を推定するために使用される前記送信電力を決定することと、
を含む請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記少なくとも1つの後続のサイドリンク伝送の電力制御に前記サイドリンク経路損失を適用することは、
前記第1端末装置が、前記少なくとも1つの後続のサイドリンク伝送の電力制御に前記サイドリンク経路損失を適用するタイミング情報で構成されていることに応答して、前記タイミング情報に基づいて、前記少なくとも1つの後続のサイドリンク伝送の電力制御に前記サイドリンク経路損失を適用することを含む
請求項1に記載の方法。
【請求項18】
通信の方法であって、
第2端末装置において、前記第2端末装置が第1端末装置から受信されたサイドリンク伝送のサイドリンク基準受信電力(SL-RSRP)をフィルタリングする時間窓を決定することと、
前記時間窓中に前記第1端末装置から受信された前記サイドリンク伝送の前記SL-RSRPを測定することと、
前記時間窓中に前記SL-RSRPをフィルタリングすることと、
前記フィルタリングされたSL-RSRPに基づいて、前記第1端末装置が、前記第1端末装置から前記第2端末装置への少なくとも1つの後続のサイドリンク伝送の電力制御を実行するように、前記フィルタリングされたSL-RSRPを前記第1端末装置に送信することと、
を含む方法。
【請求項19】
前記時間窓を決定することは、
前記第1端末装置から前記時間窓の開始の指示を受信することと、
前記指示に基づいて、次の時間窓の開始時に終了する前記時間窓の開始を決定することと、
を含む請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記時間窓を決定することは、
前記第2端末装置が前記時間窓に関する情報で構成されていることに応答して、前記情報に基づいて前記時間窓を決定することを含む
請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記時間窓に関する情報は、前記時間窓の開始および/または終了を示し、そして、前記情報に基づいて前記時間窓を決定することは、
前記情報に基づいて、前記時間窓の開始および/または終了を決定することを含む
請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記時間窓に関する前記情報は、前記時間窓中に前記フィルタリングされたSL-RSRPを送信する時刻、および前記時刻と時間窓の開始との間の時間オフセットを示し、そして、前記情報に基づいて前記時間窓を決定することは、
前記時刻および前記時間オフセットに基づいて、次の時間窓の開始時に終了する前記時間窓の前記開始を決定することを含む
請求項20に記載の方法。
【請求項23】
前記時間窓中に前記SL-RSRPをフィルタリングすることは、
前記時間窓について前記SL-RSRPの前記フィルタリングを開始するように、前記時間窓の開始時に前記SL-RSRPをフィルタリングするフィルタをリセットすることを含む
請求項18に記載の方法。
【請求項24】
前記フィルタリングされたSL-RSRPを送信することは、
前記時間窓中に前記フィルタリングされたSL-RSRPを前記第1端末装置に送信する時刻を決定することと、
前記フィルタリングされたSL-RSRPを前記時刻に前記第1端末装置に送信することと、
を含む請求項18に記載の方法。
【請求項25】
前記時刻を決定することは、
前記第2端末装置が、前記フィルタリングされたSL-RSRPを前記第1端末装置に送信する期間で構成されていることに応答して、前記期間に基づいて前記時刻を決定し、前記決定された時刻と前回のフィルタリングされたSL-RSRPを受信した時刻との間の間隔が前記期間を超えて、前記第2端末装置が前記決定された時刻にサイドリンク権限を有するようにすることを含む
請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記時刻を決定することは、
前記第2端末装置が、前記フィルタリングされたSL-RSRPを前記第1端末装置に送信する期間および時間オフセットで構成されていることに応答して、前記期間および前記時間オフセットに基づいて前記時刻を決定することを含む
請求項24に記載の方法。
【請求項27】
前記時刻を決定することは、
前記フィルタリングされたSL-RSRPと、前記第1端末装置に既に送信された前回のフィルタリングされたSL-RSRPとの差が閾値を超えたことに基づいて、前記時刻を決定することを含む
請求項24に記載の方法。
【請求項28】
前記フィルタリングされたSL-RSRPを前記第1端末装置へ送信する前に、前記時刻の指示を前記第1端末装置に送信することをさらに含む
請求項24に記載の方法。
【請求項29】
第1端末装置であって、
プロセッサと、
前記プロセッサに結合され、前記プロセッサによって実行されるときに、前記第1端末装置に請求項1から17の何れか一項に記載の方法を実行させる命令が記憶されているメモリと、
を含む第1端末装置。
【請求項30】
第2端末装置であって、
プロセッサと、
前記プロセッサに結合され、前記プロセッサによって実行されるときに、前記第2端末装置に請求項18から28の何れか一項に記載の方法を実行させる命令が記憶されているメモリと、
を含む第2端末装置。
【請求項31】
命令が記憶されているコンピュータ読み取り可能な媒体であって、前記命令は、少なくとも1つのプロセッサで実行されるときに、前記少なくとも1つのプロセッサに、請求項1から17の何れか一項に記載の方法を実行させる
コンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項32】
命令が記憶されているコンピュータ読み取り可能な媒体であって、前記命令は、少なくとも1つのプロセッサで実行されるときに、前記少なくとも1つのプロセッサに、請求項18から28の何れか一項に記載の方法を実行させる
コンピュータ読み取り可能な媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施例は全体として電気通信分野に関し、特に通信用の方法、装置及びコンピュータ記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
デバイス対デバイス(D2D)通信は5G新しいラジオ(NR)でサポートされている。D2D通信では、2つの端末装置は、D2D通信リンク(サイドリンク(SL)とも呼ばれる)を介して相互に通信することができる。SLオープンループ電力制御を実行するために、送信(TX)装置として機能する1つの端末装置は、サイドリンク基準信号受信電力(SL-RSRP)測定用の基準信号(RS)を、受信(RX)装置として機能するもう一つの端末装置に送信することができる。RX装置は、TX装置から受信したRSのSL-RSRPを測定することができる。例えば、RX装置は、測定されたSL-RSRPをフィルタリングし、フィルタリングされたSL-RSRPをTX装置に報告することができる。そして、TX装置は、前記フィルタリングされたSL-RSRPに基づいてSLの経路損失を導出することができる。
【0003】
3GPP(登録商標)の論議において、RX装置にRSの送信電力を指示されないことが既に提案されている。しかしながら、様々な理由(例えば、電力制御に基づく下りリンク、サイドリンクと同時の上りリンクとの間、または異なるサイドリンク間の電力共有など)により、TX装置の実際の送信電力は、SL-RSRP測定場面によって変化する可能性がある。TX装置の送信電力に関する情報がなければ、RX装置で導出される、フィルタリングされたSL-RSRPは不正確である可能性があり、したがって、前記フィルタリングされたSL-RSRPに基づいて推定されるSL経路損失も不正確である可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
全体として、本開示の例示的な実施例は、通信用の方法、装置及びコンピュータ記憶媒体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1態様において、通信の方法を提供する。前記方法は、第1端末装置において、第2端末装置が前記第1端末装置から受信されたサイドリンク伝送のサイドリンク基準信号受信電力(SL-RSRP)をフィルタリングする時間窓を決定することと、前記時間窓中に、フィルタリングされたSL-RSRPを前記第2端末装置から受信することと、前記フィルタリングされたSL-RSRPに基づいてサイドリンク経路損失を推定することと、前記第1端末装置から前記第2端末装置への少なくとも1つの後続のサイドリンク伝送の電力制御に、前記サイドリンク経路損失を適用することと、を含む。
【0006】
第2態様において、通信の方法を提供する。前記方法は、第2端末装置において、前記第2端末装置が第1端末装置から受信されたサイドリンク伝送のサイドリンク基準受信電力(SL-RSRP)をフィルタリングする時間窓を決定することと、前記時間窓中に前記第1端末装置から受信された前記サイドリンク伝送の前記SL-RSRPを測定することと、前記時間窓中に前記SL-RSRPをフィルタリングすることと、前記フィルタリングされたSL-RSRPに基づいて、前記第1端末装置が、前記第1端末装置から前記第2端末装置への少なくとも1つの後続のサイドリンク伝送の電力制御を実行するように、前記フィルタリングされたSL-RSRPを前記第1端末装置に送信することと、を含む。
【0007】
第3態様において、第1端末装置を提供する。第1端末装置は、プロセッサと、前記プロセッサに結合されたメモリとを含む。メモリには、命令が記憶されており、前記命令が前記プロセッサによって実行されるときに、前記第1端末装置に本開示の第1態様に記載の方法を実行させる。
【0008】
第4態様において、第2端末装置を提供する。第2端末装置は、プロセッサと、前記プロセッサに結合されたメモリと、を含む。メモリには命令が記憶されており、前記命令が前記プロセッサによって実行されるときに、前記第2端末装置に本開示の第2態様に記載の方法を実行させる。
【0009】
第5態様において、命令が記憶されたコンピュータ読み取り可能な媒体を提供する。前記命令は、少なくとも1つのプロセッサ上で実行されるときに、前記少なくとも1つのプロセッサに、本開示の第1態様に記載の方法を実行させる。
【0010】
第6態様において、命令が記憶されたコンピュータ読み取り可能な媒体を提供する。前記命令は、少なくとも1つのプロセッサ上で実行されるときに、前記少なくとも1つのプロセッサに、本開示の第2態様に記載の方法を実行させる。
【0011】
本開示の他の特徴は、以下の説明によって容易に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
本開示の上記および他の目的、特徴、および有益な効果は、添付図面における本開示のいくつかの実施例のより詳細な説明によって、より明らかになるであろう。
【0013】
図1】本開示の実施形態を実施することができる例示的な通信ネットワークを示す図である。
【0014】
図2】本開示のいくつかの実施例によるSL電力制御の例示的なプロセスを示す例示的なシグナリングチャートを示す図である。
【0015】
図3】本開示のいくつかの実施例の例示を示す図である。
【0016】
図4】本開示のいくつかの実施例の例示を示す図である。
【0017】
図5】本開示のいくつかの実施例による例示的な方法のフローチャートである。
【0018】
図6】本開示のいくつかの実施例による例示的な方法のフローチャートである。
【0019】
図7】本開示の実施例を実施するのに適した装置の簡略化されたブロック図である。
【0020】
図面全体において、同じ又は類似の参照符号で同じ或いは類似の部分を示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、いくつかの例示的な実施例を参照して本開示の原理を説明する。これらの実施例は、説明のためにのみ記載されており、および当業者による本発明の理解および実施を助けるようにさせ、本発明の範囲へのいかなる制限も示唆しないことが理解されるべきである。ここで記載される開示は、以下で説明される方法とは異なる様々な方法で実施することができる。
【0022】
以下の記載および特許請求の範囲において、特に定義されない限り、本文で使用されるすべての技術用語および科学用語は、本開示の当業者に一般に理解されるものと同じ意味を有する。
【0023】
本文で使用されるように、「端末装置」という用語は、無線または有線の通信能力を有する任意の装置を意味する。端末装置の例としては、ユーザー機器(UE)、パーソナルコンピュータ、デスクトップコンピュータ、携帯電話、セルラー電話、スマートフォン、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、ポータブルコンピュータ、タブレット、ウェアラブルデバイス、モノのインターネット(IoT)装置、インターネット・オブ・エブリシングス(IoE)デバイス、マシンタイプ通信(MTC)装置、V2X通信用の車載装置(Xは歩行者、車両、またはインフラ/ネットワークを表す)、あるいはデジタルカメラなどの画像取得装置、ゲーム装置、音楽保存および再生装置、あるいは無線または有線のインターネットアクセスおよび閲覧を可能とするインターネット家電などを含むが、これらに限定されない。
【0024】
本明細書で使用されるように、「ネットワーク装置」又は「基地局」(BS)という用語は、端末装置が通信可能なセルまたはカバレッジを提供またはホストすることのできる装置を意味する。ネットワーク装置の例としては、ノードB(NodeBまたはNB)、進化型ノードB(eNodeBまたはeNB)、次世代ノードB(gNB)、送受信点(TRP)、リモートラジオユニット(RRU)、ラジオヘッド(RH)、リモートラジオヘッド(RRH)、フェムトノード、ピコノードなどの低電力ノードを含むが、これらに限定されない。
【0025】
本文で使用されるように、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈に明示的に示されていない限り、複数形も含む。「含む」という用語およびその変型は、「含むが、これらに限定されるものではない」を意味するオープンエンド用語として理解されるべきである。「に基づく」という用語は、「に少なくとも部分的に基づく」と理解されるべきである。「いくつかの実施例」および「実施例」という用語は、「少なくとも1つの実施例」と理解されるべきである。「別の実施例」という用語は、「少なくとも1つの別の実施例」と理解されるべきである。「第1」、「第2」などの用語は、異なるまたは同一の対象を指すことができる。その他の明示的および暗黙的な定義は以下に含まれることがある。
【0026】
いくつかの例において、値、プロセス、または装置は、「最良」、「最低」、「最高」、「最小」、「最大」などと呼ばれる。このような説明は、多くの使用される機能的代替案の中から選択することができることを示すことを意図されており、そして、このような選択は、他の選択より良く、より小さく、より高い必要がなく、またはそのほかの点でより好ましい必要はないことは、理解されるべきである。
【0027】
上述したように、D2D通信では、2つの端末装置は、SLを介して相互に通信することができる。SLオープンループ電力制御を実行するために、TX端末装置は、SL-RSRP測定用のRSを、RX端末装置に送信することができる。RX端末装置は、TX端末装置から受信したRSのSL-RSRPを測定することができる。例えば、RX端末装置は、測定されたSL-RSRPをフィルタリングし、フィルタリングされたSL-RSRPをTX端末装置に報告することができる。そして、TX端末装置は、前記フィルタリングされたSL-RSRPに基づいてSLの経路損失を導出することができる。
【0028】
3GPP(登録商標)の論議において、RX端末装置にRSの送信電力を指示されないことが既に提案されている。しかしながら、様々な理由(例えば、電力制御に基づく下りリンク、サイドリンクと同時の上りリンクとの間、または異なるサイドリンク間の電力共有など)により、TX端末装置の実際の送信電力は、SL-RSRP測定場面によって変化する可能性がある。TX端末装置の送信電力に関する情報がなければ、RX端末装置で導出される、フィルタリングされたSL-RSRPは不正確であり、したがって、前記フィルタリングされたSL-RSRPに基づいて推定されるサイドリンク経路損失も不正確である。
【0029】
本開示の実施例は、上記の問題および1つまたは複数の他の潜在的な問題を解決するための、サイドリンク電力制御の案を提供する。当該案によれば、TX端末装置とRX端末装置との間で、SL-RSRPをフィルタリングするための時間窓を揃える。なお、SL経路損失を推定するために使用される送信電力は、TX端末装置において導出されることができる。これにより、SL経路損失をより正確かつ合理的に推定することができるため、SL経路損失に基づく電力制御をより効率的に行うことができる。
【0030】
図1は本開示の実施例を実現できる例示的な通信システム100の模式図を示す。図1に示すように、通信システム100は、ネットワーク装置110と、端末装置120および130とを含むことができる。図1における装置の数は説明の目的で与えられており、本開示に対するいかなる制限も暗示していないことは、理解されるであろう。通信ネットワーク100は、本開示の実施態様を実施するのに適した任意の適切な数のネットワーク装置および/または端末装置を含むことができる。
【0031】
いくつかの実施例において、端末装置(例えば、端末装置120又は130)は、第1ネットワーク装置及び第2ネットワーク装置(図1では図示せず)に接続することができる。第1ネットワーク装置と第2ネットワーク装置の一方はマスターノードであってもよく、他方はセカンダリ―ノードであってもよい。第1ネットワーク装置と第2ネットワーク装置は、異なるラジオアクセス技術(RAT)を使用してもよい。いくつかの実施例において、第1ネットワーク装置は第1RAT装置であってもよく、第2ネットワーク装置は第2RAT装置であってもよい。いくつかの実施例において、第1RAT装置はeNBであり、第2RAT装置はgNBである。異なるRATに関する情報は、第1ネットワーク装置と第2ネットワーク装置の少なくとも一方から端末装置に送信することができる。いくつかの実施例において、第1情報は、第1ネットワーク装置から端末装置に送信されてもよく、第2情報は、第2ネットワーク装置から直接または第1ネットワーク装置を介して端末装置に送信されてもよい。いくつかの実施例において、第2ネットワーク装置によって構成された端末装置の構成に関する情報は、第2ネットワーク装置から第1ネットワーク装置を介して送信することができる。第2ネットワーク装置によって構成された端末装置の再構成に関する情報は、第2ネットワーク装置から直接端末装置に送信してもよく、又は第1ネットワーク装置を介して端末装置に送信してもよい。
【0032】
図1に示すように、ネットワーク装置110は、チャネル(例えば、無線通信チャネル)132および133をそれぞれ介して端末装置120および130と通信することができる。図1では、端末装置120および130が、D2D通信(例えば、V2X通信)をサポートする車両として示されている。本開示の実施例は、車両以外の、携帯電話、センサなどの他の端末装置にも適用できることを理解されたい。いくつかの実施例において、端末装置120は、サイドリンク131を介して端末装置130と通信することができる。いくつかの実施例において、サイドリンクは半二重または全二重とすることができる。例えば、端末装置120は、サイドリンク131を介して端末装置130に情報を送信することができる。端末装置130も同様に、サイドリンク131を介して端末装置120に情報を送信することができる。
【0033】
端末装置120から端末装置130へのサイドリンク131を介した伝送において、端末装置120はTX装置として機能し、端末装置130はRX装置として機能できる。端末装置130から端末装置120へのサイドリンク131を介した伝送において、端末装置130はTX装置として機能し、端末装置120はRX装置として機能できる。以下、TX装置の一例として端末装置120を参照し、RX装置の一例として端末装置130を参照して、いくつかの実施例を説明する。以下、端末装置120を「TX装置120」、「TX端末装置120」または「第1端末装置」と称してもよく、端末装置130を「RX装置130」、「RX端末装置130」または「第2端末装置」と称してもよい。これは単に議論のためであり、本開示の範囲に対するいかなる制限も示唆しないことが理解されるべきである。
【0034】
通信システム100における通信は、モバイル通信のためのグローバルシステム(GSM)、ロングタームエボリューション(LTE)、LTE-エボリューション、LTE-アドバンスト(LTE-A)、広帯域符号分割多元接続(WCDMA(登録商標))、符号分割多元接続(CDMA)、GSM EDGE無線アクセスネットワーク(GERAN)、マシンタイプ通信(MTC)などを含むが、これらに限定されない任意の適切な規格に準拠することができる。さらに、通信は、現在知られている、または将来開発される任意の世代の通信プロトコルに従って実行されることができる。通信プロトコルの例としては、第1世代(1G)、第2世代(2G)、2.5G、2.75G、第3世代(3G)、第4世代(4G)、4.5G、第5世代(5G)通信プロトコルを含むが、これらに限定されない。
【0035】
図2は本開示のいくつかの実施例によるSL電力制御の例示的なプロセス200を示す例示的なシグナリングチャートを示す。図2に示すように、プロセス200は、図1に示すTX装置120とRX装置130に関係してもよい。プロセス200は、図示されていない追加の動作を含んでもよく、および/または図示されているいくつかの動作を省略してもよく、本開示の範囲はこの点では限定されないことが理解されるべきである。
【0036】
図2に示すように、TX装置120は時間窓を決定210し、この時間窓中に、RX装置130は、TX装置120から受信されたSL伝送のSL-RSRPをフィルタリングする。同様に、RX装置130は時間窓を決定220してもよく、この時間窓中に、RX装置130は、TX装置120から受信されたSL伝送のSL-RSRPをフィルタリングする。以下では、時間窓を「フィルタリング窓」または「SL-RSRPフィルタリング窓」と呼んでもよい。
【0037】
いくつかの実施例において、TX装置120は、2つの隣接するSL伝送の送信電力の変化に基づいて、時間窓の開始を決定することができ、時間窓は、次の時間窓の開始時に終了してもよい。
【0038】
いくつかの実施例において、TX装置120は、現在のSL伝送(「第1SL伝送」とも呼ばれる)用の送信電力(「第1送信電力」とも呼ばれる)を決定することができる。TX装置120は、前回のSL伝送(「第2SL伝送」とも呼ばれる)に使われた送信電力(「第2送信電力」とも呼ばれる)を決定することもできる。第1送信電力と第2送信電力との差が閾値を超えたことに応答して、TX装置120は、第1SL伝送が発生する時刻に基づいて、時間窓の開始を決定することができる。
【0039】
あるいは、いくつかの実施例において、TX装置120は、第1SL経路損失を適用して、第1SL伝送の送信電力を制御することができ、第1SL経路損失は、前回のSL伝送(すなわち、第2SL伝送)の電力制御に適用された第2SL経路損失とは異なってもよい。この場合、TX装置120は、第1SL伝送が発生する時刻に基づいて、時間窓の開始を決定することができる。
【0040】
図3はこのような実施例の例示を示している。例えば、図3に示されるように、SL伝送301の送信電力とSL伝送302の送信電力との差が閾値を超えもよく、または、異なるSL経路損失を適用して、SL伝送301および302の送信電力をそれぞれ制御してもよい。この場合、新しいフィルタリング窓325は時刻Aで開始してもよく、前回のフィルタリング窓315は時刻Aで終了してもよい。同様に、SL伝送303の送信電力とSL伝送304の送信電力との差が閾値を超えもよく、または、異なるSL経路損失を適用して、SL伝送303および304の送信電力をそれぞれ制御してもよい。この場合、新しいフィルタリング窓335は時刻Cで開始してもよく、前回のフィルタリング窓325は時刻Cで終了してもよい。SL伝送305の送信電力とSL伝送306の送信電力との差が閾値を超えもよく、または、異なるSL経路損失を適用して、SL伝送305および306の送信電力をそれぞれ制御してもよい。この場合、新しいフィルタリング窓345は時刻Eで開始してもよく、前回のフィルタリング窓335は時刻Eで終了してもよい。
【0041】
いくつかの実施例において、TX装置120は、時間窓開始の指示をRX装置130に送信することができ、RX装置130は、その指示に基づいて時間窓の開始を決定することができる。
【0042】
いくつかの実施例において、好ましくは、PSCCHにおいてフラグを伝送してもよい。TX装置120は、前回のSL伝送と比較して異なるSL経路損失(または異なるフィルタリングされたSL-RSRP)が現在のSL伝送の電力制御に使用されていることに応答して、または現在のSL伝送の送信電力と前回のSL伝送の送信電力との差が閾値を超えたことに応答して、フラグを切り替えることができる。例えば、図3において、時刻A以前のSL伝送(例えば、SL伝送301)におけるフラグは、「0」であってもよい。時刻AでのSL伝送302におけるフラグ、または時刻A以降且つ時刻C以前の各SL伝送(例えば、SL伝送303)におけるフラグは、「1」であってもよい。時刻CでのSL伝送304におけるフラグ、または時刻C以降且つ時刻E以前の各SL伝送(例えば、SL伝送305)におけるフラグは、「0」であってもよい。このようにして、RX装置130は、PSCCHにフラグが切り替わる時刻に基づいて、新しい時間窓の開始を決定することができる。
【0043】
あるいは、いくつかの実施例において、PSCCHにおいてフラグを伝送してもよい。例えば、前回のSL伝送と比較して、現在のSL伝送の電力制御に、異なるSL経路損失(または異なるフィルタリングされたSL-RSRP)が使用された場合、または、現在のSL伝送の送信電力と最後のSL伝送の送信電力との差が閾値を超えた場合、TX装置120は、フラグを「1」に設定することができる。そうでなければ、TX装置120は、このフラグを「0」に設定してもよい。例えば、図3において、時刻AでのSL伝送302におけるフラグ、時刻CでのSL伝送304におけるフラグ、および時刻EでのSL伝送306におけるフラグは、「1」として、他のSL伝送におけるフラグは「0」としてもよい。このようにして、RX装置130は、PSCCHにおけるフラグが「1」である時刻に基づいて、新しい時間窓の開始を決定することができる。
【0044】
いくつかの実施例において、TX装置120は、時間窓に関する情報で構成されてもよい。例えば、ネットワーク装置110は、上位レイヤシグナリングを介してTX装置120に時間窓に関する情報を構成してもよく、またはTX装置120において時間窓に関する情報を事前に構成してもよい。いくつかの実施例において、時間窓に関する情報は、時間窓の開始および/または終了を示すことができる。このようにして、TX装置120は、この情報に基づいて、時間窓の開始および/または終了を決定することができる。いくつかの実施例において、現在のSL伝送の送信電力と最後のSL伝送の送信電力との差が閾値を超えたことに応答して、TX装置120は、時間窓の開始を調整することができる。なお、TX装置120はさらに、時間窓の開始を調整すべきであることを示す指示を(例えば、PSCCHを介して)RX装置130に送信することができる。あるいは、いくつかの実施例において、時間窓に関する情報は、フィルタリングされたSL-RSRPを時間窓中にRX装置130から受信する時刻、および当該時刻と時間窓の開始との間の時間オフセットを示してもよい。このようにして、TX装置120は、時間窓中にフィルタリングされたSL-RSRPを受信する時刻、および時間オフセットに基づいて、時間窓の開始を決定することができる。時間オフセットは、TX装置120の能力に関係することができる。例えば、異なる時間窓は、同じ時間オフセットまたは異なる時間オフセットに関連付けられることができる。
【0045】
いくつかの実施例において、RX装置130も、時間窓に関する情報で構成されてもよい。例えば、ネットワーク装置110またはTX装置120は、上位レイヤシグナリングを介してRX装置130に時間窓に関する情報を構成してもよく、またはRX装置130において時間窓に関する情報を事前に構成してもよい。いくつかの実施例において、時間窓に関する情報は、時間窓の開始および/または終了を示すことができる。RX装置130は、この情報に基づいて、時間窓の開始および/または終了を決定することができる。いくつかの実施例において、TX装置120は、例えば、2つの隣接するSL伝送の送信電力に変化が閾値を超えた場合、時間窓の開始を調整すべきであることを示す指示を(例えば、PSCCHを介して)RX装置130に送信することができる。TX装置120からこの指示を受信したことに応答して、RX装置130は、時間窓の開始をそれに応じて調整することができる。あるいは、いくつかの実施例において、時間窓に関する情報は、時間窓中にフィルタリングされたSL-RSRPをTX装置120に送信する時刻、および当該時刻と時間窓の開始との間の時間オフセットを示してもよい。RX装置130は、時間窓中にフィルタリングされたSL-RSRPを送信する時刻、および時間オフセットに基づいて、時間窓の開始を決定することができる。時間オフセットは、TX装置120の能力に関係することができる。例えば、異なる時間窓は、同じ時間オフセットまたは異なる時間オフセットに関連付けられることができる。
【0046】
図4はこのような実施例の例示を示している。図4に示すように、フィルタリングされたSL-RSRPのそれぞれを報告するための対応時刻と、当該対応時刻に対する時間オフセットとが構成されている。例えば、時間窓420に関して、時間窓420の開始は、フィルタリングされたSL-RSRP報告310の時刻および時間オフセット401に基づいて決定することが可能である。時間窓430に関して、時間窓430の開始は、フィルタリングされたSL-RSRP報告320の時刻および時間オフセット402に基づいて決定することが可能である。時間窓440に関して、時間窓440の開始は、フィルタリングされたSL-RSRP報告330の時刻および時間オフセット403に基づいて決定することが可能である。異なる時間窓に関連付けられた時間オフセット401、402、403は、互いに同じであってもよく、または異なっていてもよい。図4に示す例示において、時間窓のそれぞれは、次の時間窓の開始時に終了する。
【0047】
図2に戻り、TX装置120は、物理サイドリンク制御チャネル(PSCCH)および/または物理サイドリンク共有チャネル(PSSCH)を介して、SL-RSRP測定用のRSをRX装置130に送信230する。いくつかの実施例において、TX装置120は、ユニキャスト、グループキャスト、およびブロードキャストのうちの1つを介してRX装置130にRSを送信することができる。
【0048】
SL伝送(例えば、PSCCHおよび/またはPSSCH)の受信に応答して、RX装置130は、SL伝送のSL-RSRPを測定240し、時間窓中にSL-RSRPをフィルタリング240する。
【0049】
いくつかの実施例において、RX装置130は、時間窓中に、測定されたSL-RSRPをレイヤ1フィルタまたはレイヤ3フィルタを利用してフィルタリングすることができる。RX装置130は、時間窓の開始時にフィルタをリセット/再起動して、時間窓中にSL-RSRSPのフィルタリングを開始することができる。例えば、3GPP(登録商標)仕様書TS 38.331では、レイヤ3フィルタは以下の式で定義される。
【数1】
ここで、Mは物理層から受信した最新の測定結果である。Fは、報告基準の評価または測定報告に使用される、更新後のフィルタリングされた測定結果である。Fn-1は、古いフィルタリングされた測定結果であり、物理層からの第1測定結果を受信したときにFがMに設定される。a=1/2(ki/4)、ただし、kは構成されたフィルタ係数である。いくつかの実施例において、RX装置130は、上式(1)で定義されるフィルタを使用して、時間窓中に、SL-RSRPをフィルタリングすることができる。あるいは、他の実施例において、RX装置130は、異なるフィルタを使用してもよい。本開示の範囲は、この態様に限定されることはない。
【0050】
いくつかの実施例において、好ましくは、RX装置130は、時間窓中に受信されたすべてのSL伝送のSL-RSRPを測定することが義務付けられる。例えば、RX装置130は、時間窓中に、フィルタリングされたSL-RSRPをTX装置120に報告する前に、受信されたすべてのSL伝送のSL-RSRPを測定することが義務付けられる。例えば、図3に示す時間窓325に関して、RX装置130は、時刻Aから時刻Bまでの受信されたすべてのSL伝送(SL伝送302を含む)のSL-RSRPを測定することが義務付けられる。
【0051】
図2に戻り、RX装置130は、フィルタリングされたSL-RSRPをTX装置120に送信250する。したがって、TX装置120は、フィルタリングされたSL-RSRPをRX装置130から受信250する。
【0052】
いくつかの実施例において、RX装置130は、フィルタリングされたSL-RSRPを報告するための報告期間で構成されてもよい。例えば、ネットワーク装置110またはTX装置120は、上位レイヤシグナリングを介してRX装置130に報告期間を構成することができる。あるいは、いくつかの実施例において、RX装置130は、フィルタリングされたSL-RSRPを報告するための報告期間を決定してもよい。例えば、報告期間は、RX装置130の絶対速度、TX装置120とRX装置130との間の相対速度、下りリンク経路損失に基づくオープンループ電力制御(OLPC)によって与えられる電力とSL経路損失に基づくOLPCによって与えられる電力との差、およびRX装置130の能力とのうちの少なくとも一項に基づいて決定することができる。いくつかの実施例において、RX装置130は、報告期間に基づいて、フィルタリングされたSL-RSRPをTX装置120に送信する時刻を決定し、決定された時刻と前回のフィルタリングされたSL-RSRPを報告する時刻との間隔が報告期間を超えており、且つ、決定された時刻にRX装置130がSL権限を有するようにすることができる。いくつかの実施例において、TX装置120またはネットワーク装置110は、RX装置130と同じ方法で、報告期間に基づいて、フィルタリングされたSL-RSRPをRX装置130から受信する時刻を決定することができる。例えば、TX装置120またはネットワーク装置110は、報告期間に基づいて、フィルタリングされたSL-RSRPをRX装置130から受信する時刻を決定し、決定された時刻と前回のフィルタリングされたSL-RSRPを受信する時刻との間隔が報告期間を超えており、且つ、決定された時刻にRX装置130がSL権限を有するようにすることができる。
【0053】
あるいは、いくつかの実施例において、RX装置130は、イベントの発生に応答して、フィルタリングされたSL-RSRPをTX装置120に送信する時間を決定してもよい。例えば、RX装置130は、フィルタリングされたSL-RSRPと、第1端末装置に既に送信された前回のフィルタリングされたSL-RSRPとの差がRSRP閾値を超えたことに基づいて、フィルタリングされたSL-RSRPをTX装置120に送信する時刻を決定することができる。例えば、RSRP閾値は、TX装置120またはネットワーク装置110によって構成することができる。別の例として、RSRP閾値は、RX装置130によって決定されてもよい。
【0054】
いくつかの実施例において、RX装置130は、フィルタリングされたSL-RSRPを報告する時刻の指示をTX装置120に送信することができる。例えば、時刻の指示は、フィルタリングされたSL-RSRPと共にMAC CEを介してTX装置120に送信されてもよい。例えば、報告期間がRX装置130によって決定された場合、またはフィルタリングされたSL-RSRPの報告がイベントによってトリガされた場合、指示をTX装置120に送信してもよい。このようにして、TX装置120は、この指示に基づいて、フィルタリングされたSL-RSRPをRX装置130から受信する時刻を決定することができる。
【0055】
いくつかの実施例において、フィルタリングされたSL-RSRPを報告する報告期間および時間オフセットは、ネットワーク装置110によってTX装置120およびRX装置130において構成されてもよい。いくつかの実施例において、フィルタリングされたSL-RSRPを報告する報告期間および時間オフセットは、ネットワーク装置110によってTX装置120において構成されてもよく、RX装置120において事前に構成されてもよい。TX装置120は、上位レイヤシグナリングを介してRX装置130に報告期間と時間オフセットを構成することができる。いくつかの実施例において、RX装置130は、報告期間と時間オフセットに基づいて、フィルタリングされたSL-RSRPをTX装置120に送信する時刻を決定してもよい。同様に、TX装置120は、報告期間と時間オフセットに基づいて、フィルタリングされたSL-RSRPをRX装置130から受信する時刻を決定してもよい。いくつかの実施例において、グループキャストの場合(すなわち、TX装置120は、PSCCHおよび/またはPSSCHをRX装置のグループに送信することができる)、グループにおけるRX装置に、同じ報告期間と異なるオフセットを構成することができる。例えば、リソース利用およびデュプレックスの問題を低減させるために、グループにおける異なるRX装置のオフセットは、例えば0、1、2、4、8、16・・・ms/スロットのようなネストされた値から決定してもよい。
【0056】
いくつかの実施例において、SL経路損失に基づくOLPCが無効化されていることに応答して、フィルタリングされたSL-RSRPの報告を無効化することもできる。いくつかの実施例において、下りリンク経路損失に基づいてOLPCによって与えられる電力が、SL経路損失に基づいてOLPCによって与えられる電力より低いことに応答して、TX装置120は、上位レイヤシグナリングを介して、フィルタリングされたSL-RSRPの報告を無効化することができる。あるいは、いくつかの実施例において、下りリンク経路損失に基づいてOLPCによって与えられる電力が、SL経路損失に基づいてOLPCによって与えられる電力より低く、且つ両者の差が閾値を超えたことに応答して、TX装置120は、上位レイヤシグナリングを介して、フィルタリングされたSL-RSRPの報告を無効化してもよい。例えば、閾値は、ネットワーク装置110またはTX装置120によって構成することができる。
【0057】
図2に戻り、フィルタリングされたSL-RSRPをRX装置130から受信したことに応答して、TX装置120は、フィルタリングされたSL-RSRPに基づいてSL131の経路損失を推定260する。
【0058】
いくつかの実施例において、TX装置120は、SL経路損失を以下のように推定することができる。
【数2】
ここで、Pathlossは推定されたSL経路損失を表し、Power_txはSL経路損失の推定に使用される送信電力を表し、Filtered_SL_RSRPはRX装置130から受信された、フィルタリングされたSL-RSRPを表す。
【0059】
いくつかの実施例において、SL経路損失を推定するために使用される送信電力Power_txは、時間窓の開始とフィルタリングされたSL-RSRPの受信との間のサイドリンク伝送の実際送信電力の平均値、時間窓の開始後の初期サイドリンク伝送の実際送信電力、または、フィルタリングされたSL-RSRPの受信前の最後のサイドリンク伝送の実際送信電力のうちの一つに基づいて決定することが可能である。
【0060】
いくつかの実施例において、TX装置120は、時間窓の開始とフィルタリングされたSL-RSRPの受信との間のSL伝送(ただし、不連続伝送(DTX)が識別されたSL伝送は除く)の実際送信電力をフィルタリングすることによって、送信電力Power_txを決定することができる。例えば、上記式(1)によって定義されるレイヤ3フィルタは、SL伝送の実際送信電力をフィルタリングするためにTX装置120によって使用されてもよく、各SL伝送の実際送信電力は、物理層から得られる最新の測定結果の代わりに、Mとして機能してもよい。図3に示される例示において、例えば上式(1)に従って、時間窓325中にSL経路損失を推定するために使用される送信電力Power_txは、(P,P,P…P)のフィルタリングの結果として決定でき、ここで、P(1≦i≦n)は、時刻Aから時刻Bまでの各SL伝送(ただし、DTXが識別されたSL伝送を除く)の実際送信電力を表す。
【0061】
あるいは、いくつかの実施例において、時間窓中にSL経路損失を推定するために使用される送信電力Power_txを決定するために、TX装置120は、時間窓の開始とフィルタリングされたSL-RSRPの受信との間の各SL伝送(DTXが識別されたSL伝送を除く)について、SL伝送の実際送信電力と基準送信電力P0との差を決定することができる。TX装置120は、SL伝送について決定されたそれぞれの差をフィルタリングし、基準送信電力Pとフィルタリングの結果とに基づいて、SL経路損失の推定に使用される送信電力Power_txを決定することができる。例えば、基準送信電力P0は、少なくとも時間窓中に、一定値として定義されることができる。例えば、基準送信電力P0は、上位レイヤシグナリングを介して構成されることができるか、またはTX装置120の実現に基づいて決定されることができる。場合によっては、基準送信電力P0は0であってもよい。
【0062】
いくつかの実施例において、時間窓中のSL経路損失を推定するために使用される送信電力Power_txは、以下のように決定することができる。
【数3】
ここで、Power_filteredは上式(1)による、(P-P0,P-P0,P-P0…P-P0)のフィルタリングの結果を表し、ここで、P(1≦i≦n)は、時間窓中(例えば、時間窓の開始からフィルタリングされたSL-RSRPの受信まで)の各SL伝送(ただし、DTXが識別されたSL伝送を除く)の実際送信電力を表す。この場合、TX装置120は、上式(2)に基づいてSL経路損失を推定することができる。
【0063】
あるいは、いくつかの実施例において、時間窓中のSL経路損失を推定するために使用される送信電力Power_txは、以下のように決定してもよい。
【数4】
ここで、Power_filteredは上式(1)による、(P0-P,P0-P,P0-P …P0-P)のフィルタリングの結果を表し、ここで、P(1≦i≦n)は、時間窓中(例えば、時間窓の開始からフィルタリングされたSL-RSRPの受信まで)の各SL伝送(ただし、DTXが識別されたSL伝送を除く)の実際送信電力を表す。この場合、TX装置120は、以下のように経路損失を推定することができる。
【数5】
【0064】
図2に示すように、TX装置120は、推定されたSL経路損失を、SL130を介してTX装置120からRX装置130への少なくとも1つの後続のSL伝送の電力制御に適用270する。
【0065】
いくつかの実施例において、TX装置120は、推定されたSL経路損失を当該少なくとも1つの後続のSL伝送のOLPCに適用するためのタイミング情報で構成されてもよい。TX装置120は、タイミング情報に基づいて、推定されたSL経路損失を当該少なくとも1つの後続のSL伝送のOLPCに適用することができる。
【0066】
いくつかの実施例において、タイミング情報は、フィルタリングされたSL-RSRPの受信と推定されたSL経路損失の適用との間の時間オフセットを示すことができる。例えば、時間オフセットは、TX装置120の能力および/または処理時間に関連することができる。この場合、TX装置120は、フィルタリングされたSL-RSRPを受信した後の時間オフセットの後に、推定されたSL経路損失を当該少なくとも1つの後続のSL伝送のOLPCに適用することができる。
【0067】
あるいは、いくつかの実施例において、タイミング情報は、時間窓の終了と推定されたSL経路損失の適用との間の時間オフセットを示してもよい。例えば、時間オフセットは、TX装置120の能力および/または処理時間に関連することができる。この場合、TX装置120は、時間窓の終了後の時間オフセット後に、推定されたSL経路損失を、当該少なくとも1つの後続のSL伝送のOLPCに適用することができる。
【0068】
図5は本開示のいくつかの実施例による例示的な方法500のフローチャートを示す。例えば、方法500は、図1図2に示す第1端末装置120において実行できる。方法500は、図示されていない追加ブロックを含んでもよく、および/または図示されているいくつかのブロックを省略してもよく、本開示の範囲はこの点では限定されないことが理解されるべきである。
【0069】
ブロック510において、第1端末装置120は時間窓を決定し、当該時間窓中に、第2端末装置130は、第1端末装置120から受信されたサイドリンク伝送のSL-RSRPをフィルタリングする。
【0070】
いくつかの実施例において、時間窓を決定することは、第1端末装置から第2端末装置への第1サイドリンク伝送の第1送信電力を決定することと、前記第1サイドリンク伝送の前に発生する、第1端末装置から第2端末装置への第2サイドリンク伝送の第2送信電力を決定することと、第1送信電力と第2送信電力との差が閾値を超えたことに応答して、第1サイドリンク伝送が発生する時刻に基づいて、次の時間窓の開始時に終了する時間窓の開始を決定することと、を含む。
【0071】
いくつかの実施例において、時間窓を決定することは、第1端末装置から第2端末装置への第1サイドリンク伝送の電力制御に適用される第1サイドリンク経路損失を決定することと、前記第1サイドリンク伝送の前に発生する、第1端末装置から第2端末装置への第2サイドリンク伝送の電力制御に適用される第2サイドリンク経路損失を決定することと、第1サイドリンク経路損失が第2サイドリンク経路損失と異なることに応答して、第1サイドリンク伝送が発生する時刻に基づいて、次の時間窓の開始時に終了する時間窓の開始を決定することと、を含む。
【0072】
いくつかの実施例において、方法500はさらに、第1サイドリンク伝送を介して、第1端末装置から第2端末装置へ、時間窓の開始の指示を送信することを含む。
【0073】
いくつかの実施例において、時間窓を決定することは、第1端末装置が時間窓に関する情報で構成されていることに応答して、前記情報に基づいて前記時間窓を決定することを含む。
【0074】
いくつかの実施例において、時間窓に関する情報は、時間窓の開始および/または終了を示し、そして、前記情報に基づいて前記時間窓を決定することは、前記情報に基づいて前記時間窓の開始および/または終了を決定することを含む。
【0075】
いくつかの実施例において、時間窓に関する情報は、時間窓中に前記フィルタリングされたSL-RSRPを受信する時刻、および前記時刻と時間窓の開始との間の時間オフセットを示し、そして、前記情報に基づいて前記時間窓を決定することは、前記時刻および前記時間オフセットに基づいて、次の時間窓の開始時に終了する時間窓の開始を決定することを含む。
【0076】
いくつかの実施例において、方法500はさらに、第1端末装置から第2端末装置へ、時間窓に関する情報を送信することを含む。
【0077】
ブロック520において、第1端末装置120は、時間窓中に、フィルタリングされたSL-RSRPを第2端末装置130から受信する。
【0078】
いくつかの実施例において、前記フィルタリングされたSL-RSRPを受信することは、時間窓中にフィルタリングされたSL-RSRPを受信する時刻を決定することと、フィルタリングされたSL-RSRPを、前記時刻に受信することと、を含む。
【0079】
いくつかの実施例において、前記時刻を決定することは、第1端末装置が、前記フィルタリングされたSL-RSRPを第2端末装置から受信する期間で構成されていることに応答して、前記期間に基づいて前記時刻を決定し、前記決定された時刻と前回のフィルタリングされたSL-RSRPを受信する時刻との間の間隔が前記期間を超えて、第2端末装置が決定された時刻にサイドリンク権限を有するようにすることを含む。
【0080】
いくつかの実施例において、前記時刻を決定することは、第1端末装置が、前記フィルタリングされたSL-RSRPを第2端末装置から受信する期間および時間オフセットで構成されていることに応答して、前記期間および前記時間オフセットに基づいて前記時刻を決定することを含む。
【0081】
いくつかの実施例において、前記時刻を決定することは、第2端末装置から前記時刻の指示を受信することと、前記指示に基づいて前記時刻を決定することと、を含む。
【0082】
ブロック530において、第1端末装置120は、前記フィルタリングされたSL-RSRPに基づいてサイドリンク経路損失を推定する。
【0083】
いくつかの実施例において、サイドリンク経路損失を推定することは、サイドリンク経路損失を推定するために使用される送信電力を決定することと、送信電力およびフィルタリングされたSL-RSRPに基づいてサイドリンク経路損失を推定することと、を含む。
【0084】
いくつかの実施例において、サイドリンク経路損失を推定するために使用される送信電力は、時間窓の開始と前記フィルタリングされたSL-RSRPの受信との間のサイドリンク伝送の実際送信電力の平均値、時間窓の開始後の初期サイドリンク伝送の実際送信電力、または、前記フィルタリングされたSL-RSRPの受信前の最後のサイドリンク伝送の実際送信電力のうちの一つに基づいて決定される。
【0085】
いくつかの実施例において、サイドリンク経路損失を推定するために使用される送信電力を決定することは、時間窓の開始と前記フィルタリングされたSL-RSRPの受信との間のサイドリンク伝送の実際送信電力をフィルタリングすることと、フィルタリングの結果に基づいて、サイドリンク経路損失を推定するために使用される送信電力を決定することと、を含む。
【0086】
いくつかの実施例において、サイドリンク経路損失を推定するために使用される送信電力を決定することは、時間窓の開始と前記フィルタリングされたSL-RSRPの受信との間のサイドリンク伝送毎に、サイドリンク伝送の実際送信電力と基準送信電力との差を決定することと、時間窓の開始とフィルタリングされたSL-RSRPの受信との間にあるサイドリンク伝送について決定されたそれぞれの差をフィルタリングすることと、基準送信電力とフィルタリングの結果とに基づいて、サイドリンク経路損失を推定するために使用される送信電力を決定することと、を含む。
【0087】
ブロック540において、第1端末装置120は、第1端末装置120から第2端末装置130への少なくとも1つの後続のサイドリンク伝送の電力制御に、サイドリンク経路損失を適用する。
【0088】
いくつかの実施例において、少なくとも1つの後続のサイドリンク伝送の電力制御にサイドリンク経路損失を適用することは、第1端末装置が、少なくとも1つの後続のサイドリンク伝送の電力制御にサイドリンク経路損失を適用するタイミング情報で構成されていることに応答して、タイミング情報に基づいて、少なくとも1つの後続のサイドリンク伝送の電力制御にサイドリンク経路損失を適用することを含む。
【0089】
図6は本開示のいくつかの実施例による例示的な方法600のフローチャートを示す。例えば、方法600は、図1図2に示す第2端末装置130において実行できる。方法600は、図示されていない追加ブロックを含んでもよく、および/または図示されているいくつかのブロックを省略してもよく、本開示の範囲はこの点では限定されないことが理解されるべきである。
【0090】
ブロック610において、第2端末装置120は時間窓を決定し、当該時間窓中に、第2端末装置130は、第1端末装置120から受信されたサイドリンク伝送のSL-RSRPをフィルタリングする。
【0091】
いくつかの実施例において、時間窓を決定することは、第1端末装置から、時間窓の開始の指示を受信することと、前記指示に基づいて、次の時間窓の開始時に終了する時間窓の開始を決定することと、を含む。
【0092】
いくつかの実施例において、時間窓を決定することは、第2端末装置が時間窓に関する情報を有するように構成されていることに応答して、前記情報に基づいて前記時間窓を決定することを含む。
【0093】
いくつかの実施例において、時間窓に関する情報は、時間窓の開始および/または終了を示し、前記情報に基づいて時間窓を決定することは、前記情報に基づいて時間窓の開始および/または終了を決定することを含む。
【0094】
いくつかの実施例において、時間窓に関する情報は、フィルタリングされたSL-RSRPを時間窓中に送信する時刻、および前記時刻と時間窓の開始との間の時間オフセットを示し、前記情報に基づいて時間窓を決定することは、前記時刻および前記時間オフセットに基づいて、次の時間窓の開始時に終了する時間窓の開始を決定することを含む。
【0095】
ブロック620において、第2端末装置120は、時間窓中に、第1端末装置120から受信されたサイドリンク伝送のSL-RSRPをフィルタリングする。
【0096】
ブロック630において、第2端末装置130は、時間窓中にSL-RSRPをフィルタリングする。
【0097】
いくつかの実施例において、時間窓中にSL-RSRPをフィルタリングすることは、時間窓の開始時にSL-RSRPをフィルタリングするフィルタをリセットして、前記時間窓についてSL-RSRPのフィルタリングを開始することを含む。
【0098】
ブロック640において、第2端末装置130は、フィルタリングされたSL-RSRPに基づいて、第1端末装置120が、第1端末装置120から第2端末装置130への少なくとも1つの後続のサイドリンク伝送の電力制御を実行するように、フィルタリングされたSL-RSRPを第1端末装置120に送信する。
【0099】
いくつかの実施例において、フィルタリングされたSL-RSRPを送信することは、フィルタリングされたSL-RSRPを時間窓中に第1端末装置に送信する時刻を決定することと、フィルタリングされたSL-RSRPをその時刻に第1端末装置に送信することと、を含む。
【0100】
いくつかの実施例において、前記時刻を決定することは、フィルタリングされたSL-RSRPを第1端末装置へ送信する期間を、第2端末装置が有するように構成されていることに応答して、決定された時刻と前回のフィルタリングされたSL-RSRPを送信する時刻との間の間隔が前記期間を超えて、第2端末装置が決定された時刻にサイドリンク権限を有するように、前記期間に基づいて前記時刻を決定することを含む。
【0101】
いくつかの実施例において、前記時刻を決定することは、フィルタリングされたSL-RSRPを第1端末装置に送信する期間および時間オフセットを、第2端末装置が有するように構成されていることに応答して、前記期間および前記時間オフセットに基づいて前記時刻を決定することを含む。
【0102】
いくつかの実施例において、前記時刻を決定することは、フィルタリングされたSL-RSRPと、第1端末装置に既に送信された前回のフィルタリングされたSL-RSRPとの差が閾値を超えたことに基づいて、前記時刻を決定することを含む。
【0103】
いくつかの実施例において、方法600はさらに、フィルタリングされたSL-RSRPを第1端末装置へ送信する前に、時刻の指示を第1端末装置に送信することを含む。
【0104】
図7は本開示の実施例を実施するのに好適な装置700の簡略化されたブロック図である。装置700は、図1に示す端末装置120または130の別の例示的な実施態様として考えられる。したがって、装置700は、端末装置120又は130において、または端末装置120又は130の少なくとも一部として実現することができる。
【0105】
図示されるように、装置700は、プロセッサ710と、プロセッサ710に結合されたメモリ720と、プロセッサ710に結合された適切な送信機(TX)および受信機(RX)740と、TX/RX 740に結合された通信インターフェースとを含む。メモリ 710は、プログラム730の少なくとも一部を記憶する。TX/RX 740は双方向通信用である。TX/RX 740について、本明細書に言及されたアクセスノードは、実際には複数のアンテナを有することができるが、通信を容易にするために少なくとも1つのアンテナを有する。通信インターフェースは、eNB間の双方向通信のためのX2インターフェース、モビリティ管理エンティティ(MME)/サービングゲートウェイ(S-GW)とeNBとの間の通信のためのS1インターフェース、eNBと中継ノード(RN)との間の通信のためのUnインターフェース、またはeNBと端末装置との間の通信のためのUuインターフェースなど、他のネットワーク要素との通信に必要な任意のインターフェースを表すことができる。
【0106】
プログラム730は、図1から図6を参照して本文で説明したように、関連するプロセッサ710によって実行されるときに、デバイス700が本開示の実施例に従って動作することを可能にするプログラム命令を含むと仮定する。本文の実施例は、装置700のプロセッサ710によって実行可能なコンピュータソフトウェアによって、またはハードウェアによって、またはソフトウェアとハードウェアとの組合せによって実現できる。プロセッサ710は、本開示の様々な実施例を実施するように構成することができる。さらに、プロセッサ710とメモリ720との組み合わせは、本開示の様々な実施例を実現するのに適した処理部750を形成することができる。
【0107】
メモリ720は、ローカル技術ネットワークに適した任意のタイプであってもよく、また、非限定的な例として、非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体、半導体に基づくメモリ装置、磁気メモリ装置およびシステム、光学メモリ装置およびシステム、固定メモリおよびリムーバブルメモリなど、任意の適切なデータ記憶技術を使用して実現することができる。装置700内には1つのメモリ720のみが示されているが、装置700内にはいくつかの物理的に異なるメモリモジュールが存在してもよい。プロセッサ710は、ローカル技術ネットワークに適した任意のタイプであってもよく、非限定的な例として、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、およびマルチコアプロセッサアーキテクチャに基づくプロセッサのうちの1つ以上を含むことができる。装置700は、複数のプロセッサ、例えば、メインプロセッサを同期化するクロックに時間的に従属する特定用途向け集積回路チップを有することができる。
【0108】
通常、本開示の様々な実施例は、ハードウェアまたは専用回路、ソフトウェア、論理、またはそれらの任意の組み合わせで実現することができる。いくつかの態様は、ハードウェアで実現されてもよく、他の態様は、コントローラ、マイクロプロセッサ、または他のコンピューティング装置によって実行できるファームウェアまたはソフトウェアで実現されてもよい。本開示の実施例の様々な態様は、ブロック図、フローチャートまたは他の何らかの絵画的表現を用いて図示および説明されているが、本明細書に記載されたブロック、装置、システム、技術、または方法は、非限定的な例として、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、専用回路または論理、汎用ハードウェアまたはコントローラまたは他のコンピューティング装置、またはそれらの何らかの組み合わせで実施できることを理解されたい。
【0109】
本開示はまた、非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体上に有形的に記憶された少なくとも1つのコンピュータプログラム製品を提供する。コンピュータプログラム製品は、図5から図6を参照して上述したプロセスまたは方法を実行するために、対象の実プロセッサまたは仮想プロセッサ上の装置内で実行される、プログラムモジュールに含まれる命令などのコンピュータ実行可能な命令を含む。一般に、プログラムモジュールには、特定のタスクを実行したり、特定の抽象データ型を実施したりするルーチン、プログラム、ライブラリ、オブジェクト、クラス、コンポーネント、データ構造などが含まれる。様々な実施例において、プログラムモジュールの機能は、必要に応じて、プログラムモジュール間で結合または分割することができる。プログラムモジュールの機械実行可能命令は、ローカルまたは分散型装置内で実行することができる。分散型装置において、プログラムモジュールは、ローカル記憶媒体およびリモート記憶媒体両方内に配置されていてもよい。
【0110】
本開示の方法を実行するためのプログラムコードは、1つ以上のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述することができる。これらのプログラムコードは、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、または他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサまたはコントローラに提供され、プロセッサまたはコントローラによって実行されるときに、プログラムコードで、フローチャートおよび/またはブロック図に指定された機能/動作を実現させる。プログラムコードは、完全にマシン上で、部分的にマシン上で、独立したソフトウェアパッケージとして、部分的にマシン上でかつ部分的にリモートマシン上で、または完全にリモートマシンまたはサーバ上で実行することができる。
【0111】
上述のプログラムコードは、機械読み取り可能な媒体上で実施することができ、機械読み取り可能な媒体は、命令実行システム、デバイス、または装置によって使用されるか、またはそれらに関連するプログラムを含むかまたは記憶することができる任意の有形媒体であってもよい。機械読み取り可能な媒体は、機械読み取り可能な信号媒体または機械読み取り可能な記憶媒体とすることができる。機械読み取り可能な媒体は、電子、磁気、光学、電磁、赤外線、または半導体のシステム、デバイス、または装置、あるいは上記の任意の適切な組合せを含むことができるが、これらに限定されない。機械読み取り可能な記憶媒体のより具体的な例は、1つ以上のワイヤを有する電気接続、ポータブルコンピュータディスク、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、光ファイバ、ポータブル光ディスク読み取り専用メモリ(CD-ROM)、光学記憶装置、磁気記憶装置、または上述の任意の適切な組合せを含むことができる。
【0112】
また、特定の順序で動作が記述されているが、これは、所望の結果を得るために、示された特定の順序または連続した順序で動作を実行すること、又は示された全ての動作を実行することが要求されていると理解すべきではない。場合によっては、マルチタスクや並列処理が有利になることもある。同様に、いくつかの特定の実施の詳細が上記の議論に含まれているが、これらは、本開示の範囲に対する制限として解釈されるべきではなく、特定の実施例に固有となり得る特徴の説明として解釈されるべきである。個々の実施例の文脈で説明されたいくつかの特徴は、単一の実施例において組み合わされて実施されてもよい。逆に、単一の実施例の文脈で説明された様々な特徴は、複数の実施例において別々に、または任意の適切なサブ組合せで実施されてもよい。
【0113】
本開示は、構造的特徴および/または方法論的動作に特有の言語で説明されてきたが、添付の特許請求の範囲において定義された本開示は、必ずしも上記の特定の特徴または動作に限定されないことが理解されるべきである。むしろ、上述した特定の特徴および動作は、特許請求の範囲を実施する例示的な形態として開示されている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2022-05-23
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1端末装置のための方法であって、
第2端末装置から、前記第2端末装置によりフィルタリングされたサイドリンク基準受信電力(RSRP)を受信することと、
複数のサイドリンク伝送でフィルタリングされた送信電力に基づく値から、前記フィルタリングされたRSRPを差し引くことにより、経路損失を決定することと、
を含む方法。
【請求項2】
前記サイドリンクRSRPは、前記第2端末装置によって所定の期間で報告される、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記所定の期間は、上位レイヤシグナリングを介して構成されている、
請求項2に記載の方法。
【請求項4】
第2端末装置から、前記第2端末装置によりフィルタリングされたサイドリンク基準受信電力(RSRP)を受信するように構成されている送受信機と、
複数のサイドリンク伝送でフィルタリングされた送信電力に基づく値から、前記フィルタリングされたRSRPを差し引くことにより、経路損失を決定するように構成されているプロセッサと、
を含む第1端末装置。
【請求項5】
前記サイドリンクRSRPは、前記第2端末装置によって所定の期間で報告される、
請求項4に記載の第1端末装置。
【請求項6】
前記所定の期間は、上位レイヤシグナリングを介して構成されている、
請求項5に記載の第1端末装置。
【国際調査報告】