(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-01
(54)【発明の名称】電動歯ブラシ
(51)【国際特許分類】
A61C 17/34 20060101AFI20221124BHJP
A61C 17/36 20060101ALI20221124BHJP
A61C 17/32 20060101ALI20221124BHJP
【FI】
A61C17/34 C
A61C17/36 A
A61C17/32
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022519370
(86)(22)【出願日】2020-09-10
(85)【翻訳文提出日】2022-03-25
(86)【国際出願番号】 US2020050062
(87)【国際公開番号】W WO2021067019
(87)【国際公開日】2021-04-08
(32)【優先日】2019-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519017889
【氏名又は名称】ウォーター ピック インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100159846
【氏名又は名称】藤木 尚
(72)【発明者】
【氏名】ジョンソン ジェレミー ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】ファイヤーズ ジョン トーマス
【テーマコード(参考)】
3B202
【Fターム(参考)】
3B202AA06
3B202AB14
3B202BD01
3B202BE09
3B202CA09
3B202CB04
3B202DB04
(57)【要約】
本開示は、電動歯ブラシ等の口腔衛生製品に関する。一例においては、電動歯ブラシは、ハウジングと、ハウジング内に配置され及びハウジングから外に出て延びる出力シャフトと、ハウジング内に配置されると共に、振動運動を出力シャフトに与えるように構成された磁石組立体と、ハウジング内に配置されるばねとを備えている。ばねは、ハウジングに回転できないように連結された第1端部と、出力シャフトに回転できないように連結された第2端部とを含み、磁石組立体が出力シャフトを振動させ磁石組立体によって生じた出力シャフトの振動運動を増幅するようにばねがねじれる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動歯ブラシであって、
ハウジングと、
前記ハウジング内に配置されると共に、前記ハウジングから外に出て延びる出力シャフトと、
前記出力シャフトに取り外し可能に連結され且つ前記ハウジングに対してともに移動できるブラシヘッドと、
前記ハウジング内に配置されると共に、振動運動を前記出力シャフトに与えるように構成された磁石組立体と、
前記ハウジング内に配置されるばねであって、前記ばねは、前記ハウジングに回転できないように連結された第1端部と、前記出力シャフトに回転できないように連結された第2端部とを含み、前記磁石組立体が前記出力シャフトを振動させ前記磁石組立体によって生じた前記出力シャフトの前記振動運動を増幅するように前記ばねがねじれる、前記ばねと、を備えることを特徴としている電動歯ブラシ。
【請求項2】
前記ばねの前記第2端部と結合された質量部をさらに備え、前記質量部及び前記ばねが前記出力シャフトの振動周波数に対応する固有振動数を規定するように構成される、請求項1記載の電動歯ブラシ。
【請求項3】
前記質量部は、前記ばねと異なる材料で形成される、請求項2に記載の電動歯ブラシ。
【請求項4】
前記質量部は、金属で形成され、前記ばねはプラスチックで形成される、請求項3に記載の電動歯ブラシ。
【請求項5】
前記質量部は、前記ばねの前記第2端部を囲む、請求項2乃至4の何れか1項に記載の電動歯ブラシ。
【請求項6】
前記ばねは、さらに、前記ばねの前記第1端部から前記第2端部まで延びる複数のビームを含み、請求項1乃至5の何れか1項に記載の電動歯ブラシ。
【請求項7】
前記複数のビームのうち各々のビームは、前記ビームの中央部分に向かって内側に先細になる拡張されたベース端部を含む、請求項6に記載の電動歯ブラシ。
【請求項8】
前記複数のビームは、前記複数のビームのうち隣接した前記ビームの間においてアーチ状の開口部を規定する、請求項6又は7に記載の電動歯ブラシ。
【請求項9】
前記磁石組立体は、
前記出力シャフトの反対の側部に取り付けられ且つ前記出力シャフトと共に回転可能である第1永久磁石と第2永久磁石と、
前記出力シャフトの反対の側部上の前記ハウジング内に配置される第1電磁石と、第2電磁石とであって、前記第1電磁石は、前記第1永久磁石と隣接して配置されると共に前記ハウジングに対して所定の位置に固定され、前記第2電磁石は、前記第2永久磁石と隣接して配置されると共に前記ハウジングに対して所定の位置に固定される、前記第1電磁石と前記第2電磁石とを備える、請求項1乃至8の何れか1項に記載の電動歯ブラシ。
【請求項10】
前記第1永久磁石と前記第2永久磁石とは、前記出力シャフトの長手方向において長手方向に延びる、請求項9に記載の電動歯ブラシ。
【請求項11】
前記磁石組立体は、前記出力シャフトに取り付けられた磁石ハウジングをさらに備え、前記第1永久磁石と前記第2永久磁石とは、前記磁石ハウジングの反対の側部に連結される、請求項9又は10に記載の電動歯ブラシ。
【請求項12】
前記第1電磁石は、第1方向に延びる巻線を有し、
前記第2電磁石は、前記第1方向と反対の第2方向に延びる巻線を有し、
前記第1電磁石及び前記第2電磁石の両方への信号の付与が、反対方向における磁束経路を生じさせる、請求項9乃至11の何れか1項に記載の電動歯ブラシ。
【請求項13】
前記信号は、正弦波交流信号を含んでいる、請求項12に記載の電動歯ブラシ。
【請求項14】
前記出力シャフトは、中空であり、前記第1永久磁石と前記第2永久磁石との間に配置される、請求項9乃至13の何れか1項に記載の電動歯ブラシ。
【請求項15】
電動歯ブラシであって、
ハンドルハウジングと、
入口端部と出口端部とを有している中空出力シャフトであって、前記入口端部は、前記ハンドルハウジング内に位置決めされ、前記出口端部は、前記ハンドルハウジングから外に出て延びると共にブラシヘッドに連結可能である、前記中空出力シャフトと、
前記ハンドルハウジング内に位置決めされると共に、共に回転するように前記中空出力シャフトの反対の側部に固定される第1永久磁石と第2永久磁石と、
前記ハンドルハウジングに関して所定の位置に固定されると共に、前記中空出力シャフトの反対の側部に位置決めされる第1電磁石と第2電磁石と、
ばねであって、前記ばねは、前記ハンドルハウジングに回転できないように連結された第1端部と、前記中空出力シャフトの前記入口端部に回転できないように連結された第2端部と、
前記ばねの前記第1端部から前記ばねの前記第2端部まで延びる複数のビームとを含む、前記ばねと、
前記ばねの前記第2端部と回転できないように連結されると共に前記ばねと異なる材料で形成される質量部と、
前記ばねの前記第1端部を通る経路を定めると共に流体を前記ブラシヘッドに送るため前記ばね内の前記中空出力シャフトの前記入口端部に連結される流体チューブとを備える、電動歯ブラシ。
【請求項16】
前記中空出力シャフトの前記入口端部は、前記流体チューブを前記中空出力シャフトの前記入口端部に流体的に連結するためのニップルを含む、請求項15に記載の電動歯ブラシ。
【請求項17】
前記中空出力シャフトは直線的であり、前記流体チューブは、前記中空出力シャフトの長手方向中心線に沿って前記中空出力シャフトの前記入口端部に連結される、請求項15又は16に記載の電動歯ブラシ。
【請求項18】
前記中空出力シャフトは、前記ばねの長手方向中心線に沿って前記ばねの前記第2端部を通って延びる、請求項15乃至17の何れか1項に記載の電動歯ブラシ。
【請求項19】
電磁気的に駆動される歯ブラシのための作動方法であって、
出力シャフトの第1の側に隣接して配置されると共に第1巻線方向を有する第1固定電磁石と、前記出力シャフトの第2の側に隣接して配置されると共に前記第1巻線方向と反対の第2巻線方向を有する第2固定電磁石とを、第1方向に前記出力シャフトを回転させる第1信号により、作動させるステップと、
第1永久磁石と第2永久磁石とを、前記第1方向と反対の第2方向に前記出力シャフトを回転させる第2信号により、作動させるステップと、を備える、作動方法。
【請求項20】
前記第1信号は、正弦波交流波形の正の振幅に対応し、前記第2信号は、前記正弦波交流波形の負の振幅に対応する、請求項19に記載の作動方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、「電動歯ブラシ」と題された2019年9月30日付米国仮特許出願第62/908,415号の優先権を主張し、全体の内容はあらゆる用途のため本願に援用される。
【0002】
本開示は、口腔衛生製品に関する。より具体的には、本開示は、電動歯ブラシに関する。
【背景技術】
【0003】
口腔衛生は多くの人にとって重要であり、しばしば、人々は電気駆動の歯ブラシを使用して、望ましいクリーニング効果を達成している。さらに、一部の人々は、ブラッシングと組み合わせて、又はブラッシングとは別に、口腔洗浄器(oral irrigator)又はフロスを使用する。口腔洗浄機能とブラッシング機能の両方を含む装置は、一般に、騒音が生じやすく、歯ブラシのハンドル内に望ましくない振動を引き起こす可能性のある機械式駆動トレインを含む。
【0004】
本明細書で引用された参考文献及びその説明又は議論を含む、明細書の背景技術セクションに含まれる情報は、技術的に参照する目的のみのために含まれ、特許請求の範囲で規定されるような本発明の範囲が拘束される主題と見なされるべきではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【0006】
一実施形態では、電動歯ブラシが開示されている。電動歯ブラシは、ハウジングと、ハウジング内に配置され及びハウジングから外に出て延びる出力シャフトと、ハウジング内に配置されると共に、振動運動を出力シャフトに与えるように構成された磁石組立体と、ハウジング内に配置されるばねとを備えている。ばねは、ハウジングに回転できないように連結された第1端部と、出力シャフトに回転できないように連結された第2端部とを含み、磁石組立体が出力シャフトを振動させ磁石組立体によって生じた出力シャフトの振動運動を増幅するようにばねがねじれる。
【0007】
さらに他の実施形態では、電動歯ブラシは、ハンドルハウジングと、入口端部と出口端部とを有している中空出力シャフトであって、前記入口端部は、前記ハウジング内に位置決めされ、前記出口端部は、前記ハウジングから外に出て延びると共にブラシヘッドに連結可能である、前記中空出力シャフトと、前記ハウジング内に位置決めされると共に、共に回転するように前記中空出力シャフトの反対の側部に固定される前記第1永久磁石と前記第2永久磁石と、前記ハウジングに関して所定の位置に固定されると共に、前記出力シャフトの反対の側部に位置決めされる第1電磁石と第2電磁石と、ばねであって、前記ばねは、前記ハウジングに回転できないように連結された第1端部と、前記出力シャフトの前記入口端部に回転できないように連結された第2端部と、前記ばねの前記第1端部から前記ばねの前記第2端部まで延びる複数のビームとを含む、前記記ばねと、前記ばねの前記第2端部と回転できないように連結されると共に前記ばねと異なる材料で形成される質量部と、前記ばねの前記第1端部を通る経路を定めると共に流体を前記ブラシヘッドに送るため前記ばね内の前記出力シャフトの入口端部に連結される流体チューブとを備える。
【0008】
さらに他の実施形態では、電磁気的に駆動される歯ブラシのための作動方法が開示される。この作動方法は、出力シャフトの第1の側に隣接して配置されると共に第1巻線方向を有する第1固定電磁石と、前記出力シャフトの第2の側に隣接して配置されると共に第1巻線方向と反対の第2巻線方向を有する第2固定電磁石とを、第1方向に前記出力シャフトを回転させる第1信号により、作動させるステップと、前記第1永久磁石と前記第2永久磁石とを、前記第1方向と反対の第2方向に前記出力シャフトを回転させる第2信号により、作動させるステップと、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1A】流体コネクタが連結された電動歯ブラシの等角図である。
【
図2】
図1Aの電動歯ブラシ用の駆動トレインとバッテリの等角図である。
【
図4A】
図2の線4A-4Aに沿って取られた駆動トレインの断面図である。
【
図4B】
図1Aの線4B-4Bに沿って取られた電動歯ブラシの断面図である。
【
図4C】
図1Aの線4C-4Cに沿って取られた電動歯ブラシの断面図である。
【
図5】
図2の駆動トレインの出力シャフトの上部等角図である。
【
図6A】
図2の駆動トレイン用のばね及び質量部の分解図である。
【
図6D】
図6Bの線6D-6Dに沿って取られたばねの断面図である。
【
図7A】第1信号による駆動トレインの作動の底部等角図である。
【
図7B】第2信号による駆動トレインの作動の底部等角図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示は、一般に、電動歯ブラシ等の口腔クレンジング装置に関し、これには、口腔洗浄(irrigating)及びブラッシング特徴部が含まれてもよい。電動歯ブラシは、水又はマウスウォッシュ等の流体のための流路を提供し、使用者が自分の歯を磨く、及び/又は灌注して口腔洗浄できるようにしてもよい。電動歯ブラシには、電磁石駆動トレインが含まれてもよい。電磁石駆動トレインは、従来の機械式駆動トレインよりも静かでありながら、強力で大きな振動角度範囲を提供できる。電磁石駆動トレインは、電動歯ブラシに取り付けられたブラシヘッド又は他の作業器具に流体を通して送るための流体経路を規定できる。
【0011】
駆動トレインには、ロータ又は駆動シャフトとして機能する出力シャフトが含まれていてもよい。駆動トレインは、磁石アセンブリを含んでいてもよい。例えば、出力シャフトは、シャフトの反対の両側部に取り付けられた永久磁石等の1つ又は2つ以上の磁石要素を含んでいてもよい。一例では、磁石要素は、オーバーモールドプロセス等を介してシャフトに連結される、又は別の方法で、それと共に回転するためシャフトに接続されるように、磁石ハウジングに取り付けられている。電磁コイルなどの電磁石要素は、磁石要素の近くの出力シャフトの近接する側に配置されてもよい。例えば、電磁コイルは、出力シャフトの永久磁石等の磁石部分を取り囲むシャーシ又はハウジングに固定されてもよい。電磁コイルが作動するとき、永久磁石は結果として生じる磁場によって駆動され、出力シャフトを回転させる。いくつかの実施形態では、出力シャフトは中空であり、駆動トレインを通して流体を輸送するための流体チューブとしても機能する。
【0012】
駆動トレインは、電磁コイル及び永久磁石等の磁気アセンブリによって発生される出力シャフトの回転運動又は振動運動を強化するばねを含んでもよい。ばねは、ばねの長手方向の長さに沿って延びる2つ又は3つ以上のビームを含んでもよい。ビームは先細り又は弧状にされてもよい。各ビームの第1端部は、ばねの第1端部に位置決めされてもよく、各ビームの第2端部は、ばねの第2端部に位置決めされてもよい。ビームの第1端部は、ばねの第1端部で一緒に接続されてもよく、ビームの第2端部は、ばねの第2端部で一緒に接続されてもよい。ばねは中空であってもよく、ビームはばねの外周を形成し、管又は他の流体経路がばねを通って延びることを可能にする。ばねの形状と構造は、磁力によって生じる出力軸の運動を増幅させるように構成され、ばねの内部を通り出力軸までの流路を提供しながら、それによって駆動トレインの全体の幅又は直径を減少させる。
【0013】
質量部はばねに連結されてもよく、質量部とばねとの組み合わせが、出力シャフトの動作振動周波数と一致する固有周波数を有するように構成されてもよい。また、質量部が、電動歯ブラシの作動中にばねと質量部が出力シャフトの振動に寄与する(例えば増幅する)ように構成されてもよい。質量部は、ばねとは異なる材料(例えば、密度のより高い/より重い材料)で形成され、駆動トレインの振動周波数に一致する適切な質量部とばね定数を提供すると同時に、質量部やばねに必要とされるスペースの量を低減できる。いくつかの実施形態では、質量部は金属であり、ばねはプラスチックである。質量部は、ばねの端部に統合又はその他の方法で取り付けられてもよい。いくつかの実施形態では、質量部はばねの上端に取り付けられ、ビームと出力シャフトの磁気部分との間に配置される。質量部は、ばねの端部に備え付けられるカラー又はスリーブとして形成されてもよい。質量部及びばねは、電磁石駆動トレインを通る流体の流れを受け入れるように、それを通る流体の経路を規定するように構成できる。
【0014】
動作中、電磁コイルは同じ電気駆動信号によって駆動されることができる。例えば、電磁コイルは同じ交流によって駆動されてもよい。電磁コイルは、電気的に一緒に連結され、反対方向に巻かれ、その結果、駆動信号が電磁コイルに印加されたときに、電磁コイルは、互いに対して反対の磁束経路方向を生じさせる。換言すれば、第1方向に巻かれた第1電磁石は第1磁束方向を有し、第2方向に巻かれた第2電磁石は第1磁束方向とは異なる第2磁束方向を有し、その結果、第1及び第2の電磁石に適用される同じ駆動信号(例えば、交流)が、出力シャフトを第1回転方向に駆動させる補足的な電磁力を発生させる。駆動信号の方向が逆になるとき(例えば、交流電流が正から負に変化する、又はその逆に変化するとき)、第1電磁石と第2電磁石は磁束方向を切り替え(つまり、第1電磁石は第2磁束方向を有し、第2電磁石は第1磁束方向を有する)、第1回転方向と反対の第2回転方向に出力シャフトを駆動する補足的な電磁力を発生させる。磁力は永久磁石を反対の回転方向に移動させ、出力シャフトをその長手方向軸を中心に前進及び後退させるように振動させる。さらに、ばねは電磁石による力が出力シャフトを回転させるのを補助する。出力シャフトは、磁気アセンブリによって第1方向と第2方向に回転されるように、ばねの第1端部は、(例えば、シャーシを介して)ハウジングに回転可能に固定されてもよく、ばねの第2端部は、ばねがねじれて出力軸に運動エネルギーを加えるように、出力軸に回転可能に固定されてもよい。ばねと質量部の固有振動数は出力シャフトの振動周波数と一致して、電磁コイルが出力シャフトを所望の振動周波数で駆動しているときに、出力シャフトに加えられるばねトルクの量を増幅してもよい。
【0015】
電動歯ブラシは、リザーバに流体的に接続されてもよく、流体ポンプを備えたベースステーション又はユニットは、リザーバから出力シャフトに水をポンプにより送ることができる。リザーバからの流体は、リザーバから、駆動トレインを通って規定された流体経路を介してハンドルを通って進み、出力シャフトを出ることができる。電動歯ブラシ及び/又はベースユニットのボタンを介してポンプを作動させることにより、使用者は自分の歯を口腔洗浄できる。
【0016】
本願に記載の特徴は、口腔洗浄装置、ブラッシング装置、又は口腔洗浄装置とブラッシング装置の組み合わせに適用できることに留意されたい。したがって、特定の「電動歯ブラシ」又は「口腔洗浄歯ブラシ」又は「歯ブラシ」の記載は、例示のみを目的としている。
【0017】
ここで図に目を向けると、例示の電動歯ブラシがここでより詳細に議論される。
図1Aは、電動歯ブラシの等角図を示している。
図1Bは、流体コネクタと、ハンドルから分離されたブラシヘッドとを備えた電動歯ブラシの等角図を示している。
図1A及び1Bに示されるように、電動歯ブラシ100は、水を灌注する口腔洗浄歯ブラシの形態であってもよく、ブラシヘッド104を備えたハンドル102と、そこに取り外し可能に接続された流体コネクタ110とを含む。ブラシヘッド104の取り外し可能性は、使用者が必要に応じてブラシヘッド104を交換することを可能にし、複数の使用者が同じ電動歯ブラシ100を衛生的に使用することを可能にする。ブラシヘッド104は、複数のブラシ毛106を含み、電動歯ブラシ100が口腔洗浄モード(灌注モード)を含む実施形態においては、ノズル108をブラシヘッド104に接続し、ブラシ毛106内に埋め込むことができる。他の実施形態では、ノズル108は、別個の特定のノズル先端に含まれてもよく、別個の特定のノズル先端は、ブラシ毛を含まなくてもよく、又はノズルは必要に応じてブラシ毛の内部又は周囲に配置されてもよい。
【0018】
電動歯ブラシ100は、歯ブラシ100の様々な機能及び/又はモードを選択的に作動させる及び非作動化させる1つ又は2つ以上の制御ボタン114を含んでもよい。制御ボタン114は、ハンドル102又は使用者にとって任意の他の便利な場所に接続できる。制御ボタン114は、ベースユニットと通信することによって、ブラシヘッド104の振動を作動させるなどの歯ブラシ100のブラッシング機能、ならびに歯ブラシにより口腔洗浄させるための水圧及びパルス長などの口腔洗浄機能を制御することができる。制御ボタン114の数及び機能制御は、システムの所望の機能に基づいて変更できる。いくつかの実施形態では、制御ボタン114は、ハンドル102上の構成要素を制御することができるが、他の実施形態では、制御ボタン114は、ベースステーション内に配置されたポンプなどの他のユニットにおける構成要素を制御できる。
【0019】
ハンドル102は、基部端部111とブラシ端部113との間に延びるハウジング180を含むことができる。ハウジング180は、使用者の手に人間工学的に適合する形状の概円筒形であり得るが、他の任意の望ましい人間工学的形状で形成されてもよい。円筒形は、ブラシ端部113からハウジング180の長さの約3分の1の長さで、ブラシ端部113の方向に先細であってもよい。フェースプレート115は、別個のプレートとして、あるいはハウジング180上の外側被覆面として、制御ボタン114の周りに延びる領域においてハウジング180上に支持されてもよい。モードの例には、低速、高速、又はウォーターフロッサーモードが含まれる場合がある。ステータス表示の例には、バッテリ低下、充電中、及びバッテリが完全に充電されている状態が含まれる。
【0020】
図1A及び
図1Bを参照して、電動歯ブラシ100は、口腔洗浄機能を含んでもよく、口腔洗浄歯ブラシとして称されてもよい。これらの実施形態において、歯ブラシ100は、ハンドル102を流体源に接続するための流体コネクタ110を含む。典型的には、流体コネクタ110は、ホース112を介してノズル108に流体を圧送するためのリザーバ及び/又は圧送システムと流体連通しているホース112を含む。例えば、流体コネクタホース112は、ポンプ及びリザーバを含むベースステーションに接続されることができ、ここで、ベースユニットポンプは、流体をリザーバからホース112を介してノズル108にポンプ供給する。ホース112に流体的に接続され得るポンプシステムの例は、2010年6月25日に出願された「歯科用ウォータージェット用ポンプ」と題された米国特許第8,641,649号に示されている。しかしながら、他の実施形態では、ホース112は、蛇口又はJ型パイプ等の加圧水源に直接接続されることができる。流体コネクタ110は、ハンドル102から取り外し可能であり、デバイス100を流体源なしで、例えば、ブラシのみのモードで使用することを可能にし、より容易な保管及び移動を可能にすることができる。さらに、流体コネクタ110は、ハンドル102に対して回転するように構成されることができる。
【0021】
電動歯ブラシ100は、ブラシヘッド104などの作業具すなわち先端部を可動でき且つ作業具に接続可能である出力シャフト116を含む。
図1Bに示すように、一例では、出力シャフト116は、ブラシヘッド104が出力シャフト116と共に回転するようにブラシヘッド104を出力シャフトに結合するキー付き表面120を含み、出力シャフト116がブラシヘッド104を振動させることを可能にする。さらに、クリップ溝122は、出力シャフト116の露出部分に設けられ、ブラシヘッド104に関連するクリップ又は他の保持機構を受け入れることができ、ブラシヘッド104を出力シャフト116にさらに取り外し可能に固定することができる。ノズル108に流体を提供するために、出力シャフト116は中空とでき、そして、出力シャフト116の上面に規定された例えば開口端部すなわち出口開口部として、頂端部に規定されたシャフト出口124を含んでもよい。出力シャフト116の特徴は、以下でより詳細に議論されるが、いくつかの場合には、出力シャフト116は、流体をノズル108に送達させ、運動を駆動アセンブリからブラシヘッド104に伝達させることの両方のための二重目的部材として機能する。このようにして、出力シャフト116は、駆動シャフト、ローターなどとして動作できる。しかしながら、電動歯ブラシが口腔洗浄歯ブラシではない場合には、出力シャフトは流体特徴部を含まなくてもよい(例えば、出力シャフトが中実であってもよい)。
【0022】
電動歯ブラシ100は、出力シャフト116及びブラシヘッド104の運動を生じさせる駆動トレイン又はパワートレインを含む。
図2は、電動歯ブラシ100用の駆動アセンブリすなわち駆動トレイン130及びバッテリ184の等角図である。
図3は、駆動トレイン130の分解図である。
図4A~4Cは、駆動トレインの様々な断面を示している。
図2及び3を参照して、駆動トレイン130は、出力シャフト116、ばね134、及び磁気アセンブリ151を含み、これらは、ハンドルハウジング180内に少なくとも部分的に受け入れられる。駆動トレイン130は、ベアリング138を含むことができる。ベアリング138は、出力シャフト116が回転中に整列した状態を維持することを確実にするのを助けながら、回転中の出力シャフト116の摩擦を低減させることができる。一例では、ベアリング138はボールベアリングであり、レース内において捕捉された複数のボールを含む。しかしながら、ベアリング138は省略されてもよく、又は必要に応じて変更されてもよい、例えば、他の摩擦低減構成要素が使用されてもよい。
【0023】
磁気アセンブリ151は、1つ又は複数の永久磁石142a、142bと、1つ又は複数の電磁石140a、140bとを含むことができる。永久磁石142a、142bは、誘導磁場又は電流がない場合に磁場を保つ任意のタイプの磁性材料であってもよい。永久磁石142a、142bは、一般に任意の構成であり得るが、
図3に示される例では、磁石142a、142bは、長方形の形状部材である。一実施形態では、磁石142a、142bの第1面143a、143bは、第1磁力方向(例えば、北極)を有し、磁石142a、142bの第2面145a、145bは、第2磁力方向(例えば、南極)を有する。この実施形態では、磁石142a、142bの北極及び南極は、例えば長手方向面に沿い、頂端部又は底端部、又は他の垂直配置において対向する、磁石142a、142bの主表面143a、143b、145a、145b上に規定される。このようにして、磁石142a、142bは、電磁石140a、140bとの相互作用のために露出された大きな表面領域を有し、これは、駆動トレイン130の動力又は運動を増加させることができる。
【0024】
電磁石140a、140bは、電流に応答して磁場を発展させる構成要素である。一例では、電磁石140a、140bは、コア154a、154bの周りの巻線152a、152bに巻かれた導電性電線を含む。一例では、コア154a、154bは、電気が巻線152a、152bを通って伝導されるときに生成される磁場の磁束を増加させるための磁性材料である。例えば、コア154a、154bは、鉄又は別の強磁性材料であってもよい。コア154a、154bは、 ブラケットを規定していてもよく、垂直部材によって接続されている頂拡大部と底拡大部とを含むことができる。このようにして、頂拡大部と底拡大部とは、垂直部材の周りを巻く巻線152a、152bを腕木で支えている。一例では、コア154a、154bは、ともに結合された複数の鉄セクションから形成されている。
【0025】
一実施形態では、第1電磁石140aは、第1巻線152aのための第1巻線方向WD1(
図7A参照)を有し、第2電磁石140bは、第1巻線方向WD1と反対である第2巻線152bのための第2巻線方向WD2(
図7A参照)を有し、すなわち、電流は2つの巻線において反対方向に流れる。第1巻線152a及び第2巻線152bは、(例えば、回路基板上のトレースを介して)共に接続されることができ、その結果、反対の巻線構成は、電磁石140a、140bが同じ信号によって駆動されることを可能にするが、互いに対して反対の磁力を生成する。
【0026】
図2、4A、及び5を参照して、出力シャフト116は、口腔洗浄特徴部を提供するように構成されることができる。これらの実施形態では、出力シャフト116は、シャフト出口124を規定する開放端部で終端する第1端部と、シャフト入口123で終端する第2端部とを有する概ね細長い管として規定される。出力シャフト116は直線的に延びている。出力シャフト116は、シャフト入口123を取り囲み、且つ部分的にそれを規定する、かかり付きの端部等のニップル146又は他のコネクタを含んでもよい。ニップル146は、出力シャフト116の長手方向の中心線と同軸に整列されることができる。ニップル146は、流体チューブ126を出力シャフト116に固定するように作用する。出力シャフト116の第2端部は、平坦な表面又はスプラインなどのキー付き表面148を含むか、又は規定することができ、これは、出力シャフトをばね134などの駆動要素にキー付けして、それらの間の運動伝達を可能にする。一例では、出力シャフト116は、2つのキー付き面148、出力シャフト116の各側に1つ、すなわち、反対の対向する横両側部に1つ含むことができる。いくつかの実施形態では、出力シャフト116は、中空であるか、そうでなければ、流れ腔156又はそれを通る流路を規定するように構成される。
【0027】
永久磁石142a、142bは、永久磁石142a、142bが出力シャフト116と一斉に回転するように、出力シャフト116に取り付けられ得る。
図5に示されるように、出力シャフト116は、シャフト出口124とシャフト入口123との間に配置された磁石ハウジング144を含んでもよい。磁石ハウジング144は、プラスチック射出成形プロセスなどによって、出力シャフト116の本体と一体的に形成できる。他の例では、磁石ハウジング144は、接着剤又はオーバーモールド、超音波溶接、又は他の固定プロセス等により、本体に固定されてもよい。
【0028】
磁石ハウジング144は、永久磁石142a、142bなどの磁気要素を受け入れるように構成された1つ又は複数のポケット150a、150bを規定することができる。
図5に示すように、ポケット150a、150bは、磁石ハウジング144の反対に位置する横側部、例えば、出力シャフト116の直径方向に反対側の側部に形成されていてもよい。磁石ポケット150a、150bの反対側の横方向の配置は、駆動トレイン130が作動されるときに出力シャフト116の所望の振動を提供するのを助けることができる。ポケット150a、150bの長さは、出力シャフト116の長手方向の長さに沿って長手方向に延びることができ、従って、より薄く、より長い磁石を使用して、駆動トレイン130、それに応じたハンドル102の全体の厚さを減少できる。磁石ハウジング144の形状及び構成は、必要に応じて(例えば、駆動トレイン130で使用される磁石の異なる数及び異なる形状に適応させるように)変更できる。流れ腔156は、ポケット150a、150bの間に規定されることができる。流れ腔156は、ハンドル102の長手方向の中心線に沿って延びることができる。
【0029】
図5を引き続き参照して、磁石ハウジング144は、磁石ハウジング144の反対側の端部に配置されたスリーブセクション141aを含むことができる。スリーブセクション141aは、ベアリング138などの1つ又は複数のベアリングのベアリング面として機能する円筒形の外面を規定できる。磁石ハウジング144は、スリーブセクション141aに取り付けられた1つ又は複数のベアリングのショルダー又はストップを規定するため、磁石ハウジング144の本体158とスリーブセクション141aとの間に配置されたスリーブセクション141bを含むことができる。いくつかの実施形態では、スリーブセクション141a、141bは省略されることができ、そして1つ又は2つ以上のベアリングは、出力シャフト116に直接に取り付けられることができる。
【0030】
図6Aは、回転補助システム132の分解図を示している。回転補助システム132は、ばね134及び質量部136を含み得る。ばね134及び質量部136は、出力シャフト116の駆動又は振動周波数と一致する固有周波数又は共振周波数を有するように構成される。一例では、質量部136は、ばね134の上端の周りに嵌合する円筒形のバンドとして形成される。質量部136は、ばね134の長手方向軸の周りで質量部136がばね134の頂端部と共に回転するように、ばね134の上端に回転しないように結合させてもよい。質量部136は、重みづけされた側壁、ボール質量部などの他の方法で構成されてもよい。
【0031】
質量部136は、ばね134の一端に追加の重量を加えるように構成される。質量部136は、ばね134とは異なる材料で形成できる。例えば、質量部136は、ばね134よりもより重い材料で形成されてもよい。いくつかの例では、質量部136は、鋼、アルミニウム、金属合金等の金属であってもよく、ばね134は、プラスチックであってもよい。
【0032】
ばね134は、流体経路を、それを通る流体管を収容すること等によって流体経路をそれを通して規定でき、ならびに、力のもとでねじらせ、そのオリジナルの形態に弾性的に戻るように構成される。
図6A~
図6Dに示されるように、ばね134は中空であり、その中の長手方向のキャビティ168を規定してもよい。ばね134は、第1端部160及び第2端部162を含んでもよく、長手方向のキャビティ168は、ばね134の全長を通る流体の通路を提供するため、ばね134の第1端部160及び第2端部162を通って延びている。動作中、ばね134は、磁気アセンブリ151によって、出力シャフト116の意図された振動周波数まで駆動されることができる。ばね134がそのオリジナルの形態から離れるようにねじられるとき、ばね134は一般的にねじれ運動に抵抗する。しかしながら、ねじり方向がばね134の本来の形態に向かって逆にされるとき、ばね134はねじれ運動に寄与する。出力シャフト116の運動を増幅させるために、ばね134及び質量部136の固有周波数は、出力シャフト116の所望の共振周波数に一致するように構成されてもよい。
【0033】
ばね134の一端は、(例えば、シャーシを介して)ハウジングに回転できないように連結されてもよい。例えば、
図6Cを参照すると、ばね134の第1端部160は、ハウジング又はシャーシに対して所定の位置に摩擦により嵌められるか、さもなければ回転的に固定されるように形作られることができる。第1端部160は、弧状又はわずかに湾曲した縁部によって相互接続され、平坦な面などの1つ又は複数のキー付き面164として形成されてもよい。溝、タブ等の他のキー付き構造も同様に使用できる。第1端部160は、リングとして規定でき、それを通る流路開口(例えば、長手方向のキャビティ168)を規定できる。1つ又は2つ以上のチューブシート163を第1端部160に形成できる。例えば、
図6Cに示されるように、1つ又は2つ以上の湾曲した凹型シート163は、第1端部160の底面に規定され、ばね134の内面に沿って上方に延びてもよい。チューブシート163は、ばね134の第1端部160内への流体チューブの配置を容易にすることができる。
【0034】
ばね134の他端部は、出力シャフト116に回転できないように連結されることができる。例えば、
図6Bを参照して、ばね134の第2端部162は、出力シャフト116の回転運動をばね134の第2端部162に、及びその逆で伝達させるように、出力シャフト116のキー付き表面148と係合するための係合又はキー付き面169a、169bを含んでいてもよい。係合面169a、169bは、ばね134の第2端部162の内壁又は棚171(
図4A及び
図6B参照)に規定されることができ、さらに、出力シャフト116のキー付き表面148と係合するためのフラット又はそうでなければ幾何学的に非円形の形状として規定されてもよい。ばね134の第2端部162の内壁171は、出力シャフト116の下端部のための座部として機能することができ、ニップル146は、ばね134の内部内の流体チューブ126に接続するために内壁171の下方に配置されることができる。
【0035】
図2、3、及び6Aを参照して、質量部136は、ばね134の第2端部162に連結されてもよい。例えば、質量部136は、ばね134の第2端部162への摩擦嵌め又は干渉嵌めであってもよい。ばね134の第2端部162は、リングとして規定でき、その外面に沿って外向きに延びるもう1つのスペーシングリブ又は接続リブ172を含むことができる。一例では、ばね134の第2端部162は、ばね134の第2端部162の外面に沿って互いに間隔を置いて配置された複数の接続リブ172を含んでもよい。接続リブ172は、ばね134の長さ方向に長さ方向に延びることができる。接続リブ172は、ばね134の第2端部162の外面の周りに延びる隆起した弧状部分によって一緒に連結できる。接続リブ172は、ばね134の第2端部162上に質量部136を保持するため質量部136との摩擦嵌め又は干渉嵌めを提供できる。ばね134の第2端部162の頂面は、それを通る開口(例えば、長手方向のキャビティ168)を規定できる。長手方向のキャビティ168は、ばね134の中心軸と整列されてもよい。
【0036】
ばね134は、ばね134の第1端部160と第2端部162との間に延びるビーム166などの弾性部材を含んでもよい。一例では、ばね134は4つのビーム166を含んでもよいが、ビームの数及び幅は、ばね134の所望のばね定数に応じて変更できる。いくつかの実施形態では、ビーム166は、ばね134の第1及び第2端部160、162において拡張されたベース端部176a、176bを含み、ビーム166は、拡張されたベース端部176a、176bからビーム166の中央部分に向かって内側にしだいに細くなっている。換言すれば、ビーム166の幅は、ベース端部176a、176bの拡張された幅を規定するように、ビーム166がばね134の第1及び第2端部160、162に向けてそれらのそれぞれの中心部分から延びるにつれて増加する。このようにして、ビーム166の中央部分は、ビーム166の最も薄いセクションとなっていてもよい。しだいに細くなるビーム166は、アーチ形状部分付きの又は湾曲部分付きの複数のビーム166の間においてアーチ形状部分付きの開口部174を規定することができる。例えば
図6Dに示されるように、アーチ形状部分付きの開口部174は、ビーム166のベース端部176a、176bで湾曲された端部を規定する楕円形の開口部として規定されてもよい。
【0037】
ばね134の複数のビーム166のしだいに細くされた弧状又はアーチ状の形状は、荷重分配を提供し、ばね部分134が、ばね132の動作寿命に重大な影響を与えることなく、プラスチックなどのより高価でなくより耐久性の低い材料によって構成されることを可能にする。さらに、ビーム166は、質量部136と組み合わせて、駆動トレイン130の所望の駆動周波数に一致する所望のばね定数を規定する。いくつかの実施形態では、板ばね、コイルばねなどの他のタイプのばねを使用できる。ばね134及びビーム166の形状は、所望のばね定数、ならびに美的外観に基づいて選択できる。
【0038】
いくつかの実施形態では、ばね134は、プラスチックなどの弾性があり且つ安価な材料で作られ、これにより、歯ブラシ100の全体的なコストが削減される。従来型の歯ブラシには金属コイルばねが含まれる場合があるが、そのようなばねは製造コストが高く、歯ブラシのコストが増加する可能性がある。質量部136が、所望の共振周波数を一致させることを補助しながら、ばね134と質量部136の組み合わせにより、ばね134を従来の金属ばねよりも安価な材料で作ることができる。製造費用が問題にならないような他の例では、駆動トレイン130は、金属コイルばね又は他の金属成形ばね構成要素を含んでもよい。
【0039】
次に、電動歯ブラシ100用の駆動トレイン130の組立体が説明される。
図2、3、及び4Aを参照して、質量部136は、ばね134に連結されてもよい。例えば、質量部136がバンド又はリングである例においては、質量部136は、圧入結合におけるように、ばね134の第2端部162の周りに受け入れられる。接続リブ172が、質量部136をばね134の第2端部162を越えて受け入れさせることができるように、弾性的に曲がることができ又は変形できるので、第2端部162の外面上の接続リブ172は、質量部136をばね134に固定的に係合させるのを助けることができ、質量部136をばね134に摩擦的に係合させる。他の実施形態では、質量部136は、ばね134の第2端部162に統合されてもよく、又は質量部136は、接着剤、溶接などの他の方法でばね134に結合されてもよい。
【0040】
図5を参照すると、永久磁石142a、142bは、出力シャフト116に結合されてもよい。例えば、永久磁石142a、142bは、磁石ハウジング144によって規定される磁石ポケット150a、150b内に配置されてもよい。永久磁石142a、142bは、プレス嵌め又は摩擦嵌めを介してポケット150a、150b内に固定されることができ、及び/又は永久磁石142a、142bは、接着剤又は他の固定要素を含んでいてもよい。
【0041】
一例では、第1永久磁石142aは、その第1面143aが磁石ハウジング144の内面から離れて外向きに配置され、第2面145aが磁石ハウジング144の内面に向かって配置されるように、第1ポケット150a内に受け入れられる。この例では、第2永久磁石142bは、その第1面143bが磁石ハウジング144のポケット150bの内面に向かって内向きに配置され、第2面145bが磁石ハウジング144の内面から離れて外向きに面しているように、第2ポケット150b内に受け入れられる。このようにして、永久磁石142a、142bの対応する第1極面143a、143b及び対応する第2極面145a、145bは、互いに同じ方向に向けることができる。磁石の内向きの面が反対の極であり、互いに向けて引き付ける力を及ぼすため、この配向は、ポケット150a、150b内に磁石142a、142bを保持するのを補助できる。具体的な例として、磁石の配向は、磁石142a、142bの間に規定された出力シャフト116の中心線を有する状態で、N、S、N、Sとなっていてもよい。
【0042】
ベアリング138は、出力シャフト116の下端部分の周りに受け入れられてもよい。一例では、ベアリング138は、磁石ハウジング144の底部第1スリーブ141aの周りに配置されてもよく、第2スリーブ部分141bの隆起したリップは、ベアリング138を所定の位置に保持するのを助けるように作用する。このようにして、ベアリング138は、磁石ハウジング144の永久磁石142a、142bと、出力シャフト116の入口を規定するニップル146との間の出力シャフト116上に配置されてもよい。
【0043】
図4Aを参照すると、ばね132は、出力シャフト116の底端部の周りに受け入れられてもよい。出力シャフト116は、2つのキー付き表面148がばね134の第2端部162の対応するキー付き表面壁169a、169bと整列されるように、整列される。キー付き表面148とキー付き表面壁169a、169bとの間の係合は、出力シャフト116の回転をばね134の第2端部162につなぐのを補助し、逆もまた同様であり、出力シャフト116とばね134の運動が相互に伝達される。出力シャフト116のニップル146は、ばね134の第2端部162を通って、ばね134の内部キャビティ168内まで延びてもよい。
【0044】
流体チューブ126は、ばね134の第1端部160を介して受け入れられ、内部キャビティ168を通って経路を定められ、ばね134内のニップル146とかみ合ってもよい。流体チューブ126は、ニップル146に押し付けられて、出力シャフト116を流体チューブ126に流体的に結合することができる。これらの実施形態では、流体チューブ126は、ばね134内に受け入れられ、ばね134は、流体チューブ126がハウジング180のシャーシ又は他の構成要素と係合することを防ぐ。流体チューブ126がばね134の第1端部160から出るとき、流体チューブ126は、ばね134の第1端部160に形成されたシート163の1つの内に着座されてもよく、流体チューブ126は、バッテリ184(
図2参照)に沿って並んで経路付けされてもよい。
【0045】
駆動トレイン130の部分は、ハンドルハウジング180内に受け入れられてもよく、ハウジング180に直接に結合されるか、又は
図4Bに示すように、シャーシ182を介して結合されてもよい。シャーシ182は、第1部分182a及び第2部分182bから形成されてもよく(
図4C参照)、これらは、例えば、留め具などを介して一緒に結合される。シャーシ182は、ハンドル102内の様々な構成要素の構造的支持を提供する。一実施形態では、電磁石140a、140bは、シャーシ182内の磁石キャビティ、くぼみ、又は他の特徴部内に受け入れられる。電磁石140a、140bは、ハウジング180内の所定の位置に固定され、ハウジング180及び/又はシャーシ182に固定的に接続されてもよい。このようにして、電磁石は、電磁石駆動トレイン130の「固定子」又は静止部分を形成してもよい。図示されていないが、電磁石140a、140bは、バッテリ184(
図2参照)などの電源、及び磁場を選択的に発生させる電磁石に電流を供給する制御要素(例えば、プロセッサ又は信号発生器)に接続されている。いくつかの例においては、バッテリ及び制御要素は、シャーシ182に結合されてもよく、又はハウジング180内に少なくとも受け入れられてもよい。
【0046】
出力シャフト116、流体チューブ126、ばね134、及びベアリング138は、シャーシ182内に配置されてもよい。一例では、出力シャフト116は、その頂端部がシャーシ182及びハウジング180から外側に延びるように配置され、磁石ハウジング144は、シャーシ182内の電磁石140a、140bと整列される。シャーシ182は、出力シャフト116がシャーシ182内でシャーシ182に対して回転することを可能にするシャフトポケット又はキャビティを規定してもよい。例えば、ベアリング138は、出力シャフト116が回転することを可能にしながら、シャーシ182内の出力シャフト116の長手方向の整列を維持するのを助ける窪み内に受け入れられてもよい。
【0047】
ばね134は、ばね134の一端上でシャーシ182に回転できないように結合されてもよい。例えば、ばね134の第1端部160は、ばね134の第1端部160がシャーシ182に対して回転するのを防ぐために、シャーシ182に固定されてもよい。この構成では、ばね134の第2端部162により、ばね134を第1端部160に対して回転的にねじることができ、ばね134に生じている位置エネルギーは、ばね134の第2端部162の出力シャフト116への接続を介してねじり力として出力シャフト116に加えられる。いくつかの実施形態では、ばね134の第1端部160は、シャーシ182と係合し、シャーシ182に対するばね134の第1端部160の回転を制限する。例えば、ばね134の第1端部160は、シャーシ182と係合してシャーシ182に対してばね134の第1端部160の回転を防止する非円形の外周部(例えば、
図6A~6C参照)を含んでもよい。
【0048】
流体コネクタ110がハンドル102に結合されて、流体チューブ126をベースステーションに連結されたリザーバ等の流体源に流体的に接続するとき、流体チューブ126は、流体コネクタ110と流体的に接続されることができる。流体コネクタ110がハンドル102に連結されていないときに流体がハンドル102から漏れ出るのを防ぐために、1つ又は2つ以上の弁を流体チューブ126と流体コネクタ110との間に配置してもよい。
図2に示されるバッテリ184などのバッテリ装置は、ハウジング180の底端部に配置されることができ、流体チューブ126は、ばね134の第1端部160から、バッテリ184に沿って流体コネクタ110との流体接続までの経路を定めることができる。流体チューブ126の上部は、ばね134の長手方向の中心線と整列されてもよく、一方、流体チューブ126の下部は、ばね134の中心線から横方向にオフセットされていてもよい。
【0049】
図1Bを参照して、出力シャフト116の頂部は、ハンドルハウジング180の頂端部から延びる。ブラシヘッド104等のワークピースを出力シャフト116の頂部に接続するために、使用者は、ブラシヘッド104を出力シャフト116に押し込み、シャフト116のキー付き面120を、ブラシヘッド104内の対応するキー付き面と整列させる。任意に、ブラシヘッド104におけるクリップ又は他のリテーナを出力シャフト116上の溝122内に着座させて、ブラシヘッド104を出力シャフト116により固定させてもよい。ブラシヘッド104を出力シャフト116に接続するとき、ブラシヘッド104の出口ノズル108は、出力シャフト116の出口124に流体的に接続され、ブラシヘッド104は、それと共に振動するように出力シャフト116とキー固定される。
【0050】
次に、電動歯ブラシ100の動作についてより詳細に説明する。
図1A、1B、及び2を参照して、口腔洗浄モード中に、使用者が制御ボタン114を作動させ、これにより、ベースユニット内のポンプ等のポンプを起動させる。ポンプが作動するとき、ポンプはリザーバから流体を引き、流体を流体コネクタ110にポンプにより送る。流体は、流体コネクタ110を通って流体チューブ126に移動し、流体チューブ126を通ってニップル146に移動する。ニップル146において、流体は、出力シャフト116において規定された流れ腔156に入り、出力シャフト116を通ってシャフト出口124に移動する。シャフト出口124から、流体は、ブラシヘッド104を通って移動し、ノズル108を出て、使用者の歯茎及び歯に衝撃を与える。
【0051】
ブラッシング機能のため、使用者は、同じ制御ボタン114又は別のボタンを作動させて、駆動信号を起動させることができる。駆動信号は、コントローラ又は信号発生器によって生成されることができると共に、交流電流(AC)信号であってもよく、また、電磁石140a、140bにもたらされる。いくつかの例においては、同じ信号が両方の電磁石140a、140bに同時にもたらされるが、2つの巻線152a、152bの反対の巻線方向WD1及びWD2のために、信号は2つの電磁石140a、140bにおいて反対方向の磁束を発生させる。例えば、駆動信号は、電磁石140a、140bが同じ大きさであるが、180度位相がずれて駆動されてもよいような、正弦波形状の電圧波形であってもよい。
【0052】
時間内の所定の時点において生成される磁束は、2つの電磁石140a、140bに対して反対方向であってもよい。例えば、
図7A~7Bを参照して、第1磁束方向F1は、第1電磁石140aによって生成されることができ、第2磁束方向F2は、駆動信号が第1方向にあるとき、第2電磁石140bによって生成されることができ、そして、駆動信号が方向において反転するときに、第1電磁石140aが磁束方向F2において磁束を生成し、第2電磁石140bが第1磁束方向F1に磁束を生成するように、2つの電磁石140a、140bのための磁束方向が切り替わる。
図7A~7Bに示されるように、第1磁束方向F1は、それぞれの永久磁石142a、142bを電磁石140a、140bのコア154a、154bの第1の側190に向かって移動させてもよく、第2磁束方向F2は、それぞれの永久磁石142a、142bを、電磁石140a、140bのコア154a、154bの第2の側192に向けて移動させてもよく、それにより、出力シャフト116をその長手方向軸の周りで回転させることができる。
【0053】
図3~4C及び7Aを参照して、図示の例では、第1電磁石140aは、第1方向F1において磁束を発生させ、第1永久磁石142aをコア154a、154bの第1の側190に向かって移動させる。同時に、第2電磁石140bは、第2方向F2において磁束を発生させ、第2永久磁石142bを、第1の側190と反対側のコア154a、154bの第2の側192に向けて移動させる。これらの力により、出力シャフト116を第1方向R1において回転させ、それとともにブラシヘッド104を旋回させる。いくつかの例においては、出力シャフト116は、ニュートラル位置から第1方向R1に、約5度から約30度の間で、一例では、約10度回転させてもよい。
【0054】
図3~4C及び7Bを参照して、駆動信号188が方向を逆方向に変えるとき、電磁石140a、140bの磁束方向が切り替わる。具体的には、第1電磁石140aは、第2方向F2に磁束を発生させ、第1永久磁石142aをコア154a、154bの第2の側192に向けて移動させる。同時に、第2電磁石140bは、第1方向F1に磁束を発生させ、第2永久磁石142bをコア154a、154bの第1の側190に向けて移動させる。これらの力により、出力シャフト116を第2方向R2において回転させ、それとともにブラシヘッド104を旋回させる。いくつかの例においては、出力シャフト116は、ニュートラル位置から第2方向R2に、約5度から約30度の間で、一例では、約10度回転させてもよい。
【0055】
電磁石140a、140bが出力シャフト116に作用する磁力を発生させるとき、ばね134はその力を増幅するように作動する。具体的には、出力シャフト116とばね134の第2端部162との間のキー接続、ならびにばね134の第1端部160がシャーシ182に回転できないように連結されることにより、出力シャフト116が第1方向R1に回転するとき、ビーム166を第1方向R1に変形させる。第1方向R1における出力シャフト116の所望の振動角度において、ビーム166は、反対方向、例えば、方向R2に回転力を及ぼすようになっている。このようにして、ばね134は、電磁石140a、140bと作動して、出力シャフト116を第2方向R2に駆動させる。出力シャフト116が第2方向R2に回転するとき、ばね134は第2方向R2においてねじれ、第2方向R2における出力シャフト116の所望の振動角度において、ビーム166は反対方向、例えば、方向R1に戻り力を及ぼすようになっており、出力シャフト116の第1方向R1への回転を増幅させる。このようにして、ばね134は、反対の回転方向にねじれて、出力シャフト116にばね力を与え、これが、電磁石140a、140bによって発生された電磁力を補って、出力シャフト116を振動させる。ばね134及び質量部136は、ばね134によって提供される力が増幅又は増強されるように、出力シャフト116の振動周波数と一致する固有周波数を有していてもよい。
【0056】
方法及びシステムは、口腔洗浄及びブラッシング洗浄装置の組み合わせを参照しながら本明細書に記載されている。しかしながら、方法及びシステムは、他のタイプの口腔洗浄装置、例えば、歯ブラシにも同様に適用可能である。したがって、任意の特定の実施形態の説明は、単なる例示として意図されている。さらに、様々な実施形態からの特徴及びモジュールは、他の実施形態の間で自由に取り換えてもよい。
【0057】
本明細書に直接的又は間接的に記載される方法において、様々なステップおよび動作が1つの可能な順序の動作で説明されるが、当業者は、本発明の精神及び範囲から必ずしも逸脱することなく、ステップ及び動作が再配置、置換、又は除去されてもよいことを認識する。上記明細書に含まれる、又は添付の図面に示されるすべての事項は、例示としてのみ解釈され、限定されないものとして解釈されることが意図されている。詳細又は構造の変更は、添付の特許請求の範囲において規定されている本発明の精神から逸脱することなく行うことができる。
【国際調査報告】