IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 正大天晴薬業集団股▲分▼有限公司の特許一覧

特表2022-550387TLR7作用薬を含む薬物の組み合わせ
<>
  • 特表-TLR7作用薬を含む薬物の組み合わせ 図1
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-01
(54)【発明の名称】TLR7作用薬を含む薬物の組み合わせ
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/519 20060101AFI20221124BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20221124BHJP
   A61K 31/522 20060101ALI20221124BHJP
   A61P 31/20 20060101ALI20221124BHJP
   A61P 1/16 20060101ALI20221124BHJP
   A61K 31/5377 20060101ALI20221124BHJP
   A61K 31/551 20060101ALI20221124BHJP
   A61K 31/5386 20060101ALI20221124BHJP
【FI】
A61K31/519
A61P43/00 121
A61K31/522
A61P31/20
A61P1/16
A61K31/5377
A61K31/551
A61K31/5386
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022519609
(86)(22)【出願日】2020-09-29
(85)【翻訳文提出日】2022-03-28
(86)【国際出願番号】 CN2020118693
(87)【国際公開番号】W WO2021058021
(87)【国際公開日】2021-04-01
(31)【優先権主張番号】201910933558.8
(32)【優先日】2019-09-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516089784
【氏名又は名称】チア タイ ティエンチン ファーマシューティカル グループ カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Chia Tai Tianqing Pharmaceutical Group Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】No.369 Yuzhou South Rd.,Lianyungang,Jiangsu 222062 China
(74)【代理人】
【識別番号】110001999
【氏名又は名称】弁理士法人はなぶさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】徐 宏江
(72)【発明者】
【氏名】▲ル▼ 丹丹
(72)【発明者】
【氏名】葛 興楓
(72)【発明者】
【氏名】宋 偉
(72)【発明者】
【氏名】施 偉
(72)【発明者】
【氏名】楊 玲
(72)【発明者】
【氏名】張 喜全
(72)【発明者】
【氏名】▲ユ▼ 浩
(72)【発明者】
【氏名】徐 中南
【テーマコード(参考)】
4C086
【Fターム(参考)】
4C086AA01
4C086AA02
4C086BC50
4C086BC54
4C086BC73
4C086CB05
4C086CB07
4C086GA13
4C086MA02
4C086MA04
4C086NA05
4C086NA14
4C086ZA75
4C086ZB33
4C086ZC75
(57)【要約】
TLR7作用薬を含む薬物の組み合わせである。具体的には、TLR7作用薬としての式I化合物とエンテカビルを併用してB型肝炎ウイルス感染を治療する薬物の組み合わせ及び使用である。当該薬物の組み合わせは抗B型肝炎ウイルス感染効果に優れている。
【化1】
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I化合物又は薬学的に許容されるその塩と、エンテカビル又は薬学的に許容されるその塩、溶媒和物とを含み、前記式I化合物は次のとおりである薬物の組み合わせ。
【化1】
(式中、Lは-O-から選ばれ、
は-CH-から選ばれ、前記-CH-は任意選択でRによって置換され、
は水素、又はC1-10アルキル基から選ばれ、前記C1-10アルキル基は任意選択でRによって置換され、
は水素、シアノ基、-COOH、又は-CONHから選ばれ、前記-COOH、及び-CONHは任意選択でRによって置換され、
Bは6-10員のアリール基、又は5-10員のヘテロアリール基から選ばれ、
はC0-6アルキレン基、又はイミノ基から選ばれ、前記C0-6アルキレン基、及びイミノ基は任意選択でRによって置換され、
は水素、アミノ基、C1-10アルキル基、C3-10環状炭化水素基、3-10員の複素環状炭化水素基、6-10員のアリール基、又は5-10員のヘテロアリール基から選ばれ、前記アミノ基、C1-10アルキル基、C3-10環状炭化水素基、3-10員の複素環状炭化水素基、6-10員のアリール基、又は5-10員のヘテロアリール基は任意選択でRによって置換され、又は、
とLはB環上の隣接する原子と飽和又は不飽和の5-8員環を形成し、前記5-8員環は任意選択でRによって置換され、
nは0、1、2、3、4又は5であり、
、R、R、R、R、及びRはそれぞれ独立してハロゲン、シアノ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、アミノ基、-R、-OR、=O、-SR、-NHR、-NRから選ばれ、Rは独立してC1-8アルキル基、C3-8環状炭化水素基、3-8員の複素環状炭化水素基、6-8員のアリール基、5-8員のヘテロアリール基から選ばれる。)
【請求項2】
前記式I化合物又は薬学的に許容されるその塩は、
2-ブトキシ-7-(3-((4-メチルピペラジン-1-イル)メチル)ベンジル)-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン、
2-ブトキシ-7-(3-(モルホリノメチル)ベンジル)-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン、
7-(3-(アミノメチル)ベンジル)-2-ブトキシ-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン、
2-ブトキシ-7-(3-(ピロリジン-1-イルメチル)ベンジル)-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4アミン、
2-ブトキシ-7-(4-((3,3-ジフルオロピロリジン-1-イル)メチル)ベンジル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン、
2-ブトキシ-7-(4-((3-フルオロピロリジン-1-イル)メチル)ベンジル
)-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン、
1-(4-((4-アミノ-2-ブトキシ-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-7-イル)メチル)ベンジル)ピロリジン-3-オール、
2-ブトキシ-7-(4-(ピペリジン-1-イルメチル)ベンジル)-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン、
2-ブトキシ-7-(4-(モルホリノメチル)ベンジル)-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン、
2-ブトキシ-7-(4-((4-メチルピペラジン-1-イル)メチル)ベンジル)-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン、
2-ブトキシ-7-(4-((ジメチルアミノ)メチル)ベンジル)-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン、
2-ブトキシ-7-(4-((ジエチルアミノ)メチル)ベンジル)-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン、
2-ブトキシ-7-(4-((ジプロピルアミノ)メチル)ベンジル)-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン、
7-(4-(アゼチジン-1-イルメチル)ベンジル)-2-ブトキシ-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン、
2-ブトキシ-7-(4-((3-メトキシアゼチジン-1-イル)メチル)ベンジル)-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン、
2-ブトキシ-7-(4-((4-メチル-1,4-ジアゼパン-1-イル)メチル)ベンジル)-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン、
2-ブトキシ-7-(4-((2,6-ジメチルモルホリニル)メチル)ベンジル)-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン、
7-(4-((1S,4S)-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-5-イルメチル)ベンジル)-2-ブトキシ-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン、
2-ブトキシ-7-(4-((4-メトキシピペリジン-1-イル)メチル)ベンジル)-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン、
2-ブトキシ-7-(4-((4-イソプロピルピペラジン-1-イル)メチル)ベンジル)-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン、
2-ブトキシ-7-(4-(ピロリジン-1-イルメチル)ベンジル)-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン、
2-ブトキシ-7-((6-(ピロリジン-1-イルメチル)ピリジン-3-イル)メチル)-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン、
2-ブトキシ-7-(3-(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)ベンジル)-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン、
2-ブトキシ-7-(4-(1-(ピロリジン-1-イル)エチル)ベンジル)-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン、
2-ブトキシ-7-(4-(1-メチルピペリジン-4-イル)ベンジル)-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン、
2-ブトキシ-7-(4-(1-メチルピロリジン-2-イル)ベンジル)-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン、
1-(4-((4-アミノ-2-ブトキシ-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-7-イル)メチル)フェニル)-4-メチルピペラジン-2-オン、
7-ベンジル-2-(2-メトキシエトキシ)-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン、
2-(2-メトキシエトキシ)-7-((6-メチルピリジン-3-イル)メチル)-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン、
7-((5-クロロピリジン-2-イル)メチル)-2-(2-メトキシエトキシ)-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン、
2-(2-メトキシエトキシ-)-7-((6-(ピロリジン-1-イルメチル)ピリジン-3-イル)メチル)-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン、
1-(4-((4-アミノ-2-(2-メトキシエトキシ)-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-7-イル)メチル)フェニル)-4-メチルピペラジン-2-オン、
2-ブトキシ-7-((5-(ピロリジン-1-イルメチル)ピリジン-2-イル)メチル)-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン、
4-アミノ-2-ブトキシ-7-((6-(ピロリジン-1-イルメチル)ピリジン-3-イル)メチル)-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-6-カルボニトリル、
4-アミノ-2-ブトキシ-7-(4-(ピロリジン-1-イルメチル)ベンジル)-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-6-カルボニトリル、
4-アミノ-2-ブトキシ-7-(4-(モルホリノメチル)ベンジル)-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-6-カルボニトリル、
4-アミノ-2-ブトキシ-7-(4-((4-メチルピペラジン-1-イル)メチル)ベンジル)-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-6-カルボニトリル、
4-アミノ-2-ブトキシ-7-(4-(ピロリジン-1-イルメチル)ベンジル)-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-6-カルボキサミド、
2-ブトキシ-7-((1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-7-イル)メチル)-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン、
2-ブトキシ-7-((2-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-7-イル)メチル)-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン、
2-ブトキシ-7-((2-エチル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-7-イル)メチル)-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン、
2-ブトキシ-7-((2-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-7-イル)メチル)-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン、
2-ブトキシ-7-((1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-6-イル)メチル)-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン、
2-ブトキシ-7-((2-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-6-イル)メチル)-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン、
2-ブトキシ-7-((2-エチル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-6-イル)メチル)-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン、
2-ブトキシ-7-((2-(ピロリジン-1-イルメチル)チアゾール-5-イル)メチル)-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン又は薬学的に許容されるその塩から選ばれることを特徴とする請求項1に記載の薬物の組み合わせ。
【請求項3】
前記薬物の組み合わせの式I化合物は式A化合物から選ばれることを特徴とする請求項1又は2に記載の薬物の組み合わせ。
【化2】
【請求項4】
前記エンテカビル又は薬学的に許容されるその塩、溶媒和物はエンテカビルマレイン酸塩、エンテカビルモノマレイン酸塩、エンテカビル水和物、エンテカビル0.5-2水和物、又はエンテカビル一水和物から選ばれ、任意選択で、前記エンテカビル又は薬学的に許容されるその塩、溶媒和物はエンテカビルモノマレイン酸塩一水和物から選ばれることを特徴とする請求項1に記載の薬物の組み合わせ。
【請求項5】
前記薬物の組み合わせで式I化合物又は薬学的に許容されるその塩とエンテカビル又は薬学的に許容されるその塩、溶媒和物の平均1日用量の比は10:1-1:10から選ばれ、任意選択で、前記平均1日用量の比は1:1.5-1:4、1:1.6-1:3.8、1:1.8-1:3.8、1:1.8-1:3.6又は1:2-1:3.5から選ばれることを特徴とする請求項1-4のいずれか一項に記載の薬物の組み合わせ。
【請求項6】
前記薬物の組み合わせの式I化合物又は薬学的に許容されるその塩が1日に3回投与され、1日に2回投与され、1日に1回投与され、2日に1回投与され、3日に1回投与され、4日に1回投与され、5日に1回投与され、6日に1回投与され、週に1回投与され、2週に1回投与され、又は3週に1回投与されることを特徴とする請求項1-5のいずれか一項に記載の薬物の組み合わせ。
【請求項7】
前記薬物の組み合わせの式I化合物又は薬学的に許容されるその塩が毎回0.1-10.0mgの用量で投与され、任意選択で、前記式I化合物又は薬学的に許容されるその塩が毎回0.2-5.0mg、0.4-4.0mg、0.5-3.0mg、0.6-2.6mg、0.8-2.2mg、0.8-1.8mg、1.0-2.0mg、1.0-1.8mg、又は1.0-1.6mgの用量で投与されることを特徴とする請求項1-6のいずれか一項に記載の薬物の組み合わせ。
【請求項8】
前記薬物の組み合わせのエンテカビル又は薬学的に許容されるその塩、溶媒和物が1日に3回投与され、1日に2回投与され、1日に1回投与され、又は2日に1回投与され、3日に1回投与され、4日に1回投与され、5日に1回投与され、6日に1回投与され、週に1回投与され、2週に1回投与され、又は3週に1回投与されることを特徴とする請求項1-7のいずれか一項に記載の薬物の組み合わせ。
【請求項9】
前記薬物の組み合わせのエンテカビル又は薬学的に許容されるその塩、溶媒和物が毎回0.005-5.0mgの用量で投与され、任意選択で、前記エンテカビル又は薬学的に許容されるその塩、溶媒和物が毎回0.05-5.0mg、0.10-2.0mg、0.25-2.0mg、又は0.5-1.0mgの用量で投与されることを特徴とする請求項1-8のいずれか一項に記載の薬物の組み合わせ。
【請求項10】
前記薬物の組み合わせは確定の組み合わせであり、任意選択で前記確定の組み合わせは固体医薬組成物の形態であり、任意選択で、前記確定の組み合わせで式I化合物又は薬学的に許容されるその塩及びエンテカビル又は薬学的に許容されるその塩、溶媒和物は同一の固体医薬組成物に存在することを特徴とする請求項1-9のいずれか一項に記載の薬物の組み合わせ。
【請求項11】
前記薬物の組み合わせは不確定の組み合わせであり、任意選択で、前記不確定の組み合わせで式I化合物又は薬学的に許容されるその塩及びエンテカビル又は薬学的に許容されるその塩、溶媒和物はそれぞれ固体医薬組成物の形態であり、任意選択で、前記不確定の組み合わせで式I化合物又は薬学的に許容されるその塩及びエンテカビル又は薬学的に許容されるその塩、溶媒和物はそれぞれ固体医薬組成物の形態であり、且つ式I化合物又は薬学的に許容されるその塩の固体医薬組成物及びエンテカビル又は薬学的に許容されるその塩、溶媒和物の固体医薬組成物は同一の小袋に存在し、任意選択で、前記不確定の組み合わせで式I化合物又は薬学的に許容されるその塩及びエンテカビル又は薬学的に許容されるその塩、溶媒和物はそれぞれ固体医薬組成物の形態であり、且つ式I化合物又は薬学的に許容されるその塩の固体医薬組成物及びエンテカビル又は薬学的に許容されるその塩、溶媒和物の固体医薬組成物は同一の小袋には存在しないことを特徴とする請求項1-9のいずれか一項に記載の薬物の組み合わせ。
【請求項12】
B型肝炎ウイルス感染を治療する薬物を製造するための、請求項1-11のいずれか一項に記載の薬物の組み合わせの使用。
【請求項13】
有効量の請求項1-11のいずれか一項に記載の薬物の組み合わせを、これを必要とする個体に投与することを含むB型肝炎ウイルス感染の治療方法。
【請求項14】
請求項1-11のいずれか一項に記載の薬物の組み合わせから選ばれるB型肝炎ウイルス感染を治療するための薬物の組み合わせ。
【請求項15】
B型肝炎ウイルス感染を治療するための、請求項1-11のいずれか一項に記載の薬物の組み合わせの使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は医薬品化学分野に属し、TLR7作用薬を含む薬物の組み合わせに関する。具体的には、TLR7作用薬としての式I化合物とエンテカビルを併用してB型肝炎ウイルス感染を治療する薬物の組み合わせ及び使用に関する。
【背景技術】
【0002】
世界保健機関の統計によると、世界で約2億5700万人がB型肝炎ウイルス(HBV)に感染している。肝炎患者は治療を受けないと、肝不全、肝硬変、肝がんなど、長期的で致命的な疾患を患う。
【0003】
今や慢性B型肝炎の治療で承認される一般的な薬物はヌクレオシド(ヌクレオチド)化合物及びインターフェロンの2種類を含む。ヌクレオシド(ヌクレオチド)薬物、例えば、エンテカビルは、HBV DNAの複製を阻害することができる。
【0004】
Toll様受容体は様々な免疫細胞において発現される。Toll様受容体は、微生物病原体によって発現される病原体関連分子パターン(PAMP)、壊死細胞によって放出される損傷関連分子パターン(DAMP)などの高度に保存された構造モチーフを認識する。病原体関連分子パターン(PAMP)又は損傷関連分子パターン(DAMP)がToll様受容体を刺激してシグナルカスケードを引き起こすことでAP-1、NF-κB、インターフェロン調節因子(インパルス応答関数)などの転写因子が活性化される。これはインターフェロン、炎症誘発性サイトカイン、エフェクターサイトカインの産生など様々な細胞応答を引き起こすことによって、免疫応答を行わせる。これまでに、哺乳類ではすでに13種類のToll様受容体が発見されている。Toll様受容体1、2、4、5及び6は主に細胞の表面に発現され、Toll様受容体3、7、8及び9はエンドソームに発現される。Toll様受容体によって、その認識する病原体由来のリガンドが異なる。Toll様受容体7(TLR7)は主に形質細胞様樹状細胞(pDC)によって発現され、リガンドによって認識されてインターフェロンα(IFN-α)の分泌を誘導する。イミキモド(Imiquimod)、レシキモド(resiquimod)、GS-9620などいくつかのTLR7作用薬がすでに報告されている。国際公開第WO2016023511号及び国際公開第WO2017076346号(その全体の内容を参照して本明細書に組み込む)は新規なTLR7作用薬を公開し、前記化合物は優れた生物学的活性及び選択性を示している。
【0005】
B型肝炎ウイルス感染患者の治療には多くの選択肢があるが、臨床使用のためのより効果的な治療薬がなおも必要とされている。
【発明の概要】
【0006】
本願の一態様として、式I化合物又は薬学的に許容されるその塩と、エンテカビル又は薬学的に許容されるその塩、溶媒和物とを含む薬物の組み合わせを提供する。
【0007】
本願の別の態様として、B型肝炎ウイルス感染を治療する薬物を製造するための、本願に係る薬物の組み合わせの使用をさらに提供する。本願は、本願に係る薬物の組み合わせを必要とする個体に有効量を投与することを含むB型肝炎ウイルス感染の治療方法をさら
に提供する。本願はB型肝炎ウイルス感染を治療するための、本願に係る薬物の組み合わせをさらに提供する。本願はB型肝炎ウイルス感染を治療するための、本願に係る薬物の組み合わせの使用をさらに提供する。
【0008】
本願の一態様として、式I化合物又は薬学的に許容されるその塩と、エンテカビル又は薬学的に許容されるその塩、溶媒和物とを含む薬物の組み合わせを提供し、前記式I化合物は次のとおりである。
【0009】
【化1】
式中、Lは-O-から選ばれ、
は-CH-から選ばれ、前記-CH-は任意選択でRによって置換され、
は水素、又はC1-10アルキル基から選ばれ、前記C1-10アルキル基は任意選択でRによって置換され、
は水素、シアノ基、-COOH、又は-CONHから選ばれ、前記-COOH、及び-CONHは任意選択でRによって置換され、
Bは6-10員のアリール基、又は5-10員のヘテロアリール基から選ばれ、
はC0-6アルキレン基、又はイミノ基から選ばれ、前記C0-6アルキレン基、及びイミノ基は任意選択でRによって置換され、
は水素、アミノ基、C1-10アルキル基、C3-10環状炭化水素基、3-10員の複素環状炭化水素基、6-10員のアリール基、又は5-10員のヘテロアリール基から選ばれ、前記アミノ基、C1-10アルキル基、C3-10環状炭化水素基、3-10員の複素環状炭化水素基、6-10員のアリール基、又は5-10員のヘテロアリール基は任意選択でRによって置換され、又は、
とLはB環上の隣接する原子と飽和又は不飽和の5-8員環を形成し、前記5-8員環は任意選択でRによって置換され、
nは0、1、2、3、4又は5であり、
、R、R、R、R、及びRはそれぞれ独立してハロゲン、シアノ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、アミノ基、-R、-OR、=O、-SR、-NHR、-NRから選ばれ、Rは独立してC1-8アルキル基、C3-8環状炭化水素基、3-8員の複素環状炭化水素基、6-8員のアリール基、5-8員のヘテロアリール基から選ばれる。
【0010】
式I化合物のいくつかの実施形態において、Lは-CH-から選ばれる。
【0011】
式I化合物のいくつかの実施形態において、RはC1-6アルキル基から選ばれ、前記C1-6アルキル基は任意選択で1種又は複数種のRによって置換される。
【0012】
式I化合物のいくつかの実施形態において、Rは水素、シアノ基、又は-CONHから選ばれ、前記-CONHは任意選択で1種又は複数種のRによって置換される。
【0013】
式I化合物のいくつかの実施形態において、Bは6-7員のアリール基、又は5-7員のヘテロアリール基から選ばれる。式I化合物のいくつかの実施形態において、Bはフェニル基、ピリジル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、ピラジニル基、チエニル基、チアゾリル基、フリル基、オキサゾリル基、チアジアゾリル基、イソオキサゾリル基、オキサジアゾリル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、イソチアゾリル基、又はトリアゾリル基から選ばれる。式I化合物のいくつかの実施形態において、Bはフェニル基、ピリジル基、又はチアゾリル基から選ばれる。
【0014】
式I化合物のいくつかの実施形態において、LはC0-6アルキレン基から選ばれ、前記C0-6アルキレン基は任意選択で1種又は複数種のRによって置換される。
【0015】
式I化合物のいくつかの実施形態において、Rは水素、アミノ基、C1-6アルキル基、C3-8環状炭化水素基、3-8員の複素環状炭化水素基、6-8員のアリール基、又は5-8員のヘテロアリール基から選ばれ、前記アミノ基、C1-6アルキル基、C3-8環状炭化水素基、3-8員の複素環状炭化水素基、6-8員のアリール基、又は5-8員のヘテロアリール基は任意選択で1種又は複数種のRによって置換され、又はR、LはB環上の隣接する原子と飽和又は不飽和の5-8員環を形成し、前記5-8員環は任意選択で1種又は複数種のRによって置換される。式I化合物のいくつかの実施形態において、Rは水素、アミノ基、C1-6アルキル基、ピペラジニル基、モルホリニル基、テトラヒドロピロリル基、ピペリジニル基、アゼチジニル基、ジアゼパニル基、又は2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]ヘプチル基から選ばれ、前記アミノ基、C1-6アルキル基、ピペラジニル基、モルホリニル基、テトラヒドロピロリル基、ピペリジニル基、アゼチジニル基、ジアゼパニル基、又は2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]ヘプチル基は任意選択で1種又は複数種のRによって置換され、又はR、LはB環上の隣接する原子と飽和又は不飽和の6員環を形成し、前記6員環は任意選択で1種又は複数種のRによって置換される。
【0016】
式I化合物のいくつかの実施形態において、R、R、R、R、R、及びRはそれぞれ独立してハロゲン、-R、-OR、又は=Oから選ばれる。
【0017】
本願のいくつかの実施形態において、前記式I化合物又は薬学的に許容されるその塩は、
2-ブトキシ-7-(3-((4-メチルピペラジン-1-イル)メチル)ベンジル)-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン、
2-ブトキシ-7-(3-(モルホリノメチル)ベンジル)-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン、
7-(3-(アミノメチル)ベンジル)-2-ブトキシ-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン、
2-ブトキシ-7-(3-(ピロリジン-1-イルメチル)ベンジル)-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4アミン、
2-ブトキシ-7-(4-((3,3-ジフルオロピロリジン-1-イル)メチル)ベンジル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン、
2-ブトキシ-7-(4-((3-フルオロピロリジン-1-イル)メチル)ベンジル)-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン、
1-(4-((4-アミノ-2-ブトキシ-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-7-イル)メチル)ベンジル)ピロリジン-3-オール、
2-ブトキシ-7-(4-(ピペリジン-1-イルメチル)ベンジル)-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン、
2-ブトキシ-7-(4-(モルホリノメチル)ベンジル)-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン、
2-ブトキシ-7-(4-((4-メチルピペラジン-1-イル)メチル)ベンジル)-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン、
2-ブトキシ-7-(4-((ジメチルアミノ)メチル)ベンジル)-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン、
2-ブトキシ-7-(4-((ジエチルアミノ)メチル)ベンジル)-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン、
2-ブトキシ-7-(4-((ジプロピルアミノ)メチル)ベンジル)-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン、
7-(4-(アゼチジン-1-イルメチル)ベンジル)-2-ブトキシ-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン、
2-ブトキシ-7-(4-((3-メトキシアゼチジン-1-イル)メチル)ベンジル)-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン、
2-ブトキシ-7-(4-((4-メチル-1,4-ジアゼパン-1-イル)メチル)ベンジル)-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン、
2-ブトキシ-7-(4-((2,6-ジメチルモルホリニル)メチル)ベンジル)-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン、
7-(4-((1S,4S)-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-5-イルメチル)ベンジル)-2-ブトキシ-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン、
2-ブトキシ-7-(4-((4-メトキシピペリジン-1-イル)メチル)ベンジル)-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン、
2-ブトキシ-7-(4-((4-イソプロピルピペラジン-1-イル)メチル)ベンジル)-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン、
2-ブトキシ-7-(4-(ピロリジン-1-イルメチル)ベンジル)-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン、
2-ブトキシ-7-((6-(ピロリジン-1-イルメチル)ピリジン-3-イル)メチル)-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン、
2-ブトキシ-7-(3-(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)ベンジル)-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン、
2-ブトキシ-7-(4-(1-(ピロリジン-1-イル)エチル)ベンジル)-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン、
2-ブトキシ-7-(4-(1-メチルピペリジン-4-イル)ベンジル)-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン、
2-ブトキシ-7-(4-(1-メチルピロリジン-2-イル)ベンジル)-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン、
1-(4-((4-アミノ-2-ブトキシ-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-7-イル)メチル)フェニル)-4-メチルピペラジン-2-オン、
7-ベンジル-2-(2-メトキシエトキシ)-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン、
2-(2-メトキシエトキシ)-7-((6-メチルピリジン-3-イル)メチル)-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン、
7-((5-クロロピリジン-2-イル)メチル)-2-(2-メトキシエトキシ)-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン、
2-(2-メトキシエトキシ-)-7-((6-(ピロリジン-1-イルメチル)ピリジン-3-イル)メチル)-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン、
1-(4-((4-アミノ-2-(2-メトキシエトキシ)-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-7-イル)メチル)フェニル)-4-メチルピペラジン-2-オン、
2-ブトキシ-7-((5-(ピロリジン-1-イルメチル)ピリジン-2-イル)メチル)-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン、
4-アミノ-2-ブトキシ-7-((6-(ピロリジン-1-イルメチル)ピリジン-
3-イル)メチル)-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-6-カルボニトリル、
4-アミノ-2-ブトキシ-7-(4-(ピロリジン-1-イルメチル)ベンジル)-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-6-カルボニトリル、
4-アミノ-2-ブトキシ-7-(4-(モルホリノメチル)ベンジル)-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-6-カルボニトリル、
4-アミノ-2-ブトキシ-7-(4-((4-メチルピペラジン-1-イル)メチル)ベンジル)-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-6-カルボニトリル、
4-アミノ-2-ブトキシ-7-(4-(ピロリジン-1-イルメチル)ベンジル)-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-6-カルボキサミド、
2-ブトキシ-7-((1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-7-イル)メチル)-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン、
2-ブトキシ-7-((2-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-7-イル)メチル)-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン、
2-ブトキシ-7-((2-エチル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-7-イル)メチル)-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン、
2-ブトキシ-7-((2-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-7-イル)メチル)-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン、
2-ブトキシ-7-((1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-6-イル)メチル)-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン、
2-ブトキシ-7-((2-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-6-イル)メチル)-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン、
2-ブトキシ-7-((2-エチル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-6-イル)メチル)-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン、
2-ブトキシ-7-((2-(ピロリジン-1-イルメチル)チアゾール-5-イル)メチル)-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン又は薬学的に許容されるその塩から選ばれる。
【0018】
本願のいくつかの実施形態において、前記式I化合物又は薬学的に許容されるその塩は2-ブトキシ-7-(4-(ピロリジン-1-イルメチル)ベンジル)-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン若しくは薬学的に許容されるその塩、又は2-ブトキシ-7-((2-(ピロリジン-1-イルメチル)チアゾール-5-イル)メチル)-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン若しくは薬学的に許容されるその塩から選ばれる。
【0019】
本願のいくつかの実施形態において、前記エンテカビル溶媒和物はエンテカビル水和物から選ばれる。いくつかの実施形態において、前記エンテカビル水和物はエンテカビル0.5-2水和物から選ばれる。前記エンテカビル水和物はエンテカビル一水和物から選ばれる。
【0020】
本願のいくつかの実施形態において、前記エンテカビルの薬学的に許容される塩はマレイン酸塩から選ばれる。本願のいくつかの実施形態において、前記エンテカビルの薬学的に許容される塩はモノマレイン酸塩から選ばれる。
【0021】
本願のいくつかの実施形態において、エンテカビル又は薬学的に許容されるその塩、溶媒和物はエンテカビルモノマレイン酸塩、エンテカビル一水和物、又はエンテカビルモノマレイン酸塩一水和物から選ばれる。
【0022】
本願のいくつかの実施形態において、前記薬物の組み合わせは2-ブトキシ-7-(4-(ピロリジン-1-イルメチル)ベンジル)-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン又は薬学的に許容されるその塩と、エンテカビル又は薬学的に許容されるそ
の塩、溶媒和物とを含む。いくつかの実施形態において、本願に記載の薬物の組み合わせは2-ブトキシ-7-(4-(ピロリジン-1-イルメチル)ベンジル)-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン、又はそのマレイン酸塩、トリフルオロ酢酸塩と、エンテカビル又は薬学的に許容されるその塩、水和物とを含む。いくつかの実施形態において、本願に記載の薬物の組み合わせは2-ブトキシ-7-(4-(ピロリジン-1-イルメチル)ベンジル)-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-アミンと、エンテカビル又はその一水和物とを含む。
【0023】
本願のいくつかの実施形態において、前記薬物の組み合わせは2-ブトキシ-7-((2-(ピロリジン-1-イルメチル)チアゾール-5-イル)メチル)-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン又は薬学的に許容されるその塩と、エンテカビル又はその溶媒和物とを含む。いくつかの実施形態において、本願に記載の薬物の組み合わせは2-ブトキシ-7-((2-(ピロリジン-1-イルメチル)チアゾール-5-イル)メチル)-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-アミンとエンテカビルモノマレイン酸塩一水和物とを含む。
【0024】
本願のいくつかの実施形態において、前記薬物の組み合わせの式I化合物又は薬学的に許容されるその塩が1日に1回投与され、1日に2回投与され、2日に1回投与され、3日に1回投与され、4日に1回投与され、又は5日に1回投与され、毎回は0.0001-20mg/kg重量(式I化合物の重量で計算)が投与される。
【0025】
本願のいくつかの実施形態において、前記薬物の組み合わせのエンテカビル又は薬学的に許容されるその塩、溶媒和物が1日に1回投与され、1日に2回投与され、又は2日に1回投与され、毎回は0.5mg又は1.0mgの用量(エンテカビルの重量で計算)が投与される。
【0026】
本願のいくつかの実施形態において、前記薬物の組み合わせのエンテカビル又は薬学的に許容されるその塩、溶媒和物の平均1日用量は0.005-10.0mg。本願のいくつかの実施形態において、前記薬物の組み合わせのエンテカビル又は薬学的に許容されるその塩、溶媒和物の平均1日用量は0.05-5.0mgである。本願のいくつかの実施形態において、前記薬物の組み合わせのエンテカビル又は薬学的に許容されるその塩、溶媒和物の平均1日用量は0.10-2.0mgである。本願のいくつかの実施形態において、前記薬物の組み合わせのエンテカビル又は薬学的に許容されるその塩、溶媒和物の平均1日用量は0.25-2.0mgである。本願のいくつかの実施形態において、前記薬物の組み合わせのエンテカビル又は薬学的に許容されるその塩、溶媒和物の平均1日用量は0.5-1.0mgである。
【0027】
本願のいくつかの実施形態において、前記薬物の組み合わせで式I化合物又は薬学的に許容されるその塩とエンテカビル又は薬学的に許容されるその塩、溶媒和物の平均1日用量の比(重量単位)は10:1-1:10から選ばれる。いくつかの実施形態において、前記式I化合物又は薬学的に許容されるその塩とエンテカビル又は薬学的に許容されるその塩、溶媒和物の平均1日用量の比(重量単位)は10:1、9:1、8:1、7:1、6:1、5:1、4:1、3:1、2:1、1:1、1:1.1、1:1.2、1:1.3、1:1.4、1:1.5、1:1.6、1:1.7、1:1.8、1:1.9、1:2、1:2.1、1:2.2、1:2.3、1:2.4、1:2.5、1:2.6、1:2.7、1:2.8、1:2.9、1:3、1:3.1、1:3.2、1:3.3、1:3.4、1:3.5、1:3.6、1:3.7、1:3.8、1:3.9、1:4、1:4.1、1:4.2、1:4.3、1:4.4、1:4.5、1:4.6、1:4.7、1:4.8、1:4.9、1:5、1:5.1、1:5.2、1:5.3、1:5.4、1:5.5、1:5.6、1:5.7、1:5.8、1:5.9、1:6、1:6.1、
1:6.2、1:6.3、1:6.4、1:6.5、1:6.6、1:6.7、1:6.8、1:6.9、1:7、1:7.1、1:7.2、1:7.3、1:7.4、1:7.5、1:7.6、1:7.7、1:7.8、1:7.9、1:8、1:8.1、1:8.2、1:8.3、1:8.4、1:8.5、1:8.6、1:8.7、1:8.8、1:8.9、1:9、1:9.1、1:9.2、1:9.3、1:9.4、1:9.5、1:9.6、1:9.7、1:9.8、1:9.9、1:10又は任意選択で前記比率が形成した範囲から選ばれる。いくつかの実施形態において、前記式I化合物又は薬学的に許容されるその塩とエンテカビル又は薬学的に許容されるその塩、溶媒和物の平均1日用量の比(重量単位)は1:1.5-1:4、1:1.6-1:3.8、1:1.8-1:3.8、1:1.8-1:3.6又は1:2-1:3.5から選ばれることが好ましい。
【0028】
本願のいくつかの実施形態において、前記薬物の組み合わせは確定の組み合わせである。いくつかの実施形態において、前記確定の組み合わせは固体医薬組成物の形態である。いくつかの実施形態において、前記確定の組み合わせで式I化合物又は薬学的に許容されるその塩及びエンテカビル又は薬学的に許容されるその塩、溶媒和物は同一の固体医薬組成物に存在する。
【0029】
本願のいくつかの実施形態において、前記薬物の組み合わせは不確定の組み合わせである。いくつかの実施形態において、前記不確定の組み合わせで式I化合物又は薬学的に許容されるその塩及びエンテカビル又は薬学的に許容されるその塩、溶媒和物はそれぞれ固体医薬組成物の形態である。いくつかの実施形態において、前記不確定の組み合わせで式I化合物又は薬学的に許容されるその塩及びエンテカビル又は薬学的に許容されるその塩、溶媒和物はそれぞれ固体医薬組成物の形態であり、且つ式I化合物又は薬学的に許容されるその塩の固体医薬組成物及びエンテカビル又は薬学的に許容されるその塩、溶媒和物の固体医薬組成物は同一の小袋に存在する。いくつかの実施形態において、前記不確定の組み合わせで式I化合物又は薬学的に許容されるその塩及びエンテカビル又は薬学的に許容されるその塩、溶媒和物はそれぞれ固体医薬組成物の形態であり、且つ式I化合物又は薬学的に許容されるその塩の固体医薬組成物及びエンテカビル又は薬学的に許容されるその塩、溶媒和物の固体医薬組成物は同一の小袋には存在しない。
【0030】
本願のいくつかの実施形態において、前記固体医薬組成物は錠剤又はカプセルから選ばれる。
【0031】
本願の別の態様として、B型肝炎ウイルス感染を治療する薬物を製造するための、本願に係る薬物の組み合わせの使用をさらに提供する。前記薬物の組み合わせは前述したとおりである。
【0032】
本願の別の態様として、本願に係る薬物の組み合わせを必要とする個体に有効量を投与することを含むB型肝炎ウイルス感染の治療方法をさらに提供する。前記薬物の組み合わせは前述したとおりである。
【0033】
本願の別の態様として、B型肝炎ウイルス感染を治療するための、本願に係る薬物の組み合わせをさらに提供する。前記薬物の組み合わせは前述したとおりである。
【0034】
本願の別の態様として、B型肝炎ウイルス感染を治療するための、本願に係る薬物の組み合わせの使用をさらに提供する。前記薬物の組み合わせは前述したとおりである。
【0035】
本願のいくつかの実施形態において、本願はB型肝炎ウイルス感染を治療する薬物を製造するための、式I化合物又は薬学的に許容されるその塩とエンテカビル又は薬学的に許容されるその塩、溶媒和物とを含むものの使用を提供し、式I化合物又は薬学的に許容さ
れるその塩及びエンテカビル又は薬学的に許容されるその塩、溶媒和物はそれぞれ医薬組成物として製造される。
【0036】
本願のいくつかの実施形態において、本願は、(a)式I化合物又は薬学的に許容されるその塩を有効成分として含む第1種の医薬組成物と、(b)エンテカビル又はその溶媒和物を有効成分として含む第2種の医薬組成物とを含み、任意選択で(c)式I化合物又は薬学的に許容されるその塩とエンテカビル又は薬学的に許容されるその塩、溶媒和物の併用に関する説明書とを含むB型肝炎ウイルス感染を治療するキットをさらに提供する。
【0037】
「式I化合物若しくは薬学的に許容されるその塩、又はその医薬組成物」
いくつかの実施形態において、前記式I化合物又は薬学的に許容されるその塩は式A化合物又は薬学的に許容されるその塩から選ばれる。
【0038】
【化2】
【0039】
前記式A化合物は従来の技術で、その化学名は2-ブトキシ-7-(4-(ピロリジン-1-イルメチル)ベンジル)-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-アミンであり、その製造方法及び化学的性質は文献WO2016023511を参照することができる。
【0040】
いくつかの実施形態において、前記式A化合物の薬学的に許容される塩はマレイン酸塩又はフマル酸塩から選ばれる。
【0041】
いくつかの実施形態において、前記式A化合物又は薬学的に許容されるその塩の医薬組成物は固体医薬組成物から選ばれ、好ましくは錠剤又はカプセルから選ばれる。
【0042】
いくつかの実施形態において、前記式A化合物又は薬学的に許容されるその塩は医薬組成物の形態であり、前記医薬組成物は0.01-10mgを1回量とする医薬組成物であり、好ましくは0.01mg、0.02mg、0.05mg、0.08mg、0.1mg、0.2mg、0.3mg、0.4mg、0.5mg、0.6mg、0.7mg、0.8mg、0.9mg、1.0mg、1.1mg、1.2mg、1.3mg、1.4mg、1.5mg、1.6mg、1.7mg、1.8mg、1.9mg、2.0mg、2.1mg、2.2mg、2.3mg、2.4mg、2.5mg、2.6mg、2.7mg、2.8mg、2.9mg、3.0mg、3.1mg、3.2mg、3.3mg、3.4mg、3.5mg、3.6mg、3.7mg、3.8mg、3.9mg、4.0mg、4.1mg、4.2mg、4.3mg、4.4mg、4.5mg、4.6mg、4.7mg、4.8mg、4.9mg、5.0mg、5.1mg、5.2mg、5.3mg、5.4mg、5.5mg、5.6mg、5.7mg、5.8mg、5.9mg、6.0mg、6.1mg、6.2mg、6.3mg、6.4mg、6.5mg、6.6mg、6.7mg、6.8mg、6.9mg、7.0mg、7.1mg、7.2mg、7.3mg、7.4mg、7.5mg、7.6mg、7.7mg、7.8mg、7.9mg、8.0mg、8.1mg、8.2mg、8.3mg、8.4mg、8.5mg、8.6mg、8.7mg、8.8mg、8.9mg、9.0mg、9.1mg、9.2mg、9.3mg、9.4mg、9
.5mg、9.6mg、9.7mg、9.8mg、9.9mg、10.0mg又は前記任意の値が形成した範囲を1回量とする医薬組成物から選ばれる。
【0043】
「エンテカビル若しくは薬学的に許容されるその塩、その溶媒和物、又はその医薬組成物」
本願では、前記エンテカビルの化学名は2-アミノ-9-[(1S,3R,4S)-4-ヒドロキシ-3-ヒドロキシメチル-2-メチレンシクロペンチル]-1,9-ジヒドロ-6H-プリン-6-オンであり、次の構造式を有する。
【化3】
【0044】
いくつかの実施形態において、前記エンテカビルは薬学的に許容されるその塩を含み、前記薬学的に許容される塩はマレイン酸塩から選ばれる。いくつかの実施形態において、前記エンテカビルの薬学的に許容される塩はモノマレイン酸塩から選ばれる。
【0045】
いくつかの実施形態において、前記エンテカビルはその溶媒和物を含み、前記溶媒和物はエンテカビル水和物から選ばれる。いくつかの実施形態において、前記エンテカビル水和物はエンテカビル0.5-2水和物から選ばれる。いくつかの実施形態において、前記エンテカビル水和物はエンテカビル一水和物から選ばれる。
【0046】
いくつかの実施形態において、前記エンテカビルはエンテカビルモノマレイン酸塩、エンテカビル一水和物、又はエンテカビルモノマレイン酸塩一水和物から選ばれる。
【0047】
いくつかの実施形態において、エンテカビル又は薬学的に許容されるその塩、その溶媒和物は医薬組成物の形態である。好ましくは、前記医薬組成物は固体医薬組成物から選ばれる。前記固体医薬組成物は錠剤又はカプセルから選ばれることが好ましい。
【0048】
いくつかの実施形態において、前記エンテカビル又は薬学的に許容されるその塩、その溶媒和物の医薬組成物は0.01-5mgを1回量とする医薬組成物から選ばれ、好ましくは0.01mg、0.02mg、0.05mg、0.08mg、0.1mg、0.2mg、0.3mg、0.4mg、0.5mg、0.6mg、0.7mg、0.8mg、0.9mg、1.0mg、1.1mg、1.2mg、1.3mg、1.4mg、1.5mg、1.6mg、1.7mg、1.8mg、1.9mg、2.0mg、2.1mg、2.2mg、2.3mg、2.4mg、2.5mg、2.6mg、2.7mg、2.8mg、2.9mg、3.0mg、3.1mg、3.2mg、3.3mg、3.4mg、3.5mg、3.6mg、3.7mg、3.8mg、3.9mg、4.0mg、4.1mg、4.2mg、4.3mg、4.4mg、4.5mg、4.6mg、4.7mg、4.8mg、4.9mg、5.0mg又は前記任意の値が形成した範囲を1回量とする医薬組成物から選ばれる。
【0049】
本願では、前記エンテカビル若しくは薬学的に許容されるその塩、その溶媒和物、又はその医薬組成物は市販の製品から選ばれてもよい。
【0050】
「定義とその説明」
特に説明がある場合を除いて、本願で使用される下記の用語は、以下記載の意味を有する。特定の用語は、特に定義がある場合を除いて、確定しない又は不明瞭なものではなく、本分野の通常の意味で理解される。
【0051】
本願では、式I化合物又は薬学的に許容されるその塩はTLR7作用薬である。
【0052】
本願では、前記エンテカビルの化学名は2-アミノ-9-[(1S,3R,4S)-4-ヒドロキシ-3-ヒドロキシメチル-2-メチレンシクロペンチル]-1,9-ジヒドロ-6H-プリン-6-オンであり、次の構造式を有する。
【化4】
【0053】
本願では、前記式I化合物又は薬学的に許容されるその塩に係る一部の化合物の構造式と化学名は次のとおりである。

【化5】
【0054】
本願では、前記式I化合物はその非塩形態(例えば、遊離酸又は遊離塩基)を含み、薬学的に許容されるその塩をも含み、前記非塩又は塩はいずれも本願の保護範囲に含まれる。例えば、前記式I化合物の薬学的に許容される塩は塩酸塩、マレイン酸塩又はフマル酸塩である。
【0055】
本願では、前記エンテカビルはその非溶媒和物の形態を含み、その溶媒和物の形態をも含み、前記非溶媒和物又は溶媒和物はいずれも本願の保護範囲に含まれる。溶媒和物の形態から選ばれる場合に、化合物と溶媒の物質量の比は1:0.5、1:1、1:1.5、1:2又は任意の端点が形成した範囲から選ばれ、例えば、1:0.5-1:2、1:0.5-1:1.5、又は1:1-1:1.5である。例えば、前記エンテカビルは非溶媒和物の形態である。例えば、前記エンテカビルは水和物の形態である。例えば、前記エンテカビルは一水和物の形態である。
【0056】
本願では、前記用量は化合物の遊離形態の重量で計算され、前記遊離形態とは非塩化合物及び非溶媒和物を指す。
【0057】
用語「置換」又は「置換された」とは、特定の原子の原子価が正常であり且つ置換後の化合物が安定的なものでさえあれば、当該原子上の任意の1つ又は複数の水素原子が置換基によって置換されることを指す。置換基がオキソ(=O)である場合に、2つの水素原子が置換される。酸素置換はアリール基に起きない。
【0058】
用語「任意選択で」又はこれに似た表現は、続いて記載される事項又は状況が発生しても発生しなくてもよいことを指し、当該表現には前記事項又は状況が発生する場合及び前記事項又は状況が発生しない場合が含まれる。例えば、エチル基が「任意選択で」ハロゲンによって置換されるとは、エチル基は置換されなくてもよいし(-CHCH)、単置換されてもよいし(例えば、-CHCHF)、複数置換されてもよいし(例えば、-CHFCHF、-CHCHFなど)又は完全に置換されてもよい(例えば、-CFCF)。当業者が理解したように、1つ又は複数の置換基を含む基には、空間的に存在し得ない且つ/若しくは合成できないような置換又は置換形態が認められない。
【0059】
本明細書で「Cm-n」とは、当該部分は指定した範囲の整数の炭素原子を有すること
である。例えば「C1-6」とは、対象基が1個の炭素原子、2個の炭素原子、3個の炭素原子、4個の炭素原子、5個の炭素原子又は6個の炭素原子を有することである。
【0060】
化合物の組成又は構造で特定の変数(例えば、R)が1回以上出現した場合には、出現するたびに独立して定義される。したがって、例えば、1つの官能基が2つのRによって置換される場合に、それぞれのRは独立して選択される。
【0061】
特定の接続基の数が0であり、例えば、-(CH-である場合は、当該接続基が共有結合であることを表す。
【0062】
1つの置換基の結合が環の2つの原子と交差して接続される場合に、前記置換基は当該環の任意の原子と結合することができる。例えば、構造単位
【化6】
又は
【化7】
では、シクロヘキシル基又はシクロヘキサジエンの任意の位置で置換することができる。
【0063】
用語「ハロ」又は「ハロゲン」とはフッ素、塩素、臭素及びヨウ素を指す。
【0064】
用語「ヒドロキシ基」とは-OH基を指す。
【0065】
用語「シアノ基」とは-CN基を指す。
【0066】
用語「メルカプト基」とは-SHを指す。
【0067】
用語「アミノ基」とは-NH基を指す。
【0068】
用語「アルキル基」とはC2n+1を一般式とする炭化水素基を指す。アルキル基は直鎖でもよいし分岐鎖でもよい。例えば、用語「C1-6アルキル基」とは1-6個の炭素原子を含むアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、1-メチルブチル基、2-メチルブチル基、3-メチルブチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、2-メチルペンチル基など)を指す。同様に、アルコキシ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルキルスルホニル基及びアルキルチオ基のアルキル基(即ち-アルキル)部分には当該定義が適用される。
【0069】
用語「アルコキシ基」とは-O-アルキル基を指す。
【0070】
用語「シクロアルキル基」とは単環、架橋環又はスピロ環として存在する完全飽和の炭素環を指す。特に説明がある場合を除いて、当該炭素環は一般に3-10員環である。シクロアルキル基の非限定的な例は、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基(ビシクロ[2.2.1]ヘプチル基)、ビシクロ[2.2.2]オクチル基、アダマンタニル基などを含み、これらに限定されない。
【0071】
用語「環状炭化水素基」とは炭素原子と水素原子からなる飽和又は不飽和の非芳香族環状炭化水素基を指し、好ましくは1個又は2個の環を含む。前記環状炭化水素基は単環、縮合多環、架橋環又はスピロ環の構造である。環状炭化水素基の非限定的な例は、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル基、スピロ[3.3]ヘプチル基などを含み、これらに限定されない。
【0072】
用語「ヘテロシクリル基」とは、完全に飽和又は部分的に不飽和であり(ただし完全に不飽和のヘテロアリール基ではない)且つ単環、架橋環又はスピロ環として存在する非芳香族環を指す。特に説明がある場合を除いて、当該複素環は一般に硫黄、酸素及び/又は窒素から独立して選ばれる1-3個(好ましくは1個又は2個)のヘテロ原子を含む3-7員環である。ヘテロシクリル基の非限定的な例は、オキシラニル基、テトラヒドロフリル基、ジヒドロフリル基、ピロリジニル基、N-メチルピロリジニル基、ジヒドロピロリル基、ピペリジニル基、ピペラジニル基、ピラゾリジニル基、4H-ピラニル基、モルホリニル基、チオモルホリニル基、テトラヒドロチエニル基などを含み、これらに限定されない。
【0073】
用語「ヘテロシクロアルキル基」とは、単環、架橋環又はスピロ環として存在する完全飽和の環状基を指す。特に説明がある場合を除いて、当該複素環は一般に硫黄、酸素及び/又は窒素から独立して選ばれる1-3個(好ましくは1個又は2個)のヘテロ原子を含む3-7員環である。3員ヘテロシクロアルキル基の例は、オキシラニル基、チイラニル基、アジリジニル基を含み、これらに限定されず、4員ヘテロシクロアルキル基の非限定的な例は、アゼチジニル基、オキセタニル基、チエタニル基を含み、これらに限定されず、5員ヘテロシクロアルキル基の例は、テトラヒドロフリル基、テトラヒドロチエニル基、ピロリジニル基、イソオキサゾリジニル基、オキサゾリジニル基、イソチアゾリジニル基、チアゾリジニル基、イミダゾリジニル基、テトラヒドロピラゾリル基を含み、これらに限定されず、6員ヘテロシクロアルキル基の例は、ピペリジニル基、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロチオピラニル基、モルホリニル基、ピペラジニル基、1,4-チオキサニル基、1,4-ジオキサニル基、チオモルホリニル基、1,3-ジチアニル基、1,4-ジチアニル基を含み、これらに限定されず、7員ヘテロシクロアルキル基の例は、アゼパニル基、オキセパニル基、チエパニル基を含み、これらに限定されない。5個又は6個の環原子を有する単環式ヘテロシクロアルキル基であることが好ましい。
【0074】
用語「複素環状炭化水素基」と単環、縮合多環、架橋環又はスピロ環の非芳香族環状基を指し、その一部の環原子がN、O、S(O)(nは0、1又は2)から選ばれるヘテロ原子であり、残りの環原子はCである。このような環は飽和でもよいし又は不飽和でもよく(例えば、1つ又は複数の二重結合を有する)、ただし完全共役のπ電子系を有しない。3員の複素環状炭化水素基の例は、オキシラニル基、チイラニル基、アジリジニル基を含み、これらに限定されず、4員の複素環状炭化水素基の例は、アゼチジニル基、オキセタニル基、チエタニル基を含み、これらに限定されず、5員の複素環状炭化水素基の例は、テトラヒドロフリル基、テトラヒドロチエニル基、ピロリジニル基、イソオキサゾリジニル基、オキサゾリジニル基、イソチアゾリジニル基、1,1-ジオキソイソチアゾリジニル基、チアゾリジニル基、イミダゾリジニル基、テトラヒドロピラゾリル基、ピロリニル基、ジヒドロフリル基、ジヒドロチエニル基を含み、これらに限定されず、6員の複素環状炭化水素基の例は、ピペリジニル基、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロチオピラニル基、モルホリニル基、ピペラジニル基、1,4-チオキサニル基、1,4-ジオキサニル基、チオモルホリニル基、1,2-、1,4-ジチアニル基、ジヒドロピリジル基、テトラヒドロピリジル基、ジヒドロピラニル基、テトラヒドロピラニル基、ジヒドロチオピラニル基を含み、これらに限定されず、7員の複素環状炭化水素基の例は、アゼパニル基、オキセパニル基、チエパニル基、オキサアザビシクロ[2.2.1]ヘプチル基
、アザスピロ[3.3]ヘプチル基などを含み、これらに限定されない。
【0075】
用語「アリール基」とは共役のπ電子系の全炭素単環又は縮合多環を有する芳香族環状基を指す。例えば、アリール基は6-20個の炭素原子、6-14個の炭素原子又は6-12個の炭素原子を有する。アリール基の非限定的な例は、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレンなどを含み、これらに限定されない。
【0076】
用語「ヘテロアリール基」とは、少なくとも1つの環原子がN、O、Sから選ばれ、残りの環原子はCであり、且つ少なくとも1つの芳香環を有する単環又は縮合多環の環系を指す。ヘテロアリール基は5-8員環を1つ、又は6-14個、特に6-10個の環原子を含む複数の縮合環を有することが好ましい。ヘテロアリール基の例は、ピロリル基、フリル基、チエニル基、イミダゾリル基、オキサゾリル基、ピラゾリル基、ピリジル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、テトラゾリル基、トリアゾリル基、トリアジニル基、ベンゾフリル基、ベンゾチエニル基、インドリル基、イソインドリル基などを含み、それらに限定されない。
【0077】
本願に係る化合物は、例えば、1つ又は複数の立体異性体を有するなど、非対称のものであってもよい。特に説明がある場合を除いて、エナンチオマー、ジアステレオマーをはじめすべての立体異性体が含まれる。本願で非対称炭素原子を含む化合物は光学的に純粋な形態又はラセミ形として分離することができる。光学的に純粋な形態はラセミ混合物から分離することができ、又は不斉原材料若しくは不斉試薬を使用して合成することができる。
【0078】
用語「投与」とは、当業者の知っている様々な方法と送達系のいずれかを利用して、治療薬を含む組成物を対象に物理的に導入することを意味する。
【0079】
用語「治療」とは一般に所望の薬理学的及び/又は生理学的な効果を得ることを指す。当該効果は疾患及び/又は疾患に伴う副作用を部分的に又は完全に安定させ又は治癒することである場合に、治療を目的とする。本明細書で使用する用語「治療」は、患者の疾患に対する任意の治療として、(a)疾患の症状の阻害、即ちその進展の阻止、又は(b)疾患の症状の寛解、即ち疾患若しくは症状の解消を含む。
【0080】
用語「有効量」とは、(i)特定の疾患、症状又は障害を治療若しくは予防し、(ii)特定の疾患、症状又は障害の1種又は複数種の症状を軽減、改善若しくは解消し、又は(iii)本明細書に記載の特定の疾患、症状若しくは障害の1種又は複数種の症状の発生を予防又は遅延させる、本願に係る化合物の用量を指す。本願に係る化合物の「治療有効量」は当該化合物自体、疾患の状態とその重症度、投与方式及び治療対象哺乳動物の年齢から決められるが、当業者がその知識や本開示の内容に基づいて決定することができる。
【0081】
用語「個体」とは哺乳動物であってもよい。いくつかの実施形態において、対象はマウスである。いくつかの実施形態において、前記対象はヒトである。
【0082】
本願では、前記式I化合物又は薬学的に許容されるその塩を任意の適切な経路と方法によって投与することができ、例えば、経口又は非経口(例えば、静脈内)で投与する。式I化合物又は薬学的に許容されるその塩の治療有効量は約0.0001-20mg/kg重量/日を含み、これらに限定されず、例えば、0.001-10mg/kg重量/日である。式I化合物又は薬学的に許容されるその塩の用量と投与頻度は、重症度、疾患の応答、治療関連の毒性、患者の年齢、健康状態を含め患者個体のニーズから決定され、例え
ば、1日1回若しくは2回、又は1日3回以上である。投与を間欠的に行うことができる。例えば、数日間にわたって、対象に式I化合物又は薬学的に許容されるその塩の1日用量を投与し、続いて数日間又はそれより長い期間に、患者に式I化合物又は薬学的に許容されるその塩の1日用量を投与しない。
【0083】
エンテカビルを様々な経路で投与することができ、当該経路は経口、非経口、腹腔内、静脈内、動脈内、経皮、舌下、筋肉内、経直腸、経頬、鼻腔内、吸入、経膣、眼内、局所投与、皮下、脂肪内、関節内、腹腔内、髄腔内を含み、これらに限定されない。いくつかの特定の実施形態において、経口投与する。エンテカビルの投与量は疾患の重症度、疾患の応答、治療関連の毒性、患者の年齢又は健康状態で決定することができる。例えば、エンテカビルの1日用量は0.005-10.0mgである。エンテカビルを1日1回又は複数回投与することができる。いくつかの実施形態において、エンテカビルの経口固形製剤を1日1回投与する。
【0084】
用語「約」とは平均値の3つの標準偏差まで又は特定分野では標準公差までを含むと理解される。いくつかの実施形態において、「約」とは差が0.5を超えないと理解される。「約」はその後に記される値を修飾する。例えば、「約1、2、3」とは「約1」、「約2」、「約3」を意味する。
【0085】
用語「薬物の組み合わせ」とは2種以上の有効成分を同時に、並行して又は連続して組み合わせて使用することを指す。
【0086】
用語「確定の組み合わせ」とは、有効成分(例えば、TLR7作用薬又はエンテカビル)を確定の総用量若しくは用量比で、又は単一の実体、医薬組成物若しくは製剤の形態で同時に対象に投与することを指す。いくつかの実施形態において、例えば、同一の錠剤又は同一のカプセル又は同一の小袋に存在する。
【0087】
用語「不確定の組み合わせ」とは、2種以上の有効成分を独立する実体(例えば、医薬組成物、製剤)として同時に、並行して又は連続して且つ特に時間上の制限がなく個体に投与することを指し、個体に投与される前記有効成分が治療有効量のレベルに達している。不確定の組み合わせの例として挙げられるのはカクテル療法で、例えば、2種、3種又はそれ以上の有効成分を投与する。不確定の組み合わせにおいて、前記各有効成分を完全に独立する医薬組成物として包装、販売又は投与することができる。前記「不確定の組み合わせ」は複数の「確定の組み合わせ」、又は「確定の組み合わせ」と任意の1種若しくは複数種の有効成分の独立する実体との併用を含む。
【0088】
用語「医薬組成物」とは1種又は複数種の本願に係る化合物又はその薬物の組み合わせ又はその塩と薬学的に許容される添加物からなる混合物を指す。医薬組成物は対象に本願に係る化合物又はその薬物の組み合わせを投与しやすいようにしたものである。
【0089】
用語「薬学的に許容される」とは、ヒト又は動物の組織に接触して使用するのに適し、毒性又は刺激性はなく、アレルギー反応、その他の問題又は合併症を引き起こさないと医学的に判断され、利益対リスクが合理的である化合物、材料、組成物及び/又は剤形に対して使用される。
【0090】
用語「薬学的に許容される塩」又はこれに似た表現とは、「薬学的に許容される」という定義の範囲内の本願に係る化合物の塩を指す。
【0091】
特に説明がある場合を除いて、単数形は複数形をカバーし、また複数形は単数形をカバーしている。特に説明がある場合を除いて、用語「1つ」又は「1種」は「少なくとも1
つ」又は「少なくとも1種」を意味する。特に説明がある場合を除いて、「又は」は「及び/又は」の意味で使用される。
【0092】
本明細書で、特に説明がある場合を除いて、用語「含む」又は同等な用語は開放的な表現で、列挙されている要素、成分又はステップの他に、明記していない要素、成分又はステップを含んでもよいことを意味する。
【0093】
本明細書では説明と開示の目的で、特許、特許出願又は既存の刊行物のすべてがここに組み込まれる。これらの刊行物は本願の出願日前に発表されているため提供できる。これらの書類の開示日に関する声明やその内容の記載は出願人が知り得た情報に基づくもので、これらの書類の開示日やその内容が正しいと承諾するものではない。しかもどの国においても、これらの刊行物の援用で、当該刊行物が本分野の周知の常識になると認めるものではない。
【0094】
「投与方式」
下記の内容は本願に係る薬物の組み合わせの投与方式を限定するものではない。
【0095】
本願に係る薬物の組み合わせの有効成分はそれぞれ単独で調製されてもよいし、又はその一部若しくは全部が同時に調製されてもよい。一実施形態において、本願に係る薬物の組み合わせは1回又は複数回の投与に適する医薬組成物として製造されてもよい。
【0096】
本願に係る薬物の組み合わせの有効成分はそれぞれ単独で投与されてもよいし、又はその一部若しくは全部が同時に投与されてもよい。本願に係る薬物の組み合わせの有効成分は実質的に非同時に投与されてもよいし、又はその一部若しくは全部が実質的に同時に投与されてもよい。
【0097】
本願に係る薬物の組み合わせの有効成分をそれぞれ独立して、又はその一部若しくは全部を、経口、非経口(静脈内、筋肉内、局所又は皮下)を含み、これらに限定されない適切な経路で同時に投与することができる。いくつかの実施形態において、本願に係る薬物の組み合わせの有効成分をそれぞれ独立して、又はその一部若しくは全部を同時に経口投与又は注射投与することができ、例えば、静脈注射又は腹腔内注射投与する。
【0098】
本願に係る薬物の組み合わせの有効成分はそれぞれ独立して、又はその一部若しくは全部は同時に、錠剤、トローチ、ピル、カプセル(例えば、ハードカプセル、ソフトカプセル、腸溶カプセル、マイクロカプセル)、エリキシル剤、顆粒剤、シロップ、注射剤(筋肉内、静脈内、腹腔内)、粉末、エマルジョン、懸濁液、溶液、分散剤、経口又は非経口投与用の徐放性製剤用剤形を含み、これらに限定されない適切な剤形であってもよい。
【0099】
本願に係る薬物の組み合わせの有効成分はそれぞれ独立して、又はその一部若しくは全部が同時に薬学的に許容される担体及び/又は賦形剤を含んでもよい。
【0100】
本願に係る薬物の組み合わせは他の治療薬をさらに含んでもよい。一実施形態において、前記他の治療薬は本分野で知られているB型肝炎ウイルス感染を治療する治療薬であってもよい。
【0101】
いくつかの実施形態において、これを必要とする個体に有効量の本願に係る式I化合物又は薬学的に許容されるその塩及びエンテカビル又は薬学的に許容されるその塩、その溶媒和物を同時に、順に又は間隔をあけて投与することができる。
【0102】
いくつかの実施形態において、有効量の前記式I化合物又は薬学的に許容されるその塩
及びエンテカビル又は薬学的に許容されるその塩、その溶媒和物を、同じ又は異なる投与計画でこれを必要とする個体に投与することができる。
【0103】
いくつかの実施形態において、前記式I化合物又は薬学的に許容されるその塩を1日に3回投与し、1日に2回投与し、1日に1回投与し、2日に1回投与し、3日に1回投与し、4日に1回投与し、5日に1回投与し、6日に1回投与し、週に1回投与し、2週に1回投与し、又は3週に1回投与する。
【0104】
いくつかの実施形態において、前記式I化合物又は薬学的に許容されるその塩を毎回は0.1-10.0mgの用量、好ましくは0.1mg、0.2mg、0.3mg、0.4mg、0.5mg、0.6mg、0.7mg、0.8mg、0.9mg、1.0mg、1.1mg、1.2mg、1.3mg、1.4mg、1.5mg、1.6mg、1.7mg、1.8mg、1.9mg、2.0mg、2.1mg、2.2mg、2.3mg、2.4mg、2.5mg、2.6mg、2.7mg、2.8mg、2.9mg、3.0mg、3.1mg、3.2mg、3.3mg、3.4mg、3.5mg、3.6mg、3.7mg、3.8mg、3.9mg、4.0mg、4.1mg、4.2mg、4.3mg、4.4mg、4.5mg、4.6mg、4.7mg、4.8mg、4.9mg、5.0mg、5.1mg、5.2mg、5.3mg、5.4mg、5.5mg、5.6mg、5.7mg、5.8mg、5.9mg、6.0mg、6.1mg、6.2mg、6.3mg、6.4mg、6.5mg、6.6mg、6.7mg、6.8mg、6.9mg、7.0mg、7.1mg、7.2mg、7.3mg、7.4mg、7.5mg、7.6mg、7.7mg、7.8mg、7.9mg、8.0mg、8.1mg、8.2mg、8.3mg、8.4mg、8.5mg、8.6mg、8.7mg、8.8mg、8.9mg、9.0mg、9.1mg、9.2mg、9.3mg、9.4mg、9.5mg、9.6mg、9.7mg、9.8mg、9.9mg、10.0mg、又は前記任意の値が形成した範囲の用量で投与する。いくつかの実施形態において、前記式I化合物又は薬学的に許容されるその塩を毎回は0.2-5.0mg、0.4-4.0mg、0.5-3.0mg、0.6-2.6mg、0.8-2.2mg、0.8-1.8mg、1.0-2.0mg、1.0-1.8mg、又は1.0-1.6mgの用量で投与する。
【0105】
いくつかの実施形態において、前記式I化合物又は薬学的に許容されるその塩を週に1回投与し、毎回は0.2-5.0mg、0.4-4.0mg、0.5-3.0mg、0.6-2.6mg、0.8-2.2mg、0.8-1.8mg、1.0-2.0mg、1.0-1.8mg、又は1.0-1.6mgの用量で投与する。いくつかの実施形態において、前記式I化合物又は薬学的に許容されるその塩を週に1回投与し、毎回は1.0-1.8mgの用量で投与する。
【0106】
いくつかの実施形態において、前記エンテカビル又は薬学的に許容されるその塩、その溶媒和物を1日に3回投与し、1日に2回投与し、1日に1回投与し、2日に1回投与し、3日に1回投与し、4日に1回投与し、5日に1回投与し、6日に1回投与し、週に1回投与し、2週に1回投与し、又は3週に1回投与する。
【0107】
いくつかの実施形態において、前記エンテカビル又は薬学的に許容されるその塩、その溶媒和物を毎回は0.005-5.0mgの用量で、好ましくは0.01mg、0.05mg、0.1mg、0.2mg、0.3mg、0.4mg、0.5mg、0.6mg、0.7mg、0.8mg、0.9mg、1.0mg、1.1mg、1.2mg、1.3mg、1.4mg、1.5mg、1.6mg、1.7mg、1.8mg、1.9mg、2.0mg、2.1mg、2.2mg、2.3mg、2.4mg、2.5mg、2.6mg、2.7mg、2.8mg、2.9mg、3.0mg、3.1mg、3.2mg、3.3mg、3.4mg、3.5mg、3.6mg、3.7mg、3.8mg、3.9mg、4.0
mg、4.1mg、4.2mg、4.3mg、4.4mg、4.5mg、4.6mg、4.7mg、4.8mg、4.9mg、5.0mg又は前記任意の値が形成した範囲の用量で投与する。いくつかの実施形態において、前記エンテカビル又は薬学的に許容されるその塩、その溶媒和物を毎回は0.05-5.0mg、0.10-2.0mg、0.25-2.0mg、0.5-1.0mgの用量で投与する。
【0108】
いくつかの実施形態において、前記エンテカビル又は薬学的に許容されるその塩、その溶媒和物を1日に1回投与し、毎回は0.10-2.0mgの用量で投与する。いくつかの実施形態において、前記エンテカビル又は薬学的に許容されるその塩、その溶媒和物を1日に1回投与し、毎回は0.5mgの用量で投与することができる。
【0109】
いくつかの実施形態において、前記TLR7作用薬(即ち、式I化合物)を週に1回投与し、毎回は1.0-1.8mgの用量で投与する。前記エンテカビルを1日に1回投与し、毎回は0.5mgの用量で投与する。
【発明の効果】
【0110】
本願に係る薬物の組み合わせは顕著にHBV DNAレベルを低下させ又は他のHBV指標を改善することができ、しかも単剤と比べて、本願に係る薬物の組み合わせは顕著な増強効果を示している。これは本願に係る薬物の組み合わせは薬用価値が高いことを示している。
【図面の簡単な説明】
【0111】
図1図1はAAVマウスの血清におけるHBV DNA複製レベルに対するTLR7作用薬の影響である。
【発明を実施するための形態】
【0112】
次に、実施例を用いて本願を一層説明し、ただし本願の範囲がこれらの実施例に限定されない。本願で使用される試薬はいずれも市販品で、精製しなくても使用できる。
【0113】
実施例1:AAVマウス試験
1.1.試験薬
本実施例で、前記TLR7作用薬は
【化8】
(2-ブトキシ-7-(4-(ピロリジン-1-イルメチル)ベンジル)-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン)であり、製造方法は文献WO2016023511を参照することができる。
【0114】
本実施例で、エンテカビルは一水和物で使用する。
【0115】
1.2.試験方法及び群分け
6-8週齢の雄C57BL/6マウス(上海斯▼ライ▲克実験動物有限公司)を用い、用量1×1011vgの尾静脈注射により、rAAV8-1.3HBVウイルス(北京五加和分子医学研究所)をC57BL/6マウスの体内に投与した。ウイルス注射後の2週目、4週目に、マウスの眼窩より採血し、血清を分離して、血清中のHBV DNAコピ
ー数を測定することにより、モデル作成の成否を判断した。HBV DNAコピー数に基づいてマウスをランダムに群分けし、溶媒コントロール、TLR7作用薬群(20mg/kg、tiw)、エンテカビル(ETV)群(0.0032(1週目、1W)と0.001(2-6週目、2-6W)mg/kg、qd)、TLR7作用薬とETV併用群を設置し、各群は6匹とした。各群のマウスには6週連続して胃内投与して、3週休薬した。投与の1週目、2週目、3週目、4週目、5週目、6週目及び休薬の1、2、3週目に、それぞれ眼窩採血し、血清を分離して、蛍光定量PCR法で血清中のHBV DNAコピー数を検出した。
【0116】
群:
i.溶媒コントロール、
ii.単剤群:エンテカビル群、
iii.単剤群:TLR7作用薬群、
iv.併用群(combo):TLR7作用薬とエンテカビル。
【表1-1】
注:i.g.:胃内投与、qd:1日1回投与、tiw:3日1回投与、6w:6週。併用群の投与方法は単剤群の投与方法と一致する。
【0117】
1.3.薬物の組み合わせの評価方法
金(金正均)氏法を用いて本試験の結果を評価した。金氏法はBurgi氏法の算式の欠点を分析し修正を入れて得た方法で、確率加算法とも呼ばれる。
式:q=EA+B/(E+E-E×E)で複合効果を計算する。
ここで、EはA薬単独投与時の効果を表し、EはB薬単独投与時の効果を表し、EA+BはA、B両方を組み合わせて投与した後の効果を表す。
【0118】
q値の意味は次のとおりである。0.85以上1.15以下は単純の和であり、1.15を超え20以下は増強であり、20を超える場合は顕著な増加であり、0.55以上0.85未満は拮抗であり、0.55未満は顕著な拮抗である。q値は絶対値を使用する。
【0119】
1.4.結果
結果は表1-2、表1-3、表1-4及び図1を参照する。
【表1-2】
注:溶媒コントロールと比べ、*がP<0.05を、**がP<0.01を、***がP<0.001を表す。
【表1-3】
注:溶媒コントロールと比べ、*がP<0.05を、**がP<0.01を、***がP<0.001を表す。
【表1-4】
42日の治療期間において、エンテカビル及びTLR7作用薬の単剤群(群ii及び群iii)でマウスのHBV DNAが顕著に低減し、併用群(群iv)でHBV DNAが顕著に低減し、しかもq値の結果は併用投与が優れた相乗効果を有することを示している。
【0120】
(実施例2)
1.試験薬
本実施例で、前記TLR7作用薬は
【化9】
(2-ブトキシ-7-(4-(ピロリジン-1-イルメチル)ベンジル)-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン)であり、製造方法は文献WO2016023511を参照することができる。0.2mg/錠又は0.5mg/錠の錠剤として製造して使用する。
【0121】
エンテカビルは市販のエンテカビル錠剤で、0.5mg/錠である。市販のエンテカビル錠剤はエンテカビル分散錠(潤衆(登録商標))を含み、これに限定されない。
【0122】
偽薬は、TLR7作用薬の偽薬である。
【0123】
2.組み入れ対象
下記のすべての基準を満たさなければならない。
1)18-65歳(含む)の男性患者及び非妊娠、非授乳中の女性患者。
2)血清ウイルス学的基準:血清HBsAg陽性が6ヶ月以上持続し又は慢性B型肝炎を6ヶ月罹患している証拠がある。
3)治療経験のある患者:組み入れ24週前に病歴にはHBV DNA阻害<正常な検出下限と記録があり、スクリーニングでロシュ社のHBV試薬によるHBV DNA阻害検出の定義は<69IU/mLであり、Fibroscan≦9.0Kpa(空腹)で、ALT≦5×ULNである。
4)初回患者:HBV DNA>10コピー/mL(又は>20000IU/mL)のHBeAg陽性慢性B型肝炎患者、又はHBV DNA>10コピー/mL(又は>2000IU/mL)のHBeAg陰性患者であり、ロシュ社のCobas Taqman二世代を用いてリアルタイム定量PCR法で検出し、検出下限値は20IU/mLであり、Fibroscan≦12.4Kpa(空腹)で、1×ULN≦ALT≦5×ULNである。前記初回患者とは、抗HBVウイルス薬治療を受けたことがなく又は関連の臨床試験に参加したことがない者をいう。
【0124】
3.投与計画
TLR7作用薬を週1回投与した。
エンテカビルを0.5mg/日の用量で、1日1回投与した。
【0125】
群1は合計で12例の対象で、そのうち8例はTLR7作用薬とエンテカビルの併用を1.2mg服用し、4例は偽薬とエンテカビルの併用を服用し、合計で24週間服用した。
【0126】
群2、群3、群4はそれぞれ36例の対象で、TLR7作用薬:偽薬=5:1の比率でランダムに投与した。それぞれTLR7作用薬とエンテカビルの併用又は偽薬とエンテカビルの併用1.0mg(群2)、TLR7作用薬とエンテカビルの併用又は偽薬とエンテカビルの併用1.5mg(群3)、TLR7作用薬とエンテカビルの併用又は偽薬とエンテカビルの併用1.8mg(群4)を投与した。各用量群は合計で24週間服用した。
【0127】
4.有効性指標
確定指標:血清HBsAg、HBeAg、HBV DNAなど。
検討指標:HBV RNA、HBcrAgなど。
【0128】
各群における各検出時点の指標パラメータの平均含有量及びベースラインに対する変化値の説明では平均、標準偏差、中央値、四分位数、最小値及び最大値を用い、反復測定混合効果モデル(MMRM)を採用し、群、ベースライン値、検出時点、及び群と検出時点の交互作用項を固定効果とし、対象及び切片項をランダム効果として、各群の各検出時点の指標パラメータのベースラインに対する変化値をそれぞれ偽薬群と比較し、ダネット(Dunnett’s)法で校正した。
【0129】
5.結果
すべてのTLR7作用薬とエンテカビル併用群では患者におけるHBV DNA複製が顕著に阻害されていた。TLR7作用薬と偽薬併用群ではHBV DNA複製に対する阻害が実現していた。エンテカビルと偽薬併用群でもHBV DNA複製への阻害効果が認められた。
図1
【手続補正書】
【提出日】2022-11-17
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0001】
「関連出願の相互参照」
本願は2019年9月29日に中国国家知識産権局に提出した中国特許出願第201910933558.8号の優先権を主張し、その全体の内容を参照して本明細書に組み込む。
本願は医薬品化学分野に属し、TLR7作用薬を含む薬物の組み合わせに関する。具体的には、TLR7作用薬としての式I化合物とエンテカビルを併用してB型肝炎ウイルス感染を治療する薬物の組み合わせ及び使用に関する。
【国際調査報告】