(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-01
(54)【発明の名称】熱縮合反応器
(51)【国際特許分類】
B01J 8/26 20060101AFI20221124BHJP
C07F 7/12 20060101ALI20221124BHJP
【FI】
B01J8/26
C07F7/12 Q
C07F7/12 L
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022519795
(86)(22)【出願日】2020-09-30
(85)【翻訳文提出日】2022-03-29
(86)【国際出願番号】 US2020053447
(87)【国際公開番号】W WO2021067379
(87)【国際公開日】2021-04-08
(32)【優先日】2019-10-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】590001418
【氏名又は名称】ダウ シリコーンズ コーポレーション
(71)【出願人】
【識別番号】502141050
【氏名又は名称】ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】モルナール、マイケル
(72)【発明者】
【氏名】プンガヌール、モハン、ヴイ.
【テーマコード(参考)】
4G070
4H049
【Fターム(参考)】
4G070AA01
4G070AB05
4G070BB33
4G070CA05
4G070CA17
4G070CA25
4G070CB17
4G070DA23
4H049VN01
4H049VP01
4H049VQ02
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4H049VR23
4H049VR31
4H049VR33
4H049VS02
4H049VS12
4H049VW01
4H049VW02
4H049VW14
(57)【要約】
本明細書では、熱縮合反応器およびそれを使用するプロセスが説明される。説明される熱縮合反応器は、熱伝達チャンバであって、熱伝達チャンバが、第1の方向における流動化ガス流を有する流動床であり、熱伝達チャンバが、異なる温度に維持され得る複数の加熱ゾーンを有する、熱伝達チャンバと、流動化ガス流に対して垂直な第2の方向に熱伝達チャンバ内に配設された複数の反応管であって、各反応管が、複数の加熱ゾーンを通過する反応ガス流を有する、複数の反応管と、を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱縮合反応器であって、
熱伝達チャンバであって、前記熱伝達チャンバが、第1の方向における流動化ガス流を有する流動床であり、前記熱伝達チャンバが、異なる温度に維持される複数の加熱ゾーンを備える、熱伝達チャンバと、
前記流動化ガス流に対して垂直である第2の方向に前記熱伝達チャンバ内に配設された複数の反応管であって、前記複数の反応管の各々が、前記複数の加熱ゾーンを通過する反応ガス流を有する、複数の反応管と、を備える、熱縮合反応器。
【請求項2】
前記流動化ガス流が垂直であり、前記反応ガス流が水平である、請求項1に記載の熱縮合反応器。
【請求項3】
シュラウドガスを導入するためのポートをさらに備え、前記シュラウドガスが、前記複数の反応管の各々の一部を通って流れる、請求項1に記載の熱縮合反応器。
【請求項4】
前記反応ガスが、塩化ビニルおよびトリクロロシランの混合物であり、前記シュラウドガスが、四塩化ケイ素である、請求項3に記載の熱縮合反応器。
【請求項5】
前記複数の反応管の各々が、グラファイト、炭素繊維/炭素複合体、炭化ケイ素をコーティングしたイソモールドグラファイト、または炭化ケイ素のいずれかを含む内部ライナと統合されたシーリンググランドと関連付けられる、請求項1に記載の熱縮合反応器。
【請求項6】
前記複数の反応管の前記ガス流入口を覆うためのボンネットをさらに備える、請求項1に記載の熱縮合反応器。
【請求項7】
前記複数の反応管の前記ガス流出口を覆うための浮動ヘッドをさらに備え、前記浮動ヘッドが、前記第2の方向に移動可能である、請求項1に記載の熱縮合反応器。
【請求項8】
前記浮動ヘッドを含む冷却遷移ユニットをさらに備え、前記冷却遷移ユニットもまた、流動床である、請求項7に記載の熱縮合反応器。
【請求項9】
熱膨張に対応するために、前記熱伝達チャンバと関連付けられた1つ以上のローラ支持体をさらに備える、請求項1に記載の熱縮合反応器。
【請求項10】
前記熱伝達チャンバ内に配設された1つ以上のバッフルをさらに備える、請求項1に記載の熱縮合反応器。
【請求項11】
アルケニル官能性ハロシランを生成するためのプロセスであって、
ハロゲン化アルケニルおよびヒドリド官能性ハロシランを予備混合して、反応ガスを生じさせることと、
前記反応ガスを、流動床内に水平方向に配置された複数の反応管に導入することと、
前記反応ガスに前記流動床内の複数の加熱ゾーンを通過させることであって、前記複数の加熱ゾーンが、異なる温度に維持される、通過させることと、を含む、プロセス。
【請求項12】
前記ヒドリド官能性ハロシランおよびハロゲン化水素のハロゲン化生成物を含むシュラウドガスで前記反応ガスを希釈することをさらに含む、請求項11に記載のプロセス。
【請求項13】
前記ハロゲン化アルケニルが、塩化ビニルである、請求項11または12に記載のプロセス。
【請求項14】
前記ヒドリド官能性ハロシランが、化学式R
wH
xSiX
(4-w-x)を有し、ここで、添え字、添え字wが、0~2であり、添え字xが、1~3であり、量(w+x)が、1~3であり、各Rが、脂肪族不飽和のない1~18個の炭素原子の、独立して選択された一価の炭化水素族であり、各Xが、独立して選択されたハロゲン原子である、請求項11~13のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項15】
前記ヒドリド官能性ハロシランが、トリクロロシランである、請求項14に記載のプロセス。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年10月1日に出願された米国仮出願第62/908,802号に優先権を主張するものであり、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
特定の化学反応、例えば熱縮合または脱塩化水素反応は、高温を必要とし、かつ腐食性反応物質を含む場合がある。1つのそのような反応は、トリクロロシラン(HSiCl3)と塩化ビニル(H2C=CHCl)との気相反応であり、温度が500℃を超えるまで急速に進行しない。この反応は、大部分の冶金に対して(例えば、耐性のために高レベルのNi、Cr、およびMoを含有するものであっても)腐食性である、塩化水素(HCl(g))を遊離させる。さらに、これらの温度では、トリクロロシランがニッケル含有金属と反応して、金属間ケイ素化合物を形成し、これが次にHClでエッチングされて、腐食/点食速度の増加につながる。好ましくない副反応は、例えば、トリクロロシランが過剰であるときに、塩化ビニルの煤煙への分解を生じ得る。煤煙は、運用およびメンテナンスの問題につながり得る。同様に、トリクロロシランが化学量論的に過剰に送給された場合、1,2-ビス(トリクロロシリル)エタンおよび他の重シリコン系化合物の形成が顕著になり、不用なクロロシランをもたらす。
【0003】
したがって、これらの問題を回避する熱縮合反応器およびそれを使用するプロセスが必要である。
【発明の概要】
【0004】
本明細書では、熱縮合反応器(およびそれを使用するプロセス)が説明される。ここで説明される熱縮合反応器は、熱伝達チャンバであって、熱伝達チャンバが、第1の方向における流動化ガス流を有する流動床であり、熱伝達チャンバが、異なる温度に維持され得る複数の加熱ゾーンを有する、熱伝達チャンバと、流動化ガス流に対して垂直な第2の方向に熱伝達チャンバ内に配設された複数の反応管であって、各反応管が、複数の加熱ゾーンを通過する反応ガス流を有する、複数の反応管と、を備える。また、ビニルトリクロロシランおよび他のアルケニル官能性ハロシランを生成するためのプロセスも説明され、該プロセスは、塩化ビニルおよびヒドリド官能性ハロシランを予備混合して、反応ガスを生じさせることと、流動床の基部に対して水平方向に配置された複数の反応管に反応ガスを導入することと、反応ガスに流動床の複数の加熱ゾーンを通過させることであって、複数の加熱ゾーンが、異なる温度に維持される、通過させることと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図2】
図1の例示的な熱縮合反応器の断面図である。
【
図4】例示的な抵抗コイル加熱素子の側面斜視図である。
【
図6】反応管を含む例示的なプロセスの変換関数としての収率プロットである。
【発明を実施するための形態】
【0006】
図1は、頂部分を取り除いた熱縮合反応器100の側面斜視図である。反応器100は、熱伝達チャンバ102を含む。下で説明するように、熱伝達チャンバ102は、好ましくは流動床チャンバである。熱伝達チャンバ102は、複数の加熱ゾーン102a~cを含む。加熱ゾーンは、異なる温度に維持することが可能である。例えば、各加熱ゾーンは、それ自体の温度制御を有する。一実施形態では、加熱ゾーンの能力を利用して、発熱反応の初期段階に比較的多くのエネルギーを供給し、反応の後続の段階に比較的少ないエネルギーを供給するために、さらには、例えば、発熱がますます強まるにつれて、反応を冷却し得る。したがって、異なる温度に維持する能力は、広義に解釈されることを意図しており、例えば、反応サイクルの全体にわたって発熱反応を実質的に同じ温度に維持することを含み、これは、必然的に、異なる加熱ゾーンを異なる温度に保持することを含む。3つの加熱ゾーン102a~cが例示されているが、熱伝達チャンバ102が少なくとも2つの加熱ゾーンを有するのであれば、熱伝達チャンバ102が任意の数の加熱ゾーンを含み得ることを理解されたい。加熱ゾーンは、熱伝達チャンバの外部の一連の抵抗コイル加熱素子(例えば、
図4の加熱源400など)、熱伝達チャンバの内部のパルス燃焼加熱器ユニット、などの加熱源によって作成され得る。加熱ゾーンは、熱伝達流体によって冷却されるヒートパイプまたは浸漬式熱交換器のいずれかの使用を通じて、流動固体からいくらかの熱を除去し、同時に、プロセスに熱を供給する能力を維持し得る。加熱ゾーンは、流動化ガス流量によって(例えば、それによっても)作成され得る。各加熱ゾーン102a~cは、それぞれの加熱ゾーン内の所望の温度を達成するために、それ自体の論理制御を有する。
【0007】
熱入力を必要とするゾーンの熱損失を低減させるために、耐火材料および他の断熱材料が使用され得る。材料の位置は、使用される技術に応じて異なり得る。例えば、パルス燃焼ユニットによって熱入力が駆動される場合、耐火材料は、チャンバの内部に採用され得るが、抵抗加熱要素が採用される場合は、熱伝達チャンバの外部に耐火物を使用することが有利となる。内部耐火材料は、腐食に対して追加的な利点を有するが、腐食はまた、表面硬化金属肉盛をチャンバに適用して、または高速酸素燃料(HVOF)によるセラミックコーティングを金属表面に適用して対処することもできる。
【0008】
熱縮合反応器100は、固定入口ヘッド104を含む。静止入口ヘッド104は、熱伝達チャンバ102に取り付けられる。反応物質は、固定ヘッド104(例えば、入口側)に進入する。
【0009】
熱縮合反応器100は、複数の反応管106を含む。例示を簡単にするために、106と番号付けされた単一の反応管が表されているが、複数の管が想到されるため、本開示の全体を通して反応管106を参照する。複数の反応管106は、固定ヘッド104と流体連通し、熱伝達チャンバ102を通って延在している。したがって、反応物質は、固定ヘッド104において複数の反応管106に進入し、熱伝達チャンバ102内の複数の反応管を通して搬送されて、複数の加熱ゾーン102a~cを受ける。反応物質は、熱伝達チャンバ102からシールされる。
【0010】
熱伝達チャンバの管および本体と支持体との間の示差熱膨張に対処しなければならない。熱縮合反応器100は、浮動ヘッド108を含む。複数の反応管106は、熱伝達チャンバ102を出て浮動ヘッド108(例えば、出口側)に入る。それによって、反応生成物が浮動ヘッド108に回収される。冷却遷移ユニット110は、浮動ヘッド108を取り囲む。冷却遷移ユニット110は、反応生成物の温度を制御するために使用され得る。一実施形態では、浮動ヘッドの機能は、可撓性管板と置き換えることができる。
【0011】
固定ヘッド104は、熱伝達チャンバ102に取り付けられるボンネット112を含む。ガスケット113は、ボンネット112と熱伝達チャンバ102との間に位置付けられる。ガスケット113は、ボンネット112と熱伝達チャンバ102との間の接続をシールする。いくつかの実施形態では、ガスケット113の主要機能は、流動床媒体がボンネット112に入らないようにすることである。したがって、例えばガスケット、二重ガスケット、またはリングジョイントを含む、様々なガスケット設計が想到される。特定のガスケットの詳細は、流動床媒体に関する熱膨張緩和戦略に依存する。
【0012】
ボンネット112は、本明細書で説明されるように、他の構成要素と協働して、1つ以上のプレナムを画定する。一次ガス供給入口114は、ボンネット112内に配設される。反応物質は、一次ガス供給入口114を介して、ボンネット112によって画定されたプレナムに進入する。
【0013】
入口供給ガスマニホールド116および反応器管板面118は、ボンネット112の内部に配設されている。反応器管板面118は、熱伝達チャンバ102に当接する。入口供給ガスマニホールド116および反応器管板面118は、互いに同一平面上に配設され、ボンネット112の縁部まで延在している。入口供給ガスマニホールド116および反応器管板面118はそれぞれ、複数の反応管106を受容するための、それぞれ116aおよび118aと番号付けされた複数のポートを有する。ポート116aおよび118aの各々は、それぞれの反応管106を受容する。空間の制限、反応器の容量、および他の考慮事項に応じて、任意の数の反応管106が想到される。
【0014】
図3に関して下でより詳細に説明されるように、複数の反応管106は、ポート116aおよび118a内にシールして配設されている。したがって、組み立てられると、構成要素は、協働して、流体連通していない別々のプレナム、例えば、ボンネット112と入口供給ガスマニホールド116の第1の側との間の第1のプレナム(例えば、
図3のプレナム319)、および入口供給ガスマニホールド116の第2の側と、ボンネット112と、反応器管板面118との間の第2のプレナム(例えば、
図3のプレナム321)を画定する。
【0015】
任意選択で、シュラウドガスポート120は、入口供給ガスマニホールド116と、ボンネット112と、反応器管板面118との間に画定された第2のプレナムと流体的に組み合わされる。シュラウドガスポート120は、非反応性ガス(例えば、シュラウドガス)を第2のプレナム(例えば、
図3のプレナム321)に導入する。シュラウドガスは、希釈剤としておよび/または(例えば、複数の反応管106の)圧力を管理するように作用し得る。反応器管板面118は、第2のプレナムが熱伝達チャンバ102と流体連通しないように、
図3に関して下で説明されるように熱伝達チャンバ102からシールされる。
【0016】
熱縮合反応器100は、複数のプレート122a~eを含む。複数のプレート122a~eは、複数の反応管106を支持するように、熱伝達チャンバ102内に配設されている。例えば、複数のプレート122a、122b、122c、122d、122eの各々は、複数の開口を含む。複数の開口の各々は、複数の反応管106のそれぞれの反応管を受容するように構成されている。複数の反応管106は、複数のプレート122a、122b、122c、122d、122eの対応する開口によって支持されている。表されるように、ボンネット112は、反応器管板面118と隣接するプレート122aに取り付けられている。
【0017】
5つのプレート122a~eが例示されているが、任意の数のプレートが想到されることが理解される。プレート122b~dの配置は、必ずしも加熱ゾーン102a~cの境界に対応するわけではなく、むしろ、加熱ゾーンの境界は、外部の加熱源(図示せず)の位置によって決定付けられることに留意されたい。
【0018】
プレート122a~eは、様々な様式で、例えば、機械的締結具(例えば、プレート122a、122b、122d、および122e)によって、または移動可能な支持体(例えば、(
図2に関して下で説明されるように)ローラ支持体210に対するプレート122c)によって、熱伝達チャンバ102に固定することができる。機械的締結具の一実施例では、複数のトラック123a~bが、プレート122bおよび122dを熱伝達チャンバ102内に固定する。トラック123a~bは、プレート122bおよび122dに摺動的に係合して、例えば、熱膨張を可能にし得る。
【0019】
複数のバッフル124a~bが、熱伝達チャンバ102内に配設されている。複数のバッフル124a~bは、流動床としての熱伝達チャンバ102の動作を支持している。追加的なバッフル(図示せず)が、熱伝達チャンバ102内に配設され得る。熱伝達チャンバ102は、バッフル124a~bに類似する任意の数のバッフルを含み得ることが理解される。プレート122b~dはまた、後述するように、動作中にバッフルとしても作用することが理解される。
【0020】
複数のガスポート126a~dは、熱伝達チャンバ102と流体連通して配設されている。複数のガスポート126a、126b、126c、および126dは、非反応性ガスを熱伝達チャンバ102に導入するように構成されている。任意の数のガスポートが想到されるが、後述するように、各加熱ゾーン(例えば、加熱ゾーン102a~c)と関連付けられた少なくとも1つのガスポートを有することが有益であることが理解される。表されていないが、分配器プレナム(例えば、スパージャ、焼結金属有孔プレートガス分配器、または多孔質プレート)が、ガスポート126a~dの上側の熱伝達チャンバ102の内部に配置され得る。
【0021】
表されていないが、熱伝達チャンバ102は、熱伝達チャンバ102を取り囲むための頂部分を有する。頂部分は、温度を制御するために加熱素子を有し得る。頂部分は、ガスポート126a~dを介して導入された非反応性ガスを回収するための1つ以上の回収プレナムを含む。1つ以上の回収プレナムは、排気装置(例えば、共通の排気装置)と流体連通し得る。
【0022】
複数のドレインポート128a~dは、熱伝達チャンバから固体を排出するために、熱伝達チャンバ102と流体連通して配設されている(例えば、表されていないが、熱伝達チャンバは、固体粒子、好ましくは(例えば、GeldartグループAの粉末形態などの)固体粒子の流動床を含み得る)。任意の数のドレインポートが想到されることが理解される。
【0023】
構造的支持のために、複数の支持体130a~eが熱伝達チャンバ102の下側に配設されている。任意の数の支持体が想到されることが理解される。
【0024】
冷却遷移ユニット110は、ガスポート126e、ドレインポート128e、および支持体130fを有し、熱伝達チャンバ102に関して説明されるものと同じ参照符号を有し、動作が実質的に類似している。表されていないが、冷却遷移ユニット110は、固体粒子、好ましくは(例えば、GeldartグループAの粉末形態などの)固体粒子の流動床を含み得る。このゾーンの流動化は、熱膨張への干渉を低減させ、かつ以前のゾーン内の流動化を維持するために必要とされるバッフリングの量を低減させる。
【0025】
蒸気出口132は、浮動ヘッド108と流体連通して、冷却遷移ユニット110内に配設されている。複数の反応管106からの(例えば、任意のシュラウドガスを含む)反応生成物は、蒸気出口132を通して回収される。
【0026】
図2は、線2-2に沿った
図1の断面図である。例示を簡単にするために、反応器管板面118およびプレート122eの一部分が取り除かれている。
【0027】
ローラ支持体210は、プレートを熱チャンバに取り付け、一方で、例えばプレートの熱膨張を可能にするために、プレート122cと熱伝達チャンバ102との間に延在している。
【0028】
浮動ヘッド108は、複数の反応管106を支持するためのプレート222を含む。冷却遷移ユニット110および熱伝達チャンバ102からの浮動ヘッド108内の反応生成物をシールするために、シールリング224が、プレート222とプレート122/熱伝達チャンバ102との間に配設されている。
【0029】
ローラ支持体226は、浮動ヘッド108を熱伝達チャンバ102に移動可能に接続する。例えば、浮動ヘッド108は、熱伝達チャンバに対する浮動ヘッドの位置が(例えば、熱膨張により)一方向に変動し得るように、熱伝達チャンバ102の後部において浮動し得る。
【0030】
図3は、(例えば、
図1に示される反応管106などの)反応管306の拡大断面図である。反応管306は、ボンネット312から熱伝達チャンバ302の中へ延在し、(すべてが、
図1の対応する名称の構成要素に実質的に類似し得る)入口供給ガスマニホールド316、反応器管板面318、およびプレート(図示せず)を通過する。表されていないが、複数の反応管が想到されることが理解される。
【0031】
反応管306は、反応管ライナ306bから軸方向に延在しているガス注入ポート306aを含む。一実施形態では、ガス注入ポート306aは、それらのそれぞれの壁のそれぞれの外面と内面との間をガスが通過することを可能にするように、反応管ライナ306b内に十分に緩く嵌合される。ボンネット312と入口供給ガスマニホールド316との間に画定された第1のプレナム319内の反応物質は、ガス注入ポート306aに進入する。シーリングコネクタ334は、ガス注入ポート306aに係合する入口供給ガスマニホールド316内に配設されている。コネクタ334は、シーリンググランドまたは圧縮金具などの複数のシーリング装置を備えることができる。したがって、第1のプレナム319は、入口楕円ヘッドの同一平面上の第2の面と、ボンネット312と、反応器管板面318との間に画定された第2のプレナム321に対してシールされる。任意選択で、シュラウドガスは、第2のプレナム321に導入される。
【0032】
シーリンググランド(またはスタフィングボックス)336は、反応器管板面318に配設され、反応管ライナ306bに係合する。シーリンググランド336は、熱伝達チャンバ302と第2のプレナム321との間の気密シールを可能にする。市販のシーリンググランドは、とりわけ、Conax Technologies(Buffalo,New York,USA)から入手され得る。圧縮可能なシーラント336a(例えば、可撓性グラファイトなど)は、反応管ライナ306bの外側に係合する。第2のプレナム321は、熱伝達チャンバ302に対してシールされる。通路336bは、シーリンググランド336を通って反応管ライナ306bまで延在している。第2のプレナム内のガス、例えばシュラウドガスは、シーリンググランド336の通路336bを介して、反応管ライナ306bに進入し得る。
【0033】
図4を参照すると、加熱源400は、熱伝達チャンバ402(例えば、
図1に示される熱伝達チャンバ102など)の外部に配置されている。加熱源400は、抵抗コイル加熱素子404の配列を含む。支持体406は、抵抗コイル加熱素子404を機械的に固定する。例えば、支持体406は、熱伝達チャンバ402に固定されて、抵抗コイル加熱素子404を受容し得る。複数の加熱源(図示せず)が、別々の制御可能な加熱ゾーン(例えば、
図1に関して説明される加熱ゾーン102a~c)を生じさせるために使用され得る。市販の抵抗コイル加熱素子は、とりわけ、Keith Company,Pico Rivera,California,USA、またはArmstrong Chemtec Group,Coatesville,Pennsylvania,USAから入手され得る。
【0034】
図5を参照すると、ローラ支持体226の拡大平面図が例示されている。例示を簡単にするために、プレート122eの一部分が取り除かれている。ローラ支持体226は、浮動ヘッド108のみに取り付けられた支持部材502を含む。ローラ支持体226のローラ部材504は、支持部材502に移動可能に係合して、浮動ヘッド108が、複数の反応管106によって画定された軸に沿って移動することを可能にする。ローラ支持体226のトラック部材506は、熱伝達チャンバ102に取り付けられて、ローラ部材504を固定する。
【0035】
動作中に、熱縮合反応器100は、熱縮合または脱塩化水素反応のための、多重ゾーンで流動床支援の加熱/冷却装置としての用途が見出され得る。例えば、一実施形態では、熱縮合反応は、ヒドリド官能性ハロシランおよびハロゲン化アルケニルを含む反応ガスの熱縮合であり得、熱縮合は、アルケニル官能性ハロシランを形成する。例えば、ヒドリド官能性ハロシランは、化学式RwHxSiX(4-w-x)を有し、ここで、添え字、添え字wは、0~2であり、添え字xは、1~3であり、量(w+x)は、1~3であり、各Rは、脂肪族不飽和のない1~18個の炭素原子の独立して選択された一価の炭化水素族であり、各Xは、F、Cl、Br、またはI、代替的にClまたはBr、および代替的にClなどの、独立して選択されたハロゲン原子である。Rの一価の炭化水素族は、アルキル(例えば、メチル、エチル、またはヘキシル、代替的にメチル)、またはアリール(例えば、フェニル、トリル、またはキシリル、代替的にフェニル)であり得る。ハロゲン化アルケニルは、化学式R’Xaを有し得、ここで、添え字aは、1から最大でR’までの原子価であり、R’は、ビニル、ビニリデン、アリル、またはヘキセニルなどのアルケニル官能基であり、Xは、上で説明した通りである。例示的なヒドリド官能性ハロシランとしては、モノクロロシラン(H3SiCl)、ジメチルクロロシラン[(CH3)2HSiCl]、二塩化シラン(H2SiCl2)、およびトリクロロシラン(HSiCl3)が挙げられる。例示的なアルケニルハロゲン化物としては、塩化ビニル、塩化ビニリデン、塩化アリル、および塩化ヘキセニルが挙げられる。熱縮合反応器100において調製され得るアルケニル官能性ハロシランは、化学式R’uRyHzSiX(4-y-z)を有し得、ここで、添え字uは、1、2、または3(代替的に1)であり、添え字yは、0、1、または2であり、添え字zは、0、1、または2であり、量(u+y+z)は、1~3である。熱縮合反応器100において調製され得るアルケニル官能性ハロシランは、ビニルトリクロロシラン(例えば、ヒドリド官能性ハロシランがHSiCl3およびアルケニルであるとき、ハロゲン化物は、塩化ビニルである)、またはジメチルビニルクロロシラン[(CH3)2(CH2=CH)SiCl](例えば、ヒドリド官能性ハロシランがジメチルクロロシランおよびアルケニルであるとき、ハロゲン化物は、塩化ビニルである)を含む。トリクロロシランと塩化ビニルとの気相反応は、温度が500℃を超えるまで急速に進行しない。
【0036】
熱縮合反応器100は、1パス当たりに良好な変換で反応を動作させるために必要とされる500℃を超える温度を送達し、同時に、プロセス化学物質と関連付けられる発熱の影響を抑制する。これを達成するために、複数の反応管106が使用される(例えば、HClに対する化学物質耐性、かつ良好な熱伝導率を有する内部ライナ(例えば、イソモールドグラファイト、炭素繊維/炭素複合体、SiCをコーティングしたイソモールドグラファイト、またはSaint-Gobain Hexaloy(登録商標)SiCなどの炭化ケイ素、など)と嵌合される)。ライナの熱膨張係数が反応管冶金よりも小さいので、ライナは、成長中に摺動することが必要になる。この摺動は、ライナの底部に配置された可撓性の黒鉛フィルムおよび/またはサドルを使用することによって支援され得る。また、内部ライナの長さは、好ましくは管の長さよりも長くするべきである。複数の反応管106は、反応物質の流れに対して平行に、かつ流動化ガスの流れに対して直交流(例えば、垂直またはほぼ垂直(例えば、垂直から±15度))に配置されている。例示されるように、これは、反応物質の水平流および流動化ガスの垂直流を生じさせる。水平構成は、複数の反応管106機械的に支持する際に、およびメンテナンス作業の際に利点を提供する。炭化ケイ素の使用は、プロセス中に経時的に堆積する堆積煤煙の酸化処理を可能にするために、十分な耐酸化性を提供し得る。メンテナンスサイクルの一部として、煤煙様の化合物を蒸気形態にメタン化するために、600℃を超える温度での水素の添加が(例えば、それも)採用され得る。
【0037】
ライナは、例えば(
図3に示されるように)シーリンググランド336によって固定されて、ライナの外側への(例えば、熱伝達チャンバ102への)反応物質(例えば、反応ガス)の流れを阻止する。
【0038】
任意選択で、シュラウドガスは、反応器に共送給される。トリクロロシランと塩化ビニルとの反応の場合、シュラウドガスとしての四塩化ケイ素(SiCl4)の使用は、反応管壁の近くの炭素種の移動を低減させ、一方で、流出物中の二塩化シランおよびビニルジクロロシランにつながるSi-H/Si-Clの転位反応を低減させることができる、希釈剤としての利点を提供する。シュラウドガスは、オルガノハロシラン、最も好ましくは、ヒドリド官能性ハロシラン供給剤およびハロゲン化水素のハロゲン化生成物(HX)からなる。例えば、トリクロロシランと塩化ビニルとを伴う反応の場合は、トリクロロシラン(HSiCl3)およびHClのハロゲン化生成物が四塩化ケイ素(SiCl4)であるので、四塩化ケイ素がシュラウドガスとして使用される。同様に、ジメチルクロロシランと塩化ビニルとを伴う反応の場合は、ジメチルジクロロシラン[(CH3)2SiCl2]が使用される。シュラウドガスは、シュラウドガスポート120を介して、入口供給ガスマニホールド116と、ボンネット112と、反応器管板面118との間に画定された第2のプレナムに導入される。シュラウドガスは、通路336bを通って反応管ごとにガス注入ポート306aの周りに流れ、シーリンググランド336を通って反応管ライナ306bまで延在している。通路336bは、複数の反応管106のすべての間でのシュラウドガスのバランスのよい分布を促進するために、十分な圧力降下を用いて構成される。同様に、塩化ビニル/トリクロロシラン供給混合物を含有するガス注入ポート306aごとに、個々の反応管106の間のガスの一様な分布を促進するために、オリフィスプレートが入口に存在する。
【0039】
複数の反応管106は、ボンネット112から延在し、熱伝達チャンバ102を通過して、浮動ヘッド108において終端する。熱伝達チャンバ102は、複数の加熱ゾーン102a~cを有する加熱トラフである。熱伝達チャンバ102の内部で、流動化ガス(例えば、窒素など)を使用して固体媒体を流動化し、流動床を形成する。例示されるように、流動化ガスは、複数の反応管106に対して垂直に進行する。流動化ガス(例えば、窒素など)は、複数のガスポート126a~dを介して熱伝達チャンバ102に送達され、スパージャ、焼結金属有孔プレート、またはガス分配器を通過し得る。熱伝達チャンバ102は、共通の排気装置に組み合わされ得る複数の回収プレナムによってシールされる頂部(図示せず)を有する。非反応性流動化ガスは、ブロワ動作(例えば、窒素を再循環させることなど)の要件を満たすために、必要に応じて(例えば、熱伝達チャンバ102を出るときに)冷却することができ、また、所望に応じて、供給ガス噴射ノズル126aとのガス対ガス交流などの省エネルギーな方法を使用して、加熱ゾーン102a内の熱入力を低減させることができる。ブロワの前に、同伴固体は、サイクロンを通過して、熱伝達チャンバ102に戻り得る。好ましい実施形態では、熱伝達チャンバの流動化挙動は、(例えば、システムを出る同伴固体の量を低減させるための)バブリングレジームに存在し得る。
【0040】
固体媒体に関して、GeldartグループAの粉末形態、好ましくは、100μmのSauter(または表面積対体積)平均粒径を有する茶色の酸化アルミニウムが使用される。この材料は、対象の空塔ガス速度範囲に関して良好な強度および十分な耐摩耗性、例えば約1.2~1.5倍の最小流動化速度を有する。各加熱ゾーン102a~cは、(例えば、固体の交差混合を低減させるために)いくつかのバッフルを有し得る。ベッドレベルは、流動化されるときに反応管106の管束が完全に浸漬されるように、各加熱ゾーン内で維持される。
【0041】
各ゾーン(加熱ゾーン102a~c)内の固体の温度は、熱伝達チャンバ102の壁に位置付けられた電気ヒータ(
図4を参照されたい)を通して入力される電力を変化させることによって、および/または流動化ガスの流量を変化させることによって制御され得る。窒素の体積流量は、各ゾーン内で変化させてバブリング流動床を維持するが、例えば、GeldartグループAの固体の場合には温度を上昇させることで最小流動化速度が低下するので、より低い温度では、より多くのガスが必要である。反応器の長さ全体にわたって流動固体の温度を変化させることは、特に、熱生成がプロセスガスライナの境界での内部熱伝達係数を上回り始めるゾーンにおいて、管サイズの増強を可能にする。対照的に、固体が十分に混合されることにより、単一の流動床を有する反応管の垂直配置は、複数の加熱ゾーンを有さず、また、(例えば、発熱部分により少ない熱を供給する、および/または特定のゾーンを冷却するための)熱除去速度の変化をサポートすることが不可能であり、これは、温度が高くなり過ぎた場合に、変換シランの中のビニルトリクロロシランの収率を低下させる。
【0042】
熱膨張に対応するために、数多くの方法を採用することができる。反応器の膨張差は、大型商業用反応器プロセスの場合、最高温度において約2インチであり得る。熱膨張に対応するために、ローラ支持体(例えば、ローラ支持体210およびローラ支持体226など)が採用され得る。追加的な装置は、スチール/グラファイトスライドプレートまたはセラミック(SiC)滑り軸受を含み得る。任意選択で、伸縮ベローズ(図示せず)を蒸気出口132に組み込むことができる。
【0043】
冷却遷移ユニット110はまた、熱伝達チャンバ102に関して上で説明したものに類似する様式の流動床であり得る。浮動ヘッド108は、この別々の流動化ゾーン(例えば、冷却遷移ユニット110)内に配設されている。
【0044】
以下の実施例は、例示のみを目的とするものであり、添付の特許請求の範囲の範囲を限定することを意図するものではない。
【実施例】
【0045】
実施例1
トリクロロシランと塩化ビニルとの熱縮合を試みるために、SiCをコーティングしたイソモールドグラファイトで作製された内部ライナ、および保護Hexaloy(登録商標)SiCシースを有する内部多重要素型K熱電対組立体を含むフロースルー反応管(316/316Lステンレス鋼)を組み立てた。内部ライナおよび熱電対シースの周りのシールを確実にするために、シーリンググランド組立体を使用して、ステンレス鋼反応管および熱電対組立体から反応物質を隔離した。熱電対組立体は、反応管と同軸に配置し、反応管は、電気加熱式流動化サンドバスシステムの内部に浸漬させた。
【0046】
サンドバスの流動化ガスとして窒素を使用し、また、流動が一様であることを確実にするために、窒素の送給圧力の変動を監視した。サンドバスの温度は、
図6に列記される温度に(例えば、520℃~595℃の範囲にわたって)指定および制御した。反応器の圧力は、反応器流出液の下流に位置付けられたフィードバック制御を有する圧力制御バルブを使用して制御した。流出ガスが冷却されて、縮合可能なクロロシラン液体が蒸気から除去された後に、生成物を回収した。管の(3つ位置にわたる)内部の温度プロファイルを、データ収集システムを使用して監視し、システムの温度および圧力を、キャンペーンを開始する前に正規化した。
【0047】
固定反応器圧力および固定サンドバス温度の条件下で、固定流量のアルゴンを伴う塩化ビニルおよびトリクロロシランの蒸気を反応管に注入した。反応器の入口および流出物はどちらも、ガスクロマトグラフ(熱伝導率検出器を備える)および質量分析計を使用してリアルタイムで監視した。回収した液体はまた、固定組成物のキャンペーン中にも分析した。反応器流出物において検出された化学物質は、アルゴン、塩化水素、塩化ビニル、トリクロロシラン、ビニルトリクロロシラン、四塩化ケイ素、エチルトリクロロシラン、メチルトリクロロシラン、ビニルジクロロシラン、ベンゼン、1,1,3-トリクロロ-1-シリルシクロ-3-ペンテン、フェニルトリクロロシラン、および1,2-ビス(トリクロロシリル)エタンを含んだ(それぞれの種の存在量は、温度によって変化した)。
【0048】
図6は、トリクロロシランと塩化ビニルとの熱縮合を含む実験のための収率プロットであり、トリクロロシラン変換の関数として、蒸気サンプリング技術に基づくモル収率を示す。これらの実験中に、圧力は、26psia(176.9kPa)に固定して保持した。
図6は、ピークの収率を示す。
【0049】
実施例2
実施例1で説明される装置を使用して、固定反応器圧力および固定サンドバス温度の条件下で、固定流のアルゴンを伴う塩化ビニルおよびジメチルクロロシランの蒸気を注入した。反応器の入口および流出物はどちらも、ガスクロマトグラフ(熱伝導率検出器を備える)および質量分析計を使用してリアルタイムで監視した。回収した液体はまた、固定組成物のキャンペーン中にも分析した。反応器流出物に検出された化学物質は、アルゴン、塩化水素、塩化ビニル、ジメチルクロロシラン、ジメチルビニルクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、エチルジメチルクロロシラン、メチルビニルジクロロシラン、アリルジメチルシリルクロリド、フェニルジメチルクロロシラン、および1,2-ビス(ジメチルクロロシリル)エタンを含んだ(それぞれの種の存在量は、温度によって変化した)。
【0050】
実験中に、滞留時間は、一定(14秒)に保持し、反応器圧力は、26psia(176.9kPa)に固定して保持した。この反応は、トリクロロシランと塩化ビニルとの反応よりも遅い。下記の表1は、ジメチルビニルクロロシランの収率が、580℃付近で最大を超え、595℃で、所望の生成物の収率において相当な腐食を有することを示している。
【表1】
【0051】
本開示は、本明細書に具体的に開示され、例示される実施形態に限定されないことが理解される。本発明の様々な修正が、当業者に明らかになるであろう。そのような変更および修正は、添付の特許請求の範囲の範囲を逸脱することなく行われ得る。さらに、各詳述された範囲は、範囲のすべての組み合わせおよび部分的組み合わせ、ならびにそれらに含まれる特定の数字を含む。
【国際調査報告】