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特表2022-550438インコア測定を強化するためのショットキーダイオードによる放射線検出のためのデバイス、システム、および方法
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  • 特表-インコア測定を強化するためのショットキーダイオードによる放射線検出のためのデバイス、システム、および方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-01
(54)【発明の名称】インコア測定を強化するためのショットキーダイオードによる放射線検出のためのデバイス、システム、および方法
(51)【国際特許分類】
   G21C 17/10 20060101AFI20221124BHJP
   G21C 17/108 20060101ALI20221124BHJP
   G01T 1/167 20060101ALI20221124BHJP
   G01T 1/24 20060101ALN20221124BHJP
【FI】
G21C17/10 600
G21C17/108
G01T1/167 D
G01T1/24
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022520277
(86)(22)【出願日】2020-10-01
(85)【翻訳文提出日】2022-05-26
(86)【国際出願番号】 US2020053757
(87)【国際公開番号】W WO2021067570
(87)【国際公開日】2021-04-08
(31)【優先権主張番号】62/910,610
(32)【優先日】2019-10-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521219442
【氏名又は名称】ウェスティングハウス エレクトリック カンパニー エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】WESTINGHOUSE ELECTRIC COMPANY LLC
【住所又は居所原語表記】1000 Westinghouse Drive, Suite 141, Cranberry Township, Pennsylvania 16066 United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マイケル ディ. ヘイベル
(72)【発明者】
【氏名】ジェフリー エル. アーント
【テーマコード(参考)】
2G075
2G188
【Fターム(参考)】
2G075AA01
2G075BA03
2G075CA08
2G075DA08
2G075FA05
2G188AA20
2G188BB04
2G188CC28
(57)【要約】
原子炉における出力分布を測定するように構成されたインコア検出器が本明細書に開示される。インコア検出器は、原子炉の既定の場所内に配置されるように構成されたハウジング、および複数のガンマ検出器を含む。複数のガンマ検出器の各ガンマ検出器は、活性半導体領域およびショットキー接点を含むショットキーダイオードと、オーミック接点と、ガンマ放射線との接触時に活性領域に電子を輸送するように構成された光電子源材料と、第1および第2のリードと、を含む。複数のガンマ検出器は、複数のガンマ検出器の各ガンマ検出器が、複数のガンマ検出器の隣接するガンマ検出器に対して半径方向にオフセットされ、それにより、各ガンマ検出器の第1および第2のリードが、隣接するガンマ検出器の第1および第2のリードに対してオフセットされるように、ハウジング内に位置決めされている。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
原子炉内の出力分布を測定するように構成されたインコア検出器であって、前記インコア検出器は、
前記原子炉の既定の場所内に配置されるように構成されたハウジングと、
複数のガンマ検出器と、を備え、
前記複数のガンマ検出器の各ガンマ検出器は、
活性半導体領域、および前記活性半導体領域の少なくとも一部分にわたるショットキー接点を有する、ショットキーダイオードと、
前記活性半導体領域の少なくとも一部分の下のオーミック接点と、
前記原子炉によって放射されるガンマ放射線との接触時に、前記ショットキーダイオードの前記活性領域に電子を輸送するように構成された光電子源材料と、
前記源材料に近接して延在する第1のリードと、
前記オーミック接点層に近接して延在する第2のリードと、を備え、
前記複数のガンマ検出器は、前記複数のガンマ検出器の各ガンマ検出器が、前記複数のガンマ検出器の隣接するガンマ検出器に対して半径方向にオフセットされ、それにより、各ガンマ検出器の前記第1および第2のリードが、前記隣接するガンマ検出器の前記第1および第2のリードに対してオフセットされるように、前記ハウジング内に位置決めされている、インコア検出器。
【請求項2】
前記ハウジングは、軸方向に延在する管を備え、
前記管は、内部空洞を画定するように構成されており、
前記複数のガンマ検出器は、前記内部空洞内に軸方向に積層される、請求項1に記載のインコア検出器。
【請求項3】
前記光電子源材料は、前記ショットキー接点から離れた距離に位置決めされ、それによって、前記光電子源材料と前記ショットキー接点との間に間隙を生じさせ、その寸法が、前記間隙を減衰させるように調整することができ、前記間隙を減衰させることが、前記複数のガンマ検出器の各ガンマ検出器によって検出されたエネルギーの量を減衰させる、請求項1に記載のインコア検出器。
【請求項4】
前記距離は、前記複数のガンマ検出器の各ガンマ検出器が、5MeV以上のガンマ放射線を検出するように構成されるように、前記ショットキー接点と前記光電子源材料との間に間隙を生じさせるように既定されている、請求項3に記載のインコア検出器。
【請求項5】
前記複数のガンマ検出器の各ガンマ検出器は、
前記ショットキー接点と前記光電子源材料との間に介在する流体であって、既定の有効原子数および無視できるコンダクタンスを含む前記流体と、
前記ショットキーダイオード、前記オーミック接点、前記光電子源材料、前記第1のリードの少なくとも一部分、および前記第2のリードの少なくとも一部分を覆う中間材料であって、前記中間層が、前記複数のガンマ検出器の各ガンマ検出器を電気的に隔離するように構成されている前記中間材料と、をさらに備える、請求項1に記載のインコア検出器。
【請求項6】
前記ショットキー接点と前記光電子源材料との間に介在される前記流体は、空気を含む、請求項5に記載のインコア検出器。
【請求項7】
前記中間層は、酸化アルミニウムおよび酸化マグネシウム、またはそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、請求項5に記載のインコア検出器。
【請求項8】
前記複数のガンマ検出器の各ガンマ検出器は、前記中間材料を覆う外側材料をさらに備え、
前記外側材料は、前記複数のガンマ検出器の各ガンマ検出器の構造的完全性を提供するように構成されている、請求項5に記載のインコア検出器。
【請求項9】
前記外側材料は、ステンレス鋼を含む、請求項8に記載のインコア検出器。
【請求項10】
前記光電子源材料は、白金を含む、請求項1に記載のインコア検出器。
【請求項11】
前記活性半導体領域は、炭化ケイ素を含む、請求項1に記載のインコア検出器。
【請求項12】
原子炉によって放射されるガンマ放射線を測定するように構成されたインコア検出器システムであって、前記インコア検出器システムは、
前記原子炉内の既定の場所に配置されるように構成されたハウジングであって、軸方向寸法に延在する前記ハウジングと、
前記ハウジング内に軸方向に積層された複数のガンマ検出器と、を備え、
前記複数のガンマ検出器の各ガンマ検出器は、
活性半導体領域と、および前記活性半導体領域の少なくとも一部分にわたるショットキー接点を備える、ショットキーダイオードと、
光電子源材料であって、前記光電子源材料が、前記原子炉によって放射されるガンマ放射線に接触するときに、前記活性領域を貫通するエネルギーを生成するように構成されている、光電子源材料と、を備える、
インコア検出器システム。
【請求項13】
前記ハウジングは、軸方向に延在する管を備え、
前記管は、内部空洞を画定するように構成されており、
前記複数のガンマ検出器は、前記内部空洞内に軸方向に積層される、請求項12に記載のインコア検出器。
【請求項14】
前記光電子源材料が、前記ショットキー接点から離れた距離に位置決めされ、それによって、前記光電子源材料と前記ショットキー接点との間に間隙を生じさせ、寸法が、前記間隙を減衰させるように調整することができ、前記間隙を減衰させることが、前記複数のガンマ検出器の各ガンマ検出器によって検出されたエネルギーの量を減衰させる、請求項12に記載のインコア検出器。
【請求項15】
前記複数のガンマ検出器の各ガンマ検出器は、第1のリードおよび第2のリードをさらに備え、
前記第1のリードおよび第2のリードは、互いに既定の距離に位置決めされ、
前記既定の距離は、前記複数のガンマ検出器の各ガンマ検出器によって生成される電圧の差と関連付けられている、請求項12に記載のインコア検出器システム。
【請求項16】
インコア検出器システムのハウジング内に軸方向に積層された複数のガンマ検出器のうちのガンマ検出器であって、
前記複数のガンマ検出器は、原子炉によって放射されるガンマ放射線を測定するように構成されており、
前記複数のガンマ検出器の各ガンマ検出器は、
活性半導体領域、および前記活性半導体領域の少なくとも一部分にわたるショットキー接点を備える、ショットキーダイオードと、
前記活性半導体領域内で電荷を生成するように構成された導電性材料と、
光電子源材料であって、前記光電子源材料が、前記原子炉によって放射されるガンマ放射線と接触するときに前記活性領域を貫通するエネルギーを生成するように構成されており、前記光電子源材料が、前記ショットキー接点から離れた距離に位置決めされ、それによって、前記光電子源材料と前記ショットキー接点との間に間隙を生じさせる、前記光電子源材料と、を備える、
ガンマ検出器。
【請求項17】
前記寸法は、前記間隙を減衰させるように調整することができ、前記間隙を減衰させることが、前記複数のガンマ検出器の各ガンマ検出器によって検出されるエネルギーの量を減衰させる、請求項16に記載のガンマ検出器。
【請求項18】
前記導電性材料は、前記活性半導体領域内に電子差、したがって逆バイアスを生成するように構成されている、請求項16に記載のガンマ検出器。
【請求項19】
前記ショットキー接点と前記導電性材料との間に位置決めされた絶縁材料をさらに備え、前記絶縁材料は、電子の意図しない放出を防止するように構成されている、請求項16に記載のガンマ検出器。
【請求項20】
前記ショットキー接点と前記光電子源材料との間に配設される流体の層をさらに備え、前記流体は、既定の有効原子数および無視できるコンダクタンスを含む、請求項16に記載のガンマ検出器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相互参照
本出願は、2019年10月4日出願の米国特許仮出願第62/910,610号に対する優先権を主張する。その内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、放射線検出器に関し、より具体的には、出力分布測定のために核分裂ガンマ放射線を測定するように構成された複数のショットキーダイオードを含むアセンブリに関する。
【背景技術】
【0003】
ガンマ放射線は、原子炉で起こる核分裂と関連付けられた崩壊を含む、核崩壊によって生成される。従来、原子炉は、ガンマ放射線を検出および測定するために測定システムを備える。しかしながら、新しい核燃料アセンブリおよび原子炉設計は、既存の測定システムの能力、ならびに燃料設計性能予測を確認するための、および燃料サイクル中に詳細な運転性能測定を行うためのそれらの能力にとって課題を提示する。
【0004】
原子炉の設計は、コア設計および燃料性能予測のためのソフトウェアシミュレーションに依拠し得、これは、通常の運転条件および様々な事故シナリオの両方における原子炉構成要素の予測を含む。ソフトウェア性能予測は、最終的に、通常の運転条件下、または商業原子炉もしくは試験原子炉における、試験原子炉のそのシミュレーション下における実際の測定値と比較される。
【0005】
旧式の軽水炉設計は、ソフトウェア予測と比較するために、実際の性能測定を行うために小型の核分裂チャンバを利用していた。例えば、そのようなチャンバは、原子炉内の燃料アセンブリの約3分の1の長さに沿って中性子束を測定し、ソフトウェア予測を検証するために、および/または新しい設計の予測を支援するために使用されるベンチマーク出力分布測定値を生成し得る。このタイプの測定システムは、一般に、可動インコア検出器システムとして知られている。可動インコア検出器測定システムは、典型的には、多くの燃料性能問題の識別および診断を可能にする所望の測定分解能を提供し得る、微間隔軸方向中性子分布(例えば、約2.4インチ)を含む。そのような性能問題は、燃料ロッドの反り、熱伝達または反応性に影響を与える燃料ロッドの外側に堆積した破片、および入口流れ分布の非対称性などの、顕著な原子炉運転問題を引き起こし得る。しかしながら、可動インコア検出器システムは、関連付けられた配管およびセンサの使用と関連付けられたそれらの複雑さ、必要なサイズ、ならびに運転および保守コストに基づいて問題となり得る。コアおよび燃料アセンブリ設計が進化を続けるにつれて、これらの問題は、悪化するのみである。
【0006】
代替的に、一般に、固定されたインコア検出器システムとして知られる、原子炉用の新世代の出力分布測定システムが出現してきた。固定されたインコア検出器システムは、原子炉コア内の固定された軸方向および半径方向の場所内の放射線センサの制限された数に依拠する。さらに考察されるように、固定されたインコア検出器センサからの信号は、感知要素の有効長によって画定される固定された軸方向領域にわたる平均原子炉出力を表し得る。しかしながら、燃料アセンブリにわたって固定されたインコア検出器測定値の半径方向分布は、貫通部と関連付けられたものなどの、原子炉容器の特定の場所を必要とし得、したがって、それに制約され得る。上述の平均化および場所の制約は、固定されたインコア検出器システムを使用して、高度に局所化および詳細化された測定値を取得することを困難にし得る。したがって、固定されたインコア検出器システムを使用してコアおよび/または燃料アセンブリにわたって十分なリアルタイム性能測定値を取得することがより困難であり得、それによって、出力分布および/または長期運転特質に対する性能予測を検証することをより困難にする。これらの差を検出する能力は、原子炉の設計の適格化、ならびに燃料および原子炉の両方の安全な運転において、重要であり得る。したがって、正確性を損なうことなく、可動インコア検出システムおよび固定されたインコア検出システムよりも、より多用途およびコスト効率の高い、インコア放射線検出のためのデバイス、システム、および方法に対する必要性が存在する。
【発明の概要】
【0007】
以下の概要は、本明細書に開示された態様に特有の革新的な特徴の一部の理解を容易にするために提供され、完全な説明であることを意図していない。様々な態様の完全な理解は、明細書、特許請求の範囲、および要約のすべてを、全体としてとらえることによって得ることができる。
【0008】
様々な態様では、原子炉における出力分布を測定するように構成されたインコア検出器が開示される。インコア検出器は、原子炉の既定の場所内に配置されるように構成されたハウジングと、複数のガンマ検出器と、を含み、複数のガンマ検出器の各ガンマ検出器が、活性半導体領域、および活性半導体領域の少なくとも一部分にわたるショットキー接点を有する、ショットキーダイオードと、活性半導体領域の少なくとも一部分の下のオーミック接点と、原子炉によって放射されるガンマ放射線との接触時に、ショットキーダイオードの活性領域に電子を輸送するように構成された光電子源材料と、源材料に近接して延在する第1のリードと、オーミック接点層に近接して延在する第2のリードと、を含み、複数のガンマ検出器は、複数のガンマ検出器の各ガンマ検出器が、複数のガンマ検出器の隣接するガンマ検出器に対して半径方向にオフセットされ、それにより、各ガンマ検出器の第1および第2のリードが、隣接するガンマ検出器の第1および第2のリードに対してオフセットされるように、ハウジング内に位置決めされている。
【0009】
様々な態様では、原子炉によって放射されるガンマ放射線を測定するように構成されたインコア検出器システムが開示される。インコア検出器システムは、原子炉内の既定の場所に配置されるように構成されたハウジングであって、ハウジングが、軸方向寸法に延在する、ハウジングと、ハウジング内に軸方向に積層された複数のガンマ検出器と、を含み、複数のガンマ検出器の各ガンマ検出器が、活性半導体領域、および活性半導体領域の少なくとも一部分にわたるショットキー接点を有する、ショットキーダイオードと、光電子源材料であって、光電子源材料が、原子炉によって放射されるガンマ放射線に接触するときに、活性領域を貫通するエネルギーを生成するように構成されている、光電子源材料と、を含む。
【0010】
様々な態様では、インコア検出器システムのハウジング内に軸方向に積層された複数のガンマ検出器のうちのガンマ検出器であって、複数のガンマ検出器が、原子炉によって放射されるガンマ放射線を測定するように構成されている、ガンマ検出器が開示される。ガンマ検出器は、活性半導体領域、および活性半導体領域の少なくとも一部分にわたるショットキー接点を含む、ショットキーダイオードと、活性半導体領域内で電荷を生成するように構成された導電性材料と、光電子源材料であって、光電子源材料が、原子炉によって放射されるガンマ放射線と接触するときに活性領域を貫通するエネルギーを生成するように構成されており、光電子源材料が、ショットキー接点から離れた距離に位置決めされ、それによって、光電子源材料とショットキー接点との間に間隙を生じさせる、光電子源材料と、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本明細書に説明される態様の様々な特徴は、その利点とともに、以下の添付図面と併せて行われる以下の説明に従って理解され得る:
【0012】
図1】インコア検出の既知の手段および/または方法によって取られる軸方向出力分布測定値のチャートを例示する。
図2】本開示の少なくとも1つの態様による、改善されたインコア検出器システムの断面側面図を例示する。
図3】本開示の少なくとも1つの非限定的態様による、図2のシステムに統合され得る既知のガンマ検出器の断面側面図を例示する。
図4】本開示の少なくとも1つの非限定的態様による、図2のシステムに統合され得る別のガンマ検出器の断面側面図を例示する。
図5】本開示の少なくとも1つの非限定的態様による、図2のシステム100の断面図を例示する。
【0013】
対応する参照文字は、数個の図全体を通して対応する部分を示す。本明細書に記載される例示は、本発明の様々な態様を1つの形態で例示し、そのような例示は、いかなる様式によっても本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本明細書に説明され、添付図面に例示される態様の全体構造、機能、製造、および使用の完全な理解を提供するために、多数の具体的な詳細が記載される。公知の運転、構成要素、および要素は、本明細書に説明される態様を不明瞭にしないように、詳細に説明されていない。読み手は、本明細書に説明および例示される態様が非限定的な例であることを理解し、したがって、本明細書に開示される特定の構造および機能の詳細が、代表的および例示的であり得ることが理解され得る。そこに対する変形および変更が、特許請求の範囲から逸脱することなく行われ得る。
【0015】
本明細書で使用される場合、文脈が別途明確に指示しない限り、単数形の「a」、「an」、および「the」は、複数の参照を含む。
【0016】
例えば限定されないが、最上部、最下部、左、右、下方、上方、前、後、およびそれらの変形など、本明細書で使用される方向表現は、添付図面に示される要素の配向に関連し、別段の明示的な記載がない限り、特許請求の範囲を限定するものではない。
【0017】
特許請求の範囲を含む本出願では、別段の記載がない限り、量、値、または特性を表すすべての数字は、すべての場合において、用語「約」によって修飾されていると理解されるべきである。したがって、数字は、用語「約」が数字とともに明示的に表示されていなくても、単語「約」が前に付いているかのように読み取ることができる。したがって、反対に示されない限り、以下の説明に記載される任意の数値パラメータは、本開示による組成物および方法で取得しようとする所望の特性に応じて変化し得る。少なくとも、均等論の適用を特許請求の範囲に限定する試みとしてではなく、本説明に記載される各数値パラメータは、少なくとも、報告された有効桁数に照らして、かつ通常の丸め技法を適用することによって、解釈されるべきである。
【0018】
本明細書に列挙される任意の数値範囲は、その中に包含されるすべての部分範囲を含むことが意図される。例えば、「1~10」の範囲は、列挙された最小値1と、列挙された最大値10との間(境界値を含む)のすべての部分範囲、すなわち、最小値が1以上、および最大値が10以下のすべての部分範囲を含むことが意図されている。
【0019】
本明細書で使用される場合、「軸方向」は、軸の方向または軸との位置合わせをしていることを意味する。2つ以上の物体に関して、軸方向は、物体が軸に沿って、同軸位置合わせまたは軸に対して平行のいずれかで位置決めされることを意味する。
【0020】
本明細書で使用される場合、「半径方向に離間された」は、物体が円の円弧に沿って互いに離間されるか、または半径に沿って配置されるように、2つ以上の物体が位置決めされることを意味する。
【0021】
インコア検出器システムは、実際のコア条件の連続的なリアルタイム測定値を提供することによって、原子炉の運転および設計を検証および/または改善するために使用され得る。しかしながら、原子炉およびその燃料アセンブリの設計が進化するにつれて、測定の正確性を確保し、したがって、原子炉の寿命全体を通して性能予測の検証を改善するために、リアルタイム運転条件のインコア検出の新しい手段および/または方法が必要になる。
【0022】
既に考察されたたように、可動および固定されたインコア検出システムの両方が、そのような測定値を生成するために使用されることが知られているが、各々は、幾何学的設計に関係なく、コアおよび/または燃料アセンブリの局所化された測定値の取得を妨げ得る欠陥を有する。ここで図1を参照すると、固定されたインコア検出器システムを含む、数個の既知の手段および/または方法に従って、原子炉にわたって軸方向出力分布測定値を比較するチャートが図示されている。それらの名称によって明らかであるように、固定されたインコア検出器システムは、可動インコア検出器システムと同じ様式ではコア全体を通して移動されるように構成されていない。むしろ、図1の固定されたインコア検出器システムは、システムの感知要素の有効長によって画定される、固定された軸領域にわたる平均原子炉出力分布を決定する。
【0023】
図1の手段および/または方法の固定された性質は、リアルタイム測定の正確性に影響を与える、および/または測定システムの多用途性を妨げ得る。例えば、図1の手段および/または方法は、貫通部が位置する原子炉上の位置に制約され得る。図1の既知の手段および/または方法が固定であり、平均に依拠し、かつそれらの設置および使用に対する制約を含むため、図1の手段および/または方法は、局所化され、詳細化された、正確なリアルタイム測定値を取得することを困難にする。したがって、可動インコア検出システムよりも効率的、かつ経済的であるが、固定されたインコア検出システムよりも正確、かつ詳細である、実際のコア条件の連続的なリアルタイムの測定値を取得する改善された手段および/または方法に対する必要性が存在する。この必要性は、原子炉および燃料アセンブリの特定の設計および/または構成が進化し続けると、増すばかりである。
【0024】
図2を参照すると、インコア出力分布を検出するように構成された多用途システム100が、本開示の少なくとも1つの態様に従って図示されている。図2のアセンブリは、多種多様な設計を有する核燃料アセンブリおよび原子炉にわたる出力分布を測定するために好適であり得る。図2の非限定的態様によると、システム100は、複数のガンマ検出器10’を含み得る。本開示の1つの非限定的態様によると、複数のガンマ検出器10’は、軸方向に、1つのガンマ検出器が別のガンマ検出器の上に位置決めされ得る。図2のシステム100は、複数のガンマ検出器10’を収容するように構成される、管40などの、細長いコンテナを含む。複数のガンマ検出器10’の各検出器10’は、1つ以上のリード26、28を含み得る。図2の非限定的な態様によると、複数のガンマ検出器10’は、軸方向積層として構成され得、複数のガンマ検出器10’の各ガンマ検出器10’は、管40の長さに沿って別のものに対して回転され得る。したがって、各ガンマ検出器10’の1つ以上のリード26、28は、他の検出器のリード26、28と干渉しないように構成され得る。図2の構成は、ガンマ検出器10’の密度、およびしたがって、システム100を介して取得され得る測定値を最大化し得ることを理解されたい。
【0025】
図2をさらに参照すると、システム100の管40内に収容される複数のガンマ検出器10’の各ガンマ検出器10’は、米国特許第9,831,375号に説明される検出器のいずれかの形態および/または機能を含むように修正され得、その開示は、参照により本明細書に組み込まれる。いくつかの非限定的な態様によると、ガンマ検出器10’のうちの1つ以上は、活性半導体領域、および半導体領域の少なくとも一部分にわたるショットキー接点を有する、ショットキーダイオードを含み得る。例えば、1つ以上の検出器10’は、図3に図示される組成物と同様の組成物を含み得、これは、米国特許第9,831,375号に詳細に説明される。
【0026】
ここで図3を参照すると、本開示の非限定的な態様による、図2のシステム100に統合され得る既知のガンマ検出器の断面側面図が図示されている。図3の非限定的な態様によれば、ガンマ検出器10は、オーミック接点層12を含み得る。オーミック接点層12は、タングステンの組成物を含み得るが、望ましい電気的抵抗特性を有する任意の数の好適な材料が利用され得ることを理解されたい。オーミック接点層12は、エピタキシャル炭化ケイ素16の層によって覆われ得る、炭化ケイ素導電基体14の下に位置決めされ得る。図3の非限定的な態様によると、基板14は、約300ミクロンの厚さを含み得、様々な態様におけるエピタキシャル層16は、約3~100ミクロンの厚さであり、エピタキシャル炭化ケイ素層16は、ショットキー接点18によって覆われ得る。ショットキー接点18は、約1ミクロンの厚さの白金または金などの任意の高導電性金属から形成され得る。さらに、図3のガンマ検出器10の特定の材料および寸法は、例示のみを目的として提示されることを理解されたい。したがって、本開示は、限定されるものではないが、米国特許第9,831,375号に開示されたものを含む、任意の好適な材料および/または寸法のガンマ検出器10を企図する。
【0027】
さらに図3を参照すると、ガンマ検出器10は、コンプトンおよび光電子源材料の薄層20をさらに含み得る。この層20は、例えば、とりわけ、白金、またはフッ化リチウムもしくはタングステンを含む任意の他の好適な高原子ドナー材料から作製され得る。図3の非限定的な態様によると、層20は、ショットキー接点18の少なくとも一部分の上に位置決めされ、かつそこから離間され得、それによって、入射ガンマ放射線に応答して、電子を放出し得る間隙22を画定する。放出された電子は、活性領域16を貫通し、活性領域14における荷電粒子の回収に寄与し得る。入射ガンマ放射線に応答して、源または電子ラジエータ材料20は、活性領域16を貫通し、活性領域14内の荷電粒子の回収に寄与することになる電子を放出し得る。
【0028】
図3をさらに参照すると、ショットキー接点18と追加された源層20との間の間隙22によって画定される距離は、調整可能であり得、いくつかの非限定的な態様によると、低有効原子数および無視できるコンダクタンスを有する流体を含み得る。例えば、70°F(21℃)で20パーセント以下の相対湿度を有する1気圧の空気の特性と同様の特性を含む流体は、電子ドナー層20とショットキー接点18との間に位置決めされ得る。好適な密度および電子減衰特性を含むそのような流体は、間隙22内で使用され得ることを理解されたい。さらに、源層20とショットキー接点18との間の間隙22は、所望のエネルギーのガンマ放射線によって生成される電子のみが、測定された信号に寄与することになるように構成され得る。
【0029】
さらに、図3の源層20の特定の材料および厚さは、ユーザ選好および/または意図された用途に従って、インコア検出器システムによって標的化されるガンマ放射線のエネルギー範囲に少なくとも部分的に基づいて選択され得ることをさらに理解されたい。追加的および/または代替的に、層24を取り囲む伸縮式スリーブによって象徴的に表される調整可能な電子ドナー層は、標的化されたガンマ放射線とドナー材料20内の源原子を取り囲む電子との間の相互作用を容易にするように具体的に構成され得る。これは、炭化ケイ素検出器10の活性領域16内に貫通するドナー層内に、高エネルギーのコンプトンおよび光電子を生成し得る。調整可能な電子ドナー層は、所望されるとき、相互作用が減衰され得るように、ショットキー接点18からの厚さおよび距離で調整可能であり得る。例えば、間隙22内に位置決めされ得る介在流体の厚さは、ドナー電子が活性領域内に回収されるように、ドナー電子のエネルギーを制御し得る。したがって、時間の固定された量にわたって堆積された電荷は、ガンマエネルギーおよびガンマ放射線強度が、ガンマ放射線検出器10によって生成された電気出力の分析から決定され得るように、層20上へのガンマ放射線入射のエネルギーに比例し得る。
【0030】
ここで図4を参照すると、本開示の少なくとも1つの非限定的な態様による、システム100(図2)に統合され得るガンマ検出器10の別の例が図示されている。図4の非限定的な態様によると、ガンマ検出器10’は、図3のガンマ検出器10と同様であるが、意図的に修正されている。例えば、図4の修正された検出器10’は、オーミック接点層12とガンマ検出器10’の導電層14との間に位置決めされた絶縁層34を含み得る。したがって、絶縁層34は、電子の意図しない放出、およびしたがって、タングステンオーミック接点12の短絡を防止し得る。
【0031】
図4をさらに参照すると、修正された検出器10’の活性領域は、SiC層14および16を含み得る。例えば、いくつかの非限定的な態様によると、エピタキシャル層16は、追加の電子源でドープされたSiCで作製され得る。追加の電子源は、n-によって示される負電荷の層をエピタキシャル層16に供給し得る。他の非限定的な態様によると、導電層14は、追加的および/または代替的に、電子を受容する材料でドープされたSiCから形成され得る。したがって、追加の電子源は、n+によって示される正電荷を導電層14に提供し得る。したがって、逆バイアスは、活性領域16においてnを枯渇させ得、電離放射線は、枯渇領域内で電子ホール対を生成し得る。電荷は、接点にわたって印加された電圧の影響下で回収され得る。
【0032】
さらに図4を参照すると、ガンマ検出器10’の活性領域は、2つの領域、1つの正のドープ層、および1つの負のドープ層を含む、エピタキシャル層16を含み得る。正のドープ層および負のドープ層は、所望の効果を達成するために、特異的に構成された厚さであり得る。例えば、正のドープ層は、約1ミクロンの厚さを含み得、負のドープ層は、約3~10ミクロンの厚さを含み得る。追加的および/または代替的に、導電層14は、ユーザ選好および/または意図された用途に従って、水素イオンを含み得る。
【0033】
システム100(図2および図5)、具体的に、ガンマ検出器10’の配置は、多種多様なコアおよび/または燃料アセンブリ設計にわたって局所化された測定値の取得を容易にするようにサイズ決めおよび/または構成され得る。図4の非限定的な態様によると、修正されたガンマ検出器10’は、比較的小さくてもよい。例えば、修正されたガンマ検出器10’は、約5mm3未満とすることができる。ガンマ検出器10’は、源材料20とSiCのn-領域、エピタキシャル層16との間の距離を調整することによって、放射されたエネルギーの既定の最小量(例えば、約5MeV未満)を検出するように構成され得る。したがって、システム100は、互いに比較的近接して位置決めされる多数のガンマ検出器10’を用いることができ、それによって、局所化された測定値の取得を容易にし、固定されたインコア検出器の「平均化」アプローチを排除する。
【0034】
図4をさらに参照すると、検出器10’の外部表面は中間層30によって覆われ得、中間層30は、いくつかの非限定的な態様によると、ガンマ検出器10’内で導電性材料を隔離するように構成される誘電体(例えば、酸化アルミニウム(Al2O3)、酸化マグネシウム(MgO)など)から作製され得る。いくつかの非限定的な態様によると、中間層30は、好ましい材料(例えば、ステンレス鋼、Iconel(商標)、酸化アルミニウムなど)の外層32によってさらに覆われ得る。外側層32は、ガンマ検出器10’に構造的完全性を提供する包囲体として機能するように構成され得る。
【0035】
図4の非限定的な態様によると、第1のリード26はまた、中間層30および外層32によって覆われ、かつ点44における源材料層20の近くでガンマ検出器10’の上部から延在するように構成され得る。同様に、第2のリード28は、中間層30および外層32によって覆われ、かつ点46におけるオーミック接点層12の近くで検出器10’の底部から延在するように構成され得る。図4の非限定的な態様によると、第1および第2のリード26および28は、ガンマ検出器10’の対向面上に位置決めされ得る。したがって、半径方向構成では、ガンマ検出器10’の第1のリード26および第2のリード28は、例えば、互いに180°離間されて位置決めされ得る。第1のリード26と第2のリード28との間の距離は、図2図4、および図5に、電圧の差を表す、ΔVによって示されている。
【0036】
ここで図5を参照すると、本開示の少なくとも1つの非限定的な態様による、図2のシステム100の断面図が図示されている。図5の非限定的な態様によると、その管40およびガンマ検出器10’を含むシステム100が例示されている。リード26/28の3つのセットは、ΔV1、ΔV2、およびΔV3で示される距離によって分離され得、別のセットは、任意の数の「n」の追加の検出器10’が図5のシステム100内に含められ得ることを示す、ΔVnによって示される。図2に図示されるように、本開示は、システム100が可能である局所化された測定値の数を増加させるように、複数の検出器10’を企図する。いくつかの非限定的な態様によると、61個もの検出器10’が、原子炉(図示せず)で使用される典型的な機器管40内に配置され得る。システム100の管40内に含まれるガンマ検出器10’の数は、管40の長さ、および原子炉設計によって駆動される、およびしたがって、システム100に必要とされる、測定能力に応じて変動し得る。ガンマ検出器10’は、各検出器10’のリード26/28が管40内の検出器10’の残り部分のリード26/28から半径方向に離間されるように配置され得る。したがって、図2および図5のシステム100は、測定される信号における望ましくない核分裂生成物のガンマ放射線の寄与を、排除しない場合、軽減し得る。
【0037】
システム100、具体的に、図2および図5のガンマ検出器10’の配置は、多種多様なコアおよび/または燃料アセンブリ設計にわたって局所化された測定値の取得を容易にするようにサイズ決めおよび/または構成され得る。例えば、いくつかの非限定的な態様では、ガンマ検出器10’は、管40の内側、かつその長さに沿って、互いに対して変動する位置に位置決めされ得る。例えば、ガンマ検出器10’は、システム100によって取られる検出器内測定値の正確性を改善するために、わずかに離間され得る。これは、システム100によって取られる測定値の改善された局在化を可能にし得、それによって、既に考察された固定されたインコア検出器システムに対するシステム100の性能を改善する。本明細書で使用される場合、「わずかに離間される」は、約12インチ未満、および様々な態様では、約2~3インチ以下、および好ましくは、可動インコア検出器測定システムによって提供される微間隔軸方向中性子分布測定分解能(約2.4インチ)の間隔以下の約2.4インチ以下を意味し得る。しかしながら、いくつかの非限定的な態様によると、ガンマ検出器10’は、システム100によって取られた取得された測定値の局在化の程度を最適化するように、ユーザ選好および/または意図された用途に従って、互いに対して任意の所望の距離に位置決めされ得る。実際に、図4のガンマ検出器10’のサイズおよび効率は、幅広い多種多様なコア設計に適用され得る多用途性でシステム100を浸透させる。
【0038】
追加的および/または代替的に、システム100全体の構成は、多用途性を強化し、性能を改善するためにカスタマイズされ得る。例えば、図2および図5の管40は、具体的には、例えば、燃料アセンブリ中央機器シンブルの内側、あるいは原子炉の内側もしくは周囲および/または原子炉容器内側の他の戦略的測定場所に収まるのに十分小さい外径を含むように構成され得る。しかしながら、システム100は、コアおよび/または燃料アセンブリの任意の所望される場所にその設置を可能にするように、任意の数の幾何学的特徴および/または寸法を含み得る。ガンマ検出器10’によって提示されるカスタマイズの程度と同様に、システム100全体の構成は、ユーザ選好および/または意図された用途に従って減衰され得る。したがって、他の非限定的な態様では、システム100は、ユーザが性能を損なうことなくそのサイズを低減することを上述されたスケーラビリティが可能にするため、任意の数のコア設計にわたって効果的に実装される。この幾何学的多用途性は、既に考察されたように、既知の可動および固定されたインコア原子炉に対して明白な改善を提供する。
【0039】
一部の非限定的な態様によると、SiC信号応答は、原子炉コア内またはその周囲に位置する多くのガンマ検出器10’の各々に対して、コア設計ソフトウェアによって予測され得る。小さい、わずかに離間された、ガンマ検出器10’を有する、図2および図5のシステム100などの、システム100の使用は、図1に図示された固定されたインコア検出システム測定に関して既に考察されたように、長い燃料センブリ長さにわたる束測定値を平均化する効果を本質的に排除し得る。既に考察されたように、現在使用されている固定されたインコア検出器システムの必要な平均化および半径方向分布場所制約は、高度に局所化および詳細化された測定値と、予測される出力分布および長期運転特性との間の差を観察することを困難にする。
【0040】
図2および図5のシステム100をさらに参照すると、開示されたガンマ検出器10’の構成は、可動インコア検出器システムの可動核分裂チャンバの軸方向測定密度(例えば、2.4インチ毎に1つ)の分布を厳密に模倣し得る。したがって、システム100は、グリッド、熱伝達に影響を与える燃料ロッドの外側の堆積物、反応性(例えば、CRUD)、および/または原子炉コア上の局所的沸騰の影響を解決する能力を有し得る。これは、開発される軸方向束分布のより正確な合成を可能にする。測定された検出器10’信号と予測検出器10’信号との間の差は、コア設計モデリングツールの正確性をより詳細に決定し、かつ燃料性能の例外の存在を識別するために使用され得る非常に詳細なコア出力分布測定を生成するために使用され得る。
【0041】
さらに、図2および図5のシステム100は、燃料アセンブリ機器シンブルのすべての内側に、または原子炉燃料マトリクス内の準備された位置の内側に、恒久的に位置決めされ得る。信号リード26/28は、図2および図5に示されるように配向される検出器管40内の検出器信号を出力して、信号リードに対して標準的な鉱物絶縁ケーブル設計を使用しながら、所望のSiC感知要素の活性体積表面積および軸方向密度を可能にするために使用され得る。SiC信号は、共通の原子炉接地を利用して、測定された電圧差を信号処理電子機器に結合する電気コネクタの構成を単純化することになる。
【0042】
図2および図5の非限定的なシステム100の数個の利点は、例えば、以下を含む:
(1)管40の内側の検出器10’の軸方向位置の関数としての回転配置の使用が、管40内に収容され得る同一の検出器10’の数を最大化し、乾燥管40の必要な外径を最小化する。
(2)各検出器10’の間隙22を調整して、最大エネルギープロンプト核分裂ガンマエネルギーを検出することによって調整されるシステム100におけるSiC検出器10’の使用が、原子炉分裂出力分布の連続的な測定を可能にする。このプロンプト核分裂情報は、原子炉の例外検出、連続出力分布監視、および単一のセンサ設計からの原子炉保護に使用され得る。
(3)ガンマ感受性SiC検出器10’システム100設計の使用は、放射線被曝の関数として劣化または減少するはずである構成要素が存在しないため、このアセンブリが原子炉の寿命の間、機能し続けることを可能にし得る。
(4)図5に示されるSiC検出器設計の熱特質は、加圧水型原子炉、沸騰水型原子炉、高温ガス冷却原子炉、および液体金属冷却原子炉に対する設計における使用を可能にし得る。
【0043】
原則的に、インコア検出器システム100の設計ならびに図2および図5の構成は、原子炉運転で使用されるすべての他の放射線センサを置換し得る。さらに、現在の測定システムから本明細書に説明される放射線検出器システム100に移行する労力は、非常に容易であり、かつ費用対効果が高いはずである。
【0044】
本明細書で言及したすべての特許、特許出願、刊行物、または他の開示資料は、個々の参考文献がそれぞれ参照により明示的に組み込まれるように、その文献全体が参照により本明細書に組み込まれる。参照により本明細書に組み込まれると言及されたすべての文献、および任意の資料、またはそれらの一部は、組み込まれた資料が、本開示に記載された既存の定義、記述、または他の開示資料と矛盾しない限り、本明細書に組み込まれる。したがって、本明細書に記載の開示は、必要な範囲において、参照により本明細書に組み込まれた任意の矛盾する資料に優先し、本出願に明示的に記載される開示が優先する。
【0045】
本発明は、様々な例示的なおよび実例的な態様を参照して説明されてきた。本明細書に記載の態様は、開示された発明の様々な態様の様々な詳細の実例的な特徴を提供するものとして理解され、したがって、特段の指示がない限り、可能な範囲において、開示した態様の1つ以上の特徴、要素、構成要素、成分、材料、構造物、モジュールおよび/または態様は、開示された本発明の範囲から逸脱することなく、開示された態様の1つ以上の他の特徴、要素、構成要素、成分、材料、構造物、モジュール、および/または態様に対して、組み合わされ、分離され、交換され、および/または再配置され得ることが理解されるべきである。したがって、当業者であれば、本発明の範囲から逸脱することなく、例示的な態様のいずれにおいても様々な置換、改変、または組み合わせが可能であることを認識するであろう。さらに、当業者は、本明細書を検討すれば、本明細書に記載された本発明の様々な態様に対する多くの等価物を認識するか、または単に日常的な実験を使用して確認することができる。したがって、本発明は、様々な態様の説明によってではなく、特許請求の範囲によって限定される。
【0046】
本明細書に説明される主題の様々な態様は、以下の番号付き条項に説明される:
第1項:原子炉内の出力分布を測定するように構成されたインコア検出器であって、インコア検出器が、原子炉の既定の場所内に配置されるように構成されたハウジングと、複数のガンマ検出器と、を含み、複数のガンマ検出器の各ガンマ検出器が、活性半導体領域、および活性半導体領域の少なくとも一部分にわたるショットキー接点を有する、ショットキーダイオードと、活性半導体領域の少なくとも一部分の下のオーミック接点と、原子炉によって放射されるガンマ放射線との接触時に、ショットキーダイオードの活性領域に電子を輸送するように構成された光電子源材料と、源材料に近接して延在する第1のリードと、オーミック接点層に近接して延在する第2のリードと、を含み、複数のガンマ検出器は、複数のガンマ検出器の各ガンマ検出器が、複数のガンマ検出器の隣接するガンマ検出器に対して半径方向にオフセットされ、それにより、各ガンマ検出器の第1および第2のリードが、隣接するガンマ検出器の第1および第2のリードに対してオフセットされるように、ハウジング内に位置決めされている、インコア検出器。
第2項:ハウジングが、軸方向に延在する管を備え、管が、内部空洞を画定するように構成されており、かつ複数のガンマ検出器が、内部空洞内に軸方向に積層される、第1項に記載のインコア検出器。
第3項:光電子源材料が、ショットキー接点から離れた距離に位置決めされ、それによって、光電子源材料とショットキー接点との間に間隙を生じさせ、寸法が、間隙を減衰させるように調整することができ、間隙を減衰させることが、複数のガンマ検出器の各ガンマ検出器によって検出されたエネルギーの量を減衰させる、第1または2項に記載のインコア検出器。
第4項:距離は、複数のガンマ検出器の各ガンマ検出器が、5MeV以上のガンマ放射線を検出するように構成されるように、ショットキー接点と光電子源材料との間に間隙を生じさせるように既定されている、第1~3項のいずれか一項に記載のインコア検出器。
第5項:複数のガンマ検出器の各ガンマ検出器が、ショットキー接点と光電子源材料との間に介在する流体であって、流体が、既定の有効原子数および無視できるコンダクタンスを含む、流体と、ショットキーダイオード、オーミック接点、光電子源材料、第1のリードの少なくとも一部分、および第2のリードの少なくとも一部分を覆う中間材料であって、中間層が、複数のガンマ検出器の各ガンマ検出器を電気的に隔離するように構成されている、中間材料と、をさらに含む、第1~4項のいずれか一項に記載のインコア検出器。
第6項:ショットキー接点と光電子源材料との間に介在する流体が、空気を含む、第1~5項のいずれか一項に記載のインコア検出器。
第7項:中間層が、酸化アルミニウムおよび酸化マグネシウム、またはそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、第1~6項のいずれか一項に記載のインコア検出器。
第8項:複数のガンマ検出器の各ガンマ検出器が、中間材料を覆う外側材料をさらに備え、外側材料が、複数のガンマ検出器の各ガンマ検出器の構造的完全性を提供するように構成されている、第1~7項のいずれか一項に記載のインコア検出器。
第9項:外側材料が、ステンレス鋼を含む、第1~8項のいずれか一項に記載のインコア検出器。
第10項:光電子源材料が、白金を含む、第1~9項のいずれか一項に記載のインコア検出器。
第11項:活性半導体領域が、炭化ケイ素を含む、第1~10項のいずれか一項に記載のインコア検出器。
第12項:原子炉によって放射されるガンマ放射線を測定するように構成されたインコア検出器システムであって、インコア検出器システムが、原子炉内の既定の場所に配置されるように構成されたハウジングであって、ハウジングが、軸方向寸法に延在する、ハウジングと、ハウジング内に軸方向に積層された複数のガンマ検出器と、を含み、複数のガンマ検出器の各ガンマ検出器が、活性半導体領域、および活性半導体領域の少なくとも一部分にわたるショットキー接点を有する、ショットキーダイオードと、光電子源材料であって、光電子源材料が、原子炉によって放射されるガンマ放射線に接触するときに、活性領域を貫通するエネルギーを生成するように構成されている、光電子源材料と、を含む、インコア検出器システム。
第13項:ハウジングが、軸方向に延在する管を備え、管が、内部空洞を画定するように構成されており、かつ複数のガンマ検出器が、内部空洞内に軸方向に積層される、第12項に記載のインコア検出器。
第14項:光電子源材料が、ショットキー接点から離れた距離に位置決めされ、それによって、光電子源材料とショットキー接点との間に間隙を生じさせ、寸法が、間隙を減衰させるように調整することができ、間隙を減衰させることが、複数のガンマ検出器の各ガンマ検出器によって検出されたエネルギーの量を減衰させる、第12または13項に記載のインコア検出器。
第15項:複数のガンマ検出器の各ガンマ検出器が、第1のリードおよび第2のリードをさらに含み、第1のリードおよび第2のリードが、互いに既定の距離に位置決めされ、既定の距離が、複数のガンマ検出器の各ガンマ検出器によって生成される電圧の差と関連付けられている、第12~14項のいずれか一項に記載のインコア検出器。
第16項:インコア検出器システムのハウジング内に軸方向に積層された複数のガンマ検出器のうちのガンマ検出器であって、複数のガンマ検出器が、原子炉によって放射されるガンマ放射線を測定するように構成されており、複数のガンマ検出器の各ガンマ検出器が、活性半導体領域、および活性半導体領域の少なくとも一部分にわたるショットキー接点を含む、ショットキーダイオードと、活性半導体領域内で電荷を生成するように構成された導電性材料と、光電子源材料であって、光電子源材料が、原子炉によって放射されるガンマ放射線と接触するときに活性領域を貫通するエネルギーを生成するように構成されており、光電子源材料が、ショットキー接点から離れた距離に位置決めされ、それによって、光電子源材料とショットキー接点との間に間隙を生じさせる、光電子源材料と、を含む、ガンマ検出器。
第17項:寸法が、間隙を減衰させるように調整することができ、間隙を減衰させることが、複数のガンマ検出器の各ガンマ検出器によって検出されるエネルギーの量を減衰させる、第16項に記載のガンマ検出器。
第18項:導電性材料が、活性半導体領域内に電子差、したがって逆バイアスを生成するように構成されている、第16または17項に記載のガンマ検出器。
第19項:ショットキー接点と導電性材料との間に位置決めされた絶縁材料をさらに含み、絶縁材料が、電子の意図しない放出を防止するように構成されている、第16~18項のいずれか一項に記載のガンマ検出器。
第20項:ショットキー接点と光電子源材料との間に配設される流体の層をさらに含み、流体が、既定の有効原子数および無視できるコンダクタンスを含む、第16~19項のいずれか一項に記載のガンマ検出器。
【0047】
本明細書で言及したすべての特許、特許出願、刊行物、または他の開示資料は、個々の参考文献がそれぞれ参照により明示的に組み込まれるように、その文献全体が参照により本明細書に組み込まれる。参照により本明細書に組み込まれると言及されたすべての文献、および任意の資料、またはそれらの一部は、組み込まれた資料が、本開示に記載された既存の定義、記述、または他の開示資料と矛盾しない限り、本明細書に組み込まれる。したがって、本明細書に記載の開示は、必要な範囲において、参照により本明細書に組み込まれた任意の矛盾する資料に優先し、本出願に明示的に記載される開示が優先する。
【0048】
本発明は、様々な例示的なおよび実例的な態様を参照して説明されてきた。本明細書に記載の態様は、開示された発明の様々な態様の様々な詳細の実例的な特徴を提供するものとして理解され、したがって、特段の指示がない限り、可能な範囲において、開示した態様の1つ以上の特徴、要素、構成要素、成分、材料、構造物、モジュールおよび/または態様は、開示された本発明の範囲から逸脱することなく、開示された態様の1つ以上の他の特徴、要素、構成要素、成分、材料、構造物、モジュールおよび/または態様に対して、組み合わされ、分離され、交換されおよび/または再配置され得ることが理解されるべきである。したがって、当業者であれば、本発明の範囲から逸脱することなく、例示的な態様のいずれにおいても様々な置換、改変、または組み合わせが可能であることを認識するであろう。さらに、当業者は、本明細書を検討すれば、本明細書に記載された本発明の様々な態様に対する多くの等価物を認識するか、または単に日常的な実験を使用して確認することができる。したがって、本発明は、様々な態様の説明によってではなく、特許請求の範囲によって限定される。
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】