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特表2022-550481蒸発エミッションシステム用のポンプ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-01
(54)【発明の名称】蒸発エミッションシステム用のポンプ
(51)【国際特許分類】
   F04C 18/344 20060101AFI20221124BHJP
   F04C 29/12 20060101ALI20221124BHJP
   F02M 25/08 20060101ALI20221124BHJP
【FI】
F04C18/344 351N
F04C29/12 B
F02M25/08 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022520856
(86)(22)【出願日】2020-09-15
(85)【翻訳文提出日】2022-06-02
(86)【国際出願番号】 US2020050882
(87)【国際公開番号】W WO2021067031
(87)【国際公開日】2021-04-08
(31)【優先権主張番号】62/910,708
(32)【優先日】2019-10-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522135190
【氏名又は名称】ストーンリッジ コントロール デバイスィズ インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【弁理士】
【氏名又は名称】原 裕子
(74)【代理人】
【識別番号】100195257
【弁理士】
【氏名又は名称】大渕 一志
(72)【発明者】
【氏名】スタインマン、 ロバート ジェームズ
【テーマコード(参考)】
3G144
3H040
3H129
【Fターム(参考)】
3G144BA22
3G144DA02
3G144DA03
3G144FA02
3G144GA02
3G144GA03
3G144HA02
3G144HA21
3G144HA22
3H040AA08
3H040BB11
3H040CC15
3H040DD06
3H040DD22
3H129AA05
3H129AB02
3H129BB36
3H129CC43
(57)【要約】
回転ベーンポンプは、中間プレートの対向する第1及び第2の側面にそれぞれ固定される第1及び第2のプレートを含むハウジングを含む。前記中間プレートは、ボア及び入口ポート及び出口ポートを含む。第1及び第2の側面はそれぞれ、入口ポート及び出口ポートとそれぞれ流体連通する第1及び第2の通路を有する。第1及び第2の通路は、ボアと流体連通する。中間プレートは、第1及び第2のプレートに対して可逆的である。ボア内にロータが配置される。ロータは、入口ポートと出口ポートとの間で流体をポンピングするように構成される摺動可能ベーンを支持する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中間プレートの対向する第1及び第2の側面にそれぞれ固定される第1及び第2のプレートを含むハウジングであって、前記中間プレートは、ボア及び入口ポート及び出口ポートを含み、前記第1及び第2の側面はそれぞれ、前記入口ポート及び前記出口ポートと流体連通する第1及び第2の通路を有し、前記第1及び第2の通路は前記ボアと流体連通し、前記中間プレートは、前記第1及び第2のプレートに対して可逆的であるハウジングと、
前記ボア内に配置されるロータであって、前記入口ポートと前記出口ポートとの間で流体をポンピングするように構成される摺動可能ベーンを支持するロータと
を備える、回転ベーンポンプ。
【請求項2】
前記第1及び第2の側面のうちの少なくとも一方は、フィルタを有するポケットを含み、前記ポケットは、前記第1及び第2の通路の一方に流体的に配置される、請求項1に記載の回転ベーンポンプ。
【請求項3】
前記第1及び第2のプレート及び前記中間プレートは、前記第1及び第2のプレートを前記中間プレートに締め付けるように配置される締結具を有する孔と、前記第1のプレートに取り付けられるモータとを含む、請求項1に記載の回転ベーンポンプ。
【請求項4】
前記第1及び第2のプレート及び前記中間プレートは、回転ポンプ組み立て手順中にピンを収容するように構成される位置決め孔を含む、請求項3に記載の回転ベーンポンプ。
【請求項5】
前記ボアは楕円形状であり、前記ロータは前記第1及び第2の通り道とそれぞれ流体連通する第1及び第2のキャビティに前記ボアを分離する、請求項1に記載の回転ベーンポンプ。
【請求項6】
前記ボアは、円形であり、三日月形状を有する単一のキャビティを提供する、請求項1に記載の回転ベーンポンプ。
【請求項7】
前記第1及び第2のプレート及び前記中間プレートはプラスチックであり、前記第1及び第2の側面は、前記第1及び第2のプレートの間に追加のシール構造を設けることなく、前記第1及び第2のプレートにそれぞれ当接する、請求項1に記載の回転ベーンポンプ。
【請求項8】
前記第1及び第2の側面はそれぞれ、機械加工されていない第1及び第2の表面を含む、請求項7に記載の回転ベーンポンプ。
【請求項9】
前記第1及び第2の表面は、射出成形によって提供される、請求項8に記載の回転ベーンポンプ。
【請求項10】
前記中間プレートは、軸周りに180°離れた位置の間で対称である、請求項1に記載の回転ベーンポンプ。
【請求項11】
蒸発構成要素と、
前記蒸発構成要素に流体的に接続されるポンプと、
前記ポンプと通信するコントローラであって、漏れテスト手順中にシステムにおける圧力を維持するように構成されるコントローラと
を備える蒸発エミッションシステムにおいて、
前記ポンプは、
中間プレートの対向する第1及び第2の側面にそれぞれ固定される第1及び第2のプレートを含むハウジングであって、前記中間プレートは、ボア及び入口ポート及び出口ポートを含み、前記第1及び第2の側面はそれぞれ、前記入口ポート及び前記出口ポートと流体連通する第1及び第2の通路を有し、前記第1及び第2の通路は前記ボアと流体連通し、前記中間プレートは、前記第1及び第2のプレートに対して可逆的であるハウジングと、
前記ボア内に配置されるロータであって、前記入口ポートと出口ポートとの間で流体をポンピングするように構成されるベーンを支持するロータと
を含む、蒸発エミッションシステム。
【請求項12】
前記蒸発構成要素は、チャコールキャニスタ及び燃料タンクの少なくとも一方を含み、前記漏れ検出手順中に閉位置に配置される少なくとも1つの弁を備える、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記少なくとも1つの弁は逆止弁及び別の弁であり、前記逆止弁は前記出口ポートの下流に配置される、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記コントローラと通信する圧力ゲージを備え、前記漏れテスト手順の間、システム圧力を監視するように構成される、請求項11に記載のシステム。
【請求項15】
前記第1及び第2の側面のうちの少なくとも一方は、フィルタを有するポケットを含み、前記ポケットは、前記第1及び第2の通路の一方に流体的に配置される、請求項11に記載のシステム。
【請求項16】
前記第1及び第2のプレート及び前記中間プレートはプラスチックであり、前記第1及び第2の側面は、前記第1及び第2のプレートの間に追加のシール構造を設けることなく、それぞれ前記第1及び第2のプレートに当接し、前記第1及び第2の側面はそれぞれ、機械加工されていない第1及び第2の表面を含む、請求項11に記載のシステム。
【請求項17】
前記中間プレートは、軸周りに180°離れた位置の間で対称である、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
回転ベーンポンプを組み立てる方法であって、
中間プレートの第1の側面又は第2の側面のいずれかと当接係合するように第1のプレートを配置するステップであって、前記中間プレートは前記第1のプレートに対して可逆的であるステップと、
前記中間プレートにおけるボアに摺動可能ベーンを有するロータを配置するステップと、
前記第1及び第2の側面の他方と当接係合するように第2のプレートを配置するステップと、
前記第1及び第2のプレートを前記中間プレート及び前記ロータの周りに固定するステップと
を含む方法。
【請求項19】
前記第1のプレートにモータを取り付けるステップを含み、
前記モータは前記ロータに結合される、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記第1及び第2の側面の少なくとも一方は、フィルタを有するポケットを含む、請求項18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、例えば、ガソリン駆動車両の蒸発エミッションシステムにおける漏れテスト手順中に真空又は圧力状態を作り出すために使用される回転ベーンポンプに関する。
【0002】
(関連出願への相互参照)
本出願は、2019年10月4日に出願された米国仮出願第62/910,708号の優先権を主張し、参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
蒸発エミッションシステムは、ガソリン駆動車両に長い間必要とされてきた。システムは、燃料蒸気が大気中に漏れないことを保証するために、車両の始動手順中に漏れテストを行わなければならない。ポンプは、真空を作り出すか、又はシステムを加圧するために使用される。動作中にポンプ又はシステムの他の構成要素に損傷を与える可能性のある汚染を防ぐために、外部フィルタが使用される。システム圧力を維持するために、このテスト手順中に様々な弁が閉じられる場合があり、漏れがないかどうかを判断するために圧力が監視される。
【0004】
このようなシステムで使用されるポンプは、ポンプの寸法の多くが重要であり、機械加工を必要とするため、比較的高価であり得る。さらに、複数プレート構成を使用する場合、プレートは互いに固有のものである。
【発明の概要】
【0005】
例示的な一実施形態では、回転ベーンポンプは、中間プレートの対向する第1及び第2の側面にそれぞれ固定される第1及び第2のプレートを含むハウジングを含む。前記中間プレートはボア、入口ポート及び出口ポートを含む。前記第1及び第2の側面はそれぞれ、前記入口ポート及び出口ポートとそれぞれ流体連通する第1及び第2の通路を有する。前記第1及び第2の通路は、前記ボアと流体連通する。前記中間プレートは、前記第1及び第2のプレートに対して可逆的である。前記ボア内にロータが配置される。前記ロータは、前記入口ポートと出口ポートとの間で流体をポンピングするように構成される摺動可能ベーンを支持する。
【0006】
上記のいずれかのさらなる実施形態では、前記第1及び第2の側面の少なくとも一方は、フィルタを有するポケットを含む。前記ポケットは、前記第1及び第2の通路の一方に流体的に配置される。
【0007】
上記のいずれかのさらなる実施形態では、前記第1及び第2のプレート及び前記中間プレートは、前記第1及び第2のプレートを前記中間プレートに締め付けるように配置される締結具を有する孔を含む。前記第1のプレートにはモータが取り付けられる。
【0008】
上記のいずれかのさらなる実施形態では、前記第1及び第2のプレート及び前記中間プレートは、回転ポンプ組み立て手順中にピンを収容するように構成される位置決め孔を含む。
【0009】
上記のいずれかのさらなる実施形態では、前記ボアは楕円形状である。前記ロータは、前記第1及び第2の通路とそれぞれ流体連通する第1及び第2のキャビティに前記ボアを分離する。
【0010】
上記のいずれかのさらなる実施形態では、前記ボアは、円形であり、三日月形状を有する単一のキャビティを提供する。
【0011】
上記のいずれかのさらなる実施形態では、前記第1及び第2のプレート及び前記中間プレートはプラスチックである。前記第1及び第2の側面は、前記第1及び第2のプレートの間に追加のシール構造を設けることなく、それぞれ前記第1及び第2のプレートに当接する。
【0012】
上記のいずれかのさらなる実施形態では、前記第1及び第2の側面はそれぞれ、機械加工されていない第1及び第2の表面を含む。
【0013】
上記のいずれかのさらなる実施形態では、前記第1及び第2の表面は、射出成形によって提供される。
【0014】
上記のいずれかのさらなる実施形態では、前記中間プレートは、軸周りに180°離れた位置の間で対称である。
【0015】
別の例示的な実施形態では、蒸発エミッションシステムは、蒸発構成要素を含む。ポンプが前記蒸発構成要素に流体的に接続される。前記ポンプは、中間プレートの対向する第1及び第2の側面にそれぞれ固定される第1及び第2のプレートを含むハウジングを含む。前記中間プレートは、ボア及び入口ポート及び出口ポートを含む。前記第1及び第2の側面はそれぞれ、前記入口ポート及び出口ポートとそれぞれ流体連通する第1及び第2の通路を有する。前記第1及び第2の通路は、前記ボアと流体連通する。前記中間プレートは、前記第1及び第2プレートに対して可逆的である。前記ボア内にロータが配置される。前記ロータは、前記入口ポートと出口ポートとの間で流体をポンピングするように構成されるベーンを支持する。コントローラが前記ポンプと通信する。前記コントローラは、漏れテスト手順中に前記システムにおける圧力を維持するように構成される。
【0016】
上記のいずれかのさらなる実施形態では、前記蒸発構成要素は、チャコールキャニスタ及び燃料タンクの少なくとも一方を含み、前記漏れ検出手順中に閉位置に配置される少なくとも1つの弁を含む。
【0017】
上記のいずれかのさらなる実施形態では、前記少なくとも1つの弁は、逆止弁及び別の弁である。前記逆止弁は、前記出口ポートの下流に配置される。
【0018】
上記のいずれかのさらなる実施形態では、前記システムは、前記コントローラと通信する圧力ゲージを備え、前記漏れテスト手順の間、システム圧力を監視するように構成される。
【0019】
上記のいずれかのさらなる実施形態では、前記第1及び第2の側面の少なくとも一方は、フィルタを有するポケットを含む。前記ポケットは、前記第1及び第2の通路の一方に流体的に配置される。
【0020】
上記のいずれかのさらなる実施形態では、前記第1及び第2のプレート及び前記中間プレートはプラスチックである。前記第1及び第2の側面は、前記第1及び第2のプレートの間に追加のシール構造を設けることなく、それぞれ前記第1及び第2のプレートに当接する。前記第1及び第2の側面はそれぞれ、機械加工されていない第1及び第2の表面を含む。
【0021】
上記のいずれかのさらなる実施形態では、前記中間プレートは、180°離れた位置の間において軸に関して対称である。
【0022】
別の例示的な実施形態では、回転ベーンポンプを組み立てる方法は、中間プレートの第1の側面又は第2の側面のいずれかと当接係合するように第1のプレートを配置するステップであって、前記中間プレートは前記第1のプレートに対して可逆的であるステップを含む。前記方法は、前記中間プレートにおけるボアに摺動可能ベーンを有するロータを配置するステップも含む。前記方法は、前記第1及び第2の側面の他方と当接係合するように第2のプレートを配置するステップをさらに含む。前記方法は、前記第1及び第2のプレートを前記中間プレート及び前記ロータの周りに固定するステップをさらに含む。
【0023】
上記のいずれかのさらなる実施形態では、前記方法は、前記第1のプレートにモータを取り付けるステップを含む。前記モータは前記ロータに結合される。
【0024】
上記のいずれかのさらなる実施形態では、前記第1及び第2の側面の少なくとも一方は、フィルタを有するポケットを含む。
【0025】
本開示は、添付図面に関連して考慮される場合、以下の詳細な説明を参照することによってさらに理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】1つの例示的な蒸発燃料システムの部分を概略的に示す。
【0027】
図2A】本開示による一例の回転ベーンポンプの斜視図である。
【0028】
図2B】線2B-2Bに沿った図2Aのポンプの断面図である。
【0029】
図3A】第1のプレートを取り外し、中間プレート内のロータを露出させた状態のポンプの立面図を示す。
【0030】
図3B】フィルタを取り付けた中間プレートの斜視図である。
【0031】
図4A図3Bに示された中間プレートの第1の側面斜視図である。
図4B図3Bに示された中間プレートの第2の側面斜視図である。
【0032】
図5】中間プレート内に円形ボアを有する単一キャビティポンプの立面図である。
【0033】
図6図5に示された側とは反対側の中間プレートを示す。
【0034】
上記の段落の実施形態、例示及び代替物、請求項、又は以下の説明及び図面は、それらの様々な態様又はそれぞれの個別の特徴のいずれかを含んでおり、独立して、又は任意の組み合わせで採用されてもよい。一実施形態に関連して説明された特徴は、そのような特徴が非互換でない限り、全ての実施形態に適用可能である。種々の図面における同様の参照番号及び名称は、同様の要素を示す。
【発明を実施するための形態】
【0035】
図1は、例示的な蒸発燃料システム10の一部を概略的に示す。システム10は、給油口キャップ16を備えた給油口14を有する燃料タンク12を含む。燃料ポンプ18は、例えば燃料タンク12から内燃エンジン20にガソリンを供給する。
【0036】
システム10は、システム内の燃料蒸気の流れを捕捉して調整するように構成される。一例では、燃料タンク隔離弁24が、燃料タンク12とチャコールキャニスタ22との間に流体的に配置され、後者はエンジン20によって後で使用される燃料蒸気を捕捉して貯蔵する。パージ弁26が、チャコールキャニスタ22とエンジン20との間に流体的に接続される。コントローラ11は、燃料蒸気を利用するために動作中にこうした燃料蒸気をエンジン20に選択的に供給するようにパージ弁26の位置を調整する。
【0037】
システム10の完全性は、定期的にテストされなければならない。あるタイプのシステム10は、漏れ検出モジュール(LDM)28を使用し、これは、例えば圧力変換器30を使用して、システムを真空引き及び/又は加圧して、漏れが存在するかどうかを判定するために使用ことができる。漏れテスト手順の一例では、パージ弁26が閉じられ、コントローラ11が漏れ検出モジュール28を作動させてシステムを加圧する。コントローラ11によって監視される圧力変換器30によって検出される圧力の変化は、漏れを示す。
【0038】
漏れ検出モジュール28の一例を図2Aにさらに詳細に示す。モジュール28は、入口ポート34を介して大気を受け取るポンプ32を含む。ポンプは、加圧空気を出口ポート36に供給し、これは逆止弁38を介してチャコールキャニスタ22又はシステム10の他の蒸発構成要素に供給されてもよい。
【0039】
ポンプ32は、中間プレート46の両側に固定される第1及び第2のプレート42、44から構築されるハウジング40を有する。この例では、入口ポート34及び出口ポート36は、第1及び第2のプレート42、44の一方又は両方に設けられるのではなく、中間プレート46の縁部に設けられる。図2A及び図2Bを参照すると、中間プレート46は、第1のプレート42に隣接して当接する第1の側面46aを有し、第2の側面46bは、第2のプレート44に隣接して当接する。この例では、第1及び第2の側面46a、46bは、第1及び第2のプレートの間に追加のシール構造(例えば、ガスケット又はシーリング材)を設けることなく、第1及び第2のプレート42、44に当接して係合する。モータ48は、第1のプレートに取り付けられ、シャフト50を介して中間プレート46のボア62に収容されるロータ52を回転駆動する。
【0040】
この例では、第1、第2、及び中間プレート42、44、46は、ナイロン又はポリプロピレン等、例えば、グラファイト又はテフロン(登録商標)充填されたプラスチック材料から構成される。一例では、プラスチックは射出成形され、これは、識別可能であって成形プロセスを示す特性(収縮及びフローライン等)を有する表面を提供する。プレート42、44、46は、プレートを互いに正確に位置合わせするためにポンプ32の組み立て中に一時的に貫通ピンを収容するようにそれぞれ構成される少なくとも2つの位置決め孔54を含む。複数の締結具56が、第1、第2及び中間プレート42、44、46の締結具孔58に収容される。この例では、金属であり得る締結具56の端部60は、第1及び第2のプレート42、44を中間プレート46の周りに締め付け関係で確実に保持するように塑性変形される。ねじ付き締結具、リベット又は他のタイプの固定具も使用され得る。
【0041】
例示的なポンプ32は、回転ベーン構成である。図3A及び図3Bを参照すると、楕円形ボア62が示されている。ロータ52は、その周囲に多数のスロット64を含む。スロット64は、回転ベーンポンプで知られているように、遠心力からボア62の周囲をシールするためにスロット内で移動可能なベーン66を摺動可能に収容する。楕円形ボア62のために、ロータ52を横切って圧力を平衡させる2つのチャンバ構成を形成するように2つのキャビティ80、82が設けられる。
【0042】
図4Aを参照すると、中間プレート46は、いずれの側46a、46bが第1及び第2のプレート42、44のいずれとも嵌合し得るように可逆的である。すなわち、第1及び第2の側面46a、46bによってそれぞれ提供される第1及び第2の表面72a、72b、及びそれらの対応する流体通路が、軸Aを中心に180°回転した場合に同じになるように、中間プレート46は、軸Aを中心に対称である。一例において、開示されたポンプ構成は、より正確な表面が必要とされないように十分に漏れ止めされているので、これらの表面72a、72bは機械加工されていない(すなわち、ラップ仕上げなしで成形されたままの状態である)。しかし、所望であれば、機械加工を用いてポンプをさらに漏れ止めしてもよい。
【0043】
第1の側面46a上の通路74aは、図3A及び図4Aに示されるように、入口34をボア62に流体的に接続する。第1の通路74aは、第1のキャビティ80の周囲側Vに流体的に接続される第1の通り道76aと、第2のキャビティ82の周囲側Vに流体的に接続される第2の通り道78aとを含む。ポケット68aは、入口ポート34とボア62との間で流体的に第1の通路74aに配置される。
【0044】
同様に、第2の側面46b上の第2の通路74bは、図4Bに示されるように、出口36をボア62に流体的に接続する。第2の通路74bは、第2のキャビティ82の圧力側Pに流体的に接続される第2の通り道76bと、第1のキャビティ80の圧力側Pに流体的に接続される第2の通り道78bとを含む。ポケット68bは、出口ポート36とボア62との間で流体的に第2の通路74bに配置される。
【0045】
ポケット68a、68bの少なくとも一方がフィルタ70(例えば、発泡体)を収容するが、両ポケット68a、68bが所望によりフィルタ70を含んでもよい。このようにして、汚染物質がシステム10からフィルタリングされ、内部フィルタがポンプ32内に収容されているので、外部ライン又は取付け具が必要とされない。LDM28は、いくつかのタイプの漏れ検出ポンプに組み込まれている較正オリフィスがないため、ISO超微細ダスト(1~22ミクロン)に対する保護を必要としない。LDM28に組み込まれ得る発泡フィルタ要素のタイプは、ポンプアセンブリへの超微細ダストの侵入を防止しない場合がある。しかし、これは、ポンプ32を通過する空気の量に対してダストの濃度が相対的に低いために、ポンプ性能に対するリスクではない。
【0046】
別の回転ベーン構成が図5に示されており、これは単一の三日月形状キャビティを有する円形ボア162を備えた中間プレート146を示している。この例では、第1の側面146a及びその第1の表面172aは、ポケット68aをボア162の周囲側vに流体的に接続する第1の通路174aを有する。中間プレート146は可逆的である。図6に示されるように、第2の側面146b及びその第2の表面172bは、ポケット68bをボア162の圧力側Pに流体的に接続する第2の通路174bを有する。
【0047】
ポンプの製造中、第1のプレート42は、中間プレート46の第1の側面46a又は第2の側面46bのいずれかに当接係合するように配置される。すなわち、中間プレートは、第1及び第2のプレート42,44に対して可逆的である。ロータ52は、摺動可能ベーン66と共にボア62内に配置される。第2のプレート44は、第1及び第2の側面46b,46Cの他方に当接係合するように配置される。第1及び第2のプレート42、44は、中間プレート46及びロータ52の周りに固定される。モータ48は第1のプレート42に取り付けられ、モータ48をロータ52に結合する。
【0048】
また、特定の構成要素の配置が図示の実施形態において開示されているが、他の構成もここから利益を得ることが理解されるべきである。特定のステップシーケンスが示され、説明され、請求項に記載されているが、ステップは、特に示されない限り、任意の順序で実行され、分離され、又は組み合わされてもよく、それでも本発明から利益を得ることが理解されるべきである。
【0049】
異なる例示は図示された特定の構成要素を有するが、本発明の実施形態は、これらの特定の組合せに限定されない。例示の1つからの構成要素又は特徴のいくつかを、例示の別の1つからの特徴又は構成要素と組み合わせて使用することも可能である。例えば、開示されたポンプは、車両の蒸発システム以外の用途に使用されてもよい。
【0050】
例示的な実施形態が開示されているが、当業者であれば、所定の変更が特許請求の範囲内に入ることを認識するであろう。そのため、以下の請求項を検討して、その真の範囲及び内容を判断すべきである。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2022-06-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0043
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0043】
第1の側面46a上の第1の通路74aは、図3A及び図4Aに示されるように、入口34をボア62に流体的に接続する。第1の通路74aは、第1のキャビティ80の周囲側Vに流体的に接続される第1の通り道76aと、第2のキャビティ82の周囲側Vに流体的に接続される第2の通り道78aとを含む。ポケット68aは、入口ポート34とボア62との間で流体的に第1の通路74aに配置される。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0044
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0044】
同様に、第2の側面46b上の第2の通路74bは、図4Bに示されるように、出口36をボア62に流体的に接続する。第2の通路74bは、第2のキャビティ82の圧力側Pに流体的に接続される第の通り道76bと、第1のキャビティ80の圧力側Pに流体的に接続される第2の通り道78bとを含む。ポケット68bは、出口ポート36とボア62との間で流体的に第2の通路74bに配置される。
【手続補正3】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項5
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項5】
前記ボアは楕円形状であり、前記ロータは前記第1及び第2の通路のそれぞれに設けられる第1及び第2の通り道とそれぞれ流体連通する第1及び第2のキャビティに前記ボアを分離する、請求項1に記載の回転ベーンポンプ。
【手続補正4】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項12
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項12】
前記蒸発構成要素は、チャコールキャニスタ及び燃料タンクの少なくとも一方を含み、前記漏れテスト手順中に閉位置に配置される少なくとも1つの弁を備える、請求項11に記載のシステム。
【国際調査報告】