(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-02
(54)【発明の名称】データの処理方法、装置、機器、記憶媒体及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G01S 17/89 20200101AFI20221125BHJP
G06T 7/521 20170101ALI20221125BHJP
G05D 1/02 20200101ALN20221125BHJP
【FI】
G01S17/89
G06T7/521
G05D1/02 H
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021564302
(86)(22)【出願日】2021-04-23
(85)【翻訳文提出日】2021-10-28
(86)【国際出願番号】 CN2021089447
(87)【国際公開番号】W WO2022001326
(87)【国際公開日】2022-01-06
(31)【優先権主張番号】202010619847.3
(32)【優先日】2020-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】519290264
【氏名又は名称】シャンハイ センスタイム インテリジェント テクノロジー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ワン ジョー
(72)【発明者】
【氏名】フー ワンゾン
(72)【発明者】
【氏名】ジョウ フイ
(72)【発明者】
【氏名】シー ジエンピン
【テーマコード(参考)】
5H301
5J084
5L096
【Fターム(参考)】
5H301GG08
5H301GG10
5J084AA04
5J084AA05
5J084AA10
5J084AC02
5J084AD01
5L096AA09
5L096BA04
5L096DA03
5L096FA06
5L096FA52
5L096FA67
5L096FA69
5L096GA51
(57)【要約】
本願の実施例は、データの処理方法、装置、機器、記憶媒体及びプログラムを提供する。そのうち、該処理方法は、電子機器により実行され、前記方法は、前記レーダー装置により収集された複数フレームの点群データを取得することと、前記複数フレームの点群データに基づいて、点群データ欠落結果を決定することであって、前記点群データ欠落結果は、前記点群データの具体的な欠落部分を含む、ことと、前記点群データ欠落結果に基づいて、通知情報を知らせることであって、前記通知情報は、前記レーダー装置の異常タイプを示すためのものである、ことと、を含む。本願の実施例は、レーダー装置により収集された複数フレームの点群データに基づいて、点群データ欠落結果を決定することができ、レーダー装置により収集された点群データに異常があることを適時に決定することができ、更に、点群データに基づいて後続の検出を行う場合の正確度を向上させることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーダー装置により収集されたデータの処理方法であって、電子機器により実行され、
前記レーダー装置により収集された複数フレームの点群データを取得することと、
前記複数フレームの点群データに基づいて、点群データ欠落結果を決定することであって、前記点群データ欠落結果は、前記点群データの具体的な欠落部分を含む、ことと、
前記点群データ欠落結果に基づいて、通知情報を知らせることであって、前記通知情報は、前記レーダー装置の異常タイプを示すためのものである、ことと、を含む、レーダー装置により収集されたデータの処理方法。
【請求項2】
前記点群データ欠落結果は、前記レーダー装置の少なくとも1つの無線電波送信機に対応する点群データが欠落していることを含み、
前記複数フレームの点群データに基づいて、点群データ欠落結果を決定することは、
第1持続時間における各フレームの点群データに、前記少なくとも1つの無線電波送信機に対応する点群データがいずれも存在しない場合、前記少なくとも1つの無線電波送信機に対応する点群データが欠落していることを決定することを含み、
前記点群データ欠落結果に基づいて、通知情報を知らせることは、
通知情報を知らせることを含み、前記通知情報は、前記レーダー装置における前記少なくとも1つの無線電波送信機に異常が存在することを示すためのものであることを特徴とする
請求項1に記載の処理方法。
【請求項3】
前記点群データ欠落結果は、少なくとも1つの収集角度に対応する点群データが欠落していることを含み、
前記複数フレームの点群データに基づいて、点群データ欠落結果を決定することは、
第2持続時間における各フレームの点群データに、前記少なくとも1つの収集角度に対応する点群データが存在しなく、且つ前記第2持続時間における各フレームの点群データにおいて、対応する存在しない点群データの収集角度が完全に同じではない場合、ランダム収集角度に対応する点群データが欠落していることを決定することを含み、
前記点群データ欠落結果に基づいて、通知情報を知らせることは、
通知情報を知らせることを含み、前記通知情報は、前記レーダー装置に、データパケット伝送異常が存在することを示すためのものであることを特徴とする
請求項1に記載の処理方法。
【請求項4】
前記点群データ欠落結果は、少なくとも1つの収集角度に対応する点群データが欠落していることを含み、
前記複数フレームの点群データに基づいて、点群データ欠落結果を決定することは、
第3持続時間における各フレームの点群データに、前記少なくとも1つの収集角度に対応する点群データが存在しなく、且つ前記第3持続時間における各フレームの点群データにおいて、対応する存在しない点群データの収集角度が同じである場合、特定の収集角度に対応する点群データが欠落していることを決定することを含み、
前記点群データ欠落結果に基づいて、通知情報を知らせることは、
通知情報を知らせることを含み、前記通知情報は、前記レーダー装置に遮蔽異常が存在することを示すためのものであることを特徴とする
請求項1に記載の処理方法。
【請求項5】
前記複数フレームの点群データに基づいて、点群データ欠落結果を決定することは、
前記複数フレームの点群データにおいて、少なくとも1フレームの点群データに含まれる点群点の総数が第1所定閾値よりも低いことが存在することを決定した場合、少なくとも1フレームの点群データに欠落が存在することを決定することを含み、
前記点群データ欠落結果に基づいて、通知情報を知らせることは、
通知情報を知らせることを含み、前記通知情報は、前記レーダー装置に位置異常が存在することを示すためのものであることを特徴とする
請求項1に記載の処理方法。
【請求項6】
前記複数フレームの点群データに基づいて、点群データ欠落結果を決定することは、
隣接する2フレームの点群データの間の伝送時間間隔を取得し、前記伝送時間間隔が所定時間間隔よりも大きいかどうかを判定することを含み、
前記点群データ欠落結果に基づいて、通知情報を知らせることは、
前記伝送時間間隔が所定時間間隔よりも大きいことを決定した場合、通知情報を知らせることを含み、前記通知情報は、前記レーダー装置に点群データ伝送異常が存在することを示すためのものであることを特徴とする
請求項1に記載の処理方法。
【請求項7】
前記複数フレームの点群データに基づいて、点群データ欠落結果を決定することは、
各フレームの点群データに対して、前記各フレームの点群データにおける各点群点に対応する座標位置に従って、前記各フレームの点群データを所定投影領域内に投影し、前記各フレームの点群データに対応する投影ラスター画像を生成することであって、前記所定投影領域は、レーダー座標系において、前記レーダー装置を中心として前記レーダー装置の走査領域を地面に投影して得られた領域である、ことと、
前記投影ラスター画像に含まれる点の数が第2所定閾値よりも小さいかどうかを判定することと、を含む、
前記点群データ欠落結果に基づいて、通知情報を知らせることは、
前記点の数が第2所定閾値よりも小さい場合、通知情報を知らせることを含み、前記通知情報は、前記各フレームの点群データが座標系変換された点群データであることを通知するためのものであることを特徴とする
請求項1に記載の処理方法。
【請求項8】
前記点群データが欠落していないことに応答して、前記処理方法は、
前記点群データに基づいて、目標車両からの所定範囲内の障害物の情報を決定することであって、前記レーダー装置が前記目標車両に設けられる、ことと、
前記レーダー装置が発射するビーム情報、及び前記障害物の情報に基づいて、前記目標車両のレーダー死角エリア情報を決定することと、
前記レーダー死角エリア情報に従って、前記目標車両を制御することと、を更に含むことを特徴とする
請求項1から7のうちいずれか一項に記載の処理方法。
【請求項9】
前記点群データに基づいて、前記目標車両からの所定範囲内の障害物の情報を決定することは、
前記点群データに基づいて、前記目標車両からの所定範囲内の各障害物の輪郭情報を決定することと、
前記輪郭情報に基づいて、前記各障害物の、予め構築されたラスター地図における各ラスターでの障害物高さを決定することと、
前記障害物高さに基づいて、現在の障害物ラスター地図を得ることであって、前記現在の障害物ラスター地図は、前記目標車両からの所定範囲内の障害物の情報を表すためのものである、ことと、を含むことを特徴とする
請求項8に記載の処理方法。
【請求項10】
前記ビーム情報は、前記レーダー装置が発射するビームの、前記予め構築されたラスター地図における各ラスター内のビーム高さを含み、前記レーダー装置が発射するビーム情報、及び前記障害物の情報に基づいて、前記目標車両のレーダー死角エリア情報を決定することは、
前記予め構築されたラスター地図における各ラスターに対応するビーム高さ、及び前記現在の障害物ラスター地図に基づいて、現在のレーダー死角エリアラスター地図を決定することと、
前記現在のレーダー死角エリアラスター地図及び予め設定された目標対象の輪郭情報に基づいて、前記目標車両の、該予め設定された目標対象に対するレーダー死角エリア情報を決定することと、を含むことを特徴とする
請求項9に記載の処理方法。
【請求項11】
前記予め構築されたラスター地図における各ラスターに対応するビーム高さ、及び前記現在の障害物ラスター地図に基づいて、現在のレーダー死角エリアラスター地図を決定することは、
前記現在の障害物ラスター地図に含まれる障害物のサイズ情報、及び前記レーダー装置が発射するビームの、前記現在の障害物ラスター地図への投影によって得られた光路情報に基づいて、いずれか1つの障害物により遮蔽される光路を抽出して更新光路集合を得ることと、
前記更新光路集合内の各光路に対して、該光路の発射方向に沿って、該光路に対応するラスターインデックス系列を決定することであって、前記ラスターインデックス系列は、複数のラスターを光路発射方向の順番に従って順序付けることによって得られた各ラスターのインデックスを表す、ことと、
各ラスターインデックス系列に対して、前記ラスターインデックス系列に対応する光路に関連する各ビームの、各ラスターにおけるビーム高さ及び前記ラスターに対応する障害物高さに従って、前記ラスターインデックス系列に示される各ラスターに対応する最低ビーム高さ及び有効ビーム数を調整し、最後の1つのラスターインデックス系列における各ラスターに対応する最低ビーム高さ及び有効ビーム数の調整が完了するまで継続し、前記現在のレーダー死角エリアラスター地図を得ることと、を含むことを特徴とする
請求項10に記載の処理方法。
【請求項12】
1つのラスターインデックス系列に示される各ラスターに対応する最低ビーム高さ及び有効ビーム数を調整することは、
1つのラスターインデックス系列における現在のラスターに対して、前記ラスターインデックス系列に対応する各ビームの、前記現在のラスターにおけるビーム高さと前記現在のラスターに対応する障害物高さを順に比較し、ビーム高さが障害物高さよりも高いビームを前記現在のラスターに対応する有効ビームとすることと、
前記現在のラスターに対応する有効ビームのビーム高さに基づいて、前記現在のラスターの最低ビーム高さに対して調整を行い、前記ラスターインデックス系列に対応するビームのうちの前記現在のラスターに対応する有効ビームの数量に基づいて、前記現在のラスターに対応する有効ビーム数を調整することと、
前記現在のラスターに対応する有効ビームを前記ラスターインデックス系列における次のラスターに入射するビームとし、前記次のラスターを現在のラスターとし、引き続き、前記現在のラスターに対応する最低ビーム高さ及び有効ビーム数を調整することを実行し、現在のラスターに入射する各ビームのビーム高さがいずれも現在のラスターに対応する障害物高さより低くなるまで実行を継続し、前記ラスターインデックス系列における各ラスターの、本回の調整後に対応する最低ビーム高さ及び有効ビーム数を得ることと、を実行するという方式によって行うことを特徴とする
請求項11に記載の処理方法。
【請求項13】
前記現在のレーダー死角エリアラスター地図及び予め設定された目標対象の輪郭情報に基づいて、該予め設定された目標対象に対するレーダー死角エリア情報を決定することは、
前記予め設定された目標対象の輪郭情報に基づいて、前記レーダー装置が前記予め設定された目標対象が走査できている有効ビーム数及び最高ビーム高さを決定することと、
前記現在のレーダー死角エリアラスター地図において、各ラスターに対応する前記有効ビーム数と前記予め設定された目標対象が走査できている有効ビーム数、及び/又は、各ラスターに対応する最低ビーム高さと前記予め設定された目標対象が走査できる最高ビーム高さに基づいて、予め設定された目標対象の、前記現在のレーダー死角エリアラスター地図における対応するレーダー死角エリアを決定することと、を含むことを特徴とする
請求項10から12のうちいずれか一項に記載の処理方法。
【請求項14】
レーダー装置により収集されたデータの処理装置であって、
前記レーダー装置により収集された複数フレームの点群データを取得するように構成される取得モジュールと、
前記複数フレームの点群データに基づいて、点群データ欠落結果を決定するように構成される決定モジュールであって、前記点群データ欠落結果は、前記点群データの具体的な欠落部分を含む、決定モジュールと、
前記点群データ欠落結果に基づいて、通知情報を知らせるように構成される通知モジュールであって、前記通知情報は、前記レーダー装置の異常タイプを示すためのものである、通知モジュールと、を備える、レーダー装置により収集されたデータの処理装置。
【請求項15】
前記点群データ欠落結果は、前記レーダー装置の少なくとも1つの無線電波送信機に対応する点群データが欠落していることを含み、
前記決定モジュールは、第1持続時間における各フレームの点群データに、前記少なくとも1つの無線電波送信機に対応する点群データがいずれも存在しない場合、前記少なくとも1つの無線電波送信機に対応する点群データが欠落していることを決定するように構成され、
前記通知モジュールは、通知情報を知らせるように構成され、前記通知情報は、前記レーダー装置における前記少なくとも1つの無線電波送信機に異常が存在することを示すためのものであることを特徴とする
請求項14に記載の処理装置。
【請求項16】
前記点群データ欠落結果は、少なくとも1つの収集角度に対応する点群データが欠落していることを含み、
前記決定モジュールは、第2持続時間における各フレームの点群データに、前記少なくとも1つの収集角度に対応する点群データが存在しなく、且つ前記第2持続時間における各フレームの点群データにおいて、対応する存在しない点群データの収集角度が完全に同じではない場合、ランダム収集角度に対応する点群データが欠落していることを決定するように構成され、
前記通知モジュールは、通知情報を知らせるように構成され、前記通知情報は、レーダー装置に、データパケット伝送異常が存在することを示すためのものであることを特徴とする
請求項14に記載の処理装置。
【請求項17】
前記点群データ欠落結果は、少なくとも1つの収集角度に対応する点群データが欠落していることを含み、
前記決定モジュールは、第3持続時間における各フレームの点群データに、前記少なくとも1つの収集角度に対応する点群データが存在しなく、且つ前記第3持続時間における各フレームの点群データにおいて、対応する存在しない点群データの収集角度が同じである場合、特定の収集角度に対応する点群データが欠落していることを決定するように構成され、
前記通知モジュールは、通知情報を知らせるように構成され、通知情報は、前記レーダー装置に遮蔽異常が存在することを示すためのものであることを特徴とする
請求項14に記載の処理装置。
【請求項18】
前記決定モジュールは、前記複数フレームの点群データにおいて、少なくとも1フレームの点群データに含まれる点群点の総数が第1所定閾値よりも低いことが存在することを決定した場合、前記少なくとも1フレームの点群データに欠落が存在することを決定するように構成され、
前記通知モジュールは、通知情報を知らせるように構成され、前記通知情報は、前記レーダー装置に位置異常が存在することを示すためのものであることを特徴とする
請求項14に記載の処理装置。
【請求項19】
電子機器であって、前記電子機器は、プロセッサと、メモリと、バスと、を備え、前記メモリに、前記プロセッサによる実行可能な機器可読命令が記憶されており、電子機器が動作する時に、前記プロセッサと前記メモリとは、バスを介して通信し、前記機器可読命令が前記プロセッサにより実行される時に、請求項1から13のうちいずれか一項に記載の処理方法のステップを実行する、電子機器。
【請求項20】
コンピュータ可読記憶媒体であって、該コンピュータ可読記憶媒体に、コンピュータプログラムが記憶されており、該コンピュータプログラムがプロセッサにより実行される時に、請求項1から13のうちいずれか一項に記載の処理方法のステップを実行する、コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項21】
コンピュータプログラムであって、前記コンピュータプログラムは、コンピュータ可読コードを含み、前記コンピュータ可読コードが電子機器において実行される場合、前記電子機器におけるプロセッサは、請求項1から13のうちいずれか一項に記載の処理方法のステップを実行する、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2020年6月30日に提出された、出願番号が202010619847.3であり、出願人が商湯集団有限公司であり、発明名称が「レーダー装置により収集されたデータの処理方法及び処理装置」である中国特許出願に基づく優先権を主張し、該中国特許出願の全内容が参照として本願に組み込まれる。
【0002】
本願は、自動運転技術分野に関し、具体的には、データの処理方法、装置、機器、記憶媒体及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0003】
近年来、レーザーレーダー装置は、正確な距離測定能力で、自動運転、無人機による探査及び地図作成などの分野に広く用いられている。レーザーレーダーにより提供される点群データに基づいて、目標検出、マッピングなどの各種の応用が現れ、関連技術において、種々の要因により、受信した点群データに異常問題が存在する可能性があり、更に、異常な点群データに基づいて検出、マッピングなどの応用を行う場合、正確性が低い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願の実施例は少なくとも、データの処理方法、装置、機器、記憶媒体及びプログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願の実施例はデータの処理方法を提供する。前記処理方法は、電子機器により実行され、前記方法は、
前記レーダー装置により収集された複数フレームの点群データを取得することと、
前記複数フレームの点群データに基づいて、点群データ欠落結果を決定することであって、前記点群データ欠落結果は、前記点群データの具体的な欠落部分を含む、ことと、
前記点群データ欠落結果に基づいて、通知情報を知らせることであって、前記通知情報は、前記レーダー装置の異常タイプを示すためのものである、ことと、を含む。このように、レーダー装置により収集された複数フレームの点群データに基づいて、該複数フレームの点群データに基づいて、点群データ欠落結果を決定することができる。例えば、点群データに距離情報がないことを決定し、続いて、点群データ欠落結果に基づいて、レーダー装置の異常タイプを知らせる。それにより、レーダー装置により収集された点群データに異常があることを適時に決定することが容易である。例示的に、異常がある点群データ又はレーダー装置に対して適時に調整を行い、正確度が高い点群データを得ることが容易である。それにより、点群データに基づいて後続の検出を行う場合の正確度を向上させる。
【0006】
以下では、装置、電子機器などの効果に関する記述は、上記方法の説明を参照する。
【0007】
本願の実施例は、レーダー装置により収集されたデータの処理装置を提供する。前記装置は、
前記レーダー装置により収集された複数フレームの点群データを取得するように構成される取得モジュールと、
前記複数フレームの点群データに基づいて、点群データ欠落結果を決定するように構成される決定モジュールであって、前記点群データ欠落結果は、前記点群データの具体的な欠落部分を含む、決定モジュールと、
前記点群データ欠落結果に基づいて、通知情報を知らせるように構成される通知モジュールであって、前記通知情報は、前記レーダー装置の異常タイプを示すためのものである、通知モジュールと、を備える。
【0008】
本願の実施例は、電子機器を提供する。前記電子機器は、プロセッサと、メモリと、バスと、を備え、前記メモリに、前記プロセッサによる実行可能な機器可読命令が記憶されており、前記電子機器が動作する時に、前記プロセッサと前記メモリとは、バスを介して通信し、前記機器可読命令が前記プロセッサにより実行される時に、上記処理方法のステップを実行する。
【0009】
本願の実施例は、コンピュータ可読記憶媒体を提供する。該コンピュータ可読記憶媒体に、コンピュータプログラムが記憶されており、該コンピュータプログラムがプロセッサにより実行される時に、上記処理方法のステップを実行する。
【0010】
本願の実施例は、コンピュータプログラムを更に提供する。前記コンピュータプログラムは、コンピュータ可読コードを含み、前記コンピュータ可読コードが電子機器において実行される場合、前記電子機器におけるプロセッサは、上記処理方法のステップを実行する。
【発明の効果】
【0011】
本願の実施例が提供するデータの処理方法、装置、機器、記憶媒体及びプログラムは、前記レーダー装置により収集された複数フレームの点群データを取得し、前記複数フレームの点群データに基づいて、点群データ欠落結果を決定し、前記点群データ欠落結果は、前記点群データの具体的な欠落部分を含み、前記点群データ欠落結果に基づいて、通知情報を知らせ、前記通知情報は、前記レーダー装置の異常タイプを示すためのものである。このように、レーダー装置により収集された複数フレームの点群データに基づいて、該複数フレームの点群データに基づいて、点群データ欠落結果を決定することができる。例えば、点群データに距離情報がないことを決定し、続いて、点群データ欠落結果に基づいて、レーダー装置の異常タイプを知らせる。それにより、レーダー装置により収集された点群データに異常があることを適時に決定することが容易である。
【0012】
本願の上記目的、特徴及び利点をより明確かつ分かりやすくするために、以下、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら、以下のように、詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本願の実施例によるレーダー装置により収集されたデータの処理方法を示すフローチャートである。
【
図2】本願の実施例によるレーダー装置により収集されたデータの処理方法を適用できるシステムアーキテクチャを示す概略図である。
【
図3】本願の実施例による点群データに基づいて目標車両を制御する方法を示すフローチャートである。
【
図4】本願の実施例による障害物の情報の決定を示すフローチャートである。
【
図5】本願の実施例によるレーダー死角エリア情報の決定を示すフローチャートである。
【
図6】本願の実施例による現在のレーダー死角エリアラスター地図の生成を示すフローチャートである。
【
図7A】本願の実施例による光路を示す概略図である。
【
図7B】本願の実施例による光路に対応するラスターインデックス系列を示す概略図である。
【
図8】本願の実施例によるレーダー死角エリアの決定を示すフローチャートである。
【
図9】本願の実施例によるレーダー装置により収集されたデータの処理装置900の構造を示す概略図である。
【
図10】本願の実施例による電子機器1000を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本願の実施例の技術的解決手段をより明確に説明するために、以下、実施例に必要な図面を簡単に説明する。ここで添付した図面は、明細書に引き入れて本明細書の一部を構成し、本願に適合する実施例を示し、かつ、明細書とともに本願の技術的解決手段を解釈することに用いられる。下記図面は、説明のみの目的で本願の幾つかの実施形態を図示しており、本願を制限するものではないことが理解されるべきである。当業者は、創造的労働を行うことなく、これらの図面に基づいてその他の関連する図面を得ることもできる。
【0015】
本願の実施例の目的、技術的解決手段及び利点をより明確にするために、以下、本願の実施例における図面を参照しながら、本願の実施例における技術的解決手段を明瞭かつ完全に説明する。勿論、記述される実施例は、全ての実施例ではなく、ただ本出願の一部の実施例である。一般的には、図面に説明されて示されている本願の実施例のコンポーネントは、多岐にわたる異なる構成で配置及び設計することができる。従って、図面を参照しながら提供される本願の実施例の下記詳細な説明は、特許請求されている本願の範囲を限定するものではなく、本願の選択された実施例を示すためのものに過ぎない。本願の実施例に基づいて、当業者が創造的な労力なしに得られる他の実施例の全ては、本願の保護の範囲に含まれる。
【0016】
下記図面において、類似した符号及び文字は、類似した要素を表すため、1つの要素が1つの図面において定義されていると、後続の図面において、これに対して定義及び説明を行う必要がないことに留意されたい。
【0017】
レーダー装置は、正確な距離測定能力を有するため、自動運転、地図作成などの分野に広く用いられている。これらの様々な分野に対して、いずれも、レーダー装置により収集された点群データに基づいて、対応する分析を行うことができる。例えば、自動運転分野に対して、車両に搭載されたレーダー装置により収集された点群データに基づいて、車両の周囲に存在する障害物を検出することができる。障害物検出の正確度がレーダー装置により収集された点群データの正確度に依存するため、レーダー装置により収集された点群データに異常が存在するかどうかは、該点群データに基づいた検出結果の正確度に直接的に影響を及ぼす。従って、点群データに対する異常検出のための技術的解決手段を提供することが望ましい。
【0018】
上記検討によれば、本願の実施例は、レーダー装置により収集されたデータの処理方法を提供する。レーダー装置により収集された複数フレームの点群データに基づいて、該複数フレームの点群データに基づいて、点群データ欠落結果を決定することができる。例えば、点群データに距離情報がないことを決定し、続いて、点群データ欠落結果に基づいて、レーダー装置の異常タイプを知らせる。それにより、レーダー装置により収集された点群データに異常があることを適時に決定することが容易である。例示的に、異常がある点群データ又はレーダー装置に対して適時に調整を行い、正確度が高い点群データを得ることが容易である。それにより、点群データに基づいて後続の検出を行う場合の正確度を向上させる。
【0019】
本願の実施例を理解しやすくするために、まず、本願の実施例が開示するレーダー装置により収集されたデータの処理方法を詳しく説明する。本願の実施例が提供するレーダー装置により収集されたデータの処理方法の実行主体は、一般的には、一定のコンピューティング能力を有するコンピュータ機器である。該コンピュータ機器は例えば、端末機器、サーバ又は他の処理機器を含む。端末機器は、ユーザ機器(User Equipment:UE)、移動機器、コンピューティング機器、車載機器、ウェアラブル機器などであってもよい。本願の実施例において、該レーダー装置により収集されたデータの処理方法は、プロセッサによりメモリに記憶されたコンピュータ可読命令を呼び出すことで実現してもよい。
【0020】
本願の実施例は、実行主体がサーバ又は電子機器であることを例として、レーダー装置により収集されたデータの処理方法を詳しく説明する。
【0021】
図1を参照すると、
図1は、本願の実施例によるレーダー装置により収集されたデータの処理方法を示すフローチャートである。該処理方法は、下記S101からS103を含む。
【0022】
S101において、レーダー装置により収集された複数フレームの点群データを取得する。
【0023】
レーダー装置は、レーザーレーダー装置、ミリ波レーダー装置及び超音波レーダー装置などを含んでもよい。本願の実施例において、自動運転分野に対して、レーダー装置は、車両の所定の位置に設けられてもよい。車両が走行するプロセスにおいて、レーダー装置に含まれる無線電波送信機は、無線電波ビームを送信することによって点群データを収集することができる。
【0024】
本願の実施例において、レーダー装置が車両に設けられる場合、レーダー装置の装着位置及び装着角度を調整し、また、レーダー装置の無線電波送信機の配置角度を調整することができる。このように、車両が走行するプロセスにおいて、所定時間間隔に従って、車両の周囲の障害物に対して走査を行い、点群データを得ることができる。
【0025】
本願の実施例は、レーダー装置がレーザーレーダー装置であることを例として説明する。レーザーレーダー装置における無線電波送信機は、レーザーダイオードであってもよく、レーザーレーダー装置は、64本のレーザービームを有するレーダー装置であってもよい。即ち、該レーザーレーダー装置に、64個のレーザーダイオードが含まれ、同一の平面上にある64本のレーザービームを発射することができる。適用プロセスにおいて、レーザーレーダー装置の装着位置及び装着角度を調整し、また、無線電波送信機の配置角度を調整することによって、これらの64本のレーザービームを、各収集角度に対応する走査平面において地面に垂直にすることができる。レーザーレーダー装置の機械的な回転に伴い、レーザーダイオードは、所定時間間隔に従ってその360度の回転範囲内で得られた点群データを収集し、1フレームの点群データを得ることができる。
【0026】
本願の実施例において、レーダー装置は、0.2度回転する度に1組の点群データを収集し、収集角度に対応するデータパケットを形成し、続いて、1フレームの点群データを収集し、360度の回転によって収集された各収集角度に対応するデータパケットをサーバに送信することができる。
【0027】
S102において、複数フレームの点群データに基づいて、点群データ欠落結果を決定し、点群データ欠落結果は、点群データの具体的な欠落部分を含む。
【0028】
サーバは、レーダー装置により収集された各フレームの点群データを受信した後、レーダー装置が各フレームの点群データを収集する時の収集方式で、点群データ欠落結果を決定することができる。各フレームの点群データに対応する点群データ欠落結果は、正常な欠落であってもよい。例えば、レーダー装置のある方向に、範囲内の障害物が存在しない場合、レーダー装置における無線電波送信機は、該方向に向けて無線電波ビームを発射する時に点群データを収集することができない。この場合、正常な点群データ欠落が存在する。しかしながら、該方向に、範囲内の障害物が存在するが、依然として点群データが収集されていない場合、異常な点群データ欠落結果が存在する可能性がある。
【0029】
S103において、点群データ欠落結果に基づいて、通知情報を知らせ、通知情報は、レーダー装置の異常タイプを通知するためのものである。
【0030】
上記に記載されているように、本願の実施例は、点群データ欠落結果における具体的な欠落部分を分析することによって、レーダー装置の異常タイプを分析することができ、これに基づいて、通知を行い、それにより、レーダー装置に対して調整を行い、正確な点群データを得ることが容易である。
【0031】
本願の実施例において、レーダー装置により収集された複数フレームの点群データに基づいて、点群データ欠落結果を決定することができる。例えば、点群データに距離情報がないことを決定し、続いて、点群データ欠落結果に基づいて、レーダー装置の異常タイプを知らせる。それにより、レーダー装置により収集された点群データに異常があることを適時に決定することが容易である。本願の実施例において、異常がある点群データ又はレーダー装置に対して適時に調整を行い、正確度が高い点群データを得ることが容易である。それにより、点群データに基づいて後続の検出を行う場合の正確度を向上させる。
【0032】
図2は、本願の実施例によるレーダー装置により収集されたデータの処理方法を適用できるシステムアーキテクチャを示す概略図である。
図2に示すように、該システムアーキテクチャは、取得端末201と、ネットワーク202と、通知端末203と、を含む。1つの例示的な適用に対するサポートを実現させるために、取得端末201と通知端末203は、ネットワーク203を介して通信接続を確立する。取得端末201は、ネットワーク202を介して通知端末203に、レーダー装置により収集された複数フレームの点群データを報告し、通知端末203は、複数フレームの点群データに基づいて、点群データ欠落結果を決定し、前記点群データは、点群データの具体的な欠落部分を含み、点群データ欠落結果に基づいて、通知情報を得て、通知情報を知らせ、通知情報は、レーダー装置の異常タイプを示すためのものである。最後に、通知端末203は、通知情報をネットワーク202にアップロードし、ネットワーク202を介して通知情報を取得端末201に送信する。
【0033】
例として、取得端末201は、ビデオ収集機器又は画像収集機器を含んでもよく、通知装置203は、ビジョン情報処理能力を有するビジョン処理機器又はリモートサーバを含んでもよい。ネットワーク202は、有線又は無線接続方式を用いてもよい。ここで、通知端末203がビジョン処理機器である場合、取得端末201は、有線接続の方式によってビジョン処理機器と通信接続することができる。例えば、バスを介してデータ通信を行う。通知端末203がリモートサーバである場合、取得端末201は、無線ネットワークを介してリモートサーバとデータインタラクションを行うことができる。
【0034】
又は、幾つかのシーンにおいて、取得端末201は、収集機能モジュールを備えるビジョン処理機器であってもよく、具体的には、収集機能を有するホストコンピュータとして実現される。この場合、本願の実施例のレーダー装置により収集されたデータの処理方法は、取得端末201により実行されてもよく、上記システムアーキテクチャは、ネットワーク202及び通知端末203を含まなくてもよい。
【0035】
以下、具体的な実施例を参照しながら、上記S101からS103を具体的に説明する。
【0036】
点群データ欠落結果における具体的な欠落部分を統計しやすくするために、本願の実施例は、具体的な欠落部分の決定方式を提供する。各フレームの点群データを行列にマッピングし、上述した64本のレーザービームを有するレーザーレーダー装置を例として、該レーザーレーダー装置が各収集角度でいずれもデータを収集できるとすれば、本願の実施例において、64*1800個のデータを含み、そのうち、64は、レーザーレーダー装置における64個のレーザーダイオードを表し、1800は、レーザーレーダー装置が360度回転する範囲内に対応する1800個の収集角度(本願の実施例において、0.2度から、0.2度、0.4度、…、360度を含む)を表す。これらの64*1800個のデータを64行*1800列の行列にマッピングすることができる。各行のデータは、1つのレーザーダイオードが1800個の収集角度で収集したデータに対応し、各列は、64個のレーザーダイオードが対応する収集角度で収集したデータを表す。
【0037】
一般的には、正常な点群データ欠落が存在するか、それとも異常な点群データ欠落が存在するかに関わらず、64行*1800列の行列に、欠落したデータが含まれる。欠落したデータは、所定の識別子又は所定のデータで表されてもよい。例えば、「-」で表されてもよい。以下、該行列に基づいて、各フレームの点群データに欠落が存在するかどうか、及び対応する点群データ欠落結果を検出することができる。
【0038】
本願の実施例において、点群データ欠落結果は、レーダー装置の少なくとも1つの無線電波送信機に対応する点群データが欠落していることを含み、
複数フレームの点群データに基づいて、点群データ欠落結果を決定することは、
第1持続時間における各フレームの点群データに、少なくとも1つの無線電波送信機に対応する点群データがいずれも存在しない場合、少なくとも1つの無線電波送信機に対応する点群データが欠落していることを決定することを含み、
点群データ欠落結果に基づいて、通知情報を知らせることは、
通知情報を知らせることを含み、通知情報は、レーダー装置における少なくとも1つの無線電波送信機に異常が存在することを示すためのものである。
【0039】
本願の実施例において、レーダー装置が上記レーザーレーダー装置であることを例として、行列における欠落データに基づいて、少なくとも1つのレーザーダイオードに対応する点群データ欠落が存在するかどうかを検出することができる。行列における各組の行データがいずれも1つのレーザーダイオードに対応することを考慮して、行データ欠落が存在するかどうかを検出することによって、少なくとも1つのレーザーダイオードの異常が存在するかどうかを決定することができる。
【0040】
本願の実施例において、第1持続時間における各フレームの点群データに対応する行列に少なくとも1組の行データの欠落が存在するかどうかを検出することができる。存在すれば、該組の行データに対応するレーザーダイオードに対応する点群データが欠落していることを決定することができる。例えば、行列における二行目のデータがいずれも「-」である場合、該レーザーレーダー装置における2番目のレーザーダイオードが第1持続時間内で点群データを収集できなかったことを表し、該2番目のレーザーダイオードに対応する点群データが欠落していることを決定することができる。
【0041】
本願の実施例において、第1持続時間は、1フレームの点群データの収集時間長に対応してもよく、複数フレームの点群データの収集時間長に対応してもよい。偶然性を低下させるために、複数フレームの点群データのそれぞれに対応する行列によって検出を行うことができ、それにより少なくとも1つのレーザーダイオードに対応する点群データ欠落が存在するかどうかをより正確に決定することができる。
【0042】
本願の実施例において、少なくとも1つの無線電波送信機に対応する点群データ欠落が存在することを決定した場合、対応する通知情報を知らせることができ、それにより該無線電波送信機に対して適時に修正を行い、正常な点群データを得ることができる。
【0043】
本願の実施例において、無線電波送信機に対応する点群データ欠落が存在するかどうかを検出することによって、故障した無線電波送信機を発見し、それに対して調整又は交換を行い、正確度が高い点群データを取得することができる。
【0044】
本願の実施例において、点群データ欠落結果は、少なくとも1つの収集角度に対応する点群データが欠落していることを含み、
複数フレームの点群データに基づいて、点群データ欠落結果を決定することは、
第2持続時間における各フレームの点群データに、少なくとも1つの収集角度に対応する点群データが存在しなく、且つ第2持続時間における各フレームの点群データにおいて、対応する存在しない点群データの収集角度が完全に同じではない場合、ランダム収集角度に対応する点群データが欠落していることを決定することを含み、
点群データ欠落結果に基づいて、通知情報を知らせることは、
通知情報を知らせることを含み、通知情報は、レーダー装置に、データパケット伝送異常が存在することを示すためのものである。
【0045】
本願の実施例において、レーダー装置が上記レーザーレーダー装置であることを例として、第2持続時間における各フレームの点群データに対応する行列に基づいて、ランダム収集角度に対応する点群データ欠落が存在するかどうかを検出することができる。行列における各組の列データがいずれも1つの収集角度に対応することを考慮して、同一の収集角度に対応するデータパケットは、1つのデータパケットとしてパケット化されるため、複数フレームの点群データのそれぞれに対応する行列に対して、ランダム列データの欠落が存在するかどうかに基づいて、ランダム収集角度に対応する点群データ欠落が存在するかどうかを決定することができる。
【0046】
本願の実施例において、第2持続時間における各フレームの点群データに対応する行列に、少なくとも1つの列データが存在しないことが存在するかどうかを検出することができ、また、第2持続時間における各行列において対応する欠落列データの列番号が完全に同じではなく、例えば、第2持続時間に3つの行列が含まれ、1番目の行列において、1から3列目の列データが欠落しており、2番目の行列において、7から11列目のデータが欠落しており、3番目の行列において、100から110列目の列データが欠落している。ランダム収集角度に対応する点群データ欠落が存在することを決定することができる。
【0047】
本願の実施例は、ランダム収集角度に対応する点群データ欠落が存在することを決定した場合、対応する通知情報を知らせ、該レーダー装置に対して適時に修正を行い、完全な点群データを得ることができ、又は、欠落閾値を設定することもできる。データの欠落割合が欠落閾値に達した場合に通知を行う。
【0048】
本願の実施例において、複数フレームの点群データにおける各収集角度に対応する点群データに対して検出を行うことができ、それによりレーダー装置にデータパケット伝送異常が存在するかどうかを適時に検出することができ、異常を適時に発見することができ、それにより、適時に調整を行い、点群データの正確度を向上させることができる。
【0049】
本願の実施例において、点群データ欠落結果は、少なくとも1つの収集角度に対応する点群データが欠落していることを含み、
複数フレームの点群データに基づいて、点群データ欠落結果を決定することは、
第3持続時間における各フレームの点群データに、少なくとも1つの収集角度に対応する点群データが存在しなく、且つ第3持続時間における各フレームの点群データにおいて、対応する存在しない点群データの収集角度が同じである場合、特定の収集角度に対応する点群データが欠落していることを決定することを含み、
点群データの欠落結果に基づいて、通知情報を知らせることは、
通知情報を知らせることを含み、通知情報は、レーダー装置に遮蔽異常が存在することを示すためのものである。
【0050】
本願の実施例において、第3持続時間における各フレームの点群データに対応する行列に基づいて、特定の収集角度に対応する点群データ欠落が存在するかどうかを検出することができ、行列における各組の列データがいずれも1つの収集角度に対応することを考慮して、異なるフレームの点群データにおける同一の収集角度に対応する列データは、レーザーレーダー装置のレーザーダイオードが同一の収集角度で収集した点群データと見なされてもよいため、複数フレームの点群データのそれぞれに対応する行列において、同一の列データの欠落が存在するかどうかを検出することによって、特定の収集角度に対応する点群データが欠落していることを決定することができる。
【0051】
本願の実施例において、第3持続時間における各フレームの点群データに対応する行列に、少なくとも1つの列データが存在しないことがあるかどうかを検出することができ、且つ第3持続時間における各行列における対応する欠落列データの列番号が完全に同じである。例えば、第3持続時間に3つの行列が含まれ、1番目の行列において、1列目の列データにおいて、1列目の列データが欠落しており、2番目の行列において、1列目の列データが欠落しており、3番目の行列において、1列目の列データが紛失している。1列目に対応する特定の収集角度に対応する点群データ欠落が存在することを決定することができる。
【0052】
本願の実施例において、特定の収集角度に対応する点群データ欠落が存在することを決定した場合、レーダー装置が対応する収集角度まで回転した場合に遮蔽されたという問題があると決定することができ、対応する通知情報を知らせ、該レーダー装置に対して適時に位置調整を行い、完全な点群データを得ることができる。
【0053】
本願の実施例において、複数フレームの点群データにおける各収集角度に対応する点群データに対して検出を行い、レーダー装置に遮蔽異常が存在するかどうかを適時に検出することができ、遮蔽異常が存在する場合に適時に調整することができ、それにより点群データの正確度を向上させることができる。
【0054】
本願の実施例において、複数フレームの点群データに基づいて、点群データ欠落結果を決定することは、
複数フレームの点群データにおいて、少なくとも1フレームの点群データに含まれる点群点の総数が第1所定閾値よりも低いことが存在することを決定した場合、少なくとも1フレームの点群データに欠落が存在することを決定することを含み、
点群データの欠落結果に基づいて、通知情報を知らせることは、
通知情報を知らせることを含み、通知情報は、レーダー装置に位置異常が存在することを示すためのものである。
【0055】
レーダー装置は、例えば自動運転、マッピングなどの種々の適用シーンにおいて、周囲の環境中の障害物を常に走査することができるため、一定の数の点群データを得ることができるが、様々な適用シーンにおいて、得られた各フレームの点群データにおける点群点の数が一定の範囲内に保持される。例えば、自動運転分野に対して、各フレームの点群データにおいて、有効点群データが総数の30%から99%を占める。上述したレーザーレーダー装置を例として、総数が64*1800であり、有効点群データは、レーザーダイオードから送信されたレーザービームが障害物を走査できる時に収集された点群データを指す。無効点群データは、上述した欠落している点群データである。例えば、行列において、識別子「-」で表されるデータは、無効点群データと呼ばれてもよい。
【0056】
本願の実施例において、本願は、各フレームの点群データに含まれる点群点の総数で有効点群データを表す。特定の適用シーンに対して、各フレームの点群データに含まれる点群点の総数に対して、第1所定閾値が設定されてもよい。複数フレームの点群データにおいて少なくとも1フレームの点群データに含まれる点群点の総数が該第1所定閾値よりも低いと決定した場合、該少なくとも1フレームの点群データに欠落が存在することを決定することができる。本願の実施例において、連続した複数のフレームの点群データのうちの各フレームの点群データに含まれる点群点の総数が第1所定閾値より低い場合、本願の実施例において、連続した複数フレームの点群データに欠落が存在することを決定することができる。
【0057】
本願の実施例において、この場合、対応する通知情報を知らせ、レーダー装置に位置異常が存在することを示すことができる。例えば、自動運転分野において、レーダー装置における無線電波送信機は空に向く。この場合、有効な点群点のデータを収集できない可能性がある。通知を行うことによって、該レーダー装置に対して位置調整を適時に行い、完全な点群データを得ることが容易である。
【0058】
本願の実施例において、複数フレームの点群データのうちの各フレームの点群データに含まれる点群点の数を検出することによって、レーダー装置に位置異常が存在するかどうかを適時に検出することができ、異常が存在する場合に通知を行い、レーダー装置に対して適時に調整を行うことに寄与し、それにより点群データの正確度を向上させる。
【0059】
本願の実施例において、複数フレームの点群データに基づいて、点群データ欠落結果を決定することは、
隣接する2フレームの点群データの間の伝送時間間隔を取得し、伝送時間間隔が所定時間間隔よりも大きいかどうかを判定することを含み、
点群データ欠落結果に基づいて、通知情報を知らせることは、
伝送時間間隔が所定時間間隔よりも大きいことを決定した場合、通知情報を知らせることを含み、通知情報は、レーダー装置に点群データ伝送異常が存在することを示すためのものである。
【0060】
本願の実施例において、レーダー装置の動作周波数は、予め設定されてもよい。このように、1フレームの点群データを収集するためにかかる時間長は、予め設定されてもよい。これに応じて、所定時間間隔を決定することができる。例えば、各フレームの点群データの収集時間長が100msである場合、隣接する2フレームの点群データの伝送時間間隔は、100msである。各フレームの点群データの収集時間長が50msである場合、隣接する2フレームの点群データの伝送時間間隔は、50msである。
【0061】
本願の実施例において、所定時間間隔は、各フレームの点群データの収集時間長に等しいか又はそれよりも僅かに大きくてもよい。例えば、各フレームの点群データの収集時間長が100msである場合、所定時間間隔は、105msであってもよい。レーダー装置において隣接する2フレームの点群データの間の伝送時間間隔が所定時間間隔よりも大きい場合、レーダー装置に点群データ伝送異常が存在することを決定することができる。
【0062】
本願の実施例において、この場合、対応する通知情報を知らせ、レーダー装置に対して調整又は交換を行うことができ、それにより所定時間間隔に従って各フレームの点群データを得る場合の正確度を向上させることができる。
【0063】
本願の実施例において、隣接する2フレームの点群データの伝送時間間隔により、レーダー装置に点群データ伝送異常の問題が存在するかどうかを検出することができ、異常が存在する場合に適時に調整を行うことが容易であり、それにより点群データの正確度を向上させる。
【0064】
上記点群データ欠落結果の場合に加えて、本願の実施例において、複数フレームの点群データに基づいて、点群データ欠落結果を決定することは、
各フレームの点群データに対して、各フレームの点群データにおける各点群点に対応する座標位置に従って、各フレームの点群データを所定投影領域内に投影し、各フレームの点群データに対応する投影ラスター画像を生成することであって、所定投影領域は、レーダー座標系において、レーダー装置を中心としてレーダー装置の走査領域を地面に投影して得られた領域である、ことと、
投影ラスター画像に含まれる点の数が第2所定閾値よりも小さいかどうかを判定することと、を更に含み、
点群データ欠落結果に基づいて、通知情報を知らせることは、
点の数が第2所定閾値よりも小さい場合、通知情報を知らせることを含み、通知情報は、各フレームの点群データが座標系変換された点群データであることを通知するためのものである。
【0065】
各フレームの点群データに対して、該フレームの点群データがオリジナル点群データであり、即ち、該フレームの点群データがレーダー装置座標系での点群データである場合、該フレームの点群データにおける各点群点に対応する座標位置に従って、該フレームの点群データを所定投影領域内に投影した後、該所定投影領域において、第2所定閾値以上のポイント数を検出することができるが、該フレームの点群データに対して座標変換を行っており、該フレームの点群データを所定投影領域に投影した後、該所定投影領域において検出されるポイント数は大幅に低減し、第2所定閾値よりも小さい可能性がある。この場合、該フレームの点群データが座標系変換された点群データであると決定することができる。
【0066】
本願の実施例において、第2所定閾値は、レーダー装置が走査した地面の無線電波ビームの数を基に、設定されてもよい。レーダー装置の周囲に障害物が存在しなくても、レーダー装置における無線電波送信機は、地面に無線電波ビームを発射することができる。従って、オリジナル点群データに対して、該フレームの点群データを所定投影領域に投影した後、該所定投影領域において、所定閾値を超えるポイント数を見つけることができる。
【0067】
本願の実施例において、該場合に対して対応する通知を行い、座標系変換された点群データをオリジナル点群データに従って適用する場合にエラーが発生することを防止することができる。
【0068】
本願の実施例において、複数フレームの点群データに対して検出を行い、各フレームの点群データがレーダー座標系での点群データであるかどうかを決定することができ、それにより座標系変換された点群データをオリジナル点群データに従って適用する場合に発生するエラーを減少させることができる。
【0069】
本願の実施例において、自動運転分野を例として、本願の実施例が提供するレーダー装置は、目標車両に設けられてもよい。
図3に示すように、本願の実施例が提供する処理方法は、下記S201からS203を更に含む。
【0070】
S201において、点群データが欠落していないことに応答して、点群データに基づいて、目標車両からの所定範囲内の障害物の情報を決定する。
【0071】
目標車両におけるレーダー装置の装着位置、装着角度及びレーダー送信機の配置角度を調整した後、レーダー装置の走査領域を決定することができる。このように、目標車両からの所定範囲内の障害物を走査することができる。本願の実施例において、障害物輪郭を構成する各ポイントの、所定の座標系での位置情報を取得することができる。該方式によれば、該点群データに基づいて、該目標車両からの所定範囲内の障害物の輪郭情報を得ることができる。
【0072】
S202において、レーダー装置が発射するビーム情報、及び障害物の情報に基づいて、目標車両のレーダー死角エリア情報を決定する。
【0073】
ここで、ビーム情報は、レーダー装置が各収集角度で発射する無線電波ビームの数及び地面からの高さを含んでもよく、具体的には、予め構築されたビーム高さ地図で表されてもよい。本願の実施例において、目標車両を含み、且つ目標車両までの距離が所定範囲内にある地表領域の、鳥瞰図でのラスター地図を予め構築し、続いて、レーダー装置が発射するビーム情報に基づいて、該ラスター地図に対応するビーム高さ地図を生成することができる。そのうち、ビーム高さ地図は、3つの次元を含み、最初の2つの次元は、各ラスターの、該ビーム高さ地図における行位置及び列位置を表し、3番目の次元は、各ラスターに含まれるビーム数を表す。なお、該ラスターに、含まれる各ビームの、該ラスター内の高さが更に記録されている。
【0074】
ここで、各ラスターに対応するビーム数は、該ラスターに障害物が存在することを考慮しない場合、レーダー装置の装着位置、装着角度及びレーダー送信機の配置角度のみに基づいて決定された、レーダー装置から発射されたビームのうち該ラスターに入射されたビーム数である。本願の実施例において、該ラスターに入射されたビームを、ラスターの中心点を通過して且つラスター平面に垂直である直線と交差する位置までに並進移動した後、該交点と該ラスターの中心点位置との距離を該ビームの、該ラスターにおけるビーム高さとすることができる。
【0075】
本願の実施例において、ビーム高さ地図を決定する場合、ラスターにおける対応する障害物を考慮しなくてもよく、即ち、最も完全なビームを含むビーム高さ地図を取得する。該ビーム高さ地図は、後続でレーダー死角エリア情報を決定する場合、各ラスターに対応するオリジナルビームを提供することができる。具体的には、下記方式で、ビーム高さ地図を生成することができる。
【0076】
(1)目標車両からの所定範囲内の地表ラスター地図を予め構築し、該地表ラスター地図に複数のラスターが含まれる。
【0077】
(2)レーダー装置の内部パラメータを調整し、該内部パラメータは、具体的には無線電波送信機の垂直方向での所定の角度を含み、また、レーダー装置の外部パラメータを調整し、該外部パラメータは、具体的には無線電波送信機の、目標車両上での装着位置及び装着角度を含み、調整された内部パラメータと外部パラメータに基づいて、レーダー装置が発射するビームが経過する複数のラスター、及び各ラスターを経過する場合に該ラスターにおけるビーム高さを算出することができる。
【0078】
(3)各ラスターに対応するビーム数及びビーム高さを記録して保存し、ビーム高さ地図を得ることができる。
【0079】
S203において、レーダー死角エリア情報に従って、目標車両を制御する。
【0080】
本願の実施例において、異なる種類の目標対象に対して、レーダー死角エリア情報は異なる可能性がある。例えば、体積が比較的に大きい目標対象に対して、該目標対象の輪郭情報の走査に必要な無線電波ビームが多い。この場合、対応しているビームの数が少ないラスター、及び/又は、対応している最低ビーム高さが該目標対象の高さより低いラスターを、該種類の目標対象に対する死角エリアとすることができる。例えば、目標対象が身長1.6メートルの目標対象であり、該目標対象の走査に3本のビームを必要とすると、各ビームの、地面からの高さが1.6メートル以下であり、1つの領域内のすべてのラスターに対応している最低ビーム高さがいずれも1.6メートルより高く、及び/又は、有効ビーム数が3本未満である場合、該領域は、該目標車両の走行中の、1.6メートルの目標対象に対する死角エリアである。
【0081】
体型が小さい目標対象、例えば高さが0.8メートルである目標対象に対して、該目標対象の走査に2本のビームを必要とし、且つ各ビームの地面からの高さが0.8メートル以下である場合、1つの領域内の全てのラスターに対応する最低ビーム高さがいずれも0.8メートルより高く、及び/又は、有効ビーム数が2本未満である、該領域は、該目標車両の走行中、0.8メートルの目標対象に対する死角エリアである。
【0082】
本願の実施例において、目標車両が走行するプロセスにおいて、変化する障害物の情報により、目標車両の走行プロセスに対するレーダー死角エリア情報を決定することができ、それにより、目標車両の走行プロセスを効果的に制御し、目標車両に衝突が発生する確率を低下させることができる。
【0083】
本願の実施例において、上記S201に対して、点群データに基づいて、目標車両からの所定範囲内の障害物の情報を決定することは、
図4に示すように、下記S2011からS2013を含んでもよい。
【0084】
S2011において、点群データに基づいて、目標車両からの所定範囲内の各障害物の輪郭情報を決定する。
【0085】
本願の実施例において、点群データは、各点群点の、車体座標系での座標値を含んでもよい。点群データにおける各点群点の座標値に基づいて、目標車両からの所定範囲内の障害物の、車体座標系での輪郭情報を得ることができる。例えば、1つの歩行者の輪郭、1台の車両の輪郭又は1つの建築物の輪郭を得る。
【0086】
本願の実施例において、各障害物の輪郭情報は、該障害物に対応する三次元(3-dimension:3D)境界枠のサイズで表されてもよい。該3D境界枠は、3D凸多面体であってもよく、以下、3D凸多面体の決定プロセスを簡単に説明する。
【0087】
本願の実施例において、該障害物に対応する点群データに基づいて、地面上での、該障害物に対応する領域の凸多角形検出枠を決定し、続いて、該障害物の該多角形検出枠に垂直な方向に沿って、該多角形検出枠を、障害物の高さに達するまで引き伸ばすと、該3D凸多面体を得る。
【0088】
S2012において、輪郭情報に基づいて、各障害物の、予め構築されたラスター地図における各ラスターでの障害物高さを決定する。
【0089】
ここで、予め構築されたラスター地図は、目標車両の形状及びサイズ、目標車両上でのレーダーの検出範囲及びラスターの解像度に基づいて決定される。
【0090】
本願の実施例において、各障害物に対応する3D境界枠の底部領域の、車体座標系における対応する座標範囲により、予め構築されたラスター地図において、各障害物が占めるラスターを決定することができる。本願の実施例において、例えば、ラスター地図において該障害物が占めるラスター領域に8個のラスターを含み、更に、該障害物に対応する3D境界枠の高さに基づいて、該障害物の、予め構築されたラスター地図における各ラスターでの障害物高さを決定する。
【0091】
目標車両におけるレーダーで走査された検出範囲の、地面での投影領域に対して、ラスター地図を構築することができる。レーダーが目標車両に取り付けられる場合に形成される投影領域は、目標車両の、地面での投影を含まない。ラスター地図のサイズ及び形状は、該投影領域によって決定されてもよい。ラスター地図に含まれるラスター数は、予め設定されたラスターの解像度によって決定されてもよい。ラスターの解像度は、単一のラスターの辺長の逆数を表すことができ、それと同時に、単位面積内に含まれるラスター数を表すことができる。
【0092】
ラスターの解像度を決定すると、ラスター地図に含まれるラスター数は決定される。ラスターの解像度が高いほど、単一のラスターのサイズが小さく、障害物の、関連する各ラスターでの対応するサイズが小さく、このように、障害物の、各ラスターでの対応する上表面が平面との差が小さく、この場合、各ラスターでの障害物高さを決定する時により正確になる。しかしながら、ラスター数が多いほど、効率がそれに応じて低下する。ここで、ビッグデータに基づいて正確度と効率とのバランスを取り、更に、合理的なラスターの解像度を選択することができる。
【0093】
S2013において、障害物高さに基づいて、現在の障害物ラスター地図を得る。
【0094】
現在の障害物ラスター地図は、目標車両からの所定範囲内の障害物の情報を表すためのものである。
【0095】
本願の実施例において、各障害物の、予め構築されたラスター地図における各ラスターでの障害物高さに基づいて、予め構築されたラスター地図における各ラスターに対して障害物高さを記録して現在の障害物ラスター地図を得ることができる。
【0096】
本願の実施例において、目標車両からの所定範囲内の障害物の情報をわかりやすく得ることができ、それにより、後続で該障害物ラスター地図及びビーム情報に基づいて、本願の実施例において、各ラスターに対応する有効ビーム高さ及び有効ビーム数を決定し、それによって、レーダー死角エリア情報を決定する準備を行う。
【0097】
本願の実施例において、ビーム情報は、レーダーが発射するビームの、予め構築されたラスター地図における各ラスター内のビーム高さを含む。上記S202に対して、レーダー装置が発射するビーム情報、及び障害物の情報に基づいて、目標車両のレーダー死角エリア情報を決定することは、
図5に示すように、以下のS2021からS2022を含んでもよい。
【0098】
S2021において、予め構築されたラスター地図における各ラスターに対応するビーム高さ、及び現在の障害物ラスター地図に基づいて、現在のレーダー死角エリアラスター地図を決定する。
【0099】
ここで、予め構築されたラスター地図における各ラスターに対応するビーム高さは、上記構築されたビーム高さ地図から取得されてもよい。続いて、各ラスターに対応するビーム高さ、及び該ラスターの、現在の障害物ラスター地図における対応する障害物高さに基づいて、該ラスターに対応する有効ビーム数及び最低ビーム高さを決定することができ、即ち、現在のレーダー死角エリアラスター地図を得る。
【0100】
ここで、いずれか1つのラスターに対応する有効ビーム数は、該いずれか1つのラスターに入射可能なビームの数である。本願の実施例において、1つのラスターに障害物が存在すると、該ラスターに対応する有効ビームは、該ラスターで対応するビーム高さが該ラスターにおける障害物高さより高いビームである。1つのラスターに対応する最低ビーム高さは、該ラスターにおける対応する有効ビームのうちの高さが最も低いビームである。
【0101】
S2022において、現在のレーダー死角エリアラスター地図及び予め設定された目標対象の輪郭情報に基づいて、目標車両の該予め設定された目標対象に対するレーダー死角エリア情報を決定する。
【0102】
本願の実施例において、予め設定された目標対象は、具体的には、目標車両の適用シーンによって決定されてもよい。該目標車両が無人運転車両である場合、該目標車両が主に、所定の軌道領域内で走行して貨物運搬を行い、該所定の軌道領域内に歩行者が出現する確率が極めて小さく、貨物が出現する確率が大きいため、この場合の予め設定された目標対象は、単に貨物を指してもよい。
【0103】
本願の実施例において、該目標車両が主に住宅地域において走行する場合、住宅地域において子供が多いため、この場合、予め設定された目標対象は、子供であってもよい。
【0104】
具体的には、現在のレーダー死角エリアラスター地図及び予め設定された目標対象の輪郭情報に基づいて、目標車両の該予め設定された目標対象に対するレーダー死角エリア情報を決定する。現在のレーダー死角エリアラスター地図における各ラスターに対応する有効ビーム数及び最低ビーム高さ、及び目標対象が走査できている場合の有効ビーム数及び最高ビーム高さによって決定される。1つのラスターに対応するすべての最低ビーム高さが、目標対象が走査できている最高ビーム高さより高い場合、該ラスターは、該目標対象に対してレーダー死角エリアである。具体的には、上記実施例の記述を参照する。
【0105】
本願の実施例において、各ラスターに対応する有効ビーム数及び最低ビーム高さを迅速に決定することによって、目標車両の現在のレーダー死角エリアラスター地図を得ることができる。本願の実施例において、予め設定された目標対象の輪郭情報に基づいて、レーダー死角エリア情報を迅速に決定し、それにより、後続で該レーダー死角エリア情報に基づいて目標車両の走行プロセスを制御することが容易である。
【0106】
上記S2021に対して、予め構築されたラスター地図における各ラスターに対応するビーム高さ、及び現在の障害物ラスター地図に基づいて、現在のレーダー死角エリアラスター地図を決定することは、
図6に示すように、下記S20211からS20215を含んでもよい。
【0107】
S20211において、現在の障害物ラスター地図に含まれる障害物のサイズ情報、及びレーダー装置が発射するビームの現在の障害物ラスター地図への投影によって得られた光路情報に基づいて、いずれか1つの障害物により遮蔽される光路を抽出して更新光路集合を得る。
【0108】
ここで、各障害物のサイズ情報は主に、該障害物の、現在の障害物ラスター地図における投影サイズを含む。
図7Aは、2つの障害物(それぞれ障害物A及び障害物Bと表記される)を含む現在の障害物ラスター地図である。図面から分かるように、障害物Aにより遮蔽される最大角度の2本の光路はそれぞれL1及びL2と表記され、障害物Bにより遮蔽される最大角度の2本の光路はそれぞれL3及びL4と表記されると、ここで、L1とL2で構成される挟角に位置する全ての光路を抽出し、また、L3とL4で構成される挟角に位置する全ての光路を抽出することができる。
図7Aから分かるように、L1とL2で構成される挟角に位置する一部の光路とL3とL4で構成される挟角に位置する一部の光路は重なっている。ここで、重なっている光路に対して、一回だけ抽出すればよい。
【0109】
各光路は、1つの収集角度の複数本のビームに対応する。64ビットレーダー装置を例として、各光路は、1つの収集角度の64本のビームに対応する。L1とL2で構成される挟角に10本の光路が含まれ、L3とL4で構成される挟角に6本の光路が含まれるとすると、L1とL2で構成される挟角と、L3とL4で構成される挟角と、の重なり部分において、
図7AにおけるL2とL3で構成される挟角に2本の光路が存在し、該2本の光路が重なり、これら2本の重なる光路に対して1本のみを抽出する。このように、ここで得られた更新光路集合に15本の光路が含まれる。
【0110】
S20212において、更新光路集合内の各光路に対して、該光路の発射方向に沿って、該光路に対応するラスターインデックス系列を決定し、ラスターインデックス系列は、複数のラスターを光路発射方向の順番に従って順序付けることによって得られた各ラスターのインデックスを表す。
【0111】
本願の実施例において、更新光路集合内のいずれか1本の光路に対して、障害物を考慮しない場合、該いずれか1本の光路が現在のラスター地図において20個のラスターを通過する場合、該いずれか1本の光路に対応するラスターインデックス系列は、該20個のラスターをいずれか1本の光路の発射方向に従って順序付けることで得られた各ラスターのインデックスである。
【0112】
理解しやすくするために、
図7Bを取り入れ、ラスター地図の各ラスターの、X軸における位置は、該ラスターの、ラスター地図における行位置を表すことができ、ラスター地図の各ラスターの、Y軸における位置は、該ラスターの、ラスター地図における行位置を表すことができ、いずれか1本の光路Lが発射方向に沿って通過するラスターは、ラスターAからKを含み、そのうち、ラスターAの、ラスター地図における行位置は、7であり、列位置は、6である。従って、(7,6)で、該ラスターAに対応するインデックスを表すことができる。同様に、該いずれか1本の光路Lが通過する他のラスターのインデックスを決定することができる。ここで、ラスターAからKの順番に従って、該いずれか1本の光路Lに対応するラスターインデックス系列を決定することができる。
【0113】
S20213において、各ラスターインデックス系列に対して、ラスターインデックス系列に対応する光路に関連する各ビームの、各ラスターにおけるビーム高さ及び該ラスターに対応する障害物高さに従って、該ラスターインデックス系列に示される各ラスターに対応する最低ビーム高さ及び有効ビーム数を調整する。
【0114】
S20214において、最後の1つのラスターインデックス系列における各ラスターに対応する最低ビーム高さ及び有効ビーム数の調整が完了したかどうかを判断し、完了していない場合、S20213に戻り、完了した場合、S20215を実行し、現在のレーダー死角エリアラスター地図を得る。
【0115】
各ラスターインデックス系列に対して、まず、該ラスターインデックス系列に対応する光路に関連する各ビームを取得し、該ラスターインデックス系列における1番目のインデックスに対応するラスターに対応する最低ビーム高さ及び有効ビーム数を調整する場合、該光路に関連する全てのビームをビーム高さの昇順に従って順序付けた後、最低ビーム高さから、該ラスターに対応する障害物高さと順に比較し、ビーム高さが該障害物高さ以上のビームを該ラスターに対応する有効ビームとし、ビーム高さが該障害物高さよりも低いビームを該ラスターに対応する無効ビーム(無効ビームは、障害物により遮蔽されるビームである)とすることができる。該方式により、該ラスターに対応する最低ビーム高さ及び有効ビーム数を調整し、調整が完了した後、引き続き、該ラスターインデックスの次のインデックスにより示されるラスターを調整し、該ラスターインデックス系列に示される各ラスターの調整を完了した後、引き続き、他のラスターインデックス系列における各ラスターに対応する最低ビーム高さ及び有効ビーム数を調整した後、現在のレーダー死角エリアラスター地図を得ることができる。
【0116】
本願の実施例において、各光路に対応するラスターインデックス系列に示されるラスターに対して順に調整を行うことを提案する。また、該調整方式では、ビーム発射方向に従って各ラスターを順に調整することができる。それにより、各ラスターに対応する最低ビーム高さ及び有効ビーム数を順に更新する方式を提供する。
【0117】
具体的には、上記S20213に対して、以下の方式に従って、1つのラスターインデックス系列に示される各ラスターに対応する最低ビーム高さ及び有効ビーム数を調整することができる。
【0118】
(1)1つのラスターインデックス系列における現在のラスターに対して、該ラスターインデックス系列に対応する各ビームの、現在のラスターにおけるビーム高さと現在のラスターに対応する障害物高さを順に比較し、ビーム高さが障害物高さよりも高いビームを現在のラスターに対応する有効ビームとする。
【0119】
ここで、1つのラスターインデックス系列は、複数のラスターインデックス系列のうちのいずれか1つのラスターインデックス系列であってもよい。本願の実施例において、1つのラスターインデックス系列における現在のラスターに対応する有効ビームを調整する前に、まず、現在のラスターに入射できるビームを取得し、現在のラスターに入射できるビームは、該ラスターインデックス系列における、現在のラスターの前に位置する1つ前のラスターの有効ビームであり得る。該ラスターインデックス系列に対応する光路に関連する全てのビームを比較する必要がない。それにより調整速度を向上させることができる。
【0120】
(2)現在のラスターに対応する有効ビームのビーム高さに基づいて、現在のラスターの最低ビーム高さに対して調整を行い、該ラスターインデックス系列に対応するビームのうちの現在のラスターに対応する有効ビームの数量に基づいて、現在のラスターに対応する有効ビーム数を調整する。
【0121】
ここで、現在のラスターが唯一のラスターインデックス系列のみに対応しているわけではないことを考慮して、現在のラスターが複数のラスターインデックス系列に対応する場合、現在のラスターに対応する最低ビーム高さ及び有効ビーム数に対して調整する時、この前に該現在のラスターを調整した後、該現在のラスターに対応する最低ビーム高さ及び有効ビーム高さが保存されていることを考慮して、ここで、現在のラスターに対して調整を行う場合、現在の調整により決定される現在のラスターの有効ビームのビーム高さに基づいて、現在のラスターに対応する保存されている最低ビーム高さに対して調整を行うことができる。また、該ラスターインデックス系列に対応するビームにおいて、同様に、現在のラスターに対応する有効ビームの数量に基づいて、現在のラスターに対応する保存されている有効ビーム数を調整することができる。
【0122】
本願の実施例において、現在のラスターに対応する有効ビームのビーム高さ及び現在のラスターに対応する保存されている最低ビーム高さのうちの最低のビーム高さを、今回のラスターの調整後の、該現在のラスターに対応する最低ビーム高さとする。今回の調整時に得られた現在のラスターに対応する有効ビーム数及び現在のラスターに対応する保存した有効ビーム数に基づいて、該現在のラスターに対応する最大有効ビーム数を、現在のラスターに対する今回の調整後の該現在のラスターに対応する有効ビーム数として得る。
【0123】
本願の実施例において、現在のラスターが1つのみのラスターインデックス系列に対応する場合、現在のラスターに対応する保存した最低ビーム高さは、予め設定された比較的大きい値であってもよい。なお、現在のラスターに対応する保存した有効ビーム数は、予め設定された比較的小さい値、例えば0であってもよい。
【0124】
(3)現在のラスターに対応する有効ビームを該ラスターインデックス系列における次のラスターに入射するビームとし、次のラスターを現在のラスターとし、引き続き、該現在のラスターに対応する最低ビーム高さ及び有効ビーム数を調整するステップを実行し、現在のラスターに入射する各ビームのビーム高さがいずれも現在のラスターに対応する障害物高さより低くなるまで実行を継続し、該ラスターインデックス系列における各ラスターの、本回の調整後に対応する最低ビーム高さ及び有効ビーム数を得る。
【0125】
現在のラスターに対応する有効ビームを得た後、該有効ビームを該ラスターインデックス系列における次のラスターに入射できるビームとする。このように、該次のラスターに対応する最低ビーム高さ及び有効ビーム数を調整する時に、現在のラスターに対応する無効ビームを考慮する必要がなく、それにより、後続のラスターに対応する最低ビーム高さ及び有効ビーム数に対する調整速度を速くすることができる。
【0126】
現在のラスターに入射する各ビームの高さがいずれも現在のラスターに対応する障害物高さより低い場合、該現在のラスターに有効ビームがないことを表す。この場合、該ラスターインデックス系列における次のラスターに対して、該光路に関連するビームにおいて、入射した光線がないため、引き続き、後続のラスターに対応する最低ビーム高さ及び有効ビーム数を調整する必要がない。ここで、該現在のラスターの最低ビーム高さに比較的大きい値を与え、該現在のラスターに対応する有効ビームを0とすることができる。
【0127】
本願の実施例において、1つのラスターインデックス系列に示される各ラスターに対応する最低ビーム高さ及び有効ビーム数を調整する時に、各ラスターに対して、該ラスターの1つ前のラスターに対応する無効ビームをフィルタリングし、それにより調整速度を向上させることができる。
【0128】
本願の実施例において、同時に上記方式に従って、各ラスターインデックス系列に示される各ラスターに対応する最低ビーム高さ及び有効ビーム数を調整し、最終的に現在のレーダー死角エリアラスター地図を得ることもできる。同時に調整を行う場合、同様に光路発射方向に従って、各ラスターに対して調整を行う。
【0129】
本願の実施例において、複数本の光路を同時に含むラスターに対応する最低ビーム高さ及び有効ビーム数を調整する時に、各光路に関連するビームと該ラスターに対応する障害物高さを同時に考慮する必要がある。
【0130】
上記S2022に対して、現在のレーダー死角エリアラスター地図及び予め設定された目標対象の輪郭情報に基づいて、該予め設定された目標対象に対するレーダー死角エリア情報を決定することは、
図8に示すように、下記S20221からS20222を含んでもよい。
【0131】
S20221において、予め設定された目標対象の輪郭情報に基づいて、レーダー装置が予め設定された目標対象が走査できている有効ビーム数及び最高ビーム高さを決定する。
【0132】
ここでの予め設定された目標対象の輪郭情報は同様に予め設定された目標対象に対応する3D境界枠のサイズ情報で表されてもよい。レーダーにより、該3D境界枠に対応する予め設定された目標対象を走査する時に、サイズが異なる3D境界枠は、異なる有効ビーム数及び最高ビーム高さを有し、ここで、最高ビーム高さは、該予め設定された目標対象が走査できる最高ビーム高さである。該最高ビーム高さ以下のビームを用いて予め設定された目標対象を走査する場合、該3D境界枠に対応する予め設定された目標対象を走査することができる。該最高ビーム高さよりも高いビームを用いて予め設定された目標対象を走査する場合、該予め設定された目標対象を走査することができない。
【0133】
本願の実施例において、目標車両の適用シーンにより、予め設定された目標対象の輪郭情報を決定した後、レーダー装置が予め設定された目標対象が走査できている有効ビーム数及び最低ビーム高さを決定することができる。
【0134】
S20222において、現在のレーダー死角エリアラスター地図において、各ラスターに対応する有効ビーム数と予め設定された目標対象が走査できている有効ビーム数、及び/又は、各ラスターに対応する最低ビーム高さと予め設定された目標対象が走査できる最高ビーム高さに基づいて、予め設定された目標対象の、現在のレーダー死角エリアラスター地図における対応するレーダー死角エリアを決定する。
【0135】
本願の実施例において、対応する有効ビーム数が予め設定された目標対象が走査できている有効ビーム数よりも小さいラスターを、予め設定された目標対象の、現在のレーダー死角エリアラスター地図における対応するレーダー死角エリアとすることができる。対応する最低ビーム高さが予め設定された目標対象が走査できる最高ビーム高さよりも高いラスターを、予め設定された目標対象の、現在のレーダー死角エリアラスター地図における対応するレーダー死角エリアとすることができる。対応する有効ビーム数が予め設定された目標対象が走査できている有効ビーム数よりも少なく、且つ対応する最低ビーム高さが予め設定された目標対象が走査できる最高ビーム高さよりも高いラスターを、予め設定された目標対象の、現在のレーダー死角エリアラスター地図における対応するレーダー死角エリアとすることができる。
【0136】
本願の実施例において、異なる予め設定された目標対象に対して、異なるレーダー死角エリアを決定することができる。様々な適用シーンにおいて、レーダー死角エリアを適時に更新することが容易であり、それにより車両を、障害物を回避するように効果的に制御する。
【0137】
上記S203に対して、目標車両のレーダー死角エリア情報に従って、目標車両を制御することは、下記(1)から(2)を含んでもよい。
【0138】
(1)目標車両の現在位置姿勢情報及びレーダー死角エリア情報に基づいて、目標車両と所定範囲内のレーダー死角エリアとの距離情報を決定する。
【0139】
(2)距離情報に基づいて、目標車両を、減速して障害物を回避するように制御する。
【0140】
本願の実施例において、レーダー死角エリア情報は、レーダー死角エリアの境界線の、目標車両を原点とした車体座標系での対応する座標範囲を含み、目標車両の現在位置姿勢情報は、目標車両の位置情報及び向き情報を含んでもよい。続いて、レーダー死角エリアに対応する座標範囲に基づいて、該目標車両と所定範囲内のレーダー死角エリアとの距離情報を決定することができる。ここで、目標車両の向きに基づいて、目標車両の、レーダー死角エリアに最も近い一側及び間隔距離を決定することができる。
【0141】
続いて、上記決定された距離情報に基づいて、該レーダー死角エリアを安全に避けるために目標車両が如何に走行するかを決定することができる。例えば、向きの変動及び速度の変動を決定することができる。具体的には、距離情報が属する安全距離レベルに基づいて決定することができる。安全距離レベルが低いほど、目標車両がレーダー死角エリアに近くなることを表す。
【0142】
本願の実施例において、該距離情報が属する安全距離レベルが低いと、この場合、急ブレーキをかけることができる。該距離情報が属する安全距離レベルが高いと、オリジナル方向に沿って減速して走行することができる。
【0143】
本願の実施例において、目標車両の現在位置姿勢情報及びレーダー死角エリアに基づいて障害物を回避することができ、それにより目標車両の走行上の安全性を向上させる。
【0144】
具体的な実施形態の上記方法において、各ステップの記述順番は、厳しい実行順番を意味して実施プロセスを何ら限定するものではなく、各ステップの実際の実行順番はその機能及び可能な内在的論理により決まることは、当業者であれば理解すべきである。
【0145】
同一の技術的思想によれば、本願の実施例は、レーダー装置により収集されたデータの処理方法に対応する処理装置を更に提供する。本願の実施例における装置による課題を解決するための原理は、本願の実施例における上記目標検出方法と類似するため、装置の実施は、方法の実施を参照することができる。
【0146】
図9を参照すると、
図9は、本願の実施例によるレーダー装置により収集されたデータの処理装置900を示す概略図である。該処理装置900は、
レーダー装置により収集された複数フレームの点群データを取得するように構成される取得モジュール901と、
複数フレームの点群データに基づいて、点群データ欠落結果を決定するように構成される決定モジュール902であって、点群データ欠落結果は、点群データの具体的な欠落部分を含む、決定モジュール902と、
点群データ欠落結果に基づいて、通知情報を知らせるように構成される通知モジュール903であって、通知情報は、レーダー装置の異常タイプを示すためのものである、通知モジュール903と、を備える。
【0147】
本願の実施例において、点群データ欠落結果は、レーダー装置の少なくとも1つの無線電波送信機に対応する点群データが欠落していることを含み、決定モジュール902は、第1持続時間における各フレームの点群データに、少なくとも1つの無線電波送信機に対応する点群データがいずれも存在しない場合、少なくとも1つの無線電波送信機に対応する点群データが欠落していることを決定するように構成され、通知モジュール903は、通知情報を知らせるように構成され、通知情報は、レーダー装置における少なくとも1つの無線電波送信機に異常が存在することを示すためのものである。
【0148】
本願の実施例において、点群データ欠落結果は、少なくとも1つの収集角度に対応する点群データが欠落していることを含み、決定モジュール902は、第2持続時間における各フレームの点群データに、少なくとも1つの収集角度に対応する点群データが存在しなく、且つ第2持続時間における各フレームの点群データにおいて、対応する存在しない点群データの収集角度が完全に同じではない場合、ランダム収集角度に対応する点群データが欠落していることを決定するように構成され、通知モジュール903は、通知情報を知らせるように構成され、通知情報は、レーダー装置に、データパケット伝送異常が存在することを示すためのものである。
【0149】
本願の実施例において、点群データ欠落結果は、少なくとも1つの収集角度に対応する点群データが欠落していることを含み、決定モジュール902は、第3持続時間における各フレームの点群データに、少なくとも1つの収集角度に対応する点群データが存在しなく、且つ第3持続時間における各フレームの点群データにおいて、対応する存在しない点群データの収集角度が同じである場合、特定の収集角度に対応する点群データが欠落していることを決定するように構成され、通知モジュール903は、通知情報を知らせるように構成され、通知情報は、レーダー装置に遮蔽異常が存在することを示すためのものである。
【0150】
本願の実施例において、決定モジュール902は、複数フレームの点群データにおいて、少なくとも1フレームの点群データに含まれる点群点の総数が第1所定閾値よりも低いことが存在することを決定した場合、少なくとも1フレームの点群データに欠落が存在することを決定するように構成され、通知モジュール903は、通知情報を知らせるように構成され、通知情報は、レーダー装置に位置異常が存在することを示すためのものである。
【0151】
本願の実施例において、決定モジュール902は、隣接する2フレームの点群データの間の伝送時間間隔を取得し、伝送時間間隔が所定時間間隔よりも大きいかどうかを判定するように構成され、通知モジュール903は、伝送時間間隔が所定時間間隔よりも大きいことを決定した場合、通知情報を知らせるように構成され、通知情報は、レーダー装置に点群データ伝送異常が存在することを示すためのものである。
【0152】
本願の実施例において、決定モジュール902は、各フレームの点群データに対して、各フレームの点群データにおける各点群点に対応する座標位置に従って、各フレームの点群データを所定投影領域内に投影し、各フレームの点群データに対応する投影ラスター画像を生成し、所定投影領域は、レーダー座標系において、レーダー装置を中心としてレーダー装置の走査領域を地面に投影して得られた領域であり、投影ラスター画像に含まれる点の数が第2所定閾値よりも小さいかどうかを判定するように構成され、通知モジュール903は、点の数が第2所定閾値よりも小さい場合、通知情報を知らせるように構成され、通知情報は、各フレームの点群データが座標系変換された点群データであることを通知するためのものである。
【0153】
本願の実施例において、処理装置900は、制御モジュール904を更に備え、制御モジュール904は、点群データが欠落していないことに応答して、点群データに基づいて、目標車両からの所定範囲内の障害物の情報を決定し、レーダー装置が目標車両に設けられ、レーダー装置が発射するビーム情報、及び障害物の情報に基づいて、目標車両のレーダー死角エリア情報を決定し、目標車両のレーダー死角エリア情報に従って、目標車両を制御するように構成される。
【0154】
本願の実施例において、制御モジュール904は、点群データに基づいて、目標車両からの所定範囲内の各障害物の輪郭情報を決定し、輪郭情報に基づいて、各障害物の、予め構築されたラスター地図における各ラスターでの障害物高さを決定し、障害物高さに基づいて、現在の障害物ラスター地図を得るように構成され、現在の障害物ラスター地図は、目標車両からの所定範囲内の障害物の情報を表すためのものである。
【0155】
本願の実施例において、ビーム情報は、レーダーが発射するビームの、予め構築されたラスター地図における各ラスター内のビーム高さを含み、制御モジュール904は、予め構築されたラスター地図における各ラスターに対応するビーム高さ、及び現在の障害物ラスター地図に基づいて、現在のレーダー死角エリアラスター地図を決定し、現在のレーダー死角エリアラスター地図及び予め設定された目標対象の輪郭情報に基づいて、目標車両の、該予め設定された目標対象に対するレーダー死角エリア情報を決定するように構成される。
【0156】
本願の実施例において、制御モジュール904は、現在の障害物ラスター地図に含まれる障害物のサイズ情報、及びレーダー装置が発射するビームの、現在の障害物ラスター地図への投影によって得られた光路情報に基づいて、いずれか1つの障害物により遮蔽される光路を抽出して更新光路集合を得て、更新光路集合内の各光路に対して、該光路の発射方向に沿って、該光路に対応するラスターインデックス系列を決定し、ラスターインデックス系列は、複数のラスターを光路発射方向の順番に従って順序付けることによって得られた各ラスターのインデックスを表し、各ラスターインデックス系列に対して、該ラスターインデックス系列に対応する光路に関連する各ビームの、各ラスターにおけるビーム高さ及び該ラスターに対応する障害物高さに従って、該ラスターインデックス系列に示される各ラスターに対応する最低ビーム高さ及び有効ビーム数を調整し、最後の1つのラスターインデックス系列における各ラスターに対応する最低ビーム高さ及び有効ビーム数の調整が完了するまで継続し、現在のレーダー死角エリアラスター地図を得るように構成される。
【0157】
本願の実施例において、制御モジュール904は、1つのラスターインデックス系列における現在のラスターに対して、該ラスターインデックス系列に対応する各ビームの、現在のラスターにおけるビーム高さと現在のラスターに対応する障害物高さを順に比較し、ビーム高さが障害物高さよりも高いビームを現在のラスターに対応する有効ビームとし、現在のラスターに対応する有効ビームのビーム高さに基づいて、現在のラスターの最低ビーム高さに対して調整を行い、また、該ラスターインデックス系列に対応するビームのうち現在のラスターに対応する有効ビームの数量に基づいて、現在のラスターに対応する有効ビーム数を調整し、現在のラスターに対応する有効ビームを該ラスターインデックス系列における次のラスターに入射するビームとし、次のラスターを現在のラスターとし、引き続き、該現在のラスターに対応する最低ビーム高さ及び有効ビーム数を調整するステップを実行し、現在のラスターに入射する各ビームのビーム高さがいずれも現在のラスターに対応する障害物高さより低くなるまで実行を継続し、該ラスターインデックス系列における各ラスターの、本回の調整後に対応する最低ビーム高さ及び有効ビーム数を得るように構成される。
【0158】
本願の実施例において、制御モジュール904は、予め設定された目標対象の輪郭情報に基づいて、レーダー装置が予め設定された目標対象が走査できている有効ビーム数及び最高ビーム高さを決定し、現在のレーダー死角エリアラスター地図において、各ラスターに対応する有効ビーム数と予め設定された目標対象が走査できている有効ビーム数、及び/又は、各ラスターに対応する最低ビーム高さ及び予め設定された目標対象が走査できる最高ビーム高さのうちの少なくとも1つに基づいて、予め設定された目標対象の、現在のレーダー死角エリアラスター地図における対応するレーダー死角エリアを決定するように構成される。
【0159】
装置における各モジュールの処理フロー及び各モジュール間のインタラクションフローに関する説明は、上記方法の実施例における関連説明を参照することができ、ここで、詳細な説明を省略する。
【0160】
図1におけるレーダー装置により収集されたデータの処理方法に対応して、本願の実施例は、電子機器1000を更に提供する。
図10に示すように、
図10は、本願の実施例による電子機器1000の構造を示す概略図である。前記電子機器は、
プロセッサ101と、メモリ102と、バス103と、を備え、メモリ102は、実行命令を記憶するように構成され、内部メモリ1021と、外部メモリ1022と、を含み、ここで、内部メモリ1021は、内メモリとも呼ばれ、プロセッサ101におけるコンピューティングデータ、及びハードディスクなどの外部メモリ1022と交換されるデータを一時的に記憶するように構成され、プロセッサ101は、内部メモリ1021を介して外部メモリ1022とデータ交換を行う。電子機器1000が動作する時、プロセッサ101とメモリ102とは、バス103を介して通信を行い、プロセッサ101に下記命令を実行させる。レーダー装置により収集された複数フレームの点群データを取得し、複数フレームの点群データに基づいて、点群データ欠落結果を決定し、点群データ欠落結果は、点群データの具体的な欠落部分を含み、点群データ欠落結果に基づいて、通知情報を知らせ、通知情報は、レーダー装置の異常タイプを示すためのものである。
【0161】
本願の実施例は、コンピュータ可読記憶媒体を更に提供する。該コンピュータ可読記憶媒体に、コンピュータプログラムが記憶されており、該コンピュータプログラムがプロセッサにより実行される時に、上記方法の実施例に記載のレーダー装置により収集されたデータの処理方法のステップを実行する。ここで、該記憶媒体は、揮発性又は不揮発性コンピュータ可読記憶媒体であってもよい。
【0162】
本願の実施例が提供するレーダー装置により収集されたデータの処理方法のコンピュータプログラム製品は、プログラムコードを記憶したコンピュータ可読記憶媒体を含み、前記プログラムコードに含まれる命令は、上記方法の実施例に記載のレーダー装置により収集されたデータの処理方法のステップを実行するために用いられ、具体的には、上記方法の実施例を参照することができる。
【0163】
本願の実施例は、コンピュータプログラムを更に提供する。該コンピュータプログラムは、プロセッサにより実行される時、前記実施例のいずれか1つの方法を実現させる。該コンピュータプログラム製品は、具体的には、ハードウェア、ソフトウェア又はその組み合わせにより実現してもよい。1つの選択可能な実施例において、前記コンピュータプログラム製品は、コンピュータ記憶媒体として具現化され、もう1つの選択可能な実施例において、コンピュータプログラム製品は、具体的には、例えば、ソフトウェア開発キット(Software Development Kit:SDK)等のようなソフトウェア製品として具現化される。
【0164】
コンピュータ可読記憶媒体は、命令実行装置に用いられる命令を保持又は記憶することができる有形装置であってもよい。コンピュータ可読記憶媒体は、例えば、電気記憶装置、磁気記憶装置、光記憶装置、電磁記憶装置、半導体記憶装置又は上記の任意の組み合わせであってもよいが、これらに限定されない。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例(非網羅的リスト)は、ポータブルコンピュータディスク、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory:RAM)、ROM(Read-Only Memory:ROM)、消去可能なプログラマブル読出し専用メモリ(Electrical Programmable Read Only Memory:EPROM)又はフラッシュ、スタティックランダムアクセスメモリ(Static Random-Access Memory:SRAM)、ポータブルコンパクトディスク読出し専用メモリ(Compact Disc Read-Only Memory:CD-ROM)、デジタル多目的ディスク(Digital Video Disc:DVD)、メモリスティック、フレキシブルディスク、命令が記憶されているパンチカード又は凹溝内における突起構造のような機械的符号化装置、及び上記任意の適切な組み合わせを含んでもよい。ここで用いられるコンピュータ可読記憶媒体は、電波もしくは他の自由に伝搬する電磁波、導波路もしくは他の伝送媒体を通って伝搬する電磁波(例えば、光ファイバケーブルを通過する光パルス)、または、電線を通して伝送される電気信号などの、一時的な信号それ自体であると解釈されるべきではない。
【0165】
ここで説明されるコンピュータ可読プログラム命令を、コンピュータ可読記憶媒体から各コンピューティング/処理装置にダウンロードすることができるか、又は、インターネット、ローカルエリアネットワーク、ワイドエリアネットワーク及び/又は無線ネットワークのようなネットワークを経由して外部コンピュータ又は外部記憶装置にダウンロードすることができる。ネットワークは、伝送用銅線ケーブル、光ファイバー伝送、無線伝送、ルータ、ファイアウォール、交換機、ゲートウェイコンピュータ及び/又はエッジサーバを含んでもよい。各コンピューティング/処理装置におけるネットワークインタフェースカード又はネットワークインタフェースは、ネットワークからコンピュータ可読プログラム命令を受信し、該コンピュータ可読プログラム命令を転送し、各コンピューティング/処理装置におけるコンピュータ可読記憶媒体に記憶する。
【0166】
本願の操作を実行するように構成されるコンピュータプログラム命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(Industry Standard Architecture:ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、又は1つ又は複数のプログラミング言語で記述されたソースコード又はターゲットコードであってもよい。前記プログラミング言語は、Smalltalk、C++などのようなオブジェクト指向プログラミング言語と、「C」プログラミング言語又は類似したプログラミング言語などの従来の手続型プログラミング言語とを含む。コンピュータ可読プログラム命令は、ユーザコンピュータ上で完全に実行してもよいし、ユーザコンピュータ上で部分的に実行してもよいし、独立したソフトウェアパッケージとして実行してもよいし、ユーザコンピュータ上で部分的に実行してリモートコンピュータ上で部分的に実行してもよいし、又はリモートコンピュータ又はサーバ上で完全に実行してもよい。リモートコンピュータの場合に、リモートコンピュータは、任意の種類のネットワーク(ローカルエリアネットワーク(Local Area Network:LAN)又はワイドエリアネットワーク(Wide Area Network:WAN)を含む)を通じてユーザのコンピュータに接続するか、または、外部のコンピュータに接続することができる(例えばインターネットサービスプロバイダを用いてインターネットを通じて接続する)。幾つかの実施例において、コンピュータ可読プログラム命令の状態情報を利用して、プログラマブル論理回路、FPGA又はプログラマブル論理アレイ(Programmable Logic Arrays:PLA)のような電子回路をカスタマイズする。該電子回路は、コンピュータ可読プログラム命令を実行することで、本願の各態様を実現させることができる。
【0167】
説明上の便宜及び簡素化を図るために、上記説明されたシステム及び装置の具体的な作動過程は、前記方法の実施例における対応した過程を参照することができることは、当業者にはっきり理解されるべきである。本発明で提供する幾つかの実施例で開示したシステム、装置及び方法は、他の方式によって実現できることを理解すべきである。以上に記載した装置の実施例はただ例示的なものであり、例えば、前記ユニットの分割はただロジック機能の分割で、実際に実現する時は他の分割方式によってもよい。また例えば、複数のユニット又はコンポーネントを組み合わせてもよいし、別のシステムに組み込んでもよい。又は若干の特徴を無視してもよいし、実行しなくてもよい。また、示したか或いは検討した相互間の結合又は直接的な結合又は通信接続は、幾つかの通信インタフェース、装置又はユニットによる間接的な結合又は通信接続であってもよく、電気的、機械的または他の形態であってもよい。
【0168】
分離部材として説明した前記ユニットは、物理的に別個のものであってもよいし、そうでなくてもよい。ユニットとして示された部材は、物理的ユニットであってもよいし、そうでなくてもよい。即ち、同一の位置に位置してもよいし、複数のネットワークユニットに分布してもよい。実際の需要に応じてそのうちの一部又は全てのユニットにより本実施例の方策の目的を実現することができる。
【0169】
また、本願の各実施例における各機能ユニットは1つの処理ユニットに集積されてもよいし、各ユニットが物理的に別個のものとして存在してもよいし、2つ又は2つ以上のユニットが1つのユニットに集積されてもよい。
【0170】
前記機能はソフトウェア機能ユニットの形で実現され、かつ独立した製品として販売または使用されるとき、プロセッサによる実行可能な不揮発性コンピュータ可読記憶媒体に記憶されてもよい。このような理解のもと、本願の技術的解決手段は、本質的に、又は、従来技術に対して貢献をもたらした部分又は該技術的解決手段の一部は、ソフトウェア製品の形式で具現化することができ、このようなコンピュータソフトウェア製品は、記憶媒体に記憶しても良く、また、1台のコンピュータ機器(パソコン、サーバ、又はネットワーク機器など)に、本願の各実施例に記載の方法の全部又は一部のステップを実行させるための若干の命令を含む。上述した記憶媒体は、USBメモリ、リムーバブルハードディスク、読み出し専用メモリ(Read-only Memory:ROM)、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory:RAM)、磁気ディスク、又は光ディスクなど、プログラムコードを記憶可能な各種の媒体を含む。
【0171】
最後に説明しておきたいこととして、上記実施例は本願の実施形態に過ぎず、本願の技術的解決手段を説明するためのものであり、これを限定するものではなく、本願の保護範囲はこれに制限されるものではない。前記実施例を参照しながら、本願を詳細に説明したが、本技術分野を周知するいかなる当業者であれば、本願で開示された技術的範囲内で、前記実施例に記載の技術的解決手段に対して修正を行うことができるか又は変更を容易に思いつくことができ、又は一部の技術的特徴に対して均等物による置換を行うこともでき、これらの修正、変更又は置換は、対応する技術的解決手段の本質を本願の実施例の技術的解決手段の精神及び範囲から離脱させるものではなく、本願の保護範囲内に含まれるものとすることは、理解すべきである。従って、本願の保護範囲は特許請求の範囲の保護範囲を基準とするべきである。
【産業上の利用可能性】
【0172】
本願の実施例は、データの処理方法、装置、機器、記憶媒体及びプログラムを提供する。そのうち、該処理方法は、電子機器により実行され、前記方法は、前記レーダー装置により収集された複数フレームの点群データを取得することと、前記複数フレームの点群データに基づいて、点群データ欠落結果を決定することであって、前記点群データ欠落結果は、前記点群データの具体的な欠落部分を含む、ことと、前記点群データ欠落結果に基づいて、通知情報を知らせることであって、前記通知情報は、前記レーダー装置の異常タイプを示すためのものである、ことと、を含む。
【手続補正書】
【提出日】2021-10-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーダー装置により収集されたデータの処理方法であって、電子機器により実行され、
前記レーダー装置により収集された複数フレームの点群データを取得することと、
前記複数フレームの点群データに基づいて、点群データ欠落結果を決定することであって、前記点群データ欠落結果は、前記点群データの具体的な欠落部分を含む、ことと、
前記点群データ欠落結果に基づいて、通知情報を知らせることであって、前記通知情報は、前記レーダー装置の異常タイプを示すためのものである、ことと、を含む、レーダー装置により収集されたデータの処理方法。
【請求項2】
前記点群データ欠落結果は、前記レーダー装置の少なくとも1つの無線電波送信機に対応する点群データが欠落していることを含み、
前記複数フレームの点群データに基づいて、点群データ欠落結果を決定することは、
第1持続時間における各フレームの点群データに、前記少なくとも1つの無線電波送信機に対応する点群データがいずれも存在しない場合、前記少なくとも1つの無線電波送信機に対応する点群データが欠落していることを決定することを含み、
前記点群データ欠落結果に基づいて、通知情報を知らせることは、
通知情報を知らせることを含み、前記通知情報は、前記レーダー装置における前記少なくとも1つの無線電波送信機に異常が存在することを示すためのものであることを特徴とする
請求項1に記載の処理方法。
【請求項3】
前記点群データ欠落結果は、少なくとも1つの収集角度に対応する点群データが欠落していることを含み、
前記複数フレームの点群データに基づいて、点群データ欠落結果を決定することは、
第2持続時間における各フレームの点群データに、前記少なくとも1つの収集角度に対応する点群データが存在しなく、且つ前記第2持続時間における各フレームの点群データにおいて、対応する存在しない点群データの収集角度が完全に同じではない場合、ランダム収集角度に対応する点群データが欠落していることを決定することを含み、
前記点群データ欠落結果に基づいて、通知情報を知らせることは、
通知情報を知らせることを含み、前記通知情報は、前記レーダー装置に、データパケット伝送異常が存在することを示すためのものであることを特徴とする
請求項1に記載の処理方法。
【請求項4】
前記点群データ欠落結果は、少なくとも1つの収集角度に対応する点群データが欠落していることを含み、
前記複数フレームの点群データに基づいて、点群データ欠落結果を決定することは、
第3持続時間における各フレームの点群データに、前記少なくとも1つの収集角度に対応する点群データが存在しなく、且つ前記第3持続時間における各フレームの点群データにおいて、対応する存在しない点群データの収集角度が同じである場合、特定の収集角度に対応する点群データが欠落していることを決定することを含み、
前記点群データ欠落結果に基づいて、通知情報を知らせることは、
通知情報を知らせることを含み、前記通知情報は、前記レーダー装置に遮蔽異常が存在することを示すためのものであることを特徴とする
請求項1に記載の処理方法。
【請求項5】
前記複数フレームの点群データに基づいて、点群データ欠落結果を決定することは、
前記複数フレームの点群データにおいて、少なくとも1フレームの点群データに含まれる点群点の総数が第1所定閾値よりも低いことが存在することを決定した場合、少なくとも1フレームの点群データに欠落が存在することを決定することを含み、
前記点群データ欠落結果に基づいて、通知情報を知らせることは、
通知情報を知らせることを含み、前記通知情報は、前記レーダー装置に位置異常が存在することを示すためのものであることを特徴とする
請求項1に記載の処理方法。
【請求項6】
前記複数フレームの点群データに基づいて、点群データ欠落結果を決定することは、
隣接する2フレームの点群データの間の伝送時間間隔を取得し、前記伝送時間間隔が所定時間間隔よりも大きいかどうかを判定することを含み、
前記点群データ欠落結果に基づいて、通知情報を知らせることは、
前記伝送時間間隔が所定時間間隔よりも大きいことを決定した場合、通知情報を知らせることを含み、前記通知情報は、前記レーダー装置に点群データ伝送異常が存在することを示すためのものであることを特徴とする
請求項1に記載の処理方法。
【請求項7】
前記複数フレームの点群データに基づいて、点群データ欠落結果を決定することは、
各フレームの点群データに対して、前記各フレームの点群データにおける各点群点に対応する座標位置に従って、前記各フレームの点群データを所定投影領域内に投影し、前記各フレームの点群データに対応する投影ラスター画像を生成することであって、前記所定投影領域は、レーダー座標系において、前記レーダー装置を中心として前記レーダー装置の走査領域を地面に投影して得られた領域である、ことと、
前記投影ラスター画像に含まれる点の数が第2所定閾値よりも小さいかどうかを判定することと、を含む、
前記点群データ欠落結果に基づいて、通知情報を知らせることは、
前記点の数が第2所定閾値よりも小さい場合、通知情報を知らせることを含み、前記通知情報は、前記各フレームの点群データが座標系変換された点群データであることを通知するためのものであることを特徴とする
請求項1に記載の処理方法。
【請求項8】
前記点群データが欠落していないことに応答して、前記処理方法は、
前記点群データに基づいて、目標車両からの所定範囲内の障害物の情報を決定することであって、前記レーダー装置が前記目標車両に設けられる、ことと、
前記レーダー装置が発射するビーム情報、及び前記障害物の情報に基づいて、前記目標車両のレーダー死角エリア情報を決定することと、
前記レーダー死角エリア情報に従って、前記目標車両を制御することと、を更に含むことを特徴とする
請求項1から7のうちいずれか一項に記載の処理方法。
【請求項9】
前記点群データに基づいて、前記目標車両からの所定範囲内の障害物の情報を決定することは、
前記点群データに基づいて、前記目標車両からの所定範囲内の各障害物の輪郭情報を決定することと、
前記輪郭情報に基づいて、前記各障害物の、予め構築されたラスター地図における各ラスターでの障害物高さを決定することと、
前記障害物高さに基づいて、現在の障害物ラスター地図を得ることであって、前記現在の障害物ラスター地図は、前記目標車両からの所定範囲内の障害物の情報を表すためのものである、ことと、を含むことを特徴とする
請求項8に記載の処理方法。
【請求項10】
前記ビーム情報は、前記レーダー装置が発射するビームの、前記予め構築されたラスター地図における各ラスター内のビーム高さを含み、前記レーダー装置が発射するビーム情報、及び前記障害物の情報に基づいて、前記目標車両のレーダー死角エリア情報を決定することは、
前記予め構築されたラスター地図における各ラスターに対応するビーム高さ、及び前記現在の障害物ラスター地図に基づいて、現在のレーダー死角エリアラスター地図を決定することと、
前記現在のレーダー死角エリアラスター地図及び予め設定された目標対象の輪郭情報に基づいて、前記目標車両の、該予め設定された目標対象に対するレーダー死角エリア情報を決定することと、を含むことを特徴とする
請求項9に記載の処理方法。
【請求項11】
前記予め構築されたラスター地図における各ラスターに対応するビーム高さ、及び前記現在の障害物ラスター地図に基づいて、現在のレーダー死角エリアラスター地図を決定することは、
前記現在の障害物ラスター地図に含まれる障害物のサイズ情報、及び前記レーダー装置が発射するビームの、前記現在の障害物ラスター地図への投影によって得られた光路情報に基づいて、いずれか1つの障害物により遮蔽される光路を抽出して更新光路集合を得ることと、
前記更新光路集合内の各光路に対して、該光路の発射方向に沿って、該光路に対応するラスターインデックス系列を決定することであって、前記ラスターインデックス系列は、複数のラスターを光路発射方向の順番に従って順序付けることによって得られた各ラスターのインデックスを表す、ことと、
各ラスターインデックス系列に対して、前記ラスターインデックス系列に対応する光路に関連する各ビームの、各ラスターにおけるビーム高さ及び前記ラスターに対応する障害物高さに従って、前記ラスターインデックス系列に示される各ラスターに対応する最低ビーム高さ及び有効ビーム数を調整し、最後の1つのラスターインデックス系列における各ラスターに対応する最低ビーム高さ及び有効ビーム数の調整が完了するまで継続し、前記現在のレーダー死角エリアラスター地図を得ることと、を含むことを特徴とする
請求項10に記載の処理方法。
【請求項12】
1つのラスターインデックス系列に示される各ラスターに対応する最低ビーム高さ及び有効ビーム数を調整することは、
1つのラスターインデックス系列における現在のラスターに対して、前記ラスターインデックス系列に対応する各ビームの、前記現在のラスターにおけるビーム高さと前記現在のラスターに対応する障害物高さを順に比較し、ビーム高さが障害物高さよりも高いビームを前記現在のラスターに対応する有効ビームとすることと、
前記現在のラスターに対応する有効ビームのビーム高さに基づいて、前記現在のラスターの最低ビーム高さに対して調整を行い、前記ラスターインデックス系列に対応するビームのうちの前記現在のラスターに対応する有効ビームの数量に基づいて、前記現在のラスターに対応する有効ビーム数を調整することと、
前記現在のラスターに対応する有効ビームを前記ラスターインデックス系列における次のラスターに入射するビームとし、前記次のラスターを現在のラスターとし、引き続き、前記現在のラスターに対応する最低ビーム高さ及び有効ビーム数を調整することを実行し、現在のラスターに入射する各ビームのビーム高さがいずれも現在のラスターに対応する障害物高さより低くなるまで実行を継続し、前記ラスターインデックス系列における各ラスターの、本回の調整後に対応する最低ビーム高さ及び有効ビーム数を得ることと、を実行するという方式によって行うことを特徴とする
請求項11に記載の処理方法。
【請求項13】
前記現在のレーダー死角エリアラスター地図及び予め設定された目標対象の輪郭情報に基づいて、該予め設定された目標対象に対するレーダー死角エリア情報を決定することは、
前記予め設定された目標対象の輪郭情報に基づいて、前記レーダー装置が前記予め設定された目標対象が走査できている有効ビーム数及び最高ビーム高さを決定することと、
前記現在のレーダー死角エリアラスター地図において、各ラスターに対応する前記有効ビーム数と前記予め設定された目標対象が走査できている有効ビーム数、及び/又は、各ラスターに対応する最低ビーム高さと前記予め設定された目標対象が走査できる最高ビーム高さに基づいて、予め設定された目標対象の、前記現在のレーダー死角エリアラスター地図における対応するレーダー死角エリアを決定することと、を含むことを特徴とする
請求項10から12のうちいずれか一項に記載の処理方法。
【請求項14】
レーダー装置により収集されたデータの処理装置であって、
前記レーダー装置により収集された複数フレームの点群データを取得するように構成される取得モジュールと、
前記複数フレームの点群データに基づいて、点群データ欠落結果を決定するように構成される決定モジュールであって、前記点群データ欠落結果は、前記点群データの具体的な欠落部分を含む、決定モジュールと、
前記点群データ欠落結果に基づいて、通知情報を知らせるように構成される通知モジュールであって、前記通知情報は、前記レーダー装置の異常タイプを示すためのものである、通知モジュールと、を備える、レーダー装置により収集されたデータの処理装置。
【請求項15】
電子機器であって、前記電子機器は、プロセッサと、メモリと、バスと、を備え、前記メモリに、前記プロセッサによる実行可能な機器可読命令が記憶されており、電子機器が動作する時に、前記プロセッサと前記メモリとは、バスを介して通信し、前記機器可読命令が前記プロセッサにより実行される時に、
前記プロセッサに請求項1から13のうちいずれか一項に記載の処理方法のステップを実行
させる、電子機器。
【請求項16】
コンピュータ可読記憶媒体であって、該コンピュータ可読記憶媒体に、コンピュータプログラムが記憶されており、該コンピュータプログラムがプロセッサ
に、請求項1から13のうちいずれか一項に記載の処理方法のステップを実行
させる、コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項17】
コンピュータプログラムであって、前記コンピュータプログラムは、コンピュータ可読コードを含み、前記コンピュータ可読コードが
、前記電子機器におけるプロセッサ
に、請求項1から13のうちいずれか一項に記載の処理方法のステップを実行
させる、コンピュータプログラム。
【国際調査報告】