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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-02
(54)【発明の名称】嗅覚センサシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 27/12 20060101AFI20221125BHJP
   G01N 1/00 20060101ALI20221125BHJP
   G01N 33/00 20060101ALI20221125BHJP
【FI】
G01N27/12 A
G01N1/00 101R
G01N33/00 C
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022519269
(86)(22)【出願日】2020-09-23
(85)【翻訳文提出日】2022-05-24
(86)【国際出願番号】 US2020052197
(87)【国際公開番号】W WO2021067094
(87)【国際公開日】2021-04-08
(31)【優先権主張番号】16/591,298
(32)【優先日】2019-10-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
2.TENSORFLOW
(71)【出願人】
【識別番号】516326438
【氏名又は名称】エックス デベロップメント エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100126480
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 睦
(72)【発明者】
【氏名】ゴゴアナ,ラドゥ
(72)【発明者】
【氏名】メータ,ロヒントン
【テーマコード(参考)】
2G046
2G052
【Fターム(参考)】
2G046BA07
2G046BA09
2G046BG05
2G046BG07
2G046BH02
2G046BH03
2G046BH04
2G046BH05
2G046DC18
2G052AD02
2G052CA04
2G052CA14
2G052GA23
2G052HC22
2G052HC23
2G052HC45
(57)【要約】
【課題】 ガスセンサの周りの周辺環境内の検体の存在を検出することである。
【解決手段】 複数のガスセンサを含むマルチモードガスセンサアレイを構成する方法、システム、及び装置。複数のガスセンサは、ガスセンサの第1のタイプ及びガスセンサの第2の異なるタイプを含む。試験ガスがガスセンサに提供され、ここで試験ガスは既知の検体を含む。試験ガス内の既知の検体に応答してガスセンサのそれぞれによって生成されたデータが収集される。閾値応答を充足する及び閾値時間応答を充足する試験ガス中の既知の検体に対するガスセンサの応答に基づいて、ガスセンサの適切なサブセットが、最適化されたガスセンサアレイ内に含まれるように選択される。マルチモードガスセンサアレイは、ガスセンサの適切なサブセットを使用して構成される。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マルチモードガスセンサアレイを構成する方法であって、
複数のガスセンサを提供することであって、前記複数のガスセンサは、ガスセンサの第1タイプと、前記ガスセンサの第1タイプとは異なるガスセンサの第2タイプと、を含む、複数のガスセンサを提供することと、
前記複数のガスセンサに試験ガスを提供することであって、前記試験ガスは、複数の既知の検体を含む、試験ガスを提供することと、
データ処理装置により、前記試験ガスに応答して前記複数のガスセンサのそれぞれのガスセンサによって生成されたデータを収集することであって、前記複数のガスセンサのそれぞれのガスセンサからの前記生成されたデータは、前記試験ガス中の前記複数の既知の検体の1つ又は複数の検体に対する前記ガスセンサの応答を包含する、前記生成されたデータを収集することと、
前記データ処理装置により、最適化されたガスセンサアレイ内に包含するように前記複数のガスセンサからのガスセンサの適切なサブセットを選択することであって、
閾値応答を充足する前記試験ガス中の前記複数の既知の検体のうちの前記1つ又は複数の検体に対する特定のセンサの前記応答に基づいて、前記複数のガスセンサから前記特定のガスセンサを選択すること、及び、
閾値時間応答を充足する前記選択されたガスセンサに基づいて、ガスセンサの前記適切なサブセット内において前記選択されたガスセンサを包含するように決定すること、
を含む、前記ガスセンサの適切なサブセットを選択することと、
前記ガスセンサの適切なサブセットを使用して前記マルチモードガスセンサアレイを構成することと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記ガスセンサの第1のタイプ及び前記ガスセンサの第2のタイプは、有機タイプガスセンサ及び無機タイプガスセンサの1つであり得る、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ガスセンサの第1のタイプ及び前記ガスセンサの第2のタイプのそれぞれは、前記試験ガスの前記複数の既知の検体に対する異なる応答を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記試験ガスを提供することは、
対象の検体の第1の既知の濃度を提供することと、
対象ではない検体の第2の既知の濃度を提供することと、
前記試験ガスを生成するために、前記対象の検体の前記第1の既知の濃度と前記対象ではない検体の前記第2の既知の濃度を混合することと、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記複数のガスセンサに前記試験ガスを提供することは、特定の温度及び特定の相対湿度を包含する制御された環境内において前記試験ガスを提供することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記複数のガスセンサに前記試験ガスを提供することは、既知の時間の期間にわたって5立方フィート/時未満の流量において前記試験ガスを提供することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記ガスセンサの前記応答は、前記ガスセンサの電気抵抗率の変化の尺度を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記ガスセンサの前記電気抵抗率の前記変化は、前記試験ガスへの曝露の前に、前記試験ガスへの曝露の際に、及び、前記試験ガスへの曝露の終了の後に、計測される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記閾値応答をそれぞれが充足している前記ガスセンサのサブセットは、前記試験ガス中の前記複数の検体の1つ又は複数の検体に対する閾値反応性を充足していることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記閾値時間応答は、前記試験ガスへの特定のガスセンサの曝露と前記閾値応答への到達との間の時間の量を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記閾値時間応答は、前記試験ガスへの曝露の終了の後に前記特定のガスセンサがベースライン読取りに到達するための回復時間を更に含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記ガスセンサの適切なサブセットを使用して前記マルチモードガスセンサアレイを構成することは、ガス検知装置の前記マルチモードガスセンサアレイにおける包含のために、前記複数のガスセンサの前記ガスセンサの適切なサブセットのみを選択することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記ガスセンサの適切なサブセットを使用して前記マルチモードガスセンサアレイを構成することは、前記複数のガスセンサの前記ガスセンサの適切なサブセットのみから、第2試験ガスに対する曝露に応答して、前記ガスセンサの適切なサブセットのそれぞれのガスセンサによって生成されたデータを収集することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記個々のガスセンサの前記応答に基づいて選択された、第1ガスセンサ及び第2ガスセンサを決定することと、
前記第1ガスセンサ及び前記第2ガスセンサが前記複数の検体の同一の検体の組に対して類似の応答を有していると決定することと、
前記第1ガスセンサの第1時間応答が前記第2ガスセンサの第2時間応答未満であると決定することと、
前記サブセット内において前記第1ガスセンサのみを包含するように決定することと、
を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
マルチモードガス検知装置であって、
複数のガスセンサを含み、前記複数のガスセンサは、ガスセンサの第1タイプと、前記ガスセンサの第1タイプとは異なるガスセンサの第2タイプと、を含み、前記マルチモードガス検知アレイは、前記複数のガスセンサの、ガスセンサの適切なサブセットを利用するように構成されており、前記構成することは、
前記複数のガスセンサに試験ガスを提供することであって、前記試験ガスは複数の既知の検体を含む、試験ガスを提供することと、
データ処理装置により、前記試験ガスに応答して前記複数のガスセンサのそれぞれのガスセンサによって生成されたデータを収集することであって、前記複数のガスセンサのそれぞれのガスセンサからの前記生成されたデータは、前記試験ガス中の前記複数の既知の検体の1つ又は複数の検体への前記ガスセンサの応答を包含する、前記生成されたデータを収集することと、
前記データ処理装置により、最適化されたガスセンサアレイ内において包含するように、前記複数のガスセンサからのガスセンサの適切なサブセットを選択することであって、
閾値応答を充足している前記試験ガス中の前記複数の既知の検体のうちの前記1つ又は複数の検体への特定のセンサの前記応答に基づいて、前記複数のガスセンサから前記特定のガスセンサを選択すること、及び、
閾値時間応答を充足している前記選択されたガスセンサに基づいて前記ガスセンサの適切なサブセット内において前記選択されたガスセンサを包含するように決定すること、
を含む、前記ガスセンサの適切なサブセットを選択することと、
前記ガスセンサの適切なサブセットを使用して前記マルチモードガス検知装置を構成することと、
を含む、装置。
【請求項16】
前記ガスセンサの第1タイプ及び前記ガスセンサの第2タイプは、有機タイプガスセンサ及び無機タイプガスセンサの1つであり得る、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記ガスセンサの第1タイプ及び前記ガスセンサの第2タイプのそれぞれは、前記試験ガスの前記複数の既知の検体に対して異なる応答を有する、請求項15に記載の装置。
【請求項18】
前記ガスセンサの前記応答は、前記ガスセンサの電気抵抗率の変化の尺度を含む、請求項15に記載の装置。
【請求項19】
前記ガスセンサの適切なサブセットを利用するように前記マルチモードガス検知装置を構成することは、前記マルチモードガス検知装置内における包含のために、前記複数のガスセンサの前記ガスセンサの適切なサブセットのみを選択することを含む、請求項15に記載の装置。
【請求項20】
前記ガスセンサの適切なサブセットを利用して前記マルチモードガス検知装置を構成することは、前記複数のガスセンサの前記ガスセンサの適切なサブセットのみから、第2試験ガスに対する曝露に応答して前記ガスセンサの適切なサブセットのそれぞれのガスセンサによって生成されたデータを収集することを含む、請求項15に記載の装置。
【請求項21】
マルチモードガス検知装置であって、
ガスセンサの第1タイプ及び前記ガスセンサの第1タイプとは異なるガスセンサの第2タイプを包含する複数のガスセンサであって、前記ガスセンサの第1タイプ及び前記ガスセンサの第2タイプのそれぞれは、検体の個々の組に対して感応性である、複数のガスセンサと、
前記複数のガスセンサを保持するように構成されたハウジングと、
前記ハウジングに結合された及び前記複数のガスセンサとの流体接触状態にあるガス入口であって、前記ガス入口を介して導入されたガスに前記複数のガスセンサを曝露するように構成されたガス入口と、
前記ハウジングに結合され、前記ハウジング、ガス入口、及び複数のガスセンサの温度を特定の温度に調節するように構成された環境コントローラと、
前記複数のガスセンサ及び前記環境コントローラとのデータ通信状態にあるデータ処理装置と、
を含む、装置。
【請求項22】
前記ガスセンサの第1タイプは、対象の検体の第1の組に対して感応性であり、及び、前記ガスセンサの第2のタイプは、対象の検体の第2の異なる組に対して感応性である、請求項21に記載の装置。
【請求項23】
前記ガスセンサの第1のタイプは、有機タイプの検体に対して感応性であり、及び、前記ガスセンサの第2のタイプは、無機タイプの検体に対して感応性である、請求項22に記載の装置。
【請求項24】
前記ハウジングは、対象の複数の検体に対して反応しない材料を含む、請求項21に記載の装置。
【請求項25】
前記ハウジングは、前記ガス入口に進入する前に前記ガスと相互作用するように及び前記ガスの温度を前記特定の温度に調節するように構成された熱交換コンポーネントを更に含む、請求項21に記載の装置。
【請求項26】
前記ガス入口は、5立方フィート/時未満の流量において前記ガスのフローを調節するように構成される、請求項21に記載の装置。
【請求項27】
前記データ処理装置は、前記複数のセンサ、ガス入口、及び環境コントローラの動作条件の時間依存性計測を収集するように構成される、請求項21に記載の装置。
【請求項28】
前記動作条件は、前記ガス入口を介した前記ガスへの曝露の前の、前記ガスへの曝露の際の、及び、前記ガスへの曝露の終了の後の、前記複数のセンサのそれぞれの応答を含む、請求項27に記載の装置。
【請求項29】
前記環境コントローラは、前記ハウジング、ガス入口、及び複数のガスセンサの相対湿度を特定の相対湿度に調節するように更に構成される、請求項21に記載の装置。
【請求項30】
マルチモードガス検知装置用の方法であって、
ハウジングに結合された及び前記ハウジング内の複数のガスセンサとの流体接触状態にあるガス入口を介して試験ガスを受け取ることであって、前記複数のガスセンサは、ガスセンサの第1タイプ及び前記ガスセンサの第1タイプとは異なるガスセンサの第2タイプを含み、前記ガスセンサの第1タイプ及び前記ガスセンサの第2タイプのそれぞれは、検体の個々の組に対して感応性である、試験ガスを受け取ることと、
前記ハウジングに結合され、前記ハウジング、ガス入口、及び複数のガスセンサの温度を調節するように構成された環境コントローラにより、前記試験ガスを特定の温度に調節することと、
前記複数のガスセンサ及び前記環境コントローラとのデータ通信状態にあるデータ処理装置により、前記複数のガスセンサからの応答データを記録することと、
前記データ処理装置により、及び、前記環境コントローラから、前記特定の温度を記録することと、
前記データ処理装置により、及び、前記応答データ及び前記特定の温度を使用して、前記試験ガスの1つ又は複数の特性を決定することと、
を含む、方法。
【請求項31】
前記ガスセンサの第1タイプは、対象の検体の第1の組に対して感応性であり、及び、前記ガスセンサの第2のタイプは、対象の検体の第2の異なる組に対して感応性である、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記ガスセンサの第1のタイプは、有機タイプの検体に対して感応性であり、及び、前記ガスセンサの第2のタイプは、無機タイプの検体に対して感応性である、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記ハウジング内に存在する、及び、前記ガス入口に進入する前に前記試験ガスと相互作用するように及び前記試験ガスの温度を前記特定の温度に調節するように構成された、熱交換コンポーネントにより、前記試験ガスの温度を調節することを更に含む、請求項30に記載の方法。
【請求項34】
前記ガス入口において前記試験ガスを受け取ることは、5立方フィート/時未満の流量において前記試験ガスのフローを調節することを含む、請求項30に記載の方法。
【請求項35】
前記応答データは、前記複数のセンサ、ガス入口、及び環境コントローラの動作条件の時間依存性計測を含む、請求項30に記載の方法。
【請求項36】
前記応答データは、前記ガス入口を介した前記試験ガスへの曝露の前の、前記試験ガスへの曝露の際の、及び、前記試験ガスへの曝露の終了の後の、前記複数のセンサのそれぞれの応答を含む、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記環境コントローラにより、前記ハウジング、ガス入口、及び複数のガスセンサの相対湿度を特定の相対湿度に調節することを更に含む、請求項30に記載の方法。
【請求項38】
前記試験ガスの前記1つ又は複数の特性は、前記試験ガス中の対象の検体の濃度を含む、請求項30に記載の方法。
【請求項39】
マルチモードガスセンサアレイをトレーニングする方法であって、
複数の試験ガス用のトレーニングデータを生成することであって、それぞれの試験ガスは、複数の検体を含み及び第1環境を表しており、それぞれの試験ガスごとにトレーニングデータを生成することは、
動作条件の第1の組において、前記試験ガスに複数のガスセンサを含む前記マルチモードガスセンサアレイを曝露させることであって、前記複数のガスセンサは、ガスセンサの第1タイプ及び前記ガスセンサの第1タイプとは異なるガスセンサの第2タイプを含む、前記マルチモードガスセンサアレイを曝露させること、
データ処理装置により、及び、前記複数のガスセンサのそれぞれから、前記動作条件の第1の組において前記試験ガスに応答して前記複数のガスセンサのそれぞれごとに応答データを含む、サンプルデータの第1の組を収集すること、
前記サンプルデータの第1の組から、前記試験ガス用の前記複数のガスセンサからのガスセンサのサブセットを選択することであって、前記ガスセンサのサブセットのそれぞれのガスセンサごとに収集された前記応答データは、閾値応答を充足している、前記ガスセンサのサブセットを選択すること、
動作条件の第2の組の下において、前記試験ガスに前記マルチモードガス検知アレイの前記複数のガスセンサを曝露させること、
前記データ処理装置により、及び、前記ガスセンサのサブセットのそれぞれから、前記動作条件の第2の組の下において前記試験ガスに応答して前記ガスセンサのサブセットのそれぞれのごとに応答データを含む、サンプルデータの第2の組を収集すること、並びに、
前記ガスセンサのサブセットのそれぞれからの前記サンプルデータの第1の組及び前記サンプルデータの第2の組から、前記第1環境を表す前記試験ガス用のトレーニングデータを生成すること、
を含む、前記トレーニングデータを生成することと、
機械学習モデルに前記トレーニングデータを提供することと、
を含む、方法。
【請求項40】
前記応答データは、前記試験ガスへの前記曝露の際の所定の時間の期間にわたるガスセンサ電気抵抗率の尺度を含む、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記トレーニングデータを使用して前記機械学習モデルをトレーニングすることと、
前記ガスセンサのサブセットに、動作条件の第3の組の下において前記複数の試験ガスの特定の試験ガスを提供することと、
前記ガスセンサのサブセットのそれぞれから、サンプルデータの第3の組を収集することと、
前記機械学習モデルに前記サンプルデータの第3の組を提供することと、
前記機械学習モデルにより、前記動作条件の第3の組の下において前記特定の試験ガスを記述する特性を決定することと、
を更に含む、請求項39に記載の方法。
【請求項42】
前記動作条件の第3の組の下において前記試験ガスを記述する特性を決定することは、前記機械学習モデルにより、前記動作条件の第3の組の下において前記試験ガス中の第1検体の第1濃度を識別することを含む、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記動作条件の第2の組の下において前記試験ガスに前記複数のガスセンサを曝露させる前に、前記複数のガスセンサを所定の時間の期間にわたって不活性ガスに曝露させることを更に含む、請求項39に記載の方法。
【請求項44】
前記所定の時間の期間は、前記複数のセンサのそれぞれがベースライン抵抗率読取りに到達するための時間の量である、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記動作条件の第1の組は、前記複数の検体の対象の第1の検体の第1濃度及び前記複数の検体の対象ではない第2の検体の第2濃度を含む、請求項39に記載の方法。
【請求項46】
前記動作条件の第2の組は、前記複数の検体の前記対象の検体の第3濃度及び前記複数の検体の前記対象ではない検体の第4濃度を含み、前記第3濃度は、前記第1濃度とは異なる、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記動作条件の第1の組及び前記動作条件の第2の組は、前記試験ガス及びセンサのサブセットの個々の温度及び前記試験ガス及びセンサのサブセットの個々の相対湿度を更に含む、請求項39に記載の方法。
【請求項48】
前記動作条件の第2の組は、前記複数の検体の対象の第2検体の第1濃度及び前記複数の検体の前記対象ではない検体の前記第2濃度を含む、請求項46に記載の方法。
【請求項49】
マルチモードガスセンサ用のトレーニングデータを生成するシステムであって、
複数のガスセンサを含むマルチモードガス検知アレイであって、前記複数のガスセンサは、ガスセンサの第1タイプ及び前記ガスセンサの第1タイプとは異なるガスセンサの第2タイプを含む、マルチモードガス検知アレイと、
複数の試験ガスであって、それぞれが複数の検体を含み及び第1環境を表す試験ガスと、
前記マルチモードガス検知アレイとのデータ通信状態にあるデータ処理装置と、
を含み、前記データ処理装置は、
動作条件の第1の組において、前記複数の試験ガスのある試験ガスに前記マルチモードガスセンサを曝露させること、
前記複数のガスセンサのそれぞれから、前記動作条件の第1の組において前記試験ガスに応答して、前記複数のガスセンサのそれぞれごとに応答データを含む、サンプルデータの第1の組を収集すること、
前記サンプルデータの第1の組から、前記試験ガス用の前記複数のガスセンサからガスセンサのサブセットを選択することであって、前記ガスセンサのサブセットのそれぞれのガスセンサごとに収集された前記応答データは、閾値応答を充足している、前記ガスセンサのサブセットを選択すること、
動作条件の第2の組の下において、前記マルチモードガス検知アレイの前記複数のガスセンサを、前記試験ガスに曝露させること、
前記ガスセンサのサブセットのそれぞれから、前記動作条件の第2の組の下において前記試験ガスに応答して、前記ガスセンサのサブセットのそれぞれごとに応答データを含む、サンプルデータの第2の組を収集すること、
前記ガスセンサのサブセットのそれぞれからの前記サンプルデータの第1の組及び前記サンプルデータの第2の組から、前記第1環境を表す前記試験ガス用のトレーニングデータを生成すること、並びに、
機械学習モデルに前記トレーニングデータを提供すること、
を含む動作を実行するように構成される、システム。
【請求項50】
前記応答データは、前記試験ガスへの前記曝露の際の所定の時間の期間にわたるガスセンサ電気抵抗率の尺度を含む、請求項49に記載のシステム。
【請求項51】
前記データ処理装置は、
前記トレーニングデータを使用して前記機械学習モデルをトレーニングすること、
前記ガスセンサのサブセットに、動作条件の第3の組の下において前記複数の試験ガスの特定の試験ガスを提供すること、
前記ガスセンサのサブセットのそれぞれから、サンプルデータの第3の組を収集すること、
前記機械学習モデルに前記サンプルデータの第3の組を提供すること、及び、
前記機械学習モデルにより、前記動作条件の第3の組の下において前記特定の試験ガスを記述する特性を決定すること、
を含む動作を実行するように更に構成される、請求項49に記載のシステム。
【請求項52】
前記データ処理装置は、
前記動作条件の第2の組の下において前記複数のガスセンサを前記試験ガスに曝露する前に、所定の時間の期間にわたって、前記複数のガスセンサを不活性ガスに曝露させることを含む動作を実行するように更に構成される、請求項49に記載のシステム。
【請求項53】
前記所定の時間の期間は、前記複数のセンサのそれぞれがベースライン抵抗率読取りに到達するための時間の量である、請求項52に記載のシステム。
【請求項54】
前記動作条件の第1の組は、前記複数の検体の対象の第1の検体の第1濃度及び前記複数の検体の対象ではない第2の検体の第2濃度を含む、請求項49に記載のシステム。
【請求項55】
前記動作条件の第2の組は、前記複数の検体の前記対象の検体の第3濃度及び前記複数の検体の前記対象ではない検体の第4濃度を含み、前記第3濃度は、前記第1濃度とは異なる、請求項54に記載のシステム。
【請求項56】
前記動作条件の第1の組及び前記動作条件の第2の組は、前記試験ガス及びセンサのサブセットの個々の温度及び前記試験ガス及びセンサのサブセットの個々の相対湿度を更に含む、請求項49に記載のシステム。
【請求項57】
前記動作条件の第2の組は、前記複数の検体の対象の第2の検体の第1濃度及び前記複数の検体の前記対象ではない検体の前記第2濃度を含む、請求項56に記載のシステム。
【請求項58】
マルチモードガス検知アレイ用のトレーニングシステムであって、
複数のガスセンサを包含するマルチモードガス検知アレイであって、前記複数のガスセンサは、ガスセンサの第1タイプ及び前記ガスセンサの第1タイプとは異なるガスセンサの第2タイプを含み、それぞれのガスセンサは、検体の個々の組に対して感応性である、マルチモードガス検知アレイと、
前記マルチモードガス検知アレイに流体的に結合され、前記マルチモードガス検知アレイにガスを提供するように構成された、ガスマニホルドであって、
対象の検体を含むガス源、及び、
対象ではない検体を含む交絡ガス源、
を含むガスマニホルドと、
前記マルチモードガス検知アレイ及び前記ガスマニホルドとのデータ通信状態にある、データ処理装置であって、
前記データ処理装置により、前記マルチモードガス検知アレイの第1状態について記述している第1ラベルを記録するように構成され、
前記ガスマニホルドにより、及び、前記マルチモードガス検知アレイに、第1試験ガスを提供し、前記第1試験ガスは、前記対象の検体の第1濃度及び前記対象ではない検体の第2濃度を含むように構成され、
前記データ処理装置により、前記第1試験ガスに応答して前記マルチモードガス検知アレイの前記複数のガスセンサのそれぞれからサンプルデータの組を収集するように構成され、並びに、
前記データ処理装置により、前記マルチモードガス検知アレイの第2状態について記述している第2ラベルを記録するように構成された、データ処理装置と、
を含む、システム。
【請求項59】
前記ガスセンサの第1タイプ及び前記ガスセンサの第2タイプは、それぞれ、複数の検体の異なる検体の組に対して感応性である、請求項58に記載のシステム。
【請求項60】
前記第1ラベルは、前記第1試験ガスを提供する前に、前記複数のガスセンサのそれぞれのガスセンサの第1タイムスタンプ及びベースライン応答計測値を含む、請求項58に記載のシステム。
【請求項61】
前記ベースライン応答計測値は、前記ガスセンサの抵抗率計測値である、請求項60に記載のシステム。
【請求項62】
前記第1試験に応答する前記マルチモードガス検知アレイの前記複数のガスセンサのそれぞれからの前記サンプルデータの組は、前記第1試験ガスに対する前記複数のガスセンサのそれぞれの時間依存性応答を含む、請求項61に記載のシステム。
【請求項63】
前記時間依存性応答は、経時的な前記ガスセンサの抵抗の尺度を含む、請求項62に記載のシステム。
【請求項64】
前記第2ラベルは、前記ガスセンサへの前記第1試験ガスの曝露の終了におけるそれぞれのガスセンサごとの第2タイムスタンプ及び応答計測値を含む、請求項63に記載のシステム。
【請求項65】
前記複数のガスセンサのそれぞれからサンプルデータの第2の組を収集することを更に含み、前記サンプルデータの第2の組は、前記第1試験ガスへの前記複数のガスセンサの曝露を終了した後の前記複数のガスセンサのそれぞれの時間存性回復応答を含む、請求項64に記載のシステム。
【請求項66】
タイムスタンプを含む前記複数のガスセンサのそれぞれのガスセンサごとの第3ラベルを記録することを更に含み、前記第3ラベルは、前記複数のガスセンサのそれぞれのガスセンサごとの応答計測値が前記第1試験ガスを提供する前の前記ベースライン応答計測値にマッチングしている場合に記録される、請求項65に記載のシステム。
【請求項67】
前記第1試験ガスに対する前記複数のガスセンサからのガスセンサの応答サブセットを識別することを更に含み、前記ガスセンサの応答サブセットを識別することは、
前記サンプルデータの組内において記録される閾値応答を有するそれぞれのガスセンサを識別することと、
前記応答サブセットから、閾値時間未満である前記第3タイムスタンプと第1タイムスタンプとの間の差を有する、ガスセンサの適切なサブセットを選択することと、
を含む、請求項66に記載のシステム。
【請求項68】
マルチモードガス検知アレイをトレーニングする方法であって、
前記マルチモードガス検知アレイ及びガスマニホルドとのデータ通信状態にあるデータ処理装置により、前記マルチモードガス検知アレイの第1状態について記述している第1ラベルを記録することであって、前記モードガス検知アレイは、ガスセンサの第1タイプ及び前記ガスセンサの第1タイプとは異なるガスセンサの第2タイプを包含する複数のガスセンサを含み、それぞれのガスセンサは、検体の個々の組に対して感応性である、前記第1ラベルを記録することと、
前記ガスマニホルドにより、及び、前記マルチモード検知アレイに、第1試験ガスを提供することであって、前記第1試験ガスは、対象の検体の第1濃度及び対象ではない検体の第2濃度を含む、第1試験ガスを提供することと、
前記データ処理装置により、前記第1試験ガスに応答して前記マルチモードガス検知アレイの前記複数のガスセンサのそれぞれからサンプルデータの組を収集することと、
前記データ処理装置により、前記マルチモードガス検知アレイの第2状態について記述している第2ラベルを記録することと、
を含む、方法。
【請求項69】
前記ガスセンサの第1タイプ及び前記ガスセンサの第2タイプは、それぞれ、複数の検体の異なる検体の組に対して感応性である、請求項68に記載の方法。
【請求項70】
前記第1ラベルは、前記第1試験ガスを提供する前の前記複数のガスセンサのそれぞれのガスセンサごとの第1タイムスタンプ及びベースライン応答計測値を含む、請求項68に記載の方法。
【請求項71】
前記ベースライン応答計測値は、前記ガスセンサの抵抗率計測値である、請求項70に記載の方法。
【請求項72】
前記第1試験に応答した前記マルチモードガス検知アレイの前記複数のガスセンサのそれぞれからの前記サンプルデータの組は、前記第1試験ガスに対する前記複数のガスセンサのそれぞれの時間依存性応答を含む、請求項71に記載の方法。
【請求項73】
前記時間依存性応答は、経時的な前記ガスセンサの抵抗の尺度を含む、請求項72に記載の方法。
【請求項74】
前記第2ラベルは、前記ガスセンサへの前記第1試験ガスの曝露の終了におけるそれぞれのガスセンサの第2タイムスタンプ及び応答計測値を含む、請求項73に記載の方法。
【請求項75】
前記複数のガスセンサのそれぞれからサンプルデータの第2の組を収集することを更に含み、前記サンプルデータの第2の組は、前記第1試験ガスへの前記複数のガスセンサの曝露を終了した後の前記複数のガスセンサのそれぞれの時間依存性回復応答を含む、請求項74に記載の方法。
【請求項76】
タイムスタンプを含む前記複数のガスセンサのそれぞれのガスセンサごとの第3ラベルを記録することを更に含み、前記第3ラベルは、前記複数のガスセンサのそれぞれのガスセンサごとの応答計測値が前記第1試験ガスを提供する前の前記ベースライン応答計測値にマッチングしている場合に記録される、請求項75に記載の方法。
【請求項77】
前記第1試験ガスに対する前記複数のガスセンサからのガスセンサの応答サブセットを識別することを更に含み、前記ガスセンサの応答サブセットを識別することは、
前記サンプルデータの組内において記録される閾値応答を有するそれぞれのガスセンサを識別することと、
前記応答サブセットから、閾値時間未満である第3タイムスタンプと第1タイムスタンプとの間の差を有する、ガスセンサの適切なサブセットを選択することと、
を含む、請求項76に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、「MACHINE OLFACTION SYSTEM AND METHOD」という題名の2019年10月2日付けで出願された米国特許出願第16/591,298号への優先権を主張するものであり、その文献の開示内容は引用により本明細書に包含される。
【背景技術】
【0002】
背景
[0001] ガスセンサアレイは、ガスセンサの周りの周辺環境内の検体の存在を検出するために使用することができる。例えば、揮発性の有機化合物などの周辺環境内の特定の検体の検出は、安全性、製造、及び/又は環境監視用途において有用であり得る。個々のガスセンサは、検体の特定のサブセットに対して異なる方式で感応性であるように及びその他の検体に対しては反応しないようにすることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
概要
[0002] 本明細書は、マルチモードガス検知アレイに関係するシステム、方法、装置、及びその他の技法について記述する。異なる方式で感度が付与されたガスセンサのアレイは、マルチモードガスセンサアレイが曝露される様々な検体組成に固有の出力信号の認識可能なパターンを生成するために使用することができる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
[0003] 一般に、本明細書において記述される主題の革新的な一態様は、複数のガスセンサを提供することを含むマルチモードガスセンサアレイを構成する方法において実施することが可能であり、複数のガスセンサは、ガスセンサの第1タイプ及びガスセンサの第1タイプとは異なるガスセンサの第2タイプを含む。試験ガスが複数のガスセンサに提供され、試験ガスは、複数の既知の検体を含み、及び、試験ガスに応答して複数のガスセンサのそれぞれのガスセンサによって生成されるデータは、データ処理装置によって収集され、複数のセンサのそれぞれのガスセンサからの生成されたデータは、試験ガス中の複数の既知の検体の1つ又は複数の検体に対するガスセンサの応答を含む。最適化されたガスセンサアレイ内において含まれるように、ガスセンサの適切なサブセットが複数のガスセンサからデータ処理装置によって選択され、選択は、閾値応答を充足する試験ガス中の複数の既知の検体の1つ又は複数の検体に対する特定のセンサの応答に基づいて、複数のガスセンサから特定のガスセンサを選択することと、閾値時間応答を充足する選択されたガスセンサに基づいて、ガスセンサの適切なサブセット内において選択されたガスセンサを含むように決定することと、ガスセンサの適切なサブセットを使用してマルチモードガスセンサを構成することと、を含む。
【0005】
[0004] これらの及びその他の実施形態は、それぞれ、以下の特徴の1つ又は複数を任意選択により含み得る。いくつかの実装形態において、ガスセンサの第1タイプ及びガスセンサの第2タイプは、有機タイプのガスセンサ及び無機タイプのガスセンサの1つであってよい。ガスセンサの第1タイプ及びガスセンサの第2タイプは、それぞれ、試験ガスの複数の既知の検体に対する異なる応答を有し得る。
【0006】
[0005] いくつかの実装形態において、試験ガスの提供は、対象の検体の第1の既知の濃度を提供することと、対象ではない検体の第2の既知の濃度を提供することと、試験ガスを生成するために対象の検体の第1の既知の濃度と対象ではない検体の第2の既知の濃度を混合することと、を含み得る。ガスセンサに試験ガスを提供することは、特定の温度及び特定の相対湿度を含む制御された環境内において試験ガスを提供することを含み得る。ガスセンサに試験ガスを提供することは、既知の時間の期間にわたって5立方フィート/時未満の流量において試験ガスを提供することを含み得る。
【0007】
[0006] いくつかの実装形態において、ガスセンサの応答は、ガスセンサの電気抵抗率の変化の尺度であることが可能であり、ガスセンサの電気抵抗率の変化は、試験ガスに対する曝露の前に、試験ガスへの曝露の際に、及び、試験ガスに対する曝露の終了の後に、計測することができる。
【0008】
[0007] いくつかの実装形態において、それぞれが閾値応答を充足するガスセンサのサブセットは、試験ガス中の複数の検体の1つ又は複数の検体に対する閾値反応性を充足することを含む。
【0009】
[0008] いくつかの実装形態において、閾値時間応答は、試験ガスに対する特定のガスセンサの曝露と閾値応答への到達の間の時間の量を含む。閾値時間応答は、特定のガスセンサが試験ガスへの曝露の終了の後にベースライン読取りに到達するための回復時間を更に含み得る。
【0010】
[0009] いくつかの実装形態において、ガスセンサの適切なサブセットを使用してマルチモードガスセンサアレイを構成することは、ガス検知装置のマルチモードガスセンサアレイ内における包含のために複数のガスセンサのガスセンサの適切なサブセットのみを選択することを含む。ガスセンサの適切なサブセットを使用してマルチモードガスセンサアレイを構成することは、第2試験ガスに対する曝露に応答して、複数のガスセンサの適切なガスセンサのサブセットのみから、ガスセンサの適切なサブセットのそれぞれのガスセンサによって生成されたデータを収集することを含み得る。
【0011】
[0010] いくつかの実装形態において、方法は、個々のガスセンサの応答に基づいて選択された第1ガスセンサ及び第2ガスセンサを決定することと、第1ガスセンサ及び第2ガスセンサが複数の検体の同一の検体の組に対する類似の応答を有していると決定することと、第1ガスセンサの第1時間応答が第2ガスセンサの第2時間応答未満であると決定することと、サブセット内において第1ガスセンサのみを含むように決定することと、を更に含む。
【0012】
[0011] 一般に、本明細書において記述される主題の革新的な別の態様は、複数の試験ガス用のトレーニングデータを生成することを含むマルチモードガスセンサアレイをトレーニングする方法において実施することが可能であり、それぞれの試験ガスは、複数の検体を含み、及び、第1環境を表している。それぞれの試験ガスごとに、トレーニングデータが、複数のガスセンサを含むマルチモードガスセンサアレイを動作条件の第1の組において試験ガスに曝露することにより、生成され、ガスセンサは、ガスセンサの第1タイプ及びガスセンサの第1タイプとは異なるガスセンサの第2タイプを含む。動作条件の第1の組において試験ガスに応答してガスセンサのそれぞれごとの応答データを含むサンプルデータの第1の組が、データ処理装置により、及び、ガスセンサのそれぞれから、収集される。複数のガスセンサからのガスセンサのサブセットが、サンプルデータの第1の組からの試験ガスについて選択され、ガスセンサのサブセットのそれぞれのガスセンサごとに収集された応答データは、閾値応答を充足している。マルチモードガス検知アレイの複数のガスセンサが、動作条件の第2の組の下において試験ガスに対して曝露され、及び、動作条件の第2の組の下において試験ガスに応答したガスセンサのサブセットのそれぞれごとの応答データを含むサンプルデータの第2の組が、データ処理装置により、及び、ガスセンサのサブセットのそれぞれから、収集される。第1環境を表す試験ガス用のトレーニングデータが、ガスセンサのサブセットのそれぞれからのサンプルデータの第1の組及びサンプルデータの第2の組から生成され、及び、トレーニングデータが、機械学習モデルに提供される。
【0013】
[0012] これらの及びその他の実施形態は、それぞれ、任意選択により、以下の特徴の1つ又は複数を含み得る。いくつかの実装形態において、応答データは、試験ガスに対する曝露の際の所定の時間の期間にわたるガスセンサ電気抵抗率の尺度を含む。
【0014】
[0013] いくつかの実装形態において、方法は、ガスセンサのサブセットに動作条件の第3の組の下において複数の試験ガスの特定の試験ガスを提供し、ガスセンサのサブセットのそれぞれからサンプルデータの第3の組を収集し、機械学習モデルにサンプルデータの第3の組を提供し、及び、機械学習モデルにより、動作条件の第3の組の下において特定の試験ガスについて記述している特性を決定することにより、トレーニングデータを使用して機械学習モデルをトレーニングすることを更に含む。動作条件の第3の組の下において試験ガスを記述している特性を決定することは、機械学習モデルにより、動作条件の第3の組の下において試験ガス中の第1検体の第1濃度を識別することを含み得る。
【0015】
[0014] いくつかの実装形態において、方法は、動作条件の第2の組の下において試験ガスに複数のガスセンサを曝露させる前に所定の時間の期間にわたって不活性ガスにガスセンサを曝露させることを更に含む。所定の時間の期間は、複数のセンサのそれぞれがベースライン抵抗率読取りに到達するための時間の量であってよい。
【0016】
[0015] いくつかの実装形態において、動作条件の第1の組は、複数の検体の対象の第1検体の第1濃度及び複数の検体の対象ではない第2検体の第2濃度を含む。動作条件の第2の組は、複数の検体の対象の検体の第3濃度及び複数の検体の対象ではない検体の第4濃度を含むことが可能であり、第3濃度は、第1濃度とは異なっている。
【0017】
[0016] いくつかの実装形態において、動作条件の第1の組及び動作条件の第2の組は、試験ガス及びセンサのサブセットの個々の温度及び試験ガス及びセンサのサブセットの個々の相対湿度を更に含む。
【0018】
[0017] いくつかの実装形態において、動作条件の第2の組は、複数の検体の対象の第2の検体の第1濃度及び複数の検体の対象ではない検体の第2濃度を含む。
【0019】
[0018] 一般に、本明細書において記述される主題の革新的な別の態様は、ガスセンサの第1のタイプ及びガスセンサの第1タイプとは異なるガスセンサの第2のタイプを含む複数のガスセンサを含むマルチモードガス検知装置において実施することが可能であり、ガスセンサの第1タイプ及びガスセンサの第2のタイプのそれぞれは、検体の個々の組に対して感応性である。装置は、複数のガスセンサを保持するように構成されたハウジングと、ハウジングに結合された及び複数のガスセンサとの流体接触状態にあるガス入口と、を含み、ガス入口は、ガス入口を介して導入されたガスにガスセンサを曝露させるように構成される。装置は、ハウジングに結合された及びハウジング、ガス入口、及び複数のガスセンサの温度を特定の温度に調節するように構成された環境コントローラと、ガスセンサ及び環境コントローラとのデータ通信状態にあるデータ処理装置と、を含む。
【0020】
[0019] これらの及びその他の実施形態は、それぞれ、任意選択により、以下の特徴の1つ又は複数を含み得る。いくつかの実装形態において、ガスセンサの第1のタイプは、対象の検体の第1の組に対して感応性であり、及び、ガスセンサの第2のタイプは、対象の検体の第2の異なる組に対して感応性である。ガスセンサの第1のタイプは、有機タイプの検体に対して感応性であることが可能であり、及び、ガスセンサの第2のタイプは、無機タイプの検体に対して感応性であることができる。
【0021】
[0020] いくつかの実装形態において、ハウジングは、対象の複数の検体に対して反応しない材料を含む。ハウジングは、ガス入口に進入する前にガスと相互作用するように及びガスの温度を特定の温度に調節するように構成された熱交換コンポーネントを更に含むことが可能であり、ガス入口は、5立方フィート/時未満の流量においてガスのフローを調節するように構成することができる。
【0022】
[0021] いくつかの実装形態において、データ処理装置は、複数のセンサ、ガス入口、及び環境コントローラの動作条件の時間依存性計測値を収集するように構成される。動作条件は、ガス入口を介したガスへの曝露の前の、ガスへの曝露の際の、及び、ガスへの曝露の終了の後の、センサのそれぞれの応答を含み得る。
【0023】
[0022] いくつかの実装形態において、環境コントローラは、ハウジング、ガス入口、及び複数のセンサの相対湿度を特定の相対湿度に調節するように更に構成される。
【0024】
[0023] 一般に、本明細書において記述される主題の革新的な別の態様は、複数のガスセンサを含むマルチモードガス検知アレイ用のトレーニングシステムにおいて実施することが可能であり、複数のガスセンサは、ガスセンサの第1のタイプ及びガスセンサの第1のタイプとは異なるガスセンサの第2のタイプを含み、及び、それぞれのガスセンサは、検体の個々の組に対して感応性である。システムは、マルチモードガス検知アレイに流体結合された及びガスをマルチモードガス検知アレイに提供するように構成されたガスマニホルドを含み、ガスマニホルドは、対象の検体を含むガス源と、対象ではない検体を含む交絡ガス源と、を含む。システムは、マルチモードガス検知アレイ及びガスマニホルドとデータ通信状態にある、及び、マルチモードガス検知アレイの第1状態について記述している第1ラベルを記録するように、マルチモードガス検知アレイに、及び、ガスマニホルドにより、第1試験ガスを提供し、第1試験ガスが対象の検体の第1濃度及び対象ではない検体の第2濃度を含むように、第1試験ガスに応答してマルチモードガス検知アレイのガスセンサのそれぞれからサンプルデータの組を収集するように、及び、マルチモードガス検知アレイの第2状態について記述している第2ラベルを記録するように、構成されたデータ処理装置を含む。
【0025】
[0024] これらの及びその他の実施形態は、それぞれ、任意選択により、以下の特徴の1つ又は複数を含み得る。いくつかの実装形態において、ガスセンサの第1のタイプ及びガスセンサの第2のタイプは、それぞれ、複数の検体の異なる検体の組に対して感応性である。
【0026】
[0025] いくつかの実装形態において、第1ラベルは、第1試験ガスを提供する前のガスセンサのそれぞれのガスセンサごとの第1タイムスタンプ及びベースライン応答計測値を含む。ベースライン応答計測値は、ガスセンサの抵抗率計測値であってよい。第1試験に応答したマルチモードガス検知アレイの複数のガスセンサのそれぞれからのサンプルデータの組は、第1試験ガスに対する複数のガスセンサのそれぞれの時間依存性応答を有する。第1試験に応答したマルチモードガス検知アレイのガスセンサのそれぞれからのサンプルデータの組は、第1試験ガスに対するガスセンサのそれぞれの時間依存性応答を含み得る。
【0027】
[0026] いくつかの実装形態において、時間依存性応答は、経時的なガスセンサの抵抗の尺度を含む。第2ラベルは、ガスセンサへの第1試験ガスの曝露の終了におけるそれぞれのガスセンサの第2タイムスタンプ及び応答計測値であってよい。
【0028】
[0027] いくつかの実装形態において、データ処理装置の動作は、ガスセンサのそれぞれからサンプルデータの第2の組を収集することを更に含み、サンプルデータの第2の組は、第1試験ガスへのガスセンサの曝露を終了した後のガスセンサのそれぞれの時間依存性回復応答を含む。
【0029】
[0028] いくつかの実装形態において、データ処理装置の動作は、タイムスタンプを含む複数のガスセンサのそれぞれのガスセンサごとの第3ラベルを記録することを更に含み、第3ラベルは、複数のガスセンサのそれぞれのガスセンサごとの応答計測値が第1試験ガスを提供する前のベースライン応答計測値にマッチングしている場合に記録される。
【0030】
[0029] いくつかの実装形態において、データ処理装置の動作は、第1試験ガスに対する複数のガスセンサからのガスセンサの応答サブセットを識別することを更に含み、ガスセンサの応答サブセットを識別することは、サンプルデータの組内において記録される閾値応答を有するそれぞれのガスセンサを識別することと、応答サブセットから、閾値時間未満である第3タイムスタンプ及び第1タイムスタンプの間の差を有する、ガスセンサの適切なサブセットを選択することと、を含む。
【0031】
[0030] 本明細書において記述される主題の特定の実施形態は、以下の利点の1つ又は複数を実現するように実装することができる。例えば、この技術の利点は、制御された研究室環境において環境変数の自動化されたシミュレーションを使用することにより、ユースケースに固有のガスの特定の組用の十分にカスタマイズされたガスセンサアレイの開発を許容しているという点にある。カスタム「eノーズ」システムは、多くの異なるユースケースに当て嵌まるマルチモードシステムから、及び、自動化されたサンプル収集及び分析を使用して、生成することが可能であり、特定のユースケース用の機械学習モデルは、制御された環境内においてトレーニングされる。これに加えて、特定のユースケースに最良にフィットするeノーズを生成するために、ガスセンサのカスタムサブセットをマルチモード汎用システムから選択することができる。特定のユースケース用のデータの収集及びモデルのトレーニングの前にカスタム装置の生成を必要とするのではなく、カスタムセンサアレイを汎用マルチモードセンサアレイ及びカスタムソフトウェアフィードバックループを使用してリアルタイムで生成することができる。自動化された高スループットシステムは、特定のユースケースにおける大量の適切な匂いデータの収集を許容しており、及び、eノーズシステムが現場で匂いを自動的に適切に分類することを可能にしている。
【0032】
[0031] 添付の図面及び以下の説明においては、本明細書において記述される主題の1つ又は複数の実施形態の詳細について記述される。主題のその他の特徴、態様、及び利点については、説明、図面、及び請求項から明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図面の簡単な説明
図1】[0032]eノーズガス検知装置をトレーニングする例示のためのシステムのブロック図である。
図2】[0033]eノーズガス検知装置をトレーニングする別の例示のためのシステムのブロック図である。
図3A】[0034]eノーズガス検知装置のガスセンサ応答の例示のためのプロットである。
図3B】[0034]eノーズガス検知装置のガスセンサ応答の例示のためのプロットである。
図3C】[0034]eノーズガス検知装置のガスセンサ応答の例示のためのプロットである。
図4】[0035]例示のためのeノーズガス検知装置のブロック図である。
図5】[0036]eノーズガス検知装置の例示のためのプロセスのフロー図である。
図6】[0037]eノーズガス検知装置の例示のためのプロセスのフロー図である。
図7A】[0038]eノーズガス検知装置の例示のための概略図である。
図7B】[0038]eノーズガス検知装置の例示のための概略図である。
図7C】[0038]eノーズガス検知装置の例示のための概略図である。
図7D】[0038]eノーズガス検知装置の例示のための概略図である。
図8】[0039]例示のためのコンピュータシステムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
[0040] 同一の参照符号及び表記は、様々な図面において同一の要素を示している。
【0035】
詳細な説明
概要
[0041] 本特許出願の技術は、ガスセンサアレイが曝露される様々な検体組成に固有の出力信号の認識可能なパターンを生成するために、同一のガス検知装置内に含まれている異なる方式で感度が付与されたガスセンサのマルチモードガス検知アレイを利用している。
【0036】
[0042] 更に詳しくは、技術は、ガスセンサのマルチモードアレイを利用しており、異なる方式で感度が付与されたセンサのアレイは、制御された環境内において検体の組成に曝露される。曝露下におけるマルチモードガスセンサアレイ内のガスセンサの出力信号は、機械学習モデルをトレーニングして現場において特定の検体を認識及び分類するために使用される。更には、特定の実装形態において、システムは、リアルタイムにおけるフィードバックループ計測に基づいて特定の仕様に最適なガスセンサのフルマルチモードアレイのガスセンサのサブセットを識別している。これに加えて、対象の検体を含む特定のガス混合物についての知見を収集するための、例えば、最小サンプリング時間、回復時間、などのような最適化されたサンプリング条件がセンサの最適化されたサブセットについて決定される。この結果、システムは、データ収集及び処理を低減するために、センサの最適化されたサブセット及び最適化されたサンプリング条件を使用してトレーニングされる。
【0037】
eノーズマルチモードガス検知アレイトレーニング環境
[0043] 図1は、eノーズガス検知装置102をトレーニングする例示のためのシステム100のブロック図である。eノーズガス検知装置102をトレーニングするシステム100は、研究室環境などの制御された環境を含むことが可能であり、この場合には、例えば、温度、湿度、化学物質/ガスの存在などの外部環境ファクタが高度に制御及び/又は調節される。
【0038】
[0044] ガス検知装置102は、環境レギュレータ106を含むハウジング104を含む。環境レギュレータ106は、例えば、ハウジング内に挿入された円筒形ヒーターなどの熱交換コンポーネント及び/又はガス入口110を通じて導入されたガスの温度を制御するための熱伝達フィンを含み得る。熱交換コンポーネントは、ガス入口に進入する前にガスと相互作用するように及びガスの温度を特定の温度に調節するように構成することができる。
【0039】
[0045] 環境レギュレータ106は、ハウジング104内の、ガスセンサ108の、及び、ハウジング104内のガスの、温度を、例えば、40~45℃の温度に、16℃超の露点超の温度に、或いは、対象の環境に適した温度(例えば、室温23℃)において、制御するように構成することができる。いくつかの実装形態において、環境レギュレータ106は、ハウジング104内の、ガスセンサ108の、及び、ハウジング104内のガスの、相対湿度を、例えば、10%未満の相対湿度に、10~30%の相対湿度に、或いは、対象の環境に適する相対湿度に、調節するように構成することができる。
【0040】
[0046] ハウジング104及び環境レギュレータ106は、ガス入口110、ガスセンサ108、及びハウジング104を通じて導入されたガスのすべてが装置102の動作の際に同一の温度において維持されるように温度接触状態にあってよい。
【0041】
[0047] ハウジング104は、ハウジング104が曝露されることになる検体の組に対して反応しないように選択された様々な材料から構成することができる。ハウジング104の材料は、例えば、テフロン、テフロンで被覆されたアルミニウム又はステンレス鋼、デルリン、又は検体の組に対して抵抗力を有するその他の材料を含み得る。
【0042】
[0048] ハウジング104は、ハウジング104内においてガスセンサ108の組を保持するためのフィクスチャを含む。フィクスチャは、ガスセンサの特定の寸法を収容するように構成することが可能であり、及び、ハウジング104内のフィクスチャのレイアウトは、ハウジング104内において異なるタイプのガスセンサ108用の特定の場所を指定するように構成することができる。
【0043】
[0049] ハウジング104は、ガス入口110及びガス出口112を更に含み、ガス入口110は、ハウジング104内へのガスの導入と、ガスセンサ108に跨ってガスを流すことと、を許容するように構成される。ガス出口112は、ハウジング104からのガスの排出を許容するように構成される。
【0044】
[0050] ガス入口110及びガス出口112は、例えば、5立方フィート/時などの0~10立方フィート/時の範囲内のガスの流量について構成することができる。ガス入口110内へのガスの特定の流量は、例えば、ガスがハウジング104の温度に到達するためにフィン内において留まることを要する時間などの、例えば、環境レギュレータ106がガス入口110において導入されたガスを試験温度まで変化させるのに所要する時間の量に基づいて選択することができる。
【0045】
[0051] いくつかの実装形態において、ガス検知装置102は、ガス入口110を介してハウジング104内にガスを引き込み得る、ガスセンサ108に跨ってガスを移動させ得る、及び、ガス出口112からガスを排出し得る、負圧をガス入口110において及びハウジング104内において生成するように構成されたファン114を含む。ガス検知装置102を通じてガスの望ましい流量を調節するために、例えば、ファンの回転速度などのファン114の1つ又は複数の動作パラメータを選択することができる。
【0046】
[0052] ガスセンサ108は、様々な異なる有機及び/又は無機化合物に対して感応性であり得るガスセンサのマルチモードアレイを含む。換言すれば、ガスセンサ108のマルチモードアレイは、試験ガス中の特定の検体に応答する及びその他のものには感応性でないガスセンサを含み得る。ガスセンサ108のタイプは、例えば、金属酸化物(MOx)センサ、光イオン化検出器(PID)センサ、電気化学センサ、非分散型赤外(NDIR)センサ、又はその他のタイプのガスセンサなどの異なる検知メカニズムを有するガスセンサを含み得る。例えば、ガス検知装置102内において含まれているガスセンサは、MOxセンサ108a~c、PIDセンサ108d~f、電気化学センサ108g、及びNDIRセンサ108hを含む。
【0047】
[0053] いくつかの実装形態において、ガスセンサ108のタイプは、例えば、酸化に基づいたもの、抵抗率に基づいたもの、光に基づいたもの、などのような同一の検知メカニズムを有するガスセンサを含むが、複数の検体に対する異なる感応性であることができる。換言すれば、ガスセンサの第1タイプ108a及びガスセンサの第2タイプ108bは、特定の検体に対する個々の感度が異なるように、例えば、第1電圧バイアスにおいて動作するMOxセンサ及び第2電圧バイアスにおいて動作するMOxセンサなどのように、例えば、抵抗率に基づいた計測を実行しているが異なる性能パラメータを有するように構成されたMOxセンサなどのガス検知用の同一のメカニズムを有する。
【0048】
[0054] ガスセンサ108のマルチモードアレイは、例えば、合計で38個のガスセンサ、合計で25個のガスセンサ、合計で40超個のガスセンサなどの複数のガスセンサを含み得る。ガスセンサ108のマルチモードアレイ内に含まれているガスセンサのそれぞれのその他のタイプの個々の数との関係におけるガスセンサのそれぞれのタイプの数は、寸法/サイズ考慮事項、センサのそれぞれのタイプのコスト-利益、応答性、それぞれのセンサの信号対ノイズ比、又はこれらに類似したものに部分的に依存し得る。例えば、農業、産業、などのようなセンサアレイの適用分野が、ガスセンサ108のマルチモードアレイ内のガスセンサのそれぞれのその他のタイプの個々の数との関係におけるガスセンサのそれぞれのタイプの数を決定し得る。例えば、対象ではない相対的にバックグラウンドの検体などの相対的に弱い信号対ノイズ比を有し得る用途の場合には、全体として、相対的に多くのセンサがガスセンサ108のマルチモードアレイ内において含まれることになる。
【0049】
[0055] いくつかの実装形態において、複数の異なるガスセンサは、それぞれ、特定の検体に対する同一の感応性であることが可能であり、例えば、ガスセンサの第1タイプ及びガスセンサの第2タイプは、それぞれ、特定の検体に対して感応性であることができる。
【0050】
[0056] ガスセンサ108のアレイは、入口110を介して導入された試験ガスがガスセンサのアレイ内のガスセンサ108のすべてによって同時にサンプリングされ得るように、ハウジング104内において構成することができる。換言すれば、試験ガスは、複数のガスセンサ108のそれぞれからのデータ収集が並行して実行され得るように、同時にガスセンサのアレイ内において複数のガスセンサに曝露される。
【0051】
[0057] いくつかの実装形態において、ガスセンサのマルチモードアレイは、動作パラメータに基づいて特定の検体に対して異なる応答を有するように、例えば、異なる動作電圧においてバイアスされるなどのように、異なる温度において動作するようにそれぞれが構成された複数のMOxセンサ108a~cを含み得る。
【0052】
[0058] それぞれのガスセンサ108は、ガスセンサ108から、例えば、応答データ118などのデータを収集するように構成されたデータ処理装置116に接続される。応答データ118は、試験ガスに対するガスセンサ108のそれぞれの時間依存性応答を含み得る。これに加えて、データ処理装置116は、例えば、温度及び相対湿度、ガス流量、及びこれらに類似したものなどの複数のセンサ108、ガス入口110、及び環境コントローラ124の動作条件の時間依存性計測値を収集するように構成することもできる。
【0053】
[0059] いくつかの実装形態において、応答データ118は、ガスセンサ108の抵抗率対時間の尺度を含む。応答データの更なる説明については、以下において図3A~Cを参照して記述される。
【0054】
[0060] データ処理装置116は、ネットワーク上においてガスセンサとのデータ通信状態にある1つ又は複数のサーバ上においてホスティングすることができる。ネットワークは、例えば、インターネット、ワイドエリアネットワーク(WAN)、ローカルエリアネットワーク(LAN)、アナログ又はデジタル有線及び無線電話網(例えば、公衆交換電話網(PSTN)、サービス総合デジタル網(ISDN)、セルラーネットワーク、及びデジタルサブスクライバライン(DSL))、ラジオ、テレビ、ケーブル、衛星、又はデータを搬送する任意のその他の供給又はトンネルメカニズムの1つ又は複数を含み得る。ネットワークは、複数のネットワーク又はサブネットワークを含んでいてもよく、これらのそれぞれは、例えば、有線又は無線データ経路を含み得る。ネットワークは、回路交換網、パケット交換データ網、或いは、電子通信(例えば、データ又は音声通信)を搬送し得る任意のその他のネットワークを含み得る。例えば、ネットワークは、インターネットプロトコル(IP)、非同期転送モード(ATM)、PSTN、IPに基づいたパケット交換網、X.25、又はフレームリレー、或いは、その他の匹敵し得る技術に基づいたネットワークを含んでいてもよく、及び、例えば、VoIP又は音声通信用に使用されるその他の匹敵し得るプロトコルなどを使用して音声をサポートすることができる。ネットワークは、無線データチャネル及び無線音声チャネルを含む1つ又は複数のネットワークを含み得る。ネットワーク505は、無線ネットワーク、広帯域ネットワーク、無線ネットワーク及び広帯域ネットワークを含むネットワークの組合せであってもよい。
【0055】
[0061] データ処理装置116は、試験ガスに応答してガスセンサ108から受け取られた応答データ118に注釈を付加するように構成することができる。いくつかの実装形態において、注釈データ120は、例えば、開始時刻ラベル、停止時刻ラベルなどのタイムスタンプ及び/又は、例えば、ガス検知装置102を使用して評価される対象の既知の検体の組及び対象ではない既知の検体の組などの試験ガスの個々の組成データ122を含む。
【0056】
[0062] いくつかの実装形態において、データ処理装置116は、ガスセンサ108に対する試験ガスの曝露の前に、その際に、及びその後に、注釈データ120を生成するように構成されており、注釈データ120は、例えば、ガス曝露の開始時刻などのマルチモードガス検知アレイの第1状態について記述している第1ラベルを記録することを含む。ガスマニホルド126は、第1試験ガスをガスセンサ108のマルチモードアレイに提供することが可能であり、第1試験ガスは、対象の既知の検体の第1濃度及び、例えば、交絡ガスなどの対象ではない既知の検体の第2濃度を含む。この結果、データ処理装置116は、第1試験ガスに応答してマルチモードガス検知アレイのガスセンサ108のそれぞれからサンプルデータ118の組を収集することが可能であり、次いで、例えば、ガス曝露の停止時刻などのマルチモードガス検知アレイの第2状態について記述している、例えば、第2ラベルなどの、注釈データ120を記録することができる。ガス検知装置102用のプロセスの更なる詳細については、以下において図5及び図6を参照して記述される。
【0057】
[0063] いくつかの実装形態において、データ処理装置116は、既知の試験ガスの応答データ118、注釈データ120、及び組成データ122から機械学習モデル用のトレーニングデータを更に生成している。詳細については、以下において図5を参照して更に詳細に記述される。
【0058】
[0064] いくつかの実装形態において、データ処理装置116は、環境コントローラ124とのデータ通信状態にある。環境コントローラ124は、データ処理装置116の一部であってよい。環境コントローラ124は、動作命令を環境レギュレータ106、ガスセンサ108、データ処理装置116、及びガスマニホルド126に提供するように構成することができる。いくつかの実装形態において、環境コントローラ124は、環境レギュレータ106、ガスセンサ108、データ処理装置116、及びガスマニホルド126の1つ又は複数から、例えば、ソレノイド弁状態、温度制御、などのような動作フィードバックを受け取るように構成することができる。
【0059】
[0065] いくつかの実装形態において、環境コントローラ124は、温度及び/又は湿度ゲージ128から、例えば、温度、湿度読取りなどの動作状態フィードバックを受け取ることができる。例えば、熱電対、湿度計、又はこれらに類似したものなどのゲージ128は、温度及び/又は相対湿度を計測するためにハウジング104又はガスセンサ108との物理的な接触状態にあってよい。ゲージ128は、これに加えて又はこの代わりに、ハウジング104内に存在しているガスの温度及び/又は相対湿度を計測することもできる。
【0060】
[0066] いくつかの実装形態において、環境コントローラ124によって受け取られた動作状態フィードバックは、データ処理装置116に提供することが可能であり、及び、注釈データ120として記録することができる。例えば、ハウジング104、ガスセンサ108、及び試験ガスの温度は、特定の試験ガスについて、注釈データ120として記録することが可能であり、及び、応答データ118と共に含むことができる。
【0061】
[0067] システム100は、複数のガス源130を有するガスマニホルド126を更に含む。複数のガス源130は、それぞれ、対象の複数の既知の検体及び対象ではない複数の既知の検体を含み得る。例えば、ガスマニホルド126は、対象の検体をそれぞれが有するガス源130a、130bと、対象ではない検体をそれぞれが有するガス源130c及び130d(例えば、交絡ガス)と、を含み得る。
【0062】
[0068] ガスマニホルド126は、閉ループシステムであることが可能であり、ガスマニホルドによってガス入口110を介してガス検知装置102に提供される試験ガスと干渉し得る外部化合物は、ガスマニホルド126内には存在していない。ガスマニホルド126によってガス検知装置102に提供される試験ガスは、1つ又は複数のガス源130からの対象の既知の検体及び対象ではない既知の検体のみから構成することができる。
【0063】
[0069] ガスマニホルド126は、ガスマニホルド126からの及びガス入口110内へのガス源130の1つ又は複数のものの制御されたフロー(例えば、0~5立方フィート/時)がガス検知装置102用の特定の試験ガスを生成することを選択的に許容するように動作可能であり得る制御コンポーネント132を更に含み得る。ガスマニホルド126の更なる詳細については、図2を参照して記述される。
【0064】
[0070] 図2は、eノーズガス検知装置102をトレーニングする別の例示のためのシステム200のブロック図である。図1を参照して記述されるように、ガスマニホルド126は、ガスマニホルド126から、ガス入口110に、及び、更には、ガス検知装置102内に、流れるように選択されるガス源130を決定するように構成された1つ又は複数の制御コンポーネント132をそれぞれのガス源130ごとに含み得る。次に図2を参照すれば、システム200は、試験ガスをeノーズガス検知装置102に提供するために使用され得るガスマニホルド126を更に詳細に描いている。ガスマニホルドの更なる構成が可能であり、ガスマニホルド126は、図1及び図2を参照して記述されるものよりも多くの又は少ない数の要素を含み得る。
【0065】
[0071] 図2に描かれているように、ガスマニホルド126のそれぞれのガス源130は、圧力レギュレータ202、ソレノイド弁204、調節可能なオリフィス206、及びチェック弁208を含み、これらは、それぞれのガス源130ごとにガスのフローを制御するために組合せとして利用することができる。言及されるそれぞれのガス源130のコンポーネントの1つ又は複数は、環境コントローラ124により、例えば、電子的に調節可能なオリフィス206などのように、電子的に制御可能であってよい。
【0066】
[0072] 例えば、ガス源130bなどのガス源130の1つ又は複数は、混合容器210を更に含み得る。混合容器210は、例えば、コーヒー粉末又は検体をガス源130に提供するセカンダリガス源(例えば、メタンタンク)などの品目を収容する容器であってよい。
【0067】
[0073] 圧力レギュレータ202は、例えば、混合容器210内へなどのような、ガス源130内への、パージガスの望ましい流量を生成するために、例えば、圧縮されたガスシリンダなどのパージガス源212からの圧力を高圧から低圧に調節することができる。パージガス源212は、例えば、清浄な乾燥空気などの圧縮された空気ソース及び/又は、例えば、アルゴン又はこれに類似したものなどの不活性ガス源を含み得る。パージガス212ソースは、様々なガス源130内へのパージガス源212の流量を制御する電子フローメータ214によって調節することが可能であり、それぞれのガス源130ごとの圧力レギュレータ202は、特定のガス源130内へのパージガスのフローを更に調節することができる。
【0068】
[0074] いくつかの実装形態において、ガス源130aは、例えば、圧縮空気及び/又は不活性ガスなどのガス源212からのパージガスのみから構成されており、これは、存在している対象の任意の検体又は対象ではない検体を伴うことなしにガス入口110に提供される。
【0069】
[0075] いくつかの実装形態において、例えば、ガス源130bなどのガス源は、第1ガス源であり、第1ガス源は、少なくともパージガス源212を、例えば、コーヒー粉末、土、メタン、などのような混合容器210b内に存在している検体と混合することにより、生成される。例えば、ガス源130bなどのガス源は、第2ガス源であることが可能であり、第2ガス源は、少なくともパージガス源212を、例えば、エタノール、リンゴ、木炭、などのような混合容器210c内において存在している検体と混合することにより、生成される。
【0070】
[0076] いくつかの実装形態において、ガスマニホルド126は、ソレノイド弁216及びガスストリームミキサ218を更に含む。ソレノイド弁216は、ガス入口110に進入する前にガスマニホルド126からのガスのフローを制御するように構成することができる。ソレノイド弁216は、環境コントローラ124から及び/又はデータ処理装置116から動作命令を受け取ることができる。
【0071】
[0077] いくつかの実装形態において、ガスストリームミキサ218は、複数のガス源130からのガスを混合するために使用することができる。例えば、第1ガス源130b及び第2ガス源130cは、ガスストリームミキサ218に流れるように許容することが可能であり、及び、ガス入口110に提供される試験ガスを形成するように1つにブレンドすることができる。ガスストリームミキサ218の動作は、環境コントローラ124及び/又はデータ処理装置116によって制御することができる。試験ガスがガス入口110に提供される前に、複数のガス源130からのガスをブレンドするその他の方法が可能である。
【0072】
[0078] いくつかの実装形態において、圧力レギュレータ202、ソレノイド弁204、調節可能なオリフィス206、混合容器210、逆止弁208、ソレノイド弁216、電子フローメータ214、及びガスストリームミキサ218のいくつか又はすべては、環境コントローラ124によって自動的に及び/又は半自動的に動作させることができる。例えば、環境コントローラ124は、ガス入口110において、検体の組成を含む特定の試験ガスを提供するために、ガスマニホルド126に圧力制御命令を提供するように構成することができる。
【0073】
[0079] いくつかの実装形態において、環境コントローラ124は、ガス入口110内に流れるガス源130を決定するために、ソレノイド弁204及び216を開閉することができる。環境コントローラ124は、ガス源130用の混合容器210内において存在している特定の検体の濃度を確立するために、それぞれの圧力レギュレータ202ごとに流量を制御することができる。例えば、混合容器210は、同一の検体(例えば、コーヒー粉末)を含むことが可能であり、及び、環境コントローラ124は、所与の検体の第1濃度を有するガス源130b及び所与の検体の第2の異なる濃度を有するガス源130cを実現するために、圧力レギュレータ202bを第1流量に及び圧力レギュレータ202cを第2流量に設定することができる。
【0074】
[0080] 再度図1を参照すれば、eノーズガス検知装置102のガス入口110を通じてガスマニホルドによって提供される特定の試験ガスについて、応答データ118がガス検知アレイのガスセンサ108のそれぞれから収集される。ガスセンサ108は、所定範囲の検体に対する様々な応答特性を有するガスセンサのマルチモードアレイであってよい。異なるタイプのガスセンサ108は、特定の検体に対して相対的に大きく又は相対的に小さく応答することが可能であり、及び、収集された応答データ118に部分的に基づいて、ガスセンサ108のサブセットを特定の検体に最適に応答するものとして識別することができる。
【0075】
[0081] いくつかの実装形態においては、(例えば、MOxセンサにおけると同様に)1つ又は複数の検体を含む試験ガスに対するガスセンサ108の応答を特定の試験ガスに対する曝露の前の、その際の、及びその後のガスセンサ電気抵抗率の変化として計測することができる。いくつかの実装形態において、ガスセンサ108の応答は、(例えば、PIDセンサにおけるように)試験ガス中に存在している対象の1つ又は複数の検体によって生成された電気信号として計測することができる。図3A図3Cは、eノーズガス検知装置のガスセンサ応答の例示のためのプロットである。
【0076】
[0082] 図3Aは、1つ又は複数の検体を含む特定の試験ガスに対するガスセンサAの応答の例示のためのプロット300を描いている。例えば、ガスセンサ108aなどのガスセンサAは、経時的な特定の試験ガスに対する応答302を示している。応答302は、時間に伴ってプロットすることが可能であり、及び、注釈データ120などの注釈データを応答302について記録することができる。注釈データ120は、1つ又は複数のタイムスタンプを含むことが可能であり、T1は、ガスセンサAへの試験ガスの導入を開始するタイムスタンプを示し、T2は、試験ガスへの曝露が終了される(例えば、ソレノイド弁216が閉鎖される又はパージガス源130aがガス入口110内に流れる)タイムスタンプであり、及び、T3は、ベースライン応答Rに到達するガスセンサAの応答と関連するタイムスタンプである。
【0077】
[0083] ベースライン応答Rは、第1試験ガスを提供する前のガスセンサAの応答計測値であることが可能であり、T3は、ガスセンサAの応答302がベースライン応答計測値Rとマッチングした際のガス曝露の終了の後のタイムスタンプである。ベースライン応答計測値Rは、ガスセンサの抵抗率計測値であってもよく、ガスセンサAの抵抗率は、最小閾値抵抗率未満である。
【0078】
[0084] ガスセンサAの応答302が閾値応答Rtに到達した際に、例えば、閾値時間Ttのタイムスタンプなどの更なるタイムスタンプをプロット300用の注釈データ120内において記録することができる。別の例において、ガスセンサAの応答302が飽和点Tsに到達した際に、換言すれば、ガスセンサAの応答302が試験ガスの曝露に飽和した際に、タイムスタンプに注釈を付与することができる。
【0079】
[0085] 試験ガス中の対象の1つ又は複数の検体の濃度に部分的に基づいて、閾値応答Rtを選択することが可能であり、例えば、非常に低い濃度の検体の場合には、閾値応答Rtは、相対的に高い濃度の検体におけるものよりも低く設定することができる。閾値応答Rtは、部分的に試験ガス中の特定の検体の特性に基づいて選択することが可能であり、例えば、非常に危険な及び/又は中毒性の検体については、相対的に小さな閾値応答を設定することが可能である一方で、非中毒性の検体については、相対的に大きな閾値応答を設定することができる。
【0080】
[0086] いくつかの実装形態において、閾値応答Rtは、試験ガスに曝露される複数のガスセンサ108のガスセンサの1つ又は複数のタイプに部分的に依存し得る。例えば、ガスセンサのすべてが試験ガス中の特定の検体に対するある程度の量の感応性である場合には、閾値応答は、特定の検体に対する最高の相対感応性である1つ又は複数のガスセンサのみを選択するように、相対的に大きな閾値応答において設定することができる。
【0081】
[0087] いくつかの実装形態において、閾値応答Rtは、ガスセンサ108のマルチモードアレイ内のガスセンサのそれぞれのその他のタイプのガスセンサとの関係においてガスセンサのそれぞれのタイプの感度を正規化するために、例えば、そのタイプのガスセンサの検出のメカニズムに応じてなどのように、ガスセンサのタイプに部分的に依存することができる。最小応答閾値は、特定の検体の最低検出可能限度として定義することができる。例えば、検出可能性の閾値は、アセトン蒸気を検出する際には、大部分のMOxセンサの場合に、1パートパーミリオン(ppm)であってよい。
【0082】
[0088] 図3Aに描かれているように、特定の試験ガスに対するガスセンサAの応答302は、例えば、ソレノイド204bが閉鎖され及びパージガス源130a用のソレノイド204aが開放されるなどのように、試験ガスに対するガスセンサAの曝露が終了するタイムスタンプT2の前に、閾値応答Rtに到達している。応答データの第2の組118は、試験ガスへのガスセンサAのT2における曝露を終了した後に、ガスセンサAの時間依存性回復応答P2を含み得る。
【0083】
[0089] いくつかの実装形態において、例えば、ガスセンサ108bなどのガスセンサ108のアレイ内のガスセンサの1つ又は複数は、特定の試験ガスに対する閾値応答Rtを充足してはいない。図3Bは、経時的な対象の1つ又は複数の検体を含む特定の試験ガスに対する応答312を有する、例えば、ガスセンサ108bなどの、ガスセンサBの例示のためのプロット310を描いている。図3Aに描かれているプロット300とは対照的に、特定の試験ガスに対するガスセンサBの応答312は、試験ガスに対するガスセンサの曝露が終了しているT2の前に、閾値応答Rtに到達してはいない。
【0084】
[0090] いくつかの実装形態において、ガスセンサBは、試験ガスに対する無視可能な応答Rを有することが可能であり、ガスセンサBの応答312は、例えば、センサの感度未満などのように、計測不能である。ガスセンサBは、試験ガスに対するゼロ応答を有することが可能であり、ガスセンサ130は、試験ガス中の対象の検体に対して反応せず、例えば、無機ガスセンサ130は、試験される有機化合物に対するゼロの反応性を有し得る。
【0085】
[0091] いくつかの実装形態において、複数のガスセンサ108は、特定の試験ガスに対して少なくとも閾値応答Rtを有することが可能であり、第1ガスセンサは、第2ガスセンサとの比較において特定の試験ガスに対する最適化された応答を有することができる。最適化された応答は、試験ガスに対する曝露T1と閾値応答Rtに到達する時点の間の相対的に短い時間の期間として定義することができる。図3Aを参照すれば、試験ガスに対する曝露T1と閾値応答に到達する時点Ttの間の時間の期間は、P1である。P1の時間の範囲は、例えば、5~120秒であってよい。
【0086】
[0092] いくつかの実装形態において、最適化された応答は、ガスの曝露が終了するT2とガスがベースライン応答性Rに到達するT3の間のガスセンサ用の回復の時間の期間であってよい。図3Aを参照すれば、ガスの曝露が終了する際のタイムスタンプT2とガスセンサがベースライン応答性に到達する際のタイムスタンプT3の間の時間の期間は、P2である。P2の時間の範囲は、例えば、5~120秒であってよい。
【0087】
[0093] 次に図3Cを参照すれば、プロット320は、特定の試験ガスに対する、例えば、ガスセンサ108cなどの、ガスセンサCの応答322を描いている。ガスセンサCは、試験ガスに対する曝露をマーキングするタイムスタンプT1とガスセンサCがTtにおいて閾値応答Rtに到達する際をマーキングするタイムスタンプの間の時間の期間P3を有する。また、ガスセンサCは、ガスの曝露が終了することをマーキングするタイムスタンプT2とガスセンサCがT3においてベースライン応答性Rに到達する際をマーキングするタイムスタンプの間の時間の期間P4を有する。図3A及び図3Cに描かれているように、ガスセンサCの時間の期間P3は、ガスセンサAの時間の期間P1を上回っている。
【0088】
[0094] いくつかの実装形態において、最適化された応答を有する特定のガスセンサの選択は、例えば、P1がP3未満であり及び/又はP2がP4未満であることから、ガスセンサCの代わりにガスセンサAを選択するなどのように、特定の試験ガスに対する曝露の後に閾値応答に到達するための相対的に短い時間の期間及び/又はベースライン応答Rを回復するための相対的に短い時間の期間を示している特定のガスセンサに基づいている。
【0089】
[0095] いくつかの実装形態において、特定の試験ガスに対して少なくとも閾値応答Rtを有するそれぞれのガスセンサを特定の試験ガスに対して少なくとも閾値応答を有するガスセンサと互いに比較することが可能であり、及び、それぞれのガスセンサの、例えば、応答302及び322などの、個々の応答に部分的に基づいて、複数のガスセンサの特定のガスセンサ又は2つ以上のガスセンサの組を選択することができる。複数のガスセンサのそれぞれのガスセンサ108ごとの、例えば、それぞれ、応答302、312、322のプロット300、310、320を含む、応答データ118を分析することが可能であり、及び、応答データ118の組内において記録される少なくとも閾値応答Rtを有するガスセンサを選択することができる。ガスセンサの適切なサブセットは、例えば、閾値時間未満であるT3~T1などのように、第3タイムスタンプと第1タイムスタンプとの間の差を有するガスセンサを含み得る。T3~T1の時間の範囲は、例えば、5~120秒であってよい。ガスセンサのサブセットの選択の更なる説明については、図4及び図5を参照して記述される。
【0090】
eノーズマルチモードガス検知装置
[0096] 図4は、eノーズガス検知装置402のブロック図である。図1を参照して上述したように、eノーズ検知装置402は、未知のガス混合物404を受け取るように構成されたガス入口110と、未知のガス混合物404がeノーズガス検知装置402から排出されるガス出口112と、含むハウジング104を含む。
【0091】
[0097] ガス入口110は、ハウジング104に結合され、及び、複数のガスセンサ108をガス入口110を通じて導入された未知のガス混合物404に曝露させるように構成される。未知のガス混合物404は、ガス入口110を取り囲む環境を介して受動的に導入することができる。例えば、未知のガス混合物404は、ガス検知装置402が、例えば、工場環境などの試験環境において配備された際にガス入口110を介して導入することができる。ガス入口110内への未知のガス混合物404の受動型の導入は、例えば、ガス入口110内への未知のガス混合物の拡散によるものであってよい。
【0092】
[0098] いくつかの実装形態において、未知のガス混合物404は、例えば、ファン114又はその他の類似の装置を使用してハウジング104内において負圧を生成することにより、ガス入口110内に能動的に導入することができる。別の例においては、未知のガス混合物404は、例えば、人物がガス入口110内に機器からのガス排気又はこれに類似したものを吹き込むことによるなどのように、ガス入口におけるガスの正の圧力により、ガス入口110に能動的に導入することができる。
【0093】
[0099] 例えば、ガスセンサ108aなどのガスセンサの第1タイプと、ガスセンサの第1タイプとは異なる、例えば、ガスセンサ108bなどのガスセンサの第2タイプと、を含む複数のガスセンサ108がハウジング104内において配置されており、ガスセンサの第1タイプ及びガスセンサの第2のタイプのそれぞれは、検体の個々の組に対して感応性である。ガスセンサの第1のタイプ108a及びガスセンサの第2のタイプ108bは、ガス検知用の異なる方法を有することが可能であり、例えば、センサの第1のタイプは、MOxセンサであり、及び、センサの第2のタイプは、PIDセンサである。
【0094】
[00100] いくつかの実装形態において、ガスセンサの第1タイプ108a及びガスセンサの第2タイプ108bは、ガス検知用の同一方法を有しているが、例えば、第1動作温度において動作するMOxセンサ及び第2動作温度において動作するMOxセンサなどのように、異なる性能パラメータを有するように構成される。異なる温度においてMOxセンサを動作させることにより、同一の濃度において同一の試験ガスを検知する際にも、それぞれの個々のMOxセンサが試験ガス中の検体に異なる方式で応答するようにすることができる。
【0095】
[00101] ガス検知装置402は、ハウジング104に結合された及びハウジング104、ガス入口110、及びガスセンサ108の温度を特定の温度に調節するように構成された環境コントローラ124を更に含む。環境コントローラ124は、ハウジング104に埋め込まれた、例えば、加熱ソース及び熱伝達フィンなどの環境レギュレータ106を含むことが可能であり、ガス入口110において導入されたガスは、ガス404の温度を特定の温度に安定化させるために、ハウジング104の熱伝達フィン内において加熱チャネルを通過している。いくつかの実装形態において、環境コントローラ124は、ガス入口110において受け取られる未知のガス混合物404の温度及び/又は相対湿度を計測するために、温度及び/又は湿度ゲージ128を含み得る。
【0096】
[00102] ガス検知装置402は、ガスセンサ108及び環境コントローラ124とのデータ通信状態にあるデータ処理装置116を含む。データ処理装置116は、装置402のハウジング104に付着されたオンボードコンピュータであってよい。いくつかの実装形態において、データ処理装置116の一部分又はすべては、ネットワーク上においてガス検知装置402とのデータ通信状態にあるクラウドに基づいたサーバ上においてホスティングすることができる。
【0097】
[00103] データ処理装置116は、ユーザー装置410を含むことが可能であり、ユーザーは、例えば、データを受け取る、試験命令を提供する、試験情報を受け取る、又はこれらに類似した内容を実行するなどのように、ユーザー装置410を介してガス検知装置402とやり取りすることができる。ユーザー装置410は、例えば、携帯電話機、タブレット、コンピュータ、又はユーザーがガス検知装置402とやり取りし得るアプリケーション環境を含む別の装置を含み得る。一例において、ユーザー装置410は、未知のガス混合物404のガス混合物試験結果を表示するように、ガス検知装置402との間のユーザーのやり取りを許容するように、及び、これらに類似した内容を実行するように、構成されたアプリケーション環境を含む携帯電話機である。
【0098】
[00104] いくつかの実装形態において、装置402は、ガス検知装置402のユーザーに情報408を伝達するように及び/又はガス検知装置402との間のユーザーのやり取りを許容するように構成されたディスプレイ406を含む。情報408は、例えば、オン/オフ、試験、処理、などのような、例えば、装置402の動作状態を含み得る。
【0099】
[00105] いくつかの実装形態において、情報408は、未知のガス混合物404の試験結果を含む。情報408は、例えば、ユーザーが未知のガス混合物404内において発見することに関心を有する検体の特定の組を強調表示するように、ユーザーの選好に基づいてユーザーに提示することができる。これに加えて、又はこの代わりに、情報408は、装置402とのデータ通信状態にある1つ又は複数のユーザー装置410に提供することもできる。
【0100】
[00106] いくつかの実装形態において、ディスプレイ410は、例えば、タッチスクリーン機能などのように、ユーザーのやり取りに応答するように構成される。ディスプレイ410は、装置の状態についてユーザーに通知するために、例えば、アラートなどのオーディオフィードバックを更に含み得る。例えば、装置402は、試験状態についての音響及び/又は視覚更新をユーザーに提供することができる。別の例において、装置402は、例えば、検体の閾値濃度が周囲において検出されるなどのように、例えば、特定の検体が予め設定された閾値超/未満において検出された場合に、音響及び/又は視覚アラームをユーザーに提供することができる。
【0101】
[00107] いくつかの実装形態においては、例えば、カメラ又はビデオレコーディング装置を使用することにより、装置402の周りの環境について撮像データをキャプチャすることができる。周りの環境の撮像データは、装置402によってサンプリングされる未知のガス混合物404中に含まれ得る周りの環境内の1つ又複数の物体を識別するように、ユーザーに対してディスプレイ410上において表示することができる。未知のガス混合物404中において検知される様々な検体のブレンド比は、ディスプレイ410上において表示することができる。
【0102】
[00108] ガス検知装置402の更なる詳細については、以下において図7A図7Dを参照して記述される。
【0103】
eノーズマルチモードガス検知装置の例示のための動作
[00109] eノーズマルチモードガス検知装置は、例えば、対象の検体の組を含む特定の環境用のガス検知装置内に含まれるようにガスセンサのサブセットを決定することなどのような構成モード、対象の様々な検体を識別するために機械学習モデルをトレーニングすることなどのようなトレーニングモード、並びに、例えば、eノーズマルチモードガス検知装置が試験環境内において配備される検出モードを含む様々なモードにおいて動作することができる。
【0104】
[00110] 図5は、eノーズガス検知装置の例示のためのプロセス500のフロー図である。例えば、ガス検知装置102などのeノーズガス検知装置は、プロセス500を使用して対象の検体の特定の組を検出するように構成することが可能であり、装置102を構成することは、例えば、応答データ118などの応答データを収集するための複数のガスセンサ108の組のガスセンサのサブセットを決定することを含み得る。
【0105】
[00111] 第1ステップにおいて、複数のガスセンサが提供されており、複数のガスセンサは、例えば、ガスセンサの第1タイプ及びガスセンサの第1タイプとは異なるガスセンサの第2タイプなどの複数のタイプのガスセンサを含む(502)。図1に描かれているように、ガスセンサの第1のタイプ108a及びガスセンサの第2タイプ108bを含む複数のガスセンサ108は、異なるタイプのセンサであってよい。例えば、ガスセンサ108aは、MOxセンサであることが可能であり、及び、ガスセンサ108bは、電気化学ガスセンサであってよい。別の例において、ガスセンサ108aは、第1電圧バイアスにおいて動作するMOxセンサであることが可能であり、及び、ガスセンサ108bは、第2の異なる電圧バイアスにおいて動作するMOxセンサであってよい。
【0106】
[00112] いくつかの実装形態において、ガスセンサの第1タイプは、有機タイプのガスセンサであることが可能であり、及び、第2タイプのガスセンサは、無機タイプのガスセンサであってよい。例えば、揮発性有機化合物(VOC)センサは、例えば、水素、二酸化炭素、などのような有機化合物に対して感応性である。別の例において、PIDセンサは、例えば、塩素、酸化すず、などのような無機化合物に対して感応性である。
【0107】
[00113] 試験ガスが複数のガスセンサに提供されており、試験ガスは、複数の既知の検体を含む(504)。試験ガスは、例えば、ガス源130などの複数のガス源を含む、例えば、ガスマニホルド126などのガスマニホルドを使用して生成することができる。複数のガス源130のそれぞれは、異なる検体を含むことが可能であり、検体は、試験ガス中において既知の検体の特定の組成を生成するために、ガスマニホルド126を使用して1つに混合することができる。試験ガスは、例えば、メタンの0.01%及び窒素又は空気の0.99%などのように、対象の既知の検体の第1濃度及び対象ではない既知の検体の第2濃度を含み得る。
【0108】
[00114] 対象の検体は、ガスセンサの選択された組を有する装置用の意図された環境に基づいて選択することができる。例えば、産業環境は、溶剤検体又は処理ガスに関心を有し得る。別の例において、農業環境においては、対象の検体は、メタン、農薬化合物、又はその他の農業副産物である。更に別の例において、研究室環境においては、対象の検体は、塩素ガスなどの中毒性の又は危険なガスであってよい。対象ではない検体又は「交絡」ガスは、例えば、窒素などの不活性ガスとなるように、或いは、ガスセンサの選択された組を有する装置用の意図された環境内において通常存在しているガスとして、選択することができる。例えば、研究室環境においては、対象ではない検体は、窒素、例えば、イソプロピルアルコールなどの溶剤、又は二酸化炭素であってよい。別の例において、農業環境においては、対象ではない検体は、二酸化炭素、例えば、車両の排気などの機器の排気、又はガソリンであってよい。
【0109】
[00115] いくつかの実装形態において、既知の検体の試験ガスを複数のガスセンサ108に提供することは、特定の温度及び特定の相対湿度を含む制御された環境内において試験ガスを提供することを含む。例えば、熱試験ガスが複数のガスセンサ108に到達する前に試験ガスの温度及び/又は相対湿度を変更するために、伝達フィンを含む環境レギュレータ106などの環境レギュレータを使用することができる。試験ガスの温度及び湿度は、例えば、室温及び露点未満の相対湿度に調節することができる。
【0110】
[00116] いくつかの実装形態において、試験ガスをガスセンサ108に提供することは、既知の時間の期間にわたって5立方フィート/時未満の流量において試験ガスを提供することを含む。流量は、例えば、1立方センチメートル/分ほどに低減することができる。別の例として、流量は、最大で2リットル/分であってよい。サンプリングの望ましい温度及び/又は相対湿度及びガス入口110に進入する前の試験ガスの温度及び/又は相対湿度に部分的に基づいて特定の流量を選択することができる。換言すれば、例えば、加熱フィンなどの環境レギュレータ106によってガスセンサ108に対する曝露の前に試験ガスの温度及び/又は相対湿度を調節するのに必要とされる時間の量が環境レギュレータ106内の試験ガスの流量を決定し得る。
【0111】
[00117] データ処理装置は、試験ガスに応答して複数のガスセンサのそれぞれのガスセンサによって生成されたデータを収集しており、複数のガスセンサのそれぞれのガスセンサからの生成されたデータは、試験ガス中の複数の既知の検体の1つ又は複数の検体に対するガスセンサの応答を含む(506)。データ処理装置116は、試験ガスに応答してそれぞれのガスセンサ108の応答データ118、注釈データ120、及び組成データ122を収集することができる。
【0112】
[00118] いくつかの実装形態において、応答データは、所定の時間の期間にわたるガスセンサ108の応答を含む。一例において、応答データは、経時的なガスセンサの電気抵抗率の変化の尺度を含む。ガスセンサの第1のタイプ及びガスセンサの第2のタイプのそれぞれは、試験ガスの複数の既知の検体に対する異なる応答を有することができる。例えば、有機タイプガスセンサは、試験ガス中の、例えば、メタンなどの有機検体に反応してもよく、及び、試験ガス中の、例えば、酸化すずなどの無機検体に反応しなくてもよく、及び、無機タイプガスセンサは、試験ガス中の有機検体に反応しなくてもよく、及び、試験ガス中の無機検体に反応してもよい。
【0113】
[00119] 図3A図3Cを参照して上述したように、ガスセンサは、特定の検体に対しては、応答を有することができず、或いは、閾値応答未満の応答しか有することができない。ガスセンサは、特定の検体に対して閾値応答を有することができる。いくつかの実装形態において、ガスセンサ108の電気抵抗率の変化は、例えば、タイムスタンプT1などの試験ガスに対する曝露の前に、例えば、タイムスタンプTtなどの試験ガスに対する曝露の際に、及び、例えば、タイムスタンプT2などの試験ガスに対する曝露の終了の後に、計測される。ガスセンサの応答対収集の時間のプロットは、それぞれ、図3A図3B、及び図3Cにおいて描かれているように、例えば、プロット300、310、320などのように、データ処理装置によってそれぞれのガスセンサごとに記録することができる。
【0114】
[00120] 図5を再度参照すれば、最適化されたガスセンサアレイ内において含むように、複数のガスセンサから、ガスセンサの適切なサブセットが選択される(508)。ガスセンサ108の適切なサブセットは、ガスセンサの組の全体よりも少ないものを含み得る。例えば、ガスセンサの組の全体は、図1に描かれているように、ガスセンサ108a~108hを含み得る一方で、適切なサブセットは、108a、108c、108d、及び108hを含み得る。
【0115】
[00121] いくつかの実装形態において、ガスセンサ108の適切なサブセットは、試験ガスの複数の検体の少なくとも1つに応答するセンサを含み得る。ガスセンサ108の適切なサブセットのガスセンサのそれぞれは、試験ガスの複数の検体の1つ又は複数に対して応答することができる。例えば、ガスセンサ108aは、第1検体に対して応答することが可能であり、ガスセンサ108cは、第1検体及び第2検体に対して応答することが可能であり、ガスセンサ108d及び108hは、いずれも、第2検体及び第3検体に対して応答することができる。
【0116】
[00122] いくつかの実装形態において、ガスセンサ108の適切なサブセットは、試験ガスの複数の検体の1つ又は複数に対して応答しないセンサを含み得る。応答しないセンサは、特定の検体に対してゼロ応答を有していてもよく、或いは、例えば、図3Bを参照して記述されるように、Rtなどの閾値応答性未満の検体に対する応答を有し得る。ガスセンサ108の適切なサブセットのガスセンサの1つ又は複数は、試験ガスの複数の検体の1つ又は複数に対して応答しなくてもよい。以上からの例を継続すれば、ガスセンサ108aは、第2及び第3検体に対して応答しなくてもよく、ガスセンサ108cは、第3検体に対して応答しなくてもよく、及び、ガスセンサ108d及び108hは、第1検体に対して応答しなくてもよい。
【0117】
[00123] 適切なサブセットが選択されており、これは、閾値応答を充足する試験ガス中の複数の既知の検体の1つ又は複数の検体に対する特定のセンサの応答に基づいて複数のガスセンサから特定のガスセンサを選択することを含む(510)。図3A図3Cを参照して記述されるように、ガスセンサは、試験ガス中の複数の検体の1つ又は複数に対する少なくとも閾値応答Rtを有し得る。例えば、ガスセンサA及びガスセンサCは、図3A及び図3Cにおいて描かれているように、それぞれ、両方とも、試験ガスの複数の検体の1つ又は複数の検体に対する少なくとも閾値応答を示している。適切なサブセットは、試験ガスの複数の検体の1つ又は複数の検体に対する閾値応答をそれぞれが充足するガスセンサを含むように選択することができる。
【0118】
[00124] いくつかの実装形態において、閾値応答をそれぞれが充足するガスセンサのサブセットは、試験ガス中の複数の検体の1つ又は複数の検体に対する閾値反応性を充足することを含み得る。一例において、閾値反応性は、例えば、MOxセンサの場合には、1つ又は複数の検体に応答したガスセンサの抵抗率の閾値変化を含む。別の例において、閾値反応性は、例えば、電気化学センサの場合には、センサの電極における1つ又は複数の検体の閾値酸化又は還元を含む。
【0119】
[00125] いくつかの実装形態において、閾値反応性は、特定のガスセンサの合計応答範囲との関係における少なくとも0.1%の変化によって定義することができる。閾値反応性は、特定のガスセンサ用の標準検出可能信号と見なされるものにより、部分的に定義することが可能であり、及び、例えば、MOxセンサと電気化学センサの間において異なり得るなどのように、特定のガスセンサの合計応答範囲に応じて異なり得る。
【0120】
[00126] 適切なサブセットを選択することは、閾値時間応答を充足する選択されたガスセンサに基づいてガスセンサの適切なサブセット内において選択されたセンサを含むように決定することを更に含む(512)。閾値時間応答は、試験ガスに対する特定のガスセンサの曝露と特定のガスセンサが閾値時間応答Rtに到達することの間の時間の量を含み得る。一例において、図3A及び図3Cにおいて描かれているように、ガスセンサA及びガスセンサCのそれぞれは、閾値応答Rtに到達するために、それぞれ、異なる時間の量P1及びP3を有する。結果として、ガスセンサAが適切なサブセット内に含まれるように選択されるが、ガスセンサCは、適切なサブセット内に含まれるように選択されないように、閾値時間応答は、P1超但しP3未満であってよい。
【0121】
[00127] 図3A図3Cにおいて描かれているように、閾値時間応答は、特定のガスセンサが試験ガスへの曝露の終了の後にベースライン読取りに到達するための回復の時間の量を更に含み得る。換言すれば、これは、再度別の試験ガスに曝露され得る前にガスセンサが試験ガスへの曝露から回復するのに所要する時間の量である。
【0122】
[00128] いくつかの実装形態において、第1ガスセンサ及び第2ガスセンサは、ガスセンサの個々の応答に基づいてガスセンサの適切なサブセット内における包含のために選択することが可能であり、第1ガスセンサ及び第2ガスセンサは、例えば、両方が期間P1内において閾値応答Rtを充足するなどのように、複数の検体の同一の検体の組に対して類似の応答を有するように決定される。第1ガスセンサの第1時間応答は、第2ガスセンサの第2時間応答未満となるように決定することが可能であり、この場合には、結果的に、第1ガスセンサのみがガスセンサのサブセット内において利用されるように決定される。一例においては、図3A及び図3Cに描かれているように、ガスセンサA及びガスセンサCのそれぞれは、それぞれ、タイムスタンプT3においてベースライン応答に到達するように、異なる回復時間量P2及びP4を有する。閾値時間応答は、結果的にガスセンサAが適切なサブセット内に含まれるように選択されるが、ガスセンサCは、適切なサブセット内に含まれるように選択されないように、P4未満但しP2超であってよい。一例においては、ガスセンサ108のアレイのガスセンサが対象の検体に応答しない又はその合計応答範囲の少なくとも0.1%の応答を有していない場合には、ガスセンサは、適切なサブセットから排除することができる。
【0123】
[00129] いくつかの実装形態において、センサの適切な組を選択するための閾値時間応答及び閾値応答は、試験ガスに対する非ゼロ応答性を有する複数のセンサのセンサのサブセットに部分的に依存している。対象の検体及び/又は検出することが相対的に困難である検体の非常に低い濃度を有する試験ガスの場合には、試験ガスに対する非ゼロの感応性であるセンサのサブセットは、例えば、閾値応答Rtに到達するためのサンプリング時間が相対的に長いなどのように、低い感度及び長い時間応答を有し得る。この例においては、閾値時間応答は、相対的に長い時間の期間に設定されてもよく、及び、閾値応答は、相対的に低い応答Rに設定されてもよい。対照的に、対象の検体及び/又は検出が相対的に簡単である検体の高い濃度を有する試験ガスの場合には、非ゼロの感応性であるセンサのサブセットは、複数のガスセンサの大きなサブセットであってもよく、ガスセンサのサブセットの少なくともいくつかは、試験ガスに対する高い感度及び迅速な時間応答を有しており、例えば、閾値応答Rtに到達するためのサンプリング時間は、相対的に短い。この例においては、閾値応答は、相対的に短い時間の期間に設定されてもよく、及び、閾値応答は、相対的に高い応答Rに設定されてもよい。
【0124】
[00130] いくつかの実装形態において、ガスセンサの適切なサブセットは、試験ガスの複数の検体に対して最良の応答を集合的に有するガスセンサの最適化された組を選択することにより、選択される。それぞれの個々のガスセンサは、複数の検体の1つ又は複数の検体に応答しなくてもよいが、全体的には、複数の検体の特定の検体に対する最良の応答性を有し得る。
【0125】
[00131] いくつかの実装形態において、ガスセンサの適切なサブセットを選択することは、費用検討事項、ガス検知アレイのガスセンサのそれぞれのタイプの信頼性、及び特定の環境及び用途の反復可能性要件に部分的に依存している。一例において、例えば、中毒性ガスなどの安全の面で重要な側面を有する環境は、ガスセンサの適切なサブセットの選択において検知の冗長性を考慮することが可能であり、この場合には、同一のセンサ応答を有する複数のセンサを選択することができる。
【0126】
[00132] いくつかの実装形態において、ガスセンサの適切なサブセットを選択することは、例えば、工場環境などの特定の試験環境内において配備された、例えば、ガス検知装置402などのガス検知装置内に含まれるようにガスセンサの適切なサブセットのガスセンサのみを選択することを含む。例えば、図1において記述されるガスセンサのマルチモードアレイなどのガスセンサの合計利用可能数を下回るものが、試験環境内において配備されるガス検知装置402内に物理的に内蔵される。
【0127】
[00133] いくつかの実装形態においては、ガスセンサの適切なサブセットを選択することは、例えば、工場環境などの特定の試験環境内において配備された、例えば、ガス検知装置402などのガス検知装置用のガスセンサの適切なサブセットのガスセンサのみからの収集されたデータを含む。例えば、図1において記述されるガスセンサ108のマルチモードアレイなどの合計利用可能数のガスセンサが試験環境内において配備されたガス検知装置402内に物理的に内蔵されるが、例えば、応答データ118などの検知データは、ガスセンサの適切な組からのみ収集される。
【0128】
[00134] 図6は、eノーズガス検知装置の例示のためのプロセス600のフロー図である。eノーズガス検知装置102は、ガスマニホルド126内において複数のガス源からの複数の既知の検体をそれぞれが含む複数の試験ガスを含むシステム100を使用してトレーニングすることができる。
【0129】
[00135] トレーニングデータは、システム100を使用して生成することが可能であり、及び、機械学習モデルをトレーニングするために提供することが可能であり、次いで、機械学習モデルは、1つ又は複数の検体を検出するために試験環境内において配備することができる。トレーニングデータの複数の組を生成することが可能であり、トレーニングデータのそれぞれの組は、機械学習モデルが、例えば、組立環境にとってのプロセスガスなどの、及び、例えば、不活性化学物質ではなく中毒性化学物質を検出することなどのように特定の環境にとって重要性を有する、環境に適した検体の組を認識するようにトレーニングされるように、例えば、工場環境、農業環境、自宅環境、などのような特定の試験環境についてカスタマイズすることができる。図6を参照して記述されるプロセス600は、トレーニングデータが既知の検体の異なる組及びガス源130からの検体の既知の濃度を使用して複数の異なる環境について同一の検知装置102を使用して生成され得るように、柔軟である。
【0130】
[00136] トレーニングデータは、複数の試験ガスについて生成されており、それぞれの試験ガスは、複数の検体を含み、及び、第1環境を表している(602)。例えば、産業環境、農業環境、住宅環境、などのような第1環境は、環境の特性に応じて対象の関連する検体及び対象ではない検体の特定の組を有することができる。試験ガスは、それぞれ、複数の検体の組の特定の組成を含み、特定の組成は、対象の検体及び対象ではない検体のサブセットの既知の濃度を含み得る。
【0131】
[00137] トレーニングデータは、それぞれの試験ガスごとに生成されており、これは、動作条件の第1の組において試験ガスに対して複数のガスセンサを含むマルチモードガスセンサアレイを曝露させることを含み、複数のガスセンサは、ガスセンサの第1タイプ及びガスセンサの第1タイプとは異なるガスセンサの第2タイプを含む(604)。動作条件の第1の組は、複数の検体の対象の第1検体の第1濃度及び複数の検体の対象ではない第2の検体の第2濃度を含む。例えば、対象である第1の検体の第1濃度は、コーヒーの0.2%であり、及び、対象ではない第2の検体の第2濃度は、エタノールの1%であり、第1検体及び第2検体は、試験ガス中において、例えば、窒素などの不活性ガスと混合される。
【0132】
[00138] マルチモードガスセンサアレイを曝露させることは、ガスマニホルド126からガス入口110を通じて環境レギュレータ106内に試験ガスを流すことを含む。例えば、加熱/冷却フィンなどの環境レギュレータ106内において、試験ガスは、例えば、温度ゲージ128によって計測される及び環境コントローラ124によって監視される特定の温度に調節される。次いで、試験ガスは、ガスセンサ108のアレイに提供され及びガス出口112を通じて排気される。ハウス104内の試験ガスのフローは、環境コントローラ124によって制御することが可能であり、及び、例えば、フローメータ214や圧力レギュレータ202などのガスマニホルド126の制御コンポーネントを使用して、及び、ハウジング104内のファン114によって生成される負圧により、或いは、これらの組合せにより、部分的に調節することができる。
【0133】
[00139] それぞれの試験ガスごとに、動作条件の第1の組における試験ガスに応答する複数のガスセンサのそれぞれごとの応答データを含むサンプルデータの第1の組が、データ処理装置により、及び、複数のガスセンサのそれぞれから、収集される(606)。応答データ118は、ガス検知装置102の複数のガスセンサ108のそれぞれからデータ処理装置116によって収集することができる。
【0134】
[00140] 応答データ118は、ガスセンサの複数の異なるタイプのガスセンサ108のタイプに部分的に応じて応答の複数の異なるフォーマットを含み得る。応答データのフォーマットは、例えば、PIDセンサからの光学応答データ、例えば、MOxセンサからの電気抵抗率データ、並びに、例えば、電気化学センサからの酸化/還元応答データを含み得る。いくつかの実装形態において、応答データ118は、例えば、MOxガスセンサの場合には、試験ガスに対する曝露の際の所定の時間の期間にわたるガスセンサの電気抵抗率の尺度を含む。
【0135】
[00141] これに加えて、例えば、試験ガスが環境レギュレータ106からガスセンサ108のアレイに提供された際には、試験ガスがガスセンサ108に曝露された際に表される、例えば、タイムスタンプ、温度/湿度データ、などのような注釈データ120を記録することもできる。注釈データ120の更なる詳細については、以上において図3A図3Cを参照して更に詳細に記述される。
【0136】
[00142] 試験ガス中の対象の1つ又は複数の検体及び対象ではない1つ又は複数の検体の個々の濃度を含む試験ガスの特定の組成を記述している組成データ122をそれぞれの試験ガスごとに記録することができる。対象の既知の検体及び対象ではない検体は、ガスセンサ108のマルチモードアレイのそれぞれのガスセンサによって生成された応答データ118と関連付けることができる。
【0137】
[00143] いくつかの実装形態において、既知の検体の既知の濃度は、複数のガスセンサの、例えば、応答出力などの応答データ118にラベルを付与するために使用することができる。ラベルが付与された応答データ118は、トレーニングのために機械学習モデルに提供することができる。ラベルが付与された応答データ118は、同一の設計を有する異なる検知装置102の間の一貫性を保証するために、例えば、標準ベースラインに対して較正するなどのように、処理することができる。
【0138】
[00144] 複数のガスセンサからのガスセンサのサブセットが、試験ガスについてサンプルデータの第1の組から選択されており、ガスセンサのサブセットのそれぞれのガスセンサについて収集された応答データは、閾値応答を充足している(608)。図5を参照して上述したように、ガスセンサのサブセットは、例えば、それぞれの選択されたセンサが試験ガスに対する応答性の閾値を充足していることに部分的に基づいて選択することができる。これに加えて、ガスセンサのサブセットは、それぞれの選択されたセンサが試験ガスに対する選択されたガスセンサの曝露の終了の後に閾値回復期間未満であることに部分的に基づいて選択することもできる。
【0139】
[00145] いくつかの実装形態において、複数のガスセンサは、ガスセンサ108のマルチモードアレイ内の38個以上のガスセンサであり、ガスセンサのサブセットは、ガス検知装置102内のガスセンサの合計数のすべて未満を含む。例えば、ガス検知装置102内のガスセンサの合計数は、例えば、MOxセンサ、PIDセンサ、電気化学センサなどの複数の異なるタイプの30個のガスセンサであり、及び、選択されたガスセンサのサブセットは、15個のガスセンサ、20個のガスセンサ、又は8個のガスセンサである。選択されたガスセンサのサブセットは、動作条件の第1の組の下において特定の試験ガスに応答するためのガス検知装置102内の合計利用可能ガスセンサの最適化されたサブセットを表している。
【0140】
[00146] マルチモードガス検知アレイの複数のガスセンサは、動作条件の第2の組の下において試験ガスに曝露される(610)。動作条件の第2の組は、例えば、温度/相対湿度、試験ガス中の検体の相対濃度、及び/又は試験ガス中の対象の1つ又は複数の検体及び対象ではない検体の組などのサンプリング条件に基づいて動作条件の第1の組とは異なり得る。
【0141】
[00147] いくつかの実装形態において、動作条件の第2の組は、複数の検体の対象の第2の検体の第1濃度及び複数の検体の対象ではない検体の第2濃度を含む。以上からの例を継続すれば、動作条件の第2の組は、対象ではない検体としてのエタノールの1%と組み合わせられた、及び、例えば、窒素などの不活性ガスと混合された、例えば、0.1%バニラなどの対象の第2検体の第1濃度を含み得る。
【0142】
[00148] いくつかの実装形態において、動作条件の第2の組は、複数の検体の対象の検体の第3濃度及び複数の検体の対象ではない検体の第4濃度を含み、第3濃度は、第1濃度とは異なっている。以上からの例を継続すれば、対象の検体の第3濃度は、0.5%のコーヒーであることが可能であり、及び、対象ではない検体の第4濃度は、エタノールの5%であることが可能であり、2つの検体は、次いで、試験ガスを生成するために、例えば、窒素などの不活性ガスと混合される。
【0143】
[00149] 別の例において、対象の検体の第3濃度は、0.5%のコーヒーであることが可能であり、及び、対象ではない検体の第4濃度は、例えば、エタノールの1%などのように、第2濃度と同一であることが可能であり、2つの検体は、次いで、試験ガスを生成するために、例えば、窒素などのパージガスと混合される。
【0144】
[00150] いくつかの実装形態において、動作条件の第2の組の下において試験ガスにガスセンサを曝露させる前に、複数のガスセンサ108は、所定の時間の期間にわたって、例えば、窒素又は圧縮された清浄な乾燥空気などのパージガスに曝露される。例えば、図2に描かれているガス源130aなどのパージガスは、例えば、図3AにおけるガスセンサA用のP2を短縮するなどのように、試験ガスへの曝露の後のセンサの回復時間の短縮を支援するために、及び/又は、残りの試験ガスがハウジング104又はガスマニホルド126内に存在しないことを保証するために、使用することができる。
【0145】
[00151] いくつかの実装形態において、パージガスへの複数のガスセンサ108の曝露の時間の期間は、センサのそれぞれがベースライン抵抗率読取りに到達するための時間の量であってよい。曝露の時間の期間は、複数のガスセンサ108の個々の回復時間のすべてのものの最長の回復時間に基づいて選択することができる。パージガスへの複数のガスセンサ108の曝露の時間の期間は、例えば、1分、5分、30秒、又はこれらに類似したものであってよい。
【0146】
[00152] 応答データを含むサンプルデータの第2の組は、動作条件の第2の組の下において、試験ガスに応答して、データ処理装置により、及び、ガスセンサのサブセットのそれぞれから、収集される(612)。応答データ118は、ステップ608において動作条件の第1の組の下において試験ガスに応答して選択されたガス検知装置102の複数のガスセンサの選択されたガスセンサ108のサブセットのみから、データ処理装置116によって収集することができる。ガスセンサ108のサブセット内における包含のために選択されなかった複数のガスセンサ108のガスセンサ108は、例えば、サンプリングプロセスにおいて、スイッチ「オフ」することができる。別の例において、ガスセンサ108のサブセット内における包含のために選択されなかったガスセンサ108は、サンプリングプロセスにおいて、例えば、「オン」状態であるなどのように、有効であってよいが、これらの特定のガスセンサによって生成されたデータは、データ処理装置116によって収集されなくてもよい。
【0147】
[00153] 試験ガスについて、第1環境を表すトレーニングデータが、ガスセンサのサブセットのそれぞれからのサンプルデータの第1の組及びサンプルデータの第2の組から生成される(614)。いくつかの実装形態において、トレーニングデータは、試験ガスに対するそれぞれのセンサごとのキャプチャされた応答、例えば、「スニフ」時間などのように応答がキャプチャされた時間の量のみならず、ガス曝露のベースライン計測値が試験ガスの曝露の前に記録されなかった時間の量及び応答が試験ガスへの曝露の終了の後にキャプチャされた時間の量を記録することにより、生成される。換言すれば、トレーニングデータは、図3A図3Cを参照して記述されるように、センサ応答のみならず、ベースライン計測値を表記するラベルが付与されたタイムスタンプ、試験ガスに対する曝露、及び回復計測値をも含む。変化する検体の組成及びそれぞれの検体の濃度を含むそれぞれのラベルが付与されたセンサ応答が様々な試験ガスについて生成される。
【0148】
[00154] ステップ602~614を参照して記述されるプロセスは、複数の試験ガスについて反復することが可能であり、それぞれの試験ガスは、試験環境を表している。複数の試験ガスは、ガスセンサ108の応答がトレーニングデータを生成するために計測される、例えば、温度などの、組成及び/又は環境条件の範囲に基づいて選択することができる。
【0149】
[00155] トレーニングデータが機械学習モデルに提供される(616)。機械学習モデルは、試験ガスの特定の組及び環境条件を使用してそれぞれの意図された試験環境ごとにトレーニングすることができる。例えば、産業用途用の機械学習モデルは、食品生産設備用の機械学習モデルとは異なることが可能であり、トレーニングデータの両方の組は、図1を参照して記述されるシステム100を使用して生成される。
【0150】
[00156] いくつかの実装形態において、トレーニングデータを使用して機械学習モデルをトレーニングすることは、ガスセンサのサブセットに動作条件の第3組の下において複数の試験ガスの特定の試験ガスを提供することを更に含み得る。サンプルデータの第3の組がガスセンサのサブセットのそれぞれから収集され及び機械学習モデルに提供される。機械学習モデルは、例えば、試験ガス中に含まれている検体及び試験ガス中に含まれている検体のそれぞれの相対濃度を決定するなどのように、動作条件の第3の組の下において特定の試験ガスを記述している特性を決定している。例えば、動作条件の第3の組は、例えば、コーヒーの0.6%などの対象の検体の第5濃度と、例えば、エタノールの1%などの対象ではない検体の第6濃度と、を含むことが可能であり、2つの検体は、動作条件の第3の組の下において試験ガスを生成するために、例えば、窒素などの不活性ガスと共に混合される。
【0151】
[00157] いくつかの実装形態において、動作条件の第1の組、動作条件の第2の組、及び動作条件の第3の組の動作条件は、試験ガスがガスセンサ108のサブセットに曝露された際の試験ガス及びガスセンサ108の特定の温度及び相対湿度として定義される。例えば、動作条件の第1の組は、10%の湿度において20℃であることが可能であり、動作条件の第2の組は、33%の湿度において40℃であることが可能であり、及び、動作条件の第3の組は、33%の湿度において35℃であることができる。
【0152】
[00158] いくつかの実装形態において、動作条件の第3の組の下において試験ガスを記述している特性を決定することは、機械学習モデルにより、動作条件の第3の組の下において試験ガス中の第1検体の第1濃度を識別することを含む。
【0153】
[00159] 図7A図7Dは、eノーズガス検知装置の例示のための概略図である。図7Aは、例えば、ガス検知装置402などのeノーズガス検知装置700の例示のための外観を描いている。ガス検知装置700は、ガス検知装置700の様々なコンポーネントを収容している、例えば、ハウジング104などの、ハウジング702を含み得る。例えば、ガス入口110などのガス入口704は、例えば、未知のガス混合物404などの未知のガス混合物を受け取ることが可能であり、及び、未知のガス混合物をハウジング702内の、例えば、ガスセンサ108のマルチモードアレイなどのマルチモードガス検知アレイに提供することができる。ガス検知装置700は、タッチスクリーンを含み得る、例えば、ディスプレイ406などのディスプレイ706を含み得る。ディスプレイ706は、例えば、稼働試験、試験パラメータ、などのようなユーザー命令を受け取るための直観的なユーザーインターフェイスを提供することが可能であり、及び、例えば、情報408などの情報をディスプレイ706を観察しているユーザーに表示することができる。
【0154】
[00160] ガス検知装置700の、例えば、幅及び長さなどのフットプリントは、例えば、2×4インチ未満、10×12インチ未満、20×20インチ未満、又はこれらに類似したものであってよい。図7Aには、矩形フォームファクタを有するものとして描かれているが、円筒形フォームファクタなどのその他のフォームファクタも可能である。一例において、ガス検知装置700は、例えば、14×8×5インチなどの標準的な靴箱に類似した寸法を有し得る。いくつかの実装形態において、ガス検知装置700のフットプリントは、例えば、1mm×1mm×0.1mm以下のレベルにおいて、シリコンチップの寸法にフィットし得る。
【0155】
[00161] 図7Bは、eノーズガス検知装置720の別の例の斜視図を描いており、ガス検知装置720のハウス722の一部分は、装置720の内部を観察するように透明になっている。ガス検知装置720は、例えば、ガスセンサ108のマルチモードアレイなどのガスセンサ724のマルチモードアレイを含む。図7Bにおいて描かれているように、ガスセンサ724のマルチモードアレイは、複数のタイプのガスセンサ724a、724b、724c、及び724dを含む。複数のタイプのガスセンサは、異なるフォームファクタ、ガス検知メカニズム、動作パラメータ、又はこれらに類似したものを有し得る。ガスセンサのマルチモードアレイについては、以上において図1図4を参照して更に詳細に記述される。
【0156】
[00162] ガス検知装置720は、例えば、未知のガス混合物404などの未知のガス混合物を受け取るために及び未知のガス混合物をマルチモードガス検知アレイ724に提供するために、例えば、ガス入口110などのガス入口726を含む。ガス検知装置720は、ガスセンサ724に跨って未知のガス混合物のフローを調節するために、内部チューブ及び/又はフィンを介してガス入口726から未知のガス混合物をルーティングすることができる。いくつかの実装形態において、ガス検知装置720は、例えば、図1及び図4の環境レギュレータ106を参照して記述される加熱フィン又は別の温度制御コンポーネントを含む。
【0157】
[00163] いくつかの実装形態において、ガス検知装置720は、ディスプレイ728を含む。
【0158】
[00164] 図7Cは、軸A-Aに沿ったガス検知装置720の側面図を描いている。ハウジング722は、ガス検知装置720の内部コンポーネントを表示するために透明であるものとして描かれている。ガスセンサ724は、例えば、接点及びピンなどの個々の回路730を含み、及び、印刷回路基板(PCB)732の更なる回路との物理的及び電気的接触状態にあってよい。例えば、データ処理装置116などのデータ処理装置に対する回路730を介したガスセンサ724への更なる電気接続を含むことができる(図示されてはいない)。
【0159】
[00165] 図7Dは、軸B-Bに沿ったガス検知装置720の別の側面図を描いている。ハウジング722は、ガス検知装置720の内部コンポーネントを表示するように透明であるものとして描かれている。ガス入口726において導入された未知のガス混合物は、ハウジング722内に及びガスセンサ724上において流れ、これにより、734によって示されるフロー経路を辿っている。ガス混合物は、例えば、ガス出口112などのガス出口736を通じて排出される。いくつかの実装形態において、ファン114などのファン、ポンプ、又はブロア738は、例えば、ガス出口112などのガス出口(図示されてはいない)へのガス入口726からのフローを促進するために、ハウジング722内において負圧を提供することができる。
【0160】
[00166] 図8は、上述の動作を実行するために使用され得る例示のためのコンピュータシステムのブロック図である。システム800は、プロセッサ810、メモリ820、ストレージ装置830、及び入出力装置840を含む。コンポーネント810、820、830、及び840のそれぞれは、例えば、システムバス850を使用することにより、相互接続することができる。プロセッサ810は、システム800内における実行用の命令を処理する能力を有する。一実装形態において、プロセッサ810は、シングルスレッド型のプロセッサである。別の実装形態においては、プロセッサ810は、マルチスレッド型のプロセッサである。プロセッサ810は、メモリ820内において又はストレージ装置830上において保存される命令を処理する能力を有する。
【0161】
[00167] メモリ820は、システム800内において情報を保存している。一実装形態において、メモリ820は、コンピュータ可読媒体である。一実装形態において、メモリ820は、揮発性メモリユニットである。別の実装形態において、メモリ820は、不揮発性メモリユニットである。
【0162】
[00168] ストレージ装置830は、システム800用のマスストレージを提供する能力を有する。一実装形態において、ストレージ装置830は、コンピュータ可読媒体である。様々な異なる実装形態において、ストレージ装置830は、例えば、ハードディスクドライブ、光ディスクドライブ、複数の演算装置によってネットワーク上において共有されるストレージ装置(例えば、クラウドストレージ装置)、又はなんらかのその他の大容量ストレージ装置を含み得る。
【0163】
[00169] 入出力装置840は、システム800用の入出力動作を提供している。一実装形態において、入出力装置840は、例えば、Ethernetカード、例えば、RS-232ポートなどのシリアル通信装置、及び/又は、例えば、802.11カードなどの無線インターフェイス装置などの1つ又は複数のネットワークインターフェイス装置を含み得る。別の実装形態において、入出力装置は、入力データを受け取るように、及び、出力データを、例えば、キーボード、プリンタ、及び表示装置860などのその他の入出力データに送信するように、構成されたドライバ装置を含み得る。但し、モバイル演算装置、モバイル通信装置、セットトップボックステレビクライアント装置、などのようなその他の実装形態も使用することができる。
【0164】
[00170] 例示のための処理システムが図8において記述されるが、本明細書において記述される主題の実装形態及び機能的動作は、本明細書において開示される構造及びその構造的均等物を含むその他のタイプのデジタル電子回路において、或いは、コンピュータソフトウェア、ファームウェア、又はハードウェアにおいて、或いは、これらの1つ又は複数のものの組合せにおいて、実装することができる。
【0165】
[00171] 本明細書は、システム及びコンピュータプログラムコンポーネントとの関連において「構成される」という用語を使用している。1つ又は複数のコンピュータのシステムが特定の動作又はアクションを実行するように構成される、というのは、システムがその上部において、システムが動作の際に動作又はアクションを実行するようにするソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、又はこれらに組合せをインストールしていることを意味している。1つ又は複数のコンピュータプログラムが特定の動作又はアクションを実行するように構成される、というのは、1つ又は複数のプログラムがデータ処理装置によって実行された際に装置が動作又はアクションを実行するようにする命令を含んでいることを意味している。
【0166】
[00172] 本明細書において記述される主題及び機能的動作の実施形態は、本明細書において開示される構造及びその構造的均等物を含むデジタル電子回路において、有体的に実施されたコンピュータソフトウェア又はファームウェアにおいて、コンピュータハードウェアにおいて、或いは、これらの1つ又は複数のものの組合せにおいて実装することができる。本明細書において記述される主題の実施形態は、1つ又は複数のコンピュータプログラムとして、即ち、データ処理装置による実行のための又はその動作を制御するための有体の一時的ではないストレージ媒体上においてエンコーディングされたコンピュータプログラム命令の1つ又は複数のモジュールとして、実装することができる。コンピュータストレージ媒体は、機械可読ストレージ媒体、機械可読ストレージ基板、ランダム又はシリアルアクセスメモリ装置、又はこれらの1つ又は複数のものの組合せであってよい。或いは、この代わりに、又はこれに加えて、プログラム命令は、データ処理装置による実行用に適切なレシーバ装置への送信のために情報をエンコーディングするように生成された、例えば、機械によって生成された電気、光、又は電磁信号などの人工的に生成された伝播信号上においてエンコーディングすることができる。
【0167】
[00173] 「データ処理装置」という用語は、データ処理ハードウェアを意味し、及び、例として、プログラム可能な1つのプロセッサ、コンピュータ、又は複数のプロセッサ又はコンピュータを含むデータを処理するためのすべての種類の装置、機器、及び機械を包含している。また、装置は、例えば、FPGA(フィールドプログラム可能なゲートアレイ)又はASIC(用途固有の集積回路)などの特殊目的論理回路であることも可能であり、或いは、これを更に含み得る。装置は、ハードウェアに加えて、例えば、プロセッサファームウェア、プロトコルスタック、データベース管理システム、オペレーティングシステム、又はこれらの1つ又は複数のものの組合せを構成するコードなどのコンピュータプログラム用の実行環境を生成するコードを任意選択により含み得る。
【0168】
[00174] プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、app、モジュール、ソフトウェアモジュール、スクリプト、又はコードとも呼称され得る又は記述され得るコンピュータプログラムは、コンパイラ又はインタープリタ言語或いは宣言型又は手続き型言語を含むプログラミング言語の任意の形態において記述することが可能であり、及び、これは、スタンドアロンプログラムとしてのもの、或いは、モジュール、コンポーネント、サブルーチン、又は演算環境において使用されるのに適したその他の単位としてのものを含む任意の形態において配備することができる。プログラムは、ファイルシステム内のファイルに対応し得るが、これは必須ではない。プログラムは、例えば、マークアップ言語文書内において保存される1つ又は複数のスクリプトなどのその他のプログラム又はデータを保持するファイルの一部分内において、或いは、例えば、1つ又は複数のモジュール、サブプログラム、又はコードの一部分を保存するファイルなどの対象のプログラムに専用である単一のファイル内において又は複数の調整されたファイル内において保存することができる。コンピュータプログラムは、1つのサイトにおいて配置された、或いは、複数のサイトに跨って分散された、及び、データ通信ネットワークによって相互接続された、1つのコンピュータ又は複数のコンピュータ上において実行されるように配備することができる。
【0169】
[00175] 本明細書においては、「エンジン」という用語は、1つ又は複数の特定の機能を実行するようにプログラミングされたソフトウェアに基づいたシステム、サブシステム、又はプロセスを意味するように広範に使用される。一般に、エンジンは、1つ又は複数の場所において1つ又は複数のコンピュータ上においてインストールされた1つ又は複数のソフトウェアモジュール又はコンポーネントとして実装されることになる。いくつかのケースにおいて、1つ又は複数のコンピュータは、特定のエンジンに専用のものとなり、その他のケースにおいては、複数のエンジンは、1つ又は複数の同一のコンピュータ上において設置されることが可能であり及び稼働することができる。
【0170】
[00176] 本明細書において記述されるプロセス及びロジックフローは、入力データに対して動作し及び出力を生成することにより、機能を実行するように1つ又は複数のコンピュータプログラムを実行する1つ又は複数のプログラム可能なコンピュータによって実行することができる。また、プロセス及びロジックフローは、例えば、FPGA又はASICなどの特殊目的ロジック回路により、或いは、特殊目的ロジック回路と1つ又は複数のプログラミングされたコンピュータの組合せにより、実行することができる。
【0171】
[00177] コンピュータプログラムの実行に適したコンピュータは、汎用又は特殊目的マイクロプロセッサ又はこれらの両方、或いは、任意のその他の種類の中央処理ユニットに基づいたものであってよい。一般に、中央処理ユニットは、読み出し専用メモリ又はランダムアクセスメモリ又はこれらの両方から命令及びデータを受け取ることになる。コンピュータの基本的な要素は、命令を実行する又は稼働させるための中央処理ユニット及び命令及びデータを保存するための1つ又は複数のメモリ装置である。中央処理ユニット及びメモリは、特殊目的論理回路によって補完することが可能であり、或いは、この内部に内蔵することもできる。また、一般に、コンピュータは、例えば、磁気ディスク、磁気光ディスク、又は光ディスクなどのデータを保存するための1つ又は複数のマスストレージ装置を含むことになるか、或いは、これらからデータを受け取るために、或いは、これらにデータを転送するために、或いは、これらの両方を実行するために、動作自在に結合されることになる。但し、コンピュータは、このような装置を有することを必須としてはいない。更には、コンピュータは、いくつかの名称のみを挙げれば、携帯電話機、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、モバイルオーディオ又はビデオプレーヤー、ゲームコンソール、全地球測位システム(GPS)レシーバ、或いは、例えば、ユニバーサルシリアルバス(USB)フラッシュドライブなどの携帯型ストレージ装置などの別の装置内において埋め込むこともできる。
【0172】
[00178] コンピュータプログラム命令及びデータを保存するのに適したコンピュータ可読媒体は、例として、例えば、EPROM、EEPROM、及びフラッシュメモリ装置などの半導体メモリ装置、例えば、内部ハードディスク又は着脱自在のディスクなどの磁気ディスク、磁気光ディスク、並びに、CD-ROM及びDVD-ROMディスクを含む不揮発性メモリ、媒体、及びメモリ装置のすべての形態を含む。
【0173】
[00179] ユーザーとの間のやり取りを提供するために、本明細書において記述される主題の実施形態は、情報をユーザーに表示するための、例えば、CRT(陰極線管)又はLCD(液晶ディスプレイ)モニタなどの表示装置と、ユーザーが入力をコンピュータに提供し得る、例えば、マウス又はトラックボールなどのキーボード及びポインティング装置と、を有するコンピュータ上において実装することができる。その他の種類の装置も、ユーザーとの間のやり取りを提供するために同様に使用することが可能であり、例えば、ユーザーに提供されるフィードバックは、例えば、視覚フィードバック、聴覚フィードバック、又は触覚フィードバックなどの任意の形態の感覚フィードバックであることが可能であり、ユーザーからの入力も、音響、発話、又は触覚入力を含む任意の形態において受け取ることができる。これに加えて、コンピュータは、例えば、ウェブブラウザから受け取られた要求に応答してウェブページをユーザーの装置上のウェブブラウザに送信することにより、ユーザーによって使用される装置との間において文書を送受信することによってユーザーとやり取りすることができる。また、コンピュータは、例えば、メッセージングアプリケーションを稼働させている及び応答としてユーザーから応答メッセージを受け取っているスマートフォンなどのパーソナル装置にテキストメッセージ又はメッセージのその他の形態を送信することにより、ユーザーとやり取りすることもできる。
【0174】
[00180] また、機械学習モデルを実装するためのデータ処理装置は、例えば、機械学習トレーニング又はプロダクションの共通的な及びコンピュータ集約的な部分、即ち、推論、作業負荷を処理するための特殊目的ハードウェアアクセレレータユニットを含み得る。
【0175】
[00181] 機械学習モデルは、例えば、TensorFlowフレームワーク、Microsoft Cognitive Toolkitフレームワーク、Apache Singaフレームワーク、又はApache MXNetフレームワークなどの機械学習フレームワークを使用して実装及び配備することができる。
【0176】
[00182] 本明細書において記述される主題の実施形態は、例えば、データサーバとしてのものなどのバックエンドコンポーネントを含む、或いは、例えば、アプリケーションサーバなどのミドルウェアコンポーネントを含む、或いは、例えば、ユーザーが本明細書において記述される主題の実装とやり取りし得るグラフィカルユーザーインターフェイス、ウェブブラウザ、又はappを有するクライアントコンピュータなどのフロントエンドコンポーネント、或いは、1つ又は複数のこのようなバックエンド、ミドルウェア、又はフロントエンドコンポーネントの任意の組合せを含む演算システム内において実装することができる。システムのコンポーネントは、例えば、通信ネットワークなどのデジタルデータ通信の任意の形態又は媒体によって相互接続することができる。通信ネットワークの例は、ローカルエリアネットワーク(LAN)と、例えば、インターネットなどのワイドエリアネットワーク(WAN)と、を含む。
【0177】
[00183] 演算システムは、クライアント及びサーバを含み得る。クライアント及びサーバは、一般に、相互に離れており、及び、通常は、通信ネットワークを通じてやり取りしている。クライアント及びサーバの関係は、個々のコンピュータ上において稼働している及び互いにクライアント-サーバ関係を有しているコンピュータプログラムによって発生している。いくつかの実施形態において、サーバは、例えば、データを表示している及びクライアントとして機能している装置とやり取りしているユーザーからユーザー入力を受け取ることを目的として、例えば、HTMLページなどのデータをユーザー装置に送信している。例えば、ユーザーのやり取りの結果などのユーザー装置において生成されたデータは、装置からサーバにおいて受け取ることができる。
【0178】
[00184] 本明細書は、多くの具体的な実装形態の詳細を含んでいるが、これらは、任意の特徴の範囲又は特許請求され得るものに対する限定として解釈してはならず、むしろ、特定の実施形態に固有の特徴の説明として解釈することを要する。また、別個の実施形態の文脈において本明細書において記述される特定の特徴は、単一実施形態において組合せとして実装することができる。また、逆に、単一実施形態の文脈において記述される様々な特徴も、別個に複数の実施形態において、或いは任意の適切な副組合せとして実装することができる。更には、特徴が、特定の組合せにおいて機能するものとして上述される場合があり、場合によっては、そのように当初特許請求される場合があるが、特許請求される組合せからの1つ又は複数の特徴は、いくつかの事例においては組合せから削除することが可能であり、及び、特許請求された組合せは、副組合せ又は副組合せの変形を対象とすることができる。
【0179】
[00185] 同様に、動作は、特定の順序において図面において描かれているが、これは、望ましい結果を実現するために、このような動作が図示の特定の順序において又は連続的な順序において実行されること又はすべての図示される動作が実行されることを必要としているものとして理解してはならない。特定の状況において、マルチタスク及び並列処理が有利である場合がある。更には、上述の実施形態における様々なシステムコンポーネントの分離は、すべての実施形態においてこのような分離が必要とされるものと理解してはならず、及び、記述されるプログラムコンポーネント及びシステムは、一般に、単一ソフトウェアプロダクト内において1つに統合することも可能であり、或いは、複数のソフトウェアプロダクト内にパッケージ化することもできることを理解されたい。
【0180】
[00186] 従って、以上において主題の特定の実施形態について記述した。その他の実施形態も添付の請求項の範囲に含まれている。いくつかの事例においては、請求項において記述される行為は異なる順序で実行することが可能であり、及び、依然として望ましい結果を実現し得る。これに加えて、添付の図に描かれているプロセスは、望ましい結果を実現するために、図示の特定の順序又は連続的な順序を必須とするものではない。特定の実装形態において、マルチタスク及び並列処理が有利である場合がある。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図7D
図8
【国際調査報告】