(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-02
(54)【発明の名称】アレルギー治療のための酵母
(51)【国際特許分類】
A61K 36/064 20060101AFI20221125BHJP
A61P 37/08 20060101ALI20221125BHJP
A61P 17/04 20060101ALI20221125BHJP
A61P 11/06 20060101ALI20221125BHJP
A61P 11/02 20060101ALI20221125BHJP
A23L 33/14 20160101ALI20221125BHJP
C12N 1/16 20060101ALI20221125BHJP
【FI】
A61K36/064
A61P37/08
A61P17/04
A61P11/06
A61P11/02
A23L33/14
C12N1/16 G
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022520001
(86)(22)【出願日】2020-10-07
(85)【翻訳文提出日】2022-05-06
(86)【国際出願番号】 SE2020050958
(87)【国際公開番号】W WO2021071413
(87)【国際公開日】2021-04-15
(32)【優先日】2019-10-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522125630
【氏名又は名称】ミルメド ウニコ アーベー
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100185269
【氏名又は名称】小菅 一弘
(72)【発明者】
【氏名】アーチャー トレヴァー
(72)【発明者】
【氏名】レンツ トーマス
【テーマコード(参考)】
4B018
4B065
4C087
【Fターム(参考)】
4B018LB08
4B018LE05
4B018MD49
4B018MD81
4B018ME07
4B018MF13
4B018MF14
4B065AA80X
4B065AA81X
4B065AC20
4B065BA30
4B065BC50
4B065CA44
4C087AA01
4C087AA02
4C087AA03
4C087BC12
4C087CA09
4C087MA43
4C087MA52
4C087NA14
4C087ZA34
4C087ZA62
4C087ZA89
4C087ZB13
(57)【要約】
1GHz~300GHzの範囲の電磁波で処理されているか、又は1GHz~300GHzの範囲の電磁波で処理された酵母細胞から増殖している、アレルギー及び/又はアレルギーによる症状の治療及び/又は緩和用の酵母細胞、並びに該酵母細胞を含む組成物である。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1GHz~300GHzの範囲の電磁波で処理されているか、又は1GHz~300GHzの範囲の電磁波で処理された酵母細胞から増殖している、アレルギー及び/又はアレルギーによる症状の治療及び/又は緩和に使用するための酵母細胞。
【請求項2】
前記アレルギーは、アレルギー性鼻炎、ダニアレルギー、毛皮アレルギー、季節性アレルギー、及び食物アレルギーからなる群から選択され、及び/又は、前記アレルギーによる症状は、アトピー性皮膚炎、喘息、及び/又は鼻炎からなる群から選択される、請求項1に記載の使用するための酵母細胞。
【請求項3】
前記アレルギーは、ダニ、花粉、動物の毛、及び動物の皮屑からなる群から選択されたアレルゲンによって引き起こされる、請求項1又は2に記載の使用するための酵母細胞。
【請求項4】
前記電磁波は、約1GHz~約200GHzの範囲、例えば10~100GHz、例えば30~70GHz、例えば40~65GHzである、請求項1~3のいずれかに記載の使用するための酵母細胞。
【請求項5】
前記電磁波は、40GHz、41GHz、42GHz、43GHz、44GHz、45GHz、46GHz、47GHz、48GHz、49GHz、50GHz、51GHz、52GHz、53GHz、54GHz、55GHz、56GHz、57GHz、58GHz、59GHz、60GHz、61GHz、62GHz、63GHz、64GHz、及び65GHzからなる群から選択される、請求項4に記載の使用するための酵母細胞。
【請求項6】
前記電磁波の電力密度は、1mW/cm
2未満であり、好ましくは、0.004mW/cm
2~0.2mW/cm
2である、請求項1~5のいずれかに記載の使用するための酵母細胞。
【請求項7】
前記電磁波は、平均周波数0.01%~約0.5%の範囲内の周波数で変調される、請求項1~6のいずれかに記載の使用するための酵母細胞。
【請求項8】
10分~240分、例えば、20分~130分、例えば、20分~120分、例えば、30分~90分、例えば、35分~70分、例えば、40分、例えば、50分又は例えば、60分の期間にわたって、電磁波で処理される、請求項1~7のいずれかに記載の使用するための酵母細胞。
【請求項9】
サッカロマイセス・カールスベルゲンシス又はサッカロマイセス・セレビシエからなる群から選択された酵母細胞等のサッカロマイセス属のものである、請求項1~7のいずれかに記載の使用するための酵母細胞。
【請求項10】
請求項1~9のいずれかに記載の少なくとも1つの酵母細胞と、賦形剤及び/又は担体とを含む、アレルギー及び/又はアレルギーによる症状の治療及び/又は緩和に使用するための組成物。
【請求項11】
経口摂取用である、請求項10に記載の使用するための組成物。
【請求項12】
液体組成物である、請求項10又は11に記載の使用するための組成物。
【請求項13】
10×10
6CFU/mL~50×10
6CFU/mL、好ましくは20×10
6CFU/mL~40×10
6CFU/mL、例えば30×10
6CFU/mLの量の前記酵母細胞を含む、請求項12に記載の使用するための組成物。
【請求項14】
前記組成物が粉末組成物である、請求項10又は11に記載の使用するための組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、アレルギー及び/又はアレルギーによる症状の治療及び/又は緩和に使用される酵母細胞、並びに酵母細胞を含む組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
先進国では、人口の約20%がアレルギー性鼻炎に罹患しており、人口の約6%が少なくとも1つの食物アレルギーを患っており、約20%がある時点でアトピー性皮膚炎を患っている。いくつかの国では、人口の最大18%が喘息を患っている。多くのアレルギー性疾患の発生率は増加しているようである。1億5000万人以上のヨーロッパ人は、慢性アレルギー性疾患に苦しんでおり、現在の予測では、2025年までにEU人口全体の半分が影響を受けることになる(EAACI、2016)。
【0003】
アレルギーは、アレルゲンと呼ばれる通常は無害な物質に対する異常な反応を伴う慢性疾患である。アレルゲンには、イエダニ、カビ、樹木、雑草及び草花粉等の空中アレルゲン、並びに牛乳、卵、大豆、小麦、ナッツ、魚肉タンパク質等の食物アレルゲンが含まれる。アレルギーの症状は、赤目、かゆみを伴う発疹、鼻、口蓋、喉及び目のかゆみ、くしゃみ、鼻閉(うっ血)、鼻水、涙目、息切れ、腫れ等を含んでもよい。食物アレルギーは、アレルゲン摂取直後に嘔吐、下痢、呼吸器症状、又はアナフィラキシーを伴うことがある。
【0004】
これらの疾患には、花粉症(枯草熱、hay fever)(アレルギー性鼻炎)、喘息、アレルギー性眼疾患(アレルギー性結膜炎)、アレルギー性湿疹、ハイブズ(蕁麻疹)、及びアレルギー性ショック(アナフィラキシー及びアナフィラキシー性ショックとも呼ばれる)が含まれる。
【0005】
花粉症(アレルギー性鼻炎)は、アレルギー性疾患の中で最も一般的であり、花粉に起因する季節性の鼻の症状を指す。1年中又は通年性アレルギー性鼻炎は、通常、イエダニ又はカビ等の室内アレルゲンに起因する。最も一般的な症状には、鼻水、鼻閉(stuffy nose)、くしゃみ、鼻のかゆみ(掻き)、耳や喉のかゆみ、後鼻漏(咳払い)等が含まれる。
【0006】
喘息(例えば、症候性喘息)は、肺の気道(気管支)の炎症と痙攣に起因する呼吸の問題である。喘息は、常にではないが、ほとんどの場合、アレルギーに関連する。一般的な症状には、息切れ、喘鳴、咳、胸部圧迫感等が含まれる。「症候性喘息」という表現は、患者のアレルギーの問題の説明に従って適用される。
【0007】
アレルギー性眼疾患(アレルギー性結膜炎)は、眼球の表面とまぶたの下面を覆う組織層(膜)の炎症である。炎症はアレルギー反応の結果として起こる。一般的な症状は、まぶたの下と眼全体の発赤、流涙、目のかゆみ、及び膜の腫れである。
【0008】
アレルギー性湿疹は、通常、アレルゲンとの皮膚接触によって引き起こされないアレルギー性皮疹であり、皮膚のかゆみ、発赤、及び/又は乾燥、顔の発疹、特に子供の顔の発疹、並びに目の周り、ひじの折り目及び膝の後ろの発疹、特に成人の場合の発疹の症状を特徴とする。
【0009】
ハイブズ(蕁麻疹)は、かゆみを伴う腫れとして現れる皮膚反応であり、体のどの部分でも発生する。ハイブは、食物又は薬物等のアレルギー反応によって引き起こされるが、非アレルギーの人にも発生する可能性がある。典型的なハイブの症状は、隆起した赤い膨疹と激しいかゆみである。
【0010】
アレルギーの治療には、既知のアレルゲンの回避と、抗ヒスタミン剤やステロイド等の薬物の使用とが含まれる。これらは、錠剤又は液体薬剤、点鼻薬、又は点眼薬の形態であってもよい。新世代の抗ヒスタミン剤は改善されたが、人々は、まだ頭痛、疲労、めまい、口渇、視力の変化、興奮性/神経質等の副作用を経験する可能性がある。コルチコステロイド点鼻薬の副作用には、鼻血、鼻の刺痛、鼻の乾燥、吐き気、めまい等が含まれる。
【0011】
更に、アレルギー性鼻炎に対して、いくつかの補完的な健康アプローチが研究されており、いくつかのアプローチが有用であることを示す証拠が得られる。プロバイオティクス(健康に役立つ可能性のある生きた微生物)は、アレルギーを含む免疫系の疾患について調査される。例えば、JP6002452には、I型アレルギー症状の原因となるIgEの産生を抑制することにより、種々の免疫疾患の予防及び治療に有用なサッカロマイセス・セレビシエ酵母が開示されており、JP4712289には、食物アレルギーの予防のためのサッカロマイセスと乳酸菌との混合物が開示されている。いくつかの研究は有望な結果をもたらしたが、プロバイオティクスとアレルギー性鼻炎に関する全体的な証拠は一貫しない。
【0012】
したがって、アレルギー及び/又はアレルギーに関連する症状の治療又は緩和を改善できる新しい組成物及び方法が必要とされる。
【0013】
本発明の目的は、これらの問題を解決することである。
【発明の概要】
【0014】
第1の態様によれば、本発明の上記及び他の目的は、請求項1によって限定された酵母細胞によって、全体的又は少なくとも部分的に達成される。この請求項によれば、上記目的は、アレルギー及び/又はアレルギーによる症状の治療及び/又は緩和用の酵母細胞によって達成され、該酵母細胞は、1GHz~300GHzの範囲の電磁波で処理されているか、又は1GHz~300GHzの範囲の電磁波で処理された酵母細胞から増殖している。酵母細胞は、数世代、例えば最大300、200若しくは100世代、又は、最大90、80、70、60若しくは50世代、又は40、39、38、37、36、35、34、33、32、31、30、29、28、27、26、25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3若しくは2世代にわたって1GHz~300GHzの範囲の電磁波で処理された酵母細胞から増殖してもよい。
【0015】
本開示に係る酵母細胞の利点は、アレルギー及び/又はアレルギーによる症状の治療及び/又は緩和を改善し、費用対効果を高めることができることである。
【0016】
第2の態様では、本開示に係る少なくとも1つの酵母細胞と、賦形剤及び/又は担体とを含む組成物が提供される。組成物は、アレルギー及び/又はアレルギーによる症状の治療及び/又は緩和用であってもよい。
【0017】
本発明及びその実施形態の更なる有利な特徴は、添付の特許請求の範囲及び詳細な説明に定義される。
【0018】
本発明の他の目的、特徴及び利点は、以下の詳細な開示、添付の特許請求の範囲、及び図面から明らかになるであろう。本発明は、特徴の全ての可能な組み合わせに関することに留意されたい。
【0019】
一般に、特許請求の範囲で使用される全ての用語は、本明細書で明示的に定義されていない限り、技術分野におけるそれらの通常の意味に従って解釈されるべきである。「a/an/the」が付された「要素、デバイス、構成要素、手段、ステップ等」への言及の全ては、別に明示的に述べられていない限り、上記要素、デバイス、コンポーネント、手段、ステップ等の少なくとも1つの事例を指すものとして広く解釈されるべきである。本明細書に開示された任意の方法のステップは、明示的に述べられない限り、開示された正確な順序で実行される必要がない。
【0020】
本明細書で使用される「含む」という用語及びその変形は、他の追加物、構成要素、整数、又はステップを除外することを意図するものではない。
【0021】
更なる目的、特徴、及び利点は、添付の図面を参照しながら、以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1A】未処理の酵母細胞の増殖曲線を示す図である。
【
図1B】処理された細胞の増殖曲線を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
医学、生物学、バイオテクノロジー等の非伝統的な分野での低強度の電磁ミリ波の使用は、1960年代半ばにロシアで始まった傾向である。
【0024】
驚くべきことに、1GHz~300GHzの範囲の電磁波で処理された酵母細胞(いわゆる処理された酵母細胞又は処理された酵母)又は処理された酵母細胞から増殖した酵母細胞は、アレルギー及び/又はアレルギーによる症状の治療及び/又は緩和に有効であることが見出された。本開示に係る酵母細胞の利点は、アレルギー及び/又はアレルギーによる症状の治療及び/又は緩和を改善し、費用対効果を高めることができることである。
【0025】
電磁波は、当技術分野で公知の任意の電子デバイス又は光子デバイスで伝送されてもよい。電磁波の電力密度は、1mW/cm2未満、例えば約0.1mW/cm2、0.004mW/cm2~0.2mW/cm2であってもよい。
【0026】
一実施形態では、アレルギーは、アレルギー性鼻炎、ダニアレルギー、毛皮アレルギー、季節性アレルギー(花粉症としても知られている)、及び食物アレルギーからなる群から選択され、及び/又は、アレルギーによる症状は、アトピー性皮膚炎(湿疹)、喘息、及び/又は鼻炎からなる群から選択される。
【0027】
アレルギーは、ダニ、花粉、草、ほこり、動物の毛、動物の皮屑、又は動物の尿からなる群から選択されたアレルゲンによって引き起こされてもよい。動物の毛は、馬、牛、兎、猫又は犬等の家畜哺乳動物、特に馬、猫又は犬からのものであってもよい。動物の皮屑は、馬、牛、兎、猫又は犬等の家畜哺乳動物、特に馬、猫又は犬からのものであってもよい。動物の尿は、馬、牛、兎、猫又は犬等の家畜哺乳動物、特に馬、猫又は犬からのものであってもよい。
【0028】
別の実施形態では、アレルギーは、ダニ、花粉、動物の毛、及び動物の皮屑からなる群から選択されたアレルゲンによって引き起こされる。
【0029】
更に別の実施形態では、電磁波は、約1GHz~約200GHzの範囲、例えば10~100GHz、30~70GHz、40~65GHzである。振動周波数は、約35~約65GHzの範囲であってもよい。振動周波数は、42.2GHzであってもよい。
【0030】
電磁波は、当技術分野で公知の任意の電子デバイス又は光子デバイスで伝送されてもよい。電磁波の電力密度は、1mW/cm2未満、例えば0.004mW/cm2~0.2mW/cm2、約0.1mW/cm2であってもよい。
【0031】
更なる実施形態では、電磁波は、40GHz、41GHz、42GHz、43GHz、44GHz、45GHz、46GHz、47GHz、48GHz、49GHz、50GHz、51GHz、52GHz、53GHz、54GHz、55GHz、56GHz、57GHz、58GHz、59GHz、60GHz、61GHz、62GHz、63GHz、64GHz、及び65GHzからなる群から選択される。
【0032】
当業者は、上記周波数が小数点なしで最も近い完全な数値に上げられ/下げられることを認識する。したがって、例えば40GHzは、40±0.5と理解される。電磁波は、当技術分野で公知の任意の電子デバイス又は光子デバイスで伝送されてもよい。電磁波の電力密度は、1mW/cm2未満、例えば0.004mW/cm2~0.2mW/cm2、約0.1mW/cm2であってもよい。
【0033】
特定の実施形態では、振動周波数は42194±10MHzであり、この周波数の前後の100MHz帯域で線形変調される。電磁波は、当技術分野で公知の任意の電子デバイス又は光子デバイスで伝送されてもよい。電磁波の電力密度は、1mW/cm2未満、例えば0.004mW/cm2~0.2mW/cm2、約0.1mW/cm2であってもよい。
【0034】
別の特定の実施形態では、振動周波数は53534±10MHzであり、この周波数の前後の50MHz帯域で線形変調される。電磁波は、当技術分野で公知の任意の電子デバイス又は光子デバイスで伝送されてもよい。電磁波の電力密度は、1mW/cm2未満、例えば0.004mW/cm2~0.2mW/cm2、約0.1mW/cm2であってもよい。
【0035】
別の特定の実施形態では、振動周波数は60124±10MHzであり、この周波数の前後の50MHz帯域で線形変調される。電磁波は、当技術分野で公知の任意の電子デバイス又は光子デバイスで伝送されてもよい。電磁波の電力密度は、1mW/cm2未満、例えば0.004mW/cm2~0.2mW/cm2、約0.1mW/cm2であってもよい。
【0036】
一実施形態では、電磁波の電力密度は、1mW/cm2未満であり、好ましくは、0.004mW/cm2~0.2mW/cm2である。したがって、電磁波の電力密度は、約0.1mW/cm2であってもよい。
【0037】
別の実施形態では、電磁波は、平均周波数の0.01%~約0.5%の範囲内の周波数で変調される。
【0038】
更なる実施形態では、酵母細胞は、10分~240分、例えば、20分~130分、例えば、20分~120分、例えば、30分~90分、例えば、35分~85分、例えば、40分、例えば、50分、例えば、60分、例えば、70分例えば、80分の期間にわたって、電磁波で処理される。
【0039】
更に別の実施形態では、酵母細胞は、サッカロマイセス・カールスベルゲンシス又はサッカロマイセス・セレビシエからなる群から選択された酵母細胞等のサッカロマイセス属のものである。その利点は、そのような酵母が低コストで容易に入手できることである。
【0040】
酵母細胞はサッカロマイセス・セレビシエであってもよい。
【0041】
酵母細胞はサッカロマイセス・セレビシエS イヴォフスカヤ-ミルメッドであってもよい。この株はDSM33148として寄託されている。この株は以前にY2483として寄託された。
【0042】
本開示の第2の態様によれば、本開示に係る少なくとも1つの酵母細胞と、賦形剤及び/又は担体とを含む組成物が提供される。組成物は、アレルギー及び/又はアレルギーによる症状の治療及び/又は緩和用であってもよい。組成物は、無菌麦汁(sterile wort)、好ましくは5~20重量%、例えば8~15重量%、10~12重量%、11重量%を含んでもよい。組成物は、グルコース及び/又はサッカロース等の炭水化物を含んでもよい。組成物は、ビタミン及び/又はミネラルを含んでもよい。
【0043】
一実施形態では、組成物は経口摂取用である。これは、患者が自分で組成物を投与することを可能にするので有利である。更に、経口摂取は胃腸管での摂取により全身効果をもたらす。経口摂取用の組成物は懸濁液であってもよい。
【0044】
処理された酵母は、液体、粉末、ゲル、又は錠剤等の適切な任意の形態で対象に分配されてもよい。
【0045】
単回用量は、5×106CFU/用量~50,000×106CFU/用量、例えば10×106CFU/用量~20,000×106CFU/用量、100×106CFU/用量~17,000×106CFU/用量、200×106CFU/用量~15,000×106CFU/用量、300×106CFU/用量~12,000×106CFU/用量、400×106CFU/用量~11,000×106CFU/用量、500×106CFU/用量~10,000×106CFU/用量、600×106CFU/用量~8,000×106CFU/用量、1,000×106CFU/用量~6,000×106CFU/用量、1,200×106CFU/用量~5,500×106CFU/用量、2,000×106CFU/用量~5,000×106CFU/用量、2,500×106CFU/用量~4,500×106CFU/用量、3,000×106CFU/用量~4,000×106CFU/用量であってもよい。CFU=コロニー形成単位。
【0046】
好ましくは、ヒトの単回用量は、50×106CFU/用量~20,000×106CFU/用量、例えば100×106CFU/用量~6,000×106CFU/用量、300×106CFU/用量~3,000×106CFU/用量、400×106CFU/用量~2,000×106CFU/用量、500×106CFU/用量~1,200×106CFU/用量、600×106CFU/用量~1,000×106CFU/用量である。
【0047】
好ましくは、馬又は牛等のより大きな哺乳動物の単回用量は、6,000×106CFU/用量~20,000×106CFU/用量、例えば8,000×106CFU/用量~18,000×106CFU/用量、10,000×106CFU/用量~15,000×106CFU/用量、12,000×106CFU/用量である。
【0048】
好ましくは、兎、猫、又は犬等のより小さな哺乳動物の単回用量は、10×106CFU/用量~1,500×106CFU/用量、例えば100×106CFU/用量~1,000×106CFU/用量、200×106CFU/用量~800×106CFU/用量、300×106CFU/用量~600×106CFU/用量、500×106CFU/用量である。
【0049】
本開示に係る酵母細胞は、10×106CFU/日~50,000×106CFU/日、例えば25×106CFU/日~20,000×106CFU/日、50×106CFU/日~10,000×106CFU/日、100×106CFU/日、100×106CFU/日~8,000×106CFU/日、200×106CFU/日~7,500×106CFU/日、400×106CFU/日~6,000×106CFU/日、500×106CFU/日~5,000×106CFU/日、600×106CFU/日~4,500×106CFU/日、700×106CFU/日~4,000×106CFU/日、800×106CFU/日~3,000×106CFU/日、900×106CFU/日~2,500×106CFU/日、1,200×106CFU/日~2,000×106CFU/日、1,000×106CFU/日~1,500×106CFU/日で投与されてもよい。
【0050】
本開示に係る酵母細胞は、400×106CFU/日~20,000×106CFU/日、例えば500×106CFU/日~10,000×106CFU/日、600×106CFU/日~2,000×106CFU/日、750×106CFU/日~1,500×106CFU/日、800×106CFU/日~1,200×106CFU/日、900×106CFU/日~1,000×106CFU/日でヒトに投与されてもよい。
【0051】
本開示に係る酵母細胞は、1,000×106CFU/日~10,000×106CFU/日、例えば2,000×106CFU/日~8,000×106CFU/日、3,000×106CFU/日~6,000×106CFU/日、4,000×106CFU/日~5,000×106CFU/日で、馬又は牛等のより大きな哺乳動物に投与されてもよい。
【0052】
本開示に係る酵母細胞は、10×106CFU/日~2,000×106CFU/日、例えば50×106CFU/日~1,500×106CFU/日、100×106CFU/日~1,000×106CFU/日、200×106CFU/日~800×106CFU/日、300×106CFU/日~600×106CFU/日、400×106CFU/日~500×106CFU/日で、兎、猫、又は犬等のより小さな哺乳動物に投与されてもよい。
【0053】
本開示に係る酵母細胞は、200×106CFU/週~70,000×106CFU/週、例えば300×106CFU/週~50,000×106CFU/週、400×106CFU/週~40,000×106CFU/週、500×106CFU/週~25,000×106CFU/週、800×106CFU/週~22,500×106CFU/週、1,000×106CFU/週~20,000×106CFU/週、1,750×106CFU/週~16,000×106CFU/週、1,500×106CFU/週~15,000×106CFU/週、2,000×106CFU/週~12,500×106CFU/週、3,000×106CFU/週~10,000×106CFU/週、4,000×106CFU/週~8,000×106CFU/週、5,000×106CFU/週~7,500×106CFU/週、6,000×106CFU/週で投与されてもよい。
【0054】
本開示に係る酵母細胞は、500×106CFU/週~16,000×106CFU/週、例えば800×106CFU/週~12,500×106CFU/週、1,000×106CFU/週~11,000×106CFU/週、2,000×106CFU/週~10,000×106CFU/週、3,500×106CFU/週~9,000×106CFU/週、4,000×106CFU/週~8,500×106CFU/週、4,500×106CFU/週~8,000×106CFU/週、5,000×106CFU/週~7,000×106CFU/週、6,000×106CFU/週でヒトに投与されてもよい。
【0055】
本開示に係る酵母細胞は、7,000×106CFU/週~70,000×106CFU/週、例えば10,000×106CFU/週~50,000×106CFU/週、15,000×106CFU/週~40,000×106CFU/週、16,000×106CFU/週~35,000×106CFU/週、20,000×106CFU/週~30,000×106CFU/週、22,000×106CFU/週~27,000×106CFU/週、24,000×106CFU/週~26,000×106CFU/週又は25,000×106CFU/週で、馬又は牛等のより大きな哺乳動物に投与されてもよい。
【0056】
本開示に係る酵母細胞は、70×106CFU/週~14,000×106CFU/週、例えば100×106CFU/週~10,000×106CFU/週、300×106CFU/週~6,000×106CFU/週、500×106CFU/週~4,000×106CFU/週、700×106CFU/週~3,000×106CFU/週、1,000×106CFU/週~2,000×106CFU/週で、兎、猫、又は犬等のより小さな哺乳動物に投与されてもよい。
【0057】
治療期間は、少なくとも2週間、少なくとも3週間、少なくとも4週間、少なくとも5週間、少なくとも6週間、少なくとも7週間、少なくとも8週間、少なくとも9週間、又は少なくとも10週間であってもよい。場合によっては、治療は、アレルギーが花粉アレルギーである等の場合に10週間よりも長い期間かかり、又はアレルギーが毛皮アレルギー、ダニアレルギー又は食物アレルギーである等の場合に継続的に行われることがある。
【0058】
一実施形態では、組成物は液体組成物である。
【0059】
特定の実施形態では、組成物は、麦芽飲料の形態、又は処理された酵母若しくは処理された酵母から増殖した酵母細胞を含む任意の種類の飲料の形態である。
【0060】
一実施形態では、液体組成物は、10×106CFU/mL~50×106CFU/mL、好ましくは20×106CFU/mL~40×106CFU/mL、例えば30×106CFU/mLの酵母細胞を含む。このような組成物は、週に1、2、3、4、5、6又は7回、好ましくは週に2又は3回投与されてもよい。組成物は、週に30~1,000mL、例えば週に40~900mL、週に50~800mL、週に60~700mL、週に100~500mL、週に200~400mL投与されてもよい。組成物は、週に20~1,000mL、例えば週に30~800mL、週に40~750mL、週に50~500mL、週に60~400mL、週に75~300mL、週に100~200mL、ヒトに2つ又は3つの部分に分けて投与されてもよい。組成物は、週に500~1000mL、例えば週に600~900mL、週に700~800mL、馬又は牛等のより大きな哺乳動物に、2つ又は3つの部分に分けて投与されてもよい。好ましい実施形態では、30×106CFU/mLの酵母細胞を含む合計200mLの組成物は、週に2つ又は3つの部分に分けて投与される。別の好ましい実施形態では、20×106CFU/mLの酵母細胞を含む、合計40~800mL、例えば100~500mL、最も好ましい200mLの組成物は、特にヒトに、週に2つ又は3つの部分に分けて投与される。別の好ましい実施形態では、20×106CFU/mLの酵母細胞を含む、合計700~1000mL、例えば800又は900mLの組成物は、馬又は牛等のより大きな動物に、週に2つ又は3つの部分に分けて投与される。
【0061】
液体組成物は、別々の部分で投与されてもよく、各部分は200×106~50,000×106CFU/部分、例えば400×106~20,000×106CFU/部分、500×106~10,000×106CFU/部分、600×106~5,000×106CFU/部分、750×106~3,500×106CFU/部分、1,000×106~3,000×106CFU/部分、1,200×106~2,500×106CFU/部分、1,500×106~2,000×106CFU/部分である。
【0062】
一実施形態では、組成物は粉末組成物である。
【0063】
場合によっては、粉末組成物は、酵母生細胞、乾燥酵母を含んでもよい。乾燥酵母は、麦汁中の酵母細胞の懸濁液から、例えば5~20重量%、8~15重量%、10~12重量%、11重量%調製されてもよい。酵母の乾燥は、当業者によく知られている標準的な手順である。
【0064】
場合によっては、粉末組成物は、酵母生細胞、凍結乾燥処理された酵母を含んでもよい。凍結乾燥酵母は、麦汁中の酵母細胞の懸濁液から、例えば5~20重量%、8~15重量%、10~12重量%、11重量%調製されてもよい。酵母の凍結乾燥は、当業者によく知られている標準的な手順である。
【0065】
粉末組成物は、グルコース及び/又はサッカロース等の炭水化物を含んでもよい。
【0066】
粉末組成物は、ビタミン及び/又はミネラルを含んでもよい。
【0067】
粉末組成物は、週に1、2、3、4、5、6又は7回投与されてもよい。或いは、粉末組成物は、1日に1、2、3又は4回、好ましくは1日に2~3回投与されてもよい。
【0068】
粉末組成物は、摂取前に、水等の液体又はジュース等の水性飲料に懸濁されてもよい。液体は、グルコース及び/又はサッカロース等の炭水化物を含んでもよい。粉末組成物は、グルコース及び/又はサッカロース等の炭水化物を含む場合、水に懸濁されてもよい。液体は、ビタミン及び/又はミネラルを含んでもよい。粉末組成物は、好ましくは、10×106CFU/mL~50×106CFU/mL、好ましくは20×106CFU/mL~40×106CFU/mL、例えば30×106CFU/mLの濃度で懸濁される。
【0069】
粉末組成物は、経口摂取用のカプセル又は錠剤として製剤化されてもよい。好ましくは、このようなカプセル又は錠剤は、300×106CFU/カプセル又は錠剤~7,000×106CFU/カプセル又は錠剤、例えば400×106CFU/カプセル又は錠剤~6,750×106CFU/カプセル又は錠剤、500×106CFU/カプセル又は錠剤~6,500×106CFU/カプセル又は錠剤、750×106CFU/カプセル又は錠剤~6,000×106CFU/カプセル又は錠剤、1,000×106CFU/カプセル又は錠剤~5,000×106CFU/カプセル又は錠剤、1,200×106CFU/カプセル又は錠剤~4,500×106CFU/カプセル又は錠剤、2,000×106CFU/カプセル又は錠剤~4,000×106CFU/カプセル又は錠剤、2,500×106CFU/カプセル又は錠剤~3,500×106CFU/カプセル又は錠剤、又は3,000×106CFU/カプセル又は錠剤である。
【0070】
このようなカプセル又は錠剤は、週に1、2、3、4、5、6又は7回、好ましくは週に2又は3回投与されてもよい。
【0071】
週に2、3回摂取するためのこのようなカプセル又は錠剤は、好ましくは、400×106/カプセル又は錠剤~6,000×106CFU/カプセル又は錠剤、例えば1,200×106CFU/カプセル又は錠剤~5,500×106CFU/カプセル又は錠剤、1,000×106CFU/カプセル又は錠剤~5,000×106CFU/カプセル又は錠剤、2,000×106CFU/カプセル又は錠剤~4,000×106CFU/カプセル又は錠剤、又は3,000×106CFU/カプセル又は錠剤である。
【0072】
或いは、1つのカプセル又は錠剤は、1日1回経口投与されてもよい。毎日摂取するためのこのようなカプセル又は錠剤は、好ましくは100×106CFU~3,000×106CFU、例えば200×106CFU~2,500×106CFU、300×106CFU~2,000×106CFU、500×106CFU~1,500×106CFU、750×106CFU~1,500×106CFU、800×106CFU~1,200×106CFU又は900×106CFUの量で毎日投与される。
【0073】
本開示に係る組成物は、増殖培地を準備するステップと、増殖培地に滅菌又は低温殺菌を行うステップと、増殖培地で酵母細胞を増殖するステップと、酵母を30GHz~300GHzの範囲の電磁波で処理するステップと、を含む方法で得られる。電磁波は、好ましくは、約1~300GHzの範囲、例えば1~200GHzであり、より好ましくは10~100GHzの範囲、例えば30~70GHz、35~約65GHz、40~65GHz、40GHz、41GHz、42GHz、43GHz、44GHz、45GHz、46GHz、47GHz、48GHz、49GHz、50GHz、51GHz、52GHz、53GHz、54GHz、55GHz、56GHz、57GHz、58GHz、59GHz、60GHz、61GHz、62GHz、63GHz、64GHz又は65GHzである。好ましくは、振動周波数は42194±10MHzであり、この周波数の前後の100MHz帯域で線形変調される。
【0074】
好ましい実施形態では、振動周波数は42194±10MHzであり、この周波数の前後の100MHz帯域で線形変調される。
【0075】
別の好ましい実施形態では、振動周波数は53534±10MHzであり、この周波数の前後の50MHz帯域で線形変調される。
【0076】
別の好ましい実施形態では、振動周波数は60124±10MHzであり、この周波数の前後の50MHz帯域で線形変調される。電磁波は、IMPATTダイオード発振器に基づいて、当技術分野で公知の任意の電子デバイス又は光子デバイス、例えば、YAV-1治療デバイスで伝送されてもよい。電磁波の電力密度は、1mW/cm2未満、例えば0.004mW/cm2~0.2mW/cm2、例えば、約0.1mW/cm2であってもよい。
【0077】
本開示に係る、アレルギー及び/又はアレルギーによる症状の治療及び/又は緩和用の方法は、1GHz~300GHzの範囲の電磁波で処理された酵母細胞又は上述の1GHz~300GHzの範囲の電磁波で処理された酵母細胞から増殖した酵母細胞を、該酵母細胞を必要とする対象に投与するステップを含む。
【0078】
対象は、ヒト等の任意の哺乳動物であってもよい。更に、哺乳動物は、馬、牛、ラクダ、猫又は犬等の家畜哺乳動物であってもよい。したがって、EHFエネルギーは、EHF放射線によって外部から刺激された処理された酵母の形態で処理対象に伝達される。
【0079】
本発明は、その要旨から逸脱することなく、食品製品、飼料、他の飲料製品等、又はこれらの任意の組み合わせを含む任意の適切な形態で実施することができる。
【0080】
EHF処理
EHF(ミリ波、超高周波,extremely high frequency)処理の効果は
図1に示される(WO2011/023769にも記載されている)。
【0081】
図1Aは、未処理の細胞の増殖曲線である。N/N
0(Y軸)は、培養中の細胞数Nと開始数Noの比率であり、t(時間、X軸)は培養発達時間である。
図1Bは、処理された細胞の増殖曲線である。細胞によって生じた振動の周波数は、細胞の情報構造の対応する再編成によって同期することができ、これにより、個々の細胞の分裂周期期間の差異が実質的に排除され、増殖曲線に「階段状」となる。
図1Bから明らかなように、各分裂周期の後の細胞数は同調して倍加されるため、細胞数の時間依存性が階段状曲線によって表される。
【0082】
表1は、異なる電力密度レベル(P、mW/cm2)で全ての細胞の細胞分裂を放射周波数42.2GHzにより同調させるのに必要な最小時間(t0、分)の概要を示す。
【0083】
【0084】
表2は、異なる電力密度レベル(P、mW/cm2)で15%の細胞の細胞分裂を放射周波数42.2GHzにより同調させるのに必要な時間(t0、分)の概要を示す。
【0085】
【0086】
したがって、好ましいEHF治療時間は、20分~120分である。
【0087】
この方法は、処理された酵母細胞を増殖培地で増殖させるステップを更に含んでもよい。所望の細胞濃度に達成する場合、いつでも増殖を中止してもよい。
【0088】
増殖培地は、麦汁、即ち、麦汁及び酵母から得られる強壮麦芽飲料であってもよい。いずれの種類の酵母を用いてもよい。いずれの種類の麦汁を用いてもよい。或いは、麦汁は、醸造所から得られるか、大麦麦芽又は麦汁濃縮物から製造される。
【0089】
麦汁は、70~75℃で30分以上加熱する等して低温殺菌されてもよい。そして、麦汁は、18~20℃の温度で最大2週間密閉容器に保管されてもよい。
【0090】
S.セレビシエは、少量の滅菌11重量%麦汁に懸濁させることで活性化されてもよい。この麦汁に他の微生物の混入がないことが重要である。
【0091】
その後、活性化された培養物を、寒天麦汁を含むいくつかのペトリ皿に接種して、純粋な酵母培養物を得る。これは顕微鏡によって確認されてもよい。
【0092】
EHF処理の前に、これらの無菌の純粋培養物を含む皿の1つからの酵母を、無菌の11重量%麦汁を例えば10~12mL含むチューブに移す。
【0093】
これらの培養物を、スキムが現れるまで、一般に25~28℃で20~24時間増殖させる。
【0094】
そして、この酵母培養物をEHFフィールドで処理する。これは、まず、無菌のペトリ皿に酵母懸濁液を充填することによって行われてもよい。そして、皿を覆い、EHF装置に入れる。このような装置は、EHF帯域で電磁振動を生じさせるいずれの装置であってもよい。EHF処理時間は、240分未満、例えば、130分未満、120分未満、110分未満又は100分未満であり、好ましくは、90分未満、例えば、85分、80分、70分、60分、50分又は40分である。EHF振動の電力密度は、好ましくは約0.1mW/cm2である。振動周波数は、30~300GHzの範囲である。電磁波は、約35~約65GHzの範囲、例えば、40GHz、41GHz、42GHz、43GHz、44GHz、45GHz、46GHz、47GHz、48GHz、49GHz、50GHz、51GHz、52GHz、53GHz、54GHz、55GHz、56GHz、57GHz、58GHz、59GHz、60GHz、61GHz、62GHz、63GHz、64GHz又は65GHzであってもよい。
【0095】
特定の実施形態では、振動周波数は、42194±10MHzであり、この周波数の前後の100MHz帯域で線形変調される。
【0096】
別の特定の実施形態では、振動周波数は、53534±10MHzであり、この周波数の前後の50MHz帯域で線形変調される。
【0097】
更に別の特定の実施形態では、振動周波数は、60124±10MHzであり、この周波数の前後の50MHz帯域で線形変調される。
【0098】
電磁波は、IMPATTダイオード発振器に基づいて、当技術分野で公知の任意の電子デバイス又は光子デバイス、例えば、YAV-1治療デバイスで伝送されてもよい。
【0099】
電磁波の周波数変調は、個々の平均周波数の0%~約0.5%、例えば個々の平均周波数の0.5%であってもよい。
【0100】
EHF装置で処理した後、上述の処理された懸濁液を、無菌の11重量%麦汁を含む50~100mLのチューブ等のチューブに移す。細胞を、スキムが現れるまで、一般に25~28℃で20~24時間増殖させることができる。これを接種材料とする。
【0101】
そして、この接種材料を、一般に4~5Lの、麦汁の量よりもわずかに大きい公称容量の容器(チューブ、缶等)に充填された、一般に2~3Lの低温殺菌又は滅菌麦汁に添加し、細胞濃度が3000万細胞/mLになるまで、一般に25~28℃で20~24時間後に培養する。
【0102】
大容量の飲料を製造すれば、上記処理は、前の培養周期の産物を接種材料として無菌の麦汁に1:10の接種材料:麦汁の比率で添加することによって、いくつかの段階で実施されてもよい。細胞を、スキムが現れるまで、一般に25~28℃で20~24時間増殖させることができる。飲料製造段階の最終段階は、細胞濃度が3000万細胞/mL以上となった際に終了されると考えられる。
【0103】
この製造段階が完了すると、飲料は飲みに備え、瓶又は缶等の適切な輸送容器に移されてもよい。保存が必要であれば、飲料を約2~6℃、例えば2~4℃に冷却した後、保存し、例えば最大3週間保存してもよい。
【0104】
処理された酵母細胞
以下は製造手順の可能な実施形態である。しかしながら、多くの異なる代替の製造手順が可能であり、このことは当業者であれば認識できるであろう。
【0105】
麦汁は、醸造所から得られ、希釈した麦汁中の乾物の重量分率は11重量%(11重量%麦汁)に調整された。
【0106】
麦汁は、オートクレーブチャンバー内で0.05MPaの圧力で20分間滅菌され、18~20℃で保存された。
【0107】
酵母S.セレビシエは、無菌の状況の下で、少量の滅菌11重量%麦汁に懸濁させることにより活性化された。
【0108】
該酵母を、寒天麦汁を含むいくつかのペトリ皿に接種して、純粋な酵母培養物を得た。これは、顕微鏡によって確認された。
【0109】
EHF処理の前に、無菌の純粋培養物を含むペトリ皿の1つからの酵母を、無菌の11重量%麦汁11mLを含むチューブに移す。これらの培養物を、スキムが現れるまで、28℃で20~24時間増殖させた。
【0110】
そして、この酵母培養物をEHFフィールドで処理した。これは、まず、無菌のペトリ皿に酵母懸濁液を充填することによって行われた。そして、皿を覆い、EHF帯域で電磁振動を生じさせるEHF装置に入れた。EHF処理時間は、80分とされた。EHF振動の電力密度は、0.1mW/cm2近くに維持された。振動周波数は、53534±10MHzであり、この周波数の前後の50MHz帯域で線形変調された。電磁波は、IMPATTダイオード発振器に基づいて、YAV-1治療デバイスによって発生された。
【0111】
EHF装置で処理した後、上述の処理された懸濁液を、無菌の11重量%麦汁を含む75mLのチューブに移した。細胞を、スキムが現れるまで、28℃で22時間増殖させた。これを接種材料とした。
【0112】
そして、この接種材料を公称容量5Lのチューブに充填された3Lの低温殺菌又は滅菌麦汁に添加し、細胞濃度が30×106CFU/mLになるまで培養した。これらの処理された酵母細胞を、以下に記載された研究に使用した。
【0113】
実験
アレルギー問題を抱える22人の患者が本開示に係る組成物で治療された初期研究(研究A)と、アレルギー問題を抱える8人の患者が本開示に係る組成物で治療され、アレルギー問題を抱える8人の患者が未処理の酵母細胞を含む組成物で治療された追跡研究(研究B)との2つの研究が行われた。
【0114】
まとめると、2つの研究は、未処理の酵母細胞を受けた対照群と比較して、本開示に記載の処理されたサッカロマイセス・セレビシエを受けた患者のアレルギーレベルが、治療によって明らかに改善されたことを示す。更に、2つの研究は、結果が繰り返し可能であることを示す。
【0115】
研究A
本発明に係る液体組成物は、2019年2月1日から5月31日まで行われた研究で評価された。該組成物は、上記滅菌麦汁に懸濁された30×106CFU/mLのサッカロマイセス・セレビシエ(DSM33148)を含む。酵母細胞(サッカロマイセス・セレビシエ(DSM33148))は上記のように処理された。この研究には、異なる種類のアレルギーに苦しんでいる22人(19~88歳の女性7人、15~71歳の男性15人)が含まれた。患者は、朝食前に100mLの該組成物を週に2回、即ち週に合計200mL飲むように指示された。研究の開始時に、各患者は、自分のアレルギーの症状を詳細に説明するフォームに記入した。10週間後、各患者は、自分のアレルギーの症状を評価し、アレルギーの症状の改善を経験したか否かを評価するように求められた。1人の患者(以下の患者8)は、一般に、夏の間のみ、即ちテスト期間でない期間にアレルギー症状を経験するため、効果を評価できなかったと回答した。したがって、この患者はテスト期間中にアレルギー症状を経験しなかった。それにもかかわらず、他の患者と同様に、この患者は副作用を報告しなかった。頻度評価の結果は以下の表3に示されている。
【0116】
【0117】
表3から分かるように、22人の患者の23%はアレルギー症状の中程度改善を経験した。特に、評価に参加した22人の患者の36%は、アレルギー症状の顕著な改善を経験し、36%は完全に症状がなかった。
【0118】
更に、22人の患者のうち11人は、従来のアレルギー薬物の摂取量を減らした。
【0119】
【0120】
表4に示すように、治療前後の自己報告の比較は、著しい治療効果があったことを示した。
【0121】
【0122】
各患者の治療結果と、各患者が治療コンプライアンスを示した週数との相関分析を表5に示す。特に、場合によっては、酵母は投与されなかった(即ち、ノンコンプライアンス)。
【0123】
個々の患者について以下に説明する。各患者のコメントは、翻訳後に以下に引用される。
【0124】
患者1:女性、42歳。非喫煙者。アレルギーの病歴:花粉、草、ダニ、犬及び猫。疲労、頻繁な風邪。鼻閉塞、くしゃみ、嗅覚能力の低下、目のかゆみ、流涙、腫れ、片息、息切れ、喘鳴、濃厚な粘液、胸部圧迫感。毎朝、朝食前に8週間、上記用量で摂取する。アレルギー問題の知覚された改善を8と評価し、アレルギー薬物を服用する必要性が減少し、疲労を軽減した。
【0125】
患者2:男性、69歳。非喫煙者、アレルギーの病歴:毛皮、猫及び犬、接触/尿。非遺伝的。小児期に徴候なし、27年前に発症、サブスクリプションフリーの薬物。年中症状:喉のくびれ、嗄声。朝食前に上記用量で摂取する。知覚された改善を10と評価し、本明細書に記載されるようにEHF処理された酵母による治療以来、並行薬物を必要とせず、風邪がなくなった。
【0126】
患者3:男性、27歳。非喫煙者であるが、嗅ぎタバコ(snuff)を使用する。アレルギーの病歴:花粉/草-季節性、4月~8月。症状:鼻水、鼻詰り、かゆみ/掻痒、涙、発赤。小児期に徴候なし、2年前に発症。治療なし。非遺伝的。朝食前に上記用量で摂取する。知覚された改善を10と評価し、並行薬物を必要とせず、風邪が軽い。
【0127】
患者4:女性、88歳。非喫煙者、小児期に徴候なし、57年前に発症。アレルギーの病歴:毛皮、猫及び犬、接触。年中。喉のくびれ、嗄声、くしゃみ。毛皮アレルギーに対する様々な処方薬物の使用。非遺伝的。朝食前に上記用量で摂取する。知覚された改善を10と評価し、本明細書に記載されるようにEHF処理された酵母による治療以来、風邪がなくなった。
【0128】
患者5:男性、42歳。非喫煙者。小児期に徴候なし。11年前に発症。アレルギーの病歴:花粉/草-季節性、4月~8月。季節性-5月、6月、7月。症状:鼻水、鼻詰り、かゆみ/掻痒。薬物:ロラタジン、点鼻薬。非遺伝的。朝食前に上記用量で摂取する。知覚された改善を10と評価し、本明細書に記載されるようにEHF処理された酵母による治療以来、風邪や病気がなくなった。
【0129】
患者6:男性、49歳。非喫煙者であるが、嗅ぎタバコ使用、小児期に徴候なし。10年前に発症。アレルギーの病歴:花粉/草、季節性:5月~8月。症状:鼻水、鼻詰り、腫れ。薬物:ロラタジン、点鼻薬。非遺伝的。朝食前に上記用量で摂取する。知覚された改善を10と評価し、本明細書に記載されるようにEHF処理された酵母による治療以来、風邪や病気がなくなった。
【0130】
患者7:男性、41歳。非喫煙者。小児期に徴候なし。24年前に発症。アレルギーの病歴:植物、花粉、季節性-4月~6月、症状:鼻水、鼻詰り、腫れ、くしゃみ、かゆみ/掻痒。薬物:アレルギーに対する様々な薬物の使用。非遺伝的。朝食前に上記用量で11週間摂取し、3週間逃した。知覚された改善を5と評価し、本明細書に記載されるようにEHF処理された酵母による治療以来、アレルギー薬物を服用する必要性が減少し、喘息が軽減され、より敏感(more alert)になった。
【0131】
患者8:男性、42歳。非喫煙者。小児期に徴候なし。18年前に発症。アレルギーの病歴:花粉、季節性-4月~7月。症状:鼻水、鼻詰まり、鼻腫れ、目のかゆみ、発赤及び腫れ。薬物:アレルギーに対する様々な薬物の使用。非遺伝的。朝食前に上記用量で10週間摂取し、2週間逃した。知覚された改善を8と評価し、本明細書に記載されるようにEHF処理された酵母による治療以来、並行薬物を必要とせず、喘息が軽減され、より敏感になった。
【0132】
患者9:男性、71歳。非喫煙者。小児期に徴候なし。48年前に発症。アレルギーの病歴:馬、花粉、季節性-4月~6月。症状:鼻水、鼻詰り、腫れ及び目のかゆみ。薬物:アレルギーに対する様々な薬の使用。非遺伝的。朝食前に上記用量で10週間摂取する。知覚された改善を10と評価し、本明細書に記載されるようにEHF処理された酵母による治療以来、並行薬物を必要せず、より敏感になった。
【0133】
患者10:女性、51歳。喫煙者。小児期に徴候なし。30年前に発症。アレルギーの病歴:花粉、季節性-4月~7月。症状:鼻水、鼻詰り、くしゃみ、腫れ及び目のかゆみ。薬物:アレルギーに対する様々な薬物の使用。非遺伝的。朝食前に上記用量で13週間摂取し、4-5週間逃した(miss)。知覚された改善を8と評価し、本明細書に記載されるようにEHF処理された酵母による治療以来、アレルギー薬物を服用する必要性が減少し、体力及び回復力が増強され、関節の痛みが軽減された。
【0134】
患者11:女性、34歳。非喫煙者。小児期に徴候なし。アレルギーの病歴:花粉、季節性-4月~7月。症状:鼻水、鼻詰り、腫れ及び目のかゆみ。薬物:アレルギーに対する様々な薬物の使用。非遺伝的。朝食前に上記用量で10週間摂取し、2週間逃した。知覚された改善を7と評価し、本明細書に記載されるようにEHF処理された酵母による治療以来、アレルギー薬物を服用する必要性が減少し、より敏感になり、メンタルヘルスが改善された。
【0135】
患者12:女性、46歳。非喫煙者。小児期の徴候:湿疹、喘息/気管支の問題、アレルギー性鼻炎、食物過敏症。アレルギーの病歴:花粉、草、ほこり、ダニ、犬、猫、馬、チモシー、ヘーゼルナッツ、アーモンド、リンゴ、キウイ、桃。年中:症状:鼻詰り、腫れ、くしゃみ、目のかゆみ、発赤及び腫れ、喉のくびれ、咳、嗄声、片息、息切れ、喘鳴、濃厚な粘液、胸の痛み。薬物:ブデソニド、テルブタリン、オメプラゾール、ベタメタゾン。遺伝的。朝食前に上記用量で8週間摂取する。知覚された改善を8と評価し、アレルギー薬物を服用する必要性が減少し、本明細書に記載されるようにEHF処理された酵母による治療以来、より敏感、より健康になり、病気が減少した。
【0136】
患者13:男性、62歳。非喫煙者であるが、嗅ぎタバコを使用する。小児期の徴候:湿疹、喘息、アレルギー性鼻炎。アレルギーの病歴:ほこり、猫、花粉、季節性-4月~7月。症状:鼻水、鼻詰り、くしゃみ、嗅覚の喪失、目のかゆみ、発赤及び腫れ、嗄声。薬物:降圧薬。非遺伝的。朝食前に上記用量で8週間摂取する。知覚された改善を8と評価し、本明細書に記載されるようにEHF処理された酵母による治療以来、並行薬物を必要としなかった。
【0137】
患者14:男性、48歳。非喫煙者。小児期の徴候:アレルギー性鼻炎、食物過敏症。アレルギーの病歴:花粉、草、ほこり、毛皮、犬、猫、馬、白樺、リンゴ、香り、季節性-3月~10月、症状:鼻詰まり、鼻腫れ、くしゃみ、目のかゆみ及び流涙、口腔/咽頭のかゆみ、刺激、腫れ、喉のくびれ、咳、嗄声、片息。薬物:ロラタジン。非遺伝的。朝食前に上記用量で8週間摂取する。知覚された改善を6と評価し、本明細書に記載されるようにEHF処理された酵母による治療以来、アレルギー薬物を服用する必要性が減少した。
【0138】
患者15:女性、44歳。非喫煙者。小児期に徴候なし。アレルギーの病歴:花粉、草、ほこり、ダニ、犬、猫、馬。年中。症状:鼻詰まり、鼻腫れ、くしゃみ、嗅覚の低下、目のかゆみ、流涙及び腫れ、喉のくびれ、片息、息切れ、喘鳴、濃厚な粘液、胸の圧迫。薬物:アレルギー薬物。非遺伝的。朝食前に上記用量で8週間摂取する。知覚された改善を8と評価し、本明細書に記載されるようにEHF処理された酵母による治療以来、アレルギー薬物を服用する必要性が大幅に減少し、より敏感、より健康になり、病気が減少した。
【0139】
患者16:男性、34歳。非喫煙者であるが、嗅ぎタバコを使用する。小児期の徴候:アレルギー性鼻炎。20年前に発症。薬物:ロラタジンとモメタゾンフランカルボン酸エステル。アレルギーの病歴:花粉、草、ほこり、毛皮、犬、猫、馬、季節性-4月~9月。症状:鼻詰まり、鼻腫れ、くしゃみ、目のかゆみ、流涙及び発赤。非遺伝的。朝食前に上記用量で9週間摂取し、1週間逃した。知覚された改善を7と評価し、本明細書に記載されるようにEHF処理された酵母による治療以来、並行アレルギー薬物を必要とせず、本明細書に記載されるようにEHF処理された酵母による治療は、以前のアレルギー薬物を取って代わった。
【0140】
患者17:男性、29歳。非喫煙者であるが、嗅ぎタバコを使用する。小児期の徴候:アレルギー性鼻炎。薬物:ロラチジン。アレルギーの病歴:花粉、季節性-6月~7月。症状:くしゃみ。非遺伝的。朝食前に上記用量で10週間摂取し、2週間逃した。知覚された改善を4と評価し、本明細書に記載されるようにEHF処理された酵母による治療以来、並行アレルギー薬物を必要とせず、本明細書に記載されるようにEHF処理された酵母による治療は、以前のアレルギー薬物を取って代わった。
【0141】
患者18:男性、34歳。非喫煙者であるが、嗅ぎタバコを使用する。小児期の徴候:湿疹、喘息、アレルギー性鼻炎、食物過敏症。アレルギーの病歴:花粉、草、ほこり、毛皮、猫、馬、ヘーゼルナッツ、ピーナッツ、全てのナッツ、リンゴ、キウイ、桃、エキゾチックな果物、年中。症状:鼻水、鼻詰まり、鼻腫れ、くしゃみ、目のかゆみ、流涙及び発赤。遺伝的。朝食前に上記用量で数週間摂取し、2週間逃した。知覚された改善を5と評価し、並行アレルギー薬物を必要とせず、本明細書に記載されるようにEHF処理された酵母による治療は、以前のアレルギー薬物を取って代わった。
【0142】
患者19:男性、45歳。非喫煙者であるが、嗅ぎタバコを使用する。小児期に徴候なし。アレルギーの病歴:草、季節性-5月~6月。症状:鼻水、鼻詰り、目のかゆみ。薬物:なし。非遺伝的。朝食前に上記用量で9週間摂取し、1週間逃した。知覚された改善を6と評価し、本明細書に記載されるようにEHF処理された酵母による治療は、以前のアレルギー薬物を良好な効果で取って代わった。
【0143】
患者20:男性、42歳。非喫煙者であるが、嗅ぎタバコを使用する。小児期に徴候なし。アレルギーの病歴:花粉、季節性-5月~7月。症状:くしゃみ、鼻詰り、目の発赤及びかゆみ。薬物:なし。非遺伝的。朝食前に上記用量で10週間摂取し、2週間逃した。知覚された改善を10と評価し、並行薬物を必要としなかった。
【0144】
患者21:男性、30歳。非喫煙者。小児期の徴候:アレルギー性鼻炎。アレルギーの病歴:草、花粉、季節性-4月~8月。症状:くしゃみ、鼻水、目のかゆみ及び腫れ。薬物:なし。非遺伝的。朝食前に上記用量で9週間摂取し、1週間逃した。知覚された改善を1と評価し、並行アレルギー薬物を必要とした。
【0145】
患者22:女性、19歳。非喫煙者。小児期の徴候:アスペルガー症候群。アレルギーの病歴:花粉、季節性-5月~7月。症状:くしゃみ、鼻詰り、鼻水、目のかゆみ及び腫れ。薬物:リチウム、クエチアピン。遺伝的。朝食前に上記用量で8週間摂取し、2週間逃した。
【0146】
知覚された改善を10と評価し、本明細書に記載されるようにEHF処理された酵母による治療以来、並行アレルギー薬物を必要とせず、より敏感になった。
【0147】
研究B
この研究は、患者の間の進行中のアレルギー症状に対する本開示に係る処理された酵母細胞による治療(ミルメッド治療と呼ばれる)の効果に関する研究Aの追跡研究であった。以前に、アレルギー症状が研究された患者の間で緩和されたことが観察されたが(上記研究A)、その研究において、各患者は、アレルギーのレベルが本開示に係る組成物による治療の前後に比較される自分自身の対照として使用された。
【0148】
研究Bにおいて、未処理の酵母細胞を含む組成物で8週間治療された患者の対照群を、本開示に係る処理された酵母細胞で8~10週間(中央値:8週間)治療された患者の群と比較した。
【0149】
以前に適用された手順と方法が繰り返された。この研究は、(i)処理された群と未処理群の比較により、アレルギー症状に対する本開示に係る組成物の推定介入効果をテストすることと、(ii)研究Aの調査結果を再現することとを目的とした。
【0150】
少なくとも8週間にわたる本開示に係る組成物による治療の有効性は、以下の質問に関する患者の主観的判断を含む、いくつかのアンケートの健康項目に対する患者の応答によってテストされた。
A.アレルギー症状の緩和に関連する、治療による何か改善を経験したか?等級1~10(1=改善なし、10=症状なし)。
B.全身の健康状態における治療による何か改善を経験したか?等級1~10(1=改善なし、10=大きな改善)。
未処理の酵母細胞:未処理の酵母細胞を含む液体組成物は、2020年4月21日~6月15日の期間に実施された研究で評価された。該組成物は、特許出願に記載された滅菌麦汁に懸濁された30×106CFU/mLサッカロマイセス・セレビシエ(本願に記載されているように処理されていない)を含む。「通常の用量」とは、週に200mLの該組成物を指す。
【0151】
処理された酵母細胞:特許出願に記載された液体組成物は、2020年3月17日~6月24日の期間に実施された研究で評価された。該組成物は、特許出願に記載された滅菌麦汁に懸濁された30×106CFU/mLのサッカロマイセス・セレビシエ(DSM33148)を含む。酵母細胞(サッカロマイセス・セレビシエ(DSM33148))は特許出願に記載されているように処理された。「通常の用量」とは、週に200mLの該組成物を指す。
【0152】
参加者:アレルギー問題を有する30~71歳の16人の患者(男性=8、女性=8)は研究に参加した。患者は、同僚及び知人の間の口コミと、進行中のアレルギー問題のために関心を示した個人を特定した発表とを通じて募集され、全ての患者は、身体を多かれ少なかれ衰弱させるアレルギー問題から何らかの形態で休息を取りたいという願望を表明した。
【0153】
未処理の酵母細胞を受けた群-対照群:アレルギー問題を有する30~65歳の8人の患者(男性=3、女性=5)は、未処理の酵母細胞で8週間治療された。8週間後、各患者はアレルギーの知覚された改善を1~10(1=改善なし、10=症状なし)の等級で評価し、全身の健康の知覚された改善を1~10の等級(1=改善なし、10=大きな改善)で評価した。
【0154】
処理された酵母細胞を受けた群-「ミルメッド」群:アレルギー問題を有する30~71歳の8人の患者(男性=5、女性=3)は、8~10週間に「ミルメッド」で治療された。治療期間の中央値を8週間とした。テスト期間後、各患者は、アレルギーの知覚された改善を1~10(1=改善なし、10=症状なし)の等級で評価し、全身の健康の知覚された改善を1~10の等級(1=改善なし、10=大きな改善)で評価した。10週間治療を受けた全ての患者は、8週間後と同じレベルの、アレルギーと全身の健康の改善を知覚したと報告した。
【0155】
結果:結果は、以下の表6(対照群)、表7(「ミルメッド」群)、及び表8にまとめられる。要約すると、該結果は、アレルギー症状が本開示に係る酵母細胞を含む組成物の摂取により緩和できることを明らかに示す。
【0156】
【0157】
表6から分かるように、対照群の8人の患者は全て、アレルギー症状の改善を経験しなかったか、又は軽度改善のみを経験した。
【0158】
以下の表7から分かるように、本発明に係る処理された酵母を受けた群の8人の患者の12.5%は、アレルギー症状の中程度改善を経験した。特に、8人の患者の50%は、アレルギー症状の顕著な改善を経験し、37.5%は完全に症状がなかった。これらの結果は、研究Aの結果と一致する。
【0159】
したがって、電磁波照射された酵母は照射されていない酵母よりも優れた効果を有することが明らかに示された。
【0160】
【0161】
表8から分かるように、結果は、本開示に係る組成物による治療(「ミルメッド治療」)が、本開示に記載されるように処理されたサッカロマイセス・セレビシエを含む組成物を受けた患者のアレルギー症状を顕著に緩和したことを明らかに示す。
【0162】
【0163】
結論:(i)本開示に記載されているように処理されたサッカロマイセス・セレビシエ(「ミルメッド」)を受けた患者のアレルギーレベルは、ミルメッド治療によって明らかに改善され(8.38対1.50、表8を参照)、(ii)(本開示に記載されているように処理されたサッカロマイセス・セレビシエ(「ミルメッド」))を受けた患者の全身の健康の経験は顕著に改善された(7.38対2.25、表8を参照)。
【0164】
個々の患者について以下に説明する。各患者のコメントは、翻訳後に以下に引用される。
【0165】
未処理のミルメッド群:説明と個々の参加者の応答
患者1:女性、55歳、元喫煙者。小児期の徴候:喘息/気管支の問題、アレルギー性鼻炎、食物過敏症。アレルギーの病歴:毛皮、猫、馬及び犬、接触。年中:鼻漏、くしゃみ、目のかゆみ、喉のかゆみ。毛皮アレルギーに対する様々な処方薬物の使用。非遺伝的。朝食前に通常の用量で8週間摂取する。アレルギーの知覚された改善:1~10の等級では自分を10のうち1と評価し、全身の健康の知覚された改善:1~10の等級では自分を10のうち1と評価した。
【0166】
患者2:女性、44歳、非喫煙者。小児期の徴候:湿疹、喘息/気管支の問題、アレルギー性鼻炎、食物過敏症。アレルギーの病歴:花粉、ヘーゼルナッツ、リンゴ、キウイ、桃。季節性、5月~9月。症状:鼻詰り、くしゃみ、目のかゆみ、発赤及び腫れ、片息、息切れ、胸の圧迫。薬物:デスロラタジン。遺伝的。朝食前に通常の用量で8週間摂取する。アレルギーの知覚された改善:1~10の等級では自分を10のうち1と評価し、全身の健康の知覚された改善:1~10の等級では自分を10のうち1と評価した。
【0167】
患者3:女性、65歳、非喫煙者。小児期に徴候なし。アレルギーの病歴:花粉、ヘーゼルナッツ。季節性、4月~5月。症状:アレルギー性鼻炎、くしゃみ、目のかゆみ及び流涙、喉のかゆみ。薬物:デスロラタジン。非遺伝的。朝食前に通常の用量で8週間摂取する。アレルギーの知覚された改善:1~10の等級では自分を10のうち1と評価し、全身の健康の知覚された改善:1~10の等級では自分を10のうち1と評価した。
【0168】
患者4:男性、32歳。非喫煙者であるが、嗅ぎタバコを使用する。小児期の徴候:湿疹、アレルギー性鼻炎。アレルギーの病歴:花粉、草、毛皮、犬、猫、馬。季節性、6月~7月。症状:アレルギー性鼻炎、鼻詰り、嗅覚障害、くしゃみ、目のかゆみ、流涙及び腫れ、咳。薬物:抗ヒスタミン剤。遺伝的。朝食前に通常の用量で8週間摂取する。アレルギーの知覚された改善:1~10の等級では自分を10のうち1と評価し、全身の健康の知覚された改善:1~10の等級では自分を10のうち2と評価した。
【0169】
患者5:男性、30歳。非喫煙者であるが、嗅ぎタバコを使用する。小児期の徴候:アレルギー性鼻炎、心臓性喘息(左心不全によって起こる咳又は喘鳴の種類)。アレルギーの病歴:花粉、草、毛皮、犬、猫、馬。季節性、6月~7月。症状:アレルギー性鼻炎、鼻詰り、嗅覚障害、くしゃみ、目のかゆみ、流涙及び腫れ、咳。薬物:抗ヒスタミン剤。遺伝的。朝食前に通常の用量で8週間摂取する。アレルギーの知覚された改善:1~10の等級では自分を1と評価し、全身の健康の知覚された改善:1~10の等級では自分を2と評価した。
【0170】
患者6:女性、44歳、非喫煙者。小児期の徴候:喘息/気管支の問題、アレルギー性鼻炎。アレルギーの病歴:花粉及び草。季節性、5月~8月。症状:アレルギー性鼻炎、くしゃみ、目のかゆみ、発赤及び腫れ。薬物:デスロラタジン、リノコート非遺伝的。朝食前に通常の用量で8週間摂取する。アレルギーの知覚された改善:1~10の等級では自分を10のうち2と評価し、全身の健康の知覚された改善:1~10の等級では自分を10のうち2と評価した。
【0171】
患者7:男性、31歳。喫煙者と嗅ぎタバコ使用者。小児期の徴候:アレルギー性鼻炎。アレルギーの病歴:花粉、犬皮。季節性、5月~9月。症状:鼻詰り、くしゃみ、目のかゆみ、咳。朝食前に通常の用量で8週間摂取する。アレルギーの知覚された改善:1~10の等級では自分を2と評価し、全身の健康の知覚された改善:1~10の等級では自分を5と評価し、より敏感になった。
【0172】
患者8:女性、49歳。非喫煙者であるが、嗅ぎタバコの使用者。小児期の徴候:湿疹。アレルギーの病歴:花粉。季節性、5月~10月。症状:アレルギー性鼻炎、目のかゆみ、咳、息切れ。薬物:トラネキサム酸。朝食前に通常の用量で8週間摂取する。アレルギーの知覚された改善:1~10の等級では自分を10のうち3と評価し、全身の健康の知覚された改善:1~10の等級では自分を10のうち3と評価し、腸及び/又は胃の病気/障害が減少した。
【0173】
処理されたミルメッド群:参加者の説明と応答
患者1:男性、47歳、非喫煙者。小児期の徴候:アレルギー性鼻炎。アレルギーの病歴:花粉、草、馬。季節性、5月~9月。症状:鼻詰り、くしゃみ、目のかゆみ、喉の炎症及びかゆみ。薬物:インスリン、血圧薬。非遺伝的。朝食前に通常の用量で8週間摂取する。アレルギーの知覚された改善:1~10の等級では自分を9と評価し、全身の健康の知覚された改善:1~10の等級では自分を9と評価し、ミルメッド治療以来、より敏感になり、風邪、感染症、胃及び腸の障害が少なくなり、睡眠が改善された。
【0174】
患者2:男性、71歳、非喫煙者。小児期に徴候なし。アレルギーの病歴:花粉、犬、猫、馬、におい、カビ。季節性、5月~7月。症状:アレルギー性鼻炎、くしゃみ、目の発赤、かゆみ及び流涙、緩い粘液。非遺伝的。朝食前に通常の用量で10週間摂取する。アレルギーの知覚された改善:1~10の等級では自分を10と評価し、全身の健康の知覚された改善:1~10の等級では自分を8と評価し、ミルメッド治療以来、感染症、風邪、体の痛みが少なくなった。
【0175】
患者3:男性、42歳、非喫煙者であるが、嗅ぎタバコを使用する。小児期に徴候なし。アレルギーの病歴:花粉。季節性、4月~5月。症状:アレルギー性鼻炎、くしゃみ、嗅覚の低下、目の発赤及び流涙。薬物:抗ヒスタミン剤朝食前に通常の用量で10週間摂取し、1週間逃した。アレルギーの知覚された改善:1~10の等級では自分を8と評価し、全身の健康の知覚された改善:1~10の等級では自分を3と評価し、ミルメッド治療以来、風邪が少なくなった。
【0176】
患者4:女性、41歳、「パーティースモーカー」。小児期に徴候なし。アレルギーの病歴:花粉、猫、化学薬品、香り。季節性、3月~9月。症状:アレルギー性鼻炎、くしゃみ、鼻詰り。年中:1月~12月。目のかゆみ、息切れ、呼吸困難。薬物:ガバペンチン、サロテン、エソメプラゾール、及びジクロフェナク。遺伝的。朝食前に通常の用量で8週間摂取する。ミルメッド治療以来、アレルギーの知覚された改善:1~10の等級では自分を10のうち5と評価し、全身の健康の知覚された改善:1~10の等級では自分を10のうち5と評価した。
【0177】
患者5:男性、63歳、非喫煙者であるが、嗅ぎタバコの使用者。小児期の徴候:湿疹。アレルギーの病歴:花粉、ほこり、猫、香り。季節性、4月~7月。症状:アレルギー性鼻炎、くしゃみ、鼻詰り、嗅覚の低下及び消失、目の発赤、かゆみ、腫れ及び流涙、嗄声、胸の喘鳴、緩い粘液と濃厚な粘液。薬物:エナラプリルSTADA。非遺伝的。朝食前に通常の用量で8週間摂取し、1週間逃した。アレルギーの知覚された改善:1~10の等級では自分を8と評価し、全身の健康の知覚された改善:1~10の等級では自分を8と評価し、ミルメッド治療以来、感染症、湿疹、皮膚の発疹、かゆみが少なくなった。
【0178】
患者6:女性、52歳、受動喫煙に曝露された非喫煙者。小児期の徴候:アレルギー性鼻炎、食物過敏症。アレルギーの病歴:花粉、ほこり、冷気。症状:アレルギー性鼻炎、くしゃみ(4月~8月)、目のかゆみ、発赤及び腫れ(5月~8月)。ほこり及び冷気、1月~12月。薬物:スマトリプタン、片頭痛薬。遺伝的。朝食前に通常の用量で8週間摂取する。アレルギーの知覚された改善:1~10の等級では自分を10のうち7と評価し、全身の健康の知覚された改善:1~10の等級では自分を10のうち7と評価し、ミルメッド治療以来、より敏感になり、風邪及び体の痛みが少なくなり、睡眠が良くなった。
【0179】
患者7:女性、46歳、非喫煙者。小児期の徴候:アレルギー性鼻炎、食物過敏症。アレルギーの病歴:花粉、草、犬、猫、馬、毛皮、ダニ、ほこり、冷気、身体的努力。症状:鼻詰り、くしゃみ、嗅覚障害(1月~12月)、目のかゆみ、流涙及び腫れ(4月~9月);胸の喘鳴、固い粘液、片息、呼吸困難、胸への圧迫(1月~12月)。非遺伝的。朝食前に通常の用量で8週間摂取する。アレルギーの知覚された改善:1~10の等級では自分を10のうち10と評価し、全身の健康の知覚された改善:1~10の等級では自分を10のうち9と評価し、ミルメッド治療以来、より敏感になり、風邪が少なくなり、睡眠が改善された。
【0180】
患者8:男性、30歳、非喫煙者であるが、嗅ぎタバコの使用者。小児期の徴候:喘息/気管支の問題、アレルギー性鼻炎。アレルギーの病歴:花粉、ほこり、冷気。季節性、4月~9月。症状:アレルギー性鼻炎、くしゃみ、鼻詰り、嗅覚の低下及び消失、目の発赤、かゆみ及び流涙、喉の炎症、咳、嗄声、胸の圧迫、片息、緩い粘液及び濃厚な粘液。薬物:抗ヒスタミン剤。非遺伝的。朝食前に通常の用量で10週間摂取する。アレルギーの知覚された改善:1~10の等級では自分を10と評価し、全身の健康の知覚された改善:1~10の等級では自分を10と評価し、ミルメッド治療以来、より敏感になり、風邪が少なくなった。
【国際調査報告】