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特表2022-550557肩プロテーゼコンポーネント及び肩プロテーゼ組立体
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-02
(54)【発明の名称】肩プロテーゼコンポーネント及び肩プロテーゼ組立体
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/40 20060101AFI20221125BHJP
【FI】
A61F2/40
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022520122
(86)(22)【出願日】2020-09-30
(85)【翻訳文提出日】2022-03-30
(86)【国際出願番号】 US2020053629
(87)【国際公開番号】W WO2021067497
(87)【国際公開日】2021-04-08
(31)【優先権主張番号】62/908,725
(32)【優先日】2019-10-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516058229
【氏名又は名称】ハウメディカ オステオニクス コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】Howmedica Osteonics Corp.
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ノックス,ケビン・ピィ
(72)【発明者】
【氏名】スタンプ,デイビッド・アール
(72)【発明者】
【氏名】ウルフ,アレクサンダー・ポール
(72)【発明者】
【氏名】シュラム,アン・マリー
(72)【発明者】
【氏名】シャイベル,マルクス
(72)【発明者】
【氏名】ボイロー,パスカル
(72)【発明者】
【氏名】アスワル,ジョージ・エス
(72)【発明者】
【氏名】ウォルチ,ジャイルス
(72)【発明者】
【氏名】ワーナー,ジョン・ジェイピィ
(72)【発明者】
【氏名】コリン,フィリップ
(72)【発明者】
【氏名】キーナー,ジェイ・ディ
(72)【発明者】
【氏名】タシュジアン,ロバート・ゼット
(72)【発明者】
【氏名】チャーチル,アール・ショーン
(72)【発明者】
【氏名】マッチラー,オースティン・ワイアット
【テーマコード(参考)】
4C097
【Fターム(参考)】
4C097AA11
4C097BB01
4C097BB09
4C097CC01
4C097CC05
4C097CC13
4C097CC16
4C097FF05
4C097SC01
4C097SC03
4C097SC08
4C097SC09
4C097SC10
(57)【要約】
本明細書に開示される様々な実施形態は、肩関節形成術の処置で使用するためのステム付き及びステムレス上腕骨アンカー(203)に関する。例えば、上腕骨アンカーは、第1の端部と、第2の端部と、第1の端部と第2の端部との間に延在する内面とを含むことができる。内面は、第1の端部と第2の端部との間に配置された凹部(231)の周りに配置され得る。凹部は、肩関節体の結合部を内面に直接固定するように構成することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上腕骨アンカーであって、
前記上腕骨アンカーの遠位端から近位に延在する遠位部であって、前記遠位部は、移植されたときに上腕骨の骨幹端の一部を占めるように構成されている、前記遠位部と、
前記上腕骨アンカーの近位端から遠位に延在する近位部と、
前記上腕骨アンカーの前記近位端から前記近位部に遠位に延在する凹部と、
前記上腕骨アンカーの前記近位端に隣接する前記凹部の周りに配置された内周面であって、前記内周面は、
前記内周面に配置された凹型ロック機構と、
前記内周面に配置された凸型ロック機構であって、前記凹型ロック機構が前記凸型ロック機構から間隔を空けられている、前記凸型ロック機構と
を含む前記内周面と
を含む、前記上腕骨アンカー。
【請求項2】
前記凹型ロック機構は、第1の凹型ロック機構と、前記第1の凹型ロック機構に向かい合って配置された第2の凹型ロック機構とを含む、請求項1に記載の上腕骨アンカー。
【請求項3】
前記第1の凹型ロック機構及び前記第2の凹型ロック機構は、それぞれ前記上腕骨アンカーの内側部及び外側部に配置されている、請求項2に記載の上腕骨アンカー。
【請求項4】
前記凸型ロック機構は、第1の凸型ロック機構と、前記第1の凸型ロック機構に向かい合って配置された第2の凸型ロック機構とを含む、請求項2に記載の上腕骨アンカー。
【請求項5】
前記第1の凸型ロック機構及び前記第2の凸型ロック機構は、それぞれ前記上腕骨アンカーの前部及び後部に配置されている、請求項4に記載の上腕骨アンカー。
【請求項6】
前記凹型ロック機構は、凹状の関節面を含む関節体に締り嵌めを提供するように構成される、請求項1に記載の上腕骨アンカー。
【請求項7】
前記凸型ロック機構は、前記凹部に向かって突出する細長いフィンを含む、請求項1に記載の上腕骨アンカー。
【請求項8】
前記上腕骨アンカーは、ステムレス上腕骨アンカーを含む、請求項1に記載の上腕骨アンカー。
【請求項9】
前記遠位部は、第1の区分と、前記第1の区分の遠位にある第2の区分とを含み、前記第2の区分は、前記第1の区分から遠位に延在するフィンを含む、請求項8に記載の上腕骨アンカー。
【請求項10】
前記第2の区分は、前記第1の区分から遠位に延在する複数のフィンを含む、請求項9に記載の上腕骨アンカー。
【請求項11】
前記第1の区分は、前記凹部の遠位にある第2の凹部を含む、請求項9に記載の上腕骨アンカー。
【請求項12】
前記上腕骨アンカーの前記遠位端から延在するステムをさらに含む、請求項1に記載の上腕骨アンカー。
【請求項13】
上腕骨アンカーであって、
前記上腕骨アンカーの遠位端から近位に延在する遠位部であって、前記遠位部は、移植されたときに上腕骨の骨幹端の一部を占めるように構成されている、前記遠位部と、
前記上腕骨アンカーの近位端から遠位に延在し、前記上腕骨アンカーが配置される上腕骨の骨幹端の体積の少なくとも大部分を占めるように拡張された外表面を有する近位部であって、前記近位部は、上腕骨骨幹端の外側部の皮質壁に隣接して配置されるように構成された外側側面と、前記上腕骨幹端の内側側面の皮質壁から間隔を開けられるように構成された内側側面とを有する、前記近位部と、
前記上腕骨アンカーの前記近位端に配置された骨圧縮面であって、前記骨圧縮面は、前記近位部の前記内側側面の周りに配置され、上腕骨に移植されたときに、前記近位部の前記内側側面から前記上腕骨骨幹端の前記内側側面の前記皮質壁まで延在するように構成される、前記骨圧縮面と
を含む、前記上腕骨アンカー。
【請求項14】
前記骨圧縮面は、前記上腕骨アンカーの前記近位部の前記近位端から外側へ延在するフランジを含む、請求項13に記載の上腕骨アンカー。
【請求項15】
前記フランジは、前記近位部の前記外側側面の半径に対応する半径を有する円形外周面を含む、請求項14に記載の上腕骨アンカー。
【請求項16】
前記上腕骨アンカーの近位面に配置された環状表面をさらに含み、前記フランジは、近位面の前記環状表面の一部を含む、請求項14に記載の上腕骨アンカー。
【請求項17】
前記上腕骨アンカーの前記近位面に配置された前記環状表面の上またはその中に形成された回転配向目印をさらに含む、請求項14に記載の上腕骨アンカー。
【請求項18】
前記上腕骨アンカーの前記近位端から前記近位部に遠位に延在する凹部と、前記上腕骨アンカーの前記近位端に隣接する前記凹部の周りに配置された内周面とをさらに含み、前記内周面は、前記内周面に配置されたロック機構を含み、前記ロック機構は、前記骨圧縮面と位置合わせされている、請求項13に記載の上腕骨アンカー。
【請求項19】
肩プロテーゼ用のキットであって、前記キットは、
第1のステムレス上腕骨アンカーであって、
移植されたときに上腕骨の骨幹端の一部を占めるように構成された第1の遠位部と、
前記第1の遠位部の近位端から前記第1の上腕骨アンカーの近位端まで近位に延在する第1の近位部と、
前記第1の上腕骨アンカーの前記近位端から前記第1の近位部に延在する第1の凹部と、
遠位方向に延在する第1のフィンであって、前記第1のフィンは、前記第1の遠位部から前記第1の上腕骨アンカーの遠位端まで遠位に延在し、前記第1の上腕骨アンカーの前記近位端と前記遠位端との間に第1の高さが定められる、前記第1のフィンとを含む、前記第1のステムレス上腕骨アンカーと、
第2のステムレス上腕骨アンカーであって、
移植されたときに上腕骨の骨幹端の一部を占めるように構成された第2の遠位部と、
前記第2の遠位部の近位端から前記第2の上腕骨アンカーの近位端まで近位に延在する第2の近位部と、
前記第2の上腕骨アンカーの前記近位端から前記第2の近位部に延在する第2の凹部と、
遠位方向に延在する第2のフィンであって、前記第2のフィンは、前記第2の遠位部から前記第2の上腕骨アンカーの遠位端まで遠位に延在し、前記第2の上腕骨アンカーの前記近位端と前記遠位端との間に第2の高さが定められる、前記第2のフィンとを含む、前記第2のステムレス上腕骨アンカーとを含み、
前記第2の高さの前記第1の高さに対する比が、1.15~2.5の範囲である、
前記キット。
【請求項20】
アンカー主部と、前記アンカー主部から遠位に延在するステムとを有する第1のステム付き上腕骨アンカーをさらに含む、請求項19に記載のキット。
【請求項21】
前記第1の上腕骨アンカー及び前記第2の上腕骨アンカーに接続するように構成された1つ以上の関節コンポーネントをさらに含む、請求項19に記載のキット。
【請求項22】
前記1つ以上の関節コンポーネントは、患者の関節窩面に係合するように構成された丸みを帯びた凸状の表面を有する解剖学的関節コンポーネントを含む、請求項21に記載のキット。
【請求項23】
前記1つ以上の関節コンポーネントは、丸みを帯びた凹状の表面を有するリバース型関節体を含む、請求項21に記載のキット。
【請求項24】
上腕骨アンカーであって、
前記上腕骨アンカーの第1の端部と第2の位置との間の第1の凹部の周りに配置され、前記第2の位置と第3の位置との間の第2の凹部の周りに配置された内面であって、前記第1の凹部と前記第2の凹部とは異なる容積を有する、前記内面と、
遠位方向に延在するフィンであって、前記フィンは、前記上腕骨アンカーの前記第3の位置から第2の端部まで遠位に延在し、前記フィンは、前記上腕骨アンカーの全高の少なくとも10%であるフィン高を有する、前記フィンと
を含む、前記上腕骨アンカー。
【請求項25】
前記第3の位置から前記第2の端部まで遠位に延在する複数の遠位方向に延在するフィンをさらに含む、請求項24に記載の上腕骨アンカー。
【請求項26】
前記複数のフィンは、前記アンカーの下方向に沿って延在する第1のフィンと、上方向と前方向及び後方向の一方とに沿って延在する方向成分を有する第2のフィンとを含む、請求項25に記載の上腕骨アンカー。
【請求項27】
前記上腕骨アンカーの前記第1の端部に隣接する前記第1の凹部の周りに配置された内周面をさらに含み、前記内周面は、
前記内周面に配置された凹型ロック機構と、
前記内周面に配置された凸型ロック機構であって、前記凹型ロック機構が前記凸型ロック機構から間隔を空けられている、前記凸型ロック機構と
を含む、請求項24に記載の上腕骨アンカー。
【請求項28】
肩プロテーゼを患者に移植する方法であって、前記肩プロテーゼは、アンカー主部と、前記アンカー主部から遠位に延在する複数のフィンとを有するステムレス上腕骨アンカーを含み、前記方法は、
前記上腕骨に空洞を形成するために前記患者の上腕骨の一部を取り除くことと、
前記複数のフィンのうちの第1のフィンが、下方向に沿って配向され、前記複数のフィンのうちの第2のフィンが、上方向と前方向及び後方向の一方とに沿った方向成分を有するように配向されるように、前記ステムレス上腕骨アンカーを前記上腕骨に対して配向させることと、
前記ステムレス上腕骨アンカーを前記上腕骨の前記空洞に挿入することと
を含む、前記方法。
【請求項29】
前記第2のフィンが、前記上方向及び前記前方向に沿った方向成分を有するように配向されるように、前記ステムレス上腕骨アンカーを前記上腕骨に対して配向させることをさらに含み、前記方法は、前記複数のフィンのうちの第3のフィンが、前記上方向及び前記後方向に沿った方向成分を有するように配向されるように、前記ステムレス上腕骨アンカーを前記上腕骨に対して配向させることをさらに含む、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記第1のフィン及び前記第2のフィンは、互いに対して第1の角度で角度が付けられており、前記第2のフィン及び前記第3のフィンは、互いに対して前記第1の角度に等しい第2の角度で角度が付けられている、請求項28に記載の方法。
【請求項31】
前記上腕骨の前記一部を取り除くよりも前に、前記上腕骨を切除して切除面を形成することをさらに含む、請求項28に記載の方法。
【請求項32】
前記上腕骨の前記一部を取り除くことは、前記上腕骨をリーマー加工して前記空洞を形成することを含む、請求項28に記載の方法。
【請求項33】
前記空洞の遠位にあり、前記空洞と比較してより小さい直径を有する第2の空洞を穿設することをさらに含む、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
関節体を前記ステムレス上腕骨アンカーに接続することをさらに含む、請求項28に記載の方法。
【請求項35】
上腕骨アンカーであって、
前記上腕骨アンカーの遠位端から近位に延在する遠位部であって、前記遠位部は前記上腕骨アンカーの長手軸に沿って延在し、前記遠位部は前記上腕骨アンカーの前記遠位端に向かって前記長手軸に沿って内向きにテーパーを付けられている、前記遠位部と、
前記上腕骨アンカーの近位端から遠位に延在する近位部と、
前記上腕骨アンカーの前記近位端から前記近位部に遠位に延在する凹部と、
前記上腕骨アンカーの前記近位端に隣接する前記凹部の周りに配置された内周面であって、前記内周面は、
前記内周面に配置された凹型ロック機構と、
前記内周面に配置された凸型ロック機構であって、前記凹型ロック機構が前記凸型ロック機構から間隔を空けられている、前記凸型ロック機構と
を含む前記内周面と
を含む、前記上腕骨アンカー。
【請求項36】
前記凹型ロック機構は、第1の凹型ロック機構と、前記第1の凹型ロック機構に向かい合って配置された第2の凹型ロック機構とを含む、請求項35に記載の上腕骨アンカー。
【請求項37】
前記第1の凹型ロック機構及び前記第2の凹型ロック機構は、それぞれ前記上腕骨アンカーの内側部及び外側部に配置されている、請求項36に記載の上腕骨アンカー。
【請求項38】
前記凸型ロック機構は、第1の凸型ロック機構を含み、前記第1の凸型ロック機構に向かい合って配置された第2の凸型ロック機構をさらに含む、請求項35に記載の上腕骨アンカー。
【請求項39】
前記第1の凸型ロック機構及び前記第2の凸型ロック機構は、それぞれ前記上腕骨アンカーの前部及び後部に配置されている、請求項38に記載の上腕骨アンカー。
【請求項40】
前記凹型ロック機構は、凹状の関節面を含む関節体に締り嵌めを提供するように構成される、請求項35に記載の上腕骨アンカー。
【請求項41】
前記凸型ロック機構は、前記凹部に向かって突出する細長いフィンを含む、請求項35に記載の上腕骨アンカー。
【請求項42】
上腕骨アンカーであって、
前記上腕骨アンカーの遠位端から近位に延在する遠位部であって、前記遠位部は、前記上腕骨アンカーの長手軸に沿って延在する、前記遠位部と、
前記上腕骨アンカーの近位端から遠位に延在し、前記上腕骨アンカーが配置される上腕骨の骨幹端の体積の少なくとも大部分を占めるように拡張された外表面を有する近位部であって、前記近位部は、上腕骨骨幹端の外側部の皮質壁に隣接して配置されるように構成された外側側面と、前記上腕骨幹端の内側側面の皮質壁から間隔を開けられるように構成された内側側面とを有する、前記近位部と、
前記上腕骨アンカーの前記近位端に隣接して配置された骨圧縮面であって、前記骨圧縮面は、前記近位部の前記内側側面のみの周りに配置され、上腕骨に移植されたときに、前記近位部の前記内側側面から前記上腕骨骨幹端の前記内側側面の前記皮質壁まで延在するように構成される、前記骨圧縮面と
を含む、前記上腕骨アンカー。
【請求項43】
前記骨圧縮面は、前記上腕骨アンカーの前記近位部の前記近位端から外側へ延在するフランジを含む、請求項42に記載の上腕骨アンカー。
【請求項44】
前記フランジは、前記近位部の前記外側側面の半径に対応する半径を有する円形外周面を含む、請求項43に記載の上腕骨アンカー。
【請求項45】
前記上腕骨アンカーの近位面に配置された環状表面をさらに含み、前記フランジは、近位面の前記環状表面の一部を含む、請求項43に記載の上腕骨アンカー。
【請求項46】
前記上腕骨アンカーの前記近位面に配置された前記環状表面の上またはその中に形成された回転配向目印をさらに含む、請求項43に記載の上腕骨アンカー。
【請求項47】
前記上腕骨アンカーの前記近位端から前記近位部に遠位に延在する凹部と、前記上腕骨アンカーの前記近位端に隣接する前記凹部の周りに配置された内周面とをさらに含み、前記内周面は、前記内周面に配置されたロック機構を含み、前記ロック機構は、前記骨圧縮面と位置合わせされている、請求項42に記載の上腕骨アンカー。
【請求項48】
上腕骨アンカーであって、
前記上腕骨アンカーの近位端から遠位に延在する拡張された外表面を有する近位部と、
前記上腕骨アンカーの前記近位部と遠位端との間に延在する遠位部であって、前記遠位部は、前記上腕骨アンカーの長手軸に沿って延在し、前記遠位部は、
前記遠位端に隣接する前記上腕骨アンカーの前記長手軸に沿った第1の位置にある円形周縁部と、
前記上腕骨アンカーの前記第1の位置と前記近位端との間に配置された第2の位置にある長円形周縁部と、
前記上腕骨アンカーの前記第2の位置と前記近位端との間に配置された前記第3の位置にある少なくとも部分的に多角形の周縁部とを含む、前記遠位部と、
前記少なくとも部分的に多角形の周縁部のエッジに配置された回転防止フィンと
を含む、前記上腕骨アンカー。
【請求項49】
1つ以上の円形周縁部が、前記遠位端から前記第1の位置までの前記上腕骨アンカーの長さに沿って配置される、請求項48に記載の上腕骨アンカー。
【請求項50】
前記長円形周縁部は、前-後方向の第1の寸法と、内側外側方向の第2の寸法とを含み、前記第2の寸法が前記第1の寸法よりも大きい、請求項48に記載の上腕骨アンカー。
【請求項51】
前記少なくとも部分的に多角形の周縁部は、外側に配向されるように構成された湾曲した凸状の側面と、前記凸状の側面の端部の間に配置された略前-後に配向された側面とを含む、請求項48に記載の上腕骨アンカー。
【請求項52】
前記回転防止フィンは、前記略前-後に配向された側面から内側方向に延在する突起を含む、請求項51に記載の上腕骨アンカー。
【請求項53】
前記少なくとも部分的に多角形の周縁部は、前記遠位部の長手軸に対してある角度で配向されかつ前記上腕骨アンカーの前記近位端に平行に配向された断面にある、請求項48に記載の上腕骨アンカー。
【請求項54】
前記上腕骨アンカーの前記第3の位置と前記近位端との間の第4の位置に配置された第2の少なくとも部分的に多角形の周縁部をさらに含み、前記第2の少なくとも部分的に多角形の周縁部に回転防止フィンが配置されている、請求項48に記載の上腕骨アンカー。
【請求項55】
前記回転防止フィンは、前記第3の位置にある前記少なくとも部分的に多角形の周縁部から、前記第4の位置にある前記第2の少なくとも部分的に多角形の周縁部まで連続的に延在する、請求項54に記載の上腕骨アンカー。
【請求項56】
骨アンカーインサーターであって、
第1の端部と、
前記第1の端部に向かい合う第2の端部と、
前記第1の端部と前記第2の端部との間の長手軸に沿って延在する細長い本体と、
前記第1の端部と前記第2の端部との間に配置されたハンドルであって、前記ハンドルが第1の構成と第2の構成とを有する、前記ハンドルと、
前記第2の端部に配置された骨アンカー接続部分であって、前記骨アンカー接続部分は、前記ハンドルの前記第1の構成に対応する骨アンカー保持構成と、前記ハンドルの前記第2の構成に対応する骨アンカー解放構成とを有する、前記骨アンカー接続部分と、
前記細長い本体と結合され、その前記長手軸に対して第1の角度で配置された第1の衝突ヘッドと、
前記細長い本体と結合され、その前記長手軸に対して第2の角度で配置された第2の衝突ヘッドとを含み、
前記第1の衝突ヘッドに加えられた力は、前記第1の骨アンカーの長手軸と一致する方向で第1の骨アンカーに衝撃力を向けて、前記第1の骨アンカーを骨に埋め込み、
前記第2の衝突ヘッドに加えられた力は、第2の骨アンカーに衝撃力を向け、前記第2の衝突ヘッドに加えられた前記衝撃力は、前記骨の切除面に垂直な方向に向けられて、前記第2の骨アンカーを前記骨に埋め込む、
前記骨アンカーインサーター。
【請求項57】
前記第1の衝突ヘッドは、前記第2の衝突ヘッドに対してある角度で配置されている、請求項56に記載の骨アンカーインサーター。
【請求項58】
前記第1の衝突ヘッドと前記第2の衝突ヘッドとの間に35度から65度の間の角度が付けられている、請求項57に記載の骨アンカーインサーター。
【請求項59】
前記ハンドルは前記細長い本体と枢動可能に結合されており、前記第1の構成及び前記第2の構成は、前記ハンドルを回転させることによって提供される、請求項56に記載の骨アンカーインサーター。
【請求項60】
前記骨アンカー保持構成での前記骨アンカー接続部分の配置及び保持を容易にするために、前記ハンドルと前記細長い本体との間に配置されるスプリングをさらに含む、請求項56に記載の骨アンカーインサーター。
【請求項61】
骨アンカーインサーターであって、
第1の端部と、
前記第1の端部に向かい合う第2の端部と、
前記第1の端部と前記第2の端部との間に長手軸に沿って延在する細長い本体と、
前記第2の端部に配置された骨アンカー接続部分であって、前記骨アンカー接続部分は、骨アンカー保持構成と、骨アンカー解放構成とを有する、前記骨アンカー接続部分と、
前記細長い本体と結合され、前記第2の端部に隣接し前記第1の端部に向かい合う前記細長い本体の端部に配置された衝突ヘッドとを含み、
前記衝突ヘッドに加えられた力は、骨アンカーのステム部分に衝撃力を向け、前記衝突ヘッドに加えられる前記衝撃力は、前記骨アンカーの長手軸と一致した方向に向けられて、髄管内に骨アンカーのステム部分を埋め込む、
前記骨アンカーインサーター。
【請求項62】
前記衝突ヘッドは、前記細長い本体の前記長手軸に対して鋭角に向けられる、請求項61に記載の骨アンカーインサーター。
【請求項63】
キットであって、
第1の部分が切除面と、前記切除面と骨の髄管との間に配置された前記骨の連続的な広がりとの間に配置されるように、骨幹端部に前進するように構成された前記第1の部分を含むステムレス骨アンカーであって、前記ステムレス骨アンカーは、前記第1の部分に向かい合う第2の部分を含み、前記第2の部分はインサーター接続部分を含む、前記ステムレス骨アンカーと、
第1の部分と前記第1の部分に向かい合う第2の部分とを含む骨アンカーであって、前記第1の部分は、骨幹部と前記骨の髄管及び第2の部分とに前進するように構成されたステムを含み、前記第2の部分はインサーター接続部分を含む、前記骨アンカーと、
骨アンカー接続部分を備えたインサーターであって、前記骨アンカー接続部分は、前記ステムレス骨アンカーの前記インサーター接続部分、または前記ステムを含む前記骨アンカーの前記インサーター接続部分と係合されるように構成される、前記インサーターと、
を含む、前記キット。
【請求項64】
前記インサーターは、前記骨アンカー接続部分と、前記骨アンカー接続部分と向かい合う前記インサーターの端部との間に配置された衝突ヘッドをさらに含み、前記衝突ヘッドは、前記衝突ヘッドに加えられた衝撃力を、前記ステムを含む骨アンカーに伝達して、前記ステムを骨の髄管に埋め込むように構成される、請求項63に記載のキット。
【請求項65】
前記衝突ヘッドは、第1の衝突ヘッドであり、第2の衝突ヘッドに対してある角度で配置された前記第2の衝突ヘッドをさらに備える、請求項64に記載のキット。
【請求項66】
前記第1の衝突ヘッドと前記第2の衝突ヘッドとの間の角度は45度である、請求項65に記載のキット。
【請求項67】
前記第1の衝突ヘッドと前記第2の衝突ヘッドとの間の角度は35度から65度の間である、請求項65に記載のキット。
【請求項68】
前記インサーターは、互いに第1の角度で配置された第1の衝突ヘッド及び第2の衝突ヘッドを含み、
骨アンカー接続部分を備えた第2のインサーターであって、前記骨アンカー接続部分は、前記ステムレス骨アンカーの前記インサーター接続部分、または前記ステムを含む前記骨アンカーの前記インサーター接続部分と係合されるように構成され、前記第2のインサーターは、互いに第2の角度で配置された第1の衝突ヘッド及び第2の衝突ヘッドを含む、前記第2のインサーターをさらに含む、請求項63に記載のキット。
【請求項69】
前記第1の角度及び前記第2の角度のそれぞれは、35度から65度の間である、請求項68に記載のキット。
【請求項70】
ステムレス骨係合部分を含む第1の骨アンカーを提供することであって、第2の骨アンカーがステムを含み、前記第1の骨アンカー及び前記第2の骨アンカーそれぞれがインサーター接続部分を含み、インサーターが、前記第1の骨アンカーまたは前記第2の骨アンカーのいずれかの前記インサーター接続部分と係合するように構成された骨アンカー接続部分を含む、前記提供することと、
前記インサーターの前記骨アンカー接続部分を前記第1の骨アンカーの前記インサーター接続部分と係合させることと、
骨の切除時に露出した骨物質内に前記第1の骨アンカーを前進させることと、
前記インサーターの前記骨アンカー接続部分を前記第2の骨アンカーの前記インサーター接続部分と係合させることと、
前記骨の前記切除時に前記第2の骨アンカーを骨物質内に前進させて、前記第2の骨アンカーの前記ステムを前記骨の髄管に配置することと
を含む、方法。
【請求項71】
前記第2の骨アンカーを骨物質内に前進させることは、前記第2の骨アンカーと一致した力を加えて前記ステムを前記骨に埋め込むために、前記インサーターの衝突ヘッドに力を加えることをさらに含む、請求項70に記載の方法。
【請求項72】
前記衝突ヘッドは第1の衝突ヘッドであり、前記第1の骨アンカーを骨物質内に前進させることは、前記骨の前記切除部に垂直な力を加えるために、前記インサーターの第2の衝突ヘッドに力を加えることをさらに含む、請求項71に記載の方法。
【請求項73】
前記第1の骨アンカーを骨物質内に前進させることは、前記骨の前記切除に垂直な力を加えるために、前記インサーターの衝突ヘッドに力を加えることをさらに含む、請求項70に記載の方法。
【請求項74】
前記インサーターは第1のインサーターであり、第2のインサーターを提供することをさらに含み、前記第1のインサーター及び前記第2のインサーターそれぞれは、ステム付きアンカー衝突ヘッドとステムレスアンカー衝突ヘッドとを有し、前記第1のインサーターは、前記ステム付きアンカー衝突ヘッドとその前記ステムレスアンカー衝突ヘッドとの間に第1の角度を有し、前記第2のインサーターは、前記ステム付きアンカー衝突ヘッドとその前記ステムレスアンカー衝突ヘッドとの間に第2の角度を有し、前記第2の角度は前記第1の角度とは異なり、前記骨に切除が形成される角度に基づいて、前記第1のインサーターまたは前記第2のインサーターのうちの1つを選択することをさらに含む、請求項70に記載の方法。
【請求項75】
前記第1の角度及び前記第2の角度は、35度から65度の間である、請求項74に記載の方法。
【請求項76】
骨を取り除くためのデバイスであって、前記デバイスは、
近位端及び遠位端と、
前記デバイスの前記近位端にあるドライブシャフトであって、前記ドライブシャフトはドライブシャフト軸の周りで回転可能である、前記ドライブシャフトと、
骨を取り除くために前記ドライブシャフト軸の周りで回転可能なリーマーヘッドであって、前記リーマーヘッドは、
複数の径方向アームを含む遠位部であって、前記複数の径方向アームのそれぞれは、側方切刃を含む、前記遠位部と、
遠位対面切刃を含む近位部と
を含む、前記リーマーヘッドと
を含む、前記デバイス。
【請求項77】
前記複数の径方向アームのそれぞれは、第1の平坦面と、前記第1の平坦面と向かい合う第2の平坦面とを含み、前記第1の平坦面と前記第2の平坦面とが厚みで分離されている、請求項76に記載のデバイス。
【請求項78】
半径方向に測定された前記第1の平坦面及び前記第2の平坦面のそれぞれの幅が、前記厚みよりも大きい、請求項77に記載のデバイス。
【請求項79】
前記複数のアームのそれぞれは、近位区分及び遠位区分を含み、前記近位区分は前記遠位区分の半径方向外側へ突出する、請求項76に記載のデバイス。
【請求項80】
ガイドピンを受け入れるように構成されたガイドチャネルをさらに含み、前記複数の径方向アームのそれぞれは、前記ガイドチャネルから半径方向外側へ延在する、請求項76に記載のデバイス。
【請求項81】
前記近位部は、前記リーマーヘッドの挿入深度を制御するように構成された深さ停止部を含み、前記深さ停止部は、前記遠位対面切刃の近位にあり、半径方向外側へ延在する、請求項76に記載のデバイス。
【請求項82】
前記遠位対面切刃は、前記複数の径方向アームの半径方向外側に配置される、請求項76に記載のデバイス。
【請求項83】
前記遠位対面切刃は、前記リーマーヘッドの前記近位部の周りに円周方向に延在する、請求項76に記載のデバイス。
【請求項84】
前記遠位対面切刃は、複数の切削歯を含む、請求項76に記載のデバイス。
【請求項85】
前記リーマーヘッドの前記近位部は、前記リーマーヘッドの近位面に複数の開口部を含む、請求項76に記載のデバイス。
【請求項86】
骨を取り除くためのデバイスであって、前記デバイスは、
第1の端部及び第2の端部と、
前記デバイスの前記第1の端部にあるドライブシャフトであって、前記ドライブシャフトはドライブシャフト軸の周りで回転可能である、前記ドライブシャフトと、
骨を取り除くために前記ドライブシャフト軸の周りで回転可能なリーマーヘッドであって、前記リーマーヘッドは、
外側に面した切刃を含む内側部分であって、前記内側部分は、前記骨に第1の空洞部分を形成するように構成され、第2の空洞部分は、前記第1の空洞部分よりも深く、前記第1の空洞部分と前記第2の空洞部分との間に段付き部がある、前記内側部分と、
前記内側部分の半径方向外側に配置された外側部分であって、前記外側部分は遠位対面切刃を含み、前記外側部分は、前記第1の空洞部分の近位にあり、少なくとも部分的に前記第1の空洞部分を取り囲む凹状表面を形成するように構成される、前記外側部分と
を含む、前記リーマーヘッドと
を含む、前記デバイス。
【請求項87】
前記遠位対面切刃の外形は、前記外側に面した切刃の外形とは異なる、請求項86に記載のデバイス。
【請求項88】
前記第2の切刃は、複数の切削歯を含む、請求項86に記載のデバイス。
【請求項89】
ガイドピンを受け入れるように構成されたガイドチャネルをさらに含む、請求項86に記載のデバイス。
【請求項90】
前記リーマーヘッドは、前記リーマーヘッドの挿入深度を制御するように構成された深さ停止部をさらに含み、前記深さ停止部は、前記遠位対面切刃の近位にあり、半径方向外側へ延在する、請求項86に記載のデバイス。
【請求項91】
骨を取り除く方法であって、
リーマーを骨の端部に向かって前進させることであって、前記リーマーは、ドライブシャフトとリーマー加工ヘッドとを含む、前記前進させることと、
前記ドライブシャフトの駆動軸を中心に前記リーマーを駆動することと、
前記リーマー加工ヘッドで前記骨に空洞を形成することであって、前記空洞は、
第1の空洞部分と、
前記第1の空洞部分よりも前記骨のより深い深さまで延在する第2の空洞部分と、
前記第1の空洞部分と前記第2の空洞部分との間の段付き部と
を含む、前記形成することと、
前記リーマー加工ヘッドで前記骨の切除面の下に凹状表面を形成することであって、前記凹状表面は少なくとも部分的に前記第1の空洞部分を取り囲む、前記形成することと、
インプラントのアンカー構造を前記骨の前記空洞に配置することと、
前記インプラントのカラーを前記骨の前記凹状表面に配置することと
を含む、前記方法。
【請求項92】
前記骨に前記空洞を形成すること及び前記凹状表面を形成することが同時に行われる、請求項91に記載の方法。
【請求項93】
前記骨に前記空洞を形成すること及び前記凹状表面を形成することが連続して行われる、請求項91に記載の方法。
【請求項94】
前記骨に前記空洞を形成した後、前記骨に前記凹状表面を形成する、請求項91に記載の方法。
【請求項95】
前記リーマーを前進させることは、ガイドピンに沿って前記リーマーを前進させることを含む、請求項91に記載の方法。
【請求項96】
深さ停止部が前記骨の前記切除面に接触するまで、前記骨に前記凹状表面を形成することをさらに含む、請求項91に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権主張出願への参照による援用
本出願と共に提出された出願データシートに外国または国内の優先権の主張が規定されているあらゆる出願は、連邦規則法典第37巻、規則1.57の下に、参照により本出願に援用されるものとする。
【背景技術】
【0002】
本出願は、リバース型肩プロテーゼ及び/または解剖学的肩プロテーゼのための装置及び方法に関する。
【0003】
関連技術の説明
関節形成術は、肩関節炎処置のための標準治療である。典型的な解剖学的肩関節置換術は、解剖学的状態を再現しようとするものである。金属製の上腕骨ステムと上腕骨頭の代替物とが腕の上腕骨に取り付けられ、関節炎にかかった肩関節の上腕骨側を置き換える。このような上腕骨頭の代替物は、本来の関節窩の受け皿と、または対向する関節窩表面再建デバイスと、関節結合を成し得る。
【0004】
より重症例の場合は、リバース型再建術を用いることができる。リバース型の再建術では、球状のデバイス(関節窩球と呼ばれることもある)を関節窩に固定し、この関節窩球を受け入れることができる窩をもつ上腕骨インプラントを移植することにより、肩関節の運動学的特性が反転される。
【0005】
治療法によっては、臨床医は、解剖学的肩再建及び逆解剖学的肩再建されたものを移植するための多くの異なるコンポーネント及びツールを含むキットを用いる場合がある。多数のツールを使用すると、治療手順のコストが増加する可能性があり、手順を不必要に複雑化させ得る。したがって、肩プロテーゼコンポーネント及び肩プロテーゼ組立体の改善が継続的に求められている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
上腕骨へのアンカーの埋め込みを(ステムレスアンカーかステム付きアンカーかにかかわらず)より強固にするために、上腕骨コンポーネント、キット、組立体、及び方法の改善が必要とされている。本明細書に開示される様々な実施形態は、細長い遠位フィンを有し、骨充填機能を果たす、改善されたステムレス上腕骨アンカーに関する。さらに、上腕骨アンカーの個数及び/またはアンカーを埋め込むために使用されるツールの個数を減らすキットを利用することが望ましい場合がある。本明細書に開示される様々な実施形態は、臨床医が、ステムレスアンカー及びステム付きアンカーを埋め込むため、ならびに解剖学的再建及び逆解剖学的再建の両方を行うための共用ツールセットを使用できるように、ステムレス及びステム付き上腕骨アンカー用の共用ツール類接続部分を提供するキット及びシステムに関する。
【0007】
一実施形態では、上腕骨アンカーが開示されている。本上腕骨アンカーは、上腕骨アンカーの遠位端から近位に延在する遠位部であって、遠位部は、移植されたときに上腕骨の骨幹端の一部を占めるように構成されている、遠位部を含むことができる。上腕骨アンカーは、上腕骨アンカーの近位端から遠位に延在する近位部を含み得る。上腕骨アンカーは、上腕骨アンカーの近位端から近位部に遠位に延在する凹部を含み得る。上腕骨アンカーは、上腕骨アンカーの近位端に隣接する凹部の周りに配置された内周面を含み得る。内周面は、内周面に配置された凹型ロック機構を含み得る。内周面は、内周面に配置された凸型ロック機構であって、凹型ロック機構が凸型ロック機構から間隔を空けられている、凸型ロック機構を含み得る。
【0008】
いくつかの実施形態では、凹型ロック機構は、第1の凹型ロック機構と、第1の凹型ロック機構に向かい合って配置された第2の凹型ロック機構とを含み得る。第1の凹型ロック機構及び第2の凹型ロック機構は、それぞれ上腕骨アンカーの内側部及び外側部に配置され得る。凸型ロック機構は、第1の凸型ロック機構と、第1の凸型ロック機構に向かい合って配置された第2の凸型ロック機構とを含み得る。第1の凸型ロック機構及び第2の凸型ロック機構は、それぞれ上腕骨アンカーの前部及び後部に配置され得る。凹型ロック機構は、凹状の関節面を含む関節体に締り嵌めを提供するように構成され得る。凸型ロック機構は、凹部に向かって突出する細長いフィンを含み得る。上腕骨アンカーは、ステムレス上腕骨アンカーを含み得る。遠位部は、第1の区分と、第1の区分の遠位にある第2の区分とを含み、第2の区分は、第1の区分から遠位に延在するフィンを含むことができる。第2の区分は、第1の区分から遠位に延在する複数のフィンを含み得る。第1の区分は、凹部の遠位にある第2の凹部を含み得る。上腕骨アンカーの遠位端からステムが延在し得る。
【0009】
別の実施形態では、上腕骨アンカーが開示される。上腕骨アンカーは、上腕骨アンカーの遠位端から近位に延在する遠位部であって、遠位部は、移植されたときに上腕骨の骨幹端の一部を占めるように構成されている、遠位部を含み得る。上腕骨アンカーは、上腕骨アンカーの近位端から遠位に延在し、上腕骨アンカーが配置される上腕骨の骨幹端の体積の少なくとも大部分を占めるように拡張された外表面を有する近位部を含み得る。近位部は、上腕骨骨幹端の外側部の皮質壁に隣接して配置されるように構成された外側側面と、上腕骨幹端の内側側面の皮質壁から間隔を開けるように構成された内側側面とを有し得る。上腕骨アンカーは、上腕骨アンカーの近位端に配置された骨圧縮面であって、骨圧縮面は、近位部の内側側面の周りに配置され、上腕骨に移植されたときに、近位部の内側側面から上腕骨骨幹端の内側側面の皮質壁まで延在するように構成される、骨圧縮面を含み得る。
【0010】
いくつかの実施形態では、骨圧縮面は、上腕骨アンカーの近位部の近位端から外側へ延在するフランジを含み得る。フランジは、近位部の外側側面の半径に対応する半径を有する円形外周面を含み得る。上腕骨アンカーの近位面に環状表面が配置され得、フランジは、近位面の環状表面の一部を含む。回転配向目印が上腕骨アンカーの近位面に配置された環状表面の上またはその中に形成され得る。凹部が、上腕骨アンカーの近位端から近位部に遠位に延在し得、上腕骨アンカーの近位端に隣接する凹部の周りに配置された内周面と、を含み、内周面は、内周面に配置されたロック機構を含み、ロック機構は、骨圧縮面と位置合わせされている。
【0011】
別の実施形態では、肩プロテーゼ用のキットが開示される。キットは、移植されたときに上腕骨の骨幹端の一部を占めるように構成された第1の遠位部を含む第1のステムレス上腕骨アンカーを含み得る。第1のステムレス上腕骨アンカーは、第1の遠位部の近位端から第1の上腕骨アンカーの近位端まで近位に延在する第1の近位部を含み得る。第1のステムレス上腕骨アンカーは、第1の上腕骨アンカーの近位端から第1の近位部に延在する第1の凹部を含み得る。第1のステムレス上腕骨アンカーは、遠位方向に延在する第1のフィンであって、第1のフィンは、第1の遠位部から第1の上腕骨アンカーの遠位端まで遠位に延在し、第1の上腕骨アンカーの近位端と遠位端との間に第1の高さが定められる、第1のフィンを含み得る。キットは移植されたときに上腕骨の骨幹端の一部を占めるように構成された第2の遠位部を含む、第2のステムレス上腕骨アンカーを含み得る。第2のステムレス上腕骨アンカーは、第2の遠位部の近位端から第2の上腕骨アンカーの近位端まで近位に延在する第2の近位部を含み得る。第2のステムレス上腕骨アンカーは、第2の上腕骨アンカーの近位端から第2の近位部に延在する第2の凹部を含み得る。第2のステムレス上腕骨アンカーは、遠位方向に延在する第2のフィンであって、第2のフィンは、第2の遠位部から第2の上腕骨アンカーの遠位端まで遠位に延在し、第2の上腕骨アンカーの近位端と遠位端との間に第2の高さが定められる、第2のフィンを含み得る。第2の高さの第1の高さに対する比が、1.15~2.5の範囲であり得る。
【0012】
いくつかの実施形態では、キットは、アンカー主部と、アンカー主部から遠位に延在するステムとを有する第1のステム付き上腕骨アンカーを含み得る。キットは、第1の上腕骨アンカー及び第2の上腕骨アンカーに接続するように構成された1つ以上の関節コンポーネントを含み得る。1つ以上の関節コンポーネントは、患者の関節窩面に係合するように構成された丸みを帯びた凸状の表面を有する解剖学的関節コンポーネントを含み得る。1つ以上の関節コンポーネントは、丸みを帯びた凹状の表面を有するリバース型関節体を含み得る。
【0013】
別の実施形態では、上腕骨アンカーが開示される。上腕骨アンカーは、上腕骨アンカーの第1の端部と第2の位置との間の第1の凹部の周りに配置され、第2の位置と第3の位置との間の第2の凹部の周りに配置された内面であって、第1の凹部と第2の凹部とは異なる容積を有する、内面を含み得る。上腕骨アンカーは、遠位方向に延在するフィンであって、フィンは、上腕骨アンカーの第3の位置から第2の端部まで遠位に延在し、フィンは、上腕骨アンカーの全高の少なくとも10%であるフィン高を有する、フィンを含み得る。
【0014】
いくつかの実施形態では、上腕骨アンカーは、第3の位置から第2の端部まで遠位に延在する複数の遠位方向に延在するフィンを含み得る。複数のフィンは、アンカーの下方向に沿って延在する第1のフィンと、上方向と前方向及び後方向の一方とに沿って延在する方向成分を有する第2のフィンとを含み得る。上腕骨アンカーは、上腕骨アンカーの第1の端部に隣接する第1の凹部の周りに配置された内周面を含み得る。内周面は、内周面に配置された凹型ロック機構を含み得る。内周面は、内周面に配置された凸型ロック機構であって、凹型ロック機構が凸型ロック機構から間隔を空けられている、凸型ロック機構を含み得る。
【0015】
別の実施形態では、肩プロテーゼを患者に移植する方法が開示される。肩プロテーゼは、アンカー主部と、アンカー主部から遠位に延在する複数のフィンとを有するステムレス上腕骨アンカーを含み得る。方法は、上腕骨に空洞を形成するために患者の上腕骨の一部を取り除くことを含み得る。方法は、複数のフィンのうちの第1のフィンが、下方向に沿って配向され、複数のフィンのうちの第2のフィンが、上方向と前方向及び後方向の一方とに沿った方向成分を有するように配向されるように、ステムレス上腕骨アンカーを上腕骨に対して配向させることを含み得る。方法は、ステムレス上腕骨アンカーを上腕骨の空洞に挿入することを含み得る。
【0016】
いくつかの実施形態では、方法は、第2のフィンが、上方向及び前方向に沿った方向成分を有するように配向されるように、ステムレス上腕骨アンカーを上腕骨に対して配向させることを含み得る。方法は、複数のフィンのうちの第3のフィンが、上方向及び後方向に沿った方向成分を有するように配向されるように、ステムレス上腕骨アンカーを上腕骨に対して配向させることをさらに含み得る。第1のフィン及び第2のフィンは、互いに対して第1の角度で角度が付けられ得、第2のフィン及び第3のフィンは、互いに対して第1の角度に等しい第2の角度で角度が付けられている。方法は、上腕骨の一部を取り除くよりも前に、上腕骨を切除して切除面を形成することを含み得る。上腕骨の一部を取り除くことは、上腕骨をリーマー加工して空洞を形成することを含み得る。方法は、空洞の遠位にあり、空洞と比較してより小さい直径を有する第2の空洞を穿設することを含み得る。方法は、関節体をステムレス上腕骨アンカーに接続することを含み得る。
【0017】
別の実施形態では、上腕骨アンカーが開示される。上腕骨アンカーは、上腕骨アンカーの遠位端から近位に延在する遠位部であって、遠位部は上腕骨アンカーの長手軸に沿って延在し、遠位部は上腕骨アンカーの遠位端に向かって長手軸に沿って内向きにテーパーを付けられている、遠位部を含み得る。上腕骨アンカーは、上腕骨アンカーの近位端から遠位に延在する近位部を含み得る。上腕骨アンカーは、上腕骨アンカーの近位端から近位部に遠位に延在する凹部を含み得る。上腕骨アンカーは、上腕骨アンカーの近位端に隣接する凹部の周りに配置された内周面を含み得る。内周面は、内周面に配置された凹型ロック機構を含み得る。内周面は、内周面に配置された凸型ロック機構であって、凹型ロック機構が凸型ロック機構から間隔を空けられている、凸型ロック機構を含み得る。
【0018】
いくつかの実施形態では、凹型ロック機構は、第1の凹型ロック機構と、第1の凹型ロック機構に向かい合って配置された第2の凹型ロック機構とを含み得る。第1の凹型ロック機構及び第2の凹型ロック機構は、それぞれ上腕骨アンカーの内側部及び外側部に配置され得る。凸型ロック機構は、第1の凸型ロック機構と、第1の凸型ロック機構に向かい合って配置された第2の凸型ロック機構とを含み得る。第1の凸型ロック機構及び第2の凸型ロック機構は、それぞれ上腕骨アンカーの前部及び後部に配置され得る。凹型ロック機構は、凹状の関節面を含む関節体に締り嵌めを提供するように構成され得る。凸型ロック機構は、凹部に向かって突出する細長いフィンを含み得る。
【0019】
別の実施形態では、上腕骨アンカーが開示される。上腕骨アンカーは、上腕骨アンカーの遠位端から近位に延在する遠位部であって、遠位部は、上腕骨アンカーの長手軸に沿って延在する、遠位部を含み得る。上腕骨アンカーは、上腕骨アンカーの近位端から遠位に延在し、上腕骨アンカーが配置される上腕骨の骨幹端の体積の少なくとも大部分を占めるように拡張された外表面を有する近位部を含み得る。近位部は、上腕骨骨幹端の外側部の皮質壁に隣接して配置されるように構成された外側側面と、上腕骨幹端の内側側面の皮質壁から間隔を開けられるように構成された内側側面とを有し得る。上腕骨アンカーは、上腕骨アンカーの近位端に隣接して配置された骨圧縮面であって、骨圧縮面は、近位部の内側側面のみの周りに配置され、上腕骨に移植されたときに、近位部の内側側面から上腕骨骨幹端の内側側面の皮質壁まで延在するように構成される、骨圧縮面を含み得る。
【0020】
いくつかの実施形態では、骨圧縮面は、上腕骨アンカーの近位部の近位端から外側へ延在するフランジを含み得る。フランジは、近位部の外側側面の半径に対応する半径を有する円形外周面を含み得る。上腕骨アンカーの近位面に環状表面が配置され得、フランジは、近位面の環状表面の一部を含む。回転配向目印が上腕骨アンカーの近位面に配置された環状表面の上またはその中に形成され得る。凹部が、上腕骨アンカーの近位端から近位部に遠位に延在し得、内周面が、上腕骨アンカーの近位端に隣接する凹部の周りに配置され、内周面は、内周面に配置されたロック機構を含み、ロック機構は、骨圧縮面と位置合わせされている。
【0021】
別の実施形態では、上腕骨アンカーが開示される。上腕骨アンカーは、上腕骨アンカーの近位端から遠位に延在する拡張された外表面を有する近位部を含み得る。上腕骨アンカーは、上腕骨アンカーの近位部と遠位端との間に延在する遠位部であって、遠位部は、上腕骨アンカーの長手軸に沿って延在する、遠位部を含み得る。遠位部は、遠位端に隣接する上腕骨アンカーの長手軸に沿った第1の位置にある円形周縁部を含み得る。遠位部は、上腕骨アンカーの第1の位置と近位端との間に配置された第2の位置にある長円形周縁部を含み得る。遠位部は、上腕骨アンカーの第2の位置と近位端との間に配置された第3の位置にある少なくとも部分的に多角形の周縁部を含み得る。遠位部は、少なくとも部分的に多角形の周縁部のエッジに配置された回転防止フィンを含み得る。
【0022】
いくつかの実施形態では、1つ以上の円形周縁部が、遠位端から第1の位置までの上腕骨アンカーの長さに沿って配置される。長円形周縁部は、前-後方向の第1の寸法と、内側外側方向の第2の寸法とを含み得、第2の寸法が第1の寸法よりも大きい。少なくとも部分的に多角形の周縁部は、外側に配向されるように構成された湾曲した凸状の側面と、凸状の側面の端部の間に配置された略前-後に配向された側面とを含み得る。回転防止フィンは、略前-後に配向された側面から内側方向に延在する突起を含み得る。少なくとも部分的に多角形の周縁部は、遠位部の長手軸に対してある角度で配向され、かつ上腕骨アンカーの近位端に平行に配向された断面にあり得る。上腕骨アンカーは、上腕骨アンカーの第3の位置と近位端との間の第4の位置に配置された第2の少なくとも部分的に多角形の周縁部を含み得、第2の少なくとも部分的に多角形の周縁部に回転防止フィンが配置されている。回転防止フィンは、第3の位置にある少なくとも部分的に多角形の周縁部から、第4の位置にある第2の少なくとも部分的に多角形の周縁部まで連続的に延在し得る。
【0023】
別の実施形態では、骨アンカーインサーターが開示される。骨アンカーインサーターは、第1の端部と、第1の端部に向かい合う第2の端部とを含み得る。骨アンカーインサーターは、第1の端部と第2の端部との間の長手軸に沿って延在する細長い本体を含み得る。骨アンカーインサーターは、第1の端部と第2の端部との間に配置されたハンドルであって、ハンドルが第1の構成と第2の構成とを有する、ハンドルを含み得る。骨アンカーインサーターは、第2の端部に配置された骨アンカー接続部分であって、骨アンカー接続部分は、ハンドルの第1の構成に対応する骨アンカー保持構成と、ハンドルの第2の構成に対応する骨アンカー解放構成とを有する、骨アンカー接続部分を含み得る。骨アンカーインサーターは、細長い本体と結合され、その長手軸に対して第1の角度で配置された第1の衝突ヘッドを含み得る。骨アンカーインサーターは、細長い本体と結合され、その長手軸に対して第2の角度で配置された第2の衝突ヘッドを含み得る。第1の衝突ヘッドに加えられた力は、第1の骨アンカーの長手軸と一致する方向で第1の骨アンカーに衝撃力を向けて、第1の骨アンカーを骨に埋め込み得る。第2の衝突ヘッドに加えられた力は、第2の骨アンカーに衝撃力を向け、第2の衝突ヘッドに加えられた衝撃力は、骨の切除面に垂直な方向に向けられて、第2の骨アンカーを骨に埋め込み得る。
【0024】
いくつかの実施形態では、第1の衝突ヘッドは、第2の衝突ヘッドに対してある角度で配置され得る。第1の衝突ヘッドと第2の衝突ヘッドとの間に35度から65度の間の角度が付けられ得る。ハンドルは細長い本体と枢動可能に結合され得、第1の構成及び第2の構成は、ハンドルを回転させることによって提供される。骨アンカー保持構成での骨アンカー接続部分の配置及び保持を容易にするために、ハンドルと細長い本体との間にスプリングが配置され得る。
【0025】
別の実施形態では、骨アンカーインサーターが開示される。骨アンカーインサーターは、第1の端部と、第1の端部に向かい合う第2の端部とを含み得る。骨アンカーインサーターは、第1の端部と第2の端部との間に長手軸に沿って延在する細長い本体を含み得る。骨アンカーインサーターは、第2の端部に配置された骨アンカー接続部分であって、骨アンカー接続部分は、骨アンカー保持構成と、骨アンカー解放構成とを有する、骨アンカー接続部分を含み得る。骨アンカーインサーターは、細長い本体と結合され、第2の端部に隣接し第1の端部に向かい合う細長い本体の端部に配置された衝突ヘッドを含み得る。衝突ヘッドに加えられた力は、骨アンカーのステム部分に衝撃力を向け得、衝突ヘッドに加えられる衝撃力は、骨アンカーの長手軸と一致する方向に向けられて、髄管内に骨アンカーのステム部分を埋め込む。
【0026】
いくつかの実施形態では、衝突ヘッドは、細長い本体の長手軸に対して鋭角に向けられ得る。
【0027】
別の実施形態では、キットが開示される。キットは、第1の部分が切除面と、切除面と骨の髄管との間に配置された骨の連続的な広がりとの間に配置されるように、骨幹端部に前進するように構成された第1の部分を含むステムレス骨アンカーを含み得る。ステムレス骨アンカーは、第1の部分に向かい合う第2の部分を含み得、第2の部分はインサーター接続部分を含む。骨アンカーインサーターは、第1の部分と第1の部分に向かい合う第2の部分とを含む骨アンカーであって、第1の部分は、骨幹部と骨の髄管及び第2の部分とに前進するように構成されたステムを含み、第2の部分はインサーター接続部分を含む、骨アンカーを含み得る。骨アンカーインサーターは、骨アンカー接続部分を備えたインサーターであって、骨アンカー接続部分は、ステムレス骨アンカーのインサーター接続部分、またはステムを含む骨アンカーのインサーター接続部分と係合されるように構成される、インサーターを含み得る。
【0028】
いくつかの実施形態では、インサーターは、骨アンカー接続部分と、骨アンカー接続部分と向かい合うインサーターの端部との間に配置された衝突ヘッドをさらに含み得、衝突ヘッドは、衝突ヘッドに加えられた衝撃力を、ステムを含む骨アンカーに伝達して、ステムを骨の髄管に埋め込むように構成される。衝突ヘッドは、第1の衝突ヘッドであり、第2の衝突ヘッドに対してある角度で配置された第2の衝突ヘッドをさらに備え得る。第1の衝突ヘッドと第2の衝突ヘッドとの間の角度は45度であり得る。第1の衝突ヘッドと第2の衝突ヘッドとの間の角度は35度~65度の間であり得る。インサーターは、互いに第1の角度で配置された第1の衝突ヘッド及び第2の衝突ヘッドを含み得る。第2のインサーターは、骨アンカー接続部分を備え得、骨アンカー接続部分は、ステムレス骨アンカーのインサーター接続部分、またはステムを含む骨アンカーのインサーター接続部分と係合されるように構成され、第2のインサーターは、互いに第2の角度で配置された第1の衝突ヘッド及び第2の衝突ヘッドを含む。第1の角度及び第2の角度のそれぞれは、35度~65度の間であり得る。
【0029】
別の実施形態では、方法が開示される。方法は、ステムレス骨係合部分を含む第1の骨アンカーを提供することであって、第2の骨アンカーがステムを含み、第1の骨アンカー及び第2の骨アンカーそれぞれがインサーター接続部分を含み、インサーターが、第1の骨アンカーまたは第2の骨アンカーのいずれかのインサーター接続部分と係合するように構成された骨アンカー接続部分を含む、提供することを含み得る。方法は、インサーターの骨アンカー接続部分を第1の骨アンカーのインサーター接続部分と係合させることを含み得る。方法は、骨の切除時に露出した骨物質内に第1の骨アンカーを前進させることを含み得る。方法は、インサーターの骨アンカー接続部分を第2の骨アンカーのインサーター接続部分と係合させることを含み得る。方法は、骨の切除時に第2の骨アンカーを骨物質内に前進させて、第2の骨アンカーのステムを骨の髄管に配置することを含み得る。
【0030】
いくつかの実施形態では、第2の骨アンカーを骨物質内に前進させることは、第2の骨アンカーと一致した力を加えてステムを骨に埋め込むために、インサーターの衝突ヘッドに力を加えることをさらに含み得る。衝突ヘッドは第1の衝突ヘッドであり得、第1の骨アンカーを骨物質内に前進させることは、骨の切除部に垂直な力を加えるために、インサーターの第2の衝突ヘッドに力を加えることをさらに含み得る。第1の骨アンカーを骨物質内に前進させることは、骨の切除に垂直な力を加えるために、インサーターの衝突ヘッドに力を加えることをさらに含み得る。インサーターは第1のインサーターであり得る。方法は、第2のインサーターを提供することを含み得る。第1のインサーター及び第2のインサーターそれぞれは、ステム付きアンカー衝突ヘッドとステムレスアンカー衝突ヘッドとを有し得る。第1のインサーターは、ステム付きアンカー衝突ヘッドとそのステムレスアンカー衝突ヘッドとの間に第1の角度を有し得る。第2のインサーターは、ステム付きアンカー衝突ヘッドとそのステムレスアンカー衝突ヘッドとの間に第2の角度を有し得る。第2の角度は第1の角度とは異なり得る。方法は、骨に切除が形成される角度に基づいて、第1のインサーターまたは第2のインサーターのいずれかを選択することを含み得る。第1の角度及び第2の角度は、35度~65度の間であり得る。
【0031】
別の実施形態では、骨を取り除くためのデバイスが開示される。デバイスは、近位端及び遠位端を含み得る。デバイスは、デバイスの近位端にあるドライブシャフトであって、ドライブシャフトはドライブシャフト軸の周りで回転可能である、ドライブシャフトを含み得る。デバイスは、骨を取り除くためにドライブシャフト軸の周りで回転可能なリーマーヘッドを含み得る。リーマーヘッドは、複数の径方向アームを含む遠位部であって、複数の径方向アームのそれぞれは、側方切刃を含む、遠位部を含み得る。リーマーヘッドは、遠位対面切刃を含む近位部を含み得る。
【0032】
いくつかの実施形態では、複数の径方向アームのそれぞれは、第1の平坦面と、第1の平坦面と向かい合う第2の平坦面とを含み得、第1の平坦面と第2の平坦面とが厚みで分離されている。半径方向に測定された第1の平坦面及び第2の平坦面のそれぞれの幅が、厚みよりも大きくなり得る。複数のアームのそれぞれは、近位区分及び遠位区分を含み得、近位区分は遠位区分の半径方向外側へ突出する。ガイドチャネルが、ガイドピンを受け入れるように構成され得、複数の径方向アームのそれぞれは、ガイドチャネルから半径方向外側へ延在する。近位部は、リーマーヘッドの挿入深度を制御するように構成された深さ停止部を含み得、深さ停止部は、遠位対面切刃の近位にあり、半径方向外側へ延在する。遠位対面切刃は、複数の径方向アームの半径方向外側に配置され得る。遠位対面切刃は、リーマーヘッドの近位部の周りに円周方向に延在し得る。遠位対面切刃は、複数の切削歯を含み得る。リーマーヘッドの近位部は、リーマーヘッドの近位面に複数の開口部を含み得る。
【0033】
別の実施形態では、骨を取り除くためのデバイスが開示される。デバイスは、第1の端部及び第2の端部を含み得る。デバイスは、デバイスの第1の端部にあるドライブシャフトであって、ドライブシャフトはドライブシャフト軸の周りで回転可能である、ドライブシャフトを含み得る。デバイスは、骨を取り除くためにドライブシャフト軸の周りで回転可能なリーマーヘッドを含み得る。リーマーヘッドは、外側に面した切刃を含む内側部分であって、内側部分は、骨に第1の空洞部分を形成するように構成され、第2の空洞部分は、第1の空洞部分よりも深く、第1の空洞部分と第2の空洞部分との間に段付き部がある、内側部分を含み得る。外側部分が、内側部分の半径方向外側に配置され得、外側部分は遠位対面切刃を含み、外側部分は、第1の空洞部分の近位にあり、少なくとも部分的に第1の空洞部分を取り囲む凹状表面を形成するように構成される。
【0034】
いくつかの実施形態では、遠位対面切刃の外形は、外側に面した切刃の外形とは異なり得る。第2の切刃は、複数の切削歯を含み得る。ガイドチャネルが、ガイドピンを受け入れるように構成され得る。リーマーヘッドは、リーマーヘッドの挿入深度を制御するように構成された深さ停止部をさらに含み得、深さ停止部は、遠位対面切刃の近位にあり、半径方向外側へ延在する。
【0035】
別の実施形態では、骨を取り除く方法が開示される。方法は、リーマーを骨の端部に向かって前進させることであって、リーマーは、ドライブシャフトとリーマー加工ヘッドとを含む、前進させることを含み得る。方法は、ドライブシャフトの駆動軸を中心にリーマーを駆動することを含み得る。方法は、リーマー加工ヘッドで骨に空洞を形成することを含み得る。空洞は、第1の空洞部分と、第1の空洞部分よりも骨のより深い深さまで延在する第2の空洞部分とを含み得る。空洞は、第1の空洞部分と第2の空洞部分との間の段付き部を含み得る。方法は、リーマー加工ヘッドで骨の切除面の下に凹状表面を形成することであって、凹状表面は少なくとも部分的に第1の空洞部分を取り囲む、形成することを含み得る。方法は、インプラントのアンカー構造を骨の空洞に配置することを含み得る。方法は、インプラントのカラーを骨の凹状表面に配置することを含み得る。
【0036】
いくつかの実施形態では、骨に空洞を形成すること及び凹状表面を形成することが同時に行われ得る。いくつかの実施形態では、骨に空洞を形成すること及び凹状表面を形成することが連続して行われ得る。骨に空洞を形成した後、骨に凹状表面を形成し得る。リーマーを前進させることは、ガイドピンに沿ってリーマーを前進させることを含み得る。方法は、深さ停止部が骨の切除面に接触するまで、骨に凹状表面を形成することを含み得る。
【0037】
これら及び他の特徴、態様及び利点を、図面を参照して以下に説明するが、これらは例示を目的として意図されており、決して実施形態の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。さらに、異なる開示された実施形態の様々な特徴を組み合わせて、本開示の一部である追加の実施形態を形成することができる。図面において、同様の参照文字は、同様の実施形態全体を通して一貫して対応する特徴を示す。以下、各図面を簡単に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1A】肩関節の上腕骨及び関節窩に配置された解剖学的全肩関節形成システムを示しており、このシステムはステムレス上腕骨アンカーを含む。
図1B】肩関節におけるリバース型全肩関節形成システムを示しており、このシステムは上腕骨ステムアンカーを含む。
図2】様々な実施形態による、解剖学的関節形成術またはリバース型関節形成術の実施、解剖学的関節形成術からリバース型関節形成術、またはリバース型関節形成術から解剖学的関節形成術へのいずれかの変更に使用できる関節形成キットを含む肩関節形成システムの概略図である。
図3】様々な実施形態による、上腕骨ステムレスアンカーに接続される解剖学的関節体を示す側面図である。
図3A】様々な実施形態による、上腕骨ステムレスアンカーに接続されるリバース型関節体を示す側面図である。
図3A-1】リバース型関節組立体を挿入する前の、図2のシステムからのステムレス上腕骨アンカー及びリバース型関節組立体の斜視図であり、これらのコンポーネントの係合機構を示す。
図3B】リバース型関節組立体が挿入された後の図3Aのステムレス上腕骨アンカー及びリバース型関節組立体の断面図であり、この断面はリバース型関節組立体の挿入方向に対して横方向に取られている。
図3C図3Aのステムレス上腕骨アンカーの断面図であり、この断面は、リバース型関節組立体の挿入方向に沿って取られている。
図4A】様々な実施形態による、ステムレス上腕骨アンカーの側面図である。
図4B】実施例による、図4Aのステムレス上腕骨アンカーの底面図である。
図4C】別の実施形態による、ステムレス上腕骨アンカーの側面図である。
図4C-1】図4Cのステムレス上腕骨アンカーの上面図である。
図4C-2】強化された骨保持構造を有する図4C-1のステムレス上腕骨アンカーの別の実施形態の断面図であり、断面は図4C-1の切り口4C-2--4C-2に沿って取られている。
図4D】別の実施形態による、上腕骨アンカーの側面図である。
図4D-1】別の実施形態による、上腕骨アンカーの側面図である。
図4E】様々な実施形態による、複数の固着歯を有する上腕骨アンカーの概略側面図である。
図4F】別の実施形態による、4つのフィンを有する上腕骨アンカーの概略側面図である。
図4F-1】別の例による、図4Fのステムレス上腕骨アンカーの底面図である。
図4G】別の実施形態による、骨温存外形を有するステムレス上腕骨アンカーの側面図である。
図5】上腕骨の骨幹内に及び得る遠位部を有する上腕骨ステムの例の側断面図である。
図6A】様々な実施形態による、上腕骨ステムアンカーの側面図である。
図6B図6Aの上腕骨ステムアンカーの近位及び内側の態様を示す。
図6C】海綿骨圧縮部材を含む図6Aの上腕骨ステムアンカーの遠位及び外側の態様を示す。
図6D】様々な実施形態による、上腕骨ステムアンカーの近位部の透視図である。
図6E図6Dの切り口6E-6Eに沿って取られた、図6Dの上腕骨ステムアンカーの側断面図である。
図6F】切り口6F-6Fに沿って取られた、図6Eの上腕骨ステムアンカーの断面図である。
図6G】切り口6G-6Gに沿って取られた、図6Eの上腕骨ステムアンカーの断面図である。
図6H】切り口6H-6Hに沿って取られた、図6Eの上腕骨ステムアンカーの断面図である。
図6I】切り口6I-6Iに沿って取られた、図6Eの上腕骨ステムアンカーの断面図である。
図6J】切り口6J-6Jに沿って取られた、図6Eの上腕骨ステムアンカーの断面図である。
図6K】切り口6K-6Kに沿って取られた、図6Eの上腕骨ステムアンカーの断面図である。
図6L】切り口6L-6Lに沿って取られた、図6Eの上腕骨ステムアンカーの断面図である。
図6M】別の実施形態による、特別長い長さを有するステム上腕骨アンカーの側面図である。
図7】様々な実施形態による、上腕骨を切除するための2つの例示的な方法を示す。
図8】切除された上腕骨の上に保護板を設ける保護ステップを示す。
図9】様々な実施形態による、上腕骨アンカーを移植する前に上腕骨の大きさを判断する方法を示す。
図10】切除された上腕骨をリーマー加工する方法の例を示す。
図10A】ステムまたはステムレス上腕骨アンカーに適した空間を形成するように構成されたリーマーの例を示す。
図10B】ステムまたはステムレス上腕骨アンカーに適した空間を形成するように構成されたリーマーの例を示す。
図11】リーマー加工された上腕骨をブレージングする方法の例を示す。
図11A】上腕骨アンカーを上腕骨に配置するように構成されたインサーターの例を示す。
図11B】上腕骨アンカーを上腕骨に配置するように構成されたインサーターの例を示す。
図11C】上腕骨アンカーを上腕骨に配置するように構成されたインサーターの例を示す。
図11D】上腕骨アンカーを上腕骨に配置するように構成されたインサーターの例を示す。
図12】上腕骨のプレーニングの方法の例を示す。
図13】リバース型試験インプラントまたは解剖学的試験インプラントを上腕骨に挿入する方法の例を示す。
図14】ステムレス上腕骨インプラントを上腕骨に移植する方法の例を示す。
図15】解剖学的関節コンポーネントがステムレス上腕骨インプラントに押し込む例示的な方法を示す。
図16】ステムレス上腕骨インプラントにリバース型関節コンポーネントを押し込む方法の例を示す。
図17】比較的硬い骨を持つ患者の上腕骨の調製を容易にするために、リーマー加工の前に上腕骨に穴をあける方法の例を示す。
図18】上腕骨にプログレッシリーマー加工技法を施し、硬い骨の凹部を拡張する方法の例を示す。
図19】骨が比較的柔らかい患者の上腕骨の調製を容易にするために、カラーリーマーを使用して上腕骨の一部をリーマー加工する方法の例を示す。
図20】骨が比較的軟らかい患者に対して適切に凹部を形成するために、上腕骨を圧縮する方法の例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0039】
本出願は、様々な例において、新規かつ独創的な肩インプラント及びそれを移植するために使用できるツールを対象とする。本肩インプラントは、(後述の図1A及び図1Bに示されるシステムの改善版として)半肩関節形成システム及び全肩関節形成システムの一部とすることができる。いくつかの場合には、ツールは、ステムレスアンカー、または上腕骨の骨幹部に延在するように構成されたステム部分を有するアンカー(ステム付き上腕骨アンカーの実施例を形成する)のいずれかでの使用が可能である。いくつかの場合には、ツールは、(例えば、図1Aの構成に到達するために使用されるツールの改善版として)解剖学的な肩の構成での使用が可能であり、及び/または(例えば、図1Bの構成に到達するために使用されるツールの改善版として)リバース型の肩の構成での使用が可能である。これらのインプラント及びツールは、別々に使用することができ、または手術室でも提供できるシステムもしくはキットに組み合わせることができ、これにより、後述するように、手術中に初めて十分に明らかになり得る手術結果を向上させるように、術前の計画を術中に適合させることが可能になる。
【0040】
I.全肩関節形成術のためのリバース型構成及び解剖学的構成
図1A及び図1Bは、全肩関節形成術の2つのアプローチを示す。図1Aは、上腕骨頭が、凸状の関節面65を有する関節体64に置き換えられる解剖学的アプローチを示す。肩甲骨の関節窩は、上腕骨関節体64の関節接合のための凹面68を提供するインプラント67で修正することができる。上腕骨関節体64は、解剖学的関節体64に専用でありかつ解剖学的関節体64にのみ適合するステムレスアンカー4を用いて上腕骨Hに固定される。
【0041】
図1Bは、上腕骨Hに、凹状の関節面85を有する関節体84が取り付けられているリバース型アプローチを示す。肩甲骨の関節窩領域には、一般にグレノスフィア87(関節窩球と呼ばれることもある)と呼ばれている球形の関節体が取り付けられている。この場合、凹状の関節面85は、肩甲骨に対して固定されたグレノスフィア87と関節で接続される上腕骨に配置される。リバース型関節体84は、このリバース型上腕骨関節体84と上腕骨Hに外科的に埋め込まれたステムアンカー83との間に配置されたトレイ89に取り付けられる。上腕骨Hは、上腕骨Hの髄管へのアクセスを提供することによって調製される。
【0042】
解剖学的アプローチとリバース型アプローチとは、一般に、関節コンポーネントを固定するために異なるハードウェアを使用することが分かる。したがって、解剖学的構成からリバース型構成へ変更するには、ステムレスアンカー4の抜去が必要とされる。そのような抜去の後に残る骨ストックは、ステムアンカー83を支持するのに適している場合もあれば、適していない場合もある。また、トレイ89の存在により、より大きな関節腔が必要とされる。したがって、リバース型の構成は、関節腔が大きいか、または上腕骨及び/または肩甲骨のより侵襲的な調製をした後の一部の患者にのみ適している可能性がある。幸いなことに、本インプラント、ツール、デバイス、システム、及びキットは、患者の転帰にとって最適ではない可能性のある変更及び再置換手術の必要性を減らすことができる。
【0043】
II.共有インプラントコンポーネントを備えたシステム及びキット
図2は、様々な実施形態による、解剖学的関節形成術もしくはリバース型関節形成術の実施のため、または解剖学的関節形成術からリバース型関節形成術もしくはリバース型関節形成術から解剖学的関節形成術へのいずれかの変更のために使用できる関節形成キット100を含む全関節形成システムの概略図である。キット100は、1つまたは複数のステムレス上腕骨アンカー103、1つまたは複数のステム付き上腕骨アンカー113、及び1つまたは複数の関節コンポーネント161を含むことができる。ステムレス上腕骨アンカー103は、アンカー104の遠位部105と近位部107との間にテーパー形の輪郭を有し得る。図2に示すアンカー103の遠位部105は、遠位側に延びる1つまたは複数のフィン109を有し得る。フィン109は、アンカー103を上腕骨に固定するように構成され得る。
【0044】
図2に示すように、ステムレスアンカー103は、様々な体格の患者、上腕骨の骨損傷の違いなどに対応するために、複数のサイズで提供することが可能である。いくつかの実施形態では、ステムレスアンカー103の横方向サイズを、上腕骨の大きさの異なる切除範囲内に収まるように変えることがある。例えば、キット100は、複数のステムレスアンカー103A、103B、103C、103D・・・103nを含むことができ、nは異なるサイズの個数である。図2には4つのサイズが図示されているが(例えば、n=4であり、アンカー103A~103Dがある)、他の実施形態では、キットは任意の好適な個数のアンカーを含むことができる。いくつかの実施形態では、ステムレスアンカー103A~103Dの長さlはまた、治療を受けている特定の患者に基づいて臨床医が選択する深さだけ上腕骨中に延在するように変えてもよい。さらに、図4Aに関連して以下に説明するように、アンカー103A~103Dは、上腕骨の異なるサイズに対応するために、異なるフィン長lのフィン109を有し得る。
【0045】
様々な実施形態では、アンカー103A~103Dのフィン長lは、上腕骨に広範囲のアンカー強度を有益に提供し、様々な骨損傷レベルの患者に対応するように、実質的に異なり得る。図2の配置では、例えば、第1のアンカー103Aは、最も短い全長lと最も短い全フィン長lとを有し得る。第4のアンカー103Dは、最も長い全長lと最も長い全フィン長lとを有し得る。様々な実施形態では、キット100内のあるアンカー103(例えば、最大のアンカー103D)の全長lと別のアンカー103(例えば、最小のアンカー103A)の全長lとの比を、1.1~2.5の範囲、1.15~2.5の範囲、1.18~2.5の範囲、1.2~2.5の範囲、1.2~2の範囲、1.2~1.8の範囲、1.2~1.6の範囲、1.3~1.6の範囲、1.25~1.4の範囲、または1.25~1.35の範囲にすることができる。いくつかの実施形態では、第4のアンカー103Dの全長lと第2のアンカー103Bの全長lとの比は、1.1~1.3の範囲、1.15~1.25の範囲、または1.15~1.2の範囲であり得る。いくつかの実施形態では、第4のアンカー103Dの全長lと第3のアンカー103Cの全長lとの比は、1~1.2の範囲、1.02~1.15の範囲、または1.05~1.15の範囲であり得る。いくつかの実施形態では、第2のアンカー103Bの全長lと第1のアンカー103Aの全長lとの比は、1~1.2の範囲、1.02~1.15の範囲、または1.05~1.15の範囲であり得る。いくつかの実施形態では、第3のアンカー103Cの全長lと第1のアンカー103Aの全長lとの比は、1.1~1.3の範囲、または1.15~1.25の範囲であり得る。いくつかの実施形態では、第3のアンカー103Cの全長lと第2のアンカー103Bの全長lとの比は、1~1.2の範囲、1.02~1.15の範囲、または1.05~1.15の範囲であり得る。
【0046】
したがって、いくつかの実施形態では、キット100は、複数のサイズ、例えば、4つのサイズのアンカー103A~103Dを含むことができる。いくつかの実施形態では、第1のアンカー103Aは、3mm~7mmの範囲、または4mm~6mmの範囲のフィン長lを有し得る。第2のアンカー103Bは、4mm~10mmの範囲、5mm~9mmの範囲、または6mm~8mmの範囲のフィン長lを有し得る。第3のアンカー103Cは、7mm~10mmの範囲、または8mm~9mmの範囲のフィン長lを有し得る。第4のアンカー103Dは、8mm~10mmの範囲のフィン長lを有し得る。いくつかの実施形態では、第4のアンカー103Dのフィン長lと第1のアンカー103Aのフィン長lとの比は、1.5~2.5の範囲、1.6~2の範囲、または1.7~1.8の範囲であり得る。いくつかの実施形態では、第4のアンカー103Dのフィン長lと第2のアンカー103Bのフィン長lとの比は、1.4~1.2の範囲、または1.25~1.3の範囲であり得る。いくつかの実施形態では、第4のアンカー103Dのフィン長lと第3のアンカー103Cのフィン長lとの比は、1~1.25の範囲、1~1.1の範囲、または1.02~1.1の範囲であり得る。いくつかの実施形態では、第2のアンカー103Bのフィン長lと第1のアンカー103Aのフィン長lとの比は、1.1~1.6の範囲、1.2~1.6の範囲、または1.3~1.5の範囲であり得る。いくつかの実施形態では、第3のアンカー103Cのフィン長lと第1のアンカー103Aのフィン長lとの比は、1.5~2の範囲、または1.6~1.8の範囲であり得る。いくつかの実施形態では、第3のアンカー103Cのフィン長lと第2のアンカー103Bのフィン長lとの比は、1.1~1.3の範囲、または1.15~1.25の範囲であり得る。
【0047】
キット100はまた、1つまたは複数のステム付き上腕骨アンカー113を含むことができる。キット100は、1つ以上の上腕骨ステムアンカー112を含むことができ、そのそれぞれは、近位骨幹端部120と、そこから延びる細長い骨幹部116とを含む。骨幹部116は、本明細書では、ステムまたはステム部分と呼ばれることがある。いくつかの実施形態では、キット100はまた、上腕骨Hの骨折を経験した患者に使用することができる外傷または骨折用ステムアンカー140を含み得る。ステム付き上腕骨アンカー113は、ステムレスアンカー103が上腕骨に適切に固定されない可能性のある患者、例えば、重度の骨量減少を経験した患者に使用され得る。外傷または骨折用ステムは、上腕骨が1つ以上の断片に骨折した場合に使用されることがある。ステムレスアンカー103と同様に、キット100は、複数の異なるサイズ、例えば、異なる横方向サイズ及び/または異なる長さlを有するステム付きアンカー113を含むことができる。例えば、図2に示すように、ステム付き上腕骨アンカー113は、ステムレスアンカー103の長さlよりも長いそれぞれの長さlを有し得る。有益なことには、キット100に異なるサイズのステム付きアンカー113を含めることにより、臨床医は、患者へのアンカー113の安全な移植を確かなものにするために、患者の骨の大きさ及び健康状態を考慮して、特定の患者に適したサイズを選択することが可能になり得る。様々な実施形態では、ステム付き上腕骨アンカーの長さlを、55mm~175mmの範囲にすることができる。これとは対照的に、より短いステムレス上腕骨アンカー103の長さlは、16mm~28mmの範囲であり得る。様々な実施形態では、ステム付き上腕骨アンカー113、140は、上腕骨Hの髄内管中に達してさらに固着されるように構成され得る。
【0048】
有益なことに、キット100は、特定の患者の上腕骨の解剖学的構造にどちらのインプラント103または113がより適しているかに応じて、ステムレス上腕骨インプラント103またはステム付き上腕骨インプラント113のいずれかと共に使用される1つまたは複数の共用上腕骨コンポーネントを含むことが可能である。例えば、キット100の共用上腕骨コンポーネントは、ステムレスインプラント103またはステム付きインプラント113のいずれかと組み合わせて使用することができる複数の関節コンポーネントまたは組立体161を含むことができる。本明細書で説明するように、ステムレス上腕骨アンカー103及びステム付き上腕骨アンカー113の両方は、同セットのツール及び/または関節コンポーネントと共に使用することができる共用係合機構を含むことができる。例えば、本明細書に記載されるように、ステムレスアンカー103及びステム付きアンカー113は、同セットの関節コンポーネントと係合するように構成された凸状及び凹状のロック機構を含むことがある。
【0049】
例えば、キット100は、ステムレス上腕骨インプラント103及びステム付き上腕骨インプラント113の両方に機械的に結合するように構成された解剖学的関節コンポーネント160を含み得る。臨床医は、解剖学的再建が適している処置のために解剖学的関節コンポーネント160を選択することが可能である。解剖学的関節コンポーネント160は、結合具168と、結合具168を機械的に係合するように構成された(解剖学的な)関節体164とを含み得る。図2に示すように、解剖学的関節コンポーネント160の関節体164は、患者の関節窩面に係合するように構成された丸みを帯びた凸状の表面を含み得る。結合具168は、解剖学的関節体164(例えば、丸みを帯びた面、または本質的に球の面)を、患者の上腕骨構造に応じて、ステムレス上腕骨インプラント103またはステム付き上腕骨インプラント113のいずれかに機械的に接続するのに役立ち得る。関節体164及び結合具168は、コバルト、クロム、またはチタンなどの金属を含むことができる。いくつかの実施形態では、関節体は、少なくとも関節面上にパイロカーボン層を含む。様々な実施形態では、キット100は、複数のサイズを有する解剖学的関節コンポーネント160を含むことができる。
【0050】
キット100はまた、ステムレス上腕骨インプラント103及びステム付き上腕骨インプラント113の両方に機械的に結合するように構成されたリバース型関節コンポーネント180を含み得る。臨床医は、逆解剖学的再建が適している処置のためにリバース型関節コンポーネント180を選択することが可能である。リバース型関節コンポーネント180は、リバース型関節体184と、処置中の臨床医の推奨に応じて、リバース型関節コンポーネント180をステムレス上腕骨インプラント103またはステム付き上腕骨インプラント113に固定するように構成されたロックデバイス188とを含み得る。図示するように、リバース型関節体184は、患者の関節窩に接続されたグレノスフィア(図示しないが、場合によってはキットと組み合わせてより大きな手術キットとなる)と係合するように構成されている丸みを帯びた凹面(例えば、本質的に球面)を含み得る。加えて、いくつかの実施形態では、キット100は、耐摩耗性のリバース型関節コンポーネント180Aを含むことがあり、これは、リバース型関節コンポーネント180と概ね同様のものであり得るが、患者の骨構造との長期適合性を促進するためにビタミンEを含むようにさらに形成され得る。リバース型コンポーネント180、180Aは、例えば、超高分子量ポリエチレンを含むポリマーで構成されてもよい。様々な実施形態では、キット100は、複数のサイズを有するリバース型関節コンポーネント180、180Aを含むことができる。
【0051】
関節形成術の処置時に、臨床医は、上腕骨及び/または肩甲骨の骨構造を検査して、解剖学的構造がステムレス上腕骨アンカーに適しているかステム付き上腕骨アンカーに適しているか、及び解剖学的構造が解剖学的再建に適しているか逆解剖学的再建に適しているかを判断し得る。有益なことに、図2に示すキット100は、ステムレスアンカーまたはステム付きアンカーに適合するコンポーネント、及び解剖学的構造または逆解剖学的構造に適合するコンポーネントを含む全関節形成システムを臨床医に提供することができる。例えば、処置中に、臨床医は、患者が十分な上腕骨骨構造を有することを認める可能性があり、患者の解剖学的構造への損傷を低減するために、ステムレスアンカー103を使用できるようにする。臨床医はまた、解剖学的再建を進めるか逆再建を進めるかを選択することもでき、それに応じて解剖学的関節コンポーネント160またはリバース型関節コンポーネント180、180Aのいずれかを選択することができる。
【0052】
同様に、肩関節形成術の処置中に、臨床医が、患者の骨構造が損傷しているかまたは何らかの他の理由でステム付きアンカー113により向いていると判断した場合、臨床医は、適切なサイズのステム付きアンカー113を選択することが可能である。臨床医は、解剖学的再建を進めるか逆再建を進めるかをさらに選択することができ、それに応じて解剖学的関節コンポーネント160またはリバース型関節コンポーネント180、180Aのいずれかを選択することができる。有益なことに、図2のキット100は、ステム付きアンカーまたはステムレスアンカーに使用することができ、かつ解剖学的再建または逆解剖学的再建での使用が可能である、互換性のあるまたは共用可能なコンポーネントを含む。共用の上腕骨関節コンポーネント161(例えば、解剖学的関節体または逆解剖学的関節体)は、ステムレスアンカーまたはステム付きアンカー103、113のいずれにも使用できるので、臨床医は手術中に再建の決定を行うこと、または再建の決定を変更することが可能である。したがって、キット100は、臨床医が患者に最も適した再建手順を迅速に決定することを可能にし、その再建手順に使用すべきコンポーネントを臨床医に提供することができる。
【0053】
上記で説明したように、上腕骨骨折の場合、キット100はまた、1つ以上の外傷用ステム140を含むこともできる。有益なことに、外傷用ステム(複数可)140は、ステムレスアンカー103、上腕骨ステムアンカー112、及び外傷用ステム(複数可)140が共通の共用関節コンポーネント(複数可)161及びツールのセットと共に使用できるような、ステムレスアンカー103及び上腕骨ステムアンカー112における係合機構と概ね同様のまたは同一の係合機構を含み得る。したがって、有益なことに、キット100は、共用の移植ツールのセットと、ステムレスまたはステム付き上腕骨アンカー103、113と共に使用することができ、かつ解剖学的または逆解剖学的再建に使用することができる、共用の関節コンポーネント161のセットとを提供することができる。
【0054】
いくつかの実施形態では、結合具168は、関節体164に接続するように構成された近位延長部分163Aと、遠位延長部分163Bとを含み得る。骨折用ステム140用の遠位延長部分163Bは、解剖学的再建のために骨折用ステム140の凹部217内に収容することが可能である。近位延長部分163Aと遠位延長部分163Bとの間に配置されたディスクまたは中間部分162は、凹部217が切除面に向かって隆起しているので省かれてもよい。修正された実施形態では、凹部217は、第2の凹部の遠位端から凹んでいる(例えば、第2の凹部の遠位端から遠位に延在する)。それらの実施形態では、ディスクまたは中間部分162は、外傷用ステム140で使用されるスペーサ機能を提供する。外傷用ステムの追加の詳細は、2015年12月15日に出願された国際出願第PCT/US2015/065126号全体にわたって見出すことができ、その全内容は、参照によりその全体があらゆる目的のために本明細書の一部を構成するものとして援用される。
【0055】
III.上腕骨アンカーの例
上記のように、本出願では、共用コンポーネントを提供し、複数のタイプの上腕骨アンカーを含み得るいくつかのキット及びシステムを開示する。上腕骨アンカーは、ステムレスアンカー、ステム部分を有するアンカー(ステム付き上腕骨アンカーの例)、及びステムを有し得る骨折用アンカーを含むことができる。
【0056】
A.ステムレス上腕骨アンカーの例
本明細書に開示されるいくつかのステムレス上腕骨アンカーの例は、骨幹端の保持を強化するための機構、及び/または関節コンポーネントの接続または保持を強化するための機構を含む。これらの機構により、一般にステム付きのアプローチよりも侵襲の少ないステムレス式のアプローチから恩恵を受けることができる患者集団内の患者の割合を増加させることができる。
【0057】
図3図3Cは、ステムレス上腕骨アンカー203の例を示す。特に断りのない限り、図3図3Cの構成要素は、図2の同様の番号の構成要素と同じかまたは概ね類似し得、参照番号は100だけ増やされる。図3図3A-1では、ステムレス上腕骨アンカー203は、解剖学的関節コンポーネント160またはリバース型関節コンポーネント180を含み得る関節コンポーネント161に接続される(または接続される前の)ものとして示されている。図3では、ステムレス上腕骨アンカー203が、解剖学的関節コンポーネント160の解剖学的関節体164に接続されて示される。図3Aでは、ステムレス上腕骨アンカー203が、リバース型関節コンポーネント180のリバース型関節体184に接続されて示される。関節コンポーネント161は、関節組立体、例えば、高分子関節体、及びロックリングなどのロックコンポーネントであり得る。
【0058】
図3A-1~図3Cに示すように、第1の凹部231は、上腕骨アンカー203の近位端239から近位部207内へ遠位に延在し得る。第1の凹部231は、リバース型関節体184及びロックデバイス288を含む関節コンポーネント161の遠位部または外側部を収容する大きさ及び形状とされ得る。図3Cに示すように、第1の凹部231は、アンカー203の近位部207に配置され得る。近位部207は、第1の近位外面211によって少なくとも部分的に画定され得る。第2の凹部232は、第1の凹部231からアンカー203の遠位部205の第1の区分205A内へ遠位に延在し得る。第2の凹部232は、解剖学的関節コンポーネント160をステムレス上腕骨アンカー203に接続するための結合具168の遠位延長部分163Bを収容する大きさ及び形状とされ得る。第1の凹部及び第2の凹部231、232は、異なる体積を有し得る。例えば、第1の凹部231の体積(及び/または第1の凹部231の直径または主横寸法)は、第2の凹部232の体積(及び/または第2の凹部232の直径または主横寸法)より大きくてもよい。したがって、凹部231、232によって形成される組み合せられた空間は、例えば図3Cに示すように、アンカー203の近位端239に向かって大きくなり、アンカー203の遠位端37に向かって小さくなり得る。
【0059】
遠位部205の第1の区分205Aは、第2の遠位外面212によって少なくとも部分的に画定され得、移植されたときに上腕骨の骨幹端の一部を占めるように寸法決めされ得る。遠位部205の第2の区分205Bは、アンカー203を上腕骨に固定するために、第1の区分205Aよりも骨幹端内へさらに先まで延在するように構成された1つ以上のフィン209を含むことができる。図3Cに示すように、第2の凹部232は、結合具168、例えば、その遠位延長部分163Bのテーパー面部分に係合するように内向きにテーパーを付けられ得る。1つまたは複数の止まり穴245はまた、第1の凹部231の遠位端と境を接する近位部207の遠位内面235から、遠位部205の第2の区分205B内へ遠位に延在し得る。止まり穴245は、上腕骨アンカー203の上腕骨への挿入を可能にするツールに係合することができる。止まり穴245に係合できるツールの例については、以下のIV(A)項及びIV(B)項で説明する。図3A-1及び図3Cに示すように、止まり穴245は、内部の第2の凹部232に向かって内向きに角度を付けられて遠位に延び得る。
【0060】
アンカー203は、上腕骨アンカー203の近位端239に隣接する第1の凹部231の周りに配置された内周面233を含むことができる。内周面233は、遠位内面235から上腕骨アンカー203の近位端239まで延在する表面部分であり得る。内周面233は、内周面233に配置された1つまたは複数の凹型ロック機構243と、内周面233に配置された1つまたは複数の凸型ロック機構241とを含むことができる。図3A-1~図3Cに示すように、両方が設けられた一例では、凹型ロック機構243は、凸型ロック機構241から円周方向に間隔を空けられ得る。さらに、図3A図3Cの実施形態では、アンカー203は、内周面233に沿って互いに間隔を空けられた複数の、例えば2つまたは一対の、凹型ロック機構243A、243Bを含む。ロック機構243A、243Bは、内周面233に凹部231を挟んで互いに向かい合って配置され得る。いくつかの実施形態では、図3Bに示すように、第1の凹型ロック機構243Aは、上腕骨アンカー203の内側部Mに配置され得、第2の凹型ロック機構243Bは、上腕骨アンカー203の外側部Lに配置され得る。いくつかの例では、第1の凹型ロック機構243Aは、上腕骨アンカー203の前部に配置され得、第2の凹型ロック機構243Bは、上腕骨アンカー203の後部に配置され得る。第1の凹型ロック機構243Aと第2の凹型ロック機構243Bとは、内周面233に互いに向かい合って配置され得る。第1のロック機構243Aと第2のロック機構243Bとの間に、例えば、180度、120度、90度、60度の角度またはそれらの間の他の角度の分離を定めることができる。2つよりも多いロック機構243Aまたは243Bを設けることができ、例えば、120度間隔で3つ、90度間隔で4つ、60度間隔で6つ設けることができる。ロック機構243A、243B間の間隔は、いくつかの実施形態では、等しくなくてもよい。
【0061】
凹型ロック機構243は、内周面233に対して半径方向外側へ延在する曲面を含むことができる。凹型ロック機構243A、243Bは、関節コンポーネント161とロック機構243A、243Bとの間に締り嵌め接続を提供する関節コンポーネント161のロック機構に対して大きさを決められ得る。このような締り嵌めは、凹型ロック機構243A、243Bが関節コンポーネント161の対応する外面よりも小さい態様を含み得る。
【0062】
複数の、例えば2つまたは一対の、凸型ロック機構241A、241Bはまた、内周面233に沿って互いに向かい合って配置され得る。いくつかの実施形態では、図3Bに示すように、第1の凸型ロック機構241Aは、上腕骨アンカー203の前部Aに配置され得、第2の対向凸型ロック機構241Bは、上腕骨アンカー203の後部Pに配置され得る。凸型ロック機構241は、第1の凹部231に向かって内周面233に対して半径方向内側へ延在する突起247を含むことができる。突起247は、第1の凹部231内で長手方向を、例えば関節コンポーネント261の挿入方向と平行に、近位~遠位方向に向けた細長いものであり得る。突起247は、周辺部233の隣接部分から第1の凹部231の中央部分に向かって延びることができる。突起247に隣接する周辺231の部分は、突起247に対して、第1の凹部231に面した構造における凹状であり得る。例えば、凸型ロック機構241は、内周面233に形成された一対の凹んだ凹部242に隣接し得る。凹型ロック機構243A、243Bと同様に、凸型ロック機構241A、241Bは、関節コンポーネント161と凸型ロック機構241A、241Bとの間に締り嵌め接続を提供する関節コンポーネント161の対応するロック機構に対して大きさを決められることが可能である。このような締り嵌めは、凸型ロック機構241A、241Bが関節コンポーネント161の対応する外面よりも小さい態様を含むことができ、例えば、突起247は、関節コンポーネント161の対応するロック機構内に延在し係合することができる。
【0063】
内周面233に沿って周方向に周方向溝244が延在し得る。溝244は、凹型ロック機構243Aと凸型ロック機構241Aとの間、凹型ロック機構243Aと凸型ロック機構241Bとの間、凹型ロック機構243Bと凸型ロック機構241Aとの間、及び凹型ロック機構243Aと凸型ロック機構241Bとの間に円周方向に配置された複数のセグメントを含み得る。溝244は、好適な任意の個数のセグメント、例えば、4つ、6つなどのセグメントを含むことができる。以下に説明するように、溝244は、関節コンポーネント161のロック機構288とのスナップ嵌めまたは締り嵌めを提供するように、関節コンポーネント161のロック機構288に対して大きさを決められ得る。様々な実施形態では、溝244は、関節コンポーネント161のロック機構288をアンカー203に固定できる遠位に面している面を含み得る。
【0064】
臨床医は、関節コンポーネント161(例えば、図3A-1に示すリバース型関節コンポーネント180)をステムレス上腕骨アンカー203の第1の凹部231に挿入して、関節コンポーネント161をアンカー203に固定することが可能である。関節コンポーネント161のロック機構288は、互いに間隔を空けて、例えば関節コンポーネント161の両側に、凸型タブ252を含んでもよい。ロック機構288はまた、互いに間隔を空けられた凹型スロット251を含んでもよい。ロックリング253が関節コンポーネント161の溝内に円周方向に配置され得る。遠位突起254が、ロック機構288から遠位に延びていて、第2の凹部232にてステムレス上腕骨アンカー203に係合し得る。
【0065】
臨床医が関節コンポーネント161を第1の凹部231に挿入するときに、臨床医は、凸型タブ252がアンカー203の対応する凹型ロック機構243と係合するように、かつ凹型スロット251がアンカー203の対応する凸型ロック機構241と係合するように、関節コンポーネント161を第1の凹部231に対して位置合わせすることが可能である。タブ252、スロット251、凹型ロック機構243、及び凸型ロック機構241は、関節コンポーネント161を第1の凹部231へ挿入する際に、リバース型関節コンポーネント180と上腕骨アンカー203との間に締り嵌めまたは摩擦嵌合が生じるように寸法決めされ得る。凹型ロック機構243及び凸型ロック機構241は、アンカー203と関節コンポーネント161との間の相対的回転を抑制する回転防止機構として機能し得る。ロックリング253は、アンカー203の周方向溝244内に延在し得る。ロックリング253は、関節コンポーネント180をアンカー203に動かないよう留め、関節コンポーネント161がアンカー203から垂直方向外側へ並進するのを防止する働きをすることができる。
【0066】
図3Bは、関節コンポーネント161(リバース型関節コンポーネント180など)とアンカー203との接続を示す。関節コンポーネント161の外周面をアンカー203の内周面233の内側に見て取ることができる。上記のとおり、タブ252は、アンカー203の凹型ロック機構243A、243Bに締り嵌めで係合することができる。同様に、関節コンポーネント161の凹型スロット251は、凸型ロック機構241A、241Bの突起247に締り嵌めで係合し得る。図3Bの図には示されていないが、ロックリング253は、内周面233の溝244内に嵌合し得る。
【0067】
1つまたは複数のロック機構が異なる構成を有する実施形態では、回転位置を、手術中に、より容易に確認することができる。例えば、タブ252が凹型ロック機構243A、243Bに対して正しく回転配置されていることを目視確認することができる。2つの対向するタブ252を設けることにより、2つの回転位置のみで関節コンポーネント161がアンカー203に固定されることになり得る。いくつかの場合には、肩関節が組み立てられたとき、肩関節のまさにその生体力学が、これらの2つの位置によってもたらされる。この2つの位置は回転対称である。他の実施形態では、この2つの位置は、外科医がアンカー203に対する関節コンポーネント180の2つの位置の中から選択できるように、生体力学の2つの選択肢を提供する。第1の回転位置では、タブ252Aが、上に位置する凹んだ凹部243Aに配置され、タブ252Bが、下に位置する凹んだ凹部243Bに配置される。第2の回転位置では、タブ252Aが、下に位置する凹んだ凹部243Bに配置され、タブ252Bが、上に位置する凹んだ凹部243Bに配置される。
【0068】
様々な実施形態では、上腕骨アンカー203の近位端239は、上腕骨に対して配置されるように構成されたカラーまたはリム266を含むことができる。図6Cのステム付き上腕骨アンカー1200に関連して以下に説明するように、リム266は、海綿骨圧縮部材を含み得、これは骨圧縮面を含み得る。ステムレスアンカー203の骨圧縮面は、図6Cに示す骨圧縮部材と概ね同様であり得る。例えば、骨圧縮面は、上腕骨アンカー203の近位端239に隣接してまたは近位端239に配置され得、近位部203内側の周りに配置され得る。図6Cの場合と同様に、骨圧縮面は内側側面にのみ配置され得、例えば、上腕骨ステムの外側側面を含まない近位端239周辺の一部の周りに配置され得る。ステムレスアンカー203の骨圧縮部材は、図6Cに関連して以下に説明するものと概ね同様の特徴を含むものであってよい。
【0069】
例えば、図6のステム付きアンカー1200と同様に、ステムレスアンカー203の海綿骨圧縮部材を患者に合わせて作製することができる。例えば、様々な実施形態では、患者の肩(例えば、上腕骨及び/または関節窩)は、術前の撮影処置の間に画像化され得る。ステムレスアンカー203の海綿骨圧縮部材は、手術前に行われた画像化に基づいて、患者の解剖学的構造に特別に適合するように成形することができる。例えば、様々な実施形態では、海綿骨圧縮部材は、3次元(3D)印刷などの様々な種類の付加製造技術を使用して製造することができる。患者の海綿骨構造を表す画像データは、海綿骨圧縮部材を患者の海綿骨組織と実質的に適合または一致させるように製造できる3D印刷機械に送られてもよい。部材は、少なくとも皮質骨層の内壁部にまで及ぶ形状であればよい。部材は、皮質骨層の内壁部を越えて広がる形状であってもよい。部材は、切除面で上腕骨の周縁の形状に沿うように成形することができる。これらの構成は、応力遮蔽とそれに伴う骨量の減少とを軽減、最小化、または排除するために、患者に合わせて作られ得る。したがって、本明細書に開示される様々な実施形態は、上腕骨内のアンカーのフィット性を改善する患者特有の構造を有益に提供することができる。
【0070】
図4A図4Gは、上腕骨アンカーの外面の様々な形状を示す。例えば、図4Aは、ステムレス上腕骨アンカー303の概略側面図である。上腕骨アンカー303は、図2図3Cの上腕骨アンカー103、203と同じであってもよくまたは異なっていてもよい。特に断りのない限り、図4Aの構成要素は、図3図3Cの同様の番号の構成要素と同じかまたは概ね類似し得、参照番号は図3図3Cの参照番号に対して100だけ増やされる。図4Aに示すように、ステムレス上腕骨アンカー303の近位部307は、第1の近位外面311を含み得る。ステムレス上腕骨アンカー303の遠位部305の第1の区分305Aは、第2の遠位外面312を含み得る。第1の近位外面311は、第2の遠位外面312より広くされ得る。例えば、第1の近位外面311は、第1の凹部331の周りに配置され得る。第2の遠位外面312は、第2の凹部(例えば、図3Cに示す第2の凹部232)の周りに配置され得る。様々な実施形態では、近位部307の第1の幅(例えば、第1の近位外面311の対向する位置で測定される)と、第1の遠位区分305Aの第2の幅(例えば、第2の遠位外面312の対向する位置で測定される)との比は、1.2~2の範囲、1.2~1.8の範囲、1.25~1.8の範囲、1.3~1.75の範囲、1.3~1.7の範囲、または1.3~1.6の範囲にあり得る。第1の幅と第2の幅とのそのような比率は、アンカー302を上腕骨に固定するための骨充填機能を有益に果たし得る。
【0071】
図示された実施形態では、上記で説明したように、第1の表面及び第2の表面311、312の両方が骨充填機能を果たすことができ、例えば、第1の表面及び第2の表面311、312のそれぞれの幅は、アンカー302を充填しアンカー302を上腕骨に固定するために十分に大きくすることが可能である。いくつかの実施形態では、第1の近位外面311は、内向きにテーパーを付けられてもよい。他の実施形態では、第1の外面311は、直線形状または略円筒形状の表面を含み得る。第1の外面311は、上腕骨アンカー303の近位端339に対して直円柱を形成し得る。言い換えれば、第1の外面311は、アンカー303の近位端339を含む平面に対して垂直に延在する。他の実施形態では、第1の外面311は、内向きにテーパーを付けられ得る。表面311は、アンカー303の近位端339を含む平面から、垂直から5度の角度に向けられ得る。表面311は、アンカー303の近位端339を含む平面から、垂直から1度~10度の間の角度に向けられ得る。様々な実施形態では、第2の遠位面312は、直線形状または略円筒形状の表面を含み得る。例えば、表面312はまた、アンカー303の近位端339を含む平面に対して垂直に向けられ得る。他の実施形態では、第2の外面312は、内向きにテーパーを付けられ得る。例えば、第2の表面312は、アンカー303の近位端339を含む平面から、垂直から5度の角度に向けられ得る。表面312は、アンカー303の近位端339を含む平面から、垂直から1度~10度の間の角度に向けられ得る。
【0072】
図3図3Cに関連して上記で説明したように、第2の遠位区分305Bのフィン309は、第1の遠位区分305Aから上腕骨アンカー303の遠位端まで遠位に延在することができる。フィンの長さlは、アンカーと結合された関節コンポーネントに荷重、例えばトルクが加えられたとき、骨幹端内でのアンカー303の回転を減少させ、最小化または排除するために十分に長くすることが可能である。様々な実施形態では、例えば、フィンの長さlは、上腕骨アンカー303全体の第1の長さlの少なくとも10%、上腕骨アンカー303全体の第1の長さlの少なくとも11%、上腕骨アンカー303全体の第1の長さlの少なくとも20%、上腕骨アンカー303全体の第1の長さlの少なくとも24%、上腕骨アンカー303全体の第1の長さlの少なくとも28%、上腕骨アンカー303全体の第1の長さlの少なくとも29%、上腕骨アンカー303全体の第1の長さlの少なくとも30%、上腕骨アンカー303全体の第1の長さlの少なくとも31%、上腕骨アンカー303全体の第1の長さlの少なくとも33%、または上腕骨アンカー303全体の第1の長さlの少なくとも34%であり得る。様々な実施形態では、フィンの長さlfは、上腕骨アンカー303全体の第1の長さlの8%~40%の範囲、上腕骨アンカー303全体の第1の長さlの10%~40%の範囲、上腕骨アンカー303全体の第1の長さlの11%~40%の範囲、上腕骨アンカー303全体の第1の長さlの20%~25%の範囲、上腕骨アンカー303全体の第1の長さlの25%~35%の範囲、上腕骨アンカー303全体の第1の長さlの20%~40%の範囲、上腕骨アンカー303全体の第1の長さlの20%~35%の範囲、上腕骨アンカー303全体の第1の長さlの24%~40%の範囲、上腕骨アンカー303全体の第1の長さlの30%~40%の範囲、上腕骨アンカー303全体の第1の長さlの8%~35%の範囲、または上腕骨アンカー303全体の第1の長さlの30%~35%の範囲であり得る。さらに、1つまたは複数の径方向突起306が、上腕骨アンカー303から半径方向外側へ延在することができる。図示するように、例えば、径方向突起306は、第2の遠位面312から外側へ延在してもよい。径方向突起306は、上腕骨への上腕骨アンカー303の接続を強化することが可能である。径方向突起306は、図示のように、内向きかつ遠位にテーパーを付けられてもよい。
【0073】
図4Bは、図4Aのステムレス上腕骨アンカー303の底面図である。図4Bの実施形態では、アンカー303は、3つのフィン309A、309B、及び309Cを含み得る。図4Bに示すように、フィン309Cは、下方向Iに沿って向けられ得る。フィン309Aは、前方向A及び上方向Sに沿ったそれぞれの方向成分をもつように、斜めに向けられ得る。フィン309Bは、後方向P及び上方向Sに沿ったそれぞれの方向成分をもつように、斜めに向けられ得る。図示するように、フィン309A~309Cは、例えば、約120°ずつ等間隔で配置させることができる。下I、上S、前A、及び後Pの各方向は、アンカー303、403、503のいずれかを適用したときの患者の上腕骨の方向に対応する。移植中、臨床医は、このようにして上腕骨アンカー303を配向させることができ、図示した配向でアンカー303を上腕骨に挿入することができる。この配向では、前-上フィン及び後-上フィンの配向により、外側へ傾ける力(ティルトアウトの力)を受けやすい方向に面した表面積が大きくなるので、上腕骨へのインプラントの固着を有益に改善する可能性がある。
【0074】
図4C図4C-2は、フィン構造がアンカー403の全長に沿って延在するステムレス上腕骨アンカー403の別の例を示す。図4Cは、アンカー403の側面図である。図4C-1は、アンカー403の上面図である。図4C-2は、図4C-1の切り口4C-2---4C-2に沿って取られたステムレス上腕骨アンカー403の側断面図である。特に断りのない限り、図4C図4C-2の構成要素は、図4Aの同様の番号の構成要素と同じかまたは概ね類似し得、参照番号は図4Aの参照番号に対して100だけ増やされる。例えば、図4Aの場合と同様に、図4C図4C-2のアンカー403は、第1の遠位区分405Aからアンカー403の遠位端まで延在する遠位フィン409を含む。さらに、アンカー403は、第2の遠位面412から半径方向外側へ延在する径方向突起406Bを含む。加えて、アンカー403は、第1の近位面411から半径方向外側へ延在する径方向突起406Aをさらに含むことができる。突起406A、406Bは、内向きかつ遠位にテーパーを付けられてもよい。図示の実施形態では、さらに、突起406A、406Bは、互いにかつフィン409と共に連続した表面を画定するように形成されてもよい。例えば、図4C及び図4C-2に示すように、フィン409及び突起406A、406Bは、共通の外側リブ418を有する半径方向及び遠位方向に延在するフィン構造を画定するよう協働し得る。図示するように、フィン409及び突起406A、406Bは、丸みを帯びたエッジを有することができる。半径方向及び遠位方向に延在するフィン構造は、アンカー403の近位端439にあるカラー438から、アンカー403の遠位端、例えば、フィン409の遠位端まで延在し得る。有益なことには、図4C図4C-2の細長いフィン構造を使用すると、上腕骨へのアンカー403の固定を改善することが可能になる。
【0075】
図4Dは、ステムレス上腕骨アンカー503の別の例を示す。特に断りのない限り、図4Dの構成要素は、図4A図4C-2の同様の番号の構成要素と同じかまたは概ね類似し得、参照番号は100だけ増やされる。図4Dの実施形態では、第1の外面511及び第2の外面512は、垂直側壁、例えば、アンカー503の近位端539におけるカラー538に対して垂直な側壁を有する円筒形表面を含み得る。第1の外面511により少なくとも部分的に画定され得る近位部507の幅は、第1の幅を有し得る。第2の外面512により少なくとも部分的に画定され得る第1の遠位区分505Aの幅は、第1の幅よりも小さい第2の幅を有し得る。様々な実施形態では、第2の幅は、約0.5mm~約4mmの範囲、約1mm~約3mmの範囲、または約1.5mm~約2.5mmの範囲で、例えば約2mmだけ、第1の幅よりも小さくされ得る。
【0076】
図4D-1は、別の実施形態による、上腕骨アンカー603の側面図である。上腕骨アンカー603は、図4Dの上腕骨アンカー503と概ね同様のものであり得る。例えば、アンカー603は、近位端639のカラー638からアンカー603の遠位端まで延在するフィン構造を有することができる。さらに、近位部607及び第1の遠位区分605Aは、直円筒形の外形を有することができる。図4D-1の実施形態では、フィン構造の少なくとも一部に多孔質材料649が設けられ得る。例えば、図示された実施形態では、多孔質材料649は、近位区分及び第1の遠位区分607、605Aの外面611、612に加えて、径方向突起606A、606Bに沿って提供され得る。多孔質材料649は、径方向突起606A、606Bへの骨組織の内殖を促進するために提供され得る。他の実施形態では、多孔質材料649は、フィン609上にも設けられ得る。
【0077】
図4Eは、別の実施形態による、ステムレス上腕骨アンカー703の概略側面図である。特に断りのない限り、図4Eの構成要素は、図4D-1の同様の番号の構成要素と同じかまたは概ね類似し得、参照番号は図4D-1の参照番号に対して100だけ増やされる。図4Eの実施形態では、複数の歯719が第1の近位面711上及び/または第2の遠位面712上に設けられ得る。様々な実施形態では、複数の歯719は、第1の表面及び第2の表面711、712のそれぞれに設けられ得る。他の実施形態では、歯719は、第1の表面及び第2の表面711、712の一方のみに設けられ得る。図示するように、歯719のそれぞれは、近位方向に向いた面、表面、または範囲を含み得る。歯719は、アンカー703を上腕骨に固定するのを支援し得る。様々な実施形態では、歯719は、金属で構成され得る。図4Eは、歯719が、表面711、712の一方または両方の周りに配置された1つまたは複数の弧状突起を含み得ることを示す。歯719は、いくつかの実施例では、環状の突起を含み得る。歯719は、近位側により大きい構造及び遠位側により小さい構造を含むことができる。歯719は、表面711、712の一方及び/または両方に、複数の整列した環状構造、例えば、2つ、3つ、4つまたはそれ以上の環状突起を含むことが可能である。歯719の1つ以上または全ては、骨物質と係合し、予想される作業荷重下でアンカー703が上腕骨から外へ戻り得ることに抵抗するようになる、近位方向に向けられた表面を提示することが可能である。
【0078】
図4Fは、別の実施形態による、上腕骨アンカー803の概略側面図である。図4F-1は、図4-Fのステムレス上腕骨アンカー803の概略底面図である。特に断りのない限り、図4F図4F-1の構成要素は、図4Eの同様の番号の構成要素と同じかまたは概ね類似し得、参照番号は図4Eの参照番号に対して100だけ増やされる。図4Eの実施形態とは異なり、図4F~4F-1では、アンカー803は、4つのフィン809A、809B、809C、及び809Dを含む。フィン809Aは、前方向A及び上方向Sに沿ったそれぞれの方向成分をもつように、解剖学的構造に対して斜めに向けられ得る。フィン809Bは、後方向P及び上方向Sに沿ったそれぞれの方向成分をもつように、解剖学的構造に対して斜めに向けられ得る。フィン809Cは、後方向P及び下方向Iに沿ったそれぞれの方向成分をもつように、解剖学的構造に対して斜めに向けられ得る。フィン809Dは、前方向A及び下方向Iに沿ったそれぞれの方向成分をもつように、解剖学的構造に対して斜めに向けられ得る。図示のように、フィン809A~809Dは、例えば、約90°ずつ等間隔で配置させることができる。アンカー803の構成は、アンカー803が適用される上腕骨の骨幹端の海綿骨と係合する表面積を3分の1多く提供する点で有利である。また、4つのフィン809A~809D全ては、ティルトアウトの力を受けやすい方向でそのような力に抵抗するよう配置される。このようにして、フィンが3分の1増えるだけで、図4Bに示すアンカーの構成及び配向と比較して、ティルトアウト抵抗力を約2倍にすることができる。
【0079】
図4は、様々な実施形態による上腕骨アンカー903の側面図である。特に断りのない限り、図4Gに示す構成要素は、図4A図4F-1の同様の番号の構成要素と同じかまたは概ね類似し得、参照番号は図4F図4F-1に対して100だけ増やされる。図4Gの実施形態では、第1の遠位区分905Aは、図4D図4D-1のボウル形の第1の遠位区分505A及び605Aよりも小さくてもよい。近位部907及び第1の遠位区分905Aは、アンカー903の近位端939でカラー938に垂直な壁を有する直円筒形の外形を含むことができる。近位部907の幅は、第1の遠位区分905Aの幅よりも少なくとも1mm、少なくとも1.5mm、または少なくとも2mm大きくてもよい。第1の遠位区分905Aが狭いことにより、アンカー903が移植されたときに、遠位区分905Aの位置で骨物質と直接接触するフィン909の面積を増大させることができる。図4Gのアンカー903は、遠位部905の遠位区分905Aが、本明細書に開示される他のアンカーの遠位部よりも狭い骨温存ステムレスアンカーを構成することが可能である。遠位区分905Aを狭くすることで、使用されるフィン(複数可)909の表面積を大きくすることが可能になり得る。フィン909が骨に接触する表面積を大きくすることにより、アンカー903が外れる可能性のあるレバーアウト力またはその他の荷重の影響をアンカー903が受けにくくすることができる。
【0080】
また一方、遠位区分905Aの大きさは、結合具168の遠位延長部分163Bを収容するのに十分な大きさにすることができる。いくつかの実施形態では、遠位区分905Aの幅または大きさは、キット内のアンカー903の複数のサイズの中で、遠位延長部分163Bの幅よりもわずかに大きくされ得る。上記で説明したように、いくつかのキットでは、複数のサイズのステムレスアンカー903が提供され得る。様々な実施形態では、キット内のアンカー903の近位部907及び遠位部905(例えば、外面911、912及びフィン(複数可)909)の幅は、異なるサイズの骨構造内に適合するように変えてもよいが、第2の凹部または遠位の凹部(第2の凹部232と同様の凹部)の幅はキット内の各サイズのアンカー903についてほぼ同じであってもよい(またはごくわずかに変えてもよい)。いくつかの実施形態では、キット内の各アンカー903の第2の凹部または遠位の凹部の幅は、キットの特定のアンカー903の幅の15%未満、10%未満、5%未満、または1%未満の差で異なっていてもよい。
【0081】
図4Gの実施形態では、第1の近位凹部(第1の凹部231と同様の凹部)の第1の幅と第2の遠位凹部(第2の凹部232と同様の凹部)の第2の幅との比は、2:1~3.25:1の範囲、2.2:1~3.1:1の範囲、または2.25:1~3:1の範囲であり得る。上記で説明したように、いくつかの実施形態では、キットの各アンカー903の第2の遠位凹部の幅は、ほぼ同じであってもよく、またはごくわずかに変えてもよい。キットのアンカー903の第1の近位凹部の第1の幅は、キット内の最大のアンカー903の第1の近位凹部(第1の凹部231と同様の凹部)の第1の幅と、キット内の最小のアンカー903の第1の近位凹部の第1の幅との比が、1.2~1.5の範囲、1.25~1.45の範囲、または1.3~1.4の範囲に入るように異なっていてもよい。
【0082】
B.ステム部分付きの上腕骨アンカーの例
患者によっては、上腕骨H内の上腕骨インプラントの固着を強化し、または別の方法で固着することが好ましい。骨幹端Mの骨質が、ステムレスアンカーでは十分なティルトアウト性能が得られず、または骨と十分に一体化することが期待できない質である場合があるためである。したがって、上腕骨Hの骨幹Dに到達するように適合された遠位部を有するアンカーが、患者にとって良い選択となり得る。
【0083】
図5は、上腕骨Hの骨幹Dに及ぶことができる遠位部を有する上腕骨ステム1190の例を示す。上腕骨ステム1190の位置決めは、難しい場合がある。例えば、上腕骨ステム1190の近位端の外側側面(図5における左上側)が皮質骨Co層に当接、係合、または接触することが望ましい場合がある。これにより、上腕骨Hにおける上腕骨ステム1190に予測どおりの性能をもたらすことができる。一方、上腕骨ステム1190の近位端の内側側面(図5における右上側)は、切除された上腕骨Hの非円形形状のため、皮質骨Coから間隔を空けられ得る。より詳細には、切除部の上外側エッジから切除部の下内側エッジまでの距離が、上腕骨ステム1190の近位端における上腕骨ステム1190の骨幹端部の直径よりも大きくなり得る。そのため、矢印Aにおける海綿骨Caの一部は、上腕骨ステム1190によって係止されず、上腕骨ステム1190の埋め込み後に露出することになる。矢印Aの位置の海綿骨Caは、上腕骨ステム1190を挿入する方法(さらに後述)によっていくらか圧縮される可能性があるが、この位置の海綿骨Caの非係合状態は、骨の吸収につながる応力遮蔽などの不利な過程を招き得る。
【0084】
図6A図6Mは、切除された上腕骨Hに移植することができる上腕骨ステム1200の様々な例を示す。上腕骨ステム1200は、複数のステム付き上腕骨アンカー113のうちの1つとしてキット100に提供されてもよい。上腕骨ステム1200の機構の任意の1つ以上が、キット100に提供され得る上腕骨ステム1190に組み込まれ得る。
【0085】
図6Aは、上腕骨ステム1200が骨幹端部1202及び骨幹部1204を含むことを示す。骨幹端部1202は、上腕骨Hの骨幹端Mに配置されるように構成され、骨幹部1204は、上腕骨Hの骨幹Dに配置されるように構成される(図5参照)。骨幹端部1202は、そのどの断面においても骨幹部1204よりも大きな面積を有する。骨幹端部1202は、一般に、上記のステムレスアンカーの構造と同様に、骨幹端Mの大きな容積を占めるように構成されている。いくつかの場合には、骨幹端部1202は、キット100内の対応するサイズのステムレスインプラントと等しいかまたはそれを超える総容積を有する。骨幹部1204は、上腕骨Hの髄内管の形状及び容積に周縁が一致し、概ね嵌合するように、テーパーを付けられ得る。少なくとも骨幹端部1202は、海綿骨接触面1206を有する。海綿骨接触面1206は、海綿骨Caに接触し、上腕骨ステム1200と海綿骨Caとの間に所望の結果をもたらしまたは海綿骨Caを温存する機能を提供するように配置されかつ構成される上腕骨ステム1200の外表面の一部を含むことができる。いくつかの場合には、海綿骨接触面1206は、上腕骨ステム1200における骨内成長を提供しまたは促進するように構成された多孔質区間1208を含む。多孔質区間1208は、その中またはその上で骨物質が成長するのを促すような大きさの孔を有するテクスチャまたは表面であり得る。海綿骨接触面1206は、応力遮蔽の効果を低減しまたは最小化するように構成された海綿骨圧縮部材1210を含むことができる。
【0086】
図6Bは、上腕骨ステム1200の近位及び内側の態様を示す。この態様は、関節体接続部分1212を含む。関節体接続部分1212は、リバース型肩インプラント関節体などの関節体が結合され得る部分である。以下にさらに詳細に説明するように、関節体接続部分1212は、以下にさらに説明するように、そのような関節体の形状を収容し係合する機構を含み得る。関節体接続部分1212は、上腕骨ステム1200の近位端に配置され得る。関節体接続部分1212は、関節体インサートを方向付ける際に外科医に指示するための目印を含み得る。上腕骨ステム1200はまた、ツール類接続部分1213を含み得る。ツール類接続部分1213は、ステムレス上腕骨アンカー203に関連して上に述べた止まり穴245と同様の穴であり得る。いくつかの場合には、キット100は、図7図20に関連して後述するように、上腕骨ステム及びステムレスアンカーの両方に使用できるツールを含む。そのようなキット100では、ツール類接続部分1213を、上腕骨ステム1200と図3A図4Gに関連して上で述べたステムレスインプラントとで同一にすることができる。
【0087】
上腕骨ステム1200を上腕骨Hに埋め込んだ後、経過が良好な場合には、ステムが上腕骨H内の定位置に保持されることになる。図6A及び図6Bに見られる回転防止部材1214は、上腕骨Hにおける上腕骨ステム1200の動き、具体的には上腕骨ステム1200の遠位部1216の長手軸1222周りの回転を低減させることができる。回転防止部材1214は、骨幹端部1202に配置され得る。回転防止部材1214は、骨幹部1204に向かって骨幹端部1202に沿って延在し得る。図6Aは、上腕骨ステム1200が、概して骨幹端部1202に対応する多孔質の部分と、上腕骨ステム1200の遠位端1218から骨幹端部1202に向かって延在する滑らかな部分とを有し得ることを示す。回転防止部材1214は、多孔質の部分に延在する第1の部分と、滑らかな部分にある第2の部分とを含み得る。回転防止部材1214は、多孔質骨幹端部1202から骨幹端部1202と骨幹部1204との間の移行領域へ連続的に延在し得る。
【0088】
図6Bは、回転防止部材1214が、体積が減少する前及び後の区間から突出し得ることを示す。この前及び後の区間は、切除面の下に温存される上腕骨の体積を収容できる、近位に拡張された縦溝として構成され得る。この前及び後の区間は、回転防止部材1214から上腕骨ステム1200の外側半分に向かう、上腕骨ステム1200本体の内側半分に凹んだ輪郭として見ることができる。この前及び後の区間は、縦溝が存在しない構成、例えば、上腕骨ステム1200が回転防止部材1214の領域において連続的に凸である構成と比較して、上腕骨の骨を温存する。
【0089】
図6A図6Jは、上腕骨ステム1200が、遠位端1218から近位に長手軸1222に沿って延在する遠位部1216を含み得ることをさらに示す。遠位部1216は、上腕骨アンカー1200の遠位端1218に向かって長手軸1222に沿って内向きにテーパーを付けられている。上腕骨ステム1200は、近位部1226を含む。近位部1226は、上腕骨アンカー上腕骨ステム1200の近位端1230から遠位に延びる。上腕骨ステム1200は、外表面1234を含む。近位部1226における外表面1234は、上腕骨アンカーが配置されることになる上腕骨の骨幹端の容積の少なくとも大部分を占めるように拡張される。遠位部1216における外表面1234は、その実質的な調製なしに髄内管内に嵌合するように、細長くされ得る。外表面1234は、一部が多孔質であってもよく、一部が滑らかであってもよい。
【0090】
上腕骨ステム1200は、外側側面1238を含む。外側側面1238は、上腕骨骨幹端の外側部の皮質壁に隣接して配置されるように構成される。以下にさらに説明するように、上腕骨は、切除、リーマー加工及びブローチ加工により加工されて、その中に空間が整えられ得る。1つのアプローチでは、上腕骨ステム1200の外側側面1238は、外側皮質骨壁またはセグメント、例えば、皮質骨層の内表面に隣接して配置されるように構成される。このような配置は、いくつかの技法において、上腕骨における一貫した解剖学的基準点を提供する。このような配置により、内側側面1242は、内側皮質壁に対して一貫して間隔を空けられることが可能になる。例えば、内側側面1242、または上腕骨ステム1200を移植する方法は、内側側面1242が内側皮質壁から間隔を空けられれるように構成され得る。このような間隔を空けることにより、上腕骨ステム1200が患者に適用されたときに、上腕骨ステム1200が内側皮質壁を突き破る可能性がないように、内側皮質壁を温存することを可能にする。
【0091】
図6A及び図6Cは、様々な例における海綿骨圧縮部材1210のさらなる詳細を提供する。海綿骨圧縮部材1210は、骨圧縮面1250を含み得る。骨圧縮面1250は、上腕骨アンカー1200の近位端1230に隣接して配置され得、または近位端1230に配置され得る。一例では、骨圧縮面1250は、近位部1226の内側側面1242の周りに配置される。骨圧縮面1250は内側側面1242の周りにのみ配置され得、例えば、上腕骨ステム1200の外側側面1238を含まない近位端1230周縁の一部の周りに配置され得る。海綿骨圧縮部材1210は、上腕骨に移植されたときに、近位部の内側側面1242から上腕骨骨幹端の内側側面の皮質壁まで延在するように構成される。図5では、上腕骨ステム1190の内側側面と皮質骨Coの内部表面または内部壁面との間の矢印Aにおいて隙間があることを示す。骨圧縮面1250は、上腕骨ステム1190によって埋められなかった隙間または空間を埋めるように構成され得る。矢印Aにおいて示された隙間を閉じることで、応力遮蔽による骨量減少を軽減し、最小化し、または排除することすらも可能である。その結果、より安定した、長持ちするインプラントを得ることができ、高齢の患者に精神的苦痛を与え、症例によっては実行不可能な場合もある再置換術の事例を削減し、最小限に抑え、または排除することさえもできる。
【0092】
骨圧縮面1250は、フランジ1258の遠位に面する側面を構成し得る。フランジ1258は、上腕骨ステム1200の近位部1226の近位端1230から外側に延び得る。フランジ1258の外周面の形状は、任意の好適な形状であってよい。例えば、フランジ1258は、円形外周面1266を有することができる。円形外周面1266は、上腕骨ステム1200の近位部1226の外側側面の半径に対応する半径を有し得る。上腕骨ステム1200の近位端1230は、円形形状をもつ環状面を有し得る。この円形形状の半径は、環状面に隣接する近位部1226の外側側面1238と同じ外側位置まで延びることができる。この円形形状の半径は、環状面に隣接する近位部1226の内側側面1242よりもさらに広く内側に延びることができる。これにより、内側側面1242には骨圧縮面1250の張り出し構成が与えられ得、外側側面1238にはより少ない骨圧縮面が与えられるかまたは全く骨圧縮面が与えられなくなり得る。この構成の結果、骨圧縮面1250の幅には、その少なくとも一方の端部で、場合によっては両方の対向する端部で、例えば、図6Cに見られるように約10時方向から約2時方向まで、骨圧縮面1250が存在しなくなるまで、テーパーを付け得ることになる。図示の実施形態では、骨圧縮面1250は、海綿骨圧縮部材1210の周縁部の半分以上に存在する。骨圧縮面1250は、海綿骨圧縮部材1210の周縁部の半分以下、例えば、一例では8時方向と4時方向との間にのみ存在してもよい。骨圧縮面1250は、近位端1230の周囲全体に、様々な幅で存在してもよく、例えば、外側側面1238ではより少ない幅で存在し得る。
【0093】
さらなる例では、海綿骨圧縮部材1210の構成を患者に合わせて作製することができる。例えば、様々な実施形態では、患者の肩(例えば、上腕骨及び/または関節窩)は、術前の撮影処置の間に画像化され得る。海綿骨圧縮部材1210は、手術前に行われた画像化に基づいて、患者の解剖学的構造に特異的に適合するように成形することができる。例えば、様々な実施形態では、海綿骨圧縮部材1210は、3次元(3D)印刷などの様々な種類の付加製造技術を使用して製造することができる。患者の海綿骨構造を表す画像データは、海綿骨圧縮部材1210を患者の海綿骨組織と実質的に適合または一致させるように製造できる3D印刷機械に送られてもよい。部材1210は、少なくとも皮質骨層の内壁部にまで及ぶ形状であればよい。部材1210は、皮質骨層の内壁部を越えて広がる形状であってもよい。部材1210は、切除面で上腕骨の周縁の形状に沿うように成形することができる。これらの構成は、応力遮蔽とそれに伴う骨量の減少とを軽減、最小化、または排除するために、患者に合わせて作られ得る。したがって、本明細書に開示される様々な実施形態は、上腕骨内のアンカーのフィット性を改善する患者特有の構造を有益に提供することができる。
【0094】
図6Bは、上腕骨ステム1200が、上腕骨アンカーの近位面1278に配置された環状表面1274を有し得ることを示す。フランジ1258は、近位面1278の環状表面1274の一部を含み得る。いくつかの場合には、フランジ1258は、一方の側面に骨圧縮面1250を含み、その反対側の側面に配置された環状表面1274を含む。環状表面1274は、患者の上腕骨に対して関節コンポーネントまたは組立体を方向付けるのに役立つ目印を含むことができる。環状表面1274は、上腕骨アンカー1200の近位面1278に配置された環状表面1274の上または中に形成された回転配向目印1282を含むことができる。図示の実施形態では、回転配向目印1282は、12の離散的な回転位置を示すための時計の文字盤の形式をとった数字である。この形式の回転配向目印1282は直感的に分かるが、目印はより少ない数、またはより多くの数、文字、色、もしくは他の目印、あるいは目印の組み合わせにしてもよい。いくつかの場合には、上腕骨ステム1200と結合されることになる関節組立体または関節コンポーネントは、上腕骨ステム1200に対するその回転位置が組立体の生体力学を変化させるような非対称形をしている。環状表面1274上の目印は、以下にさらに説明するように、関節組立体または関節コンポーネントを配置する際に外科医を誘導することができる。簡潔に言えば、上腕骨ステム1200(試験インプラントであれ最終インプラントであれ)上の目印は、関節コンポーネントまたは関節組立体のグループに対する試験の間、所望の位置を示すために使用することができる。そして、最終的なインプラントを開かれた関節腔に最初に配置するときに、最終的な関節コンポーネントまたは関節組立体を上腕骨ステム1200と恒久的に接続するより前に、示された向きを再現することができる。
【0095】
図6D図6Fは、近位部1226の詳細、具体的には関節コンポーネントまたは関節組立体を近位部1226と接続するための機構を示す。上腕骨ステム1200は、上腕骨ステム1200の近位端1230から近位部1226に遠位に延在する凹部1286を含む。凹部1286は、凹部1286の周りに配置された内周面1290によって囲まれ得る。内周面1290は、上腕骨アンカー1200の近位端1230に隣接して配置され得る。内周面1290は、凹部1286の中心に向かって面した円形の壁であり得る。内周面1290は、リバース型ポリマーインサートまたは解剖学的関節組立体などの、関節コンポーネントを係合するための1つ以上の機構を含むことができる。内周面1290は、内周面1290に配置されたロック機構1294を含むことができる。ロック機構1294、例えば、凹型ロック機構1296Aは、骨圧縮面1250と位置合わせされている。ロック機構1294は、図3A図3Cのステムレス上腕骨アンカー203に関連して上に述べたロック機構に類似する構造を有し得る。一実施形態では、ロック機構1294は、内周面1290に配置された凹型ロック機構1296を含む。凹型ロック機構1296は、リバース型肩インプラント関節体などの関節体に対して、またはその関節体との締り嵌めをもたらすように構成され得る。凹型ロック機構1296は、第1の凹型ロック機構1296A及び第2の凹型ロック機構1296Bを含み得る。第2の凹型ロック機構1296Bは、第1の凹型ロック機構1296Aに向かい合って配置される。第1の凹型ロック機構1296A及び第2の凹型ロック機構1296Bは、一実施形態では、それぞれ上腕骨ステム1200の内側部及び外側部に配置される。
【0096】
ロック機構1294は、内周面1290に配置された凸型ロック機構1298を含むことができる。凹型ロック機構1298は、凸型ロック機構1296から間隔を空けられ得る。一実施形態では、凸型ロック機構1298は、例えば前及び後の位置に、第1の凸型ロック機構1298Aと、第1の凸型ロック機構1298Aと向かい合って配置された第2の凸型ロック機構1298Bとを含む。凸型ロック機構1298は、凹部12986に向かって突出する細長いフィン1299を含み得る。細長いフィン1299は、以下にさらに説明するように、関節コンポーネントの周縁部を係合するように構成され得る。
【0097】
上腕骨ステム1200の外形は、上腕骨Hの骨幹Dにおけるぴったりとしたフィット性と、上腕骨Hの骨幹端Mにおける骨との係合を強化することとを組み合わせて構成することができる。遠位部1216、例えば、骨幹部1204は、図6Iに示すように、遠位端1218に隣接した、上腕骨アンカー1200の長手軸1222に沿った第1の位置1304に、円形周縁部1300を含むことができる。第1の位置1304は、長さ1308に沿って配置され得る。長さ1308は、長さ1308に沿って、例えば遠位端1218から第1の位置1304まで配置された、または遠位端1218から第1の位置1304を越えて配置された、1つ以上の円形周縁部を有し得る。
【0098】
上腕骨ステム1200の外形は、図6Jに示すように、遠位端1218またはそれに隣接する円形から、上腕骨ステム1200の第1の位置1304と近位端1230との間に配置された第2の位置1320における長円形周縁部1316に変化し得る。長円形周縁部1316は、前-後の方向の第1の寸法1324と、内側外側方向の第2の寸法1328とを含み得る。第2の寸法1328は、第1の寸法1324よりも大きい。一構成では、第2の位置1320における長円形の外形は、例えば、上腕骨ステム1200の外側側面における第1の位置1304での半径と同じ半径かまたはそれよりも大きい半径を有する円形周縁部をもたらし、上腕骨ステム1200の内側側面上に第2の湾曲した外形をもたらすことが可能である。例えば、第2の湾曲した外形は、上腕骨ステム1200の内側側面が、円形湾曲部の外側側面よりも上腕骨Hに配置されたときに内側により多くの空間を占めるように、より小さな曲率半径にすることができ、または楕円もしくは長円などの非円形形状にすることができる。第2の位置1320は、第1の位置1304の近位にあり得る。
【0099】
図6E及び図6Lは、第2の位置1320のさらに近位に、少なくとも部分的に多角形の周縁部1332が、第3の位置1336に設けられ得ることを示す。第3の位置1336は、第2の位置1320と上腕骨アンカー1200の近位端1230との間に配置され得る。少なくとも部分的に多角形の周縁部1332は、遠位部1216の長手軸1222に対して角度1338の方位に向けられ、かつ上腕骨アンカー1200の近位端1230と平行な断面に配置され得る。少なくとも部分的に多角形の周縁部1332の側面は、最も広い前-後方向寸法から周縁部1332の外側側面までの、より小さい内側-外側寸法を有する部分1332Aと、最も広い前-後方向寸法から周縁部1332の内側側面までの、より大きい内側-外側寸法を有する部分1332Bとを含み得る。したがって、上腕骨ステム1200は、第3の位置1336で、外側方向よりも内側方向において、遠くまで延び、より多くの容積を埋めることができる。このことは、上腕骨ステム1200の外側側面を髄内管の突起に合わせ、内側側面は外側皮質骨壁と内側皮質骨壁との間に画定されるより複雑な空間を埋めるために内側に突出させるというアプローチと調和する。凹部1286の位置は、少なくとも部分的に多角形の周縁部1332の最も広い部分の内側にずれていることが分かる。
【0100】
図6E及び図6Kは、第3の位置1336と第2の位置1320との間に、第2の少なくとも部分的に多角形の周縁部1354が存在し得ることを示す。周縁部1354は、第2の位置1320と上腕骨アンカー1200の近位端1230との間の第4の位置1358に配置され得る。第2の少なくとも部分的に多角形の周縁部1354は、外側に向けられるように構成された湾曲した凸状の側面を含み得る。第2の少なくとも部分的に多角形の周縁部1354は、部分1332Bの端部間に配置された、より前-後に向けられた側面1342を含み得る。第4の位置1358と第2の位置1320との間で、上腕骨ステム1200は、その外側部がより小さい曲率を有する(例えば、より湾曲している)とともに、その内側部がより大きい曲率を有する(例えば、外側部よりも平坦である)構成(図6K参照)から、その外側部がより大きい曲率を有する(例えば、より平坦である)とともに、その内側部がより大きい曲率を有する(例えば、外側部よりも湾曲している)構成(図6L参照)に移行し得る。この移行は、主に、ステムが真っ直ぐにまたは上-下に、例えば髄内管の外側内皮質壁の突起に対応する方向に沿って維持されているときに、内側側面に充填される骨の量が多くなるために、それを反映する内側側面での曲率に変化が生じることの結果であり得る。
【0101】
回転防止フィン1370は、上腕骨ステム1200の1つ以上の側面に沿って配置され得る。一実施形態では、回転防止フィン1370は、上腕骨ステム1200の内側側面に沿って配置される。回転防止フィン1370は、一実施形態では、近位端1230に隣接する少なくとも部分的に多角形の周縁部1332に見つけられ得る。回転防止フィン1370は、一実施形態では、第2の少なくとも部分的に多角形の周縁部1354に見つけられ得る。一実施形態では、回転防止フィン1370は、第2の少なくとも部分的に多角形の周縁部1354の概ね前-後に向けられた側面または部分から内側方向に延在し得る突起1378を含む。回転防止フィン1370は、第3の位置1336における少なくとも部分的に多角形の周縁部1338から第4の位置1358における第2の少なくとも部分的に多角形の周縁部1354まで連続的に延在し得る。回転防止フィン1370は、上腕骨ステム1200が、遠位端1218から近位に延びる長さ1308の概ね丸い外形から、内側に延びる構成、例えば、第1の位置1304と近位端1230との間の少なくとも部分的に多角形の周縁部に移行するなかで出現し得る。
【0102】
回転防止フィン1370は、上腕骨Hにおける上腕骨ステム1200の安定性を維持する上で重要である。上腕骨ステム1200の安定性は、インプラントの脱臼を防ぐために重要であり、これがひどい場合には再置換手術となり、患者にとって最適とはいえない転帰となり得る。再置換手術が必要ない場合でも、上腕骨ステム1200のずれは、術後の肩関節の生体力学を変化させる可能性がある。上記のように、いくつかの組み合わせでは、関節コンポーネントは、所定の生体力学を提供する回転位置で上腕骨ステム1200と結合される。上腕骨Hに対する上腕骨ステム1200の回転により、腕と肩甲骨との角度が変化し、規定された生体力学からのずれが生じる。その結果、腕の動きが最適ではなくなり得、それによって肩甲骨の疲労、怪我、損傷(例えば、回避可能な肩甲骨のノッチング)、極端な場合には望まない再置換手術の必要性につながる可能性がある。
【0103】
図6Mは、長さLを提供する拡張された遠位部を有する上腕骨ステムアンカー1400の側面図である。図6A図6Lの実施形態と同様に、アンカー1400は、近位部1426及び遠位部1416を含み得る。遠位部1416は、近位部1426から延びる細長いステム1404を含み得る。上記で説明したように、近位部1426は、アンカー1400が解剖学的関節コンポーネント及びリバース型関節コンポーネントと共に使用され得るように、上記のステムレス及びステム付き上腕骨アンカーとの共用のロック機構または係合機構を含むことができる。図6Mのアンカー1400は、より大きな患者、または骨損傷または術中骨折の程度がより高い患者に適し得る長さLを有することができる。様々な実施形態では、図6Mのアンカー1400の長さLは、120mm~200mmの範囲、130mm~180mmの範囲、または140mm~160mmの範囲であり得る。以下の表1は、標準のステム長、長いステム長、及び特別長いステム長の長さの例を示す。
【0104】
IV.肩関節形成術の方法及び器具使用
上記の上腕骨アンカーを、図7図21に関連して後述する方法に従って移植することができる。これらの方法では、ステムレスアンカーとステム付きアンカーとの間で共用可能な特定のツール及び器具を有利に使用することができる。このことは、外科的処置を完了するために必要な訓練が少なくて済むという利点を提供する。
【0105】
A.上腕骨アンカーを移植する方法
図7図16は、本明細書に開示されるインプラントコンポーネント及びインプラント組立体を収容するために上腕骨Hを調製する方法を示す。本方法は、一般的な硬度や骨質の骨に使用することができる。
【0106】
本方法の初期部分において、切除ステップ1500が実行される。切除ステップ1500は、上腕骨Hに髄内切断ブロック組立体1504を適用することを含む。切除ステップ1500は、上腕骨Hの近位端に、例えば、上腕骨Hの関節面の外側部を通して進められる髄内ロッド1506を含み得る。髄内ロッド1506は、その近位端に配置された深さ停止部1508を有し得る。深さ停止部1508は、髄内ロッド1506の前進を選択された範囲に制限するように構成され得る。髄内切断ブロック組立体1504はまた、深さ停止部1508から近位に延びるハンドルを有し得る。ハンドルは、髄内切断ブロック組立体1504を配置するプロセス、例えば、組立体を上腕骨Hと位置合わせすることを支援するための1つ以上のマーキング及び開口部を有し得る。髄内切断ブロック組立体1504は、ハンドルから横方向に延びるクロスアーム1512を含み得る。クロスアーム1512は、髄内ロッド1506の長手軸を中心として回転可能に位置決めされ得る。髄内切断ブロック組立体1504はまた、そこから延びて適切な位置で切断ブロック1520に穴を開けるブーム1516を含み得る。例えば、切断ブロック1520は、上腕骨Hの上腕骨解剖頸に吊るすことができる。いくつかの手順では、解剖頸で上腕骨Hを切除して、上腕骨Hの関節面を上腕骨の残りの部分から分離することが望ましい。上腕骨Hの残りの部分から関節面を分離することで、例えば図8に見られる切除面が形成される。
【0107】
いくつかの場合には、外科医は、髄内ロッド1506を上腕骨Hに挿入しないことを好む場合があり、髄外切断ブロック組立体1524を使用することを好む場合がある。髄外切断ブロック組立体1524は、切断ブロック1520と同様の切断ブロック1520Aを含む。切断ブロック1520Aは、例えば、上腕骨Hの骨幹の外皮質壁表面にピン止め可能な取付ブロック部材で下方から支持される。髄外切断ブロック組立体1524は、切除の面を通過するロッドがない点で有利である。髄内切断ブロック組立体1504は、手術後に残る上腕骨Hのいかなる部分にも穴を開ける必要がない点で有利である。
【0108】
図8は、切除に続いて、任意選択の保護ステップ1540が実行され得ることを示す。保護ステップ1540では、切除ステップ1500で形成された切除面は、手術の他の局面が進行している間、保護され得る。新たに露出した海綿骨Caを保護することは、この骨が、この方法の後の部分で形成されて、アンカーのいずれか(例えば、ステムレスアンカーまたはステム付きアンカーの骨幹端部)の外側または外部の面及び遠位面に一致する内側の輪郭を有する凹部を有することになっているので重要である。保護ステップ1540は、海綿骨Caを覆うように切除面に保護ツール1542を適用することによって実行できる。保護ツール1542は、保護板1544を含み得る。保護板1544は、保護板1544の骨に面する(遠位または内側の)側から延びる1つまたは複数の例えば2つのスパイク1548を有し得る。スパイク1548は、スパイク1548を海綿骨Caに押し込むことができるようにするために、その遠位端で十分に鋭利であり得る。保護板1544は、そこに配置された1つまたは複数の例えば2つの操作開口部1552を含み得る。操作開口部1552は、一実施形態においては、保護板1544を完全に貫通して延び得る。操作開口部1552は、図13に示すハサミツールと同様であるようなツールによって把持され得る。保護ステップ1540が完了すると、方法の他の態様が続くことになり得る。
【0109】
図9は、続いて実行することができるサイズ変更ステップ1572を示す。保護ツール1542は、任意選択で、サイズ変更ステップ1572より前に取り外すことができる。サイズ変更ステップ1572では、ハンドル及び寸法測定器組立体1576は、露出した海綿骨Caで切除された上腕骨に対して配置される。ハンドル及び寸法測定器組立体1576は、特定の患者に対してどのサイズのステムレス上腕骨アンカー103(または本明細書に開示されるもしくは特許請求される他のアンカー)を使用すべきかを判断することを可能にし得る。例えば、ハンドル及び寸法測定器組立体1576は、その面上に、同様にラベル付けまたは番号付けされた4つのサイズに対応する1、2、3、または4の番号を有することができる。ハンドル及び寸法測定器組立体1576は、好ましくは、ガイドピン1580を配置するためにその中に形成された開口部を有する。ガイドピン1580は、ハンドル及び寸法測定器組立体1576の開口部を通して、切除面で海綿骨Caの中に進められ、その後、後続の処置のため安定させるために、上腕骨Hの中に十分に深く進められ得る。
【0110】
図9、下側の画像は、ハンドル及び寸法測定器組立体1576Aの別の例を示す。ハンドル及び寸法測定器組立体1576Aは、ヘッド寸法測定器1584及びハンドル1588を含む。ヘッド寸法測定器1584は、解剖学的関節体と同じ形を有することができ、例えば、凸面が切除部から離れる方向を向きかつ平面が切除部に面する。ヘッド寸法測定器1584は、解剖学的ヘッドが切除面上にどのように配置されるかの非常に明確な視覚的確認を提供し得る。ハンドル1588は、ヘッド寸法測定器1584の鍵付き開口部に進めることができる突起1590を含むことができる。突起1590と鍵付き開口部との間の接続は、単純な手の力を用いて、ハンドル1588をヘッド寸法測定器1584に挿入し、またハンドル1588からヘッド寸法測定器1584を取り外すことができるように、ぴったりと嵌合することができる。ぴったりとした嵌合により、把持器のようなより複雑なツールを用いることなく、外科医がハンドル1588を使用してヘッド寸法測定器1584を切除された表面に置き、その表面からヘッド寸法測定器1584を取り外すことができるように、ハンドル1588からヘッド寸法測定器1584が脱落するのを防ぐのに十分な保持力が提供され得る。ハンドル1588は、外科医の指の凸状の湾曲を少なくとも部分的に受け入れるように形作られ得る凹状の側部周辺部を有することができ、ハンドル1588を快適かつ握りやすくすることができる。ハンドル1588は、それを通して形成されたピン開口部1592を有することができる。ピン開口部1592は、突起1590を介してハンドル1588の近位側からその遠位側までの長さを有し得る。この長さは、切除時に露出した海綿骨Caを通してガイドピン1580を上腕骨H内に正確に誘導するのに十分な長さとすることができる。
【0111】
ピンが配置された後、ハンドル及び寸法測定器組立体1576、1576Aは、ピンを所定の位置に残したまま、ピンの近位端の上に取り外すことができる。
【0112】
図10は、切除ステップ1500に続くことができるリーマー加工ステップ1600を示す。リーマー加工ステップ1600は、任意選択で、ガイドピン1580上で実行されるので、いくつかの例ではサイズ変更ステップ1572またはピンが配置される別のステップに続くこともできる。リーマーが骨に向かって進められた後に、リーマー加工ステップ1600を使用して、切除ステップ1500によって露出された上腕骨Hの海綿骨Caに凹部または空洞Cを形成することができる。リーマー加工ステップ1600は、上腕骨アンカー部分、例えば、ステムレスアンカー103またはステム付きアンカーの骨幹端部を受け入れるように形作られた上腕骨Hの骨幹端に、段付きの内部の凹部または空洞Cを生成することができる。空洞Cは、第1の空洞部または近位空洞部と、第1の空洞部よりも骨の中にさらなる深さまで延びる第2の空洞部または遠位空洞部とを含んでもよい。空洞の遠位部は、近位部と比較して、直径が減少していてもよい。空洞Cはまた、空洞の第1の部分と第2の部分との間に段付き部を含んでもよい。凹部は、いくつかの例では、リーマー加工ヘッド1604及びドライブシャフト1608を含むリーマー組立体を使用して凹部を形成することができるように、回転対称にすることができる。リーマー加工ヘッド1604はまた、骨の切除面Pの下に凹状表面Rを形成してもよい。凹状表面は、空洞Cの近位にあり、少なくとも部分的に空洞Cを囲み得る。凹状表面Rと空洞Cとは、同時に(例えば、リーマー加工ヘッド1800を用いて)形成してもよいし、または順次に(例えば、リーマー加工ヘッド1850A、Bを用いて)形成してもよい。リーマー加工ヘッド1604は、ドライブシャフト1608に取り外し可能に取り付けられて、共通のドライブシャフト1608で使用すべきリーマー加工ヘッド1604の複数のサイズのうちの1つを選択できるように構成され得る。リーマー加工ヘッド1604のサイズは、いくつかの例では、サイズ変更ステップ1572で決定されたサイズに対応する。リーマー加工ヘッド1604及びドライブシャフト1608の一方または両方は、ガイドピン1580の向きによってリーマー加工の方向を制御できるように、挿管されている。
【0113】
図10A図10Bは、リーマー加工ステップ1600で使用され得る例示的なリーマー加工ヘッドを示す。
【0114】
図10Aは、第1の端部または近位端1802及び第2の端部または遠位端1804を有するリーマー加工ヘッド1800を示す。リーマー加工ヘッド1800は、第1の端部1802にドライブシャフト1822を含む。ドライブシャフト1822は、駆動装置に着脱可能に取り付けられるように構成されている。駆動装置は、リーマーヘッド1800をドライブシャフトの軸線Xの周りに回転させて、骨を除去するように構成されている。リーマー加工ヘッド1800は、第1の端部1802の近くに配置されたインジケータ1808を含むこともできる。インジケータ1808は、サイズの表示を行うことができる。異なるサイズのリーマーは、異なるサイズのアンカーに対応し得る。インジケータは、カラーインジケータ、数字インジケータ、またがその他のインジケータであってもよい。
【0115】
リーマーヘッド1800は、近位部1810及び遠位部1814を含む。近位部1810は、リーマー加工ヘッド1800の近位面1824を含む。近位面1824は、外科医がリーマー加工されている骨領域を視覚化し得るように、近位面1824を通って延び、処置中に外科医によって見ることができる1つ以上の開口部1826を含む。開口部1826は、リーマー加工中に骨材をリーマーから隔離することを可能にする。開口部1826はまた、リーマー加工ヘッド1800の総重量を減らすことができる。近位部1810は、リーマーヘッド1800の挿入深度を制御するように構成された深さ停止部1836を含み得る。
【0116】
近位部1810は、遠位対面切刃1812を含む。遠位対面切刃1812は、リーマー加工ヘッド1800の近位部1810の周りに円周方向に延在する複数の歯を含む。遠位対面切刃1812は、切除面Pに対して凹状表面Rを形成するように構成されている(図10参照)。深さ停止部1836は、遠位対面切刃1812が凹状表面Rを形成するときに深さ停止部が切除面P上に装着され得るように、遠位対面切刃1812の半径方向外側に突出し得る。
【0117】
遠位対面切刃1812は、内周面1830及び外周面1828を画定する。凹状表面Rの厚さは、内周面1820と外周面1828との間で測定される遠位対面切刃1812の厚さに相当する。遠位対面切刃1812は、内周面1820の内部のいかなる材料も除去しない。アンカーが移植されるとき、アンカーの近位端(例えば、アンカー203の近位端239)は、遠位対面切刃1812によって形成された凹状表面R上に装着されるように構成される。
【0118】
リーマー加工ヘッド1800の遠位部1814は、リーマー加工ヘッド1800の近位部1810から遠位に延在する。遠位部1814の全体は、近位部1800の内周面1820の中にあってよい。遠位部1814は、凹状表面Rから遠位に延在する空洞Cを形成する(図10参照)。空洞Cはまた、凹状表面Rの半径方向内側に配置される。
【0119】
図10Aに示すように、遠位部1814は、リーマー加工ヘッド1800の中央領域から半径方向外側へ延在する複数の径方向アーム1818を含む。複数の径方向アーム1818は、互いに円周方向に間隔を空けられてもよい。各径方向アーム1818は、第1の平坦面1832と、第1の平坦面1832に対向する第2の平坦面1834とによって画定される。第1の平坦面1832と第2の平坦面1834とは、厚み分だけ離れている。半径方向に測定される平坦面1832、1834のそれぞれの幅は、各アーム1818の厚さよりも大きい。各径方向アーム1818の厚さは、側方切刃1820を形成する。側方切刃1820は、遠位切刃1812とは異なる外形を有する。例えば、遠位切刃1812は、複数の歯または鋸歯状エッジを含んでもよく、一方、側方切刃1820は、ブレードエッジを形成する。
【0120】
遠位部1814は、2段階の空洞Cを形成するように構成されてもよい。上記で説明したように、空洞Cは、近位部と、近位部よりもさらに深く延在する遠位部とを含み得る。2段階の空洞Cは、側方切刃1820の形状によって形成されている。各側方切刃1820は、第1の切刃1820aによって画定される近位区分を含む。第1の切刃1820aは、ドライブシャフトの軸線Xに対して平行であってもよく、または角度を付けられてもよい。第1の切刃1820aは、空洞Cの近位部を形成する。
【0121】
側方切刃1820は、第2の切刃1820bによって画定される遠位区分を含む。第2の切刃1820bは、リーマーヘッド1800の第2の端部1804において、鋭利な端部で終端している。第2の切刃1820bは、第1の切刃1820aの半径方向内側に配置される。第2の切刃1820bは、ドライブシャフトXに対して平行であってもよく、または角度を付けられてもよい。第2の切刃1820は、第1の切刃1820aに対して平行であってもよく、または角度を付けられてもよい。第2の切刃1820bは、空洞Cの遠位部を形成する。
【0122】
第1の切刃1820aは、段付き部1820cによって第2の切刃1820bから分離され得る。段付き部1820cは、第1の切刃1820aから内側に、第2の切刃1820bに向かって突出している。第1の切刃1820aと段付き部1820cとの間の移行部は、丸みを帯びた角を形成してもよく、または鋭利な角を形成してもよい。段付き部1820cと第2の切刃1820bとの間の移行部は、丸みを帯びた角を形成してもよく、または鋭利な角を形成してもよい。段付き部1820cは、空洞の近位部と空洞の遠位部との間に環状のレッジを形成し得る。
【0123】
リーマー加工ヘッド1800は、ガイドピンを受け入れるように構成されたガイドチャネル1816を含んでもよい。ガイドチャネル1816は、リーマー加工ヘッドの第2の端部1804を通って延び、径方向アーム1818に対して中心に位置され得る。
【0124】
図10Bは、図10に示す空洞Cを形成するが、2つの部分をもつ形態であるように構成される別のリーマー加工ヘッドシステムを示す。リーマー加工ヘッドシステムは、第1のリーマー加工ヘッド1850A及び第2のリーマー加工ヘッド1850Bを含む。第1のリーマー加工ヘッド1850A及び第2のヘッドリーマー加工ヘッド1850Bは、リーマー加工ヘッド1800の機構のいずれかを含んでもよい。第1のリーマー加工ヘッド1850A及び第2のリーマー加工ヘッド1850Bのそれぞれは、駆動装置に着脱可能に取り付けられるように構成される。駆動装置は、リーマー加工ヘッド1850A、1850Bをドライブシャフトの軸線Xの周りに回転させて、骨を除去するように構成されている。各リーマー加工ヘッド1850A、1850Bは、ガイドピンの向きによりリーマー加工の方向を制御できるように、ガイドピンを中心に駆動され得る。
【0125】
第1のリーマー加工ヘッド1850Aは、凹状表面Rと空洞Cの近位部とを形成するように構成されている(図10参照)。図10Bに示すように、第1のリーマー加工ヘッド1850Aは、近位部1860及び遠位部1864を含む。使用時に、第1のリーマー加工ヘッド1850Aは、凹状表面Rと空洞Cの近位部とを形成するために最初に使用されてもよい。その後、第2のリーマー加工ヘッド1850Bを用いて、空洞Cの遠位部と、空洞Cの近位部と遠位部との間の段付き部とを形成することができる。
【0126】
近位部1860は、近位面1874を含む。近位面1874は、近位面1874を通って延び、処置中に外科医によって見ることができる1つ以上の開口部1876を含み得る。近位部1860は、リーマーヘッド1850Aの挿入深度を制御するように構成された深さ停止部1886を含み得る。近位部1860はまた、切除面Pに対して凹状表面Rを形成するように構成された遠位対面切刃1862を含む(図10参照)。遠位対面切刃1862は、遠位対面切刃1812と同様の外形を有してもよい。
【0127】
第1のリーマー加工ヘッド1850Aの遠位部1864は、空洞Cの近位部を形成するように構成され得る。遠位部1864は、近位部1860から遠位に延びる。遠位部1864の全体は、近位部1860の内周面の中にあってよい。図10Bに示すように、遠位部1864は、リーマー加工ヘッド1850Aの中央領域から半径方向外側へ延在する複数の径方向アーム1868を含む。複数の径方向アーム1868は、互いに円周方向に間隔を空けられてもよい。各径方向アーム1868は、側方切刃1870aを形成する。側方切刃1870aは、ドライブシャフトの軸線Xに対して平行であってもよく、または角度を付けられてもよい。各径方向アーム1868は、側方切刃1870aから半径方向内側へ延在する遠位エッジ1870bを含むこともできる。遠位エッジ1870bは、ドライブシャフトの軸線Xに垂直な横軸に対して平面であってもよく、または角度を付けられてもよい。
【0128】
第2のリーマー加工ヘッド1850Bは、近位部1861及び遠位部1865を含む。近位部1861は、遠位対面切刃1863を含む。遠位対面切刃1863は、空洞Cの近位部と空洞Cの遠位部との間に環状のレッジを形成するように構成された複数の歯を含む(図10A参照)。遠位対面切刃1863は、内周面及び外周面を含む。遠位対面切刃1863の外周面の直径は、リーマー加工ヘッド1850Aの遠位部1864の直径と同じくらいの大きさであり得る。
【0129】
遠位部1865は、空洞Cの遠位部を形成するように構成され得る。遠位部1865は、近位部1861から遠位に延びる。遠位部1865の全体は、近位部1861の内周面の中にあってよい。第2のリーマー加工ヘッド1850Bの遠位部1865は、第1のリーマー加工ヘッド1850Aの遠位部1864と比較して減らされた直径を有し得る。図10Bに示すように、遠位部1865は、リーマー加工ヘッド1850Bの中央領域から半径方向外側へ延在する複数の径方向アーム1869を含む。複数の径方向アーム1869は、互いに円周方向に間隔を空けられてもよい。各径方向アーム1869は、ドライブシャフトの軸線Xに対して平行であってもよく、または角度を付けられてもよい、第1の側方切刃1871bを形成する。各径方向アーム1869は、側方切刃1871bから半径方向内側へ延在する遠位エッジ1871bを含むこともできる。遠位エッジ1871bは、ドライブシャフトの軸線Xに垂直な横軸に対して平面であってもよく、または角度を付けられてもよい。
【0130】
図11は、任意選択のブレージングステップ1900を示す。ブレージングステップ1900は、リーマー加工ステップ1600で形成された凹部をより正確に形成するために、リーマー加工ステップ1600に続いて行うことができる。例えば、本明細書に開示される上腕骨アンカー(例えば、ステムレスアンカー103または上腕骨ステム1200)は、カラーまたは環状部材(例えば、骨圧縮面1250)が切除面またはその下の海綿骨の調製された部分に面一に位置するように、かつフィン(複数可)(例えば、フィン309)が上腕骨に容易に移植され得るように、制御された方法で配置されることが望まれる。凹部の形状がアンカーの外表面の形状に幾分近いだけである場合、及び/または凹部の形状がフィンの外表面を収容しない場合、アンカーは上腕骨と面一に位置しないことがある。さらに、フィン(複数可)を挿入するための経路がなければ、上腕骨にフィン(複数可)を確実に埋め込むことは困難であり得る。ブレージングステップ1900では、ブレーザー1904とステムインパクターインサーター1908とを用いて、リーマー加工ステップ1600で露出した海綿骨を、上腕骨Hの凹部の周囲の壁の形状がその骨幹端部におけるアンカー外壁の形状に一致するように圧縮する。さらに、ブレーザー1904は、フィン(複数可)を挿入することができる経路またはチャネルを形成することができる。ブレーザー1904は、試験アンカーが配置される本体として機能することもできる。
【0131】
ブレーザー1904は、上腕骨Hの凹部を収容するために調製することを意図したアンカーと非常に類似したものであり得る。例えば、アンカーと同じ外面を有することが可能である。ブレーザー1904はまた、図14に関連して後述するように、ステムインパクターインサーター1908がブレージングステップ1900のために、及びアンカーを上腕骨Hに押し込むために使用できるように、同じツール類接続部分を有することも可能である。ステムインパクターインサーター1908は、以下でより詳細に説明されるが、一般に、ステムインパクターインサーター1908は、1つまたは複数の衝突ヘッドを有し得る。複数の衝突ヘッドを設けられている場合、ステムインパクターインサーター1908は、外科医がステムレスインプラントまたはステム付きインプラントのどちらを好むかにかかわらず、ブレージングステップ1900に単一のツールを使用することを可能にし得る。外科医に提供するツールの数を減らすことで、以下により詳細に述べるように、効率と経済性とがもたらされ、同様にこの医療サービスの提供における廃棄物とコストとの減少がもたらされる。
【0132】
ブレージングステップ1900に続いて、プレーニングステップ2100を任意選択で実施してもよい。プレーニングステップ2100では、切除ステップ1500で形成された残りの切除面、例えば、切除におけるアンカー凹部と上腕骨Hの外壁を形成する皮質骨との間の切除部の形状を改善することが可能である。プレーニングステップ2100は、後述するように、上腕骨アンカーにおける関節体の配置を妨げる可能性のある切除面上のあらゆる高所を除去することができる。プレーニングステップ2100は、プレーナー2104を組み込む。プレーナー2104は、ブレーザー1904と嵌合し、ドライブシャフト1608に取り付けられるように構成される。遠位方向に延びる歯を有する外側に延びるアームは、切除ステップ1500で形成された切除の高さまたはその直下で、ブレーザー1904の周りを回転させることができる。このような回転により、切除した残りの周辺部を、アンカーと関節体との接続を妨げ得る高所のない、より平面的な形状にすることが可能でる。
【0133】
図13は、上腕骨Hが調製された後に、本方法が試験ステップ2150を続けることができることを示す。試験ステップ2150は、上記のように、ステムインパクターインサーター1908を用いて配置することができる試験アンカー2154を使用することができる。試験アンカー2154は、試験ヘッド組立体2158(解剖学的再建用)または試験インサート組立体2162(リバース型構造用)との接続を、最終インプラントの場合よりも容易に取り外すことが可能である。試験ステップ2150は、外科医が最終的なインプラントに使用すべきサイズを選択または確認することを可能にし得る。インプラントが偏心結合具または接続機構によって調節され得る程度に、試験ステップ2150は、外科医が偏心の適切なレベルを見出すことを可能にし得る。偏心結合具168は、切除の回転中心を中心にするため、またはそこから偏心した位置を提供するために使用することができる。偏心のレベルは、アンカー(上腕骨ステム1200であれ、ステムレスアンカー103、203、303、503であれ)の近位面に形成された目印を参照することで確認できる。最終的なインプラントのサイズ、構成、及び/または配向が確認されると、本方法は最終的なインプラントの埋め込みに進むことができる。
【0134】
図14は、ステムインパクターインサーター1908がステムレスアンカー103に結合された状態を示す。図に示したように、ステムインパクターインサーター1908は、他のステムレスアンカー203、303、503のいずれかと結合することができる。さらにステムインパクターインサーター1908は、外科医の指示により上腕骨ステム1200と結合させることができる。例えば、共通の器具を使用することにより、外科医は、ステムレスアンカー103が適切でないことを処置中に判断し、次いで、上腕骨ステム1200を受け入れるための上腕骨の準備をする上腕骨Hの任意の追加的な調製に続き、上腕骨ステム1200に迅速に切り替えることができる。
【0135】
ステムレスアンカー103の場合では、ステムインパクターインサーター1908は、ツール類接続部分、例えば、止まり穴245に係合することにより、アンカーをその凹部において把持することができる。その後、アンカー103を上腕骨Hに形成された凹部に移動させ、調製された表面に押し当てることができる。その後、インパクター、例えばマレットを使用して、ステムインパクターインサーター1908の近位端で、その長手軸に沿って、衝突ヘッドに荷重を加えることができる。したがって、荷重は、切除ステップ1500において形成される切除面の平面に対して横方向に、例えば、概ね垂直方向に向けられ得る。
【0136】
上腕骨ステム1200の場合には、ステムインパクターインサーター1908は、ステムレスアンカー103に見られるようなこれらの同じ構成の止まり穴を含むことができるツール類接続部分1213に係合することにより、その凹部にアンカーを把持することができる。上腕骨ステム1200の遠位端1218は、切除面に形成された凹部を通して挿入され、さらに髄内管に挿入され得る。骨幹部1204が上腕骨Hの骨幹内にあり、骨幹端部1202が上腕骨の骨幹端内にあると、衝突荷重をステムインパクターインサーター1908に適用することが可能である。具体的には、インパクター、例えば、マレットは、上腕骨ステム1200を、上腕骨ステム1200の骨幹部1204の軸に概ね沿って上腕骨Hとしっかりと係合させるように駆動するステムインパクターインサーター1908の遠位端に隣接して配置された衝突ヘッドを叩くことが可能である。
【0137】
したがって、挿入ステップ2180は、アンカー103などのステムレスインプラントに対しても、上腕骨ステム1200などのステム付きインプラントに対しても、同じインパクター器具、例えばステムインパクターインサーター1908を用いて達成することが可能である。
【0138】
図15は、挿入ステップ2180に続く衝撃付与ステップ2200を示す図である。衝撃付与ステップ2200は、解剖学的組立体をステムレスアンカー103(または別のステムレスアンカー203、303、503)に押し込むことを含む。上記のように、キット100は、共用インプラントコンポーネントを含む。したがって、衝撃付与ステップ2200は、上腕骨ステム1200についても、ステムレスアンカー103と同じであることができる。衝撃付与ステップ2200は、アンカー103に隣接して結合具168を配置することを含み得る。結合具168は、有心結合具でも偏心結合具でもよい。偏心結合具は、アンカー103に対する結合具168の回転位置に関する視覚的な目安を提供する機構を有することができる。試験ステップ2150が好ましい偏心回転位置を示した範囲で、同じ位置を衝撃付与ステップ2200で再現することができる。具体的には、試験ステップ2150では、視覚的な目安を用いて結合具168を回転的に配置し、位置決定することができる。次いで、解剖学的関節体164は結合具168上に配置され得、解剖学的関節体164及び結合具168は、共にアンカー103上に押し付けられ得る。同じステップを上腕骨ステム1200で行うことができ、結合具168を上腕骨ステム1200の近位面上の目印と位置合わせする。ヘッドインパクター2204には、マレットまたは他のツールで衝撃荷重を加えることができる。
【0139】
図16は、衝撃付与ステップ2250がリバース型関節体180に使用されていることを除いて、衝撃付与ステップ2200と類似している衝撃付与ステップ2250を示す。リバース型関節体180は、ステムレスアンカー103と(または修正例では上腕骨ステム1200と)位置合わせされ得る。いくつかの場合には、リバース型関節体180を回転させると、リバース型関節体180の関節面の中心の位置が変化することをもたらし得るように、リバース型関節体180を非対称にすることができる。試験ステップ2150で、特定の回転位置がリバース型関節体180にとって望ましいことが示された場合、外科医は、リバース型挿入インパクター2254に衝撃荷重を加える前に、リバース型関節体180をその位置に回転させる。リバース型挿入インパクター2254は、リバース型挿入インパクター2254の遠位面が凸形状を有し、ヘッドインパクター2204の遠位端が凹形状を有する以外は、ヘッドインパクター2204と同一であってもよい。
【0140】
典型的な患者は、図7図16に関連して説明した方法から利益を得ることができるが、図17~20は、他の患者のための技法を示すものである。図17図18は、通常よりも硬い骨物質を持つ患者への1つのアプローチを示す。本方法は、切除ステップ1500及びサイズ変更ステップ1572に続いて、穿孔ステップ2300を行うことができる。穿孔ステップ2300は、ガイドピン1580の配置から利益を得ることができる。ガイドピン1580の上方にドリルヘッド2304を前進させることができる。ドリルヘッド2304は、リーマー加工ヘッド1604よりも小さく、より剛性の高い外形を有し得る。ドリルヘッド2304は、切除ステップ1500で形成された切除の遠位にある海綿骨にスターターホール2308を形成することができる。スターターホール2308は、ガイドピン1580の中心に配置することができ、調製すべき最終の体積よりも小さい体積、例えば、最終的に調製されることになる体積の約10~25パーセントの体積を有し得る。スターターホール2308の調製に続いて、最終サイズに近いより大きなホールをプログレッシブリーマー加工ステップ2350で形成することができる。プログレッシブリーマー加工ステップ2350は、リーマー加工ヘッド1604よりも小さいリーマー加工ヘッドを有する初期リーマー2354を使用し得る。初期リーマー2354は、そのサイズが小さいため、リーマー加工ヘッド1604よりも剛性を高くすることができる。また、初期リーマー2354がリーマー加工ヘッド1604よりも少ない骨の体積を除去することを課せられている場合、骨の抵抗をより少なくすることができる。プログレッシブリーマー加工ステップ2350は、初期リーマー2354とリーマー加工ヘッド1604との間のサイズである複数の中間リーマーを使用して、凹部が上記のプロセスフローにおけるリーマー加工ステップ1600に続くステップに対して適切なサイズになるまで、切除部の遠位にある凹部のサイズを徐々に増大させることができる。
【0141】
図19図20は、骨が通常よりも柔らかい患者を治療する例を示す。カラーリーマー加工ステップ2400では、外科医は、切除された上腕骨Hに環状チャネル2412を形成することができる。環状チャネル2412は、リーマー加工ステップ1600で形成されるはずの最も外側のリーマー加工された領域の位置にあり、その領域のサイズにすることができる。カラーリーマー加工ステップ2400で形成される表面は、一般に、骨圧縮面1250と、またはステムレスアンカー103、203、303、503のカラーと嵌合するように構成される。環状チャネル2412を形成するために、カラーリーマー2404を設けることができる。カラーリーマー2404は、リーマー加工ヘッド1604と同様であり得るが、環状リーマー加工歯2408を保持しながら、内側及び遠位切断機構を省略することができる。結果として、カラーリーマー2404は、環状チャネル2412の半径方向内側に位置する切除面の領域を、概して影響を受けないか、または未拡開のまま残す。環状チャネル2412が調製された後、圧縮ステップ2420を実行することができる。圧縮ステップ2420は、プロセスが環状チャネル2412の内側で海綿骨の中に圧縮機2422を軸方向に押し込むことを含むという点で、ブレージングステップ1900と同様であり得る。圧縮機2422は、圧縮機2422が完全に挿入されたときに環状チャネル2412に当接するように構成された深さ停止部2424を含むことができる。深さ停止部2424は、圧縮機2422の近位端の周縁部の反対側にタブまたはフランジを含むことができる。深さ停止部2424は、いくつかの実施例では、圧縮機2422の近位端の周辺に完全に延在させることができる。圧縮機2422は、深さ停止部2424の遠位側から圧縮機2422の遠位端まで突出する圧縮外形2428を有し得る。この圧縮外形2428は、リーマー加工ステップ1600から得られる凹部に体積が近い圧縮凹部、例えば、ブレージングステップ1900が上記のプロセスフローにおいて試験アンカー2154を受け入れるための凹部の形成を完了できるようにブレーザー1904よりもわずかに小さい圧縮凹部を作成することができる。別の例では、圧縮外形2428は、圧縮ステップ2420が、切除ステップ1500によって達成された内側領域の調製を、ブレージングステップ1900との単一の圧縮ステップに結合すると考えることができるように、ブレーザー1904の外形と概ね同じである。軟骨患者の方法は、試験ステップ2150と、上記に規定された残りのステップとを継続することができる。
【0142】
B.両用手術器具
上記のように、本明細書に開示される様々なキット及びシステムの1つの利点は、複数の異なるタイプの上腕骨アンカーを、共用の器具を用いて移植することができることである。共用の器具使用の例を以下に説明する。
【0143】
1.ステム及びステムレスインパクターインサーター
上記のように、ステム付き及び/またはステムレスの骨アンカーは、ツールに係合して骨アンカー(例えば、ステムレスまたはステム付きの上腕骨アンカー)の骨への挿入を可能にするように構成された、止まり穴などの1つ以上の接続機構を含み得る。図11A図11Dは、ステム付き及び/またはステムレスの骨アンカーを骨の中に位置付けるように構成されたインサーター2500を示す。以下により詳細に説明するように、インサーター2500は、骨アンカーを骨に適切に挿入するために、例えばマレットから衝撃力を受けるように構成される。骨アンカーの近位面は、インサーター2500の遠位面2503との直接接触により、衝撃力の大部分を受ける。
【0144】
インサーター2500は、細長い本体2505を含み得る。細長い本体2505は、概して、インサーター2500の第1の端部または近位端2502からインサーター2500の第2の端部または遠位端2504まで延び得る。細長い本体2505は、インサーター2500の第2の端部2504に接続機構2514を含み得る。接続機構2514は、骨アンカーのインサーター接続部分に係合するように構成されてもよい。例えば、接続機構2514は、インサーター2500の残部に対して固定され、移動しない固定ペグであってもよい(図11B参照)。
【0145】
インサーター2500はまた、細長い本体2505と結合された可動組立体2506を含み得る(図11D参照)。可動組立体2506は、インサーター2500の第1の端部2502と第2の端部2504との間に配置されたハンドル2508を含んでもよい。ハンドル2508は、ピボット位置2518で細長い本体2505と結合され、例えば枢動可能に結合されてもよい。
【0146】
図11Dに示すように、可動組立体2506は、インサーター2500の第2の端部2504に配置された骨アンカー接続部分2510を含むこともできる。骨アンカー接続部分2510は、ピボット位置2519で細長い本体2505と結合され、例えば枢動可能に結合されてもよい。骨アンカー接続部分2510は、骨アンカーのインサーター接続部分に係合するように構成された接続機構2512を含み得る。例えば、接続機構2512は、骨アンカー上の止まり穴と接続して機能するように構成されたペグであってもよい。接続機構2514に対する接続機構2512の収束角は、骨アンカーをインサーター2500の遠位面2503に対して引き寄せ、これはまた骨アンカーの近位面のより大きな表面積にわたって衝撃力をよりよく分散させるのに役立つ。
【0147】
ハンドル2508は、骨アンカー接続部分2510に直接または間接的に結合されてもよい。例えば、ハンドル2508は、スプリング結合部2516によって骨アンカー接続部分2510に間接的に結合されてもよい。スプリング結合部2516は、円弧状部分とスプリングギャップ2520とを有し得る。スプリング結合部2516は、スプリング結合部2516と細長い本体2505との間の直接的な接続なしに、ハンドル2508及び/または骨アンカー接続部分2510によって、細長い本体2505に間接的に結合され得る。
【0148】
ハンドル2508は、骨アンカー接続部分2510を第1の構成と第2の構成との間で移動させるように構成される。ハンドル2508の近位端は、細長い本体2505に対して自由に動くことができる。第1の構成と第2の構成との間の移行は、細長い本体2505に対する接続機構2512の回転及び/または並進を含んでもよい。例えば、細長い本体2505に向かってハンドル2508を作動(例えば、枢動)させると、骨アンカー接続部分2510を第1の構成から第2の構成に移動させることができ、一方、ハンドル2508を解放すると、骨アンカー接続部分2510を第1の構成に戻すことができる。第2の構成では、接続機構2512は、インサーター2500の遠位面2503に対して回転され、少なくとも部分的に引っ込んでいる。この位置では、外科医は骨アンカーのインサーター接続部分に係合することができる。接続機構2512が骨アンカーのインサーター接続部分に係合している間、ハンドル2508は、骨アンカーに把持力を加えるように(例えば、細長い本体2505から離れるように)解放されてもよい。第1の構成では、スプリング結合部2516は圧縮されており(例えば、スプリングギャップ2520はわずかに閉じられている)、骨アンカーに対して閉じた接続機構2512を保持するのに役立つバネ力を提供する。
【0149】
インサーター2500は、例えばマレットからの衝撃力を受けるように構成された少なくとも1つの衝突ヘッド2522、2524を含み得る。例えば、インサーター2500は、第1の衝突ヘッド2522及び第2の衝突ヘッド2524を含み得る。第1の衝突ヘッド2522及び第2の衝突ヘッド2524は、細長い本体2505に沿って異なる長手位置に配置されてもよい。例えば、第2の衝突ヘッド2524は、インサーター2500の第1の端部2502に配置されてもよく、一方、第1の衝突ヘッド2522は、インサーター2500の第2の端部2504に近い位置に配置されてもよい。
【0150】
第1の衝突ヘッド2522は、細長い本体2505と結合され、細長い本体2505の長手軸に対して第1の角度で配置されてもよい。第1の衝突ヘッド2522に力が加えられるとき、衝撃力は、骨アンカーの長手軸と一致した方向でステム付き及び/またはステムレス骨アンカーに向けられて、骨アンカーを骨に埋め込む。第2の衝突ヘッド2524は、細長い本体2505と結合され、細長い本体2505の長手軸に対して、第1の角度とは異なる第2の角度で配置され得る。第2の衝突ヘッド2524に力が加えられるとき、衝撃力は、骨アンカーが埋め込まれることになる骨の切除面に対して垂直な方向で、ステム付き及び/またはステムレス骨アンカーに向けられる。例えば、第1の衝突ヘッド2522は、ステム付き骨アンカーを挿入するために使用することができ、第2の衝突ヘッド2524は、ステムレス骨アンカーを挿入するために使用することができる。別の例では、第1の衝突ヘッド2522及び第2の衝突ヘッド2524の両方が、ステム部分を骨に埋め込むために使用され得る。別の例として、インサーター2500は、第1の衝突ヘッド2522のみを含んでもよい。
【0151】
第1の衝突ヘッド2522は、第2の衝突ヘッド2524及び/または細長い本体2505の長手軸Lに対して角度を付けて配置されてもよい。第1の衝突ヘッド2522は、125度から約155度の間の傾斜角を有するステム付き骨アンカーを収容するために、第2の衝突ヘッド2524に対して鋭角に、例えば約35度から約65度の間に配置されてもよい。一例では、第1の衝突ヘッド2522は、第2の衝突ヘッド2524に対して45度の角度で配置されてもよい。
【0152】
インサーター2500はまた、後傾ロッドを受け入れるように構成されてもよい。例えば、開口部2526の1つに後傾ロッドを挿入することができる。各開口部では、所望の切除角度に対応する異なる角度で後傾ロッドを配置し、外科医がその傾きを評価できるようにしてもよい。近位骨切除が正確でなかった場合、または外科医の判断により決定されるその他の理由で、外科医は切除面を修正してもよい。
【0153】
インサーター2500は、ステムレス骨アンカー及び/またはステム付き骨アンカーを含むキットの一部を形成し得る。ステムレス及び/またはステム付き骨アンカーは、上記のインプラントの任意の特徴を含むことができる。骨アンカー接続部分2510は、ステムレス骨アンカーのインサーター接続部分及び/またはステム付き骨アンカーのインサーター接続部分に係合するように構成され得る。
【0154】
キットは、第1のインサーター及び第2のインサーターを含み得る。第1のインサーター及び第2のインサーターのそれぞれは、インサーター2500に関して上で述べた任意の特徴を含むことができる。第1のインサーターでは、第1の衝突ヘッドと第2の衝突ヘッドとは、互いに対して第1の角度で配置され得る。第2のインサーターでは、第1の衝突ヘッドと第2の衝突ヘッドとは、互いに対して第2の角度で配置され得る。第2の角度は、第1の角度と異なっていてもよい。第1のインサーター及び第2のインサーターの一方を、骨に切除部を形成する角度に基づいて選択することができる。
【0155】
使用の際に、同じインサーター2500は、第1のステムレス骨アンカーのインサーター接続部分または第2のステム付き骨アンカーのインサーター接続部分に係合することができる。ステムレス及び/またはステム付き骨アンカーは、上記のインプラントの任意の特徴を含むことができる。例えば、インサーター2500は、ステムレス骨アンカーのインサーター接続部分に係合し、そのステムレス骨アンカーを、骨の切除時に露出した骨物質内に前進させることができる。ステムレス骨アンカーを前進させるとき、インサーター2500の第2の衝突ヘッド2524に力を加えて、骨の切除面に対して垂直な力を加えることができる。
【0156】
同じインサーター2500は、ステム付き骨アンカーのインサーター接続部分に係合し、ステム付き骨アンカーを前進させて、骨アンカーのステムを骨の髄管内に位置決めすることができる。ステム付き骨アンカーを前進させるとき、インサーター2500の第1の衝突ヘッド2522に力を加えて、ステム付き骨アンカーの長手軸に沿った力を加え、それによって骨内にステムを埋め込むことができる。
【0157】
2.ステム及びステムレスアンカーのための上腕骨調製用リーマー
上記のように、キット100は、ステムレス上腕骨アンカー及びステム付き上腕骨アンカーを含み得る。これらのアンカーの近位部または骨幹端部は、同一または類似の構造を有することができる。例えば、上腕骨アンカー203の近位端239は、アンカーの近位面に対向する張り出し面を有し得る。張り出し面は、切除された骨、例えば、上腕骨の海綿骨の上に載ることができる。同様に、上腕骨アンカー1200の骨圧縮面1250は、同じ骨表面または骨部分を張り出すように設けられてもよい。共用設計概念では、少なくとも1つの共用設計機構を有する共用リーマーまたはリーマーの集合体を有利に使用することができる。
【0158】
上記のように、リーマーヘッド1800は、凹状表面Rを形成するように構成された遠位対面切刃を有する外周面を有し得る。凹状表面Rは、上記のように、皮質壁の内側に形成され得る。凹状表面Rは、アンカー203もしくはアンカー1200または本明細書に開示されるアンカーの別のものの張り出し面を受け入れるように構成され得る。リーマー1800及びリーマーヘッド1850Aを含むリーマーのさらなる特徴については、上記のとおりである。
【0159】
ステムまたはステムレス上腕骨アンカーの調製に使用できる他のリーマーもまた、本明細書に記載されている。例えば、初期リーマー2354は、ステムまたはステムレスのいずれかの調製のためのプログレッシブリーマー加工法に使用することができる。リーマー2354は、より大きなリーマー及び/または上腕骨髄内管にアクセスし調製するためのツールによって後続させることができる。リーマー2354は、凹状表面Rを形成することができる。また、カラーリーマー2404は、ステムレスアンカーまたはステム付きアンカーのいずれに対しても、軟骨を有する上腕骨を調製するために使用することができる。カラーリーマー2404は、比較的軟らかい骨を介して髄内管へのアクセスを提供する前に行われ得る凹状表面の調製が可能である。
【0160】
キット100は、2種類以上の上腕骨アンカー、例えばステム付きアンカー及びステムレスアンカーで使用可能なリーマーなどの器具を含むので、このキットは、ステム付きアンカー及びステムレスアンカーのそれぞれについて専用のリーマー及び器具を必要とするキットよりも複雑ではなく、またコストも低く抑えられる。また、手術後のツールは再利用されずに廃棄されることがあるという事実を考慮に入れると、このアプローチは、患者への手術提供における廃棄物や非効率性を低減する。このアプローチは、そのような手順のコストを考えると、複数の利点をもたらすことが分かる。
【0161】
用語
特定の実施形態が本明細書に記載されているが、本明細書に記載されるインプラント及び方法は、文脈が指示し得るように、任意の関節コンポーネントを交換可能に使用することができる。
【0162】
本明細書で使用するとき、「近位」及び「遠位」という相対的な用語は、インプラントの観点から定義されるものとする。したがって、近位とは関節コンポーネントの方向を指し、遠位とはインプラントが組み立てられたときの上腕骨アンカーのステム、スレッドもしくは多孔質表面、またはステムレスアンカーの他のアンカー構造などのアンカーコンポーネントの方向を指す。
【0163】
「することができる(can)」、「できるであろう(could)」、「かもしれない(might)」、または「してもよい(may)」などの条件付き言語は、特に明記されない限り、または使用される文脈内で他の方法で理解されない限り、一般に、特定の実施形態が特定の特徴、要素、及び/またはステップを含むが、他の実施形態は含まないことを伝えることを意図している。したがって、このような条件付き表現は、一般に、特徴、要素、及び/またはステップが、1つまたは複数の実施形態に何らかの形で必要であることを意味することを意図していない。
【0164】
用語「備える(comprising)」、「含む(including)」、「有する(having)」などは同義であり、包括的に、開放的に使用され、追加の要素、特徴、行為、操作などを排除しない。また、「または」という用語は、(排他的な意味ではなく)包括的な意味で使用しており、したがって、例えば、要素のリストを連結するために使用されるとき、「または」という用語は、そのリスト内の要素の1つ、一部または全部を意味する。また、本願及び添付の特許請求の範囲で使用される冠詞「a」、「an」、及び「the」は、特に記載がない限り、「1つ以上」または「少なくとも1つ」を意味すると解釈されるものとする。
【0165】
本明細書に開示された範囲はまた、その重複、下位の範囲、及び組み合わせのいずれかまたは全てを含む。「まで」、「少なくとも」、「より大きい」、「未満」、「間」などの言語は、列挙された数を含む。「約(about)」または「おおよその(approximally)」などの語が先行する数値は、記載された数値を含み、状況に応じて(例えば、状況下で合理的に可能な限り正確に、例えば、±5%、±10%、±15%など)解釈されるべきである。例えば、「約1」は「1」を含む。「実質的に」、「一般的に」等の用語が先行する語句は、記載された語句を含み、状況に応じて(例えば、状況下で合理的に可能な限り)解釈されるべきである。例えば、「略球面」は「球面」を含む。特に断りのない限り、全ての測定は温度、圧力など標準的な条件下でのものである。
【0166】
本明細書で使用される場合、項目のリストの「少なくとも1つ」を参照する語句は、単一の部材を含む、これらの項目の任意の組み合わせを指す。例として、「A、B、またはCの少なくとも1つ」は、A、B、C、A及びB、A及びC、B及びC、ならびにA、B及びCを対象とする。特に明記されない限り、語句「X、Y及びZの少なくとも1つ」のような接続詞は、項目、用語等がX、YまたはZのうちの少なくとも1つであり得ることを伝達するために一般的に使用される文脈とともに、他の方法で理解される。したがって、このような接続詞は、一般に、特定の実施形態が、Xの少なくとも1つ、Yの少なくとも1つ、及びZの少なくとも1つがそれぞれ存在することを必要とすることを意味することを意図していない。
【0167】
特定の実施形態及び実施例が本明細書に記載されているが、本開示に図示及び記載されている上腕骨頭組立体に多くの変形及び修正を行うことができ、それらの要素は、さらに別の実施形態または許容可能な実施例を形成するために異なるように組み合わされ及び/または修正されるものとして理解されるべきであることを強調すべきである。そのような変更及び変形の全ては、本明細書において本開示の範囲内に含まれることが意図されている。様々な設計やアプローチが可能である。本明細書に開示されたいかなる特徴、構造、またはステップも、必須または不可欠ではない。
【0168】
いくつかの実施形態について、添付の図面に関連して説明した。しかしながら、これらの図は縮尺通りに描かれていないことを理解すべきである。距離、角度等は単なる例示であり、図示された装置の実際の寸法及びレイアウトと必ずしも正確な関係を持たない。構成要素の追加、削除、及び/または再配置が可能である。さらに、様々な実施形態に関連する任意の特定の特徴、態様、方法、特性、特性、品質、属性、要素などの本明細書における開示は、本明細書に記載する他の全ての実施形態で使用することができる。さらに、本明細書に記載される任意の方法は、記載された工程を実施するのに適した任意の装置を使用して実施することができることが認識されよう。
【0169】
本開示の目的のために、特定の態様、利点、及び新規な特徴が本明細書に記載される。このような利点の全てが、特定の実施形態に従って達成されるとは限らないことを理解されたい。したがって、例えば、当業者であれば、開示は、本明細書に教示または示唆されるような他の利点を必ずしも達成することなく、本明細書に教示されるような1つの利点または一群の利点を達成するような方法で実施または実施され得ることを認識するであろう。
【0170】
さらに、例示的な実施形態が本明細書に記載されているが、本発明の範囲は、具体的に開示された実施形態を超えて、本開示に基づいて当業者に理解されるように、本発明の特定の特徴及び実施形態の態様(例えば、様々な実施形態にわたる態様の)、適合及び/または変更、ならびに本発明の用途の等価な要素、修正、省略、組合せまたは下位組合せを有する任意の及び全ての実施形態に及ぶことが、当業者には理解されよう。特許請求の範囲における限定は、特許請求の範囲において使用されている言語に基づいて広く解釈されるべきであり、本明細書中に記載されている実施例または出願の手続中に記載されている実施例に限定されるものではなく、これらの実施例は非排他的であると解釈されるべきである。さらに、開示されたプロセス及び方法のアクションは、アクションの並べ替え及び/または追加のアクションの挿入及び/またはアクションの削除を含む、任意の方法で変更することができる。したがって、本明細書及び実施例は例示としてのみ考慮され、真の範囲及び趣旨は、特許請求の範囲及びそれらの均等物の全範囲によって示されることが意図されている。
【0171】
本明細書に開示されたいかなる方法も、記載された順序で実施する必要はない。本明細書で開示する方法は、施術者が行う特定の行為を含むが、明示的または黙示的にそれらの行為を指示する第三者も含むことができる。例えば、「関節窩ガイドと関節窩リムとの結合」のような動作は、「関節窩ガイドと関節窩リムとの結合を指示する」ことを含む。
図1A
図1B
図2
図3
図3A
図3A-1】
図3B
図3C
図4A
図4B
図4C
図4C-1】
図4C-2】
図4D
図4D-1】
図4E
図4F
図4F-1】
図4G
図5
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図6F
図6G
図6H
図6I
図6J
図6K
図6L
図6M
図7
図8
図9
図10
図10A
図10B
図11
図11A
図11B
図11C
図11D
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
【手続補正書】
【提出日】2022-04-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上腕骨アンカーであって、
前記上腕骨アンカーの遠位端から近位に延在する遠位部であって、前記遠位部は、移植されたときに上腕骨の骨幹端の一部を占めるように構成されている、前記遠位部と、
前記上腕骨アンカーの近位端から遠位に延在する近位部と、
前記上腕骨アンカーの前記近位端から前記近位部に遠位に延在する凹部と、
前記上腕骨アンカーの前記近位端に隣接する前記凹部の周りに配置された内周面であって、前記内周面は、
前記内周面に配置された凹型ロック機構と、
前記内周面に配置された凸型ロック機構であって、前記凹型ロック機構が前記凸型ロック機構から間隔を空けられている、前記凸型ロック機構と
を含む前記内周面と
を含む、前記上腕骨アンカー。
【請求項2】
前記凹型ロック機構は、第1の凹型ロック機構と、前記第1の凹型ロック機構に向かい合って配置された第2の凹型ロック機構とを含む、請求項1に記載の上腕骨アンカー。
【請求項3】
前記第1の凹型ロック機構及び前記第2の凹型ロック機構は、それぞれ前記上腕骨アンカーの内側部及び外側部に配置されている、請求項2に記載の上腕骨アンカー。
【請求項4】
前記凸型ロック機構は、第1の凸型ロック機構と、前記第1の凸型ロック機構に向かい合って配置された第2の凸型ロック機構とを含む、請求項2に記載の上腕骨アンカー。
【請求項5】
前記第1の凸型ロック機構及び前記第2の凸型ロック機構は、それぞれ前記上腕骨アンカーの前部及び後部に配置されている、請求項4に記載の上腕骨アンカー。
【請求項6】
前記凹型ロック機構は、凹状の関節面を含む関節体に締り嵌めを提供するように構成される、請求項1に記載の上腕骨アンカー。
【請求項7】
前記凸型ロック機構は、前記凹部に向かって突出する細長いフィンを含む、請求項1に記載の上腕骨アンカー。
【請求項8】
前記上腕骨アンカーは、ステムレス上腕骨アンカーを含む、請求項1に記載の上腕骨アンカー。
【請求項9】
前記遠位部は、第1の区分と、前記第1の区分の遠位にある第2の区分とを含み、前記第2の区分は、前記第1の区分から遠位に延在するフィンを含む、請求項8に記載の上腕骨アンカー。
【請求項10】
前記第2の区分は、前記第1の区分から遠位に延在する複数のフィンを含む、請求項9に記載の上腕骨アンカー。
【請求項11】
前記第1の区分は、前記凹部の遠位にある第2の凹部を含む、請求項9に記載の上腕骨アンカー。
【請求項12】
前記上腕骨アンカーの前記遠位端から延在するステムをさらに含む、請求項1に記載の上腕骨アンカー。
【請求項13】
上腕骨アンカーであって、
前記上腕骨アンカーの遠位端から近位に延在する遠位部であって、前記遠位部は、移植されたときに上腕骨の骨幹端の一部を占めるように構成されている、前記遠位部と、
前記上腕骨アンカーの近位端から遠位に延在し、前記上腕骨アンカーが配置される上腕骨の骨幹端の体積の少なくとも大部分を占めるように拡張された外表面を有する近位部であって、前記近位部は、上腕骨骨幹端の外側部の皮質壁に隣接して配置されるように構成された外側側面と、前記上腕骨幹端の内側側面の皮質壁から間隔を開けられるように構成された内側側面とを有する、前記近位部と、
前記上腕骨アンカーの前記近位端に配置された骨圧縮面であって、前記骨圧縮面は、前記近位部の前記内側側面の周りに配置され、上腕骨に移植されたときに、前記近位部の前記内側側面から前記上腕骨骨幹端の前記内側側面の前記皮質壁まで延在するように構成される、前記骨圧縮面と
を含む、前記上腕骨アンカー。
【請求項14】
前記骨圧縮面は、前記上腕骨アンカーの前記近位部の前記近位端から外側へ延在するフランジを含む、請求項13に記載の上腕骨アンカー。
【請求項15】
前記フランジは、前記近位部の前記外側側面の半径に対応する半径を有する円形外周面を含む、請求項14に記載の上腕骨アンカー。
【請求項16】
前記上腕骨アンカーの近位面に配置された環状表面をさらに含み、前記フランジは、近位面の前記環状表面の一部を含む、請求項14に記載の上腕骨アンカー。
【請求項17】
前記上腕骨アンカーの前記近位面に配置された前記環状表面の上またはその中に形成された回転配向目印をさらに含む、請求項14に記載の上腕骨アンカー。
【請求項18】
前記上腕骨アンカーの前記近位端から前記近位部に遠位に延在する凹部と、前記上腕骨アンカーの前記近位端に隣接する前記凹部の周りに配置された内周面とをさらに含み、前記内周面は、前記内周面に配置されたロック機構を含み、前記ロック機構は、前記骨圧縮面と位置合わせされている、請求項13に記載の上腕骨アンカー。
【請求項19】
肩プロテーゼ用のキットであって、前記キットは、
第1のステムレス上腕骨アンカーであって、
移植されたときに上腕骨の骨幹端の一部を占めるように構成された第1の遠位部と、
前記第1の遠位部の近位端から前記第1の上腕骨アンカーの近位端まで近位に延在する第1の近位部と、
前記第1の上腕骨アンカーの前記近位端から前記第1の近位部に延在する第1の凹部と、
遠位方向に延在する第1のフィンであって、前記第1のフィンは、前記第1の遠位部から前記第1の上腕骨アンカーの遠位端まで遠位に延在し、前記第1の上腕骨アンカーの前記近位端と前記遠位端との間に第1の高さが定められる、前記第1のフィンとを含む、前記第1のステムレス上腕骨アンカーと、
第2のステムレス上腕骨アンカーであって、
移植されたときに上腕骨の骨幹端の一部を占めるように構成された第2の遠位部と、
前記第2の遠位部の近位端から前記第2の上腕骨アンカーの近位端まで近位に延在する第2の近位部と、
前記第2の上腕骨アンカーの前記近位端から前記第2の近位部に延在する第2の凹部と、
遠位方向に延在する第2のフィンであって、前記第2のフィンは、前記第2の遠位部から前記第2の上腕骨アンカーの遠位端まで遠位に延在し、前記第2の上腕骨アンカーの前記近位端と前記遠位端との間に第2の高さが定められる、前記第2のフィンとを含む、前記第2のステムレス上腕骨アンカーとを含み、
前記第2の高さの前記第1の高さに対する比が、1.15~2.5の範囲である、
前記キット。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0171
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0171】
本明細書に開示されたいかなる方法も、記載された順序で実施する必要はない。本明細書で開示する方法は、施術者が行う特定の行為を含むが、明示的または黙示的にそれらの行為を指示する第三者も含むことができる。例えば、「関節窩ガイドと関節窩リムとの結合」のような動作は、「関節窩ガイドと関節窩リムとの結合を指示する」ことを含む。
[付記1]
上腕骨アンカーであって、
前記上腕骨アンカーの遠位端から近位に延在する遠位部であって、前記遠位部は、移植されたときに上腕骨の骨幹端の一部を占めるように構成されている、前記遠位部と、
前記上腕骨アンカーの近位端から遠位に延在する近位部と、
前記上腕骨アンカーの前記近位端から前記近位部に遠位に延在する凹部と、
前記上腕骨アンカーの前記近位端に隣接する前記凹部の周りに配置された内周面であって、前記内周面は、
前記内周面に配置された凹型ロック機構と、
前記内周面に配置された凸型ロック機構であって、前記凹型ロック機構が前記凸型ロック機構から間隔を空けられている、前記凸型ロック機構と
を含む前記内周面と
を含む、前記上腕骨アンカー。
[付記2]
前記凹型ロック機構は、第1の凹型ロック機構と、前記第1の凹型ロック機構に向かい合って配置された第2の凹型ロック機構とを含む、付記1に記載の上腕骨アンカー。
[付記3]
前記第1の凹型ロック機構及び前記第2の凹型ロック機構は、それぞれ前記上腕骨アンカーの内側部及び外側部に配置されている、付記2に記載の上腕骨アンカー。
[付記4]
前記凸型ロック機構は、第1の凸型ロック機構と、前記第1の凸型ロック機構に向かい合って配置された第2の凸型ロック機構とを含む、付記2に記載の上腕骨アンカー。
[付記5]
前記第1の凸型ロック機構及び前記第2の凸型ロック機構は、それぞれ前記上腕骨アンカーの前部及び後部に配置されている、付記4に記載の上腕骨アンカー。
[付記6]
前記凹型ロック機構は、凹状の関節面を含む関節体に締り嵌めを提供するように構成される、付記1に記載の上腕骨アンカー。
[付記7]
前記凸型ロック機構は、前記凹部に向かって突出する細長いフィンを含む、付記1に記載の上腕骨アンカー。
[付記8]
前記上腕骨アンカーは、ステムレス上腕骨アンカーを含む、付記1に記載の上腕骨アンカー。
[付記9]
前記遠位部は、第1の区分と、前記第1の区分の遠位にある第2の区分とを含み、前記第2の区分は、前記第1の区分から遠位に延在するフィンを含む、付記8に記載の上腕骨アンカー。
[付記10]
前記第2の区分は、前記第1の区分から遠位に延在する複数のフィンを含む、付記9に記載の上腕骨アンカー。
[付記11]
前記第1の区分は、前記凹部の遠位にある第2の凹部を含む、付記9に記載の上腕骨アンカー。
[付記12]
前記上腕骨アンカーの前記遠位端から延在するステムをさらに含む、付記1に記載の上腕骨アンカー。
[付記13]
上腕骨アンカーであって、
前記上腕骨アンカーの遠位端から近位に延在する遠位部であって、前記遠位部は、移植されたときに上腕骨の骨幹端の一部を占めるように構成されている、前記遠位部と、
前記上腕骨アンカーの近位端から遠位に延在し、前記上腕骨アンカーが配置される上腕骨の骨幹端の体積の少なくとも大部分を占めるように拡張された外表面を有する近位部であって、前記近位部は、上腕骨骨幹端の外側部の皮質壁に隣接して配置されるように構成された外側側面と、前記上腕骨幹端の内側側面の皮質壁から間隔を開けられるように構成された内側側面とを有する、前記近位部と、
前記上腕骨アンカーの前記近位端に配置された骨圧縮面であって、前記骨圧縮面は、前記近位部の前記内側側面の周りに配置され、上腕骨に移植されたときに、前記近位部の前記内側側面から前記上腕骨骨幹端の前記内側側面の前記皮質壁まで延在するように構成される、前記骨圧縮面と
を含む、前記上腕骨アンカー。
[付記14]
前記骨圧縮面は、前記上腕骨アンカーの前記近位部の前記近位端から外側へ延在するフランジを含む、付記13に記載の上腕骨アンカー。
[付記15]
前記フランジは、前記近位部の前記外側側面の半径に対応する半径を有する円形外周面を含む、付記14に記載の上腕骨アンカー。
[付記16]
前記上腕骨アンカーの近位面に配置された環状表面をさらに含み、前記フランジは、近位面の前記環状表面の一部を含む、付記14に記載の上腕骨アンカー。
[付記17]
前記上腕骨アンカーの前記近位面に配置された前記環状表面の上またはその中に形成された回転配向目印をさらに含む、付記14に記載の上腕骨アンカー。
[付記18]
前記上腕骨アンカーの前記近位端から前記近位部に遠位に延在する凹部と、前記上腕骨アンカーの前記近位端に隣接する前記凹部の周りに配置された内周面とをさらに含み、前記内周面は、前記内周面に配置されたロック機構を含み、前記ロック機構は、前記骨圧縮面と位置合わせされている、付記13に記載の上腕骨アンカー。
[付記19]
肩プロテーゼ用のキットであって、前記キットは、
第1のステムレス上腕骨アンカーであって、
移植されたときに上腕骨の骨幹端の一部を占めるように構成された第1の遠位部と、
前記第1の遠位部の近位端から前記第1の上腕骨アンカーの近位端まで近位に延在する第1の近位部と、
前記第1の上腕骨アンカーの前記近位端から前記第1の近位部に延在する第1の凹部と、
遠位方向に延在する第1のフィンであって、前記第1のフィンは、前記第1の遠位部から前記第1の上腕骨アンカーの遠位端まで遠位に延在し、前記第1の上腕骨アンカーの前記近位端と前記遠位端との間に第1の高さが定められる、前記第1のフィンとを含む、前記第1のステムレス上腕骨アンカーと、
第2のステムレス上腕骨アンカーであって、
移植されたときに上腕骨の骨幹端の一部を占めるように構成された第2の遠位部と、
前記第2の遠位部の近位端から前記第2の上腕骨アンカーの近位端まで近位に延在する第2の近位部と、
前記第2の上腕骨アンカーの前記近位端から前記第2の近位部に延在する第2の凹部と、
遠位方向に延在する第2のフィンであって、前記第2のフィンは、前記第2の遠位部から前記第2の上腕骨アンカーの遠位端まで遠位に延在し、前記第2の上腕骨アンカーの前記近位端と前記遠位端との間に第2の高さが定められる、前記第2のフィンとを含む、前記第2のステムレス上腕骨アンカーとを含み、
前記第2の高さの前記第1の高さに対する比が、1.15~2.5の範囲である、
前記キット。
[付記20]
アンカー主部と、前記アンカー主部から遠位に延在するステムとを有する第1のステム付き上腕骨アンカーをさらに含む、付記19に記載のキット。
[付記21]
前記第1の上腕骨アンカー及び前記第2の上腕骨アンカーに接続するように構成された1つ以上の関節コンポーネントをさらに含む、付記19に記載のキット。
[付記22]
前記1つ以上の関節コンポーネントは、患者の関節窩面に係合するように構成された丸みを帯びた凸状の表面を有する解剖学的関節コンポーネントを含む、付記21に記載のキット。
[付記23]
前記1つ以上の関節コンポーネントは、丸みを帯びた凹状の表面を有するリバース型関節体を含む、付記21に記載のキット。
[付記24]
上腕骨アンカーであって、
前記上腕骨アンカーの第1の端部と第2の位置との間の第1の凹部の周りに配置され、前記第2の位置と第3の位置との間の第2の凹部の周りに配置された内面であって、前記第1の凹部と前記第2の凹部とは異なる容積を有する、前記内面と、
遠位方向に延在するフィンであって、前記フィンは、前記上腕骨アンカーの前記第3の位置から第2の端部まで遠位に延在し、前記フィンは、前記上腕骨アンカーの全高の少なくとも10%であるフィン高を有する、前記フィンと
を含む、前記上腕骨アンカー。
[付記25]
前記第3の位置から前記第2の端部まで遠位に延在する複数の遠位方向に延在するフィンをさらに含む、付記24に記載の上腕骨アンカー。
[付記26]
前記複数のフィンは、前記アンカーの下方向に沿って延在する第1のフィンと、上方向と前方向及び後方向の一方とに沿って延在する方向成分を有する第2のフィンとを含む、付記25に記載の上腕骨アンカー。
[付記27]
前記上腕骨アンカーの前記第1の端部に隣接する前記第1の凹部の周りに配置された内周面をさらに含み、前記内周面は、
前記内周面に配置された凹型ロック機構と、
前記内周面に配置された凸型ロック機構であって、前記凹型ロック機構が前記凸型ロック機構から間隔を空けられている、前記凸型ロック機構と
を含む、付記24に記載の上腕骨アンカー。
[付記28]
肩プロテーゼを患者に移植する方法であって、前記肩プロテーゼは、アンカー主部と、前記アンカー主部から遠位に延在する複数のフィンとを有するステムレス上腕骨アンカーを含み、前記方法は、
前記上腕骨に空洞を形成するために前記患者の上腕骨の一部を取り除くことと、
前記複数のフィンのうちの第1のフィンが、下方向に沿って配向され、前記複数のフィンのうちの第2のフィンが、上方向と前方向及び後方向の一方とに沿った方向成分を有するように配向されるように、前記ステムレス上腕骨アンカーを前記上腕骨に対して配向させることと、
前記ステムレス上腕骨アンカーを前記上腕骨の前記空洞に挿入することと
を含む、前記方法。
[付記29]
前記第2のフィンが、前記上方向及び前記前方向に沿った方向成分を有するように配向されるように、前記ステムレス上腕骨アンカーを前記上腕骨に対して配向させることをさらに含み、前記方法は、前記複数のフィンのうちの第3のフィンが、前記上方向及び前記後方向に沿った方向成分を有するように配向されるように、前記ステムレス上腕骨アンカーを前記上腕骨に対して配向させることをさらに含む、付記28に記載の方法。
[付記30]
前記第1のフィン及び前記第2のフィンは、互いに対して第1の角度で角度が付けられており、前記第2のフィン及び前記第3のフィンは、互いに対して前記第1の角度に等しい第2の角度で角度が付けられている、付記28に記載の方法。
[付記31]
前記上腕骨の前記一部を取り除くよりも前に、前記上腕骨を切除して切除面を形成することをさらに含む、付記28に記載の方法。
[付記32]
前記上腕骨の前記一部を取り除くことは、前記上腕骨をリーマー加工して前記空洞を形成することを含む、付記28に記載の方法。
[付記33]
前記空洞の遠位にあり、前記空洞と比較してより小さい直径を有する第2の空洞を穿設することをさらに含む、付記32に記載の方法。
[付記34]
関節体を前記ステムレス上腕骨アンカーに接続することをさらに含む、付記28に記載の方法。
[付記35]
上腕骨アンカーであって、
前記上腕骨アンカーの遠位端から近位に延在する遠位部であって、前記遠位部は前記上腕骨アンカーの長手軸に沿って延在し、前記遠位部は前記上腕骨アンカーの前記遠位端に向かって前記長手軸に沿って内向きにテーパーを付けられている、前記遠位部と、
前記上腕骨アンカーの近位端から遠位に延在する近位部と、
前記上腕骨アンカーの前記近位端から前記近位部に遠位に延在する凹部と、
前記上腕骨アンカーの前記近位端に隣接する前記凹部の周りに配置された内周面であって、前記内周面は、
前記内周面に配置された凹型ロック機構と、
前記内周面に配置された凸型ロック機構であって、前記凹型ロック機構が前記凸型ロック機構から間隔を空けられている、前記凸型ロック機構と
を含む前記内周面と
を含む、前記上腕骨アンカー。
[付記36]
前記凹型ロック機構は、第1の凹型ロック機構と、前記第1の凹型ロック機構に向かい合って配置された第2の凹型ロック機構とを含む、付記35に記載の上腕骨アンカー。
[付記37]
前記第1の凹型ロック機構及び前記第2の凹型ロック機構は、それぞれ前記上腕骨アンカーの内側部及び外側部に配置されている、付記36に記載の上腕骨アンカー。
[付記38]
前記凸型ロック機構は、第1の凸型ロック機構を含み、前記第1の凸型ロック機構に向かい合って配置された第2の凸型ロック機構をさらに含む、付記35に記載の上腕骨アンカー。
[付記39]
前記第1の凸型ロック機構及び前記第2の凸型ロック機構は、それぞれ前記上腕骨アンカーの前部及び後部に配置されている、付記38に記載の上腕骨アンカー。
[付記40]
前記凹型ロック機構は、凹状の関節面を含む関節体に締り嵌めを提供するように構成される、付記35に記載の上腕骨アンカー。
[付記41]
前記凸型ロック機構は、前記凹部に向かって突出する細長いフィンを含む、付記35に記載の上腕骨アンカー。
[付記42]
上腕骨アンカーであって、
前記上腕骨アンカーの遠位端から近位に延在する遠位部であって、前記遠位部は、前記上腕骨アンカーの長手軸に沿って延在する、前記遠位部と、
前記上腕骨アンカーの近位端から遠位に延在し、前記上腕骨アンカーが配置される上腕骨の骨幹端の体積の少なくとも大部分を占めるように拡張された外表面を有する近位部であって、前記近位部は、上腕骨骨幹端の外側部の皮質壁に隣接して配置されるように構成された外側側面と、前記上腕骨幹端の内側側面の皮質壁から間隔を開けられるように構成された内側側面とを有する、前記近位部と、
前記上腕骨アンカーの前記近位端に隣接して配置された骨圧縮面であって、前記骨圧縮面は、前記近位部の前記内側側面のみの周りに配置され、上腕骨に移植されたときに、前記近位部の前記内側側面から前記上腕骨骨幹端の前記内側側面の前記皮質壁まで延在するように構成される、前記骨圧縮面と
を含む、前記上腕骨アンカー。
[付記43]
前記骨圧縮面は、前記上腕骨アンカーの前記近位部の前記近位端から外側へ延在するフランジを含む、付記42に記載の上腕骨アンカー。
[付記44]
前記フランジは、前記近位部の前記外側側面の半径に対応する半径を有する円形外周面を含む、付記43に記載の上腕骨アンカー。
[付記45]
前記上腕骨アンカーの近位面に配置された環状表面をさらに含み、前記フランジは、近位面の前記環状表面の一部を含む、付記43に記載の上腕骨アンカー。
[付記46]
前記上腕骨アンカーの前記近位面に配置された前記環状表面の上またはその中に形成された回転配向目印をさらに含む、付記43に記載の上腕骨アンカー。
[付記47]
前記上腕骨アンカーの前記近位端から前記近位部に遠位に延在する凹部と、前記上腕骨アンカーの前記近位端に隣接する前記凹部の周りに配置された内周面とをさらに含み、前記内周面は、前記内周面に配置されたロック機構を含み、前記ロック機構は、前記骨圧縮面と位置合わせされている、付記42に記載の上腕骨アンカー。
[付記48]
上腕骨アンカーであって、
前記上腕骨アンカーの近位端から遠位に延在する拡張された外表面を有する近位部と、
前記上腕骨アンカーの前記近位部と遠位端との間に延在する遠位部であって、前記遠位部は、前記上腕骨アンカーの長手軸に沿って延在し、前記遠位部は、
前記遠位端に隣接する前記上腕骨アンカーの前記長手軸に沿った第1の位置にある円形周縁部と、
前記上腕骨アンカーの前記第1の位置と前記近位端との間に配置された第2の位置にある長円形周縁部と、
前記上腕骨アンカーの前記第2の位置と前記近位端との間に配置された前記第3の位置にある少なくとも部分的に多角形の周縁部とを含む、前記遠位部と、
前記少なくとも部分的に多角形の周縁部のエッジに配置された回転防止フィンと
を含む、前記上腕骨アンカー。
[付記49]
1つ以上の円形周縁部が、前記遠位端から前記第1の位置までの前記上腕骨アンカーの長さに沿って配置される、付記48に記載の上腕骨アンカー。
[付記50]
前記長円形周縁部は、前-後方向の第1の寸法と、内側外側方向の第2の寸法とを含み、前記第2の寸法が前記第1の寸法よりも大きい、付記48に記載の上腕骨アンカー。
[付記51]
前記少なくとも部分的に多角形の周縁部は、外側に配向されるように構成された湾曲した凸状の側面と、前記凸状の側面の端部の間に配置された略前-後に配向された側面とを含む、付記48に記載の上腕骨アンカー。
[付記52]
前記回転防止フィンは、前記略前-後に配向された側面から内側方向に延在する突起を含む、付記51に記載の上腕骨アンカー。
[付記53]
前記少なくとも部分的に多角形の周縁部は、前記遠位部の長手軸に対してある角度で配向されかつ前記上腕骨アンカーの前記近位端に平行に配向された断面にある、付記48に記載の上腕骨アンカー。
[付記54]
前記上腕骨アンカーの前記第3の位置と前記近位端との間の第4の位置に配置された第2の少なくとも部分的に多角形の周縁部をさらに含み、前記第2の少なくとも部分的に多角形の周縁部に回転防止フィンが配置されている、付記48に記載の上腕骨アンカー。
[付記55]
前記回転防止フィンは、前記第3の位置にある前記少なくとも部分的に多角形の周縁部から、前記第4の位置にある前記第2の少なくとも部分的に多角形の周縁部まで連続的に延在する、付記54に記載の上腕骨アンカー。
[付記56]
骨アンカーインサーターであって、
第1の端部と、
前記第1の端部に向かい合う第2の端部と、
前記第1の端部と前記第2の端部との間の長手軸に沿って延在する細長い本体と、
前記第1の端部と前記第2の端部との間に配置されたハンドルであって、前記ハンドルが第1の構成と第2の構成とを有する、前記ハンドルと、
前記第2の端部に配置された骨アンカー接続部分であって、前記骨アンカー接続部分は、前記ハンドルの前記第1の構成に対応する骨アンカー保持構成と、前記ハンドルの前記第2の構成に対応する骨アンカー解放構成とを有する、前記骨アンカー接続部分と、
前記細長い本体と結合され、その前記長手軸に対して第1の角度で配置された第1の衝突ヘッドと、
前記細長い本体と結合され、その前記長手軸に対して第2の角度で配置された第2の衝突ヘッドとを含み、
前記第1の衝突ヘッドに加えられた力は、前記第1の骨アンカーの長手軸と一致する方向で第1の骨アンカーに衝撃力を向けて、前記第1の骨アンカーを骨に埋め込み、
前記第2の衝突ヘッドに加えられた力は、第2の骨アンカーに衝撃力を向け、前記第2の衝突ヘッドに加えられた前記衝撃力は、前記骨の切除面に垂直な方向に向けられて、前記第2の骨アンカーを前記骨に埋め込む、
前記骨アンカーインサーター。
[付記57]
前記第1の衝突ヘッドは、前記第2の衝突ヘッドに対してある角度で配置されている、付記56に記載の骨アンカーインサーター。
[付記58]
前記第1の衝突ヘッドと前記第2の衝突ヘッドとの間に35度から65度の間の角度が付けられている、付記57に記載の骨アンカーインサーター。
[付記59]
前記ハンドルは前記細長い本体と枢動可能に結合されており、前記第1の構成及び前記第2の構成は、前記ハンドルを回転させることによって提供される、付記56に記載の骨アンカーインサーター。
[付記60]
前記骨アンカー保持構成での前記骨アンカー接続部分の配置及び保持を容易にするために、前記ハンドルと前記細長い本体との間に配置されるスプリングをさらに含む、付記56に記載の骨アンカーインサーター。
[付記61]
骨アンカーインサーターであって、
第1の端部と、
前記第1の端部に向かい合う第2の端部と、
前記第1の端部と前記第2の端部との間に長手軸に沿って延在する細長い本体と、
前記第2の端部に配置された骨アンカー接続部分であって、前記骨アンカー接続部分は、骨アンカー保持構成と、骨アンカー解放構成とを有する、前記骨アンカー接続部分と、
前記細長い本体と結合され、前記第2の端部に隣接し前記第1の端部に向かい合う前記細長い本体の端部に配置された衝突ヘッドとを含み、
前記衝突ヘッドに加えられた力は、骨アンカーのステム部分に衝撃力を向け、前記衝突ヘッドに加えられる前記衝撃力は、前記骨アンカーの長手軸と一致した方向に向けられて、髄管内に骨アンカーのステム部分を埋め込む、
前記骨アンカーインサーター。
[付記62]
前記衝突ヘッドは、前記細長い本体の前記長手軸に対して鋭角に向けられる、付記61に記載の骨アンカーインサーター。
[付記63]
キットであって、
第1の部分が切除面と、前記切除面と骨の髄管との間に配置された前記骨の連続的な広がりとの間に配置されるように、骨幹端部に前進するように構成された前記第1の部分を含むステムレス骨アンカーであって、前記ステムレス骨アンカーは、前記第1の部分に向かい合う第2の部分を含み、前記第2の部分はインサーター接続部分を含む、前記ステムレス骨アンカーと、
第1の部分と前記第1の部分に向かい合う第2の部分とを含む骨アンカーであって、前記第1の部分は、骨幹部と前記骨の髄管及び第2の部分とに前進するように構成されたステムを含み、前記第2の部分はインサーター接続部分を含む、前記骨アンカーと、
骨アンカー接続部分を備えたインサーターであって、前記骨アンカー接続部分は、前記ステムレス骨アンカーの前記インサーター接続部分、または前記ステムを含む前記骨アンカーの前記インサーター接続部分と係合されるように構成される、前記インサーターと、を含む、前記キット。
[付記64]
前記インサーターは、前記骨アンカー接続部分と、前記骨アンカー接続部分と向かい合う前記インサーターの端部との間に配置された衝突ヘッドをさらに含み、前記衝突ヘッドは、前記衝突ヘッドに加えられた衝撃力を、前記ステムを含む骨アンカーに伝達して、前記ステムを骨の髄管に埋め込むように構成される、付記63に記載のキット。
[付記65]
前記衝突ヘッドは、第1の衝突ヘッドであり、第2の衝突ヘッドに対してある角度で配置された前記第2の衝突ヘッドをさらに備える、付記64に記載のキット。
[付記66]
前記第1の衝突ヘッドと前記第2の衝突ヘッドとの間の角度は45度である、付記65に記載のキット。
[付記67]
前記第1の衝突ヘッドと前記第2の衝突ヘッドとの間の角度は35度から65度の間である、付記65に記載のキット。
[付記68]
前記インサーターは、互いに第1の角度で配置された第1の衝突ヘッド及び第2の衝突ヘッドを含み、
骨アンカー接続部分を備えた第2のインサーターであって、前記骨アンカー接続部分は、前記ステムレス骨アンカーの前記インサーター接続部分、または前記ステムを含む前記骨アンカーの前記インサーター接続部分と係合されるように構成され、前記第2のインサーターは、互いに第2の角度で配置された第1の衝突ヘッド及び第2の衝突ヘッドを含む、前記第2のインサーターをさらに含む、付記63に記載のキット。
[付記69]
前記第1の角度及び前記第2の角度のそれぞれは、35度から65度の間である、付記68に記載のキット。
[付記70]
ステムレス骨係合部分を含む第1の骨アンカーを提供することであって、第2の骨アンカーがステムを含み、前記第1の骨アンカー及び前記第2の骨アンカーそれぞれがインサーター接続部分を含み、インサーターが、前記第1の骨アンカーまたは前記第2の骨アンカーのいずれかの前記インサーター接続部分と係合するように構成された骨アンカー接続部分を含む、前記提供することと、
前記インサーターの前記骨アンカー接続部分を前記第1の骨アンカーの前記インサーター接続部分と係合させることと、
骨の切除時に露出した骨物質内に前記第1の骨アンカーを前進させることと、
前記インサーターの前記骨アンカー接続部分を前記第2の骨アンカーの前記インサーター接続部分と係合させることと、
前記骨の前記切除時に前記第2の骨アンカーを骨物質内に前進させて、前記第2の骨アンカーの前記ステムを前記骨の髄管に配置することと
を含む、方法。
[付記71]
前記第2の骨アンカーを骨物質内に前進させることは、前記第2の骨アンカーと一致した力を加えて前記ステムを前記骨に埋め込むために、前記インサーターの衝突ヘッドに力を加えることをさらに含む、付記70に記載の方法。
[付記72]
前記衝突ヘッドは第1の衝突ヘッドであり、前記第1の骨アンカーを骨物質内に前進させることは、前記骨の前記切除部に垂直な力を加えるために、前記インサーターの第2の衝突ヘッドに力を加えることをさらに含む、付記71に記載の方法。
[付記73]
前記第1の骨アンカーを骨物質内に前進させることは、前記骨の前記切除に垂直な力を加えるために、前記インサーターの衝突ヘッドに力を加えることをさらに含む、付記70に記載の方法。
[付記74]
前記インサーターは第1のインサーターであり、第2のインサーターを提供することをさらに含み、前記第1のインサーター及び前記第2のインサーターそれぞれは、ステム付きアンカー衝突ヘッドとステムレスアンカー衝突ヘッドとを有し、前記第1のインサーターは、前記ステム付きアンカー衝突ヘッドとその前記ステムレスアンカー衝突ヘッドとの間に第1の角度を有し、前記第2のインサーターは、前記ステム付きアンカー衝突ヘッドとその前記ステムレスアンカー衝突ヘッドとの間に第2の角度を有し、前記第2の角度は前記第1の角度とは異なり、前記骨に切除が形成される角度に基づいて、前記第1のインサーターまたは前記第2のインサーターのうちの1つを選択することをさらに含む、付記70に記載の方法。
[付記75]
前記第1の角度及び前記第2の角度は、35度から65度の間である、付記74に記載の方法。
[付記76]
骨を取り除くためのデバイスであって、前記デバイスは、
近位端及び遠位端と、
前記デバイスの前記近位端にあるドライブシャフトであって、前記ドライブシャフトはドライブシャフト軸の周りで回転可能である、前記ドライブシャフトと、
骨を取り除くために前記ドライブシャフト軸の周りで回転可能なリーマーヘッドであって、前記リーマーヘッドは、
複数の径方向アームを含む遠位部であって、前記複数の径方向アームのそれぞれは、側方切刃を含む、前記遠位部と、
遠位対面切刃を含む近位部と
を含む、前記リーマーヘッドと
を含む、前記デバイス。
[付記77]
前記複数の径方向アームのそれぞれは、第1の平坦面と、前記第1の平坦面と向かい合う第2の平坦面とを含み、前記第1の平坦面と前記第2の平坦面とが厚みで分離されている、付記76に記載のデバイス。
[付記78]
半径方向に測定された前記第1の平坦面及び前記第2の平坦面のそれぞれの幅が、前記厚みよりも大きい、付記77に記載のデバイス。
[付記79]
前記複数のアームのそれぞれは、近位区分及び遠位区分を含み、前記近位区分は前記遠位区分の半径方向外側へ突出する、付記76に記載のデバイス。
[付記80]
ガイドピンを受け入れるように構成されたガイドチャネルをさらに含み、前記複数の径方向アームのそれぞれは、前記ガイドチャネルから半径方向外側へ延在する、付記76に記載のデバイス。
[付記81]
前記近位部は、前記リーマーヘッドの挿入深度を制御するように構成された深さ停止部を含み、前記深さ停止部は、前記遠位対面切刃の近位にあり、半径方向外側へ延在する、付記76に記載のデバイス。
[付記82]
前記遠位対面切刃は、前記複数の径方向アームの半径方向外側に配置される、付記76に記載のデバイス。
[付記83]
前記遠位対面切刃は、前記リーマーヘッドの前記近位部の周りに円周方向に延在する、付記76に記載のデバイス。
[付記84]
前記遠位対面切刃は、複数の切削歯を含む、付記76に記載のデバイス。
[付記85]
前記リーマーヘッドの前記近位部は、前記リーマーヘッドの近位面に複数の開口部を含む、付記76に記載のデバイス。
[付記86]
骨を取り除くためのデバイスであって、前記デバイスは、
第1の端部及び第2の端部と、
前記デバイスの前記第1の端部にあるドライブシャフトであって、前記ドライブシャフトはドライブシャフト軸の周りで回転可能である、前記ドライブシャフトと、
骨を取り除くために前記ドライブシャフト軸の周りで回転可能なリーマーヘッドであって、前記リーマーヘッドは、
外側に面した切刃を含む内側部分であって、前記内側部分は、前記骨に第1の空洞部分を形成するように構成され、第2の空洞部分は、前記第1の空洞部分よりも深く、前記第1の空洞部分と前記第2の空洞部分との間に段付き部がある、前記内側部分と、
前記内側部分の半径方向外側に配置された外側部分であって、前記外側部分は遠位対面切刃を含み、前記外側部分は、前記第1の空洞部分の近位にあり、少なくとも部分的に前記第1の空洞部分を取り囲む凹状表面を形成するように構成される、前記外側部分と
を含む、前記リーマーヘッドと
を含む、前記デバイス。
[付記87]
前記遠位対面切刃の外形は、前記外側に面した切刃の外形とは異なる、付記86に記載のデバイス。
[付記88]
前記第2の切刃は、複数の切削歯を含む、付記86に記載のデバイス。
[付記89]
ガイドピンを受け入れるように構成されたガイドチャネルをさらに含む、付記86に記載のデバイス。
[付記90]
前記リーマーヘッドは、前記リーマーヘッドの挿入深度を制御するように構成された深さ停止部をさらに含み、前記深さ停止部は、前記遠位対面切刃の近位にあり、半径方向外側へ延在する、付記86に記載のデバイス。
[付記91]
骨を取り除く方法であって、
リーマーを骨の端部に向かって前進させることであって、前記リーマーは、ドライブシャフトとリーマー加工ヘッドとを含む、前記前進させることと、
前記ドライブシャフトの駆動軸を中心に前記リーマーを駆動することと、
前記リーマー加工ヘッドで前記骨に空洞を形成することであって、前記空洞は、
第1の空洞部分と、
前記第1の空洞部分よりも前記骨のより深い深さまで延在する第2の空洞部分と、
前記第1の空洞部分と前記第2の空洞部分との間の段付き部と
を含む、前記形成することと、
前記リーマー加工ヘッドで前記骨の切除面の下に凹状表面を形成することであって、前記凹状表面は少なくとも部分的に前記第1の空洞部分を取り囲む、前記形成することと、
インプラントのアンカー構造を前記骨の前記空洞に配置することと、
前記インプラントのカラーを前記骨の前記凹状表面に配置することと
を含む、前記方法。
[付記92]
前記骨に前記空洞を形成すること及び前記凹状表面を形成することが同時に行われる、付記91に記載の方法。
[付記93]
前記骨に前記空洞を形成すること及び前記凹状表面を形成することが連続して行われる、付記91に記載の方法。
[付記94]
前記骨に前記空洞を形成した後、前記骨に前記凹状表面を形成する、付記91に記載の方法。
[付記95]
前記リーマーを前進させることは、ガイドピンに沿って前記リーマーを前進させることを含む、付記91に記載の方法。
[付記96]
深さ停止部が前記骨の前記切除面に接触するまで、前記骨に前記凹状表面を形成することをさらに含む、付記91に記載の方法。
【国際調査報告】