(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-02
(54)【発明の名称】食用ポンガミア組成物、ならびに、その調製方法およびその使用方法
(51)【国際特許分類】
A23L 11/00 20210101AFI20221125BHJP
A23L 11/30 20160101ALI20221125BHJP
A23K 10/30 20160101ALI20221125BHJP
A23K 20/121 20160101ALI20221125BHJP
A23K 50/75 20160101ALI20221125BHJP
【FI】
A23L11/00 F
A23L11/30
A23K10/30
A23K20/121
A23K50/75
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022520492
(86)(22)【出願日】2020-10-02
(85)【翻訳文提出日】2022-05-31
(86)【国際出願番号】 US2020053945
(87)【国際公開番号】W WO2021067698
(87)【国際公開日】2021-04-08
(32)【優先日】2019-10-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521140870
【氏名又は名称】テルヴィーヴァ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】シッカ,ナヴィーン
(72)【発明者】
【氏名】クッシュ,ウィリアム ニューウェル
(72)【発明者】
【氏名】ラニ,ヴァムシ クリシュナ
(72)【発明者】
【氏名】アストウッド,ジェームズ ディー.
(72)【発明者】
【氏名】オルソン,ジェイク マシュー
(72)【発明者】
【氏名】ベライン,ヘノク
【テーマコード(参考)】
2B005
2B150
4B020
【Fターム(参考)】
2B005DA01
2B150AA05
2B150AB02
2B150AE02
2B150BC06
2B150BD01
2B150BE01
2B150CE25
2B150DB04
2B150DD45
2B150DD57
4B020LB18
4B020LB24
4B020LB27
4B020LB28
4B020LC01
4B020LG09
4B020LK07
4B020LP03
4B020LP09
4B020LP13
4B020LP15
4B020LP30
(57)【要約】
本明細書で提供されるのは、ポンガミア脂肪種子を処理することで得られる組成物である。得られるポンガミア組成物は、粗びき粉の形態であってもよい。前記ポンガミア組成物は、ポンガミア脂肪種子を特定の処理工程に供することによって得られる、最適化された栄養組成物を含み得る。得られるポンガミア組成物はまた、カランジン、ポンガモール、および、タンニンの濃度が低下し得る。このようなポンガミア組成物は、ヒトおよび他の動物に対する食品または食品成分として適し得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記成分を含むポンガミア組成物であって:
カランジン、ポンガモール、またはその両方;
タンニン;
可消化タンパク質;
炭水化物;
抗酸化剤;および、
ミネラル、
前記組成物は下記(i)~(iii)を有する、ポンガミア組成物:
(i)存在する場合には、カランジン含有量は、100ppm以下であり;
(ii)存在する場合には、ポンガモール含有量は、100ppm以下であり;および、
(iii)タンニン含有量は、0.5%w/w以下である。
【請求項2】
前記組成物が、0.1w/w%以下のタンニン含有量を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記組成物が、粗びき粉の形態である、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
前記組成物が、粉末の形態である、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載のポンガミア組成物を調製する方法であって、
適した時間、25℃~200℃の温度でポンガミア脂肪種子を加熱して、処理された脂肪種子を準備する工程;
前記処理された脂肪種子の皮をむいて、脱皮された脂肪種子を製造する工程;
前記脱皮された脂肪種子を機械的にプレスして、脱油されたシードケーキを製造する工程;
前記脱油されたシードケーキと溶媒とを組み合わせて、抽出混合物を準備する工程であって、前記溶媒は、アルキルアルカノエートもしくはアルコール、または、それらの任意の組み合わせを含む、工程;および、
前記抽出混合物を、ミセラ、および、前記ポンガミア組成物に分離する工程、を含む、方法。
【請求項6】
前記機械的にプレスする工程は、圧搾機によって行われる、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記機械的にプレスする工程は、エキスパンダーによって行われる、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
請求項1~4のいずれか1項に記載のポンガミア組成物を、非反芻動物に食料として与える工程を含む、方法。
【請求項9】
前記非反芻動物がヒトである、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記非反芻動物が家禽である、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記家禽がニワトリである、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
下記成分を含む、家禽用食料:
ベース食料;および、
請求項1~4のいずれか1項に記載のポンガミア組成物。
【請求項13】
下記成分を含む、家禽用食料:
トウモロコシ;
大豆サプリメント;および、
請求項1~4のいずれか1項に記載のポンガミア組成物。
【請求項14】
下記成分を含む、食品組成物:
請求項1~4のいずれか1項に記載のポンガミア組成物。
【請求項15】
前記食品組成物が、菓子、調味料、シリアル組成物、焼成製品、焼き製品、調理補助剤、乳製品、栄養補助食品、卓上甘味料配合飲料、または、他の飲料製品である、請求項14に記載の食品組成物。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
〔関連出願の相互参照〕
本願は、2019年10月3日に出願された米国仮特許出願第62/910,315号の優先権を主張する。前記出願の全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
〔技術分野〕
本開示は一般に、ポンガミア脂肪種子から得られる組成物に関する。本開示はより具体的に、ポンガミア脂肪種子を特定の処理工程に供することによって得られる、最適化された栄養組成を有するポンガミア組成物に関する。このようなポンガミア組成物は、ヒトおよび他の非反芻動物(例えば、家禽、ブタ、イヌ、ネコなど)にとって食品または食品成分として適し得る。
【0003】
〔背景〕
人口増加、気候変動、および今後数十年間にわたる既存の農業慣行の持続可能性に関する懸念が高まっていることから、将来の世界的な食料安全保障を確保するための代替食料源の研究開発が急増している。ヒトの食事中の動物由来タンパク質に代わる栄養素およびタンパク質が豊富な代替物を提供することによって、世界的な食料供給に対する圧力を軽減するために、環境に優しく持続可能な手段として、再生可能な植物ベースの食料源が重要な関心を促してきた。
【0004】
ミレティア ピナータ(Millettia pinnata)(ポンガミア ピナータ(Pongamia pinnata)またはポンガミア グラブラ(Pongamia glabra)としても知られている、または、より口語的にはポンガミア(pongamia)またはカランジャ(karanja)としても知られている)は、アジア全域で一般的な木である。また、ミレティア ピナータは、将来的に植物ベースのタンパク質の主要な供給源を提供し得る。ポンガミアの木は、大豆植物が同量の豆を生産するために必要な土地の10分の1を使用する。ポンガミアの木は、劣化した土壌で成長することができ、大豆によって生じる森林破壊問題を回避させることができる。ポンガミアはまた、1エーカー(acre)当たり、大豆よりもはるかに多くのタンパク質および植物油を産生する。ポンガミア脂肪種子からの脂肪抽出の副産物であるポンガミアシードケーキは、大豆に匹敵する、食品使用を目的としたタンパク質、炭水化物および食物繊維の潜在的な再生可能供給源を提供する。しかしながら、ポンガミア脂肪種子はまた、不快な味および臭いを有することが当技術分野で公知の他の成分(カランジンおよびポンガモールが挙げられる)を有する。実現可能な食料源として用いるためには、シードケーキ中のカランジンおよびポンガモールの量を最小限にすることが望ましい。
【0005】
脂肪種子に固有の高栄養成分(タンパク質、炭水化物など)を維持しながら、低濃度のカランジンおよびポンガモールを有するポンガミア組成物を調製する方法は、存在しない。そのため、ポンガミア由来の食品を広範に使用することは、現在妨げられている。ポンガミアシードケーキ中のこれら望ましくない成分を除去するための既存の方法は、しばしばポンガミアの栄養価が深刻な影響を受ける程度にまで栄養素を低減および分解する、厳しく破壊的な状態を必要とする。保存された栄養成分と十分に低濃度の抗栄養素とのクリティカルなバランスを有するポンガミア組成物を製造する方法は、存在しない。そのため、経済的な実現可能性を維持するのに十分に大きな規模の代替食料供給源として、ポンガミア由来タンパク質の組み込みが妨げられている。
【0006】
したがって、カランジンおよびポンガモールなどの成分を最小限に抑えながら、最適な栄養バランスを維持するポンガミア脂肪種子由来の食用組成物を得るための商業的に実現可能な方法が、当技術分野で所望されている。
【0007】
〔概要〕
本明細書では、ヒトおよび他の動物による消費に適した組成物を得るための特定の条件下でポンガミア脂肪種子を処理することによって得られる、組成物が提供される。
【0008】
いくつかの態様では、カランジン、ポンガモール、またはその両方;タンニン;可消化タンパク質;炭水化物;抗酸化剤;およびミネラルを含むポンガミア組成物が提供される。いくつかの実施形態では、組成物は下記(i)~(iii)を有する:(i)存在する場合には、カランジン含有量は、100ppm以下であり;(ii)存在する場合には、ポンガモール含有量は、100ppm以下であり;および(iii)タンニン含有量は、0.5%w/w以下である。いくつかの他の態様では、組成物は粗びき粉(meal)の形態である。特定の他の態様では、組成物は粉末(flour)の形態である。
【0009】
他の態様では、このようなポンガミア組成物を調製する方法が提供される。いくつかの実施形態では、前記方法が:適した時間、25℃~200℃の温度でポンガミア脂肪種子を加熱して、処理された脂肪種子を準備する工程;前記処理された脂肪種子の皮をむいて、脱皮された脂肪種子を製造する工程;前記脱皮された脂肪種子を機械的にプレスして、脱油されたシードケーキを製造する工程;前記脱油されたシードケーキと溶媒とを組み合わせて、抽出混合物を準備する工程であって、前記溶媒は、アルキルアルカノエート、または、アルコール、または、それらの任意の組み合わせを含む工程;前記抽出混合物を、ミセラ、および、前記ポンガミア組成物に分離する工程、を含む。いくつかの他の態様では、機械的にプレスする工程が、圧搾機またはエキスパンダーによって行われる。
【0010】
さらに他の態様では、本明細書に提供されるポンガミア組成物は、ヒトおよび他の非反芻動物への食料供給に適した食品組成物に調合される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の任意のポンガミア組成物を、非反芻動物に食料として与える工程を含む方法が提供される。
【0011】
さらに他の態様では、本明細書に提供されるポンガミア組成物を含む食品組成物が提供される。一態様では、ベース食料;および本明細書に記載の任意のポンガミア組成物を含む家禽用食料が提供される。別の態様では、トウモロコシ;大豆サプリメント;および本明細書に記載の任意のポンガミア組成物を含む家禽用食料が提供される。
【0012】
さらに他の態様では、本明細書に提供されるポンガミア組成物を含む食品組成物が提供される。いくつかの他の態様では、食品組成物が提供され、ここで、当該食品組成物は、菓子、調味料、シリアル組成物、焼成製品、焼き製品、調理補助剤、乳製品、栄養補助食品、卓上甘味料配合飲料、または、他の飲料製品である。
【0013】
〔図面の説明〕
本出願は、添付の図面と併せて下記の説明を参照することによって、最も良く理解することができる。添付の図面では、同じ箇所は同じ数字によって参照することができる。
【0014】
図1は、食用ポンガミア組成物を調製するための例示的な方法を示す。
【0015】
〔詳細な説明〕
下記の説明は、例示的な方法、パラメータなどを記載する。しかしながら、このような説明は、本開示の範囲を限定することを意図しておらず、代わりに、例示的な実施形態の説明として提供されることを認識されたい。
【0016】
〔ポンガミア組成物〕
いくつかの態様では、含有する特定の抗栄養成分(例えば、カランジン、ポンガモール、およびタンニンなど)を最大限除去しつつも、含有する他の成分(例えば、可消化タンパク質、炭水化物、抗酸化剤、およびミネラルなど)の栄養バランスを最適化するポンガミア脂肪種子を加工する工程から得られる食用組成物が、本明細書に提供される。
【0017】
本明細書で使用される場合、本明細書に記載のポンガミア組成物の成分(例えば、カランジン、ポンガモール、タンニン、可消化タンパク質、炭水化物、抗酸化剤、およびミネラル)は、組成物が得られるポンガミア脂肪種子に内因性の成分を指す。
【0018】
ポンガミア脂肪種子は、フラン環を有するフラボノイド類(フラノフラボノイドとして知られる)を、最も顕著にはカランジンおよびポンガモールを、高濃度含有することが知られている。フラノフラボノイドはさらに、サブクラス(例えば、フラボン、フラボノール(例えば、カランジン)およびジベンゾイルメタン(例えば、ポンガモール)など)によって同定することができる。カランジン(左)およびポンガモール(右)は、それぞれ下記の構造を有する:
【0019】
【0020】
特定の態様では、カランジンまたはポンガモール、またはその両方;タンニン;可消化タンパク質;炭水化物;抗酸化剤;およびミネラルを含む食用ポンガミア組成物が提供される。いくつかの実施形態では、組成物は下記(i)~(iii)を有する:(i)存在する場合には、カランジン含有量は、100ppm以下であり;(ii)存在する場合には、ポンガモール含有量は、100ppm以下であり;および(iii)タンニン含有量が、0.5%w/w以下である。
【0021】
いくつかの他の態様では、カランジン含有量および/またはポンガモール含有量(存在する場合)は、独立して、90ppm以下、80ppm以下、70ppm以下、60ppm以下、50ppm以下、40ppm以下、30ppm以下、20ppm以下、10ppm以下、5ppm以下、2ppm以下、1ppm以下、0.5ppm以下、または0.1ppm以下である。特定の実施形態では、ポンガミア組成物が、1桁百万分率オーダー(on the order of single digit parts-per-million)のカランジンの濃度および/またはポンガモールの濃度、またはその分数量(fractional amounts thereof)を有する。いくつかの実施形態では、ポンガミア組成物が、少なくとも0.001ppm、少なくとも0.01ppm、または少なくとも0.1ppmのカランジンの濃度および/またはポンガモールの濃度を有する。特定の他の態様では、ポンガミア組成物は、カランジン含有量および/またはポンガモール含有量が、0.001ppm~100ppm、0.001ppm~90ppm、0.001ppm~80ppm、0.001ppm~70ppm、0.001ppm~60ppm、0.001ppm~50ppm、0.001ppm~40ppm、0.001ppm~30ppm、0.001ppm~20ppm、0.001ppm~10ppm、0.001ppm~5ppm、0.001ppm~2ppm、0.001ppm~1ppm、0.001ppm~0.5ppm、0.001ppm~0.1ppm、0.01ppm~100ppm、0.01ppm~90ppm、0.01ppm~80ppm、0.01ppm~70ppm、0.01ppm~60ppm、0.01ppm~50ppm、0.01ppm~40ppm、0.01ppm~30ppm、0.01ppm~20ppm、0.01ppm~10ppm、0.01ppm~5ppm、0.01ppm~2ppm、0.01ppm~1ppm、0.01ppm~0.5ppm、0.01ppm~0.1ppm、0.1ppm~100ppm、0.1ppm~90ppm、0.1ppm~80ppm、0.1ppm~70ppm、0.1ppm~60ppm、0.1ppm~50ppm、0.1ppm~40ppm、0.1ppm~30ppm、0.1ppm~20ppm、0.1ppm~10ppm、0.1ppm~5ppm、0.1ppm~2ppm、0.1ppm~1ppm、0.1ppm~0.5ppm、1ppm~100ppm、1ppm~50ppm、1ppm~20ppm、1ppm~10ppm、1ppm~5ppm、または1ppm~2ppmである。いくつかの実施形態では、ポンガミア組成物は、100ppm未満のカランジンおよび/またはポンガモールの濃度を有し得る。これらの濃度は、伝統的なヘキサンおよびメタノールに基づく分析方法によっては検出不可能である。さらなる実施形態では、ポンガミア組成物は、10億分の1(ppb)または1兆分の1(ppt)オーダーの微量のカランジンおよび/またはポンガモールの濃度を有し得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のポンガミア組成物は、本明細書に記載のアルキルアルカノエートに基づくマイクロ波アシスト溶媒抽出分析方法では検出不可能な微量のカランジンおよび/またはポンガモールを含み得る。
【0022】
同様に、本開示のポンガミア組成物は、検出不可能なレベルの非常に少ないタンニン含有量を有し得る。
【0023】
いくつかの他の態様では、タンニン含有量が、0.4%w/w以下、または0.3%w/w以下である。さらに他の態様では、タンニン含有量が、0.2%w/w以下、0.1%w/w以下、0.01%w/w以下、または0.001%w/w以下である。いくつかの実施形態では、ポンガミア組成物が検出可能なタンニン含有量を有しており、前記ポンガミア組成物のタンニン含有量が、少なくとも0.001%w/w、少なくとも0.01%w/w、または少なくとも0.01%w/wである。特定の他の態様では、タンニン含有量は、0.001%w/w~0.4%w/w、0.001%w/w~0.3%w/w、0.001%w/w~0.2%w/w、0.001%w/w~0.1%w/w、0.001%w/w~0.01%w/w、0.01%w/w~0.4%w/w、0.01%w/w~0.3%w/w、0.01%w/w~0.2%w/w、0.01%w/w~0.1%w/w、0.1%w/w~0.4%w/w、0.1%w/w~0.3%w/w、0.1%w/w~0.2%w/w、0.2%w/w~0.4%w/w、0.2%w/w~0.3%w/w、または0.3%w/w~0.4%w/wである。
【0024】
他の実施形態では、組成物は、ポンガミア組成物が得られたポンガミア脂肪種子中に存在し得る他のフラノフラボノイドをさらに含む。前記フラノフラボノイドには、例えば、ランセオラチン、カンジオン、ポンガグラブロン、ポンガグラボル、オバリフォリン、サナガノン、ピナチン、ガマチン、ポンゴン、グラボーン、カランジオール、ポンガピン、パキカリン、ポンガグラボルメチルエーテル、イソポンガグラボル、メトキシイソポンガグラボル、ポンゴルメチルエーテル、ミルトカリキシン、6-メトキシイソポンガグラボル、ポンガモシドA、ポンガモシドB、ポンガノンXI、ポンガモシドC、グラブラI、オバリテノン、ポンガノンIX、およびポンガロテンが含まれ得る。
【0025】
前述のいくつかの他の態様では、ポンガミア組成物は、ヒトおよび他の非反芻動物内での生物学体利用能を増進させるために、可消化タンパク質、炭水化物、抗酸化剤、およびミネラルのバランスを有する。
【0026】
前述のいくつかの他の態様では、ポンガミア組成物は、粗びき粉の形態である。前述の他の態様では、ポンガミア組成物は、粉末の形態である。
【0027】
いくつかの実施形態では、本開示のポンガミア組成物は下記(i)~(iii)を有し得る:(i)存在する場合には、カランジン含有量は、100ppm以下であり;(ii)存在する場合には、ポンガモール含有量は、100ppm以下であり;および(iii)タンニン含有量は、0.5%w/w以下である。他の実施形態では、本開示のポンガミア組成物は下記(i)~(iii)を有し得る:(i)存在する場合には、カランジン含有量は、100ppm以下、90ppm以下、80ppm以下、70ppm以下、60ppm以下、50ppm以下、40ppm以下、30ppm以下、20ppm以下、10ppm以下、5ppm以下、2ppm以下、1ppm以下、0.5ppm以下、または0.1ppm以下であり;(ii)存在する場合には、ポンガモール含有量は、100ppm以下、90ppm以下、80ppm以下、70ppm以下、60ppm、50ppm以下、40ppm以下、30ppm以下、20ppm以下、10ppm以下、5ppm以下、2ppm以下、1ppm以下、0.5ppm以下、0.1ppm以下であり;および、(iii)タンニン含有量は、0.5%w/w以下、0.4%w/w以下、または0.3%w/w以下である。さらに他の態様では、タンニン含有量が、0.2%w/w以下、0.1%w/w以下、0.01%w/w以下、または0.001%w/w以下である。
【0028】
前述のいくつかの実施形態では、本明細書に開示のポンガミア組成物は下記(i)~(iii)を有する:(i)存在する場合には、カランジン含有量は、100ppm以下であり;(ii)存在する場合には、ポンガモール含有量は、100ppm以下であり;および、(iii)タンニン含有量は、0.5%w/w以下である。ポンガミア組成物は、様々な感覚受容特性(organoleptic properties)(例えば、味覚、嗜好性、および知覚受容性など)によってさらに特徴付けられ得る。
【0029】
例えば、色は、ポンガミア組成物中のタンニン含有量を示すもの、または、代理するものになり得る。さらなる実施形態では、本明細書に記載のポンガミア組成物は、前述の実施形態のいずれかと組み合わせることができる。前記ポンガミア組成物は、紫外可視光スペクトル吸収プロファイルによって、または、適切な色標準(カード)(例えば、USDA色標準)との視覚的な比較によって決定される、色特性を有し得る。特定の実施形態では、ポンガミア組成物は白色である。
【0030】
〔ポンガミア組成物の調製方法〕
本明細書に記載のポンガミア組成物は、ポンガミア脂肪種子から得られる。前記ポンガミア脂肪種子は、特定の熱処理工程および機械的処理工程を受ける。
図1に関して、プロセス100は、ポンガミア組成物を調製するための例示的なプロセスである。工程102では、ポンガミア脂肪種子が提供される。いくつかの態様では、脂肪種子を提供する工程は、鞘または殻から脂肪種子を除去および/または分離する工程をさらに含み得る。前記鞘または殻からの脂肪種子の除去は、鞘を開けるための手動での除去または機械的な破砕を含み得る。特定の態様では、前記鞘または殻からの脂肪種子の分離は、手動での分離、ふるい分け/仕分け、または、空気力学的分離(例えば、吸引による重量分類)を含み得る。
【0031】
再度
図1に言及すると、ポンガミア脂肪種子は、工程104にて、適切な温度で適切な時間加熱される。それによって、処理されたポンガミア脂肪種子を提供する。熱処理は、脂肪種子を脂肪種子の外皮に結合させる膜の分解を促す助けとなることができる。その結果、処理された脂肪種子から外皮を除去する、下流の処理を容易にすることができる。いくつかの実施形態では、熱処理の温度および持続時間は、下流における、脱皮された脂肪種子と機械的プレス工程との相性に影響を及ぼし得る。
【0032】
いくつかの実施形態では、脂肪種子が、少なくとも25℃、少なくとも30℃、少なくとも35℃、少なくとも40℃、少なくとも50℃、少なくとも60℃、少なくとも70℃、少なくとも75℃、少なくとも80℃、少なくとも90℃、少なくとも100℃、少なくとも110℃、少なくとも120℃、少なくとも125℃、少なくとも130℃、少なくとも140℃、少なくとも150℃、少なくとも160℃、少なくとも170℃、少なくとも175℃、少なくとも180℃、または少なくとも190℃の温度で加熱される。他の実施形態では、脂肪種子が、200℃以下、190℃以下、180℃以下、170℃以下、160℃以下、150℃以下、140℃以下、130℃以下、125℃以下、120℃以下、110℃以下、100℃以下、90℃以下、80℃以下、または75℃以下の温度で加熱される。いくつかの変形形態では、脂肪種子が、25℃~200℃、30℃~200℃、60℃~200℃、60℃~180℃、60℃~150℃、60℃~120℃、80℃~200℃、80℃~180℃、80℃~150℃、80℃~120℃、100℃~200℃、100℃~180℃、100℃~150℃、100℃~120℃、120℃~200℃、120℃~180℃、120℃~150℃、150~200℃、150~180℃、または180℃~200℃の温度で加熱される。
【0033】
いくつかの態様では、脂肪種子が、少なくとも5分間、少なくとも10分間、少なくとも15分間、少なくとも20分間、少なくとも25分間、少なくとも30分間、少なくとも45分間、少なくとも1時間、少なくとも90分間、少なくとも120分間、少なくとも150分間、または少なくとも180分間の時間、加熱される。他の態様では、脂肪種子が、1日間以下、20時間以下、15時間以下、10時間以下、5時間以下、4時間以下、180分間以下、120分間以下、90分間以下、60分間以下、45分間以下、30分間以下、25分間以下、20分間以下、15分間以下、または10分間以下の時間、加熱される。他の態様では、脂肪種子が、5分間~3時間、5分間~2時間、5分間~90分間、5分間~1時間、5分間~30分間、5分間~15分間、15分間~3時間、15分間~2時間、15分間~90分間、15分間~1時間、15分間~30分間、30分間~3時間、30分間~2時間、30分間~90分間、30分間~1時間、または30分間~45分間の時間加熱される。熱処理のための適切な温度および/または滞留時間は、本明細書に記載の時間および温度の任意の組み合わせを含み得る。例えば、一態様では、脂肪種子を25℃~200℃で5分間~3時間加熱する。いくつかの態様では、脂肪種子が、5分間~3時間、5分間~2時間、5分間~90分間、5分間~1時間、5分間~30分間、5分間~15分間、15分間~3時間、15分間~2時間、15分間~90分間、15分間~1時間、15分間~30分間、30分間~3時間、30分間~2時間、30分間~90分間、30分間~1時間、または30分間~45分間の時間で加熱され、25℃~200℃、30℃~200℃、60℃~200℃、60℃~180℃、60℃~150℃、60℃~120℃、80℃~200℃、80℃~180℃、80℃~150℃、80℃~120℃、100℃~200℃、100℃~180℃、100℃~150℃、100℃~120℃、120℃~200℃、120℃~180℃、120℃~150℃、150℃~200℃、150℃~180℃、または、180℃~200℃の温度で加熱される。
【0034】
再度
図1に言及すると、処理された脂肪種子は、次に工程106で脱皮される。脂肪種子から外皮を除去するための当技術分野で公知の任意の適切な技術を使用することができる。例えば、いくつかの態様では、処理された脂肪種子は、外皮を除去するために研磨力をかけられる。特定の態様では、脱皮が、アトリションミル若しくはインペラー、または機械的に同等な物を用いて実施されてもよい。1つの態様では、脱皮工程は、湿式除去方法(例えば、ブランチング、アルカリ性および/または水性溶解など)を利用しない。特定の態様では、ポンガミア脂肪種子は、脱皮の前に熱処理を受ける。いくつかの態様では、このような熱処理は、乾燥脱皮工程である。当該乾燥脱皮工程は、例えば、ブランチングを含み得る湿潤脱皮工程とは区別される。特定の実施形態では、熱処理を受けるポンガミア脂肪種子、ならびに本明細書に記載の方法から得られる脂肪種子およびポンガミア組成物は、それらの含水量によって特徴付けられることができる。いくつかの態様では、熱処理から得られる処理された脂肪種子は、さらなる乾燥工程なしに、20%w/w以下、17%w/w以下、15%w/w以下、12%w/w以下、10%w/w以下、または8%w/w以下の含水量を有する。他の態様では、熱処理から得られる処理された脂肪種子は、さらなる乾燥工程なしに、5%w/w~20%w/w、5%w/w~17%w/w、5%w/w~15%w/w、5%w/w~12%w/w、5%w/w~10%w/w、5%w/w~8%w/w、8%w/w~20%w/w、8%w/w~17%w/w、8%w/w~15%w/w、8%w/w~12%w/w、8%w/w~10%w/w、10%w/w~20%w/w、10%w/w~17%w/w、10%w/w~15%w/w、10%w/w~12%w/w、12%w/w~20%w/w、12%w/w~17%w/w、12%w/w~15%w/w、15%w/w~20%w/w、15%w/w~17%w/w、または17%w/w~20%w/wの含水量を有する。さらに他の態様では、熱処理から得られた処理された脂肪種子は、油を除去して脱油されたシードケーキ(またはプレスケーキ)を得るための機械的処理工程の前に、含水量を調節するために乾燥され得る。
【0035】
脱皮された脂肪種子は、多くの特徴(例えば、脱皮された脂肪種子の重量割合、タンニン含有量、含水量、または粒径分布などが挙げられる)によって記述することができる。いくつかの実施形態では、脱皮される脂肪種子の割合が、脂肪種子の被覆表面積および非被覆表面積の外観検査によって定量化され得る。特定の態様では、脱皮された脂肪種子は、外皮によって被覆された総表面積が50%未満である脂肪種子を、40%w/w~100%w/w、40%w/w~80%w/w、または40%w/w~70%w/w有する。特定の態様では、脱皮された脂肪種子は、0.5%w/w以下、0.4%w/w以下、または0.3%w/w以下の平均タンニン含有量を有する。さらに他の態様では、脱皮された脂肪種子は、0.2%w/w以下、0.1%w/w以下、0.01%w/w以下、または0.001%w/w以下の平均タンニン含有量を有する。いくつかの態様では、脱皮された脂肪種子は、少なくとも0.001%w/w、少なくとも0.01%w/w、または少なくとも0.01%w/wの平均タンニン含有量を有する。特定の態様では、タンニン含有量は、0.001%w/w~0.4%w/w、0.001%w/w~0.3%w/w、0.001%w/w~0.2%w/w、0.001%w/w~0.1%w/w、0.001%w/w~0.01%w/w、0.01%w/w~0.4%w/w、0.01%w/w~0.3%w/w、0.01%w/w~0.2%w/w、0.01%w/w~0.1%w/w、0.1%w/w~0.4%w/w、0.1%w/w~0.3%w/w、0.1%w/w~0.2%w/w、0.2%w/w~0.4%w/w、0.2%w/w~0.3%w/w、または0.3%w/w~0.4%w/wである。
【0036】
いくつかの態様では、処理されたポンガミア脂肪種子から外皮を除去する工程は、脱皮された脂肪種子および分離された外皮を含む混合物を生じる。そのようなものとして、本方法は、脱皮された脂肪種子から、分離された外皮を分離する工程をさらに含んでもよい。いくつかの実施形態では、本方法は、手での分離、ふるい分けまたは仕分け(sieving or screening)、または空気力学的分離(すなわち、吸引による重量分類)によって、脱皮された脂肪種子を、分離された外皮から分離する工程をさらに含む。
【0037】
再度
図1に言及すると、工程108では、脱皮された脂肪種子を機械的にプレスして油を除去し、脱油されたシードケーキ(またはプレスケーキ)を提供する。いくつかの態様では、脱皮された脂肪種子が、圧搾機を使用して機械的にプレスされる。他の態様では、脱皮された脂肪種子が、エキスパンダーを使用して機械的にプレスされる。さらに他の態様では、脱皮された脂肪種子が、押出機を使用して機械的にプレスされる。1回以上の機械的プレス工程の反復を、脱皮された脂肪種子および/または得られた脱油されたシードケーキに適用することによって、次の溶媒抽出工程で使用される、最終的に脱油されたシードケーキを提供することができる。他の実施形態では、脱油されたシードケーキは、溶媒抽出の前にさらに破砕されて、特定の粒径分布を有する脱油されたシードケーキを提供してもよい。
【0038】
脱油されたシードケーキは、他の特性(例えば、カランジンの濃度、油含有量、含水量、および粒径分布などが挙げられる)によって記述されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、脱油されたシードケーキが、少なくとも200ppm、または少なくとも500ppmのカランジンの濃度を有する。いくつかの実施形態では、脱油されたシードケーキが、8~40重量%、10~35重量%、または8~30重量%の油を有する。
【0039】
再度
図1に言及すると、工程110では、脱油されたシードケーキは溶媒抽出を受ける。いくつかの態様では、脱油されたシードケーキが、抽出器内で溶媒と組み合わされる。特定の態様では、脱油されたシードケーキおよび溶媒が、抽出器内で、混合、撹拌、またはかき混ぜを受ける。いくつかの態様では、溶媒抽出工程で、熱が用いられ得る。前述の方法は、組み合わせ工程の一部であり得る他のパラメータの変形形態(例えば、抽出器内での抽出混合物の滞留時間、抽出器の温度および圧力、抽出器の連鎖速度(extractor chain speed)、脱油されたシードケーキの粒径分布、脱油されたシードケーキの溶媒に対する比率、および、脱油されたシードケーキおよび溶媒の抽出器内への供給速度、などが挙げられる)を含んでもよいことに留意されたい。
【0040】
いくつかの実施形態では、溶媒は、アルキルアルカノエートもしくはアルコール、またはそれらの任意の組み合わせを含む。一実施形態では、溶媒はアルコールを含む。アルコール溶媒としては、例えば、メタノール、プロパノール、エタノール、ブタノール、またはペンタノールが含まれ得る。
【0041】
別の実施形態では、溶媒はアルキルアルカノエートを含む。特定の態様では、アルキルアルカノエートのアルキルは、メチル、エチル、プロピル、またはブチルである。特定の態様では、溶媒は、メチルアルカノエート、エチルアルカノエート、プロピルアルカノエート、もしくはブチルアルカノエート、またはそれらの任意の組み合わせを含む。他の態様では、アルキルアルカノエートのアルカノエートは、メタノエート、エタノエート、プロピオネート、ブタノエート、またはペンタノエートである。他の態様では、溶媒は、アルキルメタノエート、アルキルエタノエート、アルキルプロピオネート、アルキルブタノエート、アルキルペンタノエート、またはそれらの任意の組み合わせを含む。特定の態様では、溶媒は、アルキルエタノエートを含む。特定の実施形態では、溶媒は、酢酸エチルを含む。アルキルアルカノエート溶媒としては、例えば、メチルメタノエート、メチルエタノエート、メチルプロパノエート、メチルブタノエート、メチルペンタノエート、エチルメタノエート、エチルエタノエート、エチルプロパノエート、エチルブタノエート、エチルペンタノエート、プロピルメタノエート、プロピルエタノエート、プロピルプロパノエート、プロピルブタノエート、プロピルペンタノエート、ブチルメタノエート、ブチルエタノエート、ブチルプロパノエート、ブチルブタノエート、およびブチルペンタノエート、ならびにそれらの任意の組合せが挙げられ得る。特定の実施形態では、溶媒が、メチルエタノエート、メチルプロパノエート、メチルブタノエート、エチルメタノエート、エチルエタノエート、エチルプロパノエート、エチルブタノエート、プロピルメタノエート、プロピルエタノエート、プロピルプロパノエート、プロピルブタノエート、ブチルメタノエート、ブチルエタノエート、ブチルプロパノエート、およびブチルブタノエートからなる群から選択されるアルキルアルカノエート溶媒を含む。
【0042】
一実施形態では、溶媒が式(I)のアルキルアルカノエートを含む:
【0043】
【0044】
ここで、
R1は、C1-C4アルキルであり;および、
R2は、水素またはC1-C4アルキルである。
【0045】
いくつかの態様では、R1は、C1-C4アルキルである。他の態様では、R2は、水素またはC1-C4アルキルである。特定の態様では、R1およびR2は、独立してC1-C4アルキルである。特定の他の態様では、R1は、C1-C4アルキルであり、R2は水素である。R1がC1-C4アルキルであるいくつかの態様では、R1は、CH3-、CH3CH2-、CH3CH2CH2-、(CH3)2CH-、CH3CH2CH2CH2-、CH3CH2(CH3)CH-、(CH3)2CHCH2-、または、(CH3)3C-である。いくつかの態様では、R2は水素である。他の態様では、R2は、C1-C4アルキルである。R2がC1-C4アルキルである特定の態様では、R2は、CH3-、CH3CH2-、CH3CH2CH2-、(CH3)2CH-、CH3CH2CH2CH2-、CH3CH2(CH3)CH-、(CH3)2CHCH2-、または、(CH3)3C-である。特定の態様では、R2は、水素、CH3-、CH3CH2-、またはCH3CH2CH2-である。さらにまた他の態様では、R1は、CH3CH2-であり、R2はCH3-である。いくつかの態様では、R1は、CH3CH2-またはCH3CH2CH2CH2-であり、R2は水素である。他の態様では、R1は、CH3CH2CH2-であり、R2は、CH3CH2CH2-またはCH3CH2CH2CH2-である。他の態様では、R1は、C1-C3アルキルである。さらに他の態様では、R1は、メチル、エチル、n-プロピル、またはイソプロピルである。特定の態様では、R1はエチルである。いくつかの態様では、R1は、C2-C4アルキルである。特定の態様では、R1は、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、イソブチル、またはt-ブチルである。他の態様では、R2は、水素またはC1-C3アルキルである。特定の態様では、R2は、メチル、エチル、n-プロピル、またはイソプロピルである。特定の態様では、R2はメチルである。さらに他の態様では、R1はエチルであり、R2はメチルである。さらに他の態様では、R2は、水素、エチルまたはn-プロピルである。いっそうさらなる態様では、R1は、エチル、n-プロピル、またはn-ブチルであり、R2は、水素、メチル、エチル、またはn-プロピルである。特定の態様では、R2はメチルである。さらに他の態様では、R1はエチルであり、R2はメチルである。
【0046】
いくつかの実施形態では、溶媒がin situで調製される。例えば、アルキルアルカノエートは、対応するアルコールを、対応するカルボン酸と混合することによって調製され得る。いくつかの実施形態では、式(I)のアルキルアルカノエートは、アルコールR1-OHをカルボン酸R2-COOHと混合することによって、in situで調製され得る。ここで、R1およびR2は、上記で定義した通りである。アルキルアルカノエートが酢酸エチルである特定の実施形態では、前記酢酸エチルは、エタノールを酢酸と混合することによって、in situで調製される。いくつかの実施形態では、アルキルアルカノエートは、アルキルアルカノエート溶媒と脱油されたシードケーキとを組み合わせる前に、in situで調製される。他の実施形態では、アルキルアルカノエートは、脱油されたシードケーキを使用して、in situで調製される。例えば、いくつかの態様では、本方法は、脱油されたシードケーキと、酢酸エチルを含む溶媒とを組み合わせる工程を含み、前記酢酸エチルは、in situで調製される。前記方法は、脱油されたシードケーキをエタノールおよび酢酸と混合する工程を含む。
【0047】
本明細書に記載の抽出溶媒の任意の組み合わせもまた、使用され得る。
【0048】
溶媒抽出工程は、抽出混合物を製造する。次いで、前記抽出混合物は工程120で分離され、本明細書に記載のミセラ(miscella)およびポンガミア組成物が製造される。いくつかの態様では、ミセラは、抽出混合物の液体画分(例えば、油、溶媒および任意の可溶性化合物)を含む。ここで、ポンガミア組成物は、主に、脱油されたシードケーキに残存する残留不溶性固形物質(または、粗びき粉)から構成される。この分離工程では、任意の適切な固液分離方法(例えば、ろ過、およびデカントが挙げられる)を使用することができる。
【0049】
いくつかの実施形態では、ミセラは、抽出油、カランジン、ポンガモール、他のフラノフラボノイド、および溶媒の混合物を含む。他の実施形態では、ミセラは、4000ppm以上のカランジンの濃度を有する。特定の実施形態では、ミセラは、上述の方法によって測定されるように、4000ppm以上のカランジンの濃度を有する。特定の実施形態では、ミセラは、油含有量、水含有量、含水量(moisture content)、固形分含有量、または、当技術分野で知られている他の特性によって特徴付けられ得る。
【0050】
他の態様では、プロセス100は1つ以上の追加工程を含み得ることを理解されたい。例えば、得られたポンガミア組成物は、溶媒の残留レベルを含有し得る。したがって、いくつかの態様では、本方法は、残留溶媒のレベルを低減するために、乾式加熱または焼成工程を含んでもよい。他の態様では、抽出混合物は、組み合わせ工程の後および分離工程の前に、マイクロ波照射を受ける。
【0051】
〔分析測定〕
処理(脱皮、脱油、溶媒抽出)後のポンガミア組成物中または処理工程の任意の段階(外皮がそのままの脂肪種子、脱皮された脂肪種子、脱油されたシードケーキ)におけるカランジン、ポンガモールおよび他のフラノフラバノイドの濃度決定は、アルキルアルカノエート抽出物を得るための適切なアルキルアルカノエート溶媒を用いたマイクロ波アシスト溶媒抽出によって実施することができる。次いで、アルキルアルカノエート抽出物を様々な液体クロマトグラフィーおよび/または質量分析技術(例えば、HPLC/MS)に供して、ポンガミア組成物の代用となる抽出物中のカランジン、ポンガモールおよび他のフラノフラバノイドの濃度を定量することができる。適切なアルキルアルカノエート溶媒は、メチルメタノエート、メチルエタノエート、メチルプロパノエート、メチルブタノエート、メチルペンタノエート、エチルメタノエート、エチルエタノエート、エチルプロパノエート、エチルブタノエート、エチルペンタノエート、プロピルメタノエート、プロピルエタノエート、プロピルプロパノエート、プロピルブタノエート、プロピルペンタノエート、ブチルメタノエート、ブチルエタノエート、ブチルプロパノエート、ブチルブタノエート、ブチルペンタノエート、およびこれらの任意の組合せからなる群から選択されるアルキルアルカノエート溶媒のような、上記のアルキルアルカノエート溶媒を含む。
【0052】
いくつかの実施形態では、照射された混合物を抽出ポンガミア組成物および溶媒抽出物へ分離することに続いて、本方法は、溶媒抽出物を分析する工程をさらに含む。本明細書に記載のように、溶媒抽出物を分析する工程は、溶媒抽出物中のカランジンおよびポンガモールの濃度を測定する工程を含む。前記溶媒抽出物中のカランジンおよびポンガモールの濃度は、ポンガミア組成物中に元々存在するカランジンおよびポンガモールの濃度の代わりの測定値として役立つ。いくつかの実施形態では、本方法は、溶媒抽出物中のカランジンおよびポンガモールの濃度を測定する工程を含む。いくつかの実施形態では、本方法は、溶媒抽出物中の1つ以上のフラノフラボノイドの個々の濃度を測定する工程を含む。特定の実施形態では、本方法は、溶媒抽出物中のカランジンの濃度を測定する工程を含む。他の実施形態では、本方法は、溶媒抽出物中のポンガモールの濃度を測定する工程を含む。
【0053】
溶媒抽出物中のカランジン、ポンガモールおよび他のフラノフラボノイドの濃度の測定は、当技術分野で知られている分析分離および検出技術を使用して行うことができる。いくつかの実施形態では、カランジン、ポンガモールおよび他のフラノフラボノイドの濃度は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によって決定される。他の実施形態では、カランジン、ポンガモールおよび他のフラノフラボノイドの濃度は、HPLC-質量分析(HPLC-MS)によって決定される。特定の実施形態では、カランジン、ポンガモールおよび他のフラノフラボノイドの濃度は、HPLC-タンデム質量分析(HPLC-MS/MS)によって決定される。いくつかの実施形態では、カランジン、ポンガモールおよび他のフラノフラボノイドの濃度は、HPLC-紫外-可視分光光度法(HPLC-UV-vis)によって決定される。
【0054】
いくつかの態様では、本明細書に記載の分析方法は、「マイクロ波アシストアルキルアルカノエート溶媒抽出分析方法」と呼ぶことができる。特定のアルキルアルカノエートがアルキルアルカノエート溶媒に使用される特定の実施形態では、抽出法は、使用される特定のアルキルアルカノエートによってより具体的に言及され得る。例えば、前述の方法である特定の実施形態では、アルキルアルカノエート溶媒が酢酸エチルを含み、本分析方法は、「マイクロ波アシスト酢酸エチル抽出分析方法」と呼ぶことができる。
【0055】
「マイクロ波アシストアルキルアルカノエート溶媒抽出分析方法」は、アルキルアルカノエート溶媒が少なくとも1つのアルキルアルカノエート溶媒および任意の1つ以上の非アルキルアルカノエート共溶媒を含有する実施形態を含むことを認識されたい。例えば、「マイクロ波アシスト酢酸エチル抽出分析方法」は、酢酸エチルおよび任意の1つ以上の共溶媒を含むアルキルアルカノエート溶媒の使用を指すことができる。
【0056】
〔ポンガミア組成物の使用〕
本明細書に記載のポンガミア組成物(本明細書に記載の任意の方法に従って製造される組成物が挙げられる)は、ヒトおよび他の動物への食料供給に適した食品または食品成分として使用することができる。いくつかの態様では、本明細書に記載の任意のポンガミア組成物を動物に与えるための方法が提供される。
【0057】
いくつかの態様では、動物はヒトである。他の態様では、動物は非反芻動物である。本明細書で使用される場合、「非反芻動物」は、単一チャンバー胃(すなわち、単胃)を有する動物を含むことを理解されたい。非反芻動物の例としては、例えば、家禽、ブタ、非反芻ウシ、イヌ、ネコ、マウス、および魚類が挙げられる。特定の態様では、動物は家禽である。一態様では、動物はニワトリである。
【0058】
一態様では、本明細書に記載のポンガミア組成物は、独立した食料または食品として使用され得る。別の態様では、本明細書に記載のポンガミア組成物は、より大きな食料組成物または食品組成物内の食料成分または食品成分として利用され得る。
【0059】
一態様では、本明細書に記載の任意のポンガミア組成物を含む食品組成物が、本明細書に提供される。いくつかの実施形態では、食品組成物は、食品(例えば、菓子、調味料、シリアル組成物、焼成製品、焼き製品、調理補助剤、乳製品、栄養補助食品、および卓上甘味料配合剤)、飲料、または他の飲料製品(例えば、飲料混合物または濃縮物)である。特定の他の態様では、食品組成物は、穀物製品またはパスタ(例えば、ヘルスバー、穀物ベースバー)、肉製品(例えば、ポンガミア組成物を含む肉パティ)、乳製品(例えば、乳飲料(flavored milk drink)、ミルクセーキ、タンパク質シェイク、ミルクベースの食事代替物、ヨーグルト)、植物性タンパク質製品(例えば、卵製品または類似物、肉代替物または類似物)、加工果実およびフルーツジュース(例えば、果物ジュース、果汁、果物風味飲料、果物スムージー)、加工野菜および野菜ジュース(例えば、野菜ジュースおよびスムージー)、スープおよびスープ混合物(例えば、調製スープ、乾燥スープ混合物、濃縮スープ)、またはスナック食品(例えば、チップス、ポップコーン、押出スナック)である。
【0060】
いくつかの態様では、本明細書に記載の任意のポンガミア組成物を含む動物用食料が、本明細書に提供される。
【0061】
特定の態様では、ベース食料;および本明細書に記載の任意のポンガミア組成物を含む家禽用食料が提供される。本明細書に記載の食料組成物のための適切なベース食料は、当技術分野で飼草または飼料として知られている任意の非ポンガミア由来の原料であってもよい。当該原料としては、例えば、特定の非反芻動物に適するように処理された、干し草、わら、サイレージ、穀物、マメ科植物、食品スクラップ、および、食品副産物が挙げられる。特定の実施形態では、ベース食料は、小麦食料、トウモロコシ食料、大麦食料、オート麦食料、大豆ミール、綿実ミール、ベニバナ種子ミール、ヒマワリ種子ミール、ピーナッツミール、落花生ミール、および干し草からなる群より選択される1つ以上の食料を含んでもよい。特定の実施形態では、ベース食料は、小麦食料、トウモロコシ食料、大豆ミール、またはそれらの任意の組み合わせを含む。
【0062】
いくつかの態様では、トウモロコシ;大豆サプリメント;および本明細書に記載の任意のポンガミア組成物を含む家禽用食料が提供される。前記ポンガミア組成物は、ポンガミアサプリメントとして組み込まれる。いくつかの態様では、ポンガミアサプリメントおよび大豆サプリメントは、1:1~1:25の重量比率で存在する。
【0063】
他の態様では、本明細書に記載のポンガミア組成物を含む容器、または本明細書に記載のポンガミア組成物を含む食料などの製造品;およびそのようなポンガミア組成物または食料を使用するための説明書を含むラベル(label)が提供される。
【0064】
さらに他の態様では、本明細書に記載のポンガミア組成物を含むキット、または本明細書に記載のポンガミア組成物を含む食料;およびそのようなポンガミア組成物または食料を使用するための説明書を含むパッケージインサート(package insert)が提供される。
【0065】
〔実施例〕
本開示の主題は、下記の実施例を参照することによって、より良く理解することができる。前記実施例は、本発明の例示として提供されるものであり、限定する目的で提供されるものではない。
【0066】
〔実施例A-測定プロトコル〕
〔実施例A1:カランジン、ポンガモールおよび他のフラノフラボノイドの濃度の測定のためのマイクロ波アシスト抽出法(MAE)〕
以下の実施例では、ポンガミアサンプル中のカランジンおよびポンガモールの濃度を測定するための一般的なプロトコルを記載する。
【0067】
カランジンおよびポンガモールのマイクロ波アシスト抽出。0.5gのポンガミアシードケーキを、マイクロ波抽出チューブに添加する。次いで、15mLのいずれかの酢酸エチルをサンプルチューブに添加し、ボルテックスして混合する。次に、マイクロ波抽出器を用いて、下記の条件下でサンプルを抽出する:1)70℃に至るまで、15分間上昇させる、2)70℃で10分間維持する。冷却したら、真空下でブフナー漏斗中の濾紙を用いて、上清を濾過する。
【0068】
HPLC用標準溶液。市販のカランジンおよびポンガモールをメタノールと混合して、下記のHPLC用標準溶液を製造する:0.05、0.1、0.2、0.5、1.0、5.0、および20.0μg/mL。
【0069】
HPLC装置。HPLC分析は、溶媒A(HPLC水中、0.1%のギ酸)および溶媒B(アセトニトリル中、0.1%のギ酸)からなる移動相を用いて行う。注入容量は2μLであり、流速は0.75mL/分であった。カラムは、C18 5μm、50×2mm HPLCカラムである。全てのHPLC分析は、陰イオンモードで行われる。MSパラメータは:カーテンガス、30psi;衝突ガス、4psi;噴霧器ガス(GS1)、50psi;乾燥ガス(GS2)、50psi;イオン噴霧電圧、5000;温度、500℃;デクラスタリング電位(DP)、51V;入口電位、10V;衝突エネルギー(CE)、カランジンでは60eV、ポンガモールでは30eVである。
【0070】
抽出物中のカランジンおよびポンガモールのMS/MS定量。多重反応モニタリング(MRM)イオン転移を、カランジンおよびポンガモールの両方についてモニターする。抽出されたサンプル中に存在するカランジンおよびポンガモールのレベルは、Analyst version 1.6.3を用いて計算される。簡潔には、抽出サンプル中のカランジンおよびポンガモールのピーク面積を較正標準のピーク面積と比較して、カランジンおよびポンガモールの百万分率(parts per million)を決定する。
【0071】
〔実施例A2:ポンガミアサンプル中の脱皮率およびタンニン含有量の測定〕
下記の実施例は、ポンガミアサンプル中に存在する外皮の割合およびタンニン含有量を測定するための一般的なプロトコルを記載する。
【0072】
脱皮率。脱皮率について評価される脂肪種子の代表的なサンプルが採取される。脂肪種子およびその断片は、1つ1つの脂肪種子または断片が元々の外皮被覆の50%以上を保持しているか否かの視覚的な評価に基づいて、2つの異なる群に分類される。脂肪種子の2つの群を、別々に秤量する。脱皮が成功した割合は、両群の脂肪種子の重量の合計に対して、元々の外皮の50%未満がそのまま被覆している脂肪種子の重量に100%を掛けたものとして計算される。
【0073】
タンニン含有量。ソルガム(sorghum)中のタンニン含有量を測定するためのISO基準プロトコル(ISO 9648、紫外線分光光度法)に従って、ポンガミア脂肪種子および下流のポンガミア製品(例えば、脱油されたシードケーキ)中の、タンニン含有量の測定プロトコルを実施した。試験するサンプルを、ジメチルホルムアミドと共に振盪する。ジメチルホルムアミドの混合物を遠心分離し、上清を単離する。クエン酸第二鉄アンモニウムおよびアンモニアを、上清液のアリコート(aliquot)に添加する。溶液の吸光度は、525nmのUV分光光度測定によって決定する。タンニン含有量は、タンニン酸を使用して準備した較正曲線を使用して測定する。
【0074】
〔実施例A3:組成物プロファイルの測定〕
下記の実施例は、アミノ酸および他の多量栄養素の含有量について、ポンガミアサンプルの組成プロファイルを分析するための一般的なプロトコルを記載する。
【0075】
総タンパク質。総タンパク質の含有量は、ポンガミアシードケーキサンプルをタンパク質分析器の燃焼室に入れ、燃焼によって生成されたガスの総窒素含有量を測定し、および、標準窒素変換係数(タンパク質含有量=6.25×窒素含有量)を用いて、観察された窒素含有量からタンパク質を計算することによって測定される。
【0076】
総灰分。総灰分含有量は、シードケーキサンプル(2g)をるつぼに入れ、オーブン中でサンプルを染色(dying)し、600℃のマッフル炉中でサンプルを灰化し、および、灰の重量を測定することによって決定される(AOAC 942.05参照法)。
【0077】
総含水量。総含水量は、秤量したサンプルを強制通風オーブン中で、130℃で2時間加熱し、および、含水量として計算したパーセンテージ差で、サンプル重量の差を測定することによって決定する(AOCS BA 2A-38参照法)。
【0078】
総脂肪含有量。総脂肪含有量は、石油エーテルを用いた還流下での溶媒抽出によって決定された(AOCS BA3-38参照法、修正)。
【0079】
総炭水化物。総炭水化物含有量は、ポンガミアシードケーキ(100%)から、総灰分含有量(%)、総タンパク質含有量(%)、総含水量(%)、および総脂肪含有量(%)の合計を引いた残りのものの割合として計算される。
【0080】
〔実施例B-大規模抽出法〕
〔実施例B1:脱皮、脱油されたポンガミア組成物の調製〕
<熱機械的処理>
ポンガミアの鞘を収穫し、脂肪種子を鞘から取り出した。次いで、単離した脂肪種子を、異なる温度(60℃、120℃、150℃、および180℃)で、異なる時間(5~180分間)、様々な熱処理に供した。熱処理は、ポンガミア脂肪種子を、75%のキャパシティーにて孔が設けられた基部を有するアルミニウムベーキングトレー(49.7cm×29.5cm×8.1cm)内に入れ、および、充填されたトレーを、所望の温度(indicated temperature)に予熱した強制コンベクションオーブン内に入れることによって、行った。
【0081】
温度および時間の14の別々の組み合わせを、下記の表8に示すように、熱処理について評価した。14回の試験に加えて、100キログラムスケールの試行も、試験番号013と同じ条件下で実施した。コントロールとして、14回の試験で評価された脂肪種子と同じ収穫群から得られたポンガミア脂肪種子を、熱機械的な処理なしで、周りの状態(ambient conditions)に保った。
【0082】
熱処理後、熱処理された脂肪種子を直ちにインパクトハラー(Codema VSH 2096、5hpモーター、回転インペラー)内に移動させ、通過させて、外皮を除去した。14回の各試験に由来する脂肪種子は、インパクトハラーを通過した。脱皮後、脂肪種子を、インパクトハラーから取り出して、マルチアスピレーター(Kice 6E-6 アスピレーター、5hpファン、サイクロン、回転エアロック、6インチダクト)内に入れて、脱皮された脂肪種子から外皮を分離した。
【0083】
本方法から得られた脱皮された脂肪種子の割合を、上記実施例A2に記載のプロトコルに従って評価した。脱皮された試験サンプルのタンニン含有量もまた、上記の実施例A2に記載のプロトコルによって決定した。
【0084】
表1は、実施された14回の試験および大規模な試験について、脱皮されたポンガミア脂肪種子の割合および脱皮された種子のタンニン含有量を測定した結果を示す。
【0085】
【0086】
<機械的プレスおよび溶媒抽出>
脂肪種子から外皮を除去した後、脱皮された脂肪種子を機械的プレスにかけて、ポンガミア油を除去した。脱皮された脂肪種子を、小規模な機械的エキスペラープレス(Taby Model 40A Expeller Press)に通した。上記の条件下で処理された脱皮された脂肪種子は、小規模な機械的エキスペラープレスと適合することが見出され、油流、および、分離した固体の脱油されたシードケーキを生じた。下記の表2は、上記の表1で処理された脱皮された脂肪種子のサンプルから除去された油の質量割合を示す。
【0087】
【0088】
脱皮し、脱油したシードケーキ(試験番号013)を、浸漬抽出器中で、酢酸エチルを用いて抽出した(3時間の滞留時間、5:1の溶媒:供給比)。溶媒抽出およびミセラ除去の後、得られた酢酸エチルにて抽出されたポンガミアミール(pongamia meal)を、上記実施例A1およびA3のプロトコルに記載されているように、カランジンの濃度、ポンガモールの濃度および油分含有量について分析した。得られた酢酸エチルにて抽出されたポルガミアミールは、17ppmのカランジン、10ppmのポンガモール、および0.80%の残油を有するものとして測定された。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【
図1】
図1は、食用ポンガミア組成物を調製するための例示的な方法を示す。
【国際調査報告】