(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-02
(54)【発明の名称】キトサンおよびヒドロキシプロピルメチルセルロースを含む化粧品組成物ならびに毛髪強度および関連特性を向上させるためのそれらの使用
(51)【国際特許分類】
A61K 8/73 20060101AFI20221125BHJP
A61Q 5/12 20060101ALI20221125BHJP
【FI】
A61K8/73
A61Q5/12
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022520644
(86)(22)【出願日】2020-10-05
(85)【翻訳文提出日】2022-06-03
(86)【国際出願番号】 US2020054281
(87)【国際公開番号】W WO2021067945
(87)【国際公開日】2021-04-08
(32)【優先日】2019-10-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513048117
【氏名又は名称】リビング プルーフ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100120754
【氏名又は名称】松田 豊治
(74)【代理人】
【識別番号】100220098
【氏名又は名称】宮脇 薫
(72)【発明者】
【氏名】トラハン,ローレン・エイ
(72)【発明者】
【氏名】パテル,エリザベス・メイ
(72)【発明者】
【氏名】マクローリン,ロナルド・パトリック
(72)【発明者】
【氏名】マスカット,ジョセフ
(72)【発明者】
【氏名】エイブリー,アンドリュー・アール
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AA112
4C083AA122
4C083AB032
4C083AB282
4C083AB332
4C083AC012
4C083AC022
4C083AC071
4C083AC072
4C083AC102
4C083AC122
4C083AC182
4C083AC212
4C083AC241
4C083AC242
4C083AC302
4C083AC352
4C083AC422
4C083AC442
4C083AC532
4C083AC642
4C083AC662
4C083AC692
4C083AC712
4C083AC792
4C083AC902
4C083AD092
4C083AD202
4C083AD242
4C083AD281
4C083AD282
4C083AD321
4C083AD322
4C083AD492
4C083BB04
4C083BB05
4C083BB06
4C083BB07
4C083BB41
4C083BB44
4C083BB46
4C083BB53
4C083CC32
4C083CC33
4C083CC38
4C083CC39
4C083EE21
4C083EE28
(57)【要約】
1種類以上の多糖類を含むヘアトリートメント組成物および毛髪強度の向上におけるそれらの使用が、提供される。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
キトサンおよびヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)を含むヘアトリートメント組成物。
【請求項2】
請求項1に記載のヘアトリートメント組成物であって、キトサン対HPMCの重量%比が約1:2であるヘアトリートメント組成物。
【請求項3】
請求項1または2に記載のヘアトリートメント組成物であって、さらに化粧品的に許容可能な水性媒体を含むヘアトリートメント組成物。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載のヘアトリートメント組成物であって、さらに40%以上の含水率を有する少なくとも1種類の製品を含むヘアトリートメント組成物。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載のヘアトリートメント組成物であって、該ヘアトリートメント組成物がシャンプー、リンスオフコンディショナー、リーブオンコンディショナーまたはスタイリング製品の少なくとも1つを含むヘアトリートメント組成物。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項に記載のヘアトリートメント組成物であって、該ヘアトリートメントがさらに陰イオン界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、脂肪アルコール類、脂肪酸、乳化剤、エモリエント、グリコール類、ポリマーまたはレオロジー改質剤、pH調整剤、UV吸収剤、芳香剤または他の臭気マスキング剤および保存剤から選択される1種類以上の追加の成分を含むヘアトリートメント組成物。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1項に記載の組成物を毛髪に適用することを含む、毛髪の強度を向上させる方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
[0001] 本出願は、2019年10月4日に出願された米国仮出願第62/910,827号に対する優先権を主張し、その全内容は、参照により本明細書に援用される。
【背景技術】
【0002】
[0002] 健康な無傷の毛髪は、主に18-メチルエイコサン酸である疎水性外層を有する重なり合うケラチンに富むキューティクル細胞の層によって囲まれた密に詰まった細胞の皮質を特徴とする。洗浄、乾燥、加熱スタイリングおよび化学的サービスは、この疎水性の外面を除去し、キューティクルがめくれ上がりおよび増加する表面摩擦の影響をより受けやすくする。そのような条件への反復暴露は、さらにキューティクル細胞をめくれ上がらせ(ある場合には、それらを完全に除去し)、結果として毛髪強度の低減および最終的には破損をもたらし得る。
【0003】
[0003] カーリーヘアは、真っ直ぐな毛髪とは異なりそれをより破損しやすくするいくつかの構造的特徴を有する。毛包の内部構造は、変更されており(modified)、それは、結果として毛細繊維の楕円形断面ならびに毛細繊維におけるねじれおよび屈曲を、それが頭皮の毛包から出てくる際にもたらす。繊維に沿った屈曲と組み合わせられたこの楕円型性は、それをコーミングまたはブラッシングからの破損に敏感にする。皮脂は、典型的には毛髪繊維を滑らかにし、もつれた髪をほぐす(detangling)のを助ける。しかし、カーリーヘアの繊維の形態は、毛幹に沿った皮脂の移動を制限する。これは、カーリーヘアをスタイリングする際の破損しやすさを増大させるだけである。
【0004】
[0004] これらの生物学的特徴に加えて、カーリーヘアの消費者のスタイリング習慣も、低減した繊維強度に寄与する。多くのカーリーヘアの消費者は、彼らの濡れた毛髪を三つ編みにしてそれがより望ましいカールパターンになるのを助ける。この繰り返される破損は、特にきつく引っ張られすぎた場合に、毛髪繊維ならびに毛球の両方をさらに弱める。毛髪を滑らかにするかまたは真っ直ぐにすることが意図された熱的および化学的サービスも、結果として弱くなった毛髪繊維をもたらす。
【0005】
[0005] 毛髪強度を向上させるための伝統的なアプローチは、例えばタンパク質、エモリエント、陽イオン性界面活性剤および/またはポリマーを含有する製品の局所適用を含む。残念ながら、これらのアプローチの各々は、欠点を有する。例えば、タンパク質およびアミノ酸は、キューティクルの損傷を低減し、損傷した毛髪における繊維の破損を最小限にすることが示されているが、消費者は、彼らの毛髪が乾燥した感じで脆いままであると報告している。加えて、タンパク質は、特にそれらが色および臭いの変化に寄与するため、一緒に配合するのがしばしば困難である。天然油またはバター(例えばアルガン油またはシアバター)およびシリコーン油を含むエモリエントは、毛髪表面の潤滑性を向上させる。これは、典型的には毛髪を繰り返しブラッシング/スタイリングする際に結果としてより少ない破損繊維をもたらす。しかし、エモリエントの使用は、毛髪を重くし、油っぽい/脂っぽい外観を残す傾向がある。
【0006】
[0006] エモリエントと同様に、陽イオン性界面活性剤および陽イオン性ポリマーは、毛髪繊維の表面摩擦を低減してそれをよりブラッシングしやすくするために使用される。これらの材料の多くは、毛髪を繰り返しブラッシングする際に壊れた繊維の数を低減することが示されている。しかし、陽イオン性界面活性剤の固有の陽イオン性電荷は、シャンプーのような特定の陰イオン系とのその相溶性を制限する。加えて、多くの陽イオン性材料は、長期間の使用で毛髪上に蓄積することが示されている。
【0007】
[0007] 毛髪の強度および/または柔軟性を増大させる一方で自然な感触を保つための向上した方法は、依然として満たされていない必要性のままである。
【発明の概要】
【0008】
[0008] 1種類以上の多糖類を含む組成物は毛髪の強度を向上させることができることが、見出されている。例えば、下記の実施例の節を参照。従って、1種類以上の多糖類を含む組成物および毛髪の強度の向上におけるそれらの使用が、提供される。そのような多糖類は、例えばキトサン、ヒドロキシルプロピルメチルセルロース(HPMC)、ペクチン、プルランおよびヒアルロン酸の1つ以上を含む。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1-1】[0009]
図1は、様々な多糖類間のフィルム強度、耐湿性および/またはカールスナップ(curl snap)の比較である。
【
図1-2】[0009]
図1は、様々な多糖類間のフィルム強度、耐湿性および/またはカールスナップ(curl snap)の比較である。
【
図2】[0010]
図2は、様々な多糖類間のフィルム強度、耐湿性および/またはカールスナップの比較である。
【
図3】[0011]
図3は、様々な多糖類間のフィルム強度、耐湿性および/またはカールスナップの比較である。
【
図4】[0012]
図4は、様々な多糖類のフィルム強度の比較である。
【
図5】[0013]
図5は、増大するレベルの歪みに曝露された際の未処理の毛髪見本(swatches)対脱色毛髪繊維上のめくれ上がったキューティクルの数における差を定量化するグラフである。
【
図6】[0014]
図6は、増大するレベルの歪みに曝露された未処理の脱色毛髪繊維の一連の4つの画像である。画像は、Sensofar S Neoxモデル光学顕微鏡を用いて50倍の倍率で撮影された。
【
図7】[0015]
図7は、水性多糖類溶液で処理され増大するレベルの歪みに曝露された脱色毛髪繊維の一連の4つの画像である。画像は、Sensofar S Neoxモデル光学顕微鏡を用いて50倍の倍率で撮影された。
【
図8】[0016]
図8は、増大するレベルの歪みに曝露された際の未処理の脱色毛髪繊維および水性多糖溶液で処理された脱色毛髪繊維の間のめくれ上がったキューティクルの数の差を定量化するグラフである。
【
図9】[0017]
図9は、毛髪繊維を繰り返しブラッシングするために使用されるLifecycle Rigの設定の画像である。
【
図10】[0018]
図10は、未処理の脱色毛髪ならびに本発明のシャンプーおよびコンディショナーで処理された脱色毛髪の間の破損繊維の差を定量化するグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
1.組成物
[0019] キトサン、ヒドロキシルプロピルメチルセルロース(HPMC)、ペクチン、プルランおよびヒアルロン酸から選択される1種類以上の多糖を含むヘアトリートメント組成物が、本明細書で提供される。
【0011】
[0020] 第1側面において、本明細書で記載されるヘアトリートメント組成物は、キトサンおよびHPMCを含む。
[0021] 第2側面において、本明細書で記載されるヘアトリートメント組成物は、キトサンおよびHPMCを含み、ここでキトサン対HPMCの比率は、約0.5重量%~約1.5重量%キトサン対約1.5重量%~約2.5重量%HMPCの範囲である。あるいは、キトサン対HPMCの比率は、以下の範囲である:約0.7重量%~約1.3重量%キトサン対約1.7重量%~約2.3重量%HMPC;約0.8重量%~約1.2重量%キトサン対約1.8重量%~約2.2重量%HMPC;または約0.9重量%~約1.1重量%キトサン対約1.9重量%~約2.1重量%HMPC。別の側面において、キトサン対HPMCの比率は、約1.0重量%キトサン対約2.0重量%HMPCである。
【0012】
[0022] 第3側面において、(例えば第2側面におけるような)開示された組成物中のキトサンは、組成物の総重量に基づいて約0.5重量%以下、約0.4重量%以下、約0.3重量%以下、約0.2重量%以下または約0.1重量%以下の量で存在する。あるいは、第2側面の一部として、(例えば第2側面におけるような)開示された組成物中のキトサンは、組成物の総重量に基づいて約0.01重量%~約0.5重量%、約0.03重量%~約0.4重量%または約0.04重量%~約0.3重量%の範囲の量で存在する。
【0013】
[0023] 第4側面において、(例えば第2または第3側面におけるような)開示された組成物中のHPMCは、約1重量%以下、約0.8重量%以下、約0.6重量%以下または約0.4重量%以下の量で存在する。あるいは、第3側面の一部として、(例えば第2または第3側面におけるような)開示された組成物中のHPMCは、組成物の総質量に基づいて、約0.05重量%~約0.6重量%、約0.08重量%~約0.5重量%または約0.09重量%~約0.45重量%の範囲の量で存在する。
【0014】
[0024] 第5側面において、(例えば第1~第4側面におけるような)開示された組成物は、さらに化粧品的に許容可能な媒体を含む。あるいは、第5側面の一部として、(例えば第1~第3側面におけるような)開示された組成物は、さらに化粧品的に許容可能な水性媒体を含む。一側面において、この水性媒体は、40%以上の含水率を有する少なくとも1つの製品を含む。別の側面において、この水性媒体は、40%以上の含水率を有する少なくとも1つの製品を含み、毛髪をクレンジング、コンディショニングまたはスタイリングする(例えばシャンプー、リンスオフコンディショナー、リーブオンコンディショナー、スタイリング製品)目的で毛髪に適用されることができる。
【0015】
[0025] 第6側面において、(例えば第1~第5側面におけるような)開示された組成物は、以下から選択される1種類以上の追加の成分をさらに含む:陰イオン界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、脂肪アルコール類、脂肪酸、乳化剤、エモリエント(例えばシリコーン類、炭化水素、エステル、エーテル、ワックス、天然由来の油およびバターならびにセラミド)、グリコール類(例えばグリセリン、ブチレングリコール、プロピレングリコール、プロパンジオール、ペンチレングリコールおよびジプロピレングリコール)ポリマーまたはレオロジー改質剤(例えばグアー、キサンタン、タラ、アラビアゴムまたは誘導体を含むがそれらに限定されないガム;ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースまたは誘導体を含むがそれらに限定されないセルロース化合物;ならびにカルボマー、ポリアクリルアミド、アクリレート類コポリマー、アクリレート類/C10~30アルキルアクリレートクロスポリマー、ポリアクリレートクロスポリマー-6または類似のものを含むがそれらに限定されないアクリルポリマー類)、(酸/pH低下剤(例えばクエン酸、乳酸、グリコール酸、リンゴ酸、グルコノラクトンまたはそれらの塩類)および塩基/pH上昇剤(例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、またはアルギニン、モノエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、アミノメチルプロパノール、ジメチルアミノメチルプロパノール、トロメタミンを含むがそれらに限定されないアミン類)を含むがそれらに限定されない)pH調整剤、UV吸収剤、芳香剤または他の臭気マスキング剤(odor masking agents)および保存剤。
【0016】
[0026] 特定の組成物が、実施例の節で記載されており、本明細書に含まれる。
2.使用方法
[0027] 一側面において、開示された組成物は、毛髪の強度を向上させる。別の側面において、開示された組成物は、毛髪の強度を向上させるのに有用である。
【実施例】
【0017】
実施例1.性能を決定するための方法
[0028] 様々な多糖類の特性を以下のように評価した。
[0029] 各多糖類から1%水溶液を作製した。多糖類フィルムの性能を変化させ得る保存剤の必要性を避けるため、溶液を冷蔵庫で保管した。フィルム強度を評価するため、15mLの1%溶液を長方形のシリコーンの型の中に充填した。型を、60℃および相対湿度20%に設定した湿度チャンバー中に1時間置いた。1時間の終了時に、温度を50℃および相対湿度20%に下げた。溶液は、水が完全に蒸発するまで一夜(約12時間)乾燥し続け、固体フィルムを残した。次いでフィルムをシリコーンの型から取り出し、評価した。
図1~4参照。
【0018】
[0030] 多くの多糖類の場合、フィルムは極めて脆かった。アラビノキシラン単独ならびに亜麻(アラビノキシランおよびペクチンのブレンド)は、非常に脆かったため、フィルムを破壊せずに型から取り出すことはできなかった。少数(キトサン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ペクチン、プルランおよびヒアルロン酸)のみが、破壊も引き裂きもなしで引っ張られることができる強いフィルムを提供した。これらの5種類の多糖類の内で、プルランおよびキトサンは、両方とも非常に厚く、硬質のフィルムを提供した。対照的に、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびヒアルロン酸は、Saran Wrap(商標)と類似したより柔軟なフィルムを提供した。他の属性(疎水性および弾性)を考慮して、我々は、毛髪における自然な感触を維持しながら毛髪強度を向上させることを目的として、キトサンおよびヒドロキシプロピルメチルセルロースを組み合わせて最適な強度および柔軟性を有するフィルムを与えることを選択した。
【0019】
実施例2 毛髪損傷を評価するための方法
[0031] 毛髪繊維は、重なり合うキューティクル細胞で構成されており、それは、内部の皮質細胞をスタイリングおよび熱暴露からの機械的ストレスならびに脱色およびUV暴露からの化学的ストレスから保護する。これらのキューティクル細胞は、毛髪が毎日のグルーミング習慣、例えば毛髪の洗髪および/またはスタイリングを受ける際に持ち上がる傾向があり、最終的に損傷を受ける可能性がある。これらのめくれ上がったキューティクルは、光との相互作用に影響を及ぼす可能性があり、光学顕微鏡での研究に適している。
【0020】
[0032] 結果として、毛髪強度の向上を以下のように評価した。
[0033] 未処理の毛髪見本および脱色毛髪見本を使用前に流しを用いて制御された流速および温度(35℃で4L/分)で洗浄した。毛髪をラウレス硫酸ナトリウム(SLES)の14%水溶液で洗浄した。
【0021】
[0034] Sensofar S Neoxモデルを用いて毛髪見本の画像を取得した。標準光画像を撮影するように顕微鏡を設定し、光源を25%に設定し、倍率を50倍に設定した。
【0022】
[0035] 毛髪の個々のストランドを顕微鏡のZプラットフォーム上に適合する歪みリグ(strain rig)上に装填し、繊維へのリアルタイム画像化および歪み適用を可能にした。7%歪み増分での増加毎に画像を撮影した。めくれ上がったキューティクルの数を、各歪み増分で定量化した。
【0023】
[0036] 増大する歪みを受けた場合、脱色された繊維に代表される損傷した毛髪は、未処理の毛髪繊維と比較してめくれ上がったキューティクルの数の増大を示した。
図5参照。
【0024】
実施例3.本発明の組成物を用いた強度の向上
【0025】
【0026】
[0038] 容器に室温の脱イオン水を入れる。中程度の速度で混合を開始する。キトサンを添加してボルテックスする。15分間または溶解するまで混合する。80~85℃までの加熱を始める。バッチの温度が80℃を超えた際に、ヒドロキシプロピルメチルセルロースをボルテックスに添加する。10分より長くない時間の間混合して分散させる。冷却した脱イオン水をバッチに添加する。ヒドロキシプロピルメチルセルロースが完全に溶解するまで混合する。
【0027】
[0039] 使用前に、流しを用いて制御された流速および温度(35℃で4L/分)で脱色毛髪見本を洗浄した。毛髪をラウレス硫酸ナトリウム(SLES)の14%水溶液で洗浄した。次いで、脱色毛髪見本の半分を、調製した多糖類水溶液で処理した。処理された見本は、脱色見本を上記の多糖類溶液を含有するビーカー中に合計5秒間浸漬することによって調製された。流しを用いて制御された流速および温度(35℃で4L/分)で毛髪見本から過剰な生成物を30秒間すすぎ落とした。
【0028】
[0040] 脱色された未処理の毛髪見本および脱色された処理された毛髪見本の両方の画像を、Sensofar S Neoxモデルを用いて取得した。標準光像を撮影するように顕微鏡を設定し、光源を25%に設定し、倍率を50倍に設定した。めくれ上がったキューティクルの数を、各歪み増分で定量化した。
【0029】
[0041] 増大する歪みを受けた際に、水溶液で処理された脱色毛髪見本は、より低レベルの歪みでの脱色毛髪繊維と比較して、めくれ上がったキューティクルの数の減少を示した。脱色繊維は、未処理の毛髪繊維と比較してめくれ上がったキューティクルの数の増大を示した。
図6~8参照。
【0030】
実施例4.本発明の組成物
[0042] シャンプー
【0031】
【0032】
【0033】
【0034】
[0043] コンディショナー
【0035】
【0036】
【0037】
【0038】
[0044] 毛髪製品の強化は、繰り返されるグルーミング実験の間の繊維破損の減少としてしばしば定量化される。20個の長さ10インチ、重量5グラムの暗褐色の欧州人の毛髪の房を脱色した。使用前に、流しを用いて制御された流速および温度(35℃で4L/分)で脱色毛髪見本の内の10個を洗浄した。毛髪をラウレス硫酸ナトリウム(SLES)の14%水溶液で洗浄した。残りの10個の毛髪見本を、毛髪見本の重量に対して15%の適用量(すなわち5gの見本当たり0.75g)のシャンプーを適用し、毛髪を通して擦り込み、次いで上記のように流しを使用して制御された流速および温度ですすぐことにより処理した。その後、同じ技法を用いてコンディショナーを適用した。対照の見本および処理された見本の両方を乾燥させ、22℃/60%相対湿度で一夜平衡化させた。
【0039】
[0045] 乾燥した見本を、1秒あたり櫛を1回通過させるように設定されたLifecycle Rig中に装填した。
図9参照。収集プレートは、破損した繊維断片を保存するために各見本の下の位置である。見本は、合計10,000回のブラシストロークに至るまで繰り返しブラッシングされた。破損繊維の量が、200、600、1,000、2,000、5,000および10,000回の通過後に記録された。
【0040】
[0046] 本発明のシャンプーおよびコンディショナーは、対照で処理された見本と比較して、繊維破損の有意な減少を示す。
図10参照。
実施例5.追加の本発明の組成物
[0047] コイリースタイラー
【0041】
【0042】
【0043】
[0048] カーリースタイラー
【0044】
【0045】
【0046】
【0047】
[0049] ウェービースタイラー
【0048】
【0049】
【0050】
[0050] 別途定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語および科学用語は、当業者に一般的に知られている意味を与えられている。
【国際調査報告】