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特表2022-550600積み重ね式人工睫毛エクステンション
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-02
(54)【発明の名称】積み重ね式人工睫毛エクステンション
(51)【国際特許分類】
   A41G 5/02 20060101AFI20221125BHJP
【FI】
A41G5/02
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022520667
(86)(22)【出願日】2020-10-02
(85)【翻訳文提出日】2022-05-19
(86)【国際出願番号】 US2020054014
(87)【国際公開番号】W WO2021067758
(87)【国際公開日】2021-04-08
(31)【優先権主張番号】62/909,904
(32)【優先日】2019-10-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/061,192
(32)【優先日】2020-10-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518343176
【氏名又は名称】ラシフィ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100128428
【弁理士】
【氏名又は名称】田巻 文孝
(72)【発明者】
【氏名】ロッティ サハラ
(57)【要約】
人工睫毛エクステンションシステム(200,300)が生まれつきの睫毛の下側に付けられるよう設計された第1の複数の睫毛エクステンションを含む。生まれつきの睫毛の下側に付けられるよう設計された第1の複数の睫毛エクステンション(200)の各々は、第1の複数の人工毛、および第1の人工毛の突出起点としての第1のベースを含み、第1のベースは、生まれつきの睫毛の下側に取り付けられるように設計された頂側を有する。第1の複数の人工睫毛エクステンションの下に付けられるよう設計された第2の複数の睫毛エクステンション(300)の各々が第2の複数の人工毛、および第2の人工毛の突出起点としての第2のベースを含み、第2のベースは、第1の複数の人工睫毛エクステンションの底側の少なくとも一部に取り付けられるように設計された頂側を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人工睫毛エクステンションシステムであって、
生まれつきの睫毛の下側に付けられるよう設計された第1の複数の睫毛エクステンションを含み、前記第1の複数の睫毛エクステンションの各々は、
第1の複数の人工毛、および
前記第1の人工毛の突出起点としての第1のベースを含み、前記第1のベースは、前記生まれつきの睫毛の前記下側に取り付けられるように設計された頂側を有し、
前記第1の複数の人工睫毛エクステンションの下に付けられるよう設計された第2の複数の睫毛エクステンションを含み、前記第2の複数の睫毛エクステンションの各々は、
第2の複数の人工毛、および
前記第2の人工毛の突出起点としての第2のベースを含み、前記第2のベースは、前記第1の複数の人工睫毛エクステンションのうちの1つ以上の人工睫毛エクステンションの底側の少なくとも一部に取り付けられるように設計された頂側を有する、人工睫毛エクステンションシステム。
【請求項2】
前記第1のベースの前記底側と前記第2のベースの前記頂側は、前記第2の複数の睫毛エクステンションを前記第1の複数の睫毛エクステンションに付けやすくするよう実施的に平坦である、請求項1記載の人工睫毛エクステンションシステム。
【請求項3】
前記第1の複数の睫毛エクステンションは、第1の睫毛エクステンションを含み、前記第2の複数の睫毛エクステンションは、第2の睫毛エクステンションを含み、前記第2の睫毛エクステンションは、オフセット配列状態で前記第1の睫毛エクステンションに取り付け可能であり、前記オフセット配列状態では、前記第2の睫毛エクステンションの前記第2のベースの裏側は、前記第1の睫毛エクステンションの前記第1のベースの表側からオフセットしている、請求項1記載の人工睫毛エクステンションシステム。
【請求項4】
前記第2の複数の睫毛エクステンションの第2の睫毛エクステンションは、互い違いの配列状態で前記第1の複数の睫毛エクステンションの第1の睫毛エクステンションに取り付け可能である、請求項1記載の人工睫毛エクステンションシステム。
【請求項5】
前記第2の複数の睫毛エクステンションの第2の睫毛エクステンションは、整列したスタック配列状態で前記第1の複数の睫毛エクステンションの第1の睫毛エクステンションに取り付け可能である、請求項1記載の人工睫毛エクステンションシステム。
【請求項6】
前記第1の複数の睫毛エクステンションのうちの少なくとも1つと前記第2の複数の睫毛エクステンションのうちの少なくとも1つは、異なる長さ、異なるスタイル、異なる色のうちの少なくとも1つを呈し、または異なる数の人工毛を含む、請求項1記載の人工睫毛エクステンションシステム。
【請求項7】
前記第1の複数の人工毛および前記第2の複数の人工毛は、ポリブチレンテレフタレートから成る、請求項1記載の人工睫毛エクステンションシステム。
【請求項8】
人工睫毛エクステンションシステムであって、
容器、および
前記容器に解除可能に結合された第1の複数の睫毛エクステンションおよび第2の複数の睫毛エクステンションを含み、前記第1の複数の睫毛エクステンションは、生まれつきの睫毛の下側に付けられるよう設計され、前記第1の複数の睫毛エクステンションの各々は、
第1の複数の人工毛、および
前記第1の人工毛の突出起点としての第1のベースを含み、前記第1のベースは、前記生まれつきの睫毛の前記下側に取り付けられるように設計された頂側を有し、
前記第2の複数の睫毛エクステンションは、前記第1の複数の人工睫毛エクステンションの下に付けることができるよう設計され、前記第2の複数の睫毛エクステンションの各々は、
第2の複数の人工毛、および
前記第2の人工毛の突出起点としての第2のベースを含み、前記第2のベースは、前記第1の複数の人工睫毛エクステンションのうちの1つ以上の人工睫毛エクステンションの底側の少なくとも一部に取り付けられるように設計された頂側を有する、人工睫毛エクステンションシステム。
【請求項9】
前記第1のベースの前記底側と前記第2のベースの前記頂側は、前記第2の複数の睫毛エクステンションを前記第1の複数の睫毛エクステンションに付けやすくするよう実施的に平坦である、請求項8記載の人工睫毛エクステンションシステム。
【請求項10】
前記第1の複数の睫毛エクステンションは、第1の睫毛エクステンションを含み、前記第2の複数の睫毛エクステンションは、第2の睫毛エクステンションを含み、前記第2の睫毛エクステンションは、オフセット配列状態で前記第1の睫毛エクステンションに取り付け可能であり、前記オフセット配列状態では、前記第2の睫毛エクステンションの前記第2のベースの裏側は、前記第1の睫毛エクステンションの前記第1のベースの表側からオフセットしている、請求項9記載の人工睫毛エクステンションシステム。
【請求項11】
前記第2の複数の睫毛エクステンションの第2の睫毛エクステンションは、互い違いの配列状態で前記第8の複数の睫毛エクステンションの第1の睫毛エクステンションに取り付け可能である、請求項1記載の人工睫毛エクステンションシステム。
【請求項12】
前記第2の複数の睫毛エクステンションの第2の睫毛エクステンションは、整列したスタック配列状態で前記第1の複数の睫毛エクステンションの第1の睫毛エクステンションに取り付け可能である、請求項8記載の人工睫毛エクステンションシステム。
【請求項13】
前記第1の複数の睫毛エクステンションのうちの少なくとも1つと前記第2の複数の睫毛エクステンションのうちの少なくとも1つは、異なる長さ、異なるスタイル、異なる色のうちの少なくとも1つを呈し、または異なる数の人工毛を含む、請求項8記載の人工睫毛エクステンションシステム。
【請求項14】
前記第1の複数の人工毛および前記第2の複数の人工毛は、ポリブチレンテレフタレートから成る、請求項8記載の人工睫毛エクステンションシステム。
【請求項15】
方法であって、
接着剤を生まれつきの睫毛の下側に塗布するステップを含み、
第1の複数の睫毛エクステンションを前記生まれつきの睫毛の前記下側のところに配置するステップを含み、前記第1の複数の睫毛エクステンションの各々は、第1の複数の人工毛および前記第1の人工毛の突出起点である第1のベースを有し、前記第1のベースは、前記生まれつきの睫毛の前記下側に取り付けられるよう設計された頂側を有し、
接着剤を前記第1の複数の睫毛エクステンションの底側に塗布するステップを含み、
第2の複数の睫毛エクステンションを前記第1の複数の睫毛エクステンションの前記底側のところに配置するステップを含み、前記第2の複数の睫毛エクステンションの各々は、第2の複数の人工毛および前記第2の人工毛の突出起点である第2のベースを有し、前記第2のベースは、前記第1の複数の睫毛エクステンションのうちの1つ以上の底側に取り付けられるよう設計された頂側を有する、方法。
【請求項16】
前記第1のベースの前記底側と前記第2のベースの前記頂側は、前記第2の複数の睫毛エクステンションを前記第1の複数の睫毛エクステンションに付けやすくするよう実施的に平坦である、請求項15記載の方法。
【請求項17】
前記第1の複数の睫毛エクステンションは、第1の睫毛エクステンションを含み、前記第2の複数の睫毛エクステンションは、第2の睫毛エクステンションを含み、前記第2の睫毛エクステンションは、オフセット配列状態で前記第1の睫毛エクステンションに取り付け可能であり、前記オフセット配列状態では、前記第2の睫毛エクステンションの前記第2のベースの裏側は、前記第1の睫毛エクステンションの前記第1のベースの表側からオフセットしている、請求項9記載の方法。
【請求項18】
前記第2の複数の睫毛エクステンションの第2の睫毛エクステンションは、互い違いの配列状態または整列したスタック配列状態のうちの少なくとも一方の状態で前記第1の複数の睫毛エクステンションの第1の睫毛エクステンションに取り付け可能である、請求項15記載の方法。
【請求項19】
前記第2の複数の睫毛エクステンションの各々を前記第1の複数の睫毛エクステンションのうちの1つ以上の前記底側に取り付けるステップをさらに含む、請求項15記載の方法。
【請求項20】
前記第1の複数の睫毛エクステンションのうちの少なくとも1つと前記第2の複数の睫毛エクステンションのうちの少なくとも1つは、異なる長さ、異なるスタイル、異なる色のうちの少なくとも1つを呈し、または異なる数の人工毛を含む、請求項15記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
種々の実施形態は、人工の睫毛(アイラッシュまたはラッシュ)に関し、特に、個々人の生まれつきの睫毛の下側に付けることができる人工睫毛エクステンション(artificial eyelash extension)(俗称として「睫毛エクステ」)に関する。
【背景技術】
【0002】
付け睫毛エクステンションは、従来、生まれつきの睫毛の長さ、厚み、およびフルネス(豊富度または密集度)を増やすために用いられている。しかしながら、睫毛エクステンションは、睫毛エクステンションが互いにくっつくのを回避するよう個々人の生まれつきの睫毛に1本ずつ付けられなければならない。その結果、睫毛エクステンションの役務(サービス)にあたっては、用いられる睫毛の種類および本数、美容師の腕前、および睫毛エクステンションをつける場所に応じて数百ドルの費用がかかる場合がある。通常、熟練美容師であっても一組の睫毛エクステンション全部を取り付けるのに1~2時間要する。
【0003】
別法として、付け睫毛(false eyelash)が個々人のまぶたに直接付けられる場合がある。付け睫毛は、個々人のまぶたの幅に合うようにトリムできるストリップの状態(かくして、「ストリップ睫毛」とも呼ばれる場合がある)で売られている。付け睫毛のストリップを1回の動作で取り付けることができるが、付け睫毛は、個々人の生まれつきの睫毛とは違うことがすぐに分かるとともに、長期間にわたって着用した場合には不快感を生じる場合がある。
【発明の概要】
【0004】
説明する実施形態のうちの幾つかは、人工睫毛エクステンションシステムに関し、人工睫毛エクステンションシステムは、生まれつきの睫毛の下側に付けられるよう設計された第1の複数の睫毛エクステンションを含み、第1の複数の睫毛エクステンションの各々は、第1の複数の人工毛、および第1の人工毛の突出起点としての第1のベースを含み、第1のベースは、生まれつきの睫毛の下側に取り付けられるように設計された頂側を有し、かかる人工睫毛エクステンションシステムは、第1の複数の人工睫毛エクステンションの下に付けられるよう設計された第2の複数の睫毛エクステンションをさらに含み、第2の複数の睫毛エクステンションの各々は、第2の複数の人工毛、および第2の人工毛の突出起点としての第2のベースを含み、第2のベースは、1つ以上の第1の複数の人工睫毛エクステンションのうちの1つ以上の人工睫毛エクステンションの底側の少なくとも一部に取り付けられるように設計された頂側を有する。
【0005】
説明する実施形態のうちの幾つかは、人工睫毛エクステンションシステムに関し、人工睫毛エクステンションシステムは、容器、および容器に解除可能に結合された第1の複数の睫毛エクステンションおよび第2の複数の睫毛エクステンションを含み、第1の複数の睫毛エクステンションは、生まれつきの睫毛の下側に付けられるよう設計され、第1の複数の睫毛エクステンションの各々は、第1の複数の人工毛、および第1の人工毛の突出起点としての第1のベースを含み、第1のベースは、生まれつきの睫毛の下側に取り付けられるように設計された頂側を有し、第2の複数の睫毛エクステンションは、第1の複数の人工睫毛エクステンションの下に付けることができるよう設計され、第2の複数の睫毛エクステンションの各々は、第2の複数の人工毛、および第2の人工毛の突出起点としての第2のベースを含み、第2のベースは、1つ以上の第1の複数の人工睫毛エクステンションのうちの1つ以上の人工睫毛エクステンションの底側の少なくとも一部に取り付けられるように設計された頂側を有する。
【0006】
説明する実施形態のうちの幾つかは、接着剤を生まれつきの睫毛の下側に塗布するステップと、第1の複数の睫毛エクステンションを生まれつきの睫毛の下側のところに配置するステップとを含む方法に関し、第1の複数の睫毛エクステンションの各々は、第1の複数の人工毛および第1の人工毛の突出起点である第1のベースを有し、第1のベースは、生まれつきの睫毛の下側に取り付けられるよう設計された頂側を有し、本方法は、接着剤を第1の複数の睫毛エクステンションの底側に塗布するステップと、第2の複数の睫毛エクステンションを第1の複数の睫毛エクステンションの底側のところに配置するステップとをさらに含み、第2の複数の睫毛エクステンションの各々は、第2の複数の人工毛および第2の人工毛の突出起点である第2のベースを有し、第2のベースは、第1の複数の睫毛エクステンションのうちの1つ以上の底側に取り付けられるよう設計された頂側を有する。
【0007】
説明する実施形態のうちの幾つかは、人工睫毛エクステンションに関し、第1のベースの底側と第2のベースの頂側は、第2の複数の睫毛エクステンションを第1の複数の睫毛エクステンションに付けやすくするよう実施的に平坦である。
【0008】
説明する実施形態のうちの幾つかによれば、第1の複数の睫毛エクステンションは、第1の睫毛エクステンションを含み、第2の複数の睫毛エクステンションは、第2の睫毛エクステンションを含み、第2の睫毛エクステンションは、オフセット配列状態で第1の睫毛エクステンションに取り付け可能であり、オフセット配列状態では、第2の睫毛エクステンションの第2のベースの裏側は、第1の睫毛エクステンションの第1のベースの表側からオフセットしている。
【0009】
説明する実施形態のうちの幾つかによれば、第2の複数の睫毛エクステンションの第2の睫毛エクステンションは、互い違いの配列状態で第1の複数の睫毛エクステンションの第1の睫毛エクステンションに取り付け可能である。
【0010】
説明する実施形態のうちの幾つかによれば、第2の複数の睫毛エクステンションの第2の睫毛エクステンションは、整列したスタック配列状態で第1の複数の睫毛エクステンションの第1の睫毛エクステンションに取り付け可能である。
【0011】
説明する実施形態のうちの幾つかは、人工睫毛エクステンションに関し、第1の複数の睫毛エクステンションのうちの少なくとも1つと第2の複数の睫毛エクステンションのうちの少なくとも1つは、異なる長さ、異なるスタイル、異なる色のうちの少なくとも1つを呈し、または異なる数の人工毛を含む。
【0012】
説明する実施形態のうちの幾つかは、人工睫毛エクステンションに関し、第1の複数の人工毛および第2の複数の人工毛は、ポリブチレンテレフタレートから成る。
【0013】
本発明は、本発明を限定するものではなく例示として添付の図面のうちの図に示されており、図中、同一の符号は、類似の要素を示している。理解されるべきこととして、本明細書における「一(複数のうちのどれか1つの意)」「1つの」実施形態と異なる記載をしている場合、これらは、必ずしも同一の実施形態を意味しておらず、かかる符号は、少なくとも1つを意味している。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の幾つかの実施形態に関する目の領域を示す図である。
図2】本発明の幾つかの実施形態に係る例示の人工睫毛エクステンションの図である。
図3】本発明の幾つかの実施形態に係る別の例示の人工睫毛エクステンションの図である。
図4】本発明の実施形態に従って多数の組をなす人工睫毛エクステンションを生まれつきの上睫毛の下側に配置する方法の例示の流れ図である。
図5A】本発明の実施形態に従ってレンガ状スタック配列状態を示す図である。
図5B】本発明の実施形態に従ってレンガ状スタック配列状態を示す図である。
図6】本発明の実施形態に従って整列したスタック配列状態を示す図である。
図7A】本発明の実施形態に従って長手方向にオフセットした配列状態を示す図である。
図7B】本発明の実施形態に従って長手方向にオフセットした配列状態を示す図である。
図7C】本発明の実施形態に従って長手方向にオフセットした配列状態を示す図である。
図8A】本発明の実施形態に従って積み重ねられた人工睫毛エクステンションの諸実施例を示す図である。
図8B】本発明の実施形態に従って積み重ねられた人工睫毛エクステンションの諸実施例を示す図である。
図8C】本発明の実施形態に従って積み重ねられた人工睫毛エクステンションの諸実施例を示す図ある。
図9A】本発明の実施形態に従って多数の組をなす人工睫毛エクステンションを整列したスタック配列状態で生まれつきの上睫毛の下側に配置するステップを示す図である。
図9B】本発明の実施形態に従って多数の組をなす人工睫毛エクステンションを整列したスタック配列状態で生まれつきの上睫毛の下側に配置するステップを示す図である。
図9C】本発明の実施形態に従って多数の組をなす人工睫毛エクステンションを整列したスタック配列状態で生まれつきの上睫毛の下側に配置するステップを示す図である。
図9D】本発明の実施形態に従って多数の組をなす人工睫毛エクステンションを整列したスタック配列状態で生まれつきの上睫毛の下側に配置するステップを示す図である。
図9E】本発明の実施形態に従って多数の組をなす人工睫毛エクステンションを整列したスタック配列状態で生まれつきの上睫毛の下側に配置するステップを示す図である。
図9F】本発明の実施形態に従って多数の組をなす人工睫毛エクステンションを整列したスタック配列状態で生まれつきの上睫毛の下側に配置するステップを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図は、例示目的でのみ種々の実施形態を示している。当業者であれば容易に認識されるように、本発明の原理から逸脱することなく変形実施形態を採用することができることができる。クレーム記載された本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲に記載された本発明の範囲に含まれる全ての改造例、均等例、および変形例を含むものである。
【0016】
本明細書において説明する実施形態は、複数の組(または列)をなす人工睫毛エクステンションセグメント(本明細書では「積み重ね睫毛」ともいう)を生まれつきの上睫毛の下側に配列関係をなして付けるシステムおよび方法に関する。
【0017】
付け睫毛は、個々人のまぶたに直接付けられる。この理由は、付け睫毛が重すぎ、広すぎかつ/あるいはかさ張りすぎて、生まれつきの睫毛の下側にくっつくことができないからである。したがって、付け睫毛は、生まれつきの睫毛の下側のところにより密集しまたは豊富な付け睫毛を形成するよう互いに積み重ねられるということはできない。本発明の諸観点は、多数の組をなして生まれつきの上睫毛の下側に配置して固定されることが可能な人工睫毛エクステンションを提供することによってこれらの課題および他の課題に取り組む。
【0018】
幾つかの実施形態では、睫毛エクステンションは、生まれつきの睫毛の下側のところに付けられるよう設計されているのが良い。睫毛エクステンションの各々は、生まれつきの睫毛の下側または別の人工睫毛エクステンションに取り付けられるよう設計されたベースから突き出ている人工毛を含むのが良い。ベースは、人工睫毛エクステンションが生まれつきの睫毛の下側に良好にくっついてユーザの視界の妨げにならないようにするよう軽量であることができるようにするよう設計された低プロフィールのものであるのが良い。ベースは、表面、例えば生まれつきの睫毛の下側または別の人工睫毛エクステンションの反対側の表面への接触およびくっつき具合を向上させるよう実質的に平坦である頂側および底側を有するのが良い。ベースの低プロフィールおよびベースの平坦度は、ベースの形成の際に熱が加わっていることに少なくとも部分的に寄与している。幾つかの実施形態では、第1の組をなす睫毛エクステンションは、生まれつきの睫毛の下側のところに固定されるのが良い。第2の組をなす睫毛エクステンションは、第1の組をなすラッシュ(例えば、積み重ね状態のラッシュ)の下に固定されるのが良い。第1の組と関連して第2の組は、1つ以上の互いに異なるパターン、例えば互い違いのパターン配列状態、整列した配列状態、長手方向にオフセットした配列状態、またはこれらの任意の組み合わせの配列状態で配列されるのが良い。追加の組をなす睫毛エクステンションは、先に付けられた組をなす睫毛エクステンションに固定されるのが良い。多数の軽量の組をなす睫毛エクステンションを生まれつきの上睫毛の下側に配置することができるようにするシステムを提供することによって、ユーザのまぶたを疲れさせることなく所望のラッシュ密度およびボリュームが達成される。
【0019】
図1は、本発明の幾つかの実施形態に関する目の領域を示す図である。図1に示されているように、目の領域100、例えば人間の目の領域は、生まれつきの上睫毛102A(「複数の生まれつきの睫毛102A」または「1本の生まれつきの睫毛102A」ともいう)および生まれつきの下睫毛102B(同様に「複数の生まれつきの睫毛102B」または「1本の生まれつきの睫毛102B」ともいう)を含むと言える。生まれつきの睫毛102A,102Bは、下側および上側を有することができる。例えば、生まれつきの睫毛102Aは、下側108を示している。生まれつきの睫毛102Bは、上側を示している。生まれつきの睫毛102A,102Bを本明細書においてひとまとめに生まれつきの睫毛102という。
【0020】
目の領域100は、上ラッシュライン104(本明細書では「ラッシュライン104」ともいう)および上ウォーターライン106(本明細書では「ウォーターライン106」ともいう)を含む。幾つかの実施形態では、ラッシュライン、例えば上ラッシュライン104または生まれつきの睫毛102Bの下ラッシュラインは、生まれつきの睫毛相互間の領域を含むのが良い。ラッシュラインは、湾曲していて生まれつきの睫毛102の整列状態に追随するのが良い。幾つかの実施形態では、上ラッシュライン104は、生まれつきの睫毛102Aの上に位置する(例えば、真上に位置する)皮膚の幾分かの領域を含むのが良い。同様に、下ラッシュラインは、生まれつきの睫毛102Bの下に位置する(例えば、真下に位置する)皮膚の幾分かの領域を含むのが良い。
【0021】
幾つかの実施形態では、ウォーターライン(「ウェットライン」ともいう)、例えば上ウォーターライン106および生まれつきの睫毛102Bに対応した下ウォーターラインは、生まれつきの睫毛102と目との間に露出した皮膚の領域(またはライン)を含むのが良い。
【0022】
空間的な相対的用語、例えば「下」、「上」、「下側」、「頂」、「底」などは、一要素の別の要素に対する相対位置を意味している。別段の指定がなければ、これら空間的に相対的な用語は、絶対的な向きに限定されることを意図しておらず、図示の向きに加えて、要素の互いに異なる向き(例えば、90゜回転した向き、逆さまの向き、反転した向き)を含むものである。例えば、図中の要素が逆さまにされた場合、「上」要素と記載されている要素を、この場合、「下」要素として差し向けられたものとみなすことができ、これは、本発明の諸観点から逸脱しない。
【0023】
図2は、本発明の幾つかの実施形態に係る例示の人工睫毛エクステンションの図である。図3は、本発明の幾つかの実施形態に係る別の例示の人工睫毛エクステンションの図である。
【0024】
幾つかの実施形態では、人工睫毛エクステンション200または人工睫毛エクステンション300(本明細書では、これら両方を「睫毛エクステンション」、「人工睫毛エクステンション」、「ラッシュセグメント」または「人工睫毛セグメント」ともいう)のうちの1つ以上は、生まれつきの睫毛の下側のところに付けられるよう設計されまたは構成されている。幾つかの実施形態では、人工睫毛エクステンション200または人工睫毛エクステンション300のうちの1つ以上は、1つの組をなす多数の人工睫毛エクステンションの一部であるのが良い。幾つかの実施形態では、人工睫毛エクステンション200または人工睫毛エクステンション300のうちの1つ以上は、「フル(full)」人工睫毛エクステンションであるのが良く、その結果、多数の人工睫毛エクステンションが生まれつきの睫毛(例えば、生まれつきの睫毛102A)の下側のところに隣接して配置されると、配置済みの人工睫毛エクステンションは、生まれつきの睫毛の長さに及ぶようになっている。人工睫毛エクステンションは、ユーザのラッシュラインと実質的に整列するよう配置されるのが良い。互いに独立したセグメントである人工睫毛エクステンションを用いることにより、個々人の人工睫毛エクステンションは、生まれつきの睫毛の下側に結合されたときに別個独立に動くことができ、これは、生まれつきの睫毛の動きをまねており、したがって人工睫毛エクステンションの感覚、快適さ、および寿命を向上させることができる。
【0025】
人工睫毛エクステンション200および人工睫毛エクステンション300は、それぞれ、人工毛202A~202N(本明細書ではひとまとめに「人工毛202」という)および人工毛302A~302N(本明細書ではひとまとめに「人工毛302」という)を示している。幾つかの実施形態では、人工睫毛エクステンション、例えば人工睫毛エクステンション200または人工睫毛エクステンション300の人工毛を1種類以上の合成材料から形成することができ、かかる合成材料としては、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、アクリル樹脂、ポリエステル、または他の合成材料が挙げられるが、これらには限定されない。変形実施系他では、天然材料、例えば、天然毛(例えば、ヒトの毛またはミンクの毛)を用いることができる。幾つかの実施形態では、特定の人工睫毛エクステンションの人工毛は、1種類以上の長さおよび/または1種類以上の直径を有するのが良い。幾つかの実施形態では、人工毛の直径は、約0.0075ミリメートル(mm)(例えば、0.0075mm±0.0025mm)~0.3mm(例えば、0.3mm±0.05mm)であるのが良い。幾つかの実施形態では、人工毛のうちの1本以上の端部は、テーパしているのが良い。幾つかの実施形態では、人工毛の1本以上は、カールしているのが良くまたは特定の方向に賦形されていても良い。例えば、人工毛202の端部208または人工毛302の端部308は、テーパしていても良くカールしていても良く、またはこれらの両方の状態であって良い。幾つかの実施形態では、人工毛は、長さが3mmから30mmまでの範囲にあるのが良く、または幾つかの場合はこれよりも長くても良い。
【0026】
幾つかの実施形態では、人工睫毛エクステンション200または人工睫毛エクステンション300のうちの1本以上は、それぞれ、ベース、例えば、ベース206およびベース306を有するのが良い。ベースは、頂側(例えば、紙面から出て読者の方へ向いている)、底側、裏側、表側、および2つの横側を有するのが良い。幾つかの実施形態では、人工睫毛エクステンションの多数の人工毛のうちの1本以上は、ベースの表側から突き出ている。人工睫毛エクステンションの裏側は、生まれつきの睫毛の下側のところに配置されると、ユーザの目の方へ向くことができる。ベースの厚さ(例えば、頂側と底側との間)は、約0.05ミリメートル(mm)~約0.15mm(例えば、0.05mm±0.01mm)であるのが良い。ベースの低プロフィールは、人工睫毛エクステンションが生まれつきの睫毛の下側に良好にくっついてユーザの視界の妨げにならないようにするよう軽量であることができるようにするよう設計されている。ベースの低プロフィールは、ベースの形成の際に熱が加わっていることに少なくとも部分的に寄与することができる。
【0027】
幾つかの実施形態では、ベースの頂側または底側(例えば、表面)のうちの1つ以上は、実質的に平坦である(例えば、±0.03mmまたは±0.015mmの平坦度制御公差値を有する)。幾つかの実施形態では、人工睫毛エクステンション200のベースの平坦度は、表面、例えば生まれつきの睫毛の下側または別の人工睫毛エクステンションの反対側の表面への接触およびくっつき具合を向上させるよう設計されるのが良い。ベースの低プロフィールは、ベースの形成の際に熱が加わっていることに少なくとも部分的に寄与することができる。
【0028】
幾つかの実施形態では、ベースは、形成されるべきベースの領域のところまたはその近くに熱を加えることによって形成されるのが良い。熱を加えることにより、人工睫毛エクステンションの人工毛のうちの1本以上(例えば、人工毛の全て)をベースに連結することができる。幾つかの実施形態では、加熱状態の固定具、例えば加熱状盤、加熱クリンプ、加熱ランプ、または他の器具を用いて(例えば、人工毛に押し付けて)、人工毛のうちの少なくとも何割かを少なくとも部分的に溶融させることができる。幾つかの実施形態では、少なくとも部分的に溶融した人工毛は、ベースを少なくとも部分的に、または全体的に形成する。幾つかの実施形態では、少なくとも部分的に溶融した人工毛は、多数の人工毛を人工睫毛エクステンションのベースに連結する仕方で溶融する。
【0029】
幾つかの実施形態では、幾分かの追加の人工材料、例えば1本以上の人工毛または他の材料をベースが作られるべき領域のところで人工毛に直角に配置するのが良い。熱をベースが形成されるべき領域(この領域は、追加の人工材料を含む)に加えるのが良い。人工毛のうちの1本以上または追加の人工材料を少なくとも部分的に溶融させると、ベースを少なくとも部分的にまたは全体的に形成することができる。幾つかの実施形態では、追加の人工材料は、接着剤(例えば、接着剤の塗布)および/または支持糸を含むのが良い。幾つかの実施形態では、熱を加えると、塗布された接着剤の硬化を助けることができる。熱を加えて接着剤を用いる幾つかの実施形態では、人工毛を部分的に溶融させることができあるいは溶融させなくても良い。
【0030】
幾つかの実施形態では、熱を加える前に、人工毛を支持体またはベースの糸または繊維に結束して(例えば、結び付けて)人工毛を整列させるとともに人工毛が水平に広がるのを阻止するのが良い。熱を上述したように加えるのが良く(人工毛が支持糸に結びつけられた状態で)、その結果、支持糸がベースの要部をなすようになっている。他の場合、熱を水平支持糸の下に加えるのが良い。例えば、支持糸は、人工毛を定位置に保持することができ、加えた熱は、支持糸の下にベースを形成することができる。他の実施形態では、人工毛は、熱を加えてベースを形成する前または形成中、支持糸と整列しない(例えば、支持糸に結び付けられない)。他の実施形態では、人工毛は、熱を加えてベースを形成する前または形成中、ステンシルまたは他の配列器具を用いて配列されるのが良い。幾つかの実施形態では、熱を1回以上加えてベースを形成するのが良い。変形実施形態では、ベースは、化学プロセスを用いて部分的にまたは全体的に形成されても良い。
【0031】
幾つかの実施形態では、人工睫毛エクステンション200および人工睫毛エクステンション300のうちの1つ以上は、クラスタ204A~204G(本明細書ではひとまとめに「クラスタ204」という)およびクラスタ304A~304G(本明細書ではひとまとめに「クラスタ304」という)の状態にそれぞれ構成された人工毛202,302を有する。幾つかの実施形態では、毛のクラスタは、束ねられた2つ以上の人工毛を意味する場合がある。幾つかの実施形態では、3~30本の人工毛がクラスタに含まれるのが良い。幾つかの実施形態では、人工毛の1つ以上の個別的なクラスタは、上述したように熱を加えることによって形成されるのが良い。かくして、クラスタは、ベース(例えば、クラスタベース)を有するのが良い。クラスタを配列するのが良く、そして上述したように熱をクラスタベースに加えてもう1つのベース(例えば、人工睫毛エクステンションベース)を形成するのが良い。幾つかの実施形態では、人工睫毛エクステンションは、熱を加えてクラスタを作ることなく形成される。幾つかの実施形態では、人工睫毛エクステンションの少なくとも2本の人工毛は、互いに十文字に交差する。例えば、特定のクラスタの2本の人工毛は、互いに十字形に交差するのが良い。
【0032】
幾つかの実施形態では、人工睫毛エクステンション200または300は、幅が4~10mmであるのが良く、ただし、諸実施形態では、幅が5~6mmであっても良い。幾つかの実施形態では、これは、典型的には幅が1.5~2mmである単一のクラスタよりも非常に幅が広く、かくして、生まれつきの睫毛を大幅に覆うことができる。
【0033】
人工睫毛エクステンション300は、十字形に交差している人工毛302の交差部分310A~310H(本明細書では、ひとまとめに「交差部分310」という)のところで互いに結合されまたは固着された隣り合う人工毛(または隣り合うクラスタ304)をさらに示している。交差部分310は、本明細書で説明したように熱を加えるか、接着剤を塗布するか、あるいは化学プロセスを用いるかの1つ以上により互いに結合されまたは固着されるのが良い。幾つかの実施形態では、交差部分310は、ベースの形成後またはベースの形成中に形成されるのが良い。例えば、十字形に交差した人工毛302は、ベース304よりも約1mm~約5mm(±0.5mm)のところで互いに連結されまたは固着される。幾つかの実施形態では、ベース306は、交差部分310の形成後に取り外されるのが良く、その結果、人工睫毛エクステンション300は、ベース306を備えないようになる。固着状態の交差部分310は、ベース306が存在していない状態で人工睫毛エクステンション300の人工毛302を一緒に保持することができる。幾つかの実施形態では、ベース306は、形成されない。十字形鋼さ人工毛302の交差部分310は、ベース306を形成しないでも形成できる。
【0034】
図4は、本発明の実施形態に従って、人工睫毛エクステンションの多数の組(または列)(例えば、これらの組では、人工睫毛エクステンションは、生まれつきの睫毛の下側で他の人工睫毛エクステンションと共につけることができるセグメントである)を生まれつきの睫毛の下側に配置する方法400の例示の実施例の流れ図である。ブロック410~460として示された方法400およびその個別的な行為の各々は、ユーザが睫毛エクステンションをユーザ自身の生まれつきの睫毛に付けることによって、別の人(例えば、職業睫毛技術者、美容師、友人など)が睫毛エクステンションをユーザの生まれつきの睫毛に付けることによって、あるいは別の人とユーザの任意の組み合わせによって実施できる。説明を簡単にするために、本方法を図示するとともに一連の行為として説明する。しかしながら、本発明に係る行為は、種々の順番でおよび/または同時に、しかも本明細書において提供されたり説明されたりしていない他の行為と共に行われても良い。さらに、開示された本発明に従ってかかる方法を実施する上で全ての図示された行為が必要とされるとは限らない。配列された状態の多数の組をなす睫毛エクステンション(例えば、セグメント)を以下において「積み重ね配列状態」という場合がある。
【0035】
ブロック410では、接着剤を生まれつきの睫毛、例えば生まれつきの上睫毛の下側に塗布するのが良い。幾つかの実施形態では、接着剤を下側ではなく生まれつきの上睫毛の頂部または側部に塗布しても良い。接着剤は、グルー、マスカラ、結合剤、エポキシ、ペースト、または接着特性を備えた任意他の天然または合成物質のうちの1つ以上であるのが良い。幾つかの実施形態では、接着剤は、人工睫毛エクステンションが幾つかの期間(例えば、数時間、数日、数週間、または数か月)にわたって個人の生まれつきの睫毛に固定されたままの状態でいることができるようにする耐水性の調剤であって良い。幾つかの実施形態では、接着剤は、従来型睫毛エクステンション用の市販の接着剤または本明細書において説明する睫毛エクステンション用の特別な組成物であって良い。接着剤は、透明であっても良く、着色(例えば、乳白色またはマスカラに匹敵する黒色)されていても良い。
【0036】
接着剤は、ブラシ、櫛、または任意他の形式の塗布用ツールを用いて塗布されるのが良い。幾つかの実施形態では、接着剤は、ウォーターラインよりも1~2ミリメートル上のところに塗布されるのが良い。幾つかの実施形態では、接着剤は、生まれつきの睫毛に沿うあるいはウォーターラインに沿う任意の場所に塗布されるのが良い。幾つかの実施形態では、接着剤がその接着特性を発揮することができるようにするためにブロック420に進む前に所定の期間待つことが望ましい場合がある。
【0037】
ブロック420では、第1の組をなす人工睫毛エクステンション(例えば、睫毛エクステンション)を生まれつきの睫毛の下側のところに配置するのが良い。幾つかの実施形態では、第1の組に属する人工睫毛エクステンションの各々の各ベースの頂側を生まれつきの睫毛の下側に(まぶたにではなく)配置してこれに直接付けるのが良い。幾つかの実施形態では、第1の組をラッシュラインの曲率に整列するよう配列するのが良い。例えば、多数の人工睫毛エクステンションを互いに隣接して(例えば、オーバーラップさせないで、またはオーバーラップさせて)配列するのが良く、その結果、ベースは、ラッシュラインの曲率と整列するようになる。かくして、第1の組をなす人工睫毛エクステンションは、第1の組がラッシュラインの近くに配置されると、ラッシュラインと実質的に面が合うようになるのが良い。幾つかの実施形態では、1つ以上の人工睫毛エクステンションは、生まれつきの睫毛の下側のところに一度に配置されるのが良い。例えば、単一の人工睫毛エクステンションを最初に配置し、別の人工睫毛エクステンションをその次に配置するのが良く、以下同様である。幾つかの実施形態では、幾つかの実施形態では、以下に説明するアプリケータを用いると、第1の組をなす人工睫毛エクステンションを配置することができる。ユーザは、さらに、所望に応じて第1の組をなす人工睫毛エクステンションのうちの1つ以上を配置しなおすことができる。
【0038】
幾つかの実施形態では、人工睫毛エクステンションの各組は、3つから8つの別個の人工睫毛エクステンションを含むのが良い。各組に属する人工睫毛エクステンションの個数は、人工睫毛エクステンションの幅、用いられる人工毛の厚さ、当該組が固定されるようになっているまぶたの所望のスタイル、所望のラッシュ密度(ユーザの睫毛の「フルネス(豊富度または密集度)」などに基づくのが良い。
【0039】
幾つかの実施形態では、第1の組は、互いにほぼ同じ人工睫毛エクステンションを含むのが良い。例えば、第1の組の各人工睫毛エクステンションは、ほぼ同じ長さ、ほぼ同じスタイル(例えば、図2に示されているような真っ直ぐな人工毛、図3に示されているような十字に交差した人工毛、各人工睫毛エクステンション内のクラスタの個数など)、ほぼ同じ色、人工毛またはクラスタのほぼ同じ数などのものであるのが良い。幾つかの実施形態では、第1の組は、2つ以上の互いに異なる人工睫毛エクステンションを含んでも良い。例えば、第1の組の2つ以上の人工睫毛エクステンションは、異なる長さ、異なるスタイル、異なる色、人工毛またはクラスタの異なる本数などのものであって良い。
【0040】
幾つかの実施形態では、接着剤を生まれつきの睫毛の下側に塗布し(ブロック410で説明したように)、次に第1の組をなす人工睫毛エクステンションを生まれつきの睫毛の下側に配置する(ブロック420で説明したように)のではなく、接着剤を各人工睫毛エクステンションの頂側に塗布し、次に人工睫毛エクステンションを生まれつきの睫毛の下側に配置しても良い。
【0041】
ブロック430では、人工睫毛エクステンションの各々を生まれつきの睫毛の下側に固定する(例えば、取り付けるまたは結合する)のが良い。幾つかの実施形態では、第1の組をなす人工睫毛エクステンションが所望の配列状態にいったん配置されると、人工睫毛エクステンションをこれら人工睫毛エクステンションが表面、例えば生まれつきの睫毛の下側に固着され、そして永続的に取り付けられる(例えば、数日間にわたって)ように固定するのが良い。幾つかの実施形態では、接着剤を硬化させるための圧力の印加または時間の経過のうちの1つ以上を用いて人工睫毛エクステンションの組の固定を助けるのが良い。幾つかの実施形態では、アプリケータを用いて人工睫毛エクステンションを生まれつきの睫毛に固定する(例えば、圧力を加える)のが良い。アプリケータは、一端のところで互いに連結された向かい合ったアームを有する任意のツールであって良い。向かい合ったアームをつかんでこれらを用いて圧力を加えるのが良い。幾つかの実施形態では、アプリケータは、ラッシュラインの湾曲形状と実質的に面が合うような輪郭の湾曲した形状、凹んだ形状または三日月の形状のものであるのが良い。アプリケータは、向かい合ったアームの耐久性およびつかみ精度を高めるよう任意の材料(例えば、ステンレス鋼、焼き入れ鋼、またはチタン)で構成可能である。
【0042】
幾つかの実施形態では、アプリケータを用いて第1の組の多数の人工睫毛エクステンションをつかみ、次に(圧力を向かい合ったアームに加えることによって)1回の動作でラッシュライン(および生まれつきの睫毛)に沿って多数の人工睫毛エクステンションに圧力を同時に加えるのが良い。他の実施形態では、アプリケータを用いて各人工睫毛エクステンションを個々につかんでも良い。例えば、ユーザは、第1の人工睫毛エクステンションを生まれつきの睫毛の下側に配置し、アプリケータを用いて人工睫毛エクステンションを固定し、次に第2の人工睫毛エクステンションを第1の人工睫毛エクステンションに隣接した場所に付け、アプリケータを用いて第2の人工睫毛エクステンションを固定し、そしてこのプロセスを続けるのが良く、ついには、第1の組の各人工睫毛エクステンションが配置されて固定されるようにする。幾つかの実施形態では、ユーザは、第2の組の人工睫毛エクステンションのうちの1つ以上が配置されるまで第1の組をなす人工睫毛エクステンションを固定するのを待つのが良い。幾つかの実施形態では、配置して固定する行為は、1回の行為に組み合わされるのが良い。
【0043】
ブロック440では、接着剤を第1の組の人工睫毛エクステンションの底側(例えば、下側)に塗布するのが良い。幾つかの実施形態では、ユーザは、接着剤を第1の組の1つ以上のラッシュフュージョン部の頂部または側部に塗布するのが良い。ブロック410と同様、接着剤は、グルー、マスカラ、結合剤、エポキシ、ペースト、または接着特性を備えた任意他の天然または合成物質のうちの1つ以上であるのが良く、また、ブラシ、櫛、または任意他の形式の塗布用ツールを用いて塗布されるのが良い。幾つかの実施形態では、接着剤を第1の組のベースのうちの1つ以上の底側、第1の組の人工睫毛、生まれつきの睫毛、またはこれらの任意の組み合わせに塗布するのが良い。
【0044】
ブロック450では、第2の組をなす人工睫毛エクステンションを第1の組をなす人工睫毛エクステンションの底側に配置する。第1の組と同様、幾つかの実施形態では、第2の組は、ラッシュラインの曲率または形状と整列するよう配置された複数の人工睫毛エクステンションを含むのが良い。幾つかの実施形態では、第2の組は、第1の組の人工睫毛エクステンションとほぼ同じ1つ以上の人工睫毛エクステンションを含むのが良い。例えば、第2の組の1つ以上の人工睫毛エクステンションは、ほぼ同じ長さ、ほぼ同じスタイル、ほぼ同じ色、人工毛またはクラスタのほぼ同じ本数などのものであるのが良い。幾つかの実施形態では、第2の組は、2つ以上の互いに異なる人工睫毛エクステンションを含んでも良い。例えば、第2の組に属する2つ以上の人工睫毛エクステンションは、異なる長さ、異なるスタイル、異なる色、人工毛またはクラスタの異なる本数などものであって良い。幾つかの実施形態では、第2の組は、第1の組の人工睫毛エクステンションとほぼ同じ人工睫毛エクステンションを含むことができる。幾つかの実施形態では、第2の組は、第1の組の1つ以上の人工睫毛エクステンションとは異なる1つ以上の人工睫毛エクステンションを含んでも良い。
【0045】
上述したように、ベースの頂側および底側(例えば、表面)は、実質的に平坦であるのが良い。かかる平坦度のいかんによっては、表面、例えば生まれつきの睫毛の下側または別の人工睫毛エクステンションの対向した表面に対する接触具合および接着具合を向上させることができる。
【0046】
幾つかの実施形態では、接着剤を第1の組をなす人工睫毛エクステンションの底側に塗布し(ブロック440で説明したように)、次に第2の組をなす人工睫毛エクステンションを第1の組をなす人工睫毛エクステンションの底側に配置する(ブロック450で説明したように)のではなく、接着剤を第2の組の各人工睫毛エクステンションのベースの頂側に塗布し、次に第2の組を人工睫毛エクステンションの第1の組の底側に配置しても良い。
【0047】
第1の組と関連して、第2の組をレンガ状態スタック配列状態、整列したスタック配列状態、長手方向にオフセットした配列状態(本明細書で「オフセット配列状態」ともいう)またはこれらの任意の組み合わせの配列状態に配置することができる。図5A図7を参照して各配列状態についてさらに詳細に説明する。
【0048】
ブロック460では、第2の組の人工睫毛エクステンションの各々を第1の組の人工睫毛エクステンションの底側に固定する(例えば、取り付ける)のが良い。ブロック430と同様、アプリケータを用いて第2の組の人工睫毛エクステンションを第1の組の人工睫毛エクステンションに固定するのが良い。幾つかの実施形態では、アプリケータを用いて第2の組の多数の人工睫毛エクステンションをつかみ、次に(圧力を向かい合ったアームに加えることによって)1回の動作でラッシュラインに沿って多数の人工睫毛エクステンションに圧力を同時に加えるのが良い。他の実施形態では、アプリケータを用いて各人工睫毛エクステンションを個々につかんでも良い。例えば、ユーザは、第2の組と関連した第1の人工睫毛エクステンションを第1の組の1つ以上の人工睫毛エクステンションの底側に配置し、アプリケータを用いて人工睫毛エクステンションを固定し、次に第2の組と関連した第2の人工睫毛エクステンションを第1の人工睫毛エクステンションに隣接した場所に付け、アプリケータを用いて第2の人工睫毛エクステンションを固定し、そして第2の組の各人工睫毛エクステンションが配置されて固定されるまでこのプロセスを続けるのが良い。
【0049】
方法400を2つの組をなす人工睫毛エクステンションの積み重ね配列状態に関して説明する。幾つかの実施形態では、ブロック440~460に記載した行為を繰り返し実施すると、追加の組をなす積み重ね人工睫毛エクステンションを生まれつきの睫毛の下側に追加することができる。例えば、人工睫毛エクステンションが軽量であることに起因して、全体として3個~10個以上の組をなす人工睫毛エクステンションを生まれつきの睫毛の下側に固定することができる。したがって、人工睫毛エクステンションは、ユーザの生まれつきの睫毛により容易にくっつけることができ、そして長期間にわたって固着状態のままであることが可能である。
【0050】
図5Aおよび図5Bは、本発明の実施形態に係るレンガ状積み重ね配列状態を示す図である。図5Aおよび図5Bは、人工睫毛エクステンションのベースの裏側を図示している。図5Aは、ラッシュライン505Aの下側のところに配置された5つの人工睫毛エクステンション515A~519Aを含む第1の組510Aを示している。幾つかの実施形態では、人工睫毛エクステンション515A~519Aのうちの1つ以上は、任意の2つの隣り合う人工睫毛エクステンション相互間に隙間(例えば、人工睫毛エクステンション515A,516A相互間の隙間、人工睫毛エクステンション516A,517A相互間の隙間など)を設けて配置されるのが良い。第2の組520Aは、互い違いのパターンをなして第1の組510Aの底側上に配置されるのが良い4つの人工睫毛エクステンション525A~528Aを含む(例えば、人工睫毛エクステンション525Aは、人工睫毛エクステンション515A,516Aの両方の底側上に配置され、人工睫毛エクステンション526Aは、人工睫毛エクステンション516A,517Aの両方の底側上に配置され、以下同様である)。幾つかの実施形態では、人工睫毛エクステンション525A~528Aのうちの1つ以上を人工睫毛エクステンション525A~528Aと共に配置することができる。図5Bは、ラッシュライン505Bの下側のところに配置された5つの人工睫毛エクステンション515B~519Bを含む第1の組510Bを示している。人工睫毛エクステンション515B~519Bのうちの1つ以上を任意の2つの隣り合う人工睫毛エクステンション相互間に隙間がない状態で(例えば、ベースの横側が互いに接触関係をなすようにオーバーラップしまたは実質的に隙間がないようにして)配置するのが良い(例えば、人工睫毛エクステンション515B,516B相互間には隙間がなく、人工睫毛エクステンション516B,517B相関には隙間がない状態で、以下同様である)。第2の組520Bは、互い違いのパターンをなして第1の組510Bの底側上に配置できる4つの人工睫毛エクステンション525B~528Bを含む(例えば、人工睫毛エクステンション525Bは、人工睫毛エクステンション515B,516Bの両方の底側上に配置され、人工睫毛エクステンション526Bは、人工睫毛エクステンション516B,517Bの両方の底側上に配置され、以下同様である)。隙間のサイズを調節することにより、積み重ね配列状態にある人工睫毛の密度を増減することができる。理解できることとして、図5Aおよび図5Bで用いられた人工睫毛エクステンションの個数は、例示であり、第1の組510A,510Bまたは第2の組520A,520Bのいずれかの人工睫毛エクステンションにおいて任意の量を使用することができる。理解できるように、本明細書で説明したような人工睫毛エクステンションの配列状態の任意の組み合わせを採用することができる。さらにまた理解できるように、幾つかの実施形態では、積み重ね配列状態の任意の睫毛エクステンションを本明細書において説明したような配列状態のうちの任意のものまたは配列状態の組み合わせの状態で配置することができ、同一の積み重ね配列状態の他の睫毛エクステンションを異なる(またはほぼ同じ)配列状態または配列状態の組み合わせの状態に配置することができる。本明細書において説明する互いに異なる配列状態は、積み重ね配列状態へのそれぞれの人工睫毛エクステンションの互いに異なる相対的位置決め状態を示している。幾つかの実施形態では、種々の配列状態の互いに異なる相対的位置決めを所望に応じて特定の配列状態に混ぜ合わせて適合させることができる。幾つかの実施形態では、レンガ状積み重ね配列状態は、第2の組の少なくとも2つの人工睫毛エクステンションが第1の組の少なくとも2つの人工睫毛エクステンションとオーバーラップするラッシュの配列状態を含むのが良い。
【0051】
図6は、本発明の実施形態に係る整列したスタック配列状態を示す図である。図6は、人工睫毛エクステンションのベースの裏側を図示している。図6は、ラッシュライン605の下側のところに配置された5つの人工睫毛エクステンション615~619を含む人工睫毛エクステンションの第1の組610を示している。人工睫毛エクステンション615~619のうちの1つ以上は、任意の2つの隣り合う人工睫毛エクステンション相互間に隙間がない状態で(例えば、オーバーラップしまたは接触した状態で)、または任意の2つの隣り合う人工睫毛エクステンション相互間に隙間がある状態で配置されるのが良い(図示せず)。第2の組620は、位置合わせパターンをなす第1の組610の底側上に配置できる5つの人工睫毛エクステンション625~629を含む(例えば、人工睫毛エクステンション625は、人工睫毛エクステンション615の底側上に配置され、人工睫毛エクステンション626は、人工睫毛エクステンション616の底側上に配置され、以下同様である)。
【0052】
図7A図7Cは、本発明の実施形態に係る長手方向にオフセットした配列状態を示す図である。図7A図7Cは、人工睫毛エクステンションの側面図である。具体的に言えば、第2の組をなす人工睫毛エクステンションのうちの1つ以上は、第1の組をなす人工睫毛エクステンションから見て互いに異なる整列状態を呈するのが良い。例えば、第2の組の人工睫毛エクステンションのベースの裏側は、人工睫毛エクステンションまたは生まれつきの睫毛の方向に沿って第1の組の人工睫毛エクステンションのベースの表側から所望の距離だけオフセットしているのが良い。図7Aは、ラッシュライン705A(生まれつきの睫毛707Aを含む)の下側上に配置された人工睫毛エクステンション710A(ベース712Aおよび人工毛715Aを含む)を示しており、この人工睫毛エクステンションは、第1の組と関連している。人工睫毛エクステンション720A(ベース722Aおよび人工毛725Aを含む)は、第2の組と関連しており、この人工睫毛エクステンションは、人工睫毛エクステンション710Aの底側上に配置されている。具体的に説明すると、ベース722Aの頂側は、ベース712Aの底側に部分的に取り付けられるとともに人工毛715Aの底側に部分的に取り付けられている。したがって、人工睫毛エクステンション720Aは、人工睫毛エクステンション710Aから長手方向にオフセットしている。
【0053】
図7Bは、ラッシュライン705B(生まれつきの睫毛707Bを含む)の下側上に配置された人工睫毛エクステンション710B(ベース712Bおよび人工毛715Bを含む)を示しており、この人工睫毛エクステンションは、第1の組と関連している。人工睫毛エクステンション720B(ベース722Bおよび人工毛725Bを含む)は、第2の組と関連しており、この人工睫毛エクステンションは、人工睫毛エクステンション710Bの底側上に配置されている。具体的に説明すると、ベース722Bの頂側は、ベース712Bに隣接した状態で人工毛715Bの底側に取り付けられている(例えば、ベース712Bには取り付けられていない)。したがって、人工睫毛エクステンション720Bは、人工睫毛エクステンション710Bから長手方向にオフセットし、かつ図7Aで説明した実施形態よりも大きなオフセットを有する。
【0054】
図7Cは、ラッシュライン705C(生まれつきの睫毛707Cを含む)の下側上に配置された人工睫毛エクステンション710C(ベース712Cおよび人工毛715Cを含む)を示しており、この人工睫毛エクステンションは、第1の組と関連している。人工睫毛エクステンション720C(ベース722Cおよび人工毛725Cを含む)は、第2の組と関連しており、この人工睫毛エクステンションは、人工睫毛エクステンション710Cの底側上に配置されている。具体的に説明すると、ベース722Cの頂側は、ベース712Cに隣接しない状態で人工毛715Cの底側に取り付けられている。したがって、人工睫毛エクステンション720Cは、人工睫毛エクステンション710Cから長手方向にオフセットし、かつ図7Aおよび図7Bで説明した実施形態よりも大きなオフセットを有する。
【0055】
理解されるべきこととして、レンガ状スタック配列状態、整列したスタック配列状態、および長手方向にオフセットした配列状態の任意の組み合わせを本発明によって用いることができる。例えば、人工睫毛エクステンションの第2の組は、レンガ状スタック配列状態をなしかつ人工睫毛エクステンションの第2の組に対して長手方向にオフセットして配置できる。
【0056】
図8A図8Cは、本発明の実施形態に係る積み重ね人工睫毛エクステンション812a~812cの実施例を示す図である。書く長手方向にオフセットした配列状態812a~812cは、本明細書において説明するように各々が多数の人工毛の突出起点としてのベース806a,806bを有する一対の人工睫毛エクステンションを示している。
【0057】
幾つかの実施形態では、図8Aに示されているように、ベース806aは、ベース806bが整列した(例えば、整列したスタック配列状態をなしている)位置または互い違いの(例えば、レンガ状スタック配列状態をなしている)位置にある状態で積み重ねられるのが良い。例えば、ベース806bの頂側は、ベース806aの底側に部分的にまたは完全に固定されるのが良く、これらベースの両方は、平面820上に位置する。ベース806a,806bは、図4に示されているように接着剤を用いて互いに固定されるのが良い。
【0058】
幾つかの実施形態では、図8Bに示されているように、ベース806bは、ベース806aに対して長手方向にオフセットしているのが良く、その結果、ベース806a,806bは、互いに接触関係をなしていない。図示のように、ベース806aは、平面822上に位置し、ベース806bは、平面822からオフセットした平面824上に位置する。かかる実施形態では、ベース806bの頂側は、ベース806aと関連した人工睫毛エクステンションの人工毛に固定されるのが良い(接着剤を用いて)。
【0059】
幾つかの実施形態では、図8Cに示されているように、ベース806bは、ベース806aに対して長手方向にオフセットしているのが良く、その結果、ベース806a,806bは、互いに部分的に接触状態にある。図示のように、ベース806aは、平面826上に位置し、ベース806bは、平面826からオフセットした平面828上に位置している。かかる実施形態では、ベース806bの頂側は、ベース806aの底側にかつベース806aと関連した人工睫毛エクステンションの人工毛に部分的に固定されるのが良い(接着剤を用いて)。
【0060】
図9A図9Fは、本発明の実施形態に従って多数の組をなす人工睫毛エクステンションを整列したスタック配列状態をなして生まれつきの上睫毛の下側に配置するステップを示す図である。図9Aは、接着剤塗布ツール956(例えば、ブラシ)を用いて目950の生まれつきの上睫毛952の下側に塗布された接着剤954を示している。接着剤は、グルー、マスカラ、結合剤、エポキシ、ペースト、または接着特性を備えた任意他の天然または合成物質のうちの1つ以上であるのが良い。
【0061】
図9Bは、生まれつきの睫毛952上に配置された第1の組をなす人工睫毛エクステンション900a~900eを示し、各人工睫毛エクステンションは、ベース906a~906eをそれぞれ有する。具体的に説明すると、ベース906a~906eの頂側は、生まれつきの睫毛952の下側に付けられる。図9Cは、人工睫毛エクステンション900a~900eの各々をアプリケータ958で挟んで生まれつきの睫毛の下側に固定している状態を示している。アプリケータ958を用いると、ベース906a~906eをつかむと同時に圧力を一動作でラッシュラインに沿って多数の人工睫毛エクステンションに加えることができる。
【0062】
図9Dは、この場合もまた接着剤塗布ツールを用いて人工睫毛エクステンション900a~900eの第1の組の下側に塗布された接着剤954を示している。図9Eは、人工睫毛エクステンション900a~900eの底側にそれぞれ配置された第2の組をなす人工睫毛エクステンション900f~900iを示しており、各人工睫毛エクステンション900f~900iは、それぞれ、ベース906f~906iを有する。ベース906f~906iの頂側をベース906a~906eの底側、人工睫毛エクステンション900a~900e(図示のように)人工毛、またはこれらの任意の組み合わせに付けることができる。図9Fは、人工睫毛エクステンション900f~900iの各々をアプリケータ958を用いて人工睫毛エクステンション900a~900eの底側に固定している状態を示している。アプリケータ958を用いると、ベース906f~906iをつかむと同時に圧力を一動作でラッシュラインに沿って多数の人工睫毛エクステンションに加えることができる。この結果、2つの組をなす人工睫毛エクステンションは、整列したスタック配列状態に積み重ねられる。
【0063】
クレーム記載された本発明の種々の実施形態についての上記記載内容は、例示および説明の目的のために提供されている。網羅的であることまたはクレーム記載された本発明を開示した形態そのものに限定することは意図されていない。多くの改造および変形が当業者には明らかであろう。本発明の原理およびその実用的用途を最もよく説明するために実施形態を選択して説明しており、それにより、当業者がクレーム記載された本発明、種々の実施形態、および想定される特定の使用にあった種々の改造例を理解することができる。
【0064】
本明細書全体を通じて「一実施形態」、「ある特定の実施形態」、「1つ以上の実施形態」、または「(複数のうちのどれか1つの)実施形態」(訳文では、この場合もまた「一実施形態」という場合がある)は、当該実施形態と関連して説明する特定の特徴、構造、材料、または特性が本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味している。かくして、本明細書全体を通じて種々の場所に、例えば「1つ以上の実施形態では」、「ある特定の実施形態では」、「一実施形態では」、または「(複数のうちのどれか1つの)実施形態では」のようは語句が現れる場合、これらは、必ずしも本発明の同一の実施形態を意味しているわけではない。さらに、特定の特徴、構造、材料、または特性は、1つ以上の実施形態において任意適当な仕方で組み合わせ可能である。
【0065】
原文明細書で用いられる単数形“a”、“an”および“the”は、別段の明示の指定がなければ、複数を意味している。かくして、例えば、「一要素」といった場合、これは、単一の要素ならびに2つ以上の異なる要素を含む。「実施例」または「例示の」という用語は、本明細書においては、実施例、場合、または例示としての役目を果たすことを意味するために用いられている。「実施例」または「例示の」として本明細書で説明される任意の観点または設計は、必ずしも、他の観点または設計と比較して好ましいまたは有利であるとみなされるべきではない。これとは異なり、「実施例」または「例示の」という用語が用いられている場合、これは、技術的構想を具体的な仕方で提供することを意図している。本願で用いられる「または」という用語は、排他的な「または」ではなく、包括的な「または」を意味することが意図されている。すなわち、別段の指定がなければ、または文脈から明らかな場合を除き、「XがAまたはBを含む」という表現は、自然な包括的並べ替えのうちの任意のものを意味することが意図されている。すなわち、XがAを含み、XがBを含み、またはXがAとBの両方を含む場合、「XがAまたはBを含む」という表現は、上記の場合のうちの任意の元で満たされる。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7A
図7B
図7C
図8A
図8B
図8C
図9A
図9B
図9C
図9D
図9E
図9F
【国際調査報告】