(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-02
(54)【発明の名称】空気圧迫包帯
(51)【国際特許分類】
A61F 13/00 20060101AFI20221125BHJP
A61F 13/14 20060101ALI20221125BHJP
A61F 13/10 20060101ALI20221125BHJP
【FI】
A61F13/00 Z
A61F13/14 A
A61F13/10 S
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022533110
(86)(22)【出願日】2021-07-22
(85)【翻訳文提出日】2022-06-01
(86)【国際出願番号】 EP2021070611
(87)【国際公開番号】W WO2022023184
(87)【国際公開日】2022-02-03
(32)【優先日】2020-07-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522218013
【氏名又は名称】メディニス エス アー
(74)【代理人】
【識別番号】100163991
【氏名又は名称】加藤 慎司
(72)【発明者】
【氏名】ステック,セバスチャン
(72)【発明者】
【氏名】チョウダリー,サンジーブ
(72)【発明者】
【氏名】クヴィエトニャック,カロル
(57)【要約】
加圧された流体が充填されるチャンバ(9)を有するカフ(4)を含む、心臓電気療法における医療装置移植後の出血性合併症を特に防止することを意図した空気圧迫包帯(7)、及び、空気圧迫包帯(7)における圧力制御の方法。この装置は、傷領域において前記カフ(4)を固定するためのハーネス(8)と、接続ホース(5)を介して前記カフ内のチャンバ(9)に空気接続された制御及びポンピングユニット(6)と、を含んでいる。制御及びポンピングユニット(6)は、電気ポンプと、前記制御及びポンピングユニット(6)に電気的に接続された電気機械バルブと、前記制御及びポンピングユニット(6)に電気的に接続された圧力センサとを含んでいる。上記ユニット(6)は、ボタン並びに光及び音インジケータの形態のユーザインタフェイスを用いてデジタル情報を処理することができるメモリ及びシステムを有している。本発明に係る空気圧迫包帯(7)は、カフ(4)のチャンバ(9)内の圧力のコントローラがPID式であること、即ち、比例式、積分式及び微分式のモジュールを含んでいること、電気ポンプを制御してカフ(4)のチャンバ(9)内の圧力を増加させ、バルブを制御してカフ(4)のチャンバ(9)内の圧力を減少させることを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
心臓電気治療における医療機器移植後の出血性合併症を特に抑止することを目的とした空気圧迫包帯(7)であって、加圧流体が充填されるチャンバ(9)を有するカフ(4)と、傷領域において前記カフ(4)を固定するために使用されるハーネス(8)と、接続ホース(5)によって前記カフ内のチャンバ(9)に空気接続された制御及びポンピングユニット(6)とを含み、前記制御及びポンピングユニット(6)は、電気ポンプと、前記制御及びポンピングユニットに電気的に接続された電気機械バルブと、前記制御及びポンピングユニット(6)に電気的に接続された圧力センサと、デジタル情報を処理するメモリ及びシステムと、ボタン並びに光及び音インジケータの形態のユーザインタフェイスとを含み、カフ(4)のチャンバ(9)内の圧力コントローラがPIDコントローラであり、即ち、比例(P)、積分(I)及び微分(D)モジュールを含み、前記電気ポンプを制御してカフ(4)のチャンバ(9)内の圧力を増加させ、前記バルブを制御してカフ(4)のチャンバ(9)内の圧力を減少させることを特徴とする、
空気圧迫包帯。
【請求項2】
前記ハーネス(8)は、胸ストラップ(1)と肩ストラップ(2)とを有していることを特徴とする、請求項1に記載の包帯。
【請求項3】
前記ハーネスは、腕ストラップを更に含んでいることを特徴とする、請求項2に記載の包帯。
【請求項4】
前記制御及びポンピングユニット(6)は、事前定義された設定の中から選択されたカフ(4)のチャンバ(9)内のプリセットされた一定圧力レベルを維持するようにプログラムされることを特徴とする、請求項1乃至3の何れか1項に記載の包帯。
【請求項5】
前記制御及びポンピングユニット(6)は、ディスプレイ、好ましくはLCDディスプレイを有していることを特徴とする、請求項1乃至4の何れか1項に記載の包帯。
【請求項6】
前記ディスプレイは、カフ(4)のチャンバ(9)中の現在の圧力値又は実際の時間を表示することができることを特徴とする、請求項5に記載の包帯。
【請求項7】
前記制御及びポンピングユニット(6)が電池式であることを特徴とする、請求項1乃至6の何れか1項に記載の包帯。
【請求項8】
他の電子機器と通信するための無線通信インタフェイス、好ましくはNFC(近距離無線通信)インタフェイスを備えていることを特徴とする、請求項1乃至7の何れか1項に記載の包帯。
【請求項9】
空気圧迫包帯(7)における圧力制御方法であって、加圧流体が充填されるチャンバ(9)を有するカフ(4)と、傷領域において前記カフ(4)を固定するために使用されるハーネス(8)と、接続ホース(5)を介して前記カフ内のチャンバ(9)に空気接続された制御及びポンピングユニット(6)とを含み、前記制御及びポンピングユニット(6)は、電気ポンプと、前記制御及びポンピングユニットに電気的に接続された電気機械バルブと、前記制御及びポンピングユニット(6)に電気的に接続された圧力センサと、デジタル情報を処理するメモリ及びシステムと、ボタン並びに光及び音インジケータの形態のユーザインタフェイスとを含み、カフ(4)のチャンバ(9)内の圧力が、前記電気ポンプを制御してカフ(4)のチャンバ(9)内の圧力を増加させ、前記バルブを制御してカフ(4)のチャンバ(9)内の圧力を減少させることを含んだコントローラによって、比例(P)、積分(I)及び微分(D)反応を含んだPIDコントロールアルゴリズムによって制御されることを特徴とする、
空気圧迫包帯における圧力制御方法。
【請求項10】
以下の段階の少なくとも1つを、好ましくは以下の段階の全てをカバーすることを特徴とする、請求項9に記載の方法。
A)患者の体内にインプラントされた医療機器が可能な限りインプラントされた医療機器全体及びインプラント部位を確実に覆うように、空気包帯(7)のカフ(4)を前記医療機器上の中央に配置すること;
B)ハーネス(8)を使用してカフ(4)を患者の体に固定すること;
C)患者がインプラントされた医療機器の部位にわずかな圧力を感じるまでハーネス(8)を締めること;
D)空気圧迫包帯(7)を起動すること;
E)空気圧迫包帯(7)の正しい動作をチェックするための自動手順を実行すること。
【請求項11】
工程Eが以下の活動を含むことを特徴とする、請求項10に記載の方法。
-カフ(4)のチャンバ(9)を最初の非ゼロの圧力設定まで数十秒で膨らませること;
-カフ(4)のチャンバ(9)から数秒で0mmHg付近の圧力まで流体を排出すること;
-ポンプ及びバルブを制御するPIDコントローラが、プリセットされた最大調整時間、好ましくは60秒よりも長い時間内にカフ(4)のチャンバ(9)を非ゼロ圧力設定まで満たす場合、又は、カフ(4)のチャンバ(9)内の圧力値がプリセットされた最大調整時間、好ましくは60秒よりも長い時間内に変動する場合に、装置の緊急状態を報告すること。
【請求項12】
前記装置の緊急状態が音又は光の表示によって示されることを特徴とする、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記メモリがカフ(4)のチャンバ(9)内の圧力値を60分以下の間隔で、好ましくは30分毎に、更に好ましくは15分毎に格納することを特徴とする、請求項9乃至12の何れか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に、心臓電気療法に使用される医療装置の移植を受けた患者において、あらゆる出血性合併症、主に移植部位(装置部位)の血腫を最小化又は除去するために使用されることを意図した空気圧迫包帯に関する。この包帯は、心臓刺激装置の移植部位における血腫を防止するために使用される。
【背景技術】
【0002】
従来技術では、当該部位に医療機器を埋め込んだ後、血腫を防止するために当該部位に圧迫を加えることを目的とした装置があり、米国特許出願第2008319473号(A1)において知られている。このような装置は、クッション及び関連するファスナを、例えば、クランプ、ヒンジ、ブレース、クリップ、スプリング、空気圧式又は膨張式の溶液、テープ等の形態で、含み得る。しかしながら、上記の装置は、一定の圧力を維持するために圧力値をプリセットするための自動制御及びポンプシステムを有していない。
【0003】
米国特許第5031604号には、加圧された流体が充填された多室スリーブの形態の装置を介して患者の四肢に圧縮を加えるための装置が開示されている。流体圧は、チャンバ内及びその外側に位置する圧力計からデータを受け取る制御システムを介して制御されるコンプレッサによって必要な値まで増加される。この装置は、チャンバを予め設定された圧力まで満たし、予め設定された順序でそれを増減することができる。使用されるコンプレッサ制御アルゴリズムは、チャンバ内の圧力と大気圧との比較に基づくP型アルゴリズムである。開示された制御システムは、チャンバ内の圧力が周囲圧力に基づいて予め設定された圧力よりも低いときにコンプレッサをオンにするか、又は、反対の状況でそれをオフにする。
【0004】
国際公開第2018213615A3号には、米国特許第5031604号に開示されたものと同様の装置が開示されており、この装置はまた、ショット又は落下を検出するセンサ、例えば加速度計センサを有する。制御システムは、落下又はショットに起因する可能性のある出血を検出すると、装置チャンバ内の圧力を設定値まで増加させる手段を作動させる。
【0005】
米国特許第5779657号には、米国特許第5031604号に開示されているものと同様の装置が開示されており、この装置はまた、出血の開始を検出し、次いで装置を自動的に作動させ、医療従事者に通知することができる。
【0006】
先行技術においては、欧州特許第2708215号があり、特に心臓電気療法における医療装置移植後の出血性合併症を防止するための使用に関して、圧迫包帯は、圧縮クッション内の圧力を制御する集積回路を備えた制御及びポンピングシステムに接続された圧力センサを含むファスナ及び空気圧縮クッションと共に公知である。しかしながら、上記の装置は、PID制御器を使用して一定の圧力を維持するために圧力値をプリセットするための自動制御及びポンプシステムを有していない。
【発明の概要】
【0007】
本発明の目的は、あらゆる出血性合併症、主に移植部位(デバイス部位)における血腫を最小化又は排除するために、有意に改善された空気圧迫包帯を開発することである。
【0008】
本発明によると、加圧された流体が充填されるチャンバを有するカフを含む、心臓電気療法における医療装置移植後の出血性合併症を特に防止するための空気圧迫包帯である。それは、傷領域において前記カフを固定するためのハーネスと、接続ホースを介して前記カフ内のチャンバに空気接続された制御及びポンピングユニットとを含んでいる。制御及びポンピングユニットは、電気ポンプと、前記制御及びポンピングユニットに電気的に接続された電気機械バルブと、前記制御及びポンピングユニットに電気的に接続された圧力センサとを含んでいる。上記ユニットは、デジタル情報を処理することができるメモリ及びシステムと、ボタン並びに光及び音インジケータの形態のユーザインタフェイスとを有している。本発明に係る空気圧迫包帯は、カフのチャンバ内の圧力のコントローラがPID式であること、即ち、比例式、積分式及び微分式パートを含み、電気ポンプを制御してカフのチャンバ内の圧力を増加させ、バルブを制御してカフのチャンバ内の圧力を減少させることを目的としそのように構成されていることを特徴とする。
【0009】
好ましくは、ハーネスは、胸及び肩ストラップを含んでいる。
【0010】
好ましくは、ハーネスは、腕ストラップも含んでいる。
【0011】
好ましくは、上記の制御及びポンピングユニットは、事前定義された設定の中から選択されたカフチャンバ内のプリセットされた一定圧力レベルを維持するようにプログラムされる。
【0012】
好ましくは、制御及びポンピングユニットは、ディスプレイ、好ましくはLCDディスプレイを有している。
【0013】
好ましくは、ディスプレイは、カフチャンバ内の現在の圧力値又は実際の時間を表示することができる。
【0014】
好ましくは、制御及びポンピングユニットは、電池式である。
【0015】
好ましくは、制御及びポンピングユニットは、他の電子デバイスと通信するための追加の無線通信インタフェイス、好ましくはNFC(近距離無線通信)インタフェイスを有している。
【0016】
本発明によると、空気圧迫包帯における圧力制御の方法であって、加圧流体が充填されるチャンバを有するカフと、傷領域において前記カフを固定するためのハーネスと、接続ホースを介して前記カフ内のチャンバに空気接続された制御及びポンピングユニットとを含んだ方法である。この制御及びポンピングユニットは、電気ポンプと、前記制御及びポンピングユニットに電気的に接続された電気機械バルブと、前記制御及びポンピングユニットに電気的に接続された圧力センサと、デジタル情報を処理することができるメモリ及びシステムと、ボタン並びに光及び音アラーム装置の形態のユーザインタフェイスとを含んでいる。本発明に係る方法は、カフチャンバ内の圧力が、前記電気ポンプを制御してカフチャンバ内の圧力を増加させ、前記バルブを制御してカフチャンバ内の圧力を減少させることを含んだコントローラによって、比例、積分及び微分反応を含んだPID型のコントロールアルゴリズムによって制御されることを特徴とする。
【0017】
好ましくは、空気圧迫包帯の圧力制御方法は、以下の段階の少なくとも1つ、より好ましくは、以下に記載される全ての段階もカバーする。
【0018】
A)患者の体内にインプラントされた医療機器が可能な限りインプラントされた医療機器全体及びインプラント部位を確実に覆うように、空気圧迫包帯カフを前記医療機器上の中央に配置すること;
【0019】
B)ハーネスを使用してカフを患者の体に固定すること;
【0020】
C)患者がインプラントされた医療包帯の部位にわずかな圧力を感じるまでハーネスを締めること;
【0021】
D)空気圧迫包帯(7)を起動すること;
【0022】
E)空気圧迫包帯(7)の正しい動作をチェックするための自動手順を実行すること。
【0023】
できれば、段階Eは次の活動をカバーする。
【0024】
-カフのチャンバを最初の非ゼロの圧力設定まで数十秒で膨らませること;
【0025】
-カフのチャンバから数秒で0mmHg付近の圧力まで減圧すること;
【0026】
-ポンプ及びバルブを制御するPIDコントローラが、プリセットされた最大調整時間、好ましくは60秒よりも長い時間内にカフチャンバを非ゼロ圧力設定まで満たす場合、又は、カフチャンバ内の圧力値がプリセットされた最大調整時間、好ましくは60秒よりも長い時間内に変動する場合に、装置の緊急状態を報告すること。
【0027】
好ましくは、装置の緊急状態は、音又は光信号によって報告される。
【0028】
好ましくは、制御及びポンピングユニットのメモリは、カフチャンバ内の圧力値を60分以下の間隔で、より好ましくは30分毎に、最も好ましくは15分毎に格納する。
【0029】
空気圧迫包帯のソリューションにおいてPIDコントローラを使用すると、装置の機能と操作性に以下を含む固有の利点がある:
【0030】
-ポンプ及びバルブの作動がよりまれ且つ短時間であること->バッテリ使用量がより少なく、休息時間中(例えば睡眠時)の患者の快適性がより高いこと、
【0031】
-プリセットされた圧力値をより効果的且つ正確に達成及び維持し、その結果として圧迫力を維持すること。
【0032】
使用されるPIDコントローラは、4つの既知のコントローラタイプ(P、PI、PD、PID)の何れかである。PIDコントローラは、3つのモジュール(比例の場合はP、積分の場合はI、微分の場合はD)を同時に使用しているため、コントローラセット内の調整時間(選択した圧力設定を変更したり、干渉が発生してから設定レベル値を維持したりするまでの時間)が最も短く、制御偏差(設定レベル値と測定レベル値の差)が最も小さいことが特徴である。空気圧迫包帯には、本発明に従って使用される分割作動システムが存在する。コントローラは、ポンプをオンにすることによって圧力を増加させ、圧力が予め設定された圧力値以上になると、ポンプをオフし、それより高い圧力値になると、電気バルブが開かれる。このような制御システムは、急速に変化する電気信号及び装置の不正確な動作(カフチャンバ内の不安定な圧力)をもたらす危険な振動に対して脆弱であり得る。人体などの予測不可能な特性を持つシステムに対するPIDコントローラの制御パラメータの選択は困難な作業である。動作中、空気圧迫包帯は、それを着用している個人の通常の動きから生じるカフチャンバ内の圧力値の外乱にさらされる。医師が予め設定したカフチャンバ内の圧力値を達成するための正確な操作と最短時間を確実にするために、PIDコントローラが実験的に選択された制御パラメータと共に使用される。これにより、チャンバ内の所要圧力値を最短で達成することができる。患者が体の位置を移動し、その結果、チャンバ内の圧力を変化させると、制御及びポンピングユニットは、可能な限りの最短時間で、PIDコントローラを使用して、装置チャンバ内の圧力を設定圧力値にする。したがって、傷の圧迫が推奨と異なっている時間が最短になる。
【発明を実施するための形態】
【0033】
ここで、本発明は、以下の添付図面を参照して、好ましい実施形態において、より詳細に提示される。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【0035】
【
図2】
図2は、第1の好ましい実施形態における空気圧迫包帯の正面図を示している。
【0036】
【
図3】
図3は、第1の好ましい実施形態における空気圧迫包帯の背面図を示している。
【0037】
【
図4】
図4は、第2の好ましい実施形態における空気圧迫包帯の正面図を示している。
【0038】
【
図5】
図5は、第2の好ましい実施形態における空気圧迫包帯の背面図を示している。
【0039】
空気圧迫包帯は、インプラント部位の出血性合併症のリスクを軽減するため、心臓電気療法に使用される医療機器のインプラント後の患者を対象とした医療機器である。この空気圧迫包帯は、周術期に二重抗血小板療法又は経口抗凝固療法(VKA、NOAC)を用いる患者に特に推奨される。
【0040】
空気圧迫包帯は、ハーネス、接続ホース付きの圧迫カフ、ポリマーハウジング(ABS)内のポンピングユニット、及び別に供給される2つのAA1.5Vバッテリ(パッケージに含まれる)を含んでいる。
【0041】
ハーネス8は、圧迫カフ4を医療機器のインプラント部位に正確に調整することができる特殊な構造の締結ストラップ1、2、3を備えている。ハーネス8は、快適で衛生的な使用を確保すると共に、皮膚を擦り傷や擦り傷から保護する材料によって形成されている。ハーネス全体は使い捨て(disposable)である。
【0042】
接続ホース5を有する圧迫カフ4は、空気圧迫包帯7の適切な構成要素であり、該当部位、即ち心臓電気治療のための医療装置が埋め込まれた場所の圧迫に関与する。カフは、カフ4のチャンバ9と、カフをハーネス8に繋げることを可能にするトリミングとを含んでいる。接続ホース5を備えた圧迫カフ4は、使い捨てである。
【0043】
ポンピングユニット6は、ABSポリマーハウジングとバッテリとを備えている。ポンピングユニットは、装置の動作を制御及び管理できるメンブレンキーパッドを有している。交換用のアルカリ乾電池AA1.5Vは別途提供(同梱)される。操作が完了したら、バッテリを取り外す(及び該当する規則に従って廃棄する)必要がある。ABSハウジングは、機械的な損傷、衝撃、及び傷からポンピングユニットを更に保護する。ポンピングユニットは使い捨てである。
【0044】
空気圧迫包帯7は、患者の日常活動の制限を可能な限り少なくし、医療機器を埋め込んだ部位における出血性合併症を防止するように設計されている。
【0045】
圧迫包帯7は、ポンプ及びバルブの作動によって、ユーザによって選択された圧迫カフ内における一定の圧迫力を確実にする。ソフトウェアに実装された制御アルゴリズムのおかげで、制御は自動的に行われる。
【0046】
定義
【0047】
電源システム:これは、個々の電子システム部材に電圧を供給する電子システムの一部である。
【0048】
マイクロコントローラ:これは、デバイスで使用されるプログラム可能なシステムで、デバイスプログラムを含み、その動作を制御する。
【0049】
カフ4のチャンバ9、即ち、カフ4のクッション9:加圧制御システムが接続される、膨張可能なゴムチャンバの形態のカフ4の一部分である。
【0050】
圧力制御システム:ポンプ、バルブ、圧力センサ、及びこれらをカフクッションに接続するチューブで構成される部材のセットである。
【0051】
ポンプ:圧力制御システムの構成部品で、ハーネスのチャンバに空気を送り込む。
【0052】
バルブ:圧力制御システムの構成部品で、システムから過剰な空気を放出し、カフクッション内の圧力を下げることを可能にする。
【0053】
圧力センサ:圧力制御システムの構成部品で、カフクッション内の現在の圧力を測定することを可能にする。
【0054】
ポンピングユニット6とも呼ばれる制御及びポンピングユニット6:ポリマーハウジング内のデバイスの一部であり、マイクロコントローラ及び圧力制御システムを含んでいる。
【0055】
圧力:圧力制御システムの現在の圧力である。
【0056】
圧力インジケータ:圧力制御システムの圧力の現在値を保存するソフトウェアのフィールドである。
【0057】
LEDライト表示:特定の周波数でのLED動作であって、LED電圧が半分の時間の間は低く、残りの半分の間は高くなり、光信号の数はLED動作期間の数として規定される。
【0058】
圧力設定:これは、ユーザが予測する圧迫力に対応する、カフクッション内の事前定義された圧力レベル値の1つである。
【0059】
圧力センサのキャリブレーション:圧力センサによって返された値に基づいて、圧力制御システム内の圧力インジケータの正しい値を計算することで構成されるキャリブレーションプロセス。
【0060】
圧迫力に対するキャリブレーションの設定:カフクッション内の圧力を患者の身体に対するカフの圧迫力の適切なレベルに適応させることからなる較正プロセス。
【0061】
状態:デバイス操作シナリオでの位置を指定できるデバイス情報のセットである。
【0062】
デバイスの動作シナリオ:これは、デバイスの状態変化の予想されるシーケンスである。
【0063】
セルフチェック:装置によって自動的に行われるテストで、その正確な動作と記憶された日付の正確さをチェックする。
【0064】
最初の開始日時:ソフトウェア内のフィールドで、最初に開始したセルフチェックテストが正常に完了した後の日時が保存される。
【0065】
キャリブレーションの日付と時刻:これは、キャリブレーションプロセスが完了した後に保存された日時を格納するソフトウェア内のフィールドを意味する。
【0066】
現在の日付と時刻:これは、デバイスの現在の日付と時刻を格納するソフトウェアのフィールドを意味する。
【0067】
PID:これは、圧力計と圧力設定値に基づいてバルブ及びポンプを制御するソフトウェアの一部である。それはコントローラである。
【0068】
実際に使用されるコントローラには、次の4つの基本的なタイプがある。
【0069】
Pコントローラ(比例)。
【0070】
-P、PI、PD、PIDコントローラのうち最もシンプルなもの。
【0071】
-Pコントローラは通常、振動でわずかに動作し、プリセット値に近づいた場合でも、常に制御偏差(プリセット信号値と出力信号値の差)によって特徴付けられる。
【0072】
-Kp係数の値を大きくすると、制御システムの動作がより正確になるが、不安定な(振動的な)動作になりやすい。
【0073】
PIコントローラ(比例及び積分型)。
【0074】
-IモジュールをPモジュールに追加することで、Pコントローラよりも長い調整時間と引き換えに、ゆっくりと変化する干渉及び決定された誤差が排除される。
【0075】
-Kpゲインの増加と積分時間Tiの短縮は、安定限界(振動の傾き)に同時に近接したより速いコントローラ動作をもたらす。
【0076】
PDコントローラ(比例及び微分コントローラ)。
【0077】
-DモジュールをPモジュールに追加すると、コントローラの動作は速くなるが、測定ノイズに対する脆弱性が大きくなる。
【0078】
-PDコントローラは、コントローラのKpゲインの増加に伴って増大する非ゼロの誤差を与える。
【0079】
-微分モジュールの動作により、急激な誤差変化を防ぎ、制御系の動作を安定させる。
【0080】
PIDコントローラ:
【0081】
これは、上記の全てのコンポーネントのハイブリッドである。
【0082】
予備的な動作条件
【0083】
この装置は、主バッテリ供給システムから供給されるべきであり、装置内の現在の日時を維持するために、集積装置クロックに電源を供給することを可能にするバッテリ電源の追加ソースを有するべきである。
【0084】
圧力を制御するためにポンプ及びバルブシステムを制御する装置にプログラムされたPIDコントローラは、カフクッションによって加えられる圧迫力を制御する役割を果たすべきである。
【0085】
圧力設定は事前定義されている。
【0086】
圧迫力は、圧力を制御することにより手動で選択することができる。
【0087】
使い方
【0088】
OKボタンを長時間(例えば3秒)押し続けると、デバイスの電源がオンになる。デバイスは、両方のキャリブレーションプロセスが完了した後にのみ、正常に(正常な動作を保証するために)起動できる必要がある。電源を入れると、デバイスは、セルフチェックが自動的に実行される状態になる。
【0089】
セルフチェックテスト
【0090】
これは、デバイスの正しい動作の自動テストを受けることで構成される。このテストは、デバイスの起動直後に実行する必要がある。開始パラメータ値に応じて、セルフチェックの適切なオプションが選択される。
【0091】
最初の起動時に、デバイスはセルフチェック手順を実行し、次のパラメータが順番にチェックされる。
【0092】
-バッテリの状態
【0093】
-圧力センサの較正ステータス
【0094】
-圧縮力状態の較正設定
【0095】
-現在の較正ステータス
【0096】
-ポンプの正しい動作:カフクッションを数秒で最初の非ゼロの圧力設定まで膨張させる
【0097】
-バルブの正しい動作:(以前のポンプテストの後で)カフクッションから数秒でほぼ0mmHgの圧力まで流体を排出する
【0098】
-PIDコントローラの正しい動作:制御時間の超過-コントローラが装置をゼロ以外の最初の設定に到達させ、予め設定された最大制御時間、好ましくは60秒の間に圧力を安定させることができない場合、装置は緊急状態を報告する。
【0099】
デバイスの通常の操作
【0100】
セルフチェックテストに続いて、デバイスは操作の開始を待つ。OKボタンを押すと、装置は圧力設定として設定シーケンスの最初の値を選択し、ユーザが定義済みの設定の何れかを選択できるようにする。装置は、圧力制御誤差がポンプ及びバルブ制御誤差の範囲内にあるかどうかをチェックする。そうでない場合には、装置は、カフクッション内の圧力振動を回避して、必要な圧力設定に達するように、PIDコントローラの動作を開始する。圧力はポンプ及びバルブの動作によって制御される。要約すると、通常の動作中に、装置はカフクッション内の圧力をチェックし、圧力が高すぎるか低すぎるときに制御を開始する。PIDコントローラ自体は、特定の制御方式に基づいて動作する。
【0101】
この制御方式は、その高い慣性のために、バルブの使用を制限する方法で、プリセット値を制御し、それに達するために採用された方法である。
【0102】
この装置には、許容可能な制御誤差が実装されているべきあり、これは、それを下回る場合にコントローラが動作を実行するべきではない制御誤差値であり、ポンプには異なる誤差値(例:300Pa)が定義され、バルブには異なる誤差値(例:500Pa)が定義されている。
【0103】
【0104】
-コントローラ:マイクロコントローラに実装されているPIDコントローラ
【0105】
-実行エレメント:ポンプ及びバルブ
【0106】
-コントロール対象アイテム:カフ4のチャンバ9
【0107】
-測定コンポーネント:圧力センサ
【0108】
-w(t):コントローラ設定(例:3,000Pa)
【0109】
-e(t):制御誤差(設定と測定圧力との差)
【0110】
-u(t):コントローラの出力信号
【0111】
-y(t):カフクッション内の圧力
【0112】
-v(t):圧力センサによって測定された圧力
【0113】
-u*(t):実行エレメントの出力信号
【0114】
-z(t):外部要因:コントロール対象のアイテムに影響を与える力(例:手で押す)
【0115】
PID制御方式
【0116】
エネルギー量による制御。制御は、バルブ及びポンプに供給される電源からの電力の量を選択することを含んでいる。サンプリング周波数は一定である。
【0117】
圧力サンプルv(t)と設定w(t)との間の圧力誤差e(t)は、PIDコントローラによって分析される。誤差の値が許容制御誤差範囲にある場合は、制御を停止する。誤差が正か負かに応じて、ポンプ又はバルブを制御するかどうかを決定する。コントローラは、u(t)値をバルブ又はポンプの起動時間の形式で返す。したがって、定常性に到達する速度は、PIDコントローラのKp、Ki、及びKdパラメータに基づいて達成される。このような制御により、y(t)値がw(t)から大きく外れると、圧力の形でカフに送られるエネルギーの量が得られる。
【0118】
デバイスの使用手順
【0119】
空気圧迫包帯7のハーネス8を備えたカフ4は、医療装置(例えば、スティミュレータ又はカルジオバータ)の移植手順が完了し、創傷が標準的な無菌の包帯で保護された後、直ちに、このような活動を行うことを許可された医師又は他の人によって、手術室においてまず適用される。空気圧迫包帯を適用する手順:
1)術後の創傷が滅菌包帯で正しく保護されていることを確認する
2)空気圧迫包帯7の圧迫カフ4をインプラント型医療機器の中央に配置し、インプラント型医療機器機器全体及びインプラント部位をできる限り覆うようにする。
3)上記の位置において、ハーネス8のストラップ1、2、3を調整して圧縮カフ4を固定するべきである。まず、胸ストラップ1の長さを調節し、次に肩ストラップ2の長さを調節して、インプラント部位上のカフの安定した固定位置を確保する。最後に、アームの外転を防ぐために腕ストラップ3を固定する。
4)ハーネス8は、しっかりと取り付けられるべきであり、即ち、患者は、圧迫カフ4のチャンバ9が自動的に充填される前であっても、刺激装置/心臓除細動器部位の領域にわずかな圧力を感じるべきである。
【0120】
空気圧迫包帯のポンプユニットを起動するには、電源が入っていないデバイスのOKボタンを3秒間押し続ける。デバイスを初めて起動した場合は、拡張自動セルフチェックテストが実行される。それ以外の場合には、デバイスは、高速自動セルフチェックテストのみを実行する(約1秒続く)。テストが完了すると、デバイスは緑色のLED照明のシーケンスを繰り返すことにより、操作の準備ができたことを報告する。2秒点灯し、2秒消灯される。次に、OKを押して、デバイスの動作を開始する。
【0121】
パラメータを設定してキーパッドをロックした後でデバイスを再起動すると、セルフチェックテストの直後に、事前設定されたパラメータでデバイスが動作を開始し、デバイスのキーパッドが自動的にロックされる。
【0122】
デバイスには、圧迫力の6つの事前定義された設定がある。圧迫力は、デバイスがロック解除されたキーパッドで動作しているときにUP/DOWNボタンを押すことで増減することができる。デバイスは、現在選択されている設定を緑色のLEDの点滅数(0~5)で示す。選択を確定するには、「OK」を押す。デバイスは、カフ内の圧力を選択した圧迫力に自動的に制御する。
【0123】
マニュアルモードに切り替えるには、デバイスがロックされていないキーパッドで動作しているときに、適切なボタンの組み合わせを押す。例えば、UPボタンとDOWNボタンを同時に3秒間押し続ける。ビープ音が3回鳴ることによってそれが示される。圧迫力は、ボタンを押し続けることによって制御される。「UP」は圧迫カフに空気を追加することで圧迫力を増加させ、「DOWN」は排出バルブを開くことで圧迫力を減少させる。上記の制御によって設定された圧迫力の値は、OKボタンを押すことによって受け入れられ、その結果、ポンピングユニットが上記のプログラミングによって設定された一定の圧迫力を維持する自動モードがオンになる。UP又はDOWNボタンを押すと、自動モードでは最後に定義された値に戻り、隣接する設定(押されたボタンによって上下)に移動する。
【0124】
空気圧迫包帯はキーパッドをロックする機能を備えていてもよい。ロックされたキーパッドを有する装置は、カフ内の適切な圧力を維持するが、他のキーの組み合わせ(ロック解除の組み合わせを除く)にはもはや応答しない。これにより、権限のない人による設定の変更が防止される。キーパッドは、通常のデバイス動作中に、例えばUPボタンを押し続けると同時にDOWNボタンを3回押すなど、ボタンの適切な組み合わせを押すことによってロックすることができる(キーパッドは同じ方法でロック解除される)。
【0125】
ポンピングユニットは、OKボタンをより長い時間、例えば3秒間押し続けることによって、オフに切り換えられる。デバイスのキーパッドがロックされている場合、デバイスは、制御ユニットからカフ接続ホースを取り外し、デバイスが非常音信号を発し、赤色LEDが点灯するまで約1分間待ってから、OKボタンを押し、3秒間押し続けることによって、オフに切り替えることができる。デバイスの電源がオフになる。
【0126】
患者の空気圧迫包帯を起動し、パラメータを設定する。
【0127】
この手順では、操作直後の装置の圧縮力の開始と選択について説明する。
1)カフ接続ホースをポンプユニットに接続する。
2)デバイスの電源を入れる。
3)デバイスが自動的にセルフチェックテストを完了するまで約1分間待つ(セルフチェックが正常に完了したことは、2秒点灯と2秒ブレークのシーケンスで緑色のLEDが点灯することで通知される)。
4)デバイスの電源を切る。
5)コンプレッションカフを装着する。
6)デバイスの電源を再度入れる。
7)OKボタンを押す。
8)自動モード又は手動モードで適切な圧迫力を選択する。
9)デバイスがカフ内の圧力を安定させるまでしばらく待ち、部位の圧迫が適切であることを確認する。
10)キーパッドをロックする。
11)上記の活動が完了した後、装置はさらなる自動化操作の準備ができており、患者に引き渡すことができる。
【0128】
滅菌繃帯(dressing)の交換手順
【0129】
空気圧迫包帯7を使用する場合は、標準の滅菌繃帯を交換する必要がある。それを行う前に、ポンプユニットのスイッチを切る。次に、圧迫カフ4を取り外し、滅菌繃帯を交換する。新しい滅菌繃帯を着用した後、カフ4を再び(上記のように)装着し、カフ接続ホース5をポンプユニット6に接続し、装置を起動する。起動された空気圧迫包帯7は、スイッチが切られる前に設定に到達しようとし、それを維持する。
【0130】
推奨される電源方式
【0131】
空気圧迫包帯では、バッテリ/充電式バッテリの電源のみが許容されている。好ましくは、電力は、2本のAA1.5Vアルカリ電池からデバイスに供給される。デバイスの電池が消耗している場合は、新しい電池と交換する必要がある。バッテリ残量が少ない場合は、関連する緊急信号で示される。電池を交換するには、デバイスの電源を切り、デバイス下部のカバーを取り外し、空の電池を取り外して新しい電池と交換する。次に、カバーを閉じ、カフをポンプユニットに再度接続して、デバイスを起動する。電池残量が少なすぎると、デバイスは通常の動作を開始しない。操作が完了したら、デバイスからバッテリを取り外す。
【0132】
外部機器との通信
【0133】
制御及びポンピングユニット6は、好ましくはNFC(近距離無線通信)規格の電波を使用する統合無線通信インタフェイスを有している。NFCコミュニケータと制御アプリケーション(スマートフォンなど)を備えたデバイスを使用して、ユーザは制御及びポンプユニット6と通信して、ユニット6設定の現在の構成を送信、読み取り、又は変更することができる。好ましくは、この通信は、投与された患者及び治療に関する情報を送信又は読み取ることも可能にする。NFC規格を使用した通信は、機器に触れたり、筐体を開けたり、ケーブルを接続したりすることなく、制御ポンプユニットに保存されているデータを読み取ることができる非接触且つ衛生的な通信方法である。
【0134】
考えられる緊急事態及び救済策
【0135】
デバイスの動作中に、赤いLED照明と緊急ビープ音で示される緊急事態が発生する可能性がある。このような場合、装置は自動的にポンプをオフにし、バルブを開き、緊急状態表示モードに切り替わる。そのモードでは、デバイスの動作は緊急信号の定期的な繰り返しに制限される。緊急状態モードは、デバイスの電源を切ることで終了できる。考えられる緊急状態:
【0136】
【手続補正書】
【提出日】2021-11-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
心臓電気治療における医療機器移植後の出血性合併症を特に抑止することを目的とした空気圧迫包帯(7)であって、加圧流体が充填されるチャンバ(9)を有するカフ(4)と、傷領域において前記カフ(4)を固定するために使用されるハーネス(8)と、接続ホース(5)によって前記カフ内のチャンバ(9)に空気接続された制御及びポンピングユニット(6)とを含み、前記制御及びポンピングユニット(6)は、電気ポンプと、前記制御及びポンピングユニットに電気的に接続された電気機械バルブと、前記制御及びポンピングユニット(6)に電気的に接続された圧力センサと、デジタル情報を処理するメモリ及びシステムと、ボタン並びに光及び音インジケータの形態のユーザインタフェイスとを含み、カフ(4)のチャンバ(9)内の圧力コントローラがPIDコントローラであり、即ち、比例(P)、積分(I)及び微分(D)モジュールを含み、前記電気ポンプを制御してカフ(4)のチャンバ(9)内の圧力を増加させ、前記バルブを制御してカフ(4)のチャンバ(9)内の圧力を減少させ
、前記コントローラは、事前定義された制御誤差値を下回るときには動作を実行しないように構成されており、前記ポンプについて定義された制御誤差値と前記バルブについて定義された制御誤差値とは異なっていることを特徴とする、
空気圧迫包帯。
【請求項2】
前記ハーネス(8)は、胸ストラップ(1)と肩ストラップ(2)とを有していることを特徴とする、請求項1に記載の包帯。
【請求項3】
前記ハーネスは、腕ストラップを更に含んでいることを特徴とする、請求項2に記載の包帯。
【請求項4】
前記制御及びポンピングユニット(6)は、事前定義された設定の中から選択されたカフ(4)のチャンバ(9)内のプリセットされた一定圧力レベルを維持するようにプログラムされることを特徴とする、請求項1乃至3の何れか1項に記載の包帯。
【請求項5】
前記制御及びポンピングユニット(6)は、ディスプレイ、好ましくはLCDディスプレイを有していることを特徴とする、請求項1乃至4の何れか1項に記載の包帯。
【請求項6】
前記ディスプレイは、カフ(4)のチャンバ(9)中の現在の圧力値又は実際の時間を表示することができることを特徴とする、請求項5に記載の包帯。
【請求項7】
前記制御及びポンピングユニット(6)が電池式であることを特徴とする、請求項1乃至6の何れか1項に記載の包帯。
【請求項8】
他の電子機器と通信するための無線通信インタフェイス、好ましくはNFC(近距離無線通信)インタフェイスを備えていることを特徴とする、請求項1乃至7の何れか1項に記載の包帯。
【請求項9】
空気圧迫包帯(7)における圧力制御方法であって、加圧流体が充填されるチャンバ(9)を有するカフ(4)と、傷領域において前記カフ(4)を固定するために使用されるハーネス(8)と、接続ホース(5)を介して前記カフ内のチャンバ(9)に空気接続された制御及びポンピングユニット(6)とを含み、前記制御及びポンピングユニット(6)は、電気ポンプと、前記制御及びポンピングユニットに電気的に接続された電気機械バルブと、前記制御及びポンピングユニット(6)に電気的に接続された圧力センサと、デジタル情報を処理するメモリ及びシステムと、ボタン並びに光及び音インジケータの形態のユーザインタフェイスとを含み、カフ(4)のチャンバ(9)内の圧力が、前記電気ポンプを制御してカフ(4)のチャンバ(9)内の圧力を増加させ、前記バルブを制御してカフ(4)のチャンバ(9)内の圧力を減少させることを含んだコントローラによって、比例(P)、積分(I)及び微分(D)反応を含んだPIDコントロールアルゴリズムによって制御され
、前記コントローラは、事前定義された制御誤差値を下回るときには動作を実行しないように構成されており、前記ポンプについて定義された制御誤差値と前記バルブについて定義された制御誤差値とは異なっていることを特徴とする、
空気圧迫包帯における圧力制御方法。
【請求項10】
以下の段階の少なくとも1つを、好ましくは以下の段階の全てをカバーすることを特徴とする、請求項9に記載の方法。
A)患者の体内にインプラントされた医療機器が可能な限りインプラントされた医療機器全体及びインプラント部位を確実に覆うように、空気包帯(7)のカフ(4)を前記医療機器上の中央に配置すること;
B)ハーネス(8)を使用してカフ(4)を患者の体に固定すること;
C)患者がインプラントされた医療機器の部位にわずかな圧力を感じるまでハーネス(8)を締めること;
D)空気圧迫包帯(7)を起動すること;
E)空気圧迫包帯(7)の正しい動作をチェックするための自動手順を実行すること。
【請求項11】
工程Eが以下の活動を含むことを特徴とする、請求項10に記載の方法。
-カフ(4)のチャンバ(9)を最初の非ゼロの圧力設定まで数十秒で膨らませること;
-カフ(4)のチャンバ(9)から数秒で0mmHg付近の圧力まで流体を排出すること;
-ポンプ及びバルブを制御するPIDコントローラが、プリセットされた最大調整時間、好ましくは60秒よりも長い時間内にカフ(4)のチャンバ(9)を非ゼロ圧力設定まで満たす場合、又は、カフ(4)のチャンバ(9)内の圧力値がプリセットされた最大調整時間、好ましくは60秒よりも長い時間内に変動する場合に、装置の緊急状態を報告すること。
【請求項12】
前記装置の緊急状態が音又は光の表示によって示されることを特徴とする、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記メモリがカフ(4)のチャンバ(9)内の圧力値を60分以下の間隔で、好ましくは30分毎に、更に好ましくは15分毎に格納することを特徴とする、請求項9乃至12の何れか1項に記載の方法。
【国際調査報告】