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特表2022-550634マルチパス・ビーム・ナリングのためのシステム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-02
(54)【発明の名称】マルチパス・ビーム・ナリングのためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   G01S 7/292 20060101AFI20221125BHJP
【FI】
G01S7/292
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022535075
(86)(22)【出願日】2020-10-09
(85)【翻訳文提出日】2022-06-09
(86)【国際出願番号】 US2020054923
(87)【国際公開番号】W WO2021158266
(87)【国際公開日】2021-08-12
(31)【優先権主張番号】16/708,478
(32)【優先日】2019-12-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503455363
【氏名又は名称】レイセオン カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ポープリス,バーバラ
(72)【発明者】
【氏名】ヴォンゴエラー,フリーデル エス.
【テーマコード(参考)】
5J070
【Fターム(参考)】
5J070AC02
5J070AC12
5J070AC13
5J070AD05
5J070AD09
5J070AE04
5J070AF01
5J070AH31
5J070AK07
(57)【要約】
マルチパス干渉信号を削減するためのレーダー・システム及び方法が提供される。予測されるマルチパス干渉信号の方向でヌルを形成する電磁波をレーダー・システムが放出することによって、マルチパス干渉信号を削減することができ、その結果、マルチパス干渉信号は、レーダー・システムにより受信される信号から欠如(又は実質的に欠如)している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マルチパス干渉削減方法であって:
レーダー・システムが、前記レーダー・システムの1つ以上のアナログ・ビームの所望方向と、1つ以上のデジタル・ビームの所望方向と、マルチパス干渉信号の予測方向とに基づいて、デジタル・ビームフォーミング・ウェイトの第1セットを決定するステップ;
前記1つ以上のデジタル・ビームの各々におけるヌルを、前記マルチパス干渉信号の方向に形成するように、前記レーダー・システムが、前記デジタル・ビームフォーミング・ウェイトの第1セットに基づいて、デジタル・ビームフォーミング・ウェイトの第2セットを決定するステップ;及び
前記レーダー・システムが、前記デジタル・ビームフォーミング・ウェイトの第2セットを、前記レーダー・システムの受信期間中に適用し、その結果、前記レーダー・システムにより受信される信号は、前記マルチパス干渉信号を欠いている、ステップ;
を含む方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、前記デジタル・ビームフォーミング・ウェイトの第1セットを決定するステップは、前記レーダー・システムが、前記マルチパス干渉信号の仰角を決定するステップを更に含む、方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法において、前記デジタル・ビームフォーミング・ウェイトの第1セットを決定するステップは、前記マルチパス干渉信号の位置を決定するステップを更に含む、方法。
【請求項4】
請求項3に記載の方法において:
前記レーダー・システムが、ターゲットの位置を、複数の反射信号に基づいて決定するステップ;
前記レーダー・システムが、前記マルチパス干渉信号の位置と前記ターゲットの位置との間の距離を決定するステップ;及び
前記距離が最小距離未満である場合に、前記マルチパス干渉信号の位置を最小距離値に設定するステップ;
を更に含む方法。
【請求項5】
請求項3に記載の方法において、前記デジタル・ビームフォーミング・ウェイトの第2セットを決定するステップは:
前記レーダー・システムが、前記マルチパス干渉信号の方向における、前記レーダー・システムの各デジタル・ビームの第1電圧を決定するステップ;及び
前記レーダー・システムが、前記ヌルを形成する方向において、前記レーダー・システムのナリング・デジタル・ビームの第2電圧を決定するステップ;
を更に含む、方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法において、第1電圧、第2電圧、又は双方は複素数である、方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法において、前記レーダー・システムは、デジタル・ビームフォーミング・レーダーである、方法。
【請求項8】
請求項1に記載の方法において、前記レーダー・システムが、前記レーダー・システムにより受信した信号をディスプレイに出力するステップを更に含む方法。
【請求項9】
マルチパス干渉を削減するレーダー・システムであって:
1つ以上のアンテナ・アレイと、前記1つ以上のアンテナ・アレイに結合されたプロセッサとを含み、各々のアンテナ・アレイは、電磁信号を送受信することが可能な複数のアンテナを含み、前記プロセッサは、前記1つ以上のアンテナ・アレイを制御して:
前記レーダー・システムの1つ以上のアナログ・ビームの所望方向と、1つ以上のデジタル・ビームの所望方向と、マルチパス干渉信号の予測方向とに基づいて、デジタル・ビームフォーミング・ウェイトの第1セットを決定するステップ;
前記1つ以上のデジタル・ビームの各々におけるヌルを、前記マルチパス干渉信号の方向に形成するように、前記デジタル・ビームフォーミング・ウェイトの第1セットに基づいて、デジタル・ビームフォーミング・ウェイトの第2セットを決定するステップ;及び
前記デジタル・ビームフォーミング・ウェイトの第2セットを、前記レーダー・システムの受信期間中に適用し、その結果、前記レーダー・システムにより受信される信号は、前記マルチパス干渉信号を欠いている、ステップ;
を行うように構成されている、レーダー・システム。
【請求項10】
請求項9に記載のレーダー・システムにおいて、前記デジタル・ビームフォーミング・ウェイトの第1セットを決定するステップは、前記レーダー・システムが、前記マルチパス干渉信号の仰角を決定するステップを更に含む、レーダー・システム。
【請求項11】
請求項9に記載のレーダー・システムにおいて、前記デジタル・ビームフォーミング・ウェイトの第1セットを決定するステップは、前記マルチパス干渉信号の位置を決定するステップを更に含む、レーダー・システム。
【請求項12】
請求項11に記載のレーダー・システムにおいて、前記プロセッサは、レーダー・システムに:
ターゲットの位置を、複数の反射信号に基づいて決定するステップ;
前記マルチパス干渉信号の位置と前記ターゲットの位置との間の距離を決定するステップ;及び
前記距離が最小距離未満である場合に、前記マルチパス干渉信号の位置を最小距離値に設定するステップ;
を実行させるように更に構成されている、レーダー・システム。
【請求項13】
請求項11に記載のレーダー・システムにおいて、前記プロセッサは、レーダー・システムに:
前記マルチパス干渉信号の方向における、前記レーダー・システムの各デジタル・ビームの第1電圧を決定するステップ;及び
前記ヌルを形成する方向において、前記レーダー・システムのナリング・デジタル・ビームの第2電圧を決定するステップ;
を実行させるように更に構成されている、レーダー・システム。
【請求項14】
請求項9に記載のレーダー・システムにおいて、第1電圧、第2電圧、又は双方は複素数である、レーダー・システム。
【請求項15】
請求項9に記載のレーダー・システムにおいて、前記レーダー・システムは、デジタル・ビームフォーミング・レーダーである、レーダー・システム。
【請求項16】
請求項9に記載のレーダー・システムにおいて、前記レーダー・システムが、前記レーダー・システムにより受信した信号をディスプレイに出力する、レーダー・システム。
【請求項17】
命令を含むコンピュータ・プログラムであって、前記命令は、前記コンピュータ・プログラムが実行されると、コンピュータに:
レーダー・システムの1つ以上のアナログ・ビームの所望方向と、1つ以上のデジタル・ビームの所望方向と、マルチパス干渉信号の予測方向とに基づいて、デジタル・ビームフォーミング・ウェイトの第1セットを決定するステップ;
前記1つ以上のデジタル・ビームの各々におけるヌルを、前記マルチパス干渉信号の方向に形成するように、前記デジタル・ビームフォーミング・ウェイトの第1セットに基づいて、デジタル・ビームフォーミング・ウェイトの第2セットを決定するステップ;及び
前記デジタル・ビームフォーミング・ウェイトの第2セットを、前記レーダー・システムの受信期間中に適用し、その結果、前記レーダー・システムにより受信される信号は、前記マルチパス干渉信号を欠いている、ステップ;
を実行させるコンピュータ・プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0000] 関連出願の相互参照
本願は、2019年12月10日付で出願された米国特許出願第16/708,478号の優先権を主張しており、同出願は参照により本件に援用される。
【0002】
[0001] 発明の分野
本発明は、一般にレーダー・システム、特に、レーダー・システムにおけるマルチパス干渉を低減するものに関連する。
【背景技術】
【0003】
[0002] レーダー・システム(レーダーなど)は、物体(object)を検出するために使用することができる。例えば、レーダー・システムは、物体を検出するために航空機、船舶、及び/又は地上車両上で使用される可能性がある。様々なレーダーの用途(例えば、地上、航空、海上、軍事、商用など)の各々に関し、レーダー・システムはそれぞれ異なる要件や制約を有する可能性がある。典型的なレーダーの要件は、特定の視野、レンジ、及び/又は高度内の物体を、特定の精度及び/又は感度で検出する能力を含む可能性がある。
【0004】
[0003] レーダー・システムは、典型的には、エミッタ及びレシーバを含む。エミッタは、電磁波(例えば、ビーム)が、レーダー・システムから、時折、特定の方向に送信されることを可能にする。電磁波は物体に当たる可能性があり、その物体は、電磁波の少なくとも一部をレーダー・システムの方へ反射させ、レシーバにより受信させる可能性がある。
【0005】
[0004] レーダー・システムに伴う問題の1つはマルチパス干渉を含む。マルチパス干渉は、放出された電磁信号が、対象の物体(例えば、所望の検出ターゲット)の方へ及び/又はそこから伝搬しながら、物体に反射する場合に生じる可能性がある。例えば、地面、山、建築物及び/又は水域である。電磁信号は、干渉物体からレーダー・システムの方へ反射されて戻り、誤った到来角を伴う誤った物体検出(例えば、ゴースト検出)を引き起こす可能性があり、また、所望のターゲット信号の検出される到来角と干渉する可能性もある。また、マルチパス・リターンは、ターゲットの見かけ上の長さを増加させ、ターゲット(例えば、戦闘)の同定を誤らせる可能性がある。例えば、巡航ミサイルが航空機として誤って分類される可能性があり、その場合、物体の予想される致死性(lethality)を変える可能性がある。物体の不適切な致死性は、レーダー・システムから指示を受ける戦闘システムが、ターゲットを不適切に撃ち落としたり/撃ち落とさなかったりすることを引き起こす可能性がある。
【0006】
[0005] 見誤ったターゲットは、レーダー・リソースを所望のミッションから遠ざける可能性があり、及び/又はレーダー・システムによって持続される追尾(track)の数を増加させる可能性があり、それはレーダー処理時間の遅延を招く可能性がある。マルチパスはまた、追尾がドロップされる可能性に寄与し得る信号対雑音比を増減させる可能性もある。誤って追尾をドロップすると、典型的には、レーダーが物体を再度検出することを引き起こす可能性があり、その結果、追尾の変更数が人為的に高くなる可能性があり、これは例えば新しい追尾を再獲得/開始することに起因して、レーダー・リソースに更に影響を及ぼす可能性がある。
【0007】
[0006] 従って、レーダー・システムにおけるマルチパス干渉信号を低減することが望ましい。
【発明の概要】
【0008】
[0007] 本発明の利点は、マルチパス干渉の除去及び/又は実質的な除去を含む可能性がある。本発明の他の利点は、追尾精度、追尾継続性、戦闘識別、及び/又は改善されたレーダー・リソース配分に対する改善を含む可能性がある。
【0009】
[0008] 一態様おいて、本発明はマルチパス干渉を削減する方法を含む。本方法は、レーダー・システムが、レーダー・システムの1つ以上のアナログ・ビームの所望方向と、1つ以上のデジタル・ビームの所望方向と、マルチパス干渉信号の予測方向とに基づいて、デジタル・ビームフォーミング・ウェイトの第1セットを決定するステップを含むことが可能である。本方法は、1つ以上のデジタル・ビームの各々におけるヌルを、マルチパス干渉信号の方向に形成するように、レーダー・システムが、デジタル・ビームフォーミング・ウェイトの第1セットに基づいて、デジタル・ビームフォーミング・ウェイトの第2セットを決定するステップを含むことも可能である。本方法は、レーダー・システムが、デジタル・ビームフォーミング・ウェイトの第2セットを、レーダー・システムの受信期間中に適用し、その結果、レーダー・システムにより受信される信号は、マルチパス干渉信号を欠いている、ステップを含むことも可能である。
【0010】
[0009] 一部の実施形態において、デジタル・ビームフォーミング・ウェイトの第1セットを決定するステップは、レーダー・システムが、マルチパス干渉信号の仰角を決定するステップを更に含む。一部の実施形態において、デジタル・ビームフォーミング・ウェイトの第1セットを決定するステップは、マルチパス干渉信号の位置を決定するステップを更に含む。
【0011】
[0010] 一部の実施形態において、本方法は、レーダー・システムが、ターゲットの位置を、複数の反射信号に基づいて決定するステップ;レーダー・システムが、マルチパス干渉信号の位置とターゲットの位置との間の距離を決定するステップ;及び距離が最小距離未満である場合に、マルチパス干渉信号の位置を最小距離値に設定するステップを含む。
【0012】
[0011] 一部の実施形態において、デジタル・ビームフォーミング・ウェイトの第2セットを決定するステップは:レーダー・システムが、マルチパス干渉信号の方向における、レーダー・システムの各デジタル・ビームの第1電圧を決定するステップ;及びレーダー・システムが、ヌルを形成する方向において、レーダー・システムのナリング・デジタル・ビーム(nulling digital beam)の第2電圧を決定するステップを更に含む。
【0013】
[0012] 一部の実施形態において、第1電圧、第2電圧、又は双方は複素数である。一部の実施形態において、レーダー・システムは、デジタル・ビームフォーミング・レーダーである。一部の実施形態において、本方法は、レーダー・システムが、レーダー・システムにより受信した信号をディスプレイに出力するステップを更に含む。
【0014】
[0013] 別の態様において、本発明は、マルチパス干渉を削減するレーダー・システムを含む。レーダー・システムは、1つ以上のアンテナ・アレイを含み、各々のアンテナ・アレイは、電磁信号を送受信することが可能な複数のアンテナを含む。レーダー・システムは、1つ以上のアンテナ・アレイに結合されたプロセッサを含むことが可能である。プロセッサは、1つ以上のアンテナ・アレイを制御して:レーダー・システムの1つ以上のアナログ・ビームの所望方向と、1つ以上のデジタル・ビームの所望方向と、マルチパス干渉信号の予測方向とに基づいて、デジタル・ビームフォーミング・ウェイトの第1セットを決定するステップ; 1つ以上のデジタル・ビームの各々におけるヌルを、マルチパス干渉信号の方向に形成するように、デジタル・ビームフォーミング・ウェイトの第1セットに基づいて、デジタル・ビームフォーミング・ウェイトの第2セットを決定するステップ;及びデジタル・ビームフォーミング・ウェイトの第2セットを、レーダー・システムの受信期間中に適用し、その結果、レーダー・システムにより受信される信号は、マルチパス干渉信号を欠いている、ステップを行うように構成されることが可能である。
【0015】
[0014] レーダー・システムは、デジタル・ビームフォーミング・ウェイトの第1セットを決定するステップを含むことが可能であり、そのステップは、レーダー・システムが、マルチパス干渉信号の仰角を決定するステップを更に含む。レーダー・システムは、デジタル・ビームフォーミング・ウェイトの第1セットを決定するステップを含むことが可能であり、そのステップは、マルチパス干渉信号の位置を決定するステップを更に含む。プロセッサは、レーダー・システムに:ターゲットの位置を、複数の反射信号に基づいて決定するステップ;マルチパス干渉信号の位置とターゲットの位置との間の距離を決定するステップ;及び距離が最小距離未満である場合に、マルチパス干渉信号の位置を最小距離値に設定するステップを実行させるように更に構成されることが可能である。
【0016】
[0015] 一部の実施形態において、プロセッサは、レーダー・システムに:マルチパス干渉信号の方向における、レーダー・システムの各デジタル・ビームの第1電圧を決定するステップ;及びヌルを形成する方向において、レーダー・システムのナリング・デジタル・ビームの第2電圧を決定するステップを実行させるように更に構成されることが可能である。
【0017】
[0016] 一部の実施形態において、第1電圧、第2電圧、又は双方は複素数である。一部の実施形態において、レーダー・システムは、デジタル・ビームフォーミング・レーダーである。一部の実施形態において、において、レーダー・システムは、レーダー・システムにより受信した信号をディスプレイに出力することを更に行う。
【0018】
[0017] 別の態様において、本発明は、命令を含むコンピュータ・プログラム製品を含み、命令は、前記プログラムが実行されると、コンピュータに:レーダー・システムの1つ以上のアナログ・ビームの所望方向と、1つ以上のデジタル・ビームの所望方向と、マルチパス干渉信号の予測方向とに基づいて、デジタル・ビームフォーミング・ウェイトの第1セットを決定するステップ;1つ以上のデジタル・ビームの各々におけるヌルを、マルチパス干渉信号の方向に形成するように、デジタル・ビームフォーミング・ウェイトの第1セットに基づいて、デジタル・ビームフォーミング・ウェイトの第2セットを決定するステップ;及びデジタル・ビームフォーミング・ウェイトの第2セットを、レーダー・システムの受信期間中に適用し、その結果、レーダー・システムにより受信される信号は、マルチパス干渉信号を欠いている、ステップを実行させる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
[0018] 本開示の実施形態の非限定的な例が、以下、この段落に続いて列挙される本件の添付図面を参照しながら説明される。図面に示されている特徴の寸法は、表現の便宜性及び明瞭性のために選択されており、必ずしも縮尺通りに示されているわけではない。
【0020】
[0019] 発明として把握される主題事項は、明細書の最終部分において具体的に指摘され且つ明確にクレームされている。しかしながら、本発明は、その目的、特徴及び利点と共に、構成及び動作方法の両方に関して、添付の図面と共に読む場合に、以下の詳細な説明を参照することによって理解することができる。本発明の実施形態は、添付の図面の図に限定されるものではなく、例示として示されており、ここで、同様な参照番号は、対応する、類似する、又は同様な要素を示す。
図1】[0020] 図1は、本発明の幾つかの実施形態によるレーダー・システム及び物体の一例である。
図2】[0021] 図2は、本発明の幾つかの実施形態によるマルチパス干渉を低減する方法のためのフローチャートである。
図3】[0022] 図3は、マルチパス干渉を低減しない従来技術によるレーダー・システムの出力を示すグラフである。
図4】[0023] 図4は、マルチパス干渉を低減する本発明の幾つかの実施形態による図4のレーダー・システムの出力を示すグラフである。
図5】[0024] 図5は、本発明の幾つかの実施形態と共に使用することが可能な例示的な演算デバイスのハイ・レベル・ブロック図である。 [0025] 図示の簡単性及び明確性のために、図面に示される要素は必ずしも正確に又は縮尺通りに描かれているわけではないことが理解されるであろう。例えば、要素の幾つかの寸法は、明確性のために、他の要素に対して誇張されている可能性があり、又は幾つかの物理的な構成要素が1つの機能ブロック又は要素に含まれる可能性がある。
【発明を実施するための形態】
【0021】
[0026] 以下の詳細な説明では、本発明の完全な理解をもたらすために、多くの具体的な詳細が述べられている。しかしながら、本発明はこれらの特定の詳細によらず実施される可能性があることは、当業者により理解されるであろう。他の例では、周知の方法、手順、並びに構成要素、モジュール、ユニット、及び/又は回路は、本発明を不明瞭にしないように詳細には説明されていない。
【0022】
[0027] 一般に、本発明は、レーダー・システムにおけるマルチパス干渉を低減すること、及び/又はレーダー・システムの検出精度を改善することを含む。レーダー・システムは、電磁エネルギー(例えば、信号)を放出することに動作の一部を費やし、電磁エネルギーを受信すること(例えば 聴取すること)に動作の一部を費やす。放出された電磁エネルギーは、1つ以上の物体に衝突する可能性があり、放出された電磁エネルギーの少なくとも一部は、レーダー・システムに反射して戻る可能性がある。幾つかのシナリオにおいて、反射した電磁エネルギーの少なくとも一部は、マルチパス干渉(例えば、建物及び/又は地面のような追尾の対象ではない、レーダー・システムの視野の中にある物体から生じる反射)となる可能性がある。
【0023】
[0028] 受信時間の間に、レーダー・システムは、マルチパス干渉の方向(又はほぼ方向)にヌルを配置することができ、その結果、マルチパス干渉は排除される及び/又は実質的に排除される可能性がある。マルチパス干渉がレーダー・システムに到達する可能性のある方向を決定することにより、マルチパス干渉は、マルチパス干渉のレーダー・システムへの影響を削減できるように、ヌル化される(nulled)ことが可能である。
【0024】
[0029] 図1は、本発明の幾つかの実施形態によるレーダー・システム100と物体110の一例である。レーダー・システム100は、電磁エネルギー(例えば、送信される信号)を放出することができる。送信された信号が物体110や120に衝突すると、送信された信号の少なくとも一部は、物体110や物体120(例えば、山)で反射し、レーダー・システム100によって受信され、その結果、レーダー・システム100はその物体120の方向で誤った物体を検出する可能性がある。
【0025】
[0030] レーダー・システム100は、アナログ及び/又はデジタル・ビームフォーミングを実行するために、当技術分野で公知のように1つ以上のアレイを含むことが可能である。アナログ・ビーム・ステアリングの場合、レーダー・システム100は、例えばアナログ・ビームをステアリングするための位相シフタを含むエミッタ/レシーバを有することが可能である。レーダー・システムのアレイは、サブアレイにグループ化されることが可能であり、各々のエレメント(element)は、特定のサブアレイ内におけるその位置によって参照されることが可能である。エレメントの位置は、サブアレイnにおけるエレメントmのエレメント位置、x(m, n)及びy(m, n)として言及することが可能である。例えば、サブアレイ3の場合、エレメント2は、(2, 3)の位置を有することが可能である。
【0026】
[0031] レーダー・システム100は、アナログ・ビーム・ステアリングによってターゲット位置に向けられることが可能である。アナログ・ビーム・ステアリングは、レーダー・システムをターゲット位置(例えば、レーダー・システムのアナログ・ビームの方向)に向けることができ、1つ以上の反射信号を受信する可能性がある。反射信号は、第1経路(例えば、直接的な受信経路)に沿うターゲットから反射された部分と、第2経路(例えば、間接的な受信経路)に沿うマルチパス干渉に起因する部分とを含む可能性がある。ターゲットの位置は、当技術分野で公知であるように、距離、方位角、及び仰角の座標系、又はuv座標系で定めることが可能である。例えば、ターゲットの位置はまた、当技術分野で公知のように、uv座標系ないし距離、方位角及び高さから正弦空間表現へ変換することが可能である。
【0027】
[0032] 幾つかの実施形態において、ターゲットの位置は、距離(R)、方位角(Θaz)及び仰角(Θel)で座標系として定めることが可能である。座標系(R, Θaz, Θel)におけるターゲットは、正弦空間(sine space)(uRX, vrx)に変換されることが可能である。
【0028】
[0033] 幾つかの実施形態において、マルチパス干渉位置は、距離(Rmp)、方位角(Θaz_mp)、及び仰角(Θel_mp)座標系として定義することができる。(R, Θaz_mp, Θel_mp)座標系におけるマルチパス干渉位置は、正弦空間(ump, vmp)に変換することができる。
【0029】
[0034] 幾つかの実施形態において、マルチパス干渉信号は、ターゲットと同じ距離及び同じ方位角を有すると仮定され、マルチパス干渉信号の仰角のみが決定される。
【0030】
[0035] 幾つかの実施形態において、マルチパス干渉信号の仰角(θEL R)は、以下のように決定される:
i) 球面大地上のターゲットの高さ(h2)を決定する。球面大地上の高さ(h2)は、以下のように決定することが可能である:
【0031】
【数1】
ここで、h1はアンテナの海抜レベルの高さ(メートル)であり、aeは地球の半径の4/3メートル(例えば、標準的な伝搬大気圏では~8493.3×103メートル)であり、Rdはターゲットの傾斜レンジ(例えばこれはマルチパスを生成する)、θEL Dは直接経路の仰角(例えば、θEL D = θEZ)である。
【0032】
ii) レーダー・システムからグランド反射点(G1)までのグランド距離を決定する。グランド距離(G1)は、以下のように決定することが可能である:
【0033】
【数2】
ここで、Gはターゲットまでの全グランド距離であり、p及びξは、以下のようにして決定することが可能な中間値である:
【0034】
【数3】
iii) レーダー・システム、地球の中心、及びグランド反射点(φ1)の間の角度を決定する。角度(φ1)は、以下のようにして決定することが可能である:
【0035】
【数4】
iv) レーダーからグランド反射点(R1)までの距離を決定する。距離(R1)は、以下のようにして決定することが可能である:
【0036】
【数5】
v) マルチパス干渉信号の仰角(θR EL)を決定する。
【0037】
【数6】
[0036] マルチパス干渉信号の位置は、(R, θAZ D, θEL R)として記述することが可能である。マルチパス干渉信号は、uv正弦空間(ump, vmp)に変換することが可能である。
【0038】
[0037] 幾つかの実施形態において、マルチパス干渉信号は、当技術分野で公知のように決定される。
【0039】
[0038] 図2は、本発明の例示的な実施形態によるマルチパス干渉削減方法のフローチャートである。
【0040】
[0039] 本方法は、レーダー・システム(例えば、図1で上述したようなレーダー・システム100)が、レーダー・システムの1つ以上のアナログ・ビームの所望方向、及び/又は1つ以上のデジタル・ビームの所望方向に基づいて、デジタル・ビームフォーミング・ウェイトの第1セットを決定することを含む可能性がある(ステップ220)。アナログ・ビームの所望方向は、レーダー・システムがカバーしようとする視野、ターゲットの所望方向、ユーザー入力、又はそれらの任意の組み合わせに基づくことが可能である。1つ以上のデジタル・ビームの所望方向は、レーダー・システムの1つ以上のアナログ・ビームの所望方向に関連している可能性がある。
【0041】
[0040] デジタル・ビームフォーミング・ウェイトの第1セットは、以下のようにして決定することが可能である:
【0042】
【数7】
ここで、W(n)は、レーダー・システムのアナログ・ビームをターゲットへ誘導するためのデジタル・ウェイトのセットであり、nはレーダー・システムの特定のサブアレイであり、mはn個のサブアレイにおける特定のエレメントであり、xSA(n)及びySA(n)はチャネルnの“位相中心”であり、δu(m)及びδv(m)は、指示されたアナログ・ビーム中心に対して(u, v)座標で指定された受信デジタル・ビーム位置であり、λは波長である。
【0043】
[0041] 本方法はまた、レーダー・システムの1つ以上のアナログ・ビームの所望方向に関する、マルチパス干渉信号の予測方向を決定することを含むことが可能である(ステップ220)。マルチパス干渉信号の予測方向は、上述のEQN. 1ないし7に記載されているように決定することが可能である。
【0044】
[0042] 本方法はまた、マルチパス反射信号の方向における1つ以上のデジタル・ビームの各々にヌルを生成するように、デジタル・ビームフォーミング・ウェイトの第1セットに基づいて、デジタル・ビームフォーミング・ウェイトの第2セットを決定するステップを含むことが可能である(ステップ230)。
【0045】
[0043] デジタル・ビームフォーミング・ウェイトの第2セットを決定することは、マルチパスの予測方向にヌルを生成するためのビーム・ウェイトのセットを決定することを含む可能性がある。例えば、予測されるヌル方向におけるビーム・ウェイトは、以下のようにして決定することが可能である:
【0046】
【数8】
ここで、W(n)は、レーダー・システムのアナログ・ビームをターゲットへ誘導するためのデジタル・ウェイトのセット(例えば、レーダー・システムのアナログ・ビームの方向を設定することが可能なデジタル・ウェイト)であり、unullとvnullは、ヌル・ビームの正弦空間位置であり、例えば正弦空間位置は以下のEQN. 10及びEQN. 11のようにそれぞれ決定され、xSA(n) とySA(n) はチャネルnの“位相中心”であり、λは波長である。
【0047】
[0044] ヌル・ビームの正弦空間位置は、以下のように決定することが可能である:
unull = ump - urx EQN. 10
vnull = vmp - vrx EQN. 11
ここで、umpとvmpは、マルチパス干渉受信信号の正弦空間位置であり、urxとvrxは、ターゲット位置に向けられるアナログ・ビーム・ステアリングに基づく受信信号の正弦空間位置である。幾つかの実施形態において、ターゲット位置とヌル位置との間の距離が最小距離(minimumNullSeperation)より小さい場合、ヌル・ビームの正弦空間位置は、ターゲット位置から分離されるように修正することが可能である。最小距離は入力値であるとすることが可能である。最小距離は、ヌル位置とターゲット位置との間の最小分離値であって、マルチパスをヌル化すること(又はナリングすること)(nulling)が、ターゲットからの受信ビームをヌル化してしまうことを少なくとも実質的に回避することを保証できるものである。ターゲット位置とヌル位置(dnull)の間の距離は、以下のようにして決定することが可能である:
【0048】
【数9】
dnull < minimumNullSeperation * beamwidthU, 且つdnull < minimumNullSeperation * beamwidthUであった場合、unullは、minimumNullSeperation * (beamwidthU)で置換され、vnullはminimumNullSeperation * (beamwidthV)で置換され、ここで、beamwidthU 及びbeamwidthVは、それぞれレーダー周波数により調整されたu、v次元におけるレーダー・システムの帯域幅である。
【0049】
[0045] 幾つかの実施形態において、デジタル・ビームフォーミング・ウェイトの第2セットを決定することは、アナログ・ビームの指向方向がurx, vrxである場合に、ヌルが生成される方向(例えば、上述のような、unull, vnullの方向)において、レーダー・システムの各デジタル・ビームm(VMLE)に対して予測される複素電圧を決定することを含む。各デジタル・ビームm(VMLE)に対して予測される複素電圧は、以下のようにして決定することが可能である:
a)アナログ・ビーム・ステアリング用のエレメントごとの位相決定を行う:
【0050】
【数10】
ここで、Θ(k, n, urx, vrx)は、チャネルnのエレメントkに対する複素乗数であり、アナログ・ビーム・ステアリングは(urx, vrx)の位置を指向している。
【0051】
b)以下のようにして、アナログ・ビーム・ステアリングのエレメントごとの位相にウェイトを適用する:
【0052】
【数11】
ここで、NSAはデジタル・ビームフォーミングに使用されるレーダー・システムのサブアレイの数であり、Nはレーダー・システムのサブアレイにおけるエレメントの数であり、mは特定のデジタル・ビームであり、urx, vrxはターゲットの方へ向かう正弦空間指向方向であり、unull, vnullはヌルの方へ向かう正弦空間指向方向であり、W(n)はレーダー・システムのアナログ・ビームをターゲットへ誘導するデジタル・ウェイトのセットであり、nはレーダー・システムの特定のサブアレイであり、mは第nサブアレイにおける特定のエレメントであり、xSA (n)とySA (n)はサブアレイ(又はチャネル)nの“位相中心”であり、δu(m)とδv(m)は、指定されたアナログ・ビーム中心に対して(u, v)座標で指定された受信デジタル・ビーム位置でありλは波長である。
EQN. 14はEQN. 15のように整理することが可能である。
【0053】
【数12】
[0046] 幾つかの実施形態において、デジタル・ビームフォーミング・ウェイトの第2セットを決定することは、ヌル(unull, vnull)の方向に向かう正弦空間指向方向におけるデジタル・ナリング・ビーム・ピークの予測複素電圧(Vnulling)を決定することも含む。デジタル・ナリング・ビーム・ピークの予測複素電圧(Vnulling)は、以下のように決定することが可能である:
【0054】
【数13】
[0047] 幾つかの実施形態において、デジタル・ビームフォーミング・ウェイトの第2セットを決定することは、例えば、ヌル(nullweights(n))と、各デジタル・ビームm(VMLE)に対する予測複素電圧と、デジタル・ナリング・ビーム・ピークの予測複素電圧(Vnulling)とを形成するために、ビーム・ウェイトを、公称ロゼット・ビーム・ウェイト(nominal rosette beam weights)(beamWeights(m,n))に適用して、デジタル・ビームフォーミング・ウェイトの第2セットを、例えば以下のようにして決定することも含む:
【0055】
【数14】
[0048] 本方法はまた、マルチパス干渉信号がレーダー・システムによって受信されないように、レーダー・システムの受信時間中に、レーダー・システムが、デジタル・ビームフォーミング・ウェイトの第2セットを適用することを含むことも可能である(ステップ240)。デジタル・ビームフォーミング・ウェイトの第2セットを適用することは、レーダー・システムが受信する期間中に、受信アンテナ・パターンにおけるヌルが、予測されるマルチパス干渉信号の方向(又は実質的にその方向)の中で、レーダー・システムにより形成されることを引き起こす。このようにして、レーダー・システムは、マルチパス干渉信号を受信してしまうことを抑制する(又は、マルチパス干渉信号を受信してしまうことを実質的に抑制する)ことができる。
【0056】
[0049] 本方法はまた、レーダー・システムによって受信された信号を、レーダー・システムがディスプレイに出力することを含む可能性もある(ステップ250)。
【0057】
[0050] 図3は、マルチパス干渉を低減しない従来技術によるレーダー・システムの出力を示すグラフである。図3において、レーダー・システムは、高度200メートルで航空機を追尾している。図4は、マルチパス干渉を低減する本発明の幾つかの実施形態による図3のレーダー・システムの出力を示すグラフである。図4から分かるように、本発明の実施形態によって説明されるように、マルチパス干渉を低減することによって、より安定した測定結果を得ることができる。
【0058】
[0051] 図5は、本発明の実施形態とともに使用することが可能な例示的なコンピューティング・デバイスのハイ・レベル・ブロック図である。コンピューティング・デバイス300は、コントローラ又はプロセッサ105を含むことが可能であり、それは、例えば1つ以上の中央処理ユニット・プロセッサ(CPU)、1つ以上のグラフィックス処理ユニット(GPU又はGPGPU)、チップ又は何らかの任意の適切な演算又は計算デバイス、オペレーティング・システム315、メモリ320、ストレージ330、入力デバイス335、及び出力デバイス340であってもよいし、それらを含むことも可能である。上述したプロセッサ、モジュール、ボード、集積回路、及び本件で言及される他の装置のようなモジュールや装置の各々は、図2に含まれるようなコンピューティング・デバイスであるとすることが可能であり又はそれらを含むことも可能であるが、これらの実体のうちの様々なユニットは、1つのコンピューティング・デバイスに結合されることが可能である。
【0059】
[0052] オペレーティング・システム315は、例えば、プログラムの実行をスケジューリングすること等のような、コンピューティング・デバイス800の動作を調整、スケジューリング、仲裁、監視、制御、又はその他の方法で管理することを含むタスクを実行するように、設計された及び/又は構成された任意のコード・セグメントであるとすることが可能であり又はそれらを含むことが可能である。メモリ320は、例えば、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、リード・オンリー・メモリ(ROM)、ダイナミックRAM(DRAM)、同期DRAM(SD-RAM)、ダブル・データ・レート(DDR)メモリ・チップ、フラッシュ・メモリ、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、キャッシュ・メモリ、バッファ、短期メモリ・ユニット、長期メモリ・ユニット、又はその他の適切なメモリ・ユニット若しくはストレージ・ユニットであるとすることが可能であり、又はそれらを含むことも可能である。メモリ320は、複数の、おそらくは異なるメモリ・ユニットであるとすることが可能であり、又はそれらを含むことも可能である。メモリ320は、例えば、方法を実行するための命令(例えば、コード325)、及び/又はユーザー応答、割り込みなどのようなデータ、を格納することが可能である。
【0060】
[0053] 実行可能コード325は、例えばアプリケーション、プログラム、プロセス、タスク、又はスクリプトのような任意の実行可能コードであるとすることが可能である。実行可能コード325は、おそらくはオペレーティング・システム315の制御下にあるコントローラ305によって実行されることが可能である。例えば、実行可能コード325は、実行されると、本発明の実施形態による処理のために、アンテナが放射を送出すること及び/又は放射を受信することを行わせる。幾つかの実施形態において、複数のコンピューティング・デバイス300又はデバイス300の構成要素が、本件で説明される複数の機能のために使用されることが可能である。本件で説明される種々のモジュール及び機能に関し、1つ以上のコンピューティング・デバイス300又はコンピューティング・デバイス300の構成要素を使用することが可能である。コンピュータ・デバイス300に含まれるものと類似又は相違する構成要素を含むデバイスを使用することが可能であり、それらはネットワークに接続されてシステムとして使用されることが可能である。1つ以上のプロセッサ305は、例えば、ソフトウェア又はコードを実行することによって、本発明の実施形態を実行するように構成することが可能である。ストレージ330は、例えば、ハード・ディスク・ドライブ、フロッピー・ディスク・ドライブ、コンパクト・ディスク(CD)ドライブ、記録可能なCD(CD-R)ドライブ、ユニバーサル・シリアル・バス(USB)デバイス、又はその他の適切な取り外し可能な及び/又は固定されたストレージ・ユニットであるとすることが可能であり、又はそれらを含むことも可能である。命令、コード、NNモデル・データ、パラメータなどのようなデータは、ストレージ330に記憶されることが可能であり、ストレージ330からメモリ320へロードされることが可能であり、それはコントローラ305によって処理されることが可能である。幾つかの実施形態において、図2に示される構成要素のうちの幾つかは省略されることが可能である。
【0061】
[0054] 入力デバイス335は、例えば、マウス、キーボード、タッチ・スクリーン又はパッド、又は適切な任意の入力デバイスであるとすることが可能であり、又はそれらを含むことも可能である。適切な任意の数の入力デバイスが、ブロック335によって示されるように、コンピューティング・デバイス300に動作可能に接続され得ることが認識されるであろう。出力デバイス340は、1つ以上のディスプレイ、スピーカー、及び/又は適切な他の任意の出力デバイスを含むことが可能である。ブロック340によって示されるように、任意の適切な数の出力デバイスが、コンピューティング・デバイス300に動作可能に接続され得ることが認識されるであろう。任意の適用可能な入力/出力(I/O)デバイスがコンピューティング・デバイス300に接続されることが可能であり、例えば、有線又は無線ネットワーク・インターフェース・カード(NIC)、モデム、プリンタ又はファクシミリ装置、ユニバーサル・シリアル・バス(USB)デバイス又は外部ハード・ドライブが、入力デバイス335及び/又は出力デバイス340に含まれることが可能である。
【0062】
[0055] 本発明の実施形態は、コンピュータ又はプロセッサの非一時的な読み取り可能媒体、又はコンピュータ又はプロセッサの非一時的な記憶媒体、例えば、メモリ、ディスク・ドライブ、又はUSBフラッシュ・メモリのような1つ以上の製品(例えば、メモリ320又はストレージ330)を含むことが可能であり、それらは命令を符号化、包含又は記憶し、、又は、などのコンピュータ又はプロセッサ非一時的記憶媒体を含むことができ、これらは、例えばコンピュータ実行可能命令のような命令、例えば、コンピュータ実行可能命令を符号化又は格納し、命令は、プロセッサ又はコントローラによって実行される場合に、本件で開示された方法を実行する。
【0063】
[0056] 当業者であれば、本発明は、その精神又は本質的特徴から逸脱することなく、他の特定の形態で実施されることが可能である、ということを理解するであろう。従って、前述の実施形態は、本件で説明される発明を限定するものではなく、あらゆる点において例示的なものであると考えられるべきである。従って、本発明の範囲は、前述の説明によってではなく、添付のクレームによって示されており、従って、クレームと同等な意味及び範囲内に収まる全ての変更は、本件に包含されるように意図されている。
【0064】
[0057] 前述の詳細な説明では、発明の理解をもたらすために、多数の具体的な詳細が述べられている。しかしながら、当業者は、これらの具体的な詳細なしに発明が実施されることが可能であることを理解するであろう。他の例では、周知の方法、手順、及び構成要素、モジュール、ユニット、及び/又は回路は、本発明を不明瞭にしてしまわないように、詳細には説明されていない。一実施形態に関して説明される幾つかの特徴又は要素は、他の実施形態に関して説明される特徴又は要素と組み合わせることが可能である。
【0065】
[0058] 本発明の実施形態は、この点に関して限定されないが、例えば、「処理する」、「演算する」、「計算する」、「決定する」、「確定する」、「分析する」、「チェックする」等のような用語を使用する議論は、コンピュータ、コンピューティング・プラットフォーム、コンピューティング・システム、又はその他の電子コンピューティング・デバイスの動作及び/又はプロセスを指す可能性があり、それらは、コンピュータのレジスタ及び/又はメモリ内で物理的な(例えば電子的な)量として表されるデータを、コンピュータのレジスタ及び/又はメモリ又はその他の情報の非一時的な記憶媒体であって(演算及び/又はプロセスを実行する命令を記憶することが可能なもの)における物理的な量として同様に表現される他のデータに処理及び/又は変換する。
【0066】
[0059] 本発明の実施形態は、この点に関して限定されないが、本件で使用される用語「複数」及び「複数の」は、例えば、「複数の」又は「2つ以上」を含む可能性がある。「複数」又は「複数の」という用語は、2つ以上の構成要素、デバイス、要素、ユニット、パラメータなどを説明するために、明細書全体を通して使用することが可能である。セットという用語は、本件で使用される場合、1つ以上のアイテムを含むことが可能である。明示的に言及されない限り、本件で説明される方法の実施形態は、特定の順序又はシーケンスに制約されない。更に、説明される方法の実施形態又はその要素のうちの幾つかは、同時に、同じ時点で、又は共に発生又は実行されることが可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】