(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-05
(54)【発明の名称】加熱効率が向上したエアゾール発生装置
(51)【国際特許分類】
A24F 40/20 20200101AFI20221128BHJP
A24F 40/40 20200101ALI20221128BHJP
A24F 40/46 20200101ALI20221128BHJP
【FI】
A24F40/20
A24F40/40
A24F40/46
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021563313
(86)(22)【出願日】2021-07-16
(85)【翻訳文提出日】2021-11-08
(86)【国際出願番号】 KR2021009177
(87)【国際公開番号】W WO2022050563
(87)【国際公開日】2022-03-10
(31)【優先権主張番号】10-2020-0111062
(32)【優先日】2020-09-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519217032
【氏名又は名称】ケーティー アンド ジー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジャン、チュル ホ
(72)【発明者】
【氏名】ゴ、ギョウン ミン
(72)【発明者】
【氏名】ベ、ヒュン ジン
(72)【発明者】
【氏名】セオ、ジャン ウォン
(72)【発明者】
【氏名】ジェオン、ミン セオク
(72)【発明者】
【氏名】ジェオン、ジョン セオン
(72)【発明者】
【氏名】ジュン、ジン チュル
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA03
4B162AA22
4B162AB12
4B162AC12
4B162AC22
4B162AD23
4B162AD27
(57)【要約】
加熱効率が向上したエアゾール発生装置が提供される。本開示のいくつかの実施形態に係るエアゾール発生装置は、エアゾール発生物品が挿入される挿入口が形成されたケース、挿入口を通じて挿入されたエアゾール発生物品を加熱することによってエアゾールを発生させるヒーターおよび挿入口とヒーターの間に配置されたアダプタを含むことができる。アダプタは挿入されたエアゾール発生物品の媒質部が目標圧着形状に変形されるようにすることによって、ヒーターの加熱効率を向上させることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアゾール発生物品が挿入される挿入口が形成されたケース、
前記挿入口を通じて挿入されたエアゾール発生物品を加熱することによってエアゾールを発生させるヒーター、および
前記挿入口と前記ヒーターの間に配置され、前記挿入されたエアゾール発生物品の媒質部が目標圧着形状に変形されるようにするアダプタを含む、エアゾール発生装置。
【請求項2】
前記挿入口の断面は前記エアゾール発生物品の断面と前記目標圧着形状の断面が組み合わせられた形状を有する、請求項1に記載のエアゾール発生装置。
【請求項3】
前記アダプタは前記挿入口側に位置した第1開放端部と前記ヒーター側に位置した第2開放端部を含み、
前記挿入されたエアゾール発生物品が前記第1開放端部を通じて前記第2開放端部側に移動する間前記アダプタの内部形状によって前記媒質部が前記目標圧着形状に変形される、請求項1または2に記載のエアゾール発生装置。
【請求項4】
前記第1開放端部の断面は前記エアゾール発生物品の断面と前記目標圧着形状の断面が組み合わせられた形状を有する、請求項3に記載のエアゾール発生装置。
【請求項5】
前記第2開放端部の断面は前記目標圧着形状の断面にマッチングされる、請求項3または4に記載のエアゾール発生装置。
【請求項6】
前記アダプタの内部空間の断面積は前記第1開放端部から前記第2開放端部に行くほど減少する傾向を有する、請求項3~5のいずれか一項に記載のエアゾール発生装置。
【請求項7】
前記内部空間の断面のX軸方向の長さは一定であり、
前記内部空間の断面のY軸方向の長さは前記第1開放端部から前記第2開放端部に行くほど減少する傾向を有する、請求項6に記載のエアゾール発生装置。
【請求項8】
前記アダプタの内部空間の少なくとも一部分は傾斜した構造を有し、
前記エアゾール発生物品の長さ軸に対する前記少なくとも一部分の傾斜角は10度~40度である、請求項3~7のいずれか一項に記載のエアゾール発生装置。
【請求項9】
前記アダプタの内部空間の少なくとも一部分は傾斜した構造を有し、
前記エアゾール発生物品の長さ軸に対する前記少なくとも一部分の傾斜角は前記第1開放端部から前記第2開放端部に行くほど増加する傾向を有する、請求項3~8のいずれか一項に記載のエアゾール発生装置。
【請求項10】
前記アダプタの内面の少なくとも一部には表面粗さを減少させる処理が遂行される、請求項1~9のいずれか一項に記載のエアゾール発生装置。
【請求項11】
前記ヒーターは外部加熱式であり、
前記ヒーターの少なくとも一部は前記目標圧着形状にマッチングされる形状を有する、請求項1~10のいずれか一項に記載のエアゾール発生装置。
【請求項12】
前記ヒーターは外部加熱式であり、
前記ヒーターの少なくとも一部は傾斜した構造からなり、
前記ヒーターの加熱空間内に収容される間、前記アダプタを通じて挿入された前記媒質部は前記ヒーターの傾斜した構造によってさらに圧着された形状に変形される、請求項1~11のいずれか一項に記載のエアゾール発生装置。
【請求項13】
前記目標圧着形状に変形された前記媒質部の厚さは変形前と比べて20%~80%である、請求項1~12のいずれか一項に記載のエアゾール発生装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は加熱効率が向上したエアゾール発生装置に関する。より詳しくは、ヒーターの加熱効率を向上させることによって予熱時間を短縮させ、エアゾール発生物品の喫味感を向上させ得るエアゾール発生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
最近伝統的な巻タバコの短所を克服する代替喫煙物品に関する需要が増加している。例えば、巻タバコを電気的に加熱することによってエアゾールを発生させるエアゾール発生装置(e.g.巻タバコ型電子タバコ)に関する需要が増加しており、これに伴い、電気加熱式エアゾール発生装置に対する研究が活発に進められている。
【0003】
一般的な電気加熱式エアゾール発生装置は、巻タバコの周辺に配置されたヒーターが巻タバコの媒質の外郭部分を加熱する構造を採用している。ところが、このような構造では媒質の外郭部分から中心部まで均一に加熱するまで相当な時間がかかるため、ヒーターの加熱効率が低下し予熱時間は長くならざるを得ない。
【0004】
例えば、
図1は前述した加熱構造で巻タバコの媒質の部位別温度変化を図示しているが、図示された通り、ヒーターから比較的遠くにある媒質の中央部分は最外郭部分に比べて遅く加熱する。したがって、媒質全体が均一に加熱するまでに相当な時間(e.g.T1)がかかることになるが、これはすなわち、装置の予熱時間が長くヒーターの加熱効率が低下することを意味する。
【0005】
結論として、前述した加熱構造を採用している電気加熱式エアゾール発生装置ではヒーターの加熱効率が悪いため予熱時間が長くならざるを得ず、十分な予熱時間が確保されていない場合には喫煙序盤の喫味感が低下し得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本開示のいくつかの実施形態を通じて解決しようとする技術的課題は、ヒーターの加熱効率を向上させることによって予熱時間を短縮させ、エアゾール発生物品の喫味感を向上させ得るエアゾール発生装置を提供することである。
【0007】
本開示のいくつかの実施形態を通じて解決しようとする他の技術的課題は、エアゾール発生物品に対する容易な除去機能を具備したエアゾール発生装置を提供することである。
【0008】
本開示の技術的課題は以上で言及した技術的課題に制限されず、言及されていないさらに他の技術的課題は以下の記載から本開示の技術分野での通常の技術者に明確に理解され得るであろう。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記技術的課題を解決するための本開示のいくつかの実施形態に係るエアゾール発生装置は、エアゾール発生物品が挿入される挿入口が形成されたケース、前記挿入口を通じて挿入されたエアゾール発生物品を加熱することによってエアゾールを発生させるヒーターおよび前記挿入口と前記ヒーターの間に配置され、前記挿入されたエアゾール発生物品の媒質部が目標圧着形状に変形されるようにするアダプタを含むことができる。
【0010】
いくつかの実施形態で、前記挿入口の断面は前記エアゾール発生物品の断面と前記目標圧着形状の断面が組み合わせられた形状を有することができる。
【0011】
いくつかの実施形態で、前記アダプタは前記挿入口側に位置した第1開放端部と前記ヒーター側に位置した第2開放端部を含み、前記挿入されたエアゾール発生物品が前記第1開放端部を通じて前記第2開放端部側に移動する間前記アダプタの内部形状によって前記媒質部が前記目標圧着形状に変形され得る。
【0012】
いくつかの実施形態で、前記第1開放端部の断面は前記エアゾール発生物品の断面と前記目標圧着形状の断面が組み合わせられた形状を有することができる。
【0013】
いくつかの実施形態で、前記第2開放端部の断面は前記目標圧着形状の断面にマッチングされ得る。
【0014】
いくつかの実施形態で、前記アダプタの内部空間の断面積は前記第1開放端部から前記第2開放端部に行くほど減少する傾向を有することができる。
【0015】
いくつかの実施形態で、前記アダプタの内部空間の少なくとも一部分は傾斜した構造を有し、前記エアゾール発生物品の長さ軸に対する前記少なくとも一部分の傾斜角は10度~40度であり得る。
【0016】
いくつかの実施形態で、前記アダプタの内部空間の少なくとも一部分は傾斜した構造を有し、前記エアゾール発生物品の長さ軸に対する前記少なくとも一部分の傾斜角は前記第1開放端部から前記第2開放端部に行くほど増加する傾向を有することができる。
【0017】
いくつかの実施形態で、前記アダプタの内面の少なくとも一部には表面粗さを減少させる処理が遂行され得る。
【0018】
いくつかの実施形態で、前記目標圧着形状に変形された前記媒質部の厚さは変形前と比べて20%~80%であり得る。
【発明の効果】
【0019】
前述した本開示のいくつかの実施形態によると、エアゾール発生物品の挿入時に媒質部がアダプタを通過しながら自然に目標圧着形状に変形され得る。これに伴い、ヒーターから媒質部の中心部までの距離が減少してヒーターの加熱効率が向上し得る。例えば、媒質部の部位別温度差が最小化され、エアゾール形成基材が迅速に目標温度に到達できることになる。また、このような加熱効率の向上によってエアゾール発生装置の予熱時間が短縮され、消費電力が減少し得、エアゾール発生物品の喫味感も向上し得る。
【0020】
また、ヒーターが媒質部の目標圧着形状とマッチングされる形状を有することによって、ヒーターの加熱効率がさらに向上し得る。
【0021】
また、挿入口とアダプタの開放端部の断面がエアゾール発生物品の断面と目標圧着形状の断面が組み合わせられた形状を有することによって、エアゾール発生物品の挿入および除去がいずれも容易に遂行され得る。例えば、目標圧着形状に変形されたエアゾール発生物品が挿入口またはアダプタにかからずに除去され得るため、除去時に媒質部またはラッパーが破損する問題が未然に防止され得る。
【0022】
本開示の技術的思想による効果は以上で言及した効果に制限されず、言及されていないさらに他の効果は以下の記載から通常の技術者に明確に理解され得るであろう。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】外部加熱構造を有する電気加熱式エアゾール発生装置において、加熱効率が低下し予熱時間が増加する問題点を説明するための図面である。
【0024】
【
図2】本開示のいくつかの実施形態に係るエアゾール発生装置を概略的に示す例示的な図面である。
【0025】
【
図3】本開示のいくつかの実施形態に係るエアゾール発生装置を概略的に示す例示的な分解図である。
【0026】
【
図4】本開示のいくつかの実施形態に係るエアゾール発生装置にエアゾール発生物品が挿入されたことを例示する。
【0027】
【
図5】本開示のいくつかの実施形態に係る挿入口の断面の形状を説明するための例示的な図面である。
【0028】
【
図6】本開示のいくつかの実施形態に係るアダプタの細部構造を説明するための例示的な図面である。
【0029】
【
図7】本開示のいくつかの実施形態に係るアダプタを通じてエアゾール発生物品の形状が変形される過程を例示する。
【0030】
【
図8】本開示のいくつかの実施形態に係るアダプタを通じて変形されたエアゾール発生物品の形状を例示する。
【0031】
【
図9】本開示の他のいくつかの実施形態に係るアダプタの細部構造を説明するための図面である。
【0032】
【
図10】本開示のいくつかの実施形態に係るアダプタおよびこれに関連した技術的構成が適用され得る多様な類型のエアゾール発生装置を例示する。
【
図11】本開示のいくつかの実施形態に係るアダプタおよびこれに関連した技術的構成が適用され得る多様な類型のエアゾール発生装置を例示する。
【
図12】本開示のいくつかの実施形態に係るアダプタおよびこれに関連した技術的構成が適用され得る多様な類型のエアゾール発生装置を例示する。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、添付された図面を参照して本開示の好ましい実施形態を詳細に説明する。本開示の利点および特徴、そしてそれらを達成する方法は添付される図面と共に詳細に後述されている実施形態を参照すると明確となるであろう。しかし、本開示の技術的思想は以下の実施形態に限定されるものではなく互いに異なる多様な形態で具現され得、ただし以下の実施形態は本開示の技術的思想を完全なものとし、本開示が属する技術分野で通常の知識を有する者に本開示の範疇を完全に知らせるために提供されるものであり、本開示の技術的思想は請求項の範疇によって定義されるのみである。
【0034】
各図面の構成要素に参照符号を付加するにおいて、同一の構成要素については、たとえ他の図面上に表示されてもできるだけ同一の符号を有するようにしていることに留意されたい。また、本開示を説明するにおいて、関連した公知の構成または機能に対する具体的な説明が本開示の要旨を曖昧にさせ得る恐れがあると判断される場合にはその詳細な説明は省略する。
【0035】
特に定義されない限り、以下の実施形態で使われるすべての用語(技術および科学的用語を含む)は本開示が属する技術分野で通常の知識を有する者に共通して理解され得る意味で使われ得る。また、一般的に使われる辞書に定義されている用語は、明白に特に定義されていない限り理想的にまたは過度に解釈されない。本明細書で使われた用語は実施形態を説明するためのものであり本開示を制限しようとするものではない。本明細書で、単数型は文面で特に言及しない限り複数型も含む。
【0036】
また、本開示の構成要素を説明するにおいて、第1、第2、A、B、(a)、(b)等の用語を使うことができる。このような用語はその構成要素を他の構成要素と区別するためのものに過ぎず、その用語によって該当構成要素の本質や順番または順序などが限定されない。ある構成要素が他の構成要素に「連結」、「結合」または「接続」されると記載された場合、その構成要素はその他の構成要素に直接的に連結または接続され得るが、各構成要素の間にさらに他の構成要素が「連結」、「結合」または「接続」されてもよいと理解されるべきである。
【0037】
本開示で使われる「含む(comprises)」および/または「含む(comprising)」は言及された構成要素、段階、動作および/または素子は一つ以上の他の構成要素、段階、動作および/または素子の存在または追加を排除しない。
【0038】
本開示の多様な実施形態についての説明に先立ち、以下の説明で使われるいくつかの用語について明確にすることにする。
【0039】
以下の実施形態で、「エアゾール形成基材」はエアゾール(aerosol)を形成できる物質を意味し得る。エアゾールは揮発性化合物を含むことができる。エアゾール形成基材は固体または液状であり得る。
【0040】
例えば、固体のエアゾール形成基材は板状葉タバコ、刻草、再構成タバコなどタバコ原料に基づく固体物質(e.g.巻タバコの媒質)を含むことができ、液状のエアゾール形成基材はニコチン、タバコ抽出物および/または多様な香味剤に基づく液状組成物を含むことができる。しかし、本開示の範囲は前記列挙された例示に限定されるものではない。
【0041】
より具体的な例として、液状のエアゾール形成基材はプロピレングリコール(PG)およびグリセリン(GLY)のうち少なくとも一つを含むことができ、エチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコールおよびオレイルアルコールのうち少なくとも一つをさらに含んでもよい。他の例として、エアゾール形成基材はニコチン、水分および加香物質のうち少なくとも一つをさらに含むことができる。さらに他の例として、エアゾール形成基材はシナモン、カプサイシンなどの多様な添加物質をさらに含んでもよい。エアゾール形成基材は流動性が大きい液体物質だけでなく、ゲルまたは固形分の形態の物質を含んでもよい。このように、エアゾール形成基材の組成成分は実施形態により多様に選択され得、その組成比率も実施形態により変わり得る。以下の実施形態で、液状は液状のエアゾール形成基材を指称するものであり得る。
【0042】
以下の実施形態で、「エアゾール発生装置」はユーザーの口を通じてユーザーの肺に直接的に吸入可能なエアゾールを発生させるためにエアゾール形成基材を利用してエアゾールを発生させる装置を意味し得る。エアゾール発生装置は例えば液状を利用してエアゾールを発生させる液状型エアゾール発生装置、液状と巻タバコを共に利用するハイブリッド型エアゾール発生装置を含むことができる。しかし、その他にも多様な類型のエアゾール発生装置がさらに含まれ得、本開示の範囲は前記列挙された例示に限定されるものではない。エアゾール発生装置のいくつかの例示については
図2、
図10~
図12を参照することにする。
【0043】
以下の実施形態で、「エアゾール発生物品」はエアゾールを発生させ得る物品を意味し得る。エアゾール発生物品はエアゾール形成基材を含むことができる。エアゾール発生物品の代表的な例としては巻タバコを挙げられるが、本開示の範囲はこのような例示に限定されるものではない。
【0044】
以下の実施形態で、「パフ(puff)」はユーザーの吸入(inhalation)を意味し、吸入とは、ユーザーの口や鼻を通じてユーザーの口腔内、鼻腔内または肺に引き寄せる状況を意味し得る。
【0045】
以下の実施形態で、「上流」(upstream)または「上流方向」は喫煙者の口部から遠ざかる方向を意味し、「下流」(downstream)または「下流方向」は喫煙者の口部から近づく方向を意味し得る。上流および下流という用語はエアゾール発生物品を構成する要素の相対的位置を説明するために利用され得る。例えば、
図2等に例示されたエアゾール発生物品2で、媒質部21は他の部分の上流または上流方向に位置する。
【0046】
以下の実施形態で、「長さ方向」(longitudinal direction)または「長さ軸」(longitudinal axis)はエアゾール発生物品の長さ方向軸に相応する方向を意味し得る。
【0047】
以下、本開示の多様な実施形態について添付された図面を参照して詳細に説明することにする。
【0048】
図2は本開示のいくつかの実施形態に係るエアゾール発生装置10を概略的に示す例示的な図面であり、
図3は、エアゾール発生装置10を概略的に示す例示的な分解図である。また、
図4はエアゾール発生物品2が挿入された状態のエアゾール発生装置10の内部構造を概略的に図示している。特に、
図3および
図4は上部ケース11内部の構成要素を重点的に例示している。以下、
図2~
図4を参照して説明する。
【0049】
図2などに図示された通り、エアゾール発生装置10はエアゾール発生物品2を利用してエアゾールを発生させる装置であり得る。より詳しくは、エアゾール発生装置10は内部に挿入されたエアゾール発生物品2を電気的に加熱してエアゾールを発生させることができる。発生したエアゾールはユーザーの口部を通じて吸入され得る。
【0050】
エアゾール発生物品2は媒質部21を含むことができ、媒質部21はエアゾール形成基材を含むことができる。媒質部21はエアゾール発生物品2の上流に位置して挿入口12を通じてエアゾール発生装置10の内部に挿入され得、内部に位置したヒーター14によって加熱してエアゾールを発生させることができる。この時、媒質部21の少なくとも一部はアダプタ13によって目標圧着形状に変形され得るが、このような形状変形を通じてヒーター14から媒質部21の中心部までの距離が減少してヒーター14の加熱効率が向上し得る。それだけでなく、エアゾール発生装置10の消費電力が減少し予熱時間が短縮され、エアゾール発生物品2の喫味感も向上し得る。アダプタ13およびこれに関連した技術的構成については追って詳細に説明することにする。
【0051】
前記目標圧着形状は媒質部21の本来の形状より圧着された状態にある形状であり、例えば楕円状または楕円に類似した形態(e.g.長円状)のようにヒーター14の加熱効率を向上させ得る多様な形状を含むことができる。しかし、これに限定されるものではない。ただし、以下では、理解の便宜を提供するために、媒質部21(またはエアゾール発生物品2)の本来の形状が円筒状であり、目標圧着形状が長円状であることを仮定して説明を続けることにする。
【0052】
図2などに図示された通り、エアゾール発生装置10は上部ケース12、アダプタ13、ヒーター14および制御本体15を含むことができる。ただし、
図2等には本開示の実施形態に関連する構成要素のみが図示されている。したがって、本開示が属した技術分野の通常の技術者であれば、
図2などに図示された構成要素の他に他の汎用的な構成要素がさらに含まれ得ることが分かる。例えば、エアゾール発生装置10は装置の状態などの各種情報を出力する出力装置(e.g.モータ、ディスプレイ、スピーカー)および/またはユーザーから各種情報(e.g.装置オン/オフなど)の入力を受けるための入力装置(e.g.ボタン)等をさらに含んでもよい。以下、エアゾール発生装置10の各構成要素について説明する。
【0053】
上部ケース11はエアゾール発生装置10の上部外観を形成することができる。上部ケース11はエアゾール発生装置10の機能性、審美性などを考慮して適切な形態を有するように設計され得る。したがって、上部ケース11の形態は
図2に例示されたものに限定されるものではない。例えば、
図2等の図面は上部ケース12が制御本体15のケースと分離された形態からなるものを図示しているが、上部ケース11と制御本体15のケースは一体化した形態からなってもよい。上部ケース11はエアゾール発生装置10の内部構成要素を保護できる適切な素材からなり得る。
【0054】
上部ケース11には挿入口12が形成され得、挿入口12を通じてエアゾール発生物品2がエアゾール発生装置10の内部に挿入され得る。例えば、図示された通り、上部ケース11の末端に挿入口12が形成され得る。
【0055】
挿入口12はエアゾール発生物品2が容易に挿入され得、アダプタ13によってエアゾール発生物品2の形状が変形された場合にも容易に除去され得る形状で設計されることが好ましい。したがって、本開示のいくつかの実施形態では、挿入口12がエアゾール発生物品2の断面(すなわち、変形前の断面)と目標圧着形状の断面が組み合わせられた形状(すなわち、和集合の形状)を有するように設計され得る。例えば、エアゾール発生物品2の断面が円形であり、目標圧着形状の断面が長円状であると仮定する。このような場合、
図5に例示された通り、挿入口12の断面は円形121と長円状122が組み合わせられた形状を有することができる。そのようにすることによって、挿入口12の円形部分121を通じてエアゾール発生物品2が容易に挿入され得、挿入口12の楕円状部分122を通じて長円状に変形されたエアゾール発生物品2が容易に除去され得る。例えば、媒質部21は喫煙が行われることによって固着化した状態に変わるため、挿入口12に引っかかることになると、容易に毀損し得る。またはエアゾール発生物品2のラッパーが挿入口12に引っかかって破裂することもある。しかし、挿入口12の断面が
図5に例示されたような形状を有する場合、このような問題が未然に防止され得る。
【0056】
【0057】
アダプタ13は挿入口12とヒーター14の間に配置されて媒質部21の少なくとも一部を目標圧着形状に変形させることができる。すなわち、アダプタ13は媒質部21の形状を目標圧着形状にアダプティング(adapting)する機能を遂行することができる。エアゾール発生物品2が挿入口12およびアダプタ13を通じてエアゾール発生装置10に挿入された例は
図4を参照することにする。
【0058】
ここで、媒質部21の少なくとも一部が目標圧着形状に変形されるとは、媒質部21を含むエアゾール発生物品2の一部または媒質部21の少なくとも一部が目標圧着形状に変形されるという意味を含むことができる。アダプタ13の細部構造および動作原理については追って
図6以下の図面を参照して詳細に説明することにする。
【0059】
次に、ヒーター14はアダプタ13によって形状変形されたエアゾール発生物品2を加熱してエアゾールを発生させることができる。より詳しくは、ヒーター14はアダプタ13によって目標圧着形状に変形された媒質部21を加熱してエアゾールを発生させることができる。ヒーター14の加熱温度は制御本体15によって制御され得る。
【0060】
図3または
図4に例示された通り、ヒーター14は形状変形された媒質部21を外部で加熱する形態で設計されることが好ましい。ただし、本開示の範囲はこれに限定されるものではなく、ヒーター14は内部加熱式で設計されてもよい。
【0061】
いくつかの実施形態で、ヒーター14の少なくとも一部は(またはヒーター14によって形成される加熱空間の少なくとも一部は)、形状変形された媒質部21とマッチングされる形状(e.g.目標圧着形状またはその類似形状)を有することができる。例えば、目標圧着形状が長円状に変形される場合、ヒーター14(またはヒーター14によって形成される加熱空間)も長円状の形状を有することができる。そのようにすることによって、ヒーター14と媒質部21が互いに密着し得るか、ヒーター14から媒質部21の中心部までの距離が最小化されてヒーター14の加熱効率がさらに向上し得る。一方、
図3等の図面はヒーター14が一体化された形態からなるものを例として図示しているが、ヒーター14は分離された構造からなってもよい。例えば、ヒーター14は目標圧着形状に変形された媒質部21を両面で加熱する第1ヒーターおよび第2ヒーターを含み、第1ヒーターおよび第2ヒーターの結合形状が長円状であってもよい。
【0062】
いくつかの実施形態で、ヒーター14は外部加熱式であり、ヒーター14の少なくとも一部は傾斜した構造(形状)からなり得る。また、アダプタ13によって媒質部21が一次的に形状が変形され、前記傾斜した構造によって媒質部21が2次的に形状が変形され得る。例えば、媒質部21がアダプタ13を通過する間圧着された形状に変形され(e.g.第1長円状に変形される)、ヒーター14の加熱空間内に収容される間前記傾斜した構造によってさらに圧着された形状に変形され得る(e.g.第1長円状よりさらに圧着された第2長円状に変形される)。このような場合、媒質部21の形状変形がアダプタ13とヒーター14にかけて緩やかに進行されるため、形状変形時に媒質部21またはラッパーの破損危険性が大きく低下し得る。例えば、媒質部21がアダプタ13によってすぐに目標圧着形状に変形される場合には、アダプタ13の内部構造が急な傾斜を有するように設計されるべきであり、これに伴い形状が変形される途中で媒質部21またはラッパーが破損することもある。しかし、本実施形態では、アダプタ13の内部構造が緩やかな傾斜を有するように設計されてもよいため、形状変形過程の安定性が大きく向上し得る。ひいては、目標圧着形状がより圧着された形状に設定されてもよくなるため、場合によりヒーター14の加熱効率がさらに向上し得る。
【0063】
また、いくつかの実施形態で、ヒーター14の少なくとも一部は熱によって形状が変形される形状変形素材からなり得る。そして、ヒーター14は発熱時に形状変形を通じて内部に収容された媒質部21を圧着するように構成され得る。このような場合、ヒーター14と媒質部21がさらに密着し得、ヒーター14によって媒質部21がさらに圧着され得るため、ヒーター14の加熱効率がさらに向上し得る。一方、喫煙終了などの理由でヒーター14の動作が中止(または終了)される場合、ヒーター14の形状変形部分が再び本来の形状に復元されて圧着(または密着)が解除され得、これに伴いエアゾール発生物品2が容易に除去され得る。
【0064】
前述した実施形態で、ヒーター14の周辺に冷却要素が配置されてもよい。冷却要素はエアゾール発生装置10の使用が終了(e.g.喫煙終了)した後に、ヒーター14を冷却するように動作することができる。冷却要素の動作は制御本体15によって制御され得る。このような場合、ヒーター14が速やかに本来の形状に復元され得るため、媒質部21に対する圧着が速やかに解除され得る。これに伴い、エアゾール発生装置10の使用が終了した後、エアゾール発生物品2が破損することなく速かに除去され得る。例えば、ヒーター14が本来の形状に速やかに復元されないため圧着が解除される前にエアゾール発生物品2を除去する場合、エアゾール発生物品2のラッパーや媒質部12の残余部分が破損する恐れがあり、これによってエアゾール発生装置10の内部が汚染し得る。しかし、冷却要素が配置されると、このような問題が大きく緩和し得る。
【0065】
ヒーター14は電気抵抗性ヒーターであってもよく、誘導加熱方式で動作してもよい。このように、ヒーター14の類型または加熱方式は多様に設計され得、本開示の範囲はヒーター14の類型や加熱方式などによって限定されない。
【0066】
次に、制御本体15はエアゾール発生装置10の動作を全般的に制御することができる。より詳しくは、制御本体15は下部ケース、バッテリー(図示されず)および制御部(図示されず)を含むように構成され得、制御部(図示されず)がエアゾール発生装置10の動作を全般的に制御することができる。以下、制御本体15の各構成要素について簡略に説明することにする。
【0067】
下部ケースは制御本体15の外観(エアゾール発生装置10の下部外観)を形成することができる。上部ケース11と同様に、下部ケースもエアゾール発生装置10の機能性、審美性などを考慮して適切な形態を有するように設計され得る。したがって、下部ケースの形態は
図2に例示されたものに限定されるものではない。下部ケースはバッテリー(図示されず)および制御部(図示されず)を保護できる適切な素材で具現され得る。
【0068】
次に、バッテリー(図示されず)はエアゾール発生装置10の動作に利用される電力を供給することができる。例えば、バッテリー(図示されず)はヒーター14が動作できるように電力を供給することができ、制御部(図示されず)の動作に必要な電力を供給することができる。
【0069】
次に、制御部(図示されず)はエアゾール発生装置10の動作を全般的に制御することができる。例えば、制御部(図示されず)はヒーター14およびバッテリー(図示されず)の動作を制御することができ、エアゾール発生装置10に含まれた他の構成要素の動作も制御することができる。制御部(図示されず)はバッテリー(図示されず)が供給する電力、ヒーター14の加熱温度などを制御することができる。
【0070】
バッテリー(図示されず)および制御部(図示されず)については
図10~
図12の説明部分をさらに参照することにする。
【0071】
これまで
図2~
図5を参照して本開示のいくつかの実施形態に係るエアゾール発生装置10について説明した。前述によると、エアゾール発生物品2が挿入される時、アダプタ13の内部構造(形状)と挿入力によって媒質部21が自然に目標圧着形状に変形され得る。これに伴い、ヒーター14から媒質部21の中心部までの距離が減少してヒーター14の加熱効率が向上し得る。例えば、媒質部21の部位別温度差が最小化され、内部のエアゾール形成基材が迅速に目標温度に到達できることになる。また、加熱効率が向上することによってエアゾール発生装置10の予熱時間が短縮され、消費電力が減少し得、エアゾール発生物品2の喫味感も向上し得る。また、ヒーター14が目標圧着形状とマッチングされる形状を有することによって、ヒーター14の加熱効率がさらに向上し得る。また、挿入口12の断面がエアゾール発生物品2の断面と目標圧着形状の断面が組み合わせられた形状を有することによって、エアゾール発生物品2の挿入および除去がいずれも容易に遂行され得る。
【0072】
以下では、
図6以下の図面を参照して本開示のいくつかの実施形態に係るアダプタ13の細部構造と動作原理について説明することにする。
【0073】
図6は、本開示のいくつかの実施形態に係るアダプタ13を説明するための例示的な図面である。特に、
図6は目標圧着形状が長円状に設定された場合のアダプタ13の形状を例示しており、目標圧着形状が変更される場合にはアダプタ13の形状もそれにしたがって一部が変形されることもある。以下の説明では、理解の便宜を提供するために、X軸がアダプタ13の断面の横方向に相応し、Y軸がアダプタ13の断面の縦方向に相応し、Z軸がアダプタ13の深さ方向(またはエアゾール発生物品2の挿入方向)に相応することを仮定して説明をすることにする。
【0074】
図6に例示された通り、アダプタ13は内部に空間が形成され、両端部131、132が開放された構造を有することができる。この時、挿入口12側に位置した第1開放端部131は媒質部21に対して入口として機能し、ヒーター14側に位置した第2開放端部132は出口として機能することができ、内部空間の少なくとも一部は傾斜した構造(形状)からなり得る。アダプタ13の第1開放端部131を通じて入ってきた媒質部21は、アダプタ13の内部空間に沿って第2開放端部132側に移動しながら内部構造(形状)によって目標圧着形状に変形され得る。例えば、
図7に図示された通り、円筒状の媒質部21がアダプタ13の内部構造(形状)とエアゾール発生物品2の挿入力によって自然に長円状に変形され得る。
【0075】
図示された通り、第1開放端部131の断面は挿入口12と同様に媒質部21の断面と目標圧着形状の断面が組み合わせられた形状を有するように設計され得る。例えば、第1開放端部131の断面は円筒状と長円状が組み合わせられた形状を有することができる。そのようにすることによって、エアゾール発生物品2が破損することなく容易に挿入および除去され得る。
【0076】
明確に図示されてはいないが、第2開放端部132の断面は目標圧着形状の断面とマッチングされるように設計され得る。例えば、第2開放端部132の断面は長円状であり得る。そのように設計されることによって、媒質部21が目標圧着形状に適切に変形され得る。
【0077】
図6に図示された通り、アダプタ13の内部空間は断面積が第1開放端部131から第2開放端部132に行くほど減少する傾向を有するように設計され得る。この時、内部空間の断面のY軸方向の長さ(断面の縦長さ;e.g.アダプタの上面133Tと下面133Bの間の距離L1、L2)は第1開放端部131から第2開放端部132まで一定であり(e.g.L3=L4)、X軸方向の長さ(断面の横長さ;アダプタの左面133Lと右面133Rの間の距離L3、L4)は第1開放端部131から第2開放端部132に行くほど減少する傾向を有することができる(e.g.L1<L2)。このような場合、
図8に図示された通り、媒質部21が縦方向に圧着されながら横方向に広がることになって安定的に長円状に変形され得るようになる。
【0078】
【0079】
一方、アダプタ13の傾斜角θと目標圧着形状の圧着程度はヒーター14の加熱効率と媒質部21およびラッパーの破損危険性を考慮して適切に設計され得、これは実施形態により変わり得る。ここで、傾斜角θはエアゾール発生物品2の長さ軸(すなわち、Z軸)に対するアダプタ13内部の傾斜面が有する角度を意味し得る(
図6参照)。
【0080】
いくつかの実施形態で、傾斜角θは約5度~60度であり得、好ましくは約10度~50度または約10度~40度であり得る。さらに好ましくは、傾斜角θは約15度~35度、20度~40度または約15度~35度であり得る。このような数値範囲内で、媒質部21が適切に圧着された形状に変形され、形状変形時の破損危険性も大きく減少するものと確認された。例えば、傾斜角が過度に小さい場合には、媒質部21の圧着程度が落ちてヒーター14の加熱効率と予熱時間短縮効果が低下し得る。その反対に、傾斜角が過度に大きい場合には、急激な形状変形により媒質部21またはラッパーが破損する問題が発生し得る。
【0081】
因みに、アダプタ13内部の傾斜面(または傾斜構造)は媒質部21の円滑な挿入のために曲面で形成されてもよいが、このような場合、傾斜角θはエアゾール発生物品2の長さ軸と前記曲面の接線がなす平均角度を意味してもよい。
【0082】
また、いくつかの実施形態で、形状変形された媒質部21の厚さ(e.g.
図8のD2)は形状変形前(e.g.
図8のD1)と比べ約10%~90%であり得、好ましくは約20%~80%、約30%~90%または約10%~70%であり得、さらに好ましくは約20%~60%、約30%~60%または約30%~70%であり得る。このような数値範囲内で、ヒーター14の加熱効率が保証され、媒質部21またはラッパーの破損危険性が顕著に減少するものと確認された。
【0083】
また、いくつかの実施形態では、アダプタ13の傾斜角が第1開放端部131から第2開放端部132に行くほど増加する傾向を有するように設計され得る。例えば、アダプタ13は
図9に図示されたような傾斜構造を有し、第2傾斜角θ2が第1傾斜角θ1より大きく、第3傾斜角θ3が第2傾斜角θ2より大きい値を有することができる。このような場合、エアゾール発生物品2の挿入時に媒質部21がアダプタ13に微細に引っかかる感じが繰り返しユーザーに伝達されて、エアゾール発生物品2の挿入速度を間接的に制限する効果が達成され得、これによって媒質部21またはラッパーの破損危険性が減少し得る。
【0084】
一方、アダプタ13は表面粗さが低い素材(材質)または摩擦係数が低い材質からなることが好ましい。例えば、アダプタ13はステンレスなどのような金属材質からなり得る。このような場合、エアゾール発生物品2がアダプタ13の内部をなめらかに通過することになり、形状変形時の破損危険性が減少し得る。
【0085】
いくつかの実施形態では、アダプタ13の内面に表面粗さを減少させる処理が遂行され得る。このような表面処理は表面をなめらかにさせる多様なコーティング処理を含むことができるであろうが、これに限定されるものではない。本実施形態によると、アダプタ13の内部の表面粗さが減少することによって媒質部21がなめらかに挿入され得るため、形状変形に要求される挿入力が最小化され得る。また、媒質部21がなめらかに挿入されることにより形状変形時の破損危険性がさらに減少し得る。
【0086】
これまで
図6~
図9を参照して本開示のいくつかの実施形態に係るアダプタ13の細部構造と動作原理について詳細に説明した。前述によると、アダプタ13の内部構造とエアゾール発生物品2の挿入力を通じて自然に媒質部21が目標圧着形状に変形され得、これに伴い、ヒーター14の加熱効率が向上し得る。また、アダプタ13はエアゾール発生物品2を挿入すること以外には形状変形のためのユーザーの介入を要求しないため、ユーザーの加圧力を利用して形状を変形する技術と比較した時、さらによいユーザー利便性を提供することができる。
【0087】
以下では、
図10~
図12を参照して本開示のいくつかの実施形態に係るアダプタ13およびこれに関連した技術的構成(e.g.挿入口12、ヒーター14等)が適用され得る多様な類型のエアゾール発生装置100-1~100-3について紹介することにする。
【0088】
図10~
図12は、エアゾール発生装置100-1~100-3を示す例示的なブロック図である。具体的には、
図10は巻タバコ型エアゾール発生装置10を例示しており、
図11および
図12は液状と巻タバコを共に利用するハイブリッド型エアゾール発生装置100-2,100-3を例示している。以下、各エアゾール発生装置100-1~100-3について説明することにする。
【0089】
図10に図示された通り、エアゾール発生装置100-1はヒーター140、バッテリー130および制御部120を含むことができる。ただし、これは本開示の目的を達成するための好ましい実施形態に過ぎず、必要に応じて一部の構成要素が追加または省略されてもよいことは言うまでもない。また、
図10に図示されたエアゾール発生装置100-1のそれぞれの構成要素は機能的に区分される機能要素を示したものであり、複数の構成要素が実際の物理的環境では互いに統合される形態で具現されたり、単一の構成要素が複数の細部機能要素に分離される形態で具現されてもよい。以下、エアゾール発生装置100-1の各構成要素について説明することにする。
【0090】
ヒーター140は巻タバコ150周辺に配置されて巻タバコ150を加熱することができる。巻タバコ150は固体のエアゾール形成基材を含んで加熱されることによってエアゾールを発生させることができる。発生したエアゾールはユーザーの口部を通じて吸入され得る。ヒーター140は前述したヒーター14に対応し得、ヒーター140の加熱温度は制御部120によって制御され得る。
【0091】
次に、バッテリー130はエアゾール発生装置100-1の動作に利用される電力を供給することができる。例えば、バッテリー130はヒーター140が巻タバコ150に含まれたエアゾール形成基材を加熱できるように電力を供給することができ、制御部120の動作に必要な電力を供給することができる。
【0092】
また、バッテリー130はエアゾール発生装置100-1に設置されたディスプレイ(図示されず)、センサ(図示されず)、モータ(図示されず)等の電気的構成要素の動作に必要な電力を供給することができる。
【0093】
次に、制御部120はエアゾール発生装置100-1の動作を全般的に制御することができる。例えば、制御部120はヒーター140およびバッテリー130の動作を制御することができ、エアゾール発生装置100-1に含まれた他の構成要素の動作も制御することができる。制御部120はバッテリー130が供給する電力、ヒーター140の加熱温度などを制御することができる。また、制御部120はエアゾール発生装置100-1の構成それぞれの状態を確認してエアゾール発生装置100-1が動作可能な状態であるか否かを判断してもよい。
【0094】
制御部120は少なくとも一つのプロセッサ(processor)によって具現され得る。前記プロセッサは多数の論理ゲートのアレイで具現されてもよく、汎用的なマイクロプロセッサとこのマイクロプロセッサで実行され得るプログラムが保存されたメモリの組み合わせで具現されてもよい。また、本開示が属する技術分野で通常の知識を有する者であれば、制御部120が他の形態のハードウェアで具現されてもよいことが自明に理解できる。
【0095】
以下では、
図11および
図12を参照してハイブリッド型エアゾール発生装置100-2,100-3について簡略に説明することにする。
【0096】
図11は蒸気化器1と巻タバコ150が並列に配置されたエアゾール発生装置100-2を例示しており、
図12は蒸気化器1と巻タバコ150が直列に配置されたエアゾール発生装置100-3を例示している。しかし、エアゾール発生装置の内部構造は
図11および
図12に例示されたものに限定されるものではなく、設計方式により構成要素の配置は変更され得る。
【0097】
図11および
図12で、蒸気化器1は液状のエアゾール形成基材を気化させてエアゾールを発生させることができる。蒸気化器1で発生したエアゾールは巻タバコ150を通過してユーザーの口部を通じて吸入され得る。
【0098】
蒸気化器1の細部構造は多様に設計され得、いくつかの実施形態に係る蒸気化器1は液状のエアゾール形成基材を貯蔵する液状貯蔵槽、エアゾール形成基材を吸収するウィック(wick)および吸収されたエアゾール形成基材を気化させる気化要素を含むことができる。気化要素は加熱を通じて液状を気化させる加熱要素で具現され得るであろうが、これに限定されるものではなく、気化要素は超音波振動等を通じて液状を気化させてもよい。気化要素の動作は制御部120によって制御され得る。
【0099】
これまで
図10~
図12を参照して本開示のいくつかの実施形態に係るアダプタ13およびこれに関連した技術的構成が適用され得る多様な類型のエアゾール発生装置100-1~100-3について説明した。
【0100】
以上において、本開示の実施形態を構成するすべての構成要素が一つに結合または結合されて動作するものとして説明されたが、本開示の技術的思想は必ずしもこのような実施形態に限定されるものではない。すなわち、本開示の目的範囲内であれば、そのすべての構成要素が一つ以上に選択的に結合して動作してもよい。
【0101】
以上、添付された図面を参照して本開示の実施形態を説明したが、本開示が属する技術分野で通常の知識を有する者は、その技術的思想や必須の特徴を変更することなく本開示が他の具体的な形態でも実施され得ることが理解できるであろう。したがって、以上で記述した実施形態はすべての面で例示的なものであり限定的ではないものと理解されるべきである。本開示の保護範囲は以下の特許請求の範囲によって解釈されるべきであり、それと同等な範囲内にあるすべての技術思想は本開示によって定義される技術的思想の権利範囲に含まれるものと解釈されるべきである。
【国際調査報告】