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特表2022-550663洗濯機の貯液装置及び当該貯液装置を有する洗濯機
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-05
(54)【発明の名称】洗濯機の貯液装置及び当該貯液装置を有する洗濯機
(51)【国際特許分類】
   D06F 39/02 20060101AFI20221128BHJP
【FI】
D06F39/02 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022507744
(86)(22)【出願日】2020-08-12
(85)【翻訳文提出日】2022-03-29
(86)【国際出願番号】 CN2020108567
(87)【国際公開番号】W WO2021027826
(87)【国際公開日】2021-02-18
(31)【優先権主張番号】201910738316.3
(32)【優先日】2019-08-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201910738305.5
(32)【優先日】2019-08-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512128645
【氏名又は名称】青島海爾洗衣机有限公司
【氏名又は名称原語表記】QINGDAO HAIER WASHING MACHINE CO.,LTD.
(71)【出願人】
【識別番号】520148792
【氏名又は名称】海爾智家股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】HAIER SMART HOME CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.1 Haier Road, Laoshan District Qingdao, Shandong 266101 China
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】張開宏
(72)【発明者】
【氏名】劉尊安
(72)【発明者】
【氏名】李峰
(72)【発明者】
【氏名】張皓鈞
(72)【発明者】
【氏名】姜永富
【テーマコード(参考)】
3B166
【Fターム(参考)】
3B166AE02
3B166BA12
3B166FA01
3B166FA12
3B166FB01
(57)【要約】
洗濯機の貯液装置(4)及び当該貯液装置(4)を有する洗濯機において、当該貯液装置(4)は、収容室(1)及び前記収容室(1)と連通する通気室(2)を含む。通気室(2)には、前記収容室(1)の外部と連通する通気孔(201)が設けられている。前記通気室(2)内には、前記通気孔(201)を開閉可能な浮動部(3)が動作可能に設置されている。収容室(1)内の液体が前記通気室(2)内に進入したときに、前記浮動部(3)は浮上して前記通気孔(201)を閉塞する。当該貯液装置(4)は、収容室(1)内に通気室(2)を設置するとともに、通気室(2)に、通気孔(201)及び通気孔(201)と連携する浮動部(3)を設置している。これにより、収容室(1)内の添加剤が満杯になったあと、添加剤が通気孔(201)と接触し得ないよう保証している。よって、収容室(1)内の過剰な添加剤が投入口(5)から溢れ出すとの事態が回避されるとともに、収容室(1)内の添加剤が通気孔(201)に接触して通気孔(201)を詰まらせるとの事態も回避される。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
収容室(1)、及び
前記収容室(1)と連通する通気室(2)を含み、
前記通気室(2)には、前記収容室(1)の外部と連通する通気孔(201)と、前記収容室(1)と連通する液体進入孔(202)が設けられており、
前記通気室(2)内には、前記通気孔(201)を開閉可能な浮動部(3)が動作可能に設置されており、収容室(1)内の液体が前記液体進入孔(202)から前記通気室(2)内に進入したときに、前記浮動部(3)は浮上して前記通気孔(201)を閉塞することを特徴とする洗濯機の貯液装置。
【請求項2】
前記浮動部(3)は、前記通気孔(201)と連携して前記通気孔(201)を密封する密封部(301)を含み、
好ましくは、前記通気孔(201)は前記通気室(2)の上部に設けられることを特徴とする請求項1に記載の洗濯機の貯液装置。
【請求項3】
前記浮動部(3)の底部から上部に向かう延伸方向において、前記密封部(301)の周壁は中心軸方向に徐々に傾斜しており、
好ましくは、前記密封部(301)は錐体構造をなしており、直径の小さい側の一端が前記通気孔に面していることを特徴とする請求項2に記載の洗濯機の貯液装置。
【請求項4】
少なくとも前記密封部(301)の外壁は弾性を有する材料で作製され、
好ましくは、前記通気孔(201)の孔径は2mmよりも大きいことを特徴とする請求項2に記載の洗濯機の貯液装置。
【請求項5】
前記浮動部(3)が前記通気室(2)内で昇降する過程において、前記密封部(301)が位置する一端は常に前記通気孔(201)の方向を向いていることを特徴とする請求項2~4のいずれか1項に記載の洗濯機の貯液装置。
【請求項6】
前記通気室(2)と前記浮動部(3)との間には、前記密封部(301)を前記通気孔(201)の方向に案内する案内構造が設けられており、
好ましくは、前記案内構造は、通気室(2)の内壁における前記通気孔(201)寄りの一端に形成されて、前記通気室(2)の周壁から前記通気孔(201)の方向に徐々に傾斜するなだらかな移行構造であることを特徴とする請求項5に記載の洗濯機の貯液装置。
【請求項7】
前記浮動部(3)は、前記と離間する一端から前記通気孔(201)寄りの一端へ向かう延伸方向において、前記浮動部(3)の周壁沿いに中心軸方向へ徐々に傾斜しており、
好ましくは、前記通気室(2)の内壁は前記浮動部(3)の外壁の形状と合致していることを特徴とする請求項5に記載の洗濯機の貯液装置。
【請求項8】
前記浮動部(3)は、浮動本体(305)を含み、前記密封部(301)が前記通気孔(201)寄りの一端に設けられており、
前記浮動本体(305)は柱状構造をなしており、
好ましくは、前記浮動本体(305)は中空構造をなしており、
より好ましくは、前記浮動本体(305)は中空の円柱型構造をなしていることを特徴とする請求項2~6のいずれか1項に記載の洗濯機の貯液装置。
【請求項9】
前記通気室(2)の内壁、及び/又は前記浮動部(3)の外壁には非液粘着コーティング層が設けられていることを特徴とする請求項5に記載の洗濯機の貯液装置。
【請求項10】
前記浮動部(3)と前記液体進入孔(202)の間には支持部(302)が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の洗濯機の貯液装置。
【請求項11】
前記支持部(302)と前記液体進入孔(202)との接触部位は、線接触又は点接触となり、
好ましくは、前記支持部(302)は、前記浮動部(3)における前記液体進入孔(202)寄りの一端に設けられる第1支持ユニット(303)を含み、
より好ましくは、少なくとも前記第1支持ユニット(303)と前記液体進入孔(202)との接触部位が線接触又は点接触となることを特徴とする請求項10に記載の洗濯機の貯液装置。
【請求項12】
前記第1支持ユニット(303)は、前記浮動部(3)の底部における前記液体進入孔(202)寄りの側に設けられる曲面構造をなしており、
好ましくは、少なくとも前記第1支持ユニット(303)の外壁は弾性を有する材料で作製されることを特徴とする請求項11に記載の洗濯機の貯液装置。
【請求項13】
前記浮動部(3)と前記支持部(302)との接触部位は線接触又は点接触となり、
好ましくは、前記支持部(302)は、前記通気室(2)の内壁又は前記液体進入孔(202)に設けられる第2支持ユニット(304)を含み、
より好ましくは、少なくとも前記第2支持ユニット(304)と前記第1支持ユニット(303)との接触部位が線接触又は点接触となり、或いは、少なくとも前記第2支持ユニット(304)と前記浮動部(3)との接触部位が線接触又は点接触となることを特徴とする請求項10~12のいずれか1項に記載の洗濯機の貯液装置。
【請求項14】
前記第2支持ユニット(304)は、前記液体進入孔(202)内に設けられるリブ状の支持構造であり、
好ましくは、前記リブ状の支持構造は、前記液体進入孔(202)の液体進入方向と垂直な断面が、一文字型、Y字型又は十文字型のいずれかであることを特徴とする請求項13に記載の洗濯機の貯液装置。
【請求項15】
前記第2支持ユニット(304)は、前記通気室(2)の内壁に設けられる凸状構造であり、
好ましくは、前記凸状構造は、前記液体進入孔(202)の外周に設置されており、前記浮動部(3)側に向かって延伸していることを特徴とする請求項14に記載の洗濯機の貯液装置。
【請求項16】
前記凸状構造は、前記液体進入孔(202)の外周に設けられる環状構造であることを特徴とする請求項15に記載の洗濯機の貯液装置。
【請求項17】
前記第2支持ユニット(304)と前記第1支持ユニット(303)又は前記浮動部(3)との接触部位には、前記液体進入孔(202)の方向に延伸して前記収容室(1)と前記通気室(2)を連通させる少なくとも1つの凹溝が設けられていることを特徴とする請求項15又は16に記載の洗濯機の貯液装置。
【請求項18】
上記請求項1~17のいずれか1項に記載の洗濯機の貯液装置を含むことを特徴とする洗濯機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家庭用電気製品の技術分野に属し、具体的には、洗濯機の貯液装置及び当該貯液装置を有する洗濯機に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、市場には、各種メーカーの洗濯機が数多く存在し、機能もますます増加している。また、人工知能の発展に伴って、洗剤投入操作の利便性及び確実性に対しこれまで以上の要求が提示されるようになっている。現在使用されている洗濯機の自動投入では、洗剤貯液ケース及び柔軟剤貯液ケースに洗剤又は柔軟剤を投入するが、貯液ケースの上部に予め設置されている排気孔から排気しなければ、洗剤又は柔軟剤を満杯にすることはできない。図1に示すように、洗剤又は柔軟剤を注入する際に、ユーザが最高液位マークである「MAX」ラインに注意せず、洗剤を上面から溢れるまで補給した場合には、かなりの確率で通気孔に接触し、凝固することで通気孔を詰まらせてしまう。図2に示すように、従来の排気孔は液漏れに配慮して0.5mmの孔に設計されているが、液体が過剰に投入され、且つ長期間貯蔵された場合には、洗剤が凝固して孔を塞いでしまう。この場合、洗剤を使い切って再び投入する際に、投入不可能となったり、有効体積の洗剤を投入できなかったりする。孔を大きくすれば詰まる確率を低下させられるが、洗濯機内部での液漏れのリスクは存在する。
【0003】
特許文献1は、洗剤の自動投入機能を備える洗濯機のコントロールパネルベースを開示している。前記コントロールパネルベース内には、固形洗剤を投入するための少なくとも1つの空間と、液体洗剤を収容するための少なくとも1つの容器と、空間及び容器の双方と連通する洗剤自動投入装置が設けられている。コントロールパネルベースの上端面には少なくとも2つの洗剤投入口が設けられており、各洗剤投入口が空間及び容器に一対一で対応して連通している。前記コントロールパネルベースの下方は、外周壁と、外周壁に接続される上端面と、衣類投入口を構成する内周壁で形成される収容空間となっており、前記空間、容器及び洗剤自動投入装置はいずれも当該収容空間内に設けられる。
【0004】
特許文献2は、コントロールパネルベース本体を含む洗濯機のコントロールパネルベースを開示している。コントロールパネルベース本体内には洗剤ケースが設けられており、コントロールパネルベース本体の上端面に洗剤投入口が設けられている。洗剤投入口には洗剤投入口カバーが更に設けられており、洗剤投入口カバーには接続軸が設けられている。コントロールパネルベース本体には接続溝が設けられており、接続軸は接続溝内に設けられている。本発明では、接続軸が接続溝内に設けられており、接続軸を接続溝内で摺動させることも回動させることも可能である。よって、洗剤投入口カバーは、反転による開放も平行移動による開放も可能である。接続溝の長さは従来の回転孔の直径よりも大きいため、洗剤投入口カバーを着脱する際には、まず傾斜させてから洗剤投入口カバーを正しく配置することが可能である。
【0005】
上記の従来技術は、添加剤ケースの技術方案を提案してはいるが、洗剤の添加過程において、どのタイミングで洗剤の添加を停止するのかについては判断不可能なままである。そのため、洗剤の過剰添加によって溢れたり、排気孔が詰まったりとの事態が発生する。
【0006】
特許文献3は、洗濯機を開示している。当該洗濯機には、前記容器に外部接続されるインターフェース構造が設けられている。容器はインターフェース構造に取り外し可能に接続される。また、自動投入機構が洗濯機内に装着されて、インターフェース構造に接続される。洗濯機は、第1投入ユニット及び第2投入ユニットを含む。第1投入ユニットは、洗濯機内に装着される手動投入ユニットであり、水槽と、引き出し可能に水槽内に設けられる分配ケースを含む。自動投入機構は第1投入ユニットの水槽に設けられている。第2投入ユニットは、外付け式の投入ユニットであり、上記の添加剤を収容する容器を含む。第1投入ユニット及び第2投入ユニットは共用の投入水路を有している。
【0007】
上述した従来の技術方案は、洗剤の添加過程でバネ式の逆止弁を使用しているが、使用中に添加剤と逆止弁との接触部位に粘着が生じたり、逆止弁のバネが機能喪失に陥ったりする。そのため、どのタイミングで洗剤の添加を停止するのかを判断できない場合や、添加剤を添加できない場合が発生する。
【0008】
以上に鑑みて、本発明を提案する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】中国特許出願第201310737908.6号明細書
【特許文献2】中国特許出願第201610261656.8号明細書
【特許文献3】中国特許出願第201710685086.X号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明が解決しようとする技術的課題は、従来技術の瑕疵を解消するために、洗剤の過剰添加によって通気孔が詰まらない洗濯機の貯液装置を提供することである。
【0011】
本発明は、更に、上述した添加剤の粘着による装置の機能喪失を解消可能な貯液装置を提供する。
【0012】
本発明のもう一つの目的は、上記の貯液装置が装着された洗濯機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の技術的課題を解決するために、本発明で採用する技術方案の基本思想は以下の通りである。
【0014】
洗濯機の貯液装置は、収容室、及び前記収容室と連通する通気室を含む。
【0015】
前記通気室には、前記収容室の外部と連通する通気孔と、前記収容室と連通する液体進入孔が設けられている。
【0016】
前記通気室内には、前記通気孔を開閉可能な浮動部が動作可能に設置されている。収容室内の液体が前記液体進入孔から前記通気室内に進入したときに、前記浮動部は浮上して前記通気孔を閉塞する。
【0017】
前記浮動部は、前記通気孔と連携して前記通気孔を密封する密封部を含む。密封部を設置することで、収容室内の添加剤が満杯になったあと、添加剤が通気孔と接触し得ないようにしている。これにより、収容室内の過剰な添加剤が投入口から溢れ出すとの事態が回避されるとともに、収容室内の添加剤が通気孔に接触して通気孔を詰まらせるとの事態も回避される。
【0018】
一実施形態において、前記通気孔は前記通気室の上部に設けられる。前記密封部は、前記浮動部の上部に位置しており、前記通気孔と連携して前記通気室の密封を実現することで、通気室内の添加剤の増加を停止させる。これにより、収容室内への添加剤の添加を保証しつつ、添加剤が収容室内の投入口5から溢れ出すとの事態を回避する。また、密封部と通気孔との連携によって、添加剤が通気孔に接触して通気孔を詰まらせるとの事態も回避する。
【0019】
更に、前記浮動部の底部から上部に向かう延伸方向において、前記密封部の周壁は中心軸方向に徐々に傾斜している。前記密封部と前記通気孔との連携過程において、傾斜して設置された構造は案内作用を奏する。これにより、前記密封部と前記通気孔との連携が一段と円滑且つ正確となる。
【0020】
一実施形態において、前記密封部は錐体構造をなしており、直径の小さい側の一端が前記通気孔に面している。
【0021】
また、更に、少なくとも前記密封部の外壁は弾性を有する材料で作製される。弾性材料によって、前記密封部と前記通気孔との連携を保証することで、密封効果が保証される。
【0022】
一実施形態において、前記通気孔の孔径は2mmよりも大きい。これにより、一般的な0.5mmの通気孔の場合に発生する詰まりの問題が回避されるとともに、密封部の加工が容易となる。
【0023】
また、前記浮動部が前記通気室内で昇降する過程において、前記密封部が位置する一端は常に前記通気孔の方向を向いている。これにより、前記密封部の昇降過程において、前記密封部と添加剤との接触が回避される。また、これにより、前記通気孔と添加剤との接触も回避されるため、前記通気孔が添加剤によって詰まるとの事態は発生し得ない。
【0024】
一実施形態において、前記浮動部の重力は浮力よりも小さい。ここで言う浮力とは、前記通気室内での前記浮動部の昇降過程における前記通気室内の添加剤の浮力のことである。
【0025】
更に、前記通気室と前記浮動部の間には、前記密封部を前記通気孔の方向に案内する案内構造が設けられている。このように設置することで、前記浮動部が前記通気室の上部に近接するまで上昇したときに、案内構造の作用によって、前記密封部がより良好に前記通気孔と連携して、前記通気孔の密封を実現する。
【0026】
一実施形態において、前記案内構造は、通気室の内壁における前記通気孔寄りの一端に形成されて、前記通気室の周壁から前記通気孔の方向に徐々に傾斜するなだらかな移行構造である。
【0027】
また、更に、前記浮動部は、前記通気室の底部から上部側に向かって、前記浮動部の周壁沿いに軸線方向へ徐々に傾斜している。傾斜を有する浮動部は、通気室内における移動及び浮動部と通気孔との連携時に一定の案内作用を奏する。
【0028】
一実施形態において、前記通気室の内壁は、前記浮動部の外部形状と合致している。
【0029】
且つ、更に、前記浮動部は、浮動本体を含み、前記密封部が前記通気孔寄りの一端に設けられている。
【0030】
前記浮動本体は柱状構造をなしている。柱状構造は、前記浮動本体が前記通気室内で昇降するのに都合がよい。また、これにより、前記浮動部と前記通気孔の連携が一段と円滑になり、異なる構造に起因する引っ掛かりや位置合わせの不正確さといった問題が回避される。
【0031】
一実施形態において、前記浮動本体は中空構造をなしている。中空構造とすることは、前記浮動本体が前記通気室内で昇降するのに都合がよい。
【0032】
一実施形態において、前記浮動本体は中空の円柱型構造をなしている。
【0033】
また、更に、前記通気室の内壁、及び/又は前記浮動部の外壁には非液粘着コーティング層が設けられている。非液粘着コーティング層を設けることで、前記通気室内に進入した添加剤が前記通気室の内壁又は前記浮動部の外壁に残留し、前記浮動部と前記通気室を粘着させる結果、前記通気孔の密封に支障をきたすとの事態が回避される。
【0034】
更に、前記浮動部と前記液体進入孔の間には支持部が設けられている。
【0035】
前記支持部と前記液体進入孔との接触部位は、線接触又は点接触となる。線接触又は点接触とすることで、浮動部と液体進入孔との接触面積が減少するため、使用中に添加剤と浮動部との接触部位に粘着が発生し、浮動部が機能喪失に陥る結果、通気孔との連携による通気孔の密封を実現不可能になる等の事態が回避される。
【0036】
一実施形態において、前記支持部は、前記浮動部における前記液体進入孔寄りの一端に設けられる第1支持ユニットを含む。
【0037】
一実施形態において、少なくとも前記第1支持ユニットと前記液体進入孔との接触部位が線接触又は点接触となる。
【0038】
且つ、前記第1支持ユニットは、前記浮動部の底部における前記液体進入孔寄りの側に設けられる曲面構造をなしている。曲面構造とは、前記浮動部の底部に設けられる第1支持ユニットが球面又は略球面構造をなすことと解釈すればよい。このように設置するのは、第1支持ユニットと第2支持ユニット又は液体進入孔との接触部位における接触面積を減少させて、第1支持ユニットと第2支持ユニット又は液体進入孔との接触部位を線接触又は点接触とするためである。
【0039】
一実施形態において、少なくとも前記第1支持ユニットの外壁は弾性を有する材料で作製される。
【0040】
更に、前記浮動部と前記支持部との接触部位は線接触又は点接触となる。線接触又は点接触とすることで、浮動部と液体進入孔との接触面積が減少するため、使用中に添加剤と浮動部との接触部位に粘着が発生し、浮動部が機能喪失に陥る結果、通気孔との連携による通気孔の密封を実現不可能になる等の事態が回避される。
【0041】
一実施形態において、前記支持部は、前記通気室の内壁又は前記液体進入孔に設けられる第2支持ユニットを含む。
【0042】
一実施形態において、少なくとも前記第2支持ユニットと前記第1支持ユニットとの接触部位が線接触又は点接触となる。或いは、少なくとも前記第2支持ユニットと前記浮動部との接触部位が線接触又は点接触となる。
【0043】
且つ、前記第2支持ユニットは前記液体進入孔内に設けられるリブ状の支持構造である。リブ系支持構造は、前記浮動部又は第1支持ユニットと連携するとともに、リブ系支持構造間のスリットを通じて液体進入を実現する。これにより、通気室内への液体進入を達成しつつ、浮動部の支持も実現する。
【0044】
一実施形態において、前記リブ状の支持構造は、前記液体進入孔の液体進入方向と垂直な断面が、一文字型、Y字型又は十文字型のいずれかである。
【0045】
且つ、前記第2支持ユニットは、前記通気室の内壁に設けられる凸状構造である。前記凸状構造は、第1支持ユニット又は浮動部と連携して、線接触又は点接触による浮動部の支持を実現する。
【0046】
一実施形態において、前記凸状構造は、前記液体進入孔の外周に設置されており、前記浮動部側に向かって延伸している。
【0047】
更に、前記凸状構造は、前記液体進入孔の外周に設けられる環状構造である。
【0048】
また、更に、前記第2支持ユニットと前記第1支持ユニット又は前記浮動部との接触部位には、前記液体進入孔の方向に延伸して前記収容室と前記通気室を連通させる少なくとも1つの凹溝が設けられている。
【0049】
本発明で記載する洗濯機は、上記の貯液装置を含む。
【発明の効果】
【0050】
上記の技術方案を用いることで、本発明は従来技術と比較して以下の有益な効果を有する。即ち、本発明で記載する洗濯機の貯液装置及び当該貯液装置を有する洗濯機において、当該貯液装置は、収容室内に通気室を設置するとともに、通気室に、通気孔及び通気孔と連携する浮動部を設置している。これにより、収容室内の添加剤が満杯になったあと、添加剤が通気孔と接触し得ないよう保証している。よって、収容室内の過剰な添加剤が投入口から溢れ出すとの事態が回避されるとともに、収容室内の添加剤が通気孔に接触して通気孔を詰まらせるとの事態も回避される。
【0051】
本発明は、通気室に液体進入孔及び液体進入孔と連携する支持部を設置し、浮動部と液体進入孔との連携箇所を球面又は曲面とすることで、浮動部と液体進入孔との接触面積を減少させている。これにより、使用中に添加剤と浮動部との接触部位に粘着が発生し、浮動部が機能喪失に陥ることで、通気孔との連携による通気孔の密封を実現不可能になる等の事態が回避される。
【0052】
以下に、図面を組み合わせて、本発明の具体的実施形態につき更に詳細に述べる。
【0053】
図面は、本発明の一部として本発明の更なる理解のために用いられる。また、本発明の概略的実施例及びその説明は本発明の解釈のために用いられるが、本発明を不当に限定するものではない。なお、言うまでもなく、以下で記載する図面は実施例の一部にすぎず、当業者であれば、創造的労働を要さないことを前提に、これらの図面から更にその他の図面を得ることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0054】
図1図1は、洗濯機のパネルベースの概略構造図である。
図2図2は、従来技術における貯液装置の概略図である。
図3図3は、本発明における洗濯機の貯液装置の概略構造図である。
図4図4は、本発明における洗濯機の貯液装置の構造の概略断面図である。
図5図5は、本発明における浮動部の構造の第1の概略図である。
図6図6は、本発明における浮動部の構造の第2の概略図である。
図7図7は、本発明における支持ユニットの構造の第1の概略図である。
図8図8は、本発明における支持ユニットの構造の第2の概略図である。
図9図9は、本発明における支持ユニットの構造の第3の概略図である。
図10図10は、本発明における支持ユニットの構造の第4の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0055】
説明すべき点として、これらの図面及び文字記載は何らかの方式で本発明の構想の範囲を制限するとの意図ではなく、特定の実施例を参照して当業者に本発明の概念を説明するためのものである。
【0056】
本発明における実施例の目的、技術方案及び利点をより明確とすべく、以下では、本発明の実施例にかかる図面を組み合わせて、実施例の技術方案につき明瞭簡潔に述べる。なお、以下の実施例は本発明を説明するためのものであって、本発明の範囲を制限するものではない。
【0057】
本発明の記載において、説明すべき点として、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「内」、「外」等の用語で示される方向又は位置関係は、図示に基づく方向又は位置関係であって、本発明の記載の便宜上及び記載の簡略化のためのものにすぎず、対象となる装置又は部材が特定の方向を有し、且つ特定の方向で構成及び操作されねばならないことを明示又は暗示するものではない。よって、本発明を制限するものと理解すべきではない。
【0058】
本発明の記載において、説明すべき点として、別途明確に規定及び限定しない限り、「装着する」、「連なる」、「接続する」との用語は広義に解釈すべきである。例えば、固定的な接続であってもよいし、取り外し可能な接続であってもよいし、一体的な接続であってもよい。また、機械的な接続であってもよい。更には、直接的な連なりであってもよいし、中間媒体を介した間接的な連なりであってもよい。当業者であれば、具体的状況に応じて本発明における上記用語の具体的意味を解釈可能である。
【0059】
洗濯機の貯液装置4及び貯液装置4の概略断面図である図3及び図4に示すように、収容室1内には通気室2が設置されている。これにより、収容室1内の添加剤が通気孔201に接触して通気孔201を詰まらせるとの事態や、使用中に添加剤と浮動部3との接触部位に粘着が発生し、浮動部3が機能喪失に陥ることで、通気孔201との連携による通気孔201の密封を実現不可能になる等の事態の発生が回避される。図1に示すように、投入口5に洗剤又は柔軟剤を注入する際に、ユーザが最高液位マークである「MAX」ラインに注意せず、洗剤を上面から溢れるまで補給した場合には、かなりの確率で通気孔201に接触し、凝固することで通気孔201を詰まらせてしまう。具体的に、本発明では、通気室2内に、外部空間と通気室2を接続する通気孔201と、通気室2と収容室1を連通する液体進入孔202が設けられている。また、通気室2内には、収容室1内部の液位の昇降に伴って昇降可能な浮動部3が設けられている。実際の応用において、通気室2は、垂直方向に収容室1を貫通するよう設置してもよいし、収容室1の底壁から一定の距離に設置してもよい。
【0060】
更に、本発明における浮動部3の構造の第1及び第2の概略図である図5及び図6に示すように、添加剤が収容室1に進入するのに伴って、浮動部3が通気室2内で昇降可能となるよう保証すべく、浮動部3は柱状構造とする。且つ、密封部301が添加剤と接触することで添加剤が通気孔201と接触し、通気孔201を詰まらせるとの問題を回避するために、本発明では、浮動部3の重力が通気室2内に進入する添加剤の浮力よりも小さくなるよう設定する。且つ、浮動部3を中空構造とすることで、添加剤が通気室2に進入するのに伴って、浮動部3が前記通気室2内で昇降可能となるよう保証する。
【0061】
また、更に、使用中に添加剤と浮動部3との接触部位に粘着が発生し、浮動部3が機能喪失に陥ることで、通気孔201との連携による通気孔201の密封を実現不可能になる等の事態を解決するために、本発明では以下の技術方案を採用する。本発明における支持ユニットの構造の第1、第2、第3及び第4の概略図であって、本発明における浮動部3の底部、及び浮動部3の底部に設けられる第1支持、液体進入孔202外周の第2支持ユニット304を表す図7図10に示すように、収容室1内には通気室2が設置されており、通気室2には、液体進入孔202及び液体進入孔202と連携する浮動部3が設けられている。また、浮動部3と液体進入孔202との連携箇所は、球面又は曲面となっている。これにより、浮動部3と液体進入孔202との接触面積が減少するため、使用中に添加剤と浮動部3との接触部位に粘着が発生し、浮動部3が機能喪失に陥ることで、通気孔201との連携による通気孔201の密封を実現不可能になる等の事態が回避される。
【0062】
具体的実施例における応用は下記の通りである。
【実施例1】
【0063】
図3図4に示すように、本実施例で記載する洗濯機の貯液装置4は、収容室1及び前記収容室1と連通する通気室2を含む。前記通気室2には、前記収容室1の外部と連通する通気孔201が設けられている。また、前記通気室2の内部には浮動部3が動作可能に設置されている。前記浮動部3は、前記通気孔201を開閉可能である。
【0064】
前記浮動部3には、前記通気孔201と連携する密封部301が設けられている。前記通気孔201は、前記通気室2の内壁に設けられており、前記通気室2内のガスを排出するために用いられる。前記密封部301は、前記浮動部3の上部に位置しており、前記通気孔201と連携して前記通気室2の密封を実現する。密封部301は、通気孔201と連携して通気室2の密封を実現することで、通気室2内の添加剤の増加を停止させる。密封部301を設置することで、収容室1内の添加剤が満杯になったあと、添加剤が通気孔201と接触し得ないようにしている。これにより、収容室1内の過剰な添加剤が投入口5から溢れ出すとの事態が回避されるとともに、収容室1内の添加剤が通気孔201に接触して通気孔201を詰まらせるとの事態も回避される。
【0065】
具体的に、本発明では、収容室1内に通気室2を設置するとともに、通気室2に、通気孔201及び通気孔201と連携する浮動部3を設置している。これにより、収容室1内が満杯になったあと、添加剤が通気孔201と接触し得ないよう保証している。よって、収容室1内の過剰な添加剤が投入口5から溢れ出すとの事態が回避されるとともに、収容室1内の添加剤が通気孔201に接触して通気孔201を詰まらせるとの事態も回避される。
【実施例2】
【0066】
図4図10に示すように、本実施例で記載する洗濯機の貯液装置4は、収容室1及び前記収容室1と連通する通気室2を含む。前記通気室2には、前記収容室1と連通する液体進入孔202が設けられている。また、前記通気室2の内部には浮動部3が動作可能に設置されている。前記浮動部3と前記液体進入孔202の間には支持部302が設けられている。
【0067】
具体的に実施形態へ応用する場合、前記支持部302は前記浮動部3の底部にのみ設置してもよいし、前記通気室2の内壁又は前記液体進入孔202の外周にのみ設置してもよいし、前記支持部302を前記浮動部3の底部と前記通気室2の内壁又は前記液体進入孔202の外周に同時に設置してもよい。また、下記の具体的実施形態では、単独で使用してもよいし、互いに組み合わせて使用してもよく、当業者は実際の状況に応じて選択すればよい。具体的方案は以下の通りである。
【0068】
一実施形態において、前記支持部302と前記液体進入孔202との接触部位は、線接触又は点接触となる。前記支持部302は、前記浮動部3における前記液体進入孔202寄りの一端に設けられる第1支持ユニット303を含み、少なくとも前記第1支持ユニット303と前記液体進入孔202との接触部位が線接触又は点接触となる。
【0069】
且つ、前記第1支持ユニット303は、前記浮動部3の底部における前記液体進入孔202寄りの側に設けられる曲面構造をなしている。曲面構造とは、前記浮動部の底部に設けられる第1支持ユニットが球面又は略球面構造をなすことと解釈すればよい。このように設置するのは、第1支持ユニットと第2支持ユニット又は液体進入孔との接触部位における接触面積を減少させて、第1支持ユニットと第2支持ユニット又は液体進入孔との接触部位を線接触又は点接触とするためである。
【0070】
更に、少なくとも前記第1支持ユニット303の外壁は弾性を有する材料で作製される。
【実施例3】
【0071】
図4図10に示すように、本実施例で記載する洗濯機の貯液装置4は、収容室1及び前記収容室1と連通する通気室2を含む。前記通気室2には、前記収容室1と連通する液体進入孔202が設けられている。また、前記通気室2の内部には浮動部3が動作可能に設置されている。前記浮動部3と前記液体進入孔202の間には支持部302が設けられている。
【0072】
具体的に実施形態へ応用する場合、前記支持部302は前記浮動部3の底部にのみ設置してもよいし、前記通気室2の内壁又は前記液体進入孔202の外周にのみ設置してもよいし、前記支持部302を前記浮動部3の底部と前記通気室2の内壁又は前記液体進入孔202の外周に同時に設置してもよい。また、下記の具体的実施形態では、単独で使用してもよいし、互いに組み合わせて使用してもよく、当業者は実際の状況に応じて選択すればよい。具体的方案は以下の通りである。
【0073】
一実施形態において、前記支持部302と前記液体進入孔202との接触部位は、線接触又は点接触となる。前記支持部302は、前記浮動部3における前記液体進入孔202寄りの一端に設けられる第1支持ユニット303を含み、少なくとも前記第1支持ユニット303と前記液体進入孔202との接触部位が線接触又は点接触となる。線接触又は点接触とすることで、浮動部と液体進入孔との接触面積が減少するため、使用中に添加剤と浮動部との接触部位に粘着が発生し、浮動部が機能喪失に陥る結果、通気孔との連携による通気孔の密封を実現不可能になる等の事態が回避される。
【0074】
更に、前記浮動部3と前記支持部302との接触部位は線接触又は点接触となる。前記支持部302は、前記通気室2の内壁又は前記液体進入孔202に設けられる第2支持ユニット304を含み、少なくとも前記第2支持ユニット304と前記第1支持ユニット303との接触部位が線接触又は点接触となる。
【0075】
且つ、前記第1支持ユニット303は、前記浮動部3の底部における前記液体進入孔202寄りの側に設けられる曲面構造をなしている。少なくとも前記第1支持ユニット303の外壁は弾性を有する材料で作製される。
【実施例4】
【0076】
図4図10に示すように、本実施例で記載する洗濯機の貯液装置4は、収容室1及び前記収容室1と連通する通気室2を含む。前記通気室2には、前記収容室1と連通する液体進入孔202が設けられている。また、前記通気室2の内部には浮動部3が動作可能に設置されている。前記浮動部3と前記液体進入孔202の間には支持部302が設けられている。
【0077】
具体的に実施形態へ応用する場合、前記支持部302は前記浮動部3の底部にのみ設置してもよいし、前記通気室2の内壁又は前記液体進入孔202の外周にのみ設置してもよいし、前記支持部302を前記浮動部3の底部と前記通気室2の内壁又は前記液体進入孔202の外周に同時に設置してもよい。また、下記の具体的実施形態では、単独で使用してもよいし、互いに組み合わせて使用してもよく、当業者は実際の状況に応じて選択すればよい。具体的方案は以下の通りである。
【0078】
一実施形態において、前記浮動部3と前記支持部302の間は線接触又は点接触となる。前記支持部302は、前記通気室2の内壁又は前記液体進入孔202に設けられる第2支持ユニット304を含み、少なくとも前記第2支持ユニット304と前記浮動部3との接触部位が線接触又は点接触となる。線接触又は点接触とすることで、浮動部と液体進入孔との接触面積が減少するため、使用中に添加剤と浮動部との接触部位に粘着が発生し、浮動部が機能喪失に陥る結果、通気孔との連携による通気孔の密封を実現不可能になる等の事態が回避される。
【実施例5】
【0079】
図4図10に示すように、本実施例で記載する洗濯機の貯液装置4において、前記第2支持ユニットは前記液体進入孔内に設けられるリブ系支持構造である。リブ系支持構造は、前記浮動部又は第1支持ユニットと連携するとともに、リブ系支持構造間のスリットを通じて液体進入を実現する。これにより、通気室内への液体進入を達成しつつ、浮動部の支持も実現する。前記リブ系支持構造は、前記液体進入孔202の液体進入方向と垂直な断面が、一文字型、Y字型又は十文字型のいずれかである。
【実施例6】
【0080】
図4図10に示すように、本実施例で記載する洗濯機の貯液装置4において、前記第2支持ユニットは前記通気室の内壁に設けられる凸状構造である。前記凸状構造は、第1支持ユニット又は浮動部と連携して、線接触又は点接触による浮動部の支持を実現する。前記凸状構造は、前記液体進入孔の外周に設置されており、前記浮動部側に向かって延伸している。前記凸状構造は、前記液体進入孔202の外周に設けられる環状構造である。前記第2支持ユニットと前記第1支持ユニット又は前記浮動部との接触部位には、前記液体進入孔の方向に延伸して前記収容室と前記通気室を連通させる少なくとも1つの凹溝が設けられている。
【実施例7】
【0081】
図3図4に示すように、本実施例における前記洗濯機の貯液装置4は、前記通気室2内に浮動する浮動部3が設けられている。また、浮動部3の上部には、通気孔201と連携する密封部301が設けられている。
【0082】
前記浮動部3の底部から上部に向かう延伸方向において、前記密封部301の周壁は中心軸方向に徐々に傾斜している。一実施形態において、前記密封部301は錐体構造をなしており、直径の小さい側の一端が前記通気孔に面している。
【0083】
且つ、通気孔201と密封部301をより良好に連携させて密封を実現するために、前記密封部301は弾性を有する材料で作製される。弾性材料によって、前記密封部301と前記通気孔201との連携を保証することで、密封効果が保証される。また、前記密封部301と前記通気孔201との連携を隙間嵌め又は締り嵌めとし、密封を実現することで、通気室2内の添加剤の漏出が回避される。
【0084】
このほか、前記通気孔201の孔径は2mmよりも大きい。これにより、一般的な0.5mmの通気孔201の場合に発生する詰まりの問題が回避されるとともに、密封部301の加工が容易となる。
【実施例8】
【0085】
図3図4に示すように、本実施例における前記浮動部3は、前記通気室2の底部から上部側に向かって、前記浮動部3の周壁沿いに軸線方向へ徐々に傾斜している。傾斜を有する浮動部3は、通気室2内における移動及び浮動部3と通気孔201との連携時に一定の案内作用を奏する。前記通気室2の内壁は、前記浮動部3の外部形状と合致している。
【0086】
このほか、前記通気室2と前記浮動部3の間には、前記密封部3を前記通気孔201の方向に案内する案内構造が設けられている。このように設置することで、前記浮動部3が前記通気室2の上部に近接するまで上昇したときに、案内構造の作用によって、前記密封部301がより良好に前記通気孔201と連携して、前記通気孔201の密封を実現する。前記案内構造は、通気室2の内壁における前記通気孔201寄りの一端に形成されて、前記通気室2の周壁から前記通気孔201の方向に徐々に傾斜するなだらかな移行構造である。
【実施例9】
【0087】
本発明における浮動部3の構造の第1及び第2の概略図である図5図6に示すように、添加剤が収容室1に進入するのに伴って、浮動部3が通気室2内で円滑に昇降可能となるよう保証すべく、本実施例の前記浮動部3は、浮動本体305を含み、前記密封部301が前記通気孔201寄りの一端に設けられている。前記浮動本体305は柱状構造をなしている。柱状構造は、前記浮動本体305が前記通気室2内で昇降するのに都合がよい。また、これにより、前記浮動部3と前記通気孔201の連携が一段と円滑になり、異なる構造に起因する引っ掛かりや位置合わせの不正確さといった問題が回避される。前記浮動本体305は中空構造をなしている。中空構造とすることは、前記浮動本体305が前記通気室2内で昇降するのに都合がよい。前記浮動本体305は中空の円柱型構造をなしている。
【実施例10】
【0088】
図5図6に示すように、本実施例の前記浮動部3が前記通気室2内で昇降する過程において、前記密封部301が位置する一端は常に前記通気孔201の方向を向いている。これにより、前記密封部301の昇降過程において、前記密封部301と添加剤との接触が回避される。また、これにより、前記通気孔201と添加剤との接触も回避されるため、前記通気孔201が添加剤によって詰まるとの事態は発生し得ない。前記浮動部3の重力は浮力よりも小さい。ここで言う浮力とは、前記通気室2内での前記浮動部3の昇降過程における前記通気室2内の添加剤の浮力のことである。
【実施例11】
【0089】
本実施例における前記通気室2の内壁、及び/又は前記浮動部3の外壁には非液粘着コーティング層が設けられている。非液粘着コーティング層を設けることで、前記通気室2内に進入した添加剤が前記通気室2の内壁又は前記浮動部3の外壁に残留し、前記浮動部3と前記通気室2を粘着させる結果、前記通気孔201の密封に支障をきたすとの事態が回避される。
【実施例12】
【0090】
本実施例で記載する洗濯機は、上記いずれかの実施例で記載した洗濯機の貯液装置4を含む。
【0091】
ここで提供した明細書では、多数の具体的詳細事項について説明した。しかし、本発明の実施例はこれらの具体的詳細事項が伴わない場合でも実践可能であると解釈し得る。また、一部の実施例では、本明細書に対する理解が曖昧とならないよう、公知の方法、構造及び技術については詳細に提示していない。
【0092】
このほか、当業者であれば理解可能なように、ここで記載した一部の実施例は、その他の実施例に含まれる何らかの特徴を含んでおり、その他の特徴は含んでいないが、異なる実施例の特徴を組み合わせることは、本発明の保護の範囲内であって、且つ異なる実施例を形成することを同様に意味している。例えば、上記の実施例において、当業者は、周知の技術方案及び本願で解決しようとする技術的課題に基づいて、実施例を組み合わせる方式を使用可能である。
【0093】
以上の記載は本発明の好ましい実施例にすぎず、本発明を何らかの形式に制限するものではない。本発明については好ましい実施例によって上記のように開示したが、本発明を限定するとの主旨ではない。本発明の技術方案を逸脱しない範囲において、当業者が上記で提示した技術内容を用いて実施可能なわずかな変形或いは補足は、同等に変形された等価の実施例とみなされ、いずれも本発明の技術方案の内容を逸脱するものではない。また、本発明の技術的本質に基づいて上記の実施例に加えられる任意の簡単な修正、同等の変形及び補足は、いずれも本発明の方案の範囲に属する。
【符号の説明】
【0094】
1 収容室
2 通気室
201 通気孔
202 液体進入孔
3 浮動部
301 密封部
302 支持部
303 第1支持ユニット
304 第2支持ユニット
305 浮動本体
4 貯液装置
5 投入口
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【国際調査報告】