(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-05
(54)【発明の名称】エンシフェントリンを含む医薬組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 9/72 20060101AFI20221128BHJP
A61K 31/519 20060101ALI20221128BHJP
A61K 9/14 20060101ALI20221128BHJP
A61K 47/26 20060101ALI20221128BHJP
A61P 11/06 20060101ALI20221128BHJP
A61P 37/08 20060101ALI20221128BHJP
A61P 11/02 20060101ALI20221128BHJP
A61P 11/08 20060101ALI20221128BHJP
A61P 11/00 20060101ALI20221128BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20221128BHJP
A61P 17/00 20060101ALI20221128BHJP
A61P 17/06 20060101ALI20221128BHJP
A61P 27/02 20060101ALI20221128BHJP
A61P 9/10 20060101ALI20221128BHJP
A61P 29/00 20060101ALI20221128BHJP
A61P 37/02 20060101ALI20221128BHJP
【FI】
A61K9/72
A61K31/519
A61K9/14
A61K47/26
A61P11/06
A61P37/08
A61P11/02
A61P11/08
A61P11/00
A61P43/00 105
A61P17/00
A61P17/06
A61P27/02
A61P9/10
A61P29/00
A61P37/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2022508963
(86)(22)【出願日】2020-08-12
(85)【翻訳文提出日】2022-03-07
(86)【国際出願番号】 GB2020051914
(87)【国際公開番号】W WO2021028679
(87)【国際公開日】2021-02-18
(32)【優先日】2019-08-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515259535
【氏名又は名称】ヴェローナ ファーマ ピーエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100080791
【氏名又は名称】高島 一
(74)【代理人】
【識別番号】100136629
【氏名又は名称】鎌田 光宜
(74)【代理人】
【識別番号】100125070
【氏名又は名称】土井 京子
(74)【代理人】
【識別番号】100121212
【氏名又は名称】田村 弥栄子
(74)【代理人】
【識別番号】100174296
【氏名又は名称】當麻 博文
(74)【代理人】
【識別番号】100137729
【氏名又は名称】赤井 厚子
(74)【代理人】
【識別番号】100151301
【氏名又は名称】戸崎 富哉
(74)【代理人】
【識別番号】100122345
【氏名又は名称】高山 繁久
(72)【発明者】
【氏名】スパーゴ、ピーター リオネル
(72)【発明者】
【氏名】フレンチ、エドワード ジェームズ
【テーマコード(参考)】
4C076
4C086
【Fターム(参考)】
4C076AA29
4C076AA93
4C076BB27
4C076CC01
4C076CC04
4C076CC07
4C076CC10
4C076CC11
4C076CC15
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4C076FF68
4C076GG32
4C086AA01
4C086AA02
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4C086NA11
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4C086ZA59
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4C086ZA89
4C086ZB07
4C086ZB11
4C086ZB13
4C086ZC01
4C086ZC41
(57)【要約】
本発明は、(i)エンシフェントリン粒子;(ii)40μm~80μmのDv50を有する粗大ラクトース粒子;および(iii)5μm~10μmのDv50を有する微細ラクトース粒子を含む、吸入投与に適したドライパウダー医薬組成物であって、微細ラクトース粒子が、ドライパウダー医薬組成物に対する総重量に対して0.1重量%~6.0重量%の量で存在する、ドライパウダー医薬組成物に関する。ドライパウダー医薬組成物を含むドライパウダー吸入器およびドライパウダー医薬組成物の医学的使用も提供される。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)エンシフェントリン粒子;
(ii)40μm~80μmのDv50を有する粗大ラクトース粒子;および
(iii)5μm~10μmのDv50を有する微細ラクトース粒子
を含む、吸入投与に適したドライパウダー医薬組成物であって、
微細ラクトース粒子が、ドライパウダー医薬組成物に対する総重量に対して0.1重量%~6.0重量%の量で存在する、ドライパウダー医薬組成物。
【請求項2】
微細ラクトース粒子の量が、ドライパウダー医薬組成物の総重量に対して0.5重量%~5.0重量%、好ましくは3.5重量%~4.0重量%である、請求項1に記載のドライパウダー医薬組成物。
【請求項3】
粗大ラクトース粒子が、ドライパウダー医薬組成物の総重量に対して80.0重量%~99.0重量%、好ましくは90.0重量%~96.0重量%の量で存在する、請求項1または2に記載のドライパウダー医薬組成物。
【請求項4】
粗大ラクトース粒子が、50μm~70μm、好ましくは55μm~65μmのDv50を有する、先行する請求項のいずれか一項に記載のドライパウダー医薬組成物。
【請求項5】
エンシフェントリン粒子が、ドライパウダー医薬組成物の総重量に対して0.1重量%~10重量%、好ましくは0.2重量%~6.0重量%の量で存在する、先行する請求項のいずれか一項に記載のドライパウダー医薬組成物。
【請求項6】
エンシフェントリン粒子が、エンシフェントリン粒子の総重量に対して少なくとも90重量%の、好ましくは少なくとも95.0重量%のエンシフェントリンまたはその薬学的に許容される塩を含む、先行する請求項のいずれか一項に記載のドライパウダー医薬組成物。
【請求項7】
エンシフェントリン粒子が、0.5μm~5.0μm、好ましくは1.0μm~2.0μmのDv50を有する、先行する請求項のいずれか一項に記載のドライパウダー医薬組成物。
【請求項8】
エンシフェントリン粒子、粗大ラクトース粒子および微細ラクトース粒子の総量が、ドライパウダー医薬組成物の総重量に対して少なくとも90.0重量%、好ましくは少なくとも95.0重量%である、先行する請求項のいずれか一項に記載のドライパウダー医薬組成物。
【請求項9】
ドライパウダー医薬組成物が、ドライパウダー吸入器による投与に適している、先行する請求項のいずれか一項に記載のドライパウダー医薬組成物。
【請求項10】
先行する請求項のいずれか一項に記載のドライパウダー医薬組成物を含むドライパウダー吸入器。
【請求項11】
ヒトまたは動物の体の治療に使用するための、請求項1~9のいずれか一項に記載のドライパウダー医薬組成物。
【請求項12】
喘息、アレルギー性喘息、花粉症、アレルギー性鼻炎、気管支炎、気腫、気管支拡張症、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、成人呼吸促迫症候群(ARDS)、ステロイド抵抗性喘息、重症喘息、小児喘息、嚢胞性線維症、肺の線維症、肺線維症、間質性肺疾患、皮膚障害、アトピー性皮膚炎、乾癬、眼の炎症、脳虚血、炎症性疾患および自己免疫疾患から選ばれる疾患または状態の治療または予防に使用するための、請求項1~9のいずれか一項に記載のドライパウダー医薬組成物。
【請求項13】
疾患または状態が、慢性閉塞性肺疾患(COPD)である、請求項12に記載の使用のためのドライパウダー医薬組成物。
【請求項14】
請求項12または13で定義される疾患または状態を治療する方法で使用するための請求項1~9のいずれか一項に記載のドライパウダー医薬組成物であって、
該方法が、ドライパウダー医薬組成物を含むドライパウダー吸入器の吸入を含み、
吸入後のエンシフェントリン粒子の微細粒子画分が、少なくとも20%である、ドライパウダー医薬組成物。
【請求項15】
吸入後のエンシフェントリン粒子の微細粒子画分が、少なくとも30%、好ましくは少なくとも35%である、請求項14に記載の使用のためのドライパウダー医薬組成物。
【請求項16】
対象における請求項12または13で定義される疾患または状態を治療または予防する方法であって、請求項1~9のいずれか一項に記載のドライパウダー医薬組成物の有効量を前記対象に投与することを含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、呼吸器用薬物を含むドライパウダー医薬組成物に関する。本発明は、ドライパウダー医薬組成物を含むドライパウダー吸入器にも関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
エンシフェントリン(9,10-ジメトキシ-2-(2,4,6-トリメチルフェニルイミノ)-3-(N-カルバモイル-2-アミノエチル)-3,4,6,7-テトラヒドロ-2H-ピリミド[6,1-a]イソキノリン-4-オン;RPL554としても知られている)は、二重PDE3/PDE4阻害剤であり、WO 00/58308 A1に記載されている。複合PDE3/PDE4阻害剤であるエンシフェントリンは、抗炎症作用および気管支拡張作用の両方を有し、喘息および慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの呼吸器疾患の治療に有用である。エンシフェントリンの構造を以下に示す。
【0003】
【0004】
エンシフェントリンは、呼吸器疾患の治療におけるその有効性を考慮して、典型的には、吸入によって投与される。ネブライザーによるエンシフェントリンの投与が知られている(WO 2016/042313 A1)。しかし、ハンドヘルド吸入器、例えばドライパウダー吸入器(DPI)を使用して、呼吸器用薬物を投与することが、しばしば望ましい。
【0005】
ドライパウダー医薬製剤をDPIで使用して、適切な用量の活性剤を効果的に送達できることが重要である。DPIのための効果的な製剤は、典型的には、高い微細粒子画分(FPF、5μm未満の粒径を有する放出用量の割合に対応)を送達するものである。WO 00/58308 A1は、エンシフェントリンおよびラクトースを含むドライパウダー製剤を記載する。WO 2014/140647 A1は、エンシフェントリン/ベータアドレナリン受容体拮抗薬の組合せと、15μm未満の質量メジアン径(MMD)を有するラクトース粒子を少なくとも15%含む混合ラクトースとを含むドライパウダー組成物を記載する。
【0006】
エンシフェントリンを効果的に送達するドライパウダー製剤を開発する必要がある。広範囲の異なるエンシフェントリン用量を送達することができるドライパウダー製剤を調製することも望ましい。
【発明の概要】
【0007】
発明の概要
エンシフェントリンと、特定の粒径を有する低割合の微細ラクトースを含む特定のラクトースブレンドとを含むドライパウダー組成物が、改善された微細粒子画分を送達することは、本発明の驚くべき発見である。この組成物は、吸入によってエンシフェントリンを投与するための改善された方法を提供する。
【0008】
本発明は、(i)エンシフェントリン粒子;(ii)40μm~80μmのDv50を有する粗大ラクトース粒子;および(iii)5μm~10μmのDv50を有する微細ラクトース粒子を含む、吸入投与に適したドライパウダー医薬組成物であって、微細ラクトース粒子が、ドライパウダー医薬組成物に対する総重量に対して0.1重量%~6.0重量%の量で存在する、ドライパウダー医薬組成物を提供する。
【0009】
本発明は、本発明のドライパウダー医薬組成物を含むドライパウダー吸入器も提供する。
ヒトまたは動物の体の治療に使用するための本発明のドライパウダー医薬組成物も、本発明によってさらに提供される。
【発明を実施するための形態】
【0010】
発明の詳細な説明
ドライパウダー医薬組成物は、ドライパウダー医薬組成物に対する総重量に対して0.1重量%~6.0重量%の量の微細ラクトース粒子を含む。典型的には、微細ラクトース粒子の量は、ドライパウダー医薬組成物の総重量に対して0.5重量%~5.0重量%または1.0重量%~5.0重量%である。微細ラクトースの量は、2.0重量%~4.5重量%であり得る。好ましくは、微細ラクトース粒子は、3.5重量%~4.0重量%の量で、例えば約3.75重量%の量で存在する。代わりに、微細ラクトース粒子の量は、0.25重量%~1.0重量%、例えば約0.5重量%であり得るか、または微細ラクトース粒子の量は、2.0重量%~3.0重量%、例えば約2.5重量%であり得る。
【0011】
粒径は、本明細書中、体積分布のメジアン粒径であるDv50値を参照して記載される。従って、粒子の体積の半分はDv50値よりも小さい直径を有し、粒子の体積の半分は、Dv50値よりも大きい直径を有する。これは、粒度分布を記載するための周知の方法である。Dv10およびDv90のパラメーターを使用して、サンプルの粒度分布を特徴づけることもできる。粒子の体積の10%は、Dv10値未満の直径を有する。粒子の体積の90%は、Dv90値未満の直径を有する。
【0012】
本明細書で記述されているDv50(並びにDv10およびDv90)値を測定するために使用される技術は、典型的にはレーザー回折である。例えば、粗大ラクトース粒子は、典型的には、レーザー回折によって測定される40μm~80μmのDv50値を有する粒度分布を有し、微細ラクトース粒子は、レーザー回折によって測定される5μm~10μmのDv50値を有する粒度分布を有する。
【0013】
低水溶性材料、例えばエンシフェントリン粒子の粒度分布は、ウェットパウダー分散システムを使用するレーザー回折によって測定され得る。例えば、粒度分布は、Malvern Spraytec を湿式分散セルと組み合わせて使用するレーザー回折によって測定することができる。典型的には、Malvern Spraytec の機器パラメータは、次の通りである:
・粒子 - 標準の不透明な粒子;
・屈折率粒子 - 1.50;
・屈折率(虚数) - 0.50;
・粒子の密度 - 1.00;
・分散剤の屈折率 - 1.33;
・コントローラーユニット - 1000RPM;
・測定タイプ - 時間;
・初期サンプリング時間 - 30秒;
・吸光度(obscuration) - 20%~30%;
・分散剤 - 脱イオン水中の1%のポリソルベート20。
【0014】
水に可溶な原料、例えばラクトース粒子の粒度分布は、ドライパウダー分散システムを使用するレーザー回折によって測定され得る。例えば、粒度分布は、Malvern または Sympatec 乾式分散セルを使用したレーザー回折によって測定することができる。Sympatec 乾式分散セルの例は、RODOS乾式分散ユニットと一緒のHELOS/BRレーザー回折センサーである。ラクトースの粒径の測定は、例えばISO 13320:2009 粒径分析、レーザー回折法、パート1:一般原則(2009)(ISO 13320:2009 Particle Size Analyses; Laser Diffraction Methods, Part 1: General Principles (2009))を使用する、米国薬局方第34版、2011、一般章<429>、「粒径の光回折測定」、第161頁(United States Pharmacopoeia 34, 2011, General Chapter <429>, “Light diffraction measurement of particle size”, p 161)に記載されている通りであり得る。
【0015】
本発明のドライパウダー医薬組成物中の粒子は、あらゆる薬学的に許容されるサイズリダクションプロセスまたは粒径制御製造プロセスによって製造することができる。例えば、粒子は、溶液を噴霧乾燥することによって、制御された結晶化によって、または例えばエアジェットミリング、機械的微細化、若しくは媒体ミリングによる固体のサイズリダクションによって製造することができる。粗大および微細ラクトース粒子は、例えば、ラクトースのジェットミリングによって製造することができる。
【0016】
微細ラクトース粒子は、5μm~10μmのDv50を有する。例えば、微細ラクトース粒子は、5.0μm~10.0μmのDv50を有し得る。微細ラクトース粒子は、典型的には0.5μm~4.0μm、例えば1.0μm~3.0μmのDv10値を有する。微細ラクトース粒子は、典型的には30μm以下、例えば10μm~30μmのDv90値を有する。
【0017】
粗大ラクトース粒子は、医薬組成物の総重量に対して、典型的には80.0重量%~99.0重量%の量で存在する。例えば、粗大ラクトース粒子は、90.0重量%~96.0重量%の量で存在し得る。
【0018】
粗大ラクトース粒子は、典型的には50μm~70μm、好ましくは55μm~65μmのDv50を有する。例えば、粗大ラクトース粒子は、約60μmのDv50を有し得る。
【0019】
粗大ラクトース粒子は、少なくとも95重量%のラクトースを含み得るか、または本質的にラクトースからなり得る。粗大ラクトース粒子は、典型的にはラクトースからなる。微細ラクトース粒子は、少なくとも95重量%のラクトースを含み得るか、または本質的にラクトースからなり得る。微細ラクトース粒子は、典型的にはラクトースからなる。
【0020】
本質的に或る成分からなる組成物は、その成分と、その組成物が本質的にそれからなる、その成分の本質的な特徴に実質的に影響を及ぼさない他の成分とのみを典型的に含む。本質的に或る成分からなる組成物は、組成物の総重量に対して、少なくとも99.5重量%のその成分を含み得る。
【0021】
ドライパウダー医薬組成物は、粗大ラクトース粒子および微細ラクトース粒子を含むブレンドを含む。従って、ラクトースブレンドの粒度分布は二峰性であり、2つのピークを含み、1つのピークは粗大ラクトース粒子のモード粒径(modal particle size)に対応し、1つのピークは微細ラクトース粒子のモード粒径に対応する。当業者が理解するように、ラクトースブレンド中の粗大ラクトース粒子の粒度分布と微細ラクトース粒子の粒度分布との間にいくらかの重複があり得る。誤解を避けるために、ドライパウダー医薬組成物中に存在するラクトースブレンドは、40μm~80μmのDv50を有する前記粗大ラクトース粒子と、5μm~10μmのDv50を有する前記微細ラクトース粒子とを混合することによって得ることができる。
【0022】
エンシフェントリン粒子は、ドライパウダー医薬組成物の総重量に対して、典型的には0.1重量%~20重量%の量で存在する。エンシフェントリン粒子の量は、好ましくは0.1重量%~10重量%である。例えば、エンシフェントリン粒子は、0.2重量%~6.0重量%の量で存在し得る。エンシフェントリン粒子の量は、2.0重量%~4.5重量%、または3.5重量%~4.0重量%であり得る。例えば、エンシフェントリン粒子の量は、ドライパウダー医薬組成物の総重量に対して、約2.5重量%または約3.75重量%であり得る。代わりに、エンシフェントリン粒子の量は、0.1重量%~0.5重量%、例えば約0.25重量%であり得る。
【0023】
典型的には、ドライパウダー医薬組成物中に存在するエンシフェントリン粒子の量(重量%)は、ドライパウダー医薬組成物中に存在する微細ラクトース粒子の量(重量%)の40%~120%である。例えば、エンシフェントリン粒子の量(重量%)は、存在する微細ラクトース粒子の量(重量%)の90%~110%であり得る。このような場合に3.75重量%の微細ラクトース粒子が存在する場合、エンシフェントリン粒子の量は、3.375重量%(90%)~4.125重量%(110%)であり得る。
【0024】
エンシフェントリン粒子は、エンシフェントリン(即ち、エンシフェントリン遊離塩基)またはその薬学的に許容される塩を含む。典型的には、エンシフェントリン粒子はエンシフェントリンを含む。エンシフェントリン粒子は、典型的には、少なくとも90.0重量%、より好ましくは少なくとも95.0重量%のエンシフェントリンまたはその薬学的に許容される塩を含む。エンシフェントリン粒子は、本質的にエンシフェントリンまたはその薬学的に許容される塩からなり得るか、またはエンシフェントリンまたはその薬学的に許容される塩からなり得る。例えば、エンシフェントリン粒子は、エンシフェントリン遊離塩基からなり得る。
【0025】
いくつかの場合、ドライパウダー医薬組成物は、0.1重量%未満の第2の活性剤を含み、その第2の活性剤は、ムスカリン受容体拮抗薬またはベータアドレナリン受容体拮抗薬である。例えば、ドライパウダー医薬組成物は、第2の活性剤を含まなくてもよく、その第2の活性剤は、ムスカリン受容体拮抗薬またはベータアドレナリン受容体拮抗薬である。好ましい実施形態において、エンシフェントリンは、本発明のドライパウダー医薬組成物における唯一の活性剤である。
【0026】
エンシフェントリン粒子は、典型的には0.5μm~5.0μmのDv50をを有する。エンシフェントリン粒子は、好ましくは1.0μm~2.0μmのDv50を有する。典型的には、エンシフェントリン粒子のDv10は0.2μm~1.0μmであり、エンシフェントリン粒子のDv90は3.0μm~6.0μmである。例えば、エンシフェントリン粒子のDv10は0.4μm~0.6μmであり得、エンシフェントリン粒子のDv90は3.2μm~3.8μmであり得る。
【0027】
ドライパウダー医薬組成物は、追加の賦形剤を含み得る。しかし典型的には、ドライパウダー医薬組成物の主成分は、エンシフェントリン粒子、粗大ラクトース粒子および微細ラクトース粒子である。例えば、エンシフェントリン粒子、粗大ラクトース粒子、および微細ラクトース粒子の総量は、ドライパウダー医薬組成物の総重量に対して、典型的には少なくとも90.0重量%である。好ましくは、ドライパウダー医薬組成物は、ドライパウダー医薬組成物の総重量に対して、少なくとも95.0重量%のエンシフェントリン粒子、粗大ラクトース粒子および微細ラクトース粒子を含む。ドライパウダー医薬組成物は、本質的にエンシフェントリン粒子、粗大ラクトース粒子、および微細ラクトース粒子からなり得るか、またはこれらからなり得る。
【0028】
ドライパウダー医薬組成物は、(i)0.1重量%~5.0重量%の量のエンシフェントリン粒子;(ii)92.0重量%~99.5重量%の量の粗大ラクトース粒子;および(iii)0.1重量%~5.0重量%の量の微細ラクトース粒子を含み得る、ここで、これらの量は、ドライパウダー医薬組成物の総重量に対するものである。
【0029】
ドライパウダー医薬組成物は、(i)0.1重量%~0.4重量%の量のエンシフェントリン粒子;(ii)99.0重量%~99.5重量%の量の粗大ラクトース粒子;および(iii)0.25重量%~0.75重量%の量の微細ラクトース粒子を含み得る。
【0030】
ドライパウダー医薬組成物は、(i)2.0重量%~3.0重量%の量のエンシフェントリン粒子;(ii)94.0重量%~96.0重量%の量の粗大ラクトース粒子;および(iii)2.0重量%~3.0重量%の量の微細ラクトース粒子を含み得る。
【0031】
ドライパウダー医薬組成物は、(i)3.5重量%~4.0重量%の量のエンシフェントリン粒子;(ii)92.0重量%~93.0重量%の量の粗大ラクトース粒子;および(iii)3.5重量%~4.0重量%の量の微細ラクトース粒子を含み得る。
【0032】
ドライパウダー医薬組成物は、典型的には、ドライパウダー吸入器による投与に適している。例えば、ドライパウダー医薬組成物は、カプセルドライパウダー吸入器、ブリスタードライパウダー吸入器、またはリザーバードライパウダー吸入器による投与に適切であり得る。
【0033】
ドライパウダー医薬組成物は、標準的な製剤方法によって製造することができる。ドライパウダー医薬組成物は、例えば、エンシフェントリン粒子、粗大ラクトース粒子および微細ラクトース粒子を混合することを含む方法によって製造することができる。成分は、高剪断ミキサーを使用して混合することができる。
【0034】
本発明は、本明細書で定義されるドライパウダー医薬組成物を含むドライパウダー吸入器(DPI)を提供する。DPIは、ブリスターDPI、カプセルDPI、またはリザーバーDPIであり得る。DPIは当業者に周知であり、そのようなデバイスの多くは市販されており、AerolizerTM(Novartis)、AirmaxTM(IV AX)、ClickHalerTM(Innovata Biomed)、DiskhalerTM(GlaxoSmithKline)、DiskusTM または Accuhaler(GlaxoSmithKline)、EasyhalerTM(Orion Pharma)、EclipseTM(Aventis)、FlowCapsTM(Hovione)、HandihalerTM(Boehringer Ingelheim)、PulvinalTM(Chiesi)、RotahalerTM(GlaxoSmithKline)、SkyeHalerTM または CertihalerTM(SkyePharma)、Twisthaler(Schering-Plough)、TurbuhalerTM(AstraZeneca)、UltrahalerTM(Aventis)、Plastiape RS01 Dry Powder Inhaler(RPC)、Powdair(Hovione)、MRX003(Merxin)および MRX001(Merxin)などの代表的なドライパウダー吸入器デバイスがある。
【0035】
ドライパウダー医薬組成物は、ヒトまたは動物の体の治療に有用である。エンシフェントリンは、呼吸器疾患および炎症性疾患の治療に有用である。
【0036】
本発明は、喘息、アレルギー性喘息、花粉症、アレルギー性鼻炎、気管支炎、気腫、気管支拡張症、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、成人呼吸促迫症候群(ARDS)、ステロイド抵抗性喘息、重症喘息、小児喘息、嚢胞性線維症、肺の線維症(lung fibrosis)、肺線維症(pulmonary fibrosis)、間質性肺疾患、皮膚障害、アトピー性皮膚炎、乾癬、眼の炎症、脳虚血、炎症性疾患および自己免疫疾患から選ばれる疾患または状態の治療または予防に使用するための、本明細書で定義されるドライパウダー医薬組成物を提供する。典型的には、ドライパウダー組成物は、COPDまたは喘息の治療に使用するためのものである。好ましくは、疾患または状態はCOPDである。
【0037】
典型的には、ドライパウダー医薬組成物は、DPIからの吸入によって投与される。ドライパウダー医薬組成物は、DPIデバイスによって投与され、吸入あたりエンシフェントリン5μg~1000μgの計量名目用量(metered nominal dose)を提供し得る。例えば、吸入あたりの計量名目用量は、10μg~500μgであり得る。
【0038】
典型的には、ドライパウダー医薬組成物を含むDPIからの放出用量は、計量名目用量の70%~95%である。
【0039】
典型的には、ドライパウダー医薬組成物は、1日あたり1~8回のDPIの吸入を介して患者に投与される。例えば、医薬組成物は、1日4回までの1または2回の吸入によって患者に投与され得る。
【0040】
本発明は、本明細書で定義される疾患または状態を治療する方法で使用するための本明細書で定義されるドライパウダー医薬組成物を提供し、この方法は、ドライパウダー医薬組成物を含むドライパウダー吸入器の吸入(または作動)を含み、吸入(または作動)後のエンシフェントリン粒子の微細粒子画分は、少なくとも20%である。吸入後のエンシフェントリン粒子の微細粒子画分は、典型的には少なくとも30%、好ましくは少なくとも35%である。微細粒子画分は、少なくとも40%であり得る。
【0041】
微細粒子画分(FPF)は、5μm未満の空気力学的粒径を有するエンシフェントリン粒子の放出用量の画分である。放出用量は、ドライパウダー医薬組成物を含むドライパウダー吸入器デバイスから放出されるエンシフェントリン粒子の総量である。
【0042】
微粒子画分を測定する方法は、当業者に周知である。例えば、FPFは、アンダーセンカスケードインパクター(Andersen Cascade Impactor)などのカスケードインパクション技術によって、または次世代インパクター(Next Generation Impactor)によって測定することができる。典型的には、エンシフェントリンのドライパウダー製剤の微細粒子画分は、次世代インパクターを使用して測定される。
【0043】
本発明は、対象における、本明細書で定義される疾患または状態を治療または予防する方法も提供し、この方法は、本明細書で定義されるドライパウダー医薬組成物の有効量を前記対象に投与することを含む。
本発明は、以下の実施例でより詳細に説明される。
【実施例】
【0044】
実施例
原料および方法
以下の原料を使用した。
・微細化エンシフェントリン(Dv50:1.3μm)
・粗大ラクトース1(Dv50:60μm)
・粗大ラクトース2(Dv50:75μm)
・粗大ラクトース3(Dv50:105μm)
・微細ラクトース1(Dv50:<5μm)
・微細ラクトース2(Dv50:<10μm)
これらの原料の粒度分布を表1に示す。
【0045】
【0046】
ドライパウダー組成物を、以下の方法によって製造した。
1.ラクトースグレードを450μmのふるいに通した。
2.微細ラクトース粒子および粗大ラクトース粒子の総量を秤量した。
3.ラクトースグレードを高剪断ミキサーの容器に加え、5分間混合した。
4.エンシフェントリンの総量をふるいにかけ、秤量した。
5.ステップ3で得られたラクトースブレンドの3分の2を除いた。
6.エンシフェントリンの総量を高剪断ミキサー容器に加え、次にステップ5で除いたラクトースブレンドの3分の2の1つを、組成物に加えた。
7.組成物を5分間混合した。
8.ステップ5で除いたラクトースグレードのブレンドの3分の2の最後の1つを組成物に加えた。
9.組成物を5分間混合した。
10.得られた混合ドライパウダー組成物をポリエチレンバッグに移した。
【0047】
実施例1 - 製剤の比較
様々なラクトース担体および異なる量のエンシフェントリンを含む製剤を製造し、カプセルドライパウダー吸入器で試験するためにカプセルに充填した。製剤のブレンドの均一性(ラベルクレームのパーセンテージ(%LC)および相対標準偏差(RSD))、含有量の均一性(%LCおよびRSD)、および空気力学的プロファイルを評価した。空気力学的プロファイルには、非放出画分、放出用量(ED)、微細粒子用量(FPD)、微細粒子画分(FPF)、および物質収支の測定が含まれていた。
【0048】
まず、粗大ラクトース1(Dv50:60μm)、粗大ラクトース2(Dv50:75μm)および粗大ラクトース3(Dv50:105μm)のそれぞれを含む3つの製剤を製造した。これらの製剤の組成(重量パーセント)および特性を表2に示す。
【0049】
【0050】
粗大ラクトース1(Dv50:60μm)を含む製剤1が最大のFPFおよびEDを有することが分かった。従って、粗大ラクトース1が、好ましい粗大ラクトースとして選択された。
【0051】
次に、粗大ラクトース1と、微細ラクトース1(Dv50<5μm)または微細ラクトース2(Dv50<10μm)のいずれかとのブレンドを含む製剤を製造した。これらの製剤の組成および特性を表3に示す。
【0052】
【0053】
微細ラクトース2(Dv50<10μm)の添加は、微細ラクトース1(より小さいDv50)の添加に対して、意外にもFPFを増加させることが分かった。従って、粗大ラクトース1および微細ラクトース2の組合せが、改善された空気力学的特性を生ずることが分かった。
【0054】
次いで、粗大ラクトース1(Dv50:60μm)および微細ラクトース(Dv50<10μm)の割合が異なる組成物を評価した。結果を表4に示す。
【0055】
【0056】
3.75重量%の微細ラクトース2の添加は、FPFを増加させることが分かったが、次いで微細ラクトース2の割合が7.50重量%まで増加すると、FPFは意外にも減少した。より多くの割合のエンシフェントリン(5重量%)を含む組成物について分析を繰り返した。結果を表5に示す。
【0057】
【0058】
0.25重量%のエンシフェントリンを含む製剤と同じパターンが、5重量%のエンシフェントリンを含む製剤で観察され、3.75重量%の微細ラクトース2が使用されたときに最高のFPFが得られた。微細ラクトースの割合が7.50wt%に増加すると、FPFは再び減少した。
【0059】
従って、削減した量(約3.75重量%)の微細ラクトースを含むラクトースブレンドを使用して、エンシフェントリンを含むドライパウダー組成物について、増加したFPFを送達できることが分かった。改善されたFPFは、0.25重量%のエンシフェントリンおよび5重量%のエンシフェントリンの両方の組成で維持される。
【0060】
実施例2 - 安定性評価
本発明の製剤12~14は、表6に示す組成を用いて製造した。各ブレンド製剤は、20mg/カプセルの正味充填重量を有するサイズ#3のヒプロメロースカプセルに充填した。
【0061】
【0062】
製剤12、13および14の安定性を、25℃および60%RHの条件下で24か月にわたって評価した。各製剤は24ヶ月間安定したままであることが観察された。アッセイまたは製剤の空気力学的性能に大きな変化は観察されなかった。
【0063】
製剤12、13、および14の安定性を、40℃および75%RHの加速条件下でも評価した。これらの条件下で少なくとも6か月間保管した後、良好な安定性が観察された。
【0064】
実施例3 - 臨床評価
COPD患者におけるエンシフェントリンを用いた2部の37名の患者のフェーズIIの単回および反復投与臨床試験は、DPI製剤12、13および14(表6)を使用して完了した。
【0065】
3mgまでのエンシフェントリンの単回投与は、12時間にわたって、3mgの用量レベルまで、迅速で、用量依存的で、統計的に有意な気管支拡張効果を有した。0.15、0.5、1.5および3mgのエンシフェントリン用量は、プラセボと比較して、333mLまでの1秒でのピーク強制呼気量(FEV1)(4時間以上)のベースラインからの用量依存的な改善を提供した(1.5mgおよび3mgの用量でp<0.01))。
【0066】
研究の第2部は、研究の第1部で投与された同じ患者を使用した完全なブロッククロスオーバー試験であった。0.15mg~3mgのエンシフェントリン用量の、1日2回、7日間にわたる投与は、それぞれ、プラセボと比較して、102、175、180および260mLの7日目のピークFEV1(4時間以上)のベースラインから、用量依存的で、大いに統計的に有意で、臨床的に意味のある改善を提供した(全ての用量群でp≦0.0001)。FEV1の改善は、プラセボと比較して、147mLまでの12時間にわたる平均FEV1(すべての用量群でp<0.05)、並びにそれぞれ98、87および97mLの7日目の朝のトラフFEV1(各用量でp≦0.001)における臨床的に意味のある統計的に有意な改善によって示されるように、12時間の投与間隔にわたって持続した。
【手続補正書】
【提出日】2021-08-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)エンシフェントリン粒子;
(ii)
ドライパウダー分散システムを使用するレーザー回折によって測定される50μm~
70μmのDv50を有する粗大ラクトース粒子;および
(iii)
ドライパウダー分散システムを使用するレーザー回折によって測定される5μm~10μmのDv50を有する微細ラクトース粒子
を含む、吸入投与に適したドライパウダー医薬組成物であって、
微細ラクトース粒子が、ドライパウダー医薬組成物
の総重量に対して
2.0重量%~
4.5重量%の量で存在
し、および
エンシフェントリン粒子が、ドライパウダー医薬組成物の総重量に対して0.2重量%~6.0重量%の量で存在する、ドライパウダー医薬組成物。
【請求項2】
微細ラクトース粒子の量が、ドライパウダー医薬組成物の総重量に対し
て3.5重量%~4.0重量%である、請求項1に記載のドライパウダー医薬組成物。
【請求項3】
粗大ラクトース粒子が、ドライパウダー医薬組成物の総重量に対して80.0重量%~99.0重量
%の量で存在する、請求項1または2に記載のドライパウダー医薬組成物。
【請求項4】
粗大ラクトース粒子が、
90.0重量%~96.0重量%の量で存在する
、請求項
3に記載のドライパウダー医薬組成物。
【請求項5】
エンシフェントリン粒子が、
エンシフェントリン粒子の総重量に対して
少なくとも90重量%のエンシフェントリンまたはその薬学的に許容される塩を含む、先行する請求項のいずれか一項に記載のドライパウダー医薬組成物。
【請求項6】
エンシフェントリン粒子が、エンシフェントリン粒子の総重量に対し
て少なくとも95.0重量
%を含む
、請求項
5に記載のドライパウダー医薬組成物。
【請求項7】
エンシフェントリン粒子が、
ウェットパウダー分散システムを使用するレーザー回折によって測定される0.5μm~5.0μm、好ましくは1.0μm~2.0μmのDv50を有する、先行する請求項のいずれか一項に記載のドライパウダー医薬組成物。
【請求項8】
エンシフェントリン粒子、粗大ラクトース粒子および微細ラクトース粒子の総量が、ドライパウダー医薬組成物の総重量に対して少なくとも90.0重量%、好ましくは少なくとも95.0重量%である、先行する請求項のいずれか一項に記載のドライパウダー医薬組成物。
【請求項9】
ドライパウダー医薬組成物が、ドライパウダー吸入器による投与に適している、先行する請求項のいずれか一項に記載のドライパウダー医薬組成物。
【請求項10】
先行する請求項のいずれか一項に記載のドライパウダー医薬組成物を含むドライパウダー吸入器。
【請求項11】
ヒトまたは動物の体の治療に使用するための、請求項1~9のいずれか一項に記載のドライパウダー医薬組成物。
【請求項12】
喘息、アレルギー性喘息、花粉症、アレルギー性鼻炎、気管支炎、気腫、気管支拡張症、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、成人呼吸促迫症候群(ARDS)、ステロイド抵抗性喘息、重症喘息、小児喘息、嚢胞性線維症、肺の線維症、肺線維症、間質性肺疾患、皮膚障害、アトピー性皮膚炎、乾癬、眼の炎症、脳虚血、炎症性疾患および自己免疫疾患から選ばれる疾患または状態の治療または予防に使用するための、請求項1~9のいずれか一項に記載のドライパウダー医薬組成物。
【請求項13】
疾患または状態が、慢性閉塞性肺疾患(COPD)である、請求項12に記載の使用のためのドライパウダー医薬組成物。
【請求項14】
請求項12または13で定義される疾患または状態を治療する方法で使用するための請求項1~9のいずれか一項に記載のドライパウダー医薬組成物であって、
該方法が、ドライパウダー医薬組成物を含むドライパウダー吸入器の吸入を含み、
吸入後のエンシフェントリン粒子の微細粒子画分が、少なくとも20%である、ドライパウダー医薬組成物。
【請求項15】
吸入後のエンシフェントリン粒子の微細粒子画分が、少なくとも30%、好ましくは少なくとも35%である、請求項14に記載の使用のためのドライパウダー医薬組成物。
【請求項16】
対象における請求項12または13で定義される疾患または状態を治療または予防する方法であって、請求項1~9のいずれか一項に記載のドライパウダー医薬組成物の有効量を前記対象に投与することを含む方法。
【国際調査報告】