IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ジオーラス ファーマシューティカルズ リミテッドの特許一覧

<>
  • 特表-小児懸濁液製剤 図1
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-05
(54)【発明の名称】小児懸濁液製剤
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/4439 20060101AFI20221128BHJP
   A61P 1/04 20060101ALI20221128BHJP
   A61K 47/36 20060101ALI20221128BHJP
   A61K 47/12 20060101ALI20221128BHJP
   A61K 47/04 20060101ALI20221128BHJP
   A61K 47/02 20060101ALI20221128BHJP
   A61K 9/14 20060101ALI20221128BHJP
   A61K 9/16 20060101ALI20221128BHJP
   A61K 9/10 20060101ALI20221128BHJP
   A61K 9/20 20060101ALI20221128BHJP
【FI】
A61K31/4439
A61P1/04
A61K47/36
A61K47/12
A61K47/04
A61K47/02
A61K9/14
A61K9/16
A61K9/10
A61K9/20
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022516686
(86)(22)【出願日】2020-10-02
(85)【翻訳文提出日】2022-04-05
(86)【国際出願番号】 IB2020059280
(87)【国際公開番号】W WO2021064682
(87)【国際公開日】2021-04-08
(31)【優先権主張番号】62/911,035
(32)【優先日】2019-10-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/911,689
(32)【優先日】2019-10-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/062,785
(32)【優先日】2020-08-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522101678
【氏名又は名称】ジオーラス ファーマシューティカルズ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】クランシー, モーリス ジョゼフ アンソニー
(72)【発明者】
【氏名】マクデイド, デニス マーク
(72)【発明者】
【氏名】フリン, ダミアン パトリック
【テーマコード(参考)】
4C076
4C086
【Fターム(参考)】
4C076AA22
4C076AA30
4C076AA31
4C076AA36
4C076BB01
4C076CC16
4C076DD22Z
4C076DD25Z
4C076DD26Z
4C076DD29
4C076DD38
4C076DD41Z
4C076DD42Z
4C076DD43Z
4C076DD45
4C076DD67
4C076EE30
4C076EE36
4C086AA01
4C086AA02
4C086BC39
4C086GA07
4C086GA08
4C086MA03
4C086MA05
4C086MA23
4C086MA36
4C086MA41
4C086MA43
4C086MA52
4C086NA03
4C086ZA68
(57)【要約】
本開示は、投与前に水と構成される、オメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩などの、治療有効量のPPI又はその薬学的に許容可能な塩を含む、貯蔵安定性プロトンポンプ阻害剤(PPI)系に関する。本開示はまた、水、オメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩などの、治療有効量のPPI又はその薬学的に許容可能な塩、及び1つ以上の緩衝剤を含む、経口医薬懸濁液に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
貯蔵安定性オメプラゾール系であって、前記系が、治療有効量のオメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩を含み、前記系が、約2.5%以下の水分の割合を含み、前記系が、ナトリウム含有緩衝剤からのナトリウムを含有しないか、又は前記系が、約1:2.6~約1:3.4の重量比で、ナトリウム及びカリウムを含有し、更に、前記貯蔵安定性オメプラゾール系が、投与前に水と構成される、貯蔵安定性オメプラゾール系。
【請求項2】
前記ナトリウム及びカリウムが、約1:3.2の重量比で存在する、請求項1に記載の貯蔵安定性オメプラゾール系。
【請求項3】
前記系が、約0.5%~約1.5%の含水量を有する、請求項1又は2に記載の貯蔵安定性オメプラゾール系。
【請求項4】
薬学的に許容可能な乾燥剤を更に含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の貯蔵安定性オメプラゾール系。
【請求項5】
前記薬学的に許容可能な乾燥剤が、アルギン酸ナトリウムである、請求項4に記載の貯蔵安定性オメプラゾール系。
【請求項6】
前記アルギン酸ナトリウムが、乾燥している、請求項5に記載の貯蔵安定性オメプラゾール系。
【請求項7】
乾燥アルギン酸ナトリウムが、約0.5%~約1.5%の含水量を有する、請求項6に記載の貯蔵安定性オメプラゾール系。
【請求項8】
前記アルギン酸ナトリウムが、低粘度グレードのアルギン酸ナトリウムである、請求項5~7のいずれか一項に記載の貯蔵安定性オメプラゾール系。
【請求項9】
前記系が、各々独立して、アルカリ金属又はアルカリ土類金属のカーボネート、バイカーボネート、ホスフェート、シトレート、ボラート、アセテート、フタレート、タルトレート、及びスクシネートからなる群から選択される1つ以上の緩衝剤を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の貯蔵安定性オメプラゾール系。
【請求項10】
前記系が、重炭酸カリウムである1つの緩衝剤を含む、請求項1及び3~9のいずれか一項に記載の貯蔵安定性オメプラゾール系。
【請求項11】
前記系が、ナトリウム及びカリウムのカーボネート、バイカーボネート、ホスフェート、シトレート、ボラート、アセテート、フタレート、タルトレート、及びスクシネートから選択される2つ以上の緩衝剤を含む、請求項9に記載の貯蔵安定性オメプラゾール系。
【請求項12】
重炭酸ナトリウム及び重炭酸カリウムを含む、請求項9又は11に記載の貯蔵安定性オメプラゾール系。
【請求項13】
前記重炭酸ナトリウム及び重炭酸カリウムが、約1:2.7の重量比で存在する、請求項12に記載の貯蔵安定性オメプラゾール系。
【請求項14】
前記系が、粉末、ペレット、顆粒、種子、ビーズ、スフェロイド、ミクロスフェア、又はそれらの混合物の形態にある、請求項1~13のいずれか一項に記載の貯蔵安定性オメプラゾール系。
【請求項15】
貯蔵安定性オメプラゾール系であって、前記系が、(i)(a)治療有効量のオメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩を含む第1の混合物であって、前記第1の混合物が、約2.5%以下の水分の割合を含む、第1の混合物と、(ii)第2の緩衝剤を含む第2の混合物であって、前記第2の混合物が、約2.5%以下の水分の割合を含む、第2の混合物と、を含み、前記第1の混合物及び前記第2の混合物が、互いに別々に貯蔵され、かつ水との構成時に又はその直前に一緒に混合され、前記系が、ナトリウム含有緩衝剤からのナトリウムを含有しないか、又は前記系が、約1:2.6~約1:3.4の重量比で、ナトリウム及びカリウムを含有する、貯蔵安定性オメプラゾール系。
【請求項16】
前記ナトリウム及びカリウムが、約1:3.2の重量比で存在する、請求項15に記載の貯蔵安定性オメプラゾール系。
【請求項17】
前記第1の混合物及び/又は前記第2の混合物が、約0.5%~約1.5%の含水量を有する、請求項15又は16に記載の貯蔵安定性オメプラゾール系。
【請求項18】
前記第1の混合物が、(b)第1の乾燥剤を更に含み、かつ/又は前記第2の混合物が、第2の乾燥剤を更に含む、請求項15~17のいずれか一項に記載の貯蔵安定性オメプラゾール系。
【請求項19】
前記第1の乾燥剤及び前記第2の乾燥剤が、アルギン酸ナトリウムである、請求項15~18のいずれか一項に記載の貯蔵安定性オメプラゾール系。
【請求項20】
前記第1の混合物が、(c)第1の緩衝剤を更に含む、請求項15~19のいずれか一項に記載の貯蔵安定性オメプラゾール系。
【請求項21】
前記第1の混合物及び前記第2の混合物が、各々独立して、粉末、ペレット、顆粒、種子、ビーズ、スフェロイド、ミクロスフェア、又はそれらの混合物の形態にある、請求項15~20のいずれか一項に記載の貯蔵安定性オメプラゾール系。
【請求項22】
前記オメプラゾール又はその前記薬学的に許容可能な塩が、微粉化されている、請求項1~21のいずれか一項に記載の貯蔵安定性オメプラゾール系。
【請求項23】
前記オメプラゾール又はその前記薬学的に許容可能な塩が、微粉化及び非微粉化オメプラゾール又はその前記薬学的に許容可能な塩の混合物である、請求項1~21のいずれか一項に記載の貯蔵安定性オメプラゾール系。
【請求項24】
前記オメプラゾール又はその前記薬学的に許容可能な塩が、約30~約70%の微粉化オメプラゾール、又はその前記薬学的に許容可能な塩を含み、前記オメプラゾール又はその前記薬学的に許容可能な塩の残りが、非微粉化されている、請求項23に記載の貯蔵安定性オメプラゾール系。
【請求項25】
前記オメプラゾール又はその前記薬学的に許容可能な塩が、重量で、微粉化及び非微粉化オメプラゾール又はその前記薬学的に許容可能な塩の1:1の混合物である、請求項24に記載の貯蔵安定性オメプラゾール系。
【請求項26】
前記第1の緩衝剤及び前記第2の緩衝剤が、胃液中の前記オメプラゾールの少なくとも一部の分解を防止するpHに胃液pHを増加させるのに十分な量で存在する、請求項15~25のいずれか一項に記載の貯蔵安定性オメプラゾール系。
【請求項27】
前記第1の緩衝剤及び前記第2の緩衝剤が一緒になって、水を有する約2mEq/ml用量の構成された粉末の緩衝能力を提供する、請求項20~26のいずれか一項に記載の貯蔵安定性オメプラゾール系。
【請求項28】
前記第1の緩衝剤及び前記第2の緩衝剤が、各々独立して、アルカリ金属又はアルカリ土類金属のカーボネート、バイカーボネート、ホスフェート、シトレート、ボラート、アセテート、フタレート、タルトレート、スクシネート、及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項15~27のいずれか一項に記載の貯蔵安定性オメプラゾール系。
【請求項29】
前記第1の緩衝剤及び前記第2の緩衝剤が、各々独立して、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項14~28のいずれか一項に記載の貯蔵安定性オメプラゾール系。
【請求項30】
前記第1の緩衝剤が、重炭酸ナトリウムである、請求項20~29のいずれか一項に記載の貯蔵安定性オメプラゾール系。
【請求項31】
前記第2の緩衝剤が、重炭酸ナトリウムと重炭酸カリウムとの混合物である、請求項15~29のいずれか一項に記載の貯蔵安定性オメプラゾール系。
【請求項32】
前記第2の緩衝剤が、約11重量%の重炭酸ナトリウム及び約89重量%の重炭酸カリウムを含む、請求項31に記載の貯蔵安定性オメプラゾール系。
【請求項33】
前記第1の混合物及び前記第2の混合物が一緒に、約1:2.7の重量比で、重炭酸ナトリウム及び重炭酸カリウムを含む、請求項15~31のいずれか一項に記載の貯蔵安定性オメプラゾール系。
【請求項34】
前記第1の緩衝剤及び前記第2の緩衝剤が、重炭酸カリウムである、請求項15~29のいずれか一項に記載の貯蔵安定性オメプラゾール系。
【請求項35】
前記第2の混合物が、甘味料及び防腐剤を更に含む、請求項15~32及び34のいずれか一項に記載の貯蔵安定性オメプラゾール系。
【請求項36】
前記貯蔵安定性オメプラゾール系が、オメプラゾール又はその前記薬学的に許容可能な塩の多用量投与に好適な薬物送達デバイス内に提供される、請求項1~35のいずれか一項に記載の貯蔵安定性オメプラゾール系。
【請求項37】
前記薬物送達デバイスが、2つのチャンバを備える、請求項36に記載の貯蔵安定性オメプラゾール系。
【請求項38】
前記薬物送達デバイスが、前記薬物送達デバイスからキャップを取り外すことなく、前記第1のチャンバの内容物を前記第2のチャンバ内に放出するための手段を更に備える、請求項37に記載の貯蔵安定性オメプラゾール系。
【請求項39】
前記貯蔵安定性オメプラゾール系が、キャップを含む容器本体内に提供され、(i)前記容器本体が、前記第2の混合物を収容し、かつその上端に形成された容器開口部を有し、(ii)前記キャップが、前記第1の混合物を含む円筒形収納部分と、前記収納部分の上端を封止するキャップ部分と、を備え、(iii)前記キャップが、前記容器本体の前記容器開口部内に取り付けられ、前記キャップがねじられるとき、前記第1の混合物が、前記容器本体内に放出される、請求項15~38のいずれか一項に記載の貯蔵安定性オメプラゾール系。
【請求項40】
前記容器本体が、琥珀色ポリエチレンテレフタレートボトルであり、前記キャップが、ポリプロピレンタンパーエビデントキャップである、請求項39に記載の貯蔵安定性オメプラゾール系。
【請求項41】
粉末系が、25℃/60%相対湿度で少なくとも2年間安定したままである、請求項1~40のいずれか一項に記載の貯蔵安定性オメプラゾール系。
【請求項42】
オメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩の多用量投与に好適な薬物送達デバイス内で製剤化された貯蔵安定性オメプラゾール系であって、前記系が、治療有効量のオメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩を含み、前記系が、約2.5%以下の水分の割合を含み、前記系が、ナトリウム含有緩衝剤からのナトリウムを含有しないか、又は前記系が、約1:2.6~約1:3.4の重量比で、ナトリウム及びカリウムを含有し、更に、前記貯蔵安定性オメプラゾール系が、投与前に水と構成される、貯蔵安定性オメプラゾール系。
【請求項43】
前記貯蔵安定性オメプラゾール系が、密封されたアルミニウム箔パウチ内に封入されている、請求項1~42のいずれか一項に記載の貯蔵安定性オメプラゾール系。
【請求項44】
貯蔵安定性オメプラゾール粉末系であって、前記系が、(i)(a)治療有効量のオメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩、(b)アルギン酸ナトリウム、及び(c)第1の緩衝剤を含む、第1の粉末混合物と、(ii)アルギン酸ナトリウム及び第2の緩衝剤を含む第2の粉末混合物と、を含み、前記第1の粉末混合物及び前記第2の粉末混合物が、互いに別々に貯蔵され、かつ水との構成時に又はその直前に一緒に混合され、前記系が、約1:2.6~約1:3.4の重量比で、ナトリウム及びカリウムを含有する、貯蔵安定性オメプラゾール粉末系。
【請求項45】
前記オメプラゾール又はその前記薬学的に許容可能な塩が、微粉化されている、請求項44に記載の貯蔵安定性オメプラゾール粉末系。
【請求項46】
前記オメプラゾール又はその前記薬学的に許容可能な塩が、微粉化及び非微粉化オメプラゾール又はその前記薬学的に許容可能な塩の混合物である、請求項44又は45に記載の貯蔵安定性オメプラゾール粉末系。
【請求項47】
前記オメプラゾール又はその前記薬学的に許容可能な塩が、約30~約70%の微粉化オメプラゾール、又はその前記薬学的に許容可能な塩を含み、前記オメプラゾール又はその前記薬学的に許容可能な塩の残りが、非微粉化されている、請求項46に記載の貯蔵安定性オメプラゾール粉末系。
【請求項48】
前記オメプラゾールが、重量で、微粉化及び非微粉化オメプラゾール又はその前記薬学的に許容可能な塩の1:1の混合物である、請求項46に記載の貯蔵安定性オメプラゾール粉末系。
【請求項49】
前記オメプラゾール、又はその前記薬学的に許容可能な塩、及び約20~約30%の、前記第1の粉末混合物中に存在する前記アルギン酸ナトリウムが、前記第1の緩衝剤の表面の上に均質に分布している、請求項44~48のいずれか一項に記載の貯蔵安定性オメプラゾール粉末系。
【請求項50】
前記オメプラゾール、又はその前記薬学的に許容可能な塩、及び約20~約25%の、前記第1の粉末混合物中に存在する前記アルギン酸ナトリウムが、前記第1の緩衝剤の前記表面の上に均質に分布している、請求項49に記載の貯蔵安定性オメプラゾール粉末系。
【請求項51】
前記第1の粉末混合物中の前記第1の緩衝剤の前記表面の上に分布していない前記アルギン酸ナトリウムが、乾燥している、請求項49又は50に記載の貯蔵安定性オメプラゾール粉末系。
【請求項52】
前記第2の粉末混合物中に存在する前記アルギン酸ナトリウムが、乾燥している、請求項44~51のいずれか一項に記載の貯蔵安定性オメプラゾール粉末系。
【請求項53】
乾燥アルギン酸ナトリウムが、約0.5%~約1.5%の含水量を有する、請求項51又は52に記載の貯蔵安定性オメプラゾール粉末系。
【請求項54】
前記アルギン酸ナトリウムが、低粘度グレードのアルギン酸ナトリウムである、請求項44~53のいずれか一項に記載の貯蔵安定性オメプラゾール粉末系。
【請求項55】
前記第1及び第2の緩衝剤が、胃液中の前記オメプラゾール又はその前記薬学的に許容可能な塩の少なくとも一部の分解を防止するpHに胃液pHを増加させるのに十分な量で存在する、請求項44~54のいずれか一項に記載の貯蔵安定性オメプラゾール粉末系。
【請求項56】
前記第1及び第2の緩衝剤が一緒になって、水を有する約2mEq/ml用量の構成された粉末の緩衝能力を提供する、請求項44~55のいずれか一項に記載の貯蔵安定性オメプラゾール粉末系。
【請求項57】
前記第1及び第2の緩衝剤が、各々独立して、アルカリ金属又はアルカリ土類金属のカーボネート、バイカーボネート、ホスフェート、シトレート、ボラート、アセテート、フタレート、タルトレート、スクシネート、及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項44~56のいずれか一項に記載の貯蔵安定性オメプラゾール粉末系。
【請求項58】
前記第1及び第2の緩衝剤が、各々独立して、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項44~57のいずれか一項に記載の貯蔵安定性オメプラゾール粉末系。
【請求項59】
前記第1の緩衝剤が、重炭酸ナトリウムである、請求項44~58のいずれか一項に記載の貯蔵安定性オメプラゾール粉末系。
【請求項60】
前記第2の緩衝剤が、重炭酸ナトリウムと重炭酸カリウムとの混合物である、請求項44~59のいずれか一項に記載の貯蔵安定性オメプラゾール粉末系。
【請求項61】
前記混合物が、約11重量%の重炭酸ナトリウム及び約89重量%の重炭酸カリウムを含む、請求項60に記載の貯蔵安定性オメプラゾール粉末系。
【請求項62】
前記第1の粉末混合物及び前記第2の粉末混合物が一緒に、約1:2.7の重量比で、重炭酸ナトリウム及び重炭酸カリウムを含む、請求項44~61のいずれか一項に記載の貯蔵安定性オメプラゾール粉末系。
【請求項63】
前記第2の粉末混合物が、甘味料及び防腐剤を更に含む、請求項44~62のいずれか一項に記載の貯蔵安定性オメプラゾール粉末系。
【請求項64】
前記貯蔵安定性オメプラゾール粉末系が、オメプラゾールの多用量投与に好適な薬物送達デバイス内に提供される、請求項44~63のいずれか一項に記載の貯蔵安定性オメプラゾール粉末系。
【請求項65】
前記薬物送達デバイスが、前記第1の粉末混合物を含む第1のチャンバと、前記第2の粉末混合物を含む第2のチャンバと、を備える、請求項64に記載の貯蔵安定性オメプラゾール粉末系。
【請求項66】
前記薬物送達デバイスが、前記薬物送達デバイスからキャップを取り外すことなく、前記第1の粉末混合物を前記第2のチャンバ内に放出するための手段を更に含む、請求項65に記載の貯蔵安定性オメプラゾール粉末系。
【請求項67】
前記貯蔵安定性オメプラゾール粉末系が、キャップを含む容器本体内に提供され、(i)前記容器本体が、前記第2の粉末混合物を収容し、かつその上端に形成された容器開口部を有し、(ii)前記キャップが、前記第1の粉末混合物を含む円筒形収納部分と、前記収納部分の上端を封止するキャップ部分と、を備え、(iii)前記キャップが、前記容器本体の前記容器開口部内に取り付けられ、前記キャップがねじられるとき、前記第1の粉末混合物が、前記容器本体内に放出される、請求項44~66のいずれか一項に記載の貯蔵安定性オメプラゾール粉末系。
【請求項68】
前記容器本体が、琥珀色ポリエチレンテレフタレートボトルであり、前記キャップが、ポリプロピレンタンパーエビデントキャップである、請求項67に記載の貯蔵安定性オメプラゾール粉末系。
【請求項69】
前記粉末系が、25℃/60%相対湿度で少なくとも2年間安定したままである、請求項44~68のいずれか一項に記載の貯蔵安定性オメプラゾール粉末系。
【請求項70】
前記貯蔵安定性オメプラゾール系が、密封されたアルミニウム箔パウチ内に封入されている、請求項44~69のいずれか一項に記載の貯蔵安定性オメプラゾール粉末系。
【請求項71】
水、前記水中に分散された、薬学的有効量のオメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩、及び1つ以上の緩衝剤を含む、経口医薬懸濁液であって、前記懸濁液が、ナトリウム含有緩衝剤からのナトリウムを含有しないか、又は前記懸濁液が、約1:2.6~約1:3.4の重量比で、ナトリウム及びカリウムを含有する、経口医薬懸濁液。
【請求項72】
アルギン酸ナトリウムを更に含む、請求項71に記載の経口医薬懸濁液。
【請求項73】
約1mlの前記懸濁液が、約1mg~約10mgのオメプラゾール、又はその前記薬学的に許容可能な塩を含有する、請求項71又は72に記載の経口医薬懸濁液。
【請求項74】
約1mlの前記懸濁液が、約1mg、約2mg、約4mg、又は約8mgのオメプラゾール、又はその前記薬学的に許容可能な塩を含有する、請求項73に記載の経口医薬懸濁液。
【請求項75】
約1mlの前記懸濁液が、約2mg又は約4mgのオメプラゾール、又はその前記薬学的に許容可能な塩を含有する、請求項74に記載の経口医薬懸濁液。
【請求項76】
前記1つ以上の緩衝剤が、前記懸濁液1ml当たり約2mEqの緩衝能力を提供する、請求項71~75のいずれか一項に記載の経口医薬懸濁液。
【請求項77】
前記1つ以上の緩衝剤が、各々独立して、アルカリ金属又はアルカリ土類金属のカーボネート、バイカーボネート、ホスフェート、シトレート、ボラート、アセテート、フタレート、タルトレート、及びスクシネートからなる群から選択される、請求項71~76のいずれか一項に記載の経口医薬懸濁液。
【請求項78】
1つの緩衝剤を含む、請求項71~77のいずれか一項に記載の経口医薬懸濁液。
【請求項79】
前記1つの緩衝剤が、重炭酸カリウムである、請求項78に記載の経口医薬懸濁液。
【請求項80】
2つの緩衝剤の混合物を含む、請求項71~77のいずれか一項に記載の経口医薬懸濁液。
【請求項81】
重炭酸ナトリウムと重炭酸カリウムとの混合物を約1:2.7の重量比で含む、請求項80に記載の経口医薬懸濁液。
【請求項82】
前記懸濁液が、前記懸濁液5ml当たり約86mgのナトリウムを含む、請求項71~77及び80~81のいずれか一項に記載の経口医薬懸濁液。
【請求項83】
前記ナトリウム及びカリウムが、約1:3.2の重量比で存在する、請求項71~77及び80~82のいずれか一項に記載の経口医薬懸濁液。
【請求項84】
前記懸濁液が、第1及び第2のC最大並びに第1及び第2のT最大を有する二相性薬物動態プロファイルを、それを必要とする対象において経口投与後に提供する、請求項71~83のいずれか一項に記載の経口医薬懸濁液。
【請求項85】
5mlの用量が、約10mg又は約20mgのオメプラゾール、又はその前記薬学的に許容可能な塩、約256mgの重炭酸ナトリウム、約695mgの重炭酸カリウム、及び約125mgのアルギン酸ナトリウムを含む、請求項66~77のいずれか一項に記載の経口医薬懸濁液。
【請求項86】
約11.45mgのメチルパラベンナトリウム塩及び約25mgの安息香酸ナトリウムを更に含む、請求項78に記載の経口医薬懸濁液。
【請求項87】
前記オメプラゾール又はその前記薬学的に許容可能な塩が、微粉化されている、請求項71~86のいずれか一項に記載の経口医薬懸濁液。
【請求項88】
前記オメプラゾール又はその前記薬学的に許容可能な塩が、微粉化及び非微粉化オメプラゾール、又はその前記薬学的に許容可能な塩の混合物である、請求項71~86のいずれか一項に記載の経口医薬懸濁液。
【請求項89】
前記オメプラゾール又はその前記薬学的に許容可能な塩が、約30~約70%の微粉化オメプラゾール、又はその前記薬学的に許容可能な塩を含み、前記オメプラゾール又はその前記薬学的に許容可能な塩の残りが、非微粉化されている、請求項88に記載の経口医薬懸濁液。
【請求項90】
前記オメプラゾールが、重量で、微粉化及び非微粉化オメプラゾール又はその前記薬学的に許容可能な塩の1:1の混合物である、請求項88に記載の経口医薬懸濁液。
【請求項91】
前記懸濁液が、オメプラゾールの多用量投与に好適な薬物送達デバイス内に提供される、請求項71~90のいずれか一項に記載の経口医薬懸濁液。
【請求項92】
胃酸分泌を阻害する方法であって、有効量の請求項71~91のいずれか一項に記載の経口医薬懸濁液を、それを必要とする対象に投与することを含む、方法。
【請求項93】
前記対象が、子供である、請求項92に記載の方法。
【請求項94】
前記子供が、乳児、幼児、前青年、又は青年である、請求項93に記載の方法。
【請求項95】
約1mlの前記懸濁液が、約1mg~約10mgのオメプラゾール、又はその前記薬学的に許容可能な塩を含有する、請求項92~94のいずれか一項に記載の方法。
【請求項96】
1mlの前記懸濁液が、約1mg、約2mg、約4mg、又は約8mgのオメプラゾール、又はその前記薬学的に許容可能な塩を含有する、請求項92~95のいずれか一項に記載の方法。
【請求項97】
1mlの前記懸濁液が、約2mgのオメプラゾール、又はその前記薬学的に許容可能な塩を含有する、請求項92~96のいずれか一項に記載の方法。
【請求項98】
1mlの前記懸濁液が、約4mgのオメプラゾール、又はその前記薬学的に許容可能な塩を含有する、請求項92~96のいずれか一項に記載の方法。
【請求項99】
経口医薬懸濁液を調製する方法であって、(a)治療有効量のオメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩を含む第1の混合物であって、前記第1の混合物が、約2.5%以下の水分の割合を含む、第1の混合物と、第2の緩衝剤を含む第2の混合物であって、前記第2の混合物が、約2.5%以下の水分の割合を含む、第2の混合物と、を組み合わせて、組み合わされた混合物を得ることであって、前記組み合わされた混合物が、ナトリウム含有緩衝剤からのナトリウムを含有しないか、又は前記組み合わされた混合物が、約1:2.6~約1:3.4の重量比で、ナトリウム及びカリウムを含有する、得ることと、前記組み合わされた混合物に水を添加することと、を含む、方法。
【請求項100】
前記ナトリウム及びカリウムが、約1:3.2の重量比で存在する、請求項99に記載の方法。
【請求項101】
前記第1の混合物が、約0.5%~約1.5%の含水量を有する、請求項99又は100に記載の方法。
【請求項102】
前記第1の混合物が、(b)第1の乾燥剤を更に含み、かつ/又は前記第2の混合物が、第2の乾燥剤を更に含む、請求項99~101のいずれか一項に記載の方法。
【請求項103】
前記第1の乾燥剤及び前記第2の乾燥剤が、アルギン酸ナトリウムである、請求項99~102のいずれか一項に記載の方法。
【請求項104】
前記第1の混合物が、(c)第1の緩衝剤を更に含む、請求項99~103のいずれか一項に記載の方法。
【請求項105】
前記第1の混合物及び前記第2の混合物が、各々独立して、粉末、ペレット、顆粒、種子、ビーズ、スフェロイド、ミクロスフェア、又はそれらの混合物の形態にある、請求項99~104のいずれか一項に記載の方法。
【請求項106】
前記オメプラゾール又はその前記薬学的に許容可能な塩が、微粉化されている、請求項99~105のいずれか一項に記載の方法。
【請求項107】
前記オメプラゾール又はその前記薬学的に許容可能な塩が、微粉化及び非微粉化オメプラゾール、又はその前記薬学的に許容可能な塩の混合物である、請求項99~105のいずれか一項に記載の方法。
【請求項108】
前記オメプラゾールが、約30~約70%の微粉化オメプラゾール、又はその前記薬学的に許容可能な塩を含み、前記オメプラゾール又はその前記薬学的に許容可能な塩の残りが、非微粉化されている、請求項107に記載の方法。
【請求項109】
前記オメプラゾールが、重量で、微粉化及び非微粉化オメプラゾール又はその前記薬学的に許容可能な塩の1:1の混合物である、請求項107に記載の方法。
【請求項110】
前記第1の緩衝剤及び前記第2の緩衝剤が、胃液中の前記オメプラゾールの少なくとも一部の分解を防止するpHに胃液pHを増加させるのに十分な量で存在する、請求項99~109のいずれか一項に記載の方法。
【請求項111】
前記第1の緩衝剤及び前記第2の緩衝剤が一緒になって、前記懸濁液の約2mEq/ml用量の緩衝能力を提供する、請求項104~110のいずれか一項に記載の方法。
【請求項112】
前記第1の緩衝剤及び前記第2の緩衝剤が、各々独立して、アルカリ金属又はアルカリ土類金属のカーボネート、バイカーボネート、ホスフェート、シトレート、ボラート、アセテート、フタレート、タルトレート、及びスクシネートからなる群から選択される、請求項99~111のいずれか一項に記載の方法。
【請求項113】
前記第1の緩衝剤及び前記第2の緩衝剤が、各々独立して、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項99~112のいずれか一項に記載の方法。
【請求項114】
前記第1の緩衝剤が、重炭酸ナトリウムである、請求項104~113のいずれか一項に記載の方法。
【請求項115】
前記第2の緩衝剤が、重炭酸ナトリウムと重炭酸カリウムとの混合物である、請求項99~113のいずれか一項に記載の方法。
【請求項116】
前記混合物が、約11重量%の重炭酸ナトリウム及び約89重量%の重炭酸カリウムを含む、請求項115に記載の方法。
【請求項117】
前記第1の混合物及び前記第2の混合物が一緒に、約1:2.7の重量比で、重炭酸ナトリウム及び重炭酸カリウムを含む、請求項99~116のいずれか一項に記載の方法。
【請求項118】
前記第1の緩衝剤及び前記第2の緩衝剤が、重炭酸カリウムである、請求項99及び101~113のいずれか一項に記載の方法。
【請求項119】
前記第2の混合物が、甘味料及び防腐剤を更に含む、請求項99~118のいずれか一項に記載の方法。
【請求項120】
前記経口医薬懸濁液が、オメプラゾールの多用量投与に好適な薬物送達デバイス内に提供される、請求項99~119のいずれか一項に記載の方法。
【請求項121】
胃酸分泌を阻害する方法であって、水、前記水中に分散された、薬学的有効量のオメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩、及び1つ以上の緩衝剤を含む、有効量の経口医薬懸濁液を、それを必要とする対象に投与することを含み、前記懸濁液が、ナトリウム含有緩衝剤からのナトリウムを含有しないか、又は前記懸濁液が、約1:2.6~約1:3.4の重量比で、ナトリウム及びカリウムを含有し、前記経口医薬懸濁液が、請求項99~120のいずれか一項に記載の方法で調製される、方法。
【請求項122】
前記懸濁液が、水との構成後、2℃~8℃で少なくとも1ヶ月間安定したままである、請求項71~90のいずれか一項に記載の経口医薬懸濁液。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
オメプラゾール、5-メトキシ-2-[(4-メトキシ-3,5-ジメチル-2-ピリジニル)メチル]スルフィニル-1H-ベンズイミダゾールは、胃酸分泌を阻害する。オメプラゾールは、抗コリン作用又はHヒスタミン拮抗作用を呈しない抗分泌性化合物のクラスである、置換ベンズイミダゾール類に属する。このクラスの化合物の薬物は、胃細胞の分泌表面でのH/KATPase酵素系の特定の阻害によって胃酸分泌を抑制し、プロトンポンプ阻害剤と呼ばれる。
【0002】
オメプラゾールなどのプロトンポンプ阻害剤は、酸不安定性であり、したがって、胃の内容物などの酸性媒体中で急速に分解されるが、アルカリ条件下で許容可能な安定性を有する。オメプラゾールなどの経口投与されたプロトンポンプ阻害剤の吸収は、小腸内で行われる。
【0003】
酸性条件におけるオメプラゾールの安定性の問題を解決するために、市場で利用可能ないくつかのオメプラゾール剤形は、遅延放出固体経口剤形において腸溶性コーティングされた顆粒又はペレットとしてオメプラゾールを組み込む。そのような剤形の例としては、例えば、それぞれ、両方が硬質耐性カプセル及び胃耐性錠剤中のオメプラゾールの腸溶性コーティングされたペレットを含有するLosec(登録商標)及びLosec MUPS(登録商標)が挙げられる。
【0004】
一般に、小児対象は、錠剤又はカプセルなどの固体経口剤形を投与されることにおいて困難に遭遇する。
【0005】
現在、オメプラゾールの経口液体剤形は、欧州で承認されていない。米国では、経口懸濁液のためのオメプラゾール粉末は、投与前に水と構成された単一用量パケットに包装された白色の風味粉末である、商品名Zegerid(登録商標)で販売されている。各パケットは、20mg又は40mgのいずれかのオメプラゾールと1680mgの重炭酸ナトリウムと、以下の賦形剤(キシリトール、スクロース、スクラロース、キサンタンガム、及び香料)とを含む。経口懸濁液のためのZegerid(登録商標)粉末の1回の用量は、460mgのナトリウム(Na)を含有する。また、米国では、オメプラゾール粉末及びFIRST-PPI(プロトンポンプ阻害剤(proton pump inhibitor))懸濁液からなるFIRST(登録商標)-Omeprazole Compounding Kitが利用可能である。この懸濁液は、人工イチゴ風味、ベンジルアルコール、FD&C Red No.40、Magnasweet 100(グリチルリチン酸アンモニウム)、ポロキサマー188、プロピレングリコール、精製水、シメチコンエマルジョン、重炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム(二水和物)、スクラロース、キサンタンガムを含有する。配合される場合、最終生成物は、FIRST(登録商標)-PPI懸濁液中に2mg/mlのオメプラゾールを含有する均質な懸濁液を提供する。これらのオメプラゾール懸濁液製剤は、これらの製剤を小児対象に許容できなくさせる多量のナトリウムを含有する。
【0006】
特に小児対象に対して設計された液体経口オメプラゾール製剤の必要性が存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は、投与前に水と構成される、オメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩などの、治療有効量のPPI又はその薬学的に許容可能な塩を含む、貯蔵安定性プロトンポンプ阻害剤(PPI)系に関し、これは、水との構成時に、小児対象における治療における使用のための許容可能なレベルでナトリウムを含有する。貯蔵安定性PPI系は、多用量剤形での使用に特に好適である。本開示はまた、水、オメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩などの、薬学的有効量のPPI又はその薬学的に許容可能な塩、及び1つ以上の緩衝剤を含む、経口医薬懸濁液に関する。本開示の経口医薬懸濁液は、小児対象に対する許容可能なレベルの緩衝能力を有する。いくつかの態様では、本明細書に記載の経口医薬懸濁液の緩衝能力は、約2mEq/mlの経口懸濁液である。
【0008】
一態様では、本開示は、貯蔵安定性オメプラゾール系であって、系が、治療有効量のオメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩を含み、系が、約2.5%以下の水分の割合を含み、系が、ナトリウム含有緩衝剤からのナトリウムを含有しないか、又は、約1:2.6~約1:3.4の重量比で、ナトリウム及びカリウムを含有し、更に、貯蔵安定性オメプラゾール系が、投与前に水と構成される、貯蔵安定性オメプラゾール系を提供する。この態様のいくつかの実施形態では、ナトリウム及びカリウムは、約1:3.2の重量比で存在する。いくつかの実施形態では、系は、約0.5%~約1.5%の含水量を有する。
【0009】
いくつかの実施形態では、貯蔵安定性オメプラゾール系は、薬学的に許容可能な乾燥剤を更に含む。いくつかの実施形態では、薬学的に許容可能な乾燥剤は、アルギン酸ナトリウムである。
【0010】
別の態様では、本開示は、貯蔵安定性オメプラゾール系であって、系が、(i)(a)治療有効量のオメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩を含む第1の混合物であって、第1の混合物が、約2.5%以下の水分の割合を含む、第1の混合物と、(ii)第2の緩衝剤を含む第2の混合物であって、第2の混合物が、約2.5%以下の水分の割合を含む、第2の混合物と、を含み、第1の混合物及び第2の混合物が、互いに別々に貯蔵され、かつ水との構成時に又はその直前に一緒に混合され、系が、ナトリウム含有緩衝剤からのナトリウムを含有しないか、又は、約1:2.6~約1:3.4の重量比で、ナトリウム及びカリウムを含有する、貯蔵安定性オメプラゾール系を提供する。いくつかの実施形態では、ナトリウム及びカリウムは、約1:3.2の重量比で存在する。いくつかの実施形態では、第1の混合物は、(b)第1の乾燥剤を更に含む。いくつかの実施形態では、第1の混合物は、(c)第1の緩衝剤を更に含む。いくつかの実施形態では、第1の混合物は、(b)第1の乾燥剤及び(c)第1の緩衝剤の両方を更に含む。いくつかの実施形態では、第2の混合物は、第2の乾燥剤を更に含む。
【0011】
別の態様では、本開示は、オメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩の多用量投与に好適な薬物送達デバイス内で製剤化された貯蔵安定性オメプラゾール系であって、系が、治療有効量のオメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩を含み、系が、約2.5%以下の水分の割合を含み、系が、ナトリウム含有緩衝剤からのナトリウムを含有しないか、又は系が、約1:2.6~約1:3.4の重量比で、ナトリウム及びカリウムを含有し、更に、貯蔵安定性オメプラゾール系が、投与前に水と構成される、貯蔵安定性オメプラゾール系を提供する。
【0012】
別の態様では、本開示は、貯蔵安定性オメプラゾール粉末系を提供し、系は、(i)(a)治療有効量のオメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩、(b)アルギン酸ナトリウム、及び(c)第1の緩衝剤を含む、第1の粉末混合物と、(ii)アルギン酸ナトリウム及び第2の緩衝剤を含む第2の粉末混合物と、を含み、第1の粉末混合物及び第2の粉末混合物は、互いに別々に貯蔵され、かつ水との構成時に又はその直前に一緒に混合され、系は、約1:2.6~約1:3.4の重量比で、ナトリウム及びカリウムを含有する。いくつかの実施形態では、ナトリウム及びカリウムは、約1:3.2の重量比で存在する。
【0013】
別の態様では、本開示は、水、水中に分散された、薬学的有効量のオメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩、及び1つ以上の緩衝剤を含む、経口医薬懸濁液であって、懸濁液が、ナトリウム含有緩衝剤からのナトリウムを含有しないか、又は懸濁液が、約1:2.6~約1:3.4の重量比で、ナトリウム及びカリウムを含有する、経口医薬懸濁液を提供する。
【0014】
いくつかの実施形態では、経口医薬懸濁液は、水、水中に分散された、薬学的有効量のオメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩、及び1つ以上の緩衝剤を含み、懸濁液は、約1:2.6~約1:3.4の重量比で、ナトリウム及びカリウムを含有する。
【0015】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の貯蔵安定性オメプラゾール系又は経口医薬懸濁液におけるオメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩は、微粉化されている。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の貯蔵安定性オメプラゾール系又は経口医薬懸濁液は、微粉化及び非微粉化オメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩の混合物を含有する。いくつかの実施形態では、貯蔵安定性オメプラゾール系、又は具体的には、貯蔵安定性オメプラゾール粉末系は、オメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩の多用量投与に好適な薬物送達デバイス内に提供される。
【0016】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の貯蔵安定性オメプラゾール系は、25℃/60%相対湿度で少なくとも2年間安定したままである。
【0017】
いくつかの実施形態では、本開示の経口医薬懸濁液は、第1及び第2のC最大並びに第1及び第2のT最大を有する二相性薬物動態プロファイルを、それを必要とする対象において経口投与後に提供する。
【0018】
別の態様では、本開示は、胃酸分泌を阻害する方法を、それを必要とする対象において提供する。特定の実施形態では、本方法は、水、水中に分散された、薬学的有効量のオメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩、及び1つ以上の緩衝剤を含む、有効量の経口医薬懸濁液であって、懸濁液が、ナトリウム含有緩衝剤からのナトリウムを含有しないか、又は懸濁液が、約1:2.6~約1:3.4の重量比で、ナトリウム及びカリウムを含有する、有効量の経口医薬懸濁液を、それを必要とする対象に投与することを含む。いくつかの実施形態では、本方法は、水、水中に分散された、薬学的有効量のオメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩、及び1つ以上の緩衝剤を含む、有効量の経口医薬懸濁液であって、懸濁液が、約1:2.6~約1:3.4の重量比で、ナトリウム及びカリウムを含有する、有効量の経口医薬懸濁液を、それを必要とする対象に投与することを含む。いくつかの実施形態では、対象は子供である。いくつかの実施形態では、懸濁液は、約1mg/ml~約10mg/mlのオメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩を含む。
【0019】
別の態様では、本開示は、経口医薬懸濁液を調製する方法を提供する。典型的には、本方法は、(a)治療有効量のオメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩を含む第1の混合物であって、第1の混合物が、約2.5%以下の水分の割合を含む、第1の混合物と、第2の緩衝剤を含む第2の混合物であって、第2の混合物が、約2.5%以下の水分の割合を含む、第2の混合物と、を組み合わせて、組み合わされた混合物を得ることであって、組み合わされた混合物が、ナトリウム含有緩衝剤からのナトリウムを含有しないか、又は組み合わされた混合物が、約1:2.6~約1:3.4の重量比で、ナトリウム及びカリウムを含有する、得ることと、組み合わされた混合物に水を添加することと、を含む。いくつかの実施形態では、第2の混合物は、第2の乾燥剤を更に含む。いくつかの実施形態では、本方法は、(a)治療有効量のオメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩を含む第1の混合物であって、約2.5%以下の水分の割合を含む、第1の混合物と、第2の乾燥剤及び第2の緩衝剤を含む第2の混合物と、を組み合わせて、組み合わされた混合物を得ることであって、組み合わされた混合物が、約1:2.6~約1:3.4の比で、ナトリウム及びカリウムを含有する、得ることと、組み合わされた混合物に水を添加することと、を含む。いくつかの実施形態では、第1の混合物は、(b)第1の乾燥剤を更に含む。いくつかの実施形態では、第1の混合物は、(c)第1の緩衝剤を更に含む。いくつかの実施形態では、第1の混合物は、(b)第1の乾燥剤及び(c)第1の緩衝剤の両方を更に含む。
【0020】
別の態様では、本開示は、胃酸分泌を阻害する方法であって、水、水中に分散された、薬学的有効量のオメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩、及び1つ以上の緩衝剤を含む、有効量の経口医薬懸濁液を、それを必要とする対象に投与することを含み、懸濁液が、ナトリウム含有緩衝剤からのナトリウムを含有しないか、又は懸濁液が、約1:2.6~約1:3.4の重量比で、ナトリウム及びカリウムを含有し、経口医薬懸濁液が、(a)治療有効量のオメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩を含む第1の混合物であって、第1の混合物が、約2.5%以下の水分の割合を含む、第1の混合物と、第2の緩衝剤を含む第2の混合物であって、第2の混合物が、約2.5%以下の水分の割合を含む、第2の混合物と、を組み合わせて、組み合わされた混合物を得ることであって、組み合わされた混合物が、ナトリウム含有緩衝剤からのナトリウムを含有しないか、又は組み合わされた混合物が、約1:2.6~約1:3.4の重量比で、ナトリウム及びカリウムを含有する、得ることと、組み合わされた混合物に水を添加することによって調製される、方法を提供する。いくつかの実施形態では、第2の混合物は、第2の乾燥剤を更に含む。いくつかの実施形態では、本方法は、胃酸分泌を阻害する方法であって、水、水中に分散された、薬学的有効量のオメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩、及び1つ以上の緩衝剤を含む、有効量の経口医薬懸濁液であって、懸濁液が、約1:2.6~約1:3.4の重量比で、ナトリウム及びカリウムを含有し、経口医薬懸濁液が、(a)治療有効量のオメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩を含む第1の混合物であって、第1の混合物が、約2.5%以下の水分の割合を含む、第1の混合物と、第2の乾燥剤及び第2の緩衝剤を含む第2の混合物と、を組み合わせて、組み合わされた混合物を得ることであって、組み合わされた混合物が、約1:2.6~約1:3.4の比でナトリウム及びカリウムを含有する、得ることによって調製される、有効量の経口医薬懸濁液を、それを必要とする対象に投与すること、組み合わされた混合物に水を添加することと、を含む。いくつかの実施形態では、第1の混合物は、(c)第1の緩衝剤を更に含む。いくつかの実施形態では、第1の混合物は、(b)第1の乾燥剤及び(c)第1の緩衝剤の両方を更に含む。
【0021】
本明細書に記載された追加の実施形態及び利点は、部分的には以下の説明に記載され、かつ説明から生じるか、又は本明細書に記載の実施によって習得され得る。本発明に記載の実施形態及び利点は、添付の特許請求の範囲で特に指摘した要素及び組み合わせによって実現及び達成されるであろう。
【0022】
前述の要約及び以下の詳細な説明の両方は、例示的で説明的なものに過ぎず、特許請求されるような本発明を限定するものではないことを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本開示の貯蔵安定性系の使用に好適な送達デバイスを示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本明細書で提供される見出しは、本明細書に記載の様々な態様の制限ではなく、本明細書全体を参照することによって定義され得る。本明細書で使用される用語は、特定の態様のみを説明する目的のためであり、本開示の範囲は添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるため、限定することを意図するものではないことも理解されたい。
【0025】
定義
便宜上、本明細書、実施例、及び添付の特許請求の範囲で使用されるいくつかの用語及び語句の意味を以下に提供する。特に明記しない限り、又は文脈から暗黙的でない限り、以下の用語及び句は、以下に提供される意味を含む。本技術の範囲は特許請求の範囲によってのみ限定されるため、特定の実施形態を説明するのを助けるために定義が提供され、特許請求される技術を限定することを意図するものではない。他に定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本技術が属する分野における当業者により一般的に理解されるのと同じ意味を有する。当該技術分野における用語の使用と本明細書中で提供されるその定義との間に明らかな不一致が存在する場合、本明細書中で提供される定義は優先するものとする。
【0026】
冠詞「a」、「an」、及び「the」は、1つ又は1つを超える(すなわち、少なくとも1つの)、冠詞の文法的な目的語を指すために本明細書において使用される。例として、「an element(要素)」は、1つの要素又は1つを超える要素を意味する。
【0027】
本明細書で使用されるとき、「約」という用語は、特に指示がない限り、指定値の±10%を意味する。
【0028】
数又は数の連続の前の「少なくとも」という用語は、「少なくとも」という用語に隣接する数と、文脈から明らかなように、論理的に含まれ得る全ての後続の数字又は整数と、を含むと理解される。数字の連続又は範囲の前に「少なくとも」が存在する場合、「少なくとも」は、その連続又は範囲内の数字の各々を修正することができることを理解されたい。
【0029】
数又は数の連続の前の「以下」という用語は、「以下」という用語に隣接する数と、文脈から明らかなように、論理的に含まれ得る全ての先行する数字又は整数と、を含むと理解される。数字の連続又は範囲の前に「以下」が存在する場合、「以下」は、その連続又は範囲内の数字の各々を修正することができることを理解されたい。
【0030】
本明細書で使用される場合、「含む(comprises)」、「含む(comprising)」、「有する(having)」、「含む(including)」、「含有する(containing)」などの用語は、「含むが、これに限定されない」ということを意味するオープンエンドの用語である。本明細書に開示される所与の実施形態が、特定の要素を「含む」限り、本開示はまた、具体的に企図され、それらの要素から「本質的になる」、及びそれらの要素から「なる」実施形態を開示することを理解されたい。
【0031】
「治療する」、「治療すること」、及び「治療」という用語は、治療又は改善の成功の任意の指標を指し、任意の客観的又は主観的なパラメータ、例えば、寛解、小康状態、症状を減少すること、又は、損傷、疾患、若しくは状態を患者に対してより耐えられるようにすることと、縮退若しくは減退の速度の遅延、又は患者の身体的若しくは精神的健康を改善することと、を含む。症状の治療又は改善は、身体検査、神経精神病学検査、又は精神医学評価の結果を含む、客観的又は対象のパラメータに基づき得る。
【0032】
薬物又は薬理学的に活性な薬剤の「有効」量又は「治療有効量」又は「薬学的有効量」とは、非毒性であるが、所望の効果を提供するのに十分な量の薬物又は薬剤を意味する。「有効」な量は、個人の年齢及び一般的な状態、特定の活性剤又は薬剤などに応じて、対象によって変動することになる。したがって、正確な「有効量」を指定することは常に可能というわけではない。しかしながら、任意の個人の場合における適切な「有効」量は、日常的な実験を使用して当業者によって決定され得る。
【0033】
「薬学的に許容可能な塩」という用語は、薬学的に許容可能な無機酸及び有機酸から調製された塩を指す。
【0034】
本明細書で使用される場合、「乾燥剤」、「第1の乾燥剤」、及び「第2の乾燥剤」という用語は、乾燥状態を維持するのに役立つ、薬学的に許容可能な吸湿性材料を指す。これらの乾燥剤は、空気から湿度を排除し、それらは、水分を吸着し、それによって、乾燥した水分を含まない環境を作り出して維持する役割を果たす。好適な薬学的に許容可能な乾燥剤としては、例えば、アルギン酸ナトリウム、デンプンなどが挙げられる。
【0035】
「緩衝剤(buffering agent)」又は「緩衝剤(buffer)」という用語は、オメプラゾールなどのプロトンポンプ阻害剤の前、中、及び/又は後に製剤化又は送達される場合、胃酸によるプロトンポンプ阻害剤の酸劣化を実質的に予防又は阻害し、かつプロトンポンプ阻害剤の経口生物学的利用能を維持するように機能する、任意の薬学的に許容可能な弱塩基又は強塩基及びその混合物を意味する。
【0036】
「水分の割合」という用語は、試料(例えば、アルギン酸ナトリウム又はオメプラゾール)を90℃で5分間加熱することと、重量損失%を決定することと、を含む、乾燥損失(Loss on Drying、LOD)法を使用して測定される値を指す。
【0037】
本明細書で使用される場合、「多用量」という用語は、水と構成された後、オメプラゾール粉末系が、一定期間、例えば、7日間超、14日超、又は28日超にわたって複数回用量で投与され得ることを意味する。
【0038】
本明細書で使用される場合、「安定性」又は「貯蔵安定性」という用語は、本明細書に記載のオメプラゾール粉末系の販売及び使用に必要な程度に、40℃及び75%の相対湿度(relative humidity、RH)で少なくとも6ヶ月間、又は25℃及び60%の相対湿度で少なくとも2年間貯蔵する際に、全関連物質、例えば、オメプラゾール分解物の5%w/w以下が形成される化学的安定性を指す。
【0039】
本明細書で使用される場合、「低粘度グレードのアルギン酸ナトリウム」という語句は、3%水溶液中で約100ミリパスカル秒(mPa.s)未満の溶液粘度を有するアルギン酸ナトリウムを指す。好適な低粘度グレードのアルギン酸ナトリウムとしては、例えば、Manucol(登録商標)LB(FMC Biopolymerによる)が挙げられる。
【0040】
「GERD(gastro-esophageal reflux disease)」という用語は、胃食道逆流症を指す。これは、胃からの酸が、食道(喉を胃につなぐ管)内に漏出し、疼痛、炎症、及び胸焼けを引き起こす疾患である。子供において、状態の症状としては、胃内容物の口内への戻り(逆流)、具合が悪くなる(嘔吐)、及び低い体重増加を挙げることができる。
【0041】
「PICS(Protection In Situ ConstitutionSystem)」という用語は、保護原位置構成システムを指す。PICS系は、図1に示すように、一体型キャップを有するボトルである。オメプラゾール(又は任意のPPI)含有混合物は、構成点までキャップ内で乾燥形態にある。以下に記載される第2の混合物などの希釈剤相がボトルに含まれる。構成の時点で、薬物装填混合物は、キャップをねじることによってキャップから希釈剤相(又は第2の混合物)内に放出され、その後、水が構成のために添加される。
【0042】
本明細書で使用される場合、「子供」という用語は、出生及び思春期の段階の間にあるヒトである。
【0043】
「思春期」という用語は、子供の身体が、成長して、有性生殖が可能な成人の身体になる身体的変化のプロセスである。平均して、女子は、約10~11歳で思春期を開始し、約15~17歳で思春期を終了するが、男子は、約11~12歳で開始し、約16~17歳で終了する。
【0044】
本明細書で使用される場合、「乳児」という用語は、赤ん坊、つまり、「ヒトの非常に若い子」の同義語である。「乳児」という用語は、典型的には、1歳未満の若年小児に適用される。
【0045】
本明細書で使用される場合、「幼児」という用語は、12~36ヶ月齢の子供を指す。
【0046】
本明細書で使用される場合、「前青年」という用語は、10~13歳の人を指す。
【0047】
本明細書で使用される場合、「青年」という用語は、10~19歳の人を指す。
【0048】
本明細書に記載の貯蔵安定性系
オメプラゾールなどのプロトンポンプ阻害剤は、患者における胃酸媒介性障害の治療に広く使用されているが、酸性媒体中のそれらの化学的不安定性は、療法のための単純な水性剤形の製剤を可能にしない。本開示は、小児対象に投与するのに許容可能なレベルのナトリウムを有しながら、水との構成時に、オメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩などの、有効量のPPI又はその薬学的に許容される塩)を、それを必要とする対象に投与するための経口医薬PPI懸濁液を提供する、貯蔵安定性PPI系を提供する。本開示の経口医薬懸濁液は、小児対象に対する許容可能な緩衝能力を有する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の経口医薬懸濁液の緩衝能力は、約2mEq/mlの経口懸濁液である。これは、例えば、重炭酸ナトリウム及び重炭酸カリウムに基づいて、バランスの取れた緩衝系を使用することによって達成される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の経口医薬懸濁液の緩衝能力は、約0.5mEq/ml~約4mEq/mlの経口懸濁液である。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の経口医薬懸濁液の緩衝能力は、約1.6mEq/ml~約2.3mEq/mlの経口懸濁液である。
【0049】
一態様では、本開示は、貯蔵安定性PPI系(貯蔵安定性オメプラゾール系など)であって、系が、オメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩などの、治療有効量のPPI又はその薬学的に許容可能な塩を含み、系が、約2.5%以下の水分の割合を含み、系が、ナトリウム含有緩衝剤からのナトリウムを含有しないか、又は、約1:100~約100:1の重量比で、ナトリウム及びカリウムを含有し、更に、貯蔵安定性PPI系が、投与前に水と構成される、貯蔵安定性PPI系を提供する。特定の実施形態では、貯蔵安定性PPI系は、約1:50~約50:1の重量比で、ナトリウム及びカリウムを含有する。特定の実施形態では、貯蔵安定性PPI系は、約1:10~約10:1の重量比で、ナトリウム及びカリウムを含有する。特定の実施形態では、貯蔵安定性PPI系は、約1:2~約1:5の重量比で、ナトリウム及びカリウムを含有する。
【0050】
いくつかの実施形態では、貯蔵安定性PPI系(貯蔵安定性オメプラゾール系など)は、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素ナトリウム、リン酸三ナトリウム、クエン酸二水素ナトリウム、クエン酸水素二ナトリウム、クエン酸三ナトリウム、四ホウ酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、フタル酸水素二ナトリウム、フタル酸水素ナトリウム、酒石酸ナトリウム、酒石酸二ナトリウム、コハク酸ナトリウムなどのナトリウム含有緩衝剤からのナトリウムを含有しない。
【0051】
いくつかの実施形態では、貯蔵安定性PPI系(貯蔵安定性オメプラゾール系など)は、オメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩などの、治療有効量のPPI又はその薬学的に許容可能な塩を含み、系は、約2.5%以下の水分の割合を含み、系は、約1:2.6~約1:3.4の重量比で、ナトリウム及びカリウムを含有し、更に、貯蔵安定性PPI系は、投与前に水と構成される。この態様のいくつかの実施形態では、ナトリウム及びカリウムは、約1:3.2の重量比で存在する。
【0052】
いくつかの実施形態では、貯蔵安定性PPI系(貯蔵安定性オメプラゾール系など)は、約0.5%~約1.5%の含水量を有する。いくつかの実施形態では、貯蔵安定性PPI系(貯蔵安定性オメプラゾール系など)は、約1%以下の水分の割合を有する。
【0053】
本明細書に記載の貯蔵安定性PPI系に使用することができる好適なPPI(プロトンポンプ阻害剤)は、例えば、オメプラゾール、ヒドロキシオメプラゾール、エソメプラゾール、ランソプラゾール、パントプラゾール、デクスランソプラゾール、ラペプラゾール(rapeprazole)、ドントプラゾール(dontoprazole)、テナトプラゾール、ハバープラゾール(haberprazole)、ランソプラゾール(ransoprazole)、パリプラゾール(pariprazole)、及びレミノプラゾール、並びにそれらの薬学的に許容可能な塩を含む。いくつかの実施形態では、PPIは、オメプラゾール、エソメプラゾール、ランソプラゾール、パントプラゾール、デキスラゾプラゾール、ラベプラゾール、及びそれらの薬学的に許容可能な塩からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、PPIは、オメプラゾール又はエソメプラゾール、又はその薬学的に許容可能な塩である。好適なPPI薬学的に許容可能な塩の例としては、例えば、オメプラゾールナトリウム塩、オメプラゾールマグネシウム塩、オメプラゾールカルシウム塩、オメプラゾールカリウム塩、エソメプラゾールナトリウム塩、エソメプラゾールマグネシウム塩、エソメプラゾールカルシウム塩、及びエソメプラゾールカリウム塩などのナトリウム、マグネシウム、カルシウム、及びカリウム塩が挙げられる。
【0054】
いくつかの実施形態では、PPIは、オメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩である。いくつかの実施形態では、PPIは、オメプラゾール(すなわち、塩形成カチオンを有しないオメプラゾールの中性形態)である。いくつかの実施形態では、PPIは、エソメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩である。いくつかの実施形態では、PPIは、エソメプラゾール(すなわち、塩形成カチオンを有しないエソメプラゾールの中性形態)である。
【0055】
いくつかの実施形態では、貯蔵安定性PPI系は、乾燥剤を更に含む。好適な乾燥剤としては、薬学的に許容され、かつ空気からの湿度を排除し、水分を吸着し、それによって、PPIのための乾燥した水分を含まない環境を作り出して維持する役割を果たす、任意の乾燥剤を含む。好適な薬学的に許容可能な乾燥剤としては、例えば、アルギン酸ナトリウム、デンプンなどが挙げられる。いくつかの実施形態では、乾燥剤は、アルギン酸ナトリウムである。乾燥剤は、1つの薬学的に許容可能な乾燥剤、又は2つ以上の薬学的に許容可能な乾燥剤の混合物を含み得る。
【0056】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の貯蔵安定性PPI系中に存在するアルギン酸ナトリウムは、乾燥している、すなわち、アルギン酸ナトリウムは、約2%未満の水分の割合を含む。いくつかの実施形態では、貯蔵安定性PPI系は、約0.5%~約1.5%の含水量を有する乾燥アルギン酸ナトリウムを含む。
【0057】
いくつかの実施形態では、貯蔵安定性オメプラゾール系などの本明細書に記載の貯蔵安定性PPI系中に存在するアルギン酸ナトリウムは、低粘度グレードのアルギン酸ナトリウムである。好適な低粘度グレードのアルギン酸ナトリウムは、3%水溶液中で約100ミリパスカル秒(mPa.s)未満の溶液粘度を有する。好適な低粘度グレードのアルギン酸ナトリウムの例としては、Manucol(登録商標)LB(FMC Biopolymerによる)が挙げられる。
【0058】
いくつかの実施形態では、貯蔵安定性オメプラゾール系などの本明細書に記載の貯蔵安定性PPI系は、1つ以上の緩衝剤を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の貯蔵安定性PPI系は、1つ、2つ、3つ、又は4つの緩衝剤を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の貯蔵安定性PPI系は、1つの緩衝剤を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の貯蔵安定性PPI系は、2つ又は3つの緩衝剤を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の貯蔵安定性PPI系は、2つの緩衝剤を含む。
【0059】
貯蔵安定性オメプラゾール系などの本明細書に記載の貯蔵安定性PPI系は、投与されるPPIの生物学的利用能を維持するのに十分な胃酸によるPPI(オメプラゾール若しくはその薬学的に許容可能な塩など)の酸分解を実質的に防止又は阻害するように機能する任意の好適な緩衝剤を含み得る。いくつかの実施形態では、1つ以上の緩衝剤は、各々独立して、アルカリ金属又はアルカリ土類金属のカーボネート、バイカーボネート、ホスフェート、シトレート、ボラート、アセテート、フタレート、タルトレート、及びスクシネートからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、1つ以上の緩衝剤は、各々独立して、ナトリウム又はカリウムのカーボネート、バイカーボネート、ホスフェート、シトレート、ボラート、アセテート、フタレート、タルトレート、及びスクシネートからなる群から選択される。
【0060】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の貯蔵安定性PPI系(貯蔵安定性オメプラゾール系など)は、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素ナトリウム、リン酸三ナトリウム、クエン酸二水素ナトリウム、クエン酸水素二ナトリウム、クエン酸三ナトリウム、四ホウ酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、フタル酸水素二ナトリウム、フタル酸水素ナトリウム、酒石酸ナトリウム、酒石酸二ナトリウム、コハク酸ナトリウムから選択される少なくとも1つの緩衝剤を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の貯蔵安定性PPI系(貯蔵安定性オメプラゾール系など)は、炭酸カリウム、重炭酸カリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素カリウム、リン酸三カリウム、クエン酸二水素カリウム、クエン酸水素二カリウム、クエン酸三カリウム、四ホウ酸カリウム、酢酸カリウム、フタル酸水素二カリウム、フタル酸水素カリウム、酒石酸二カリウム、酒石酸カリウム、及びコハク酸カリウムから選択される少なくとも1つの緩衝剤を含む。
【0061】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の貯蔵安定性PPI系(貯蔵安定性オメプラゾール系など)は、炭酸カリウム、重炭酸カリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素カリウム、リン酸三カリウム、クエン酸二水素カリウム、クエン酸水素二カリウム、クエン酸三カリウム、四ホウ酸カリウム、酢酸カリウム、フタル酸水素二カリウム、フタル酸水素カリウム、酒石酸二カリウム、酒石酸カリウム、及びコハク酸カリウムから選択される1つ以下の緩衝剤を含む。いくつかの実施形態では、1つの緩衝剤は、重炭酸カリウムである。
【0062】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の貯蔵安定性PPI系(貯蔵安定性オメプラゾール系など)は、ナトリウム及びカリウムのカーボネート、バイカーボネート、ホスフェート、シトレート、ボラート、アセテート、フタレート、タルトレート、及びスクシネートから選択される2つ以上の緩衝剤を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の貯蔵安定性PPI系は、重炭酸ナトリウム及び重炭酸カリウムの両方を含む。いくつかの実施形態では、重炭酸ナトリウム及び重炭酸カリウムは、約1:100~約100:1の重量比で、系中に存在する。いくつかの実施形態では、重炭酸ナトリウム及び重炭酸カリウムは、約1:50~約50:1の重量比で、系中に存在する。いくつかの実施形態では、重炭酸ナトリウム及び重炭酸カリウムは、約1:10~約10:1の重量比で、系中に存在する。いくつかの実施形態では、重炭酸ナトリウム及び重炭酸カリウムは、約1:2~約1:5の重量比で、系中に存在する。いくつかの実施形態では、重炭酸ナトリウム及び重炭酸カリウムは、約1:2.5~約1:3.4の重量比で、系中に存在する。いくつかの実施形態では、重炭酸ナトリウム及び重炭酸カリウムは、約1:2.7の重量比で存在する。
【0063】
本明細書に記載の貯蔵安定性PPI系(貯蔵安定性オメプラゾール系など)中に存在する1つ以上の緩衝剤は、胃液中のPPI(オメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩など)の少なくとも一部の分解を防止するpHに胃液pHを増加させるのに十分な量で存在する。
【0064】
いくつかの実施形態では、1つ以上の緩衝剤は、水を有する本明細書に記載の構成された貯蔵安定性PPI系の約0.5~約4mEq/ml用量の緩衝能力を提供する。いくつかの実施形態では、1つ以上の緩衝剤は、水を有する本明細書に記載の構成された貯蔵安定性PPI系の約1.6~約2.3mEq/ml用量の緩衝能力を提供する。いくつかの実施形態では、1つ以上の緩衝剤は、水を有する本明細書に記載の構成された貯蔵安定性PPI系の約2mEq/ml用量の緩衝能力を提供する。
【0065】
いくつかの実施形態では、1つ以上の緩衝剤は、水を有する本明細書に記載の構成された貯蔵安定性オメプラゾール系の約0.5~約4mEq/ml用量の緩衝能力を提供する。いくつかの実施形態では、1つ以上の緩衝剤は、水を有する本明細書に記載の構成された貯蔵安定性オメプラゾール系の約1.6~約2.3mEq/ml用量の緩衝能力を提供する。いくつかの実施形態では、1つ以上の緩衝剤は、水を有する本明細書に記載の構成された貯蔵安定性オメプラゾール系の約2mEq/ml用量の緩衝能力を提供する。
【0066】
本明細書に記載の貯蔵安定性PPI系(貯蔵安定性オメプラゾール系など)は、水中に分散したときに経口懸濁液を提供する任意の好適な多粒子状剤形で調製することができる。好適な剤形としては、粉末、ペレット、顆粒、種子、ビーズ、スフェロイド、ミクロスフェア、又はそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の貯蔵安定性PPI系(貯蔵安定性オメプラゾール系など)は、粉末又はペレットの形態にある。好適な粉末、ペレット、顆粒、種子、ビーズ、スフェロイド、ミクロスフェア、及びそれらの混合物は、当該技術分野で既知の従来の薬理学的技術によって調製することができる。
【0067】
いくつかの態様では、本明細書に記載の貯蔵安定性PPI系(貯蔵安定性オメプラゾール系など)は、(i)(a)治療有効量のPPI又はそこの薬学的に許容可能な塩(オメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩など)を含む第1の混合物であって、第1の混合物が、約2.5%以下の水分の割合を含む、第1の混合物と、(ii)第2の緩衝剤を含む第2の混合物であって、第2の混合物が、約2.5%以下の水分の割合を含む、第2の混合物と、を含み、第1の混合物及び第2の混合物は、互いに別々に貯蔵され、かつ水との構成時に又はその直前に一緒に混合され、系は、ナトリウム含有緩衝剤からのナトリウムを含有しないか、又は、約1:100~約100:1の重量比で、ナトリウム及びカリウムを含有する。特定の実施形態では、貯蔵安定性PPI系は、約1:50~約50:1の重量比で、ナトリウム及びカリウムを含有する。特定の実施形態では、貯蔵安定性PPI系は、約1:10~約10:1の重量比で、ナトリウム及びカリウムを含有する。特定の実施形態では、貯蔵安定性PPI系は、約1:2~約1:5の重量比で、ナトリウム及びカリウムを含有する。
【0068】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の貯蔵安定性PPI系(貯蔵安定性オメプラゾール系など)は、(i)(a)治療有効量のPPI又はそこの薬学的に許容可能な塩(オメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩など)を含む第1の混合物であって、第1の混合物が、約2.5%以下の水分の割合を含む、第1の混合物と、(ii)第2の緩衝剤を含む第2の混合物であって、第2の混合物が、約2.5%以下の水分の割合を含む、第2の混合物と、を含み、第1の混合物及び第2の混合物が、互いに別々に貯蔵され、かつ水との構成時に又はその直前に一緒に混合され、系が、ナトリウム含有緩衝剤からのナトリウムを含有しないか、又は、約1:2.6~約1:3.4の重量比で、ナトリウム及びカリウムを含有する、第2の混合物と、を含む、貯蔵安定性PPI系を提供する。いくつかの実施形態では、ナトリウム及びカリウムは、約1:3.2の重量比で存在する。
【0069】
いくつかの実施形態では、貯蔵安定性PPI系(貯蔵安定性オメプラゾール系など)は、ナトリウム含有緩衝剤からのナトリウムを含有しない。
【0070】
いくつかの実施形態では、第1の混合物は、(b)第1の乾燥剤を更に含み、かつ/又は第2の混合物は、第2の乾燥剤を更に含む。
【0071】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の貯蔵安定性PPI系(貯蔵安定性オメプラゾール系など)は、(i)(a)治療有効量のPPI又はその薬学的に許容可能な塩(オメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩など)を含む第1の混合物であって、第1の混合物が、約2.5%以下の水分の割合を含む、第1の混合物と、(ii)第2の乾燥剤及び第2の緩衝剤を含む第2の混合物であって、第1の混合物及び第2の混合物が、互いに別々に貯蔵され、かつ水との構成時に又はその直前に一緒に混合され、系が、約1:2.6~約1:3.4の重量比で、ナトリウム及びカリウムを含有する、第2の混合物と、を含む。この態様のいくつかの実施形態では、本明細書に記載の貯蔵安定性PPI系(貯蔵安定性オメプラゾール系など)は、約1:3.2の重量比で、ナトリウム及びカリウムを含有する。
【0072】
いくつかの実施形態では、第1の混合物及び第2の混合物は、各々独立して、約0.5%~約1.5%の含水量を有する。いくつかの実施形態では、第1の混合物及び第2の混合物は、各々独立して、約0.6%~約1.1%の含水量を有する。いくつかの実施形態では、第1の混合物及び第2の混合物は、各々独立して、約0.5%~約0.9%の含水量を有する。いくつかの実施形態では、第1の混合物は、約0.5%~約1.5%の含水量を有し、第2の混合物は、約1.5%以下の含水量を有する。いくつかの実施形態では、第2の混合物は、約0.5%以下の含水量を有する。
【0073】
いくつかの実施形態では、第1の混合物は、(b)第1の乾燥剤を更に含む。
【0074】
いくつかの実施形態では、第1の混合物は、(c)第1の緩衝剤を更に含む。
【0075】
いくつかの態様では、本明細書に記載の貯蔵安定性PPI系(そのような貯蔵安定性オメプラゾール系)は、(i)(a)治療有効量のPPI又はその薬学的に許容可能な塩(オメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩など)、(b)第1の乾燥剤、及び(c)第1の緩衝剤を含む第1の混合物であって、第1の混合物が、約2.5%以下の水分の割合を含む、第1の混合物と、(ii)第2の乾燥剤及び第2の緩衝剤を含む第2の混合物であって、第1の混合物及び第2の混合物が、互いに別々に貯蔵され、かつ水との構成時に又はその直前に一緒に混合され、系が、約1:2.6~約1:3.4の重量比で、ナトリウム及びカリウムを含有する、第2の混合物と、を含む。この態様のいくつかの実施形態では、本明細書に記載の貯蔵安定性PPI系(貯蔵安定性オメプラゾール系など)は、約1:3.2の重量比で、ナトリウム及びカリウムを含有する。いくつかの実施形態では、第1の混合物及び第2の混合物は、各々独立して、約0.5%~約1.5%の含水量を有する。いくつかの実施形態では、第1の混合物及び第2の混合物は、各々独立して、約0.6%~約1.1%の含水量を有する。いくつかの実施形態では、第1の混合物及び第2の混合物は、各々独立して、約0.5%~約0.9%の含水量を有する。いくつかの実施形態では、第1の混合物は、約0.5%~約1.5%の含水量を有し、第2の混合物は、約1.5%以下の含水量を有する。いくつかの実施形態では、第2の混合物は、約0.5%以下の含水量を有する。
【0076】
第1の乾燥剤及び第2の乾燥剤は、上記で定義された任意の薬学的に許容可能な乾燥剤、又は2つ以上の薬学的に許容可能な乾燥剤の混合物を含み得る。第1の乾燥剤及び第2の乾燥剤は、同じであっても異なっていてもよい。いくつかの実施形態では、第1の乾燥剤は、第2の乾燥剤と同じである。いくつかの実施形態では、第1の乾燥剤及び第2の乾燥剤は異なる。いくつかの実施形態では、第1の乾燥剤及び第2の乾燥剤は、アルギン酸ナトリウムである。いくつかの実施形態では、アルギン酸ナトリウムは、乾燥している、すなわち、アルギン酸ナトリウムは、約2%未満の水分の割合を含む。いくつかの実施形態では、乾燥アルギン酸ナトリウムは、約0.5%~約1.5%の含水量を有する。
【0077】
いくつかの実施形態では、第1の混合物及び第2の混合物は、独立して、粉末、ペレット、顆粒、種子、ビーズ、スフェロイド、ミクロスフェア、又はそれらの混合物の形態であり得る。いくつかの実施形態では、第1の混合物及び第2の混合物は、各々独立して、粉末又はペレットの形態にある。他の実施形態では、第1の混合物及び第2の混合物は、両方とも粉末の形態であり得る。
【0078】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の貯蔵安定性系中に存在する、オメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩などの、PPI又はその薬学的に許容可能な塩は、微粉化されている。
【0079】
いくつかの実施形態では、PPI又はその薬学的に許容可能な塩は、本明細書に記載の貯蔵安定性系中に存在し、微粉化PPI及び非微粉化PPI、又はその薬学的に許容可能な塩の混合物である。この態様のいくつかの実施形態では、PPI又はその薬学的に許容可能な塩は、約30重量%~約70重量%の微粉化PPI又は薬学的に許容可能な塩を含み、残りは非微粉化されている。いくつかの実施形態では、PPI又はその薬学的に許容可能な塩は、重量で、微粉化及び非微粉化PPI又はその薬学的に許容可能な塩の1:1の混合物である。いくつかの実施形態では、PPI又はその薬学的に許容可能な塩は、微粉化及び非微粉化PPI又はその薬学的に許容可能な塩の重量で、約1:2、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、又は1:9の混合物である。いくつかの実施形態では、PPI又はその薬学的に許容可能な塩は、微粉化及び非微粉化PPI又はその薬学的に許容可能な塩の重量で、約1:2.3の混合物(すなわち、約30:70の混合物)である。いくつかの実施形態では、PPI又はその薬学的に許容可能な塩は、非微粉化及び微粉化PPI又はその薬学的に許容可能な塩の重量で、約1:2、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、又は1:9の混合物である。いくつかの実施形態では、PPI又はその薬学的に許容可能な塩は、微粉化及び非微粉化PPI又はその薬学的に許容可能な塩の重量で、約1:1.5の混合物(すなわち、約40:60の混合物)である。
【0080】
いくつかの実施形態では、オメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩は、本明細書に記載の貯蔵安定性オメプラゾール系中に存在し、微粉化及び非微粉化オメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩の混合物である。いくつかの実施形態では、オメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩は、約30重量%~約70重量%の微粉化オメプラゾール又は薬学的に許容可能な塩を含み、残りは非微粉化されている。いくつかの実施形態では、オメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩は、重量で、微粉化及び非微粉化オメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩の1:1の混合物である。いくつかの実施形態では、オメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩は、微粉化及び非微粉化オメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩の重量で、約1:2、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、又は1:9の混合物である。いくつかの実施形態では、オメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩は、微粉化及び非微粉化オメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩の重量で、約1:2.3の混合物(すなわち、約30:70の混合物)である。いくつかの実施形態では、オメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩は、非微粉化及び微粉化オメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩の重量で、約1:2、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、又は1:9の混合物である。いくつかの実施形態では、オメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩は、微粉化及び非微粉化オメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩の重量で、約1:1.5の混合物(すなわち、約40:60の混合物)である。
【0081】
いくつかの実施形態では、第1及び第2の緩衝剤が、胃液中の、PPI、又はオメプラゾールの薬学的に許容可能な塩の少なくとも一部の分解を防止するpHに胃液pHを増加させるのに十分な量で存在する。
【0082】
いくつかの実施形態では、第1及び第2の緩衝剤は、水を有する本明細書に記載の構成された貯蔵安定性PPI系の約0.5~約4mEq/ml用量の緩衝能力を提供する。いくつかの実施形態では、第1及び第2の緩衝剤は、水を有する本明細書に記載の構成された貯蔵安定性PPI系の約1.6~約2.3mEq/ml用量の緩衝能力を提供する。いくつかの実施形態では、第1及び第2の緩衝剤は、水を有する本明細書に記載の構成された貯蔵安定性PPI系の約2mEq/ml用量の緩衝能力を提供する。いくつかの実施形態では、第1及び第2の緩衝剤は、水を有する本明細書に記載の構成された貯蔵安定性PPI系の約2.1mEq/ml用量の緩衝能力を提供する。
【0083】
いくつかの実施形態では、第1及び第2の緩衝剤は、水を有する本明細書に記載の構成された貯蔵安定性オメプラゾール系の約0.5~約4mEq/ml用量の緩衝能力を提供する。いくつかの実施形態では、第1及び第2の緩衝剤は、水を有する本明細書に記載の構成された貯蔵安定性オメプラゾール系の約1.6~約2.3mEq/ml用量の緩衝能力を提供する。いくつかの実施形態では、第1及び第2の緩衝剤は、水を有する本明細書に記載の構成された貯蔵安定性オメプラゾール系の約2mEq/ml用量の緩衝能力を提供する。いくつかの実施形態では、第1及び第2の緩衝剤は、水を有する本明細書に記載の構成された貯蔵安定性オメプラゾール系の約2.1mEq/ml用量の緩衝能力を提供する。
【0084】
いくつかの実施形態では、第1の緩衝剤及び第2の緩衝剤は、各々独立して、1つの緩衝剤、又は2つ以上の緩衝剤の混合物を含み得る。いくつかの実施形態では、第1の緩衝剤及び第2の緩衝剤は、各々独立して、1つ、2つ、3つ、又は4つの緩衝剤を含む。いくつかの実施形態では、第1の緩衝剤及び第2の緩衝剤は、各々独立して、1、2、又は3つの緩衝剤を含む。いくつかの実施形態では、第1の緩衝剤及び第2の緩衝剤は、各々独立して、1つの緩衝剤又は2つの緩衝剤を含む。
【0085】
いくつかの実施形態では、第1の緩衝剤及び第2の緩衝剤は、各々独立して、アルカリ金属又はアルカリ土類金属のカーボネート、バイカーボネート、ホスフェート、シトレート、ボラート、アセテート、フタレート、タルトレート、スクシネート、及びそれらの混合物からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、第1の緩衝剤及び第2の緩衝剤は、各々独立して、ナトリウム又はカリウムのカーボネート、バイカーボネート、ホスフェート、シトレート、ボラート、アセテート、フタレート、タルトレート、スクシネート、及びそれらの混合物から選択される。
【0086】
いくつかの実施形態では、第1の緩衝剤は、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素ナトリウム、リン酸三ナトリウム、クエン酸二水素ナトリウム、クエン酸水素二ナトリウム、クエン酸三ナトリウム、四ホウ酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、フタル酸水素二ナトリウム、フタル酸水素ナトリウム、酒石酸ナトリウム、酒石酸二ナトリウム、コハク酸ナトリウム、及びそれらの混合物から選択される。
【0087】
いくつかの実施形態では、第2の緩衝剤は、ナトリウム又はカリウムのカーボネート、バイカーボネート、ホスフェート、シトレート、ボラート、アセテート、フタレート、タルトレート、スクシネート、及びそれらの混合物から選択される。
【0088】
いくつかの実施形態では、第1の緩衝剤及び第2の緩衝剤は、各々独立して、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、及びそれらの混合物からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、第1の緩衝剤は、重炭酸ナトリウムである。いくつかの実施形態では、第2の緩衝剤は、重炭酸ナトリウムと重炭酸カリウムとの混合物である。いくつかの実施形態では、第2の混合物は、約11重量%の重炭酸ナトリウム及び約89重量%の重炭酸カリウムを含む。
【0089】
いくつかの実施形態では、第1の混合物及び第2の混合物は一緒に、約1:100~約100:1の重量比で、重炭酸ナトリウム及び重炭酸カリウムを含む。いくつかの実施形態では、第1の混合物及び第2の混合物は一緒に、約1:2.5~約1:3.4の重量比で、重炭酸ナトリウム及び重炭酸カリウムを含む。いくつかの実施形態では、重炭酸ナトリウム及び重炭酸カリウムは、約1:2.7の重量比で存在する。
【0090】
いくつかの実施形態では、第1の緩衝剤及び第2の緩衝剤は、各々独立して、炭酸カリウム、重炭酸カリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素カリウム、リン酸三カリウム、クエン酸水素カリウム、クエン酸水素二カリウム、クエン酸三カリウム、四ホウ酸カリウム、酢酸カリウム、フタル酸水素二カリウム、フタル酸水素カリウム、酒石酸カリウム、酒石酸二カリウム、コハク酸カリウム、及びそれらの混合物から選択される。いくつかの実施形態では、第1の緩衝剤及び第2の緩衝剤は、重炭酸カリウムである。
【0091】
本明細書に記載の貯蔵安定性PPI系(貯蔵安定性オメプラゾール系など)は、甘味料、着香料、防腐剤、増粘剤、懸濁剤、乳白剤、崩壊剤、充填剤、界面活性剤、可溶化剤、安定剤、潤滑剤、希釈剤、及び消泡剤を含む、1つ以上の薬学的に許容可能な賦形剤を更に含むことができる。
【0092】
好適な甘味料としては、例えば、マンニトール、スクロース、フルクトース、デキストロース、イソマルト、マルチトール、ソルビトール、スクラロース、アセスルファムK、アスパルテーム、シクラメート、サッカリン、ステビア、スクラロース、サッカリンナトリウム、キシリトール、又はそれらの組み合わせが挙げられる。本明細書に記載のいくつかの実施形態では、甘味料は、マンニトール、スクラロース、若しくはマルチトール、又はそれらの混合物である。
【0093】
好適な着香料としては、例えば、以下の香味料:ミント、バニラ、バナナ、リンゴ、オレンジ、セイヨウナシ、モモ、イチゴ、ラズベリー、チョコレート、レモン、ライム、バタースコッチ、カラメル、チェリー、及びシナモン又はそれらの混合物が挙げられる。本明細書に記載のいくつかの実施形態では、着香料は、ミント風味、バニラ風味、又はそれらの混合物である。
【0094】
好適な防腐剤としては、抗微生物防腐剤を含む、医薬製剤における使用に好適なものが挙げられる。好適な抗微生物防腐剤としては、例えば、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、安息香酸カルシウム、メチルパラベンナトリウム、エチルパラベンナトリウム、及びそれらの混合物が挙げられる。本明細書に記載のいくつかの実施形態では、防腐剤は、安息香酸ナトリウム、メチルパラベンナトリウム、又はそれらの混合物である。いくつかの実施形態では、防腐剤は、安息香酸ナトリウムとメチルパラベンナトリウムとの混合物である。
【0095】
好適な増粘剤(thickening agent)(又は増粘剤(thickener))は、その他の特性を実質的に変化させることなく液体の粘度を増加させることができ、かつ経口医薬製剤に好適な物質を含む。好適な増粘剤の例としては、例えば、アルギン酸ナトリウム、キサンタンガム、グアーガム、及びローカストビーンガムが挙げられる。いくつかの実施形態では、増粘剤は、アルギン酸ナトリウム、キサンタンガム、又はそれらの混合物である。
【0096】
好適な乳白剤としては、二酸化チタン(TiO)などの次の系を不透明にするために、材料に添加される薬学的に許容可能な物質が挙げられる。
【0097】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の貯蔵安定性PPI系(貯蔵安定性オメプラゾール系など)は、甘味料、着香料、防腐剤、又はそれらの混合物を更に含む。
【0098】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の貯蔵安定性PPI系における第2の混合物(貯蔵安定性オメプラゾール系など)は、甘味料及び防腐剤を更に含む。
【0099】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の貯蔵安定性PPI系(貯蔵安定性オメプラゾール系など)は、PPI又はその薬学的に許容可能な塩(オメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩など)の多用量投与に好適な薬物送達デバイス内に提供される。特定の実施形態では、送達デバイスは、米国特許第9,051,100号、同第10,238,803号、又は米国特許出願公開第2014/0311929号に記載されるとおりであり、その内容は参照により完全に組み込まれる。
【0100】
いくつかの実施形態では、送達デバイスは、PICS系である。いくつかの態様では、PICS系は、図1に示されるとおりである。
【0101】
いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、2つのチャンバを備える。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスの2つのチャンバを統合することができる。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスの第2のチャンバは、容器本体(ボトルなど)であり得、第1のチャンバは、多粒子状材料を収納し得、かつ容器本体の開口部内に取り付けられるキャップであり得る。
【0102】
いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、薬物送達デバイスからキャップを取り外すことなく、第1のチャンバの内容物を第2のチャンバ内に放出するための手段を更に備える。
【0103】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の貯蔵安定性PPI系(貯蔵安定性オメプラゾール系など)は、キャップを含む容器本体内に提供され、(i)容器本体は、第2の混合物を収容し、かつその上端に形成された容器開口部を有し、(ii)キャップは、第1の混合物を含む円筒形収納部分と、収納部分の上端を封止するキャップ部分と、を備え、(iii)キャップは、容器本体の容器開口部内に取り付けられ、キャップがねじられるとき、第1の混合物は、容器本体内に放出される。いくつかの実施形態では、容器本体は、琥珀色ポリエチレンテレフタレートボトルであり、キャップは、ポリプロピレンタンパーエビデントキャップである。
【0104】
特定の実施形態では、本明細書に記載の貯蔵安定性PPI系(貯蔵安定性オメプラゾール系など)は、PPI又はその薬学的に許容可能な塩(オメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩など)の多用量投与に好適な薬物送達デバイス内で製剤化され、系は、治療有効量のPPI又はその薬学的に許容可能な塩(オメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩など)を含み、系は、約2.5%以下の水分の割合を含み、系が、ナトリウム含有緩衝剤からのナトリウムを含有しないか、又は系は、約1:100~約100:1の重量比で、ナトリウム及びカリウムを含有し、更に、貯蔵安定性オメプラゾール系が、投与前に水と構成される。特定の実施形態では、貯蔵安定性PPI系は、約1:50~約50:1の重量比で、ナトリウム及びカリウムを含有する。特定の実施形態では、貯蔵安定性PPI系は、約1:10~約10:1の重量比で、ナトリウム及びカリウムを含有する。特定の実施形態では、貯蔵安定性PPI系は、約1:2~約1:5の重量比で、ナトリウム及びカリウムを含有する。特定の実施形態では、貯蔵安定性PPI系は、約1:2.6~約1:3.4の重量比で、ナトリウム及びカリウムを含有する。この態様のいくつかの実施形態では、ナトリウム及びカリウムは、約1:3.2の重量比で存在する。いくつかの実施形態では、貯蔵安定性PPI系(貯蔵安定性オメプラゾール系など)は、ナトリウム含有緩衝剤からのナトリウムを含有しない。
【0105】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の貯蔵安定性PPI系(貯蔵安定性オメプラゾール系など)は、25℃/60%相対湿度で少なくとも2年間安定したままである。
【0106】
いくつかの実施形態では、本開示は、貯蔵安定性オメプラゾール粉末系を提供し、系は、(i)(a)治療有効量のオメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩、(b)アルギン酸ナトリウム、及び(c)第1の緩衝剤を含む、第1の粉末混合物と、(ii)アルギン酸ナトリウム及び第2の緩衝剤を含む第2の粉末混合物と、を含み、第1の粉末混合物及び第2の粉末混合物は、互いに別々に貯蔵され、かつ水との構成時に又はその直前に一緒に混合され、系は、約1:2.6~約1:3.4の重量比で、ナトリウム及びカリウムを含有する。
【0107】
いくつかの実施形態では、オメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩は、微粉化されている。いくつかの実施形態では、オメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩は、微粉化及び非微粉化オメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩の混合物である。いくつかの実施形態では、オメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩は、約30~約70%の微粉化オメプラゾール、又はその薬学的に許容可能な塩を含み、オメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩の残りが、非微粉化されている。いくつかの実施形態では、オメプラゾールは、重量で、微粉化及び非微粉化オメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩の1:1の混合物である。いくつかの実施形態では、オメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩は、微粉化及び非微粉化オメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩の重量で、約1:2、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、又は1:9の混合物である。いくつかの実施形態では、オメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩は、微粉化及び非微粉化オメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩の重量で、約1:2.3の混合物(すなわち、約30:70の混合物)である。いくつかの実施形態では、オメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩は、非微粉化及び微粉化オメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩の重量で、約1:2、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、又は1:9の混合物である。いくつかの実施形態では、オメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩は、微粉化及び非微粉化オメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩の重量で、約1:1.5の混合物(すなわち、約40:60の混合物)である。
【0108】
第1の粉末混合物は、例えば、オメプラゾール、又はその薬学的に許容可能な塩、アルギン酸ナトリウム、及び第1の緩衝剤の混合物の湿式造粒と、顆粒を乾燥させることと、乾燥顆粒を粉砕することと、によって調製され得る。いくつかの実施形態では、第1の粉末混合物は、乾燥アルギン酸ナトリウムを更に含む。第1の粉末混合物を調製するための好適な方法は、例えば、米国特許第8,093,271号に記載されており、その内容は参照により完全に組み込まれる。
【0109】
いくつかの実施形態では、第1の粉末混合物中に存在する約20~約30%のアルギン酸ナトリウムが、第1の緩衝剤の表面の上に均質に分布している。いくつかの実施形態では、第1の粉末混合物中に存在する約20~約25%のアルギン酸ナトリウムが、第1の緩衝剤の表面の上に均質に分布している。いくつかの実施形態では、第1の粉末混合物中の第1の緩衝剤の表面の上に分布しないアルギン酸ナトリウムは、乾燥している、すなわち、約2%未満の水分の割合を含む。いくつかの実施形態では、第2の粉末混合物中に存在するアルギン酸ナトリウムは、乾燥している。
【0110】
いくつかの実施形態では、乾燥アルギン酸ナトリウムは、約0.5%~約1.5%の含水量を有する。いくつかの実施形態では、アルギン酸ナトリウムは、上記で定義された低粘度グレードのアルギン酸ナトリウムである。
【0111】
第1の緩衝剤及び第2の緩衝剤は、胃液中の、オメプラゾール、又はその薬学的に許容可能な塩の少なくとも一部分解を防止するpHに胃液pHを増加させるのに十分な量で存在する。いくつかの態様では、第1及び第2の緩衝剤は、水を有する本明細書に記載の構成された貯蔵安定性オメプラゾール粉末系の約0.5~約4mEq/ml用量の緩衝能力を提供する。いくつかの態様では、第1及び第2の緩衝剤は、水を有する本明細書に記載の構成された貯蔵安定性オメプラゾール粉末系の約1.6~約2.3mEq/ml用量の緩衝能力を提供する。いくつかの実施形態では、第1及び第2の緩衝剤は、水を有する本明細書に記載の構成された貯蔵安定性オメプラゾール粉末系の約2mEq/ml用量の緩衝能力を提供する。
【0112】
いくつかの実施形態では、貯蔵安定性オメプラゾール粉末系中に存在する第1及び第2の緩衝剤は、各々独立して、アルカリ金属又はアルカリ土類金属のカーボネート、バイカーボネート、ホスフェート、シトレート、ボラート、アセテート、フタレート、タルトレート、スクシネート、及びそれらの混合物からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、第1及び第2の緩衝剤は、各々独立して、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、及びそれらの混合物からなる群から選択される。
【0113】
いくつかの実施形態では、貯蔵安定性オメプラゾール粉末系における第1の緩衝剤は、重炭酸ナトリウムである。
【0114】
いくつかの実施形態では、貯蔵安定性オメプラゾール粉末系における第2の緩衝剤は、重炭酸ナトリウムと重炭酸カリウムとの混合物である。
【0115】
いくつかの実施形態では、貯蔵安定性オメプラゾール粉末系における第1の緩衝剤は、重炭酸ナトリウムであり、第2の緩衝剤は、重炭酸ナトリウムと重炭酸カリウムとの混合物である。いくつかの実施形態では、第2の緩衝剤は、約11重量%の重炭酸ナトリウムと約89重量%の重炭酸カリウムとの混合物である。
【0116】
いくつかの実施形態では、貯蔵安定性オメプラゾール粉末系における第1の粉末混合物及び第2の粉末混合物は、約1:2.5~約1:3.4の重量比で、重炭酸ナトリウム及び重炭酸カリウムを含む。いくつかの実施形態では、重炭酸ナトリウム及び重炭酸カリウムは、約1:2.7の重量比で存在する。
【0117】
いくつかの実施形態では、貯蔵安定性オメプラゾール粉末系における第1の緩衝剤は、重炭酸カリウムであり、第2の緩衝剤は、重炭酸カリウムである。
【0118】
いくつかの実施形態では、貯蔵安定性オメプラゾール粉末系の第2の粉末混合物は、甘味料及び防腐剤を更に含む。上記のような好適な甘味料及び防腐剤。
【0119】
いくつかの実施形態では、貯蔵安定性オメプラゾール粉末系は、オメプラゾールの多用量投与に好適な薬物送達デバイス内に提供される。
【0120】
この態様の特定の実施形態では、薬物送達デバイスは、第1の粉末混合物を含む第1のチャンバと、第2の粉末混合物を含む第2のチャンバと、を備える。特定の実施形態では、第1のチャンバ及び第2のチャンバは、統合され得る。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスの第2のチャンバは、第2の粉末混合物を含む容器本体(ボトルなど)であり得、第1のチャンバは、容器本体の開口に取り付けられた第1の粉末混合物を含むキャップであり得る。
【0121】
薬物送達デバイスは、薬物送達デバイスからキャップを取り外すことなく、第1の粉末混合物を第2のチャンバ内に放出するための手段を更に含むことができる。
【0122】
特定の実施形態では、貯蔵安定性オメプラゾール粉末系は、キャップを備える容器本体である送達デバイス内に提供される。いくつかの実施形態では、(i)容器本体は、第2の粉末混合物を収容し、かつその上端に形成された容器開口部を有し、(ii)キャップは、第1の粉末混合物を含む円筒形収納部分と、収納部分の上端を封止するキャップ部分と、を備え、(iii)キャップは、容器本体の容器開口部内に取り付けられ、キャップがねじられるとき、第1の粉末混合物は、容器本体内に放出される。特定の実施形態では、容器本体は、琥珀色ポリエチレンテレフタレートボトルであり、キャップは、ポリプロピレンタンパーエビデントキャップである。
【0123】
特定の実施形態では、本開示の貯蔵安定性オメプラゾール粉末系は、40℃/75%相対湿度で少なくとも6ヶ月間安定したままである。いくつかの実施形態では、貯蔵安定性オメプラゾール粉末系は、30℃/65%相対湿度で少なくとも1年間安定したままである。いくつかの実施形態では、貯蔵安定性オメプラゾール粉末系は、25℃/60%相対湿度で少なくとも2年間安定したままである。
【0124】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の貯蔵安定性PPI系(貯蔵安定性オメプラゾール系など)は、非構成系の貯蔵中の水分の進入を最小限に抑えるために、密封されたアルミニウム箔パウチ内に封入される。いくつかの実施形態では、アルミニウム箔パウチは、本明細書に記載の貯蔵安定性PPI系(貯蔵安定性オメプラゾール系など)の貯蔵中に、PPI又はその薬学的に許容可能な塩(オメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩など)の水分関連分解を低減し得る。いくつかの実施形態では、アルミニウム箔パウチは、内部にポリマーコーティングを有する。アルミニウム箔パウチは、Hawo Heat Sealer(温度設定:150℃、1~2秒の保持時間)を使用して密封することができる。
【0125】
経口医薬懸濁液
本開示はまた、薬学的有効量のPPI、又はその薬学的に許容可能な塩を、それを必要とする対象、特に小児対象に対して提供するための経口医薬懸濁液を提供する。本明細書に記載の経口医薬懸濁液は、小児対象における治療に使用するための許容可能なレベルでナトリウムを含有する。経口医薬懸濁液は、多用量剤形での使用に特に好適であり、PPI又はその薬学的に許容可能な塩の均一な投与量を提供することができる。
【0126】
一態様では、本開示は、水、水中に分散された、薬学的有効量のPPI又はその薬学的に許容可能な塩(オメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩など)、並びにより多くの緩衝剤のうちの1つを含む、経口医薬懸濁液を提供する。特定の実施形態では、経口医薬懸濁液は、約1:100~約100:1の重量比で、ナトリウム及びカリウムを含有する。特定の実施形態では、経口医薬懸濁液は、約1:50~約50:1の重量比で、ナトリウム及びカリウムを含有する。特定の実施形態では、経口医薬懸濁液は、約1:10~約10:1の重量比で、ナトリウム及びカリウムを含有する。特定の実施形態では、経口医薬懸濁液は、約1:2~約1:5の重量比で、ナトリウム及びカリウムを含有する。特定の実施形態では、経口医薬懸濁液は、約1:2.6~約1:3.4の重量比で、ナトリウム及びカリウムを含有する。特定の実施形態では、ナトリウム及びカリウムは、経口医薬懸濁液中に約1:3.2の重量比で存在する。
【0127】
いくつかの実施形態では、経口医薬懸濁液は、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素ナトリウム、リン酸三ナトリウム、クエン酸二水素ナトリウム、クエン酸水素二ナトリウム、クエン酸三ナトリウム、四ホウ酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、フタル酸水素二ナトリウム、フタル酸水素ナトリウム、酒石酸ナトリウム、酒石酸二ナトリウム、コハク酸ナトリウムなどのナトリウム含有緩衝剤からのナトリウムを含有しない。
【0128】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の経口医薬懸濁液は、安定剤若しくは増粘剤、又はその両方を更に含む。好適な増粘剤及び安定剤としては、懸濁液などの液体剤形を安定化するゲル化剤が挙げられる。特定の実施形態では、増粘剤又は安定剤は、アルギン酸ナトリウムである。特定の実施形態では、存在するアルギン酸ナトリウムは、上記の低粘度グレードのアルギン酸ナトリウムである。
【0129】
特定の実施形態では、約1mlの経口医薬懸濁液は、約1mg~約10mgのPPI又はその薬学的に許容可能な塩を含有する。特定の実施形態では、約1mlの経口医薬懸濁液は、約1mg~約10mgのオメプラゾール、又はその薬学的に許容可能な塩を含有する。
【0130】
特定の実施形態では、約1mlの経口医薬懸濁液は、約1mg、約2mg、約4mg、又は約8mgのPPI、又はその薬学的に許容可能な塩を含有する。特定の実施形態では、約1mlの経口医薬懸濁液は、約1mg、約2mg、約4mg、又は約8mgのオメプラゾール、又はその薬学的に許容可能な塩を含有する。
【0131】
特定の実施形態では、約1mlの経口医薬懸濁液は、約2mg若しくは約4mgのPPI、又はその薬学的に許容可能な塩を含有する。特定の実施形態では、約1mlの経口医薬懸濁液は、約2mg又は約4mgのオメプラゾール、又はその薬学的に許容可能な塩を含有する。
【0132】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の経口医薬懸濁液は、1つ、2つ、3つ、又は4つの緩衝剤を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の経口医薬懸濁液は、1つの緩衝剤を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の経口医薬懸濁液は、2つ又は3つの緩衝剤を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の経口医薬懸濁液は、2つの緩衝剤を含む。
【0133】
オメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩を含むものなどの本明細書に記載の経口医薬懸濁液は、投与されるPPIの生物学的利用能を維持するのに十分な胃酸によるPPI若しくはその薬学的に許容可能な塩(その薬学的に許容可能な塩のオメプラゾールなど)の酸分解を実質的に予防又は阻害するように機能する任意の好適な緩衝剤を含み得る。いくつかの実施形態では、1つ以上の緩衝剤は、各々独立して、アルカリ金属又はアルカリ土類金属のカーボネート、バイカーボネート、ホスフェート、シトレート、ボラート、アセテート、フタレート、タルトレート、及びスクシネートからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、1つ以上の緩衝剤は、各々独立して、ナトリウム又はカリウムのカーボネート、バイカーボネート、ホスフェート、シトレート、ボラート、アセテート、フタレート、タルトレート、及びスクシネートからなる群から選択される。
【0134】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の経口医薬懸濁液(オメプラゾール又はその塩を含む懸濁液など)は、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素ナトリウム、リン酸三ナトリウム、クエン酸二水素ナトリウム、クエン酸水素二ナトリウム、クエン酸三ナトリウム、四ホウ酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、フタル酸水素二ナトリウム、フタル酸水素ナトリウム、酒石酸ナトリウム、酒石酸二ナトリウム、コハク酸ナトリウムから選択される少なくとも1つの緩衝剤を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の経口医薬懸濁液は、炭酸カリウム、重炭酸カリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素カリウム、リン酸三カリウム、クエン酸二水素カリウム、クエン酸水素二カリウム、クエン酸三カリウム、四ホウ酸カリウム、酢酸カリウム、フタル酸水素二カリウム、フタル酸水素カリウム、酒石酸二カリウム、酒石酸カリウム、及びコハク酸カリウムから選択される少なくとも1つの緩衝剤を含む。
【0135】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の経口医薬懸濁液(オメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩を含む懸濁液など)は、炭酸カリウム、重炭酸カリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素カリウム、リン酸三カリウム、クエン酸二水素カリウム、クエン酸水素二カリウム、クエン酸三カリウム、四ホウ酸カリウム、酢酸カリウム、フタル酸水素二カリウム、フタル酸水素カリウム、酒石酸二カリウム、酒石酸カリウム、及びコハク酸カリウムから選択される1つ以下の緩衝剤を含む。いくつかの実施形態では、1つの緩衝剤は、重炭酸カリウムである。
【0136】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の経口医薬懸濁液(オメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩を含むものなど)は、ナトリウム及びカリウムのカーボネート、バイカーボネート、ホスフェート、シトレート、ボラート、アセテート、フタレート、タルトレート、及びスクシネートから選択される2つ以上の緩衝剤を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の経口医薬懸濁液は、2つの緩衝剤を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の経口医薬懸濁液は、重炭酸ナトリウム及び重炭酸カリウムの両方を含む。
【0137】
いくつかの実施形態では、重炭酸ナトリウム及び重炭酸カリウムは、1mlの懸濁液当たり約1:2.5~約1:3.4の重量比で、経口医薬懸濁液中に存在する。いくつかの実施形態では、重炭酸ナトリウム及び重炭酸カリウムは、1mlの懸濁液当たり約1:2.7の重量比で存在する。
【0138】
特定の実施形態では、本明細書に記載の経口医薬懸濁液は、約1:100~約100:1の重量比で、ナトリウム及びカリウムを含有する。特定の実施形態では、本明細書に記載の経口医薬懸濁液は、約1:50~約50:1の重量比で、ナトリウム及びカリウムを含有する。特定の実施形態では、本明細書に記載の経口医薬懸濁液は、約1:10~約10:1の重量比で、ナトリウム及びカリウムを含有する。特定の実施形態では、本明細書に記載の経口医薬懸濁液は、約1:2~約1:5の重量比で、ナトリウム及びカリウムを含有する。
【0139】
特定の実施形態では、本明細書に記載の経口医薬懸濁液は、約1:2.6~約1:3.4の重量比で、ナトリウム及びカリウムを含有する。特定の実施形態では、ナトリウム及びカリウムは、経口医薬懸濁液中に約1:3.2の重量比で存在する。
【0140】
本明細書に記載の経口医薬懸濁液中に存在する1つ以上の緩衝剤は、胃液中のPPI(オメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩など)の少なくとも一部の分解を防止するpHに胃液pHを増加させるのに十分な量で存在する。
【0141】
特定の実施形態では、経口医薬懸濁液中に存在する1つ以上の緩衝剤は、懸濁液1ml当たり約0.5~約4mEqの緩衝能力を提供する。特定の実施形態では、経口医薬懸濁液中に存在する1つ以上の緩衝剤は、懸濁液1ml当たり約1.6~約2.3mEqの緩衝能力を提供する。特定の実施形態では、経口医薬懸濁液中に存在する1つ以上の緩衝剤は、懸濁液1ml当たり約2mEqの緩衝能力を提供する。
【0142】
特定の実施形態では、本明細書に記載の経口医薬懸濁液は、懸濁液が小児対象に対する投与に好適であるように、低レベルのナトリウムを含有する。いくつかの態様では、本明細書に記載の経口医薬懸濁液は、懸濁液5ml当たり約50mg~約150mgのナトリウムを含む。特定の実施形態では、約70mg~約100mgのナトリウムが、5mlの懸濁液中に存在する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の経口医薬懸濁液は、懸濁液5ml当たり約86mgのナトリウムを含有する。この5mlの用量は、成人についてのWHOが推奨するナトリウムの毎日の最大食事摂取量の4.3%に相当する。
【0143】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の経口医薬懸濁液中に存在する、オメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩などの、PPI又はその薬学的に許容可能な塩は、微粉化されている。
【0144】
いくつかの実施形態では、PPI又はその薬学的に許容可能な塩は、微粉化及び非微粉化PPI、又はその薬学的に許容可能な塩の混合物として、本明細書に記載の経口医薬懸濁液中に存在する。この態様のいくつかの実施形態では、PPI又はその薬学的に許容可能な塩は、約30重量%~約70重量%の微粉化PPI又は薬学的に許容可能な塩を含み、残りは非微粉化されている。いくつかの実施形態では、PPI又はその薬学的に許容可能な塩は、重量で、微粉化及び非微粉化PPI又はその薬学的に許容可能な塩の1:1の混合物である。いくつかの実施形態では、PPI又はその薬学的に許容可能な塩は、微粉化及び非微粉化PPI又はその薬学的に許容可能な塩の重量で、約1:2、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、又は1:9の混合物である。いくつかの実施形態では、PPI又はその薬学的に許容可能な塩は、微粉化及び非微粉化PPI又はその薬学的に許容可能な塩の重量で、約1:2.3の混合物(すなわち、約30:70の混合物)である。いくつかの実施形態では、PPI又はその薬学的に許容可能な塩は、非微粉化及び微粉化PPI又はその薬学的に許容可能な塩の重量で、約1:2、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、又は1:9の混合物である。いくつかの実施形態では、PPI又はその薬学的に許容可能な塩は、微粉化及び非微粉化PPI又はその薬学的に許容可能な塩の重量で、約1:1.5の混合物(すなわち、約40:60の混合物)である。
【0145】
いくつかの実施形態では、オメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩は、本明細書に記載の経口医薬懸濁液中に存在し、微粉化及び非微粉化オメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩の混合物である。いくつかの実施形態では、オメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩は、約30重量%~約70重量%の微粉化オメプラゾール又は薬学的に許容可能な塩を含み、残りは非微粉化されている。いくつかの実施形態では、オメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩は、重量で、微粉化及び非微粉化オメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩の1:1の混合物である。いくつかの実施形態では、オメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩は、微粉化及び非微粉化オメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩の重量で、約1:2、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、又は1:9の混合物である。いくつかの実施形態では、オメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩は、微粉化及び非微粉化オメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩の重量で、約1:2.3の混合物(すなわち、約30:70の混合物)である。いくつかの実施形態では、オメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩は、非微粉化及び微粉化オメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩の重量で、約1:2、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、又は1:9の混合物である。いくつかの実施形態では、オメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩は、微粉化及び非微粉化オメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩の重量で、約1:1.5の混合物(すなわち、約40:60の混合物)である。
【0146】
特定の実施形態では、経口医薬懸濁液は、第1及び第2のC最大並びに第1及び第2のT最大を有する二相性薬物動態プロファイルを、それを必要とする対象において経口投与後に提供する。
【0147】
特定の実施形態では、5mlの容量の、本明細書に記載の経口医薬懸濁液は、約10mg又は約20mgのPPI又はその薬学的に許容可能な塩(オメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩など)、約200mg~約300mgの重炭酸ナトリウム、約600mg~約720mgの重炭酸カリウム、及び約100mg~約150mgのアルギン酸ナトリウムを含む。いくつかの実施形態では、5mlの経口医薬懸濁液は、約10mg~約15mgのメチルパラベンナトリウム塩及び約15mg~約30mgの安息香酸ナトリウムを更に含む。
【0148】
特定の実施形態では、5mlの用量の、本明細書に記載の経口医薬懸濁液は、約10mg又は約20mgのオメプラゾール、又はその薬学的に許容可能な塩、約256mgの重炭酸ナトリウム、約695mgの重炭酸カリウム、及び約125mgのアルギン酸ナトリウムを含む。
【0149】
いくつかの実施形態では、5mlの経口医薬懸濁液は、約11.45mgのメチルパラベンナトリウム塩及び約25mgの安息香酸ナトリウムを更に含む。
【0150】
本明細書に記載の経口医薬懸濁液(オメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩を含む懸濁液など)は、甘味料、着香料、防腐剤、増粘剤、懸濁剤、乳白剤、崩壊剤、充填剤、界面活性剤、可溶化剤、安定剤、潤滑剤、希釈剤、及び消泡剤を含む、1つ以上の薬学的に許容可能な賦形剤を更に含むことができる。
【0151】
好適な甘味料としては、例えば、マンニトール、スクロース、フルクトース、デキストロース、イソマルト、マルチトール、ソルビトール、スクラロース、アセスルファムK、アスパルテーム、シクラメート、サッカリン、ステビア、スクラロース、サッカリンナトリウム、キシリトール、又はそれらの組み合わせが挙げられる。本明細書に記載のいくつかの態様では、甘味料は、マンニトール、スクラロース、若しくはマルチトール、又はそれらの混合物である。
【0152】
好適な着香料としては、例えば、以下の香味料(ミント、バニラ、バナナ、リンゴ、オレンジ、セイヨウナシ、モモ、イチゴ、ラズベリー、チョコレート、レモン、ライム、バタースコッチ、カラメル、チェリー、及びシナモン)又はそれらの混合物が挙げられる。本明細書に記載のいくつかの態様では、着香料は、ミント風味、バニラ風味、又はそれらの混合物である。
【0153】
好適な防腐剤としては、抗微生物防腐剤を含む、医薬製剤における使用に好適なものが挙げられる。好適な抗微生物防腐剤としては、例えば、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、安息香酸カルシウム、メチルパラベンナトリウム、エチルパラベンナトリウム、及びそれらの混合物が挙げられる。本明細書に記載のいくつかの態様では、防腐剤は、安息香酸ナトリウム、メチルパラベンナトリウム、又はそれらの混合物である。いくつかの実施形態では、防腐剤は、安息香酸ナトリウムとメチルパラベンナトリウムとの混合物である。
【0154】
好適な増粘剤(thickening agent)(又は増粘剤(thickener))は、その他の特性を実質的に変化させることなく液体の粘度を増加させることができ、かつ経口医薬製剤に好適な物質を含む。好適な増粘剤の例としては、例えば、アルギン酸ナトリウム、キサンタンガム、グアーガム、及びローカストビーンガムが挙げられる。いくつかの実施形態では、増粘剤は、アルギン酸ナトリウム、キサンタンガム、又はそれらの混合物である。
【0155】
好適な乳白剤としては、二酸化チタン(TiO)などの、次の系を不透明にするために材料に添加される薬学的に許容可能な物質が挙げられる。
【0156】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の経口医薬懸濁液は、甘味料、着香料、防腐剤、又はそれらの混合物を更に含む。
【0157】
本明細書に記載の経口医薬懸濁液は、水との構成後、少なくとも1ヶ月間安定したままである。懸濁液は、一般に冷蔵庫(2℃~8℃)内に保存されるべきである。最大2日間、懸濁液は25℃未満に保存され得る。
【0158】
いくつかの実施形態では、水との構成前に40℃及び75%の相対湿度(RH)で3ヶ月間保管した後、水との構成日(すなわち、0日目)に本明細書に記載の経口医薬懸濁液中に形成される不純物(すなわち、オメプラゾールなどのPPIの分解物)の総量は、0.16%w/w以下である。いくつかの実施形態では、0日目の経口医薬懸濁液中に形成された不純物の総量は、0.11%w/w以下である。
【0159】
いくつかの実施形態では、水との構成後、2℃~8℃で28日間貯蔵された後(すなわち、28日目)、水との構成前に、40℃及び75%RHで3ヶ月間貯蔵された後、本明細書に記載の経口医薬懸濁液中に形成される不純物の総量は、0.28%w/w以下である。いくつかの実施形態では、2℃~8℃で28日目の経口医薬懸濁液中に形成された不純物の総量は、0.23%w/w以下である。
【0160】
いくつかの実施形態では、水との構成後、2℃~8℃で56日間貯蔵された後(すなわち、56日目)、水との構成前に、40℃及び75%RHで3ヶ月間貯蔵された後、本明細書に記載の経口医薬懸濁液中に形成される不純物の総量は、0.38%w/w以下である。いくつかの実施形態では、2℃~8℃で56日目の経口医薬懸濁液中に形成された不純物の総量は、0.33%w/w以下である。
【0161】
いくつかの実施形態では、メチルパラヒドロキシ安息香酸ナトリウムは、本明細書に記載の貯蔵安定性PPI系(貯蔵安定性オメプラゾール系など)及び経口医薬懸濁液中の防腐剤として使用される。いくつかの実施形態では、水との構成前に40℃及び75%のRHで3ヶ月間保管した後、水との構成日(すなわち、0日目)に本明細書に記載の経口医薬懸濁液中に存在するメチルパラヒドロキシ安息香酸ナトリウムの量は、本明細書に記載の貯蔵安定性PPI系(貯蔵安定性オメプラゾール系など)中に元々存在する総量の少なくとも94.5%w/wである。いくつかの実施形態では、0日目の経口医薬懸濁液中に存在するメチルパラヒドロキシ安息香酸ナトリウムの量は、本明細書に記載の貯蔵安定性PPI系(貯蔵安定性オメプラゾール系など)中に最初に存在する総量の少なくとも95.9%w/wである。
【0162】
いくつかの実施形態では、水との構成後、2℃~8℃で28日間貯蔵された後(すなわち、28日目)、水との構成前に、40℃及び75%のRHで3ヶ月間貯蔵された後、本明細書に記載の経口医薬懸濁液中に存在するメチルパラヒドロキシ安息香酸ナトリウムの量は、本明細書に記載の貯蔵安定性PPI系(貯蔵安定性オメプラゾール系など)中に元々存在する総量の少なくとも92%w/wである。いくつかの実施形態では、28日目の経口医薬懸濁液中に存在するメチルパラヒドロキシ安息香酸ナトリウムの量は、本明細書に記載の貯蔵安定性PPI系(貯蔵安定性オメプラゾール系など)中に最初に存在する総量の少なくとも94%w/wである。
【0163】
いくつかの実施形態では、水との構成後、2℃~8℃で56日間貯蔵された後(すなわち、56日目)、水との構成前に、40℃及び75%のRHで3ヶ月間貯蔵された後、本明細書に記載の経口医薬懸濁液中に存在するメチルパラヒドロキシ安息香酸ナトリウムの量は、本明細書に記載の貯蔵安定性PPI系(貯蔵安定性オメプラゾール系など)中に元々存在する総量の少なくとも84%w/wである。いくつかの実施形態では、56日目の経口医薬懸濁液中に存在するメチルパラヒドロキシ安息香酸ナトリウムの量は、本明細書に記載の貯蔵安定性PPI系(貯蔵安定性オメプラゾール系など)中に最初に存在する総量の少なくとも86.1%w/wである。
【0164】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の経口医薬懸濁液は、オメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩などの、PPI又はその薬学的に許容可能な塩の多用量投与に好適な薬物送達デバイス内に提供される。好適な薬物送達デバイスは、例えば、本明細書に記載の貯蔵安定性系に関連して上述したとおりである。
治療方法
【0165】
オメプラゾール、及び他のベンゾイミダゾールプロトンポンプ阻害剤は、酸関連障害の治療のための周知の活性物質である。
【0166】
一態様では、本開示は、対象における胃酸分泌を阻害する方法を提供する。本方法は、有効量の上記本開示の経口医薬懸濁液を、それを必要とする対象に投与することを含む。
【0167】
特定の態様では、本開示は、胃酸分泌を阻害する方法であって、有効量の経口医薬懸濁液を、それを必要とする対象に投与することを含む、方法を提供し、経口医薬懸濁液は、水、水中に分散された、薬学的有効量のPPI又はその薬学的に許容可能な塩、及び1つ以上の緩衝剤を含み、懸濁液は、ナトリウム含有緩衝剤からのナトリウムを含有しないか、又は、約1:100~約100:1の重量比で、ナトリウム及びカリウムを含有する。
【0168】
特定の実施形態では、本開示は、胃酸分泌を阻害する方法であって、有効量の経口医薬懸濁液を、それを必要とする対象に投与することを含む、方法を提供し、経口医薬懸濁液は、水、水中に分散された、薬学的有効量のオメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩、及び1つ以上の緩衝剤を含み、懸濁液は、ナトリウム含有緩衝剤からのナトリウムを含有しないか、又は、約1:100~約100:1の重量比で、ナトリウム及びカリウムを含有する。
【0169】
特定の実施形態では、経口医薬懸濁液は、約1:50~約50:1の重量比で、ナトリウム及びカリウムを含有する。特定の実施形態では、経口医薬懸濁液は、約1:10~約10:1の重量比で、ナトリウム及びカリウムを含有する。特定の実施形態では、経口医薬懸濁液は、約1:2~約1:5の重量比で、ナトリウム及びカリウムを含有する。
【0170】
特定の態様では、本開示は、胃酸分泌を阻害する方法であって、有効量の経口医薬懸濁液を、それを必要とする対象に投与することを含む、方法を提供し、経口医薬懸濁液は、水、水中に分散された、薬学的有効量のPPI又はその薬学的に許容可能な塩、及び1つ以上の緩衝剤を含み、経口医薬懸濁液は、ナトリウム含有緩衝剤からのナトリウムを含有しないか、又は、約1:2.6~約1:3.4の重量比で、ナトリウム及びカリウムを含有する。
【0171】
特定の実施形態では、本開示は、胃酸分泌を阻害する方法であって、有効量の経口医薬懸濁液を、それを必要とする対象に投与することを含む、方法を提供し、経口医薬懸濁液は、水、水中に分散された、薬学的有効量のオメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩、及び1つ以上の緩衝剤を含み、懸濁液は、ナトリウム含有緩衝剤からのナトリウムを含有しないか、又は、約1:2.6~約1:3.4の重量比で、ナトリウム及びカリウムを含有する。
【0172】
いくつかの実施形態では、経口医薬懸濁液は、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素ナトリウム、リン酸三ナトリウム、クエン酸二水素ナトリウム、クエン酸水素二ナトリウム、クエン酸三ナトリウム、四ホウ酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、フタル酸水素二ナトリウム、フタル酸水素ナトリウム、酒石酸ナトリウム、酒石酸二ナトリウム、コハク酸ナトリウムなどのナトリウム含有緩衝剤からのナトリウムを含有しない。
【0173】
特定の実施形態では、対象は子供である。いくつかの実施形態では、子供は、乳児、幼児、前青年、又は青年である。
【0174】
いくつかの実施形態では、本方法は、本明細書に記載の経口医薬懸濁液を対象に投与することを含み、約1mlの懸濁液は、約1mg~約10mgのPPI又はその薬学的に許容可能な塩(オメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩など)を含有する。いくつかの実施形態では、約1mlの懸濁液は、約1mg、約2mg、約4mg、又は約8mgのPPI又はその薬学的に許容可能な塩(オメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩など)を含有する。いくつかの実施形態では、約1mlの懸濁液は、約2mgのPPI又はその薬学的に許容可能な塩(オメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩など)を含有する。いくつかの実施形態では、約1mlの懸濁液は、約4mgのPPI又はその薬学的に許容可能な塩(オメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩など)を含有する。
【0175】
本明細書に記載の経口医薬懸濁液、特にオメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩を含有するものは、例えば、十二指腸潰瘍、胃潰瘍、NSAID関連胃及び十二指腸潰瘍、逆流性食道炎、並びに症候性胃食道逆流症(gastro-esophageal reflux disease、GERD)の治療に有用である。
【0176】
一態様では、本開示はまた、胃酸分泌を阻害する方法であって、水、水中に分散された、薬学的有効量のPPI又はその薬学的に許容可能な塩(オメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩など)、及び1つ以上の緩衝剤を含む、有効量の経口医薬懸濁液を、それを必要とする対象に投与することを含む、方法を提供し、懸濁液は、ナトリウム含有緩衝剤からのナトリウムを含有しないか、又は懸濁液が、約1:100~約100:1の重量比で、ナトリウム及びカリウムを含有し、経口医薬懸濁液は、(a)治療有効量のPPI又はその薬学的に許容可能な塩(オメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩など)を含む第1の混合物であって、第1の混合物が、約2.5%以下の水分の割合を含む、第1の混合物と、第2の緩衝剤を含む第2の混合物であって、第2の混合物が、約2.5%以下の水分の割合を含む、第2の混合物と、を組み合わせて、組み合わされた混合物を得ることであって、組み合わされた混合物が、ナトリウム含有緩衝剤からのナトリウムを含有しないか、又は組み合わされた混合物が、約1:100~約100:1の重量比で、ナトリウム及びカリウムを含有する、得ることと、組み合わされた混合物に水を添加することと、によって調製される。特定の実施形態では、経口医薬懸濁液は、約1:50~約50:1の重量比で、ナトリウム及びカリウムを含有する。特定の実施形態では、経口医薬懸濁液は、約1:10~約10:1の重量比で、ナトリウム及びカリウムを含有する。特定の実施形態では、経口医薬懸濁液は、約1:2~約1:5の重量比で、ナトリウム及びカリウムを含有する。特定の実施形態では、経口医薬懸濁液は、約1:2.6~約1:3.4の重量比で、ナトリウム及びカリウムを含有する。いくつかの実施形態では、第2の混合物は、第2の乾燥剤を更に含む。
【0177】
特定の実施形態では、胃酸分泌を阻害する方法は、水、水中に分散された、薬学的有効量のPPI又はその薬学的に許容可能な塩(オメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩など)、及び1つ以上の緩衝剤を含む、有効量の経口医薬懸濁液を、それを必要とする対象に投与することを含み、懸濁液は、約1:2.6~約1:3.4の重量比で、ナトリウム及びカリウムを含有し、経口医薬懸濁液は、(a)治療有効量のPPI又はその薬学的に許容可能な塩(オメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩など)を含む第1の混合物であって、第1の混合物が、約2.5%以下の水分の割合を含む、第1の混合物と、第2の乾燥剤及び第2の緩衝剤を含む第2の混合物と、を組み合わせて、組み合わされた混合物を得ることであって、組み合わされた混合物が、約1:2.6~約1:3.4の重量比で、ナトリウム及びカリウムを含有する、得ることと、組み合わされた混合物に水を添加することと、で調製される。
【0178】
投与量及び投与
いくつかの態様では、有効量の、本明細書に記載の経口医薬懸濁液は、空腹時の食物なしに、好ましくは、食事の少なくとも30分前に投与される。一用量の服用後、コップ一杯の水を飲んでもよい。本明細書に記載の経口医薬懸濁液はまた、経鼻胃(nasogastric、NG)又は経皮内視鏡胃瘻(percutaneous endoscopic gastrostomy、PEG)管を介して対象に投与することができる。
【0179】
いくつかの実施形態では、約2mg/mlのPPI又は薬学的に許容可能な塩(オメプラゾール又は薬学的に許容可能な塩など)を含有する経口医薬懸濁液は、約15mg未満の用量を投与するのに好適である。
【0180】
いくつかの実施形態では、約4mg/mlのPPI又は薬学的に許容可能な塩(オメプラゾール又は薬学的に許容可能な塩など)を含有する経口医薬懸濁液は、約20mg又は約40mgの用量を投与するのに好適である。
【0181】
成人に好適な用量は、1日1回約10mg~約40mgである。いくつかの態様では、成人の用量は、1日1回約10mg、約20mg、約30mg、又は約40mgである。
【0182】
子供の用量は、一般にそれらの重量に基づく。
【0183】
いくつかの実施形態では、1ヶ月~1歳の子供に経口医薬懸濁液で投与されるオメプラゾール又はその塩の好適な用量は、1日1回約1mg/kgである。
【0184】
いくつかの実施形態では、経口医薬懸濁液において約10~20kg体重の1歳を超える子供に投与される、オメプラゾール又はその塩の好適な用量は、1日1回約10mgである。いくつかの実施形態では、この用量は、1日1回20mgに増加させることができる。
【0185】
いくつかの実施形態では、経口医薬懸濁液において、2歳を超え、かつ約20kgを超える体重の子供に投与される、オメプラゾール又はその塩の好適な用量は、1日1回約20mgである。いくつかの実施形態では、この用量は、1日1回40mgに増加させることができる。
【0186】
いくつかの実施形態では、本開示の経口医薬懸濁液は、例えば、抗菌剤、運動促進薬、H拮抗剤、及び制酸剤、又はスクラルファートなどの、胃腸障害の治療又は予防のために示される別の医薬剤(これらは胃腸障害に関連する疼痛及び/又は合併症を最小限に抑えるために一般に投与される)と組み合わせて使用され得る。
懸濁液を調製する方法
【0187】
一態様では、本開示は、本明細書に記載の経口医薬懸濁液を調製する方法を提供する。本方法は、(a)治療有効量のPPI又はその薬学的に許容可能な塩(オメプラゾール、又はその薬学的に許容可能な塩など)を含む第1の混合物であって、第1の混合物が、約2.5%以下の水分の割合を含む、第1の混合物と、第2の緩衝剤を含む第2の混合物であって、第2の混合物が、約2.5%以下の水分の割合を含む、第2の混合物と、を組み合わせて、組み合わされた混合物を得ることであって、組み合わされた混合物が、ナトリウム含有緩衝剤からのナトリウムを含有しないか、又は組み合わされた混合物が、約1:100~約100:1の重量比で、ナトリウム及びカリウムを含有する、得ることと、組み合わされた混合物に水を添加することと、を含む。特定の実施形態では、組み合わされた混合物は、約1:50~約50:1の重量比で、ナトリウム及びカリウムを含有する。特定の実施形態では、組み合わされた混合物は、約1:10~約10:1の重量比で、ナトリウム及びカリウムを含有する。特定の実施形態では、組み合わされた混合物は、約1:2~約1:5の重量比で、ナトリウム及びカリウムを含有する。特定の実施形態では、組み合わされた混合物は、約1:2.6~約1:3.4の重量比で、ナトリウム及びカリウムを含有する。いくつかの実施形態では、組み合わされた混合物は、約1:3.2の重量比で、ナトリウム及びカリウムを含有する。いくつかの実施形態では、組み合わされた混合物は、ナトリウム含有緩衝剤からのナトリウムを含有しない。いくつかの実施形態では、第1の混合物及び第2の混合物は、独立して、約0.5%~約1.5%の含水量を有する。いくつかの実施形態では、第1の混合物は、(b)第1の乾燥剤を更に含み、かつ/又は第2の混合物は、第2の乾燥剤を更に含む。
【0188】
いくつかの実施形態では、本開示は、経口医薬懸濁液を調製する方法であって、(a)治療有効量のPPI又はその薬学的に許容可能な塩(オメプラゾール、又はその薬学的に許容可能な塩など)を含む第1の混合物であって、第1の混合物が、約2.5%以下の水分の割合を含む、第1の混合物と、第2の乾燥剤及び第2の緩衝剤を含む第2の混合物と、を組み合わせて、組み合わされた混合物を得ることであって、組み合わされた混合物が、約1:2.6~約1:3.4の重量比で、ナトリウム及びカリウムを含有する、得ることと、組み合わされた混合物に水を添加することと、を含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、ナトリウム及びカリウムは、約1:3.2の重量比で存在する。いくつかの実施形態では、第1の混合物は、約0.5%~約1.5%の含水量を有する。
【0189】
いくつかの実施形態では、第1の混合物は、(b)第1の乾燥剤を更に含む。
【0190】
いくつかの実施形態では、第1の乾燥剤及び第2の乾燥剤は、アルギン酸ナトリウムである。
【0191】
いくつかの実施形態では、第1の混合物は、(c)第1の緩衝剤を更に含む。
【0192】
いくつかの実施形態では、第1の混合物及び第2の混合物は、各々独立して、粉末、ペレット、顆粒、種子、ビーズ、スフェロイド、ミクロスフェア、又はそれらの混合物の形態にあり得る。
【0193】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の経口医薬懸濁液中に存在する、PPI又はその薬学的に許容可能な塩(オメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩など)は、経口懸濁液を調製する前に微粉化され得る。当技術分野で既知の方法は、オメプラゾール又はその塩の微粉化に使用することができる。例えば、粉砕、バッシング、研削などの、粒子サイズを低減するための摩擦に基づく従来の微粉化技術を使用することができる。典型的な工業用ミルは、通常鋼球を含有する円筒形金属ドラムから構成される。ドラムが回転すると、内部の球体は、固体の粒子と衝突するため、したがって、それらをより小さな直径に向かって破砕する。研削の場合、固体粒子は、デバイスの研削ユニットが互いに摩擦するときに形成される一方で、固体の粒子は、間に捕捉される。粉砕及び切断のような方法も、粒子直径を低減するために使用することができる。破砕は、槌状ツールを用いて、衝撃によって固体をより小さな粒子に破壊する。切断は、鋭い刃を使用して、粗い固体片をより小さいものに切断する。加えて、微粉化プロセスにおいて超臨界流体を使用する最新の微粉化方法を使用することができる。これらの方法は、超臨界流体を使用して過飽和状態を誘発し、これは、個々の粒子の沈殿をもたらす。好適な技術としては、RESSプロセス(超臨界溶液の急速膨張(Rapid Expansion of Supercritical Solutions))、SAS法(超臨界抗溶媒(SupercriticalAnti-Solvent))、及びPGSS法(ガス飽和溶液からの粒子(Particles from Gas Saturated Solutions))が挙げられる。これらの最新の技術は、プロセスのより大きな調整可能性を可能にする。相対圧力及び温度、溶質濃度、及び貧溶媒対溶媒の比のようなパラメータは、所望の粒子サイズを得るために調整するために変動させることができる。超臨界流体法は、粒子直径に対するより微細な制御、粒子サイズの分布、及び形態の稠度をもたらす。
【0194】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の経口懸濁液における使用に好適な微粉化PPI又はその薬学的に許容可能な塩は、90%以上の粒子が20マイクロメートル以下(すなわち、20μm以下)の粒子サイズを有する組成物である。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の経口医薬懸濁液は、微粉化PPI又はその薬学的に許容可能な塩を含む。いくつかの実施形態では、微粉化PPI又はその塩中の粒子の90%以上は、20マイクロメートル以下の粒子サイズを有する。
【0195】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の経口懸濁液における使用に好適な微粉化オメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩は、90%以上の粒子が20マイクロメートル以下(すなわち、20μm以下)の粒子サイズを有する組成物である。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の経口医薬懸濁液は、微粉化オメプラゾールを含む。いくつかの実施形態では、微粉化オメプラゾール中の粒子の90%以上は、20マイクロメートル以下の粒子サイズを有する。
【0196】
いくつかの実施形態では、非微粉化オメプラゾールは、95%以上の粒子が425マイクロメートル以下の粒子サイズを有し、かつ30%以上の粒子が75マイクロメートル以下の粒子サイズを有する組成物である。
【0197】
PPI及びその塩は、当該技術分野で既知の任意の好適な方法によって調製することができる。
【0198】
具体的には、オメプラゾール及びその塩は、当該技術分野で既知の任意の好適な方法によって調製することができる。
【0199】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法で使用されるPPI又は薬学的に許容可能な塩(オメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩など)は、微粉化されている。
【0200】
いくつかの実施形態では、PPI又はその薬学的に許容可能な塩は、微粉化及び非微粉化PPI又はその薬学的に許容可能な塩の混合物である。いくつかの実施形態では、PPIは、約30~約70%の微粉化PPI、又はその薬学的に許容可能な塩を含み、PPI又はその薬学的に許容可能な塩の残りが、非微粉化されている。いくつかの実施形態では、PPIは、重量で、微粉化及び非微粉化PPI又はその薬学的に許容可能な塩の1:1の混合物である。いくつかの実施形態では、PPI又はその薬学的に許容可能な塩は、微粉化及び非微粉化PPI又はその薬学的に許容可能な塩の重量で、約1:2、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、又は1:9の混合物である。いくつかの実施形態では、PPI又はその薬学的に許容可能な塩は、微粉化及び非微粉化PPI又はその薬学的に許容可能な塩の重量で、約1:2.3の混合物(すなわち、約30:70の混合物)である。いくつかの実施形態では、PPI又はその薬学的に許容可能な塩は、非微粉化及び微粉化PPI又はその薬学的に許容可能な塩の重量で、約1:2、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、又は1:9の混合物である。いくつかの実施形態では、PPI又はその薬学的に許容可能な塩は、微粉化及び非微粉化PPI又はその薬学的に許容可能な塩の重量で、約1:1.5の混合物(すなわち、約40:60の混合物)である。
【0201】
いくつかの実施形態では、オメプラゾール、又はその薬学的に許容可能な塩は、微粉化及び非微粉化オメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩の混合物である。いくつかの実施形態では、オメプラゾールは、約30~約70%の微粉化オメプラゾール、又はその薬学的に許容可能な塩を含み、オメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩の残りが、非微粉化されている。いくつかの実施形態では、オメプラゾールは、重量で、微粉化及び非微粉化オメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩の1:1の混合物である。いくつかの実施形態では、オメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩は、微粉化及び非微粉化オメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩の重量で、約1:2、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、又は1:9の混合物である。いくつかの実施形態では、オメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩は、微粉化及び非微粉化オメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩の重量で、約1:2.3の混合物(すなわち、約30:70の混合物)である。いくつかの実施形態では、オメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩は、非微粉化及び微粉化オメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩の重量で、約1:2、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、又は1:9の混合物である。いくつかの実施形態では、オメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩は、微粉化及び非微粉化オメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩の重量で、約1:1.5の混合物(すなわち、約40:60の混合物)である。
【0202】
本方法で使用される第1の緩衝剤及び第2の緩衝剤は、胃液中のオメプラゾールの少なくとも一部の分解を防止するpHに胃液pHを増加させるのに十分な量で存在する。いくつかの態様では、第1及び第2の緩衝剤は一緒になって、約0.5mEq/ml~約4mEq/ml用量の懸濁液の緩衝能力を提供する。いくつかの態様では、第1及び第2の緩衝剤は一緒になって、約1.6mEq/ml~約2.3mEq/ml用量の懸濁液の緩衝能力を提供する。いくつかの態様では、第1及び第2の緩衝剤は一緒になって、約2mEq/ml用量の懸濁液の緩衝能力を提供する。
【0203】
いくつかの実施形態では、第1の緩衝剤及び第2の緩衝剤は、各々独立して、アルカリ金属又はアルカリ土類金属のカーボネート、バイカーボネート、ホスフェート、シトレート、ボラート、アセテート、フタレート、タルトレート、スクシネート、及びスクシネートからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、第1の緩衝剤及び第2の緩衝剤は、各々独立して、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、及びそれらの混合物からなる群から選択される。
【0204】
いくつかの実施形態では、第1の緩衝剤は、重炭酸ナトリウムである。他の態様では、第2の緩衝剤は、重炭酸ナトリウムと重炭酸カリウムとの混合物である。いくつかの実施形態では、第2の緩衝剤は、約11重量%の重炭酸ナトリウム及び約89重量%の重炭酸カリウムを含む。
【0205】
いくつかの実施形態では、第1の混合物及び第2の混合物は一緒に、約1:2.7の重量比で、重炭酸ナトリウム及び重炭酸カリウムを含む。
【0206】
いくつかの実施形態では、第1の緩衝剤及び第2の緩衝剤は、重炭酸カリウムである。
【0207】
いくつかの実施形態では、第2の混合物は、甘味料及び防腐剤を更に含む。
【0208】
いくつかの実施形態では、本方法は、PPI又はその薬学的に許容可能な塩(オメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩など)の多用量投与に好適な薬物送達デバイス内に経口医薬懸濁液を提供することを更に含む。好適な薬物送達デバイスは、例えば、本明細書に記載の貯蔵安定性系に関連して上述したとおりである。
【0209】
本開示はまた、以下の特定の実施形態を提供する。
【0210】
実施形態1.貯蔵安定性オメプラゾール系であって、系が、治療有効量のオメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩を含み、系が、約2.5%以下の水分の割合を含み、系が、ナトリウム含有緩衝剤からのナトリウムを含有しないか、又は系が、約1:2.6~約1:3.4の重量比で、ナトリウム及びカリウムを含有し、更に、貯蔵安定性オメプラゾール系が、投与前に水と構成される、貯蔵安定性オメプラゾール系。
【0211】
実施形態2.ナトリウム及びカリウムが、約1:3.2の重量比で存在する、実施形態1に記載の貯蔵安定性オメプラゾール系。
【0212】
実施形態3.系が、約0.5%~約1.5%の含水量を有する、実施形態1又は2に記載の貯蔵安定性オメプラゾール系。
【0213】
実施形態4.薬学的に許容可能な乾燥剤を更に含む、実施形態1~3のいずれか1つに記載の貯蔵安定性オメプラゾール系。
【0214】
実施形態5.薬学的に許容可能な乾燥剤が、アルギン酸ナトリウムである、実施形態4に記載の貯蔵安定性オメプラゾール系。
【0215】
実施形態6.アルギン酸ナトリウムが、乾燥している、実施形態5に記載の貯蔵安定性オメプラゾール系。
【0216】
実施形態7.乾燥アルギン酸ナトリウムが、約0.5%~約1.5%の含水量を有する、実施形態6に記載の貯蔵安定性オメプラゾール系。
【0217】
実施形態8.アルギン酸ナトリウムが、低粘度グレードのアルギン酸ナトリウムである、実施形態5~7のいずれか1つに記載の貯蔵安定性オメプラゾール系。
【0218】
実施形態9.系が、各々独立して、アルカリ金属又はアルカリ土類金属のカーボネート、バイカーボネート、ホスフェート、シトレート、ボラート、アセテート、フタレート、タルトレート、及びスクシネートからなる群から選択される1つ以上の緩衝剤を含む、先行する請求項のいずれか一項に記載の貯蔵安定性オメプラゾール系。
【0219】
実施形態10.系が、重炭酸カリウムである1つの緩衝剤を含む、実施形態1及び3~9のいずれか1つに記載の貯蔵安定性オメプラゾール系。
【0220】
実施形態11.系が、ナトリウム及びカリウムのカーボネート、バイカーボネート、ホスフェート、シトレート、ボラート、アセテート、フタレート、タルトレート、及びスクシネートから選択される2つ以上の緩衝剤を含む、実施形態9に記載の貯蔵安定性オメプラゾール系。
【0221】
実施形態12.重炭酸ナトリウム及び重炭酸カリウムを含む、実施形態9又は11に記載の貯蔵安定性オメプラゾール系。
【0222】
実施形態13.重炭酸ナトリウム及び重炭酸カリウムが、約1:2.7の重量比で存在する、実施形態12に記載の貯蔵安定性オメプラゾール系。
【0223】
実施形態14.系が、粉末、ペレット、顆粒、種子、ビーズ、スフェロイド、ミクロスフェア、又はそれらの混合物の形態にある、実施形態1~13のいずれか1つに記載の貯蔵安定性オメプラゾール系。
【0224】
実施形態15.貯蔵安定性オメプラゾール系であって、(i)(a)治療有効量のオメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩を含む第1の混合物であって、第1の混合物が、約2.5%以下の水分の割合を含む、第1の混合物と、(ii)第2の緩衝剤を含む第2の混合物であって、第2の混合物が、約2.5%以下の水分の割合を含み、第1の混合物及び第2の混合物が、互いに別々に貯蔵され、かつ水との構成時に又はその直前に一緒に混合され、系が、ナトリウム含有緩衝剤からのナトリウムを含有しないか、又は系が、約1:2.6~約1:3.4の重量比で、ナトリウム及びカリウムを含有する、第2の混合物と、を含む、貯蔵安定性オメプラゾール系。
【0225】
実施形態16.ナトリウム及びカリウムが、約1:3.2の重量比で存在する、実施形態15に記載の貯蔵安定性オメプラゾール系。
【0226】
実施形態17.第1の混合物及び/又は第2の混合物が、約0.5%~約1.5%の含水量を有する、実施形態15又は16に記載の貯蔵安定性オメプラゾール系。
【0227】
実施形態18.第1の混合物が、(b)第1の乾燥剤を更に含み、かつ/又は第2の混合物が、第2の乾燥剤を更に含む、実施形態15~17のいずれか1つに記載の貯蔵安定性オメプラゾール系。
【0228】
実施形態19.第1の乾燥剤及び第2の乾燥剤が、アルギン酸ナトリウムである、実施形態15~18のいずれか1つに記載の貯蔵安定性オメプラゾール系。
【0229】
実施形態20.第1の混合物が、(c)第1の緩衝剤を更に含む、実施形態15~19のいずれか1つに記載の貯蔵安定性オメプラゾール系。
【0230】
実施形態21.第1の混合物及び第2の混合物が、各々独立して、粉末、ペレット、顆粒、種子、ビーズ、スフェロイド、ミクロスフェア、又はそれらの混合物の形態にある、実施形態15~20のいずれか1つに記載の貯蔵安定性オメプラゾール系。
【0231】
実施形態22.オメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩が、微粉化されている、実施形態1~21のいずれか1つに記載の貯蔵安定性オメプラゾール系。
【0232】
実施形態23.オメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩が、微粉化及び非微粉化オメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩の混合物である、実施形態1~21のいずれか1つに記載の貯蔵安定性オメプラゾール系。
【0233】
実施形態24.オメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩が、約30~約70%の微粉化オメプラゾール、又はその薬学的に許容可能な塩を含み、オメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩の残りが、非微粉化されている、実施形態23に記載の貯蔵安定性オメプラゾール系。
【0234】
実施形態25.オメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩が、重量で、微粉化及び非微粉化オメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩の1:1の混合物である、実施形態24に記載の貯蔵安定性オメプラゾール系。
【0235】
実施形態26.第1の緩衝剤及び第2の緩衝剤が、胃液中のオメプラゾールの少なくとも一部の分解を防止するpHに胃液pHを増加させるのに十分な量で存在する、実施形態15~25のいずれか1つに記載の貯蔵安定性オメプラゾール系。
【0236】
実施形態27.第1の緩衝剤及び第2の緩衝剤が一緒になって、水を有する約2mEq/ml用量の構成された粉末の緩衝能力を提供する、実施形態20~26のいずれか1つに記載の貯蔵安定性オメプラゾール系。
【0237】
実施形態28.第1の緩衝剤及び第2の緩衝剤が、各々独立して、アルカリ金属又はアルカリ土類金属のカーボネート、バイカーボネート、ホスフェート、シトレート、ボラート、アセテート、フタレート、タルトレート、スクシネート、及びそれらの混合物からなる群から選択される、実施形態15~27のいずれか1つに記載の貯蔵安定性オメプラゾール系。
【0238】
実施形態29.第1の緩衝剤及び第2の緩衝剤が、各々独立して、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、及びそれらの混合物からなる群から選択される、実施形態14~28のいずれか1つに記載の貯蔵安定性オメプラゾール系。
【0239】
実施形態30.第1の緩衝剤が、重炭酸ナトリウムである、実施形態20~29のいずれか1つに記載の貯蔵安定性オメプラゾール系。
【0240】
実施形態31.第2の緩衝剤が、重炭酸ナトリウムと重炭酸カリウムとの混合物である、実施形態15~29のいずれか1つに記載の貯蔵安定性オメプラゾール系。
【0241】
実施形態32.第2の緩衝剤が、約11重量%の重炭酸ナトリウム及び約89重量%の重炭酸カリウムを含む、実施形態31に記載の貯蔵安定性オメプラゾール系。
【0242】
実施形態33.第1の混合物及び第2の混合物が一緒に、約1:2.7の重量比で、重炭酸ナトリウム及び重炭酸カリウムを含む、実施形態15~31のいずれか1つに記載の貯蔵安定性オメプラゾール系。
【0243】
実施形態34.第1の緩衝剤及び第2の緩衝剤が、重炭酸カリウムである、実施形態15~29のいずれか1つに記載の貯蔵安定性オメプラゾール系。
【0244】
実施形態35.第2の混合物が、甘味料及び防腐剤を更に含む、実施形態15~32及び34のいずれか1つに記載の貯蔵安定性オメプラゾール系。
【0245】
実施形態36.貯蔵安定性オメプラゾール系が、オメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩の多用量投与に好適な薬物送達デバイス内に提供される、実施形態1~35のいずれか1つに記載の貯蔵安定性オメプラゾール系。
【0246】
実施形態37.薬物送達デバイスが、2つのチャンバを備える、実施形態36に記載の貯蔵安定性オメプラゾール系。
【0247】
実施形態38、薬物送達デバイスが、薬物送達デバイスからキャップを取り外すことなく、第1のチャンバの内容物を第2のチャンバ内に放出するための手段を更に備える、実施形態37に記載の貯蔵安定性オメプラゾール系。
【0248】
実施形態39.貯蔵安定性オメプラゾール系が、キャップを含む容器本体内に提供され、(i)容器本体が、第2の混合物を収容し、かつその上端に形成された容器開口部を有し、(ii)キャップが、第1の混合物を含む円筒形収納部分と、収納部分の上端を封止するキャップ部分と、を備え、(iii)キャップが、容器本体の容器開口部内に取り付けられ、キャップがねじられるとき、第1の混合物が、容器本体内に放出される、実施形態15~38のいずれか1つに記載の貯蔵安定性オメプラゾール粉末系。
【0249】
実施形態40.容器本体が、琥珀色ポリエチレンテレフタレートボトルであり、キャップが、ポリプロピレンタンパーエビデントキャップである、実施形態39に記載の貯蔵安定性オメプラゾール系。
【0250】
実施形態41.粉末系が、25℃/60%相対湿度で少なくとも2年間安定したままである、実施形態1~40のいずれか1つに記載の貯蔵安定性オメプラゾール系。
【0251】
実施形態42.オメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩の多用量投与に好適な薬物送達デバイス内で製剤化された貯蔵安定性オメプラゾール系であって、系が、治療有効量のオメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩を含み、系が、約2.5%以下の水分の割合を含み、系が、ナトリウム含有緩衝剤からのナトリウムを含有しないか、又は系が、約1:2.6~約1:3.4の重量比で、ナトリウム及びカリウムを含有し、更に、貯蔵安定性オメプラゾール系が、投与前に水と構成される、貯蔵安定性オメプラゾール系。
【0252】
実施形態43.貯蔵安定性オメプラゾール系が、密封されたアルミニウム箔パウチ内に封入されている、実施形態1~42のいずれか1つに記載の貯蔵安定性オメプラゾール系。
【0253】
実施形態44.貯蔵安定性オメプラゾール粉末系であって、系が、(i)(a)治療有効量のオメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩、(b)アルギン酸ナトリウム、及び(c)第1の緩衝剤を含む、第1の粉末混合物と、(ii)アルギン酸ナトリウム及び第2の緩衝剤を含む第2の粉末混合物と、を含み、第1の粉末混合物及び第2の粉末混合物が、互いに別々に貯蔵され、かつ水との構成時に又はその直前に一緒に混合され、系が、約1:2.6~約1:3.4の重量比で、ナトリウム及びカリウムを含有する、貯蔵安定性オメプラゾール粉末系。
【0254】
実施形態45.オメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩が、微粉化されている、実施形態44に記載の貯蔵安定性オメプラゾール粉末系。
【0255】
実施形態46.オメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩が、微粉化及び非微粉化オメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩の混合物である、実施形態44又は45に記載の貯蔵安定性オメプラゾール粉末系。
【0256】
実施形態47.オメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩が、約30~約70%の微粉化オメプラゾール、又はその薬学的に許容可能な塩を含み、オメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩の残りが、非微粉化されている、実施形態46に記載の貯蔵安定性オメプラゾール粉末系。
【0257】
実施形態48.オメプラゾールが、重量で、微粉化及び非微粉化オメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩の1:1の混合物である、実施形態46に記載の貯蔵安定性オメプラゾール粉末系。
【0258】
実施形態49.オメプラゾール、又はその薬学的に許容可能な塩、及び約20~約30%の、第1の粉末混合物中に存在するアルギン酸ナトリウムが、第1の緩衝剤の表面の上に均質に分布している、実施形態44~48のいずれか1つに記載の貯蔵安定性オメプラゾール粉末系。
【0259】
実施形態50.オメプラゾール、又はその薬学的に許容可能な塩、及び約20~約25%の、第1の粉末混合物中に存在するアルギン酸ナトリウムが、第1の緩衝剤の表面の上に均質に分布している、実施形態49に記載の貯蔵安定性オメプラゾール粉末系。
【0260】
実施形態51.第1の粉末混合物中の第1の緩衝剤の表面の上に分布していないアルギン酸ナトリウムが、乾燥している、実施形態49又は50に記載の貯蔵安定性オメプラゾール粉末系。
【0261】
実施形態52.第2の粉末混合物中に存在するアルギン酸ナトリウムが、乾燥している、実施形態44~51のいずれか1つに記載の貯蔵安定性オメプラゾール粉末系。
【0262】
実施形態53.乾燥アルギン酸ナトリウムが、約0.5%~約1.5%の含水量を有する、実施形態51又は52に記載の貯蔵安定性オメプラゾール粉末系。
【0263】
実施形態54.アルギン酸ナトリウムが、低粘度グレードのアルギン酸ナトリウムである、実施形態44~53のいずれか1つに記載の貯蔵安定性オメプラゾール粉末系。
【0264】
実施形態55.第1及び第2の緩衝剤が、胃液中のオメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩の少なくとも一部の分解を防止するpHに胃液pHを増加させるのに十分な量で存在する、実施形態44~54のいずれか1つに記載の貯蔵安定性オメプラゾール粉末系。
【0265】
実施形態56.第1及び第2の緩衝剤が一緒になって、水を有する約2mEq/ml用量の構成された粉末の緩衝能力を提供する、実施形態44~55のいずれか1つに記載の貯蔵安定性オメプラゾール粉末系。
【0266】
実施形態57.第1及び第2の緩衝剤が、各々独立して、アルカリ金属又はアルカリ土類金属のカーボネート、バイカーボネート、ホスフェート、シトレート、ボラート、アセテート、フタレート、タルトレート、スクシネート、及びそれらの混合物からなる群から選択される、実施形態44~56のいずれか1つに記載の貯蔵安定性オメプラゾール粉末系。
【0267】
実施形態58.第1及び第2の緩衝剤が、各々独立して、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、及びそれらの混合物からなる群から選択される、実施形態44~57のいずれか1つに記載の貯蔵安定性オメプラゾール粉末系。
【0268】
実施形態59.第1の緩衝剤が、重炭酸ナトリウムである、実施形態44~58のいずれか1つに記載の貯蔵安定性オメプラゾール粉末系。
【0269】
実施形態60.第2の緩衝剤が、重炭酸ナトリウムと重炭酸カリウムとの混合物である、実施形態44~59のいずれか1つに記載の貯蔵安定性オメプラゾール粉末系。
【0270】
実施形態61.混合物が、約11重量%の重炭酸ナトリウム及び約89重量%の重炭酸カリウムを含む、実施形態60に記載の貯蔵安定性オメプラゾール粉末系。
【0271】
実施形態62.第1の粉末混合物及び第2の粉末混合物が一緒に、約1:2.7の重量比で、重炭酸ナトリウム及び重炭酸カリウムを含む、実施形態44~61のいずれか1つに記載の貯蔵安定性オメプラゾール粉末系。
【0272】
実施形態63.第2の粉末混合物が、甘味料及び防腐剤を更に含む、実施形態44~62のいずれか1つに記載の貯蔵安定性オメプラゾール粉末系。
【0273】
実施形態64.貯蔵安定性オメプラゾール粉末系が、オメプラゾールの多用量投与に好適な薬物送達デバイス内に提供される、実施形態44~63のいずれか1つに記載の貯蔵安定性オメプラゾール粉末系。
【0274】
実施形態65.薬物送達デバイスが、第1の粉末混合物を含む第1のチャンバと、第2の粉末混合物を含む第2のチャンバと、を備える、実施形態64に記載の貯蔵安定性オメプラゾール粉末系。
【0275】
実施形態66.薬物送達デバイスが、薬物送達デバイスからキャップを取り外すことなく、第1の粉末混合物を第2のチャンバ内に放出するための手段を更に含む、実施形態65に記載の貯蔵安定性オメプラゾール粉末系。
【0276】
実施形態67.貯蔵安定性オメプラゾール粉末系が、キャップを含む容器本体内に提供され、(i)容器本体が、第2の粉末混合物を収容し、かつその上端に形成された容器開口部を有し、(ii)キャップが、第1の粉末混合物を含む円筒形収納部分と、収納部分の上端を封止するキャップ部分と、を備え、(iii)キャップが、容器本体の容器開口部内に取り付けられ、キャップがねじられるとき、第1の粉末混合物が、容器本体内に放出される、実施形態44~66のいずれか1つに記載の貯蔵安定性オメプラゾール粉末系。
【0277】
実施形態68.容器本体が、琥珀色ポリエチレンテレフタレートボトルであり、キャップが、ポリプロピレンタンパーエビデントキャップである、実施形態67に記載の貯蔵安定性オメプラゾール粉末系。
【0278】
実施形態69.粉末系が、25℃/60%相対湿度で少なくとも2年間安定したままである、実施形態44~68のいずれか1つに記載の貯蔵安定性オメプラゾール粉末系。
【0279】
実施形態70.貯蔵安定性オメプラゾール系が、密封されたアルミニウム箔パウチ内に封入されている、実施形態44~69のいずれか1つに記載の貯蔵安定性オメプラゾール粉末系。
【0280】
実施形態71.水、水中に分散された、薬学的有効量のオメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩、及び1つ以上の緩衝剤を含む、経口医薬懸濁液であって、懸濁液が、ナトリウム含有緩衝剤からのナトリウムを含有しないか、又は懸濁液が、約1:2.6~約1:3.4の重量比で、ナトリウム及びカリウムを含有する、経口医薬懸濁液。
【0281】
実施形態72.アルギン酸ナトリウムを更に含む、実施形態71に記載の経口医薬懸濁液。
【0282】
実施形態73.約1mlの懸濁液が、約1mg~約10mgのオメプラゾール、又はその薬学的に許容可能な塩を含有する、実施形態71又は72に記載の経口医薬懸濁液。
【0283】
実施形態74.約1mlの懸濁液が、約1mg、約2mg、約4mg、又は約8mgのオメプラゾール、又はその薬学的に許容可能な塩を含有する、実施形態73に記載の経口医薬懸濁液。
【0284】
実施形態75.約1mlの懸濁液が、約2mg又は約4mgのオメプラゾール、又はその薬学的に許容可能な塩を含有する、実施形態74に記載の経口医薬懸濁液。
【0285】
実施形態76.1つ以上の緩衝剤が、懸濁液1ml当たり約2mEqの緩衝能力を提供する、実施形態71~75のいずれか1つに記載の経口医薬懸濁液。
【0286】
実施形態77.1つ以上の緩衝剤が、各々独立して、アルカリ金属又はアルカリ土類金属のカーボネート、バイカーボネート、ホスフェート、シトレート、ボラート、アセテート、フタレート、タルトレート、及びスクシネートからなる群から選択される、実施形態71~76のいずれか1つに記載の経口医薬懸濁液。
【0287】
実施形態78.1つの緩衝剤を含む、実施形態71~77のいずれか1つに記載の経口医薬懸濁液。
【0288】
実施形態79.1つの緩衝剤が、重炭酸カリウムである、実施形態78に記載の経口医薬懸濁液。
【0289】
実施形態80.2つの緩衝剤の混合物を含む、実施形態71~77のいずれか1つに記載の経口医薬懸濁液。
【0290】
実施形態81.重炭酸ナトリウムと重炭酸カリウムとの混合物を約1:2.7の重量比で含む、実施形態80に記載の経口医薬懸濁液。
【0291】
実施形態82.懸濁液が、懸濁液5ml当たり約86mgのナトリウムを含む、実施形態71~77及び80~81のいずれか1つに記載の経口医薬懸濁液。
【0292】
実施形態83.ナトリウム及びカリウムが、約1:3.2の重量比で存在する、実施形態71~77及び80~82のいずれか1つに記載の経口医薬懸濁液。
【0293】
実施形態84.懸濁液が、第1及び第2のC最大並びに第1及び第2のT最大を有する二相性薬物動態プロファイルを、それを必要とする対象において経口投与後に提供する、実施形態71~83のいずれか1つに記載の経口医薬懸濁液。
【0294】
実施形態85.5mlの用量が、約10mg若しくは約20mgのオメプラゾール、又はその薬学的に許容可能な塩、約256mgの重炭酸ナトリウム、約695mgの重炭酸カリウム、及び約125mgのアルギン酸ナトリウムを含む、実施形態66~77のいずれか1つに記載の経口医薬懸濁液。
【0295】
実施形態86.約11.45mgのメチルパラベンナトリウム塩及び約25mgの安息香酸ナトリウムを更に含む、実施形態78に記載の経口医薬懸濁液。
【0296】
実施形態87.オメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩が、微粉化されている、実施形態71~86のいずれか1つに記載の経口医薬懸濁液。
【0297】
実施形態88.オメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩が、微粉化及び非微粉化オメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩の混合物である、実施形態71~86のいずれか1つに記載の経口医薬懸濁液。
【0298】
実施形態89.オメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩が、約30~約70%の微粉化オメプラゾール、又はその薬学的に許容可能な塩を含み、オメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩の残りが、非微粉化されている、実施形態88に記載の経口医薬懸濁液。
【0299】
実施形態90.オメプラゾールが、重量で、微粉化及び非微粉化オメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩の1:1の混合物である、実施形態88に記載の経口医薬懸濁液。
【0300】
実施形態91.懸濁液が、オメプラゾールの多用量投与に好適な薬物送達デバイス内に提供される、実施形態71~90のいずれか1つに記載の経口医薬懸濁液。
【0301】
実施形態92.胃酸分泌を阻害する方法であって、有効量の実施形態71~91のいずれか1つに記載の経口医薬懸濁液を、それを必要とする対象に投与することを含む、方法。
【0302】
実施形態93.対象が、子供である、実施形態92に記載の方法。
【0303】
実施形態94.子供が、乳児、幼児、前青年、又は青年である、実施形態93に記載の方法。
【0304】
実施形態95.約1mlの懸濁液が、約1mg~約10mgのオメプラゾール、又はその薬学的に許容可能な塩を含有する、実施形態92~94のいずれか1つに記載の方法。
【0305】
実施形態96.1mlの懸濁液が、約1mg、約2mg、約4mg、又は約8mgのオメプラゾール、又はその薬学的に許容可能な塩を含有する、実施形態92~95のいずれか1つに記載の方法。
【0306】
実施形態97.1mlの懸濁液が、約2mgのオメプラゾール、又はその薬学的に許容可能な塩を含有する、実施形態92~96のいずれか1つに記載の方法。
【0307】
実施形態98.1mlの懸濁液が、約4mgのオメプラゾール、又はその薬学的に許容可能な塩を含有する、実施形態92~96のいずれか1つに記載の方法。
【0308】
実施形態99.経口医薬懸濁液を調製する方法であって、(i)(a)治療有効量のオメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩を含む第1の混合物であって、第1の混合物が、約2.5%以下の水分の割合を含む、第1の混合物と、第2の緩衝剤を含む第2の混合物であって、第2の混合物が、約2.5%以下の水分の割合を含む、第2の混合物と、を組み合わせて、組み合わされた混合物を得ることであって、組み合わされた混合物が、ナトリウム含有緩衝剤からのナトリウムを含有しないか、又は組み合わされた混合物が、約1:2.6~約1:3.4の重量比で、ナトリウム及びカリウムを含有する、得ることと、組み合わされた混合物に水を添加することと、を含む、方法。
【0309】
実施形態100.ナトリウム及びカリウムが、約1:3.2の重量比で存在する、実施形態99に記載の方法。
【0310】
実施形態101.第1の混合物が、約0.5%~約1.5%の含水量を有する、実施形態99又は100に記載の方法。
【0311】
実施形態102.第1の混合物が、(b)第1の乾燥剤を更に含み、かつ/又は第2の混合物が、第2の乾燥剤を更に含む、実施形態99~101のいずれか1つに記載の方法。
【0312】
実施形態103.第1の乾燥剤及び第2の乾燥剤が、アルギン酸ナトリウムである、実施形態99~102のいずれか1つに記載の方法。
【0313】
実施形態104.第1の混合物が、(c)第1の緩衝剤を更に含む、実施形態99~103のいずれか1つに記載の方法。
【0314】
実施形態105.第1の混合物及び第2の混合物が、各々独立して、粉末、ペレット、顆粒、種子、ビーズ、スフェロイド、ミクロスフェア、又はそれらの混合物の形態にある、実施形態99~104のいずれか1つに記載の方法。
【0315】
実施形態106.オメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩が、微粉化されている、実施形態99~105のいずれか1つに記載の方法。
【0316】
実施形態107.オメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩が、微粉化及び非微粉化オメプラゾール、又はその薬学的に許容可能な塩の混合物である、実施形態99~105のいずれか1つに記載の方法。
【0317】
実施形態108.オメプラゾールが、約30~約70%の微粉化オメプラゾール、又はその薬学的に許容可能な塩を含み、オメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩の残りが、非微粉化されている、実施形態107に記載の方法。
【0318】
実施形態109.オメプラゾールが、重量で、微粉化及び非微粉化オメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩の1:1の混合物である、実施形態107に記載の方法。
【0319】
実施形態110.第1の緩衝剤及び第2の緩衝剤が、胃液中のオメプラゾールの少なくとも一部の分解を防止するpHに胃液pHを増加させるのに十分な量で存在する、実施形態99~109のいずれか1つに記載の方法。
【0320】
実施形態111.第1の緩衝剤及び第2の緩衝剤が一緒になって、懸濁液の約2mEq/ml用量の緩衝能力を提供する、実施形態104~110のいずれか1つに記載の方法。
【0321】
実施形態112.第1の緩衝剤及び第2の緩衝剤が、各々独立して、アルカリ金属又はアルカリ土類金属のカーボネート、バイカーボネート、ホスフェート、シトレート、ボラート、アセテート、フタレート、タルトレート、及びスクシネートからなる群から選択される、実施形態99~111のいずれか1つに記載の方法。
【0322】
実施形態113.第1の緩衝剤及び第2の緩衝剤が、各々独立して、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、及びそれらの混合物からなる群から選択される、実施形態99~112のいずれか1つに記載の方法。
【0323】
実施形態114.第1の緩衝剤が、重炭酸ナトリウムである、実施形態104~113のいずれか1つに記載の方法。
【0324】
実施形態115.第2の緩衝剤が、重炭酸ナトリウムと重炭酸カリウムとの混合物である、実施形態99~113のいずれか1つに記載の方法。
【0325】
実施形態116.混合物が、約11重量%の重炭酸ナトリウム及び約89重量%の重炭酸カリウムを含む、実施形態115に記載の方法。
【0326】
実施形態117.第1の混合物及び第2の混合物が一緒に、約1:2.7の重量比で、重炭酸ナトリウム及び重炭酸カリウムを含む、実施形態99~116のいずれか1つに記載の方法。
【0327】
実施形態118.第1の緩衝剤及び第2の緩衝剤が、重炭酸カリウムである、実施形態99及び101~113のいずれか1つに記載の方法。
【0328】
実施形態119.第2の混合物が、甘味料及び防腐剤を更に含む、実施形態99~118のいずれか1つに記載の方法。
【0329】
実施形態120.経口医薬懸濁液が、オメプラゾールの多用量投与に好適な薬物送達デバイス内に提供される、実施形態99~119のいずれか1つに記載の方法。
【0330】
実施形態121.胃酸分泌を阻害する方法であって、水、水中に分散された、薬学的有効量のオメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩、及び1つ以上の緩衝剤を含む、有効量の経口医薬懸濁液を、それを必要とする対象に投与することを含み、懸濁液が、ナトリウム含有緩衝剤からのナトリウムを含有しないか、又は懸濁液が、約1:2.6~約1:3.4の重量比で、ナトリウム及びカリウムを含有し、経口医薬懸濁液が、実施形態99~120のいずれか1つに記載の方法で調製される、方法。
【0331】
実施形態122.懸濁液が、水との構成後、2℃~8℃で少なくとも1ヶ月間安定したままである、実施形態71~90のいずれか1つに記載の経口医薬懸濁液。
【0332】
本開示はまた、以下の特定の実施形態を提供する。
【0333】
実施形態I.貯蔵安定性オメプラゾール系であって、系が、治療有効量のオメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩を含み、系が、約2.5%以下の水分の割合を含み、系が、ナトリウム含有緩衝剤からのナトリウムを含有しないか、又は系が、約1:2.6~約1:3.4の重量比で、ナトリウム及びカリウムを含有し、更に、貯蔵安定性オメプラゾール系が、投与前に水と構成される、貯蔵安定性オメプラゾール系。
【0334】
実施形態II.系が、各々独立して、アルカリ金属又はアルカリ土類金属のカーボネート、バイカーボネート、ホスフェート、シトレート、ボラート、アセテート、フタレート、タルトレート、及びスクシネートからなる群から選択される1つ以上の緩衝剤を含む、実施形態Iに記載の貯蔵安定性オメプラゾール系。
【0335】
実施形態III.(i)(a)治療有効量のオメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩を含む第1の混合物であって、第1の混合物が、約2.5%以下の水分の割合を含む、第1の混合物と、(ii)第2の緩衝剤を含む第2の混合物であって、第2の混合物が、約2.5%以下の水分の割合を含み、第1の混合物及び第2の混合物が、互いに別々に貯蔵され、かつ水との構成時に又はその直前に一緒に混合され、系が、ナトリウム含有緩衝剤からのナトリウムを含有しないか、又は系が、約1:2.6~約1:3.4の重量比で、ナトリウム及びカリウムを含有する、第2の混合物と、を含む、実施形態Iに記載の貯蔵安定性オメプラゾール系。
【0336】
実施形態IV.貯蔵安定性オメプラゾール粉末系であって、系が、(i)(a)治療有効量のオメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩、(b)アルギン酸ナトリウム、及び(c)第1の緩衝剤を含む、第1の粉末混合物と、(ii)アルギン酸ナトリウム及び第2の緩衝剤を含む第2の粉末混合物と、を含み、第1の粉末混合物及び第2の粉末混合物が、互いに別々に貯蔵され、かつ水との構成時に又はその直前に一緒に混合され、系が、約1:2.6~約1:3.4の重量比で、ナトリウム及びカリウムを含有する、貯蔵安定性オメプラゾール粉末系。
【0337】
実施形態V.オメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩が、微粉化されている、実施形態I~IVのいずれか1つに記載の貯蔵安定性オメプラゾール系又は貯蔵安定性オメプラゾール系粉末系。
【0338】
実施形態VI.オメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩が、微粉化及び非微粉化オメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩の混合物である、実施形態I~IVのいずれか1つに記載の貯蔵安定性オメプラゾール系又は貯蔵安定性オメプラゾール系粉末系。
【0339】
実施形態VII.貯蔵安定性オメプラゾール系又はオメプラゾール粉末系が、オメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩の多用量投与に好適な薬物送達デバイス内に提供される、先行する請求項のいずれか一項に記載の貯蔵安定性オメプラゾール系又は貯蔵安定性オメプラゾール粉末系。
【0340】
実施形態VIII.貯蔵安定性オメプラゾール粉末系が、キャップを含む容器本体内に提供され、(i)容器本体が、第2の粉末混合物を収容し、かつその上端に形成された容器開口部を有し、(ii)キャップが、第1の粉末混合物を含む円筒形収納部分と、収納部分の上端を封止するキャップ部分と、を備え、(iii)キャップが、容器本体の容器開口部内に取り付けられ、キャップがねじられるとき、第1の粉末混合物が、容器本体内に放出される、実施形態IV又はVIIに記載の貯蔵安定性オメプラゾール系又は貯蔵安定性オメプラゾール系粉末系。
【0341】
実施形態IX.オメプラゾール系又はオメプラゾール粉末系が、25℃/60%相対湿度で少なくとも2年間安定したままである、先行する請求項のいずれか一項に記載の貯蔵安定性オメプラゾール系又は貯蔵安定性オメプラゾール粉末系。
【0342】
実施形態X.水、水中に分散された、薬学的有効量のオメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩、及び1つ以上の緩衝剤を含む、経口医薬懸濁液であって、懸濁液が、ナトリウム含有緩衝剤からのナトリウムを含有しないか、又は懸濁液が、約1:2.6~約1:3.4の重量比で、ナトリウム及びカリウムを含有する、経口医薬懸濁液。
【0343】
実施形態XI.約1mlの懸濁液が、約1mg~約10mgのオメプラゾール、又はその薬学的に許容可能な塩を含有する、実施形態Xに記載の経口医薬懸濁液。
【0344】
実施形態XII.懸濁液が、水との構成後、2℃~8℃で少なくとも1ヶ月間安定したままである、実施形態X又はXIに記載の経口医薬懸濁液。
【0345】
実施形態XIII.胃酸分泌を阻害する方法であって、有効量の実施形態X~XIIのいずれか1つに記載の経口医薬懸濁液を、それを必要とする対象に投与することを含む、方法。
【0346】
実施形態XIV.胃酸分泌の阻害を必要とする対象に経口医薬懸濁液を投与する方法であって、該方法が、1)治療有効量のオメプラゾール又はその薬学的に許容可能な塩を含む第1の混合物であって、第1の混合物が、約2.5%以下の水分の割合を含む、第1の混合物と、第2の緩衝剤を含む第2の混合物であって、第2の混合物が、約2.5%以下の水分の割合を含む、第2の混合物と、を組み合わせて、組み合わされた混合物を得ることであって、組み合わされた混合物が、ナトリウム含有緩衝剤からのナトリウムを含有しないか、又は組み合わされた混合物が、約1:2.6~約1:3.4の重量比で、ナトリウム及びカリウムを含有する、得ることと、組み合わされた混合物に水を添加することと、を含む、経口医薬懸濁液を調製することと、2)それを必要とする対象に有効量の経口医薬懸濁液を投与することと、を含む、方法。
【0347】
実施形態XV.対象が、子供である、実施形態XIII又はXIVに記載の方法。
【実施例
【0348】
ここで、本明細書に記載される製剤を、以下の実施例を参照して更に詳述する。これらの実施例は、説明することのみを目的としており、本明細書に記載の実施形態がこれらの実施例に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、実施形態は、本明細書でもたらされる教示の結果として明らかになるありとあらゆる変形例を包含すると解釈されるべきである。
実施例1
オメプラゾール2mg/ml及び4mg/mlの経口懸濁液及び貯蔵安定性オメプラゾール粉末系の例示的な製剤並びに製造詳細
【0349】
以下の表1では、顆粒組成物は、本明細書に記載の貯蔵安定性オメプラゾール粉末系中に存在する第1の混合物の実施例の調製に使用される。
【表1-1】
【表1-2】
【表1-3】
実施例2
オメプラゾール2mg/ml及び4mg/mlの経口懸濁液の例示的な製剤
【表2】
実施例3
オメプラゾール経口懸濁液の例示的な化学組成物
【表3】
実施例4
【0350】
この実施例は、本開示による構成されたオメプラゾール経口懸濁液の安定性に対する本開示の貯蔵安定性オメプラゾール粉末系の利点を実証する。
【0351】
同一の構成された懸濁組成物を有する、実施例J、実施例K、及び実施例Lのオメプラゾール2mg/ml経口懸濁液を調製したが、それらは以下の相違点を含んだ。
【0352】
実施例Jは、第2の粉末混合物を収納するボトル上で締結された、第1の粉末混合物を収納するキャップを含む、本開示によるアルミニウム(アルミ)箔包装型の2つのチャンバ剤形であり、
【0353】
実施例Kは、水と構成された第2の粉末混合物を収納するボトル上で締結された、第1の粉末混合物を収納するキャップを含むアルミ箔包装型の2つのチャンバ剤形の比較例であり、
【0354】
実施例Lは、第1の粉末混合物と第2の粉末混合物との粉末混合物を収納するキャップされたボトルを含むアルミ箔包装型の単一チャンバ剤形の比較例である。
【0355】
実施例J、K、及びLの調製されたオメプラゾール2mg/ml懸濁液の製造、包装、及び構成の詳細の説明を以下に提供する。
【表4-1-1】

【表4-1-2】

【表4-1-3】
【0356】
実施例J、実施例K、及び実施例Lのオメプラゾール2mg/ml経口懸濁液の製剤及び特徴付けの詳細の要約を表4に提供する。
【表4-2-1】

【表4-2-2】
【0357】
実施例J、実施例K、及び実施例Lのオメプラゾール2mg/ml経口懸濁液に対する安定性試験の結果の要約を表5に提供する。
【表5】
実施例5
微粉化オメプラゾールを使用して調製されたオメプラゾール経口懸濁液の例示的な化学組成物
【0358】
実施例Mの調製されたオメプラゾール4mg/ml懸濁液の製造、包装、及び構成の詳細の説明を以下に提供する。
【表9-1】
【表9-2】
【0359】
実施例Mのオメプラゾール4mg/ml経口懸濁液の製剤及び特徴付けの詳細の要約を表6に提供する。
【表6】
【0360】
実施例Mのオメプラゾール4mg/ml経口懸濁液に対する安定性試験の結果の要約を表7に提供する。
【表7】
実施例6
微粉化及び非微粉化オメプラゾールの混合物を使用して調製されたオメプラゾール経口懸濁液の例示的な化学組成物
【0361】
実施例N及びOの調製されたオメプラゾール4mg/ml懸濁液の製造、包装、及び構成の詳細の説明を以下に提供する。
【表10-1】
【表10-2】
【0362】
実施例N及びOのオメプラゾール4mg/ml経口懸濁液の製剤及び特徴付けの詳細の要約を表8に提供する。
【表8-1】
【表8-2】
【0363】
ここで本開示を完全に説明してきたが、当業者により、本発明の範囲又はその任意の実施形態に影響を与えることなく、幅広く同等の範囲の条件、製剤、及び他のパラメータ内で同じものが実施され得ることが理解されるであろう。
【0364】
本明細書に記載の他の実施形態は、本明細書に開示される本発明の明細書及び実施を考慮することにより当業者には明らかであろう。本明細書は、例示的なものとしてのみ考慮され、本発明の真の範囲及び趣旨は、以下の特許請求の範囲によって示されることが意図される。
【0365】
本明細書で引用される全ての特許、特許出願、及び刊行物は、参照によりそれらの全体が本明細書に完全に組み込まれる。
図1
【国際調査報告】