(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-05
(54)【発明の名称】自動車電源システムおよび固体酸化物燃料電池車両
(51)【国際特許分類】
B60L 58/40 20190101AFI20221128BHJP
H01M 8/12 20160101ALI20221128BHJP
H01M 8/00 20160101ALI20221128BHJP
H01M 8/04 20160101ALI20221128BHJP
H01M 8/04303 20160101ALI20221128BHJP
H01M 8/04858 20160101ALI20221128BHJP
【FI】
B60L58/40
H01M8/12 101
H01M8/00 Z
H01M8/00 A
H01M8/04 Z
H01M8/04303
H01M8/04858
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022517212
(86)(22)【出願日】2020-09-25
(85)【翻訳文提出日】2022-03-16
(86)【国際出願番号】 IB2020059005
(87)【国際公開番号】W WO2021059235
(87)【国際公開日】2021-04-01
(31)【優先権主張番号】201921621667.8
(32)【優先日】2019-09-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508359550
【氏名又は名称】セレス インテレクチュアル プロパティー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】スン シャオウェン
(72)【発明者】
【氏名】ワン ヤンボー
(72)【発明者】
【氏名】チェン ヨウポン
(72)【発明者】
【氏名】フー チャンミン
(72)【発明者】
【氏名】ペイ ジンリー
(72)【発明者】
【氏名】スン レイ
(72)【発明者】
【氏名】ドゥー ヤーシン
【テーマコード(参考)】
5H125
5H126
5H127
【Fターム(参考)】
5H125AA01
5H125AC07
5H125AC12
5H125BD10
5H125EE32
5H126BB06
5H127AA07
5H127AB04
5H127AB29
5H127BA02
5H127DA11
5H127DA15
5H127DB91
5H127DC96
5H127FF04
(57)【要約】
本出願は、自動車電源システムおよび固体酸化物燃料電池車両を開示する。自動車電源システムは、具体的には、第1のバッテリ、車両制御ユニット(VCU)、リチウムバッテリ管理システム、固体酸化物燃料電池制御ユニット、第2のバッテリ、第1のリレー、および第2のリレーを備える。本出願によって提供される固体酸化物燃料電池制御ユニットによって制御される固体酸化物燃料電池が短時間内に動作を停止することができない場合、第1のリレーは、始動スイッチが第1のバッテリによる給電を停止した後、VCUおよびリチウムバッテリ管理システムに電力供給するために第1のバッテリを復旧し、そのため、固体酸化物燃料電池制御ユニットは、第2のバッテリによって電力供給されて、セルを正常に動作させ、電源オフを実現し、それによって、車両の急な停電に起因して固体酸化物燃料電池が動作することができないという問題を防止する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
固体酸化物燃料電池車両に適用される自動車電源システムであって、
第1のバッテリと、
車両制御ユニット(VCU)と、
リチウムバッテリ管理システムと、
固体酸化物燃料電池制御ユニットと、
第2のバッテリと、
第1のリレーと、
第2のリレーと、を備え、
前記第1のバッテリの電気出力端が、前記VCUの電気受信端および前記リチウムバッテリ管理システムの電気受信端にそれぞれ電気的に接続されており、
前記第1のリレーが、前記第1のバッテリの前記電気出力端と前記VCUの前記電気受信端との間に接続されている第1の導体上に配置され、前記固体酸化物燃料電池車両の始動スイッチに並列に接続され、第1のスイッチオン信号を受信したときに前記第1の導体を導通させるように構成されており、
前記VCUの信号出力端が、前記第2のリレーの制御信号受信端に接続され、前記VCUの電気受信端が電源オンされたときに第2のスイッチオン信号を出力し、前記VCUの前記電気受信端が電源オフされたときに前記第2のスイッチオフ信号を出力するように構成されており、
前記第2のバッテリの電気出力端が、第2の導体を通じて前記固体酸化物燃料電池制御ユニットの前記電気受信端に電気的に接続されており、
前記第2のリレーが、前記第2の導体上に配置され、前記第2のスイッチオン信号を受信するときに前記第2の導体を導通させ、前記第2のスイッチオフ信号を受信するときに前記第2の導体をオフにするように構成されており、
前記固体酸化物燃料電池制御ユニットの信号出力端が、前記第1のリレーの制御信号受信端に接続され、固体酸化物燃料電池車両の前記固体酸化物燃料電池が短時間内に電源オフすることができないときに、前記第1のスイッチオン信号を出力するように構成されている、自動車電源システム。
【請求項2】
前記第1のバッテリが、前記固体酸化物燃料電池車両用の鉛蓄電池である、請求項1に記載の自動車電源システム。
【請求項3】
前記第2のバッテリが、前記リチウムバッテリ管理システムと信号接続しているリチウムバッテリである、請求項1または2に記載の自動車電源システム。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか一項に記載の自動車電源システムを備える、固体酸化物燃料電池車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新エネルギーの技術分野、具体的には、自動車電源システムおよび固体酸化物燃料電池車両に関する。
【背景技術】
【0002】
固体酸化物燃料電池は、それらの優れた特性に起因してますます使用されるようになっており、車両動力の分野で水素燃料電池と一緒に開発されている。固体酸化物燃料電池が搭載されて使用される場合、その動作特性に起因して、車両の他の機器と比較して長時間しか電源オフすることができず、電源オフの時点では、外部電源によってサポートされる必要がある。この期間中に外部電源が失われた場合、固体酸化物燃料電池は、正常に動作することができない。
【発明の概要】
【0003】
これを考慮して、本発明は、自動車電源システムおよび固体酸化物燃料電池車両を提供する。自動車電源システムは、車両電源が切れたときに固体酸化物燃料電池の電源を確保するために使用され、それによって、車両の急な停電に起因する、その正常な動作の失敗を防止する。
【0004】
本発明の第1の態様は、固体酸化物燃料電池車両に適用される自動車電源システムを提供し、自動車電源システムは、第1のバッテリ、車両制御ユニット(VCU)、リチウムバッテリ管理システム、固体酸化物燃料電池制御ユニット、第2のバッテリ、第1のリレー、および第2のリレーを備える。第1のバッテリの電気出力端が、VCUの電気受信端およびリチウムバッテリ管理システムの電気受信端にそれぞれ電気的に接続されており、第1のリレーが、第1のバッテリの電気出力端とVCUの電気受信端との間に接続されている第1の導体上に配置され、固体酸化物燃料電池車両の始動スイッチに並列に接続され、第1のスイッチオン信号を受信したときに第1の導体を導通させるように構成されており、VCUの信号出力端が、第2のリレーの制御信号受信端に接続され、VCUの電気受信端が電源オンされたときに第2のスイッチオン信号を出力し、VCUの電気受信端が電源オフされたときに第2のスイッチオフ信号を出力するように構成されており、第2のバッテリの電気出力端が、第2の導体を通じて固体酸化物燃料電池制御ユニットの電気受信端に電気的に接続されており、第2のリレーが、第2の導体上に配置され、第2のスイッチオン信号を受信するときに第2の導体を導通させ、第2のスイッチオフ信号を受信するときに第2の導体をオフにするように構成されており、固体酸化物燃料電池制御ユニットの信号出力端が、第1のリレーの制御信号受信端に接続され、固体酸化物燃料電池車両の固体酸化物燃料電池が短時間内に電源オフすることができないときに、第1のスイッチオン信号を出力するように構成されている。
【0005】
第1のバッテリは、固体酸化物燃料電池車両用の鉛蓄電池とすることができる。
【0006】
第2のバッテリは、リチウムバッテリ管理システムとの信号接続しているリチウムバッテリとすることができる。
【0007】
本発明の第2の態様は、固体酸化物燃料電池車両を提供し、固体酸化物燃料電池車両は、第1の態様による自動車電源システムを備えている。
【0008】
本出願は、自動車電源システムおよび固体酸化物燃料電池車両を開示する。自動車電源システムは、第1のバッテリ、車両制御ユニット(VCU)、リチウムバッテリ管理システム、固体酸化物燃料電池制御ユニット、第2のバッテリ、第1のリレー、および第2のリレーを備える。本出願によって提供される固体酸化物燃料電池制御ユニットによって制御される固体酸化物燃料電池が短時間内に動作を停止することができない場合、第1のリレーは、始動スイッチが第1のバッテリによる給電を停止した後、VCUおよびリチウムバッテリ管理システムに電力供給するために第1のバッテリを復旧し、そのため、固体酸化物燃料電池制御ユニットは、第2のバッテリによって電力供給されて、セルを正常に動作させ、電源オフを実現し、それによって、車両の急な停電に起因して固体酸化物燃料電池が動作することができないという問題を防止する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本明細書で使用される図面が以下に簡単に説明される。以下の本明細書の図面は、本出願の単なるいくつかの実施形態である。
【0010】
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の実施形態は、本出願の実施形態の図面と併せて以下に説明される。説明された実施形態は、本出願の実施形態の全てではなく、一部に過ぎない。
【0012】
実施形態I
図1は、本出願の一実施形態における自動車電源システムの構造図である。
図1に示されるように、この実施形態によって提供される自動車電源システムは、固体酸化物燃料電池車両に適用される。本明細書の固体酸化物燃料電池車両は、固体酸化物燃料電池を主電源とする車両または他の輸送手段を指す。自動車電源システムは、第1のバッテリ10、車両制御ユニットVCU、リチウムバッテリ管理システムBMS、固体酸化物燃料電池制御ユニットFCU、第2のバッテリ20、第1のリレーK1、および第2のリレーK2を備える。
【0013】
第1のバッテリは、固体酸化物燃料電池車両用の鉛蓄電池であり、VCUの電気受信端に電気的に接続された電気出力端と、導体を通るリチウムバッテリ管理システムの電気受信端と、を有する。対応するループは、接続時に対応する導体を通じて形成される。例えば、電気出力端の正極は、対応する電気受信端の正極に接続され、電気出力端の負極は、対応する電気受信端の負極に接続される。電気出力端の正極をVCUの電気受信端の正極に接続するために使用される導体は、第1の導体と呼ばれる。
【0014】
第1の導体は、第1のリレーを備え、第1の導体は、第1のリレーが導通するときに導通し、逆では、第1の導体は、切断される。第1のリレーは、車両の始動スイッチK3に並列に接続されており、始動スイッチが始動されたときに車両が始動し、この時点で、VCUおよびリチウムバッテリ管理システムは、電源オンされて、動作する。リチウムバッテリ管理システムはまた、第2のバッテリを駆動して動作を始動させ、本明細書の第2のバッテリは、リチウムバッテリである。
【0015】
第2のバッテリ、すなわち、リチウムバッテリは、制御ユニットに電力供給するために、車両の固体酸化物燃料電池を制御するために使用される固体酸化物燃料電池制御ユニットに電気的に接続されている。電源を受信する制御ユニットのみが、固体酸化物燃料電池を正常に動作するように正常に制御し得る。
【0016】
第2のバッテリの電気出力端は、固体酸化物燃料電池制御ユニットの電気受信端に接続されており、具体的には、第2のバッテリの電気出力端の正極は、第2の導体を通じて固体酸化物燃料電池の電気受信端の正極に電気的に接続されており、第2のバッテリの電気出力端の負極は、固体酸化物燃料電池の電気受信端の負極に電気的に接続されており、それによって、電源ループを形成している。
【0017】
第2のリレーは、第2の導体上に配置されて、第2の導体によって固体酸化物燃料電池に対する電源を導通または切断する。車両は、VCUが電源オンされた後に制御され、また、その信号出力端は、第2のリレーの制御信号入力端に接続される。VCUは、電力供給された後、第2のスイッチオン信号を第2のリレーに出力し、電源オフされた後、第2のスイッチオフ信号を第2のリレーに出力する。第2のリレーは、第2のスイッチオン信号を受信した後、第2の導体を導通させ、その結果、固体酸化物燃料電池が電力供給されて動作する。逆に、第2のスイッチオフ信号は、電力損失に起因して固体酸化物燃料電池を電源オフするために第2のリレーを切断する。
【0018】
固体酸化物燃料電池制御ユニットの一方の信号出力端は、第1のリレーの制御信号出力端に接続されている。始動スイッチがオフにされたとき、固体酸化物燃料電池制御ユニットによって制御された固体酸化物燃料電池が短時間内に電源オフされることができないとき、信号出力端は、第1のスイッチオン信号を第1のリレーに出力する。
【0019】
第1のスイッチオン信号は、VCUおよびリチウムバッテリ管理システムが再び動作し始めるように、第1のリレーを制御して第1の導体を導通させるために使用され、リチウムバッテリ管理システムは、電気エネルギーを出力するために第2のバッテリを制御し、VCUは、第2のスイッチオン信号を第2のリレーに出力し、第2のスイッチオン信号は、導通されることになる第2の導体を制御し、その結果、固体酸化物燃料電池制御ユニットは、第2の導体を通じて再出力電気エネルギーによって電力供給され、固体酸化物燃料電池制御ユニットは、固体酸化物燃料電池を、正常に動作させ、電源オフを実現するように正常に制御し得る。
【0020】
VCUが第2のスイッチオン信号および第2のスイッチオフ信号を出力し、かつ固体酸化物燃料電池制御ユニットが第1のスイッチオン信号を出力する動作は、コンピュータプログラムに依存せず、VCUおよび固体酸化物燃料電池制御ユニット自体の機能である。
【0021】
この実施形態は、自動車電源システムを提供する。固体酸化物燃料電池車両に適用される自動車電源システムは、第1のバッテリ、VCU、リチウムバッテリ管理システム、固体酸化物燃料電池制御ユニット、第2のバッテリ、第1のリレー、および第2のリレーを備える。本出願によって提供される固体酸化物燃料電池制御ユニットによって制御される固体酸化物燃料電池が短時間内に動作を停止することができない場合、第1のリレーは、始動スイッチが第1のバッテリによる給電を停止した後、VCUおよびリチウムバッテリ管理システムに電力供給するために第1のバッテリを復旧し、そのため、固体酸化物燃料電池制御ユニットは、第2のバッテリによって電力供給されて、セルを正常に動作させ、電源オフを実現し、それによって、車両の急な停電に起因して固体酸化物燃料電池が動作することができないという問題を防止する。
【0022】
実施形態II
この実施形態は、固体酸化物燃料電池車両を提供し、車両は、前の実施形態で提供された自動車電源システムを備える。
【0023】
この実施形態は、自動車電源システムを提供する。固体酸化物燃料電池車両に適用される自動車電源システムは、具体的には、第1のバッテリ、車両制御ユニット(VCU)、リチウムバッテリ管理システム、固体酸化物燃料電池制御ユニット、第2のバッテリ、第1のリレー、および第2のリレーを備える。
【0024】
本出願によって提供される固体酸化物燃料電池制御ユニットによって制御される固体酸化物燃料電池が短時間内に動作を停止することができない場合、第1のリレーは、始動スイッチが第1のバッテリによる給電を停止した後、VCUおよびリチウムバッテリ管理システムに電力供給するために第1のバッテリを復旧し、そのため、固体酸化物燃料電池制御ユニットは、第2のバッテリによって電力供給されて、セルを正常に動作させ、電源オフを実現し、それによって、車両の急な停電に起因して固体酸化物燃料電池が動作することができないという問題を防止する。
【0025】
本明細書における実施形態は、漸進的な様式で説明され、実施形態の間で同じまたは同様の部分は、相互に参照することができ、各実施形態は、他の実施形態との違いに焦点を合わせている。
【0026】
本発明の実施形態が説明されてきたが、これらの実施形態に対して他の変更および修正が行われ得る。したがって、特許請求の範囲は、本発明の実施形態ならびに本発明の範囲内に収まる全ての変更および修正を包含する。
【0027】
「第1」および「第2」などの関連用語は、そのような実体または作用間の任意のそのような実際の関係または順序を必ずしも必要または暗示せずに、1つの実体または作用を別の実体または作用から区別するためだけに使用され得る。
【0028】
本発明によって提供される技術的解決策は、上記に詳述されている。本発明の実装の原理および方法を説明するために特定の実施形態が開示され、上記の実施形態の上述の例示は、本発明の方法および中核的概念を理解するのを支援するためだけに使用される。本明細書の内容は、本発明の範囲に対する限定として理解されるべきではない。
【国際調査報告】