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特表2022-550720コンタクタ管理方法およびその方法を提供するバッテリシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-05
(54)【発明の名称】コンタクタ管理方法およびその方法を提供するバッテリシステム
(51)【国際特許分類】
   B60L 3/00 20190101AFI20221128BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20221128BHJP
   H01H 9/54 20060101ALI20221128BHJP
【FI】
B60L3/00 H
H02J7/00 P
H02J7/00 301C
H01H9/54 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022518906
(86)(22)【出願日】2021-07-30
(85)【翻訳文提出日】2022-03-30
(86)【国際出願番号】 KR2021010007
(87)【国際公開番号】W WO2022039409
(87)【国際公開日】2022-02-24
(31)【優先権主張番号】10-2020-0104789
(32)【優先日】2020-08-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム、スクウォン
【テーマコード(参考)】
5G034
5G503
5H125
【Fターム(参考)】
5G034AA02
5G034AA16
5G034AB14
5G503BA01
5G503BB01
5G503EA08
5G503FA02
5G503FA06
5G503GD03
5G503GD06
5H125AA01
5H125AC12
5H125BE00
5H125CD04
5H125EE52
(57)【要約】
本発明は、コンタクタ管理方法およびその方法を提供するバッテリシステムに関し、本発明のバッテリシステムは、バッテリパックと外部装置との間に連結されるメインコンタクタと、前記メインコンタクタと並列連結されるプリチャージコンタクタと、前記メインコンタクタに供給される作動電圧を測定する電圧測定部と、前記電圧測定部で測定された作動電圧の変化に基づいて、前記メインコンタクタの開放イベントを判断する制御部とを含み、前記制御部は、前記開放イベントが発生すると、車両が運行中である走行モードで前記作動電圧が前記メインコンタクタに印加されるように制御する駆動信号のレベルを判断し、前記駆動信号のレベルがイネーブル(enable)レベルであれば、前記プリチャージコンタクタを閉じた後に前記メインコンタクタを閉じ、前記メインコンタクタが閉鎖状態から所定時間経過後に前記プリチャージコンタクタを開放させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリパックと外部装置との間に連結されるメインコンタクタと、
前記メインコンタクタと連結されるプリチャージコンタクタと、
前記メインコンタクタに供給される作動電圧を測定する電圧測定部と、
前記電圧測定部で測定された作動電圧の変化に基づいて、前記メインコンタクタの開放イベントを判断する制御部とを含み、
前記制御部は、
前記開放イベントが発生すると、車両が運行中である走行モードで前記作動電圧が前記メインコンタクタに印加されるように制御する駆動信号のレベルを判断し、
前記駆動信号のレベルがイネーブルレベルであれば、前記プリチャージコンタクタを閉じた後に前記メインコンタクタを閉じ、前記メインコンタクタが閉鎖状態から所定時間経過後に前記プリチャージコンタクタを開放させる、バッテリシステム。
【請求項2】
前記制御部は、
前記判断の結果、前記駆動信号のレベルがディセーブルレベルであれば、前記メインコンタクタが開放状態を維持するように制御する、請求項1に記載のバッテリシステム。
【請求項3】
前記制御部は、
前記メインコンタクタに供給されていた作動電圧が供給されなければ、前記開放イベントが発生したものと判断する、請求項1または2に記載のバッテリシステム。
【請求項4】
前記制御部は、
前記車両の速度が予め設定された基準速度を超えるか、
前記車両のギヤ変速が後進ギヤ、中立ギヤ、またはドライブギヤであれば、前記走行モードと判断する、請求項1から3のいずれか一項に記載のバッテリシステム。
【請求項5】
前記制御部から前記駆動信号を受信し、前記駆動信号により前記作動電圧を前記メインコンタクタに供給する駆動部をさらに含む、請求項1から4のいずれか一項に記載のバッテリシステム。
【請求項6】
前記制御部は、
前記駆動信号を前記駆動部に伝達して、前記メインコンタクタの開放または閉鎖を制御するBMS(Battery Management System)である、請求項5に記載のバッテリシステム。
【請求項7】
前記電圧測定部は、
前記作動電圧をデジタル信号に変換して前記制御部に伝達するADC(Analog-to-digital converter)である、請求項1から6のいずれか一項に記載のバッテリシステム。
【請求項8】
制御部がバッテリパックと外部装置との間に連結されるメインコンタクタと、前記メインコンタクタと連結されるプリチャージコンタクタとを制御して前記メインコンタクタを管理するコンタクタ管理方法であって、
前記メインコンタクタが開放される開放イベントが発生する段階と、
前記開放イベントが発生すると、車両が運行中である走行モードであるかを判断する段階と、
前記走行モードであれば、作動電圧が前記メインコンタクタに印加されるように制御する駆動信号のレベルを判断する段階と、
前記判断の結果、駆動信号のレベルがイネーブルレベルであれば、前記プリチャージコンタクタを閉じた後に前記メインコンタクタを閉じ、前記メインコンタクタが閉鎖状態から所定時間経過後に前記プリチャージコンタクタを開放させる段階とを含む、コンタクタ管理方法。
【請求項9】
前記車両が運行中である走行モードであるかを判断する段階は、
前記車両の速度が予め設定された基準速度を超えるか、前記車両のギヤ変速が後進ギヤ、中立ギヤ、またはドライブギヤであれば、前記走行モードと判断する、請求項8に記載のコンタクタ管理方法。
【請求項10】
前記メインコンタクタが開放される開放イベントが発生する段階は、
前記メインコンタクタに供給される作動電圧を測定する電圧測定部で測定された作動電圧の変化に基づいて、前記開放イベントの発生を判断する、請求項8または9に記載のコンタクタ管理方法。
【請求項11】
前記判断の結果、駆動信号のレベルがディセーブルレベルであれば、前記メインコンタクタが開放状態を維持するように制御する段階をさらに含む、請求項8から10のいずれか一項に記載のコンタクタ管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願との相互参照]
本出願は、2020年8月20日付の韓国特許出願第10-2020-0104789号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示されたすべての内容は本明細書の一部として含まれる。
【0002】
本発明は、バッテリと外部装置とを電気的に連結するメインコンタクタを管理する方法およびその方法を提供するバッテリシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
最近、環境保護の一環として、HEV(Hybrid Electric Vehicle)またはEV(Electric Vehicle)などのような電気自動車に関する研究および関心が増加している。電気自動車は、バッテリと負荷とを電気的に連結または遮断するコンタクタ(contactor)を含むことができる。コンタクタが閉鎖(close)されると、バッテリから負荷に電力が供給される。
【0004】
一方、コンタクタは、駆動電圧が供給されると閉鎖(close)され、駆動電圧が供給されなければ開放(open)される。何らかの原因によって意図せぬ状況で一時的に駆動電圧が変動すれば、コンタクタが瞬間的に開放(open)されることがある。意図せぬコンタクタの開放であるので、制御部は、コンタクタが再び閉鎖(close)されるように自動的に制御することができる。この時、DC-link loadが大きい場合、コンタクタは、過電流(high inrush current)によって損傷し、損傷が大きい場合、閉鎖状態(close)または開放状態(open)で融着(welding)しうる。融着したコンタクタは、制御部の制御により開放(open)または閉鎖(close)動作を行うことができないので、取替が必要になる。
【0005】
したがって、一時的にコンタクタが開放(open)される場合、コンタクタの損傷を低減しながら制御するロジックが必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、メインコンタクタが開放(open)される場合、車両の運行状態およびメインコンタクタに供給される作動電圧を制御する駆動信号に基づいて、メインコンタクタに対する開放(open)状態の維持または再閉鎖(re-close)の可否を決定するコンタクタ管理方法およびその方法を提供するバッテリシステムを提供する。
【0007】
本発明は、メインコンタクタを再閉鎖(re-close)しなければならない場合、プリチャージコンタクタを用いてプリチャージ(Pre-Charge)を行うコンタクタ管理方法およびその方法を提供するバッテリシステムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施例によるバッテリシステムは、バッテリパックと外部装置との間に連結されるメインコンタクタと、前記メインコンタクタと並列連結されるプリチャージコンタクタと、前記メインコンタクタに供給される作動電圧を測定する電圧測定部と、前記電圧測定部で測定された作動電圧の変化に基づいて、前記メインコンタクタの開放イベントを判断する制御部とを含み、前記制御部は、前記開放イベントが発生すると、車両が運行中である走行モードで前記作動電圧が前記メインコンタクタに印加されるように制御する駆動信号のレベルを判断し、前記駆動信号のレベルがイネーブル(enable)レベルであれば、前記プリチャージコンタクタを閉じた後に前記メインコンタクタを閉じ、前記メインコンタクタが閉鎖状態から所定時間経過後に前記プリチャージコンタクタを開放させる。
【0009】
前記制御部は、前記判断の結果、前記駆動信号のレベルがディセーブル(disable)レベルであれば、前記メインコンタクタが開放状態を維持するように制御することができる。
【0010】
前記制御部は、前記メインコンタクタに供給されていた作動電圧が供給されなければ、前記開放イベントが発生したものと判断することができる。
【0011】
前記制御部は、前記車両の速度が予め設定された基準速度を超えるか、前記車両のギヤ変速が後進ギヤ、中立ギヤ、またはドライブギヤであれば、前記走行モードと判断することができる。
【0012】
前記制御部から前記駆動信号を受信し、前記駆動信号により前記作動電圧を前記メインコンタクタに供給する駆動部をさらに含むことができる。
【0013】
前記制御部は、前記駆動信号を前記駆動部に伝達して、前記メインコンタクタの開放または閉鎖動作の実行を制御するBMS(Battery Management System)であってもよい。
【0014】
前記電圧測定部は、前記作動電圧をデジタル信号に変換して前記制御部に伝達するADC(Analog-to-digital converter)であってもよい。
【0015】
本発明の一実施例によるコンタクタ管理方法は、制御部がバッテリパックと外部装置との間に連結されるメインコンタクタと、前記メインコンタクタと並列連結されるプリチャージコンタクタとを制御して前記メインコンタクタを管理する方法であって、前記メインコンタクタが開放される開放イベントが発生する段階と、前記開放イベントが発生すると、車両が運行中である走行モードであるかを判断する段階と、前記走行モードであれば、前記作動電圧が前記メインコンタクタに印加されるように制御する駆動信号のレベルを判断する段階と、前記判断の結果、駆動信号のレベルがイネーブル(enable)レベルであれば、前記プリチャージコンタクタを閉じた後に前記メインコンタクタを閉じ、前記メインコンタクタが閉鎖状態から所定時間経過後に前記プリチャージコンタクタを開放させる段階とを含む。
【0016】
前記車両が運行中である走行モードであるかを判断する段階は、前記車両の速度が予め設定された基準速度を超えるか、前記車両のギヤ変速が後進ギヤ、中立ギヤ、またはドライブギヤであれば、前記走行モードと判断することができる。
【0017】
前記メインコンタクタが開放される開放イベントが発生する段階は、前記メインコンタクタに供給される作動電圧を測定する電圧測定部で測定された作動電圧の変化に基づいて、前記開放イベントの発生を判断することができる。
【0018】
前記コンタクタ管理方法は、前記判断の結果、駆動信号のレベルがディセーブル(disable)レベルであれば、前記メインコンタクタが開放状態を維持するように制御する段階をさらに含むことができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明は、車両の運行が中断された駐車モードであるか、または駆動信号がディセーブルレベルであれば、過電流(high inrush current)が発生しないようにメインコンタクタを開放状態に維持させてメインコンタクタを保護することができる。
【0020】
本発明は、車両が運行中である走行モードであり、駆動信号がイネーブルレベルであれば、メインコンタクタを閉じる時、プリチャージコンタクタを用いてプリチャージ(Pre-Charge)を行うことによって、過電流によってメインコンタクタが損傷しないように保護することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】一実施例によるバッテリシステムを説明する図である。
図2】一実施例によるコンタクタの駆動前後を説明する図である。
図3】一実施例によるコンタクタの駆動前後を説明する図である。
図4】一実施例によるコンタクタ管理方法を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、添付した図面を参照して、本明細書に開示された実施例を詳細に説明し、同一または類似の構成要素には同一、類似の図面符号を付し、これに関する重複した説明は省略する。以下の説明で使用される構成要素に対する接尾辞「モジュール」および/または「部」は、明細書の作成の容易さだけが考慮されて付与または混用されるものであって、それ自体で互いに区別される意味または役割を有するわけではない。また、本明細書に開示された実施例を説明するにあたり、かかる公知の技術に関する具体的な説明が本明細書に開示された実施例の要旨をあいまいにしうると判断された場合、その詳細な説明を省略する。さらに、添付した図面は本明細書に開示された実施例を容易に理解できるようにするためのものに過ぎず、添付した図面によって本明細書に開示された技術的な思想が制限されず、本発明の思想および技術範囲に含まれるあらゆる変更、均等物または代替物を含むことが理解されなければならない。
【0023】
第1、第2などのような序数を含む用語は多様な構成要素を説明するのに使われるが、前記構成要素は前記用語によって限定されない。前記用語は、1つの構成要素を他の構成要素から区別する目的でのみ使用される。
【0024】
ある構成要素が他の構成要素に「連結されて」いるか「接続されて」いると言及された時には、その他の構成要素に直接的に連結されているかまたは接続されていてもよいが、中間に他の構成要素が存在してもよいと理解されなければならない。これに対し、ある構成要素が他の構成要素に「直接連結されて」いるか「直接接続されて」いると言及された時には、中間に他の構成要素が存在しないことが理解されなければならない。
【0025】
本出願において、「含む」または「有する」などの用語は、明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするものであって、1つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものの存在または付加の可能性を予め排除しないことが理解されなければならない。
【0026】
図1は、一実施例によるバッテリシステムを説明する図である。
【0027】
図1を参照すれば、バッテリシステム1は、バッテリパック10と、コンタクタ20と、駆動部30と、電圧測定部(Analog-Digital Converter;ADC)40と、制御部50とを含む。
【0028】
バッテリパック10は、電気的に連結されている複数のバッテリセルを含む。ある実施例において、バッテリセルは、充電可能な二次電池であってもよい。所定数のバッテリセルが直列連結されてバッテリモジュールを構成し、所定数のバッテリモジュールが直列および並列連結されてバッテリパック10を構成して、所望の電力を供給することができる。複数のバッテリセルそれぞれは、配線を介して制御部50、例えば、BMS(Battery Management System)に電気的に連結されている。
【0029】
図1にて、バッテリパック10は、直列連結されている複数のバッテリセルを含み、バッテリシステム1の2つの出力端OUT1、OUT2の間に連結されている。バッテリパック10の正極と出力端OUT1との間にコンタクタ20が連結されている。図1に示された構成および構成間の連結関係は一例で、発明がこれに限定されるものではない。
【0030】
コンタクタ20は、バッテリパック10と外部装置との間に連結され、メインコンタクタ21と、メインコンタクタ21と並列連結されるプリチャージコンタクタ22とを含むことができる。
【0031】
メインコンタクタ21は、イネーブル(enable)レベルの第1駆動信号SC1により閉鎖(close)され、ディセーブル(disable)レベルの第1駆動信号SC1により開放(open)される。メインコンタクタ21が閉鎖(close)されると、バッテリシステム1と外部装置とが電気的に連結されて充電または放電が行われる。例えば、外部装置が負荷の場合、バッテリパック10から負荷に電力が供給される放電動作が行われ、外部装置が充電器の場合、バッテリパック10が充電器によって充電される充電動作になる。メインコンタクタ21が開放(open)されると、バッテリシステム1と外部装置とが電気的に分離、つまり、遮断される。
【0032】
プリチャージコンタクタ22は、プリチャージ抵抗Rと直列連結され、イネーブル(enable)レベルの第2駆動信号SC2により閉鎖(close)され、ディセーブル(disable)レベルの第2駆動信号SC2により開放(open)される。
【0033】
例えば、メインコンタクタ21が閉鎖(close)されると、高電圧バッテリパック10からインバータに電力が供給され、モータ(負荷)が駆動される。高電圧バッテリパック10とインバータのキャパシタとがメインコンタクタ21によって連結される前に、プリチャージコンタクタ22は、インバータのキャパシタがプリチャージ(Pre-Charge)されるようにする。すると、メインコンタクタ21と負荷とが連結される時に発生するサージ電流が減少する。実施例により、プリチャージコンタクタ22は、メインコンタクタ21が閉鎖(close)される前に先に閉鎖(close)され、メインコンタクタ21が閉鎖(close)状態から所定時間経過すると、プリチャージコンタクタ22は再び開放(open)されてサージ電流を減少させることができる。
【0034】
コンタクタ20は、リレー(relay)と区別が明確でなく、混用して用いたりもする。場合によっては、大電力(例えば、5KW以上)の回路を開閉する場合にコンタクタ20、大電力以下(例えば、5KW未満)の回路を開閉する場合はリレーと呼ばれる。コンタクタ20は、独立した回路と連動可能であり、5Vのような低電圧計で構成された回路の動作により大電流の回路を電気的に連結または分離させることができるというメリットがある。また、コンタクタ20内のコイル部分と接点部分とが絶縁および分離されているため、外部の機器とも電気的に絶縁できるというメリットがある。以下、実施例によるコンタクタ20は、リレーを含むことができる。
【0035】
駆動部30は、補助バッテリ31と、第1スイッチ32と、第2スイッチ33とを含むことができる。
【0036】
補助バッテリ31は、メインコンタクタ21およびプリチャージコンタクタ22に電力を供給することができる。補助バッテリ31は、メインコンタクタ21およびプリチャージコンタクタ22それぞれに12Vの作動電圧を供給することができる。例えば、補助バッテリ31は、充電可能な二次電池であってもよい。補助バッテリ31は、バッテリパック10から放電される高電圧電力を作動電圧レベルに下げて補助バッテリ31を充電するDC/DCコンバータ(図示せず)を含むことができる。他の例として、補助バッテリ31は、メインコンタクタ21およびプリチャージコンタクタ22それぞれに作動電圧を供給できる一次電池であってもよい。
【0037】
第1スイッチ32は、メインコンタクタ21と補助バッテリ31との間に連結され、イネーブル(enable)レベルの第1駆動信号SC1によりスイッチングされる。第1スイッチ32は、メインコンタクタ21と補助バッテリ31との間の電気的連結を制御する。
【0038】
イネーブル(enable)レベルの第1駆動信号SC1により第1スイッチ32がオンされると、メインコンタクタ21と補助バッテリ31とが電気的に連結される。すると、補助バッテリ31からメインコンタクタ21に第1作動電圧が供給され、メインコンタクタ21は閉鎖(close)される。ディセーブル(disable)レベルの第1駆動信号SC1により第1スイッチ32がオフされると、メインコンタクタ21と補助バッテリ31とが電気的に分離される。すると、メインコンタクタ21に第1作動電圧が供給されず、メインコンタクタ21は開放(open)される。
【0039】
第2スイッチ33は、プリチャージコンタクタ22と補助バッテリ31との間に連結され、イネーブル(enable)レベルの第2駆動信号SC2によりスイッチングされる。第2スイッチ33は、プリチャージコンタクタ22と補助バッテリ31との間の電気的連結を制御する。
【0040】
イネーブル(enable)レベルの第2駆動信号SC2により第2スイッチ33がオンされると、プリチャージコンタクタ22と補助バッテリ31とが電気的に連結される。すると、補助バッテリ31からプリチャージコンタクタ22に第2作動電圧が供給され、プリチャージコンタクタ22は閉鎖(close)される。ディセーブル(disable)レベルの第2駆動信号SC2により第2スイッチ33がオフされると、プリチャージコンタクタ22と補助バッテリ31とが電気的に分離される。すると、プリチャージコンタクタ22に第2作動電圧が供給されず、プリチャージコンタクタ22は開放(open)される。
【0041】
メインコンタクタ21およびプリチャージコンタクタ22が同一種類のコンタクタの場合、第1作動電圧および第2作動電圧は、同一レベルの電圧であってもよい。実施例により、第1作動電圧および第2作動電圧は、12Vに対応する電圧レベルであってもよいが、これに限定されるものではなく、多様な電圧のレベルが作動電圧に設定可能である。
【0042】
電圧測定部(ADC)40は、メインコンタクタ21およびプリチャージコンタクタ22それぞれに供給される第1および第2作動電圧を測定し、測定された第1および第2作動電圧を第1および第2デジタル信号CV1/CV2に変換することができる。具体的には、電圧測定部(ADC)40は、メインコンタクタ21およびプリチャージコンタクタ22それぞれに供給される第1および第2作動電圧のアナログ値を第1および第2デジタル信号CV1/CV2に変換して制御部50に伝達することができる。
【0043】
例えば、メインコンタクタ21に12Vの第1作動電圧が供給されると、電圧測定部(ADC)40は、12Vの電圧レベルを指示する第1デジタル信号CV1を制御部50に伝達することができる。メインコンタクタ21に第1作動電圧が供給されなければ、電圧測定部(ADC)40は、0Vの電圧レベルを指示する第1デジタル信号CV1を制御部50に伝達することができる。
【0044】
例えば、プリチャージコンタクタ22に12Vの第2作動電圧が供給されると、電圧測定部(ADC)40は、12Vの電圧レベルを指示する第2デジタル信号CV2を制御部50に伝達することができる。プリチャージコンタクタ22に第2作動電圧が供給されなければ、電圧測定部(ADC)40は、0Vの電圧レベルを指示する第2デジタル信号CV2を制御部50に伝達することができる。
【0045】
制御部50は、第1駆動信号SC1および第2駆動信号SC2を駆動部30に伝達して、メインコンタクタ21およびプリチャージコンタクタ22のスイッチングを制御することができる。制御部50は、電圧測定部(ADC)40で測定された第1作動電圧の変化に基づいて、メインコンタクタ21の物理的な開放(open)または閉鎖(close)を判断することができる。実施例により、制御部50は、バッテリシステム1を全般的に制御および管理するバッテリ管理システム(Battery Management System、BMS)で実現できる。
【0046】
例えば、制御部50がイネーブル(enable)レベルの第1駆動信号SC1を駆動部30に伝達しても、様々な影響で第1作動電圧が実際に供給されず、メインコンタクタ21が物理的に開放(open)されることがある。実施例により、制御部50は、第1作動電圧の変化に基づいて、メインコンタクタ21の物理的な開放(open)または閉鎖(close)状態を間違いなく判断することができる。
【0047】
メインコンタクタ21が開放(open)される場合、制御部50は、車両の運行状態および第1駆動信号SC1に基づいて、メインコンタクタ21に対する開放(open)状態の維持または再閉鎖(re-close)を決定することができる。すると、過電流(high inrush current)によってメインコンタクタ21が損傷するのを予防できる。
【0048】
また、制御部50は、メインコンタクタ21に対する再閉鎖(re-close)を決定した場合、プリチャージコンタクタ22を用いてプリチャージ(Pre-Charge)を行い、メインコンタクタ21を閉鎖(close)することができる。すると、過電流によってメインコンタクタ21が損傷するのを予防できる。
【0049】
図2および図3は、一実施例によるコンタクタの駆動前後を説明する図である。
【0050】
図1および図2を参照すれば、コンタクタ20は、電力ラインL上に切れている第1地点と第2地点とを連結または分離して、バッテリパック10と外部装置との間の電流の流れを制御することができる。
【0051】
制御部50がイネーブル(enable)レベルの第1制御信号SC1を駆動部30に伝達すると、第1スイッチ32がオンされる。すると、補助バッテリ31から放電された電力がメインコンタクタ21に供給される。この時、メインコンタクタ21に供給される電力のレベルは、メインコンタクタ21が正常作動するようにする定格作動電圧の範囲(例えば、9V~16V)に属することができる。電圧測定部(ADC)40は、メインコンタクタ21に供給される作動電圧を測定し、測定された作動電圧のレベルを指示する情報を制御部50に伝達することができる。定格作動電圧の範囲は、メインコンタクタ21の種類によって異なる。
【0052】
制御部50がディセーブル(disable)レベルの第1制御信号SC1を駆動部30に伝達すると、第1スイッチ32がオフされる。すると、補助バッテリ31から放電された電力がメインコンタクタ21に供給されない。電圧測定部(ADC)40は、グラウンド(GND)電圧のレベルを指示する情報を制御部50に伝達することができる。
【0053】
図2および図3を参照すれば、例えば、コンタクタ20は、接点部210と、コイル部220と、プランジャユニット214と、ハウジング230とを含むプランジャ型で構成される。しかし、コンタクタ20は、プランジャ型に限定されるものではなく、ヒンジ型電磁リレータイプなど、電子的なスイッチとしてコイルに電流が流れて電磁石になった時、鉄片を引き寄せてその鉄片に付いている接点を開閉する形式で作動する形態のスイッチを含むことができる。
【0054】
接点部210は、第1フィックス接点ユニット211と、第2フィックス接点ユニット212と、ムービング接点ユニット213とを含むことができる。第1フィックス接点ユニット211および第2フィックス接点ユニット212は、電力ラインL上に互いに切れている第1地点および第2地点にそれぞれ連結され、ムービング接点ユニット213は、第1および第2フィックス接点ユニット211、212に対向する位置に所定間隔離隔して配置される。ムービング接点ユニット213は、金属板状に構成される。ムービング接点ユニット213が第1および第2フィックス接点ユニット211、212に接触または分離されて、電力ラインL上の大電流の流れが制御できる。ムービング接点ユニット213と第1および第2フィックス接点ユニット211、212との間の接触または接触解除は、プランジャユニット214の直線往復運動による。
【0055】
例えば、コンタクタ20のスイッチング動作が繰り返されると、疲労度(fatigue degree)が累積され、コンタクタ20は、疲労度の累積で老化して閉鎖(close)状態または開放(open)状態で融着(welding)しうる。融着状態に陥ると、コンタクタ20は、駆動信号SCにより動作できない。具体的には、図2および図3を参照すれば、ムービング接点ユニット213が第1および第2フィックス接点ユニット211、212のうちの少なくとも1つに融着しうる。
【0056】
コイル部220は、ソレノイド作用でプランジャユニット214を直線往復運動するようにする。コイル部220は、コイルを長く巻いて円筒形、つまり、中空形状に形成され、このようなコイル部220の内側に設けられる中央通路にプランジャユニット214が配置される。
【0057】
コンタクタ20は、コイル部220の規格に応じて定格作動電圧が異なる。例えば、コンタクタ20は、所定レベルの作動電圧(例えば、12V)が供給されると、閉鎖(close)動作を行い、作動電圧が供給されなければ、開放(open)動作を行うことができる。電気自動車は、高電圧バッテリパック10のほか、12V電圧の補助バッテリ31を備えて、コンタクタ20に作動電圧を供給する電源として用いることができる。補助バッテリ31は、始動をかけたり、車両の前照など各種電装品の電源としたりして使用可能である。
【0058】
プランジャユニット214は、コイル部220に電流が流れる時、コイル部220のソレノイド作用でコイル部220の中央通路外に動くことができる。この時、ムービング接点ユニット213と第1および第2フィックス接点ユニット211、212とが接触する。そして、コイル部220に電流を遮断すると、プランジャユニット214が元の位置に戻って、ムービング接点ユニット213と第1および第2フィックス接点ユニット211、212とが接触解除できる。
【0059】
プランジャユニット214は、ムービングコア215と、プランジャシャフト216と、フィックスコア217とを含むことができる。
【0060】
ムービングコア215は、金属ブロックであり、前記中央通路で拘束されない状態でコイル部220の電磁力によって動けるように設けられる。プランジャシャフト216は、ムービングコア215から中央通路の長手方向に延びることができ、その末端部は中央通路外でムービング接点ユニット213と結合する。ムービングコア215とプランジャシャフト216は、コイル部220に電流が印加されると一体で動く。
【0061】
フィックスコア217は、ムービングコア215とプランジャシャフト216の移動距離を制限する役割を果たす。フィックスコア217は、コイル部220の中央通路中に固定され、中空形状でプランジャシャフト216は通過できるが、ムービングコア215は通過できない内径を有する。
【0062】
図2および図3を参照すれば、コイル部220に電力が印加される時、コイル部220の電磁力でムービングコア215がフィックスコア217に当接する位置まで+Y軸方向に移動できる。この時、ムービングコア215が移動する距離は、ムービング接点ユニット213と第1および第2フィックス接点ユニット211、212との間の距離に相当する。
【0063】
図4は、一実施例によるコンタクタ管理方法を説明するフローチャートである。
【0064】
以下、図1図4を参照して、コンタクタ管理方法およびその方法を提供するバッテリシステムを説明する。
【0065】
図4を参照すれば、制御部50は、メインコンタクタ21が開放(open)される開放イベントの発生の可否を判断する(S110)。
【0066】
メインコンタクタ21は、第1作動電圧が供給されると閉鎖(close)され、第1作動電圧が供給されなければ開放(open)される。電圧測定部(ADC)40は、メインコンタクタ21に供給される第1作動電圧を測定し、測定された第1作動電圧を第1デジタル信号CV1に変換して制御部50に伝達することができる。
【0067】
例えば、メインコンタクタ21に12Vの第1作動電圧が供給されると、電圧測定部(ADC)40は、12Vの電圧レベルを指示する第1デジタル信号CV1を制御部50に伝達することができる。メインコンタクタ21に第1作動電圧が供給されなければ、電圧測定部(ADC)40は、0Vの電圧レベルを指示する第1デジタル信号CV1を制御部50に伝達することができる。
【0068】
制御部50は、電圧測定部(ADC)40で測定された第1作動電圧の変化に基づいて、メインコンタクタ21の物理的な開放イベント(open event)を判断することができる。制御部50は、第1作動電圧がメインコンタクタ21に供給されなければ、メインコンタクタ21の開放イベントの発生と判断することができる。
【0069】
次に、メインコンタクタ21の開放イベントが発生すると、制御部50は、車両が運行中である走行モードであるか、または車両の運行が中断された駐車モードであるかを判断する(S120)。
【0070】
車両が運行中である走行モードで突然メインコンタクタ21が開放されると、車両の安全に問題(例えば、vehicle stuck)が発生しうるので、メインコンタクタ21が再閉鎖(re-close)される必要がある。
【0071】
制御部50は、車両の速度またはギヤ変速に基づいて、走行モードまたは駐車モードを判断することができる。例えば、車両の速度が予め設定された基準速度(例えば、4Km/h)を超えると、制御部50は、走行モードと判断することができる。車両の速度が予め設定された基準速度以下であれば、制御部50は、駐車モードと判断することができる。例えば、ギヤ変速が後進ギヤ(R)、中立ギヤ(N)、またはドライブギヤ(D)であれば、制御部50は、走行モードと判断することができる。ギヤ変速が駐車ギヤ(P)であれば、制御部50は、駐車モードと判断することができる。
【0072】
次に、走行モードであれば(S120、Yes)、制御部50は、第1駆動信号のレベルがイネーブルレベルであるかを判断する(S130)。
【0073】
第1駆動信号のレベルがイネーブルレベルであれば、運転者がメインコンタクタ21を閉(close)じようとする意志があるものと判断することができる。つまり、車両の状態が走行モードであり、運転者がメインコンタクタ21を閉(close)じようとすれば、制御部50は、メインコンタクタ21が再閉鎖(re-close)されるように制御しなければならない。
【0074】
次に、第1駆動信号のレベルがイネーブルレベルであれば(S130、Yes)、制御部50は、プリチャージコンタクタ22を閉(close)じた後にメインコンタクタ21を閉(close)じ、メインコンタクタ21が閉鎖(close)状態から所定時間経過後にプリチャージコンタクタ22を開放(open)させるプリチャージロジックを行う(S140)。
【0075】
一実施例により、制御部50は、メインコンタクタ21を直ちに閉じずに、プリチャージロジックを行う過程でメインコンタクタ21を閉(close)じることで、過電流によってメインコンタクタ21が損傷するのを予防できる。
【0076】
次に、駐車モードであれば(S120、No)、または第1駆動信号のレベルがディセーブルレベルであれば(S130、No)、制御部50は、メインコンタクタ21を開放された状態に維持させる(S150)。
【0077】
つまり、メインコンタクタ21が閉鎖されることが要求されなければ、閉じずに開放状態に維持して、過電流がメインコンタクタ21に印加されないように制御することができる。
【0078】
以上、本発明の実施例について詳細に説明したが、本発明の権利範囲がこれに限定されるものではなく、本発明の属する分野における通常の知識を有する者が多様に変形および改良した形態も本発明の権利範囲に属する。
図1
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2022-03-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図2
【補正方法】変更
【補正の内容】
図2
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図3
【補正方法】変更
【補正の内容】
図3
【国際調査報告】