IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ヤンセン ファーマシューティカルズ,インコーポレーテッドの特許一覧

特表2022-550729薬物投与に関連付けられたパラメータの測定、及びそれを組み込んだ薬物投与デバイス
<>
  • 特表-薬物投与に関連付けられたパラメータの測定、及びそれを組み込んだ薬物投与デバイス 図1
  • 特表-薬物投与に関連付けられたパラメータの測定、及びそれを組み込んだ薬物投与デバイス 図2
  • 特表-薬物投与に関連付けられたパラメータの測定、及びそれを組み込んだ薬物投与デバイス 図3
  • 特表-薬物投与に関連付けられたパラメータの測定、及びそれを組み込んだ薬物投与デバイス 図4
  • 特表-薬物投与に関連付けられたパラメータの測定、及びそれを組み込んだ薬物投与デバイス 図5A
  • 特表-薬物投与に関連付けられたパラメータの測定、及びそれを組み込んだ薬物投与デバイス 図5B
  • 特表-薬物投与に関連付けられたパラメータの測定、及びそれを組み込んだ薬物投与デバイス 図6
  • 特表-薬物投与に関連付けられたパラメータの測定、及びそれを組み込んだ薬物投与デバイス 図7
  • 特表-薬物投与に関連付けられたパラメータの測定、及びそれを組み込んだ薬物投与デバイス 図8
  • 特表-薬物投与に関連付けられたパラメータの測定、及びそれを組み込んだ薬物投与デバイス 図9
  • 特表-薬物投与に関連付けられたパラメータの測定、及びそれを組み込んだ薬物投与デバイス 図10
  • 特表-薬物投与に関連付けられたパラメータの測定、及びそれを組み込んだ薬物投与デバイス 図11
  • 特表-薬物投与に関連付けられたパラメータの測定、及びそれを組み込んだ薬物投与デバイス 図12
  • 特表-薬物投与に関連付けられたパラメータの測定、及びそれを組み込んだ薬物投与デバイス 図13
  • 特表-薬物投与に関連付けられたパラメータの測定、及びそれを組み込んだ薬物投与デバイス 図14
  • 特表-薬物投与に関連付けられたパラメータの測定、及びそれを組み込んだ薬物投与デバイス 図15
  • 特表-薬物投与に関連付けられたパラメータの測定、及びそれを組み込んだ薬物投与デバイス 図16
  • 特表-薬物投与に関連付けられたパラメータの測定、及びそれを組み込んだ薬物投与デバイス 図17
  • 特表-薬物投与に関連付けられたパラメータの測定、及びそれを組み込んだ薬物投与デバイス 図18
  • 特表-薬物投与に関連付けられたパラメータの測定、及びそれを組み込んだ薬物投与デバイス 図19
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-05
(54)【発明の名称】薬物投与に関連付けられたパラメータの測定、及びそれを組み込んだ薬物投与デバイス
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/20 20060101AFI20221128BHJP
   A61M 5/172 20060101ALI20221128BHJP
   A61M 11/00 20060101ALI20221128BHJP
   B05C 11/10 20060101ALI20221128BHJP
   B05C 11/00 20060101ALI20221128BHJP
   B05C 5/00 20060101ALI20221128BHJP
【FI】
A61M5/20 510
A61M5/172 500
A61M11/00 D
B05C11/10
B05C11/00
B05C5/00 101
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022519002
(86)(22)【出願日】2020-09-24
(85)【翻訳文提出日】2022-05-19
(86)【国際出願番号】 IB2020058969
(87)【国際公開番号】W WO2021059213
(87)【国際公開日】2021-04-01
(31)【優先権主張番号】62/905,454
(32)【優先日】2019-09-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/905,457
(32)【優先日】2019-09-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/905,460
(32)【優先日】2019-09-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/020,942
(32)【優先日】2020-05-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】514010601
【氏名又は名称】ヤンセン ファーマシューティカルズ,インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095360
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100093676
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 純子
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100149010
【弁理士】
【氏名又は名称】星川 亮
(72)【発明者】
【氏名】アルベルティーニ,フランチェスコ エヌ.
(72)【発明者】
【氏名】ベイコス,グレゴリー ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ディウバルディ,アンソニー アール
(72)【発明者】
【氏名】ハリス,ジェイソン エル.
(72)【発明者】
【氏名】ヒューバート,エマ ルイーズ
(72)【発明者】
【氏名】ハッチソン,マイケル
(72)【発明者】
【氏名】カリクマン,デイヴィッド
(72)【発明者】
【氏名】カピル,モニカ エー.
(72)【発明者】
【氏名】クルレヴィッチ,ピーター
(72)【発明者】
【氏名】ルキュイユ,ウーター ジャック ノエル
(72)【発明者】
【氏名】シェルトン,フォース,フレデリック イー.
(72)【発明者】
【氏名】シン,ジャスカラン
(72)【発明者】
【氏名】サボ,ジョージ
(72)【発明者】
【氏名】ヴェソル,スティーヴン エム.
(72)【発明者】
【氏名】ワン,ジンリ
【テーマコード(参考)】
4C066
4F041
4F042
【Fターム(参考)】
4C066AA09
4C066BB01
4C066CC01
4C066CC05
4C066CC07
4C066DD12
4C066DD13
4C066HH02
4C066QQ44
4C066QQ54
4C066QQ62
4C066QQ64
4C066QQ82
4C066QQ84
4C066QQ85
4C066QQ92
4F041AB01
4F041BA42
4F041CB02
4F041CB54
4F042BA02
4F042BA04
4F042BA08
4F042BA11
4F042BA19
4F042BA22
4F042CB03
4F042CB08
4F042DH09
(57)【要約】
本開示は薬物投与に関する。例示的な実施形態では、システムは、薬物を患者に分配するように構成された薬物投与デバイスと、薬物投与デバイスから患者への薬物送達の送達事象を記録するように構成された監視デバイスと、患者への薬物の送達後に患者パラメータを感知するように構成されたセンサと、を含み得る。別の例示的な実施形態では、薬物投与デバイスは、薬物を保持するように構成された薬物ホルダと、薬物を分配するように構成された分配機構と、患者パラメータを感知するように構成されたセンサとを含むことができ、薬物投与デバイスは、患者の標的位置において薬物を局所活性化させるように構成することができる。別の例示的な実施形態では、薬物分配機構の動作がいつ完了したかを評価するための、かつ薬物投与が成功したかどうかを確認するための、方法、デバイス、及びシステムが提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬物投与デバイスからの投与を確認するための方法であって、前記方法は、
前記薬物投与デバイスの分配機構を動作させることと、
少なくとも1つの分配機構パラメータを測定することと、
前記少なくとも1つの分配機構パラメータに基づいて、前記分配機構の前記動作が完了しているかどうかを判定することと、
少なくとも1つの投与パラメータを測定することと、
前記分配機構の前記動作が完了していると判定された場合、前記投与が成功したかどうかを確認するために、前記少なくとも1つの投与パラメータを許容される投与パラメータと比較することと、を含む、方法。
【請求項2】
前記少なくとも1つの分配機構パラメータ及び/又は前記少なくとも1つの投与パラメータに基づいて、前記薬物投与デバイスの更なる動作を変更することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記薬物投与デバイスの前記更なる動作が変更されたことをユーザに通知することを更に含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記薬物投与デバイスの前記更なる動作が変更されたことを前記ユーザに通知することは、視覚フィードバック、聴覚フィードバック、及び触覚フィードバックのうちの1つ以上を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記薬物投与デバイスの前記更なる動作を変更することは、
前記投与の成功が確認されなかった場合、前記薬物投与デバイスの前記更なる動作を防止することを含む、請求項2~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記薬物投与デバイスの前記更なる動作を変更することは、
前記薬物投与デバイスの更なる動作中に投与される投与量を変更することと、
前記薬物投与デバイスにより薬物が投与される頻度を変更することと、
前記薬物投与デバイスからの送達が可能な投薬の最大数を変更することと、
前記薬物投与デバイスにより薬物が投与される速度を変更することと、を含む、請求項2~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記少なくとも1つの分配機構パラメータを測定すること、又は前記少なくとも1つの投与パラメータを測定することは、
前記薬物投与デバイスのモータの速度及び/又は前記モータの動作継続時間を測定することを含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記薬物投与デバイスの前記分配機構を動作させることは、
変位可能構成要素を前記変位可能構成要素の第1の位置から変位させることを含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記少なくとも1つの分配機構パラメータ又は前記少なくとも1つの投与パラメータを測定することは、
前記変位可能構成要素の前記変位を測定することを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記変位可能構成要素の前記変位を測定することは、ホール効果センサを使用することを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記少なくとも1つの分配機構パラメータ又は前記少なくとも1つの投与パラメータを測定することは、
前記薬物投与デバイスにより投与される薬物の流速を測定することを含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記少なくとも1つの投与パラメータを測定することは、
注射部位の近傍に存在する液体の量を決定することを含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記少なくとも1つの投与パラメータを測定することは、
投与の成功に関連付けられている、前記薬物投与デバイスのユーザの生理学的パラメータを測定することを含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記分配機構の動作前及び/又は動作中に、前記薬物投与デバイスの動作状態を評価することを含む、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記薬物投与デバイスの前記動作状態を評価することは、
前記薬物投与デバイスの電源を分析して、投与の成功のために十分な充電を前記電源が有することを検証すること、及び、
前記薬物投与デバイスのユーザに対する、前記薬物投与デバイスの角度方向を感知して、前記感知された角度方向が適切な角度方向であるかどうかを判定すること、のうちの少なくとも1つを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
請求項8に直接的又は間接的に従属する場合、前記薬物投与デバイスの前記動作状態を評価することは、
前記薬物投与デバイスの前記変位可能構成要素を所定の距離だけ移動させることを含む、請求項14又は15に記載の方法。
【請求項17】
前記投与が成功したかどうかをユーザに通知することを更に含む、請求項1~16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記投与が成功したかどうかを前記ユーザに通知することは、視覚フィードバック、聴覚フィードバック、及び触覚フィードバックのうちの1つ以上を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記許容される投与パラメータは、所定の値範囲を含み、前記比較することは、前記測定された少なくとも1つの投与パラメータが前記所定の値範囲内にあるかどうかを判定することを含む、請求項1~18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記許容される投与パラメータは、所定の閾値を含み、前記比較することは、前記測定された少なくとも1つの投与パラメータが前記所定の閾値を超えるかどうかを判定することを含む、請求項1~19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記許容されるパラメータは、所定の閾値を含み、前記比較することは、前記測定された少なくとも1つの投与パラメータが前記所定の閾値を下回るかどうかを判定することを含む、請求項1~20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記薬物は、インフリキシマブ、ゴリムマブ、ウステキヌマブ、ダラツムマブ、グセルクマブ、エポエチンアルファ、リスペリドン、エスケタミン、ケタミン、及びパルミチン酸パリペリドンのうちの少なくとも1つを含む、請求項1~21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
薬物投与デバイスからの投与を確認するための方法であって、前記方法は、
前記薬物投与デバイスの分配機構を動作させることと、
少なくとも1つの分配機構パラメータを測定することと、
前記少なくとも1つの分配機構パラメータに基づいて、前記分配機構の前記動作が完了しているかどうかを判定することと、
前記少なくとも1つの分配機構パラメータに基づいて、ユーザの少なくとも1つの生理学的パラメータを決定することと、
前記分配機構の前記動作が完了していると判定された場合に、前記投与が成功したかどうかを確認するために、前記少なくとも1つの生理学的パラメータを許容される生理学的パラメータと比較することと、を含む、方法。
【請求項24】
前記少なくとも1つの分配機構パラメータを測定することは、薬物の流速を測定することを含み、前記少なくとも1つの生理学的パラメータは、前記ユーザの心拍数である、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記少なくとも1つの分配機構パラメータ及び/又は前記少なくとも1つの生理学的パラメータに基づいて、前記薬物投与デバイスの更なる動作を変更することを更に含む、請求項23又は24に記載の方法。
【請求項26】
前記薬物投与デバイスの前記更なる動作が変更されたことをユーザに通知することを更に含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記薬物投与デバイスの前記更なる動作が変更されたことを前記ユーザに通知することは、視覚フィードバック、聴覚フィードバック、及び触覚フィードバックのうちの1つ以上を含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記薬物投与デバイスの前記更なる動作を変更することは、
前記投与の成功が確認されなかった場合、前記薬物投与デバイスの前記更なる動作を防止することを含む、請求項25~27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
前記薬物投与デバイスの前記更なる動作を変更することは、
前記薬物投与デバイスの更なる動作中に投与される投与量を変更すること、
前記薬物投与デバイスにより薬物が投与される頻度を変更すること、
前記薬物投与デバイスからの送達が可能な投薬の最大数を変更すること、及び/又は、
前記薬物投与デバイスにより薬物が投与される速度を変更すること、を含む、請求項25~27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記薬物投与デバイスの前記分配機構を動作させることは、
変位可能構成要素を前記変位可能構成要素の第1の位置から変位させることを含む、請求項23~29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
前記分配機構を動作させる前に、前記薬物投与デバイスの動作状態を評価することを含む、請求項23~30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
前記薬物投与デバイスの前記動作状態を評価することは、
前記薬物投与デバイスの電源を分析して、前記電源が投与の成功のために十分な充電を有することを検証すること、及び、
前記薬物投与デバイスのユーザに対する、前記薬物投与デバイスの角度方向を感知して、前記感知された角度方向が適切な角度方向であるかどうかを判定すること、のうちの少なくとも1つを含む、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
請求項30に直接的又は間接的に従属する場合、前記薬物投与デバイスの前記動作状態を評価することは、
前記薬物投与デバイスの前記変位可能構成要素を所定の距離だけ移動させることを含む、請求項31又は32に記載の方法。
【請求項34】
前記投与が成功したかどうかをユーザに通知することを含む、請求項23~33のいずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
前記投与が成功したかどうかを前記ユーザに通知することは、視覚フィードバック、聴覚フィードバック、及び触覚フィードバックのうちの1つ以上を含む、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記薬物は、インフリキシマブ、ゴリムマブ、ウステキヌマブ、ダラツムマブ、グセルクマブ、エポエチンアルファ、リスペリドン、エスケタミン、ケタミン、及びパルミチン酸パリペリドンのうちの少なくとも1つを含む、請求項23~35のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
薬物投与システムであって、
薬物投与デバイスであって、前記薬物投与デバイスは、
薬物を分配するように構成された分配機構と、
少なくとも1つの分配機構パラメータを測定して、前記少なくとも1つの分配機構パラメータに関連する分配機構データを出力するように構成された、少なくとも1つのセンサとを備え、
前記システムは、前記分配機構データに基づいて、前記分配機構の動作が完了しているかどうかを判定するように構成されており、
少なくとも1つの投与パラメータを測定して、前記少なくとも1つの投与パラメータに関連する投与データを出力するように構成された、少なくとも1つのセンサを備え、
前記システムは、前記分配機構の前記動作が完了したと判定された場合に、前記投与が成功したかどうかを確認するために、前記投与データを許容される投与データと比較するように構成されている、薬物投与システム。
【請求項38】
薬物投与デバイスであって、
薬物を分配するように構成された分配機構と、
少なくとも1つの分配機構パラメータを測定して、前記少なくとも1つの分配機構パラメータに関連する分配機構データを出力するように構成された、少なくとも1つのセンサとを備え、
前記デバイスは、前記分配機構データに基づいて、前記分配機構の動作が完了しているかどうかを判定するように構成されており、
少なくとも1つの投与パラメータを測定して、前記少なくとも1つの投与パラメータに関連する投与データを出力するように構成された、少なくとも1つのセンサを備え、
前記デバイスは、前記分配機構の前記動作が完了したと判定された場合に、前記投与が成功したかどうかを確認するために、前記投与データを許容される投与データと比較するように構成されている、薬物投与デバイス。
【請求項39】
第1のプロセッサを更に備え、前記第1のプロセッサは、前記分配機構データを受信し、前記分配機構データに基づいて、前記分配機構の前記動作が完了しているかどうかを判定するように構成されている、請求項37に記載のシステム又は請求項38に記載のデバイス。
【請求項40】
第2のプロセッサを更に備え、前記第2のプロセッサは、前記投与データを受信し、前記分配機構の前記動作が完了していると前記第1のプロセッサにより判定された場合、前記投与が成功したかどうかを確認するように構成されている、請求項39に記載のシステム又は請求項39に記載のデバイス。
【請求項41】
前記第2のプロセッサは、前記分配機構データ及び/又は前記投与データに基づいて、前記薬物投与デバイスの更なる動作を変更するように構成されている、請求項40に記載のシステム又は請求項40に記載のデバイス。
【請求項42】
前記薬物投与デバイスの前記更なる動作が変更されたことを前記薬物投与デバイスのユーザに通知するように構成されたインジケータを更に備える、請求項41に記載のシステム又は請求項41に記載のデバイス。
【請求項43】
前記インジケータは、視覚フィードバック、聴覚フィードバック、及び触覚フィードバックのうちの1つ以上を提供するように構成されている、請求項42に記載のシステム又は請求項42に記載のデバイス。
【請求項44】
前記第2のプロセッサが前記薬物投与デバイスの前記更なる動作を変更するように構成されていることは、前記投与の成功が確認されなかった場合、前記第2のプロセッサが、前記薬物投与デバイスの前記更なる動作を防止するように構成されていることを含む、請求項41~43のいずれか一項に記載のシステム又は請求項41~43のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項45】
前記第2のプロセッサが前記薬物投与デバイスの前記更なる動作を変更するように構成されていることは、
前記第2のプロセッサが、前記薬物投与デバイスの更なる動作のいずれかで投与される投与量を変更するように構成されていること、
前記第2のプロセッサが、前記薬物投与デバイスにより前記薬物が投与される頻度を変更するように構成されていること、
前記第2のプロセッサが、前記薬物投与デバイスからの送達が可能な投薬の最大数を変更するように構成されていること、及び/又は、
前記第2のプロセッサが、前記薬物投与デバイスにより前記薬物が投与される速度を変更するように構成されていること、を含む、請求項41~43のいずれか一項に記載のシステム又は請求項41~43のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項46】
前記薬物投与デバイスは、モータを更に備え、前記少なくとも1つの分配センサ及び前記少なくとも1つの投与センサのうちの1つは、前記モータの速度及び/又は前記モータの動作継続時間を測定するように構成されている、請求項37、39~45のいずれか一項に記載のシステム又は請求項38~45のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項47】
少なくとも1つの分配機構パラメータを測定するように構成された前記少なくとも1つのセンサ又は少なくとも1つの投与パラメータを測定するように構成された前記少なくとも1つのセンサは、ホール効果センサを含む、請求項37、39~46のいずれか一項に記載のシステム又は請求項38~46のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項48】
少なくとも1つの分配機構パラメータを測定するように構成された前記少なくとも1つのセンサ又は少なくとも1つの投与パラメータを測定するように構成された前記少なくとも1つのセンサは、体積流量計を含む、請求項37、39~47のいずれか一項に記載のシステム又は請求項38~47のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項49】
少なくとも1つの投与パラメータを測定するように構成された前記少なくとも1つのセンサは、注射部位の近傍に存在する液体の量を測定するように構成された液体検出センサを含む、請求項37、39~48のいずれか一項に記載のシステム又は請求項38~48のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項50】
前記少なくとも1つの投与パラメータを測定するように構成された前記少なくとも1つのセンサは、投与の成功に関連付けられた、前記薬物投与デバイスのユーザの生理学的パラメータを測定するように構成されている、請求項37、39~49のいずれか一項に記載のシステム又は請求項38~49のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項51】
前記プロセッサは、前記薬物分配機構が前記薬物を分配する前及び/又は分配中に、前記薬物投与デバイスの前記動作状態を評価するように構成されている、請求項37、39~50のいずれか一項に記載のシステム又は請求項38~50のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項52】
前記薬物投与デバイスは、電源を更に備え、前記プロセッサは、前記薬物を分配するのに十分な充電を前記電源が有することを前記プロセッサが検証することにより、前記薬物投与デバイスの動作状態を評価するように構成されている、請求項51に記載のシステム又は請求項51に記載のデバイス。
【請求項53】
前記分配機構は、変位可能構成要素を更に備え、前記プロセッサは、前記変位可能構成要素を所定の距離だけ移動させることにより、前記薬物投与デバイスの前記動作状態を評価するように構成されている、請求項51又は52に記載のシステム又は請求項51又は52に記載のデバイス。
【請求項54】
前記投与が成功したかどうかを前記薬物投与デバイスのユーザに通知するように構成されたインジケータを更に備える、請求項37、39~53のいずれか一項に記載のシステム又は請求項38~53のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項55】
前記インジケータは、視覚フィードバック、聴覚フィードバック、又は触覚フィードバックを提供するように構成されている、請求項54に記載のシステム又は請求項54に記載のデバイス。
【請求項56】
前記薬物は、インフリキシマブ、ゴリムマブ、ウステキヌマブ、ダラツムマブ、グセルクマブ、エポエチンアルファ、リスペリドン、エスケタミン、ケタミン、及びパルミチン酸パリペリドンのうちの少なくとも1つを含む、請求項37、39~55のいずれか一項に記載のシステム又は請求項38~55のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項57】
薬物投与デバイスであって、
薬物を分配するように構成された分配機構と、
少なくとも1つの分配機構パラメータを測定し、前記少なくとも1つの分配機構パラメータに関連する分配機構データを出力するように構成された、少なくとも1つのセンサ戸を備え、
前記デバイスは、前記分配機構データに基づいて、前記分配機構の前記動作が完了しているかどうかを判定するように構成されており、
前記分配機構データに基づいて、前記薬物投与デバイスのユーザの少なくとも1つの生理学的パラメータを決定するように構成されたプロセッサを備え、
前記プロセッサは、前記分配機構の前記動作が完了していると判定された場合に、前記投与が成功したかどうかを確認するために、前記少なくとも1つの生理学的パラメータを許容される生理学的パラメータと比較するように構成されている、薬物投与デバイス。
【請求項58】
前記少なくとも1つのセンサは、前記薬物の流速を測定するように構成され、前記少なくとも1つの生理学的パラメータは、前記ユーザの心拍数である、請求項57に記載のデバイス。
【請求項59】
第2のプロセッサを更に備え、前記第2のプロセッサは、前記分配機構データ及び/又は前記少なくとも1つの生理学的パラメータに基づいて、前記薬物投与デバイスの更なる動作を変更するように構成されている、請求項57又は58に記載のデバイス。
【請求項60】
前記薬物投与デバイスの前記更なる動作が変更されたことを前記薬物投与デバイスのユーザに通知するように構成されたインジケータを更に備える、請求項59に記載のデバイス。
【請求項61】
前記インジケータは、視覚フィードバック、聴覚フィードバック、及び触覚フィードバックのうちの1つ以上を提供するように構成されている、請求項60に記載のデバイス。
【請求項62】
前記第2のプロセッサが前記薬物投与デバイスの前記更なる動作を変更するように構成されていることは、
前記投与の成功が確認されなかった場合、前記第2のプロセッサが、前記薬物投与デバイスの前記更なる動作を防止するように構成されていることを含む、請求項59~61のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項63】
前記第2のプロセッサが前記薬物投与デバイスの前記更なる動作を変更するように構成されていることは、
前記第2のプロセッサが、前記薬物投与デバイスの更なる動作のいずれかで投与される投与量を変更するように構成されていること、
前記第2のプロセッサが、前記薬物投与デバイスにより前記薬物が投与される頻度を変更するように構成されていること、
前記第2のプロセッサが、前記薬物投与デバイスからの送達が可能な投薬の最大数を変更するように構成されていること、及び/又は
前記第2のプロセッサが、前記薬物投与デバイスにより前記薬物が投与される速度を変更するように構成されていること、を含む、請求項59~61のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項64】
前記プロセッサは、前記薬物分配機構が前記薬物を分配する前に、前記薬物投与デバイスの前記動作状態を評価するように構成されている、請求項57~63のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項65】
前記薬物投与デバイスは、電源を更に備え、前記プロセッサは、前記薬物を分配するのに十分な充電を前記電源が有することを検証することにより、前記薬物投与デバイスの動作状態を評価するように構成されている、請求項64に記載のデバイス。
【請求項66】
前記分配機構は、変位可能構成要素を更に備え、前記プロセッサは、前記変位可能構成要素を所定の距離だけ移動させることにより、前記薬物投与デバイスの前記動作状態を評価するように構成されている、請求項64又は65に記載のデバイス。
【請求項67】
前記投与が成功したかどうかを前記薬物投与デバイスのユーザに通知するように構成されたインジケータを更に備える、請求項57~66のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項68】
前記インジケータは、視覚フィードバック、聴覚フィードバック、又は触覚フィードバックを提供するように構成されている、請求項67に記載のデバイス。
【請求項69】
前記薬物は、インフリキシマブ、ゴリムマブ、ウステキヌマブ、ダラツムマブ、グセルクマブ、エポエチンアルファ、リスペリドン、エスケタミン、ケタミン、及びパルミチン酸パリペリドンのうちの少なくとも1つを含む、請求項57~67のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項70】
薬物投与及び監視システムであって、
薬物を患者に分配するように構成された薬物投与デバイスと、
前記薬物投与デバイスから前記患者への薬物送達の少なくとも1つの送達イベントを記録するように構成された監視デバイスと、
前記患者への前記薬物の前記送達後に、少なくとも1つの患者パラメータを感知するように構成されたセンサと、を備える、薬物投与及び監視システム。
【請求項71】
前記薬物投与デバイス、前記監視デバイス、及び前記センサは全て、単一デバイス内に互いに統合されている、請求項70に記載の薬物投与及び監視システム。
【請求項72】
前記薬物投与デバイス及び前記監視デバイスは両方とも、単一デバイス内に互いに統合され、前記センサは、スタンドアロン型デバイスである、請求項70に記載の薬物投与及び監視システム。
【請求項73】
前記薬物投与デバイス、前記監視デバイス、及び前記センサはそれぞれ、スタンドアロン型の個別のデバイスである、請求項70に記載の薬物投与及び監視システム。
【請求項74】
前記患者センサは、リアルタイムでの前記患者のインビボ監視のために構成されている、請求項72又は73に記載の薬物投与及び監視システム。
【請求項75】
前記薬物投与デバイス、前記監視デバイス、及び前記センサはそれぞれ、互いにデータ通信することが可能なように構成されている、請求項70~74のいずれか一項に記載の薬物投与及び監視システム。
【請求項76】
前記監視デバイスは、前記薬物投与デバイスから薬物送達事象に関連するデータを受信し、前記センサから前記少なくとも1つの患者パラメータを受信するように構成されている、請求項70~75のいずれか一項に記載の薬物投与及び監視システム。
【請求項77】
前記監視デバイスは、
感知された前記少なくとも1つの患者パラメータに基づいて、前記少なくとも1つの薬物送達事象に関連付けられた前記患者の薬物応答を判定することと、
前記判定された薬物応答及び前記少なくとも1つの薬物送達事象に関連付けられた患者転帰に関連するデータを決定し、かつ記憶することと、を行うように構成されている、請求項70~76のいずれか一項に記載の薬物投与及び監視システム。
【請求項78】
前記患者転帰は、
前記薬物応答が前記患者において感知される、前記少なくとも1つの薬物送達事象後の期間、
前記患者への薬物投与後の所与の時間における、又は所与の期間にわたる、前記決定された薬物応答の強度、及び
前記少なくとも1つの薬物送達事象に関する前記決定された薬物応答に対する持続時間、のうちの1つ以上である、請求項77に記載の薬物投与及び監視システム。
【請求項79】
前記監視デバイスは、
前記患者転帰に基づいて、前記患者又は遠隔患者監視デバイスへの通知を生成するように更に構成されている、請求項70~79のいずれか一項に記載の薬物投与及び監視システム。
【請求項80】
前記センサにより感知される前記少なくとも1つの患者パラメータは、温度、pHレベル、バイオマーカー、グルタチオンレベル、皮膚の厚さ、皮下組織の厚さ、血中酸素濃度、血糖値、血圧、心拍数、及び代謝率、のうちの1つ以上を含む、請求項70~79のいずれか一項に記載の薬物投与及び監視システム。
【請求項81】
前記監視デバイスは、処方投薬スキームに対する、前記少なくとも1つの薬物送達事象の適合性をチェックするように更に構成されている、請求項70~80のいずれか一項に記載の薬物投与及び監視システム。
【請求項82】
前記少なくとも1つの薬物送達事象が前記処方投薬スキームに適合しない場合、前記監視デバイスは、前記患者又は遠隔患者監視デバイスへの通知を生成するように更に構成されている、請求項81に記載の薬物投与及び監視システム。
【請求項83】
前記投薬スキームは、以下の投薬パラメータ、
薬物送達速度、
薬物送達継続時間、
薬物送達体積、及び
薬物送達頻度、のうちの1つ以上を指定する、請求項83に記載の薬物投与及び監視システム。
【請求項84】
外部刺激を検出するように構成された環境センサを更に備える、請求項70~83のいずれか一項に記載の薬物投与及び監視システム。
【請求項85】
前記環境センサは、前記薬物投与デバイスへのユーザ入力、地理的位置、周囲温度、圧力、及び紫外線レベル、のうちの1つ以上を検出するように構成されている、請求項84に記載の薬物投与及び監視システム。
【請求項86】
ユーザインターフェースを更に備え、前記外部刺激は、前記ユーザインターフェースを介して入力されたユーザ入力である、請求項85に記載の薬物投与及び監視システム。
【請求項87】
前記監視デバイスは、
前記感知された少なくとも1つの患者パラメータ及び/又は前記外部刺激に基づいて、前記薬物に関連する副作用の可能性が増加したかどうかを判定することと、
前記副作用の可能性が増加したと判定された場合、前記少なくとも1つの薬物送達事象が前記処方投薬スキームに適合しない場合に、前記患者又は遠隔患者監視デバイスへの通知を生成することと、を行うように更に構成されている、請求項84~86のいずれか一項に記載の薬物投与及び監視システム。
【請求項88】
前記監視デバイスは、デバイスインジケータを備え、前記副作用の可能性が増加したと判定された場合、前記薬物投与デバイスは、前記デバイスインジケータを作動させるように更に構成されている、請求項87に記載の薬物投与及び監視システム。
【請求項89】
前記監視デバイスは、複数の通知を、前記少なくとも1つの薬物送達事象及び/又は前記少なくとも1つの患者パラメータに関連する患者又は遠隔監視デバイスに提供するように構成され、前記複数の通知は、前記少なくとも1つの薬物送達事象及び/又は前記少なくとも1つの患者パラメータに基づいて、所定の優先順位に従って順番に提供される、請求項70~88のいずれか一項に記載の薬物投与及び監視システム。
【請求項90】
前記薬物は、インフリキシマブ、ゴリムマブ、ウステキヌマブ、ダラツムマブ、グセルクマブ、エポエチンアルファ、リスペリドン、エスケタミン、ケタミン、及びパルミチン酸パリペリドンのうちの少なくとも1つを含む、請求項1~89のいずれか一項に記載の薬物投与及び監視システム。
【請求項91】
薬物投与を監視する方法であって、
薬物投与デバイスから患者に薬物を分配することと、
前記患者への前記薬物投与デバイスの少なくとも1つの薬物送達事象を記録することと、
前記患者への薬物の送達及び前記少なくとも1つの薬物送達事象の前記記録に続いて、少なくとも1つの患者パラメータを感知することと、を含む、方法。
【請求項92】
前記薬物は、インフリキシマブ、ゴリムマブ、ウステキヌマブ、ダラツムマブ、グセルクマブ、エポエチンアルファ、リスペリドン、エスケタミン、ケタミン、及びパルミチン酸パリペリドンのうちの少なくとも1つを含む、請求項91に記載の方法。
【請求項93】
薬物投与システムであって、
薬物投与デバイスであって、前記薬物投与デバイスは、
薬物を保持するように構成されている薬物ホルダと、
前記薬物を患者に分配するように構成された分配機構と、を備える、薬物投与デバイスと、
患者パラメータを感知するように構成されている第1のセンサと、を備え、
前記薬物は、前記分配機構により分配され、前記患者に投与された後、前記薬物投与システムは、前記患者の標的位置において前記薬物を局所活性化するように構成され、
前記局所活性化は、前記患者パラメータ及び外部刺激に応答する、薬物投与システム。
【請求項94】
前記外部刺激を感知するように構成された第2のセンサを更に備える、請求項93に記載の薬物投与システム。
【請求項95】
前記第1のセンサ及び/又は前記第2のセンサは、前記薬物投与デバイスに統合されている、請求項94に記載の薬物投与システム。
【請求項96】
前記薬物投与デバイスは、前記薬物が前記患者に投与された後に、前記局所活性化が前記標的位置における予測された局所化時間と一致するような時間だけ、前記局所活性化を遅延させるように構成され、前記予測された局所化時間は、前記感知された患者パラメータ及び前記外部刺激に基づく、請求項93~95のいずれか一項に記載の薬物投与システム。
【請求項97】
前記患者の前記標的位置において前記薬物を局所活性化させるためにエネルギーを供給するように構成されたエネルギー源を更に備える、請求項93~96のいずれか一項に記載の薬物投与システム。
【請求項98】
前記エネルギー源により供給されるエネルギーの量は、前記患者パラメータ及び前記外部刺激に応答する、請求項97に記載の薬物投与システム。
【請求項99】
前記エネルギー源は、光源、超音波源、電磁場源、及び放射性物質のうちの1つ以上を含む、請求項97又は98に記載の薬物投与システム。
【請求項100】
前記薬物投与デバイスは、前記患者の前記標的位置に化学活性化剤を投与して、前記薬物を局所活性化させるように更に構成されている、請求項93~99のいずれか一項に記載の薬物投与システム。
【請求項101】
前記第1のセンサにより感知される前記患者パラメータは、温度、pHレベル、バイオマーカー、グルタチオンレベル、皮膚の厚さ、皮下組織の厚さ、血中酸素濃度、血糖値、血圧、心拍数、及び代謝率、のうちの1つ以上を含む、請求項93~100のいずれか一項に記載の薬物投与システム。
【請求項102】
前記外部刺激は、ユーザ入力、地理的位置、周囲温度、圧力、及び紫外線レベル、のうちの1つ以上を含む、請求項93~101のいずれか一項に記載の薬物投与システム。
【請求項103】
ユーザインターフェースを更に備え、前記外部刺激は、前記ユーザインターフェースを介して入力されたユーザ入力である、請求項102に記載の薬物投与システム。
【請求項104】
前記薬物投与デバイスは、投薬スキームに従って前記患者に前記薬物を投与するように構成されている、請求項93~103のいずれか一項に記載の薬物投与システム。
【請求項105】
前記投薬スキームは、以下の投薬パラメータ、
薬物送達速度、
薬物送達継続時間、
薬物送達体積、及び
薬物送達頻度、のうちの1つ以上を指定する、請求項104に記載の薬物投与システム。
【請求項106】
前記薬物投与デバイスは、オートインジェクタを備え、前記投薬スキームは、以下の投薬パラメータ、
前記患者への前記薬物の投与中における、前記オートインジェクタの吐出ノズルの吐出ノズル前進深さ、
前記患者への前記薬物の投与中における、前記オートインジェクタの前記吐出ノズルの吐出ノズル速度、及び、
前記患者への前記薬物の投与中における、前記オートインジェクタの前記吐出ノズルの吐出ノズル加速度、のうちの1つ以上を指定する、請求項104又は105に記載の薬物投与システム。
【請求項107】
前記投薬スキームは、前記感知された患者パラメータ及び前記外部刺激に基づく、請求項104~106のいずれか一項に記載の薬物投与システム。
【請求項108】
請求項106に従属する場合、前記感知された患者パラメータは、皮下組織の厚さを含み、前記薬物投与デバイスは、前記感知された皮下組織の厚さに基づいて、前記吐出ノズル前進深さを調整するように構成されている、請求項107に記載の薬物投与システム。
【請求項109】
前記薬物投与システムは、
前記感知された患者パラメータ及び/又は前記外部刺激に基づいて、前記薬物に関連する副作用の可能性が増加したかどうかを判定することと、
前記副作用の前記可能性が増加したと判定された場合、前記投薬スキームを調整して、投与される前記薬物の前記投与量を低減させること、及び/又は、前記薬物投与システムの活性化手段であって、前記活性化手段は、前記薬物を局所活性化するように構成されている、活性化手段、を調整して、前記薬物の局所活性化を低減させることと、を行うように更に構成されている、請求項93~108のいずれか一項に記載の薬物投与システム。
【請求項110】
前記薬物投与デバイスは、デバイスインジケータを更に備え、前記副作用の可能性が増加したと判定された場合、前記薬物投与デバイスは、前記デバイスインジケータを作動させるように更に構成されている、請求項109に記載の薬物投与システム。
【請求項111】
前記患者の体内に埋め込まれるように構成された薬物捕捉及び放出機構を更に備える、請求項93~110のいずれか一項に記載の薬物投与システム。
【請求項112】
前記薬物は、インフリキシマブ、ゴリムマブ、ウステキヌマブ、ダラツムマブ、グセルクマブ、エポエチンアルファ、リスペリドン、エスケタミン、ケタミン、及びパルミチン酸パリペリドンのうちの少なくとも1つを含む、請求項93~111のいずれか一項に記載の薬物投与システム。
【請求項113】
請求項1~112のいずれか一項に記載の薬物投与システムを使用して、薬物を患者に投与する方法であって、
前記薬物を前記薬物ホルダから分配して、前記薬物を前記患者に投与することと、
前記患者パラメータに関するデータを前記第1のセンサから受信し、前記外部刺激に関するデータを受信することと、
前記受信されたデータをルックアップテーブルと比較することと、
前記患者の前記標的位置において前記薬物を局所活性化することであって、前記局所活性化は、前記ルックアップテーブルとの前記比較に基づく、ことと、を含む、方法。
【請求項114】
前記薬物の前記局所活性化は、前記薬物の前記分配後に、前記ルックアップテーブルから決定された局所化時間に対応する時間量だけ遅延される、請求項113に記載の方法。
【請求項115】
前記薬物は、インフリキシマブ、ゴリムマブ、ウステキヌマブ、ダラツムマブ、グセルクマブ、エポエチンアルファ、リスペリドン、エスケタミン、ケタミン、及びパルミチン酸パリペリドンのうちの少なくとも1つを含む、請求項113又は114に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に記載の実施形態は、薬物の投与及び/又は提供のためのデバイスに関する。本開示は更に、デバイスが使用され得るシステム、及び投与の方法、並びにシステムに関連付けられた更なる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
医薬製品(大分子及び小分子医薬品、以下「薬物」、を含む)は、特定の医療適応症の治療のために、様々な異なる方法で患者に投与される。投与の様式に関係なく、患者への有害作用を回避するために、薬物を投与する際には注意しなければならない。例えば、安全な量を超える量の薬物を患者に投与しないように、注意しなければならない。これは、与えられる用量の量、及び用量が、時には以前の用量又は他の薬物の用量に関連して送達される時間枠の考慮を必要とする。更に、誤った薬物、又はその年月若しくは保存条件によって劣化した薬物を患者に不注意に投与しないように、注意しなければならない。これらの考慮事項の全ては、特定の薬物又は薬物の組み合わせに関連付けられた手引きで伝達され得る。しかしながら、この手引きは、例えば、ヒューマンエラーなどのミスにより、必ずしも正しく従われない。これは、患者への有害作用につながるか、又は不適切な薬物投与をもたらす可能性があり、例えば、特定の医療適応症に対して、不十分又は過剰な体積の薬が投与される。
【0003】
更に、薬物投与デバイスは動作するかも知れないが、動作を完全に完了しない場合がある、又は薬物の投与に成功しない場合がある。このような動作の完全な完了の欠如、及び投与の不成功はそれぞれ、問題が迅速に特定されない場合、患者を傷つける危険性がある。
【0004】
薬物が患者にどのように投与されるかに関して、使用され得る様々な剤形がある。例えば、これらの剤形は、1つ以上の薬物の非経口、吸入、経口、点眼、点鼻、局所、及び坐剤の形態を含み得る。
【0005】
剤形は、薬物投与デバイスを介して患者に直接投与され得る。シリンジ、注射デバイス(例えば、オートインジェクタ、ジェットインジェクタ、及び注入ポンプ)、点鼻スプレー装置、及び吸入器を含む、様々な剤形の送達に一般的に利用可能な多くの異なるタイプの薬物投与デバイスが存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
一態様では、薬物投与デバイスからの投与を確認するための方法が提供され、本方法は、一実施形態では、薬物投与デバイスの分配機構を動作させることと、少なくとも1つの分配機構パラメータを測定することと、少なくとも1つの分配機構パラメータに基づいて、分配機構の動作が完了しているかどうかを判定することと、少なくとも1つの投与パラメータを測定することと、分配機構の動作が完了していると判定された場合に、投与が成功したかどうかを確認するために、測定された少なくとも1つの投与パラメータを許容される投与パラメータと比較することと、を含む。
【0007】
方法は、様々な変形例を有し得る。例えば、方法は、少なくとも1つの分配機構パラメータ及び/又は少なくとも1つの投与パラメータに基づいて、薬物投与デバイスの更なる動作を変更することを更に含み得る。少なくともいくつかの実施形態では、本方法はまた、薬物投与デバイスの更なる動作が変更されたことをユーザに通知することを含み得る。薬物投与デバイスの更なる動作が変更されたことをユーザに通知することは、視覚フィードバック、聴覚フィードバック、及び触覚フィードバックのうちの1つ以上を含み得る。薬物投与デバイスの更なる動作を変更することは、投与の成功が確認されなかった場合に、薬物投与デバイスの更なる動作を防止することを含み得る。薬物投与デバイスの更なる動作を変更することは、薬物投与デバイスの更なる動作中に投与される投与量を変更すること、薬物投与デバイスにより薬物が投与される頻度を変更すること、薬物投与デバイスからの送達が可能な投薬の最大数を変更すること、及び/又は薬物投与デバイスにより薬物が投与される速度を変更すること、を含み得る。
【0008】
更に別の例では、少なくとも1つの分配機構パラメータを測定すること、又は少なくとも1つの投与パラメータを測定することは、薬物投与デバイスのモータの速度及び/又はモータの動作継続時間を測定することを含み得る。
【0009】
更に別の例では、薬物投与デバイスの分配機構を動作させることは、変位可能構成要素を変位可能構成要素の第1の位置から変位させることを含み得る。少なくともいくつかの実施形態では、少なくとも1つの分配機構パラメータ又は少なくとも1つの投与パラメータを測定することは、変位可能構成要素の変位を測定することを含み得る。変位可能構成要素の変位を測定することは、ホール効果センサを使用することを含み得る。
【0010】
別の例では、少なくとも1つの分配機構パラメータ又は少なくとも1つの投与パラメータを測定することは、薬物投与デバイスにより投与される薬物の流速を測定することを含み得る。更に別の例では、少なくとも1つの投与パラメータを測定することは、注射部位の近傍に存在する液体の量を決定することを含み得る。別の例では、少なくとも1つの投与パラメータを測定することは、投与の成功に関連付けられている、薬物投与デバイスのユーザの生理学的パラメータを測定することを含み得る。
【0011】
更に別の例では、方法は、分配機構の動作前及び/又は動作中に、薬物投与デバイスの動作状態を評価することを含み得る。少なくともいくつかの実施形態では、薬物投与デバイスの動作状態を評価することは、薬物投与デバイスの電源を分析して、投与の成功のために十分な充電を電源が有することを検証すること、及び、薬物投与デバイスのユーザに対する、薬物投与デバイスの角度方向を感知して、感知された角度方向が適切な角度方向であるかどうかを判定すること、のうちの少なくとも1つを含み得る。薬物投与デバイスの動作状態を評価することは、薬物投与デバイスの変位可能構成要素を所定の距離だけ移動させることを含み得る。
【0012】
別の例では、本方法は、投与が成功したかどうかをユーザに通知することを含み得る。少なくともいくつかの実施形態では、投与が成功したかどうかをユーザに通知することは、視覚フィードバック、聴覚フィードバック、及び触覚フィードバックのうちの1つ以上を含み得る。
【0013】
更に別の例では、許容される投与パラメータは、所定の値範囲を含み得、比較することは、測定された少なくとも1つの投与パラメータが所定の値範囲内にあるかどうかを判定することを含み得る。別の例では、許容される投与パラメータは、所定の閾値を含むことができ、比較することは、測定された少なくとも1つの投与パラメータが所定の閾値を超えるかどうかを判定することを含み得る。更に別の例では、許容される投与パラメータは、所定の閾値を含むことができ、比較することは、測定された少なくとも1つの投与パラメータが所定の閾値を下回るかどうかを判定することを含み得る。
【0014】
別の例では、薬物は、インフリキシマブ、ゴリムマブ、ウステキヌマブ、ダラツムマブ、グセルクマブ、エポエチンアルファ、リスペリドン、エスケタミン、ケタミン、及びパルミチン酸パリペリドンのうちの少なくとも1つを含み得る。
【0015】
別の実施形態では、薬物投与デバイスからの投与を確認するための方法は、薬物投与デバイスの分配機構を動作させることと、少なくとも1つの分配機構パラメータを測定することと、少なくとも1つの分配機構パラメータに基づいて、分配機構の動作が完了しているかどうかを判定することと、少なくとも1つの分配機構パラメータに基づいて、ユーザの少なくとも1つの生理学的パラメータを決定することと、分配機構の動作が完了していると判定された場合に、投与が成功したかどうかを確認するために、少なくとも1つの生理学的パラメータを許容される生理学的パラメータと比較することと、を含む。
【0016】
方法は、任意の様々な方法で異なり得る。例えば、少なくとも1つの分配機構パラメータを測定することは、薬物の流速を測定することを含み、少なくとも1つの生理学的パラメータは、ユーザの心拍数であり得る。
【0017】
別の例では、方法は、少なくとも1つの分配機構パラメータ及び/又は少なくとも1つの生理学的パラメータに基づいて、薬物投与デバイスの更なる動作を変更することを更に含み得る。少なくともいくつかの実施形態では、本方法はまた、薬物投与デバイスの更なる動作が変更されたことをユーザに通知することを含み得る。薬物投与デバイスの更なる動作が変更されたことをユーザに通知することは、視覚フィードバック、聴覚フィードバック、及び触覚フィードバックのうちの1つ以上を含み得る。薬物投与デバイスの更なる動作を変更することは、投与の成功が確認されなかった場合、薬物投与デバイスの更なる動作を防止することを含み得る。薬物投与デバイスの更なる動作を変更することは、薬物投与デバイスの更なる動作中に投与される投与量を変更すること、薬物投与デバイスにより薬物が投与される頻度を変更すること、薬物投与デバイスからの送達が可能な投薬の最大数を変更すること、及び/又は薬物投与デバイスにより薬物が投与される速度を変更すること、を含み得る。
【0018】
更に別の例では、薬物投与デバイスの分配機構を動作させることは、変位可能構成要素を変位可能構成要素の第1の位置から変位させることを含み得る。
【0019】
更に別の例では、方法は、分配機構を動作させる前に薬物投与デバイスの動作状態を評価することを更に含み得る。少なくともいくつかの実施形態では、薬物投与デバイスの動作状態を評価することは、薬物投与デバイスの電源を分析して、投与の成功のために十分な充電を電源が有することを検証すること、及び、薬物投与デバイスのユーザに対する、薬物投与デバイスの角度方向を感知し、感知された角度方向が適切な角度方向であるかどうかを判定すること、のうちの少なくとも1つを含み得る。薬物投与デバイスの動作状態を評価することは、薬物投与デバイスの変位可能構成要素を所定の距離だけ移動させることを含み得る。
【0020】
別の例では、本方法は、投与が成功したかどうかをユーザに通知することを更に含み得る。少なくともいくつかの実施形態では、投与が成功したかどうかをユーザに通知することは、視覚フィードバック、聴覚フィードバック、及び触覚フィードバックのうちの1つ以上を含み得る。
【0021】
更に別の例では、薬物は、インフリキシマブ、ゴリムマブ、ウステキヌマブ、ダラツムマブ、グセルクマブ、エポエチンアルファ、リスペリドン、エスケタミン、ケタミン、及びパルミチン酸パリペリドンのうちの少なくとも1つを含み得る。
【0022】
別の態様では、一実施形態において、薬物を分配するように構成された分配機構と、少なくとも1つの分配機構パラメータを測定して、少なくとも1つの分配機構パラメータに関連する分配機構データを出力するように構成された、少なくとも1つのセンサと、を含む薬物投与デバイス、を含む薬物投与システムが提供される。システムは、分配機構データに基づいて、分配機構の動作が完了しているかどうかを判定するように構成されている。システムはまた、少なくとも1つの投与パラメータを測定し、少なくとも1つの投与パラメータに関連する投与データを出力するように構成された、少なくとも1つのセンサを含む。システムは、分配機構の動作が完了したと判定された場合に、投与が成功したかどうかを確認するために、投与データを許容される投与データと比較するように構成されている。
【0023】
薬物投与システムは、様々な方法で異なり得る。例えば、システムは、第1のプロセッサを更に含むことができ、第1のプロセッサは、分配機構データを受信し、分配機構データに基づいて、分配機構の動作が完了しているかどうかを判定するように構成され得る。少なくともいくつかの実施形態では、システムはまた、第2のプロセッサを含むことができ、分配機構の動作が完了していると第1のプロセッサにより判定された場合、第2のプロセッサは、投与データを受信し、投与が成功したかどうかを確認するように構成され得る。第2のプロセッサは、分配機構データ及び/又は投与データに基づいて、薬物投与デバイスの更なる動作を変更するように構成され得る。デバイスはまた、薬物投与デバイスの更なる動作が変更されたことを薬物投与デバイスのユーザに通知するように構成されたインジケータを含むことができる。インジケータは、視覚フィードバック、聴覚フィードバック、及び触覚フィードバックのうちの1つ以上を提供するように構成され得る。第2のプロセッサは、薬物投与デバイスの更なる動作を変更するように構成することができ、第2のプロセッサは、投与の成功が確認されなかった場合、薬物投与デバイスの更なる動作を防止するように構成することができる。第2のプロセッサは、薬物投与デバイスの更なる動作を変更するように構成することができ、第2のプロセッサは、薬物投与デバイスの更なる動作のいずれかで投与される投与量を変更するように、薬物投与デバイスにより薬物が投与される頻度を変更するように、薬物投与デバイスからの送達が可能な投薬の最大数を変更するように、かつ/又は薬物投与デバイスにより薬物が投与される速度を変更するように構成することができる。
【0024】
別の例では、薬物投与デバイスは、モータを更に含むことができ、少なくとも1つの分配センサ及び少なくとも1つの投与センサのうちの1つは、モータの速度及び/又はモータの動作継続時間を測定するように構成され得る。更に別の例では、少なくとも1つの分配機構パラメータを測定するように構成された少なくとも1つのセンサ、又は少なくとも1つの投与パラメータを測定するように構成された少なくとも1つのセンサは、ホール効果センサを含み得る。更に別の例では、少なくとも1つの分配機構パラメータを測定するように構成された少なくとも1つのセンサ、又は少なくとも1つの投与パラメータを測定するように構成された少なくとも1つのセンサは、体積流量計を含み得る。別の例では、少なくとも1つの投与パラメータを測定するように構成された少なくとも1つのセンサは、注射部位の近傍に存在する液体の量を測定するように構成された液体検出センサを含み得る。更に別の例では、少なくとも1つの投与パラメータを測定するように構成された少なくとも1つのセンサは、投与の成功に関連付けられた、薬物投与デバイスのユーザの生理学的パラメータを測定するように構成され得る。
【0025】
別の例では、プロセッサは、薬物分配機構が薬物を分配する前に、かつ/又は分配している間に、薬物投与デバイスの動作状態を評価するように構成され得る。少なくともいくつかの実施形態では、薬物投与デバイスは、電源を更に含むことができ、プロセッサは、薬物を分配するのに十分な充電を電源が有することを検証することにより、薬物投与デバイスの動作状態を評価するように構成され得る。分配機構は、変位可能構成要素を更に含むことができ、プロセッサは、変位可能構成要素を所定の距離だけ移動させることにより、薬物投与デバイスの動作状態を評価するように構成され得る。
【0026】
更に別の例では、システムは、投与が成功したかどうかを薬物投与デバイスのユーザに通知するように構成されたインジケータを含み得る。少なくともいくつかの実施形態では、インジケータは、視覚フィードバック、聴覚フィードバック、又は触覚フィードバックを提供するように構成され得る。
【0027】
別の例では、薬物は、インフリキシマブ、ゴリムマブ、ウステキヌマブ、ダラツムマブ、グセルクマブ、エポエチンアルファ、リスペリドン、エスケタミン、ケタミン、及びパルミチン酸パリペリドンのうちの少なくとも1つを含み得る。
【0028】
別の実施形態では、薬物を保持するように構成された薬物ホルダと、薬物を患者に分配するように構成された分配機構と、を含む薬物投与デバイス、を含む薬物投与システムが提供される。システムはまた、患者パラメータを感知するように構成された第1のセンサを含む。薬物が分配機構により分配され、患者に投与された後、薬物投与システムは、患者の標的位置において薬物を局所活性化させるように構成され、局所活性化は、患者パラメータ及び外部刺激に応答する。
【0029】
このシステムは、諸々のやり方で変えることができる。例えば、システムは、外部刺激を感知するように構成された第2のセンサを更に含み得る。少なくともいくつかの実施形態では、第1のセンサ及び/又は第2のセンサは、薬物投与デバイスと一体であり得る。
【0030】
別の例では、薬物投与デバイスは、薬物が患者に投与された後に、局所活性化が標的位置における予測された局所化時間と一致するような時間だけ、局所活性化を遅延させるように構成することができ、予測された局所化時間は、感知された患者パラメータ及び外部刺激に基づき得る。
【0031】
更に別の例では、システムは、患者の標的位置において薬物を局所活性化するためにエネルギーを供給するように構成されたエネルギー源を更に含み得る。少なくともいくつかの実施形態では、エネルギー源により供給されるエネルギーの量は、患者パラメータ及び外部刺激に応答する可能性がある。エネルギー源は、光源、超音波源、電磁場源、及び放射性物質のうちの1つ以上を含み得る。
【0032】
更に別の例では、薬物投与デバイスは、薬物を局所活性化するために、患者の標的位置に化学活性化剤を投与するように更に構成され得る。更に別の例では、第1のセンサにより感知される患者パラメータは、温度、pHレベル、バイオマーカー、グルタチオンレベル、皮膚の厚さ、皮下組織の厚さ、血中酸素濃度、血糖値、血圧、心拍数、及び代謝率、のうちの1つ以上を含み得る。
【0033】
別の例では、外部刺激は、ユーザ入力、地理的位置、周囲温度、圧力、及び紫外線レベル、のうちの1つ以上を含み得る。少なくともいくつかの実施形態では、システムは、ユーザインターフェースを更に含むことができ、外部刺激は、ユーザインターフェースを介して入力されたユーザ入力であり得る。
【0034】
更に別の例では、薬物投与デバイスは、投薬スキームに従って薬物を患者に投与するように構成され得る。少なくともいくつかの実施形態では、投薬スキームは、以下の投薬パラメータ、薬物送達速度、薬物送達継続時間、薬物送達体積、及び薬物送達頻度、のうちの1つ以上を指定することができる。薬物投与デバイスは、オートインジェクタを含むことができ、投薬スキームは、以下の投薬パラメータ、患者への薬物の投与中における、オートインジェクタの吐出ノズルの吐出ノズル前進深さ、患者への薬物の投与中における、オートインジェクタの吐出ノズルの吐出ノズル速度、及び、患者への薬物の投与中における、オートインジェクタの吐出ノズルの吐出ノズル加速度、のうちの1つ以上を指定することができる。投薬スキームは、感知された患者パラメータ及び外部刺激に基づくことができる。感知された患者パラメータは、皮下組織の厚さを含むことができ、薬物投与デバイスは、感知された皮下組織の厚さに基づいて、吐出ノズルの前進深さを調整するように構成され得る。
【0035】
別の例では、薬物投与システムは、感知された患者パラメータ及び/又は外部刺激に基づいて、薬物に関連する副作用の可能性が増加したかどうかを判定することと、副作用の可能性が増加したと判定された場合、投薬スキームを調整して、投与される薬物の用量を低減させること、及び/又は薬物投与システムの活性化手段を調整して、薬物の局所活性化を低減させることと、を行うように更に構成され得る。活性化手段は、薬物を局所活性化するように構成され得る。薬物投与デバイスは、デバイスインジケータを更に含むことができ、副作用の可能性が増加したと判定された場合、薬物投与デバイスは、デバイスインジケータを作動させるように更に構成され得る。
【0036】
更に別の例では、システムは、患者の体内に埋め込まれるように構成された薬物捕捉及び放出機構を更に含み得る。
【0037】
別の例では、薬物は、インフリキシマブ、ゴリムマブ、ウステキヌマブ、ダラツムマブ、グセルクマブ、エポエチンアルファ、リスペリドン、エスケタミン、ケタミン、及びパルミチン酸パリペリドンのうちの少なくとも1つを含み得る。
【0038】
更に別の例では、薬物投与システムを使用して薬物を患者に投与する方法は、薬物を薬物ホルダから分配して、薬物を患者に投与することと、患者パラメータに関するデータを第1のセンサから受信し、外部刺激に関するデータを受信することと、受信されたデータをルックアップテーブルと比較することと、患者の標的位置において薬物を局所活性化することであって、局所活性化は、ルックアップテーブルとの比較に基づく、ことと、を含み得る。少なくともいくつかの実施形態では、薬物の局所的活性化は、薬物の分配後に、ルックアップテーブルから決定された局所化時間に対応する時間量だけ遅延され得る、かつ/又は、薬物は、インフリキシマブ、ゴリムマブ、ウステキヌマブ、ダラツムマブ、グセルクマブ、エポエチンアルファ、リスペリドン、エスケタミン、ケタミン、及びパルミチン酸パリペリドンのうちの少なくとも1つを含み得る。
【0039】
別の態様では、一実施形態において、薬物を分配するように構成された分配機構と、少なくとも1つの分配機構パラメータを測定し、少なくとも1つの分配機構パラメータに関連する分配機構データを出力するように構成された、少なくとも1つのセンサと、を含む、薬物投与デバイスが提供される。デバイスは、分配機構データに基づいて、分配機構の動作が完了しているかどうかを判定するように構成されている。デバイスはまた、少なくとも1つの投与パラメータを測定し、少なくとも1つの投与パラメータに関連する投与データを出力するように構成された、少なくとも1つのセンサを含む。デバイスは、分配機構の動作が完了したと判定された場合に、投与が成功したかどうかを確認するために、デバイスが投与データを許容される投与データと比較するように構成されている。
【0040】
薬物投与デバイスは、任意の数の変形形態を有し得る。例えば、デバイスは、第1のプロセッサを更に含むことができ、第1のプロセッサは、分配機構データを受信し、分配機構データに基づいて、分配機構の動作が完了しているかどうかを判定するように構成され得る。少なくともいくつかの実施形態では、デバイスはまた、第2のプロセッサを含むことができ、分配機構の動作が完了していると第1のプロセッサにより判定された場合、第2のプロセッサは、投与データを受信し、投与が成功したかどうかを確認するように構成され得る。第2のプロセッサは、分配機構データ及び/又は投与データに基づいて、薬物投与デバイスの更なる動作を変更するように構成され得る。デバイスはまた、薬物投与デバイスの更なる動作が変更されたことを薬物投与デバイスのユーザに通知するように構成されたインジケータを含むことができる。インジケータは、視覚フィードバック、聴覚フィードバック、及び触覚フィードバックのうちの1つ以上を提供するように構成され得る。第2のプロセッサは、薬物投与デバイスの更なる動作を変更するように構成することができ、第2のプロセッサは、投与の成功が確認されなかった場合、薬物投与デバイスの更なる動作を防止するように構成することができる。第2のプロセッサは、薬物投与デバイスの更なる動作を変更するように構成することができ、第2のプロセッサは、薬物投与デバイスの更なる動作のいずれかで投与される投与量を変更するように、薬物が薬物投与デバイスにより投与される頻度を修正するように、かつ/又は薬物投与デバイスにより薬物が投与される速度を変更するように構成することができる。
【0041】
別の例では、薬物投与デバイスは、モータを更に含むことができ、少なくとも1つの分配センサ及び少なくとも1つの投与センサのうちの1つは、モータの速度及び/又はモータの動作継続時間を測定するように構成され得る。更に別の例では、少なくとも1つの分配機構パラメータを測定するように構成された少なくとも1つのセンサ、又は少なくとも1つの投与パラメータを測定するように構成された少なくとも1つのセンサは、ホール効果センサを含み得る。更に別の例では、少なくとも1つの分配機構パラメータを測定するように構成された少なくとも1つのセンサ、又は少なくとも1つの投与パラメータを測定するように構成された少なくとも1つのセンサは、体積流量計を含み得る。別の例では、少なくとも1つの投与パラメータを測定するように構成された少なくとも1つのセンサは、注射部位の近傍に存在する液体の量を測定するように構成された液体検出センサを含み得る。更に別の例では、少なくとも1つの投与パラメータを測定するように構成された少なくとも1つのセンサは、投与の成功に関連付けられた、薬物投与デバイスのユーザの生理学的パラメータを測定するように構成され得る。
【0042】
別の例では、プロセッサは、薬物分配機構が薬物を分配する前に、かつ/又は分配している間に、薬物投与デバイスの動作状態を評価するように構成され得る。少なくともいくつかの実施形態では、薬物投与デバイスは、電源を更に含むことができ、プロセッサは、薬物を分配するのに十分な充電を電源が有することを検証することにより、薬物投与デバイスの動作状態を評価するように構成され得る。分配機構は、変位可能構成要素を更に含むことができ、プロセッサは、変位可能構成要素を所定の距離だけ移動させることにより、薬物投与デバイスの動作状態を評価するように構成され得る。
【0043】
更に別の例では、デバイスは、投与が成功したかどうかを薬物投与デバイスのユーザに通知するように構成されたインジケータを含み得る。少なくともいくつかの実施形態では、インジケータは、視覚フィードバック、聴覚フィードバック、又は触覚フィードバックを提供するように構成され得る。
【0044】
別の例では、薬物は、インフリキシマブ、ゴリムマブ、ウステキヌマブ、ダラツムマブ、グセルクマブ、エポエチンアルファ、リスペリドン、エスケタミン、ケタミン、及びパルミチン酸パリペリドンのうちの少なくとも1つを含み得る。
【0045】
別の実施形態では、薬物投与デバイスは、薬物を分配するように構成された分配機構と、少なくとも1つの分配機構パラメータを測定し、少なくとも1つの分配機構パラメータに関連する分配機構データを出力するように構成された、少なくとも1つのセンサと、を含む。デバイスは、分配機構データに基づいて、分配機構の動作が完了しているかどうかを判定するように構成されている。デバイスはまた、分配機構データに基づいて、薬物投与デバイスのユーザの少なくとも1つの生理学的パラメータを決定するように構成され、分配機構の動作が完了していると判定された場合に、投与が成功したかどうかを確認するために、少なくとも1つの生理学的パラメータを許容される生理学的パラメータと比較するように構成された、プロセッサを含む。
【0046】
薬物投与デバイスは、様々な方法で異なり得る。例えば、少なくとも1つのセンサは、薬物の流速を測定するように構成することができ、少なくとも1つの生理学的パラメータは、ユーザの心拍数であり得る。
【0047】
別の例では、デバイスは、第2のプロセッサを更に含むことができ、第2のプロセッサは、分配機構データ及び/又は少なくとも1つの生理学的パラメータに基づいて、薬物投与デバイスの更なる動作を変更するように構成され得る。少なくともいくつかの実施形態では、デバイスはまた、薬物投与デバイスの更なる動作が変更されたことを薬物投与デバイスのユーザに通知するように構成されたインジケータを含むことができる。インジケータは、視覚フィードバック、聴覚フィードバック、及び触覚フィードバックのうちの1つ以上を提供するように構成され得る。薬物投与デバイスの更なる動作を変更するように構成されている第2のプロセッサは、投与の成功が確認されなかった場合、薬物投与デバイスの更なる動作を防止するように構成されている第2のプロセッサを含み得る。薬物投与デバイスの更なる動作を変更するように構成されている第2のプロセッサは、薬物投与デバイスの更なる動作のいずれかで投与される投与量を変更して、薬物投与デバイスにより薬物が投与される頻度を変更するように構成されている第2のプロセッサ、及び/又は、薬物投与デバイスにより薬物が投与される速度を変更するように構成されている第2のプロセッサ、を含み得る。
【0048】
更に別の例では、プロセッサは、薬物分配機構が薬物を分配する前に、薬物投与デバイスの動作状態を評価するように構成され得る。少なくともいくつかの実施形態では、薬物投与デバイスは、電源を更に含むことができ、プロセッサは、薬物を分配するのに十分な充電を電源が有することを検証することにより、薬物投与デバイスの動作状態を評価するように構成され得る。分配機構は、変位可能構成要素を更に含むことができ、プロセッサは、変位可能構成要素を所定の距離だけ移動させることにより、薬物投与デバイスの動作状態を評価するように構成され得る。
【0049】
別の例では、デバイスは、投与が成功したかどうかを薬物投与デバイスのユーザに通知するように構成されたインジケータを更に含み得る。少なくともいくつかの実施形態では、インジケータは、視覚フィードバック、聴覚フィードバック、又は触覚フィードバックを提供するように構成され得る。
【0050】
更に別の例では、薬物は、インフリキシマブ、ゴリムマブ、ウステキヌマブ、ダラツムマブ、グセルクマブ、エポエチンアルファ、リスペリドン、エスケタミン、ケタミン、及びパルミチン酸パリペリドンのうちの少なくとも1つを含み得る。
【0051】
別の態様では、一実施形態において、薬物を患者に分配するように構成された薬物投与デバイスと、薬物投与デバイスから患者への薬物送達の少なくとも1つの送達イベントを記録するように構成された監視デバイスと、患者への薬物の送達後に、少なくとも1つの患者パラメータを感知するように構成されたセンサと、を備える、薬物投与及び監視システムが提供される。
【0052】
投与及び監視システムは、任意の数の変形形態を有し得る。例えば、薬物投与デバイス、監視デバイス、及びセンサは全て、単一デバイス内に互いに統合され得る。
【0053】
別の例では、薬物投与デバイス及び監視デバイスは両方とも、単一デバイス内に互いに統合され得、センサは、スタンドアロン型のデバイスであり得る。少なくともいくつかの実施形態では、患者センサは、リアルタイムでの患者のインビボ監視のために構成され得る。
【0054】
更に別の例では、薬物投与デバイス、監視デバイス、及びセンサはそれぞれ、スタンドアロン型の個別のデバイスであり得る。少なくともいくつかの実施形態では、患者センサは、リアルタイムでの患者のインビボ監視のために構成され得る。
【0055】
更に別の例では、薬物投与デバイス、監視デバイス、及びセンサはそれぞれ、互いにデータ通信することができるように構成され得る。別の例では、監視デバイスは、薬物投与デバイスから薬物送達事象に関連するデータを受信し、センサから少なくとも1つの患者パラメータを受信するように構成され得る。
【0056】
更に別の例では、監視デバイスは、感知された少なくとも1つの患者パラメータに基づいて、少なくとも1つの薬物送達事象に関連付けられた患者の薬物応答を判定し、判定された薬物応答及び少なくとも1つの薬物送達事象に関連付けられた患者転帰に関連するデータを決定し、かつ記憶するように構成され得る。少なくともいくつかの実施形態では、患者転帰は、薬物応答が患者において感知される、少なくとも1つの薬物送達事象後の期間、患者への薬物投与後の所与の時間における、又は所与の期間にわたる、決定された薬物応答の強度、及び少なくとも1つの薬物送達事象に関する決定された薬物応答に対する持続時間、のうちの1つ以上であり得る。
【0057】
別の例では、監視デバイスは、患者転帰に基づいて、患者又は遠隔患者監視デバイスへの通知を生成するように更に構成され得る。更に別の例では、センサにより感知される少なくとも1つの患者パラメータは、温度、pHレベル、バイオマーカー、グルタチオンレベル、皮膚の厚さ、皮下組織の厚さ、血中酸素濃度、血糖値、血圧、心拍数、及び代謝率、のうちの1つ以上を含み得る。
【0058】
更に別の例では、監視デバイスは、処方投薬スキームに対する、少なくとも1つの薬物送達事象の適合性をチェックするように更に構成され得る。少なくともいくつかの実施形態では、監視デバイスは、少なくとも1つの薬物送達事象が処方投薬スキームに適合しない場合、患者又は遠隔患者監視デバイスへの通知を生成するように更に構成され得る。投薬スキームは、以下の投薬パラメータ、薬物送達速度、薬物送達継続時間、薬物送達体積、及び薬物送達頻度、のうちの1つ以上を指定することができる。
【0059】
別の例では、システムは、外部刺激を検出するように構成された環境センサを含み得る。少なくともいくつかの実施形態では、環境センサは、薬物投与デバイスへのユーザ入力、地理的位置、周囲温度、圧力、及び紫外線レベル、のうちの1つ以上を検出するように構成され得る。システムはまた、ユーザインターフェースを含むことができ、外部刺激は、ユーザインターフェースを介して入力されたユーザ入力であり得る。監視デバイスはまた、感知された少なくとも1つの患者パラメータ及び/又は外部刺激に基づいて、薬物に関連する副作用の可能性が増加したかどうかを判定することと、副作用の可能性が増加したと判定された場合、少なくとも1つの薬物送達事象が処方投薬スキームに適合しない場合に、患者又は遠隔患者監視デバイスへの通知を生成することと、を行うように更に構成され得る。監視デバイスは、デバイスインジケータを含むことができ、副作用の可能性が増加したと判定された場合、薬物投与デバイスは、デバイスインジケータを作動させるように更に構成され得る。
【0060】
更に別の例では、監視デバイスは、少なくとも1つの薬物送達事象及び/又は少なくとも1つの患者パラメータに関連する複数の通知を、患者又は遠隔監視デバイスに提供するように構成することができ、複数の通知は、少なくとも1つの薬物送達事象及び/又は少なくとも1つの患者パラメータに基づいて、所定の優先順位に従って順番に提供することができる。
【0061】
別の例では、薬物は、インフリキシマブ、ゴリムマブ、ウステキヌマブ、ダラツムマブ、グセルクマブ、エポエチンアルファ、リスペリドン、エスケタミン、ケタミン、及びパルミチン酸パリペリドンのうちの少なくとも1つを含み得る。
【0062】
別の態様では、薬物投与を監視する方法が提供され、本方法は、一実施形態では、薬物投与デバイスから患者に薬物を分配することと、患者への薬物投与デバイスの少なくとも1つの薬物送達事象を記録することと、患者への薬物の送達及び少なくとも1つの薬物送達事象の記録に続いて、少なくとも1つの患者パラメータを感知することと、を含む。
【0063】
方法は、様々な変形例を有し得る。別の例では、薬物は、インフリキシマブ、ゴリムマブ、ウステキヌマブ、ダラツムマブ、グセルクマブ、エポエチンアルファ、リスペリドン、エスケタミン、ケタミン、及びパルミチン酸パリペリドンのうちの少なくとも1つを含み得る。
【図面の簡単な説明】
【0064】
本発明は、以下のとおりである添付の図を参照して説明される。
図1】第1のタイプの薬物投与デバイス、すなわちオートインジェクタの概略図である。
図2】第2のタイプの薬物投与デバイス、すなわち注入ポンプの概略図である。
図3】第3のタイプの薬物投与デバイス、すなわち吸入器の概略図である。
図4】第4のタイプの薬物投与デバイス、すなわち点鼻スプレー装置の概略図である。
図5A】一般的な薬物投与デバイスの概略図である。
図5B】ユニバーサル薬物投与デバイスの概略図である。
図6】剤形のハウジングの概略図である。
図7】薬物投与デバイス及びハウジングが動作し得る通信ネットワークシステムの一実施形態の概略図である。
図8】薬物投与デバイス及びハウジングが動作し得るコンピュータシステムの一実施形態の概略図である。
図9】体積流量計及びホール効果センサを備える薬物投与デバイスの一実施形態の概略図である。
図10】薬物投与デバイスからの投与を確認する方法の一実施形態のフロー図である。
図11】本明細書に記載される薬物投与デバイス及びシステムと共に使用する監視システムの一実施形態の概略図である。
図12】本明細書に記載される薬物投与デバイス及びシステムと共に使用するセンサ通信の一実施形態の概略図である。
図13】通知優先度マトリックスの一実施形態のフロー図である。
図14】薬物投与デバイスと共に動作するセンサの一実施形態の概略図である。
図15】薬物ホルダの一実施形態の概略図である。
図16図15の薬物ホルダを含む薬物送達システムの一実施形態の概略図である。
図17】第1の液体薬物と第2の液体薬物とを混合するように構成された薬物投与デバイスの一実施形態の概略図である。
図18】第1の液体薬物と第2の固体薬物とを混合するように構成された薬物投与デバイスの一実施形態の概略図である。
図19】局所活性化が用いられる薬物送達システムの一実施形態の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0065】
本明細書に開示される装置、システム、及び方法の構造、機能、製造、及び使用の原理が総括的に理解されるように、特定の例示的実施形態について、これから説明する。これらの実施形態のうちの1つ以上の実施例が、添付の図面に例解される。当業者であれば、本明細書で具体的に説明され、添付の図面に示されるデバイス、システム、及び方法は、非限定的な例示的実施形態であり、本発明の範囲は、特許請求の範囲のみによって定義されることを理解するであろう。例示的な一実施形態に関連して例解又は記載される特徴は、他の実施形態の特徴と組み合わせることができる。このような改変及び変形は、本発明の範囲内に含まれるものとする。
【0066】
更に、本開示においては、実施形態の同様の名称の構成要素は概して同様の特徴を有するものであり、したがって、特定の実施形態において、同様の名称の各構成要素の各特徴については必ずしも完全に詳しく述べることはしない。追加的に、開示されるシステム、デバイス、及び方法の説明で直線寸法又は円寸法が使用される範囲において、かかる寸法は、かかるシステム、デバイス、及び方法と組み合わせて使用することができる形状の種類を限定しようとするものではない。当業者には、任意の幾何学的形状についてかかる直線寸法及び円寸法に相当する寸法を容易に決定することができる点が認識されるであろう。当業者は、寸法が正確な値ではなくても、製作公差及び測定機器の感度などの諸々の要因により、その値に近い値であると考えられることを理解するであろう。システム及びデバイスのサイズ及び形状、並びにそれらの構成要素は、システム及びデバイスが共に使用される、少なくとも構成要素のサイズ及び形状に依存し得る。
【0067】
様々なタイプの薬物投与デバイスの例、すなわち、オートインジェクタ100、注入ポンプ200、吸入器300、及び点鼻スプレー装置400が、上記の参照図を参照して、以下に説明される。
【0068】
オートインジェクタ
図1は、本明細書に記載の実施形態で使用可能な、第1のタイプの薬物送達デバイス、すなわち注射デバイス、この例では、オートインジェクタ100の概略的例示的な図である。オートインジェクタ100は、分配される薬物を保持する薬物ホルダ110と、薬物が患者に投与され得るように、薬物ホルダ110から薬物を分配するように構成されている分配機構120と、を備える。薬物ホルダ110は、典型的には、薬物を収容する容器の形態であり、例えば、薬物ホルダ110は、シリンジ若しくはバイアルの形態で提供され得るか、又は薬物を保持し得る任意の他の好適な容器であり得る。オートインジェクタ100は、吐出ノズル122、例えば、薬物ホルダ110の遠位端に設けられたシリンジの針を備える。分配機構120は、駆動要素124を備え、駆動要素自体はまた、ピストン及び/又はピストンロッド、並びに駆動機構126を備え得る。分配機構120は、薬物ホルダ110の端部の近位に、かつオートインジェクタ100の近位端に向かって位置する。
【0069】
オートインジェクタ100は、ハウジング130であって、ハウジング130の本体内に薬物ホルダ110と、駆動要素124と、駆動機構126とを収容するだけでなく、注入前には、典型的にはハウジング内に完全に収容されるが、注射シーケンスの間、薬物を送達するためにハウジング130から延び出す吐出ノズル122も収容する、ハウジング130、を備える。分配機構120は、薬物を吐出ノズル122を通して分配するために、駆動要素124が、薬物ホルダ110を通って前進され、それによって、オートインジェクタが、薬物ホルダ110内に保持された薬物を患者に投与することを可能にするように配置される。場合によっては、ユーザが、駆動要素124を薬物ホルダ110を通して手動で前進させてもよい。他の場合には、駆動機構126は、ユーザ支援なしに駆動要素124を前進させる貯蔵エネルギー源127を含み得る。貯蔵エネルギー源127は、ばね、又は加圧ガス、又は電子的に動力供給される(electronically powered)モータ及び/又はギアボックスなどの弾性付勢部材を含み得る。
【0070】
オートインジェクタ100は、分配機構保護機構140を含む。分配機構保護機構140は、典型的には、2つの機能を有する。第1に、分配機構保護機構140は、注入前及び注入後の吐出ノズル122へのアクセスを防止するように機能し得る。第2に、オートインジェクタ100は、作動状態にされる、例えば、分配機構保護機構140がロック解除位置に移動されると、分配機構120が作動され得るように、機能することができる。
【0071】
保護機構140は、薬物ホルダ110が、ハウジング130内の近位側で後退位置にあるときに、吐出ノズル122の少なくとも一部を覆う。これは、吐出ノズル122と、ユーザとの間の接触を妨げるためである。代替的又は追加的に、保護機構140は、それ自体が近位に後退して、吐出ノズル122を露出させるように構成されており、その結果、吐出ノズル122は、患者と接触させられ得る。保護機構140は、シールド部材141と、戻りばね142と、を備える。戻りばね142は、シールド部材141をハウジング130から延在させ、それによって、保護機構140の遠位端に力が印加されていないときに、吐出ノズル122を覆うように作用する。ユーザが、戻りばね142の付勢を克服するように、戻りばね142の作用に抗してシールド部材141に力を印加すると、シールド部材141がハウジング130内で後退し、それによって、吐出ノズル122を露出させる。保護機構140は、代替的又は追加的に、ハウジング130を越えて吐出ノズル122を延在させるための延長機構(図示せず)を備え得、ハウジング130内に吐出ノズル122を後退させるための後退機構(図示せず)を更に備え得る。保護機構140は、代替的又は追加的に、オートインジェクタ100に取り付けられ得るハウジングキャップ及び/又は吐出ノズルブーツを備え得る。ハウジングキャップを取り外すと、典型的には、吐出ノズル122から吐出ノズルブーツも取り外される。
【0072】
オートインジェクタ100は、トリガー150も含む。トリガー150は、オートインジェクタ100のユーザによってアクセス可能であるように、ハウジング130の外面上に位置するトリガーボタン151を備える。トリガー150が、ユーザによって押圧されると、トリガー150は、駆動機構126を解放するように作用し、その結果、駆動要素124を介して、薬物が、次に、吐出ノズル122を介して薬物ホルダ110から追い出される。
【0073】
トリガー150はまた、例えば、シールド部材141の遠位端を患者の皮膚に対して押すことによって、シールド部材141が、近位側で十分にハウジング130内のロック解除位置に後退されるまで、トリガー150が作動されるのを防止するような方法で、シールド部材141と協働し得る。これがなされると、トリガー150がロック解除され、トリガー150が押圧され得、次いで、注射及び/又は薬物送達シーケンスが開始されるように、オートインジェクタ100が、作動される。代替的に、シールド部材141を単独で近位方向にハウジング130内へ後退させることは、駆動機構126を作動させ、注射及び/又は薬物送達シーケンスを開始するように作用し得る。このようにして、オートインジェクタ100は、例えば、分配機構120の偶発的な解放、及び/又はトリガー150の偶発的な作動を防止することによって、薬物の分配を防止するデバイス動作防止機構を有する。
【0074】
前述の説明は、オートインジェクタの一例に関するが、この例は、純粋に例示のために提示されたものであり、本発明は、そのようなオートインジェクタだけに限定されない。当業者は、記載されたオートインジェクタに対する様々な修正が、本開示の範囲内で実施され得ることを理解する。
【0075】
本開示のオートインジェクタは、エピネフリン、Rebif、エンブレル、Aranesp、アトロピン、塩化プラリドキシム、及びジアゼパムのいずれかなどの様々な薬物のいずれかを投与するために使用され得る。
【0076】
注入ポンプ
他の状況では、患者は、薬剤の正確な連続送達か、又は設定された周期的な間隔での定期的又は頻繁な薬剤送達を必要とし得る。注入ポンプは、医療専門家又は患者による頻繁な注意を必要とせずに、薬物濃度を治療限界内に保つ正確な速度での薬物の投与を容易にすることによって、そのような制御された薬物注入を提供し得る。
【0077】
図2は、本明細書に記載の実施形態で使用可能な、第2のタイプの薬物送達デバイス、すなわち注入ポンプ200の概略的例示的な図である。注入ポンプ200は、送達される薬物を収容するためのリザーバの形態の薬物ホルダ210と、薬物が患者に送達され得るように、リザーバ内に収容された薬物を分配するように適合されたポンプ216を備える分配機構220と、を備える。注入ポンプのこれらの構成要素は、ハウジング230内に位置する。分配機構220は、注入ライン212を更に備える。薬物は、ポンプ216の作動時に、カニューレの形態をとり得る注入ライン212を介して、リザーバから送達される。ポンプ216は、エラストマポンプ、蠕動ポンプ、浸透圧ポンプ、又はシリンジ内のモータ制御ピストンの形態をとり得る。典型的には、薬物は、静脈内に送達されるが、皮下、動脈、及び硬膜外注射も使用され得る。
【0078】
本開示の注入ポンプは、インスリン、アントロピン硫酸塩、アビバクタムナトリウム、ベンダムスチン塩酸塩、カルボプラチン、ダプトマイシン、エピネフリン、レベチラセタム、オキサリプラチン、パクリタキセル、パントプラゾールナトリウム、トレプロスチニル、バソプレシン、ボリコナゾール、及びゾレドロン酸のいずれかなどの様々な薬物のいずれかを投与するために使用され得る。
【0079】
注入ポンプ200は、制御回路、例えば、メモリ297及びユーザインターフェース280に加えて、プロセッサ296を更に備え、これらは一緒に、トリガー機構及び/又はポンプ200のための投与量セレクタを提供する。ユーザインターフェース280は、注入ポンプ200のハウジング230上に位置する表示画面によって実装され得る。制御回路及びユーザインターフェース280は、ハウジング230内に、又はその外部に位置し、ポンプ216と有線又は無線インターフェースを介して通信して、その動作を制御し得る。
【0080】
ポンプ216の作動は、ポンプの動作を制御するためにポンプ216と通信するプロセッサ296によって制御される。プロセッサ296は、ユーザインターフェース280を介して、ユーザ(例えば、患者又は医療専門家)によってプログラムされ得る。これにより、注入ポンプ200が、制御された方式で薬物を患者に送達することが可能になる。ユーザは、注入持続時間及び送達速度などのパラメータを入力することができる。送達速度は、ユーザによって、一定の注入速度に、又は周期的な送達のための、典型的には事前にプログラムされた限界内の設定間隔として設定され得る。ポンプ216を制御するためのプログラムされたパラメータは、プロセッサ296と通信するメモリ297に記憶され、メモリ297から取り出される。ユーザインターフェース280は、タッチスクリーン又はキーパッドの形態をとり得る。
【0081】
電源295は、ポンプ216に電力を供給し、ポンプ216と一体であるエネルギー源及び/又はポンプ216を外部電源に接続するための機構の形態をとり得る。
【0082】
注入ポンプ200は、その指定された使用に応じて、様々な異なる物理的形態をとり得る。注入ポンプ200は、例えば、患者の枕元で使用するための、固定された非携帯式デバイスであってもよく、又は携帯式又はウェアラブルであるように設計された携行式注入ポンプであってもよい。一体型電源295は、携行式注入ポンプに特に有益である。
【0083】
前述の説明は、注入ポンプの一例に関するが、この例は、純粋に例示のために提供されている。本開示は、そのような注入ポンプに限定されない。当業者は、記載された注入ポンプに対する様々な修正が、本開示の範囲内で実施され得ることを理解する。例えば、プロセッサは、注入ポンプがユーザインターフェースを含む必要がないように、予めプログラムされてもよい。
【0084】
吸入器
図3は、第3のタイプの薬物投与デバイス、すなわち吸入器300の概略図である。吸入器300は、キャニスタの形態の薬物ホルダ310を含む。薬物ホルダ310は、典型的には、好適な担体液体を用いて溶液又は懸濁液の状態にある薬物を収容する。吸入器300は、薬物ホルダ310を加圧するための加圧ガスと、バルブ325と、ノズル321と、を含む分配機構320を更に備える。バルブ325は、薬物ホルダ310の出口を形成する。バルブ325は、薬物ホルダ310内に形成された狭い開口部324と、開口部324を制御する可動要素326と、を備える。可動要素326が休止位置にあるとき、バルブ325は、開口部324が閉じられ、薬物ホルダ310が封止される閉鎖状態又は非作動状態にある。可動要素326が休止位置から作動位置に作動されると、バルブ325は、開口部324が開いている開放状態に作動される。休止位置から作動位置への可動要素326の作動は、可動要素326を薬物ホルダ310内に移動させることを含む。可動要素326は、休止位置に弾性的に付勢される。バルブ325の開放状態では、加圧ガスが、好適な液体を用いて溶液又は懸濁液の状態にある薬物を、開口部324を通して高速で薬物ホルダ310から押し出す。狭い開口部324を通る液体の高速通過により、液体が、霧化される、すなわち、バルク液体から液体の微細な液滴のミスト及び/又はガス雲に変換される。患者は、微細な液滴のミスト及び/又はガス雲を呼吸経路内に吸入し得る。したがって、吸入器300は、薬物ホルダ310内に保持された薬物を患者の呼吸経路内に送達することができる。
【0085】
薬物ホルダ310は、吸入器300のハウジング330内に取り外し可能に保持される。ハウジング330内に形成された通路333は、ハウジング330内の第1の開口部331と、ハウジング330内の第2の開口部332とを接続する。薬物ホルダ310は、通路333内に受容される。薬物ホルダ310は、ハウジング330の第1の開口部331を通して通路333内に摺動可能に挿入可能である。ハウジング330の第2の開口部332は、患者の口内に配置されるように構成されたマウスピース322、又は患者の鼻孔内に配置されるように構成されたノーズピース、又は患者の口及び鼻の上に配置されるように構成されたマスクを形成する。薬物ホルダ310、第1の開口部331、及び通路333は、空気が、第1の開口部331と第2の開口部332との間で、薬物ホルダ310の周りで通路333を通って流れ得るようにサイズ決めされる。吸入器300は、マウスピース322に勘合され得るキャップ(図示せず)の形態の分配機構保護機構140を備えてもよい。
【0086】
吸入器300は、トリガー350であって、トリガー350が作動されたときに、バルブ325を作動させるように構成されたバルブ作動特徴部355を含む、トリガー350、を更に備える。バルブ作動特徴部355は、通路333内へのハウジング330の突出部である。薬物ホルダ310は、第1の位置から第2の位置へ、通路333内で摺動可能に移動可能である。第1の位置では、休止位置の可動要素326の端部が、バルブ作動特徴部355に当接する。第2の位置では、薬物ホルダ310は、バルブ作動特徴部355が、可動要素326を薬物ホルダ310内に移動させて、バルブ325を開放状態に作動させるように、バルブ作動特徴部355に向かって変位され得る。ユーザの手が、薬物ホルダ310を、弾性的に付勢された可動要素326に抗して、第1の位置から第2の位置に移動させるために必要な力を提供する。バルブ作動特徴部355は、ノズル321に接続された入口356を含む。バルブ作動特徴部355の入口356は、排出された液滴のミスト及び/又はガス雲が、入口356に入り、ノズル321から通路333内に出ることができるように、バルブ325の開口部324に結合するようにサイズ決めされ、位置付けられる。ノズル321は、液滴のミスト及び/又はガス雲へのバルク液体の霧化を支援する。
【0087】
バルブ325は、計量機構370を提供する。計量機構370は、測定された量の液体、したがって薬物が、開口部324を通過した後に、バルブを閉じるように構成されている。これにより、制御された用量が患者に投与されることが可能になる。典型的には、液体の測定量は事前設定されているが、吸入器300は、液体の定義された量を変化させるようにユーザ操作可能な投与量セレクタ360を備えてもよい。
【0088】
前述の説明は、吸入器の1つの特定の例に関するが、この例は、純粋に例示的なものである。説明は、そのような吸入器のみに限定されるものとして見なされるべきではない。当業者は、多数の他のタイプの吸入器及びネブライザが、本開示と共に使用され得ることを理解する。例えば、薬物は、粉末形態であり得るか、薬物は、液体形態であり得るか、又は薬物は、超音波振動、圧縮ガス、振動メッシュ、又は熱源を含む他の形態の分配機構320によって霧化され得る。
【0089】
本開示の吸入器は、モメタゾン、フルチカゾン、シクレソニド、ブデソニド、ベクロメタゾン、ビランテロール、サルメテロール、フォルモテロール、ウメクリジニウム、グリコピロレート、チオトロピウム、アクリジニウム、インダカテロール、サルメテロール、及びオロダテロールのいずれかなどの様々な薬物のいずれかを投与するために使用され得る。
【0090】
点鼻スプレー装置
図4は、第4のタイプの薬物投与デバイス、すなわち、点鼻スプレー装置400の概略図である。点鼻スプレー装置400は、薬物を患者の鼻内に放出するように構成されている。点鼻スプレー装置400は、デバイス400から患者に送達するために、内部に薬物を収容するように構成された薬物ホルダ402を含む。薬物ホルダ102は、ボトルリザーバ、カートリッジ、バイアル(この例示的な実施形態におけるような)、ブローフィルシール(Blow-Fill-Seal、BFS)カプセル、ブリスタパックなどの様々な構成を有し得る。例示的な一実施形態では、薬物ホルダ402は、バイアルである。例示的なバイアルは、1つ以上の材料、例えば、ガラス、ポリマー(複数可)などで形成される。いくつかの実施形態では、バイアルは、ガラスで形成され得る。他の実施形態では、バイアルは、1つ以上のポリマーから形成することができる。更に他の実施形態では、バイアルの異なる部分は、異なる材料で形成され得る。例示的なバイアルは、本明細書において説明され、図面に示されるように、内部に薬物を密封及び貯蔵することを容易にする様々な特徴を有し得る。しかしながら、バイアルがこれらの特徴のうちのいくつかのみを含み得ること、及び/又は当該技術分野で公知の様々な他の特徴を含み得ることを当業者は認識するであろう。本明細書で説明されるバイアルは、特定の例示的な実施形態を表すことを意図したものに過ぎない。
【0091】
薬物が点鼻スプレー装置400を出る、点鼻スプレー装置400の開口部404は、点鼻スプレー装置400の分配ヘッド406内の中で、分配ヘッド406の先端部408内に形成される。先端部408は、患者の鼻孔に挿入されるように構成されている。例示的な一実施形態では、先端部408は、点鼻スプレー装置400の動作の第1の段階中、患者の第1の鼻孔に、点鼻スプレー装置400の動作の第2の段階中、患者の第2の鼻孔に、挿入されるように構成される。動作の第1及び第2の段階は、第1の用量の薬物が送達されることに対応する第1の作動と、第2の用量の薬物が送達されることに対応する第2の作動との、点鼻スプレー装置400の2つの別個の作動を伴う。いくつかの実施形態では、点鼻スプレー装置400は、1つの鼻噴霧を送達するために、1回だけ作動されるように構成される。いくつかの実施形態では、点鼻スプレー装置400は、例えば、4回、5回、6回、7回、8回、9回、10回など、3回以上の鼻噴霧を送達するために、3回以上作動されるように構成される。
【0092】
分配ヘッド406は、分配ヘッド406の長手方向軸が、先端部408が挿入される鼻孔の長手方向軸と実質的に整列されるように、患者の第1及び第2の鼻孔の間の患者の皮膚に接触するように構成された深さガイド410を含む。当業者は、製作公差及び測定装置の感度などの任意の数の要因に起因して、長手方向軸が、正確に整列され得ない可能性はあるが、実質的に整列されたと見なされ得ることを理解するであろう。
【0093】
例示的な実施形態では、図4のように、分配ヘッド406は、テーパ形状を有しており、分配ヘッド406は、開口部404が位置するその近位端におけるよりも、その遠位端において、より小さい直径を有する。比較的小さい直径を有する開口部404は、当業者によって理解されるように、開口部404からの薬物の噴霧を容易にする。薬物が、開口部404を出る前に通過するように構成されているスプレーチャンバ412は、開口部404に対して遠位側の先細の分配ヘッド406の近位部分内に位置する。薬物がスプレーチャンバ412を急速に通過すると、スプレーチャンバ412が、一貫したスプレーターンで開口部404を通って出る微細ミストの生成を容易にする。図4の矢印414は、薬物ホルダ402からの、及び開口部404から出る薬物の移動の経路を示す。
【0094】
いくつかの実施形態では、分配ヘッド406は、点鼻スプレー装置400が、単一の作動に応答して、薬物の用量を2つの鼻孔内に同時に送達するように構成されるように、各々が内部に開口部404を有する2つの先端部408を含み得る。
【0095】
分配ヘッド406は、薬物ホルダ402に向かって押される、例えば、ユーザが深さガイド410を押し下げることによって押圧されて、点鼻スプレー装置400を作動させるように構成される。言い換えれば、分配ヘッド406は、薬物を薬物ホルダ402から、及び点鼻スプレー装置400から追い出すように作動されるアクチュエータとして構成される。例示的な一実施形態では、点鼻スプレー装置400は、点鼻スプレー装置400を作動させるユーザが、点鼻スプレー装置400から薬物を受容する患者であるように、自己投与されるように構成されているが、別の人が、別の人への送達のために点鼻スプレー装置400を作動させ得る。
【0096】
分配ヘッド406の作動、例えば、押圧は、図4の矢印416によって示されるように、通気空気を薬物ホルダ402に入らせるように構成される。薬物ホルダ402に入る空気は、薬物ホルダ内の薬物を、チューブ418を通して、次いで計量チャンバ420内に移動させ、計量チャンバ420が、薬物を、近位側でカニューレ422を通し、スプレーチャンバ412を通して、次いで開口部404から外に移動させる。例えば、ユーザが、分配ヘッド406を下向きに押すことを止めるなど、分配ヘッド406の解放に応答して、付勢ばね426が、分配ヘッド406をそのデフォルトの休止位置に戻して、後続の作動及び薬物送達のために、分配ヘッド406を薬物ホルダ402に対して位置付ける。
【0097】
前述の説明は、点鼻スプレー装置の1つの特定の例に関するが、この例は、純粋に例示的なものである。この説明は、そのような点鼻スプレー装置のみに限定されるものとして見なされるべきではない。当業者は、点鼻スプレー装置400が、様々な要件に応じて、異なる実施形態において異なる特徴を含み得ることを理解する。例えば、点鼻スプレー装置400は、深さガイド410を欠き得、及び/又はデバイスインジケータ、センサ、通信インターフェース、プロセッサ、メモリ、及び電源のうちのいずれか1つ又は2つ以上を含み得る。
【0098】
本開示の点鼻スプレー装置は、ケタミン(例えば、Ketalar(登録商標))、エスケタミン(例えば、Spravato(登録商標)、Ketanest(登録商標)、及びKetanest-S(登録商標))、ナロキソン(例えば、Narcan(登録商標))、及びスマトリプタン(例えば、Imitrex(登録商標))のいずれかなどの様々な薬物のいずれかを投与するために使用され得る。
【0099】
薬物投与デバイス
前述から理解されるように、薬物送達デバイスの様々な構成要素は、そのような全てのデバイスに共通である。これらの構成要素は、ユニバーサル薬物投与デバイスの必須構成要素を形成する。薬物投与デバイスは、薬物を患者に送達し、薬物は、定義された剤形で薬物投与デバイス内に提供される。
【0100】
図5Aは、そのようなユニバーサル薬物投与デバイス501の一般化された概略図であり、図5Bは、そのようなユニバーサル薬物投与デバイス500の例示的な一実施形態である。ユニバーサル薬物投与デバイス500の例としては、注射デバイス(例えば、オートインジェクタ、ジェットインジェクタ、及び注入ポンプ)、点鼻スプレー装置、及び吸入器が、挙げられる。
【0101】
図5Aに示されるように、薬物投与デバイス501は、一般的な形態において、薬物ホルダ10及び分配機構20の特徴を含む。薬物ホルダ10は、投与される剤形の薬物を保持する。分配機構20は、薬物が患者に投与され得るように、薬物ホルダ10から剤形を放出するように構成される。
【0102】
図5Bは、いくつかの追加の特徴を含む、更なるユニバーサル薬物投与デバイス500を示す。当業者は、これらの追加の特徴は、異なる実施形態について任意選択であり、薬物のタイプ、薬物の剤形、薬物で治療されている医療適応症、安全要件、デバイスが給電されるかどうか、デバイスが携帯可能であるかどうか、デバイスが自己投与に使用されるかどうか、及び当業者によって理解されるであろう多くの他の要件など、要件に応じて、追加の特徴が存在し得るか、又は特定の薬物投与デバイスの所与の実施形態から省略され得るように、様々な異なる組み合わせで利用され得ることを理解する。図4のユニバーサルデバイスと同様に、薬物投与デバイス500は、薬物ホルダ10と、分配機構20とを収容するハウジング30を備える。
【0103】
デバイス500は、分配機構20による薬物ホルダ10からの薬物の放出を開始するためのトリガー機構50を備える。デバイス500は、分配機構20を介して薬物ホルダ10から放出される設定用量を測定する計量/投与機構70の特徴を含む。このようにして、薬物投与デバイス500は、決定されたサイズの既知の用量を提供し得る。デバイス500は、ユーザが、計量機構50によって測定される薬物の用量体積を設定することを可能にする投与量セレクタ60を備える。用量体積は、複数の所定の個別の用量体積のうちの1つの特定の値か、又はある範囲の用量体積内の所定の用量体積の任意の値に設定され得る。
【0104】
デバイス500は、デバイス動作防止機構40又は25を備え得、デバイス動作防止機構40又は25は、ロック状態にあるとき、分配機構20が薬物ホルダ10から薬物を放出することを防止及び/又は停止させ、ロック解除状態にあるとき、分配機構20が薬物ホルダ10から薬物投与を放出することを可能にする。これにより、例えば、誤った時間での投与を防止するため、又は不注意な作動を防止するために、薬物の偶発的な投与を防止することができる。デバイス500はまた、例えば、安全上の理由から、分配機構20の少なくとも一部へのアクセスを防止する分配機構保護機構42を含む。デバイス動作防止機構40及び分配機構保護機構42は、同じ構成要素であってもよい。
【0105】
デバイス500は、薬物投与デバイス及び/又はその中に収容された薬物の状態に関する情報を提示するように構成されたデバイスインジケータ85を含み得る。デバイスインジケータ85は、表示画面などの視覚的インジケータ、又は音声インジケータであってもよい。デバイス500は、デバイス500のユーザにデバイス500に関する情報を提示するように、及び/又はユーザがデバイス500を制御することを可能にするように構成され得るユーザインターフェース80を含む。デバイス500は、薬物投与デバイス及び/又はその中に収容された薬物に関連する情報、例えば、剤形及びデバイスパラメータを感知するように構成されたデバイスセンサ92を含む。一例として、計量機構70及び投与量セレクタ60を含む実施形態では、実施形態は、投与量セレクタ60を使用してユーザによって選択された用量、計量機構70によって計量された用量、及び分配機構20によって分配された用量のうちの1つ以上を感知するように構成されている1つ以上のデバイスセンサ92を更に含み得る。同様に、環境の温度、環境の湿度、場所、及び時間など、デバイス500が存在する環境に関する情報を感知するように構成されている環境センサ94が提供される。例えば、GPSなどの衛星位置決定を介して、デバイス500の地理的位置を決定するように構成されている専用の位置センサ98が存在してもよい。デバイス500はまた、デバイス及び/又は薬物に関する、様々なセンサから取得されたデータを外部に通信し得る通信インターフェース99を含む。
【0106】
必要に応じて、デバイス500は、デバイス500の1つ以上の電気的構成要素に電力を送達するための電源95を備える。電源95は、デバイス500と一体である電源、及び/又はデバイス500を外部電源に接続するための機構であり得る。薬物投与デバイス500はまた、電源95によって給電され、互いに、及び任意選択で、環境センサ94、位置センサ98、デバイスセンサ92、通信インターフェース99、及び/又はインジケータ85などのデバイス500の他の電気的及び制御構成要素と通信する、プロセッサ96とメモリ97とを含むデバイスコンピュータシステム90を含む。プロセッサ96は、環境センサ94、デバイスセンサ92、通信インターフェース99、位置センサ98、及び/又はユーザインターフェース80から取得されたデータを取得し、それを処理して、例えば、インジケータ85に、及び/又は通信インターフェース99にデータ出力を提供するよう構成されている。
【0107】
いくつかの実施形態では、薬物投与デバイス500は、パッケージング35内に密閉される。パッケージング35は、本明細書に記載されるように、プロセッサ96、メモリ97、ユーザインターフェース80、デバイスインジケータ85、デバイスセンサ92、位置センサ98、及び/又は環境センサ94の組み合わせを更に含み得、これらは、デバイス500のハウジングの外部に位置してもよい。
【0108】
当業者は、薬物ホルダ10と分配機構20とを備えるユニバーサル薬物投与デバイス500が、上記の様々な任意選択の特徴を、いくつかの異なる組み合わせで備え得ることを理解するであろう。更に、薬物投与デバイス500は、各薬物ホルダが、それ自体に関連付けられた分配機構20を有するように、任意選択で、2つ以上の分配機構20を有する2つ以上の薬物ホルダ10を含み得る。
【0109】
薬物の剤形
従来、薬物投与デバイスは、液体の剤形を利用する。しかしながら、他の剤形が利用可能であることが理解されよう。
【0110】
1つのそのような一般的な剤形は、錠剤である。錠剤は、薬物と、一緒に圧縮される賦形剤との組み合わせから形成され得る。他の剤形は、ペースト、クリーム、粉末、点耳液、及び点眼液である。
【0111】
薬物の剤形の更なる例としては、皮膚パッチ、薬物溶出性ステント、及び子宮内装置が挙げられる。これらの例では、デバイスの本体は、薬物を含み、特定の状況下で薬物の放出を可能にするように構成され得る。例えば、皮膚パッチは、薬物を含有するポリマー組成物を含み得る。ポリマー組成物は、薬物が、ポリマー組成物から患者の皮膚内に拡散することを可能にする。薬物溶出性ステント及び子宮内装置は、類似の方式で動作し得る。このようにして、パッチ、ステント、及び子宮内装置は、それら自体が、関連付けられた分配機構を有する薬物ホルダと見なされ得る。
【0112】
これらの剤形のいずれも、特定の条件によって薬物放出を開始させるように構成され得る。これにより、剤形が患者に導入された後、所望の時間又は位置で薬物が放出されることが可能になり得る。特に、薬物放出は、外部刺激によって開始され得る。更に、これらの剤形は、投与の前に、パッケージングの形態であり得るハウジング内に収容され得る。このハウジングは、ユニバーサル薬物投与デバイス500で利用される上記の任意選択の特徴のうちのいくつかを含み得る。
【0113】
本開示の薬物投与デバイスによって投与される薬物は、消費されたときに、生物の生理又は心理の変化を引き起こす任意の物質であり得る。本開示の薬物投与デバイスが投与し得る薬物の例としては、5-アルファ-レダクターゼ阻害剤、5-アミノサリチル酸塩、5HT3受容体拮抗薬、カルシウムチャネル遮断薬を伴うACE阻害薬、チアジドを伴うACE阻害薬、アダマンタン抗ウイルス薬、副腎皮質ステロイド、副腎コルチコステロイド阻害薬、アドレナリン作動性気管支拡張薬、高血圧緊急治療薬、肺高血圧症治療薬、アルドステロン受容体拮抗薬、アルキル化剤、アレルギー誘発薬、α-グルコシダーゼ阻害薬、代替薬、殺アメーバ剤、アミノグリコシド、アミノペニシリン、アミノサリチル酸、AMPA受容体拮抗薬、アミリン類似体、鎮痛剤の組み合わせ、鎮痛薬、アンドロゲン及び同化ステロイド、アンジオテンシン変換酵素阻害剤、カルシウムチャネル遮断薬を伴うアンジオテンシンII阻害薬、チアジドを伴うアンジオテンシンII阻害薬、アンジオテンシン受容体遮断薬、アンジオテンシン受容体遮断薬及びネプリリシン阻害薬、肛門直腸製剤、食欲抑制剤、制酸薬、駆虫薬、抗血管新生眼用薬、抗CTLA-4モノクローナル抗体、抗感染薬、抗PD-1モノクローナル抗体、チアジドを含む抗アドレナリン作用薬(中央)、チアジドを含む抗アドレナリン作用薬(末梢)、抗アドレナリン作用薬、中枢作用性、抗アドレナリン作用薬、末梢作用、抗アンドロゲン、抗狭心症薬、抗不整脈薬、抗喘息薬の組み合わせ、抗生物質/抗腫瘍薬、抗コリン作用性制吐剤、抗コリン作用性抗パーキンソン剤、抗コリン作用性気管支拡張剤、抗コリン作用性クロノトロピック剤、抗コリン作用薬/鎮けい薬、抗凝固薬逆転剤、抗凝血剤、抗けいれん薬、抗うつ薬、抗糖尿病薬、抗糖尿病薬の組み合わせ、止瀉薬、抗利尿ホルモン、解毒剤、制吐薬/抗めまい薬、抗真菌薬、抗性腺刺激薬、抗痛風薬、抗ヒスタミン薬、抗高脂血症薬、抗高脂血症薬の組み合わせ、抗高血圧薬の組み合わせ、抗高尿酸血症薬、抗マラリア薬、抗マラリア薬の組み合わせ、抗マラリアキノロン、抗躁病薬、代謝拮抗剤、抗片頭痛薬、抗腫瘍薬の組み合わせ、抗腫瘍薬解毒剤、抗腫瘍薬インターフェロン、抗腫瘍薬、抗パーキンソン薬、抗血小板薬、抗緑膿菌性ペニシリン、乾癬治療薬、抗精神病薬、抗リウマチ剤、防腐剤及び殺菌剤、抗甲状腺剤、抗毒素及び抗ベニン、抗結核剤、抗結核剤の組み合わせ、鎮咳薬、抗ウイルス剤、抗ウイルスブースター、抗ウイルス剤の組み合わせ、抗ウイルスインターフェロン、抗不安薬、鎮静剤、及び催眠剤、アロマターゼ阻害剤、非定型抗精神病薬、アゾール抗真菌剤、細菌ワクチン、バルビツレート抗けいれん薬、バルビツレート、BCR-ABLチロシンキナーゼ阻害剤、ベンゾジアゼピン抗けいれん薬、ベンゾジアゼピン、カルシウムチャネル遮断薬を含むベータ遮断薬、チアジドを含むベータ遮断薬、ベータアドレナリン遮断薬、ベータラクタマーゼ阻害薬、胆汁酸封鎖剤、生物学的製剤、ビスホスホネート、骨形成タンパク質、骨吸収阻害剤、気管支拡張剤の組み合わせ、気管支拡張剤、カルシウム受容体作動薬、カルシニューリン阻害剤、カルシトニン、カルシウムチャネル遮断剤、カルバメート抗けいれん剤、カルバペネム、カルバペネム/ベータラクタマーゼ阻害剤、炭酸脱水酵素阻害剤抗けいれん剤、炭酸脱水酵素阻害剤、心臓ストレス剤、心臓選択的ベータ遮断薬、心臓血管剤、カテコラミン、カチオン交換樹脂、CD20モノクローナル抗体、CD30モノクローナル抗体、CD33モノクローナル抗体、CD38モノクローナル抗体、CD52モノクローナル抗体、CDK4/6阻害剤、中枢神経系薬物、セファロスポリン、セファロスポリン/ベータラクタマーゼ阻害剤、セルメノリティックス、CFTRの組み合わせ、CFTR増強剤、CGRP阻害剤、キレート剤、ケモカイン受容体拮抗剤、塩化物チャネル活性化剤、コレステロール吸収阻害剤、コリン作動性アゴニスト、コリン作動性筋刺激剤、コリンエステラーゼ阻害剤、CNS刺激剤、凝固修飾剤、コロニー刺激因子、避妊薬、副腎皮質刺激ホルモン、クマリン及びインダンジオン、cox-2阻害剤、充血除去剤、皮膚科薬、診断用放射性医薬品、ジアリールキノリン、ジベンズアゼピン抗けいれん薬、消化酵素、ジペプチジルペプチダーゼ4阻害剤、利尿薬、ドーパミン作用性抗パーキンソニズム薬、アルコール依存症に使用される薬物、エキノカンジン、EGFR阻害剤、エストロゲン受容体拮抗薬、エストロゲン、去痰薬、第Xa因子阻害薬、脂肪酸誘導体抗けいれん薬、フィブリン酸誘導体、第1世代セファロスポリン、第4世代セファロスポリン、機能性腸障害剤、胆石可溶化剤、γ-アミノ酪酸類似体、γ-アミノ酪酸再取り込み阻害剤、胃腸薬、一般麻酔薬、尿生殖路薬、胃腸刺激薬、グルココルチコイド、グルコース上昇剤、糖ペプチド抗生物質、糖タンパク質血小板阻害剤、グリシルサイクリン、ゴナドトロピン放出ホルモン、ゴナドトロピン放出ホルモン拮抗薬、ゴナドトロピン、グループI抗不整脈剤、グループII抗不整脈剤、グループIII抗不整脈剤、グループIV抗不整脈剤、グループV抗不整脈剤、成長ホルモン受容体遮断薬、成長ホルモン、グアニル酸シクラーゼ-Cアゴニスト、ピロリ菌根絶剤、H2拮抗薬、ヘッジホッグ経路阻害剤、造血幹細胞動員剤、ヘパリン拮抗薬、ヘパリン、HER2阻害剤、ハーブ製品、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤、ホルモン、ホルモン/抗腫瘍薬、ヒダントイン抗けいれん剤、ヒドラジド誘導体、違法(ストリート)薬、免疫グロブリン、免疫剤、免疫刺激剤、免疫抑制剤、インポテンス剤、インビボ診断生物学的製剤、インクレチン模擬剤、吸入抗感染薬、吸入コルチコステロイド、イノトロピック剤、インスリン、インスリン様成長因子、インテグラーゼ鎖転移阻害剤、インターフェロン、インターロイキン阻害剤、インターロイキン、静脈栄養製品、ヨウ素化造影剤、イオン性ヨウ素化造影剤、鉄製品、ケトリド、下剤、抗らい菌薬、ロイコトリエン修飾薬、リンコマイシン誘導体、局所注射可能麻酔薬、コルチコステロイドを含む局所注射可能麻酔薬、ループ利尿薬、肺界面活性剤、リンパ染色剤、リソソーム酵素、マクロライド誘導体、マクロライド、磁気共鳴イメージング造影剤、肥満細胞安定剤、医療用ガス、メグリチニド、代謝剤、メチルキサンチン、鉱質コルチコイド、ミネラル及び電解質、その他の薬物、その他の鎮痛薬、その他の抗生物質、その他の抗けいれん薬、その他の抗うつ薬、その他の抗糖尿病薬、その他の制吐剤、その他の抗真菌剤、その他の抗高脂血症薬、その他の抗高血圧薬の組み合わせ、その他の抗マラリア薬、その他の抗腫瘍薬、その他の抗パーキンソン剤、その他の抗精神病薬、その他の抗結核薬、その他の抗ウイルス薬、その他の不安緩解薬、鎮静剤及び催眠薬、その他の骨吸収阻害剤、その他の心臓血管薬、その他の中枢神経系薬、その他の凝固修飾薬、その他の診断用染料、その他の利尿薬、その他の尿生殖路薬、その他の胃腸薬、その他のホルモン、その他の代謝剤、その他の眼科用薬物、その他の耳用薬物、その他の呼吸器用薬物、その他の性ホルモン、その他の局所用薬物、その他の未分類薬物、その他の膣用薬物、有糸分裂阻害剤、モノアミン酸化酵素阻害剤、口及び喉の製品、mTOR阻害剤、粘液溶解薬、マルチキナーゼ阻害剤、筋弛緩薬、散瞳薬、麻薬性鎮痛薬の組み合わせ、麻薬性鎮痛薬、鼻の抗感染薬、鼻の抗ヒスタミン剤と充血除去剤、鼻の潤滑剤及び洗浄剤、鼻の調製物、鼻用ステロイド、天然ペニシリン、ネプリリシン阻害剤、ニューラミニダーゼ阻害剤、神経筋遮断薬、神経カリウムチャネルオープナ、次世代セファロスポリン、ニコチン酸誘導体、NK1受容体拮抗薬、NNRTI、非心臓選択的ベータ遮断薬、非ヨウ素化造影剤、非イオン性ヨウ素化造影剤、非スルホニル尿素、非ステロイド性抗炎症薬、NS5A阻害剤、ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤(NRTI)、栄養補助食品、栄養製品、眼科用麻酔薬、眼科用抗感染薬、眼科用抗炎症薬、眼科用抗ヒスタミン剤及び充血除去剤、眼科用診断薬、眼科用緑内障薬、眼科用潤滑剤及び洗浄剤、眼科用調製物、眼科用ステロイド、抗感染薬を含む眼科用ステロイド、眼科用外科薬、経口栄養補助剤、他の免疫賦活剤、他の免疫抑制剤、耳用麻酔薬、耳用抗感染薬、耳用調製物、耳用ステロイド、抗感染薬を含む耳用ステロイド、オキサゾリジンジオン抗けいれん薬、オキサゾリジノン抗生物質、副甲状腺ホルモン及び類似体、PARP阻害剤、PCSK9阻害剤、ペニシリナーゼ耐性ペニシリン、ペニシリン、末梢オピオイド受容体拮抗薬、末梢オピオイド受容体混合アゴニスト/拮抗薬、末梢血管拡張剤、末梢作用性抗肥満薬、フェノチアジン制吐薬、フェノチアジン抗精神病薬、フェニルピペラジン抗うつ薬、リン酸結合剤、PI3K阻害剤、血漿エキスパンダー、血小板凝集阻害剤、血小板刺激剤、ポリエン、チアジドを含むカリウム保持性利尿薬、カリウム保持性利尿薬、プロバイオティクスプロゲステロン受容体モジュレータ、プロゲスチン、プロラクチン阻害剤、プロスタグランジンD2拮抗薬、プロテアーゼ阻害剤、プロテアーゼ活性化受容体1拮抗薬、プロテアソーム阻害剤、プロトンポンプ阻害剤、ソラレン、精神治療薬、精神治療薬の組み合わせ、プリンヌクレオシド、ピロリジン抗けいれん薬、キノロン、放射線造影剤、放射線補助剤、放射線治療薬、放射性抱合剤、放射性医薬品、組換えヒトエリスロポイエチン、レニン阻害剤、呼吸剤、呼吸吸入製品、リファマイシン誘導体、サリチル酸、硬化剤、第2世代セファロスポリン、選択的エストロゲン受容体修飾薬、選択的免疫抑制剤、選択的ホスホジエステラーゼ-4阻害剤、選択的セロトニン再取り込み阻害剤、セロトニン-ノルエピネフリン再取り込み阻害剤、セロトニン作動性神経腸調節剤、性ホルモンの組み合わせ、性ホルモン、SGLT-2阻害剤、骨格筋弛緩剤の組み合わせ、骨格筋弛緩剤、禁煙剤、ソマトスタチン及びソマトスタチン類似体、殺精子剤、スタチン、滅菌洗浄液、ストレプトグラミン、ストレプトミセス誘導体、スクシンイミド抗けいれん剤、スルホンアミド、スルホニル尿素、合成排卵刺激剤、四環性抗うつ剤、テトラサイクリン、治療用放射性医薬品、治療用ワクチン、チアジド利尿薬、チアゾリジンジオン、チオキサンテン、第3世代セファロスポリン、トロンビン阻害剤、血栓溶解剤、甲状腺剤、TNFアルファ阻害剤、トコリティック剤、局所にきび剤、局所剤、局所アレルギー診断剤、局所麻酔薬、局所抗感染薬、局所抗ロザセア剤、局所抗生物質、局所抗真菌剤、局所抗ヒスタミン剤、局所抗腫瘍薬、局所抗乾癬剤、局所抗ウイルス剤、局所収斂剤、局所創傷清拭剤、局所脱色素剤、局所エモリエント剤、局所角質溶解剤、局所非ステロイド性抗炎症薬、局所光化学療法剤、局所ルベファシエント、局所ステロイド、抗感染薬を含む局所ステロイド、トランスチレチン安定剤、トリアジン抗けいれん剤、三環式抗うつ剤、三官能性モノクローナル抗体、超音波造影剤、上気道用複合剤、尿素抗けいれん剤、尿素サイクル障害剤、尿中抗感染薬、尿鎮痙薬、尿pH調整剤、子宮収縮剤、ワクチンの組み合わせ、膣用抗感染薬、膣用調製物、血管拡張剤、バソプレシン拮抗薬、昇圧剤、VEGF/VEGFR阻害剤、ウイルスワクチン、粘液補充剤、ビタミン及びミネラルの組み合わせ、ビタミン、又はVMAT2阻害剤が、挙げられる。本開示の薬物投与デバイスは、エピネフリン、Rebif、Enbrel、Aranesp、アトロピン、塩化プラリドキシム、ジアゼパム、インスリン、アントロピン硫酸塩、アビバクタムナトリウム、ベンダムスチン塩酸塩、カルボプラチン、ダプトマイシン、エピネフリン、レベチラセタム、オキサリプラチン、パクリタキセル、パントプラゾールナトリウム、トレプロスチニル、バソプレシン、ボリコナゾール、ゾレドロン酸、モメタゾン、フルチカゾン、シクレソニド、ブデソニド、ベクロメタゾン、ビランテロール、サルメテロール、フォルモテロール、ウメクリジニウム、グリコピロレート、チオトロピウム、アクリジニウム、インダカテロール、サルメテロー


ル、及びオロダテロールから選択される薬物を投与し得る。
【0114】
上記のように、様々な薬物のいずれかが、薬物投与デバイスを使用して送達され得る。本明細書に記載の薬物投与デバイスを使用して送達され得る薬物の例としては、Remicade(登録商標)(インフリキシマブ)、Stelara(登録商標)(ウステキヌマブ)、Simponi(登録商標)(ゴリムマブ)、Simponi Aria(登録商標)(ゴリムマブ)、Darzalex(登録商標)(ダラツムマブ)、Tremfya(登録商標)(グセルクマブ)、Eprex(登録商標)(エポエチンアルファ)、Risperdal Constra(登録商標)(リスペリドン)、Invega Sustenna(登録商標)(パルミチン酸パリペリドン)、Spravato(登録商標)(エスケタミン)、ケタミン、及びInvega Trinza(登録商標)(パルミチン酸パリペリドン)が挙げられる。
【0115】
薬物ハウジング
上記のように、剤形は、利用される特定の剤形に適したホルダ内に提供され得る。例えば、液体剤形の薬物は、投与の前に、ストッパを有するバイアル又はプランジャを有するシリンジの形態のホルダ内に保持され得る。例えば、錠剤としての固体又は粉末の剤形の薬物は、投与の前に、錠剤をしっかりと保持するように配置されたハウジング内に収容され得る。
【0116】
ハウジングは、1つ又は複数の薬物ホルダを備え得、各ホルダは、剤形を収容し、例えば、薬物は、錠剤の剤形であり得、ハウジングは、錠剤が複数のホルダの各々内に保持されるブリスタパックの形態であり得る。ブリスタパックの凹部の形態であるホルダ。
【0117】
図6は、各々が剤形611を収容する複数の薬物ホルダ610を備えるハウジング630を示す。ハウジング630は、環境の温度、時間、又は位置など、ハウジング630が存在する環境に関する情報を感知するように構成されている少なくとも1つの環境センサ94を有し得る。ハウジング630は、ホルダ610内に収容された剤形611の薬物に関する情報を感知するように構成されている少なくとも1つのデバイスセンサ92を含み得る。例えば、GPSなどの衛星位置決定を介して、ハウジング630の地理的位置を決定するように構成されている専用の位置センサ98が存在してもよい。
【0118】
ハウジング630は、ホルダ610内に収容された剤形611の薬物の状態に関する情報を薬物ハウジングのユーザに提示するように構成されているインジケータ85を含み得る。ハウジング630はまた、薬物ハウジング630、環境、時間、若しくは場所、及び/又は薬物自体に関するデータの有線又は無線転送を介して、外部に情報を通信することができる通信インターフェース99を含み得る。
【0119】
必要に応じて、ハウジング630は、ハウジング630の1つ以上の電気的構成要素に電力を送達するための電源95を備え得る。電源95は、ハウジング630と一体である電源、及び/又はハウジング630を外部電源に接続するための機構であり得る。ハウジング630はまた、電源95によって給電され、互いに、及び任意選択で、環境センサ94、位置センサ98、デバイスセンサ92、通信インターフェース99、及び/又はインジケータ85などの、ハウジング630の他の電気的及び制御構成要素と通信する、プロセッサ96とメモリ97とを含むデバイスコンピュータシステム90を含み得る。プロセッサ96は、環境センサ94、デバイスセンサ92、通信インターフェース99、位置センサ98、及び/又はユーザインターフェース80から取得されたデータを取得し、それを処理して、例えば、インジケータ85に、及び/又は通信インターフェース99にデータ出力を提供するように構成されている。
【0120】
ハウジング630は、パッケージングの形態であり得る。代替的に、追加のパッケージングが存在して、ハウジング630を収容及び取り囲んでもよい。
【0121】
ホルダ610又は追加のパッケージングは、それら自体が、上述のように、デバイスセンサ92、環境センサ94、インジケータ85、通信インターフェース99、電源95、位置センサ98、及びプロセッサ96とメモリ85とを含むデバイスコンピュータシステムのうちの1つ以上を備え得る。
【0122】
電子通信
上述のように、通信インターフェース99は、ハウジング30、630内又はその上に、あるいは代替的にパッケージング35内又はその上に含まれることによって、薬物投与デバイス500又は薬物ハウジング630と関連付けられ得る。そのような通信インターフェース99は、図7に示される中央コンピュータシステム700などのリモートコンピュータシステムと通信するように構成され得る。図7に示されるように、薬物投与デバイス500又はハウジング630に関連付けられた通信インターフェース99は、通信ネットワーク702を介して、例えば、病院又は他の医療センターなどの医療施設706、ホームベース708(例えば、患者の家庭、又はオフィス、若しくはケアテイカーの家庭又はオフィス)、又はモバイル位置710などの任意の数の位置から中央コンピュータシステム700と通信するように構成されている。通信インターフェース99は、ネットワーク702への有線及び/又は無線接続を介して、システム700にアクセスするように構成され得る。例示的な一実施形態では、図6の通信インターフェース99は、システム700に無線で、例えば、Wi-Fi接続(複数可)を介してアクセスするように構成されており、それにより、世界のほぼ全ての位置からのシステム700のアクセス可能性を促進し得る。
【0123】
当業者は、システム700が、任意の特定のユーザに利用可能なシステム700の態様が、例えば、ユーザの識別情報及び/又はユーザがシステムにアクセスしている位置に基づいて決定され得るように、セキュリティ機能を含み得ることを理解するであろう。そのために、各ユーザは、システム700へのアクセスを容易にするために、固有のユーザ名、パスワード、生体認証データ、及び/又は他のセキュリティ資格情報を有し得る。受信されたセキュリティパラメータ情報は、ユーザが認定されているかどうか、及びユーザがどの程度、システムと対話すること、システムに記憶された情報を見ることなどを許可されているかを決定するために、認定ユーザのデータベースに対してチェックされ得る。
【0124】
コンピュータシステム
本明細書で論じられるように、本明細書に記載の主題の1つ又は2つ以上の態様若しくは特徴、例えば、中央コンピュータシステム700の構成要素、プロセッサ96、電源95、メモリ97、通信インターフェース99、ユーザインターフェース80、デバイスインジケータ85、デバイスセンサ92、環境センサ94、及び位置センサ98は、デジタル電子回路、集積回路、特別に設計された特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit、ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array、FPGA)コンピュータハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、及び/又はそれらの組み合わせで実現され得る。これらの様々な態様又は特徴は、少なくとも1つのプログラム可能なプロセッサを含むプログラム可能なシステム上で実行可能及び/又は解釈可能である1つ以上のコンピュータプログラムの実行を含み得、そのプロセッサは、記憶システム、少なくとも1つの入力装置、及び少なくとも1つの出力装置からデータ及び命令を受信し、それらへデータ及び命令を送信するように接続された専用又は汎用プロセッサとすることができる。プログラム可能なシステム又はコンピュータシステムは、クライアント及びサーバを含んでもよい。クライアント及びサーバは、一般に、互いに遠隔にあり、典型的には、通信ネットワーク、例えば、インターネット、無線広域ネットワーク、ローカルエリアネットワーク、広域ネットワーク、又は有線ネットワークを介して相互作用する。クライアント及びサーバの関係は、それぞれのコンピュータ上で実行され、かつ互いにクライアントサーバ関係を有するコンピュータプログラムによって生じる。
【0125】
コンピュータプログラムは、プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、アプリケーション、コンポーネント、又はコードとも呼ばれることがあり、プログラム可能なプロセッサのための機械命令を含み、高級プロシージャ言語、オブジェクト指向プログラミング言語、関数型プログラミング言語、論理型プログラミング言語、及び/又はアセンブリ/機械言語で実現され得る。本明細書で使用される時、用語「機械可読媒体」とは、例えば、磁気ディスク、光ディスク、メモリ、及びプログラマブルロジックデバイス(Programmable Logic Device、PLD)などの任意のコンピュータプログラム製品、機器、及び/又は装置を指し、これらは、機械可読信号として機械命令を受信する機械可読媒体を含む、プログラム可能なプロセッサに機械命令及び/又はデータを提供するために使用される。用語「機械可読信号」とは、プログラム可能なプロセッサに機械命令及び/又はデータを提供するために使用される任意の信号を指す。機械可読媒体は、例えば、非過渡的固体メモリ若しくは磁気ハードドライブ、又は任意の同等の記憶媒体などの、このような機械命令を非一時的に記憶することができる。機械可読媒体は、例えば、プロセッサキャッシュ、若しくは1つ以上の物理的プロセッサコアに関連付けられた他のランダムアクセスメモリなどの一時的な方法で、そのような機械命令を代替的又は追加的に記憶することができる。
【0126】
ユーザとの相互作用を提供するために、本明細書に記載の主題の1つ以上の態様又は特徴、例えば、ユーザインターフェース80(投与デバイス500又はハウジング630に統合されるか又は別個であり得る)は、例えば、ユーザに情報を表示するため陰極線管(Cathode Ray Tube、CRT)、又は液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display、LCD)、若しくは発光ダイオード(Light Emitting Diode、LED)モニタなどの表示画面を有するコンピュータ上に実装され得る。表示画面は、直接的に(例えば、タッチスクリーンとして)又は間接的に(例えば、キーパッド又は音声認識ハードウェア及びソフトウェアなどの入力デバイスを介して)表示画面への入力を可能にし得る。他の種類の装置を使用して、ユーザとの相互作用を同様に提供することができる。例えば、ユーザに提供されるフィードバックは、例えば、視覚フィードバック、聴覚フィードバック、又は触覚フィードバックなどの任意の形態の感覚フィードバックであり得、ユーザからの入力は、音響入力、音声入力、又は触覚入力を含むが、これらに限定されない任意の形態で受信されてもよい。上述のように、このフィードバックは、ユーザインターフェース80に加えて、1つ以上のデバイスインジケータ85を介して提供され得る。デバイスインジケータ85は、このフィードバックを提供するために、又はユーザからの入力を受信するために、デバイスセンサ(複数可)92、環境センサ(複数可)94、及び/又は位置センサ(複数可)98のうちの1つ以上と相互作用し得る。
【0127】
図8は、コンピュータシステム800として示されるコンピュータシステム700の例示的な一実施形態を示す。コンピュータシステムは、コンピュータシステム800の動作を制御するように構成されている1つ以上のプロセッサ896を含む。プロセッサ(複数可)896は、プログラム可能な汎用若しくは専用マイクロプロセッサ、及び/又は様々な専用若しくは市販の単一若しくはマルチプロセッサシステムのうちのいずれか1つを含む、任意のタイプのマイクロプロセッサ若しくは中央処理装置(Central Processing Unit、CPU)を含み得る。コンピュータシステム800はまた、プロセッサ(複数可)896によって実行されるコードのための、あるいは1つ以上のユーザ、記憶デバイス、及び/又はデータベースから得られたデータのための一時記憶装置を提供するように構成されている1つ以上のメモリ897を含む。メモリ897は、読み出し専用メモリ(Read-Only Memory、ROM)、フラッシュメモリ、1つ以上の様々なランダムアクセスメモリ(Random Access Memory、RAM)(例えば、スタティックRAM(Static RAM、SRAM)、ダイナミックRAM(Dynamic RAM、DRAM)、若しくはシンクロナスDRAM(Synchronous DRAM、SDRAM))、及び/又はメモリ技術の組み合わせを含み得る。
【0128】
コンピュータシステムの様々な要素は、バスシステム812に結合されている。図示されたバスシステム812は、適切なブリッジ、アダプタ、及び/又はコントローラによって接続された、任意の1つ以上の別個の物理的バス、通信ライン/インターフェース、及び/又はマルチドロップ若しくはポイントツーポイント接続を表す抽象化したものである。コンピュータシステム800はまた、1つ以上のネットワークインターフェース(複数可)899(本明細書では、通信インターフェースとも称する)、1つ以上の入力/出力(IO)インターフェース(複数可)880、及び1つ以上の記憶装置(複数可)810を含む。
【0129】
通信インターフェース(複数可)899は、コンピュータシステムが、リモートデバイス、例えば、他のコンピュータシステム及び/又はデバイス500若しくはハウジング630とネットワークを介して通信することを可能にするように構成されるか、又は、例えば、リモートデスクトップ接続インターフェース、イーサネットアダプタ、及び/又は他のローカルエリアネットワーク(Local Area Network、LAN)アダプタであり得る。IOインターフェース(複数可)880は、コンピュータシステム800を他の電子機器と接続するための1つ以上のインターフェース構成要素を含む。例えば、IOインターフェース(複数可)880は、ユニバーサルシリアルバス(USB)ポート、1394ポート、Wi-Fi、Bluetoothなどの高速データポートを含み得る。追加的に、コンピュータシステムは、人間ユーザにアクセス可能であり得、したがって、IOインターフェース(複数可)880は、ディスプレイ、スピーカ、キーボード、ポインティングデバイス、及び/又は様々な他のビデオ、オーディオ、若しくは英数字インターフェースを含み得る。記憶装置(複数可)810は、不揮発性及び/又は非過渡的な方法でデータを記憶するための任意の従来式媒体を含む。したがって、記憶装置(複数可)810は、コンピュータシステムへの電力の中断にもかかわらず、値(複数可)が保持される永続的な状態で、データ及び/又は命令を保持するように構成される。記憶装置(複数可)810は、1つ以上のハードディスクドライブ、フラッシュドライブ、USBドライブ、光学ドライブ、様々なメディアカード、ディスケット、コンパクトディスク、及び/又はそれらの任意の組み合わせを含み得、コンピュータシステムに直接接続されるか、又はネットワークを介してなどで、コンピュータシステムに遠隔接続され得る。例示的な一実施形態では、記憶装置(複数可)810は、例えば、ハードディスクドライブ、フラッシュドライブ、USBドライブ、光学ドライブ、メディアカード、ディスケット、又はコンパクトディスクなどの、データを記憶するように構成されている有形又は非一時的コンピュータ可読媒体を含む。
【0130】
図8に例示されている要素は、単一の物理的機械の要素の一部又は全てであり得る。更に、図示された要素の全てが同じ物理的機械上又は同じ物理的機械内に配置される必要はない。
【0131】
コンピュータシステム800は、ウェブページ又は他のマークアップ言語ストリームを検索すること、それらのページ及び/又はストリームを(視覚的に、聴覚的に、又は他の方法で)提示すること、それらのページ/ストリーム上でスクリプト、制御、及び他のコードを実行すること、(例えば、入力フィールドを完了させるために)それらのページ/ストリームに対するユーザ入力を受諾すること、それらのページ/ストリームに対するハイパーテキスト・トランスファー・プロトコル(HyperText Transfer Protocol、HTTP)リクエストを発行することか又は他の方法(例えば、完了した入力フィールドからの情報をサーバに提出するため)などのためのウェブブラウザを含み得る。ウェブページ又は他のマークアップ言語は、ハイパーテキスト・マークアップ・ランゲージ(HyperText Markup Language、HTML)、又は埋め込み型エクステンシブル・マークアップ・ランゲージ(Extensible Markup Language、XML)、スクリプト、コントロールなどを含む他の従来の形態であり得る。コンピュータシステム800はまた、ウェブページを生成する、及び/又はクライアントコンピュータシステムに配信するためのウェブサーバを含み得る。
【0132】
図7に示されるように、図8のコンピュータシステム800は、上述のように、1つ以上の個別の薬物投与デバイス500又はハウジング630のデバイスコンピュータシステム90のうちの1つ以上と通信する中央コンピュータシステム700の構成要素を形成し得る。デバイス500又はハウジング630の動作データ、そのようなデバイス500又はハウジング630によって取得された患者の医療データなどのデータは、中央及びデバイスコンピュータシステム700、90間で交換され得る。
【0133】
前述のように、上述のコンピュータシステム800はまた、薬物投与デバイス500又はハウジング630に統合されるか、又はそれらに近接するデバイスコンピュータシステム90の構成要素を形成し得る。この点に関して言えば、1つ以上のプロセッサ896は、プロセッサ96に対応し、ネットワークインターフェース799は、通信インターフェース99に対応し、IOインターフェース880は、ユーザインターフェース80に対応し、メモリ897は、メモリ97に対応する。更に、追加の記憶装置810がまた、デバイスコンピュータシステム90内に存在し得る。
【0134】
例示的な一実施形態では、コンピュータシステム800は、例えば、単一の薬物投与デバイスハウジング30内に収容された、1つ以上の薬物投与デバイス500の単一のパッケージ35、若しくは複数の薬物ホルダ610を備えるハウジング630内に収容された、単一のユニットとしてのデバイスコンピュータシステム90を形成し得る。コンピュータシステム800は、単一のユニットとして、単一のサーバとして、又は単一のタワーとして、中央コンピュータシステム700を形成し得る。
【0135】
単一のユニットは、その様々な態様が、システムの任意の他の態様の機能を中断することなく、例えば、アップグレード、交換、メンテナンスなどのために必要に応じてスワップイン/アウトされ得るように、モジュール式であり得る。したがって、単一のユニットはまた、追加のモジュールとして追加される能力を使用して拡張可能とすることができ、並びに/又は既存のモジュールの追加の機能性が所望され、かつ/若しくは改善される。
【0136】
コンピュータシステムはまた、一例として、オペレーティングシステム及びデータベース管理システムを含む、様々な他のソフトウェア並びに/又はハードウェア構成要素のうちのいずれかを含み得る。本明細書には例示的なコンピュータシステムが図示及び説明されているが、これは一般概念及び便宜のためであることが理解されるであろう。他の実施形態では、コンピュータシステムは、本明細書に示され説明されるものとは、アーキテクチャ及び動作が異なる場合がある。例えば、メモリ897及び記憶装置810は、一緒に統合され得る、又は別のコンピュータシステムとの通信が必要でない場合は、通信インターフェース899は省略され得る。
【0137】
実装形態
薬物投与の確認
様々な剤形で患者に投与される薬物に関連付けられた手引きの順守を監視することが望ましいことがある。この順守の監視により、正しい手順が踏襲されていることの保証が提供され、不正確で潜在的に危険なアプローチの採用が回避され得る。更に、これにより、患者への薬物の投与の最適化も可能になり得る。本明細書に記載される様々な方法、システム、及びデバイスは、患者への薬物の投与の成功を確認することができ、それにより、薬物を投与する場合に問題が発生したことを迅速に特定することにより、患者の安全性及び服薬遵守が改善され得る。
【0138】
特に薬物治験又は投薬処方への適合性に関して、薬物の送達を監視して、送達の問題又は他の課題を特定することが望ましい場合がある。更に、いくつかの薬物について、有効性及び安全性を改善するために、薬物を不活性形態で患者に投与し、体内の標的位置において薬物を活性化させることが望ましい場合がある。例えば、化学療法薬は、患者の全身に送達され得るが、腫瘍部位でのみ活性化することができ、その結果、化学療法薬が腫瘍細胞に対して効果的である一方で、患者の他の場所にある健康な細胞に生じる損傷が最小限に抑えられる。本明細書に記載される様々な方法、システム、及びデバイスは、局所薬物活性化を改善することにより、薬物有効性、並びに安全性及び服薬遵守を改善し得る。
【0139】
例示的な実施形態では、少なくとも1つの分配機構パラメータを許容される分配機構パラメータと比較することができ、少なくとも1つの投与パラメータを許容される投与パラメータと比較することができる。これらの比較は、薬物投与デバイスのユーザに、薬物投与デバイスが正常に動作したという確信を与え得る。本明細書では、成功した投与とは、薬物投与デバイスの分配機構の動作が完了していると判定されたことを意味するために使用される。この成功した投与の確認は、薬物を取り込んでいる患者にとって、薬物投与手順をより安全にすることができる。なぜなら、投与の成功が確認されなかった場合、患者及び/又は医療専門家に迅速に警告することができ、したがって、必要であれば、是正措置、例えば、新しい薬物投与デバイスを注文すること、薬物投与デバイスを修理すること、異なる薬物投与デバイスを使用して薬物用量を送達すること、薬物投与デバイスからの用量投与の許容される最大数を1回以上増加させて、薬物の1回以上の用量を薬物投与デバイスから送達すること、などを実施できるからである。投与の確認は、薬物の浪費を低減させ得る。薬物の一部の投与が成功していない場合、患者及び/又は医療専門家は、この失敗した投与に関する警告を受けて、将来の投与を調整して、浪費を低減させることが可能になる。
【0140】
一般に、許容されるパラメータは、薬物投与デバイスからの薬物の送達の成功を示す値(又は値の範囲)を定義する。許容されるパラメータは、例えば、薬物投与デバイスの製造業者により確立されることにより、かつ/又は薬物が薬物投与デバイスにより送達されることにより、薬物投与デバイスの使用前に予め定められ得る。例えば、許容されるパラメータは、薬物投与デバイスが針を含むインジェクタである場合、薬物投与デバイスの針が患者に挿入されている速度を含み得る。遅すぎる速度は、針の挿入が失敗したこと、したがって、薬物送達が失敗したことを示し得る。別の例では、許容されるパラメータは、患者に対する注射デバイスの角度方向を含み得る。薬物送達中に患者に対して適切な角度方向にない注射デバイスは、注射デバイスからの薬物の吐出が、全ての薬物が患者内へと適切に注入される結果につながらなかった可能性が高いことを示し得る。注射デバイスの適切な角度方向は、患者の皮膚に対して垂直な、実質的に直角の方向であり、これに対して、不適切な位置は、患者の皮膚に対して非直角な角度であり得る。その角度は、正確な直角(正確に90°)ではない場合もあるが、それにもかかわらず、製造公差及び測定装置の感度などの様々な理由のいずれかで、実質的に直角であると考えられることを、当業者は理解するであろう。更に別の例では、許容されるパラメータは、吸入器の薬物キャニスタの動きを含み得る。下方への薬物キャニスタの垂直移動が小さすぎることは、薬物が適切に吐出されていないこと、又は全く吐出されていないことを示し得る。更に別の例では、許容されるパラメータは、点鼻スプレー装置の分配ヘッドの動きを含むことができ、分配ヘッドは、下方に押されて、分配ヘッドにある開口部を通して薬物が送達されるように構成されている。下方への分配ヘッドの垂直移動が小さすぎることは、薬物が適切に吐出されていないこと、又は全く吐出されていないことを示し得る。別の例では、許容されるパラメータは、患者に対する点鼻スプレー装置の角度方向を含み得る。点鼻スプレー装置が、薬物送達中に患者に対して適切な角度方向にないことは、患者の鼻孔(又は複式噴霧点鼻スプレー装置の場合は患者の両方の鼻孔)内への薬物の噴霧が、患者の鼻腔内で適切に散布されていなかった可能性があることを示し得る。点鼻スプレー装置の適切な角度方向は、30°~60°の範囲内にあり得る。更に別の例では、許容されるパラメータは、薬物投与デバイスのモータに関連するものであり得、例えば、モータの速度又はモータの動作継続時間である。速度が遅すぎることは、薬物送達が失敗したこと、又は薬物送達前に薬物投与デバイスにおいてモータ駆動で薬物を混合しようとして失敗したことを示し得る。モータの動作継続時間が短すぎることは、薬物送達が失敗したこと、又は薬物送達前に薬物投与デバイスにおいてモータ駆動で薬物を混合しようとして失敗したことを示し得る。別の例では、許容されるパラメータは、薬物投与デバイスにより投与される薬物の流速を含み得る。流速が小さすぎることが、薬物送達が失敗したことを示し得る。別の例では、許容されるパラメータは、注射部位の近傍に存在する液体の量を含み得る。患者の皮膚表面上に液体が多すぎることが、薬物が液体である場合に薬物送達が失敗したことを示し得る。別の例では、許容されるパラメータは、患者の心拍数を含み得る。心拍数が高すぎることが、誤った薬物用量が投与されたこと、例えば、薬物が過剰に投与されたことを示す場合がある。別の例では、許容されるパラメータは、患者の血圧を含み得る。血圧が高すぎることが、誤った薬物用量が投与されたこと、例えば、薬物が過剰に投与されたことを示す場合がある。
【0141】
例示的な実施形態では、パラメータ、例えば分配機構パラメータ又は投与パラメータを、許容されるパラメータと比較することは、薬物投与デバイスのプロセッサ又は薬物投与デバイスの外部にあり、薬物投与デバイスと電子通信する外部デバイスのプロセッサなどの、プロセッサにより実施される。パラメータ(例えば、測定された分配機構パラメータ又は測定された投与パラメータ)を許容されるパラメータと比較することは、様々な方法で実施され得る。例えば、許容されるパラメータは、所定の値範囲を含むことができ、比較することは、測定されたパラメータが、薬物送達の成功を示すように、所定の値範囲内にあるかどうかを判定することを含み得る。別の例では、許容されるパラメータは、所定の閾値を含むことができ、比較することは、測定されたパラメータが、薬物送達の成功を示すように、所定の閾値を超えるかどうかを判定することを含み得る。別の例では、許容されるパラメータは、所定の閾値を含むことができ、比較することは、測定されたパラメータが、薬物送達の成功を示すように、所定の閾値を下回るかどうかを判定することを含み得る。
【0142】
薬物投与デバイスは、本明細書に記載される任意の薬物投与デバイスであり得る。薬物投与デバイスは、薬物の投与を自動的に、例えば、手動でのユーザ入力なしで、遂行するものであり得る。代わりに、薬物投与デバイスは、投与を開始するために手動でのユーザ入力を必要とし得る。
【0143】
少なくとも1つの分配機構パラメータは、薬物投与デバイスから薬物を分配することに関連する任意のパラメータであり得る。一般に、分配機構パラメータは、薬物投与デバイスの分配機構の動作の特性である。このように、分配機構パラメータは、分配機構の動作が完了したという、例えば、分配機構の動作が意図された範囲で生じたという、指標を提供する。分配機構の動作が完了したかどうかを判定する際に、複数の分配機構パラメータが測定され、利用され得る。複数の分配機構パラメータを測定すること及び比較することは、1つの分配機構パラメータのみを測定かつ比較する場合よりも、分配機構の動作が完了しているかどうかに関する評価がより正確になり得る。測定される複数の分配機構パラメータは、任意の複数の、本明細書に記載される分配機構パラメータを含み得る。
【0144】
少なくとも1つの分配機構パラメータを測定することは、薬物投与デバイスによる薬物の分配が成功したという初期指標を提供する。上述したように、測定された分配機構パラメータは、許容される分配機構パラメータと比較される。許容される分配機構パラメータは、メモリに、例えば、薬物投与デバイスのメモリ、及び/又は薬物投与デバイスの外部にあり薬物投与デバイスと電子通信する外部デバイスのメモリに、記憶され得る。許容される分配機構パラメータは、上述したように、分配機構動作の完了を表すことが知られている分配機構パラメータとして予め定められ得る。
【0145】
少なくとも1つの投与パラメータは、薬物の投与に関連する任意のパラメータであり得る。一般に、投与パラメータは、薬物投与デバイスからの薬物投与の特性である。少なくとも1つの投与パラメータは、少なくとも1つの分配機構パラメータとは別個である。少なくとも1つの投与パラメータは、少なくとも1つの分配機構パラメータと同時に測定され得る。少なくとも1つの投与パラメータは、少なくとも1つの分配機構パラメータの後に測定され得る。少なくとも1つの投与パラメータを測定することが、薬物の投与が成功したことの確認を可能にし、分配機構の動作が完了したことの確認についての独立したチェックとして機能する。少なくとも1つの投与パラメータを測定することは、分配機構パラメータ(複数可)だけを測定することと比較して、失敗した投与を検出する可能性を増加させる場合があり、それにより、より迅速に介入して、患者が傷つくことを防止することが可能になる。
【0146】
投与が成功したかどうかを確認するときに、複数の投与パラメータが測定され得、かつ利用され得る。複数の投与パラメータを測定すること及び比較することは、1つの投与パラメータだけが測定かつ比較される場合よりも、多くのチェックが行われるので、投与が成功したかどうかのより正確な評価をもたらし得る。測定される複数の投与パラメータは、任意の複数の、本明細書に記載される投与パラメータを含み得る。
【0147】
許容される投与パラメータは、上述したように予め定めることができ、薬物投与デバイスのメモリ、及び/又は薬物投与デバイスの外部にあり、薬物投与デバイスと電子通信する外部デバイスのメモリに記憶され得る。少なくともいくつかの実施形態では、許容される投与パラメータは、測定された分配機構パラメータ(複数可)を使用して計算され得る。この計算は、薬物投与デバイスのプロセッサ、又は薬物投与デバイスの外部にあり、薬物投与デバイスと電子通信する外部デバイスのプロセッサなどの、プロセッサにより実行され得る。この計算により、分配機構の動作の特性に応じて、許容される投与パラメータの変動が許容される。この計算は、許容される投与パラメータが分配機構の特定の動作により決定される場合がある可能性を考慮する。例えば、患者に投与される薬物の量の増加は、患者の生理学的応答が増加することとなるという見込みに関連付けられ得る。したがって、この生理学的応答が、測定された投与パラメータである場合、薬物の量の増加を引き起こすために、許容される投与パラメータを調整する必要がある。そのような場合、上で論じたように、投与パラメータの所定のベースラインを許容される投与パラメータとして確立することができ、このベースラインは、関連する測定された分配機構パラメータ(複数可)を考慮して調整され得る。
【0148】
少なくとも1つの分配機構パラメータと許容可能分配機構パラメータとの比較、及び少なくとも1つの投与パラメータと許容される投与パラメータとの比較により決定される際、失敗した投与が、薬物投与デバイスのユーザに通知され得る。代わりに又は加えて、少なくとも1つの分配機構パラメータと許容可能分配機構パラメータとの比較、及び少なくとも1つの投与パラメータと許容される投与パラメータとの比較により決定される際、成功した投与が、ユーザに通知され得る。通知は、投与が成功したかどうかに特有であり得る。通知は、デバイスインジケータにより行われ得る。
【0149】
薬物投与デバイスの更なる動作は、少なくとも1つの分配機構パラメータ及び/又は少なくとも1つの投与パラメータに基づいて変更され得る。薬物投与デバイスの更なる動作の変更を可能にすることにより、更なる投与が成功する可能性をより高め得る調整をすることが可能になる。これらの変更はまた、投与薬物の更なる浪費を低減させ得る。
【0150】
薬物投与デバイスは、自動的に、例えば、ユーザ入力を必要とせずに、変更を遂行するように構成され得る。代わりに、薬物投与デバイスは、変更を手動で遂行するようにユーザにプロンプトを提示するように構成され得る。薬物投与デバイスは、デバイスインジケータ及び/又はユーザインターフェースを介してユーザにプロンプトを提示するように構成され得る。必要な変更は、測定された分配機構パラメータ(複数可)及び/又は測定された投与パラメータ(複数可)に基づいて決定され得る。ルックアップテーブルは、デバイス(薬物投与デバイスのオンボード又はオフボードのいずれか)に関連付けられたメモリに記憶することができ、所与のパラメータに必要な動作変化を定義する。次いで、ルックアップテーブルに示される動作変化に基づいて、デバイスにより変化が自動的に遂行され得る、又は必要な変更を行うように、プロンプトがユーザに提示され得る。
【0151】
薬物投与デバイスの更なる動作を変更することは、投与の成功が確認されなかった場合に、薬物投与デバイスの更なる動作を防止することを含み得る。更なる動作のこのような防止により、更なる投与の失敗が防止され、薬物投与デバイスの更なる動作の前に、投与を失敗させた問題に対処するようにユーザにプロンプトを提示することが可能になり得る。薬物投与デバイスの更なる動作を防止することは、薬物の更なる投与を停止する任意の方法を含み得る。例えば、薬物投与デバイスの更なる動作を防止することは、薬物投与デバイスの電源を無効にすること、具体的には、薬物投与デバイスの分配機構への電源を無効にすることを含み得る。電源を無効にすることは、例えば、プロセッサがスイッチを開ける又は閉じるように構成され、スイッチが閉じられているときは、電源が電力を供給することが可能であり、開いているときは、電源が電力を供給することが防止されることを含み得る。別の例では、薬物投与デバイスの更なる動作を防止することは、デバイス動作防止機構を可能にすることを含み得る。更に別の例では、アルゴリズムの少なくとも1つの可変パラメータを変化させることにより、薬物投与デバイスは、薬物の後続の用量の送達を防止することができ、したがって、効果的に、後続の投薬において薬物が全く投与されないことと等価になる。アルゴリズムは、薬物投与デバイスに、例えば、薬物投与デバイスのメモリ内に記憶することができ、薬物投与デバイスにおいて、例えば、薬物投与デバイスのプロセッサにより実行されて、薬物投与デバイスから患者にある用量の薬物を投与することができる。アルゴリズムは、デバイスの機能及び薬物の投与を制御するために、命令、通知、信号などを定義する、かつ/又は表す複数のデータポイントの1つ以上のセットの形態で記憶される。少なくとも1つの可変パラメータは、アルゴリズムのデータポイントの間にあり、例えば、薬物送達のための命令に含まれ、したがって、各々が、アルゴリズムの記憶された複数のデータポイントのうちの1つ以上を変更することによって、変更され得る。少なくとも1つの可変パラメータが変更された後、その後のアルゴリズムの実行は、変更されたアルゴリズムに従って、別の用量の薬物を投与する。したがって、時間の経過に伴う薬物送達を患者のために管理して、患者の実際の状況及び薬物の用量を受ける患者の実際の結果を考慮に入れることにより、薬物の有益な結果を増加させることができる。少なくとも1つの可変パラメータを変化させて、後続の投薬において薬物が全く投与されないことと等価になるようにする効果的な方法は、例えば、用量頻度可変パラメータを、決して達成可能ではない期間に変化させることにより、及び/又は残りのデバイス起動可変パラメータの最大数をゼロに変化させることにより、投与量可変パラメータをゼロに変化させることであり得る。
【0152】
薬物投与デバイスの更なる動作を変更することは、薬物投与デバイスの更なる動作中に投与される投与量を変更することを含み得る。投与された投与量が少なすぎる又は多すぎることを、少なくとも1つの投与パラメータが示す場合、投与量のこの変更は、投与量を増加又は減少させることを可能にする。投与量のこの変更により、薬物投与デバイスのユーザが、少なすぎる又は多すぎる投与量に関連する有害作用を被ることが防止される。プロセッサ、例えば、薬物投与デバイスのプロセッサ、又は薬物投与デバイスの遠隔に位置するか、薬物投与デバイスの外側に位置し、薬物投与デバイスと電気通信するプロセッサは、投与量の変化を計算し得る。薬物投与デバイスは、投与量を自動的に更新するように構成され得る。薬物投与デバイスは、新たに計算された投与量が後続の投与に使用されるべきであることを確認するために、例えば、ユーザインターフェースを介した、ユーザからの入力を必要とするように構成され得る。投与量を変更することは、例えば、投与量を定義する、アルゴリズムの少なくとも1つの可変パラメータを、パラメータの値を増加させること又は減少させることのいずれかにより変化させることを含み得る。
【0153】
薬物投与デバイスの更なる動作を変更することは、薬物投与デバイスにより薬物が投与される頻度を変更することを含み得る。この頻度変更により、薬物が投与される間隔を変化させることが可能になる。薬物が投与される頻度が多すぎる又は少なすぎるのいずれかであって、患者を傷つける危険性があることを、少なくとも1つの投与パラメータが示す場合、この間隔を変えることが望ましい場合がある。少なくとも1つの分配機構パラメータが、成功した投与が達成されなかったことを示し、更なる使用の前に薬物投与デバイスの修理を必要とする、又は薬物を送達するために薬物投与デバイスを効果的に使用することがもはやできないという、デバイス機能不良を示し得る場合、この間隔の変化を、決して達成できない頻度に変化させることが望ましい。プロセッサ、例えば、薬物投与デバイスのプロセッサ、又は薬物投与デバイスの遠隔に位置するか、薬物投与デバイスの外側に位置し、薬物投与デバイスと電気通信するプロセッサは、頻度の変化を計算するように構成され得る。薬物投与デバイスは、頻度を自動的に更新するように構成され得る。薬物投与デバイスは、新たに計算された頻度が後続の投与に利用されるべきであることを確認するために、例えば、ユーザインターフェースを介した、ユーザからの入力を必要とするように構成され得る。頻度を変更することは、例えば、薬物投与デバイスにより薬物が投与される頻度を定義する、アルゴリズムの少なくとも1つの可変パラメータを、パラメータの値を増加させること又は減少させることのいずれかにより変化させることを含み得る。
【0154】
薬物投与デバイスの更なる動作を変更することは、薬物投与デバイスにより薬物が投与される流速を変更することを含み得る。換言すれば、投与事象中に薬物投与デバイスから薬物が分配される流速を変更することができる。この流速の変更により、薬物を分配する時間を変えることが可能になる。薬物の投与が速すぎる又は遅すぎて、患者を傷つける危険性があることを、少なくとも1つの投与パラメータが示す場合、流速の変更が望ましい場合がある。プロセッサ、例えば、薬物投与デバイスのプロセッサ、又は薬物投与デバイスの遠隔に位置するか、薬物投与デバイスの外側に位置し、薬物投与デバイスと電気通信するプロセッサは、流速の変化を計算するように構成され得る。薬物投与デバイスは、流速を自動的に更新するように構成され得る。薬物投与デバイスは、新たに計算された流速が後続の投与に利用されるべきであることを確認するために、例えば、ユーザインターフェースを介した、ユーザからの入力を必要とするように構成され得る。流速を変更することは、例えば、薬物投与デバイスにより薬物が投与される流速を定義する、アルゴリズムの少なくとも1つの可変パラメータを、パラメータの値を増加させること又は減少させることのいずれかにより変化させることを含み得る。別の例では、流速を変更することは、モータが薬物投与デバイスからの薬物の送達を駆動する速度を変更することを含むことができ、速度の減少が流速の低減に対応し、速度の増加が流速の増加に対応する。
【0155】
ユーザは、薬物投与デバイスの更なる動作が変更されたことを通知され得る。この通知により、ユーザは、薬物投与デバイスの動作に対する変化について通知されたままであることが可能になり、その結果、ユーザは、薬物投与デバイスの動作への変更(複数可)の承認を確認することができる。この通知は、薬物投与デバイスが変更を自動的に実行する場合に、特に関連している。
【0156】
薬物投与デバイスの更なる動作が変更されたことをユーザに通知することは、デバイスインジケータにより行われ得る。通知は、視覚フィードバック、聴覚フィードバック、及び触覚フィードバックのうちの1つ以上を含み得る。通知により、薬物投与デバイスの更なる動作に行われたいかなる変更に対しても、ユーザが容易に警告されることが可能になる。視覚フィードバックは、LEDを使用して提供され得る。LEDは、薬物投与デバイスの更なる動作が変更されたことを示すように閃光を放つように構成され得る。LEDは、行われた変更に応じて、異なる速度で閃光を放つように、又は異なる色のLEDが閃光を放つように構成され得る。視覚フィードバックは、コンピュータシステムの表示画面を介して提供され得る。聴覚フィードバックは、一連のビープ音を含み得る。ビープ音は、行われた変更に応じて変化し得る。触覚フィードバックは、薬物投与デバイスが振動することを含み得る。振動の周波数又は大きさは、行われた変更に応じて変化し得る。
【0157】
分配機構がモータを備える場合、少なくとも1つの分配機構パラメータは、モータの動作の特性を含み得る。例えば、少なくとも1つの分配機構パラメータは、モータが動作する速度、モータにより引き込まれる電力、及び/又はモータが動作する持続時間であり得る。モータは、分配機構を動作させることが可能な任意のモータであり得る。利用される投与パラメータ(複数可)が分配機構パラメータ(複数可)とは別個であるならば、少なくとも1つの投与パラメータは、少なくとも1つの分配機構パラメータに関連して詳述したようなモータの動作の特性を含み得る。
【0158】
分配機構が変位可能構成要素を備える場合、少なくとも1つの分配機構パラメータは、変位可能構成要素の特性を含み得る。分配機構の動作は、変位可能構成要素を第1の位置から第2の位置に変位させることを含み得る。例えば、少なくとも1つの分配機構パラメータは、変位可能構成要素が移動した距離、変位可能構成要素が移動したときの速度、及び/又は変位可能構成要素の加速度を含み得る。利用される投与パラメータ(複数可)が分配機構パラメータ(複数可)とは別個であるならば、少なくとも1つの投与パラメータは、少なくとも1つの分配機構パラメータに関連して詳述したような変位可能構成要素の動作の特性を含み得る。変位可能構成要素の例は、以下を含む:患者内へと移動する、輸液ポンプ又は注射デバイスの針、注射デバイスの針を患者内へと移動させるように移動する、輸液ポンプ又は注射デバイスのばね、注射デバイスのハウジング内へと摺動して注射デバイスの吐出ノズルへのアクセスを提供する、注射デバイスの針シールド又は他の分配機構保護機構、点鼻スプレー装置の薬物ホルダから薬物を放出させ、点鼻スプレー装置のノズルを通して吐出させるように移動する、点鼻スプレー装置のばね、注射デバイス、輸液ポンプ、吸入器、又は点鼻スプレー装置のトリガー又は他のトリガー機構、注射デバイスの駆動要素、点鼻スプレー装置の分配ヘッドであって、下方に押されて、分配ヘッドにある開口部を通して薬物が送達されるように構成されている、分配ヘッド、吸入器のバルブ、及び、薬物送達中に移動する吸入器の薬物キャニスタ又は他の薬物ホルダ。
【0159】
変位可能構成要素の変位は、ホール効果センサを使用して測定することができる。ホール効果センサは、他のセンサの見通し線を不明瞭にし、したがって測定に影響を及ぼす可能性がある、塵埃粒子又は他の物理的物体の存在により影響を受けることがないので、ホール効果センサは、変位についての信頼性の高い測定を提供する。変位可能構成要素の変位は、代わりに又は加えて、例えば、運動センサ及び/又は圧力センサを使用して測定され得る。
【0160】
少なくとも1つの分配機構パラメータは、薬物の移動の特性を含み得る。例えば、少なくとも1つの分配機構パラメータは、薬物投与デバイスにより投与される薬物の流速を含むことができ、これは、投与される薬物の総体積を計算することを可能に、したがって、デバイスの動作を確認するために使用され得る。流速は、体積流量計により測定され得る。流速は、ピストン流量計により測定され得る。流速は、オーバル歯車式流量計により測定され得る。流速は、圧力ベースの流量計により測定され得る。流速は、ベンチュリ計により測定され得る。流速は、薬物投与デバイスの出口の近傍で測定され得る。薬物投与デバイスの出口の近傍とは、一般に、任意のセンサ(複数可)及び/又は他の測定機構が出口に近すぎて出口を通過する薬物と干渉する恐れがなく、出口における流速と実質的に同じである流速データを提供するように、出口に近いが出口直接接してはいない領域を指す。流速は、薬物投与デバイスの出口で測定され得る。利用される投与パラメータ(複数可)が分配機構パラメータ(複数可)とは別個であるならば、少なくとも1つの投与パラメータは、少なくとも1つの分配機構パラメータに関連して詳述したような薬物の移動の特性を含み得る。
【0161】
少なくとも1つの投与パラメータは、患者における薬物投与部位、例えば、注射部位の周囲の患者の領域などの、薬物を受ける患者の領域に関する特徴を含み得る。患者の薬物投与部位を監視することにより、成功した投与又は失敗した投与に関連する変化を使用して、特定の投与が成功したかどうかが決定され得る。例えば、少なくとも1つの投与パラメータを測定することは、注射部位の近傍に存在する液体の量を決定することを含み得る。注射部位の近傍とは、一般に注射部位の近くの領域を指し、注射部位を直接的に指すものではない。これは、任意のセンサ(複数可)及び/又は他の測定機構を注射部位に接近させすぎて、場合によっては注射部位での薬物注入と干渉する恐れがないように、注射部位を示す情報を提供するためである。
【0162】
液体測定は、ある場所での液体の量を決定するのに好適な任意の方法を使用して実施され得る。注射部位の近傍に存在する液体の量を測定することは、患者への液体薬物の投与が成功したかどうか、又は代わりに、薬物の漏れ及び/又は浪費の場合に起こり得るように、液体薬物が単に患者の表面上に付着されていることのチェックである。したがって、この液体測定は、投与における問題の可能性を示し得る。注射部位の近傍に存在する液体の量を決定することは、液体検出センサにより行われ得る。注射部位の近傍に存在する液体の量を決定することは、水分センサにより行われ得る。
【0163】
少なくとも1つの投与パラメータは、薬物投与デバイスの角度方向を含み得る。角度方向は、例えば、加速度計、ジャイロ、傾斜/角度スイッチ(水銀不使用)、位置センサなどを使用して測定され得る。上述したように、いくつかの薬物投与デバイスは、薬物が適切に送達されていることを確実にするために、薬物投与中に患者に対して特定の角度方向になければならない。
【0164】
少なくとも1つの投与パラメータは、薬物投与デバイスのユーザの生理学的パラメータ、例えば、患者の生理学の特性を含み得る。少なくとも1つの生理学的パラメータを測定することにより、薬物の投与が成功したことの確認が可能になり得る。これは、薬物がユーザに対して生理学的効果を及ぼすからである。投与が成功したというこの確認により、患者にとって薬物投与手順をより安全にすることができる。なぜなら、投与の成功が確認されない場合に、患者及び/又は医療専門家に迅速に警告することができ、したがって、必要に応じて迅速に介入することができるからである。生理学的パラメータは、投与の成功を確認するために使用することができるように、薬物の投与時に変化することとなるユーザの任意の生理学的パラメータであり得る。生理学的パラメータは、ユーザの心拍数であり得る。ユーザの心拍数は、例えば、心拍数モニタを使用して測定され得る。生理学的パラメータは、ユーザの血圧であり得る。ユーザの血圧は、例えば、脈圧計又は血圧モニタを使用して測定され得る。
【0165】
少なくとも1つの投与パラメータが測定されて、薬物投与デバイスのユーザの生理学的パラメータを含むことの代わりに又はそれに加えて、成功した薬物の投与中に、少なくとも1つの分配機構パラメータを介して、少なくとも1つの生理学的パラメータが測定され得る。例えば、少なくとも1つの分配機構パラメータが薬物の流速を含む場合、測定された流速を使用して、少なくとも1つの生理学的パラメータが決定され得る。例えば、流速における周期的な変動は、ユーザの心拍数を示す。流速を介して心拍数を検出することは、患者の静脈への薬物投与デバイスの無傷の接続を示す。心拍数によって引き起こされる流速の特徴的な変動が存在しないことは、静脈と薬物投与デバイスとの間の接続が中断されていることを示す。したがって、心拍数を決定できることが、投与が成功したことの指標である。
【0166】
薬物投与デバイスの更なる動作は、少なくとも1つの分配機構パラメータ及び/又は少なくとも1つの生理学的パラメータに基づいて変更され得る。薬物投与デバイスの更なる動作の変更を可能にすることにより、本明細書で論じられるように、更なる投与が成功する可能性をより高める得る調整をすることが可能になる。
【0167】
薬物投与デバイスの動作状態は、分配機構の動作の前に評価され得る。この評価は、薬物の投与の成功に必要な薬物投与デバイスの任意の特徴を評価することを含み得る。この評価により分配機構の動作状態が評価されているので、使用者は、薬物投与デバイスが薬物の投与に成功することとなるということに確信を持つことが可能になる。
【0168】
薬物投与デバイスの動作状態を評価することは、薬物投与デバイスの電源を分析して、投与の成功に十分な充電を電源が有することを検証することを含み得る。十分な充電は、投与の成功に必要な所定の最小充電であり得る。所定の最小充電はメモリに記憶されて、分析を実行するプロセッサによりアクセスされ得る。電源のこの分析により、投与を成功させるのに十分な充電があるかどうかが確認され、したがって、投与が不成功であったとしても、考えられる失敗の理由が絞り込まれる。
【0169】
薬物投与デバイスの動作状態を評価することは、更に又は代わりに、薬物投与デバイスの変位可能構成要素を所定の距離だけ移動させることを含み得る。この移動の完了を確認することにより、変位可能構成要素が機能することを確認することが可能になり、したがって、投与が不成功であったとしても、考えられる失敗の理由が絞り込まれる。
【0170】
薬物投与デバイスの動作状態の評価により、投与が成功しなかったであろうことが示される場合、薬物投与デバイスの動作が防止され得る。この防止により、患者を傷つける可能性がある、投与の部分的な完了が防止されることになる。薬物投与デバイスの動作を防止することは、本明細書に記載される方法のうちのいずれかを含み得る。例えば、薬物投与デバイスの動作を防止することは、薬物投与デバイスのモータの電源を無効にすることを含み得る。別の例では、薬物投与デバイスの動作を防止することは、デバイス動作防止機構を使用可能にすることを含み得る。更に別の例では、薬物投与デバイスの動作を防止することは、薬物投与デバイスからの薬物投与を制御する際に使用されるアルゴリズムの少なくとも1つの可変パラメータを変化させることを含み得る。
【0171】
薬物投与デバイスのユーザは、薬物投与デバイスの動作が防止されていることを通知され得る。ユーザに通知することは、本明細書に記載されるユーザに通知する方法のうちのいずれかを含み得る。具体的には、通知は、視覚フィードバック、聴覚フィードバック、及び触覚フィードバックのうちの1つ以上を含み得る。
【0172】
ユーザは、投与が成功したかどうかを通知され得る。この通知は、投与が成功したことをユーザに再保証し、なんらかの行動が必要かどうかをユーザに警告する。投与が成功したかどうかをユーザに通知することは、本明細書に記載されるユーザに通知する方法のうちのいずれかを含み得る。具体的には、通知は、視覚フィードバック、聴覚フィードバック、及び触覚フィードバックのうちの1つ以上を含み得る。
【0173】
センサは、少なくとも1つの分配機構パラメータを測定するように構成され得る。そのようなセンサは、本明細書では「分配センサ」とも称する。1つ以上の分配センサを使用することができる。この測定は、分配機構データを生成し、分配機構データは、薬物投与システム又は薬物投与デバイスが、薬物投与デバイスによる薬物の分配が成功したかどうかを判定することを可能にする。分配機構パラメータを、許容される分配機構パラメータと比較することに関して、本明細書に記載される比較を行うために、分配機構パラメータの各々に対応する分配機構データが使用される。
【0174】
センサは、少なくとも1つの投与パラメータを測定するように構成され得る。そのようなセンサは、本明細書では「投与センサ」とも称する。1つ以上の投与センサを使用することができる。この測定により投与データが生成され、薬物投与システム又は薬物投与デバイスは、投与データを許容される投与パラメータと比較することができる。少なくとも1つの分配センサが、少なくとも1つの分配機構パラメータを測定するのと同時に、少なくとも1つの投与センサは、少なくとも1つの投与パラメータを測定するように構成され得る。少なくとも1つの投与センサは、少なくとも1つの分配センサが少なくとも1つの分配機構パラメータを測定した後に、少なくとも1つの投与パラメータを測定するように構成され得る。少なくとも1つの投与パラメータを測定することは、薬物の投与が成功したことの確認を可能することができ、分配機構の動作が完了したことの確認についての独立したチェックとして機能することができる。少なくとも1つの投与パラメータを測定することはまた、最後の1つの投与パラメータが測定されなかった場合よりも、失敗した投与を検出する可能性を増加させ、より迅速に介入して、患者が傷つくことを防止することが可能になる。
【0175】
プロセッサは、分配機構データを受信し、分配機構データに基づいて、分配機構の動作が完了しているかどうかを判定するように構成され得る。この決定により、分配機構が意図したように動作したことの確認が可能になり得る。プロセッサは、薬物投与デバイスの一部として、又は薬物投与デバイスの外部にあり、薬物投与デバイスから遠隔に位置し得る外部デバイスの一部として存在し得る。
【0176】
本明細書で論じられるように、外部デバイスを、薬物投与デバイスとは別個のデバイスとすることができ、外部デバイスは、分配機構の動作の完了を決定し、少なくとも1つの投与パラメータを許容される投与パラメータと比較するために必要な構成要素を備える。したがって、外部デバイスは、許容される投与パラメータを記憶するためのメモリと、薬物投与デバイスからデータを受信するための通信インターフェースと、を含むコンピュータシステムを含み得る。したがって、薬物投与デバイスは、データ、例えば、薬物投与データ及び/又は投与データを、電子的に送信するように構成された対応する通信インターフェースを含み得る。
【0177】
例示的な実施形態では、外部デバイスは、スマートフォン、タブレット、スマートウォッチなどの、薬物投与デバイスと無線で通信することができるスマートデバイスであり得る。
【0178】
投与センサが薬物投与デバイスの一部ではない場合、投与センサは、投与データを薬物投与デバイス又は外部デバイスのいずれかに送信するための通信インターフェースを含み得る。
【0179】
分配機構の動作が完了していると第1のプロセッサにより判定された場合に、第2のプロセッサは、少なくとも1つの投与センサから投与データを受信し、投与が成功したかどうかを確認するように構成され得る。この確認により、システム又はデバイスは、より詳細に上述したように、薬物の投与が成功したことを確認することが可能になり、それにより患者の安全性の改善につながり得る。したがって、第2のプロセッサは、送達が成功したか否かを確認することにより、安全性の特徴を提供し得る。第2のプロセッサは、薬物投与デバイス又は外部デバイスに存在し得る。第2のプロセッサがない場合、第1のプロセッサは、少なくとも1つの分配機構パラメータ及び少なくとも1つの投与パラメータの両方に関連する動作を実行するように構成され得る。具体的には、第1のプロセッサは、全ての必要な処理機能を実行するように構成され得る。
【0180】
第2のプロセッサが外部デバイスに存在する実施形態では、投与が成功したことに応答して、外部デバイス、例えば、その第2のプロセッサは、患者(又は適宜、患者が受け取る又は使用するための別の場所)への新しい薬物投与デバイスの郵送(又は適宜、他の配送)を自動的にトリガーするように構成することができ、その結果、患者は、次の予定された薬物投与の時期が来る前に新しい薬物投与デバイスを適宜受け取ることができる、かつ/又は、患者は、いかなる所与の時間においても、限られた量の薬物の供給を手元に有する。患者が、任意の所与の時間に、限られた量の薬物の供給を手元に有することは、乱用される可能性のある、かつ/又は他の薬物よりも中毒になりやすい規制薬物の場合に、特に重要であり得る。いくつかの薬物投与デバイスは、1回使用型デバイスであり、これにより、新しい1回使用型の薬物投与デバイスの自動トリガーによる郵送又は他の配送が特に有用になり得る。
【0181】
第2のプロセッサが外部デバイス上に存在する実施形態では、投与が成功したことに応答して、外部デバイス、例えば、その第2のプロセッサは、認定代理店による薬物投与デバイスのピックアップのスケジューリングを自動的にトリガーするように構成され得る。いくつかの薬物投与デバイスは、リサイクルのために、使用後に認定代理店よって回収されること、及び/又は(薬物投与デバイスが使用されなかったためであるか、使用後に薬物投与デバイス内に薬物が残されているためであるかにかかわらず)薬物投与デバイス内に残っている全ての薬物が、安全に廃棄されて、いかなる権限のない人によってもアクセスされないことを確実にするのに役立つことが要求されるか、又は推奨され、これは、エスケタミン及びケタミンなどの規制薬物の場合、特に重要であり得る。薬物投与デバイスは、GPSを介して又は他の手段で地理的位置を感知するように構成された位置センサを含むことができ、薬物投与デバイスは、位置センサにより収集された位置データを第2のプロセッサに送信するように構成され得る。したがって、第2のプロセッサは、使用済み薬物投与デバイスをどこでピックアップすべきかを知ることができる。認定代理店が、デバイスが使用されたときに薬物投与デバイスを一度に1つずつピックアップするよりも、複数の薬物投与デバイスを一度にピックアップすることがより効率的であり得る。したがって、第2のプロセッサは、薬物投与デバイスの各々から受信した感知された位置データを使用して、薬物投与デバイスの最小数が、いつ特定の場所でピックアップされる準備ができているかを知るように構成されてもよく、その場合にのみ、薬物投与デバイスの最小数が特定の場所でピックアップされる準備ができているときに、認定代理店による使用済み薬物投与デバイスのピックアップのスケジューリングが自動的にトリガーされる。
【0182】
第2のプロセッサは、分配機構データ及び/又は投与データに応じて、薬物投与デバイスの更なる動作を変更するように構成され得る。上で論じたように、薬物投与デバイスの更なる動作の変更を可能にすることにより、更なる投与が成功する可能性をより高め得ること、及び投与される薬物の更なる無駄を減らし得る調整をすることが可能である。
【0183】
第2のプロセッサは、分配機構の動作中にリアルタイムデータを記録するように構成され得る。第2のプロセッサは、リアルタイムデータを使用して、分配機構の動作中に1つ以上の安全上の懸念があるかどうかを判定するように構成され得る。第2のプロセッサは、いかなる判定された安全上の懸念をもユーザに通知するように構成され得る。1つ以上の安全上の懸念は、高すぎる背圧を含み得る。1つ以上の安全上の懸念は、流速が速すぎることを含み得る。1つ以上の安全上の懸念は、流速が遅すぎることを含み得る。
【0184】
第2のプロセッサは、患者への投与が成功したことに応答して、1つ以上のセンサを使用して、患者の1つ以上の生理学的パラメータに関するデータの収集を自動的にトリガーするように構成され得る。生理学的パラメータの例としては、血糖値(例えば、グルコースモニタなどを使用して測定可能)、血圧(例えば、血圧モニタを使用して測定可能)、発汗レベル(例えば、流体センサを使用して測定可能)、心拍数(例えば、心拍計を使用して測定可能)、呼吸数(例えば、呼吸モニタ、鼻若しくは口の近くに位置して、呼気の熱の検出を使用する又は出入りする空気流の移動を検出するように構成されている熱センサ、鼻若しくは口の近くに位置して、呼気の圧力の検出を使用する又は出入りする空気流の移動を検出するように構成されている圧力センサ、肺活量計、などを使用して測定可能)、温度(温度センサなどを使用)、血中酸素濃度(例えば、血中酸素センサなどを使用)、鎮静、解離、などが挙げられる。患者の少なくとも1つの生理学的パラメータを測定することは、薬物が患者に生理学的影響を及ぼすので、患者への薬物投与が成功したことの確認を可能にし得る、かつ/又は薬物投与後の患者の状態の監視を容易にし得る。いくつかの薬物では、薬物が投与された患者を、薬物投与後に一定期間にわたり監視することが必要である。薬物のリスク評価及び緩和戦略(Risk Evaluation and Mitigation Strategies、REMs)、例えば、エスケタミン、ケタミン、又は他の規制薬物のREMSは、この監視を必要とする場合がある。薬物投与後に、患者の少なくとも1つの生理学的パラメータの測定を自動的にトリガーすることは、必要な監視を容易にするのに役立ち得る。
【0185】
いくつかの実施形態では、患者の1つ以上の生理学的パラメータに関するデータを収集するように構成された1つ以上のセンサ(例えば、患者センサ)は、既に、例えば、患者の通常の治療及び監視の一環として、薬物投与後にデータを収集するようにスケジュールされ得る。そのような場合、第2のプロセッサが、患者の1つ以上の生理学的パラメータに関するデータを収集するように構成された1つ以上のセンサを自動的にトリガーすることは、薬物投与後の特定の経過時間(複数可)に、及び/又は1つ以上のセンサに対して以前にスケジュールされたものとは異なる規則的にスケジュールされた頻度(例えば、データの連続的な収集を含み得る、規則的にスケジュールされた増加した頻度)で、1つ以上のセンサにデータを収集させることを含み得る。薬物投与後の特定の経過時間(複数可)にて(例えば、薬物投与後10分毎、薬物投与後20分毎、薬物投与後30分毎、薬物投与後1時間毎、薬物投与後40分に一度、そして薬物投与後2時間に再度、薬物投与後30分に一度、次いで薬物投与後2時間毎、など)データを収集することが、患者に対する薬物の効果の分析のための有用な生理学的パラメータデータを確実に収集することに役立ち得る。同様に、異なる規則的にスケジュールされた頻度でデータを収集することが、患者に対する薬物の効果の分析のための有用な生理学的パラメータデータを確実に収集することに役立ち得る。
【0186】
第2のプロセッサは、本明細書に記載されるいずれかの方法で、薬物投与デバイスの更なる動作を変更するように構成され得る。薬物投与デバイスの更なる動作が変更されたことを薬物投与デバイスのユーザに通知するために、上述したように、通知出力が提供され得る。更なる動作を変更する例として、第2のプロセッサは、投与の成功が確認されなかった場合に、薬物投与デバイスの更なる動作を防止するように構成され得る。この更なる動作の防止は、更なる失敗する投与を防止し、薬物投与デバイスが再び薬物投与量を送達できるようになるまで、投与を失敗させた問題に対処しなければならないことを意味する。第2のプロセッサが、薬物投与デバイスの更なる動作を防止するように構成されていることは、上述したように、第2のプロセッサが、スイッチを開閉することなどにより、薬物投与デバイスのモータの電源を無効にするように構成されていること、第2のプロセッサが、デバイス動作防止機構を有効化させるように構成されていること、及び/又は、第2のプロセッサが、薬物投与デバイスからの薬物投与を制御する際に使用されるアルゴリズムの少なくとも1つの可変パラメータを変化させるように構成されていること、を含み得る。
【0187】
少なくとも1つの分配センサ又は少なくとも1つの投与センサは、ホール効果センサ、運動センサ、圧力センサなどの様々なセンサのうちのいずれかを含み得る。上述したように、ダスト粒子により物理的に覆われたホール効果センサ、又は他の手段は、測定に影響を及ぼすことがないので、変位に関する信頼性の高い測定値を提供する。
【0188】
別の例では、少なくとも1つの分配センサ又は少なくとも1つの投与センサは、体積流量計を含み得る。これは、投与される薬物の総体積を計算することを可能にし、したがって、デバイスの動作又は薬物の投与を確認するために使用され得る。体積流量計は、ピストン流量計を含み得る。体積流量計は、オーバル歯車式流量計を含み得る。体積流量計は、薬物投与デバイスの出口の近傍に又は出口に配置されてもよい。
【0189】
更に別の例では、少なくとも1つの分配センサ又は少なくとも1つの投与センサは、圧力ベースの流量計を含み得る。圧力ベースの流量計は、ベンチュリ計を含み得る。
【0190】
別の例では、少なくとも1つの投与センサは、本明細書で論じられるように、注射部位の近傍に存在する液体の量を測定するように構成された液体検出センサを含み得る。
【0191】
更に別の例では、少なくとも1つの投与センサは、例えば、加速度計、ジャイロ、傾斜/角度スイッチ(水銀不使用)、位置センサなどを使用して、薬物投与デバイスの角度方向を監視するように構成され得る。上述したように、いくつかの薬物投与デバイスは、薬物が適切に送達されていることを確実にするために、薬物投与中に患者に対して特定の角度方向になければならない。
【0192】
図9は、体積流量計930及びホール効果センサ940を備える薬物投与デバイス900の実施形態の概略図である。この例では、薬物投与デバイス900は、本明細書に記載される汎用薬物投与デバイス500の実現形態である。この例では、任意の適合する薬物投与デバイスが使用され得る。
【0193】
薬物投与デバイス900は、分配される薬物を保持する薬物ホルダ910と、薬物がユーザに投与され得るように、薬物ホルダ910から薬物を分配するように構成されている分配機構920と、を備える。この例では、分配機構920は、プランジャである。薬物投与デバイス900は、ホール効果センサ940を備え、分配機構920は、磁石942を備える。分配機構920の変位Dが変化するにつれて、ホール効果センサ940の読み取り値は、磁石942の近接度の変化に起因して変化することとなる。ホール効果センサ940は、各読み取り値が異なる変位Dに対応するように較正され得る。したがって、ホール効果センサ940の読み取り値を使用して、分配機構が意図された距離を移動したことを確認することにより、分配機構920の動作又は薬物の投与を確認することができる。この例では、ホール効果センサ940は、少なくとも1つの分配機構パラメータを測定し、少なくとも1つの分配機構パラメータに関連する分配機構データを出力するように構成されている。ホール効果センサ940の位置は単に一例として示されており、ホール効果センサ940は、分配機構920の変位Dが変化するにつれてホール効果センサ940の読み取り値が変化することとなる任意の場所に配置されてもよいことが、当業者には理解されるであろう。代替構成では、変位機構920は、ホール効果センサ940を含むことができ、薬物投与デバイス900は、磁石942を含むことができる。
【0194】
薬物が吐出ノズル922を通して分配機構920により分配されると、薬物は、体積流量計930を通過する。体積流量計930は、分配機構920により分配される薬物の量を測定するように構成されている。この例では、体積流量計は、少なくとも1つの投与センサのうちの1つである。体積流量計930の位置は、単に一例として示されており、体積流量計930は、薬物が投与されているときに薬物が通過する任意の場所に配置されてもよいことが、当業者には理解されるであろう。体積流量計930は、薬物投与デバイス900の出口の近傍に配置されてもよい。体積流量計930を通過する液体の量を測定することにより、薬物の投与が成功したことを確認することができる。
【0195】
図10は、薬物投与デバイスからの投与を確認する方法1000の実施形態を示すフロー図を示す。
【0196】
任意選択で、薬物投与デバイスの動作状態は、デバイスの動作前に評価される(1010)。次いで、薬物投与デバイスの分配機構が動作する(1020)。少なくとも1つの分配機構パラメータが測定される(1030)。少なくとも1つの分配機構パラメータは、本明細書に記載の任意の分配機構パラメータであり得る。少なくとも1つの投与パラメータが測定される(1040)。少なくとも1つの投与パラメータは、本明細書に記載される任意の投与パラメータであり得る。次いで、少なくとも1つの分配機構パラメータに基づいて、分配機構の動作が完了しているかどうかが判定される(1050)。
【0197】
分配機構の動作が完了していると判定された場合、投与が成功したかどうかを確認するために、少なくとも1つの投与パラメータは、許容される投与パラメータと比較される(1060)。次いで、任意選択で、薬物投与デバイスのユーザは、投与が成功したかどうかを通知され得る(1080)。分配機構の動作が不完全であると判定された場合、任意選択で、ユーザに分配機構の不完全な動作が通知される(1070)。任意選択で、投与が成功したかどうかをユーザに通知した(1080)後、又は分配機構の動作が不完全なことをユーザに通知した(1070)後、薬物投与デバイスの更なる動作が変更され得る(1090)。任意選択で、薬物投与デバイスの更なる動作に対する変更がユーザに通知され得る(1092)。
【0198】
薬物送達適合性、通知、及び優先順位付け
上で概説したように、特に薬物治験又は投薬処方への適合性に関して、薬物の送達を監視して、送達の問題又は他の課題を特定することが望ましい場合がある。例示的な実施形態では、薬物投与及び監視システムは、薬物投与デバイス、監視デバイス、及びセンサを含む。薬物投与デバイス、監視デバイス、及びセンサは全て、単一デバイス内に互いに統合され得る。代わりに、薬物投与デバイス及び監視デバイスは両方とも、単一デバイス内に互いに統合されることができ、センサは、スタンドアロン型のデバイスであり得る。別の代替形態では、薬物投与デバイス、監視デバイス、及びセンサはそれぞれ、スタンドアロン型の個別のデバイスであり得る。
【0199】
センサは、リアルタイムで患者をインビボ監視し、少なくとも1つの患者パラメータを感知するように構成され得る。したがって、本明細書では、薬物投与及び監視システムのセンサは、「患者センサ」とも称する。患者センサは、患者の表面に、患者内に、若しくは患者に接触して、又は患者の近傍に配置されるように構成され得る。例えば、患者センサは、スマートウォッチなどのウェアラブルデバイスに統合され得る、又は、例えば、スマートフォンなどのモバイルユーザデバイスに統合されることにより患者により運ばれ得る。
【0200】
監視デバイスは、本明細書に記載されるコンピュータシステムなどの電子デバイスとして形成される。例示的な実施形態では、監視デバイスは、モバイルコンピュータシステム、例えば、携帯電話、スマートウォッチなどであり、モバイルコンピュータシステムは、ユーザの多くの様々な場所において監視デバイスを介した情報へのユーザアクセスを可能にし得る。
【0201】
薬物投与デバイス、監視デバイス、及び患者センサはそれぞれ、互いにデータ通信している。通信は、例えば、薬物投与デバイスから監視デバイスへの、及び患者センサから監視デバイスへの、一方向(単方向性)であり得る。代わりに、データ通信は、双方向であり得る。
【0202】
監視デバイスは、薬物投与システムから薬物送達事象に関連するデータを受信し、患者センサから少なくとも1つの患者パラメータを受信するように構成され得る。
【0203】
監視デバイスは、薬物送達事象を記録し、患者センサにより感知された少なくとも1つの患者パラメータに基づいて、特定の患者に対する薬物送達事象に関連付けられた薬物応答を決定し、薬物応答及び薬物送達事象に関連付けられた患者転帰に関連するデータを決定、かつ記憶するように構成され得る。薬物送達事象は、記録されることができる、かつ/又は、決定されたデータは、患者の電子健康記録(EHR)に、及び/若しくは投与された薬物と共に使用するのに必要な形態で、例えば、特定薬物のリスク評価及び緩和戦略(REMS)用の患者監視形態で、記憶され得る。エスケタミン、ケタミン、及び他の規制薬物は、典型的にはREMSを有する。したがって、EHR及び/又はフォームは、正確かつ適時に更新され得る。
【0204】
決定された患者転帰は、薬物応答が感知される薬物送達の投与後の期間、患者への薬物投与後の所与の時間における又は所与の期間にわたる、決定された薬物応答の強度、薬物送達事象に関連する薬物応答が決定される時間幅、及び薬物により治療される医療適応症に関連付けられた特定の症状に関連する薬物送達事象に続く、患者に対する薬物の有効性又は応答、のうちの1つ以上であり得る。
【0205】
監視デバイスは、決定された患者転帰に基づいて、患者及び/又は遠隔患者監視デバイスへの通知を生成するように構成され得る。遠隔患者監視デバイスは、本明細書に記載されるように、外部デバイスであり得る。
【0206】
センサにより感知される少なくとも1つの患者パラメータは、温度、pHレベル、バイオマーカー、グルタチオンレベル、皮膚の厚さ、皮下組織の厚さ、血液酸素濃度、血糖値、血圧、心拍数、呼吸数、睡眠、及び代謝率、のうちの1つ以上を含み得る。
【0207】
監視デバイスは、処方投薬スキームに対する、薬物投与デバイスによる薬物送達事象、及び任意選択で1つ以上の追加の薬物送達事象の適合性をチェックするように構成され得る。監視デバイスは、薬物送達事象及び任意選択の1つ以上の追加の薬物送達事象が処方投薬スキームに適合しない場合、患者及び/又は遠隔患者監視デバイスへの通知を生成するように更に構成され得る。処方投薬スキームは、以下の投薬パラメータ、薬物送達速度、薬物送達継続時間、薬物送達体積、及び薬物送達頻度、のうちの1つ以上を指定することができる。
【0208】
薬物投与システムはまた、外部刺激を検出するように構成された環境センサを含み得る。薬物投与システムの環境センサは、薬物投与デバイスへのユーザ入力、地理的位置、周囲温度、圧力、及び紫外線レベル、のうちの1つ以上を検出するように構成され得る。薬物投与システムはまた、ユーザインターフェースを含むことができ、外部刺激は、ユーザ入力であり得、ユーザ入力は、ユーザインターフェースを介して入力することができる。
【0209】
監視デバイスはまた、感知された少なくとも1つの患者パラメータ及び/又は外部刺激に基づいて、薬物に関連する副作用の可能性が増加したかどうかを判定することと、副作用の可能性が増加したと判定された場合、薬物送達事象及び任意選択の1つ以上の追加の薬物送達事象が処方投薬スキームに適合しない場合に、患者又は遠隔患者監視デバイスへの通知を生成することと、を行うように更に構成され得る。監視デバイスは、デバイスインジケータを含むことができ、副作用の可能性が増加したと判定された場合、薬物投与デバイスは、デバイスインジケータを作動させるように構成され得る。
【0210】
監視デバイスは、複数の通知を、薬物送達事象、任意選択の1つ以上の追加の薬物送達事象、及び/又は少なくとも1つの患者パラメータに関連する患者及び/又は遠隔監視デバイスに提供するように構成することができ、複数の通知は、検出された薬物送達事象及び任意選択の1つ以上の追加の薬物送達事象に基づいて、かつ/又は少なくとも1つの患者パラメータに基づいて、所定の優先順位に従って順番に通知することができる。
【0211】
図11は、監視デバイス901を含む薬物投与及び監視システムの実施形態を示し、監視デバイス901は、患者用のスマート監視デバイスであり、薬物投与デバイス500又はハウジング630(図5図7)、及び中央システム700(図7)と通信する。監視デバイス901は、薬物投与デバイス500又はハウジング630の薬物送達事象を監視するように構成され、薬物送達事象に関連するデータを中央システム700に送信するように構成されている。
【0212】
図12に示すように、薬物投与及び監視システムはまた、監視デバイス901と通信する1つ以上の患者センサ1001と、監視デバイス901と通信する1つ以上の環境センサ1002とを含む。上述したように、患者センサ(複数可)1001は、温度、pHレベル、バイオマーカー、グルタチオンレベル、皮膚の厚さ、皮下組織の厚さ、血液酸素濃度、血糖値、血圧、心拍数、呼吸数、睡眠、及び代謝率、のうちのいずれか1つ以上を含む、患者の1つ以上の現在の状態を感知するように構成され得る。更に上述したように、環境センサ(複数可)1002(例えば、図5B又は図6の、環境センサ94、位置センサ98、デバイスセンサ92のうちの1つ以上)は、薬物投与デバイスへのユーザ入力、地理的位置、周囲温度、圧力、及び紫外線レベル、のうちの1つ以上を感知するように構成され得る。
【0213】
患者センサの一実施形態を図14に示す。薬物投与デバイス500(図5B)は、図14のこの例示的な実施形態ではオートインジェクタであり、デバイス500の遠位端1200に位置する光源1201を含む。患者センサは、光源1201が作動されて患者の皮膚1203に光1201aを伝達したときに、患者の皮膚1203から戻って来る反射光を検出するように構成された光検出器1202である。受光された光の特性(例えば、強度、変動など)に応じて、1つ以上の患者パラメータ(例えば、皮膚の厚さ、心拍数など)が決定され得る。当業者は、反射光を介して感知された1つ以上の患者パラメータを決定するために、例えば、監視デバイス901のプロセッサ又は他のプロセッサにより、反射光がどのように分析され得るかを理解するであろう。
【0214】
ホームベース708、医療施設706、及び/又はモバイル位置710(図7)における薬物投与デバイス500及び/又はハウジング630は、薬物送達事象に関して、監視デバイス901及び/又は中央システム700(図7)から通知を受信するように構成され得る。具体的には、通知は、送達された薬物製品の品質、成功した薬物送達、失敗した薬物送達、薬物送達の間に薬物投与デバイス500の自己較正が生じたかどうか、薬物送達事象の時間及び持続時間、処方薬物送達プロファイルとの適合性、特定の薬物に関する異常な若しくは非処方薬物送達、薬物により治療されている医療適応症の検出された症状、検出された副作用、薬物送達に関連付けられた環境パラメータ、患者パラメータ、緊急事象(薬物送達の投与過剰又は投与不足)、並びに薬物送達における間違い、のうちのいずれか1つ以上に関連し得る。監視デバイス901により検出された薬物送達のそのような緊急事象は、例えば、患者及び/又は患者の介護人に警告され得る。通知は、図13の実施形態に示されるように、既定の優先順位マトリックス1100に応じて、既定の順序で優先順位付けされ、かつ通知されることができ、例えば、優先順位は、患者へのリスク及び/又は薬物試験との適合性に基づく。通知は、音響的警告又は視覚的警告により、監視デバイス901自体、及び/又は薬物投与デバイス500及び/又はハウジング630上に警告され得る。
【0215】
図13の例示的な通知シーケンス1100では、ステップ1101において、ユーザに薬物の品質(図13で薬物製品として参照)が通知される。ステップ1102において、成功した薬物送達がユーザに通知される。(ユーザであり得る)患者の症状における改善が記録された場合、ステップ1103においてユーザに通知され、その後、ユーザは、ステップ1104において、更なる用量を摂取するようにリマインドされる。ステップ1102における成功した薬物送達の後に、薬物送達に関連付けられた否定的影響が検出された場合、ステップ1105においてユーザに通知される。否定的影響が小さいと判定された場合、ユーザは、ステップ1106において警告され、ステップ1107において症状が更に監視される。代わりに、判定された否定的影響が大きい場合、ステップ1108において、ユーザは、支援を求めるように通知される。
【0216】
再び図11を参照すると、いくつかの実施形態では、監視デバイス901は、薬物ホルダの薬物送達事象を監視し、それにより薬物ホルダと共に使用される薬物投与デバイス500又はハウジング630の薬物送達を監視するように構成されている。薬物ホルダがいつ最初に使用されるかを知ることが、(例えば、プロセッサが薬物の既知の有効期限と最初の使用日時とを比較することにより)薬物がその有効期限の前に使用されることを確実にするにあたって、及び/又は薬物投与が成功したかどうかを判定するにあたって、患者の服薬遵守を評価するのに有用であり得る。薬物ホルダは、薬物送達事象に関連するデータを中央システム700に送信するように構成されている。したがって、そのような実施形態では、薬物投与デバイス500又はハウジング630は、薬物送達事象に関連するデータを中央システム700に送信するように構成され得るが、そうである必要はない。
【0217】
図15及び図16は、薬物投与及び監視システムに含まれ得る薬物ホルダ1300の実施形態を示す。この図示した実施形態における薬物ホルダ1300は、その中に液体剤形の薬物を保持するように構成されたバイアルである。薬物は、図15及び図16では明示されていない。薬物ホルダ1300は、隔膜1302を含み、隔膜1302は、穿刺されて隔膜1302を通して薬物ホルダ1300内の薬物にアクセスすることが可能なように構成されている。図16は、隔膜1302を通して挿入されるように構成されたシリンジ1306の針1304の実施形態を示す。図16は、隔膜1302を通って薬物ホルダ1300内へと延在する針1304を示す。薬物が薬物ホルダ1300から針1304を通してシリンジ1306内へと引き込まれた後、針1304が隔膜1302から引き出されて、シリンジ1302を使用する患者への薬物送達が可能になり得る。
【0218】
薬物ホルダ1300はまた、回路トレース1308と、回路トレース1308と電子通信(1312)するチップ1310と、を含む。回路トレース1308及びチップ1310は、薬物ホルダ1300の外面に接着又は別様に適用されるように構成されたラベル1314に統合されているか又は別様に取り付けられている。ラベル1314は、様々なサイズ及び形状のいずれかを有し得る。また、回路トレース1308及びチップ1310は、他の方法で薬物ホルダ1300に取り付けられ得る。チップ1310は、一般にコンピュータシステムとして構成され、電源及び通信インターフェースを含む。回路トレース1308は、隔膜1302の上に配置され、隔膜1302を通して挿入された針により穿刺されるように構成されている。図15は、穿刺される前の非破断状態の回路トレース1308を示す。回路トレース1308は、非破断状態にあるので、回路トレース1308とチップ1310との間の電子通信1312は、破断されていない。図16は、穿刺された後の破断状態の回路トレースを示し、この図示した実施形態における穿刺は、シリンジ1306の針1304によるものである。回路トレース1308は、破断状態にあるので、回路トレース1308とチップ1310との間の電子通信1312は、破断されている。換言すれば、破断状態にある回路トレース1308は、電子構成要素間の電子通信1312を「破断」する。回路トレース1308が、非破断状態から破断状態に移行したことに応答して、例えば、電子通信1312の「喪失」に応答して、チップ1310の通信インターフェースは、薬物送達事象データをクラウド702及び/又は監視デバイス901に通信するように構成されている。この薬物送達事象データは、隔膜1302が穿孔され、回路トレース1308が穿刺により「破断」していることを反映して、薬物ホルダ1300が最初に使用され、したがって、薬物投与プロセスが開始している可能性が高いことを示す。回路トレース1308は、隔膜1302を穿刺した針又は他の部材が隔膜1302から引き抜かれた後に、破断状態のままである。したがって、回路トレース1308が非破断状態から破断状態に移行することは、薬物ホルダ1300の最初の使用を示す。
【0219】
薬物ホルダ1300は、キャップ1316を含み得、キャップ1316は、隔膜1302上に配置され、隔膜1302を通して針又は他の部材を挿入する前に、ユーザにより薬物ホルダ1300から除去されるように構成されている。したがって、キャップ1316は、回路トレース1308及び隔膜1302への保護を提供して、回路トレース1308が、例えば、出荷又は取り扱い中に、非破断状態から破断状態に時期尚早に移行することを防止するのに役立ち得る。キャップ1316は、ねじ山、キャップ1316を裏返すことを可能にするように構成されたヒンジ、スナップ嵌めなどを介するなど、当業者により理解されるように、いくつもの方法で薬物ホルダ1300に取り外し可能に取り付けられ得る。
【0220】
再び図11を参照すると、いくつかの実施形態では、監視デバイス901は、薬物混合を薬物送達事象として監視するように構成されている。薬物を適切に一緒に混合するのに知られている既定の最小量の時間にわたって混合が実施されたのかどうかをチェックすることなどにより、薬物混合に関連する情報、例えば、薬物混合がいつ始まったのか又は薬物混合が始まったのかどうか、及び薬物混合がいつ終わったのか又は薬物混合が終わったのかどうか、を知ることが、薬物投与が成功したかどうかを判定するのに有用であり得る。
【0221】
図17は、薬物投与及び監視システムに含まれ得る薬物投与デバイス500として、薬物投与デバイス1400の実施形態を示す。薬物投与デバイス1400は、デバイス1400において第1の薬物1402及び第2の薬物1404を混合するように構成されている。第1の薬物1402及び第2の薬物1404はそれぞれ、この図示された実施形態では液体である。第1の薬物1402及び第2の薬物1404は、互いに異なり、混合されて、薬物投与デバイス1400の混合チャンバ1406内で薬物を形成する。混合された薬物は、薬物投与デバイス1400の混合チャンバ1406から送達可能である。
【0222】
この図示した実施形態における薬物投与デバイス1400は、混合された薬物を混合チャンバ1406から押し込み、薬物投与デバイス1400の針1408から出すように構成されているプランジャを含むシリンジである。薬物投与デバイス1400は、シリンジ及び薬物投与デバイス500について本明細書で論じられるような他の構成要素を有し得る。
【0223】
図17は、第1のモータ1410及び第2のモータ1412を含む薬物投与デバイス1400を示す。第1のモータ1410は、例えば、デバイス1400の第1のプランジャ1414(一部図示)を、図17に示す図面では下方である遠位に押し込むことにより、第1の薬物1402を混合チャンバ1406内へと押し込むように構成されている。第2のモータ1412は、例えば、デバイス1400の第2のプランジャ1416(一部図示)を遠位に押し込むことにより、第2の薬物1404を混合チャンバ1406内へと押し込むように構成されている。薬物投与デバイス1400は、モータ1410、1412を制御し、したがって、薬物1402、1404の混合を制御するように構成されたプロセッサを含み得る。モータ1410、1412は、等量の第1の薬物1402及び第2の薬物1404を混合チャンバ1406内へと押し込み、第1の薬物1402及び第2の薬物1404を互いに同じ速度で混合チャンバ1406内へと押し込むように構成され得る。代わりに、モータ1410、1412は、異なる量の第1の薬物1402及び第2の薬物1404を混合チャンバ1406内へと押し込むように、かつ/又は、第1の薬物1402及び第2の薬物1404を互いに異なる速度で混合チャンバ1406内へと押し込むように構成され得る。混合された薬物の所望の濃度、第1の薬物1402及び第2の薬物1404のタイプなどの1つ以上の要素に応じて、異なる量の第1の薬物1402及び第2の薬物1404を混合チャンバ1406内へと押し込むこと、並びに/又は(同じ若しくは異なる)量の第1の薬物1402及び第2の薬物1404を異なる速度で混合チャンバ1406へと押し込むことにより、最も容易に注入され、最も均一に混合されたなどの、混合チャンバ1406内の混合薬物をもたらすことができる。
【0224】
第1の薬物1402及び第2の薬物1404の混合に関連する薬物送達事象に関する1つ以上のタイプのデータは、薬物投与デバイス1400からクラウド702及び/又は監視デバイス901に通信され得る。データの例としては、第1のモータ1402の開始日/時刻、第1のモータ1402の停止日/時刻、第1のプランジャ1414の駆動中の第1のモータ1402の速度、第1のプランジャ1414の駆動中の第1のモータ1402の電流、第2のモータ1404の開始日/時刻、第2のモータ1404の停止日/時刻、第2のプランジャ1416の駆動中の第2のモータ1404の速度、第2のプランジャ1416の駆動中の第2のモータ1404の電流、が挙げられる。
【0225】
図18は、薬物投与及び監視システムに含まれ得る薬物投与デバイス500として、薬物投与デバイス1500の実施形態を示す。薬物投与デバイス1500は、デバイス1500において第1の薬物1502及び第2の薬物1504を混合するように構成されている。この図示した実施形態では、第1の薬物1502は、液体であり、第2の薬物1504は、固体、例えば、粉末又は他の固体である。第1の薬物1502及び第2の薬物1504は、互いに異なり、混合されて、薬物投与デバイス1500から送達可能な薬物が形成される。この図示した実施形態では、混合前に第1の薬物1502が配置されるチャンバ1506は、第1の薬物1502及び第2の薬物1504が一緒に混合される混合チャンバとして機能する。
【0226】
この図示した実施形態における薬物投与デバイス1500は、第2の薬物1504をその初期チャンバ1512から混合チャンバ1506内へと押し込むように構成されたプランジャ1508を含むシリンジである。薬物投与デバイス1500は、プランジャ1508を駆動するように構成されたモータを含む。プランジャ1508は、第2の薬物1504を押し込むにあたって、プランジャ1508が遠位(図18の図では下向き)に移動する際に、シール1514を破壊するように構成されている。シール1514は、所望の混合時間の前は、初期的にチャンバ1506、1512を分離し、薬物1502、1504を互いに分離させた状態を保つ。薬物投与デバイス1500はまた、針1510を含み、混合薬物は、針1510を通って薬物投与デバイス1500から出ることができる。薬物投与デバイス1500は、シリンジ及び薬物投与デバイス500について本明細書で論じられるような他の構成要素を有し得る。
【0227】
図18は、薬物投与デバイス1500のモータ(プランジャ1508を駆動するものと同じモータ、又は異なるモータであり得る)により駆動されるように構成された撹拌機1516を含む薬物投与デバイス1500を示す。撹拌機1516は、薬物投与デバイス1500のハウジング1522に対して移動して、混合チャンバ1506(及び他のチャンバ1512)の移動、例えば、垂直移動、水平移動、回転運動、又はそれらのいくつかの組み合わせ、を引き起こすように構成されている。混合チャンバ1506の移動は、混合チャンバ1506内の第1の薬物1502及び第2の薬物1504を一緒に混合させる。遠位に移動して第2の薬物をチャンバ1512から混合チャンバ1506内へと押し込んだプランジャ1508は、混合中に(例えば、撹拌機1516の移動中に)混合チャンバ1506の近位端として機能し得る。混合された薬物の所望の濃度、第1の薬物1502及び第2の薬物1504のタイプなどの1つ以上の要因に応じて、撹拌機1516は、異なる速度で、かつ/又は異なる時間にわたって移動して、最も容易に注入され、最も均一に混合されたなどの、混合チャンバ1506内の混合薬物をもたらすことができる。
【0228】
第1の薬物1502及び第2の薬物1504の混合に関連する薬物送達事象に関する1つ以上のタイプのデータは、薬物投与デバイス1500からクラウド702及び/又は監視デバイス901に通信され得る。データの例としては、第2の薬物1504を押し出すためのプランジャ1508の移動の開始日/時刻、第2の薬物1504を押し出すためのプランジャ1508の移動の停止日/時刻、混合された薬物を混合チャンバ1506から押して針1510から出すプランジャ1508の移動の開始日/時刻、混合された薬物を混合チャンバ1506から押して針1510から出すプランジャ1508の移動の停止日/時刻、プランジャ1508及び/又は撹拌機1516の駆動中のモータの速度、並びにプランジャ1508及び/又は撹拌機1516の駆動中のモータの電流、が挙げられる。
【0229】
局所薬物活性化のための刺激応答薬物投与デバイス
別の例示的な実施形態では、薬物投与システムは、薬物を保持するように構成された薬物ホルダを含む薬物投与デバイスを含む。薬物投与デバイスはまた、薬物を分配するように構成された分配機構を含む。薬物投与システムはまた、患者パラメータを感知するように構成された第1のセンサを含む。薬物が分配機構により分配され、患者に投与された後、薬物投与システムは、患者の標的位置において薬物を局所活性化させるように構成されている。局所活性化は、患者パラメータ及び外部刺激に応答する。
【0230】
局所活性化により、不活性形態の薬物又は活性を弱めた薬物を患者に全身投与することが可能になり得る。薬物は、患者において、その治療効果が、所望される標的位置でのみ活性になるように構成されている。患者における位置は、皮膚などの、患者の表面上の位置を含むと理解される。有利には、患者における、意図しない又は標的から外れた位置に対する薬物の活性形態に関連付けられ得る有害な効果が最小限に抑えられる。上述した安全性の利益に加えて、薬物は、薬物の治療効果が所望される場所及び時点で、患者の体内の標的位置(典型的には特定の点ではなく体積である)においてのみ活性化されるので、薬物の有効性も改善され、したがって、薬物の利益を集中させることができる。その結果、必要な薬物の用量もまた低減され得る。局所活性化が、感知された患者パラメータ及び外部刺激に応答するようにすることにより、有効性及び安全性が更に改善され得る。なぜなら、患者パラメータ及び外部刺激のような条件が好適若しくは適切であること、又は薬物が患者内の所望の標的位置に局在しているような十分な時間が経過していることを、薬物投与デバイスが判断した場合にのみ、薬物が活性化されるからである。薬物がいつユーザにより投与されるのかに完全に依存するよりもむしろ、薬物投与デバイスが、好適な又は適切な条件に従って薬物がいつ活性化されるのかを制御するので、局所活性化は、感知された患者パラメータに応答し、外部刺激もまた服薬遵守を改善し得る。この活性化は、薬物が、医療専門家による代わりに患者自体により投与され得る、及び薬物投与が、準最適時間及び/又は準最適条件下で行われ得る、臨床環境外の用途にとって特に重要であり得る。特定の準最適条件(例えば、薬物の不適切な温度、薬物の不適切なpHレベル、上昇したグルタチオンレベル、低すぎる血圧など)は、薬物がその通常の投与量では有効ではない場合がある、かつ/又は副作用の増加につながる場合がある。したがって、薬物の局所活性化が、これらの好適な又は適切な条件に応答するならば有益である。
【0231】
局所活性化は、患者パラメータに応答し、外部刺激は、患者パラメータ及び外部刺激が既定の基準を満たしたときに活性化が生じることを含み得る。既定の基準は、患者パラメータ及び外部刺激が、閾値レベルを超えるか若しくは下回ること、又は代わりに、患者パラメータ及び外部刺激が、既定の数学的関係を満たすことであり得る。局所活性化の程度はまた、患者パラメータ及び外部刺激に応答し得る。
【0232】
第1のセンサは、患者に関連付けられた物理的特性又はパラメータを検出又は測定するように構成されたデバイスを含む。第1のセンサは、薬物投与デバイスと一体化することができ、薬物投与デバイスの表面上に配置することができる。代わりに、第1のセンサを、薬物投与デバイスの残りの部分から独立して自由に移動可能にして、患者パラメータのより便利な測定を可能にすることができる。第1のセンサは、有線又は無線で、薬物投与デバイスの他の構成要素(複数可)と通信し、それにより、局所活性化が、第1のセンサの出力に応答することを可能にするように構成されている。
【0233】
薬物投与デバイスはまた、外部刺激を感知するように構成された第2のセンサを含み得る。第2のセンサは、薬物投与デバイスと一体化することができ、薬物投与デバイスの表面上に配置することができる。代わりに、第2のセンサを、薬物投与デバイスの残りの部分から独立して自由に移動可能にして、外部刺激のより簡便な測定を可能にし、第2のセンサを有線又は無線で薬物投与デバイスの他の構成要素(複数可)と通信させることができる。
【0234】
一般に、外部刺激は、患者の外部にある物理的特性である。例えば、外部刺激は、環境パラメータであり得る。環境パラメータは、患者の局所環境の特徴である。例えば、環境パラメータは、周囲温度又は周囲圧力であり得る。
【0235】
第2のセンサは、薬物に関連する局在化時間、有効性、及び/又は副作用に影響を及ぼし得る環境パラメータなどの外部刺激の識別及び/又は定量を可能にし得る。例えば、周囲温度は、薬物の粘性に影響を与える場合があり、これにより、薬物が患者の標的位置に到達するか又は局在化するのに必要な時間に影響を与える。薬物は温かすぎると(例えば、薬物の温度が既定の閾値温度を超えるか、又は所定の安全範囲の温度の外側にある場合)、粘性が低下する場合があり、それにより、患者内を、より自由により高速で標的位置に移動することができる。薬物の温度の増加はまた、心拍数の増加及び血管拡張につながる可能性があり、それにより、標的部位における、より迅速な薬物の局在化につながる。薬物の温度は、環境温度に落ち着くので、環境温度は、薬物の温度を示し得る。その結果、局所活性化は、そのような外部刺激に応答して、有効性を改善し得る、かつ/又は副作用を最小限に抑え得る。
【0236】
薬物投与デバイスは、患者の標的位置において薬物を局所活性化するためにエネルギーを供給するように構成されたエネルギー源を含み得る。このエネルギーの供給は、患者へのエネルギーを標的化して加えることにより、薬物が正確な場所で活性化され得るという効果を有し得る。エネルギー源は、患者内の正確な標的位置(典型的には特定の点というよりも体積)を提供するために、患者の表面位置だけを標的とするのでなく、所望の侵入深さに設定されるように構成され得る。エネルギー源は、異なる侵入特性及び活性化特性を提供するために、異なるタイプの複数のエネルギー源を含み得る。
【0237】
薬物は、エネルギー源により供給されるエネルギーと相互作用して、その活性形態をとるように構成され得る。代わりに、患者に埋め込まれた活性化デバイスは、エネルギー源により供給されるエネルギーに応答して、標的位置において薬物の活性化をトリガーし得る。
【0238】
エネルギー源により供給されるエネルギーの量は、患者パラメータ及び外部刺激に応答する可能性がある。エネルギーの量のこの応答性は、患者パラメータ及び外部刺激に応答して、薬物活性化の程度、したがって速度をより正確に制御して、薬物の有効性及び安全性を改善するという効果を有し得る。例えば、薬物投与デバイスが、患者が標的位置において薬物を通常と同程度に迅速に取り込む(例えば、吸収する、代謝するなど)ことができない状態(患者パラメータ及び外部刺激によって示されるような)であると判断した場合、より少ない量のエネルギーをより長い期間にわたって供給することにより、薬物をより段階的に活性化することが望ましい場合がある。したがって、段階的な活性化の更なる利点は、無駄になる薬物が少ないことであり得る。
【0239】
エネルギー源は、光源、超音波源、電磁場源、及び放射性物質のうちの1つ以上を含み得る。
【0240】
エネルギー源は、上述したように、薬物又は埋め込まれたデバイスと相互作用するように構成され得る。上述したように、多数のタイプのエネルギー源の組み合わせを提供して、可変の侵入特性を提供することができる。例えば、異なる波長の電磁場を供給することが可能なエネルギー源を使用できる。必要に応じて、エネルギー源の周波数が薬物投与デバイスにより調整されて、エネルギー送達の速度及び量、並びに侵入深さを制御することができる。各エネルギー源は、薬物投与デバイスに対する別個のユニットとして、又は薬物投与デバイスの一体部分として提供され得る。
【0241】
薬物投与デバイスは、薬物を局所活性化するために、患者の標的位置に化学活性化剤を投与するように構成され得る。この化学的活性化剤の投与は、薬物投与デバイスが薬物及び化学活性化剤の両方を投与できることを要求し、これにより、化学活性化剤のための追加のホルダと、追加の関連する分配機構と、が必要となり得るが、そのような薬物投与デバイスは、好都合にも、薬物を活性化させるためのエネルギー源を必要とせず、したがって見方によってはより簡単な構造であり得る。化学活性化剤のための追加のホルダは、薬物及び化学活性化剤の両方を分配するために同じ分配機構を使用することができるように、薬物ホルダと直列に配置され得る。代わりに、ホルダは、独立した分配機構と並列に配置することができる。
【0242】
薬物活性化剤は、薬物投与デバイスにより薬物が患者に投与される前又は後に、標的位置に投与され得る。例えば、化学的活性化剤は、化学療法薬が、不活性形態で又は活性を弱めて、患者の全身に送達される前又は後に、腫瘍に投与され得る。化学療法薬が、化学的活性化剤との化学反応により、又は化学的活性化剤によりトリガーされる化学反応により、標的位置でのみ活性化されるように、化学的活性化剤は、腫瘍内に留まるように構成され得る。
【0243】
第1のセンサにより感知される患者パラメータは、温度、pHレベル、バイオマーカー、グルタチオンレベル、皮膚の厚さ、皮下組織の厚さ、血液酸素濃度、血糖値、血圧、心拍数、及び代謝率、のうちの1つ以上を含み得る。例えば、pHレベルが特定のレベルを上回るか又は下回る場合、特定の薬物は、有効ではない可能性があるため、pHレベルを含む患者パラメータは、有益な場合があり、したがって、pHレベルが所望の範囲に戻るまで若しくは所望の範囲に入るまで、又は準最適な状態を補うために活性化を高めるまで、薬物の投与を遅らせることが有益であり得る。別の例では、患者パラメータがバイオマーカーである場合、バイオマーカーは、特定の病理学的又は生理学的プロセス又は疾患の状態に指標を提供する、天然に存在する分子、遺伝子、又は他の特徴であり得る。マイクロ流体などを用いてバイオマーカーを感知できる、皮膚パッチなどの様々な形態の様々なセンサが、当業者に知られている。更に別の例では、細胞内のグルタチオンの高いレベルが化学療法薬から細胞を保護する効果を有し得るので、グルタチオンレベルが化学療法薬にとって特に興味深い。したがって、グルタチオンレベルが許容される閾値レベル未満に低下するまで活性化を遅らせること、又はグルタチオンによる細胞の保護の増加を補うために活性化の程度を強化すること、が有益であり得る。別の例では、エネルギー源などによる活性化が、十分な深さに侵入することを確実にするために、皮膚の厚さ及び皮下の厚さの測定値を使用することができる。更に別の例では、血液循環に関連する様々なパラメータ、例えば、血液酸素濃度、血圧、心拍数、及び代謝率が、薬物の有効性及び安全性に影響を及ぼし、したがって血液循環に関連するパラメータのうちの1つ以上の値に応じた活性化の調整が有効性及び安全性を向上させ得る。
【0244】
外部刺激は、ユーザ入力、地理的位置、周囲温度、圧力、及び紫外線レベルのうちの1つ以上を含み得る。局所活性化を外部刺激に応答させることにより、薬物を摂取することに対するユーザの許諾を示すユーザ入力、又は他の環境パラメータを含み得る外部要因を考慮して、局所活性化のタイミング又は程度を最適化することが確実になり得る。環境パラメータは、薬物の有効性又は安全性に影響を及ぼす可能性があり、したがって、それに応じて活性化を調整することが有利であり得る。例えば、特定の薬物は、高温で強い副作用を引き起こす可能性があり、したがって、そのような状況では活性化の程度を遅延又は低減させることが有益であり得る。
【0245】
薬物投与デバイスは、本明細書で論じたように、ユーザインターフェースを含み得る。外部刺激は、ユーザインターフェースを介して入力されたユーザ入力を含み得る。上で論じたように、ユーザインターフェースは、タッチスクリーン及び/又は1つ以上のボタンの形態をとり、例えば、薬物を送達するかつ/又は活性化するためのユーザの準備ができていることを示す入力を、ユーザが外部刺激として提供することを可能にし得る。
【0246】
薬物投与デバイスは、投薬スキームに従って薬物を患者に投与するように構成され得る。そのような投薬スキームは、患者の必要性に基づいて医師又は他の医療専門家により事前設定されることができ、患者の体重、身長、及び年齢などのパラメータに基づいて、患者にとって有効である可能性が高い、開始用の投薬スキームを提供することができる。投薬スキームは、以下の投薬パラメータ、薬物送達速度、薬物送達継続時間、薬物送達体積、及び薬物送達頻度、のうちの1つ以上を指定することができる。
【0247】
薬物投与デバイスは、上述したように、インジェクタを含むことができ、投薬スキームは、以下の投薬パラメータ、患者への薬物の投与中における、インジェクタの吐出ノズルの吐出ノズル前進深さ、患者への薬物の投与中における、インジェクタの吐出ノズルの吐出ノズル速度、及び患者への薬物の投与中における、インジェクタの吐出ノズルの吐出ノズル加速度、のうちの1つ以上を指定することができる。吐出ノズルは、シリンジの針であり得る。したがって、前進深さは、インジェクタのハウジングを超える針の露出であり得る。
【0248】
投薬スキームは、患者パラメータ及び外部刺激に基づくことができ、これにより、投薬スキームのパラメータを、薬物の有効性及び安全性に影響を及ぼす要因に応じて更に最適化することが可能になり得る。
【0249】
患者パラメータは、上述したように、皮下組織の厚さを含むことができ、薬物投与デバイスは、薬物投与デバイスが前進可能吐出ノズルを含む場合に、感知された皮下組織の厚さに基づいて、吐出ノズル前進深さを調整するように構成され得る。この調整により、薬物がより容易に吸収されることとなる組織へと、薬物を患者に投与できること、注射部位の漏れを最小限に抑えることができること、薬物の逆流を防止できること、並びに薬物投与から生じる組織損傷及び瘢痕のリスクを低減できること、が確実になり得る。
【0250】
薬物投与デバイスは、患者パラメータ及び/又は外部刺激に基づいて、薬物に関連する副作用の可能性が増加したかどうかを判定することと、副作用の可能性が増加したと判定された場合は、投薬スキームを調整して、投与される薬物の用量を低減させること、及び/又は活性化手段であって、活性化手段は、薬物を局所活性化するように構成されている、活性化手段、を調整して、薬物の局所活性化を低減させることと、を行うように構成され得る。投薬スキームのこの調整は、薬物の活性化形態が副作用に関連し得るので、投与される薬物の量を低減させることにより又は薬物の活性化を低減させることにより、高い体温又は周囲温度などの、副作用を増加させる条件下での、副作用の増加のリスクを最小限に抑え得る。活性化の調整は、活性化を完全に停止させること、又はエネルギー源により供給されるエネルギーを低減させることなどにより、活性化が生じる程度を低減させることを含み得る。
【0251】
薬物投与デバイスは、上述したように、デバイスインジケータを含むことができ、副作用の可能性が増加したと判定された場合、薬物投与デバイスは、デバイスインジケータを作動させるように構成され得る。この通知は、薬物投与デバイスの動作を停止させるように、又は薬物投与デバイスが前進可能吐出ノズルを含む場合は吐出ノズル前進深さなどの薬物投与デバイスのパラメータを変えるようになど、薬物投与デバイスの使用を変化させるように、ユーザに警告するために使用されてもよい。上述したように、インジケータは、可聴インジケータ、視覚インジケータ(LEDなど)、又は触覚インジケータ(ロックアウト機構又は振動など)であり得る。
【0252】
薬物投与デバイスは、薬物投与デバイスと、患者の身体に埋め込まれるように構成された薬物捕捉及び放出機構と、を含む薬物投与システムの一部として使用され得る。胃内で丸剤を捕捉し、活性化時に消化管に丸剤を放出するために使用されるものなどの、様々な薬物捕捉及び放出機構が当業者に知られている。
【0253】
例示的な実施形態では、図19に示すように、薬物投与システム1500は、薬物投与デバイス1510を含み、薬物投与デバイス1510は、この図示した実施形態ではオートインジェクタの形態である。薬物投与デバイスの薬物ホルダは、シリンジ又はバイアルなどの、分配される薬物を保持する容器1550の形態である。薬物投与デバイスの分配機構は、上述したような、ピストン及び/又はロッド、並びに駆動機構を含み得る駆動要素1560を含む。
【0254】
患者センサ1520は、オートインジェクタ1510とは別個であり、データ通信するために有線又は無線でオートインジェクタ1510に接続される。代わりに、患者センサ1520は、オートインジェクタ1510の表面上に配置され、患者への薬物の投与のために薬物投与デバイス1510が位置付けられるときに、患者の皮膚に極めて接近して配置され得る。
【0255】
皮膚は、ユーザにより穿刺されて少量の血液を放出し、患者センサ1520は、センサ1520上に配置された血液の試料中の血糖値を測定するように構成されている。この図示した実施形態における電磁場源の形態のエネルギー源1540は、この図示した実施形態では、薬物が患者における標的位置にて投与された後に、この図示した実施形態ではインスリンである薬物を活性化させるために、オートインジェクタ1510のハウジング上に配置されて、電磁場を患者における標的位置に向ける。この図示した実施形態における外部刺激センサ1530は、温度センサの形態であり、患者から離れた位置に配置され、周囲温度を測定するように構成されている。エネルギー源1540により送達される電磁場の周波数は、例えば、測定された血糖値及び測定された周囲温度に応じて送達されるエネルギーの量を変化させるために、薬物投与デバイス1510により変更されるように構成されている。具体的には、測定値をルックアップテーブルと比較して、使用される周波数を決定する。周波数は、エネルギーの侵入及び活性化の程度を決定する。
【0256】
代替的な実施形態では、オートインジェクタ1510を使用して化学療法薬を投与することができ、患者センサ1520は、血圧計であり得、外部刺激センサ1530を使用して周囲温度を測定することができる。患者センサ1520及び外部刺激センサ1530により収集されたデータは、有線又は無線でオートインジェクタ1510に伝送され得る。オートインジェクタ1510に搭載されたプロセッサを使用して、感知された血圧データ及び測定された周囲温度に基づいて、薬物が患者に投与された後に化学療法薬の活性化を遅延させる時間の長さを計算することができる。そのような計算は、アルゴリズムに基づいてもよい、又は代わりにルックアップテーブルから導出されてもよい。遅延は、光源1540の形態のエネルギー源1540により提供される、腫瘍部位に向けられる活性化が、薬物が患者における標的位置に到達するための局在化時間と一致するように計算され得る。薬物は、血流中で標的部位に運ばれるので、局在化時間は、血圧、並びに、患者の様々な生理学的パラメータと、粘度などの薬物自体の特性と、に影響を及ぼす周囲温度に依存する。
【0257】
本明細書に開示される装置及びシステムの全ては、1回の使用後に廃棄されるように設計され得るか、又は複数回使用されるように設計され得る。しかしながら、いずれの場合も、装置は、少なくとも1回の使用の後に再使用のために再調整することができる。再調整には、装置の分解工程、それに続く洗浄工程又は特定の部品の交換工程、及びその後の再組み立て工程の任意の組み合わせを含むことができる。具体的には、装置は分解することができ、装置の任意の数の特定の部品又は部分を、任意の組み合わせで選択的に交換するか又は取り外すことができる。特定の部品が洗浄される、かつ/又は交換されると、続く使用のために装置を再調整施設において、又は外科手術の直前に外科チームによって再組み立てすることができる。当業者であれば、装置の再調整が、分解、洗浄/交換、及び再組み立てのための様々な技術を利用できることを理解するであろう。かかる技術の使用、及び結果として得られる再調整された装置は、全て本出願の範囲内にある。
【0258】
本明細書に開示される装置は、使用前に滅菌されることが好ましくあり得る。これは、β線又はγ線の放射、酸化エチレン、蒸気、及び液浴(例えば、低温浸漬)などの当業者には既知の様々な方法によって行うことができる。内部回路を含む装置を滅菌する例示的な実施形態は、2009年8月13日に公開された、「System And Method Of Sterilizing An Implantable Medical Device」と題する米国特許公開第2009/0202387号に、より詳細に記載されている。装置は、埋め込まれる場合、完全に密封されることが好ましい。これは、当業者に既知の様々な方法によって行うことができる。
【0259】
本開示は、実施例を通して、本明細書で提供される開示全体の文脈内でのみ説明されている。本開示の全体的な範囲から逸脱することなく、特許請求の範囲の趣旨及び範囲内の修正を行い得ることが理解されよう。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
【国際調査報告】