(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-05
(54)【発明の名称】不透明面の背後の物体を検出するためのスキャナ
(51)【国際特許分類】
G01B 7/00 20060101AFI20221128BHJP
【FI】
G01B7/00 102C
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022519502
(86)(22)【出願日】2020-09-22
(85)【翻訳文提出日】2022-05-02
(86)【国際出願番号】 US2020051941
(87)【国際公開番号】W WO2021067065
(87)【国際公開日】2021-04-08
(32)【優先日】2019-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】593013133
【氏名又は名称】ジルコン・コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】Zircon Corporation
(74)【代理人】
【識別番号】110001379
【氏名又は名称】特許業務法人 大島特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チェン、シェン-スー
【テーマコード(参考)】
2F063
【Fターム(参考)】
2F063AA03
2F063BA30
2F063BC05
2F063CA01
2F063CA21
2F063DA01
2F063DA05
2F063HA04
2F063HA16
(57)【要約】
本開示によれば、不透明面の背後の物体を検出する装置であって、当該装置の複数の構成要素を保持するように構成されたハウジングと、ハウジングに結合され、かつ、不透明面の背後の物体に関するセンサデータを収集するように構成された1以上のセンサと、ハウジング内に配置され、センサによって収集されたセンサデータを処理するように構成されたコントローラと、ハウジング内に配置され、かつ、コントローラ及び複数の構成要素を保持するように構成された少なくとも1つのプリント回路基板と、検出された物体に関する情報をユーザに伝達するように構成された表示装置と、を備える、装置が提供される。
【選択図】
図3B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
不透明面の背後の物体を検出する装置であって、
当該装置の複数の構成要素を保持するように構成されたハウジングと、
前記ハウジングに結合され、かつ、不透明面の背後の物体に関するセンサデータを収集するように構成された1以上のセンサと、
前記ハウジング内に配置され、前記センサによって収集された前記センサデータを処理するように構成されたコントローラと、
前記ハウジング内に配置され、かつ、前記コントローラ及び前記複数の構成要素を保持するように構成された少なくとも1つのプリント回路基板と、
検出された前記物体に関する情報をユーザに伝達するように構成された表示装置と、
を備える、装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置であって、
前記センサは、前記不透明面の背後に前記物体が存在することによって生じる静電容量の変化を測定するように構成された1以上の静電容量センサを含み、
前記静電容量センサは、導電性ゴムで作られている、装置。
【請求項3】
請求項2に記載の装置であって、
当該装置は少なくとも1つの金属センサをさらに備え、
前記導電性ゴムは、前記金属センサと前記静電容量センサとの間の電磁干渉を低減させるように構成されたスポンジシリコーン中に導電性充填材料を組み込むことにより構成されている、装置。
【請求項4】
請求項2に記載の装置であって、
当該装置は少なくとも1つの金属センサをさらに備え、
前記導電性ゴムは、前記金属センサと前記静電容量センサとの間の電磁干渉を低減させるように構成された固体シリコーン中に導電性充填材料を組み込むことにより構成されている、装置。
【請求項5】
請求項2に記載の装置であって、
前記静電容量センサは、前記ハウジングの外側に配置される、装置。
【請求項6】
請求項2に記載の装置であって、
前記静電容量センサは、前記ハウジングの内側に配置される、装置。
【請求項7】
請求項2に記載の装置であって、さらに、
前記不透明面の背後の金属物体を検出するように構成された少なくとも1つの金属センサをさらに備える、装置。
【請求項8】
請求項7に記載の装置であって、
前記金属センサは、前記静電容量センサが配置される当該装置の底部から見て前記静電容量センサの上方に配置されるか、または、前記静電容量センサが配置される当該装置の底部から見て前記静電容量センサの側方に配置される、装置。
【請求項9】
請求項1に記載の装置であって、
前記センサは、前記不透明面の背後の電界を検出するように構成された交流(AC)センサを含み、
前記交流(AC)センサは、スポンジシリコーンまたは固体シリコーン中に導電性充填材料を組み込んだ導電性ゴムで作られている、装置。
【請求項10】
請求項1に記載の装置であって、
前記コントローラは、
前記センサによって収集された前記センサデータを処理するステップと、
収集された前記センサデータに基づいて、前記不透明面の背後の検出された前記物体に関する情報を決定するステップと、
検出された前記物体に関する情報を、前記表示装置を介してユーザに提供するステップと、を実施するように構成されている、装置。
【請求項11】
不透明面の背後の物体を検出する方法であって、
不透明面の背後の物体を検出する装置の複数の構成要素を保持するように構成されたハウジングを提供するステップであって、前記装置が、前記ハウジング内に配置され、かつ、コントローラ及び前記複数の構成要素を保持するように構成された少なくとも1つのプリント回路基板を備える、該ステップと、
前記ハウジングに取り付けられた1以上のセンサによって、前記不透明面の背後の物体に関するセンサデータを収集するステップと、
前記ハウジング内に配置された前記コントローラによって、前記センサによって収集された前記センサデータを処理するステップと、
前記不透明面の背後の前記物体に関する情報をユーザに伝達するステップと、を含む、方法。
【請求項12】
請求項11に記載の方法であって、
前記センサは、前記不透明面の背後に前記物体が存在することによって生じる静電容量の変化を測定するように構成された1以上の静電容量センサを含み、
前記静電容量センサは、導電性ゴムで作られている、方法。
【請求項13】
請求項12に記載の方法であって、
前記装置は少なくとも1つの金属センサをさらに備え、
前記導電性ゴムは、前記金属センサと前記静電容量センサとの間の電磁干渉を低減させるように構成されたスポンジシリコーン中に導電性充填材料を組み込むことにより構成されている、方法。
【請求項14】
請求項12に記載の方法であって、
前記装置は少なくとも1つの金属センサをさらに備え、
前記導電性ゴムは、前記金属センサと前記静電容量センサとの間の電磁干渉を低減させるように構成された固体シリコーン中に導電性充填材料を組み込むことにより構成されている、方法。
【請求項15】
請求項12に記載の方法であって、
前記静電容量センサは、前記ハウジングの外側に配置される、方法。
【請求項16】
請求項12に記載の方法であって、
前記静電容量センサは、前記ハウジングの内側に配置される、方法。
【請求項17】
請求項12に記載の方法であって、
前記装置は前記ハウジング内に配置された少なくとも1つの金属センサをさらに備え、
当該方法は、
前記金属センサによって、前記不透明面の背後の金属物体を検出するステップをさらに含む、方法。
【請求項18】
請求項17に記載の方法であって、
前記金属センサは、前記静電容量センサが配置される当該装置の底部から見て前記静電容量センサの上方に配置されるか、または、前記静電容量センサが配置される当該装置の底部から見て前記静電容量センサの側方に配置される、方法。
【請求項19】
請求項11に記載の方法であって、
前記センサは、前記不透明面の背後の電界を検出するように構成された交流(AC)センサを含み、
前記交流(AC)センサは、スポンジシリコーンまたは固体シリコーン中に導電性充填材料を組み込んだ導電性ゴムで作られている、方法。
【請求項20】
請求項11に記載の方法であって、
前記コントローラによって、前記センサによって収集された前記センサデータを処理するステップと、
前記コントローラによって、収集された前記センサデータに基づいて、前記不透明面の背後の検出された前記物体に関する情報を決定するステップと、
検出された前記物体に関する情報を、表示装置を介してユーザに提供するステップと、をさらに含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2019年9月30日出願の「不透明面の背後の物体を検出するためのスキャナ(Scanner for Detecting Objects behind an Opaque Surface)」という名称の米国特許出願第16/587、523号に基づく優先権を主張するものである。上記米国特許出願の開示内容の全体は、参照により本明細書中に援用される。
【0002】
(技術分野)
本発明は、不透明面の背後の物体を検出するためのスキャナの分野に関する。
【背景技術】
【0003】
一例として、スタッドファインダが、建設業界や住宅改修業界で一般的に使用されている。
図1は、スタッドファインダとして使用される従来のスキャナの断面図を示す。
図1に示すように、スキャナ102は、建設や住宅改修の環境100で使用される。例えば、スキャナ102は、不透明面103の背後の物体101を検出するように構成される。いくつかの用途では、物体101は、間柱(スタッド)または金属パイプであり得る。不透明面103は、乾式壁、パーティクルボード、合板、または、その背後の物体の視認を妨げる他の材料で覆われた壁であり得る。
【0004】
スキャナ102は、様々な電子部品を囲んで保護するためのハウジングを含む。例えば、スキャナ102のハウジング内に、静電容量センサ108、金属センサ109、コントローラ/プロセッサ及び他の集積回路(106a、106bの符号を付す)などの様々な電子部品を保持するように構成されたプリント回路基板(PCB)104が収容される。PCB104は、スキャナ102に電力を供給するバッテリ107に接続される。
図1に示すように、D1は、静電容量センサ108と検出対象の物体101との間の距離を表す。D2は、静電容量センサ108と金属センサ109との間の距離を表す。
【0005】
従来のスキャナにはいくつか欠点がある。まず、静電容量センサ108はハウジング内のPCB104に取り付けられているので、物体101からの距離(D1)、そしてそれ故に、静電容量センサ108の感度が、PCB104の配置のために最適でない場合がある。加えて、静電容量センサ108の精度は、PCB104が変位した場合にも低下する。例えば、スキャナを誤って落とした場合には、PCB104は、工場出荷時の位置から変位する場合がある。スキャナ102は、PCB104の変位を引き起こした偶発的な落下の後に、再較正する必要がある。従来のスキャナの別の欠点は、PCB104上の静電容量センサ108と金属センサ109とを、それらの間の距離(D2)が10.16cm(4インチ)を超えるように離間させる必要があることである。これは、銅板で形成された静電容量センサ108が金属センサとの電磁干渉を引き起こして、スキャナ102による金属検出の精度を低下させる恐れがあるからである。
【0006】
このため、不透明面の背後の物体を検出するときの、従来のスキャナの上記の欠点に対処することができるスキャナが求められている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様によれば、不透明面の背後の物体を検出する装置であって、当該装置の複数の構成要素を保持するように構成されたハウジングと、ハウジングに結合され、かつ、不透明面の背後の物体に関するセンサデータを収集するように構成された1以上のセンサと、ハウジング内に配置され、センサによって収集されたセンサデータを処理するように構成されたコントローラと、ハウジング内に配置され、かつ、コントローラ及び複数の構成要素を保持するように構成された少なくとも1つのプリント回路基板と、検出された物体に関する情報をユーザに伝達するように構成された表示装置と、を備える、装置が提供される。
【0008】
本開示の別の態様によれば、不透明面の背後の物体を検出する方法であって、不透明面の背後の物体を検出する装置の複数の構成要素を保持するように構成されたハウジングを提供するステップであって、装置が、ハウジング内に配置され、かつ、コントローラ及び複数の構成要素を保持するように構成された少なくとも1つのプリント回路基板を備える、該ステップと、ハウジングに取り付けられた1以上のセンサによって、不透明面の背後の物体に関するセンサデータを収集するステップと、ハウジング内に配置されたコントローラによって、センサによって収集されたセンサデータを処理するステップと、不透明面の背後の物体に関する情報をユーザに伝達するステップと、を含む、方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明の上述の特徴及び利点、並びに追加の特徴及び利点は、以下の図面の非限定的かつ非網羅的な態様と併せて本発明の実施形態の詳細な説明を読んだ後に、より明確に理解されるであろう。本開示の全体を通して、同様の符号が使用される。
【0010】
【
図2】
図2は、本開示の一態様による、不透明面の背後の物体をPCBスキャナの例示的な実施形態の断面図を示す。
【
図3A】
図3Aは、本開示の態様による、不透明面の背後の物体を検出するためのスキャナの別の例示的な実施形態の断面図を示す。
【
図3C】
図3Cは、本開示の態様による、スキャナの例示的な実施形態の別の底面図を示す。
【
図4A】
図4Aは、本開示の態様による、不透明面の背後の物体を検出するためのスキャナのさらに別の例示的な実施形態の断面図を示す。
【
図5】
図5は、本開示の態様による、不透明面の背後の物体を検出するためのスキャナの例示的な実施形態のブロック図を示す。
【
図6】
図6は、本開示の態様による、不透明面の背後の物体を検出する例示的な方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
透明面の背後の物体を検出するための方法及び装置が提供される。以下の説明は、当業者が本発明を実施及び使用することを可能にするために提示される。特定の実施形態及び用途の説明は、例としてのみ提供される。本明細書に記載された実施例の様々な変更及び組み合わせは、当業者には容易に明らかであり、本明細書に定義された一般的原理は、本発明の範囲から逸脱することなく、他の実施例及び用途に適用することができる。したがって、本発明は、説明及び図示された実施例に限定されることを意図するものではなく、本明細書に開示された原理及び特徴と一致する範囲を許容するものである。「例示的」または「例」という用語は、本明細書では、「例、実例、または説明としての役割を果たす」という意味で使用される。本明細書において「例示的」または「例」として説明される任意の態様または実施形態は、必ずしも他の態様または実施形態よりも好ましいまたは有利であると解釈されるべきではない。
【0012】
以下の詳細な説明の一部は、フローチャート、論理ブロック、及び、コンピュータシステム上で実行可能な情報に対する操作の他の記号的表現の観点から示されている。手順、コンピュータ実行ステップ、論理ブロック、プロセスなどは、ここでは、所望の結果を導く1以上のステップまたは命令の自己無撞着シーケンスであると考えられている。ステップは、物理量の物理的操作を利用するものである。これらの量は、コンピュータシステムにおいて記憶、転送、結合、比較、または他の方法で操作することができる電気信号、磁気信号、または無線信号の形態をとることができる。これらの信号は、時には、ビット、値、要素、記号、文字、項、数字などと呼ばれることがある。各ステップは、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの組み合わせによって実行することができる。
【0013】
図2は、本開示の一態様による、不透明面の背後の物体を検出するためのスキャナの例示的な実施形態の断面図を示す。
図2に示す例では、スキャナ202は、建設、住宅改修、商業、芸術、設計、または任意の適用可能な環境200で使用することができる。
【0014】
図2は、本開示の例示的な実施形態の断面図を示す。例えば、スキャナ202は、不透明面103の背後の物体101を検出するように構成される。物体101としては、例えば、これに限定しないが、金属製及び/または木製のスタッド(間柱)、金属物体、木製物体、電線、電線用及び/または他の導管、配管、並びに、不透明面103の裏側に埋め込まれるかまたは不透明面103の背後に隠れた他の液体または固体が挙げられる。不透明面103としては、例えば、壁面を形成する、乾式壁、シートロック、パーティクルボード、合板、またはウォールボードなどが挙げられる。いくつかの用途では、物体101は、スタッドまたは金属パイプであり得る。
【0015】
スキャナ202は、様々な電子部品を囲んで保護するためのハウジング220を含む。例えば、スキャナ202のハウジング220内に、1以上のプリント回路基板(PCB)204が収容される。PCB204は、静電容量(キャパシタンス)の変化を検出するセンサ208(以降、「静電容量センサ」と称する)、金属センサ209、コントローラ/プロセッサ及び他の集積回路(206a、206bの符号を付す)などの様々な電子部品を保持するように構成される。PCB204は、スキャナ202に電力を供給するバッテリ107に接続される。静電容量センサ208は、ハウジング220の外側においてハウジング220に結合される。換言すれば、静電容量センサ208は、スキャナ202のハウジング220の外側に配置される。あるいは、別の例示的な実施形態(図示せず)では、静電容量センサ208は、スキャナ202のハウジング220の内側に配置してもよい。あるいは、別の例示的な実施形態(図示せず)では、静電容量センサ208は、スキャナ202のハウジング220の外側及び/または内側に配置してもよい。従来のスキャナに対する静電容量センサ208の配置の変更に伴い、D3は、静電容量センサ208と検出対象の物体101との間の距離を表す。D2は、静電容量センサ208と金属センサ209との間の距離を表す。
図2の例示的な実施形態の1つの利点は、静電容量センサ208がスキャナ202のハウジングの外側に配置されることにより、静電容量センサ208と検出対象の物体101との間の距離が従来のスキャナと比べて短くなり、その結果、不透明面103の背後の物体101を検出する際のスキャナ202の感度及び精度が向上することである。
【0016】
本開示の態様によれば、スキャナ202は、壁面(不透明面103)の誘電率の変化を検出するように構成することができる。誘電率は、静電容量センサ208などのセンサが、不透明面103を挟んで、不透明面103の背後の物体、例えばスタッドと対向する位置に位置したときに変化する。いくつかの実施形態では、スキャナ202は、不透明面103の背後のスタッドまたは他の材料または物体の縁部を検出するように構成してもよい。このアプローチでは、スキャナ202は、まず、壁面(不透明面103)の背後に何も存在しない部分で較正し、その後、静電容量の変化(例えば、スタッドの縁部)を感知するまで、壁面に沿って移動させるとよい。スキャナ202は、スタッドの両端の縁部を見つけるために、両方向から移動させてもよい。スタッドの両端の縁部をマークした後、ユーザは、スタッドの中心位置を決定することができる。
【0017】
いくつかの他の実施形態では、スキャナ202は、壁面の誘電率の別々の読み取り値を記録する2つのセンサを使用することによって、物体101、例えばスタッドの中心を検出するように構成することができる。2つの読み取り値が一致した場合、スキャナ202が、不透明面103を挟んで、スタッドの中心位置と対向する位置に位置していることを示す。数回の読み取り値を使用することで、検出対象の物体の中心位置を決定することができる。このアプローチでは、スキャナ202は、一方向から移動させるだけでよい。
【0018】
さらに別の実施形態では、スキャナ202は、複数のセンサプレート(図示せず)を有するように、大きいサイズに構成することができる。この場合は、スタッドを検出するために壁面に沿って移動させる必要がないので、壁面の凹凸による影響を克服することができる。スキャナは、アルゴリズムを使用して、複数のセンサプレートによって収集したセンサデータを分析することにより、不透明面の背後の個々の物体を識別することができる。このアプローチでは、スキャナは、壁面の背後の様々な物体の有無、例えば、特定の木製スタッド、近くのスタッド、またはスタッドが存在しない領域などを検知するように構成することができる。スキャナの表示装置は、スタッドの様々な幅、複数のスタッドの位置、またはユーザにとって有用な任意の情報を、単一の画像上で表示または通知するように構成され得る。スタッドの位置を決定するために複数の読み取り値を使用するアプローチは、スタッドの中心位置及び縁部の位置の検出のみに基づくアプローチと比べてロバストであり得る。スタッドの中心位置及び縁部の位置の検出のみに基づくアプローチは、壁面の構造上の異常(例えば、不均一な塗料、壁面のテクスチャ、壁紙、不均一な漆喰など)に起因して、検出精度が低くなる場合があるからである。
【0019】
本開示の態様によれば、静電容量センサ208は、導電性ゴムセンサを用いて実施することができる。導電性ゴムセンサは、導電性材料の混合によって決定される導電特性を有するゴム製材料であり、電子機器に付きものの電磁干渉や無線周波数干渉(EMI/RFI)を低減または除去することができる。不透明面の背後の物体の静電容量を決定するための導体として作用する材料、例えばグラファイトを、スポンジシリコーンまたは固体シリコーン中に組み込むことにより(別名、導電性シリコーン)、導電性ゴムセンサを実施することができる。
【0020】
例示的な一実施形態では、導電性ゴム材料は、導電性ゴムセンサの様々な設計基準を満たすために、幅広い構成、厚さ、及び幅で提供することができる。また、導電性ゴム材料は、導電性ゴムセンサの様々な構成を満たすために、ダイカット、射出成形、または任意の他の方法を用いて提供することができる。例示的なアプローチでは、導電性ゴムセンサは、動作中に不透明面に接触するような厚さを有するように作製することができる。別のアプローチでは、導電性ゴムセンサは、スキャナのハウジング内に収容されたPCB上に配置された従来の銅板センサと比較して、より大きなセンサ面積を有するように作製することができる。
【0021】
図3Aは、本開示の態様による、不透明面の背後の物体を検出するためのスキャナの別の例示的な実施形態の断面図を示す。
図3Aの例示的な実施において、環境300のいくつかの要素は、
図2の環境200の要素と同様である。例えば、物体101、不透明面103、及びバッテリ107である(これらの要素についての説明は、ここでは繰り返さない)。
【0022】
スキャナ302は、様々な電子部品を囲んで保護するためのハウジングを含む。例えば、例示的な一実施形態では、スキャナ302のハウジング内に、少なくとも1つのプリント回路基板(PCB)304が収容される。PCB304は、金属センサ309、コントローラ及び他の集積回路(306a、306bの符号を付す)などの様々な電子部品を保持するように構成される。静電容量センサ308は、スキャナ302のハウジングの外側及び/または内側に配置される。
図3Aに示す例示的な実施形態では、静電容量センサ308は、スキャナ302のハウジングの外側に配置される。従来のスキャナに対する静電容量センサ308の配置の変更に伴い、D3は、静電容量センサ308と検出対象の物体101との間の距離を表す。D4は、静電容量センサ308と金属センサ309との間の距離を表す。
【0023】
図1に示した従来の実施形態と比較して、
図3の実施形態では、静電容量センサ308がスキャナ302のハウジングの外側に配置されることにより、PCB304上の空間が解放されるという利点を有する。加えて、金属センサ309との干渉を無視できるという導電性ゴムセンサの特性を利用することにより、静電容量センサ308と金属センサ309との間の距離をD4まで短くすることができる。その結果、PCB304のサイズ及びスキャナ302のサイズを小さくすることができ、その結果、スキャナ302の材料コストを削減することができる。
【0024】
本開示の態様によれば、導電性エラストマーを使用して、上記の導電性ゴムセンサを実施することができる。或るアプローチでは、射出成形の製造プロセスを用いて、様々な外形を有する静電容量センサを形成することができる。別のアプローチでは、導電性エラストマーをダイカットして、様々な外形を有する静電容量センサを形成することができる。導電性エラストマーの一般的な外形としては、例えば、円形、正方形、及び長方形が挙げられる。
【0025】
いくつかの実施形態では、導電性ゴムセンサは、シリコーン、フルオロシリコーン、またはエチレンプロピレンジエンモノマー(EPDM)などの化合物から構成され得る。特定のゴムの使用は、各ゴムに固有の性質に基づいており、意図する環境及び用途に応じて決定される。例えば、シリコーンは、一般的な耐候性シーリング及び摂氏204.4℃(華氏400°F)までの高温に使用することができる。フルオロシリコーンは、燃料、ガソリン、及びアルコールへの曝露が存在する用途に使用することができる。EPDMは、冷却剤、蒸気、またはリン酸エステルへの暴露が存在する用途、または超熱帯漂白剤(STB)が使用される用途に用いることができる。意図する環境に適した特定のゴムを選択した後、導電性充填材料が決定される。例示的な一実施形態では、使用される導電性充填材料は、導電性ガラス、グラファイト、または、他の非金属導電性物質であり得る。別の実施形態では、用途及び所望の検出情報に応じて、使用される導電性充填材料は、銀アルミニウム、銀ガラス、銀銅、及びニッケルグラファイト、または、他の金属導電性物質であり得る。
【0026】
図3Bは、本開示の態様による、
図3Aのスキャナの底面図を示す。
図3Bに示すように、実線で示す要素は、静電容量センサ308a及び308bや、交流(AC)センサ310aなどの、スキャナ302を底部から見た平面図における要素を表す。点線で示す要素は、金属センサ309、コントローラ及び他の集積回路306a及び306b、並びにバッテリ107などの、スキャナ302のハウジング内に配置された要素を表す。
【0027】
いくつかの実施態様では、本開示の静電容量センサは、導電性インクを使用して実施することができる。導電性インクは、インクにグラファイトまたは他の導電性材料を注入することによって作製することができ、その導電性インクをスキャナの底面などの塗布対象物に塗布することによって、電気を導電させることができる。導電性インクは、銅メッキした基板から銅をエッチングして表面に同じ導電性領域/トレースを形成すると従来のアプローチと比べて、導電性領域/トレースを低コストで形成することができる経済的な方法である。これは、通常のPCB製造プロセスとは対照的に、導電性インクを塗布するプロセスは、回収または処理する必要のある廃棄物を生成しない付加的プロセスであるためである。
【0028】
図3Cは、本開示の態様による、スキャナの例示的な実施形態の別の底面図を示す。
図3Cに示すように、
図3Cに示すいくつかの要素は、
図3Bに示す同様の要素であるので、ここでは説明は省略する。上述したように、スキャナ302のハウジングの外側に導電性ゴムセンサ3l2a及び3l2b(静電容量センサ)を配置することを利用して、これらのセンサのサイズを増大させることができる。センササイズの増大は、
図3Bの308a及び308bから
図3Cの3l2a及び3l2bへのセンササイズの増大として示される。このようなセンササイズの増大により、スタッドや他の物体の検出精度が向上する。加えて、金属センサ309との干渉を無視できるという導電性ゴムセンサの特性を利用することにより、導電性ゴムセンサ312a、312b並びにACセンサ310aと、金属センサ309との間の距離をD5まで短くすることができる。その結果、導電性ゴムセンサ312a及び312bのサイズ及び感度を増大させることができ、これにより、不透明面の背後のスタッドまたは他の物体を検出する際の精度が向上する。
【0029】
本開示の態様によれば、金属センサ309などの金属センサは、交流磁界を生成するコイルを通過する交流信号を生成する発振器を含み得る。金属物体がコイルの近くに位置する場合、金属に渦電流が誘起され、これにより、金属自体が磁場を生成する。したがって、別のコイル(磁力計として機能する)を使用して磁場を測定すれば、金属物体による磁場の変化を検出することができる。
【0030】
図4Aは、本開示の態様による、不透明面の背後の物体を検出するためのスキャナのさらに別の例示的な実施形態の断面図を示す。
図4Aの例示的な実施では、環境400のいくつかの要素は、
図3の環境300の要素、例えば、物体101、不透明面103、及びバッテリ107と同様であるので、ここでは説明は省略する。
【0031】
スキャナ402は、様々な電子部品を囲んで保護するためのハウジングを含む。例えば、スキャナ402のハウジング内には、金属センサ409、コントローラ及び他の集積回路(406a、406bの符号を付す)などの様々な電子部品を保持するように構成されたプリント回路基板(PCB)404が収容される。導電性ゴムセンサ408(静電容量センサ)は、スキャナ402のハウジングの外側に配置される。従来のスキャナに対する導電性ゴムセンサ408の配置の変更に伴い、D3は、導電性ゴムセンサ408と検出対象の物体101との間の距離を表す。
【0032】
図4Aの例では、金属センサ409への干渉を無視できるという導電性ゴムセンサ408の特性を利用することにより、金属センサ409を、(導電性ゴムセンサ408が配置されるスキャナ402の底部から見て)導電性ゴムセンサ408の上方に配置することができ、PCB404に沿った導電性ゴムセンサ408と金属センサ409との間の横方向の距離、例えば
図3AにD4として示される距離を除去することができる。その結果、PCB404のサイズ及びスキャナ402のサイズを、
図3Aの実施形態と比較してさらに小さくすることができ、これにより、スキャナ402の材料コストをさらに削減することができる。
【0033】
図4Bは、本開示の態様による、
図4Aのスキャナの底面図を示す。
図4Bに示すように、実線で示す要素は、導電性ゴムセンサ408a及び408bや、交流(AC)センサ410などの、スキャナ402の底部から見た平面図における要素を表す。点線で示す要素は、金属センサ409、コントローラ及び他の集積回路406a及び406b、並びにバッテリ107などの、スキャナ402のハウジング内に配置された要素を表す。ACセンサ410は、導電性ゴムセンサ408aと導電性ゴムセンサ408bとの間に配置され、不透明面の背後の電線を検出するように構成される。
【0034】
金属センサ409との干渉を無視できるという導電性ゴムセンサの特性を利用することにより、PCB404に沿った、ACセンサ410並びに導電性ゴムセンサ408a及び408bと、金属センサ409との間の横方向の距離、例えば
図2にD2として示される距離を除去することができる。その結果、導電性ゴムセンサ408a及び408bのサイズ及び感度を増大させることができ、これにより、不透明面の背後のスタッドまたは他の物体を検出する際の精度が向上する。スキャナのハウジングの外側に導電性ゴムセンサを配置することの別の利点は、スキャナが落下しても、スキャナのハウジングに対する導電性ゴムセンサの位置が変位しないことである。その結果、より少ない回数の較正及びより高い精度が、本開示のスキャナによって達成される。
【0035】
図5は、本開示の態様による、不透明面の背後の物体を検出するためのスキャナの例示的な実施形態のブロック図を示す。
図5に示す例示的なブロック図において、コントローラ502は、スキャナのセンサによって収集されたセンサデータ、すなわち、静電容量センサ504、金属センサ506、及び交流(AC)センサ508によって収集されたセンサデータを処理するように構成される。コントローラはさらに、静電容量センサ504、金属センサ506、及び/またはACセンサ508によって収集されたセンサデータに基づいて、不透明面の背後の検出された物体に関する情報を決定するように構成される。表示装置510は、検出された物体に関する情報をユーザに提供するように構成される。
【0036】
図6は、本開示の態様による、不透明面の背後の物体を検出する例示的な方法を示す。
図6に示す例示的な方法では、ステップ602において、装置(スキャナ)の複数の構成要素を保持するように構成されたハウジングを提供する。装置は、ハウジング内に収容され、かつ、コントローラ及び装置の複数の構成要素を保持するように構成された少なくとも1つのプリント回路基板を含む。続いて、ステップ604において、ハウジングの外側及び/または内側に配置された1以上のセンサによって、不透明面の背後の物体のセンサデータを収集する。次いで、ステップ606において、ハウジング内に配置されたコントローラによって、1以上のセンサによって収集されたセンサデータを処理する。そして、ステップ608において、不透明面の背後の物体に関する情報を、表示装置を介してユーザに伝達する。
【0037】
別の例示的な実施形態(図示せず)では、プロセッサ及び/またはコントローラが受信した情報は、RF/Bluetooth(登録商標)技術または当業者に既知の任意の他の同様の技術を用いて、その情報を表示することができる及び/またはその情報をユーザがアクセス可能な手段に提供することができる独立した及び/または遠隔の受信装置に伝達される。
【0038】
本開示の態様によれば、例えば静電容量センサなどの1以上のセンサは、様々な設計基準を満たすように、様々な材料及び形状を用いて設計され得る。例えば、1以上の静電容量センサは、(1)非金属導電性充填材料を組み込んだスポンジシリコーンまたは固体シリコーンを含む導電性ゴム、または、用途に応じて、金属導電性充填材料を組み込んだ導電性ゴム;(2)不透明面と接触するように形成された導電性ゴム;(3)スキャナの底面の大部分を覆うように形成された導電性ゴム;(4)導電性充填材料をシリコーンに組み込んだ導電性ゴム;(5)防水材料;または(6)上記の(1)~(5)の任意の組み合わせから作製することができる。他の実施形態では、導電性ゴムは、導電性ゴムと不透明面との間にギャップ(隙間)が維持されるように作製することができる。別の例示的な実施形態では、導電性ゴムは、スキャナのハウジングの内側に配置される。
【0039】
いくつかの実施形態では、
図6の方法は、さらに、ハウジング内に配置された金属センサによって、不透明面の背後にある金属物体を検出するステップを含むことができる。金属センサは、静電容量センサが配置される装置(スキャナ)の底部から見て、静電容量センサの上方または側方に配置され得る。
図6の方法は、さらに、コントローラによって、装置のセンサによって収集されたセンサデータを処理するステップと、コントローラによって、収集されたセンサデータに基づいて不透明面の背後の検出された物体に関する情報を決定するステップと、検出された物体に関する情報を、表示装置を介してユーザに提供するステップと、を含むことができる。
【0040】
上記の説明では、明確化のために、異なる機能ユニット及びコントローラを参照して本発明の実施形態を説明したことを理解されたい。しかしながら、異なる機能ユニットまたはプロセッサまたはコントローラ間の機能の任意の好適な配分が、本発明を損なうことなく使用され得ることは明らかであろう。例えば、別個のプロセッサまたはコントローラによって実行するように示された機能は、ユニットに含まれる同一のプロセッサ及び/またはコントローラによって実行してもよい。別の例示的な実施形態では、プロセッサ及び/またはコントローラまたは表示装置によって実行されるように示された機能は、ユーザに情報を表示することができる及び/またはユーザがアクセス可能な手段を提供することができる、独立した及び/また遠隔の受信装置によって実行してもよい。
【0041】
したがって、特定の機能ユニットへの言及は、厳密な論理的または物理的な構造または組織を示すというよりも、記載された機能を提供するための適切な手段への言及と見なされるべきである。
【0042】
本発明は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの任意の組み合わせを含む、任意の適切な形態で実施することができる。本発明は、任意選択で、上述のハードウェア構成要素と共に、1以上のデータプロセッサ及び/またはデジタル信号プロセッサ上で実行されるコンピュータソフトウェアとして部分的に実施してもよい。本発明の一実施形態の要素及び構成要素は、任意の適切な方法で、物理的、機能的、及び論理的に実施することができる。実際、機能は、単一のユニット、複数のユニット、または他の機能ユニットの一部として実施することができる。このように、本発明は、単一のユニットで実施してもよいし、または、異なるユニット及びプロセッサ/コントローラ間に物理的及び機能的に分散させてもよい。
【0043】
当業者であれば、開示された実施形態の様々な可能な変更及び組み合わせが、依然として、同一の基本的な基本的機構及び方法論を用いて使用できることを認識するであろう。上述の説明は、説明の目的で、特定の実施形態を参照して記載されている。しかしながら、上記の例示的な説明は、網羅的であることも、開示された正確な形態に本発明を限定することも意図していない。上記の教示を考慮して、様々な変更及び変形が可能である。実施形態は、本発明の原理及びその実用的な用途を説明するために、また、当業者が本発明及び意図される特定の用途に適した様々な変更を伴う様々な実施形態を最良に利用できるようにするために選択され、記載されている。
【手続補正書】
【提出日】2022-05-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
不透明面の背後の物体を検出する装置であって、
当該装置の複数の構成要素を保持するように構成されたハウジングと、
前記ハウジングに結合され、かつ、不透明面の背後の物体に関するセンサデータを収集するように構成された1以上のセンサ
であって、前記センサは、前記不透明面の背後に前記物体が存在することによって生じる静電容量の変化を測定するように構成された1以上の静電容量センサを含み、前記静電容量センサは、導電性ゴムで作られており、かつ、前記静電容量センサは、前記ハウジングの外側に配置される、該センサと、
前記ハウジング内に配置され、前記センサによって収集された前記センサデータを処理するように構成されたコントローラと、
前記ハウジング内に配置され、かつ、前記コントローラ及び前記複数の構成要素を保持するように構成された少なくとも1つのプリント回路基板と、
検出された前記物体に関する情報をユーザに伝達するように構成された表示装置と、
を備える、装置。
【請求項2】
請求項
1に記載の装置であって、
当該装置は少なくとも1つの金属センサをさらに備え、
前記導電性ゴムは、前記金属センサと前記静電容量センサとの間の電磁干渉を低減させるように構成されたスポンジシリコーン中に導電性充填材料を組み込むことにより構成されている、装置。
【請求項3】
請求項
1に記載の装置であって、
当該装置は少なくとも1つの金属センサをさらに備え、
前記導電性ゴムは、前記金属センサと前記静電容量センサとの間の電磁干渉を低減させるように構成された固体シリコーン中に導電性充填材料を組み込むことにより構成されている、装置。
【請求項4】
請求項
1に記載の装置であって、さらに、
前記不透明面の背後の金属物体を検出するように構成された少なくとも1つの金属センサをさらに備える、装置。
【請求項5】
請求項
4に記載の装置であって、
前記金属センサは、前記静電容量センサが配置される当該装置の底部から見て前記静電容量センサの上方に配置されるか、または、前記静電容量センサが配置される当該装置の底部から見て前記静電容量センサの側方に配置される、装置。
【請求項6】
請求項1に記載の装置であって、
前記センサは、前記不透明面の背後の電界を検出するように構成された交流(AC)センサを含み、
前記交流(AC)センサは、スポンジシリコーンまたは固体シリコーン中に導電性充填材料を組み込んだ導電性ゴムで作られている、装置。
【請求項7】
請求項1に記載の装置であって、
前記コントローラは、
前記センサによって収集された前記センサデータを処理するステップと、
収集された前記センサデータに基づいて、前記不透明面の背後の検出された前記物体に関する情報を決定するステップと、
検出された前記物体に関する情報を、前記表示装置を介してユーザに提供するステップと、を実施するように構成されている、装置。
【請求項8】
不透明面の背後の物体を検出する方法であって、
不透明面の背後の物体を検出する装置の複数の構成要素を保持するように構成されたハウジングを提供するステップであって、前記装置が、前記ハウジング内に配置され、かつ、コントローラ及び前記複数の構成要素を保持するように構成された少なくとも1つのプリント回路基板を備える、該ステップと、
前記ハウジングに取り付けられた1以上のセンサによって、前記不透明面の背後の物体に関するセンサデータを収集するステップ
であって、前記センサは、前記不透明面の背後に前記物体が存在することによって生じる静電容量の変化を測定するように構成された1以上の静電容量センサを含み、前記静電容量センサは、導電性ゴムで作られており、かつ、前記静電容量センサは、前記ハウジングの外側に配置される、該ステップと、
前記ハウジング内に配置された前記コントローラによって、前記センサによって収集された前記センサデータを処理するステップと、
前記不透明面の背後の前記物体に関する情報をユーザに伝達するステップと、を含む、方法。
【請求項9】
請求項
8に記載の方法であって、
前記装置は少なくとも1つの金属センサをさらに備え、
前記導電性ゴムは、前記金属センサと前記静電容量センサとの間の電磁干渉を低減させるように構成されたスポンジシリコーン中に導電性充填材料を組み込むことにより構成されている、方法。
【請求項10】
請求項
8に記載の方法であって、
前記装置は少なくとも1つの金属センサをさらに備え、
前記導電性ゴムは、前記金属センサと前記静電容量センサとの間の電磁干渉を低減させるように構成された固体シリコーン中に導電性充填材料を組み込むことにより構成されている、方法。
【請求項11】
請求項
8に記載の方法であって、
前記装置は前記ハウジング内に配置された少なくとも1つの金属センサをさらに備え、
当該方法は、
前記金属センサによって、前記不透明面の背後の金属物体を検出するステップをさらに含む、方法。
【請求項12】
請求項
11に記載の方法であって、
前記金属センサは、前記静電容量センサが配置される当該装置の底部から見て前記静電容量センサの上方に配置されるか、または、前記静電容量センサが配置される当該装置の底部から見て前記静電容量センサの側方に配置される、方法。
【請求項13】
請求項
8に記載の方法であって、
前記センサは、前記不透明面の背後の電界を検出するように構成された交流(AC)センサを含み、
前記交流(AC)センサは、スポンジシリコーンまたは固体シリコーン中に導電性充填材料を組み込んだ導電性ゴムで作られている、方法。
【請求項14】
請求項
8に記載の方法であって、
前記コントローラによって、前記センサによって収集された前記センサデータを処理するステップと、
前記コントローラによって、収集された前記センサデータに基づいて、前記不透明面の背後の検出された前記物体に関する情報を決定するステップと、
検出された前記物体に関する情報を、表示装置を介してユーザに提供するステップと、をさらに含む、方法。
【国際調査報告】