(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-05
(54)【発明の名称】統合生産測定基準の決定
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/06 20120101AFI20221128BHJP
E02F 9/20 20060101ALI20221128BHJP
【FI】
G06Q10/06
E02F9/20 N
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022519589
(86)(22)【出願日】2020-09-30
(85)【翻訳文提出日】2022-03-28
(86)【国際出願番号】 US2020053359
(87)【国際公開番号】W WO2021067327
(87)【国際公開日】2021-04-08
(32)【優先日】2019-10-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】391020193
【氏名又は名称】キャタピラー インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】CATERPILLAR INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ブリックナー、チャド ティー.
(72)【発明者】
【氏名】デクラーク、アレン ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ボマー、ブラッドリー ケイ.
(72)【発明者】
【氏名】ホワイティング、マーク ダブリュー.
【テーマコード(参考)】
2D003
5L049
【Fターム(参考)】
2D003AA01
2D003AA02
2D003AA03
2D003BA03
2D003BA06
5L049AA06
(57)【要約】
方法は、第一の機械に命令を送信して、作業現場計画によって定義される第一のタスクを実施することと、第二の機械に命令を送信して、作業現場計画によって定義される第二のタスクを実施することとを含み、第二のタスクは、第一のタスクとは異なる。第一の生産測定基準は、第一のタスクの実行中に第一の機械に関連付けられた第一のセンサから受信され、第二の生産測定基準は、第二のタスクの実行中に第二の機械に関連付けられた第二のセンサから受信され、第二の生産測定基準は第一の生産測定基準とは異なる。作業現場計画の完了率は、第一の生産測定基準および第二の生産測定基準に少なくとも部分的に基いて決定される、統合生産測定基準に基づいて定義される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
方法(300)であって、
作業現場(112)で少なくとも第一の機械(102、104、105、106、107)および第二の機械(102、104、105、106、107)によって実行される作業現場計画を、コントローラを用いて受信すること(302)と、
前記コントローラ(122)を用いて、前記第一の機械(102、104、105、106、107)および前記第二の機械(102、104、105、106、107)を割り当て(304)、前記第一の機械(102、104、105、106、107)および前記第二の機械(102、104、105、106、107)の能力に基づき前記作業現場計画を実施することであって、
前記第一の機械(102、104、105、106、107)が、第一のタスクの実行中に第一の生産測定基準を収集し、
前記第二の機械(102、104、105、106、107)が、前記第一のタスクとは異なる第二のタスクの実行中に、前記第一の生産測定基準とは異なる第二の生産測定基準を収集し、
前記コントローラ(122)を用いて、前記作業現場(112)のセグメント化された部分内で、前記第一の機械(102、104、105、106、107)からの前記第一の生産測定基準と、前記第二の機械(102、104、105、106、107)からの前記第二の生産測定基準を画定する機械のテレマティクスデータを受信すること(306、308)と、
前記コントローラ(122)を用いて、前記作業現場(112)の前記セグメント化された部分内で、前記作業現場計画の完了率を画定する統合生産測定基準を使用して、前記第一の生産測定基準および前記第二の生産測定基準を画定すること(310)と、
前記コントローラ(122)を用いて、およびユーザインターフェース上で、前記統合生産測定基準に基づき前記作業現場計画の完了レベルの表示を提示する(312)ことと、を含む、方法。
【請求項2】
前記統合生産測定基準が、前記セグメント化された部分のリフト層厚での、前記作業現場(112)の前記セグメント化された部分内の面積の測定を含み、
前記リフト層厚が、前記作業現場(112)の前記セグメント化された部分内に堆積され締固めされた材料(118)の深さによって画定される、請求項1に記載の方法(300)。
【請求項3】
前記作業現場計画が、
積込ユニット(104)を用いて、材料(112)を運搬ユニット(106)に積み込むことと、
前記運搬ユニット(106)を用いて、前記材料(118)を前記作業現場計画によって定義された前記作業現場(112)に堆積させることと、
材料敷均しユニット(107)を用いて、前記材料(118)を前記作業現場(112)の表面に沿って敷均しすることと、
締固めユニット(105)を用いて、前記材料(118)を前記作業現場(112)の表面に沿って締固めすることと、
整地ユニット(107)を用いて、前記材料(118)の勾配を前記作業現場(112)の表面に沿って整地することと、を含む大量採掘計画である、請求項1に記載の方法(300)。
【請求項4】
前記第一の生産測定基準および前記第二の生産測定基準が、運搬ユニット(106)に積み込まれた材料(118)の質量、前記作業現場(112)に移動された材料(118)の質量、前記作業現場(112)に敷均しされた前記材料(118)の質量、および前記作業現場(112)に沿った前記材料(118)のグレードのうちの少なくとも一つを含む、請求項1に記載の方法(300)。
【請求項5】
前記第一の機械(102、104、105、106、107)および前記第二の機械(102、104、105、106、107)が、同じタイプの機械であり、前記作業現場計画の実施に関連する同じ生産測定基準を利用し、
前記方法が、同じタイプの機械(102、104、105、106、107)の同じ生産測定基準を全体としてまとめて計算することをさらに含む、請求項1に記載の方法(300)。
【請求項6】
前記第一の生産測定基準および前記第二の生産測定基準が、前記第一の機械(102、104、105、106、107)および前記第二の機械(102、104、105、106、107)の材料移動要素の寸法、および前記第一の機械(102、104、105、106、107)および前記第二の機械(102、104、105、106、107)から取得された位置データのうちの少なくとも一つを含む、請求項1に記載の方法(300)。
【請求項7】
前記コントローラ(122)を用いて、前記作業現場(112118)に配置される前記作業現場(112)に適用する材料を含むユーザ入力と、前記作業現場計画ならびに前記第一のタスクおよび前記第二のタスクの完了に向けた目標のタイムラインと、前記作業現場(112)の総面積と、前記作業現場(112)に前記材料(118)を運搬する距離と、を受信することをさらに含む、請求項1に記載の方法(300)。
【請求項8】
前記統合生産測定基準が、前記ユーザ入力に少なくとも部分的に基づいて決定される、請求項7に記載の方法(300)。
【請求項9】
前記統合生産測定基準が、前記作業現場(112)での前記材料の締固め体積(118)に少なくとも部分的に基づいて決定される、請求項7に記載の方法(300)。
【請求項10】
システム(100)であって、
コントローラ(122)と、
作業現場(112)で運転可能な第一の機械(102、104、105、106、107)と、
前記作業現場(112)で運転可能な第二の機械(102、104、105、106、107)と、
前記コントローラ(112)と前記第一の機械(102、104、105、106、107)および前記第二の機械(102、104、105、106、107)との間で信号を送信するように構成された通信ネットワーク(124)と、を備え、
前記コントローラ(122)が、
前記作業現場(112)で前記第一の機械(102、104、105、106、107)および前記第二の機械(102、104、105、106、107)によって実行される作業現場計画を受信し、
前記第一の機械(102、104、105、106、107)に命令を送信して、前記作業現場計画によって定義される第一のタスクを実施し、
前記第二の機械(102、104、105、106、107)に命令を送信して、前記作業現場計画によって定義される第二のタスクを実行し、前記第二のタスクが前記第一のタスクとは異なり、
前記第一の機械(102、104、105、106、107)から、第一のタスクの実行中に第一の生産測定基準を受信し、
前記第二の機械(102、104、105、106、107)から、前記第二のタスクの実行中に第二の生産測定基準を受信し、前記第二の生産測定基準が前記第一の生産測定基準とは異なり、
ユーザインターフェース上で、統合生産測定基準に基づき前記作業現場計画の完了レベルの表示を提示し、前記統合生産測定基準が、前記作業現場計画の作成に使用されるユーザ入力と、前記第一の機械(102、104、105、106、107)および前記第二の機械(102、104、105、106、107)の材料移動装置のうち少なくとも一つの寸法と、前記第一のタスクの実行中に前記第一の機械(102、104、105、106、107)から取得した位置データと、前記第二のタスクの実行中に前記第二の機械(102、104、105、106、107)から取得した位置データと、によって定義されるように構成される、システム。
【請求項11】
前記コントローラ(122)が、前記第一の機械(102、104、105、106、107)および前記第二の機械(102、104、105、106、107)が同じ生産測定基準を測定する場合に、前記作業現場計画の実施に関連する前記第一の機械(102、104、105、106、107)および前記第二の機械(102、104、105、106、107)から受信したものと同じ生産測定基準を全体としてまとめて集約する、請求項10に記載のシステム(100)。
【請求項12】
前記第一の機械(102、104、105、106、107)および前記第二の機械(102、104、105、106、107)が、材料(118)を運搬ユニット(106)に積み込むための積込ユニット(104)、前記材料(118)を前記作業現場(112)に堆積させるための前記運搬ユニット(106)、前記材料(118)を前記作業現場(112)の表面に沿って敷均しするための材料敷均しユニット(107)、前記材料(118)を前記作業現場(112)の前記表面に沿って締固めするための締固めユニット(105)、または前記材料(118)の勾配を前記作業現場(112)の表面に沿って整地する整地ユニット(107)を含む、請求項10に記載のシステム(100)。
【請求項13】
前記統合生産測定基準が、前記セグメント化された部分のリフト層厚における前記作業現場(112)の前記セグメント化された部分内の面積の測定を含み、
前記リフト層厚が、前記作業現場(112)の前記セグメント化された部分内に堆積され締固めされた材料(118)の深さによって画定される、請求項10に記載のシステム(100)。
【請求項14】
前記コントローラ(122)が、
前記作業現場(112)に適用するための材料(118)、前記作業現場(112)に配置される前記材料(118)のリフト層厚、前記作業現場計画および前記第一のタスクおよび前記第二のタスクの完了のための目標のタイムライン、前記作業現場(112)の総面積、および前記材料(118)を前記作業現場(112)に運搬する距離を含む前記ユーザ入力と、
前記作業現場(112)での前記材料(118)の締固め体積と、
前記第一の機械(102、104、105、106、107)および前記第二の機械(102、104、105、106、107)の材料移動要素の寸法と、
前記第一の機械(102、104、105、106、107)および前記第二の機械(102、104、105、106、107)から取得された前記位置データと、
前記第一の生産測定基準と、
前記第二の生産測定基準と、に基づき前記統合生産測定基準を定義するようにさらに構成される、請求項10に記載のシステム(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、作業現場計画によって定義される、大量採掘プロジェクト上の作業現場内で運転される複数の機械間で、統合生産測定基準を作成および提示するためのシステムおよび方法に関する。より具体的には、本開示は、異なるタスクを実行し、機械の能力および機能に基づいて異なる生産測定基準を報告する複数の機械と、異なる生産測定基準を受信し、全体的作業現場計画の完了の割合またはレベルを示すための統合生産測定基準を作成しうるコントローラとを含む、システムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
運搬トラック、ホイールローダー、スキッドステアローダー、ドーザ、およびその他の機械は多くの場合、作業現場で様々な作業を行うために使用される。これらの採掘ユニット、積込ユニット、運搬ユニット、材料敷均しユニット、整地ユニット、および締固めユニットは、数ある種類の機械の中でも、さらなる開発および建設のために、地面領域の掘削および整備をするために使用される。例えば、一つ以上の油圧ショベルを使用して、作業現場における作業面の一部を構成する、土壌、砂利、コンクリート、アスファルト、またはその他の材料などの材料の層を除去してもよい。一部の実施例では、連接台車または公道用トラックは、油圧ショベルによって掘削された材料を作業現場から、または作業現場へと移動させるための運搬ユニットとして使用されうる。さらに、一部の実施例では、トラックタイプのトラクタ(TTT)を使用して、作業現場の表面に沿った材料の標高、勾配、およびグレードを作り出すことができる。なおもさらに、締固めユニットとしての役目をするソイルコンパクターは、材料を所望の密度に締め固めるために、使用されてもよい。一部の実施例では、仕上げ整地が、作業現場全体にわたって材料に適用されうる。上述した機械を使用するプロセスは、本明細書では大量採掘と呼ばれうる。上の実施例では、機械は、作業現場計画に関連付けられた複数の作業を実施する際に、作業現場の表面を横断するように(例えば、数ある運転様式の中でも、オペレータによって手動で、半自律的に、完全に自律的に)制御されてもよい。大量採掘に使用される機械の各タイプは、異なるタイプの生産測定基準を報告しうる。しかしながら、異なる機械についてのこれらの異なる生産測定基準は、機械が複数の異なるタスクを完了する作業現場計画の全体的な完了率または完了レベルを報告するのに有用ではない。さらに、異なる機械は、異なる生産測定基準を報告するため、作業現場計画全体の中で、作業現場内のどの機械が期待に満たない作業をしているかに関する洞察を得ることは難しい場合がある。これは、異なる生産測定基準は、比較不能か、または比較にならない測定基準であると考えられるため、実質的に比較できないからである。
【0003】
材料のトラック載荷を追跡する位置および積込みの監視を使用するための例示的なシステムは、米国特許出願公開第2019/080525号(以下、参考文献’525という)に記載されている。特に、参考文献’525は、作業現場における移動機械の作業中に材料の載荷を運搬するように構成された載荷運搬機構を含む移動機械について記載している。参考文献’525で説明したように、材料と機械の移動は、作業現場の作業の完了度を推定するために追跡される。システム内の機械からの出力は、ダンプおよび掘削サイクルを含めて移動された材料の量、作業現場から去るおよび/または追加された材料の量、ならびに材料備蓄の移動の量の表示を含む。しかしながら、参考文献’525には、異なるタイプの機械にわたって生産性を測定しうる統合生産測定基準に基づいて、作業現場の作業がどの程度完了したかを決定するように構成されたシステムについては記載がない。
【0004】
本開示の例示的実施形態は、上述の欠陥を克服することに向けられる。
【発明の概要】
【0005】
本開示の例示的な実施形態では、方法は、コントローラを用いて、少なくとも第一の機械および第二の機械によって作業現場で実行される作業現場計画を受信することと、コントローラを用いて、第一の機械の第一の能力および第二の機械の第二の能力に基づいて、作業現場計画を実施するように第一の機械および第二の機械を割り当てることとを含む。第一の機械の第一のセンサは、第一のタスクの実施中に第一の生産測定基準を示すパラメータを決定し、第二の機械の第二のセンサは、第一のタスクとは異なる第二のタスクの実施中に第一の生産測定基準とは異なる第二の生産測定基準を示すパラメータを決定する。方法はまた、コントローラを用いて、第一のタスクに対応し、第一のテレマティクスデータを、作業現場のセグメント化された部分内にある第一の機械からの第一の生産測定基準と関連付ける第一の機械テレマティクスデータを受信することを含む。方法はまた、コントローラを用いて、第二のタスクに対応し、第二のテレマティクスデータを、作業現場のセグメント化された部分内にある第二の機械からの第二の生産測定基準と関連付ける第二の機械テレマティクスデータを受信することを含む。さらに、本方法は、コントローラを用いて、統合生産測定基準に基づき作業現場計画の完了率を定義することを含み、統合生産測定基準は、第一の生産測定基準および第二の生産測定基準に基づいて決定される。さらになお、本方法は、コントローラを用いて、統合生産測定基準に基づく作業現場計画の完了率の表示をユーザインターフェース上に提示することを含む。
【0006】
本開示の別の例示的な実施形態では、システムは、コントローラ、作業現場で運転可能な第一の機械、作業現場で運転可能な第二の機械、およびコントローラと第一の機械および第二の機械との間で信号を送信するように構成された通信ネットワークを含む。コントローラは、第一の機械に関連付けられた第一のセンサから、作業現場計画によって定義される第一のタスクの実行中に第一の生産測定基準を示すパラメータを受信するように構成される。コントローラはまた、第二の機械に関連付けられた第二のセンサから、第二のタスクの実行中に第二の生産測定基準を示すパラメータを受信するように構成され、第二のタスクは第一のタスクとは異なっており、第二の生産測定基準は第一の生産測定基準とは異なっている。さらになお、コントローラは、ユーザインターフェース上で、統合生産測定基準に基づく作業現場計画の完了レベルを提示し、統合生産測定基準は、作業現場計画の作成に使用される少なくとも一つのユーザ入力と、第一の機械の第一の材料移動装置の少なくとも一つの寸法と、第二の機械の第二の材料移動装置の少なくとも一つの寸法と、第一のタスクの実行中に第一の機械から取得された位置データと、第二のタスクの実行中に第二の機械から取得された位置データと、によって定義される。
【0007】
本開示のさらに別の例示的な実施形態では、システムは作業現場に位置する少なくとも第一の機械および第二の機械によって実行される作業現場計画を受信し、第一の機械に命令を送信して作業現場計画によって定義される第一のタスクを実行し、第二の機械に命令を送信して作業現場計画によって定義される第二のタスクを実行するように構成されたコントローラを含み、第二のタスクが第一のタスクとは異なる。コントローラはまた、第一の機械に関連付けられた第一のセンサから、第一のタスクの実行中に第一の生産測定基準を受信し、第二の機械に関連付けられた第二のセンサから、第二のタスクの実行中に第二の生産測定基準を受信するように構成され、第二の生産測定基準は第一の生産測定基準とは異なる。コントローラはまた、統合生産測定基準に基づいて作業現場計画の完了率を定義するように構成され、統合生産測定基準は、第一の生産測定基準、第二の生産測定基準、第一の機械の材料移動要素の第一の寸法、および第二の機械の材料移動要素の第二の寸法に基づいて少なくとも部分的に決定される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、本開示の例示的な実施形態によるシステムの概略図である。
【
図2】
図2は、
図1に示すシステムに関連付けられた例示的な方法を図示するフローチャートである。
【
図3】
図3は、
図1および
図2に示すシステムおよび方法に関連付けられた例示的な方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
可能な限り、同一または類似部品に言及するのに、図面全体を通して同一の参照番号を使用するであろう。
図1を参照すると、例示的なシステム100は、様々なタスクを実施するために、作業現場112で運転する一つ以上の機械を含みうる。例えば、システム100は、一つ以上の掘削機械102、一つ以上の積込機械104、一つ以上の運搬機械106、一つ以上の締固機械105、一つ以上の整地機械107、および/または建設、採鉱、建設、舗装、掘削、および/またはその他の作業に使用されるその他のタイプの機械を、作業現場112に含みうる。本明細書に記載の機械の各々は、一つ以上の中央局108によって、互いに、および/またはローカルまたはリモートでの制御システム120と通信してもよい。中央局108は、運転データおよび/または命令を送信および/または受信する目的で、本明細書に記載の機械間および/またはこのような機械間、および例えば、制御システム120のシステムコントローラ122間の無線通信を容易にしうる。
【0010】
掘削機械102は、後続する作業(すなわち、発破、積込み、運搬、および/または他の作業)の目的のために、作業現場112で材料を減少させる任意の機械を指しうる。掘削機械102の例としては、他のタイプの掘削機械の中で、ショベル、バックホウ、ドーザ、ボーリング機械、トレンチャー、およびドラッグラインを挙げることができる。複数の掘削機械102は、作業現場112の共通領域内に共存してもよく、類似の機能を行ってもよい。例えば、掘削機械のうちの一つ以上は、土壌、砂、鉱物、砂利、コンクリート、アスファルト、表土、および/または作業現場112の作業面110の少なくとも一部を含む他の材料を移動させうる。このように、通常の条件下で、類似の共存する掘削機械102は、類似の現場条件に曝露された時、生産性および効率に関してほぼ同じ性能を発揮しうる。
【0011】
積込機械104は、一つ以上の掘削機械102によって低減された材料の持ち上げ、運搬、積込み、および/または除去する任意の機械を指しうる。一部の実施例では、積込機械104は、こうした材料を除去してもよく、除去された材料を、作業現場112の第一の位置から作業現場112の第二の位置へ、または作業現場の外へ、もしくは作業現場へ輸送してもよい。積込機械104の例には、他のタイプの積込機械104の中でも、ホイール式または軌道式のローダー、フロントショベル、ショベル、ケーブルショベル、およびスタックリクレーマーが含まれうる。一つ以上の積込機械104は、例えば、低減された材料を運搬機械106に積み込むために、作業現場112の共通領域内で運転しうる。
【0012】
運搬機械106は、作業現場112内の異なる位置間で、掘削された材料を運ぶ任意の機械を指しうる。運搬機械106の例としては、その他のタイプの運搬機械106の中でも、連接台車、オフハイウェイトラック、公道用ダンプトラック、およびホイールトラクタスクレーパーが挙げられる。荷積みされた運搬機械106は、表土を作業現場112内の掘削領域から、運搬道路に沿って様々なダンプサイトに運搬して、再び積み込まれる同じまたは異なる掘削領域に戻ってもよい。通常の条件下で、類似の共存する運搬機械106は、類似の現場条件に曝露された時、生産性および効率に関してほぼ同じ性能を発揮しうる。
【0013】
締固機械105は、作業現場112の作業面110に応力を印加し、その上に土壌を高密度化させる、および/または許容可能な表面仕上げを得るように構成された任意の機械を指しうる。土壌締固機械105の運転は、土壌整地機械107の運転の直後であってもよく、および/または直ちに土壌整地機械107の運転に進んでもよい。一つの実施例では、締固めプロセスは、フロントドラムおよびバックドラムを有する、ダブルドラム締固機械などの締固機械105を用いて行われてもよく、これは、機械を推進し、締固機械の重量を介して材料を適切な状態に締固めする役割を果たし、ドラム振動装置と連携して使用されうる。土壌締固機械105のその他の例は、他のタイプの締固機械105の中でも、ホイール式または軌道式のソイルコンパクター、振動式ソイルコンパクター、およびタンデム振動式コンパクターを含みうる。一つ以上の土壌締固機械105は、作業現場112内で連携して、その上の土壌を締固めしうる。締固めの完了は、締固機械で材料全体を複数回にわたり通過させることを含みうる。
【0014】
整地機械107は、例えば、締固め作業のために、後続する作業のために作業現場112で土壌などの材料を整地することによって、平坦な表面を作り出すように構成された任意の機械を指しうる。土壌整地機械107の例としては、運転中に平坦な表面を作り出すために、当技術分野で一般的に知られているスクレーパー、ブルドーザー、モータグレーダー、またはその他の類似の機械が含まれうる。複数の土壌整地機械107は、作業現場112の共通領域内に共存してもよく、類似の機能を行ってもよい。
【0015】
図1を引き続き参照すると、システム100は、システム100内の様々な要素を制御および/または調整するための制御システム120およびシステムコントローラ122を含みうる。一部の実施例では、制御システム120および/またはシステムコントローラ122は、作業現場112から遠隔指令センター(図示せず)に位置してもよい。他の実施例では、システムコントローラ122および/または制御システム120の一つ以上の構成要素は、作業現場112に位置しうる。制御システム120の様々な構成要素の位置にかかわらず、こうした構成要素は、掘削機械102、積込機械104、運搬機械106、締固機械105、整地機械107、および/またはシステム100の他の機械との間の通信を容易にし、それらに情報を提供するように構成されうる。本明細書に記載される任意の実施例において、システムコントローラ122の機能は、特定の作業が作業現場112で実行され、他の作業が、例えば、上述の遠隔指令センターで遠隔で実行されるように、分配されてもよい。例えば、システムコントローラ122の一部の動作は、システム100の他の場所および装置の中でも、作業現場112、一つ以上の掘削機械102、一つ以上の積込機械104、一つ以上の運搬機械106、一つ以上の締固機械105、または一つ以上の整地機械107で行われてもよい。当然のことながら、システムコントローラ122は、システム100の構成要素、作業現場112に配置された一つ以上の機械の構成要素、例えば、携帯電話、タブレット、およびラップトップコンピュータなどの別個の携帯機器の構成要素、特に他のタイプの携帯機器、および/または制御システム120を含んでもよい。
【0016】
システムコントローラ122は、演算を実行し、制御アルゴリズムを実行し、データおよびその他の所望の演算を保存・取得するために、論理的な様式で動作する電子コントローラであってもよい。システムコントローラ122は、メモリ、二次記憶装置、プロセッサ、およびアプリケーションを実行するための他の任意の構成要素を含みうる、および/またはそれらにアクセスしうる。メモリおよび二次記憶装置は、コントローラによってアクセス可能な、読み出し専用メモリ(ROM)またはランダムアクセスメモリ(RAM)または集積回路の形態としうる。電源回路、信号調整回路、ドライバ回路、および他のタイプの回路など様々な他の回路が、システムコントローラ122と関連付けられてもよい。
【0017】
システムコントローラ122は、単一のコントローラであってもよく、または複数のコントローラを含んでもよい。システムコントローラ122が複数のコントローラを含む実施例では、システムコントローラ122は、例えば、システム100の様々な機能および/または特徴を制御するように構成された、掘削機械102、積込機械104、運搬機械106、締固機械105、整地機械107、および/またはシステム100の他の機械のそれぞれに関連付けられた追加のコントローラを含みうる。本明細書で使用されるとおり、「コントローラ」という用語は、システム100に関連付けられうる、およびシステム100の様々な機能および動作を制御するために連動しうる、一つ以上のコントローラ、プロセッサ、中央処理装置、および/またはマイクロプロセッサを含むように、その最も広い意味が意図される。システムコントローラ122の機能は、機能に関係なく、ハードウェアおよび/またはソフトウェアに実装されてもよい。システムコントローラ122は、一つ以上のデータマップ、ルックアップテーブル、ニューラルネットワーク、アルゴリズム、機械学習アルゴリズム、および/またはシステムコントローラ122のメモリ内に記憶されうるシステム100の動作条件および動作環境に関連するその他の構成要素に依存しうる。上述のデータマップの各々は、システム100およびその運転の性能および効率を最大化するための、表、グラフ、および/または方程式の形態のデータの収集を含みうる。
【0018】
制御システム120の構成要素は、ネットワーク124を介して、システム100の構成要素のいずれかと通信してもよく、および/またはその他の方法で動作可能に接続されてもよい。ネットワーク124は、ローカルエリアネットワーク(「LAN」)、ワイドエリアネットワーク(「WAN」)などのより大規模なネットワーク、またはインターネットなどのネットワークの集合であってもよい。TCP/IPなどのネットワーク通信用のプロトコルを使用して、ネットワーク124を実装してもよい。実施形態は、インターネットなどのネットワーク124を使用するものとして本明細書に記述されているが、メモリカード、フラッシュメモリ、または他のポータブルメモリデバイスを介して情報を送信する他の配信技術が実装されてもよい。
【0019】
掘削機械102、積込機械104、運搬機械106、締固機械105、整地機械107、および/またはシステム100の他の機械は、それぞれのコントローラを含んでもよく、本明細書に記載のそれぞれのコントローラ(システムコントローラ122を含む)の各々が通信してもよく、および/または別の方法でネットワーク124を介して動作可能に接続されてもよいことが理解される。例えば、ネットワーク124は、システム100の無線通信システムの構成要素を備えてもよく、このような無線通信システムの一部として、掘削機械102、積込機械104、運搬機械106、締固機械105、整地機械107、および/またはシステム100の他の機械は、それぞれの通信装置126を含みうる。こうした通信装置126は、システムコントローラ122と、掘削機械102、積込機械104、運搬機械106、締固機械105、整地機械107、および/またはシステム100の他の機械のそれぞれのコントローラとの間の、複数の信号、命令、および/または情報の無線送信を可能にするように構成されうる。こうした通信装置126はまた、作業現場112から離れた他の機械およびシステムとの通信を可能にするように構成されてもよい。例えば、こうした通信装置126は、信号(例えば、中央局108を介して、およびネットワーク124を介して)を一つ以上の他のこうした通信装置126の受信機に送信するように構成されたトランスミッタを含みうる。こうした実施例では、各通信装置126はまた、こうした信号を受信するように構成された受信機(例えば、中央局108を介して、およびネットワーク124を介して)を含んでもよい。一部の実施例では、特定の通信装置126のトランスミッタおよび受信機は、トランシーバまたは他のこうした構成要素として組み合わせられてもよい。本明細書に記載される任意の実施例において、こうした通信装置126はまた、一つ以上のタブレット、コンピュータ、携帯電話/無線電話、携帯情報端末、携帯機器、または作業現場112に位置する、および/または作業現場112から遠隔にあるその他の電子装置128との(例えば、中央局108を介した、およびネットワーク124を介した)通信を可能にしうる。こうした電子装置128は、例えば、作業現場112または作業現場112に関する見通し外(NLOS)の場所での日常業務を監督する、プロジェクトマネージャー(例えば、現場監督者)の携帯電話および/またはタブレットを含みうる。本明細書および添付の特許請求の範囲において使用される場合、「見通し外(NLOS)」という用語は、電磁波がその位置と作業現場112の間で伝搬できないように、物理的物体によって遮られる作業現場112に関する任意の位置として広く理解されることを意味する。
【0020】
ネットワーク124、通信装置126、および/または上述の無線通信システムの他の構成要素は、複数の通信規格のいずれかを含む、任意の所望のシステムまたはプロトコルを実装または利用しうる。所望のプロトコルは、システムコントローラ122、通信装置126のうちの一つ以上の、および/またはシステム100の任意の他の所望の機械または構成要素間の通信を可能にする。本明細書に記載のシステム100によって使用されうる無線通信システムまたはプロトコルの例としては、Bluetooth RTM(例えば、IEEE 802.15)などの無線パーソナルエリアネットワーク、IEEE 802.11bまたは802.11gなどのローカルエリアネットワーク、セルラーネットワーク、またはデータ転送のための任意の他のシステムもしくはプロトコルが挙げられる。その他の無線通信システムおよび構成が企図される。一部の例では、無線通信は、制御システム120と、システム100の機械(例えば、掘削機械102、積込機械104、運搬機械106、締固機械105、整地機械107など)との間で、またはこのような機械間で、直接に送信および受信されてもよい。他の例では、通信は、遠隔の人員による再送を必要とせずに、自動的に経路指定されうる。
【0021】
例示的な実施形態では、システム100の一つ以上の機械(例えば、掘削機械102、積込機械104、運搬機械106、締固機械105、整地機械107、および本明細書に記述される他の機械)は、それぞれの機械の位置、速度、進行方向、および/または配向を決定するように構成された位置センサ130を含みうる。こうした実施形態では、それぞれの機械の通信装置126は、例えば、システムコントローラ122および/またはシステム100のその他のそれぞれの機械に対して、こうした決定された位置、速度、進行方向、配向、距離、および/または網羅される領域を示す信号を生成および/または送信するよう構成されうる。一部の実施例では、それぞれの機械の位置センサ130は、全地球航法衛星システム(GNSS)または全地球測位システム(GPS)の構成要素を含んでもよく、および/またはこれを含んでもよい。あるいは、ユニバーサルトータルステーション(UTS)を利用して、機械のそれぞれの位置を特定しうる。例示的な実施形態では、本明細書に記載の位置センサ130のうちの一つ以上は、GPS受信機、トランスミッタ、トランシーバ、レーザープリズム、および/または他のこうした装置を備えてもよく、位置センサ130は、一つ以上のGPS衛星132および/またはUTSと通信して、位置センサ130が連続的に、実質的に連続的に、または様々な時間間隔で接続されている機械のそれぞれの位置を決定することができる。システム100の一つ以上の追加の機械はまた、一つ以上のGPS衛星132および/またはUTSと通信してもよく、こうしたGPS衛星132および/またはUTSが、こうした追加の機械のそれぞれの位置を決定するように構成されてもよい。本明細書に記載される任意の実施例において、それぞれの位置センサ130によって決定される機械の位置、速度、進行方向、配向、および/またはその他のパラメータは、システムコントローラ122および/またはシステム100の他の構成要素によって使用され、掘削機械102、積込機械104、運搬機械106、締固機械105、整地機械107、および/またはシステム100の他の構成要素の活動を調整することができる。
【0022】
GPS衛星132および/またはUTSを使用して、システム100の掘削機械102、積込機械104、運搬機械106、締固機械105、整地機械107、および/またはその他の機械から機械データを受信してもよい。さらに、GPS衛星132および/またはUTSを使用して、その機械データをシステムコントローラ122、またはシステム100内の他のデータ処理装置またはシステムに送信してもよい。機械データは、例えば、システムコントローラ122または別の供給源によって提供される作業現場計画に従って、システム100の作業現場112内の作業を実施する、掘削機械102、積込機械104、運搬機械106、締固機械105、整地機械107、および/または他の機械からの生産測定基準を含みうる。
【0023】
機械データは、例えば、機械の位置、機械が使用する方法、位置、持続時間、および機能を定義する利用データ、機械の仕様、機械の健全性、および他のテレマティクスデータを含む、機械テレマティクスデータであってもよい。テレマティックスは、本明細書で使用される場合、ネットワーク124を含む有線通信ネットワークまたは無線通信ネットワークなどの電気的な換算手段によって、ある距離で量の値を定義するデータの完全な測定、送信、および受信を意味する。さらに、一つの実施例では、テレマティクスデータはまた、機械102、104、105、106、107のそれぞれに対して固有の識別子を含んでもよい。一つの実施例では、テレマティクスデータは、作業現場計画内の各機械に割り当てられたタスクの完了レベルを表すデータを含んでもよく、機械102、104、105、106、107によって相互作用する土壌118などの材料の量を使用して表されてもよい。例えば、掘削機械102は、例えば、作業現場112から除去または作業現場112への搬送のために、積込機械104による運搬機械106に土壌を積み込む目的で、土壌118を低減してもよい。そうすることで、機械102、104、105、106、107に関連付けられたそれぞれのセンサ130、コントローラ136、および通信装置126は、数ある機械テレマティクスデータの中でも、掘削機械102が減らした体積(例えば、立方メートル(m3))または質量(例えば、メートルトン(t))での土壌118の量、掘削機械102によって網羅される作業現場112の面積、および作業現場112の作業面110の標高または「リフト層厚」を表すデータを検出、測定、処理して、例えば、システムコントローラ122に転送する。さらに、機械データは、機械102、104、105、106、107の運転を定義する任意のデータを含みうる。例えば、機械データは、数ある機械データのなかで、移動距離、網羅または移動する作業現場の面積、抽出、運搬および/または堆積された体積、質量または重量、機械の運転時間、機械によって利用される燃料、機械内のセンサから取得された知覚情報、機械の各々の固有の識別子、機械の各々のタイプ、および他の機械データ、地域、地区、エリアなどの位置関連パラメータなどのデータを含みうる。
【0024】
同様に、積込機械104は、土壌118などの材料を運搬機械106に積み込み、数ある機械テレマティクスデータの中でも、面積(例えば、立方メートル(m3))または質量(例えば、メートルトン(t))での材料の量は、機械102、104、105、106、および107に関連したそれぞれのセンサ130、コントローラ136、および通信装置126が、機械テレマティクスデータを検出、測定、処理、および転送する際に、システムコントローラ122に報告されうる。さらに、数ある機械テレマティクスデータの中でも、運搬機械106によって領域内に移動される面積(例えば、m3)または質量(例えば、t)の材料の量だけでなく、運搬機械106によって移動される距離が、機械102、104、105、106、107に関連するセンサ130、コントローラ136、および通信装置126を使用して、検出、測定、処理され、システムコントローラ122に送信されてもよい。締固機械105に関しては、数ある機械テレマティクスデータの中でも、例えば、締固機械105が移動する作業現場112の作業面110の平方メートル(m2)の一部、および作業現場112の作業面110のリフト層厚は、締固機械105に関連付けられたセンサ130、コントローラ136、および通信装置126を使用してシステムコントローラ122に報告されうる。さらに、数ある機械テレマティクスデータの中でも、領域内に移動される材料の量(例えば、m3)または質量(例えば、t)、および整地機械107が移動する作業現場112の作業面110の平方メートル(m2)は、整地機械107に関連付けられたセンサ130、コントローラ136、および通信装置126によって検出、測定、処理され、システムコントローラ122に転送されうる。
【0025】
さらに、一つの実施例では、テレマティクスデータは、例えば、機械102、104、105、106、107の速度、進行方向、位置、または機械102、104、105、106、107に関連付けられた任意の他のテレマティック感覚情報など、関連する機械102、104、105、106、107の動作に関連するパラメータを含みうる。
【0026】
したがって、上述のように、機械102、104、105、106、107のそれぞれは、異なるタイプの生産測定基準をテレメトリ的に報告しうる。ユーザは、複数の異なる機械102、104、105、106、107を利用する大量採掘プロジェクトなどの作業現場計画全体の進捗を測定するために、機械102、104、105、106、107によって搬送されるトラック積込み、および/または作業現場112の最終グレード(例えば、整地管理、手動調査、またはドローン飛行を介して)を測定しうる。これら二つのデータポイント(すなわち、トラック積込みおよび作業現場112の最終グレード)は、作業現場計画内の性能の低い機械102、104、105、106、107をピンポイントで特定するための大量採掘など、作業現場計画に対する十分な洞察を提供しない場合がある。その他の進捗測定は、作業現場計画内の各個々のタスクに対して使用されてもよいが、作業現場計画内の上流または下流のタスクまたはステップに関連付けることは困難である。本明細書に記載される異なる機械102、104、105、106、107についての異なる生産測定基準は、機械が複数の異なる作業を完了する作業現場計画の全体的な完了レベルを報告することを困難にしうる。さらに、異なる機械102、104、105、106、107は、異なる生産測定基準を報告するため、上述のように、作業現場計画全体の中で、作業現場内のどの機械が性能を欠くかに関する洞察を得ることは困難でありうる。これは、異なる生産測定基準を比較することは、比較不能な指標または比較にならない指標であると考えられるため、実際的に比較することが困難な可能性があるからである。これらの生産測定基準は、システム100内の電子装置128の表示装置によって提供されるものなど、ユーザインターフェース上に提示されうる。しかしながら、これらの生産測定基準の表示があっても、それらは機械のその他の生産測定基準または作業現場計画全体に関連するものであるため、監督者、管理者、乗員、または作業現場計画に関連付けられている他の個人などのユーザは個々の各生産測定基準を理解するのが困難となる場合がある。
【0027】
本明細書に記載される実施例では、機械102、104、105、106、107は、統合生産測定基準、または統合生産測定基準の作成に使用される機械データを報告してもよい。機械102、104、105、106、107から送信されるデータは、例えば、システムコントローラ122によって、一つ以上のデータマップ、ルックアップテーブル、ニューラルネットワーク、アルゴリズム、機械学習アルゴリズム、および/または他のコンポーネント上で処理されて、統合生産測定基準を取得してもよい。統合生産測定基準は、個々の機械およびそれぞれの個々の生産測定基準によって実行されるタスクの差異にもかかわらず、機械102、104、105、106、107の間で直接的に比較可能である。この統合生産測定基準を使用して、作業現場計画の進捗状況の全体的な進捗、ならびに作業現場計画内のタスクを完了するために動作するシステム100の効率および個々の機械102、104、105、106、107の効率を測定しうる。
【0028】
さらに、一つの実施例では、システム100のシステムコントローラ122は、作業現場計画全体を知ることなく、統合生産測定基準を使用して進捗を追跡しうる。この実施例では、例えば、300,000yd3という総目標を知ることなく、100,000yd3の表示が、作業現場112で機械102、104、105、106、107によって積込み、運搬、敷均し、および締固めされたものとして、機械102、104、105、106、107からシステムコントローラ122に報告されうる。この追跡された量の表現は、例えば、電子装置128の表示装置上でユーザに提示されてもよい。さらに、システム100のシステムコントローラ122は、個々の機械102、104、105、106、107のタスクごとの進捗をユーザに報告してもよい。例えば、システムコントローラ122は、120,000yd3が積込機械104によって積み込まれたが、80,000yd3のみが締固機械105によって締固めされたことを報告しうる。ユーザに対して機械ごとの生産測定基準が提示されることにより、ユーザは、機械102、104、105、106、107の各々がどの程度効率的に機能しているかを理解することができる。
【0029】
一つの実施例では、機械データが機械102、104、105、106、107から受信される際に、統合生産測定基準は、システムコントローラ122によって計算されてもよい。機械データは、システムコントローラ122によって要求されてもよく、または機械102、104、105、106、107が機械データを常時もしくは定期的に送信するように、システムコントローラ122によって受動的に受信されてもよい。一つの実施例では、機械102、104、105、106、107は、機械のそれぞれの通信装置126を介して、中央局108およびネットワーク124を介して、システムコントローラ122に機械データを送信する。
【0030】
一つの実施例では、統合生産測定基準は、作業現場計画の初期作成時にユーザが入力したデータ、機械102、104、105、106、107からテレメトリ的に受信した機械データ、機械の寸法、およびそれらの組み合わせに基づいて、少なくとも部分的に計算されうる。ユーザによって入力されるデータは、例えば、作業現場112と相互作用する材料と関連するデータを含みうる。これには、数あるユーザ入力の中で、例えば、土壌118、材料の特性および性質、作業現場112の作業面110の所望の標高として定義されるリフト層厚、作業現場計画および/または全体的な作業現場計画内の多数のタスクを完了するための標的または目標のスケジュール、作業面110および/または作業現場112の総面積と、運搬機械106が、例えば、作業現場112へ材料を移動、および/または作業現場112から材料を移動させる距離によって定義される運搬距離が含まれる。
【0031】
統合生産測定基準の計算に使用される機械寸法は、機械の数ある寸法のうち、例えば、積込機械104または整地機械107のブレード幅、例えば、締固機械105のドラム幅、例えば、運搬機械106のダンプベッドの容積、および例えば、掘削機械102のバケットの容積など、機械102、104、105、106、107の任意の寸法を含みうる。さらに、一つの実施例では、各機械102、104、105、106、107の位置センサ130によって決定される位置データは、このデータを機械寸法の一部として含めるために、通信装置126、中央局108、およびネットワーク124を介してシステムコントローラ122に送信されてもよい。機械寸法は、システムコントローラ122によって使用されて、統合生産測定基準が作成および推定されうる。
【0032】
機械データは、システムコントローラ122によって機械102、104、105、106、107からテレメトリ的に受信されてもよい。具体的には、機械102、104、105、106、107は、通信装置126、中央局108、およびネットワーク124を介して、機械データをシステムコントローラ122に送信してもよい。
【0033】
統合生産測定基準には、「リフト時の面積」推定値が含まれます。一つの実施例では、リフト時の面積は、運搬ユニット当たりの材料の締固め体積として定義されうる。この実施例では、体積は立方メートル(m3)で測定されうる。運搬機械106は、運搬ユニットとして識別および使用されうる。一つの実施例では、体積は、水などの流体の存在下で膨張し、流体が土壌118を去るにつれて収縮または縮小しうる、土壌118などの材料の収縮および膨張特性に基づいて決定されうる。材料の収縮および膨張特性は、異なる機械102、104、105、106、107が土壌118などの材料と相互作用する作業現場計画のタスク全体を通して変化しうる。土壌118の収縮および膨張は、機械102、104、105、106、107と土壌118との間の相互作用の各事例で変化しうるため、土壌118の中間体積を推定することは困難であることがわかりうる。したがって、本システム100は、作業現場112上で締固めされた後、土壌118または他の材料の体積が定位置で測定される、締固め体積を測定することができる。したがって、任意の中間的な締固めされていない、軟質の土壌118の測定は、現在のシステムおよびプロセスから不正確な測定を除去するために行われない場合がある。
【0034】
別の実施例では、リフト時の面積は、作業現場112の表面に沿って締固めされた土壌118などの材料の深さを含むリフト層厚として画定されうる。この実施例では、作業面の標高は、リフト層厚として測定されてもよく、作業現場112で所望の締固めレベルに敷均しされ締固めされた土壌118などの材料の深さとして定義されてもよい。一つの実施例では、締固め後、リフト層厚が測定されてもよく、また作業現場112の作業面110上に次の層を形成する別の量の材料が加えられてもよい。最終的な面には複数のリフトが構築される。
【0035】
さらに別の実施例では、リフト時の面積は、リフト時の面積(運搬ユニット当たりの材料の締固め体積として定義される)およびリフト層厚が、統合生産測定基準としてリフト時の面積を計算する際に考慮される、上記二つの実施例の組み合わせであってもよい。この実施例では、作業現場112の作業面110で締固めされた土壌118の体積および作業現場112の作業面110の標高の両方が測定されて、統合生産測定基準を取得しうる。したがって、トラック当たりの運搬される指定されたリフトにおける締固め面積の推定値は、リフト層厚、トラックのサイズ(またはペイロード)、および材料特性を考慮することによって計算することができる。
【0036】
実際には、リフト時の面積は、掘削機械102、積込機械104、および運搬機械106の組み合わせによって、材料が作業現場112の作業面110に加えられた時に実現されうる。運搬機械106および整地機械107は、作業現場112の作業面110に沿って材料を敷均ししうる。次に、締固機械105は、材料を所望の密度に締固めしうる。材料の搬送、敷均し、および締固めのこのプロセスは、1回分の「リフト」と同等であってもよく、統合生産測定基準は各リフト後に測定されてもよい。別の実施例では、システムコントローラ122は、各タスク当たりの材料の体積を計算および報告しうる。例えば、120,000yd3の材料が、掘削機械102、積込機械104、および運搬機械106によって、積み込まれて作業現場に運搬されたこと、また80,000yd3の材料が、整地機械107および締固機械105を使用して締固めされたことが報告されうる。
【0037】
一つの実施例では、統合生産測定基準の推定値はまた、整地機械107および締固機械105によって実行される作業に適用される測定基準として、掘削機械102、積込機械104、および運搬機械106によって生成されるトラック載荷またはペイロードを考慮することによって決定されてもよい。したがって、材料の締固め体積およびリフト層厚について、作業現場計画または作業現場計画全体での多数のタスク完了の推定値に基づくのではなく、統合生産測定基準は、例えば、掘削機械102、積込機械104、および運搬機械106によって掘削、積込み、運搬された材料の量、質量、または重量に基づいて決定されうる。運搬されるこの材料の量は、整地機械107および締固機械105の動作に適用されてもよく、その結果、作業現場計画内のタスクの完了レベル、または、整地機械107および締固機械105による作業現場計画全体の完了レベルは、運搬される材料の量に基づいてもよい。
【0038】
本明細書に記述された実施例では、統合生産測定基準または「リフト時の面積」は、作業現場計画全体における各サブプロセスまたはタスクにおける体積測定値と相関したものでありうる。この実施例では、生産測定基準は、個別の各機械102、104、105、106、107がその生産測定基準を集約する、個別の機械レベルと、サブシステムレベルと、すべての機械102、104、105、106、107からの生産測定基準が集約される作業現場レベルと、を含む、三つの異なるレベルで集約されうる。ここで、サブシステムレベルは、システム内の任意の機械102、104、105、106、107または機械群を含んでもよく、作業現場レベルは、すべての機械102、104、105、106、107をまとめて含んでもよい。生産測定基準を単一のデータセットに集約することは、処理時間を改善し、機械102、104、105、106、107とシステムコントローラ122との間で送信されるデータ量を低減しうる。したがって、生産測定基準の集約は、システム100全体におけるコンピューティングリソースのより効果的かつ効率的な使用をもたらす。
【0039】
生産測定基準集約のサブシステムレベルについては、一つの実施例では、生産測定基準はシステムコントローラ122によって収集されてもよく、および/または集計で機械102、104、105、106、107によって報告されてもよい。これらの実施例では、複数の積込機械104は、例えば、すべて共通のタスクおよび/または作業を共有してもよく、積込機械104によって報告される機械データは、単一の生産測定基準として集約されてもよい。さらに、同じタスクを実行する機械102、104、105、106、107は、単一の生産測定基準として集約された生産測定基準を集合的に報告してもよい。
【0040】
さらになお、同一の生産測定基準を報告しうる機械102、104、105、106、107は、機械102、104、105、106、107が異なるタスクを実行しうる場合でも、単一の生産測定基準として集約された生産測定基準を集合的に報告しうる。この実施例では、掘削機械102および積込機械104の生産測定基準は、テレマティクスデータをシステムコントローラ122に送信する前または後に、一緒に集約されうる。これは、その掘削機械102および積込機械104の生産測定基準が、作業ツール140の寸法にかかわらず、それらのそれぞれの作業ツール140(例えば、バケツ)によって移動される材料の体積または質量の測定基準でありうるためである。
【0041】
本明細書に記載される任意の実施例において、システムコントローラ122は、とりわけ、作業現場計画内のタスクの完了のレベルまたは完了率、および/または作業現場計画全体の完了のレベルまたは完了率を示す情報を含む、ユーザインターフェース(UI)(図示せず)を生成するように構成されうる。さらに、一つの実施例では、UIは、グラフィカルな様式で、統合生産測定基準および/または他の測定基準を表示しうる。UIは、生産測定基準を赤色、黄色、および緑色のグラフで示してもよく、赤色は、黄色に比べてタスクおよび/または全体的な作業現場計画の完了率が比較的低いことを示し、黄色は、緑色と比較してタスクおよび/または全体的な作業現場計画の完了率が比較的低いことを示す。本明細書では、タスクおよび/または全体的な作業現場計画の完了レベルを図表で描写する、他の形態および方法が意図されている。全体的に、UIによって、ユーザは、タスクおよび/または全体的な作業現場計画がどのように進行しているかを容易に理解することができる。一つの実施例では、UIは、UI内の部分を選択して作業現場計画内のレベルまで掘り下げ、タスク内の効率を決定し、期待または意図されているように効率的に機能している、または機能していない機械102、104、105、106、107または個々の機械の特定のグループを識別するようにユーザに提示され、対話式に表現されうる。
【0042】
本明細書に記載される任意の実施例において、こうしたUIは、機械102、104、105、106、107内のコントローラ136によって生成され、例えば、電子装置128(例えば、ネットワーク124経由)、機械102、104、105、106、107のディスプレイ、システムコントローラ122(例えば、ネットワーク124を介して)、および/またはシステム100の一つ以上の構成要素に提供されて、表示されてもよい。追加的または代替的に、こうしたユーザインターフェースは、システムコントローラ122によって生成され、例えば、電子装置128(例えば、ネットワーク124を介して)、機械102、104、105、106、107のディスプレイ、および/またはシステム100の一つ以上の構成要素に提供されて、表示されてもよい。
【0043】
本明細書に記載される任意の実施例において、掘削機械102、積込機械104、運搬機械106、締固機械105、整地機械107、および/またはシステム100の他の機械のうちの一つ以上は、手動で制御、半自律的に制御、および/または完全に自律的に制御されてもよい。掘削機械102、積込機械104、運搬機械106、締固機械105、整地機械107、および/またはシステム100の他の機械が、自律的または半自律的な制御下で作動している例では、速度、ステアリング、作業ツールの位置決め/移動、および/またはこうした機械のその他の機能は、少なくとも部分的に、本明細書に記載される決定された移動パラメータおよび/または作業ツールの位置に基づいて、自動または半自動で制御されうる。
【0044】
図1を引き続き参照すると、上述したように、掘削機械102、積込機械104、運搬機械106、締固機械105、整地機械107、および/またはシステム100の他の機械の各々は、本明細書に記載のコントローラ136を含みうる。コントローラ136は、ローカル制御システムの構成要素を、それぞれの機械102、104、105、106、107に車載および/またはその他の方法で運ばれる構成要素を含んでもよい。コントローラ136は、機械102、104、105、106、107内の任意の組み込みシステムであってもよく、よって機械102、104、105、106、107内の電気システムまたはサブシステムの少なくとも一つ、および機械102、104、105、106、107の少なくとも一つの機能を制御する。こうしたコントローラ136は、制御システム120のシステムコントローラ122と概して類似または同一であってもよい。例えば、こうしたコントローラ136の各々は、システムコントローラ122に関して本明細書に記述される一つ以上のプロセッサ、メモリ、および/またはその他の構成要素を備えてもよい。コントローラ136は、例えば、電子制御モジュール(ECM)、パワートレイン制御モジュール(PCM)、トランスミッション制御モジュール(TCM)、ブレーキ制御モジュール(EBCM)、中央制御モジュール(CCM)、中央タイミングモジュール(CTM)、一般電子モジュール(GEM)、本体制御モジュール(BCM)、懸架制御モジュール(SCM)、および制御ユニットの他のタイプのECUなどの電子制御ユニット(ECU)を含みうる。ECUは、機械102、104、105、106、107の運転を支援するハードウェアおよび組み込みソフトウェアを含みうる。
【0045】
一部の実施例では、コントローラ136は、機械102、104、105、106、107のそれぞれの一つに位置してもよく、また、システム100の他の機械または本明細書に説明される指令センター(図示せず)のいずれかなど、機械102、104、105、106、107のそれぞれの一つから遠隔に位置する構成要素を含んでもよい。したがって、一部の実施例では、コントローラ136の機能は、特定の機能が機械102、104、105、106、107のそれぞれの一つで実行され、他の機能が遠隔で実行されるように配分されてもよい。一部の実施例では、それぞれの機械102、104、105、106、107に搭載されるローカル制御システムのコントローラ136は、それぞれの機械の自律的および/または半自律的な制御を、単独でまたは制御システム120と組み合わせて可能にすることができる。さらに、それぞれの機械102、104、105、106、107に搭載されるコントローラ136は、それぞれの通信装置126および位置センサ130に、本明細書に記載されるように、例えば、システムコントローラ122によって指示されるように機能するよう命令してもよい。
【0046】
図1を引き続き参照すると、一部の実施例では、システム100の一つ以上の機械102、104、105、106、107は、機械のフレームに結合された器具または他の作業ツール140を含みうる。例えば、積込機械104の場合、作業ツールは、材料を開放体積内またはその他の実質的に開放された空間内に保持するように構成されたバケツを備えてもよい。積込機械104は、例えば、作業ツール140を積込み位置に下げることによって、材料(例えば、掘削機械102によって除去された材料)を作業ツール140内にすくい、引き上げ、および/または別の方法で積み込むように構成されてもよい。例えば、積込機械104は、積込機械のフレームに移動可能に接続された一つ以上のリンケージ142を含みうる。作業ツール140は、こうしたリンケージ142に接続されてもよく、リンケージ142は、作業ツール140の前縁144が作業面110に近接、隣接、および/または当接され、作業ツール140の基部が作業面110と実質的に平行に配置される積込み位置に、(例えば、一つ以上の油圧シリンダ、電子モーター、またはそれに接続された他の装置を介して)作業ツール140を降下させるために使用されてもよい。次いで、積込機械104は、作業ツール140が、材料を少なくとも部分的に作業ツール140の開放空間の中へと移動させるように、材料、正体積の土壌118、および/または作業面110上に配置された他の物体に衝突しうるように、作業現場112の作業面110の表面に沿って前進するように制御されてもよい。次に、リンケージ142は、作業ツール140を上昇、旋回、および/または傾斜させて、作業面110の上方の運搬位置にするように制御されてもよい。次に、積込機械104は、積込機械104が、ダンプゾーン、運搬機械106、および/または作業ツール140によって運ばれる除去された材料を受けるよう指定された作業現場112の別の位置に到達するまで、作業現場112を横断するように制御されてもよい。次に、リンケージ142は、作業ツール140の開放空間内に保持される材料が、ダンプゾーンに、運搬機械106の床内に、および/またはその他の望ましい方法で、(例えば、作業ツール140によって保持される材料に作用する重力の力により)堆積されうる荷卸し位置に、作業ツール140を降下、旋回、および/または傾斜させるように制御されてもよい。積込機械104と同様に、掘削機械102、運搬機械106、締固機械105、整地機械107は、本明細書に記載のそれぞれの作業を機械が実行できる作業ツール140および/またはリンケージ142を含んでもよい。
【0047】
図2は、
図1に示すシステム100に関連する例示的な方法200を描写するフローチャートである。方法200の実施例は、論理フロー図内のステップの集合として示されており、これは、ハードウェア、ソフトウェア、またはそれらの組み合わせに実装されうる作業を表す。ソフトウェアに関連して、これらのステップは、メモリ内に格納されたコンピュータ実行可能命令を表す。かかる指示が、例えば、制御システム120のシステムコントローラ122によって実行される時、こうした命令は、機械102、104、105、106、107、制御システム120の様々な構成要素(例えば、電子装置128)、掘削機械102のコントローラ、積込機械104のコントローラ、運搬機械106のコントローラ、締固機械105のコントローラ、整地機械107のコントローラ、および/またはシステム100のその他の構成要素に、列挙された作業を実施させうる。こうしたコンピュータ実行可能命令は、特定の関数を実行するか、または特定の抽象データ型を実装する、ルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造などを含みうる。操作が記述される順序は、制限するものとして解釈されることを意図しておらず、記述されたステップの任意の数を任意の順序で、および/または並列に組み合わせてプロセスを実施することができる。考察の目的で、および別段の指定がない限り、本明細書に記載の方法200およびその他の方法は、システム100、制御システム120、機械102、104、105、106、107のコントローラ136、作業現場112、および/または
図1に示すその他の項目を参照しながら記載される。特に、方法200の任意の部分および/または全体は、システムコントローラ122、電子装置128、機械102、104、105、106、107のコントローラ136、および/またはシステム100のその他の構成要素によって、単独でまたは組み合わせて行われてもよいが、別段の指定がない限り、方法200は、説明を容易にするためにシステムコントローラ122に関して下記に記述される。
【0048】
図2を参照すると、202で、システムコントローラ122は、一つ以上のタスク、ジョブ、または作業現場112でシステム100によって実行される他の作業に関連する情報を受信しうる。202で受信される情報は、例えば、とりわけ、作業現場112におけるシステム100の一つ以上の機械102、104、105、106、107によって実行される作業現場計画を定義する、ユーザ入力202を含みうる。作業現場計画は、例えば、命令、位置(例えば、GPS座標、UTS座標など)、および/またはそのような作業が実行される作業面110の少なくとも一部分の周囲および/または境界を識別するその他の情報を含みうる。
【0049】
ユーザ入力202はまた、作業現場112内の材料の特性を含んでもよい。例えば、材料は、数ある材料の中で、土壌118、砂、鉱物、砂利、石、岩石、巨礫、コンクリート、アスファルト、および表土を含みうる。
【0050】
さらに、ユーザ入力202は、目標のタイムライン、期限、または目標を含みうる。一つの実施例では、目標のタイムライン、期限、または目標は、作業現場計画内の多数の個々のタスクと関連付けられうる。一つの実施例では、目標のタイムライン、期限、または目標は、作業現場計画全体の完了および作業現場計画内のタスク数を定義する、作業現場計画全体と関連付けられうる。
【0051】
ユーザ入力202はまた、作業現場内、および現場外の場所と作業現場112との間の距離を含んでもよい。ユーザ入力は、作業現場112に関連する数あるデータの中でも、例えば、作業面110の境界および/またはその他の領域を識別するGPS座標、作業現場計画によって達成される作業現場112作業面110の意図されたリフト層厚、標高等級およびその他の特性、および作業現場112の作業面110に沿った現在の標高など、作業面計画に関する詳細をさらに含みうる。一部の実施例では、作業現場計画は、第一の組のGPS座標、および/またはその他の材料の位置を識別する情報、ならびにダンプゾーン、一つ以上の機械102、104、105、106、107が割り当てられている、または現在作業中である作業ゾーン、および/または作業が実施されうる作業現場112内の他の領域を識別する第二の組のGPS座標を含みうる。
【0052】
一部の実施例では、202で受信した作業現場計画を含むユーザ入力はまた、移動される材料のタイプを示す情報(例えば、土壌、砂、鉱物、砂利、コンクリート、アスファルト,表土、など)、作業現場112に存在する機械102、104、105、106、107を一意に識別する情報(例えば、一つ以上のナンバープレート番号、モデル番号、機械の種類、および/または作業現場112に存在するシステム100のそれぞれの機械に関連付けられた他の固有の識別子)、それぞれの機械のオペレータを一意に識別する情報(例えば、名前、雇用主、従業員ID番号、経験レベル、および/またはその他の情報)、作業現場112の二次元および/または三次元マップ、作業現場112にある任意の既知の不完全部またはその他の障害物のGPS座標(例えば、位置、境界、および/または一本以上の木の範囲、水域、人工の障害物、送電線、ユーティリティ配管、排水管路、道路、歩道、駐車場などを特定するGPS座標)、および/またはシステム100および/または作業現場112に関連付けられたその他の情報、を含みうる。
【0053】
204で、システムコントローラ122は、作業現場112に存在する機械102、104、105、106、107から機械寸法を受信してもよい。本明細書に記載したように、機械寸法は、数ある機械の寸法のうち、例えば、積込機械104または整地機械107のブレード幅、例えば、締固機械105のドラム幅、例えば、運搬機械106のダンプベッドの容積、および例えば、掘削機械102または積込機械104のバケツの容積など、機械102、104、105、106、107の任意の寸法を含みうる。一つの実施例では、204で受信された機械寸法は、例えば、システムコントローラ122自体または電子装置128へのユーザ入力を介して、システムコントローラ122によって受信されてもよい。別の実施例では、機械寸法は、システムコントローラ122または電子装置128のいずれか内のデータベースから、システムコントローラによって取得されてもよい。この実施例では、システムコントローラ122または電子装置128のデータベースは、選択された機械102、104、105、106、107の寸法がデータベースから取得されるように、機械102、104、105、106、107のフリートが206で選択される際にアクセスされてもよい。さらに、一つの実施例では、204で、各機械102、104、105、106、107の位置センサ130によって決定される位置データは、このデータを機械寸法の一部として含めるために、通信装置126、中央局108、およびネットワーク124を介してシステムコントローラ122に送信されてもよい。機械寸法は、システムコントローラ122によって使用されて、統合生産測定基準が作成および推定されうる。統合生産測定基準は、本明細書に記述されるように、UIにおける作業現場計画または作業現場計画全体内のタスクの完了レベルの描写を裏付けるデータとして使用されうる。
【0054】
206で、機械のフリートが選択される。一つの実施例では、フリートは、本明細書に記載の機械102、104、105、106、107のタイプから選択される。フリートは、202および/または204で取得されたユーザ入力および作業現場計画に基づいて、システムコントローラ122によって自律的に選択されうる。この実施例では、作業現場計画内で定義されるとおりに実施される作業のタイプおよび作業現場計画で定義されるタスクを使用して、機械102、104、105、106、107のうちどれが作業現場計画内でタスクの実行に関与するかを選択しうる。別の実施例では、フリートは、監督者、管理者、乗員、または作業現場計画に関連付けられた他の個人などの多数のユーザによって選択されうる。この実施例では、システムコントローラ122は、こうした入力をシステムコントローラ122に提供するよう、これらの個人のうちの一人以上に促してもよい。
【0055】
機械102、104、105、106、107のフリートが選択されると、作業現場計画は208で実行されうる。作業現場計画の実行には、作業現場112での土壌118などの材料の積込み208-1、運搬208-2、整地208-3、締固め208-4、および仕上げ整地208-5を含みうる。材料の積込み208-1は、ショベル、バックホウ、ドーザ、ボーリング機械、トレンチャー、ドラッグライン、ホイールローダー、ホイールトラクター、軌道式ローダー、フロントショベル、ケーブルショベル、スタックリクレーマー、スクレーパー、および/または他の掘削機械102、ならびに積込機械104を使用して、土壌118などの材料を採掘し、運搬機械106に積み込むことを含みうる。材料の運搬208-2は、連接台車、オフハイウェイトラック、公道用ダンプトラック、およびホイールトラクタスクレーパーを使用して、数あるタイプの運搬機械106の中で、材料を作業現場112へ、または作業現場112内にある別個の位置の間で移動させることを含みうる。矢印208-6で示されるように、運搬機械106は、積込機械104の位置に任意の回数だけ戻り、材料のさらなる積込み208-1、運搬208-2を行いうる。
【0056】
作業現場計画の実行はまた、作業現場112の作業面110の整地208-3を含んでもよい。作業面110の整地208-3は、トラックタイプのトラクター、スクレーパー、ブルドーザー、モータグレーダー、およびその他の整地機械を使用して実行されてもよい。さらに、作業現場計画の実行は、数あるタイプの締固機械105の中でも、ダブルドラム締固機械、ホイール式または軌道式の土壌締固機械、振動式ソイルコンパクター、およびタンデム振動式コンパクターを使用した、土壌118などの材料の締固め208-4を含みうる。整地208-3および締固め208-4は、締固め208-4が行われる際に整地された表面を維持するために、矢印208-7で示されるように、数回連続して実行されてもよい。
【0057】
208-5で、仕上げ整地は、作業面110でスクレーパー、ブルドーザー、モータグレーダー、または他の機械の使用によって得られうる。仕上げ整地は、例えば、追加の締固め作業208-4、または仕上げ整地上に舗装面もしくは構造を配置するなどの後続の作業のために、作業現場112で土壌などの材料を整地することによって平坦な表面を作り出すために実施される。
【0058】
一つの実施例では、個々の機械102、104、105、106、107は、作業現場計画内で独立してそれぞれのタスクを実行しうる。この実施例では、機械102、104、105、106、107は、連続的または定期的に、生産測定基準を表す機械データを送信してもよく、システム100のシステムコントローラ122は、個々のタスクおよび/または全体的な作業現場計画の進捗状況を推定するために、機械から生産測定基準を受動的に受信してもよい。
【0059】
一つの実施例では、208で機械102、104、105、106、107によって実行されるプロセスは、自律的および/または半自律的に実行されてもよい。これらの自律的および/または半自律的なシナリオでは、システムコントローラ122は、ネットワーク124、衛星132および/または中央局108、ならびにそれぞれの機械102、104、105、106、107の通信装置126を介して、機械102、104、105、106、107のそれぞれのコントローラ136に命令を送信することによって、機械102、104、105、106、107に、本明細書に記載されているそれぞれのタスクを実行させうる。機械102、104、105、106、107のコントローラ136は、システムコントローラ122から受信した命令を実行して、機械102、104、105、106、107に、命令によって定義されるタスクを実行させることができる。
【0060】
210で、システム100の構成要素は、機械データをシステムコントローラ122に提供してもよい。212で、システムコントローラ122は、作業現場計画および/または作業現場計画全体によって画定されるタスクに関する212の進捗を推定しうる。本明細書に記載するように、システムコントローラ122は、統合生産測定基準を使用して、作業現場計画および/または作業現場計画全体によって定義されるタスクの完了レベルまたは完了率を決定する。統合生産測定基準は、機械データ210として機械102、104、105、106、107から取得されてもよく、または機械データ210からシステムコントローラ122によって計算または導出されてもよい。また、本明細書に記述されるように、統合生産測定基準は、リフト時の面積および搬送される積込みの回数に基づいてもよい。一つの実施例では、統合生産測定基準は、次式に基づいて計算または導出されてもよい。
【0061】
【0062】
式中、
【数2】
は、作業現場112に搬送される材料であり、
【数3】
は、作業現場の作業面110に沿って敷均しされる材料であり、
【数4】
は、作業現場の作業面110に沿って締固めされた材料である。
【0063】
式1では、質量および体積が、例えば、掘削機械102、積込機械104、および運搬機械106(すなわち、搬送機械として)、整地機械107(すなわち、敷均し機械として)、および締固機械105(すなわち、締固機械として)によって一貫性なく測定されうるため、搬送、敷均、および締固めされる材料の質量または体積に関係なく、リフトを決定しうる。したがって、3種類の機械102、104、105、106、107すべてが所与の面積での作業が終わると、1回分のリフトが完了したものとみなされる。統合生産測定基準は、リフト時の面積として記述されてもよく、次式のように計算または導出されてもよい。
【数5】
【0064】
式中、面積は、リフトが完了した平方メートル(m2)値である。生産測定基準が統合される一つの実施例では、システムコントローラ122は、各搬送機械(すなわち、掘削機械102、積込機械104、および/または運搬機械106)がどの程度の締固め面積を含むかを推定する。ところが、対象の生産測定基準は、材料118の積込み回数(すなわち、トラック載荷またはペイロード)である場合、別の実施例では、システムコントローラ122は、整地機械107(すなわち、敷均し機械)および締固機械105(すなわち、締固機械)が完了した材料118の積込み回数を推定しうる。したがって、本明細書に記載の実施例では、一つのタイプの測定基準は、式1に定義されるリフトに基づいて完了したと想定されてもよく、統合生産測定基準は、一つのタイプの測定基準に基づいて計算されてもよい。
【0065】
上述についての文脈を提供するために、一つの実施例では、複数の機械102、104、105、106、107からのデータを組み合わせて、完了したリフトの数を決定してもよい。リフトが完了したとみなされるには、3つのタスクが行われる必要がある。第一に、材料が作業現場112に搬送される。これは、掘削機械102、積込機械104、および運搬機械106を介して達成されうる。ダンプ位置は、材料が敷均しされる場所の近くでありうる。第二に、整地機械107は、作業現場計画によって指定される深さで材料を敷均ししうる。第三に、締固機械105は、先だって敷均しした材料118を締固めして、その材料118を作業現場計画で指定された締固めレベルにすることができる。材料の締固めは、締固機械105を複数回通過させることによりうる。したがって、「リフト」は、材料の搬送、敷均し、および締固めとして定義されうる。異なるタイプの機械102、104、105、106、107、および異なる個別の生産測定基準間の共通の生産測定基準を提供する、統合生産測定基準は、作業現場112の指定された領域内で実施されるリフトの数に基づいて定義されうる。このようにして、ユーザは、比較不能または比較にならない測定基準のために実際的に比較されないかもしれない、異なる機械102、104、105、106、107からの異なる生産測定基準を、本明細書に記載される統合生産測定基準を使用して、どのように理解することができるかを、より容易に理解することができる。
【0066】
一つの実施例では、システムコントローラ122は、上の二つの実施例に記載されるように、対象の両方の測定基準(すなわち、面積および積込み)を使用して、統合生産測定基準を別々に計算し、統合生産測定基準の二つの別個の値を取得しうる。次に、システムコントローラ122は、平均、相加平均、モード、加重平均、または二つの別個の計算の中心傾向の別の尺度を用いて、単一の統合生産測定基準を取得しうる。その計算において、システムコントローラ122は、一つ以上のデータマップ、ルックアップテーブル、ニューラルネットワーク、アルゴリズム、機械学習アルゴリズム、および/またはシステムコントローラ122のメモリ内に記憶されうるシステム100の動作条件および動作環境に関連するその他の構成要素に依存しうる。
【0067】
一つの実施例では、統合生産測定基準は、特定のリフト層厚における作業現場112の作業面110など、作業現場112のセグメント化された部分内の面積の尺度を含みうる。リフト層厚は、作業現場112のセグメント化された部分内に堆積され締固めされた材料の深さによって画定されうる。一つの実施例では、大量の土運搬は、上述のように、材料を複数の「リフト」で配置することを含めることができる。リフトは、追加の材料(すなわち、追加のリフト)が上に配置される前に、配置され締固めされる指定された垂直距離として定義されてもよい。機械の生産を測定するために、何回のリフトが完了したか、またはどのリフトで機械102、104、105、106、107が現在作業を行っているかを判定することが有用でありうる。この実施例では、このプロセスは、整地機械107および締固機械105に適用されうる。なぜなら、これらの機械は、作業現場112内の同じ小さな地理的領域で動作しているかもしれないが、複数のリフトを完了済みであるためである。
【0068】
統合生産測定基準は、従来の機械データを使用して、何回のリフトが完了したかを測定する方法に関して、どのような困難も軽減しうる。位置センサ130から取得された高精度GPSデータは、正確な標高データのために利用されうる。しかしながら、位置センサ130からのGPSデータを使用したとしても、リフト層厚は誤差の範囲内に収まりうる。システムコントローラ122によって導出され計算される統合生産測定基準は、所与の領域で働くすべての装置の進捗と、作業現場計画を決定するための手段を提供し、これは、グレード制御システムを備えた高精度GPSが搭載された機械のみではない。
【0069】
図3は、
図1および
図2に示すシステムおよび方法に関連付けられた例示的な方法300を示すフローチャートである。302で、制御システム120のシステムコントローラ122の処理およびメモリアーキテクチャなどのコントローラは、少なくとも第一の機械102、104、105、106、107および第二の機械102、104、105、106、107によって作業現場で実行される作業現場計画を受信しうる。作業現場計画は、機械102、104、105、106、107によって実行される任意の数のタスクを含み、これは、作業現場112の作業面110に意図される変化をもたらす。本明細書に記載されるように、作業現場計画は、複数の異なる機械102、104、105、106、107を利用する大量採掘プロジェクトを含みうる。作業現場計画は、例えば、命令、位置(例えば、GPS座標、UTS座標など)、および/またはそのような動作または作業が実行される作業面110の少なくとも一部分の周囲および/または境界を識別するその他の情報を含みうる。
【0070】
一つの実施例では、作業現場計画は、ユーザ入力(
図2、202)として含まれてもよく、作業現場112に位置する電子装置128、および/または作業現場112から遠隔またはシステムコントローラ122に直接入力されてもよい。別の実施例では、作業現場計画は、ユーザ入力(
図2、202)に基づいて、システムコントローラ122または他の処理装置によって生成されてもよい。
【0071】
304で、システムコントローラ122は、第一の機械102、104、105、106、107および第二の機械102、104、105、106、107を割り当てて、第一の機械の第一の能力および第二の機械の第二の能力に基づいて作業現場計画を実施しうる。機械102、104、105、106、107の能力は、どのタイプの機械(例えば、掘削機械102、積込機械104、運搬機械106、締固機械105、整地機械107、および/または他のタイプの機械)であるか、および関連機能によって定義される。選択された機械(
図2、206)は、少なくとも部分的に、作業現場計画内に画定されるタスクに基づいてもよい。
【0072】
第一の機械の第一のセンサは、第一のタスクの実施中に第一の生産測定基準を示すパラメータを決定してもよく、第二の機械の第二のセンサは、第一のタスクとは異なる第二のタスクの実施中に第一の生産測定基準とは異なる第二の生産測定基準を示すパラメータを決定してもよい。第一のセンサおよび第二のセンサは、機械102、104、105、106、107に関連付けられた任意のセンサであってよく、これは、機械の生産測定基準を直接的または間接的に検出しうる。例えば、センサは、機械の位置を検出する位置センサ130を含みうる。機械の位置を検出できることによって、移動距離および機械102、104、105、106、107によってカバーされる領域に関連する生産測定基準を取得することができる。例えば、締固機械105および/または整地機械107は、作業面110全体を均等に整地および締固めするために、作業面110全体とされうる場所を前後に移動する順次的な様式で、作業現場112の作業面110を覆うように使用されうる。したがって、締固機械105の位置センサ130から取得されたデータは、締固機械105の生産測定基準を定義しうる。
【0073】
別の実施例として、センサは、例えば、掘削機械102、積込機械104、および/または運搬機械106内に含まれうる重量センサを含んでもよい。重量センサは、掘削機械102、積込機械104、および/または運搬機械106によって持ち上げられ、かつ運ばれる土壌118などの材料の重量を決定しうる。センサ付きの機械102、104、105、106、107の上記実施例では、二つのセンサが記述されているが、任意の数のセンサが個別の各機械内で使用されてもよく、任意の数の機械が、それらの機械のそれぞれの生産測定基準を示すパラメータを検出するためのセンサを含んでもよい。
【0074】
306で、システムコントローラ122は、第一のタスクに対応する第一の機械102、104、105、106、107からの第一の機械のテレマティクスデータを受信し、第一のテレマティクスデータを、作業現場112のセグメント化された部分内の第一の機械102、104、105、106、107からの第一の生産測定基準と関連付けることができる。テレマティクスデータは、センサによって測定され、機械102、104、105、106、10内のコントローラ136によって送信され、例えば、システムコントローラ122によって受信されてもよい。したがって、システムコントローラ122によって受信されるデータは、感知されたデータを画定し、ネットワーク124を含む有線通信ネットワークまたは無線通信ネットワークなどの電気変換手段によって、ある距離で送信される。第一のテレマティクスデータの第一の生産測定基準との関連付けは、例えば、データマップ、ルックアップテーブル、ニューラルネットワーク、アルゴリズム、機械学習アルゴリズム、および/または他のコンポーネントを使用して行われてもよい。
【0075】
同様に、308で、システムコントローラ122は、第二のタスクに対応する第二のテレマティクスデータを受信し、第二の機械のテレマティクスデータを、作業現場112のセグメント化された部分内の第二の機械102、104、105、106、107からの第二の生産測定基準と関連付けてもよい。ここでも、第二の生産測定基準は第一の生産測定基準とは異なり、第二のタスクは第一のタスクとは異なる。異なる生産測定基準は、比較不能または比較にならないと考えられることから実質的に比較することができないため、統合生産測定基準は、例えば、本明細書に記載される式1および式2を含む、本明細書に記載の方法およびアルゴリズムを使用して、システムコントローラ122によって決定されうる。したがって、310で、システムコントローラ122は、統合生産測定基準に基づいて、作業現場計画の完了率を決定しうる。統合生産測定基準は、入力として少なくとも第一の生産測定基準および第二の生産測定基準に基づいて決定されうる。さらに、作業現場計画(
図2、202)および機械寸法(
図2、ブロック204)の初期作成時にユーザによって入力されたデータは、入力としての第一の生産測定基準および第二の生産測定基準と共に、本明細書に記述されたような統合生産測定基準を決定するために使用されうる。
【0076】
312で、システムコントローラ122は、統合生産測定基準に基づいて、作業現場計画の完了率の表示を含むユーザインターフェース(UI)を生成しうる。UIは、表示装置、印刷装置、または他の出力装置を含む任意の出力装置上に提示されてもよい。例えば、UIは、作業現場112に位置する、および/または作業現場112から遠隔にある電子装置128上に、および/またはシステムコントローラ122のUIに提示されてもよい。UIは、作業現場計画のレベルまたは完了率、および/または作業現場計画内に含まれる多くのタスクの数を、グラフ表示および/または英数字表示したものを含みうる。作業現場計画は、例えば、掘削機械102などの掘削ユニットを用いて、作業現場112内の材料を掘削することと、積込機械104などの積込ユニットを用いて、材料を運搬機械106などの運搬ユニットに積み込むこととを含む、複数のステップを有する大量採掘計画であってもよい。作業現場計画はまた、運搬機械106などの運搬ユニットを用いて、作業現場計画によって定義される作業現場112に材料を堆積させることを含んでもよい。さらに、作業現場計画は、整地機械107などの材料敷均しユニットを用いて、作業現場112の表面に沿って材料を敷均しすることと、締固機械105などの締固めユニットを用いて、作業現場112の表面に沿って材料を締固めすることとを含みうる。さらになお、作業現場計画は、整地機械107などの整地ユニットを用いて、作業現場112の表面に沿って材料の勾配を整地することを含んでもよい。
【0077】
一つの実施例では、第一の機械102、104、105、106、107の第一の生産測定基準および第二の機械102、104、105、106、107の第二の生産測定基準は、運搬ユニットに積み込まれた材料の質量、作業現場に移動された材料の質量、作業現場中に敷均しされた材料の質量、および作業現場内に沿った材料のグレードのうちの少なくとも一つを含みうる。この実施例では、これらの生産測定基準は、本明細書に記載されるリフトを生成する際の個々の機械102、104、105、106、107の寄与度を決定するために使用されうる。
【0078】
一部の実施例では、第一の機械102、104、105、106、107および第二の機械102、104、105、106、107は、同じタイプの機械であってもよい。この実施例では、第一の機械102、104、105、106、107および第二の機械102、104、105、106、107は、作業現場計画の実施に関連する同じ生産測定基準によって特徴付けられうる。したがって、この実施例では、
図3の方法300は、同じタイプの機械102、104、105、106、107の同じ生産測定基準を全体としてまとめて計算することをさらに含みうる。これは、例えば、システムコントローラ122のコンピューティングリソースに関して、リフト内の生産測定基準に関する計算および決定をより速くかつより負担の少ないものにすることができる。
【0079】
一部の実施例では、第一の生産測定基準は、第一の機械102、104、105、106、107の第一の材料移動要素の第一の寸法、および第一の機械102、104、105、106、107から取得された第一の位置データのうちの少なくとも一つを含みうる。さらに、第二の生産測定基準は、第二の機械102、104、105、106、107の第二の材料移動要素の第二の寸法、および第二の機械102、104、105、106、107から得られた第二の位置データのうちの少なくとも一つを含みうる。この実施例では、第一の材料移動要素および第二の材料移動要素の寸法は、統合生産測定基準を決定するために使用されるリフトに寄与する機械102、104、105、106、107の役割を理解するのに役立つ。
【0080】
図3の方法300はまた、システムコントローラ122を用いて、運搬ユニット当たりの材料の締固め体積、作業現場の表面に沿って締固めされた材料の深さを含むリフト層厚、および運搬ユニット当たりの材料の締固め体積およびリフト層厚のうちの少なくとも一つを示すユーザ入力を受信することを含みうる。対象の生産測定基準が材料118の積込み回数(すなわち、トラックの積込み回数またはペイロード)である例では、統合生産測定基準を決定する際に、これらの機械寸法204がシステムコントローラ122によって使用されてもよい。この実施例では、システムコントローラ122は、整地機械107(すなわち、敷均し機械)および締固機械105(すなわち、締固機械)が何回の材料118の積込みを完了したか推定しうる。したがって、統合生産測定基準は、少なくとも部分的に、ユーザ入力として取得されうるか、またはデータ記憶装置内にデータとして保存されうる、掘削機械102、積込機械104、および/または運搬機械106の機械寸法204に基づいて決定されうる。さらに、統合生産測定基準は、少なくとも部分的に、作業現場112での材料の締固め体積に基づいて決定されうる。この実施例では、対象の生産測定基準は、材料118の積込み回数(すなわち、トラック載荷またはペイロード)であり、ここで、システムコントローラ122は、整地機械107(すなわち、敷均し機械)および締固機械105(すなわち、締固機械)が完了した材料118の積込み回数を推定しうる。
【産業上の利用可能性】
【0081】
本開示は、作業現場計画内で異なるタスクを行い、比較不能または比較にならない生産測定基準を報告する、多数の機械102、104、105、106、107にわたって統合生産測定基準を取得するためのシステムおよび方法を記載する。こうしたシステムおよび方法は、ユーザに対して作業現場計画の完了のレベルまたは完了率をより効率的に提示するために使用されてもよく、その結果、ユーザは作業現場計画がどの程度効率的に実行されているかを完全に理解しうる。システムおよび方法は、作業現場計画および/または作業現場112でのその他の作業の実行中に、一つ以上の掘削機械102、積込機械104、締固機械105、運搬機械106、整地機械107および/またはシステム100の他の構成要素の活動を調整する。例えば、こうしたシステムおよび方法は、システムコントローラ122が、テレメトリ的に送達された機械データを取得し、その機械データを使用して、統合生産測定基準を計算することを可能にしうる。システムコントローラ122はまた、少なくとも一つのユーザインターフェースを介して、多数のユーザに対して、統合生産測定基準の表現を提示してもよい。したがって、ユーザは、作業現場計画および作業現場計画に含まれるタスクの完了のレベルまたは完了率について通知を受け、容易に理解することができる。
【0082】
結果として、本開示のシステムおよび方法は、作業現場計画内で利用される様々な機械の進捗についてのより効果的な理解によってユーザを支援することによって、作業現場112で、および作業現場計画内で、様々な作業を実施するために必要な時間とリソースを低減するのに役立ちうる。本開示のシステムおよび方法はまた、どの機械または機械群がより効率的に機能していない可能性があるかを判断するにあたり、ユーザを支援しうる。結果として、本開示のシステムおよび方法は、ユーザが、非効率さがあれば修正し、作業現場計画を完了するのにかかりうる時間を短縮し、期待される期限またはスケジュールの順守を可能にしうる。したがって、統合生産測定基準は、作業現場計画の完了レベルまたは完了率を理解する上で、ユーザを支援しうる。この理解により、ユーザは、効率的な様式で作業現場計画を実行することができうる。開示されたシステムおよび方法は、統合生産測定基準の決定および提示を促進しうる。
【0083】
本開示の態様は、上記の実施形態を参照して特に示され、記述されてきたが、開示された内容の趣旨および範囲から逸脱することなく、様々な追加の実施形態が、開示された機械、システムおよび方法の改変によって意図されていることが理解されるであろう。かかる実施形態は、特許請求の範囲およびその任意の均等物に基づき決定される本開示の範囲内に収まることが理解されるべきである。
【国際調査報告】