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  • 特表-温かいミルク含有飲料の調製 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-05
(54)【発明の名称】温かいミルク含有飲料の調製
(51)【国際特許分類】
   A47J 31/44 20060101AFI20221128BHJP
【FI】
A47J31/44 430
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022520084
(86)(22)【出願日】2020-10-02
(85)【翻訳文提出日】2022-03-30
(86)【国際出願番号】 EP2020077637
(87)【国際公開番号】W WO2021064163
(87)【国際公開日】2021-04-08
(31)【優先権主張番号】19201298.7
(32)【優先日】2019-10-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505310426
【氏名又は名称】フリースランドカンピーナ ネーデルランド ベスローテン フェンノートシャップ
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ファン ドルーテン、ウィービー ニコラース
【テーマコード(参考)】
4B104
【Fターム(参考)】
4B104AA27
4B104BA59
4B104BA64
4B104DA13
4B104EA10
(57)【要約】
抽出セクション(3)とミルクセクション(2)とを含むコーヒーマシン(1)内で温かいミルク含有飲料を調製するためのプロセスであって、ミルクセクション(2)は、液体ミルク濃縮物供給部(5)と、液体ミルク濃縮物供給部(5)と流体接続する混合デバイス(6)とを含む、方法。この方法を実行するためのコーヒーマシン(1)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
抽出セクション(3)とミルクセクション(2)とを含むコーヒーマシン(1)内で温かいミルク含有飲料を調製するための方法であって、前記ミルクセクション(2)は、液体ミルク濃縮物供給部(5)と、前記液体ミルク濃縮物供給部(5)と流体(6)接続する混合デバイスとを含み、
前記方法は、
(a)第1の水流を前記抽出セクション(3)内に及び第2の水流を前記ミルクセクション(2)内に通すステップと、
(b)前記抽出セクション(3)内の第1の温水器(21)において前記第1の水流(12)を加熱し、結果として得られた第1の温水流(12a)を使用して、前記抽出セクション(3)内で温かい飲料を調製するステップと、
(c)前記ミルクセクション(2)内の第2の温水器(18)において前記第2の水流(11)を加熱し、結果として得られた第2の温水流(11a)を前記液体ミルク濃縮物供給部(5)からのある量の液体ミルク濃縮物と前記混合デバイス(6)内で混合し、温かいミルク流を生じさせるステップであって、前記温かいミルク流(11a)は、前記混合デバイス(6)における空気入口を通して前記温かいミルク流に空気を導入することによって空気(7a)と混合されて、温かいミルク泡(27)を生じさせ、且つ前記混合デバイス(6)は、エダクタと精密ろ過デバイスとを含む、ステップと、
(d)ステップ(b)で調製された前記温かい飲料とステップ(c)で調製された前記温かいミルク泡(27)とを入れ物(29)に分配して、前記温かいミルク含有飲料を生成するステップと
を含む、方法。
【請求項2】
前記液体ミルク濃縮物供給部(5)と前記混合デバイス(6)が着脱不能に接続され、前記液体ミルク濃縮物用の交換可能な在庫管理ユニット(4)を一緒に構成する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ステップ(b)において、前記第1の温水流(12a)が抽出ユニット(22)内の挽いたコーヒー(9a)の一部に通されて、前記温かい飲料としてのホットコーヒー流(28)を生じさせる、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記入れ物(29)に分配される一杯分の温かいミルク含有飲料ごとに、少なくとも
(i)前記第1の入水口に通される水の量並びに前記第2の入水口に通される水の量及び流量と、
(ii)第2の温水流と前記温かいミルク流を調製するために使用される液体ミルク濃縮物との体積比と、
(iii)温かい飲料の量、並びにかかる量の温かい飲料を調製するために必要な挽いたコーヒー(9a)及び第1の温水流のそれぞれの量と、
(iv)温かいミルク流と温かい飲料との体積比と、
(v)前記温かいミルク流及び前記温かい飲料が前記入れ物(29)に分配される順序と
が、前記コーヒーマシン(1)に含まれるシステム制御ユニットによって制御される、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
請求項1~4に記載の方法によって温かいミルク含有飲料を調製し、かかる飲料を入れ物に分配するためのコーヒーマシン(1)であって、前記コーヒーマシン(1)は、抽出セクション(3)と、ミルクセクション(2)と、前記抽出セクション(3)及び前記ミルクセクション(2)の動作を制御するためのシステム制御ユニットとを含み、
(a)前記抽出セクション(3)は、第1の入水口と、第1の温水器(21)と、コーヒー供給手段と、抽出ユニット(22)と、温かい飲料出口とを含み、
前記第1の入水口は、前記第1の温水器(21)に流体的に接続され、
前記第1の温水器(21)と前記抽出ユニット(22)は、流体的に接続され、
前記コーヒー供給手段は、前記抽出ユニット(22)に流体的に接続され、
前記温かい飲料出口は、前記抽出ユニット(22)に流体的に接続され、及び
(b)前記ミルクセクション(2)は、第2の入水口と、第2の温水器(18)と、液体ミルク濃縮物の交換可能な在庫管理ユニット(4)を受け入れるための少なくとも1つのホルダと、温かいミルク流用の出口手段とを含み、
前記第2の入水口は、前記第2の温水器(18)に流体的に接続され、
前記第2の温水器(18)は、温水導管を介して前記ホルダに接続され、
前記ホルダは、前記ホルダ内に配置されたときに液体ミルク濃縮物の交換可能な在庫管理ユニット(4)の入水口に前記温水導管を着脱可能に接続するための手段を含み、
前記ホルダは、前記ホルダ内に配置されたときに液体ミルク濃縮物の交換可能な在庫管理ユニット(4)の出口と温かいミルク泡用の前記出口手段を着脱可能に接続するための手段を含み、並びに
前記ミルクセクション(2)は、空気入口と、前記ホルダ内に収容されたときに液体ミルク濃縮物の前記交換可能な在庫管理ユニット(4)に前記空気入口を着脱可能に接続するための手段とを更に含む、
コーヒーマシン(1)。
【請求項6】
前記システム制御ユニットが、前記入れ物(29)に分配される一杯分の温かいミルク含有飲料ごとに、少なくとも
(i)前記第1の入水口に通される水の量及び前記第2の入水口に通される水の量と、
(ii)液体ミルク濃縮物と前記温水流を調製するために使用される第2の温水流との体積比と、
(iii)温かい飲料の量、並びにかかる量の温かい飲料を調製するために必要な挽いたコーヒーの一部及び第1の温水流のそれぞれの量と、
(iv)温かいミルク流と温かい飲料との体積比と、
(v)前記温かいミルク流及び前記温かい飲料が前記入れ物(29)に分配される前記順序と
を制御するようにプログラムされる、請求項4又は5に記載のコーヒーマシン(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コーヒーマシン内で温かいミルク含有飲料を調製するためのプロセス、及びかかるプロセスを実行するために好適なコーヒーマシンに関する。
【背景技術】
【0002】
ミルク入りのレギュラーコーヒー、カプチーノ、カフェラテ、ラテマキアートなどの、異なるバリエーションのミルク入りの温かい飲料を調製して分配するためのコーヒーマシンが広く知られており、市販されている。様々なシステムが利用可能である。一部のシステムは、液体ミルク(特に新鮮なミルク又は超高温処理ミルク)のリザーバと協働し、他のシステムは、粉乳のリザーバと協働する。ミルク濃縮物を収容するカートリッジと協働するシステムも存在するが、ミルク濃縮物の場合により交換可能なリザーバと協働するコーヒーマシンも説明されている。概して、液体ミルク又は液体ミルク濃縮物のリザーバ及びかかる液体ミルク又は液体ミルク濃縮物を移送するための導管と協働するシステムは、かかるリザーバ及び導管を十分に洗浄するための望ましい水洗及び除菌ルーチンを含む必要がある。このようなルーチンは、典型的には、特にこのようなマシンが例えばレストラン又はバーで使用されている場合、より短期間又は長期間にわたってマシンの運転が停止されることを意味し、これは不便である。
【0003】
欧州特許出願公開第1440910A1号明細書は、温水に接触したときに消費可能な温かい飲料を形成する飲料製品を収容するカートリッジを使用して温かい飲料を調製するためのシステムを開示している。カートリッジは、飲料調製マシン内に配置されたときに、温水が、カートリッジに通されて、カートリッジ内に収容された飲料原料に接触し、その後、温かい飲料が入れ物に分配されるように設計される。カートリッジ内の飲料製品は、粉状のもの、挽いたもの、葉をベースにしたもの、又は液状のものであり得るので、コーヒー、茶、チョコレート、ミルク、又は濃縮液体ミルクを含む。任意のコーヒー又はミルクカートリッジは、温かい飲料の上部に泡層を形成するように、特別に設計された内部構造を有することができる。各カートリッジは、単一の原料を収容する。例えば、カプチーノが調製される場合、まずコーヒーカートリッジが飲料調製マシンに挿入され、コーヒーが入れ物に分配され、コーヒーカートリッジが取り外され、ミルクカートリッジが挿入され、ミルク泡層をコーヒーの上に分配するためにマシンを再び動作させる。飲料調製マシンは、1本の温水ラインを含む。カプチーノ又はラテなどの、ミルク泡層を必要とする製品を調製する場合、一杯分当たりいくつかの行為が行われる必要がある。特にバー及びレストランなどの商業用ケータリング環境では、これはあまり便利ではない。
【0004】
国際公開第02/100224A2号パンフレットは、泡立ち飲料を調製するための装置及び方法を開示している。国際公開第02/100224A2号パンフレットによれば、泡立ち飲料は、コーヒー濃縮物及びミルク濃縮物などの、1つ又は複数の濃縮物から調製される。濃縮物は、温かい飲料を調製するために温水と混合される。そのため、コーヒーの場合には抽出が行われず、コーヒーは、コーヒー濃縮物を温水と混合することによって調製される。泡立ては、濃縮物との混合前に水に空気を供給することによって達成される。水が圧力下で好適に供給され、それにより空気を引き込み、次いで、結果として得られた空気/水流が濃縮物と混合され、それにより渦を発生させるので泡立つ。装置は、単一の給水部及び温水器を含み、濃縮物の保存パック用の1つ又は複数のホルダを含み得る。よって、コーヒーと泡立ちミルクとを使用して温かい飲料を調製する場合、コーヒーとミルクが連続して調製され、入れ物に分配される必要がある。
【0005】
国際公開第2006/093406A1号パンフレットは、少なくとも部分的に泡立てることができる温かい飲料を調製して分配するための装置を開示している。国際公開第02/100224A2号パンフレットと同様に、装置は、コーヒーを調製するための抽出ユニットを含まないが、その代わりにコーヒー濃縮物を使用する。このコーヒー濃縮物は、温水と混合され、場合により泡立てチャンバに通される。同様に、ミルク濃縮物は、ミルク泡を調製するために使用することができる。使用される濃縮物は、液体又は粉末の形態とすることができる。実施形態の1つでは、装置は、コーヒー及びミルク用の別個のラインを含み得、各ラインは、それ自体の温水ユニットと、定量供給ユニットと、泡立てチャンバとを有する。動作中に、まず温水と濃縮物とが混合されて定量供給され、次いで、結果として得られた飲料が泡立てチャンバ内に流入し、泡立てチャンバ内では、飲料に空気を混入させることよって、典型的には攪拌器によって泡立てが行われる。既に述べたように、開示する装置は、抽出によってではなく、温水を液状又は粉末状のコーヒー濃縮物と混合することによってコーヒーを調製する。消費者は、一般的に焙煎コーヒー豆からの淹れたてのコーヒー、可能であれば抽出の直前に挽いたばかりのコーヒーを好む。それゆえ、現在のコーヒーマシンの多くは、1つ又は複数のコーヒー豆ホッパー及び挽き機を含む。
【0006】
欧州特許出願公開第1747743A1号明細書は、濃縮ミルクを収容するミルク供給部と、抽出ユニットと、温水調製器と、温水調製器及び濃縮ミルク供給部と流体接続する混合ユニットとを含む、温かいミルク含有飲料を調製するためのコーヒーマシンを開示している。濃縮ミルクは、混合ユニット内で温水と混合され、それにより、専用の温かいミルク出口を通して入れ物に分配できる温かいミルクを調製する。抽出ユニット内で調製されたコーヒーは、別個のコーヒー出口を通して入れ物に分配される。コーヒーマシン内の単一の温水調製器は、抽出ユニットと混合ユニットの両方に温水を供給する。濃縮ミルク供給部は、濃縮ミルクで満たすことができる固定されたリザーバとするか、又は濃縮ミルクを含むボックスを受け入れるためのホルダ(バッグインボックスシステム)とすることができる。泡立て手段も装置に含めることができるので、その結果、温かいミルク流に空気を導入することができ、専用のミルク出口を通してミルク泡を分配することができる。温かいミルク含有飲料を調製するためのコーヒーマシン及び対応する方法は、単一の温水器を備えた単一の送水ラインを含む。これは、例えば、抽出と濃縮ミルクとの混合の両方に単一温度の温水を使用する必要があるため、カップ内品質又はプロセス制御に関して最適な状況ではなく、コーヒーとミルク、特にミルク泡に対する異なる温度によって、より良い品質の製品が得られる可能性がある。同様に、コーヒーを抽出するための及びミルク泡を調製するための異なる水圧及び水流量によって、より良い最終製品がもたらされる。
【0007】
米国特許出願公開第2006/0286262号明細書は、自動の温かい飲料分配マシン及び温かい飲料を製造するための方法を開示している。好ましい装置は、香味料を混合チャンバに直接分配するプレナムにポンプ及び弁を介して接続された複数の香味料リザーバを含む。混合チャンバはまた、ミルクと蒸気を受け入れ、ミルクと蒸気と香味料との混合を容易にし、混合物を一杯分のカップに分配する。分配マシンは、コーヒー抽出システムを含み得、それにより、マシンは、香味付けされたラテ、カプチーノなどを生成することができる。好ましい実施形態では、加圧蒸気は、蒸気処理され且つ/又は泡立てられたミルクを生成するように冷蔵ミルクと周囲空気とを吸引して流体をボルテックスミキサに送るベンチュリアセンブリを通して導かれる。香味料が、ボルテックスミキサに送られ、蒸気が、香味料の吐出を容易にし、プレナムの衛生状態を維持するように、プレナムに通される。しかしながら、米国特許出願公開第2006/0286262号明細書に記載のマシンには、プロセス制御に関するいくつかの欠点がある。例えば、ベンチュリアセンブリ及び加圧蒸気の使用によって、一定のカップ内品質を提供することが困難に、又は更には不可能になる。
【0008】
国際公開第2013/128323号パンフレットは、ハウジングと、容器支持面と、容器支持面の上方に配置された飲料分配注ぎ口と、マシンのハウジング内に配置されたコーヒー抽出ユニットとを含む飲料製造マシンであって、飲料分配注ぎ口と容器支持面との間の距離は調整可能である、飲料製造マシンに関する。飲料分配注ぎ口は、コーヒー抽出ユニットと流体連通するコーヒー分配ノズルと、ハウジング内の蒸気生成器及びミルク吸引ダクトと流体連通するミルク分配ノズルとを含む。コーヒー分配ノズルとミルク分配ノズルは、一方が他方の内側に配置される。ミルク泡立てデバイスは、ベンチュリ管を含むか又はベンチュリ管に接続される。
【0009】
米国特許第8356551号明細書は、ミルク入りコーヒーをベースにした様々な種類の飲料を調製するためにコーヒーマシン内で、泡立った状態又は泡立たない状態の、温かい又は冷たいミルクを調製して分配するための装置を説明しており、前記コーヒーマシンは、関連するコーヒー分配デバイスと、蒸気を生成するための第1の温水器と前記コーヒー装置内でのコーヒーの調製のために温水を生成するための第2の温水器であって、これらに水を補給するための水源に接続される前記第1の温水器及び前記第2の温水器と、必要に応じてミルクを泡立てるための内部チャンバとミルクを外部に分配するための少なくとも1つのノズルとを備えた泡立てデバイスとを用いてコーヒーを生成するためのコーヒー装置を含み、前記装置は、液体ミルクの供給源を泡立てデバイスに接続する、ミルク用のミルクラインと、第1の温水器を泡立てデバイスに接続する、蒸気用の蒸気ラインと、空気源を前記泡立てデバイスに接続する、空気用の空気ラインと、液体ミルクの前記供給源から前記泡立てデバイスにミルクを供給するためのミルクラインに沿って配置されたポンプと、蒸気ラインに沿って配置された第1のインタセプト弁と、空気ラインに沿って配置された第2のインタセプト弁とを含み、ミルクラインに沿って配置された前記ポンプ並びに前記第1のインタセプト弁及び前記第2のインタセプト弁は、ミルクライン、蒸気ライン、及び空気ラインが、一つずつ又は互いに組み合わせて、泡立てデバイスの前記チャンバに接続されるように、互いに独立に動作させることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、最適なプロセス制御が最適な品質の製品と組み合わされる、温かいミルク含有飲料を調製するためのプロセス及びコーヒーマシンを提供することを目的とする。加えて、本発明は、変動を最小限に抑えたカップ内品質を提供すると同時に、比較的安価で、耐久性があり且つ比較的低エネルギーの手段を用いて、特に効率的な方法で温かいミルク含有飲料を調製するためのプロセス及びコーヒーマシンを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
独立に制御される、2つの別々の送水ラインを使用することによって、及び特定の混合デバイスを使用することによって、コーヒー抽出ユニットと、製品品質(コーヒー、温かいミルクの割合及びミルク泡の割合)、操作性、及びプロセス制御の観点からの液体ミルク濃縮物の供給とを伴うコーヒーマシンにおいて優れた結果を達成できることが見出された。分かりやすくするために、「別々の送水ライン」という言い回しは、別々の流体を指す。すなわち、ラインは、別々のものであり、送り込みから受け入れまで独立に制御される。
【0012】
よって、本発明は、独立に処理及び制御される2つの水流を使用することにより温かいミルク含有飲料を調製するための方法に関し、1つの水流が、温かい飲料を調製するために、加熱され、抽出セクションに通され、(カップ内の最終レシピに応じて)同時に又は連続して、第2の水流が、制御され、加熱され、高品質のミルク泡を調製するためにエダクタと精密ろ過デバイスとを含むデバイス内で温水を液体ミルク濃縮物と混合することによって別のミルクセクション内で温かいミルク流を調製するために使用され、その後、温かい飲料及び温かいミルク(又は温かいミルク泡)が、所望の順序及び量で入れ物に分配される。
【0013】
本発明はまた、上記の方法を実行するように構成されたコーヒーマシンに関する。
【0014】
本発明の利点は、本発明が一体型コーヒーマシンのモジュール設計を可能にすることであり、これは、マシンで使用される技術がこの機能に特化されているので、メンテナンス及び/又は故障時に、ミルク泡立てモジュールの非常に簡単な交換を達成できることを意味する。単にいくつかの締め具を外すことによって、モジュール全体の即時交換を実現することができ、ダウンタイムが非常に短くなる。更に、本発明によるコーヒーマシンの設置は、迅速な連続した調製のために特に好適である。複合加熱器、第2の加熱器、第3の加熱器、第4の加熱器などを含む従来のマシンでは、迅速な連続した一杯として作られるコーヒーは、多くの場合、非常に高温の水で作られ、熱すぎるか又は更には焦げた味がするコーヒーをもたらし、これらは全て、当然ながら、望ましくない。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明は、抽出セクションとミルクセクションとを含むコーヒーマシン内で温かいミルク含有飲料を調製するための方法に関し、ミルクセクションは、液体ミルク濃縮物供給部と、液体ミルク濃縮物供給部と流体接続する混合デバイスとを含み、
前記方法は、
(a)第1の水流を抽出セクション内に及び第2の水流をミルクセクション内に通すステップと、
(b)抽出セクション内の第1の温水器において第1の水流を加熱し、結果として得られた第1の温水流を使用して、抽出セクション内で温かい飲料を調製するステップと、
(c)前記ステップとは別に、ミルクセクション内の第2の温水器において第2の水流を加熱し、結果として得られた第2の温水流を液体ミルク濃縮物供給部からのある量の液体ミルク濃縮物と混合デバイス内で混合し、温かいミルク流を生じさせるステップであって、前記温かいミルク流は、混合デバイスにおける空気入口を通して温かいミルク流に空気を導入することによって空気と混合されて、温かいミルク泡を生じさせ、且つ前記混合デバイスは、エダクタと精密ろ過デバイスとを含む、ステップと、
(d)ステップ(b)で調製された温かい飲料とステップ(c)で調製された温かいミルク泡とを入れ物に分配して、温かいミルク含有飲料を生成するステップと
を含む。
【0016】
本発明の方法は、各セクションがそれ自体の加熱器及び処理すべき水流を有し、したがって、それぞれの水流の別々の調節、調整及び制御を可能にする抽出セクション及びミルクセクションを含むコーヒーマシンの使用を伴う。よって、本発明の重要な態様は、そのような抽出セクション及びミルクセクションが別々に動作し、別々の入水口に流入し、別々の温水器を通って、各セクション内に別々の温水流を生じさせる別々の水流の存在によって反映されるように、別々に管理及び制御されることである。特に述べられていないが、コーヒーマシンのユーザが、所望の温かいミルク含有飲料を選択でき、その後、システム制御ユニットが、予めプログラムされたルーチンによって、コーヒーマシンの内部で本発明の方法を実行する、ユーザインターフェースを備えたシステム制御ユニットも含まれる。ユーザインターフェースを備えたシステム制御ユニットは、一般的に、ユーザが所望の温かい飲料を選択できるようにするためにコーヒーマシンに含まれる。
【0017】
コーヒーマシンの抽出セクションでは、温かい飲料の調製が行われる。「抽出」という表現は、固体原料の層に温水を通し、それにより、かかる固体原料から特徴的な成分を抽出する調製方法を指す。最も周知の例は、コーヒーを調製するために挽いたコーヒーの層に上から温水を通すことと、お茶を調製するために茶葉又は挽いた茶葉に上から温水を通すことである。抽出動作によって調製できる他の温かい飲料は排除されないが、本発明は、詳細にはコーヒーの調製に関する。よって、本発明の方法のステップ(b)では、第1の温水流は、抽出セクション内の挽いたコーヒーの一部に好適に通されて、温かい飲料としての温かいコーヒー流を生じさせる。挽いたコーヒーの一人分の量は、異なる種類が利用できる場合にはコーヒーの種類と、量(例えば、エスプレッソ、ラテ、カプチーノ、又はレギュラーコーヒーは全て、一人分当たり異なる量の挽いたコーヒーを必要とする)の両方に関して、明らかにユーザの選択に従って選択される。
【0018】
抽出セクションにおける典型的な動作条件は、従来の方法でコーヒーマシンにおいて使用される動作条件である。しかし、そのような条件は変わる可能性がある。例えば、コーヒー固形物が、関連する要因である可能性がある。このようなコーヒー固形物は、焙煎して挽いたコーヒーの性質に起因して抽出器セクション内での可変抵抗として作用する可能性がある。この目的で、コーヒーマシン内における流体及び流体制御は、抽出された(すなわち、淹れたての)コーヒーの安定した下流流量を確保するようにますます適合されている。抽出器セクション内のコーヒー固形物によって生じる抵抗と抽出される所望の高品質の飲料のため、通常は6~12バールの範囲の高い上流圧力が必要になる場合がある。抽出セクション後の液体コーヒー抽出物の流量(コーヒーの泡を考慮に入れない)は、典型的には、一杯分の20~40mlに対して1~2.5ml/秒の範囲である。この液体コーヒー抽出物の流量は、より多い一杯分、より大きな抽出器寸法(コーヒー固形物の量)又は二杯分に対しては、最大約7~8ml/秒になる場合がある。よって、液体コーヒー抽出物の流量は、最終的な一杯分の分量に応じて、1~8ml/秒の範囲であり得る。コーヒーマシン内の温水及びコーヒー抽出物の典型的な温度範囲は、概して80~95度の範囲である。
【0019】
ミルクセクション内では、予め選択された量の液体ミルク濃縮物と温水とを混合することによって温かいミルク流が調製され、各々の正確な量は、コーヒーマシンのユーザによって選択された温かいミルク含有飲料の種類によって決定される。ステップ(c)では、第2の水流を第2の温水器に通すことによって温水が調製される間に、液体ミルク濃縮物は、液体ミルク濃縮物供給部内に収容されている。この第2の温水器では、第2の水流は、60~105℃、より好適には65~99℃、最も好適には90~98℃の範囲の温度に好適に加熱される。これにより、エネルギー効率の優れた方法で、分配されるときに、60~80℃の温度を有する、温かいミルク流が生じる。第2の温水器に通される前に、第2の水流は、1.1~10バール、より好ましくは1.2~5バール、最も好ましくは1.2~2.5バールの圧力に好適に加圧される。このような加圧は、典型的には、流量制御された送水ポンプ、圧縮機、又は静圧を有する水容器において行われる。第2の水流の流量は、典型的には、100~1000ミリリットル/分(ml/分)、好ましくは120~700ml/分、最も好ましくは150~500ml/分の範囲である。液体ミルク濃縮物供給部は、液体ミルク濃縮物を含む複数の容器からなることができ、結果として、1つの容器が空になったときに、ユーザは、次の(満杯の)容器に切り替えることができ、その間、空の容器は新たな満杯の容器に置き換えられる。これにより、連続的な動作が可能となる。ミルクセクションはまた、温水を液体ミルク濃縮物と混合するための液体ミルク濃縮物供給部と流体接続する混合デバイスを含み、それにより、温いミルク流を調製する。
【0020】
混合デバイスはコーヒーマシンの一部を形成し得るが、本発明の目的で、液体ミルク濃縮物供給部と混合デバイスは、着脱不能に接続され、液体ミルク濃縮物用の交換可能な在庫管理ユニット(又はSKU)を一緒に構成することが好ましい。このようなSKUは、典型的には、液体ミルク濃縮物供給部としての容器(例えば、ボックス又はバッグ)と、温水を供給するための導管に着脱可能に接続することができる混合デバイスとしての特別に設計された弁とを含む。弁は、例えば、コーヒーマシンの温かいミルク出口に着脱可能に接続することができる、温かいミルク流用の出口を有する。よって、本明細書で使用される「交換可能な在庫管理ユニット」又は「SKU」という用語は、液体ミルク濃縮物のストックを収容する容器を意味し、この容器は、液体ミルク濃縮物を温水及び任意選択で空気と混合して温かいミルク流を生成するための混合デバイスと流体的に且つ着脱不能に接続される。このようなSKUは、好適には使い捨てである。
【0021】
使用できる液体ミルク濃縮物は、好適には牛乳をベースにした濃縮物である。好ましい実施形態では、液体ミルク(牛乳)濃縮物は、乾物含量が、液体ミルク濃縮物の総重量に基づいて、20~40重量%、より好ましくは22~35重量%、最も好ましくは23~30重量%である。液体ミルク濃縮物の脂肪含有量は、典型的には、0~16重量%、好適には0.1~12重量%まで様々であり得る。使用される液体ミルク濃縮物はまた、非乳製品由来のもの、例えば、植物をベースにしたもの(豆乳に由来するものなど)とすることができ、又は乳製品をベースにした濃縮物と植物をベースに濃縮物との混合物とすることができる。
【0022】
本発明の方法のステップ(c)では、混合デバイスにおける空気入口を通して温かいミルク流に空気を導入することによって温かいミルク流が空気と更に混合され、ステップ(c)から生じる温かいミルク流として温かいミルク泡を生じさせる。空気が効果的に温かいミルク流に流入することを可能にし、それにより微細な気泡ひいてはミルク泡を形成するように、空気が好適に加圧され、前述の空気入口を通して温かいミルク流に温かいミルク流の圧力よりも高い圧力で導入される。0~15バール、より好適には0~10バールの圧力差が、良好な泡立て結果につながることが見出された。よって、混合デバイス内への流入時の少なくとも1.2バールの空気圧が好適であり、その一方で、少なくとも5バール、好ましくは7~15バールの空気圧でも良好な結果が得られている。空気の流量は、典型的には、10~40ノルマルリットル/時間(nL/時)、好ましくは12~25nL/時の範囲である。単位時間当りの空気のノルマルリットルとは、0℃及び1気圧の通常の条件で算出された、該当の管を流れる空気の量を指す。温かいミルク流の流量対ガス流量に関して導入されるガスの量は、典型的には、10:1~1:10、特に5:1~1:5、より詳細には2:1~1:1.5の範囲である。空気の加圧は、空気ポンプ又は空気圧縮機などの、従来のガス加圧手段によって達成することができる。そのような加圧手段は、典型的には、コーヒーマシンの一部を形成する。
【0023】
本発明での使用に特に好適なSKUは、液体ミルク濃縮物を収容する容器を含む、ミルク泡を生成するための使い捨てアセンブリであり、この容器は、エダクタと精密ろ過デバイスとを含む混合デバイスと着脱不能に接続される。エダクタ及び精密ろ過デバイスは、単一のハウジング内に好適に収容される。エダクタは、第2の温水流を受け入れるように構成された温水入口と、温いミルク流用の温いミルク出口と、液体ミルク濃縮物入口が前記温水入口と前記温いミルク出口との間に位置決めされる容器からの液体ミルク濃縮物用の入口とを含む。エダクタの温かいミルク出口は、精密ろ過デバイスの温かいミルク入口と流体的に接続される。この精密ろ過デバイスは、好適には加圧空気を受け入れるための、空気入口と、温かいミルク泡を分配するための出口とを更に含む。この温かいミルク泡を分配するための出口は、コーヒーマシンがこのような別々の出口を有する場合には、コーヒーマシンの温かいミルク流出口と流体接続してもよい。ここで説明される好適な使い捨てアセンブリは、国際公開第2014/069993A1号パンフレットに開示されている。国際公開第2014/069993号パンフレットの内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0024】
好ましい実施形態では、混合デバイスは、ガス透過性孔を有する管状精密ろ過壁を備えた精密ろ過デバイスを含み、前記精密ろ過デバイスは、入口開口部と出口開口部とを含み、前記精密ろ過デバイスは、管状精密ろ過壁とハウジングとの間にガス供給空間を形成するように前記管状精密ろ過壁を取り囲むハウジングを更に含み、前記ハウジングは、前記ガス入口管と連通するガス開口部を含み、前記管状精密ろ過壁は疎水性材料で作られる。このように、使い捨てアセンブリが製品調製装置に動作可能に接続されたときに、疎水性材料の精密ろ過デバイスがHEPA(高性能粒子エア)フィルタとして機能し、温かいミルク泡を調製する非常に衛星的な方法をもたらすので、液体ミルク濃縮物は、無菌状態でガスが提供されるように、精密ろ過デバイスに供給される。このように、温かいミルク含有飲料を調製するときに、製品にガスを添加するための混合デバイスを使用することによって、比較的簡単な方法で、特に一定の品質の非常に安定した見栄えの良い泡が提供される。
【0025】
ステップ(d)では、ステップ(b)で調製された温かい飲料と、ステップ(c)で調製された温かいミルク泡とが入れ物に分配されて、温かいミルク含有飲料を生成する。本明細書で使用される「入れ物」という用語は、温かいミルク含有飲料を保持するのに好適な任意の入れ物を意味する。典型的には、入れ物は、カップ、マグカップ、グラス、又は温かい飲料を消費するために使用できる他の任意のホルダとすることができる。
【0026】
前述のように、システム制御ユニットは、典型的には、本発明の方法を実行する際にコーヒーマシンにおいて予めプログラムされたタスクを実行するために使用される。したがって、入れ物に分配される一杯分の温かいミルク含有飲料ごとに、少なくとも
(i)第1の入水口に通される水の量及び第2の入水口に通される水の量と、
(ii)第2の温水流と前記温かいミルク流を調製するために使用される液体ミルク濃縮物との体積比と、
(iii)温かい飲料の量、並びにかかる量の温かい飲料を調製するために必要な挽いたコーヒー及び第1の温水流のそれぞれの量と、
(iv)温かいミルク流と温かい飲料との体積比と、
(v)温かいミルク流及び温かい飲料が入れ物に分配される順序は、
コーヒーマシンに含まれるシステム制御ユニットによって好適に制御される。どのタスクが行われるか、及びタスクが行われる順序は、製品ごとに異なるので、システム制御ユニットに接続されたユーザインターフェースであって、これによってシステム制御ユニットがその命令を受け取るユーザインターフェースを介してユーザが行う選択によって最終的に決定される。
【0027】
上記で説明したように、本発明の重要な態様は、抽出セクション及びミルクセクションを別々に独立に動作させ且つ制御することである。このような別々の独立した動作及び制御も、システム処理ユニットによって管理される。別々の動作とは、抽出セクションとミルクセクションとに通されるそれぞれの水流を互いに完全に独立に処理、監視、及び調節できることを意味する。その結果、最適な品質の温かい飲料及び温かいミルク流を調製することができ、したがって、優れた品質の最終的な温かいミルク含有飲料を生じさせる。これに関連して、抽出セクション及びミルクセクション内のそれぞれの水流の流量、圧力、及び温度を互いに独立に設定及び制御できることが特に有用であることが見出された。よって、水流の加圧及び調整が各セクションで適用される場合、各セクションは、(好ましくは調整された)温水器に加えて、各セクション自体の(好ましくは調整された)送水ポンプ及び流量計を有する。加えて、当然ながら、各セクションは、制御すべきそれ自体のパラメータを有する。例えば、ミルクセクション内でミルク泡が調製される場合、SKUの混合デバイス内の温かいミルク流に導入される空気の空気圧は、制御すべき重要なパラメータである。同様に、抽出セクションでは、コーヒーの供給(量、種類)と、連続動作(温水が通されるよりも前のコーヒー豆ホッパーから挽き機内への及び挽き機から抽出ユニット内への所望の種類のコーヒー豆の分配)のタイミングも制御すべき重要なパラメータである。
【0028】
更なる追加の制御手段は、本発明の方法を実行するためのコーヒーマシンにおいて使用することができる。例えば、両方のセクションの同時電力消費を制御するために、更なる制御手段を含めることができる。特に送電網からの電力供給量が限られている状態では、この機能は、動作安全性を維持しながら、流量及び温度の適切な性能を常に確保するのに役立つ。入れ物に分配されるときの温かい飲料及び温かいミルク流の最終的な温度を制御する制御手段も使用することができる。
【0029】
本発明はまた、温かいミルク含有飲料を調製してかかる飲料を入れ物に分配するためのコーヒーマシンに関し、前記コーヒーマシンは、抽出セクションと、ミルクセクションと、抽出セクション及びミルクセクションの動作を制御するためのシステム制御ユニットとを含み、
(a)抽出セクションは、第1の入水口と、第1の温水器と、コーヒー供給手段と、抽出ユニットと、温かい飲料出口とを含み、
第1の入水口は、第1の温水器に流体的に接続され、
第1の温水器と抽出ユニットは、流体的に接続され、
コーヒー供給手段は、抽出ユニットに流体的に接続され、
温かい飲料出口は、抽出ユニットに流体的に接続され、且つ
(b)ミルクセクションは、第2の入水口と、第2の温水器と、液体ミルク濃縮物の交換可能な在庫管理ユニットを受け入れるための少なくとも1つのホルダと、温かいミルク流用の出口手段とを含み、
第2の入水口は、好ましくは、水流量を正確に制御するように調整された送水ポンプを介して、第2の温水器に流体的に接続され、
第2の温水器は、温水導管を介してホルダに流体的に接続され、
ホルダは、ホルダ内に配置されたときに液体ミルク濃縮物の交換可能な在庫管理ユニット(SKU)の入水口に温水導管を着脱可能に接続するための手段を含み、
ホルダは、ホルダ内に配置されたときに液体ミルク濃縮物の交換可能な在庫管理ユニットの出口と温かいミルク流用の出口手段を着脱可能に接続するための手段を含み、
並びに
ミルクセクションは、空気入口と、ホルダ内に収容されたときに液体ミルク濃縮物の交換可能な在庫管理ユニットに空気入口を着脱可能に接続するための手段とを更に含む。
【0030】
ミルクセクションは、ホルダ内に収容されたときに液体ミルク濃縮物の交換可能な(又は使い捨て)SKUに、より具体的には、SKUの着脱不能な一体部を形成する混合デバイスの空気入口に、空気入口を着脱可能に接続するための手段を含む。上記で説明したように、好ましい使い捨てSKUは、国際公開第2014/069993A1号パンフレットに開示されている。
【0031】
本発明のコーヒーマシンはまた、システム制御ユニットを含む。このようなシステム制御ユニットは、入れ物に分配される一杯分の温かいミルク含有飲料ごとに、少なくとも
(i)第1の入水口に通される水の量及び第2の入水口に通される水の量と、
(ii)第2の温水流と温かいミルク流を調製するために使用される液体ミルク濃縮物との体積比と、
(iii)温かい飲料の量、並びにかかる量の温かい飲料を調製するために必要な挽いたコーヒーの一部及び第1の温水流のそれぞれの量と、
(iv)温かいミルク流と温かい飲料との体積比と、
(v)温かいミルク流及び温かい飲料が入れ物に分配される順序と
を制御するように好適にプログラムされる。
【0032】
他のパラメータ及び設定も、システム制御ユニットによって制御され得る。例えば、システム制御システムは、安全な動作を確保するとともに、最終的にセクションの誤動作を引き起こす可能性がある加熱器の休止を排除するために、いずれかのセクション(温水器を含む)の消費電力を調整する消費電力制御装置を備え得る。システム制御ユニットによって制御されるパラメータの更なる例は、異なる温度、圧力及び流量設定である。システム制御ユニットはまた、マシン読み出し(例えば、フォーマット、データセット)と、動作データの遠隔交換を含む、データの使用とを管理するために使用することができる。
【0033】
システム制御ユニットは、ユーザインターフェースを通じてユーザによってなされた温かい飲料の選択に従って、予めプログラムされたタスクを実行する。システム制御ユニットは、典型的には、与えられたユーザ命令に従って基本となるオペレーティングソフトウェアにプログラムされたように機能を実行するマイクロプロセッサを含む。このソフトウェアは、上記で説明したような本発明の方法のラインに沿ってコーヒーマシンにおいて異なるタスクを実行するためのマシン命令をマイクロプロセッサに与える。
【0034】
本発明のコーヒーマシンはまた、ポンプ、圧縮機、フィルタ、流量計、弁、弁ブロック、コーヒー固形物トレイ回収機、ドリップトレイなどの、必要な補助及び計量装置を含む。粉末ろ過コーヒーの代わりに焙煎コーヒー豆が使用される場合には、コーヒーマシンは、豆を挽くための1つ又は複数の挽き機、及び抽出ユニット用の製品である挽いたコーヒーに加えて、1つ又は複数の豆ホッパーなどの、焙煎コーヒー豆を保存するための手段も含む。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】本発明の方法を実行するためのコーヒーマシンの例示的なフロースキームを示す。
【0036】
図1では、コーヒーマシン1は、ミルクセクション2と抽出セクション3とを含む。水流8は、コーヒーマシン1内に流入し、水流8が第1の水流12と第2の水流11とに分割される弁10を通過する。第1の水流12は、抽出セクション3内に流入し、続いて、送水ポンプ19と水流量計20と第1の温水器21を通り、第1の温水流12aを生じさせる。抽出セクション3の一部を形成する豆ホッパー23は、コーヒー豆供給9によって供給される。豆ホッパー23からのコーヒー豆は、挽き機24内で挽かれ、挽いたコーヒー9aは抽出ユニット22内に通される。第1の温水流12aもまた、コーヒー28が調製される、抽出ユニット22内に通される。その一方で、第2の水流11は、ミルクセクション2内に流入し、続いて、送水ポンプ16と水流量計17と第2の温水器18を通り、SKU4の混合デバイス6内に流入する第2の温水流11aを生じさせる。図1のフロースキームでは、空気流17がミルクセクション2においてコーヒーマシン1内に流入し、粒子フィルタ13を通過した後に、空気ポンプ14で加圧され、その後、加圧された空気7aは、混合デバイス6との着脱可能な気密接続を確立する気密コネクタ15を通ってSKU4の混合デバイス6内に流入する。液体ミルク濃縮物供給部5からの液体ミルク濃縮物は、混合デバイス6内に流入する。混合デバイス6内では、液体ミルク濃縮物がまず、第2の温水流11aと混合されて、温かいミルク流を生じさせ、その後、この温かいミルク流に加圧空気7aが導入されて、ミルク泡27を生じさせる。コーヒー28及びミルク泡27は、最終的に入れ物29に分配される。抽出ユニット22内でのコーヒーの抽出から生じるコーヒー固形物は、固形物トレイ25内に収集され、その一方で、固形物に含まれる水はドリップトレイ26内に収集される。
図1
【国際調査報告】