(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-05
(54)【発明の名称】着色光を発するよう構成される発光ダイオード(LED)ベースの照明デバイス、及びこのようなLEDベースの照明デバイスを動作させるための対応する方法
(51)【国際特許分類】
H05B 45/20 20200101AFI20221128BHJP
H05B 47/155 20200101ALI20221128BHJP
H05B 47/16 20200101ALI20221128BHJP
H05B 45/325 20200101ALI20221128BHJP
【FI】
H05B45/20
H05B47/155
H05B47/16
H05B45/325
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022520363
(86)(22)【出願日】2020-09-28
(85)【翻訳文提出日】2022-05-26
(86)【国際出願番号】 EP2020077106
(87)【国際公開番号】W WO2021063888
(87)【国際公開日】2021-04-08
(32)【優先日】2019-10-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516043960
【氏名又は名称】シグニファイ ホールディング ビー ヴィ
【氏名又は名称原語表記】SIGNIFY HOLDING B.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 48,5656 AE Eindhoven,The Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100163821
【氏名又は名称】柴田 沙希子
(72)【発明者】
【氏名】バイ マルセル
(72)【発明者】
【氏名】デ モル ユージェン ヤコブ
(72)【発明者】
【氏名】カールマン ヘンリクス マリヌス ヨセフ マリア
【テーマコード(参考)】
3K273
【Fターム(参考)】
3K273AA10
3K273BA06
3K273CA02
3K273CA08
3K273DA02
3K273DA03
3K273DA07
3K273DA10
3K273EA18
3K273EA25
3K273EA33
3K273EA36
3K273FA03
3K273FA04
3K273FA14
3K273FA26
3K273FA36
3K273FA41
3K273GA25
(57)【要約】
本発明は、着色光を発するよう構成される発光ダイオード(LED)ベースの照明デバイスであり、第1の色において光を発するよう構成される少なくとも1つのLEDを含む第1LEDチャンネルと、前記第1の色とは異なる第2の色において光を発するよう構成される少なくとも1つのLEDを含む第2LEDチャンネルと、前記LEDベースの照明デバイスが特定の色を有する光を発するような色比に基づいて前記第1LEDチャンネル及び前記第2LEDチャンネルを作動させるよう構成されるコントローラとを有するLEDベースの照明デバイスであって、前記コントローラが、更に、前記第1LEDチャンネル内の前記少なくとも1つのLED及び前記第2LEDチャンネル内の前記少なくとも1つのLEDの経年劣化に基づいて前記色比を補正し、それによって、前記LEDベースの照明デバイスの前記特定の色の、経時的な色の一貫性を確保するよう構成されるLEDベースの照明デバイスを提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
着色光を発するよう構成されるLEDベースの照明デバイスであって、
第1の色において光を発するよう構成される少なくとも1つのLED、及びスイッチを含む第1LEDチャンネルと、
前記第1の色とは異なる第2の色において光を発するよう構成される少なくとも1つのLED、及び更なるスイッチを含む第2LEDチャンネルと、
前記LEDの各々の経年劣化特性を記憶するためのメモリと、
コントローラであって、
前記LEDベースの照明デバイスが特定の色を有する光を発するような色比に基づくパルス幅信号で前記スイッチ及び前記更なるスイッチを制御することによって、前記第1LEDチャンネル及び前記第2LEDチャンネルを作動させ、
前記第1LEDチャンネル及び前記第2LEDチャンネルが作動される期間を記録し、前記LEDの各々の前記経年劣化特性と、記録された、前記第1LEDチャンネルが作動された期間と、記録された、前記第2LEDチャンネルが作動された期間とに基づいて前記色比を補正し、それによって、前記LEDベースの照明デバイスの前記特定の色の、経時的な色の一貫性を確保するよう構成されるコントローラとを有するLEDベースの照明デバイス。
【請求項2】
前記少なくとも1つのLEDを含む前記第1LEDチャンネルが、2000Kと3000Kとの間の色温度を有する光を発するよう構成され、
前記少なくとも1つのLEDを含む前記第2LEDチャンネルが、6000Kと7000Kとの間の色温度を有する光を発するよう構成される請求項1に記載のLEDベースの照明デバイス。
【請求項3】
前記LEDチャンネルの各々が、対応する前記LEDチャンネルを作動させるためのスイッチを有し、前記コントローラが、前記色比に基づいて前記LEDチャンネル内の前記スイッチの各々を制御するよう構成される請求項1又は2記載のLEDベースの照明デバイス。
【請求項4】
前記コントローラが、パルス幅変調信号を使用して前記スイッチの各々を制御するよう構成される請求項3に記載のLEDベースの照明デバイス。
【請求項5】
前記少なくとも1つのLEDの前記経年劣化が、
前記少なくとも1つのLEDのルーメン量の経時的な劣化、及び/又は
前記少なくとも1つのLEDの経時的な色ずれのうちのいずれかに基づく請求項1乃至4のいずれか一項に記載のLEDベースの照明デバイス。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか一項に記載のLEDベースの照明デバイスを動作させる方法であって、
前記コントローラによって、前記LEDベースの照明デバイスが特定の色を有する光を発するような前記色比に基づいて前記第1LEDチャンネル及び前記第2LEDチャンネルを作動させるステップと、
前記コントローラによって、前記第1LEDチャンネル内の前記少なくとも1つのLEDの経年劣化及び前記第2LEDチャンネル内の前記少なくとも1つのLEDの経年劣化に基づいて前記色比を補正し、それによって、前記LEDベースの照明デバイスの経時的な色の一貫性を確保するステップとを有する、LEDベースの照明デバイスを動作させる方法。
【請求項7】
前記コントローラが、前記第1LEDチャンネル内の前記少なくとも1つのLEDの経時的な劣化を示すための第1の色の測定と、前記第2LEDチャンネル内の前記少なくとも1つのLEDの経時的な劣化を示すための第2の色の測定とを含み、前記補正するステップが、
前記コントローラによって、前記第1の色の測定と前記第2の色の測定とに基づいて前記色比を補正するステップを有する、請求項6に記載のLEDベースの照明デバイスを動作させる方法。
【請求項8】
前記第1の色の測定及び前記第2の色の測定が、対応する前記LEDチャンネル内の対応する前記少なくとも1つのLEDの経時的な劣化を示し、前記期間が、前記対応するLEDチャンネルが作動される期間を表し、前記方法が、
前記コントローラによって、前記第1LEDチャンネル及び前記第2LEDチャンネルが作動される期間を記録するステップと、
前記コントローラによって、前記第1の色の測定と、前記第2の色の測定と、記録された、前記第1LEDチャンネルが作動された前記期間と、記録された、前記第2LEDチャンネルが作動された前記期間とに基づいて前記色比を補正するステップとを更に有する、請求項7に記載のLEDベースの照明デバイスを動作させる方法。
【請求項9】
前記少なくとも1つのLEDを含む前記第1LEDチャンネルが、2000Kと3000Kとの間の色温度を有する光を発するよう構成され、
前記少なくとも1つのLEDを含む前記第2LEDチャンネルが、6000Kと7000Kとの間の色温度を有する光を発するよう構成される、請求項6乃至8のいずれか一項に記載のLEDベースの照明デバイスを動作させる方法。
【請求項10】
前記LEDチャンネルの各々が、前記対応するLEDチャンネルを作動させるためのスイッチを有し、前記補正するステップが、
前記コントローラによって、前記色比に基づいて前記LEDチャンネル内の前記スイッチの各々を制御するステップを有する、請求項8乃至9のいずれか一項に記載のLEDベースのLEDベースの照明デバイスを動作させる方法。
【請求項11】
前記制御するステップが、
前記コントローラによって、パルス幅変調信号を使用して前記スイッチの各々を制御するステップを有する、請求項10に記載のLEDベースの照明デバイスを動作させる方法。
【請求項12】
コンピュータ可読媒体であって、前記コンピュータ可読媒体に記憶された命令であって、LEDベースの照明デバイスのコントローラによって実行されるときに、前記LEDベースの照明デバイスに請求項6乃至11のいずれか一項に記載の方法を実施させる命令を有するコンピュータ可読媒体を含むコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、特定の色の光を発するための発光ダイオード(LED)ベースの照明デバイスであって、前記LEDベースの照明デバイスが、少なくとも2つのLEDチャンネルを有し、各LEDチャンネルが、特定の色の光を発するよう構成されるLEDベースの照明デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
様々な照明用途のために、発光ダイオード(LED)を利用する照明デバイスが開発されている。LEDランプは、その長寿命及び高いエネルギ効率のため、今日では、従来の蛍光灯の置き換えのためにも、即ち、レトロフィット用途のためにも設計されている。このような用途の場合は、レトロフィットLEDランプは、一般に、改装(retrofit)されるそれぞれのランプ取付具(lamp fixture)のソケットに合うよう適合される。更に、ランプのメンテナンスは、一般に、ユーザによって行われることから、レトロフィットLEDランプは、理想的には、取付具を再配線する必要なく、任意のタイプの適切な取付具で容易に動作可能であるべきである。
【0003】
本開示は、多チャンネルのLEDベースの照明デバイスに関する。各チャンネルは、特定の色において光を発することができる1つ又は複数のLEDを含み得る。例えば、第1チャンネルは、赤色発光向けのものであってもよい。第2チャンネルは、緑色発光向けのものであってもよく、第3チャンネルは、青色発光向けのものであってもよい。
【0004】
より具体的には、本開示は、2つのLEDチャンネルを有するLEDベースの照明デバイスであって、第1LEDチャンネルが、温白色(warm white)発光向けのものであり、第2LEDチャンネルが、冷白色(cool white)発光向けのものであるLEDベースの照明デバイスに特に適用可能であり得る。
【0005】
多くの場合、このようなLEDベースの照明デバイスには電流源が設けられ、LEDベースの照明デバイスは、異なるチャンネルにわたって電流を分割するための電流分割器を有する。
【0006】
より具体的には、一般的には、複数のLEDチャンネルを有する利用可能なコントローラがあり、各チャンネルはスイッチと共に配設され、従って、スイッチの各々は、特定の対応するチャンネルを有効にするよう構成される。例えば、第1スイッチは、赤色チャンネルを有効にすることができ、第2スイッチは、緑色チャンネルを有効にすることができ、第3スイッチは、青色チャンネルを有効にすることができる、等々である。
【0007】
スイッチには、特定のデューティサイクルを有するパルス幅変調(PWM)信号が供給されてもよい。PWM信号の周波数は、人間の目のリフレッシュレートを超えるように選ばれるべきである。これは、ユーザが如何なるちらつきも見ることを防止する。デューティサイクルを制御することによって、発せられる光の総量に対するチャンネルの各々の寄与が制御されることができ、従って、LEDベースの照明デバイスによって発せられる光の色も制御されることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本開示の目的は、特定の色の光を発するよう構成されると共に、前記特定の色の光の、経時的な色の一貫性を確保するよう構成されるLEDベースの照明デバイスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1態様においては、着色光を発するよう構成される発光ダイオード(LED)ベースの照明デバイスであって、
- 第1の色において光を発するよう構成される少なくとも1つのLEDを含む第1LEDチャンネルと、
- 前記第1の色とは異なる第2の色において光を発するよう構成される少なくとも1つのLEDを含む第2LEDチャンネルと、
- 前記LEDベースの照明デバイスが特定の色を有する光を発するような色比に基づいて前記第1LEDチャンネル及び前記第2LEDチャンネルを作動させるよう構成されるコントローラとを有するLEDベースの照明デバイスが提供される。
【0010】
前記コントローラは、更に、前記第1LEDチャンネル内の前記少なくとも1つのLED及び前記第2LEDチャンネル内の前記少なくとも1つのLEDの経年劣化に基づいて前記色比を補正し、それによって、前記LEDベースの照明デバイスの前記特定の色の、経時的な色の一貫性を確保するよう構成される。
【0011】
異なるタイプのLEDは、経時的に異なるように劣化する可能性があるというのが、本発明者の洞察であった。例えば、温白色LEDは、冷白色LEDに比べて経時的により早く劣化する可能性がある、又はその逆の可能性がある。上記のものは、前記LEDベースの照明デバイスによって発せられる光の強度だけでなく、前記LEDベースの照明デバイスの色にも影響を与え得る。本開示は、後者に向けられている。
【0012】
このことは、以下のように説明され得る。一般的には、前記コントローラは、特定の色の光のために或る特定の設定点(setpoint)を使用し得る。このような設定点は、異なる前記LEDチャンネル間の比を決定する。例えば、前記第1LEDチャンネルは、期間のうちの60%アクティブであってもよく、前記第2LEDチャンネルは、前記期間のうちの75%アクティブであってもよい。両方のLEDチャンネルの組み合わせは、特定の光が発せられることをもたらす。本発明者は、前記第1チャンネル内の前記LEDは、前記第2チャンネル内の前記LEDに比べて異なるように経時的に劣化をする可能性があることを見出した。従って、前記比、即ち、60%対75%の比も、その特定の劣化の影響に基づいて補正されるべきである。
【0013】
本開示によれば、上記のものは、前記LEDの経年劣化であると要約される。従って、前記LEDの経年劣化は、発せられる光の減少をもたらす可能性がある、又は発せられる光の色のずれすらもたらす可能性がある。前記比を補正する際には、これらの両方が考慮に入れられ得る。
【0014】
従って、以上のことから、前記LEDの前記経年劣化に基づいて前記色比を補正することによって、前記LEDベースの照明デバイスの色の一貫性が高められる。
【0015】
例においては、前記コントローラは、
- 前記第1LEDチャンネル内の前記少なくとも1つのLEDの経時的な劣化を示すための第1の色の測定(measure)と、
- 前記第2LEDチャンネル内の前記少なくとも1つのLEDの経時的な劣化を示すための第2の色の測定とを含み、
前記コントローラは、前記第1の色の測定と前記第2の色の測定とに基づいて前記色比を補正するよう構成される。
【0016】
上記の例は、例えば、前記コントローラが、前記第1の色の測定と前記第2の色の測定とに基づいて前記色比を補正する方法であって、これらの測定が、対応する前記少なくとも1つのLEDの経時的な劣化を示す方法をカバーする。前記期間は、必ずしも前記LEDが実際に光を発している期間、即ち、前記LEDの動作期間又は点灯期間(burning time)に関連するものではない。
【0017】
前記LEDの前記劣化の粗い推定は、特定の経過時間における前記LEDの点灯時間の量に関係なく、経過した時間に基づいてもよい。
【0018】
別の例においては、前記第1の色の測定及び前記第2の色の測定は、対応する前記LEDチャンネル内の対応する前記少なくとも1つのLEDの経時的な劣化を示し、前記期間は、前記対応するLEDチャンネルが作動される期間を表し、
前記コントローラは、
前記第1LEDチャンネル及び前記第2LEDチャンネルが作動される期間を記録し、前記第1の色の測定と、前記第2の色の測定と、記録された、前記第1LEDチャンネルが作動された前記期間と、記録された、前記第2LEDチャンネルが作動された前記期間とに基づいて前記色比を補正するよう構成される。
【0019】
上記の例は、前記LEDの前記劣化のより正確な推定をするために、前記LEDの実際の点灯時間、即ち、動作時間が記録されるという概念に向けられている。前記LEDの前記劣化は、主に前記LED自体の動作時間量に起因することが分かった。
【0020】
従って、このような状況においては、前記コントローラは、前記LEDチャンネルの各々の前記動作期間の大きさを得るために、前記LEDチャンネルの各々が作動される期間を記録してもよい。その場合、前記色比は、前記LEDチャネルの各々の前記動作期間に基づいて補正されてもよい。
【0021】
別の例においては、
- 前記少なくとも1つのLEDを含む前記第1LEDチャンネルは、2000Kと3000Kとの間の色温度を有する光を発するよう構成され、
- 前記少なくとも1つのLEDを含む前記第2LEDチャンネルは、6000Kと7000Kとの間の色温度を有する光を発するよう構成される。
【0022】
上記の例は、白色光を発するよう構成されるLEDベースの照明デバイスに向けられている。ケルビン目盛り、Kで表される前記色温度は、前記LEDベースの照明デバイスによって生成される光の色の外観であることに留意されたい。
【0023】
例えば、前記第1LEDチャンネルは、~2500Kの色温度を有する光を発するよう構成され、前記第2LEDチャンネルは、~6500Kの色温度を有する光を発するよう構成されてもよいことは理解されるべきである。前記第1LEDチャンネル及び前記第2LEDチャンネルために色比を整えることによって、~2500Kと~6500Kの間で任意の混合着色光が得られ得る。前記比が、前記第1LEDチャンネルが前記第2LEDチャンネルより優勢であることを示す場合には、前記混合着色光の温度は、~2500Kの方へシフトし得る。前記比が、前記第2LEDチャンネルが前記第1LEDチャンネルより優勢であることを示す場合には、前記混合着色光の温度は、~6500Kの方へシフトし得る。
【0024】
更なる例においては、前記LEDチャンネルの各々が、前記対応するLEDチャンネルを作動させるためのスイッチを有し、前記コントローラは、前記色比に基づいて前記LEDチャンネル内の前記スイッチの各々を制御するよう構成される。
【0025】
前記スイッチは、例えば、トランジスタ、電界効果トランジスタ(FET)、リレー又は同様のものであってよい。
【0026】
更に別の例においては、前記コントローラは、パルス幅変調(PWM)信号を使用して前記スイッチの各々を制御するよう構成される。
【0027】
第2態様においては、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のLEDベースの照明デバイスを動作させる方法であって、
- 前記コントローラによって、前記LEDベースの照明デバイスが特定の色を有する光を発するような前記色比に基づいて前記第1LEDチャンネル及び前記第2LEDチャンネルを作動させるステップと、
- 前記コントローラによって、前記第1LEDチャンネル内の前記少なくとも1つのLEDの経年劣化及び前記第2LEDチャンネル内の前記少なくとも1つのLEDの経年劣化に基づいて前記色比を補正し、それによって、前記LEDベースの照明デバイスの経時的な色の一貫性を確保するステップとを有する、LEDベースの照明デバイスを動作させる方法が提供される。
【0028】
本発明の第1態様の実施形態に関して開示されているような利点及び定義は、レトロフィットの発光ダイオード(LED)ベースの照明デバイスを動作させる方法である本発明の第2態様の実施形態にも対応することに留意されたい。
【0029】
例においては、前記コントローラは、前記第1LEDチャンネル内の前記少なくとも1つのLEDの経時的な劣化を示すための第1の色の測定と、前記第2LEDチャンネル内の前記少なくとも1つのLEDの経時的な劣化を示すための第2の色の測定とを含み、前記補正するステップは、
- 前記コントローラによって、前記第1の色の測定と前記第2の色の測定とに基づいて前記色比を補正するステップを有する。
【0030】
更なる例においては、前記第1の色の測定及び前記第2の色の測定が、前記対応するLEDチャンネル内の前記対応する少なくとも1つのLEDの経時的な劣化を示し、前記期間が、前記対応するLEDチャンネルが作動される期間を表し、前記方法は、
前記コントローラによって、前記第1LEDチャンネル及び前記第2LEDチャンネルが作動される期間を記録するステップと、
前記コントローラによって、前記第1の色の測定と、前記第2の色の測定と、記録された、前記第1LEDチャンネルが作動された前記期間と、記録された、前記第2LEDチャンネルが作動された前記期間とに基づいて前記色比を補正するステップとを更に有する。
【0031】
別の例においては、
- 前記少なくとも1つのLEDを含む前記第1LEDチャンネルは、2000Kと3000Kとの間の色温度を有する光を発するよう構成され、
- 前記少なくとも1つのLEDを含む前記第2LEDチャンネルは、6000Kと7000Kとの間の色温度を有する光を発するよう構成される。
【0032】
更なる例においては、前記LEDチャンネルの各々が、前記対応するLEDチャンネルを作動させるためのスイッチを有し、前記補正するステップは、
前記コントローラによって、前記色比に基づいて前記LEDチャンネル内の前記スイッチの各々を制御するステップを有する。
【0033】
更に別の例においては、前記制御するステップは、
前記コントローラによって、パルス幅変調(PWM)信号を使用して前記スイッチの各々を制御するステップを有する。
【0034】
更なる例においては、前記少なくとも1つLEDの前記経年劣化は、
- 前記少なくとも1つのLEDのルーメン量の経時的な劣化、及び/又は
- 前記少なくとも1つのLEDの経時的な色ずれのうちのいずれかに基づく。
【0035】
本発明者は、前記LEDが経時的な色ずれを示すこともあることを見出した。これは、例えば、銀鏡の変色及び蛍光体の変性によって引き起こされる。これは、パッケージ材料の変性によって引き起こされることもある。
【0036】
第3態様においては、コンピュータ可読媒体であって、前記コンピュータ可読媒体に記憶された命令であって、発光ダイオード(LED)ベースの照明デバイスのコントローラによって実行されるときに、前記LEDベースの照明デバイスに、上記で提供したような例のいずれかによる方法を実施させる命令を有するコンピュータ可読媒体を含むコンピュータプログラム製品が提供される。
【0037】
下記の実施形態を参照して、本発明のこれら及び他の態様を説明し、明らかにする。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【
図1】本開示によるLEDベースの照明デバイスの一部を示す。
【
図2】2つの異なるLEDの経時的なLED劣化の一般的な例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0039】
図1は、本開示によるLEDベースの照明デバイスの一部1を示している。より具体的には、複数のチャンネル間でLED電流を分割するための電流分割器が示されている。
【0040】
LED電流分割器は、多チャンネルの発光ダイオード(LED)ベースの照明デバイスに含まれ得る。多チャンネルは、 LEDベースの照明デバイスが複数のチャンネルを有することを示し、各チャンネルは、特定の色を発するLED向けのものである。例えば、第1チャンネルは、赤色発光向けのものであってもよく、第2チャンネルは、緑色発光向けのものであってもよく、第3チャンネルは、青色発光向けのものであってもよい。
【0041】
一般的な例においては、第1チャンネルは、温白色の発光向けのものであってもよく、第2チャンネルは、冷白色の発光向けのものであってもよく、第3チャンネルは、更なる白色の発光向けのものであってもよい。
【0042】
図1のLED電流分割器は、それぞれ参照符号3、4及び5で示されているような3つのチャンネルを有する。各チャンネルは、スイッチ6、7、8と、それぞれの少なくとも1つのLED9、10、11とを有する。スイッチ6、7、8の各々が、コントローラによってパルス幅変調(PWM)信号で制御され得る。上記のものは、コントローラが、3つの異なる原色、例えば、赤色、緑色及び青色を発すること、及び特定の色比を使用してチャンネルを互いに混ぜ合わせることによって、複数の二次色を発することを可能にする。
【0043】
従って、色比は、互いに対してスイッチの各々が作動される期間を定義してもよい。従って、色比は、チャンネルの各々によって発せられる色を混ぜ合わせ得る。
【0044】
LED電流分割器にLED電流を供給するための電流源2が示されている。電流源2は様々なやり方で実施され得ることに留意されたい。例えば、電流源2は、LEDドライバとして実施されてもよい。
【0045】
本発明者は、第1チャンネル3内のLEDが、第2チャンネル4内のLED及び第3チャンネル5内のLEDに比べて異なる経年劣化特性を有する可能性があることに留意している。第2チャンネル4内のLEDもまた、第3チャンネル5内のLEDに比べて異なる経年劣化特性を有する可能性がある。
【0046】
経年劣化は、例えば、経時的な、それぞれのLEDによって発せられるルーメン量に向けられ得る。ルーメン量は、経年劣化要因により、経時的に減少し得る。
【0047】
別の可能性は、時間と共に色ずれが生じることである。本開示によれば、これもまた経年劣化プロセスに包含される。
【0048】
その場合、前記第1LEDチャンネル内の前記少なくとも1つのLED及び前記第2LEDチャンネル内の前記少なくとも1つのLEDの経年劣化に基づいて前記色比を補正し、それによって、前記LEDベースの照明デバイスの前記特定の色の、経時的な色の一貫性を確保するよう構成されるコントローラが設けられ得る。
【0049】
図1は、3つのLEDストリングが使用される例を示している。2つのLEDストリングを備えるLED電流分割器も使用されることができる。この例においては、第1チャンネルは、温白色発光向けのものであってもよく、第2チャンネルは、冷白色発光向けのものであってもよい。
【0050】
例えば、特定の色の光を発するために、参照符号6で示されているようなスイッチは、50%のデューティサイクルを有してもよく、参照符号7で示されているようなスイッチも、50%のデューティサイクルを有してもよい。換言すれば、スイッチの各々が同じ期間にわたって作動されるので、色比は1:1である。参照符号6及び7を備えるLEDの異なる特性のため、及び色の一貫性が念頭にあるため、色比は、色の一貫性を確保するよう、経時的に適応され得る。この比は、例えば、1:1,02又は同様のものに補正され得る。
【0051】
LEDの各々の経年劣化特性は、LEDベースの照デバイス自体、例えば、コントローラに結合されるメモリに記憶されてもよい。コントローラは、LEDの各々の点灯時間の量を記録してもよく、進行中のプロセスにおいて色比を計算してもよい。
【0052】
図2は、2つの異なるLEDの経時的なLED劣化の一般的な例を示している。
【0053】
ここでは、縦軸23は、それぞれのLEDによって発せられる最初のルーメン量と比べたルーメン量を百分率で示した。横軸24は、それぞれのLEDの実際の点灯時間を示した。
【0054】
第1LED、例えば参照符号21で示されているようなものは、第2LED、例えば参照符号22で示されているようなものに比べて、経時的に異なるように劣化することが示されている。
【0055】
図3は、本開示による方法のフローチャート31を示している。
【0056】
方法31は、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のLEDベースの照明デバイスを動作させることに向けられており、前記方法は、
- 前記コントローラによって、前記LEDベースの照明デバイスが特定の色を有する光を発するような前記色比に基づいて前記第1LEDチャンネル及び前記第2LEDチャンネルを作動させるステップ32と、
- 前記コントローラによって、前記第1LEDチャンネル内の前記少なくとも1つのLEDの経年劣化及び前記第2LEDチャンネル内の前記少なくとも1つのLEDの経年劣化に基づいて前記色比を補正し、それによって、前記LEDベースの照明デバイスの経時的な色の一貫性を確保するステップ33とを有する。
【0057】
当業者は、請求項記載の発明の実施において、図面、明細及び添付の特許請求の範囲の研究から、開示されている実施形態に対する他の変形を、理解し、達成することができる。特許請求の範囲において、「有する」という単語は、他の要素又はステップを除外せず、単数形表記は、複数性を除外しない。単一のプロセッサ又は他のユニットが、特許請求の範囲において挙げられている複数のアイテムの機能を果たしてもよい。単に、或る特定の手段が、相互に異なる従属請求項において挙げられているという事実は、これらの手段の組み合わせは有利になるようには使用されることができないことを示すものではない。コンピュータプログラムは、他のハードウェアと一緒に又は他のハードウェアの一部として供給される光学式記憶媒体又は固体媒体のような適切な媒体上に記憶/分散されてもよいが、インターネット又は他の有線若しくは無線電気通信システムを介するような他の形態で分散されてもよい。特許請求の範囲における如何なる参照符号も、特許請求の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【国際調査報告】