(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-05
(54)【発明の名称】換気ダクトを有する窓
(51)【国際特許分類】
E06B 7/10 20060101AFI20221128BHJP
E06B 1/30 20060101ALI20221128BHJP
E06B 1/32 20060101ALI20221128BHJP
E06B 7/06 20060101ALI20221128BHJP
【FI】
E06B7/10
E06B1/30
E06B1/32
E06B7/06
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022520394
(86)(22)【出願日】2020-10-01
(85)【翻訳文提出日】2022-04-12
(86)【国際出願番号】 EP2020077592
(87)【国際公開番号】W WO2021064140
(87)【国際公開日】2021-04-08
(31)【優先権主張番号】102019126756.0
(32)【優先日】2019-10-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】102020106695.3
(32)【優先日】2020-03-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】102020120660.7
(32)【優先日】2020-08-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520317103
【氏名又は名称】シューコー インターナショナル コマンデイトゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】特許業務法人 有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クライナー, クリストフ
(72)【発明者】
【氏名】ホーエンベルク, アルトゥール
(72)【発明者】
【氏名】ヴィーデマイア, イェンス トールゲン
【テーマコード(参考)】
2E011
2E036
【Fターム(参考)】
2E011CA05
2E011CB01
2E011CC05
2E036JA06
2E036JB01
2E036JC03
2E036KA06
2E036KB02
2E036LA01
(57)【要約】
窓であって、複数のフレーム構造(1')からなる窓フレーム(1)と、複数のフレーム構造(2')から構成され、少なくとも1つのパネル要素(3)を有し、窓フレーム(1)に対して少なくとも閉じ位置と換気位置の間を移動可能であるサッシフレーム(2)と、窓フレーム(1)のフレーム構造(1')とサッシフレーム(2)のフレーム構造(2')との間に形成された周辺のフレームリベート空間(F)と、窓フレーム(1)の少なくとも1つのフレーム構造(1')、又はサッシフレーム(2)の少なくとも1つのフレーム構造(2')に形成され、第1の換気ダクト開口(9)と第2の換気ダクト開口(10)を有する少なくとも1つの換気ダクト(8)とを備え、サッシフレーム(2)と窓フレーム(1)は、閉じ位置にて第1の換気ダクト開口(9)と第2の換気ダクト開口(10)の少なくとも1つを閉じ、換気位置にて少なくとも1つの換気ダクト(8)の両方の換気ダクト開口(9、10)を開くように構成されている。1つ又は複数の換気ダクト(8)は、少なくとも1つの換気カートリッジ(14)に夫々形成され、該換気カートリッジは窓フレーム又はサッシフレーム内に挿入され、或いは夫々窓フレーム構造(1')と夫々のサッシフレーム構造(2')内に挿入される。
【選択図】
図1a
【特許請求の範囲】
【請求項1】
窓であって、
a) 複数のフレーム構造(1')からなる窓フレーム(1)と、
b) 複数のフレーム構造(2')から構成され、好ましくは、少なくとも1つのパネル要素(3)を有し、窓フレーム(1)に対して少なくとも閉じ位置と換気位置の間を移動可能であるサッシフレーム(2)と、
c) 窓フレーム(1)のフレーム構造(1')とサッシフレーム(2)のフレーム構造(2')との間に形成された周辺のフレームリベート空間(F)と、
d) 窓フレーム(1)の少なくとも1つのフレーム構造(1')、又はサッシフレーム(2)の少なくとも1つのフレーム構造(2')に形成され、第1の換気ダクト開口(9)と第2の換気ダクト開口(10)を有する少なくとも1つの換気ダクト(8)とを備え、
e) 前記サッシフレーム(2)と窓フレーム(1)は、閉じ位置にて第1の換気ダクト開口(9)と第2の換気ダクト開口(10)の少なくとも1つを閉じ、換気位置にて少なくとも1つの換気ダクト(8)の両方の換気ダクト開口(9、10)を開くように構成された窓において、
f) 1つ又は複数の換気ダクト(8)は、少なくとも1つの換気カートリッジ(14)又は複数の換気カートリッジに夫々形成され、該換気カートリッジは窓フレーム又はサッシフレーム内に挿入され、或いは夫々窓フレーム構造(1')と夫々のサッシフレーム構造(2')内に挿入されることを特徴とする窓。
【請求項2】
前記換気カートリッジが、換気カートリッジの谷状のベース要素(15)に挿入されるインサート(141)を備える、請求項1に記載の窓。
【請求項3】
前記換気カートリッジは、ベース要素(15)を被覆するカバー(16)を備えている、請求項2に記載の窓。
【請求項4】
窓に設置された換気カートリッジ(14)のインサート(141)が交換可能である、請求項2又は3に記載の窓。
【請求項5】
窓であって、
a) 複数のフレーム構造(1')からなる窓フレーム(1)と、
b) 複数のフレーム構造(2')から構成され、好ましくは、少なくとも1つのパネル要素(3)を有し、窓フレーム(1)に対して少なくとも閉じ位置と換気位置の間を移動可能であるサッシフレーム(2)と、
c) 窓フレーム(1)のフレーム構造(1')とサッシフレーム(2)のフレーム構造(2')との間に形成された周辺のフレームリベート空間(F)と、
d) 窓フレーム(1)の少なくとも1つのフレーム構造(1')、又はサッシフレーム(2)の少なくとも1つのフレーム構造(2')に形成され、第1の換気ダクト開口(9)と第2の換気ダクト開口(10)を有する少なくとも1つの換気ダクト(8)とを備え、
e) 前記サッシフレーム(2)と窓フレーム(1)は、閉じ位置にて第1の換気ダクト開口(9)と第2の換気ダクト開口(10)の少なくとも1つを閉じ、換気位置にて少なくとも1つの換気ダクト(8)の両方の換気ダクト開口(9、10)を開くように構成された窓において、
f) 1つ又は複数の換気ダクト(8)は、少なくとも1つの換気カートリッジ(14)又は複数の換気カートリッジ(14)に夫々形成され、該換気カートリッジ(14)は窓フレーム又はサッシフレーム内に挿入され、或いは夫々窓フレーム構造(1')と夫々のサッシフレーム構造(2')内に挿入され、
前記換気カートリッジ(14)は、換気カートリッジ(14)の谷状のベース要素(15)に挿入されるインサート(141)を備え、窓内に設置された換気カートリッジ(14)のインサート(141)はベース要素(15)を取り外す必要なく交換可能であることを特徴とする窓。
【請求項6】
前記換気カートリッジ(14)は、ベース要素(15)とインサート(141)を被覆するためのカバー(16)を備える、請求項5に記載の窓。
【請求項7】
各換気カートリッジ(14)は、夫々の窓フレーム構造又は夫々のサッシフレーム構造の凹部(13)に挿入されて、閉じ位置にて外側から見えず、前記凹部(13)はフレームリベート空間(F)に向かって対向する、請求項5又は6に記載の窓。
【請求項8】
前記カバーが取り外し可能な締結手段を用いてベース要素(15)上に取り外し可能に締結される、請求項6に記載の窓。
【請求項9】
前記カバー上にシール溝(17)が形成される、請求項6又は8に記載の窓。
【請求項10】
前記インサート(141)及びカバー(16)がモジュール式の交換可能ユニットを形成する、請求項6又は8又は9に記載の窓。
【請求項11】
前記インサート(141)は、1つ以上の材料から成る、請求項5乃至10の何れかに記載の窓。
【請求項12】
前記インサート(141)がフィルタ材料(142)を構成する、請求項5乃至11の何れかに記載の窓。
【請求項13】
前記インサート(141)がフィルム、特に頑丈なフィルムから構成されている、請求項5乃至12の何れかに記載の窓。
【請求項14】
前記インサート(141)がベース要素(15)に挿入された状態において、1つ以上の空気流れの偏向を引き起こし、及び/又は空気流れを複数の部分的な空気流れに分割する、請求項5乃至13の何れかに記載の窓。
【請求項15】
少なくとも1つの換気ダクト(8)がL字形又はU字形に延びる、請求項5乃至14の何れかに記載の窓。
【請求項16】
前記換気カートリッジ(14)が、フレームリベート空間に対向する各窓フレーム構造(1')又は各サッシフレーム構造(2')の凹部(13)に挿入される、請求項5乃至15の何れかに記載の窓。
【請求項17】
複数の換気カートリッジ(14)が、フレームリベート空間に対向する各窓フレーム構造(1')又は各サッシフレーム構造(2')の凹部(13)に挿入される、請求項5乃至16の何れかに記載の窓。
【請求項18】
各換気カートリッジ(14)が、フレームリベート空間に対向する各窓フレーム構造(1')又は各サッシフレーム構造(2')の凹部(13)に挿入され、該凹部(13)はフライス加工された溝として形成される、請求項5乃至17の何れかに記載の窓。
【請求項19】
窓フレーム構造(101)及び/又はサッシフレーム構造が、第1の金属シェル(101a)及び第2の金属シェル(101b)と両方の金属シェルの間に配置される遮音ウェブの面から構成され、この2つの金属シェルは、更に少なくとも1つの中空室の面から構成される、請求項5乃至18の何れかに記載の窓。
【請求項20】
凹部(13)が前記換気カートリッジ(14)の領域に形成され、その結果、前記遮音ウェブ(101c)は、前記金属シェル(101a、101b)の受け溝(101d)内の底部領域を除くこの領域、及び前記遮音ウェブの端部用の受け溝(101d)の部分も、フライス加工されて、前記金属シェルの夫々の中空室の面内に延在することなく、除去される、請求項19に記載の窓。
【請求項21】
前記換気カートリッジ(14)は、設置された状態で、窓フレームの上側に設けられている、請求項5乃至20の何れかに記載の窓。
【請求項22】
前記換気カートリッジ(14)は、設置された状態で前記窓フレームの上側の前記窓フレーム構造(101)の凹部(13)に設けられている、請求項5乃至21の何れかに記載の窓。
【請求項23】
前記換気カートリッジ(14)が窓フレーム構造(101)よりも高く、且つ窓フレームの構造に追加の構造(110)が置かれ、該追加の構造(110)の中に換気カートリッジ(14)が突出する、請求項5乃至22の何れかに記載の窓。
【請求項24】
前記換気カートリッジ(14)は、1つ以上の遮音ウェブ(101c)の凹部(13)の中に設けられる、請求項5乃至23の何れかに記載の窓。
【請求項25】
前記ベース要素(15)は、全体的に又は部分的に周辺にフランジ(161)を有する、請求項5乃至24の何れかに記載の窓。
【請求項26】
前記カバーは、ベース要素(15)上に1つ以上のウェブ(161)を有する、請求項6又は8乃至10の何れかに記載の窓。
【請求項27】
前記カバー及びカバーが挿入される構造は、対応する輪郭を有する、請求項6又は8乃至10の何れかに記載の窓。
【請求項28】
前記換気ダクト(8)は換気カートリッジ(141)の内側で複数のサブダクトに細分化されている、請求項5乃至27の何れかに記載の窓。
【請求項29】
前記換気ダクト(8)内で空気流れは、1回又は複数回方向を変更しなければならない、請求項5乃至28の何れかに記載の窓。
【請求項30】
夫々の場合における各換気カートリッジはカバー(16)の換気ダクト開口を備え、該換気ダクト開口はフレームリベート空間(F)に向けられる、請求項5乃至29の何れかに記載の窓。
【請求項31】
開き状態におけるフレームリベート空間の領域において、窓フレーム(2)とサッシフレーム(1)の間に少なくとも1つのシール面が形成される、請求項5乃至30の何れかに記載の窓。
【請求項32】
少なくとも1つの中間シールが、換気状態及び閉じ状態の両方で、接触スライドストリップ(24、124)を押圧する、請求項5乃至31の何れかに記載の窓。
【請求項33】
2つの中間シールが設けられ、これらの中間シールのうちの少なくとも1つは、換気状態及び閉じ状態の両方において接触スライドストリップ(24、124)を押圧し、他方は、閉じ状態において接触スライドストリップ(24、124)を押圧するだけである、請求項5乃至32の何れかに記載の窓。
【請求項34】
前記中間シールのうちの1つ又は少なくとも1つは、各々が可撓性を有するように設計された1つ又は複数のシールリップを有するリップシールとして形成される、請求項32又は33に記載の窓。
【請求項35】
換気カートリッジを指向する1つ又は複数の特徴を含む、請求項1乃至34の何れかに記載の窓。
【請求項36】
請求項1乃至35の何れかに記載の窓に用いる換気カートリッジであって、
1つ又は複数の換気ダクト(8)が提供され、換気カートリッジは、換気カートリッジのベース要素(15)に挿入されるインサート(141)を含み、窓に取り付けられた換気カートリッジ(14)のインサート(141)は、ベース要素(15)を取り外す必要なく交換可能であることを特徴とする換気カートリッジ。
【請求項37】
請求項1乃至35の何れか1つにて、換気カートリッジを指向する1つ又は複数の特徴を含む換気カートリッジ。
【請求項38】
請求項1乃至35の何れかに記載の窓内に換気ダクトを形成する方法であって、
窓フレーム構造(1')が配備され、
次に、フレームリベート空間に面する凹部が、各窓フレーム構造に形成され、
換気ダクトが形成され、交換可能なインサート(141)を備える換気カートリッジが各窓フレーム構造(1')又は各サッシフレーム構造(2')のこの凹部内に挿入され、該凹部はフレームリベート空間を向いていることを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前段部に係る換気ダクトを有する窓に関する。
【背景技術】
【0002】
傾斜した又は回転したサッシの位置で遮音された換気を可能にするこのような窓は、それ自体、例えば、ドイツ公開公報10 2016 115 422号から知られている。しかし、窓の一般的な構成は比較的複雑な構造を有しているため、この点、また、変形例に応じて、様々な更なる性質に関して、さらに最適化されるべきである。窓フレームに形成された換気ダクトは、清掃とメンテナンスが非常に困難であるため、問題がある。更に、公知の構成は、サッシを閉じる際に比較的大きな作動力を必要とする。特に、窓フレームの中央のシールが、サッシフレームの遮音ウェブ上でかなり不十分にスライドすることは不利である。また、換気位置における開口の幅が比較的小さいことが不利であると言うべきである。ここでは開口の幅は画定され、とりわけ、スライド面としてのサッシフレームの(短い)遮音ウェブによって区切られる。
【0003】
従って、本発明は別の経路をとる、換気ダクトを持つ最適化された窓を提供することを目的とする。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、請求項1及び請求項4の主題事項によってこの目標を達成し、また、このような窓に対して有利な換気カートリッジも提供する。本発明はさらに、有利な方法を提供する。
【0005】
請求項1によれば、窓は、複数のフレーム構造からなる窓フレームと、複数のフレーム構造から構成され、好ましくは、少なくとも1つのパネル要素を有し、窓フレームに対して少なくとも閉じ位置と換気位置の間を移動可能であるサッシフレームと、窓フレームのフレーム構造とサッシフレームのフレーム構造との間に形成された周辺のフレームリベート空間と、窓フレームの少なくとも1つのフレーム構造、又はサッシフレームの少なくとも1つのフレーム構造に形成され、第1の換気ダクト開口と第2の換気ダクト開口を有する少なくとも1つの換気ダクトとを備え、サッシフレームと窓フレームは、第1の位置である閉じ位置にて相互に作用して、第1の換気ダクト開口と第2の換気ダクト開口の少なくとも1つを閉じ、第2の位置である換気位置にて少なくとも1つの換気ダクトの両方の換気ダクト開口を開くように構成されている。以下では換気窓とも言及されるこの窓は、更に請求項1の特徴部分に従って、1つ又は複数の換気ダクトが、少なくとも1つの換気カートリッジ又は複数の換気カートリッジに夫々形成され、該換気カートリッジは窓フレーム又はサッシフレーム内に挿入され、或いは夫々窓フレーム構造と夫々のサッシフレーム構造内に挿入される点で区別される。
【0006】
このように、換気ダクトは中空室の構造に直接、煩雑な形で形成される必要がないため、換気ダクトの形成は大幅に簡素化されている。むしろ、そこに凹部を設けるか、又は形成し、次いで予め組み立てた換気カートリッジを凹部に挿入し、例えば、それをロック又はクランプすることで十分である。これにより、換気窓内に換気ダクトを形成することが容易になり、複雑ではない。
【0007】
夫々の換気カートリッジは、夫々の窓フレーム構造又は夫々のサッシフレーム構造のフレームリベート空間を向く凹部内に、閉じ位置において外部から見えないように、容易且つ好ましく挿入することができる。
【0008】
換気カートリッジには、特に換気カートリッジの谷状のベース要素に挿入されたインサートを備えていることが望ましい。この場合、窓に設置された換気カートリッジのインサートが交換可能であるのが特に好ましく、換気窓のメンテナンスが簡素化される。
【0009】
次いで、本発明は、請求項4に記載の窓を提供し、この前提部分は、請求項1の換気窓の特徴を含み、1つ又は複数の換気ダクトは、少なくとも1つの換気カートリッジ、又は複数の換気カートリッジに夫々形成され、該換気カートリッジは窓フレーム又はサッシフレーム内に挿入され、或いは夫々窓フレーム構造と夫々のサッシフレーム構造内に挿入され、各換気カートリッジは、換気カートリッジの谷状のベース要素に挿入されるインサートを有し、窓内に設置された換気カートリッジのインサートはベース要素を取り外す必要なく交換可能であるとの組合せの特徴を備える。このような方法でメンテナンスを行う場合には、インサートだけが交換され、これは特に複雑ではない。
【0010】
窓の概念は狭く解釈されるものではない。窓は、窓フレームと、該窓フレームに対して移動可能なサッシフレームとを有する要素を備える。窓フレームは、ドアの場合のように、周辺に形成されることもあれば、周辺に形成されないこともある。したがって、ドアは本明細書の意味の窓でもある。窓は、建造物又は建物の壁の壁開口に取り付けることができる。しかし、窓はファサードの一部として構成され得て、ファサードの中に設置可能である。そのため、窓フレーム自体もファサード構造の一部を形成することができる。
【0011】
特に簡単なメンテナンスのために、換気カートリッジが、ベース要素を覆うカバーを有し、場合によってはインサート及びカバーが、取り外し可能な締結手段を用いてベース要素上に取り外し可能に締結されることができる。
換気カートリッジ上、特にカバー上にシール溝を形成することが有利且つ容易である。インサートとカバーがモジュール式の交換可能なユニットを形成していれば、特に容易である。
【0012】
各インサートは、1つ以上の材料で構成されることができる。このようにして、インサートは、フィルタ材料で構成されることができる。また、インサートがフィルム、特に頑丈なフィルムから成ることができる。
インサートは、ベース要素に挿入された状態において、1つ以上の空気流れの偏向を引き起こし、及び/又は空気流れを複数の部分的な空気流れに細分化することが有利である。特に、防音特性はこのように最適化することができる。
【0013】
夫々の換気カートリッジは、フレームリベート空間に対向する、夫々の窓フレーム構造又は夫々のサッシフレーム構造の夫々の凹部に挿入される。何故なら、設置やメンテナンスを特に複雑でない方法で実行することが、ここではできるからである。
【0014】
また、複数の換気カートリッジが、フレームリベート空間に対向する、夫々の窓フレーム構造又は各サッシフレーム構造の凹部に挿入されることができる。夫々の換気カートリッジは、このようにしてコンパクトな寸法を有することができ、メンテナンスは簡単なままである。
【0015】
必ずしもそうではないが、設置された状態で換気カートリッジが窓フレームの上側にのみ設置されていることが好ましい。
本発明は、先行する請求項の1つに従って、窓用の換気カートリッジを提供し、該換気カートリッジには1つ以上の換気ダクトが形成され、換気カートリッジは、換気カートリッジのベース要素内に挿入されるインサートを有し、窓に設置された換気カートリッジのインサートはベース要素を取り外すことなく交換可能である。この換気カートリッジでは、換気窓のメンテナンスが特に簡単になる。
【0016】
さらに、夫々の換気カートリッジが夫々の場合に換気ダクト開口を有しており、これらの開口がフレームリベート空間に向けられている場合には、有利である。換気ダクト開口は、閉じ状態でのストッパシール間のフレームリベート空間内に完全に位置することが特に有利に提供され得る。窓の外観はこのように変わらない。好ましいデザインが存続している。さらに、換気カートリッジはこのように非常に簡単に交換できる。これは、清浄度(粉じん、虫など)の要件を満たすために、おおむね毎年必要とされる。交換にあたっては、技術者は不要である。
【0017】
中間シールが換気カートリッジ上、特に換気カートリッジの溝上に配置される場合、構造的に有利かつ単純である。
更に、サッシは、閉じ位置から換気位置への移動中に、少なくとも1点上の窓フレームに対して50mm-80mm移動可能である。
【0018】
全体として、有利なことに高い遮音値が達成可能である。2PAでの空気交換(パスカル気圧)は12m3/hより大きくなりうるし(14m3/hより大きいのが好ましい)、10PAでは25m3/h以上になりうる(28m3/hより大きいのが好ましい)(例えば、風圧差又は静圧差による内部と外部との空気圧の差)。合成微細繊維が、花粉を濾過できる換気カートリッジ内に配置されるのが好ましい。これは特にアレルギーを抱える人にとっては有利である。
【0019】
このカートリッジは、一定の間隔を設けた後、例えば1年以上経過した後に、窓を開いた後に、浄化及び/又は交換を容易に行うことができる。
換気カートリッジは、窓フレーム上で大きく異なる方法で固定することができ、したがって、クランプするか、又は好ましくは少なくとも1つのネジのような締結手段を使用することによって固定することができる。換気カートリッジにこのような材料を提供する場合、換気カートリッジ内のフィルタ材料を交換することも考えられる。
換気カートリッジは、換気窓に関連する上記の請求項の中で、換気カートリッジを指向するさらなる特徴のうちの1つ以上を備えることができる。
【0020】
最後に、先行する請求項の1つに従って、窓内に換気ダクトを形成する方法が提供され、窓フレーム構造が配備され、次に、フレームリベート空間に面する凹部が、各窓フレーム構造に形成され、該窓フレーム構造に換気ダクトが形成され、換気カートリッジが各窓フレーム構造又は各サッシフレーム構造の凹部内に挿入され、該凹部はフレームリベート空間を向き、カートリッジは交換可能なインサートを有する。
【0021】
さらに任意の実施形態に従って、開き状態におけるフレームリベート空間の領域において、窓フレームとサッシフレームの間に少なくとも1つのシール平面が形成され、シール面が少なくとも1つのシールによって形成され、該シール面が少なくとも換気位置にて、窓フレーム又はサッシフレームに対して接触スライド部を以って押圧する場合には、更に有利である。
【0022】
更に、任意の実施形態に従い、接触スライド部が、換気位置にてサッシフレーム又は窓フレームの接触スライドストリップを押圧し、接触スライドストリップは、サッシフレーム又は窓フレーム上に形成され、特に固定され、自由端部がフレームリベート空間に突き出る。
本実施形態においては、接触スライドストリップにより1つ以上のシール押圧に適応する部品が提供されることが特に有利である。接触スライドストリップは、形状、表面及び材料を1つ又は複数のシールに適合させて、最適なスライド及び/又は転動工程を達成することができる。このようにして、窓上の作動力を最小限に抑える。
【0023】
接触スライドストリップは、対向するフレーム上に配置された(スライド)シールの接触のみを目的とし、サッシフレームのさらなる静的機能を想定しないことが好ましい。このように、2つの金属シェルを接続する遮音ストリップの場合のように、静的特性に著しく寄与する、又は影響を与えるのは、サッシフレーム又は窓フレームの一体型ストリップではない。接触スライドバーは、サッシを閉開するときに、閉じ力及び開く力に影響を及ぼす、何故なら好ましくは、対応するスライドシールが接触スライドバーの上を押圧することができ、場合によっては、開閉動作中にスライドすることができるからである。しかし、ストリップや構造が主に他の目的で使用されるのとは対照的に、これもまたそのタスクの1つであり、特に適応できる利点の1つである。
【0024】
1つの実施形態によれば、接触スライドストリップは、部分的に間隔を置いて、特に本質的に平行に間隔を置いて、サッシフレームまで延び、特に接触スライドストリップは、サッシフレームの2つの金属シェルを互いに接続し、フレームリベート空間の部分を形成するサッシフレームの遮音ウェブまで、部分的に平行に間隔を置いて延びる。
【0025】
本発明の更に有利な実施形態に従い、このようにして、窓の開き位置又は換気位置に接触し、場合によっては窓の閉じ位置にも接するシールが中間シールとして形成されることが有利である。この中間シールは、さらに有利なことに、フレームリベート空間を少なくとも2つのフレームリベート空間の部分に分割するように構成することができる。
これにより、空気が、本質的に、換気位置における2つのリベートフレーム空間の間の換気ダクトを通してのみ交換されることができる。ここで、中間シールは、シールベース上に回転可能に固定されたシールベース及びシールベースに回転可能に締結された少なくとも1つのシール部分を有し、該シール部分はシールベースに連接され、シール部分は、いかなる場合も、夫々の換気ダクトが形成される領域において、換気位置にて自由端部で接触スライドストリップ上の接触スライド部分を押圧する。また、2つ以上の中間シールを提供することができる。
【0026】
次いで、少なくとも2つ又は少なくとも3つのシール面が、閉じ状態にて、フレームリベート空間の領域において窓フレームとサッシフレームとの間で周囲に形成される。1つ又は2つのシール面は、ここでも、窓フレームとサッシフレームとの間の1つ又は複数のストッパシールによって形成することができる。これらのシール面は、サッシの閉じ状態にのみ存在する。サッシが開かれると、窓はその換気位置に置かれるので、空気は、これらの開いたシール面と換気ダクトを介して、設置された状態の窓の空間の間、つまり一般的には内側と外側の間で交換される。
【0027】
1つの変形例によれば、中間シールが窓フレーム上に締結され、特に換気位置においてサッシフレームと接触していることが有利である。
【0028】
中間シールが窓フレームに固定され、接触スライドストリップがサッシフレームに固定されることが好ましい。接触スライドストリップが、それぞれの対応するサッシフレーム構造のコーナー領域上及び/又はコーナー領域内に横方向に設置されることが好都合に提供される。
従って、接触スライドストリップは、サッシフレーム構造の金属シェル上の端部と共に、サッシフレーム構造の遮音ウェブに対して横方向に固定されるように設けられる。これは、一般的に使用されていないサッシフレームのこの領域に、溝などの接触シールストリップを固定するために提供される手段が形成され、適切に収容できるためである。
【0029】
更に別の選択肢によれば、換気状態及び閉じ状態の両方において、接触スライドストリップに対して少なくとも1つの中間シールが押圧することが有利である。2つの中間シールが設けられている場合、2つの中間シールのうちの1つは、便宜的に、そのように構成され、もう1つは、閉じ位置において接触スライドストリップに対してのみ押圧するが、換気位置においては離間され、換気ダクトへのアクセスが解放されるように構成される。
【0030】
更に有利なことには、中間シールの1つ又は少なくとも1つが、夫々可撓性を有するように構成された1つ又は複数のシールリップを備えたリップシールとして形成されることができる。これは、このようにして、可撓性のシールリップを接触スライドストリップ上の接触に使用することができ、これにより、サッシの開き動作又は閉じ動作がほとんど又はまったく妨げられないからである。
【0031】
1つの変形例によれば、窓フレーム及び/又はサッシフレームの全ての多数室の構造は、全部又は少なくとも本質的にプラスチックで構成されることが有利である。しかし、それらは金属やプラスチックのような複数の材料から成ることもできる。その上で、窓フレーム及びサッシフレームは、1つ以上の金属シェル及び1つの金属シェル上の遮音ウェブ面、又は2つの金属シェルからなる構造から夫々形成されるのが好ましい。3つの金属シェルと金属シェルの各々の間に2つの遮音ウェブ領域を有するサッシフレーム及び/又は窓フレームのような他の構造もまた、考えられる。
【0032】
更に別の選択肢によれば、1つの変形例に従って、窓フレーム及び/又はサッシフレームの本質的にプラスチックから成る多数室の構造の1つ又は複数のものが、少なくとも1つの補強嵌め込み(inlay)から成ることを提供できる。補強嵌め込みは、例えば、チューブとして金属構造として設計することができる。例えば四辺形チューブのような鋼管が、単にPVC構造に挿入され、補強嵌め込みとして適所にネジ止めされるならば有利である。
【0033】
また、例えば、金属から作られた強化された補強部は、プラスチック製の多数室の中空構造との共押出の補強部として製造することができる。
【0034】
保持溝に挿入され、該保持溝に保持されるシールは、ストッパシール及び/又は中間シールとして、夫々の場合で使用されるのが好ましい。このようなシールは比較的安価であり、とりわけ設置が容易である。コーナーを切断することなく、全周を敷くことができる。保持溝に配置されているため、シールが簡単に交換される。シールは互いに溶接されることができるのが好ましい。
小型で薄肉のシールは、ストッパシールに対してわずかな抵抗しか提供しない。それに加えて、小型で薄肉のシールは耐性の影響をそれほど受けない。このようにして、要素の操作力が有利に最小化される。
【0035】
比較的小さな開口の幅(作動中にほとんど知覚できない)は、閉じ手段、遮音ウェブ故に、冒頭に言及された先行技術をもたらす。これは限られた長さしかない。本発明による構成では、スライドシールリップは、サッシ構造の外側構造の縁部まで、窓フレームとサッシフレームとの間のギャップを閉じる。このようにして、より大きな開口幅("W")が達成される。構造幅("B")に応じて、50mm-80mmが達成されるのが好ましい。スライドシールの幾何学的形状、特にシールリップの長さも関連する。全体的には、さらに大きな幅も可能である。特に55mm-65mmの幅が好ましい。Wmax=B-25mmが遮音換気の最大の開口の幅の公式であると想定される。
【0036】
中間シールにシールベースがあり、該シールベース上にシールが回転可能に取り付けられたシール部分があることは有利である。このシール部分は、回転可能なシールリップとして形成されるのが好ましい。シール部分、特にシールリップは、連接されてシールベースに接続され得る。
本発明の有利な実施形態は、その他の従属形式の請求項から推測することができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
本発明は、図面を参照しながら、本実施例に基づいて、以下により詳細に説明する。本発明はこれらの例示的な実施形態に限定されるものではなく、むしろ別の方法で、あるいは別の方法で同様に実施することができる。
【
図1a】例えば本発明に係る第1の窓の設置状態において、水平に延びる上部部分を通る部分を示し、窓が閉じ位置又はロックした位置にあることを示す。
【
図1b】例えば本発明に係る第1の窓の設置状態において、水平に延びる上部部分を通る部分を示し、窓が換気位置にあることを示す。
【
図2a】例えば本発明に係る第2の窓の設置状態において、水平に延びる上部部分を通る部分を示し、窓が閉じ位置で示される。
【
図2b】例えば本発明に係る第2の窓の設置状態において、水平に延びる上部部分を通る部分を示し、窓が換気位置で示される。
【
図3a】例えば、本発明による第3の窓の設置状態において、水平に延びる上部部分を通る部分を示し、窓は閉じ位置で示される。
【
図3b】例えば、本発明による第4の窓の設置状態において、
図3aの窓と同様に、水平に延びる上部部分を通る第1の部分を示し、窓は閉じ位置で示される。
【
図3c】例えば、本発明による第4の窓の設置状態において、
図3aの窓と同様に、水平に延びる上部部分を通る第1の部分を示し、窓は換気カートリッジの領域の外側の換気位置で示される。
【
図3d】本発明による第4の窓の設置状態において、例えば、換気カートリッジの領域における
図3b及び
図3cから水平に延びる別の上部部分を通る部分を示し、窓は閉じ位置で示される。
【
図3e】本発明による第4の窓の設置状態において、例えば、換気カートリッジの領域における
図3b及び
図3cから水平に延びる別の上部部分を通る部分を示し、窓は換気位置で示される。
【
図4a】更なる換気窓の窓フレームの側面図を示す。
【
図6】
図5の第1の換気カートリッジの斜視図であり、挿入可能なインサートを備えている。
【
図7】インサートを本質的に示す
図6の詳細;図である。
【
図8】
図6の換気カートリッジの部分の上面図である。
【
図13】インサート挿入後の
図11の換気窓の一部の斜視図を示す。
【
図14a】様々なインサートを備えた換気カートリッジの断面図を示す。
【
図14b】様々なインサートを備えた換気カートリッジの断面図を示す。
【
図14c】様々なインサートを備えた換気カートリッジの断面図を示す。
【
図14d】様々なインサートを備えた換気カートリッジの断面図を示す。
【
図14e】様々なインサートを備えた換気カートリッジの断面図を示す。
【
図14f】様々なインサートを備えた換気カートリッジの断面図を示す。
【
図14g】様々なインサートを備えた換気カートリッジの断面図を示す。
【
図14h】様々なインサートを備えた換気カートリッジの断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0038】
様々な実施形態を、以下の図の記載で説明する。これらの例示的な実施形態の個々の特徴は、例示的な実施形態の夫々のさらなる特徴と組み合わせて有利に使用することができる。しかしながら、それらは、図示されている、又は示されていない他の例示と組み合わせることもでき、また、夫々が、1つ以上の主たる請求項及び従属形式の請求項に記載された主題事項の有利な実施形態として適している。
【0039】
図1は、窓の部分を示す。この窓は、周辺の窓フレーム1を含む。これは、複数の窓フレーム構造1'により構成され、フレーム形状、特に長方形を形成する。
【0040】
窓フレーム1に対して移動可能なサッシが、窓フレーム1上に配置されている。サッシは、好ましくは、周辺に閉じられたサッシフレーム2と、窓パネルなどの平面要素3とを備え、平面要素3はサッシフレーム2に挿入され、サッシフレーム2によって収容される。サッシフレーム2は、サッシ形状、特に長方形形状を形成するために複数のサッシフレーム構造2'から構成される。
窓フレーム構造1'及び/又はサッシフレーム構造2'は、多数の室を備えた中空構造として形成され得る。
【0041】
窓フレーム構造1'は、プラスチック構造として形成され得る。しかし、いわゆる複合体構造として形成することもできる(
図3)。そのうえで、一般的に、ここでは同意語的に金属シェルとも呼ばれる1つ以上の金属構造-と、1つ以上の遮音ウェブで構成される。2つの金属構造面が、一般にプラスチックからなる遮音ウェブ面を介して互いに接続されている構造が好ましい。しかしながら、異なるさらなる構造形態も考えられ、従って、1つの金属構造面と1つの遮音構造面とを有する構造形態と、3つの金属構造面及び2つの遮音構造面を有する構造形態も考えられる。
【0042】
各例示的な実施形態において、周縁のフレームリベート空間Fが、窓フレーム1とサッシフレーム2との間の又はそれらのフレーム構造1'、2'に形成されるのが好ましい。このフレームリベート空間Fは、本質的にサッシフレーム2の外周と窓フレーム1の内周との間に延在している。
【0043】
図1又は
図3の夫々の窓は、建物の空間開口(ここには示されていない)を開閉するのに用いられ、そこでは、空間I(例えば、建物の周辺空間)が空間II(例えば、建物の内部空間)から分離されている。
【0044】
以下では、「窓フレーム構造1'」及び「窓フレーム1」並びに「サッシフレーム構造2'」及び「外側フレーム2」という用語を、夫々交換可能な用語として使用する。なぜならば、以下で説明する手段及び実施形態は、夫々、望ましくは、周縁に形成することもできるし、窓フレーム1上の部分又はサッシフレーム2上の部分に形成することもできるからである。
しかし、以下で説明する手段及び実施形態は夫々、サッシフレーム2と窓フレーム1の対応するフレーム構造の1つでのみ形成され(たとえば、ジョイント軸の反対側のフレーム構造で)、又はサッシフレーム2と窓フレーム1の対応する複数のフレーム構造上に形成されることができる。
しかしながら、対応するギャップは
図1bに垂直に延びる窓フレームの側面にも形成され、該ギャップは回転する開口の場合には一定の幅を持たない。しかしながら、換気効果を向上させるためには、
図1a及び
図1bに係る種類の換気ダクト8をこれらの側面に加えて特に形成することもできる。
【0045】
サッシフレーム2は、接触ウェブ4を有し、該接触ウェブ4は隣接する空間IIの片側又は隣接する空間IIに向かうのが好ましく、該接触ウェブ4を用いて、閉じた状態にて、窓フレーム1を直接押さえるか、又はサッシフレーム2に取り付けられたストッパシール5を介して窓フレーム1を押さえる。同様に、窓フレーム1は、隣接する他の空間IIの他方の側又は隣接する他の空間IIに向かうのが好ましい、接触ウェブ6を有し、該接触ウェブ6は閉じ位置にて、窓フレーム1を直接押さえるか、又は接触ウェブ6に取り付けられたストッパシール7を介して窓フレーム1を押さえる。
このように、フレームリベート空間Fと空間I又はIIの間のギャップSIとギャップSIは、夫々緊密に閉じられている。
【0046】
ここでは、少なくとも窓フレーム1又はサッシフレーム2に-ここでは窓フレーム1に-換気ダクト8(破線で示される)が形成されており、該換気ダクト8は第1の換気ダクト開口9と第2の換気ダクト開口10を備えている。換気ダクト開口9、10は、フレームリベート空間Fに開口することが好ましい。換気ダクト8は、U字形状とすることができる。
【0047】
更に、
図1によれば、換気ダクト8が各々の場合に形成される窓フレーム1又はサッシフレーム2の少なくとも中空の構造は、プラスチックからなる多室の中空の構造として形成されることが記載されている。
【0048】
プラスチックからなるこれらの多室の中空の構造は、空間Iと空間IIの間に、H1、H2、…の3つ以上の空室を有するのが好ましい。
図1の実施例によれば、空間Iと空間IIの間(「内側から外側へ」)に7個の中空室H1-H7が設けられている。また、特に接触ウェブの領域において、方向I-IIに直交した中空室を形成することができる。これらの方策により、非常に良好な断熱特性が個々に、また組み合わせて確保される。構造の内側の中空室間の中間壁は、特に空間I及び空間IIに向かう外壁よりも薄い方が好ましい。
【0049】
さらに1つ以上の中空室H8、H9、H10、H11も提供される。これらの中空室H8、H9の1つ以上は、夫々の接触ウェブ4又は6内で配備されるのが有利である。これらの方策は、個々に又は結合されて、遮音と断熱性を再び向上させる。
【0050】
窓フレーム1又はサッシフレーム2の全ての中空構造がプラスチック製の多室の中空構造として形成されることが有利に提供され得る。とりわけ、素材としては非常に多様なプラスチックが適している。プラスチックは特にPVCであることが好ましい。さらに、窓フレーム1のプラスチックで作られた多室の構造の1つ以上及び/又はサッシフレーム2のプラスチックで作られた多室の中空構造の1つ以上が、少なくとも1つの強化された補強部11、12を有していることも提供され得る。
【0051】
夫々の強化された補強部11、12は、プラスチック、例えば、金属、特に鉄のような金属で作られる多室の構造とは異なる材料で構成することができ、また、例えば、金属バーや金属プレート等のような金属構造として形成することができる。しかし、別のプラスチック、例えば、ガラス繊維強化プラスチックで作られる強化された補強部として構成することもできる。
【0052】
多室の構造は、第1の空間Iの側部に向かって連続したプラスチックの外壁を有するのが好ましくし、第2の空間IIの側部に向かって連続したプラスチックの外壁を有するのが好ましい。
さらに好ましくは、換気ダクト8は凹部13、特にフライス加工された溝内に形成されており、この凹部は、フレームリベート空間Fを起点として窓フレーム1又はサッシフレーム2内に形成されている。
【0053】
さらに有利には、ここで換気ダクト8が換気カートリッジ14内に形成され、該換気カートリッジ14が凹部13に挿入され、窓フレーム1又はサッシフレーム2内に、特にフライス加工された溝内に挿入される。これらの複数の換気カートリッジ14は、フレーム構造当たり、又はフレームの多数の側部上に設けることもできる(図示されていない)。換気ダクト8は、このようにして、夫々の場合において、周縁の窓フレーム1又はサッシフレーム2の構造の1つ又は複数の中で、容易に形成することができる。
【0054】
夫々の換気カートリッジ14には、溝又は谷状のベース要素15があることが望ましい。さらに、夫々の換気カートリッジ14には、カバー16が設けられていることも提供される。
カバー16は、ここでのフレームリベート空間Fに向けて配置されるのが好ましい。
【0055】
フレームリベート空間F内に延びる中間シール18は、窓フレーム構造上に形成されることが好ましい。中間シール18は、換気カートリッジ14上、特にカバー16上に固定される。この目的から、換気カートリッジ14上に、特にカバー16上に中間シール18用の締結手段、特にアンダーカット溝17が形成される。
【0056】
中間シール18は、シール底部21を有するシールベース20を備えることができ、これが溝に挿入される。シール18は、さらにシールベース20に回転可能に固定されたシール部分22を備えることができる。シール部分22は、単独のシールリップ(
図1a及び
図1b)として形成することもできるし、又は2つ以上のシールリップ(
図2a及び
図2b)の組み合わせとして形成することもできる。シール部分22は、特に、それ自体が湾曲するように作られ、及び/又はさらなる接合部分を有するシールリップを有することができ、その結果、シールリップは、互いに対して移動可能であり、より長いリップを形成するように接続される2つのリップ領域に分割される。
【0057】
シールベース20に対してシール部分22が回転可能であり、かつサッシフレーム2と接触できる程度に十分長ければ、特に有利である。端部を備えて適用されるのが好ましい。この端部は湾曲化することができる。
【0058】
シール部分22は、端部としての接触スライド部23を備え、該接触スライド部23は窓フレーム1とサッシフレーム2との間の相対的な動きの場合に、対応するフレーム構造、ここではサッシフレーム構造上に位置して良好に摺動することができる。調和のとれた、簡単な開口の動きは、このように生じる。これは、適用されたシール面によって目立った障害とはならない。
接触スライド部23は、中間シールに設けられるのが好ましく、換気ダクト8も夫々のフレーム構造に設けられている。これは、窓フレーム1又はサッシフレーム2の一方の側にも、又は複数の側にも、できれば3つの側にも、可能である。傾斜窓である場合には、傾斜軸が位置する側には換気ダクトが形成されないことが好ましい。ここでは、接触スライド部23が省略され得る。
【0059】
特にシール部分22は、特定の開き角度に亘ってサッシを開くと、最初にサッシフレーム2に接触したままになるように十分に長く、又はいずれにせよ、まだ説明されていない換気位置でサッシフレーム2に接触しているか又は接触するならば、シール部分22は、換気位置にてフレームリベート空間Fを2つの領域に分割し、その間で、空気交換は、本質的に、換気ダクト8を介してのみ行われるのが好ましい。
【0060】
このように、中間シール18は、フレームリベート空間Fを第1の領域及び第2の領域FI、FII(空間I及びIIへの方向に対応する)に分割し、その間では、空気交換が、窓フレーム1に形成された換気ダクト8を通してのみ可能である。
【0061】
換気ダクト8が窓フレーム1に配置されている場合には、代替的に、中間シールがサッシフレーム2に締結されて窓フレーム1まで延びているように設けることができる。次いで、シール部分22は、サッシの開き時に、特定の開き角度に亘ってサッシを開くと、最初に窓フレーム1に接触したままになるように十分に長く、又はいずれにせよ、まだ説明されていない換気位置で窓フレーム1に接触しているか又は接触するならば、シール部分22は、換気位置にてフレームリベート空間Fを2つの領域に分割し、その間で、空気交換は、本質的に、換気ダクト8を介してのみ行われるのが好ましい。
【0062】
また、現時点においても、配置は「完全に」逆にされ得ることに留意する必要があり、その場合には、換気ダクトはサッシフレーム2に設けられる。その後、中間シール18の配置は、サッシフレーム2から窓フレーム1に行われ、又はその逆に行われることができる。
【0063】
図1bの換気位置Lにおいて、サッシは、窓フレーム1に対して開き位置、特に回転及び/又は変位した位置に移動された。この開き位置が換気位置である。換気位置は、傾きや回転などの際に達成可能な最大位置に対応するが、これは必要ではない。
【0064】
ストッパシール5及び7は、もはや窓フレーム1又はサッシフレーム2に夫々接触していないので、ギャップSI及びSIIはこの位置で開いている。中間シール18は、依然としてサッシフレーム2上に接触している。サッシフレームは、依然として部分的に、窓フレーム1で定義される周囲の内側に位置している。
中間シール18は、空間FIとFIIとの間の空気の直接的な移行を遮断するので、空気交換は、これらの空間FIとFIIの間でのみ行うことができ、したがって、空気交換は、換気ダクト8を介して空間IとIIの間でのみ行うことができる。これにより、換気効果と遮音効果の非常に有利な組み合わせが保証される。
【0065】
例えば、空間Iが建物の周辺空間であり、空間IIが建物の内空間IIである場合、このようにしてギャップSI、フレームリベート空間部分FI、換気ダクト8、フレームリベート空間部分FII、及びギャップSIIを経由して空気が流れることができる。特に換気ダクトの方向の偏向によって音は有利に減衰される。
【0066】
流れる空気は、好ましくは、換気ダクトの内部で1回又は複数回方向を変えなければならない。これは遮音に有利な効果がある。
換気ダクト8には、第1の換気ダクト開口9と第2の換気ダクト開口10がある。これら2つの換気ダクト開口9、10は、換気カートリッジ14に形成することができる。2つの換気ダクト開口9、10は、カバー16に形成されることが好ましい。
1つ又は特定の望ましくは、両方の換気ダクト開口9、10がフレームリベート空間Fに向けられていることを提供することは更に有利である。
【0067】
換気カートリッジの内部空間を複数の部分に分割する少なくとも1つの壁19は、換気カートリッジ14の内側に形成され得る。この壁19は少なくとも1つの通路19aを有する。換気ダクト開口9、10のうちの1つは、その後、各部分の1つに配置される。
【0068】
ここにおける好ましい実施形態にて、換気ダクト8は、換気カートリッジ14の内側(又は換気カートリッジなし)で、おおよそU字型に延びている。それは、第1の換気ダクト開口9から、平面要素3とほぼ平行に換気カートリッジ14内に延び、次いで、平面要素3に対してほぼ直交して延び、壁19の通路19aを通って延び、次いで、再び、換気ダクト開口10まで平面要素3にほぼ平行に延びる。このように、通過する空気流れの方向は、何度も変化する。これにより、空間Iから空間IIへ、又はその逆の空間IIから空間Iへの音の通過が抑制又は防止される。それにもかかわらず、換気のための空気流れは、空間Iから空間IIに通ることができる。
【0069】
換気カートリッジ14は、以下に詳細に記載するように、
図3の本実施形態(例えば、
図3bから
図3dにおいても提供することができる。
換気カートリッジ14は、
図1と同様に、
図3において、室、特に窓フレームのフライス加工された溝内に挿入されることができ、及び/又は換気カートリッジ14は、その領域内の1つ以上の別の方法で設けられた遮音ウェブを完全に置き換えることができる。しかし、換気ダクトは窓フレームにダクト状のフライス加工された溝として直接形成することも、あるいはこれらのフライス加工された溝に挿入されるダクト状の要素によって区切ることもできる。
【0070】
さらに、接触スライドストリップ24がサッシフレーム2上又はそのサッシフレーム構造2'上に配置されることを提供することができる。次いで、中間シール18は、換気位置Lにおいて接触スライドストリップ24を押圧することができ、接触スライドストリップ24もまた、中間シール18が閉じ位置にて、接触スライドストリップ24を押圧するように構成することができる。
【0071】
接触スライドストリップ24が、夫々のサッシフレーム構造2'から比較的遠く離れた側方に及び/又はコーナー領域で提供されていることは有利である。このコーナー領域は、開き位置及び換気位置において対応する窓フレーム構造1'に最も近いコーナー領域であることが望ましい。このようにして、接触スライドストリップは、例えば、遮音ガラスパネルの内側及び外側面によって定義される領域の外側に横に位置することができる。これは、例えば
図1の場合である。これも
図3にも当てはまるが、接触スライドストリップが金属構造の1つ、特にこの構成のアルミニウム構造の1つ上に締結されることが好ましい点を除く。
【0072】
接触スライドストリップ24はまた、フレームリベート空間F内に十分遠くまで延びることができるが、しかしながら、中間シール18は閉じ状態でも接触スライドストリップ24の上を押圧することができる。
比較的大きな開口の幅は、このようにして、空気が本質的に換気ダクト8を通して空間Iと空間IIとの間でしか交換できないような形で、夫々の場合に有利に達成することができる。
接触スライドストリップ24は、金属又はプラスチックのような別の材料から成ることができる。さらに、接触スライドストリップ24自体も少なくとも1つの中空室を有することができる。
【0073】
接触スライドストリップ24は、更に、夫々のサッシフレーム構造2'上に、例えば舌状部及び溝状部接続部を用いて固定される取り付けストリップとして構成されることが有利である。
図1の実施形態に基づいて、フレーム構造は、特に空間I及びIIに向かう外壁は、プラスチック材料、より望ましはPVCから形成される。それらは、内部強化構造又は強化された補強部を除き、全部プラスチックから成るのが好ましい。フレーム構造は一体的に形成することができ、特にプラスチックから成る場合には一体的に形成される。
【0074】
プラスチック製の中空室の構造の外壁は、2mm-4mmの厚さが望ましいが、中空室H1-H7を形成する間壁の厚さは、1mm-2mmである。
好ましい実施形態では、金属で作られたさらなる強化された補強部11、12は、静的強化のために中空室内に付随的に配置され、さらに細分化される。
【0075】
特に、埋め込まれた補強構造を有するものは、フレーム構造1'、2'として使用される。この構造は、共押出法によって製造され、強化された補強部はアルミニウム又は繊維強化プラスチックからなる。
好ましくは、ストッパシール(内側/外側)5、7及び中間シール18が周囲に形成され、従って、シールがフレームの4つの側面に延在され、一方、シール部分は、フレームの全ての側面には設けられていない。
【0076】
本発明による構成では、接触スライド部23は、サッシフレーム2の外側構造の縁部まで、窓フレームとサッシフレームとの間のフレームリベート空間又はギャップを閉じる。
このようにして、先行技術に比べてより大きな開口の幅(「W」)が達成される。構造の幅(空間Iと空間IIの間の「B」)に応じて、開口の幅は50mm-80mmが望ましい。
スライドシールの形状、特にシールリップの長さも有利である。全体的には、比較的大きな開口の幅がこのように換気位置で実施可能である。特に55mm-65mmの幅が好ましい。遮音換気の最大開口の幅の計算式として、Wmax=B-25mmと仮定される。
【0077】
アルミニウム複合材の構成と比較して、著しく多数の中空チャンバが、遮音に関して有利な効果を有している。
サッシフレーム上のスライドシールの摩擦は、接触スライドストリップ24の使用により最小限に低減することができる。即ち、材料と表面構造が互いに適応している。スライドシールは、スライド側に粗面構造を有することが好ましい。接触スライドストリップは、摩擦被覆によって特徴付けられることが好ましい。表面構造は、もちろんその逆の方法で形成することもできる。
【0078】
内部室H7は、これが遮音上の理由から有利ではないので、換気ダクトとして直接使用されないことが好ましい。むしろ、換気カートリッジの壁と外側との間に2つの室を形成することができ、これらは特にアルミニウムの壁によって分離されることが望ましい。
図2a及び
図2bによれば、
図1a及び
図1bの構成に加えて、シールベース20にて中間シール18上に更にシールリップ25が形成され、閉じた状態でシールリップ25がサッシフレーム2に押圧されることにより、窓フレームとサッシフレームとの間のフレームリベート空間内の部分にも4つのシール面が有利に形成される。
【0079】
接触スライドストリップ24は、該接触スライドストリップ24が押し付けられる1つ又は複数の対応するシールに適合された要素が提供されるという点で特に有利である。
接触スライドストリップ24は、形状、表面及び材料をシールに整合させることができるので、最適なスライド及び/又は転動工程が達成される。
このようにして、窓上の作動力を最小限に減らすことができる。従って、シールは、接触スライドストリップ24上で、フレーム構造と接触しなくなるまで「スライド/転動」する。
【0080】
最良の摩擦係数は、僅かに粗い表面で達成される。ウェブを遮断することは一般的に非常に滑らかであるため、シールはそれに固着し易い。
対照的に、金属、特にアルミニウムが、接触スライドストリップ24の材料として使用されるのが好ましい。粗い表面は深層陽極酸化により1つの有利な変形例に従って達成することができる。乾燥後にわずかに粗い表面を形成する特殊なラッカーも、僅かに粗い表面を作るために使用することができる。最後に、プラスチックはまた、塗布又は押出被覆されることができ、したがって、接触スライドストリップに適した表面を得ることができる。
【0081】
押出被覆は、例えば押出方法で実施され得る。接触スライドストリップをシールに最適に調整することが重要である。これは、システム遮音ウェブでは不可能である。
換気窓の機能は、シールが遮音ウェブから浮き上がるまで提供される。
この点で開口の幅は画定される。本発明に係る接触スライドストリップは、先行技術の場合に比べて、シールへの接触を大幅に長く保持し、それにより、より大きな開口の幅を達成することができる。接触スライドストリップは、フレーム構造の縁部まで到達し、従って、より大きな開口幅を可能にすることが特に有利である。
【0082】
接触スライドストリップ24は、フレームリベート空間の方を向いたフレーム構造の側部に接続され、該側部上に固定される。ネジ、リベット、クリップ、接着ボンディングなどの既知の接続オプションは、この目的のためにそれ自体を提案している。このように比較的大きな開口の幅が換気位置で簡単な方法で達成できるので、接触スライドストリップを縁部に近いサッシフレーム構造102のフレームリベート空間側に取り付けることが好ましく、特に内部空間又は外部空間に向かって位置する縁部に取り付けることが好ましい。
【0083】
図3は、夫々の場合において、
図3a及び
図3bから
図3eにおいて、窓フレーム構造101及びサッシフレーム構造102からなる2つの異なるアルミニウム複合体構造の構成を通しての破断部分を示している。
図3a及び
図3bから
図3eに例として示すように、接触スライドストリップが締結されるサッシフレーム構造の外縁は、従って、外側のアルミニウム構造のシェルによって形成される。接触スライドストリップが異なるフレーム構造システムで必要に応じて使用できることが有利である。ストリップは、修理の場合や摩耗時にも容易に交換できる。
【0084】
図3aから
図3eに示す窓フレーム構造101は、この変形例では、第1の金属シェル101aと第2の金属シェル101bとを含む。これら2つの金属シェル101a及び101bは、遮音ウェブ101c(又は複数の遮音ウェブ)を介して互いに接続することができる。
サッシフレーム構造102は、さらに、第1の金属シェル102a及び第2の金属シェル102bを備える。これら2つの金属シェル102a、102bは、遮音ウェブ102c(又は複数の遮音ウェブ)を介して互いに接続される。第1の金属シェル101a、102aは設置された状態で建物の外側Iに向かい、第2の金属シェル102bは建物の内側IIに向かう。遮音ガラスパネル103がサッシフレームに挿入される。
【0085】
中間シール104とスライドシール105とが、フレーム構造間のフレームリベート空間F内に配置されている。中間シール104とスライドシール105とは、窓フレームに取り付けられる。スライドシール105はさらに機能的に中間シール104の一種を形成し、中間シール104は一種の接触シールを形成し、後者は、開くとサッシから持ち上げられるが、これは、中間シールと接触シール、及びスライドシール105には当てはまらない。
【0086】
変形例の接触スライドストリップ124は、フレームリベート空間Fにおけるシール104及び105に対向して設けられ、この接触スライドストリップ124は、サッシフレーム構造102上の外側Iの領域に締結される。
従って、接触スライドストリップ124は、締結端部124a(締結ベース124a又は締結底部とも呼ばれる)を有する。締結底部は、溝102dに係合する突起として形成することができる。また、締結底部は代わりに、又は追加的に、溝102dの中にクランプ及び/又はロックすることもできる。
【0087】
こうして、締結ベース124aは、サッシフレーム構造の溝102dに係合することができ、特に第1の金属シェル102a(望ましくは外側Iに向かって)に係合する。更に及び/又は代替的に、締結端部124aは締結手段を用いて、例えば所定の位置にネジ止めされるネジを用いて溝102dに締結することができる。
【0088】
接触スライドストリップ124は、締結端部124aから出発して、窓フレーム構造101の方向にある程度フレームリベート空間F内に突出し、次いで、フレームリベート空間Fに隣接するサッシフレーム構造の遮音ウェブ102cから離間してサッシフレーム102の第2の金属シェル102bの方向に延びるが、接触しない。
図3bから
図3eの接触スライドストリップは、その端部にケーブル受け溝134を有し、該ケーブル受け溝134の中に、例えば、1つ以上の電気及び/又は光導体を有するケーブル135であるケーブル135を、例えば、ロックすることによって保持することができる。
【0089】
ケーブル受け溝134は、サッシフレーム構造102の遮音ウェブ102c上に形成することができる。ケーブル135は、このようにしてケーブル受け溝134内に良好に保持され、接触スライドストリップ124によってフレームリベート空間Fに向かう損傷から保護される。接触スライドストリップはまた、ここでケーブル保持ストリップを形成し、これは、ケーブルをサッシフレーム上に敷設することを著しく簡単にする。窓フレーム上に接触スライドストリップを有する逆の構成において、窓フレーム上のケーブルの敷設はそれ故に簡略化される(表示されない)。
【0090】
図3aに示される閉じ位置では、2つのシール104及び105-即ち、ここでは中間シール104及びスライドシール105-は、いずれも接触スライドストリップ124に押圧される。
このように、接触スライドストリップ124は、サッシフレームの遮音ウェブを越えてフレームリベート空間に突出するが、熱的に有利な方法で遮音ウェブ上に静止しないので、好ましくは、部分において遮音ウェブに向かってギャップXを形成することさえできる。
【0091】
この有利な実施形態のため、接触スライドストリップ24は、弾性的に撓んで、サッシの開閉中に特に作用する力を回避することができる。これにより、サッシを開閉する際の操作力を有利に減じることができる。複合構成における接触スライドストリップ124は、遮音ウェブ102cのほぼ中間まで、好ましい実施形態において確かに突出することができる。しかし、より長くすることもできる。それは、2つのシール104、105の少なくとも1つ、特にスライドシール105が、サッシの開き位置にて依然押圧するように構成されることが望ましい(
図1bと同様に、又は
図1bと類似している)。
【0092】
更なる換気窓については、後述するが、夫々に1個以上の換気カートリッジ14が設けられている。
図1、
図2、
図3a又は
図3b乃至
図3eのタイプに応じて、それ自体で窓を構築することができる。しかし、それらの細部から乖離した構造をもちうる。
【0093】
以下の説明は、換気カートリッジ14の夫々の換気窓の構造への一体化に関するものである限り、換気カートリッジ14又は窓の構造に関し、特に好ましい特徴及び変形例に関するものである。以下に説明する換気カートリッジ14の特徴は、
図1から
図3に形成された窓又は異なる構造の窓に有利なオプションとして実施することができる。
さらに、これらの特徴は、個別でも組み合わせても有利であり、すなわち、個々にも組み合わせても保護範囲の一部を形成することができるし、又はそれを形成するために使用することができる。
図3に示す窓では、カートリッジは、ここでの窓フレームの構造に直接部分的に挿入された換気ダクトを置換することが望ましいであろう。
【0094】
従って、
図4は、
図3に例示したように、
図4aと
図4bにおいて、1つ(又は複数)の換気カートリッジを設置するために設けられた更なる換気窓の側面図と、斜視図を示している。
【0095】
次に、各々の換気カートリッジ14は、チャネル状又は谷状のベース要素15を有する。
このベース要素15は、さらに、ここでは箱状に作られている。ベース要素15は、ベース側及び4つの側で閉じて形成され、取り付けられた状態でフレームリベート空間Fに面する側で開いて形成される。
さらに、夫々の換気カートリッジ14(特にこの開いた側)がカバー16を備えている。本カバー16には1つ以上の通路16aが配備されている。カバー16と共に、ベース要素15は、通路16aを除き、全て閉じられた箱を形成する。少なくとも2つの通路16a、16bが備えられているのが好ましい。また、第1の通路16aは、さらに好ましくは、第1の換気ダクト開口9を形成し、他方である第2の通路16bは、第2の換気ダクト開口10を形成する。
【0096】
しかしながら、複数の第1の通路16aは、第1の換気ダクト開口9と複数の第2の通路16bとを共同で形成して、第2の換気ダクト開口10を形成することができる。この場合、第1の換気ダクト開口及び第2の換気ダクト開口は、夫々第1のウェブ及び第2のウェブ16c、16dによって中断することができる。
【0097】
次に、ベース要素15は、部分的又は全体的に周辺フランジ151を構成することができる。カバー16は、好ましくは、少なくとも1つのウェブ161、又は角度付けられた又は対応するフランジを含み、これにより、カバー16は、ベース要素15の縁部又はフランジ151上の設置位置に載置される。ベース要素15上のカバー16の規定された位置は、このように簡単な方法で提供される。更に、ベース要素15のフランジ151は、ベース要素15をここでは窓フレームの凹部13に挿入する際に有利なことに挿入限界として使用することができ、これにより、ベース要素15を設置中に簡単な方法で凹部13に正しく嵌合される(特に、
図6及び
図13を参照)。
【0098】
換気カートリッジ14の内部空間は、これらの第1の通路及び第2の通路16a、16bに適応し、又は適応していないように構成することができる。
第1の通路及び第2の通路16a、16bに適応していない場合、換気カートリッジの内部空間は充填されず、むしろ空になっている。このように優れた換気効果が達成される。
【0099】
しかしながら、例えば
図1aで既に説明したように、換気カートリッジ14の内部空間が一部充填されていることも、提供できる。遮音は、特にこのような方法でさらに最適化することができる。さらに、空気流れを浄化するための付随的な措置も講じることができる。
【0100】
インサート141を換気カートリッジ14に入れることができ、該インサート141を用いてこの細分化が達成される。インサート141は、必ずしもではないが、特に交換可能なインサートとして有利である。このようにインサートは、フィルタ材料142から全部又は部分的に構成される。粒子は、換気カートリッジ14を通って流れるときに通る空気流れから、インサート上に、そしてインサート内に蓄積する。このようにして、空気流れは、換気カートリッジ14(
図14参照)を通して流れるように濾過されることにより有利に純化される。
【0101】
換気ダクト8は、換気カートリッジ14内側に伸びる限り、その中に1つのダクトのみを形成することができるか、又は、次々に複数のサブダクト8a、8b、8cに細分化することができる。このようにしてフィルタの作用を増やし、換気効果をうまく制御することができる。さらに、このようにして、遮音は、様々な方法で変化させることができ、特に、設置場所の地域の状況に応じて、外部環境に適応させることができる。
従って、例えば、建物の静かな側を向く換気窓よりも、交通量が多い(well-traveled)道に位置する建物の開口に設置される換気窓の遮音に、より多くの価値を置くことができる。
【0102】
遮音を最適化するために、インサート141は、単一の材料(例えば上述のフィルタ材料142)ではなく、むしろ2つ以上の材料で構成されることができる。そのうえで、特に遮音をさらに最適化するように、さらなる材料で構成されることができる。従って、フィルタ材料142の片面が、例えば、いわゆる頑丈なフィルムであるフィルム143で被覆されていることが有利に提供され得る。
【0103】
カバー16は、ここではフレームリベート空間Fに向けられることが望ましい。
カバー16が換気カートリッジ14上に取り外し可能に取り付けられている場合、特に交換可能なインサート141が換気カートリッジに挿入されている場合に有利である。また、インサート141とともにモジュール式のユニットを形成することもできる。
【0104】
カバー16は、完全に又はほぼ工具なしで取り外して再び固定されるように、換気カートリッジ14に固定されていることが更に付随的に有利である。
この目的のために、例えば、締結レバー144を有するタイプの急速作動式の閉じ要素143を設けることができ、この閉じ要素は回転可能であり、ベース要素15等の突起の縁部の下にロック及び/又は固定するようにクランプすることができる。このようにして、インサート141の交換は、容易かつ迅速に行われることができる。しかし、例えば、換気カートリッジ14上にカバーを保持するネジを緩めるために、インサートの交換に工具を使用することも考えられる。
【0105】
さらに、中間シール18をカバー16上に固定することができる。特に、カバー16は、この目的のために、フレームリベート空間Fに面する側に溝17を含み、対応する(ここでは中間の)シール18のシール底部21を固定することができる。この溝は、窓フレームのフレームリベート空間で対応する溝に合わせることができる。このようにして、窓フレームのこの溝は、このフレーム側では有利なことに中断されず、対応するシールも換気カートリッジ14の領域にしっかりと取り付けることができる。
【0106】
交換可能なインサート141を有する換気カートリッジ14において、カートリッジ14のインサート141は、動作中に容易に、従って最終の使用者自身によって交換可能であることが特に有利である。このインサート交換は、掃除機のフィルタ交換のように、比較的簡単である。全体的に、換気カートリッジ14自体も設置が容易である。換気カートリッジ14は、
図4a及び
図4bに特に示されているフレームリベート空間F内に見えないように位置決めされるのが望ましい。
【0107】
図4aはまた、ここでは、追加の構造110(
図4、
図11)を上の窓フレーム構造1に配置できることも示している。この追加の構造110は、窓フレーム1の高さを増やすために提供される(
図10の方向の指定に対応する、以下を参照)。このようにして、対応したより高い換気カートリッジ14を窓フレーム1に一体化することができるので、これは有利である。これは、例えば、
図9から
図13、特に
図10から明らかである。これは、窓フレームの構造101と、設置位置における窓フレームの構造101の外側上に置かれる追加的な構造の両方が、夫々の換気カートリッジを挿入するための対応する凹部13を備えているためである。
【0108】
換気カートリッジ14は、好ましくは窓フレームに設置され、好ましくは排他的に、遮音ウェブから、従って特にプラスチック製のウェブから形成される遮音ウェブ領域に設置される(遮音ウェブについては
図3aを参照)、カートリッジ14はここに示されず、遮音ウェブ101cの領域に設けられて、(好ましくは遮音ウェブ101cのみが)凹部13を構成するであろう。
【0109】
図3b-
図3eによれば、例示的な実施形態では、換気ダクト8も1つ以上の換気カートリッジ14に形成される。換気カートリッジ14の各々が凹部13に挿入され、特に、例えば連続的に、又はフレームリベート空間Fから開始して、窓フレーム1(又はサッシフレーム2)に形成されたフライス加工された溝に挿入され、このフライス加工された溝に好適なことに換気カートリッジ14が挿入される。
【0110】
凹部13は、好ましくは、換気カートリッジ14のこの領域に形成され、この領域-おそらく、金属シェルの受け溝101d内の底部領域を除いて-で遮音ウェブ101cが完全に取り外される。受け溝101dの一部も、中空室又は室101eからなる中空室の面を損傷することなく、おそらくは、フライス加工によって除去される。
このようにして、フライス加工された溝101dを作成することは容易である。換気カートリッジ14は、断熱ウェブの代わりに断熱を引き受ける。
【0111】
換気ダクト8が形成された夫々のフレーム側では、夫々のフレーム部分/フレームスパーの全長にわたって、
図3bから
図3eに従って延びる必要もない。従って、1つ、2つ、又は複数の換気カートリッジを、例えば、夫々が互いに離間して設けられた1つのフレーム側に設けることができ、その結果、一方では、
図3b及び
図3cならびに他方では
図3d及び
図3eの部分が形成される。その後、複数の凹部103cが提供される。
【0112】
このように、フレーム構造の処理は、換気カートリッジ14を提供する必要があるにもかかわらず、さらに複雑になることはない。何故なら、換気カートリッジ14を挿入するための1つ又は複数の必要な凹部13(
図3bから
図3eによる通路でもあり得る)は、金属シェル及び/又は特にプラスチックから成る遮音構造101cに簡単な方法で形成することができるからである。換気カートリッジ14は、クランプ及び/又はロックすることによって、又は1つ又は複数のネジ又は接着剤などの固定手段を使用することによって、固定されるのが好ましい。
【0113】
換気カートリッジ14を非常に狭いフレーム構造にも挿入できるようにするために、フレーム-ここでは窓フレーム1-は換気カートリッジ14の領域でより高くすることができる。しかしながら、突出したカートリッジ(構造を介して)は、周囲の建造物の開口まで延びることもできる(ここには示されていない)。
【0114】
換気カートリッジ14のうち3つは、窓フレーム1の上部スパー又は窓フレーム構造101の上部に形成されるか、又は
図9の例としてその中に挿入される。
ここでは3つの凹部13である対応する多くの凹部13が、この窓フレーム構造101に形成される。左右の換気カートリッジは既に設置されている。中央の換気カートリッジ14は、換気カートリッジ14が挿入された窓フレーム1の凹部13に近い設置前の位置に示される。
【0115】
カートリッジは、垂直に向けられた窓の設置位置で上部に設置されるのが好ましい。好ましい設置方向とは、内側から外側への方向、又はここでは、フレームリベート空間の中で底部から上部へ、凹部への方向である。カートリッジは、例えば、凹部13の対応する捕捉縁部の背後にある捕捉縁部を使って、凹部内にロックされることができる(ここには示されていない)。
【0116】
しかし、カートリッジは外部から、つまりフレームリベート空間側とは反対側から設置されることが可能であることも示されている。換気カートリッジ14のこの設置は、交換可能なインサート141が配備されている場合、初期設置中に一度行うことができる。しかし、あるいは、換気カートリッジ全体を交換可能にすることもできる。換気カートリッジを挿入するさらなるオプションが考えられる。従って、側方にアクセス可能な交換可能なインサート141を含むこともでき、又は全体として側面から設置することもできるが、これは視覚的な理由からあまり好ましくない。
【0117】
換気カートリッジ14の数及び位置は、図に示される方法において特に有利であるが、そうでなければ、条件及び要求に自由に選択又は適合させることもできる。
個々のカートリッジは、ベース要素15、カバー16及びインサート141から構成されるのが好ましく、ここでカバー16及びインサート141も交換可能なユニットを形成することができる。
【0118】
換気カートリッジ14(
図10)の幅bは、30mm-70mmであるのが好ましいが、必ずしもそうではない。この幅は有利であり、このようにして、対応する幅の典型的な遮音ウェブにうまく統合することができる。換気カートリッジ14の長さは、それ自体で任意に選択することができる。換気カートリッジ14を長さ150mm-250mm(長さl)にすることが有利であり、インサート141の設置及び特に挿入されたインサート141の交換は、引き続き容易に行うことができるようにする。特に長さl=200mmが好ましい。
【0119】
換気カートリッジ14(
図10参照)の厚さ又は高さhは、それ自体で任意に選択することができる。厚さ又は高さhは、50mm-150mm、特に60mm-120mmの間であることが望ましい。90mmの高さが特に好ましい。
換気カートリッジ14は、構造リベートと同じ面内に設置することができる。公知の締結手段及び締結方法、例えば、ネジ締め、クランプ締め、クリッピング等がこの目的に適している。溝ブロックも使用され得る。カバーのための締結装置も、ベース要素15上に配置されることが望ましい。これは、
図8の4分の1の円のレバーであり、クリップレバーも可能である。
【0120】
カバー16は、溝17又はここで対応する溝輪郭を備え、中間シールを収容する。構造のフレームリベートの面を真似るさらなる溝又は輪郭が可能である。ボックス141は、プラスチック、特に射出成形法で製造されるプラスチックから成るのが好ましい。他の既知の製造方法、例えば、複数の壁部品からの接着結合又は溶接も可能である。例えばアルミニウムのような他の材料も可能である。しかし、熱伝導が悪いため、プラスチックが好まれる。
【0121】
説明したように、カバー16は、2つ以上の通路16a、16bから構成されるのが好ましい。通路16a、16bは好ましくは約20mmの長さ、約10mmの幅であり、20mmの幅のウェブ16c、16dで細分化されるのが好ましい。中央の長手方向ウェブの両側に櫛状の構成があると、このような結果となり、例えば、ここでは溝17となる。
【0122】
カバー16は、特に中間シール18用の受け溝17を用いて、フレームリベート空間の輪郭を模倣するのが好ましく、これもまた、ここでは「スライドシール」を形成する。これは、サッシが部分的に開いているときに窓フレームとサッシフレームとの間のギャップを封止する。あるいは、シールはすでにカバーの不可欠な構成要素となりうる。
【0123】
この溝又はシールは、ダクト8の入口開口と出口開口又は通路16a、16bとの間に位置している。各場合にて1つの開口を有利に設けることができるが、カートリッジごとに複数の開口部及び別個の換気ダクトを設けることも、遮音のために可能であり、大量の空気(遮音及び大量の空気のために-要求に応じて)も可能である。一方、開口は、過度に小さくすることはできない。何故ならば、十分な量の空気/空気処理能力が達成されないからである。入口と出口の夫々の場合に1つの開口が最適であることが証明されている。単一のU字型換気ダクトが特に有利であることが証明されている。
【0124】
ダクト8a、8b、8cは、互いに分離されているのが好ましい。異なる周波数範囲は、ダクト断面積を変えることによって、多かれ少なかれ良く減衰される。このように、「風力タービンの騒音」や「遊び場の騒音」を減衰させるのとは異なる「遮音材料を備えたカバー」を使用して、街路の騒音を減衰させることができる。このように、カセットのシステムは顧客の要求に適合しやすい。システムは後で簡単に変更され得る。
【0125】
カバー16は、操作の簡素化のために、ボックス上に設置されるか、又はネジ、クリップ又はレバー機構を用いて取り外されるのが好ましい。これにより、保守作業が簡素化され、容易になり得る。
実際的な取り扱いのために、カバー16及びインサート141は、モジュール式ユニットを共同で形成することができる。これらは、例えば、メンテナンス間隔が経過した場合、メンテナンス中に共同で交換可能であり、その後、フィルタ材料142又はインサート141の全体を交換することが推奨される。
【0126】
インサート141は、別の方法でカバー16に接着接合、溶接、又は機械的に接続することができる。
公知の発泡材料は、遮音材料142として考慮される。上記の頑丈なフィルム143は、代替的又は追加的に使用することができる。EVAやビチューメンなどの材料も使用できる。
【0127】
性能の主要なデータは、遮音値(dB)、空気圧(PA)、及び空気処理能力(m
3/h)である。データは直接的に関連しているため、ある変数を改善することによって別の変数が悪化する。しかしながら、設計手段と最適な材料の選択により、性能データ全体が改善される可能性がある。本発明によるカートリッジを使用すると、
図9から
図14に例示として示されるように、以下の値が達成され得る。例えば、内側と外側の圧力差2PAで12.7m
3/hの空気処理量が達成され、圧力差10PAで28.7m
3/hの空気処理量が達成され、及び傾斜窓を用いた遮音=32dB(閉じた状態=47dB)が達成される。
【0128】
図14は、例として、ベース要素15及びカバー16を有し、他の点では同一に構成された換気カートリッジに挿入される様々なインサート141を示している。カバー16は、開口16a、16bの位置に関係するインサート141に適合することができる。
U字形に延びる換気ダクト及びフィルタ材料142及び随意の頑丈なフィルム143を有するインサートが夫々の場合に示されている。
図14e乃至
図14hの換気ダクト8は、
図14a乃至
図14dの換気ダクト8より厚みが小さい。
換気ダクト8は、インサート141の壁とベース要素15及びカバー16との間の相互作用から形成することができる。
【符号の説明】
【0129】
符号のリスト
窓フレーム 1
サッシフレーム2
平面要素 3
接触ウェブ 4
ストッパシール5
接触ウェブ 6
ストッパシール7
換気ダクト 8、8a、8b
第1の換気ダクト開口 9
第2の換気ダクト開口 10
強化された補強部 11、12
凹部 13
換気カートリッジ 14
ベース要素 15
カバー 16
通路 16a、16b
ウェブ 16c、16d
溝 17
中間シール 18
壁 19
通路 19a
シールベース 20
シール底部 21
シール部分 22
接触スライド部分 23
接触スライドストリップ 24
シールリップ 25
スライド面 26
締結領域 27
窓フレーム構造 101
第1の金属シェル 101a
第2の金属シェル 101b
遮音ウェブ 101c
受け溝 101d
中空室 101e
サッシフレーム構造 102
第1の金属シェル 102a
第2の金属シェル 102b
遮音ウェブ 102c
溝 102d
遮音ガラスパネル 103
中間シール 104
スライドシール105
接触スライドストリップ 124
領域 124'、124"
締結端部 124a
スライド面 126、126'
溝 127
中空室 128
コーナー片 130
脚部 131、132
ラグ 133
ケーブル受け溝134
ケーブル 135
インサート 141
フィルタ材 141
頑丈なフィルム142
フランジ 151
ウェブ 161
ギャップ X
中空室 H1、H2・・・
フレームリベート空間 F
フレームリベート空間部分 FI、FII
ギャップ SI、SII
開口の幅 W
【国際調査報告】