(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-05
(54)【発明の名称】エアロゾル送達デバイスにおける赤外線温度検出の使用
(51)【国際特許分類】
A24F 40/57 20200101AFI20221128BHJP
A24F 40/46 20200101ALI20221128BHJP
【FI】
A24F40/57
A24F40/46
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022520458
(86)(22)【出願日】2020-10-01
(85)【翻訳文提出日】2022-05-30
(86)【国際出願番号】 IB2020059222
(87)【国際公開番号】W WO2021064639
(87)【国際公開日】2021-04-08
(32)【優先日】2019-10-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516097871
【氏名又は名称】アール・エイ・アイ・ストラテジック・ホールディングス・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】サー,ラジェッシュ
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA03
4B162AA05
4B162AA22
4B162AB01
4B162AB12
4B162AB14
4B162AB23
4B162AB28
4B162AC01
4B162AC12
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4B162AC50
4B162AD02
4B162AD06
4B162AD23
4B162AD32
(57)【要約】
エアロゾル送達デバイスが提供される。エアロゾル送達デバイスは、電源と、エアロゾル前駆体組成物の成分を加熱して、気化させるように電力供給可能である加熱要素とを含む。エアロゾル送達デバイスはまた、電源から加熱要素への電圧を制御して、加熱要素に電力供給するように構成された処理回路を含む。エアロゾル送達デバイスは、処理回路に結合され、加熱要素またはエアロゾル前駆体組成物によって放出された赤外線エネルギーを測定するように構成された赤外線温度センサをさらに含む。処理回路は、赤外線温度センサによって測定された赤外線エネルギーから、加熱要素またはエアロゾル前駆体組成物の温度を決定し、温度が所定の設定点から逸脱したときに電源から加熱要素への電圧を調整するように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル送達デバイスであって、
電圧を提供するように構成された電源と、
固体または半固体であるエアロゾル前駆体組成物を保持するように構造化されたハウジングと、
エアロゾル前駆体組成物の成分を加熱して、気化させるように電力供給可能である加熱要素と、
電源から加熱要素への電圧を制御して、加熱要素に電力供給するように構成された処理回路と、
処理回路に結合され、加熱要素およびエアロゾル前駆体組成物の一方または両方によって放出された赤外線エネルギーを測定するように構成された赤外線温度センサであって、加熱要素およびエアロゾル前駆体組成物の一方または両方によって放出された赤外線エネルギーが、可変であり、加熱要素およびエアロゾル前駆体組成物の一方または両方の温度にそれぞれ比例する赤外線温度センサと
を含み、
処理回路または赤外線温度センサが、赤外線温度センサによって測定された赤外線エネルギーから、加熱要素またはエアロゾル前駆体組成物の温度を決定するように構成され、処理回路が、温度が所定の目標から逸脱したときに電源から加熱要素への電圧を調整するように構成されるエアロゾル送達デバイス。
【請求項2】
ハウジングが、エアロゾル前駆体組成物を備える固体基材であるエアロゾル前駆体組成物を保持するように構造化され、加熱要素が、エアロゾル前駆体組成物を揮発させるように電力供給可能である、請求項1に記載のエアロゾル送達デバイス。
【請求項3】
使い捨て可能および棒形状であり、エアロゾル前駆体組成物を含むエアロゾル源部材を保持するように、ハウジングが構造化される、請求項1に記載のエアロゾル送達デバイス。
【請求項4】
赤外線温度センサが、エアロゾル源部材の外面、ひいてはエアロゾル前駆体組成物から放出された赤外線エネルギーを測定するように構成される、請求項3に記載のエアロゾル送達デバイス。
【請求項5】
電源から加熱要素への電圧を調整するように構成された処理回路が、温度が所定の目標をそれぞれ下回るか上回るときに電源から加熱要素への電圧を増加または減少させるように構成された処理回路を含む、請求項1に記載のエアロゾル送達デバイス。
【請求項6】
電源と加熱要素とに結合され、電源と加熱要素との間のスイッチ
をさらに備え、
電圧を制御するように構成された処理が、パルス幅変調(PWM)信号を出力して、スイッチに加熱要素への電圧を切り替え可能に接続および切断させて、加熱要素に電力供給させるように構成された処理回路を含み、
電圧を調整するように構成された処理回路が、温度が所定の目標から逸脱したときにPWM信号のデューティサイクルを調整するように構成された処理回路を含む、請求項1に記載のエアロゾル送達デバイス。
【請求項7】
PWM信号のデューティサイクルを調整するように構成された処理回路が、温度が所定の目標をそれぞれ下回るか上回るときにデューティサイクルを増加または減少させるように構成された処理回路を含む、請求項6に記載のエアロゾル送達デバイス。
【請求項8】
赤外線温度センサが、赤外線エネルギーを対応する電気信号に変換するようにさらに構成され、処理回路が、対応する電気信号を加熱要素またはエアロゾル前駆体組成物の温度にマッピングする関数に、対応する電気信号を入力するように構成され、ひいては処理回路が、加熱要素またはエアロゾル前駆体組成物の温度を決定するように構成される、請求項1に記載のエアロゾル送達デバイス。
【請求項9】
赤外線温度センサが、加熱要素が電力供給されていないときに加熱要素またはエアロゾル前駆体組成物によって放出された周囲赤外線エネルギーを測定するように構成され、処理回路が、赤外線温度センサによって測定された周囲赤外線エネルギーから、加熱要素またはエアロゾル前駆体組成物の周囲温度を決定するように構成され、
関数が、電気信号と温度との間の関係を定義し、処理回路によって決定された周囲温度を補償する、請求項8に記載のエアロゾル送達デバイス。
【請求項10】
赤外線温度センサが、加熱要素が電力供給されている加熱期間の合間に、加熱要素が電力供給されていないときに加熱要素またはエアロゾル前駆体組成物によって放出された周囲赤外線エネルギーを周期的に測定するように構成され、処理回路が、赤外線温度センサによって測定された周囲赤外線エネルギーから、加熱要素またはエアロゾル前駆体組成物の周囲温度を周期的に決定するように構成される、請求項9に記載のエアロゾル送達デバイス。
【請求項11】
ハウジングの少なくとも一部を通る空気流によって引き起こされる圧力を測定し、圧力を対応する信号に変換するように構成されたセンサをさらに備え、
処理回路が、対応する信号を受信し、それに応答して加熱期間を開始するようにさらに構成され、処理回路が、電源から加熱要素への電圧を制御して、加熱期間中に加熱要素に電力供給するように構成される、請求項1に記載のエアロゾル送達デバイス。
【請求項12】
ハウジングの少なくとも一部を通る空気流によって引き起こされる圧力を測定するように構成されたセンサをさらに備え、目標が、そのように測定された圧力に従って可変である、請求項1に記載のエアロゾル送達デバイス。
【請求項13】
赤外線温度センサが、エアロゾル前駆体組成物によって放出された赤外線エネルギーを測定するように構成され、赤外線温度センサが、エアロゾル前駆体組成物の複数の区画によって放出された赤外線エネルギーを測定するように構成された複数の光検出器を含み、
処理回路または赤外線温度センサが、複数の光検出器によって測定された赤外線エネルギーから、エアロゾル前駆体組成物の複数の区画の温度を決定するように構成され、処理回路が、温度の平均が所定の目標から逸脱したときに電圧を調整するように構成される、請求項1に記載のエアロゾル送達デバイス。
【請求項14】
加熱要素を含む複数の加熱要素を有するセグメント化されたヒータをさらに備え、複数の加熱要素が、エアロゾル前駆体組成物の複数の区画を加熱するように電力供給可能である、請求項1に記載のエアロゾル送達デバイス。
【請求項15】
複数の加熱要素の加熱要素が、エアロゾル前駆体組成物に沿って長手方向に物理的に分離し離隔された導電性プロングである、請求項14に記載のエアロゾル送達デバイス。
【請求項16】
処理回路が、電源から加熱要素への電圧を制御して、加熱要素に同時に電力供給して、エアロゾル前駆体組成物の複数の区画のうちのそれぞれの区画を加熱するように構成される、請求項14に記載のエアロゾル送達デバイス。
【請求項17】
複数の加熱要素の加熱要素が、別個に電力供給可能であり、処理回路が、電源から加熱要素のうちの1つ以上への電圧を別個に制御して、加熱要素のうちの1つ以上に電力供給して、エアロゾル前駆体組成物の複数の区画のうちのそれぞれの1つ以上の区画を加熱するように構成され、複数の加熱要素のうちの任意の他の加熱要素が、同時に電力供給されない、請求項14に記載のエアロゾル送達デバイス。
【請求項18】
赤外線温度センサが、複数の光検出器を含み、複数の光検出器の各光検出器が、複数の加熱要素のうちのそれぞれの加熱要素によって、またはそれぞれの加熱要素が加熱するために電力供給可能である、エアロゾル前駆体組成物の複数の区画のうちの一区画によって放出された赤外線エネルギーを測定するように構成される、請求項14に記載のエアロゾル送達デバイス。
【請求項19】
エアロゾル前駆体組成物の各光検出器および区画について、処理回路または赤外線温度センサが、光検出器によって測定された赤外線エネルギーから、それぞれの加熱要素または区画の温度を決定するように構成され、処理回路が、区画の温度が区画の所定の目標から逸脱したときに電源からそれぞれの加熱要素への電圧を調整するように構成される、請求項18に記載のエアロゾル送達デバイス。
【請求項20】
区画の所定の目標が、複数の区画にわたって共通である、請求項19に記載のエアロゾル送達デバイス。
【請求項21】
区画の所定の目標が、複数の区画のうちの少なくとも2つについて異なる、請求項19に記載のエアロゾル送達デバイス。
【請求項22】
処理回路が、温度が閾値温度よりも高いときに加熱要素のロックアウトを実行するようにさらに構成される、請求項1に記載のエアロゾル送達デバイス。
【請求項23】
赤外線温度センサが、加熱要素が電力供給されていないときにエアロゾル前駆体組成物によって放出された周囲赤外線エネルギーを測定するように構成され、処理回路が、
赤外線温度センサによって測定された周囲赤外線エネルギーから、エアロゾル前駆体組成物の周囲温度を決定し、
周囲温度と、真正のエアロゾル前駆体組成物の既知の周囲温度との比較に基づいて、エアロゾル前駆体組成物の認証を行う
ように構成される、請求項1に記載のエアロゾル送達デバイス。
【請求項24】
処理回路が、認証に基づいてエアロゾル送達デバイスのロック状態を変更するようにさらに構成される、請求項23に記載のエアロゾル送達デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、喫煙品などのエアロゾル送達デバイスに関し、さらに具体的には、エアロゾルの生成のために電気的に生成された熱を利用してもよいエアロゾル送達デバイス(例えば、一般に電子タバコと呼ばれる喫煙品)に関する。喫煙品は、タバコから製造され得るか、タバコに由来し得るか、そうでなければタバコを組み込み得る材料を組み込んでもよいエアロゾル前駆体を加熱するように構成されてもよく、前駆体は人間が摂取するための吸入可能な物質を形成することができる。
【背景技術】
【0002】
タバコの燃焼に基づく喫煙製品の改良品または代替品として、多くの喫煙品が長年にわたって提案されてきた。いくつかの例示的な代替品には、固体燃料もしくは液体燃料が燃焼されてタバコに熱を伝達するデバイス、またはそのような熱源を提供するために化学反応が使用されるデバイスが含まれている。追加の例示的な代替品は、参照により本明細書に組み込まれるWormらの米国特許第9,078,473号明細書に記載されているように、タバコおよび/または他のエアロゾル生成基材材料を加熱するために電気エネルギーを使用する。
【0003】
喫煙品の改良品または代替品の要点は、典型的には、相当量の不完全燃焼および熱分解生成物を送達することなく、紙巻タバコ、葉巻またはパイプの喫煙に関連する感覚を提供することであった。この目的のために、電気エネルギーを利用して揮発性材料を気化または加熱するか、タバコを著しく燃焼することなく紙巻タバコ、葉巻またはパイプの喫煙感覚を提供しようとする多くの喫煙製品、香味発生器および薬用吸入器が提案されている。例えば、参照により本明細書に組み込まれるRobinsonらの米国特許第7,726,320号明細書ならびにGriffith,Jr.らの米国特許出願公開第2013/0255702号明細書およびSearsらの米国特許出願公開第2014/0096781号明細書に記載の背景技術に記載されている様々な代替喫煙品、エアロゾル送達デバイスおよび発熱源を参照されたい。また、例えば、参照により本明細書に組み込まれるBlessらの米国特許出願公開第2015/0220232号明細書に記載の商標名および商業的供給元によって参照される様々な種類の喫煙品、エアロゾル送達デバイスおよび電動発熱源を参照されたい。商標名および商業的供給元によって参照される追加の種類の喫煙品、エアロゾル送達デバイスおよび電動発熱源は、同じく参照により本明細書に組み込まれるDePianoらの米国特許出願公開第2015/0245659号明細書に記載されている。記載されており、場合によっては市販されている他の代表的な紙巻タバコまたは喫煙品には、参照により本明細書に組み込まれるGerthらの米国特許第4,735,217号明細書、Brooksらの米国特許第4,922,901号明細書、米国特許第4,947,874号明細書および米国特許第4,947,875号明細書、Countsらの米国特許第5,060,671号明細書、Morganらの米国特許第5,249,586号明細書、Countsらの米国特許第5,388,594号明細書、Higginsらの米国特許第5,666,977号明細書、Adamsらの米国特許第6,053,176号明細書、Whiteの米国特許第6,164,287号明細書、Vogesの米国特許第6,196,218号明細書、Felterらの米国特許第6,810,883号明細書、Nicholsの米国特許第6,854,461号明細書、Honの米国特許第7,832,410号明細書、Kobayashiの米国特許第7,513,253号明細書、Robinsonらの米国特許第7,726,320号明細書、Hamanoの米国特許第7,896,006号明細書、Shayanの米国特許第6,772,756号明細書、Honの米国特許公開第2009/0095311号明細書、Honの米国特許公開第2006/0196518号明細書、米国特許公開第2009/0126745号明細書および米国特許公開第2009/0188490号明細書、Thorensらの米国特許公開第2009/0272379号明細書、Monseesらの米国特許公開第2009/0260641号明細書および米国特許公開第2009/0260642号明細書、Oglesbyらの米国特許公開第2008/0149118号明細書および米国特許公開第2010/0024834号明細書、Wangの米国特許公開第2010/0307518号明細書ならびにHonの国際公開第2010/091593号パンフレットに記載されているものが含まれる。
【0004】
従来型の紙巻タバコ、葉巻またはパイプの属性の多くに類似する代表的な製品は、Philip Morris Incorporated製のACCORD(R)、InnoVapor LLC製のALPHA(TM)、JOYE 510(TM)およびM4(TM)、White Cloud Cigarettes製のCIRRUS(TM)およびFLING(TM)、Fontem Ventures B.V.製のBLU(TM)、EPUFFER(R)International Inc.製のCOHITA(TM)、COLIBRI(TM)、ELITE CLASSIC(TM)、MAGNUM(TM)、PHANTOM(TM)およびSENSE(TM)、Electronic Cigarettes,Inc.製のDUOPRO(TM)、STORM(TM)およびVAPORKING(R)、Egar Australia製のEGAR(TM)、Joyetech製のeGo-C(TM)およびeGo-T(TM)、Elusion UK Ltd製のELUSION(TM)、Eonsmoke LLC製のEONSMOKE(R)、FIN Branding Group,LLC製のFIN(TM)、Green Smoke Inc.USA製のSMOKE(R)、Greenarette LLC製のGREENARETTE(TM)、SMOKE STIK(R)製のHALLIGAN(TM)、HENDU(TM)、JET(TM)、MAXXQ(TM)、PINK(TM)およびPITBULL(TM)、Philip Morris International,Inc.製のHEATBAR(TM)、Crown7製のHYDRO IMPERIAL(TM)およびLXE(TM)、LOGIC Technology製のLOGIC(TM)およびTHE CUBAN(TM)、Luciano Smokes Inc.製のLUCI(R)、Nicotek,LLC製のMETRO(R)、Sottera,Inc.製のNJOY(R)およびONEJOY(TM)、SS Choice LLC製のNO.7(TM)、PremiumEstore LLC製のPREMIUM ELECTRONIC CIGARETTE(TM)、Ruyan America,Inc.製のRAPP E-MYSTICK(TM)、Red Dragon Products,LLC製のRED DRAGON(TM)、Ruyan Group(Holdings)Ltd.製のRUYAN(R)、Smoker Friendly International,LLC製のSF(R)、The Smart Smoking Electronic Cigarette Company Ltd.製のGREEN SMART SMOKER(R)、Coastline Products LLC製のSMOKE ASSIST(R)、Smoking Everywhere,Inc.製のSMOKING EVERYWHERE(R)、VMR Products LLC製のV2CIGS(TM)、VaporNine LLC製のVAPOR NINE(TM)、Vapor 4 Life,Inc.製のVAPOR4LIFE(R)、E-CigaretteDirect,LLC製のVEPPO(TM)、R.J.Reynolds Vapor Company製のVUSE(R)、Mistic Ecigs製のMISTIC MENTHOL製品、CN Creative Ltd製のVYPE製品、Philip Morris International製のIQOS(TM)、British American Tobacco製のGLO(TM)、Nu Mark LLC製のMARK TEN製品ならびにJuul Labs,Inc.製のJUUL製品として市販されている。さらに他の電動エアロゾル送達デバイス、特にいわゆる電子タバコとして特徴付けられているデバイスは、COOLER VISIONS(TM)、DIRECT E-CIG(TM)、DRAGONFLY(TM)、EMIST(TM)、EVERSMOKE(TM)、GAMUCCI(R)、HYBRID FLAME(TM)、KNIGHT STICKS(TM)、ROYAL BLUES(TM)、SMOKETIP(R)およびSOUTH BEACH SMOKE(TM)の商号の下に市販されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第9,078,473号明細書
【特許文献2】米国特許第7,726,320号明細書
【特許文献3】米国特許第4,735,217号明細書
【特許文献4】米国特許第4,922,901号明細書
【特許文献5】米国特許第4,947,874号明細書
【特許文献6】米国特許第4,947,875号明細書
【特許文献7】米国特許第5,060,671号明細書
【特許文献8】米国特許第5,249,586号明細書
【特許文献9】米国特許第5,388,594号明細書
【特許文献10】米国特許第5,666,977号明細書
【特許文献11】米国特許第6,053,176号明細書
【特許文献12】米国特許第6,164,287号明細書
【特許文献13】米国特許第6,196,218号明細書
【特許文献14】米国特許第6,810,883号明細書
【特許文献15】米国特許第6,854,461号明細書
【特許文献16】米国特許第7,832,410号明細書
【特許文献17】米国特許第7,513,253号明細書
【特許文献18】米国特許第7,896,006号明細書
【特許文献19】米国特許第6,772,756号明細書
【特許文献20】米国特許公開第2009/0095311号明細書
【特許文献21】米国特許公開第2006/0196518号明細書
【特許文献22】米国特許公開第2009/0126745号明細書
【特許文献23】米国特許公開第2009/0188490号明細書
【特許文献24】米国特許公開第2009/0272379号明細書
【特許文献25】米国特許公開第2009/0260641号明細書
【特許文献26】米国特許公開第2009/0260642号明細書
【特許文献27】米国特許公開第2008/0149118号明細書
【特許文献28】米国特許公開第2010/0024834号明細書
【特許文献29】米国特許公開第2010/0307518号明細書
【特許文献30】国際公開第2010/091593号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、デバイスの有用性を拡張し得るような改善された電子機器をエアロゾル送達デバイスに提供することが望ましい場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は、エアロゾルを生成するように構成されたエアロゾル送達デバイスに関し、このエアロゾル送達デバイスは、いくつかの実施形態では、電子タバコまたは非燃焼加熱式タバコと呼ばれ得る。本開示は、限定するものではないが、以下の例示的な実施形態を含む。
【0008】
例示的な実施形態1:エアロゾル送達デバイスであって、電圧を提供するように構成された電源と、固体または半固体であるエアロゾル前駆体組成物を保持するように構造化されたハウジングと、エアロゾル前駆体組成物の成分を加熱して、気化させるように電力供給可能である加熱要素と、電源から加熱要素への電圧を制御して、加熱要素に電力供給するように構成された処理回路と、処理回路に結合され、加熱要素およびエアロゾル前駆体組成物の一方または両方によって放出された赤外線エネルギーを測定するように構成された赤外線温度センサであって、加熱要素およびエアロゾル前駆体組成物の一方または両方によって放出された赤外線エネルギーが、可変であり、加熱要素およびエアロゾル前駆体組成物の一方または両方の温度にそれぞれ比例する赤外線温度センサとを含み、処理回路または赤外線温度センサが、赤外線温度センサによって測定された赤外線エネルギーから、加熱要素またはエアロゾル前駆体組成物の温度を決定するように構成され、処理回路が、温度が所定の目標から逸脱したときに電源から加熱要素への電圧を調整するように構成されるエアロゾル送達デバイス。
【0009】
例示的な実施形態2:ハウジングが、エアロゾル前駆体組成物を備える固体基材であるエアロゾル前駆体組成物を保持するように構造化され、加熱要素が、エアロゾル前駆体組成物を揮発させるように電力供給可能である、例示的な実施形態1のエアロゾル送達デバイス。
【0010】
例示的な実施形態3:使い捨て可能および棒形状であり、エアロゾル前駆体組成物を含むエアロゾル源部材を保持するように、ハウジングが構造化される、例示的な実施形態1または例示的な実施形態2のエアロゾル送達デバイス。
【0011】
例示的な実施形態4:赤外線温度センサが、エアロゾル源部材の外面、ひいてはエアロゾル前駆体組成物から放出された赤外線エネルギーを測定するように構成される、例示的な実施形態3のエアロゾル送達デバイス。
【0012】
例示的な実施形態5:電源から加熱要素への電圧を調整するように構成された処理回路が、温度が所定の目標をそれぞれ下回るか上回るときに電源から加熱要素への電圧を増加または減少させるように構成された処理回路を含む、例示的な実施形態1から4のいずれかのエアロゾル送達デバイス。
【0013】
例示的な実施形態6:電源と加熱要素とに結合され、電源と加熱要素との間のスイッチをさらに備え、電圧を制御するように構成された処理が、パルス幅変調(PWM)信号を出力して、スイッチに加熱要素への電圧を切り替え可能に接続および切断させて、加熱要素に電力供給させるように構成された処理回路を含み、電圧を調整するように構成された処理回路が、温度が所定の目標から逸脱したときにPWM信号のデューティサイクルを調整するように構成された処理回路を含む例示的な実施形態1から5のいずれかのエアロゾル送達デバイス。
【0014】
例示的な実施形態7:PWM信号のデューティサイクルを調整するように構成された処理回路が、温度が所定の目標をそれぞれ下回るか上回るときにデューティサイクルを増加または減少させるように構成された処理回路を含む、例示的な実施形態6のエアロゾル送達デバイス。
【0015】
例示的な実施形態8:赤外線温度センサが、赤外線エネルギーを対応する電気信号に変換するようにさらに構成され、処理回路が、対応する電気信号を加熱要素またはエアロゾル前駆体組成物の温度にマッピングする関数に、対応する電気信号を入力するように構成され、ひいては処理回路が、加熱要素またはエアロゾル前駆体組成物の温度を決定するように構成される、例示的な実施形態1から7のいずれかのエアロゾル送達デバイス。
【0016】
例示的な実施形態9:赤外線温度センサが、加熱要素が電力供給されていないときに加熱要素またはエアロゾル前駆体組成物によって放出された周囲赤外線エネルギー(ambient infrared energy)を測定するように構成され、処理回路が、赤外線温度センサによって測定された周囲赤外線エネルギーから、加熱要素またはエアロゾル前駆体組成物の周囲温度を決定するように構成され、関数が、電気信号と温度との間の関係を定義し、処理回路によって決定された周囲温度を補償する、例示的な実施形態8のエアロゾル送達デバイス。
【0017】
例示的な実施形態10:赤外線温度センサが、加熱要素が電力供給されている加熱期間の合間に、加熱要素が電力供給されていないときに加熱要素またはエアロゾル前駆体組成物によって放出された周囲赤外線エネルギーを周期的に測定するように構成され、処理回路が、赤外線温度センサによって測定された周囲赤外線エネルギーから、加熱要素またはエアロゾル前駆体組成物の周囲温度を周期的に決定するように構成される、例示的な実施形態9のエアロゾル送達デバイス。
【0018】
例示的な実施形態11:ハウジングの少なくとも一部を通る空気流によって引き起こされる圧力を測定し、圧力を対応する信号に変換するように構成されたセンサをさらに備え、処理回路が、対応する信号を受信し、それに応答して加熱期間を開始するようにさらに構成され、処理回路が、電源から加熱要素への電圧を制御して、加熱期間中に加熱要素に電力供給するように構成される例示的な実施形態1から10のいずれかのエアロゾル送達デバイス。
【0019】
例示的な実施形態12:ハウジングの少なくとも一部を通る空気流によって引き起こされる圧力を測定するように構成されたセンサをさらに備え、目標が、そのように測定された圧力に従って可変である、例示的な実施形態1から11のいずれかのエアロゾル送達デバイス。
【0020】
例示的な実施形態13:赤外線温度センサが、エアロゾル前駆体組成物によって放出された赤外線エネルギーを測定するように構成され、赤外線温度センサが、エアロゾル前駆体組成物の複数の区画によって放出された赤外線エネルギーを測定するように構成された複数の光検出器を含み、処理回路または赤外線温度センサが、複数の光検出器によって測定された赤外線エネルギーから、エアロゾル前駆体組成物の複数の区画の温度を決定するように構成され、処理回路が、温度の平均が所定の目標から逸脱したときに電圧を調整するように構成される、例示的な実施形態1から12のいずれかのエアロゾル送達デバイス。
【0021】
例示的な実施形態14:加熱要素を含む複数の加熱要素を有するセグメント化されたヒータをさらに備え、複数の加熱要素が、エアロゾル前駆体組成物の複数の区画を加熱するように電力供給可能である、例示的な実施形態1から13のいずれかのエアロゾル送達デバイス。
【0022】
例示的な実施形態15:複数の加熱要素の加熱要素が、エアロゾル前駆体組成物に沿って長手方向に物理的に分離し離隔された導電性プロングである、例示的な実施形態14のエアロゾル送達デバイス。
【0023】
例示的な実施形態16:処理回路が、電源から加熱要素への電圧を制御して、加熱要素に同時に電力供給して、エアロゾル前駆体組成物の複数の区画のうちのそれぞれの区画を加熱するように構成される、例示的な実施形態14または例示的な実施形態15のエアロゾル送達デバイス。
【0024】
例示的な実施形態17:複数の加熱要素の加熱要素が、別個に電力供給可能であり、処理回路が、電源から加熱要素のうちの1つ以上への電圧を別個に制御して、加熱要素のうちの1つ以上に電力供給して、エアロゾル前駆体組成物の複数の区画のうちのそれぞれの1つ以上の区画を加熱するように構成され、複数の加熱要素のうちの任意の他の加熱要素が、同時に電力供給されない、例示的な実施形態14から16のいずれかのエアロゾル送達デバイス。
【0025】
例示的な実施形態18:赤外線温度センサが、複数の光検出器を含み、複数の光検出器の各光検出器が、複数の加熱要素のうちのそれぞれの加熱要素によって、またはそれぞれの加熱要素が加熱するために電力供給可能である、エアロゾル前駆体組成物の複数の区画のうちの一区画によって放出された赤外線エネルギーを測定するように構成される、例示的な実施形態14から17のいずれかのエアロゾル送達デバイス。
【0026】
例示的な実施形態19:エアロゾル前駆体組成物の各光検出器および区画について、処理回路または赤外線温度センサが、光検出器によって測定された赤外線エネルギーから、それぞれの加熱要素または区画の温度を決定するように構成され、処理回路が、区画の温度が区画の所定の目標から逸脱したときに電源からそれぞれの加熱要素への電圧を調整するように構成される、例示的な実施形態18のエアロゾル送達デバイス。
【0027】
例示的な実施形態20:区画の所定の目標が、複数の区画にわたって共通である、例示的な実施形態19のエアロゾル送達デバイス。
【0028】
例示的な実施形態21:区画の所定の目標が、複数の区画のうちの少なくとも2つについて異なる、例示的な実施形態19または例示的な実施形態20のエアロゾル送達デバイス。
【0029】
例示的な実施形態22:処理回路が、温度が閾値温度よりも高いときに加熱要素のロックアウトを実行するようにさらに構成される、例示的な実施形態1から21のいずれかのエアロゾル送達デバイス。
【0030】
例示的な実施形態23:赤外線温度センサが、加熱要素が電力供給されていないときにエアロゾル前駆体組成物によって放出された周囲赤外線エネルギーを測定するように構成され、処理回路が、赤外線温度センサによって測定された周囲赤外線エネルギーから、エアロゾル前駆体組成物の周囲温度を決定し、周囲温度と、真正のエアロゾル前駆体組成物の既知の周囲温度との比較に基づいて、エアロゾル前駆体組成物の認証を行うように構成される、例示的な実施形態1から22のいずれかのエアロゾル送達デバイス。
【0031】
例示的な実施形態24:処理回路が、認証に基づいてエアロゾル送達デバイスのロック状態を変更するようにさらに構成される、例示的な実施形態23のエアロゾル送達デバイス。
【0032】
本開示のこれらおよび他の特徴、態様および利点は、以下に簡単に説明する添付の図面とともに、以下の詳細な説明を読むことにより明らかになるであろう。本開示は、そのような特徴または要素が本明細書に記載の特定の例示的な実施形態において明示的に組み合わされているか、そうでなければ列挙されているかどうかにかかわらず、本開示に記載された2つ、3つ、4つまたはそれ以上の特徴または要素の任意の組合せを含む。本開示は、本開示の文脈が明らかに他のことを指示しない限り、その態様および例示的な実施形態のいずれかにおいて、本開示の任意の分離可能な特徴または要素が組合せ可能に見えるように全体的に読み取られることを意図している。
【0033】
したがって、この概要は、本開示のいくつかの態様の基本的な理解を提供するために、いくつかの例示的な実施形態を要約する目的のためにのみ提供されることが理解されるであろう。したがって、上記の例示的な実施形態は単なる例であり、決して本開示の範囲または趣旨を狭めると解釈されるべきではないことが理解されるであろう。他の例示的な実施形態、態様および利点は、いくつかの説明された例示的な実施形態の原理を例として示す添付の図面と併せて、以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【0034】
本開示の態様は上述の一般的な用語で記載しており、添付の図面をこれから参照するが、これらの図面は必ずしも縮尺通りに描かれていない。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1】本開示の例示的な実施形態による、互いに結合されたカートリッジおよび制御本体を含むエアロゾル送達デバイスの斜視図を示す。
【
図2】例示的な実施形態による、カートリッジおよび制御本体が互いに分離されている、
図1のエアロゾル送達デバイスの部分断面図である。
【
図3】本開示の別の例示的な実施形態による、互いに結合されている制御本体およびエアロゾル源部材を含むエアロゾル送達デバイスの斜視図を示す。
【
図4】本開示の別の例示的な実施形態による、互いに分離されている制御本体およびエアロゾル源部材を含むエアロゾル送達デバイスの斜視図を示す。
【
図5】例示的な実施形態による、
図3および
図4のエアロゾル送達デバイスの正面図を示す。
【
図6】例示的な実施形態による、
図3および
図4のエアロゾル送達デバイスの断面図を示す。
【
図7】別の例示的な実施形態によるエアロゾル送達デバイスの断面図を示す。
【
図8】本開示の様々な例示的な実施形態によるエアロゾル送達デバイスの回路図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0036】
本開示は、以下、その例示的な実施形態を参照して、さらに詳細に記載される。これらの例示的な実施形態は、本開示が徹底的かつ完全になり、本開示の範囲を当業者に完全に伝えるように記載される。実際、本開示は、多くの異なる形態で具体化されてもよく、本明細書に記載の実施形態に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が、適用される法的要件を満たすように提供される。本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、「その(the)」などは、文脈上他に明確に指示されない限り、複数の指示対象を含む。また、本明細書では定量的尺度、値、形状的関係などを参照することがあるが、別段の記載がない限り、これらのすべてではないにしてもいずれか1つ以上のものは、技術的な許容範囲などによるものなど、起こり得る許容可能な変形例を説明するように絶対的または近似的であり得る。
【0037】
以下に記載されるように、本開示の例示的な実施形態は、エアロゾル送達デバイスに関する。本開示によるエアロゾル送達デバイスは、(好ましくは、材料を著しく燃焼させることなく)材料を加熱して吸入可能な物質を形成するために、電気エネルギーを使用する。そのようなシステムの構成要素は、最も好ましくは手持ち式デバイスと見なすのに十分に小型の物品の形態を有する。すなわち、エアロゾルが主にタバコの燃焼または熱分解の副産物から生じるという意味では、好ましいエアロゾル送達デバイスの構成要素を使用しても煙が生成されず、むしろそれらの好ましいシステムを使用すると、その中に組み込まれた特定の成分の揮発または気化に起因する蒸気が生成される。いくつかの例示的な実施形態では、エアロゾル送達デバイスの構成要素は、電子タバコとして特徴付けられてもよく、これらの電子タバコは、最も好ましくは、タバコおよび/またはタバコ由来成分を組み込み、ひいてはエアロゾル形態のタバコ由来成分を送達する。
【0038】
特定の好ましいエアロゾル送達デバイスのエアロゾル生成構成要素は、そのいかなる成分も実質的に燃焼することなく、タバコを点火し燃焼させることによって(ひいては、タバコの煙を吸い込むことによって)使用される紙巻タバコ、葉巻またはパイプを喫煙するという数々の感覚(例えば、吸入および呼気の形式、味または香味の種類、感覚刺激効果、物理的感触、使用形式、目に見えるエアロゾルによってもたらされるような視覚的刺激など)をもたらし得る。例えば、本開示のいくつかの例示的な実施形態によるエアロゾル送達デバイスのユーザは、喫煙者が従来型の喫煙品を使用するのと同じように、その構成要素を保持し使用し、その構成要素によって生成されたエアロゾルを吸入するためにその構成要素の一端を吸い、選択された時間間隔で吹かしたりすることができる。
【0039】
システムは、一般に、例えば、いわゆる「電子タバコ」「タバコ加熱製品」などのエアロゾル送達デバイスに関連する実施形態に関して本明細書に記載されているが、機構、構成要素、特徴および方法は、多くの異なる形態で具現化され、様々な物品に関連付けられてもよいことを理解されたい。例えば、本明細書に提供される説明は、従来の喫煙品(例えば、紙巻タバコ、葉巻、パイプなど)、非燃焼加熱式タバコ、および本明細書に開示される製品のいずれかのための関連する梱包の実施形態と組み合わせて使用され得る。したがって、本明細書に開示される機構、構成要素、特徴および方法の説明は、エアロゾル送達デバイスに関する実施形態に関して単なる例として論じられ、様々な他の製品および方法で具現化および使用され得ることを理解されたい。
【0040】
本開示のエアロゾル送達デバイスはまた、蒸気生成物品または薬剤送達物品として特徴付けられ得る。したがって、そのような物品またはデバイスは、吸入可能な形態または状態で、1つ以上の物質(例えば、香味および/または薬学的活性成分)を提供するように適合され得る。例えば、吸入可能な物質は、実質的に蒸気の形態(すなわち、その臨界点よりも低い温度で気相にある物質)であり得る。あるいは、吸入可能な物質は、エアロゾルの形態(すなわち、気体中の微細固体粒子または液滴の懸濁)であり得る。分かりやすくするために、本明細書で使用される用語「エアロゾル」は、目に見えるかどうか、また煙状であると見なされ得る形態であるかどうかに関わりなく、人間の吸入に適した形態または種類の蒸気、気体およびエアロゾルを含むことを意味する。
【0041】
本開示のエアロゾル送達デバイスは、使用時に、従来の種類の喫煙品(例えば、タバコを点火し、吸入することによって使用される紙巻タバコ、葉巻またはパイプ)を使用する際に個人によって使用される多くの物理的アクションを受け得る。例えば、本開示のエアロゾル送達デバイスのユーザは、従来の種類の喫煙品のようにその物品を保持し、その物品によって生成されたエアロゾルを吸入するためにその物品の一端を吸い、選択された時間間隔で吹かす等々を行うことができる。
【0042】
本開示のエアロゾル送達デバイスは、一般に、本体またはシェルと呼ばれ得る外側ハウジング内に設けられた多数の構成要素を含む。ハウジングの全体的な設計は様々であり得、エアロゾル送達デバイスの全体的な寸法および形状を画定することができるハウジングの形式または構成は様々であり得る。典型的には、紙巻タバコまたは葉巻の形状に類似する細長い本体が、単一の一体型のハウジングから形成されてもよいか、細長いハウジングが、2つ以上の分離可能な本体から形成されてもよい。例えば、エアロゾル送達デバイスは、形状が実質的に管状であり得、従来の紙巻タバコまたは葉巻の形状に類似し得る細長いハウジングを含むことができる。一例では、エアロゾル送達デバイスのあらゆる構成要素が、1つのハウジング内に含まれる。あるいは、エアロゾル送達デバイスは、接合され分離可能な2つ以上のハウジングを含むことができる。例えば、エアロゾル送達デバイスは、1つ以上の再使用可能な構成要素(例えば、アキュムレータ、例えば、再充電可能電池、再充電可能スーパーキャパシタ、固体電池(SSB)、薄膜SSB、リチウムイオンスーパーキャパシタまたはハイブリッドリチウムイオンスーパーキャパシタ、およびその物品の動作を制御するための様々な電子機器)を含むハウジングを含む制御本体を一端に有し、使い捨て可能部分(例えば、使い捨て可能な香味含有カートリッジ)を含む外側本体またはシェルを他端に取り外し可能に結合可能に有することができる。単一ハウジングタイプのユニット内または複数部品の分離可能ハウジングタイプのユニット内の構成要素のさらに具体的な形式、構成および配置は、本明細書に提供されるさらなる開示に照らして明らかになるであろう。さらに、市販の電子エアロゾル送達デバイスを考慮して、様々なエアロゾル送達デバイスの設計と構成要素の構成とを理解することができる。例えば、British American Tobacco製のGLO(TM)およびPhilip Morris International,Inc.製のIQOS(TM)で使用されるような、紙巻タバコのパック、および形状要因に一般的に近似する形状および寸法を有するデバイスハウジングを含む代替的な非管状ハウジング形状要因も使用することができることが理解されるであろう。
【0043】
以下にさらに詳細に説明されるように、本開示のエアロゾル送達デバイスは、電源(すなわち、電気的なパワー源)、少なくとも1つの制御構成要素(例えば、電源からエアロゾル送達デバイスの他の構成要素への電流の流れを制御することなどによって、発熱のための電力を作動、制御、調整および停止するための手段)、加熱要素(例えば、電気抵抗加熱要素または他の構成要素および/または誘導コイルまたは他の関連構成要素および/または1つ以上の輻射加熱要素)、および十分な熱を加えるとエアロゾルを生じることができるエアロゾル前駆体組成物(例えば、固体タバコ材料、半固体タバコ材料または液体エアロゾル前駆体組成物)、およびエアロゾル吸入のためにエアロゾル送達デバイスを吸引することを可能にするマウスエンド領域または先端(例えば、生成されたエアロゾルが吸引によりそこから引き出され得るように、物品を通る画定された空気流路)の何らかの組合せを含む。いくつかの実施形態では、電源は、単一の電池または単一の電池セルを含む。電源は、電気を熱に変換し、それによってエアロゾル前駆体組成物の成分を気化させるように構成された加熱要素に電力供給することができる。
【0044】
本開示のエアロゾル送達デバイス内の構成要素の位置合わせは様々であり得る。特定の実施形態では、エアロゾル前駆体組成物は、ユーザの口に近接して配置されるように構成され得るエアロゾル送達デバイスの端部の近くに配置されて、ユーザへのエアロゾル送達を最大にすることができる。ただし、他の構成は除外されない。一般に、加熱要素からの熱がエアロゾル前駆体(ならびに、同様に、ユーザへの送達のために提供され得る1つ以上の香味料、医薬品など)を揮発させ、ユーザに送達するためのエアロゾルを形成することができるように、エアロゾル前駆体組成物の十分近くに加熱要素が配置され得る。加熱要素がエアロゾル前駆体組成物を加熱すると、消費者による吸入に適した物理的形態でエアロゾルが形成、放出または生成される。前述の用語は、放出する(release)、放出する(releasing)、放出する(releases)または放出された(released)への言及が、形成するまたは生成する(form or generate)、形成するまたは生成する(forming or generating)、形成するまたは生成する(forms or generates)および形成されたまたは生成された(formed or generated)を含むように言い換え可能であることを意味することに留意すべきである。具体的には、吸入可能な物質は、蒸気もしくはエアロゾルまたはそれらの混合物の形態で放出され、このような用語も、別段の定めがない限り、本明細書では交換可能に使用される。
【0045】
上述したように、エアロゾル送達デバイスは、電池、スーパーキャパシタ、SSBまたは他の電源を組み込んで、加熱要素の電力供給、制御システムの電力供給、インディケータの電力供給などのように、エアロゾル送達デバイスに様々な機能を提供するのに十分な電流を提供してもよい。電源は、様々な実施形態をとることができる。好ましくは、電源は、加熱要素を急速にアクティブ化させるのに十分な電力を送達してエアロゾルを形成し、所望の持続時間にわたる使用を通してエアロゾル送達デバイスに電力供給することができる。電源は、好ましくは、エアロゾル送達デバイスを容易に取り扱うことができるように、エアロゾル送達デバイス内に都合よく適合するような大きさである。さらに、好ましい電源は、望ましい喫煙経験を損なわないように十分軽量である。
【0046】
本開示のエアロゾル送達デバイス内の構成要素のさらに具体的な形式、構成および配置は、以下に提供されるさらなる開示に照らして明らかになるであろう。さらに、市販の電子エアロゾル送達デバイスを考慮して、様々なエアロゾル送達デバイス構成要素の選択を理解することができる。さらに、市販の電子エアロゾル送達デバイスを考慮して、エアロゾル送達デバイス内の構成要素の構成を理解することもできる。
【0047】
以下に記載されるように、本開示はエアロゾル送達デバイスに関する。エアロゾル送達デバイスは、エアロゾル前駆体組成物(時に吸入可能な物質媒体と呼ばれる)を加熱して、エアロゾル(吸入可能な物質)を生成するように構成されてもよい。エアロゾル前駆体組成物は、固体タバコ材料、半固体タバコ材料または液体エアロゾル前駆体組成物のうちの1つ以上を含んでもよい。いくつかの実施形態では、エアロゾル送達デバイスは、流体エアロゾル前駆体組成物(例えば液体エアロゾル前駆体組成物)を加熱し、流体エアロゾル前駆体組成物(例えば液体エアロゾル前駆体組成物)からエアロゾルを生成するように構成されてもよい。そのようなエアロゾル送達デバイスには、いわゆる電子タバコが含まれ得る。他の実施形態では、エアロゾル送達デバイスは、非燃焼加熱式デバイスを含んでもよい。
【0048】
蒸気前駆体組成物または「e-リキッド(e-liquid)」とも呼ばれる液体エアロゾル前駆体組成物は、電子タバコおよび非加熱非燃焼デバイス、ならびに吸入可能なエアロゾルを生成するために液体を霧化またはそうでなければエアロゾル化する他のデバイスに特に有用である。液体エアロゾル前駆体組成物は、例えば、多価アルコール(例えば、グリセリン、プロピレングリコールまたはそれらの混合物)、ニコチン、タバコ、タバコ抽出物および/または香味料を含む様々な成分を含んでもよい。いくつかの例では、エアロゾル前駆体組成物は、グリセリンおよびニコチンを含む。
【0049】
様々な実施形態と組み合わせて使用され得るいくつかの液体エアロゾル前駆体組成物は、1つ以上の酸、例えば、レブリン酸、コハク酸、乳酸、ピルビン酸、安息香酸、フマル酸、それらの組合せなどを含んでもよい。ニコチンを含む液体エアロゾル前駆体組成物に酸を含めることにより、塩形態のニコチンを含むプロトン化液体エアロゾル前駆体組成物を提供してもよい。代表的な種類の液体エアロゾル前駆体成分および製剤は、Robinsonらの米国特許第7,726,320号明細書、Chongらの米国特許第9,254,002号明細書、およびZhengらの米国特許出願公開第2013/0008457号明細書、Lipowiczらの米国特許出願公開第2015/0020823号明細書、およびKollerの米国特許出願公開第2015/0020830号明細書、ならびにBowenらのPCT特許出願公開国際公開第2014/182736号パンフレットおよびCollettらの米国特許第8,881,737号明細書に記載され、特徴付けられており、これらの開示は参照により本明細書に組み込まれる。使用され得る他のエアロゾル前駆体には、上記で特定された多数の代表的な製品のいずれかに組み込まれたエアロゾル前駆体が含まれる。Johnson Creek Enterprises LLCから入手可能な、電子タバコ用のいわゆる「スモークジュース(smoke juice)」も望ましい。さらに別の例示的なエアロゾル前駆体組成物は、BLACK NOTE、COSMIC FOG、THE MILKMAN E-LIQUID、FIVE PAWNS、THE VAPOR CHEF、VAPE WILD、BOOSTED、THE STEAM FACTORY、MECH SAUCE、CASEY JONES MAINLINE RESERVE、MITTEN VAPORS、DR.CRIMMY’S V-LIQUID、SMILEY E LIQUID、BEANTOWN VAPOR、CUTTWOOD、CYCLOPS VAPOR、SICBOY、GOOD LIFE VAPOR、TELEOS、PINUP VAPORS、SPACE JAM、MT.BAKER VAPORおよびJIMMY THE JUICE MANの商標名の下に販売されている。エアロゾル前駆体とともに発泡性材料の実施形態が使用され得、発泡性材料の実施形態は、例えば、参照により本明細書に組み込まれるHuntらの米国特許出願公開第2012/0055494号明細書に記載されている。さらに、発泡性材料の使用は、例えば、いずれも参照により本明細書に組み込まれるNiaziらの米国特許第4,639,368号明細書、Wehlingらの米国特許第5,178,878号明細書、Wehlingらの米国特許第5,223,264号明細書、Patherらの米国特許第6,974,590号明細書、Bergquistらの米国特許第7,381,667号明細書、Crawfordらの米国特許第8,424,541号明細書、Stricklandらの米国特許第8,627,828号明細書およびSunらの米国特許第9,307,787号明細書、ならびにBrinkleyらの米国特許出願公開第2010/0018539号明細書およびJohnsonらのPCT特許出願公開国際公開第97/06786号パンフレットに記載されている。
【0050】
エアロゾル前駆体組成物は、追加的または代替的に、限定するものではないが、植物成分(例えば、ラベンダー、ペパーミント、カモミール、バジル、ローズマリー、タイム、ユーカリ、ショウガ、カンナビス、人参、マカおよびティザーヌ)、刺激剤(例えば、カフェインおよびガラナ)、アミノ酸(例えば、タウリン、テアニン、フェニルアラニン、チロシンおよびトリプトファン)および/または医薬成分、栄養補助食品成分および薬用成分(例えば、ビタミン、例えば、B6、B12およびC、ならびにカンナビノイド、例えば、テトラヒドロカンナビノール(THC)およびカンナビジオール(CBD)を含む他の活性成分を含んでもよい。
【0051】
エアロゾル前駆体を支持するための代表的な種類の基材、リザーバまたは他の構成要素は、いずれも参照により本明細書に組み込まれるNewtonの米国特許第8,528,569号明細書、Chapmanらの米国特許出願公開第2014/0261487号明細書、Davisらの米国特許出願公開第2015/0059780号明細書およびBlessらの米国特許出願公開第2015/0216232号明細書に記載されている。さらに、様々なウィッキング材料ならびに特定の種類の電子タバコ内のそれらのウィッキング(wicking)材料の構成および動作は、参照により本明細書に組み込まれるSearsらの米国特許第8,910,640号明細書に記載されている。
【0052】
他の実施形態では、エアロゾル送達デバイスは、固体エアロゾル前駆体組成物(例えば押出タバコロッド)または半固体エアロゾル前駆体組成物(例えばグリセリン添加タバコペースト)を加熱するように構成された非燃焼加熱式デバイスを含んでもよい。エアロゾル前駆体組成物は、タバコ含有ビーズ、タバコ細断片、タバコ細片、再構成されたタバコ材料もしくはそれらの組合せ、および/または微粉砕タバコの混合物、タバコ抽出物、噴霧乾燥タバコ抽出物、または任意選択の無機材料(炭酸カルシウムなど)、任意選択の香味およびエアロゾル形成材料と混合されて実質的に固体もしくは成形可能な(例えば押し出し可能な)基材を形成する他のタバコ形態を含み得る。代表的な種類の固体および半固体エアロゾル前駆体組成物および製剤は、いずれも参照により本明細書に組み込まれるThomasらの米国特許第8,424,538号明細書、Sebastianらの米国特許第8,464,726号明細書、Connerらの米国特許出願公開第2015/0083150号明細書、Ademeらの米国特許出願公開第2015/0157052号明細書およびNordskogらの米国特許出願公開第2017/0000188号明細書に開示されている。さらなる代表的な種類の固体および半固体エアロゾル前駆体組成物および構成には、British American Tobacco製のGLO(TM)製品用のNEOSTIKS(TM)消耗可能エアロゾル源部材、およびPhilip Morris International,Inc.製のIQOS(TM)製品用のHEETS(TM)消耗可能エアロゾル源部材に見られるものが含まれる。
【0053】
様々な実施形態では、吸入可能な物質は、具体的には、タバコ成分またはタバコ由来材料(すなわち、タバコから直接単離され得る、タバコ中に天然に見出される材料、または合成的に調製される材料)であり得る。例えば、エアロゾル前駆体組成物は、不活性基材と組み合わされたタバコ抽出物またはその画分を含み得る。エアロゾル前駆体組成物は、燃焼温度よりも低い温度に加熱されると吸入可能な物質を放出する未燃焼(unburned)タバコまたは未燃焼タバコを含む組成物をさらに含み得る。いくつかの実施形態では、エアロゾル前駆体組成物は、タバコ凝縮物またはその画分(すなわち、タバコの燃焼によって生成され、香味およびおそらくニコチンを残す、煙の凝縮成分)を含み得る。
【0054】
本開示に有用なタバコ材料は様々であり得、例えば、黄色種タバコ、バーレータバコ、オリエンタルタバコもしくはメリーランドタバコ、ダークタバコ、黒煙(dark-fired)タバコおよびラスチカタバコ、ならびに他の希有もしくは特製タバコ、またはそれらのブレンドを含み得る。タバコ材料はまた、いわゆる「ブレンド」形態および加工済み形態、例えば、加工済みタバコステム(例えば、カットロールステムまたはカットパフステム)、体積膨張タバコ(例えば、有利にはカットフィラー形態のパフタバコ、例えば、ドライアイス膨張タバコ(DIET))、再構成されたタバコ(例えば、紙形成タイプ加工またはキャストシートタイプ加工を使用して製造された再構成されたタバコ)を含み得る。様々な代表的なタバコの種類、加工された種類のタバコ、およびタバコブレンドの種類は、参照により本明細書に組み込まれるLawsonらの米国特許第4,836,224号明細書、Perfettiらの米国特許第4,924,888号明細書、Brownらの米国特許第5,056,537号明細書、Brinkleyらの米国特許第5,159,942号明細書、Gentryの米国特許第5,220,930号明細書、Blakleyらの米国特許第5,360,023号明細書、Shaferらの米国特許第6,701,936号明細書、Liらの米国特許第7,011,096号明細書およびLiらの米国特許第7,017,585号明細書、Lawsonらの米国特許第7,025,066号明細書、Perfettiらの米国特許出願公開第2004/0255965号明細書、BeremanのPCT特許出願公開国際公開第02/37990号パンフレットならびにBombickらのFund.Appl.Toxicol.,39,p.11-17(1997)に記載されている。本開示によるものを含め、喫煙デバイスに有用であり得るさらなる例示的なタバコ組成物が、参照により本明細書に組み込まれるRobinsonらの米国特許第7,726,320号明細書に開示されている。
【0055】
さらに、エアロゾル前駆体組成物は、吸入可能な物質またはその前駆体が内部に組み込まれているか、そうでなければその上に堆積されている不活性基材を含んでもよい。例えば、吸入可能な物質を含む液体が、不活性基材上にコーティングされるか、不活性基材に吸収または吸着されてもよく、その結果、熱を加えると、吸入可能な物質が、正圧または負圧の印加により本発明の物品から引き出され得る形態で放出される。いくつかの態様では、エアロゾル前駆体組成物は、カットフィラー形態の風味豊かな芳香性タバコのブレンドを含んでもよい。別の態様では、エアロゾル前駆体組成物は、その開示が参照により本明細書に組み込まれるPryorらの米国特許第4,807,809号明細書、Pryorらの米国特許第4,889,143号明細書およびRakerの米国特許第5,025,814号明細書に記載されているような再構成されたタバコ材料を含んでもよい。好適なエアロゾル前駆体組成物に関するさらなる情報については、参照により本明細書に組み込まれる、2018年3月9日に出願されたSurらの米国特許出願番号第15/916,834号明細書を参照されたい。
【0056】
加熱されるエアロゾル前駆体組成物の種類にかかわらず、エアロゾル送達デバイスは、エアロゾル前駆体組成物を加熱するように構成された加熱要素を含んでもよい。いくつかの実施形態では、加熱要素は誘導ヒータである。そのようなヒータは、多くの場合、誘導送信機および誘導受信機を含む。誘導送信機は、交流電流がそれを通って導かれる際に振動磁場(例えば、時間とともに周期的に変化する磁場)を形成するように構成されたコイルを含んでもよい。誘導受信機は、誘導送信機内に少なくとも部分的に配置または受容されてもよく、導電性材料(例えば、強磁性材料またはアルミニウム被覆材料)を含んでもよい。誘導送信機に交流電流を導くことによって、誘導を介して誘導受信機に渦電流が生成され得る。誘導受信機を画定する材料の抵抗を通って流れる渦電流は、ジュール加熱によって(すなわち、ジュール効果によって)それを加熱し得る。噴霧器を画定し得る誘導受信機は、無線加熱されて、誘導受信機に近接して配置されたエアロゾル前駆体組成物からエアロゾルを形成してもよい。誘導ヒータを有するエアロゾル送達デバイスの様々な実施形態は、いずれも参照により本明細書に組み込まれるDavisらの米国特許出願公開第2017/0127722号明細書、Surらの米国特許出願公開第2017/0202266号明細書、2016年11月15日に出願されたSurらの米国特許出願番号第15/352,153号明細書、2017年10月31日に出願されたSebastianらの米国特許出願番号第15/799,365号明細書およびSurの米国特許出願番号第15/836,086号明細書に記載されている。
【0057】
本明細書でさらに詳細に説明されるものを含む他の実施形態では、加熱要素は、電気抵抗ヒータの場合のような導電性ヒータである。これらのヒータは、それを通って電流が導かれると熱を生成するように構成されてもよい。様々な実施形態では、導電性ヒータは、箔、発泡体、プレート、ディスク、螺旋、繊維、ワイヤ、フィルム、糸、細片、リボンまたは円筒の形態など、様々な形態で設けられてもよい。そのようなヒータは金属材料を含むことが多く、電流の通過に関連する電気抵抗の結果として熱を生成するように構成される。そのような抵抗ヒータは、エアロゾル前駆体組成物に近接して配置され、エアロゾル前駆体組成物を加熱してエアロゾルを生成してもよい。本開示とともに使用可能であり得る様々な導電性基材は、上に引用したGriffithらの米国特許出願公開第2013/0255702号明細書に記載されている。好適なヒータの他の例は、参照により本明細書に組み込まれるDePianoらの米国特許第9,491,974号明細書に記載されている。
【0058】
いくつかの実施形態では、エアロゾル送達デバイスは、いわゆる電子タバコの場合には制御本体およびカートリッジ、または非燃焼加熱式デバイスの場合には制御本体およびエアロゾル源部材を含んでもよい。電子タバコまたは非燃焼加熱式デバイスのいずれかの場合、制御本体は再使用可能であり得るが、カートリッジ/エアロゾル源部材は、限られた数の使用のために構成されてもよく、および/または使い捨て可能であるように構成されてもよい。カートリッジ/エアロゾル源部材は、エアロゾル前駆体組成物を含んでもよい。エアロゾル前駆体組成物を加熱するために、加熱要素は、例えば、制御本体およびカートリッジにわたって、またはエアロゾル源部材が配置され得る制御本体内で、エアロゾル前駆体組成物と接触してまたはエアロゾル前駆体組成物に近接して配置されてもよい。制御本体は、再充電可能または交換式であってよい電源を含んでもよく、それによって、制御本体が、複数のカートリッジ/エアロゾル源部材とともに再使用されてもよい。
【0059】
制御本体はまた、デバイスの手動制御のために、エアロゾル送達デバイスをアクティブ化させる手段、例えば、押しボタン、接触感応面などを含んでもよい。追加的または代替的に、制御本体は、ユーザがカートリッジ/エアロゾル源部材を吸引して、それによってエアロゾル送達デバイスをアクティブ化させる時を検出するための流量センサを含んでもよい。
【0060】
様々な実施形態では、本開示によるエアロゾル送達デバイスは、限定するものではないが、実質的に棒状、棒形状、または実質的に管形状、または実質的に円筒形状として画定され得る全体形状を含む様々な全体形状を有し得る。添付の図面に示され、添付の図面を参照して説明される実施形態では、エアロゾル送達デバイスは、実質的に円形の断面を有するが、他の断面形状(例えば、楕円形、正方形、長方形、三角形など)も本開示に包含される。物品の物理的形状を説明するそのような言語は、制御本体およびカートリッジ/エアロゾル源部材を含む、その個々の構成要素にも適用され得る。他の実施形態では、制御本体は、小さな箱形など、別の手持ち形をとり得る。
【0061】
さらに特定の実施形態では、制御本体およびカートリッジ/エアロゾル源部材の一方または両方は、使い捨て可能であるか、再使用可能であると称され得る。例えば、制御本体は、交換式電池または再充電可能電池、SSB、薄膜SSB、再充電可能スーパーキャパシタ、リチウムイオンスーパーキャパシタまたはハイブリッドリチウムイオンスーパーキャパシタなどの電源を有してもよい。電源の一例は、ドイツのTadiran Batteries GmbHによって製造されるTKI-1550再充電可能リチウムイオン電池である。別の実施形態では、有用な電源は、日本のSanyo Electric Company,Ltd.によって製造されるN50-AAA CADNICAニッケルカドミウム電池であり得る。他の実施形態では、例えば、それぞれ1.2ボルトを提供する複数のそのような電池が直列に接続されてもよい。
【0062】
いくつかの例では、そして、電源は、任意の種類の再充電技術に接続され、それによって任意の種類の再充電技術と組み合わされてもよい。好適な充電器の例には、電源に定電流電力またはパルス直流(DC)電力を単に供給する充電器、制御回路を追加する高速充電器、3段充電器(three-stage charger)、誘導電力供給充電器、スマート充電器、モーション電力供給充電器(motion-powered charger)、パルス充電器、ソーラー充電器、USBベースの充電器などが挙げられる。いくつかの例では、充電器は、電力アダプタおよび任意の好適な充電回路を含む。他の例では、充電器は電力アダプタを含み、制御本体は充電回路を装備している。これらの他の例では、充電器は、単に電力アダプタと呼ばれることもある。
【0063】
制御本体は、好適な充電器に接続するために、およびいくつかの例では、通信のために他の周辺機器に接続するために、いくつかの異なる端子、電気コネクタなどのいずれかを含んでもよい。さらに具体的な好適な例には、直流(DC)コネクタ、例えば、円筒形コネクタ、シガーライターのコネクタ、ならびにUSB 1.x(例えば、Type A、Type B)、USB 2.0およびその更新および追加(例えば、Mini A、Mini B、Mini AB、Micro A、Micro B、Micro AB)およびUSB 3.x(例えば、Type A、Type B、Micro B、Micro AB、Type C)によって指定されるものを含むUSBコネクタ、独自のコネクタ、例えば、AppleのLightningコネクタなどが挙げられる。制御本体は、充電器または他の周辺機器と直接接続してもよいか、2つは、好適なコネクタも有する適切なケーブルを介して接続してもよい。2つがケーブルによって接続される例では、制御本体および充電器または他の周辺機器は、1つの種類のコネクタまたは両方の種類のコネクタを有するケーブルと同じまたは異なる種類のコネクタを有してもよい。
【0064】
誘導電力供給充電を伴う例では、エアロゾル送達デバイスは、誘導無線充電技術を装備してもよく、誘導送信機を含み誘導無線充電(例えば、Wireless Power Consortium(WPC)のQi無線充電規格による無線充電を含む)を使用する無線充電器、充電パッドなどと接続するための誘導受信機を含んでもよい。または、電源は、無線周波数(RF)ベースの充電器から再充電されてもよい。誘導無線充電システムの例は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるSurらの米国特許出願公開第2017/0112196号明細書に記載されている。さらに、電子タバコの場合のいくつかの実施形態では、カートリッジは、参照により本明細書に組み込まれるChangらの米国特許第8,910,639号明細書に開示されているような使い捨てカートリッジを含んでもよい。
【0065】
電源を再充電技術に接続するために1つ以上の接続が使用されてもよく、いくつかは、充電ケース、クレードル、ドック、スリーブなどを含んでもよい。さらに具体的には、例えば、制御本体は、電源に接続するためのUSBコネクタを含むクレードルと係合するように構成されてもよい。または、別の例では、制御本体は、電源に接続するためのUSBコネクタを含むスリーブ内に嵌合し、スリーブと係合するように構成されてもよい。これらおよび同様の例では、USBコネクタは電源に直接接続してもよいか、USBコネクタは好適な電力アダプタを介して電源に接続してもよい。
【0066】
電源の例は、その開示が参照により本明細書に組み込まれるPeckerarらの米国特許第9,484,155号明細書および2015年10月21日に出願されたSurらの米国特許出願公開第2017/0112191号明細書に記載されている。流量センサに関して、エアロゾル送達デバイス用の様々なマイクロコントローラ、センサおよびスイッチを含む代表的な電流調整構成要素および他の電流制御構成要素が、いずれも参照により本明細書に組み込まれるGerthらの米国特許第4,735,217号明細書、いずれもBrooksらの米国特許第4,922,901号明細書、米国特許第4,947,874号明細書および米国特許第4,947,875号明細書、McCaffertyらの米国特許第5,372,148号明細書、Fleischhauerらの米国特許第6,040,560号明細書、Nguyenらの米国特許第7,040,314号明細書、Panの米国特許第8,205,622号明細書、Colletらの米国特許出願公開第8,881,737号明細書、Ampoliniらの米国特許第9,423,152号明細書、Fernandoらの米国特許第9,439,454号明細書ならびにHenryらの米国特許出願公開第2015/0257445号明細書に記載されている。
【0067】
エアロゾル送達デバイスには、入力要素が含まれてもよい(流量センサを置き換えるか、補完してもよい)。入力が、ユーザがデバイスの機能を制御し、および/またはユーザに対して情報を出力することを可能にするために含まれてもよい。デバイスの機能を制御するための入力として、任意の構成要素または構成要素の組合せが利用されてもよい。例えば、参照により本明細書に組み込まれるWormらの米国公開第2015/0245658号明細書に記載されているように、1つ以上の押しボタンが使用されてもよい。同様に、参照により本明細書に組み込まれる2015年3月10日に出願されたSearsらの米国特許出願番号第14/643,626号明細書に記載されているように、タッチスクリーンが使用されてもよい。さらなる例として、エアロゾル送達デバイスの特定の動きに基づくジェスチャ認識に適合した構成要素が、入力として使用されてもよい。参照により本明細書に組み込まれるHenryらの米国公開第2016/0158782号明細書を参照されたい。さらに別の例として、静電容量センサがエアロゾル送達デバイスに実現されて、静電容量センサが実現されているデバイスの表面に触れることなどによって、ユーザが入力を提供できるようにしてもよい。別の例では、ユーザが入力を提供することを可能にするために、デバイスに関連する動きを検出することができるセンサ(例えば、加速度計、ジャイロスコープ、光電近接センサなど)がエアロゾル送達デバイスに実現されてもよい。好適なセンサの例は、参照により本明細書に組み込まれるSurらの米国特許出願公開第2018/0132528号明細書およびHenryらの米国特許出願公開第2016/0158782号明細書に記載されている。
【0068】
上述のように、エアロゾル送達デバイスは、少なくとも1つの制御構成要素などの様々な電子機器を含んでもよい。好適な制御構成要素は、いくつかの電子部品を含み得、いくつかの例では、プリント回路板(PCB)などの回路基板から形成され得る。いくつかの例では、電子部品は、1つ以上の例示的な実施形態による、データ処理、アプリケーション実行または他の処理、制御もしくは管理サービスを行うように構成された処理回路を含む。処理回路は、少なくとも1つのプロセッサコア、マイクロプロセッサ、コプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、または、例えば、ASIC(特定用途向け集積回路)、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)、それらのいくつかの組合せなどのような1つ以上の集積回路を含む様々な他の演算デバイスもしくは処理デバイスなどの様々な形態で具現化されたプロセッサを含み得る。いくつかの例では、処理回路は、プロセッサに結合または統合されたメモリを含み得、データ、プロセッサによって実行可能なコンピュータプログラム命令、それらのいくつかの組合せなどを記憶してもよい。
【0069】
いくつかの例では、制御構成要素は、処理回路に結合または統合され得る1つ以上の入力/出力周辺機器を含み得る。さらに具体的には、制御構成要素は、1つ以上のネットワーク、コンピューティングデバイスまたは他の適切にイネーブルされたデバイスとの無線通信を可能にするために通信インターフェースを含み得る。好適な通信インターフェースの例は、その内容が参照により本明細書に組み込まれるMarionらの米国特許出願公開第2016/0261020号明細書に開示されている。好適な通信インターフェースの別の例は、Texas Instruments製のCC3200シングルチップワイヤレスマイクロコントローラユニット(MCU)である。また、エアロゾル送達デバイスが無線通信するように構成されてもよい好適な方法の例は、各々参照により本明細書に組み込まれるAmpoliniらの米国特許出願公開第2016/0007651号明細書およびHenry,Jr.らの米国特許出願公開第2016/0219933号明細書に開示されている。
【0070】
本開示のエアロゾル送達デバイスには、さらに別の構成要素が利用され得る。好適な構成要素の一例は、エアロゾル送達デバイスを使用して点灯され得る発光ダイオード(LED)、量子ドットベースのLEDなどのインディケータである。好適なLED部品の例ならびにそれらの構成および使用は、いずれも参照により本明細書に組み込まれるSprinkelらの米国特許第5,154,192号明細書、Newtonの米国特許第8,499,766号明細書、Scatterdayの米国特許第8,539,959号明細書およびSearsらの米国特許第9,451,791号明細書に記載されている。
【0071】
他の動作インデックスも本開示に包含される。例えば、動作の視覚インディケータはまた、喫煙経験の進行を示すために、光の色または強度の変化を含む。動作の触覚(ハプティック)インディケータおよび動作のサウンド(オーディオ)インディケータも同様に本開示に包含される。さらに、動作のそのようなインディケータの組合せも、単一の喫煙品に使用されるのに適している。別の態様によれば、エアロゾル送達デバイスは、1つ以上のインディケータまたはインデックス、例えば、電源に残っている電力量、喫煙経験の進行、熱源の作動に対応するインディケーションなど、喫煙品の動作に対応する情報を提供するように構成されたディスプレイなどを含み得る。
【0072】
さらに他の構成要素も企図される。例えば、Sprinkelらの米国特許第5,154,192号明細書は、喫煙品用のインディケータを開示しており、Sprinkel,Jr.の米国特許第5,261,424号明細書は、吸引に関連したユーザの唇の動作を検出し、次いで加熱デバイスの加熱をトリガする、デバイスのマウスエンドに関連し得る圧電センサを開示しており、McCaffertyらの米国特許第5,372,148号明細書は、マウスピースを通る圧力の降下に応答して加熱負荷アレイへのエネルギー流を制御するための吹かしセンサを開示しており、Harrisらの米国特許第5,967,148号明細書は、挿入された構成要素の赤外線透過性の不均一性を検出する識別機と、構成要素が容器に挿入された際に検出ルーチンを実行するコントローラとを含む喫煙デバイス内の容器を開示しており、Fleischhauerらの米国特許第6,040,560号明細書は、複数の差異的位相を有する規定済みの実行可能な動力サイクルを記載しており、Watkinsらの米国特許第5,934,289号明細書は、フォトニックオプトロニック構成要素を開示しており、Countsらの米国特許第5,954,979号明細書は、喫煙デバイスを通る引き込み抵抗を変化させるための手段を開示しており、Blakeらの米国特許第6,803,545号明細書は、喫煙デバイスに使用するための特定の電池構成を開示しており、Griffenらの米国特許第7,293,565号明細書は、喫煙デバイスとともに使用するための様々な充電システムを開示しており、Fernandoらの米国特許第8,402,976号明細書は、充電を容易にし、デバイスのコンピュータ制御を可能にするための喫煙デバイス用のコンピュータインターフェース手段を開示しており、Fernandoらの米国特許第8,689,804号明細書は、喫煙デバイス用の識別システムを開示しており、FlickによるPCT特許出願公開国際公開第2010/003480号パンフレットは、エアロゾル生成システムを用いた吹かしを示す流体流感知システムを開示しており、前述の開示はいずれも、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0073】
本物品で使用され得る電子エアロゾル送達物品に関連する構成要素および開示材料または構成要素のさらなる例には、各々参照により本明細書に組み込まれるGerthらの米国特許第4,735,217号明細書、Morganらの米国特許第5,249,586号明細書、Higginsらの米国特許第5,666,977号明細書、Adamsらの米国特許第6,053,176号明細書、Whiteの米国第6,164,287号明細書、Vogesの米国特許第6,196,218号明細書、Felterらの米国特許第6,810,883号明細書、Nicholsの米国特許第6,854,461号明細書、Honの米国特許第7,832,410号明細書、Kobayashiの米国特許第7,513,253号明細書、Hamanoの米国特許第7,896,006号明細書、Shayanの米国特許第6,772,756号明細書、Honの米国特許第8,156,944号明細書および第8,375,957号明細書、Thorensらの米国特許第8,794,231号明細書、Oglesbyらの米国特許第8,851,083号明細書、Monseesらの米国特許第8,915,254号明細書および第8,925,555号明細書、DePianoらの米国特許第9,220,302号明細書、Honの米国特許出願公開第2006/0196518号明細書および米国特許出願公開第2009/0188490号明細書、Oglesbyらの米国特許出願公開第2010/0024834号明細書、Wangの米国特許出願公開第2010/0307518号明細書、HonのPCT特許出願公開国際公開第2010/091593号パンフレットならびにFooのPCT特許出願公開国際公開第2013/089551号パンフレットが挙げられる。さらに、Wormらの米国特許出願公開第2017/0099877号明細書は、エアロゾル送達デバイスおよびエアロゾル送達デバイス用のフォブ形状構成に含まれ得るカプセルを開示しており、参照により本明細書に組み込まれる。様々な実施形態では、前述の文献によって開示された様々な材料が本デバイスに組み込まれてもよく、前述の開示はいずれも、参照により本明細書に組み込まれる。
【0074】
本開示のエアロゾル送達デバイスに組み込むことができるさらに他の特徴、制御部または構成要素は、いずれも参照により本明細書に組み込まれるHarrisらの米国特許第5,967,148号明細書、Watkinsらの米国特許第5,934,289号明細書、Countsらの米国特許第5,954,979号明細書、Fleischhauerらの米国特許第6,040,560号明細書、Honの米国特許第8,365,742号明細書、Fernandoらの米国特許第8,402,976号明細書、Kataseの米国特許出願公開第2005/0016550号明細書、Fernandoらの米国特許第8,689,804号明細書、Tuckerらの米国特許出願公開第2013/0192623号明細書、Levenらの米国特許第9,427,022号明細書、Kimらの米国特許出願公開第2013/0180553号明細書、Sebastianらの米国特許出願公開第2014/0000638号明細書、Novakらの米国特許出願公開第2014/0261495号明細書およびDePianoらの米国特許第9,220,302号明細書に記載されている。
【0075】
図1および
図2は、電子タバコの場合の制御本体およびカートリッジを含むエアロゾル送達デバイスの実施形態を示す。さらに具体的には、
図1および
図2は、本開示の例示的な実施形態によるエアロゾル送達デバイス100を示す。示されるように、エアロゾル送達デバイスは、制御本体102およびカートリッジ104を含んでもよい。制御本体およびカートリッジは、機能的な関係で恒久的にまたは取り外し可能に位置合わせされ得る。これに関して、
図1は、結合構成にあるエアロゾル送達デバイスの斜視図を示し、
図2は、分離構成にあるエアロゾル送達デバイスの部分断面側面図を示す。エアロゾル送達デバイスは、例えば、制御本体およびカートリッジが組み立てられた構成にある場合、いくつかの実施形態では、実質的に棒状もしくは棒形状、実質的に管状または実質的に円筒形状であってよい。
【0076】
制御本体102およびカートリッジ104は、例えば、圧入(または締まり嵌め)接続、ねじ接続、磁気接続などの様々な接続によって互いに係合するように構成され得る。したがって、制御本体は、カートリッジ上の第2の係合要素(例えばコネクタ)に係合するように適合された第1の係合要素(例えばカプラ)を含んでもよい。第1の係合要素および第2の係合要素は、反転式であってよい。一例として、第1の係合要素および第2の係合要素のいずれかが雄ねじであってよく、他方が雌ねじであってよい。さらなる例として、第1の係合要素または第2の係合要素のいずれかが磁石であってよく、他方が金属または整合磁石(matching magnet)であってよい。特定の実施形態では、係合要素は、制御本体およびカートリッジの既存の構成要素によって直接画定されてもよい。例えば、制御本体のハウジングは、カートリッジの少なくとも一部(例えば、貯蔵タンク、またはカートリッジの他のシェル形成要素)を受容するように構成されたキャビティをその端部に画定してもよい。特に、カートリッジの貯蔵タンクは、カートリッジのマウスピースが制御本体のキャビティの外側に露出したままである間に、制御本体のキャビティ内に少なくとも部分的に受容されてもよい。カートリッジは、例えば、締まり嵌めによって(例えば、戻り止め、および/またはカートリッジの外面と制御本体キャビティを形成する壁の内面との間に締まり係合を形成する他の機構の使用によって)、磁気係合によって(例えば、制御本体のキャビティ内に配置され、カートリッジ上に配置された磁石および/または磁性金属の使用によって)、または他の好適な技術によって、制御本体ハウジングによって形成されたキャビティ内に保持されてもよい。
【0077】
図2に示す断面図に見られるように、制御本体102およびカートリッジ104はそれぞれ、いくつかのそれぞれの構成要素を含む。
図2に示される構成要素は、制御本体およびカートリッジ内に存在してもよい構成要素の代表であり、本開示に包含される構成要素の範囲を限定することを意図するものではない。示されるように、例えば、制御本体は、制御構成要素208(例えば処理回路など)、流量センサ210、電源212(例えば、電池、スーパーキャパシタ)およびインディケータ214(例えば、LED、量子ドットベースのLED)を含むことができるハウジング206(時に制御本体シェルと呼ばれる)から形成され得、そのような構成要素は、可変に位置合わせされ得る。
【0078】
カートリッジ104は、エアロゾル前駆体組成物を保持するように構成されたリザーバ218を囲み、加熱要素220(時にヒータと呼ばれる)を含むハウジング216(時にカートリッジシェルと呼ばれる)から形成され得る。様々な構成では、この構造はタンクと呼ばれてもよい。したがって、「カートリッジ」、「タンク」などの用語は、エアロゾル前駆体組成物のリザーバを囲み、加熱要素を含むシェルまたは他のハウジングを指すために区別なく使用され得る。
【0079】
示されるように、いくつかの例では、リザーバ218は、リザーバハウジング内に貯蔵されたエアロゾル前駆体組成物を加熱要素220に吸い上げるか、そうでなければ輸送するように適合された液体輸送要素222と流体通信してもよい。液体輸送要素の他の構成も本開示の範囲内で企図される。例えば、いくつかの実施形態では、液体輸送要素は、リザーバの遠位端に近接して配置され、リザーバの長手方向軸を横切って配置されてもよい。いくつかの例では、リザーバと加熱要素との間に弁が配置され、リザーバから加熱要素に送られるか送達されるエアロゾル前駆体組成物の量を制御するように構成されてもよい。
【0080】
加熱要素220を形成するために、電流が印加されると熱を生成するように構成された様々な例の材料が使用されてもよい。これらの例では、加熱要素は、ワイヤコイル、平板、マイクロヒータなどのような抵抗加熱要素であってよい。加熱要素を形成してもよい材料の例には、カンタル(FeCrAl)、ニクロム、ニッケル、ステンレス鋼、インジウムスズ酸化物、タングステン、二珪化モリブデン(MoSi2)、珪化モリブデン(MoSi)、アルミニウムをドープした二珪化モリブデン(Mo(Si,Al)2)、チタン、白金、銀、パラジウム、銀およびパラジウムの合金、グラファイトおよびグラファイト系材料(例えば、炭素系発泡体および糸)、導電性インク、ホウ素ドープシリカならびにセラミック(例えば、正温度係数セラミックまたは負温度係数セラミック)が挙げられる。加熱要素は、抵抗加熱要素、または誘導によって熱を生成するように構成された加熱要素であり得る。加熱要素は、熱伝導性セラミック、例えば、窒化アルミニウム、炭化ケイ素、酸化ベリリウム、アルミナ、窒化ケイ素またはそれらの複合材料によってコーティングされ得る。本開示によるエアロゾル送達デバイスに有用な加熱要素の例示的な実施形態がさらに以下に記載され、本明細書に記載のものなどのデバイスに組み込まれ得る。
【0081】
形成されたエアロゾルをカートリッジ104から放出することを可能にするために、開口部224がハウジング216内に(例えば、マウスエンドに)存在してもよい。
【0082】
カートリッジ104はまた、集積回路、メモリ部品(例えば、EEPROM、フラッシュメモリ)、センサなどを含んでもよい1つ以上の電子部品226を含んでもよい。電子部品は、有線または無線手段によって、制御構成要素208および/または外部デバイスと通信するように構成されてもよい。電子部品は、カートリッジまたはその基部228内のどこに配置されてもよい。
【0083】
制御構成要素208および流量センサ210は別個に示されているが、制御構成要素および流量センサを含む様々な電子部品が、電子部品を支持し電気的に接続する回路基板(例えばPCB)上で組み合わされてもよいことを理解されたい。さらに、回路基板は、回路基板が制御本体の中心軸に対して長手方向に平行であり得るという点で、
図1の図に対して水平に配置されてもよい。いくつかの例では、空気流量センサは、それが取り付けられ得るそれ自体の回路基板または他の基部要素を含んでもよい。いくつかの例では、フレキシブル回路基板が利用されてもよい。フレキシブル回路基板は、実質的に管状の形状を含む様々な形状に構成されてもよい。いくつかの例では、フレキシブル回路基板は、ヒータ基板と組み合わされるか、ヒータ基板上に積層されるか、ヒータ基板の一部または全部を形成してもよい。
【0084】
制御本体102およびカートリッジ104は、それらの間の流体係合を容易にするように構成された構成要素を含んでもよい。
図2に示すように、制御本体は、内部にキャビティ232を有するカプラ230を含むことができる。カートリッジの基部228は、カプラと係合するように構成することができ、キャビティ内に嵌合するように構成された突起234を含むことができる。このような係合は、制御本体とカートリッジとの間の安定した接続を容易にするとともに、制御本体内の電源212および制御構成要素208とカートリッジ内の加熱要素220との間の電気的接続を確立することができる。さらに、ハウジング206は、吸気口236を含むことができ、吸気口236はハウジング内のノッチであってよく、ここでノッチはカプラに接続し、これにより、カプラ周辺の周囲空気が通過してハウジング内に入り、次いでカプラのキャビティ232を通過し、突起234を通してカートリッジ内に入ることが可能になる。
【0085】
本開示による有用なカプラおよび基部は、参照により本明細書に組み込まれるNovakらの米国特許出願公開第2014/0261495号明細書に記載されている。例えば、
図2に見られるように、カプラ230は、基部228の内周240と嵌合するように構成された外周238を画定してもよい。一例では、基部の内周は、カプラの外周の半径と実質的に等しいか、それよりもわずかに大きい半径を画定してもよい。さらに、カプラは、基部の内周に画定された1つ以上の凹部244と係合するように構成された1つ以上の凸部242を外周に画定してもよい。ただし、様々な他の例の構造、形状および構成要素を使用して、基部をカプラに結合してもよい。いくつかの例では、カートリッジ104の基部と制御本体102のカプラとの間の接続が実質的に恒久的であってよいのに対して、他の例では、例えば、制御本体が、使い捨て可能および/または再充填可能であってよい1つ以上の追加のカートリッジとともに再利用され得るように、それらの間の接続は解放可能であってよい。
【0086】
図2に示すリザーバ218は、容器であってもよいし、本明細書に記載されるように繊維質リザーバであってもよい。例えば、この例では、リザーバは、ハウジング216の内部を取り囲むチューブの形状に実質的に形成された不織繊維の1つ以上の層を含むことができる。リザーバ内にエアロゾル前駆体組成物を保持することができる。例えば、リザーバによって液体成分を吸着して保持することができる。リザーバは、液体輸送要素222と流体接続することができる。液体輸送要素は、毛細管作用(またはマイクロポンプ)を介して、この例では金属ワイヤコイルの形態の加熱要素220に、リザーバに貯蔵されたエアロゾル前駆体組成物を輸送することができる。したがって、加熱要素は液体輸送要素を伴った加熱構成にある。
【0087】
いくつかの例では、マイクロ流体チップがリザーバ218に埋め込まれてもよく、リザーバから送達されるエアロゾル前駆体組成物の量および/または質量は、微小電気機械システム(MEMS)技術に基づくものなどのマイクロポンプによって制御されてもよい。本開示によるエアロゾル送達デバイスに有用なリザーバおよび輸送要素の他の例示的な実施形態が本明細書にさらに記載され、本明細書に記載のものなどのデバイスに、このようなリザーバおよび/または輸送要素を組み込むことができる。特に、本明細書にさらに記載される加熱部材と輸送要素との特定の組合せが、本明細書に記載のものなどのデバイスに組み込まれてもよい。
【0088】
使用時に、ユーザがエアロゾル送達デバイス100を吸引すると、流量センサ210によって空気流が検出され、加熱要素220がアクティブ化されてエアロゾル前駆体組成物の成分を気化させる。エアロゾル送達デバイスのマウスエンドを吸引すると、周囲空気が吸気口236に入り、カプラ230内のキャビティ232と、基部228の突起234内の中央開口部とを通過する。カートリッジ104では、吸引された空気が形成された蒸気と組み合わさって、エアロゾルを形成する。エアロゾルは、加熱要素から吹き飛ばされるか、吸入されるか、そうでなければ吸引され、エアロゾル送達デバイスのマウスエンドの開口部224から出る。
【0089】
電子タバコの場合の制御本体およびカートリッジを含むエアロゾル送達デバイスの実施形態に関するさらなる詳細については、参照により本明細書に組み込まれる、上に引用したSurの米国特許出願番号第15/836,086号明細書およびSurらの米国特許出願番号第15/916,834号明細書ならびに2018年3月9日に出願されたSurの米国特許出願番号第15/916,696号明細書を参照されたい。
【0090】
図3から
図6は、非燃焼加熱式デバイスの場合の制御本体およびエアロゾル源部材を含むエアロゾル送達デバイスの実施形態を示す。さらに具体的には、
図3は、本開示の例示的な実施形態によるエアロゾル送達デバイス300を示す。エアロゾル送達デバイスは、制御本体302およびエアロゾル源部材304を含み得る。様々な実施形態では、エアロゾル源部材および制御本体は、機能的な関係で恒久的にまたは取り外し可能に位置合わせされ得る。これに関して、
図3は結合構成のエアロゾル送達デバイスを示し、
図4は分離構成のエアロゾル送達デバイスを示す。様々な機構が制御本体にエアロゾル源部材を接続して、ねじ係合、圧入係合、締まり嵌め、スライディング嵌合、磁気係合などをもたらしてもよい。
【0091】
図4に示すように、本開示の様々な実施形態では、エアロゾル源部材304は、制御本体302に挿入されるように構成された被加熱端406と、ユーザがエアロゾルを生成するために吸引するマウスエンド408とを含み得る。様々な実施形態では、被加熱端の少なくとも一部は、エアロゾル前駆体組成物410を含んでもよい。
【0092】
様々な実施形態では、エアロゾル源部材304またはその一部は、エアロゾル源部材に追加の構造および/または支持を提供するのに有用な任意の材料から形成され得る外部上巻き材料412に巻かれ得る。様々な実施形態では、外部上巻き材料は、紙または他の繊維状材料、例えばセルロース材料を含み得る、熱の伝達に抵抗する材料を含み得る。外部上巻き材料はまた、繊維状材料内に埋め込まれたまたは分散された少なくとも1つのフィラー材料を含み得る。様々な実施形態では、フィラー材料は、水不溶性粒子の形態を有し得る。さらに、フィラー材料は無機成分を組み込んでもよい。様々な実施形態では、外部上巻きは、下にあるバルク層などの複数の層と、紙巻タバコでは典型的な包装紙などの上にある層とから形成されてもよい。そのような材料には、例えば、亜麻、麻、サイザル麻、稲わら、および/またはエスパルトなどの軽量の「ラグ繊維(rag fiber)」が含まれ得る。外部上巻きはまた、酢酸セルロースなど、従来の紙巻タバコのフィルタ要素に典型的に使用される材料を含み得る。さらに、エアロゾル源部材のマウスエンド408での上巻きの過剰な長さは、以下に記載されるように、消費者の口からエアロゾル前駆体組成物410を単に分離するように、またはフィルタ材料を配置するための空間を提供するように、または物品に対する吸引に影響を与えるように、または吸引中にデバイスを出る蒸気もしくはエアロゾルの流れ特性に影響を与えるように機能し得る。本開示とともに使用され得る上巻き材料のための構成に関するさらなる説明は、上に引用したWormらの米国特許第9,078,473号明細書に見出され得る。
【0093】
様々な実施形態では、エアロゾル前駆体組成物410とエアロゾル源部材304のマウスエンド408との間に他の構成要素が存在してもよく、マウスエンドは、例えば、酢酸セルロースまたはポリプロピレン材料から作製され得るフィルタ414を含んでもよい。フィルタは、追加的または代替的に、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるRakerらの米国特許第5,025,814号明細書に記載されているようなタバコ含有材料のストランドを含み得る。様々な実施形態では、フィルタは、エアロゾル源部材のマウスエンドの構造的完全性を高め、および/または所望により濾過能力を提供し、および/または吸引に対する抵抗を提供してもよい。いくつかの実施形態では、エアロゾル前駆体組成物とマウスエンドとの間に、エアギャップ;冷却空気用の相変化材料;香味放出媒体;選択的化学吸着が可能なイオン交換繊維;フィルタ媒体としてのエアロゲル粒子;および他の好適な材料のうちの1つまたは任意の組合せが配置されてもよい。
【0094】
本開示の様々な実施形態は、エアロゾル源部材304のエアロゾル前駆体組成物410を加熱するために、1つ以上の導電性加熱要素を使用する。様々な実施形態では、加熱要素は、箔、発泡体、メッシュ、中空ボール、ハーフボール、ディスク、螺旋、繊維、ワイヤ、フィルム、糸、細片、リボンまたは円筒の形態など、様々な形態で設けられてもよい。そのような加熱要素は金属材料を含むことが多く、電流を通すことに関連する電気抵抗の結果として熱を生成するように構成される。そのような抵抗加熱要素は、エアロゾル源部材、特にエアロゾル源部材304のエアロゾル前駆体組成物と直接接触して、または近接して配置されてもよい。加熱要素は、制御本体および/またはエアロゾル源部材内に位置してもよい。様々な実施形態では、エアロゾル前駆体組成物は、加熱アセンブリとして機能し得るか、加熱アセンブリの機能を容易にし得る、基材部分に埋め込まれるか、そうでなければ基材部分の一部である構成要素(すなわち、熱伝導性構成要素)を含み得る。様々な加熱部材および加熱要素のいくつかの例は、Wormらの米国特許第9,078,473号明細書に記載されている。
【0095】
様々な加熱要素構成のいくつかの非限定的な例には、加熱要素がエアロゾル源部材304に近接して置かれる構成が挙げられる。例えば、いくつかの例では、加熱要素の少なくとも一部が、エアロゾル源部材の少なくとも一部を囲んでもよい。他の例では、1つ以上の加熱要素が、制御本体302に挿入されると、エアロゾル源部材の外部に隣接して配置されてもよい。他の例では、エアロゾル源部材が制御本体に挿入されると、加熱要素の少なくとも一部がエアロゾル源部材の少なくとも一部を貫通してもよい(例えば、エアロゾル源部材を貫通する1つ以上のプロングおよび/またはスパイクなど)。場合によっては、エアロゾル前駆体組成物は、加熱要素として機能し得るか、加熱要素の機能を容易にし得る、エアロゾル前駆体組成物に接触する構造、またはエアロゾル前駆体組成物に埋め込まれた複数のビーズもしくは粒子、またはそうでなければエアロゾル前駆体組成物の一部を含んでもよい。
【0096】
本開示の例示的な実施形態に従って、
図5は、エアロゾル送達デバイス300の正面図を示し、
図6は、
図5のエアロゾル送達デバイスの断面図を示す。特に、図示される実施形態の制御本体302は、その係合端に画定された開口部518を含むハウジング516と、流量センサ520(例えば、吹かしセンサまたは圧力スイッチ)と、制御構成要素522(例えば処理回路など)と、電源524(例えば、電池、スーパーキャパシタ)と、インディケータ526(例えばLED)を含む端部キャップとを含んでもよい。
【0097】
一実施形態では、インディケータ526は、1つ以上のLED、量子ドットベースのLEDなどを含んでもよい。インディケータは、制御構成要素522と通信し、例えば、制御本体302に結合された際に、ユーザがエアロゾル源部材304を吸引すると、流量センサ520によって検出されたとき点灯されてもよい。
【0098】
図示される実施形態の制御本体302は、エアロゾル源部材304のエアロゾル前駆体組成物410を加熱するように構成された1つ以上の加熱アセンブリ528(個別にまたは集合的に加熱アセンブリと呼ばれる)を含む。本開示の様々な実施形態の加熱アセンブリは様々な形態をとり得るが、
図5および
図6に示される特定の実施形態では、加熱アセンブリは、外側シリンダ530と、加熱要素532とを含み、加熱要素532は、この実施形態では、受容ベース534から延在する複数のヒータプロングを含む(様々な構成では、加熱アセンブリ、またはさらに具体的にはヒータプロングは、ヒータと呼ばれ得る)。図示される実施形態では、外側シリンダは、外側シリンダ内のヒータプロングによって生成された熱を維持し、さらに具体的には、エアロゾル前駆体組成物内にヒータプロングによって生成された熱を維持するように、ステンレス鋼から構築された二重壁真空管を含む。様々な実施形態では、ヒータプロングは、限定するものではないが、銅、アルミニウム、白金、金、銀、鉄、鋼、真鍮、青銅、グラファイトまたはそれらの任意の組合せを含む1つ以上の導電性材料から構築され得る。
【0099】
図示されるように、加熱アセンブリ528は、ハウジング516の係合端に近接して延在してもよく、エアロゾル前駆体組成物410を含むエアロゾル源部材304の被加熱端406の一部を実質的に囲むように構成されてもよい。このように、加熱アセンブリは、ほぼ管状の構成を画定してもよい。
図5および
図6に示すように、加熱要素532(例えば、複数のヒータプロング)は、外側シリンダ530によって囲まれて受容チャンバ536を形成する。このように、様々な実施形態では、外側シリンダは、限定するものではないが、絶縁性ポリマー(例えば、プラスチックまたはセルロース)、ガラス、ゴム、セラミック、磁器、二重真空構造またはそれらの任意の組合せを含む非導電性の断熱材および/または構築物を含み得る。
【0100】
いくつかの実施形態では、加熱アセンブリ528の1つ以上の部分または構成要素は、エアロゾル前駆体組成物410と組み合わせられ得る、パッケージ化され得る、および/または一体であり得る(例えば、中に埋め込まれる)。例えば、いくつかの実施形態では、エアロゾル前駆体組成物は、上記のような材料から形成され得、その中に混合された1つ以上の導電性材料を含み得る。これらの実施形態のいくつかでは、エアロゾル源部材が制御本体の受容チャンバに挿入されると、接点が電気エネルギー源と電気的に接続するように、エアロゾル前駆体組成物に接点が直接接続され得る。あるいは、接点は、電気エネルギー源と一体であり得、エアロゾル源部材が制御本体の受容チャンバに挿入されると、接点がエアロゾル前駆体組成物と電気的に接続するように、受容チャンバ内に延在し得る。エアロゾル前駆体組成物中に導電性材料が存在するため、電気エネルギー源からエアロゾル前駆体組成物に電力が印加されると、電流が流れ、ひいては導電性材料から熱を生成する。したがって、いくつかの実施形態では、加熱要素は、エアロゾル前駆体組成物と一体であると説明され得る。非限定的な例として、グラファイトまたは他の好適な導電性材料が、エアロゾル前駆体組成物を形成する材料と混合されるか、エアロゾル前駆体組成物を形成する材料に埋め込まれるか、エアロゾル前駆体組成物を形成する材料の上または中に他の方法で直接存在して、加熱要素を媒体と一体にしてもよい。
【0101】
上記のように、図示される実施形態では、外側シリンダ530はまた、エアロゾル源部材がハウジング516に挿入されると、エアロゾル源部材304の適切な配置を容易にするように機能し得る。様々な実施形態では、加熱アセンブリ528の外側シリンダは、ハウジングの内面と係合して、ハウジングに対して加熱アセンブリを位置合わせしてもよい。これにより、加熱アセンブリ間の固定された結合の結果として、加熱アセンブリの長手方向軸が、ハウジングの長手方向軸に対して実質的に平行に延在し得る。特に、支持シリンダは、ハウジングの開口部518から受容ベース534まで延在して、受容チャンバ536を形成してもよい。
【0102】
エアロゾル源部材304の被加熱端406は、制御本体302に挿入するための大きさおよび形状である。様々な実施形態では、制御本体の受容チャンバ536は、内面および外面を有する壁によって画定され、内面が受容チャンバの内部容積を画定すると特徴付けられ得る。例えば、図示される実施形態では、外側シリンダ530は、受容チャンバの内部容積を画定する内面を画定する。図示される実施形態では、外側シリンダの内径は、対応するエアロゾル源部材の外径よりもわずかに大きいか、対応するエアロゾル源部材の外径にほぼ等しくてよく(例えば、スライド嵌合を形成するため)、その結果、外側シリンダは、制御本体に対してエアロゾル源部材を適切な位置(例えば、側方位置)に案内するように構成される。したがって、エアロゾル源部材の最大外径(または実施形態の特定の断面形状に応じて他の寸法)は、制御本体の受容チャンバの開放端の壁の内面での内径(または他の寸法)よりも小さい大きさであり得る。いくつかの実施形態では、それぞれの直径の差は、エアロゾル源部材が受容チャンバにぴったりと合い、摩擦力が、エアロゾル源部材が力を加えられることなく移動するのを防ぐように十分に小さくてよい。一方、この差は、エアロゾル源部材が過度の力を必要とせずに受容チャンバに滑り込むか受容チャンバから滑り出るのを可能にするのに十分であり得る。
【0103】
図示される実施形態では、制御本体302は、エアロゾル源部材304が制御本体に挿入されると、加熱要素532(例えばヒータプロング)が、エアロゾル源部材の被加熱端406のエアロゾル前駆体組成物410の少なくとも一部のほぼ半径方向中心に位置するように構成される。このように、固体または半固体エアロゾル前駆体組成物と組み合わせて使用される場合、ヒータプロングは、エアロゾル前駆体組成物と直接接触してもよい。他の実施形態では、例えば、管構造を画定する押出エアロゾル前駆体組成物と組み合わせて使用される場合、ヒータプロングは、押出管構造の内面によって画定されるキャビティの内側に位置してもよく、押出管構造の内面に接触しない。
【0104】
消費者は、使用中、加熱アセンブリ528、特にエアロゾル前駆体組成物410(またはその特定の層)に隣接する加熱要素532の加熱を開始する。エアロゾル前駆体組成物の加熱は、エアロゾル源部材304内の吸入可能な物質を放出して、吸入可能な物質を生成する。消費者がエアロゾル源部材のマウスエンド408を吸入すると、吸気口538、例えば、制御本体302の開口部またはアパーチャを通ってエアロゾル源部材に空気が吸引される。吸引された材料がエアロゾル源部材のマウスエンドを出る際に、吸引された空気と放出された吸入可能な物質との組合せが消費者によって吸入される。いくつかの実施形態では、消費者は、加熱を開始するために、押しボタンまたは同様の構成要素を手動で作動させ、それにより、加熱アセンブリの加熱要素が、電池または他のエネルギー源から電気エネルギーを受け取ってもよい。電気エネルギーは、所定の長さの時間にわたって供給されてもよいし、手動で制御されてもよい。
【0105】
いくつかの実施形態では、電気エネルギーの流れは、デバイス300を用いた吸煙の合間に実質的に継続しない(ただし、エネルギー流は、周囲温度よりも高いベースライン温度(例えば、作動加熱温度への急速加熱を容易にする温度)を維持するように継続してもよい)。ただし、図示される実施形態では、加熱は、流量センサ520などの1つ以上のセンサを使用することによる消費者の吹かしアクションによって開始される。吸煙が中止されると、加熱が停止するか減少される。消費者が十分な数の吸煙を行って、十分な量の吸入可能な物質(例えば、典型的な喫煙経験と同等となるのに十分な量)を放出すると、エアロゾル源部材304は、制御本体302から取り外され、捨てられ得る。いくつかの実施形態では、参照により本明細書に組み込まれるPhillipsらの米国特許出願第15/707,461号明細書で説明されているように、静電容量感知要素および他のセンサなどのさらなる感知要素が使用されてもよい。
【0106】
様々な実施形態では、エアロゾル源部材304は、管状などの適切な構造を形成および維持し、その中にエアロゾル前駆体組成物410を保持するのに適した任意の材料から形成され得る。いくつかの実施形態では、エアロゾル源部材は、単一の壁または他の実施形態では複数の壁から形成されてもよく、本明細書でさらに説明されるように、電気加熱要素によって提供される加熱温度である少なくともある温度で、その構造的完全性を維持する(例えば、劣化しない)ように耐熱性の材料(天然または合成)から形成されてもよい。いくつかの実施形態では、耐熱性ポリマーが使用され得るが、他の実施形態では、エアロゾル源部材は、実質的にストロー状の紙などの紙から形成されてもよい。本明細書でさらに説明されるように、エアロゾル源部材は、それを通る蒸気の移動を実質的に防止するように機能する、それに関連する1つ以上の層を有し得る。例示的な一実施形態では、アルミニウム箔層が、エアロゾル源部材の1つの表面に積層され得る。セラミック材料も使用され得る。さらなる実施形態では、エアロゾル前駆体組成物から熱を不必要に移動させないように、断熱材が使用されてもよい。上記の機能を提供するために使用され得るか、上記の材料および構成要素の代替品として使用され得るさらなる例示的な種類の構成要素および材料は、いずれも参照により本明細書に組み込まれるCrooksらの米国特許出願公開第2010/00186757号明細書、Crooksらの米国特許出願公開第2010/00186757号明細書およびSebastianらの米国特許出願公開第2011/0041861号明細書に記載される種類のものであり得る。
【0107】
図示される実施形態では、制御本体302は、電気加熱要素532に電力供給することを含め、エアロゾル送達デバイス300の様々な機能を制御する制御構成要素522を含む。例えば、制御構成要素は、導電性ワイヤ(図示せず)によって電源524に接続された処理回路(本明細書でさらに説明されるように、さらなる構成要素に接続され得る)を含み得る。様々な実施形態では、処理回路は、加熱アセンブリ528、特にヒータプロングが、消費者による吸入のための吸入可能な物質の放出のためにエアロゾル前駆体組成物410を加熱するための電気エネルギーをいつどのように受け取るかを制御し得る。いくつかの実施形態では、そのような制御は、上記でさらに詳細に説明されるように、流量センサ520によってアクティブ化され得る。
【0108】
図5および
図6に見られるように、図示される実施形態の加熱アセンブリ528は、外側シリンダ530と、受容ベース534から延在する加熱要素532(例えば、複数のヒータプロング)とを含む。エアロゾル前駆体組成物410が管構造を含むものなどのいくつかの実施形態では、ヒータプロングは、エアロゾル前駆体組成物の内面によって画定されたキャビティ内に延在するように構成されてもよい。エアロゾル前駆体組成物が固体または半固体を含む図示される実施形態などの他の実施形態では、複数のヒータプロングは、エアロゾル源部材が制御本体302に挿入されると、エアロゾル源部材304の被加熱端406に含まれたエアロゾル前駆体組成物に貫通するように構成される。そのような実施形態では、ヒータプロングおよび/または受容ベースを含む加熱アセンブリの構成要素のうちの1つ以上は、非粘着性または耐粘着性材料、例えば、特定のアルミニウム、銅、ステンレス鋼、炭素鋼およびセラミック材料から構築され得る。他の実施形態では、ヒータプロングおよび/または受容ベースを含む加熱アセンブリの構成要素のうちの1つ以上は、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)コーティング、例えば、Teflon(R)、または他のコーティング、例えば、耐粘着性エナメルコーティング、またはセラミックコーティング、例えば、Greblon(R)もしくはThermolon(TM)、またはセラミックコーティング、例えば、Greblon(R)もしくはThermolon(TM)を含む非粘着性コーティングを含み得る。
【0109】
さらに、図示される実施形態では、受容ベース534の周りに実質的に均等に分配された複数のヒータプロング532が存在するが、他の実施形態では、任意の他の好適な空間構成とともに、わずか1つを含む任意の数のヒータプロングが使用され得ることに留意されたい。さらに、様々な実施形態では、ヒータプロングの長さは様々であり得る。例えば、いくつかの実施形態では、ヒータプロングは小さな突起を含み得るが、他の実施形態では、ヒータプロングは、受容チャンバ536の最大約25%、最大約50%、最大75%およびほぼ全長までを含め、受容チャンバ536の長さの任意の部分に延在し得る。さらに他の実施形態では、加熱アセンブリ528は他の構成をとり得る。上記で提供された説明に従って本発明に使用するために適合され得る他のヒータ構成の例は、参照により本明細書に組み込まれるCountsらの米国特許第5,060,671号明細書、Deeviらの米国特許第5,093,894号明細書、Deeviらの米国特許第5,224,498号明細書、Sprinkel Jr.らの米国特許第5,228,460号明細書、Deeviらの米国特許第5,322,075号明細書、Deeviらの米国特許第5,353,813号明細書、Deeviらの米国特許第5,468,936号明細書、Dasの米国特許第5,498,850号明細書、Dasの米国特許第5,659,656号明細書、Deeviらの米国特許第5,498,855号明細書、Hajaligolの米国特許第5,530,225号明細書、Hajaligolの米国特許第5,665,262号明細書、Dasらの米国特許第5,573,692号明細書およびFleischhauerらの米国特許第5,591,368号明細書に見出すことができる。
【0110】
様々な実施形態では、制御本体302は、受容チャンバ536の内部への周囲空気の進入を可能にするために、その中に吸気口538(例えば、1つ以上の開口部またはアパーチャ)を含み得る。このように、いくつかの実施形態では、受容ベース534も吸気口を含み得る。したがって、いくつかの実施形態では、消費者がエアロゾル源部材304のマウスエンドを吸引すると、空気が、制御本体および受容ベースの吸気口を通って受容チャンバに引き込まれ、エアロゾル源部材を通過し、エアロゾル源部材のエアロゾル前駆体組成物410を通って引き込まれ、消費者によって吸入され得る。いくつかの実施形態では、吸引された空気は、任意選択のフィルタ414を通って、エアロゾル源部材のマウスエンド408の開口部から吸入可能な物質を運ぶ。加熱要素532がエアロゾル前駆体組成物の内側に配置された状態で、ヒータプロングがアクティブ化されて、エアロゾル前駆体組成物を加熱し、エアロゾル源部材を通して吸入可能な物質を放出させてもよい。
【0111】
特に
図5および
図6を参照して上述したように、本開示の様々な実施形態は、エアロゾル前駆体組成物410を加熱するために導電性ヒータを使用する。また、上述のように、様々な他の実施形態は、エアロゾル前駆体組成物を加熱するために誘導ヒータを使用する。これらの実施形態のいくつかでは、加熱アセンブリ528は、誘導送信機および誘導受信機を有する変圧器を含む誘導ヒータとして構成されてもよい。加熱アセンブリが誘導ヒータとして構成される実施形態では、外側シリンダ530は、誘導送信機として構成されてもよく、受容ベース534から延在する加熱要素532(例えば、複数のヒータプロング)は、誘導受信機として構成されてもよい。様々な実施形態では、誘導送信機および誘導受信機の一方または両方は、制御本体302および/またはエアロゾル源部材304内に位置してもよい。
【0112】
様々な実施形態では、誘導送信機および誘導受信機としての外側シリンダ530および加熱要素532は、1つ以上の導電性材料から構築されてもよく、さらなる実施形態では、誘導受信機は、限定するものではないが、コバルト、鉄、ニッケルおよびそれらの組合せを含む強磁性材料から構築されてもよい。例示的な一実施形態では、箔材料は導電性材料から構築され、ヒータプロングは強磁性材料から構築される。様々な実施形態では、受容ベースは、非導電性材料および/または断熱材から構築されてもよい。
【0113】
誘導送信機としての外側シリンダ530は、支持シリンダを取り囲む箔材料を有する積層体を含んでもよい。いくつかの実施形態では、箔材料は、その上に印刷された電気トレース、例えば、いくつかの実施形態では、箔材料が誘導受信機としての加熱要素532の周りに配置された際に螺旋コイルパターンを形成し得る1つ以上の電気トレースなどを含んでもよい。箔材料および支持シリンダはそれぞれ、管状構成を画定してもよい。支持シリンダは、箔材料がヒータプロングと接触し、それによってヒータプロングと短絡しないように、箔材料を支持するように構成されてもよい。このように、支持シリンダは、箔材料によって発生される振動磁場に対して実質的に透過性であり得る非導電性材料を含んでもよい。様々な実施形態では、箔材料は、支持シリンダに埋め込まれるか、そうでなければ結合されてもよい。図示される実施形態では、箔材料は、支持シリンダの外面に係合されているが、他の実施形態では、箔材料は、支持シリンダの内面に配置されるか、支持シリンダに完全に埋め込まれてもよい。
【0114】
外側シリンダ530の箔材料は、交流がそれを通って導かれる際に振動磁場(例えば、時間とともに周期的に変化する磁場)を形成するように構成されてもよい。加熱要素532のヒータプロングは、外側シリンダ内に少なくとも部分的に位置しまたは受容され、導電性材料を含んでもよい。箔材料に交流を導くことによって、誘導によってヒータプロングに渦電流が生成され得る。ヒータプロングを画定する材料の抵抗を通って流れる渦電流は、ジュール加熱によって(すなわち、ジュール効果によって)それを加熱し得る。ヒータプロングは、ヒータプロングに近接して配置されたエアロゾル前駆体組成物410からエアロゾルを形成するために無線加熱されてもよい。
【0115】
図7は、別の例示的な実施形態によるエアロゾル送達デバイス700の断面図を示す。
図7のエアロゾル送達デバイス700は、
図3から
図6のエアロゾル送達デバイス300と同様であり、エアロゾル前駆体組成物410のセグメント化された加熱に特に適している。エアロゾル送達デバイス700は、制御本体302と同様であるが、エアロゾル源部材304のエアロゾル前駆体組成物を加熱するように構成された1つ以上の加熱アセンブリ728(個別にまたは集合的に加熱アセンブリと呼ばれる)を含む制御本体702を含む。
【0116】
図7に示す特定の実施形態では、加熱アセンブリは、外側シリンダ530と、物理的に分離し、互いに離隔している複数の導電性プロング(ヒータプロング)などの複数の加熱要素732を含むセグメント化されたヒータ730とを含む。いくつかの例では、複数の導電性プロングの各プロングは、セグメント化されたヒータの複数の加熱要素の加熱要素である。別の例では、複数の加熱要素は、エアロゾル源部材のそれぞれの外面領域に隣接して配置され得る物理的に絶縁された抵抗加熱要素であり得るか、それを含み得る。さらに別の例では、複数の加熱要素は、エアロゾル源部材のそれぞれの区画に局在化/領域化された渦電流を生成することができる物理的に絶縁されたコイルであり得るか、それを含み得る。
【0117】
複数の加熱要素732が複数のヒータプロングである例では、これらのヒータプロングは、外側シリンダ330の内面に沿って外側シリンダ330の内面から半径方向内側に延在し、それによってエアロゾル前駆体組成物410に沿って長手方向に延在し得る。図示される実施形態では、外側シリンダは、外側シリンダ内の加熱要素(例えばヒータプロング)によって生成された熱を維持し、さらに具体的には、エアロゾル前駆体組成物内に加熱要素によって生成された熱を維持するように、ステンレス鋼から構築された二重壁真空管を含む。上記と同様に、様々な実施形態では、加熱要素は、限定するものではないが、銅、アルミニウム、白金、金、銀、鉄、鋼、真鍮、青銅、グラファイトまたはそれらの任意の組合せを含む1つ以上の導電性材料から構築され得る。
【0118】
いくつかの例では、セグメント化されたヒータ730の加熱要素732は、エアロゾル前駆体組成物410の複数の区画を加熱するように電力供給され得る。加熱要素は、エアロゾル前駆体組成物の複数の区画のうちのそれぞれの区画を加熱するために同時に電力供給されてもよい。いくつかの例では、複数の加熱要素の加熱要素は、別個に電力供給可能であってもよい。これらの例のいくつかでは、加熱要素のうちの1つ以上は、エアロゾル前駆体組成物の複数の区画のうちのそれぞれの1つ以上の区画を加熱するために別個に電力供給されてもよく、複数の加熱要素のうちの任意の他の加熱要素は、同時に電力供給されない。
【0119】
エアロゾル送達デバイス、制御本体およびエアロゾル源部材の他の実施形態は、上に引用したSurらの米国特許出願番号第15/916,834号明細書、Surの米国特許出願番号第15/916,696号明細書、Surの米国特許出願番号第15/836,086号明細書およびSurの米国特許出願番号第15/976,526号明細書に記載されている。
【0120】
上述のように、例示的な実施形態のエアロゾル送達デバイスは、電子タバコもしくは非燃焼加熱式デバイスのいずれかの状況では、または両方の機能を含むデバイスの場合であっても、様々な電子部品を含み得る。
図8は、本開示の様々な例示的な実施形態による、少なくともエアロゾル送達デバイス100、300、700の機能であり得るかそれを組み込んでもよいエアロゾル送達デバイス800の回路図である。示されるように、エアロゾル送達デバイスは、(処理回路808を有する)制御構成要素806と、センサ810と、電源812と、制御本体102、302、電子部品226、制御構成要素208、522、流量センサ210、電源212、524およびインディケータ214のそれぞれの機能に対応し得るかそれを含み得るインディケータ814とを含む電子部品804を有する制御本体802を含む。エアロゾル送達デバイスはまた、加熱要素220、532、732の機能に対応し得るかそれを含み得る1つ以上の加熱要素816を含む。加熱要素は、電気を熱に変換し、それによってエアロゾル前駆体組成物の成分を気化させるように構成される。
【0121】
エアロゾル送達デバイス800は、電源812をエアロゾル送達デバイスに接続するように構成された第1の電源端子818aおよび第2の電源端子818b(例えば、それぞれ正電源端子および負電源端子)を含んでもよい。また、エアロゾル送達デバイス800がエアロゾル送達デバイス100の機能であるかそれを組み込んでいるものなどのいくつかの例では、エアロゾル送達デバイス800(またはさらに具体的にはその制御本体802)は、加熱要素816を制御本体に接続するように構成された端子820を含んでもよい。
【0122】
流量センサ210に関してさらに詳細に上述したように、いくつかの例では、センサ810は、エアロゾル送達デバイス800のハウジング(例えばハウジング216)の少なくとも一部を通る空気流によって引き起こされる圧力の測定値を生成するように構成される。センサは、圧力の測定値を対応する電気信号に変換するように構成され、これは、アナログ信号からデジタル信号への変換を含み得る。このセンサは、デジタルセンサ、デジタル圧力センサなどであってよく、そのいくつかの好適な例は、Murata Manufacturing Co.,Ltd.によって製造されている。
【0123】
処理回路808は、センサ810から対応する電気信号を受信し、それに応答して、処理回路が、電源812によって加熱要素816を含む負荷822に提供される電圧を制御し、それによって加熱要素に電力供給するように構成され得る加熱期間を開始するように構成される。処理回路は、対応する電気信号を処理してオン/オフ状態を決定するように構成されてもよく、センサによって生成された圧力の測定値に比例して、負荷への電源のスイッチング接続を変調してもよい。いくつかの例では、制御構成要素806は、第1の電源端子818aと加熱要素816との間、またはセンサと負荷との間にハイサイド負荷スイッチ(LS)824をさらに含む。これらの例では、処理回路は、ハイサイドLSを制御して、電源を加熱要素に切り替え可能に接続するように構成されてもよい。ハイサイドLSはまた、電流のサージがある場合、仮にいくつかの構成要素が短絡する場合、または電源が固体電極界面(solid electrode interphase)を受ける場合の安全機能として機能し得る。
【0124】
加熱要素816は、可変であり加熱要素の温度に比例する赤外線エネルギーを放出する。追加的または代替的に、液体であるエアロゾル前駆体組成物用の液体輸送要素(例えば液体輸送要素222)、または固体もしくは半固体のときのエアロゾル前駆体組成物(例えばエアロゾル前駆体組成物410)は、可変でありそれぞれ液体輸送要素またはエアロゾル前駆体組成物の温度に比例する赤外線エネルギーを放出し得る。これに関して、同様に示されるように、電子部品804は、処理回路808に結合された1つ以上の赤外線温度センサ826をさらに含む。赤外線温度センサは、1つ以上の光検出器828を含んでもよい。例示的な実施形態によれば、赤外線温度センサは、加熱期間中などに、加熱要素816、液体輸送要素および/またはエアロゾル前駆体組成物によって放出された赤外線エネルギーを測定するように構成されてもよい。いくつかの例では、エアロゾル前駆体組成物によって放出された赤外線エネルギーを測定することは、エアロゾル源部材304の外面、ひいてはエアロゾル前駆体組成物410から放出された赤外線エネルギーを測定するように構成された赤外線温度センサを含んでもよい。好適な赤外線温度センサの例には、マサチューセッツ州ウォルサムのExcelitas Technologies製のものが挙げられる。
【0125】
いくつかの例では、処理回路808または赤外線温度センサ826は、赤外線温度センサ826によって測定された赤外線エネルギーから、加熱要素816、液体輸送要素および/またはエアロゾル前駆体組成物の温度を決定するように構成される。次いで、処理回路は、温度が所定の目標から逸脱したときに、ハイサイドLS 824を制御する信号の調整などによって、電源から加熱要素への電圧を調整するように構成されてもよい。一例では、処理回路808は、温度が所定の目標をそれぞれ下回るか上回るときに、電源から加熱要素への電圧を増加または減少させるように構成される。これは、温度が所定の目標をそれぞれ下回るか上回るときに、ハイサイドLSに電源812を加熱要素816に接続または切断させるように信号を調整するように構成された処理回路によって達成され得る。
【0126】
いくつかの例では、目標は、目標設定点温度であってよい。他の例では、目標は、ある範囲の温度であってよい。好適な温度範囲の一例は、目標設定点温度+/-目標設定点温度からの許容公差によって反映される。追加されたヒステリシスの量を反映するために、好適な温度範囲が使用されていてもよい。これらの例のいくつかでは、ハイサイドLS 824は、温度が第1の目標設定点温度を下回るときに電源812を加熱要素816に接続させ、温度が第1の目標設定点温度よりも高い第2の目標設定点温度を上回る場合に加熱要素から電源を切断させられてもよい。
【0127】
いくつかの例では、目標は、使用期間中に適用され得る温度または電力制御プロファイルに従って経時的に変化し得る。これは、固体または半固体エアロゾル前駆体組成物が電子タバコ内の液体エアロゾル前駆体組成物よりも長い期間加熱され得る非燃焼加熱式デバイスに特に有用であり得る。特に、非燃焼加熱式デバイスでは、エアロゾル前駆体組成物が吸入用に調製される初期期間中に比較的高い温度が適用された後、一定期間後に温度が低下されてもよい。好適な制御プロファイルの例に関するより多くの情報については、参照により本明細書に組み込まれるKuczajの米国特許第9,498,000号明細書を参照されたい。
【0128】
いくつかの例では、目標は、センサ810によって生成された、エアロゾル送達デバイス800のハウジング(例えばハウジング216)の少なくとも一部を通る空気流によって引き起こされる圧力の測定値に従って変化し得るか、そうでなければ可変であり得る。さらに具体的な例では、目標は、圧力と目標との間の所定の関係に従って可変であってよい。好適な所定の関係の例は、ステップ関数、線形関数、非線形関数またはそれらの組合せによって記述され得る。
【0129】
いくつかの例では、ハイサイドLSを制御するために処理回路808によって出力される信号は、パルス幅変調(PWM)信号であり、処理回路808は、加熱要素816、液体輸送要素および/またはエアロゾル前駆体組成物の温度が所定の目標から逸脱したときにPWM信号のデューティサイクルを調整するように構成される。いくつかのさらに具体的な例では、処理回路808は、温度が所定の目標をそれぞれ下回るか上回るときにデューティサイクルを増加または減少させるように構成される。
【0130】
いくつかの例では、赤外線温度センサ826は、赤外線エネルギーを対応する電気信号に変換するように構成されてもよい。次いで、処理回路808は、対応する電気信号を加熱要素816、液体輸送要素および/またはエアロゾル前駆体組成物の温度にマッピングする関数に、対応する電気信号を入力するように構成されてもよい。関数は、例えば、式、関数値の一覧、グラフ、プロット、棒グラフ、表などによるいくつかの異なる方法で指定され得るか、そうでなければ表され得る。それによって、処理回路は、加熱要素、液体輸送要素および/またはエアロゾル前駆体組成物の温度を決定するように構成されてもよい。
【0131】
様々な実施形態では、エアロゾル送達デバイス800は、周囲温度を補償し、それによって赤外線温度センサ826または処理回路808によって決定された温度の精度を促進するために、較正ルーチンを実施してもよい。例えば、赤外線温度センサは、加熱要素が電力供給されていないときに、加熱要素816、液体輸送要素および/またはエアロゾル前駆体組成物によって放出された周囲赤外線エネルギーを測定するようにさらに構成されてもよい。処理回路は、赤外線温度センサによって測定された周囲赤外線エネルギーから、加熱要素、液体輸送要素および/またはエアロゾル前駆体組成物の周囲温度を決定するように構成されてもよく、関数は、電気信号と温度との間の関係を定義し、処理回路によって決定された周囲温度を補償してもよい。さらに、赤外線温度センサは、加熱要素が電力供給されている加熱期間の合間に、加熱要素が電力供給されていないときの周囲赤外線エネルギーを周期的に測定してもよい。次いで、処理回路は、赤外線温度センサによって測定された周囲赤外線エネルギーから、加熱要素、液体輸送要素および/またはエアロゾル前駆体組成物の周囲温度を周期的に決定してもよい。
【0132】
様々な実施形態では、赤外線温度センサ826は、赤外線温度センサまたは処理回路808によって決定される温度の精度を高めるために複数の光検出器を含んでもよく、これは、赤外線エネルギーが測定される表面積が増加するにつれて特に有用であり得る。したがって、赤外線温度センサが、エアロゾル前駆体組成物(例えばエアロゾル前駆体組成物410)によって放出された赤外線エネルギーを測定するように構成されるいくつかの例では、赤外線温度センサは、エアロゾル前駆体組成物の複数の区画によって放出された赤外線エネルギーを測定するように構成された複数の光検出器828を含んでもよい。これは、エアロゾル源部材304の外面の異なる部分、ひいてはエアロゾル前駆体組成物410の複数の区画から放出された赤外線エネルギーを測定するように構成された赤外線温度センサを含んでもよい。いくつかの例では、次いで、処理回路または赤外線温度センサは、複数の光検出器によって測定された赤外線エネルギーから、エアロゾル前駆体組成物の複数の区画の温度を決定するように構成されてもよく、処理回路は、温度の平均が所定の目標から逸脱したときに電圧を調整するように構成されてもよい。これに関して、平均温度とは、温度の代表としてとられる温度である。いくつかの例では、平均温度は、温度の算術平均であってよい。他の例では、平均温度は、温度の幾何平均、調和平均、中央値、最頻値または中間範囲であってよい。
【0133】
加熱要素816が、複数の加熱要素を含むセグメント化されたヒータ730の加熱要素732の機能に対応するかそれを含むいくつかの例では、赤外線温度センサ826は、複数の光検出器828を含んでもよい。これらの例のいくつかでは、各光検出器は、複数の加熱要素のうちのそれぞれの加熱要素によって、またはそれぞれの加熱要素が電力供給されて加熱可能である、エアロゾル前駆体組成物の複数の区画のうちの一区画によって放出された赤外線エネルギーを測定するように構成されてもよい。エアロゾル前駆体組成物の各光検出器および区画について、処理回路808または赤外線温度センサは、光検出器によって測定された赤外線エネルギーから、それぞれの加熱要素または区画の温度を決定するように構成されてもよい。次いで、処理回路は、区画の温度が区画の所定の目標から逸脱したときに、電源812からそれぞれの加熱要素への電圧を調整するように構成されてもよい。区画の所定の目標は、複数の区画にわたって共通であってよいか、区画の所定の目標は、複数の区画のうちの少なくとも2つの区画について異なっていてもよい。
【0134】
様々な例示的な実施形態では、赤外線温度センサ826は、上述したものに加えて、またはその代わりに、エアロゾル送達デバイス800の機能を可能にしてもよい。例えば、処理回路808は、温度が閾値温度よりも高いときに、加熱要素816のロックアウトを実行するように構成されてもよい。
【0135】
いくつかの例では、赤外線温度センサ826は、加熱要素816が電力供給されていないときに、エアロゾル前駆体組成物によって放出された周囲赤外線エネルギーを測定するように構成されてもよい。これらの例のいくつかでは、処理回路808は、赤外線温度センサによって測定された周囲赤外線エネルギーから、エアロゾル前駆体組成物の周囲温度を決定するように構成されてもよい。次いで、処理回路は、周囲温度と、真正のエアロゾル前駆体組成物、または特定のエアロゾル前駆体組成物であるエアロゾル前駆体組成物の既知の周囲温度との比較に基づいて、エアロゾル前駆体組成物の認証を行うように構成されてもよい。いくつかのさらなる例では、処理回路は、認証に基づいてエアロゾル送達デバイス800のロック状態を変更するようにさらに構成されてもよい。処理回路は、エアロゾル前駆体組成物が真正の(特定の)エアロゾル前駆体組成物と一致するか、そうでなければ実質的に同様であるときに、エアロゾル送達デバイスをロック解除してもよい。逆に、処理回路は、エアロゾル前駆体組成物が真正の(特定の)エアロゾル前駆体組成物と一致せず、そうでなければ実質的に同様でないときに、エアロゾル送達デバイスをロックしてもよい。
【0136】
物品の使用の上記の説明は、本明細書に提供されるさらなる開示に照らして当業者には明らかであり得る軽微な変更を介して、本明細書に記載される様々な例示的な実施形態に適用され得る。ただし、上記の使用の説明は、物品の使用を限定することを意図するものではなく、本開示のすべての必要な開示要件に従うために提供される。
図1から
図8に示されたか、そうでなければ上記に記載された物品に示された要素はいずれも、本開示によるエアロゾル送達デバイスに含まれ得る。
【0137】
上記の説明および関連する図面に示された教示の利益を有し、本開示が関連する当業者には、本開示の多くの変更および他の実施形態が思い浮かぶであろう。したがって、本開示は、本明細書に開示された特定の実施形態に限定されるものではなく、変更および他の実施形態が添付の特許請求の範囲内に含まれることが意図されることが理解されるべきである。本明細書では特定の用語を使用しているが、それらは一般的かつ説明的な意味でのみ使用され、限定のために使用されない。
【国際調査報告】