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特表2022-550853合わせて化学反応する2つの流体を分配するための並列する噴霧先端を有する噴霧装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-05
(54)【発明の名称】合わせて化学反応する2つの流体を分配するための並列する噴霧先端を有する噴霧装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/00 20060101AFI20221128BHJP
【FI】
A61B17/00 400
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022520465
(86)(22)【出願日】2020-09-30
(85)【翻訳文提出日】2022-05-06
(86)【国際出願番号】 IB2020059183
(87)【国際公開番号】W WO2021064617
(87)【国際公開日】2021-04-08
(31)【優先権主張番号】16/593,799
(32)【優先日】2019-10-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512080321
【氏名又は名称】エシコン・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Ethicon, Inc.
【住所又は居所原語表記】P.O. Box 151, U.S. Route 22, Somerville, NJ 08876, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】トレッツァ・ザ・セカンド・マイケル・ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】ゴドベイン・サリム・エイ
(72)【発明者】
【氏名】コーン・サイモン
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160MM18
4C160MM43
(57)【要約】
噴霧装置は、第1の流れ面積を画定する第1の流体経路を有する第1の噴霧先端を含み、第2の噴霧先端は、第1の噴霧先端の第1の流れ面積よりも大きい第2の流れ面積を画定する第2の流体経路を含む。第1の噴霧先端及び第2の噴霧先端は、噴霧装置の遠位端で並列し、互いに離間している。ある体積流量を有する第1の流体が第1の噴霧先端に導入され、同じ体積流量を有する第2の流体が第2の噴霧先端に導入されると、第1の流体は、第2の流体が第2の流体経路を通過するよりも大きい速度で、第1の流体経路を通って流れることになる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
並列する噴霧先端を有する噴霧装置であって、
第1の流れ面積を画定する第1の流体経路を含む第1の噴霧先端と、
前記第1の噴霧先端に隣接する第2の噴霧先端であって、前記第2の噴霧先端は、前記第1の噴霧先端の前記第1の流れ面積よりも大きい第2の流れ面積を画定する第2の流体経路を含む、第2の噴霧先端と、を備え、
前記第1の噴霧先端及び前記第2の噴霧先端は、前記噴霧装置の遠位端で並列し、互いに離間している、噴霧装置。
【請求項2】
ある体積流量を有する第1の流体が前記第1の噴霧先端に導入され、前記第1の流体と同じ体積流量を有する第2の流体が前記第2の噴霧先端に導入されるとき、前記第1の流体は、前記第2の流体が前記第2の噴霧先端の前記第2の流体経路を通って流れるよりも大きい速度で、前記第1の噴霧先端の前記第1の流体経路を通って流れることになる、請求項1に記載の噴霧装置。
【請求項3】
第1の噴霧ハウジングと、前記第1の噴霧ハウジングの遠位端に組み付けられた第1のオリフィスカップと、を含む、前記第1の噴霧先端であって、前記第1のオリフィスカップは、内面に前記第1の流体経路が形成されている遠位端壁を有する、前記第1の噴霧先端と、
第2の噴霧ハウジングと、前記第2の噴霧ハウジングの遠位端に組み付けられた第2のオリフィスカップと、を含む、前記第2の噴霧先端であって、前記第2のオリフィスカップは、内面に前記第2の流体経路が形成されている遠位端壁を有する、前記第2の噴霧先端と、を更に備える、請求項2に記載の噴霧装置。
【請求項4】
前記第1のオリフィスカップの前記遠位端壁の前記内面に形成された前記第1の流体経路は、外周を有する第1のスワール室と、前記第1の流体を前記第1のスワール室内にて円形パターンで回転させるために前記第1の流体を前記第1のスワール室の前記外周内に方向付ける内側端部を有する溝と、を含む、請求項3に記載の噴霧装置。
【請求項5】
前記第2のオリフィスカップの前記遠位端壁の前記内面に形成された前記第2の流体経路は、外周を有する第2のスワール室と、前記第2の流体を前記第2のスワール室内にて円形パターンで回転させるために前記第2の流体を前記第2のスワール室の前記外周内に方向付ける内側端部を有する溝と、を含む、請求項4に記載の噴霧装置。
【請求項6】
前記第1の流体を前記第1のスワール室の前記外周内に方向付ける前記溝の前記内側端部は、第1の断面積を画定し、前記第2の流体を前記第2のスワール室の前記外周内に方向付ける前記溝の前記内側端部は、前記第1の断面積とは異なる第2の断面積を画定する、請求項5に記載の噴霧装置。
【請求項7】
前記第2の流体経路の前記溝の前記第2の断面積は、前記第1の流体経路の前記溝の前記第1の断面積の少なくとも2倍の大きさである、請求項6に記載の噴霧装置。
【請求項8】
前記第2の流体経路の前記溝の前記第2の断面積は、前記第1の流体経路の前記溝の前記第1の断面積の少なくとも4倍の大きさである、請求項7に記載の噴霧装置。
【請求項9】
前記第1のスワール室は、第1の直径を有し、前記第2のスワール室は、前記第1のスワール室の前記第1の直径と同じ第2の直径を有する、請求項5に記載の噴霧装置。
【請求項10】
前記第1のオリフィスカップは、
近位開口部を有する近位端と、前記遠位端壁によって閉鎖された遠位端と、を有する円筒形外壁と、
前記遠位端壁を通過し、かつ前記第1のスワール室と流体連通している第1の噴霧開口部と、を含む、請求項4に記載の噴霧装置。
【請求項11】
前記第1の噴霧ハウジングは、
第1の管状本体であって、近位開口部を有する近位端と、遠位開口部を有する遠位端と、前記第1の管状本体の前記近位開口部から前記遠位開口部まで延在する細長い導管と、を有する、第1の管状本体と、
前記細長い導管内に配設され、前記第1の管状本体の前記遠位端に位置する第1の円筒形インサートであって、前記第1の円筒形インサートは、その遠位端に遠位端壁を有する、第1の円筒形インサートと、を含み、前記第1のオリフィスカップは、前記第1のオリフィスカップの前記遠位端壁の前記内面が前記第1の円筒形インサートの前記遠位端壁の外面と接触する状態で、前記第1の円筒形インサートの前記遠位端が前記第1のオリフィスカップの前記円筒形外壁の内側に配設されるように、前記第1の円筒形インサートに組み付けられている、請求項10に記載の噴霧装置。
【請求項12】
前記第1のスワール室及び前記第1のオリフィスカップの前記溝は、前記第1の円筒形インサートの前記遠位端壁の前記外面と前記第1のオリフィスカップの前記遠位端壁との間に配設されている、請求項11に記載の噴霧装置。
【請求項13】
前記第1のオリフィスカップの前記溝は、
前記第1のオリフィスカップの前記円筒形外壁に隣接する外側端部と、前記第1のスワール室の前記外周に位置する内側端部と、を有する第1の溝と、
前記第1のオリフィスカップの前記円筒形外壁に隣接する外側端部と、前記第1のスワール室の前記外周に位置する内側端部と、を有する第2の溝と、を含み、前記第1の溝及び前記第2の溝は、前記第1の流体を前記第1のスワール室内にて円形パターンで回転させるため、前記第1の流体を前記第1のスワール室の前記外周内に方向付ける、請求項12に記載の噴霧装置。
【請求項14】
前記第2のオリフィスカップは、
近位開口部を有する近位端と、前記遠位端壁によって閉鎖された遠位端と、を有する円筒形外壁と、
前記遠位端壁を通過し、前記第2のスワール室と流体連通している第2の噴霧開口部と、を含む、請求項4に記載の噴霧装置。
【請求項15】
前記第2の噴霧ハウジングは、
第2の管状本体であって、近位開口部を有する近位端と、遠位開口部を有する遠位端と、前記第2の管状本体の前記近位開口部から前記遠位開口部まで延在する細長い導管と、を有する、第2の管状本体を含み、
前記第2の噴霧ハウジングは、前記細長い導管内に配設され、前記第2の管状本体の前記遠位端に位置する第2の円筒形インサートを有し、前記第2の円筒形インサートは、その遠位端に遠位端壁を有し、前記第2のオリフィスカップは、前記第2のオリフィスカップの前記遠位端壁の前記内面が前記第2の円筒形インサートの前記遠位端壁の外面と接触する状態で、前記第2の円筒形インサートの前記遠位端が前記第2のオリフィスカップの前記円筒形外壁の内側に配設されるように、前記第2の円筒形インサートに組み付けられている、請求項14に記載の噴霧装置。
【請求項16】
前記第2のスワール室及び前記第2のオリフィスカップの前記溝は、前記第2の円筒形インサートの前記遠位端壁の前記外面と前記第2のオリフィスカップの前記遠位端壁との間に配設されている、請求項15に記載の噴霧装置。
【請求項17】
前記第2のオリフィスカップの前記溝は、
前記第2のオリフィスカップの前記円筒形外壁に隣接する外側端部と、前記第2のスワール室の前記外周に位置する内側端部と、を有する第1の溝と、
前記第2のオリフィスカップの前記円筒形外壁に隣接する外側端部と、前記第2のスワール室の前記外周に位置する内側端部と、を有する第2の溝と、
前記第2のオリフィスカップの前記円筒形外壁に隣接する外側端部と、前記第2のスワール室の前記外周に位置する内側端部と、を有する第3の溝と、
前記第2のオリフィスカップの前記円筒形外壁に隣接する外側端部と、前記第2のスワール室の前記外周に位置する内側端部と、を有する第4の溝と、を含み、前記第1の溝、前記第2の溝、前記第3の溝、及び前記第4の溝は、前記第2の流体を前記第2のスワール室内にて円形パターンで回転させるため、前記第2の流体を前記第2のスワール室の前記外周内に方向付ける、請求項16に記載の噴霧装置。
【請求項18】
前記第1の流体は、フィブリノーゲンを含み、前記第2の流体は、トロンビンを含む、請求項1に記載の噴霧装置。
【請求項19】
並列する噴霧先端を有する噴霧装置であって、
より高粘度の流体を含有する第1の注射器と、
前記より高粘度の流体と反応するより低粘度の流体を含有する第2の注射器と、
前記より高粘度の流体を噴霧するための第1の噴霧先端であって、前記第1の噴霧先端は、前記第1の注射器と流体連通し、第1の流れ面積を画定する第1の流体経路を含む、第1の噴霧先端と、
前記より低粘度の流体を噴霧するための第2の噴霧先端であって、前記第2の噴霧先端は、前記第2の注射器と流体連通し、前記第1の噴霧先端の前記第1の流れ面積よりも大きい第2の流れ面積を画定する第2の流体経路を含む、第2の噴霧先端と、を備え、
前記第1の噴霧先端及び前記第2の噴霧先端は、前記噴霧装置の遠位端で並列し、互いに離間している、噴霧装置。
【請求項20】
より高粘度の流体は、ある体積流量で前記第1の噴霧先端内に方向付けられ、前記より低粘度の流体は、前記より高粘度の流体に使用される体積流量と同じ体積流量で前記第2の噴霧先端内に方向付けられ、前記より高粘度の流体は、前記より低粘度の流体が前記第2の噴霧先端の前記第2の流体経路を通って流れるよりも大きい速度で、前記第1の噴霧先端の前記第1の流体経路を通って流れることになる、請求項19に記載の噴霧装置。
【請求項21】
前記より高粘度の流体が前記噴霧装置の前記遠位端に向かって一方向のみに流れることを可能にするための、前記第1の注射器の遠位端と前記第1の噴霧先端の近位端との間に配設された第1の一方向逆止弁と、
前記より低粘度の流体が前記噴霧装置の前記遠位端に向かって一方向のみに流れることを可能にするための、前記第2の注射器の遠位端と前記第2の噴霧先端の近位端との間に配設された第2の一方向逆止弁と、を更に備える、請求項20に記載の噴霧装置。
【請求項22】
前記第1の注射器の前記遠位端と前記第1の噴霧先端の前記近位端との間に配設された第1の圧力制御弁であって、前記第1の圧力制御弁は、前記より高粘度の流体が第1の所定の圧力レベルに達したときに開放される、第1の圧力制御弁と、
前記第2の注射器の前記遠位端と前記第2の噴霧先端の前記近位端との間に配設された第2の圧力制御弁であって、前記第2の圧力制御弁は、前記より低粘度の流体が第2の所定の圧力レベルに達したときに開放される、第2の圧力制御弁と、を更に備える、請求項21に記載の噴霧装置。
【請求項23】
前記第1の注射器の前記遠位端と前記第1の噴霧先端の前記近位端との間に配設された第1の圧力制御弁と、
前記第2の注射器の前記遠位端と前記第2の噴霧先端の前記近位端との間に配設された第2の圧力制御弁と、を更に備え、前記第1の圧力制御弁及び前記第2の圧力制御弁は、開放位置と閉鎖位置との間で同時に移動するために一緒に結合されている、請求項21に記載の噴霧装置。
【請求項24】
前記より高粘度の流体は、フィブリノーゲンを含み、前記より低粘度の流体は、組織シーラントを形成するためにそれぞれの前記第1の噴霧先端及び前記第2の噴霧先端の遠位端から噴霧された後に、前記フィブリノーゲンと化学反応するトロンビンを含む、請求項19に記載の噴霧装置。
【請求項25】
噴霧装置であって、前記噴霧装置の遠位端で並列し、互いに離間している第1の噴霧先端及び第2の噴霧先端を有し、
第1の噴霧ハウジングと、前記第1の噴霧ハウジングの遠位端に組み付けられた第1のオリフィスカップと、を含む、第1の噴霧先端であって、前記第1のオリフィスカップは、内面に第1の流れ面積を画定する第1の流体経路が形成されている遠位端壁を有する、第1の噴霧先端と、
第2の噴霧ハウジングと、前記第2の噴霧ハウジングの遠位端に組み付けられた第2のオリフィスカップと、を含む、第2の噴霧先端であって、前記第2のオリフィスカップは、内面に前記第1のオリフィスカップの前記第1の流れ面積よりも大きい第2の流れ面積を画定する第2の流体経路が形成されている遠位端壁を有する、第2の噴霧先端と、
前記第1の噴霧先端と流体連通するより高粘度の流体を含有する第1の注射器と、
前記第2の噴霧先端と流体連通し、かつそれぞれの前記第1の噴霧先端及び前記第2の噴霧先端の遠位端から噴霧された後に、前記より高粘度の流体と化学反応するように適合されている、より低粘度の流体を含有する第2の注射器と、を備え、
前記より高粘度の流体は、ある体積流量で前記第1の噴霧先端内に方向付けられ、前記より低粘度の流体は、前記より高粘度の流体に使用される体積流量と同じ体積流量で前記第2の噴霧先端内に方向付けられ、前記より高粘度の流体は、前記より低粘度の流体が前記第2のオリフィスカップの前記第2の流体経路を通って流れるよりも大きい速度で、前記第1のオリフィスカップの前記第1の流体経路を通って流れることになる、噴霧装置。
【請求項26】
前記第1のオリフィスカップの前記遠位端壁の前記内面に形成された前記第1の流体経路は、外周を有する第1のスワール室と、前記より高粘度の流体を前記第1のスワール室内にて円形パターンで回転させるために、前記より高粘度の流体を前記第1のスワール室の前記外周内に方向付ける内側端部を有する溝と、を含み、
前記第2のオリフィスカップの前記遠位端壁の前記内面に形成された前記第2の流体経路は、外周を有する第2のスワール室と、前記より低粘度の流体を前記第2のスワール室内にて円形パターンで回転させるために、前記より低粘度の流体を前記第2のスワール室の前記外周内に方向付ける内側端部を有する溝と、を含み、
前記第1の流体を前記第1のスワール室の前記外周内に方向付ける前記溝の前記内側端部は、第1の断面積を画定し、前記第2の流体を前記第2のスワール室の前記外周内に方向付ける前記溝の前記内側端部は、前記第1の流体経路の前記溝の前記第1の断面積の少なくとも2倍の大きさである第2の断面積を画定する、請求項25に記載の噴霧装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本特許出願は、一般に、流体を分配するための医療装置に関し、より具体的には、医療手技及び外科手技での使用のための、合わせて反応する流体を分配する噴霧先端を有する噴霧装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、低侵襲的外科(MIS)技術は、広範な外科手技を実行するための従来の外科的技術の代替として浮上している。MIS手技は、身体に作られた小さな切開部に挿入されるカニューレ及び/又はトロカールを通して、複数の装置及び/又は外科用具が体内に導入され得る点で、従来の外科手技とは異なる。MIS技術を使用した結果として、身体への外傷が大幅に低減され、患者の回復時間を減少させる。
【0003】
低侵襲的外科手技の1つのタイプは、ヘルニア、結腸機能不全、胃食道逆流疾患、胆嚢障害などを治療するために使用されるラパロスコープ外科手技を伴う。典型的には、ラパロスコープ外科手技を受けている患者は、手術を受けた後、数時間で帰宅することができる。
【0004】
MIS手技を実施するときに提示される1つの課題は、手術部位の出血を制御することに関する。従来の直視下外科手技とは対照的に、ラパロスコープ手技中、外科医による外科手術部位又は外科手術腔へのアクセスが大幅に低減される。
【0005】
これに応答して、外科手術部位の切開部を閉じる際に使用する組織シーラント及び他の生物学的接着剤が開発されてきた。組織シーラントとしては、トロンビン及びフィブリノーゲン材料で構成されるフィブリン封止剤が挙げられ得るが、他の処方も利用可能である。典型的には、組織シーラント(例えば、トロンビン及びフィブリノーゲン)の個々の成分は、成分が互いに接触すると急速に反応するため、分離されたリザーバ内に別々に貯蔵される。多くの場合、2つの別個の成分は、組織に適用される直前に初めて一緒に混合される。
【0006】
流体を噴霧するための医療装置は、米国特許第5,152,460号、同第5,526,981号、同第6,432,084号、同第6,547,161号、同第6,612,506号、同第7,163,160号、同第7,694,944号、及び米国特許出願公開第2009/0108091号に開示されている。
【0007】
混合すると、これらの成分は非常に迅速に凝固し、短時間(例えば、10~20秒以内)に接着剤ゲルを生成する。身体の外側に適用されるとき、又は適用部位へのアクセスが可能であるとき、組織シーラントの急速な凝固特性が有利となる。しかしながら、組織シーラントの即効性のある特性は、多くの場合、成分を分配するために使用される噴霧先端を詰まらせる。
【0008】
組織シーラントを霧化するために使用される市販の噴霧先端は、典型的には、噴霧先端内で噴霧前に組織シーラントの成分を混合することによって作用する。生物製剤の即効性のある性質により、噴霧先端は、典型的には、噴霧先端を通る流体の流れが停止した途端に(例えば、典型的には1~2秒で)詰まる。噴霧先端が詰まると、生物製剤を霧化するために使用できなくなり、新しい噴霧先端に交換しなければならない。
【0009】
外科医は、噴霧する能力を有し、噴霧の結果(止血が行われていること)を評価し、次いで噴霧先端を変更する必要なく続けて噴霧することを好む。この必要性は、装置を除去して噴霧先端を変え、噴霧用の装置を再配置することに時間がかかる手技である低侵襲/ロボット手術において、特に価値がある。
【0010】
例えば、図1は、合わせて反応する2つの流体を噴霧するために使用される先行技術の噴霧装置50を示す。噴霧装置50は、第1の流体を受容するように適合された第1の管腔54と、2つの流体が装置から噴霧される前に第1の流体と混合される第2の流体を受容するように適合された第2の管腔56と、を有するマニホールド52を有する。マニホールド52は、第1の流体及び第2の流体を噴霧先端58で組み合わせて混合するために、第1の管腔54及び第2の管腔56に流入する第1の流体及び第2の流体が合流する流体導管を有する。噴霧装置50は、2つの流体が一緒に混合された後にそれらを噴霧する噴霧オリフィス60を有する噴霧先端を含む。一緒に混合された第1の流体及び第2の流体は、噴霧先端58の遠位端に位置する噴霧オリフィス60から噴霧される。第1の流体及び第2の流体の混合は、典型的には噴霧先端58の遠位端で行われるが、多くの場合、噴霧が停止されると、ほぼ瞬時に噴霧先端58の詰まりを引き起こす。したがって、噴霧装置は、1回のみ噴霧するために使用することができ、その後は、第1の流体及び第2の流体を続けて噴霧するために噴霧先端58を新しい噴霧先端に交換しなければならない。
【0011】
図2は、合わせて反応する2つの流体を噴霧するために使用される第2の先行技術の噴霧装置70を示す。噴霧デバイス70は、第1の管腔74を通って流れる第1の流体と、第2の管腔76を通って流れる第2の流体とを一緒にするマニホールド72を含む。マニホールド72は、第1の流体を第1の噴霧オリフィス80Aから、及び第2の流体を第2の噴霧オリフィス80Bから噴霧するため、第1の流体及び第2の流体を下流に方向付ける。噴霧後、第1の流体及び第2の流体は、マニホールド72の遠位端面82上に溜まる傾向があり、第1の噴霧オリフィス80A及び第2の噴霧オリフィス80Bを詰まらせる。第1の流体及び第2の流体を噴霧し続けるためには、噴霧オリフィスの詰まりを取り除くか、マニホールド72全体を新しいマニホールドに交換しなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
上記の欠陥を考慮して、生物製剤及び即効性のある組織シーラントを噴霧し、噴霧の結果(例えば、止血が行われたかどうか)を評価し、次いで、噴霧先端を変更する必要なく噴霧し続ける能力を外科医に提供する噴霧先端を有する、流体分配装置が継続的に必要とされている。この必要性を満たすことは、噴霧先端を変更するために、及び/又は噴霧のための装置を再配置するために、装置をカニューレから、又は患者の体内から除去することに時間がかかる手技である最小侵襲/ロボット手術において、特に価値がある。
【0013】
更に、組織上に組織シーラントを分配するための改善された詰まり防止噴霧先端が必要とされている。加えて、互いに急速に反応する2つの成分を、標的表面に近接して噴霧するための医療装置が必要とされている。
【0014】
また、遠隔地から生体内のある場所に複数成分の組織シーラントを効果的に送達することができ、それによって装置を簡単に、効率的に、かつ均一に大量生産することができる、流体分配装置も必要とされている。加えて、直視下外科手技中に使用され得る複数成分の組織シーラントを効果的に送達することができる流体分配装置が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0015】
流体の霧化は、流体と空気との間の速度差から生じる。同様に構築された噴霧装置を使用すると、より高粘度の流体よりも、より低粘度の流体のほうが霧化しやすい。例えば、より低粘度の流体、トロンビンは低粘度の流体を含むため、霧化しやすい。対照的に、より高粘度の流体、フィブリノーゲンは、トロンビンよりも著しく高い粘性があり、フィブリノーゲンの霧化をより困難にしている。したがって、同一の噴霧装置が、最初にトロンビンを霧化し、その後にフィブリノーゲンを霧化するために使用される場合、より低粘度のトロンビンの噴霧は、より微細な液体粒子でより広い噴霧パターンを有するが、より高粘度のフィブリノーゲンの噴霧は、より大きい液体粒子でより狭い噴霧パターンを有することになるか、又はより高粘度の流体は、霧化された噴霧ではなく流体の流れを形成することになる。
【0016】
今日まで、噴霧装置の先行技術の設計は、流体の流量又は速度を増加させるために流体経路の長さを最小化することに焦点を当ててきた。一実施形態では、本明細書に開示される噴霧装置は、フィブリノーゲンなどのより高粘度の流体を噴霧するための改善された新規な手段を提供する。一実施形態では、噴霧装置は、流体経路、より具体的には、噴霧開口部を有するオリフィスカップ上に提供される流体経路の流れ面積を変える。
【0017】
一実施形態では、噴霧装置は、噴霧先端から分配される前に、より高粘度の流体の流量を増加させることによって、より高い粘度を有する流体を効果的に噴霧する。この方法は、狭窄部を通過するにつれて非圧縮性流体の速度が増加することを示した流体力学の原理に依存する。言い換えれば、流体の流体経路の断面積が狭くなる場合、流体が流体経路のより狭い区分を通過するときに、流体の流量又は速度は増加する。
【0018】
したがって、一実施形態では、フィブリノーゲンなどのより粘性の高い流体には、流れ面積のより小さい第1の流体経路を有する噴霧先端を通過させて、スワール室内のより粘性の高い流体の流量を高速化し、より粘性の高い流体を許容可能なレベルに霧化する。対照的に、より粘性の低い流体を許容可能なレベルに霧化するには、エネルギーをあまり必要としないため、トロンビンなどの低粘性流体は、流れ面積のより大きい第2の流体経路を有する噴霧先端を通過させることができる。
【0019】
一実施形態では、並列する噴霧先端を有する噴霧装置は、好ましくは、第1の流れ面積を画定する第1の流体経路を含む第1の噴霧先端と、第1の噴霧先端に隣接する第2の噴霧先端と、を含み、第2の噴霧先端は、第1の噴霧先端の第1の流れ面積よりも大きい第2の流れ面積を画定する第2の流体経路を含む。第1の噴霧先端及び第2の噴霧先端は、好ましくは噴霧装置の遠位端で並列し、互いに離間している。
【0020】
一実施形態では、ある体積流量を有する第1の流体(例えば、フィブリノーゲン)が第1の噴霧先端に導入され、第1の流体と同じ体積流量を有する第2の流体(例えば、トロンビン)が第2の噴霧先端に導入されると、第1の流体は、第2の流体が第2の噴霧先端の第2の流体経路を通過するよりも高速で、第1の噴霧先端の第1の流体経路を通過することになる。
【0021】
一実施形態では、第1の噴霧先端は、第1の噴霧ハウジングと、第1の噴霧ハウジングの遠位端に組み付けられた第1のオリフィスカップと、を含み得る。一実施形態では、第1のオリフィスカップは、第1の流体経路が内面に形成されている遠位端壁を有する。
【0022】
一実施形態では、第2の噴霧先端は、好ましくは、第2の噴霧ハウジングと、第2の噴霧ハウジングの遠位端に組み付けられた第2のオリフィスカップと、を含む。一実施形態では、第2のオリフィスカップは、第2の流体経路が内面に形成されている遠位端壁を有する。
【0023】
一実施形態では、第1のオリフィスカップの遠位端壁の内面に形成された第1の流体経路は、望ましくは、外周を有する第1のスワール室と、第1の流体を第1のスワール室内にて円形パターンで回転させるために、第1の流体を第1のスワール室の外周内に方向付ける内側端部を有する溝と、を含む。
【0024】
一実施形態では、第2のオリフィスカップの該遠位端壁の内面に形成された第2の流体経路は、好ましくは、外周を有する第2のスワール室と、第2の流体を第2のスワール室内にて円形パターンで回転させるために、第2の流体を第2のスワール室の外周内に方向付ける内側端部を有する溝と、を含む。
【0025】
一実施形態では、第1の流体を第1のスワール室の外周内に方向付ける溝の内側端部は、第1の断面積を画定し、第2の流体を第2のスワール室の外周内に方向付ける溝の内側端部は、第1の断面積とは異なる第2の断面積を画定する。
【0026】
一実施形態では、第2の流体経路の溝の第2の断面積は、第1の流体経路の溝の第1の断面積の少なくとも2倍の大きさである。
【0027】
一実施形態では、第2の流体経路の溝の第2の断面積は、第1の流体経路の溝の第1の断面積の少なくとも4倍の大きさである。
【0028】
一実施形態では、第1のスワール室は、第1の直径を有し、該第2のスワール室は、第1のスワール室の第1の直径と同じ第2の直径を有する。
【0029】
一実施形態では、第1のオリフィスカップは、近位開口部を有する近位端と、遠位端壁によって閉鎖された遠位端と、遠位端壁を通過し、かつ第1のスワール室と流体連通している第1の噴霧開口部と、を有する円筒形外壁を含み得る。
【0030】
一実施形態では、第1の噴霧ハウジングは、近位開口部を有する近位端と、遠位開口部を有する遠位端と、を有する第1の管状本体と、第1の管状本体の近位開口部から遠位開口部まで延在する細長い導管と、を含み得る。
【0031】
一実施形態では、第1の噴霧ハウジングは、細長い導管内に配設され、第1の管状本体の遠位端に位置する第1の円筒形インサートを含み得る。一実施形態では、第1の円筒形インサートは、好ましくは、その遠位端に遠位端壁を有する。一実施形態では、第1のオリフィスカップは、第1の円筒形インサートの遠位端が第1のオリフィスカップの円筒形外壁の内側に配設され、第1のオリフィスカップの遠位端壁の内面が第1の円筒形インサートの遠位端壁の外面と接触するように、第1の円筒形インサートに組み付けられている。
【0032】
一実施形態では、第1のオリフィスカップが第1の噴霧ハウジングの第1の円筒形インサートに組み付けられると、第1のスワール室及び第1のオリフィスカップの溝は、第1の円筒形インサートの遠位端壁の外面と第1のオリフィスカップの遠位端壁との間に配設される。
【0033】
一実施形態では、第1のオリフィスカップの溝は、好ましくは、第1のオリフィスカップの円筒形外壁に隣接する外側端部と、第1のスワール室の外周に位置する内側端部と、を有する第1の溝、及び第1のオリフィスカップの円筒形外壁に隣接する外側端部と、第1のスワール室の外周に位置する内側端部と、を有する第2の溝を含む。一実施形態では、第1の溝及び第2の溝は、好ましくは、第1の流体を第1のスワール室内にて円形パターンで回転させるために、第1の流体を第1のスワール室の外周内に方向付ける。
【0034】
一実施形態では、第2のオリフィスカップは、近位開口部を有する近位端と、遠位端壁によって閉鎖された遠位端と、遠位端壁を通過し、かつ第2のスワール室と流体連通している第2の噴霧開口部と、を有する円筒形外壁を含み得る。
【0035】
一実施形態では、第2の噴霧ハウジングは、近位開口部を有する近位端と、遠位開口部を有する遠位端と、近位開口部から第2の管状本体の遠位開口部まで延在する細長い導管と、を有する第2の管状本体を含み得る。
【0036】
一実施形態では、第2の噴霧ハウジングは、好ましくは、細長い導管内に配設され、第2の管状本体の遠位端に位置する第2の円筒形インサートを含む。一実施形態では、第2の円筒形インサートは、望ましくは、その遠位端に遠位端壁を含む。一実施形態では、第2のオリフィスカップは、第2の円筒形インサートの遠位端が第2のオリフィスカップの円筒形外壁の内側に配設され、第2のオリフィスカップの遠位端壁の内面が第2の円筒形インサートの遠位端壁の外面と接触するように、第2の円筒形インサートに組み付けられている。
【0037】
一実施形態では、第2のオリフィスカップが第2の円筒形インサートに組み付けられると、第2のスワール室及び第2のオリフィスカップの溝は、第2の円筒形インサートの遠位端壁の外面と第2のオリフィスカップの遠位端壁との間に配設される。
【0038】
一実施形態では、第2のオリフィスカップの溝は、第2のオリフィスカップの円筒形外壁に隣接する外側端部と、第2のスワール室の外周に位置する内側端部と、を有する第1の溝、第2のオリフィスカップの円筒形外壁に隣接する外側端部と、第2のスワール室の外周に位置する内側端部と、を有する第2の溝、第2のオリフィスカップの円筒形外壁に隣接する外側端部と、第2のスワール室の外周に位置する内側端部と、を有する第3の溝、及び第2のオリフィスカップの円筒形外壁に隣接する外側端部と、第2のスワール室の外周に位置する内側端部と、を有する第4の溝を含み得る。
【0039】
一実施形態では、第2のオリフィスカップの第1の溝、第2の溝、第3の溝、及び第4の溝は、望ましくは、第2の流体を第2のスワール室内にて円形パターンで回転させるために、第2の流体を第2のスワール室の外周内に方向付ける。
【0040】
一実施形態では、並列噴霧先端を有する噴霧装置は、好ましくは、より高粘度の流体(例えば、フィブリノーゲン)を含有する第1の注射器と、より高粘度の流体と反応するより低粘度の流体(例えば、トロンビン)を含有する第2の注射器と、を含む。
【0041】
一実施形態では、噴霧装置は、好ましくは、より高粘度の流体を噴霧するための第1の噴霧先端を有する。一実施形態では、第1の噴霧先端は、第1の注射器と流体連通し、第1の流れ面積を画定する第1の流体経路を含む。
【0042】
一実施形態では、噴霧装置は、好ましくは、より低粘度の流体を噴霧するための第2の噴霧先端を有する。一実施形態では、第2の噴霧先端は、第2の注射器と流体連通し、第1の噴霧先端の第1の流れ面積よりも大きい第2の流れ面積を画定する第2の流体経路を含む。
【0043】
一実施形態では、噴霧装置の第1の噴霧先端及び第2の噴霧先端は、望ましくは噴霧装置の遠位端で並列し、互いに離間している。
【0044】
一実施形態では、より高粘度の流体の体積がある流量で第1の噴霧先端内に方向付けられ、より低粘度の流体が、より高粘度の流体に使用される体積及び流量と同じ体積及び流量で第2の噴霧先端内に方向付けられた場合、より高粘度の流体は、好ましくは、より低粘度の流体が第2の噴霧先端の第2の流体経路を通って流れるよりも大きい流量で、第1の噴霧先端の第1の流体経路を通って流れる。
【0045】
一実施形態では、より高粘度の流体、フィブリノーゲンと、より低粘度の流体、トロンビンとは、組織シーラントなどのシーランドを表面上に形成するため、それぞれの第1の噴霧先端及び第2の噴霧先端の遠位端から噴霧された後に互いに化学反応する。
【0046】
一実施形態では、噴霧装置は、より高粘度の流体が噴霧装置の遠位端に向かって一方向のみに流れることを可能にするため、第1の注射器の遠位端と第1の噴霧先端の近位端との間に配設された第1の一方向逆止弁を含み得る。
【0047】
一実施形態では、噴霧装置は、より低粘度の流体が噴霧装置の遠位端に向かって一方向のみに流れることを可能にするため、第2の注射器の遠位端と第2の噴霧先端の近位端との間に配設された第2の一方向逆止弁を含み得る。
【0048】
一実施形態では、噴霧装置は、第1の注射器の遠位端と第1の噴霧先端の近位端との間に配設された第1の圧力制御弁を含み得る。一実施形態では、第1の圧力制御弁は、より高粘度の流体が第1の所定の圧力レベルに達したときに開放される。
【0049】
一実施形態では、噴霧装置は、第2の注射器の遠位端と第2の噴霧先端の近位端との間に配設された第2の圧力制御弁を含み得る。一実施形態では、第2の圧力制御弁は、より低粘度の流体が第2の所定の圧力レベルに達したときに開放される。
【0050】
一実施形態では、噴霧装置は、第1の流体を第1の流体経路内に、及び第2の流体を第2の流体経路内に方向付けるために同時に作動するように、一緒に結合された2つの圧力制御弁を含み得る。
【0051】
一実施形態では、噴霧装置の遠位端で並列し、互いに離間している第1の噴霧先端及び第2の噴霧先端を有する噴霧装置は、望ましくは、第1の噴霧ハウジングと、第1の噴霧ハウジングの遠位端に組み付けられた第1のオリフィスカップと、を含む第1の噴霧先端であって、第1のオリフィスカップは、第1の流れ面積を画定する第1の流体経路が内面に形成されている遠位端壁を有する、第1の噴霧先端と、第2の噴霧ハウジングと、第2の噴霧ハウジングに組み付けられた第2のオリフィスカップと、を含む第2の噴霧先端であって、第2のオリフィスカップは、第1のオリフィスカップの第1の流れ面積より大きい第2の流れ面積を画定する第2の流体経路が内面に形成されている遠位端壁を有する、第2の噴霧先端と、を含む。
【0052】
一実施形態では、より高粘度の流体を含有する第1の注射器は、第1の噴霧先端と流体連通し、より低粘度の流体を含有する第2の注射器は、第2の噴霧先端と流体連通している。より高粘度の流体及びより低粘度の流体は、それぞれの第1の噴霧先端及び第2の噴霧先端の遠位端から噴霧された後、互いに化学反応するように適合されている。
【0053】
一実施形態では、注射器のプランジャは、注射器が同じ体積流量を示すように、物理的に一緒に結合される。
【0054】
一実施形態では、より高粘度の流体がある体積流量で第1の噴霧先端内に向けられ、より低粘度の流体が、より高粘度の流体に使用される体積流体と同じ体積流量で第2の噴霧先端内に方向付けられた場合、より高粘度の流体は、より低粘度の流体が第2のオリフィスカップの第2の流体経路を通って流れるよりも大きい速度で、第1のオリフィスカップの第1の流体経路を通って流れることになる。
【0055】
一実施形態では、第1のオリフィスカップの遠位端壁の内面に形成された第1の流体経路は、望ましくは、外周を有する第1のスワール室と、より高粘度の流体を第1のスワール室内にて円形パターンで回転させるために、より高粘度の流体を第1のスワール室の外周内に方向付ける内側端部を有する溝と、を含む。
【0056】
一実施形態では、第2のオリフィスカップの遠位端壁の内面に形成された第2の流体経路は、望ましくは、外周を有する第2のスワール室と、より低粘度の流体を第2のスワール室内にて円形パターンで回転させるために、より低粘度の流体を第2のスワール室の外周内に方向付ける内側端部を有する溝と、を含む。
【0057】
本発明のこれら及びその他の好ましい実施形態は、下記でより詳しく記述される。
【図面の簡単な説明】
【0058】
図1】合わせて反応する2つの流体を噴霧するために使用される先行技術の噴霧先端の斜視図である。
図2】合わせて反応する2つの流体を噴霧するために使用される第2の先行技術の噴霧装置の斜視図である。
図3】本特許出願の一実施形態による、第1のオリフィスカップを収容する第1の噴霧ハウジングと、第2のオリフィスカップを収容する第2の噴霧ハウジングと、を含む、合わせて反応する2つの流体を噴霧するために使用される噴霧装置の斜視図である。
図4A】本特許出願の一実施形態による、図3に示される第1の噴霧ハウジングの斜視図である。
図4B図4Aに示される第1の噴霧ハウジングの断面図である。
図4C図4Bに示される第1の噴霧ハウジングの遠位端の拡大断面図である。
図5】本特許出願の一実施形態による、図3に示される第1のオリフィスカップの斜視図である。
図6図4A図4Cに示される第1の噴霧ハウジングの遠位端を有する、図5に示される第1のオリフィスカップを組み立てる方法の第1のステップを示す。
図7】本特許出願の一実施形態による、図4A図4Cに示される第1の噴霧ハウジングの遠位端を有する、図5に示される第1のオリフィスカップを組み立てる方法の第2のステップを示す。
図8A】本特許出願の一実施形態による、図5図7に示される第1のオリフィスカップの遠位端の斜視図である。
図8B図8Aに示される第1のオリフィスカップの遠位端図である。
図8C図8A及び図8Bに示される第1のオリフィスカップの側面立面図である。
図8D図8A図8Cに示される第1のオリフィスカップの近位端の斜視図である。
図8E】本特許出願の実施形態による、図8A図8Dに示される第1のオリフィスカップの近位端図であり、第1のオリフィスカップは、スワール溝及び第1のスワール室直径を含む第1のスワール室を有する。
図8E-1】図8Eに示される第1のオリフィスカップの第1のスワール室の拡大図である。
図8F図8A図8Eに示される第1のオリフィスカップの近位端の別の斜視図である。
図8G図7Fに示される第1のオリフィスカップの近位端のなお別の斜視図である。
図8H図8F及び図8Gに示される第1のオリフィスカップの近位端の更に別の斜視図である。
図8I図8A図8Hに示される第1のオリフィスカップの断面図である。
図9A】本特許出願の一実施形態による、図4A図4Cに示される第1の噴霧ハウジングの遠位端に組み付けられた、図8A図8Iに示される第1のオリフィスカップの断面図である。
図9B図9Aに示される噴霧ハウジングの第1のオリフィスカップ及び遠位端の拡大図である。
図10A】本特許出願の一実施形態による、図3に示される第2のオリフィスカップの遠位端の斜視図である。
図10B図10Aに示される第2のオリフィスカップの遠位端図である。
図10C図10A及び図10Bに示される第2のオリフィスカップの側面立面図である。
図10D図10A図10Cに示される第2のオリフィスカップの近位端の斜視図である。
図10E】本特許出願の実施形態による、図10A図10Dに示される第2のオリフィスカップの近位端図であり、第2のオリフィスカップは、スワール溝及び第2のスワール室直径を含む第2のスワール室を有する。
図10E-1】図10Eに示される第2のオリフィスカップの第2のスワール室の拡大図である。
図10F図10A図10Eに示される第2のオリフィスカップの近位端の別の斜視図である。
図10G図10Fに示される第2のオリフィスカップの近位端の更に別の斜視図である。
図10H図10F及び図10Gに示される第2のオリフィスカップの近位端のなお別の斜視図である。
図10I図10A図10Hに示される第2のオリフィスカップの断面図である。
図11】本特許出願の一実施形態による、合わせて反応する2つの流体を噴霧するために使用される噴霧装置の遠位端の斜視図である。
図12】本特許出願の一実施形態による、第1の流体及び第2の流体を表面上に噴霧している最中の、図11の噴霧装置を示す。
図13A】本特許出願の一実施形態による、第1の噴霧ハウジング及び第2の噴霧ハウジングを有する噴霧装置をカニューレに通す方法の第1のステップである。
図13B】本特許出願の一実施形態による、図13Aの噴霧装置をカニューレに通す方法の第2のステップである。
図13C】本特許出願の一実施形態による、図13A及び図13Bの噴霧装置をカニューレに通す方法の第3のステップである。
図14】本特許出願の一実施形態による、合わせて反応する第1の流体及び第2の流体を噴霧するために使用される噴霧装置の側面図である。
図15】本特許出願の一実施形態による、噴霧装置の遠位端で並列している2つの噴霧ハウジングの遠位端図である。
図16】本特許出願の一実施形態による、噴霧装置の圧力制御弁の分解図であり、圧力制御弁は、キャップ、ダイヤフラム、及び基部を含む。
図17A図16に示される圧力制御弁キャップの開放端部の斜視図である。
図17B図16及び図17Aに示される圧力制御弁キャップの開放端部の正面図である。
図18A図16に示される圧力制御弁基部の上側の斜視図である。
図18B図16及び図18Aに示される圧力制御弁基部の断面図である。
図19】本特許出願の一実施形態による、図16に示される圧力制御弁キャップ、圧力制御弁ダイヤフラム、及び圧力制御弁基部を含む、完全に組み立てられた圧力制御弁の断面図である。
図20】本特許出願の一実施形態による、圧力制御弁を通って流れる流体を有する図19の圧力制御弁を示す。
図21】本特許出願の一実施形態による、直視下手技に使用される噴霧装置の斜視図である。
図22】本特許出願の一実施形態による、ラパロスコープ手技に使用される噴霧装置の斜視図である。
図23】本特許出願の一実施形態による、第1の流体及び第2の流体を分配するための第1の流体流路及び第2の流体流路を同時に開閉するために、開放位置と閉鎖位置との間で一緒に移動するように一緒に結合されている、2つの圧力制御弁を示す。
【発明を実施するための形態】
【0059】
図3を参照すると、一実施形態では、合わせて反応する第1の流体及び第2の流体を噴霧するための噴霧装置100は、好ましくは、第1の流体(例えば、フィブリノーゲンなどのより高粘度の流体)のための第1の流路102と、第2の流体(例えば、トロンビンなどのより低粘度の流体)のための第2の流路104と、を含む。一実施形態では、噴霧装置100は、好ましくは、第1の噴霧ハウジング108と、第1の噴霧ハウジング108の遠位端に組み付けられた第1のオリフィスカップ110と、を有する第1の噴霧先端106を含む。第1の噴霧先端106は、好ましくは、第1の流体(例えば、トロンビン)を含有する第1の注射器112の下流に位置する。一実施形態では、噴霧装置100は、望ましくは、第2の噴霧ハウジング116と、第2の噴霧ハウジング116の遠位端に組み付けられた第2のオリフィスカップ118と、を有する第2の噴霧先端114を含む。第2の噴霧先端114は、好ましくは、第2の流体(例えば、フィブリン)を含有することが望ましい、第2の注射器120の下流に位置し、第2の注射器120と流体連通している。
【0060】
一実施形態では、第1の注射器112及び第2の注射器120のそれぞれは、第1の流体及び第2の流体を第1の噴霧先端及び第2の噴霧先端に向かって押し出すためのプランジャを含み得る。プランジャは、第1の流体及び第2の流体をそれぞれの第1の噴霧先端106及び第2の噴霧先端114の遠位端から噴霧するために、それぞれの第1の注射器112及び第2の注射器120の遠位端に向かう、DIR1と指定された遠位方向に押し下げられ得る。2つの噴霧先端から噴霧された後、第1の流体及び第2の流体は、好ましくは、互いに混合及び/又は化学反応する。一実施形態では、第1の流体及び第2の流体は、組織シーラントの成分(例えば、フィブリノーゲン及びトロンビン)であり得、2つの流体は、表面上に噴霧され、次いで表面上で互いに化学反応して、組織シーラントとして機能する。
【0061】
図4A及び図4Bを参照すると、一実施形態では、第1の噴霧ハウジング108は、好ましくは、近位端部124及び遠位端部126を有する中空管122を含む。中空管122は、円筒形状を有し得る。第1の噴霧ハウジング108は、望ましくは、中空管122の近位端124に位置する近位開口部128と、中空管122の遠位端126に位置する遠位開口部130と、を含む。第1の噴霧ハウジング108は、望ましくは、近位開口部128と遠位開口部130との間の中空管122の長さに沿って延在する第1の細長い導管132を含む。
【0062】
図4B及び図4Cを参照すると、一実施形態では、第1の噴霧ハウジング108は、望ましくは、細長い導管132内に位置し、かつ好ましくは中空管122の遠位端126に隣接して位置付けられるインサート134を含む。一実施形態では、インサート134は、好ましくは、近位開口部140を画定する近位端138と、遠位端壁144を有する遠位端142と、を有する円筒形壁136を含む。インサート134の円筒形壁136の遠位端142は、好ましくは、外径ODを画定する。中空管122の遠位開口部130は、内径IDを画定し、内径IDは、望ましくは、インサート134の円筒形壁136の遠位端142の外径ODより大きい。本明細書でより詳細に説明するように、一実施形態では、第1のオリフィスカップ110(図3)は、第1のオリフィスカップ110(図3)を第1の噴霧ハウジング108の中空管122の遠位端126に組み付けるために、第1の噴霧ハウジング108の中空管122の遠位開口部130に挿入され、インサート134の遠位端壁144に押し付けられ得る。
【0063】
図5及び図6を参照すると、一実施形態では、第1のオリフィスカップ110は、第1の噴霧ハウジング108の中空管122の遠位端126に位置する遠位開口部130に第1のオリフィスカップの近位端を挿入することによって、第1の噴霧ハウジング108に組み付けられ得る(図4C)。図6は、第1の噴霧ハウジング108の中空管122の遠位端126に位置する遠位開口部130に挿入する前の第1のオリフィスカップ110を示す。図7は、第1の噴霧ハウジング108の中空管122の遠位端126に位置する遠位開口部130(図6)に挿入された後の第1のオリフィスカップ110を示す。一実施形態では、第1のオリフィスカップは、好ましくは、第1の噴霧ハウジング108の中空本体のインサートの遠位端上に固定される(図7C)。
【0064】
図8A図8Cを参照すると、一実施形態では、第1のオリフィスカップ110は、好ましくは、近位端148と遠位端150とを有する外壁146を含む。外壁146は、円筒形状を有し得る。一実施形態では、第1のオリフィスカップ110は、外壁146の近位端148で開放され、外壁の遠位端150で閉鎖される。一実施形態では、第1のオリフィスカップ110の遠位端は、第1のオリフィスカップから流体を噴霧するための第1の噴霧開口部154を含む遠位端壁152によって閉鎖される。第1の噴霧開口部は、遠位端壁152の中心にあってよい。一実施形態では、第1の流体は、第1のオリフィスカップ110の近位端148の近位開口部に導入され、遠位端壁152に形成された第1の噴霧開口部154を通って噴霧されるように、第1のオリフィスカップの遠位端に向かって方向付けられ得る。
【0065】
図8Cを参照すると、一実施形態では、第1のオリフィスカップ110の近位端148は、望ましくは、そこから突出した環状接続フランジ156を含み、第1のオリフィスカップ110と、第1の噴霧ハウジング108の遠位端126に位置する第1の噴霧ハウジングの内面との間の接続を形成することを容易にする(図6及び図7)。
【0066】
図8D及び図8Eを参照すると、一実施形態では、第1のオリフィスカップ110は、外壁146の近位端148に近位開口部158を有する。近位開口部158は、好ましくは、第1のオリフィスカップ110の近位端から第1のオリフィスカップ110の遠位端壁152(図8A図8C)まで延在する。第1のオリフィスカップの遠位端壁152(図8C)は、好ましくは、第1の流体経路162が形成されている内面160を有する。一実施形態では、第1の流体経路162は、第1の流体を回転させ、第1の噴霧開口部を通して方向付けるために、第1の噴霧開口部154の中心にある。一実施形態では、第1の流体経路162は、望ましくは、外側端部166及び内側端部168を有する第1の溝164を含む。第1の流体経路162は、好ましくは、外側端部172及び内側端部174を有する第2の溝170を含む。第1の溝164及び第2の溝170は、好ましくは、第1の流体を、第1の噴霧開口部154の周りに延在する第1のスワール室176の外周内に方向付ける。一実施形態では、第1のスワール室176は、好ましくは、約0.020~0.040インチ、より好ましくは約0.030インチの直径Dを有する。
【0067】
図8E-1を参照すると、一実施形態では、第1の流体経路162は、その外側端部166から内側端部168まで内側に延在する第1の溝164を含む。一実施形態では、第1の溝164の内側端部168(すなわち、流体を第1のスワール室の外周内に方向付ける第1の溝の区分)は、好ましくは、約0.005インチの幅Wを有する。一実施形態では、第2の溝170は、その外側端部172と内側端部174との間に延在する。一実施形態では、第2の溝170の内側端部174(すなわち、流体を第1のスワール室の外周内に方向付ける第2の溝の区分)は、好ましくは、第1の溝164の内側端部168の幅Wと一致する約0.005インチの幅Wを有する。一実施形態では、第1の溝164及び第2の溝170は、それぞれその外側端部と内側端部との間に狭くなる幅を有し得る。一実施形態では、第1の溝164及び第2の溝170の断面積を決定するために使用される幅Wの測定値は、第1の溝及び第2の溝のそれぞれの内側端部168、174に位置し、これらは、第1のスワール室176の外周に直接隣接する溝の区分である。
【0068】
一実施形態では、第1の流体は、第1のオリフィスカップ110の近位端で近位開口部158(図8E)に導入され、それぞれの第1の溝164及び第2の溝170の外側端166、172内に方向付けられる。次いで、内側に流れる第1の流体及び第2の流体は、第1のスワール室176の外周内に方向付けられ、するとすぐに、第1の流体は、Rと指定された反時計方向に回転及び/又は旋回される。流体の回転は、好ましくは円形パターンである。第1の流体は、流体が第1のオリフィスカップ110の遠位端壁152(図8C)に形成された第1の噴霧開口部154から噴霧されるときに、流体を霧化するため、第1のスワール室176内で反時計方向Rに回転し続ける。
【0069】
図8F及び図8Gを参照すると、一実施形態では、第1の溝164及び第2の溝170は、第1のオリフィスカップ110の遠位端壁152(図8C)の内面160に切り込まれるそれぞれの高さを有する。一実施形態では、第1の溝164は、約0.005インチの高さHを有し、第2の溝170は、同じく約0.005インチの高さHを有する。一実施形態では、第1の溝164及び第2の溝170の断面積を決定するために使用される高さHの測定値は、第1の溝及び第2の溝のそれぞれの内側端部168、174に位置し、これらは、第1のスワール室176の外周に直接隣接する溝の区分である。
【0070】
図8G及び図8Hを参照すると、一実施形態では、第1の流体経路162の第1の溝164は、第1のオリフィスカップ110の遠位端壁152(図8C)の内面160内に形成される。第1の溝164は、約0.005インチの高さH及び約0.005インチの幅Wを有する。第1の溝164が、第1の流体を第1のスワール室176の外周内に方向付けるとすぐに、第1の流体は、第1のスワール室内で反時計方向Rに急速に回転し、その後、第1のオリフィスカップ110の第1の噴霧開口部154を通して噴霧される。
【0071】
図8Iを参照すると、一実施形態では、第1のオリフィスカップ110は、近位端148及び遠位端150を有する円筒形状の外壁146を含む。外壁146の遠位端150は、遠位端壁152によって閉鎖される。外壁146の近位端148は、第1の流体が第1のオリフィスカップ110の近位端内に方向付けられることを可能にする近位開口部158を有する。近位開口部158はまた、望ましくは、第1のオリフィスカップ110を第1の噴霧ハウジング108の第1のインサート134上に固定することを可能にする(図4C)。
【0072】
一実施形態では、第1のオリフィスカップ110の遠位端壁152は、内面160を有する。第1の流体経路162は、好ましくは、遠位端壁152の内面160内に形成される(例えば、切り込まれる)。第1の流体経路162は、好ましくは、第1の流体を第1のスワール室176の外周内に方向付ける第1の溝164及び第2の溝170を含む。第1のスワール室176は、好ましくは、第1の流体を第1のオリフィスカップ110の遠位端150から噴霧するために、第1の噴霧開口部154に位置合わせされる。一実施形態では、第1のスワール室176は、約0.020~0.040インチ、より好ましくは約0.030インチの直径Dを有する。一実施形態では、第1の溝164は、約0.005インチの幅W及び約0.005インチの高さHを有する。一実施形態では、第1の噴霧開口部154は、約0.010インチの長さL及び約0.010インチの内径IDを有する。
【0073】
図9A及び図9Bを参照すると、一実施形態では、第1のオリフィスカップ110は、第1のオリフィスカップ110の近位端148の近位開口部158(図8I)と、中空管122の遠位端126に位置するインサート134の遠位端面144とを並置することによって、第1の噴霧ハウジング108の中空管122の遠位端126に組み付けられている。インサートの外径は、第1のオリフィスカップの外壁の内径と密接に一致し得る。一実施形態では、第1のオリフィスカップ110は、第1の噴霧ハウジング108の中空管122の近位端124に向かってDIR2と指定された近位方向に押圧される。第1のオリフィスカップ110は、第1のオリフィスカップ110の遠位端壁152の内面160が第1の噴霧ハウジング108のインサート134の遠位端面144に接触するまで近位に前進される。第1のオリフィスカップ110の近位端にある環状固定フランジ152は、好ましくは、第1の噴霧ハウジング108の中空管122の遠位端126の遠位開口部130内に第1のオリフィスカップ110を保持するために、第1の噴霧ハウジングの中空管の内面と係合する。
【0074】
一実施形態では、第1の流体は、中空管122の近位端124の近位開口部128内に方向付けられ、第1のオリフィスカップの外壁の内面とインサートの円筒形壁の外面との間で下流に流れる。第1の流体は、インサート134の円筒形壁136の外面と第1のオリフィスカップ110の外壁146の内面との間に位置する1つ以上の空間内に方向付けられる。第1の流体は、好ましくは、インサート134の遠位端に向かって遠位に流れ、するとすぐに、第1の流体は、第1のオリフィスカップ110のそれぞれの第1の溝164及び第2の溝170(図8E)の外側端部内に方向付けられ、更に第1のオリフィスカップ110の第1の噴霧開口部154に位置合わせされた第1のスワール室176の外周内に方向付けられる。第1の流体は、第1のスワール室176(図8E-1)内で反時計方向Rに回転しながら、霧化されて、第1のオリフィスカップ110の第1の噴霧開口部154から噴霧される。
【0075】
一実施形態では、噴霧装置100の第2の噴霧ハウジング116(図3)は、図4A図4Cに図示及び上述された第1の噴霧ハウジングと同じサイズ、形状、及び/又は構成を有し得る。第2のオリフィスカップ118(図3)は、第2のオリフィスカップを第2の噴霧ハウジングに組み付けるため、第2の噴霧ハウジングの遠位端の遠位開口部に挿入され得る。
【0076】
図10A図10Cを参照すると、一実施形態では、第2のオリフィスカップ118は、好ましくは、近位端248及び遠位端250を有する外壁246を含む。第2のオリフィスカップの外壁246は、円筒形状を有してもよい。一実施形態では、第2のオリフィスカップ118は、外壁246の近位端248で開放され、外壁の遠位端250で閉鎖される。一実施形態では、第2のオリフィスカップ118の遠位端は、第1の噴霧先端から分配/噴霧される第1の流体と反応する第2の流体を分配/噴霧するための第2の噴霧開口部254を含む遠位端壁252によって閉鎖される。第2の噴霧開口部は、遠位端壁252の中心にあってよい。一実施形態では、第2の流体は、第2のオリフィスカップ210の近位端248の近位開口部に導入され、遠位端壁252に形成された第2の噴霧開口部254を通して噴霧されるように、第2のオリフィスカップの遠位端に向かって方向付けられ得る。
【0077】
図10Cを参照すると、一実施形態では、第2のオリフィスカップ118の近位端248は、望ましくは、そこから突出する環状接続フランジ256を含み、第2のオリフィスカップ118と、第2の噴霧ハウジング116の遠位端に位置する第2の噴霧ハウジングの内面との間の接続を形成することを容易にする(図3)。
【0078】
図10D及び図10Eを参照すると、一実施形態では、第2のオリフィスカップ118は、望ましくは、外壁246の近位端248(図10C)に近位開口部258を有する。近位開口部258は、好ましくは、第2のオリフィスカップ118の遠位端壁252(図10A図10C)まで延在する。第2のオリフィスカップの遠位端壁252(図10C)は、好ましくは、第2の流体経路262が形成されている内面260を有する。一実施形態では、第2の流体経路262は、好ましくは、第2の流体を、第2の噴霧開口部を通して方向付けるために、第2の噴霧開口部254の中心にある。一実施形態では、第2の流体経路262は、望ましくは、外側端部266A及び内側端部268Aを有する第1の溝264A、外側端部266B及び内側端部268Bを有する第2の溝264B、外側端部272A及び内側端部274Aを有する第3の溝270A、並びに外側端部272B及び内側端部274Bを有する第4の溝270Bを含む。4つの溝264A、264B、270A、及び270Bは、好ましくは、第2の流体を、第2のオリフィスカップ118の第2の噴霧開口部254を取り囲む第2のスワール室276の外周内に方向付ける。一実施形態では、第2のスワール室276は、約0.020~0.040インチ、より好ましくは約0.030インチの直径Dを有する。一実施形態では、第1のスワール室176の直径D図8E)及び第2のスワール室の直径Dは同じである。
【0079】
図10E-1を参照すると、一実施形態では、第2の流体経路262は、好ましくは、外側端部266Aからその内側端部268Aまで内側に延在する第1の溝264Aを含む。一実施形態では、第1の溝264Aの内側端部268Aは、約0.005インチの幅Wを有する。一実施形態では、第2の溝264Bは、その外側端部266Bと内側端部268Bとの間に延在する。一実施形態では、第2の溝264Bの内側端部268Bは、第1の溝264Aの第2の端部268Aの幅Wと一致する、約0.005インチの幅Wを有する。一実施形態では、第3の溝270Aは、その外側端部272Aと内側端部274Aとの間に延在する。一実施形態では、第3の溝270Aの内側端部274Aは、第1の溝264A及び第2の溝264Bの内側端部268A、268Bの幅Wとそれぞれ一致する、約0.005インチの幅Wを有する。一実施形態では、第4の溝270Bは、その外側端部272Bと内側端部274Bとの間に延在する。一実施形態では、第4の溝270Bの内側端部274Bは、好ましくは、第1の溝264A、第2の溝264B、及び第3の溝270Aの内側端部268A、268B、274Aの幅Wとそれぞれ一致する、約0.005インチの幅Wを有する。一実施形態では、4つの溝264A、264B、270A、270Bの断面積を決定するために使用される4つの幅Wの測定値は、4つの溝のそれぞれの内側端部に位置し、これらは、第2のスワール室276の外周に直接隣接する4つの溝の区分である。
【0080】
一実施形態では、第2の流体は、第2のオリフィスカップ118の近位端に位置する近位開口部258(図10E)に導入され得、するとすぐに、第2の流体は、第2のオリフィスカップのそれぞれの溝264A、264B、270A、270Bの外側端部266A、266B、272A、及び272B内に方向付けられる。第2の流体は、好ましくは、第2のスワール室276の外周内に方向付けられ、するとすぐに、第2の流体は、Rと指定された反時計方向に急速に回転する。第2の流体は、第2のスワール室276内でRと指定された反時計方向に回転し続けながら、第2の流体は、第2のオリフィスカップ118の遠位端壁252(図10C)に形成された第2の噴霧開口部254から噴霧される。
【0081】
図10F及び図10Gを参照すると、一実施形態では、4つの溝264A、264B、270A、270Bは、第2のオリフィスカップ118の遠位端壁252(図10C)の内面260に形成される(例えば、切り込まれる)それぞれの高さを有する。一実施形態では、4つの溝264A、264B、270A及び270Bのそれぞれは、望ましくは約0.010インチの高さHを有する。一実施形態では、4つの溝264A、264B、270A、270Bの断面積を決定するために使用される高さHの測定値は、4つの溝のそれぞれの内側端部に位置し、これらは、第2のスワール室276の外周に直接隣接する4つの溝の区分である。
【0082】
図10G及び図10Hを参照すると、一実施形態では、第2の流体経路262の第1の溝264Aは、第2のオリフィスカップ118の遠位端壁252(図10C)の内面260に形成される。第1の溝264Aは、好ましくは、約0.010インチの高さH及び約0.005インチの幅Wを有する。第1の溝264Aが、第2の流体を第2のスワール室276の外周内に方向付けるとすぐに、第2の流体は、反時計方向Rに回転しながら、第2のオリフィスカップ118の第2の噴霧開口部254から噴霧される。
【0083】
一実施形態では、第2のスワール室262の第2の溝264Bは、第2のオリフィスカップ118の遠位端壁252(図10C)の内面260に形成される。第2の溝264Bは、約0.010インチの高さH及び約0.005インチの幅Wを有する。第2の溝264Bが、第2の流体を第2のスワール室276の外周内に方向付けるとすぐに、第2の流体は、反時計方向Rに回転しながら、第2のオリフィスカップ118の第2の噴霧開口部254から噴霧される。第3の溝270A及び第4の溝270B(図10F)は、好ましくは、同様の高さ及び幅を有し、図10Gに示される第1の溝及び第2の溝と同様の機能を果たす。
【0084】
図10Iを参照すると、一実施形態では、第2のオリフィスカップ118は、好ましくは、近位端248及び遠位端250を有する外壁246を含む。外壁246の遠位端250は、遠位端壁252によって閉鎖される。外壁246の近位端248は、第2の流体を第2のオリフィスカップ118の近位端に方向付けるための近位開口部258を有する。
【0085】
一実施形態では、遠位端壁252は、内面260を有する。第2の流体経路262は、好ましくは、遠位端壁252の内面260内に形成される。第2の流体経路262は、好ましくは、第2の流体を第2のスワール室276に方向付ける4つの溝264A、264B、270A、270B(図10E)を含む。第2のスワール室276は、好ましくは、第2の流体を第2のオリフィスカップ118の遠位端250から噴霧するために、第2の噴霧開口部254に位置合わせされる。一実施形態では、4つの溝264A、264B、270A、及び270Bは、約0.005インチのそれぞれの幅W図10H)及び約0.010インチのそれぞれの高さH図10E)を有する。一実施形態では、第2の噴霧オリフィス154は、約0.010インチの長さL及び約0.010インチの内径IDを有する。一実施形態では、第2のスワール室276は、約0.020~0.040インチ、より好ましくは約0.030インチの直径Dを有する。一実施形態では、第1のスワール室の直径D図9D)は、第2のスワール室276の直径Dと一致する。
【0086】
一実施形態では、第2の噴霧ハウジング116(図3)は、図4A図4Cに図示及び上述された第1の噴霧ハウジング108と同様の構造及び寸法を有する。一実施形態では、第2のオリフィスカップ118(図10A図10I)は、図9A及び図9Bの実施形態で図示及び上述された方法と同様の方法で、第2の噴霧ハウジングの遠位端に組み付けられている。
【0087】
図11を参照すると、一実施形態では、合わせて反応する2つの流体を噴霧するための噴霧装置100は、好ましくは、第1のオリフィスカップ110を有する第1の噴霧ハウジング108を含む第1の噴霧先端106と、第2のオリフィスカップ118を有する第2の噴霧ハウジング116を含む第2の噴霧先端114と、を含む。第1の噴霧ハウジング108及び第2の噴霧ハウジング116は、望ましくは、噴霧装置100の遠位端で並列し、互いに離間しており、そのため、並列する第1の噴霧ハウジング108と第2の噴霧ハウジング116との間に物理的な間隙Gが存在している。一実施形態では、第1の噴霧ハウジング108の近位端は、好ましくは、第1の流体(例えば、フィブリノーゲン)を含有する第1の注射器112と流体連通し、第2の噴霧ハウジング116の近位端は、好ましくは、第2の流体(例えば、トロンビン)を含有する第2の注射器120と流体連通している。一実施形態では、第1の流体及び第2の流体は、好ましくは、それぞれの第1の噴霧ハウジング108及び第2の噴霧ハウジング116の遠位端から噴霧された後、互いに化学的に相互作用する。
【0088】
一実施形態では、噴霧装置100は、好ましくは、第1の注射器112と第1の噴霧ハウジング108との間に位置する第1の一方向逆止弁125を含み、第1の流体が一方向のみ、すなわち、DIR1と指定された遠位方向のみに流れることを可能にし、第2の流体のいずれかの部分が第1の噴霧先端に逆流したり、第1の噴霧先端に接触したりすることで、第1の噴霧先端の詰まりを招くことを防止する。同様に、噴霧装置100は、好ましくは、第2の注射器120と第2の噴霧ハウジング116との間に位置する第2の一方向逆止弁135を含み、第2の流体が一方向のみ、すなわち、DIR1と指定された遠位方向のみに流れることを可能にし、第1の流体のいずれかの部分が第2の噴霧先端に逆流したり、第2の噴霧先端に接触したりすることで、第2の噴霧先端の詰まりを招くことを防止する。
【0089】
一実施形態では、それぞれの第1の注射器112及び第2の注射器120内の第1の流体及び第2の流体は、第1の噴霧ハウジング108の遠位端から第1の流体を噴霧し、第2の噴霧ハウジング116の近位端から第2の流体を噴霧するため、第1の噴霧ハウジング108及び噴霧ハウジング116の近位端に同時に押し込まれる。それぞれの第1の噴霧ハウジング108及び第2の噴霧ハウジング116から噴霧された後、第1の流体及び第2の流体は、望ましくは、互いに反応するように空気中及び/又は表面上で一緒に混合される。第1の噴霧ハウジングと第2の噴霧ハウジングとの間の間隙は、第1の流体及び第2の流体が、第1の噴霧ハウジング108及び第2の噴霧ハウジング116の遠位端から噴霧された後にのみ、互いに接触することを確実にし、2つの流体が互いに反応して噴霧先端の噴霧開口部を詰まらせることを防止する。
【0090】
図11及び図12を参照すると、一実施形態では、第1の注射器112及び第2の注射器120内のプランジャ(図示せず)は、第1の流体及び第2の流体をそれぞれの第1の噴霧ハウジング108及び第2の噴霧ハウジング116から噴霧するために、噴霧装置100の遠位端に向かって遠位方向DIR1に押し下げられ得る。第1の流体及び第2の流体は、好ましくは、表面S(図12)上に噴霧され、するとすぐに第1の流体及び第2の流体が一緒に混合されて、互いに反応する。並列する第1の噴霧ハウジング108と第2の噴霧ハウジング116との間の間隙又は間隔は、好ましくは、第1の流体及び第2の流体が第1の噴霧ハウジング108及び第2の噴霧ハウジング116の表面上で互いに接触するのを防止し、それによって、それぞれの第1の噴霧ハウジング及び第2の噴霧ハウジングに関連する第1の噴霧開口部及び第2の噴霧開口部の詰まりを防止する。
【0091】
本明細書で使用されるとき、「体積流量」という用語は、単位時間当たりに所与の断面積を通過する流体の体積を意味する。体積流量は、1秒当たりのリットル(L/s)、又は1秒当たりの立方メートル(m/s)で測定され得る。体積流量は、流体が移動するときに通るチャネル又は流体経路の流れ面積A、及び流体の速度に依存する。流体が長方形の流体経路を通って流れる場合、流れ面積はA=H×Wであり、Hは経路の高さであり、Wは経路の幅である。体積流量は、等式Q=V/tを使用して計算され、式中、Qは体積流量であり、Vは流体の体積であり、tは時間である。
【0092】
流体の体積流量は、数式Q=Avによって表すこともでき、式中、Aは、流体が流れる導管の面積(例えば、流体流路を構成する1つ以上の溝によって画定される面積)であり、vは流体の速度である。したがって、流体が一定の体積流量(Q)で導管を通って流れており、導管の断面積(A)のサイズが減少する場合、導管を通って流れる流体の速度(v)は、一定の体積流量(Q)を維持するために増加しなければならない。
【0093】
流体は、圧縮不可能であり、導管(例えば、溝)を通って流れるときにそれらの体積を維持する。本特許出願で使用されるとき、これは、所定の時間量で導管(例えば、図8Dに示される溝164、170、図10Dに示される溝264A、264B、270A、270B)の第1の端部に流入する流体の体積は、同じ時間量で導管の第2の端部から流出する流体の体積に等しくなければならないことを意味する。したがって、導管(例えば、溝)の長さに沿った任意の点における、フィブリノーゲンなどの非圧縮性流体の体積流量Qは、導管の長さに沿った任意の他の点での体積流量と同じであり、式Q1=Q2を使用して数学的に表される。
【0094】
体積流量の等式Q=Avを式Q1=Q2に代入すると、式A=Aが得られる。上記の等式は、非圧縮性流体の連続性の等式として知られている。これは、導管のある区分の面積Aのサイズが減少する場合、生成物Avを同一に保つために、減少したサイズを有する導管のその区分における流体の速度vが増加しなければならないことを示す。言い換えれば、流体は、導管の狭い区分に到達するときに高速化し、導管のより広い区分に到達するときに低速化することになる。
【0095】
図8A図8I及び図10A図10Iに開示されているオリフィスカップの実施形態では、溝は、正方形又は長方形の寸法を有するものとして説明され、溝の面積Aは、式A=H×Wを使用して計算され、式中、Hは溝の高さであり、Wは溝の幅である。しかしながら、他の実施形態では、溝は、円形断面形状、楕円形断面形状、半円形断面形状などの他の断面形状を有し得る。周知の数式は、上記の異なる断面形状を有する溝の流れ面積を計算するために使用され得る。例えば、円形断面形状を有する溝の場合、溝の面積Aは、式A=πrを使用して計算され、式中、πはPi(すなわち、数22/7)を表し、rは溝の半径である。
【0096】
図8A図8Iを参照すると、一実施形態では、第1のオリフィスカップ110を通過する流体の体積流量は、それぞれの第1の溝164及び第2の溝170の内側端部168、174での溝の断面積(すなわち、A=H×W)を使用して計算される。図10A図10Iを参照すると、一実施形態では、第2のオリフィスカップ118を通過する流体の体積流量は、それぞれの溝264A、264B、270A、及び270Bの内側端部268A、268B、274A、274Bでの溝の断面積(すなわち、A=H×W)を使用して計算される。
【0097】
一実施形態では、本特許出願に開示される噴霧装置は、それぞれの第1の噴霧ハウジング及び第2の噴霧ハウジングから噴霧される第1の流体及び第2の流体を霧化するために使用され得る。本明細書で使用されるとき、霧化という用語は、流体又は液体を微細な液体粒子及び/又は小さな液滴に分離することを意味する。
【0098】
流体の霧化は、流体と空気との間の速度差から生じる。同様の噴霧構成要素を使用した場合、より高粘度の流体よりも、より低粘度の流体のほうが霧化しやすい。例えば、トロンビンは低粘度の流体を含むため、霧化しやすい。対照的に、フィブリノーゲンは、トロンビンよりも著しく高い粘性があり、フィブリノーゲンの霧化をより困難にしている。したがって、同一の噴霧装置が、最初にトロンビンを霧化するために使用され、その後にフィブリノーゲンを霧化するために使用される場合、より低粘度のトロンビンの噴霧は、より微細な液体粒子でより広い噴霧パターンを有するが、より高粘度のフィブリノーゲンの噴霧は、より大きい液体粒子でより狭い噴霧パターンを有することになる。
【0099】
トロンビンなどのより低粘度の流体よりも、フィブリノーゲンなどのより高粘度の流体を霧化するためには、より多くのエネルギーが必要である。一実施形態では、粘度の違いを考慮して、より高粘度の流体及びより低粘度の流体の両方を効果的に霧化するために、より粘性の高い流体(例えば、フィブリノーゲン)には、より小さい流れ面積Aを有する第1の流体経路を通過させ、より粘性の低い流体(例えば、トロンビン)には、より大きい流れ面積Aを有する第2の流体経路を通過させる。一実施形態では、両方の流体が、同じ体積流量でそれぞれの第1の流体経路及び第2の流体経路内に方向付けられると、より粘性の高い流体(より小さい流れ面積を画定する第1の流体経路を流れる)は、第1のスワール室内に方向付けられたときにより大きい速度を有し、より粘性の低い流体(より大きい流れ面積を有する第2の流体経路を流れる)は、第2のスワール室に導入されるときに相対的に小さい速度を有することになる。したがって、より粘性の高い流体は、より大きい速度で第1のスワール室に導入されるため、より粘性の低い流体が第2のスワール室内で旋回するよりも速く、第1のスワール室内で旋回することになる。
【0100】
一実施形態では、流体に印加されるエネルギー量の増加は、流体を含有する注射器に印加される圧力を増加させることによって提供され得る。
【0101】
今日まで、噴霧装置の先行技術の設計は、流体の速度を増加させるために流体経路の長さを最小化することに焦点を当ててきた。本特許出願は、流体経路を変化させることを含む、フィブリノーゲンなどのより高粘度の流体を霧化するための改善された新規な方法、より具体的には、噴霧開口部を有するオリフィスカップ(例えば、図8A図8I及び図10A図10Iに図示及び記載されるオリフィスカップ)上に提供される流体経路の形状又は流れ面積Aを提供する、噴霧装置を開示する。
【0102】
図8A図8I及び図9A図9Bを参照すると、一実施形態では、第1の噴霧ハウジング108は、好ましくは、第1のより高粘度の流体(例えば、フィブリノーゲン)のための第1の流体経路162を有する第1のオリフィスカップ110を含む。第1のオリフィスカップ110によって画定される第1の流体経路は、より粘性の高い流体(例えば、フィブリノーゲン)を効果的に霧化するように設計されている。一実施形態では、第1のオリフィスカップ110の内面160に、第1の流体経路162が形成されている。一実施形態では、第1のオリフィスカップ110の内面160がインサート134の遠位端面144に押し付けられているとき(図9A)、第1の流体経路は、第1のスワール室176まで内側に延在する2つの溝164、170を含む。2つの溝164及び170のそれぞれは、好ましくは、約0.005インチの幅及び約0.005インチの高さを有する。したがって、第1の流体経路162によって画定される流れ面積Aは、好ましくは0.00005平方インチ(0.005インチ×0.005インチ×2つのスワール溝=0.00005平方インチ)である。
【0103】
図9A図9B及び図10A図10Iを参照すると、一実施形態では、第2の噴霧ハウジング116は、好ましくは、第2のより粘性の低い流体(例えば、トロンビン)のための第2の流体経路262を有する第2のオリフィスカップ118を含む。第2のオリフィスカップ118によって画定される第2の流体経路は、より粘性の低い流体(例えば、トロンビン)を効果的に霧化するように設計されている。一実施形態では、第2のオリフィスカップ118の内面260に、第2の流体経路262が形成されている。一実施形態では、第2のオリフィスカップ118の内面260がインサート134の遠位端面に押し付けられているとき、第2の流体経路は、第2のスワール室276まで内側に延在する4つの溝264A、264B、270A、及び270Bを含む。溝264A、264B、270A、及び270Bのそれぞれは、好ましくは、約0.006インチの幅W及び約0.010インチの高さHを有する。したがって、第2の流体経路262によって画定される流れ面積Aは、好ましくは0.00024平方インチ(0.006インチ×0.010インチ×4つのスワール溝=0.00024平方インチ)である。
【0104】
したがって、本特許出願の一実施形態では、より粘性の高い流体に使用される第1のオリフィスカップ110(図8A図8I)の第1の流体経路によって画定される流れ面積Aは、より粘性の低い流体に使用される第2のオリフィスカップ118(図10A図10I)の第2の流体経路によって画定される流れ面積Aより5倍(5x)小さくなり得る。結果として、ある体積流量を有する第1の流体が第1のオリフィスカップ110(図8A図8I)に導入され、(第1の流体と)同じ体積流量を有する第2の流体が第2のオリフィスカップ118(図10A図10I)に導入される場合、第1の流体が第1のスワール室176(図8E-1)に導入される場所で、第1のオリフィスカップの第1の流体経路を通って流れる第1の流体の速度は、第2の流体が第2のスワール室276(図10E-1)に導入される場所で、第2のオリフィスカップの第2の流体経路を流れる第2の流体の速度よりも5倍(5x)大きく(すなわち、速く)なる。第1の流体(例えば、フィブリノーゲン)に適用される速度が大きいほど、第1の流体により大きいエネルギーを印加するために、第1の流体を(第2のスワール室内での旋回速度に対して)第1のスワール室内でより大きい速度で旋回させることになり、より粘性の高い流体(例えば、フィブリノーゲン)の効果的な霧化を可能になる。
【0105】
図13Aを参照すると、一実施形態では、噴霧装置300は、患者の体内に位置する手術部位に到達するための、カニューレ350などの小さい管に通され得る。一実施形態では、噴霧装置300は、好ましくは、第1のオリフィスカップを収容する第1の噴霧ハウジング308を有する第1の噴霧先端と、第2のオリフィスカップを収容する第2の噴霧ハウジング316を有する第2の噴霧先端と、を含む。噴霧装置の提示を簡素化するために図13A図13Cには示されていないが、噴霧装置300は、本特許出願に図示及び記載される構造用構成要素(例えば、図3に示される噴霧装置)のうちの1つ以上を含み得る。
【0106】
一実施形態では、カニューレ350は、その近位端352に近位開口部を含み、その遠位端354に遠位開口部を含む。カニューレ350は、好ましくは、その近位端352から遠位端354まで延在する細長い導管356を画定する。一実施形態では、カニューレは、約5mm~12mmのカニューレの内径IDを画定する、内面360を有する外壁358を有する。
【0107】
一実施形態では、噴霧装置300の第1の噴霧ハウジング308及び第2の噴霧ハウジング316は、カニューレ350の内径を通過するために、第1の噴霧ハウジング及び第2の噴霧ハウジングが互いに近づく収縮構成と、第1の流体及び第2の流体を手術部位に噴霧するために、第1の噴霧ハウジング及び第2の噴霧ハウジングが収縮構成にあるときよりも互いから更に離れる伸張構成との間で移動可能である。図13Aでは、第1の噴霧ハウジング308及び第2の噴霧ハウジング316は、並列する第1の噴霧ハウジングと第2の噴霧ハウジングとの間の間隔を画定する間隙Gを有する収縮構成にある。
【0108】
図13Bを参照すると、一実施形態では、第1の噴霧ハウジング308及び第2の噴霧ハウジング316が収縮構成にある状態で、噴霧装置300は、噴霧装置を手術部位へと前進させるために、カニューレ350の細長い導管356を遠位に通され得る。噴霧装置300は、好ましくは、第1の噴霧ハウジング及び第2の噴霧ハウジングをカニューレ350の遠位端354にある遠位開口部に通すために、カニューレ300の細長い導管356を通って遠位に前進する。第1の噴霧ハウジング308及び第2の噴霧ハウジング316がカニューレ350の細長い導管356を遠位に通される際、第1の噴霧ハウジング及び第2の噴霧ハウジングは収縮構成に維持されるため、噴霧ハウジングは、カニューレ350の外壁358の内面360によって画定される内径IDを容易に通過し得る。
【0109】
図13Cを参照すると、噴霧装置の第1の噴霧ハウジング308及び第2の噴霧ハウジング316が、カニューレ350の遠位端354にある遠位開口部を通って前進した後、第1の噴霧ハウジング及び第2の噴霧ハウジングは、第1の噴霧ハウジング308及び第2の噴霧ハウジング316が収縮構成にあるとき(図13A)、間隙Gよりも大きい間隙Gを画定する伸張構成へと移動し得る。更に、第1の噴霧ハウジング308の外側と第2の噴霧ハウジング316の外側との間の結合距離Dは、カニューレ350の外壁358の内面360によって画定される内径IDよりも大きい。結果として、噴霧装置300をカニューレ350に通した後、並列する第1の噴霧ハウジング308と第2の噴霧ハウジング316との間の間隔を増大させて、それぞれの第1の噴霧ハウジング及び第2の噴霧ハウジングの遠位端に位置する噴霧オリフィス間の適切な間隔を確保することができ、その結果、噴霧オリフィスを通して噴霧された第1の流体及び第2の流体は、それぞれの第1の噴霧ハウジング308及び第2の噴霧ハウジング316の表面上で互いに混ざり合わない。
【0110】
外科手技の終了時に、第1の噴霧ハウジング308と第2の噴霧ハウジング316との間の間隔は、噴霧装置308を手術部位から除去し、噴霧装置をカニューレ350の内径IDに通して引き出すために、図13A及び図13Bに示される収縮構成に戻され得る。
【0111】
図14を参照すると、一実施形態では、合わせて反応する第1の流体及び第2の流体を噴霧するための噴霧装置400は、第1の流体を第1の噴霧ハウジングの遠位端から噴霧するために第1の流体を第1の噴霧ハウジング408に方向付ける、第1のマニホールド452と結合された近位端を有する第1の噴霧ハウジング408を含み得る。一実施形態では、噴霧装置は、好ましくは、第1の流体が、遠位方向DIR1にのみ流れ得、反転して第1の流体を含有する第1の注射器内へと近位に逆流し得ないことを確実にするため、第1のマニホールド455と第1の流体を含有する第1の注射器との間に位置する第1の一方向逆止弁425を含む。
【0112】
一実施形態では、噴霧装置400は、望ましくは、第2の流体を第2の噴霧ハウジング416に方向付けるように構成された第2のマニホールド465と結合された近位端を有する、第2の噴霧ハウジング416を含む。一実施形態では、噴霧装置は、好ましくは、第2の流体が、遠位方向DIR1にのみ流れ得、反転して第2の流体を含有する第2の注射器内へと近位に逆流し得ないことを確実にするため、第2のマニホールド465と第2の流体を含有する第2の注射器との間に位置する第2の一方向逆止弁435を含む。
【0113】
図15を参照すると、一実施形態では、噴霧装置400の遠位端は、好ましくは、互いに離間した第1の噴霧ハウジング408及び第2の噴霧ハウジング416を含む。一実施形態では、噴霧装置400は、第1の噴霧開口部454が第1の噴霧ハウジング408の遠位端に固定されている第1のオリフィスカップ410を含む。一実施形態では、第1の流体は、好ましくは、第1のオリフィスカップ410の第1の噴霧開口部454から噴霧される。一実施形態では、噴霧装置400は、好ましくは、第2の噴霧開口部454’が第2の噴霧ハウジング416の遠位端に固定されている第2のオリフィスカップ418を含む。一実施形態では、第2の流体は、好ましくは、第2のオリフィスカップ418の第2の噴霧開口部454’から噴霧される。一実施形態では、第1の流体及び第2の流体は、第1の噴霧ハウジング408及び第2の噴霧ハウジング416の下流で互いに反応する。一実施形態では、第1の流体及び第2の流体は、好ましくは、噴霧装置400のそれぞれの第1の噴霧ハウジング408及び第2の噴霧ハウジング416の遠位端から噴霧された後にのみ、初めて互いに接触する。
【0114】
一実施形態では、並列する第1の噴霧ハウジング408と第2の噴霧ハウジング416との間にある間隙Gのサイズは、噴霧装置の遠位端をより小さいカニューレ又はチューブに通すために変更され得る。一実施形態では、噴霧装置400は、第1の噴霧ハウジング408と第2の噴霧ハウジング416との間の間隙Gのサイズを変更するために、収縮構成(すなわち、より小さい間隙)から伸張構成(すなわち、より大きい間隙)に変形され得る。
【0115】
医療手技中、手術部位に噴霧装置を位置付けるとき、外科医は、注射器のプランジャを不注意に前進させる及び/又は押し下げる可能性があり、組織シーラント流体を早期に分配して、早期の先端の詰まり及び/又は噴霧性能の変動を引き起こし得る。
【0116】
組織シーラント流体の不注意な、かつ/又は早期の分配を回避するために、一実施形態では、噴霧装置は、好ましくは、不注意なプランジャの前進を排除し、かつ/又は圧力制御弁を開放して、組織シーラント流体の流れを可能にするために、事前設定された最小圧力を必要とすることによって噴霧性能の変動を低減させる、1つ以上の圧力制御弁を含み得る。一実施形態では、噴霧装置は、第1の流体のための第1の注射器と第1の噴霧先端との間に位置する第1の圧力制御弁と、第2の流体のための第2の注射器と第2の噴霧先端との間に位置する第2の圧力制御弁と、を含み得る。一実施形態では、噴霧装置は、流体のための注射器と噴霧先端との間に位置する一連の2つの圧力制御弁を含み得、流体は、噴霧先端に到達する前に、第1の圧力制御弁、次いで第2の圧力制御弁を通過する。
【0117】
一実施形態では、第1の圧力制御弁及び第2の圧力制御弁は、同様の設計を有し得る。一実施形態では、圧力制御弁は、圧力制御弁キャップ、可撓性膜を含む圧力制御弁ダイヤフラム、並びに流体入口及び流体出口を有する圧力制御弁本体を有し得る。
【0118】
一実施形態では、圧力制御弁キャップは、好ましくは、圧力制御弁ダイヤフラムを本体の隆起したマウンドと接触させたままにするため、圧力制御弁ダイヤフラムの上部及び圧力制御弁本体の基部に圧力を印加する。一実施形態では、流体を分配するとき、流体が圧力制御弁本体を通って流れることを可能にするため、流体圧力が圧力制御弁ダイヤフラムの可撓性膜を弾性的に変形させるまで、圧力制御弁本体内に流体圧力が上昇する。圧力制御弁は、好ましくは、流体の偶発的な圧出を防止し、流体の低速な圧出による噴霧不良を排除する。
【0119】
図16を参照すると、一実施形態では、噴霧装置は、流体の所定の圧力レベルが達成されて、流体が圧力制御弁を通過し、噴霧先端のうちの1つへと下流に流れることができるようになることを確実にするため、内部に搭載された圧力制御弁505を含み得る。一実施形態では、圧力制御弁505は、好ましくは、圧力制御弁を形成するために一緒に組み立てられる圧力制御弁キャップ507、圧力制御弁ダイヤフラム509、及び圧力制御弁基部511を含む。
【0120】
一実施形態では、圧力制御弁基部511は、好ましくは、圧力制御弁ダイヤフラム509を受容するように適合された中央室513、流体が中央室513内に入ることを可能にする流体入口515、及び流体が圧力制御弁505の中央室513から流出することを可能にする流体出口517を有する。
【0121】
図17A及び図17Bを参照すると、一実施形態では、圧力制御弁キャップ507は、好ましくは、天井519、その中に切り欠き523が形成されている床521、及び圧力制御弁キャップ507の閉鎖端を画定するために天井519と床521との間に延在する環状壁525を含む。圧力制御弁キャップ507は、望ましくは、その床521に形成された切り欠き523の開放端に位置する開放端527を有する。
【0122】
図18A及び図18Bを参照すると、一実施形態では、圧力制御弁基部511は、好ましくは、入口515と出口517との間に位置する中央室513を含む。一実施形態では、流体入口515の上端部は、流体が圧力制御弁基部511の中央室513に流入することを可能にする第1の開口部519を画定する。圧力制御弁基部はまた、好ましくは、中央室513内に配設された流体が流体出口517の近位端に流入することを可能にする第2の開口部521を含む。圧力制御弁基部511は、望ましくは、中央室513内に位置する第2の開口部521を取り囲む隆起したマウンド523を含む。
【0123】
図18Bを参照すると、一実施形態では、流体入口515内に方向付けられた流体は、望ましくは、第1の開口部519を通って中央室513に流入する。次いで、流体は、圧力制御弁基部511から流出するために、流体出口517の近位端で第2の開口部521を通過し得る。本明細書でより詳細に説明するように、流体が所定の圧力レベルに達するまで、マウンド523は、好ましくは、流体が第2の開口部521を通って流体出口517に流入するのを防止するため、圧力制御弁ダイヤフラム509の可撓性壁の下側に着座し、かつ/又は該可撓性壁の下側との封止部を形成する(図16)。一実施形態では、流体が流体の所定の圧力レベルに達したとき、流体は、圧力制御弁ダイヤフラムの可撓性壁を第2の開口部521から離れる方向に押し出し、その結果、中央室513内の流体が第2の開口部521に流入することが可能になる。一実施形態では、圧力制御弁511は、好ましくは、圧力制御弁505(図16)内の流体の圧力レベルが、流体の所定の圧量レベルに達し、かつ/又はそのレベルを超えたときにのみオンになるか又は開放される、オン/オフスイッチのように機能する。流体圧力が所定の圧力レベル未満である場合、圧力制御弁は閉鎖され、流体は圧力制御弁を通って流れない。流体圧力が所定の圧力レベルを超える場合、圧力制御弁が開放され、流体は、圧力制御弁511を通って、圧力制御弁に関連する噴霧先端へと下流に流れる。
【0124】
図19を参照すると、一実施形態では、圧力制御弁505は、圧力制御弁基部511の中央室513の内側に圧力制御弁ダイヤフラム509を位置付けることによって一緒に組み立てられ得る。圧力制御弁キャップ507は、好ましくは、圧力制御弁基部511と並置され、その結果、圧力制御弁キャップ507の開放端部527は、圧力制御弁基部の流体出口517の長手方向軸に位置合わせされる。圧力制御弁キャップ507の切り欠き又はスロット523(図17A)は、好ましくは、圧力制御弁基部511の流体出口517の近位端上を摺動する。圧力制御弁キャップ507の天井519は、好ましくは、圧力制御弁基部511の中央室513内に圧力制御弁ダイヤフラムを保持するために、圧力制御弁ダイヤフラム509の上端と係合する。
【0125】
図19では、圧力制御弁ダイヤフラムの可撓性壁の下側は通常、第2の開口部521を閉鎖し、流体が第2の開口部を通過するのを防止するために、圧力制御弁基部511の第2の開口部521を取り囲むマウンド523と係合する。上記のように、圧力制御弁は通常、閉鎖位置にあり、圧力制御弁基部511の流体入口515に流入する流体の圧力レベルが流体の所定の圧力レベルを超えたときにのみ、開放位置に移動する。閉鎖位置と開放位置との間で圧力制御ダイヤフラムの可撓性壁を移動させるのに必要な正確な流体圧力レベルは、圧力制御弁ダイヤフラムに設計され得る。
【0126】
図20を参照すると、一実施形態では、入口515に流入する流体の圧力レベルが圧力制御ダイヤフラム509の所定の圧力レベルを超えると、流体の圧力は、圧力制御弁基部511のマウンド523とのその係合から離れる方向に圧力制御弁ダイヤフラム509の可撓性壁の下側を押し出す。圧力制御ダイヤフラムの可撓性壁が第2の開口部521から押し出されると、流体はこの時点で、圧力制御弁505から流出するために圧力制御弁基部511の第2の開口部521から流体出口517へと自由に通過できるようになる。
【0127】
一実施形態では、第1の流体のための第1の圧力制御弁は、第1の注射器と第1の噴霧先端との間に位置付けられ得、第2の流体のための第2の圧力制御弁は、第2の注射器と第2の噴霧先端との間に位置付けられ得る。一実施形態では、第1の圧力制御弁は、第1の圧力レベルで開放され得、第2の圧力制御弁は、第1の圧力レベルとは異なる第2の圧力レベルで開放され得る。
【0128】
図21は、直視下外科手技中に第1の流体及び第2の流体を噴霧するために使用される噴霧装置600を示す。噴霧装置600は、好ましくは、第1の流体を保持するように適合された第1の注射器612と、第1の圧力制御弁607と、第1の一方向逆止弁625と、マニホールド655と、第1の噴霧オリフィス610を有する第1の噴霧ハウジング608を含む第1の噴霧先端と、を含む、第1の流体のための第1の側を有する。噴霧装置600は、好ましくは、第2の流体を保持するように適合された第2の注射器620と、第2の圧力制御弁607’と、第2の一方向逆止弁635と、マニホールド655と、第2の噴霧オリフィス618を有する第2の噴霧ハウジング616を含む第2の噴霧先端と、を含む、第2の流体のための第2の側を有する。噴霧先端は、好ましくは、噴霧装置の遠位端で互いに並列しており、噴霧先端は、噴霧ハウジングの間に延在する間隙の分だけ互いに離間している。第1の注射器及び第2の注射器のプランジャは、第1の流体及び第2の流体をそれぞれの第1の噴霧先端及び第2の噴霧先端の遠位端から噴霧するために、方向DIR1に同時に押し下げられ得る。
【0129】
図22は、閉鎖又はラパロスコープ外科手技中に、第1の流体及び第2の流体を手術部位に噴霧するために使用される噴霧装置700を示す。噴霧装置700は、好ましくは、第1の流体を保持するように適合された第1の注射器712と、第1の圧力制御弁707と、第1の一方向逆止弁725と、第1の流体のための第1の導管を含む細長い軸775と、マニホールド(図示せず)と、細長い軸775の遠位端に固定された第1の噴霧オリフィス710を有する第1の噴霧ハウジング708を有する第1の噴霧先端と、を含む、第1の流体を噴霧するための第1の側を有する。噴霧装置700は、好ましくは、第2の流体を保持するように適合された第2の注射器720と、第2の圧力制御弁707’と、第2の一方向逆止弁735と、第2の流体のための第2の導管を含む細長い軸775と、マニホールド(図示せず)と、細長い軸775の遠位端に固定された第2の噴霧オリフィス718を有する第2の噴霧ハウジング716を有する噴霧先端と、を含む、第2の流体を噴霧するための第2の側を有する。噴霧先端は、好ましくは、細長い軸775の遠位端で互いに並列しており、噴霧先端は、噴霧ハウジングの間に延在する間隙の分だけ互いに離間している。第1の注射器及び第2の注射器712、720のプランジャは、第1の流体及び第2の流体をそれぞれの第1の噴霧先端及び第2の噴霧先端の遠位端から噴霧するために、方向DIR1に同時に押し下げられ得る。
【0130】
図23を参照すると、一実施形態では、本明細書に開示される噴霧装置のうちの1つ以上は、第1の流体及び第2の流体のための第1の流体流路及び第2の流体流路を同時に開閉するために開放位置と閉鎖位置との間で一緒に移動するように一緒に結合されている、2つの圧力制御弁を含み得る。一実施形態では、第1の圧力制御弁805Aは、第1の流体のための第1の流体経路810内に配設される。一実施形態では、第1の流体経路は、望ましくは、入口区分812、中間区分814、及び出口区分816を有する。一実施形態では、第2の圧力制御弁805Aは、第2の流体のための第2の流体経路818内に配設される。一実施形態では、第2の流体経路818は、望ましくは、入口区分820、中間区分822、及び出口区分824を有する。
【0131】
一実施形態では、第1の圧力制御弁805Aは、上端部828及び下端部830を有する第1のピストン826を含む。第1の圧力室832は、第1の流体経路810の入口区分812と中間区分814との間に位置する。
【0132】
一実施形態では、第2の圧力制御弁805Bは、上端部836及び下端部838を有する第2のピストン834を含む。第2の圧力室840は、第2の流体経路818の入口区分820と中間区分822との間に位置する。
【0133】
一実施形態では、それぞれの第1のピストン826及び第2のピストン834の下端部830、838は、基部プレート842に接続され、バネ844は、基部プレート842が、第1の圧力室832及び第2の圧力室840での流体圧力の上昇によって方向DIR3に移動されるときに抵抗を与えるように、基部プレート842の下側に固定される。
【0134】
一実施形態では、第1の流体は、第1の流体経路810の入口区分812内に方向付けられ、するとすぐに、第1の流体は、第1のピストン826の上端部828と流体連通している第1の圧力室832に流入する。一実施形態では、第2の流体は、第2の流体経路818の入口区分820内に方向付けられ、するとすぐに、第2の流体は、第2のピストン834の上端部836と流体連通している第2の圧力室840に流入する。それぞれの第1の流体及び第2の流体の圧力レベルがそれぞれの第1の圧力室832及び第2の圧力室840内で上昇すると、それぞれの第1のピストン826及び第2のピストン834は方向DIR3に押し出され、その結果、第1のピストン及び第2のピストンの上端部828、836は、それぞれの第1の流体経路及び第2の流体経路810、818の中間区分814、822の下方に配置される。一実施形態では、第1のピストン826及び第2のピストン834の上端部がそれぞれの第1の流体経路及び第2の流体経路の中間区分814、822の下方に押し出されると、第1の流体及び第2の流体は、噴霧装置から分配されるために、第1の流体経路及び第2の流体経路のそれぞれの出口部分816、824に流入し得る。
【0135】
一実施形態では、第1の圧力室832及び第2の圧力室840内の流体圧力レベルが所定の圧力レベルを下回ると、バネ844は、第1の圧力制御弁805A及び第2の圧力制御弁805Bを閉鎖するために基部プレート842を方向DIR4に移動させる。
【0136】
上記の説明は本発明の実施形態に関するものであるが、本発明の他の及び更なる実施形態を本発明の基本的な範囲から逸脱することなく行うことが可能であり、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。例えば、本発明では、本明細書で説明される又は本明細書に参照により組み込まれる任意の実施形態に示される任意の特徴は、本明細書で説明される又は本明細書に参照により組み込まれる任意の実施形態に示される任意の特徴と組み合わせてもよく、それでもなお本発明の範囲内に含まれることが意図されている。
【0137】
〔実施の態様〕
(1) 並列する噴霧先端を有する噴霧装置であって、
第1の流れ面積を画定する第1の流体経路を含む第1の噴霧先端と、
前記第1の噴霧先端に隣接する第2の噴霧先端であって、前記第2の噴霧先端は、前記第1の噴霧先端の前記第1の流れ面積よりも大きい第2の流れ面積を画定する第2の流体経路を含む、第2の噴霧先端と、を備え、
前記第1の噴霧先端及び前記第2の噴霧先端は、前記噴霧装置の遠位端で並列し、互いに離間している、噴霧装置。
(2) ある体積流量を有する第1の流体が前記第1の噴霧先端に導入され、前記第1の流体と同じ体積流量を有する第2の流体が前記第2の噴霧先端に導入されるとき、前記第1の流体は、前記第2の流体が前記第2の噴霧先端の前記第2の流体経路を通って流れるよりも大きい速度で、前記第1の噴霧先端の前記第1の流体経路を通って流れることになる、実施態様1に記載の噴霧装置。
(3) 第1の噴霧ハウジングと、前記第1の噴霧ハウジングの遠位端に組み付けられた第1のオリフィスカップと、を含む、前記第1の噴霧先端であって、前記第1のオリフィスカップは、内面に前記第1の流体経路が形成されている遠位端壁を有する、前記第1の噴霧先端と、
第2の噴霧ハウジングと、前記第2の噴霧ハウジングの遠位端に組み付けられた第2のオリフィスカップと、を含む、前記第2の噴霧先端であって、前記第2のオリフィスカップは、内面に前記第2の流体経路が形成されている遠位端壁を有する、前記第2の噴霧先端と、を更に備える、実施態様2に記載の噴霧装置。
(4) 前記第1のオリフィスカップの前記遠位端壁の前記内面に形成された前記第1の流体経路は、外周を有する第1のスワール室と、前記第1の流体を前記第1のスワール室内にて円形パターンで回転させるために前記第1の流体を前記第1のスワール室の前記外周内に方向付ける内側端部を有する溝と、を含む、実施態様3に記載の噴霧装置。
(5) 前記第2のオリフィスカップの前記遠位端壁の前記内面に形成された前記第2の流体経路は、外周を有する第2のスワール室と、前記第2の流体を前記第2のスワール室内にて円形パターンで回転させるために前記第2の流体を前記第2のスワール室の前記外周内に方向付ける内側端部を有する溝と、を含む、実施態様4に記載の噴霧装置。
【0138】
(6) 前記第1の流体を前記第1のスワール室の前記外周内に方向付ける前記溝の前記内側端部は、第1の断面積を画定し、前記第2の流体を前記第2のスワール室の前記外周内に方向付ける前記溝の前記内側端部は、前記第1の断面積とは異なる第2の断面積を画定する、実施態様5に記載の噴霧装置。
(7) 前記第2の流体経路の前記溝の前記第2の断面積は、前記第1の流体経路の前記溝の前記第1の断面積の少なくとも2倍の大きさである、実施態様6に記載の噴霧装置。
(8) 前記第2の流体経路の前記溝の前記第2の断面積は、前記第1の流体経路の前記溝の前記第1の断面積の少なくとも4倍の大きさである、実施態様7に記載の噴霧装置。
(9) 前記第1のスワール室は、第1の直径を有し、前記第2のスワール室は、前記第1のスワール室の前記第1の直径と同じ第2の直径を有する、実施態様5に記載の噴霧装置。
(10) 前記第1のオリフィスカップは、
近位開口部を有する近位端と、前記遠位端壁によって閉鎖された遠位端と、を有する円筒形外壁と、
前記遠位端壁を通過し、かつ前記第1のスワール室と流体連通している第1の噴霧開口部と、を含む、実施態様4に記載の噴霧装置。
【0139】
(11) 前記第1の噴霧ハウジングは、
第1の管状本体であって、近位開口部を有する近位端と、遠位開口部を有する遠位端と、前記第1の管状本体の前記近位開口部から前記遠位開口部まで延在する細長い導管と、を有する、第1の管状本体と、
前記細長い導管内に配設され、前記第1の管状本体の前記遠位端に位置する第1の円筒形インサートであって、前記第1の円筒形インサートは、その遠位端に遠位端壁を有する、第1の円筒形インサートと、を含み、前記第1のオリフィスカップは、前記第1のオリフィスカップの前記遠位端壁の前記内面が前記第1の円筒形インサートの前記遠位端壁の外面と接触する状態で、前記第1の円筒形インサートの前記遠位端が前記第1のオリフィスカップの前記円筒形外壁の内側に配設されるように、前記第1の円筒形インサートに組み付けられている、実施態様10に記載の噴霧装置。
(12) 前記第1のスワール室及び前記第1のオリフィスカップの前記溝は、前記第1の円筒形インサートの前記遠位端壁の前記外面と前記第1のオリフィスカップの前記遠位端壁との間に配設されている、実施態様11に記載の噴霧装置。
(13) 前記第1のオリフィスカップの前記溝は、
前記第1のオリフィスカップの前記円筒形外壁に隣接する外側端部と、前記第1のスワール室の前記外周に位置する内側端部と、を有する第1の溝と、
前記第1のオリフィスカップの前記円筒形外壁に隣接する外側端部と、前記第1のスワール室の前記外周に位置する内側端部と、を有する第2の溝と、を含み、前記第1の溝及び前記第2の溝は、前記第1の流体を前記第1のスワール室内にて円形パターンで回転させるため、前記第1の流体を前記第1のスワール室の前記外周内に方向付ける、実施態様12に記載の噴霧装置。
(14) 前記第2のオリフィスカップは、
近位開口部を有する近位端と、前記遠位端壁によって閉鎖された遠位端と、を有する円筒形外壁と、
前記遠位端壁を通過し、前記第2のスワール室と流体連通している第2の噴霧開口部と、を含む、実施態様4に記載の噴霧装置。
(15) 前記第2の噴霧ハウジングは、
第2の管状本体であって、近位開口部を有する近位端と、遠位開口部を有する遠位端と、前記第2の管状本体の前記近位開口部から前記遠位開口部まで延在する細長い導管と、を有する、第2の管状本体を含み、
前記第2の噴霧ハウジングは、前記細長い導管内に配設され、前記第2の管状本体の前記遠位端に位置する第2の円筒形インサートを有し、前記第2の円筒形インサートは、その遠位端に遠位端壁を有し、前記第2のオリフィスカップは、前記第2のオリフィスカップの前記遠位端壁の前記内面が前記第2の円筒形インサートの前記遠位端壁の外面と接触する状態で、前記第2の円筒形インサートの前記遠位端が前記第2のオリフィスカップの前記円筒形外壁の内側に配設されるように、前記第2の円筒形インサートに組み付けられている、実施態様14に記載の噴霧装置。
【0140】
(16) 前記第2のスワール室及び前記第2のオリフィスカップの前記溝は、前記第2の円筒形インサートの前記遠位端壁の前記外面と前記第2のオリフィスカップの前記遠位端壁との間に配設されている、実施態様15に記載の噴霧装置。
(17) 前記第2のオリフィスカップの前記溝は、
前記第2のオリフィスカップの前記円筒形外壁に隣接する外側端部と、前記第2のスワール室の前記外周に位置する内側端部と、を有する第1の溝と、
前記第2のオリフィスカップの前記円筒形外壁に隣接する外側端部と、前記第2のスワール室の前記外周に位置する内側端部と、を有する第2の溝と、
前記第2のオリフィスカップの前記円筒形外壁に隣接する外側端部と、前記第2のスワール室の前記外周に位置する内側端部と、を有する第3の溝と、
前記第2のオリフィスカップの前記円筒形外壁に隣接する外側端部と、前記第2のスワール室の前記外周に位置する内側端部と、を有する第4の溝と、を含み、前記第1の溝、前記第2の溝、前記第3の溝、及び前記第4の溝は、前記第2の流体を前記第2のスワール室内にて円形パターンで回転させるため、前記第2の流体を前記第2のスワール室の前記外周内に方向付ける、実施態様16に記載の噴霧装置。
(18) 前記第1の流体は、フィブリノーゲンを含み、前記第2の流体は、トロンビンを含む、実施態様1に記載の噴霧装置。
(19) 並列する噴霧先端を有する噴霧装置であって、
より高粘度の流体を含有する第1の注射器と、
前記より高粘度の流体と反応するより低粘度の流体を含有する第2の注射器と、
前記より高粘度の流体を噴霧するための第1の噴霧先端であって、前記第1の噴霧先端は、前記第1の注射器と流体連通し、第1の流れ面積を画定する第1の流体経路を含む、第1の噴霧先端と、
前記より低粘度の流体を噴霧するための第2の噴霧先端であって、前記第2の噴霧先端は、前記第2の注射器と流体連通し、前記第1の噴霧先端の前記第1の流れ面積よりも大きい第2の流れ面積を画定する第2の流体経路を含む、第2の噴霧先端と、を備え、
前記第1の噴霧先端及び前記第2の噴霧先端は、前記噴霧装置の遠位端で並列し、互いに離間している、噴霧装置。
(20) より高粘度の流体は、ある体積流量で前記第1の噴霧先端内に方向付けられ、前記より低粘度の流体は、前記より高粘度の流体に使用される体積流量と同じ体積流量で前記第2の噴霧先端内に方向付けられ、前記より高粘度の流体は、前記より低粘度の流体が前記第2の噴霧先端の前記第2の流体経路を通って流れるよりも大きい速度で、前記第1の噴霧先端の前記第1の流体経路を通って流れることになる、実施態様19に記載の噴霧装置。
【0141】
(21) 前記より高粘度の流体が前記噴霧装置の前記遠位端に向かって一方向のみに流れることを可能にするための、前記第1の注射器の遠位端と前記第1の噴霧先端の近位端との間に配設された第1の一方向逆止弁と、
前記より低粘度の流体が前記噴霧装置の前記遠位端に向かって一方向のみに流れることを可能にするための、前記第2の注射器の遠位端と前記第2の噴霧先端の近位端との間に配設された第2の一方向逆止弁と、を更に備える、実施態様20に記載の噴霧装置。
(22) 前記第1の注射器の前記遠位端と前記第1の噴霧先端の前記近位端との間に配設された第1の圧力制御弁であって、前記第1の圧力制御弁は、前記より高粘度の流体が第1の所定の圧力レベルに達したときに開放される、第1の圧力制御弁と、
前記第2の注射器の前記遠位端と前記第2の噴霧先端の前記近位端との間に配設された第2の圧力制御弁であって、前記第2の圧力制御弁は、前記より低粘度の流体が第2の所定の圧力レベルに達したときに開放される、第2の圧力制御弁と、を更に備える、実施態様21に記載の噴霧装置。
(23) 前記第1の注射器の前記遠位端と前記第1の噴霧先端の前記近位端との間に配設された第1の圧力制御弁と、
前記第2の注射器の前記遠位端と前記第2の噴霧先端の前記近位端との間に配設された第2の圧力制御弁と、を更に備え、前記第1の圧力制御弁及び前記第2の圧力制御弁は、開放位置と閉鎖位置との間で同時に移動するために一緒に結合されている、実施態様21に記載の噴霧装置。
(24) 前記より高粘度の流体は、フィブリノーゲンを含み、前記より低粘度の流体は、組織シーラントを形成するためにそれぞれの前記第1の噴霧先端及び前記第2の噴霧先端の遠位端から噴霧された後に、前記フィブリノーゲンと化学反応するトロンビンを含む、実施態様19に記載の噴霧装置。
(25) 噴霧装置であって、前記噴霧装置の遠位端で並列し、互いに離間している第1の噴霧先端及び第2の噴霧先端を有し、
第1の噴霧ハウジングと、前記第1の噴霧ハウジングの遠位端に組み付けられた第1のオリフィスカップと、を含む、第1の噴霧先端であって、前記第1のオリフィスカップは、内面に第1の流れ面積を画定する第1の流体経路が形成されている遠位端壁を有する、第1の噴霧先端と、
第2の噴霧ハウジングと、前記第2の噴霧ハウジングの遠位端に組み付けられた第2のオリフィスカップと、を含む、第2の噴霧先端であって、前記第2のオリフィスカップは、内面に前記第1のオリフィスカップの前記第1の流れ面積よりも大きい第2の流れ面積を画定する第2の流体経路が形成されている遠位端壁を有する、第2の噴霧先端と、
前記第1の噴霧先端と流体連通するより高粘度の流体を含有する第1の注射器と、
前記第2の噴霧先端と流体連通し、かつそれぞれの前記第1の噴霧先端及び前記第2の噴霧先端の遠位端から噴霧された後に、前記より高粘度の流体と化学反応するように適合されている、より低粘度の流体を含有する第2の注射器と、を備え、
前記より高粘度の流体は、ある体積流量で前記第1の噴霧先端内に方向付けられ、前記より低粘度の流体は、前記より高粘度の流体に使用される体積流量と同じ体積流量で前記第2の噴霧先端内に方向付けられ、前記より高粘度の流体は、前記より低粘度の流体が前記第2のオリフィスカップの前記第2の流体経路を通って流れるよりも大きい速度で、前記第1のオリフィスカップの前記第1の流体経路を通って流れることになる、噴霧装置。
【0142】
(26) 前記第1のオリフィスカップの前記遠位端壁の前記内面に形成された前記第1の流体経路は、外周を有する第1のスワール室と、前記より高粘度の流体を前記第1のスワール室内にて円形パターンで回転させるために、前記より高粘度の流体を前記第1のスワール室の前記外周内に方向付ける内側端部を有する溝と、を含み、
前記第2のオリフィスカップの前記遠位端壁の前記内面に形成された前記第2の流体経路は、外周を有する第2のスワール室と、前記より低粘度の流体を前記第2のスワール室内にて円形パターンで回転させるために、前記より低粘度の流体を前記第2のスワール室の前記外周内に方向付ける内側端部を有する溝と、を含み、
前記第1の流体を前記第1のスワール室の前記外周内に方向付ける前記溝の前記内側端部は、第1の断面積を画定し、前記第2の流体を前記第2のスワール室の前記外周内に方向付ける前記溝の前記内側端部は、前記第1の流体経路の前記溝の前記第1の断面積の少なくとも2倍の大きさである第2の断面積を画定する、実施態様25に記載の噴霧装置。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図5
図6
図7
図8A
図8B
図8C
図8D
図8E
図8E-1】
図8F
図8G
図8H
図8I
図9A
図9B
図10A
図10B
図10C
図10D
図10E
図10E-1】
図10F
図10G
図10H
図10I
図11
図12
図13A
図13B
図13C
図14
図15
図16
図17A
図17B
図18A
図18B
図19
図20
図21
図22
図23
【国際調査報告】