(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-05
(54)【発明の名称】クロススロットスケジューリング適応のためのデバイスおよび方法
(51)【国際特許分類】
H04W 52/02 20090101AFI20221128BHJP
H04W 72/04 20090101ALI20221128BHJP
H04W 72/12 20090101ALI20221128BHJP
【FI】
H04W52/02 110
H04W72/04 131
H04W72/12
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022520589
(86)(22)【出願日】2020-09-28
(85)【翻訳文提出日】2022-04-01
(86)【国際出願番号】 EP2020077054
(87)【国際公開番号】W WO2021063862
(87)【国際公開日】2021-04-08
(32)【優先日】2019-10-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】514136668
【氏名又は名称】パナソニック インテレクチュアル プロパティ コーポレーション オブ アメリカ
【氏名又は名称原語表記】Panasonic Intellectual Property Corporation of America
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リ ホンチャオ
(72)【発明者】
【氏名】クゥァン クゥァン
(72)【発明者】
【氏名】タオ ミン-フン
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA43
5K067CC04
5K067DD11
5K067EE02
5K067EE10
5K067EE72
5K067HH22
5K067HH23
(57)【要約】
本開示は、動作中、スケジューリンググラントを受信した後にデータを受信する送受信機と、動作中、最小スケジューリングギャップに従って、時間領域リソース割当て(TDRA)テーブルに制限を適用するか否かを決定する回路であって、前記決定が、共通TDRAテーブルが構成されているか否かの決定を含む、回路と、を有する、送受信機デバイスを提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
動作中、スケジューリンググラントを受信した後にデータを受信する送受信機と、
動作中、最小スケジューリングギャップに従って、時間領域リソース割当て(TDRA)テーブルに制限を適用するか否かを決定する回路であって、前記決定が、共通TDRAテーブルが構成されているか否かの決定を含む、回路と、
を有する、送受信機デバイス。
【請求項2】
前記回路は、動作中、前記共通TDRAテーブルが構成されていないと決定された場合、前記TDRAテーブルに前記制限を適用しないと決定する、
請求項1に記載の送受信機デバイス。
【請求項3】
前記回路は、動作中、前記最小スケジューリングギャップがゼロよりも大きい場合、前記TDRAテーブルに関連付けられたサーチスペースにおける物理制御チャネルのオケージョンを監視しないように前記送受信機を制御する、
請求項1または2に記載の送受信機デバイス。
【請求項4】
前記TDRAテーブルは、複数のエントリを含み、各エントリは、前記スケジューリンググラントの受信とスケジューリングされたリソースとの間のギャップを示すスケジューリングギャップインジケータを含む時間領域リソース割当てを指定し、
前記決定は、前記共通TDRAテーブルが構成されていると決定された場合、前記最小スケジューリングギャップと、前記TDRAテーブルに含まれるスケジューリングギャップとを比較することをさらに含む、
請求項1~3のいずれか一項に記載の送受信機デバイス。
【請求項5】
動作中、スケジューリンググラントを受信した後にデータを送信する送受信機と、
動作中、最小スケジューリングギャップに従って、時間領域リソース割当て(TDRA)テーブルに制限を適用するか否かを決定する回路であって、前記TDRAテーブルが、複数のエントリを含み、各エントリが、前記スケジューリンググラントの受信とスケジューリングされたリソースとの間のギャップを示すスケジューリングギャップインジケータを含む時間領域リソース割当てを指定し、前記決定が、前記最小スケジューリングギャップと、前記TDRAテーブルに含まれるスケジューリングギャップとを比較することを含む、回路と、
を有する、送受信機デバイス。
【請求項6】
前記回路は、動作中、前記最小スケジューリングギャップが前記TDRAテーブルに含まれるスケジューリングギャップの範囲内にある場合、前記TDRAテーブルに前記制限を適用すると決定する、
請求項4または5に記載の送受信機デバイス。
【請求項7】
前記回路は、動作中、前記最小スケジューリングギャップが前記TDRAテーブルに含まれる最大のスケジューリングギャップよりも大きい場合、前記TDRAテーブルに関連付けられたサーチスペースにおける物理制御チャネルのオケージョンを監視しないように前記送受信機を制御する、
請求項4~6のいずれか一項に記載の送受信機デバイス。
【請求項8】
前記回路は、動作中、前記最小スケジューリングギャップが前記TDRAテーブルに含まれる最大のスケジューリングギャップよりも大きい場合、前記TDRAテーブルに前記制限を適用しないと決定する、
請求項4~6のいずれか一項に記載の送受信機デバイス。
【請求項9】
前記回路は、動作中、さらに、前記最小スケジューリングギャップが前記TDRAテーブルに含まれる最大のスケジューリングギャップよりも大きい場合、リソース割当てのために前記TDRAテーブルと異なる第2のTDRAテーブルを決定し、前記第2のTDRAテーブルをスケジューリングのために使用する、
請求項8に記載の送受信機デバイス。
【請求項10】
前記回路は、動作中、前記TDRAテーブルに含まれる前記スケジューリングギャップが互いに等しい場合、前記TDRAテーブルに前記制限を適用しないと決定する、
請求項4~9のいずれか一項に記載の送受信機デバイス。
【請求項11】
前記決定は、前記送受信機デバイスがグループ共通物理制御チャネルを監視するように構成されているかどうかを決定することを含み、
前記回路は、動作中、前記送受信機デバイスが前記グループ共通物理制御チャネルを監視するように構成されていない場合、前記TDRAテーブルに前記制限を適用すると決定する、
請求項1~10のいずれか一項に記載の送受信機デバイス。
【請求項12】
前記送受信機は、動作中、前記最小スケジューリングギャップを指示する最小スケジューリングギャップインジケータを受信する、
請求項1~11のいずれか一項に記載の送受信機デバイス。
【請求項13】
前記最小スケジューリングギャップは、前記スケジューリンググラントの受信とスケジューリングされたリソースとの間のギャップの最小値をタイムスロット単位で示す、
請求項1~12のいずれか一項に記載の送受信機デバイス。
【請求項14】
最小スケジューリングギャップに従って、時間領域リソース割当て(TDRA)テーブルに制限を適用するか否かを決定するステップであって、前記決定が、共通TDRAテーブルが構成されているか否かの決定を含む、ステップと、
スケジューリンググラントを受信した後にデータを受信するステップと、
を含む、データ受信方法。
【請求項15】
最小スケジューリングギャップに従って、時間領域リソース割当て(TDRA)テーブルに制限を適用するか否かを決定するステップであって、前記TDRAテーブルが、複数のエントリを含み、各エントリが、スケジューリンググラントの受信とスケジューリングされたリソースとの間のギャップを示すスケジューリングギャップインジケータを含む時間領域リソース割当てを指定し、前記決定が、前記最小スケジューリングギャップと、前記TDRAテーブルに含まれるスケジューリングギャップとを比較することを含む、ステップと、
前記スケジューリンググラントを受信した後にデータを送信するステップと、
を含む、データ送信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、通信システムにおける信号の送受信に関する。特に、本開示は、そのような送受信のための方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP:3rd Generation Partnership Project)は、次世代のセルラー技術(第5世代(5G)とも呼ばれる)の技術仕様に取り組んでいる。
【0003】
1つの目的は、少なくとも拡張モバイルブロードバンド(eMBB:enhanced mobile broadband)、超高信頼・低遅延通信(URLLC:ultra-reliable low-latency communications)、大規模マシンタイプ通信(mMTC:massive machine type communication)を含む、あらゆる使用シナリオ、要件、および配置シナリオ(例えば、非特許文献1の6節を参照)に対処する、単一の技術的枠組みを提供することである。例えば、eMBBの配置シナリオには、屋内のホットスポット、密集都市部、郊外、都市部、および高速が含まれ得る。URLLCの配置シナリオには、産業制御システム、モバイル健康管理(遠隔モニタリング、遠隔診断、および遠隔治療)、車両のリアルタイム制御、スマートグリッドの広域監視・制御システムが含まれ得る。mMTCの配置シナリオには、スマートウェアラブルやセンサネットワークなど、遅延の影響が小さいデータ伝送を行う多数の装置を使用するシナリオが含まれ得る。eMBBサービスとURLLCサービスは、いずれも極めて広い帯域幅が要求される点で似ているが、URLLCサービスでは、極めて小さいレイテンシ(待ち時間)(latency)が好ましくは要求される点において異なる。
【0004】
第2の目的は、前方互換性を達成することである。ロングタームエボリューション(LTE、LTE-A)セルラーシステムへの後方互換性は要求されず、これにより、全く新しいシステムの設計および/または新しい機能の導入が容易になる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】TR 38.913 version 15.0.0
【非特許文献2】3GPP TS 38.300 v15.6.0
【非特許文献3】3GPP TR 38.801 v14.0.0
【非特許文献4】3GPP TS 38.211 v15.6.0
【非特許文献5】TS 23.501 v16.1.0
【非特許文献6】TS 38.212 v15.6.0
【非特許文献7】TS 38.211 V15.0.0(2017-12)
【発明の概要】
【0006】
1つの非限定的かつ例示的な実施形態は、クロススロットスケジューリングを伴う手順を含む、UE電力の節約を容易にする改善された手順を提供することを促進する。
【0007】
一実施形態において、本明細書に開示されている技術は、動作中、スケジューリンググラントを受信した後にデータを受信する送受信機と、動作中、最小スケジューリングギャップに従って、時間領域リソース割当て(TDRA)テーブルに制限を適用するか否かを決定する回路であって、前記決定が、共通TDRAテーブルが構成されているか否かの決定を含む、回路と、を有する、送受信機デバイスを特徴とする。
【0008】
一実施形態において、本明細書に開示されている技術は、動作中、スケジューリンググラントを受信した後にデータを送信する送受信機と、動作中、最小スケジューリングギャップに従って、時間領域リソース割当て(TDRA)テーブルに制限を適用するか否かを決定する回路であって、前記TDRAテーブルが、複数のエントリを含み、各エントリが、前記スケジューリンググラントの受信とスケジューリングされたリソースとの間のギャップを示すスケジューリングギャップインジケータを含む時間領域リソース割当てを指定し、前記決定が、前記最小スケジューリングギャップと、前記TDRAテーブルに含まれるスケジューリングギャップとを比較することを含む、回路と、を有する、送受信機デバイスを特徴とする。
【0009】
なお、一般的または具体的な実施形態は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム、記憶媒体、またはこれらの任意の選択的な組合せとして実装され得ることに留意されたい。
【0010】
開示されている実施形態のさらなる恩恵および利点は、本明細書および図面から明らかになるであろう。これらの恩恵および/または利点は、本明細書および図面のさまざま実施形態および特徴によって個別に得ることができる。但し、これらは、このような恩恵および/または利点の1つまたは複数を得るために、すべてを設ける必要はない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
以下、例示的な実施形態について添付の図面を参照してより詳細に説明する。
【0012】
【
図1】3GPP NRシステムの例示的なアーキテクチャを示す図
【
図2】NG-RANと5GCの間の機能分割を示す概略図
【
図3】RRC接続のセットアップ/再設定手順のシーケンス図
【
図4】拡張モバイルブロードバンド、大規模マシンタイプ通信(mMTC)、および超高信頼・低遅延通信(URLLC)の使用シナリオを示す概略図
【
図5】非ローミングシナリオ向けの例示的な5Gシステムアーキテクチャを示すブロック図
【
図7】クロススロットスケジューリングを示す概略図
【
図8】送受信機デバイスおよびスケジューリングデバイスを示すブロック図
【
図9】最小スケジューリングギャップによる例示的なTDRAテーブルの例示的な制限を示す概略図
【発明を実施するための形態】
【0013】
5G NRシステムのアーキテクチャおよびプロトコルスタック
【0014】
3GPPは、最大100GHzの周波数で動作する新しい無線アクセス技術(NR)の開発を含む第5世代セルラー技術(単に5Gと呼ばれる)の次のリリースに取り組んでいる。5G規格の最初のバージョンは、2017年の終わりに完了し、これにより、5G NR規格に準拠したスマートフォンの試験および商用展開に進むことができる。
【0015】
とりわけ、全体的なシステムアーキテクチャは、gNBを有するNG-RAN(次世代無線アクセスネットワーク:Next Generation - Radio Access Network)を想定しており、これらのgNBは、NG無線アクセスユーザプレーン(SDAP/PDCP/RLC/MAC/PHY)プロトコルおよび制御プレーン(RRC)プロトコルを終端させる。gNBは、Xnインタフェースによって互いに相互接続されている。また、gNBは、次世代(NG:Next Generation)インタフェースによってNGC(次世代コア:Next Generation Core)に、より具体的には、NG-CインタフェースによってAMF(アクセスおよびモビリティ管理機能:Access and Mobility Management Function)(例えば、AMFを実行する特定のコアエンティティ)に、また、NG-UインタフェースによってUPF(ユーザプレーン機能:User Plane Function)(例えば、UPFを実行する特定のコアエンティティ)にも接続されている。NG-RANアーキテクチャを
図1に示す(例えば、非特許文献2の4節を参照)。
【0016】
さまざまな異なる配置シナリオをサポートすることができる(例えば、非特許文献3を参照)。この文献には、例えば、非中央集中型の配置シナリオ(例えば、非特許文献3の5.2節を参照。中央集中型の配置は、5.4節に示されている)が提示されており、5G NRをサポートする基地局を配置することができる。NR 5Gの新しいeNBは、例示的にgNBと呼ばれ得る。eLTE eNBは、eNBの進化型であり、EPC(進化型パケットコア:Evolved Packet Core)およびNGC(次世代コア:Next Generation Core)への接続性をサポートする。
【0017】
NRにおけるユーザプレーンプロトコルスタック(例えば、非特許文献2の4.4.1節を参照)は、PDCP(パケットデータコンバージェンスプロトコル:Packet Data Convergence Protocol、非特許文献2の6.4節を参照)サブレイヤ、RLC(無線リンク制御:Radio Link Control、非特許文献2の6.3節を参照)サブレイヤ、MAC(媒体アクセス制御:Medium Access Control、非特許文献2の6.2節を参照)サブレイヤを含み、これらのサブレイヤは、ネットワーク側ではgNBにおいて終端する。これに加えて、PDCPの上に、アクセス層(AS:access stratum)の新しいサブレイヤ(SDAP、サービスデータアダプテーションプロトコル:Service Data Adaptation Protocol)が導入される(例えば、非特許文献2の6.5節を参照)。NRにおいても制御プレーンプロトコルスタックが定義されている(例えば、非特許文献2の4.4.2節を参照)。レイヤ2の機能の概要は、非特許文献2の6節に記載されている。PDCPサブレイヤ、RLCサブレイヤ、およびMACサブレイヤの機能は、非特許文献2の6.4節、6.3節、および6.2節にそれぞれ記載されている。RRCレイヤの機能は、非特許文献2の7節に記載されている。
【0018】
例えば、媒体アクセス制御レイヤは、論理チャネルの多重化、ならびに、さまざまなニューメロロジーの処理を含む、スケジューリングおよびスケジューリング関連機能を扱う。
【0019】
物理レイヤ(PHY)は、例えば、符号化、PHY HARQ処理、変調、マルチアンテナ処理、および適切な物理時間-周波数リソースへの信号のマッピングを担当する。また、物理レイヤは、物理チャネルへのトランスポートチャネルのマッピングも処理する。物理レイヤは、トランスポートチャネルの形でMAC層にサービスを提供する。物理チャネルは、特定のトランスポートチャネルの送信に使用される時間周波数リソースのセットに対応し、各トランスポートチャネルは、対応する物理チャネルにマッピングされる。1つの物理チャネルは、ランダムアクセスに使用されるPRACH(物理ランダムアクセスチャネル:Physical Random Access Channel)である。
【0020】
NRのユースケース/配置シナリオには、拡張モバイルブロードバンド(eMBB)、超高信頼・低遅延通信(URLLC)、大規模マシンタイプ通信(mMTC)が含まれ、これらのサービスは、データレート、レイテンシ、およびカバレッジに関して多様な要件を有する。例えば、eMBBは、IMT-Advancedによって提供される3倍のオーダーのピークデータレート(ダウンリンクが20Gbps、アップリンクが10Gbps)およびユーザ体感データレートをサポートすることが期待される。これに対して、URLLCの場合、より厳しい要件として、極めて低いレイテンシ(ユーザプレーンのレイテンシはULおよびDLそれぞれで0.5ms)と、高い信頼性(1ms内で1~10-5)とが課せられる。さらに、mMTCでは、高い接続密度(都市環境では1km2あたり1,000,000個のデバイス)、過酷な環境における広いカバレッジ、およびデバイスコストを下げるための極めて長寿命のバッテリ(15年)が、好ましくは要求され得る。
【0021】
したがって、あるユースケースに適したOFDMニューメロロジー(例えば、サブキャリア間隔、OFDMシンボル持続時間、サイクリックプレフィックス(CP)持続時間、スケジューリング間隔あたりのシンボル数)が、別のユースケースではうまく機能しないことがある。例えば、低レイテンシのサービスでは、mMTCサービスよりも、短いシンボル持続時間(したがって、より大きいサブキャリア間隔)、および/または、スケジューリング間隔(TTIとも称される)あたりの少ないシンボルが、好ましくは要求され得る。さらには、チャネルの遅延スプレッドが大きい配置シナリオでは、遅延スプレッドが短いシナリオよりも長いCP持続時間が、好ましくは要求され得る。同程度のCPオーバーヘッドを維持するため、遅延スプレッドに応じてサブキャリア間隔を最適化するべきである。NRでは、サブキャリア間隔の2つ以上の値がサポートされ得る。したがって、現在のところ、15kHz、30kHz、60kHz、…のサブキャリア間隔が検討されている。シンボル持続時間Tuとサブキャリア間隔Δfは、式(Δf=1/Tu)により、直接関係している。LTEシステムの場合と同様に、1個のOFDM/SC-FDMAシンボルの長さに対する1つのサブキャリアから構成される最小リソース単位を表すのに、「リソースエレメント」という用語を使用することができる。
【0022】
新しい無線システム5G-NRでは、各ニューメロロジーおよびキャリアごとに、アップリンクおよびダウンリンクそれぞれにおいて、サブキャリアとOFDMシンボルのリソースグリッドが定義される。リソースグリッド内の各要素は、リソースエレメントと呼ばれ、周波数領域における周波数インデックスと時間領域におけるシンボル位置とに基づいて識別される(非特許文献4を参照)。
【0023】
NG-RANと5GCの間の5G NR機能の分割
【0024】
図2は、NG-RANと5GCの間での機能の分割を示している。NG-RANの論理ノードは、gNBまたはng-eNBである。5GCの論理ノードは、AMF、UPF、およびSMFである。
【0025】
特に、gNBおよびng-eNBは、次の主要機能を処理する。
- 無線ベアラ制御(Radio Bearer Control)、無線アドミッション制御(Radio Admission Control)、接続モビリティ制御(Connection Mobility Control)、アップリンクおよびダウンリンクの両方向におけるUEへの動的なリソース割当て(スケジューリング)など、無線リソース管理(Radio Resource Management)の機能
- IPヘッダ圧縮、暗号化、およびデータの整合性保護
- UEによって提供される情報からAMFへのルーティングを決定できないときのUEのアタッチ時のAMFの選択
- UPFへのユーザプレーンデータのルーティング
- AMFへの制御プレーン情報のルーティング
- 接続の確立および解放
- ページングメッセージのスケジューリングおよび送信
- (AMFまたはOAMから送信される)システムブロードキャスト情報のスケジューリングおよび送信
- モビリティおよびスケジューリングのための測定および測定報告の設定
- アップリンクにおけるトランスポートレベルのパケットマーキング
- セッション管理
- ネットワークスライシングのサポート
- QoSフロー管理およびデータ無線ベアラへのマッピング
- RRC_INACTIVE状態のUEのサポート
- NASメッセージの配信機能
- 無線アクセスネットワークシェアリング
- デュアルコネクティビティ
- NRとE-UTRA間の緊密なインターワーキング
【0026】
アクセスおよびモビリティ管理機能(AMF)は、次の主要機能を処理する。
- 非アクセス層(NAS:Non-Access Stratum)シグナリングの終端
- NASシグナリングのセキュリティ
- アクセス層(AS:Access Stratum)のセキュリティ制御
- 3GPPアクセスネットワーク間のモビリティのためのコアネットワーク(CN:Core Network)ノード間シグナリング
- アイドルモードUEの到達可能性(Reachability)(ページング再送の制御および実行を含む)
- レジストレーションエリア(Registration Area)管理
- システム内モビリティおよびシステム間モビリティのサポート
- アクセス認証
- ローミング権のチェックを含むアクセス認証
- モビリティ管理制御(サブスクリプションおよびポリシー)
- ネットワークスライシングのサポート
- セッション管理機能(SMF:Session Management Function)の選択
【0027】
さらに、ユーザプレーン機能(UPF:User Plane Function)は、次の主要機能を処理する。
- RAT内/RAT間モビリティのためのアンカーポイント(適用可能時)
- データネットワークとの相互接続の外部PDUセッションポイント
- パケットのルーティングおよび転送
- パケット検査およびポリシールール施行のユーザプレーン部分
- トラフィック使用報告
- データネットワークへのトラフィックフローのルーティングをサポートするためのアップリンク分類器
- マルチホームPDUセッションをサポートするためのブランチングポイント
- ユーザプレーンのQoS処理(例えば、パケットフィルタリング、ゲーティング、UL/DLレート強制)
- アップリンクトラフィックの検証(SDFからQoSフローへのマッピング)
- ダウンリンクパケットバッファリングおよびダウンリンクデータ通知トリガリング
【0028】
最後に、セッション管理機能(SMF)は、次の主要機能を処理する。
- セッション管理
- UE IPアドレスの割当ておよび管理
- UP機能の選択および制御
- トラフィックを正しい宛先にルーティングするためのユーザプレーン機能(UPF)におけるトラフィックステアリングの設定
- ポリシー施行およびQoSの制御部分
- ダウンリンクデータ通知
【0029】
RRC接続のセットアップおよび再設定の手順
【0030】
図3は、UEがRRC_IDLEからRRC_CONNECTEDに移行するときの、NAS部分における、UE、gNB、AMF(5GCエンティティ)の間のインタラクションを示している(非特許文献2を参照)
【0031】
RRCは、UEおよびgNBの設定に使用される上位レイヤシグナリング(プロトコル)である。特に、この移行では、AMFがUEコンテキストデータ(例えば、PDUセッションコンテキスト、セキュリティキー、UE無線能力、およびUEセキュリティ能力などを含む)を準備し、それを初期コンテキストセットアップ要求(INITIAL CONTEXT SETUP REQUEST)によってgNBに送る。次に、gNBが、UEとのASセキュリティをアクティブにし、これは、gNBがSecurityModeCommandメッセージをUEに送信し、UEがSecurityModeCompleteメッセージでgNBに応答することによって実行される。その後、gNBは、シグナリング無線ベアラ2(SRB2)およびデータ無線ベアラ(DRB)を確立するために再設定を実行し、これは、gNBがRRCReconfigurationメッセージをUEに送信し、これに応答してUEからRRCReconfigurationCompleteをgNBが受信することによる。シグナリングのみの接続の場合、SRB2およびDRBが確立されないため、RRCReconfigurationに関連するこれらのステップはスキップされる。最後に、gNBは、確立手順が完了したことを、初期コンテキストセットアップ応答(INITIAL CONTEXT SETUP RESPONSE)によってAMFに通知する。
【0032】
したがって、本開示では、gNodeBとユーザ機器(UE)との間にシグナリング無線ベアラが確立されるように、動作中、gNodeBとの次世代(NG)接続を確立する制御回路と、動作中、そのNG接続を介して初期コンテキストセットアップメッセージをgNodeBに送信する送信機とを有する、第5世代コア(5GC)のエンティティ(例えば、AMF、SMFなど)が提供される。特に、gNodeBは、リソース割当て設定情報要素を含む無線リソース制御(RRC)シグナリングを、シグナリング無線ベアラを介してUEに送信する。次いで、UEが、このリソース割当て設定に基づいてアップリンク送信またはダウンリンク受信を実行する。
【0033】
IMT-2020以降の使用シナリオ
【0034】
図4は、5G NRのユースケースのいくつかを示している。第3世代パートナーシッププロジェクトの新無線(3GPP NR:3rd generation partnership project new radio)では、IMT-2020によって多種多様なサービスおよびアプリケーションをサポートすることが想定されている3つのユースケースが考慮されている。拡張モバイルブロードバンド(eMBB)のフェーズ1の仕様は決定された。現在および今後の作業としては、eMBBサポートをさらに拡張することに加えて、超高信頼・低遅延通信(URLLC)および大規模マシンタイプ通信のための標準化が含まれることになる。
図4は、2020年以降のIMTについて想定される使用シナリオのいくつかの例を示している。
【0035】
URLLCユースケースは、スループットやレイテンシ、可用性などの能力に関する厳しい要件を有し、工業的製造または生産プロセスの無線制御、遠隔医療手術、スマートグリッドにおける配電自動化、輸送の安全性など、将来の垂直アプリケーションを実現する手段の1つとして想定されている。URLLCの超高信頼性は、非特許文献1によって設定される要件を満たすための技術を特定することによってサポートされる。リリース15におけるNR URLLCの場合、重要な要件は、ユーザプレーンの目標レイテンシが、UL(アップリンク)に対して0.5ms、DL(ダウンリンク)に対して0.5msであることを含む。パケットの1回の送信における一般的なURLLCの要件は、1msのユーザプレーンレイテンシでパケットサイズ32バイトの場合にBLER(ブロック誤り率)1E-5である。
【0036】
RAN1の観点から、信頼性は、多くの可能な方法で向上させることができる。信頼性を向上させるための現在の範囲は、URLLCのための個別のCQIテーブルや、よりコンパクトなDCIフォーマット、PDCCHの繰り返しなどを定義することを含む。しかし、(NR URLLCの重要な要件について)NRがさらに安定し、開発が進むにつれて、超高信頼性を実現するための範囲が広がり得る。リリース15におけるNR URLLCの具体的なユースケースとしては、拡張現実/仮想現実(AR/VR)、e-ヘルス、e-セーフティ、およびミッションクリティカルなアプリケーションが挙げられる。
【0037】
さらに、NR URLLCが対象とする技術強化は、レイテンシの改善および信頼性の向上を目標としている。レイテンシを改善するための技術強化としては、設定可能なニューメロロジー、柔軟なマッピングを使用する非スロットベースのスケジューリング、グラントフリー(設定済みグラント(configured grant))のアップリンク、データチャネルのスロットレベルの繰り返し、およびダウンリンクのプリエンプションが挙げられる。プリエンプションとは、リソースがすでに割り当てられている送信が中止され、すでに割り当てられているリソースが、後から要求された、より小さいレイテンシ/より高い優先度要件を有する別の送信に使用されることを意味する。したがって、すでに許可された送信が、より後の送信によってプリエンプトされる。プリエンプションは、特定のサービスタイプに関係なく適用される。例えば、サービスタイプA(URLLC)の送信は、サービスタイプB(eMBBなど)の送信によってプリエンプトされ得る。信頼性向上に関する技術強化としては、1E-5の目標BLERのための専用CQI/MCSテーブルが挙げられる。
【0038】
mMTC(大規模マシンタイプ通信)のユースケースは、非常に多数の接続されたデバイスが、一般には遅延の影響が小さい比較的少量のデータを送信することを特徴とする。デバイスは、低コストでありかつ極めて長いバッテリ寿命を有する必要がある。NRの観点からは、非常に狭い帯域幅部分を利用することは、UEの観点からの節電を達成して長いバッテリ寿命を可能にするための1つの可能なソリューションである。
【0039】
上記のように、NRにおける信頼性の範囲が広がることが予測される。あらゆるケース、特にURLLCおよびmMTCの場合に必要な1つの重要な要件は、高信頼性または超高信頼性である。無線の観点およびネットワークの観点から、信頼性を向上させるためのいくつかのメカニズムを考えることができる。一般には、信頼性の向上に役立つ可能性のある重要な領域がいくつか存在する。これらの領域としては、コンパクトな制御チャネル情報、データチャネル/制御チャネルの繰り返し、ならびに周波数領域、時間領域、および/または空間領域に関連するダイバーシチが挙げられる。これらの領域は、特定の通信シナリオには関係なく、一般的に信頼性に適用可能である。
【0040】
NR URLLCの場合、例えば、工場自動化や輸送産業、電力供給など、より厳しい要件を有するさらなるユースケースが特定されている。より厳しい要件とは、ユースケースに応じて、より高い信頼性(最大10-6レベル)、より高い可用性、最大256バイトのパケットサイズ、数μs(値は周波数範囲に応じて1~数μsであり得る)のオーダーの時間同期、0.5~1msのオーダーの短いレイテンシ(特にユーザプレーンの目標レイテンシは0.5ms)である。
【0041】
さらに、NR URLLCの場合、RAN1の観点からいくつかの技術強化が認識されている。特に、コンパクトなDCI、PDCCHの繰り返し、PDCCH監視の増大、に関連するPDCCH(物理ダウンリンク制御チャネル:Physical Downlink Control Channel)の強化が挙げられる。さらに、UCI(アップリンク制御情報:Uplink Control Information)の強化は、HARQ(ハイブリッド自動再送要求:Hybrid Automatic Repeat Request)の強化およびCSIフィードバックの強化に関連する。また、ミニスロットレベルのホッピングおよび再送信/繰り返しに関連するPUSCHの強化も認識されている。「ミニスロット」という用語は、スロット(14個のシンボルを含むスロット)よりも少ない数のシンボルを含む送信時間間隔(TTI:Transmission Time Interval)を意味する。
【0042】
QoS制御
【0043】
5G QoS(サービス品質:Quality of Service)モデルは、QoSフローに基づいており、保証フロービットレートを必要とするQoSフロー(GBR QoSフロー)と、保証フロービットレートを必要としないQoSフロー(非GBR QoSフロー)の両方をサポートする。したがって、NASレベルでは、QoSフローはPDUセッションにおけるQoS差別化の最も細かい粒度である。QoSフローは、PDUセッション内では、NG-Uインタフェースを通じてカプセル化ヘッダ内で伝えられるQoSフローID(QFI)によって識別される。
【0044】
5GCは、UEごとに、1つまたは複数のPDUセッションを確立する。NG-RANは、UEごとに、PDUセッションと一緒に少なくとも1つのデータ無線ベアラ(DRB:Data Radio Bearer)を確立し、次に、そのPDUセッションのQoSフローのための追加のDRBを、例えば、
図3を参照しながら上記したように、設定することができる(いつ設定するかはNG-RANが決定する)。NG-RANは、異なるPDUセッションに属するパケットを異なるDRBにマッピングする。UEおよび5GCにおけるNASレベルのパケットフィルタが、ULおよびDLのパケットをQoSフローに関連付け、UEおよびNG-RANにおけるASレベルのマッピング規則が、ULおよびDLのQoSフローをDRBに関連付ける。
【0045】
図5は、5G NR非ローミング基準アーキテクチャを示している(非特許文献5の4.23節を参照)。アプリケーション機能(AF:Application Function)(例えば、
図4に例示的に記載されている5Gサービスを処理する外部アプリケーションサーバ)は、サービスを提供する目的で、3GPPコアネットワーク(Core Network)と対話する。例えば、トラフィックのルーティングに対するアプリケーションの影響をサポートしたり、ネットワーク公開機能(NEF:Network Exposure Function)にアクセスしたり、またはポリシー制御(例えば、QoS制御)のためのポリシーフレームワーク(ポリシー制御機能PCFを参照)と対話する。オペレータの配備に基づいて、オペレータによって信頼されるものと見なされるアプリケーション機能(AF)を、関連するネットワーク機能(Network Function)と直接対話できるようにすることができる。ネットワーク機能に直接アクセスすることがオペレータによって許可されていないアプリケーション機能(AF)は、NEFを介して外部の公開フレームワークを使用して、関連するネットワーク機能と対話する。
【0046】
図5は、5Gアーキテクチャのさらなる機能ユニットとして、ネットワークスライス選択機能(NSSF:Network Slice Selection Function)、ネットワークリポジトリ機能(NRF:Network Repository Function)、統一データ管理(UDM:Unified Data Management)、認証サーバ機能(AUSF:Authentication Server Function)、アクセスおよびモビリティ管理機能(AMF:Access and Mobility Management Function)、セッション管理機能(SMF:Session Management Function)、およびデータネットワーク(DN:Data Network)(例えば、オペレータサービス、インターネットアクセスまたは第三者サービス)を示している。
【0047】
端末は、LTEおよびNRにおいて、ユーザ機器(UE)と呼ばれる。これは、例えば、無線電話、スマートフォン、タブレットコンピュータ、またはユーザ装置の機能を備えたUSB(universal serial bus)スティックなどのモバイル装置であってもよい。しかし、モバイル装置という用語は、これに限定されず、一般に、リレーは、そのようなモバイル装置の機能を有することもでき、モバイル装置は、リレーとしても働き得る。
【0048】
ダウンリンク制御チャネル監視、PDCCH、DCI
【0049】
UEによって動作される機能の多くは、例えば、ダウンリンク制御チャネル(例えば、PDCCH、非特許文献2の5.2.3節を参照)を監視してUE宛の特定の制御情報またはデータを受信することを含む。
【0050】
これらの機能の非網羅的リストは、以下に示される。
・ ページングメッセージ監視機能
・ システム情報取得機能、
・ 間欠受信(DRX:Discontinued Reception)機能のためのシグナリング監視動作
・ 間欠受信(DRX:Discontinued Reception)機能のための非アクティブ監視動作
・ ランダムアクセス機能のためのランダムアクセス応答受信
・ パケットデータコンバージェンスプロトコル(PDCP:Packet Data Convergence Protocol)レイヤの並べ替え機能
【0051】
上記のように、例えば、制御情報およびユーザトラフィック(例えば、PDCCH上のDCI、およびPDCCHによって指示されたPDSCH上のユーザデータ)など、UE宛の情報を識別し、受信するために、UEによってPDCCH監視が行われる。
【0052】
ダウンリンクにおける制御情報(ダウンリンク制御情報(DCI)と呼ぶことができる)は、5G NRにおいて、LTEにおけるDCIと同じ目的を有する、つまり、例えば、ダウンリンクデータチャネル(例えば、PDSCH)またはアップリンクデータチャネル(例えば、PUSCH)をスケジューリングする制御情報の特別なセットである。5G NRでは、すでに定義されている多くの異なるDCIフォーマットがある(非特許文献6の7.3.1節を参照)。
【0053】
前記DCIフォーマットは、それぞれの情報が形成され送信される所定のフォーマットを表す。特に、DCIフォーマット0_1および1_1は、1つのセルにおいてPUSCHおよびPDSCHをそれぞれスケジューリングするのに使用される。
【0054】
節電強化
【0055】
5G NRのUEに対するUE電力効率をLTEのそれよりも良くすることができること、および、改善のための技術および設計を確認し採用することを確実にするために、UE電力消費を研究することは重要である。3GPPは、現在、NRシステムにおけるレイテンシおよび性能を考慮に入れたUEの節電方法を研究している。例えば、UE電力消費特性の適応を引き起こすために、節電信号/チャネル/手順が使用される。これは、UEページング手順に関するUE電力消費を低減することを含み得る。
【0056】
クロススロットスケジューリング
【0057】
クロススロットスケジューリングは、省電力を容易にする可能性があるため、3GPP RAN1研究項目(SI)および作業項目(WI)の中で想定されてきた。主な目的の1つは、通信デバイスが節電技術をうまく利用できるようにするために、クロススロットスケジューリングの手順を規定することである。本開示は、一部の通信デバイスに対する節電のオプションを容易にする、より効率的なクロススケジューリングフレームワークを提供する。
【0058】
スケジューリング目的で、ユーザ機器(UE)などの通信デバイスは、物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH:Physical Downlink Control Channel)においてUEによって受信される、ダウンリンク制御情報(DCI:Downlink Control Information)において自己(つまり、UE自身)がデータを送信/受信するリソースについて通知され得る。例えば、UEがデータを受信する場合、DCIは、物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH:Physical Downlink Shared Channel)におけるリソースの対応する指示を含み得る、および/または、UEがデータを送信する場合、DCIは、物理アップリンク共有チャネル(PUSCH:Physical Uplink Shared Channel)におけるリソースの対応する指示を含み得る。このような指示は、周波数領域および/または時間領域におけるリソースの位置を示し得る、および/または、以下でより詳細に説明するように長さをシンボル単位で示し得る。これに加えて、DCIは、例えば、変調・符号化方式(MCS)、ビームフォーミング/プリコーディング、または他の多出力多入力(MIMO:Multiple-Output Multiple-Input)のパラメータなど、さらなる送信パラメータを提供し得る。PDCCHは、基地局などのネットワーク(アクセス)ノードの送信機から通信デバイスに送信される。PDCCHを受信するために、通信デバイスは、一般に、サーチスペースまたはCORESET(制御リソースセット:control resource set)と呼ばれる特定のリソースを監視しなければならない。監視は、監視通信デバイス宛の制御情報が存在するか否かを確認するためにブラインド復号することを意味する。これは、例えば、制御情報の宛先である通信デバイスのアイデンティティでスクランブルされた制御情報に対する巡回冗長検査(cyclic redundancy check)を(スケジューリングノードによって)提供することによって達成される。
【0059】
LTEでは、CORESETの概念は明示的には存在しない。代わりに、LTEにおけるダウンリンク制御シグナリングは、キャリア帯域幅全体を使用する。これは、LTEにおける制御領域として知られている。NRでは、より柔軟な構造が使用される。
【0060】
CORESETは、物理リソースのセット(つまり、NRダウンリンクリソースグリッド(Downlink Resource Grid)上の特定のエリア)およびPDCCH/DCIの搬送に使用されるパラメータのセットである。これは、LTE PDCCH領域(サブフレームにおける最初の1、2、3、4のOFDMシンボル)と等価である。しかし、LTE PDCCH領域では、PDCCHが常にチャネル帯域幅全体にわたって広がっているが、NR CORESET領域は、周波数領域の特定の領域にローカライズされている。
【0061】
CORESETは、スロット内の任意の位置、および、搬送波の周波数範囲内のどこにでも発生することができる。しかし、デバイスは、自己のアクティブなBWPの外側のCORESETを処理することは期待されない。
【0062】
最初のCORESET(CORESET0)は、ネットワークからシステム情報および追加の構成情報を受信できるようにするために、初期BWPの構成の一部としてマスター情報ブロック(MIB:master information block)によって提供される。接続セットアップの後、RRCシグナリングを使用することに加えて、複数の、潜在的に重複するCORESETを用いてデバイスを構成することができる。
【0063】
ネットワークは、共通制御領域およびUE固有制御領域を定義し得る。NRでは、CORESETの数は、共通CORESETおよびUE固有CORESETの両方を含めてBWP当たり3つに制限される。共通CORESETは、セル内の複数のUEによって共有され、したがって、ネットワークは、この構成のすべてのUEとのアライメントを処理する。
【0064】
各サーチスペースは、さまざまなアグリゲーションレベルの制御チャネルエレメントのセットであり、CORESETとサーチスペースの間にはマッピングがある。CORESETは、UEがブラインド復号を試みる複数のサーチスペースを有し得る。
【0065】
リリース15(NR)で指定されたインスタンスに関して、スケジューリングタイミング(例えば、上記したリソースのスケジューリングに対する)は、時間領域リソース割当て(TDRA:Time Domain Resource Allocation)テーブルを使用することによってDCI内で指示され得る。特に、UEは、DCI内の前記TDRAテーブルの1つのエントリ(通常はテーブルの行)を指示することによって、例えば、エントリ(行)インデックスをシグナリングすることによって、割り当てられたリソースを通知され得る。テーブルという用語は、標準仕様書ではTDRAエントリがテーブルのように要約され得るため、本明細書では論理的用語として使用される。しかし、本開示は、任意の特定の物理的ストレージ構成(storage organization)に限定されず、TDRAテーブルは、各エントリインデックスに関連付けられたエントリのセットとして任意の方法で実装され得ることに留意されたい。
【0066】
図6は、例示的なTDRAテーブルを示す概略図である。TDRAテーブルは、各列の値を含むエントリ(テーブルの行)にラベルを付ける行インデックスを指定する列を有する。この例示的なTDRAテーブルには、dmrs-TypeA-Positionを指定する列、PDSCHマッピングタイプを指定する列、K
0値(つまり、スケジューリングギャップ)を指定する列、S値を指定する列、および/またはL値を指定する列がある。したがって、TDRAテーブルの行のDCI指示(行インデックスの1つの値)は、dmrs-TypeA-Position、PDSCHマッピングタイプ、K
0値、S値、および/またはL値の特定の値の組合せの指示に対応する。
【0067】
この例において、dmrs-TypeA-Positionは、復調用参照信号の位置に関するパラメータである。このパラメータは、別のシグナリングパラメータによって指定される。パラメータの値が2か3かに基づいて、行インデックスは、わずかに異なる時間領域リソース割当てを参照する。dmrs-TypeA-PositionおよびPDSCHマッピングタイプのパラメータは、本開示にとってこれ以上重要ではなく、詳細は、NR標準仕様書に見られる。一般に、TDRAテーブルは、
図6を参照して示されるようなパラメータを多かれ少なかれ含み得る。この例示的なダウンリンクTDRAテーブルの場合、実際のリソース割当ては、パラメータK
0、S、およびLによって提供される。NRでは、ダウンリンクリソース割当てのためのTDRAテーブルのセットがあり、
図6のTDRAテーブルは、それらの1つである。さらに、ダウンリンクテーブルセットと異なる、アップリンクリソース割当てのためのTDRAテーブルのセットがある。アップリンクTDRAテーブルの場合、リソース割当て(リソースグラント)を指定する3つのパラメータは、K2、S、Lである。本開示は、現在定義されているテーブルを含むNRに容易に採用され得るが、これに限定されないことに留意されたい。本開示は、サイドリンクにも適用され得るし、また、異なるテーブルに、または、異なる方法で編成(シグナリング)されたリソース割当てにさえ、適用され得る。
【0068】
DCIにおいてTDRAテーブルの行インデックスによって指示されるK0は、PDCCHのスロットとPDSCHのスロットとの間のスロット単位のギャップを示す。ここで、PDCCHのスロットは、それぞれのK0を指示するDCIが受信されるスロットであり、これ以降、スケジューリングスロットまたはスロット搬送スケジューリング情報またはスロット搬送スケジューリンググラントとも表記される。さらに、PDSCHのスロットは、スケジューリングされたリソースが配置されるスロット(または最初/開始スロット)、例えば、データが送受信されるスロットであり得る。言い換えれば、K0は、送受信のためにスケジューリングされたリソースを含むスロットの基準スロットに対する(時間領域における)相対位置を示し得る。この基準スロットは、前記K0を指示するDCIのスロットであり得る。より具体的には、K0は、ギャップのサイズまたは相対位置をスロット単位で示し得る。K0の特定の値、例えば、
図6に示すテーブルの場合における値0は、ギャップがないこと、および、データが送受信されるリソースが、K0を指示するDCIと同じスロットに位置すること、を示し得ることに留意されたい。さらに、これは単なる一例であり、一般に、スケジューリングギャップは、最初のスロット(PDCCHスロット)および/または割り当てられたリソースが開始するスロット(最初のPDSCHスロット、また、リソーススロットまたはスケジューリングされたスロットとも呼ばれる)を含めても含めなくても指示され得る。一般に、スケジューリングギャップ(NRでは、ダウンリンクについてはK0と、アップリンクについてはK2と表記される)は、スケジューリングリソースとスケジューリングされたリソースとの間のギャップ(時間間隔)を指定する。
【0069】
本開示では、「スロット」および「タイムスロット」という用語は、一般に、同じ意味で使用される。一般に、本開示では、スロットは、時間領域リソースを指す。NRの場合、スロットに対応する時間間隔は、シンボル持続時間、サブキャリア間隔、およびサイクリックプレフィックスの組み合わせである、ニューメロロジーに依存する。スロットは、1つ以上の指定された数のシンボルで構成される。指定された数のスロットがサブフレームを形成し、複数のサブフレームが無線フレームを形成し得る。「指定された」という用語は、UEおよびgNBの両方がそれに関する知識を有するという事実を指す。これは、事前に、つまり、スケジューリング手順を開始する前にまたはスケジューリング手順と同時に、そのような構成をシグナリングすることによって達成され得る、また、システムによって提供されるリソースのいくつかのパラメータは、固定されており、規格によって規定され得る。
【0070】
DCIにおけるULグラントのケースは、DLグラントの上記したケースと同様であることにさらに留意されたい。しかし、スケジューリングされたリソースは、PUSCH(PDSCHではない)にあり、ギャップを指示する数は、通常、K2(K0ではない)と表記される。本開示では、Kを使用して、K0、K2、または他のタイプのリンク(例えば、サイドリンクなど)用のKのうちの任意の1つを指す。
【0071】
また、DCIで指示されるS値は、当該スロット(スケジューリングされたリソースが送受信されるスロットであり、K0/K2で与えられる)におけるスケジューリングされたリソースの開始シンボルの位置を示し得る。
【0072】
最後に、DCIで指示されるL値は、シンボル単位でのPDSCH/PUSCHの長さ、および/または、シンボル単位でのスケジューリングされたリソースの長さを示し得る。
図6ではすべてのエントリが0のK0値を指定しているが、一般に、TDRAテーブルには、K0の異なる(整数)値を有するエントリが含まれる。例えば、TDRAテーブルの1つのエントリは、1のK0値に対応し、同じTDRAテーブルの別のエントリは、2のK0値に対応し得る。ゼロ以外のK値の可能性は、クロススロットスケジューリングを可能にする。このクロススロットスケジューリングは、DCIスケジューリングリソースと、前記DCIでスケジューリングされた対応するリソースとが、異なるスロットに位置する場合を指す。一般に、クロススロットスケジューリングは、節電に関していくつかの利点を提供することを容易にし得る。
【0073】
例えば、クロススロットスケジューリングは、PDCCH処理タイムラインを緩和することによって省電力を実現し得る、例えば、なぜなら、UEは、同一スロットスケジューリングケース(この場合、DCIスケジューリングリソースと、前記DCIでスケジューリングされた対応するリソースとは、同じスロットに位置する)と同じ速さでPDCCHを復号する必要はない可能性があるからである。さらに、クロススロットスケジューリングは、遅いPDSCHバッファリングを可能にし得る。同一スロットスケジューリングの場合と異なり、クロススロットスケジューリングの場合には、UEは、PDCCHを復号し、スケジューリングされたリソースが実際にどこに位置するかを認識するまで、PDCCHを受信した後にすべてのシンボルをバッファリングする必要があるとは限らない可能性がある。
【0074】
特に、UEが、PDCCHとスケジューリングされたPDSCHとの間の最小(スケジューリング)ギャップを知っている、つまり、DCI/PDCCHで指示され得る最小Kを知っている場合、UEは、少なくとも現在のスロット(例えば、PDCCHが受信されたスロット)および次のK-1スロットにおいてPDSCHバッファリングをスキップし得る。さらに、クロススロットスケジューリングの可能性は、特に、スケジューリングされたリソースが受信されるまでPDCCHがスケジューリングされない場合に、当該時間間隔において、より多くのマイクロスリープ期間を可能にし得る。
【0075】
これは、クロススロットスケジューリングを示す概略図である
図7に示されている。
図7は、最小K値が2(より正確には図中のK0=2)の場合を示している。UEは、最小Kの知識を有する場合、スロット#n+2の残りおよびスロット#n+3の間にPDCCHをモニタする必要も、これらのスロットの間に測定を実行する必要も、受信データ(PDSCH)をバッファリングする必要もない。UEは、節電するために、スロット#n+2の残りの部分および/またはスロット#n+3のスロットの間にマイクロスリープに移行することを選択することができる。しかし、すべてのUEが節電を実装および/または採用しなければならないわけではないことに留意されたい。Kの提供は、節電のための柔軟性および機会を増加させるが、それを規定するわけではない。
【0076】
図7は、現在のNR仕様書に基づく例である。これは、PDCCHが最初のBWP全体で送信されるが、リソースは帯域幅部分(BWP)の物理リソースブロック(PRB)のサブセットでスケジューリングされるのみである、特定のケースを示している。
図7は、BWP概念が用いられない、つまり、帯域幅全体が常に割当て可能であるケースにも適用され得ることに留意されたい。PRBは、特定のニューメロロジーの所定数のサブキャリアと、特定の数のシンボルとを有するリソースユニットを指す。
【0077】
現在のリリース15NRでは、各構成されたTDRAテーブルは、RRCレイヤ上のPDSCHに関連する構成(PDSCH-Config)内でシグナリングされ、帯域幅部分(Bandwidth Part)((BWP)-DownlinkDedicated)に関連する特定のコンテナ内にあり得る。したがって、TDRAテーブルが上位レイヤに構成されている場合、TDRAテーブルは、BWP固有であり得る。通信デバイス(例えば、UE)は、デフォルトのテーブルを使用し得るか、または、上位レイヤに構成されたpdsch-TimeDomainAllocationListをpdsch-ConfigCommonもしくはpdsch-Configのいずれかに適用し得る。しかし、これは、単にNRのTDRA構成とBWP概念の間のインタラクションの1つの可能な詳細な例にすぎない。本発明は、BWPの使用を前提としておらず、TDRAテーブルを使用するリソース割当てに限定されない。
【0078】
RRC(Radio Resource Control)シグナリングは、gNB(gNodeB、LTE(Long Term Evolution)のeNodeB(エンハンスト(enhanced)NodeB)に対応するNRの基地局の例示的な名称)によって使用されて、無線アクセスベアラのパラメータおよび通信デバイス(UE)の他のパラメータを半静的または静的に構成する。非特許文献7の4.4.5節に定義されているように、帯域幅部分(またはキャリア帯域幅部分)は、所定のキャリア上の所定のニューメロロジーに対する4.4.4.2節に定義されている共通リソースブロックの連続サブセットから選択された、4.4.4.3節に定義されている物理リソースブロックの連続セットである。非特許文献7の仕様書には、UEが、ダウンリンクにおいて最大4つのキャリア帯域幅部分で構成可能であり、単一のダウンリンクキャリア帯域幅部分が所定の時間にアクティブであることが定義されている。UEは、アクティブな帯域幅部分の外で、PDSCH(物理ダウンリンク共有チャネル:Physical Downlink Shared Channel)、PDCCH(物理ダウンリンク制御チャネル:Physical Downlink Control Channel)、CSI-RS(チャネル状態情報の推定のためのダウンリンク参照信号:Downlink Reference Signals for Estimation of Channel State Information)、またはTRS(チャネルの細かい時間および周波数トラッキングのためのトラッキング参照信号:Tracking Reference Signals for fine time and frequency tracking of channel)を受信することは期待されない。
【0079】
仕様書には、UEが、アップリンクにおいて最大4つのキャリア帯域幅部分で構成可能であり、単一のアップリンクキャリア帯域幅部分が所定の時間にアクティブであることがさらに定義されている。UEが付加アップリンク(supplementary uplink)で構成される場合、UEは、さらに、付加アップリンクにおいて最大4つのキャリア帯域幅部分で構成可能であり、単一の付加アップリンクキャリア帯域幅部分が所定の時間にアクティブである。UEは、アクティブな帯域幅部分の外でPUSCHまたはPUCCHを送信しない。ニューメロロジーは、サブキャリア間隔およびサイクリックプレフィックス(CP)によって定義される。リソースブロックは、一般に、周波数領域における12個の連続するサブキャリアとして定義される。物理リソースブロック(PRB)は、BWP内で番号付けされ、BWPのPRB番号付けは、0から始まる。
【0080】
BWPのサイズは、最小の1PRBからシステム帯域幅の最大サイズまで変化することができる。現在、DL(ダウンリンク)およびUL(アップリンク)のそれぞれに対して、所定のTTI(送信時間間隔:transmission time interval)において単一のアクティブなダウンリンクおよびアップリンクBWPを有する、最大4つのBWPを高位レイヤパラメータによって構成することができる。しかし、本開示は、UEが最大4つの帯域幅部分で構成される非特許文献7に定義されているケースに限定されない。帯域幅部分の数は、アップリンクおよび/またはダウンリンクにおいて5以上であり得る。例えば、UEは、8つのBWPで構成され得る。
【0081】
TTI(Transmission Time Interval)は、スケジューリング割当てのタイミング粒度を決定する。1つのTTIは、与えられた信号が物理レイヤにマッピングされる時間間隔である。TTI長は、14シンボル(スロットベースのスケジューリング)から2シンボル(非スロットベースのスケジューリング)まで変化することができる。ダウンリンクおよびアップリンク送信は、10個のサブフレーム(1msの持続時間)から成るフレーム(10msの持続時間)に編成されるように指定される。スロットベースの送信では、サブフレームは、代わりに、スロットに分割され、スロットの数は、ニューメロロジー/サブキャリア間隔によって定義され、規定値は、15kHzのサブキャリア間隔に対する10スロットから240kHzのサブキャリア間隔に対する320スロットに及ぶ。1スロット当たりのOFDMシンボル数は、ノーマルサイクリックプレフィックスの場合は14であり、拡張サイクリックプレフィックスの場合は12である(非特許文献7の4.1節(一般的なフレーム構造)、4.2節(ニューメロロジー)、4.3.1節(フレームおよびサブフレーム)、ならびに4.3.2節(スロット)を参照)。しかし、送信は、非スロットベースであってもよい。非スロットベースの通信では、TTIの最小長が2OFDMシンボルであり得る。NRにおけるBWP概念は、小さいデータパケットに対する比較的小さいアクティブ帯域幅の動的構成を可能にすることであり、これは、UEに対する節電を可能にする、なぜなら、小さいアクティブBWPの場合、UEは、監視頻度が少なくて済みまたは送信頻度が少なくて済むからである。
【0082】
ユーザ機器に対するアクティブ帯域幅部分(例えば、TTIにおける信号の送受信のためにUEによって使用される帯域幅部分)は、構成されたBWP間を切り替えることができる。例えば、現在の必要に応じて、アクティブBWPは、より大きなBWPに切り替えられ得る、または、UEのバッテリ電力を節約するために、より小さなBWPに切り替えられ得る。これは、次のTTIで使用されるアクティブBWPのDCIにおける動的指示によって可能である。DCIは、ダウンリンクおよびアップリンクスケジューリング情報(例えば、リソース割当ておよび/またはグラント)、非周期的CQI報告の要求、または1つのセルおよび1つのRNTIのためのアップリンク電力制御コマンドを運ぶ。DCI符号化は、情報要素(information element)多重化、CRC(Cyclic Redundancy Check)付加(attachment)、チャネル符号化、およびレートマッチングを含む。DCIは、例えば、MCS、冗長バージョン、またはHARQプロセス番号などの送信パラメータを搬送する。DCIは、異なるタイプの制御情報または制御パラメータを搬送するいくつかのフィールド(例えば、ビットフィールド/ビットマップ)から成る。特定のパラメータの位置、および各パラメータを符号化するビット数は、DCIを送信する基地局およびDCIを受信するUEに知られている。しかし、このような、アクティブBWPの切り替えは、レイテンシを増加させる、なぜなら、UEは、DCIを復号し、その後、新しいアクティブBWPへのハードウェアチューニングを開始する必要があるからである。
【0083】
現在のNRの議論では、節電から利益を得ることを可能にするために、最小スケジューリングギャップ、つまり、アクティブなダウンリンク(DL)(または、アップリンク(UL))帯域幅部分に対するK0(またはK2)の適用可能最小値が、gNBからUEに指示され得る。
【0084】
適用可能最小値は、直接割り当てられ得る。1つ以上の事前設定されたまたは所定の値からの1つの値が、明示的または暗黙的に指示され得る。
【0085】
DLまたはUL TDRAテーブルのエントリを選択するとき、指示された適用可能最小値は、無効なTDRAエントリを除外することによって、または、選択されたK0(K2)値を再解釈することによって、適用され得る。
【0086】
アクティブDL(UL)BWPに対してK0(K2)の適用可能最小値が指示される場合、UEは、K0(K2)値が指示された適用可能最小値よりも小さいTDRAテーブルのエントリを期待しないか、または、K0(K2)値が指示された適用可能最小値よりも小さいTDRAエントリが有効でないと考え得る。
【0087】
現在の3GPPの議論によれば、DCIフォーマット0_1/1_1は、BRにおける節電を可能にするクロススロットスケジューリング適応をサポートするために、1ビットを有する追加のフィールドをサポートする。特に、TDRAテーブルを制限するための最小K0/K2値の1つまたは2つの値が、RRCによって設定される。1つの値が設定される場合、DCIの1ビット表示は、設定された最小K0/K2値によるTDRAテーブルの制限が適用されるか否かを指示する。2つの値が設定される場合、1ビット表示は、2つの設定された値のうちのどちらがTDRAテーブルの制限に使用されるかを指示する。
【0088】
UE固有のサーチスペースおよびCORESET0に関連付けられていない任意のサーチスペースにおいて、かつ、UEがUE固有のTDRAテーブルで構成されている場合、有効なエントリが、指示された最小K0/K2値(つまり、指示されたスケジューリングギャップ)に従って選択され、使用される。
【0089】
しかし、CORESET0に関連付けられていない共通サーチスペースに対するクロススロットスケジューリングにK0/K2の最小値を適用することは、いくつかの困難をもたらす可能性がある。いくつかの考えられる問題を以下に説明する。
【0090】
特に、共通サーチスペースにおいて、UEがUE固有DCIによってスケジューリングされる場合、または、UE固有TDRAテーブルが構成されていない場合、そのUEが指示された最小K0/K2値に従って制限を適用すべきか否かは、未解決のままである。
【0091】
上記のケースを処理する取るに足りないアプローチにおいて、UEは、構成された共通TDRAテーブルを使用して共通サーチスペースに対するTDRAテーブルのいかなるエントリも制限しない。しかし、制限を適用しないと、節電機能が低下する。さらに、指示された最小スケジューリングギャップに従って常に制限を適用することは、スケジューリング損失につながる可能性がある。
【0092】
上記課題を解決するために、本発明は、特定の条件に関する情報に応じて、クロススロット適応が適用されるか否かの決定を容易にする、後述するさまざまな実施形態を提供する。条件には、共通TDRAテーブルが構成されているかどうか、指示された最小スケジューリングギャップとTDRAテーブルに含まれるスケジューリングギャップとの比較の結果、および/または、データのアップリンク(UL)もしくはダウンリンク(DL)送信に対してTDRAテーブルのエントリが選択されるかどうかが含まれ得る。
【0093】
本開示は、スケジューリングに関するため、両方のエンティティ、つまり、スケジューリングされるデバイス(一般的には通信デバイス/送受信機デバイス)およびスケジューリングするデバイス(一般的にはネットワークノード)が参加する。本発明は、さらに、スケジューリングされるデバイスおよびスケジューリングするデバイスを含むシステム、ならびに、対応する方法およびプログラムを提供する。
【0094】
以下、UE、基地局、および手順について、5G移動通信システムに向け想定される新しい無線アクセス技術のために説明するが、これは、LTE移動通信システムにおいても使用され得る。また、さまざまな実装形態および変更例についても説明する。以下の開示は、上記の議論および発見によって促進されたものであり、例えば、少なくともその一部に基づくものであり得る。
【0095】
一般に、本開示の基礎となる原理を明瞭かつ理解しやすく説明できるように、本明細書には多くの想定がなされていることに留意されたい。しかし、これらの想定は、本開示の範囲を制限しない、説明を目的として本明細書になされた単なる例として理解されたい。当業者には、以下の開示の原理および特許請求の範囲に記載されている原理を、さまざまなシナリオに、本明細書に明示的に記載されていない方法で適用できることが認識されるであろう。
【0096】
さらに、以下で使用する手順、エンティティ、レイヤなどの用語のいくつかは、たとえ次の3GPP 5G通信システムのための新しい無線アクセス技術のコンテクストで使用される具体的な用語がまだ完全には決定されておらず、または最終的に変更される可能性があるにもかかわらず、LTE/LTE-Aシステムに、または、現在の3GPP 5G標準化で使用される用語に密接に関係している。したがって、用語は、実施形態の機能に影響を及ぼすことなく、将来変更され得る。そのため、当業者は、実施形態およびその保護範囲が、他にもっと新しい用語または最終的に合意された用語がないために本明細書で例示的に使用される特定の用語に限定されるべきではなく、本開示の機能および原理の基礎となる機能および概念の観点からより広く理解されるべきであることを認識する。
【0097】
例えば、移動局(mobile station)または移動ノード(mobile node)またはユーザ端末(user terminal)またはユーザ機器(UE:user equipment)は、通信ネットワーク内の物理エンティテイ(物理ノード)である。1つのノードは、いくつかの機能エンティティを有し得る。機能エンティティは、同じもしくは他のノードまたはネットワークの他の機能エンティティに所定の機能セットを実装および/または提供するソフトウェアまたはハードウェアモジュールを指す。ノードは、当該ノードの通信を可能にする通信設備または媒体に当該ノードを接続する1つ以上のインタフェースを有し得る。同様に、ネットワークエンティティは、他の機能エンティティまたは対応するノードとの通信を可能にする通信設備または媒体に機能エンティティを接続する論理インタフェースを有し得る。
【0098】
本明細書で「基地局(base station)」または「無線基地局(radio base station)」という用語は、通信ネットワーク内の物理エンティティを指す。移動局と同様に、基地局は、いくつかの機能エンティティを有し得る。機能エンティティは、同じもしくは他のノードまたはネットワークの他の機能エンティティに所定の機能セットを実装および/または提供するソフトウェアまたはハードウェアモジュールを指す。当該物理エンティティは、1つ以上のスケジューリングおよび設定を含む、通信デバイスに関するいくつかの制御タスクを実行する。また、基地局機能および通信デバイス機能は、単一のデバイス内に統合されてもよいことに留意されたい。例えば、移動端末は、他の端末のための基地局の機能も実装し得る。LTEで使用される用語は、eNB(またはeNodeB)であり、一方、5G NRで現在使用されている用語は、gNBである。
【0099】
図8は、ユーザ機器(通信デバイスまたは送受信機デバイスとも呼ばれる)100およびスケジューリングデバイス200(ここでは、例示的に、基地局内、例えば、eLTE eNB(代替的にng-eNBと呼ばれる)内または5G NRのgNB内に位置するものとされる)の一般的で単純化した例示的なブロック図を示す。UE100およびeNB/gNB200は、それぞれ送受信機110、210を使用して、(無線)物理チャネルを通じて互いに通信している。
【0100】
通信デバイス100は、送受信機110および処理回路120を有し得る。次に、送受信機110は、受信機および送信機を有し、ならびに/または、受信機および送信機として機能し得る。処理回路120は、例えば、1つ以上のプロセッサまたは任意のLSIなど、1つ以上のハードウェアであり得る。送受信機110と処理回路120の間には、入出力点(またはノード、図示せず)があり、これを通じて処理回路120は、動作中、送受信機110を制御し、つまり、受信機および/または送信機を制御し、受信/送信データを交換することができる。送受信機110は、送信機および受信機として、1つ以上のアンテナ、増幅器、RF変調器/復調器などを含むRF(無線周波数)フロントを含み得る。処理回路120は、当該処理回路120によって提供されるユーザデータおよび制御データを送信するように、ならびに/または、当該処理回路120によってさらに処理されるユーザデータおよび制御データを受信するように送受信機110を制御することなどの制御タスクを実装し得る。また、処理回路120は、例えば、判断や決定、計算、測定などの他のプロセスを実行することを担当し得る。送信機は、送信するプロセスおよびこれに関連する他のプロセスを実行することを担当し得る。受信機は、受信するプロセスおよびこれに関連する他のプロセス(例えば、チャネルを監視することなど)を実行することを担当し得る。
【0101】
スケジューリングデバイス200は、送受信機210および処理回路220を有し得る。次に、送受信機210は、受信機および送信機を有し、ならびに/または、受信機および送信機として機能し得る。処理回路220は、例えば、1つ以上のプロセッサまたは任意のLSIなど、1つ以上のハードウェアであり得る。送受信機210と処理回路220の間には、入出力点(またはノード、図示せず)があり、これを通じて処理回路220は、動作中、送受信機210を制御し、つまり、受信機および/または送信機を制御し、受信/送信データを交換することができる。送受信機210は、送信機および受信機として、1つ以上のアンテナ、増幅器、RF変調器/復調器などを含むRF(無線周波数)フロントを含み得る。処理回路220は、当該処理回路220によって提供されるユーザデータおよび制御データを送信するように、ならびに/または、当該処理回路220によってさらに処理されるユーザデータを受信するように、送受信機210を制御することなどの制御タスクを実装し得る。また、処理回路220は、例えば、判断や決定、計算、測定などの他のプロセスを実行することを担当し得る。送信機は、送信するプロセスおよびこれに関連する他のプロセスを実行することを担当し得る。受信機は、受信するプロセスおよびこれに関連する他のプロセスを実行することを担当し得る。
【0102】
実施形態
【0103】
スケジューリングに対しては、UE固有TDRAテーブルが構成されているか否か、および共通TDRAテーブルが構成されているか否かに応じて、4つのシナリオが考えられる。
【0104】
以下、前記ケースをダウンリンクスケジューリングに対して説明する。しかし、アップリンクスケジューリングに対して対応するケースを考えることができる。この場合、各TDRAテーブルは、ULスケジューリングのために構成される。
【0105】
UE固有TDRAテーブルが構成されている場合、つまり、pdsch-Configにpdsch-TimeDomainAllocationListが含まれている場合、UE固有TDRAテーブルは、ユーザ固有サーチスペース(USS:user-specific search space)およびCORESET0に関連付けられていない任意の共通サーチスペース(CSS:common search space)におけるDLスケジューリングに使用される。
【0106】
UE固有TDRAテーブルが構成されていない場合、ユーザ固有サーチスペース(USS)およびCORESET0に関連付けられていない共通サーチスペース(CSS)におけるDLスケジューリングに使用されるTDRAテーブルは、共通TDRAテーブルが構成されているか否かによる。共通TDRAテーブルが構成されている場合、つまり、pdsch-ConfigCommonにpdsch-TimeDomainAllocationListが含まれている場合には、構成されている共通TDRAテーブルが、ユーザ固有サーチスペース(USS)およびCORESET0に関連付けられていない任意の共通サーチスペース(CSS)におけるDLスケジューリングに使用される。一方、共通TDRAテーブルが構成されていない場合には、デフォルトのTDRAテーブル(デフォルトテーブルA)が、ユーザ固有のサーチスペース(USS)およびCORESET0に関連付けられていない任意の共通サーチスペース(CSS)におけるDLスケジューリングに使用される。
【0107】
共通TDRAテーブルが構成されている場合、前記共通TDRAテーブルは、CORESET0に関連付けられたCSSのDLスケジューリングに使用される。一方、共通TDRAテーブルが構成されていない場合、デフォルトのTDRAテーブルが、DLスケジューリングに使用される。
【0108】
上述したケースが、表1にまとめられている。
【0109】
【0110】
本開示は、CORESET0に関連付けられていないCSSに使用されるTDRAテーブル、または、USSおよびUE固有TDRAテーブル以外のCORESET0に関連付けられた任意のCSSに使用されるTDRAテーブルの制限が最小スケジューリングギャップに従って適用されるか否かを決定する装置および方法を提供する。
【0111】
図9は、最小スケジューリングギャップによる例示的なTDRAテーブルの例示的な制限を示す概略図である。TDRAテーブルは、
図6に示すTDRAテーブルに対応しており、詳細に上述されている。また、実線の枠および破線の枠は、それぞれ、2および3の最小スケジューリングギャップによるTDRAテーブルの制限によるTDRAテーブルの有効エントリを示している。
【0112】
例えば、2の最小スケジューリングギャップが指示された場合、行(エントリ)1~5は、それらの対応するスケジューリングギャップが指示された最小スケジューリングギャップよりも小さいため、無効であると見なされる。また、行(エントリ)6~16は、対応するスケジューリングギャップが指示された最小スケジューリングギャップ以上であるため、有効であると見なされる。これは、
図9の実線の枠によって示されている。
【0113】
他の例として、3の最小スケジューリングギャップが指示された場合、行(エントリ)1~8は、それらの対応するスケジューリングギャップが指示された最小スケジューリングギャップよりも小さいため、無効であると見なされる。また、行(エントリ)9~16は、対応するスケジューリングギャップが指示された最小スケジューリングギャップ以上であるため、有効であると見なされる。これは、
図9の破線の枠によって示されている。
【0114】
構成されたTDRAテーブルの行(エントリ)が無効であると見なされた場合、UEは、TDRAテーブルの無効なエントリに対応するPDCCHを受信した後、すべてのシンボルをバッファリングする必要があるわけではない。また、例えば、UEは、PDCCH処理タイムラインを緩和することによって節電し得る、なぜなら、同一スロットスケジューリングケースと同じ速さでPDCCHを復号する必要はない可能性があるからである。
【0115】
TDRAテーブルがDCIによって指示された最小スケジューリングギャップに従って制限される場合、TDRAテーブルの特定のエントリが無効であると見なされる。特に、指示された最小スケジューリングギャップよりも小さいスケジューリングギャップを有するエントリは、無効化される。これにより、UEは、例えば、少なくとも現在のスロット(例えば、PDCCHが受信されるスロット)および最小スケジューリングギャップによる次のスロットにおいてPDSCHバッファリングをスキップすることが可能になる。さらに、クロススロットスケジューリングの可能性は、特に、スケジューリングされたリソースが受信されるまでPDCCHが監視されない場合に、当該時間間隔におけるマイクロスリープ期間を可能にし得る。
【0116】
本開示による制限は、上記
図9を参照して説明した制限に限定されないことに留意されたい。特に、2または3以外の最小スケジューリングギャップが指示されてもよい。また、TDRAテーブルに制限を適用することは、TDRAテーブルが、例えば、最小スケジューリングギャップに対応するスロットで使用されるサーチスペースにおいてすべての監視オケージョンをスキップすること、または、サーチスペースなどに使用される他のTDRAテーブルに切り替えることを指してもよい。これは、以下の実施形態の枠組みで説明される。
【0117】
実施形態1-ダウンリンクの場合
【0118】
ダウンリンクデータ送信のスケジューリングの場合における実施形態において、送受信機デバイスは、最小スケジューリングギャップに従ってTDRAテーブルに制限を適用するか否かを決定し、この決定は、共通TDRAテーブルが構成されているか否かの決定を含む。
【0119】
(A)共通TDRAが構成されていない
【0120】
上記のように、デフォルトテーブルAは、共通TDRAテーブルが、表1に示すケース1.2および2.2における、CORESET0に関連付けられたCSSに対して、ならびに、ケース2.2における、USSおよびCORESET0に関連付けられていない任意のCSSに対して、構成されていない場合に使用される。規格によって、DLに対するデフォルトのTDRAテーブルは、値がゼロのスケジューリングギャップを指示するエントリのみを有する。したがって、ゼロよりも大きい最小スケジューリングギャップに従ってデフォルトのTDRAテーブルに制限を適用すると、デフォルトのTDRAテーブルのすべてのエントリがUEによって無効化される結果になり、スケジューリング情報の損失をもたらす可能性がある。
【0121】
したがって、共通TDRAテーブルが構成されていないと決定された場合、CORESET0に関連付けられたCSSに使用されるTDRAテーブル、つまり、デフォルトのTDRAテーブルの、最小スケジューリングギャップによる制限は、適用されない。
【0122】
また、デフォルトのTDRAテーブルが、USSおよびCORESET0に関連付けられていない任意のCSSにおけるスケジューリングに使用される場合(表1に示すケース2.2)にも、最小スケジューリングギャップによる制限は適用されない。
【0123】
言い換えれば、共通TDRAテーブルが構成されておらず、標準のTDRAテーブルが、CORESET0に関連付けられたCSSならびに/またはUSSおよびCORESET0に関連付けられていない任意のCSSにおけるスケジューリングに使用される場合、前記デフォルトのTDRAテーブルに対する最小スケジューリングギャップによる制限は、適用されない。
【0124】
一バリエーションでは、デフォルトのTDRAテーブルが、CORESET0に関連付けられたCSS(表1のケース1.2および2.2のように)またはUSSおよびCORESET0に関連付けられていない任意のCSS(表1のケース2.2のように)におけるスケジューリングに使用され、前のDCIによって指示された最小スケジューリングギャップがゼロよりも大きい場合、UEは、各サーチスペースにおいて物理制御チャネル(例えば、物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH))のオケージョンを監視しない可能性がある。前記オケージョンを監視しないことにより、ページングおよびシステム情報がUEによって監視されない。このアプローチでは、gNBは、変更されたシステム情報が前記オケージョン内に指示されない場合、ゼロよりも大きい最小スケジューリングギャップを指示することによって、UEに前記オケージョンをスキップさせ得る。
【0125】
(B)共通TDRAが構成されている
【0126】
しかし、共通TDRAテーブルが、上記したおよび表1に示すケース1.1および2.1のように構成されている場合、共通TDRAテーブルは、ケース1.1および2.1におけるCORESET0に関連付けられたCSS、ならびに、ケース2.1におけるUSSおよびCORESET0に関連付けられていない任意のCSS、におけるスケジューリングに使用されるが、このような共通TDRAテーブルの制限も適用されない可能性がある、なぜなら、CSSの場合、UEは、SI-RNTI、RA-RNTI、TC-RNTI、およびP-RNTIを有するグループ共通PDCCHに対してクロススロットスケジューリングを適用しないからである。しかし、共通TDRAテーブルに制限を適用しない場合、UEは、高速PDCCH処理タイムラインを使用し、すべてのPDSCHをバッファリングするであろうため、必要以上に電力消費が大きくなるであろう。
【0127】
したがって、UEは、gc-PDCCHがすべてのスロットに現れるわけではないため、起こり得るすべての監視オケージョンにおいてグループ共通PDCCHを監視する必要がないため、特定の条件下でクロススロットスケジューリング適応によって節電を達成することができる。
【0128】
本実施形態によれば、UEは、指示された最小スケジューリングギャップと、共通TDRAテーブルに含まれるスケジューリングギャップとの比較に応じて、最小スケジューリングギャップに従って共通TDRAテーブルに制限を適用するかどうかを決定する。共通TDRAテーブルは、複数のエントリを含み、各エントリは、スケジューリンググラントの受信とスケジューリングされたリソースとの間のギャップを示すスケジューリングギャップインジケータを含む時間領域リソース割当てを指定する。
【0129】
最小スケジューリングギャップが共通TDRAテーブルに含まれるスケジューリングギャップの範囲内である場合、UEは、指示された最小スケジューリングギャップよりも小さいスケジューリングギャップを有するTDRAテーブルのエントリを無効化することによって、最小スケジューリングギャップに従って共通TDRAテーブルに制限を適用すると決定する。
【0130】
言い換えれば、最小スケジューリングギャップが、共通TDRAテーブルにおける最小のスケジューリングギャップ以上であり、かつ、共通TDRAテーブルにおける最大のスケジューリングギャップ以下である場合、UEは、最小スケジューリングギャップに従って共通TDRAテーブルに制限を適用すると決定する。
【0131】
前のDCIによって指示された最小スケジューリングギャップが共通TDRAテーブルに含まれる最大のスケジューリングギャップよりも大きい場合、送受信機は、共通TDRAテーブルを使用してサーチスペースにおいてPDCCH監視オケージョンを監視しないように制御される。したがって、DCIによって指示された最小ギャップが共通TDRAに含まれる最大のスケジューリングギャップよりも大きくない場合、送受信機は、共通TDRAテーブルを使用してサーチスペースにおいてPDCCH監視オケージョンを監視するように制御され得る。例えば、送受信機は、DCIによって指示された最小スケジューリングギャップがTDRAテーブルに含まれる最大のスケジューリングギャップ値以下である場合、前記監視オケージョンを再度監視し始めるように制御され得る。
【0132】
具体的には、上記したケース1.1の場合、CORESET0に関連付けられたCSSにおけるPDCCH監視オケージョンは、スキップされる。また、上記したケース2.1の場合、CORESET0に関連付けられたCSSにおけるPDCCH監視オケージョン、ならびにUSSおよびCORESET0に関連付けされていない任意のCSSにおけるPDCCH監視オケージョンは、スキップされる。このアプローチは、gNBが、ページングおよびシステム情報の監視はUEに必要でないと決定した場合に、前記ページングおよびシステム情報の監視をスキップすることを可能にする。言い換えれば、共通TDRAテーブル内の最大のスケジューリングギャップよりも大きい最小スケジューリングギャップを指示することによって、gNBは、UEにページングおよびシステム情報を監視させないようにし得る。
【0133】
あるいは、最小スケジューリングギャップが共通TDRAテーブルに含まれる最大のスケジューリングギャップよりも大きい場合、UEは、共通TDRAテーブルに制限を適用しない。また、例えば、UEは、共通TDRAテーブルと異なる第2のTDRAテーブルを決定し、当該第2のTDRAテーブルをスケジューリングに使用し得る。言い換えれば、最小スケジューリングギャップが共通TDRAテーブルに含まれる最大のスケジューリングギャップ値よりも大きい場合、UEは、共通TDRAテーブルに制限を適用せず、代わりに、スケジューリングのために別のTDRAテーブルを使用し得る。例えば、第2のTDRAテーブルは、上記したデフォルトのTDRAテーブルであり得る。このアプローチでは、共通TDRAテーブルに制限が適用されず、すべてのエントリがUEによって無効であると見なされるため、スケジューリング情報の損失が防止される。
【0134】
さらに、あるいは、UEは、共通TDRAテーブルに含まれる最大のスケジューリングギャップよりも大きい最小スケジューリングギャップが指示されることを期待しないかもしれない。すなわち、共通TDRAに含まれる最大のスケジューリングギャップよりも大きい最小スケジューリングギャップがDCIによって指示された場合、前記最小スケジューリングギャップは、構成された共通TDRAテーブルに制限を適用するかどうかを決定する際に、無視される。このアプローチは、最小スケジューリングギャップ値による共通TDRAテーブルの誤って適用された制限に起因するスケジューリング損失を防止し、これは、TDRAテーブルエントリの有効または無効としての有意義な区別を引き起こさないであろう。
【0135】
一バリエーションでは、共通TDRAテーブルのエントリによるスケジューリングギャップが互いに等しい場合、UEは、前のDCIによって指示された最小スケジューリングギャップに従って共通TDRAテーブルに制限を適用しないと決定する。例えば、共通TDRAテーブルに含まれるすべてのスケジューリングギャップがゼロである場合、UEは、最小スケジューリングギャップに従って制限を適用しない。特に、共通TDRAテーブルのすべてのスケジューリングギャップが等しい場合、最小スケジューリングギャップを使用した有効エントリと無効エントリの間の有意義な区別は不可能である、なぜなら、すべてのエントリが有効と見なされるか、または、すべてのエントリが有効と見なされないかのいずれかであるからである。このバリエーションのアプローチは、このような状況を防止することを可能にする。
【0136】
さらなるバリエーションでは、UEは、CORESET0に関連付けられたCSSにおいてグループ共通物理制御チャネル(つまり、グループ共通物理ダウンリンク制御チャネル(gc-PDCCH))を監視するように構成されているかどうかを決定し、この決定の結果に応じて、最小スケジューリングギャップに従って共通TDRAテーブルに制限を適用するかどうかを決定し得る。具体的には、UEが、CORESET0に関連付けられたCSSにおいてgc-PDCCHを監視するように構成されていない場合、共通TDRAテーブルに対する制限が適用される。すなわち、UEがgc-PDCCHを監視するように構成されていない場合、制限が適用され、これにより、上記した節電対策が可能になる。なお、UEは、例えば、ブロードキャストによってgc-PDCCHを監視するようにあらかじめ構成され得る。
【0137】
上記した本実施形態およびバリエーションでは、UEの送受信機は、対応するスケジューリンググラントを受信した後にデータを受信する。具体的には、データは、スケジューリンググラントにおいて指示されたリソース上のPDSCHを通じて受信され、前記リソースは、スロット内に位置し、スケジューリンググラントの受信までの時間的距離が、指示された最小スケジューリングギャップよりも大きい。
【0138】
実施形態2-アップリンクの場合
【0139】
上記のように、現在の3GPPの議論によれば、ダウンリンクおよびアップリンクのための最小スケジューリングギャップは、RRCシグナリングによって一緒に設定され、DCIフォーマット0_1および1_1によって指示され得る。
【0140】
ダウンリンクの場合と同様に、共通TDRAテーブルが構成されていない場合には、デフォルトのTDRAテーブルが、CORESET0に関連付けられたCSSにおけるスケジューリングに使用され得る。また、UE固有TDRAテーブルも構成されていない場合には、前記デフォルトテーブルが、USSおよびCORESET0に関連付けられていない任意のCSSにおけるスケジューリングにも使用され得る。
【0141】
しかし、デフォルトのアップリンクTDRAテーブルには、デフォルトのダウンリンクTDRAテーブルとは対照的に、0よりも大きいスケジューリングギャップを有するエントリが標準で含まれている。
【0142】
したがって、ダウンリンクに対しては適用されるものの、アップリンクに対してはデフォルトのテーブルに制限を適用しないことは、クロススロットスケジューリング適応によって達成可能な節電を妨げることになる。したがって、アップリンクスケジューリングでは、共通TDRAテーブルが構成されていない場合でも、CORESET0に関連付けられたCSSにおけるスケジューリングに使用されるTDRAテーブルに制限が適用され得る。また、UE固有TDRAテーブルも構成されていない場合、USSおよびCORESET0に関連付けられていない任意のCSSにおけるスケジューリングに使用されるTDRAテーブル(つまり、デフォルトのUL TDRAテーブル)に制限が適用され得る。
【0143】
代わりに、アップリンク送信のスケジューリングのための実施形態では、送受信機デバイスは、最小スケジューリングギャップに従って、時間領域リソース割当て(TDRA)テーブルに制限を適用するか否かを決定し、TDRAテーブルは、複数のエントリを含み、各エントリは、スケジューリンググラントの受信とスケジューリングされたリソースとの間のギャップを示すスケジューリングギャップインジケータを含む時間領域リソース割当てを指定し、前記決定は、最小スケジューリングギャップと、TDRAテーブルに含まれるスケジューリングギャップとを比較することを含む。
【0144】
言い換えれば、ダウンリンクの場合とは対照的に、TDRAテーブルに制限を適用するか否かの決定は、共通TDRAテーブルが構成されているか否かの決定を必ずしも含まない、なぜなら、スケジューリングに使用されるTDRAテーブルの制限は、どちらの場合にも適用されるかどうか分からないからである。代わりに、DCIによって指示された最小スケジューリングギャップと、使用されたTDRAテーブルのエントリに含まれるスケジューリングギャップとを比較することによって、制限を適用するか否かが決定される。
【0145】
具体的には、表1に示すダウンリンクのケース1.1および2.1に対する上記のバリエーションは、アップリンクスケジューリングに対する対応するケースに当てはまる。
【0146】
なお、アップリンクスケジューリング用の共通TDRAテーブルは、ダウンリンクスケジューリング用の共通TDRAテーブルと異なり得る。したがって、上記した手順をアップリンクスケジューリングに適用する場合、アップリンクスケジューリング用の各共通TDRAテーブルが利用される。
【0147】
また、表1に示すダウンリンクのケース1.1および2.1に対する上記のバリエーションは、ダウンリンクのケース1.2および2.2にもそれぞれ適用され得る。
【0148】
すなわち、共通DL TDRAテーブルに制限が適用されるかどうかの決定は、デフォルトのULテーブルに制限が適用されるかどうかを決定するために同等に適用され得る。具体的には、最小スケジューリングギャップとTDRAに含まれるスケジューリングギャップとの比較は、アップリンクの最小スケジューリングギャップとアップリンクのデフォルトのTDRAテーブルに含まれるスケジューリングギャップとの比較を指す。
【0149】
言い換えれば、ダウンリンクのケース1.1および2.1に対する決定の説明は、アップリンクのケース1.1および2.1に当てはまり、ダウンリンクのTDRAテーブルは、それぞれのUL TDRAテーブルに置き換えられる。また、ダウンリンクのケース1.1および2.1に対する決定の説明は、アップリンクのケース1.2および2.2にそれぞれア当てはまり、共通DL TDRAテーブルは、デフォルトのUL TDRAテーブルに置き換えられる。
【0150】
詳細には:
本実施形態によれば、UEは、指示された最小スケジューリングギャップと、デフォルトのUL TDRAテーブルに含まれるスケジューリングギャップとの比較に応じて、最小スケジューリングギャップに従って、デフォルトのUL TDRAテーブルに制限を適用するかどうかを決定する。デフォルトのUL TDRAテーブルは、複数のエントリを含み、各エントリは、スケジューリンググラントの受信とスケジューリングされたリソースとの間のギャップを示すスケジューリングギャップインジケータを含む時間領域リソース割当てを指定する。
【0151】
最小スケジューリングギャップがデフォルトのUL TDRAテーブルに含まれるスケジューリングギャップの範囲内にある場合、UEは、指示された最小スケジューリングギャップよりも小さいスケジューリングギャップを有するTDRAテーブルのエントリを無効化することによって、最小スケジューリングギャップに従ってデフォルトのUL TDRAテーブルに制限を適用すると決定する。
【0152】
言い換えれば、最小スケジューリングギャップが、デフォルトのUL TDRAテーブルにおける最小のスケジューリングギャップ以上であり、かつ、デフォルトのUL TDRAテーブルにおける最大のスケジューリングギャップ以下である場合、UEは、最小スケジューリングギャップに従ってデフォルトのUL TDRAテーブルに制限を適用すると決定する。
【0153】
前のDCIによって指示された最小スケジューリングギャップがデフォルトのUL TDRAテーブルに含まれる最大のスケジューリングギャップよりも大きい場合、送受信機は、デフォルトのUL TDRAテーブルを使用してサーチスペースにおいてPDCCH監視オケージョンを監視しないように制御される。したがって、DCIによって指示された最小スケジューリングギャップがデフォルトのUL TDRAに含まれる最大のスケジューリングギャップよりも大きくない場合、送受信機は、デフォルトのUL TDRAテーブルを使用してサーチスペースにおいてPDCCH監視オケージョンを監視するように制御され得る。例えば、送受信機は、DCIによって指示された最小スケジューリングギャップがTDRAテーブルに含まれる最大のスケジューリングギャップ値以下である場合、前記監視オケージョンを再度監視し始めるように制御され得る。
【0154】
具体的には、上記したケース1.1に対応して、CORESET0に関連付けられたCSSにおけるPDCCH監視オケージョンは、スキップされる。また、上記したケース2.1に対応して、CORESET0に関連付けられたCSSにおけるPDCCH監視オケージョン、ならびにUSSおよびCORESET0に関連付けされていない任意のCSSにおけるPDCCH監視オケージョンは、スキップされる。このアプローチは、gNBが、ページングおよびシステム情報の監視はUEに必要でないと決定した場合に、前記ページングおよびシステム情報の監視をスキップすることを可能にする。言い換えれば、デフォルトのUL TDRAテーブル内の最大のスケジューリングギャップよりも大きい最小スケジューリングギャップを指示することによって、gNBは、UEにページングおよびシステム情報を監視させないようし得る。
【0155】
あるいは、最小スケジューリングギャップがデフォルトのUL TDRAテーブルに含まれる最大のスケジューリングギャップよりも大きい場合、UEは、デフォルトのUL TDRAテーブルに制限を適用しない。このアプローチでは、デフォルトのTDRAテーブルに制限が適用されず、すべてのエントリがUEによって無効であると見なされるため、スケジューリング情報の損失が防止される。
【0156】
さらに、あるいは、UEは、デフォルトのUL TDRAテーブルに含まれる最大のスケジューリングギャップよりも大きい最小スケジューリングギャップが指示されることを期待しないかもしれない。すなわち、デフォルトのUL TDRAに含まれる最大のスケジューリングギャップよりも大きい最小スケジューリングギャップがDCIによって指示された場合、前記最小スケジューリングギャップは、構成されたデフォルトのUL TDRAテーブルに制限を適用するかどうかを決定する際に、無視される。このアプローチは、最小スケジューリングギャップ値によるデフォルトのUL TDRAテーブルの誤って適用された制限に起因するスケジューリング損失を防止し、これは、TDRAテーブルエントリの有効または無効としての有意義な区別を引き起こさないであろう。
【0157】
一バリエーションでは、デフォルトのUL TDRAテーブルのエントリによるスケジューリングギャップが互いに等しい場合、UEは、前のDCIによって指示された最小スケジューリングギャップに従ってデフォルトのUL TDRAテーブルに制限を適用しないと決定する。特に、デフォルトのUL TDRAテーブルのすべてのスケジューリングギャップが等しい場合、最小スケジューリングギャップを使用した有効エントリと無効エントリの間の有意義な区別は不可能である、なぜなら、すべてのエントリが有効と見なされるか、または、すべてのエントリが有効と見なされないかのいずれかであるからである。このバリエーションのアプローチは、このような状況を防止することを可能にする。
【0158】
さらなるバリエーションでは、UEは、CORESET0に関連付けられたCSSにおいてグループ共通物理制御チャネル(つまり、グループ共通物理ダウンリンク制御チャネル(gc-PDCCH))を監視するように構成されているかどうかを決定し、この決定の結果に応じて、最小スケジューリングギャップに従ってデフォルトのUL TDRAテーブルに制限を適用するかどうかを決定し得る。具体的には、UEが、CORESET0に関連付けられたCSSにおいてgc-PDCCHを監視するように構成されていない場合、デフォルトのULTDRAテーブルに対する制限が適用される。すなわち、UEがgc-PDCCHを監視するように構成されていない場合、制限が適用され、これにより、上記した節電対策が可能になる。なお、UEは、例えば、ブロードキャストによってgc-PDCCHを監視するようにあらかじめ構成され得る。
【0159】
上記した実施形態およびバリエーションでは、UEの送受信機は、対応するスケジューリンググラントを受信した後にデータを送信する。具体的には、データは、スケジューリンググラントにおいて指示されたリソース上のPUSCHを通じて送信され、前記リソースは、スケジューリンググラントの受信までの時間的距離が、指示された最小スケジューリングギャップよりも大きい。
【0160】
本開示のハードウェアおよびソフトウェアの実装
【0161】
本開示は、ソフトウェア、ハードウェア、またはハードウェアと連携したソフトウェアで実現することができる。上記各実施の形態の説明に用いた各機能ブロックは、部分的または全体的に、集積回路などのLSIによって実現可能であり、また、各実施形態で説明した各処理は、部分的または全体的に、同じLSIまたはLSIの組み合わせによって制御されてもよい。LSIは、チップとして個別に形成されてもよいし、または、機能ブロックの一部または全部を含むように1つのチップが形成されてもよい。LSIは、データ入力とこれに接続されたデータ出力を含んでもよい。ここで、LSIは、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることがある。しかし、集積回路を実現する技術は、LSIに限られるものではなく、専用回路、汎用プロセッサ、または専用プロセッサを用いて実現されてもよい。また、LSI製造後にプログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)、または、LSI内部に配置された回路セルの接続および設定を再構成可能なリコンフィギャラブル・プロセッサを使用してもよい。本開示は、デジタル処理またはアナログ処理として実現することができる。半導体技術または他の派生技術の進歩の結果として将来の集積回路技術がLSIに取って代わる場合には、その将来の集積回路技術を用いて機能ブロックを集積化することができる。バイオテクノロジーも適用可能である。
【0162】
本開示は、通信装置と呼ばれる、通信機能を有するあらゆる種類の装置、デバイス、またはシステムによって実現することができる。
【0163】
そのような通信装置のいくつかの非限定的な例は、電話機(例えば、携帯電話、スマートフォン)、タブレット、パーソナルコンピュータ(PC)(例えば、ラップトップ、デスクトップ、ノートブック)、カメラ(例えば、デジタル・スチル/ビデオ・カメラ)、デジタルプレーヤー(デジタル・オーディオ/ビデオ・プレーヤー)、着用可能なデバイス(例えば、ウェアラブルカメラ、スマートウォッチ、トラッキングデバイス)、ゲームコンソール、デジタルブックリーダー、テレヘルス/テレメディシン(遠隔ヘルスおよびメディシン)デバイス、通信機能を提供する車両(例えば、自動車、飛行機、船舶)、ならびにそれらのさまざまな組み合わせを含む。
【0164】
通信装置は、持ち運び可能または移動可能なものに限定されず、例えば、スマートホームデバイス(例えば、家電、照明、スマートメーター、コントロールパネル)、自動販売機、その他「IoT(Internet of Things)」のネットワークにおけるあらゆる「物(things)」など、持ち運びできないまたは固定されている、あらゆる種類の装置、デバイス、またはシステムを含み得る。
【0165】
通信は、例えば、セルラーシステム、無線LANシステム、通信衛星システムなどによるデータのやりとり、およびそれらのさまざまな組み合せによるデータのやりとりを含み得る。
【0166】
通信装置は、本開示に記載された通信機能を実行する通信デバイスに接続される、コントローラやセンサなどのデバイスを有し得る。例えば、通信装置は、当該通信装置の通信機能を実行する通信装置によって使用される制御信号またはデータ信号を生成するコントローラまたはセンサを有し得る。
【0167】
また、通信装置は、上記の非限定的な例における装置と通信しまたはこれを制御する、インフラストラクチャ設備、例えば、基地局、アクセスポイント、その他あらゆる装置、デバイス、もしくはシステムを含み得る。
【0168】
さらに、様々な実施形態は、ソフトウェアモジュールによって実施してもよく、これらのソフトウェアモジュールは、プロセッサによって実行される、または、ハードウェアにおいて直接実行される。また、ソフトウェアモジュールとハードウェア実装の組合せも可能である。ソフトウェアモジュールは、任意の種類のコンピュータ可読記憶媒体、例えば、RAMやEPROM、EEPROM、フラッシュメモリ、レジスタ、ハードディスク、CD-ROM、DVDなどに格納することができる。さらには、複数の異なる実施形態の個々の特徴は、個々に、または任意の組合せにおいて、別の実施形態の主題とすることができることに留意されたい。
【0169】
具体的な実施形態に示した本開示には、様々な変更および/または修正を行うことができることが、当業者には理解されるであろう。したがって、本明細書に示した実施形態は、あらゆる点において例示的であり、本発明を制限しないものと見なされる。
【0170】
さらなる態様
【0171】
上記のように、クロススロットスケジューリングを伴う手順を含む、UE電力の節約を容易にするデバイスおよび方法が提供される。特に、特定の条件に関する情報を使用して、時間領域リソース割当て(TDRA)テーブルに制限を適用するか否かを決定するデバイスおよび方法が提供される。前記条件には、共通TDRAテーブルが構成されているか否か、指示された最小スケジューリングギャップとTDRAテーブルにおけるスケジューリングギャップとの比較の結果、および/または、データのアップリンク送信もしくはダウンリンク送信に対してリソースがスケジューリングされているか否かに関する情報が含まれ得る。本開示の態様は、以下にまとめられている。
【0172】
第1の態様によれば、動作中、スケジューリンググラントを受信した後にデータを受信する送受信機と、動作中、最小スケジューリングギャップに従って、時間領域リソース割当て(TDRA)テーブルに制限を適用するか否かを決定する回路であって、前記決定が、共通TDRAテーブルが構成されているか否かの決定を含む、回路と、を有する、送受信機デバイスが提供される。
【0173】
例えば、前記決定の結果に従って前記制限が適用される前記TDRAテーブルは、それが構成されている場合には、共通TDRAテーブルそれ自体であり得る、または、前記共通TDRAテーブルと異なるTDRAテーブルであって前記送受信機デバイス固有のTDRAテーブルと異なるTDRAテーブルであり得る。
【0174】
例えば、前記TDRAテーブルは、CORESET0に関連付けられた共通サーチスペースにおけるダウンリンクスケジューリングに使用されるTDRAテーブルであり得る。また、例えば、前記TDRAテーブルは、CORESET0に関連付けられた共通サーチスペースにおけるダウンリンクスケジューリング、ならびに、ユーザ固有サーチスペースおよびCORESET0に関連付けられていない任意の共通サーチスペースにおけるダウンリンクスケジューリングに使用されるTDRAテーブルであり得る。
【0175】
例えば、前記TDRAテーブルは、共通TDRAテーブルまたはデフォルトのTDRAテーブルであり得る。
【0176】
例えば、前記TDRAテーブルは、前記送受信機デバイスに固有のものとして構成されていないTDRAテーブルであり得る。
【0177】
例えば、前記TDRAテーブルは、データ受信用リソースのスケジューリングに使用されるTDRAテーブルである。
【0178】
例えば、前記送受信機は、動作中、前記スケジューリンググラントによって指示されたリソースによって前記データを受信する。
【0179】
例えば、前記スケジューリンググラントは、データ受信用のスケジューリングされたリソースを指示し、前記リソースは、前記スケジューリンググラントを受信した後の前記最小スケジューリングギャップ以上のスケジューリングギャップの後にスケジューリングされる。
【0180】
最小スケジューリングギャップに従ってTDRAテーブルに制限を適用するかどうかの前記決定は、特定の条件下で、前記送受信機デバイスが前記スケジューリンググラントの受信後にシンボルをバッファリングしないことを可能にし、これにより、例えば、節電が可能になる。
【0181】
一実施形態において、前記回路は、動作中、前記共通TDRAテーブルが構成されていないと決定された場合、前記TDRAテーブルに前記制限を適用しないと決定する。
【0182】
言い換えれば、例えば、共通TDRAテーブルが構成されてダウンリンクスケジューリングに使用される場合、前記回路は、前記共通TDRAテーブルに前記制限を適用すると決定し得る。また、共通TDRAテーブルが構成されておらず、別のTDRAテーブルがダウンリンクスケジューリングに使用される場合には、前記制限を適用しないとし得る。
【0183】
例えば、前記別のTDRAテーブルが、前記共通TDRAテーブルでなく、かつ、前記送受信機デバイス専用に構成されたTDRAテーブルでない場合、前記回路は、前記制限を適用しないと決定し得る。
【0184】
前記定義された条件、つまり、共通TDRAテーブルが構成されていないという条件下では、前記制限が適用されないため、起こり得るスケジューリング損失が防止される。
【0185】
一実施形態において、前記回路は、動作中、前記最小スケジューリングギャップがゼロよりも大きい場合、前記TDRAテーブルに関連付けられたサーチスペースにおける物理制御チャネルのオケージョンを監視しないように前記送受信機を制御する。
【0186】
例えば、前記回路は、動作中、前記最小スケジューリングギャップがゼロよりも大きく、かつ、共通TDRAテーブルが構成されていない場合に、前記物理的制御チャネルのオケージョンを監視しないように前記送受信機を制御する。
【0187】
また、例えば、前記回路は、動作中、前記最小スケジューリングギャップがゼロよりも大きく、共通TDRAテーブルが構成されておらず、かつ、デフォルトのTDRAテーブルがスケジューリングに使用される場合に、前記物理制御チャネルのオケージョンを監視しないように前記送受信機を制御する。
【0188】
例えば、前記物理制御チャネルは、物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)であり得る。
【0189】
一実施形態において、前記TDRAテーブルは、複数のエントリを含み、各エントリは、前記スケジューリンググラントの受信とスケジューリングされたリソースとの間のギャップを示すスケジューリングギャップインジケータを含む時間領域リソース割当てを指定し、前記決定は、前記共通TDRAテーブルが構成されていると決定された場合、前記最小スケジューリングギャップと、前記TDRAテーブルに含まれるスケジューリングギャップとを比較することをさらに含む。
【0190】
言い換えれば、前記TDRAテーブルに制限を適用するか否かの前記決定は、共通TDRAテーブルが構成されているか否かの決定および前記最小スケジューリングギャップの値と前記TDRAテーブルに含まれるスケジューリングギャップの値との比較を含み得る。
【0191】
例えば、共通TDRAテーブルが構成されていないと決定される場合、前記回路は、前記最小スケジューリングギャップと前記共通TDRAテーブルに含まれる前記スケジューリングギャップとの比較を行い、当該比較の結果を使用して前記共通TDRAテーブルに制限を適用するかどうかを決定し得る。
【0192】
一実施形態において、前記回路は、動作中、前記最小スケジューリングギャップが前記TDRAテーブルに含まれるスケジューリングギャップの範囲内にある場合、前記TDRAテーブルに前記制限を適用すると決定する。
【0193】
例えば、前記回路は、動作中、前記最小スケジューリングギャップが、前記TDRAテーブルに含まれる最小のスケジューリングギャップ以上であり、かつ、前記TDRAテーブルに含まれる最大のスケジューリングギャップ以上である場合に、前記最小スケジューリングギャップが前記TDRAテーブルにおける前記スケジューリングギャップの前記範囲内にあると決定する。
【0194】
一実施形態において、前記回路は、動作中、前記最小スケジューリングギャップが前記TDRAテーブルに含まれる最大のスケジューリングギャップよりも大きい場合、前記TDRAテーブルに関連付けられたサーチスペースにおける物理制御チャネルのオケージョンを監視しないように前記送受信機を制御する。
【0195】
例えば、前記物理制御チャネルは、物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)であり得る。
【0196】
一実施形態において、前記回路は、動作中、前記最小スケジューリングギャップが前記TDRAテーブルに含まれる最大のスケジューリングギャップよりも大きい場合、前記TDRAテーブルに前記制限を適用しないと決定する。
【0197】
一実施形態において、前記回路は、動作中、さらに、前記最小スケジューリングギャップが前記TDRAテーブルに含まれる最大のスケジューリングギャップよりも大きい場合、リソース割当てのために前記TDRAテーブルと異なる第2のTDRAテーブルをさらに決定し、前記第2のTDRAテーブルをスケジューリングのために使用する。
【0198】
言い換えれば、前記最小スケジューリングギャップが前記TDRAテーブルに含まれる最大のスケジューリングギャップよりも大きい場合、前記回路は、動作中、リソースのスケジューリングのために前記TDRAテーブルと異なる第2のTDRAテーブルを決定し利用する。前記制限は、前記第2のTDRAテーブルには適用されない。
【0199】
例えば、前記第2のTDRAテーブルは、デフォルトのTDRAテーブルである。
【0200】
一実施形態において、前記回路は、動作中、前記TDRAテーブルに含まれる前記スケジューリングギャップが互いに等しい場合、前記TDRAテーブルに前記制限を適用しないと決定する。
【0201】
言い換えれば、前記TDRAテーブルが、すべて互いに等しいスケジューリングギャップ値のみを含む場合、当該TDRAテーブルに前記制限は適用されない。
【0202】
一実施形態において、前記決定は、前記送受信機デバイスがグループ共通物理制御チャネルを監視するように構成されているかどうかを決定することを含み、前記回路は、動作中、前記送受信機デバイスが前記グループ共通物理制御チャネルを監視するように構成されていない場合、前記TDRAテーブルに前記制限を適用すると決定する。
【0203】
一実施形態において、前記送受信機は、動作中、前記最小スケジューリングギャップを指示する最小スケジューリングギャップインジケータを受信する。
【0204】
例えば、前記送受信機は、ダウンリンク制御情報(DCI)シグナリングによって前記最小スケジューリングギャップインジケータを受信する。
【0205】
例えば、1つ以上の最小スケジューリングギャップ値は、無線リソース制御(RRC:Radio Resource Control)シグナリングによって設定される。
【0206】
一実施形態において、前記最小スケジューリングギャップは、前記スケジューリンググラントの受信とスケジューリングされたリソースとの間のギャップの最小値をタイムスロット単位で示す。
【0207】
言い換えれば、前記最小スケジューリングギャップは、スケジューリンググラントの受信と、前記スケジューリンググラントによって指示されたデータ受信のためにスケジューリングされたリソースとの間の最小の時間的期間を表す。前記時間的期間は、タイムスロット単位で示され、その持続時間は、例えば、事前に設定または構成され得る。
【0208】
第2の態様によれば、動作中、スケジューリンググラントを受信した後にデータを送信する送受信機と、動作中、最小スケジューリングギャップに従って、時間領域リソース割当て(TDRA)テーブルに制限を適用するか否かを決定する回路であって、前記TDRAテーブルが、複数のエントリを含み、各エントリが、前記スケジューリンググラントの受信とスケジューリングされたリソースとの間のギャップを示すスケジューリングギャップインジケータを含む時間領域リソース割当てを指定し、前記決定が、前記最小スケジューリングギャップと、前記TDRAテーブルに含まれるスケジューリングギャップとを比較することを含む、回路と、を有する、送受信機デバイスが提供される。
【0209】
例えば、前記決定の結果に従って前記制限が適用される前記TDRAテーブルは、それが構成されている場合には、共通TDRAテーブルそれ自体であり得る、または、前記共通TDRAテーブルと異なるTDRAテーブルであって送受信機デバイス固有のTDRAテーブルと異なるTDRAテーブルであり得る。
【0210】
例えば、前記TDRAテーブルは、CORESET0に関連付けられた共通サーチスペースにおけるアップリンクスケジューリングに使用されるTDRAテーブルであり得る。また、例えば、前記TDRAテーブルは、CORESET0に関連付けられた共通サーチスペースにおけるアップリンクスケジューリング、ならびに、ユーザ固有サーチスペースおよびCORESET0に関連付けられていない任意の共通サーチスペースにおけるアップリンクスケジューリングに使用されるTDRAテーブルであり得る。
【0211】
例えば、前記TDRAテーブルは、共通TDRAテーブルまたはデフォルトのTDRAテーブルであり得る。
【0212】
例えば、前記TDRAテーブルは、送受信機デバイスに固有のものとして構成されていないTDRAテーブルであり得る。
【0213】
例えば、前記TDRAテーブルは、データ送信用リソースのスケジューリングに使用されるTDRAテーブルである。
【0214】
例えば、前記送受信機は、動作中、前記スケジューリンググラントによって指示されたリソースによってデータを送信する。
【0215】
例えば、前記スケジューリンググラントは、データ送信用のスケジューリングされたリソースを指示し、前記リソースは、前記スケジューリンググラントを受信した後の前記最小スケジューリングギャップ以上のスケジューリングギャップの後にスケジューリングされる。
【0216】
最小スケジューリングギャップに従ってTDRAテーブルに制限を適用するかどうかの前記決定は、特定の条件下で、前記送受信機デバイスが前記スケジューリンググラントの受信後にシンボルをバッファリングしないことを可能にし、これにより、例えば、節電が可能になる。
【0217】
一実施形態において、前記回路は、動作中、前記最小スケジューリングギャップが前記TDRAテーブルに含まれるスケジューリングギャップの範囲内にある場合、前記TDRAテーブルに前記制限を適用すると決定する。
【0218】
例えば、前記回路は、動作中、前記最小スケジューリングギャップが、前記TDRAテーブルに含まれる最小のスケジューリングギャップ以上であり、かつ、前記TDRAテーブルに含まれる最大のスケジューリングギャップ以上である場合に、前記最小スケジューリングギャップが前記TDRAテーブルにおける前記スケジューリングギャップの前記範囲内にあると決定する。
【0219】
一実施形態において、前記回路は、動作中、前記最小スケジューリングギャップが前記TDRAテーブルに含まれる最大のスケジューリングギャップよりも大きい場合、前記TDRAテーブルに関連付けられたサーチスペースにおける物理制御チャネルのオケージョンを監視しないように前記送受信機を制御する。
【0220】
例えば、前記物理制御チャネルは、物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)であり得る。
【0221】
一実施形態において、前記回路は、動作中、前記最小スケジューリングギャップが前記TDRAテーブルに含まれる最大のスケジューリングギャップよりも大きい場合、前記TDRAテーブルに前記制限を適用しないと決定する。
【0222】
一実施形態において、前記回路は、動作中、さらに、前記最小スケジューリングギャップが前記TDRAテーブルに含まれる最大のスケジューリングギャップよりも大きい場合、リソース割当てのために前記TDRAテーブルと異なる第2のTDRAテーブルをさらに決定し、前記第2のTDRAテーブルをスケジューリングのために使用する。
【0223】
言い換えれば、前記最小スケジューリングギャップが前記TDRAテーブルに含まれる最大のスケジューリングギャップよりも大きい場合、前記回路は、動作中、リソースのスケジューリングのために前記TDRAテーブルと異なる第2のTDRAテーブルを決定し利用する。前記制限は、前記第2のTDRAテーブルには適用されない。
【0224】
例えば、前記第2のTDRAテーブルは、デフォルトのTDRAテーブルである。
【0225】
一実施形態において、前記回路は、動作中、前記TDRAテーブルに含まれる前記スケジューリングギャップが互いに等しい場合、前記TDRAテーブルに前記制限を適用しないと決定する。
【0226】
言い換えれば、前記TDRAテーブルが、すべて互いに等しいスケジューリングギャップ値のみを含む場合、当該TDRAテーブルに前記制限は適用されない。
【0227】
一実施形態において、前記決定は、前記送受信機デバイスがグループ共通物理制御チャネルを監視するように構成されているかどうかを決定することを含み、前記回路は、動作中、前記送受信機デバイスが前記グループ共通物理制御チャネルを監視するように構成されていない場合、前記TDRAテーブルに前記制限を適用すると決定する。
【0228】
一実施形態において、前記送受信機は、動作中、前記最小スケジューリングギャップを指示する最小スケジューリングギャップインジケータを受信する。
【0229】
例えば、前記送受信機は、ダウンリンク制御情報(DCI)シグナリングによって前記最小スケジューリングギャップインジケータを受信する。
【0230】
例えば、1つ以上の最小スケジューリングギャップ値は、無線リソース制御(RRC:Radio Resource Control)シグナリングによって設定される。
【0231】
一実施形態において、前記最小スケジューリングギャップは、前記スケジューリンググラントの受信とスケジューリングされたリソースとの間のギャップの最小値をタイムスロット単位で示す。
【0232】
言い換えれば、前記最小スケジューリングギャップは、スケジューリンググラントの受信と、前記スケジューリンググラントによって指示されたデータ送信のためにスケジューリングされたリソースとの間の最小の時間的期間を表す。前記時間的期間は、タイムスロット単位で示され、その持続時間は、例えば、事前に設定または構成され得る。
【0233】
第3の態様によれば、最小スケジューリングギャップに従って、時間領域リソース割当て(TDRA)テーブルに制限を適用するか否かを決定するステップであって、前記決定が、共通TDRAテーブルが構成されているか否かの決定を含む、ステップと、スケジューリンググラントを受信した後にデータを受信するステップと、を含む、データ受信方法が提供される。
【0234】
例えば、前記決定の結果に従って前記制限が適用される前記TDRAテーブルは、それが構成されている場合には、共通TDRAテーブルそれ自体であり得る、または、前記共通TDRAテーブルと異なるTDRAテーブルであって前記送受信機デバイス固有のTDRAテーブルと異なるTDRAテーブルであり得る。
【0235】
例えば、前記TDRAテーブルは、CORESET0に関連付けられた共通サーチスペースにおけるダウンリンクスケジューリングに使用されるTDRAテーブルであり得る。また、例えば、前記TDRAテーブルは、CORESET0に関連付けられた共通サーチスペースにおけるダウンリンクスケジューリング、ならびに、ユーザ固有サーチスペースおよびCORESET0に関連付けられていない任意の共通サーチスペースにおけるダウンリンクスケジューリングに使用されるTDRAテーブルであり得る。
【0236】
例えば、前記TDRAテーブルは、共通TDRAテーブルまたはデフォルトのTDRAテーブルであり得る。
【0237】
例えば、前記TDRAテーブルは、前記送受信機デバイスに固有のものとして構成されていないTDRAテーブルであり得る。
【0238】
例えば、前記TDRAテーブルは、データ受信用リソースのスケジューリングに使用されるTDRAテーブルである。
【0239】
例えば、前記データは、前記スケジューリンググラントによって指示されたリソースによって受信される。
【0240】
例えば、前記スケジューリンググラントは、データ受信用のスケジューリングされたリソースを指示し、前記リソースは、前記スケジューリンググラントを受信した後の前記最小スケジューリングギャップ以上のスケジューリングギャップの後にスケジューリングされる。
【0241】
最小スケジューリングギャップに従ってTDRAテーブルに制限を適用するかどうかの前記決定は、特定の条件下で、前記送受信機デバイスが前記スケジューリンググラントの受信後にシンボルをバッファリングしないことを可能にし、これにより、例えば、節電が可能になる。
【0242】
一実施形態において、前記共通TDRAテーブルが構成されていないと決定された場合、前記TDRAテーブルに前記制限を適用しないと決定される。
【0243】
言い換えれば、例えば、共通TDRAテーブルが構成されてダウンリンクスケジューリングに使用される場合、前記共通TDRAテーブルに前記制限を適用すると決定され得る。また、共通TDRAテーブルが構成されておらず、別のTDRAテーブルがダウンリンクスケジューリングに使用される場合には、前記制限を適用しないとし得る。
【0244】
例えば、前記別のTDRAテーブルが、前記共通TDRAテーブルでなく、かつ、送受信機デバイス専用に構成されたTDRAテーブルでない場合、前記制限を適用しないと決定され得る。
【0245】
前記定義された条件、つまり、共通TDRAテーブルが構成されていないという条件下では、前記制限が適用されないため、起こり得るスケジューリング損失が防止される。
【0246】
一実施形態において、前記最小スケジューリングギャップがゼロよりも大きい場合、前記TDRAテーブルに関連付けられたサーチスペースにおける物理制御チャネルのオケージョンは監視されない。
【0247】
例えば、前記最小スケジューリングギャップがゼロよりも大きく、かつ、共通TDRAテーブルが構成されていない場合、前記物理的制御チャネルのオケージョンは監視されない。
【0248】
また、例えば、前記最小スケジューリングギャップがゼロよりも大きく、共通TDRAテーブルが構成されておらず、かつ、デフォルトのTDRAテーブルがスケジューリングに使用される場合、前記物理制御チャネルのオケージョンは監視されない。
【0249】
例えば、前記物理制御チャネルは、物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)であり得る。
【0250】
一実施形態において、前記TDRAテーブルは、複数のエントリを含み、各エントリは、前記スケジューリンググラントの受信とスケジューリングされたリソースとの間のギャップを示すスケジューリングギャップインジケータを含む時間領域リソース割当てを指定し、前記決定は、前記共通TDRAテーブルが構成されていると決定された場合、前記最小スケジューリングギャップと、前記TDRAテーブルに含まれるスケジューリングギャップとを比較することをさらに含む。
【0251】
言い換えれば、前記TDRAテーブルに制限を適用するか否かの前記決定は、共通TDRAテーブルが構成されているか否かの決定および前記最小スケジューリングギャップの値と前記TDRAテーブルに含まれるスケジューリングギャップの値との比較を含み得る。
【0252】
例えば、共通TDRAテーブルが構成されていないと決定される場合、前記最小スケジューリングギャップと前記共通TDRAテーブルに含まれる前記スケジューリングギャップとの比較が行われ、当該比較の結果を使用して前記共通TDRAテーブルに制限を適用するかどうかが決定される。
【0253】
一実施形態において、前記最小スケジューリングギャップが前記TDRAテーブルに含まれるスケジューリングギャップの範囲内にある場合、前記TDRAテーブルに前記制限を適用すると決定される。
【0254】
例えば、前記最小スケジューリングギャップが、前記TDRAテーブルに含まれる最小のスケジューリングギャップ以上であり、かつ、前記TDRAテーブルに含まれる最大のスケジューリングギャップ以上である場合、前記最小スケジューリングギャップが前記TDRAテーブルにおける前記スケジューリングギャップの前記範囲内にあると決定される。
【0255】
一実施形態において、前記最小スケジューリングギャップが前記TDRAテーブルに含まれる最大のスケジューリングギャップよりも大きい場合、前記TDRAテーブルに関連付けられたサーチスペースにおける物理制御チャネルのオケージョンは監視されない。
【0256】
例えば、前記物理制御チャネルは、物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)であり得る。
【0257】
一実施形態において、前記最小スケジューリングギャップが前記TDRAテーブルに含まれる最大のスケジューリングギャップよりも大きい場合、前記TDRAテーブルに前記制限を適用しないと決定される。
【0258】
一実施形態において、前記方法は、前記最小スケジューリングギャップが前記TDRAテーブルに含まれる最大のスケジューリングギャップよりも大きい場合、リソース割当てのために前記TDRAテーブルと異なる第2のTDRAテーブルを決定するステップをさらに含む。
【0259】
言い換えれば、前記最小スケジューリングギャップが前記TDRAテーブルに含まれる最大のスケジューリングギャップよりも大きい場合、リソースのスケジューリングのために前記TDRAテーブルと異なる第2のTDRAテーブルが決定され利用される。前記制限は、前記第2のTDRAテーブルには適用されない。
【0260】
例えば、前記第2のTDRAテーブルは、デフォルトのTDRAテーブルである。
【0261】
一実施形態において、前記TDRAテーブルに含まれる前記スケジューリングギャップが互いに等しい場合、前記TDRAテーブルに前記制限を適用しないと決定される。
【0262】
言い換えれば、前記TDRAテーブルが、すべて互いに等しいスケジューリングギャップ値のみを含む場合、当該TDRAテーブルに前記制限は適用されない。
【0263】
一実施形態において、前記決定は、グループ共通物理制御チャネルを監視することが構成されているかどうかを決定することを含み、前記グループ共通物理制御チャネルを監視することが構成されていない場合、前記TDRAテーブルに前記制限を適用すると決定される。
【0264】
一実施形態において、前記方法は、前記最小スケジューリングギャップを指示する最小スケジューリングギャップインジケータを受信するステップをさらに含む。
【0265】
例えば、前記最小スケジューリングギャップインジケータは、ダウンリンク制御情報(DCI)シグナリングによって受信される。
【0266】
例えば、1つ以上の最小スケジューリングギャップ値は、無線リソース制御(RRC:Radio Resource Control)シグナリングによって設定される。
【0267】
一実施形態において、前記最小スケジューリングギャップは、前記スケジューリンググラントの受信とスケジューリングされたリソースとの間のギャップの最小値をタイムスロット単位で示す。
【0268】
言い換えれば、前記最小スケジューリングギャップは、スケジューリンググラントの受信と、前記スケジューリンググラントによって指示されたデータ受信のためにスケジューリングされたリソースとの間の最小の時間的期間を表す。前記時間的期間は、タイムスロット単位で示され、その持続時間は、例えば、事前に設定または構成され得る。
【0269】
第4の態様によれば、最小スケジューリングギャップに従って、時間領域リソース割当て(TDRA)テーブルに制限を適用するか否かを決定するステップであって、前記TDRAテーブルが、複数のエントリを含み、各エントリが、スケジューリンググラントの受信とスケジューリングされたリソースとの間のギャップを示すスケジューリングギャップインジケータを含む時間領域リソース割当てを指定し、前記決定が、前記最小スケジューリングギャップと、前記TDRAテーブルに含まれるスケジューリングギャップとを比較することを含む、ステップと、前記スケジューリンググラントを受信した後にデータを送信するステップと、を含む、データ送信方法が提供される。
【0270】
例えば、前記決定の結果に従って前記制限が適用される前記TDRAテーブルは、それが構成されている場合には、共通TDRAテーブルそれ自体であり得る、または、前記共通TDRAテーブルと異なるTDRAテーブルであって送受信機デバイス固有のTDRAテーブルと異なるTDRAテーブルであり得る。
【0271】
例えば、前記TDRAテーブルは、CORESET0に関連付けられた共通サーチスペースにおけるアップリンクスケジューリングに使用されるTDRAテーブルであり得る。また、例えば、前記TDRAテーブルは、CORESET0に関連付けられた共通サーチスペースにおけるアップリンクスケジューリング、ならびに、ユーザ固有サーチスペースおよびCORESET0に関連付けられていない任意の共通サーチスペースにおけるアップリンクスケジューリングに使用されるTDRAテーブルであり得る。
【0272】
例えば、前記TDRAテーブルは、共通TDRAテーブルまたはデフォルトのTDRAテーブルであり得る。
【0273】
例えば、前記TDRAテーブルは、送受信機デバイスに固有のものとして構成されていないTDRAテーブルであり得る。
【0274】
例えば、前記TDRAテーブルは、データ送信用リソースのスケジューリングに使用されるTDRAテーブルである。
【0275】
例えば、前記データは、前記スケジューリンググラントによって指示されたリソースによって送信される。
【0276】
例えば、前記スケジューリンググラントは、データ送信用のスケジューリングされたリソースを指示し、前記リソースは、前記スケジューリンググラントを受信した後の前記最小スケジューリングギャップ以上のスケジューリングギャップの後にスケジューリングされる。
【0277】
最小スケジューリングギャップに従ってTDRAテーブルに制限を適用するかどうかの前記決定は、特定の条件下で、前記送受信機デバイスが前記スケジューリンググラントの受信後にシンボルをバッファリングしないことを可能にし、これにより、例えば、節電が可能になる。
【0278】
一実施形態において、前記最小スケジューリングギャップが前記TDRAテーブルに含まれるスケジューリングギャップの範囲内にある場合、前記TDRAテーブルに前記制限を適用すると決定される。
【0279】
例えば、前記最小スケジューリングギャップが、前記TDRAテーブルに含まれる最小のスケジューリングギャップ以上であり、かつ、前記TDRAテーブルに含まれる最大のスケジューリングギャップ以上である場合、前記最小スケジューリングギャップが前記TDRAテーブルにおける前記スケジューリングギャップの前記範囲内にあると決定される。
【0280】
一実施形態において、前記最小スケジューリングギャップが前記TDRAテーブルに含まれる最大のスケジューリングギャップよりも大きい場合、前記TDRAテーブルに関連付けられたサーチスペースにおける物理制御チャネルのオケージョンは監視されない。
【0281】
例えば、前記物理制御チャネルは、物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)であり得る。
【0282】
一実施形態において、前記最小スケジューリングギャップが前記TDRAテーブルに含まれる最大のスケジューリングギャップよりも大きい場合、前記TDRAテーブルに前記制限を適用しないと決定される。
【0283】
一実施形態において、前記方法は、前記最小スケジューリングギャップが前記TDRAテーブルに含まれる最大のスケジューリングギャップよりも大きい場合、リソース割当てのために前記TDRAテーブルと異なる第2のTDRAテーブルを決定するステップをさらに含む。
【0284】
言い換えれば、前記最小スケジューリングギャップが前記TDRAテーブルに含まれる最大のスケジューリングギャップよりも大きい場合、リソースのスケジューリングのために前記TDRAテーブルと異なる第2のTDRAテーブルが決定され利用される。前記制限は、前記第2のTDRAテーブルには適用されない。
【0285】
例えば、前記第2のTDRAテーブルは、デフォルトのTDRAテーブルである。
【0286】
一実施形態において、前記TDRAテーブルに含まれる前記スケジューリングギャップが互いに等しい場合、前記TDRAテーブルに前記制限を適用しないと決定される。
【0287】
言い換えれば、前記TDRAテーブルが、すべて互いに等しいスケジューリングギャップ値のみを含む場合、当該TDRAテーブルに前記制限は適用されない。
【0288】
一実施形態において、前記決定は、グループ共通物理制御チャネルを監視することが構成されているかどうかを決定することを含み、前記グループ共通物理制御チャネルを監視することが構成されていない場合、前記TDRAテーブルに前記制限を適用すると決定される。
【0289】
一実施形態において、前記方法は、前記最小スケジューリングギャップを指示する最小スケジューリングギャップインジケータを受信するステップをさらに含む。
【0290】
例えば、前記最小スケジューリングギャップインジケータは、ダウンリンク制御情報(DCI)シグナリングによって受信される。
【0291】
例えば、1つ以上の最小スケジューリングギャップ値は、無線リソース制御(RRC:Radio Resource Control)シグナリングによって設定される。
【0292】
一実施形態において、前記最小スケジューリングギャップは、前記スケジューリンググラントの受信とスケジューリングされたリソースとの間のギャップの最小値をタイムスロット単位で示す。
【0293】
言い換えれば、前記最小スケジューリングギャップは、スケジューリンググラントの受信と、前記スケジューリンググラントによって指示されたデータ送信のためにスケジューリングされたリソースとの間の最小の時間的期間を表す。前記時間的期間は、タイムスロット単位で示され、その持続時間は、例えば、事前に設定または構成され得る。
【0294】
第5の態様によれば、動作中、スケジューリンググラントの送信とスケジューリングされたリソースとの間のギャップの最小値を示す最小スケジューリングギャップを決定する回路と、動作中、データ送信用のスケジューリングされたリソースを指示するスケジューリンググラントを送受信機デバイスに送信する送受信機であって、前記リソースが、前記スケジューリンググラントを送信した後の前記最小スケジューリングギャップ以上のスケジューリングギャップの後にスケジューリングされ、前記スケジューリングされたリソース上で前記送受信機デバイスにデータを送信しまたは前記送受信機デバイスからデータを受信する、送受信機と、を有する、スケジューリングデバイスが提供される。
【0295】
一実施形態において、前記送受信機は、動作中、前記最小スケジューリングギャップを指示する最小スケジューリングギャップインジケータを前記送受信機デバイスに送信する。
【0296】
例えば、前記回路は、動作中、前記スケジューリンググラントの送信後の期間に前記送受信機デバイスへの送信用リソースまたは前記送受信機デバイスからの受信用リソースをスケジューリングせず、前記期間は、前記最小スケジューリングギャップに基づく持続時間を有する。
【0297】
例えば、前記最小スケジューリングギャップインジケータは、ダウンリンク制御情報(DCI)によって前記送受信機デバイスに指示される。
【0298】
一実施形態において、前記回路は、動作中、前記最小スケジューリングギャップが、構成された時間領域リソース割当て(TDRA)テーブルに含まれる最大のスケジューリングギャップよりも大きくなるように決定し、前記TDRAテーブルは、複数のエントリを含み、各エントリは、前記スケジューリンググラントの受信とスケジューリングされたリソースとの間のギャップを示すスケジューリングギャップインジケータを含む時間領域リソース割当てを指定する。
【0299】
前記決定により、前記スケジューリングデバイスは、前記送受信機デバイスに物理制御チャネルの監視オケージョンをスキップさせ得る。
【0300】
一実施形態において、前記最小スケジューリングギャップは、前記スケジューリンググラントの受信とスケジューリングされたリソースとの間のギャップの最小値をタイムスロット単位で示す。
【国際調査報告】