(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-05
(54)【発明の名称】タバコスティック用加香基質、及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
A24B 15/14 20060101AFI20221128BHJP
A24B 15/16 20200101ALI20221128BHJP
【FI】
A24B15/14
A24B15/16
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022532658
(86)(22)【出願日】2020-09-25
(85)【翻訳文提出日】2022-05-30
(86)【国際出願番号】 CN2020117814
(87)【国際公開番号】W WO2021063264
(87)【国際公開日】2021-04-08
(31)【優先権主張番号】201910945230.8
(32)【優先日】2019-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522215012
【氏名又は名称】深▲セン▼市舜宝科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】SHENZHEN SHUNBAO TECHNOLOGY CO., LTD
【住所又は居所原語表記】No. 23rd, Xianglianli, Siming District, Xiamen, Fujian 361000 China
(74)【代理人】
【識別番号】100090169
【氏名又は名称】松浦 孝
(74)【代理人】
【識別番号】100124497
【氏名又は名称】小倉 洋樹
(72)【発明者】
【氏名】▲トン▼ 欣洋
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼ 美洲
【テーマコード(参考)】
4B043
【Fターム(参考)】
4B043BB08
4B043BB22
4B043BB25
4B043BC02
4B043BC14
4B043BC20
(57)【要約】
植物茎と、希釈剤と、安定化剤を含むタバコスティック用加香基質、及びその製造方法を提供する。加香基質の製造方法は、植物茎に対して殺青、膨化、乾燥及び細断のステップを行い、処理済みの植物茎に希釈剤と安定化剤との混合液を所定の割合でスプレーし、加香基質を得ることを含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
植物茎100重量部と、希釈剤15~40重量部と、安定化剤3~7重量部とを成分として含む、ことを特徴とするタバコスティック用加香基質。
【請求項2】
加香剤10~20重量部をさらに含む、ことを特徴とする請求項1に記載のタバコスティック用加香基質。
【請求項3】
前記植物茎は茶茎、タバコ茎、菊茎又はジャスミン茎から選ばれる少なくとも1種である、ことを特徴とする請求項1に記載のタバコスティック用加香基質。
【請求項4】
前記植物茎の粒子径が4~18メッシュである、ことを特徴とする請求項1に記載のタバコスティック用加香基質。
【請求項5】
前記安定化剤はパチョリオイル、バニリン、及びエタノールのうちのいずれか1種又は複数種の組み合わせを含む、ことを特徴とする請求項1に記載のタバコスティック用加香基質。
【請求項6】
前記希釈剤はプロピレングリコール、グリセロール、トリアセチンのうちのいずれか1種又は複数種の組み合わせを含む、ことを特徴とする請求項1に記載のタバコスティック用加香基質。
【請求項7】
以下のステップを含む、ことを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載のタバコスティック用加香基質の製造方法。
殺青:植物茎又は葉付き植物茎を殺青し、第1産物を得る。
膨化:前記第1産物を膨化処理し、第2産物を得る。
乾燥:植物茎の含水率が2~20%に下がるまで前記第2産物を乾燥処理し、第3産物を得る。
選別:原料として葉付き植物茎が使用される場合、前記第3産物から葉を除去して茎を残し、第4産物を得て、原料として植物茎が使用される場合、選別ステップが必要としない。
細断:前記第3産物又は前記第4産物をペレットに細断し、第5産物を得る。
混合:前記第5産物と、希釈剤と安定化剤の混合液とを所定の割合で混合し、前記加香基質を得る。
【請求項8】
前記混合において、前記第5産物は100重量部、前記希釈剤は15~40重量部、前記安定化剤は3~7重量部である、ことを特徴とする請求項7に記載のタバコスティック用加香基質の製造方法。
【請求項9】
前記混合において、前記混合液は加香剤10~20重量部をさらに含む、ことを特徴とする請求項8に記載のタバコスティック用加香基質の製造方法。
【請求項10】
前記第5産物の粒度が4~18メッシュである、ことを特徴とする請求項7~9のいずれか1項に記載のタバコスティック用加香基質の製造方法。
【請求項11】
前記殺青は、115℃~130℃で30min~50min処理して、植物茎の含水率を15%~25%に下げることである、ことを特徴とする請求項7~9のいずれか1項に記載のタバコスティック用加香基質の製造方法。
【請求項12】
前記混合において、植物茎に混合液をスプレーした後、静置のステップをさらに含む、ことを特徴とする請求項7に記載のタバコスティック用加香基質の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は2019年9月30日に中国特許庁に提出された、出願番号が201910945230.8、出願の名称が「タバコスティック用加香基質及びその製造方法」である中国特許出願の優先権を主張しており、その全内容は引用により本願に組み込まれている。
【0002】
本願は、電子タバコの技術分野に属し、特にタバコスティック用加香基質及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0003】
低温非燃焼型電子タバコの技術分野では、スモックの香気を強化し、スモックの品質を向上させるために、タバコスティックのメーカは通常タバコスティックを生産する際に加香ステップを追加し、加香とは、一般に、エッセンスを加香基質に添加することであり、スモックが加香基質を通過するときに、エッセンスが迅速に溶融して発生した香気が、スモックとともに使用者により吸われ、これにより、スモックの香気を強化するという目的が達成される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
技術的課題
従来技術では、加香基質として、澱粉顆粒が使用されてもよく、茶葉刻みが使用されてもよいが、澱粉顆粒又は茶葉刻みである加香基質は、エッセンスに対する吸着性が劣り、エッセンスの徐放効果が不十分である。
【0005】
技術的解決手段
エッセンスへの吸着力が低く、エッセンスの揮発速度が速く、使用者のエクスペリエンスが劣るという従来技術の加香基質の問題を解決するために、本願は、エッセンスに対する吸着性が高く、エッセンスの徐放効果を向上できる加香基質及びその製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の技術的目的を達成させるために、本願に使用される技術的解決手段は以下のとおりである。
【0007】
本願の第1態様の技術的目的は、植物茎100重量部と、希釈剤15~40重量部と、安定化剤3~7重量部とを成分として含むタバコスティック用加香基質を提供することである。本願の植物茎製加香基質は、植物茎の本来の香気をしており、タバコスティックのスモックフレーバーを調整するものである。
【0008】
さらに、加香剤10~20重量部をさらに含む。好ましくは、前記加香剤はエッセンス粉末及び/又はエッセンス精油であってもよく、好ましくはエッセンス粉末とエッセンシャルオイルとの混合物である。
【0009】
さらに、上記の加香基質において、前記植物茎は茶茎、タバコ茎、菊茎又はジャスミン茎から選ばれる少なくとも1種である。
【0010】
さらに、上記の加香基質において、前記植物茎の粒子径が4~18メッシュ、好ましくは8~16メッシュである。
【0011】
さらに、上記の加香基質において、前記安定化剤はパチョリオイル、バニリン、及びエタノールのうちのいずれか1種又は複数種の組み合わせを含む。
【0012】
さらに、上記の加香基質において、前記希釈剤は、プロピレングリコール、グリセロール、トリアセチンのうちのいずれか1種又は複数種の組み合わせを含む。
【0013】
本願の第2態様の技術的目的は、以下のステップを含む上記の加香基質の製造方法を提供することである。
殺青:植物茎又は葉付き植物茎を殺青し、第1産物を得る。
膨化:前記第1産物を膨化処理し、第2産物を得る。
乾燥:植物茎含水率が2~20%に下がるまで前記第2産物を乾燥処理し、第3産物を得る。
選別:原料として葉付き植物茎が使用される場合、前記第3産物から葉を除去して茎を残し、第4産物を得て、原料として植物茎が使用される場合、選別ステップが必要としない。
細断:前記第3産物又は前記第4産物をペレットに細断し、第5産物を得る。
混合:前記第5産物と、希釈剤と安定化剤の混合液とを所定の割合で混合し、前記加香基質を得る。
【0014】
上記の技術的解決手段では、原料として植物茎が使用され、これは、植物茎が栄養素を輸送するための主要なチャネルであり、葉よりも植物茎には豊富な木部繊維、リグニン、可溶性糖やアミノ酸などが含まれているためであり、リグニンは粘着作用を有し、希釈剤、安定化剤、及び加香剤と組み合わせると、香気の持続性を向上させ、木部繊維は多孔質構造を有し、吸着及び浄化の作用があり、可溶性糖及びアミノ酸は加熱されると香気を放出し、膨化により太い植物茎は内から外に至るまで十分に乾燥し、植物茎中のリグニン及び木部繊維の表面積が増大し、希釈剤、安定化剤及び加香剤への結合力及び結合量が向上し、香気の持続性が向上する。
【0015】
さらに、前記混合において、前記第5産物は100重量部、前記希釈剤は15~40重量部、前記安定化剤は3~7重量部である。好ましくは、前記安定化剤はパチョリオイル、バニリン、及びエタノールのうちのいずれか1種又は複数種の組み合わせを含む。好ましくは、前記希釈剤はプロピレングリコール、グリセロール、トリアセチンのうちのいずれか1種又は複数種の組み合わせを含む。
【0016】
さらに、前記混合において、前記混合液は加香剤10~20重量部をさらに含む。好ましくは、前記加香剤はエッセンス粉末及び/又はエッセンス精油であってもよく、好ましくはエッセンス粉末とエッセンシャルオイルとの混合物である。
【0017】
殺青において、殺青プロセスを最適化し、好ましくは、前記殺青の温度を115~130℃、時間を30min~50minとし、植物茎の含水率は15%~25%に下がる。通常、製茶プロセスでは、殺青温度が約300℃であり、3分間のベークにより脱水が迅速に行われ、殺青は高温高速ベークにより行われ、これは、クロロフィルの破壊を防止し、茶の色を保持するためであり、本願では、殺青温度が製茶プロセスの温度よりも低く、殺青時間が長くなり、これは、酵素活性を除去する上(80℃を超えると、酵素を不活性化する)、植物茎中の可溶性糖やアミノ酸などの芳香物質を最大限に保持するためであり、殺青時間を延長することは、植物茎を十分に脱水・乾燥するためであり、したがって、本願の殺青プロセスは、長時間の低温ベークにより行われる。
【0018】
好ましくは、前記乾燥処理は、温度100~115℃、時間20min~30minである。
【0019】
好ましくは、前記膨化処理は、温度80~100℃、圧力0.1Mpa~0.12Mpa、時間300s~480sである。
【0020】
乾燥及び膨化は同時に行われてもよく、例えば、マイクロ波乾燥膨化装置によって、殺青後の植物茎を膨化させながら乾燥させる。
【0021】
殺青、乾燥及び膨化は同時に行われてもよく、例えば、殺青セグメントとベークセグメントとに分けられる殺青兼ベーク装置が使用され、殺青セグメントではマイクロ波加熱により殺青が行われ、次にマイクロ波によりベーク、膨化が行われるとともに乾燥が達成される。
【0022】
選別は、乾燥と膨化の後かつ細断の前に行われてもよいし、乾燥、膨化の前かつ殺青の後に行われてもよい。
【0023】
さらに、前記細断は植物茎を4~18メッシュ、好ましくは8~16メッシュの顆粒に切断することである。
【0024】
さらに、前記混合において、植物茎に混合液をスプレーした後、植物茎を十分に含浸するために静置のステップをさらに含む。
【0025】
本願の第3態様の技術的目的は、タバコスティックに適用され、タバコスティックの浄化部又はガス源部に配置する、前記加香基質の使用を提供することである。
【発明の効果】
【0026】
有益な効果
本願の実施例を実施することにより、下記の有益な効果がある。
本願の加香基質は、製造原料が入手しやすく、コストが低く、澱粉顆粒又は茶葉刻みよりも、植物茎は、吸着性が優れ、エッセンスに対する担持能力も高く、香気がより安定的であり、徐放速度に関しては、本願で製造される加香基質は、常温での放出がより遅く、タバコスティックの長期間の保管や良好なパフエクスペリエンスに寄与し、製造方法に関しては、混合液を含浸又は散布するだけで好適な効果が得られ、澱粉顆粒又は刻み茶による加香に比べて、制造方法は、制御されやすく、コストが低く、効率が高く、歩留まりが高く、植物茎による加香の場合は、さまざまなフレーバーを得るために複数種の発煙基質を調製しなければならないことを回避し、このため、汎用性が高く、量産性が優れている。
【図面の簡単な説明】
【0027】
本願の実施例又は従来技術の技術的解決手段をより明確に説明するために、以下、実施例又は従来技術の説明に必要な図面を簡単に説明するが、明らかに、以下の説明における図面は本願の実施例に過ぎず、当業者であれば、創造的な努力を必要とせずに、提供される図面に基づいて他の図面を得ることができる。
【
図1】本願のタバコスティック用加香基質の製造方法のフローチャートである。
図1は選択図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本願の特定の実施例を参照して技術的解決手を明確かつ完全に説明するが、明らかに、説明する実施例は本願の実施例の一部に過ぎず、全ての実施例ではない。当業者が本願の実施例に基づいて創造的な努力を必要とせずに得る他の全ての実施例は、本願の特許範囲に属する。
【0029】
実施例1
図1に示すように、本実施例のタバコスティック用加香基質の製造方法は、以下のステップを含む。
殺青:摘み取ったばかりの葉付き茶茎を115℃で30min殺青し、第1産物を得た。
膨化:第1産物を、膨化温度80℃、膨化圧力0.1MPaで、300s膨化処理し、第2産物を得た。
乾燥:茶茎の含水率が20%に下がるまで第2産物を100℃で20min乾燥処理し、第3産物を得た。
膨化及び乾燥のステップはマイクロ波膨化乾燥装置にて行われる。
選別:茶葉選別機によって第3産物から葉を除去して茎を残し、選別して乾燥済みの茶茎を得た。
細断:回転カッターによって茶茎を粒子径4~8メッシュのペレットに細断した。
混合:エッセンス粉末5g、エッセンス精油5g、グリセロール20g、パチョリオイル3gをそれぞれ準備し、十分に混合して混合液を得、茶茎ペレット100gを準備し、茶茎ペレットに混合液を均一にスプレーして十分に混合し、茶茎製加香基質の完成品を得た。
本実施例の加香基質1において、茶茎の含水率は20%、茶茎の粒子径は4~8メッシュである。
【0030】
実施例2
図1に示すように、本実施例のタバコスティック用加香基質の製造方法は、以下のステップを含む。
殺青:摘み取ったばかりの葉付き茶茎を120℃で45min殺青し、第1産物を得た。
膨化:第1産物を、膨化温度90℃、膨化圧力0.11MPaで、360s膨化処理し、第2産物を得た。
乾燥:茶茎の含水率が10%に下がるまで第2産物を110℃で25min乾燥処理し、第3産物を得た。
膨化及び乾燥のステップはマイクロ波膨化乾燥装置にて行われる。
選別:茶葉選別機によって第3産物から葉を除去して茎を残し、選別して乾燥済みの茶茎を得た。
細断:回転カッターによって茶茎を粒子径8~12メッシュのペレットに細断した。
混合:エッセンス粉末5g、エッセンス精油5g、プロピレングリコール20g、バニリン3gをそれぞれ準備し、十分に混合して混合液を得、茶茎ペレット100gを準備し、茶茎ペレットに混合液を均一にスプレーして十分に混合し、茶茎製加香基質の完成品を得た。
本実施例の加香基質2において、茶茎の含水率は10%、茶茎の粒子径は8~12メッシュである。
【0031】
実施例3
図1に示すように、本実施例のタバコスティック用加香基質の製造方法は、以下のステップを含む。
殺青:摘み取ったばかりの葉付き茶茎を130℃で50min殺青し、第1産物を得た。
膨化:第1産物を、膨化温度100℃、膨化圧力0.12MPaで、480s膨化処理し、第2産物を得た。
乾燥:茶茎の含水率が5%に下がるまで第2産物を115℃で30min乾燥処理し、第3産物を得た。
膨化及び乾燥のステップはマイクロ波膨化乾燥装置にて行われる。
選別:茶葉選別機によって第3産物から葉を除去して茎を残し、選別して乾燥済みの茶茎を得た。
細断:回転カッターによって茶茎を粒子径12~16メッシュのペレットに細断した。
混合:エッセンス粉末5g、エッセンス精油5g、トリアセチン20g、エタノール3gをそれぞれ準備し、十分に混合して混合液を得、茶茎ペレット100gを準備し、茶茎ペレットに混合液を均一にスプレーして十分に混合し、茶茎製加香基質の完成品を得た。
本実施例の加香基質3において、茶茎の含水率は5%、茶茎の粒子径は12~16メッシュである。
実施例1~3のプロセスパラメータは表1に示される。
表1 実施例1~3のプロセスパラメータ
【0032】
実施例4
図1に示すように、本実施例のタバコスティック用加香基質の製造方法は、以下のステップを含む。
殺青:摘まみ取ったばかりの葉付きタバコ茎を130℃で45min殺青し、第1産物を得た。
膨化:第1産物を、膨化温度100℃、膨化圧力0.11MPaで、480s膨化処理し、第2産物を得た。
乾燥:タバコ茎の含水率が3%に下がるまで第2産物を115℃で30min乾燥処理し、第3産物を得た。
膨化及び乾燥のステップはマイクロ波膨化乾燥装置にて行われる。
選別:タバコ葉選別機によって第3産物から葉を除去して茎を残し、選別して乾燥済みのタバコ茎を得た。
細断:回転カッターによってタバコ茎を粒子径8~12メッシュのペレットに細断した。
混合:エッセンス粉末5g、エッセンス精油5g、トリアセチン20g、エタノール3gをそれぞれ準備し、十分に混合して混合液を得、タバコ茎ペレット100gを準備し、混合液をタバコ茎ペレットに均一にスプレーして十分に混合し、タバコ茎製加香基質の完成品を得た。
本実施例のタバコ茎製加香基質1において、タバコ茎の含水率は3%、茶茎の粒子径は8~12メッシュであった。
【0033】
実施例5
図1に示すように、本実施例のタバコスティック用加香基質の製造方法は、以下のステップを含む。
殺青:摘まみ取ったばかりの葉付きタバコ茎を120℃で50min殺青し、第1産物を得た。
膨化:第1産物を、膨化温度80℃、膨化圧力0.12MPaで、300s膨化処理し、第2産物を得た。
乾燥:タバコ茎の含水率が5%に下がるまで第2産物を110℃で20min乾燥処理し、第3産物を得た。
膨化及び乾燥のステップはマイクロ波膨化乾燥装置にて行われる。
選別:タバコ葉選別機によって第3産物から葉を除去して茎を残し、選別して乾燥済みのタバコ茎を得た。
細断:回転カッターによってタバコ茎を粒子径12~16メッシュのペレットに細断した。
混合:エッセンス粉末5g、エッセンス精油5g、トリアセチン20g、エタノール3gをそれぞれ準備し、十分に混合して混合液を得、タバコ茎ペレット100gを準備し、タバコ茎ペレットに混合液を均一にスプレーして十分に混合し、タバコ茎製加香基質の完成品を得た。
本実施例のタバコ茎製加香基質2において、タバコ茎の含水率は5%、タバコ茎の粒子径は12~16メッシュである。
実施例4~5のプロセスパラメータは表2に示される。
表2 実施例4~5のプロセスパラメータ
【0034】
実施例6
図1に示すように、本実施例のタバコスティック用加香基質の製造方法は、以下のステップを含む。
殺青:摘まみ取ったばかりの葉付き菊茎を130℃で40min殺青し、第1産物を得た。
膨化:第1産物を、膨化温度80℃、膨化圧力0.12MPaで、300s膨化処理し、第2産物を得た。
乾燥:菊茎の含水率が2%に下がるまで第2産物を100℃で20min乾燥処理し、第3産物を得た。
膨化及び乾燥のステップはマイクロ波膨化乾燥装置にて行われる。
選別:選別機によって第3産物から葉を除去して茎を残し、選別して乾燥済みの菊茎を得た。
細断:回転カッターによって菊茎を粒子径8~12メッシュのペレットに細断した。
混合:エッセンス粉末5g、エッセンス精油5g、トリアセチン20g、エタノール3gをそれぞれ準備し、十分に混合して混合液を得、菊茎ペレット100gを準備し、菊茎ペレットに混合液を均一にスプレーして十分に混合し、菊茎製加香基質の完成品を得た。
本実施例の菊茎製加香基質1において、菊茎の含水率は2%であり、菊茎の粒子径は8~12メッシュである。
【0035】
実施例7
図1に示すように、本実施例のタバコスティック用加香基質の製造方法は、以下のステップを含む。
殺青:摘まみ取ったばかりの葉付き菊茎を120℃で30min殺青し、第1産物を得た。
膨化:第1産物を、膨化温度100℃、膨化圧力0.11MPaで、480s膨化処理し、第2産物を得た。
乾燥:菊茎の含水率が5%に下がるまで第2産物を110℃で12min乾燥処理し、第3産物を得た。
膨化及び乾燥のステップはマイクロ波膨化乾燥装置にて行われる。
選別:選別機によって第3産物から葉を除去して茎を残し、選別して乾燥済みの菊茎を得た。
細断:回転カッターによって菊茎を粒子径12~16メッシュのペレットに細断した。
混合:エッセンス粉末5g、エッセンス精油5g、トリアセチン20g、エタノール3gをそれぞれ準備し、十分に混合して混合液を得、菊茎ペレット100gを準備し、菊茎ペレットに混合液を均一にスプレーして十分に混合し、菊茎製加香基質の完成品を得た。
本実施例の菊茎製加香基質2において、菊茎の含水率は5%であり、菊茎の粒子径は12-16メッシュである。
実施例6~7のプロセスパラメータは表3に示される。
表3 実施例6~7のプロセスパラメータ
【0036】
実施例8
図1に示すように、本実施例のタバコスティック用加香基質の製造方法は、以下のステップを含む。
殺青:摘まみ取ったばかりの葉付きジャスミン茎を115℃で30min殺青し、第1産物を得た。
膨化:第1産物を、膨化温度100℃、膨化圧力0.11MPaで、480s膨化処理し、第2産物を得た。
乾燥:ジャスミン茎の含水率が20%に下がるまで第2産物を100℃で20min乾燥処理し、第3産物を得た。
膨化及び乾燥のステップはマイクロ波膨化乾燥装置にて行われる。
選別:選別機によって第3産物から葉を除去して茎を残し、選別して乾燥済みのジャスミン茎を得た。
細断:回転カッターによってジャスミン茎を粒子径8~12メッシュのペレットに細断した。
混合:エッセンス粉末5g、エッセンス精油5g、トリアセチン20g、エタノール3gをそれぞれ準備し、十分に混合して混合液を得、ジャスミン茎ペレット100gを準備し、ジャスミン茎ペレットに混合液を均一にスプレーして十分に混合し、ジャスミン茎製加香基質の完成品を得た。
本実施例のジャスミン茎製加香基質1において、ジャスミン茎の含水率は20%であり、ジャスミン茎の粒子径は8~12メッシュである。
【0037】
実施例9
図1に示すように、本実施例のタバコスティック用加香基質の製造方法は、以下のステップを含む。
殺青:摘まみ取ったばかりの葉付きジャスミン茎を120℃で40min殺青し、第1産物を得た。
膨化:第1産物を、膨化温度80℃、膨化圧力0.12MPaで、300s膨化処理し、第2産物を得た。
乾燥:ジャスミン茎の含水率が5%に下がるまで第2産物を120℃で30min乾燥処理し、第3産物を得た。
膨化及び乾燥のステップはマイクロ波膨化乾燥装置にて行われる。
選別:選別機によって第3産物から葉を除去して茎を残し、選別して乾燥済みのジャスミン茎を得た。
細断:回転カッターによってジャスミン茎を粒子径12~16メッシュのペレットに細断した。
混合:エッセンス粉末5g、エッセンス精油5g、トリアセチン20g、エタノール3gをそれぞれ準備し、十分に混合して混合液を得、ジャスミン茎ペレット100gを準備し、ジャスミン茎ペレットに混合液を均一にスプレーして十分に混合し、ジャスミン茎製加香基質の完成品を得た。
本実施例のジャスミン茎製加香基質2において、ジャスミン茎の含水率は5%であり、ジャスミン茎の粒子径は12~16メッシュである。
実施例8~9のプロセスパラメータは表4に示される。
表4 実施例8~9のプロセスパラメータ
以上の実施例で製造された茶茎製加香基質3、タバコ茎製加香基質2、菊茎製加香基質2、及びジャスミン茎製加香基質2をそれぞれ、加熱シートと直接接触させずにタバコスティックの発煙部にセットし、茶茎入りタバコスティック、タバコ茎入りタバコスティック、菊茎入りタバコスティック、及びジャスミン茎入りタバコスティックを製造し、ある市販電子タバコティックと比較し、試験者は、それぞれ吸着強度、量産性、本来の香りの濃度、香気安定性、徐放速度などの指標について採点し、総スコアを算出し、ここで、満点は5分であり、点数が高いほど、効果が優れる。結果を表5に示す。
表5
注:本来の香りの濃度とは、エッセンス香料を添加していない加香基質の本来の香気の濃度である。
表5から分かるように、本願の加香基質の製造方法によるタバコスティックは、いくつかの指標が、少なくとも従来の電子タバコスティックの効果に相当し、吸着強度、香気安定性や徐放速度という指標では、従来の同種の製品よりも優れ、総合指標は従来の同種の製品よりも優れている。
【0038】
実施例10
上記の実施例1~9では、混合に際して混合液と茶茎ペレット、タバコ茎ペレットなどを十分に混合するために、好ましくは、混合の後に静置の工程をさらに含み、本実施例では、茶茎ペレットを例として、静置時間がタバコスティックの指標に与える影響を調べ、同じプロセスパラメータ及び材質を用いて製造された混合茶茎製加香基質の完成品を使用し、実施例3で製造された茶茎製加香基質の完成品8部をそれぞれ準備し、順次12h、24h、36h、48h、60h、72h、84h、96h静置し、タバコスティックの総スコアを比較し、測定したところ乾燥済みの茶茎の含水率は5%であり、静置時間が72hである場合、効果は最も良好である。
【0039】
実施例11
実施例1~3のいずれかで製造された茶茎顆粒、実施例4~5のいずれかで製造されたタバコ茎顆粒、実施例6~7のいずれかで製造された菊茎顆粒、及び実施例8~9のいずれかで製造されたジャスミン茎顆粒のうちのいずれか2種又は2種以上を組み合わせて均一に混合し、混合顆粒を得た。
エッセンス粉末5g、エッセンス精油5g、トリアセチン20g、エタノール3gをそれぞれ準備し、十分に混合して混合液を得、実施例1で製造された茶茎ペレット25g、実施例4で製造されたタバコ茎顆粒25g、実施例6で製造された菊茎顆粒25g、実施例8で製造されたジャスミン茎顆粒25gを準備し、均一に混合し、混合顆粒を得て、混合顆粒に混合液を均一にスプレーして十分に混合し、加香基質の完成品を得た。
【0040】
以上は本願の好適な実施例に過ぎず、本願の特許範囲を限定するものではなく、このため、本願の請求項に基づいて行われる同等変化も、本願の範囲に含まれるものとする。
【国際調査報告】