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特表2022-550922サーバラック冷却システム、アタッチメント、空気除去方法、およびプログラム
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  • 特表-サーバラック冷却システム、アタッチメント、空気除去方法、およびプログラム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-05
(54)【発明の名称】サーバラック冷却システム、アタッチメント、空気除去方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   F24F 7/06 20060101AFI20221128BHJP
   F25B 43/04 20060101ALI20221128BHJP
   G06F 1/20 20060101ALI20221128BHJP
   H05K 7/20 20060101ALI20221128BHJP
【FI】
F24F7/06 B
F25B43/04 Z
G06F1/20 C
G06F1/20 D
G06F1/20 B
H05K7/20 U
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022544882
(86)(22)【出願日】2019-10-02
(85)【翻訳文提出日】2022-03-25
(86)【国際出願番号】 JP2019039729
(87)【国際公開番号】W WO2021065017
(87)【国際公開日】2021-04-08
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100134544
【弁理士】
【氏名又は名称】森 隆一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(72)【発明者】
【氏名】ラジャプト ニルマル シング
(72)【発明者】
【氏名】千葉 正樹
(72)【発明者】
【氏名】蜂矢 真弘
(72)【発明者】
【氏名】棗田 貴文
(72)【発明者】
【氏名】宮本 善則
(72)【発明者】
【氏名】吉川 実
【テーマコード(参考)】
3L058
5E322
【Fターム(参考)】
3L058BE08
3L058BG01
3L058BG04
3L058BG05
5E322AA11
5E322AB11
5E322BA02
5E322DA02
5E322EA05
5E322FA01
(57)【要約】
本発明は、少なくとも1つの熱交換凝縮器を有するサーバラック冷却システムのためのアタッチメントであって、アタッチメントが、少なくとも1つの熱交換凝縮器から空気および冷媒をアタッチメントに移送することができる、サーバラック冷却システムの一部に接続されるように構成されたパイプ延長部と、開位置ではパイプ延長部を介して外部への排気を可能にし、閉位置では外部への排気を遮断するように構成された、パイプ延長部の弁と、少なくとも1つの熱交換凝縮器と弁との間のパイプ延長部の内部の位置に配置され、センサの位置における流体の存在によって決定される検出信号を提供するように構成されたセンサとを含み、弁が、センサからの検出信号に基づいて開閉される、アタッチメントを提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの熱交換凝縮器を有するサーバラック冷却システムのためのアタッチメントであって、
前記少なくとも1つの熱交換凝縮器から空気および冷媒を前記アタッチメントに移送することができる、前記サーバラック冷却システムの一部に接続されるように構成されたパイプ延長部と、
開位置では前記パイプ延長部を介して外部への排気を可能にし、閉位置では前記外部への排気を遮断するように構成された、前記パイプ延長部の弁と、
前記少なくとも1つの熱交換凝縮器と前記弁との間の前記パイプ延長部の内部の位置に配置され、前記センサの前記位置における流体の存在によって決定される検出信号を提供するように構成されたセンサと
を備え、
前記弁が、前記センサからの前記検出信号に基づいて開閉される、
アタッチメント。
【請求項2】
前記センサが、大気の成分のうちの少なくとも1種類および前記冷媒のうちの一方を検出するように構成されている、
請求項1に記載のアタッチメント。
【請求項3】
前記センサが、前記少なくとも1つの熱交換凝縮器と前記弁との間の前記パイプ延長部に沿って異なる位置に配置された複数のセンサであり、
前記弁が、前記パイプ延長部の一端の最も遠くに配置された前記センサの前記検出信号に基づいて開かれ、前記パイプ延長部の他端の最も遠くに配置された前記センサの前記検出信号に基づいて閉じられる、
請求項2に記載のアタッチメント。
【請求項4】
前記弁が、前記センサの前記検出信号に基づいて開かれ、所定時間後に閉じられる、
請求項2に記載のアタッチメント。
【請求項5】
前記少なくとも1つの熱交換凝縮器とは反対の前記弁の側で前記パイプ延長部の内部に配置され、前記弁が開いているときに流体の流量を測定するように構成された流量計をさらに備え、
前記弁が、前記弁が開いている間に排気された流体の量と、前記センサの位置と前記弁との間の前記パイプ延長部の所定の流体容量とに基づいて閉じられる、
請求項2に記載のアタッチメント。
【請求項6】
前記熱交換凝縮器と前記弁との間の前記パイプ延長部に配置され、前記流体を貯留するように構成された流体タンクをさらに備える、
請求項1から5のいずれか一項に記載のアタッチメント。
【請求項7】
前記センサから少なくとも前記検出信号を受信するように構成され、前記弁を制御するように構成された制御ユニットをさらに備える、
請求項1から6のいずれか一項に記載のアタッチメント。
【請求項8】
少なくとも1つの熱交換凝縮器を有する冷却システムのためのアタッチメントの空気除去方法であって、
前記アタッチメントの排気流路に沿った位置で流体の存在を検出することと、
前記流体の前記存在の前記検出に基づいて前記排気流路に沿った弁を開くことによって前記アタッチメントから空気を排気することと、
前記流体の前記存在の前記検出の非存在下で前記弁を閉じることによって空気の前記排気を遮断することと
を含む、空気除去方法。
【請求項9】
アタッチメントの排気流路に沿った位置で流体の存在を検出するステップと、
前記流体の前記存在の前記検出に基づいて前記排気流路に沿った弁を開くことによって前記アタッチメントから空気を排気するステップと、
前記流体の前記存在の前記検出の非存在下で前記弁を閉じることによって空気の前記排気を遮断するステップと
をコンピュータに実行させる命令を記憶した非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項10】
サーバラックと、
蒸発器であって、前記蒸発器を流れる冷媒を介して、前記サーバラックによって発生した熱を除去するように構成され、外気圧よりも低い圧力を維持するように構成された蒸発器と、
前記冷媒を冷却するように構成され、前記蒸発器からの冷媒が流入する少なくとも1つの熱交換凝縮器と、
前記少なくとも1つの熱交換凝縮器に接続されたパイプ延長部と、
開位置では前記パイプ延長部を介して外部への排気を可能にし、閉位置では前記外部への排気を遮断するように構成された、前記パイプ延長部の弁と、
前記少なくとも1つの熱交換凝縮器と前記弁との間の前記パイプ延長部の内部の位置に配置されたセンサであって、前記センサの前記位置における流体の存在によって決定される検出信号を提供するように構成されたセンサと
を備え、
前記弁が、前記センサからの前記検出信号に基づいて開閉される、
サーバラック冷却システム。
【請求項11】
前記蒸発器が、前記サーバラックから300cmまでに配置されている、
請求項10に記載のサーバラック冷却システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、冷却システム、空気除去アタッチメント、冷却システムから空気を除去する空気除去方法、およびコンピュータまたは同様の制御デバイスによって空気除去方法を実施するための命令を記憶した記憶媒体に関する。具体的には、開示された発明は、サイクルの一部または全部が大気圧未満で動作する蒸気圧縮サイクルから空気を検出して除去する。
【背景技術】
【0002】
蒸気圧縮サイクル冷却システムは、結果的にサーバを冷却するために利用される冷気の一定の供給を提供するためにデータセンタで採用されている。通常、蒸気圧縮サイクルシステムは大気圧を超えて動作する。低圧冷媒が蒸気圧縮サイクルで利用される場合、蒸発器などの一部の構成要素は、大気圧未満で動作し得る。
【0003】
蒸気圧縮サイクル冷却システムは、許容可能な漏れ率で設計される。大気圧を超えて動作する蒸気圧縮サイクルシステムでは、漏れにより、冷媒が外部環境に漏れ続けるため、通常の動作を維持するために冷媒レベルを回復するために保守が必要とされる。大気圧未満で動作する、または構成要素が大気圧未満で動作する蒸気圧縮サイクルシステムでは、外部環境への冷媒の漏れに加えて、システムへの空気の侵入というさらなる問題が発生する。
【0004】
システムに侵入する空気は、通常、凝縮器などの一部の構成要素で経時的に集まり、その性能を経時的に低下させる。したがって、構成要素またはシステム全体が大気圧未満で動作する蒸気圧縮サイクルでは、空気除去のための追加の保守が必要とされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許出願公開第2012-180797号
【特許文献2】実開昭60-92846号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
空気は、蒸気圧縮システム内に集まると、その性能を低下させる。したがって、空気は、適切な時間間隔で保守員によって、または自動的に蒸気圧縮システムから除去されなければならない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の第1の態様は、少なくとも1つの熱交換凝縮器を有するサーバラック冷却システムのためのアタッチメントであって、前記少なくとも1つの熱交換凝縮器から空気および冷媒を前記アタッチメントに移送することができる、前記サーバラック冷却システムの一部に接続されるように構成されたパイプ延長部と、開位置では前記パイプ延長部を介して外部への排気を可能にし、閉位置では前記外部への排気を遮断するように構成された、前記パイプ延長部の弁と、前記少なくとも1つの熱交換凝縮器と前記弁との間の前記パイプ延長部の内部の位置に配置され、前記センサの前記位置における流体の存在によって決定される検出信号を提供するように構成されたセンサとを備え、前記弁が、前記センサからの前記検出信号に基づいて開閉される、アタッチメントアタッチメントを提供する。
【0008】
本開示の第2の態様は、少なくとも1つの熱交換凝縮器を有する冷却システムのためのアタッチメントの空気除去方法であって、前記アタッチメントの排気流路に沿った位置で流体の存在を検出することと、前記流体の前記存在の前記検出に基づいて前記排気流路に沿った弁を開くことによって前記アタッチメントから空気を排気することと、前記流体の前記存在の前記検出の非存在下で前記弁を閉じることによって空気の前記排気を遮断することとを含む、空気除去方法を提供する。
【0009】
本開示の第3の態様は、アタッチメントの排気流路に沿った位置で流体の存在を検出するステップと、前記流体の前記存在の前記検出に基づいて前記排気流路に沿った弁を開くことによって前記アタッチメントから空気を排気するステップと、前記流体の前記存在の前記検出の非存在下で前記弁を閉じることによって空気の前記排気を遮断するステップとをコンピュータに実行させる命令を記憶した非一時的コンピュータ可読記憶媒体を提供する。
本開示の第4の態様は、サーバラックと、蒸発器であって、前記蒸発器を流れる冷媒を介して、前記サーバラックによって発生した熱を除去するように構成され、外気圧よりも低い圧力を維持するように構成された蒸発器と、前記冷媒を冷却するように構成され、前記蒸発器からの冷媒が流入する少なくとも1つの熱交換凝縮器と、前記少なくとも1つの熱交換凝縮器に接続されたパイプ延長部と、開位置では前記パイプ延長部を介して外部への排気を可能にし、閉位置では前記外部への排気を遮断するように構成された、前記パイプ延長部の弁と、前記少なくとも1つの熱交換凝縮器と前記弁との間の前記パイプ延長部の内部の位置に配置されたセンサであって、前記センサの前記位置における流体の存在によって決定される検出信号を提供するように構成されたセンサとを備え、前記弁が、前記センサからの前記検出信号に基づいて開閉される、サーバラック冷却システムを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】蒸気圧縮システムであって、それに設置された空気除去システムを含む蒸気圧縮システムを示す。
図2】空気除去システムの実施形態の1つを示す。
図3】空気除去システムの実施形態の1つを示す。
図4】本空気除去システムの第1の例示的実施形態の動作を示すフローチャートである。
図5】本空気除去システムの第2の例示的実施形態の動作を示すフローチャートである。
図6】本空気除去システムの第3の例示的実施形態の動作を示すフローチャートである。
図7】本空気除去システムの第4の例示的実施形態の動作を示すフローチャートである。
図8】空気除去システムが冷却システムの熱交換凝縮器における冷却システムへのアタッチメントである本発明の実施形態を示す。
図9】本開示の動作を実行するための制御ユニットデバイスの基本的なハードウェア構造を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
低圧冷却システムでは、冷却システムの内部に空気が存在することによる蒸気圧縮冷却システムの性能の低下は周知の問題である(特許文献1参照)。システム性能の低下を避けるために、特許文献2では、凝縮器の上部のタンクと同様の構造が利用されている。特許文献2には、CPUなどのチップを冷却する自然冷却サイクルが記載されている。動作中、本開示の冷却システム圧力の一部は大気圧未満である。負圧により、空気は冷却システムに入る。この侵入した空気は、通常、冷媒と共に冷却システム内のより高い位置に流れる。空気は冷媒蒸気よりも密度が低いため、空気は、冷却システムのより高い部分、すなわち凝縮器に溜まる。凝縮器の上部のタンクは空気を貯留し、システム性能低下の問題を解決する。しかしながら、タンクのサイズは限られているため、空気は経時的にタンクを満たし、その後、空気は、有効凝縮面積の減少によって凝縮器の性能に影響を及ぼし始める。この問題は、開示された発明を利用することによって解決され得る。
さらに、冷却システムの蒸発器側の負圧を維持し、侵入した空気を除去することによって、蒸発器での冷媒の漏れが発生する可能性が低くなるようにし得、したがって、このような漏れた冷媒がサーバラックの構成要素を損傷することを懸念することなく、蒸発器は、サーバラックのより近くに配置され得る。従来の冷却システムでは、冷媒の漏れによるこのような損傷を防止するために、蒸発器を約300cm以上の距離に配置することが必要であり得るが、これは、本開示に従って設計された冷却システムには必要ないであろう。
【0012】
[第1の例示的実施形態の詳細な説明]
本発明は、図1に示されているような蒸気圧縮システムに適用して説明されているが、蒸気圧縮システムに限定されない。蒸気圧縮サイクルは、ラック101から熱を受け取る蒸発器102を含む。蒸発器102は、パイプ103を介して圧縮機104に熱を伝達する。圧縮機104は、パイプ105によって凝縮器114に熱を伝達する。凝縮器は、1つ以上の熱交換器106を含み得る。熱交換器106は、蒸気圧縮システムから環境に熱を除去する。パイプ109から来る冷却された冷媒は、タンク110に集められる。貯留された冷媒は、パイプ113、パイプ111、および膨張弁112を介して蒸発器102に戻される。本開示の空気除去システムは、凝縮器114の熱交換器106のうちの少なくとも1つからのパイプ延長部121を利用する。パイプ延長部121は、空気センサ122および弁123を含む。空気センサ122は、窒素センサ、酸素センサ、または二酸化炭素センサなど、大気一般またはその任意の単一の成分を検出し得るセンサを含み得る。冷媒中には大気の成分ガスが存在しないため、いずれかの成分ガス専用のセンサによって空気の有無が検出され得る。蒸発器102は、通常、低圧蒸気圧縮システムでは大気圧よりも低い圧力に維持される。空気は、蒸発器102から冷却システムに入り、圧縮機104およびパイプ103、105を介して凝縮器114に移動する。凝縮器114内の空気は、空気密度が冷媒蒸気密度よりも軽く、空気が冷媒蒸気凝縮熱物理的条件では凝縮され得ないことから、熱交換器106の上部に集まる。冷媒の流れは、熱交換器106のパイプ105側から熱交換器106のパイプ延長部121側に向かうため、空気は、通常、パイプ延長部121に最も近い熱交換器106で集まり始める。空気はより軽いため、空気はパイプ延長部121の弁123に向かって通過する。好ましくは冷媒側に配置される空気センサ122は、空気を検出し、弁123を開くための信号を提供する。大気よりも高い凝縮器114内の圧力により本システムから空気が排出されると、冷媒は空気センサ122まで上昇する。空気が空気センサ122によって検出され得なくなったとき、空気センサ122は、弁123を閉じる信号を送信する。この制御プロセスは、図4に示されているフローチャートに従って、図1に示されている構成に関連して以下に説明される。
【0013】
ステップS1において、空気除去システムは、ユーザ停止コマンドが受信されているか否かを判定する。受信されていない場合、空気除去システムはS2に進み、受信されている場合、空気除去システムは停止される。
【0014】
ステップS2において、パイプ延長部121の内部に配置された空気センサ122は、パイプ延長部121の内部に空気が存在するか否かを検出する。空気センサ122が空気を検出した場合、空気除去システムはS3に進み、そうでなければ、ステップS4に進む。
【0015】
ステップS3において、空気センサ122によって空気が検出された場合、冷却システムから空気を排出するために弁123が開かれる。
【0016】
ステップS4において、空気センサ122によって空気が検出されない場合、すなわち空気が存在しない場合、冷媒が外部環境に漏れないようにするために弁123は閉じられる。
【0017】
[他の実施形態の詳細な説明]
実施形態の1つでは、空気除去システムは、パイプ延長部121、空気センサ122、および弁123を含む。この例示的実施形態における空気除去システムの動作のための方法は、図5に示されているフローチャートに従って、図1に示されている構成に関連して以下に説明される。
【0018】
ステップS101において、空気除去システムは、ユーザ停止コマンドが受信されているか否かを判定する。受信されていない場合、空気除去システムはS102に進み、受信されている場合、空気除去システムは停止される。
【0019】
ステップS102において、パイプ延長部121の内部に配置された空気センサ122は、パイプ延長部121の内部に空気が存在するか否かを検出する。空気センサ122が空気を検出した場合、空気除去システムはS103に進み、そうでなければ、動作はステップS101に戻る。
【0020】
ステップS103において、空気センサ122によって空気が検出された場合、冷却システムから空気を排出するために弁123が開かれる。
【0021】
ステップS104において、空気除去システムは、所定時間t1だけ待機する。時間t1の間、弁123は開いたままであり、凝縮器114と外部環境との間の圧力差により、空気が冷却システムから排出される。時間t1はユーザ入力であり、設計要求および仕様に応じて変更され得る。
【0022】
ステップS105において、空気除去システムは、弁123を閉じる。
【0023】
別の例示的実施形態では、空気除去システムは、パイプ延長部121と、第1の空気センサ202および第2の空気センサ204を含むタンク203と、排気パイプ206と、弁123とを含む。この例示的実施形態における空気除去システムの動作のための方法は、図6に示されているフローチャートに従って、図2に示されている構成に関連して以下に説明される。
【0024】
ステップS201において、空気除去システムは、ユーザ停止コマンドが受信されているか否かを判定する。受信されていない場合、空気除去システムはS202に進み、受信されている場合、空気除去システムは停止される。
【0025】
ステップS202において、タンク203の内部に配置された第1の空気センサ202は、タンク203の内部に空気が存在するか否かを確認する。第1の空気センサ202が空気を検出した場合、空気除去システムはS203に進み、そうでなければ、ステップS201に戻る。
【0026】
第1のセンサ202による空気検出の物理的意味は、空気の密度が冷媒蒸気密度よりも小さいことから生じる。パイプ延長部201からタンク203の内部に空気が入ると、空気はタンク203の上部に移動する。したがって、第1の空気センサ202による空気の検出は、タンク203が完全に空気で満たされていることを意味する。
【0027】
ステップS203において、第1の空気センサ202によって空気が検出された場合、冷却システムから空気を排出するために弁123が開かれる。弁123が開かれると、凝縮器114と外部環境との間の圧力差により、空気が冷却システムから排気パイプ206を介して外部環境に排出される。
【0028】
ステップS204において、タンク203の内部に配置された第2の空気センサ204は、タンク203内に空気が存在するか否かを判定する。第2の空気センサ204が空気の存在を検出せず、すべての空気が冷却システムから外部環境に排出されたことを意味する場合、空気除去システムは、弁123の連続的な開状態をもたらすS205に進む。
【0029】
ステップS205において、空気除去システムは、弁123を閉じる。
【0030】
別の例示的実施形態では、空気除去システムは、パイプ延長部121と、空気センサ302およびタンク底部空気センサ302を含むタンク203と、弁123と、排気パイプ206に設置された流量計305とを含む。この例示的実施形態における空気除去システムの動作のための方法は、図7に示されているフローチャートに従って、図3に示されている構成に関連して以下に説明される。
【0031】
ステップS301において、空気冷却システムは、ユーザ入力としてタンク203の容積を受信し、V_tankとしてタンク203の容積を受信する。
【0032】
ステップS302において、空気除去システムは、ユーザ停止コマンドが受信されているか否かを判定する。受信されていない場合、空気除去システムはS303に進み、受信されている場合、空気除去システムは停止される。
【0033】
ステップS303において、タンク203の内部に配置された空気センサ302は、タンク203の内部に空気が存在するか否かを検出する。空気センサ302が空気を検出した場合、空気除去システムはS304に進み、そうでなければ、空気センサはステップS302に戻る。
【0034】
センサ302による空気検出の物理的意味は、空気の密度が冷媒蒸気密度よりも小さいことから生じる。パイプ延長部121からタンク203の内部に空気が入ると、空気はタンク203の上部に移動する。したがって、空気センサ302による空気の検出は、タンク203が完全に空気で満たされていることを意味する。
【0035】
ステップS304において、空気センサ302によって空気が検出された場合、冷却システムから空気を排出するために弁123が開かれる。弁123が開かれると、凝縮器114と外部環境との間の圧力差により、空気が冷却システムから排気パイプ206を介して外部環境に排出される。
【0036】
ステップS305において、空気除去システムは、流量計305を利用して冷却システムから排出された空気の総体積を計算し、排出された空気の総体積をV_airとして記憶する。
【0037】
空気除去システムによって排出された空気の総体積は、流量計305によって与えられる流量データの時間積分によって計算され得る。
【0038】
ステップS306において、空気除去システムは、V_airとV_tankを比較する。V_air<V_tankである場合、空気除去システムはS305に戻り、そうでなければ、動作はS307に進む。
【0039】
ステップS307において、空気除去システムは、弁123を閉じる。
【0040】
ステップS308において、空気除去システムは、V_air=0にリセットする。
【0041】
本発明の好ましい例示的実施形態が説明されたが、本発明は上記の例示的実施形態に限定されるものではなく、本発明の基本的な技術思想を逸脱しなければ、さらなる修正、置換、および調整が加えられてもよいことが理解されよう。
【0042】
例えば、上記した例示的実施形態の空気除去方法は、CPU401または同様の処理ユニットがRAM402に記憶された命令を処理し、I/Oユニット403を介して空気センサ122、204、202、302、弁123、および/または流量計305などの構成要素と相互作用することができるように、図8に示されている基本構造を有するコンピュータまたはプログラマブル論理デバイスなどによって実施され得る。
【0043】
さらに、例示的実施形態は、装置、デバイス、方法、またはコンピュータプログラム製品として実施され得る。したがって、本例示的実施形態は、完全にハードウェアの実施形態、完全にソフトウェアの実施形態(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコードなどを含む)、または本明細書ではすべて一般的に「システム」と呼ばれ得る、ソフトウェアおよびハードウェアの態様を組み合わせた実施形態の形態をとり得る。さらに、本例示的実施形態の態様は、有形媒体に具現化されたコンピュータ使用可能プログラムコードを有する表現の有形媒体に具現化されたコンピュータプログラム製品の形態をとり得る。
【符号の説明】
【0044】
100 空気除去システム
101 ラック
102 蒸発器
103 パイプ
104 圧縮機
105 パイプ
106 熱交換器
109 パイプ
110 タンク
111 パイプ
112 弁
113 パイプ
114 凝縮器
121 パイプ
122 空気センサ
123 弁
201 パイプ
202 第1の空気センサ
203 タンク
204 第2の空気センサ
206 排気パイプ
302 空気センサ
305 流量計
400 コンピュータ
401 CPU
402 RAM
403 I/O
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2022-03-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの熱交換凝縮器を有するサーバラック冷却システムのためのアタッチメントであって、
前記少なくとも1つの熱交換凝縮器から空気および冷媒を前記アタッチメントに移送することができる、前記サーバラック冷却システムの一部に接続されるように構成されたパイプ延長部と、
開位置では前記パイプ延長部を介して外部への排気を可能にし、閉位置では前記外部への排気を遮断するように構成された、前記パイプ延長部の弁と、
前記少なくとも1つの熱交換凝縮器と前記弁との間の前記パイプ延長部の内部の位置に配置され、前記センサの前記位置における流体の存在によって決定される検出信号を提供するように構成されたセンサと
を備え、
前記弁が、前記センサからの前記検出信号に基づいて開閉される、
アタッチメント。
【請求項2】
前記センサが、大気の成分のうちの少なくとも1種類および前記冷媒のうちの一方を検出するように構成されている、
請求項1に記載のアタッチメント。
【請求項3】
前記センサが、前記少なくとも1つの熱交換凝縮器と前記弁との間の前記パイプ延長部に沿って異なる位置に配置された複数のセンサであり、
前記弁が、前記パイプ延長部の一端の最も遠くに配置された前記センサの前記検出信号に基づいて開かれ、前記パイプ延長部の他端の最も遠くに配置された前記センサの前記検出信号に基づいて閉じられる、
請求項2に記載のアタッチメント。
【請求項4】
前記弁が、前記センサの前記検出信号に基づいて開かれ、所定時間後に閉じられる、
請求項2に記載のアタッチメント。
【請求項5】
前記少なくとも1つの熱交換凝縮器とは反対の前記弁の側で前記パイプ延長部の内部に配置され、前記弁が開いているときに流体の流量を測定するように構成された流量計をさらに備え、
前記弁が、前記弁が開いている間に排気された流体の量と、前記センサの位置と前記弁との間の前記パイプ延長部の所定の流体容量とに基づいて閉じられる、
請求項2に記載のアタッチメント。
【請求項6】
前記熱交換凝縮器と前記弁との間の前記パイプ延長部に配置され、前記流体を貯留するように構成された流体タンクをさらに備える、
請求項1から5のいずれか一項に記載のアタッチメント。
【請求項7】
前記センサから少なくとも前記検出信号を受信するように構成され、前記弁を制御するように構成された制御ユニットをさらに備える、
請求項1から6のいずれか一項に記載のアタッチメント。
【請求項8】
少なくとも1つの熱交換凝縮器を有する冷却システムのためのアタッチメントの空気除去方法であって、
前記アタッチメントの排気流路に沿った位置で流体の存在を検出することと、
前記流体の前記存在の前記検出に基づいて前記排気流路に沿った弁を開くことによって前記アタッチメントから空気を排気することと、
前記流体の前記存在の前記検出の非存在下で前記弁を閉じることによって空気の前記排気を遮断することと
を含む、空気除去方法。
【請求項9】
アタッチメントの排気流路に沿った位置で流体の存在を検出するステップと、
前記流体の前記存在の前記検出に基づいて前記排気流路に沿った弁を開くことによって前記アタッチメントから空気を排気するステップと、
前記流体の前記存在の前記検出の非存在下で前記弁を閉じることによって空気の前記排気を遮断するステップと
をコンピュータに実行させるためのプログラム
【請求項10】
サーバラックと、
蒸発器であって、前記蒸発器を流れる冷媒を介して、前記サーバラックによって発生した熱を除去するように構成され、外気圧よりも低い圧力を維持するように構成された蒸発器と、
前記冷媒を冷却するように構成され、前記蒸発器からの冷媒が流入する少なくとも1つの熱交換凝縮器と、
前記少なくとも1つの熱交換凝縮器に接続されたパイプ延長部と、
開位置では前記パイプ延長部を介して外部への排気を可能にし、閉位置では前記外部への排気を遮断するように構成された、前記パイプ延長部の弁と、
前記少なくとも1つの熱交換凝縮器と前記弁との間の前記パイプ延長部の内部の位置に配置されたセンサであって、前記センサの前記位置における流体の存在によって決定される検出信号を提供するように構成されたセンサと
を備え、
前記弁が、前記センサからの前記検出信号に基づいて開閉される、
サーバラック冷却システム。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0001】
本開示は、サーバラック冷却システム、アタッチメント(空気除去アタッチメント、冷却システムから空気を除去する空気除去方法、およびコンピュータまたは同様の制御デバイスによって空気除去方法を実施するためのプログラムに関する。具体的には、開示された発明は、サイクルの一部または全部が大気圧未満で動作する蒸気圧縮サイクルから空気を検出して除去する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
本開示の第3の態様は、アタッチメントの排気流路に沿った位置で流体の存在を検出するステップと、前記流体の前記存在の前記検出に基づいて前記排気流路に沿った弁を開くことによって前記アタッチメントから空気を排気するステップと、前記流体の前記存在の前記検出の非存在下で前記弁を閉じることによって空気の前記排気を遮断するステップとをコンピュータに実行させるためのプログラムを提供する。
本開示の第4の態様は、サーバラックと、蒸発器であって、前記蒸発器を流れる冷媒を介して、前記サーバラックによって発生した熱を除去するように構成され、外気圧よりも低い圧力を維持するように構成された蒸発器と、前記冷媒を冷却するように構成され、前記蒸発器からの冷媒が流入する少なくとも1つの熱交換凝縮器と、前記少なくとも1つの熱交換凝縮器に接続されたパイプ延長部と、開位置では前記パイプ延長部を介して外部への排気を可能にし、閉位置では前記外部への排気を遮断するように構成された、前記パイプ延長部の弁と、前記少なくとも1つの熱交換凝縮器と前記弁との間の前記パイプ延長部の内部の位置に配置されたセンサであって、前記センサの前記位置における流体の存在によって決定される検出信号を提供するように構成されたセンサとを備え、前記弁が、前記センサからの前記検出信号に基づいて開閉される、サーバラック冷却システムを提供する。
【手続補正5】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図3
【補正方法】変更
【補正の内容】
図3
【手続補正6】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図6
【補正方法】変更
【補正の内容】
図6
【手続補正7】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図7
【補正方法】変更
【補正の内容】
図7
【国際調査報告】