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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-06
(54)【発明の名称】シリコーン組成物及びその用途
(51)【国際特許分類】
   C08L 83/04 20060101AFI20221129BHJP
   C08K 3/013 20180101ALI20221129BHJP
   C09K 3/10 20060101ALI20221129BHJP
   H01L 23/29 20060101ALI20221129BHJP
【FI】
C08L83/04
C08K3/013
C09K3/10 G
H01L23/30 R
H01L23/30 F
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022520550
(86)(22)【出願日】2020-10-22
(85)【翻訳文提出日】2022-04-01
(86)【国際出願番号】 CN2020122693
(87)【国際公開番号】W WO2021068977
(87)【国際公開日】2021-04-15
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2019/110567
(32)【優先日】2019-10-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】590001418
【氏名又は名称】ダウ シリコーンズ コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ファン、レイ
(72)【発明者】
【氏名】グベルス、フレデリック
【テーマコード(参考)】
4H017
4J002
4M109
【Fターム(参考)】
4H017AB15
4H017AC16
4H017AD02
4H017AE05
4J002CP031
4J002DA016
4J002DE076
4J002DE146
4J002DE236
4J002DG046
4J002DJ016
4J002DJ036
4J002DL006
4J002FA106
4J002FD016
4J002GQ00
4J002GQ05
4M109AA01
4M109EA10
4M109EB06
4M109EB12
4M109EC11
4M109GA01
(57)【要約】
チタン及び/又はジルコニウム系触媒を使用して硬化して、硬化ゲル材料を生成し、電気物品及び/又は電子物品を封入及び/又は埋込するのに好適である高速硬化型2部型縮合硬化性シリコーン組成物が提供される。
【選択図】なし

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数部型縮合硬化性ゲル組成物であって、
(i)1分子当たり少なくとも2個のヒドロキシル官能基及び25℃で≦1000mPa.sの粘度を有する少なくとも1個の縮合硬化性シリル末端ポリマーと、
(ii)少なくとも2個のシリル基を有するシリル官能性分子から選択される架橋剤であって、各シリル基が、25℃で≦1000mPa.sの粘度を有するが、その粘度が前記(i)の粘度の少なくとも75%である、少なくとも2個の加水分解性基を含有する、架橋剤と、
(iii)チタネート、ジルコネートの群から選択される縮合触媒と、
(iv)1つ以上の補強充填剤及び/又は非補強充填剤と、を含み、
(a)触媒(iii)及び充填剤(iv)が、硬化の前に一緒に保存されず、
(b)前記組成物中のSi-OH基:Si-加水分解性基の比が、0.4:1~0.95:1であり、硬化すると、
(c)≦1時間の不粘着時間、及び≦3時間の反転時間を有する、複数部型縮合硬化性ゲル組成物。
【請求項2】
架橋剤(ii)が、アルコキシ官能性末端基を有するシリコーン又は有機ポリマー鎖である、請求項1に記載の複数部型縮合硬化性ゲル組成物。
【請求項3】
架橋剤(ii)が、アルコキシ官能性末端基を有するシリコーンポリマー鎖である、請求項1又は2に記載の複数部型縮合硬化性ゲル組成物。
【請求項4】
前記シリコーン自己封止組成物の前記ポリマー(i)が、1個のシラノール含有末端基及び1個の非反応性末端基を有するポリジオルガノシロキサンを更に含むことを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の複数部型縮合硬化性ゲル組成物。
【請求項5】
前記シリコーン自己封止組成物の架橋剤(ii)が、少なくとも2個のシリル基を有するシリル官能性分子を更に含み、少なくとも1個のシリル基が、1個の加水分解性基を含有することを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の複数部型縮合硬化性ゲル組成物。
【請求項6】
適用前に、前記シリコーン自己封止組成物が、ポリマー(i)及び充填剤(iv)を含む基剤部と、架橋剤(ii)及び触媒(iii)を含む硬化性の部と、の2つの部に保存されることを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の複数部型縮合硬化性ゲル組成物。
【請求項7】
1つ以上の熱及び/又は電気伝導性充填剤を更に含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の複数部型縮合硬化性ゲル組成物。
【請求項8】
1つ以上の接着促進剤を、前記全組成物の0.1重量%~2重量%の量で更に含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の複数部型縮合硬化性ゲル組成物。
【請求項9】
前記触媒が、ISO787-2:1981に従って測定した場合、その中の前記充填剤(複数可)からの前記組成物の部A及び部B中に累積的に存在する水分(すなわち、水)の少なくとも50%のモル量であるモル量で存在する、請求項1~8のいずれか一項に記載の複数部型縮合硬化性ゲル組成物。
【請求項10】
前記架橋剤(ii)が、25℃で≦1000mPa.sの粘度を有するが、その粘度が前記ポリマー(i)の粘度の少なくとも90%である、請求項1~9のいずれか一項に記載の複数部型縮合硬化性ゲル組成物。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか一項に記載の複数部型縮合硬化性ゲル組成物から硬化ゲル材料を調製する方法であって、前記方法が、前記縮合硬化性ゲル組成物の前記複数部を一緒に混合することと、得られた混合物を基材上に適用し、硬化させることと、を含む、方法。
【請求項12】
請求項1~10のいずれか一項に記載の複数部型縮合硬化性ゲル組成物の反応生成物である硬化ゲル材料であって、
(a)触媒(iii)及び充填剤(iv)が、硬化の前に一緒に保存されず、
(b)前記組成物中のSi-OH基:Si-アルコキシ基のモル比が、0.4:1~0.95:1であり、
(c)硬化すると、≦1時間の不粘着時間及び≦3時間の反転時間を有する、硬化ゲル材料。
【請求項13】
請求項12に記載の硬化ゲル材料で封入又は埋込された、電気部品又は電子部品であって、前記電気部品又は電子部品が、金、銀、アルミニウム、銅、及び無電解ニッケルから選択される金属基材、並びに/又はFR4、ナイロン、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリブチレンテレフタレート、及び液晶ポリマーから選択されるポリマー基材である、電気部品又は電子部品。
【請求項14】
1つ以上の発光ダイオード(LED)、又は液晶ディスプレイ(LCD)を構成する、発光デバイスを含む、請求項12又は13に記載の硬化ゲル材料を封入又は埋込された、電気部品又は電子部品。
【請求項15】
チップ、1つ以上のワイヤ、1つ以上のセンサ、1つ以上の電極、集積回路(IC)、電力デバイス、絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(IGBT)、整流器(例えば、ショットキーダイオード、PiNダイオード、一体型PiN/ショットキー(MPS)整流器、及び接合バリアダイオード)、バイポーラ接合トランジスタ(BJT)、サイリスタ、金属酸化物電界効果トランジスタ(MOSFET)、高電子移動度トランジスタ(HEMT)、静電誘導トランジスタ(SIT)、又は電動力トランジスタから選択される、請求項12、13又は14に記載の硬化ゲル材料を封入又は埋込された、電気部品又は電子部品。
【請求項16】
電気デバイス及び/又は電子デバイス、太陽光起電モジュール及び/又は発光ダイオードのための封入材又は埋込材としての、請求項1~10のいずれか一項に記載の組成物の使用。
【請求項17】
電子デバイス、太陽光起電モジュール、及び/又は発光ダイオードのための封入材又は埋込材としての、請求項12に記載の硬化ゲル材料の使用。
【請求項18】
電子デバイス、太陽光起電モジュール、及び/又は発光ダイオードが、チップ、1つ以上のワイヤ、1つ以上のセンサ、1つ以上の電極、集積回路(IC)、電力デバイス、絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(IGBT)、整流器(例えば、ショットキーダイオード、PiNダイオード、一体型PiN/ショットキー(MPS)整流器、及び接合バリアダイオード)、バイポーラ接合トランジスタ(BJT)、サイリスタ、金属酸化物電界効果トランジスタ(MOSFET)、高電子移動度トランジスタ(HEMT)、静電誘導トランジスタ(SIT)、又は電動力トランジスタから選択される、請求項17に記載の硬化ゲル材料の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、チタン及び/又はジルコニウム系触媒を使用して硬化して、硬化ゲル材料を生成する高速硬化型2部型縮合硬化性シリコーン組成物、並びにその用途に関する。
【0002】
多くの場合、コーティング材料、埋込材料、及び封入材料として使用されるゲルなどのシリコーン系材料は、基材及び/又は他の材料への接着を維持する必要がある。例えばエレクトロニクスでは、ゲルは、硬化して非常に柔らかい材料を形成する、特別なクラスの封入材である。それらの主な役割は、
●誘電体絶縁材として機能することと、
●水分及び他の混入物質から回路を保護することと、
●部品への機械的及び熱的応力を緩和することと、によって、電子アセンブリ及び電子部品を有害な環境から保護することにある。
【0003】
そのような状況では、ゲルを、コーティング又は封入材料を通過する電気コネクタ及び導体に加えて、電子及び電気部品並びにプリント回路基板に接着する必要がある。
【0004】
封入材及び埋込材など(例えば、ゲル)を形成するために使用される市販の硬化ゲル材料は、付加硬化化学に基づき、すなわち、それらを、水素化ケイ素基と不飽和炭素基との、典型的には白金系化合物である触媒が寄与する反応により硬化させていて高価である。長年にわたり、当該産業では、この種の付加硬化組成物は、組成物本体を介してすぐに硬化し、数分で硬化材料となることから、上記の用途に好ましいものであったが、縮合硬化系は、大幅に遅いものであり、チタネート硬化縮合プロセスでは、例えば、未硬化材料本体6mmの深さ当たり硬化するのに最大7日かかる場合がある。スズ硬化縮合系は、より短い期間で硬化するが、80℃より高い温度で逆反応(すなわち、解重合)するため、例えばエレクトロニクス用途には望まれない。
【0005】
ヒドロシリル化硬化組成物から製造された材料は、硬化速度の観点から優れているが、その使用に伴ういくつかの潜在的な問題及び/又は不利益がある。例えば、それらは、概して高温(すなわち、100℃より高温)で硬化させるものであり、混入物が入る恐れがあり、また、高価な白金系硬化触媒は、アミン含有化合物、硫黄含有化合物、及びリン含有化合物の影響を受けやすく被毒の恐れがあり、触媒の失活により非硬化性になる恐れがある。
【0006】
1成分型水分硬化性シリコーンを配合するには、アルコキシチタン化合物(すなわちアルキルチタネート)が好適な触媒であることは当業者に公知である(参考文献:Noll,W.;Chemistry and Technology of Silicones,Academic Press Inc.,New York,1968,p.399,Michael A.Brook,silicon in organic,organometallic and polymer chemistry,John Wiley&sons,Inc.(2000),p.285)。チタネート触媒は、スキン又は拡散硬化された1部型縮合硬化性硬化ゲル材料、例えば、エラストマー及び/又はゲルの配合への使用について、広く記載されている。これらの配合物は、典型的には、15mmよりも薄い層に適用される1部型パッケージで入手可能である。15mmよりも厚い層は材料の深部において未硬化材料を生じることが知られており、これは、非常に深い部分では水分の拡散が非常に遅いためである。スキン又は拡散硬化(例えば、水分/縮合)が起こるのは、シーラント/封入材が基材表面に適用された後、組成物/空気界面での硬化スキンの形成によって初期硬化プロセスが起こるときである。表面スキンの形成の後、硬化速度は、シーラント/封入材と空気との界面からの内部(又はコア)への水分の拡散速度、並びに、材料の内部(又はコア)から外部(又は表面)への縮合反応副生成物/排出物の拡散及び時間の経過による外部/表面から内部/コアへの硬化スキンの漸進的増粘によって変動する。
【0007】
最近まで、(国際公開第2018024858号)、生成物のバルクで縮合硬化を活性化するように設計された多成分型組成物では、チタン系触媒を使用しなかった。これらには、概して、スズ触媒又は亜鉛触媒など、例えばジブチルスズジラウレート、スズオクトエート、及び/若しくは亜鉛オクトエートといった他の金属触媒を使用する(Noll,W.;Chemistry and Technology of Silicones,Academic Press Inc.,New York,1968,p.397)。使用前に2つ以上の部に保存されるシリコーン組成物において、1方の部は充填剤を含有しており、この充填剤は、典型的には、生成物のバルクでの縮合硬化を活性化させるために必要な水分を含有する。前述の拡散硬化1部型系とは異なり、2部型縮合硬化系は、一緒に混合すると、深さが15mmより深い部分においてであってもバルク硬化を可能にする。この場合、組成物は、(混合後に)材料バルク全体にわたって硬化する。スキンが形成される場合、それは適用後の最初の数分のみである。その後すぐに、生成物は全体が固形となる。
【0008】
アルキルチタネートの使用によって驚くほど硬化することができる2部型縮合硬化シリコーン組成物が開示されているが、そのような組成物の硬化速度は、高速硬化及び/又は反転時間、すなわち、材料がこれ以上流動しない時点を必要とする用途での使用を依然として妨げる可能性がある。
【0009】
典型的には、ソフトゲルは、およそ低架橋密度で配合することによって、すなわち架橋剤の含有量を低減することによって得られる。その結果、生成物の硬度及び弾性率が低下する。そのような生成物は、影響を受けやすい部品への熱サイクルの影響を軽減するためのエレクトニクスのための埋込材として有用である。硬質又は高弾性率材料は、そのようなサイクル中に部品に高い応力を誘発する。しかしながら、組成物中の架橋剤含有量を低減すると、比例的に硬化の反応速度が低減する。その結果、2つの部を混合すると、非たれ性ゲルが形成される前に長時間かかる場合がある。
【0010】
本開示の目的は、高速硬化、逆反応のない縮合硬化性ゲル(すなわち、1時間以下(≦)の不粘着時間及び25℃で≦3時間の反転時間を有するゲル)を提供することである。
【0011】
複数部型縮合硬化性ゲル組成物であって、
(i)1分子当たり少なくとも2個のヒドロキシル官能基(シラノール基)及び25℃で1000mPa.s以下(≦)の粘度を有する少なくとも1つの縮合硬化性シリル末端ポリマーと、
(ii)少なくとも2個のシリル基を有するシリル官能性分子から選択される架橋剤であって、各シリル基が、25℃で≦1000mPa.sの粘度を有するが、その粘度が(i)の粘度の少なくとも75%である少なくとも2個の加水分解性基を含有する、架橋剤と、
(iii)チタネート、ジルコネートの群から選択される縮合触媒と、
(iv)1つ以上の補強充填剤及び/又は非補強充填剤と、
を含み、
(a)触媒(iii)及び充填剤(iv)が、硬化の前に一緒に保存されず、
(b)組成物中のSi-OH基:Si-加水分解性基の比が、0.4:1~0.95:1であり、硬化すると、
(c)≦1時間の不粘着時間及び≦3時間の反転時間を有する、複数部型縮合硬化性ゲル組成物が提供される。
【0012】
誤解を避けるために、不粘着時間は、硬化性材料が非粘着性表面フィルムを形成するのに必要な分単位での時間であり、反転時間は、硬化性組成物がこれ以上流動することができないときの硬化プロセスにおける時点を示す。
【0013】
複数部型縮合硬化性ゲル組成物の反応生成物である硬化ゲル材料であって、
(i)1分子当たり少なくとも2個のヒドロキシル官能基(シラノール基)及び25℃で≦1000mPa.sの粘度を有する少なくとも1つの縮合硬化性シリル末端ポリマーと、
(ii)少なくとも2個のシリル基を有するシリル官能性分子から選択される架橋剤であって、各シリル基が、少なくとも2個の加水分解性基を含有し、25℃で≦1000mPa.sの粘度を有するが、その粘度が(i)の粘度の少なくとも75%である、架橋剤と、
(iii)チタネート、ジルコネートの群から選択される縮合触媒と、
(iv)1つ以上の補強充填剤及び/又は非補強充填剤と、
を含み、
(a)触媒(iii)及び充填剤(iv)が、硬化の前に一緒に保存されず、
(b)組成物中のSi-OH基:Si-アルコキシ基のモル比が、0.4:1~0.95:1であり、
(c)硬化すると、≦1時間の不粘着時間及び≦3時間の反転時間を有する、硬化ゲル材料も提供される。
【0014】
上述の硬化ゲル材料を調製する方法であって、当該方法が、縮合硬化性ゲル組成物の複数部を一緒に混合することと、得られた混合物を基材上に適用し、硬化させることと、を含む、方法も提供される。
【0015】
電子アセンブリ及び電子部品の製造における、上述の複数部型縮合硬化性ゲル組成物の使用も提供される。
【0016】
したがって、本開示は、架橋剤による硬化のためにより利用可能な低粘度ポリマー(25℃で≦1000mPa.s)を使用し、同様の粘度の架橋剤(25℃で≦1000mPa.s)を有する、複数部型縮合硬化性ゲル組成物を提供する。そのような低粘度材料はより硬質材料を提供すると想定されるが、組成物中のSi-OH(シラノール)基:Si-アルコキシ基の比が、0.4:1~0.95:1であるため、硬化させると、組成物はソフトゲルを提供する。
【0017】
一代替例では、複数部型組成物は、硬化時に、短い硬化時間、例えば、不粘着時間(TFT)及び室温硬化時の反転時間を示す材料を提供する2部型組成物である。結果的に、生成物の硬度及び弾性率が低下する。この組成物は、室温で硬化する、すなわち、硬化性である。
【0018】
複数部型縮合硬化性ゲル組成物は、典型的には、使用前に2つの部に保存される。組成物が2部型組成物である場合、好ましくは、ポリマー(i)並びに補強充填剤及び/又は非補強充填剤(iv)を含む部Aと、架橋剤(ii)及び触媒(iii)を含む部Bと、が存在する。補強充填剤及び/又は非補強充填剤(iv)と、存在する場合触媒(iii)とは、異なる部に保存される。
【0019】
全ケイ素結合ヒドロキシル(シラノール/Si-OH)モル含有量は、混合配合物100gについて計算される。ポリマーに関するケイ素結合ヒドロキシルのモル含有量は、ポリマー中に存在するヒドロキシル官能基の平均数、典型的には2を乗じたポリマーの数平均分子量(Mn)によって除された混合生成物100g中のヒドロキシル含有ポリマーの量(g単位)に等しい。配合物中にいくつかのヒドロキシル官能性ポリマーが存在する場合、各ポリマーのモル含有量を加えることで、配合物中の全シラノールモル含有量が構成される。
【0020】
全加水分解性基モル含有量は、混合配合物100gについて算出される。ある物質に関する加水分解性基のモル含有量は、混合生成物100g中の、加水分解性基を含有する分子の量(g単位)を、当該分子の分子量又はポリマー分子の場合は数平均分子量(Mn)で除算し、当該分子中に存在する加水分解性官能基の平均数を乗じた値に等しい。各分子又はポリマーのモル含有量を加えることで、配合物中の加水分解性基の全モル含有量が構成される。典型的には、各加水分解性基は、アルコキシ基である。
【0021】
次いで、ポリマー(i)中のケイ素結合ヒドロキシル(シラノール)基対架橋剤(ii)由来の加水分解性基のモル比は、ポリマー(i)中のケイ素結合ヒドロキシル基(Si-OH)の総モル含有量を、架橋剤(ii)由来の加水分解性基の総モル含有量で除することによって計算され、すなわち比として記載することができる。
【0022】
シリコーンの数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって決定することもできる。この技法は標準的技法であり、Mw(重量平均)、Mn(数平均)及び多分散指数(PI)[ここで、PI=Mw/Mn]の値が得られる。
【0023】
本出願で提供されるMn値は、GPCによって決定され、使用されるポリマーの典型値を表す。GPCによって提供されない場合、Mnはまた、上記ポリマーの動的粘度に基づく計算から得ることができる。
【0024】
これらの組成物の主な利点は、室温で硬化して、利用されるチタネート縮合触媒/ジルコネート縮合触媒と一緒になって、プラチナ硬化シリコーンよりも混入物質に対してより耐性があるゲルを形成し、また、スズ触媒組成物とは異なり、高温高湿に曝されたときに、逆反応に対する抵抗性をもたらすことである。これらの組成物の硬化は、予測される典型的なチタネート又はジルコネートによって触媒される縮合反応よりもはるかに速く、すなわち、標準的な1部型チタネート硬化材料の数日とは対照的に、1時間未満が可能であることが確認された。
【0025】
ポリマー(i)は、1分子当たり少なくとも2個のヒドロキシル官能基及び25℃で≦1000mPa.sの粘度を有する少なくとも1つの縮合硬化性シリル末端ポリマーである。
【0026】
ポリジアルキルシロキサン、アルキルフェニルシロキサン、又はシリル末端基を有する有機系ポリマー、例えば、シリルポリエーテル、シリルアクリレート及びシリル末端ポリイソブチレン又は上記のいずれかのコポリマーを含む、任意の好適な水分/縮合硬化性シリル末端ポリマーを使用することができる。好ましくは、ポリマーは、少なくとも2個のSi-ヒドロキシル(シラノール)含有基を含有するポリシロキサン系ポリマーであり、最も好ましくは、ポリマーは、末端Si-ヒドロキシル(シラノール)含有基を含む。好適なSi-ヒドロキシル(シラノール)含有末端基の例としては、-Si(OH)、-(R)Si(OH)、-(RSi(OH)、又は-(RSi-R-SiR (OH)3-p[式中、各Rは独立して、一価のヒドロカルビル基、例えば、特に1~8個の炭素原子を有するアルキル基(メチルが好ましい)であり、各R基は独立して、アルキル基又はアルコキシ基であり、このアルキル基は、好適には最大6個の炭素原子を有し、Rは、最大6個のケイ素原子を有する1個以上のシロキサンスペーサーにより介在され得る二価の炭化水素基であり、pは値0、1又は2である]が挙げられる。例えば、各Rは、メチルであり得、Rは、エチレン又はプロピレン基、あるいはエチレン基であり得、pは、0、すなわち、-(Me)Si-CH-CH-Si(OH)である。
【0027】
好ましくは、ポリマー(i)は、一般式
-A-X (1)
[式中、X及びXは、Si-ヒドロキシル(シラノール)含有末端基から独立して選択され、Aは、シロキサンポリマー鎖及び/又は有機含有ポリマー鎖、あるいはシロキサンポリマー鎖である]を有する。
【0028】
ヒドロキシル(シラノール)含有末端基-末端基X又はXの例としては、
上で定義した-Si(OH)、-(R)Si(OH)、-(RSi(OH)、又は-(RSi-R-Si(R(OH)3-pが挙げられる。好ましくは、X及び/又はXは、ヒドロキシジアルキル末端、例えば、ヒドロキシジメチル末端、又はである。
【0029】
式(I)のポリマー鎖A中の好適なシロキサン基の例は、ポリジオルガノシロキサン鎖を構成するシロキサン基である。したがって、ポリマー鎖Aは、好ましくは、式(2)
-(R SiO(4-s)/2)- (2)
[式中、各Rは、独立して、1~10個の炭素原子を有するヒドロカルビル基などの有機基であり、任意選択的に、塩素又はフッ素などの1個以上のハロゲン基で置換されており、sは0、1、又は2であり、典型的には、sは約2の平均値を有する]のシロキサン単位を含む。基Rの具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ビニル基、シクロヘキシル基、フェニル基、トリル基、塩素又はフッ素で置換されたプロピル基、例えば3,3,3-トリフルオロプロピル基、クロロフェニル基、β-(ペルフルオロブチル)エチル基若しくはクロロシクロヘキシル基が挙げられる。好適には、基Rのうちの少なくともいくつか、好ましくは実質的に全てが、メチルである。
【0030】
本明細書におけるポリマー(i)は、当該粘度のための最も好適なコーンプレートを使用して、Brookfieldコーンプレート粘度計(RV DIII)を使用して測定される、25℃で≦1000mPa.s、あるいは25℃で250~1000mPa.s、あるいは25℃で250~750mPa.sの粘度を有する。
【0031】
したがって、式(2)の単位を含有する好ましいポリシロキサンは、末端、ケイ素結合ヒドロキシル基、そうでなければシラノール含有末端基(Si-OH)と呼ばれる基を有するポリジオルガノシロキサンである。ポリジオルガノシロキサンはホモポリマーであってもコポリマーであってよい。シラノール含有末端基を有する異なるポリジオルガノシロキサンの混合物もまた好適である。
【0032】
更に、組成物は、1個のSi-ヒドロキシル(シラノール)含有末端基、例えば、上で定義した1個の-Si(OH)、-(R)Si(OH)、-(RSi(OH)、又は-(RSi-R-SiR (OH)3-p、例えば、ジアルキルヒドロキシ末端基と、1個の非反応性末端基、例えば、トリアルキル末端、すなわちトリメチル末端基と、を有するポリマーを含有してもよい。したがって、ポリマー(i)は、部分ジアルキルヒドロキシ末端及び部分トリアルキル末端であるポリジオルガノシロキサンを更に含んでもよい。そのような追加のポリマーを含めることにより、硬化後の得られた生成物の弾性率を低減し、かつ/又は難接着性基材への接着を改善することができる。そのような追加のポリマー(i)は、前述のものと類似の粘度のものであってもよい。
【0033】
あるいは、ポリマー(i)は、それぞれが少なくとも1個の-OH基を有するシリル末端基を有する、有機系ポリマーであってよい。典型的なシリル末端ポリマー基としては、シリル末端ポリエーテル、シリル末端アクリレート、及びシリル末端ポリイソブチレンが挙げられる。利用するシリル基は、上述したX及びXに関して、上述した1つ以上の代替物であってよい。
【0034】
本発明に従って、ポリマー鎖Aは代替的に、シリル末端基を有する有機系ポリマー、例えば、シリルポリエーテル、シリルアクリレート、及びシリル末端ポリイソブチレンであってもよい。シリルポリエーテルの場合、ポリマー鎖はポリオキシアルキレン系単位をベースとする。このようなポリオキシアルキレン単位は、好ましくは、平均式(-C2n-O-)[式中、nは2~4の整数であり、yは少なくとも4の整数である]により表される、繰り返しオキシアルキレン単位(-C2n-O-)から構成される、直鎖状の主としてオキシアルキレンのポリマーを構成する。同様に、粘度は、25℃で≦1000mPa.s、あるいは25℃で250~1000mPa.s、あるいは25℃で250~750mPa.sの粘度を有し、存在する各ポリオキシアルキレンポリマーブロックの好適な数平均分子量を有する。更に、オキシアルキレン単位は、必ずしもポリオキシアルキレンモノマー全体にわたって同一でなく、単位ごとに異なっていてもよい。ポリオキシアルキレンブロック又はポリマーは、例えば、オキシエチレン単位(-C-O-)、オキシプロピレン単位(-C-O-)、若しくはオキシブチレン単位(-C-O-)、又はこれらの混合単位から構成され得る。
【0035】
他のポリオキシアルキレン単位としては、例えば、構造
-[-R-O-(-R-O-)-Pn-CR -Pn-O-(-R-O-)-R]-
[式中、Pnは1,4-フェニレン基であり、各Rは同一であるか又は異なり、2~8個の炭素原子を有する二価の炭化水素基であり、各Rは同一であるか又は異なり、エチレン基又はプロピレン基であり、各Rは同一であるか又は異なり、水素原子又はメチル基であり、下付き文字w及びqの各々は3~30の範囲の正の整数である]の単位を挙げることができる。
【0036】
本出願の目的で、「置換」とは炭化水素基中の1個以上の水素原子が別の置換基で置換されていることを意味する。このような置換基の例としては、塩素、フッ素、臭素及びヨウ素などのハロゲン原子;クロロメチル基、ペルフルオロブチル基、トリフルオロエチル基、及びノナフルオロヘキシル基などのハロゲン原子含有基;酸素原子;(メタ)アクリル基及びカルボキシル基などの酸素原子含有基;窒素原子;アミノ官能基、アミド官能基、及びシアノ官能基などの窒素原子含有基;硫黄原子;並びにメルカプト基などの硫黄原子含有基が挙げられるが、これらに限定されない。
【0037】
組成物はまた、架橋剤(ii)を含む。本明細書で使用される架橋剤(ii)は、概して、少なくとも2個のシリル基を有するシリル官能性分子であり、各シリル基が、25℃で≦1000mPa.sの粘度を有するが、その粘度が(i)の粘度の少なくとも75%であり、あるいは25℃で≦1000mPa.sの粘度を有するが、その粘度がポリマー(i)の粘度の少なくとも90%であり、あるいは25℃で≦1000mPa.sの粘度を有するが、その粘度がポリマー(i)と同じ又はそれよりも大きい粘度である、少なくとも2個の加水分解性基を含有する。
【0038】
本明細書の開示のために、シリル官能性分子は、2個以上のシリル基を含有するシリル官能性分子であり、各シリル基は、少なくとも2個の加水分解性基を含有する。したがって、ジシリル官能性分子は、各々少なくとも1個の加水分解性基を有する2個のケイ素原子を含み、これらのケイ素原子は有機又はシロキサンポリマー主鎖によって分離されている。典型的には、ジシリル官能性分子上のシリル基は、末端基であってもよい。ポリマー主鎖は、ポリマー鎖であってもよい。
【0039】
誤解を避けるために、架橋剤は、2個のケイ素原子が互いに直接結合しているジシランではない。
【0040】
シリル基上の加水分解性基としては、アシルオキシ基(例えば、アセトキシ基、オクタノイルオキシ基、及びベンゾイルオキシ基);ケトキシミノ基(例えば、ジメチルケトキシモ(ketoximo)基及びイソブチルケトキシミノ(isobutylketoximino)基);アルコキシ基(例えばメトキシ基、エトキシ基、及びプロポキシ基)、並びにアルケニルオキシ基(例えば、イソプロペニルオキシ基及び1-エチル-2-メチルビニルオキシ基)が挙げられる。好ましい実施形態では、各加水分解性基は、アルコキシ基である。
【0041】
一実施形態では、架橋剤(ii)は、少なくとも2個のシリル基を有するシリル官能性分子であり、各シリル基は2個又は3個の加水分解性基を有し、あるいは各シリル基は少なくとも2個の加水分解性基を有し、あるいは各シリル基は3個の加水分解性基を有する。一実施形態では、各シリル基は、1~6個の炭素を有する3個のアルコキシ基、あるいはメトキシ及び/又はエトキシから選択される3個のアルコキシ基、あるいは3個のメトキシ基を含有する。上記の架橋剤(ii)は、少なくとも2個のシリル基を有するシリル官能性分子を更に含んでもよく、少なくとも1個のシリル基は1個の加水分解性基を含有する。
【0042】
シリル(例えば、ジシリル)官能性架橋剤(ii)は、シロキサン又は有機ポリマー主鎖を有してもよい。好適なポリマー架橋剤(ii)は、上記式(1)で示されるポリマー鎖Aと類似のポリマー主鎖化学構造を有してもよい。このようなシロキサン又は有機系架橋剤の場合、その分子構造は、直鎖、分枝状、環状又は巨大分子状であってよく、すなわちアルコキシ官能性末端基を有するシリコーン又は有機ポリマー鎖は、少なくとも1個のトリアルコキシ末端を有するポリジメチルシロキサンを含み、そのアルコキシ基はメトキシ基又はエトキシ基であってもよい。
【0043】
したがって、末端シリル基は、-RSi(OR、-Si(OR、-R SiOR又は-(RSi-R-SiR (OR3-p[式中、各Rは独立して、一価のヒドロカルビル基、例えば、特に1~8個の炭素原子を有するアルキル基を表し(好ましくはメチルであり)、各R及びR基は、独立して最大6個の炭素原子を有するアルキル基であり、Rは、最大6個のケイ素原子を有する1個以上のシロキサンスペーサーにより介在され得る二価の炭化水素基であり、pは値0、1又は2である]などの式を有してもよい。典型的には、各末端シリル基は、2個又は3個のアルコキシ基を有する。例えば、各Rは、メチルであり得、Rは、エチレン又はプロピレン基、あるいはエチレン基であり、pは、0、すなわち、-(Me)Si-CH-CH-Si(OMe)である。
【0044】
一実施形態では、架橋剤(ii)はジシリル官能性ポリマー、すなわち、2個のシリル基を含有し、各々が式(4)
(RO)(Y3-m-Si(CH-((NHCHCH-Q(CH-Si(OR(Y3-m (4)
[式中、Rは、C1~10アルキル基であり、Yは、1~8個の炭素を含有するアルキル基であり、
Qは、孤立電子対を有するヘテロ原子を含有する化学基、例えば、アミン、N-アルキルアミン又は尿素であり、各xは、1~6の整数であり、tは、0又は1であり、各mは、独立して1、2又は3であり、nは0又は1である]
により記載されるものなどの加水分解性基を少なくとも1個含有する、ポリマーであってもよい。
【0045】
したがって、架橋剤(ii)としては、例えば、1,6-ビス(トリメトキシシリル)ヘキサン(あるいは、ヘキサメトキシジシリルヘキサンとしても知られている)、ビス(トリアルコキシシリルアルキル)アミン、ビス(ジアルコキシアルキルシリルアルキル)アミン、ビス(トリアルコキシシリルアルキル)N-アルキルアミン、ビス(ジアルコキシアルキルシリルアルキル)N-アルキルアミン、ビス(トリアルコキシシリルアルキル)尿素、ビス(ジアルコキシアルキルシリルアルキル)尿素、ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)アミン、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)アミン、ビス(4-トリメトキシシリルブチル)アミン、ビス(4-トリエトキシシリルブチル)アミン、ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)N-メチルアミン、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)N-メチルアミン、ビス(4-トリメトキシシリルブチル)N-メチルアミン、ビス(4-トリエトキシシリルブチル)N-メチルアミン、ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)尿素、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)尿素、ビス(4-トリメトキシシリルブチル)尿素、ビス(4-トリエトキシシリルブチル)尿素、ビス(3-ジメトキシメチルシリルプロピル)アミン、ビス(3-ジエトキシメチルシリルプロピル)アミン、ビス(4-ジメトキシメチルシリルブチル)アミン、ビス(4-ジエトキシメチルシリルブチル)アミン、ビス(3-ジメトキシメチルシリルプロピル)N-メチルアミン、ビス(3-ジエトキシメチルシリルプロピル)N-メチルアミン、ビス(4-ジメトキシメチルシリルブチル)N-メチルアミン、ビス(4-ジエトキシメチルシリルブチル)N-メチルアミン、ビス(3-ジメトキシメチルシリルプロピル)尿素、ビス(3-ジエトキシメチルシリルプロピル)尿素、ビス(4-ジメトキシメチルシリルブチル)尿素、ビス(4-ジエトキシメチルシリルブチル)尿素、ビス(3-ジメトキシエチルシリルプロピル)アミン、ビス(3-ジエトキシエチルシリルプロピル)アミン、ビス(4-ジメトキシエチルシリルブチル)アミン、ビス(4-ジエトキシエチルシリルブチル)アミン、ビス(3-ジメトキシエチルシリルプロピル)N-メチルアミン、ビス(3-ジエトキシエチルシリルプロピル)N-メチルアミン、ビス(4-ジメトキシエチルシリルブチル)N-メチルアミン、ビス(4-ジエトキシエチルシリルブチル)N-メチルアミン、ビス(3-ジメトキシエチルシリルプロピル)尿素 ビス(3-ジエトキシエチルシリルプロピル)尿素、ビス(4-ジメトキシエチルシリルブチル)尿素及び/又は
ビス(4-ジエトキシエチルシリルブチル)尿素;ビス(トリエトキシシリルプロピル)アミン、ビス(トリメトキシシリルプロピル)アミン、ビス(トリメトキシシリルプロピル)尿素、ビス(トリエトキシシリルプロピル)尿素、ビス(ジエトキシメチルシリルプロピル)N-メチルアミン;ジ又はトリアルコキシシリル末端ポリジアルキルシロキサン、ジ又はトリアルコキシシリル末端ポリアリールアルキルシロキサン、ジ又はトリアルコキシシリル末端ポリプロピレンオキサイド、ポリウレタン、ポリアクリレート;ポリイソブチレン;ジ又はトリアセトキシシリル末端ポリジアルキル;ポリアリールアルキルシロキサン;ジ又はトリオキシイミノシリル末端ポリジアルキル;ポリアリールアルキルシロキサン;ジ又はトリアセトノキシ末端ポリジアルキル又はポリアリールアルキルが挙げられる。使用される架橋剤(ii)は、上記の2種以上の任意の組み合わせも含んでよい。
【0046】
先に示したように、組成物中のSi-OH基:Si-アルコキシ基の比は、0.4:1~0.95:1であり、あるいは、0.5:1~0.75:1である。
【0047】
組成物は、組成物が硬化する速度を増加させる縮合触媒(iv)を更に含む。選択される触媒は、必要な硬化速度によって変わる。チタネート系触媒及び/又はジルコネート系触媒は、一般式Ti[OR22又はZr[OR22[式中、各R22は同じでも異なっていてもよく、1~10個の炭素原子を有する直鎖又は分枝状であってもよい一価の、第一級、第二級、又は第三級脂肪族炭化水素基を表す]による化合物を含んでもよい。任意選択的に、チタネートは、部分不飽和基を含有してもよい。しかしながら、R22の好ましい例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、第三級ブチル基、及び分枝状第二級アルキル基、例えば2,4-ジメチル-3-ペンチル基が挙げられるが、これらに限定されない。各R22が同じである場合、好ましくは、R22は、イソプロピル基、分枝状第二級アルキル基又は第三級アルキル基、特に第三級ブチル基である。好適な例としては、例えばテトラ-n-ブチルチタネート、テトラ-t-ブチルチタネート、テトラ-t-ブトキシチタネート、テトライソプロポキシチタネート、及びジイソプロポキシジエチルアセトアセテートチタネートが挙げられる。あるいは、チタネートはキレート化されてもよい。キレート化は、アルキルアセチルアセトネート、例えばメチル又はエチルアセチルアセトネートなどの、任意の好適なキレート剤によってもよい。あるいは、チタネートは、3つのキレート剤をもたらすモノアルコキシチタネート、例えば2-プロパノラト、トリスイソオクタデカノアトチタネートであってもよい。
【0048】
一実施形態では、触媒は、ISO787-2:1981に従って測定した場合、その中の充填剤(複数可)からの組成物の部A及び部B中に累積的に存在する水分(すなわち、水)の少なくとも50%のモル量であるモル量で存在する。典型的には、水分の大部分は、補強充填剤及び/又は非補強充填剤に由来する。
【0049】
本明細書の複数部型縮合硬化性ゲル組成物は、1つ以上の補強充填剤及び/又は非補強充填剤を更に含む。1つ以上の補強充填剤及び/又は非補強充填剤(iv)は、含水充填剤であり得る。この用途にとって、含水という用語は、充填剤(複数可)が、ISO787-2:1981に従って測定した場合に、>0.05重量%の水分(すなわち、水)含有量を有することを意味する。必要に応じて、ISO787 2:1981の試験方法を使用して、充填剤中に存在する水分(水)の定量的量は、本発明の組成物中で使用される充填剤の試料からの水分(水)の抽出によって決定され得る。用語の誤用を避けるために、水分は水を意味することを意図しており、かつ他で考察されているいずれの場合にもSiアルコキシ基又はSi結合ヒドロキシル基を含まない。
【0050】
微細化補強充填剤の例としては、籾殻灰などの表面積の大きいヒュームドシリカ及び沈降シリカ、並びにある程度の炭酸カルシウムが挙げられる。追加の微細化非補強性充填剤の例としては、破砕石英、珪藻土、硫酸バリウム、酸化鉄、二酸化チタン及びカーボンブラック、タルク、珪灰石が挙げられる。単独で又は上記の充填剤と組み合わせて使用されることがある他の充填剤としては、カーボンナノチューブ、例えばマルチウォールカーボンナノチューブアルミナイト、中空ガラス球、硫酸カルシウム(無水石膏)、石膏、硫酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、三水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム(水滑石)などの粘土、グラファイト、炭酸銅、例えばマラカイト、炭酸ニッケル、例えばザラカイト(zarachite)、炭酸バリウム、例えば毒重石、及び/又は炭酸ストロンチウム、例えばストロンチウム石が挙げられる。
【0051】
更なる代替の充填剤としては、酸化アルミニウム、かんらん石族からなる群からのシリケート、ざくろ石族;アルミノケイ酸塩;環状ケイ酸塩;鎖状ケイ酸塩;及び層状ケイ酸塩からなる群からのケイ酸塩が挙げられる。かんらん石族は、ケイ酸塩鉱物、例えばフォルステライト及びMgSiOを含むが、これらに限定されない。ざくろ石族は、赤色ざくろ石;MgAlSi12;緑ざくろ石;及びCaAlSi12などの粉砕ケイ酸塩鉱物を含むが、これらに限定されない。アルミノケイ酸塩は、ケイ線石;AlSiO;ムライト;3Al.2SiO;カイヤナイト;及びAlSiOなどの粉砕シリケート鉱物を含むが、これらに限定されない。
【0052】
環状ケイ酸塩族は、コージェライト及びAl(Mg、Fe)[SiAlO18]などのケイ酸塩鉱石を含むが、これらに限定されない。鎖状ケイ酸塩族は、粉砕ケイ酸塩鉱物、例えば、珪灰石及びCa[SiO]を含むが、これらに限定されない。
【0053】
層状ケイ酸塩は、雲母;KAI14[SiAl20](OH);葉蝋石;Al[Si20](OH);タルク、Mg[Si20](OH);蛇絞石、例えばアスベスト;カオリナイト;Al[Si10](OH);及びバーミキュライトなどのケイ酸塩鉱物が挙げられるが、これらに限定されない。充填剤は、上で定義した含水充填剤であり得る。
【0054】
充填剤(複数可)は、任意選択的に、処理剤で表面処理されてもよい。処理剤及び処理方法は、当該技術分野において公知である。充填剤の表面処理は、典型的には、例えば、脂肪酸若しくはステアレートなどの脂肪酸エステルを用いて、又はオルガノシラン、オルガノシロキサン、若しくはオルガノシラザン、例えばヘキサアルキルジシラザン若しくは短鎖シロキサンジオールを用いて行われる。概して、表面処理は充填剤を疎水性にし、したがって、組成物中の他の成分との均質混合物の取り扱い及び入手を容易にする。シラン、例えば、
Si(OR4-e
[式中、Rは、6~20個の炭素原子の置換又は非置換の一価の炭化水素基、例えば、ヘキシル、オクチル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、及びオクタデシルなどのアルキル基、並びにベンジル及びフェニルエチルなどのアラルキル基であり、6~20個の炭素原子のアルキル基が好ましく、Rは、1~6個の炭素原子のアルキルであり、文字eは、1、2又は3である]はまた、充填剤の処理剤として使用することができる。
【0055】
任意選択的原材料
接着促進剤
好適な接着促進剤は、式R14 Si(OR15(4-h)[式中、下付き文字hは、1、2、又は3であり、あるいはhは3である]のアルコキシシランを含んでもよい。各R14は独立して一価の有機官能基である。R14は、グリシドキシプロピル基若しくは(エポキシシクロヘキシル)エチル基などのエポキシ官能基、アミノエチルアミノプロピル基若しくはアミノプロピル基などのアミノ官能基、メタクリルオキシプロピル基、メルカプトプロピル基などのメルカプト官能基、又は不飽和有機基であり得る。各R15は独立して、少なくとも1個の炭素原子を有する非置換飽和炭化水素基である。R15は、1~4個の炭素原子、あるいは1~2個の炭素原子を有してよい。R15の例としては、メチル、エチル、n-プロピル、及びイソプロピルが挙げられる。
【0056】
好適な接着促進剤の例としては、グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、及びグリシドキシプロピルトリメトキシシランとアルミニウムキレート又はジルコニウムキレートとの組み合わせが挙げられる。ヒドロシリル化硬化性組成物の接着促進剤の例は、米国特許第4,087,585号及び同第5,194,649号に見ることができる。硬化性組成物は、存在する場合、組成物の重量に基づいて、0.01~2重量%、あるいは0.05~2重量%、あるいは0.1~1重量%の接着促進剤を含んでもよい。好ましくは、生成物ネットワークへの組み込みよりも基材への分子の拡散に有利となるように、接着促進剤の加水分解速度は、架橋剤の加水分解速度よりも遅くする必要がある。
【0057】
追加の充填剤
熱及び/又は電気伝導性充填剤、例えば金属充填剤、及び無水溶融性充填剤、又はそれらの組み合わせが、存在し得る。金属充填剤を利用することができる。係る充填剤としては、金属粒子及び粒子表面上に層を有する金属粒子が挙げられる。これらの層は、例えば、粒子表面上の金属窒化物層又は金属酸化物層であってよい。好適な金属充填剤の例としては、アルミニウム、銅、金、ニッケル、スズ、銀、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される金属の粒子、あるいはアルミニウムの粒子が挙げられる。好適な金属充填剤の更なる例としては、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化銅、酸化ニッケル、酸化銀、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される層をその表面に有する、上記金属の粒子が挙げられる。例えば、金属充填剤は、その表面上に酸化アルミニウム層を有するアルミニウム粒子を含んでよい。
【0058】
溶融性充填剤は、Bi、Ga、In、Sn又はこれらの合金を含み得る。溶融性充填剤は、任意選択的に、Ag、Au、Cd、Cu、Pb、Sb、Zn又はこれらの組み合わせを更に含んでもよい。好適な溶融性充填剤の例としては、Ga、In-Bi-Sn合金、Sn-In-Zn合金、Sn-In-Ag合金、Sn-Ag-Bi合金、Sn-Bi-Cu-Ag合金、Sn-Ag-Cu-Sb合金、Sn-Ag-Cu合金、Sn-Ag合金、Sn-Ag-Cu-Zn合金、及びこれらの組み合わせが挙げられる。溶融性充填剤は、50℃~250℃、あるいは150℃~225℃の範囲の融点を有し得る。溶融性充填剤は、共晶合金、非共晶合金、又は純金属であってよい。溶融性充填剤は、市販されている。
【0059】
熱伝導性充填剤は、単一の熱伝導性充填剤、又は粒子形状、平均粒径、粒径分布、及び充填剤の種類などの少なくとも1つの特性が異なる、2種以上の熱伝導性充填剤の組み合わせであってよい。いくつかの実施形態では、アルミニウムと酸化アルミニウム充填剤の組み合わせなどの、金属と無機充填剤の組み合わせ、アルミニウムと酸化亜鉛充填剤の組み合わせ、又はアルミニウムと酸化アルミニウムと酸化亜鉛充填剤の組み合わせが使用されてよい。他の実施形態では、より大きな平均粒径を有する第1の伝導性充填剤と、より小さな平均粒径を有する第2の伝導性充填剤を、最密充填理論分布曲線を満たす割合で組み合わせることが望ましい場合がある。例としては、異なる平均粒径を有する2種の酸化アルミニウム調製物を混合する。他の実施形態では、異なる大きさの異なる熱伝導性充填剤材料を用いることができ、例えば、より大きな平均粒径を有する酸化アルミニウムとより小さな平均粒径を有する酸化亜鉛の組み合わせを用いることができる。あるいは、より大きな平均粒径を有する第1のアルミニウムとより小さな平均粒径を有する第2のアルミニウムなどの金属充填剤の組み合わせを使用することが望ましい場合がある。より大きな平均粒径を有する第1の充填剤及び第1の充填剤よりも小さな平均粒径を有する第2の充填剤の使用により、充填効率を改善することができ、粘度を低減させることができ、熱伝達を増強することができる。
【0060】
熱伝導性充填剤粒子の形状は特に限定されないが、円形又は球形粒子であると、組成物中の熱伝導性充填剤の高配合によって望ましくないレベルまで粘度が増加するのを防止することができる。熱伝導性充填剤の平均粒径は、選択される熱伝導性充填剤の種類、及び硬化性組成物に添加される正確な量、並びに組成物の硬化生成物が用いられるデバイスの結合部の厚さを含む、各種要因に依存する。いくつかの場合では、熱伝導性充填剤は、0.1マイクロメートル~80マイクロメートル、あるいは0.1マイクロメートル~50マイクロメートル、あるいは0.1マイクロメートル~10マイクロメートルの範囲の平均粒径を有してもよい。追加の任意選択的充填剤は、必要に応じて上記の処理剤で処理することもできる。
【0061】
他の任意選択的添加剤としては、界面活性剤、融剤、酸受容体、及び/又は耐食添加剤、並びにそれらの組み合わせが挙げられる。
【0062】
好適な界面活性剤としては、シリコーンポリエーテル、エチレンオキサイドポリマー、プロピレンオキサイドポリマー、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとのコポリマー、その他のノニオン性界面活性剤、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。組成物は、組成物の重量に基づいて最大0.05重量%の界面活性剤を含んでもよい。
【0063】
可塑剤
組成物は、可塑剤として機能する非反応性シリコーンポリマーを含んでもよい。そのような非反応性シリコーンポリマーは、典型的には、25℃で200~2000mPa.sの粘度を有するトリアルキルシリル末端ポリジメチルシロキサンである。
【0064】
融剤
組成物は、組成物の重量に基づいて最大2重量%の融剤を含んでもよい。カルボン酸及びアミンなどの化学活性官能基を含有する分子を融剤として使用することができる。そのような融剤としては、コハク酸、アビエチン酸、オレイン酸、及びアジピン酸などの脂肪族酸;安息香酸などの芳香族酸;脂肪族アミン及びそれらの誘導体、例えばトリエタノールアミン、アミンの塩酸塩、並びにアミンの臭化水素酸塩を挙げることができる。融剤は当該技術分野において既知であり、市販されている。
【0065】
酸受容体
好適な酸受容体としては、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、及びこれらの組み合わせが挙げられる。組成物は、適宜、組成物の重量に基づいて最大2重量%の酸受容体を含んでもよい。
【0066】
トリアゾール構造、チアジアゾール構造、ベンゾトリアゾール構造、メルカプトチアゾール(mercaptothiozole)構造、メルカプトベンゾチアゾール構造又はベンゾイミタゾール構造を有する窒素/硫黄含有ヘテロ環化合物などの耐食添加剤。
【0067】
先に示したように、縮合硬化性組成物は、複数部型の様式で、典型的には2部型で保存され、ポリマー(i)、架橋剤(ii)、及び触媒(iii)は、全てが同じ部に一緒に保存されるわけではない。更に、充填剤(iv)及び触媒(iii)は、典型的には、充填剤(iv)がポリマー(i)に混合された状態で、別個に保持される。組成物の2つの部は、動的又は静的ミキサーによる任意の適切な標準的2部混合装置を使用して混合してもよく、得られた混合物は、任意選択的に、意図される用途での使用のために装置から計量分配される。2部型組成物は、例えば、以下の選択肢のうちのいずれか1つを含み得る。
1)ポリマー(i)及び架橋剤(ii)を有する部Aと、ポリマー(i)及び触媒(iii)を有する部Bとの2つの部で保存される、又は
2)ポリマー(i)及び触媒(iii)を有する部Aと、架橋剤(ii)を有する部Bとの2つの部で保存される、又は
3)第1のポリマー(i)及び架橋剤(ii)を有する部Aと、第2のポリマー(i)及び触媒(iii)を有する部Bとの2つの部で保存される、又は
4)ポリマー(i)を含有する部Aと、架橋剤(ii)及び触媒(iii)を含有する部Bとの2つの部で保存される。典型的には、充填剤(iv)は、触媒を含有していない部に保存される。
【0068】
あるいは、組成物は、必要に応じて3つ以上の部に保存され得る。追加の添加剤は、概して、部Aに添加される。組成物中の全てではないにしても大部分の水分が含水充填剤中に存在すると予想される一方で、もし任意選択的原材料を含む他のいずれの原材料が、任意の形態で水分(水)を含有する場合には、触媒の量は、全ての供給源からの総水分含有量に基づいて決定され、その値はISO787-2:1981によって測定された値である。
【0069】
組成物の2つの部を相互混合して硬化することにより、本明細書で前述したゲル材料を製造する方法もまた、本明細書において提供される。一実施形態における相互混合の後、縮合硬化性ゲル組成物を、例えば、カーテンコーター、スプレー装置、ダイコーター、ディップコーター、押出しコーター、ナイフコーター、及びスクリーンコーターなどの好適なディスペンサを使用して基材上に適用することができ、ゲル形成時に上記基材上にコーティングを提供する。次いで、組成物を硬化させる。
【0070】
基材は、電気、電子、又は光学部品であってもよく、必要に応じて予備硬化した後、例えば、電気、電子、又は光学部品に又はそれらの上に適合させてもよい。本明細書の組成物は、電気又は電子部品及び/又は部材などの様々な基材、とりわけ金属基材、例えば金、銀、アルミニウム、銅、及び無電解ニッケル、並びに、ポリマー基材、例えばFR4、ナイロン、ポリカーボネート、Lucite(ポリメチルメタクリレート、PMMA)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、及び、Solvay Chemicals,Houston,Tex.77098 USAから入手可能なXydar(登録商標)などの液晶ポリマーに接着可能である。
【0071】
任意の好適な電気部品又は電子部品を、上述した硬化ゲル材料で封止する場合があるが、本明細書の硬化ゲル材料により、気泡及びクラックの発生を抑制することができ、またこれは、高温条件下であっても電気部品又は電子部品への良好な接合を示すので、本発明の硬化ゲル材料を、高温条件下で使用される電力デバイス、特に、モーター制御、輸送用モーター制御、発電システム、又は宇宙輸送システムなどの電力デバイスで有利に使用することができる。そのような生成物は、影響を受けやすい部品への熱サイクルの影響を軽減するためのエレクトニクスのための埋込材として有用である。
【0072】
そのほかの理由は、本発明の硬化ゲル材料は、Si-C半導体チップで要求される耐熱性(例えば、180℃を超える耐熱性)に加えて、ある程度の耐寒性を有するからである。電子物品は、電力モジュール、例えば、特に、急激な温度差に耐える能力が必要とされる電力デバイスにおける、電力変換装置、インバーター、ブースター、トラクション制御装置、産業モーター制御装置、配電及び電力輸送システム用の、上述のデバイスのうちの1つ以上であってもよく、このような電力デバイスの耐久性及び信頼性を改善することができる。これは、マイクロエレクトロニクス用途及びマクロエレクトロニクス用途並びにオプトエレクトロニクス用途及び熱伝導性エレクトロニクス用途を含む、光学用途及びエレクトロニクス用途における使用、例えば熱伝導性接着剤の製造のため設計されてもよい。更に、本発明の硬化ゲル材料は透明であってもよく、したがって、光ガイド用の封入材、例えば、光ガイド及び少なくとも1つの光素子を含む光電子デバイスを製造するために使用される封入材として使用するのに、場合により好適であり得る。光電子デバイスは、少なくとも1つの光素子及び自立型光ガイド、例えば、光を1つ以上の光素子から発するときに、光を透過するように構成された複合光ガイドを含んでもよい。
【0073】
本明細書の硬化ゲル材料は、少なくとも1つの光素子を封入するための光学封入材として機能し得る。光ガイドはまた、少なくとも1つの光素子から発する光の方向を制御するためのレンズ、少なくとも1つの光素子に電気を伝導するための少なくとも1つの電気コネクタ、又は前述の更なる素子のうちの2つ以上若しくは全ての任意の組み合わせを含んでもよい。
【0074】
電気コネクタは、独立して、ワイヤ、タブ付け品、又はリボンであってもよく、Cu、Au、Ag、及びこれらの合金などの高伝導性金属で製造することができる。このような光電子デバイスを使用して、照明器具(発光素子である少なくとも1つの光素子を有するデバイス)を製造することができる。照明器具は、前述の実施形態のいずれか1つの光電子デバイスと、少なくとも1つの光素子に電力を供給するための電源と、を含んでもよい。照明器具はまた、少なくとも1つの光素子から発する光の方向を制御するためのレンズ、少なくとも1つの光素子に電気を伝導するための少なくとも1つの電気コネクタ、を更に含んでもよい。
【0075】
電源は、電気コネクタを介して少なくとも1つの光素子と動作可能に電気的に導通していてもよい。上記の発光デバイスの各々は、発光ダイオード(LED)、液晶ディスプレイ(LCD)、又は任意の他の光源であってもよい。充填剤がない場合、本明細書に記載の組成物は透明及び/又は光学的に透明であり、そのため、LED及び/又はLCD照明を環境から保護するのに特に好適である。このような材料は、封入材として使用される場合、市販製品に対していくつかの顕著な利点を有するものであり、すなわち、十分に高い光透過率を有し、実質的な変色(すなわち、黄変)なしで劣化し、硬化前の組成物は、別個の部が混合された後であっても、比較的低い粘度であり、これは、迅速な室温硬化を有するように設計されており、すなわち、それを混合することに続いて、ほとんどのチタネート型触媒の場合と同様に、組成物のバルク中で空気とシーラントとの界面から硬化し、重要なことには、有無にかかわらず、多様な電気基材に対する接着性が認められている。更に、架橋剤(ii)が使用されるとすると、2部型組成物は、上記のように1:1の比で混合されてもよい。これは、Pt系触媒及びスズ系触媒のそれぞれの場合のように、阻害又は逆反応に対して影響を受けやすいものではない。
【0076】
耐熱性及び耐寒性を必要とするこのような電力デバイスの例としては、寒冷地域で使用されるモーター制御装置(例えば、汎用インバーター制御装置、サーボモーター制御装置、工作機械若しくはエレベーター、電気自動車、ハイブリッドカー、又は、寒冷地域で使用される鉄道輸送用のモーター制御装置)、寒冷地域で使用される発電システム(例えば、太陽光、風力、又は燃料電池発電機)、宇宙で使用される宇宙輸送システムなどが挙げられる。なお、「寒冷地域」は、温度が0℃を下回る地域を示す。
【0077】
更に、硬化ゲル材料はまた、電極間、電気素子間、又は電気素子と、電気部品又は電子部品内のパッケージとの間の空間が狭い構造を有する、又は、これらの構造が硬化ゲル材料の膨張と収縮に追い付くことのできない構造を有する、電気部品又は電子部品の封止にも効果的である。例えば、硬化ゲル材料は、半導体素子、コンデンサ、及び抵抗器などの電気素子が搭載される電気回路又はモジュール、すなわち、概して硬化ゲル材料で封止又は充填される圧力センサなどの様々なセンサ、及び自動車の点火装置、調整器などに使用することができる。
【0078】
電子部品は、チップ(例えば、シリコンチップ又は炭化ケイ素チップ)、1つ以上のワイヤ、1つ以上のセンサ、1つ以上の電極、集積回路(IC)(例えば、ハイブリッドIC)、電力デバイス、絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(IGBT)、整流器(例えば、ショットキーダイオード、PiNダイオード、一体型PiN/ショットキー(MPS)整流器、及び接合バリアダイオード)、バイポーラ接合トランジスタ(BJT)、サイリスタ、金属酸化物電界効果トランジスタ(MOSFET)、高電子移動度トランジスタ(HEMT)、静電誘導トランジスタ(SIT)、電動力トランジスタなどとして定義することができる。
【0079】
電子物品は、電子部品及び第1の層を含むことができる。第1の層は特に限定されず、半導体、誘電体、金属、プラスチック、炭素繊維メッシュ、金属箔、有孔金属箔(メッシュ)、充填又は非充填プラスチックフィルム(例えば、ポリアミドシート、ポリイミドシート、ポリエチレンナフタレートシート、ポリエチレンテレフタレートポリエステルシート、ポリスルホンシート、ポリエーテルイミドシート、又はポリフェニレンスルフィドシート)、又は、織布又は不織布基材(例えばガラス繊維布、ガラス繊維メッシュ、又はアラミドペーパー)であってよい。あるいは、第1の層は、半導体及び/又は誘電体フィルムとして更に定義されてもよい。
【0080】
硬化ゲル材料は電子部品と第1の層との間に挟まれていてもよく、及び/又は、第1の層上に配置されてもよく、若しくは第1の層と直接接触してもよく、及び/又は電子部品上に配置されてもよく、若しくは電子部品と直接接触してもよい。硬化ゲル材料が第1の層上に配置される場合、又は第1の層と直接接触する場合、硬化ゲル材料は電子部品上に更に配置されていてもよいが、硬化ゲル材料と電子部品との間に1つ以上の層又は構造を含んでもよい。
【0081】
同じく、組成物はまた、LED照明の封入に大きな効果があると考えられているTiO及びシリカなどの光散乱粒子を含有してもよい。
【0082】
物品は、電力用電子物品、例えば材料組成物を上に設けた電子部品であってもよく、これにより、硬化材料によって電子部品が部分的に又は完全にのいずれかで封入される。あるいは、電子物品は、集積回路(IC)若しくは発光ダイオード(LED)システムであってもよく、又はプリント回路基板(PCB)であってもよい。
【実施例
【0083】
以下は、以下の表1及び4に列挙される原材料の詳細を提供する。
接着促進剤1は、53.5%のメチルトリメトキシシランと、27.4%の3-グリシドキシプロピルトリメトキシシランと、21.8%の予備縮合された3-アミノプロピルトリエトキシシランとの混合物(重量比)であり、
充填剤1は、7~8μmの粒径を有するSebelco(登録商標)708 Quartzの商標で販売されている未処理の石英であった。Sebelco(登録商標)708 Quartzの水分含有量は、ISO787-2:1981によって測定すると、重量基準で約0.24%であり、
充填剤2は、約3μmの粒径を有するSikron(登録商標)SF600 Quartzの商標で販売されている未処理の石英であった。Sikron SF600の水分含有量は、ISO787-2:1981によって測定すると、重量基準で約0.24%である、
使用された伝導性充填剤は、Foshan Huaya Superfine Powder Co.Ltdによって販売されているHUAYA(登録商標)LA4の商品名で販売されている市販の三水酸化アルミニウムであった。伝導性充填剤は、未処理で使用され、15~17μmの粒径、≦0.4重量%の水分含有量、及び約8.5のpHを有する。
架橋剤1は、25℃で450mPa.sの粘度を有する-(Me)Si-CH-CH-Si(OMe)基末端のポリジメチルシロキサンであり、
架橋剤2は、25℃で2200mPa.sの粘度を有する-(Me)Si-CH-CH-Si(OMe)基末端のポリジメチルシロキサンであった。
【0084】
全ての粘度測定は、Brookfieldを使用してASTM D4287-00に従って行った。特に指示がない限り、DV-III Ultra Rheometer型コーン/プレートレオメーターにより、室温(約25℃)、100rpmで、スピンドル番号3を回転させた。
【0085】
「シラノール」、「ヒドロキシシリル」、「SiOH」、及びケイ素結合ヒドロキシルという用語は、少なくとも1個のヒドロキシル官能基を有するポリマーの縮合硬化性シリル末端基を示すために、本発明の範囲内で互換的に使用することができる。
【0086】
「アルコキシ」、「SiOR」という用語は、少なくとも1個の加水分解性官能基を有するポリマーの縮合硬化性シリル末端基を示すために、本発明の範囲内で互換的に使用することができる。
「SiOH/SiOR比」及び「シラノール/アルコキシ基比」という用語は、本発明の範囲内で互換的に使用することができる。
【0087】
本明細書の開示による実施例は、表1に示されるように調製された。
【0088】
上記で特定された組成物を、以下のプロセスを介して調製した。
【0089】
部A
ポリマー(複数可)を、スピードミキサーにおいて2000rpmで30秒間混合した。次いで、伝導性充填剤及び充填剤1を導入し、スピードミキサーにおいて2000rpmで更に30秒間組成物を混合した。
【0090】
部B
架橋剤1を適切な触媒、存在する場合は接着促進剤と混合した。成分をスピードミキサーにおいて2000rpmで2回×30秒間混合した。得られた混合物は、直ちに使用されるか、又は水分の侵入を回避するために使用前に300mLのカートリッジに保存された。
【表1】
【0091】
部A及び部Bを表2に示す比で混合した。各試料についてのSi-OH:Si-OR比は、混合前の各部の粘度値並びに部A及びBを混合した後の最終組成物の粘度値として提供された。
【0092】
部A及び部Bの混合物
部A及び部Bを、以下の表2に示される重量比に従って、スピードミキサーにおいて2000rpmで30秒間、4回混合した。
【表2】
【0093】
次いで、得られた組成物を硬化させ、一連の物理的特性試験を行った。
(i)流動性試験では、材料の小球(約4.7g)をガラス板上に乱れなく室温及び50%相対湿度で1時間放置し、得られた流動によって生じる基部円を分析することによって、試料の流動性を評価した。1時間後に≧35mmであると測定された直径を有する試料は、「良好な」流動性を有すると見なされた。
(ii)25℃及び50%相対湿度で約0.35cmの厚さを有する未硬化試料をきれいな平滑面に広げて、試料が指先に接着しなくなるまで指先で試料の表面に定期的に触れることによって、不粘着時間を測定した。
(iii)混合後の最終組成物の試料を、約15mmの高さまで標準サイズのアルミニウムカップに充填することによって、反転時間を測定した。次いで、試料を室温(約25℃)又は65℃のいずれかで硬化させた。定期的にカップを逆さにした、又は「反転させた」。反転時に硬化組成物の実質的な移動がないように組成物が十分に硬化した時点を、反転時間と見なし、記録した。
(iv)試験したショアA硬度試料は、厚さ10mmを有し、試験前に室温で7日間硬化させた。
【0094】
実施例の物理的特性試験の結果を、以下の表3に示す。
【表3】
【0095】
比較例1から、室温で適切な反転時間を生成するために、組成物のバルクに水分を提供する充填剤を含むことが必要であることが分かり得る。
【0096】
一連の更なる比較例が、調製された。これらの比較例は、以下の表4に示される量を使用して、実施例での上記のプロセスに従って調製された。
【表4】
【0097】
比較例の部A及びBを、以下の表5に示される量で、実施例について上記のように類似的に混合した。ここでも、Si-OH:Si-OR比は、混合前の各部の粘度値並びに部A及びBを混合した後の最終組成物の粘度値として提供される。
【表5】
【0098】
次いで、得られた組成物を硬化させ、上記の実施例で使用したものと同じプロセスを使用して一連の物理的特性試験を行った。
【表6】
【0099】
比較例の反転時間及び不粘着時間の一方又は両方は、上記の表3の結果のものよりも有意に大きいことが分かり得る。また、比較例1及び5から、充填剤がないことで、結果に悪影響を及ぼすことが分かり得る。これは、存在する場合、石英からの組成物内の水分存在が低下するためであると考えられる。
【手続補正書】
【提出日】2022-04-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数部型縮合硬化性ゲル組成物であって、
(i)1分子当たり少なくとも2個のヒドロキシル官能基及び25℃で≦1000mPa.sの粘度を有する少なくとも1個の縮合硬化性シリル末端ポリマーと、
(ii)少なくとも2個のシリル基を有するシリル官能性分子から選択される架橋剤であって、各シリル基が、25℃で≦1000mPa.sの粘度を有するが、その粘度が前記(i)の粘度の少なくとも75%である、少なくとも2個の加水分解性基を含有する、架橋剤と、
(iii)チタネート、ジルコネートの群から選択される縮合触媒と、
(iv)1つ以上の補強充填剤及び/又は非補強充填剤と、を含み、
(a)触媒(iii)及び充填剤(iv)が、硬化の前に一緒に保存されず、
(b)前記組成物中のSi-OH基:Si-加水分解性基の比が、0.4:1~0.95:1であり、硬化すると、
(c)≦1時間の不粘着時間、及び≦3時間の反転時間を有する、複数部型縮合硬化性ゲル組成物。
【請求項2】
架橋剤(ii)が、アルコキシ官能性末端基を有するシリコーン又は有機ポリマー鎖である、請求項1に記載の複数部型縮合硬化性ゲル組成物。
【請求項3】
架橋剤(ii)が、アルコキシ官能性末端基を有するシリコーンポリマー鎖である、請求項1又は2に記載の複数部型縮合硬化性ゲル組成物。
【請求項4】
前記ポリマー(i)が、1個のシラノール含有末端基及び1個の非反応性末端基を有するポリジオルガノシロキサンを更に含むことを特徴とする、並びに/又は
架橋剤(ii)が、少なくとも2個のシリル基を有するシリル官能性分子を更に含み、少なくとも1個のシリル基が、1個の加水分解性基を含有することを特徴とする、並びに/又は
適用前に、前記複数部型縮合硬化性ゲル組成物が、ポリマー(i)及び充填剤(iv)を含む基剤部と、架橋剤(ii)及び触媒(iii)を含む硬化性の部と、の2つの部に保存されることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の複数部型縮合硬化性ゲル組成物。
【請求項5】
1つ以上の熱及び/又は電気伝導性充填剤を更に含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の複数部型縮合硬化性ゲル組成物。
【請求項6】
1つ以上の接着促進剤を、前記全組成物の0.1重量%~2重量%の量で更に含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の複数部型縮合硬化性ゲル組成物。
【請求項7】
前記触媒が、ISO787-2:1981に従って測定した場合、その中の前記充填剤(複数可)からの前記組成物の部A及び部B中に累積的に存在する水分(すなわち、水)の少なくとも50%のモル量であるモル量で存在する、請求項1~6のいずれか一項に記載の複数部型縮合硬化性ゲル組成物。
【請求項8】
前記架橋剤(ii)が、25℃で≦1000mPa.sの粘度を有するが、その粘度が前記ポリマー(i)の粘度の少なくとも90%である、請求項1~7のいずれか一項に記載の複数部型縮合硬化性ゲル組成物。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか一項に記載の複数部型縮合硬化性ゲル組成物から硬化ゲル材料を調製する方法であって、前記方法が、前記縮合硬化性ゲル組成物の前記複数部を一緒に混合することと、得られた混合物を基材上に適用し、硬化させることと、を含む、方法。
【請求項10】
請求項1~8のいずれか一項に記載の複数部型縮合硬化性ゲル組成物の反応生成物である硬化ゲル材料であって、
(a)触媒(iii)及び充填剤(iv)が、硬化の前に一緒に保存されず、
(b)前記組成物中のSi-OH基:Si-アルコキシ基のモル比が、0.4:1~0.95:1であり、
(c)硬化すると、≦1時間の不粘着時間及び≦3時間の反転時間を有する、硬化ゲル材料。
【請求項11】
請求項10に記載の硬化ゲル材料で封入又は埋込された、電気部品又は電子部品であって、前記電気部品又は電子部品が、金、銀、アルミニウム、銅、及び無電解ニッケルから選択される金属基材、並びに/又はFR4、ナイロン、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリブチレンテレフタレート、及び液晶ポリマーから選択されるポリマー基材である、電気部品又は電子部品。
【請求項12】
1つ以上の発光ダイオード(LED)、又は液晶ディスプレイ(LCD)を構成する、発光デバイスを含む、請求項10又は11に記載の硬化ゲル材料を封入又は埋込された、電気部品又は電子部品。
【請求項13】
チップ、1つ以上のワイヤ、1つ以上のセンサ、1つ以上の電極、集積回路(IC)、電力デバイス、絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(IGBT)、整流器(例えば、ショットキーダイオード、PiNダイオード、一体型PiN/ショットキー(MPS)整流器、及び接合バリアダイオード)、バイポーラ接合トランジスタ(BJT)、サイリスタ、金属酸化物電界効果トランジスタ(MOSFET)、高電子移動度トランジスタ(HEMT)、静電誘導トランジスタ(SIT)、又は電動力トランジスタから選択される、請求項10、11又は12に記載の硬化ゲル材料を封入又は埋込された、電気部品又は電子部品。
【請求項14】
電気デバイス及び/又は電子デバイス、太陽光起電モジュール及び/又は発光ダイオードのための封入材又は埋込材としての、請求項1~8のいずれか一項に記載の組成物の使用。
【請求項15】
電子デバイス、太陽光起電モジュール、及び/又は発光ダイオードのための封入材又は埋込材としての、請求項10に記載の硬化ゲル材料の使用。

【国際調査報告】