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特表2022-551018マルチアルゴリズム融合に基づく洋上風力発電グリッド接続方式の評価方法
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  • 特表-マルチアルゴリズム融合に基づく洋上風力発電グリッド接続方式の評価方法 図1
  • 特表-マルチアルゴリズム融合に基づく洋上風力発電グリッド接続方式の評価方法 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-07
(54)【発明の名称】マルチアルゴリズム融合に基づく洋上風力発電グリッド接続方式の評価方法
(51)【国際特許分類】
   H02J 3/00 20060101AFI20221130BHJP
   H02J 3/38 20060101ALI20221130BHJP
   G06Q 50/06 20120101ALI20221130BHJP
【FI】
H02J3/00 170
H02J3/00 180
H02J3/38 160
G06Q50/06
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021526439
(86)(22)【出願日】2020-12-22
(85)【翻訳文提出日】2021-05-12
(86)【国際出願番号】 CN2020138209
(87)【国際公開番号】W WO2022032960
(87)【国際公開日】2022-02-17
(31)【優先権主張番号】202010798725.5
(32)【優先日】2020-08-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521205331
【氏名又は名称】国網河北省電力有限公司滄州供電分公司
【氏名又は名称原語表記】Cangzhou Power Supply Company, State Grid Hebei Electric Power Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】No. 21, Yongji West Road, Yunhe District, Cangzhou City, Hebei Province, China
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】王磊
(72)【発明者】
【氏名】宋文楽
(72)【発明者】
【氏名】劉俊
(72)【発明者】
【氏名】▲ハオ▼翔宇
【テーマコード(参考)】
5G066
5L049
【Fターム(参考)】
5G066AA03
5G066HB02
5L049CC06
(57)【要約】
【要約】
本発明は、マルチアルゴリズム融合に基づく洋上風力発電グリッド接続方式の評価に関し、割引キャッシュフロー評価モデルに基づく経済性分析モデルを構築して、将来のキャッシュフローを予測することにより評価を行い、かつ改良粒子群アルゴリズムを用いて分析することでファーストベストとセカンドベストのグリッド接続案を取得するものであり、具体的には、グリッド接続の経済性構成及び割引キャッシュフロー評価モデルのステップ(1)と、改良粒子群アルゴリズムに基づくグリッド接続の経済性分析のステップ(2)と、ALC-PSOアルゴリズムを選択するステップ(3)と、ライフスパンメカニズムを作成するステップ(4)と、挑戦者を生成するメカニズムのステップ(5)と、新しいリーダーを生成するメカニズムのステップ(6)と、具体的なALC-PSOアルゴリズムのステップを作成するステップ(7)とを含む。従来のPSOが局所最良解に陥って脱出できないという欠点を改善し、実行速度も従来のPSOと同程度である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マルチアルゴリズム融合に基づく洋上風力発電グリッド接続方式の評価方法であって、
グリッド接続の経済性構成及び割引キャッシュフロー評価モデルのステップ(1)と、
改良粒子群アルゴリズムに基づくグリッド接続の経済性分析のステップ(2)と、
ALC-PSOアルゴリズムを選択するステップ(3)と、
ライフスパンメカニズムを作成するステップ(4)と、
挑戦者を生成するメカニズムのステップ(5)と、
新しいリーダーを生成するメカニズムのステップ(6)と、
具体的なALC-PSOアルゴリズムのステップを作成するステップ(7)と
を含む、ことを特徴とするマルチアルゴリズム融合に基づく洋上風力発電グリッド接続方式の評価方法。
【請求項2】
【請求項3】
【請求項4】
【請求項5】
ALC-PSOアルゴリズムは、他の若い挑戦者にリーダーに挑戦して取り替わる機会を提供するメカニズムを採用し、高齢化したリーダーに対して挑戦者が出るというメカニズムを提案しており、
ALC-PSOにおいて、グループにより指定されたリーダーが加齢に伴うライフスパンを有し、他のメンバーが当該リーダーのリーダーシップに挑戦することができ、リーダーが歳を取った後、リーダーのライフスパンは、リーダーのリーダーシップによって適応的に調整され、リーダーが強いリーダーシップを示し、つまり、全体的な最良解へ強く移動する場合、ライフスパンはそれに応じて増大し、一方、リーダーがグループを最適な方向へリードすることができない場合、リーダーが高齢になり、ライフスパンが低減し、また、新しい粒子が現れてリーダーに挑戦し、かつリーダーに取り替わってグループをリードすることを発表する、
ことを特徴とする請求項1に記載のマルチアルゴリズム融合に基づく洋上風力発電グリッド接続方式の評価方法。
【請求項6】
ライフスパンメカニズムは、ACL-PSOにおいてライフスパンコントローラのメカニズムを使用して、リーダーのリーダーシップに基づいてライフスパンを増加又は低減させ、リーダーが強いリーダーシップを示す場合、ライフスパンコントローラはリーダーのライフスパンを増加させ、逆の場合、リーダーのライフスパンを低減させ、リーダーの現在の年齢がθで示され、=60に設定され、はライフスパンの設定値を示し、リーダーのグループをリードするリーダーシップの大きさを評価するために、3種類の判断因子を発生させ、ライフコントローラはこの3種類のパラメータに基づいてリーダーシップの大きさを判断する、
ことを特徴とする請求項3に記載のマルチアルゴリズム融合に基づく洋上風力発電グリッド接続方式の評価方法。
【請求項7】
【請求項8】
【請求項9】
【請求項10】
【請求項11】
マルチアルゴリズム融合に基づく洋上風力発電グリッド接続方式の評価方法であって、
割引キャッシュフロー評価モデルを用いて、投資コスト、メンテナンスコスト及び損耗費用を含む洋上風力発電グリッド接続のグリッド接続の経済性構成を計算し、前記グリッド接続の経済性のコスト現在値を取得するステップと、
改良粒子群アルゴリズムに基づいて、それぞれの前記グリッド接続の経済性のコスト現在値を分析し、ファーストベストとセカンドベストの洋上風力発電グリッド接続案を取得するステップと、を含み、
前記改良粒子群アルゴリズムは、ALC-PSOアルゴリズムであり、前記ALC-PSOアルゴリズムは、ライフスパンメカニズム、挑戦者メカニズム、及び新しいリーダーを生成するメカニズムを含む、
ことを特徴とする洋上風力発電グリッド接続方式の評価方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、割引キャッシュフロー評価モデル(DiscountedCashFlowValuation Model)に基づく経済性分析モデルを構築して、将来のキャッシュフローを予測することにより評価し、改良粒子群アルゴリズムを用いて分析することでファーストベストとセカンドベストのグリッド接続方法を得る、マルチアルゴリズム融合に基づく洋上風力発電グリッド接続方式の評価方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、クリーンエネルギーに対する世界的な需要はますます高まっており、洋上風力発電の設備容量は年々上昇し、大規模な洋上風力発電システムは未来の発展方向となっている。この現状を踏まえて、割引キャッシュフロー評価モデルに基づく経済性分析モデルを構築して、将来のキャッシュフローを予測することにより評価し、改良粒子群アルゴリズムを用いて分析することでファーストベストとセカンドベストのグリッド接続案を取得する。ファーストベストとセカンドベストのグリッド接続案を用いて、グリッド接続方式の利用条件や場面について参照となる選択方式を提案している。研究結果から明らかなように、経済性分析モデルにより、損耗及びメンテナンスコストの年間値をコスト現在値(present value of cost)に効果的に換算することができ、典型的なグリッド接続方式に対する経済性評価が実現される。
【0003】
洋上風力発電技術の進歩に伴い、開発コストが低下し、全世界の洋上風力発電の設備容量が迅速に増加し、風力発電はクリーンエネルギーの発展の新たな成長点となっている。2020年に、欧州の洋上風力発電の総設備容量は24.6GWに達すると予測されている。中国では、開発可能な風力エネルギー資源は約7.5億kWであり、陸上風力エネルギー資源の3倍であり、巨大な潜在力を有している。2018年末まで、中国で承認された洋上風力発電プロジェクトの規模は約30GWに近く、現在、建設中のプロジェクトは7GWに達する。現在の研究において、いかにして合理的なグリッド接続方式を選択するかは注目されている。経済性分析アルゴリズムに関しては、割引キャッシュフロー評価モデルに基づく経済性分析モデルを作成して、コスト年間値をコスト現在値に換算する。かつ、改良粒子群アルゴリズムを用いて、最善解と次善解を見出し、さまざまな条件での最適なグリッド接続案を取得する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、割引キャッシュフロー評価モデルを利用して、計算例と組み合わせて、さまざまなグリッド接続方式の経済性を分析し、改良粒子群アルゴリズムにより、さまざまな条件での最適な経済的グリッド接続方法を取得する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の技術的解決手段は以下のとおりである。
【0006】
本発明に係るマルチアルゴリズム融合に基づく洋上風力発電グリッド接続方式の評価方法は、
グリッド接続の経済性構成及び割引キャッシュフロー評価モデルのステップ(1)と、
改良粒子群アルゴリズムに基づくグリッド接続の経済性分析のステップ(2)と、
ALC-PSOアルゴリズムを選択するステップ(3)と、
ライフスパンメカニズムを作成するステップ(4)と、
挑戦者を生成するメカニズムのステップ(5)と、
新しいリーダーを生成するメカニズムのステップ(6)と、
具体的なALC-PSOアルゴリズムのステップを作成するステップ(7)とを含む。
【0007】
さらに、割引キャッシュフロー評価モデルによる計算方法は、将来のキャッシュフローを予測することにより評価を行い、このモデルは、以下の式で示され、
ここで、Pは現在の工事又は資産の既存価値であり、Eは現在の予測値であり、nは期数であり、Fはn期目のキャッシュフローであり、Eは現在の場合で関連要素を考慮した後に予測した将来のn期目に発生するフリーキャッシュフローであり、Rはフリーキャッシュフローの割引率であり、割引キャッシュフロー評価モデルは、物品の価値が物品の残りのライフスパンにおいて物品により提供し得るフリーキャッシュフローの現行価値の和に等しいと定義される。
【0008】
さらに、ステップ(2)では、前記改良粒子群アルゴリズムに関しては、
粒子群アルゴリズムは、Dが探索空間の次元であり、mが粒子の個数であり、X=(xi1,xi2,...,xiD)がi番目の粒子の位置を示し、pbest=(pi1,pi2,...,piD)がi番目の粒子の現在までの最適位置を示し、gbest=(g,g,...,g)が粒子群全体の現在まで探索された最適位置を示し、v=(vi1,vi2,...,viD)がi番目の粒子の速度を示すとする場合、粒子は、以下の式に従って次元ごとの速度及び位置を更新するように数学的に記述され、
ここで、wは慣性重みであり、c及びcは加速定数であり、両方ともに正数であり、rand()及びRand()は0~1の範囲内で変化する2つのランダム値であり、ここで、cは粒子自体の履歴のうち最適な位置への粒子の移動長さを調整するものであり、cはグループ全体の最適な位置への粒子の移動長さを調整するものであり、粒子が探索過程において探索空間から飛び出すことを避けるために、d(1≦d≦D)次元目の位置が[Xmin_x,Xmax_x]内に限定され、速度が[-Vmax,Vmax]内に限定され、つまり、式によって位置及び速度を更新する際に、vid又はxidが範囲を超えると、それらを境界値として設定され、まず、粒子群の初期位置及び速度をランダムに発生させ、次に、最大反復回数又は最良解となるまで、式(8)及び(9)に従って反復を実行する。
さらに、改良粒子群アルゴリズムに基づいて構築した総投資コスト目的関数及び制約条件は、以下のとおりであり、
式中、Eは洋上風力発電所合流グリッド接続システムの総投資費用であり、Sは各回線で伝送する皮相電力であり、Sは各回線で伝送し得る定格の最大皮相電力である。
【0009】
さらに、ALC-PSOアルゴリズムは、他の若い挑戦者にリーダーに挑戦して取り替わる機会を提供するメカニズムを採用し、高齢化したリーダーに対して挑戦者が出るというメカニズムを提案しており、
ALC-PSOにおいて、グループにより指定されたリーダーが加齢に伴うライフスパンを有し、他のメンバーが当該リーダーのリーダーシップに挑戦することができ、リーダーが歳を取った後、リーダーのライフスパンは、リーダーのリーダーシップによって適応的に調整され、リーダーが強いリーダーシップを示し、つまり、全体的な最良解へ強く移動する場合、ライフスパンはそれに応じて増大し、一方、リーダーがグループを最適な方向へリードすることができない場合、リーダーが高齢になり、ライフスパンが低減し、また新しい粒子が現れてリーダーに挑戦し、かつリーダーに取り替わってグループをリードすることを発表する。
【0010】
さらに、ライフスパンメカニズムは、ACL-PSOにおいてライフスパンコントローラのメカニズムを使用して、リーダーのリーダーシップに基づいてライフスパンを増加又は低減させ、リーダーが強いリーダーシップを示す場合、ライフスパンコントローラはリーダーのライフスパンを増加させ、逆の場合、リーダーのライフスパンを低減させ、リーダーの現在の年齢がθで示され、=60に設定され、はライフスパンの設定値を示し、リーダーのグループをリードするリーダーシップの大きさを評価するために、3種類の判断因子を発生させ、ライフコントローラはこの3種類のパラメータに基づいてリーダーシップの大きさを判断する。
【0011】
さらに、前記3種類のパラメータは、それぞれ
(1)今回の全体的な最良解から前回の全体的な最良解を減算した値である第1のパラメータ値と、
(2)今回の各粒子の個体最良解から前回の各粒子の個体最良解を減算したものである第2のパラメータ値と、
(3)今回のリーダーシップから前回のリーダーシップを減算したものである第3のパラメータ値であり、
この3種類のパラメータを取得した後、順次に4つの場合に分けられ、この4つの場合に基づいて、リーダーのライフスパンの長さを判断する。
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】
さらに、マルチアルゴリズム融合に基づく洋上風力発電グリッド接続方式の評価方法は、
割引キャッシュフロー評価モデルを用いて、投資コスト、メンテナンスコスト及び損耗費用を含む洋上風力発電グリッド接続のグリッド接続の経済性構成を計算し、前記グリッド接続の経済性のコスト現在値を取得するステップと、
改良粒子群アルゴリズムに基づいて、それぞれの前記グリッド接続の経済性のコスト現在値を分析し、ファーストベストとセカンドベストの洋上風力発電グリッド接続案を取得するステップと、を含み、
前記改良粒子群アルゴリズムは、ALC-PSOアルゴリズムであり、前記ALC-PSOアルゴリズムは、ライフスパンメカニズム、挑戦者メカニズム、及び新しいリーダーを生成するメカニズムを含む。
【発明の効果】
【0016】
本発明の有益な効果は、以下のとおりである。
本発明は、従来のPSOとは異なり、従来のPSOが局所最良解に陥って脱出できないという欠点を改善し、実行速度も従来のPSOと同程度であり、その主な原因としては、ALC-PSOには挑戦者とライフスパンのメカニズムが導入され、これにより、粒子が探索過程で局所最良解に陥ることが避けられ、一般的な遺伝子アルゴリズムを用いた場合、局所最良解から脱出するために突然変異のメカニズムを用いるのと類似している。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】リーダーのリーダーシップを評価し、ライフスパンを調整するツリー図である。
図2】本発明のALC-PSOアルゴリズムのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明に係る改良粒子群アルゴリズムに基づく洋上風力発電グリッド接続の経済性の分析方法は、以下のステップ(1)~ステップ(7)を含む。
【0019】
(1)グリッド接続の経済性構成及び割引キャッシュフロー評価モデル
グリッド接続方式を選択するにあたって、システム容量やウィンドファームの距離を考慮してもよく、一方、交直流システムの経済性に関して検討してもよい。実施可能性の高いいくつかのグリッド接続方式については、本明細書で選択された経済性の比較範囲は、洋上風力発電所の外部のステップアップトランスの出口から陸上の合流点までとされ、このように、異なるグリッド接続方式の経済性構成における共通部分が排除され、計算が簡素化される。明細書で分析された経済性構成は、投資コスト、メンテナンスコスト及び損耗費用を含む。
割引キャッシュフロー評価モデル(discounted cash flow、DCF)による計算方法は、グリッド接続の経済性を比較するための主要な方法であり、具体的には、将来のキャッシュフローを予測することにより評価を行う。このモデルは、以下の式で表される。
ここで、Pは現在の工事又は資産の既存価値であり、Eは現在の予測値であり、nは期数であり、Fはn期目のキャッシュフローであり、Eは現在の場合で関連要素を考慮した後に予測した将来のn期目に発生するフリーキャッシュフローであり、Rはフリーキャッシュフローの割引率である。割引キャッシュフロー評価モデルは、工事に適している評価方法であり、物品の価値が物品の残りのライフスパンにおいて物品により提供し得るフリーキャッシュフローの現行価値の和に等しいと定義される。
【0020】
1.投資コスト
直流海底ケーブルシステムへの投資コストは、直流海底ケーブルのコスト、敷設のコスト、変換所のコスト及び直流ブレーカのコストを含む。
式中、E=B+Sであり、即ち、Eは、変換所のコストBとその直流ブレーカのコストSとの和であり、E=C+Cであり、Cは、海底ケーブルの総コストであり、長さと総区間数とケーブルの全長さの積であり、Cは、海底ケーブルの敷設コストである。
交流海底ケーブルシステムへの投資コストは、交流海底ケーブルのコスト、敷設のコスト及び無効電力補償装置コストを含む。
【0021】
2.メンテナンスコスト
メンテナンスコストは、ライフスパンにわたってメンテナンスを実施するためのすべての投資コストが投資コストを占める割合で表され、一般的に、直流システムの場合では、メンテナンスコストは総投資コストの0.5%を占め、交流システムの場合では、総投資コストの1.2%を占める。
【0022】
【0023】
【0024】
【0025】
(3)ALC-PSO
自然界では、ほとんどの生物がライフスパンを有し、また老化してしまい、即ちライフには限りがあり、そのため、高齢化は、生物学者により探索されている、社会の多様性を維持するための重要なメカニズムである。例えば、動物界のコロニーでは、高齢化がコロニーのリーダーシップを弱める原因の一つであり、これにより、他の若い挑戦者にリーダーに挑戦して、さらに取り替わる機会が提供される。これは社会の自然現象であり、その自然現象からのヒントに基づいて、ALC-PSOにもこのメカニズムが採用されており、高齢化したリーダーに対して挑戦者が出るというメカニズムが提案されている。このアルゴリズムは、早期収束の問題を克服するように設計されたものであり、一般的な粒子群アルゴリズムの高速収束の特性をあまり妨げることもなく、また、ALC-PSOは、グループにより指定されたリーダーが加齢に伴うライフスパンを有し、かつ他のメンバーが当該リーダーのリーダーシップに挑戦することができ、リーダーが歳を取った後、リーダーのライフスパンは、リーダーのリーダーシップによって適応的に調整され、リーダーが強いリーダーシップを示し、つまり、全体的な最良解へ強く移動する場合、ライフスパンもそれに応じて増大し、一方、リーダーがグループを最適な方向へリードすることができない場合、リーダーが高齢になり、ライフスパンが低減し、また、新しい粒子が現れてリーダーに挑戦し、かつリーダーに取り替わってグループをリードすることを発表することを特徴とする。
経済性分析モデルにより、損耗及びメンテナンスコストの年間値をコスト現在値に効果的に換算することができ、典型的なグリッド接続方式の経済性評価を実現する。具体的には、将来のキャッシュフローを予測することにより評価し、割引キャッシュフロー評価モデルを利用して、さまざまなグリッド接続方式の経済性を分析し、かつ、ALC-PSOアルゴリズムによって分析し、ファーストベストとセカンドベストのグリッド接続案を取得する。ファーストベストとセカンドベストのグリッド接続案を利用して、グリッド接続方式の利用条件及び場面について参照となる選択方式を提案する。具体的には、洋上風力発電による電力がフレキシブル直流システム、交流システム、又は交直ハイブリッドシステムを通す場合グリッド接続の投資コスト、メンテナンスコスト及び損耗コストをそれぞれ算出して並べ替え、その結果に基づいて洋上風力発電の最適グリッド接続方式を選択する。
このような方式により、多様性が可能となり、かつこのような方式では、「老化」という概念により、実際には、グループから最適なリーダー、つまり全体的な最適点を選択するように、ALC-PSOにおいて挑戦メカニズムを提供している。これは、ALC-PSOアルゴリズムの最も主要な精神である。
【0026】
【0027】
【0028】
【0029】
ALC-PSOからわかるように、従来のPSOとは異なり、ALC-PSOは従来のPSOが局所最良解に陥って脱出できないという欠点を改善し、実行速度も従来のPSOと同程度である。その主な原因としては、ALC-PSOには挑戦者とライフスパンのメカニズムが導入され、これにより、粒子が探索過程で局所最良解に陥ることが避けられる。これは、一般的な遺伝子アルゴリズムを用いた場合,局所最良解から脱出するために突然変異のメカニズムを用いるのと類似している。ALC-PSOのフローチャートを図2に示す。
図1
図2
【国際調査報告】