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特表2022-551076モータ冷却構造、駆動アセンブリ及び車両
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-07
(54)【発明の名称】モータ冷却構造、駆動アセンブリ及び車両
(51)【国際特許分類】
   H02K 9/19 20060101AFI20221130BHJP
   H02K 1/20 20060101ALI20221130BHJP
【FI】
H02K9/19 A
H02K1/20 C
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022520296
(86)(22)【出願日】2020-12-22
(85)【翻訳文提出日】2022-03-31
(86)【国際出願番号】 CN2020138252
(87)【国際公開番号】W WO2021129599
(87)【国際公開日】2021-07-01
(31)【優先権主張番号】201911351106.5
(32)【優先日】2019-12-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521082075
【氏名又は名称】グレート ウォール モーター カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100108213
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 豊隆
(72)【発明者】
【氏名】ルオ,ピンユエン
(72)【発明者】
【氏名】ション,リャン
(72)【発明者】
【氏名】ワン,ヤドン
【テーマコード(参考)】
5H601
5H609
【Fターム(参考)】
5H601AA16
5H601CC01
5H601CC11
5H601DD01
5H601DD11
5H601DD30
5H601EE26
5H601GA02
5H601GA22
5H601GB05
5H601GE02
5H601GE11
5H609BB01
5H609PP02
5H609PP06
5H609PP08
5H609PP09
5H609QQ05
5H609QQ09
5H609QQ12
5H609RR26
(57)【要約】
本発明は、モータ冷却構造、駆動アセンブリ及び車両に関する。モータ冷却構造は、モータのステータ(1)にモータの軸周りに周方向に配置される複数本の分岐流路(100)と、流入流路(211)、ケース長流路及び流出流路(212)を含み、流入流路(211)、複数本のケース長流路及び流出流路(212)が減速機ケース(2)にモータの軸周りに周方向に配置されるケース流路(200)と、モータエンドカバー(3)にモータの軸周りに周方向に配置される複数本のエンドカバー長流路を含むエンドカバー流路(300)と、ケース流路(200)、複数本の分岐流路(100)及びエンドカバー流路(300)が形成された連続的な総流路と、減速機ケース(2)に設置され、流入流路(211)に連通する液体入口(201)と、減速機ケース(2)に設置され、流出流路(212)に連通する液体出口(202)と、を備える。このモータの冷却構造は、モータへの浸潤式冷却を実現し、モータの冷却効率を向上させる。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータ冷却構造であって、
モータのステータにモータの軸周りに周方向に配置される複数本の分岐流路と、
流入流路、ケース長流路及び流出流路を含み、前記流入流路、複数本のケース長流路及び流出流路が減速機ケースに前記モータの軸周りに周方向に配置されるケース流路と、
モータエンドカバーに前記モータの軸周りに周方向に配置される複数本のエンドカバー長流路を含むエンドカバー流路と、
前記ケース流路、複数本の分岐流路及びエンドカバー流路が形成された連続的な総流路と、
前記減速機ケースに設置され、前記流入流路に連通する液体入口と、
前記減速機ケースに設置され、前記流出流路に連通する液体出口と、を備える
ことを特徴とするモータ冷却構造。
【請求項2】
前記分岐流路が前記モータの軸線に沿って延びることを特徴とする請求項1に記載のモータ冷却構造。
【請求項3】
モータコイルの前記減速機ケースに近接する一端の外側に第一樹脂接着剤が設置され、前記第一樹脂接着剤は前記ケース流路で形成された円周内に位置し、前記流出流路の内壁に開口が設置され、前記流出流路の開口と前記液体出口はそれぞれ前記第一樹脂接着剤の両側に設置されることを特徴とする請求項1に記載のモータ冷却構造。
【請求項4】
モータコイルの前記モータエンドカバーに近接する一端の外側に第二樹脂接着剤が設置され、前記第二樹脂接着剤は前記エンドカバー流路で形成した円周内に位置することを特徴とする請求項1に記載のモータ冷却構造。
【請求項5】
前記エンドカバー流路はさらにエンドカバー短流路を含み、二本の前記エンドカバー短流路と複数本の前記エンドカバー長流路はモータエンドカバーに前記モータの軸周りに周方向に配置され、二本の前記エンドカバー短流路の内壁にいずれも開口が設けられることを特徴とする請求項4に記載のモータ冷却構造。
【請求項6】
二本の前記エンドカバー短流路がそれぞれ前記第二樹脂接着剤の両側に設置されることを特徴とする請求項5に記載のモータ冷却構造。
【請求項7】
前記ケース長流路が一本の分岐流路と一側に隣接する分岐流路に連通することを特徴とする請求項1に記載のモータ冷却構造。
【請求項8】
前記エンドカバー長流路が前記一本の分岐流路と他側に隣接する分岐流路に連通することを特徴とする請求項7に記載のモータ冷却構造。
【請求項9】
前記液体出口が減速機の給油口に接続されることを特徴とする請求項1に記載のモータ冷却構造。
【請求項10】
モータ及び減速機を含む駆動アセンブリであって、請求項1-9のいずれか一項に記載のモータ冷却構造を含むことを特徴とする駆動アセンブリ。
【請求項11】
請求項10に記載の駆動アセンブリを含むことを特徴とする車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本願は2019年12月24日に提出された、中国特許出願である201911351106.5の優先権を主張し、その出願の内容は引用により本願に組み込んでいる。
【0002】
本開示は大体自動車の技術分野に関し、具体的にはモータ冷却構造、駆動アセンブリ及び車両に関する。
【背景技術】
【0003】
モータが運行する過程において、モータのステータ、コイル及びロータは大量の熱量を生成し、モータの電力限界能力は常にモータの温度上昇限界に制限される。したがって、モータの冷却放熱能力を向上させることによりモータの電力密度を著しく向上させることができる。
【0004】
現在車載モータの冷却方式は主に水冷及び油冷の二種類の形式を有する。水冷方式はモータケースに水路を設計することであり、モータ内部の熱量は積層媒体を介して水路に伝達され、さらに冷却液により熱量を持ち去る。水冷方式の利点はコストが低く、基本的にモータの放熱要件を満たすことができ、欠点は間接冷却方式であり、放熱効率が低い。油冷方式は、油液が導電せず磁気伝導しない性能のため、モータステータ及び巻線を直接冷却することができ、高性能モータの冷却需要を満たすことができるが、油冷方式はスプレー式油冷であり、モータのコストを増加させる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示の目的はモータ冷却構造、駆動アセンブリ及び車両を提供することであり、モータ冷却構造は浸潤式冷却を実現し、冷却効果が高い。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一つの実施例はモータ冷却構造を提供し、モータのステータにモータの軸周りに周方向に配置される複数本の分岐流路と、流入流路、ケース長流路及び流出流路を含み、前記流入流路、複数本のケース長流路及び流出流路が減速機ケースに前記モータの軸周りに周方向に配置されるケース流路と、モータエンドカバーに前記モータの軸周りに周方向に配置される複数本のエンドカバー長流路を含むエンドカバー流路と、前記ケース流路、複数本の分岐流路及びエンドカバー流路が形成された連続的な総流路と、前記減速機ケースに設置され、前記流入流路に連通する液体入口と、前記減速機ケースに設置され、前記流出流路に連通する液体出口と、を備える。
【0007】
本開示のいくつかの実施例によれば、前記分岐流路は前記モータの軸線に沿って延びる。
【0008】
本開示のいくつかの実施例によれば、モータコイルの前記減速機ケースに近接する一端の外側に第一樹脂接着剤が設置され、前記第一樹脂接着剤は前記ケース流路で形成された円周内に位置し、前記流出流路の内壁に開口が設置され、前記流出流路の開口と前記液体出口はそれぞれ前記第一樹脂接着剤の両側に設置される。
【0009】
本開示のいくつかの実施例によれば、モータコイルの前記モータエンドカバーに近接する一端の外側に第二樹脂接着剤が設置され、前記第二樹脂接着剤は前記エンドカバー流路で形成された円周内に位置し、前記エンドカバー流路はさらにエンドカバー短流路を含み、二本の前記エンドカバー短流路と複数本の前記エンドカバー長流路はモータエンドカバーに前記モータの軸周りに周方向に配置され、二本の前記エンドカバー短流路の内壁にいずれも開口が設けられる。
【0010】
本開示のいくつかの実施例によれば、二本の前記エンドカバー短流路はそれぞれ前記第二樹脂接着剤の両側に設置される。
【0011】
本開示のいくつかの実施例によれば、前記ケース長流路は一本の分岐流路と一側に隣接する分岐流路に連通する。
【0012】
本開示のいくつかの実施例によれば、前記エンドカバー長流路は前記一本の分岐流路と他側に隣接する分岐流路に連通する。
【0013】
本開示のいくつかの実施例によれば、前記液体出口は減速機の給油口に接続される。
【0014】
本開示の一つの実施例は駆動アセンブリを提供し、モータ及び減速機を含み、さらに前記のようなモータ冷却構造を含む。
【0015】
本開示の一つの実施例は車両を提供し、前記のような駆動アセンブリを含む。
【発明の効果】
【0016】
本開示のモータ冷却構造は、分岐流路がモータのステータを貫通し、ケース流路、複数本の分岐流路及びエンドカバー流路が連続的な総流路を形成し、モータへの浸潤式冷却を実現し、冷却効果が高い。前の分岐流路と次の分岐流路における冷却油の流れ方向は逆であり、冷却油は複数の分岐流路において軸方向に循環して流れることができ、冷却効果を向上させる。モータ冷却構造はさらにコイルの両端の樹脂接着剤を冷却することができ、コイルの端部への冷却を実現する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
本発明の一部を構成する図面は本発明のさらなる理解を提供するために用いられ、本発明の例示的な実施の形態及びその説明は本発明を説明するために用いられ、本発明を不当に限定するものではない。
【0018】
図面において:
図1】本開示の実施例のモータ接続減速機の概略図であり、
図2】本開示の実施例の冷却油の流れ方向概略図であり、
図3】本開示の実施例のステータの概略図であり、
図4】本開示の実施例の分岐流路の概略図であり、
図5】本開示の実施例の減速機ケースの概略図であり、
図6】本開示の実施例のケース流路の概略図であり、
図7】本開示の実施例のモータエンドカバーの概略図であり、
図8】本開示の実施例のエンドカバー流路の概略図であり、
図9】本開示の実施例の第一樹脂接着剤冷却流路の冷却油の流れ方向概略図であり、
図10】本発明の実施例の第二樹脂接着剤冷却流路の冷却油の流れ方向概略図である。
【符号の説明】
【0019】
1:ステータ、
100:分岐流路、101:第一分岐流路、102:第二分岐流路、103:第三分岐流路、104:第四分岐流路、105:第五分岐流路、106:第六分岐流路、107:第七分岐流路、108:第八分岐流路、109:第九分岐流路、110:第十分分岐流路、111:第十一分岐流路、112:第十二分岐流路、
2:減速機ケース、
201:液体入口、202:液体出口、
200:ケース流路、211:流入流路、212:流出流路、221:第一ケース長流路、222:第二ケース長流路、223:第三ケース長流路、224:第四ケース長流路、225:第五ケース長流路、200a:開口、
3:モータエンドカバー、
300:エンドカバー流路、311:第一エンドカバー長流路、32:第二エンドカバー長流路、313:第三エンドカバー長流路、314:第四エンドカバー長流路、315:第五エンドカバー長流路、321:第一エンドカバー短流路、322:第二エンドカバー短流路、300a:開口、300b:開口、
4:第一樹脂接着剤、
5:第二樹脂接着剤、
6:コイル、
7:モータケース。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下では、いくつかの例示的な実施例のみを簡単に説明する。当業者が認識できるように、本開示の精神又は範囲から逸脱することなく、様々な異なる方式で説明された実施例を修正することができる。したがって、図面及び説明は本質的に例示的であり制限的ではないと考えられる。
【0021】
本開示の説明において、理解すべきことは、用語「中心」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」、「時計回り」、「反時計回り」等の指示された方位又は位置関係は図面に示された方位又は位置関係に基づくものであり、本開示の説明及び説明の簡略化を容易にするためだけであり、指定された装置又は素子が特定の方位を有し、特定の方位で構成され操作されることを指示するか又は示唆するものではなく、したがって本開示を限定するものと理解すべきではない。また、用語「第一」、「第二」は単に目的を説明するために用いられ、相対的な重要性を指示するか又は暗示するか又は指示された技術的特徴の数量を暗黙的に示すと理解されるべきではない。これにより、「第一」、「第二」が限定された特徴は一つ又は複数の該特徴を明示的又は暗黙的に含むことができる。本開示の説明において、別途明確で具体的な限定がない限り、「複数」の意味は二つ以上である。
【0022】
本開示の説明において、説明すべきことは、別途明確な規定及び限定がない限り、用語「取り付け」、「連結」、「接続」を広義に理解すべきであり、例えば、固定接続であってもよく、取り外し可能な接続であってもよく、又は一体的な接続であってもよく;機械的な接続であってもよく、電気的な接続であってもよく;直接接続であってもよく、中間媒体を介して間接的に接続されてもよく、二つの素子内部の連通又は二つの素子の相互作用関係であってもよい。当業者にとって、具体的な状況に応じて上記用語の本開示における具体的な意味を理解することができる。
【0023】
本開示において、特に明確な規定及び限定がない限り、第一特徴が第二特徴の「上」又はその「下」にあることは、第一及び第二特徴が直接接触することを含むことができ、第一及び第二特徴が直接接触せずにそれらの間の他の特徴によって接触することを含むこともできる。かつ、第一特徴が第二特徴の「上」、「上方」及び「上面」にあることは第一特徴が第二特徴の直上及び斜め上方にあることを含み、又は第一特徴の水平高さが第二特徴より高いことのみを示す。第一特徴が第二特徴の「下」、「下方」及び「下面」にあることは、第一特徴が第二特徴の直上及び斜め上方にあることを含み、又は第一特徴の水平高さが第二特徴より小さいことのみを示す。
【0024】
以下の開示は多くの異なる実施形態又は例を提供して本開示の異なる構成を実現するために用いられる。本開示の開示を簡略化するために、以下に特定の例の部材及び設置を説明する。当然のことながら、それらは単なる例示であり、かつ本開示を限定することを目的としない。また、本開示は異なる例において参照数字及び/又は参照アルファベットを繰り返してもよく、このような繰り返しは簡略化及び明確化のためであり、それ自体は検討された様々な実施形態及び/又は設置の間の関係を示さない。また、本開示は様々な特定のプロセス及び材料の例を提供するが、当業者は他のプロセスの応用及び/又は他の材料の使用を意識することができる。
【0025】
以下に図面を参照しながら本開示の好ましい実施例を説明し、理解すべきことは、ここで説明された好ましい実施例は本開示を説明し解釈するためのものに過ぎず、本開示を限定するものではない。
【実施例1】
【0026】
図1に示すように、モータのステータ1はモータケース7内に位置し、ステータ1にコイル6が巻回される。コイル6の両端は、ステータ1の端部からそれぞれ延出している。減速機ケース2はステータ1の一側に位置し、モータケース7に接続される。ステータ1の他側にモータエンドカバー3が設けられる。
【0027】
図2に示すように、本実施例はステータ1、減速機ケース2及びモータエンドカバー3に連続的な流路が設置される。冷却油は流路によりステータ1を浸潤式冷却することができ、さらにコイル6を冷却することができ、冷却効果が高い。モータ冷却構造は分岐流路100、ケース流路200、エンドカバー流路300、液体入口201及び液体出口202を含む。
【0028】
図3及び図4に示すように、モータのステータ1に複数本の貫通する分岐流路100が設置される。分岐流路100同士は互いに連通していない。複数の分岐流路100は、モータの軸周りに周方向に配列されている。本実施例において、分岐流路100の数は12本である。当業者に理解されるように、分岐流路100の数は必要に応じて適切に増減することができる。好ましくは、分岐流路100はモータの軸線に沿って延びる。
【0029】
図5及び図6に示すように、減速機ケース2のステータ1に近接する側壁にケース流路200が設置される。ケース流路200は、流入流路211と、複数のケース長流路と、流出流路212とを含む。本実施例において、ケース長流路の数は5本である。流入流路211、複数本のケース長流路及び流出流路212は減速機ケース1にモータの軸周りに周方向に配置される。ケース流路200は、分岐流路100に対応する。
【0030】
流入流路211は一本の分岐流路に対応し、本実施例において、流入流路211は第一分岐流路101に連通する。流出流路212は一本の分岐流路に対応し、本実施例において、流出流路212は第十二分岐流路112に連通する。一本のケース長流路は複数本の分岐流路に対応することができる。好ましくは、一本のケース長流路は二本の分岐流路に対応することにより、一本の分岐流路は一側に隣接する分岐流路の減速機ケース2に近接する一端に連通する。第二分岐流路102及び第三分岐流路103に対応する第一ケース長流路221は第二分岐流路102の減速機ケース2に近い一端と第三分岐流路103の減速機ケース2に近い一端に連通する。
【0031】
図7及び図8に示すように、モータエンドカバー3のステータ1に近接する側壁にエンドカバー流路300が設置される。エンドカバー流路300はエンドカバー長流路を含む。複数本のエンドカバー長流路はモータエンドカバー3にモータの軸周りに周方向に配置される。エンドカバー流路300は、分岐流路100に対応する。
【0032】
一本のエンドカバー長流路は複数の分岐流路に対応することができる。好ましくは、一本のエンドカバー長流路は二本の分岐流路に対応することにより、上記一本の分岐流路は他側に隣接する分岐流路のモータ端子3に近接する一端に連通する。第二分岐流路102を例として、第二分岐流路102と第三分岐流路103の減速機ケース2に近い一端は第一ケース長流路221により連通される。第二分岐流路102と第一分岐流路101のモータ端子3に近い一端は第一エンドカバー長流路311により連通される。
【0033】
ケース流路200、複数の分岐流路100及びエンドカバー流路300は、連続した総流路を形成している。減速機ケース1に液体入口201及び液体出口202が設置される。液体入口201は、流入流路211に連通している。液体出口202は、流出流路212に連通している。冷却油は液体入口201により総流路に入り、液体出口202により排出される。
【0034】
総流路が連続的であるため、冷却油が総流路に入った後、複数本の分岐流路100を順に通過し、ステータ1を浸潤式に冷却し、冷却効果が高い。隣接する分岐流路100における冷却油の流れ方向が逆である場合、ステータ1をより均一に冷却することができる。
【0035】
本開示の一つの好ましい実施形態によれば、モータのコイル6の減速機ケース1に近接する一端の外側に第一樹脂接着剤4が設置される。第一樹脂接着剤4はコイル6の対応する端部を密封する役割を果たす。第一樹脂接着剤4はケース流路200が形成された円周内に位置する。第一樹脂接着剤4と減速機ケース1との間に密閉空間が形成され、第一樹脂接着剤4の冷却流路とする。流出流路212の内壁に開口200aが設けられ、冷却油は開口200aから第一樹脂接着剤4の冷却流路に入り、その後に液体出口202から流出する。本実施例において、流出流路の開口200aと液体出口202はそれぞれ第一樹脂接着剤4の両側に設置される。冷却油は開口200aから流出した後、両側の第一樹脂接着剤4の冷却流路に沿って液体出口202に流れ、第一樹脂接着剤4を冷却する。第一樹脂接着剤4の温度が低下し、コイル6の減速機ケース2に近接する一端を冷却することができる。
【0036】
本開示の一つの好ましい実施形態によれば、モータのコイル6のモータエンドカバー3に近接する一端の外側に第二樹脂接着剤5が設置される。第二樹脂接着剤5はコイル6の対応する端部を密封する役割を果たす。第二樹脂接着剤5はエンドカバー流路300が形成された円周内に位置する。第二樹脂接着剤5とモータエンドカバー3との間に密閉空間が形成され、第二樹脂接着剤5の冷却流路とする。
【0037】
エンドカバー流路300はさらにエンドカバー短流路を含み、エンドカバー短流路の数は二つであり、それぞれ第一エンドカバー短流路321と第二エンドカバー短流路322である。第一エンドカバー短流路321と第二エンドカバー短流路322はそれぞれ一本の分岐流路100に対応する。二本のエンドカバー短流路と複数本のエンドカバー長流路はモータエンドカバー3にモータの軸周りに周方向に配置される。第一エンドカバー短流路321の内壁に開口300aが設けられ、第二エンドカバー短流路322の内壁に開口300bが設けられる。第一エンドカバー短流路321内の冷却油は開口300aを通過して第二樹脂接着剤5の冷却流路に入り、その後に開口300bを通過して第二エンドカバー短流路322に入る。冷却油は、第二樹脂接着剤5の冷却流路に入って第二樹脂接着剤5を冷却する。第二樹脂接着剤5の温度が低下し、コイル6のモータエンドカバー3に近接する一端を冷却することができる。
【0038】
第一樹脂接着剤4及び第二樹脂接着剤5に対する冷却により、さらにコイル6に対する冷却を実現し、モータに対する冷却効果を向上させる。
【0039】
好ましくは、二本のエンドカバー短流路はそれぞれ第二樹脂接着剤5の両側に設置される。すなわち開口300aと開口300bはそれぞれ第二樹脂接着剤5の両側に位置し、第二樹脂接着剤5に対する冷却効果を向上させる。
【0040】
図9及び図10に示すように、本実施例のモータ冷却構造がモータを冷却するフローは以下のとおりである。
1.冷却油は液体入口201から入り、流入流路211に流入する。
2.冷却油は流入流路211から第一分岐流路101に入る。
3.冷却油は順に第一エンドカバー長流路311、第二分岐流路102、第一ケース長流路221、第三分岐流路103、第二エンドカバー長流路312、第四分岐流路104、第二ケース長流路222、第五分岐流路105、第一エンドカバー短流路321を通過してステータ1を冷却する。
4.冷却油は開口300aから第二樹脂接着剤冷却流路に入って第二樹脂接着剤を冷却する。
5.冷却油は開口300bから第二エンドカバー短流路322に入り、第六分岐流路106、第三ケース長流路223、第七分岐流路107、第三エンドカバー長流路313、第八分岐流路108、第四ケース長流路224、第九分岐流路109、第四エンドカバー長流路314、第十二分岐流路110、第五ケース長流路225、第十一分岐流路111、第五エンドカバー長流路315、第十二分岐流路112、流出流路212を順に通過してステータを冷却する。
6.冷却油は開口200aから第一樹脂接着剤冷却流路に入って第一樹脂接着剤4を冷却する。
7.冷却油は液体出口202から排出される。
【0041】
本開示の一つの好ましい実施形態によれば、液体出口202は減速機の給油口に接続される。モータの冷却油は減速機の給油口から減速機のキャビティに入り、潤滑油として減速機の歯車を潤滑し冷却する。潤滑された潤滑油は減速機の底部に集められ、フィルタで濾過された後、オイルポンプにより液体入口201に入ってモータを冷却し、冷却油の循環利用を実現する。
【実施例2】
【0042】
本開示の実施例は駆動アセンブリを提供し、モータ及び減速機を含み、さらに前記のようなモータ冷却構造を含む。
【実施例3】
【0043】
本開示の実施例は車両を提供し、以上のような駆動アセンブリを含む。
【0044】
本開示のモータ冷却構造は、分岐流路がモータのステータを貫通し、ケース流路、複数本の分岐流路及びエンドカバー流路が連続的な総流路を形成し、モータへの浸潤式冷却を実現し、冷却効果が高い。前の分岐流路と次の分岐流路における冷却油の流れ方向は逆であり、冷却油は複数の分岐流路において軸方向に循環して流れることができ、冷却効果を向上させる。モータ冷却構造はさらにコイルの両端の樹脂接着剤を冷却することができ、コイルの端部への冷却を実現する。
【0045】
以上の記載は本開示の好ましい実施例に過ぎず、本開示を限定するものではなく、本開示の精神及び原則内で、行われたいかなる修正、同等置換、改善等は、いずれも本開示の保護範囲内に含まれるべきである。
【0046】
最後に説明すべきことは、以上は本開示の好ましい実施例に過ぎず、本開示を限定するものではなく、前述の実施例を参照して本開示を詳細に説明したが、当業者にとって、それは依然として前述の各実施例に記載の技術的解決手段を修正するか、又はそのうちの一部の技術的特徴を同等置換することができる。本開示の精神及び原則内で、行われるいかなる修正、同等置換、改善などは、いずれも本開示の保護範囲内に含まれるべきである。
図1
図2
図3
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図5
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図8
図9
図10
【国際調査報告】