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特表2022-551094積層造形プロセスのためのドッキング装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-07
(54)【発明の名称】積層造形プロセスのためのドッキング装置
(51)【国際特許分類】
   B22F 12/52 20210101AFI20221130BHJP
   B22F 10/28 20210101ALI20221130BHJP
   B22F 12/90 20210101ALI20221130BHJP
   B22F 12/70 20210101ALI20221130BHJP
   B29C 64/329 20170101ALI20221130BHJP
   B29C 64/255 20170101ALI20221130BHJP
   B33Y 30/00 20150101ALI20221130BHJP
   B33Y 40/00 20200101ALI20221130BHJP
   B29C 64/364 20170101ALI20221130BHJP
   B29C 64/393 20170101ALI20221130BHJP
【FI】
B22F12/52
B22F10/28
B22F12/90
B22F12/70
B29C64/329
B29C64/255
B33Y30/00
B33Y40/00
B29C64/364
B29C64/393
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022520502
(86)(22)【出願日】2020-09-29
(85)【翻訳文提出日】2022-05-25
(86)【国際出願番号】 GB2020052355
(87)【国際公開番号】W WO2021064362
(87)【国際公開日】2021-04-08
(31)【優先権主張番号】1914249.6
(32)【優先日】2019-10-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517102994
【氏名又は名称】エルピーダブリュ テクノロジー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】LPW TECHNOLOGY LTD
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】弁理士法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヒーリー,カラム
【テーマコード(参考)】
4F213
4K018
【Fターム(参考)】
4F213AC04
4F213AL02
4F213AL10
4F213WA25
4F213WB01
4F213WL02
4F213WL32
4F213WL74
4K018CA44
4K018EA51
4K018EA60
(57)【要約】
容器(12)の出口(16)と積層造形プロセスの構成要素のための入口(18)とを結合するためのドッキング装置(10)に関する。ドッキング装置(10)は、容器(12)を受容するように構成されたドック(11)と、ドック(11)に関連するガス供給部(35)と、を含む。ガス連結器(38a,38b)は、使用時に、容器(12)がドック(11)内に受容されたときに、ガス供給部(35)と容器(12)に関連するガス入口(32)とを結合するように設けられて構成される。
【選択図】図19
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器の出口と積層造形プロセスの構成要素のための入口とを結合するためのドッキング装置であって、
前記容器を受容するように構成されたドックと、
前記ドックに関連するガス供給部と、
使用時に、前記容器が前記ドック内に受容されたときに、前記ガス供給部と前記容器に関連するガス入口とを結合するように構成されたガス連結器と、
を備える、
ドッキング装置。
【請求項2】
前記ガス供給部は、前記容器内の圧力レベルを制御して、前記容器から前記積層造形プロセスの前記構成要素への材料の流れを支援するために、ガス源を前記容器に供給する、請求項1に記載のドッキング装置。
【請求項3】
前記ガス供給部は、前記容器内および/または前記容器と前記構成要素との間の界面における雰囲気を制御して、前記容器内に保持された材料の劣化を防止するために、ガス源を前記容器に供給する、請求項1に記載のドッキング装置。
【請求項4】
前記容器が前記ドック内に受容された際に、前記ガス連結器と前記容器に関連する前記ガス入口とを自動的に結合するように構成される、請求項1~3のいずれか1項に記載のドッキング装置。
【請求項5】
使用時に、前記容器が前記ドック内に受容された後に、前記容器に関連する前記ガス入口に接続可能なガス供給ラインを備える、請求項1~3のいずれか1項に記載のドッキング装置。
【請求項6】
1つまたは複数の圧力センサを備える、請求項1~5のいずれか1項に記載のドッキング装置。
【請求項7】
前記1つまたは複数の圧力センサは、使用時に、前記容器内の圧力レベルを決定するように構成された内部圧力センサを備える、請求項6に記載のドッキング装置。
【請求項8】
前記1つまたは複数の圧力センサは、使用時に、前記容器の出口、または前記容器の外部における圧力レベルを決定するように構成された外部圧力センサを備える、請求項6または7に記載のドッキング装置。
【請求項9】
前記1つまたは複数の圧力センサから受信したデータに応じて、前記ガス供給部から前記容器へのガスの供給を制御するように構成された制御システムを備える、請求項6~8のいずれか1項に記載のドッキング装置。
【請求項10】
前記ガス入口は、前記容器の上面内に設けられる、請求項1~9のいずれか1項に記載のドッキング装置。
【請求項11】
前記容器は、ガス出口を備える、請求項1~10のいずれか1項に記載のドッキング装置。
【請求項12】
前記ガス供給部は、前記容器内に保持される材料に対応するガスを含む、請求項1~11のいずれか1項に記載のドッキング装置。
【請求項13】
前記ガス供給部は、不活性ガスを含む、請求項12に記載のドッキング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドッキング装置(docking arrangement)に関し、より詳細には、容器(例えばホッパー)内に保持された粉末などの材料を積層造形装置に供給するための積層造形プロセスで使用されるドッキング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、積層造形は、材料または複数の材料の層を積み重ねることによって3D物体を製造するプロセスに関する。従来、材料は、粉末(例えば金属粉)の形態で積層造形装置に供給され得る。小規模な製造プロセスの場合、粉末は、容器(例えばプラスチック容器)から供給され得る。大規模なプロセスの場合、大量の粉末を輸送し、積層造形装置に供給するためのホッパーが設計されてきた。このようなホッパーは、ホッパー内の環境条件(例えば雰囲気、湿気など)が確実に制御されるように改良されてきた。例えば、粉末の中には空気中で酸化するものがあるため、制御された雰囲気下に置く必要がある。さらに、ほとんどの場合、粉末が濡れることを防ぐことが望ましく、これは、粉末を積層造形装置に供給する際の問題、すなわち、粉末がホッパーから流れ出るのを妨げる可能性につながる場合がある。しかしながら、現在までのところ、完全な解決策は提供されていない。
【0003】
例えば、製造プロセスのための材料(例えば粉末)を含むホッパーから積層造形プロセス(例えば積層造形装置)の構成要素に粉末を供給するために、ホッパーと構成要素とをドッキングおよび結合することができるドッキング装置の必要性がある。
【0004】
ホッパーからの材料の供給を、状況に応じて、例えば自動的におよび/または手動で制御可能な装置を提供する必要がある。例えば、一般に、ホッパーからの材料の供給は、重力で行われ、大規模なプロセスでは、例えば手の届かないところにある手動制御が適さない場合がある。したがって、操作者が例えばホッパーの出口を開放するためにホッパーと物理的に接触することなく、ホッパーからの材料の供給を制御することができる装置を提供することが有利である。
【0005】
ホッパーを構成要素に適切に固定することができる装置を提供する必要がある。これは、ホッパーと構成要素との間の結合(例えばホッパーと構成要素との間の結合部に提供された気密/液密シールなど)を安定させるため、および/または必要な環境制御を維持するために必要な場合がある。また、材料の供給中に、ホッパーと構成要素との間の結合部が所定の位置に固定されたままにすることも必要な場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、本発明の実施形態の目的は、先行技術に関連する1つまたは複数の問題を克服するか、少なくとも部分的に軽減することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様によれば、容器の出口と積層造形プロセスの構成要素のための入口とを結合するためのドッキング装置が提供される。該ドッキング装置は、容器を受容するように構成されたドックと、ドックに関連するガス供給部と、ガス連結器と、を備える。ガス連結器は、使用時に、容器がドック内に受容されたときに、ガス供給部と容器に関連するガス入口とを結合するように構成される。
【0008】
本発明の実施形態において、ガス供給部は、容器内の圧力レベルを制御して、例えば、容器から積層造形プロセスの構成要素への材料の流れを支援するために、ガス源を容器に供給する。さらなる実施形態において、ガス供給部は、容器内および/または容器と構成要素との間の界面におけるの雰囲気を制御して、例えば、容器内に保持された材料の劣化(例えば腐食、酸化またはその他の劣化)を防止するために、ガス源を容器に供給してもよい。ガス供給部は、容器と積層造形プロセスの構成要素とが接続される前に、容器から空気または他のガスをパージし、例えば不活性ガスなどの選択されたガスで置換するために使用されてもよい。
【0009】
本発明の実施形態において、ドッキング装置は、容器がドック内に受容された際に、ガス連結器と容器に関連するガス入口とを自動的に結合するように構成されてもよい。別の実施形態において、ドッキング装置は、使用時に、容器がドック内に受容された後に、容器に関連するガス入口に接続可能なガス供給ラインを備えてもよい。このような装置では、供給ラインを容器上のガス入口に手動で結合する必要がある場合がある。
【0010】
本発明の実施形態において、ドッキング装置は、1つまたは複数の圧力センサを備えてもよい。
【0011】
1つまたは複数の圧力センサは、使用時に、容器内の金属粉などの材料の上方の容器内の圧力レベルを決定するように構成された内部圧力センサを備えてもよい。1つまたは複数の圧力センサは、使用時に、容器の外部、または容器の出口内またはその下流における圧力レベルを決定するように構成された外部圧力センサを備えてもよい。
【0012】
一部の実施形態において、ドッキング装置は、ガス供給部から容器へのガスの供給を制御するように構成された制御システムを備えてもよい。制御システムは、1つまたは複数の圧力センサから受信したデータに応じて、ガス供給部から容器へのガスの供給を制御するように構成されてもよい。
【0013】
ガス入口は、容器の上面内に設けられてもよい。
【0014】
また、容器は、ガス出口を備えてもよい。ガス出口は、容器内からガスを放出するために設けられてもよい。一部の実施形態において、ガス出口は、容器内の圧力レベルが最大圧力レベル以下に留まるように構成されたブリード弁装置を備えてもよい。ガス出口は、容器の上面内に設けられてもよい。
【0015】
ガス供給部は、空気を含んでいてもよい。一部の実施形態において、ガス供給部は、容器内に保持される材料に対応するガスを含む。例えば、一部の実施形態において、ガスが、アルゴンまたは窒素などの不活性ガスを含むことが望ましい場合がある。このような実施形態において、不活性ガスを使用することで、容器内の材料の酸化またはその他の劣化を適切に抑制することができる。
【0016】
本発明の実施形態において、容器は、ホッパーを備えてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0017】
以下、本発明がより明確に理解されるように、本発明の1つまたは複数の実施形態を、添付の図面を参照しながら例示的に説明する。
図1】ドッキング装置の斜視図である。
図2図1のドッキング装置の斜視図である。
図3図2の領域Aの拡大図である。
図4図1図3に示すドッキング装置の側方断面図である。
図5図4の領域Bの拡大図である。
図6】操作ハンドルの一実施形態の側面図である。
図7A】特定の状態にある、図6に示す操作ハンドルの側面図である。
図7B】別の状態にある、図6に示す操作ハンドルの側面図である。
図8】操作ハンドルの別の実施形態の斜視図である。
図9図8に示す操作ハンドルの分解図である。
図10A】特定の状態にある、図8および図9の操作ハンドルの断面図である。
図10B図10Aの領域Cの拡大図である。
図11A】別の状態にある、図8および図9の操作ハンドルの断面図である。
図11B図11Aの領域Dの拡大図である。
図12】ロック機構の一実施形態の斜視図である。
図13図12のロック機構の構成要素の斜視図である。
図14A】特定の状態にある、図12および図13のロック機構の断面図である。
図14B図14Aの領域Eの拡大図である。
図15A】ロック機構が別の状態にある、図14Aに対応する図である。
図15B図15Aの領域Fの拡大図である。
図16】ロック機構のさらなる実施形態の斜視図である。
図17図16のロック機構の断面図である。
図18A】本明細書に記載のドッキング装置を動作させるための制御戦略を示すフロー図である。
図18B図18Aの制御戦略の続きを示すフロー図である。
図19図1図18のドッキング装置のさらなる特徴を示す側方断面図である。
図20】ドッキング装置のさらなる側方断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明は、積層造形プロセスなどの製造プロセスのためのドッキング装置10に関する。
【0019】
図1および図2を参照すると、ドッキング装置10は、ホッパー12の形態を有する容器が結合され得るドック11を含む。これらの図は、ホッパー12がドック11からドッキング解除された状態、およびドック11にドッキングされた状態をそれぞれ示している。使用時に、ドック11は、積層造形プロセスの装置に対応してもよく、ホッパー12は、その装置に供給される粉末(金属粉など)を含んでいてもよい。
【0020】
ホッパー12は、スタンド22と、ホッパー12の容器14をスタンド22上で支持するための支持アーム24と、を含む。図に示す実施形態において、3つの支持アーム24が設けられている。容器14は、積層造形プロセスのための粉末を含んでいてもよい。容器は、円錐台形部の上方にある上部円筒部を備え、出口につながっている。
【0021】
ホッパー12は、ドック11上の入口18に結合および固定され得る出口16を含む。ホッパー12の出口16と入口18との間の結合部は、ロック機構100を含む。本明細書で詳述するように、ロック機構100は、ホッパー12の容器14からの材料がドック11を介して製造プロセスの別の構成要素に供給されるように、出口16および入口18をロックおよび固定する手段を備える。図に示す実施形態において、入口18には、ホッパー12から製造プロセスの別の構成要素に材料を供給するための導管20が設けられる。
【0022】
ホッパー12のスタンド22の基部は、ドック11上の対応する突起部材23を受容するための開口部21を含む。図に示すように、突起部材23は、ドック11の表面13から上方に突出する。開口部21と対応する突起部材23との結合は、使用時に、ホッパー12をドック11にさらに固定するように作用してもよい。
【0023】
ホッパー12には、ホッパー12の容器14から出る材料の流れを制御するための弁装置26が設けられる。好ましい本実施形態において、弁装置は、バタフライ弁の形態を有する出口弁を備える。しかしながら、本発明はこれに限定されず、弁装置26は、任意の適切な弁タイプを備えることができることに留意されたい。図に示す実施形態において、出口弁は、操作ハンドル50を介して制御される。本明細書に記載するように、操作ハンドル50は、操作ハンドル50のレバー52の回転を通じて、弁装置26の出口弁を開放および/または閉鎖するために使用されてもよい。これは、本発明の実施形態において、操作ハンドル50に動作可能に結合されたアクチュエータ40を介して実現されてもよい。図に示す実施形態において、アクチュエータ40は、ドック11の一部を構成し、ドック11へのホッパー12のドッキングの際に、操作ハンドル50のその後の作動のために操作ハンドル50およびアクチュエータ40が互いに相対的に配置されるように配置される。
【0024】
また、ホッパー12には、ガス入口32が設けられる。図19および図20を参照して説明するように、ガス入口32は、使用時に、ホッパー12の容器14内の圧力レベルを制御するために使用されてもよい。例えば、出口16からの材料の流れを支援するために、ホッパー12内の圧力を増加させることが望ましい場合がある。
【0025】
本明細書に記載するように、ドッキング装置10は、積層造形プロセスの装置(例えば積層造形装置またはふるいなど)に対応する(またはその一部を構成する)ことができるドック11を含み、ホッパー12は、その装置に供給される粉末を含んでいてもよい。しかしながら、場合によっては、例えばホッパー12内の材料を補充ために、粉末/材料をホッパー12に供給することが望ましい場合がある。したがって、ホッパー12の上面には、ホッパー12の容器14の内部との連通を可能にする開閉可能なハッチ30が設けられる。場合によっては、別のホッパーからの材料がホッパー12に供給されてもよい。このような場合、ドッキング装置10が使用されてもよい。ここで、入口18(および任意で導管20)は、ホッパー12への入口として機能し、別のホッパーがドック11上にドッキングされる。これは、2つの異なるホッパー内の材料を混合する必要がある実施形態において、または単にホッパー12内の材料を補充するために有用である場合がある。本発明の実施形態において、1つのホッパーまたは積層造形装置からの材料は、ホッパー12に供給される前にふるいに通されてもよい。このような場合、ドッキング装置10は、ふるいを受容するように適合されてもよい。
【0026】
図3図7Bは、操作ハンドル50の実施形態を示しており、操作ハンドル50を作動させて弁装置26の出口弁を開放および/または閉鎖するためにアクチュエータ40をどのように使用することができるかを示している。
【0027】
操作ハンドル50は、複数の回転位置の間で回転可能なレバー52と、レバー52に接続された回転可能なシャフト56と、を含む。本明細書に記載するように、レバー52の回転がシャフト56の対応する回転を引き起こし、その結果、出口弁(図示せず)に作用してホッパー12から出る材料の流れを制御することができる。
【0028】
レバー52は、端部64を介して、その長さのほぼ半分に沿って、操作ハンドル50の回転可能なシャフト56に結合される(例えば、適切に固定される、または一体的に形成される)。これにより、レバー52は、その中心を軸に回動し、端部64の両側で第1のレバーアーム53aおよび第2のレバーアーム53bを画定する。使用時に、レバー52(ひいては回転可能なシャフト56)は、関連する弁装置26の完全に閉鎖した構成と完全に開放した構成に対応する2つの回転位置の間で回転可能である。
【0029】
本実施形態において、アクチュエータ40は、第1のピストン42および第2のピストン45を含む二重ピストン装置の形態を有する。第1のピストン42および第2のピストン45は、レバー52の回転を実現するために、複数の位置の間で移動可能である。図に示すように、および本明細書に記載するように、レバーアーム53aおよび53bを必要に応じて回転させるために、第1のピストン42は、第1のレバーアーム53aに作用するように構成され、第2のピストン45は、第2のレバーアーム53bに作用するように構成される。
【0030】
第1のピストン42は、1対の第1のピストンアーム41aおよび41bと、ピストンアーム41aおよび41bが結合される上部支持部材43と、を含む。第1のローラ49aは、支持部材43に取り付けられ、使用時に、レバー52の第1のレバーアーム53aと相互作用するように配置される。ピストンアーム41aおよび41bは、使用時に、例えば油圧または空気圧装置を介して第1のピストン室47の内外を移動して、第1のピストン室47内に流体を導入またはそこから流体を除去するように構成される。代替的に、アクチュエータ40は、アーム41aおよび41bを移動させるように構成されたソレノイドまたはモータなどの電気アクチュエータを備えてもよい。第1のピストン室47の内外を移動することで、ピストンアーム41aおよび41bは、支持部材43、ひいてはローラ49aの対応する移動を引き起こして、第1のレバーアーム53aとの相互作用を介して、レバー52の移動(直線および/または回転)を作動させる。
【0031】
同様に、第2のピストン45は、1対の第2のピストンアーム44aおよび44bと、ピストンアーム44aおよび44bが結合される上部支持部材46と、を含む。第2のローラ49bは、支持部材46に取り付けられ、使用時に、レバー52の第2のレバーアーム53bと相互作用するように配置される。ピストンアーム44aおよび44bは、使用時に、例えば油圧または空気圧装置を介して、第2のピストン室48の内外を移動して、第2のピストン室48内に流体を導入またはそこから流体を除去するように構成される。代替的に、および上述したように、アクチュエータ40は、電気アクチュエータを備えてもよい。第2のピストン室48の内外を移動することで、ピストンアーム44aおよび44bは、支持部材46、ひいてはローラ49bの対応する移動を引き起こして、第2のレバーアーム53bとの相互作用を介して、レバー52の移動(直線および/または回転)を作動させる。
【0032】
ピストン42および45は、後退位置、第1の位置および第2の位置の間で直線的に移動するように構成される。後退位置から第1の位置へ移動することで、ピストン42および45は、レバー52の回転位置に応じて、それぞれのレバーアーム53aおよび53bと接触することができる。
【0033】
具体的には、レバー52が第1の回転位置にある状態で、第1のピストン42が後退位置から第1の位置へ移動すると、第1のローラ49aが第1のレバーアーム53aと接触する。本明細書に記載するように、第1のローラ49aが第1のレバーアーム53aと接触すると、第1のレバーアーム53aの直線移動が引き起こされる場合がある。その後、第1のピストン42が第1の位置から第2の位置へ移動すると、第1のレバーアーム53aに作用して、レバー52が第1の回転位置から第2の回転位置へ回転する。本明細書に記載するように、これは、弁装置26の開放に作用する場合がある。
【0034】
同様に、レバー52が第2の回転位置にある状態で、第2のピストン45が後退位置から第1の位置へ移動すると、第2のローラ49bが第2のレバーアーム53bと接触する。本明細書に記載するように、第2のローラ49bが第2のレバーアーム53bと接触すると、第2のレバーアーム53bの直線移動が引き起こされる場合がある。その後、第2のピストン45が第1の位置から第2の位置へ移動すると、第2のレバーアーム53bに作用して、レバー52が第2の回転位置から第1の回転位置へ回転する。これは、弁装置26の閉鎖に作用することができる。
【0035】
第1のローラ49aおよび第2のローラ49bは、第1のローラ49aおよび/または第2のローラ49bがレバーアーム53aおよび53bとそれぞれ接触したとき、すなわち、ピストン42および45が後退位置から第1の位置にそれぞれ移動した際に、第1の直線位置から第2の直線位置へのレバー52の直線移動を引き起こすように構成される。このレバー52の直線移動は、レバー52の回転を防止する回転保持機構から係合解除するために必要である。図6に示すように(および図8図11Bを参照して以下で詳述するように)、操作ハンドル50は、回転可能なシャフト56がその中に受容される外側シース54を含む。シース54は、シャフト56に関連する突起部58を受容するように構成されたスロット60を含む。スロット60は、レバー52、ひいては操作ハンドル50のシャフト56の回転位置を画定する一連の切り欠き部62a、62bおよび62cを含む。突起部58は、レバー52の回転とシャフト56の対応する回転の際に、外側シース54内のスロット60に沿って移動するように構成される。レバー52が第1の直線位置にある状態で、突起部58は、切り欠き部62a、62bおよび62cのうちの1つに受容されてもよい。これにより、レバー52の操作下でのシャフト56の回転を防止することができる。したがって、(例えば、ローラ49aまたは49bをレバー52のレバーアーム53aおよび53bとそれぞれ接触させることで)レバー52の第2の直線位置への移動は、突起部58を切り欠き部62a、62bおよび62cのうちの1つから離れるように移動させるために必要である。これにより、レバー52の移動の下でシャフト56が回転することができる。
【0036】
ローラ49aおよびレバー52は、第1のピストン42が第1の位置から第2の位置へ移動して、レバー52が第1の回転位置から第2の回転位置へ回転した際に、第1のレバーアーム53aをローラ49aから離れるように移動させるように構成される。これにより、レバー52は、(例えば、後述するように付勢部材の動作下で)第2の直線位置から第1の直線位置へ直線的に移動し、回転保持機構と再係合してレバー52のさらなる回転を防止することができる。このようにして、レバー52は、第1のピストン42の作動に続いて、第2の回転位置に保持されてもよい。具体的には、これは、第1のピストン42が第1の位置にあり、レバーが第1の回転位置にある状態で、ローラ49aが第1のレバーアーム53aの長手方向軸に対して垂直に配置されるように、レバー52に対してローラ49aに角度を付けることで達成される。第1のピストン42が第2の位置へ移動して、レバー52が第2の回転位置へ90°移動すると、ローラ49aは、第1のレバーアーム53aの長手方向軸と平行になる位置へ移動して、レバーアーム53aをローラ49aから離れるように移動させる。
【0037】
ローラ49bは、同様に構成される。具体的には、ローラ49bは、第2のピストン45が第1の位置から第2の位置へ移動して、レバー52が第2の回転位置から第1の回転位置へ回転した際に、第2のレバーアーム53bをローラ49bから離れるように移動させるように構成される。これにより、レバー52は、(例えば、後述するように付勢部材の動作下で)第2の直線位置から第1の直線位置へ直線的に移動し、回転保持機構と再係合してレバー52のさらなる回転を防止することができる。このようにして、レバー52は、第2のピストン45の作動に続いて、第1の回転位置に保持されてもよい。具体的には、これは、第2のピストン45が第1の位置にあり、レバー52が第2の回転位置にある状態で、ローラ49bが第2のレバーアーム53bの長手方向軸に対して垂直に配置されるように、レバー52に対してローラ49bに角度を付けることで達成される。第2のピストン45が第2の位置へ移動して、レバー52が第1の回転位置へ90°移動すると、ローラ49bは、第2のレバーアーム53bの長手方向軸と平行になる位置へ移動して、レバーアーム53bをローラ49bから離れるように移動させる。
【0038】
図8図11Bは、図1図7に示す操作ハンドル50の変形例を示している。以下に明示する場合を除いて、図8図11Bに示す操作ハンドル50は、図1図7に示す操作ハンドル50と実質的に同一の構成を有する。したがって、以下の説明では、特に明示しない限り、上述した操作ハンドル50の構成についてさらに詳細に記載する。
【0039】
本明細書に記載するように、操作ハンドル50は、使用時に、ホッパー12の出口16から出る製造用材料の流れを制御するための弁装置26の出口弁(図示せず)の動作を制御するように構成される。操作ハンドル50は、レバー52と、第1のシャフト部56aおよび第2のシャフト部56bを含む回転可能なシャフト56と、回転可能なシャフト56がその中に位置する外側シース54と、を含む。第1のシャフト部56aは、レバー52に接続される。これにより、レバー52の回転がシャフト56の対応する回転を引き起こし、その結果、出口弁(図示せず)に作用してホッパー12から出る材料の流れを制御することができる。図に示す装置において、シャフト56の端部に穴(bore)80が設けられる。これは、弁装置26上の対応する雄型結合部と相互作用するための雌型結合部として機能する。結合されたときに、シャフト56の回転は、出口弁を開閉するための弁装置26の雄型結合部に対応する回転をもたらすように作用する。
【0040】
レバー52は、端部64を備え、端部64を介して第1のシャフト部56aに結合される(例えば、一体的に形成されるか、適切に接続される)。端部64自体は、用途に応じて、レバー52の残りの部分と一体的に形成されるか、適切に接続される。
【0041】
外側シース54の端部、具体的にはレバー52に対してシース54の反対側端部において、シース54は、操作ハンドル50とドッキング装置10のホッパー12上の弁装置26とを接続および固定するための接続点70を含む。さらに、このシース54の端部において、シース54内の適切な位置に第2のシャフト部56bを固定するためのねじ72を受容するための開口部74aおよび74bが設けられる。開口部は、ねじ72と相互作用するためのねじ付き面を備えてもよい。対応する(ねじ付き)開口部76aおよび76bは、第2のシャフト部56bの端部に設けられる。
【0042】
第1のシャフト部56aおよび第2のシャフト部56bは、ロッド66を介して動作可能に結合される。ロッド66は、第1のシャフト部56aおよび第2のシャフト部56bの対応するスロット67aおよび67b内に位置するように構成される。ロッド66は、第1のシャフト部56aと第2のシャフト部56bとの間の界面を提供し、(例えばアクチュエータの動作を介した)レバー52の回転の際に、第2のシャフト部56bが第1のシャフト部56aと共に確実に回転させる。
【0043】
スロット67aおよび67bの長さは、対応するロッド66がスロット67aおよび67b内で移動できるように十分に大きく、例えば、第1のシャフト部56aが、シャフト56の長さに沿って実質的に中心で延在する軸に沿って、第1および第2の軸方向位置の間で第2のシャフト部56bに対して軸方向に移動することができるような長さである。使用時に、レバー52の直線移動の際に、第1のシャフト部56は、第1および第2の軸方向位置の間を移動する。これは、本明細書に記載するように、手動で移動されてもよく、アクチュエータ(例えばアクチュエータ40)の動作下で移動されてもよい。
【0044】
同様に、スロット67aおよび67bの長さは、対応するロッド66の少なくとも一部が互いに反対側にあるスロット67aおよび67b内に受容されるように十分に小さく、第1のシャフト部56aが第1または第2の軸方向位置のいずれかにある状態で、第1のシャフト部56aおよび第2のシャフト部56bが常に動作可能に結合されたままであるような長さである。これは、第1のシャフト部56aおよび第2のシャフト部56bが独立して回転することを確実に防止する。
【0045】
第1の軸方向位置において、第1のシャフト部56aは、シャフト部56aと56bの間の隙間78を介して、第2のシャフト部56bから離間している(図10Aおよび図10B参照)。第2の軸方向位置において、第1のシャフト部56aは、第2のシャフト部56bに近接しており、その間の隙間78を実質的になくす(図11Aおよび図11B参照)。
【0046】
第1のシャフト部56aおよび第2のシャフト部56bは、第1のシャフト部56aおよび第2のシャフト部56bのそれぞれの穴69aおよび69bのいずれかの端部に配置されたばね68の形態を有する付勢部材を介して、さらに動作可能に結合される。ばね68は、第1および第2の軸方向位置の間の第1のシャフト部56aの移動に伴ってまたはそれに逆らって作用する付勢力を加えるように構成される。図に示す実施形態において、ばね68によって加えられる付勢力は、第1の軸方向位置から第2の軸方向位置への第1のシャフト部56aの移動に逆らって作用する。同様に、ばね69によって加えられる付勢力は、第2の軸方向位置から第1の軸方向位置への第1のシャフト部56bの移動に伴って作用する。このようにして、付勢力は、例えばユーザ、またはアクチュエータとレバー52、または操作ハンドル50の他の構成要素との相互作用を介して作用しない限り、第1のシャフト部56aを第1の軸方向位置に付勢/保持するように作用する。
【0047】
このようにシャフト56を構成することで、第1のシャフト部56aおよび第2のシャフト部56bの両方が共に確実に回転することができる一方で、例えば出口弁(図示せず)に常に動作可能に結合されたままになるように、第2のシャフト部56bを出口弁に対して軸方向に実質的に静止させ、且つ例えば本明細書に記載する回転保持機構との係合/係合解除のために、第1のシャフト部56aを第2のシャフト部56bに対して必要に応じて軸方向に移動させることができる。
【0048】
簡単に上述したように、操作ハンドル50は、レバー52、ひいてはシャフト56を、必要に応じて複数の回転位置のうちの1つに保持するための回転保持機構を含む。具体的には、外側シース54は、第1のシャフト部56aに関連する突起部58を受容するように構成されたスロット60を含む。突起部58は、レバー52の回転およびシャフト56の対応する回転の際に、外側シース54内のスロット60に沿って移動するように構成される。図に示す実施形態において、突起部58は、第1のシャフト部56aの開口部内に適切に配置および固定されたダボの形態を有する。ダボは、第1のシャフト部56aの外面から突出する。
【0049】
スロット60は、突起部58を受容するための多数の切り欠き部62a、62bおよび62cを含む。切り欠き部62a、62bおよび62cは、突起部58を保持してシャフト56の回転を防止するように作用する。実際、切り欠き部62a、62bおよび62cは、シャフト56およびレバー52を保持することができる3つの角度位置を画定する。切り欠き部62aはレバー52の第1の回転位置に対応し、切り欠き部62cはレバー52の第2の回転位置に対応し、切り欠き部52bは、第1および第2の回転位置の間のレバー52の中間回転位置に対応する。したがって、切り欠き部62a、62bおよび62cは、例えば製造用材料の流れを制御するための完全に閉鎖した状態、中間状態および完全に開放した状態を含む出口弁(図示せず)の3つの動作状態に対応する。
【0050】
第1のシャフト部56a、ひいてはシャフト56全体は、第1のシャフト部56aが第2の軸方向位置にあるときに回転可能である。同様に、第1のシャフト部、ひいてはシャフト56は、第1のシャフト部56bが第1の軸方向位置あるときに、突起部58とスロット60内の切り欠き部62a、62bおよび62cのうちの1つとが接触した状態にあるため、回転することができない。ばね68を設けることで、ハンドル50が(ユーザまたはアクチュエータによって)作用されない限り、第1のシャフト部56aは、突起部58とシャフト56の回転を防止する切り欠き部62a、62bおよび62cのうちの1つとの接触が保持された状態で、第1の軸方向位置に保持される。シャフト56を回転させるために、すなわち、関連する出口弁を開放/閉鎖するために、第1のシャフト部56aを、ばね68が加える付勢力に対抗して、(例えばレバー52の直線移動によって)第2の軸方向位置へ移動させて、突起部58を切り欠き部62a、62bおよび62cから係合解除することができる。また、これにより、突起部58は、スロット60に沿って、すなわち、シャフト56の回転に伴って移動することができる。シャフト56を所望の(出口弁の関連する動作状態に対応する)角度位置へ回転させた後、例えばレバー52を操作するユーザによって、またはアクチュエータを介して第1のシャフト部56aに加えられたあらゆる外力が解放され、ばね68は、突起部58がスロット60内の対応する切り欠き部62a、62bおよび62cと係合し且つレバー52およびシャフト56の回転位置が保持された状態で、第1のシャフト部56aを第1の軸方向位置まで戻すように付勢することができる。
【0051】
図8図11Bに示す変形例において、レバー52は、図1図7に示す操作ハンドル50のようにその中心ではなく、その端部における操作ハンドル50を軸に回動する。したがって、アクチュエータ40の構成が本変形例での使用に適さない場合がある。したがって、図8図11Bに示す変形例において、レバー52の端部64は、関連するアクチュエータ(図示せず)の対応する雄型結合部を受容するように構成された雌型結合部として機能する穴65を含む。雄型/雌型結合部を介して結合されたときに、アクチュエータは、ユーザが手動でレバー52を操作することなく、シャフト56の直線移動および/または回転を引き起こすように構成される。このようにして、装置は、状況に応じて、手動で、または手動入力なしで自動的に制御することができる操作ハンドルを提供する。ただし、本変形例において、アクチュエータは、ホッパー12をドック11に配置した後に、穴65と個別に位置合わせおよび結合されてもよい。また、図1図7Bに示す実施形態と同様に、ホッパーのドッキングの際にアクチュエータと操作ハンドルとを所望に位置合わせしてもよい。
【0052】
さらなる変形例(図示せず)において、操作ハンドルは、直角駆動型の装置を備えてもよい。これにより、垂直方向に向けられたアクチュエータ(例えば、垂直方向のアクチュエータ駆動シャフト)は、ホッパー12のドッキングの際に、対応するように向けられた操作ハンドル上の結合部内に受容されてもよい。このような装置において、操作ハンドルは、歯車装置を含んでいてもよい。歯車装置は、アクチュエータの動作/回転の下で弁装置26の水平方向に向けられた駆動シャフトの対応する回転をもたらす1対のかさ歯車を含むことができる。
【0053】
本発明の実施形態において、操作ハンドル50は、ホッパー12内の材料のタイプに対応するものであってもよい。例えば、図8図11Bに示す変形例において、穴65は、ホッパー12内の材料のタイプに対応する構成を有してもよい。したがって、関連する出口弁を開閉するために操作ハンドル50に作用するように、特別に構成されたアクチュエータを使用する必要がある。アクチュエータは、製造プロセスの特定の構成要素に関連するものであってもよい。このようにして、操作ハンドル50の構成は、ハンドル50が製造プロセス内の特定の構成要素にのみ使用される(且つ材料がホッパー50から供給される)ようになっていてもよい。したがって、操作ハンドル50は、誤ったタイプの材料が誤った場所または誤った構成要素に供給されることを防止するように構成されてもよい。
【0054】
図12図15Bは、本発明によるロック機構100の一実施形態を示している。ロック機構100は、ホッパー12の出口16と積層造形装置などの積層造形プロセスの別の構成要素の入口18とを結合および固定するように構成される。具体的には、ロック装置100は、入口18を有し、出口16が入口18の開口上端部内に受容されたときに出口16の外面に作用することができるように配置される。
【0055】
ロック機構100は、ローラ102aおよび102bの形態を有する、互いに反対側にある1対のロック部材を含む。ローラ102aおよび102bは、その回転軸に垂直な方向に移動可能である。図に示す方向において、これは、水平方向への移動を含む。ローラ102aおよび102bの移動は、ピストン104aおよび104bの形態を有するそれぞれの線形アクチュエータを介して制御される。ローラ102aおよび102bは、それぞれのU字型締結部106aおよび106bを介してそれぞれのピストン104aおよび104bに取り付けられる。これにより、それぞれの回転軸を中心としたローラ102aおよび102bの回転運動が可能になる。この取り付け装置を図13に示す。代替的に、ローラは、例えば針状ころ軸受によって、ローラの残部に回転可能に取り付けられた外側カラーを含んでいてもよい。
【0056】
使用時に、ピストン104aおよび104bは、第1の長手方向位置(図14Aおよび14B)と第2の長手方向位置(図15Aおよび図15B)との間のそれぞれのローラ102aおよび102bの移動を制御するように構成される。図に示す実施形態において、ローラ102aおよび102bの第1の長手方向位置はロック機構100の「ロック解除」状態に対応し、第2の長手方向位置は、ロック機構100の「ロック」状態に対応する。
【0057】
代替実施形態において、ローラは、ピストン/シリンダ装置以外のアクチュエータに取り付けられる。これは、ソレノイドなどの電気アクチュエータであってもよい。
【0058】
ホッパー12の出口16には、その外面について、ここでは互いに反対側にある溝部分112aおよび112bとして示す溝112が設けられる。溝部分112aおよび112bは、ローラ102aおよび102bにそれぞれ対応する。溝112は、出口16の全周について設けられてもよい。これにより、このような実施形態において、溝112とそれぞれのローラ102aおよび102bとが正確に位置合わせした状態でホッパー12を配置することなく、ドッキング装置10内にホッパー12を固定することができる。
【0059】
使用時に、溝部分112aおよび112bは、ホッパー12の出口16を入口18に固定するために、それぞれのローラ102aおよび102bを少なくとも部分的に受容するように構成される。具体的には、出口16と入口18とを結合および固定する工程は、ローラ102aおよび102bが第1の長手方向位置にある状態で開始する。ローラ102aおよび102bが第1の長手方向位置にある状態で、ホッパー12の出口16を、入口18に近接させることができ、好ましくは接触させることができる。図に示す実施形態において、出口16は、図14Aおよび図14Bに示すように、入口18の開口端内の凹部107内に配置される。出口16がこの位置にある状態で、ローラ102aおよび102bは、それぞれのピストン104aおよび104bの動作下で第2の長手方向位置(図15Aおよび図15B)へ移動する。第2の長手方向位置にあるときに、ローラ102aおよび102bは、少なくても部分的に溝112内に受容され、具体的には出口16が入口18の凹部107から引き出されることを防止する、出口16の外壁内の対応する溝部分112aおよび112b内に受容される。このようにして、ロック機構100は、出口16と入口18とを結合および固定するために使用されてもよい。
【0060】
ピストン104aおよび104bは、それぞれのピストン室108aおよび108b内へのガスの導入および/またはそこからの除去を通じて空気圧的に制御される。ガスは、それぞれの供給パイプ110aおよび110bを介して、ピストン室108aおよび108bに供給および/またはそこから除去される。本明細書から理解されるように、ピストン室108aおよび108bへのガスの導入によって、ピストンが(図に示す構成において)内側へ移動して、ローラ102aおよび102bが第2の長手方向位置へ移動する。ピストン室108aおよび108bからのガスの除去によって、ピストンが(図に示す構成において)外側へ移動して、ローラ102aおよび102bが第1の長手方向位置へ移動する。
【0061】
ロック機構100のロックおよびロック解除は、好ましくは中央制御システム(図示せず)を介して制御されてもよい。また、中央制御システムは、ロック機構100の動作を制御する際に、ドッキング装置10の構成要素の他の動作状態を考慮してもよい。例えば、中央制御システムは、ロック機構100のロックを解除することを許可/制御する前に弁装置26の出口弁が閉鎖状態であることを要求してもよい。同様に、中央制御システムは、出口16および入口18が所定の位置に結合および固定された状態でロック機構100がロックされない限り、弁装置26の出口弁の開放を防止するように構成されてもよい。
【0062】
代替的なロック機構100’を図16および図17に示す。
【0063】
ロック機構100’は、それぞれの第1回動点109a’および109b’に回転可能に取り付けられたカム102a’および102b’の形態を有する1対のロック部材を含む。使用時に、カム102a’および102b’がそれぞれの第1回動点109a’および109b’を軸に回転することで、カム102a’および102b’がロック位置とロック解除位置との間で入口18の内部から出入りするように移動して、図1図15に示すローラ102aおよび102bと同様に、ホッパー12の出口16と係合し、そこから係合解除される。
【0064】
また、カム102a’および102b’の端部は、第2回動点107a’および107b’を介して、ピストン104a’および104b’の形態を有するそれぞれの線形アクチュエータに回転可能に取り付けられる。本明細書に記載するように、使用時に、カム102a’および102b’の移動は、ピストン104a’および104b’を介して制御される。具体的には、ピストン104a’および104b’は、ロック機構100’の「ロック解除」状態に対応する第1の回転位置と、ロック機構100’の「ロック」状態に対応する第2の回転位置との間のそれぞれのカム102a’および102b’の移動を制御するように構成される。ロック解除状態において、カム102a’および102b’は、(図17に示すように)実質的に入口18の内部から出た位置に配置される。ロック状態において、カム102a’および102b’は、上述したように、入口18の内部に突出して、ホッパー12の対応する出口16の外面(例えば溝112)と係合する。
【0065】
本明細書から理解されるように、ピストン104a’および104b’は、それぞれのピストン室108a’および108b’内へのガスの導入および/またはそこからの除去を通じて空気圧的に制御されてもよい。ガスは、それぞれの供給パイプ110a’および110b’を介して、ピストン室108a’および108b’に供給および/またはそこから除去される。
【0066】
ピストン室108a’および108b’へのガスの導入によって、ピストンが(図に示す構成において)上方へ移動して、カム102a’および102b’がそれぞれの第1回動点109a’および109b’を軸に第1の回転位置から第2の回転位置へ回転する。対照的に、ピストン室108a’および108b’からのガスの除去によって、ピストン108a’および108b’が(図に示す構成において)下方へ移動して、カム102a’および102b’がそれぞれの第1回動点109a’および109b’を軸に第2の回転位置から第1の回転位置へ逆回転する。
【0067】
図に示す実施形態において、カム102a’および102b’は、「オーバーセンター」カムである。それぞれの第1回動点109a’および109b’を軸にカム102a’および102b’が水平線を越えて(すなわち、第1回動点109a’および109b’と、それぞれの第2回動点107a’および107b’とが水平方向に整列した位置を越えて)回転すると、それぞれのピストン104a’および104b’が作用しない限り、カム102a’および102b’は、それぞれの第2の回転位置にあるときに所定の位置に効果的にロックされる。これにより、使用時に、例えばホッパー12の出口16からカム102a’および102b’に加えられるあらゆる内力/圧力によって、意図せずにロック機構100’が「ロック解除」されてしまうことを防止することができる。
【0068】
ロック機構100と同様に、ロック機構100’のロックおよびロック解除は、好ましくは中央制御システム(図示せず)を介して制御されてもよい。また、中央制御システムは、ロック機構100’の動作を制御する際に、ドッキング装置10の構成要素の他の動作状態を考慮してもよい。
【0069】
中央制御システムの例示的な制御戦略200を図18Aおよび図18Bのフロー図に示す。適用可能な場合、図18Aおよび図18Bは、制御戦略200の各ステップにおけるロック機構100および操作ハンドル50/アクチュエータ40の装置の動作状態を示す表現を含む。
【0070】
図18Aは、ドック11上にホッパー12を固定するステップと、その後、ホッパー12内の材料が製造プロセスの関連する別の構成要素に供給されるように弁装置26を開放するステップとを含む制御戦略200の前半を示している。
【0071】
具体的には、ステップ202では、ロック機構100が開放構成で提供される。すなわち、ローラ102aおよび102bは、本明細書に記載するように、ホッパー12の出口16がドック11の入口18に対して所定の位置に配置されるように、それぞれの第1の長手方向位置に保持される。このステップでは、アクチュエータ40の第1のピストン42および第2のピストン45は、ローラ49aおよび49bとそれぞれのレバーアーム53aおよび53bとが接触していない状態で、後退位置に保持される。図に示すように、レバー52は、第1の回転位置に配置され、これは、関連する弁装置26の閉鎖構成に対応する。
【0072】
ステップ204では、ホッパー12の出口16がドック11の入口18内に配置されていることを確認するためのチェックが行われる。配置されていない場合、ロック機構100は、開放構成が維持される。
【0073】
ホッパー12の出口16が入口18内の所定の位置に配置されると、ステップ206でロック機構100が閉鎖されてもよい。本明細書に記載するように、ロック機構100を閉鎖するステップは、ピストン104aおよび104bを移動させて、それぞれのローラ102aおよび102bを第2の長手方向位置へ移動させ、具体的には出口16の外面内のそれぞれの溝部分112aおよび112bと接触させることを含む。このステップの間、第1のピストン42および第2のピストン45は、それぞれの後退位置に保持される。
【0074】
ステップ208および210では、出口16と入口18との間に密閉された接続部が形成されたことを確認するための圧力チェックが行われる。形成されていない場合、プロセスはステップ202に戻り、ここで、ロック機構100が開放されてステップ202~206のロックプロセスが繰り返されてもよい。
【0075】
密閉された接続部が確認されると、ピストン42および45は、ステップ212でそれぞれの第1の位置へ移動する。具体的には、ピストン42に関連するローラ49aは、レバー52の第1のレバーアーム53aと接触する。これにより、レバー52が戻されて、回転保持機構との係合が解除される。
【0076】
ステップ214では、ピストン42は、第2の位置へ移動する。これにより、図に示すように、レバー52、ひいては操作ハンドル50のシャフト56が第2の回転位置へ90°回転する。レバー52の第2の回転位置は、弁装置26の開放構成に対応する。これにより、ホッパー12からの材料は、出口16を通って出て、入口18を介して製造プロセスの別の構成要素に入ることができる。
【0077】
所望の材料の量がホッパー12から取り出されると、逆のプロセスが実行されてもよい。これにより、弁装置26を閉鎖し、ロック機構100をロック解除し、ホッパー12をドック11から取り外すことができる。これを図18Bに示す。
【0078】
ステップ216では、第2のピストン45は、第2の位置へ移動して、ローラ49bがレバー52の第2のレバーアーム53bに作用する。これにより、レバー52が第1の回転位置に戻るように90°回転する。このようにして、それ以上の材料がホッパー12から出ることを防止するために、弁装置26を閉鎖することができる。
【0079】
ステップ218では、第1のピストン42および第2のピストン45の両方が後退位置へ戻される。ここで、ローラ49aおよび49bは、それぞれのレバーアーム53aおよび53bから離される。このようにして、レバー52は、ばね68によって加えられる付勢力の下で自由に移動し、回転保持機構と係合してレバー52を第1の回転位置に(弁装置26が閉鎖した状態で)固定することができる。
【0080】
ステップ220では、弁装置26が閉鎖されたことを確認するためのチェックが行われる。閉鎖されていない場合、プロセスはステップ216に戻り、弁装置26を閉鎖するためにステップ216および218が繰り返される。
【0081】
弁装置26の閉鎖が確認されると、プロセスはステップ222へ進む。ここで、ロック機構100が開放されてもよい。具体的には、ピストン104aおよび104bは、それぞれのローラ102aおよび102bを第1の長手方向位置へ、具体的には出口16の外面内のそれぞれの溝部分112aおよび112bから離れるように移動させる。これにより、ホッパー12がドック11から解放されて、ホッパー12を取り外すことができる。
【0082】
図19および図20は、ドッキング装置10のさらなる特徴を示している。具体的には、これらの図は、ガス入口32の操作上の使用法を示している。図に示すように、ガス供給ユニット34がガス入口32に結合され、ガス供給ライン33を介してドック11に関連するガス供給部35に接続される。この結合を実現するために、供給ラインの供給パイプ36aおよび36bは、連結器38aおよび38bを介してドック11上の連結器37aおよび37bにそれぞれ結合される。
【0083】
場合によっては、ガス供給部が供給したガスは、空気を含んでいてもよいが、同様に、ホッパー12内の材料が必要とする特定のタイプのガスを含んでいてもよい。本明細書に記載するように、一部の材料は空気中で酸化する場合があるため、制御された雰囲気下におく必要がある。したがって、ガス供給部35は、ホッパー12内の材料の酸化または他の劣化を適切に抑制することができる不活性ガス(例えばアルゴン、窒素など)を含んでいてもよい。
【0084】
さらなる使用法において、ガス供給部35は、ホッパー12内の圧力レベルを制御してホッパー12の出口16からの材料の流れを支援するために、ホッパー12にガス源を供給する。また、ホッパー12は、例えば、容器14内の圧力レベルが所望のレベル、または許容可能な最大圧力レベルを下回るレベルに留まるようにブリード弁として作用することができるガス出口(図示せず)を含むことができる。これにより、ホッパー12からガスを放出することができ、ガス供給部35を使用して、ホッパー12内のガスをパージし、ガス供給部35からのガスで置き換えることができるようになる。
【0085】
ガス供給ユニット34は、ホッパー12内の圧力を監視するため、および監視された圧力レベルに基づいてホッパー12へのガスの供給を制御するための1つまたは複数の圧力センサを含むことができる。ガス供給ユニット34の動作は、制御システム(図示せず)によって制御され得る。
【0086】
さらなる実施形態において、ガス供給部35は、ホッパー12の出口16とドック11上の入口18との間の界面において、ガス入口(図示せず)に結合され得る。このような実施形態において、ガス供給部35を使用してホッパー12と製造プロセスの構成要素との間の界面をパージし、材料が構成要素に移送される際の材料の劣化を防止することができる。
【0087】
上述した1つまたは複数の実施形態は、例示として記載されたものであり、添付の特許請求の範囲が提供する保護範囲から逸脱することなく、多くの変形例が可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8
図9
図10A
図10B
図11A
図11B
図12
図13
図14A
図14B
図15A
図15B
図16
図17
図18A
図18B
図19
図20
【国際調査報告】