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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-07
(54)【発明の名称】充填機用の粒子除去装置
(51)【国際特許分類】
   B65B 3/02 20060101AFI20221130BHJP
   B65B 55/02 20060101ALN20221130BHJP
【FI】
B65B3/02
B65B55/02 E
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022520641
(86)(22)【出願日】2020-09-30
(85)【翻訳文提出日】2022-06-03
(86)【国際出願番号】 EP2020077311
(87)【国際公開番号】W WO2021063991
(87)【国際公開日】2021-04-08
(31)【優先権主張番号】19201526.1
(32)【優先日】2019-10-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】391053799
【氏名又は名称】テトラ ラバル ホールディングス アンド ファイナンス エス エイ
【住所又は居所原語表記】70 Avenue General Guisan,CH-1009 Pully,Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100151105
【弁理士】
【氏名又は名称】井戸川 義信
(72)【発明者】
【氏名】ジェニー・リンドブラッド
(72)【発明者】
【氏名】オーレリア・ヴァリエール
【テーマコード(参考)】
3E118
【Fターム(参考)】
3E118AA04
3E118AB14
3E118BA03
3E118BA07
3E118BA10
3E118CA03
3E118CA15
3E118EA01
3E118FA01
(57)【要約】
個々のパッケージ(4)を形成し、充填し、シールするように構成された充填機(10)用の粒子除去装置(18)が提供される。粒子除去装置(18)は給気パイプ(181)と、粒子除去装置(18)を通過するレディ・トゥ・フィルパッケージ(2)に空気の噴流が向けられるように粒子除去装置(18)を作動するようにプログラムされているコントローラ(186)とを備える。
【選択図】 図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
個々のパッケージ(4)を形成し、充填し、シールするように構成された充填機(10)用の粒子除去装置(18)であって、給気パイプ(181)を備える粒子除去装置(18)において、
前記粒子除去装置(18)を通過するレディ・トゥ・フィルパッケージ(2)に空気の噴流が向けられるように前記粒子除去装置(18)を制御するようにプログラムされているコントローラ(186)を特徴とする粒子除去装置(18)。
【請求項2】
前記コントローラ(186)が、前記粒子除去装置(18)を通過するレディ・トゥ・フィルパッケージ(2)の動きに基づいて前記粒子除去装置(18)の作動を制御するようにプログラムされる、請求項1に記載の粒子除去装置。
【請求項3】
前記コントローラ(186)が、割出しサイクル全体に対して前記粒子除去装置(18)の作動を制御するようにプログラムされ、前記割出しサイクル全体の間、2つの連続するレディ・トゥ・フィルパッケージが前記粒子除去装置(18)を通過する、請求項1又は2に記載の粒子除去装置。
【請求項4】
作動中、前記空気の噴流が一定である、請求項3に記載の粒子除去装置。
【請求項5】
前記粒子除去装置(18)の作動が、レディ・トゥ・フィルパッケージの先行する側壁が前記給気パイプ(181)のオリフィス(182)と同じ垂直面内に配置されるときに開始される、請求項1~4のいずれか一項に記載の粒子除去装置。
【請求項6】
フード(183)をさらに備え、前記給気パイプ(181)が前記フード(183)の内部に配置される、請求項1~5のいずれか一項に記載の粒子除去装置。
【請求項7】
前記フード(183)が排気ユニット(184)を備える、請求項6に記載の粒子除去装置。
【請求項8】
前記給気パイプ(181)のオリフィス(182)が、前記フード(183)の下端よりも垂直方向下方に配置される、請求項6又は7に記載の粒子除去装置。
【請求項9】
前記フード(183)が、少なくとも1つのレディ・トゥ・フィルパッケージを覆うような寸法である、請求項1~8のいずれか一項に記載の粒子除去装置。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか一項に記載の粒子除去装置を備える充填機(10)。
【請求項11】
キャップアプリケータステーション(16)をさらに備え、前記粒子除去装置(19)が前記キャップアプリケータステーション(16)の下流に配置される、請求項10に記載の充填機。
【請求項12】
消毒ステーション(20)をさらに備え、前記粒子除去装置(18)が前記消毒ステーション(20)の上流に配置される、請求項10又は11に記載の充填機。
【請求項13】
個々のパッケージ(4)を形成し、充填し、シールするように構成された充填機のための方法であって、
請求項1~9のいずれか一項に記載の粒子除去装置(18)を提供することと、前記粒子除去装置(18)を通過するレディ・トゥ・フィルパッケージ(2)の中に空気の噴流が向けられるように前記粒子除去装置(18)を作動させることと
を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は充填機に関し、特に、個々のパッケージを形成、充填及びシールするように構成された充填機の粒子除去装置に関する。本発明はまた、製造中、すなわち、パッケージの形成及び充填中のパッケージの粒子を除去するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
食品業界では、飲料及び他の製品は紙又は板紙をベースにしたパッケージで包装されることが多い。液体食品用に意図されたパッケージは、紙又は板紙のコア層と、パッケージの内側を形成するコア層の少なくともその側にある熱可塑性材料の外側の液密層とを備える包装用ラミネートから製造されることが多い。
【0003】
頻繁に現れるパッケージの1つのグループは、いわゆるレディ・トゥ・フィルパッケージ(充填準備の整ったパッケージ)である。このようなレディ・トゥ・フィルパッケージは、充填前にその下端がシールされる、上述のような包装用ラミネートのスリーブとして提供される。上端は、スリーブの上端をシールして形成することによって、又は例えばプラスチックトップの形態で上部を追加することによって形成することができ、上端/上部には、スクリューキャップなどの開閉手段を設けることができる。
【0004】
オープンエンドの包装材スリーブは、充填機の送込みステーションで受け取られ、その後、下端が形成され、シールされる。この半完成パッケージは、この時点で充填準備が整っている。下流のステーションで、このレディ・トゥ・フィルパッケージは、パッケージ内に貯蔵される製品の保存期間を延長するために、少なくとも内側を殺菌又は消毒される。所望の保存期間の長さに応じて、またパッケージが冷蔵環境で、又は室温で流通、保管されるのかどうかに応じて、異なるレベルの殺菌/消毒を行うことができる。
【0005】
殺菌後、パッケージはさらに、製品充填のための充填ゾーン、オープンエンドのシールのためのシールゾーン、そして典型的にはパッケージの最終成形のための最終成形ゾーンに運ばれる。
【0006】
特に液体食品の包装では、不要な粒子を最小限に抑えたパッケージを製造することが重要である。これらの粒子は、多くの理由で不利である。例えば、大きな粒子は、封入された製品の品質に悪影響を与える可能性がある。また、大きな粒子は、シール作業など、充填機の性能に悪影響を及ぼす可能性もある。さらに、どのようなサイズの粒子も、衛生上の問題から望ましくない生物を運ぶ可能性がある。上記の欠点に加えて、過酸化水素が消毒媒体として使用される場合、粒子の存在は燃焼を引き起こす可能性もある。したがって、レディ・トゥ・フィルパッケージからの粒子の除去を改善した充填機が必要とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、従来技術の上で特定した制限の1つ又は複数を少なくとも部分的に克服することである。特に、レディ・トゥ・フィルパッケージから粒子を除去することができる充填機用の粒子除去装置を提供することが目的である。粒子は、レディ・トゥ・フィルパッケージを製造する動作中に生成され得るので、粒子が生成される場所の近くで充填機に粒子除去装置を配置することが有利である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
これらの目的を解決するために、粒子除去装置が提供される。粒子除去装置は、個々のパッケージを形成し、充填し、シールするように構成された充填機と共に使用される。粒子除去装置は、給気パイプと、粒子除去装置を通過するレディ・トゥ・フィルパッケージに空気の噴流が向けられるように粒子除去装置を作動するようにプログラムされているコントローラとを備える。
【0009】
コントローラは、粒子除去装置を通過するレディ・トゥ・フィルパッケージの動きに基づいて粒子除去装置の作動を制御するようにプログラムされてもよい。
【0010】
コントローラは、割出しサイクル全体に対して粒子除去装置の作動を制御するようにプログラムされてもよく、割出しサイクル全体の間、2つの連続するレディ・トゥ・フィルパッケージが粒子除去装置を通過する。
【0011】
実施形態において、空気の噴流は、粒子除去装置の作動中、一定である。
【0012】
粒子除去装置の作動は、レディ・トゥ・フィルパッケージの先行する側壁が給気パイプのオリフィスと同じ垂直面内に配置されるときに開始されてもよい。
【0013】
粒子除去装置はフードをさらに備えてもよく、給気パイプは前記フードの内部に配置されてもよい。フードは排気ユニットを備えてもよい。給気パイプのオリフィスは、フードの下端よりも垂直方向下方に配置されてもよい。
【0014】
フードは、少なくとも1つのレディ・トゥ・フィルパッケージを覆うような寸法であってもよい。
【0015】
第2の態様によれば、第1の態様による粒子除去装置を備える充填機が提供される。
【0016】
充填機はキャップアプリケータステーションをさらに備えてもよく、粒子除去装置は、キャップアプリケータステーションの下流に配置される。
【0017】
充填機は消毒ステーションをさらに備えてもよく、粒子除去装置は、消毒ステーションの上流に配置される。
【0018】
第3の態様によれば、個々のパッケージを形成し、充填し、シールするように構成された充填機のための方法が提供される。本方法は、第1の態様による粒子除去装置を提供する第1のステップと、粒子除去装置を通過するレディ・トゥ・フィルパッケージの中に空気の噴流が向けられるように前記粒子除去装置を作動させるステップとを含む。
【0019】
本発明のさらに他の目的、特徴、態様及び利点は、以下の詳細な記載及び図面から明らかになるであろう。
【0020】
次に、本発明の実施形態について、添付の概略図を参照して例として記載する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】一実施形態による充填機の概略図である。
図2図1に示される充填機によって製造されたパッケージの等角図である。
図3】一実施形態による粒子除去装置を備える、充填機の部品の概略図である。
図4】一実施形態による粒子除去装置の等角図である。
図5】粒子除去装置の動作を概略的に示す図表である。
図6】一実施形態による方法の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1を参照すると、充填機10が概略的に示されている。パッケージ4を形成し、充填し、シールするように構成されている充填機10は、包装材料のブランク2が受け取られる送込みステーション12を有している。ブランク2は、当該技術分野において周知であり、背景のセクションで既に簡単に記載したように、カートンベースの包装材料のスリーブとして典型的に製造される。送込みステーション12は、底部シールステーション14の上流に配置され、このステーションでは、ブランク2がスリーブ状に立設され、各ブランクの下端がシールされて、一方の下端が閉じられているが、上端がまだ開いている半完成パッケージを形成する。
【0023】
底部シールステーション14の上流又は下流に、キャップアプリケータステーション16を設けることができる。キャップアプリケータステーション16の目的は、スリーブ状のブランク2に、関連するネックを有するスクリューキャップなどの開口装置を取り付けることである。典型的には、ネックとキャップは、予め製造されたアセンブリとして提供され、スリーブ状のブランクへの取り付けは超音波シールによって行われる。
【0024】
キャップアプリケータステーション16の直ぐ下流には、粒子除去装置18が配置される。粒子除去装置18は、消毒の前にスリーブ状のブランクから不要な粒子を除去するように構成される。
【0025】
粒子除去装置18を通過した後、半完成パッケージは、消毒ステーション20に運ばれ、そこで生きている微生物の量が減少される。消毒のレベルはユーザの目的によって異なり得る。包装材料の消毒は、例えば、過酸化水素、UV光、電子ビーム照射等による処理によって達成されてもよい。
【0026】
消毒ステーション20の下流には、充填ステーション22が配置される。ここで、レディ・トゥ・フィルパッケージは、所望の内容物で充填される。充填後、パッケージは予備折り曲げステーション24に運ぶことができ、そこで、オープンエンドパッケージの上部が所望の形状に形成される。予備形成後、パッケージは加熱ステーション26に運ばれ、そこで包装材料のヒートシール可能な材料が高温に加熱される。パッケージの上端の高温は、パッケージが加熱ステーション26の直ぐ後ろに配置されたシールステーション28に入ったときに、上端のシールを容易にする。
【0027】
一旦シールされると、パッケージ4は、送出しステーション30によって放出される。
【0028】
充填機10は、正確に図1を参照して記載したように構成されていなくてもよく、充填機10は、プラスチックトップパッケージ等などの他のタイプのパッケージを製造するように構成されていてもよいことを述べておく。
【0029】
図2には、充填機10によって製造されるパッケージ4の例が示されている。パッケージ4は、いわゆるゲーブルトップパッケージのものであり、スクリューキャップ6が取り付けられている。スクリューキャップ6は、以下にさらに記載するように、スクリューキャップアプリケータステーション16を使用してパッケージ4に取り付けることができる。
【0030】
充填機10の具体的な部品は、さらに図3に示されている。スリーブ状ブランク2は、ブロック矢印で示すように、方向Aにキャップアプリケータステーション16を通して運搬される。キャップアプリケータステーション16は、スポークとして半径方向外側に延びる偶数のキャップアプリケーションユニット162を担持する割り出し回転部材161を備え得る。図示の例では、8つのキャップアプリケーションユニット162が存在するが、他の数も可能である。
【0031】
割り出し回転部材161は連続的に回転していないが、4つの異なる有効位置を有し、有効位置ごとに、2つの隣接するキャップアプリケーションユニット162がそれぞれのブランク2の近くに配置され、それによってこれら2つのブランク2は同時にそれぞれのキャップ6を提供される。4つの有効位置のうちの1つが図3に示されている。
【0032】
割り出し回転部材161の動作シーケンスはまた、ブランク2の流れを同様の方法で制御することを必要とする。ブランク2は、有効キャップアプリケーションユニット162に対して静止して位置決めされ、その後、ブランク2は、次の2つのブランク2が次の有効キャップアプリケーションユニット162に対して正しく相対配置されるまで前進する。
【0033】
図3では、キャップ6a及び6bが、それぞれキャップアプリケーションユニット162a及び162bを用いて取り付けられていることが分かる。
【0034】
キャップアプリケータステーション16の直ぐ下流には、粒子除去装置18が配置されている。粒子除去装置18は、キャップアプリケータステーション16を離れるレディ・トゥ・フィルパッケージから不要な粒子を除去するように構成されている。
【0035】
ここで、図4に目を向けると、粒子除去装置18がさらに詳細に示されている。粒子除去装置18は、空気の流れ、好ましくは清浄な空気をレディ・トゥ・フィルパッケージ又はスリーブ状ブランク2に供給することによって作動している。このために、粒子除去装置18は、本質的に垂直方向に延び、パッケージ内に空気を流入させるためにその端部にオリフィス182を有する給気パイプ181を備える。オリフィス182は、単一のオリフィス、又は一連のオリフィスであり得る。各オリフィスは、円形状、長方形状、又は他の任意の適切な形状を有し得る。
【0036】
給気パイプ181、並びにそのオリフィス182は、粒子除去装置18が作動したときに、レディ・トゥ・フィルパッケージの少なくとも1つを覆うような寸法であるフード183内に配置される。フード183はさらに、フード183を通して空気が吸い出されることを可能にするための、排気ユニット184と流体連通している。排気ユニット184は、常時作動していてもよく、又は、粒子除去装置18が作動したときにのみ空気の排出が行われるように制御されていてもよい。フード183は、実質的に垂直方向の上方に向けられていてもよいが、排出された粒子がフード183の直下のパッケージの中に落下するのを避けるために、例えばL字形を形成することによって曲げられてもよい。
【0037】
給気パイプ181はバルブ185に接続されており、このバルブ185はコントローラ186によって制御される。コントローラ186は、給気パイプ181を通る空気の供給がそれに応じて制御されるように、バルブ185に制御信号を提供するようにプログラムされている。給気パイプ181は、垂直方向上方に延びていてもよいし、又は例えばL字形を形成することによって曲げられていてもよく、好ましくは、曲げられた給気パイプ181は、フード183からの直線状の排気パイプと共に使用することができるが、一方で、直線状の給気パイプ181を、フード183からの曲げられた排気パイプと共に使用することができる。
【0038】
次に図5を参照して粒子除去装置18の動作を概略的に示す。異なる段階i)~ix)は、ここでは給気パイプ181としてのみ示されている静止粒子除去装置18のそばを通過するレディ・トゥ・フィルパッケージ又はスリーブ状ブランク2の流れの異なる位置を表している。
【0039】
i)において、パッケージは、上流で進行中のキャッピングプロセス(図示せず)のせいで静止している。この時点で、粒子除去装置18は非有効状態である、つまり空気は給気パイプ181から流れ出ていない。しかしながら、排気ユニット184は依然として有効であり得る。
【0040】
ii)において、パッケージは矢印Aの方向に移動し、キャップアプリケータステーション16から離れ、消毒ステーション20に向かう。パッケージの先行する側壁がオリフィス182と同じ垂直面内に配置されるように、パッケージが給気パイプ181のオリフィス182と整列されると、粒子除去装置18はコントローラ186によって、バルブ185が開かれてオリフィス182から加圧空気が流れ出るように作動される。オリフィス182は、1~35mmの範囲など、パッケージの上端から非常にわずかな距離で配置されているだけなので、効率的な噴流が形成され、排気流によって悪影響を受けることなくパッケージの中へと伝搬していく。噴流はパッケージの側壁の内側に「付着」し、それによって噴流はパッケージの他方の側までパッケージの内側を辿り、それによってパッケージの大部分からだけでなく壁からも粒子が効率的に除去される。
【0041】
パッケージが前進し続けると、iii)で示されるように、先行するパッケージの追従する側壁がiv)で示されるようにオリフィス182と整列するまで、給気はパッケージ内に本質的にまっすぐに向けられる。この時点で噴流は追従する側壁に付着し、供給された空気をパッケージの内側全体にわたって効率的に広げる。v)において、先行するパッケージは浄化され、それによって、オリフィス182は2つの隣接するパッケージの間の小さな空間に整列される。粒子除去装置18はまだ作動している、すなわち空気はまだオリフィスから供給されているが、後続のパッケージがvi)で示されるオリフィス182と整列されるまで、粒子除去は実際には行われない。ステップvi)~ix)は粒子除去動作の点ではステップii)~v)と同じであるが、ix)では粒子除去装置の上流で行われるキャッピング操作のためにパッケージは停止し静止したままである。この時点で、粒子除去装置18の動作は、空気の供給を停止することにより非作動状態に変更される。ステップii)~ix)の間、パッケージの移動は方向Aにおいて連続的である。
【0042】
上に記載してきたように、この技術概念は、パルス状の空気噴流に対するパッケージ/ブランク2の動きを利用して、レディ・トゥ・フィルパッケージ又はブランク2から粒子を除去し、フードの排気ユニット184からの制御された排気流によってそれらを捕捉することに基づくものである。
【0043】
給気パイプ181は、好ましくは単一の入口パイプであり、排気流によって悪影響を受けることなくパッケージ又はブランク2の中に遠くまで伝搬する効率的な噴流を有するようにパッケージ上縁からの短い距離まで下方に延ばされる。
【0044】
加圧空気の単一のパルスは、割出しペアの両方のパッケージ又はブランク2がオリフィス182を通過する際に、それらをカバーする。このようにして、パッケージ又はブランク2の動きは、最初にパッケージ壁の一方の側への、次にパッケージ壁の他方の側への噴流の壁面付着を保証し、それによって、パッケージの大部分からだけでなく壁からも粒子を効率的に除去する。パルスの配置、タイミング、及び長さは、空気の消費量を考慮しながらも、パッケージの両方の側及び両方のパッケージの壁面付着が保証されるように制御される。好ましくは、空気パルスは、先行するパッケージの縁が入口パイプの下に入るのと同時に開始され、空気パルスは、図5のix)で、割出しペアの2番目の/追従するパッケージでプロセスが完了すると終了される。或いは、パッケージが静止しているときでも、給気パイプ181から空気が常に放出されるように、粒子除去装置18を常時作動させてもよい。
【0045】
パッケージ開口部から出る粒子は、好ましくは制御された定常流で動作する中央排気パイプを有する、上方に配置された排気フードによって効率的に捕捉される。給気パイプ181は下に延び、したがって排気地点よりも垂直方向下方にあり、排気地点から分離されているので、空気噴流は排気流による悪影響を受けず、排気流はパッケージから除去された粒子をなおも捕捉することができる。このようにして、機械内の塵埃の蓄積を最小限に抑えることができる。プロセスの制御は、一体型給気パイプ181を有するフードの設計、パッケージに対する給気パイプ181の位置、割出し動作プロファイル、バルブ185によって制御されるパルスのタイミング、加圧空気の流れ(好ましくは圧力によって制御される)及び排気流に基づいてもよい。パルス全体の間の空気の制御された流れは、好ましくは、バルブ185の前に十分な蓄積容量があることを条件として、圧力制御によって保証することができる。
【0046】
本明細書に提示された解決策は、加圧空気の比較的低い消費で、レディ・トゥ・フィルパッケージ又はブランク2からの効率的な粒子除去を提供するものである。特に、提示された解決策は、大きな粒子だけでなく、より小さな粒子(0.1mm径まで)についても除去するのに非常に効率的である。粒子除去装置18はパッケージ消毒ステーション20から分離されているので、パッケージ消毒プロセスの要件及び衛生ゾーンの衛生状態を維持する要件の制限なしに、粒子除去のための最適な状態を作り出すことができる。
【0047】
粒子除去装置18は、1つのパッケージ位置のみが必要とされるため、空間効率の良い解決策であるが、なおも割出しペアの両方のパッケージを処理する。この空間効率の良い解決策は、キャップの超音波シールの下流での実装を可能にし、したがって、超音波キャップシールプロセス中に発生するミクロンサイズの粒子も対象とすることを可能にする。パッケージの大部分に依然存在するこれらの小さな粒子は、例えば、粒子とパッケージの壁との間の静電気力やファンデルワールス結合の強さに起因して、それらが包装材料にくっつく前に捕捉されることが好ましい。本明細書で提示される解決策は、パッケージの早期処理を可能にし、壁にくっつく前に小さい粒子のかなりの部分を洗い流す。
【0048】
パッケージ消毒ステーション20の前に粒子除去装置18を実装する別の利点は、粒子除去機能がパッケージ消毒及び衛生的なチャンバ条件の維持のプロセスからそれぞれ独立し、それによって、これらの重要な機能を侵害することなく効率的な粒子除去を実現できることである。それによって、粒子除去装置18は消毒プロセスの後又は終了時にパッケージの再汚染のリスクを高めることなく作動させることができ、それによって消毒後のパッケージの再汚染のリスクを下げることができる。それはまた、粒子除去機能を危うくすることなく、パッケージ消毒プロセスの最適化を可能にする。
【0049】
次に、図6に目を向けると、方法100が概略的に示されている。方法100は、個々のパッケージを形成し、充填し、シールするように構成された充填機で実行される。方法100は、上の記載による粒子除去装置18を提供するステップ102と、粒子除去装置を通過するレディ・トゥ・フィルパッケージの中に空気の噴流が向けられるように前記粒子除去装置を作動させるステップ104とを含む。
【0050】
上の記載から、本発明の様々な実施形態を記載し、示してきたが、本発明はこれに限定されるものではなく、以下の特許請求の範囲に定義される主題の範囲内で他の方法で具体化することも可能であることが分かる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】