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特表2022-551116変換に基づく映像コーディング方法及びその装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-07
(54)【発明の名称】変換に基づく映像コーディング方法及びその装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 19/12 20140101AFI20221130BHJP
   H04N 19/176 20140101ALI20221130BHJP
   H04N 19/18 20140101ALI20221130BHJP
   H04N 19/70 20140101ALI20221130BHJP
【FI】
H04N19/12
H04N19/176
H04N19/18
H04N19/70
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022520758
(86)(22)【出願日】2020-10-05
(85)【翻訳文提出日】2022-04-04
(86)【国際出願番号】 KR2020013469
(87)【国際公開番号】W WO2021066601
(87)【国際公開日】2021-04-08
(31)【優先権主張番号】62/911,186
(32)【優先日】2019-10-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/911,953
(32)【優先日】2019-10-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】502032105
【氏名又は名称】エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド
【氏名又は名称原語表記】LG ELECTRONICS INC.
【住所又は居所原語表記】128, Yeoui-daero, Yeongdeungpo-gu, 07336 Seoul,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100165191
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 章
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100159259
【弁理士】
【氏名又は名称】竹本 実
(72)【発明者】
【氏名】ク ムンモ
(72)【発明者】
【氏名】イム チェヒョン
(72)【発明者】
【氏名】キム スンファン
(72)【発明者】
【氏名】メウディ サレヒファー
【テーマコード(参考)】
5C159
【Fターム(参考)】
5C159LC09
5C159MA04
5C159MA05
5C159MA21
5C159MA23
5C159MC01
5C159MC11
5C159ME01
5C159ME11
5C159PP16
5C159RC12
5C159TA37
5C159TB08
5C159TB13
5C159TC04
5C159TC26
5C159TC27
5C159TC31
5C159UA02
5C159UA05
5C159UA16
(57)【要約】
【課題】映像コーディング効率を上げる方法及び装置を提供する。
【解決手段】本文書に係る映像デコーディング方法は、レジデュアル情報に基づいて現在ブロックに対する変換係数を導出するステップ、前記現在ブロックの左上端第1の領域を除外した第2の領域に有効係数が存在するかどうかを判断するステップ、前記第2の領域に前記有効係数が存在しない場合、前記ビットストリームからMTSインデックスをパーシングするステップ、及び、前記第1の領域の変換係数に前記MTSインデックスに基づいて導出されたMTSカーネルを適用してレジデュアルサンプルを導出するステップを含む。
【選択図】図21
【特許請求の範囲】
【請求項1】
デコーディング装置により実行される映像デコーディング方法において、
ビットストリームからレジデュアル情報を受信するステップと、
前記レジデュアル情報に基づいて現在ブロックに対する変換係数を導出するステップと、
前記現在ブロックの左上端第1の領域を除外した第2の領域に有効係数が存在するかどうかを判断するステップと、
前記第2の領域に前記有効係数が存在しない場合、前記ビットストリームからMTSインデックスをパーシングするステップと、
前記第1の領域の変換係数に前記MTSインデックスに基づいて導出されたMTSカーネルを適用してレジデュアルサンプルを導出するステップと、
前記レジデュアルサンプルに基づいて復元ピクチャを生成するステップと、を含むことを特徴とする映像デコーディング方法。
【請求項2】
前記第1の領域は、前記現在ブロックの左上端16×16領域であることを特徴とする請求項1に記載の映像デコーディング方法。
【請求項3】
前記第2の領域に有効係数が存在するかどうかを判断するステップは、レジデュアルコーディングレベルのデコーディング過程で前記第2の領域に有効係数が存在するかどうかを示す変数値を導出することを含み、
前記変数値は、最初1に設定され、
前記第2の領域に有効係数が存在する場合、前記変数は、0に変更され、
前記MTSインデックスは、パーシングされないことを特徴とする請求項1に記載の映像デコーディング方法。
【請求項4】
前記MTSインデックスは、コーディングユニットレベルでパーシングされることを特徴とする請求項3に記載の映像デコーディング方法。
【請求項5】
前記現在ブロックに適用されるLFNSTカーネルを指示するLFNSTインデックスをパーシングするステップをさらに含み、
前記LFNSTインデックス及び前記MTSインデックスは、コーディングユニットレベルでシグナリングされ、前記LFNSTインデックスのシグナリング直後にMTSインデックスがシグナリングされることを特徴とする請求項1に記載の映像デコーディング方法。
【請求項6】
前記現在ブロックのツリータイプがデュアルツリールマまたはシングルツリーであり、
前記LFNSTインデックスの値が0である時、前記MTSインデックスがシグナリングされることを特徴とする請求項5に記載の映像デコーディング方法。
【請求項7】
エンコーディング装置により実行される映像エンコーディング方法において、
現在ブロックに対する予測サンプルを導出するステップと、
前記予測サンプルに基づいて前記現在ブロックに対するレジデュアルサンプルを導出するステップと、
前記レジデュアルサンプルに対するMTSに基づいて前記現在ブロックに対する変換係数を導出するステップと、
前記現在ブロックの左上端第1の領域を除外した前記現在ブロックの第2の領域をゼロアウトするステップと、
前記変換係数の量子化を介して導出されたレジデュアル情報及びMTSカーネルを指示するMTSインデックスをエンコーディングするステップと、を含むことを特徴とする映像エンコーディング方法。
【請求項8】
前記第1の領域は、前記現在ブロックの左上端16×16領域であることを特徴とする請求項7に記載の映像エンコーディング方法。
【請求項9】
前記MTSインデックスは、コーディングユニットレベルでシグナリングされることを特徴とする請求項7に記載の映像エンコーディング方法。
【請求項10】
前記現在ブロックに適用されるLFNSTカーネルを指示するLFNSTインデックスをシグナリングするステップをさらに含み、
前記LFNSTインデックスのシグナリング直後にMTSインデックスがシグナリングされることを特徴とする請求項9に記載の映像エンコーディング方法。
【請求項11】
前記現在ブロックのツリータイプがデュアルツリールマまたはシングルツリーであり、
前記LFNSTインデックスの値が0である時、前記MTSインデックスがシグナリングされることを特徴とする請求項10に記載の映像エンコーディング方法。
【請求項12】
映像デコーディング方法を実行するようにする指示情報が格納されたコンピュータ読み取り可能なデジタル格納媒体であって、前記映像デコーディング方法は、
ビットストリームからレジデュアル情報を受信するステップと、
前記レジデュアル情報に基づいて現在ブロックに対する変換係数を導出するステップと、
前記現在ブロックの左上端第1の領域を除外した第2の領域に有効係数が存在するかどうかを判断するステップと、
前記第2の領域に前記有効係数が存在しない場合、前記ビットストリームからMTSインデックスをパーシングするステップと、
前記第1の領域の変換係数に前記MTSインデックスに基づいて導出されたMTSカーネルを適用してレジデュアルサンプルを導出するステップと、
前記レジデュアルサンプルに基づいて復元ピクチャを生成するステップと、を含むことを特徴とするデジタル格納媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本文書は、映像コーディング技術に関し、より詳しくは、映像コーディングシステムにおいて、変換(transform)に基づく映像コーディング方法及びその装置に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、4Kまたは8K以上のUHD(Ultra High Definition)映像/ビデオのような高解像度、高品質の映像/ビデオに対する需要が多様な分野で増加している。映像/ビデオデータが高解像度、高品質になるほど、既存の映像/ビデオデータに比べて相対的に送信される情報量またはビット量が増加するため、既存の有無線広帯域回線のような媒体を利用して映像データを送信し、または既存の格納媒体を利用して映像/ビデオデータを格納する場合、送信費用と格納費用が増加する。
【0003】
また、最近、VR(Virtual Reality)、AR(Artificial Realtiy)コンテンツやホログラムなどの実感メディア(Immersive Media)に対する関心及び需要が増加しており、ゲーム映像のように、現実映像と異なる映像特性を有する映像/ビデオに対する放送が増加している。
【0004】
これによって、前記のような多様な特性を有する高解像度、高品質の映像/ビデオの情報を効果的に圧縮して送信または格納し、再生するために、高効率の映像/ビデオ圧縮技術が要求される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本文書の技術的課題は、映像コーディング効率を上げる方法及び装置を提供することにある。
【0006】
本文書の他の技術的課題は、変換インデックスコーディングの効率を上げる方法及び装置を提供することにある。
【0007】
本文書の他の技術的課題は、LFNST及びMTSを活用した映像コーディング方法及び装置を提供することにある。
【0008】
本文書の他の技術的課題は、LFNSTインデックス及びMTSインデックスシグナリングに対する映像コーディング方法及び装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本文書の一実施例によると、デコーディング装置により実行される映像デコーディング方法を提供する。前記方法は、レジデュアル情報に基づいて現在ブロックに対する変換係数を導出するステップ、前記現在ブロックの左上端第1の領域を除外した第2の領域に有効係数が存在するかどうかを判断するステップ、前記第2の領域に前記有効係数が存在しない場合、前記ビットストリームからMTSインデックスをパーシングするステップ、及び、前記第1の領域の変換係数に前記MTSインデックスに基づいて導出されたMTSカーネルを適用してレジデュアルサンプルを導出するステップを含む。
【0010】
前記第1の領域は、前記現在ブロックの左上端16×16領域である。
【0011】
前記第2の領域に有効係数が存在するかどうかを判断するステップは、レジデュアルコーディングレベルのデコーディング過程で前記第2の領域に有効係数が存在するかどうかを示す変数値を導出することを含み、前記変数値は、最初1に設定され、前記第2の領域に有効係数が存在する場合、前記変数は、0に変更され、前記MTSインデックスは、パーシングされない。
【0012】
前記MTSインデックスは、コーディングユニットレベルでパーシングされる。
【0013】
前記現在ブロックに適用されるLFNSTカーネルを指示するLFNSTインデックスをパーシングするステップをさらに含み、前記LFNSTインデックス及び前記MTSインデックスは、コーディングユニットレベルでシグナリングされ、前記LFNSTインデックスのシグナリング直後にMTSインデックスがシグナリングされる。
【0014】
前記現在ブロックのツリータイプがデュアルツリールマまたはシングルツリーであり、前記LFNSTインデックスの値が0である時、前記MTSインデックスがシグナリングされる。
【0015】
本文書の一実施例によると、エンコーディング装置により実行される映像エンコーディング方法を提供する。前記方法は、予測サンプルに基づいて前記現在ブロックに対するレジデュアルサンプルを導出するステップ、前記レジデュアルサンプルに対するMTSに基づいて前記現在ブロックに対する変換係数を導出するステップ、前記現在ブロックの左上端第1の領域を除外した前記現在ブロックの第2の領域をゼロアウトするステップ、及び、前記変換係数の量子化を介して導出されたレジデュアル情報及びMTSカーネルを指示するMTSインデックスをエンコーディングするステップを含む。
【0016】
本文書の他の一実施例によると、エンコーディング装置により実行された映像エンコーディング方法によって生成されたエンコーディングされた映像情報及びビットストリームが含まれている映像データが格納されたデジタル格納媒体が提供される。
【0017】
本文書の他の一実施例によると、デコーディング装置により前記映像デコーディング方法を実行するようにするエンコーディングされた映像情報及びビットストリームが含まれている映像データが格納されたデジタル格納媒体が提供される。
【発明の効果】
【0018】
本文書によると、全般的な映像/ビデオ圧縮効率を上げることができる。
【0019】
本文書によると、変換インデックスコーディングの効率を上げることができる。
【0020】
本文書によると、LFNST及びMTSを活用した映像コーディング方法及び装置を提供することができる。
【0021】
本文書によると、LFNSTインデックス及びMTSインデックスシグナリングに対する映像コーディング方法及び装置を提供することができる。
【0022】
本明細書の具体的な一例を介して得ることができる効果は、以上で羅列された効果に制限されない。例えば、関連した技術分野の通常の知識を有する者(a person having ordinary skill in the related art)が本明細書から理解または誘導できる多様な技術的効果が存在できる。これによって、本明細書の具体的な効果は、本明細書に明示的に記載されたことに制限されるものではなく、本明細書の技術的特徴から理解または誘導されることができる多様な効果を含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本文書が適用されることができるビデオ/映像コーディングシステムの例を概略的に示す。
図2】本文書が適用されることができるビデオ/映像エンコーディング装置の構成を概略的に説明する図である。
図3】本文書が適用されることができるビデオ/映像デコーディング装置の構成を概略的に説明する図である。
図4】本文書の一実施例に係る多重変換技法を概略的に示す。
図5】65個予測方向のイントラ方向性モードを例示的に示す。
図6】本文書の一実施例に係るRSTを説明するための図である。
図7】一例によって順方向1次変換の出力データを1次元ベクトルに配列する順序を示す図である。
図8】一例によって順方向2次変換の出力データを2次元ブロックに配列する順序を示す図である。
図9】本文書の一実施例に係る広角イントラ予測モードを示す図である。
図10】LFNSTが適用されるブロックもようを示す図である。
図11】一例によって順方向LFNSTの出力データの配置を示す図である。
図12】一例によって順方向LFNSTに対する出力データ数を最大16個に限定したことを示す図である。
図13】一例によって4×4LFNSTが適用されるブロックでのゼロアウトを示す図である。
図14】一例によって8×8LFNSTが適用されるブロックでのゼロアウトを示す図である。
図15】他の一例によって8×8LFNSTが適用されるブロックでのゼロアウトを示す図である。
図16】一つのコーディングブロックが分割されるサブブロックの一例を示す図である。
図17】一つのコーディングブロックが分割されるサブブロックの他の例を示す図である。
図18】一例に係るM×2(M×1)ブロックと2×M(1×M)ブロックの対称性を示す図である。
図19】一例によって2×Mブロックをトランスポーズした例示を示す図である。
図20】一例に係る8×2または2×8領域に対するスキャニング順序を示す。
図21】一例に係る映像のデコーディング方法を説明するための図である。
図22】一例に係る映像のエンコーディング方法を説明するための図である。
図23】本文書が適用されるコンテンツストリーミングシステム構造図を例示的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本文書は、多様な変更を加えることができ、様々な実施例を有することができ、特定実施例を図面に例示して詳細に説明しようとする。しかし、これは本文書を特定実施例に限定しようとするものではない。本明細書で使用する用語は、単に特定の実施例を説明するために使われたものであって、本文書の技術的思想を限定しようとする意図で使われるものではない。単数の表現は、コンテキスト上明白に異なる意味ではない限り、複数の表現を含む。本明細書において、「含む」または「有する」などの用語は、明細書上に記載された特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品、またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定するものであり、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、ステップ、動作、構成要素、部品、またはこれらを組み合わせたもの等の存在または付加可能性をあらかじめ排除しないと理解されなければならない。
【0025】
一方、本文書で説明される図面上の各構成は、互いに異なる特徴的な機能に関する説明の便宜のために独立的に図示されたものであって、各構成が互いに別個のハードウェアや別個のソフトウェアで具現されるということを意味するものではない。例えば、各構成のうち、二つ以上の構成が結合されて一つの構成をなすこともでき、一つの構成が複数の構成に分けられることもできる。各構成が統合及び/または分離された実施例も、本文書の本質から逸脱しない限り、本文書の権利範囲に含まれる。
【0026】
以下、添付図面を参照して、本文書の好ましい実施例をより詳細に説明する。以下、図面上の同じ構成要素に対しては同じ参照符号を使用し、同じ構成要素に対して重複した説明は省略する。
【0027】
この文書は、ビデオ/映像コーディングに関する。例えば、この文書に開示された方法/実施例は、VVC(Versatile Video Coding)標準(ITU-T Rec.H.266)、VVC以後の次世代ビデオ/イメージコーディング標準、またはその以外のビデオコーディング関連標準(例えば、HEVC(High Efficiency Video Coding)標準(ITU-T Rec.H.265)、EVC(essential video coding)標準、AVS2標準等)と関連付けられている。
【0028】
この文書ではビデオ/映像コーディングに関する多様な実施例を提示し、他の言及がない限り、前記実施例は互いに組み合わせられて実行されることもできる。
【0029】
この文書において、ビデオ(video)は、時間の流れによる一連の映像(image)の集合を意味することができる。ピクチャ(picture)は、一般的に特定時間帯の一つの映像を示す単位を意味し、スライス(slice)/タイル(tile)は、コーディングにおいてピクチャの一部を構成する単位である。スライス/タイルは、一つ以上のCTU(coding tree unit)を含むことができる。一つのピクチャは、一つ以上のスライス/タイルで構成されることができる。一つのピクチャは、一つ以上のタイルグループで構成されることができる。一つのタイルグループは、一つ以上のタイルを含むことができる。
【0030】
ピクセル(pixel)またはペル(pel)は、一つのピクチャ(または、映像)を構成する最小の単位を意味することができる。また、ピクセルに対応する用語として「サンプル(sample)」が使われることができる。サンプルは、一般的にピクセルまたはピクセルの値を示すことができ、ルマ(luma)成分のピクセル/ピクセル値のみを示すこともでき、クロマ(chroma)成分のピクセル/ピクセル値のみを示すこともできる。または、サンプルは、空間ドメインでのピクセル値を意味することもでき、このようなピクセル値が周波数ドメインに変換されると、周波数ドメインでの変換係数を意味することもできる。
【0031】
ユニット(unit)は、映像処理の基本単位を示すことができる。ユニットは、ピクチャの特定領域及び該当領域に関連した情報のうち少なくとも一つを含むことができる。一つのユニットは、一つのルマブロック及び二つのクロマ(例えば、cb、cr)ブロックを含むことができる。ユニットは、場合によって、ブロック(block)または領域(area)などの用語と混用して使われることができる。一般的な場合、M×Nブロックは、M個の列とN個の行からなるサンプル(または、サンプルアレイ)または変換係数(transform coefficient)の集合(または、アレイ)を含むことができる。
【0032】
この文書において、「/」と「、」は、「及び/または」と解釈される。例えば、「A/B」は、「A及び/またはB」と解釈され、「A、B」は、「A及び/またはB」と解釈される。追加的に、「A/B/C」は、「A、B及び/またはCのうち少なくとも一つ」を意味する。また、「A、B、C」も「A、B及び/またはCのうち少なくとも一つ」を意味する。(In this document,the term 「/」 and 「、」 should be interpreted to indicate 「and/or.」For instance,the expression 「A/B」 may mean 「A and/or B.」Further,「A,B」 may mean 「A and/or B.」Further,「A/B/C」 may mean 「at least one of A,B,and/or C.」Also, 「A/B/C」 may mean 「at least one of A,B,and/or C.”)
【0033】
追加的に、本文書において、「または」は、「及び/または」と解釈される。例えば、「AまたはB」は、1)「A」のみを意味し、または2)「B」のみを意味し、または3)「A及びB」を意味することができる。他の表現としては、本文書の「または」は、「追加的にまたは代替的に(additionally or alternatively)」を意味することができる。(Further,in the document,the term 「or」 should be interpreted to indicate 「and/or.」For instance,the expression 「A or B」 may comprise 1)only A,2)only B,and/or 3)both A and B.In other words,the term 「or」 in this document should be interpreted to indicate 「additionally or alternatively.」)
【0034】
本明細書において、「少なくとも一つのA及びB(at least one of A and B)」は、「ただA」、「ただB」または「AとBの両方とも」を意味することができる。また、本明細書において、「少なくとも一つのAまたはB(at least one of A or B)」や「少なくとも一つのA及び/またはB(at least one of A and/or B)」という表現は、「少なくとも一つのA及びB(at least one of A and B)」と同じく解釈されることができる。
【0035】
また、本明細書において、「少なくとも一つのA、B及びC(at least one of A,B and C)」は、「ただA」、「ただB」、「ただC」、または「A、B及びCの任意の全ての組み合わせ(any combination of A,B and C)」を意味することができる。また、「少なくとも一つのA、BまたはC(at least one of A,B or C)」や「少なくとも一つのA、B及び/またはC(at least one of A,B and/or C)」は、「少なくとも一つのA、B及びC(at least one of A,B and C)」を意味することができる。
【0036】
また、本明細書で使われる括弧は、「例えば(for example)」を意味することができる。具体的に、「予測(イントラ予測)」で表示された場合、「予測」の一例として「イントラ予測」が提案されたものである。他の表現としては、本明細書の「予測」は、「イントラ予測」に制限(limit)されるものではなく、「イントラ予測」が「予測」の一例として提案されたものである。また、「予測(即ち、イントラ予測)」で表示された場合にも、「予測」の一例として「イントラ予測」が提案されたものである。
【0037】
本明細書において、一つの図面内で個別的に説明される技術的特徴は、個別的に具現されることもでき、同時に具現されることもできる。
【0038】
図1は、本文書が適用されることができるビデオ/映像コーディングシステムの例を概略的に示す。
【0039】
図1を参照すると、ビデオ/映像コーディングシステムは、ソースデバイス及び受信デバイスを含むことができる。ソースデバイスは、エンコーディングされたビデオ(video)/映像(image)情報またはデータをファイルまたはストリーミング形態でデジタル格納媒体またはネットワークを介して受信デバイスに伝達できる。
【0040】
前記ソースデバイスは、ビデオソース、エンコーディング装置、送信部を含むことができる。前記受信デバイスは、受信部、デコーディング装置、及びレンダラを含むことができる。前記エンコーディング装置は、ビデオ/映像エンコーディング装置と呼ばれることができ、前記デコーディング装置は、ビデオ/映像デコーディング装置と呼ばれることができる。送信機は、エンコーディング装置に含まれることができる。受信機は、デコーディング装置に含まれることができる。レンダラは、ディスプレイ部を含むこともでき、ディスプレイ部は、別個のデバイスまたは外部コンポーネントで構成されることもできる。
【0041】
ビデオソースは、ビデオ/映像のキャプチャ、合成または生成過程などを介してビデオ/映像を取得することができる。ビデオソースは、ビデオ/映像キャプチャデバイス及び/またはビデオ/映像生成デバイスを含むことができる。ビデオ/映像キャプチャデバイスは、例えば、一つ以上のカメラ、以前にキャプチャされたビデオ/映像を含むビデオ/映像アーカイブなどを含むことができる。ビデオ/映像生成デバイスは、例えば、コンピュータ、タブレット、及びスマートフォンなどを含むことができ、(電子的に)ビデオ/映像を生成することができる。例えば、コンピュータなどを介して仮想のビデオ/映像が生成されることができ、この場合、関連データが生成される過程にビデオ/映像キャプチャ過程が代替されることができる。
【0042】
エンコーディング装置は、入力ビデオ/映像をエンコーディングすることができる。エンコーディング装置は、圧縮及びコーディング効率のために、予測、変換、量子化など、一連の手順を実行することができる。エンコーディングされたデータ(エンコーディングされたビデオ/映像情報)は、ビットストリーム(bitstream)形態で出力されることができる。
【0043】
送信部は、ビットストリーム形態で出力されたエンコーディングされたビデオ/映像情報またはデータをファイルまたはストリーミング形態でデジタル格納媒体またを介して受信デバイスの受信部に伝達できる。デジタル格納媒体は、USB、SD、CD、DVD、ブルーレイ、HDD、SSDなど、多様な格納媒体を含むことができる。送信部は、あらかじめ決められたファイルフォーマットを介してメディアファイルを生成するためのエレメントを含むことができ、放送/通信ネットワークを介した送信のためのエレメントを含むことができる。受信部は、前記ビットストリームを受信/抽出してデコーディング装置に伝達できる。
【0044】
デコーディング装置は、エンコーディング装置の動作に対応する逆量子化、逆変換、予測など、一連の手順を実行してビデオ/映像をデコーディングすることができる。
【0045】
レンダラは、デコーディングされたビデオ/映像をレンダリングすることができる。レンダリングされたビデオ/映像は、ディスプレイ部を介してディスプレイされることができる。
【0046】
図2は、本文書が適用されることができるビデオ/映像エンコーディング装置の構成を概略的に説明する図である。以下、ビデオエンコーディング装置とは、映像エンコーディング装置を含むことができる。
【0047】
図2を参照すると、エンコーディング装置200は、映像分割部(image partitioner)210、予測部(predictor)220、レジデュアル処理部(residual processor)230、エントロピーエンコーディング部(entropy encoder)240、加算部(adder)250、フィルタリング部(filter)260、及びメモリ(memory)270を含んで構成されることができる。予測部220は、インター予測部221及びイントラ予測部222を含むことができる。レジデュアル処理部230は、変換部(transformer)232、量子化部(quantizer)233、逆量子化部(dequantizer)234、逆変換部(inverse transformer)235を含むことができる。レジデュアル処理部230は、減算部(subtractor)231をさらに含むことができる。加算部250は、復元部(reconstructor)または復元ブロック生成部(recontructged block generator)と呼ばれることができる。前述した映像分割部210、予測部220、レジデュアル処理部230、エントロピーエンコーディング部240、加算部250、及びフィルタリング部260は、実施例によって一つ以上のハードウェアコンポーネント(例えば、エンコーダチップセットまたはプロセッサ)により構成されることができる。また、メモリ270は、DPB(decoded picture buffer)を含むことができ、デジタル格納媒体により構成されることもできる。前記ハードウェアコンポーネントは、メモリ270を内/外部コンポーネントとしてさらに含むこともできる。
【0048】
映像分割部210は、エンコーディング装置200に入力された入力映像(または、ピクチャ、フレーム)を一つ以上の処理ユニット(processing unit)に分割できる。一例として、前記処理ユニットは、コーディングユニット(coding unit、CU)と呼ばれることができる。この場合、コーディングユニットは、コーディングツリーユニット(coding tree unit、CTU)または最大コーディングユニット(largest coding unit、LCU)からQTBTTT(Quad-tree binary-tree ternary-tree)構造によって再帰的に(recursively)分割されることができる。例えば、一つのコーディングユニットは、クアッドツリー構造、バイナリツリー構造、及び/またはターナリ構造に基づいて下位(deeper)デプスの複数のコーディングユニットに分割されることができる。この場合、例えば、クアッドツリー構造が先に適用され、バイナリツリー構造及び/またはターナリ構造がその後に適用されることができる。または、バイナリツリー構造が先に適用されることもできる。それ以上分割されない最終コーディングユニットに基づいて本文書によるコーディング手順が実行されることができる。この場合、映像特性によるコーディング効率などに基づいて、最大コーディングユニットが最終コーディングユニットとして使われることができ、または、必要によって、コーディングユニットは、再帰的に(recursively)もっと下位デプスのコーディングユニットに分割されて最適のサイズのコーディングユニットが最終コーディングユニットとして使われることができる。ここで、コーディング手順とは、後述する予測、変換、及び復元などの手順を含むことができる。他の例として、前記処理ユニットは、予測ユニット(PU:Prediction Unit)または変換ユニット(TU:Transform Unit)をさらに含むことができる。この場合、前記予測ユニット及び前記変換ユニットは、各々、前述した最終コーディングユニットから分割またはパーティショニングされることができる。前記予測ユニットは、サンプル予測の単位であり、前記変換ユニットは、変換係数を誘導する単位及び/または変換係数からレジデュアル信号(residual signal)を誘導する単位である。
【0049】
ユニットは、場合によって、ブロック(block)または領域(area)などの用語と混用して使われることができる。一般的な場合、M×Nブロックは、M個の列とN個の行からなるサンプルまたは変換係数(transform coefficient)の集合を示すことができる。サンプルは、一般的にピクセルまたはピクセルの値を示すことができ、輝度(luma)成分のピクセル/ピクセル値のみを示すこともでき、彩度(chroma)成分のピクセル/ピクセル値のみを示すこともできる。サンプルは、一つのピクチャ(または、映像)をピクセル(pixel)またはペル(pel)に対応する用語として使われることができる。
【0050】
減算部231は、入力映像信号(原本ブロック、原本サンプルまたは原本サンプルアレイ)から、予測部220から出力された予測信号(予測されたブロック、予測サンプルまたは予測サンプルアレイ)を減算してレジデュアル信号(レジデュアルブロック、レジデュアルサンプルまたはレジデュアルサンプルアレイ)を生成することができ、生成されたレジデュアル信号は、変換部232に送信される。予測部220は、処理対象ブロック(以下、現在ブロックという)に対する予測を実行し、前記現在ブロックに対する予測サンプルを含む予測されたブロック(predicted block)を生成することができる。予測部220は、現在ブロックまたはCU単位でイントラ予測が適用されるか、または、インター予測が適用されるかを決定することができる。予測部は、各予測モードに対する説明で後述するように、予測モード情報など、予測に関する多様な情報を生成してエントロピーエンコーディング部240に伝達できる。予測に関する情報は、エントロピーエンコーディング部240でエンコーディングされてビットストリーム形態で出力されることができる。
【0051】
イントラ予測部222は、現在ピクチャ内のサンプルを参照して現在ブロックを予測することができる。前記参照されるサンプルは、予測モードによって、前記現在ブロックの隣接(neighbor)に位置することもでき、または離れて位置することもできる。イントラ予測で、予測モードは、複数の非方向性モードと複数の方向性モードを含むことができる。非方向性モードは、例えば、DCモード及びプラナーモード(Planarモード)を含むことができる。方向性モードは、予測方向の細かい程度によって、例えば、33個の方向性予測モードまたは65個の方向性予測モードを含むことができる。ただし、これは例示に過ぎず、設定によってそれ以上またはその以下の個数の方向性予測モードが使われることができる。イントラ予測部222は、隣接ブロックに適用された予測モードを利用して、現在ブロックに適用される予測モードを決定することもできる。
【0052】
インター予測部221は、参照ピクチャ上で動きベクトルにより特定される参照ブロック(参照サンプルアレイ)に基づいて、現在ブロックに対する予測されたブロックを誘導することができる。このとき、インター予測モードで送信される動き情報の量を減らすために、隣接ブロックと現在ブロックとの間の動き情報の相関性に基づいて、動き情報をブロック、サブブロックまたはサンプル単位で予測できる。前記動き情報は、動きベクトル及び参照ピクチャインデックスを含むことができる。前記動き情報は、インター予測方向(L0予測、L1予測、Bi予測等)情報をさらに含むことができる。インター予測の場合、隣接ブロックは、現在ピクチャ内に存在する空間的隣接ブロック(spatial neighboring block)と、参照ピクチャに存在する時間的隣接ブロック(temporal neighboring block)と、を含むことができる。前記参照ブロックを含む参照ピクチャと前記時間的隣接ブロックを含む参照ピクチャは、同じこともあり、異なることもある。前記時間的隣接ブロックは、同一位置参照ブロック(collocated reference block)、同一位置CU(colCU)などの名称で呼ばれることができ、前記時間的隣接ブロックを含む参照ピクチャは、同一位置ピクチャ(collocated picture、colPic)と呼ばれることもできる。例えば、インター予測部221は、隣接ブロックに基づいて動き情報候補リストを構成し、前記現在ブロックの動きベクトル及び/または参照ピクチャインデックスを導出するために、どの候補が使われるかを指示する情報を生成することができる。多様な予測モードに基づいてインター予測が実行されることができ、例えば、スキップモードとマージモードの場合、インター予測部221は、隣接ブロックの動き情報を現在ブロックの動き情報として利用できる。スキップモードの場合、マージモードとは違って、レジデュアル信号が送信されない。動き情報予測(motion vector prediction、MVP)モードの場合、隣接ブロックの動きベクトルを動きベクトル予測子(motion vector predictor)として利用し、動きベクトル差分(motion vector difference)をシグナリングすることで、現在ブロックの動きベクトルを指示することができる。
【0053】
予測部220は、後述する多様な予測方法に基づいて予測信号を生成することができる。例えば、予測部は、一つのブロックに対する予測のために、イントラ予測またはインター予測を適用することができるだけでなく、イントラ予測とインター予測を同時に適用できる。これはcombined inter and intra prediction(CIIP)と呼ばれることができる。また、予測部は、ブロックに対する予測のために、イントラブロックコピー(intra block copy、IBC)を実行することもできる。前記イントラブロックコピーは、例えば、SCC(screen content coding)などのように、ゲームなどのコンテンツ映像/動映像コーディングのために使われることができる。IBCは、基本的に現在ピクチャ内で予測を実行するが、現在ピクチャ内で参照ブロックを導出する点でインター予測と類似するように実行されることができる。即ち、IBCは、本文書で説明されるインター予測技法のうち少なくとも一つを利用することができる。
【0054】
インター予測部221及び/またはイントラ予測部222を介して生成された予測信号は、復元信号を生成するために利用され、またはレジデュアル信号を生成するために利用されることができる。変換部232は、レジデュアル信号に変換技法を適用して変換係数(transform coefficients)を生成することができる。例えば、変換技法は、DCT(Discrete Cosine Transform)、DST(Discrete Sine Transform)、GBT(Graph-Based Transform)、またはCNT(Conditionally Non-linear Transform)などを含むことができる。ここで、GBTは、ピクセル間の関係情報をグラフで表現するとする時、このグラフから得られた変換を意味する。CNTは、以前に復元された全てのピクセル(all previously reconstructed pixel)を利用して予測信号を生成し、それに基づいて取得される変換を意味する。また、変換過程は、正方形の同じ大きさを有するピクセルブロックに適用されることもでき、正方形でない可変大きさのブロックに適用されることもできる。
【0055】
量子化部233は、変換係数を量子化してエントロピーエンコーディング部240に送信し、エントロピーエンコーディング部240は、量子化された信号(量子化された変換係数に関する情報)をエンコーディングしてビットストリームで出力できる。前記量子化された変換係数に関する情報は、レジデュアル情報と呼ばれることができる。量子化部233は、係数スキャン順序(scan order)に基づいて、ブロック形態の量子化された変換係数を1次元ベクトル形態で再整列でき、前記1次元ベクトル形態の量子化された変換係数に基づいて、前記量子化された変換係数に関する情報を生成することもできる。エントロピーエンコーディング部240は、例えば、指数ゴロム(exponential Golomb)、CAVLC(context-adaptive variable length coding)、CABAC(context-adaptive binary arithmetic coding)などのような多様なエンコーディング方法を実行することができる。エントロピーエンコーディング部240は、量子化された変換係数外にビデオ/イメージ復元に必要な情報(例えば、シンタックス要素(syntax elements)の値等)を共にまたは別途にエンコーディングすることもできる。エンコーディングされた情報(例えば、エンコーディングされたビデオ/映像情報)は、ビットストリーム形態でNAL(network abstraction layer)ユニット単位で送信または格納されることができる。前記ビデオ/映像情報は、アダプテーションパラメータセット(APS)、ピクチャパラメータセット(PPS)、シーケンスパラメータセット(SPS)またはビデオパラメータセット(VPS)等、多様なパラメータセットに関する情報をさらに含むことができる。また、前記ビデオ/映像情報は、一般制限情報(general constraint information)をさらに含むことができる。本文書で後述されるシグナリング/送信される情報及び/またはシンタックス要素は、前述したエンコーディング手順を介してエンコーディングされて前記ビットストリームに含まれることができる。前記ビットストリームは、ネットワークを介して送信されることができ、またはデジタル格納媒体に格納されることができる。ここで、ネットワークは、放送網及び/または通信網などを含むことができ、デジタル格納媒体は、USB、SD、CD、DVD、ブルーレイ、HDD、SSDなど、多様な格納媒体を含むことができる。エントロピーエンコーディング部240から出力された信号は、送信する送信部(図示せず)及び/または格納する格納部(図示せず)がエンコーディング装置200の内/外部エレメントとして構成されることができ、または、送信部は、エントロピーエンコーディング部240に含まれることもできる。
【0056】
量子化部233から出力された量子化された変換係数は、予測信号を生成するために利用されることができる。例えば、量子化された変換係数に逆量子化部234及び逆変換部235を介して逆量子化及び逆変換を適用することによって、レジデュアル信号(レジデュアルブロックまたはレジデュアルサンプル)を復元することができる。加算部250は、復元されたレジデュアル信号を予測部220から出力された予測信号に加えることによって復元(reconstructed)信号(復元ピクチャ、復元ブロック、復元サンプルまたは復元サンプルアレイ)が生成されることができる。スキップモードが適用された場合のように処理対象ブロックに対するレジデュアルがない場合、予測されたブロックが復元ブロックとして使われることができる。生成された復元信号は、現在ピクチャ内の次の処理対象ブロックのイントラ予測のために使われることができ、後述するようにフィルタリングを経て次のピクチャのインター予測のために使われることもできる。
【0057】
一方、ピクチャエンコーディング及び/または復元過程でLMCS(luma mapping with chroma scaling)が適用されることもできる。
【0058】
フィルタリング部260は、復元信号にフィルタリングを適用して主観的/客観的画質を向上させることができる。例えば、フィルタリング部260は、復元ピクチャに多様なフィルタリング方法を適用して修正された(modified)復元ピクチャを生成することができ、前記修正された復元ピクチャをメモリ270、具体的に、メモリ270のDPBに格納することができる。前記多様なフィルタリング方法は、例えば、デブロッキングフィルタリング、サンプル適応的オフセット(sample adaptive offset、SAO)、適応的ループフィルタ(adaptive loop filter)、両方向フィルタ(bilateral filter)などを含むことができる。フィルタリング部260は、各フィルタリング方法に対する説明で後述するように、フィルタリングに関する多様な情報を生成してエントロピーエンコーディング部240に伝達できる。フィルタリング関する情報は、エントロピーエンコーディング部240でエンコーディングされてビットストリーム形態で出力されることができる。
【0059】
メモリ270に送信された修正された復元ピクチャは、インター予測部221で参照ピクチャとして使われることができる。エンコーディング装置は、これを介してインター予測が適用される場合、エンコーディング装置200とデコーディング装置での予測ミスマッチを避けることができ、符号化効率も向上させることができる。
【0060】
メモリ270のDPBは、修正された復元ピクチャをインター予測部221での参照ピクチャとして使用するために格納することができる。メモリ270は、現在ピクチャ内の動き情報が導出された(または、エンコーディングされた)ブロックの動き情報及び/または既に復元されたピクチャ内のブロックの動き情報を格納することができる。前記格納された動き情報は、空間的隣接ブロックの動き情報または時間的隣接ブロックの動き情報として活用するためにインター予測部221に伝達できる。メモリ270は、現在ピクチャ内の復元されたブロックの復元サンプルを格納することができ、イントラ予測部222に伝達できる。
【0061】
図3は、本文書が適用されることができるビデオ/映像デコーディング装置の構成を概略的に説明する図である。
【0062】
図3を参照すると、デコーディング装置300は、エントロピーデコーディング部(entropy decoder)310、レジデュアル処理部(residual processor)320、予測部(predictor)330、加算部(adder)340、フィルタリング部(filter)350、及びメモリ(memoery)360を含んで構成されることができる。予測部330は、インター予測部332及びイントラ予測部331を含むことができる。レジデュアル処理部320は、逆量子化部(dequantizer)321及び逆変換部(inverse transformer)322を含むことができる。前述したエントロピーデコーディング部310、レジデュアル処理部320、予測部330、加算部340、及びフィルタリング部350は、実施例によって一つのハードウェアコンポーネント(例えば、デコーダチップセットまたはプロセッサ)により構成されることができる。また、メモリ360は、DPB(decoded picture buffer)を含むことができ、デジタル格納媒体により構成されることもできる。前記ハードウェアコンポーネントは、メモリ360を内/外部コンポーネントとしてさらに含むこともできる。
【0063】
ビデオ/映像情報を含むビットストリームが入力される場合、デコーディング装置300は、図2のエンコーディング装置でビデオ/映像情報が処理されたプロセスに対応して映像を復元することができる。例えば、デコーディング装置300は、前記ビットストリームから取得したブロック分割関連情報に基づいてユニット/ブロックを導出することができる。デコーディング装置300は、エンコーディング装置で適用された処理ユニットを利用してデコーディングを実行することができる。したがって、デコーディングの処理ユニットは、例えば、コーディングユニットであり、コーディングユニットは、コーディングツリーユニットまたは最大コーディングユニットから、クアッドツリー構造、バイナリツリー構造及び/またはターナリツリー構造によって分割されることができる。コーディングユニットから一つ以上の変換ユニットが導出されることができる。そして、デコーディング装置300を介してデコーディング及び出力された復元映像信号は、再生装置を介して再生されることができる。
【0064】
デコーディング装置300は、図2のエンコーディング装置から出力された信号をビットストリーム形態で受信することができ、受信された信号は、エントロピーデコーディング部310を介してデコーディングされることができる。例えば、エントロピーデコーディング部310は、前記ビットストリームをパーシングして映像復元(または、ピクチャ復元)に必要な情報(例えば、ビデオ/映像情報)を導出することができる。前記ビデオ/映像情報は、アダプテーションパラメータセット(APS)、ピクチャパラメータセット(PPS)、シーケンスパラメータセット(SPS)、またはビデオパラメータセット(VPS)等、多様なパラメータセットに関する情報をさらに含むことができる。また、前記ビデオ/映像情報は、一般制限情報(general constraint information)をさらに含むことができる。デコーディング装置は、前記パラメータセットに関する情報及び/または前記一般制限情報にさらに基づいてピクチャをデコーディングすることができる。本文書で後述されるシグナリング/受信される情報及び/またはシンタックス要素は、前記デコーディング手順を介してデコーディングされて前記ビットストリームから取得されることができる。例えば、エントロピーデコーディング部310は、指数ゴロム符号化、CAVLCまたはCABACなどのコーディング方法に基づいてビットストリーム内の情報をデコーディングし、映像復元に必要なシンタックスエレメントの値、レジデュアルに関する変換係数の量子化された値を出力することができる。より詳しくは、CABACエントロピーデコーディング方法は、ビットストリームで各構文要素に該当するbinを受信し、デコーディング対象構文要素情報と隣接及びデコーディング対象ブロックのデコーディング情報または以前ステップでデコーディングされたシンボル/binの情報を利用してコンテキスト(context)モデルを決定し、決定されたコンテキストモデルによってbinの発生確率を予測してbinの算術デコーディング(arithmetic decoding)を実行することで各構文要素の値に該当するシンボルを生成することができる。このとき、CABACエントロピーデコーディング方法は、コンテキストモデル決定後、次のシンボル/binのコンテキストモデルのためにデコーディングされたシンボル/binの情報を利用してコンテキストモデルをアップデートすることができる。エントロピーデコーディング部310でデコーディングされた情報のうち、予測に関する情報は、予測部330に提供され、エントロピーデコーディング部310でエントロピーデコーディングが実行されたレジデュアルに対する情報、即ち、量子化された変換係数及び関連パラメータ情報は、逆量子化部321に入力されることができる。また、エントロピーデコーディング部310でデコーディングされた情報のうち、フィルタリングに関する情報は、フィルタリング部350に提供されることができる。一方、エンコーディング装置から出力された信号を受信する受信部(図示せず)がデコーディング装置300の内/外部エレメントとしてさらに構成されてもよく、または、受信部は、エントロピーデコーディング部310の構成要素であってもよい。一方、本文書によるデコーディング装置は、ビデオ/映像/ピクチャデコーディング装置と呼ばれることができ、前記デコーディング装置は、情報デコーダ(ビデオ/映像/ピクチャ情報デコーダ)及びサンプルデコーダ(ビデオ/映像/ピクチャサンプルデコーダ)に区分することもできる。前記情報デコーダは、前記エントロピーデコーディング部310を含むことができ、前記サンプルデコーダは、前記逆量子化部321、逆変換部322、予測部330、加算部340、フィルタリング部350、及びメモリ360のうち少なくとも一つを含むことができる。
【0065】
逆量子化部321では量子化された変換係数を逆量子化して変換係数を出力することができる。逆量子化部321は、量子化された変換係数を2次元のブロック形態で再整列できる。この場合、前記再整列は、エンコーディング装置で実行された係数スキャン順序に基づいて再整列を実行することができる。逆量子化部321は、量子化パラメータ(例えば、量子化ステップサイズ情報)を利用して量子化された変換係数に対する逆量子化を実行し、変換係数(transform coefficient)を取得することができる。
【0066】
逆変換部322では変換係数を逆変換してレジデュアル信号(レジデュアルブロック、レジデュアルサンプルアレイ)を取得するようになる。
【0067】
予測部は、現在ブロックに対する予測を実行し、前記現在ブロックに対する予測サンプルを含む予測されたブロック(predicted block)を生成することができる。予測部は、エントロピーデコーディング部310から出力された前記予測に関する情報に基づいて、前記現在ブロックにイントラ予測が適用されるか、または、インター予測が適用されるかを決定することができ、具体的なイントラ/インター予測モードを決定することができる。
【0068】
予測部は、後述する多様な予測方法に基づいて予測信号を生成することができる。例えば、予測部は、一つのブロックに対する予測のためにイントラ予測またはインター予測を適用することができるだけでなく、イントラ予測とインター予測を同時に適用することもできる。これはcombined inter and intra prediction(CIIP)と呼ばれることができる。また、予測部は、ブロックに対する予測のためにイントラブロックコピー(intra block copy、IBC)を実行することもできる。前記イントラブロックコピーは、例えば、SCC(screen content coding)などのように、ゲームなどのコンテンツ映像/動映像コーディングのために使われることができる。IBCは、基本的に現在ピクチャ内で予測を実行するが、現在ピクチャ内で参照ブロックを導出する点でインター予測と類似するように実行されることができる。即ち、IBCは、本文書で説明されるインター予測技法のうち少なくとも一つを利用することができる。
【0069】
イントラ予測部331は、現在ピクチャ内のサンプルを参照して現在ブロックを予測することができる。前記参照されるサンプルは、予測モードによって、前記現在ブロックの隣接(neighbor)に位置することもでき、または離れて位置することもできる。イントラ予測で、予測モードは、複数の非方向性モードと複数の方向性モードを含むことができる。イントラ予測部331は、隣接ブロックに適用された予測モードを利用し、現在ブロックに適用される予測モードを決定することもできる。
【0070】
インター予測部332は、参照ピクチャ上で動きベクトルにより特定される参照ブロック(参照サンプルアレイ)に基づいて、現在ブロックに対する予測されたブロックを誘導することができる。このとき、インター予測モードで送信される動き情報の量を減らすために、隣接ブロックと現在ブロックとの間の動き情報の相関性に基づいて動き情報をブロック、サブブロック、またはサンプル単位で予測できる。前記動き情報は、動きベクトル及び参照ピクチャインデックスを含むことができる。前記動き情報は、インター予測方向(L0予測、L1予測、Bi予測等)情報をさらに含むことができる。インター予測の場合、隣接ブロックは、現在ピクチャ内に存在する空間的隣接ブロック(spatial neighboring block)と、参照ピクチャに存在する時間的隣接ブロック(temporal neighboring block)と、を含むことができる。例えば、インター予測部332は、隣接ブロックに基づいて動き情報候補リストを構成し、受信した候補選択情報に基づいて、前記現在ブロックの動きベクトル及び/または参照ピクチャインデックスを導出することができる。多様な予測モードに基づいてインター予測が実行されることができ、前記予測に関する情報は、前記現在ブロックに対するインター予測のモードを指示する情報を含むことができる。
【0071】
加算部340は、取得されたレジデュアル信号を、予測部330から出力された予測信号(予測されたブロック、予測サンプルアレイ)に加えることによって復元信号(復元ピクチャ、復元ブロック、復元サンプルアレイ)を生成することができる。スキップモードが適用された場合のように処理対象ブロックに対するレジデュアルがない場合、予測されたブロックが復元ブロックとして使われることができる。
【0072】
加算部340は、復元部または復元ブロック生成部と呼ばれることができる。生成された復元信号は、現在ピクチャ内の次の処理対象ブロックのイントラ予測のために使われることができ、後述するように、フィルタリングを経て出力されることもでき、または、次のピクチャのインター予測のために使われることもできる。
【0073】
一方、ピクチャデコーディング過程でLMCS(luma mapping with chroma scaling)が適用されることもできる。
【0074】
フィルタリング部350は、復元信号にフィルタリングを適用して主観的/客観的画質を向上させることができる。例えば、フィルタリング部350は、復元ピクチャに多様なフィルタリング方法を適用することで、修正された(modified)復元ピクチャを生成することができ、前記修正された復元ピクチャをメモリ360、具体的に、メモリ360のDPBに送信できる。前記多様なフィルタリング方法は、例えば、デブロッキングフィルタリング、サンプル適応的オフセット(sample adaptive offset)、適応的ループフィルタ(adaptive loop filter)、両方向フィルタ(bilateral filter)などを含むことができる。
【0075】
メモリ360のDPBに格納された(修正された)復元ピクチャは、インター予測部332で参照ピクチャとして使われることができる。メモリ360は、現在ピクチャ内の動き情報が導出された(または、デコーディングされた)ブロックの動き情報及び/または既に復元されたピクチャ内のブロックの動き情報を格納することができる。前記格納された動き情報は、空間的隣接ブロックの動き情報または時間的隣接ブロックの動き情報として活用するために、インター予測部332に伝達できる。メモリ360は、現在ピクチャ内の復元されたブロックの復元サンプルを格納することができ、イントラ予測部331に伝達できる。
【0076】
本明細書において、デコーディング装置300の予測部330、逆量子化部321、逆変換部322、及びフィルタリング部350などで説明された実施例は、各々、エンコーディング装置200の予測部220、逆量子化部234、逆変換部235、及びフィルタリング部260などにも同一または対応されるように適用されることができる。
【0077】
前述したように、ビデオコーディングを実行するにあたって、圧縮効率を上げるために予測を実行する。これを介してコーディング対象ブロックである現在ブロックに対する予測サンプルを含む予測されたブロックを生成することができる。ここで、前記予測されたブロックは、空間ドメイン(または、ピクセルドメイン)での予測サンプルを含む。前記予測されたブロックは、エンコーディング装置及びデコーディング装置で同じく導出され、前記エンコーディング装置は、原本ブロックの原本サンプル値自体でない前記原本ブロックと前記予測されたブロックとの間のレジデュアルに対する情報(レジデュアル情報)をデコーディング装置にシグナリングすることで映像コーディング効率を上げることができる。デコーディング装置は、前記レジデュアル情報に基づいてレジデュアルサンプルを含むレジデュアルブロックを導出し、前記レジデュアルブロックと前記予測されたブロックとを合わせて復元サンプルを含む復元ブロックを生成することができ、復元ブロックを含む復元ピクチャを生成することができる。
【0078】
前記レジデュアル情報は、変換及び量子化手順を介して生成されることができる。例えば、エンコーディング装置は、前記原本ブロックと前記予測されたブロックとの間のレジデュアルブロックを導出し、前記レジデュアルブロックに含まれているレジデュアルサンプル(レジデュアルサンプルアレイ)に変換手順を実行して変換係数を導出し、前記変換係数に量子化手順を実行して量子化された変換係数を導出して関連したレジデュアル情報を(ビットストリームを介して)デコーディング装置にシグナリングできる。ここで、前記レジデュアル情報は、前記量子化された変換係数の値情報、位置情報、変換技法、変換カーネル、量子化パラメータなどの情報を含むことができる。デコーディング装置は、前記レジデュアル情報に基づいて逆量子化/逆変換手順を実行してレジデュアルサンプル(または、レジデュアルブロック)を導出することができる。デコーディング装置は、予測されたブロックと前記レジデュアルブロックとに基づいて復元ピクチャを生成することができる。また、エンコーディング装置は、以後ピクチャのインター予測のための参照のために量子化された変換係数を逆量子化/逆変換してレジデュアルブロックを導出し、これに基づいて復元ピクチャを生成することができる。
【0079】
図4は、本文書による多重変換技法を概略的に示す。
【0080】
図4を参照すると、変換部は、前述した図2のエンコーディング装置内の変換部に対応されることができ、逆変換部は、前述した図2のエンコーディング装置内の逆変換部または図3のデコーディング装置内の逆変換部に対応されることができる。
【0081】
変換部は、レジデュアルブロック内のレジデュアルサンプル(レジデュアルサンプルアレイ)に基づいて1次変換を実行して(1次)変換係数を導出することができる(S410)。このような1次変換(primary transform)は、核心変換(core transform)と呼ばれることができる。ここで、前記1次変換は、多重変換選択(Multiple Transform Selection、MTS)に基づくことができ、1次変換として多重変換が適用される場合、多重核心変換と呼ばれることができる。
【0082】
多重核心変換は、DCT(Discrete Cosine Transform)タイプ2とDST(Discrete Sine Transform)タイプ7、DCTタイプ8、及び/またはDSTタイプ1を追加的に使用して変換する方式を示すことができる。即ち、前記多重核心変換は、前記DCTタイプ2、前記DSTタイプ7、前記DCTタイプ8、及び前記DSTタイプ1の中から選択された複数の変換カーネルに基づいて、空間ドメインのレジデュアル信号(または、レジデュアルブロック)を周波数ドメインの変換係数(または、1次変換係数)に変換する変換方法を示すことができる。ここで、前記1次変換係数は、変換部立場で臨時変換係数と呼ばれることができる。
【0083】
即ち、既存の変換方法が適用される場合、DCTタイプ2に基づいて、レジデュアル信号(または、レジデュアルブロック)に対する空間ドメインから周波数ドメインへの変換が適用されて変換係数が生成されることができた。これと違って、前記多重核心変換が適用される場合、DCTタイプ2、DSTタイプ7、DCTタイプ8、及び/またはDSTタイプ1などに基づいて、レジデュアル信号(または、レジデュアルブロック)に対する空間ドメインから周波数ドメインへの変換が適用されて変換係数(または、1次変換係数)が生成されることができる。ここで、DCTタイプ2、DSTタイプ7、DCTタイプ8、及びDSTタイプ1等は、変換タイプ、変換カーネル(kernel)または変換コア(core)と呼ばれることができる。このようなDCT/DST変換タイプは、基底関数に基づいて定義されることができる。
【0084】
前記多重核心変換が実行される場合、前記変換カーネルの中から対象ブロックに対する垂直変換カーネル及び水平変換カーネルが選択されることができ、前記垂直変換カーネルに基づいて前記対象ブロックに対する垂直変換が実行され、前記水平変換カーネルに基づいて前記対象ブロックに対する水平変換が実行されることができる。ここで、前記水平変換は、前記対象ブロックの水平成分に対する変換を示すことができ、前記垂直変換は、前記対象ブロックの垂直成分に対する変換を示すことができる。前記垂直変換カーネル/水平変換カーネルは、レジデュアルブロックを含む対象ブロック(CUまたはサブブロック)の予測モード及び/または変換インデックスに基づいて適応的に決定されることができる。
【0085】
また、一例によると、MTSを適用して1次変換を実行する場合、特定基底関数を所定値に設定し、垂直変換または水平変換である時、どのような基底関数が適用されるかを組み合わせて変換カーネルに対するマッピング関係を設定することができる。例えば、水平方向変換カーネルをtrTypeHorで表し、垂直方向変換カーネルをtrTypeVerで表す場合、trTypeHorまたはtrTypeVer値0はDCT2に設定され、trTypeHorまたはtrTypeVer値1はDST7に設定され、trTypeHorまたはtrTypeVer値2はDCT8に設定されることができる。
【0086】
この場合、多数の変換カーネルセットのうちいずれか一つを指示するために、MTSインデックス情報がエンコーディングされてデコーディング装置にシグナリングされることができる。例えば、MTSインデックスが0である場合、trTypeHor及びtrTypeVer値が両方とも0であることを指示し、MTSインデックスが1である場合、trTypeHor及びtrTypeVer値が両方とも1であることを指示し、MTSインデックスが2である場合、trTypeHor値は2であり、trTypeVer値は1であることを指示し、MTSインデックスが3である場合、trTypeHor値は1であり、trTypeVer値は2であることを指示し、MTSインデックスが4である場合、trTypeHor及びtrTypeVer値が両方とも2であることを指示することができる。
【0087】
一例によって、MTSインデックス情報による変換カーネルセットを表で示すと、以下の通りである。
【0088】
【表1】
【0089】
変換部は、前記(1次)変換係数に基づいて2次変換を実行して修正された(2次)変換係数を導出することができる(S420)。前記1次変換は、空間ドメインから周波数ドメインへの変換であり、前記2次変換は、(1次)変換係数間に存在する相関関係(correlation)を利用してもっと圧縮的な表現で変換することを意味する。前記2次変換は、非分離変換(non-separable transform)を含むことができる。この場合、前記2次変換は、非分離2次変換(non-separable secondary transform、NSST)またはMDNSST(mode-dependent non-separable secondary transform)と呼ばれることができる。前記非分離2次変換は、前記1次変換を介して導出された(1次)変換係数を非分離変換マトリクス(non-separable transform matrix)に基づいて2次変換してレジデュアル信号に対する修正された変換係数(または、2次変換係数)を生成する変換を示すことができる。ここで、前記非分離変換マトリクスに基づいて、前記(1次)変換係数に対して垂直変換及び水平変換を分離して(または、水平垂直変換を独立的に)適用せずに、一度に変換を適用することができる。即ち、前記非分離2次変換は、前記(1次)変換係数に対して垂直方向と水平方向に別に適用されずに、例えば、2次元信号(変換係数)を特定決められた方向(例えば、行優先(row-first)方向または列優先(column-first)方向)を介して1次元信号に再整列した後、前記非分離変換マトリクスに基づいて修正された変換係数(または、2次変換係数)を生成する変換方法を示すことができる。例えば、行優先順序は、M×Nブロックに対して1番目の行、2番目の行、...、N番目の行の順序に一列に配置することであり、列優先順序は、M×Nブロックに対して1番目の列、2番目の列、...、M番目の列の順序に一列に配置することである。前記非分離2次変換は、(1次)変換係数で構成されたブロック(以下、変換係数ブロックと呼ばれることができる)の左上端(top-left)領域に対して適用されることができる。例えば、前記変換係数ブロックの幅(W)及び高さ(H)が両方とも8以上であると、8×8非分離2次変換が前記変換係数ブロックの左上端8×8領域に対して適用されることができる。また、前記変換係数ブロックの幅(W)及び高さ(H)が両方とも4以上であり、前記変換係数ブロックの幅(W)または高さ(H)が8より小さいと、4×4非分離2次変換が前記変換係数ブロックの左上端min(8、W)×min(8、H)領域に対して適用されることができる。ただし、実施例は、これに限定されるものではなく、例えば、前記変換係数ブロックの幅(W)または高さ(H)が両方とも4以上である条件のみを満たしても、4×4非分離2次変換が前記変換係数ブロックの左上端min(8、W)×min(8、H)領域に対して適用されることもできる。
【0090】
具体的に、例えば、4×4入力ブロックが使われる場合、非分離2次変換は、下記のように実行されることができる。
【0091】
前記4×4入力ブロックXは、以下のように示される。
【0092】
【数1】
【0093】
前記Xをベクトル形態で表す場合、ベクトル
は、以下のように示される。
【0094】
【数2】
【0095】
数式2のように、ベクトル
は、行優先(row-first)順序によって、数式1のXの2次元ブロックを1次元ベクトルで再配列する。
【0096】
この場合、前記2次非分離変換は、下記のように計算されることができる。
【0097】
【数3】
【0098】
ここで、
は、変換係数ベクトルを示し、Tは、16×16(非分離)変換マトリクスを示す。
【0099】
前記数式3を介して16×1変換係数ベクトル
が導出されることができ、前記
は、スキャン順序(水平、垂直、対角(diagonal)等)を介して4×4ブロックで再構成(re-organized)されることができる。ただし、前述した計算は、例示に過ぎず、非分離2次変換の計算複雑度を減らすために、HyGT(Hypercube-Givens Transform)などが非分離2次変換の計算のために使われることもできる。
【0100】
一方、前記非分離2次変換は、モードベースの(modedependent)変換カーネル(または、変換コア、変換タイプ)が選択されることができる。ここで、モードは、イントラ予測モード及び/またはインター予測モードを含むことができる。
【0101】
前述したように、前記非分離2次変換は、前記変換係数ブロックの幅(W)及び高さ(H)に基づいて決定された8×8変換または4×4変換に基づいて実行されることができる。8×8変換は、WとHが両方とも8より大きいまたは同じ時、該当変換係数ブロック内部に含まれている8×8領域に適用されることができる変換を指し、該当8×8領域は、該当変換係数ブロック内部の左上端8×8領域である。同様に、4×4変換は、WとHが両方とも4より大きいまたは同じ時、該当変換係数ブロック内部に含まれている4×4領域に適用されることができる変換を指し、該当4×4領域は、該当変換係数ブロック内部の左上端4×4領域である。例えば、8×8変換カーネルマトリクスは、64×64/16×64行列、4×4変換カーネルマトリクスは、16×16/8×16行列になることができる。
【0102】
このとき、モードベースの変換カーネル選択のために、8×8変換及び4×4変換の両方ともに対して非分離2次変換のための変換セット当たり2個ずつの非分離2次変換カーネルが構成されることができ、変換セットは、4個である。即ち、8×8変換に対して4個の変換セットが構成され、4×4変換に対して4個の変換セットが構成されることができる。この場合、8×8変換に対する4個の変換セットには、各々、2個ずつの8×8変換カーネルが含まれることができ、この場合、4×4変換に対する4個の変換セットには、各々、2個ずつの4×4変換カーネルが含まれることができる。
【0103】
ただし、前記変換のサイズ、即ち、変換が適用される領域のサイズは、例示に過ぎず、8×8または4×4以外のサイズが使われることができ、前記セットの数はn個、各セット内の変換カーネルの数はk個である。
【0104】
前記変換セットは、NSSTセットまたはLFNSTセットと呼ばれることができる。前記変換セットの中からの特定セットの選択は、例えば、現在ブロック(CUまたはサブブロック)のイントラ予測モードに基づいて実行されることができる。LFNST(Low-Frequency Non-Separable Transform)は、後述される減少された非分離変換の一例であり、低周波成分に対する非分離変換を示す。
【0105】
参考までに、例えば、イントラ予測モードは、2個の非方向性(non-directinoal、または非角度性(non-angular))イントラ予測モードと、65個の方向性(directional、または角度性(angular))イントラ予測モードと、を含むことができる。前記非方向性イントラ予測モードは、0番であるプラナー(planar)イントラ予測モード及び1番であるDCイントラ予測モードを含むことができ、前記方向性イントラ予測モードは、2番乃至66番の65個のイントラ予測モードを含むことができる。ただし、これは例示に過ぎず、本文書は、イントラ予測モードの数が異なる場合にも適用されることができる。一方、場合によって、67番イントラ予測モードがさらに使用されることができ、前記67番イントラ予測モードは、LM(linear model)モードを示すことができる。
【0106】
図5は、65個の予測方向のイントラ方向性モードを例示的に示す。
【0107】
図5を参照すると、右下向対角予測方向を有する34番イントラ予測モードを中心にして、水平方向性(horizontal directionality)を有するイントラ予測モードと、垂直方向性(vertical directionality)を有するイントラ予測モードと、を区分することができる。図5のHとVは、各々、水平方向性と垂直方向性を意味し、-32~32の数字は、サンプルグリッドポジション(sample grid position)上で1/32単位の変位を示す。これはモードインデックス値に対するオフセットを示すことができる。2番乃至33番イントラ予測モードは水平方向性を有し、34番乃至66番イントラ予測モードは垂直方向性を有する。一方、34番イントラ予測モードは、厳密には、水平方向性でも垂直方向性でもないとみることができるが、2次変換の変換セットを決定する観点で水平方向性に属すると分類されることができる。これは、34番イントラ予測モードを中心にして対称である垂直方向モードに対しては入力データをトランスポーズ(transpose)して使用し、34番イントラ予測モードに対しては水平方向モードに対する入力データ整列方式を使用するためである。入力データをトランスポーズすることは、2次元ブロックデータM×Nに対して行が列になり、列が行になってN×Mデータを構成することを意味する。18番イントラ予測モードと50番イントラ予測モードは、各々、水平イントラ予測モード(horizontal intra prediction mode)、垂直イントラ予測モード(vertical intra prediction mode)を示し、2番イントラ予測モードは、左側参照ピクセルを有して右上向方向に予測するため、右上向対角イントラ予測モードと呼ばれることができ、同じ脈絡で、34番イントラ予測モードは右下向対角イントラ予測モードと呼ばれ、66番イントラ予測モードは左下向対角イントラ予測モードと呼ばれることができる。
【0108】
一例によって、イントラ予測モードによって4個の変換セットのマッピング(mapping)は、例えば、以下の表のように示される。
【0109】
【表2】
【0110】
表2のように、イントラ予測モードによって、4個の変換セットのうちいずれか一つ、即ち、lfnstTrSetIdxが0から3、即ち、4個のうちいずれか一つにマッピングされることができる。
【0111】
一方、非分離変換に特定セットが使われると決定される場合、非分離2次変換インデックスを介して前記特定セット内のk個の変換カーネルの中から一つが選択されることができる。エンコーディング装置は、RD(rate-distortion)チェックに基づいて特定変換カーネルを指す非分離2次変換インデックスを導出することができ、前記非分離2次変換インデックスをデコーディング装置にシグナリングできる。デコーディング装置は、前記非分離2次変換インデックスに基づいて特定セット内のk個の変換カーネルの中から一つを選択することができる。例えば、lfnstインデックス値0は、1番目の非分離2次変換カーネルを指すことができ、lfnstインデックス値1は、2番目の非分離2次変換カーネルを指すことができ、lfnstインデックス値2は、3番目の非分離2次変換カーネルを指すことができる。または、lfnstインデックス値0は、対象ブロックに対して1番目の非分離2次変換が適用されないことを指すことができ、lfnstインデックス値1乃至3は、前記3個の変換カーネルを指すことができる。
【0112】
変換部は、選択された変換カーネルに基づいて前記非分離2次変換を実行して修正された(2次)変換係数を取得することができる。前記修正された変換係数は、前述したように、量子化部を介して量子化された変換係数として導出されることができ、エンコーディングされてデコーディング装置にシグナリング及びエンコーディング装置内の逆量子化/逆変換部に伝達されることができる。
【0113】
一方、前述したように、2次変換が省略される場合、前記1次(分離)変換の出力である(1次)変換係数が、前述したように、量子化部を介して量子化された変換係数として導出されることができ、エンコーディングされてデコーディング装置にシグナリング及びエンコーディング装置内の逆量子化/逆変換部に伝達されることができる。
【0114】
逆変換部は、前述した変換部で実行された手順の逆順に一連の手順を実行することができる。逆変換部は、(逆量子化された)変換係数を受信し、2次(逆)変換を実行して(1次)変換係数を導出し(S450)、前記(1次)変換係数に対して1次(逆)変換を実行してレジデュアルブロック(レジデュアルサンプル)を取得することができる(S460)。ここで、前記1次変換係数は、逆変換部立場で修正された(modified)変換係数と呼ばれることができる。エンコーディング装置及びデコーディング装置は、前記レジデュアルブロックと予測されたブロックとに基づいて復元ブロックを生成し、これに基づいて復元ピクチャを生成することができることは、前述の通りである。
【0115】
一方、デコーディング装置は、2次逆変換適用可否決定部(または、2次逆変換の適用可否を決定する要素)と、2次逆変換決定部(または、2次逆変換を決定する要素)をさらに含むことができる。2次逆変換適用可否決定部は、2次逆変換の適用可否を決定することができる。例えば、2次逆変換は、NSST、RSTまたはLFNSTであり、2次逆変換適用可否決定部は、ビットストリームからパーシングした2次変換フラグに基づいて2次逆変換の適用可否を決定することができる。他の一例として、2次逆変換適用可否決定部は、レジデュアルブロックの変換係数に基づいて2次逆変換の適用可否を決定することもできる。
【0116】
2次逆変換決定部は、2次逆変換を決定することができる。このとき、2次逆変換決定部は、イントラ予測モードによって指定されたLFNST(NSSTまたはRST)変換セットに基づいて現在ブロックに適用される2次逆変換を決定することができる。また、一実施例として、1次変換決定方法に依存的に(depend on)2次変換決定方法が決定されることができる。イントラ予測モードによって、1次変換と2次変換の多様な組み合わせが決定されることができる。また、一例として、2次逆変換決定部は、現在ブロックの大きさに基づいて2次逆変換が適用される領域を決定することもできる。
【0117】
一方、前述したように、2次(逆)変換が省略される場合、(逆量子化された)変換係数を受信して前記1次(分離)逆変換を実行することでレジデュアルブロック(レジデュアルサンプル)を取得することができる。エンコーディング装置及びデコーディング装置は、前記レジデュアルブロックと予測されたブロックに基づいて復元ブロックを生成し、これに基づいて復元ピクチャを生成することができることは、前述の通りである。
【0118】
一方、本文書では非分離2次変換による計算量とメモリ要求量の低減のために、NSSTの概念で変換マトリクス(カーネル)の大きさが減少されたRST(reduced secondary transform)を適用することができる。
【0119】
一方、本文書で説明された変換カーネル、変換マトリクス、変換カーネルマトリクスを構成する係数、即ち、カーネル係数またはマトリクス係数は8ビットで表現されることができる。これはデコーディング装置及びエンコーディング装置で具現されるための一つの条件であり、既存の9ビットまたは10ビットと比較して合理的に受け入れることができる性能低下と共に、変換カーネルを格納するためのメモリ要求量を減らすことができる。また、カーネルマトリクスを8ビットで表現することによって小さい掛け算器を使用することができ、最適のソフトウェア具現のために使われるSIMD(Single Instruction Multiple Data)命令にさらに適合できる。
【0120】
本明細書において、RSTは、簡素化ファクタ(factor)によって大きさが減少された変換マトリクス(transform matrix)に基づいて、対象ブロックに対するレジデュアルサンプルに対して実行される変換を意味することができる。簡素化変換を実行する場合、変換マトリクスの大きさ減少によって変換時に要求される演算量が減少されることができる。即ち、RSTは、大きさが大きいブロックの変換または非分離変換時に発生する演算複雑度(complexity)問題を解消するために利用されることができる。
【0121】
RSTは、減少された変換、減少変換、reduced transform、reduced secondary transform、reduction transform、simplified transform、simple transformなど、多様な用語で呼ばれることができ、RSTと呼ばれる名称は、羅列された例示に限定されるものではない。または、RSTは、主に変換ブロックで0でない係数を含む低周波領域で行われるため、LFNST(Low-Frequency Non-Separable Transform)と呼ばれることもできる。前記変換インデックスは、LFNSTインデックスと命名されることができる。
【0122】
一方、2次逆変換がRSTに基づいて行われる場合、エンコーディング装置200の逆変換部235とデコーディング装置300の逆変換部322は、変換係数に対する逆RSTに基づいて修正された変換係数を導出する逆RST部と、修正された変換係数に対する逆1次変換に基づいて前記対象ブロックに対するレジデュアルサンプルを導出する逆1次変換部と、を含むことができる。逆1次変換は、レジデュアルに適用された1次変換の逆変換を意味する。本文書で変換に基づいて変換係数を導出することは、該当変換を適用して変換係数を導出するのを意味することができる。
【0123】
図6は、本文書の一実施例に係るRSTを説明するための図である。
【0124】
本明細書において、「対象ブロック」は、コーディングが実行される現在ブロックまたはレジデュアルブロックまたは変換ブロックを意味することができる。
【0125】
一実施例に係るRSTで、N次元ベクトル(N dimensional vector)が異なる空間に位置したR次元ベクトル(R dimensional vector)にマッピングされて減少された変換マトリクスが決定されることができ、ここで、Rは、Nより小さい。Nは、変換が適用されるブロックの一辺の長さ(length)の自乗または変換が適用されるブロックと対応される変換係数の総個数を意味することができ、簡素化ファクタは、R/N値を意味することができる。簡素化ファクタは、減少されたファクタ、減少ファクタ、reduced factor、reduction factor、simplified factor、simple factorなど、多様な用語で呼ばれることができる。一方、Rは、簡素化係数(reduced coefficient)と呼ばれることができるが、場合によっては、簡素化ファクタがRを意味することもできる。また、場合によって、簡素化ファクタは、N/R値を意味することもできる。
【0126】
一実施例において、簡素化ファクタまたは簡素化係数は、ビットストリームを介してシグナリングされることができるが、実施例がこれに限定されるものではない。例えば、簡素化ファクタまたは簡素化係数に対する既定義された値が各エンコーディング装置200及びデコーディング装置300に格納されている場合があり、この場合、簡素化ファクタまたは簡素化係数は、別途にシグナリングされない。
【0127】
一実施例に係る簡素化変換マトリクスのサイズは、通常の変換マトリクスのサイズN×Nより小さいR×Nであり、以下の数式4のように定義されることができる。
【0128】
【数4】
【0129】
図6の(a)に示すReduced Transformブロック内のマトリクスTは、数式4のマトリクスTR×Nを意味することができる。図6の(a)のように、対象ブロックに対するレジデュアルサンプルに対して簡素化変換マトリクスTR×Nが掛けられる場合、対象ブロックに対する変換係数が導出されることができる。
【0130】
一実施例において、変換が適用されるブロックのサイズが8×8であり、R=16(即ち、R/N=16/64=1/4)である場合、図6の(a)によるRSTは、以下の数式5のような行列演算で表現されることができる。この場合、メモリと掛け演算が簡素化ファクタにより概略1/4に減少できる。
【0131】
本文書において、行列演算とは、行列を列ベクトルの左側に置いて行列と列ベクトルをかけて列ベクトルを得る演算と理解されることができる。
【0132】
【数5】
【0133】
数式5において、r乃至r64は、対象ブロックに対するレジデュアルサンプルを示すことができ、より具体的に、1次変換を適用して生成された変換係数である。数式5の演算結果、対象ブロックに対する変換係数cが導出されることができ、cの導出過程は、数式6の通りである。
【0134】
【数6】
【0135】
数式6の演算結果、対象ブロックに対する変換係数c乃至cが導出されることができる。即ち、R=16である場合、対象ブロックに対する変換係数c乃至c16が導出されることができる。もし、RSTではなく通常の(regular)変換が適用されてサイズが64×64(N×N)である変換マトリクスが、サイズが64×1(N×1)であるレジデュアルサンプルに掛けられた場合、対象ブロックに対する変換係数が64個(N個)が導出されるが、RSTが適用されたため、対象ブロックに対する変換係数が16個(R個)のみ導出される。対象ブロックに対する変換係数の総個数がN個からR個に減少してエンコーディング装置200がデコーディング装置300に送信するデータの量が減少するため、エンコーディング装置200-デコーディング装置300間の送信効率が増加できる。
【0136】
変換マトリクスのサイズ観点で検討すると、通常の変換マトリクスのサイズは64×64(N×N)であり、簡素化変換マトリクスのサイズは16×64(R×N)に減少するため、通常の変換を実行する時と比較すると、RSTを実行する時にメモリ使用をR/N割合に減少させることができる。また、通常の変換マトリクスを利用する時の掛け算演算数N×Nと比較すると、簡素化変換マトリクスを利用する場合、掛け算演算数をR/N割合に減少(R×N)させることができる。
【0137】
一実施例において、エンコーディング装置200の変換部232は、対象ブロックに対するレジデュアルサンプルを1次変換及びRSTベースの2次変換を実行することによって対象ブロックに対する変換係数を導出することができる。このような変換係数は、デコーディング装置300の逆変換部に伝達されることができ、デコーディング装置300の逆変換部322は、変換係数に対する逆RST(reduced secondary transform)に基づいて修正された変換係数を導出し、修正された変換係数に対する逆1次変換に基づいて対象ブロックに対するレジデュアルサンプルを導出することができる。
【0138】
一実施例に係る逆RSTマトリクスTN×Rのサイズは、通常の逆変換マトリクスのサイズN×Nより小さいN×Rであり、数式4に示す簡素化変換マトリクスTR×Nとトランスポーズ(transpose)関係にある。
【0139】
図6の(b)に示すReduced Inv.Transformブロック内のマトリクスTは、逆RSTマトリクスTR×N を意味することができる(上付き文字Tは、トランスポーズを意味する)。図6の(b)のように、対象ブロックに対する変換係数に対して逆RSTマトリクスTR×N が掛けられる場合、対象ブロックに対する修正された変換係数または対象ブロックに対するレジデュアルサンプルが導出されることができる。逆RSTマトリクスTR×N は、(TR×N N×Rで表現することもできる。
【0140】
より具体的に、2次逆変換として逆RSTが適用される場合には、対象ブロックに対する変換係数に対して逆RSTマトリクスTR×N が掛けられると、対象ブロックに対する修正された変換係数が導出されることができる。一方、逆1次変換として逆RSTが適用されることができ、この場合、対象ブロックに対する変換係数に対して逆RSTマトリクスTR×N が掛けられると、対象ブロックに対するレジデュアルサンプルが導出されることができる。
【0141】
一実施例において、逆変換が適用されるブロックのサイズが8×8であり、R=16(即ち、R/N=16/64=1/4である場合)である場合、図6の(b)によるRSTは、以下の数式7のような行列演算で表現されることができる。
【0142】
【数7】
【0143】
数式7において、c乃至c16は、対象ブロックに対する変換係数を示すことができる。数式7の演算結果、対象ブロックに対する修正された変換係数または対象ブロックに対するレジデュアルサンプルを示すrが導出されることができ、rの導出過程は、数式8の通りである。
【0144】
【数8】
【0145】
数式8の演算結果、対象ブロックに対する修正された変換係数または対象ブロックに対するレジデュアルサンプルを示すr乃至rが導出されることができる。逆変換マトリクスのサイズ観点で検討すると、通常の逆変換マトリクスのサイズは64×64(N×N)であり、簡素化逆変換マトリクスのサイズは64×16(N×R)に減少するため、通常の逆変換を実行する時と比較すると、逆RSTを実行する時にメモリ使用をR/N割合に減少させることができる。また、通常の逆変換マトリクスを利用する時の掛け算演算数N×Nと比較すると、簡素化逆変換マトリクスを利用する場合、掛け算演算数をR/N割合に減少(N×R)させることができる。
【0146】
一方、8×8 RSTに対しても、表2のような変換セット構成を適用することができる。即ち、表2での変換セットによって該当8×8 RSTが適用されることができる。一つの変換セットは、画面内の予測モードによって2個または3個の変換(カーネル)で構成されているため、2次変換を適用しないとまで含んで最大4個の変換の中から一つを選択するように構成されることができる。2次変換を適用しない時の変換は、恒等行列が適用されたと見なされることができる。4個の変換に対して各々0、1、2、3のインデックスを付与するとした時(例えば、0番インデックスを恒等行列、即ち、2次変換を適用しない場合で割り当てることができる)、変換インデックスまたはlfnstインデックスというシンタックス要素(syntax element)を変換係数ブロック毎にシグナリングして適用される変換を指定することができる。即ち、変換インデックスを介して8×8左上端ブロックに対して、RST構成では8×8 RSTを指定することができ、またはLFNSTが適用される場合、8×8 lfnstを指定することができる。8×8 lfnst及び8×8 RSTは、変換の対象になる対象ブロックのWとHが両方とも8より大きいまたは同じ時、該当変換係数ブロック内部に含まれている8×8領域に適用されることができる変換を指し、該当8×8領域は、該当変換係数ブロック内部の左上端8×8領域である。同様に、4×4 lfnst及び4×4 RSTは、対象ブロックのWとHが両方とも4より大きいまたは同じ時、該当変換係数ブロック内部に含まれている4×4領域に適用されることができる変換を指し、該当4×4領域は該当変換係数ブロック内部の左上端4×4領域である。
【0147】
一方、本文書の一実施例によって、エンコーディング過程の変換で、8×8領域を構成する64個のデータに対して16×64変換カーネルマトリクスでない、48個のデータのみを選択して最大16×48変換カーネルマトリクスを適用することができる。ここで、「最大」とは、m個の係数を生成することができるm×48変換カーネルマトリクスに対してmの最大値が16であることを意味する。即ち、8×8領域にm×48変換カーネルマトリクス(m≦16)を適用してRSTを実行する場合、48個のデータの入力を受けてm個の係数を生成することができる。mが16である場合、48個のデータの入力を受けて16個の係数を生成する。即ち、48個のデータが48×1ベクトルをなすとした時、16×48行列と48×1ベクトルをじゅんにかけて16×1ベクトルが生成されることができる。このとき、8×8領域をなす48個のデータを適切に配列して48×1ベクトルを構成することができる。例えば、8×8領域のうち右下端4×4領域を除外した領域を構成する48個のデータに基づいて48×1ベクトルを構成することができる。このとき、最大16×48変換カーネルマトリクスを適用して行列演算を実行すると、16個の修正された変換係数が生成され、16個の修正された変換係数は、スキャニング順序によって左上端4×4領域に配置されることができ、右上端4×4領域と左下端4×4領域は、0で満たされることができる。
【0148】
デコーディング過程の逆変換には前記叙述された変換カーネルマトリクスのトランスポーズされたマトリクスが使われることができる。即ち、デコーディング装置で実行される逆変換過程として逆RSTまたはLFNSTが実行される場合、逆RSTを適用する入力係数データは、所定の配列順序によって1次元ベクトルで構成され、1次元ベクトルに該当逆RST行列を左側でかけて得られた修正された係数ベクトルを所定の配列順序によって2次元ブロックに配列されることができる。
【0149】
整理すると、変換過程で、8×8領域にRSTまたはLFNSTが適用される場合、8×8領域の変換係数のうち、8×8領域の右下端領域を除外した左上端、右上端、左下端領域の48個変換係数と16×48の変換カーネルマトリクスとの行列演算が実行される。行列演算のために、48個の変換係数は、1次元配列で入力される。このような行列演算が実行されると、16個の修正された変換係数が導出され、修正された変換係数は、8×8領域の左上端領域に配列されることができる。
【0150】
逆に、逆変換過程で、8×8領域に逆RSTまたはLFNSTが適用される場合、8×8領域の変換係数のうち8×8領域の左上端に対応する16個の変換係数は、スキャニング順序によって1次元配列形態で入力されて48×16の変換カーネルマトリクスと行列演算されることができる。即ち、このような場合の行列演算は、(48×16行列)*(16×1変換係数ベクトル)=(48×1修正された変換係数ベクトル)で表すことができる。ここで、n×1ベクトルは、n×1行列のような意味で解釈されることができるため、n×1列ベクトルで表記されることもできる。また、*は、行列掛け算演算を意味する。このような行列演算が実行される場合、48個の修正された変換係数が導出されることができ、48個の修正された変換係数は、8×8領域の右下端領域を除外した左上端、右上端、左下端領域に配列されることができる。
【0151】
一方、2次逆変換がRSTに基づいて行われる場合、エンコーディング装置200の逆変換部235とデコーディング装置300の逆変換部322は、変換係数に対する逆RSTに基づいて修正された変換係数を導出する逆RST部と、修正された変換係数に対する逆1次変換に基づいて前記対象ブロックに対するレジデュアルサンプルを導出する逆1次変換部と、を含むことができる。逆1次変換は、レジデュアルに適用された1次変換の逆変換を意味する。本文書において、変換に基づいて変換係数を導出することは、該当変換を適用して変換係数を導出することを意味することができる。
【0152】
詳述された非分離変換、LFNSTに対して具体的にみると、以下の通りである。LFNSTは、エンコーディング装置による順方向(forward)変換とデコーディング装置による逆方向(inverse)変換とを含むことができる。
【0153】
エンコーディング装置は、順方向1次変換(primary (core) transform)を適用した後に導出された結果(または、結果の一部)を入力とし、順方向2次変換(secondary transform)を適用する。
【0154】
[数9]
y=G
【0155】
前記数式9において、xとyは、各々、2次変換の入力と出力であり、Gは、2次変換を示す行列であって、変換基底ベクトル(transform basis vector)は、列ベクトルで構成される。逆方向LFNSTの場合、変換行列Gの次元(dimension)を[row数×column数]で表記した時、順方向LFNSTの場合、行列Gのトランスポーズを行ったものがGの次元になる。
【0156】
逆方向LFNSTの場合、行列Gの次元は、[48×16]、[48×8]、[16×16]、[16×8]になり、[48×8]行列と[16×8]行列は、各々、[48×16]行列と[16×16]行列の左側から8個の変換基底ベクトルをサンプリングした部分行列である。
【0157】
それに対して、順方向LFNSTの場合、行列Gの次元は[16×48]、[8×48]、[16×16]、[8×16]になり、[8×48]行列と[8×16]行列は、各々、[16×48]行列と[16×16]行列の上側から8個の変換基底ベクトルをサンプリングした部分行列である。
【0158】
したがって、順方向LFNSTの場合、入力xとしては[48×1]ベクトルまたは[16×1]ベクトルが可能であり、出力yとしては[16×1]ベクトルまたは[8×1]ベクトルが可能である。ビデオコーディング及びデコーディングにおける順方向1次変換の出力は、二次元(2D)データであるため、入力xとして[48×1]ベクトルまたは[16×1]ベクトルを構成するために、順方向変換の出力である2Dデータを適切に配列して1次元ベクトルを構成しなければならない。
【0159】
図7は、一例によって順方向1次変換の出力データを1次元ベクトルに配列する順序を示す図である。図7の(a)及び(b)の左側図は、[48×1]ベクトルを作成するための順序を示し、図7の(a)及び(b)の右側図は、[16×1]ベクトルを作成するための順序を示す。LFNSTの場合、図7の(a)及び(b)のような順序に、2Dデータを順次に配列して一次元ベクトルxを得ることができる。
【0160】
このような順方向1次変換の出力データの配列方向は、現在ブロックのイントラ予測モードによって決定されることができる。例えば、現在ブロックのイントラ予測モードが対角線方向を基準にして水平方向である場合、順方向1次変換の出力データは、図7の(a)の順序に配列されることができ、現在ブロックのイントラ予測モードが対角線方向を基準にして垂直方向である場合、順方向1次変換の出力データは、図7の(b)の順序に配列されることができる。
【0161】
一例によって、図7の(a)及び(b)の配列順序(ordering)と異なる配列順序を適用することができ、図7の(a)及び(b)の配列順序を適用した時と同じ結果(yベクトル)を導出しようとする場合は、行列Gの列ベクトルを該当配列順序に合わせて再配列すればよい。即ち、xベクトルを構成する各要素に対して常に同じ変換基底ベクトルと掛けられるようにGの列ベクトルを再配置することができる。
【0162】
数式9を介して導出される出力yは、一次元ベクトルであるため、もし、順方向2次変換の結果を入力として処理する構成、例えば、量子化またはレジデュアルコーディングを実行する構成が入力データとして2次元データが必要である場合、数式9の出力yベクトルは、再び2Dデータで適切に配置されなければならない。
【0163】
図8は、一例によって順方向2次変換の出力データを2次元ブロックに配列する順序を示す図である。
【0164】
LFNSTの場合、決められたスキャン順序によって2Dブロックに配置されることができる。図8の(a)は、出力yが[16×1]ベクトルである場合、2次元ブロックの16個の位置に対角スキャン(diagonal scan)順序によって出力値が配置されることを示す。図8の(b)は、出力yが[8×1]ベクトルである場合、2次元ブロックの8個の位置に対角スキャン順序によって出力値が配置され、残り8個の位置には0で満たされることを示す。図8の(b)のXは、0で満たされることを示す。
【0165】
他の例によって、量子化またはレジデュアルコーディングを実行する構成により出力ベクトルyが処理される順序は、既設定された順序によって実行できるため、図8のように出力ベクトルyが2Dブロックに配置されないことがある。ただし、レジデュアルコーディングの場合、CG(Coefficient Group)のような2Dブロック(例えば、4×4)単位でデータコーディングが実行されることができ、この場合、図8の対角スキャン順序のように特定順序によってデータが配列されることができる。
【0166】
一方、デコーディング装置は、逆方向変換のために逆量子化過程などを介して出力された2次元データを既設定されたスキャン順序によって羅列して1次元入力ベクトルであるyを構成することができる。入力ベクトルyは、下記数式により入力ベクトルxとして出力されることができる。
【0167】
[数10]
x=Gy
【0168】
逆方向LFNSTの場合、[16×1]ベクトルまたは[8×1]ベクトルである入力ベクトルyにG行列を掛けることによって、出力ベクトルxを導出することができる。逆方向LFNSTの場合、出力ベクトルxは、[48×1]ベクトルまたは[16×1]ベクトルである。
【0169】
出力ベクトルxは、図7に示す順序によって2次元ブロックに配置されて2次元データで配列され、このような2次元データは、逆方向1次変換の入力データ(または、入力データの一部)になる。
【0170】
したがって、逆方向2次変換は、全体的に順方向2次変換過程と反対であり、逆変換の場合、順方向と違って、逆方向2次変換を先に適用した後に逆方向1次変換を適用するようになる。
【0171】
逆方向LFNSTでは変換行列Gとして[48×16]行列8個と[16×16]行列8個の中から一つが選択されることができる。[48×16]行列と[16×16]行列のうちどの行列を適用するかは、ブロックの大きさともようによって決定される。
【0172】
また、8個の行列は、前述された表2のように4個の変換セットから導出されることができ、各変換セットは、2個の行列で構成されることができる。4個の変換セットのうちどの変換セットを使用するかは、イントラ予測モードによって決定され、より具体的に、広角イントラ予測モード(Wide Angle Intra Prediction、WAIP)まで考慮して拡張されたイントラ予測モード値に基づいて変換セットが決定される。選択された変換セットを構成する2個の行列の中からどの行列を選択するかは、インデックスシグナリング(index signaling)を介して導出される。より具体的に、送信されるインデックス値では0、1、2が可能であり、0は、LFNSTを適用しないことを指示し、1と2は、イントラ予測モード値に基づいて選択された変換セットを構成する2個の変換行列のうちいずれか一つを指示することができる。
【0173】
図9は、本文書の一実施例に係る広角イントラ予測モードを示す図である。
【0174】
一般的なイントラ予測モード値は、0~66と81~83までの値を有することができ、図示されたように、WAIPによって拡張されたイントラ予測モード値は、-14~83までの値を有することができる。81~83までの値は、CCLM(Cross Compoonent Linear Model)モードを指し、-14~-1までの値と67~80までの値は、WAIP適用によって拡張されたイントラ予測モード値を指す。
【0175】
予測現在ブロックの幅が高さより大きい場合、一般的に上側参照ピクセルが予測しようとするブロック内部の位置ともっと近い。したがって、右上端(top-right)方向に予測することより左下端(bottom-left)方向に予測することがより正確である。それに対して、ブロックの高さが幅より大きい場合は、左側参照ピクセルが予測しようとするブロック内部の位置と一般的に近い。したがって、左下端(bottom-left)方向に予測することより右上端(top-right)方向に予測することがより正確である。したがって、広角イントラ予測モードのインデックスでリマッピング、即ち、モードインデックス変換を適用することが有利である。
【0176】
広角イントラ予測が適用される場合、既存のイントラ予測に対する情報がシグナリングされることができ、前記情報がパーシングされた以後、前記情報が前記広角イントラ予測モードのインデックスでリマッピングされることができる。したがって、特定ブロック(例えば、特定サイズの非正方形ブロック)に対する総イントラ予測モードの数は変更されなく、即ち、総イントラ予測モードの数は67個であり、前記特定ブロックに対するイントラ予測モードコーディングは変更されない。
【0177】
以下の表3は、イントラ予測モードを広角イントラ予測モードにリマッピングして修正されたイントラモードを導出する過程を示している。
【0178】
【表3】
【0179】
表3において、最終的にpredModeIntra変数に拡張されたイントラ予測モード値が格納され、ISP_NO_SPLITは、現在VVC標準に採択されたIntra Sub Partitions(ISP)技術によりCUブロックがサブパーティションに分割されないことを示し、cIdx変数値が0、1、2であることは、各々、ルマ、Cb、Crコンポーネントである場合を指す。表3に示すLog2関数は、ベース(base)が2であるログ値をリターンし、Abs関数は、絶対値をリターンする。
【0180】
広角イントラ予測モードのマッピング過程(Wide angle intra prediction mode mapping process)の入力値として、イントラ予測モードを指示する変数predModeIntra、変換ブロックの高さ及び幅などが使われ、出力値は、修正されたイントラ予測モード(the modified intra prediction mode predModeIntra)になる。変換ブロックまたはコーディングブロックの高さ及び幅が、イントラ予測モードのリマッピングのための現在ブロックの高さ及び幅になることができる。このとき、幅と高の比率を反映する変数whRatioは、Abs(Log2(nW/nH))に設定されることができる。
【0181】
正方形でないブロックに対して、イントラ予測モードは、二つの場合に区分されて修正されることができる。
【0182】
まず、(1)現在ブロックの幅が高さより大きい、(2)修正前のイントラ予測モードが2より大きいまたは同じ、(3)イントラ予測モードが、変数whRatioが1より大きい場合は(8+2*whRatio)であり、変数whRatioが1より小さいまたは同じ場合は8であって、導出される値より小さい[predModeIntra is less than(whRatio>1)?(8+2*whRatio):8]という全ての条件を満たす場合、イントラ予測モードは、イントラ予測モードより65大きい値に設定される[predModeIntra is set equal to(predModeIntra+65)]。
【0183】
前記と異なる場合、(1)現在ブロックの高さが幅より大きい、(2)修正前のイントラ予測モードが66より小さいまたは同じ、(3)イントラ予測モードが、変数whRatioが1より大きい場合は(60-2*whRatio)であり、変数whRatioが1より小さいまたは同じ場合は60であって、導出される値より大きい[predModeIntra is greater than(whRatio>1)?(60-2*whRatio):60]という全ての条件を満たす場合、イントラ予測モードは、イントラ予測モードより67小さい値に設定される[predModeIntra is set equal to(predModeIntra-67)]。
【0184】
前述された表2は、LFNSTでWAIPにより拡張されたイントラ予測モード値に基づいて変換セットがどのように選択されるかを示している。図9のように、14~33までのモードと35~80までのモードは、モード34を中心にして予測方向観点で互いに対称である。例えば、モード14とモード54は、モード34に該当する方向を中心にして対称である。したがって、互いに対称な方向に位置するモードどうしは同じ変換セットを適用するようになり、表2でもこのような対称性が反映されている。
【0185】
ただし、モード54に対する順方向LFNST入力データは、モード14に対する順方向LFNST入力データと対称を成すことを仮定する。例えば、モード14とモード54に対しては、各々、図7の(a)と図7の(b)に示す配列順序によって2次元データを1次元データで再配列するようになり、図7の(a)と図7の(b)に示す順序のパターンは、モード34が指す方向(対角線方項)を中心にして対称であることを知ることができる。
【0186】
一方、前述したように、[48×16]行列と[16×16]行列のうちどの変換行列をLFNSTに適用するかは、変換対象ブロックの大きさともようにより決定される。
【0187】
図10は、LFNSTが適用されるブロックもようを示す図である。図10の(a)は4×4ブロックを、(b)は4×8及び8×4ブロックを、(c)はNが16以上である4×NまたはN×4ブロックを、(d)は8×8ブロックを、(e)はM≧8、N≧8であり、N〉8またはM〉8であるM×Nブロックを示している。
【0188】
図10で太い枠のブロックがLFNSTが適用される領域を指す。図10の(a)及び(b)のブロックに対しては左上端(top-left)4×4領域に対してLFNSTが適用され、図10の(c)のブロックに対しては連続配置された2個の左上端4×4領域に対して各々LFNSTが適用される。図10の(a)、(b)、(c)では4×4領域単位でLFNSTが適用されるため、このようなLFNSTを以下「4×4LFNST」と命名するようにし、該当変換行列では数式9及び数式10のGに対する行列次元を基準[16×16]または[16×8]行列が適用されることができる。
【0189】
より具体的に、図10の(a)の4×4ブロック(4×4TUまたは4×4CU)に対しては[16×8]行列が適用され、図10の(b)及び(c)のブロックに対しては[16×16]行列が適用される。これは最悪の場合(worst case)に対する計算複雑度をサンプル当たり8乗算(8 multiplications per sample)に合わせるためである。
【0190】
図10の(d)及び(e)に対しては左上端8×8領域に対してLFNSTが適用され、このようなLFNSTを以下「8×8LFNST」と命名するようにする。該当変換行列では[48×16]または[48×8]行列が適用されることができる。順方向LFNSTの場合、入力データとして[48×1]ベクトル(数式9のxベクトル)が入力されるため、左上端8×8領域の全てのサンプル値が順方向LFNSTの入力値として使われない。即ち、図7の(a)の左側順序または図7の(b)の左側順序で見ることができるように、右下端(bottom-right)の4×4ブロックはそのまま置き、残り3個の4×4ブロックに属するサンプルに基づいて[48×1]ベクトルを構成することができる。
【0191】
図10の(d)での8×8ブロック(8×8TUまたは8×8CU)に[48×8]行列が適用され、図10の(e)での8×8ブロックに[48×16]行列が適用されることができる。これも最悪の場合(worst case)に対する計算複雑度をサンプル当たり8乗算(8 multiplications per sample)に合わせためである。
【0192】
ブロックもようによって、これに対応する順方向LFNST(4×4LFNSTまたは8×8LFNST)が適用されると、8個または16個の出力データ(数式9でのyベクトル、[8×1]または[16×1]ベクトル)が生成され、順方向LFNSTでは行列GTの特性上、出力データの数が入力データの数と同じまたは少なくなる。
【0193】
図11は、一例によって順方向LFNSTの出力データの配列を示し、ブロックもようによって順方向LFNSTの出力データが配置されるブロックを示す図である。
【0194】
図11に示すブロックの左上端に陰影で処理された領域が順方向LFNSTの出力データが位置する領域に該当し、0で表記された位置は0値で満たされるサンプルを示し、残り領域は、順方向LFNSTにより変更されない領域を示す。LFNSTにより変更されない領域には順方向1次変換の出力データが変更されずにそのまま存在する。
【0195】
前述したように、ブロックもようによって適用される変換行列の次元が変わるため、出力データの数も変わる。図11のように、順方向LFNSTの出力データが左上端4×4ブロックを全部満たすことができない場合もある。図11の(a)及び(d)の場合、太線で表示されたブロックまたはブロック内部の一部領域には、各々、[16×8]行列と[48×8]行列が適用されて順方向LFNSTの出力として[8×1]ベクトルが生成される。即ち、図8の(b)に示すスキャン順序によって8個の出力データのみが図11の(a)及び(d)のように満たされ、残り8個の位置に対しては0で満たされることができる。図10の(d)のLFNST適用ブロックの場合、図11の(d)のように左上端4×4ブロックに隣接した右上端及び左下端の二つの4×4ブロックも0値で満たされる。
【0196】
前記のように、基本的にLFNSTインデックスをシグナリングしてLFNST適用可否及び適用する変換行列を指定するようになる。図11に示すように、LFNSTが適用される場合、順方向LFNSTの出力データ数が入力データ数と同じまたは少ないことがあるため、0値で満たされる領域が下記のように発生する。
【0197】
1)図11の(a)のように左上端4×4ブロック内にスキャン順序上8番目以後の位置、即ち、9番目から16番目までのサンプル
【0198】
2)図11の(d)及び(e)のように、[16×48]行列または[8×48]行列が適用されて左上端4×4ブロックに隣接した二つの4×4ブロックまたはスキャン順序上2番目と3番目の4×4ブロック
【0199】
したがって、前記1)と2)の領域をチェックして0でない(non-zero)データが存在するようになると、LFNSTが適用されないことが確実であるため、該当LFNSTインデックスのシグナリングを省略することができるようになる。
【0200】
一例によって、例えば、VVC標準に採択されたLFNSTの場合、LFNSTインデックスのシグナリングは、レジデュアルコーディング以後に実行されるため、エンコーディング装置は、レジデュアルコーディングを介してTUまたはCUブロック内部の全ての位置に対する0でないデータ(有効係数)の存在可否を知ることができるようになる。したがって、エンコーディング装置は、0でないデータ存在可否を介してLFNSTインデックスに対するシグナリングを実行するかどうかを判断することができ、デコーディング装置は、LFNSTインデックスのパーシング可否を判断することができる。もし、前記1)と2)で指定された領域に0でないデータが存在しない場合、LFNSTインデックスのシグナリングを実行するようになる。
【0201】
LFNSTインデックスに対する二進化方法でトランケイテッドユナリコード(runcated unary code)を適用するため、LFNSTインデックスは最大2個のbinで構成され、可能なLFNSTインデックス値である0、1、2に対する二進化コード(binary code)では各々0、10、11が割り当てられる。現在VVCに採択されたLFNSTの場合、1番目のbinに対してはコンテキストベースのCABACコーディングが適用され(regular coding)、2番目のbinに対してはバイパスコーディング(bypass coding)が適用される。1番目のbinに対する総コンテキスト数は2個であり、水平方向と垂直方向に対する1次変換ペア(primary transform pair)として(DCT-2、DCT-2)が適用され、ルマ成分とクロマ成分がデュアルツリータイプでコーディングされる場合、一つのコンテキストが割り当てられ、他の場合に対して他の一つのコンテキストが適用される。このようなLFNSTインデックスのコーディングを表で表せると、以下の通りである。
【0202】
【表4】
【0203】
一方、採択されたLFNSTに対して、下記のような単純化方法が適用されることができる。
【0204】
(i)一例によって、順方向LFNSTに対する出力データ数を最大16個に限定できる。
【0205】
図10の(c)の場合、左上端に隣接した2個の4×4領域に各々4×4LFNSTが適用されることができ、このとき、最大32個のLFNST出力データが生成されることができる。もし、順方向LFNSTに対する出力データ数を最大16に限定する場合、4×N/N×4(N≧16)ブロック(TUまたはCU)に対しても左上端に存在する1個の4×4領域に対してのみ4×4LFNSTを適用し、図10の全てのブロックに対してLFNSTを1回のみ適用できる。これを介して映像コーディングに対する具現が単純になる。
【0206】
図12は、一例によって順方向LFNSTに対する出力データ数を最大16個に限定したことを示す図である。図12のように、Nが16以上である4×NまたはN×4ブロックで最左上端4×4領域に対してLFNSTが適用されると、順方向LFNSTの出力データは、16個になる。
【0207】
(ii)一例によって、LFNSTが適用されない領域に対して追加的にゼロアウト(zero-out)を適用することができる。本文書において、ゼロアウトは、特定領域に属する全ての位置の値を0値で満たすことを意味することができる。即ち、LFNSTによって変更されずに、順方向1次変換の結果を維持している領域に対してもゼロアウトを適用することができる。前述したように、LFNSTは、4×4LFNSTと8×8LFNSTに区分されるため、下記のように2種類((ii)-(A)及び(ii)-(B))にゼロアウトを区分することができる。
【0208】
(ii)-(A)4×4LFNSTが適用される時、4×4LFNSTが適用されない領域をゼロアウトすることができる。図13は、一例によって4×4LFNSTが適用されるブロックでのゼロアウトを示す図である。
【0209】
図13のように、4×4LFNSTが適用されるブロックに対して、即ち、図11の(a)、(b)、及び(c)のブロックに対してLFNSTが適用されない領域まで全て0で満たされることができる。
【0210】
一方、図13の(d)は、図12のように順方向LFNSTの出力データ個数の最大値を16に限定した場合、4×4LFNSTが適用されない残りブロックに対してゼロアウトを実行したことを示す。
【0211】
(ii)-(B)8×8LFNSTが適用される時、8×8LFNSTが適用されない領域をゼロアウトすることができる。図14は、一例によって8×8LFNSTが適用されるブロックでのゼロアウトを示す図である。
【0212】
図14のように、8×8LFNSTが適用されるブロックに対して、即ち、図11の(d)及び(e)のブロックに対してLFNSTが適用されない領域まで全て0で満たされることができる。
【0213】
(iii)前記(ii)で提示したゼロアウトによってLFNSTが適用される時、0で満たされる領域が変わることができる。したがって、前記(ii)で提案されたゼロアウトによって0でないデータが存在するかどうかを図11のLFNSTの場合より広い領域に対してチェックできる。
【0214】
例えば、(ii)-(B)を適用する場合、図11の(d)及び(e)で0値で満たされる領域に追加して図14で追加的に0で満たされた領域まで0でないデータが存在するかどうかをチェックした後、0でないデータが存在しない場合にのみLFNSTインデックスに対するシグナリングを実行することができる。
【0215】
もちろん、前記(ii)で提案されたゼロアウトを適用しても、既存LFNSTインデックスシグナリングと同じく0でないデータが存在するかどうかをチェックすることができる。即ち、図11に0で満たされたブロックに対して0でないデータが存在するかどうかをチェックしてLFNSTインデックスシグナリングを適用することができる。このような場合、エンコーディング装置にのみゼロアウトを実行し、デコーディング装置では該当ゼロアウトを仮定することなく、即ち、図11で明示的に0で表記された領域に対してのみ0でないデータが存在するかどうかのみをチェックしてLFNSTインデックスパーシングを実行することができる。
【0216】
または、他の例によって、図15のようにゼロアウトを実行することもできる。図15は、他の一例によって8×8LFNSTが適用されるブロックでのゼロアウトを示す図である。
【0217】
図13及び図14のように、LFNSTが適用される領域以外の領域に対して全てゼロアウトを適用することもでき、図15のように部分的な領域に対してのみゼロアウトを適用することも可能である。図15の左上端8×8領域以外の領域に対してのみゼロアウトを適用し、左上端8×8領域内部の右下端4×4ブロックに対してはゼロアウトを適用しない。
【0218】
前記LFNSTに対する単純化方法((i)、(ii)-(A)、(ii)-(B)、(iii))の組み合わせを適用した多様な実施例が導出されることができる。もちろん、前記単純化方法に対する組み合わせは、下記の実施例に限定されるものではなく、任意の組み合わせをLFNSTに適用できる。
【0219】
実施例
【0220】
-順方向LFNSTに対する出力データ数を最大16個に限定→(i)
【0221】
-4×4LFNSTが適用される時、4×4LFNSTが適用されない領域を全てゼロアウト→(ii)-(A)
【0222】
-8×8LFNSTが適用される時、8×8LFNSTが適用されない領域を全てゼロアウト→(ii)-(B)
【0223】
-既存0値で満たされる領域と追加的なゼロアウト((ii)-(A)、(ii)-(B))によって0で満たされる領域に対しても、0でないデータが存在するかどうかをチェックした後、0でないデータが存在しない場合にのみLFNSTインデクシングシグナリング→(iii)
【0224】
前記実施例の場合、LFNSTが適用される時、0でない出力データが存在できる領域が左上端4×4領域内部に制限される。より詳細に、図13の(a)と図14の(a)の場合、スキャン順序上、8番目の位置が0でないデータが存在できる最後の位置になり、図13の(b)及び(d)と図14の(b)の場合、スキャン順序上、16番目の位置(即ち、左上端4×4ブロックの右下端の最端位置)が0でないデータが存在できる最後の位置になる。
【0225】
したがって、LFNSTが適用された時、レジデュアルコーディング過程が許容されない位置(最後の位置を超えた位置)で0でないデータが存在するかどうかをチェックした後、LFNSTインデックスシグナリング可否が決定されることができる。
【0226】
(ii)で提案されたゼロアウト方式の場合、1次変換とLFNSTを全て適用した時に最終的に発生するようになるデータの数を減らすため、全体変換過程を実行する時に要求される計算量を減らすことができる。即ち、LFNSTが適用される場合、LFNSTが適用されない領域に存在する順方向1次変換出力データに対してもゼロアウトを適用するため、順方向1次変換を実行する時からゼロアウトになる領域に対するデータを生成する必要がない。したがって、該当データ生成に要求される演算量を節約することができる。(ii)で提案されたゼロアウト方式の追加的な効果を整理すると、下記の通りである。
【0227】
第一、前記のように全体変換過程の実行に必要な計算量が低減される。
【0228】
特に、(ii)-(B)を適用する場合、最悪の場合に対する計算量が減少して変換過程を軽量化することができる。説明を敷延すると、一般的に大きいサイズの1次変換実行に多い量の演算が要求され、(ii)-(B)を適用するようになると、順方向LFNST実行結果として導出されるデータの数を16個以下に減らすことができ、全体ブロック(TUまたはCU)大きさが大きくなるほど、変換演算量低減効果は一層増加される。
【0229】
第二、変換過程全体に必要な演算量が減少して変換実行に必要な電力消費を減らすことができる。
【0230】
第三、変換過程に伴われる遅延時間(latency)を減少させる。
【0231】
LFNSTのような2次変換は、既存1次変換に計算量を追加するようになるため、変換実行に伴われる全体遅延時間を増加させる。特にイントラ予測の場合、予測過程で隣接ブロックの復元データが使われるため、エンコーディング時に2次変換による遅延時間増加が復元(reconstruction)までの遅延時間増加につながるようになって、イントラ予測エンコーディングの全体的な遅延時間増加につながることができる。
【0232】
しかし、(ii)で提示したゼロアウトを適用するようになると、LFNST適用時に1次変換実行の遅延時間を大幅減らすことができるため、変換実行全体に対する遅延時間は、そのまま維持され、または減るようになって、エンコーディング装置をより簡単に具現できる。
【0233】
一方、従来のイントラ予測は、現在符号化しようとするブロックを一つの符号化単位と見なして分割無しで符号化を実行した。しかし、ISP(Intra Sub-Paritions)コーディングは、現在符号化しようとするブロックを水平方向または垂直方向に分割してイントラ予測符号化を実行することを意味する。このとき、分割されたブロック単位で符号化/復号化を実行して復元されたブロックを生成し、復元されたブロックは次に分割されたブロックの参照ブロックとして使われることができる。一例によって、ISPコーディング時に一つのコーディングブロックが2個または4個のサブブロックに分割されてコーディングされることができ、ISPで一つのサブブロックは、隣接した左側または隣接した上側に位置したサブブロックの復元されたピクセル値を参照してイントラ予測が実行される。以下、使われる「コーディング」は、エンコーディング装置で実行されるコーディングとデコーディング装置で実行されるデコーディングを全て含む概念で使われることができる。
【0234】
表5は、ISP適用時にブロックの大きさによって分割されるサブブロックの数を示し、ISPによって分割されたサブパーティションは、変換ブロック(TUs)と呼ばれることができる。
【0235】
【表5】
【0236】
ISPは、ブロックのサイズによってルマイントラで予測されたブロックを垂直方向または水平方向に2または4個のサブパーティショニングに分割することである。例えば、ISPが適用されることができる最小ブロックサイズは、4×8または8×4である。もし、ブロックサイズが4×8または8×4より大きい場合、ブロックは、4個のサブパーティショニングに分割される。
【0237】
図16及び図17は、一つのコーディングブロックが分割されるサブブロックの一例を示し、より具体的に、図16は、コーディングブロック(幅(W)×高さ(H))が4×8ブロックまたは8×4ブロックである場合に対する分割の例示であり、図17は、コーディングブロックが4×8ブロック、8×4ブロック、4×4ブロックでない場合に対する分割の例示である。
【0238】
ISP適用時、サブブロックは、分割形態によって、例えば、水平(Horizontal)または垂直(Verticial)、左側から右側または上側から下側に順次にコーディングされ、一つのサブブロックに対する逆変換とイントラ予測を経て復元過程まで実行された後、次のサブブロックに対するコーディングが進行されることができる。最も左側または最も上側サブブロックに対しては通常的なイントラ予測方式のように、既にコーディングされたコーディングブロックの復元ピクセルを参照するようになる。また、後に続いた内部のサブブロックの各辺に対して以前サブブロックと隣接しない場合には該当辺に隣接した参照ピクセルを導出するために、通常的なイントラ予測方式のように、既にコーディングされた隣接したコーディングブロックの復元ピクセルを参照する。
【0239】
ISPコーディングモードでは全てのサブブロックが同じイントラ予測モードでコーディングされることができ、ISPコーディングを使用するかどうかを示すフラグとどの方向に(水平または垂直)分割するかを示すフラグなどがシグナリングされることができる。図16及び図17のように、ブロックもようによってサブブロックの個数を2個または4個に調節でき、一つのサブブロックの大きさ(幅×高さ)が16未満である場合、該当サブブロックへの分割を許容しない、またはISPコーディング自体を適用しないように制限できる。
【0240】
一方、ISP予測モードの場合、一つのコーディングユニットが2個または4個のパーティションブロック、即ち、サブブロックに分割されて予測され、該当分割された2個または4個のパーティションブロックには同じ画面内の予測モードが適用される。
【0241】
前述したように、分割方向には水平方向(横長さと縦長さが各々M、NであるM×Nコーディングユニットが水平方向に分割されると、2個に分割される場合はM×(N/2)ブロックに分割され、4個に分割される場合はM×(N/4)ブロックに分割される)と、垂直方向(M×Nコーディングユニットが垂直方向に分割されると、2個に分割される場合は(M/2)×Nブロックに分割され、4個に分割される場合は(M/4)×Nブロックに分割される)と、が両方とも可能である。水平方向に分割される場合は、上側から下側方向の順序にパーティションブロックがコーディングされ、垂直方向に分割される場合は、左側から右側方向の順序にパーティションブロックがコーディングされる。現在コーディングされるパーティションブロックは、水平(垂直)方向分割である場合、上側(左側)パーティションブロックの復元されたピクセル値を参照して予測されることができる。
【0242】
ISP予測方法で生成されたレジデュアル信号にパーティションブロック単位で変換が適用されることができる。順方向(forward)を基準にして1次変換(core transformまたはprimary transform)に既存DCT-2だけでなく、DST-7/DCT-8組み合わせベースのMTS(Multiple Transform Selection)技術が適用されることができ、1次変換によって生成された変換係数に順方向LFNST(Low Frequency Non-Separable Transform)が適用されて最終的な修正された変換係数が生成されることができる。
【0243】
即ち、ISP予測モードが適用されて分割されたパーティションブロックにもLFNSTが適用されることができ、前述したように、分割されたパーティションブロックには同じイントラ予測モードが適用される。したがって、イントラ予測モードに基づいて導出されるLFNSTセット選択時に全てのパーティションブロックに導出されたLFNSTセットを適用することができる。即ち、全てのパーティションブロックに同じイントラ予測モードが適用されるため、これによって、全てのパーティションブロックには同じLFNSTセットが適用されることができる。
【0244】
一方、一例によって、LFNSTは、横と縦の長さが全て4以上である変換ブロックに対してのみ適用されることができる。したがって、ISP予測方式によって分割されたパーティションブロックの横または縦の長さが4未満である場合、LFNSTが適用されずにLFNSTインデックスもシグナリングされない。また、各パーティションブロックにLFNSTを適用する場合、該当パーティションブロックを一つの変換ブロックと見なすことができる。もちろん、ISP予測方式が適用されない場合、コーディングブロックにLFNSTが適用されることができる。
【0245】
各パーティションブロックにLFNSTを適用することを具体的にみると、下記の通りである。
【0246】
一例によって、個別的なパーティションブロックに対して順方向LFNSTを適用した後、左上端4×4領域に変換係数スキャニング順序によって、最大16個(8個または16個)の係数のみを残した後、残り位置及び領域は、全て0値で満たすゼロアウトが適用されることができる。
【0247】
または、一例によって、パーティションブロック一辺の長さが4である場合、左上端4×4領域に対してのみLFNSTを適用し、パーティションブロックの全ての辺、即ち、幅及び高さの長さが8以上である場合、左上端8×8領域内部の右下端4×4領域を除外した残り48個の係数に対してLFNSTを適用することができる。
【0248】
または、一例によって、最悪の場合の計算複雑度を8乗算/サンプル(multiplications per sample)で合わせるために、各パーティションブロックが4×4または8×8である場合には順方向LFNST適用後に8個の変換係数のみを出力することができる。即ち、パーティションブロックが4×4である場合、変換マトリクスで8×16行列が適用され、パーティションブロックが8×8である場合、変換マトリクスで8×48行列が適用されることができる。
【0249】
一方、現在VVC標準で、LFNSTインデックスシグナリングは、コーディングユニット単位で実行される。したがって、ISP予測モードであり、全てのパーティションブロックに対してLFNSTを適用する場合、該当パーティションブロックに対しては同じLFNSTインデックス値が適用されることができる。即ち、コーディングユニットレベルでLFNSTインデックス値が一回送信されると、コーディングユニット内部の全てのパーティションブロックに対しては該当LFNSTインデックスが適用されることができる。前述したように、LFNSTインデックス値は0、1、2値を有することができ、0はLFNSTが適用されない場合を示し、1と2はLFNSTが適用される時に一つのLFNSTセット内に存在する二つの変換マトリクスを指す。
【0250】
前記のように、LFNSTセットは、イントラ予測モードにより決定され、ISP予測モードである場合、コーディングユニット内の全てのパーティションブロックが同じイントラ予測モードで予測されるため、パーティションブロックは、同じLFNSTセットを参照することができる。
【0251】
他の一例として、LFNSTインデックスシグナリングは、依然としてコーディングユニット単位で実行されるが、ISP予測モードの場合に全てのパーティションブロックに対して一律にLFNST適用可否を決定せずに、別途の条件を介して各々のパーティションブロックに対してコーディングユニットレベルでシグナリングされたLFNSTインデックス値を適用するか、またはLFNSTを適用しないかを決定することができる。ここで、別途の条件は、ビットストリームを介して各パーティションブロック別にフラグ形態でシグナリングされることができ、フラグ値が1である場合は、コーディングユニットレベルでシグナリングされたLFNSTインデックス値を適用し、フラグ値が0である場合は、LFNSTを適用しない。
【0252】
一方、ISPモードが適用されるコーディングユニットで、パーティションブロックの一辺の長さが4未満である場合、LFNSTを適用する例に対してみると、下記の通りである。
【0253】
第一、パーティションブロックの大きさがN×2(2×N)である場合、左上端M×2(2×M)領域にLFNSTを適用することができる(ここで、M≦N)。例えば、M=8である場合、該当左上端領域は、8×2(2×8)になるため、16個のレジデュアル信号が存在する領域が順方向LFNSTの入力になることができ、R×16(R≦16)順方向変換行列が適用されることができる。
【0254】
ここで、順方向LFNST行列は、現在VVC標準に含まれている行列でない別途の追加的な行列である。また、最悪の場合の複雑度調節のために、16×16行列の上側8個の行ベクトル(row vector)のみサンプリングした8×16行列を変換に使用することができる。複雑度調節方法に対しては以後に詳細に説明される。
【0255】
第二、パーティションブロックの大きさがN×1(1×N)である場合、左上端M×1(1×M)領域にLFNSTを適用することができる(ここで、M≦N)。例えば、M=16である場合、該当左上端領域は、16×1(1×16)になるため、16個のレジデュアル信号が存在する領域が順方向LFNSTの入力になることができ、R×16(R≦16)順方向変換行列が適用されることができる。
【0256】
ここで、該当順方向LFNST行列は、現在VVC標準に含まれている行列でない別途の追加的な行列である。また、最悪の場合の複雑度調節のために、16×16行列の上側8個の行ベクトル(row vector)のみサンプリングした8×16行列を変換に使用することができる。複雑度調節方法に対しては以後に詳細に説明される。
【0257】
第一の実施例と第二の実施例は、同時に適用されることもでき、二つの実施例のうちいずれか一つのみ適用されることもできる。特に、第二の実施例の場合、LFNSTに一次元的な変換が考慮されることによって、既存のLFNSTで得ることができる圧縮性能向上がLFNSTインデックスシグナリング費用(signaling cost)に比べて比較的大きくないことが実験を介して観察された。しかし、第一の実施例の場合、既存のLFNSTで得ることができる圧縮性能の向上と類似した圧縮性能向上が観測された。即ち、ISPの場合、2×NとN×2のためのLFNST適用が実際圧縮性能に寄与することが実験を介して確認することができる。
【0258】
現在VVCでのLFNSTではイントラ予測モード間の対称性が適用される。34番モード(右下端45度対角線方向に予測)を中心にして配置された二つの方向性モードには同じLFNSTセットが適用されており、例えば、18番モード(水平方向予測モード)と50番モード(垂直方向予測モード)には同じLFNSTセットが適用される。ただし、35番モードから66番モードは、順方向LFNSTを適用する時、入力データをトランスポーズ(transpose)した後、LFNSTを適用するようになる。
【0259】
一方、VVCでは広角イントラ予測(Wide Angle Intra Prediction、WAIP)モードをサポートし、WAIPモードを考慮して修正されたイントラ予測モードに基づいてLFNSTセットが導出される。WAIPにより拡張されるモードに対しても一般イントラ予測方向モードと同様に対称性を活用してLFNSTセットを決定するようになる。例えば、-1番モードは、67番モードと対称を成すため、同じLFNSTセットを適用し、-14番モードは、80番モードと対称を成すため、同じLFNSTセットを適用する。67番モードから80番モードは、順方向LFNSTを適用する前に入力データをトランスポーズした後、LFNST変換を適用するようになる。
【0260】
左上端M×2(M×1)ブロックに適用されるLFNSTの場合は、前述したLFNSTに対する対称性を適用することができない。その理由は、LFNSTを適用するブロックが非正方形であるためである。したがって、表2のLFNSTのようにイントラ予測モードを基準にする対称性を適用することではなく、M×2(M×1)ブロックと2×M(1×M)ブロックとの間の対称性を適用することができる。
【0261】
図18は、一例に係るM×2(M×1)ブロックと2×M(1×M)ブロックの対称性を示す図である。
【0262】
図18のように、M×2(M×1)ブロックでの2番モードは、2×M(1×M)ブロックでの66番モードと対称であると見ることができるため、2×M(1×M)ブロックとM×2(M×1)ブロックに同じLFNSTセットを適用することができる。
【0263】
このとき、2×M(1×M)ブロックに、M×2(M×1)ブロックに適用されたLFNSTセットを適用するために、66番モードの代わりに2番モードを基準にしてLFNSTセットを選択するようになる。即ち、順方向LFNSTを適用する前に2×M(1×M)ブロックの入力データをトランスポーズした後、LFNSTを適用することができる。
【0264】
図19は、一例によって2×Mブロックをトランスポーズした例示を示す図である。
【0265】
図19の(a)は、2×Mブロックに対して列優先(column-first)順序に入力データを読み込んでLFNSTを適用することを説明する図面であり、図19の(b)は、M×2(M×1)ブロックに対して行優先(row-first)順序に入力データを読み込んでLFNSTを適用することを説明する図である。左上端M×2(M×1)または2×M(M×1)ブロックに対してLFNSTを適用する方式を整理してみると、下記の通りである。
【0266】
1.まず、図19の(a)及び(b)のように、入力データを配列して順方向LFNSTの入力ベクトルを構成する。例えば、図18を参照すると、2番モードに予測されるM×2ブロックに対しては図19の(b)での順序に従うようになり、66番モードに予測される2×Mブロックに対しては図19の(a)の順序によって入力データを配列した後、2番モードに対するLFNSTセットを適用することができる。
【0267】
2.M×2(M×1)ブロックに対してはWAIPを考慮した修正されたイントラ予測モードに基づいてLFNSTセットを決定する。前述したように、イントラ予測モードとLFNSTセットとの間には既設定されたマッピング関係が成立し、これは表2のようにマッピングテーブルで表すことができる。
【0268】
2×M(1×M)ブロックに対しては、WAIPを考慮して修正されたイントラ予測モードから、右下向45度対角線方向の予測モード(VVC標準の場合、34番モード)を中心にして対称であるモードを求めた後、該当対称モード及びマッピングテーブルに基づいてLFNSTセットを決定する。34番モードを中心にして対称であるモード(y)は、以下の数式を介して導出されることができる。マッピングテーブルに対することは、以下にさらに具体的に説明される。
【0269】
[数11]
if2≦x≦66、y=68-x、
otherwise(x≦-1orx≧67)、y=66-x
【0270】
3.順方向LFNSTを適用する時は、1番過程を介して準備した入力データをLFNSTカーネルに掛けて変換係数を導出することができる。LFNSTカーネルは、2番過程で決定されたLFNSTセットとあらかじめ指定されたLFNSTインデックスから選択されることができる。
【0271】
例えば、M=8であり、LFNSTカーネルで16×16行列が適用される場合、該当行列を16個の入力データと掛けて16個の変換係数が生成されることができる。生成される変換係数は、左上端8×2または2×8領域にVVC標準で使用するスキャニング順序によって配置されることができる。
【0272】
図20は、一例に係る8×2または2×8領域に対するスキャニング順序を示す。
【0273】
左上端8×2または2×8領域以外の領域に対しては、全て0値で満たし(zero-out)、または1次変換を適用した既存変換係数をそのまま維持することもできる。前記あらかじめ指定されたLFNSTインデックスは、エンコーディング過程でLFNSTインデックス値を変更しながらRD費用を計算する時に試みられるLFNSTインデックス値(0、1、2)のうち一つである。
【0274】
最悪の場合に対する計算複雑度を一定水準以下に合わせる構成の場合(例えば、8乗算/サンプル)、例えば、前記16×16行列の上側8個の行のみ取る8×16行列を掛けて8個の変換係数のみを生成した後、図20のようなスキャニング順序によって8個の変換係数を配置し、残り係数領域に対してはゼロアウトを適用することもできる。最悪の場合に対する複雑度調節は後述する。
【0275】
4.逆方向LFNSTを適用する時は、既設定された個数(例えば、16個)の変換係数を入力ベクトルに置き、2番過程から求めたLFNSTセットとパーシングされたLFNSTインデックスから導出されたLFNSTカーネル(例えば、16×16行列)を選択した後、LFNSTカーネルと該当入力ベクトルを掛けて出力ベクトルを導出することができる。
【0276】
M×2(M×1)ブロックの場合は、図19の(b)のような行優先順序によって出力ベクトルを配置し、2×M(1×M)ブロックの場合は、図19の(a)のように列優先順序によって出力ベクトルを配置することができる。
【0277】
左上端M×2(M×1)または2×M(M×2)領域内部に該当出力ベクトルが配置される領域を除外した残り領域と、パーティションブロック内に左上端M×2(M×1)または2×M(M×2)領域以外の領域に対しては、全て0値で満たし(zero-out)、またはレジデュアルコーディングと逆量子化過程を介して復元された変換係数をそのまま維持するように構成できる。
【0278】
3番と同様に入力ベクトルを構成する時は、図20のスキャニング順序によって入力データを配列することができ、最悪の場合に対する計算複雑度を一定水準以下に合わせるために、入力データの数を減らして(例えば、16個の代わりに8個)入力ベクトルを構成することもできる。
【0279】
例えば、M=8である時、8個の入力データを使用する場合、該当16×16行列から左側16×8行列のみを取って掛けた後、16個の出力データを得ることができる。最悪の場合に対する複雑度調節は後述する。
【0280】
前記実施例ではLFNST適用時にM×2(M×1)ブロックと2×M(1×M)ブロックとの間に対称性を適用する場合を提示しているが、他の例によって二つのブロックもように対して各々異なるLFNSTセットを適用することもできる。
【0281】
以下では、ISPモードに対するLFNSTセット構成及びイントラ予測モードを利用したマッピング方式に対する多様な例を記述する。
【0282】
ISPモードである場合、LFNSTセット構成は、既存のLFNSTセットと異なる場合がある。即ち、既存のLFNSTカーネルと異なるカーネルが適用されることもでき、現在VVC標準に適用されるイントラ予測モードインデックスとLFNSTセットとの間のマッピングテーブルと異なる他のマッピングテーブルを適用することができる。現在VVC標準に適用されるマッピングテーブルは、表2の通りである。
【0283】
表2において、preModeIntra値は、WAIPを考慮して変更されたイントラ予測モード値を意味し、lfnstTrSetIdx値は、特定LFNSTセットを指すインデックス値である。各LFNSTセットは、2個のLFNSTカーネルで構成されている。
【0284】
ISP予測モードが適用される場合、各パーティションブロックの横長さと縦長さが全て4より大きいまたは同じ場合には現在VVC標準で適用されるLFNSTカーネルと同じカーネルを適用することができ、前記マッピングテーブルもそのまま適用できる。もちろん、現在VVC標準と他のLFNSTカーネルと他のマッピングテーブルを適用することもできる。
【0285】
ISP予測モードが適用される場合、各パーティションブロックの横長さまたは縦長さが4未満である場合には、現在VVC標準と他のLFNSTカーネルと他のマッピングテーブルを適用することができる。以下、表6乃至表8は、M×2(M×1)ブロックまたは2×M(1×M)ブロックに対して適用されることができる、イントラ予測モード値(WAIPを考慮して変更されたイントラ予測モード値)とLFNSTセットとの間のマッピングテーブルを示す。
【0286】
【表6】
【0287】
【表7】
【0288】
【表8】
【0289】
表6のマッピングテーブルは、7個のLFNSTセットで構成され、表7のマッピングテーブルは、4個のLFNSTセットで構成され、表8のマッピングテーブルは、2個のLFNSTセットで構成される。他の例として、1個のLFNSTセットで構成される場合、preModeIntra値に対してlfnstTrSetIdx値は、0に固定されることができる。
【0290】
以下では、ISPモードにLFNST適用時、最悪の場合に対する計算複雑度を維持する方法に対して記述する。
【0291】
ISPモードである場合、LFNST適用時、サンプル当たり(または、係数当たり、位置当たり)乗算数を一定値以下に維持するためにLFNST適用を制限することができる。パーティションブロックの大きさによって、下記のようにLFNSTを適用してサンプル当たり(または、係数当たり、位置当たり)乗算数を8個以下に維持できる。
【0292】
1.パーティションブロックの横長さと縦長さが全て4以上である場合は、現在VVC標準でのLFNSTに対する最悪の場合に対する計算複雑度調節方式と同じ方式を適用することができる。
【0293】
即ち、パーティションブロックが4×4ブロックである場合には16×16行列の代わりに、順方向では16×16行列から上側8個の行をサンプリングした8×16行列を適用し、逆方向では16×16行列から左側8個の列をサンプリングした16×8行列を適用することができる。また、パーティションブロックが8×8ブロックである時は、順方向の場合、16×48行列の代わりに、16×48行列から上側8個の行をサンプリングした8×48行列を適用し、逆方向の場合、48×16行列の代わりに、48×16行列から左側8個の列をサンプリングした48×8行列を適用することができる。
【0294】
4×NまたはN×4(N>4)ブロックの場合、順方向変換を実行する時、左上端4×4ブロックに対してのみ16×16行列を適用した後に生成された16個の係数は、左上端4×4領域に配置され、以外の領域は0値で満たされることができる。また、逆方向変換を実行する時は、左上端4×4ブロックに位置した16個の係数をスキャニング順序によって配置して入力ベクトルを構成した後に16×16行列を掛けて16個の出力データを生成することができる。生成された出力データは、左上端4×4領域に配置され、左上端4×4領域を除外した残り領域は0で満たされることができる。
【0295】
8×NまたはN×8(N>8)ブロックの場合、順方向変換を実行する時、左上端8×8ブロック内部のROI領域(左上端8×8ブロックで右下端4×4ブロックを除外した残り領域)に対してのみ16×48行列を適用した後に生成された16個の係数は、左上端4×4領域に配置され、以外領域は全て0値で満たされることができる。また、逆方向変換を実行する時は、左上端4×4ブロックに位置した16個の係数をスキャニング順序によって配置して入力ベクトルを構成した後に48×16行列を掛けて48個の出力データを生成することができる。生成された出力データは、前記ROI領域に満たされ、残り領域は全て0値で満たされることができる。
【0296】
2.パーティションブロックの大きさがN×2または2×Nであり、左上端M×2または2×M領域に対して(M≦N)LFNSTを適用する場合、N値によってサンプリングした行列を適用することができる。
【0297】
M=8である場合、N=8であるパーティションブロック、即ち、8×2または2×8ブロックに対しては、順方向変換の場合、16×16行列の代わりに16×16行列から上側8個の行をサンプリングした8×16行列を適用し、逆方向変換の場合16×16行列の代わりに16×16行列から左側8個の列をサンプリングした16×8行列を適用することができる。
【0298】
Nが8より大きい場合、順方向変換の場合、左上端8×2または2×8ブロックに対して16×16行列を適用した後に生成された16個の出力データは、左上端8×2または2×8ブロックに配置され、残り領域に対しては0値で満たされることができる。逆方向変換の場合、左上端8×2または2×8ブロックに位置した16個の係数をスキャニング順序によって配置して入力ベクトルを構成した後、該当16×16行列を掛けて16個の出力データを生成することができる。生成された出力データは、左上端8×2または2×8ブロックに配置され、残り領域は全て0値で満たされることができる。
【0299】
3.パーティションブロックの大きさがN×1または1×Nであり、左上端M×1または1×M領域に対して(M≦N)LFNSTを適用する場合、N値によってサンプリングした行列を適用することができる。
【0300】
M=16である場合、N=16であるパーティションブロック、即ち、16×1または1×16ブロックに対しては、順方向変換の場合、16×16行列の代わりに16×16行列から上側8個の行をサンプリングした8×16行列を適用し、逆方向変換の場合、16×16行列の代わりに16×16行列から左側8個の列をサンプリングした16×8行列を適用することができる。
【0301】
Nが16より大きい場合、順方向変換の場合、左上端16×1または1×16ブロックに対して16×16行列を適用した後に生成された16個の出力データは、左上端16×1または1×16ブロックに配置され、残り領域に対しては0値で満たされることができる。逆方向変換の場合、左上端16×1または1×16ブロックに位置した16個の係数をスキャニング順序によって配置して入力ベクトルを構成した後、該当16×16行列を掛けて16個の出力データを生成することができる。生成された出力データは、左上端16×1または1×16ブロックに配置され、残り領域は全て0値で満たされることができる。
【0302】
他の一例として、サンプル当たり(または、係数当たり、位置当たり)乗算数を一定値以下に維持するために、ISPパーティションブロックの大きさでないISPコーディングユニット大きさを基準にしてサンプル当たり(または、係数当たり、位置当たり)乗算数を8個以下に維持できる。もし、ISPパーティションブロックのうちLFNSTが適用される条件を満たすブロックが一つのみ存在する場合、パーティションブロックの大きさでない該当コーディングユニット大きさに基づいてLFNST最悪の場合に対する複雑度演算が適用されることができる。例えば、あるコーディングユニットに対するルマコーディングブロックが4×4大きさの4個のパーティションブロックに分割されてISPでコーディングされ、そのうち2個のパーティションブロックに対しては0でない変換係数が存在しない場合、他の2個のパーティションブロックには(エンコーダ基準に)各々8個でない16個の変換係数が生成されるように設定できる。
【0303】
以下では、ISPモードである場合、LFNSTインデックスをシグナリングする方法に対して考察する。
【0304】
前述のように、LFNSTインデックスは0、1、2値を有することができ、0はLFNSTを適用しないということを指示し、1と2は選択されたLFNSTセットに含まれている二つのLFNSTカーネルマトリクスのうちいずれか一つずつを指示する。LFNSTインデックスにより選択されたLFNSTカーネルマトリクスに基づいてLFNSTが適用される。現在VVC標準でLFNSTインデックスが送信される方式を説明すると、下記の通りである。
【0305】
1.コーディングユニット(CU)毎に一回ずつLFNSTインデックスを送信することができ、デュアルツリー(dual-tree)である時は、ルマブロックとクロマブロックに対して各々個別的なLFNSTインデックスがシグナリングされることができる。
【0306】
2.LFNSTインデックスがシグナリングされない場合、LFNSTインデックス値は、デフォルト値である0に定められる(infer)。LFNSTインデックス値が0に類推される場合は、下記の通りである。
【0307】
A.変換が適用されないモードである場合(例えば、変換スキップ(transform skip)、BDPCM、無損失(lossless)コーディング等)
【0308】
B.1次変換がDCT-2でない場合(DST7やDCT8)、即ち、水平方向の変換または垂直方向の変換がDCT-2でない場合
【0309】
C.コーディングユニットのルマブロックに対する横長さまたは縦長さが、変換が可能な最大ルマ変換の大きさを超過する場合、例えば、変換が可能な最大ルマ変換の大きさが64である場合、コーディングブロックのルマブロックに対する大きさが128×16のような場合にはLFNSTが適用されることができない。
【0310】
デュアルツリーの場合、ルマ成分に対するコーディングユニットとクロマ成分に対するコーディングユニットの各々に対して最大ルマ変換の大きさを超過するかどうかが判断される。即ち、ルマブロックに対して変換が可能な最大ルマ変換の大きさを超過するかどうかがチェックされ、クロマブロックに対してカラーフォーマットに対する対応ルマブロックの横/縦長さと最大変換が可能な最大ルマ変換の大きさを超過するかどうかがチェックされる。例えば、カラーフォーマットが4:2:0である場合、対応ルマブロックの横/縦長さは、各々、該当クロマブロックの2倍になり、対応ルマブロックの変換大きさは、該当クロマブロックの2倍になる。他の例として、カラーフォーマットが4:4:4である場合、対応ルマブロックの横/縦長さと変換大きさは、対応するクロマブロックと同じである。
【0311】
64-長さ変換または32-長さ変換は、各々、64または32長さを有する横または縦に適用される変換を意味し、「変換大きさ」は該当長さである64または32を意味することができる。
【0312】
シングルツリーである場合、ルマブロックに対して横長さまたは縦長さが、変換が可能な最大ルマ変換ブロック大きさを超過するかどうかをチェックした後、超過する場合、LFNSTインデックスシグナリングを省略することができる。
【0313】
D.コーディングユニットの横長さと縦長さが全て4以上である場合にのみLFNSTインデックスを送信することができる。
【0314】
デュアルツリーである場合、該当成分(即ち、ルマまたはクロマ成分)に対する横長さと縦長さが全て4以上である場合に対してのみLFNSTインデックスをシグナリングすることができる。
【0315】
シングルツリーである場合は、ルマ成分に対する横長さと縦長さが全て4以上である場合に対してLFNSTインデックスをシグナリングすることができる。
【0316】
E.最後の0でない係数の位置(last non-zero coefficient position)がDC位置(ブロックの左上端位置)でない場合、デュアルツリータイプのルマブロックである場合は、最後の0でない係数の位置がDC位置でない時にLFNSTインデックスを送信する。デュアルツリータイプのクロマブロックである場合はCbに対する最後の0でない係数の位置とCrに対する最後の0でない係数の位置のうち一つでもDC位置でない時に該当LNFSTインデックスを送信する。
【0317】
シングルツリータイプの場合、ルマ成分、Cb成分、Cr成分のうち一つでも該当最後の0でない係数の位置がDC位置でない時にLFNSTインデックスを送信する。
【0318】
ここで、一つの変換ブロックに対する変換係数存在可否を指すCBF(coded block flag)値が0である場合、LFNSTインデックスシグナリング可否を判断するために該当変換ブロックに対する最後の0でない係数の位置をチェックしない。即ち、該当CBF値が0である場合、該当ブロックに変換が適用されないため、LFNSTインデックスシグナリングに対する条件をチェックする時、最後の0でない係数の位置を考慮しない。
【0319】
例えば、1)デュアルツリータイプであり、ルマ成分である場合、該当CBF値が0である時は、LFNSTインデックスをシグナリングしなく、2)デュアルツリータイプであり、クロマ成分である場合、Cbに対するCBF値が0であり、Crに対するCBF値が1である時は、Crに対する最後の0でない係数の位置のみチェックして該当LFNSTインデックスを送信し、3)シングルツリータイプである場合は、ルマ、Cb、Crの全てに対して各CBF値が1である成分に対してのみ最後の0でない係数の位置をチェックするようになる。
【0320】
F.LFNST変換係数が存在できる位置でない位置に変換係数が存在することが確認された場合、LFNSTインデックスシグナリングを省略することができる。4×4変換ブロックと8×8変換ブロックの場合は、VVC標準での変換係数スキャニング順序によってDC位置から8個の位置にLFNST変換係数が存在でき、残り位置は全て0で満たされるようになる。また、4×4変換ブロックと8×8変換ブロックでない場合は、VVC標準での変換係数スキャニング順序によってDC位置から16個の位置にLFNST変換係数が存在でき、残り位置は全て0で満たされるようになる。
【0321】
したがって、レジデュアルコーディング(residual coding)を進行した後、前記0値が満たされるべき領域に0でない変換係数が存在する場合、LFNSTインデックスシグナリングを省略することができる。
【0322】
一方、ISPモードは、ルマブロックである場合にのみ適用され、またはルマブロックとクロマブロックの両方ともに適用されることもできる。前述したように、ISP予測が適用される場合、該当コーディングユニットは、2個または4個のパーティションブロックに分割されて予測され、変換も該当パーティションブロックに各々適用されることができる。したがって、コーディングユニット単位でLFNSTインデックスをシグナリングする条件を決定する時も、該当パーティションブロックに各々LFNSTが適用されることができるという事実を考慮しなければならない。また、ISP予測モードが特定成分(例えば、ルマブロック)に対してのみ適用される場合には、該当成分に対してのみパーティションブロックに分割されるという事実を考慮してLFNSTインデックスをシグナリングしなければならない。ISPモードである時に可能なLFNSTインデックスシグナリング方式を整理してみると、下記の通りである。
【0323】
1.コーディングユニット(CU)毎に一回ずつLFNSTインデックスを送信することができ、デュアルツリー(dual-tree)である時は、ルマブロックとクロマブロックに対して各々個別的なLFNSTインデックスがシグナリングされることができる。
【0324】
2.LFNSTインデックスがシグナリングされない場合、LFNSTインデックス値は、デフォルト値である0に定められる(infer)。LFNSTインデックス値が0に類推される場合は、下記の通りである。
【0325】
A.変換が適用されないモードである場合(例えば、変換スキップ(transform skip)、BDPCM、無損失(lossless)コーディング等)
【0326】
B.コーディングユニットのルマブロックに対する横長さまたは縦長さが、変換が可能な最大ルマ変換の大きさを超過する場合、例えば、変換が可能な最大ルマ変換の大きさが64である場合、コーディングブロックのルマブロックに対する大きさが128×16のような場合にはLFNSTが適用されることができない。
【0327】
コーディングユニットの代わりにパーティションブロックの大きさを基準にしてLFNSTインデックスのシグナリング可否を決定することもできる。即ち、該当ルマブロックに対するパーティションブロックの横長さまたは縦長さが、変換が可能な最大ルマ変換の大きさを超過する場合、LFNSTインデックスシグナリングを省略してLFNSTインデックス値を0に類推できる。
【0328】
デュアルツリーの場合、ルマ成分に対するコーディングユニットまたはパーティションブロックとクロマ成分に対するコーディングユニットまたはパーティションブロックの各々に対して最大変換ブロック大きさを超過するかどうかが判断される。即ち、ルマに対するコーディングユニットまたはパーティションブロックの横と縦長さを各々最大ルマ変換大きさと比較して、一つでも最大ルマ変換大きさより大きい場合、LFNSTを適用しなく、クロマに対するコーディングユニットまたはパーティションブロックの場合にはカラーフォーマットに対する対応ルマブロックの横/縦長さと最大変換が可能な最大ルマ変換の大きさが比較される。例えば、カラーフォーマットが4:2:0である場合、対応ルマブロックの横/縦長さは、各々、該当クロマブロックの2倍になり、対応ルマブロックの変換大きさは、該当クロマブロックの2倍になる。他の例として、カラーフォーマットが4:4:4である場合、対応ルマブロックの横/縦長さと変換大きさは、対応するクロマブロックと同じである。
【0329】
シングルツリーである場合、ルマブロック(コーディングユニットまたはパーティションブロック)に対して横長さまたは縦長さが、変換が可能な最大ルマ変換ブロック大きさを超過するかどうかをチェックした後、超過する場合、LFNSTインデックスシグナリングを省略することができる。
【0330】
C.もし、現在のVVC標準に含まれているLFNSTを適用する場合、パーティションブロックの横長さと縦長さが全て4以上である場合に対してのみLFNSTインデックスを送信することができる。
【0331】
もし、現在VVC標準に含まれているLFNST以外に2×M(1×M)またはM×2(M×1)ブロックに対するLFNSTまで適用する場合、パーティションブロックの大きさが2×M(1×M)またはM×2(M×1)ブロックより大きいまたは同じ場合に対してのみLFNSTインデックスを送信することができる。ここで、P×QブロックがR×Sブロックより大きいまたは同じという意味は、P≧Rであり、Q≧Sということを意味する。
【0332】
整理すると、パーティションブロックが、LFNSTが適用可能な最小限の大きさより大きいまたは同じ場合に対してのみLFNSTインデックスを送信することができる。デュアルツリーの場合、ルマまたはクロマ成分に対するパーティションブロックが、LFNSTが適用可能な最小限の大きさより大きいまたは同じ場合にのみLFNSTインデックスをシグナリングすることができる。シングルツリーの場合、ルマ成分に対するパーティションブロックが、LFNSTが適用可能な最小限の大きさより大きいまたは同じ場合にのみLFNSTインデックスをシグナリングすることができる。
【0333】
本文書において、M×NブロックがK×Lブロックより大きいまたは同じということは、MがKより大きいまたは同じであり、NがLより大きいまたは同じということを意味する。M×NブロックがK×Lブロックより大きいということは、MがKより大きいまたは同じであり、NがLより大きいまたは同じであり、かつMがKより大きいまたはNがLより大きいということを意味する。M×NブロックがK×Lブロックより小さいまたは同じということは、MがKより小さいまたは同じであり、NがLより小さいまたは同じということを意味し、M×NブロックがK×Lブロックより小さいということは、MがKより小さいまたは同じであり、NがLより小さいまたは同じであり、かつMがKより小さいまたはNがLより小さいということを意味する。
【0334】
D.最後の0でない係数の位置(last non-zero coefficient position)がDC位置(ブロックの左上端位置)でない場合、デュアルツリータイプのルマブロックである場合は、全てのパーティションブロックのうち一つでも該当最後の0でない係数の位置がDC位置でない時にLFNSTインデックスを送信することができる。デュアルツリータイプであり、クロマブロックである場合は、Cbに対する全てのパーティションブロックの(ISPモードがクロマ成分に適用されない場合にはパーティションブロックの数が1個と見なす)最後の0でない係数の位置と、Crに対する全てのパーティションブロックの(ISPモードがクロマ成分に適用されない場合にはパーティションブロックの数が1個と見なす)最後の0でない係数の位置と、のうち一つでもDC位置でない時に該当LNFSTインデックスを送信することができる。
【0335】
シングルツリータイプ場合、ルマ成分、Cb成分、Cr成分に対する全てのパーティションブロックのうち一つでも最後の0でない係数の位置がDC位置でない時に該当LFNSTインデックスを送信することができる。
【0336】
ここで、各パーティションブロックに対して変換係数存在可否を指すCBF(coded block flag)値が0である場合、LFNSTインデックスシグナリング可否を判断するために該当パーティションブロックに対する最後の0でない係数の位置をチェックしない。即ち、該当CBF値が0である場合、該当ブロックに変換が適用されないため、LFNSTインデックスシグナリングに対する条件をチェックする時、該当パーティションブロックに対する最後の0でない係数の位置を考慮しない。
【0337】
例えば、1)デュアルツリータイプであり、ルマ成分である場合、各パーティションブロックに対して該当CBF値が0である時は、LFNSTインデックスシグナリング可否を決定する時、該当パーティションブロックを除外させ、2)デュアルツリータイプであり、クロマ成分である場合、各パーティションブロックに対してCbに対するCBF値が0であり、Crに対するCBF値が1である時は、Crに対する最後の0でない係数の位置にみをチェックして該当LFNSTインデックスシグナリング可否を決定し、3)シングルツリータイプである場合、ルマ成分、Cb成分、Cr成分の全てのパーティションブロックに対してCBF値が1であるブロックに対してのみ最後の0でない係数の位置をチェックしてLFNSTインデックスシグナリング可否を決定することができる。
【0338】
ISPモードである場合には最後の0でない係数の位置をチェックしないように映像情報を構成することもでき、これに対する実施例は、下記の通りである。
【0339】
i.ISPモードである場合は、ルマブロックとクロマブロックの両方ともに対して最後の0でない係数の位置に対するチェックを省略してLFNSTインデックスシグナリングを許容することができる。即ち、全てのパーティションブロックに対して最後の0でない係数の位置がDC位置であり、または該当CBF値が0であるとしても、該当LFNSTインデックスシグナリングを許容することができる。
【0340】
ii.ISPモードである場合は、ルマブロックに対してのみ最後の0でない係数の位置に対するチェックを省略し、クロマブロックの場合は、前述した方式の最後の0でない係数の位置に対するチェックを実行することができる。例えば、デュアルツリータイプであり、ルマブロックである場合は、最後の0でない係数の位置に対するチェックをしなくてLFNSTインデックスシグナリングを許容し、デュアルツリータイプであり、クロマブロックである場合は、前述した方式に最後の0でない係数の位置に対するDC位置存在可否をチェックして該当LFNSTインデックスのシグナリング可否を決定することができる。
【0341】
iii.ISPモードであり、シングルツリータイプである場合は、前記i方式またはii方式を適用することができる。即ち、ISPモードであり、シングルツリータイプにi方式を適用する場合、ルマブロックとクロマブロックの両方ともに対して最後の0でない係数の位置に対するチェックを省略してLFNSTインデックスシグナリングを許容することができる。または、ii方式を適用してルマ成分に対するパーティションブロックに対しては最後の0でない係数の位置に対するチェックを省略し、クロマ成分に対するパーティションブロック(クロマ成分に対してISPを適用しない場合にはパーティションブロックの数が1と見なすことができる)に対しては、前述した方式に最後の0でない係数の位置に対するチェックを実行して該当LFNSTインデックスシグナリング可否を決定することができる。
【0342】
E.全てのパーティションブロックのうち一つのパーティションブロックに対してでもLFNST変換係数が存在できる位置でない位置に変換係数が存在することが確認されると、LFNSTインデックスシグナリングを省略することができる。
【0343】
例えば、4×4パーティションブロックと8×8パーティションブロックの場合は、VVC標準での変換係数スキャニング順序によって、DC位置から8個の位置にLFNST変換係数が存在でき、残り位置は全て0で満たされるようになる。また、4×4より大きいまたは同じであり、かつ4×4パーティションブロック及び8×8パーティションブロックでない場合には、VVC標準での変換係数スキャニング順序によって、DC位置から16個の位置にLFNST変換係数が存在でき、残り位置は全て0で満たされるようになる。
【0344】
したがって、レジデュアルコーディング(residual coding)を進行した後、前記0値が満たされるべき領域に0でない変換係数が存在する場合、LFNSTインデックスシグナリングを省略することができる。
【0345】
もし、パーティションブロックが2×M(1×M)またはM×2(M×1)である場合に対してもLFNSTを適用することができる場合、次のようにLFNST変換係数が位置できる領域を指定することができる。変換係数が位置できる領域外の領域は、0で満たされることができ、LFNSTが適用されたと仮定した時、0で満たされるべき領域に0でない変換係数が存在する場合、LFNSTインデックスシグナリングを省略することができる。
【0346】
i.2×MまたはM×2ブロックにLFNSTが適用されることができ、M=8である場合、2×8または8×2パーティションブロックに対しては8個のLFNST変換係数のみが生成されることができる。図20のようなスキャニング順序に変換係数が配置される場合、DC位置からスキャニング順序に8個の変換係数が配置され、残り8個の位置に対しては0で満たされることができる。
【0347】
2×NまたはN×2(N>8)パーティションブロックに対しては16個のLFNST変換係数が生成されることができ、図20のようなスキャニング順序に変換係数が配置される場合、DC位置からスキャニング順序に16個の変換係数が配置され、残り領域に対しては0で満たされることができる。即ち、2×NまたはN×2(N>8)パーティションブロックで左上端2×8または8×2ブロック以外の領域は、0で満たされることができる。2×8または8×2パーティションブロックに対しても8個のLFNST変換係数の代わりに16個の変換係数が生成されることができ、この場合には0で満たされるべき領域が発生しない。前述したように、LFNSTが適用される場合、一つのパーティションブロックでても0で満たされるように決められた領域に0でない変換係数が存在すると探知された場合、LFNSTインデックスシグナリングを省略し、LFNSTインデックスを0に類推できる。
【0348】
ii.1×MまたはM×1ブロックにLFNSTが適用されることができ、M=16である場合、1×16または16×1パーティションブロックに対しては8個のLFNST変換係数のみが生成されることができる。左側から右側または上側から下側のスキャニング順序に変換係数が配置される場合、DC位置から該当スキャニング順序に8個の変換係数が配置され、残り8個の位置に対しては0で満たされることができる。
【0349】
1×NまたはN×1(N>16)パーティションブロックに対しては16個のLFNST変換係数が生成されることができ、左側から右側または上側から下側のスキャニング順序に変換係数が配置される場合、DC位置から該当スキャニング順序に16個の変換係数が配置され、残り領域に対しては0で満たされることができる。即ち、1×NまたはN×1(N>16)パーティションブロックで左上端1×16または16×1ブロック以外の領域は、0で満たされることができる。
【0350】
1×16または16×1パーティションブロックに対しても8個のLFNST変換係数の代わりに16個の変換係数が生成されることができ、この場合には0で満たされるべき領域が発生しない。前述したように、LFNSTが適用される場合、一つのパーティションブロックでても0で満たされるように決められた領域に0でない変換係数が存在すると探知された場合、LFNSTインデックスシグナリングを省略し、LFNSTインデックスを0に類推できる。
【0351】
一方、ISPモードである場合、現在VVC標準では水平方向と垂直方向に対して各々独立的に長さ条件を見てMTSインデックスに対するシグナリング無しでDCT-2の代わりにDST-7を適用するようになる。横または縦の長さが4より大きいまたは同じであり、16より小さいまたは同じであるかが判断され、判断結果によって1次変換カーネルが決定される。したがって、ISPモードであり、かつLFNSTを適用することができる場合に対しては、下記のような変換組み合わせ構成が可能である。
【0352】
1.LFNSTインデックスが0である場合(LFNSTインデックスが0に類推される場合も含む)に対しては現在VVC標準に含まれているISPである時の1次変換決定条件に従うことができる。即ち、水平方向と垂直方向に対して各々独立的に長さ条件(4より大きいまたは同じであり、16より小さいまたは同じ条件)を満たすかどうかをチェックし、満たす場合は1次変換のためにDCT-2の代わりにDST-7を適用し、満たさない場合はDCT-2を適用することができる。
【0353】
2.LFNSTインデックスが0より大きい場合に対しては1次変換で下記のような二つの構成が可能である。
【0354】
A.水平方向と垂直方向に対して全てDCT-2を適用することができる。
【0355】
B.現在VVC標準に含まれているISPである時の1次変換決定条件に従うことができる。即ち、水平方向と垂直方向に対して各々独立的に長さ条件(4より大きいまたは同じであり、16より小さいまたは同じ条件)を満たすかどうかをチェックし、満たす場合はDCT-2の代わりにDST-7を適用し、満たさない場合はDCT-2を適用することができる。
【0356】
ISPモードである時、LFNSTインデックスは、コーディングユニット毎に送信されるものではなく、パーティションブロック毎に送信されるように映像情報を構成することができる。このような場合、前述したLFNSTインデックスシグナリング方式でLFNSTインデックスが送信される単位内にパーティションブロックが1個のみが存在すると見なしてLFNSTインデックスシグナリング可否を決定することができる。
【0357】
一方、以下ではLFNSTインデックスとMTSインデックスのシグナリング順序に対して考察する。
【0358】
一例によって、レジデュアルコーディングでシグナリングされるLFNSTインデックスは、最後の0でない係数位置に対するコーディング位置の次にコーディングされることができ、MTSインデックスは、LFNSTインデックスの直後にコーディングされることができる。このような構成の場合、変換ユニット毎にLFNSTインデックスがシグナリングされることができる。または、レジデュアルコーディングでシグナリングされなくても、LFNSTインデックスは、最後の有効係数位置に対するコーディングの次にコーディングされることができ、MTSインデックスは、LFNSTインデックスの次にコーディングされることができる。
【0359】
一例に係るレジデュアルコーディングのシンタックスは、下記の通りである。
【0360】
【表9-1】
【0361】
【表9-2】
【0362】
表9に示す主要変数の意味は、下記の通りである。
【0363】
1.cbWidth、cbHeight:現在コーディングブロック(Coding Block)の幅と高さ
【0364】
2.log2TbWidth、log2TbHeight:現在変換ブロック(Transform Block)の幅と高さに対するベース-2のログ値、ゼロアウトが反映されて0でない係数(non-zero coefficient)が存在できる左上端領域に縮小されることができる。
【0365】
3.sps_lfnst_enabled_flag:LFNSTの適用可能(enable)可否を示すフラグであって、フラグ値が0である場合は、LFNSTが適用不可であることを示し、フラグ値が1である場合は、LFNSTが適用可能であることを示す。シーケンスパラメータセット(Sequence Parameter Set;SPS)に定義されている。
【0366】
4.CuPredMode[chType][x0][y0]:変数chTypeと(x0、y0)位置に対応される予測モード、chTypeは0と1値を有することができ、0はルマ成分を示し、1はクロマ成分を示す。(x0、y0)位置は、ピクチャ上での位置を示し、CuPredMode[chType][x0][y0]値ではMODE_INTRA(イントラ予測)とMODE_INTER(インター予測)が可能である。
【0367】
5.IntraSubPartitionsSplit[x0][y0]:(x0、y0)位置に対する内容は、前記4と同じである。(x0、y0)位置でのどのようなISP分割が適用されたかを示し、ISP_NO_SPLITは、(x0、y0)位置に該当するコーディングユニットがパーティションブロックに分割されないことを示す。
【0368】
6.intra_mip_flag[x0][y0]:(x0、y0)位置に対する内容は、前記4と同じである。intra_mip_flagは、MIP(Matrix-based Intra Prediction)予測モードが適用されたかどうかを示すフラグである。フラグ値が0である場合は、MIPが適用不可であることを示し、フラグ値が1である場合は、MIPが適用されることを示す。
【0369】
7.cIdx:0値は、ルマを示し、1値と2値は、各々、クロマ成分であるCb、Crを示す。
【0370】
8.treeType:シングルツリー(single-tree)とデュアルツリー(dual-tree)などを指す(SINGLE_TREE:シングルツリー、DUAL_TREE_LUMA:ルマ成分に対するデュアルツリー、DUAL_TREE_CHROMA:クロマ成分に対するデュアルツリー)
【0371】
9.tu_cbf_cb[x0][y0]:(x0、y0)位置に対する内容は、前記4と同じである。Cb成分に対するCBF(Coded Block Flag)を示す、その値が0である場合は、0でない係数がCb成分に対する該当変換ユニットに存在しないということを意味し、1である場合は、0でない係数がCb成分に対する該当変換ユニットに存在するということを示す。
【0372】
10.lastSubBlock:最後の有効係数(lastnon-zero coefficient)が位置するサブブロック(sub-block、Coefficient Group(CG))のスキャン順序上の位置を示す。0は、DC成分が含まれているサブブロックを指し、0より大きい場合は、DC成分が含まれているサブブロックでない。
【0373】
11.lastScanPos:最後の有効係数が一サブブロック内部でスキャン順序上どの位置にあるかを示す。一つのサブブロックが16個の位置で構成されている場合、0から15までの値が可能である。
【0374】
12.lfnst_idx[x0][y0]:パーシングしようとするLFNSTインデックスシンタックスエレメントである。パーシングされない場合、0値に類推される。即ち、デフォルト値が0に設定され、LFNSTを適用しないことを示す。
【0375】
13.LastSignificantCoeffX、LastSignificantCoeffY:最後の有効係数が変換ブロック内に位置するx座標とy座標を示す。x座標は、0から始めて左側から右側へ増加し、y座標は0から始めて上側から下側に増加する。二つの変数の値が全て0である場合は、最後の有効係数がDCに位置することを意味する。
【0376】
14.cu_sbt_flag:現在VVC標準に含まれているサブブロック変換(SubBlock Transform、SBT)が適用可能かどうかを示すフラグであって、フラグ値が0である場合は、SBTが適用不可であることを示し、フラグ値が1である場合は、SBTが適用されることを示す。
【0377】
15.sps_explicit_mts_inter_enabled_flag、sps_explicit_mts_intra_enabled_flag:各々インターCUとイントラCUに対して明示的なMTSが適用されたかどうかを示すフラグであって、該当フラグ値が0である場合は、インターCUまたはイントラCUに対してMTSが適用不可であることを示し、1である場合は、適用可能であることを示す。
【0378】
16.tu_mts_idx[x0][y0]:パーシングしようとするMTSインデックスシンタックスエレメントである。パーシングされない場合、0値に類推される。即ち、デフォルト値が0に設定され、水平方向と垂直方向に対して全てDCT-2が適用されることを示す。
【0379】
表9のように、シングルツリーである場合は、ルマに対する最後の有効係数位置条件のみを有してLFNSTインデックスのシグナリング可否を決定することができる。即ち、最後の有効係数位置がDCでない、かつ最後の有効係数が左上端サブブロック(CG)、例えば、4×4ブロック、内部に存在する場合、LFNSTインデックスがシグナリングされる。このとき、4×4変換ブロックと8×8変換ブロックの場合は、左上端サブブロック内部の0から7までの位置に最後の有効係数が存在してこそLFNSTインデックスがシグナリングされる。
【0380】
デュアルツリーの場合は、ルマとクロマは、各々、独立的にLFNSTインデックスがシグナリングされ、クロマの場合は、Cb成分に対してのみ最後の有効係数位置条件を適用してLFNSTインデックスをシグナリングすることができる。Cr成分に対しては該当条件をチェックしなく、もし、Cbに対するCBF値が0である場合は、Cr成分に対して最後の有効係数位置条件を適用してLFNSTインデックスをシグナリングすることができる。
【0381】
表9の「Min(log2TbWidth、log2TbHeight)>=2」は、「Min(tbWidth、tbHeight)>=4」で表現されることができ、「Min(log2TbWidth、log2TbHeight)>=4」は、「Min(tbWidth、tbHeight)>=16」で表現されることができる。
【0382】
表9において、log2ZoTbWidthとlog2ZoTbHeightは、各々、ゼロアウトにより最後の有効係数が存在できる左上端領域に対する幅と高さのベースが2である(base-2)ログ値を意味する。
【0383】
表9のように、log2ZoTbWidthとlog2ZoTbHeight値は、二箇所でアップデートされることができる。1番目は、MTSインデックスまたはLFNSTインデックス値がパーシングされる前であり、2番目は、MTSインデックスのパーシング後である。
【0384】
1番目のアップデートは、MTSインデックス(tu_mts_idx[x0][y0])値がパーシングされる前であるため、MTSインデックス値にかかわらずlog2ZoTbWidthとlog2ZoTbHeightを設定することができる。
【0385】
MTSインデックスがパーシングされた後にはMTSインデックス値が0より大きい場合(DST-7/DCT-8組み合わせである場合)に対してlog2ZoTbWidthとlog2ZoTbHeightを設定するようになる。1次変換で水平方向と垂直方向に対して各々独立的にDST-7/DCT-8を適用する場合、各方向に対して行または列毎に最大16個までの有効係数が存在できる。即ち、32長さ以上のDST-7/DCT-8を適用した後、左側または上側から行または列毎に最大16個の変換係数が導出されることができる。したがって、2次元ブロックに対しては水平方向と垂直方向の両方ともに対してDST-7/DCT-8が適用される時、最大左上端16×16領域までのみ有効係数が存在できる。
【0386】
また、現在1次変換で水平方向と垂直方向に対して各々独立的にDCT-2が適用される場合、各方向に対して行または列毎に最大32個までの有効係数が存在できる。即ち、64長さ以上のDCT-2を適用する時は、左側または上側から行または列毎に最大32個の変換係数が導出されることができる。したがって、2次元ブロックに対しては水平方向と垂直方向の両方ともに対してDCT-2が適用される時、最大左上端32×32領域までのみ有効係数が存在できる。
【0387】
また、水平方向と垂直方向に対して、一方ではDST-7/DCT-8が適用され、他方ではDCT-2が適用される時、前者の方向では16個の有効係数が存在でき、後者の方向では32個の有効係数が存在できる。例えば、64×8変換ブロックであり、かつ水平方向にはDCT-2が適用され、垂直方向にはDST-7が適用される場合(暗黙的MTSが適用される状況で発生できる)、最大左上端32×8領域で有効係数が存在できる。
【0388】
もし、表9のようにlog2ZoTbWidthとlog2ZoTbHeightが二箇所でアップデートされる場合、即ち、MTSインデックスパーシング前にアップデートされる場合、以下の表のようにlast_sig_coeff_x_prefixとlast_sig_coeff_y_prefixの範囲がlog2ZoTbWidthとlog2ZoTbHeightにより決められることができる。
【0389】
【表10】
【0390】
また、このような場合、last_sig_coeff_x_prefixとlast_sig_coeff_y_prefixに対する二進化過程でlog2ZoTbWidthとlog2ZoTbHeight値を反映してlast_sig_coeff_x_prefixとlast_sig_coeff_y_prefixの最大値を設定することができる。
【0391】
【表11】
【0392】
一方、一例によって、ISPモードであり、かつLFNSTが適用される場合、表9のシグナリングを適用した時、表12のようにスペックテキストが構成されることができる。表9と比較した時、ISPモードでない場合に対してのみLFNSTインデックスをシグナリングした条件(表9のIntraSubPartitionsSplit[x0][y0]==ISP_NO_SPLIT)が削除された。
【0393】
シングルツリーである場合、ルマである時(cIdx=0である時)に送信したLFNSTインデックスをクロマである時に再使用する場合は、有効係数が存在する1番目のISPパーティションブロックに対して送信されたLFNSTインデックスをクロマ変換ブロックに適用できる。または、シングルツリーである場合であるとしても、クロマ成分である場合に対してルマ成分と別途にLFNSTインデックスをシグナリングすることができる。表12に記載された変数に対する説明は、表9の通りである。
【0394】
【表12】
【0395】
もし、他の一例によって、表12において、ISPである時、DC位置に最後の有効係数が位置することが許容される場合、LFNSTインデックスのパーシング条件が以下のように変更されることができる。
【0396】
【表13】
【0397】
一方、一例によって、LFNSTインデックスまたは/及びMTSインデックスは、コーディングユニットレベルでシグナリングされることができる。LFNSTインデックスは、前述したように、0、1、2の三つの値を有することができ、0はLFNSTを適用しないことを指し、1と2は選択されたLFNSTセットに含まれている2個のLFNSTカーネル候補のうち各々1番目の候補と2番目の候補を指示する。LFNSTインデックスは、トランケイテッドユナリ二進化(truncated unary binarization)を介してコーディングされ、0、1、2値は、各々、binストリング0、10、11でコーディングされることができる。
【0398】
一例によると、1次変換で水平方向と垂直方向の両方ともに対してDCT-2が適用される時にのみLFNSTが適用されることができる。したがって、もし、MTSインデックスをLFNSTインデックスシグナリング後にシグナリングする場合、LFNSTインデックス値が0である場合に限ってのみMTSインデックスをシグナリングすることができ、LFNSTインデックスが0でない場合にはMTSインデックスをシグナリングせずに水平方向と垂直方向の両方ともにDCT-2を適用して1次変換を実行することができる。
【0399】
MTSインデックス値は、0、1、2、3、4の値を有することができ、0、1、2、3、4は、各々、水平方向と垂直方向に対してDCT-2/DCT-2、DST-7/DST-7、DCT-8/DST-7、DST-7/DCT-8、DCT-8/DCT-8が適用されることを指示することができる。また、MTSインデックスは、トランケイテッドユナリ二進化を介してコーディングされることができ、前記0、1、2、3、4値は、各々、binストリング0、10、110、1110、1111でコーディングされることができる。
【0400】
LFNSTインデックス及びMTSインデックスは、コーディングユニットレベルでシグナリングされることができ、MTSインデックスをコーディングユニットレベルでLFNSTインデックス以後に続いてコーディングできる。これに対するコーディングユニットシンタックステーブルは、以下の通りである。
【0401】
【表14】
【0402】
表14を表13と比較した時、lfnst_idx[x0][y0]をシグナリングする条件でtu_mts_idx[x0][y0]値が0であるかをチェックする条件(即ち、水平方向と垂直方向に対して両方ともDCT-2であるかどうかをチェックすること)が、transform_skip_flag[x0][y0]値が0であるかをチェックする条件(!transform_skip_flag[x0][y0])に変更された。transform_skip_flag[x0][y0]は、コーディングユニットが、変換が省略される変換スキップモードにコーディングされたかどうかを示し、前記フラグは、MTSインデックス及びLFNSTインデックスより先にシグナリングされる。即ち、tu_mtx_idx[x0][y0]値をシグナリングする前にlfnst_idx[x0][y0]をシグナリングするため、transform_skip_flag[x0][y0]値に対する条件のみをチェックすることができる。
【0403】
表14に示すように、tu_mts_idx[x0][y0]をコーディングする時、様々な条件がチェックされ、前述したように、lfnst_idx[x0][y0]値が0である場合にのみtu_mts_idx[x0][y0]がシグナリングされる。
【0404】
また、tu_cbf_luma[x0][y0]は、ルマ成分に対して有効係数が存在するかどうかを示すフラグであり、cbWidthとcbHeightは、各々、ルマ成分に対するコーディングユニットの幅と高さを示す。
【0405】
また、表14において、(IntraSubPartitionsSplit[x0][y0]==ISP_NO_SPLIT)は、ISPモードでない場合を示し、(!cu_sbt_flag)は、SBTが適用されない場合を示す。
【0406】
表14によると、ルマ成分に対するコーディングユニットの幅と高さが両方とも32以下である時、tu_mts_idx[x0][y0]がシグナリングされ、即ち、MTS適用可否がルマ成分に対するコーディングユニットの幅と高さにより決定される。
【0407】
他の例によって、変換ブロックタイリング(TU tiling)が発生する場合(例えば、最大変換大きさが32に設定された場合、64×64コーディングユニットは、4個の32×32変換ブロックに分割されてコーディングされる)、各変換ブロックの大きさを基準にしてMTSインデックスがシグナリングされることができる。例えば、変換ブロックの幅と高さが両方とも32以下である時、コーディングユニット内の全ての変換ブロックに対しては同じMTSインデックス値が適用されて同じ1次変換が適用されることができる。また、変換ブロックタイリングが発生する場合、表14のtu_cbf_luma[x0][y0]値は、左上端変換ブロックに対するCBF値であり、または全ての変換ブロックに対して一つの変換ブロックでも該当CBF値が1である場合、1に設定されることができる。
【0408】
一例によって、現在ブロックにISPモードが適用される場合、LFNSTを適用することができ、この場合、表14は、表15のように変更されることができる。
【0409】
【表15】
【0410】
表15のように、ISPモードである場合にも(IntraSubPartitionsSplitType!=ISP_NO_SPLIT)lfnst_idx[x0][y0]をシグナリングするように構成でき、全てのISPパーティションブロックに対して同じLFNSTインデックス値が適用されることができる。
【0411】
また、表15のように、tu_mts_idx[x0][y0]は、ISPモードでない場合にのみシグナリングされることができるため、MTSインデックスコーディング部分は、表14の通りである。
【0412】
表14及び表15のように、MTSインデックスをLFNSTインデックス直後にシグナリングする場合、レジデュアルコーディングを実行する時、1次変換に対する情報を知ることができない。即ち、MTSインデックスがレジデュアルコーディング以後にシグナリングされる。したがって、レジデュアルコーディングパートで32長さのDST-7またはDCT-8に対して16個の係数のみを残してゼロアウトを実行する部分は、以下の表16のように変更されることができる。
【0413】
【表16-1】
【0414】
【表16-2】
【0415】
表16のようにlog2ZoTbWidthとlog2ZoTbHeightを決定する過程で(ここで、log2ZoTbWidthとlog2ZoTbHeightは、各々、ゼロアウトが実行された後に残った左上端領域に対する幅と高さのベース-2(base-2)ログ値を示す)tu_mts_idx[x0][y0]値をチェックする部分が省略されることができる。
【0416】
表16のlast_sig_coeff_x_prefixとlast_sig_coeff_y_prefixに対する二進化は、表11のようにlog2ZoTbWidthとlog2ZoTbHeightに基づいて決定されることができる。
【0417】
また、表16のように、レジデュアルコーディングでlog2ZoTbWidthとlog2ZoTbHeightを決定する時、sps_mts_enable_flagをチェックする条件が追加されることができる。
【0418】
表11のTRは、トランケイテッドライス二進化(Truncated Rice binarization)方式を示し、表11で定義されたcMaxとcRiceParamに基づいて、以下の表に記述された方式によって最後の有効係数情報が二進化されることができる。
【0419】
一例によって、ルマ変換ブロックに対する最後の有効係数位置に対する情報をレジデュアルコーディング過程で記録しておくと、表17のようにMTSインデックスをシグナリングすることもできる。
【0420】
【表17】
【0421】
表17において、LumaLastSignificantCoeffXとLumaLastSignificantCoeffYは、各々、ルマ変換ブロックに対する最後の有効係数位置のX座標とY座標を示す。LumaLastSignificantCoeffXとLumaLastSignificantCoeffYが全て16より小さくなるべきとの条件が表17に追加されたし、もし、二つのうち一つでも16以上になると、水平方向と垂直方向の両方ともにDCT-2が適用されることであるため、tu_mts_idx[x0][y0]に対するシグナリングを省略し、水平方向と垂直方向に対して全てDCT-2が適用されることと類推できる。
【0422】
LumaLastSignificantCoeffXとLumaLastSignificantCoeffYが全て16より小さいということは、最後の有効係数が左上端16×16領域内に存在するということを意味し、現在VVC標準で32長さのDST-7またはDCT-8が適用される場合、最左側または最上側から16個の変換係数のみを残すゼロアウトが適用された可能性が存在することを示す。したがって、tu_mts_idx[x0][y0]をシグナリングして1次変換のために使われた変換カーネルを指示することができる。
【0423】
一方、他の例によって、コーディングユニットシンタックステーブル及びレジデュアルコーディングシンタックステーブルは、以下の表の通りである。
【0424】
【表18】
【0425】
【表19】
【0426】
表18において、MtsZeroOutSigCoeffFlagは、最初に1に設定され、この値は、表19のレジデュアルコーディングで変更されることができる。変数MtsZeroOutSigCoeffFlagは、ゼロアウトによって0で満たされるべき領域(LastSignificantCoeffX>15||LastSignificantCoeffY>15)に有効係数が存在する場合、その値が1から0へ変更され、この場合、表19のように、MTSインデックスはシグナリングされない。
【0427】
一方、一例に係る変換ユニットレベルのシンタックステーブルを表せると、以下の通りである。
【0428】
【表20】
【0429】
表20のように、tu_cbf_luma[x0][y0]が1である場合に対してMtsZeroOutSigCoeffFlagを1に設定でき、tu_cbf_luma[x0][y0]が0である場合に対しては既存MtsZeroOutSigCoeffFlag値を維持することができる。したがって、tu_cbf_luma[x0][y0]が0であり、MtsZeroOutSigCoeffFlag値が0に維持された場合には、mts_idx[x0][y0]コーディングを省略することができる。即ち、ルマ成分のCBF値が0である場合、変換を適用しないため、MTSインデックスが意味がなくてMTSインデックスのコーディングを省略することができる。
【0430】
以下の図面は、本明細書の具体的な一例を説明するために作成された。図面に記載された具体的な装置の名称や具体的な信号/メッセージ/フィールドの名称は、例示的に提示されたものであるため、本明細書の技術的特徴が以下の図面に使われた具体的な名称に制限されない。
【0431】
図21は、本文書の一実施例に係るビデオデコーディング装置の動作を示す流れ図である。
【0432】
図21に開示された各ステップは、図4乃至図20に詳述された内容のうち一部に基づいている。したがって、図3乃至図20に詳述された内容と重複する具体的な内容は、説明を省略し、または簡単にする。
【0433】
一実施例に係るデコーディング装置300は、ビットストリームからレジデュアル情報を受信することができる(S2110)。
【0434】
より具体的に、デコーディング装置300は、ビットストリームから現在ブロックに対する量子化された変換係数に関する情報をデコーディングすることができ、現在ブロックに対する量子化された変換係数に関する情報に基づいて対象ブロックに対する量子化された変換係数を導出することができる。対象ブロックに対する量子化された変換係数に関する情報は、SPS(Sequence Parameter Set)またはスライスヘッダ(slice header)に含まれることができ、簡素化変換(RST)が適用されるかどうかに対する情報、簡素化ファクタに関する情報、簡素化変換を適用する最小変換サイズに対する情報、簡素化変換を適用する最大変換サイズに対する情報、簡素化逆変換サイズ、変換セットに含まれている変換カーネルマトリクスのうちいずれか一つを指示する変換インデックスに対する情報のうち少なくとも一つを含むことができる。
【0435】
また、デコーディング装置は、現在ブロックに対するイントラ予測モードに対する情報及び現在ブロックにISPが適用されるかどうかに対する情報をさらに受信することができる。デコーディング装置は、ISPコーディングまたはISPモードを適用するかどうかを指示するフラグ情報を受信及びパーシングすることで、現在ブロックが所定個数のサブパーティション変換ブロックに分割されるかどうかを導出することができる。ここで、現在ブロックは、コーディングブロックである。また、デコーディング装置は、現在ブロックがどの方向に分割されるかを指示するフラグ情報を介して、分割されるサブパーティションブロックの大きさ及び個数を導出することができる。
【0436】
デコーディング装置300は、現在ブロックに対するレジデュアル情報、即ち、量子化された変換係数に対して逆量子化を実行して変換係数を導出することができる(S2120)。
【0437】
導出された変換係数は、4×4ブロック単位で逆方向対角スキャン順序によって配列されることができ、4×4ブロック内の変換係数も逆方向対角スキャン順序によって配列されることができる。即ち、逆量子化が実行された変換係数は、VVCやHEVCのビデオコーデックで適用されている逆方向スキャン順序によって配置されることができる。
【0438】
このようなレジデュアル情報に基づいて導出された変換係数は、前記のように逆量子化された変換係数であってもよく、量子化された変換係数であってもよい。即ち、変換係数は、量子化可否にかかわらず、現在ブロックで0でないデータであるかどうかをチェックすることができるデータであればよい。
【0439】
デコーディング装置は、量子化された変換係数に逆変換を適用してレジデュアルサンプルを導出することができる。
【0440】
前述したように、デコーディング装置は、非分離変換であるLFNSTまたは分離変換であるMTSを適用してレジデュアルサンプルを導出することができ、このような変換は、各々、LFNSTカーネル、即ち、LFNSTマトリクスを指示するLFNSTインデックスとMTSカーネルを指示するMTSインデックスとに基づいて実行されることができる。
【0441】
デコーディング装置は、一例によって、LFNSTインデックスまたはMTSインデックスのうち少なくとも一つをコーディングユニットレベルで受信及びパーシングでき、LFNSTカーネルを指示するLFNSTインデックスを、MTSカーネルを指示するMTSインデックスより先に、即ち、直後にパーシングできる。
【0442】
LFNSTインデックスに対する特定条件によって、例えば、LFNSTインデックス値が0である時、MTSインデックスがパーシングされることができる。また、一例によって、現在ブロックのツリータイプがデュアルツリールマまたはシングルツリーであり、LFNSTインデックス値が0である時、MTSインデックスがパーシングされることができる。
【0443】
一方、前記LFNSTインデックスの値が0である時、レジデュアルコーディングレベルは、最後の有効係数位置情報に対するシンタックスを含むことができ、LFNSTインデックスは、前記最後の有効係数位置情報がパーシングされた後にパーシングされることができる。
【0444】
一例によって、現在ブロックがルマブロックであり、LFNSTインデックスが0である場合、MTSインデックスがパーシングされることができる。即ち、現在ブロックがルマブロックである時、LFNSTインデックスが0より大きい場合、MTSインデックスはパーシングされない。
【0445】
一例によって、現在ブロックのツリータイプがデュアルツリーである場合、ルマブロック及びクロマブロックの各々に対するLFNSTインデックスがパーシングされることができる。
【0446】
一方、変換係数を導出するステップで、現在ブロック内のゼロアウトにより最後の有効係数が存在できる左上端領域に対する幅及び高さが導出されることができ、左上端領域に対する幅及び高さは、MTSインデックスのパーシング前に導出されることができる。
【0447】
一方、最後の有効係数位置は、前記左上端領域に対する幅及び高さにより導出されることができ、最後の有効係数位置情報は、前記左上端領域に対する幅及び高さに基づいて二進化されることができる。
【0448】
または、一例によって、現在ブロックのツリータイプがシングルツリータイプである場合、デコーディング装置は、現在ブロックのルマブロック及びクロマブロックに対するレジデュアルコーディングを実行した後、LFNSTインデックスをパーシングすることができる。
【0449】
LFNSTインデックスが、変換ブロックレベルまたはレジデュアルコーディングレベルでないレジデュアルコーディングが実行された後にコーディングユニットレベルでパーシングされる場合、ルマブロックまたはクロマブロックのうちいずれか一つに対する変換係数情報でないルマブロックとクロマブロックに対する完全な変換係数の位置及び変換過程で伴われたゼロアウト情報を反映したLFNSTインデックスを受信することができる。
【0450】
また、デコーディング装置は、現在ブロックのツリータイプがデュアルツリータイプであり、かつクロマ成分をコーディングする場合、クロマブロックのCb成分及びCr成分に対するレジデュアルコーディングを実行した後、LFNSTインデックスをパーシングすることができる。
【0451】
LFNSTインデックスが、変換ブロックレベルまたはレジデュアルコーディングレベルでないレジデュアルコーディングが実行された後にコーディングユニットレベルでパーシングされる場合、クロマブロックのCb成分及びCr成分のうちいずれか一つに対する変換係数情報でないCb成分及びCr成分に対する完全な変換係数の位置及び変換過程で伴われたゼロアウト情報を反映したLFNSTインデックスを受信することができる。
【0452】
また、現在ブロックが複数のサブパーティションブロックに分割される場合、デコーディング装置は、前記複数のサブパーティションブロックに対するレジデュアルコーディングを実行した後、LFNSTインデックスをパーシングすることができる。
【0453】
前述と同様に、LFNSTインデックスが、変換ブロックレベルまたはレジデュアルコーディングレベルでないレジデュアルコーディングが実行された後にコーディングユニットレベルでパーシングされる場合、一部または個別的なサブパーティションブロックに対する変換係数情報でない全てのサブパーティションブロックに対する完全な変換係数の位置及び変換過程で伴われたゼロアウト情報を反映したLFNSTインデックスを受信することができる。
【0454】
一方、一例によって、現在ブロックが前記複数のサブパーティションブロックに分割される場合、前記複数のサブパーティションブロックの各々のDC位置を除外した領域に変換係数が存在するかどうかにかかわらず、前記LFNSTインデックスがパーシングされることができる。即ち、現在ブロックにISPが適用される場合、全てのサブパーティションブロックに対してDC位置にのみ最後の有効係数が位置することが許容されると、LFNSTインデックスのシグナリングを許容することができる。
【0455】
一方、デコーディング装置は、レジデュアルコーディングステップで、現在ブロックのDC位置を除外した領域に変換係数が存在するかどうかを示す第1の変数を導出し、現在ブロックまたは現在ブロックから分割されたサブパーティションブロックの左上端第1の領域を除外した第2の領域に変換係数が存在するかどうかを示す第2の変数を導出することができる。
【0456】
デコーディング装置は、DC位置を除外した領域に変換係数が存在し、第2の領域に変換係数が存在しない場合、LFNSTインデックスをパーシングすることができる。
【0457】
具体的にみると、デコーディング装置は、LFNSTインデックスのパーシング可否を判断するために、現在ブロックのDC位置を除外した領域に前記変換係数、即ち、有効な係数が存在するかどうかを示す第1の変数を導出することができる。
【0458】
第1の変数は、レジデュアルコーディング過程で導出されることができる変数LfnstDcOnlyである。第1の変数は、現在ブロック内の最後の有効係数を含むサブブロックのインデックスが0であり、サブブロック内の前記最後の有効係数の位置が0より大きい場合、0に導出されることができ、第1の変数が0である場合、LFNSTインデックスがパーシングされることができる。サブブロックとは、レジデュアルコーディングでコーディング単位で使われる4×4ブロックを意味し、CG(Coefficient Group)と命名されることもできる。サブブロックのインデックスが0であるということは、左上端4×4サブブロックを指す。
【0459】
第1の変数は、最初には1に設定されることができ、DC位置を除外した領域に有効係数が存在するかどうかによって、1が維持されることもでき、0に変更されることもできる。
【0460】
変数LfnstDcOnlyは、一つのコーディングユニット内の少なくとも一つの変換ブロックに対してDC成分でない位置に0でない係数が存在するかどうかを示し、一つのコーディングユニット内の少なくとも一つの変換ブロックに対してDC成分でない位置に0でない係数が存在する場合は0になり、一つのコーディングユニット内の全ての変換ブロックに対してDC成分でない位置に0でない係数が存在しない場合は1になることができる。
【0461】
また、デコーディング装置は、現在ブロックの左上端第1の領域を除外した第2の領域に有効係数が存在するかどうかを示す第2の変数を導出することによって、第2の領域に対するゼロアウトが実行されたかどうかをチェックすることができる。
【0462】
第2の変数は、LFNST適用時、ゼロアウトが実行されたことを示すことができる変数LfnstZeroOutSigCoeffFlagである。第2の変数は、最初に1に設定され、第2の領域に有効係数が存在する場合、前記第2の変数は0に変更されることができる。
【0463】
変数LfnstZeroOutSigCoeffFlagは、最後の0でない係数が存在するサブブロックのインデックスが0より大きい、変換ブロックの幅及び高さが両方とも4と同じまたは大きい、または、0でない最後の係数が存在するサブブロック内部での0でない係数の最後の位置が7より大きい、変換ブロックの大きさが4×4または8×8である場合、0に導出されることができる。サブブロックとは、レジデュアルコーディングでコーディング単位で使われる4×4ブロックを意味し、CG(Coefficient Group)と命名されることもできる。サブブロックのインデックスが0であるということは、左上端4×4サブブロックを指す。
【0464】
即ち、変換ブロックでLFNST変換係数が存在できる左上端領域以外の領域で0でない係数が導出され、または4×4ブロック及び8×8ブロックに対してスキャン順序上8番目の位置を外れて0でない係数が存在する場合、変数LfnstZeroOutSigCoeffFlagは、0に設定される。
【0465】
一例によって、コーディングユニットにISPが適用される場合、全てのサブパーティションブロックのうち一つのサブパーティションブロックに対してでもLFNST変換係数が存在できる位置でない位置に変換係数が存在することが確認されると、LFNSTインデックスシグナリングを省略することができる。即ち、一つのサブパーティションブロックでゼロアウトが実行されずに第2の領域に有効係数が存在する場合、LFNSTインデックスシグナリングされない。
【0466】
一方、第1の領域は、現在ブロックの大きさに基づいて導出されることができる。
【0467】
例えば、現在ブロックの大きさが4×4または8×8である場合、第1の領域は、現在ブロックの左上端からスキャン方向に8番目のサンプル位置までである。現在ブロックが分割されると、サブパーティションブロックの大きさが4×4または8×8である時、第1の領域は、サブパーティションブロックの左上端からスキャン方向に8番目のサンプル位置までである。
【0468】
現在ブロックの大きさが4×4または8×8である場合、順方向LFNSTを介して8個のデータが出力されるため、デコーディング装置に受信される8個の変換係数は、図13の(a)及び図14の(a)のように、現在ブロックの左上端からスキャン方向に8番目のサンプル位置まで配列されることができる。
【0469】
また、現在ブロックの大きさが4×4または8×8でない残り場合、第1の領域は、現在ブロックの左上端の4×4領域である。現在ブロックの大きさが4×4または8×8でない場合、順方向LFNSTを介して16個のデータが出力されるため、デコーディング装置に受信される16個の変換係数は、図13の(b)乃至(d)、及び図14の(b)のように、現在ブロックの左上端4×4領域に配列されることができる。
【0470】
一方、第1の領域に配列されることができる変換係数は、図8のように対角スキャン方向によって配列されることができる。
【0471】
前述のように、デコーディング装置は、現在ブロックがサブパーティションブロックに分割される時、複数のサブパーティションブロックに対する個別的な第2の領域の全てに変換係数が存在しない場合、LFNSTインデックスをパーシングすることができる。いずれか一つのサブパーティションブロックに対する第2の領域に変換係数が存在する場合、LFNSTインデックスはパーシングされない。
【0472】
前述したように、幅及び高さが4以上であるサブパーティションブロックにLFNSTが適用されることができ、コーディングブロックである現在ブロックに対するLFNSTインデックスが複数のサブパーティションブロックに適用されることができる。
【0473】
一方、LFNST反映されたゼロアウト(LFNST適用に伴われることができる全てのゼロアウトを含む)は、サブパーティションブロックにもそのまま適用されるため、第1の領域もサブパーティションブロックにも同じく適用される。即ち、分割されたサブパーティションブロックが4×4ブロックまたは8×8ブロックである場合、サブパーティションブロックの左上端からスキャン方向に8番目までの変換係数にLFNSTが適用され、サブパーティションブロックが4×4ブロックまたは8×8ブロックでない場合、サブパーティションブロックの左上端4×4領域の変換係数にLFNSTが適用されることができる。
【0474】
また、デコーディング装置は、レジデュアルコーディングステップで、現在ブロックの左上端16×16領域を除外した領域に変換係数が存在するかどうかを判断し(S2130)、前記16×16領域を除外した領域に変換係数が存在しない場合、MTSインデックスをパーシングすることができる(S2140)。
【0475】
このために、デコーディング装置は、左上端16×16領域を除外した領域に変換係数が存在するかどうかを示す第3の変数を導出することができる。
【0476】
第3の変数は、MTS適用時、ゼロアウトが実行されたことを示すことができる変数MtsZeroOutSigCoeffFlagである。変数MtsZeroOutSigCoeffFlagは、MTS実行後、ゼロアウトにより最後の有効係数が存在できる左上端領域、即ち、左上端16×16領域以外の領域に変換係数が存在するかどうかを示し、最初に1に設定され、前記16×16領域以外の領域に変換係数が存在する場合、その値が1から0へ変更されることができる。第3の変数の値が0である場合、MTSインデックスはシグナリングされない。
【0477】
デコーディング装置は、LFNSTインデックスに基づいて実行されるLFNSTまたはMTSインデックスに基づいて実行されるMTSのうち少なくとも一つを適用してレジデュアルサンプルを導出することができ、一例によって、左上端16×16領域の変換係数にMTSインデックスに基づいて導出されたMTSカーネルを適用してレジデュアルサンプルを導出することができる(S2150)。
【0478】
次に、デコーディング装置300は、現在ブロックに対するレジデュアルサンプル及び現在ブロックに対する予測サンプルに基づいて復元サンプルを生成することができる(S2160)。
【0479】
以下の図面は、本明細書の具体的な一例を説明するために作成された。図面に記載された具体的な装置の名称や具体的な信号/メッセージ/フィールドの名称は、例示的に提示されたものであるため、本明細書の技術的特徴が以下の図面に使われた具体的な名称に制限されない。
【0480】
図22は、本文書の一実施例に係るビデオエンコーディング装置の動作を示す流れ図である。
【0481】
図22に開示された各ステップは、図4乃至図20に詳述された内容のうち一部に基づいている。したがって、図2及び図4乃至図20に詳述された内容と重複する具体的な内容は、説明を省略し、または簡単にする。
【0482】
一実施例に係るエンコーディング装置200は、現在ブロックに適用されるイントラ予測モードに基づいて現在ブロックに対する予測サンプルを導出することができる(S2210)。
【0483】
エンコーディング装置は、現在ブロックにISPが適用される場合、サブパーティション変換ブロック別に予測を実行することができる。
【0484】
エンコーディング装置は、現在ブロック、即ち、コーディングブロックにISPコーディングまたはISPモードを適用するかどうかを判断することができ、判断結果によって現在ブロックがどの方向に分割されるかを決定し、分割されるサブブロックの大きさ及び個数を導出することができる。
【0485】
エンコーディング装置200は、予測サンプルに基づいて現在ブロックに対するレジデュアルサンプルを導出することができる(S2220)。
【0486】
エンコーディング装置200は、レジデュアルサンプルにLFNSTまたはMTSのうち少なくとも一つを適用して現在ブロックに対する変換係数を導出し、変換係数を所定のスキャニング順序によって配列でき、一例によって、レジデュアルサンプルに対するMTSに基づいて現在ブロックに対する変換係数を導出することができる(S2230)。
【0487】
1次変換は、MTSのように複数の変換カーネルを介して実行されることができ、この場合、イントラ予測モードに基づいて変換カーネルが選択されることができる。
【0488】
エンコーディング装置は、MTSを適用して変換係数を導出した後、現在ブロックの左上端特定領域、例えば、16×16領域を除外した現在ブロックの残り領域をゼロアウトすることができる(S2240)。
【0489】
一例によって、エンコーディング装置は、現在ブロックの1次変換にMTSを適用する場合、ゼロアウトを実行することができる。エンコーディング装置は、現在ブロックまたはサブパーティションブロックの左上端16×16領域を除外した領域を0で満たすゼロアウトを実行することができ、ゼロアウト領域に変換係数が存在するかどうかを示す第3の変数によってMTSインデックスをエンコーディングすることができる。
【0490】
第3の変数は、MTS適用時、ゼロアウトが実行されたことを示すことができる変数MtsZeroOutSigCoeffFlagである。変数MtsZeroOutSigCoeffFlagは、MTS実行後、ゼロアウトにより最後の有効係数が存在できる左上端領域、即ち、左上端16×16領域以外の領域に変換係数が存在するかどうかを示し、最初に1に設定され、前記16×16領域以外の領域に変換係数が存在する場合、その値が1から0へ変更されることができる。第3の変数の値が0である場合、MTSインデックスは、エンコーディング及びシグナリングされない。
【0491】
一例によって、エンコーディング装置は、このような左上端領域に対する幅及び高さに基づいて最後の有効係数位置を導出し、最後の有効係数位置情報を二進化することができる。
【0492】
一例によって、前記左上端領域に対する幅及び高さは、MTSインデックスのシグナリング前に導出されることができる。
【0493】
また、エンコーディング装置200は、現在ブロックに対する変換係数に対して2次変換、または非分離変換、具体的にLFNSTを実行するかどうかを決定し、変換係数にLFNSTを適用して修正された変換係数を導出することができる。
【0494】
LFNSTは、変換対象になる係数を垂直または水平方向に分離して変換する1次変換と違って、係数を特定方向に分離せずに変換を適用する非分離変換である。このような非分離変換は、変換対象になる対象ブロック全体でない低周波領域にのみ変換を適用する低周波非分離変換である。
【0495】
エンコーディング装置は、現在ブロックにISPが適用される場合、分割されたサブパーティションブロックの高さ及び幅にLFNSTを適用することができるかどうかを判断することができる。
【0496】
エンコーディング装置は、分割されたサブパーティションブロックの高さ及び幅にLFNSTを適用することができるかどうかを判断することができる。この場合、デコーディング装置は、サブパーティションブロックの高さ及び幅が4以上である時、LFNSTインデックスをパーシングすることができる。
【0497】
エンコーディング装置は、コーディングユニットレベルでLFNSTインデックス及びMTSインデックスのうち少なくとも一つがシグナリングされ、LFNSTインデックスのシグナリング直後にMTSインデックスがシグナリングされるように映像情報を構成及び出力することができ、変換係数の量子化を介して導出されたレジデュアル情報をエンコーディングすることができる(S2250)。
【0498】
LFNSTインデックスに対する特定条件によって、例えば、LFNSTインデックス値が0である時、MTSインデックスがエンコーディングされることができる。また、一例によって、現在ブロックのツリータイプがデュアルツリールマまたはシングルツリーであり、LFNSTインデックス値が0である時、MTSインデックスがエンコーディングされることができる。
【0499】
一例によって、エンコーディング装置は、現在ブロックがルマブロックであり、LFNSTインデックスが0を指示する場合、MTSインデックスをエンコーディングすることができる。
【0500】
一例によって、現在ブロックのツリータイプがデュアルツリーである場合、エンコーディング装置は、ルマブロック及びクロマブロックの各々に対するLFNSTインデックスをエンコーディングすることができる。
【0501】
または、一例によって、現在ブロックのツリータイプがシングルツリータイプである場合、エンコーディング装置は、現在ブロックのルマブロック及びクロマブロックに対する変換係数を全て導出した後、コーディングユニットレベルでLFNSTインデックスをエンコーディングすることができる。
【0502】
LFNSTインデックスが、変換ブロックレベルまたはレジデュアルコーディングレベルでない変換係数が全て導出された後にコーディングユニットレベルでエンコーディングされる場合、ルマブロックまたはクロマブロックのうちいずれか一つに対する変換係数情報でないルマブロックとクロマブロックに対する完全な変換係数の位置及び変換過程で伴われたゼロアウト情報が反映されたLFNSTインデックスがエンコーディングされることができる。
【0503】
また、エンコーディング装置は、現在ブロックのツリータイプがデュアルツリータイプであり、かつクロマ成分をコーディングする場合、クロマブロックのCb成分及びCr成分に対する変換係数を全て導出した後、コーディングユニットレベルでLFNSTインデックスをエンコーディングすることができる。
【0504】
LFNSTインデックスが、変換ブロックレベルまたはレジデュアルコーディングレベルでない変換係数が全て導出された後にコーディングユニットレベルでエンコーディングされる場合、クロマブロックのCb成分及びCr成分のうちいずれか一つに対する変換係数情報でないCb成分及びCr成分に対する完全な変換係数の位置及び変換過程で伴われたゼロアウト情報が反映されたLFNSTインデックスがエンコーディングされることができる。
【0505】
また、現在ブロックが複数のサブパーティションブロックに分割される場合、エンコーディング装置は、前記複数のサブパーティションブロックに対する変換係数を全て導出した後、コーディングユニットレベルでLFNSTインデックスをエンコーディングすることができる。
【0506】
前述と同様に、LFNSTインデックスが、変換ブロックレベルまたはレジデュアルコーディングレベルでない変換係数が全て導出された後にコーディングユニットレベルでパーシングされる場合、一部または個別的なサブパーティションブロックに対する変換係数情報でない全てのサブパーティションブロックに対する完全な変換係数の位置及び変換過程で伴われたゼロアウト情報が反映されたLFNSTインデックスがエンコーディングされることができる。
【0507】
一方、エンコーディング装置は、現在ブロックが前記複数のサブパーティションブロックに分割される場合、前記複数のサブパーティションブロックの各々のDC位置を除外した領域に変換係数が存在するかどうかにかかわらず、LFNSTインデックスをエンコーディングすることができる。即ち、現在ブロックにISPが適用される場合、全てのサブパーティションブロックに対してDC位置にのみ最後の有効係数が位置することが許容されると、LFNSTインデックスのシグナリングを許容することができる。
【0508】
エンコーディング装置は、変換係数を導出する過程で、現在ブロックのDC位置を除外した領域に変換係数が存在するかどうかを示す第1の変数及び現在ブロックまたは現在ブロックから分割されたサブパーティションブロックの左上端第1の領域を除外した第2の領域に変換係数が存在するかどうかを示す第2の変数を導出することができる。
【0509】
エンコーディング装置は、DC位置を除外した領域に変換係数が存在し、第2の領域に変換係数が存在しない場合、LFNSTインデックスをエンコーディングすることができる。
【0510】
具体的に、第1の変数は、変数LfnstDcOnlyであり、現在ブロック内の最後の有効係数を含むサブブロックのインデックスが0であり、サブブロック内の前記最後の有効係数の位置が0より大きい場合、0に導出されることができ、第1の変数が0である場合、LFNSTインデックスがエンコーディングされることができる。
【0511】
第1の変数は、最初には1に設定されることができ、DC位置を除外した領域に有効係数が存在するかどうかによって、1が維持されることもでき、0に変更されることもできる。
【0512】
変数LfnstDcOnlyは、一つのコーディングユニット内の少なくとも一つの変換ブロックに対してDC成分でない位置に0でない係数が存在するかどうかを示し、一つのコーディングユニット内の少なくとも一つの変換ブロックに対してDC成分でない位置に0でない係数が存在する場合は0になり、一つのコーディングユニット内の全ての変換ブロックに対してDC成分でない位置に0でない係数が存在しない場合は1になることができる。
【0513】
また、エンコーディング装置は、LFNSTが実行された後、修正された変換係数が存在しない現在ブロックの第2の領域をゼロアウトすることができ、第2の領域に前記変換係数が存在するかどうかを示す第2の変数を導出することができる。
【0514】
図13及び図14のように、修正された変換係数が存在しない現在ブロックの残り領域は、全て0に処理されることができる。このようなゼロアウトによって全体変換過程の実行に必要な計算量が減少され、変換過程の全体に必要な演算量が減少することで、変換実行に必要な戦力消費を減らすことができる。また、変換過程に伴われる遅延時間(latency)が減少されて映像コーディング効率が増加されることができる。
【0515】
第2の変数は、LFNST適用時、ゼロアウトが実行されたことを示すことができる変数LfnstZeroOutSigCoeffFlagである。第2の変数は、最初に1に設定され、第2の領域に有効係数が存在する場合、前記第2の変数は0に変更されることもできる。
【0516】
変数LfnstZeroOutSigCoeffFlagは、最後の0でない係数が存在するサブブロックのインデックスが0より大きい、変換ブロックの幅及び高さが両方とも4以上であり、または0でない最後の係数が存在するサブブロック内部での0でない係数の最後の位置が7より大きい、変換ブロックの大きさが4×4または8×8である場合、0に導出されることができる。
【0517】
即ち、変換ブロックでLFNST変換係数が存在できる左上端領域以外の領域で0でない係数が導出され、または4×4ブロック及び8×8ブロックに対してスキャン順序上8番目の位置を外れて0でない係数が存在する場合、変数LfnstZeroOutSigCoeffFlagは、0に設定される。
【0518】
第1の領域に対する説明及びISPが適用される場合のゼロアウトは、デコーディング方法の説明と同じであるため、重複した説明は省略する。
【0519】
また、エンコーディング装置は、現在ブロックに対する変換係数または修正された変換係数に基づいて量子化を実行して量子化された変換係数を導出し、量子化された変換係数に関する情報を含む映像情報をエンコーディング及び出力することができる。
【0520】
エンコーディング装置は、量子化された変換係数に対する情報を含むレジデュアル情報を生成することができる。レジデュアル情報は、前述した変換関連情報/シンタックス要素を含むことができる。エンコーディング装置は、レジデュアル情報を含む映像/ビデオ情報をエンコーディングしてビットストリーム形態で出力できる。
【0521】
より具体的に、エンコーディング装置は、量子化された変換係数に関する情報を生成し、生成された量子化された変換係数に関する情報をエンコーディングすることができる。
【0522】
本文書において、量子化/逆量子化及び/または変換/逆変換のうち少なくとも一つは省略されることができる。前記量子化/逆量子化が省略される場合、前記量子化された変換係数は、変換係数と呼ばれることができる。前記変換/逆変換が省略される場合、前記変換係数は、係数またはレジデュアル係数と呼ばれることもでき、または表現の統一性のために、依然として変換係数と呼ばれることもできる。
【0523】
また、本文書において、量子化された変換係数及び変換係数は、各々、変換係数及びスケーリングされた(scaled)変換係数と呼ばれることができる。この場合、レジデュアル情報は、変換係数(ら)に関する情報を含むことができ、前記変換係数(ら)に関する情報は、レジデュアルコーディングシンタックスを介してシグナリングされることができる。前記レジデュアル情報(または、前記変換係数(ら)に関する情報)に基づいて変換係数が導出されることができ、前記変換係数に対する逆変換(スケーリング)を介してスケーリングされた変換係数が導出されることができる。前記スケーリングされた変換係数に対する逆変換(変換)に基づいてレジデュアルサンプルが導出されることができる。これは本文書の他の部分でも同様に適用/表現されることができる。
【0524】
前述した実施例において、方法は、一連のステップまたはブロックで流れ図に基づいて説明されているが、本文書は、ステップの順序に限定されるものではなく、あるステップは、前述と異なるステップと、異なる順序にまたは同時に発生できる。また、当業者であれば、流れ図に示すステップが排他的でなく、他のステップが含まれ、または、流れ図の一つまたはそれ以上のステップが本文書の範囲に影響を及ぼさずに削除可能であることを理解することができる。
【0525】
前述した本文書による方法は、ソフトウェア形態で具現されることができ、本文書によるエンコーディング装置及び/またはデコーディング装置は、例えば、TV、コンピュータ、スマートフォン、セットトップボックス、ディスプレイ装置などの映像処理を実行する装置に含まれることができる。
【0526】
本文書において、実施例がソフトウェアで具現される時、前述した方法は、前述した機能を遂行するモジュール(過程、機能など)で具現されることができる。モジュールは、メモリに格納され、プロセッサにより実行されることができる。メモリは、プロセッサの内部または外部にあり、よく知られた多様な手段でプロセッサと連結されることができる。プロセッサは、ASIC(application-specific integrated circuit)、他のチップセット、論理回路及び/またはデータ処理装置を含むことができる。メモリは、ROM(read-only memory)、RAM(random access memory)、フラッシュメモリ、メモリカード、格納媒体及び/または他の格納装置を含むことができる。即ち、本文書で説明した実施例は、プロセッサ、マイクロプロセッサ、コントローラまたはチップ上で具現されて実行されることができる。例えば、各図面で示す機能ユニットは、コンピュータ、プロセッサ、マイクロプロセッサ、コントローラまたはチップ上で具現されて実行されることができる。
【0527】
また、本文書が適用されるデコーディング装置及びエンコーディング装置は、マルチメディア放送送受信装置、モバイル通信端末、ホームシネマビデオ装置、デジタルシネマビデオ装置、監視用カメラ、ビデオ対話装置、ビデオ通信のようなリアルタイム通信装置、モバイルストリーミング装置、格納媒体、カムコーダ、注文型ビデオ(VoD)サービス提供装置、OTTビデオ(Over the top video)装置、インターネットストリーミングサービス提供装置、3次元(3D)ビデオ装置、画像電話ビデオ装置、及び医療用ビデオ装置などに含まれることができ、ビデオ信号またはデータ信号を処理するために使われることができる。例えば、OTTビデオ(Over the top video)装置として、ゲームコンソール、ブルーレイプレーヤ、インターネット接続TV、ホームシアターシステム、スマートフォン、タブレットPC、DVR(Digital Video Recoder)などを含むことができる。
【0528】
また、本文書が適用される処理方法は、コンピュータで実行されるプログラムの形態で生産されることができ、コンピュータが読み取り可能な記録媒体に格納されることができる。また、本文書によるデータ構造を有するマルチメディアデータもコンピュータが読み取り可能な記録媒体に格納されることができる。前記コンピュータが読み取り可能な記録媒体は、コンピュータで読み出すことができるデータが格納される全ての種類の格納装置及び分散格納装置を含む。前記コンピュータが読み取り可能な記録媒体は、例えば、ブルーレイディスク(BD)、汎用直列バス(USB)、ROM、PROM、EPROM、EEPROM、RAM、CD-ROM、磁気テープ、フロッピーディスク、及び光学的データ格納装置を含むことができる。また、前記コンピュータが読み取り可能な記録媒体は、搬送波(例えば、インターネットを介した送信)の形態で具現されたメディアを含む。また、エンコーディング方法で生成されたビットストリームがコンピュータが読み取り可能な記録媒体に格納され、または、有無線通信ネットワークを介して送信されることができる。また、本文書の実施例は、プログラムコードによるコンピュータプログラム製品で具現されることができ、前記プログラムコードは、本文書の実施例によりコンピュータで実行されることができる。前記プログラムコードは、コンピュータにより読み取り可能なキャリア上に格納されることができる。
【0529】
図23は、本文書が適用されるコンテンツストリーミングシステム構造図を例示的に示す。
【0530】
また、本文書が適用されるコンテンツストリーミングシステムは、大いに、エンコーディングサーバ、ストリーミングサーバ、ウェブサーバ、メディア格納所、ユーザ装置、及びマルチメディア入力装置を含むことができる。
【0531】
前記エンコーディングサーバは、スマートフォン、カメラ、カムコーダなどのようなマルチメディア入力装置から入力されたコンテンツをデジタルデータで圧縮してビットストリームを生成し、これを前記ストリーミングサーバに送信する役割をする。他の例として、スマートフォン、カメラ、カムコーダなどのようなマルチメディア入力装置がビットストリームを直接生成する場合、前記エンコーディングサーバは省略されることができる。前記ビットストリームは、本文書が適用されるエンコーディング方法またはビットストリーム生成方法により生成されることができ、前記ストリーミングサーバは、前記ビットストリームを送信または受信する過程で一時的に前記ビットストリームを格納することができる。
【0532】
前記ストリーミングサーバは、ウェブサーバを介したユーザ要請に基づいてマルチメディアデータをユーザ装置に送信し、前記ウェブサーバは、どのようなサービスがあるかをユーザに知らせる媒介体役割をする。ユーザが前記ウェブサーバに所望のサービスを要請すると、前記ウェブサーバは、これをストリーミングサーバに伝達し、前記ストリーミングサーバは、ユーザにマルチメディアデータを送信する。このとき、前記コンテンツストリーミングシステムは、別途の制御サーバを含むことができ、この場合、前記制御サーバは、前記コンテンツストリーミングシステム内の各装置間の命令/応答を制御する役割をする。
【0533】
前記ストリーミングサーバは、メディア格納所及び/またはエンコーディングサーバからコンテンツを受信することができる。例えば、前記エンコーディングサーバからコンテンツを受信するようになる場合、前記コンテンツをリアルタイムで受信することができる。この場合、円滑なストリーミングサービスを提供するために、前記ストリーミングサーバは、前記ビットストリームを一定時間の間に格納することができる。
【0534】
前記ユーザ装置の例として、携帯電話、スマートフォン(smart phone)、ノートパソコン(laptop computer)、デジタル放送用端末機、PDA(personal digital assistants)、PMP(portable multimedia player)、ナビゲーション、スレートPC(slate PC)、タブレットPC(tablet PC)、ウルトラブック(ultrabook)、ウエラブルデバイス(wearable device、例えば、ウォッチ型端末機(smartwatch)、グラス型端末機(smart glass)、HMD(head mounted display)、デジタルTV、デスクトップコンピュータ、デジタルサイニジなどがある。前記コンテンツストリーミングシステム内の各サーバは、分散サーバで運営されることができ、この場合、各サーバで受信するデータは、分散処理されることができる。
【0535】
本明細書に記載された請求項は、多様な方式で組み合わせられることができる。例えば、本明細書の方法請求項の技術的特徴が組み合わせられて装置で具現されることができ、本明細書の装置請求項の技術的特徴が組み合わせられて方法で具現されることができる。また、本明細書の方法請求項の技術的特徴と装置請求項の技術的特徴が組み合わせられて装置で具現されることができ、本明細書の方法請求項の技術的特徴と装置請求項の技術的特徴が組み合わせられて方法で具現されることができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6(a)】
図6(b)】
図7(a)】
図7(b)】
図8(a)】
図8(b)】
図9
図10(a)】
図10(b)】
図10(c)】
図10(d)】
図10(e)】
図11(a)】
図11(b)】
図11(c)】
図11(d)】
図11(e)】
図12
図13(a)】
図13(b)】
図13(c)】
図13(d)】
図14(a)】
図14(b)】
図15
図16
図17
図18
図19(a)】
図19(b)】
図20
図21
図22
図23
【手続補正書】
【提出日】2022-04-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
デコーディング装置により実行される映像デコーディング方法において、
ビットストリームからレジデュアル情報を取得するステップと、
前記レジデュアル情報に基づいて現在ブロックに対する変換係数を導出するステップと、
前記現在ブロックの左上端の第1の領域を除外した第2の領域に有効係数が存在するかどうかを判断するステップと、
前記第2の領域に前記有効係数が存在しないことに基づいて、前記ビットストリームからMTSインデックスをパーシングするステップと、
前記第1の領域の変換係数に前記MTSインデックスに基づいて導出されたMTSカーネルを適用してレジデュアルサンプルを導出するステップと、
前記レジデュアルサンプルに基づいて復元ピクチャを生成するステップと、を含む、映像デコーディング方法。
【請求項2】
前記第1の領域は、前記現在ブロックの左上端16×16領域である、請求項1に記載の映像デコーディング方法。
【請求項3】
前記第2の領域に前記有効係数が存在するかどうかを判断するステップは、レジデュアルコーディングレベルのデコーディング過程で前記第2の領域に前記有効係数が存在するかどうかに関連する変数値を導出するステップを含み、
前記変数値は、最初1に設定され、
前記第2の領域に前記有効係数が存在することに基づいて、前記変数値は0に変更され、前記MTSインデックスは、パーシングされない、請求項1に記載の映像デコーディング方法。
【請求項4】
前記MTSインデックスは、コーディングユニットレベルでパーシングされる、請求項3に記載の映像デコーディング方法。
【請求項5】
前記現在ブロックに適用されるLFNSTカーネルに関連するLFNSTインデックスをパーシングするステップをさらに含み、
前記LFNSTインデックス及び前記MTSインデックスは、コーディングユニットレベルでシグナリングされ、前記LFNSTインデックスのシグナリング直後に前記MTSインデックスがシグナリングされる、請求項1に記載の映像デコーディング方法。
【請求項6】
前記現在ブロックのツリータイプがデュアルツリールマまたはシングルツリーであり、
前記LFNSTインデックスの値が0であることに基づいて、前記MTSインデックスがシグナリングされる、請求項5に記載の映像デコーディング方法。
【請求項7】
エンコーディング装置により実行される映像エンコーディング方法において、
現在ブロックに対する予測サンプルを導出するステップと、
前記予測サンプルに基づいて前記現在ブロックに対するレジデュアルサンプルを導出するステップと、
前記レジデュアルサンプルに対するMTSに基づいて前記現在ブロックに対する変換係数を導出するステップと、
前記現在ブロックの左上端の第1の領域を除外した前記現在ブロックの第2の領域をゼロアウトするステップと、
前記変換係数の量子化を介して導出されたレジデュアル情報及びMTSカーネルに関連するMTSインデックスをエンコーディングするステップと、を含む、映像エンコーディング方法。
【請求項8】
前記第1の領域は、前記現在ブロックの左上端16×16領域である、請求項7に記載の映像エンコーディング方法。
【請求項9】
前記MTSインデックスは、コーディングユニットレベルでシグナリングされる、請求項7に記載の映像エンコーディング方法。
【請求項10】
前記現在ブロックに適用されるLFNSTカーネルに関連するLFNSTインデックスをシグナリングするステップをさらに含み、
前記LFNSTインデックスのシグナリング直後に前記MTSインデックスがシグナリングされる、請求項9に記載の映像エンコーディング方法。
【請求項11】
前記現在ブロックのツリータイプがデュアルツリールマまたはシングルツリーであり、
前記LFNSTインデックスの値が0であることに基づいて、前記MTSインデックスがシグナリングされる、請求項10に記載の映像エンコーディング方法。
【請求項12】
映像情報に対するデータを送信する方法において、
レジデュアル情報を含む前記映像情報のビットストリームを取得するステップと、
前記映像情報のビットストリームを含む前記データを送信するステップと、を含み、
前記レジデュアル情報は、現在ブロックに対する予測サンプルを導出し、前記予測サンプルに基づいて前記現在ブロックに対するレジデュアルサンプルを導出し、前記レジデュアルサンプルに対するMTSに基づいて前記現在ブロックに対する変換係数を導出し、前記現在ブロックの左上端の第1の領域を除外した前記現在ブロックの第2の領域をゼロアウトし、前記ビットストリームを生成するために、前記変換係数の量子化を介して導出されたレジデュアル情報及びMTSカーネルに関連するMTSインデックスをエンコーディングすることにより生成される、データ送信方法。
【国際調査報告】