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特表2022-551159LDMOSデバイス及びその製造方法
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  • 特表-LDMOSデバイス及びその製造方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-07
(54)【発明の名称】LDMOSデバイス及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/336 20060101AFI20221130BHJP
   H01L 29/06 20060101ALI20221130BHJP
【FI】
H01L29/78 301D
H01L29/78 301W
H01L29/06 301F
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022521329
(86)(22)【出願日】2020-08-18
(85)【翻訳文提出日】2022-05-19
(86)【国際出願番号】 CN2020109700
(87)【国際公開番号】W WO2021068647
(87)【国際公開日】2021-04-15
(31)【優先権主張番号】201910948225.2
(32)【優先日】2019-10-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512154998
【氏名又は名称】無錫華潤上華科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】CSMC TECHNOLOGIES FAB2 CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.8 Xinzhou Road Wuxi New District,Jiangsu 214028 China
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100185269
【弁理士】
【氏名又は名称】小菅 一弘
(72)【発明者】
【氏名】ジン フアジュン
(72)【発明者】
【氏名】スン グイペン
【テーマコード(参考)】
5F140
【Fターム(参考)】
5F140AA25
5F140AA30
5F140AC21
5F140AC36
5F140BA01
5F140BA16
5F140BC12
5F140BF01
5F140BF04
5F140BG08
5F140BH30
5F140BH47
5F140CC01
5F140CC03
5F140CC08
5F140CD09
(57)【要約】
本発明は、LDMOSデバイス及びそのデバイスの形成方法に関し、該LDMOSデバイスは、n個のエッチング停止層を含むバリア層を含む。絶縁層は、隣接するエッチング停止層の間に形成される。層間誘電体層と絶縁層の両方は、エッチング停止層の材料とは異なる酸化物であるため、エッチングプロセスは、酸化物の中で進行する時に、n個のエッチング停止層で停止して、n個のエッチング停止層のそれぞれで終端するn個のフィールドプレートホールを形成することができる。ゲート構造に近い第1のフィールドプレートホールの下端はドリフト領域に最も近く、ドレイン領域に近い第nのフィールドプレートホールの下端はドリフト領域から最も遠い。この配置により、ドリフト領域の前端及び後端の周りにより均一な電界強度を得ることができ、その結果、ドリフト領域全体の電界分布が効果的に改善されるため、ブレークダウン電圧が増加する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドレイン領域が画定されたドリフト領域と、ソース領域が画定されたボディ領域とが画定された半導体基板を提供するステップと、
前記半導体基板上にn個のエッチング停止層を含むバリア層を堆積するステップであって、nは2以上の整数であり、前記エッチング停止層は互いに積層され、前記エッチング停止層から前記半導体基板までの距離は、第1のエッチング停止層から第nのエッチング停止層へと増加し、前記第1のエッチング停止層と前記半導体基板との間に絶縁層が配置され、隣接する各2つのエッチング停止層の間に絶縁層が配置されるステップと、
層間誘電体層を形成し、前記バリア層と一緒に前記層間誘電体層をエッチングしてn個のフィールドプレートホールを形成するステップであって、第1のフィールドプレートホールから第nのフィールドプレートホールは、それぞれ前記第1のエッチング停止層から第nのエッチング停止層に配置されるステップと、を含む、LDMOSデバイスの形成方法。
【請求項2】
ゲート構造が前記半導体基板上に形成され、前記ゲート構造に近い前記第1のフィールドプレートホールの下端が前記ドリフト領域に最も近く、前記ドレイン領域に近い前記第nのフィールドプレートホールの下端が前記ドリフト領域から最も遠いように、前記第1のフィールドプレートホールから第nのフィールドプレートホールの下端は、前記ドリフト領域から、前記ゲート構造から前記ドレイン領域への方向に徐々に増加する距離だけ離間されている、請求項1に記載のLDMOSデバイスの形成方法。
【請求項3】
前記層間誘電体層と前記絶縁層の両方は酸化物を含み、前記エッチング停止層は窒化物を含み、
前記バリア層と一緒に前記層間誘電体層をエッチングしてn個のフィールドプレートホールを形成するステップは、
前記第1のフィールドプレートホールから第(n-1)のフィールドプレートホールのそれぞれについて、酸化物対窒化物の低選択比で前記層間誘電体層をエッチングしてホールを形成し、第mのエッチング停止層がエッチングされるまで該ホールをエッチングし、酸化物対窒化物の増加した選択比で対応する絶縁層をエッチングし、エッチングが第(m-1)のエッチング停止層に到達することを検出するとエッチングを停止して、第(m-1)のフィールドプレートホールを前記第(m-1)のエッチング停止層上に形成するステップであって、mは、1より大きくn以下の整数であるステップと、
前記第nのフィールドプレートホールについて、前記第nのエッチング停止層が露出するまで、酸化物対窒化物の高選択比で前記層間誘電体層をエッチングし、エッチングが前記第nのエッチング停止層に到達することを検出するとエッチングを停止して、前記第nのフィールドプレートホールを前記第nのエッチング停止層上に形成するステップと、を含む、請求項2に記載のLDMOSデバイスの形成方法。
【請求項4】
前記層間誘電体層を形成し、前記バリア層と一緒に前記層間誘電体層をエッチングしてn個のフィールドプレートホールを形成するステップは、
前記層間誘電体層をエッチングして、前記ソース領域で終端するソースコンタクトホール及び前記ドレイン領域で終端するドレインコンタクトホールを形成するステップと、
前記ソースコンタクトホール、前記ドレインコンタクトホール及び前記n個のフィールドプレートホールに金属を充填して、ソース電極、ドレイン電極及びn個のフィールドプレートを形成するステップと、を更に含む、請求項3に記載のLDMOSデバイスの形成方法。
【請求項5】
前記絶縁層はそれぞれ500Å~2000Åの厚さを有し、及び/又は、前記エッチング停止層はそれぞれ100Å~200Åの厚さを有する、請求項1~4のいずれか一項に記載のLDMOSデバイスの形成方法。
【請求項6】
前記ゲート構造は、前記半導体基板上に順次配置されたゲート酸化層及びゲート電極、並びに前記ゲート電極の両側にあるスペーサーを含む、請求項2に記載のLDMOSデバイスの形成方法。
【請求項7】
前記バリア層は、前記ドリフト領域上に形成され、前記ゲート構造及び前記ドレイン領域と一部重なる、請求項6に記載のLDMOSデバイスの形成方法。
【請求項8】
ドレイン領域が画定されたドリフト領域と、ソース領域が画定されたボディ領域とが画定された半導体基板と、
前記半導体基板上に配置され、n個のエッチング停止層を含むバリア層であって、nは2以上の整数であり、前記エッチング停止層は互いに積層され、前記エッチング停止層から前記半導体基板までの距離は、第1のエッチング停止層から第nのエッチング停止層へと増加し、前記第1のエッチング停止層と前記半導体基板との間に絶縁層が配置され、隣接する各2つのエッチング停止層の間に絶縁層が配置されるバリア層と、
前記半導体基板を覆う層間誘電体層と、を含み、
n個のフィールドプレートを更に含み、第1のフィールドプレートから第nのフィールドプレートがそれぞれ、前記第1のエッチング停止層から第nのエッチング停止層上に配置される、LDMOSデバイス。
【請求項9】
ゲート構造が前記半導体基板上に形成され、前記ゲート構造に近い前記第1のフィールドプレートの下端が前記ドリフト領域に最も近く、前記ドレイン領域に近い前記第nのフィールドプレートの下端が前記ドリフト領域から最も遠いように、前記第1のフィールドプレートから第nのフィールドプレートの下端は、前記ドリフト領域から、前記ゲート構造から前記ドレイン領域への方向に徐々に増加する距離だけ離間されている、請求項8に記載のLDMOSデバイス。
【請求項10】
前記層間誘電体層は酸化物を含む、請求項8に記載のLDMOSデバイス。
【請求項11】
前記絶縁層は酸化物を含み、前記絶縁層はそれぞれ500Å~2000Åの厚さを有し、及び/又は、前記エッチング停止層はそれぞれ100Å~200Åの厚さを有する、請求項8~10のいずれか一項に記載のLDMOSデバイス。
【請求項12】
前記バリア層は、前記ドリフト領域上に形成され、前記ゲート構造及び前記ドレイン領域と一部重なる、請求項9に記載のLDMOSデバイス。
【請求項13】
前記バリア層と前記ゲート構造との重なり領域は、0.1μm~0.2μmの長さを有する、請求項12に記載のLDMOSデバイス。
【請求項14】
前記フィールドプレートは金属製のフィールドプレートである、請求項9に記載のLDMOSデバイス。
【請求項15】
前記フィールドプレートのホールは、同じ断面サイズを有する、請求項9に記載のLDMOSデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本開示は、2019年10月8日に出願された「LDMOSデバイス及びその製造方法」と題された中国特許出願第201910948225.2号の優先権を主張するものであり、その全ての内容は、参照により本明細書に組み込まれるものとする。
【0002】
技術分野
本開示は、半導体技術の分野に関し、より具体的には、LDMOSデバイス及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0003】
横方向二重拡散MOSFET(LDMOS)デバイスは、低電圧信号デバイス及び他のデバイスとシングルチップに集積しやすく、耐圧が高く、利得が高く、歪みが低いなどの利点を有するため、パワー集積回路に広く使用されている横型パワーデバイスである。
【0004】
このようなパワー集積回路の性能は、用いたLDMOSデバイスの構造及び性能に直接依存する。LDMOSデバイスの性能を評価するための主な基準には、そのオン抵抗とブレークダウン電圧が含まれる。オン抵抗が低く、かつブレークダウン電圧が高いほど、LDMOSデバイスの性能が良い。従来、シャロートレンチアイソレーション(STI)技術は、一般に、ブレークダウン電圧を増加させるために使用されている。しかしながら、実際の使用において、本発明者らは、この技術がオン抵抗の増加につながる傾向があることを発見した。したがって、オン抵抗性能の妥協という犠牲を払うことなく、ブレークダウン電圧が増加したLDMOSデバイスを開発する必要がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本項の記述は、本開示に関連する背景情報を提供するものに過ぎず、必ずしも先行技術を構成するものではない。
【0006】
本開示の様々な実施形態によれば、LDMOSデバイス及びそのデバイスの形成方法が提供される。
【0007】
本開示の一態様によれば、
ドレイン領域が画定されたドリフト領域と、ソース領域が画定されたボディ領域とが画定された半導体基板を提供するステップと、
前記半導体基板上にn個のエッチング停止層を含むバリア層を堆積するステップであって、nは2以上の整数であり、前記エッチング停止層は互いに積層され、前記エッチング停止層から前記半導体基板までの距離は、第1のエッチング停止層から第nのエッチング停止層へと増加し、前記第1のエッチング停止層と前記半導体基板との間に絶縁層が配置され、隣接する各2つのエッチング停止層の間に絶縁層が配置されるステップと、
層間誘電体層を形成し、前記バリア層と一緒に前記層間誘電体層をエッチングしてn個のフィールドプレートホールを形成するステップであって、第1のフィールドプレートホールから第nのフィールドプレートホールは、それぞれ前記第1のエッチング停止層から第nのエッチング停止層に配置されるステップと、を含む、LDMOSデバイスの形成方法が提供される。
【0008】
本開示の別の態様によれば、
ドレイン領域が画定されたドリフト領域と、ソース領域が画定されたボディ領域とが画定された半導体基板と、
前記半導体基板上に堆積され、n個のエッチング停止層を含むバリア層であって、nは2以上の整数であり、前記エッチング停止層は互いに積層され、前記エッチング停止層から前記半導体基板までの距離は、第1のエッチング停止層から第nのエッチング停止層へと増加し、前記第1のエッチング停止層と前記半導体基板との間に絶縁層が配置され、隣接する各2つのエッチング停止層の間に絶縁層が配置されるバリア層と、
前記半導体基板を覆う層間誘電体層と、を含み、
n個のフィールドプレートを更に含み、第1のフィールドプレートから第nのフィールドプレートがそれぞれ、第1のエッチング停止層から第nのエッチング停止層上に配置される、LDMOSデバイスが提供される。
【0009】
本発明の1つ以上の実施形態の詳細は、以下の図面及び詳細な説明に記載される。本発明の他の特徴、目的及び利点は、明細書、図面、及び特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本明細書に開示された発明の実施形態又は例をよりよく説明及び例示するために、1つ以上の添付の図面を参照することができる。添付の図面を説明するために使用される追加の詳細又は例は、開示された発明、現在説明されている実施形態及び/又は例、並びにこれらの発明の現在理解されている最良の形態のいずれかの範囲への限定と見なされるべきではない。
【0011】
図1】本開示の一実施形態に係るLDMOSデバイスの形成方法のフローチャートである。
図2A図1の方法を例示する構造の概略断面図である。
図2B図1の方法を例示する構造の概略断面図である。
図2C図1の方法を例示する構造の概略断面図である。
図2D図1の方法を例示する構造の概略断面図である。
図2E図1の方法を例示する構造の概略断面図であり、この図は、この実施形態に従って形成されたLDMOSデバイスを示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本開示の目的、特徴及び利点は、添付の図面を参照して特定の実施形態として記載されている以下のより詳細な説明を読むことでより明らかになるであろう。本明細書に開示された特定の実施形態は、本開示を例示するためのものに過ぎず、限定することを意図していないことに留意されたい。
【0013】
特に定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語及び科学用語は、本開示が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的とするものであり、本開示を限定することを意図するものではない。本明細書で使用される場合、「及び/又は」という用語は、関連する列挙された項目のいずれか及び1つ以上の全ての組み合わせを含む。
【0014】
図1を参照すると、本開示の一実施形態に係るLDMOSデバイスの形成方法は、以下に詳述されるステップS100~S300を含む。
【0015】
S100では、ドレイン領域が画定されたドリフト領域と、ソース領域が画定されたボディ領域とが画定された半導体基板を提供し、半導体基板上にゲート構造を形成する。
【0016】
具体的には、図2Aを参照すると、半導体基板100は、シリコン基板、シリコンオンインシュレータ(SOI)基板などであってもよい。本実施形態では、半導体基板100は、エピタキシャル成長によって形成され得るp型シリコン基板である。ボディ領域110は、ウェル注入プロセスを使用して半導体基板100に形成されたpウェルであってもよい。ドリフト領域120は、続いて半導体基板100に形成された低濃度ドープn型領域であってもよい。ソース領域111は、n型ドーパントをボディ領域110に注入することにより形成されてもよく、ドレイン領域121は、n型ドーパントをドリフト領域120に注入することにより形成されてもよい。ソース領域111及びドレイン領域121のドーピングは、同じドーパント濃度で同時に実行されてもよい。
【0017】
ゲート構造130は、半導体基板100上に形成され、ボディ領域110及びドリフト領域120の両方と一部重なる。ゲート構造130は、半導体基板100上に順次形成されたゲート酸化物層131及びゲート電極132を含んでもよい。ゲート酸化物層131は二酸化ケイ素であってもよく、ゲート電極132は金属、ポリシリコンなどであってもよい。ゲート構造130は、ゲート電極132の両側にあるスペーサーを更に含んでもよい。
【0018】
本実施形態では、ドレイン領域121の周りに形成されたシャロートレンチアイソレーション(STI)構造はない。これにより、形成されるデバイスのオン抵抗を大幅に低減することができる。
【0019】
S200では、半導体基板上にn個のエッチング停止層を含むバリア層を形成し、nは2以上の整数であり、エッチング停止層は、半導体基板までの距離が第1のエッチング停止層から第nのエッチング停止層へと増加するように互いに積層され、絶縁層が隣接するエッチング停止層の間に配置される。
【0020】
図2Bを参照すると、バリア層140は、ゲート構造130上に堆積される。バリア層140は、第1の絶縁層、第1のエッチング停止層、第2の絶縁層、第2のエッチング停止層、...、第nの絶縁層、及び第nのエッチング停止層の順序で基板から上向きに(半導体基板100から離れる向きに)交互に積層されたn個の絶縁層141及びn個のエッチング停止層142を含む。第1の絶縁層は、第1のエッチング停止層と半導体基板との間に挿入される。nは2以上の整数である。即ち、バリア層140は、少なくとも2つの絶縁層141及び少なくとも2つのエッチング停止層142を含む。絶縁層141は、隣接するエッチング停止層142の間に配置されて、隣接するエッチング停止層142を絶縁する。
【0021】
本実施形態では、バリア層140は、例として、2つのエッチング停止層142及び2つの絶縁層141を含む。図2Bに示すように、バリア層140は、第1の絶縁層141a、第1のエッチング停止層142a、第2の絶縁層141b及び第2のエッチング停止層142bを含む。第1の絶縁層141a及び第2の絶縁層141bは、酸化ケイ素などの同じ材料で形成されてもよい。第1のエッチング停止層142a及び第2のエッチング停止層142bは、窒化ケイ素などの同じ材料で形成されてもよい。
【0022】
本実施形態では、各絶縁層141は均一な厚さを有し、各エッチング停止層142も均一な厚さを有する。絶縁層141の厚さは、ドリフト領域120の空乏化に影響を与える。絶縁層141が薄すぎると、ドリフト領域120の空乏化(ディプレッション)が速すぎて、ブレークダウン電圧を増加させることができない。しかしながら、絶縁層141が厚すぎると、ドリフト領域120は完全には空乏化できない可能性がある。これらの理由により、本開示において、第1の絶縁層141a及び第2の絶縁層141bの厚さは、500Å、1000Å、1500Å又は2000Åなど、500Å~2000Åの範囲であってもよく、好ましくは、両方とも1000Åであってもよい。第1のエッチング停止層142a及び第2のエッチング停止層142bの厚さは、100Å、150Å又は200Åなど、100Å~200Åの範囲であってもよく、好ましくは、両方とも150Åであってもよい。
【0023】
その後に、フォトレジストを第2のエッチング停止層142bの表面に塗布し、続いて露光及び現像などの一連のプロセスを行って、フォトレジストに開口部を有するパターンを形成する。フォトレジストの残りの部分をマスクとして、ドライエッチング技術を用いて、第2のエッチング停止層142b、第2の絶縁層141b、第1のエッチング停止層142a及び第1の絶縁層141aを連続してエッチングすることにより、バリア層140の残りの部分は、ゲート電極132とドレイン領域121の両方に跨る。即ち、図2Cに示すように、バリア層140の残りの部分は、ドリフト領域120を覆い、一方側ではゲート電極132まで延び、反対側ではドレイン領域121まで延びる。これに続いて、第2のエッチング停止層142bの表面上のフォトレジストを除去する。バリア層140は、ドレイン領域121とゲート構造130内のポリシリコンゲート電極との間の距離を増加させることができ、その結果、デバイスのブレークダウン電圧を更に増加する。本実施形態では、バリア層140とゲート構造130との重なり領域は、0.1μm~0.2μmの長さを有してもよい。
【0024】
S300では、層間誘電体層を形成してから、層間誘電体層とバリア層をエッチングして、第1のエッチング停止層から第nのエッチング停止層のそれぞれ上に第1のフィールドプレートホールから第nのフィールドプレートホールを形成する。
【0025】
図2Dを参照すると、層間誘電体層150は、最後(直前)のステップからの構造上に堆積される。層間誘電体層150は酸化物であってもよい。フォトレジストを層間誘電体層150上にコーティングしてから、パターン化して、開口部を形成してもよい。フォトレジストをマスクとして、層間誘電体層150をエッチングして、更にホールを形成してもよい。
【0026】
エッチングは、ホールの中で更に下向きに(半導体基板100側へ)進行してもよい。絶縁層141及びエッチング停止層142は異なる材料で形成されるので、得られたフィールドプレートホールは、異なるエッチング停止層142で終端してもよい。本実施形態では、第1のフィールドプレートホールから第nのフィールドプレートホールは、それぞれ第1のエッチング停止層から第nのエッチング停止層で終端する。言い換えれば、第1のフィールドプレートホールは、第1のエッチング停止層で終端し、第2のフィールドプレートホールは、第2のエッチング停止層で終端し、...、そして第nのフィールドプレートホールは、第nのエッチング停止層で終端する。
【0027】
具体的には、第1のフィールドプレートホールから第(n-1)のフィールドプレートホールのそれぞれの形成は、酸化物と窒化物のエッチング速度が同等であることを意味する酸化物対窒化物の低選択比で層間誘電体層をエッチングしてホールを形成し、続いてエッチングして第mのエッチング停止層(mは1より大きくn以下の整数である)に到達するまで、ホールにおけるエッチングプロセスを継続することと、絶縁層がエッチングされ、かつ第(m-1)のエッチング停止層が露出するまで、第mのエッチングストップ層と第(m-1)のエッチングストップ層との間の絶縁層を、酸化物対窒化物の増加した選択比で(即ち、酸化物のエッチング速度をより速くして)エッチングすることと、を含んでもよく、エッチング装置は、窒化物に到達することを検出すると、エッチングプロセスを停止させることにより、第(m-1)のエッチング停止層で終端するフィールドプレートホール、即ち第(m-1)のフィールドプレートホールが形成される。第1のフィールドプレートホールから第(n-1)のフィールドプレートホールの他のものも同様の方法で形成されてもよい。第nのフィールドプレートホールの形成は、酸化物対窒化物の高選択比で層間誘電体層をエッチングし、エッチング装置が第nのエッチング停止層に到達することを検出するとエッチングプロセスを停止して、第nのエッチング停止層で終端する第nのフィールドプレートホールを形成することを含んでもよい。
【0028】
本実施形態では、第1のフィールドプレートホールから第nのフィールドプレートホールの下端は、ドリフト領域120から、ゲート構造130からドレイン領域121へ方向に徐々に増加する距離だけ離間されている。したがって、第1のフィールドプレートホールはゲート構造130に近く、第nのフィールドプレートホールはドレイン領域121に近い。第1のフィールドプレートホールの下端は、ドリフト領域120に最も近く、第nのフィールドプレートホールの下端は、ドリフト領域120から最も遠い。この配置により、ドリフト領域120の前端(ゲート構造130に近い)及び後端(ドレイン領域121に近い)の周りにより均一な電界強度を得ることができ、その結果、LDMOSデバイスのブレークダウン電圧が増加する。
【0029】
バリア層140が第1の絶縁層141a、第1のエッチング停止層142a、第2の絶縁層141b及び第2のエッチング停止層142bを含む例を続けると、図2Dに示すように、2つのフィールドプレートホールが形成される。まず、層間誘電体層150を酸化物対窒化物の低選択比でエッチングする。エッチングプロセスが層間誘電体層150の中で下向きに進行し、第2のエッチング停止層142bに到達すると、酸化物及び窒化物のエッチング速度が同等であることを意味する酸化物対窒化物の低選択比のため、エッチングプロセスは、第2のエッチング停止層142bの中で進行し続け、第2のエッチング停止層142bを通って停止する。その後、下にある第1のエッチング停止層142aが露出するまで、第2の絶縁層141bを、エッチングプロセスが窒化物よりもはるかに速く酸化物の中で進行できる酸化物対窒化物の増加した選択比でエッチングする。エッチング装置が第1のエッチング停止層142aに到達することを検出すると、エッチングを停止して、第1のフィールドプレートホール151を形成する。図2Eに示すように、次に、別のマスクを使用して、第2のエッチング停止層142bが露出するまで、層間誘電体層150を酸化物対窒化物の高選択比でエッチングし、エッチング装置が第2のエッチング停止層142bに到達することを検出すると、エッチングを停止して、第2のフィールドプレートホール152を形成する。
【0030】
第1のフィールドプレートホール151の形成中に、ソースコンタクトホール及びドレインコンタクトホールも、層間誘電体層150をエッチングすることにより形成されてもよい。ソースコンタクトホール及びドレインコンタクトホールの形成は、層間誘電体層150の酸化物のみをエッチングすることを含むため、選択比のいかなる変化によっても影響を受けない。
【0031】
n個のフィールドプレートホール、ソースコンタクトホール及びドレインコンタクトホールの形成に続いて、金属をそれらに充填してn個のフィールドプレート、1つのソース電極及び1つのドレイン電極を形成してもよい。金属はタングステン又は銅であってもよい。
【0032】
本実施形態では、バリア層140は、n個のエッチング停止層142を含み、絶縁層141は、隣接するエッチング停止層142の間に配置される。層間誘電体層150と絶縁層141の両方は、エッチング停止層142の材料とは異なる酸化物であるため、エッチングプロセスは、酸化物の中で進行する時に、n個のエッチング停止層142で停止して、n個のエッチング停止層142のそれぞれで終端するn個のフィールドプレートホールを形成することができる。ゲート構造130の近くにある第1のフィールドプレートホールの下端は、ドリフト領域120に最も近く、ドレイン領域121の近くにある第nのフィールドプレートホールの下端は、ドリフト領域120から最も遠い。この配置により、ドリフト領域120の前端及び後端の周りにより均一な電界強度を得ることができ、その結果、ドリフト領域全体の電界分布が改善されるため、LDMOSデバイスのブレークダウン電圧が増加する。更に、本開示によれば、ドレイン領域121の周りにSTI構造がないので、より低いオン抵抗を得ることができる。したがって、本開示に従って形成されたデバイスは、より低いオン抵抗と増加したブレークダウン電圧の両方を示し、デバイスのより良い性能を得る。
【0033】
図2Eを参照すると、本開示の一実施形態に係るLDMOSデバイスは、ボディ領域110及びドリフト領域120が画定された半導体基板100を含む。ボディ領域110では、ソース領域111が画定されており、ドリフト領域では、ドレイン領域121が画定されている。ゲート構造130は、半導体基板100上に配置される。ゲート構造130は、半導体基板上に順次配置されたゲート酸化物層及びゲート電極を含む。ゲート構造130は、ゲート酸化物層及びゲート電極の両側にあるスペーサーを更に含む。
【0034】
バリア層140は、ゲート構造130とドレイン領域121の両方と重なるように、ドリフト領域120上に配置される。バリア層140は、ドレイン領域121とポリシリコンゲート電極との間の距離を増加させることができ、その結果、デバイスのブレークダウン電圧が更に増加する。バリア層140は、半導体基板100上にあるn個のエッチング停止層142を含み、nは2以上の整数である。n個のエッチング停止層は、半導体基板110までの距離が第1のエッチング停止層から第nのエッチング停止層へと増加するように互いに積層される。絶縁層141は、隣接するエッチング停止層の間に配置される。
【0035】
絶縁層141のそれぞれは、酸化ケイ素で形成されてもよく、500Å、1000Å、1500Å又は2000Åなど、500Å~2000Åの範囲の厚さを有してもよく、好ましくは、厚さが1000Åであってもよい。エッチング停止層142のそれぞれは、窒化ケイ素で形成されてもよく、100Å、150Å又は200Åなど、100Å~200Åの範囲の厚さを有してもよく、好ましくは、厚さが150Åであってもよい。
【0036】
上記得られた構造は、酸化ケイ素などの絶縁層141と同じ材料で形成され得る層間誘電体層150によって覆われる。層間誘電体層150には、n個のフィールドプレートが形成される。第1のフィールドプレートから第nのフィールドプレートは、それぞれ第1のエッチング停止層から第nのエッチング停止層で終端する。即ち、第1のフィールドプレートは、第1のエッチング停止層で終端し、第2のフィールドプレートは、第2のエッチング停止層で終端し、...、そして第nのフィールドプレートは、第nのエッチング停止層で終端する。n個のフィールドプレートはすべて金属製のフィールドプレートである。金属はコバルト又は銅であってもよい。第1のフィールドプレートから第nのフィールドプレートの下端は、ドリフト領域から、第1のフィールドプレートから第nのフィールドプレートまでの順序で徐々に増加する距離だけ離間されている。第1のフィールドプレートは、ゲート構造130の近くにあるドリフト領域120の前端の周りに配置され、第1のフィールドプレートの下端は、ドリフト領域120に最も近い。第nのフィールドプレートは、ドレイン領域121の近くにあるドリフト領域120の後端の周りに配置され、第nのフィールドプレートの下端は、ドリフト領域から最も遠い。
【0037】
このLDMOSデバイスでは、バリア層140は、n個のエッチング停止層142を含み、絶縁層141は、隣接するエッチング停止層142の間に配置される。層間誘電体層150と絶縁層141の両方は、エッチング停止層142の材料とは異なる酸化物であるため、エッチングプロセスは、酸化物の中で進行する時に、n個のエッチング停止層142で停止して、n個のエッチング停止層142のそれぞれで終端するn個のフィールドプレートホールを形成することができる。ゲート構造130の近くにある第1のフィールドプレートホールの下端は、ドリフト領域120に最も近く、ドレイン領域121の近くにある第nのフィールドプレートホールの下端は、ドリフト領域120から最も遠い。この配置により、ドリフト領域120の前端及び後端の周りにより均一な電界強度を得ることができ、その結果、ドリフト領域全体の電界分布が改善されるため、ブレークダウン電圧が増加する。更に、本開示によれば、ドレイン領域121の周りにSTI構造がないので、より低いオン抵抗を得ることができる。したがって、本開示に従って形成されたデバイスは、より低いオン抵抗と増加したブレークダウン電圧の両方を示し、デバイスのより良い性能を得る。
【0038】
前述の実施形態の各技術的特徴は、任意に組み合わせられてもよい。説明を簡潔にするために、すべてのこのような組み合わせを上記で説明しないが、矛盾しない限り、これらの技術的特徴の組み合わせはいずれも本明細書の範囲に含まれると見なされる。
【0039】
以上に提示されたのは、本開示のいくつかの実施形態に過ぎない。これらの実施形態は、多少、具体的で詳細に説明されたが、いかなる意味においても本開示の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。当業者であれば、本開示の概念から逸脱することなく様々な変形及び修正を行うことができることに留意されたい。したがって、そのようなすべての変形及び修正は、添付の特許請求の範囲で定義されるように、本開示の範囲内に含まれることが意図されている。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
【国際調査報告】